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1961/10/19 第39回国会 参議院 参議院会議録情報 第039回国会 大蔵委員会 第5号
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1961/10/19 第39回国会 参議院

参議院会議録情報 第039回国会 大蔵委員会 第5号

#1
第039回国会 大蔵委員会 第5号
昭和三十六年十月十九日(木曜日)
   午前十一時四十五分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
本日委員青木一男君辞任につき、その
補欠として野本品吉君を議長において
指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     大竹平八郎君
   理 事
           上林 忠次君
           佐野  廣君
           成瀬 幡治君
           市川 房枝君
   委 員
           大谷 贇雄君
           梶原 茂嘉君
           西川甚五郎君
           野本 品吉君
           堀  末治君
           荒木正三郎君
           天田 勝正君
           原島 宏治君
           須藤 五郎君
  政府委員
   総理府特別地域
   連絡局長    大竹 民陟君
   大蔵政務次官  堀本 宜實君
   大蔵省主計局法
   規課長     上林 英男君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       木村常次郎君
  説明員
   大蔵省主税局税
   制第一課長   細見  卓君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○会計法の一部を改正する法律案(内
 閣提出)
○租税特別措置法の一部を改正する法
 律案(内閣送付、予備審査)
○北方地域旧漁業者等に対する特別措
 置に関する法律案(内閣送付、予備
 審査)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(大竹平八郎君) ただいまから委員会を開きます。
 まず、委員の異動について御報告いたします。ただいま青木君が辞任され、その補欠として野本君が委員に選任されました。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(大竹平八郎君) 会計法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑のある方は御発言願います。
 別に御発言もなければ、これにて質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないものと認めます。
 これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないものと認めます。
 これより採決に入ります。会計法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#6
○委員長(大竹平八郎君) 多数でございます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、諸般の手続等につきましては、先例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
  ―――――――――――――
#8
○委員長(大竹平八郎君) 次に、租税特別措置法の一部を改正する法律案を議題とし、補足説明を聴取することにいたします。
#9
○説明員(細見卓君) 補足説明を申し上げます。お手元に租税特別措置法の一部を改正する法律案新旧対照表というのが参っておるかと思いますが、お開き願います。なお、前回租税特別措置法の一部を改正する法律案要綱というのも配付してあると思うのでありますが、これを両方対照願いながらお聞き願いたいと思います。
 今回改正をお願いいたしておりまするところは、この新旧対照表第二ページの三款の「輸出所得の課税の特例」、この部分と、第四節「山林所得の課税の特例」、この部分であります。なお、租税特別措置法は、御承知のように、個人所得税と法人税と別書きにいたしておりますので、「輸出所得の課税の特例」が、第三章「法人税法の特例」の第三節として同様の条文が入っているわけでございます。
 それから、いま一つ、前国会に提案されたのでありますが可決を見なかった産炭地域振興臨時措置法の提案に伴いまして、一部特別措置法の改正をいたしております。それは六ページの第十三条でございます。前回提案いたしましたときは、すでに租税特別措置法の審議が終わっておりましたので、産炭地域振興臨時措置法の附則におきまして、ここにございますように、十三条の「低開発地域における工業用機械等の特別償却、」この条文を適用するということになっておったのでありますが、産炭地域振興臨時措置法案が廃案になりましたので、今回あらためて租税特別措置法にその条文を持って参ったわけであります。したがいまして、今回改正を願いますところは、第十三条で、従来の低開発地域だけに限っておりましたものを、「又は産炭地域振興臨時措置法第二条第一項に規定する産炭地域のうち」云々というふうに改まってきたわけであります。
 との内容を要約して申し上げますと、政令で定めます一定期間内に、製造の事業の用に供する設備で政令で定めるもの、主として第二次産業に属します製造事業の機械、建物、そのあとにございますように「工業用機械等」というのが主たる対象でございますが、これらのものが製作または建築されて当該地域内において事業の用に供せられたときに特別償却を適用しようというわけでございます。その特別償却の適用方法は、初年度取得価額の三分の一の割増し別ワク償却ということにいたしております。ただ、その機械の取得価額につきましては、この法案が本来雇用の促進というような面をねらっておりますので、その七ページの中ごろのところにございますが、「減価償却費の額とその取得価額(当該取得価額が、当該工業用機械等を当該事業の用に供したことに伴って増加した雇用者の数に応ずるものとして政令で定めるところにより計算した金額をこえる場合には、当該金額)」、大体今考えておりますのは一人当たり二百万程度が大体の平均の機械設備、雇用者一人に対する機械設備の額になっておりますので、その旨を規定をしたいと考えております。いずれにいたしましても、ここで機械等につきましては三分の一、建物につきましては五分の一の特別償却を別ワクとして認めるということにいたしております。
 それから、第二項以下はその特別償却の計算方法を規定しておるものでございます。
 それから、第二十一条に参ります。第二十一条は、これは従来からのいわゆる輸出所得の特別控除でございます。そこに掲げておりまする輸出所得として取り上げております項目は、一号から十二号まで掲げてございますが、これらについてはすでに御承知のことかと存じますので、説明を省略いたします。いずれにいたしましても、今回輸出所得の割増し控除を認めようといいますか、簡素化ということにいたして特別控除ということにいたしておりますが、これは対象といたします取引はここに掲げてある取引と同様のものであります。
 それでは、二十一条の二に参りたいと思います。これが今回御改正を願う法案でございますが、二十一条は、御承知のように、輸出取引の所得額の八割、輸出取引の商社でありますと一%、普通の場合が三%、それからブラントの場合五%、そのいずれか少ない方を輸出所得控除といたしますということになっておるわけでありますが、この二十一条の二は、基準輸出額と申しますか、要するに前年の輸出実績をこえた人につきまして、特にこの三十六年の十月一日から三十八年三月三十一日までの期間の輸出取引につきまして、取引基準を適用いたさずに所得基準一本にいたしたい、つまり輸出所得の八割というものを控除いたしたい、かように規定いたしておるのがこの第一項でございます。
 その場合、基準輸出金額と申しますか、前年の輸出実績の取り方につきましてそこに若干の規定をいたしております。これは個人の場合でございますが、人によりましては、ある月の間は全然輸出力がなかったというような方もありますので、そういうものを月数換算するようにいたしております。それが第二項のところでございます。それから第三番目は、当然なことでございますが、暦の計算方法をとるということであります。それから四番目は、事業を相続または包括遺贈したというような場合は、その前の人のものをそのまま持って参ります。こういうことでございます。五番目は条文の整理でございます。
 二十一条の三になりましたのは、ここに二十一条の二が入りまして、いわば条文が一条ずれたということでございます。
 それから、二十二条の改正でございますが、これは、このように輸出所得が前年の基準額をこえた場合につきましては所得基準一本になるわけでありますし、そうでない、従来どおりの輸出所得がふえなかった人については従来どおりの控除がなされるわけでありますので、その辺の計算の整理をいたしておるのが、その二十ページのカッコ内に書いておるところでございます。つまり、輸出の証明が、従来でございますと、取引がございました後の翌年中に輸出所得の証明がとれないと、輸出所得としての控除ができないわけであります。その場合の計算方法をこまかく、つまり従来のベースでの計算と、ここに新しく所得基準一本になりましたベースでの計算と、その二つの計算内訳をカッコ内に書いておるわけであります。
 次は二十三条でございますが、これは逆に、その後輸出取引であると思っていなかったものが輸出取引としての証明を受けた、ある会社に販売しておったものが輸出されておって、輸出所得控除の特典を受けれるということになった場合の規定であります。これは従来の取り扱いと基本的には同じでございますが、やはりその証明のされた日の属する年、つまり前年の輸出について翌年証明がとれたという場合には、そのとれたときの輸出所得控除をいたしましょう、そのためには更正の請求を要件といたします、ということを書いておるのが二十二条のところでございます。そのことにつきましての条文整理が、その第三項に筋を引いておりますが、これが条文整理になっておるところであります。
 それから、この輸出取引、輸出所得基準一本にいたしました取引は、いわゆる技術輸出取引につきましてもそのまま適用いたしておりますので、第六項でその関係を明らかにいたしております。
 それから、その次が二十三条の二のいわゆる今回の改正でありますが、輸出取引がある場合の特別償却をここに規定いたしておるわけでございます。これも同様に、基準輸出金額をこえた輸出をなした、この場合でございますと、個人でありますが、事業を営んでおる人につきまして割増しといいますか、特別償却を認めようという趣旨でございます。その場合、基準輸出金額というのは前項と同様の考え方をとりまして、月数で換算して考えておるわけでありますが、その場合には、今度輸出所得一本にいたしましたのは、いわば輸出の量の伸びというものを対象にいたしておるのでありますが、ここで取り上げておりますのは、輸出所得が全体の取引の中で占めておりまする割合が前年のなり、ここで申しますと基準でありますが、基準輸出金額割合をこえておるという場合に、そのこえた部分について年々の償却額にプラスいたしましょう。具体的に申し上げますと、昨年は総取引が一〇〇であったといたしまして、そのうちで輸出が一〇であったといたします。今年非常に輸出努力がありまして、総取引はかりに計算の便宜のためにふえなかったといたしまして、一〇〇であって、輸出だけが一五になったといたしますと、この割増し償却に適用する率と申しますのは、百分の十五から百分の十――去年の実績でありますが、つまり基準輸出割合を控除いたしました百分の五を、今年の普通、たとえば千なら千減価償却費として認められておる分があるといたしますと、その千に五%掛けたものを特別償却といたしますと。ここではつまり輸出の努力と申しますか、輸出体質というようなものの改善を見たい。前条のほうは、輸出部分が伸びますとそれに見合って輸出所得もふえますから、そのものの八割を控除いたします、こういうふうにいたしておるわけでありますが、このほうは、輸出が全体の取引の中で占める割合がふえてくる、つまり企業としての輸出努力がなされたその努力部分をここで割増し償却の率として使うと、こういうことにいたしております。
 条文に従って申し上げますと、今申した基準輸出金額割合ということを前段のほうで書いております。それから、この特別償却はいわゆる他の企業合理化のための特別償却、そのほかの試験研究のための特別償却と、いろいろございますが、そういう特別償却と重複するのが適当でないということを書いておりますのが二十七ページのカッコの中でございます。ちょうどまん中ほどにあります。カッコが十一条から十七条までの規定の適用を受ける者を除くということで、特別償却が二重になることは排除したい、こういうことにいたしております。第一項は、今申し上げましたような趣旨を書いておるわけでございまして、第二項は、これは基準輸出金額なり輸出金額割合の計算方法を書いておるわけであります。第三項は、その輸出金額割合とはこういうものを申しますということを書いておるわけであります。それから第四項は、この割増し償却の率として掛け合わせまする率の計算方法を書いておるわけであります。ただ、ここに二十九ページのおしまいのほうにございますように、百分の五十という制限を置いております。と申しますのは、前年たまたま輸出がほとんどしておらなかったような企業が今年非常に輸出ができたというような場合におきまして、五割も六割もの率になることも、したがって前年がゼロでございますからあり得るわけでありますが、そうした五割以上というのはいろいろ特殊な事情もあろうと考えられますので、まあ一応五割で押えるのが合理的ではなかろうかということで、そこに百分の五十を限度にするということを掲げておるわけであります。五項、六項、いずれも前条申し上げたように必要な条文の整理でございます。七、八も同様でございます。八は明細書をつけるということで、当然の規定でございます。
 二十三条の三のほうは、輸出の証明が、先ほど申しましたように、当該取引を行ないました年の翌年じゅうに出せばいいわけでありますが、輸出証明がとれなかった場合にどうするかという場合を書いておるわけでございます。第一号、第二号は、第一号が減算の場合、第二号が加算の場合を掲げておるわけでございますが、このところ幾らかめんどうなところでございますので、条文を読み上げますと、「次の各号に規定する個人が」、その間飛ばしまして、「その該当することとなった日の属する年における当該個人の事業所得の計算上、その年の……当該個人の有する固定資産の」、便宜カッコを飛ばしまして、「固定資産の減価償却費として必要な経費に算入する金額」は、その一号、二号のような金額を控除または加算いたしますというわけになっておるわけであります。
 第一号の減算の場合を申し上げますと、つまり第二十二条に規定する証明がなされなかったものがある場合におきましては、当該証明がなされなかった物品にかかる取引の行なわれた日の属する年におきまして、もし取引がなかったものとしてこの計算を適用したものとした場合には基準輸出金額以下になりまして、この割増し償却率を適用されないことになるというような場合には、あるいはまたはその割増し率が減少するというようなことになりましたときは、その分を減算いたします。それから、逆に新たに輸出取引が、収入金額がふえまして、指定期間にかかる基準輸出金額をこえる部分の金額が生じた場合には、その分をふやして割増し償却をいたしましょうと。これは当然なことでございまして、あとから証明がとれなかった場合、とれて新しく輸出所得になった場合、それぞれ計算の修正をいたしましょうと、こういうことにしておるわけでございます。
 それから、次は山林所得の課税の特例でございます。
 三十条の二の方でございますが、これは御承知のように、従来山林所得の経費の計算は、財産税の評価時に以前から引き続き所有しておった山林につきましては財産税の評価額を基準にいたしまして、それを再評価、二十八年一月一日現在で再評価いたしまして、そうしてその財産税以後の維持費、管理費あるいは直接伐採のための経費等を差し引きまして山林所得を計算いたしておりました。その場合の取得価額といたしておりましたものは、再評価額と財産税の評価日以後の維持管理費を加えたものを取得価額といたしておったわけでありますが、もうだいぶ戦後期間もたちまして、いつまでも財産税評価時の台帳というものの保存も困難になって参りましたし、なお再評価税というような税も、この段階におきまして、ほとんど適用者が非常に古い資産の引き続き所有しておる人たちに限られまして、再評価税の適用状況も年々減少して参っておりますので、このあたりで譲渡所得全般につきまして今所得税法の全文改正を考えておるわけではありますが、その一環といたしまして、再評価税、従来のような財産税価額あるいはその後の所得につきまして、いずれにいたしましても再評価をして再評価税を払っていただいて、再評価額を取得価額として譲渡所得を計算するというような方法も、もうこの際改正いたしまして、二十八年一月一日現在の価額で一応置き直したものを取得価額と考えて譲渡価額を計算したらどうかというふうな税制調査会のほうの御意見もいただいておりまして、そういうことにいたすといたしますと、山林所得につきまして、今、明年特に伐採を促進するための軽減措置が必要であるということにいたしますと、明年そうした所得税法の全文改正をいたすとすると、ことし山林を伐採した人につきましてはそうしたメリットが及ばないということになりますので、特に特別措置法の中にこれをその条文を先に入れまして、所得税法の全面的な改正の方向とあわせてここに山林所得についてだけとりあえず取り立てて、二十八年一月一日における価額を山林の取得価額として考えてはどうかという意味のものをここに出しておるわけでございます。それが三十条の二でございます。
 あと二、三、四と、いずれもこれは技術的な条文の整理でございます。したがいまして、五番目に、第五項にございますように、「再評価法第九条の規定は、第一項の規定の適用があった山林については、適用しない。」ということにいたしたわけでございます。
 その次は、今回の伐採促進のための臨時措置でございまして、三十六年分及び三十七年分の山林所得についての所得税額の計算の特例の条文でございます。これも非常に計算的な条文でございますので、要点を申し上げたいと思います。一応基本的な考え方は、三十六年及び三十七年でそれぞれ伐採された伐採量が基準的な伐採数量をこえた部分につきまして、その部分の所得税を半分にいたしましょうと、こういうことにいたしておるわけであります。その場合、基準的な伐採量というのをどういうふうにしてとらまえるかという点は、いろいろ議論もあるところかと思いますが、本年、明年の臨時措置でもありますし、いろいろ資料等の整備の状況等も勘案いたしまして、ここに掲げておりまする方々は、過去三年間伐採の実績がありまして、税務署の方に山林所得の申告をしておられる方、この場合に、したがいまして、その山林所得に御承知の特別控除がありまして、十五万円の控除があるわけでありますが、それ以下の人はしたがってこの場合の山林所得の実績にはならないわけでありますが、扶養家族等のために失格したと、申告をして失格をしたという人は、これは山林所得の実績があったものとして認めるわけです。その場合に、過去に三年間山林所得の実績があった人については、その三年間の平均をとりまして、一応基準伐採量、それを二年間でやった人につきましては、三年のうち二年あった人につきましては、二年間の平均を基準伐採量と、こういうふうに考える。ただ問題は、全然切ったことが、三年間に、三十三年から三十五年の間に全然切ったことがない、あるいは一回だけたまたま切っておったというような人について、どの数量を基準伐採量と考えるかということが問題になるわけでありますが、ここに掲げておりまするのは、ことしだけ初めて切った人につきましては、ことし、三十六年に初めて伐採された部分の三分の一を基準をこえた伐採量として考えたらどうかと。それから、一年だけ切ったという人については、一年だけの実績を、ことしの伐採量がその過去の一回の事例をこえる部分、あるいはことしの伐採量の三分の一、いずれか多い方を基準をこえた超過伐採量として考えて、その部分についての所得税を半減いたしましょうということにいたしております。その場合に、三十条の三にございますように、どんな木を切ってもいいということでは今回の臨時緊急措置の目的に合致いたしませんので、そこに掲げてございますように、一定の樹齢に達した適材林ということにいたしております。これは今考えておりますのは、大体十五年以上のものを一応適材林ということといたしたいと考えております。以上申し上げました点がこの三十条の三の概略でございます。
 その次に参りまして、今度は法人のほうにおきまして、先ほど冒頭に申し上げました低開発地域等における工業用機械等の特別償却が山間地域に同様に適用になるという関係の条文整理をいたしておるのが四十五条でございます。これは法人について適用あることを示してあるわけでございます。
 それから、五十五条は条文の整理でございまして、五十五条の二が、先ほどの所得税の特別措置でありまする二十一条の二に対応する法人税に対する特別措置であります。同様の考え方をとっております。ただ、法人につきまして、御承知のように、六カ月の事業年度のものもありまして、基準輸出金額あるいは基準輸出割合というものにつきまして、前事業年度のものでいいではないかという御議論もあろうかと思いますが、ここに取り上げておりますのは、輸出につきましては、御承知のように、季節的な問題もありますので、一年間をならしたものが基準としてとるのには適当であろうということで、六十ページのところでございますが、一年間の実績を基準といたしますということを、六十ページの第二項にその点を明瞭にいたしておるわけであります。
 それから、技術輸出を輸出所得控除の対象といいますか、従来どおりいたしておることも同様でございます。
 それから、輸出の証明がなされない場合の益金の算入も、なされなかったときの事業年度にするということは、個人の場合と同様でございます。
 それから、五十六条の二の、基準輸出金額が減少した場合の更正。基準の方が減少しますと、したがって、輸出取引の金額が、輸出所得控除の金額が適用されるものが多くなるわけでございますが、その場合は、さかのぼって基準を修正いたして、そして輸出所得控除の修正をいたしますということにしておるわけであります。
 今度は、輸出取引となった場合の特別控除も、これは個人の場合と同様であります。五十七条であります。
 それから、逆に五十七条の二は、基準輸出金額のほうが増加した場合には、したがって、輸出所得控除されておったものが、その金額が減ってくる、基準のほうが大きくなりますから減ってくるわけでありますが、その分の修正をそのことが明らかになった事業年度にいたしますということを書いておるのが五十七条の二であります。
 それから、五十七条の三は、先ほどの輸出所得の特別償却の関係を法人について規定いたしております。趣旨は個人のところで申し上げましたものと全く同様であります。
 それから、五十七条の四は、輸出の証明がなされない場合あるいはあとで証明が出たというような場合の償却範囲額の増減の修正の方法を書いておるのでありますが、これも個人の場合と同様であります。特に法人の場合は、御承知のように、償却は、法人が確定決算に基づいて償却を明らかにしておらなければならないわけでありますので、当然その修正が明らかになって、法人がその旨を明らかに申告してきた場合に限られることは当然であります。
 以上が、大体各条文に従いまして、この条項の趣旨を若干補足いたした程度の説明でございますが、一応説明を終わります。
  ―――――――――――――
#10
○委員長(大竹平八郎君) 次に、北方地域旧漁業権者等に対する特別措置に関する法律案を議題といたします。
 まず、補足説明を聴取することにいたします。
 なお、説明者に申し上げますが、本案は第三十八国会におきまして詳細説明を聴取したわけでありますが、できるだけ要領を得たひとつ御説明を願います。
#11
○政府委員(大竹民陟君) 前国会に、北方地域旧漁業権者等に対する特別措置に関する法律案を提出いたしたのでありますが、審議未了となりましたので、今回これと同一内容のこの法律案を提出した次第でございますが、この法律案の趣旨、その概要につきまして、補足的に御説明申し上げます。
 歯舞群島、色丹島、国後島、択捉島等の北方地域には、もと約三千世帯の者が居住しておりまして、その大部分はコンブ、サケ、マス等を目的とする漁業に従事しておりました。これら大部分の者は、北方地域において旧漁業法に基づいて免許された漁業権に基づいて漁業に従事しておったものでありますが、さらにこの地域の専用漁業権につきましては、根室付近の漁業会によって設定されました入漁権に基づいて入漁しておりました根室側の漁民も多数存在しておりました。この法律案では、以上の者を含めまして北方地域旧漁業権者等と、こういうふうに称しておるのでございます。
 戦後、漁業制度の改革が行なわれました際に、旧漁業法に基づく漁業権、入漁権に対しましては、補償金を交付いたしまして、これを消滅する措置がとられましたことは御承知のとおりでございますが、北方地域の地先漁場における旧漁業権及び入漁権につきましては、漁業制度の改革が実施できませんでしたので、補償金の交付は当時行なわれておりませんでした。
 北方地域の旧漁業権者等は、もと北方地域の居住者であるという観点から申しますならば、これらの地域へ復帰することができないという現状にございます。旧漁業権者及び入漁権者であったという観点からいたしますれば、漁業補償の対象にもなっておらないという状態でございます。さらにまた、北方地域の地先の漁場はきわめて優良な漁場でございますが、今日安全に漁業を営むことができないという特殊な地位にも置かれております。こういう地位にかんがみまして、これらの者の営む漁業その他の事業及びその生活に必要な資金を低利で融資する特別措置を講ずることといたしまして、そのための機関として北方協会を設立して、これに対して国が所要の資金の交付を行なうこととしたい、またあわせて北方地域に関係した問題の解決の促進に資して参りたい、これがこの法律案の大略の趣旨でございます。
 次に、この法律案の内容について概略御説明申し上げます。
 第一に、この法律による特別措置の対象となります北方地域旧漁業権者等、この範囲を具体的に申し上げますと、その一つは、北方地域の地先水面について旧漁業法に基づく専用漁業権またはこれを目的とする入漁権を有しておりました旧漁業会または旧漁業組合の会員または組合員として、昭和二十年八月十五日において漁業を営む権利を持っておりました個人でございます。その二は、昭和二十年八月十五日におきまして、北方地域において旧漁業法に基づく定置漁業権または特別漁業権の免許または貸付を受けておりました個人並びに法人の構成員でございます。その三は、昭和二十年八月十五日まで引き続いて六カ月以上北方地域に生活の本拠を有しておりました一般元居住者でございます。その四は、以上申し上げましたうち一と二に該当する者が死亡いたしました場合には、その死亡当時の配偶者、子供及び父母のうちに以上の場合に該当する者がいない場合に限って、そのうち一人の者が対象となるということになっております。
 次に、この法律による特別措置の実施の機関といたしまして、北方協会を設けることにいたしております。これに対し、政府はその業務の財源に充てますための基金といたしまして、十億円を、償還期限十年、利率年六分の国債をもって交付するということにいたしております。北方協会は、この基金によりまして北方地域旧漁業権者等に対する低利資金の融通等の業務を行なう方針でございます。協会には、役員として会長、副会長、理事及び監事を置き、主務大臣がこれを任命するということにいたしております。協会の定款、業務方法書、財務会計上の主要事項につきましては、主務大臣の認可または承認を要するものといたしております。なお、協会の会長の諮問機関といたしまして、協会の業務の運営に関する重要事項を調査審議いたしますために、協会に評議員会を設けております。評議員は北方地域の旧漁業権者等及び協会の業務に関する学識経験を持った者のうちから主務大臣が任命するということにいたしております。
 次に、協会の業務について申し上げますと、まず低利資金の融通の業務でございます。そのうちの第一は、北方地域旧漁業権者等に対するその営む漁業その他の事業またはその生活に必要な資金を貸し付けるということでございます。これは協会が直接貸付を行なう場合と、これらの者が所属しております漁業協同組合その他の団体を通じて転貸という形をとる場合と、両方が予定してございます。第二は、北方地域旧漁業権者等がおもな構成員または出資者となっております法人の営む漁業その他の事業に必要な資金を貸し付けるということでございます。第三は、市町村に対する貸付でございますが、市町村が北方地域旧漁業権者等の福祉の増進をおもな目的といたします事業を施行するための資金が貸付の対象となっております。以上申しました資金融通の業務のうち、第一と第二につきましては、協会の事務の軽減をはかる意味で、金融機関に対しまして協会の業務の一部を委託することができるという道を開いております。次に、協会の業務のうちで調査研究等に関する業務についてでございますが、との点につきましては、北方地域に関する諸問題につきまして必要な調査研究等を行なうことといたしております。
 最後に、雑則的な規定についてでございますが、まず協会の解散及び解散した場合の残余財産の処分につきましては、別に法律で定めるという規定を設けております。これは一般の特殊法人の解散の場合と同様な規定でございますが、将来北方地域の施政が回復いたしました場合に、協会の存立目的が達成され、協会が解散するという事態が生ずることがありますならば、その場合には北方地域旧漁業権者等の利害について十分な考慮を払いつつ、協会の残余財産の処分等につきましてきめるようにいたしたいという考えでございます。以上のほか、協会の設立手続に関する規定、法律施行当初の経過規定等を設けてございます。
 以上が本法律案の趣旨並びに概要でございます。補足的に御説明を申し上げた次第であります。
#12
○委員長(大竹平八郎君) 本日はこの程度にいたし、これにて散会いたします。
   午後零時三十四分散会
  ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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