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1961/10/17 第39回国会 参議院 参議院会議録情報 第039回国会 大蔵委員会 第4号
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1961/10/17 第39回国会 参議院

参議院会議録情報 第039回国会 大蔵委員会 第4号

#1
第039回国会 大蔵委員会 第4号
昭和三十六年十月十七日(火曜日)
   午前十時三十五分開会
   ――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     大竹平八郎君
   理事
           上林 忠次君
           佐野  廣君
           成瀬 幡治君
           市川 房枝君
   委員
           青木 一男君
           大谷 贇雄君
           岡崎 真一君
           西川甚五郎君
           林屋亀次郎君
           堀  末治君
           前田 久吉君
           木村禧八郎君
           野溝  勝君
           天田 勝正君
           原島 宏治君
           須藤 五郎君
  政府委員
   大蔵政務次官  堀本 宜実君
   大蔵省主計局法
   規課長     上林 英男君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       木村常次郎君
  説明員
   建設大臣官房参
   事官      高田 賢造君
   ――――――――――
本日の会議に付した案件
○租税特別措置法の一部を改正する法
 律案(内閣送付、予備審査)
○会計法の一部を改正する法律案(内
 閣提出)
   ――――――――――
#2
○委員長(大竹平八郎君) ただいまから委員会を開きます。
 租税特別措置法の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取することにいたします。
#3
○政府委員(堀本宜実君) ただいま議題となりました租税特別措置法の一部を改正する法律案について、提案の理由を御説明申し上げます。
 この法律案は、さきに政府において決定した木材価格緊急安定対策及び国際収支改善対策の一環として、税制面において、山林の伐採実績の増加した者について昭和三十六年分及び昭和三十七年分の山林所得につき所得税の軽減措置を講ずるとともに、輸出実績の伸張した者について輸出所得の特別控除制度の簡素化及び特別償却制度の創設を行ない、あわせて産炭地域振興臨時措置法案の提案に伴い、産炭地域において取得する工業用機械等につき特別償却を認めることとする等の改正を行なおうとするものであります。
 以下改正案の内容につきまして簡単に御説明申し上げます。
 改正案の概要の第一は、立木の伐採を促進するための特別措置であります。最近における木材価格の値上がりが、わが国の経済及び国民生活に与えている影響に顧み、用材用の立木の伐採を奨励するため、昭和三十六年または昭和三十七年に伐採または譲渡した山林のうち原則として既往三年間におけける山林の平均伐採実績をこえて伐採した部分についての山林所得に対する税額を二分の一軽減しようとするものであります。また、昭和二十八年一月一日の再評価日前から所有している山林を伐採または譲渡した場合には、資産再評価法の規定により、再評価税が課せられることになっておりますが、今後の税法整備の方向を勘案し、とりあえず昭和三十六年または昭和三十七年に伐採または譲渡した山林所得については、再評価税の課税を行なわないで昭和二十八年一月一日における価額を取得価額とみなすことによりその計算の簡易化をはかるとともに、山林所得に対する課税の軽減を行なうこととしております。
 第二は、国際収支改善対策の一環としての輸出関係の特別措置であります。まず、輸出所得控除制度については、青色申告者の昭和三十六年十月一日から昭和三十八年三月三十一日までの期間内の輸出金額が前一年の輸出実績をこえる場合に限り、その輸出所得控除額の二つの計算基準すなわち所得基準と取引基準とのうち、取引基準を適用しないで所得基準のみを適用することとし、輸出所得控除額の計算の簡素化をはかっております。
 次に、同じく青色申告者の昭和三十六年十月一日から昭和三十八年三月三十一日までの期間内の輸出金額が前一年の輸出実績をこえ、かつ、その期間内の輸出金額の総収入金額のうちに占める割合が前一年のその割合をこえた場合には、すべての償却資産の償却範囲額にそのこえる割合を乗じて計算した金額を普通償却の別ワクとして特別償却することを認めることとしております。
 第三は、産炭地域振興関係の特別措置であります。産炭地域の振興をはかるため、青色申告者が産炭地域内の指定された地域において製造の事業の用に供する設備を新設または増設する場合において一定の条件に該当するときは、その取得した機械設備等について取得価額の三分の一(建物は五分の一)の特別償却を普通償却の別ワクとして認めることとしております。
 また、産炭地域内の指定された地域に工場等を建設するために一定の条件に該当する工場用土地を買いかえた場合には、圧縮記帳等の方法により譲渡所得の課税を行なわないこととしております。
 何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。
#4
○委員長(大竹平八郎君) なお、補足説明は後日といたします。
   ――――――――――
#5
○委員長(大竹平八郎君) 続いて、会計法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑のある方は御発言願います。
 なお、大蔵省よりは上林法規課長、建設省より高田参事官が出席いたしております。
#6
○成瀬幡治君 ずっと前に一応の質疑が終わっているわけですが、それはそれといたしまして、随契あるいは指名が主になっているわけですが、中小企業の業者を擁護するためにどういうような措置が今後とられようとしているのか。それはなぜかというと、信用とかいろいろな問題もございましょうから、お前のところはだめだだめだと、こう言ってしまうと、永久に中小企業者はそれにはいれなくなってしまうという点が一番心配されますから、選択権が施行者側にあるということになれば、中小企業の人たちはとかく残されがちになってしまう。そういうものに対して、どういうような方向でこれから進めようとするのか。
#7
○政府委員(上林英男君) 御存じのように、会計法は国の契約手続につきまして、どういう手続により、あるいはどういう人を対象とし、どういう方法で契約をするか、国の契約制度として最も合理的、能率的に行ない得るかという手続を主体といたしまして対象としているものでございます。したがいまして、中小企業対策、あるいはそういうような意味を含めまして会計法を考えるということは、実は会計法の分野ではないというふうに、大ざっぱに申しますとそういうことでございます。ただ、中小企業のわが国の経済に占めまする位置から考えまして、その政策に違反するようなことはもちろんやってはならないわけでございます。むろん、保護育成という観点が会計法のワク内におきましてできますものならば、それは考えてしかるべきものだと思っております。現に、たとえば現行の予決令におきましても、中小企業協同組合の保護育成のために随契ができるというふうな規定があるわけでございます。それがある意味では会計法の分野におきまする最大限と申しますか、限界であるかと考えております。
 なお、今御指摘の点につきましては、一方におきまして、もちろん、国といたしましても貴重な税金を財源といたしまして契約をするわけでございまするから、最も効率的に、国にとってまた有利な契約を結んでいただかねばならぬわけでございます。しかしながら、といいまして、中小企業者自体が、中小企業者であるからいかぬ、こういうことはまた考えてはいけないことでございます。問題は、そういう国の契約制度を有効的かつ能率的にやるという意味におきまして、かつ資格があり、十分国の契約を履行していただけるという人には、できるだけ広く競争の道を開いて、国の契約制度に均等な機会を得て参加をしていただくという方向で考えざるを得ないことであると考えております。
#8
○成瀬幡治君 中小企業の人たちに対して、今までは一般競争が原則で、そうしてこれが広く行なわれておれば、そういう中小企業の人たちにも機会均等があるわけなんです。それからもう一つは、ローア・リミットの決定がなければそれに参加することもできたわけなんです。ところが、実績はどうなっておったかというと、指名なり、あるいは随契が圧倒的に多く、今度はそれを片一方では非常に原則をうたいつつ、主点は実情に合わせるようなふうに法律改正を会計法でしておる。しかも、ローア・リミットをきめてきたということは、むしろ中小企業者を締め出す方向に法律は改正されておる。そこで、実際の運用面としては、中小企業の人たちにもそういう参加の機会を与えていくという何かの方途というものが、会計法では考えられないとするなら、何か別な角度からそういう道が開けられてしかるべきだろう。そうでないと、片手落ちになるじゃないか。むしろ前のほうが機会均等が多くて、今度の改正によってより狭められたじゃないかというような結果になると思うのですが、その辺のところをどうしておるのか。
 特にこういう中で、中小企業の育成というようなことは大きな政治問題として片一方ではあるわけです。あるいはまた、わが党でいえば、官公庁の仕事というようなものは、中小企業に何%が行っていいじゃないか。行くべき仕事があるとするならば、工事費の総額が何万円以下というようなものは、こういう中小企業者に向けてもいいじゃないかというような考え方も出てくると思いますから、もし法律でそういうことがないとすれば、行政的にどういうような措置がなされようとしておるのか。法律にはそういうことがうたえないとすれば、これでは中小企業を締め出す邪悪な法律としか言えないと思う。
#9
○政府委員(上林英男君) お言葉でございますが、今度の改正法は、今お話ございましたような趣旨で作ったものではございません。まず、競争制度の問題につきましても、一般競争の理念、できるだけ広い公開競争という理念は捨てておらないわけでございます。若干手直しをいたしましたのは、従来の会計法によりますると、どのような場合でも一般競争が原則であるという書き方になっておるわけでございます。しかしながら、たとえば、特許権を持っている人と契約をするという場合には、競争をしようといってもできないわけでございますから、そういう場合にはむしろ随契によらざるを得ない。したがって、随契によるものとするというふうに書いたわけでございます。いわば制度の当然の結果としての論理を発展させたものにすぎないと考えております。さらに、ある意味では選択された競争というものを考えておるわけでございまするが、これも、一般競争と申しましても、全然無資格の人が競争をするというわけにも参らないわけでございます。ことに現在のように、技術なりいろいろなものが進んで参りますと、そういう感が深いわけでございますので、そういう意味におきまして、むしろ現在のような格好で参りますと、公開競争が行なわれない。したがって、できるだけ公正な公開競争のためには、一定の資格制限づきの競争ということも考えてよいのではないかという考え方をいたしたわけでございます。
 また、今回の改正はローア・リミット制をしく意図のものではございません。ローア・リミット制でございますと、予定価格の一定割合以下の場合は必然的に無効になってしまうわけでございまするが、それは諸外国にもそういう例はございませんし、また過去の例を見ましても、予定価格の一定割合以下のものが必ずしも出来が悪いというわけではございませんので、そういうようなローア・リミットをしく意図ではございません。問題は、非常に低い値段のために、その価格では国の契約を完全に履行していただけないというような場合には、これはむしろこれを排除するほうが合理的であるという観点に立ちまして、そういう場合には十分審査をいたしまして、あるいはそれを排除しました場合には、契約担当官に一定の加重された責任と手続を課しました上で、例外的にそういう人を排除するという道を開くにとどめるものでございまして、したがいまして、その運用におきましても、もちろんりっぱな中小企業者を排除していくというような適用は決してなさるべきではないというふうに考えておるわけでございます。
#10
○成瀬幡治君 あなたのほうの前国会にお出しになりました資料を見ましても、一般競争は二%くらいしかなくて、あとは指名、随契。ほとんど随契が大半を占めておるという格好になっておる。特に歳出件数でいえば、一般競争というものはゼロなんです。それじゃ、この会計法が今度改正されたらもう少しふえていくという見通しなんですか、一般競争のほうは。私は、前回の審議などを通しまして、むしろそうじゃなくて、やはりこういうパーセンテージはあまり変わらぬ、やはり随契あるいは指名競争が多いんじゃないか。したがって、それにむしろ法律を合わせていく、現状に合わせるようなふうに今度法律を改正なされたものと受け取った。あなたのお話を聞くと、そうじゃなくて、一般競争は原則だから、それを貫いていくのだ。貫いていくのだ。そのことはようわかりますよ。わかりますが、なかなか実際に、今後国会に対する資料をお出しになるときに、一般競争契約がずっとふえていく見通しに立ってこの法律案を出してお見えになるわけですか。そうでないと、何か、原則は私はわかりますよ、わかりますが、原則論で言うのじゃなくて、具体的にやはり指名、随契になれば、中小企業の人が締め出される率が多いんじゃないか。そこで、その場合についても、たとえば何万円以下の工事は中小企業の人に向けるとかなんとかというようなことを、行政措置としておやりになったほうがいいんじゃないか、こう思っておるから、そういう措置をとられるべきじゃないだろうかということをお尋ねしておる。もちろん、それは会計法にうたえぬとおっしゃるならそれでいいですが、とするなら、行政的にどういう措置をするのか。
#11
○政府委員(上林英男君) 初めのほうの御質問でございますが、これによって一般競争がふえるかという御質問でございますが、実は同じような悩みと申しますか、それは日本だけではございませんで、いろいろな国にもあるわけでございます。たとえばフランスのことを私勉強いたしましたときに、やはりフランスも一般競争がほとんど行なわれないということで、ずいぶん議論があったようでございます。その結果フランスにおきましては、選択的な何と申しますか、予備的選択をした競争、資格制限をした競争というようなものを採用いたしまして、その結果それが四〇数%に上がったというようなことをいわれております。そういうようなことからも考えまして、もちろん競争でございましても、資格のない人の競争ということはできないわけでありますが、一定の資格を得た公正な競争を、しかもそれを公開でやるということになりますと、もちろん機会均等な理念にも適合いたしまするし、そういう格好の一般競争というものが今後広く行なわれてほしいという気持で考えているわけでございます。
 それから、第二の問題につきましては、初め申し上げましたように、会計法の分野におきましては、いかにして国の契約制度を効率的、能率的に運営していくかという手続を対象といたしておるわけでございまして、もちろん、その間に御指摘のようないろいろな点は配慮して契約を結んでいかなければならぬとは思いまするけれども、会計法の面から今の中小企業対策というものを考えていくことは実行上なかなかむずかしい。むしろ、それに考え過ぎますると、たとえば一定の金額以下のものについては中小企業者に回すというようなことになりますると、むしろ経理手続の面からいたしますれば、能率的でないというようなことにもなるわけでございますので、その点につきましては十分研究はいたしますが、会計法の分野として解決しがたい問題ではないか。むしろ実態といたしましては、中小企業の方々がすぐれた技術を身につけられるなり、あるいは金融対策として設備の合理化とかいろいろな点のそういうような方面でもって解決して、りっぱな資格を得られて、その資格のもとに国の契約制度に参加してこられるという素地を作り上げていくほうが、むしろ先決問題ではないかというふうに考えられるわけでございます。
#12
○成瀬幡治君 あなたのおっしゃる点はわからぬことはないんです。よくわかるのですが、それでは中小企業の対策にはならぬと思うのです。これは会計法とは離れて実際の運用面で、建設業法でやるとか、あるいは各省間の内規でされるとか、行政的の手を打っていくとかしなければ、この問題は――随契だけが主なんでしょう。したがって、選択権というのはこちらにあって、気に入らない人のところには持っていかない。あんたのところは資格がないから、技術が云々ですからと、これで一言で解決するのです。機会均等とは口では言いますが、実際の運用面になるとなかなかそうはいかない。
 そこで、たとえばリストがあって、そこに登録された人たちにはずっと一覧表があって、この前のときにはA、B、C、の三人で指名競争をした、その次には随契でやるという、いろいろなやり方があると思います。それに、次にまた一部のグループを指名競争をさせる、そういうような実際の運用がされていくものかどうか。何か随契が九〇何%であって、随契ということになれば、特定の個人をさして、そこと契約する。それならば、ずっと登録されている人たちにそうして順繰りにやっていくものなのか、その辺のところがよくわからないのです。片一方では、いや、機会均等、機会均等と訓辞めいたことをおっしゃっているが、集際の運用面においてはどうも特定のところにしぼられて、機会均等の機会というものがないのじゃないか。こういうように受け取るのですが、どうなんでしょうか。
#13
○政府委員(上林英男君) 従来、競争といいますと、指名競争が主体になりましたわけでありますが、その指名競争の場合にも、確かに御指摘のように指名基準というものがはっきりしない、あるいは特定の業者に指名が片寄り過ぎるのじゃないかという御議論があるわけであります。今回の会計法の改正に伴いましては、その点につきましてもできる限り改善をはかりたいと考えているわけなのであります。先ほど申しましたように、一般競争につきましても有資格者の制限的公開競争というものをやっていきたいという考え方でいることは、申し上げたとおりであります。これは公開競争でございますから、しかもその資格もだれかれというような好き勝手な恣意的な方向ではなくして、できるだけ客観的なデータに基づきましてりっぱな名簿をできますれば作って、その名簿に登載された者を有資格者として公開競争に入っていただくという考え方を持っているわけであります。それから、指名競争につきましても、指名業者の名簿を念査いたして作っていただく。それからさらに、指名業者の名簿の中からどういう基準で指名業者を選択するのかどうかという指名基準自体も、今後はできるだけ各省でりっぱなものを作っていただく。あるいは大蔵省に御相談いただいて公正な指名基準というものを確立して参りたいというふうに考えておりまして、それぞれの省にも御協力をお願いする意味で御相談をただいま申し上げておりまするし、この会計法が制定されました場合には、各省庁の連絡会議などを持ちまして、十分その辺につきましては公正に運営されるように努力をいたしたいと考えているわけでございます。
#14
○須藤五郎君 関連して。これは一般入札が原則だということを表に出しながら、方々で抜け穴をこしらえて、やはり従来どおり指名入札、それから随意契約ですね、指名競争、それに持っていこうという意図を持って、この法案が作られているように私は思うのですが、今成瀬君が質問しておりました点で、一つの抜け穴として、必要な資格という言葉を使われておりますが、その必要な資格というものをそういうふうに政令で定めると言っているのだが、これを具体的に、必要な資格というものは一体何であるということを具体的に示されないと、業者というものは全く不安定な状態に置かれると思いますので、ひとつ具体的に必要な資格というものはどういうものなのか示していただきたい。
#15
○政府委員(上林英男君) この資格制度の問題につきましては、この前、財政制度審議会で政令案を含めました案を御審議願いましたときのものをお配りいたしたと思いますが、その中にも書いてございますように、まず一般的な資格といたしましては、これは破産者であるとか無能力者を除きますことはもちろんでございますし、あるいは現在の制度にもございますが、国の契約につきまして手抜きをしたりその他不正行為をした者につきましては一定期間国の契約に参加できないというような規定もあるわけでございますが、これを活用いたしまして、今後はただにその被害を受けた省だけでなくして、国全体としてもそういうブラック・リストの相互通報という制度も考えていきたいと思っているわけでございます。
 それからさらに、具体的なその資格になりますると、これは契約の態様によりましていろいろと違って参るわけでございます。したがいまして、それぞれの契約に応じまして、あるいは経験年数とか、信用、技術、そういうようなものに応じまして、各省各庁が必要な資格要件を定め得るということにいたしまして、その資格要件に応じました有資格者名簿というようなものを公正な手続を経て作っていくということを考えているわけでございます。たとえば、具体的に申しますと、建設工事関係におきましては、御存じのように、すでに建設業法に基づきますところの委員会がございまして、そこにおきまして現在でもいろいろな客観的なデータを集めまして、点数をつけ、一定の格づけをいたしているわけでございます。そういうような制度を今後さらに建設省のほうで拡充をし確実なものにしていかれるわけでございまするが、そういうようなものを現在でも各省はある程度使っているわけでございますが、そういういろいろな資格要件、あるいは格づけというものを今後ますます活用をして、適正な資格要件をきめていくということにいたしたいと思います。
#16
○須藤五郎君 資格要件というものは一般に公開されているのですか。
#17
○説明員(高田賢造君) ただいまの法規課長の御説明の中にございました資格のことでございますが、現在建設省のほうでやっておりますことは、建設業法の中に中央建設業審議会という機関がございます。その機関の権限として、入札の参加者資格に関する基準というものを制定し得ることになっております。その規定に基づきまして、従来、建設業法の運用の一つといたしまして、その審議会がみずからその基準をある程度きめまして、これを注文者に勧告をいたしております。その際、その基準に関連をいたしまして、各建設業者の職員の数、資本の高、あるいは工事の完成高等を調べまして、一定の基準によって格づけと申すとあれでございますが、どの程度の能力を持っておるかということを、数字で表わせるものだけに限っておりますが、それを作っております。この名簿は、注文者から要求があるときにはこれを出して差し上げております。そういうことにいたしておるのでございます。
#18
○須藤五郎君 必要な資格というのは、工事の大小によってこうこう、まあ何億円以上の工事の資格がこうこうだという、工事の大小によって資格者がいろいろ変わるわけなんですか。
#19
○説明員(高田賢造君) ちょっと、それじゃその点を申し上げることにいたしますと、会計法で将来出て参ります資格という点、先ほどの一般競争の資格というものと同じではございません。その点全く同じの概念ではございませんが、どういうものを将来政令等で資格としてお作りになるか、大蔵省のほうでお考えになると思いますが、それとは別に建設省でいたしておりますものは、たとえばこういうことをいたしているわけでございます。勧告いたしているわけでございます。一億円以上の工事、あるいは五千万から一億までの工事、あるいはその下に一千万以上、あるいは五百万以上、こういうふうに幾つか工事を分けて考えまして、それらの大、中、小という幾つかのランクに分けました工事につきまして、なるべくそういう大きいものは大きい業者が取ってもよろしいが、中小以下の工事については、先ほど申し上げました名簿によりまして、一つの資格をある程度調べて、資格を持っている、能力と申しますか、客観的に、工事高はどれくらいやっておる、この程度のものまでもできるぞという一つのランクがあるわけでございます。それらの中小の工事につきましては中小業者に行くようにという趣旨の内容を持ったものを、従来勧告いたしております。審議会で一つの勧告案というものを作りまして、その際今お話しの幾つかの大、中、小、まあA、B、C、D、Eというふうに分けまして、この種の工事についてはまあそれに応ずる業者の大小があるわけでございまして、中小の工事につきましては中小の業者になるべく発注するように、こういうことの趣旨を従来審議会の名前で注文者に勧告を出しておるわけでございます。お尋ねの点はおそらくそのことだろうと思って申し上げましたが、そういうことはいたしております。そういう勧告を受けます注文者は、官公庁が主でありますが、民間の工事でも公共的な工事につきましては同様に勧告をいたしておりまして、官公庁の場合と同じような精神に沿ってやってもらうように私どもお願いをいたしておるわけでございます。
 そういう点では一つの資格と申しますか、ただ、先ほど法規課長からお話がございましたどういう資格を作る、これは将来、今私が申し上げるものと同じではないと思いますが、まあ建設業法の上でいわば中小業者のほうの対策と申しますか、中小業者になるべく仕事が行くようにという見地からいたしておる作業だけを、ただいま申し上げただけでございます。
#20
○須藤五郎君 成瀬議員も心配しておりますように、今度の法令ではますます大資本家の大企業のほうに仕事が集中していくような方向に持っていくのじゃないかと思うのですね。ですから、大きな資本を持っているのはどの事業にも、小さい事業に対しても有資格者として認められる。小資本者は非常にその仕事の範囲が狭められている。やはりそこに大資本が入り込んできて、優先的に仕事を取っていくというきらいがあるわけです。というのは、保証金の百分の五というような、こういうものによって小資本家はなかなか困難な条件が生まれてきますから、どうしてもそういうような、成瀬君が心配しているような方向に行くようになるだろうと私も想像するわけです。そこで、中小業者の立場を守っていくのに何か方法がないかという意見だろうと思うのですが、あなたのおっしゃるような、今のようなことではたしてそれが守っていけるものかどうか。私たち、非常に危惧の念を持つのですが、そこら、もっと何か強い方法はとれないものなんですか、どうですか。
#21
○説明員(高田賢造君) 今お尋ねの点につきまして、多少それの周辺のことについてのお答えになるかもしれませんが、申し上げますが、私ども、建設業関係につきまして、国の会計法の運用に当たっております際の経験から申し上げますと、今回の改正は、先ほど申し上げましたような中央建設業審議会でやっております勧告の立法の上からいたしますと、支障はないように私ども存じております。と申しますのは、むしろ、これは現在の会計法なり政令なり、予算決算――予決令と申しておりますが、その運用の実際から申し上げますと、むしろ、この指名競争入札の制度によりまして、それを活用いたしますことによりまして、先ほど申し上げました大、中、小というもののおよその分類をそれぞれ注文者にいたしまして、小さな工事である場合には、おおよそ指名する場合の範囲を勧告の線に従ってある程度しぼる、こういうことができるわけであります。かりにこれが一般競争、公開競争だけにいたしますと、これはまあそういう制限を加えることはおそらく困難になりはせぬかと私ども見ております。むしろ、実際の運用では、指名競争入札の適正な施行によりまして、今の中小企業というその点からいいますと、私ども害がないように思っております。決して今の制度がいいということではなくて、現在の運用ではそういうふうになっておりまして、今回の改正にあたりましても、その点、私どもの勧告案の実施には支障を来たさないように存じております。
 それから、なおもう一点、お尋ねの点の最後のことでございますが、どういう方法があるかということ、もっと的確に中小業者のほうに仕事が相当に行くように的確な方法はないか。これは私ども建設省、建設業法というものを預かっておる立場からいたしまして、非常にその点は従来からも苦心いたしております。とかく強制的に注文者に対して、たとえば建設業法の立場である程度規律をして、これこれの工事については必ず建設業のあるランクの者にさせるということで、法律で強制することは非常に困難であるというふうに、私ども今までの経験上考えております。これは非常にむずかしいところであります。結局、ことに建設業法の場合でございますと、請負行為というものが信頼関係に立って仕事をいたしております、他のでき上がった品物を売るという場合と違いまして。そこで非常に苦心がございます。まあ、建設業法の立場といたしまして、できる限りそういった線をさらに強化していくということをお願いいたしておる。円満な方法でやっていきたいと、こう考えております。
#22
○須藤五郎君 やはりこの法案が目ざしているような一般入札にするということでは、そういうこともできないから、やはり指名という問題がそこに出てくる。指名でやればそれが何か、こううまくバランスがとれていくんじゃないかということになると、何だか一般入札という原則から離れたようなことになってしまって、この法案がくずれてくるような感じもするのですね。それで、こういうことは考えられないのですか。要するに、大きな工事は大資本家にやらせる。小さい資本家は大工事に入っていけない。必要な資格という面で押えられて、入っていけない。そのために、大きな資本家は小さい工事には入ってこれない。そういう規定を設けるとか、何かそういうことによって中小企業のほうを結局守っていくということも、一つの考え方ではないかと思うのです。現に大資本家が大きな工事を引き受けて、それを中小業者に下請けさしておるということは認めておるだろうと思うのですよ。だから、たくさんの矛盾がそこにあるように私は思うのです。これはやはり大企業家だけを保護育成しておって、中小企業家に対しては何らそういう面がとられていない法案だというように私たちは考えられるのです。そんなような点をちゃんと考えておく必要があるように思うのですね。
 それから、もう一つ、私、 ついでに。関連質問ですからあまり長くなるといけませんが、ここに指名競争及び随意契約の場合の不利と認められるというような、こういうような条項で、やはり一般入札を原則としながら、こういう条項を設けて、その原則をくずしていくようなことになっておると思うのですよ。ここで「不利と認められる」というばぐ然たる言葉で書かれておるのですが、指標は、具体的に不利と認められる場合とはどういう場合をさすのですか、ちょっと。
#23
○政府委員(上林英男君) この「不利と認められる」というのは、ただいまの予決令にもございますわけであります。具体的には、たとえば特殊な構造の建築物などを注文いたしまするときに、一般競争入札でやりますると、検査が非常に手間がかかるとか、あるいは検査がなかなかむずかしいというような場合があるわけでございます。あるいは、たとえば国鉄なんか、これは会計法の適用はございませんが、国鉄で列車を運転させながら一つの工事をするというような場合がございますが、なれておりませんと、その準備とか、それから工事の能率とかいうような点から、非常に高いものについてしまうというような、そういう工事の性質上、一般競争でやりますと、かえって不利になるというような場合があるわけでございます。そういう場合につきましては、従来も随意契約で、あるいは指名競争でやっておったわけであります。そういう意味でございます。
#24
○木村禧八郎君 一点だけ伺いたいのですが、最近、建築費が非常に騰貴して、それで新聞にもよく出ていますが、学校建築とかその入札の場合に、一般入札の場合、予定価格ではほとんど応ずる業者がいない、こういうことが新聞にもたくさん出ています。そういう事例を、私はことに地方自治体なんかの学校建築でたくさん最近聞いておるわけですね。それで、結局、やむを得ず随契でやるよりしようがない。原則は、ここに一般競争を原則と言っていますけれども、最近、建築費が非常にどんどん上がっておる場合、予定価格では一般競争に参加する人がいないという問題が最近は出てきている。そういう場合に、一般原則は一体どういうふうになるのですか。結局、随契にせざるを得ない。そうすると、予定価格より高くなる。結局、高くなるのですよ。高くなる。そうして、いい業者と契約できればいいのですが、ある地方自治体の話ですが、なるべく単価を高くしないために、予定価格より高いのですけれども、今まで不正やなんかをした業者の場合で、お前、この前不正をやった、今度名誉挽回のために少し安くやれ、こういうような実例があるのですよ。千葉県のある自治体でありますが、そうしますと、単に法規だけの問題ではないのでして、法規以外の、建築費がこんなに高くなったときにこの補正というものを十分にしなければ、一般競争、一般競争の原則と言ったって、実際問題としてはこれはそうならぬ。どうも私の解決では、そこもなるべくそういう補正をしないために、こういう一般原則は一般原則で出しておいて、随契とか指名競争のほうに法律を改正するようにしているのではないかと思う。最近の建築費の騰貴とにらみ合わして、こういう改正が考えられたのかどうか。これは少しうがち過ぎて考えているかもしれませんが、ちょうどタイミングがそうなってしまった。これは前から出ていたのですけれどもね。ちょうどそうなった、タイミングがね。ですから、非常に意地悪い質問かもしれませんけれども、実際から見るとどうもそう見えるのですよ。今の時点から見ますとね。そういう問題をどういうふうに考えておりますか。
#25
○政府委員(上林英男君) この法律は五年ほど前からいろいろ検討しておったものでございますので、ちょっとタイミングとしてはおっしゃるようなことになってしまったのかもしれませんが、そういう意図のものではもちろんございません。
 それから、今の単価の問題、それから予定価格の問題でございますが、予定価格は十分いろいろ研究いたしまして、これが適正に運用されることが必要であることば言うまでもございません。また、建設単価につきましても、御承知のように、今度の補正予算で公営住宅なり公立文教施設などにつきましては単価の値上げをいたしましたわけでございますし、その他のものにつきましても、実情に応じましていろいろその中の既定予算の中で、いろいろとやりくりをやっていただくということでお願いをいたしておるわけでございます。もちろん、現在の情勢におきましては木材その他の値上がりの問題はございましょうが、ある意味におきましては、建設工事等においての労務者等が足りないという問題もあるわけでございますので、国の立場からいたしますれば、今の経済情勢に即応してやって参りますためには、むしろ既定の予算の中でやりくりし、あるいは控え目に考えたほうがいいではないかということで、その他の問題につきましては、今申し上げましたように、補正予算の格好になっておるわけでございます。そういう意味で、もちろん国の場合におきましても、合理的な単価のもとに予定価格を設けて合理的な契約を結んでいくということが建前であるということを考えておるわけでございます。
#26
○木村禧八郎君 今度の会計法の改正のねらいは、結局、国の意図する建設が、何というのですかね、その意図どおりに、手抜きされたり何かされない、そしてまた予算の範囲内で合理的な建築ができると、国の意図どおりの建築ができるということをねらいとしているわけでしょう。ところが、この法規改正だけではその意図が満たされないのですよ。先ほど今度の補正においても物価補正をしていると言われましたが、ただ公営住宅と文教施設について確かにやっています。しかし、あれだけでは実際聞きますと不十分なんですね。不十分ですよ、聞きますと。なぜ不十分かというと、それはやはり全体の政策との関係があるのですけれどもね。法規課長にこういうことを申し上げてもいかがかと思うのですけれどもね。やはり国際収支改善対策として、なるべく予算もふやしたくないという考えがあるわけですよ。したがって、補正した公営住宅、文教施設について補正が不十分であるばかりでなく、その他の部分についてはほとんど補正していないわけです。まあ生活補助基準は五%補正しましたけれども、また公務員の給与についても補正しましたけれども、七・一%ベース・アップ、それもまあ不十分であるけれども。その他には補正していないでしょう、その他の建築費については。そうしますと、やはり法規だけではいかないのですね。ほかのやはりそういう全体の施策ですね。ですから、もう先決問題としては、物価を騰貴さしちゃいけないわけです。物価対策というのはないわけなんですよ。そこにも欠陥がある。その物価が上がった場合に適正な補正というものが行なわれないと、一般競争をやるといっても、参加する人がないというのじゃ、全く意味がなくなってしまうのですね。原則がはずれてしまう。そういうことも勘案して法改正というものをやらなければ、意味がない改正自体については問題があるわけです。今の物価がどんどん上がったとき十分な補正をしてないと、ますます中小企業のほうはこれにはずれてしまいますよ。一そう中小企業は参加できない。実際、一般競争、一般競争といったって、建築費が非常に上がっているから、中小企業はますます参加困難になる。そういうことになるのですが、そういう点についてはどういうふうに配慮されているのですかね。ただ法規をいじるだけでは足りないわけなんです。それは全般にやはり考えなければならぬ問題だろうと思う。その点は十分に反映されなければいけないのじゃないですか。これはまあ法規課長に言ってもしようがないですが、まあ、法規課長については関連がないわけじゃないですね。法規改正にあたっても、そういう点も考えなければならぬという点で法規課長のお考えも承っておきたい。
#27
○政府委員(上林英男君) 御指摘のとおりでございままして、ものごとは法律を改正すればうまくいくというわけではもちろんございません。ことに契約制度につきましては、実際この法律がいかにうまく運用されるかという、むしろ運用の面に実際の問題としてあることはよく存じております。したがいまして、財政制度審議会で議論がございましたときにも、むしろ問題は運営である、運用の万全を期するようにということも言われておるわけでございます。ただ、法律といたしまするときには、先ほどから申し上げておりますように、旧会計法時代の一部条文を直しまして制度としての合理化をできる限りはかっていくということでございます。ねらっておりますことも、今までに御説明申し上げましたとおりでありまして、その運営にあたりましては今後できるだけ各省ともよく御相談をし、実際の衝に当たる人の意見もまじえまして、十分いい運営をやっていきたいと思います。
 今の単価の問題につきましても、もちろん、これは単価はそれだけを取ってみますと、合理的であり、かつ十分なる予定価格をつけてやっていかなければならぬことは言うまでもないわけでございます。もちろん、今度それがさらに予算の関係に参りますると、今御指摘のような国際収支改善対策とか、いろいろな面も考えました上で、予算編成ということになるわけでございまして、そのワク内におきましてできるだけ合理的な運用をやっていくというのが、この会計法のねらいであるというふうに考えております。
#28
○木村禧八郎君 私の言わんとするところは、原則として、一般競争を原則としていますが、このままの状態では建築費がどんどん上がる、それでもう一般競争に参加しようとしても予定価格ではとてもできないのですから、参加する人がいなくなる。こういう現実では、ますます随契なり指名競争なり、一般競争以外のほうに行く。そうなると、中小業者のほうの参加する機会が狭められてくるのじゃないか、一そう。今までこれは予定しておらなかったわけですよ。この法律改正のときには、こんな最近の建築費が騰貴するということを頭に置いてこれは改正を考えているわけじゃないのですね。ずっと前からですから。たまたまこういう事態になったわけです。そうすると、一般競争なんというものはほとんど無意味と言っては変ですが、実際に行なえなくなってしまっている、実際。いかに原則々々といっても。それは新聞でも御存じでし店う。東京都なんかだって、公営住宅なんか競争に参加しません。随契になっていく。そういう場合に、中小企業者やなんかがそういう場合にだんだん排除されていく危険が一そう大きくなってくる。これまでに考えられているより一そう大きくなってくる。そういうことに対して、どういうふうな手当を考えておられるかということが問題になる。成瀬委員や須藤委員の質問もそういう点にあるのじゃないかと思うのですよ。
#29
○政府委員(上林英男君) ただいまの問題は予算の執行の問題であると考えておりますが、予算の執行にあたりましては、もちろんいろいろ単価その他もきめられておるわけでございますが、その範囲内におきましてといいますか、単価というより予算の範囲内におきまして、その執行につきましては現実には各省各庁にまかされておるわけでございます。各省各庁におきましては、予定価格を立てまするにあたりまして、その予算の範囲内におきまして合理的な予定価格を立ててやっていくという建前になっております。むしろ大蔵省が査定し過ぎるから単価が低い、なかなか入札しにくいという点がございますが、実行の問題といたしましては、予算の範囲内でその計画のやりくりその他をいたしていただくように、操作いたしませんものにつきましても、そういうことを各省にお願いしておるわけでございます。具体的にはいろいろと各省と大蔵省と御相談をいたしまして、御指摘のようなことがないように努力をいたしておるというふうに考えておるわけでございます。
#30
○木村禧八郎君 これを、この法改正案を考えるときには、現在のような事態は予想されなかったわけでしょう。ですから、現在それはものすごい建築費の騰貴なんです。そういう新しい事態がここに生じているわけですよ。そういうものを考えて改正というものをやはり考える必要があるんじゃないですか。新しい事態がここに出てきた。それは今まで予想していなかったでしょう。そういうものに対応し得るような改正ということも、どうなんですか、これは考える必要があるんじゃないですか。
#31
○政府委員(上林英男君) どうも説明が下手で恐縮でございますが、実は会計法といいますのは、一般的に通じまする原則を掲げておるわけでございます。ただいまの情勢におきましていろいろな御議論があると思いまするけれども、もちろんまた逆に、むしろ競争激化するというような場合もあるわけでございます。またあるいは、会計法の前提といたします場といたしまして、予定価格が非常に普通の時価よりも安く組まざるを得ないような単価しか予算に入っておらないというような前提の会計法を作るわけには参らないわけでございますし、もちろん、今の事態におきましても、建前といたしましては十分適正なる予定価格が立てられるという前提でものを考えざるを得ないわけでございますし、私どももそういうふうに予算の執行上におきましてはできるだけ、もちろん安い値段で、しかも必要な国の需要を満たし得る工事なり物件なりは購入せざるを得ませんが、そういう範囲内におきましてできるだけ有効に国民の税金を使っていくということが必要であると考えておるわけでございます。今の会計法の建前から申しますれば、どの事態にかんがみましても、そういう一般原則あるいは一般的な考え方のもとに立たざるを得ないというふうに考えておるわけでございます。
#32
○成瀬幡治君 今のと少し話が横にそれますが、指名基準というものを作られるわけでしょう。せっかく作られたものが活用されていくということを考えると、しかも中小企業の人がなるたけ入ってくるということになれば、たとえば工事種別と工事量によってもそういうものでランクがついてくる。たとえば五千万から一億までの間にはこういうA、B、C、D、E、Fの人たちはこの工事がやれるんだということが登録されて、その人たちが随契ではなくて指名競争ができるということになれば、随契よりも私たちは機会均等がいいと思う。したがって、今後運用面で何かそういうようなものを作られて、各官庁でこの工事ならこれだけの金額のものはこれだけの人たちが指名競争の有資格者だというような運営というものがなされていくならば、いくらかいいじゃないかと思うわけですが、そういうことをやろうとしておられるのか、どうなんでしょうか。
#33
○説明員(高田賢造君) 私、先ほど御説明申し上げました点は、建設業法運営のほうの面から申し上げたわけでございますが、その際、私どもとしましては、今度の改正そのものがそういう方向にいたしておりますものについて支障がないと申上げたわけでございます。実際、御指摘のとおり、お話がございましたような趣旨で、実は今まで注文者に向かいまして建設業法の立場で勧告をいたしております。まだ必ずしもあらゆる注文者がお説のようにきちんと工種と金額――工事金額とを分けて、それに見合う業者を登録している、こういうところまではきちんとは行っておりません。何分工事の種類とか態様、また業者にもそれぞれ特色がございまして、専門の、たとえば橋なら橋に、非常に橋梁について得意であるとか、いろいろございまして、なかなかきちんと分けますのに困難でございます。しかし、大体そういったお説の方向に行くように、私どもは注文者に向かってこれはお願いいたしております。
 また、先般の国会で建設業法の一部改正が通過いたしました。その際、現在中央審議会でやっております、一種の能力審査というものをやっておりますが、それをより適正に行なうという趣旨で、法律の改正に取り入れまして、そういう審査に関する基準を設けること、並びにそういう審査に対しては適正にこれを行ない得る手続等を定めるようにいたしております。お説のような方向に建設業に関しましては努力いたしております。
#34
○成瀬幡治君 この前の委員会のときに、そういうような趣旨の御答弁があなたからもされた。上林課長のほうからもされているわけなんです。それで、しかし第三十八国会に出された資料によると、指名競争は歳入のほうでは一%、歳出のほうで四%、随契ではどうなっているかというと、歳入で九七%、歳出で九六%というように、お話にならぬわけなんですね。そこで、なるほど会計法の中ではそうかもしれない。しかし、片一方の建設業法の改正でせっかく審査基準をお作りになり、あるいは指名基準というものを作られたら、それが活用されることが保障されておらなければ無意味だと思う。あなたのほうは勧告する。お願いしている。ところが、実際はそうじゃないのだといわれては、とてもとても問題にならぬ。特に随契になれば、好みによって、毛並みによって、どうでも左右することができるわけです。それは法律違反じゃないということになってしまえば、何にもならないことですから、それを避けていく。片一方では、中小企業の人たちもそこに競争入札に参加できる機会を与えていく。ぜひ私はそうあってしかるべきだと思う。なぜそのことがいろいろ建設業法の中にうたえないものか。ただ審議会の勧告程度にとどまってしまうのか。どういうことなんですか。
#35
○政府委員(上林英男君) 国の契約につきましては、今高田参事官から御説明がございましたように、建設審議会の御勧告もあるわけでございますし、今後は各省連絡をいたしまして、そういう趣旨で運営をして参りたいと思っております。現在におきましても、現に各省におきましては、建設省のお作りになりました資格基準を活用いたしまして、もちろん若干のモデファイはいたしておりまするが、たとえば教室の得意な業者とかいろいろあるわけでございます。それの資格、あるいは点数、格づけというものに若干違いはありまするが、主として建設審議会の御意見のような資格基準あるいは格づけのもとに運営いたしておるところもございます。今後は関係各省が集まりましてよく相談をいたしまして、できるだけそういう統一的な考え方によりまして、公正な指名業者名簿あるいは有資格者名簿というものを作成して、公正な競争をやっていくというように運営をやって参りたいと考えておる次第でございます。
#36
○成瀬幡治君 まあ希望的な話は私としてはわかるのですが、たとえば、それならば各省の方は工事量と種別に分ける。もう一つは、各省間でこれだけは少なくとも指名競争にするのだというパーセントなんかを示してもいいと思う。あるいは、私は歳入の方で件数にして一%しかないということは、そうすると、全然やらなかった省もあると思う。随契ばかりの省もあると思う。そうでなくて、各省がある程度、何%というものは指名競争をやってもいいじゃないかというそういう行政的な指導というものがなされてしかるべきであると思う。そうでなければ、せっかく法律改正をしてみても、それはほかの意見もあるだろうけれども、何といったって随契が圧倒的になってしまうということになると思う。そういうような点について、それはやはり打ち合わせをやられるときにはある程度の基準というものをお互いが守っていく、また守らしていくという体系にしてもらいたいと思います。どうでしょうか。
#37
○説明員(高田賢造君) 随契の占めますパーセンテージ、割合でございますが、これは全体につきましてはただいま上林法規課長から御説明になるかもしれませんが、建設省の関係から申しまして、お話のような率ではございませんで、少なくともそういうことではございませんで、これは指名競争のほうが多うございます。随契のほうは真にやむを得ない場合しかやっておらないわけでございます。府県につきましては、先ほど公営住宅とか現在の物価の値上がり、用地の高騰というようなことによりまして、予算の執行上困っておる面もございますが、その結果私どもは非常にその点を心配いたしておりますが、随契でやむを得ずやったという場合もございますけれども、建設省でやっております仕事の大部分は、これはもう今お話しのパーセンテージではございませんで、もう圧倒的に大きな競争率でやっております。
 なお、何パーセントまでやりますかにつきましては、今後私は法律で強制することはなかなか困難ではないかと思いますが、指導上の問題として大蔵省ともいろいろ御相談を申し上げる機会があると思いますが、そういう際には執行官庁としては十分御相談申し上げたい、かように思っております。
#38
○成瀬幡治君 このことに関して、まあ意見というのですか、そういうようなものは、ある地方公共団体では、一つの業者が知事選挙にからんでやれぬとかやれるとかいうようなことがある。非常に骨を折ってやっても、お前のところへよけいやる、お前のところへはやらぬというようなことがあってはいけないと思う。しかし随契が主になればどうにもしようがないし、この法律から見ても何ら統一がないと思う。そこで、今申しましたような工事量とかあるいは工事種類によってランクをきめて、この業者ではこれだけの人たちがやれる。こちらのほうにはこれだけのグループの人たちが有資格者だということを、登録されたものが明確になっておって、そうしてそれが絶えず公開されておる。そしてその中で競争というものが行なわれていくという方向が望ましいと思うし、またそれが正しいと思う。そういうふうに今後指導しておいきになるのか、またそういうことが実際やれるかどうか。そういう方向に努力しますとかなんとか言ったって、何にもならない。実行できる見通しがあるのかないのか、伺いたいと田います。
#39
○説明員(高田賢造君) 私ども、建設関係につきましての仕事をいたしております経験から申し上げますと、私の先ほど申し上げました勧告の線は、実は相当従来努力いたしましても、長年やっておりますけれども、なかなか困難でございまして、しかし最近のように中小企業の問題が大きくなりまして、府県等は実際これはほとんど、建設業で申し上げますと、府県等は独立しております業者が多いわけでございます。最近ずっといろいろ話を聞いてみますと、傾向といたしましては、やはり府県の工事等につきましては、むしろ府県内の業者を主として知事さんが指名になる、そういう傾向になっております。今後におきましても、中小建設業者になるべく工事が発注されるように、それもガラス張りに登録した者について注文がなされるということが非常に望ましいことでございますが、この点、将来中央審議会のほうで勧告いたします場合の問題点といたしまして、十分検討するようにいたしたいと存じます。
#40
○成瀬幡治君 私は、地方公共団体は、あなたのおっしゃるように、県内の業者にやらせるということは、よくわかる。やはり都道府県も、今申し上げましたような都道府県といいますか、地方公共団体も、そういうような登録された一つの指名基準といいますか、そういうものが完備されるような方向に今後努力願い、そうしてたれが行っても、この仕事でこういう工事量なら、これは私がやれる資格があるということで、業者が登録していく。そうしたら、それに対する資格審査をやって、名簿に載っていく。そうしてそれに通った者はやれるんだというようなふうに努力、行政措置をお願いします。
 次にお尋ねしたいことは、災害に関連してちょいちょい汚職が出ている。そのよってくることは、やはりどうも、先ほどお話にちょっと出たが、物価の値上がりといいますか、予算が締められている。そういうことと、それからもう一つは、監督になかなか行けない、人手が足りないというようなところがら、いろいろ問題になっているようですが、そういうような問題にからんで、今度契約担当官ができる。そうしてその人たちがまた能力のない業者にいろいろやらせるということ、私はこれくらいむだなことはない。一ぺんやったものが悪かったといって、もう一ぺんやるということは、業者のほうもたいへん。それから住民から見れば、やっと堤防ができてやれ安心といって、見れば、実は根っ子がない。堤防ができても、ちょっと水が出ても、だあとなる。これくらいどっちから見てもおかしな話はない。こういうものを防ぐといいますか、ないようにする方途というものは、どういうふうにお考えになっているか。
#41
○政府委員(上林英男君) 御指摘の点が契約制度の一番核心の問題であると思います。その方法といたしましては、一つは、いかなる適当な契約者を選ぶかという資格制限の問題に一つはなるわけでございます。第二は、確かに検査、監督を十分にやるということであると思います。第一の点につきましては、先ほど冒頭から十分議論があったところでございますが、第二の点につきましては、従来の会計法では特に検査、監督の明文がございませんで、予決令に若干の規定があったのみでございまして、今度の会計法には検査、監督の明文を設けたわけでございますが、検査、監督につきましては、従来会計検査院から検査、監督の疎漏のために国に損害をこうむらしたことがあるということの御指摘がずいぶんあったわけでございます。そういうような意味におきましても、この会計法の改正におきましては検査、監督の規定を置きまして、かつその責任を明確にするという規定を設けたということでございます。
#42
○成瀬幡治君 それならば、今言う資格審査基準というものがあって、完全に励行されておらなかったということも、逆に今まではあったんだということを裏づけしておるということですか。したがって、能力のない業者にやらせてしまった、あるいはしばしばそういうことを繰り返している業者にやらしてしまった。資格検査というものを、審査資格というものをおやりになる、あるいはやっておった、あるいは監督もしておったということを聞いておるが、それは完全に今まで実行されておらなかった。
#43
○政府委員(上林英男君) 従来におきましては、もちろん、実際の衝に当たります方は、できるだけりっぱな工事をやってもらえる人を契約の相手方として選ぶ。あるいは検査、監督につきましても、そういう心がまえでやってきたものと考えておりますが、法規上あるいは制度上の問題といたしましては、今申し上げましたような問題があったわけでございます。したがいまして、この制度といたしましての契約者の選定方式あるいは検査、監督方式というものを制度的にも確立をいたしまして、実行に当たられる方々がやりやすいように、かつ検査、監督も十分やって、その基準に従ってやっていけるようにということで、法制改正をやる。その運営につきましても、十分万全を期していきたいというふうに考えておる次第でございます。
#44
○成瀬幡治君 高田さん、実は災害なんかの堤防のやり直しを見ておると、随契なんですよ。全部随契でやっているのですよ。県内の業者にやらしているのだ。それが全部だめだ――全部だめというわけではないが。そういうように、やはりあるグループがやっておる。指名競争でやられておったら、こんなことはなかったのです。やはり随契というものは、私は非常に技術を尊重され、信用されて、いい面も多分にあることと思いますけれども、それとともに弊害も多いのです。したがって、先ほど申しましたような、公開、オープンで競争させていくという方向に御努力が行政的になされるよう、一つお願いいたしておきたいと思います。
#45
○須藤五郎君 今度の新法は、旧法に比しまして、非常に形式は整ってきておると思うのです。規定が十一条追加されたり、こまかくなったり、また契約管理者の権限が強化されたというふうな点で、形式が整ってきておると思うのですが、ところが、形式だけ整って、一般入札が原則だということをうたいながら、この法律にはたくさんの抜け穴がちゃんと作られておるように私は受け取るわけです。
 最初、管理者の問題ですが、従来は「各省各庁」と、こういう言葉になっておりましたが、今度の新法では「各省各庁の長」、こういうことになっておる。長が管理権を持つということになっていると思うのです。そして各省各庁の長が事務を各職員に委任することができることになって、そして各職員の事務の分担がこまかく規定されておる。ところが、ちゃんと抜け穴がありまして、第二十九条の十一に規定されておるように、請負契約の場合は検査の一部を省略することができるとか、国の職員以外に検査を委託をして行なわせることができる、こういうふうになっておる。最初非常に管理者、長の権限が強化されておるように見えるけれども、あとのほうで、国の職員以外の職員に検査を委託することができるというような条項があって、何だかずっとぼやかされてしまったような気がするわけです。その点を一点伺いたいと思うのですが、こういうことではたしてうまくいくものかどうか。
 それから、一般競争が今度の新法でも原則になっておりますが、しかし、先ほどもずっと質問がありましたように、この一般原則がぼやかされてしまって、この法案、新法が実際一般原則である一般競争入札を原則として、それを今後そのほうに比重をずっと大きくしていこうというねらいでこの法案が用意されたのか、そうではなく、これまで一般原則が一般競争入札が原則でありながら、ほとんど一般競争で入札がやられないで、ごくわずかであった、こういうふうに述べられておるわけですが、そういう状態を合法化するために今度この法案が用意されたものか。この新法のもとにおいて、あなたたちは一般競争入札を厳守して、その比重をうんと大きくしていくんだという決意のもとにこれを出されたのか、そうしてそれに対する見通しですね、先ほどからずっと話を聞いておると、どうもそうでないようなふうに受け取れるのですが、その点をまずひとつ伺っておきたいと思います。
#46
○政府委員(上林英男君) 第一の点につきましては、実は会計法の中でたとえば支出官とか歳入徴収官とかいろいろこれに似たような明文がございまして、それの権限がはっきりしておったわけでございます。ところが、契約担当官につきましては、御承知のように、会計法二十九条一項しかございませんので、明文がなかったわけでございます。そこで、国の会計事務を取り扱いまする責任者と申しますか、その事務の組織を明確に、ほかの支出官とか歳入徴収官とかと同じように規定をいたしたわけでございます。
 それから、次のその明確にはなったけれども、あと二十九条の十一等を見ると、検査を省略するとか、あるいは各省の官吏以外の者に検査をゆだねられることができるというような規定があるということでございますが、この点につきましては、もちろん検査、監督をやりますることが契約の確実な履行に資しますることは言うまでもないことでございますが、たとえば簡易の物品その他につきましては、一々検査をする必要がない場合もございます。たとえば、いろいろな規格がございましたり、それから特に優秀なメーカーで保証がついておる、ここにも書いてございますように、もし悪くなった場合には契約の相手方の責任において補修をしたりあるいは取りかえたりする、そういう保証がついておる場合には、何も一々検査をしないでも、むしろその労力を省いたほうがより効率的な場合もあるわけでございまするので、そういう保証のあるような場合にはその一部を省略して員数検査だけで済ませる。しかし、それによって余りました力をもちまして、必要な検査、監督の力を発揮していくというつもりで書いておるわけでございます。
 それから、第二点の、官庁の職員以外に検査を行なわしめることができるということは、もちろん原則的には、国の契約でございますから、国の職員が監督及び検査に当たることは言うまでもないことでございます。工事その他によりましては、むしろ民間のコンサルタント等、すぐれた技術を持ち、能力を持っておる者があるわけでございます。そういう場合には、むしろそういう専門の人の検査なり監督なりをお願いしたほうが効率的に行ない得る場合もあるわけでございます。従来はそういう点について明確な規定がなかったわけでございます。むしろ国の職員がみずからやるよりは、民間のすぐれた技術を利用いたすほうが適当であるというような場合には、その道を開くことができるという意味で明文化したものでございます。
#47
○須藤五郎君 最後のほうで、長期にわたり契約を締結することができるという条項があるわけですね。これは会計法との関係はどうなんですか。
#48
○政府委員(上林英男君) 御存じのように、わが国の予算制度は単年度といいますか、年度独立の原則をとっております。したがいまして、電気、ガス、水道、その他の契約を締結いたしまする場合にも、歳出金額といいますか、その範囲におきまして、年度ごとに契約を結んでいかなければならぬという建前になっておるわけでございます。ところが、現実には、こういうものは役所なりの生活費に類するものでございますので、年度々々ごとに契約を結んでいくということは、実は手続上は非常に繁雑でございますし、これは役所のある限り必ずなければならないものでございますから、今の、その単年度の契約ということの例外といたしまして、長期にわたりまして、ガス、水道、電気などの長期契約を結ぶということができる。法律によりますならば、そういう債務負担は国としてできることになっております。その権限をこの規定によって付与した。ただし、予算との調整をとらなければなりませんので、その長期契約を結んでも、各年度におけるこういうものの支出はその年度の予算の範囲内で使いなさい、こういうことで調節をとったわけでございます。
 それから、先ほどちょっと申し忘れましたが、先ほどの第二の問題点として、この法律自体が、一般競争をやっていない事態を合法化するためにやったのかどうかという御質問があったわけでございますが、この法律案を提出いたしましたのは、まあ先ほどから申し上げておりますように、一般競争に持ちまする機会均等、あるいは公正な競争という理念、これは決して捨てているものではありません。一般競争と申しましても、現実の一般競争自体は、やはり能力がありその工事を履行し得る者の競争であるという観点から、資格制限づきの一般競争の道を開くなり、あるいは今現実に行なわれている競争というものは指名競争ではありますが、指名競争の難点として、恣意に流れるという難点があるということをいわれているわけでございますので、その指名競争の公正を確保するという意味で、公正な指名業者の名簿を作り公正な指名基準を作っていって、指名競争の合理化をはかっていきたい、こういうような趣旨でこの法律を出しているわけでございます。一般競争の持ちまする機会均等、あるいは公正な競争という理念の線に沿った、むしろそういう競争制度の合理化をこの法律案ではかっていきたいという感じでございます。
#49
○須藤五郎君 これまでも、旧法でも一般競争の入札が行なわれたのはごくわずかだった、こういうことを前提にしてこの新法が作られたと思うのです。そうしますと、一般競争が行なわれたのはごくわずかだったから、だから新法を作ることによって一般競争の率を高めるんだ、こういう考え方なのか。そうではなく、従来どおり一般競争入札はごくわずかで、やはり指名競争、随意契約の率が大きいのである、それを合理化すためにこれを用意したのか、そこの点を私が尋ねているのです。あなた、どちらへ比重を持っていこうというのか、この法案は何をねらっているのか、こういう点を僕は質問しているのです。簡単に答えていただきたい。
#50
○政府委員(上林英男君) 一般競争といいましても、全く資格のない一般競争というのはなかなか行ないがたい。先ほど申しましたように、フランスの例によりましても、そういうものがほとんどなくて、議論があったわけでございますが、資格制限づき競争と申しますか、そういうものができましたあとは、そういう制度を利用するのは四
○数%になったということになるわけでございます。それがある意味では一般競争と言い得ると思います。一般の資格を持った者が全部はいれるというシステムでございます。そういう意味の一般競争が今よりもふえてほしいということで運営をしていきたいと思っております。
 また一方、現在の慣行といたしましては、指名競争というものが大幅に行なわれておるわけでございますが、この指名競争も公正な競争という観点に向かっての合理化をしていく必要があると思っております。究極的には、資格制限づき一般競争と指名競争というものは、そのルールが確立され公正にやられるということになりますれば、機会均等あるいは公正な公開競争という観点からは一致するという感じも持っておるわけでございまして、そういう意味におきまして、一般競争という名のもとに、なぜそれが必要であるかということは、要するに機会が均等な、かつ公正な競争をやっていくという理念、これを実現さしていきたいというのが私どもの考え方でございます。
#51
○須藤五郎君 最後に、これはすぐお答えは願えないだろうと思うのですが、ごくわずかだった、これまでの一般競争入札がごくわずかだったというのですが、具体的にどの省で、どの庁で、どういう契約について一般競争が行なわれなかったかという、その事実を参考までにほしいのです。どうですか。これは資料として、決算委員会の資料のようにもなると思うのですが、もらえたら、私ほしいのです。参考資料として出してもらいたいのです。
#52
○政府委員(上林英男君) 国の契約は非常に数が多いのでございます。かつまた、一般競争が行なわれません理由といたしましては、まあ不信用、不誠実な者が入るおそれがあるという理由が一番多いわけであります。そのほか、手続が繁雑であるとか、いろいろな議論があるわけであります。また、逆の意味におきましては、こういう工事については特殊な技術なり何なりが要るからこういう人を選んだという理屈で、指名競争なり随意契約をやるのだと。おのおの会計法あるいは予決令の規定に基づきまする指名競争あるいは随意契約の要件に該当したものに限り、もちろん各省各庁はやっておるわけであります。もちろん、そんな要件に当てはまっておるかどうかということは、会計検査院でも検査いたしていただくことになっておるわけでありまして、それを一つ一つにつきまして、どの要件に当てはまったからやったという統計はちょっと作っておりませんわけでございますが、また作りますにいたしますと、この前お見せいたしましたように約四百万件くらいの件数に上るわけでございます。ちょっと、その資料を調べますのにずいぶん時間がかかるのであります。御要望の資料が出せるかどうか、ちょっと自信がないのであります。
#53
○委員長(大竹平八郎君) 委員長から高田参事官にお尋ねをしたいのですが、むろん、あるとするならば特殊な大工事以外にはないと思うのですが、従来外国人業者に指名をした場合がありますか。
#54
○説明員(高田賢造君) 建設省の関係におきましては、建設工事の場合にそういう例はございません。道路公団の工事でございますが、世界銀行から借款をいたしました関係上、国際入札をとったところもございますが、実際には外国人業者が参加をいたしておりませんのが実情でございます。
#55
○委員長(大竹平八郎君) もし今後外国人業者が参加あるいは指名されるという場合には、やはり今度の会計法というものを適用するのですか。
#56
○説明員(高田賢造君) 先ほど申し上げましたように、建設省の本来の工事でございますと、ほとんどこれは現在の契約ではございません。ただ、道路公団の場合に考えられるわけでございますが、道路公団の場合はこの国の会計法そのものが適用には相なっておりませんわけでございます。ただ、これをもとにいたしました手続を定めております。今ここで道路公団の会計手続についての資料を持ち合わせておりませんが、今やっております道路公団の手続法ではそういう場合の参加指名ができることになっております。
#57
○委員長(大竹平八郎君) 速記とめて。
  〔速記中止〕
#58
○委員長(大竹平八郎君) 速記をつけて。
 なお、質疑は後日に譲りまして、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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