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1961/10/05 第39回国会 参議院 参議院会議録情報 第039回国会 社会労働委員会 第3号
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1961/10/05 第39回国会 参議院

参議院会議録情報 第039回国会 社会労働委員会 第3号

#1
第039回国会 社会労働委員会 第3号
昭和三十六年十月五日(木曜日)
   午前十時二十九分開会
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     谷口弥三郎君
   理事
           鹿島 俊雄君
           坂本  昭君
           藤田藤太郎君
   委員
           勝俣  稔君
           紅露 みつ君
           村山 道雄君
           吉武 恵市君
           久保  等君
           小柳  勇君
           藤原 道子君
           相馬 助治君
           村尾 重雄君
  国務大臣
   労 働 大 臣 福永 健司君
  政府委員
   労働政務次官  加藤 武徳君
   労働大臣官房長 村上 茂利君
   労働省労政局長 冨樫 総一君
   労働省労働基準
   局長      大島  靖君
   労働省職業安定
   局長      堀  秀夫君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       増本 甲吉君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○労働情勢に関する調査(一般労働行
 政に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(谷口弥三郎君) それではただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 労働情勢に関する調査を議題といたします。福永労働大臣から労働行政の基本方針について、その所信を聴取することにいたします。
#3
○国務大臣(福永健司君) 第三十九回臨時国会の開会にあたりまして、一言ごあいさつかたがた所信を申し述べ、皆様の御理解と御協力をお願い申し上げたいと存じます。
 労働行政に関する私の所信を端的に申し上げますと、今後における経済の安定成長に即応いたしまして近代国家における労働行政に対する私の所信を端的に申し上げますならば、今後における経済の安定成長に即応して近代国家における労働政策の基本的目標である完全雇用の達成と労働条件の向上の実現を期するために積極的施策を展開することであります。このような観点から当面の施策として私は、第一に労働力の流動化促進と技能労働力の確保、第二に労働条件の向上、特に中小企業の労働条件格差の是正、第三に労使関係の近代化の三つに重点を置いて労働行政を進めて参りたいと存じております。
 まず、労働力の流動化促進と技能労働力の確保について申し述べます。
 最近における雇用失業情勢は引き続く経済の高度成長を反映して顕著な改善を示し、若年労働力、技能労働力の不足が著しくなっている反面、中、高年令層離職者の再就職は依然として困難であり、また、産炭地など一部には失業者の滞留する地域が存在しているのであります。このような労働力需給の不均衡は産業構造の近代化、技術革新の進行等に伴って一そう顕著となることも予想されますので、政府としては諸般の施策によりさらに雇用の拡大とその改善を進めるとともに、このような地域間、産業間、規模間あるいは年令別、職種別等の労働力需給の不均衡を解消するため、広域職業紹介活動の積極的推進、中、高年令層労働者の雇用促進、転職職業訓練の強化等の労働力の流動化のための諸施策を推進して参る所存であります。
 また、失業対策については失業の予防ないし早期解決を基本的な方向として対処していくとともに、失業対策事業従事者について極力一般雇用への復帰をはかることとし、これがため本格的な職業訓練を中心とした具体的対策について検討を進めて参りたいと考えております。
 なお、石炭関係の離職者に対しては、従来から積極的に諸般の措置を講じてきたところでありますが、今後の石炭合理化の進展に対処して、離職者の再就職促進と生活の安定を期するための施策の充実について、目下検討中であります。
 産業構造の変化と技術革新の進展に伴う技能労働力の不足につきましては、公共職業訓練において特に転職訓練を積極的に推進するとともに、事業内の職業訓練等を強化して雇用労働者の速急な技能化と技能水準の向上をはかり、産業界の要望にこたえたいと考えております。
 なお、最近における労働問題の国際的関連の緊密化に伴い、特に発展途上にある国々に対する援助を強化することがわが国に課せられた国際的使命であることにかんがみまして、職業訓練による国際技術協力を飛躍的に拡大するための措置について、目下検討中であります。
 次に、労働条件の向上、特に中小企業の労働条件格差の是正について申し上げます。
 わが国労働者の約八割を占める中小企業労働者の労働条件が、大企業のそれに比べて恵まれていない現状にあることは御承知のとおりであります。
 このような労働条件の格差を縮少し、経済社会の均衡ある発展をはかるため、中小企業の経営基盤強化のための諸方策と相待って、中小企業労働者の労働条件の向上を計画的、総合的にはかって参りたいと存じております。
 このために、昭和三十八年度末までに最低賃金の適用労働者が二百五十万人に達するよう最低賃金制度の普及拡大に努めるとともに、さらに、労働時間の漸新的短縮をはかるため、当面、労働基準法に基づく監督、指導の実施、一斉週休制、一斉閉店制の普及等の措置を講じていきたいと存じております。
 また、中小企業労働者の生命、身体や健康を守るための産業安全、労働衛生の問題につきましても、従来から各種の施策を講じて格段の努力を傾注して参りましたが、今般さらに中小企業における安全施設の整備について長期低利の融資を行なうことといたしました。
 さらに、これらの賃金、労働時間、安全、衛生についての諸施策の実効を期するためには、中小企業における労務管理の改善、近代化をはかる必要が痛感されますので、このための諸施策を計画的、総合的に実施していく所存であります。
 第三は労使関係の近代化であります。
 経済の繁栄と民主主義の発展とは自由にして民主的な労働運動の進展とよき労働慣行の確立に負うところがきわめて大きいのであります。
 わが国の労働運動、労使関係は逐年改善の方向をたどりつつありますが、今なお法制度を無視するごとき好ましからぬ傾向も残っていることはきわめて遺憾なことであります。政府としては、従来から労働教育その他諸般の施策を通じ、自由にして民主的な労働運動の発展と正常な労使関係の形成に努めてきているのでありますが、労使関係者におきましても現行法規を順守し、民主主義社会の秩序に従った健全な労働組合運動の発展と労使間におけるよきルールの確立のため、努力されんことを切望するものであります。
 さらに、技術革新の進展は労使関係にも新たな諸問題を生み出しておりますが、このような情勢に対処してわが国経済の発展をはかるためには労使双方が時代の要請を十分認識し、相互信頼を基調とした話し合いの精神を通じて問題を合理的に処理していくことが必要であり、政府としてもこのような労使の話し合いの雰囲気を醸成すべく積極的に努力して参りたいと存じます。
 なお、ILO第八十七号条約の批准及び関係諸法律の整備につきましては、従来同様、早期成立を期待いたしている次第であります。
 以上申し述べました労働諸施策の樹立実施に当たりましては、何よりもまず労働経済の科学的な調査分析に基づく正確な現状把握が必要であります。
 このため、従来から実施して参りました雇用、賃金、労働生産性等労働経済に関する一連の統計調査をさらに整備拡充いたしますとともに、このような調査分析に立脚し、長期的な展望の上に立って労働諸政策の総合的一体的運営をはかって参る所存であります。
 以上所信の一端を申し上げましたが、今後各位の御意見を十分拝聴しながら労働行政の推進に力を尽くして参りたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
#4
○委員長(谷口弥三郎君) 労働大臣の所信表明は終わりました。本件に関し、御質疑のある方は、順次御発言を願います。
 速記をとめて下さい。
  〔速記中止〕
#5
○委員長(谷口弥三郎君) それでは、速記を始めて下さい。
 本問題について御質疑のある方は、どうぞ御発言を願います。ただいまこちらに見えておられますのは、加藤労働政務次官、村上官房長、冨樫労政局長、大島労働基準局長、谷野婦人少年局長、堀職業安定局長、松永職業安定局失業対策部長、三治職業訓練局長などが見えております。どうぞ御質疑を願います。
#6
○藤田藤太郎君 労働省にお尋ねをしたいのですが、駐留軍の、特に福岡県の空軍関係なんですが、駐留軍労務者の――四十時間に短縮するということで賃金の二〇%を切り下げ、そうして駐留軍労組では、何とか――賃金か二〇%も切り下げられるというので問題にしていることはもう御存じの通りであります。昨日、直接、軍と調達庁との間に話しがどういう工合にできたか、労働省の方としてどういう工合につかんでおられるか、聞きたいと思います。局長でけっこうですから。
#7
○政府委員(冨樫総一君) 北九州におきまする駐留軍労務者のただいまの問題でございまするが、調達庁当局といたしましては、四十八時間を四十時間に切り下げる、一挙に切り下げることとうらはらで、ただいまお話のありましたような賃金が一挙に四千円も下がるということは基本的にあまりにも激し過ぎる、これは労働省も同じような感覚でございまして、このようなことは客観的ないろいろな事情がありましても、実際問題としては漸進的に、漸減的になさるべきであるということで、現地のみならず、本部相互間におきまして交渉しておるようでございます。で、私どもといたしましても、調達庁のその路線で早期に問題が解決されることを期待しておりまするが、まだ結着したということの情報は今のところ得ておりませんでございます。
#8
○藤田藤太郎君 問題は、労働時間が短縮されるということは私はいいことだと思うのです。四十八時間を四十時間にするということはいいことだけれども、二〇%も賃金を引き下げるということは、これは非常な問題だと思うのです。だから、何と言っても労働時間が全体の経済――これは駐留軍労務者ばかりでなしに、日本の労働者の労働時間を短縮することは私はいいことだと思いまするが、二〇%も下げるというようなことはこれは非常に問題だ。
 それから、この順序を見てみますと、先月の十三日に通告があって、それが予告期間が十五日間というのでありますが、先月の十三日に通告があって、それで十月一日から実施するのだということが向こうの言い分ですが、そういった問題に対して、二十九日から駐留軍労組福岡県全部無期限ストに入っているわけですね。それで、大体きのうが向こうとの最後の折衝だと言われておったので私はちょっと聞いてみたのですが、これは調達庁長官を呼んだほうがよかったかもしれないけれども、労働省はどうつかんでおられるか聞いたのです。それで、こういうむちゃなことをやらないように、日米合同委員会の関係、それから調達庁との――政府の完全雇用の今の状態が、こんなむちゃなことをやらないように、労働行政の立場から私は大いに、防衛庁長官が調達庁の責任者ですけれども、これはひとつ大臣に、閣議でもしっかり言ってもらって、この処理を、もっと、こういう格好で調達庁の腰のないことというのは見ておれぬわけですが、労働省から叱装ラ励をひとつしていただきたいと思うのです。きのう大体最終決定をするということだったが労働省で情報を聞いていませんか。
#9
○政府委員(冨樫総一君) まだ遺憾ながら、私の方には、今のところ情報は入っておりません。
#10
○藤田藤太郎君 それでは労働省にこれ以上お尋ねしませんが、ぜひひとつ、今のような実情ですから、重大な関心を持って援護処理をしてもらいたいということだけお願いしておきます。
#11
○委員長(谷口弥三郎君) ちょっと速記をやめて。
  〔速記中止〕
#12
○委員長(谷口弥三郎君) 速記をつけて下さい。
 本件に関する本日の質疑は、この程度にいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○委員長(谷口弥三郎君) 御異議ないと認めます。
 次回の委員会は、先刻申しましたように、十月十日午前十時から開会いたします。
 本日はこれをもって委員会を散会いたします。
   午前十時五十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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