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1961/10/26 第39回国会 参議院 参議院会議録情報 第039回国会 商工委員会 第6号
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1961/10/26 第39回国会 参議院

参議院会議録情報 第039回国会 商工委員会 第6号

#1
第039回国会 商工委員会 第6号
昭和三十六年十月二十六日(木曜日)
   午後二時二十六分開会
   ―――――――――――
  委員の異動
本日委員近藤信一君辞任につき、その
補欠として阿部竹松君を議長において
指名した。
   ―――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長
           山本 米治君
   理 事
           川上 為治君
           剱木 亨弘君
           椿  繁夫君
           牛田  寛君
   委 員
           大泉 寛三君
           岸田 幸雄君
           古池 信三君
           高橋進太郎君
           阿具根 登君
           阿部 竹松君
           中田 吉雄君
           吉田 法晴君
           加藤 正人君
  衆議院議員
           勝間田清一君
  国務大臣
   通商産業大臣  佐藤 榮作君
  政府委員
   通商産業政務次
   官       大川 光三君
   通商産業省通商
   局長      今井 善衞君
   通商産業省石炭
   局長      今井  博君
   通商産業省鉱山
   保安局長    八谷 芳裕君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       小田橋貞壽君
   ―――――――――――
  本日の会議に付した案件
○石炭鉱業安定法案(衆議院送付、予
 備審査)
○輸出入取式法の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○石炭鉱山保安臨時措置法案(内閣提
 出、衆議院送付)
○石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を
 改正する法律案(内閣送付、予備審
 査)
○産炭地域振興臨時措置法案(内閣送
 付、予備審査)
   ―――――――――――
#2
○委員長(山本米治君) これより商工委員会を開会いたします。
 本日は、内閣提出にかかわる臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正する法律案外三法案、衆議院議員提出の石炭鉱業安定法案の提案理由の説明を聴取し、輸出入取引法の一部を改正する法律案の審議をいたします。
 まず、初めに委員の異動がありましたので報告いたします。
 本日、近藤信一君が委員を辞任されその補欠として阿部竹松君が委員に選任されました。
   ―――――――――――
#3
○委員長(山本米治君) 議事の都合により、初めに石炭鉱業安定法案を議題とし、発議者より提案理由の説明を聴取いたします。衆議院議員勝間田清一君。
#4
○衆議院議員(勝間田清一君) ただいま議題になりました石炭鉱業安定法案につきまして、提案者を代表し、その提案理由の説明を申し上げます。
 政府はさきに石炭鉱業の合理化について石炭鉱業合理化臨時措置法を制定し、実施して参りましたが、石炭鉱業の危機は依然として解消せず、むしろ深刻化の方向をたどっております。
 この重大な危機をもたらしている原因は、最近の技術革新によるエネルギー消費構造の変化と、競合エネルギーの無計画な輸入により、石炭需要が相対的に低下していることにあります。しかも政府の石炭鉱業に対する総合的政策の欠除と、炭鉱資本家の無為無策はこうした危機の深化を一そう助長しているのであります。
 申すまでもなく高炭価の解決は、わが国石炭鉱業の最大の課題であります。鉱区が錯綜し、賦存地域が偏在しているばかりでなく、生産が弾力性に乏しいという石炭鉱業の特殊性は、わずかの経済変動でも大きく需給関係に影響し、著しい価格の不安定を招来して、消費市場を喪失するという構造的な欠陥を持っているのであります。
 政府は、こうした構造的な欠陥を抜本的に解決しようとせず、昭和三十八年までに十一万名の首切りによる合理化案のみを提示し、資本家は首切りと大幅な労働賃金の切り下げ、労働条件引き下げのための租鉱権への分離政策等一連の労働者への犠牲のみを強行しているのであります。さらに貿易自由化の一年繰り上げは、こうした合理化計画を一そう過酷な方向へ追いやろうとしております。
 しかるに炭鉱離職者援護法の施行も、死の街、きがの谷といわれている炭鉱地帯の失業問題の解消には何ら役立たず、相つぐ閉山、首切りによる失業者のはんらんは、炭鉱労働者ばかりでなくその周辺の商工業者の倒産をも引き起し、今日、重大な社会問題となっているのであります。
 今回、本院に提出されました政府の保証基金の設立も、首切りによる合理化の助長政策以外の何ものでもありません。今こそ、石炭需給を長期に安定させて、しかもコストを切り下げ、雇用を拡大させる政策をとることこそ、今日われわれに課せられた緊急の政治的課題であると考えるのであります。
 石炭鉱業の重要性は、今日依然として減じておりません。その一つはわが国将来のエネルギー需要の面から指摘できるのであります。
 エネルギー総需要の伸びは、国民経済の成長のテンポとほとんど平行して増加の一途をたどり、政府の所得倍増計画におきましても昭和四十五年度には石炭換算で二億八千万トン以上と見込まれているのであります。
 このエネルギー需要の驚異的な拡大に対する供給源としての水力はその開発がすでに限界に達し、また原子力にしてもその実用化に相当の曲節が予想される状態において、輸入燃料にのみ依存する考えは間違いでありまして、石炭鉱業に課せられた役割は依然として軽視することはできません。
 しかも、わが国の石炭は、今日の出炭ベースで進んでも、なお百年以上もの確定炭量を埋蔵しており、国内エネルギー資源に乏しく、また国際収支に弾力性が少ないわが国においては最大のエネルギー源であります。
 その二は、エネルギー供給の安全性の保障の面から指摘できます。世界各国とも、エネルギー供給の安全性の保障につきましては異常な関心を示し、国内エネルギーの供給源の確保のため積極的な施策が進められていることは、最近海外のエネルギー政策を視察してきました各調査団の報告でも強調しているところであります。とくに英仏、西独等の諸国では六割から八割を国内エネルギー資源としての石炭に依存しているのであります。輸入エネルギーへの依存度を無計画に高めていくことはきわめて危険だといわねばなりません。
 その三は、雇用の面から指摘できます。
 石炭鉱業における雇用吸収率は他産業に比して非常に高く、機械工業とともに今後もその傾向を低めるものではありません。
 労働市場逼迫という最近の現象があるとはいえ、なお多数の潜在失業者を持って、年々百万人以上もの生産年令人口の増大するわが国経済において、雇用問題は経済政策の中心課題であり、かかる観点からも石炭鉱業の地位はゆるがせにできないのであります。このように重要なエネルギー産業である石炭鉱業に対して、わずかな資金融通によるほそぼそとした近代化計画や、弱少炭鉱の買いつぶし等の消極策で解決できるほど問題は簡単ではありません。石炭鉱業はすでに資本主義的経営自体に対しても、鋭い改革のメスが加えられねばならない段階にきているのであります。
 イギリスにおける炭鉱国有化政策をはじめ、西欧各国とも国有化公有化その他の特殊な経営型態のもとに、国民経済の拡大発展に寄与させるものであります。こうした世界的な傾向から、ひとりわが国だけがおくれたなげやりな石炭政策を進めることは許されないのであります。
 したがって社会党は、今日石炭鉱業が当面している危機を打開し、構造的欠陥を克服して、これを将来のわが国重要エネルギー源としての要請にこたえさせるために長期的な展望をもった抜本的な対策を講ぜんとするものであります。
 まず第一に、石炭の生産過程に対するわれわれの基本的な考え方を明らかにいたしたいと思います。
 わが国の石炭鉱業は稼行の進捗に伴って、採掘域が漸次深部に移行し、坑道の維持、通気、排水運搬等の経費が増加するため生産費の増大をみております。これを最小限度にくいとめ、さらに高炭価問題を解消するためには、合理的、計画的な開発を行なって炭鉱の若返り策が講ぜられねばなりません。
 生産体制の集約化はそのための前提条件であります。前近代的な古い生産機構である鉱区の独占はすみやかに排除し、鉱区の整理統合を断行して、炭鉱を適正規模に再編成することが最も肝要であるのであります。さらに休眠鉱区の解放も行なわれねばなりません。これらの諸課題は業者間の自主的解決では不可能であり、法の強制力を必要とするものであります。
 第二は、流通過程における整備の問題であります。
 石炭の流通機構は昭和年代になってからだけでも、過剰貯炭を処理するために昭和石炭株式会社、戦時中の日本石炭株式会社、戦後経済再建のための配炭公団、そして最近では新昭和石炭等の設立をみているのであります。このことは単に石炭が重要物であるためのみでなく、石炭需給関係の調整の困難性を物語るものであります。
 需給関係を調整し、価格の安定をはかるためには、流通機構の一元化こそ絶対に必要なのであります。
 第三は、石炭の需給を計画化し、その安定的確保をはかることであります。
 石炭鉱業はそのもつ特性から必然的に需給の計画化を要求いたします。しかもその計画化は長期に進められなければなりません。政府は今日、石炭需要の減退に対して縮少生産の方向をとっているのでありますが、これでは問題の高炭価をも解決できないのであります。高いレベルの拡大生産こそ必要なのであります。さらに積極的に新需要の開拓等が講ぜられなければなりません。このためには社会党は固体燃料としての石炭を流体化し、電気やガス等の流体エネルギーに転換して石炭需要の拡大をはからんとするものであります。
 以上の見地から、石炭鉱業の当面している危機を打開し、その安定を期するため、本法案を提出した次等であります。
 以下本法案の内容を簡単にご説明申上げます。第一章、総則は、目的と定義についての規定であります。
 石炭鉱業の基幹産業としての重要性にかんがみ、石炭鉱業の継続的安定を期するには、石炭の生産の近代化を推進するとともに、流通機構を整備して、その価格の低下をはかりその需要を拡大するための諸施策を実施することを目的といたすものであります。
 第二章は、石炭鉱業近代化計画に関する規定でありますが、五年ごとに石炭鉱業安定基本計画及び毎年、石炭鉱業安定実施計画を定め、政府は実施すべき工事に必要な資金の確保に努めるよう規定いたしたのであります。
 第三章は、未開発炭田の開発についての規定であります。石炭資源の開発が十分に行なわれていない地域であって、石炭鉱業の安定のためにはその開発を急速かつ計画的に行なう必要がある地域を指定し、基本計画に従って石炭資源の開発計画及び実施計画を定める旨の規定をいたしたのであります。
 第四章は石炭鉱業開発株式会社に関する規定であります。未開発炭田の開発を目的として石炭鉱業開発株式会社を設立し、政府は常時会社の発行済株式総数の二分の一以上を保有する等のほか、会社設立にともなう所要の規定を設けたのであります。
 第五章は、採掘権及び鉱区の整理統合並びに坑口の開設の制限についての規定であります。鉱業権の交換、売渡、鉱区の増減については鉱業法に規定するところでありますが、特に、安定実施計画で定めるところに従って急速かつ計画的な開発を行なうために鉱区の整理統合はきわめて必要でありまして、政府は適切な措置をとらねばならないといたしたのであります。坑口の開設につきましても許可制といたしました。
 第六章は需給の安定についての規定であります。
 政府は、毎年石炭関係及び学識経験者よりなる石炭鉱業安定会議の意見を聞いて需給計画を定め、その需給計画に基づいて鉱業権者、租鉱権者に対し生産数量の指示をするものといたしたのであります。
 石炭の需要を増加させるため、都市ガス、火力発電、石炭化学等に対し、資金の確保その他適切な措置を採るべき旨の規定を設けたのであります。
 さらに、前述のごとき観点よりして石炭販売の一元化を行なうこととし、それがために石炭販売公団を設け、石炭の一手買取を行なうことといたしたのであります。しかし、石炭販売公団が全生産量を取り扱うことは実際上困難でありますので、鉱業権者または租鉱権者をしてその販売の業務の一部を代行させることといたしたのであります。また、小口需要については、販売業者を指定してその販売をさせることといたしたのであります。
 近代化による生産費の引き下げが価格に反映するために、政府は買取価格及び販売価格を決定することといたしました。買取価格をもってしては、石炭の生産費を償うことができないものにつきましては、価格調整金の制度を設けたのであります。
 第七章は、石炭販売公団についての規定であります。
 公団の資本金は百億円とし、政府が全額出資することといたし、役員、業務、会計、監督についてそれぞれ規定を設けました。
 第八章は、炭鉱補償事業団についての規定であります。
 政府の石炭の需給調整措置の実施に伴い、石炭調整金を含む買取価格をもってしても採算がとれなくなったため事業を休廃止するのやむなきに至った鉱業権または租鉱権者の事業について、採掘権の買収、鉱山労働者に対する救済、鉱害等に対する前後措置を講ずるため炭鉱補償事業団を設置することといたしたのであります。これに要する財源としては、石炭販売公団からの納付金のほか、国庫補助の道も講じたのであります。
 離職する労働者に対しては平均賃金の六十日分を支給すると同時に、未払い賃金については債務者たる採掘権者または租鉱権者と炭鉱補償事業団との連帯債務としたのであります。また、鉱害賠償に関する裁定についても必要なる措置を講じました。
 第九章は、石炭鉱業安定会議についての規定であります。
 この安定会議は、石炭鉱業安定基本計画並びにその実施計画の決定、採掘権または鉱区の整理統合、需給計画の決定、生産量の決定、買取価格、販売価格の決定、雇用の安定その他、この法律に関する重要事項を調査審議するため、鉱業権者及び租鉱権者、労働者、石炭の消費者、炭鉱所在の地方公共団体を代表する者、学識経験者をもって構成することといたし、これに関する規定を設けました。
 第十章雑則、第十一童罰則といたし、法律施行期日は公布の日から九十日以内に政令で定めることといたしたのであります。
 以上、この法案の概要について説明申し上げた次第であります。日本社会党といたしましては、わが国エネルギー源における石炭鉱業の重要性にかんがみ、石炭鉱業の安定をはかり、もって国民経済の健全な発展に寄与せんとするため、本法案を提出いたした次第であります。議員各位におかれては何とぞ御審議の上、本法案に賛意を表されんことを切にお願いするものであります。
#5
○委員長(山本米治君) 本案の質疑は、都合により後日に譲ります。
   ―――――――――――
#6
○委員長(山本米治君) 次に、輸出入取引法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府委員より本案の内容について説明を聴取することにいたします。
#7
○政府委員(今井善衞君) それでは、私から本案の補足説明を申し上げます。お手元にお配りしてございます要綱によりまして御説明いたしたいと思います。
 今回提案いたしました改正法案は前国会に提出いたしましたものより二点削除いたしまして御提出を申し上げております。
 その第一点と申しますのは、輸出の場合に、輸出品の製造業者が協定を結んでいる場合に、アウトサイダーが非協力であるという場合におきまして、アウトサイダーを規制する点が一つでございます。それから第二点は、輸入の場合でございまして、相手国が窓口が一本になっているという場合におきまして、輸入品を使う需要者が協定をするという道を前回提出したのでございますが、これは前国会におきまして衆議院の商工委員会において与野党共同で削除するということになりまして、それで議決された経緯もございますので、今回政府提案からは、その二点は落として、御提案したのでございます。
 この要綱によりまして御説明いたしますと、大体内容といたしましては、一つは輸入の自由化に伴う必要な改正規定でございます。一つは、輸出秩序をさらに整える意味の改正規定でございます。
 その第一といたしまして、輸出業者及び輸入業者の輸出入調整に関する協定を新たに新設することにいたしました。これは法律の第七条の三の規定でございます。この規定は、御承知のように日本が後進国との貿易を進めて参ります場合に、日本の輸出超過という場合が非常に多いのでございます。その原因は、相手国の産品を輸入したくても、なかなか割高で輸入できないという場合が非常に多いのでございます。そこでかかる場合におきまして、輸出業者から輸出差益の一部をとりまして、輸入品のほうの差損金に一部補てんするという措置をとりますために、輸出業者と輸入業者が協定を結びまして、ただいま申しましたような業務を行なうという点の規定でございます。これにつきましては、もちろん公正取引委員会と十分協議して慎重にやりたいという内容になっております。それから、第二の改正要点は、輸入組合の設立要件の緩和でございまして、法律の第十九条の三の規定を削除する規定でございます。これは現在輸入組合を設立をいたしますには、必要やむを得ない場合で、政令でもって一々その物資を指定してやることになっております。ところで、今後の輸入の自由化を進めます場合、やはり過当競争という問題がございますので、したがって輸入組合の設立につきましては、輸出組合と同様に、その設立を比較的簡単な手続でやりたいということでございまして、もちろんその場合、通産大臣の認可は要ります。
 それから、第三の改正点は、輸出入組合の組合員の順守すべき事項の設定事由の拡充の点でございまして、これは法律の第二十三条第一項を改めた点でございます。これは先ほど申し上げましたように、輸出業者、輸入業者でもって、輸出入の調整の協定ができるという規定を新設したのでございますが、現行法におきまして、輸出入組合という制度がございまして、その輸出入組合という制度を活用しましても、先ほど申しましたような輸出入の調整行為をやれるというふうに直したわけでございます。現行法は、これは非常に厳格な建前になっておりまして、相手国が独占輸出をしている場合とかあるいはこの両国間に決済協定があるという場合だけに適用がございまして、後進国との片貿易というような場合には適用し得ないことになっておりますので、ただいま申しましたように、そういう場合でも適用し得るというふうに改めたのでございます。
 以上がこの自由化に関連のある規定でございまして、新たに新設した次第でございます。この中小の貿易商社がお互いに過当競争をしておる、あるいはもしその中小の貿易商社が数軒まとまりまして、たとえば海外に共同の支店を出すというふうなことになりますれば、これは経費も節約できまして、中小商社の経営を助けることになるわけでございます。さような貿易連合の仕組みを作ってほしいという要望が非常に強いわけでございます。そこで新たに今回貿易連合という仕組みを作りまして、ある数軒の貿易業者が集まりまして、そこでその貿易関係の事務を一元的に行なう、それによりまして過当競争が排除できますとともに、また海外に共通の支店を設けるというふうなことによりまして、経営の改善にもなるということをねらっておるわけでございます。この貿易連合が独占をするというふうなことがあってはなりませんので、そういう場合にこの貿易連合の取り扱い額を一定以上になってはならぬというふうな規定もございます。
 それからまたこの加入脱退の問題につきましては、たとえば協同組合等によりましては加入脱退は自由でございますけれども、これは自分でもってある程度商売をやるという関係がございますので、したがって店を出したあとで有力の商社が抜けるというふうなことがあってはなりませんので、定款によって加入脱退を制限できるというふうな規定を設けております。
 それから第五は、輸出業者の輸出取引に関する承認事項の追加でございまして、これはこまかい改正でございまして、現行のアウトサイダー規制の場合に価格とか、数量については規制ができますけれども、たとえば、LC条件というふうな取引条件については規制ができませんので、その点も規制ができるようにいたした規定でございます。
 それから第六は、輸出規制事務の処理にかかわる負担金の徴収、法律の第二十八条の二の規定を新設したのでございます。現行法で一定の場合におきましては、通産大臣が組合に対して事務の委任をできる。しかもその場合にアウトサイダー規制がかかっている場合でございますが、事務の委任ができるという建前になっております。ところでその場合におきまして、たとえば海外においてその組合の調整行為がそのまま順守されているかどうかというふうなことをチェックする必要がございます。たとえばアメリカにおいてうまくいっているかどうかということをチェックいたしますために、さらにそれに調査をするとか、あるいは監視をするという必要が出て参っておりますので、それに必要な賦課金を組合員のみならずアウトサイダーからも徴収できるという規定でございます。
 それから第七は輸入業者の輸入取引に関する承認事項の追加でございまして、これも現行法では価格、数量ということについてアウトサイダー規制をすることができますが、そのほか取引条件についても規制ができるというふうに改めた規定でございます。第八は、輸出業者及び輸入業者の輸出入調整に関する規制命令一これは先ほど第一の場合に申し上げましたこういう場合におきまして、アウトサイダー規制ができるというふうに、そういう内容規定したものでございます。
 それから第九のその他といたしまして、一つは従来輸出組合、輸入組合ともにすべて税金がかかるという建前になっておりましたが、今回はその場合非出資組合に限って税金がかからないというふうな規定を設けた次第でございます。
 以上、簡単でございますが、補足説明といたします。
#8
○要員長(山本米治君) それでは引き続いて質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
  速記をとめて。
  〔速記中止〕
#9
○委員長(山本米治君) それでは速記をつけて下さい。
 通産大臣が出席されましたので、本案の質疑を一時中断いたします。
   ―――――――――――
#10
○委員長(山本米治君) 次に、臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正する法律案、石炭鉱山保安臨時措置法案、石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案、産炭地域振興臨時措置法案、以上四案を便宜一括して議題とし、順次、提案理由の説明を聴取いたします。
#11
○国務大臣(佐藤榮作君) 臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び法律案の趣旨について御説明申し上げます。
 臨時石炭鉱害復旧法は、十年間の限時法として昭和二十七年に制定されまして以来、現在までに約九年を経過しているのでありますが、この間に約八十億円にのぼる石炭鉱業及び亜炭鉱業による鉱害を復旧いたしまして、国土の保全と民生の安定に大いに寄与してきたのであります。
 しかし、昨年、通商産業省におきまして全国的な鉱害事業量調査を実施しましたところ、現在累積して残存している安定鉱害だけでも約二百四十億円にのぼり、そのうち六−七割程度が臨時石炭鉱害復旧法による復旧の対象となるものと推定され今後さらに年々相当額の鉱害が発生するものと予想されている次第でございます。
 しかるに、同法は昭和三十七年七月三十一日までに廃止すべきものとされておりますので、新たに広範囲、大規模な復旧工事に着手することは困難となっております。このような状況のもとに、鉱害地域住民の間には、同法による鉱害の復旧がその後中絶されるに至るのではないかとの懸念と不安が高まってきているのであります。
 したがいまして、この際同法の有効期間を延長してこれらの問題を解決し、住民の不安を除去することが是非とも必要であると考えるのであります。
 なお、衆議院商工委員会におかれてもこの点に留意され、去る第三十七回国会において同法の延長を骨子とする改正法案を次期国会に提案すべきであると決議されたのであります。
 以上の経緯にかんがみまして、同法の有効期間をさらに十年間延長しようとするのが、ただいま提案いたしました改正法案の第一の要点でございます。
 改正の第二の要点は、鉱害により緊急の事態が発生しました場合に、応急的に対処し得る体制を作ろうという点にございます。
 鉱害復旧のための基本計画を作成するためには、鉱害の賠償義務を負う者はだれか、また、その責任の範囲はどれだけかということを明らかにしなければなりません。
 これが明らかにならない場合には、緊急の事態が発生いたしましても、これに対する措置について現行法は規定していないのでございますが、このような場合には、国と地方公共団体が費用を支出して応急の工事を行なわせた後に、賠償義務者等を追及してその者から費用を償還させるという方法によって事態に一応の解決を与えたいと存じております。
 その他昭和三十三年に廃止されました特別鉱害復旧臨時措置法に関する規定及びいわゆる無資力認定に関する規定について、この際あわせて整備したいと存じます。
 以上がこの法律案の内容及びその提案理由であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同あらんことを切望する次第であります。
 石炭鉱山保安臨時措置法案につきまして、その提案理由及び法律案の要旨について御説明申し上げます。
 最近相次いで炭鉱の重大災害が発生しましたことは、政府としてまことに遺憾とするところであります。申すまでもなく人命の尊重は、何よりも重要なことでありまして、政府としても従来ともこの方針のもとに保安行政を推進してきたのでありますが、最近の状況は、さらに徹底した対策の必要なことを痛感せしめるに至ったのであります。またさきの国会におきましても事の重要性にかんがみ衆参両院において炭鉱災害防止に関する決議が行なわれております。政府はこの決議の趣旨を十分に尊重し、かつ中央鉱山保安協議会その他の関係者の意見をも勘案の上、さきに鉱山保安確保のための具体的対策と当面必要となる予算措置について閣議決定をいたしたのでありますが、そのうち法律を要する重要事項について、ここに成案を得て提案することとなったのであります。
 炭鉱の保安をはかる基本的方向が、鉱山保安法、鉱業法の厳正なる運用にあることは申すまでもありません。政府としても常々この点に留意し、保安監督の強化をはかってきたのでありますが、今日における中小炭鉱の実情を見まするに、一方において保安監督の強化をはかるかたわら、他方各炭鉱の実情に即して抜本的な施策を講ずる必要があるのであります。このため政府といたしましては、このたび石炭鉱山の実態を総合的に調査することとし、その結果に基づいて保安に関する設備の整備の促進等をはかるとともに、保安を確保することが困難な石炭鉱山に対し廃業を円滑に行なわせるための措置を講ずることといたした次第であります。
 次に本法案の要旨について御説明申し上げます。
 第一は、石炭鉱山の実態を適確に把握し、その保安の確保をはかるため、採掘権者または租鉱権者について、その鉱区または租鉱区の自然条件、経理的基礎及び技術的能力並びに保安に関する事項に関し総合的調査を行なうこととしたことであります。そしてその結果必要があるときは、保安に関する事項の改善勧告をできるようにするとともに、その勧告の内容についてその勧告を受けた者に当該石炭鉱山の保守委員会に通知させることとし、また政府は、保安設備の整備に必要な資金を確保することに努めることとしたことであります。
 第二は、総合的調査の結果保安を確保することが困難であると認められる採掘権者または租鉱権者に対して鉱業の廃止の勧告をできるようにしたことであります。そしてその勧告を受けた者にその内容を当該石炭鉱山の保安委員会に通知させることとし、また、勧告を受けた者が、勧告に従って採掘権または租鉱権を放棄したときは、国が石炭鉱山整理交付金を交付することができることとしたことであります。
 第三は、この交付金について、賃金債務及び鉱害賠償債務に優先的に充当するための措置を講じたことであります。そのために交付金は、石炭鉱業合理化事業団を通じて交付することとし、石炭鉱業合理化事業団は、鉱業を廃止した者にかわって賃金債務及び鉱害賠償債務の弁済を行なうこととしたことであります。
 第四は、採掘権者または租鉱権者が鉱業の廃止の勧告を受けて鉱業を廃止したことにより、鉱山労働者が解雇された場合には、国が、平均賃金の三十日分に相当する金額を支払うこととしたことでありまして、これにより労働者の保護に遺漏なきを期することといたしております。
 第五は、この法律に基づく鉱業の廃止の勧告を受けて鉱業を廃止した者が放棄した採掘権または租鉱権の区域には、再び権利を設定することを禁止するとともに、石炭鉱業合理化臨時措置法の坑口開設許可制度を改正し、保安を確保するために必要な経理的基礎及び技術的能力を有しない者は、鉱業を行なうことができないように措置したことであります。
 これにより、保安確保のできない石炭鉱山が今後新たに発生するのを防止することとしたことであります。
 なお、この法律は、石炭鉱山の保安確保の緊急対策としての性格にかんがみ、有効期間を二年とする臨時措置法といたしました。
 以上簡単でございましたが、この法律案の提案理由及びその要旨について御説明申し上げました。
 何とぞ慎重審議の上御賛同あらんことを切望する次第であります。
 石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び法律案の要旨について御説明申し上げます。
 わが国の石炭鉱業が、石炭の販売価格を昭和三十八年度までに昭和三十三年度に比較して千二百円程度引き下げることを目標として、現在高能率炭鉱の造成及び非能率炭鉱の休廃止を中心とする生産構造の抜本的な合理化に努力しつつあることは、御高承のとおりであります。
 最近、鉱工業活動の好調、渇水等のため石炭の需給がやや好転しておりますが、これにより石炭鉱業の合理化の必要性はいささかも減少するものではなく、むしろ石油輸入の自由化を考慮すれば、その長期的な値下りの傾向からみて、今後一そうの合理化努力を傾注することにより石炭鉱業の安定をはかる必要があると考えております。
 石炭鉱業の急速な合理化を進めていく過程におきましては、生産の集約化などに伴い、相対的な過剰雇用が発生することは避けられないところでありますが、このような過剰雇用をなくして合理化効果を発揮してゆく段階においてやむを得ず発生する離職者に対し、退職金その他の支払いを円滑に行なえるようにすることは、ぜひとも必要であると考えます。また非能率炭鉱を閉鎖する場合には、このほかにすでに発生した鉱害を処理する必要があるわけでありまして、今後石炭企業がその事業を整備するために調達すべき資金は、莫大な額に上るのであります。
 しかしながら、このような事業の整備に必要な資金につきましては、銀行の融資が必ずしも円滑に行なわれていないのが現状でありまして、今後の金融情勢に照らし、一そうの困難が予想され、石炭鉱業の合理化がこの面で制約されるおそれがあると考えられます。このためこのような資金の融資について何らかの措置を講じて、これを円滑化することが特に必要になるのであります。
 今回の改正案は、このような考え方に立って、石炭鉱業合理化事業団に政府出資を行ない、これを基金として石炭鉱業の整備に必要な資金の借り入れについて債務保証を行なわせることとしたものであります。
 次に本法案の要旨について御説明申し上げます。
 第一は石炭鉱業合理化事業団に、従来の非能率炭鉱の買収業務及び近代化資金の貸付業務に加えて、新たに債務の保証の業務を行なわせることとしたことであります。石炭鉱業合理化事業団が行なう債務の保証は石炭鉱業の整備を促進するために行なうものでありまして、離職する労働者に対し支払うべき退職金その他の賃金の支払のため必要な資金、あるいは事業を廃止するときの鉱害の賠償に要する資金を石炭業者が銀行から借り入れる場合に、その弁済の保証を行なうことといたしたのであります。なお、石炭鉱業合理化事業団が保証する債務の総額は、保証基金に一定の倍率を乗じて得た額を限度といたしております。
 第二は、政府が石炭鉱業合理化事業団に保証業務のため追加出資する場合には、従来からその業務の一つとなっておりました近代化資金の貸し付けのための出資と区分して保証基金に充てることを明らかにし、石炭鉱業合理化事業団は、これにより保証基金を設けることとしたことであります。
 第三は、債務の保証の条件等に関する規定であります。石炭鉱業合理化事業団は、債務の保証を行なう場合には、石炭業者から保証の委託手数料に相当する保証料を徴収することといたしまして、その石炭業者が弁済期において債務を履行しなかった場合等には、銀行に対してその弁済されなかった借入金の二分の一を石炭業者にかわって支払うことといたしました。
 石炭鉱業合理化事業団は、石炭業者にかわって銀行に債務の弁済をした場合には、その石炭業者に対して求償権を取得することとなるのでありますが、この権利の行使の業務は、銀行に委託することができることとし、以後において銀行が回収した金額については石炭鉱業合理化事業団と銀行が折半することといたしております。
 第四は、石炭鉱業合理化事業団のこの債務の保証の業務は、昭和三十八年度末までに廃止することとしたことであります。この債務の保証により石炭鉱業の整備の円滑化をはかることは、石炭鉱業の合理化の目標年次である昭和三十八年度まで継続して行なう必要があるからであります。
 以上簡単でございましたが、この法律の提案理由及びその要旨について御説明申し上げた次第であります。
 何とぞ慎重御審議の上御賛同あらんことを切望する次第であります。
 産炭地域振興臨時措置法案につきまして、その提案理由および法律案の要旨について御説明申しあげます。
 産炭地域の経済は御承知のとおり全面的に石炭鉱業に依存している所が多く、石炭鉱業の盛衰がその地方の経済に及ぼす影響はきわめて著しいものがあるのであります。一般産業界の好況にもかかわらず、石炭鉱業の構造的不況は、これらの地方の経済に大きな打撃を与えているのでありまして、炭鉱失業者は雇用機会のないまま産炭地域に滞留し、鉱害その他の産炭地域特有の事情と相まって社会不安の原因となり、産炭地域ははなはだしい疲弊にあえいでいるのであります。
 このような状況を反映して地方財政もまたますます逼迫の度を高めつつあるのでありまして、石炭鉱業の合理そのものも、次第に困難となってきているのであります。
 これらの複雑かつ困難な諸問題の解決のため、政府は従来とも離職者対策その他の施策を推進して来たのでありますが、御承知のように、炭鉱失業はややもすると集中的かつ大量に発生するおそれがあるのみならず、その地域全体が失業するという事態の発生する危険が少なくないのであります。さらに失業者の過去の生活環境。年令構成。技能程度からみて、これを労働に対する需要の大きな地方へ移動せしめるという対策には、重大な限界があることを認めざるを得ないのでありまして、そのためには、どうしても現地において雇用の機会を創造し、増加させていくという施策が必要になるのであります。
 また石炭は、産炭地域においては、今日でもなお競合エネルギーに対し経済的優位を保っているのでありまして、今後の石炭政策という見地からも石炭需要を産炭地域において極力確保するため、産炭地発電の推進、その他の対策を進めてゆく必要があるものと考えるのであります。
 このためには、単一経済地帯である現在の産炭地域に新しい産業を導入し、育成し、多角的な産業地帯を作り出していくという方向が選ばれなければならないのでありまして、これはひとりわが国に特有の事情ではなく西欧諸国においても産炭地域の振興には、特に力をいたしているのであります。
 さらにまた、従来の合理化対策、炭鉱離職者対策等の施策に加えて、積極的に石炭需要の確保をはかるための施策を推進することによって石炭鉱業を安定させ、これ以上、産炭地域を疲弊させないようにすることも、産炭地域の振興にとりゆるがせにできないことであると考えるのであります。
 この法律案は、このような考え方のもとに産炭地域を振興するための基本的方向と具体的計画を定め、国の施策を統一的かつ集中的に進めてゆくことを企図しているものでありまして、これがこの法律案の内容の第一の点であります。このため、通商産業大臣は、産炭地域振興基本計画と同実施計画を定めることといたしておりますが、この基本計画には国民経済的観点または実施計画相互の関連等の観点から実施計画策定の基本となる事項について、また実施計画には各地域の特殊性をも十分考慮に入れた具体的事項について計画を定めることといたしております。なお、これらの計画の策定にあたっては、産炭地域振興審議会の意見を聞くとともに、関係行政機関と十分協議をする建前をとっており、また実施計画は、その緊急性にかんがみ、法律の施行後二年以内に定めることといたしました。
 内容の第二点は、通商産業大臣は、これらの計画を策定するために必要な調査を行なうこととしたことでありますが、本年度の調査のため三千万円の調査費が予算に計上されております。この種の計画を定めるためには、事前に十分調査をし、真に実効性のあるものとする必要があるので、調査地域、調査方法等についても審議会の意見を聞くことといたしたのであります。
 第三点は、国の助成措置に関する規定であります。産炭地域振興のための具体的な事業及びその推進の方法については、今後の調査と、これに基づく計画により決められるわけでありますが、この法律案におきましては、地方税の減免に伴う措置、その他一般的な措置として当面必要と考えられるものにつきまして規定いたしました。
 なおこの法律は、産炭地域振興の緊急性にかんがみ、有効期間を五年とする臨時措置法とすることといたしました。
 以上簡単でございましたが、この法律案の提案理由及びその要旨について御説明申し上げました。
 何とぞ慎重御審議の上御賛同あらんことを切望する次第であります。
#12
○委員長(山本米治君) 以上四案の質疑は、都合により次回に譲ることにいたします。
#13
○委員長(山本米治君) それでは再び輸出入取引法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言を願います。
#14
○中田吉雄君 今回の改正法案の内容につきましては、すでに与野党一致の点で、あまり問題ないと思うのですが、この改正法案が昭和三十三年の第三十回国会に出されましてから、三十一国会、三十四国会、三十八と出まして、今回のようにしぼられたわけですが、大体輸出を振興するためにはこれでまず間に合うと、こういうふうにお考えのためでしょうか、これだけやってみてまだ十分でないというようなことがあれば、機会を見てこれまで削除された項目をまた改正案として出されたりするようなことがあるのでしょうか。その点大臣から……。
#15
○国務大臣(佐藤榮作君) 貿易の拡大、ことに輸出振興、こういうことを考えて参ります場合に、もちろんそのときの国内経済情勢なり、産業構造の実態に合った法律を作っていくということが望ましいことだと思います。そういう意味におきまして今日提案いたしておりますものは、現状において考えられる各対策でございます。政府が、また通産省が特別な意図を持ちましてこれをさらにどうこうすると申しますよりも、実情に即した処置をとる、こういう考え方で臨んで参るつもりでございますので、ただいまお尋ねになりましたような点につきましては、早急にかような処置を考えなければならない、かようには思っておらない次第でございます。
#16
○中田吉雄君 この貿易の逆調が非常に問題になって、そのため輸出を振興しなくてはならぬと、その一環として次の国会に輸出振興法案ですか、輸出振興基本法案ですか、そういうものを提出されるというのが新聞に出ているのです。その中にこの輸出入取引法の中の削除したものを基本法の中に加えるやに、そういう新聞の記事が出ているのですが、日本経済の十月二十五日ですから最近ですが、そういう関係はいかがでしょう。
#17
○国務大臣(佐藤榮作君) 皆さんのお尋ねでございますから率直に申します。ただいま私自身はもちろんそういう考えを持っておりませんし、また事務局にもそういうことはないと耳打ちをしてくれておりますので、これは何らかの間違いだろうと思います。
#18
○中田吉雄君 今井局長にお伺いしますが、ちょっとただいま低開発国の輸出の場合に、自由化されてアメリカ等からは安い原綿が入る。低開発地から高いやつを買わねばならぬ、そういうものにいずれ適用される場合があると思うのですが、一体この改正で主としてさきに御説明になりましたが、どのような国が、こういう措置を作って輸入業者と輸出業者が差益金をプールしてやれば、一体どことどこの国が主として対象になるのか、こういう問題であります。
#19
○政府委員(今井善衞君) ただいま後進国の中でわが方が非常に輸出超過になっておる、その原因が相手国の生産品が高くてなかなか輸入ができないという国の例といたしましては、イラン、イラクがさしあたりございます。それからアフリカ地区のナイジェリア、ガーナ、スーダン等がやはりわが方の非常に片貿易になっておりまして、さような必要性が今後あると思われる国々でございます。
#20
○中田吉雄君 ただいまあげられましたイランが最近はなはだしく輸入のアンバランスから日本のイランに対する輸入をさせないと、禁止ということで強い態度をとっていることが新聞に出ているのですが、そういう措置でこれは対処できますか。
#21
○政府委員(今井善衞君) イランにつきましては、昨年ある種の協定が行なわれまして、大体わがほうの輸出四に対しまして先方からの輸入一という協定を結んだのであります。大体輸出と輸入につきましてある程度プールするということでその協定を実施して参ったのでございますが、なかなか十分の効果をあげ得ないのが現状でございまして、先般、私のほうからも関係の課長が現地に参りましていろいろ打ち合わせをしたのでございます。もちろん先方におきましては、このただいま提出しております法律のような趣旨を、もっと積極的に実施していきたいという要望もございましたし、それから、さらに経済協力を先方は非常に希望しておるのでございます。話が最終約にはきまらないで、ただいま、さらに交渉を今後続けるという段階でございまして、もちろんこの法律のような趣旨だけで問題がすべて解決できるとは思いませんけれども、経済協力、たとえば経済協力によりまして相手国産品がもっと安く輸出できる態勢を整えるようにわがほうでもって協力するというふうなことによりまして、コマーシャル・ベースによって将来貿易が順調に進む、その過渡期といたしまして、どうしてもこういう措置が必要であると、かように考えておる次第でございます。
#22
○中田吉雄君 この法案そのものについては、あとで同僚の吉田委員がやられますので、この貿易並びに国際収古の広い面から佐藤通産大臣に少しお伺いしたいと思うのですが、われわれ社会党もただ池田内閣が国際収支のアンバランスで窮地に入っているのを傍観して、それで、これで打撃を与えることによって喜ぶというような、そういう見地には立たないもので、われわれとしてもなかなかこれ自体が容易な、とうてい――この輸出入改正法案もまあ一つですが、なまやさしい担保率の引き上げその他では、これは私はできない問題を含んでいるという点を非常に憂慮しているわけであります。本日、日本銀行が発表したのでは、年度末には外貨の保有高が十億ドルになるであろうということを日銀は言っておるわけであります。そして、政府の見通しでも、いろいろな情報から伝え聞くところによると、年度末に十三億ドルぐらいになるのじゃないか、そこでまあ政府もたいへん心配されて、アメリカの市中銀行に二億ドルですか、輸銀に一億ドル、情勢によってはIMFに三億ドルぐらいですか――といったことが本日の各紙に出でおるわけであります。朝日も日本経済も一面に出て、こういう問題を、ただ貿易、輸出を振興してやるということは、私はむしろなぜこういうふうになったかという、池田内閣の根本政策である高成長政策というものを是正せずに、通産省だけで何とか輸出を振興してやるといってみても、その根本を改めずには私はなかなか困難じゃないか。どうしても実力者の佐藤さんが入ったけれども、案外いかんじゃないかというような記事が大きくある新聞にも出ているのです。しかし、これは、私はなぜそういうふうにアンバランスになったかという根本にメスを入れず、なぜ輸入が盛んになって、輸出がどうにも、通産省、企画庁、内閣の全力をあげてもできないかという根本に向かっての対策を講じられんと、私はできんじゃないかということを思うのですが、この点はいかがでしょうか。
#23
○国務大臣(佐藤榮作君) 池田内閣の経済高度成長政策、まあこれについての批判がいろいろ行なわれております。しかし、池田内閣の経済高度成長の基本政策でごらんになりましても、計画主体という、その目標の数字から見れば、ちゃんと国際収支ではわずかながらも黒字というものが計画されていた。ところが、その計画どおりにいかない。これはたびたび予算委員会その他等で指摘されたごとく、これはもう明らかに私どもが予想したより以上の高度成長をした。設備投資の予想以上の拡大というものが、今日のような事態を招来した、かように実は思います。
 で、もともと申しまして、本来、日本の産業といたしましては、原材料等を外国から輸入しなければならない産業構造でございますので、この最小限度と申しますか、少なくとも外国から買う、その輸入する支払いは、当方で加工しそして生産した、これを輸出して、その輸出の代金をもって支払うという、これが根本のものでなければならないと思います。また、池田内閣自身の経済高度成長におきましても、国内の消費を拡大すると、かように申しておりますが、この輸出が非常に膨大である必要はない。しかし、そこには少なくとも、ふえなくともいいが、この原材料をまかなうだけのものをほしいということも絶えず指摘いたしておるのでございますから、これはもう別に矛盾ではないと思いますし、また、今後のあり方といたしましても、この点に重点を置いての指導が必要だろうと思います。だから、いずれの国におきましても、国際収支でバランスがとれるような諸政策をするわけであります。ただいま中田さんが御指摘になりました、イランや、イラク等におきましてもどうも、対日貿易は輸入超過になっている。だから、日本品はひとつ輸入を差し控えてくれ――輸出を差し控えてくれ、こういうような話が出るように、バランスのとれた輸出貿易といいますか、輸出入バランスをとりたい、これはもうどこの国でも考える。まあ日本の場合でございますと、総体的な問題として総合的に考えて輸出入のバランスがとれるということと、そして、経済を拡大してお互いの生活を向上させていく、これが大体の目標だと思います。ただ、御承知のように、私どもの計画が民間の非常な拡大意欲の結果、今のような状況を現出したというのでございますから、自然と今の緊急措置として、緊急調整措置として、この際は設備投資も押えようし、また輸入もそういう意味で手続を複雑にし、あるいは負担を加重することで抑制していこう、それから同時にまた輸出がしやすいような、そういうような諸制度を整備していこう、こういうことで、まあ今日の国際収支のバランスをとり得るような諸政策を遂行しておるのであります。しかし、これは短期日の間に、一、二カ月の間に急転ができるものではないと思います。経済の問題でございますから、すでに注文し、商談ができておるその後のいろいろの措置であり、これはやはりスロー・ダウンするにいたしましても、ある程度の期間はどうしても必要だ、だから、まあ来年の年末ぐらいになれば何とかなるだろう、ある程度の見通しは立つだろう、こういうような表現をされておるのだと思います。
 で、通産省といたしましては、ただいまの効果がどういうふうにあがるか、先ほど日銀のある種の見通しとしての意見が発表されておるということでございますが、いわゆる日銀そのものの発表した予想ではないだろうと思いますが、おそらく一部の人の見込みが発表されたということだろうと思います。私どもがある程度期待をかけておりますのは、来年の一――三月という輸入期においてどういうような輸入の状況になるか。これがもうすでに九月にとった処置でありますだけに、その辺では効果が出てこない――これはたいへんなことである、こういうように期待をしておるのがただいまの現状でございます。基本的にはどこまでも日本の経済といたしましては、内需、これを押えるという意味ではございませんが、輸入原材料その他の輸入、これをまかなう力を輸出、それによってまかなっていくのだ、基本的な考え方は堅持していくということが必要なのではないか、かように考えるのであります。
#24
○中田吉雄君 新聞の記事によりますと、日銀は二十四日に関係首脳部会議を開いていろいろ検討した結果、年度末には十億ドルになることもあり、見方によっては割ることもあり得る。政府ですら十三億ドルという。そのことは別にしまして、私はなぜ輸入がこんなに盛んで担保率の引き上げ等をやられざるを得ないか、そしてなぜこんなに輸出ができないのかというと、私は自由化がやっぱし大きな原因だと思います。何と言っても自由化の繰り上げをやりまして、来年の十月一日までに九〇%の自由化をやる。そしてアメリカはなおIMFの総会で一年八条国への移行勧告を延期してやったのだから、その代償として十六品目ですか、繰り上げ自由化率とは別に、日本の育成しなければならない重大な産業について、なるほど自由化というものが半年繰り上げられたということが、何としてもこれは国際競争力にたえるようにしなければならない。単に私は市場占拠率を広めるというよりも、やっぱしこの池田さんの成長ムードというものも大いにあおっておると思います。何と言っても設備投資が四兆円にもなるようになった。これはやっぱしひとつは池田さんのあおりと、なおこの期に至っても、それを認めようとせずに、言を左右にしておられる。これはここで言っても仕方がない。それよりか私はやっぱし自由化を半年繰り上げて九〇%来年九月一ぱいにやっちゃうということは、これは国際競争力にたえるようにしなければならない。それには設備投資をして十分にたえなければいかぬという計画その他もありますが、ですから福田さんははっきり――これは私の県の地方紙に出ております。これは共同の記事だそうです。池田内閣の高度成長政策は手直しせい。自由化はスロー・ダウンせい。そして外貨不安を取り除くためにIMFからの五億ドルの借款を直ちにやるべきだ、こういうことを二週間前に言っておって――これはなかなか社会党の政策に似通っておりますが、そうしてはっきり言って、これは皆さん、佐藤さんでも、河野さんでも、藤山さんでも、なかなか率直にやられないという点が、私はかえって池田内閣にとって結果としては忠実でないようになるのじゃないかと思います。私はやっぱし福田株が異常に高まったというのは、なかなかよく見て根本を突いておると思う。とにかくスロー・ダウンせい、手直しせい、これなしにはいけない、こういうことを言っておられるのですが、私はやっぱし自由化の恩恵を十分消化できないような、内部的な要因よりか外圧によってやられたというようなことで、業界が一そう投資意欲を旺盛にして、この点は私はまず何としても自由化の設備投資の規制は計画経済のもとでは別だが、今の状況で自由化を半年繰り上げて十月一日まで九〇%やると言いながら、その自由化に耐えるように設備投資をやるなということは、これはもう二律相反の自由化経済を金科玉条とされる池田内閣じゃ私はできぬじゃないかと思うのです。私はその辺があると思うのですが、これはいかがですか。
#25
○国務大臣(佐藤榮作君) 自由化の計画は一昨年でございますか、ただいまの総理が通産大臣、お答えする私が大蔵大臣、その当時に自由化計画を進めることを考え、そしてその自由化の手始めに綿糸布繊維から始めてかかった、こういう状況でございます。今問題になりますいわゆる繰り上げたというその時期はことしの七月でございます。今日までの経過をずっとたどってみますると、この自由化計画自身を促進いたすというか実施して参りました過程におきましては、それぞれ国際競争力の強いものから順次これを外して参りまして、そして最近ではむしろ日本が自由化することによって国際的な平等を主張し得る立場に立ち得る、逆に輸出を進め得る、こういう立場に立っての自由化が進んできていると思います。今言われるように、自由化の結果輸入が非常にふえる、設備が非常に拡大される、こういうものがはたしてどれだけあるか、これは非常に議論のあるところであります。もちろん設備拡大の場合に当初言われましたものは自由化に備えるために必要なる企業の改善、その近代化には政府がどこまでも協力する、かようなことを申しましたから、もちろんこの設備投資の中には、自由化に備えるものも多分にあるのであります。しかし同時にいわゆる市場のシェヤーを確保する、あるいはこの機会に拡大する、こういう意味の設備投資が、私どもが予想するより以上に、いわゆる民間の意欲として強く出てきている。この点が今日設備投資の抑制を私どもが手がけているゆえんでございます。だからこの直接の問題としての設備投資が急ぶくれする、急に大きくなるということと、自由化は必らずしも完全に一致した原因結果とは私は見ません。もちろんその間につながりのあることは御指摘のとおりだと思います。だから今日自由化は促進する。しかし同時に自由化のための必要な設備投資は抑制しない。政府自身はそういう中身についての指導を実はしておるわけであります。それじゃその設備投資の抑制の結果はどうなったのか。通産省の所管の関係業務で大体言われましたものは、当初あるいは二兆円と言われ、あるいは一兆八千億と言われた。それを七月でしたか、一割縮減という計画をした。ところが実際にみますと、なかなかその一割縮減する計画どおりに進んでおらない。もしも計画が進むならば、通産省関係で一兆六千五百億だろう、こういうふうに言われたのがどうも一兆七千億近いのじゃないか。こういうような見込み数字でありましたために、またさらに各業界に呼びかけて、いわゆる生産に関係のない面からまず設備投資の抑制をお諮りする。これは各業種別に相談をいたしまして、そして大体資金部会に出ました金額は今日通産省関係では一兆六千億台ではないか。かような実は見方をしております。したがいまして今の御指摘のようにこの自由化と設備投資が関係がないとは申しませんが、その点においては、言われるごとく自由化が設備投資を拡大せしめた最大の原因であり、自由化を抑制しない限り設備投資ができない、その抑制ができないというこの議論には私どもは賛成ができないのであります。で問題はどうしてこれだけ鉱工業生産が伸びてきて、そうして国内に生産ストックもふえない、いわゆる生産在庫もふえないで、しかも輸出が伸びないとは一体どういうことか、こういうことに思いをいたしてみますと、これは問題は内需が非常に旺盛だ、その一語に尽きると思います。したがいまして、設備投資を抑制し、関連しての内需がある程度抑刷されますならば、必ず輸出への数量の確保は可能になって参ると思います。私は中田さんも御承知のように、関西の方と必ずそういう意味では御連絡があろうと思いますが、過般、大阪に参りまして専門の輸出商社の人たちとお話をしてみると、自分たちは輸出の専門商社だ、一番大事なことは輸出しようとしても玉がない、こういう話をしておる。だから内需が旺盛だとそういう結果になる。また非常に俗っぽい言い方で申すならば、内需が旺盛でありますから、国内で販売すること、国内で消費に向けることが非常に利益があり、国際競争力の激甚な輸出へ向けるよりも、どうも国内のほうが利潤が大きい、こういう結果も実は現出しておるわけであります。だから輸出をするために、輸出マインドを作る意味で、輸出をすればもうかるという措置をとりたい、輸出をすれば現金が入るというような措置をとりたいと、いろいろの工夫をいたしておるわけであります。同時に設備の抑制と輸入を抑圧する。それからもう一つ大事なことですが、自由化をするということは、過去においてありましたように、見越し輸入という面から見ますと、これはむしろ逆でございます。自由になるのだから、これはいつでも買えるという意味で、輸入業者もこれは手控える。ただ先の見通しを立てまして、輸入しておけば、その品物の値段が上がる、物価が高くなるんだ、こういう意味の見越し輸入は、自由化の結果ある程度あろうかと思います。しかし、今回のような輸入担保率の引き上げ等をやれば、これはそれほどの危険を冒してその先物を買うというか見越し輸入をする、これは避け得るんじゃないか、かように思います。だから自由化と設備投資あるいは輸入というものが、全部関係する、こう考えることは私どもは賛成しない。むしろ自由化を進めることによって、三十五条の適用を除外してもらうとか、あるいは日本商品に対する差別待遇を、イギリス初めなお十五カ国近いものがやっておりますが、そういうものに対して門戸を日本にも均等に与えろ、こういう主張ができる。そのためにもこれは必要なことだというように実は思っております。それからもう一つ、大事なことは、業界自身が二年前に自由化に踏み切るというその際に、非常に自由化の是非についての議論をいたしました。そうして業界も国際競争力のあるものはもちろんのこと、また、ないものも準備することによってこれなら大丈夫ですと、こうなる。また、大体の自由化の時期を目標にしてそれぞれ協力をしておりますから、それが、時期がもし狂うとか、また今言われるごとくスロー・ダウンというようなことがあるならば、それこそ業界自身を混乱さすことで、これは経済界のためにもならない。いわゆる正直者がばかをみたという結果に政治家としてはしてはいけない。だからあらゆる面におきまして、私は今とっている政策は筋のあることであり、これはぜひとも各界の御協力を得たいと、実はかように考えております。
#26
○中田吉雄君 私も池田総理がここにおられれば、ほっておいても九%ぐらいいくので、それを成長ムードをあおられて、そのことが根本的な原因だということは、私も佐藤大臣と同じような……。いや、とにかく自由化が高成長をあおったのである、こういう考えは持っていません。これは池田総理がおられんから……。それは輸出ドライブをかけようにも、四兆億円も高成長をやるのですから、国内物価が異常に上がって、そうして輸出するよりか輸入したほうがもうかるというので、交易条件が悪化して、どんなに努力されても、これはあとから具体的な数字で質問したいのですが、これはやはり計画を伴わない高成長政策というものが、何といっても需要が一時に殺到して、そうして物価が騰貴して、国際物価と比較して輸出ドライブがかけにくい。こういうことになって、大商社はもう輸入さえすればもうかる。こういう状況は私もよく知っているのですが、しかしとにかく自由化というものが拍車をかけたことは、これはやはり非常に疑いのないことだと思うのです。同時にさきにもちょっと大臣が触れられたが輸入は自由化するが、なかなか輸出のほうの自由化がこれに伴わぬという点が、あとで申し上げたいと思うのですが、特にアメリカとの関係で、何といっても、いつか申し上げましたように、私いろいろ計算をしてみたのですが、まあほかのほうは、そう順調だとは言えませんが、まずまずといってもいいかと思う。アメリカにおきましては、私の計算では、三十六年の一月から六月までに、前年対比で輸出は一六・五%減っている。ところが輸入は前年対比で三〇%ふえている。前年対比で輸入は三〇%ふえて輸出は二八%半減っているという、これはもう間違いのない、私が通産省、大蔵省からいただきました資料で計算して、六月までに輸出が四億五千万ドル、輸入が七億ドルで、昨日も今井局長が、大体二十億ドル入って十億ドル程度出るだろう――私の観測では間違いないだろう。ここに私は非常に大きな問題があると思うのです。他のほうはかなり努力されている。ヨーロッパでも東南アジア――東南アジア等はアメリカ、中国、日本等が非常に競争はしていますが、私はここに自由化の問題ともからみ、アメリカに出すほうは、アメリカのドル防衛というようなこともからみ、そうしてアメリカの金の保有が非常に低くなるというようなことで、日本の設備投資が旺盛で入るのは大いに入るが、出るほうはバイ・アメリカン、シップ・アメリカンその他でかぞえきれんほどの制限や自主規制でですね、この問題が私が特に自由化と関連して申し上げたいのはそこなんです。
 そこで申し上げたいのは、私本会議で三十日に質問しますから、あまり申し上げませんが、最近私日米貿易経済合同委員会の資料をノートに切り抜いてみると、四、五冊になっているのですが、最近対等ムードだけを作り上げることで、実際懸案の具体的な問題を取り上げないようにする。大体そうなったからアメリカも非常に満足の意を表しているという、これは決して今から私が申し上げてもまず間違いのない事実です。私もいろいろ新聞社を通じて聞いてみているんですが、まあ対等ムードを作って大いにアメリカは協力するというようなことで、具体的な一々の問題についてやらない。私はこれでは……。こういうことを書いてあるんです。きのうの朝日新聞ですが、前は省きますが、「その意味で米国務省は最近日本側が米側に経済に関するいろいろ具体的な注文をだすことを断念し、日米協力の実をあげるとの大局的見地に立ったとの報道にきわめて満足の意をあらわしている。」、いろいろ書いてあるのです。大体今から予測してもそれは私は、あまり言うと……将来どうも内閣を組閣する場合、アメリカの善意が期待されるというようなことを懸念されるとは思わぬが、私は、何といっても二十億対十億というアンバランスが、これは単に日本の産業構造、貿易構造けだからきている問題じゃないんです。私は、運輸省で計算してもらいました。シップ・アメリカンで一体どのくらいな、いろいろ品目ごとに、日本の保有船舶、いろいろ計算してもらうと、百二十億円は軽く出るだろうというぐらいシップ・アメリカンといういろいろな規制だけでもある。そういうことで、私は非常に憂慮して、そして池田さんがいつでも、まあ来年の秋には、冬には、年度末には国際収支はつり合いがとれる。最近になったら、まあそれを越したっていいじゃないかというようなことになり、そして池田さんが期待しておられたようなアメリカの景気も必ずしも上昇していないし、失業の高水準、きのうはアメリカの金の保有は最低限になって、第二のドルの防衛措置が起こるかもしれぬ、こういう状態になれば、ますます日本に対しては自由化を要請し、そして自分のところには不自由化――これは私紡績業界の実力者の人にも会ってみましたが、綿花に対しては自由化、綿製品に対しては不自由化というところに情けない点があるのですよと言って述懐しておられましたが、そういうことで、私は、なかなかこの問題は事態が重大じゃないかと思うんですが、私も、決してこの設備投資の旺盛が自由化にばかりだとは思っておりません。そういう点で、私はいつかも申し上げましたように、国際収支のアンバランスは、他国とどんなにやってみてもそう伸びない。何としても二十億ドルと十億ドルのアンバランスの調整以外にはないと思うのですが、そういった意味でも、もう外務省のやる会議の運営方式というものは、あまりこまかいことを言わずに、対等ムードでいこうぜと。きょう閣議があったのですから、私にはわかりませんが、この点はどうなんです。
#27
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいまの、日本の国際収支のアンバランスといいますか、その赤字、それが対米貿易がほとんど最終的にはその金額に匹敵するような赤字、これは私どももよくわかります。そういう意味から申しても、また過去において日本商品の消費地であるアメリカ、これを高く輸出の場合には私ども考えなければならぬと、かように思います。そういう意味からいろいろ工夫しておるわけでございますが、ただいままでのところ、アメリカからの輸入は非常に多い。これはシップ・アメリカンあるいはバイ・アメリカン、この両方の政策が影響しておると思います。そこで、いろいろ技術提携その他の問題もございますが、輸入についての担保率を引き上げた、これは必ずある程度の影響を来たすものだ。しかも原材料にあらずして、機械についての輸入がアメリカ側から非常に大きい。これが主として、技術提携もありますが、いわゆる国内の設備投資のこの必要といいますか、需要というか、それをまかなっておる、かように実は思います。一面対米貿易の輸出の面で、いろいろ繊維会議等開き、数量の確保等いたしております。これがいかにも思う通りにいかないじゃないかというような疑念を持っておられると思いますが、私どもも、せっかく対米の繊維製品の輸出のワクを取ったのでありますから、ぜひともその数量までの実現をしたい。国内におきましても、繊維関係の方々が非常に努力をして取ったあの輸出のワク、少なくともあの輸出のワクは実現するようにひとつ御協力願いたいということを、ただいま繊維業界の方にもお話ししているような実情なんです。あるいはまた洋食器等におきましても、五百五十万ダースというようなワクそ取ってある。しかもこれは自主規制という形において取っておるこのワクまでなかなか達成できておらない。これほど実は内需は旺盛だ。これを見のがすわけにいかないと思います。で、他の面におきまして、それぞれの産業におきまして、国内との需給の関係から国内の需要が少ないものになり、どっと外国にいく、アメリカにいく。そうすると、アメリカで同種の物を作っているものに影響がある、こういう言い方でいわゆる自主規制を強く要請されるわけであります。だから必ずしもこのアメリカ側の問題については、アメリカ側が非常な小さなワクを提供したとも言えないものもあるのです。しかしもちろん私どものやることはワクの拡大である、これは当然そう努力しなければならないことで、ことにシップ・アメリカンの政策をとられ、あるいはバイ・アメリカンの政策をとられてから、貿易外の問題としてICAの資金の使い方、これがいわゆる工業国は除外するというような形になり、日本はそういう意味においては工業国だという扱い方をされ、台湾やフィリピンは工業国でないというのでICAの資金をある程度使っているが、日本の場合にはそれが非常に減るとか、あるいはまた、日本に特別にありました特需というこの支出の面というか、注文も、ことしなどはドル防衛の見地からできない、非常に節約を相手方がしておる。こういう意味でこれまた過去の金額等に比べてみるとやや下回りをしておる。こういうことで、日米間の貿易、まあ経済的な資本導入は別といたしまして、そういうものから見ますると非常にむずかしい状況になっており、今回の日米合同委員会においていろいろなことが言われております。もちろん日本側は日本側の今日の実情を十分認識してもらうことだし、おそらくそれに対応してアメリカはアメリカ側としてのアメリカの実情をもっと認識してくれろと必ず言ってくるだろうと、かように思います。本来の性格からは、これは具体的な問題を一つずつ取り上げて、これをどうするというのが本来の仕事じゃございません。けれども議論というか、会議には個々の具体的なものを出さないで抽象的な話などできるわけじゃございませんから、これが将来の解決の基点になれば、これは私は非常な前進だと、かように実は期待をいたしておるのでございます。これは双方とも国際収支の面で日本が困っている。アメリカも同じように困っている。第二のドル防衛を始めるのじゃないかというようなことが指摘される。しかも双方とも弱味は見せたくない。こういう立場でございますから、会議そのものはそうなごやか一点張りでもないだろう、それぞれの立場に立っての主張は強く出てくるものと、かように私は思い、また私もそのメンバーでございますから、そういう意味においては日本側の主張を十分伝えたいと思います。この委員会には加藤さんもいらっしゃいますが、繊維関係は、今回いろいろなことを申しまして、ワクを拡大いたしました。しかし、これなどは、いわゆるワクそのものの拡大から申せば、パーセンテージは少ないのでございますけれども、昨年の実績に比べれば相当の伸び率を示しておるわけであります。こういう点に輸出の実態というものがある。これはひとつ御理解をいただきたいと、かように思います。
 なお、先ほど十六品目のお話が出ましたが、あと四品目ばかり自由化しないものが残っております。これは、私が説明するまでもなく、御承知だと思うのですが、大型工作機械、これは日本でまず開発するといたしましても、今後、非常にかかる問題だと思います。大型の工作機械、これなどは、場合によりますれば自由化をしても作らないものなら、これは問題はないかとも思います。それからもう一つは、発電機、これは出力の大きいものであります。三十二万キロワット以上の大きな発電機、これは、御承知のように、もうすでに国内においては二十八万というものは開発済みでございます。こういう点は別に困らないと思いますけれども、いわゆる三十五万だとか三十二万だとかいうことになりますと、これは将来開発ができるだろうと考えますので、自由化を差し控えたい。もう
 一つは、大型の電子計算機であります。国内におきましても、すでに中あるいは小の電子計算機はできております。大型のものはまだ開発しておらない。これはまだ国内におきましても、せっかくそういうものを開発しょう、作ろうという研究中でございますから、これも自由化から落としていく。それからもう一つは自動車であります。自動車のうち、トラック並びにバスはすでに自由化しております。問題と申しますのは乗用車であります。国内の自動車は、御承知のように、まだ中型までの自動車しかできておりません。ところが、なかなか、いわゆる大型自動車乗用車に対する嗜好が非常に強いのであります。これはまだ自動車の面では当分自由化ではないと、こういうことで最後に残されたと、かように私ども考えております。
#28
○中田吉雄君 日米合同委員会のことがいろいろ取りざたされておりますが、御健闘を祈って、そのことはやめますが、私は、池田さんは、これまで、三十二年ですか、大臣をやっておられて、あのときも国際収支が非常に逆調で、一千億減税、一千億施策、景気のいいことを言っておられましたが、政策を転換せざるを得なかった。景気変動で三十三年ぐらいは何とかなるだろうと、こういう……。これまでずっと日本の国際収支の逆調を見ますと、なるほどそういう面もあるのですが、いろいろ不十分ながら、教えを受けたり、調べたりしてみて、私はアメリカへの輸出がなかなか期待されるほど、金は百七十何億ドルで、二、三日前最低になって、そして第二のドル防衛が必要じゃないかということも伝えられ、シップ・アメリカン、バイ・アメリカン等の是正を求めても、なかなか困難な面もあると思います。そして失業は依然として高水準にあるというようになって、私は非常に困難だと思います。そして特に、世界的に貿易構造の大きい変化は、共同市場化しつつあるということだと思います。ヨーロッパ六カ国、それにイギリスが加盟し、自由貿易連合と橋渡しして、やがて欧州大合同といいますか、大経済圏ができるでしょう。そうしてアメリカを中心にカナダ、中南米等の米州経済機構、世界の人口の三割五分を占める共産圏、こういう中で一体私は日本がどうして出路を見出すか、池田さんの自由民主党さんのような反共政策で……これはもう三十五条を援用して非常に強硬措置をとってこの制限を打開しょうとされる、諸国なんかを見ても、明らかにヨーロッパの共同市場、中南米のあるいはカナダ、アメリカを中心とする米州機構、ソビエト、中国の共産圏というような中に、私はもう政策転換なしには、いろいろきょうは時間がありませんし、吉田さんがありますから言いませんが、ほとんど三カ年間も、アメリカだけに依存しておれば、いつもアメリカの景気変動に左右されて、なかなか私は思想や考えは違っても、私は中国、ソビエト等ともっと積極的な、人口の三割五分を占めるところとやらずには、私はなかなか日本のこの情勢を打開することは非常に困難じゃないか、特にヨーロッパの共同市場は、そのドイツなり各国が輸出する、輸入する、ほとんど三割から四割を共同市場の内部で片をつけて、そうして三割から四割は域内でもう片をつけて、非常に世界経済の変動から安定をしたような形で貿易をやって、なかなか域外に対しては差別待遇をとるような形で、一体日本が私は三年九%の政策をとり、年率幾らですか、輸出を伸ばしていくというような、そのワク内だけでやれるだろうかどうだろうかということを非常に心配しているわけですが、そういう点どうでしょう。
#29
○国務大臣(佐藤榮作君) 今の低開発国に対するいろいろ援助方式その他によって、国際市場の拡大をはかって参ります。そういう点から、今の輸出の伸び率なども考えております。同時にまた私どもは池田内閣がはっきり申し上げているように、いわゆる共産国に対しても前向きの姿勢で貿易と取り組むという態度を示しておりますので、いわゆる自由主義陣営と共産主義陣営と区別するような考え方では毛頭ございません。今日、日中貿易は非常に振わない、せめて第四次民間協定の数字までも参りますれば非常にしあわせだと思いますが、まだけたが違う。また、ことしの夏ソ連のミコヤン副首相が日本に来られた際に、日ソ貿易の拡大等についてお話し合いをいたしましたけれども、なかなか今日の状況ではシベリア開発に対する協力をといいながらも、シベリアの計画などは私どもの知るところではございませんので、協力のしょうが実はないというのが今の実情であります。したがいまして、これは別にソ連を非難するわけではございませんが、双方の貿易を拡大することに対して努力するということが必要だと思います。また、ただいまの状況では、日ソ貿易はソ連から日本のほうがたくさん買っておりまして、入超になっております。そういうことでもございますので、ミコヤン副首相に対しては、もう少し日本品を買っていただくように、こういうようなお話をしている次第であります。また、ただいまの欧州共同体コンモン マーケットのお話が出ております。最近は御承知のように米加がこれに加入する、こういうような事態におかれている。ところで、日本もこういう問題が――ガットの本来の精神から申しますと、こういう事柄はあまり歓迎すべき事柄ではないのでございます。しかし現実の問題としては、かように非常に強力になりつつあります。また、日本などもオブザーバーその他の方法で、これに協力するというか、加入する方法があるのではないか。まさにいわゆるDAGといわれたものが、今回はOECDの内部機構に改組される。そうしてDACになる。このDAGは、日本は正式のメンバーでありますので、今回の改組にあたってもDACのメンバーに日本がなる。まあかようになりますと、そのDACを通じてその情勢なども順次わかってき、だんだん仲間入りも一歩近づいてくると、こういう実は感じがするのであります。で、これは非常に大事なことでございますが、今回の日米合同委員会などにおいても必ず発言されるだろうと思うのは、世界の経済のブロック化形成、これはもう絶対に避けなければならない。これはもう特に重要な点でございます。そういう意味についての基本的な話し合いは、もちろん当方としてもしたいと思います。大きく分けていわゆる自由主義陣営のブロックだとか、共産主義陣営のブロックだとか、これはちょっとこれを打ちこわす方法はないかと思います。思いますが、自由主義陣営の中において欧州あるいは米州、こういうようなブロックが形成されることは、本来の趣旨から見まして困った問題でございまするので、そういう点は十分反省を求めるようにして参りたい。がしかし、今回、DACになる。DAGがDACになるということで、一歩前進と、そのように私どもは考えておるような次第であります。
#30
○中田吉雄君 時間がありませんので……。私はまあ世界の最近の大きな経済の動きは、各地域が共同市場化しつつある、それはやがて相互の何もあるでしょうが、私は、まあ先度も、経済協力開発機構の事務総長から、これは対米グループだから日本の加盟は当分あきらめなさいと言ってきていますし、なかなかこれにめんどうだと思うのです。
 まあいろいろと申し上げたい思といますが、吉田さんもおりますので、最後に一点だけ……。
 この国際収支の非常なアンバランスを是正するために担保率の引き上げがなされたのですが、これは結局せんじ詰めれば、対米貿易のアンバランスを、取引する全部に担保率をかけてしまって、アメリカのアンバランスをほかのほうに負わしている。結果としてはそうなっているのです。結果としては。対米貿易のアンバランスを是正するためにずっとかけている。私はいろんな中小企業の貿易商社に聞いてみました。一体、これでやれるかというのです。たとえば一千万円の貿易をやるとします。そうすると、三割五分という適用率、最高限度です――をやると、五百万円借りなければいかぬでしょう。日歩四銭だというのです。これはもうどうにもならんで、むしろ縮小均衡になりはしないか。拡大均衡にならずに。一千万円輸入するのに、五百司円金を借りなければならない。日歩四銭だというのです。だから、むしろ貿易収支のアンバランスになっている所だけに適用したらどうか。これはむしろアメリカのアンバランスを、そうでないつり合いのとれている、一年々々少しずつではあるが拡大している面に対しても適用するという、そういう矛盾をこれは何といっても含んでいるのです。十億ドルのアンバランスがある所にも、むしろ前進しているほうの面にも、一年々々貿易が拡大しているほうにも、十把一からげに品目別な適用をやるということは、まあ経過を見ねばわからぬでしょうが、私ははたしてこれが拡大均衡になるか、縮小均衡に通ずることはないかということは、やっぱり相当検討をしていただく必要があるのではないか。すぐ手直しとはいかぬでしょうが、私はやっぱりアメリカとのアンバランスを、漸進的に伸びていっている拡大している方面にも適用するということに、私が聞いたのでは商社で非常に不満があったようであります。そういう点はひとつ、いかがでしょう。
#31
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいまの問題は、ガットあるいは通商航海条約等から、地域を区別してこういう処置をとるわけにはいかぬ、これはもう御承知のとおりであります。ただ、日本でとり得るのは南西諸地域だ、かように考えますので、沖縄だけは除外しているという実情でございます。ところで、今、三割五分の担保率のお話が出ておりますが、三割五分かかるものは、私ども見るところでは、輸入物資の全体のまず約一割、かように考えます。でこの三割五分というのはそういう意味で非常に高いものだと思いますから、主としてぜいたく品その他でございます。だからこれは、そういうものを引き合いに出されては貿易商社としては非常にまずいお話だろうと思います。ただ、いわゆる五%のもののうちにいろいろ困るものもあるじゃないか、こういうことを実際考えます。当初担保率を発表いたしました際に、三十二年といいますか、あのときの処置の最高のものをいきなりきめたのでございますから、これは業界に与えるショックは非常に大きい、しばらく実施してみまして、そうして適正な処置に――率を、必要ならは変える、こういうゆとりを持っておるわけです。当時もお約束いたしましたように、まず、ものを強めるというようなことはしない、しかし、その中においての手直しは考えなければならぬのじゃないか、こういうようなことを発表いたしておりますが、そういうものでございますから御理解をいただきたいと思います。
#32
○中田吉雄君 いろいろ計算してみると五%の品目は輸入の九割を占めている。ですからあと一〇%が非常に問題になるわけですが、まあ輸入を抑制するのはいろんな手を打たなければいかぬと思うのですが、これだけがもう一〇%ですから、万能ではないわけでして、私が見てとにかく一番の不満は、三割五分は別にしまして、問題は対米貿易のアンバランスだ。そうでなく、われわれは未開発地と取引をして漸進的に拡大をしていっておるところ、そうしてそのつり合いがとれておるところに適用されて、アメリカの被害を、対米貿易のアンバランスを受けることははなはだ困る。これはなかなか一理があるのじゃないか。まあひとつ、今、担保率を引き上げられたさなかですからわからんでしょうが、これは私は意味のあることだと思う。これが、諸君は、むしろ拡大の均衡にならずに縮小均衡といいますか、そういう形に萎縮することにならぬか、金融引き締めのときでなかなかこれはたいへんらしいので、その点ひとつ、考えていただくことを希望して、私はやめます。
#33
○吉田法晴君 これからちょっと炭労の代表と会われるというので、私もあまり引っ張ることは本意でないので、五分もないのですが、これは法案に関連をすることです。それで、だいぶ衆議院段階で修正をされたといいますか、修正案が出てきたわけですが、その改正輸出入取引法においてもなお独禁法の骨抜きあるいは精神違反じゃないかという心配と不安とは残っております。特に中小業者の輸出業者が、これによって致命的な影響を受けるのじゃないか、こういう心配が残っておる。したがって、それをどういう工合にカバーされるか、救済されるかという一点であります。時間がありませんけれど全部申し上げますが、反対をしておる向きの主張は、この改正法案によっても、輸出入の全分野にわたって、カルテル強化とアウトサイダー規制が行われ、貿易会社の自由な取引活動を著しく制約し、業者の自主性を失わしめるのではないか。特に中小貿易業者には、重大な不利益をもたらすのではないか。したがって、商権が侵害され、ひいては業者の存立の意義そのものを失う危険性があると言われるけれども、その御心配は全く無視されて改正案ができている、こういう主張もある。それから今回の改正で、貿易連合の認可がされるようになっているのですが、これによって、あたかも中小貿易業者に、共同をして利益をはかられるかのように見える、あるいはそう言われるけれども、しかし逆に個々の貿易連合自体の系列化が促進され、そしてこの系列外の中小企業については、致命的な影響があるのではないか。それから、特にこの改正輸出入取引法について、日中貿易その他、今も話も出ておりましたけれども、社会主義の国との貿易、東西貿易に従事しておるものについて、中小企業者等もあるので、この影響を救済する意味において法の適用除外を願いたい。いわば取り扱いについて、法の運用について考慮をしてもらいたい。
 こういう要望があるわけでありますが、一括いたしますというと、独禁法の緩和、あるいは骨抜き、それからこの法律による連合等も認められる結果、系列化が進む。したがって、中小企業等については、自主性もじゅうりんされる危険性があるが、存立そのものを脅かされる危険性があるのではないか。したがってこれに対して、これはこの前からの続きでもあります。反対をしてきたが、改正されたものでもなおそういう心配が残っておる。したがって、この反対あるいは心配に対して、どういう措置をとられるかという点をお答えをいただきたい。
#34
○国務大臣(佐藤榮作君) 吉田委員が御指摘になりましたとおり、最初前国会に提案いたしましたものについていは、ろいろ論議が交わされたのでございます。しこうして、最終的に削除すべきものは削除し、訂正すべきものは訂正して、今回提案いたしました法案が衆議院においては各会派の間にまとまりまして、そうして衆議院の商工委員会を通過したものでございますが、前国会はああいう始末でございましたので、参議院の御審議をいただくことに至らなかった。今回も先ほど中田委員からお尋ねがありましたように、一体いかに扱うかということを通産省としてはいろいろ研究をいたしまして、その結果、前国会において修正された案、それをそのまま出す。そうすれば重ねての御議論もないだろうということで、衆議院の御審議はそういう意味で通過して参ったのでございます。ただいまそういう経過でございますから、大筋の問題については御了承がいただけるかと思います。
 ただ問題は今吉田委員からも御指摘になりましたように、なお、相当危険があるのではないか、こういうような御意見も出ております。そういう点については、実施の面におきまして、十分私ども注意して御期待に沿うように運用したい、かようにお答えをいたしました。それならば、しばらく実施さしてみようかというようなお話で、この案が衆議院を通過した、こういう経過でございます。したがいまして、当参議院におきましても、先ほど中田委員にお答えいたしましたように、今、前回に削除されたものをまた入れるような意思はないのかというようなお話でございましたから、そういうようなことは、ただいまの情勢ではて考えておらないし、またこの御懸念があるというようにお考えになっていらっしゃいますが、これは事務当局からも十分説明をお聞きとりいただきたいと思いますけれども、なお、私どもは運用におきまして、万全を期して参りたい、かように考えております。
#35
○吉田法晴君 それでは、大臣立たれてもいいですが、なお、あと局長に少しお尋ねをし、具体的なその方法等について答弁を願いたいと思います。
#36
○政府委員(今井善衞君) ただいま改正案につきまして、中小商社に対してかえって不利になるのではないかというふうなお話がございましたけれども、大臣が今御答弁申し上げましたように、前国会の改正案につきまして、さような反対がありましたけれども、私ども前国会で削除されました二点を除きまして、今回新たに提出したのでございますが、これに対する反対は私どもは聞いていないのでございます。ただ、日中輸出入組合の一部の組合からも反対のあることは存じておりますけれども、それ以外の反対は聞いていないのでございます。そこで、今まで法律の運用にあたりまして、大商社と中小商社のトラブルがその間起きるということはこれはなきにしもありません。私どもはこの場合におきましては、運用上常に細心の注意を払いまして、特にこの法律には関係中小企業の不利益にならないようにという条文もございますので、私どもその点につきましては、常に、たとえば数量制当が起こるというような場合におきまして、その数量制当が中小商社にとって決して不利じゃないようにいろいろ運用しておるのでございます。
 それから、貿易連合につきまして、この貿易連合が系列化を進めるのじゃないかというお話がございましたが、この貿易連合はもともと中小商社の結合体ということで、中小商社の過当競争を防止し、さらに経費を節約しまして、中小商社の経営が健全になるようにという趣旨でございますので、貿易連合自体が中小商社にとって不利になるということはないと思います。特に、貿易連合があまり大きな組織になりまして、市場を独占をするというふうなことがないように、この法律におきましても独禁法をこの際適用いたしまして、一定の取引分野におきまして、自主的な制限にならないようにという条文もございます。したがいまして、私どもさような結果にならないと、かように考えておる次第でございます。
 それから、日中輸出入組合の問題でございますが、これは今回の改正には触れていないわけでございまして、御承知のように日中輸内入組合は三十二年の第四次協定までは活動していたのでございますが、その後におきましては、相手方の信頼が得られないと申しますか、ほとんど休眠状態でございまして、したがいまして日中輸出入組合の中で、この法律のためにトラブルがあるということは現在ないと、かように考えております。
#37
○吉田法晴君 輸内入組合から反対がある、あるいは輸出入組合について特に不利になるというようなことはないというお話ですが、輸出入組合からじゃなくて、日中貿易に関係をしておる、これは中小業者がおもにその面から反対があっていることは事実です。問題は、私も経過は知っております。経過も知っておるし、社会党も一緒になって修正をしたという内容も、経過も知っているわけです。それでもなお、その輸出入組合法が持っておる本質としての独禁法の緩和云々という点が改正にもかかわらずなお残っておる、危険性がなお残っておるのではないかという疑問、そしてそのことが、貿易連合を認めるということになったけれども、今後考えるというと、系列化も考えられる、あるいは大企業とのつながりも出てくるでしょう。そういう中で中小企業の貿易商社が、輸出入組合法による、本法によるこれからのいわばカルテル化、あるいは系列化の中で不利になり、あるいは商社の存立そのものも脅かされることがないかという心配は、これは単なる杞憂ではないと思うだけに、具体的に、それじゃそういう心配ございません言うならば、心配のない具体的な方策はどういうものをお持ちになっておるか、こういうことをお尋ねしておるわけなんです。
#38
○政府委員(今井善衞君) 日中貿易に限定して申しますど、現在御承知のように、この組合とは無関係に、いわゆる先方が指定しました友好商社、この友好商社が相手方と自由に取引しているという関係になっております。その間組合がそれに対して介入するというふうなことは全然ございません。したがいまして、現在の個別積み重ね方式による友好商社の取引、これはまあ自由な立場でもって行われておる状態でございまして、逆にそのためにかえってわが方のイニシアチブ、主導権がなくて、非常に高いものを買い付けて、安売り競争になっているというふうな格好にもなっておりまして、私ども今の形態は非常に自由な形態でございますけれども、必ずしも好ましい結果にはなっていないと思います。今の形と申しますのは、これはこの法律によりましてどうのこうの言う問題じゃございませんで、相手国との友好商社による取引、これが力関係と申しますか、秩序がないと申しますか、これによりまして非常に不利な取引になっておる。それがこの法律からそういう不利な状態が生まれてくるんだという非難は私は全然当たらないんじゃないか、かように考えておる次第でございまして、むしろ私どもの望ましい状態といたしましては、将来におきまして、向こうが窓口が一元化でございますので、日中貿易については、こちらも何らかの形において輸出入組合が活動して、そしてそれによってこの窓口と申しますか、話し合いの場が一元化して、それによってもっと有利な取引ができますれば、かえって日中貿易というものは促進されるというふうに考えておる次第でございまして、現状におきまして、この法律によって日中貿易がうまくいってないんだという事実は全然ないと思います。
#39
○吉田法晴君 頭が悪いな。その日中貿易関係の諸君から反対なり批判があってるということは事実としても、日中貿易についての取引、ネックだとかあるいは弊害だとかというものをここで論じているのじゃない。指摘をされておる独禁法の緩和、この法律による独禁法の緩和、あるいはカルテル化、そういうものが中小貿易業者にとって不利になるのではないかと、こういう心配があるが、それについてさっき佐藤通産大臣はその心配はないように努力して参りたい、最初の原案に対する批判を修正をして、そういう心配はないようにいたしましたと言うから、そしてあとは運用に待ちたいと言うから、そんなら具体的にはどういたしますかと、こういうことをお尋ねしている。それでこの法律による独禁法の緩和、その他、それから系列化、こういうものを、これはそういう心配がないと完全に言いきれぬでしょう。したがって、それに対してどういうときに矯正というか、あるいは心配ないようにどういたしますという具体的な方針がなければ、ただ心配はございませんというだけでは答えになりませんよ。
#40
○政府委員(今井善衞君) 貿易の実情といたしまして、大商社のみならず中小商社も含めて、今まで血みどろな輸出競争がございまして、そのために非常に安売りして利益が少ないということが現状だろうと思います。したがいまして、さような状態をできるだけなくするということで、この安売りを防止するために、あるいはあまり一定の価格以下のものは出さないとか、あるいはそれによりまして安売りをしないように数量をある程度自粛するとか、さような内容を持っております協定なり、あるいは組合の調整事業、これをこの法律でもって規定しておるわけでございまして、一般的に申しまして、それはむしろ貿易業全体、中小商社をも含めての利益の確保ということにつながっておると、この法律の趣旨というのはまあそこでございます。
 ところで先ほどちょっと申しましたように、この各商社の輸出数量の割当制というふうな場合におきまして、まま中小商社の方が、これじゃ少ないから、たとえば税金等におきましても、大きなところがたくさん負担し、基礎控除があるように、割当についてもさような運用をしてほしいということがございますので、現実の割当におきましては、さような運営をしまして、必ずしも実績どおりということじゃなくても、常に中小の商社にあついというふうに運用しておるわけでございます。したがいまして、この法律の運用におきまして、中小商社に迷惑がかからないように、私どもその調整規程を認可いたしますときにも、常にそういう面に心がけて運用しておる次第でございます。またこの系列化というふうな問題につきましては、この法律によりまして系列化が起こっておるというふうなことは私ども聞いていないのでございまして、現実問題として、たとえば大商社とあるいはメーカーとの系列というふうな問題は現実には動いておりますけれども、この法律によってそれがもたらされておるという事実は全然ないのでございます。
#41
○吉田法晴君 この輸出面における過当競争というか、そういうものの弊害を調整するために、あるいは防止するために、法律を作ったんだとこういうようなお話ですが、一たび法律によって連合なりあるいはカルテル化を認めるというと、その中で大きいのがこれは強くなる。あるいは系列化が進むのは、これは経済自然の法則。問題は過当競争その他からいうと、いいかげんな商社も活動をし、それからそれが無計画的にといいますか、あるいは不当な競争をしてお互いに不利になる。それは行政指導でいい。これは強制できない問題ではないか。ところが法律に一ぺん作りますと、そうしてあるいはカルテル化あるいは連合というものを認めて、そういうところから独禁法の緩和あるいはこの大商社の優位あるいはカルテル化あるいは連合行為、そうしてその中で系列化が私は経済の自然の法則に従って起こってくるという心配があるのは、これは当然だと思う。行政指導でなくて法律でやって行ごうというのだから、そういう心配はこれは現にあるんじゃないか。そうして連合にしても、中小企業の連合が認められたということになっているけれども、これはまだ連合についてある程度の実績があった上で、全体の経験があった上でなされるのであって、今連合があるのは一部分、この法律で連合を認めるということは、その既存のとにかく連合を認めるということにもなるでしょう。ほかにも認めるということかもしれませんけれども、現状と、それから法律からいうと、それに現在まであるものあるいは今後できるものとの間には多少の優劣もできてくるでしょう。この法律によるあるいはカルテル化その他について、中小企業が心配をするのはゆえなしとしないところがあるだけに、たとえば連合の仕方についても、あるいは連合の認め方についても、全体について通産省としてはそういう優劣その他ができないようにやっていきたいといったような具体策がなきゃならぬ。その具体策を聞いておったのですが言いわけだけして具体策はあまり出てこないのですが、取り扱いについて、その大企業と中小企業あるいは既存の連合と今後できる連合との間には何らの差別もしないんだ、こういう点をはっきりしてもらわなけりゃ困る。それからもう一つさっき問題にしたのは、今の日中貿易のあり方が云々という――ここで日中問題だけを詳しくやろうという気持はない、中小企業が主になってやっておる、あれについては友好取引ということで友好商社が個別的に取引をしている。それについても非常なめんどうな手続を要して、品目についても一々認可をとるということが行なわれておるのだが、それがこの法律の適用、全部やはり適用を受けるということになるというと、そうでなくてさえ不利な、あるいは制約があるのに、さらに一そうの不利を受けるのではなかろうかという意味で、法の適用を除外してもらいたい、こういう要望さえあるのだが、だから、これは日中貿易に従事する者だけじゃなくて、社会主義国との貿易といいますか、東西貿易に従事する者との関係において、今の取り扱いとそれから今後のこの法の適用について特に考慮すべき具体的な方法はないか、こういう意味で、大臣答弁じゃないのだから、局長に聞いているのは、心配の救済方法の具体的なものについて局長から方針を聞かせてもらいたい、こういうことです。
#42
○政府委員(今井善衞君) 第一のこの貿易連合によりまして中小商社が不利になるのじゃないかという点でございますが、貿易連合はもともと中小商社の集まりということを本旨としておるのでございまして、したがいましていわゆる総合商社が中へ入って作るというふうな連合は認めないのでございます。そういうふうな申請は今後おそらくないと思いますし、現に貿易連合に移りたいということでもって事実上たとえば民法の組合を作っておるとか、あるいは共済組合の組織であるとかというふうなものが現在九つございます。この法律ができましたのちに、この法律に基づく貿易連合に移行したいという希望を持っておるのでございますが、それらは全部、この中小商社の集まりと申しますか、いわゆるこの総合商社は入っていない、このまあ総合商社じゃないという意味で中小商社と呼ばしていただきますが、それらのこの商社の集まりでございまして、したがいまして、それらの商社が連合体を組織するということになりました場合に、それによりまして大商社が中へ入っていないのですから、大商社にふり回わされるというふうなこともございませんし、先ほど申しましたように、この貿易連合は中小商社の集まりでございますので、したがって、それかまあ巨大にならないとは思いますけれども、非常にこれの販売高なりなんなりが大きくなりそうな場合におきましては、これはこの法律によりまして制限があるわけでございます。そういう大きな貿易連合は認めないとか、あるいは非常に巨大になり過ぎれば解散命令を出すというような措置も用意しておるのでございまして、この貿易連合自体は中小商社の集まりでございますので、したがいまして、さような心配はないと、先ほど申しましたようにもしそういう運用になれば、これは公取の監督なり、われわれのほうの監督によって十分取り締まれるというこりになると思います。
 それからもう一つ、日中貿易の関係でございますが、現在先ほど申しましたように、向こうから指定されました友好商社によりまして取引が行なわれております。ところで先ほどの広州の見本市におきまして例が見られましたように、開らん炭、日本の製鉄業者とは何ら契約もないし、打ち合わせもなくして、非常に高いものを契約いたしまして、そのためにトラブルか生じたというふうな例もございます。したがいまして、どうしてもある程度日本の需要者といわゆるこちらの友好商社、輸入商があらかじめそういうものがはたして要るかどうかということを十分相談をし、こちらの契約状況をもとにしまして、そうして向こうと取引するということが望ましいわけでございます。ただいまそういう組織なり何なりというものは全然ないために、さようなまあいわゆる輸入商、友好商社の過当競争というものが起きておるのが現状でございまして、今後私どもといたしましては、やはりメーカーと輸入商と正当な話し合いの場というものがかえって両国の貿易を拡大するためには望ましいのじゃないか、かように考えておる次第でございまして、現在この日中輸出入組合は全然活動しておりませんけれども、最近友好商社の動きとしては、むしろ日中輸出入組合をある程度将来母体にして、それでもって話し合いの場を作りながらやっていくほうがいいのじゃないかという動きすら出ているほどでございまして、私どもとして、やはり日本の輸入にしろ輸出にしろ、過当競争があります以上、何らかの方式によりまして、その秩序が保たれるほうがかえって貿易の振興上役立つ、かように考えておる次第でございます。
#43
○吉田法晴君 貿易連合は、中小企業が連合をして作るものだから、それは大商社が入るはずがないと、こう言われるけれども一日中貿易の場合も、主として中小貿易業者でしたか、代理会社でしたか、代理として大企業、大商社が中小企業の形をとったりしている、ですから一たびカルテル化というものを認めれば、大企業の連合をなかなか食いとめるというわけにはいくまい、あなたが言う、解散する権限も法律で規定されていると言うけれども、実際に一ぺんにできておればとにかくだけれども、順々に出てくるというか漸進の形で出てくる場合、通産省が解散の大なたをふるったような実例を過去において聞かない。したがって、輸出入取引法によって独禁法の精神が緩和されるなりあるいはカルテルが認められるということになれば、順次系列化あるいは連合――連合というのは中小企業の連合というのでなくして、カルテル化が進むという危険があるのじゃないか。それから今まである貿易連合、あるいは連出入組合のように、それぞれに通産省の了解と庇護のもとに連合を作ってきた、あるいは作っているところには、そうでない、あるいは日中貿易のごとき、輸出入組合と、一応輸出入組合と関係のない中小企業の例をとりますと、そういうものは大商社なりあるいは貿易連合なりと比較してみた場合に不利になる。したがって、輸出入取引法という独禁法の緩和された法律によって、中小企業がその存立さえ脅かされるような事態が起こってくる心配があるではないかということは、これは単なる杞憂だというわけにいかぬじゃないか。こういうことを申しているわけです。具体的にもう少し納得のいく方法をお示し願いたい。
 それから次に、貿易問題について、あなた、これは前からの政府の方針でもありますが、輸出入組合を復活して云々というお話。ところがことしの春の広東交易会におけるあれは初めてのことでもありましたが大豆、塩あるいは石炭というもので、その背後に鉄鉱石なりあるいは鉄鋼の取引があるのではなかろうかということで、あとを期待して無理をした。それからそのあとで、大豆等とにかく価格の暴落があったものだから、輸入引き取りができない云々という点があったのですが、それは過当競争があったのではなくて、初めての場に出て、取引品目の需要の見通しもあるいはつかなかったかもしれませんが、それよりも取引の今後の拡大、またその次に考えられる鉄鉱石の輸入とかあるいは鉄鋼の輸出というものを考えて、これはやった。こういうものについては、今度の秋の交易会でも参加をしている諸君は、こういう失敗はないようにしたいといっておりますが、それは今の民間取引についても、通産省が一々とにかく許可をする。しかも手続をむずかしく繁雑にして許可をするような実態、あるいは輸出入組合を通じてといったような、これは向こうから、いうならば、政府、それも中国敵視政策をとっている政府の息のかかった輸入組合というものを通じて、政治と経済とが分離するという立場の背さんが、いわば連合を作ろうというか、若干の規制をしよう、こういう意味があるから、これは輸出入組合を復活してやろうといっても、今の日中貿易は推進できませんよ。むしろ自由な活動を保証する意味において、今の手続も簡略にし、それから品目について、この品目ならば規制を緩和し自由にやらせるという方法をとることこそ、そして個別取引の拡大をはかられることこそが、背さんの態度でなければならぬと私は考えるのですが、輸取法との関係からいうならば、そういう中小企業の貿易商社が、大商社なりあるいは連合との関係において、不利にならないように、具体的に今度措置をしていく。こういう点が示されなければ、心配はやはり残るじゃないか。そこで、その具体的な方法等について、もう少し明確にしてもらいたい。こういうのです。
#44
○政府委員(今井善衞君) 輸出組合なりあるいは貿易連合が、独禁法の例外の一種のカルテルを認めるものであることには、これは変わりないのでございますが、ただ貿易連合と組合というのは、実体的に全く異なるのでございまして、輸出入組合にしろあるいは輸出組合にしろ、あるいは輸入組合にしろ、これは全国で一つの組織ということで、したがいまして、組合という場合におきましては、これは大商社も中小商社も、全部中に入るわけでございます。そこで大商社と中小社の問題が、組合の場合については起こるのでございますが、貿易連合というのは、これはいわば会社みたいなものでございまして、中小の商社が数軒集まりまして、大体におきまして特定のたとえば繊維とかあるいは雑貨の一部とかいうものにつきまして、お互いに共同して取引をする。たとえば五軒が今まで綿布をやっておったという場合におきまして、貿易連合の名前で、一軒でその綿布を扱うというふうな組織でございまして、この貿易連合なるものは、中小商社の集まりでございまして、大商社は入らないというのが原則でございますので、したがいまして、それがその組合のような大きな組織になって、全部の商品を独占するというようなことはあり得ないとわれわれは思うわけでございますが、もしもさような可能性が出てきてはならないということで、法律におきましては、それが独占的な行為を行なうおそれがある場合には認可してはいかぬし、あるいは大きくなってさような状態になった場合には、これは解散命令なり何なりをしろというふうにうたっているのでございまして、もともとこの中小商社の集まりでございますので、したがいまして、それが非常に巨大になって、その商品のほとんど全部あるいは私どもこの三分の一以上を占めるような場合におきましては、これはこの運用を、解散命令を出すなり何なりということでもっていきたいと思いますが、市場を独占するようなことはあり得ない、かりにありましても、先ほど申しましたように、運用でもってやって参りたい、かように考える次第でございます。
 それから日中貿易の問題、これは非常にむずかしい問題でございまして、現在この輸出や輸入も、私どもが期待するほど伸びていないのでございますが、ただそれでは取引関係について、ほかの地域と非常に大きな差別待遇をしているかどうかと申しますと、御承知のように今まで、この春までは、中共との貿易は強制バーターという仕組みにしておったのでございますが、強制バーター・システムというのは四月以降廃止いたしまして、現在はさような規制というものは全然ないわけでございます。ただお互いに計画性を自由圏と共産圏との取引でございますので、向こうは当然一社でやっております日本側におきましても、ある程度許可ということでもって、万一の場合チェックする必要があるというので、許可制をしいておりますけれども、今まで申請が出まして、それを不許可にしたケースというものはないのでございます。したがいまして、品目的に、ほかの自由地域に比べまして、日中貿易間で制限が加えられておるということは全然ないのでございまして、ただ遺憾ながら、この相互のまだ信頼関係が足りないとか、あるいは向こうに適当なものがないというふうな関係がございまして、貿易が伸びていないのでございますが、さような政府の行為によりまして、チェックをしておるという事実は、全然ないのでございます。
 それから、先ほど来問題になっておりますように、輸出入組合が現在それにタッチしておるということは全然ないのでございます。したがいまして、日中貿易に関する限り、現在のこの法律との関係は、あれどもなきがごとき関係で運用されておるのでございます。
#45
○吉田法晴君 同じような質問と答弁とを繰り返しておって、皆さんに御迷惑じゃないかと思うのですが、日中貿易問題については、あなたの前任者の時代に強制バーターをやめて、個別的にチェックをするという問題を取り上げてやったことがある。それから、実態は私はあなたより詳しいと思うのだけれども、個別的にやはりチェックをするということが、許可不許可をし得るということが、日本の政府としては、日中貿易について積極的ではないじゃないか、こういわれるゆえんだから、その制度については、強制バーターを解除したというけれども、実は個別的にチェックができる。こういうことになっているのだから、それはやめたらどうだ。こういう主張を今も持っているのですが、そのことを今ここで問題にしているわけじゃない、問題は、それらの点については、今後検討をしてもらいたいと思うんですが、中小企業が大企業なりあるいは既存の連合に対して不利にならないように、今後運営していく具体的な方針を承っているんですが、具体的に出てこない。中小企業者でも、その業者の全国的なあれから言って組合のように三分の一にもなるということになれば、解散を命ずる規定になっておるから云々ということですが、先ほども申し上げるように、極端な事態になると、これはその存立について解散を命ずるかどうかということになるでしょう。しかし、そうかといってそうなかなかチェックできるものではない。したがって、法の運営については、大商社それから貿易連合との関係、一般に言えば大企業と中小企業との関係、それから中小企業の中で言っても、貿易連合とその他の中小企業との関係というものは、十分これは留意をしていただかぬと、さっきも第二会社の話をしましたが、大会社のあれが第二会社のような形で入ってくると、それが大会社であるのか中小であるのかという点は、これはなかなか議論の分かれるところです。一ぺんにそれは大会社の身がわりであるからということで、それの加入をチェックするとか、あるいは三分の一になりそうだから解散を命ずるとかいうことにはなかなかならぬと思う。やっている間に自然に既成事実が作られてきて、それを解散させるということはちょっとなかなか問題だと、こういうようになりかねませんので、その点については十分の留意をしてもらいたい、こういうことです。具体的な方法について私も気持だけはあるけれども、具体的な方法について、具体的にこれだけはとっておかなきゃならんという方法を今私も思いつきませんから、抽象的な要請にとどまりますけれども、中小業者の貿易業者が心配しております点は、単なる杞憂でもなさそうですからぜひその点についてはこれは強く要望をしておきたいと思う。
 それから今の実態からいって個々のチェックあるいは繁雑な手続等は再検討をしてみてもらいたいという点も要望をしておきますが、輸出入取引法の適用除除外の希望というものは出ておるわけでありますから、それらの点については今後の取り扱いの問題でありますが、検討を願って、法の運用の弊害とそれから独禁法緩和の危検性が中国なりあるいは社会主義国との貿易に従事している中小業者に及ばないように、ひとつ具体案を考えてもらいたいということを要望しておいて質問を終わります。
#46
○委員長(山本米治君) 局長、何か答弁ありますか。
#47
○政府委員(今井善衞君) ただいまの吉田先生の御注意は、私ども今後運用上十分さような観点を考慮いたしまして、中小企業にいやしくも不利にならないように運用したいと思います。
#48
○委員長(山本米治君) 他に御質疑がなければ、本日はこの程度にとどめます。
 この際、御報告いたしますが、前回の委員会において決定しました水資源開発促進法案外一件についての建設委員会との連合審査会は、明二十七日午後一時から開かれることとなりましたので、御出席を願いたいと存じます。本日はこれにて散会いたします。
  午後五時十五分散会
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ソース: 国立国会図書館
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