くにさくロゴ
1961/10/24 第39回国会 参議院 参議院会議録情報 第039回国会 商工委員会 第5号
姉妹サイト
 
1961/10/24 第39回国会 参議院

参議院会議録情報 第039回国会 商工委員会 第5号

#1
第039回国会 商工委員会 第5号
昭和三十六年十月二十四日(火曜日)
   午後一時三十八分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     山本 米治君
   理事
           川上 為治君
           椿  繁夫君
           牛田  寛君
   委員
           赤間 文三君
           上原 正吉君
           大泉 寛三君
           岸田 幸雄君
           小林 英三君
           鈴木 万平君
           阿具根 登君
           岡  三郎君
           近藤 信一君
           中田 吉雄君
           吉田 法晴君
  国務大臣
   通商産業大臣  佐藤 榮作君
   国 務 大 臣 藤山愛一郎君
  政府委員
   通商産業大臣官
   房長      塚本 敏夫君
   通商産業省通商
   局長      今井 善衛君
   通商産業省重工
   業局長     島田 喜仁君
   通商産業省公益
   事業局長    樋詰 誠明君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       小田橋貞寿君
  説明員
   食糧庁業務第二
   部長      中西 一郎君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○連合審査会開会に関する件
○低開発地域工業開発促進法案(内閣
 送付、予備審査)
○自転車競技法の一部を改正する法律
 の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○小型自動車競走法の一部を改正する
 法律の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○電気用品取締法案(内閣提出)
○産業貿易及び経済計画等に関する調
 査(貿易自由化問題に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(山本米治君) これより商工委員会を開会いたします。
 本日は、初めに連合審査会に関する件についてお諮りしました後、低開発地域工業開発促進法案の説明を聴取し、競輪関係二法案及び電気用品取締法案の審議を行ないます。なお、右の後、貿易自由化問題につき調査を行なうことにいたします。
#3
○委員長(山本米治君) それでは最初に、連合審査会に関する件についてお諮りいたします。
 ただいま建設委員会において審査中の水資源開発促進法案及び水資源開発公団法案についてでありますが、両案はいずれも本委員会の審議事項と密接な関係がございますので、この際、右両案について建設委員会に対し連合審査会の開会を申し入れることにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(山本米治君) 御異議ないと認めます。よってさように決定いたしました。
 なお、連合審査会の日時は、建設委員長と協議の上決定することとなりますので、あらかじめ委員長に御一任をお願いいたします。
  ―――――――――――――
#5
○委員長(山本米治君) 次に、低開発地域工業開発促進法案を議題として、提案理由の説明を聴取いたします。
#6
○国務大臣(藤山愛一郎君) ただいま議題となりました低開発地域工業開発促進法案の提案理由とその要旨を御説明申し上げます。
 わが国の経済が、最近めざましい発展を遂げつつあることは、御承知のとおりでありますが、他方これを今後も維持し、さらに一そうの均衡ある進展を期するためには、解決すべき幾多の問題があることも事実でありまして、特に、産業の開発の程度が低く、かつ、経済の発展の停滞的な地域すなわち低開発地域の産業の開発を促進して、地域間における所得格差の是正をはかることは、きわめて緊要のことと考えるのであります。
 政府は、さきに、国民所得倍増計画を決定し、わが国経済の発展の方向と目標を明らかにしたのでありますが、この計画及びこれと同時に決定された同計画の構想におきましても、低開発地域の開発の促進及び所得格差の是正には重点をおくべきことを明らかにしているのであります。
 このためには、今後、国土総合開発法及び各地域の開発促進法に基づいて、開発の促進に努めますほか、低開発地域に工業の開発を促進して、高い生産性の産業を分散させ、また農業等の近代化をはかり、低い生産性の産業自体の生産性を高める必要があります。
 ことに低開発地域における工業の開発は、地域間の経済格差是正に資するとともに、雇用の増大にも寄与するものでありますので、工業開発のための政府関係金融機関による低利資金の融資額を増額する等の措置を講じて参りましたが、さらに、この促進をはかるために、新たに、低開発地域のうち、特に、税制上の特別措置等を講ずることによって、工業の開発が期待されるような開発の程度の低い地区を対象としまして、工業開発のための所要の措置を講ずることといたしたいのであります。これが、この法律案の提案の理由であります。
 次に、この法律案の要旨を申し上げます。
 第一点は、内閣総理大臣は、関係都道府県知事の申請に基づき、低開発地域工業開発審議会の議を経て、低開発地域内において、一定の要件を備えている地区を開発地区として指定することができるものとしたことであります。なお、北海道及び首都圏の地域につきましては、申請等に関する手続上の特例を設けることとしたのであります。
 第二点は、内閣総理大臣の諾問に追応じ、低開発地域における工業の開発促進に関する重要事項を調査審議すスため、総理府に学識経験者をもって組織する低開発地域工業開発審議会を輝くものとしたことであります。
 第三点は、開発地区内に新設され、または増設される工場の機械及び装置並びに工場用の建物については、租税特別措置法の定めるところにより、特別償却を行なうことができるものとしたことであります。
 第四点は、地方公共団体が、開発地区内に工場を新設し、または増設する者に対して事業税、不動産取得税または固定資産税の減免をしたときは、当該地方公共団体に交付される地方交付税の算定の基礎となる基準財政収入額の算定につき特別の措置を講ずるものとしたことであります。
 第五点は、国及び地方公共団体は、開発地区内の工業の開発を促進するため、必要な資金の確保及び産業関連施設等の整備の促進に努め、また、これらの施設の用に供するため必要な土地の取得につきましては、農地法等の規定による処分にあたり特別の配慮をするものとしたことであります。
 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願いいたします。
#7
○委員長(山本米治君) 本案の質疑は都合により後日に譲ることといたします。
  ―――――――――――――
#8
○委員長(山本米治君) 次に、自転車競技法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案、小型自動車競走法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案、以上二案を便宜一括して議題といたします。
 両案につきましては、すでに前回の委員会において質疑を終局しておりますので、これより両案を一括して討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
#9
○近藤信一君 この自転車競技法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案さらに小型自動車競走法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案、この両案に対しましては、今回の改正案は、ただこれが九月末日で切れておる法律でございまして、これの一ケ年間延長ということが今度の改正案になっております。しかし、私どもは、この競技法に対しましては、基本的な問題で反対すべき法律案でございます。いずれこの競技法に対する根本的改正案というものが次国会に提案され、そこで根本的な論議がされると思うのでございます。私どもは基本的な点から考えまして、この両案に対しましては反対の意見を述べる次第です。
#10
○川上為治君 私は自由民主党を代表いたしまして、この両案につきましてはやむを得ないものだと考えますので、この案に対しまして賛成をいたします。
#11
○委員長(山本米治君) 他に御発言はございませんか。――御発言がなければ、両案の討論は終局したものと認め、これより採決に入ります。
 両案全部を問題に供します。両案に賛成の方は挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#12
○委員長(山本米治君) 多数と認めます。よって、両案はいずれも原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお、議長に提出する報告書の作成等につきましては、慣例により委員長に御一任をお願いいたします。
  ―――――――――――――
#13
○委員長(山本米治君) 次に、電気用品取締法案を議題といたします。これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。
#14
○椿繁夫君 この法案は前通常国会でこの委員会でも可決をされ、本会議も可決されて衆議院に送付されたものでありますが、ああいう御承知のような関係で審議未了になった。以来六カ月間になるわけですが、この法案が成立しなかったために弊害や悪影響というふうなものはございましたでしょうか。
#15
○政府委員(樋詰誠明君) この法律が成立がおくれたための直接の弊害というのには、あるいは当たらないかと思いますが、本院で通過さしていただきまして、衆議院で審議していただいております間に起こった事件といたしまして埼玉県でかつて型式の認可を受けたもの、それを偽造いたしまして、そうして行商で売り歩いておったスチーム・アイロンがございます。それがたまたま埼玉県のある家庭の主婦がそのスチーム・アイロンを使っておりましたところが、爆発いたしまして、そうして失明したという事件が起こっております。これはもしこの法律が通っておったらばどうなったかと考えてみますと、まず罰則の点でございますが、実は古い法律でいくと偽造マークを使用して、そういうことをやっても、一応法律では二千円の罰金というようなことでございます。今度のは御承知のように三十万円ということで、本人自身もそういうことで罰則の関係で相当自戒するところがあると、こう思われます。さらに流通関係の規制をいたしまして、およそ電気用品というものにおいては郵便マークがなければならないのだということで今以上に一般家庭の方々が電気用品に対する認識と申しますか、電気用品はあぶないものもあるそうだから、確実なところで安全なマークのついたものを買わなければいけないのだといったような空気が、官民を通じてのPRと同時にもう少し一般に普及いたしまして、事故を防ぎ得る要素になり得るのではないか、そういうふうに考えております。ただいま先生のお尋ねのこの法律ができなかったために起こったというのではございませんが、こういう法律が通って、もう少しPRが行き届くようになれば、一般の家庭におきましても、電気用品に対する認識が深まりまして、粗悪品を使わないだろうということになるのではないかと考えます。
#16
○椿繁夫君 型式認可を製造メーカーが受けておる。それがマークを張られて販売業者の店頭に飾られる。この場合、販売業者が最終需要家に取り次ぎする、ところが、マークは張ってあるのだけれども、今お話のような事故が起こったという場合に、この本法で定める刑事責任というものはメーカーが負うべきものであって、販売業者はその刑事責任は免ぜらるべきである、こういう議論が前の委員会審議の際にもあったのですが、それについてのお考えはいかがでしょうか。
#17
○政府委員(樋詰誠明君) マークがついている限り販売業者は刑事責任は免除されます。
#18
○椿繁夫君 ただいまの御答弁で、大体まあ前国会で相当詳細な審議を尽くしておりますので「政府側も前国会の本委員会における質疑応答の点について何ら御方針に変わりはないということで了承してよろしゅうございますか。
#19
○国務大臣(佐藤榮作君) 政府側におきましては何ら方針に変わりはございません。またいろいろ御審議をいただきましたその間御指摘になりました点について十分留意して参るつもりでございます。
#20
○委員長(山本米治君) 他に御発言はございませんか。――御発言がなければ、質疑は終局したものと認め、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御発言がなければ、討論は終局したものと認め、これより採決に入れます。
 電気用品取締法案全部を問題に供します。本案に賛成の方は、挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#21
○委員長(山本米治君) 全会一致と認めます。よって、本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお、議長に提出する報告書の作成等につきましては、慣例により委員長に御一任を願います。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#22
○委員長(山本米治君) 速記を始めて。
  ―――――――――――――
#23
○委員長(山本米治君) 次に産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題しいたします。質疑の通告がございますので、これを許可します。岡三郎君。
#24
○岡三郎君 貿易の自由化の問題で、それぞれの関係官庁が世界の趨勢の中で実行計画を立てられて参っておるのですが、明年の十月に九〇%の自由化を行なうと、こういうことになって、その中に特殊物資関係について計画が立っておるのですが、この際、この生行がなされれば、特定物資に関する法律というものは当然要らなくなると思うのですが、具体的にいって、この特定物資の自由化される期日をもう一ぺん明確にお願いしたいと思う。
#25
○政府委員(今井善衛君) バナナ、パイナップルカン詰等の特定物資は、おっしゃるようにあの法律によりまして、来年の六月になりますと、改正しない限りあの法律が自然消滅になりますので、したがいまして、そこであとどうするかという問題になるわけでございまして、私どもといたしましては、目下のところ関税をそれに見合う程度に引き上げまして、来年の十月を目途として自由化したい、かように考えております。
#26
○岡三郎君 そうするというと、今の意向でいうと、六月の期日を越して十月まで一応延ばす法律を出して、そうしてその間に関税等の問題を処理して、十月にこれをはずす、自由化にすると、こういうことですか。
#27
○政府委員(今井善衛君) 関税につきましてはこの次の通常国会におきまして適当に是正いたしたいと思います。六月にあの法律が廃止になりますと、あとはしばらくの間割当物資といたしまして割当を続けて、しかるべき時期にそれを自由化したいと、その場合に、大体において来年十月に自由化するというつもりでございます。
#28
○岡三郎君 どうもはっきりしないのたが、そうするというと、六月から割当物資ということになるというと、六月から先行きは、輸入したものですね、それはこの税金の徴収は自動的にできなくなるのですがね、法は野放しにするわけですか。
#29
○政府委員(今井善衛君) 六月にあの法律が廃止になりますので、したがいまして、関税が七月から取れるように関税の発効の時期をさようにいたしまして、そして割当を続けたいと、かように考えております。
#30
○岡三郎君 その割当物資というのと自由化というのは、一体どういう関係になるのですか。つまり、関税というものは、自由化されようがされまいが、そこで課税されるということになって、まあ割り当てた分から関税が当然取れることはあたりまえだが、関税の問題はいずれにしても改正するということにして十月に九〇%のワクとして実行するのですかどうですか。そこのところ大体という言葉で表現されておったと思うのですが、その点もう一ぺん念を押しておきますが、どうですか。
#31
○政府委員(今井善衛君) 特定物資の法律による差益金徴収と関税の引き上げは、これはダブらないことが必要だと思います。したがいまして、先ほど申し上げましたように、それをダブらないように廃止と同時に、次の日からと申しますか、関税が発効するようにいたしたいと思います。それから自由化は、申すまでもなく割当物資からAA物資に移行するということでございまして、したがいまして、今のところ、あの自由化計画大綱に従いまして来年の十月を目途にいたしまして、それまでは割当を続けますけれども、それ以降支障のない限り自動承認制物資に移したい、かような意味でございます。
#32
○岡三郎君 支障のない限りという言葉が出たわけですが、根本的に言って、これは通産大臣にお聞きすることになると思うのですが、外貨が減少している現在、貿易の自由化という問題にぶつかってきているわけです。今の政府の施策によって来年の十月ないし十一月ごろ均衡をとりたいということを言っておりますが、諸般の状況からいって、明年度はなかなか均衡はむずかしいという考え方も一部にはある。そうするというと、どの程度の外貨の減少が続くかは今後の情勢にもよりますが、外貨の減少というものから考えてみて、貿易の自由化という問題と考え合わせて、外貨がどんどん減っていくようでも自由化をやらなければならぬということは、予算委員会で通産大臣言っておりますが、そこに事情によってはといういろいろな一つの要素というものがあるやにも考えられるのですが、その点はどういうふうになるのでしょうね。
#33
○国務大臣(佐藤榮作君) この自由化の計画そのものを申しますと、今、岡さんが御指摘になりますように、日本の産業部門ではどうも自由化に積極的に賛成できないものがある。ごとに農産物資やなんかは、とにかくそういうものは指摘されますね。そういうものについては、これは産業保護の立場から自由化を見合わせており、また機械製品でも自動車などはそういう意味で自由化はおくれる。まあこういうことになるわけです。ところで自由化すれば輸入が自由だからどんどん入ってきて、外貨は不足がちじゃないか、こういう問題がちょっと起こるかと思いますが、これは自由化すれば楽に入ると申しましても、物資の関係で関税で障壁を設けるとか、値段を上げるとか、こういうことが一つございますから、国内の商品に対して直接その影響はその意味では一応防げると思います。ただ外貨を守るという立場に立ちますと、輸入抑制全般の態度をとらざるを得ない。輸入担保率の引き上げとか、こういう処置で輸入を押える。一般的な問題であれば、ガットでも仕方ないということになるのだと思います。ですから、直接自由化すると外貨がすぐどんどん減るじゃないか、こういう事柄とは直接は関係ございません。しかし今日までのところ自由化した品物が比較的入りやすく在庫がふえておるというような現実がございますから、自由化すれば、普通の状況でほっておけば、どんどん輸入は楽になる、こういうことが言えるわけです。だからそれに対しては、輸入抑制の場合には、輸入担保率の引き上げだとか、あるいは国内産品との競争では関税の点で価格を調整するとか、こういう処置をとって参るわけでございます。
 そこで、一般的に申しますと、自由化政策というものは、財界の協力を得なければならないことでございますから、二年前に自由化の基本方針を定め、当初は自由化というものがたいへんなことになるのだといって業界の一部でも反対をされました。しかし準備を進めてしかる上で自由化するならば、そう大した混乱は起こらないのだ、これは政府の一貫した態度でありまして、それでもう繊維製品から始めて自由化と取り組んで参りました。今日までは比較的産業としても国際競争力に打ち勝ち得るようなものでございましたから、まああまり問題なしに推移したと思います。ところが自由化を進めて参りまして、今日の段階になって参りますと、はなはだ国際競争力のないものがありますし、そういう意味では一そうきめこまかな自由化対策を立てておかないと、自由化の後に混乱を生ずる危険があると、かように思うのであります。ところで財界というか、業界自身はどういう気持ちになっておるか、今日の自由化大綱といういき方に、一部は、それはいやいやだろうと思いますが、一応やむを得ない、趣意として賛成をし、この自由化が行われるものだとして準備を進めております。そういうことを考えて参りますと、やはり途中の計画の変更は業界にそれこそまずい影響を与える、もっと具体的に申しますならば、正直者がばかをみるような事態が起こらないとも言えない。せっかく、自分は政府の自由化政策にいやいやながら協力という意味で準備を進めてきたが、政府の都合で、その自由化が変わった、そうすると、大体先を見越してあんなことを言うけれども、やれるものかと、こう言った連中の思うつぼにはまったじゃないか、こういうことになることは非常に政府としては困ることでございます。だから、今きめました自由化というものは、基本方針はこれはそのまま進めていきたい強い希望を持ち、同時にそれについての万全の対策を立てる、こういう意味で財界の協力を得ておるのでございます。だから自由化対策、これが自由化方策その原則がきまるまではいろいろ議論があったが、動き出してからはそのまま進めてやらないと、正直者がばかをみるという結果になるのじゃないか、これを実は非常に心配しておるのでございます。
 ただいまお話にありました特定物資の問題につきまして、私どもは特に意を用いなければならないのは、沖繩の特産品であるパイナップルのカン詰であります。これについては、私どもが他地域とは別に、特に留意をしたいと思っておるのでございます。バナナ、パイナップルにいたしましても、国内産のパイナップル、バナナというものは、これはもうほとんど問題にならない、問題にしなくていい数字でございます。しかしながら、同じくだものというような立場に立ちますと、国内産果樹にも、これはやはり影響を持って参りますから、このバナナと一口には申しますが、やはりそれが国内産のくだものにどういう影響がもるか、そういう点は考えなければならない。それからパイナップルの場合でございますと、特に沖繩産のパイナップル、こういう立場に立って特定物資の扱い方をきめていかなければならぬ、で、先ほど申しましたように、来年の六月で特定物資についての国内の法律が期限が参りますから、特定物資輸入臨時措置法、これが明年の六月で切れますが、そうすると、切れたらすぐ自由化していい、いかにもよさそうだ、先ほどもちょっとそういうふうにも聞けるんじゃないかと思うようなお尋ねであったかと思います。先ほど申しましたように自由化までの期間、しばらくおきまして沖繩産のパイナップルに対する影響などを一応検討をしてみたいと、こういう期間も実は六月と十月の間、その差が確かにあるわけでございます。その間だけはいわゆる外貨の割当で推移を見よう、こういうつもりでございます。
#34
○岡三郎君 少しはしょりますが、この中でスジコと時計とコンニャク粉ですか、コンニャク粉なんていうのは相当問題があると思うのですが、それはさておいて、砂糖の自由化という問題については大臣はどういうふうにお考えですか。
#35
○国務大臣(佐藤榮作君) 砂糖の自由化というものは、なかなか大へんな大問題でございます。国内産の甘味原料もいろいろ問題がございますので、それはこれをいかにするか、テンサイ糖を初めいろいろございますから、これの対策については十分慎重にやらなきゃならない、ことに本来農林省の所管でもございますから、農林省の意向などをよく聞く、これがまず第一に必要なことでございます。
#36
○岡三郎君 この問題については、今佐藤大臣が言ったように、農林省、食糧庁関係が実際的な運用をしておるということで、通産省自体も割当についてもいろいろとやっておるわけですが、一時、前の内閣のときに、自由化という問題で大きく言われたことがあると思うのです。それが甘味対策その他の問題でいつの間にかこれが変わってきた、こういう点で、どういう事情があったにせよ、政治的にいろいろとむずかしい問題があったので、変更されたということになると思うのですが、やはりこういう特殊物資との関連から考えても、これは他のものと比べてものにならぬだけの大きな問題ではあるとしても、これが将来ともに自由化になるのかならぬのか、一体九〇%の中に含まれないというと、九五%になったときに入れるのか入れないのか、一〇〇%になったときに、ようやく入ってくるのかどうか、具体的に言って、まあしばしば言われることは、こういうものが高いと、一口に言われてきておるわけですね。そういう点でこういうものを自由化することによって、もう少し安くなるんではないか、かなり安くなるのではないかということを言われておるわけですが、そういうふうな点で消費者の立場ということからみると、いろいろと問題があるとしても、自由化という問題は切り離せない。その点佐藤さんのほうから言うとどうも工合が悪ければ、農林省のほうへ聞かなきゃならぬと思うのですがね、農林省のほうはどうお考えですか。
#37
○国務大臣(佐藤榮作君) ちょっと一言、私から。実は私、前回、大蔵大臣をしています際に、国内テンサイ糖の栽培、それをもう少し本格的にやるべきじゃないか、そのためには輸入の砂糖に関税をかけるべきである、こういう議論をいたして、とにかく国内産の甘味原料の育成といいますか、これをひとつ手がけようという考え方を持っておったのでございます。また今日もその考え方に変わりはございません。その後幸いにして、北海道のテンサイ糖の栽培は順調に拡大して参りました。まあことしなども二つの精糖会社にテンサイ糖を許すというように、よほど拡大して参ったわけであります。そういう観点に立って、これを考えて参りますと、わずかな国内のカンショ糖の問題もありますし、あるいはブドウ糖の問題もあります。主たる問題はやはりテンサイ糖の問題でございます。そういうことで農林省は農林省でいろいろ考究してくれておると思います。だからきょうは農林省のほうからあとはその説明を聞きたいと思いますが、そこで一体九五%の中に入るのか、まあ一〇〇%といえばもちろん入るわけでありますが、その途中でどういうようになっていますか、農林省が国内テンサイ糖がこの辺ならば自由化して差しつかえないと言い切れる段階かどうか、これはまあ私も同時に農林省の説明を聞いてみたいと思います。
#38
○岡三郎君 適当のときに御退席されてけっこうですが、これは佐藤さん言うように、この問題に関する限りは、北海道のテンサイ糖が一般の砂糖と競合できるなどということは私はなかなかできないと思うのです。しかし一方において、それがために高い、そういうものを使わせられているということはそれは困る。そこに政府としてテンサイ糖ならテンサイ糖に対する特別奨励金とか特別補償とか、そういうふうな対策というものを別個に国策として立てて、そうしてそれに対する保護なら保護というふうな方向で、切り離してもらわなければ、もうこれは何とも競合できる問題ではないというふうに考えているわけであります。ですからそういうふうな点で、事実上一昨年、昨年あたりからずっと、大体三十八年ごろまでには、これは自由化すべきだということで、それぞれいろいろな考え方があったと思う。それがこの前の内閣の終わりかたになって、ぽつんと自由化の問題が出てきて、それでしばらくたってこれがさたやみと、こういうふうになった経緯の中において、どうしてああいう自由化という考え方がぽつんと浮かんできたかということについて、唐突の感を免れないのです、逆に言うと。事実はその後依然としてずっと前の考え方から抜け出ておらぬ、そういうふうな点でもうちょっと聞きたいと思うのですが、これは大臣でなくて農林省に聞きたい。
 最近において砂糖の差益金十八億を、農林省のほうとして精糖工業会、精糖会社からとるということはおかしいかわからんけれども、これを出してもらいたい、そういうところでしばしば折衝があったわけですね、それで最近において私が聞くところによれば、向こう三カ年間においてこの差益を徴収するということがきまったというふうに聞いておりますが、その点いかがですか。
#39
○説明員(中西一郎君) お尋ねの件でございますが、お言葉の中にもございましたように、これはなんと申しますか、とるといいますか、徴収といいますか、そういう性質のものとしてでなしに、精糖関係で今までに相当出た〉見込まれるいわゆる価格差益だと思うのですが、その分を十八億程度と踏みまして、国なりあるいは国内の甘味資源の育成を目的とする特別の団体ができるような場合は、その団体、のいずれかに寄付をする、こういうことで話が進んでおります。その際に、現在の段階で、過去の利益をいろいろな形で積み立てている会社もあるし、配当してしまった会社もあるし、そこのところは約四十社の会社に及ぶのですが、まちまちでございます。それらが一律に過去の利益から出すというふうに割り切るわけにも参らないということで、将来にわたって出していこう、こういうことのようであります。それを一応現段階では、お話のように三カ年間という見通しで上下二回としますと六回ございます。六回にわけてしかるべき機関に寄付をしていただく、こういう話し合いになっているようなわけでございます。
#40
○岡三郎君 そうすると、それは来年の一月から始まって六回ということですか。
#41
○説明員(中西一郎君) 一月になりますか、その辺、具体的にはもう少しつめていく必要が――五団体でございますが、精糖五団体の中で必要かと思います。で、いずれにいたしましても、これから話し会いがまとまった上での話でございまして、本営業年度内に第一回ということでございますから、お話しのように、来年の一月前後が第一回の寄付を納める時期になろうかと思います。
#42
○岡三郎君 差益というのは、私は過去の差益だろうと思ったんです。これからの差益だなんていったって、それをじゃあどうする、こうするということよりも、過去の差益を徴収するというところで論議が始まったのが、これからの差益で問題を処理すると、これでは私はやはりはっきりと言った差益の徴収にならぬというふうに考えているわけです。河野さんの言ったのは過去の差益ではないんですか、初め言ったのは。農林省で考えていたのは、今までの差益金を徴収したいという、こういうことではなかったのですか。どうですか、その点は。
#43
○説明員(中西一郎君) 計算の基礎としましたのは、三十四年と五年の両年度に国内糖価水準が非常に上がったという経過がございます。その間に相当な価格差益があった。それを評価して、おおむね十八億程度だろうということでありますが、その十八億程度を徴収します際に、今後の糖価の安定のための政策としましては、価格差益が三十四年、五年度に発生したようなことにはならないように、そう高くもならない、そう暴落もしないというようなところにおさめていくということを前提にいたしまして、その中で過去に発生したと見られた十八億相当額を出さしていく、それを出していってけっこうだと、こういう話し合いになっているわけでございます。
#44
○岡三郎君 どうも話がおかしいので、これからはあまりもうけさせない、そんなことを言ったって、じゃあ輸入量をだぶつかせるかといえば、外貨がだんだん少なくなっているのに輸入量をだぶつかせるというわけにいかないでしょう。ということになれば、一応安定帯というものを作っておるとしても、大体そこに見合うような価格政策をとるということになれば、これは外的の事情によって価格というものは変動してくるとしても、やはり依然としてそこに相当の差益と見られるものも含めて、利潤というものがあがるということは、これは常識的にわかるわけです。それを一応高くも安くもしないという前提において、過去における差益をその中からまかなっていかせると、これは何といってもこじつけだと私は思うんです。で、私はまあそのこじつけの問題について、業務第二部長だからあまり責めても仕方がないと思うけれども、一体なぜに、じゃあこの砂糖を特殊物資に入れなかったかという問題があるんです。これに入れとけば、法律的に差益を徴収するということがはっきりしてくるわけです。ところがいつでもこの差益の問題が中心になってくるというと、これがはずれてきているわけですよ。過去において三十億差益を徴収するというときにも、いつの間にかぼけてしまったということになると、この差益という話が、いつでも何かしらぬうやむやのうちになってしまうというふうな強い気持を持つわけなんですが、この砂糖を特定物資に入れとけば、これは完全にとれたと思うんです。なぜ特定物資に入れなかったかという問題がここにあると思うんです。この点はどうなんです。
#45
○政府委員(今井善衛君) 特定物資は三十年から発足したわけでございますが、その当時その砂糖を特定物資に入れるか、入れないかということについて、いろいろ意見があったというふうに承知しておりますけれども、ただ砂糖は、御承知のように、大衆の必需品という関係がございまするので、したがって、特定物資の法律に入れますと、それだけ、差益分だけ明らかに高くなる。それはこの砂糖のような大衆の必需品にはそういう建前をとることはどうかということで、特定物資には入れなかったというふうに承知しております。
#46
○岡三郎君 それもその表面的な理由かもわからぬですがね。結局そういう理屈で差益がとれないような現実ですね。差益金をつければそれだけ値が上ってしまう。どこで上げてしまうか知りませんがね。結局まあ溶糖量の問題とか輸入量の問題とか、そういうふうな需要者の……需供の関係によってそれはさまってくるにしても、まあキューバの問題等が起こったときにはだいぶ思惑が出たとか、いろいろな関係があったと思うのですが、しかし全体的にいって差益をとるにしても、一応の目安をきめていけば、それでその利潤が出てこないかといえば、うんと出てくるわけです。この現在の十八億というこの差益にしても、これは過小見積もりですね、私たちからいえば。これは全体の輸入量から見て一キロ当たりどのくらいの金になるのですか、一キログラムについて。
#47
○説明員(中西一郎君) 非常に概括的に申し上げますが、一キロ一円としまして、百万トンでございますから、一キロ一円という価格差益の場合は約一億ですか、になります。ということで、その糖価が二円変わった、あるいは三円変わったというときには相当大きな変動になります。で、この十八億の計算の場合は、両年度合わせまして約三十六億の価格差益があったという計算がもとになっております。その三十六億のうち四九%程度というものが法人税その他の税金として納められたものというふうに考えまして、残りの十八億程度というものを寄付として納めてしかるべきではないかという計算になっておるわけでございます。
#48
○岡三郎君 と、今のところの輸入量は百十万トンですか、実態は幾らです、現在。
#49
○説明員(中西一郎君) 現在の輸入量、ことしは経済全体の伸び、消費生活の高度化等も相当ございまして、年間見通しまして百二十五万トン程度の粗糖の輸入を考えております。
#50
○岡三郎君 それで今、一円として一億という話が出ました、話が少し飛び飛びになりましたが、三十六億で、まあ四九%という話が税金としてありましたね。実態としてそれだけの税金を納めておるのですか、精糖会社、実態として。という計算ではないのですか、計算上の計算。これはやっぱり国税庁へいって調べればわかりますがね。それは確かに差益分の三十六億の中のそれだけのパーセンテージだけは税として納めておるのですね。それだけはっきりひとつそこのところをもう一ぺん答えてもらいたい、算出基準がそうなっておるなら。という計算ではないのですか。
#51
○説明員(中西一郎君) この四九%程度の税金の点につきましては、都道府県民税あるいは市町村民税ということも含めまして、全体としての中心的な部分はもちろん法人税でございますが、それの現在の精糖会社程度の規模の企業が実効上税金をどのくらい納めておるかということについて大蔵省のほうと相談をいたしまして、との四九%程度というものがちょうどいいところじゃないかということで四九%ということになったのでございます。現実の会社の経費の中で税金をどういうふうに納めているかということも個々の会社によって非常に違っておりますので、一律の基準で計算をするのがこの際としてはいいのではないかということで計算をしているわけであります。
#52
○岡三郎君 そうすると、全体的な納めた税金の中から、差益分の四九%というのをどうして出すのです。個々の会社が違うといったって、とにかく現実に差益が三十六億あって、四九%税金を納めるというと十八億、こういうふうにしたと言いますが、実際問題として計算上そういうふうになったとしても、個々の会社が納めている税金を全部集約して、そしてその中にこれだけ入っていると、こういう計算なんですか。
#53
○説明員(中西一郎君) この三十六億の計算は、いわば四十社あります精糖各社を一つの会社というふうに考えまして、それに対して輸入粗糖の原価がどうであったか、国内の糖価がどうであったか。標準的な精糖のコスト計算はどうなるかということを当てはめまして計算をいたしております。したがって、先ほど申し上げた三十六億というもののうち、幾ら税金の分として控除すべきか、支払っておったものとして観念していくべきかという場合においても各社別にはやっておりません。一つの企業としての平均的な実効税率はどういうものであるかというものさしを当てはめて計算いたしております。そのものさしが四九%ということでございます。
#54
○岡三郎君 そうするというと、過去に納めた四十社の税金の中にそれだけの見合ったものが全体としてあったということですね。そういう計算ですね。
#55
○説明員(中西一郎君) そういうふうに考えてしかるべきものでございます。
#56
○岡三郎君 これは追って資料を出してもらって、各社の納税ですか、税金を納めたそのトータル、こういったものを資料としてひとつお出し願いたいと思うのです。それで三十六億という差益は、まあ一応世上には一斤という言葉で言っておる。一キログラム――一キロというのですか、私はよくわかりませんが、そういうふうなあれで、どのくらい全体の利益率があって、その中で差益として幾ら見るのか、それをちょっと教えてもらいたい。
#57
○説明員(中西一郎君) 三十四年と五年度にわたりますが、年度を別々に計算をいたしております。三十四年度におきます卸売価格は年間を平均してみますと、一キロ百二十二円ということになります。このうち精糖会社の利潤と金利として見ておりますのはほぼ五円でございます、なお、この年度におきましては、そのほかに超過利潤と申しますか、異常な価格変動によりまして生じた価格差益というものは一円十銭というふうに考えております。このときの販売数量が百二万トンほどございます。で、その結果価格差益の総額は約十一億二千万円と考えたわけでございます。実は先ほど省略して申し上げなかったのでありますけれども、御承知の精製ブドウ糖、結晶ブドウ糖等の育成のために、輸入粗糖をリンクいたしまして、育成ブドウ糖の赤字を輸入粗糖の利益でカバーして三十四年度はやっております。その三十四年度の分として、精糖業者が精製ブドウ糖のために支払いました額が四千四百万円ほどございます。それを先ほどの十一億二千万円から差し引きますと、約十億八千万円。それが三十四年度の価格差益の総額というふうに考えられておるわけであります。
 三十五年度につきましては、同様に申し述べますと、国内卸売価格は約キロあたり百二十六円であります。その場合の通常の利潤及び金利と考えられるのは、同じく一キロ五円程度であります。そのほかにこの年は価格差益が約三円と見込んでありますが、というのは三十四年度に比べまして、三十五年度の方が価格差益が多い。国内糖価も非常に高かった。こういう結果でございます。販売数量はその年に百十万トンでございます。三円に百十万トンを乗じまして約三十三億、三十四億近くなりますが、さらにそれから、先ほど申しましたブドウ糖育成ということでのマイナス分が八億五千万円。それを差し引きまして、二十五億というのが三十五年度の結論であります。その三十四年度の十億と三十五年度の二十五億というものを合わせまして、先ほどから申しておりました約三十六億ということになるのであります。
 なお、私先ほど申し違いをいたしましたので訂正さしていただきますが、一キロ一円というのは百万トンで十億になります。
#58
○岡三郎君 で、これだけの差益を現実に計算上においてもとにかく生み出されておって、それでこれを向こう三カ年間、一月以降六回で徴収するということになれば、そうすると、その場合の糖価をどのくらいに見ておるか、もうからないという数字をあなたは言ったが、その場合における糖価をどの程度に見ておるのか、その点をひとつ。
#59
○説明員(中西一郎君) 三十四年でございましたかに、国内甘味資源の総合対策ということで、関税率、消費税の税率を改訂しまして、その後標準的な糖価として考えるというのがおおむね百二十二円ということで今日まできております。で、御承知のように輸入の量等によりまして、それが上がったり下がったりいたします。CIF価格の関係もそれに響くということでくぎづけということは非常にむずかしゅうございます。が二円前後の幅でそれが安定すればいいんではないかというのが従来の考え方であり、これからも現段階でそれをすぐ変えなければならんというふうには考えていないわけでございます。
#60
○岡三郎君 そうすると、今のお答えは、端的に言って百二十二円を基準に考えるということですね。そうすると、三十四年度の一キロ、百二十二円ということから、差益を百二万トンとして、十一億二千万円というふうに考えておる。この量が今後どうなっていくかわかりませんが、今のお話でいけば当然そこに差益というものが生まれてくる理屈になると思うのですが、その点どうですか。
#61
○説明員(中西一郎君) 計算をここに並べますと、お話のとおりでございます。ただ、三十四年以降、精糖のコストが、だいぶ変わってきております。そういう点で、今後百二十二円前後というものを考えた場合に、当然そこに超過利潤が発生するということを見込むのは、まだ早急にはできないのではないか。と申しますのは、三十四年度の価格差益というのは、わずか一円でございます。人件費の問題、その他いろいろございますが、コストの上で、その程度の変わりがあるということを考えて、いろいろ計算をいたしてみておるわけでございますが、ちょうどいいところではないかということでございます。
#62
○岡三郎君 通商局長に聞くが、過去から現在までの原糖の価格の推移というものは、まあ豊作とか何とかという問題もあるが、動乱等によってずいぶん変わってきて、それからアメリカとの関係でダブついて、ソビエトが買うとか、中共に売るとか、いろいろな問題があったけれども、原糖が高くなる、ならぬということは、なかなか予測しがたい問題だが、大体のアベレージというものがあると思う。その中で、輸入数量というものの見込みは、大体どのくらいに考えておられますか。通商局長、外貨との関係があるとしても……。
#63
○政府委員(今井善衛君) 先ほど農林省からお話がございましたように、ことしは百二十五万トンでございまして、御承知のように、年間の大体の数量を農林省と打ち合わせてきめまして、そうして上期にそれを幾ら実現し、下期に幾ら回すかということをいたしておりますが、その際に私どもといたしましては、これはむしろ消費者的な立場から、できるだけ価格が暴騰しないようにというような配慮をいたしますし、農林省はもちろん、そういう配慮もいたされておりますけれども、その際に国内の甘味資源の保護という関係を常によく見ておられるわけでございます。私ども相談して、そのつどきめておる次第でございます。
#64
○岡三郎君 そうすると、通商局長にもう一ぺん念を押しますが、百二十五万トンということしの輸入量というものは、大体その推移でいくというふうに考えていいんですか。
#65
○政府委員(今井善衛君) 私どもも、さように考えております。ことしの上期は、予算面は六十五万トンでございましたが、実際その単価等が少し下がりまして、七十万トン近く入っておる。下期は、これは国内の砂糖が出回り期でございますので、下期の予算においては五十五万トンというふうに組んでおりまして、大体さような推移でいくのじゃないか、かように考えております。
#66
○岡三郎君 そうすると、先ほど人件費と言いましたが、精糖工業会において、人件費というものが全体のどの程度になっておるのか、これもひとつ資料を出してもらいたい。私は精糖関係においては、原糖の価格の推移というものが、やはり指標になっておるというように考えます。ほとんどあれは機械化されておる。で、それほど機械工場のように、従業員というものが数を多く要るという性質のものではないというふうに私は考えております。そういうふうに考えてみますと、コスト高という問題も、私は、それほど他の産業と比べものにならぬということはないのじゃないか、私はそう考えます。
 そうなると、百二万トンにおいて十一億二千万円の差益が出て、この中で、いろいろの関係から差し引いておりますが、三十六年度以降、今年を含めて、百二十五万トンの大体の推移をたどるということになれば、百二十二円で押えても、相当の利潤というものがここに出てくると思うし、差益というものも生まれてくるというふうに考えなければ、常識的に私はおかしいと思うのですよ。
 そうすると、農林省にお伺いしますが、その場合の一キロ当たりに対する業者の利益を、どういうふうに考えていますか。
#67
○説明員(中西一郎君) 先ほど三十四年度と三十五年度とについて申しましたが、一キロ五円程度が、通常のその他の企業をも含めまして平均的な利潤なり金利なりのベースとしていいのじゃないかと考えておりますが、お尋ねの資料は御提出いたしますけれども、そのコスト計算をもとにして、将来も、その五円程度というものは、そう変わらないのじゃないかというふうに考えております。
#68
○岡三郎君 そうすると五円程度というこの計算、これもひとつ資料として出してもらいたいと思います。
 で、五円という利潤を考えて、一月以降差益が出ないという立場において、過去の差益を六回において徴収するということは、ちょっとこれは無理なんじゃないかな、部長、実際問題として。そういう計算をあなた幾ら言っても、コスト高というか、この資料を出してもらわなければならぬけれども、どう考えても輸入量が三十四年度当初よりは増加して、特別に精糖工業会の人件費その他がべらぼうに上がって、溶かす人間もふえたというなら、これはまた考えようもあるのですけれどもね。これはいろいろと問題があるとしても、どうもその計算がちょっと無理なんじゃないか。これも帰納法で、そういうふうに計算してくれば、そういう計算になる。こういうことではないのかと思いますが、きょうはこの程度にしておきますが、やはり過去の差益を、これから六回に取るということ自体、少しおかしいのじゃないか、少しどころじゃなくて、これはだいぶおかしいと私は思う。この点については、なお、大臣が来て十分答えてもらわぬと、部長だけでは、なかなか答えにくいことがあると思うのですが……。
 最後に一つだけお伺いしますが、向こう三カ年間――来年の一月からですが、その中から差益を取るということは、裏を返せば、その間においては砂糖の自由化はない、こういう考え方ですか、その点はどうです。
#69
○説明員(中西一郎君) この点は精糖五団体、関係四十社の話し合いで、とりあえず三カ年にわたって出す、こういうことでございますが、その間に経済情勢のほうなり何なりに非常な変動が起こるというようなことがあった場合のことを当然、精糖団体としては心配をしておられるようでございます。そういうようなときには、またあらためてそのときに政府と相談したいということでございますが、そういうふうな寄付をいたします際の五団体の一般的な心組みとして言っているわけでございます。
 で、こちらとしては、その間にどうするか、あるいはどうしなければならないかというようなことは、言明しておりません。そのときになって考えるということで、とりあえず第一回目の拠出を円滑に取り進めていただこう、こういうことで対処しております。
#70
○岡三郎君 そうすると十八億が取れるか取れないかわからぬ計算ですね。いわゆる自由化というものが、早まるとすれば、それでチョンだ、こういうことですか。
#71
○説明員(中西一郎君) その辺も先のことですから、明確には申し上げかねるのですが、単純に計算をいたしておりまして、その上で、どこかで自由化があるということになれば、そのときに、また話し合いが起こります。しかしその場合といえども、十八億というのはやはり出すというふうになることも考えられる。その場合に十八億は、途中で必ず切れてしまうのだというふうに考える必要もないのじゃないかと思うわけでございます。
#72
○岡三郎君 最後だというからやめますが、私は次に資料をお願いしたいと思うのです。ブドウ糖のいわゆる補助金といいますか、育成費といいますか、それに対して具体的に今まで原糖のリンクをしてきた。それから今後これに対して、どういうふうにするのか。しかも差益の中からビートなり、あるいはブドウ糖に対する補助をするような、そういう話も伺ったわけですが、この点について、具体的に、どういうふうに今考えておるのか。過去から現在までの育成した経緯、それから今後これに対してどういうふうにするお考えであるか。それからこの会社関係の営業自体、どういうふうな経緯で、会社が企業を発展さしているのか。これがいつになったら独立採算といいますか、そういうふうな必要がなくなるのか。
 こういうふうな点について、ひとつ、この次には……。順々にお伺いいたしますが、さしあたってそれだけ。また、一ぺんに資料要求しても、出てこぬと思うのです。それだけお願いしたいと思います。
 以上をもって、きょうの質疑は終わります。
#73
○中田吉雄君 時間がありませんので、通商局長にお伺いしますが、実は佐藤大臣に、来たるべき日米貿易経済合同委員会に臨まれる最も重要な役割を果たされる通産省に、お伺いしたいと思っておったのですが、時間がありませんので、きょうはひとつ次に譲ることにしまして、資料として私、三十六年の一月から八月まで手に入る対米貿易の輸出入、通関ベースで計算してみた。そうしますと、アメリカに六億四千四百万ドル、輸入が十三億七千万ドル強、入超が対米貿易においては八月末で七億二千六百万ドル、こういうことで、この傾向からおしますれば、アメリカに対する輸出が十億ないし十一億ドル、輸入はもう二十億ドルを優に突破するじゃないかというふうに考えるのですが、したがって、私の申し上げたいことは、佐藤大臣に、特に日本の国際収支の危機というものは、ほとんど対米貿易のアンバランスをどうするかということにあると思うのですが、輸入担保率の引き上げ等もあって、非常に入ったですが、九月から十二月まで輸出入を、起こり得べきいろいろな条件を累計して、三十六年の一月から十二月まで、一体どういうふうになるのでしょうか。
#74
○政府委員(今井善衛君) ことしの一月から三月は、特に対米貿易は低調でございました。また輸入は非常にたくさん入ってきております。したがいまして、この一月から八月までの数字を御指摘になりましたけれども、年を通じまして十二月までということになりますと、おそらく、ただいま先生御指摘のような数字になるのじゃないか。かように考えます。私どもも、実は年度を考えて、ことしの四月から来年の三月ということになりますと、少し輸出もよくなって参りまして、おそらく十二億近い輸出になるのじゃないか。それから輸入のほうは、二十億を割りまして、十九億をちょっとオーバーする程度の輸入になるのじゃないか。
 したがいまして、七億数千万ドルのアンバランスと、かように考えている次第でございます。
#75
○中田吉雄君 総合収支で結局七億ぐらいということですか。ほとんどその赤字というものは、対米貿易のアンバランスであることははっきりしているのですが、この九月の通関ベースは、どうなっていますか。
#76
○政府委員(今井善衛君) 九月の輸入……。
#77
○中田吉雄君 対米貿易輸出入。
#78
○政府委員(今井善衛君) ただいまちょっと資料が手元にございませんが、九月の輸出のほうは、為替ベースで今覚えておりますが、一億をこしておりまして、一億たしか三百万ドル程度だったと思います。この九月ごろから、輸出は大体一億ドルを突破しているという情勢になりつつございます。
 それから輸入のほうは、依然として多いわけでございますが、来年の一―三月ぐらいを考えますと、例の景気調整の総合政策なり、あるいは担保率の引き上げ等によりまして、おそらくある程度減って参る、ことしの一−三月よりも幾らか減るという工合に考えている次第であります。
#79
○中田吉雄君 この担保率の引き上げが、事前に漏れたかどうか、あの関係で一時非常に、六億ドルをこすような輸入があったのですが、対米関係はどうですか、その九月の。
#80
○政府委員(今井善衛君) 九月の輸入承認は、六億一千万ドルということで、非常に巨額に上ったのでございます。今、事前に漏れたかどうかというお話がございましたけれども、これは絶対に漏れたことはございません。このとき、十六日に非常に輸入が殺到しているわけでございますが、そういう関係でいろいろ調べておりますけれども、漏れた事実がないということだけは御了承願います。
#81
○中田吉雄君 対米関係は幾らですか。
#82
○政府委員(今井善衛君) 六億一千万ドルのうち、まだ実は地域別には分析いたしてございません。大体九月の輸出入ということになりますと、それが現実の輸入として実現するのは、十二月あるいは一月ということになります。それから十月につきまして、これは輸入承認は、まだ期半ばでございますので、はっきりいたしませんか、私ども今までの足取りを見ますと、四億ドルを幾らか割るのじゃないか。これは九月は相当の輸入承認が出たということと対応する関係もございますけれども、それ以外に、やはりある程度輸入の申請は落ちついて参ったということはいえると思います。かような関係で、十月の輸入承認と比べますれば、来年の一月、二月の現実の輸入は減って参ります。かようなことがいえると思います。
#83
○中田吉雄君 私、ヨーロッパの共同市場機構の域内の個別の六カ国の輸出入をみたのですが、三〇%から四四、五%まで、ほとんどバランスがとれているのですね。まず非常な偏差の少ない形で、それはもう非常にバランスがとれている。これはどうしても、苦労して集めてみたのですが、非常に完全といってもいいほどで、三%ぐらいの差はありますが、非常にバランスがとれているのです。こんなに倍、半分というアンバランスの国は、世界で日米関係だけなんです。対米貿易をやっているイギリス、ドイツ、フランス等をみても、ほとんどかなり近い程度のバランスがとれているんですよ、私の持っている資料では。
 そこで、どうしても今度、日米の貿易の不均衡是正ということが大きな問題になると思うんですが、その際に、まあ日米双方の産業構造上からの余儀ない差というものはあると思うのです。これは戦前でもあったのですが、しかしそれが、バイ・アメリカンとかいろいろな制限とか自主規制というようなことで、相当私はあると思うのです。
 そこで今度、佐藤大臣が出て相当やられる際には私は、そういう貿易構造、産業構造上のアンバランスは、これはまあ将来、輸出品をいろんな品目でだんだんと、繊維品から機械工業と変わっていくでしょうが、今の場合に、そういう制限なかりせば、一体どれだけ伸び得るかという測定を、いろいろなアメリカのバイ・アメリカンとかあるいは安全保障条項とか、いろいろ自主規制とか、そういうことで、何億ドル程度まで計数的に一体制約を受けているか、実は私は運輸省と話をしてシップ・アメリカンということで、日本の保有船舶、輸出等からいって、一体どのくらい制約を受けているか、それをはずしたらどのくらいになるかということを計数的に出してもらったが、かなりの額が出ている。私は日本の経団連あるいは商工会議所等も、この不均衡是正と同時に、アメリカの自主規制あるいはその他いろいろ輸入制限を緩和なり、撤廃してもらうということが大きな問題になっているのですから、計数的にはじいて、相当資料をととのえて説得するということがやはり大事だと思うのですが、そういう計算はやれませんか。
#84
○政府委員(今井善衛君) もしバイ・アメリカンなりあるいは輸入制限なかりせば、どのくらい輸出が伸びたであろうか、これは非常にむずかしい問題でございまして、私の考えるところによりますると、ほとんどと申しますか、絶対と申してもいい程度に、その計数を出すことは至難であろうと、かように考えるのでございます。
 と申しますのは、今アメリカとの間に、お互いに協定と申しますか、約束でもって輸出量を制限しておりますのは綿製品だけでございます。綿製品につきましては、これは目下の状況からいいますと、実は昨年から今年にかけましては、約束の数字まで日本品が出ていないという関係がございます。したがいまして今ワクはあるけれども、ワクなきもののような状態である。ところで綿製品につきましては実は歴史があるわけでございまして、五年前からやっておりまして、五年前に、日本品が非常に強い場合におきましても、ワクを守って日本品を出させなかった。その間に香港等に蚕食されまして、したがいまして、現在ワクがあっても、そこまで出ていないという関係がございます。したがいまして、ある程度日本品からなじみが香港等に移っていった。これはバイ・アメリカンの政策の影響で、長いことで、そういう結果になったのでございまして、したがいまして、それを計数的に出せと申されましても、これはおそらく至難ということになります。
 そのほか、たとえばトランジスタ・ラジオにいたしましても、あるいは陶磁器にいたしましても、ミシンにいたしましても、日本側が自主規制をしておりまして、別にアメリカとの約束じゃなくて、日本側はある程度の数量に輸出を押えております。これは日本が、一時的に輸出がラッシュする場合におきましては、向こうの排撃を食って、たとえば綿製品みたいに割当を向こうが要求するとか、あるいは関税を上げるとかということが、結果において輸出の阻害になるというような関係で、わが方で、ある程度規制をしているわけでございます。御質問の要旨は、そういうふうな形でもって規制しているところでは、これは計算が非常にむずかしくて、現実のところ、向こうのたとえば労働組合なり、あるいは一般市民の空気が、バイ・アメリカンということでもって、アメリカ品を買う、日本品なり外国品はあまり買いたくない。それがどの程度影響しているかということで、形に現われない面についても、影響というものは、非常に多いと思います。
 したがいまして、先生おっしゃるように、もしそういうことを撤廃した場合、それじゃそれが何億ドルに評価されるだろうかということは、非常にむずかしくて、ほとんど計数に現わすことは至難でございます。
#85
○中田吉雄君 そういう気持でいるから、アメリカは喜ぶのですよ。たとえば綿製品にしたって、これまででも、自主規制をやってワクをもらっても、いろいろ制約があって、振り替えもできぬようないろいろな制約がある。その間に、今局長が言われたようになじみができたりしている。ところが、よその国は対米貿易において、それは日本ではラッシュ輸出等をやって、十分考えなければならぬ点もあるのですが、今の進んだ数理経済でやれば、いろいろもっともらしく説得できるが、そういう気なら、日米会談の実効は推して知るべきで、水かけ論で、私はやはりよほどの資料をととのえて、私は先度、対米輸出の諸問題という経団連の出しているのを見ても、主要国とアメリカの輸出入の状況を見ましても、ほとんど非常に近い形でつり合いがとれている、だのに、日本だけがそういうことになっているということは、それはスター商品で、トランジスタ、マグロ、合板というように、一ぺんにやってしまいますから、そういうことになると思う。十分そういう点は気をつけなければいけませんが、私はとにかくアメリカの国内では劣勢産業というか、斜陽産業のようなものをほとんど日本が輸出する関係があると思います。
 ですから、もう少し計数的に私はいろいろの条件を考えながら、それなかりせばということは、できそうなものじゃないでしょうか、あなたのところは、たくさん課があるのですから、どうなのですか。
#86
○政府委員(今井善衛君) 今、もしバイ・アメリカンその他なかりせばという計数をあげて迫れというお話でございますが、私ども、もちろん貿易拡大について、今度の日米会談において、向こうと強く当たってみたいと思いますが、要するに自由主義経済のリーダーであるアメリカが、いろいろバイ・アメリカンその他によりまして、特に日本品に対して思わしくない影響を与えるということは、これはどう考えましても、私ども非常に不満でございます。
 したがいまして、アメリカ政府が責任をもって、かような輸入排撃運動、バイ・アメリカンというような政策をやめてほしい、あるいは緩和してほしいということは強く迫るつもりでございますが、ただいまおっしゃいましたような個々の商品について計数を出すというのは、これはあるいはこちら側でもって作れば出せないこともないかもしれませんが、しかし、それは決して説得力のある数字じゃないと思います。さような説得力のないような数字を掲げて、そこに議論が集中するよりも、むしろ全般的の問題として強く押して参りたい、かように考えている次第であります。
#87
○中田吉雄君 それは最初から、そういう気だからそうなると思います。私は、なかなかめんどうな作業だとは思いますが、お宅のほうからいただきました通産白書を見ても、高等数学を使って、いろいろな分析をやっておられるのですから、私はもう少しありそうに思うのですよ。その辺、頼みますよ。
 しかし、なかなか私は、アメリカには、そういうことを言っても、これまであれほど、ボールズ次官が来て、自主規制を高く評価すると、必ず期待にこたえると言って、日本の紡績業界は非常な期待を寄せておったら、今になって完全に裏切られた。私先日、綿業界の社会党ぎらいの大立者の人に会いましたが、全く表面は親戚づき合いしているが、冷酷無慈悲、油断もすきもならぬと、こういう表現を使うほど、裏切られておるわけであります。とにかく、表面は親戚づき合いみたいに言っておるが、油断もすきもならない、冷酷そのものだと、こういうふうに言っておる。通産省のほうは、外務省のほうにだいぶ健闘されたようで、僕も言いたくはないのですが、そういう際には、こういうことはできませんか、たとえば、自由化しても、ガット三十五条を援用して、まだ制限を撤廃しない国に対して、通産省は、それに見合う措置をするということを言っておるのですが、私当然だと思うのですが、外務省は、まあ反対のようですが、アメリカは、実際為替管理をやらぬでも、自主規制とかいろいろな形で、実際はそれと同じことを、ガット三十五条を援用している国以上のことをやっておるのですが、まず何よりもアメリカに、君のところがやるなら、こうだぞということはやれぬものですか。
#88
○政府委員(今井善衛君) お話、ごもっともの点もあると思います。ただ、イギリスなり、フランスは、ガット三十五条をはっきり援用し、あるいはイタリー等は、これはまあガット三十五条は援用しておりませんけれども、実際問題として、日本に非常に強い差別待遇をしておる。アメリカは、形式的、表面的には何らさような制限はしていないのでございますが、綿製品等に見られる場合におきましては、これは自主的に――アメリカは制限していないと言いながら、日本をして制限さしておるというふうな関係がございまして、私どもその辺は、もっともな御意見もあると思いますが、、今の段階におきましては、明らかに輸入制限をいたしております。差別待遇をいたしております。たとえばイギリス、あるいはフランス、イタリー等に強く当たりまして、そうして、向こうをして差別待遇を撤廃せしめる、それがまず順序でございまして、アメリカとの関係におきましては、今直ちに、さような段階に入るということは、私どもとしては適当じゃないと思いますけれども、今後、向こうの門戸の開放と申しますか、バイ・アメリカン、そういう政策によりまして、日本品を非常に不利な立場に置くという政策が緩和ないし撤廃されれば、そういう必要もなくなると思いますけれども、それは、今後の推移に待つべきものだと、かように考えております。
#89
○中田吉雄君 そのときに、綿業界の人は、こういうことも言っておったのですが、原料の自由化が製品の自由化に通じていないところに、日本として非常に苦しいところがある。それは別にいたしまして、そういうことも言っておりました。
 それで、佐藤大臣がおられればいいと思うのですが、一たん自由化のスケジュールを立てて変更したりすると、途中で正直者が苦境に立ってもいけない、私もそうだと思うのですが、その際に、今われわれが伝え聞くところによると、アメリカは実際あの会議をリードして、理事会や総会で、今にも八条国移行の勧告があるような空気を作ったのは、新聞社から聞いても、アメリカだというのです。そして、実際は一年延期してやるから、九〇%繰り上げて早くやれと、こういうことになっているのです。今一年繰り延べしてやったのだから、その代償に、最も通産省が気に病んでおられる自動車を初め十六か七の品目を、その代償として自由化せい、これが私は非常に、機械産業とか、日本の将来の産業の根本に触れるように思うのですが、これだけは、やっぱし今度の日米合同委員会でも、もう自主的にやるという不動な体制をしいて、やはりウエーヴァー条項ですか、自由化義務免除規定を厳に守るということをやられることが必要だと思うのですが、その点はどうですか。
#90
○政府委員(今井善衛君) 輸入の自由化につきましては、これは私ども、貿易を拡大し、あるいは国内の産業を強くするという意味でも、やはり原則として積極的に進めなければならぬと、かように考えております。
 これは、何もアメリカから、しいられるとか何とかいう立場ではなくて、やはりそれだけのメリットがあるということで進めなければならぬと思いますが、ただ御指摘のように、これは日本のためにやるわけでございますので、したがって、アメリカが特に向こうの関心のあるものについて自由化を要望いたしましても、これはあくまでも日本の立場から判断して、その産業が、たとえばまだまだ自由化するのが早いという場合におきましては、これはたとえ要請がございましても、われわれそれに応ずる気持は毫もないわけでございまして、日本の立場から進めていくということでございます。
#91
○中田吉雄君 それはやっぱりわれわれも、自由化は十分その利益が国内的に吸収できるような形でなくちゃいかぬと思うのですが、しかし、一昨日、来ました私の県の地方紙を見てみますと、前の福田政調会長でも、自由化のスロー・ダウンをやらなければだめだと、こういうことを言われるほど――いろいろあったのですが、ほかのことは言いませんが、スロー・ダウンして、経済の建直しをして、IMFから五億ドルの借款を直ちにやれというような記事が出ているのですが、そのことは別にいたしまして、私、農林省で聞いたのですが、アメリカの農商務省から来て、大豆の自由化のときには、ほんとうに毎日のように来てプレッシャーをかけて、ついに池田さんが、池田、ケネディ会談のために渡米する前に、大豆の自由化に踏み切って、そうして今、北海道の大豆生産農家は非常な苦境に立っているのですが、少なくとも私は、十六ですか、通産関係ばかしではないのですが、ぜひその線は、堅持していただくように強く希望して、これはまあ佐藤大臣おられませんから、希望だけにしておきます。
#92
○委員長(山本米治君) 他に御質疑がなければ、本日の調査をこの程度にとどめ、本日は、これにて散会いたします。
   午後三時十九分散会
  ―――――――――――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト