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1961/10/30 第39回国会 参議院 参議院会議録情報 第039回国会 大蔵委員会 第9号
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1961/10/30 第39回国会 参議院

参議院会議録情報 第039回国会 大蔵委員会 第9号

#1
第039回国会 大蔵委員会 第9号
昭和三十六年十月三十日(月曜日)
   午後二時十一分開会
   ――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     大竹平八郎君
   理事
           上林 忠次君
           佐野  廣君
           成瀬 幡治君
           市川 房枝君
   委員
           青木 一男君
           太田 正孝君
           大谷 贇雄君
           岡崎 真一君
           梶原 茂嘉君
           木暮武太夫君
           林屋亀次郎君
           堀  末治君
           前田 久吉君
           木村禧八郎君
           天田 勝正君
           須藤 五郎君
  政府委員
   大蔵政務次官  堀本 宜實君
   大蔵省主計局法
   規課長     上林 英男君
   大蔵省主税局長 村山 達雄君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       木村常次郎君
  説明員
   農林省農林経済
   局参事官    松岡  亮君
   ――――――――――
本日の会議に付した案件
○農業近代化助成資金の設置に関する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○租税特別措置法の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
   ――――――――――
#2
○委員長(大竹平八郎君) ただいまより委員会を開きます。
 まず、農業近代化助成資金の設置に関する法律案を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
 なお、政府側の出席者は、堀本政務次官、上林法規課長、農林省より立川金融課長、松岡参事官が出席をいたしております。
#3
○成瀬幡治君 最初にお尋ねしたいのは、この法律の名前なんですが、助成資金となっていますね。こういう場合に、基金と使われる場合がありますが、どういうふうに違ってくるのか。資金と基金はどう違うか。
#4
○政府委員(上林英男君) 財政法四十四条に、法律をもってする場合におきましては資金を定めることができるという規定がございます。これに基づきまして設置されるものが資金でございまするが、場合によりますと基金という言葉を用いたものもございます。たとえば、国債整理基金と申しまするのは財政法四十四条による資金でございまするが、減債基金というような言葉が実はなじまれた言葉としてあるものでございますので、そういう意味で国債整理基金という、基金という名称を用いた例もございます。もっとも、基金という言葉自体といたしましては、必ずしも財政法四十四条の資金のみをいっていない場合もございます。それぞれの法律によりまして基金という言葉が用いられておりまするが、財政法四十四条の資金に該当しないようなものもあるということでございます。ただ、財政法四十四条の観点から申しますると、資金というのが財政法四十四条に明定された言葉ではございまするけれども、その資金に該当するものといたしまして、具体的に実定法のもとにおきましては、今申しましたように資金という言葉を用いました場合と基金という言葉を用いました場合とあるわけでございます。
#5
○成瀬幡治君 これは金の使用の仕方によって、たとえば元本というようなことですね、片っ方は利子だけ、両方使うというような、資金の使用方法によって区別されているということはないですか。
#6
○政府委員(上林英男君) 実定法上は必ずしもそういう区分で使っておりませんで、先ほど申しましたように、たとえば国債整理基金でございますと、減債基金という言葉が実はなじみのある言葉であったものでございますから、おそらくそういうような言葉を使われたものと考えております。
#7
○成瀬幡治君 この農業近代化助成資金は、三十億の六分で、一億八千万ですか、利子一億八千万のみを使うだけであって、元本のほうへ食い込むのですか、ないのですか。
#8
○政府委員(上林英男君) 三十六年度におきましては、元本まで食い込んでこれを使うというつもりではございません。ただ、法制的にはそういう場合もあり得るということで、必ずしもその資金が生みました利息のみで利子補給をやっていくという建前にはなっておりません。
#9
○成瀬幡治君 そうすると、第六条の「予算の定めるところ」によりますから、年々利子だけでいく、あるいは元本も食い込んでいくのだというようなことは、その予算において定めていく、そういう方向でいくわけですか。
#10
○政府委員(上林英男君) そのとおりでございます。
#11
○成瀬幡治君 この一億八千万を貸し付けられる貸付利率だとか、償還の期限というのは、一体どんなふうになりますかね。
#12
○説明員(松岡亮君) 近代化資金の償還期限は十五年でございます。
#13
○成瀬幡治君 これはどこで定められるわけですか。政令なんですか。
#14
○説明員(松岡亮君) 政令の定むるところで、法律で十五年の範囲内、こうなっております。
#15
○成瀬幡治君 それから、貸付利率というのは大よそ何分なんですか。貸付というのじゃなくて、ある者に貸されますですね、それに対して利子補給されるわけですが、大体どのくらいの限度になりましょうか。
#16
○説明員(松岡亮君) 原則として七分五厘で貸し付けます。それは、たとえば農業協同組合が共同利用施設について借り受ける場合は、農業協同組合の支払う利率が七分五厘、ごく例外的には五分で貸すというような場合がございますけれども、原則は七分五厘でございます。
#17
○成瀬幡治君 私のほうの党としては、若干これは高いのじゃないか、こういうようなことに対しまして、河野農林大臣が衆議院の農林委員会で、きょうはちょっと速記録を持ってこなかったのですけれども、五分五厘ぐらいにするのだというような趣旨の御答弁があって、了承をしておるというふうに私たちは承っておるわけです。以後お聞きしますと、七分五厘なら七分五厘を保証する。しかし、今後これを安くしていくのだ。ことしいきなり五分五厘にするというのじゃなくて、大体そういう方向に努力して、大体本年度においてもある程度実現はできる。そして来年度ごろからは大体五分五厘くらいにはなるだろうというような答弁があって、党としては了承したというふうに承っておるのです。その辺のところを御承知になっているのですか。
#18
○説明員(松岡亮君) ただいまの御質問になりました点は、衆議院におきましても、参議院におきましても、しばしばそういう点について御論議があったのでございます。で、農林省といたしましても、その問題については前国会が終わりましてから検討を始めておるのでございますが、最初にちょっと申し上げますると、まあ農協から貸し出される金利が現在九分五厘から、まあその前後でございますが、この問題についてはできるだけ自主的に金利を引き下げてもらうということをまず考えなければならないという趣旨で、その方面につきましてもせっかく検討し、努力をいたしておるのでございますが、何分せっかく近代化を進めるにあたって、それを推進する刺激といいますか、因子として、できるだけ金利を下げたいという御要望もありまするし、農林省としてもその点については異議もございませんので、衆議院において大臣からお話があったかと思いますが、まあ近代化資金については、この七分五厘という建前はそのままといたしましても、来年度からは、農業の近代化を進めるにあたりまして、特に政策的に農業構造の改善を進めるというところに主眼を置きまして、近代化資金と一体として運用するために、別途でき得れば非常に安い、場合によっては無利子の金を貸し付けるというような建前で来年度予算に計上したいということで、検討を進めておるのでございます。おそらく、大臣からのお話はそういう点であったかと思います。
#19
○成瀬幡治君 近代化資金と別に、何か政策的に改善を進めるものに対して考慮するというのは、もう一つ別途に何か、こういうような近代化助成資金というんじゃなくて、また別な法律案を出されるという意味ですか。
#20
○説明員(松岡亮君) その辺の制度的な仕組みにつきましては、まだ具体的にでき上っておりませんですが、大体の構想といたしましては、これと一体として、あるいは協調融資の建前で、できる限り構造改善を進める村を指定して、まあ改善計画を長期にわたってやりたいと考えておりますが、そういう場合に政策的にそういう資金をこれも協調的に貸して参りたい、こういう考え方を一応とっておるのでございます。
#21
○成瀬幡治君 その場合、まあ非常に低利にするとか、できたら無利子というのは非常にうまい話なんですが、その資金は一般会計からですか、農協から借りられるのですか。資金のほうはどういうような構想なんですか。
#22
○説明員(松岡亮君) 原資をどうするかということについても、まだ具体的に申し上げることができる段階ではございませんが、どうしても、無利子にいたしますと、これはまあ一番考えられるのは政府資金でございますが、相当の量に達しますると、その資金量として政府資金を確保することが相当な問題になるだろう、そういうこともありますので、まあ非常に低い利率で貸す資金といたしますと、やはり利子補給率を非常に上げるということも考えられるんじゃないかと考えておりますが、その辺はまだ具体的に申し上げる段階ではないのでございます。
#23
○成瀬幡治君 私は農水関係じゃございませんから、あまりよく知らないのですけれども、大体農協関係に出ておる資金で一番安い利子は、今までに利子補給されて農民の負担になった利子が、一番安くなったのは何分なんです。
#24
○説明員(松岡亮君) 天災融資法に基づきまして、特にはなはだしい被害を受けた農家に貸す場合に三分五厘という利率で貸しております。それが一番低い金利でございます。
#25
○成瀬幡治君 普通はどんなもんですか。
#26
○説明員(松岡亮君) 私ども制度金融と申しておりますが、政府が何らかの形で補助しあるいは政府資金を投入して貸し付けておるものを制度金融と申しておりますが、そういうもので通常の利率と申し上げられまするのは、この近代化資金の政府案にございます七分五厘でございます。
#27
○成瀬幡治君 利子補給のあるものは七分五厘。利子補給のないものもあるであろうと思うのです。それはどのくらいですか。
#28
○説明員(松岡亮君) 利子補給をやらず政府資金で貸す場合を除きますと、まあ通常の農協の貸し出しということでございますが、まあこれはいろいろございまして、一般的にどのくらいかと申しますと、九分五厘から一割くらい。長期資金の場合これが普通でございますけれども、特に単位農協で比較的安く、それ以下で貸しておる場合もございますが、何ら政府の補助もないし政府資金の援助がない場合においては、九分五厘以下としても、たいしてそれを下回らないと考えられるのではないかと思います。
#29
○成瀬幡治君 私、普通産業関係と申しますか、生産関係でも、いわゆる機械とか電力ですね、そういうようなものに出される金利との比較なんですが、農協でいうと、農民は農協から借りるのは、九分五厘だと。ところが、一般の、たとえば電力関係でいえば銀行から借りれば大体八分前後だと。そしてそれが今度逆に開発銀行から借りれば、六分五厘くらいになる。それが今度政府のほうの制度資金を借りても七分五厘。何かこう普通の、いわゆる世にいう産業界のほうが有利になっているような金利になっておるのですが、それはそれとして、制度資金をやっておるもとになる資金量というのはどのくらいですか、全体農林省で扱っておいでになるのは。
#30
○説明員(松岡亮君) 政府資金を使って貸し付けておりますものは、今お話のありました一般の産業資金に比べて少し利子が高いではないかというお話でございますが、農林漁業金融公庫資金が一番大きな資金でございますが、この場合は七分五厘以下のものが非常に多いわけでございます。で、これは今度近代化資金が設けられますると、従来農林公庫の中で共同利用施設あるいは個人施設として貸し付けておりましたものを近代化資金に移管しまして、従来と同じ七分五厘でございますが、そのほかの土地改良とか漁港とか、あるいは漁船とか、そういった特殊なもの、あるいは公共性の強いものについては、五分とか五分五厘というもので貸すのでございます。それは別といたしまして、政府資金でやっておりまするのは農林漁業金融公庫資金が一番大きいのでございますが、これは今年度のワクが大体六百億でございます。それから、そのほかに開拓者資金とか若干のものがございまするが、主としてこの農林漁業金融公庫でございます。
#31
○天田勝正君 問題は、この資金によって今行き詰まっておる農業がどう転換できるためにささえになるか、これが私は焦点だと思う。そういう観点でこれから質問をいたします。
 参事官は、系統金融、しかし政府の干渉せざるものはまあ九分五厘くらいだというお話がありましたけれども、実質的にはこれは一割一分ぐらいが常識になっております。確かに九分五厘のものもありますけれども、しかし、金融を云々する場合には、必ずそれに対するいろんな手続やなんかの費用もかかる、こういうことが常識であります。
  〔委員長退席、理事上林忠次君着席〕
そういうことから、これは国民金融公庫やなんかと同じように、大体国民金融公庫の場合は初めから一割一分でありますけれども、案外これはやさしいのであります、手続やなんか。ところが、農家のようなそうした手続に弱い階層のほうが現実にはむずかしいということは、これは参事官もお認めになるだろうし、政務次官はその専門家でありますから、御承知だと私は思っている。
 そこで、私がこの際指摘したいのは、その系統金融の資金にいたしましても、大体その融資量は私の知っている限りでは八千億あるが、使われておるのは四千億ぐらいしか使われていない。あとの半分の四千億というものは、いわゆる農家以外に融資されておる。この事実は一体どこから来ているかというなれば、ほしくっても金利が高いから負担ができない、ここなんであります。やはりそういう現実があるから、こうした措置によって少しでも潤おそうというのでこの法案が出されたと思います。これは私は全国の融資を受けている額と、全体の資金量と、こういうのを比較したのですが、私の埼玉県などはきわめて系統資金というものが豊富なほうでありまして、二百三十億あります。それに対して、農民関係に貸しておるのは三十七億円。このように非常に農業関係に直接貸し出している額は少い。これはやはり近郊農村といわれる埼玉あたりでも、なかなか系統金融の高い利子であっては使い切れない、こういうことなんです。
 そこで、今成瀬委員から、産業資金よりもはるかに高い金利負担になっているじゃないかという御指摘がありました。私は、せっかくこういう制度を設けるならば、もっと手厚い態度をもって臨んでもらいたい。当初はこれでやむを得ないと思います。たとえば外米を輸入するという商社には四分か四分五厘で融資されておるはずで、米を作るほうは保護しても七分五厘だ。ここにもう、米という一つの物品をとらえてもアンバランスができておる。同時に、ここで議題になります輸出入銀行、この関係で見ましても、前回の国会におきまして、御承知のとおりパルプには百十八億、約これは資本金の六倍であります、そういう融資を四分で貸しているはずなんです。そういうものと対比をして、弱い農民が七分五厘では、これは太刀打ちできないということは私は明瞭だと思います。でありますから、結局、今のどから手の出るほどほしい農家に、たとえ二分でも補給されるこの農業近代化資金、これはまあ九分五厘を基準といたしましても、二分だけ助かるのでありますから、一歩前進であります。しかし、将来はこれを何らか、今私が指摘するような点を勘案しながら直していかれる、こういう努力が政府側になければならないと思います。この点についてどうお考えになるか、これを伺いたいと思います。
#32
○説明員(松岡亮君) ただいまるるお話しのありました点、ごもっともな点でございますが、まあ政府のやっておるいろんな、まあ私どもの言葉からいえば制度金融につきましては、輸出入銀行の場合はちょっと私よく存じませんが、通常の産業への貸し出しに比べまして農林関係のものは非常に低くなっておると存じます。これは農林公庫の場合でも五分、自作農維持資金は五分で貸すというようなことでございますので、開拓者資金が、まあ一番低いのは三分六厘五毛というような例もございますし、相当低くなっておるのでございます。
 それから、系統資金につきましては、これは本来は農業協同組合の自主的な金融でございますから、できれば政府がいろんな補助をしないで金利を下げてもらうということが好ましいのでございます。もちろん、今御指摘のありましたように、農協で多少貸し出しについて消極的な面があったり、あるいは金利が高いために貸し出しが渋滞しておるというようなこともございますけれども、その点は相当に改善の余地があるのじゃないか。たとえば単協の場合にいたしますと、一番安全な運営の方法としては上級の信連に預ける、組合員から預かった金を上級の信連に預ければ、これは安全で確実な運用でございますが、単協の段階でそのまま組合員に貸し付ければ、コストは比較的低くて済むわけでございます。それについては組合員同士の中でお互いに信用の問題がある、そういうことが原因で多少貸し出しが消極的になるというようなことは、まあ組合自体の中で解決し得る問題でもあるかと思うのでございますが、それらの点も考え合わせまして、今度は近代化資金と一緒に債務保証制度を別途、これも政府の補助で作りたい、そういうことによって貸し出しを一そう促進するようにしたい、かように考えておるわけでありますが、一方において金利の面におきましても、相当な措置をとると同時に、信用の零細な農家の信用を補完する措置もあわせてとるということで、漸進的に金融の円滑化をはかっていきたい、かように考えておるのでございます。
#33
○天田勝正君 いろいろと努力されておるのだとは思いますけれども、この農協の系統金融をもってしても、今現在のコストはどうしても高いと。しかし、末端の農協が預かったものを直ちに融資するならばかなりコストが安くつく、こういう方法を実はとりたい。ところが、私がさっき指摘しなかったのでありますが、農協の金が四千億も余っておる。余っておるというか、貸してはおるのですけれども、農業以外のところへ融資されておる。こういう現象はどこからくるかといいますと、その貯蓄がたくさんありながら、中身を分析するというと、そこに農業と非農業との所得格差が発見できるわけです。さっき埼玉の例をとりましたが、埼玉がかって三年ばかり前には、一億以上の預金を保有した農協はたった三つしかありません。それがどうして七十ぐらいの農協が一億以上になって、今申し上げたように二百三十億も持つようになったか。これは都市近郊の農業で現金収入がきわめて恵まれておるといいながら、農業それ自体の所得でないということが、中を分析すればすぐわかるので、土地ブームやなにか別個の原因からして農協に預金がふえた。論より証拠、今度は純農業地帯といってもいい鳥取の場合を見れば、あなたのほうに資料はちゃんと整っておると思いますが、この内容はたいへん違います。三十億しかない。それに対してまあ常時予備保有しておかなければならないものが当然あるのでありますから、これが四、五億はどうしても必要になってくる。だから、それに対して二十億も出しておるのですから、これが農協以外には幾らも回っていないことは目の子算用でもすぐわかるわけです。ところが、これは対処して、今埼玉の場合をいえば、これはたいへん余っているかのごとくに見えるけれども、しかし、その内容はそれ自体が農業と非農業との所得格差を露呈しておる、こういうことであります。でありますから、ほしい農業者のところにはやはり今のままではなかなか行かないというのが現状です。
 そこで、私は、他産業に今日適用しておりますように、四分なり四分五厘なりの資金というものを農業にはよりよけい、対等にというのじゃなくて、よりよけいしになければ、農業基本法の示す道にはやっぱりほど遠くなる、こういうことを申し上げておるわけなんです。それで、確かに農業の中にも三分五厘で貸しておることも、私も承知しております。けれども、かって他の産業に対しましては、御承知のとおり、あの前渡金制度というのが戦争中からずっとありまして、あれがずいぶん本院においても議論されたことがあります。それに前渡金をもらえば、たとえ安い五分でも六分でも預け金をすれば、それだけはもうまるで浮くと極言してもいいくらいであります。それから、さっき指摘しましたように、資本金の六倍もの金を四分くらいで借りれば、これは他の証券投資をしましても、ボンド・オープンやったって、どこからいったって差がそこへ出てくるのです。ところが、農業のほうは、これは三分五厘で貸しても、だれが借りてどこへ使うということが綿密に調査されて、これを他の金融機関に預けて差を見るなどということは絶無なんです、これは。これは御承知だと思うのです。ですから、金利を安くして補助をしなければならぬ。そうした何というか悪徳によってサバを読むというようなことはあり得ないのだから、これは安心をして私は低利資金が貸し得る対象だと、こう思っております。
 でありますから、むしろ答弁を簡略にするために私は長っしゃべりをしておるのですが、こういうことについて、将来少なくとも――一番おくれておる今日では、所得格差を見るならば、他産業が一〇〇ならば三一・三であるということは、どこの数字からも明瞭に出てきている事実があるのでありますから、それを倍増してみたところでまだ肩は並ばないのであって、三倍増してもまだちょっと肩が並ばないという現状だから、肩並べをするためには、せめて近代化資金くらいをぐっと低利の、さらに低利という制度を広げる以外になかろうというのが私の意見であります。でありますから、これに対して政府、特にこの問題は政務次官からひとつ御返答を賜わりたいと、こう思っております。
#34
○政府委員(堀本宜實君) ただいま天田委員の御指摘になりましたように、農業協同組合が唯一の農村の金融機関でございますが、これらの預貯金等集計されております。しかも、その運用が一つの基準化されておりまして、系統資金に集中いたしておりますことは御指摘になりましたとおりでございまして、しかも集中されましたそれらの預金のうち、農業へ再び貸しますることが非常にコスト高になりまして、循環を阻害いたしておる。したがって、他の方に投資をいたしますとか、その他の状況になっておりまするものが、系統資金でも三千五百億ないし四千億あるという実情にございます。したがいまして、主として自分の金を自分らで預金、貯金をしながら、その金が使えない。一方の制度金融と申しますか、主として農林漁業金融公庫のほうから借りようとする気風があり、またそのほうが金利が安いというようなことでございまして、農村の金利がきわめて高利である。しかも、ただいま御指摘になりましたように、農業が金を借りて、しかも七分五厘以上の金を借りて経営をして引き合う農業の仕事が何があるのかということになりますと、きわめてそれを見出すことは困難な状況でございます。したがいまして、補助金制度がだんだんと金融に変わり、融資に変わって参っております現段階といたしましては、私は安い、しかも低利の長期の金で農村の農業構造計画を進めて参りますることが、今後のわが国における農業の本筋であるというふうに理解をいたしまして、天田委員の御指摘になりましたことに全く同意をするのでございます。
 そこで、この資金が、近代化の資金が七分五厘ということを一応のめどにいたしてはおりますが、これを実施いたしまするために、すでに有畜農家創設資金並びに農業改良資金等がございまして、今までそれらを利用、ささやかではございましたが、ともあれ利用いたしまして一種の金融をはかっておったのであります。これを今度農業近代化の中に包含をいたしまして、資金量を増加いたしまして、おそらく明年度は五百億程度の総額になるのではないかと思いますが、順次これを繰り上げてやるわけであります。しかし、先ほども松岡参事官のほうから御説明も申し上げましたように、七分五厘ということではなお高いでないかという御質疑がございましたが、これは私、七分五厘といいまするものは、中金の系統的に上がって参りました最高の九分五厘というものが、県と国の一分を加えまして七分五厘という一応の標準を置いておるのだろうと思いますが、今の全国的な情勢を見ますると、すでに有畜農家創設特別資金並びに改良資金等で利子補給をいたしておりました関係がございまして、これを取りくずしますために、県において最低一分以上を実施いたしておるような状況でございます。なおまた、これを受けました市町村がすでに自分の市町村から利子補給をいたしておりますので、現実に特定の県の名前をあげますとどうかとも存じますが、国の一分と県の一分、市町村の一分で、三分を利子補給をいたしておりますところは全国的にたくさんあるようでございます。したがいまして、農業の中にも非補助小団地でございますとか、あるいは自作農維持特別資金でございますとか、そういうものは五分ないし最低三分五厘で運用しておるのでございますから、できる限りそれに近い線で今後利子補給をいたしまするようにいたしていきますることが私は適切だと、かように考えるのでございます。したがいまして、今年度これらの実施をいたしまして、おおむね地方財政もたいへん好転して参っておりまするときに、それぞれの立場で利子補給をいたしますと、われわれが希望しておりました五分ないし五分五厘程度の利子に最末端がなるのではないか、かように考えます。
 また一方、中央金庫まで金が参りませんまでに、たとえば単協でありまとすかあるいは県信連でこの金を出していくということになりますと、上下いたしまする利子が、手数料といいますかマージンといいますか、それがなくなりますので、なるべく末端で金ができればそこで貸し与えるということにいたしまして、安い金利でしかも長期に、農業の近代化、構造改善、流通の方面に利用ができまするようにいたしたい。これらの資金源並びに利子等につきましては、今年度の様相を見まして、なお大蔵省といたしましても特段の研究を続けていきたい、かように考えております。
#35
○天田勝正君 もう一点。先ほど成瀬委員のほうから指摘いたしました、衆議院の審議の段階で河野農相が、別途にさらに別の低利資金を考える、こういうようなお話があったということは、実は私ここへ入る前にも議場の中でそのことを聞いて来たのです、私も。それで、そういうことは党からも実は聞いていなかったので、私も聞きたいと思っておったのですが、成瀬委員のほうから質問があったのですが、それは別段の答弁がなかったように私は聞いおる。で、それが事実かどうか、はっきりしていただきたい。
 それから、これは決して公式なものではありませんので、私も意地悪い質問をするつもりは毛頭ないのですが、かつて農基法の論議の最中に、私も、与党の人また社会党の人とともに、ずいぶん各地で討論会を行ないました。その際に、これは名前は遠慮しておきますけれども、本院議員で私としょっちゅう一緒の会場に行ったのですからすぐおわかりになるわけですが、結局この農業近代化の資金をどうするかという同じ質問が各党に出た際に、この今政府の案は七分五厘ということであるけれども、これをさらに別途の措置を講じて五分ぐらいに貸したい、こういうお話があって、まあそのときは会場でありましたから、たいへんいいことを聞いた、それなら与党の人がそう言うのだから、さっそく帰って、院における農業基本法の審議にあたっては、与党側のかれかれの意見であったということを申し上げるつもりであると言ったのですけれども、しかし、政府の決定でないものをそう意地悪く言ってもしょうがないというようなわけで、実はそのことには今日まで触れたことはない。その経過と、今成瀬委員、私が指摘したものと、どうも合うような気がするのですね。当時、農基法案、近代化資金の議論のときとちょうど合うような気がする。それは私どもまことにけっこうな話ですから、できるならばそうしてもらいたい。確かに小団地の関係では三分五厘でありますが、私の検討したところによりますと、農業近代化の資金は最高三分五厘でなければならぬというのが、実は私どもの党の見解であります。
 ずいぶん突拍子もないことを言うというお考えの人もあろうかと思いますけれども、日本の工業がこれだけ伸びた歴史を、ここで演説をぶつつもりはさらにないのですけれども、これは今の日本の経済の伸びが世界の驚異であるのみならず、日本の工業の発展も、明治以来これは世界の驚異なんです。なぜかといえば、この当時の工業は、官業を払い下げたり、鉱山を払い下げたり、土地を払い下げたり、そのまあ三つが私の調べでは大筋になっている。大柱になっている。資金のほうはどうかというと、ほとんどただ貸していますよね。これを政商などといって攻撃された向きもありますけれども、そう言われても仕方がないくらい、ただ貸している。天下の糸平が破産に瀕したときも、時の大蔵郷である大隈重信氏は援助の手を差し伸べて、政府資金で救っている。これはお調べ願えばすぐわかると思いますが、金利など取っていない。これは一例で、こういうことを申し上げれば数々ある。そういう工合にして工業というものは発展してきた。その資金は、税金の七割五分までは当時は地租ですから、農民が払ったといっても過言ではない。工業のなかったときに工業から税金を今みたいに取るわけにいかない。そちらから取らないで、農業のほうから取って、そうしていろいろな官業やら鉱山やら土地やら払い下げ、資金はただで援助するという形があったから、日本の工業は、これは世界歴史に見ない速度で発展したというのが私の分析であります。であるから、今日においては逆に、おくれた農業のほうへは実はただでもいいのだという議論も成り立つわけです。残念ながら時が違ってきましたから、まあそうはいかない。
 そこで、農業経営が零細化せないために、政府の基本法にもありますように、一子相続というのをうたっています。せめて一子相続をする。農業の零細化を防ぐというだけにでも、長期の無利子の資金を使いたい、使わなければならない。他のものは急にはできないにいたしましても、やはり他の金利よりも低めということになれば、三分五厘ということがめどになれば、そこへだんだん押し詰めていかなければならないのじゃないかというふうに考えられます。で、今のお答えで、やや、今後も努力されるという政府側の意思は私は了といたしますから、ぜひひとつ今申し上げた点などでも御考慮願いたいと思いますが、いかがですか。
#36
○政府委員(堀本宜實君) まず最初にお話しになりました無利子の金、これは中小企業に若干あろうかと存じますが、農業には無利子の金は今ございませんが、いろいろな歴史的な金利の経過といいますか、政府援助の経過等から見ますると、一番弱い、しかも二重構造の底辺にありますような産業そのものに対しまして、補助政策を続けていかなければならないということは、もう当然なことで、しかもその段階で、低利で安く長期にこれを維持しますることが、お説のとおりだと私は思う。そこで、農林省のほうから特別な無利子の金あるいは制度等の御計画が今後進められるというようにお話もございましたが、ただいままだ予算要求が本格的な調査に入っておりません段階でございますので、農林省からどういうような利子の要求あるいは資金の要求等がありますか、まだつまびらかでございませんので、ここでお答えすることはできぬと存じますが、ともあれ、以上申し上げましたように、農業の近代化の問題、ことにあとへ残る自立農家の育成の立場に立ちます場合に、農産物の価格、要するに収入と金利の問題、これ元金払っていかなければなりませんので、そういう問題等を考慮に入れまして、今後、先ほども申し上げましたように、この市町村までが利子補給をするというような段階にまで立ち至りますと、今の七分五厘というものははるかに低下をするであろうと存じておりますので、政府におきましても十分に農村金融の低利化につきましては検討を進めて参る所存でございます。
#37
○成瀬幡治君 低利の問題がずっと出て参りましたが、一体無利子にするとかあるいは低利にする、こうおっしゃっておるが、今の自由化を控えて、大ざっぱに引っくるんで、こういう近代化のためにはどのくらいの低利融資をしたら、およそ競争に打ち勝つと申しますか、まあまあというところへ行くのだろう。農林省はある程度数字をつかんでやっておいでになると思いますが、大ざっぱでいいですから、このくらいのところをひとつ押えてやっておる、平均として。どちらからでもいいですが。
#38
○説明員(松岡亮君) ただいまの御質問は、お答えするのは非常にむずかしい問題だと思うのでございます。これはもうずいぶん前から、適正な農業の金利はどのくらいかということについては、私ども非常に研究を繰り返しておるものでございます。ことしになりましても、前の国会で近代化資金の金利を引き下げよという御要望が非常に強くございましたので、学者あるいは専門家のほうの御意見を承って研究をいたしておるところでありますが、特にいろいろな生産要素のうちで金利だけを取り出して一義的にきめるということは、ほかの産業にも同じでございますけれども、特に農業の場合は、同じ土地をいろいろな形で利用できるわけでございます。その価格体系もいろいろ違っておるということで、一義的に金利を定めるということは、方法論からいいましても、なかなかむずかしいのでございます。学者の御意見も承ったのでございますけれども、いかなる金利が適正であるかということは、私どもこれを自信をもってお答えすることはできないのであります。ただ、それは安いほうがいいということは、これはもうもちろんでございますが、一方で補助金を相当出しておるわけであります。たとえば農林公庫の土地改良につきましても、小団地の土地改良については三分五厘でございますが、ほかの場合は五分になっております。その五分ないし五分五厘の場合にも、一方で補助金が相当出ておるのでございます。ですから、三分五厘という極端な金利の場合はいわゆる小規模な土地改良であるが、大規模になって参りますと、補助金のほうが大きくなって参ります。無利子よりもさらに有利な条件になってくるというようなことで、そういうような具体的な施設から申しましても、金利はいかにあるべきかということを一義的に申し上げることはなかなか困難であると、かように考えております。
#39
○木村禧八郎君 今この資金の運用についていろいろ質疑があるのですが、この資金が、第七条で、「経理に関し必要な事項は、政令で定める。」ということになっているのですが、その経理に関する問題がまだ明らかでないものですから、いろいろな疑義が出てくるわけですね。政令で内容というのは大体わかっておるのですか。わかっておりましたら、それを明らかにしてもらう必要があると思うのです。それがまず第一点。
#40
○政府委員(上林英男君) この資金の、今の経理に関する政令でございまするが、これは非常に事務的な内容を規定いたすだけでございまして、たとえば経済基盤強化資金などにおきました場合にも、施行令を置きまして、経理手続をきめております。大体それに類するような規定を置くわけでございまして、今予想いたしておりますのは、たとえば資金の増減とか、資金の受け払い簿の様式とか、計算書の様式とか、そういうようなものを規定いたす予定でございます。
#41
○木村禧八郎君 この第七条では、この資金の受け払いか歳入歳出外になるわけです。ですから、そこでその経理に関する政令を置きまして、あらかじめわれわれとしては知りませんとね。歳入歳出外になるから、予算審議をする場合に万全を期し得ない。そこで、今そういう質問をしたのですがね。大体この歳入歳出外とする場合、これは一般会計の中に置くわけでしょう、財政法十四条との関係はどうなるか。御承知のように、十四条は「歳入歳出は、すべて、これを予算に編入しなければならない。」。ところで、歳入歳出外とするわけですね。そこで、歳入歳出外とすると、いわゆる総計予算主義ですね、これを規定した十四条と抵触してくると思うのですが、その点はどういうようにお考えになりますか。
#42
○政府委員(上林英男君) 御承知のように、財政法四十四条の資金と申しまするのは、その性質からいいまして、歳入歳出外と申しますか、ただいま御指摘のありましたように、総計予算主義あるいは年度独立の原則の例外をなすものだと考えております。と申しますのは、財政法の建前から申しまして、すべての歳入歳出は予算に計上されなければならないわけでございますが、資金と申しますのは、一会計年度内で消費し尽くさないことを予定して置くという金銭であるということであります。したがいまして、一会計年度を越えてこれを実施あるいは運用するという性格を持っているものでございますので、その性格から必然的に年度を越えて保有され、したがって、その受け払いは歳入歳出外になっていくという性格を持っていると思います。この七条におきましては、そういう意味におきまして、念のため「歳入歳出外」というふうに規定されているわけでございます。その性格自体は、資金の必然の性格から出てくるものであるというふうに考えられていいのじゃないかと思います。
#43
○木村禧八郎君 この資金は、四十四条に基づいて設定されていると言われましたね。そうして現在、四十四条に基づいて一般会計において設定されているこの資金としては、大学及び学校資金、特別調達資金、国税収納整理資金と経済基盤強化資金ですか、そういうものが盛られているのですね。すでにこれは、私、この資金自体に一つ疑義があるのですけれどもね。このうち大学及び学校資金については、前にも御説明がありましたね。これは旧会計法当時からの引き継ぎなんですね。その他の資金については、会計法が確立してから設定されたものなんです。そこで私は、こういうこの四十四条の規定は、これは単なる注意規定であって、これを基礎にしてこういう資金を持つことは私は筋が違うのじゃないかと思うのです。この大学のほうにつきましては、御承知のように、大学及び学校資金は、もとの学校特別会計法に基づいてこれは作ったわけです。その特別会計法は廃止されたので、一般会計に引き継いだわけですね。これは今度の新しいこの財政法に基づいて会計制度が確立したので、旧会計法のをこれはまあ引き継いだのですけれども、その後の資金につきましては、私はこれはもう会計制度が確立しているのでありますから、これは財政法十三条によってこの資金を持つべきじゃないかと思うのです。そうしないと経理が明らかにならない。特別会計法においては、もちろん、全部の経理は一般会計には出て参りませんけれども、しかし特別会計内部においてはこれはもう経理が明らかです。ですから、それは総計予算主義に反しないと思うのです、その点については。だけれども、こういう資金に、これを政令で規定しておく、歳入歳出外とする、これは前は寄付金等についてそういう特別の資金を保有したことがあるでしょう、旧会計法について。そこで、旧会計法では特別な資金の保有の禁止規定というものがやはり必要だったと思うのです。しかし、現在においてはもう会計法が確立しているのですから、四十四条というものはなくても私はいいと思うのだけれども、これは注意規定であって、私は、十三条があるのに、十三条があるのですから、なぜ十三条によってやらないか。十三条においてはちゃんと規定があるのですから、特別会計だから。この前ちょっと私は質問したのですが、特別会計の規定があるのですから、なぜそれによってやらないか。「国が特定の事業を行う場合、特定の資金を保有してその運用を行う場合その他特定の歳入を以て特定の歳出に充て一般の歳入歳出と区分して経理する必要がある場合に限り、法律を以て、特別会計を設置するものとする。」、この資金についても、「特定の資金を保有してその運用を行う」、この場合に当てはまると思うのです。ちゃんとこういう規定があるのです、十三条に。ですから、四十四条というのは、これは旧会計法から引き継いだのであって、注意規定なんであって、だからこれを根拠にしていろいろな資金を持つということは、私はどうも筋が違うのじゃないか、十三条によって持つことが正しいのじゃないか、そう思うのです。
#44
○政府委員(上林英男君) お言葉を返すようでございまするけれども、十三条は特別会計の規定でございます。したがいまして、特別会計自体も、これは年度独立なり予算総計主義の範疇を破るものではございません。したがいまして、特別会計の中におきまして、年度を越えて資金を持たねばならぬという場合もございます。そういう場合には、産投資金で明らかでございまするように、その特別会計の中に年度を越えました資金というものが設けられるわけでございます。したがいまして、特別会計と資金と申しまするのは、特別会計はいわば政府の歳入歳出の勘定でございます。資金はまたそれと違いました、今申しましたように、年度を越えて保有しあるいは運用する必要のありまする資金――金のことを資金と申しておるわけでございます。
 また、今の御質問の中に、資金の受け払いが明確ではないではないかというお話でございましたけれども、この資金の受け払いと申しまするのは、この資金を資金運用部に預託をいたしまして、その利息を受け取り、あるいは場合によりましては元本を利子補給の財源に充てまするために預金部からおろしてくるというだけの受け払いでございます。これを現実に利子補給に使いまする場合には、資金から一般会計の歳入に取りまして、それをさらに一般会計の歳出へ立てて、そうして現実には利子補給に充てていく、こういう格好になりまするわけでございまするので、利子補給の実態は一般会計予算におきまして明瞭に御審議をいただく、こういう格好になるわけでございます。
#45
○木村禧八郎君 しかし、特別会計においても、たとえば資金の整理に関する特別会計というものがありますね。そういうものとあまり変わらないでしょうね。たとえば交付税、あるいは入場税とか、そういうものの譲与税の特別会計ね、これはただ経理ですね、整理ですね。その整理が特別会計でしょう。これだってそういう性質のものではないのですか。ただ、年度についてそれは規定すればいいのですから、法律でもって規定すればいいのですから。年度については特別会計でやってはいけないということはないし、特に特別会計以外に、多くの場合特別資金の規定というものが特別会計じゃないのですか。それを四十四条があるというので、どうも前の産投会計のときもそうでしたね。特別資金というのはそういうものを持つのですけれども、どうなんですか。私はどうもそこのところが、四十四条というものを、最近はあれを根拠にしていろんな資金を持つという傾向が出てきているのですよ。私は十三条でやはりやるべきで、特別会計で処理しなければならぬものじゃないかと思うのですけれども、どうもそこのところが私にはよくわからないのです。四十四条というのは、これはなくもがなの会計制度の確立前の規定なんです一それを非常に何か最近では有力なる根拠にして、いろいろ資金を保有するようですけれども、どうなんですか。四十四条がなかったら、これはこういう措置はできませんか。
#46
○政府委員(上林英男君) 資金の制度自体は、御存じのように、明治会計法にもございましたし、それを受け継ぎまて大正会計法にもございましたわけでございます。この資金の規定がございましたゆえんのものは、もう御存じと思いますけれども、総計予算主義、あるいは年度独立の原則というものを、昔の会計法、今の財政法が引き継ぎとっておるわけです。したがいまして、すべての歳入歳出は予算に計上され、かつ毎会計年度これを編成して参りますのが建前です。しかしながら、現実の財政運営の建前から申しますると、必ずしもそういう原則に縛られることができない分野があるわけです。この分野はあるいは経済の伸展に伴いましてだんだん広がってくる。そういうような意味で、今おっしゃったような資金がこのごろふえたという点があるかもしれません。しかし、そういう財政運営を行なって参りますためには、年度を越えて保有しあるは運用して参りまする資金の設置が必要になってくるわけです。そういうような意味から、明治会計法におきましても、大正会計法にも、そういう資金の制度があったのではないかと私どもは考えておるのでございます。したがいまして、この財政法四十四条という規定は、御指摘のありましたような総計予算主義なり、年度独立原則の例外として必要な規定であるというふうに私は考えております。
#47
○木村禧八郎君 例外規定であることはわかるのですが、そのほかにもいろいろ年度独立例外規定はたくさんあるわけです。繰越明許とか継続費とか、いろいろあるわけです、例外規定は。そういう形でできないことはないと思うのですが。これは予算総則には出ないですね、出ませんね、そうすると、こういう形で資金を保有する場合に、経理というものは政令でやるわけでしょう。政令なんですね。そうすると、こういう法案を審議する場合、たとえば、簡単ですと言われましたけれども、そういう経理をわれわれが見なければ、やはりこの資金を審議する、場合不十分なわけですね。こういう予算なら、ちゃんと経理が出てくるのです。歳出予算の中に入っておれば、その歳出の予算外に置いといて、経理は政令で定めると。経理に必要な事項は政令で定める。政令がわからなければ、どういう内容になるかわからぬのです。
#48
○政府委員(上林英男君) ただいまの政令は、もし必要でございましたら、もう準備をいたしておりますから、お配りいたしてよろしゅうございますが、中をごらんいただきますと、そんなあまり精細なことは書いてございません。ただ、現実の問題として、資金の受け払いを歳入歳出外でやります場合、会計法の分野において現金の取り扱い、国庫内の振りかえですべてを処理することになるわけでございます。そういう手続は別途会計法の分野におきまして定められておるわけでございます。これに従って処理されるということになるわけでございます。
#49
○木村禧八郎君 その政令は見せていただきたい。しかし、その政令によって資金を経理するのではないでしょう。経理に必要な事項は書いてあるでしょうが、経理自体はわからないでしょう、経理自体は。そういうものをどういうふうにしてわれわれは判断するか、歳出歳入以外ですから。もちろん、それは例外規定だからということなんですが、やはり国会で審議する場合、こういう例外規、例外規定というのでそれが乱用されると、非常に問題になると思うのですが、私は、これは特別会計に規定すればいいのですから、会計法に規定すればできますね。その年度を越えて、あるいはまた予算総則ですか、ああいうものに書けばできないことはないでしょうね。繰越明許あるいは継続費、そういうそうな形のものに、これはもう年度を越えるわけですが、どうも十三条で私はまかなえると思うのですがね。どうなんですか、そのところは。十三条ではまかなえないのですか。
#50
○政府委員(上林英男君) 先ほどから御説明申し上げておりますように、特別会計と資金といいますようなものは概念的に異なるわけでございます。たとえば外為資金特別会計におきましては、これは資金を持っておりまして、それを外国為替の売買に運用いたします。したがいまして、その資金をもちまして外貨を買ったり売ったりいたします。これは歳計外でございます。しかし、その売買によりまして生じます損益は特別会計におきまして経理をいたすわけでございます。この近代化助成資金がそういうような形態を持つならば、あるいは特別会計にしたほうが適当であったかと思いますけれども、御説明申し上げておりますように、この資金と申しますのは、単に預金部に預託をいたしまして、その運用利子と合わせましてこれを財源といたしまして、さらにその財源は一般会計を通しまして利子補給をいたすことになっておるわけでございます。その利子補給をいたしますときに、一般会計の歳入に立て、さらに一般会計の歳出としてこれを支出していただくわけでございまして、資金は単に歳計外におきましてそういう財源を確保いたしまするために保有いたしておりまする資金にすぎないわけでございます。そういう意味におきまして、特に特別会計にするに当たらない。したがって、また十三条の規定の特別会計の資金を保有いたしまして、これの運用をするという外為資金特別会計のような資金に該当しないわけでございます。そういう意味におきまして、かようにいたしたわけでございます。
#51
○木村禧八郎君 しかし、そういう特別会計はないですか。たとえば資金を整理する特別会計、五つか六つくらいありますね。そういうものと似ているのじゃないですか。
#52
○政府委員(上林英男君) この近代化資金は、これと同じような場合におきまして特別会計を作っているような例はないと私は思っております。たとえば、また例を申し上げるわけでございますが、資金運用部資金などもちょうど外為資金と同じようでございまして、損益につきましては特別会計で明らかにいたしておりまして、資金の運用自体は歳入歳出外で処理をいたしておるわけでございます。そのほか産投資金におきましても、これは将来の財源に充てますために資金として保有いたしておりまして、これを将来投資に充てます場合には、資金から払い出します場合には、歳計外でございますが、それを特別会計で歳入に受け取りまして、さらに特別会計の歳出として現実に投資に振り当てる、こういうシステムになっておるわけでございます。産投資金の場合には、産投資金からの払い出しを受け取るものが産投資金特別会計でございますが、この農業近代化助成資金の場合には、一般会計で受け取る、こういうお考えをいただけばよろしいのではないかと考えております。
#53
○木村禧八郎君 資金運用部資金特別会計、これはまた違いますね、運用があるのですから、特別会計はいろいろありますが、事業を行なう場合とか、あるいは運用する場合とか、あるいは単に経理を整理する場合、いろいろあるわけですね。ですから、そういう場合に、特別会計だってやはり一般会計と歳入歳出を区分するなら、何か特別会計にする必要があると私はどうも思うのですが、歳入歳出外のことなのですし、その経理が政令できまっていくということになると、どうもこういう資金という形でいろいろな資金が設置されていくと、非常に総計予算主義の原則に反するし、資金が不明瞭になると思うのですが。そうしますと、これは政令ではこれに基づいた経理のほうはわからないわけですね。それでいろいろ質問をしているのですが、経理のほうはどういうふうにして……。この資金が特別会計のほうに行くわけですか。
#54
○政府委員(上林英男君) この資金は一般会計所属の資金でございますので、特別会計とは何ら関係はございません。それから、資金の経理につきましては、国庫金の扱いといたしましては、もちろん歳入歳出を通しました場合のことでございますが、そのほかに歳計外で処理いたします場合の経理手続と申しますか、事務手続につきましては、一般の会計法のもとにそういう手続がきめられております。そういうものに従って実施されていくということになるわけでございます。
#55
○木村禧八郎君 産業投資特別会計のときの資金は、資金として保有し、その産業を通して特別会計に置くわけですね。特別会計のはわかるのです、運用については。これは一般会計で、今お話しの歳入歳出外でしょう。だから、そういう経理を見る場合、産業投資特別会計のときには特別会計に行って、特別会計のほうではっきりわかるのですけれども、われわれ予算を審議する場合に、どこを見ればわかるのですか、何を見れば……。
#56
○政府委員(上林英男君) この資金の受け払いは歳入歳出外でございますが、ここに財源を付与いたします場合には、一般会計の歳出に計上されるわけでございます。したがいまして、この財源が幾らの資金を持つかということは、これは一般会計の歳出をごらんいただきますればすぐに幾らの金が行って幾らとおわかりになるわけでございます。さらに、今後幾らの利子補給をするかということになりますと、この資金から一般会計に繰り入れます場合には、一般会計の歳入にとる。さらに、それを一般会計の歳出でもって利子補給をして参る。したがいまして、一般会計をごらんいただきますと、幾ら資金の造成のために一般会計に歳出が計上されて、さらにひいてはその資金から幾らの利子補給の財源を一般会計で受け取り、幾ら利子補給をするかということがわかるわけでございます。
#57
○木村禧八郎君 そうすると、これは各省に分かれるわけですか。
#58
○政府委員(上林英男君) この資金は農林大臣が管理することになっております。したがいまして、農林大臣が管理し、各省に分かれるものではございません。
#59
○木村禧八郎君 それを、運用経理が明らかになるためには、農林省予算になるわけですか。農林省予算でわかりますか、歳入歳出外でもって。
#60
○政府委員(上林英男君) さようでございます。たとえば、この三十六年度について御説明申し上げますと、農林省所管の農業近代化資金融通促進費という項がございます。その中に、農業近代化助成資金を設けるため必要な経費三十億円というものが計上されております。これをもとにいたしまして、農業近代化助成資金が作られるわけでございます。で、それにさらに利子補給をいたしまするためには、この近代化資金が生みました利息のうち、一億七千万円が農林省の歳入に計上されておりますが、農業近代化助成資金受入というのが農林省所管の歳入予算明細書の諸収入のうちの雑入として計上されております。さらにそれを受けまして、農業近代化資金融通制度の運営に必要な経費二億三百九十万円という経費が計上されておりますが、このうち農業近代化資金利子補給補助金としまして一億七千万円が農林省所管の経費として計上されている、こういうことになるわけでございます。
#61
○木村禧八郎君 どうして特別会計としてできないのですか。特別会計として扱えば、非常に経理も明らかになると思うのですがね。特別会計に法律で規定すれば、年度の例外は規定できると思うのですがね。特別会計でできるでしょう。特別会計法ですよ。
#62
○政府委員(上林英男君) 特別会計と申しまするのは、先ほどから御説明申しておりますように、一般会計に対応
 いたしまする勘定区分でございます。したがいまして、年度を越えましてそういうような資金を保有するという必要が起こって参りまする場合には、技術的にはまたその特別会計の中に資金を作るという格好をとらざるを得ないわけでございます。現実にはそういう制度を作りましたといたしましても、先ほど申しましたようなきわめて簡単な内容の資金でございまするし、これを特別会計を作りまして、資金以外の特別会計というものは実はないわけでございます。たとえば、先ほど来申しておりますような外為資金でございますると、資金を運用いたしまして、その損益を特別会計で経理するという実体的な面もあるわけでございます。また、その資金を運用するために特別会計を持つ必要がある場合、こういうふうな財政法十三条の規定にも該当するわけでございます。本件は、単に利子補給の財源といたしまして、年度を越える資金を保有するという意図のもとに作られるものでございます。その、当然年度を越えて保有いたしまする以上、資金運用部に預託をいたしまして、その得ました利子も合わせまして利子補給の財源にするというだけのことでございますので、特別会計を作る必要もないかというふうに考えておるわけでございます。
#63
○木村禧八郎君 少しわかったようですけれども、まだ何だかそこのところがはっきりしないですね。特別会計にも資金を運用したりなんかしない特別会計もたくさんあるわけですね。それから、経理だけの場合もありますね。整理をするという特別会計もあるのですけれども……。
 そうしますと、こういうふうに理解していいですか。別にこれは違反しているとか違反していないということでなく、私の理解が足りないかもしれないから、はっきりさせたいのです。それは、ある特定の資金を持つと、それは年度を越えて、二年も三年も運用していく。その資金は、今度資金を使うときは、一般会計の経理になってくるのですか。たとえば、さっきの農林省の予算を見ればわかるというのですが、そうすると、その資金自体は歳出入以外で、それから資金が出るときは、それは農林省の歳出入に入るわけです。出て使うときには、もう歳出入に入っている。そう理解していいのですか。
#64
○政府委員(上林英男君) 資金は歳計外で受け払いをいたします。その資金の受け払いと申しますのは、先ほども申し上げましたように、資金運用部へ預けるために払い出す、あるいは資金運用部から利息をもらうときに、これを受けと申します。あるいは一般会計に出しますときに、これは資金の払いでございます。ただし、それを一般会計が受け取りますときには、もちろん一般会計の経理の歳入歳出外でございませんから、一般会計の歳入にいたしまして、それから一般会計が支出いたしますときには、一般会計の歳出に立てていく、こういう形態になるわけでございます。
#65
○木村禧八郎君 それでわかりました。
  〔理事上林忠次君退席、委員長着
  席〕
#66
○委員長(大竹平八郎君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#67
○委員長(大竹平八郎君) 速記をつけて。
   ――――――――――
#68
○委員長(大竹平八郎君) 次に、租税特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑のある方は御発言願います。
#69
○市川房枝君 この間委員会に配付になりました、租税特別措置による事項別平年度減収額累年比較表という資料について、まずちょっと伺いたいのです。この表は、これは租税の特別措置に関するもの全部がこの表に載っているのでございますか。あるいはここに載っていないのもございますか。
#70
○政府委員(村山達雄君) これは普通のいわば基本法的な考え方に対しまして、政策的見地から軽減していると思われるものを拾い立てたわけでございます。で、その中身について拾い立てておりますので、必ずしも租税特別措置法に載っかっているものだけではございません。租税特別措置法に規定してあります事項は全部拾ってございますが、それ以外でも、法人税法、所得税法等にありますけれども、これは政策的見地からそういう扱いにしていると思われるものをあげてございます。
#71
○市川房枝君 全部とおっしゃいましたね。措置法以外のものでも、措置をしているものを全部あげてありますか。
#72
○政府委員(村山達雄君) ただいま申し上げましたように、その中身で出しております。したがいまして、これははっきりどこまでが租税特別措置であるかということにつきましては、いろいろの見解があると思いますが、従来大蔵省主税局に行きまして、ずっとこういうものが政策的な措置であるとわれわれが考えたところのものはあげてあるわけでございます。あるいはこまかいところで税額のほとんど影響のないものは落ちているかもしれませんが、年々整備しております形でそのまま出ております。
#73
○市川房枝君 この表で落ちていると思われるものもあると思うのですが、それはあとで伺うといたしまして、この表の中で三十三番の交際費課税の特例というのがございますね。これは三十六年度では六十億。これは三角じるしですから、国のほうからいえばそれだけ得をしたことになりますね。この交際費に関する法律は、ことしの三月変わったわけですね。そうすると三十七年度はもう少し多くなるわけですね。
#74
○政府委員(村山達雄君) 御指摘のとおりでございまして、ちょっと見ていただきますと、三十三番の交際費課税の特例というところにこれが……。それには載っておりませんが、御指摘のとおりでございまして、三十六年度に、さらに逆の意味の租税特別措置として、交際費課税について増収をはかってございます。それによりますと、去年のあれでございますが、平年度ベースで十九億六千万円の増収をはかってございます。ここに出しましたのはいずれもその年度の平年度の増収後の現在高が出ておりますが、本年度十九億に上る増収をはかっており、経済規模が拡大しておりますので、その額が六十億程度になるという数字でございます。この点は、趣旨につきましては先生のおっしゃるとおりでございます。
#75
○市川房枝君 これは、三十六年度というのはことしですね。そうすると、三十六年度にどれだけ税金を得したかということは、年度末にならなければわかりませんね。そうすると、三十七年度はこの額がふえているということになりますね。今の十九億というのはどういうのですか、私ちょっとはっきりしないのですが。
#76
○政府委員(村山達雄君) 昨年、交際費課税について改正いたしました。従来は過去の実績とか、あるいは実績のない人につきましては取引基準によりまして、それでいずれか多い金額を限度にして交際費を認めます。それをオーバーする分はすべて益金に算入いたします。これが法人税法の損益計算からいきました特例になるわけであります。事業に関連する交際費であれば、その額のいかんにかかわらず経費として認めるべきものを、政策の見地からある最高を切ったというわけであります。ところが、ことし三十六年度に改正いたしまして、三百万円の基礎控除と資本金の千分の一相当額を引きまして、残りの二割だけすべて一律に課税するということにいたしたわけでございます。その結果、平年度の増収額が十九億というわけでございます。
#77
○市川房枝君 そうすると、三十七年度は七十九億ということになりますか。
#78
○政府委員(村山達雄君) それは関係ございません。十九億さらにプラスして六十億になった。三十七年度はその経済規模がずっと拡大いたしますと、交際費の額がよけい出るわけでございます。限度で切られまして、限度オーバーの分が三十七年度幾らになるかという問題でございます。これは今の段階ではわからないわけでございます。今後の、三十七年度の法人税額を見積もるときに、それが幾らになるかということはわかってくる、こういう筋合いのものでございます。
#79
○市川房枝君 税制調査会の第一次の答申の交際費、今の交際費のところを拝見しますというと、一二十五年度には交際費として使われた金がおおよそ千億から千二百億円に上がっておる。そうしてだんだん額が漸増傾向にある、こう思うのでございますが、三十六年度はこの交際費の総額はどのくらいになると御推定になるのですか。
#80
○政府委員(村山達雄君) 正確な数字は今手元にございませんが、大体、法人税額の比例税率でございますので、法人税額の伸び工合でやはり交際費の額はふくれる。おそらくここでいう増収計算についても、同じような推定方法で計算していると思うわけでございます。つまり、法人の所得の伸びあるいは税額の伸びと同じ規模で伸びるであろう、こういうふうに見ておるわけでございます。
#81
○市川房枝君 この交際費についてのことしの三月の改正ですね、この改正はこれは三カ年間の期限がついておるようですが、一応この税率――税率といいますか、規定で三カ年間はこれをやるという……。
#82
○政府委員(村山達雄君) さようでございます。
#83
○市川房枝君 その先はどういうことになりますか。
#84
○政府委員(村山達雄君) これは何分にも基本税法に対して政策的な増収をはかっておりますので、やはりある程度期限をつけていかないといけません。それで三年とつけたわけでございますが、期限が参りますと、そのときの経済情勢によりまして、さらに今後そういう政策を続ける必要があるかどうか、それを検討した上で具体的な措置をきめるということでございまして、今のところ、あらかじめきまっておるわけではございません。
#85
○市川房枝君 さっきのこの表の中に入っていないもので実質的に租税の特別措置が行なわれていると思われるものが寄付金です。法人の寄付金の問題ですが、その寄付金に対しては、資本金額に千分の二・五を、所得金額に百分の二・五をおのおの乗じて算出した金額の合計金額の二分の一に相当する金額を限度として損金に算入するという措置があるのですが、それはここに入っていないのですが、それはどういうわけですか。入れるほど……。額が少ないという意味ですか。
#86
○政府委員(村山達雄君) これは法人税法の損金論と立法理由との読みの問題でおそらく出ていないのだろうと思いますが、法人といえども、事業の遂行上必要な実費という、それが寄付金であろうが何でありましょうが、事業の遂行上必要なものは当処経費になるわけでございます。法人もそういうものはかなり多いと思います。現在の法人税法では、それを一々やることは証拠をとっておかなければならぬということで相互に非常に手数である。そこで、概括いたしまして、所得の百分の二・五それから資本の千分の二・五の合計額の二分の一、その程度までは事業関連の寄付金があるであろうという一般的な推定をしておるわけでございまして、したがいまして、そういう意味では本来の損益、その推定がいいか悪いかは別といたしまして、そういう意味では特に経費を区切ったとか、そういう意図で作られたものではない、大体こういうふうに解釈しておりますので、そういう特別措置の中には入っていない、そういう経緯だろうと思います。
#87
○市川房枝君 それは祖税の特別措置には違いないのじゃないでしょうか。私はあまりよく税金のことはわからないのですが、ここから抜けておる理由がちょっとわからないのですが、もう少しわかるように説明をしていただきたいのです。
#88
○政府委員(村山達雄君) 会社といえども、自分の本来の業務に関連して、他人に贈与、といってはなんですけれども、金をやるということはあり得るだろうと思うのです。業務に関連してやれば、当然法人税法では損金でございます。しかし、はたして業務に関連税法の損金論と立法理由との読みの問題でおそらく出ていないのだろうと思いますが、法人といえども、事業の遂行上必要な実費という、それが寄付金であろうが何でありましょうが、事業の遂行上必要なものは当処経費になるわけでございます。法人もそういうものはかなり多いと思います。現在の法人税法では、それを一々やることは証拠をとっておかなければならぬということで相互に非常に手数である。そこで、概括いたしまして、所得の百分の二・五それから資本の千分の二・五の合計額の二分の一、その程度までは事業関連の寄付金があるであろうという一般的な推定をしておるわけでございます。しかし、はたして業務に関連しているかどうかということを個々に認定する、一々調べるという法制をとるのも、一つの手でございます。その場合には一々寄付をしたという寄付の相手方、金額、証憑書類を全部とっておかなければならぬわけでございますが、これが税務執行上非常に繁雑だということで、概括的に、そういう損金に認められるような経費というのは大よそどれくらいあるのかということを、いわば推定してきめたのがこの規定であろうとわれわれは解釈しているわけでございます。ですから、そういう意味でいいますと、性質的には租税、特別措置ではない。ただ、限度をきめたことが、ある人はオーバーして関連経費はあるかもしれぬ、ある人は下回るかもしれぬ、そういうところでは若干問題はございますけれども、もともと事務の便利のために概括的にきめておりますので、そういう考え方自身においては、いわば本来の損金を損金にしたものである。ただ、その金額を、一々証拠書数を両方つき合わしてやるということは、事務上煩にたえないから、それではっきり法定したというにすぎないので、そういう意味では政策的といいますか、損金でないものを損金にしたり、あるいは損金であるものを削ったり、そういう考慮は別にあの法律の上では払われていない。考え方といたしましては、そういうふうに思います。
#89
○市川房枝君 私が頭が悪いのか、ちょっと今の御説明がわからないのですが、たとえば今の法人に対する損金に算入するのを具体的に一つの会社について申してみますと、私は前にちょっと調べたことがありますが、八幡製鉄は資本金が五百八十億円、これは三十五年であります。そうして三十五年度の利益金が七十一億円。それで、今の率をかけて計算してみますというと、三十五年一年間に八幡製鉄が寄付してもいいというお金は一億六千何百万円になるわけです。そうすると、それだけ無税になるというわけですね。それをもしこの率をもう少し少なくすれば、かりに率を半分にしたとすれば、八千万円というものが税金の対象になって、そうしてそれは国庫に税金として入る。こういうことが言えるわけですが、その損金に算入する額が、これは一つの会社についてそうなんで、あといろいろな会社全部について言えることなんですが、その額が相当の額に上るとすれば、これは私、やはり国の側からいうと、それだけ税金を安くしたことになる。だから、まあさっきの交際費というものの性格、これも私まだよくわからないところがあるのですが、しかし、これもまあちょっと似ておるといいますか、交際費の中に機密費なんてものも入っているようですし、交際費のほうは、法文の上でいうと、直接その会社に利害関係のある取引先といいますか、そういうものに対しての供応とか贈与とかあるいは機密費というものが書かれておるようです。寄付金のほうも、これは特に関係があるとは書いてないのですが、会社が自由に寄付し得る限度はそこまできまっておる。だから、私のしろうと考えでは、結果としてはやはり特別措置である、そういうふうに思えるのですが、それで、その額が私は相当の額になっているのじゃないかと思うのですが、その総額は一体どのくらいになるか。当然大蔵省としてはその計算がおわりになるはずだと思うのですが、いかがでしょうか。
#90
○政府委員(村山達雄君) 今、額のほうの計算は、実は大蔵省のほうもよくわからないだろうと思うのでございます。これは国税庁のほうであるいは推計しているのかもわかりませんが、御注文があれば、さらに推計いたさなくちゃならぬと思います。
 ただ、今先生のおっしゃった趣旨につきまして御説明いたしますと、交際費というのは、もとより事業に関連ある支出でございます。しかも、その会社なら会社が事業遂行上必要と認められる交際のために支出したものである。はっきり申しますと、受け取りがあって、だれに出したとか、それが事業の性質上必要な、主としてお客、特にお得先の接待というようなもの、これは法人税法上損金の性質を持っておる。ですから、全然どこに使ったかわからないというような交際費なんというものは、税法でいう交際費ではございません。もし、かりに会社がそれを交際費という名前をつけておきましても、税法の上では私的な支出でございますと、それを受け取った重役の賞与として見て、益金処分で法人に課税するほか、重役に対して賞与として課税する、こういう方法をとっております。ですから、ここでいっている交際費というものは、あくまでも使途がはっきりしておって、それでなるほど会社のために使われた、しかしそれを政策的に限度を切ります、こういうものでございます。
 寄付金というものはそういうものでございませんで、実は事業関連の寄付金というのは俗な言葉でございまして、いわゆる俗な意味の寄付金という中に二様ございます。それはやはり事業の必要上出す寄付金もございましょう。ですから、厳密な意味の任意贈与ではない。それから、そうでなくて、今度は全然いわゆる寄付金といわれる任意贈与のほうにかかる部分がございます。本来ならば、それを一々筋道を立てて、寄付金ごとに、どこからならばこれは任意贈与なのか、事業関連の経費なのか、これは調べてみるのが筋でございますが、それはなかなかこまかい寄付金もございますので、煩いにたえない。それで、法人すべて突っ込みまして法定しているわけでございます。そこで、事業関連の寄付金というものはこういうものだとしてしまうといってきめたのがこの法律でございまして、所得に百分の二・五、資本金に千分の二・五をおのおの乗じた合計額の二分の一をもって損金算入額といたします。したがって、実際問題といたしますと、事業関連の寄付金をそれ以上出しておる者も、あるいはあるかもしれません。その人たちは結果からいうと損になっておる。あるいは寄付金の額はそれ以上出しておるけれども、事業関連のものは実は限度以下であるという者については、その限度だけ甘いわけでございます。で、これを法定いたします場合には、寄付金総額でなくて、寄付金のうち事業関連寄付金というものがどの程度あるかということを法定した。そういう筋合いのものでございますので、考え方からいいますと、個々の商社とか法人につきますと、損得はあるわけでございます。だから、国対民間の割合では、これは損得ないだろう、大体平均その辺ではなかろうかというところで線を引いておるわけでございますので、特に租税特別措置として書かれていない、こういうようなわけでございます。
#91
○市川房枝君 今、局長のおっしゃった交際費のほうは、どこに幾ら何に出したということをちゃんと報告させるのだとおっしゃいましたね。ところが、寄付金はそうではないみたいなふうに聞こえるのですが、その寄付金だって、どこに幾ら寄付したということで計算をして、そうしてさっきの限度までは損金に算入できるというので、その寄付先というものははっきりしておるわけなんです。それが会社とどういう関係があるとかなんとかいうことは、それは別問題として。
 それから、まあ寄付金というのは何だか二つ実はおっしゃったのですが、法人税法でははっきり「法人が事業年度においてなした寄附金のうち」というふうにはっきり「寄附金」という言葉を使っておるのですけれども、それで税金には関係のないようなことをおっしゃったのですが、私もよくそれはやはりわからないのですが、ないはずはない。さっき申しましたように、こういう寄付金を認めないというか、寄付金を認める限度を少なくすれば、当然その余分は税金の対象になるわけですが、そうすると、国庫にそれだけ余分に入るといううふうに思えるのですが、それでこの問題は、私、実は参議院の予算委員会、あるいはまあ本会議のときにも、総理なり大蔵大臣に実は質問したのですが、どうもはっきりしないので、何だかはぐらかされちゃったようなのです。
 それで、私がこれを問題にする意味は、いわゆるこの今日問題になっております政治献金――選挙なりあるいはふだんの各政党あるいは派閥に対する政治献金の出所、一体どこからそれが出ておるんだ。その政治献金した場合には一体無税になるのか税金になるのかということで、政治献金だから無税にはなっていないんだけれども、しかし法人、銀行会社にはこの所得税法によるつまり特例があって、そしてさっき申し上げましたように、会社にとっては億をこす金が、無税の金がちゃんと用意されておる。したがって、まあそれを政治献金に回すのであって、ある意味からいうと、銀行会社は当然の義務として政治献金をしているんだ。いや、その政治献金の元締めとして金を集めて政党に寄付しておられた経済再建懇談会なんかの金の集め方を拝見しますというと、みんな割当をしておいでになるようですが、その割当の金にはみんな端数がついているのです。だから、その端数なんというのはおかしいと思うのですが、それはおそらく、私は今申し上げた率から、どこの会社は今年度幾ら金があるんだということがはっきりしておるので、したがってここはどのくらいの割合ということでいっているのじゃないかと実は思うわけなんですが、この問題はまあ一般にはどちらかといえば閑却されておるといいますか、私は何だか少しごまかされているみたいな気がするのですがね。さっきも局長の説明もどうも私には納得がいかないのですが、まあきょうあまり時間をいただいてもなんですから、また別な機会にもう少し詳しく伺いたいと思います。
 で、その数字ですね、私はこの数字がないはずはないと思うので、一体その法人税法の第九条第三項によるこの寄付金の総額がどのくらいになるか。それから、会社別に――これは何も会社の名前をお出しいただかなくたってけっこうだと思うのですが、ちょうど税制調査会の第一次報告の交際費に関する調査、これは相当こまかく出ているのです。だから、ここに出ている年度別の交際費の支出状況調、資本金階層別交際費否認状況調、それから同一業種に属する企業別交際費の支出及び否認状況調、こういうものが出ておるのですが、この程度の資料をひとついただきたいと思う。これは委員長にも一つお計らいを願いたいと思います。
#92
○委員長(大竹平八郎君) いかがですか。
#93
○政府委員(村山達雄君) 実は去年、交際費のほうは改正しようということで非常な検討を進めておったものですから、資料をずいぶん苦心して集めたわけでございます。寄付金のほうは、さっき申しましたように、特別な措置はないと考えておりますので、去年改正の意図もなかった関係上、この特別な資料もございません。先生のお話もございますので、できる限りひとつ調べてみたいと思います。
 ただ、今の政治献金につきましては、もちろんそういうものにつきましては損金には認めておりません。ただ、今言ったように、限度内でございますと、一々使途を言わずに、われわれは事業関連の寄付金というのはこれくらいであるということを法定しておりますので、その範囲内でございますと、おのずから損金になっていくという性質のものでございます。ただ、おそらくこれは実際にあれしてみるとわかりましょうが、この押え方というのはかなりきつめだということは言えると思います。所得の百分の二・五、資本金の千分の二・五、合計額の二分の一を限度にして損金に算入するという、この点は諸外国その他の例から見ますと相当きつめであるということは言えるだろうと思うのでございます。ただ、きついかきつくないかということは、実際事業関連の寄付金を一般の会社がどこまでやっているかという実態とにらみ合わさぬとあれでございますが、割合そのものからいうと相当きついということだけは言えると思います。
#94
○市川房枝君 その調査の中で、今の政治献金にどれだけ使われているか、あるいはその他の寄付がどうであるかということもわかるはずだと思います。一々支出の先は書いてあるはずですから、そうして分けていけば、どのくらいの割合になるかわかると思います。それで、私の調べましたある程度の調査だと、大部分が政治献金に行っているわけです。ですから、その率ですね、割合を出していただきたいと思います。
#95
○政府委員(村山達雄君) できるだけ、手元にある資料でわかる限りのことはいたしますが、おそらくそれはわからないのじゃないかと常識的に推定いたしますのは、今法定しておりますので、その限度で寄付金の内容を一々調べることが必要でないような仕組みになっているわけであります。寄付金でありさえすればいいわけであります。それでもって一律に切ってしまいますから、その寄付金の使途を一々統計上とる必要も何もない。ただ、限度オーバーは幾らか、そのときに、各種の寄付金があるときに切られたものはどの寄付金であるかということは、実はわからないわけであります。上積みの寄付金を、かりに五つか六つ使途があったときに、政治献金が切られたとお考えになってもけっこうでしょう。そうでない寄付金が切られたといっても、同じことであります。全体として幾ら切られたかという問題だろうと思います。わかる範囲内において調べます。
#96
○市川房枝君 オーバーした額、それはわかります。今申し上げた政治献金をその中で分けていただきたいというのは無理かと思いますが、それは別に政治献金として政治資金規正法による届出を自治庁なり府県の選管なりに届け出でられたもので計算すれば、会社別にある程度出ていますから、それは大蔵省の仕事ではないかもしれませんが、しかしオーバーしたのはどのくらい、オーバーしている会社が幾つあるか、総理の言だと二割ぐらいオーバーしておるとおっしゃるのですが、それをひとつ……。
#97
○政府委員(村山達雄君) 先ほどお答え申し上げましたように、わかる範囲で出したいと思いますが、おそらくわからないであろう。ということは、実務から申し上げますと、会社の所得が幾らであるかということは最初のねらいなわけであります。財産計算法あるいは損益計算法でもってずっと個々の取引を抑えていくわけですね。まず、財産計算法と損益計算法で出したものが一致するかしないかということが大きな眼目でしょう。調査していきますと、そこでどうもおかしい。足らない、合わない、何らかおかしなものがあるというときに、個々の取引を押えていくわけですね、大きなやつを。これがはたして損金の性質を持っているかどうかということを吟味していくわけです。それで相手がどうしても答えられぬというものが出てくるわけですね。税務署はその真相を知る必要がないわけです。税務署は何に使われたかという真相を知る必要がなくて、これは損金性を持っていないということさえわかればいいわけです。そういう角度でもって、たくさんの調査でございますから、損金性を持たないということでずっと押していくわけです。そうすると、自動的に会社が損金に出したもののうちこれだけはどうもおかしいということになるわけですな。そこで、やれ交際費でございますとか、寄付金でございますとか、いろいろなことを言うわけです。もとより機微に属する寄付金なんか言わないと思いますが、また税務署はそんなことを言ってもらわなくても税金の掛け方にはちっとも差しつかえないわけでございまして、これは損金性のある会社計算、これだけは否認せざるを得ない、こういうことで税額ははじかれるわけでございます。したがいまして、今の損金性なしというものの中には、会社は寄付金であるということを書かないものもたくさんあるわけでございますね。ただ、これは、たとえば何とかの貸し倒れの損であるとか、あるいは棚卸の評価損でございますとか、また科目はいかようにも立てられるわけです。それを、一々当たっていきまして、これはどうも損金と認められないというものは反射的に幾らか出てくるわけです。それをグロスでもって否認してしまえばいいわけです。そういうふうにして実際の税金のはじき方はやっておりますので、したがって、否認されたものが一体その中身が何であるかということまで、一々おそらくは調査していないだろう。そういう意味で、あえて寄付金の中の政治寄付金がどんなものであるかということがわからないだけでなくて、寄付金がどうであるか、あるいは否認された交際費は幾らあるか、あるいは棚卸損で出してきたものを否認されたものがどのくらいあるか、売り掛けの貸し倒れ損で出して否認されたものがどのくらいあるか、諸準備金でもって否認されたものがどのくらいあるか、あるいは減価償却費でもって否認されたものがどのくらいあるか、個々のやつを、要するに会社はいろいろな手を使ってやるわけでございますが、それらのものを一々統計をとる実績がない。特別の立法の場合には、そういうものは別でございますけれども、そういうことでおそらくなかなかむずかしいのではないでしょうか。しかし、わかる範囲内で計数を整理してみましょう、こう申し上げたわけでございます。
#98
○委員長(大竹平八郎君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#99
○委員長(大竹平八郎君) 速記をつけて。
#100
○天田勝正君 手元に資料をいただきましたこれに、「事業所得、給与所得及び山林所得の税負担比較」というものが出ておりますが、それによりますと、山林所得の負担割合は五百万円で十六・三%、一千万円で二三・九%、こういう数字で、他よりも著しく低いということに表わしておるのですけれども、この数字はどこから出てきたのですか。つまり、私がそういう聞き方をいたしますのは、全国の山林所得を売った人の数をもって割って、そういう形で出してきたのですか、どうなのですか。
#101
○政府委員(村山達雄君) これは計算例でございます。この五百万円という所得計算がどういう過程で出るかというのは別問題でございまして、所得金額五百万円の場合には、事業所得と給与所得、山林所得のそれぞれのカテゴリーの場合、現行税法で幾らの負担をしていることになりますか、その比較はどうなっているかということでございます。ですから、これは一般的に山林所得者の所得が幾らであるとか、そういうこととは無関係の数字でございまして、同じ五百万円の場合にはその負担が幾らになっているか、こういう比較をとっているわけでございます。
#102
○天田勝正君 これは、私は大山林所有者の肩を持つわけじゃないのだけれども、税法の規定によると、しかし山林所得は五分五乗法ではあるけれども、七五%税金がかかるでしょう、七五%。そうすると、普通税をこう扱っている常識からすれば、七五%の国税をとられるが、末端までの公課、そういうものを含めると、これは末端の公課二〇%、大体これは常識なんですね。国税が七五%から二〇%、要するに普通の状態ならなくなってしまう。しかし、それがなくならないのはどこに原因があるかといえば、これは山林などはおそらく古い経費というものは計算の余地がないから、毎年国税庁のほうで、大臣の何ですか、決定という形をとるでしょう。概算で経費が幾らかかったということを見るでしょう。その経費が幾らかかったというのを見るから、その分でまあ言ってみれば息をつくという形に私はなるんじゃないかと思うのですがね。ところが、この所得金額というのは、これは収入金額じゃないですね。今私が指摘したそういうものを引いたあとの金額のはずなんです。それで計算例で、どうしてこの七五%も取られるはずのものが一六・三%になってしまうのか、私はわからない。どういうんでしょう。
#103
○政府委員(村山達雄君) これは概算経費は概算経費で、もとより山林所得の計算をやるときに非常にむずかしゅうございます。しかも、今の現行税法ですと、二十一年三月三日のとき以降の、そのときの財産税の評価額が第一わからなきゃいけませんし、その後の維持管理費についてもわからないし、計算ができない。どんなに記憶のいい人でも、計算がなかなかむずかしいわけでございます。そこで、それがむずかしいから、それを全部織り込んで、全国一本の概算経費率というものを作っておきますから、それによりたい方はそれによって下さい、自分の計算でいきたい方は自分の計算でいって下さい、というのが現行税法の建前でございます。概算経費とは、ことしでございますと、経費率三〇%でいっておりますから、ですから、一千万円の山林所得の譲渡がございますと、山林所得の概算経費を使う場合には七百万円は所得でございます。こういう概算経費をやっているわけです。それに基づいて、それぞれ今度課税方式のほうで十五万円引きまして、五分五乗して税金を出すわけです。ここで出しましたのは、実情とは無関係に、そういうふうにして概算経費を使い、あるいは本則でもって計算した山林所得は、五百万円の場合には負担はどうなりますか、これだけが出ているわけであります。事業所得についても、それは経費率はいろいろ違いましょう。製造の場合、小売の場合、人によって経費率はみんな違いますが、それらを引いた残りのネット所得五百万のときには、その負担は幾らになりましょうか。それから、給与所得の場合には、これは給与所得については、御承知のように、今最高十二万円で給与所得控除をやっておりますが、引く前の金額で五百万円というときには、現行税法で幾らになりますかということをずっと見ていただいたわけでございまして、それによりますと、単純に所得税だけの面でいいますと、こんな金額になっておりまして、その割合はこんなものでございますという表でございます。
#104
○天田勝正君 ちょっともう一ぺん言いますがね、この所得金額とは、そうすると何ですか、引く前の金額ですか。そうじゃないでしょう。すべて所要経費を引いてしまったあとでしょう。課税所得でしょう。これは課税所得という意味でしょう。
#105
○政府委員(村山達雄君) 課税所得とはちょっと違いますが、いわば総所得のような考えです。経費を引いたあとの所得、それから基礎控除と扶養親族控除を引いて、最後に税率をかけるところをわれわれは課税所得と呼んでいるわけです。そうではなくて、経費を引いたものである。ただし、給与所得については給与所得経費に見合うものとして給与所得控除をやっておりますですね。その給与所得については、その給与所得控除する前の金額でございます。ですから、収入金額そのままで書いてございます。その場合の比較表が出ているわけでございます。
#106
○天田勝正君 そうすると、総収入とも迷うが、課税所得とも違う、そのとにかく中間のところですね。しかし、その山林所得の場合を考えれば、所要経費は引いたものだ。その所要経費とは、一体計算なんかの方法がないと思う。まず大体山でいえば六十年ぐらいでしょう、売るということになれば。このごろは三十年でも売るのもあるけれども、大体六十年ぐらいだ、私が見ていると。そして今でもまだ、昔植林したのなんかに百五十年というのもあるでしょう。そんなものはだれがやったって所要経費の計算のしようがないのですね。それが三〇%だというのですか。
#107
○政府委員(村山達雄君) おっしゃるように、ほんとうに計算しますと、六十年で切るとしますと、最初に植え付けたときの幼齢林の原価から、その後の維持管理費も全部計算してやらなければいかぬのです。ところが、現行法では、その前に、二十一年三月三日に財産税をかけております。そのときの林齢がわかっております。今日切るものは林齢いくらというのがわかりますから、財産税の調査時期までさかのぼりますと、十五年前でございますね、そうしますと、その林齢のときのその場所のものは、財産税で幾ら評価されているかということはわかるわけです。ですから、ちょうど取得原価を、財産税の価額原価からスタートしているわけです、それ以前の経費は見ないで。それは価額の中に折り込まれて財産税をとっておりますから、その後の維持管理費をずっと計算していくわけです。そうしてそれに譲渡に要する経費は、別に譲渡に伴って経費が出ますから、その分だけを収入金額から引くわけです。
 ただ、むずかしいことは、もう一つ現行税法は再評価税が働らくわけです。その財産税評価時期の当該林齢のものは、再評価倍数が二十八年一月一日現在では再評価価額は幾らになるか、そこまでのいわばノミナルの物価騰貴分だけ取得価額を持ち上げてありまして、そのかわりに財産税評価時期の価額とその再評価価額の差額は六%の再評価税を納めて下さいということを言っているわけです。これが本則による今の計算方法でございます。その場合、それじゃ一々、なるほど六十年前でなくても、二十一年三月三日から計算するのはたいへんでございましょう。そこで、再評価税をも織り込んで概算経費率という制度を便宜やっております。それが毎年々々木材価格が違いますので、毎年々々大蔵大臣告示で指定することにいたしておりますが、三十五年分の場合経費率を三〇にいたしました。所得率は七〇ときめました。こういうことでございます。
#108
○天田勝正君 それにしても、所得率を七〇にして、それに七五かけて、そうして所得割合がどうして二三%になるのですか。なりそうもないのですが、だれか係りの人にちょっと……。
#109
○政府委員(村山達雄君) かりに一千万円の所得が出たとしますですね。それを五分の一にすると二百万円、二百万円に対してずっと税率をもっていくわけですね、税率を。ある税率が出ますと、それを五倍いたしますから、かりに平均実効税率は、先生のおっしゃるように七五というものじゃなくて、ずっと低いもので出ているわけであります。そういうことのためでございます。
#110
○木村禧八郎君 関連しまして……。これは今度の租税特別措置をしない場合の計算をいただいたわけですね。今度改正した場合どうなるかというのを、さっきちょっと伺ったのですがね、事務官の方に。大体でいいのですが、増伐分は幾らか、五割と見た場合。それから、全然増伐分を見ない場合どのくらいになるかというのを、さっきちょっと伺ったのですけれども、今すぐ出なければあとでもいいのですが、それをひとつ、何%ぐらいになるか。
#111
○政府委員(村山達雄君) これは先生のほしい計算例とは違うかもしれませんが、われわれのほうで計算した実施例について申しますと、従来一町歩、材積にして八百石を切っておった人、その人は今度全然従来どおりで、全く従来と同じ材積を切ったという場合には、今の増伐分に対する特例措置は働らきませんで、取得原価を二十八年一月一日現在で引き直すという分だけは働らきます。ですから、その分だけが軽減になります。結論で申しますと、従来その人は収入金額百六十万円で、所得九十万三千円、それから税額で六万円であったものが、今度の措置によりまして税額は四万八千円、それで減税額は一万二千円、減税割合一九%。同じものでありましても、今の取得原価を持ち上げる分だけは働くわけでございます。そうでなくて、今度は増伐していきます。二割増伐した、従来一町歩であったものが一町二反歩、材積で八百石のものが九百六十石となりますと、従来税金が八万五千円かかっておったものが今度は六万一千円、二万四千円軽減、軽減割合は二割八分。それが五割になりますと、四万五千円の減税額になりまして、その割合は三割四分である。こんなことでございます。
#112
○木村禧八郎君 それは資料としていただきましたね。ここにありますね。ただ、私はわかりやすいために、夫婦と子供三人の場合、五百万円と一千万円の所得者についての事業所得、山林所得の現行税法をもとにした場合の率を出していただいたのですが、改正した場合どうなるかという点がないものですから……。
#113
○政府委員(村山達雄君) これで二割、五割くらいの、それから従来どおりというやつですか……。わかりました。
#114
○木村禧八郎君 あとでもいいのですが……。
#115
○天田勝正君 もう一つ聞きますが、今回の改正で、既往三カ年における山林の平均伐採実績をこえて伐採した分、これに対して軽減するんだということなんですが、そうなると、たくさんの山林を所有して、毎年伐採しているような人は、この際増伐すれば軽減されるけれども、そうでなく、少ししか山を持っていない、そういう人は三年くらい切らないことなんかざらにあるのであって、三年どころか十年も切らないことがある。そういった者にはびた一文も恩恵がない、こういうことになりますね。
#116
○政府委員(村山達雄君) ただいまのやつは法律でそのことが書いてございまして、過去三年間実績のないものについては、その当該年度、問題になっている年度に切った石数の三分の一は増伐分と見て計算いたしますということが書いてございます。
#117
○委員長(大竹平八郎君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#118
○委員長(大竹平八郎君) 速記をつけて。これにて暫時休憩をいたします。
  午後四時三十五分休憩
 〔休憩後開会に至らなかった〕
ソース: 国立国会図書館
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