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1961/10/27 第39回国会 参議院 参議院会議録情報 第039回国会 地方行政委員会 第8号
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1961/10/27 第39回国会 参議院

参議院会議録情報 第039回国会 地方行政委員会 第8号

#1
第039回国会 地方行政委員会 第8号
昭和三十六年十月二十七日(金曜日)
   午後四時二十一分開会
   ―――――――――――
  委員の異動
本日委員堀本宜実君、小山邦太郎君及
び棚橋小虎君辞任につき、その補欠と
して鍋島直紹君、小柳牧衞君及び基政
七君を議長において指名した。
   ―――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     小幡 治和君
   理 事
           小林 武治君
           西田 信一君
           秋山 長造君
   委 員
           小柳 牧衞君
           郡  祐一君
           西郷吉之助君
           館  哲二君
           湯澤三千男君
           松永 忠二君
           杉山 昌作君
  衆議院議員    渡海元三郎君
  国務大臣
   自 治 大 臣 安井  謙君
  政府委員
   消防庁次長   川合  武君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       福永与一郎君
   ―――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選の件
○災害対策基本法案(内閣提出、衆議
 院送付)
   ―――――――――――
#2
○委員長(小幡治和君) ただいまから委員会を開会いたします。
 委員の異動について報告いたします。
 本日付をもって委員棚橋小虎君が辞任され、その補欠として基政七君が委員に選任されました。
   ―――――――――――
#3
○委員長(小幡治和君) 理事の補欠互選についてお諮りいたします。
 ただいま御報告のとおり、理事基政七君が一たん委員を辞任せられましたことにより理事一名が欠員となっておりましたところ、暴君が再び委員に選任せられましたので、この際再び基君を理事に指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(小幡治和君) 御異議ないと認め、さよう決しました。
   ―――――――――――
#5
○委員長(小幡治和君) 災害対策基本法案を議題といたします。
 まず、衆議院における修正点について説明を聴取いたします。
#6
○衆議院議員(渡海元三郎君) ただいま議題となりました災害対策基本法案に対する衆議院における修正の趣旨を御説明申し上げます。
 この修正は自由民主党、日本社会党及び民主社会党の三党共同提案にかかる修正でありますから、三党を代表して便宜私から提案の理由及びその内容の概要について御説明申し上げます。
 御承知のとおり、わが国は世界に類例を見ない災害国でありますが、今日までこれに対応する一貫した体制の整備を欠いていたため、国民は累年甚大な被害を受けて参ったのでありまして防災体制のすみやかな確立こそは、朝野をあげての悲願でさえあったのであります。今回、政府は災害対策基本法案を提出し、防災体制の確立に力強い第一歩を踏み出そうとしたのでありまして、その措置は、ややおそきに失したうらみがあるとは申せ、まことに時宜を得たものと言わなければなりません。しかしながら、衆議院における審査の結果は、本法案の趣旨を実現せしめるためには、なお若干の修正を必要とすることが明らかとなったのでありまして、ここに必要最小限度の修正を行ない本法案を成立せしめ、一日も早く国民の要望にこたえんとするものであります。これが本修正案を提出した理由であります。
 次に、修正の内容の概要について申し上げます。
 まず、修正の第一点は、第三条の国の責務に関する規定の冒頭に一項を加えて、国土並びに国民の生命、身体及び財産を災害から保護することが国の本来の使命であること、及びこの使命にかんがみて、国はその全機能を結集して防災に関し万全の措置をとる責務を持つものであることを宣明したことであります。原案においても国の責務が規定されているのでありますが、きわめて事務的に表現されており、このことが基本法としての格調を弱めていることは争えないところであります。そこで、国は使命として防災の任務に対処するものであるという大きな前提を置くことによって、国民が本法案に対して寄せている強い要望にこたえようとするものであります。
 第二の点は、第八条第三項で、国及び地方団体の努力目標として、施設の復旧と災害からの復興を規定しているのでありますが、これに被災者の援護を加えたことであります。申すまでもなく、現行の災害救助法におきましても、被災者援護に対して各般の措置を規定してありますが、基本法たる本法において、そのことが災害対策の大きな眼目であり、国の当然の責務であることを強く表明すべきであると考えたからにほかなりません。
 第三点は、第九条に一項を加えて、この法律の目的達成のため、政府は広く法制上、財政上及び金融上の措置を講ずる義務のあることを規定しようとするものであります。これは第三条の修正条項を受けて、国の責務の内容を明示するとともに、章を追って随所に規定されている法制上、財制上、金融上行なわれるべきそれぞれの措置に対しまず原則を立てることによって、国の行なうべき個々の施策につきその指針を示そうとするものであります。
 最後に、第八章災害緊急事態に関する各条文につきましては、章名を除き、これを全部削除することといたしました。本章に関する各法条につきまして、われわれはいずれもこのような場合において何らかの措置が必要であることを認めるものでありますが、ただ、政府提案にかかる関係規定は、各般の立場から慎重に審議すべきものと考えるのでありまして、衆議院地方行政委員会におきまして、連日慎重かつ熱心に審議がなされたのでありますが、時日の関係からなお審議を尽くすに至らず、他方、今国会の会期はすでに残り少なく、このままの状態において推移するにおいては、関連法案の整備も予算措置もすべて遅延することとなり、現下最も緊急を要すべき防災体制の確立が著しく遷延せざるを得ないのであります。このような関係を彼此勘案した結果、第八章については、来たるべき通常国会において別途審議を尽くし、必要な規定の整備をはかることとし、第八章を除く部分は、前に申しました修正を加えた上これを成立せしめ、一日も早く防災体制の確立をはかることといたしたのであります。
 以上が修正内容の概要であります。何とぞよろしく御審議の上、御賛成あらんことをお願いいたします。
#7
○委員長(小幡治和君) 御質疑の方は順次御発言をお願いいたします。
#8
○西田信一君 ただいま渡海衆議院議員から、本法案に対する修正に対して御説明をいただきましたわけでありますが、この衆議院修正に対しまして、政府はどのような所見をお持ちでございますか、大臣から承りたいと思います。
#9
○国務大臣(安井謙君) 衆議院におきまして、法案の一部を御修正をいただいたわけでありますが、院議で決定をいたしました以上、この内容につきまして、私どもはその実現をはかるように努力をしていきたいと思います。別に格別の異議はないと心得ております。
#10
○西田信一君 修正されましたその第一点でございますが、「国は、国土並びに国民の生命、身体及び財産を災害から保護する使命を有するとにかんがみ、組織及び機能のすべてをあげて防災に関し万全の措置を講ずる責務を有する。」、こういうふうに修正がございまして、国の責任が一そう重くなったわけでありますが、この国土並びに国民の生命、身体、財産を災害から保護する使命を有するというこのことは、この規定は、すなわち災害に対する国家賠償を法定するものである、こういうふうな意味でございましょうか。
#11
○衆議院議員(渡海元三郎君) この規定をもちまして国家賠償を直ちに規定するものである、こうは考えておりません。
#12
○西田信一君 国家賠償を直ちに意味するものではないというお答えでありますが、ただこの修正の趣旨は、国の責任を明らかにすると同時に、組織及び機能のすべてをあげて万全を期するようにという意味を強める、国の責任をさらに明確にするということを意味するものでございますか。
#13
○衆議院議員(渡海元三郎君) 仰せのとおりであります。
#14
○西田信一君 大臣にひとつお伺いいたしますが、この第二条に、との法律に規定しております用語の意義が定めてございます。この本法案に出て参ります非常災害ということは、別に定義としては、これには載っておりませんが、非常災害というのは、具体的にどういうことをさすのでございますか、非常災害発生の場合、非常災害というのは具体的にどういうことですか。
#15
○国務大臣(安井謙君) 非常災害と申しますと、具体的に例をあげますと、伊勢湾台風であるとか、第二室戸台風というような相当大きな影響を国民に与える災害をおおむねさしておるつもりでございます。
#16
○西田信一君 そうしますと、災害の規模が非常に大きくて、相当広範にわたっておるということをさしておると思いますが、この法律の適用する非常災害の認定は政府がやることになるわけですか。
#17
○国務大臣(安井謙君) さようでございます。
#18
○西田信一君 今度の衆議院の議決に対しまして附帯決議が付されておりますが、この附帯決議にもございますように、災害の原因を根絶するために抜本的施策を講ずるようにということがございますが、この附帯決議の趣旨に沿って抜本的施策を講ずることについて、政府としてはどの省がこういうことに対する責任を持たれるのであるか、イニシアチブをとられるのであるかということについてお伺いいたします。
#19
○国務大臣(安井謙君) 災害対策あるいは防災の責任省といたしましては、政府の各機構をあげて、あげてと申しますか、それぞれに責任部門を持っておるわけでございます。本法によりまして、そういった責任部門を網羅いたしまして、内閣総理大臣のもとに中央防災会議というものを置きまして、政府の防災関係機関をあげて一丸となってこの防災の予防あるいは応急対策その他事後処理に当たる、こういうつもりでございます。
#20
○西田信一君 このたびの修正で被災者個人に、被害を受けた方に対しまする援護について、修正が行なわれておりますが、この個人の被災の援護ということについて、政府はどういうお考えなり対策なりを用意しておりますか。
#21
○国務大臣(安井謙君) 災害によって被害を受けられました各個人につきましても、その立ち上がりに対しまして、でき得る限り国家は救済なり御援助すべきである、こういう建前からその建前をうたっておるわけであります。これは、先ほど衆議院の渡海議員からもお話がありましたとおり、そのこと自身がいわゆる国家の賠償というものと同じ意味というものじゃないわけでございます。
#22
○西田信一君 渡海衆議院議員にお尋ねいたしますが、この被災者の援護をはかるという修正の中には、いわゆる法人、企業会社等を含めておられるのでございましょうか。
#23
○衆議院議員(渡海元三郎君) 被災者の援護に対しましては、災害救助法によります法律のほかに、あるいは金融措置その他も行なわれるのでございまして、当然それらの措置につきましては、法人等も必要とあらば対象となる、かように考えております。
#24
○西田信一君 先ほどの修正の御説明で大体わかったのでありますが、この第八章の修正はちょっと異例のことのように考えますけれども、先ほどの説明で趣旨は大体了承いたしましたが、これを削除されました真の理由というものを、もう少し御説明願えれば……。
#25
○衆議院議員(渡海元三郎君) ただいま趣旨説明の中で申しましたように、非常災害、緊急事態のような場合におきましては、そういった何らかの措置が必要であるということは、趣旨説明でも申しましたとおり、いずれもこれを認めるところでございます。しかしながら、そこに掲げてありますところの法文というのは、国民生活に広範にわたる影響を及ぼすのでございまして、慎重審議されるべきものである、かように考えます。私たちも連日審議を加えて参ったのでございますが、なお審議を十分に尽くすに至らなかったのでございます。しかしながら、一方防災体制の確立ということは、現下一日もゆるがせにすることのできない緊急事でございますので、とりあえず削除するこの分については、通常国会でなお慎重審議するということにいたしまして削除し、残る部分を可決成立することによって、防災体制の確立を期す、こういうふうに考えて修正したものでございます。
#26
○西田信一君 安井大臣に伺いますが、次の通常国会で慎重審議をされるということでありますが、そういたしますと、災害対策基本法の一部改正という形で政府からとの削除された部分に対しましては、新たに提案が行なわれるというふうに解してよろしいのでございますか。
#27
○衆議院議員(渡海元三郎君) さように考えております。
#28
○西田信一君 安井大臣にお伺いいたしますが、ただいまの御趣旨でございまするからして、当然政府が提案された内容そのままのものが改正の形で提案されるものと考えるわけでありますが、特に内容について特別の検討を加えられて、何分再提案される内容について特別な検討の余地といいますか、そういうものは残っておりますか。
#29
○国務大臣(安井謙君) 政府といたしましては、次の国会に原案のままでさらに提出いたしまして、改正をお願いする予定でおります。
#30
○西田信一君 次に災害復旧のことについてちょっとお聞きしたいのですが、災害復旧あるいはまた災害関連という条項がこれに見受けられますが、災害は原形復旧というか、最近は改良復旧といいますか、そういうことも若干見受けられるようでございますけれども、災害を受けるというには相当そこに原因が存在しているようでございまして、少なくとも相当改良を加えることによって、将来の災害を防止するということがきわめて大切なことであると考えるわけでありますが、この法案には改良復旧というようなことが見受けられないのでありますが、改良復旧ということの原則をむしろこの法律において明確化すべきじゃないかというふうに思うわけでございますが、この点がとられておらないように見受けられるのでありますけれども、この点、いかがでございますか。
#31
○国務大臣(安井謙君) 御趣旨のことはごもっともでございまして、本案におきましても、第八十八条の二項にそういった趣旨のことをうたっているつもりでございます。
#32
○西田信一君 行政審議会がこの防災について政府に答申を行なっております。その答申によりますと、水防、消防の一本化、広域活動に便ならしめるような方途を講ずるべきであるということを指摘しているのでありますが、この法案にそういう規定がなされておらない理由はどういうところにございますか。
#33
○国務大臣(安井謙君) この法律によりまして、現地における災害応急対策と申しますか、災害に際しましてのいろいろな対策を講じます際、消防の組織は現存の組織はそのまま生かしておりますが、活動にあたりましては、知事が市町村長を通じて全般的に指示を与える、こういうふうにまとめております。なお水防の関係におきましても、現状の組織はそのまま置きまして、実際の活動をそういった指揮下に置く、そういう考え方でございます。
#34
○西田信一君 よく世間で申すことでありますが、頻発する洪水問題の解決に、川を人間から遠ざけるというのじゃなくて、人間をそういう被害のあるようなところから遠ざける、つまり人間を川から遠ざけるべきであるというようなことをよく申すのでありますが、こういう配慮、つまり頻発するような被害常襲地域からは、人間を遠ざける集団移住というようなことが必要であろうと思うのでありますが、これらについてはどういう運びになるのでありましょうか。
#35
○国務大臣(安井謙君) たびたび災害をこうむる地域につきまして、住民の希望によって集団移住をする必要もあろうかと存じます。また、それを示唆する必要もあろうかと思います。その方法等につきましては、かねがね考えられておるのでございますが、何分新しい形のものでございますし、また住民の意思がなかなか統一するといったようなことにも困難な問題がございまして、そういう点を勘案しまして、今後防災会議等で十分練る、あるいは、それでは時期的におくれるというような場合には、暫定的に特例法というようなものも暫定的に次の国会等で考慮もしてみたい、こう考えております。
#36
○西田信一君 この問題は、ぜひただいま御答弁のように、恒久立法もしくは暫定的な処置でも、これはすみやかにその措置が必要であると思いますので、ぜひその御答弁のような運びを願いたいことを希望申し上げておきます。
 次に、災害が起きた場合の職員の派遣のことでありますが、これは二十九、三十、三十一条あたりにございます。そこで、しかも要請があった場合には、職員の派遣にとたえなければならぬという派遣の義務までも付せられておるわけでございますが、こういうことになりますと、この職員を派遣するための準備、用意というものが必要であると考えるわけであります。そういう派遣職員はどんなふうにして確保しておくか、職員のプール制といいますか、そういうことを考える必要はないのか、こういうような点について御見解を伺いたいと思います。
#37
○国務大臣(安井謙君) これは将来の問題といたしましては、相当恒久的な対策を考えなければならないと思っております。したがって、案としては、防災公団のような形のもので、いろいろ要員を考えるというようなことも一つの案かと思っておりますが、まだこれは現在のところ具体的な形になっておりません。
#38
○西田信一君 災害対策の実効を上げるためには、何と申しましても、戦後の風潮として権利だけを強く主張する、義務のほうは忘れておるとは申しませんが、義務を軽んずるというふうな傾向が非常にあると思います。そのためにいろいろ災害が、当然防止できるものが災害に至るというようなことが、あるいは治山治水、その他いろんな面を通しまして、非常に多くあるように見受けるわけでありまして、これは何といいますか、戦後において国民の考え方が、とうもそういう傾向がそういう災害の面にも強く現われているように感じまして、遺憾に思っているわけですが、このことは、やはり起きた災害をただ防止するとかという技術的な面だけじゃなくして、やはりもう少し国民全体が少なくとも国民としての義務を感ずるというような工合に改めていく必要があると思います。このためには、少なくとも学校教育あたりからそういう思想を、そういう考え方を涵養していく必要が非常にあるのじゃないかというふうに考えられますが、こういう点については、この立法措置くと同時に、何かそういうことについての政府の対策なり、お考えなりがございますれば伺っておきたいと思います。
#39
○国務大臣(安井謙君) お話のように、この防災思想を十分普及いたしまして、これはこの法律の修正案でもさらに明確にされておりなすし、本案でも精神としておりますように、災害に対する予防、救助等の最終的責任というものは国にある、政治的責任は国にあると見なければならぬと思いますが、しかし、それを果たします上からは、国、地方団体あるいはそれの関係機関及び住民、こういうものが三位一体となって対処すべきものだと考えております。第八条におきましても、そういう趣旨から、今お話の防災思想の普及といったような項目もあげてあるわけであります。
#40
○西田信一君 この防災計画を立てるなために防災会議あるいは防災のための協議会、こういうものを設置することになっておりますが、これらに要しまする地方公共団体が負担すべき経費というものは、これはこの性格上、性質上国において持ってやる、あるいは負担してやるということが適当ではないかというふうに考えるわけでありますが、この点についてどういうふうにお考えでございましょうか。
#41
○国務大臣(安井謙君) 地方における防災会議等の所要の経費の手続につきましては、国として十分めんどう見るべものであろうと心得ております。
#42
○西田信一君 めんどう見るというお答えでございますから、まあけっこうと思いますけれども、めんどう見るというその範囲がどの程度であるかわかりませんが、少なくともそういう防災計画を立てるというような経費そのものは国がまるまる負担してやるというくらいの配慮があっていいんじゃないかという意味でお尋ねをしたわけでありまして、めんどう見るということの範囲が、どの程度のものであるのか、できればそういう配慮を願いたいというが希望も含めまして、もう一度お尋ね申し上げます。
#43
○国務大臣(安井謙君) 国が持つべきものと、地方で持つべきものを明確にして、いたずらに地方の負担を重くしないということがこの法案の趣旨でございまして、具体的には計数的な計算が整っておりませんが、そういった新しく国の命令に従って行なう事務につきましては、当然国がこれに対して費用を見るべきものと考えております。
#44
○西田信一君 この法律の施行の時期なんですが、「公布の日から起算して一年をこえない範囲内において政令で定める」と、こう書いてありますが、先ほど渡海衆議院議員からも修正の理由について御説明ありましたように、こういう災害国会でこういう法律ができるということは、われわれも望ましいことでありますが、少なくともこの法律が有効に働くためには、そう施行の時期というものは遷延できないのじゃないかというふうに考えます。これはいつごろから施行される御予定でございますか、伺っておきます。
#45
○国務大臣(安井謙君) これは一年以内ということになっておりますが、でき得る限りこの法案の決定を見ますれば、なるべくすみやかにやりたいと考えております。時期として的確なことは申し上げられませんが、四月なり六月なり、そのあたりまでには全体の準備を急いで整えたい。そうしてそれまでの間においても、でき得る限りの法制化あるいは予算化といったようなものは、次の通常国会を通じてもでき得る限りのことはいたしたいと考えております。
#46
○西田信一君 次に、中央防災会議が作る建前になっておる防災基本計画ですね、これはいつごろまでに作られるお考えでございましょうか。
#47
○国務大臣(安井謙君) これは中央防災会議ができ上がってからの問題でございまするが、少なくとも三十八年度の予算には、相当な計画を織り込み得るような予定で進めたいと思っております。
#48
○西田信一君 私は、お尋ねをいたしたいと存じましたところは大体お答えを願ったわけでございますが、この基本法がきわめて重要であるという認識に立って申すわけでありますが、同時に、先ほどから御答弁の中にございまして、われわれも了とするわけでありますけれども、この基本法そのものは、いわゆる基本法でございまして、これを基礎とする、少なくとも来年度の予算の上にそれが具現をし、そしてまた、この基本法に基づくところの諸法令の制定ということも、これは並行して急いでいかなければ、せっかく基本法そのものができましても、実効が上がらないわけでございますから、少なくともそういう点について積極的なひとつ推進をお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
#49
○小林武治君 ちょっと伺っておきますが、この法律と自衛隊の出動の関係ですか、こういうものはどういうふうになるのですか。
#50
○国務大臣(安井謙君) 実は、自衛隊の出動は、その災害時にあたりまして、都道府県の知事から要請をするという形になっておりまして、それは現地におきまして命令系統は依然として違いますが、相協力して要請して出動した場合に働くと、こういうふうに考えております。
#51
○小林武治君 そうすると、別段の規定はしないで、現行どおりでいくと、こういうことになると思いますが、自衛隊はその指定の行政機関としてそういうものがないと、そういうことですか。
#52
○国務大臣(安井謙君) この中央防災計画の会議のメンバーには、当然自衛隊の責任者も入っていただく予定であります。ただ、自衛隊の指揮監督という点につきましては、直接の監督は、別のそれぞれの系統でやっていただくと、こういうことで考えております。
#53
○小林武治君 そうすると、自衛隊は独自の考え方で行動するということですか。
#54
○国務大臣(安井謙君) あらかじめあるべき姿をできるだけ想定いたしまして、地方防災会議でそういった対処すべき場所、方法等も、あらかじめ協議されております。大体そういう方針に従って出動するその際は、自衛隊は直接には知事の指揮を受けないでやる、こういうことになるわけであります。
#55
○小林武治君 そうすると、対策本部長というものができるのだが、その本部長あるいは知事等の指示とか、勧告とか、そういうものは受けないわけですか。
#56
○国務大臣(安井謙君) そのとおりでございます。
#57
○小林武治君 これは従来もある問題ですが、自衛隊が出動するために相当の経費を要しておりまするが、その経費は、今までどういうふうな扱いになっておりますか。
#58
○国務大臣(安井謙君) ちょっと正確なことは後ほどまた調べてお答えいたしたいと存じますが、今まで自衛隊が出動いたしました場合、それ自身に関する経費は自衛隊自身の負担であろうと思っております。
#59
○小林武治君 こういうものが出れば、また当然消防団あるいはその他の人の防災活動を促すと、こういうことになりますが、その給与、手当というようなものについては、従来あまり明確でなかったと、実際に非常な労力を要し、時間を使う、こういうことに対して、何らか手当をするというふうなことを定める必要があるのじゃないかと思いますが、その点はどうですか。
#60
○国務大臣(安井謙君) それは自衛隊に対してでございますか。
#61
○小林武治君 いや、一般の消防の……。
#62
○国務大臣(安井謙君) 一般の防災活動に消防団員等が活動しました場合、一応一定の出動手当というものは、基準はつけてありますが、市町村の状況によりまして非常にまちまちになっております。金額も非常に少ないと存じます。その点につきましては、今後できるだけ配慮をいたしまして、相当な基準のものは必ず出し得るようにひとつ十分指導していきたいと思っております。
#63
○小林武治君 今のように非常にまちまちで、また、ほとんど財政上の理由で出せないと、こういうような実情でありまするが、これらをある程度国で考えてやる、あるいは財政計画に入れてやる、あるいは特別交付税の問題にするというふうな必要があると思うのですが、そういうふうなことをこの中にも入れる必要がありゃせぬかと思いますが、どうですか。
#64
○国務大臣(安井謙君) 消防団員あるいは消防職員の費用、出動手当、あるいは経常経費につきましては、基準財政需要額で当然見ておるわけでございますが、この見方がまだ不十分だという点もあります。あるいはまた、見ただけのものが有効に使われてないといったような実情も確かにあると思うのでありまして、そういう点はさらに合理的なものにいたしたい。さらに突発的な事情によって、そういう経費がかさんだ場合には、特別交付税等でさらに補給をするということも考えております。
#65
○小林武治君 防災活動をする、あるいはそれに出動すると、こういうことについては、特定の人に特別な負担をかけると、こういうことでありますが、従来はとかくこれが義侠的と申しまするか、ただ非常な犠牲をしいるというふうな結果になっておりまするが、やはりこういう災害対策というようなものをはっきりさせるためには、そういうものに対しては、ひとつきまった待遇等について、全国的な基準をきめてやると、それについてある程度政府も責任を持つと、こういうふうな態勢をとってもらいたいと思いまするが、そういうことをするには、やっぱりある程度法規を必要とするのじゃないかと思いまするが、そういうことをこれからやってくれるかどうかですね。
#66
○国務大臣(安井謙君) 消防団に対しまして、災害のときの出動もお説のとおりでございまするが、それ以外に対しましても、いろいろと不均等なものがあるように私ども心得ております。でき得る限り来年度の予算には、そういった不均等を直しまして、そうしてさらに出動等にあたり特に犠牲になったような場合には、それに対する特別報賞の制度といったようなものも法的にも十分考えたいというふうに目下思って検討をいたしておるわけであります。
#67
○小林武治君 ぜひひとつ、基本法というものができる機会にそういうものを整理してもらいたいということを希望しておきます。
#68
○委員長(小幡治和君) 残余の質疑は次回に譲ることといたします。
 次回は三十日午前十時より開くこととし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十九分散会
   ――――・――――
ソース: 国立国会図書館
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