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1961/10/26 第39回国会 参議院 参議院会議録情報 第039回国会 地方行政委員会 第7号
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1961/10/26 第39回国会 参議院

参議院会議録情報 第039回国会 地方行政委員会 第7号

#1
第039回国会 地方行政委員会 第7号
昭和三十六年十月二十六日(木曜日)
   午前十時五十五分開会
   ―――――――――――
  委員の異動
十月二十五日委員成瀬幡治君辞任につ
き、その補欠として占部秀男君を議長
において指名した。
本日委員鍋島直紹君、小柳牧衞君、加
瀬完君及び基政七君辞任につき、そ
の補欠として堀本宜実君、小山邦太郎
君、江田三郎君及び棚橋小虎君を議長
において指名した。
   ―――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     小幡 治和君
   理事      小林 武治君
           西田 信一君
           秋山 長造君
   委員
           小柳 牧衞君
           西郷吉之助君
           館  哲二君
           津島 壽一君
           鍋島 直紹君
           湯澤三千男君
           占部 秀男君
           棚橋 小虎君
           中尾 辰義君
  国務大臣
   自 治 大 臣 安井  謙君
  政府委員
   警察庁保安局長 木村 行藏君
   厚生省社会局長 太宰 博邦君
   自治政務次官  大上  司君
   自治大臣官房長 柴田  護君
   自治省財政局長 奧野 誠亮君
   消防庁次長   川合  武君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       福永与一郎君
  説明員
   建設省住宅局住
   宅総務課長   大津 留温君
   ―――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和三十六年度分の地方交付税の単
 位費用の特例に関する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○地方行政の改革に関する調査(北海
 道森町の火災に関する件)
○災害対策基本法案(内閣送付、予備
 審査)
   ―――――――――――
#2
○理事(西田信一君) ただいまから委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 十月二十五日付をもって委員成瀬幡治君が辞任され、その補欠として占部秀男君が委員に選任され、本日付をもって委員加瀬完君が辞任され、その補欠として江田三郎君が委員に選任されました。
   ―――――――――――
#3
○理事(西田信一君) まず、昭和三十六年度分の地方交付税の単位費用の特例に関する法律案を議題といたします。
 本案の質疑は、前回の委員会において終局いたしておりますので、これより直ちに討論に入ります。
 御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
#4
○秋山長造君 私は、社会党を代表して、ただいま議題となっております昭和三十六年度分の地方交付税の単位費用の特例に関する法律案に反対をするものであります。
 本法案は、本年八月行なわれた人事院勧告に基づく国家公務員の給与改定に見合う地方公務員の給与改定に必要な財源措置及び生活保護基準の引き上げに伴う地方負担分の財源措置として、二百十億円を地方団体に交付するための単位費用の改定であります。すでに先般、給与法案の本会議質問において、わが党代表が明らかにしたとおり、今回の人事院勧告は、本年四月現在の統計資料を基準にして、五月以降の物価、生計費の大幅値上がり、民間給与の大幅上昇を何ら考慮していないため、はなはだ不十分、不徹底なものとなっているのでありますが、政府の実施案は、五月にさかのぼるという人事院勧告すら尊重せず、十月から実施ということで、勧告の線から半年もずれているのでありまして、基本的にわれわれは反対せざるを得ないのであります。
 さらに、国家公務員に準じてということでありますが、国と地方では、給与の実態、人員構成、勤務の実態等に相当の違いがあります。たとえば、いわゆる役づきにいたしましても、国は四〇%、地方は二〇%で、そのうち、府県と市町村、また市町村相互間でも、はなはだしい相違があるのであります。したがって、ただ形式的に国家公務員の給与改定に準じて地方交付税をふやしただけでは、地方公務員の給与の矛盾を解決することにはならないのであります。昨年の給与改定のときにも問題になったとおり、最新の地方公務員給与の実態調査に基づく抜本的対策が焦眉の急務であります。また現在深刻な社会問題、政治問題に発展をしております炭鉱地帯、それから災害地や後進地域の市町村では、失業対策や災害対策などに財源を食われて、最小限度の給与改定にすら事欠いているところが少なくありません。本法案では、これらに対するこまかい配慮が全然なされておらないのであります。
 次に、政府は今回の補正予算で、学校や住宅建築について、一割程度の補助単価引き上げを行なったのでありますが、池田政策の失敗による諸物価の高騰を償うのには、なおほど遠く、計画どおりにこれらの事業をやろうとすれば、勢い一般財源をもって大幅な継ぎ足しを行なわねばならぬ実情であります。なるほど、その面の負担分については、若干の起債を認める親心は示されているのでありますが、その元利償還に対する財源措置が欠けていては問題を先に延ばしただけの結果に終わるのではないかと思います。しかも、事は学校や住宅に限ったことではなく、広く公共事業についても、一般行政費についても同様でありまして、このままでは本年度の地方財政計画が意欲的に盛り上げた五千五百五十七億円に上る公共事業の完全消化はとうてい不可能だと言わねばなりません。たとえば東京都のごとき富裕団体においてすら、新聞の報ずるところによれば、東京消防庁管内の各消防署の建築計画が、予算の単価と世間相場のあまりにも大幅な隔たりのため、工事を引き受ける業者がなくて、軒並み足踏み状態にあるといいますし、また最近開かれた日本銀行支店長会議でも、景気過熱のあおりを食って労働力不足は全国的に著しく、これが中小企業や公共事業にしわ任せされておることが報告されているのであります。地方財政計画で見積もられた労務費では、とても人を集めることすらむずかしい今日の実情であります。
 以上のような見地に立って、わが社会党は、衆議院段階で予算組みかえ動議を提出し、地方交付税についても、不十分ながら百四億円の増額を要求して地方財政当面の窮状を救おうとしたのでありますが、遺憾ながらわれわれの提案は政府、与党のいれるところとならず、問題の解決はあげて将来に持ち越されることになったのでありまして、われわれはこの理由からも、本法律案に残念ながら反対せざるを得ないものであります。
   ―――――――――――
#5
○理事(西田信一君) ただいま委員の異動がありましたので御報告いたします。
 本日付をもって委員基政七君が辞任され、その補欠として棚橋小虎君が委員に選任されました。
  ―――――――――――
#6
○理事(西田信一君) 他に御発言ございませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○理事(西田信一君) 別に御発言もなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○理事(西田信一君) 御異議ないと認めます。これより採決に入ります。
 昭和三十六年度分の地方交付税の単位費用の特例に関する法律案を問題に供します。本案を衆議院送付案どおり可決することに賛成の力の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#9
○理事(西田信一君) 挙手多数でございます。よって本案は多数をもって衆議院送付案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、諸般の手続等につきましては、先例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○理事(西田信一君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたしました。
   ―――――――――――
#11
○理事(西田信一君) 次に、地方行政の改革に関する調査を議題といたします。
 北海道森町大火について、関係当局から説明を聴取いたします。
#12
○政府委員(木村行藏君) 北海道森町大火の概況について御報告申し上げます。
 この資料はお手元に差し上げてございますが、二十五日現在――昨日現在の調査結果でありますので、その現段階における資料でございます。新聞紙上にも報道されておりますので、若干ダブる点もあるかと思いますけれども、御報告申し上げます。
 被災の日時は、十月二十三日の午後十一時四十五分に発火いたしまして、そうして翌日の午前五時四十分に鎮火いたしております。約六時間火災が続いたわけであります。
 それから被災の状況、災害の状況でありますが、焼失戸数四百七戸、焼失の世帯数は四百六十二世帯、それから罹災人員は千九百三十六名でございます。幸い死傷者はあまり大きくございませんで、死者は全然ございません。重傷者四名という程度であります。それからおもな焼失建造物は森町の町立病院、それから消防署、農業協同組合、北海道新聞森支局、電報電話局、拓殖銀行森支店、森信用金庫ということで、比較的公共の治安と関係の多い官署が若干燃えております。
 それから警察の警備活動でありますが、これは北海道警察本部が所轄しておりますところの森警察署管内の事件でありますので、森警察署部隊は、直ちに全員非常招集しまして、四十八名火災発生と同時に警備活動を開始いたしました。事態の拡大に伴って、風下の民家に避難命令を出しました。それから罹災者の避難誘導、それから救出作業に直ちに現場で当たりました。罹災者の収容状況といたしましては、森小学校に二百名収容いたし、それから森中学校に百名、それから森川保育所、ここには、先ほど申し上げた焼失しました森町立病院に入院した五十二名の入院患者を全部こちらに移しました。
 それから直ちに、函館方面本部の非常招集をしまして、応援部隊六十六名を編成しまして、それで翌日の午前三時に現場にその応援部隊は到着しました。そうして直ちに、今申し上げた被災者の救助、その町内の治安の維持、火災事件捜査に当たりました。それと別個に通信隊十名を編成しまして、先ほど申し上げましたように電報電話局が燃えております関係上、通信が全く途絶してしまったわけでありますが、この通信部隊が参りましてから、函館−森間の有線の通信を緊急仮設いたしまして、そして函館方面との連絡に当たりました。この通信部隊より若干先に先行いたしましたパトカー三台が、この有線の仮設があります前に、やはりパトカーで無線連絡をいたしまして、森警察署と函館警察本部との無線連絡に当たりました。それから函館警察本部から道警察本部にいろいろ火災の発生状況、罹災者の状況、その救助の状況を逐次道警察本部を通じて道庁に連絡いたしたわけであります。
 それから火災の原因につきましては、関係機関とも共同で調査いたしまして、現在までに判定しております一応の推定といたしましては、やはり失火かと思われます。その内容は、一応の推定でありますが、製材工の佐藤某を一応容疑者といたしまして任意に出頭を求めまして聴取いたしたのでありますが、その本人の自供によりますれば、二十三日の午後十一時ごろ、すなわち当日の十一時ごろ「富子の店」――これは発火元でありますが、に参りまして酒を飲もうといたしたわけであります。そうしますと、その店の女給は、もう閉店であるから困るということで断わりましたところ、非常に怒りまして、その女給にたばこを投げつけたのであります。そのたばこが羽目板と畳の間に落ちまして――その女給は探したようでありますけれども、見つからなかった。で、そのままにしておきましたが、あとで心配になりまして、十一時五十分ころ見回りに参りました。ところが、もうすでに当時火事が発生しておった、こういうふうな状況であります。
#13
○理事(西田信一君) 次に、消防庁川合次長より説明を聴取いたします。
#14
○政府委員(川合武君) 御報告申し上げます。火災の状況につきましては、ただいま警察庁の報告のとおりでございまして、消防関係の状況を御報告申し上げます。
 消防機関の出動の状況は、地元の消防本部が消防車二台、うちタンク車一台、人員が十八人。地元の消防団が消防車四台、可搬動力ポンプ四台、人員七個分団で百九十三名、ほかに函館市消防本部を初めといたしまして、計九市町村の消防本部並びに消防団が近隣から応援に参りまして、その総計が消防車二十四台、人員百八十七名でございます。なお、この消防活動途中におきまして、ホース五十本を焼失いたしております。御承知のように森町は――本回の不幸な大火を招来して申しわけございませんでございますが、実は率直に申し上げますと、この町は比較的消防につきましては進んでおると申しますか、町でもって消防署を作りました歴史は割合と古い、比較的早く作った町でございまして、現在の消防力の状況を申し上げますと、消防本部の自動車が二台、ただし、うち一台は十五年以上という古いものでございます。消防団の方は七個分団で、人員百九十三名――申し遅れましたが、消防本部のほうは一署、人員十八名でございます。消防団のほうは、ただいま申しかけましたように、七個分団百九十三名で、装備が――装備と申しますか、施設は、消防自動車四台、うち三台が十五年以上の古いものでございます。ほかに手引き動力ポンプ二台、小型動力ポンプ三台、なお水利は消火せんがございません。防火水槽は四十トン以上が十四、二十トン以上が八、計二十二。防火井戸は、四十トン以上二。消防望楼はございません。予算は大体町予算の八%強の予算でございます。私どもが今度の大火につきまして考えますことは、ただいま申し上げましたように、この森町は比較的消防署の古い歴史を持ち、努力をされておったわけでございますが、私どもの消防力の基準と申しますか、一つの目標から判断いたしますと、この町の状況を総合いたしまして、消防本部に三台の自動車ポンプ、消防団に二台の自動車ポンプを必要とするというふうな判断をいたしております。そこで、この消防力の基準から現有の力を見ました場合に、先ほど申し上げましたようなわけで、数は割合と基準に近い数を持っておりますが、先ほども申し上げましたように、何分にも古いポンプを持っておるという状況でございまして、今後私どもといたしましても努力しなければならない点があるかと思います。さらに水利が、消火せんがございませんで、これは目分量でございますが、かようなる地勢と申しますか、土地柄でもございますので、相当数の消火せん、全く目分量でございますが、百近くの消火せんを理想とするのではないかと思いまして、この点につきましては今後特別な配慮を必要とするというふうに思われる次第でございます。
 以上が消防関係の御報告でございますが、大火に至りましたことは、はなはだ申しわけない次第でございます。
#15
○理事(西田信一君) 厚生省社会局長。
#16
○政府委員(太宰博邦君) 今般の北海道森町の大火におきまする応急措置状況について御報告申し上げます。
 北海道の知事は、大火のまだおさまりません二十四日の午前三時に森町に災害救助法を発動するとともに、現地に災害の対策連絡所を設けて直ちに罹災者の救助に当たっております。現在までの応急救助のおもな状況は、避難所を六カ所ほど設けまして千九百人ほどそこに収容するとともに、この人たちにたき出しをいたしたわけであります。なお、日赤の伊達赤十字病院から医療班を急派いたしております。それから寒さのおりからでありまするので、衣料を直ちに送る必要があるということで、日本赤十字社、これは本社及び北海道の支部から衣料、毛布等約十万点を急送をいたしました。そのほか、国際の宗教団体で結成しておりますいわゆるCAC物資を、これを東京から約六十コリ、二千点を自衛隊の御協力をお願いいたしまして現地に空輸して配給いたしております。なお、今後の問題といたしましては、この罹災された方々に対して、直ちに応急仮設住宅の必要があると存じております。寒さに向かっておるときでありまするので、この点について早急に措置いたしますように北海道庁を督励いたしておる次第でございます。
#17
○理事(西田信一君) 大津留温建設省住宅局住宅総務課長。
#18
○説明員(大津留温君) 森町の大火の復興対策について御説明申し上げます。
 お手元に建設省住宅局から資料を差し上げておりますが、この災害の状況等は先ほど御説明がありましたから省略いたしまして、住宅の復興対策について申し上げます。大体大きく申しまして住宅金融公庫から災害復興住宅分の貸付を行ないますのと、災害公営住宅の建設に対しまして国から補助金を出すというこの二つが大きな対策でございます。
 この第一の住宅金融公庫からの融資でございますが、被災いたしました住宅の所有者あるいはそこに居住しておられた方、こういう方々が住宅を再建しようとなさる場合には、一戸当たり四十八万円の建設費をお貸しいたします。この四十八万円というのは、最近の物価の事情にかんがみまして、ただいま金額の引き上げを財政当局と交渉しておりますが、この被災住宅、この復興住宅は、たとえば店舗併用の住宅であってもけっこうでございますので、店と、裏の方には自分が居住するというような住宅を、店舗付住宅をお建てになるような場合もお貸しするわけでございます。これは融資の条件といたしましては、御承知と思いますが、年利五分五厘で三年以内の据置期間を含めまして、三十年の割賦償還になっております。北海道におきましては、御承知のように、北海道防寒住宅建設等促進法によりまして、この公庫から貸し付ける住宅の構造は、防寒構造であり、かつ、簡易耐火構造または耐火構造ということになっておるわけでございます。この分の融資のワクといたしましては、さきの第二室戸台風の災害融資の分に合わせまして、三十五億の融資のワクを増加いたしましたので、これでまかなえるのじゃないかと思っております。
 次に、公営住宅の建設でございますが、滅失戸数の三割に該当する戸数以内につきまして、町あるいは道において公営住宅をお建てになる場合には、その費用の三分の二を補助いたすわけでございますが、地元の方で、もし御要望があれば、三割をこえまして、一般のワクから充当することも検討したいと思っております。この点は地元のほうの御要望をよく聞いた上で善処したいと思います。
 簡単でございますが、説明を終わります。
#19
○理事(西田信一君) ただいまの説明に関し、御質疑の方は順次御発言を願います。
#20
○秋山長造君 住宅局長にお尋ねしたいのですが、なるほど、あの焼けた復興について、住宅金融公庫の融資だとか、その他の対策を御説明になったのですけれども、新聞で拝見したところによると、あの森町というのは非常に貧しい漁師町のようですね。それから建物なんかにしても、これは、トタン尾根だとか、スレートぶきなどというのはほとんどなくて、もう全くまさぶきの板囲い程度の掘立小屋のような、北海道入植以来の建物がそのままというような状態のようですがね。で、そういう非常に貧しいところでこういう大きな災害があったのですから、住宅金融公庫の融資というようなことは、言ってみてもなかなかそれにみんなが均霑するということはむずかしいのじゃないかと思うのですね。むしろ、やはり将来のことを考えますと、この間鹿児島の大火のときに、住宅地区改良法ですか、何か、あの適用をやられて、不燃住宅を建てるということにきまったようですがね。やはり森町なんかも、あの法律を適用して、そしてこの不燃性の恒久建築というものをやるべきじゃないかというように思うのですけれどもね、その点いかがですか。
#21
○説明員(大津留温君) 御指摘の点はまことにごもっともでございまして、こういった災いを転じまして、将来焼けない、耐久性のある住宅を建てていきたいというのを、私どもも同様に念願しておるところでございます。幸い、北海道につきましては、特に防寒的な見地もございまして、先ほど申しました、北海道防寒住宅建設促進法というのがございまして、公営住宅などはすべて防寒構造であり、かつ、耐火性の構造であるようにしなければならないということになっておりまして、この公営住宅は、在来ともすべて、少なくとも簡易耐火構造以上のものでやっております。したがいまして、先ほど御説明しましたけれども、災害公営住宅の建設も、構造といたしましては、ただいま申しましたような構造に全部なるわけでございます。で、御指摘の改良住宅で不燃化するというやり方もございますが、これは地元の町あるいは道の御当局の御意見も十分伺いまして、そういうような御希望があれば、もちろんそれでやるのも適当かと思います。
 なお、この町の比較的密集した、まあ繁華街といいますか、町の中心部につきましては、防災街区建築促進法という手法もございますので、それらの点につきましても、地元の御要望をよく伺った上で善処したいと思います。
#22
○秋山長造君 あの法律のこまかい手続なんかはわかりませんけれどもね、結論として、何ですか、さっきおっしゃった北海道の特別な立法があるとか、あるいは地元の希望があれば住宅地区改良法を適用してやってもいいというお話なんですが、これは地元からこの申請があれば、すぐそれで適用できるのですか。それから同時に、まあ六百戸ばかり焼けたのですが、それの全部にわたってこれは簡単にやれるのですか。漁師町で、しかも不漁続きで非常に貧しいということをさっきも申し上げましたが、そのような話なんですけれどもね、そういう人の負担能力ということも十分考え合わせなければならぬと思うのですが、そこら辺は今やれる……。
#23
○説明員(大津留温君) 公営住宅の建設は、災害によりまして滅失した戸数の三割に該当する戸数でございますね。
  〔理事西田信一君退席、委員長着席〕
 その三割までは、地元から御要望があれば必ず割り当てて補助いたします。それから、まあ御指摘のような状態の町でございますから、三割では少な過ぎるというような事情がございますならば、毎年やっております一般の公営住宅のワク内から優先的にワクを回すということも考えられることだと思います。
 それから住宅地区改良法の適用につきましては、地区の適用の基準がいろいろございますので、よく調査いたしまして、その指定の基準に該当しておりますならばその指定をいたしまして、不良住宅を除却し、そこに改良住宅を建設する、こういうことができることになっております。
#24
○西田信一君 今の問題に関連してお聞きするのですが、私は関連ですから、もっとほんとうは根本的なことからお聞きしたいのですが、単刀直入にお聞きしますけれども、私は森町の実態をよく知っておるから特にお聞きするのですが、あとで自治省あたりからお聞きしたいと思っておりますが、ここに出ておる資料にありますように、人口は二万そこそこ、財政の状態も貧弱だ、国の援助でやっておって、そういうところに今度こういう大火が起きたわけです。そこで、おそらく私の承知した範囲内においては、商店街よりも住宅地区が主としてやられたと聞いておる。この資料にも大体、そう書いてありますが、そこで、建設省としてあなた責任持ってお答えできるかどうかわからぬが、今度のこの国会に台風関係に関連して、鹿児島の大火の特別な立法措置が講ぜられておりますね。鹿児島でも七百戸ばかり焼けた。これはお気の毒で当然ああいう措置がとられてしかるべきだと思う。ところが、鹿児島とこれとを比較することが適当かどうかわかりませんが、町の力とかなんとかから比較しますと、あるいは被害の全体に対する割合からいきますと、鹿児島の七百戸と森の四百戸余というのは、町の規模とかあるいは町の力から言えば問題にならぬですね。私もそういう立法措置がこの国会において講ぜられておるときに、不幸にしてこういう火災が起きた、こういう被害が起きた。そこで、私どもは進んで何とか政府としては鹿児島同様の措置を講ぜられてしかるべきだと考えておったんだが、いまだにその措置がとられておらない。そこで、あなたの説明を聞くというと、三割の範囲内で少しくらい一般ワクから回してもいい、補助は三分の二という説明をしておられるけれども、一体その程度の手当で森町が十分であると考えておられるのかどうか、私は少なくとも鹿児島と同等の国の措置が講ぜられなければ、この復興というものはなかなかやれない。しかも、ああいう寒空を控えて雪が降っておるのですから、こういうときに少なくともこういうあたたかい措置がいち早く講ぜられてしかるべきだと思うのですが、そういう点について、どうもさっきの説明では、きわめて不十分だと感ぜられるのですが、その点はどうなんですか。
#25
○説明員(大津留温君) 先ほど御説明申した公営住宅の措置で十分であるとは、私どもも考えませんわけでございますが、どの程度の火災を特例法によって措置するかという、その基準は、なかなかはっきりした基準もございませんで、従来の例から申しますと、御承知と思いますが、火災で特例の措置をしたという例は、ことしのフェーン現象による三陸の火災と鹿児島市の火災が前例としてあるだけでございます。事務的に申しますと、どの程度の火災からそういった扱いをするのが妥当かどうか、非常にむずかしい問題でございまして、やはりこういった問題は、私どもの事務当局で判断するのが適当かどうか、非常にむずかしい点だと思います。ただ私どもといたしましては、現行制度のもとにおきまして、最大限の運用のよろしきを得まして、できるだけ罹災された方々の住宅の復興に当たっていきたい、こういう考えで先ほどから御説明いたしているような次第でございます。
#26
○西田信一君 どうも、むずかしい、むずかしいという御答弁だけれども、今度の鹿児島の場合も政府提案で出された。今度のこの状況を見ますと、消防庁が出している資料によりましても、二十三日の十三時、火災の起きるちょっと前に強風注意報が発令されている。相当の強風下においてこういう火災が起きている。そういう点から申しましても、それから、むずかしいとおっしゃるけれども、私はやはり相当規模の、四百戸以上というと相当規模の大火ですね。しかも、町の国がめんどう見なければならぬ必要度というものは、私は森の場合は、むしろ非常に高いのじゃないかというふうに考えるのです。ですから少なくとも、しかも現在、現に一方においては国会において審議されている。一方全くそういう時期にこういう大火が発生したわけですから、少なくともこれらを見合って判断をされてしかるべきだと、こういうふうに思うのですが、私はよくまだ知りませんけれども、衆議院でもこのことが問題になって、何か時間的に間に合わなかったのかどうかわかりませんが、少なくとも鹿児島の大火と同じような措置をするようにという附帯決議すら付せられたということを仄聞しているわけです、まだはっきり確かめておりませんが。少なくともそういうあれを待つまでもなく、私はこの点については、十分しかるべき御判断をなすってしかるべきじゃないかと思うのですが、どうでしょうか。今ここであなたに政府全体のあれを聞いても無理がもしれません。無理かもしれませんが、しからば、もう一歩下がって、衆議院で、私が聞いているような附帯決議のようなことが行なわれているといたします場合、参議院はこれからまだ審議するわけでありますけれども、少なくともこの時点に立ってどういうふうに措置されようとするのか、もう一ぺんお考えを伺いたいのですが。
#27
○説明員(大津留温君) ただいま御指摘ございましたように、衆議院の災害対策の委員会におきましては、この森町の火災につきましては、附帯決議におきまして、特例法の趣旨にのっとって善処するという意味の附帯決議がついております。そこで、私どもといたしましては、現行法の実施面でできるだけ最大限の考慮を払いまして、特例法の扱いを受けたところにできるだけ劣らない扱いをしたいと、こういう考えのもとに、先ほど御説明いたしました、たとえば公営住宅の建設の戸数につきましては、三割というのが限度でございますけれども、地元のほうからの御要望がございますならば、それをこえました分については、一般のワクから優先的に配分いたしたいと、こういうことによりまして、できるだけ救済の措置をしたい、こういう考えでおります。
#28
○西田信一君 それでは、私のほうからお尋ねしますが、同等に、劣らない程度の措置をするといたしますと、希望があれば五割までは考えるということなのか。それからもう一つ、これは戸数だけでなくて、補助率も三分の二を四分の三にするという特例法の内容になっているわけです。そうすると、この点についても同様の措置ができるというふうに解してよろしいのですか。
#29
○説明員(大津留温君) 補助率につきましては、ちょっと運営で措置するというわけには参らないと思うのです。
#30
○西田信一君 それでは、今あなたの御答弁になった、それに劣らない措置をするということにはならないと思うのです、数だけで……。自治省にお尋ねしますが、今のような準じた扱いをするという場合に、直接補助という問題は、それはいろいろ困難性があるいはあるかもしれませんが、それに準じた財政上のめんどうを見てやるということについて、自治省としては、森町の財政上の実態から、どんなふうにお考えでしょうか。
#31
○政府委員(奧野誠亮君) 公営住宅の建設につきましては、地方団体の所要資金について、起債の充当を考えたいと思います。ただ、その国庫負担率が引き上げにならないから、その残りの財源を地方交付税等で見るというふうでありますと、それはできないことであると、こう考えております。もとより、森町の全体的な財政需要を考えまして、十分な措置をとると、こういう別個の問題はあろうかと思います。そういう点については、できる限りの措置をとりたいと思っております。
#32
○西田信一君 あなたの御答弁はこういうことですか、三分の二を四分の三にするというそのままずばりのめんどうを見るということは困難であるけれども、町の財政全体からながめて、交付税等において考慮することは可能であると、こういう御答弁ですか。
#33
○政府委員(奧野誠亮君) 要するに、罹災救助とか、その他いろいろな費用が森町にかかってくるわけでありますので、その点は十分見たいと思います。ただ、公営住宅につきまして、国庫負担率がきまりますと、それがもとになりまして家賃の算定も行なわれて参ることになりますので、その際に、国庫負担率が高かったということを前提にして家賃をきめられても、それは自治省で別途の補てんをしていくという筋合いのものにはならないだろうと、こう考えておることを申し上げたわけでございます。
#34
○西田信一君 また私はあとでお尋ねすることにいたします。
#35
○秋山長造君 ついでに聞いておきますが、さっきの建設省のやっておられる不良住宅の改良ですね、これは一体、年にどのくらいの予算で、どのくらいの戸数を計画してやっておられるのですか。
#36
○説明員(大津留温君) 御承知と思いますが、住宅地区改良法というのが昨年できまして、昨年度から改良住宅の建設を始めておるわけでございます。第一年度である昨年度は、全国で二千戸実施いたしました。本年度は第二年度になったわけでございますが、四千戸をやっております。予算は、約十九億余でございます。
#37
○秋山長造君 これはまああなたに言ってみても仕方がないかもしれませんが、大臣にでも言わなければ仕方がないかもしれませんが、全国的にいろいろな統計を見ましても、まるでたきつけのような密集地帯というものが無数にあるわけですね。特に森町が今あがっているのですが、森町に類するような漁村、あるいは漁町もあるでしょうけれども、そういういわゆる漁師町なんというものは、特にその典型的なものだろうと思うのですね。非常に密集しているのですね。車も通れないというようなところが多いのですがね。こういうところを燃えてから対策を講ずるということも必要ですが、やはりこの住宅地区改良法なんかの趣旨も、事前にどんどん改良していこうという趣旨だろうと思うのです。それから考え、全国の実態から考えると、とても年四千戸というような計画では、これはもう火事のほうが先ばしってしまって、追っつかぬと思うのですが、こういうことに対して、住宅政策なんということは、相当大きく歴代の内閣が取り上げてきておられるのですけれども、一向にどうも、たばこの火ぐらいでちょっとの間に六百戸ぐらい燃えてしまうというようなことを繰り返しておったら、これはもうてんで問題にならぬと思うのですがね。もう少しやはり政府のほうも、大きい計画を立ててどんどん積極的に事前のやはり対策を講じてもらいたいと思う。
 それから厚生省のほうへお尋ねしますが、災害救助法か何かによって、こういう場合の見舞金が出ますね。あの見舞金はどのくらい出るのですか。家が全焼した場合とか、死んだ場合とかいうようにあるでしょう。
#38
○政府委員(太宰博邦君) ただいまの、たとえば災害の場合に、見舞金なりあるいは弔慰金というものが出ている例がございますが、これはそれぞれの地域の団体におきまして適宜やっていることでございまして、額も必ずしも一定しておらないと、かような状況であります。
#39
○秋山長造君 自治省のほうでその点、わかりませんか、こういう場合に地方団体から見舞金がどの程度出ているか。
#40
○政府委員(奧野誠亮君) 今もお話がありましたように、別に法的な基礎があってやっているわけではございませんで、地方団体の独自の判断でやっているわけでございまして、市町村、府県、両方とも見舞金を出しているところもございますれば、市町村だけが見舞金を出しているところもありますし、また、その金額も区々であります。大体全焼をした場合に数千円という額ではなかろうかと、こう思っております。
#41
○秋山長造君 この点、先ほどの住宅に対する融資だとか補助金だとかいうような道があるということはわかるのですけれども、さっきも言いますように、ただあるということだけで、きわめて限定されたもので、とてもそんなものでこのあとの復興が間尺に合うものではないと思います。しかも、年々歳々、風水害はもちろんですけれども、火災、それから交通事故なんかでも、ずいぶん死傷者がある。ことに、先般のわずか十日間の交通安全運動の期間に全国で四百人も死んでいるというようなことでありますが、こういう災害にあって人が死んだり、あるいは家が流されたり、あるいは焼けたりというようなことに対して、何か国として一つの、たとえば災害救助基金というようなもの、何かそういう制度を作られて、そうして一定の金額を平素から地方団体の財政需要の中にちゃんと含めて、そういうことにして、たとえば地方団体が半額、国が半額出す、それでその基金を作っておく。そしてこういう場合に、そのときどきの涙金というようなことでなしに、きちっと相当額のものを被災者へ支給する、即刻支給するというようなことを考えられてしかるべきじゃないかと思うのですが、公営企業金融公庫なんという制度があるのですが、そういうところで運営してもらってでもいいと私は思うのですが、そういう構想はないですか、ひとつ自治省。
#42
○政府委員(奧野誠亮君) これは全く個人的な考え方でございますけれども、地方団体は別にきまった財源の裏づけがないにもかかわらず、あえて災害の場合に、死亡者に見舞金を出しましたり、あるいは全焼家庭に対しまして見舞金を出したりしているわけでございます。それはやはり客観的な必然性が出て参ってきていることだと、こう思うのでありまして、やはり政治権力についての機能の考え方がだんだん変わってきているのだと私は思うのであります。そういうようなことになってきているなら、ある程度全国的な基準というようなものも作ってもらい、その財政的な裏づけをするということが、被災を大きく受けた団体の将来の財政のことも考えました場合には、必要なことじゃなかろうかと、こういう気持を持っておるわけであります。現在のところは、御承知のように災害が起こりました場合に、被害額の二%を特別交付税で交付したり、あるいは大火の場合に、一世帯当たり五千円という金額で特別交付税を算定したりいたしております。そういうことも、今おっしゃいましたようなことを頭に入れてそういう金額のはじき方をしているわけでございます。したがいまして、私どもは、災害救助法等におきまして、そういうような見舞金のことが将来法定されるように実は期待をいたしておるわけでございます。また、そういう制度が作られるなら、あえて積立金というようなことをする必要はないのであって、その裏づけの地方負担を同時に考えていけばよろしいのじゃないかと、こういうような気持を私個人としては強く持っておるわけであります。
#43
○秋山長造君 ただ特別交付税あたりで見ておられることはわかるのですけれども、そういうものはそんなに当事者へ幾らというていかぬものですから、その町村へいって、その町村がそれをいろんなことに使うわけで、その災害を受けた当事者に幾らというと、別にまとまった金がいくわけじゃないでしょう。だから、そこらにやはり地方住民に対する親切みというものが欠けているように感ずる点が非常に出てくる。結局は、災害にかかったのは運が悪いのだからお前のかいしょうで立ち直れと、こういうことだと思うのですよ、実際は。交通事故なんかについては、何か自動車災害保険かなんか、そういうもので若干は見られているようですけれども、それはまた建前が違うのですから別として、一番大きいのは今のこの天災地変による被災者、それからさらに交通事故等による死者ですね、こういうことに対して、何か国として、地方団体として、そういう、ただこういう特別交付金というようなもので町村全体としては何ぼか見ているじゃないかと言えば一応の説明はつきますけれども、どうもこれが当事者へいかぬので、それが当事者へいくような制度というものを私は考えてしかるべきじゃないかと思うのですが、これは自治省だけでなしに、厚生省や警察庁なんかのお考えもついでに聞いておきたいと思うのですけれども。
#44
○政府委員(太宰博邦君) それじゃ、私からただいまの私どもの見解を申し上げます。
 ただいまお話のようなことは、前々からおりに触れて伺っておるのであります。私どももいろいろ研究しておるのでありますが、一つには、大きな災害でありました場合でも、あるいは一軒二軒の被害でありましても、被害を受けましたその御家庭の立場から見ますれば、家全部が焼けたということは同じでございます。したがいまして、もしそういうことをいたしますとするならば、当然大災害のときばかりでなし、一軒、二軒の事故についても同じようにしなければ均衡を失するというようなこともありまして、それから、かようなことは、まあ見舞、弔慰というように、文字どおり近隣の方々が不幸がありました場合に、その気持を尽くすということでありまして、それはそれぞれの地域々々によりまして、必ずしも額が一定しない、一定しなければ相ならぬという筋合いのものでもないようにも思われるのでございます。さような点からいたしまして、従来さような場合には町内会とかあるいは市町村というような地域団体でかようなことをやっておるのであります。国といたしまして、今直ちに制度としてこれを手をつけることについては、まだにわかに決しかねる段階でございます。国としては、ただいまのところではそういう応急――その人たちの立ち直り、復旧というような面について助力すると、こういう立場に立っておるように考えます。
#45
○政府委員(木村行藏君) 先ほどお話がありましたように、交通事故による死傷者につきましては、このうちで自動車による罹災者に関しましては、御案内のとおり強制保険制度ができておりまして、それぞれ運転者が加入する、そして掛金をかけて、自分の運転によって死傷者を出した場合に、死者は五十万円、重傷者は三十万円、その他傷害に応じてそれぞれの額を出しておることはお話のとおりでございます。ただ、この制度はほかの災害、たとえば火薬類の事故による災害とか、あるいは火災による災害とか、その他の制度と若干基盤が違いますので、そのとおりにほかに及ぼすことはなかなか至難かと思いますが、おっしゃられるようなかわいそうな罹災者に対する社会救済という立場から、いろいろ検討をする余地は十分あるのではないかと思います。
#46
○秋山長造君 私はもうこれでやめますが、私は、そういう各地方団体個々ばらばらに適当に金一封包んで渡すというようなことでなしに、もう少しこの統一した何かそういう見舞金というか、寄付金と言うていいかわからぬけれども、要するに被災者個人へ、その当事者へ相当まとまった金が渡せるというような何か恒久的な一つの制度をぜひ考えてもらいたい――もらいたいじゃなしに、国としても、地方団体としても、それは当然の義務じゃないかと思うのですけれどもね、そういうことをぜひ考えていくべきじゃないかと思うのでこれは研究課題としてひとつ私の希望意見を申し上げておきます。
#47
○西田信一君 先ほどお答えがあった問題ですけれども、まず自治省にお伺いしますがね、この森町の財政その他の実態から申しましても、私は少なくとも、ただいま建設省がお答えになったように、必要があればこの滅失戸数の五割までも建ててやってもよろしい、戸数は、というお話だった。そして秋山さんが指摘されたように、全く貧乏町です。しかもそれは、住宅が多くやられておるという実態から見ましてね、家賃は自己負担の割合であれするのだということだけで割り切っていけないのじゃないかというふうに思うわけですが、この自治省が、森町の財政の実態とか、そういう状況から、ことに今度の災害の状況から考えまして、自治省としては、今の公営住宅等について、この程度の措置で、つまりその普通の扱いで十分だというふうにお考えになっておるのでしょうか。
#48
○政府委員(奧野誠亮君) 先ほど公営住宅ということで御質問があり、お答えをしたと思っておるのでありますが、要するに国庫負担率を引き上げられれば、それだけ地方団体の負担が少なくなりますし、また国庫負担率が引き上げられませんければ、地方団体の負担が多くなると思います。要するに地方負担の実態に応じて地方債資金を充当していきたい、こう考えておるということを申し上げたわけであります。地方債でございますれば、その元利償還額は当該地方団体に返還しなければなりませんでしょうし、また、この返還額が家賃算定の基礎に入ってくるだろうと思うのであります。その際に、国庫負担率が高くなったことを前提にして地方債資金を充当するということになってしまいますと、穴があいてしまいます。それはいたしません。やはり実際の使用額を基礎にして地方債の充当はしたいと思います。しかし逆に、地方債は一ぱいに充当しておいて、国庫負担率が高くなることを前提にした家賃をきめますと、穴があいてしまうわけであります。その穴を別途に埋めるというようなことは、これは地方交付税制度の運用その他においてとるべき措置ではない。やはり建設省が責任を持って負担率の適当なところでおきめをいただかなければいけないのじゃないだろうか、こう思っておるということであります。
#49
○西田信一君 私のお尋ねしておることは、そのことはよくわかっておるのです。そこで、たとえば補助率が三分の二とか四分の三では、地元の負担額が違うわけですから、それはもちろん起債に求めなければならぬ。起債は結局、家賃にふえていくということになりましょう。そこで、貧乏町の森町の実態から考えまして、少なくとも私は、たとえそれは起債をいたしましても、借金ですから、そういう形ではなかなか容易でないのじゃないかと思うわけです。ですから鹿児島なんかと比較してみて、森町は、そういうふうに国庫負担率を上げてやらなくてもやっていける、また、その負担能力、各戸の公営住宅に入った人もやっていけるだけの力を持っておる人たちであるというふうにお考えになって見ておられるかどうかということをお尋ねしておるわけです。
#50
○政府委員(奧野誠亮君) 私たちはもちろん、できる限り国庫負担率を引き上げてもらいたい、こういう希望を持っておるわけであります。鹿児島で引き上げられるならば、もちろん森町も引き上げてもらいたい、こういう希望を持っておるわけであります。ただ公営住宅の場合、本来市町村の負担に属する、たとえば庁舎の復旧でありますとか、あるいは都市計画事業の執行でありますとか、そういう場合の負担とは分けて措置をしていきたい、こう思っておるものですから、先ほど来のようなお答えをしておるわけであります。
#51
○西田信一君 そこで、建設省にもう一ぺんお聞きしますが、自治省は森町の実態というものがよくわかっておられるから今のような答弁をしておられるわけです。あなたのほうでは、そこまで森町の実態というものをお知りになっておらないと思う。ただ客観的な、表に現われてきたものだけで判断しておられると思う。だから、むずかしいというようなことになってきていると思うのですけれども、そこで、私としては少なくとも、きのうも、実はこれはプライベートな話ですけれども、大蔵省の主計官ともこのことについて話し合った。森町のようなところこそ何とかめんどうを見なければならぬのじゃないか。これは非公式な話でしたからあれですが、そこで、あなたの方では、もう少し検討されて、単なる表面に現われているだけでなく、もう少し実態に深く入って掘り下げて、そうしてこれに対する措置というものを考えてもらわないといかぬと私は思う。こういう点について。
 もう一つ、あなたここで責任あることをおっしゃらなくてもいいが、帰って少なくとも大臣なりともよく御相談になって、あるいは自治省あたりとも協議をされて、どういう措置が必要であるかということの、もう一ぺん再検討をしてもらいたいと思うが、どうですか、その点。
#52
○説明員(大津留温君) 御趣旨よくわかりましたので、よく上司にも十分御報告いたしまして検討いたします。
 それから、ついでにちょっとつけ加えさしていただきますが、公営住宅の建設は、おっしゃるように、町営住宅と、北海道でいえば道営住宅とございますので、こういったたいへんな火災の場合におきましては、道におきましてもその復興の一端をになっていただきまして、町の力の及ばないところは道営住宅を建てていただくというようなことで、住宅復興に相協力してやっていただくというのが適当な方法じゃなかろうかと考えております。
#53
○西田信一君 消防庁にお聞きしますが、先ほど御説明ありましたから大体わかりましたけれども、こういう不幸な大火になった原因は、端的に言えばどういうことなのか。いろいろあると思いますが、先ほど消防力も、形はあるけれども、実際には非常に貧弱であるというような御説明があったようでありますが、こういう大火になったその直接の原因を端的にひとつ言えば、どういうことなんですか。
#54
○政府委員(川合武君) 消防の見地から申し上げますと、風も相当吹いておりましたので、八メートルでございますか、飛び火によりまして被害を大事に至らしめたということは考えられます。
 それから第二点といたしまして、水利の悪かったということも考えられます。さらに関連いたしまして、消防プロパーの見地ではございませんが、先ほどからお話の出ておりましたように、住宅そのものが非常に燃えやすい建物であったというようなふうに考えます。
#55
○西田信一君 そこで、いろいろな原因があるが、消防力の不足ということもその一つの中にあげられるように承りました。そこでですね、何としても、これは一日も早く復興してやらなければなりませんが、こ、被害額の、どこで出した表かしりませんが、たとえば公共建物なんかでも三千万円と出ておるけれども、この焼けた建物の消防本部、電報電話局あるいは病院――病院だけでも四千万円もかけて実は作ったばかりの病院。だから三千万円という被災額なんというのは、実際にはきわめて不足な見積もりだと思うのですよ。それは私が関係しておる国民健康保険の病院だから、それだけでも四千万円をかけて、ことしできたばかりです。だから問題にならない。したがって、こういう公共施設を復旧するだけでも相当金が要ると思います。そこで、ここに出ている財政状況にかんがみましても、基準収入額はきわめてわずかなものでございまして、きわめて貧弱な町であるということは、これからも一見してわかるわけです。そこで、先ほどから公営住宅の問題について補助率等の問題について申し上げましたけれども、こういう貧弱な町で、しかも、将来にわたって、ただいま秋山委員が言われましたように、少なくとも将来災いを福にするような復興をさせるには、相当国がめんどうを見てやらなければならぬと私は思う。そういう点で、先ほど公営住宅については、財政局長から見解を伺いましたが、この被害額も合計十三億、こうなっていますが、先ほど私が指摘いたしましたように、この額ももっと私はこれは上回るであろうと考えるのです。そういう立場からひとつ建設省でも、先ほど私が希望いたしましたように、もう少し掘り下げた検討をしていただきたいということを希望申し上げておきますし、同時に自治省としても、少なくともこういう町の復興に対して相当なひとつ配慮がなされなければならぬと思うのですが、ことに今年は火災だけではなくて、あの函館付近でこの前の豪雨でも相当ひどくやられている。災害が幾つも重なっているのです。森町はそういう状況でございまして、これに対して、自治省としては、相当手厚いひとつ配慮をしていただきたいと考えますが、局長からも、政務次官も来ているのですが、政務次官からもお考えをお伺いいたしたいと思うのです。
#56
○政府委員(奧野誠亮君) 全くお話のとおりでありまして、御指摘のような気持で善処していきたいと、こう思っております。地方団体が実施しなければならない事業の所要経費につきまして、地方債を充当いたしますし、その地方債の元利償還額については、後年度において相当部分別個にめんどうを見ていくというような措置もあわせて講じていくつもりでございます。特別交付税の配分につきまして、先ほど罹災世帯数等に応じて特別交付税を配分するということも申しましたが、その基礎額も最近の実態にかんがみまして、引き上げる方法で現在検討中でございます。
#57
○政府委員(大上司君) ただいま詳細については、奥野所管局長からお話があったと思いますが、いわゆる本質になるところの、たとえば特別交付税で一件当たりの五千円をはじき出すとか、基本的な問題はいろいろとあろうと思いますが、総体的には十分に再検討いたしますということをお約来いたします。
#58
○委員長(小幡治和君) それじゃ、これをもって休憩いたします。午後一時から再開いたします。
   午後零時十三分休憩
   ――――・――――
   午後一時五十三分開会
#59
○委員長(小幡治和君) 休憩前に引き続き委員会を再開いたします。
 災害対策基本法案を議題といたします。
 御質疑のある方は順次御発言を願います。
#60
○小林武治君 今度災害基本法案を提案されたのでありますが、この法案は、読んでみると非常に抽象的なものでありますので、この法案の具体的の効果、こういうふうなものを、もう一度一般的にわかりやすくひとつ、これによってどういう効果が災害対策上、上げられるか、そういうことをまず説明してもらいたい。
#61
○国務大臣(安井謙君) 今度、出しておりますこの法律案は、確かに小林委員のお話のように抽象的な面がかなりあると存じます。と申しますのは、題名にもうたってあります基本法という形をとりまして、個々の必要な具体的な措置あるいは個別の法律につきましては、この基本法をもとにして、あらためて急に作成をしなきゃならぬという義務づけの法律にもなっておるわけでありまして、大体この法律の考え方といたしましては、今まで防災に関係しまして、各省あるいは関係機関、地方、中央を問わず、それぞれ関係部門が非常にたくさんありまして、法律にしましても、関係法令が百五十以上もあるというようなことで、それぞれがそれぞれに必要な面を有効にうたってはおりますが、それを総合的に運営していく、あるいは災害というものを対象にして、各機関が総合的にこれを検討し、積極的に防災対策なり、予防をやるという仕組みが現在のところ欠けておるわけでありまして、これは考え方が二つあります。一つは、防災庁あるいは防災省のようなものをもって防災的な機能を全部一つの機構に統一してしまうというような考え方もありますが、それでは各省との関係から力がむしろ現在よりも弱まるというようなこともありまして、でき得ればそういうようなことではなくて、各省の機能及び現存の法律をそのまま生かしながら、これを総合的に活用さしていきたいというのがこの考え方の基本にございました。そういうような趣旨に立ちまして、中央防災会議という制度を設けまして、各省の責任者を網羅しまして、防災というものを対象にして、防災の基本計画を練る、さらに各省はその方針に応じて今度は実施計画を立てるという義務づけを一つやっております。同時に、地方でもそれと同様の作業をするということをまず第一にきめております。
 第二番目には、国がやるべき仕事、地方がやるべき仕事を明確にしていろいろな財政負担もそれぞれ考えながら積極的に防災対策の具体案を練らなければいかぬ、作らなければいかぬという義務をうたっておるわけであります。それは、たとえば今まで災害のたびにそれぞれ特例法を設けて、非常に、数カ月を要して法令ができるといったようなものを、できるだけ基本法にして、今後は、ひとつ災害に際して迅速に対処できる。しかし、これは予算の関係もございます。各省の関係もございまして、今ここで具体的にうたうわけにいきませんが、それをぜひこれからやらなければいかぬということを義務づけておるのが第二点であります。
 いま一つは、地方における災害時の防災活動につきまして、行政機関がそれぞれ縦の系統で、消防でありますとか、あるいは学校児童に関係ある教育委員会、あるいはその他の一般の救助作業、警察の系統、これがそれぞれ縦の系統に流れておるきらいがありますので、非常に防災の活動を必要にする場合には、そのときに限って知事がこれを全体的に取りまとめて指揮監督ができるというふうな仕組みに一時的に置く、こういうふうなものを一つ防災活動の能率化という意味から置いております。
 第四番目には、これはめったにあることじゃあございませんが、しかしないという保証もございません。国家の経済活動、あるいは社会活動に非常な不安定を及ぼすような異常災害に対しましては、緊急事態の布告をして、それぞれ必要な処置をとることができる。この四つの骨組みから基本法を作っておるわけでございます。そういう意味から、小林先生お話の、かなり抽象的な部分もあることもやむを得ないと思いますが、この基本法ができますれば、それに追っかけて、さらに具体化した法律案もそれぞれの省において作られる、こういうふうに考えております。
#62
○小林武治君 従来の災害に関する法律というのは、主として起きた災害にどういうふうに対処するか、こういうふうなことが、おもになっておりますが、今度の基本法は、その災害の結果に対する処置と災害を予防する、防災といっておるようですが、そうこととどっちに重点が置かれておるのか、こういうことはどうですか。
#63
○国務大臣(安井謙君) この法案におきまして、予防、すなわち災害を未然に防止するという点にも非常に重点を置いておるわけでございますが、それじゃ、防止する具体的な方法はどうか、これは今まで、たとえば治山治水の問題その他各省各機関にわたって法律なり制度によってとられておる措置があるわけであります。これを今少し総合的に検討して国の災害予防の基本的な計画を作成し、そして法令に基づいてこれを実施するということを三条でうたいまして、積極的にそういう予防対策を進めなきゃいかぬということをきめておるわけでございます。したがいまして、そのあと八条等におきましても、具体的にこれは災害にはどういうふうな問題を取り扱わなきゃいかぬかというようなことにも触れておりますが、現在のところ、予防の具体的な、たとえば予算を伴うというような措置そのものについては、この法律では書いておらぬわけであります。
#64
○小林武治君 ですから、この予防のことについては、防災協議会とかいろいろな規定があるが、災害の結果起きた災害に対処すると、こういうものが従来法律は多く触れておるわけです。災害の結果に対する処置というようなものについては、この法律ではあまり触れておらぬように思うが、その点はどうですか。
#65
○国務大臣(安井謙君) 第五章にございますが、この災害応急対策といったところでこれに対処すべき事項をそれぞれうたっておるわけでありまして、そして今の災害の応急対策といいますか、災害の自己防御ということでなくて、災害そのものに処置して働くべき事につきましては、国及び地方がそれぞれ体系的にやらなきゃいかぬということを相当具体的に示しておるわけであります。ただ災害の復旧等に関する事項につきまして、具体的な取りきめがまだここでは書いてない、こういうようになっておるわけでございます。
#66
○小林武治君 この法律は大部分抽象的な問題が……たとえば今度の国会、毎国会出される災害の特例法ですね、こういう法律との関係はどうなるか。それからして、あの種類の法律は依然としてそのつど提案されると、こういうことになりますか。
#67
○国務大臣(安井謙君) その点につきまして、今度の災害基本法のねらいといたしておりますのは、でき得る限り国の責任であるべきものを明らかにして、そして地方の分任すべきもの、あるいは住民にこれに協力してもらうものというようなものを明らかにして、そして十分国がその事後策についても万全の策をとるということを目的にしておるわけでありまして、先ほど申し上げましたように、災害が起こりまして、そして常に国会で特例法のような形で非常に議論が起こっておりますような措置をできるだけ今度のこの基本法の精神によりまして一般の恒久法に直していきたい、また、直さなきゃいかぬというふうに基本法は考えておるわけでございます。
#68
○小林武治君 そうすると、そのつどたくさんの特例法が出ておるが、あの特例法も大体一つの型がだんだんできてきておりますのですね。ああいう特例法的なものを共通的な一つの恒久法ですか、そういうものを作る意思があると、で、あるとすれば、いつそういうことを具体的に提案するようになるか、そういうことはどうですか。
#69
○国務大臣(安井謙君) お話の通りに、そういった特例法も、大体毎年起こる災害に対しまして類型化をしておる点は相当あろうかと思います。そういう点をぜひ早急に恒久化をしたい。これは自治省だけでやれる仕事じゃございませんが、この基本法が通ることによりまして、関係省ともそれを義務づけられてくるというふうに私ども考えております。この時期は次の通常国会を目途にして重要なものはやっていきたいというふうに考えております。
#70
○小林武治君 今度のこの基本法案と従来の災害救助法とか、そのほか災害に関する法律がありまするが、そういうものとの関係は、今度は具体的につけるというか、体系づける、そういうようなことはどういうふうになっておりますか。
#71
○国務大臣(安井謙君) でき得る限り従来あります災害関係の法律を生かしまして、生かすといいますか、そのまま存置しまして、その間における脈絡をつけ、総合的な運営のできるように、この法律はその点をねらっておるわけでございます。
#72
○小林武治君 今の災害救助法というふうな法律も必ずしも適当でない、ある程度直さなければならぬ、こういうようなものもあると思いまするが、そういうものには今度は手をつけておらない。だから、従来のそういうものを直していくということでなくて、今度は基本法を作って防災会議を設けると、こういうようなことを言っておりまするが、それは自治省の、政府の見込みでは、従来のものをそのままにしておいてもうまくいく、こういうふうなお考えですか。
#73
○国務大臣(安井謙君) 現在この基本法で扱っておりますのは、現在ある制度、法律というものをできるだけ現存さして、そうしてその間の総合的な連絡をつけるということにいたしておりますが、これは冒頭述べましたように、災害そのものをあらゆる機関から総合的に対象にしていって災害対策というものをもっと根本的に樹立をしていこうという目標から、中央防災会議というものを開き、防災基本計画というものを立てることになっておりますので、今御指摘のような問題で、あるいは現在まだはなはだ現在の法律で具体的に不十分なというような点は、その計画に従って種々検討さして、逐次直さしていくのであります。それから、なお部分的にはこのままではどうにも、これは直したほうがいいというものは部分的に修正をしておる部分もございます。
#74
○小林武治君 災害救助法の今の対象の補助ですが、こういうものが足りない、非常に不足だ、こういうふうなことがいわれておりますが、これらの点については、何か考えておることはありませんか。
#75
○政府委員(川合武君) 災害救助法の先生のお尋ねは、救助法の費用の点の格上げと申しますか、この点につきましては、その基本法の趣旨にのっとりまして、その内容を豊かにする予定でございまして、正直申しますと、これは厚生省の所管でございます救助法がございますので、私どものほうから自治省として申し上げるのも、それはちょっといかがかと思うのでございますが、災害救助法に関連いたしますので、その限りにおいて申し上げる次第でございますが、厚生省のほうで目下検討中であるというふうに承っております。
#76
○小林武治君 この点は自治省でもおそらく同感しておられるのじゃないかと思いますから、次の機会に予算的な措置を講ずるというふうな勧告でも、注意でもしていただければ非常にけっこうだと思います。
 それから、今度の災害対策における都道府県知事の権限ですか、こういうものは従来と変わって相当強化されていると、こういうふうに見てよろしゅうございますか。また、どういうふうに強化されておりますか。
#77
○国務大臣(安井謙君) 災害時にあたりまして、地方の防災機関としましては、直接には警察、消防あるいは教育委員会、民生事業、こういったものがあると存じます。これがそれぞれいわば今まで組織上縦割りになっている、この縦割の制度を決していじるということじゃございませんが、災害時に対処するためには、一時的にこれを地方の本部長である知事に権限を移しまして、そういった機関を有機的に活動できるように今度の法律は考えております。
#78
○小林武治君 それは市町村あるいはその他も災害時には指揮できる。あるいは監督と申しますか、指示と申しますか、そういうような点ははっきりしておるわけでしょうね、これは。
#79
○国務大臣(安井謙君) これは臨時に応急対策を実施しますために、管内の市町村に対する指示権を知事に与える、こういうふうに考えております。
#80
○小林武治君 災害対策として消防団の活動と申しまするか、こういうことの関係はどういうふうになりますか。実際問題として、災害が起きた場合に、警察あるいは消防、水防団というものが相当大きな役割をしておりまするが、この消防団の活動の仕方によっては、いろいろの問題も生じ得るわけでありますし、実際問題として、災害活動の主体というものは、活動のほんとうの働く主体というものはどこにおいておるか。あるいは警察、消防とかいろいろあろうと思いますが、その点はどうですか。
#81
○政府委員(川合武君) ただいまのお尋ねの点でございますが、答弁がちょっとピントが狂いましたらまた御指摘いただきたいのでございますが、今回の法律、基本法案では、災害応急対策のところで、いわゆる防災活動のところにおきまして、市町村の活動の規定をはっきりといたしたつもりでございます。御承知のように、従来は警察法あるいは消防法、消防組織法においてそれぞれの活動の、それぞれの部面の警察あるいは消防の活動のやり方については、それぞれの個別法規がございますけれども、総じまして災害の活動の場合に、それがどういう役割、どういう地位を占めるかという点についての鳥瞰と申しますか、全体を見ましてから、どういう立場、役割であるかという点についての法律の規定が不十分であったのではないかと思われますので、この基本法におきまして、現場におきまして、第一線活動として市町村のやるべき仕事の役割を規定をいたしまして、簡単に申し上げますと、知事が予報、警報を受けまして、各機関に対しまして必要な措置をなすべきことを各機関に連絡を、指示を要請をいたします。むろん市町村にもさような連絡があります。また市町村自体におきましても、予報、警報を受け取るわけでございます。市町村長はその場合におきまして、まさに災害が起きんといたしますときに、あるいは起きた瞬間におきましては、いわゆる五十九条で事前措置という規定をいたしまして、さらに避難の問題をその次の六十条以下で取り上げております。さらに市町村が現場第一線といたしましていかなる応急措置をやるか等々の規定を並べております。そこにおきまして、消防は市町村長の旗本と言うと語弊がございますが、市町村の直属の消防防災活動の主体といたしまして活動をいたすことに相なると思います。この場合、消防組織法、消防法の規定に基づきまして活動いたすことはむろんでごさいますが、ただいま申し上げましたように、くどくなりますのでございますが、全体の役割におきまして、市町村の活動の役割、その地位を定めましたので、その市町村長の中核体として消防が活動する、また活動せねばならぬという規定に相なっておるわけでございます。警察の点につきましては、率直に申し上げまして、多少法律制度の上におきまして、委員会制度、御承知の委員会制度におきまして、多少都道府県知事、市町村長の系列とニュアンスを異にいたしておりますが、災害が起きまして、災害対策本部というのが従来も県庁に必ず設けられておるのは、今まで事実上の行為でございます。設けられておりました。その場合におきまして、今度は法律で災害対策本部を法律に法定いたしまして、その場合において、知事が警察に対しまして指示できる、かような規定を今回の法案で設けております。
#82
○小林武治君 その場合に警察と消防とはどんな関係になりますか。
#83
○政府委員(川合武君) 警察と消防の関係につきましては、従来も相互の応援の取りきめがございまして、防災の活動の場合におきましても、取りきめの規定が事実問題としてございますし、また法律上におきましても、私のほうの消防組織法で申し上げますと、消防組織法第二十四条に消防及び警察の協力という規定がございます。ございますが、実際問題といたしまして、消防、警察の協力という点につきましては、これは消防組織法で定めました法律の規定でございますが、具体的には、この法案に盛り込みました防災計画、都道府県の計画、あるいは市町村の計画という今回の法案では、この防災計画をこれまた法律上の義務といたしておりますので、その計画におきまして、具体的に両方の間の関連をも広い見地から見まして定めておき、それで防災計画は都道府県におきましては、都道府県防災会議、市町村におきましては市町村防災会議を作るものでございまして、その会議の会長はそれぞれ知事、市町村長でございます。そうして警察、消防もその防災会議のメンバーにむろん参画いたすことになりますし、ただいま申しましたように、その防災会議で生み出されました計画において具体的に両者の関係が定められるというふうに予想をいたしております。
#84
○小林武治君 これは規定があるかもしれませんが、防災会議と防災対策本部と――防災会議というのは常備的なものであるし、対策本部というものは災害の起きそうなとき、起きたとき作る、そういうことになると思うのですが、その防災会議と防災対策本部、これはどういう関係にあるのですか。
#85
○政府委員(川合武君) ただいま先生のおっしゃいますとおり、防災会議は常日ごろからございますので、いろいろ、あるいは予防的な面と申しますか、起きましたときの前後の問題につきましても協議をいたして計画を練るわけでございます。それはただし、都道府県の防災会議と市町村の防災会議は、これは起きましたときも、ただいま申しましたように事前、事後の計画も定めまして、日ごろからありますが、起きましたときも、この防災会議が、知事が会長で一種のある意味におきましての調整権を持ちまして、この防災会議が実際の活動もするといいますか、各機関との連絡もいたします。したがいまして、防災会議はずっと、いつでもと申しますか、ありますことは、先生の御指摘のとおりでございまして、災害対策本部は、災害が起きようとするときと申しますか、起きたときということでございますが、これは知事の自分の機関におきます一つの中核体のようなものでございまして、防災会議のほうは、たとえば国の地方出先機関、あるいはいろいろな公共機関――国鉄とか電電公社とか、さらにはガス、電気の公益法人というようなもの、広く入っておりますが、災害対策本部のほうは知事のほんとうの動く中核部隊でございまして、ただ、先ほど申しましたように、親類筋と申しますか、知事のもとにあるとも言えますが、やや法律上のシステムを異にしておりますところの警察とか教育委員会というものに対しましても指示できるということにいたしておりますが、いずれにいたしましても、知事の中核部隊でございます。そこで、災害対策本部と防災会議の関連でございますけれども、災害対策本部も防災会議で定めましたところの防災計画の定めるところによりまして、この災害対策本部の活動をいたすということでございます。また災害対策本郷と申しますときには、防災会議の意見を聞く、もちろんこういうふうな結び付きをいたしております。防災会議のほうが広いというふうに御了承いただきたいと思います。
#86
○小林武治君 これは、防災会議というのは、いろいろの計画をきめるところで、執行するところじゃないんじゃないですか。きめるんで、執行もしますか。
#87
○政府委員(川合武君) 先生のお説のように申し上げてもいいかと思いますが、多少つけ加えさしていただきますと、防災会議は、先ほど申しますような各機関の連絡でございまして、災害対策本部のように、俗な言葉で言いますが、一ところにまとまって本部を作ってやる、一堂に会してというふうな雰囲気のものではございませんが、防災会議のメンバーもそれぞれ災害対策として活動をいたしますので、それを計画に基づいてああしてくれ こうしてくれ、ああいうところが足りないようだからこうしてくれという連絡の意味のいわゆる推進するという防災会議の活動面は残っているといいますか、あるわけでございます。災害対策本部のように実践そのものではございませんで、連絡調整という意味における活動をいたす、こういうことに相なるかと思います。
#88
○小林武治君 防災会議できめたことを、いろいろの計画を定める、それを執行するのは知事のいろいろの機関もあるだろうし、知事以外の機関もあるだろうと思うのですがね。だから、防災会議というものは、ものをきめるということだけじゃないんですか。何にも自分じゃやる力がないんじゃないのですか。
#89
○政府委員(川合武君) 実際面といたしましては、先生のおっしゃいますような面が強い、強いと申しますか、各機関がそれぞれ災害の面におきましては、自分の持ち分、役割に応じまして現場で動きますから、会議体が一堂に会して会議するというようなことでなくして、むしろお言葉のように、その前に十分計画を作っておいて指導的にといいますか、オートマチックと申しますか、その計画に基づいて動く、かようなことに相なるかと思いますが、いろいろな動いております各機関との連絡の場面というものも絶無とは申しませんので、また従来事前にきめておいて、きめっぱなしでそれぞれの機関がばらばらに動いて、知事がそれに対して調整をする役割を持てないというのも、また欠点があるかと思いまして、防災会議のそういう意味合いにおきましての活動は、災害町におけるところの活動は、この法案で予定しておるところでございますが、現実面におきましては、先生のおっしゃいますように、重点は計画を作りまして、災害時にそれぞれの持ち分に応じて、もう一々その会議を開いているなんという場合ではございませんから、十分に事前に計画を作っておくというところに、防災会議の重点はあると思います。
#90
○小林武治君 災害対策本部というのは、災害が起きんとするか、あるいは起きた場合に、臨時にこれはできるものだと思うのですね。ところが、この災害の予防措置というものは、対策本部がなくても相当あるだろうと思うのです。予防的な手段あるいは施設ですね。だから、そういうものは災害対策本部がないときでも相当行なわれなければならぬと思うのですがね。その場合に、防災会議はきめた計画を実施しろという指示の権限はあるのですか。ふだんいろいろ予防措置があるだろうと思うのだ。
#91
○政府委員(川合武君) その計画を推進する権限と申しますか、規定と、それから防災会議の会長として指示する権限は、この法案で書いてございます。会議のメンバーにつきまして、会長たる知事として、それを推進するための指示、要請――勧告、指示することができるという規定を設けてございます。
#92
○小林武治君 何かそれは災害対策本部には関係なしに、ふだんからあるいろいろな機関に対して、災害前にそういうことが指示あるいは要請できなければならぬわけで、その点はいいわけですね。それで災害が起きた、あるいは起きようとする場合には、実際問題として、災害対策本部というものは、われわれの言葉で言えば、一つの執行機関と、こういうふうなことになると思いますが、そういう場合に、もうその際は防災協議会というふうなものは、特にそのときやらにゃならぬというような問題もないんじゃないですか。災害が起きたとか起きようとするときは、ほとんど災害対策本部の仕事でやるというふうなことになりはせんですか。
#93
○政府委員(川合武君) ほとんどさような、先生のおっしゃるようなことになるというふうに予想をいたします。先生のおっしゃるとおりだろうと思います。
#94
○小林武治君 災害対策本部の設置あるいは廃止ですね、これはどういうことになっておりますか。それはだれがきめるのですか。
#95
○政府委員(川合武君) 災害対策本部は都道府県、市町村、おもに市町村の場合が多かろうと思いますが、都道府県、市町村に設けることになっておりますので、知事または市町村長が防災会議の意見を聞いて、設置することに規定をいたしております。
#96
○小林武治君 大臣に伺いたいのですが、災害対策を前進させるには、法令とか組織の整備と、こういうことはむろん必要でありますが、このほかにどうしても財政の裏づけですね、財政措置の充実をしなければならぬということになりまするが、その点については何か用意があるかですね、あるいはこの法律の規定ではその点がはっきりしてないようですが、どうでしょう。
#97
○国務大臣(安井謙君) この法律は、建前といたしまして国が負うべき責任を明らかにし、そうして積極的に国が負担すべきものは負担しなければならぬというようなふうに、この基本的な点を書いてあるわけでございまして、個々のどういう費用をどういうふうにやるかという問題につきましては、あるいは災害予防のためにどういう施設をやるかという点につきましては、この法律では直接に触れておらぬわけであります。
#98
○小林武治君 今の点を何か、もう少し安心のできるというか、具体的にする方法はないのでしょうかな。災害基本法で、たとえば今の国と地方団体との負担区分とか、いろいろの事項について、そういうものがこの法律にはないが、今後、たとえば災害救助法なら今どれだけ国が負担する、こういう規定が現にあるが、一般的の災害の復旧とか、あるいは応急措置とか、そういうことについての国と地方団体との負担区分の問題、こういうことははっきりしておらぬので、これらは、これになければ今後そういうものを作ろう、こういうふうな気持があるかどうか。
#99
○国務大臣(安井謙君) お説のとおりでありまして、根本的な災害予防対策をやる施設上の具体的な条章あるいは予算計画というようなものは、これに盛っておりません。実際の災害の応急対策について、国がどういう面を持ち、地方がどういう面を持たなければならぬかということは、この法律でもうたっておるわけであります。もし具体的な説明があったら政府委員から……。
#100
○政府委員(川合武君) 国、都道府県と地方公共団体との経費負担区分の点につきましては、第七章におきまして「財政金融措置」という見出しでございますが、そこにおきまして、原則的なものを書いてございます。また原則に多少はずれる例外と申しますか、たとえば一例を申し上げますと、よく上流下流の関係と申しますが、実際は上流の市町村が、あるいは都道府県がよく恒久対策をやりましたために、利益を下の下流のほうの者が受けるというような場合がございます。あるいはまた、特別壊滅した市町村のような場合におきましての費用の問題がございます。そういうような問題につきましては、いかにすべきかというようなことをこの法案でも書いております。また、先ほどから先生のお話に出ておりますような激甚災害の、ただいま特例措置でやっております激甚災害の経費の問題につきましての一応の基準は、ここにこの法案に書いてございます。ただ、大臣のおっしゃいますように、それぞれの費用の問題は数字の問題でございますものですから、従来からありますところの数字の点につきましては、あるいは公共土木の負担法、農林水産補助法、あるいは災害救助法、そういう法律に譲るという体裁をいたしております。この法案ではその基本の原則だけを書いてあるわけでございます。
#101
○委員長(小幡治和君) ちょっと速記をとめて。
   午後二時三十五分速記中止
   ――――・――――
   午後二時五十三分速記開始
#102
○委員長(小幡治和君) それでは速記を起こして。
 残余の質疑は、次回に譲ることといたします。
 次回は明二十七日、本会議散会後開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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