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1961/10/31 第39回国会 参議院 参議院会議録情報 第039回国会 商工委員会 第8号
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1961/10/31 第39回国会 参議院

参議院会議録情報 第039回国会 商工委員会 第8号

#1
第039回国会 商工委員会 第8号
昭和三十六年十月三十一日(火曜日)
   午後三時二十八分開会
   ――――――――――
本日委員森中守義君及び向井長年君辞
任につき、その補欠として岡三郎君及
び田畑金光君を議長において指名し
た。
   ――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     山本 米治君
   理事
           川上 為治君
           剱木 亨弘君
           椿  繁夫君
           牛田  寛君
   委員
           上原 正吉君
           大泉 寛三君
           岸田 幸雄君
           古池 信三君
           小林 英三君
           鈴木 万平君
           阿具根 登君
           阿部 竹松君
           中田 吉雄君
           吉田 法晴君
           田畑 金光君
  国務大臣
   通商産業大臣  佐藤 榮作君
   労 働 大 臣 福永 健司君
   国 務 大 臣 藤山愛一郎君
  政府委員
   経済企画政務次
   官       菅  太郎君
   経済企画庁総合
   開発局長    曾田  忠君
   厚生政務次官  森田重次郎君
   通商産業政務次
   官       大川 光三君
   通商産業大臣官
   房長      塚本 敏夫君
   通商産業省通商
   局長      今井 善衞君
   通商産業省石炭
   局長      今井  博君
   通商産業省鉱山
   保安局長    八谷 芳裕君
   通商産業省公益
   事業局長    樋詰 誠明君
   労働省労働基準
   局長      大島  靖君
   労働省職業安定
   局長      堀  秀夫君
   労働省職業訓練
   局長      三治 重信君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       小田橋貞寿君
  説明員
   科学技術庁原子
   力局長     杠  文吉君
   ――――――――――
  本日の会議に付した案件
○輸出入取引法の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を
 改正する法律案(内閣提出、衆議院
 送付)
○産炭地域振興臨時措置法案(内閣提
 出、衆議院送付)
○臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○石炭鉱山保安臨時措置法案(内閣提
 出、衆議院送付)
○低開発地域工業開発促進法案(内閣
 提出、衆議院送付)
○産業貿易及び経済計画等に関する調
 査
 (国内地下資源開発促進に関する件)
○継続調査要求に関する件
○全国総合開発計画草案に関する請願
 (第四〇号)
○全国総合開発計画草案の地域別投資
 額構成比是正に関する請願(第四一
 号)
○福島県大滝根地区のセメント工場設
 置に伴う工場立地条件の整備充実に
 関する請願(第一九七号)
○炭産地振興に関する請願(第二六四
 号)(第一〇四六号)
○産炭地振興に関する立法措置等に関
 する請願(第二六五号)
○試験研究準備金制度創設に関する請
 願(第二六六号)
○石炭政策に関する請願(第三四七号)
○臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正す
 る法律案成立に関する請願(第三四
 八号)(第七五二号)
○新潟地区の地盤沈下原因再調査に関
 する請願(第三八三号)
○中小企業業種別振興臨時措置法に基
 づく指定業種の振興資金設置等に関
 する請願(第四二〇号)(第五八〇号)
 (第九三九号)(第九九四号)
○石炭政策樹立に関する請願(第五〇
 〇号)(第五〇一号)(第五〇二
 号)(第五〇三号)(第五〇四号)
 (第五〇五号)(第五〇六号)(第
 五〇七号)(第五〇八号)(第五〇
 九号)(第五五二号)(第五五三
 号)(第五五四号)(第五五五号)
 (第五五六号)(第六〇〇号)(第
 六〇一号)(第六〇二号)(第六六
 二号)(第六六三号)(第六六四
 号)(第六六五号)(第六六六号)
 (第六六七号)(第六六八号)(第
 六六九号)(第六七〇号)(第六七
 一号)(第七一八号)(第七一九
 号)(第七二〇号)(第七二一号)
 (第七二二号)(第七七四号)(第
 七七五号)(第七七六号)(第七七
 七号)(第七七八号)(第七七九
 号)(第七八〇号)(第七八一号)
 (第七八二号)(第七八三号)(第
 七八四号)(第九八六号)(第九八
 七号)(第九八八号)(第九八九
 号)(第九九〇号)(第九九一号)
 (第九九二号)(第九九三号)(第
 一〇四二号)(第一〇四三号)
○鳥取県倉吉市を国土調査法に基づく
 地積調査に関する特定計画地域に指
 定するの請願(第六八六号)
○通産行政における部落解放政策樹立
 に関する請願(第七〇〇号)
○福岡県豊州炭鉱災害に伴う遭難者遺
 体収容に対する具体案明示等に関す
 る請願(第七二三号)
○石炭鉱業合理化臨時措置法の抜本的
 改正等に関する請願(第七八五号)
○所得倍増政策反対等に関する請願
 (第七九三号)(第八五八号)
○電話加入者事業協同組合に対する特
 別融資わく設定の請願(第七九六号)
○中小企業に対する事業資金わく拡大
 の請願(第八五六号)
○所得倍増政策反対等に関する請願
 (第八五八号)
○競輪制度改善に関する請願(第九九
 五号)
○諸物価値上げ反対等に関する請願
 (第一〇一二号)
○産炭地域振興臨時措置法案早期成立
 等に関する請願(第一〇三〇号)
○公共料金値上げ抑制に関する請願
 (第一〇三七号)
○産炭地振興対策樹立に関する請願
 (第一〇四七号)
○公正な取引秩序確立に関する請願
 (第一〇九二号)
   ――――――――――
#2
○委員長(山本米治君) これより商工委員会を開会いたします。
 議事に入るに先だち、委員の異動について報告いたします。
 本日、森中守義君が委員を辞任され、その補欠として岡三郎君が委員に選任されました。
   ――――――――――
#3
○委員長(山本米治君) まず、輸出入取引法の一部を改正する法律案を議題とし、これより質疑を行ないます。
 質疑のある方は、順次御発言を願います。
#4
○吉田法晴君 同僚中田委員から質問をいたしております際に、私から、中小貿易業者の商権存立が脅かされるのではないかという点を、輸出入取引法に関連して御質問申し上げたのですが、納得のいく説明を得られませんでした。そのあとも、個人的にもお話を申し上げたのですけれども、どうも私は日中貿易に従事する者あるいは社会主義圏との東西貿易を志す者を中心にして質問をしているかのごとく理解せられて、その面での話、答弁はございましたけれども、中小企業一般と、それから輸出入取引法との関係というものについては、大臣の答弁では明確な答弁は願えませんでした。輸出入取引法が、輸出入取引の面でのカルテル行為と申しますか、大手商社、それからカルテル行為等によって、中小企業が圧迫をせられることはないか、こういう点を心配するのですが、これは大臣から、その心配ないように、具体的に、どうして保障するかという点を承っておきたいと思うのです。
#5
○国務大臣(佐藤榮作君) 御承知のように、この日本の貿易商社それぞれ特質がございますが、しかし、概して申しまして、お互いに競合しておる日本の場合におきましては、しばしばその弱点をつかれる、いわゆる過当競争が多いのであります。これは大と小との関係、大業者と中小業者との関係、あるいは大業者相互間において、あるいはまた、中小業者相互間におきましても、非常な競争が激烈でございます。この競争激烈な姿を解消することが法律のねらいの一つであります。
 それに対しまして、あるいは組合の強化だとか、あるいはカルテル行為だとか、こういうことを特に認めていくという趣旨が法案の中に盛り込まれておるわけであります。もちろん、これだけでは解消いたさない、いわゆる事業自体の持ちます本質上の問題がございます。その点は、おそらく吉田さんも指摘したいとお考えになっておられるのじゃないかと思いますが、いわゆる専門商社というものが比較的少ない。大阪などでは、輸出の中小の貿易商社は輸出だけを専門にいたしております刀そしてまた取り扱っておる品目等も、それぞれ得意なものがあるようでございますが、最近は多様経営とでも申しますか、あらゆるものに手を出す、こういう形がしばしば見受けられる。大きい商社が、中小の商社の分野にまで手を出すいわゆる多様経営、多角経営の方向へ向かっていく、こういう場合は、法律自身の問題と申しますよりも、本来の指導の面で、そういう意味の競争を引き起こさないように私どもが指導する必要があるのじゃないか、またそういうような多様経営に移りまして、他の分野を侵すようなことがありましても、やはり組合というものが強化されて参りますと、それを防ぎ得る、こういうふうに、いわゆる行政の面と法制の面、二様面から中小企業のそのシェアーを守っていくように、その態度を持して参りたい、かように思います。
 また共産圏貿易の関係については、これは今まで、どういうお答えをしておるか、ちょっと私もはっきりいたしませんけれども、相手国が単一の買い入れ、あるいは輸出を扱うという場合におきまして、当方もやはり一本にまとまるということが、これはたいへんけっこうなことであろうと思います。しかし、わが国の法制上から申しますと、そこまでちょっと進むわけにいかない。ただいまの状況においては、中共貿易等に見ますように、中共側が勝手にいわゆる友好商社という銘を打って、そして中共貿易を扱う業者をきめる。これは私どもとしては好ましい現象だとは思わない。そういう意味で、中共側が特殊な機関を持っておることは、これはけっこうだけれども、当方、日本側においては、いわゆる友好商社としからざるものとの区別をされないように、こういうことをあらゆる機会に、当方としては中共側に意見を申しておるというのが実情でございます。
 これは、どういう方法をとっているかと申しますと、まあしばしば中央に視察にいかれる方、それらの方に対して、貿易の拡大については、われわれは積極的態度をとっておる。どうかいわゆる友好商社というような考え方で日本の業者に差別的な扱い方をしないように、こういう注文をつけておるわけであります。またソ連貿易等におきましては、ただいま申すようなことはほとんどございません。しかしながら、日本の商社でも、やはり専門化して参りまして、ソ連貿易を始めたものは、そ連貿易を一つの自分の得意にしておりますから、商社が全部が全部というわけにいかない。やはり扱う品物、同時に相手国に対しての専門的地位というものが、それぞれ確立されつつある、かように私は存じております。
 どこまでも過当競争から守るという、それを根本にしておるような次第でございます。
#6
○吉田法晴君 過当競争から守りたいという点もわかるのですが、自主的な連合といいますか、提携というものを政府が保護するという立場に立てばいいんですが、その自主性云々という点になりますと、大きいところが力を持つ。そこで局長との間に、いや、大きいところのカルテル行為を認めておるわけではないというお話ですけれども、系統会社といいますか、あるいは代理会社等を通して、それはその精神を生かすことはできるのだから、その点について十分な留意と、いわば大きな意味での関心とを願いたいと、こういう点をお願いをしたわけです。
 後半の点は尋ねたわけではございませんが、お触れになりましたから、この際申し上げておきたいと思うのですが、池田内閣になって中国貿易――中共と言われますが、中国共産党ではございませんから、中国と呼ばれることが正当だと思うのですが、中国貿易は、第四次の貿易協定を直接的には、これは官房長官談話でこわされた。交渉の過程の中で通商代表部を設けることも好ましくないかのような、これは政府の意向が漏らされた、あるいは官房長官談話として出たもんだから、ああいうことになったわけですが、そこで、その友好商社との取引が限定をされておりますのは、日本の国民を代表する政府が友好的でないという前提に立ち、あるいは第四次貿易協定をもこわしたのは政府だというふうに理解しておりますから、だから、友好商社を通してということになっているわけです。前協定による貿易の拡大を希望する者もあります。私は日本と中国との関係からいうならば、二千年来変わらないという友誼と交流を貿易問題を含めて復活することを期待する点において、政府が友好的な態度に変わられることを強く要望しておきたいと思うのですが、あるいはソ連を含み、あるいは朝鮮にしましても、ベトナムにしましても、東西貿易を拡大しようという希望があれば、私は、これは日本の経済のために、片貿易では――片貿易といいますか、アメリカだけとの貿易ということでは、ちょっといかぬので、アジアの一員としてという性格があるならば、中国貿易初めアジア各国との貿易というものも推進しなければならぬのでありますが、それには大きな何といいますか、態度の転換も必要でありますし、これはこまかい話になって参るかもしれませんけれども、今行なわれておる友好貿易にしても、これについて規制を加えるのでなしに、繁雑な手続をするのでなしに拡大するように、一つ通産省として、あるいは政府として、あたたかい気持で臨んでいただくことを要望をいたしておきたいと思います。
#7
○国務大臣(佐藤榮作君) 中国大陸との貿易、これは政府がしばしば申しますように、また通産省がしばしば声明しておりますように、貿易拡大には非常な意欲を示しておるつもりでございます。ただ、不幸にして第四次民間協定のあの数字から見ますると、けた違いの少額になっております。いかにも残念でございます。これは機会あるごとに、拡大方向に進めて参るつもりであります。
 なお一般的のことについて、一言触れてみますると、西欧諸国が東欧諸国との交易状態、あるいはイタリア、ドイツ等がソ連との貿易、これなどは、なかなか活発でございます。そういうことを考えてみますると、政治的な対立は、私どもの想像以上のものがございますが、いわゆる貿易の面においては、これは拡大の方向に進んできておる、これが実情でございますから、私どもも、東洋において中国大陸あるいはソ連との貿易が、その不自然にゆがめられるということがないように、お互いに注意すべきことだ、かように私は、貿易の拡大をみずから提唱しておるというのが実情でございます。
#8
○委員長(山本米治君) ちょっと速記とめて。
  〔速記中止〕
#9
○委員長(山本米治君) それじゃ速記起こして。他に御発言がなければ質疑は終局したものと認め、これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御発言もなければ、討論は終局したものと認め、これより採決に入ります。本案全部を問題に供します。本案に賛成の方は、挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#10
○委員長(山本米治君) 全会一致と認めます。よって本案は、原案どおり可決すべきものと決定いたしました。なお、議長に提出する報告書の作成等につきましては、慣例により、委員長に御一任を願います。
   ――――――――――
#11
○委員長(山本米治君) 次に、石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案、産炭地域振興臨時措置法案、臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正する法律案、石炭鉱山保安臨時措置法案、以上、四案を便宜一括議題として質疑を行ないます。御質疑のある方は、順次御発言を願います。
#12
○吉田法晴君 労働大臣が、まだお出でになりませんから、問題の点、ペンディングになっている点は、労働大臣か来られてから質問いたしたいと思いますが、それまでに、きのう御質問申し上げました中で、時間の関係で答弁が不十分なままに過ごしました点、二、三の点についてお尋ねをいたしたいと思います。
 第一は、石油の輸入関税の点について……。総理は取り上げて、その問題、一つの考えだから考えようという答弁が、衆議院であった。私も聞いている。あなたも聞いていると思う。きのうは、どうも通産大臣の答弁は、消極的な答弁は承ったのですが、取り上げて検討をしようという点は、総理が言われたのですから、ひとつ、検討をする決意はおありになるのですか。きのう関係方面の、いずれも自治体もあるいは経営者も労働者も、全部要望している切望でございますし、これは基本問題にも関連いたしますから、総理の答弁を取り上げて検討したいという点だけは、もう一ぺん答弁を通産大臣から言ってもらわぬと、ちょっと引っ込みがつきません。
#13
○国務大臣(佐藤榮作君) 検討なら、今も検討しているのです。私は、検討をいたしました以上に、今、石油の調査団が帰って参りますので、その報告等をも伺いまして、しかる上で、今日の検討をさらに進めていくと、こういうことを申し上げたつもりでございます。
 ただいまのところ、それじゃ石油の輸入関税を取り上げて、そして、幾らか導入するのだ、こういう具体的な問題、それについての見通しはどうだといわれますと、ただいまの心境は、フィフティ・フィフティというのが現実の状況でございます。これはまあ、いろいろ石炭対策全部の問題がございますし、あるいは財源の問題もございましょうし、また他の産業に及ぼす影響等もございますので、その単一な理由から結論を出すことは非常に困難でございますが、しかし真剣に検討をすること、これはもう、政府部内といたしまして一致した問題でございますから、重ねてお答えをいたします。
#14
○吉田法晴君 大臣は、いろいろな石炭なり、燃料なりについて、あるいはエネルギーについて調査に参りました民間の報告、あるいは衆議院の自民党の議員も含めてですが、参りました調査報告をごらんになったでしょうか、その中にはいずれも、きのうも申しましたけれども、経済問題だけでなしに、政治的な配慮を加えた政策をとりつつある、こういう報告でございます。その結論を、ここでまあ読み上げることはいたしませんが、重要な国産エネルギー資源である石炭については、生産、流通の両面にわたる抜本的対策を講じ、もって長期的需要の安定と需要の拡大をはかることというような、前の方には政治として、あるいは政策として取り上げているという点が、各国の場合に強調をされておるゆえに、こういう結論が出ておる。あるいはあとの労働者の不安、あるいは産炭地の振興、あるいは石油についての結論等は、ここで省略をいたしますが、そうしますと、このドイツ等にあります関税の問題も、やはり真剣に考えられる一つだと思います。
 それから次の質問は、総合対策の点でありますが、きのうも現状の三二%程度が、だんだん減っていく点については、これを防ぐために努力をしたい、エネルギー全体の中での石炭の地位は確保し、その向上のために努力をしたい、こういう話でしたが、その具体的な問題としてエネルギー総合対策、あるいは法律についても、基本法についても考慮をするという論議が衆議院等でもなされておりますし、あるいは委員会でもなされておりますが、その中にたとえば電力炭は、どの程度はとにかく石炭を使うべきだという方針等が、私は総合エネルギー対策の中で、石炭の地位を占める問題として具体的に出てくると思うのです。しかしながら、時間がなかったから、耳に入ったかどうかわかりませんが、鉄鋼は、現在使っておりますのは国内炭が七〇%、それから昭和五十五年には五〇%、だんだん減っていくという状態であります。そうして鉄鋼に使います原料炭については、外国炭のほうがすぐれておるのかもしれませんが、これもやはり漸減が見越されておる、方針として確定されておるわけではございませんけれども、漸減方針が、はっきり数字の上では出ておる、そういう点は、これは昔のことを申し上げるわけではありませんが、国内産業の保護という点から、北松の粘結炭についても、これは保護がなされ、少なくとも鉄鋼の原料炭に使うものについて、現在の七〇%を維持するというくらいの方針、たとえばエネルギー全体の中で三二%の現状、あるいはそれを維持するというように、これはそれぞれの産業について、私は総合エネルギー対策の中で確保せられなければならぬ方針の一つだと思うのでありますが、その具体的な電力、あるいは鉄鋼等に地位を占める、それの現状なり、あるいはパーセンテージなりを確保する御構想がおありになるかどうか、もう一ぺん念を押しておきます。
#15
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま五千五百万トンという数字をお示ししておりまして、この五千五百万トンの七割の需要の安定を長期取引の形で確保するということを申し上げております。この数字は、ただいま局長から詳細に五千五百万トンをどういうふうに使うのか御説明申し上げたいと思います。
 ところで、なお将来の問題といたしまして、かねて新しい炭鉱の開発計画は、原料炭に特に重点を置いての開発計画を進めますと、かようなことを申しておりますから、これから具体的に開発されれば、さらにその数字はふえてくるだろう、かように思いますが、とりあえずのところの五千五百万トンについての大体の消費先、それを局長から説明さしますから、お聞き取りを願います。
#16
○政府委員(今井博君) 最初に原料炭から申し上げますと、原料炭は、今漸減というお話がございましたが、原料炭は、鉄鋼とガスというものを中心にいたしまして、現在、ことしが千二百万トンの計画でございます。来年度は千三百二十万トン、三十八年度は千三百六十万トン、三十九年度は千四百万トンと、原料炭は鉄鋼とガスを加えまして四十年度には約千五百万トン近くになる予定でございます。
 それから電力用炭を申し上げますと、電力用炭は三十六年度は、全部の低品位炭もまぜまして、現在、ことしは千七百八十七万トンの予定でございますが、来年度は約二千万トン、三十八年度は二千百六十一万トン、三十九年度は二千二百九十四万トン、四十年度は、ちょっと数字が出ておりませんが、毎年若干ずつふえていくという状況でございます。これにセメントの需要、それから、そういうものを加えますと、五千五百万トンという生産のワク内では、十分七割程度の需要というものは確保していける、こういう見通しに現在なっておるわけでございます。
#17
○吉田法晴君 この鉱区の整理統合、遊休あるいは休眠鉱区の開発等の要望も、各方面から出ていることは御承知のとおりですが、峠を越しました炭田地帯の今後の開発というものは、これは総合的にして初めて可能、あるいは新しいところについても、そういうことが、言えると思うのです。こまかい具体例は御承知と思いますからあげませんけれども、この鉱区の整理統合と、それから統一的な開発方式、私どもは流通機構についても、一本化なり、あるいは公社形式なり、あるいは特殊会社形式というものを通じなければ不可能だと思うのですが、同じように鉱区の整理統合、あるいは新しい開発にしても、これをやはり統一的な方式でなければ困難だと思うのでありますが、あるいは、たとえば新しい炭田に、それでは通産大臣が言われるように、従来の終掘をします炭鉱、炭田の労働者を移すにしても、これは各社にまかせておったんでは、その今まであるもりを、そこに移すということは計画的にいかないと思いますので、行政的な指導もありましょうが、その開発形式について、あるいは鉱区の整理統合形式について、鉱業法改正審議会の意見を待ってというのではなくて、方向として、私は現在持たなければならぬ方向だと思うのですが、この点について、通産大臣の意見を承りたい。
#18
○国務大臣(佐藤榮作君) 御指摘のとおり、まさしく行政指導方針としては、ただいま御指摘になった通りでございます。
#19
○委員長(山本米治君) ちょっと委員長から申し上げますが、福永労働大臣が、現在内閣委員会に出ておられたのを、ちょっと拝借してきたのであります。十分という約束だそうですから、福永労働大臣に対する質問をなるべく先にやるようにお願いいたします。
#20
○吉田法晴君 通産、労働両大臣そろわれて……。きのうも時間を急ぎましたために、問題点は出しましたが、満足のいくような答弁が得られないで今日にきております。問題点は、私は指摘するまでもなく、炭鉱労働者がかつてない請願隊を組んで上京いたしまして、そして総理あるいは各大臣にお目にかかって、抜本的な対策を立てるという抽象的な言明は得たけれども、ひっかかる点が多少ございます。
 その第一は、雇用と生活の安定のない首切り、あるいは合理化というものは進めるべきではないのじゃないか、その点について、はっきりした言明を得たいというのが一つ。
 それからもう一つは、これは衆議院での決議とも関連するのでございますが、きのう問題点指摘しましたけれども、就職待機手当、それから訓練手当、別居手当、失業保険との併給、それから前収補償、この点については、これはまあ両大臣とも御存じと思いますが、衆議院の特別委員会である程度の合意には達しておるわけです。たとえば、文句で言いますと、再就職にあたっては中、高年令層の雇用促進と、収入を確保するために雇用保証制度等の創設を講ずること、こういうことで雇用保証制度というものを作りたいという文句になっておる。これは就職の保証、それから雇用の促進と同時に収入の確保をするためにという文句が入っておるわけでありますから、前収補償という精神が、少なくとも入っておると私どもは考えるわけです。それから、離職者の生活安定をはかるために、職業訓練手当の増額、別居手当の支給、技能習得費と失業保険との併給、訓練終了者に対する就職待機のための保証等の措置を講ずること、厚生年金の点もございます。厚生省は来ていませんが、厚生年金の給付、それから労災補償の改善等についてはすみやかに検討する、こういう合意に達しながら決議案にならなかったのは、おそらく、何と申しますか、政府の他の――両大臣御出席になっておりますけれども、他の省との関係というようなことで、それがペンディングになっているわけで、それらの点について、生活と雇用の保証のない首切りは行なわない、なるべく行なわないように行政指導をしたいという言明はございましたけれども、もう少しその点をはっきり言明を願えるかどうかという点が問題点として残っていることは御承知のとおりであります。
 これらの点について、両大臣協議の上でけっこうですが、明確に御答弁をお願いいたします。
#21
○国務大臣(福永健司君) まだ協議した上での答弁ということは申し上げられませんが、御説のごとく、生活、雇用の安定ということは、もとより望ましいわけでありますが、労働省といたしますと、首切りというようなものがなければごくありがたいし、またそうありたいということでございますので、簡単にお答えすれば、それでおしまいなんでございますが、通産省の立場といたしますと、石炭事業の深刻な現実からいたしまして、場合によっては、相当程度の首切りということもやむを得ないというようなことも出てきておるわけでございます。
 そこで、私どもは、そういう現象が出たあとを担当するほうの側でございまするので、私から直ちに、そういう今おっしゃったような意味において、生活と雇用の安定というような意味においての完全な保証ができないのに首を切っては相ならぬ、また、そういうことはいたさせませんということまでは、ちょっと言い切れないのでございます。しかしやむを得ざる事情によって出て参りまする失業者等に対しましては、今いろいろおあげになりましたような観点からの措置は、いろいろ講じていきたいというので、ただいま関係閣僚会議においても、われわれはわれわれなりの案を出しておるわけでございます。
 そこで、前回にも申し上げましたように、できるだけすみやかに再就職せしめるというような意味からの諸施策は、おおむね現行制度のもとにおいて、財政的措置を強化することによって、かなりのことができるわけでございます。したがって、再就職をすみやかならしめるための措置といたしまして、労働力に、より流動性を持たせて、これと関連して広域職業紹介を強化するとか、あるいは効果的な転職訓練をするとか、また移動するについては、住宅等について特別の心配をしなければならん。移住資金その他住宅確保のための資金について心配するとか、こういうようなことについて、ごく最近にも、財政的の裏づけもいたしまして、事業量をかなりふやす措置をとったのでございますが、そのほかに、究極的な恒久的な安定対策といたしましては、より総合的なものが必要でございますが、しかし労働省といたしまして、ややそれに近い措置といたしましては、先ほどおあげになりましたような、たとえば前収補償的な措置というようなことを初めとして一連のものがあるわけでございます。これにつきましては、今各党間での折衝もあり、また与党の中、ことに関係閣僚間でも検討を進めておりまして、一定の年令以上の炭鉱離職者を雇ってくれるというような場合において、その給料の大部分を保証するような制度などが、どうであろうかというようなことで、これは具体的な折衝をしておりますが、最終結論には至っておりません。その他おあげになりました転職訓練が済んだけれども、まだ就職できないというようなものに対して・待機手当的な意味で訓練期間を延ばすような措置を講ずるというようなこと、これは必ずしも待機手当というような名称、あるいは全面的にそういう考え方でということになりますと、いろいろ問題がございますが、そういうような特殊の事情の人に対して、何らか便法を講ずるようなことに考えていきたいというようなことの検討も、もとよりいたしております。また、失業保険につきましても、この保険期間を、従来も若干延ばす措置を講じて参ったのであります。これをさらに一そう、そういう措置を従来以上に進めることにもいたしたい、こんなようなことも考えておりまするし、とりあえず、働く中心になるべき人が、家族と離れてほかに移動して働くというような場合における別居手当というようなものは、何かうまい方法で出せぬかというようなこと、これも検討いたしております。
 しかし、これらのことにつきまして、いずれ新たなる立法も必要とすることでございますから、できるだけすみやかにこれを用意いたしまして、結論の得たものについて、逐次解決をしていくようにしたいと、こういうように考えておる次第であります。
#22
○吉田法晴君 今の答弁は、きのうの答弁とあまり変わらない。私は衆議院での特別委員会の状況を考えますと、あなたが少し慎重な答弁をされたあと、総理から最低賃金制の問題についても、それは審議会の諮問をしておるのは、実施をするつもりで、それから、それも早く実施をしたいというつもりで審議会にかけておるのだ、こういう、いわば補足よりも、積極的な前向きの答弁があったことを思い起こすのですが、多少今の答弁は、私が、特別委員会で決議案に関連して合意された点もあげて、政府の態度をお尋ねした。実は私どもも、あなたと一緒に、総理も出てきてもらって最後の答弁を願いたいと思ったのですが、出ておられぬとすれば、二人で、政府を代表して答弁を願う。そうして、それはたとえば労働者に対しても、将来にわたって生活の心配はさせぬのだ、あるいは首切りの心配はさせぬのだという政府の方針をここで言明できるかどうか、こういう点でお尋ねをしているのですから、きのうの答弁の繰り返しでは困るわけです。出て参りました炭鉱離職者が、食えるかどうかという瀬戸際に立って、政府の最後の言明を求めておる。さっきのような、この首切りを全然出さぬというようなことを言明するわけにもいかぬ、あるいは出たあとの再就職については、労働省は責任を持たなければいかぬけれども、あたかも現在の労働者の生活について、日本の労働者の生活全般についての責任を持っている労働省としての、あるいは労働大臣としての言葉としては、私は無責任だと思うのであります。
 それもさることながら、政府を代表して通産大臣、労働大臣が出ておられるのでありますから、抜本的な対策を立てるというならば、生活あるいは雇用というものについては、これは心配をかけないように、政府として最善の努力をする。それから、合意に達したものについては、それを実現するために、最善の努力をはかりたい、こういうようなことの答弁がなければならぬと思うのでありますが、その点で、両大臣はいかがですか、答弁を願います。
#23
○国務大臣(福永健司君) 心配をさせたくないというのは、私の強い希望でございますが、直ちにもって、一切心配はさせませんとまでは、ちょっとその財布を持っている側も一緒に来ておりませんので、そう勢いよいことを言ってしまいましてもなんでございますが、ただいま吉田先生仰せのごとく、心配させたくないというような気持で、できるだけの労働省としての施策を講じていくということについては、私も深く期している次第でございます。
#24
○国務大臣(佐藤榮作君) 労働大臣の決意並びに所信は、ただいま詳細にお話がございましたので、私から申し上げるまでもないかと思いますが、問題になります生活の向上、あるいは雇用の安定、あるいは完全就労、こういうことが、しばしば言われております。これらが政治の大目標で、これは私どもも同様でございます。同じように、この大目標の達成に全力を注いで参るわけでございます。
 ところが、この事柄は、個々の具体的な労働者の現在あるがままの姿で、いわゆる雇用の安定だとか、あるいは完全就労だとかいうことが、必ずしも言われておるわけではございません。ことに労働省といたしましては、経済全般の動き等を考えて、そうして必要な面での労務の確保、あるいは離職者に対する再就職のあっせんその他、あらゆる労働対策を講じて参るわけでございます。
 ところで、私どもも産業に携わる通産省といたしましても、雇用や生活の安定のないところに経済の発展などあるわけはないのであります。この点は同じ考え方に立っております。しかして、いわゆる石炭の場合について見ますると、石炭の経済性を高めるという意味において、合理化なども進めて参ります。これはどうも残念ながら、やむを得ない段階におきまして、ある程度の犠牲者を出さざるを得ない。これが現状でございます。いわゆる離職者が出てくる。これはあえて合理化の犠牲とばかり申すわけのものではなく、炭鉱自身の命脈等から見ましても、その命脈が尽きれば、その山は閉山せざるを得ない。こういうようなことがございますから、産業自体の推移から見まして、個々の職場における離職という問題が起きてくる。こういう問題をつかまえまして、そうしてそれに対する基本的な労働行政もはかって参るし、また通産省自身も、やはり必要な労務を確保し、労働者の生活、雇用の安定あるところに経済の発展あり、かように考えますと、これはいわゆる直接の所管ではございませんが、その大半の責任を負う通産省だと、かように私自身みずから責任を痛感いたしておる次第であります。
 そこで先ほど来、いろいろ述べられました個々の具体的問題等、これにいかに対処するかという問題になりますが、そこで、いわゆる石炭関係閣僚懇談会議を持っております。この会議におきまして、各界、関係省の間の意見をまとめ、そしてそれを具体化していくという取り運びを、ぜひともしたいと思っております。労働大臣、たいへん慎重な発言をしておられますが、これはおそらく関係省等の意見が、まだそこまで熟していない――私自身も、ただいま申すような意気込みなり決意は持っておりますものの、まだ大蔵当局と十分話はいたしておらないのが実情でございますから、非常に抽象的なお話になって恐縮でございますが、ただいま申し上げるような問題を取り上げて、そして関係省と十分相談を遂げたいと、かように思っております。
 ただ、その場合に、これは皆様方に特に御理解をいただかなければならぬだろうと思いますことは、石炭、こういう特殊産業における労務者という特殊地位、それをどの程度に位置づけ得るかという問題が一つあると思います。一般の離職者と、この石炭産業に対する政策上から出てきた犠牲者と、また石炭産業自身で働いておりますあの労務の実態等から見ての特殊性、それをどういうように位置づけるかということが一つの問題じゃないか、かように思います。先ほど来、述べておられますあるいは中高年層に対する保障の問題その他等の問題は、どうも石炭産業、ここを職場にする労務者の特殊性についての考慮だと、かように私は思いますが、これが一般労務者共通の問題だとなりますと、これはなかなか容易な問題ではない。だからその特殊性というものを、はっきり位置づけるということが一つの問題じゃないかと、私はかように思うのであります。
 そういう点を労働大臣、あるいは厚生大臣、大蔵大臣、その他関係大臣と十分相談をいたしまして、私どもの最善を尽くして、この対策も立てていきたい、かように考えておるので、重ねて私からも、考え方を御披露しておきます。
#25
○委員長(山本米治君) ちょっと申し上げます。灘尾厚生大臣にかわり、森田厚生政務次官が出席されましたから、御了承願います。
#26
○吉田法晴君 そうすると、個々の炭鉱あるいは職場等で、終掘その他の特殊の事情から、閉山あるいは休山というような個々の問題はともかくとして、石炭産業全体、あるいは石炭産業に従事する労働者の生活の安定、あるいは雇用の安定、あるいは完全就労については、これは政府として最善の努力をいたしたい――この点は政府の方針だとして総理から答弁さるべき問題だと私は思うんですけれども、それは政府の方針として理解してよろしいでしょうか。多少労働大臣の答弁の中には、慎重な言いわけ、あるいは私が先ほど具体的にあげましたことについての限定があって、その方針が、必ずしも労働省としては十全に表明をされないんですが、重ねてその点、両大臣から御答弁願いたい。
#27
○国務大臣(福永健司君) 最善の努力をいたすことについては、私もやぶさかでないつもりであります。
#28
○吉田法晴君 それから今通産大臣から、たとえば再雇用保証制度等を通じての職業雇用の保証、それから離職者の生活の安定をはかるために訓練手当の増額、あるいは技能習得費、あるいは失業保険等の併給、あるいは訓練就労者に対する就職待機のための保証等の措置、あるいは厚生年金、労災補償の改善等について検討をするといったような具体的な問題については、大蔵省との折衝は、まだ済ましておらぬからということで、労働大臣から多少消極的な答弁がありましたが、それらは石炭関係閣僚会議等を通じて、その実現のために、政府としては最善の努力をする、こういう答弁だと理解してよろしいでしょうか。
#29
○国務大臣(福永健司君) 一部、今おあげになりましたものの中で、必ずしも私の所管でないものもございますが、それについては、他の方から御発言があろうかとも存じますが、私の所管に関することにつきましては、御表現になりましたとおり、――一々また申しますと、いろいろ何しますので、若干、私どもが使っております言葉と違うところがございますが、いずれにいたしましても、そういう御表現のもとに御鞭撻をいただいておりますようなことについて、われわれの考え方を実現するために最善の努力をいたすということには、これはもう、さらさら私どもも異論はないわけでございます。せいぜい御期待に沿うようにいたしたいと考えております。
#30
○吉田法晴君 初めからお聞きにならなかったかしれませんが、この炭鉱労働者の生活の安定、雇用の安定の上に初めて石炭産業の安定があり得るということから問題になっておる点等については、政府としても関係閣僚会議等を通じて、全力を尽くして実現に努力をしたい、こういう表現があったわけですが、厚生年金の支給の改善という項目が厚生省に関係してあったわけです。厚生年金の支給の改善の中には、十年勤続、十年かけるともらえるという場合の例もございます。これは六十五才でしたか、その年令に達しなければ、やめても厚生年金はもらえないという点がございました。その繰り上げ支給と申しますか、あるいは支給の条件、期間の短縮等についても、具体的に要望が出ていることは御存じのとおりであります。
 それらのものを含んで、厚生年金の給付の改善について、努力をせらるべき御決意であるかどうか。
#31
○政府委員(森田重次郎君) ただいまの問題、十分厚生省としては、あらゆる点を検討して善処したいということになっているわけでありますが、ただいまの御質問の内容のうちにあります年金開始の年令引き下げの問題等のことでありますが、これは坑内夫の年金開始年令は五十五才とされているのでありまして、これは昭和二十九年の改正によりまして昭和四十九年以降五十五才と改められたのであります。そこで当面は、まあ経過措置といたしまして五十一才から開始するのでありますから、実際上の問題としては、大体今の制度でいいのではないかというふうに、その点は考えておるのであります。
 それから、この御質問の内容の中にたぶんこういうものも含まれているだろうと思いますので申し上げますが、この炭鉱離職者に対する住宅の供給等を厚生年金の積立金から貸付を行なったらどうかというような問題も、その内容の一つだと思うのでありますが、これは本年度の厚生年金の還元融資は、すでに申請に基づいたものは割当をほぼ終わっておるのであります。しかし今後において、炭鉱離職者の入居する住宅につきましては、関係地方公共団体等が償還条件を整えて建設したいというような申請の申し出でがありましたときは、できる限度において厚生年金の還元融資も行ないたいと考えている次第でございます。
#32
○阿部竹松君 吉田委員の質問に関連して厚生政務次官の森田先生にお尋ねいたしますが、十日ほど以前の決算委員会で、ここに御列席の福永労働大臣に厚生年金のことについてお尋ねしたところが、厚生年金については、厚生省の管轄であるから、私のほうから明確に答弁できないけれども、厚生省と相談して善処いたしますと、こういう御答弁があったわけです。ここに労働大臣も御列席ですから、御記憶があると思うのですがね。そういう御相談をなさった結果ですか、吉田委員に対する御答弁は。
#33
○国務大臣(福永健司君) ただいまのお話は、相当これ折衝に骨の折れる問題でございますので、まだ国会がこういうような状況のもとでございますので、私は厚生大臣と、じっくりと話をいたしておりません。そこで、できるだけすみやかに、こういうことについて厚生大臣にも、あなたのおっしゃった趣旨を伝えたいと思っておりますが、両省協議の結果、政務次官が言われたというような、時間的には、そういうことでないことを遺憾とするのでございますが、ただし私、忘れておるわけじゃございませんので、暇が――暇がといいますか、時間がとれるようになりますれば、さっそくこれじっくり、この問題も検討したいと、善処したいと、こういうように考えております。
#34
○阿部竹松君 私は森田政務次官にお尋ねしたのですが、労働大臣の涙ぐましいかばうという気持に感激して再質問いたしません。
 その次に、労働大臣にお尋ねいたしますが、きのう通産当局から、ここ近年のうちに、どのくらい炭鉱離職者が、まだ出るのですかということをお尋ねしたところが、一万五、六千名である、こういう答弁が石炭局長からなされました。したがって、その受け入れ態勢は、当然あなたの省に関係あると思うのですが、これは、どういうように処置される御所存ですか。
#35
○国務大臣(福永健司君) 当初予想されていたのよりも、貿易自由化の繰り上げ等、その他の事情によってふえてくるであろうという推測もできますので、そういうものに対しましては、労働省所管の事業において善処するように、ただいまいろいろ作業もいたし、そのつもりで取り組んでおる次第でございます。
#36
○阿部竹松君 きのう通産当局から、明年度あるいは明後年度の石炭業界における離職者の数字を明確に承ったわけです。したがって、それが通産当局から労働省の方に連絡があっておるものだと思っておるわけです。しかし今、大臣の御答弁によると、増加するだろうと思いますので、というような、きわめてあいまいな答弁なんです。おそらく今までそういう方針で、労働省がとってこられたとは思いませんけれども、そういうづさんなことでは、受け入れ態勢が完備されていないというように、御答弁の中から汲み取れるわけです。
 しかし、今御相談なさったようですから、数字を上げて、この数字を、どういうように対処するのですというように、お答えをいただきたいと思います。
#37
○国務大臣(福永健司君) であろうということは、将来のことでございますので、あろうという表現をいたしましたので、あやふやな意味で申し上げた次第ではございません。御理解をいただきたいと思います。
 なお政府委員の方から、数字をあげまして、お答えを申し上げます。
#38
○政府委員(堀秀夫君) 今年度以降、明年の発生する石炭離職者に対処いたしまして、通産当局と打ち合わせまして、労働省としては、これに対する援護、配置転換対策を立てておるわけでございます。
 それによりますれば、明年度、ただいまお話のありましたように、新たに発生する離職者に合わせまして、従来からも滞留しておる離職者があるわけでございまするので、これらを合わせまして約三万八千人につきまして、政府としての対策を講ずるという考えで、目下計画を立てて、予算も原案も作成しておるわけでございます。
 すなわち広域職業紹介、それから自県内におけるところの職業紹介、それから緊急就労対策事業への吸収、公共事業への吸収、鉱害復旧事業への吸収及び炭鉱離職者専門の職業訓練所におけるところの転職訓練、それから雇用促進事業団におけるところの移住資金の交付、それから住宅関係の助成などを合わせまして、約三万八千人の方々について対策を講ずるように準備しております。
 ただ、最近の実情からいたしまして、従来と同じような質の援護対策を講ずるだけでは、なかなか今後発生するであろうところの離職者を円滑にさばいていくには十分でない面も考えられまするので、これらにつきましては、先ほど労働大臣から御答弁いたしましたような、新しい考え方も織り込みつつ、配置転換の遺憾なきを期するように、目下、関係各省の連絡会におきまして検討中でございます。
#39
○阿部竹松君 三万八千名の中身について、お聞かせを願いたいわけです。
#40
○政府委員(堀秀夫君) ただいま、一応の計画でございます。今後、さらに研究いたしまして、若干の変わりはあるかもしれませんが、一応申し上げますると、広域職業紹介によりまして九千五百名、それから自県内の紹介によりまして三千五百名、それから、緊急就労対策事業への吸収約七千名、公共事業への就労促進約三千名、鉱害復旧への吸収約三千名、一般失対事業への吸収約四千九百名、職業訓練所に入所せしめて、それによって配置転換を行なうという者が六千三百名、そのほかに雇用促進事業団の職業講習その他によりまして約六百名、合わせまして約三万八千名という数字になっております。
 これは一応、ただいまの計画でございまして、今後さらに関係各省連絡を密接にいたしまして、新しい情勢に対処していきたい考えでございます。
#41
○阿部竹松君 ただいまの堀局長の御答弁をお聞きしますと、広域職業紹介の面で、どういう仕事に就職されるかは別として、これは安定職場で永久――まずまず大丈夫であるというように大きく割り切って考えてもいいと思うわけですが、そのほかの人は、きわめて臨時的なもので、今月は仕事はあるけれども、来月はないかもしれない、二カ月はあるけれども三月目はだめになるかもしれん。こういうようなきわめて不安定な職場であって、三万八千名のうち一万人足らずが安定した職場につけるというだけで、あと二万八千名近くの者が臨時日雇である、こういうような結論に御答弁がなるのですが、それでは、あまりけっこうな方法じゃないのではないでしょうか。
#42
○政府委員(堀秀夫君) ただいまお話のありました広域職業紹介のほかに、自県内における職業紹介、これはもちろん定職におつけをするという考え方でいるわけであります。また職業訓練所に入所して、訓練を受けていただく方六千三百名、これにつきましては、もちろん訓練が終わりましたあと、ちゃんとした定職についていただく、こういう考えであります。また事業団の行ないます職業講習、その他につきましても同様の考えでございます。そのほかに緊急就労対策事業等をあげましたのは、私ども、ここにずっとそのまま停滞してしまうという考え方ではなくて、やはりその時期におきまして、いきなり他県に出るというようなわけに参らない、いろいろの家庭的な御事情のあることを勘案いたしまして、ワクはこれだけとっておき、そうして、この緊急就労等に就労をしておられます方々につきましても、私どもは従来からのとっております施策とあわせまして、さらに新しい考え方も加えましたところの雇用促進、雇用奨励方策を実施いたしまして、定職についていただくように処置いたしたいと考えておることは当然であります。
 ただ、そうは申しましても、いろいろ家庭の御事情その他で、いきなり外に出るというわけにいかない方もありますので、予算のワクとしては、ただいまのような措置を確保して、とっておきたい、こういう考え方で申し上げたわけであります。
#43
○阿部竹松君 前回の委員会で、局長にお伺いしたときのお考えもそうでしたが、あなたのお考えは、どうも訓練所に入れば、もうそれで、職についたような印象を与える答弁なんです。そうですね。しかし、まさかりがあってものこがない、のこがあってもかんながない、こういう職業訓練所に入って、それでも、若い人ならまだいいかもしれませんよ。三十五以上の人は、なかなか仕事がない、これは理解していただけると思うのですが、特に今年の秋から来年にかけて、不況の嵐が吹くという、不況にならぬというのは、池田さんと自民党の内閣ばかりで、あとは、経済界も学者も全部そう言っている。来年の不況対策を現内閣に求めるのは無理かもしれませんけれども、職業訓練所に入るということだけで、永久職業につくというお考えは、おやめいただきたい。
 そこで、訓練所は来年ふえるのですか、ふえないのですか。
#44
○政府委員(堀秀夫君) 訓練所の増設等につきましては、訓練所長からお答えいたしますが、前段の御質問につきまして、この職業訓練所に入れたから、それでもう事足れりというような考え方は毛頭持っておりません。
 それから、従来の職業訓練所の卒業生の実績からいたしますると、まあ相当のパーセント――九〇%程度は就職しておるという実績がございますけれども、今後、それがそのまま続くかどうかということになりますると、やはり中高年令層の離職者のかたがたも、今後率が非常にふえてくる。そのほか、いろいろな状況があろうと考えまするので、私どもは、今後に処する方策といたしましては、従来からやっておりまする努力を、さらに強化すると同時に、職業訓練所入所中におけるところの所遇の改善、あるいは職業訓練所を卒業されたかたがたに対するところの雇用促進のための措置、それから訓練所を出られた場合において、出たけれども、就職口がなかったというようなかたがたについての先ほど大臣からお答えいたしましたような、追加訓練を行なうというようなことによって、就職が見つかるまでの不安をなくなすようにするというような新しい方策も、あわせて検討したいと考えておるわけでございます。
#45
○政府委員(三治重信君) 来年度の石炭離職者に対する職業訓練所の施設の拡充の問題でございますが、来年度は佐賀県の方へ二カ所を増設したいと思っております。福岡から北海道、福島、各産炭地の訓練所につきましては、先ほど二、三御指摘のあったように、施設の内容を充実いたしまして、訓練の効果の上がるように努力したいと思います。定員の関係につきましては、今のところ、先ほど職業安定局長が申し上げました定員を予定しておりますが、その応募者いかんによりましては、一般訓練所におきましても入れる体制を整えておりますので、訓練定員については、現在の施設においても、希望があればまだ余分に収容が可能――入所していただく可能性は、十分用意しておりますので、御承知願いたいと思います。
#46
○阿部竹松君 何カ所ふえるのですか。
#47
○政府委員(三治重信君) 佐賀県に二カ所でございます。
#48
○阿部竹松君 それだけですか。
#49
○政府委員(三治重信君) 増加するわけです。来年における純増の――現在の三千百六十名の定員に対して、さらに増加するわけです。
#50
○阿部竹松君 来年は佐賀県の二カ所しかふえないということですか。それから、現在ある訓練所、それの収容人員をふやすということはないのですか。
#51
○政府委員(三治重信君) 現在の炭鉱離職者のための特別の施設につきましては、内容の充実の方でやって、定員の増加のところは、来年の状況を見て、一般訓練所――その付近にまだ一般訓練所もありますので、そういうふうにしたいと思います。現在、何ゆえにそうかということにつきましては、現在のところ、大体われわれの方としては希望状況からいって、そう三割も五割もふえるということはないんじゃないかというふうに考えておるわけでございます。で、まだ五百名、千名程度でしたらば、九州並びに北海道、それから福島地区におきましては、一般訓練所の収容定員をまだ相当持っておりますので、これで収容していきたいというふうに考えております。
#52
○阿部竹松君 次に、福永労働大臣にお伺いしますが、衆議院の石炭委員会の議事録を読んでみますと、まあいろいろ質疑応答が数ある中で、予算を伴うような問題を池田さんが御答弁をなさっている。一例をあげてみますと、待機手当――これについては、名称については待機手当というのは、どうも賛成でないような御答弁ですが、しかしその方法は別として、見てあげてもよろしいような明確な御答弁をなさった。それに伴って第二次補正予算も組むと、こう言明されております、速記録を読んでみますとね。したがって、これは当然労働大臣も御承知だと思いますが、それは、そのとおり理解しておいてもよろしゅうございますか。
#53
○国務大臣(福永健司君) 私一緒におりまして気がついたのですが、あれは、失業手当という言葉で勝間田さんが質問されたのに対して、そのままの言葉でお答えした部分があったかと思います。で、これは、今まで使っている言葉ではないので、ちょっと、私も、どっちの意味かというふうに、そばで聞いておったのですが、そういうようなものについて考えるかというようなことの質問に対して、そういうような方向で検討したいと思いますというような言葉がたしかあったと私は記憶しておりますが、そこで私どもといたしましては、先刻から申し上げておりまするように、訓練の済んだ人で就職に至らぬような人に対しては、訓練期間を延ばす、すなわち訓練手当をさらにあげるというようなことも考えますというような意味のことも申し上げたので、またその失業保険の期間を延ばすということは、従来も炭鉱労務者等について、特殊の措置を若干とっております。これを、より強化したいということで、今折衝もしているわけであります。ほかへの影響等もあるのでございますが、私は石炭産業の事情は、必ずしもほかと、すぐ関連して、ほかはどうだと言われるようなものに対しては、これは特別のものだというように、私自身は理解しておりまして、そういう線で、いろいろな折衝をしているわけでございます。そういうことで待機手当という言葉そのものでのやり取りではなかったのでありますが、勝間田さんが、失業手当という言葉を待機手当のようなつもりでお聞きになっていると、それに、やや何といいますか、ある程度符節を合わせたような答弁は確かにございました。でございますが、この辺は、勝間田さんにしても池田総理にしても、最も正確なる用語によってやり取りしているかどうかということになると、そこのところは、ちょっと私も聞いておりまして、どういうようにこれは聞くべきかなというように思った点があります。これはもう実際のところ、そうでありますが、しかし、せっかく一方で聞いて、一方、そういう方向へ行っているのでございますし、したがって、そこでその言葉のほんとうの意味はというようなことを、そばからどうこう言うのもいかがかと思いまして、そのまま聞いておったのであります。
 したがって私といたしますと、今、そういう点で念を押すために、阿部さんおっしゃるのでございましょうが、そういうこともできればなおけっこうでございますが、どうも、そこまでというと、また私が慎重過ぎるというように言われますかもしれませんが、ほんとうは、私はその離職者のことにつきましては、皆さんのおっしゃることが、みんなできれば一番ありがたいです、実際の話。そうして、そういうようなつもりで、ずいぶんいろいろな折衝をしておりますが、申し上げておいて、できないようなことが幾つかできるということを、私非常に自分の責任観念からいたしまして、そういうことになることは欲しないものでございますから、そこで、この待機手当、失業手当とか、あるいは失業保険給付とかいうような言葉について、まあ、あの場合の言葉が、どういうつもりであったかというようなことについては、先ほども申し上げましたようなことで、若干これは聞き方によって違う意味にとれることもあるのでございます。しかしまあ、そういうこと一切を含めて、私今後ますます努力をいたしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#54
○委員長(山本米治君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#55
○委員長(山本米治君) 速記を始めて。
#56
○阿部竹松君 私、今の労働大臣の答弁ですがね、その労働大臣のお答弁なさったことを聞かんとするのでなくして、総理が第二次補正予算を組むとおっしゃった速記録があるわけですね。ですから、それは大臣がお心得になっておるでしょうということで、大臣の御心境を伺っておるわけです。池田さんのお答弁は、百メートルを八十五メートルくらいで走るくらいの答弁ですが、福永さんは八十メートルを百五十メートルくらいで走るような答弁ですから、これは池田さんの答弁の方が正確で、福永さんのは実に円転滑脱で、初めと終わりと違ってくるようなことがあって、速記録を頼りにして別に言質をとるとかとらぬとかということでなしにお尋ねしておきたいと思うのですが、最後の言葉だけお尋ねしておけばいいわけです。
#57
○国務大臣(福永健司君) この間うちも御承知のように、当然予備費で出さなきゃならないと思われるような費用も、まあ三億九千万円くらいになりますか、その前に港湾の分ですが、あれは炭鉱離職者を考えての措置だった。九千何百万円かでありましたが、そういうような工合に、財政措置の裏づけを伴って、従来もいろいろやって参りましたが、これをもって足れりとするのでなくて、さらに必要があれば、そういう財政措置を講じますということを、たしか総理大臣が申しました。私も、必要に応じ、その措置がとられることを期待しておるわけであるし、ことに総理大臣が、ああいうことを申しましたので、私は非常にこれはけっこうな言葉であると思って聞いておった次第でございます。
#58
○阿部竹松君 社労委員会が、十分間ということで大臣をよその委員会に出席を認めるというなら話はわかるけれども、内閣委員会が十分ということをきめるのは、内閣委員会と、わがほうとの比重の差をつけておられるようで、それで、どうも合点がいかぬのですが、そういう委員長のあれですから、最後に一点だけお尋ねいたしておきます。
 実はですね、総評でも全労でも、労働者の稼働時間の短縮をそれぞれ二つの大きな団体で主張しているわけなんですが、そのように総評、全労全傘下の組合がなれば幸いですが、なかなか国内の経済状態が許さぬ、そういうときに、これはヨーロッパでもどこでもそうですが、未開発諸国は別にして、つまり炭鉱労働者、これが一番先に時間短縮ということになっておるのですが、やはり坑外で八時間働くということになると、坑内の労働者は日の当たらぬ場所で八時間も働くということは、やはり人間の寿命ということからいって穏当でないということから、坑外が八時間ということになれば、坑内が七時間とかあるいは六時間三十分、こういうことになっておるわけですが、これについて、まあ直ちに諸外国なみにしてくれぬかということも極端ですから申し上げませんけれども、やはり労働省は労働者のサービス・センターですから、そういう点についての大臣の御見解を最後に承っておきたいと思います。
 なお、これは森田政務次官にも、たとえば同じ飛行機乗りでも、ジェットに乗る操縦士ですね、これは、やはり人間の体力に及ぼす影響は甚大であるということで、食糧の果てから違うわけです。待遇が違うわけです。ですから坑内と坑外という働く場所が、ジェットに乗るのとプロペラエンジンに乗るのと差があるように違うのかどうかはわかりませんけれども、坑内労働者のやはり体力の消耗度というものを判断して、厚生省としては、どのようにお考えになっているか、この一点、お伺いしておきます。
#59
○国務大臣(福永健司君) 私は、入間は漸次その生活内容が豊富になり向上していくこと、これはもう全面的に望ましいと考えます。特に働く人々について、より強くそれを感じます。したがってわが国の労働者全体として漸次労働時間が短縮されていくことは私は望ましいと存じます。
 ただ、産業それぞれの、いろいろの事情がございますので、むちゃくちゃにきめるということにも参らぬと思います。したがって、漸進的にそういう方向で、全体として行くことは望ましいと思います。わけて先ほど一例を引かれました炭鉱のような、質的に非常に労働といっても、強度の労働の場合におきましては、一そうそういうことが考えらるべきであると、こういうように存ずるわけでありますが、しかし、これらのことにつきましては、わが国のあり方として、急にそんなに政府がどうしろというわけにも参りません。労使双方が円満な話し合いを遂げつつ、そういう方向へ行くことが望ましいと思いますから……。しかしそれにいたしましても、所管大臣たる私の基本的な考えは、ただいま申し上げたとおりで、おおむね阿部さんのお考えと、そう遠くはないのじゃないかと、こういうふうに思う次第であります。
#60
○政府委員(森田重次郎君) ただいまの御質問でありますが、これは労働時間等の問題につきましては、私のほうの管轄にはなっていないわけなのでありますけれども、しかしそれと生理の問題あるいは栄養等の関係等につきましては、これはわれわれのほうでも十分検討しておかなければならないものでありますから、十分調査できておるものと存じますが、今突然の御質問で、私はそれにお答えするような材料を持っておりません。ちょっと、そういう関係の事務が出ているかどうかを聞いてみましたところが、あいにく出ていないそうでございまして、もし、それに対する答弁ということでありますれば、その者を呼びますか、あるいはそれとも、あとで書面等で正確な御答弁を申し上げたいと、こう考えております。御了承願います。
#61
○阿部竹松君 あとで書面でけっこうです。
 きょうはどうも、ありがとうございました。
 その次に局長さん、一、二点だけお伺いしたいのです。
 予算要求を大蔵省になさっていると思うのですが、来年度分ですね、炭鉱関係の失業保険、これを来年度要求しなければなりませんから要求はなさるでしょうが、大体、どのくらいの人数を組んでおられるのですか。来年度失業保険をもらう大体の推計人員ですね。
#62
○政府委員(森田重次郎君) 失業保険につきましては、御承知のように各産業に分けまして、炭鉱離職者何人とか、あるいは鉄鉱関係何人とかいうような要求はいたしておりません。全部につきまして被保険者は何人というようなことで要求をしておるわけであります。したがいまして、ただいまお話のように炭鉱の失業者何人というような要求はいたしておりませんが、全体といたしましては、この最近におきますところの雇用の増加及び合理化あるいは石炭その他に見られますような産業構造の変化等に基づくところの離職者の発生を予想いたしまして、本年度よりも、ざらに充実した内容を確保できるように要求しているところでございます。
#63
○阿部竹松君 内閣統計局から出している刊行物ですね、あれに――百パーセント正確かどうかわかりませんけれども、大体、炭鉱離職者はどれくらいで、失業保険をもらっているのは、どういう状態かということが出ておりますね。あの資料は、あなた方のほうでお出しになるのではないですか。そうでなければ、それでけっこうなんです。ですから、内閣統計局よりも、労働省のほうが直接お調べになっているのではないかと思ったわけです。
#64
○政府委員(堀秀夫君) 私のほうから出た数字ではございません。
#65
○阿部竹松君 次に、委員長、さいぜん私、原子力局長さんの御出席を願っておきましたが、おいでになっておりますか。
#66
○委員長(山本米治君) はい。来ておられます。
#67
○阿部竹松君 きょうの石炭があすの重油であり、今度はあさっての原子力、こういうように考えているのですが、原子力発電というものは、大体いつごろ市販されるようになるわけですか。
#68
○説明員(杠文吉君) 私ども、本年二月に長期計画というものを原子力委員会のほうで立てましたが、その際の見通しによりまするというと、十年後に一キロワットあたり三円程度になるのではないかという見通しをもちまして、百万キロワットを開発したいという考え方でございます。
#69
○阿部竹松君 現在三円ですか、私は正確な数字は記憶しておりませんが、三年かほど前にですね、正力さんが科学技術庁長官をやっておった当時お話を承ったことがあるわけですがね、二円八十四、五銭で発電できるであろう、そうすれば日本の火力発電、水力発電、これと大体同じコストでいけるから、そういうことによって、だんだんだんだん石炭が要らなくなり、現在重油がどんどん入ってきてエネルギー革命といわれているけれども、今度はもう、十年後には、二円八十銭が今最高ピークで、それで下降線をたどるという話を記憶しているのですが、かえって安くなるのじゃないですか。
#70
○説明員(杠文吉君) 正力前大臣が、そのような見通しを語られたといたしまして、その後の事情を申し上げますと、たとえば英国から導入しておりますところのコールダーホール改良型発電炉を目下東海村において建設中でございますが、その単価の計算におきましても四円を出ているというような状況でございますが、なぜそのように見通しにおいて違いが出てくるかと申しますと、原子力というものは、まだ未知の分野が非常に多うございますので、安全性ということを非常に重視いたしております。そこで安全のための、いろいろの装置というものが追加的にふえてきているわけでございまして、十年の後といえども、それがどのような下降線をたどるかということは、御承知のとおりに原子力におきましては、建設費が発電単価のうちに相当大きな比重を占めますが、その建設の中に、安全性確保のための諸装置をどれくらい盛り込むかということが非常に不確定要素として残っているということを申し上げておきたいと思います。
#71
○阿部竹松君 その安全性ということは、何をさしておられるのか、私しろうとですからわかりませんが、これは正力さんばかりでなく、朝永博士とか有沢博士、こういう人たちの本を読んでも、それを裏づけているのです。ですから、大量生産することによってコストが下がる、こういう話が、今、今度承ってみますと、安全性のために価格が上がるということは理解ができないのですよ。まあ、しろうとであるから理解できないのかもしれませんがね。
#72
○説明員(杠文吉君) ただいま御指摘になりました点でございますが、確かに容量を大きくいたしましたら、単価が下がるということは、ほかの事業、企業等と何ら変わりございません。したがいまして、現在コールダーホール炉は十六万六千キロワットが最大出力として建設中でございますが、今後のおそらくは建設におきましては、二十万キロワット台になるであろう。そうしますと、その分だけの単価におけるところの割安ということは十分に考えております。
 その上に立ちまして十年後の単価を、先ほどお答え申し上げましたように、三円というふうに見ているということでございまして、その後また二十年の見通しを立てておりまして、後期十年でございますね、それにつきましては、単価の計算は今のところ立たないということで、長期計画においても触れておりません。
#73
○阿部竹松君 局長のお話を信用しましても、単価キロワット三円ですね。そうしますと、アメリカでは大体電力は水力、火力にいたしましても一円四十銭か一円四十二、三銭だろうと思うのですが、したがって、アメリカで原子炉で発電してもコストが高くつくから、日本とかあるいはほかの国々に自分のところで製作して販売する、そうして研究する、アメリカのものをですね。自分のところで研究機関だけ設けても、これはコストが高くて、どうにもならない、こういうことを聞いているのですが、これはどうなんですか。
#74
○説明員(杠文吉君) 御指摘のとおりに、やはりアメリカにおきましては、電力が日本よりずっと安くございます。しかしながら、やはり原子力発電におきましても、日本の場合よりも安くいく。すなわち非常に低く見積っておるところにおきましては、三円を割るというような見積りもいたしております。しかし日本に参りますのには、先ほどお答えしましたように、安全性ということは、やはり万々一の事故に対するところの対策ということを十二分に考えるということにおいて、アメリカにおける場合よりも高くなっていくということに相なるわけでございます。
#75
○阿部竹松君 最後のところはわからないのですが、アメリカでは、今申し上げましたとおり、電力料金が安いのです。何億ドルという原子炉を作って自分のところで発電しても、コストが高く、どうにもならぬ。そうすると、日本はたまたま水力にしても火力にしても、原子力発電と大体コストが匹敵する。あるいは安くつくということになる。まあこれはブラジルあたりに持っていくと、キロワット八円あたりもするわけですから、ブラジルあたりに持っていくと一番いいかもしれませんけれども、そう電力を消費しない。こういうことになるので、私の心配するのは、アメリカで、どんどん原子力の平和産業が発達するに伴って発電炉を作る、しかし自分の国ではコストが合わぬ、遊ばして研究するわけにいかぬということになってくると、日本にそれがどんどん入ってくるおそれがあるかないか。これは三木さんにお尋ねするのが至当だと思いまするが、局長の御答弁を求めるのは無理かもしれませんけれども、もしお答えがあれば承っておきたいと思うのですが……。
#76
○説明員(杠文吉君) 日本において、どんどんアメリカ炉が輸入されてくるというような事態は、ただいまのところ考えておりません。
 と申しますのは、先ほど来お答えしておりますように、日本における最初の発電炉としてのコールダーホール型、これは英国型の炉でございますが、これが四円以上、つまり五円をちょっと割るところのものになっておりまして、アメリカにおけるところの発電炉を入れたといたしまして、ただいま入れた場合に、よしんばアメリカ国内において三円を割る炉でありましても、日本においては、やはり三円以上あるいは四円というような程度になろうかというふうな算定でございます。したがいまして、それはどんどん入ってくるというような見通しは、ただいまのところ持っておりません。
#77
○阿部竹松君 まあはっきりここで局長さんも御答弁できないでしょうし、日進月歩の科学の進歩する時代ですから、しかし、まあ大ざっぱにいって、十年間くらいはまず大丈夫だ、こういうことに理解しておいてもよろしいですね。
#78
○説明員(杠文吉君) そのとおりでございます。
#79
○阿部竹松君 その次に、日本の電気について樋詰局長さんにお尋ねいたしますが、今、原子力局長さんにお尋ねしたのですが、原子力が平和産業に利用されて、日本の重油ボイラーが圧迫されるのではないかということでお尋ねしたのですが、十年くらいは大丈夫でございましょうという御答弁だったのですが、大体現在のわが国の火力電気と水力電気の生産コストは、どういうことになっておるか、その点、少し詳しくお知らせ願いたいわけです。
#80
○政府委員(樋詰誠明君) 御承知のように、九電力が発足いたしまして、昭和二十九年に九社一斉に電気料金の改定をいたしたわけであります。その際の需用端の原価が二円九十五銭、これは水力で一円三十二銭、それから火力が五円八銭六厘ということで、大体当時水力の比が七五%、火力が二五%でございましたので、ロス率二三・五%を加味しまして、需用端のコストが二円九十五銭かかる。で、それが三十年から三十五年までの過去六年間の実績で申しますと、水力が一円三十二銭でございましたのが三円六十八銭になる。これは三倍近く上がっておるのですが、五円八銭でございました火力は、三円五十四銭というふうに七割に下がっております。ただ水火力の比が、だいぶ変わって参りまして、三十年から三十五年の間に作られましたものは、大体水力が一に対して火力三という割合で作られておりますので、この間にできましたものにつきましては、その後の需用端発電原価は四円十七銭となっております。さらに三十六年、ことし並びに来年に計画いたしておりますものでは、水力のほうは、ますます高くなりまして、四円三十六銭、火力はますます安くなりまして三円十七銭ということになりまして、総合原価で三円九十七銭という格好になっております。
 なお、これに大体約三円程度の送電、配電、変電経費がつきまして、ほぼ六円というような格好で送られるということになっております。
#81
○阿部竹松君 そこで樋詰局長さんにお尋ねしたいのですが、公益事業法であったか、電気事業法か、よくわかりませんが、その中に、九電力会社でかかったという実費は、電気料金として払わなければならない、文章はこうでないかもしれぬけれども、そういう趣旨の法律がある。そうしますと、とにかく、年々といっていいくらい、電気料金が上がるわけですね。その火力発電の場合、石炭のコストの中に占める位置は、どれだけで何%か私は存じませんが、石炭のほうの価格は下がる、料金は上がっていく、こういうようなことになってくるわけですね。非常に疑問を持っているわけです。あなたの何代か前にも、事業局長に小出さんという人がおられるのですが、電気料金の値上げ問題が起きた。そうして商工委員会で論議したときに、二三%の要求を北陸電気がやったときに、二つの案を出してきた、一四%と一七%、高かろうが安かろうが両方持ってきて、こちらも正確だし、こっちも正確だ、三%、これはおかしいじゃないかと言ったしとがある。きわめてずさんだ。樋詰さんは、そういうことはないと思うのですが、とにかく、片や上がる、片や下がるということについて疑問を持っておるわけです。これをひとつ解明して下さい。
#82
○政府委員(樋詰誠明君) おっしゃいますように、火力発電だけをとってみます場合には、先ほども申し上げましたように、二十九年当時五円をこしておりましたものが、今年は過去の六年間の実績で三円五十四銭、それから三十六年、七年の計画では三円十七銭というふうに、七割から六割程度に下がっております。この下がっておりますのは、今、先生御指摘になりました石炭の価格が下がったという点もございます。それから熱効率が非常に上がったという点もございます。いろいろな点、それから重油の価格が下がったという点等もございます。そういうことで、火力設備については、これは確かに下がっておるわけであります。ところが、かつて、一円三十二銭であったものが四円三十六銭というふうに、水力の建設費は当時の四倍、三倍以上になっておるわけでございます。そこで、水火力合わせますと、結局、どうしても割高になってくる。ことに昔は一円三十二銭というものが七五%を占めておったという非常に安いものが、ところが、だんだんそのウエートが少なくなり、現在、水力の占める比率というものが、全体の中の、大体約二千二百万ございますが、千二百万が水力、火力が千万という格好でございます。ところが、これはキロワットでございまして、キロワットアワー、いわゆるどれだけ動かしておるかということになりますと、火力発電のほうのアワーのほうがむしろ最近多くなってきておるわけでございます。したがいまして、昔はやはり水が、雨が降ればできるという電気がたくさんあったから、全体のコストが安くて済んだ。ところが、経済が伸びてくるにつれて、金のかかる新しい水力、あるいは水力に比べて非常に能率が、昔に比べて能率がよくなったというものの、昔の水力に比べますと、まだまだ二倍以上の割高につく火力というものを作らなければならないということになりますと、これはどうしても、発電コスト自体も上がってくるわけでございます。
 それともう一つは、電気というのを起こしまして、それから送電線へ乗せ、変電所で昇圧して、配電、それから送電線に乗せ、そうして各需用者のそばの変電所を通じて圧力を下げて、それぞれの用途に売るというわけでございます。大体現在、発電に三円、それから送変配電に三円というくらいの金がかかっておるわけです。この送変配電関係が、最近は、いろいろ送電線を作ります際にも、土地の補償というようなものがいろいろかかっております。
 それから一般的に非常に、その他のベースアップといったような、一般的な人件費の上昇というようなこともあるというようなことから、発電部門、それから送変配電部門というものは、おのおの片一方に下がる要素を持ちながら、さらに、その下がる要素を打ち消すだけの大きな上がる要素というものを含んでおりますので、とこでどうしても、ある程度、電気会社の経営というものは苦しくならざるを得ないというわけでございます。
 ただ、ここで一つ申し上げておきますのは、電気というのは、これは設備産業でございますので、これが一定の割合で需用が伸びておるという限りにおきましては、償却その他、内部留保でまかなえますので、これは、そう電気料金を上げるというようなことをせぬでも経営はやっていけるわけでございますが、最近のように、非常に電気の需用の伸びが大きいということになって参りますと、これはどうしても、内部留保というものじゃまかなえない。最近の状況では、内部留保でまかなえるというのは約四分の一で、あとの四分の三は増資をするか、借り入れをするか、何らかの格好で、よそから資本を入れてこなければならないということのために・最近は資本費の高騰が非常に大きいわけでございまして、そういうことでどうしても上がらざるを得ない。
#83
○阿部竹松君 そういう話になりますと、とにかく水力がべらぼうに高い。しかし今のダムは、発電のみをもって目的とせずして、やはり多目的ダムですから、高い金を出して山奥にダムを作らなくちゃいかぬ。こういうことは言いませんけれども、ここに九州出身の吉田先生、剱木先生がおられて、九州の事情に詳しいですから、私知ったふりいたしませんけれども、九州あたり、もう少し火力発電所を作ったらどうなんですか。半分の価格で石炭が十分使えてコストが安い。筋通らない話なんですね。
#84
○政府委員(樋詰誠明君) 先生御承知のように、現在でも九州はまだ火力地帯でございまして、絶対的に火力の比が、水力の比をだいぶ上回って、先ほど申し上げました、全体では千二百万対千百万ということで、水力が多いわけでございますが、たしか九州電力の場合は、これは六、四ぐらいで火力のほうが多くなっております。また今後の計画も、大村の火力あるいは佐賀の火力というものを初め、具体化しているものも二件ございますし、それから、その他われわれは、今後九州におきましては、できるだけ石炭火力を中心に開発を進めていきたいと考えております。
#85
○阿部竹松君 しかし現地はそうなっておらぬ。阿蘇山の麓の下筌という所がある。そこでも室原将軍がダムを作ろう。このダムは何をやると言ったら、もちろん目的はいろいろあるけれども、電気を起こさなければならぬというのが主目的で、局長さんの答弁のようになっておらぬのが実情だ。
 そこで、その次にお尋ねいたしますが、ボイラー規制法というのがありますね。あれは来年度でなくなるわけですね、そうですね、三十八年度でなくなるわけですね。
 そうしますと、あれはどういう影響をしますか。今から準備しておかなければ、来年ばさりとなくなってきますと、これは大問題になってきて、今でさえ困る、こういう石炭業界にえらい影響を及ぼすということになる危険性があるわけですが、あの法案がなくなってしまうと、そうするとどういうふうな影響が生じて参りましょうか。
#86
○政府委員(樋詰誠明君) ボイラー規制法は再来年の十月なくなるということになっております。で、再来年の十月に、それじゃボイラー規制法がなくなったら、一斉に重油ボイラーにかわるかということでございますが、われわれは、そう思っておりません。ちょうどたまたま、その際に取りかえる時期に来ているといったようなものは、これは変えると思いますが、しかしすでに、ちょうど今運転に入って、盛んに活動しているといったようなもの、そういうものは、大体償却も済んでおりまして、今、そこで非常に経費的に安く運用できるといったようなものを、そのまま捨ててしまって、そして新しく相当大きなイニシャル・コストをかけて、重油ボイラーを作るかということになりますと、これはまあ会社の、個々の、どっちが有利かという比較計算になりますが、中には、もちろんボイラーの寿命関係その他から見て、重油ボイラーを新設されるという方もおるかと思いますが、しかし、これは一挙に行なわれるのではなしに、やはり数年の間に徐々に変わっていくのではないかというふうに考えられます。なお電力につきましては、これは大臣からも再々ここで申し上げておることでございますが、少なくとも電力に関する限り、とにかく石炭を三十八年には、九電力だけで千八百万トン、四十二年には二千万トン使いましょうということで、現在石炭火力の建設等も各地でやっております。これは今後も、われわれできるだけ石炭火力を新設するという方向で経済性に即する――反しない限り、進めていきたいと、こう思っておりますので、まあボイラー法がなくなりますことによって、石油の使用量が、今よりふえるだろうということはもちろん推測されますが、しかし、そのために一挙に石炭ボイラーがなくなるといったような事態はない。これはしかし、その間、さらに石炭関係において、合理化を進めていただきまして安全な供給態勢を確立していただくということをやっていただきますならば、需要家の方も安心して一番信用のおける国産エネルギーであるということで、石炭に依存していくということになり、場合によっては、九州その他の産炭地等におきましては、新しく石炭ボイラーを作って発熱するといったようなことも十分起こり得るものであると考えております。また、そういうふうにすべきであろうと、われわれとしては努力したいと考えます。
#87
○阿部竹松君 いろいろ御答弁を承っておるわけですが、こういうことになっておるんではないですか。局長さん、専焼ボイラーというものを、すでに現在工事で起工しているのを認めているところがありますね。ほかの省において。ですから、あなたの御答弁を承っていると、これは石炭業者なんか聞いたら涙を流して喜ぶかもしれぬけれども、重油専焼ですよというボイラーを、また去年ですか、あるいは昨年ですか、そのころから、認めているのですね。それからもう一つは、いつでもスイッチを切りかえれば――スイッチといったって電気のスイッチじゃない、中の構造を変えることですが――簡単な方法で、石炭から石油に切りかえることができる。しかし、簡単な方法で重油から石炭に切りかえるのは容易なことじゃない。
 ですから、今の御答弁を聞いてみると、よく理解できるわけですが、しかし現実は、これは冷厳であって、もう少しきびしいのじゃないですか。
#88
○政府委員(樋詰誠明君) 専焼火力が最近各地で建設されていることは、先生御指摘の通りでございます。これは重油ボイラー法に、去年でございますか改正していただきまして、電力については、特に必要やむを得ない場合について専焼のボイラーを認めるというふうに改正をしていただいたわけでございまして、それに沿いまして、現在作っているわけでございます。しかし、これはあくまでもボイラー設置規制法のワクの中でございますので、一々、そのボイラー設置規制法による許可というものをとりまして、そしてやっているわけでございまして、無制限に勝手にやるということは、もちろん現在誰にも許しておりません。それからなおボイラー設置規制法、これは一応三十八年の十月に、法律を用いずして失効するという格好に、この前の改正のときなったことは、先生御承知の通りでございますが、これから二年間の間に、いろいろエネルギー政策全体的な見地であらためてお願いし直すということもあるのじゃないかと思いますが、ただ、今のところは、法律が失効するという格好になっておりますから、そういう前提で申し上げたのであります。
#89
○阿部竹松君 現に、重油ボイラー設置の制限法があるにもかかわらず、三年前三重県だと思うのですが、あすこの火力発電所で黙ってあなた方の目をかすめて、そして重油をどんどん使っておった例がある。個所は違っているかもしれませんけれども、大体三重の火力だというふうに記憶しておりますが、そういうようなことで、すでに切りかえる方向へ切りかえる方向へと、改造する場合とか、新しく企業を行なう場合には動いているのですね、業者が。ですから、なかなか局長さんのおっしゃるとおりにいかぬと思うわけですが、まあ、そういう御答弁で理解しておくよりいたし方がないと思います。
 その次にお尋ねするわけですが、今、通産大臣のお話を承ると、まあ来年も五千五百万トン、昭和三十八年も五千五百万トンという大体の数字でいくわけです。そうしますと、昭和三十六年は五千五百万トンで三〇%、総エネルギー消費量の。そういうことになるだろけれども、三十八年度になって五千五百万トンですと二五、六%にしかならぬ、こういう数字になるような気がするのですが、この点はいかがですか。
#90
○政府委員(樋詰誠明君) その通りでございます。
 それからなおひとつ、ちょっと先ほど三重の火力、一言だけ申し上げさしていただきますが、先生御指摘のような事実がございまして、許可を受けずして勝手に重油専焼の施設をやった事実がございます。この点通産省では、厳重に戒告すると同時に、たしか六億ぐらいかかったと思いますが、法律違反であるということで、新たに石炭がたけるような設備に改装いたさせました。現在石炭をたけるようにして動いております。
#91
○阿部竹松君 そうしますと、結局二六%か二七%になるか、これは数字はわかりませんけれども、とにかく現行の三〇%は維持されぬ、こういうことになるのですか。そこはしかし、行政指導なり何らかの方法で三〇%は国内産業、基幹産業でやる、石炭を使うという方法はないものでしょうかどうでしょうかね。これは通産大臣にひとつお尋ねするわけですが。
#92
○国務大臣(佐藤榮作君) パーセンテージの維持ができれば、たいへんしあわせでございます。それには、やはり出炭量がより多くえふていかなければならない。出炭量が、ただいまのところ、だいぶ経済ベースに考えまして五千五百万トンは、なかなかむずかしいじゃないか、私どもは、石炭については理解しておるつもりでございますが、実情は、なかなか石炭の伸びは、電力の伸び、これに追いついていけない、こういうのが現状だと思います。
 先ほど他の方に対して局長がお答えいたしておりますように、電力会社に対する石炭は、年々数量的には少しづつはふえておりますけれども、今の電力の伸びは非常に階段的というか、大きい伸びをしております。これについていけないというのが実情でございます。
#93
○阿部竹松君 なるほど、御答弁はよくわかるのですが、そこで千二百円切り下げるものについては、きのう十分お聞きしましたからお尋ねしませんが、今後外国の油がどんどん入ってきて、まだまだ価格を下げても日本に入ってくるような気がするわけです。私はよくわかりませんが、そうしますると、千二百円下げたら、大臣のお話を承っておりますと、鉄道運賃から、いろいろ施策を考えてやろうというお話ですから、お腹の減っているところに御飯を食べるように、急激にすぐどうなるということではないでしょうけれども、しかし千二百円を下げて、政府にいろいろ保護政策をとっていただいても、まだまだ安い重油がどんどん入ってくるということになって、とことんまで重油と競争すれば、二千円も下げてもらわなければならないという実態がきやしないかという心配ですが、重油の輸入量、価格ですね、これと競争する力があるかどうかという点をひとつお聞かせ願いたいと思うわけでございます。
#94
○国務大臣(佐藤榮作君) その点が、たいへん石炭産業に関係される方々の御心配であるように伺っております。
 そこで、政府は三十八年度を目標にして千二百円下げる、こういう目標はお示ししております。また三十八年度以降において、さらに金額を下げて、その努力目標をお示しすることはいたしません。石油と石炭とを価格の面で、これ以上競争さすことはいたしません。競争しております限度は、千二百円下げろということを絶えず申し上げて参りました。これの方法で、ぜひ進めていきたい、かように考えておる次第でございます。もちろん千二百円下げを実現いたしました後においても、事業を経営される方は、事業努力が続けられるでございましょう。そういう場合の企業の所得の増は、これは労働者に返すとか、あるいは資本に返すとか、あるいは炭を安くして消費者にお返しするとか、こういう努力はしていただきたいと思いますが、ただいまのところは、石油と石炭を価格の面で競争さすということはしない。
 こういうことを申し上げて、これは、ただいま私ども、はっきり牢固たる実は決意を持って対処しておりますという状況でございます。
#95
○阿部竹松君 牢固たる決意をお伺いすると、何もお聞きすることがなくなるのですが、決意が決意どおりになるようにお願いしたいのです。
 そこで、法案の中身も、石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案、これは相当、何回も手を入れまして、中身が変わっているわけですが、この三億円の金を出して、金を政府が出資して保証金として、石炭業界が金を融資してもらう保証人になる、こういうことですね。
  〔委員長退席、理事剱木亨弘君着
  席〕
#96
○政府委員(今井博君) 石炭鉱業が、銀行から退職金その他の鉱害関係の資金を借り入れます場合に、この整備基金が保証をする、こういうことでございます。退職金を支払うのに必要な金、それから山を整理いたしまして、山を閉鎖いたします場合に、一度に鉱害の処理の金が要りますので、その場合の鉱害用処理に必要な資金、この二つに対しまして、合理化事業団に今回設定いたします整備保証基金というものが保証する。それは銀行に対して保証する、こういうことでございます。
#97
○阿部竹松君 もちろん、山を閉鎖する場合でしょうが、そうすると退職金、鉱害と、この二つの目的のみに使うわけですね。
#98
○政府委員(今井博君) そうでございます。
#99
○阿部竹松君 そうすると銀行は指定いたしません、それから業者はどなたでもよろしうございますと、これはどちらにもワクがついておらないのですが、たとえば市中銀行は、この銀行とこの銀行のみに借り入れた場合、保証してやるとか、そういう一つのワクですね。全然とる見込みのないような団体、業者には、保証人になってやらぬ、こういうような、何かこの法律ではうたっておらぬわけですが、行政指導の面でやるか何でやるかわかりませんが、そういう制限はないのですか。
#100
○政府委員(今井博君) 一般的に銀行に対しては、どの銀行というふうに指定はいたしません。それから山の鉱業権者、これに対しても、一般的にこういう山はどうだというような制限はいたしておりません。問題は、銀行が山に金融するわけでございまして、その間に、おのずから選択が出てくるという意味においては、実際問題として非常に全然資力がないというふうな山に。ついては、銀行が金を貸す場合が少ないという意味においては、これの保証にかかってくる数が減ってくる、こういうことになるわけです。
#101
○阿部竹松君 しかし石炭局長さん、払う能力のあるような山は、政府というよりも事業団ですが、この金を保証してもらわぬでもよろしい。払えぬような危険な会社のみが、融資の保証になってくれぬかという問題になりませんですか。
#102
○政府委員(今井博君) この制度の趣旨は、金融機関が、割合従来から金融機関に信用があって、比較的金融が楽な山については、この制度を適用する必要はございません。したがって、先生がおっしゃいましたように、やはりなかなか借りにくいという山に対しまして、政府――事業団が、一定の保証をすることによって借りやすくする、こういうことでございますので、もちろん先生のおっしゃいました趣旨のとおりでございます。しかし極端にいいますと、まるで信用がないというふうな山に対しましては、これはまあ銀行みずからが、それに金融をするという意欲がございませんので、百パーセント信用がない、資力がないという場合には、この保証をしても、銀行がなかなか金を貸さぬ、こういうことになりましょうから、そこにはやはり、おのずから一定のまあ限度が出てくるだろう、こういうふうに申し上げておるのであります。
#103
○阿部竹松君 金を貸さぬといっても、つまりこの事業団が保証するのですから、金を貸さぬというのは、どうも局長極端でないですか。そんなのなら、これを作る必要はない。よそで貸さぬようなものの保証人になって、その急場を救ってあげようというのに、そうでなければ、政府機関が保証人になるというような必要はない。つまり市中銀行で貸さぬ、しかし借りて何とか生き延びようという、ところが、なかなか保証人になってくれぬから、佐藤通産大臣の裏判でももらおうと、こういうことになるのですよ。あなたの話は、極端過ぎませんか。
#104
○政府委員(今井博君) これは、今回の整備保証基金は、その保証の限度を五〇%ということにいたしておりますので、たとえばある会社が五億円の金を借りるという場合に、それの半分の二億五千万円を保証すると、こういう制度であります。したがって五〇%は銀行みずからがやはり自力で回収するということになりますので、その間に、やはりおのずから山の経営者、会社に対する銀行の選別が、どうしても出てくるのじゃないか。今阿部先生のおっしゃいましたように、これを一〇〇%保証するということにいたしますれば、これはもっと借りやすくなるということになるかもしれませんが、やはり制度として、一〇〇%保証するという制度は、今まであまり例がございませんし、やはりここは、半分程度は政府が保証する、半分は自力で返しなさい、こういうことで、山の整備を援助するというのが、やはり適当だろうと思いまして五〇%ということにいたした、そこにやはり、一定の限度が出てくる、こう考えておるわけでございます。
#105
○理事(剱木亨弘君) ちょっと速記をやめて。
  〔速記中止〕
#106
○理事(剱木亨弘君) 速記を始めて。
#107
○阿部竹松君 三億の基金ですから、五十億か六十億くらいの保証もできると思うのですが、そういう規定もないのですか。
#108
○政府委員(今井博君) 三十六条の十四に保証契約の限度という条文がございまして、ここでは抽象的に、「保証基金の額に政令で定める倍率を乗じて得た額をこえない範囲」というふうに抽象的に書いてございまして、その倍率を幾らにするかは政令で定めることにいたしておりますが、現在のところは、おおむね二十倍、こういうふうに政令できめたいと思っております。
  〔理事剱木亨弘君退席、委員長着
  席〕
#109
○委員長(山本米治君) ちょっと速記をとめて下さい。
  〔速記中止〕
#110
○委員長(山本米治君) 速記を始めて下さい。
 四案の質疑は、一応この程度にとどめあとに回します。
   ――――――――――
#111
○委員長(山本米治君) 次に、低開発地域工業開発促進法案を議題といたし、これより質疑を行ないます。
 質疑のある方は、順次御発言を願います。
#112
○中田吉雄君 池田総理は、総選挙後の通常国会におきまして、所得倍増政策に基づく高成長政策をやれば、おのずからその中で低所得者と高所得者、あるいは地域間の格差は解消すると、こういうことを施政方針演説で言っておられるのです。社会党としましては、ああいう政策だけでは、高成長政策だけでは、地域的な個人間の所得の格差は解消しないと、こういう考えを持っておったんですが、今回提案されました低開発地域工業開発促進法案というようなものが出ること、そのものが、池田総理の施政方針演説が修正を要する、こういう実証にならぬのですか、むしろこういうものを出さねば、この目的にうたってあるような地域間における経済的格差の縮小をはかるということは、池田さんの言った発言では解消できないから、その矛盾をこういうもので補充していくのだ、こういうことになりませんか。
#113
○政府委員(菅太郎君) たいへん、基本方針についてのご質問でございますが、池田総理の施政方針の御演説にありました趣旨は、所得倍増計画に基づきまして、いろいろ、もろもろの施策を講ずるわけでございます。いろいろな法制も立てますし、予算措置を講ずる、そういうことを、ひっくるめての御趣旨であろうと思うのでございます。
 ことに所得倍増計画、御承知のごとく、内容も、そうでございますが、所得倍増に関する構想というものをお読み下さいますと、御承知のごとく、所得格差の是正、ことに地域格差の是正、後進地域の開発というようなことに非常に重点を置いておりますので、また、それに基づきまして行ないます全国総合開発計画におきましても、やはり地域格差の是正なり、後進地域の開発、工業の地方分散というのに非常に重点を置いております。
 そういう大きな方針を立てまして、それに基づきまするそれぞれの法制の措置、それぞれの予算の措置などは、その方針のもとでやることになっておりますので、この低開発地域の開発促進法は、その一つだと私どもは考えております。いろいろ具体化をやります一つの方法としまして、これをやりましたものと考えております次第でございます。
#114
○中田吉雄君 そういう意味ならわからぬこともないのですが、高成長政策そのもので、ということを言っておられて、あるこういう問題を取り上げた論文でも、その問題を指摘していましたが、池田さんは、よく予算委員会等でも、そういうもろもろの全体の計画をやっていけば解消するというのでなしに、その中でおのずから、というような発言を、しばしばやっておられるので、私たちの党は、あの政策だけでは、いろいろな全体としての、それによって起こる矛盾を是正するような、こういう政策もやらねばいけない、こういう考えですが、それは、その程度にしまして、この国民所得倍増計画によりますと、ただいまのような、この地域格差の解消ということも、いろいろうたっていますが、しかし、成長政策をとらねばならぬ、あまり地域格差の解消ということをいうと、総花的になり、工業の過度な分散といいますか、そういうことになって経済の成長の効率をそこなうから、この地域格差の解消の問題の冒頭に、経済の合理性ということをやらねばいけぬ、そうしてまあ若干、さしみのつまのような形で地域格差の問題をいい、そして高成長政策をとるためには、太平洋ベルト工業地帯のような、投下資本に対する最も成長効果の多いところにやらねばいかぬ、こういうことが書いてあって、そうして最後に、私裏日本の鳥取ですが、そういうところは、この所得倍増十カ年計画の後半の課題だというようなことを書いてあるのですが、そういうことと、この経済の合理性という問題との関係ですね、いろいろエネルギーの問題等でも、経済性ということばかりいわれておるのですが、そういう関係は、どうなりますか。
#115
○国務大臣(藤山愛一郎君) 経済の合理性といいますか、産業の合理的な立地条件を確保して参りますということは、経済を育てる上において必要であることは、これは申すまでもないと思います。
 がしかし、それでは、立地条件というものが永久に不変であるかというと、私は必ずしもそう思いません。今日までのいろいろな経済の発展段階、あるいは科学技術の状況から見て、従来の低開発地域が、必ずしも工業に不適当だというようなことは言えないのではないかと思うのであります。御承知のように、近ごろトンネルの技術が非常に簡単になって、そうして安くできる。伊豆で今度アラビア石油がトンネルを抜いて、工業地帯に接岸からオイルをもっていくというのは、これは、技術革新による一つの立地条件の変更だと思う。われわれ聞いておるところによりますと、今後、たとえば石油価格というようなものが、非常に大きなタンカー、八万トンとか十万トンとかいうようなタンカーを使ってやってくる、そうするというと、たとえば裏日本敦賀湾一帯というのは、最もそういう大きなタンカーによってあれする港としては、将来、やはり非常な適当な港であるというようなことも、新しい、たとえば船舶の大きさが非常に大きくなってきて、それによって、輸送のコストダウンができる。今言ったような技術的な革新というものが、立地条件を変えてくる。従来の立地条件を変えてくるというようなこともあり得るわけであります。
 そういう意味において、将来低開発地域と、いわゆる今日までの発達地域というものが、そういう技術的な革新によって、若干ずつ訂正されていくことも考えられるわけでありまして、そういう意味においては、今後やはり、相当考慮していく私は値打があるのじゃないかと、こういうふうに考えておるのでございまして、できるだけ合理性を追及していくということは必要でありますが、その合理性が、必ずしも従来の合理的地域にのみ限定されないでいき得るのじゃないか、こういうふうに考えております。
#116
○中田吉雄君 私はその点が、まあアルフレッド・ウェバーですかの工業立地論等を見ても、工業立地は、原料と労働力と消費地を結んだ最もコストの低いところに立地するというような、そういう意味の合理性が、私はあまりにも追及され過ぎているのじゃないかと思うわけであります。
 ただいま藤山大臣が言われたように、やはりもっと、たとえばエネルギーでも、エネルギー単位当たりの、ただ単価が低いというだけで、それならもう国際的な石油カルテルの跳梁にまかせちゃって、石炭産業、あるいは国産原油、あるいはガスというようなものに壊滅的な打撃を与えて、そうしてその失業者の救済、あるいはそういう産業のある地域の荒廃というようなことを考えますれば、経済の合理性ということを、私は国民経済の合理性ということを含めて見ぬと、やはりまた、こういう地域立法というものが、出てこないかと思うのです。それはやはり、この考えは私は、これはもう通産省からいただきました工業立地白書を見ても、まあ、このアルフレッド・ウェバーのように、そういう生産要素を結びつけて、そうして対角線を結んで最もコストの低いところだけにやるというなら、それはもう、外国の安い石油を入れ、もう火力発電を全部重油にしてしまえ、国産原油もやめてしまえ、そういう合理性だけからいえばそうなると思う。それでは失業者も出、雇用の問題があり、そういう産業の立地する自治体の荒廃というようなことで、私はやはりもっとこの経済の合理性ということを、国民経済の合理性といいますか、そういう観念を持ってまたやっていかなければ、こういうものは実際出てこないと思うのです。まあ幸い藤山長官がそういう点で合理性というものを、工業立地も変わってくる、固定的なものでないということを申されたので、よくわかるのですが、私は、かりに私なりの表現では、国民経済的な合理性といいますか、やはりそういう考えを持っていただかねば――経済の合理性ということで大阪等ばっかりして、工業用水の施設もできる、地盤は沈下する、高潮がある。災害対策特別委員会で、これは何百億というようなことを考えてみれば、ただそのときのコストだけではいけないので、やはり広い考えの中に合理性というものを考えていただきたいと思うわけであります。たとえば昨日の日本経済新聞に出ている自由民主党さんのエネルギー総合政策というものを見ても、合理性というものをしょっぱなに打ち出して、そうして経済性優位の原則というようなことだけでいけば、これは私はもう世界連邦の国家にでもなっておればいいでしょうが、また、そういう観念からいうと、私は地域立法、こういう低開発地域をやるという思想は生れてこないのじゃないかと思うので、ただいま藤山大臣の言われたような考えをひとつ十分取り入れていただきたいと思うわけであります。
 次に、国土総合開発法に基づきまして北海道開発法、東北開発法、たくさんの地域立法ができているわけですが、そういうものとこれの関係なんですが、やはりこういうたくさんの十本近い地域開発の立法は、今回提案されましたようなものがないと、なおそれを補完できないのですか、そういう点を少し……。
#117
○国務大臣(藤山愛一郎君) それらの地域立法も、むろん大いに大きな意味において役立って参りますし、必要であるからできたものであり、また、なくてはならないものであろうと思いますが、しかし今回の場合におけるこの法案というものは、それらの地域における諸般の開発計画を側面からと申しますか、援助して、そうして地方のそれぞれの低開発地域におきます工業立地の条件をある程度補完していくという作用を私はなしているのじゃないかと思うのでありまして、そういう意味において必要であろうと思っておりますし、また、矛盾はしないものだと、こういうふうに考えております。
#118
○中田吉雄君 私はかなりあちこちの、たとえば水島であるとか、仙台塩釜とか、あるいは富山高岡とか、鶴崎とか、いろいろな最近の開発拠点ができつつあるわけなんであります。これがだれがにない手でああいうものが起きたかというようなことを若干調べてみたのですが、やはり私は、たとえば今度の国民所得倍増計画を見ても、たとえば太平洋ベルト工業地帯の水島等を中心としたような、ずっとああいうような太平洋のベルトを見ても、こういう政策というものはあとを追っているので、私はやはりああいう地域を開発していっているのは、まあ私なりの理解では、終戦後の昭和二十二年からできた新しい自治法による公選知事が主として大きなにない手になっていることを、私なりに見ているのです。たとえば三木さんが岡山で水島をやる。昭和二十九年に三木さんから聞いたのですが、医学博士の三木さんが、どうも将来石油化学というものが大きな産業になるかもしれぬというので、自分が専門書をひもといてみて、これはたいへんな水と敷地が要るらしいということで、高梁川があり、あの地帯を埋めてやるという考えでやって、三菱が来、次々に来て、三千億ぐらいも投資し、そうしてこういう国民所得の倍増計画のルートにずっとそういうところを、四大工業地帯はもう集積し過ぎているのだからというようになっていっているわけなんです。たとえば鶴崎にしても木下知事が何とかやる、あるいは富山は吉田知事がというふうに、私はまあ官選知事で内閣がかわるたびにかわったときと違って、もう県民に奉仕せねば次の選挙に出れぬというようなことで地域開発をやるという取り組みで、ほとんどの地域開発というものが私はできていると思って、そういう意味では、私は公選制というものが、弊害もあるが、私が出張しまして調査した地域開発のにない手というものは、実際は公選知事並びにそれを支持している県民や議会等であったと思っているのです。ところが、国には国土総合開発法があって、なるほど工業立地の調査をやられたが、そういうもののあとからそういう芽が出て、それを全体的に調整されるということになっている。そういう種をまいていっているのは、私なりの理解では、そういう点だと思うのです。
 そういう点で、私はやはりこういう開発立法は、ある意味では国土総合開発法というものが十分の役割をまだ果たさないといいますか、十分でないのでそうなっている。ところが、それが全体としての計画性がないし、そのために地域々々にすべてそれを何らか総合せねばならぬというふうになると思うのですが、もっと私は、特に企画庁等は、そういうもう工業立地の調査も相当進んだのですし、もうほとんど芽は大部分出ているのですから、もっと計画的に相当経費をかけて、工業の再配置というものを重要視していただくべきじゃないかと思うのですが、また、このあとに通常国会にも出るかと思いますが、産業投資ですか、あるし、いろいろな地争い等もあるが、そういうことをもっと私は、終戦後あるいは四大工業地帯、既成の工業地帯がどうして発展し、特に戦後のこの政府が拠点地区としてやられつつあるようなところは、ほとんど政府がこういうことをやれといってやられたのでなしに、地方自治体がやって、それを政府が助成されたというようなことになっているので、そういう戦後の発展等を十分促進するように、しかも、それを全体の計画性の中にはめていただくように、総合官庁である企画庁が十分これに対する予算措置を持って、スタッフを整えてやっていただきたいと思うわけであります。私もまあアメリカのテネシー・ヴァレー・オーソリティとか、イギリスのロンドンのニュー・タウンとか、いろいろ見てきましたが、やはりもう相当本腰を入れてこの問題と取り組んで、そういつもしょっちゅう変わったりせぬようにやるべきだと思うのですが、来年度予算の要求等では、一体どういうふうになっているのでしょうか。
#119
○国務大臣(藤山愛一郎君) 終戦後日本が今日までくる間に、国土の総合的開発を十分推進して、ただいまお話しのように、いわゆる各府県の意欲による発達だけでなしに、総合的な見地に立って、将来発達すべき地点を政府が奨励し、あるいは推進していくということが必要であったと思うのでありまして、国土総合開発計画そのものも、かなり前にできたものですが、それが十分な進み方をしておらなかった。ようやくこの七月に大体の草案を作りまして、それを世間に問うているところでありますが、そういう意味では若干おくれた点があろうと思いますが、しかし、今後の段階においては、やはり先ほどお話がありましたように、日本の総合的経済力を上げていくという場合に、それでは、たとえばベルト地帯だけが非常に工業も発達しているし、あるいはその方面がその結果として文化的にも発達しているということだけでは、日本の総合的な力というものはやっぱり出てこないので、したがって、低開発地域等についても、それぞれ今後は相当力を入れて、そうしてある程度元気をつけて立ち上がれるように政府が考えていくことは必要だと思うので、そういう上に立って総合計画というものもさらに推進していくというのが、まあ歩調のとれた進み方になってくると思います。若干今日までではそういう点についておくれておったという感じはしないわけではございませんが、今後そういう意味で企画庁あたりが力を入れて、そうして各種の総合開発計画というものの補完作用を発揮させながら、総合調整的に問題の解決をはかっていくということが必要であろうと思うわけです。そういう意味においては、企画庁としても、できるだけ予算等も取りまして、十分な仕事をして参らなければならぬのであります。まあ過去におきます企画庁の出発点からいいまして、今日そういうような非常な、いわゆる国土総合開発というものが特に大きい仕事になってきましたので、今後そういう意味では一そう十分な企画庁の組織、機構の上においても、また実際の仕事面においても努力をしてこたえていかなければならない、そう考えております。
#120
○中田吉雄君 時間がありませんので、一般的なことは何ですが、この国土総合開発法に基づきまして、北海道開発、東北開発、北陸、中国、九州、四国というような開発は、やっぱり私は知事や地方住民が開発問題と取り組んでみて、どうしてもこれはもう自力では打開できぬというようなことで、こういう地域立法ができてきていると思うのです。こういうものを推進したのは、やっぱり私は、歴史的経過を見ても、これは必ずそういう知事を初め県会議員あるいは地方住民が、地域開発と取り組んでみても、財政やいろいろな問題でどうにもならないということから、大きな国の力を借りたり、やろうとして、こう十本ばかりできてきたと思うのです。そしてもう今、全国どこも入らぬところはないというふうになって、そこで私は、やはりこういう開発法をいろいろ検討していただいて、それらの長所を、地域立法を発揮しながら、その穴を埋めて、産業の全体的な配置がよくなり、それぞれの特色が出るようにするもう時期じゃないかというふうに思いますので、まあそういう点ひとり御検討をいただきたいと思います。私はそういう意味で新しく公選制になった知事がやった役割は非常に大きいと見て、そういうことをやりやすいようにし、全国的な計画にそごがないようにしていただくことが、企画庁としてぜひお願いしたい点であります。
 もう一つ、一体この地域格差というものは、これはまあ事務当局でもいいのですが、だんだん狭まりつつあるか、拡大しつつあるか。私もいろいろ資料を集めてみたのですが、東洋経済がこの四月に、四十六都道府県のまあいろいろなことを出してるのですが、昭和三十五年の国勢調査では、内閣統計局の発表では、四十六の都道府県の中で十八も人口の減った県ができたりしている。これは一体地域格差はだんだん狭まっておるかどうか、こういうものを見ても、年次的な何がないものですから、一体こういうことはどういうふうに見ておられますか。地域格差は解消の方向にあるか、拡大の方向にあるかどうかですね。そういう問題はいかがでしょう。
#121
○国務大臣(藤山愛一郎君) 過去から現在に近い今までにおいて、何らの施策を講じないでもって、このままかりに全体の経済規模が拡大しましたときには、その地域における収入というのは、かりに所得倍増で倍になりましても、基本的な出発点が違いますから、その意味においちゃ格差は広がると言わざるを得ないと思います。しかし、それを何とか縮めていくのが政府として考えていかなければならぬことであります。その点は単に工業を地方分散しただけでもいけませんでしょうし、農業方面の問題もございますし、そういう意味において、これは今後のやらなければならぬ大きな一つの課題であって、そういう意味からいいましても、低開発地域の開発であるとか、あるいは工業の地方分散のための新産業都市であるとかいうものは、これは必要になってくる。また同時に農業方面におけるいわゆる選択的拡大というような問題によって、農業方面の今後の革新と申しますか、あるいはそれが非常に必要になってくるのじゃないかと、それによって縮めていくということを進めて参らなければならぬ、こう思っております。
   ――――――――――
#122
○委員長(山本米治君) 議事の途中でございますが、委員の異動がありましたので、報告いたします。
 ただいま向井長年君が委員を辞任されて、その補欠として田畑金光君が委員に選任されました。
   ――――――――――
#123
○委員長(山本米治君) それでは質疑を続行いたします。
#124
○中田吉雄君 企画庁からも国民生活の地域的な分析というのがあって、私も拝見したのですが、なかなか年次別に、年次を追って経過的にどうなっておるか、こういう、東洋経済から出したりしたのもなかなかないのですが、将来やはりそういう地域的な格差がどうなっていくか、そうしてそれはどういう要因によってできたかという一つの分析をやっていただくことを希望しておきます。
#125
○委員長(山本米治君) ちょっと途中ですが、企画庁長官、本会議に出席のために、暫時退席されますから、御了承願います。
#126
○中田吉雄君 それでは、具体的な点について、法案の内容についてお尋ねしたいのですが、第二条に「低開発地域工業開発地区」、まあこの法案の一番大きな問題点は、開発地区をどういう基準によって、いかにしてどのくらい指定されるかということだと思うのですが、開発地区の要件を定める政令ですね、政令に譲られると思うのですが、その構想でもありましたら、ひとつ御説明をいただきたいと思うわけであります。
#127
○政府委員(曾田忠君) お答えいたします。ただいまお尋ねの第二条の開発地区の指定の政令の関係のことでございますが、この法律の趣旨といたしますものは、特に税制等の特別措置を講ずるごとによりまして、工業開発が促進されるという地区をまあ開発地区として考えておるわけでございまして、したがいまして、その要件といたしましては、後進性が強いということが一つの大きな要件でございます。で、この後進性の強弱の要因を、まあ何によって判断したら適当かということでございますが、まあ、われわれといたしまして、いろいろ検討して参っておりますが、特に第一次産業の、まあ第一次産業の就業人口の占める割合が相当多いとか、あるいは第二次産業の就業人口の占める割合がまあ少ないというような基準を考えております。
 それからもう一つは、後進性の強い地区におきましては、まあおのずから地方財政も貧困であるのではないかというような考えもありまして、財政力指数がまあ、ある程度以下のものであるというようなことを規定の基準としております。その具体的に、どの程度のまあ数値をもって基準とするかといいますことは、現在検討中でございますが、たとえば就業人口につきましては、まあ新しい、最も最近の新しい資料といたしましては、昭和三十年度の国勢調査の資料がございまして、それに各市町村別の就業人口の構成比が出ております。まあそういうもので、大体第一次産業におきましては、平均程度以上のもの、第二次産業におきましては、平均以下のもの、それから、先ほど申し上げました財政力指数につきましても、まあ最近の資料といたしましては、三十五年度の財政力の資料がございますが、それの平均下というようなところで基準を考えるというふうに考えて。おります。
#128
○中田吉雄君 財政力指数ですがね、いろいろ使われるのですが、どういうのでしょうか、もう少し説明をしていただきたい。
#129
○政府委員(曾田忠君) これは地方交付税の算定におきましてまあいわれておる言葉でございますが、地方交付税を交付する場合におきまして、その地方公共団体の標準税収入、それから標準需要額というものが出るわけでございまして、この割合が一〇〇以上のところは地方交付税は交付されないのであります。したがいまして、基準財政収入額と基準財政需要額の比といいますものを、通常財政力指数というふうに申しております。
#130
○中田吉雄君 それは私も地方行政委員会をやっておったから、大体まあ知っておる。その。パーセントはどれくらいを、基準財政需要と収入とのパーセントはどの辺をやられるかということを聞いているのです。
#131
○政府委員(曾田忠君) 三十五年度の全国の市の単純平均の指数をとりますと、七二になっております。現在はその数字を使ったらどうかということで、各省と折衝しておるわけでございます。
#132
○中田吉雄君 それでは、基準財政需要に対して収入が七二くらいを見当にして、それより少ないものを大体対象にする、こういうことですか。――そうしますと、この第一次産業の比率が全国平均ですか、多いものですね、の農業、農林業ですか、それと、この財政力指数でやられると、かなりたくさん適用されるところが出ると思うのです。で、どれくらいの地区をやられるか知りませんが、そうすると、このあとのほうを見ますると、これは特別に補助金を出されるわけじゃない。その都市の地方交付税の中で与えられた中で取るのですから、これは共食いなんですよ、実際。たとえば所得税と法人税と酒税ですか、この三税の二八・五%、それで交付税がきまって、そのワクの中で減税をやったり、いろいろな地方税をとらぬようにしたものを、とにかく、それを基準財政収入と見ないようにしてやるわけですからね。そのワクの中なんですよ。それはもう、地方交付税というものは三税の幾らですか、二八・五ですか、きまっておるのです、もうすでに。開発地区をあまりたくさんやれば、基準財政指数の高いところから取ってきてやることになるので、それはもうワクは与えられておるのですから、私は、そういうふうになりゃせぬかと思うのですが、ですから非常に制限される。ですから、これを、この法律が有効に作用するためには、私は、第八条ですか、第七条は、これは国税に関する面ですが、第八条がおもなんですが、たとえば工場ができた。それで事業税や固定資産税を減らしたものを、それを基準財政収入に見ない、こういうことなんですから、ですから、あまりたくさん指定すると、この与えられた当該年度のワク内で食っていくわけですから、私は、非常に数が限定されてくるのじゃないか。そうして、この法律をもっと効果的にやられるためには、それだけではめんどうになるのじゃないかと思うのですが、その点どうでしょうか。
#133
○政府委員(曾田忠君) お答えいたします。ただいま一応の基準といたしまして、われわれが考えております点を申し上げたわけでございますが、具体的には、この法律に基づきまして新しく審議会ができるわけでございまして、その審議会等におきまして、いろいろなお詳細な基準が作られることと考えております。で、大体考えておりますことは、通産省におきまして工業立地の調査をやっておられますが、その地区が大体三十五年度までに百六十カ所ぐらいあるのです。
#134
○中田吉雄君 百六十六。
#135
○政府委員(曾田忠君) 百六十六、そういう地区の中から、ただいま申し上げました基準に該当するような地区を選びたいというように考えておりまして一その地区が具体的にどの程度になりますか、ちょっと現在のところはっきり申し上げかねる実情もございますので、御了承願いたいと思っております。
 その次の第二点のお尋ねでございますが、お話しのように、地方税の減税に対しまして地方交付税でもって補てんするということにいたしております。これにつきましては、いろいろ自治省との関係におきましても議論があったわけでございますが、要するに国の施策といたしまして、この低開発地域におきまする工業の促進をはかるという建前をとります以上は、現在あります地方交付税の制度を活用いたしまして、それでもって補てんする方法がいいんじゃないかというふうな実は結論に達したわけでございます。お話しのように、地方交付税のワクそのものはある一定の率で押えられているわけでございまして、この運用につきましても、特に自治省にわれわれといたしましてはいろいろ特別な御配慮をお願いしておる状況にございます。
#136
○中田吉雄君 私は、やっぱしそこが非常に――私このこと自体は大へんけっこうだと思うんですが、この制度は、先にもくどいように申し上げましたように、与えられたワクの中で減税したものを見てやる、基準財政収入にしないと、こういうことですから、ですから私は自治省はある意味じゃきらうと思うんです、これは。もうこの問題がなくても、二八・五ですか、十分でないというのに、これが入ってきて、そのことでとるんですからね。ですから、富裕府県をはずすものを作るとか、いろいろ自治体相互の中のやりくりになってくると思うんで、これはやっぱし私は、将来地域開発を進めて、地域間の格差を解消してもらうためには、あるいはそのために現行の率をさらに上げるとかしてもらわぬことには、既存のワクの中では非常に問題じゃないかと思うので、将来その点もひとつ検討をしていただきたいと思うわけであります。これまでも未開発補正とかいうような補正係数を入れていって、やりくりしてみたが、なかなか自治省の手に負えぬということになっておると思うんです。未開発補正といって、財政力指数等で開発のおくれたところを投資すれば、それを特別見るというような補正係数を作って若干やってみたが、もうそれでは焼け石に水のようなものだということであったわけなんで、大へんけっこうですが、本格的に地域格差を解消し、かなり調査された百六十有余の地区を大いにやっていただくためには、与えられたワク内では、私は、交付税のワク内でやるというのでは不十分でないか。この点が非常にウィーク・ポイントになるんじゃないか、制約事項になるんじゃないかと思いますので、ひとつ政務次官におかせられても、この点ひとつ検討をしていただきたいと思うんです。
 時間がありませんので、私の希望を申し上げておきます。私は、これはワク内でですから、これまでさえ足らぬのに、社会党は、二八・五%ですか、それをもっとふやして下さいといっているのに、その与えられたワク内で、こっちから取ってこっちにやるというようなことでは、地域格差の解消には不十分だということを申し上げておく次第であります。
 それからもう一つ、本法案の重要なメリットの一つでありますのは、減価償却の特例でございますが、租税特別措置の改正によりますれば、政令で定める期間内においてのみ行なわれることになっているのですが、その政令で定める期間というものは、一体開発地区に指定されてから何年になるのか、それが延長をできたりするのか、そういうことについてお伺いしたいと思う次第であります。
#137
○政府委員(曾田忠君) お答えいたします。
 租税特別措置法の、この指定地域に参ります企業に対します特別措置の期間でございますが、これは現在のところ、指定の日から五年間というふうに考えておりまして、ただし、地区の開発の状況によりまして延長することができる、そういうようなふうに考えております。で、実はこの問題につきましては、まずいわゆるパイオニアといたしまして早く工場が進出するというものにつきまして、特に優遇措置を考えまして、逆に低開発地域の工業の進出が促進されるというような、これらの意味もあるわけでございます。まあいろいろ議論の過程におきましては、まあ完全にその地域が開発されるまではこの期間を認めたらどうかという御意見も実は出たことございますけれども、まず、まあすべての条件が必ずしも整っていないというような状態のもとに特に進出してこられる企業に対して、特別に優遇してやるというような考え方で、一応期間を五年間、ただし地区の開発状況によりましては延長する、そういうように考えております。
#138
○中田吉雄君 この第九条の「資金の確保等」なんですが、今年度の地方開発融資は、開銀ですか、百七十億ですか、これが開銀のあれは百七十億ですが、開発地区に対してはこの地方開発融資額の百七十億のうち一体どれくらいの、指定をしてみぬとわからぬでしょうが、どれくらいになるんでしょうか。減税と融資ということがまあ中心になっているんですが、開発地区に対してどういうふうになっているんですか。
#139
○政府委員(曾田忠君) 三十六年度の開銀の資金ワクは、お尋ねのように百七十億でございます。それから東北と北海道につきましては、別に北海道東北開発金庫がございまして、これが百九十億、三百六十億が三十六年度のまあいわゆる地方開発資金ということになっております。まあこのうちどの程度のものがこの開発地区の企業のために使われるかというお尋ねでございますが、現在のところ、まだ地区の指定という行為も行なわれておりませんので、具体的にどの程度のものが使われるか、申し上げかねると思います。ただ、三十五年度におきましては、この両者の資金ワクが二百三十億ございまして、これを三十六年度に大幅に三百六十億というふうにふやしましたのは、実はこういう低開発の工業開発を、特にこの法案に基づきまして促進する必要があるというわけで大幅にふやしていただいたわけでございます。
#140
○中田吉雄君 これは主として開銀が当たるわけですか。
#141
○政府委員(曾田忠君) 北海道と東北は……。
#142
○中田吉雄君 いや、それ以外。
#143
○政府委員(曾田忠君) それ以外は開銀でございます。
#144
○中田吉雄君 実は私も若干地方開発の問題と取り組みまして、なるほど資金ワクはふえたのですが、開銀の一番問題になりますのは、これは設備資金を貸すんです。資本金まあ一千万円以上ですか、というような条件がありまして、それはまあ今一千万なくても、将来増資するとかというようなことでもう幅のある態度をとろう、こういうことですが、いろいろそれをして、将来地域帝業として伸びるのを、増資したり、いろいろ優遇をして、設備投資をして、これに対する運転資金があれば非常に育つのですが、開銀が設備資金以外はやらないというので、非常にその点が問題だと思うんですが、まあそう国から補助金を出すということも困難でしょうから、融資が大きなてこになると思うのですが、開銀の設備資金の供給を主たる業務としておる点が、私の経験からいうても……。ですから中国でもせっかく割当があったがこなせぬというような問題もあったので、開銀のその点を、主たる業務である点を改正をしてもらう。やっぱり東北、北陸のような特殊なものを、銀行を設立したほうがいいのじゃないかと思うのですが、その関係はいかがでしょうか。
#145
○政府委員(曾田忠君) 北海道へ東北以外の地区につきましても、北海道東北開発公庫と同じような性格の開発公庫を作ってはどうかという御意見も、実は九州その他の地区の方々からも御要望があったわけでございますが、政府といたしましては、一応開発銀行というものもございますし、開発銀行に特別な資金ワクを設けまして、それの運用にまかせたほうが、まあ特に金融機関をふやすということも特に必要じゃないんじゃないかというような観点から、特に開発銀行におきまして、地方開発資金ワクというものを設定したわけでございます。特にまた開発銀行におきましては、地方開発局というような機構も最近作りましたし、また各重要な地域にはそれぞれ支店を設けておりまして、現在活発なる活動をやっておる状況でございますので、現在どおり開発銀行にお願いしたほうがいいんじゃないかというふうに考えております。
#146
○中田吉雄君 その点は開銀でもいいんですが、これは御案内のように、さきに局長が申されたように、地域立法ができるときには必ず東北、北海道のような銀行を作るようにという要請があったが、まあ大蔵省等の何もあったのでしょうが、できぬのですが、さきに申しましたように、地域産業を育成するのは、必ずしも設備投資だけではないとやはり思うのです。ですから、その点をひとつ、設備投資を主たる業務とするという点で一開銀がなかなかのスタッフを持って地域問題と取り組んでいることは私も知っていますが、その点ひとつ実情がどうなっておるか調べていただいて、ぜひ検討をしていただきたいということを御希望申し上げて、私の質問を終わります。
#147
○委員長(山本米治君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#148
○委員長(山本米治君) 速記をつけて。
 他に御質疑はございませんか。――他に御発言がなければ、質疑は終局したものと認め、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御発言がなければ、討論は終局したものと認め、これより採決に入ります。
 本案全部を問題に供します。本案に賛成の方は挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#149
○委員長(山本米治君) 全会一致と認めます。よって本案は原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、議長に提出する報告書の作成等につきましては、慣例により委員長に一任を願います。
   ――――――――――
#150
○委員長(山本米治君) 次に、石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案、産炭地域振興臨時措置法案、臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正する法律案、石炭鉱山保安臨時措置法案、以上四案を便宜一括して議題として、質疑を行ないます。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#151
○委員長(山本米治君) 速記をつけて。
 ほかに質疑はございませんか。――別に御発言もなければ、四案の質疑は終局したものと認めます。
 これより各案について順次討論、採決を行ないます。
 まず、石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言がなければ、本案の討論は終局したものと認め、これより採決に入ります。
 本案全部を問題に供します。本案に賛成の方は挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#152
○委員長(山本米治君) 挙手多数と認めます。よって本案は原案どおり可決すべきものと決定しいたました。
   ――――――――――
#153
○委員長(山本米治君) 次に、産炭地域振興臨時措置法案、臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正する法律案、石炭鉱山保安臨時措置法案、以上三案を一括して討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御発言がなければ、三案の討論は終局したものと認め、これより採決に入ります。
 三案全部を問題に供します。三案に御賛成の方挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#154
○委員長(山本米治君) 全会一致と認めます。よって三案はいずれも原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
#155
○吉田法晴君 私は、同僚議員の御了解を得、日本社会党を代表して、石炭四法案に対する附帯決議を提案いたしたいと存じます。簡単に提案の理由を申し述べます。当面している石炭産業の危機は、わが国社会経済に深刻な暗影を投じているのみならず、炭鉱労働者は絶えず首切りと賃下げの不安に脅かされ、続出するおびただしい離職者は停滞して、深刻な様相を呈し、地方自治体は失業者と生活困窮者に対する対策に忙殺されて、財政危機に追い込まれ、産炭地域の不安と行き詰まりは、今や社会不安となろうとしております。このかつてない石炭危機に対する国民世論の高まりにかんがみ、政府は次のとおり緊急対策を講ずるとともに、総合エネルギー対策の中において、国産エネルギー源としての石炭産業の定安をはかり、炭鉱労働者の生活と雇用を安定して、その不安を除き、関係自治体の危機を打開し、十全な産炭地振興方策を確立し、産炭地域の国民の安定と希望を実現すべきであります。よって社会党は、ここに石炭関係四法案に対する附帯決議案を提出し、皆さんの御賛同を得たいと存じます。
 案文を朗読いたします。
   石炭四法案に対する附帯決議案
  現下の石炭鉱業の危機は、わが国石炭産業の前途に測り知れない暗影を投じているのみならず、重大な社会問題を醸成しつつある。
  よつてこの際、この危機を打開するため、政府は速かに総合エネルギー対策を確立し、エネルギー全体のうちに占める石炭の地位を明確にすることが喫緊の要件であるが同時に政府・石炭経営者、労働者、石炭需要産業にもとより、金融業界等すべてが石炭業界の実態を直視し、わが国産業全体のために、これが対策の樹立に強力な協力体制を立てることが必要である。
  総合エネルギー対策の樹立にあたつては、国産エネルギー源を安定供給源として重視する方針を堅持し、輸入エネルギー源については、長期の見透しを慎重に検討するとともに石油市場特に石油市価の安定について確固たる措置を講ずべきである。
  以上の観点に立つて、政府は当面せる次の諸問題につき、速やかに強力かつ適切な措置を講ずべきである。
 一、石炭産業の近代化、合理化と資金の大幅確保
   石炭産業の近代化、合理化をより一層強力に推進するため、予算措置及び財政投融資の大幅増枠、市中金融の円滑化等を通じて必要資金の確保につき遺憾なきを期すること。又中小炭鉱については特に配慮すること。
   なお、石炭産業の抜本的対策として、鉱区の調整、未開発炭田の開発・採炭等の機械化による生産体制の集約化等の措置を講ずること。
 二、流通合理化対策
   流通経費の節減を図るため、国鉄運賃の負担の軽減、石炭専用船の建造、発着地荷役設備の機械化、共同貯炭、共同荷役の推進、規格売炭の実施など、有効適切な措置を講ずること。
   なお、流通機構の整備改善を積極的に行なうこと。
 三、雇用の安定的確保
  (1) 政府は、石炭産業の安定政策を強力に実施すると共に、労働者の生活と雇用の安定について最大の努力を払い、転換職場と生活保障のない合理化とならないよう指導を行うこと。
  (2) 炭鉱労働者の生活と石炭産業の安定をはかるために、速やかに最低賃金制を確立すること。
  (3) 炭鉱災害を防止するため、鉱山保安の監督を強化し、保安確保の万全を期すること。
 四、離職者対策
  (1) 離職者雇用促進のために、住宅、移住資金の確保、職業紹介、職業訓練の拡充強化等の諸施策を行ない、再就職に当つては、中、高年令層の雇用促進と収入を保証するため、雇用補償制度等の創設を講ずること。
  (2) 離職者の生活安定のため、職業訓練手当の増額、訓練中の別居手当の支給、技能習得費と失業保険との併給、訓練終了者に対する就職待機のための保証等の措置を講ずること。
  (3) 厚生年金の給付、労災補償の改善等については速やかに検討すること。
 五、需要確保対策
   石炭需要の安定的確保を図るため、電力、鉄鋼等関連業界のより積極的な協力を求めるとともに、産炭地及び揚地に火力発電所を設建して、火力用炭を大幅に確保すること。
   なお、政府、地方自治体及び石炭関係者は協力して石炭の安定供給の確保に遺憾なきを期すること。
 六、産炭地の振興
   産炭地域を振興するために、必要な土地及び水資源の確保、産業道路の開発等産業立地条件の整備、雇用の増大に資する諸事業の経営及びこれらに対する投資、その他の助成等の施策を実施する産炭地振興事業団を設立すること。
 七、地方自治体への財政措置
   石炭産業の危機にともなう市町村税の減収を補償する措置を講ずるとともに、失業対策業務及び社会保障費の地方負担分について、財源措置を強化すること。
   政府は前各項の諸対策を速やかに行うため、これに必要な法的措置及び予算措置を講ずることとし、特に緊急なものは年度内にその実施を図るよう措置すること。
 以上でございます。何とぞ皆さんの御賛同をお願い申し上げます。
#156
○委員長(山本米治君) ただいまの附帯決議案に対し、御意見のある方は順次御発言を願います。
#157
○川上為治君 私は現在の石炭の事情にかんがみまして、石炭対策につきましては、従来から政府におきましてはいろいろ対策を講じておりますけれども、この際やはり強力な政策を実行する必要があるのじゃないかと考えますので、ただいま提案になりました吉田委員の案に対しまして賛成をいたします。
#158
○田畑金光君 私は、ただいま吉田委員から提案されました決議案に対し賛成の意思を表明いたします。
 石炭産業の危機に対して当面とらるべき諸施策については、附帯決議の内容で尽くされておると思いまするが、要はこれらの決議案の内容を尊重されて、政府が強力に施策の面に反映されることを強く要望いたします。
 ことに私は、附帯決議の中に一、二盛られていない点を申し上げたいと思いますが、当面政府は、国内炭については年間最低五千五百万トンの需給態勢を確立することについて十分顧慮していただきたいということです。次は、特に現行の石炭産業合理化五カ年計画については、最近の諸情勢の推移にかんがみて再検討されることを強く要望いたします。ことに石炭産業における生産原価の引き下げは、輸送費、電気料金、その他の生産用資材費の価格安定が前提でありまするから、最近の経済変動に基づく石炭産業への各種のしわ寄せは、政府の責任において補償措置を明確に講じていただきたい、こういうことでございます。
 さらに、この決議案の中にも盛られておりまするが、炭鉱労働者の労働条件、ことに賃金水準については他の重化学工業並みの水準を保障されるように、現在労働大臣が諮問いたしておりまするが、最低賃金審議会等における答申をすみやかに促進されて、この面においても十分顧慮願いたい。それからもう一つは、健康保険の適用についても、かねがね厚生大臣にも要望いたしておりまするが、離職してあと一年間は健康保険の適用を見るような措置を講じていただきたい。
 さらに年末の金融措置について、政府はとりあえず中小炭鉱に対し十五億の融資ワクを政府関係機関を通じ実施することをきめておられますが、問題は、これらの金融機関から具体的に中小炭鉱に資金が融資できるかどうか、この点にあろうと思いますので、これらの点については十分政府の施策が実行されているかどうかを見届けて、もし隘路があるならば、それを打開するについて積極的な手を打っていただきたい。さらにまた、大手の炭鉱についても融資の困難性が伴っておりますので、これらの点についても十分顧慮されることを強く要望しておきたいと思います。
 以上、附帯決議案の中に漏れておる点について希望を付しまして、吉田委員の提案されました決議案に対し賛成の意思を表明いたします。
#159
○委員長(山本米治君) 他に御発言はございませんか。――他に御発言がなければ、吉田委員提出の附帯決議案について採決いたします。
 本附帯決議案に賛成の方は挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#160
○委員長(山本米治君) 全会一致と認めます。よって本附帯決議案は、本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 なお、ただいま議決いたしました四法案について、議長に提出する報告書の作成等については、慣例により委員長に御一任を願います。
 ただいまの決議に対し佐藤通産大臣から発言を求められましたので、この際発言を許可いたします。
#161
○国務大臣(佐藤榮作君) わが国の石炭鉱業は現在まことに容易ならない状況に当面しておると考えます。この石炭鉱業が、現在の不況を打開して近代的な産業として成長していくためには、石炭経営者、労働者はもとより、関係者すべての多大の努力、協力が必要であると考えられまするが、政府といたしましても、本日のただいまの決議の御趣旨を尊重いたしまして、早急に石炭鉱業に対する当面の緊急対策、及び長期対策を樹立し、所要の法的、予算的措置を講じて参る所存でございます。
   ――――――――――
#162
○委員長(山本米治君) 次に、産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。
 国内地下資源開発促進に関し発言を求められておりますのでこれを許します。
#163
○中田吉雄君 皆さんのお許しをいただきまして、日本社会党を代表いたしまして、国内地下資源開発促進に関する決議案を御提案申し上げる次第であります。
 まず、案文を朗読さしていただきます。
   国内地下資源開発促進に関する決議案
  政府の自由化計画の繰上げ実施に伴い、国内地下資源産業は国際競争場裡に直接対決をせまられ、激げしい試煉を受けようとしている。特に非鉄金属、石油及び可燃性天然ガス等については、近来益々その利用度が高まりつつある基礎物資であるにも拘らず、国際競争には極めて弱く、このままに放置されれば企業の存立さへ危くなる可能性が強い。よって政府はこれら国内地下資源の積極的な開発とその安定供給を図り、以つて雇傭の維持促進はもとより地方産業の育成、外貨節約に資し、延いては国民経済の健全なる発達に寄与し得るよう緊急に次の諸施策を講ずべきである。
 一、国による地下資源埋蔵地域の基礎調査の早急実施。
 二、探鉱に対する国の総合的助成策の実行。特に探鉱補助金等の飛躍的増額。
 三、合理化推進のための低利長期の財政資金の供給。
 四、税制上の優遇措置への配慮。
  右決議する。
 これ以上申し上げるまでもありませんが、来年十月一日から繰り上げて九〇%の自由化をするという政府の計画で、一番打撃を受けますのは、ただいま問題になっています石油と非鉄金属、石炭、可燃性天燃ガス等であろうと思う次第であります。しかし、この基礎産業としての重要性にかんがみまして、特に供給の安全性を確保しますために、四つの点について御考慮をいただきたいと思う次第であります。
 まだ調査によりますると、かなり埋蔵資源があるということですが、その基礎調査を早急にやっていただきたい。なお、私企業の不足がちな資金で断片的に探鉱をやりましても、なかなか効果が上がりませんので、特に探鉱補助金については強力な措置をとっていただきたい点であります。しかし、そう申しましても、国の財政にも限度がありますので、国際競争に早急にたえるように合理化の資金を供給をしていただきたい点であります。第四に、税制上の措置でありますが、承りますと、非鉄金属等掘ります際に、だんだんと坑道が長くなって、レールをつけるのですが、そうすると、固定資産がふえたということで、採掘には困難であるにもかかわらず、固定資産税がだんだんとふえるというような、是正を要する面もあるようでございますので、本日これと同趣旨のものが衆議院でもございましたので、皆さんの御賛成を得まして、地下資源に対する強力な措置をとっていただきたいと思う次第であります。
 皆さんの御賛同を心からお願い申し上げるものであります。
#164
○委員長(山本米治君) ただいま提案になりました決議案について、御意見のある方は、順次御発言を願います。
#165
○川上為治君 モリブデンとかタングステン、こういうような非鉄金属あるいは国内の石油資源あるいは天然ガス、こういうようなものは、これは近く貿易の自由化を控えて非常に苦しい状況になりつつございます。私どもとしましては、国内資源の開発というのは、何と申しましても一番大事な問題の一つではないかと考えますので、ただいま中田委員から提案されましたこの決議に対しまして、自由民主党を代表いたしまして賛成の意を表します。
#166
○田畑金光君 私は、民主社会党を代表いたしまして、ただいまの中田委員の提案された決議案に対し、賛成の意を表します。
 賛成の理由は、先ほど提案者から詳細申し述べられましたとおりでございまして、ことに自由化を控え、日本の国内における非鉄金属資源あるいは石油、可燃性天然ガス等は、石炭産業と同様に、地下資源という共通の地位にありまして、前途多難を予測されるわけでございますがゆえに、具体的に指摘されました四つの点については、政府において強力に施策の面に反映されるよう強く要望いたしまして、賛成の意を明らかにいたします。
#167
○委員長(山本米治君) 他に御発言ございませんか。(「なし」と呼ぶ者あり) 御発言がなければ、これより採決をいたします。
 本決議案を委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#168
○委員長(山本米治君) 全会一致と認めます。よって中田委員提案の国内地下資源開発促進に関する決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、佐藤通商産業大臣から発言を求められましたので、これを許します。
#169
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま国内地下資源開発促進に関する決議を満場一致で御決定になりました。地下資源開発につきましては、時節柄しごくごもっともな決議だと思います。つきましては、政府におきましても、ただいまの決議の御趣旨を尊重いたしまして、必要なる予算的措置等を行なって、これが実現を期して参りたい、かように考えます。(拍手)
  〔委員長退席、理事川上為治君着
  席〕
   ――――――――――
#170
○理事(川上為治君) この際、継続調査要求に関する件につきましてお諮りいたします。
 さきに議長の承認を得まして調査を行なって参りました産業貿易及び経済計画に関する調査を、今期国会閉会後も継続して行なうこととし、本院規則第五十三条によりまして、議長に対し継続調査要求書を提出することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#171
○理事(川上為治君) 異議ないと認めます。よってさように決定いたしました。
 なお、要求書の作成等につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じます。
   ――――――――――
#172
○理事(川上為治君) 次に、本委員会に付託されました請願八十三件を一括して議題といたします。
 本請願につきましては、時間の関係等もありますので、理事会におきまして慎重に検討を加えたのでありますが、その結果、次のとおり意見の一致を見た次第であります。
 便宜お手元に配付いたしました一覧表に基づいて申し上げます。
 第一の石炭鉱業関係につきましては、第二六四号外一件、第二六五号、第三四七号、第五〇〇号外五十三件、第七八五号、第一〇四七号。次に、第二の中小企業関係では、第四二〇号外三件、第七〇〇号、第七九六号、第八五六号。次に、第三の所得倍増計画関係では、第一〇三七号。第四の国土開発関係につきましては、第四〇号、第四一号、第六八六号。第五の、その他の部類につきましては、第一九七号、第二六六号、第三八三号、第九九五号、第一〇九二号。
 以上七十六件の請願は、いずれも願意おおむね妥当と認め、議院の会議に付するを要するものにして、内閣に送付するを要するものとして処理し、その他の七件につきましては、すでに議了いたしました案件により、願意措置済みとなりましたもの等でありますので、保留すべきものとして処理することに意見の一致を見た次第でございます。
 以上のとおりでありますが、付託請願の処理について御意見のある方は御発言願います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
 別に御発言もなければ、本委員会付託の請願八十三件を、先刻報告しました理事会の方針どおりに処理することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#173
○理事(川上為治君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。
 なお、議長に提出する報告書の作成等につきましては、慣例により委員長に御一任願いたいと存じます。
 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#174
○理事(川上為治君) 速記を起こして。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後七時十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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