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1961/10/10 第39回国会 参議院 参議院会議録情報 第039回国会 社会労働委員会 第4号
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1961/10/10 第39回国会 参議院

参議院会議録情報 第039回国会 社会労働委員会 第4号

#1
第039回国会 社会労働委員会 第4号
昭和三十六年十月十日(火曜日)
   午前十一時十一分開会
   ――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     谷口弥三郎君
   理事
           鹿島 俊雄君
           村山 道雄君
           藤田藤太郎君
   委員
           勝俣  稔君
           佐藤 芳男君
           徳永 正利君
           横山 フク君
           吉武 恵市君
           久保  等君
           藤原 道子君
           相馬 助治君
  国務大臣
   厚 生 大 臣 灘尾 弘吉君
  政府委員
   厚生政務次官  森田重次郎君
   厚生大臣官房長 高田 浩運君
   厚生省公衆衛生
   局長      尾村 偉久君
   厚生省環境衛生
   局長      五十嵐義明君
   厚生省医務局長 川上 六馬君
   厚生省薬務局長 牛丸 義留君
   厚生省社会局長 太宰 博邦君
   厚生省児童局長 大山  正君
   厚生省保険局長 森本  潔君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       増本 甲吉君
   ――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選の件
○参考人の出席要求に関する件
○社会保障制度に関する調査
 (厚生行政の基本方針に関する件)
○あん摩師、はり師、きゅう師及び柔
 道整復師法等の一部を改正する法律
 案(内閣提出)
   ――――――――――
#2
○委員長(谷口弥三郎君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 この際お諮りいたします。理事の高野一夫君から、御都合によりまして理事を辞任したい旨の申し出がございましたので、これを許可することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(谷口弥三郎君) 御異議ないと認めます。
 つきましては、直ちにその補欠互選を行ないたいと存じます。この互選の方法は慣例もあり、便宜その指名を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(谷口弥三郎君) 御異議ないと認めます。それでは私から申し上げます。村山道雄君を理事に指名いたします。
   ――――――――――
#5
○委員長(谷口弥三郎君) 参考人の出席要求に関する件につきましてお諮りいたします。
 社会保障制度に関する調査の一環といたしまして、身体障害者の援護と福祉について調査のため、参考人から意見を聴取してはいかがかと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(谷口弥三郎君) 御異議ないと認めます。参考人の人選その他手続につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(谷口弥三郎君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。
   ――――――――――
#8
○委員長(谷口弥三郎君) 次いで、社会保障制度に関する調査を議題といたします。
 厚生行政の基本方針に対する質疑を、前回に引き続き続行いたします。御質疑のある方は順次御発言を願います。
#9
○藤田藤太郎君 私は、灘尾厚生大臣が今までの厚生行政の経験者として大臣を担当していただくことになったわけですから、その意味では他の方々より造詣の深いお方であると期待しているわけであります。そこできょうお聞きをしたいことは、日本の社会保障制度を今後どう持っていくか、このことは私は非常に重大なことだと思うのです。社会保障制度という格好が、順次、医療、年金、福祉という工合に、社会がいろいろのそういうことを守っていくという方針や規律というものが出発して参った。しかし、これはなかなかまだまだ日本の社会保障制度の水準というのは、比べるとすれば、外国の進んだ国と比べることがまず出てくるわけですけれども、しかし、おのずからその社会保障制度の水準というものは、日本の現在位置においていかにあるべきか、このいかにあるべきかというものさしは、日本の経済力との関係に私はなってくると思う。その経済の実態と社会保障制度の水準というこの問題を考えてみますときに、私は非常に外国の例を見て低いのじゃないか。だから、いかにしてこれを高めていくかというのが重大な問題だと思う。私はむしろこの委員会は超党派的な要素で皆が努力しなければならぬ委員会ではなかろうか。私はそういう工合に思っております。たとえば社会保障制度の何といっても柱は、今、日本に必要な柱というのは、年金制度、所得保障の問題と医療制度、医療保障の問題がやはり柱になるのではないか。しかし、ただそればかりを進めるのじゃなしに、日本の経済が進んでくる、完全雇用の問題が出てくる。その労働能力のない人、それからまたは労働能力があっても、一定の年限に達した者に対する国の保護、社会の保障というふうな問題が、ずっと一連の関係をもって、各国は努力しているのではないかと、私はそう思います。戦後、一番先にわれわれの耳に入ってきたのは、社会保障制度では、ゆりかごから墓場までという言葉であったと思う。この説明は私はする必要がないと思います。そういう工合にして、それは戦後入ってきたときには、イギリスの問題でした。しかし、今世界のどの国を見てみてもその水準に達し、あの水準よりもっと今日は進んでいるといっていいのではないかと私はそう思う。だから、昨年あたりの社会保障制度に対する国の支出金を見てみても非常に差異がある。イギリスは一人当たり二万五千円出している。日本は二千七百円だ。こういう現実の数字がきちっと出てきているわけです。ですから、その国のたとえば国民所得の単位をとってみても、フランスの国民所得が昨年三十二万円だった、一人ね。日本は、この間、政府発表したように十五万六千円。だからそういうものの関係で、フランスが年金をどれだけ出している。医療制度をどういう工合にやっている。その他の事業をどうやっているというものさしも出てくる。十分な資料がありませんから、私はきょうは事務当局から教えてもらいながら、そういうものを基礎にして、厚生大臣の今後の社会保障制度をどう進めていこうとしておられるかの所信を一つ聞きたいと思っているわけです。
#10
○国務大臣(灘尾弘吉君) 今日の日本といたしましては、今さら申し上げるまでもなく、社会保障の関係におきましては、経済成長を円滑にはかって参りますためにも、私も社会保障制度というものが進歩していかなければならぬと思います。同時にまた経済の成長を通じて、社会保障制度の完備をはかって参らなければならない立場にあると思うのでございます。われわれの目標といたしましては、いわゆる完全雇用の目的を達成する。同時にまた各種の社会保障制度を整備して、この目標に向かって努力していかなければならぬと思うのでございます。そうすることによって、ただいまお話にもございましたが、いわゆるゆりかごから墓場まで国民生活が保障せられている。そういう状態に持って参らなければならぬということが私どもの大きな理想であり、目標でなければならぬと思う次第でございます。欧米――いわゆる先進国に比べて参りますというと、まだまだ日本の社会保障制度は、そこまでいっていないということも事実だろうと思います。しかし戦後、この方面のことにつきましては、よほど進歩してきたということも、またいなめない事実じゃなかろうかと思います。私はさような傾向のもとに、経済の成長をはかりつつ、日本の社会保障の整備のために、国をあげてやはり努力しなくちゃならぬ。ただいまお話の中にもございましたが、いわゆる党派を越えてこの推進には努めていかなくちゃならぬというお言葉は、非常にありがたく私はちょうだいいたしたのでございますが、そういう心持でもって皆様の御鞭撻を受け、御指導を受けて懸命の努力を払って参りたいと思います。ただいま日本の持っております社会保障制度は、だんだん形態は整いつつあると思うのであります。社会保障あるいは医療保障、こういう大きな柱が次第に整備せられるような形にはなって参っておりますが、それぞれの制度の中におきますアンバランスという問題もございましょうし、また、各種の制度を通じまして、まだ充実していないという点も確かにあると思います。すべてが調和を持って整備せられて行くように今後の努力を傾けて参りたいと思う次第でございます。
#11
○藤田藤太郎君 そこで、今、大臣の熱意のほどはわかりました。しかし、問題は私は経済の関係だと思う。まず経済の問題から私は少しお尋ねしたい。今日、どの国を見ても、先進国ですけれども、その国内の生産と消費のバランスをとっているという、経済の原則であります。この生産と消費のバランスをとるということは、一つは生産力を握っている。持っている方々、持たない方々、普通ほっておけばバランスはとれっこないんです。だから生産が上がるという、生産の向上に応じて消費のバランスをとるというのは、社会や政治によってバランスをとるような手当をするということが、私は一つは完全雇用であり、一つは社会保障である。だから経済が先行するのが先でなしに、経済を先行さそうとすれば、そのような処置を講じなければならぬという、これが私は一番大きな課題ではなかろうかと、こう思っておる。ですから、そういう意味で日本の経済が日々繁栄という道を続けるとすれば、どうしても生産と消費のバランスをとっていくという道以外にないと思う。それは何かというと、一番底は社会保障だと私は思う。だから、経済が進んだら社会保障を進めていくという概念では私はない。むしろ経済を進めるためには社会保障を引き上げなければ経済が進まないという概念に立っていただかなければ、私は問題の解決はないんではないか、こういう考え方なんですが、大臣いかがですか。
#12
○国務大臣(灘尾弘吉君) 私はこの社会保障というものが対象となっておる国民の生活について、いわゆる福祉の保障ということになると思う。そういう意味において大事な問題であるということは当然のことでありますけれども、同時に、社会保障が経済と密接不可分、離れべからざる関係を持っている社会保障の経済的意義というようなものは、これは大いに認めなければならぬと思いますが、どちらが先かということになりますと、これは私は現実の政策のとり方によるだろうと思います。ある政策を社会保障として実施する場合に、これが度を過ぎますというと、経済の円満な発展を妨げるということもあろうかと思います。したがって、現実具体の政策のとり方によって、その結果が出てくるのではなかろうかと思うのですけれども、そういう意味から申しますと、経済と社会保障の整備ということは両々相待っていかなければならない、調和のあるやり方でもって進んでいかなければならない。社会保障にあまり熱が入りまして、熱が入るというと語弊があるかもしれませんが、力こぶを入れ過ぎまして、肝心の財政を危うくするということになってはいけない、そういうふうなこともございますので、そこは調和のある発展をしなければならぬ。したがって、どちらが先でどちらがあとと簡単に片づけるというわけにもいかない、かように考えます。
#13
○藤田藤太郎君 私は大臣、大いにここで考えていただかなければならぬ鍵というものを言っているんですから、今の経済がダウンしようとしている一番大きな原因は何か、生産と消費のバランスがとれないからだと思う。単純に割り切って言えば、そういうことじゃないかと私は思います。だから、せっかく日本が生産が高まってきた、生産拡大が行なわれてきた、国民の持つ資金、貯金その他のものが動員されて設備拡大が行なわれてきた。これが操業短縮その他で宝の持ちぐされになるような経済の仕方については、まことにもって政治的にはまずいやり方だと、私はそう思う。それを、そういうことでなしに、日々繁栄する道というのは、やはり生産と消費のバランスだと私は思います。日本の経済の統計を見てみてもそうでありますが、三十三年を一〇〇にしたら、ことしは二一〇にも二〇にもなるというほど生産は拡大している。それじゃ消費面における、社会保障は底ですけれども、国民の消費体制というものはどうかというと、その何分の一の状態しか動いていないというのが今日の事態ではなかろうか。しかし、それはたとえば使用者と労働者という場もございましょう。それから農民の問題もございましょう。しかし、一番おいてけぼりになっているのは、やはり社会保障的に国が守らなければならぬ要素ではないか。この水準を上げることによって全体が刺激されて、一ぺんに生産と消費がヒフティ・ヒフティになる――それの努力はあっても一ぺんになるとは私は申し上げませんけれども、しかし、そのつっかえ棒になるのは社会保障制度を引き上げるということ、引き上げることがやはりバランスがとれて、日々の繁栄の経済体制が続くということにならなければならぬのじゃないか。そういう意味では、私は日本の社会保障は、今まで厚生省が非常に努力していただいて喜んでおります。しかし、日本の経済の動き、現実の問題と比べてみたら、あまりにも私は遠慮がちといいましょうか、あまりにもそういう問題に目を触れないで、去年は一なら今年は二、来年は三というような機械的な方向に社会保障の推進の問題が動いているのではないか。そこらあたりが経済の実態、生産の実態、これと社会保障の関係というものが、実際にもっと大胆に日本の経済が繁栄するという立場に立って社会保障の問題を議論しなければならぬ。日本は世界一の憲法を持っているといわれておりますけれども、そのくらいりっぱな憲法を持ちながら、社会保障の問題が今のような状態では、結局、経済自身が今のような不安定な状態を周期的に繰り返す、そういうところに落ちついていきはせぬか。で、冒頭に申し上げたフランスの国民所得が一人三十二万円、日本が十五万円、一年前にして十三万円でも十四万円でもいいです。そのあんばいで、たとえば年金一つとっても、向うは六十才で二万円をこしている。日本は四十五年先に三千五百円という所得保障しか行なわれてないという、この現実の問題をどう見るかということが第一の問題として私は出てこなければならぬ。一ぺんにフランスの二分の一――国民所得が三分の一なら三分の一で二万円の七千円、これだけのことができるかどうかは、これは出発した歴史がおそいのですから、そこまでは言いません。そこまでは言いませんけれども、そういう心がまえというものが社会保障制度につぎ込まれてこなければ、社会保障自身も進まないし、経済も進まないということになりはせんかということが言いたいわけです。だから大臣は、ほどほどに両方発展しなければならぬからという言葉がございました。それは、とり方によってはそのとおりであるかもわかりません。しかし、今までの進んできた姿そのものを、バランスのほどほどにじゃなしに、いかにして日本経済を進めていくか、国民生活を守っていくかというところにおいてバランスをほどほどという、新らしい観点に立ってのほどほどが社会保障制度に対する考え方でなければ意味がないのじゃないか。私はフランスの例を今言いましたけれども、そこらあたりまで今度の灘尾大臣は言及をして、たとえば来年度の社会保障をどうするのだという決意がおありではなかろうか、ベテランとしての大臣はそういう私は心がまえがおありではなかろうかということで聞いているわけです。これは私は、社会保障でこっちをふやせと、物とり的な問題を議論しているんじゃない。ひいては日本の経済というものをどうして進めるか、国民生活をどう守っていくかという観点から、社会保障がいかに大切かということについて、もう一度一つ御意見を伺いたい。
#14
○国務大臣(灘尾弘吉君) 藤田さんからのお説の御趣意には私は同感する点が大いにあります。従来ややもするというと、この社会保障とか、社会福祉とかいうようなことが、何かあまり経済とは関係のない、あるいは極端に言えば不生産的な仕事をやっているというような考え方があった。しかし私は、この社会福祉、社会保障というものが、やはり一国の経済に対して非常に大きな関係を持っておるという考え方におきましては、藤田さんと全く同感でございます。そういう意味におきまして、単なる不生産的なことをやっているんじゃないんだ、むしろ経済の堅実な調和のある発展をやるためには、社会保障が大きな意義を持たなけりゃならぬという考え方をいたしておる一人でございます。その意味におきましては、根本的に藤田さんとそう考え方が違っておるのではない、かように考えておる次第でございます。どの程度のことを一定の状態のもとにおいてやっていくかということになりますと、これは私もどうも専門家でございませんので、はっきりしたことを申し上げかねるわけでございますが、経済における社会保障の意義ということについては、私も実は認めておるつもりでございますので、その意味におきましても、各個々の人たちの幸福を増進するという以外に、別の大きな意義があるという考え方でもって社会保障の推進に当たって参りたいと、かように考えておる次第でございます。
#15
○藤田藤太郎君 だんだんと大臣のお考えもわかって参りましたが、そこでもう一つ私はお聞きしておきたいんですが、私はやはり社会保障というのは、歴史的な説明等する必要はないと思うんですが、どうして生まれてきたか、これはやっぱり慈善や恩恵じゃないと思うんです。そういう旧観念が頭にあって社会保障を進めようとするならば、今のようなことになってしまう。だから、旧観念をのけて、今の日本の実態の中でどう社会保障を進めるかという私は踏み切りが、もう厚生行政に社会から要求されているのが今日の事態ではなかろうかと、こう思うんです。そういう意味で、日本の池田内閣の政治を進める中における社会保障とか、完全雇用というような問題は非常に大きな意義を持っている重要な役割である。今までの日本の行政を見ていますと、通産であるとか、まあ農村の問題は置いてきぼりになって参りましたけれども、そういう経済――工業経済優先という格好があらゆるものを踏みつぶしてきた。しかし、今日行き詰まっているということは、これはだれが見ても日本の経済について、新聞、ラジオその他を見ても、日本の経済が行き詰まっていることぐらいはだれでもうすうす感じている。しかしそれは、やっぱり今のような社会保障とか、労働問題というものが経済の発展に不可分のものであるという観念がなかったからだと私は思う。たとえば、労働者は――働いている者は、機械が発展してくれば、機械や生産設備の付随物ぐらいにしか考えない問題、ILOってのもあるんですかというようなものの考え方が通産行政、産業行政にあったからこそ、こういう問題が私は出てきたんだというぐらいに、極論すれば、そういう感じすら私は持っておるわけであります。ですから、そういう意味で私は社会保障というものを大臣は一つこの際踏み切って、新しい日本の現実に沿った社会保障はどうあるべきかということを、一つ腹をきめて出してもらいたいと、私はそう思うんです。たとえば、労働省の統計を見てみましても、本年の五月の労働時間なんかを見ていますと、外国は四十時間、土曜、日曜は休み、機械が人間にかわって生産をしてくれる、そういう体制に入ってきている。統計上はオーバー・タイムの問題がありますから、四十三時間とか四時間のところもあります、先進国でも。しかし、体制そのものは四十時間労働をしている。オーバー・タイムの実際の実働の問題もあるが、こういう問題になってきている。しかし、日本はたとえば今年の五月の労働時間を見ても、六十時間以上働いているものが八百十五万人いる。こういうことでいいのかどうか。これは生産工場、その他生産業における労使の需要供給の関係もあるでしょうけれども、しかし、そんなことでいいのかどうか、これは労働問題ばかりでなく、労働問題と言い切れないのであって、社会保障に重要な関係があると私は思う。それでもってたくさんの失業者を出して失業補償の問題が議論されている。購買力は低下して、生産過剰で宝の持ちぐされの経済がだんだん進んでいる。全体の経済に、国民生活に非常にマイナスが起きてきている。こういうことを私は何で規制するか、この問題の答えはすぐ出てくると思う。一つはやはり社会保障制度を拡大して、生産と消費のバランスをとるために最低の基準を引き上げること、二番目は、やはり完全雇用の体制の中で、生産と消費のバランスの生活体制ができる。この二つの問題が底になって、経済が日々繁栄の道を開く、それ以外に、私は日本の経済が前向きになっていくという姿はあり得ないじゃないか、そういうことを考えている。だからそれはもう私の独断だ、私個人の主観だと言われれば、それまでかわかりませんけれども、外国の例をとってみてもそうだと思う。たとえばOECDの例をとってみても、労働生産性と賃金上昇率は同じくする、物価は横ばいだという大原則をくずさないで今日の繁栄をもたらしているから、景気、不景気というものはない。今日では労働生産性と賃金上昇率はどの国もみな高い。それは何を物語っているかというと、やむを得ず上げなければならない、物価の関係において私は出てきている問題だと思う。それくらい政治的のバランスをとっているのが、今日の先進国の政治の姿だと思う。だから、ゆりかごから墓場へという社会保障の底がどんどん引き上げられてきている。そこに政治の中心がおかれてきているということを、私は十分、大臣は御認識していただきたい。医療制度が、たとえば国民健康保険、国保の問題一つ取り上げても、今まで二割であったのを、五分の調整金をふやしたから、政府は努力した。これはこれで努力の姿というものは出ていると思う。今度三割にするというなら五分ふやすのですから、政府は医療制度に努力したということは私は出ていると思う。しかし、その面だけで努力したということは言えても、国全体の経済や国民生活から見て、それでいいかという議論を先にしませんと、この結論は出てこない。今二割五分の国庫負担だから、五分上げたら努力したというだけで、それで社会保障制度と日本の経済との関係としていいか、そんなものでは私はないと思う。今、日本の経済はどういう位置にあるか、医療制度はどういう位置になければならないか、所得保障の年金問題はどういう位置になければならないかという問題は、私はやはり日本の経済の現状と合わせて、ものさしで計って、社会保障の方針というものをお立てにならないと、今のような端々の議論をみなしているという格好では、私は日本の厚生行政、社会保障というものは進まないのではないか、柱の問題だけを申し上げましたが、たとえば母子福祉、児童福祉、それからいろいろの福祉問題から、たくさん社会保障としてめんどうをみなければならない問題がございます。しかし何といっても、その柱になる問題を一つ取り上げてみても、今のような現状なのです。だから二割五分のやつを五分上げるということだけでは、事足りないのではないかということを私たちは考えておるわけであります。だから、そういう意味で、大原則として、生産と消費がバランスをとって日々日本の経済をどう繁栄さしていくかというところに中心をおいて、大胆に来年度の社会保障の予算をきめていただきたいということをお願いしたい。
#16
○国務大臣(灘尾弘吉君) 藤田さんのお考えの御趣旨はよくわかるのであります。お言葉の中に、日本の経済が行き詰まったというようなお言葉がございましたが、私はその点は必ずしもそう考えておりません。これから大いに発展させようというところでございます。そうは思っておりませんが、ただ、端的に申し上げれば、今の厚生省の社会保障についての一つの基本的な計画と申しますか、考え方と申しますか、そういうふうなものがはっきりしておらぬじゃないか、こういうあるいは御注意じゃなかろうかというふうにも伺ったのであります。その点については、確かにお述べになりましたような点は私は率直に認めざるを得ない。いろいろな制度がばらばらに発展して参りまして、その間、調整もとれていない。また、それぞれが充実しないというので――実は私はいつまで大臣をやるかわかりませんけれども、このごろの例でございますので、そう長いことやることはできないかもしれませんが、私自分の在任中は、何とか今あるものをもっともっと充実したいということに実はひとつ主力を注いでいきたいと、こう思っておるのでございます。それと同時に、すでに厚生省のほうでも前大臣のころから厚生行政の長期計画というようなものについて手をつけておるわけです。これらの点につきましても、同時によく検討を重ねまして、何とか固まった長期計画を持ちたい、こういうようなつもりで検討いたしておる次第でございます。この辺がだんだん固まって参りますれば、あるいはそれに対する御誹謗があるだろうと思いますが、せっかく勉強いたしたいと思います。
#17
○藤田藤太郎君 だから、まあここであなたと経済論議をしようとは思いませんが、また違った場所があると思いますが、これはまあこれでいいと思います。しかし私は、厚生白書がここ二、三年前から、三十一年から初めて言い出したんだが、貧富の差が大きくなってくる、所得の再配分をしなければならぬ、どうにもならぬじゃないかという厚生白書が結論を出した、これは私は非常に賛成です。その心がまえが厚生省にあるとするならば、旧制度を漸進という格好だけでは、日本の社会保障は、急速度に日本の経済を発展しなければならない現在において、それだけではどうにもならぬのであります。だから、本来の姿に立ち返って、貧富の差が大きくなってくる、この所得の再配分をどうするかという新しい観点に立って、この問題を議論をしいただかないと、今の大臣の、個々のケースについて漸進をさすことに努力をするとおっしゃいましけれども、それが総体の中から出てくるものとしてはけっこうでございます。総体の格好、貧富の差を縮めなければならぬ、所得の再配分をしなければならぬという、この新しい観点に立って、私は厚生省がせっかくお出しになってきたこの大方針を、ぜひ新しい観点で社会保障を見てもらいたい、そういう格好の打ち出し方をぜひしていただきたい。きょうの大臣のごあいさつの中に三つの点があげられております。医療制度の問題、年金や社会保険の問題があげられておりますが、個々のケースについて漸進してもらうことはまことにけっこうでございますけれども、社会保障というものがいかなる役割を今日の日本で持っているかという大原則について大いにひとつ――大臣はまあかつてないベテラン大臣でありますから、そういう点をうんちくを固めて、ひとつ大方針を出していただきたい。そして、まあ議論にならぬ程度に申し上げておきますが、日本の経済の日々繁栄の道を灘尾厚生大臣が大きくひとつ社会に訴えてもらいたということをお願いをしたい。
#18
○国務大臣(灘尾弘吉君) 御質問がなかったようでございます。私の心がまえについての御注意であると思います。私もこの経済の成長は、単なる経済成長政策に終わったのじゃいけない。また、所得の倍増が単なる総所得の倍増に終わったのじゃいけない。やはりそれを通じて所得の再配分ということを考えていき、国民全体のやはり生活が向上するように持って参らなればならぬ。最低所得で生きている人たちに対しましては、むしろ倍増どこじゃない、もっともっと生活の底を上げていくというふうなことが、経済成長、所得の増加ということを通じて行なわれていかなくちゃならない。言いかえますれば、いろいろな格差というふうなものについては、なるべくこれを少なくしていく、縮めていくという方向で社会保障制度を進めて参らなければならぬという考え方につきましては全く同感でございます。できるだけの努力はさしていただきたいと思っております。ただ、まあ、やり方については先ほど申し上げましたのは、大きな網をかけるということよりも、あるいは新しい何か不完全なものをやるというよりも、まずもって私の留意しなければならぬことは、今われわれが持っている制度をもっと充実することじゃないかというような気持を申し上げたわけであります。大前提として所得の再配分という場合に、社会保障の立場から大いに努力をし、また考慮しなければならぬことは、私としても考えておるということでございます。
#19
○藤田藤太郎君 そこで、生活の保護、生活保護といのは、人たるに値する生活を保障するという憲法の条項からきている生活の保護の問題であるわけです。だから、これを大臣はどういう工合に見ておられるかということをお聞きしたいと思うわけです。たとえば、先ほど各国の、世界の国がやっているたとえば完全雇用の中における関係を申し上げました。だけども、私は生活保護という格好を今後進めるのには、私はこう思っているということを申し上げたい、人間というのは、私らも含めてそうでありますけれども、遊んで生活していく、高い給料を受けて遊んで生活していくということは一番不幸だと私は思う。自分の体力に合うように、自分の希望に合うように仕事をする、これは社会に貢献をすることだと私は思うのです。社会の進歩に対する。そういう形の中から人生を全うするということが私は喜びだとこう思う。ですから、たとえば手工技術から生産を進めてきた時代から、今日では機械化、オートメーション化になってきたというこの時代になってくれば、おのずから、その中の国民全体が手に合う仕事をして、その労働力を通じて社会に貢献をしていく、それが完全雇用の道だと私は思うのです。身体障害者の方にはそれに合う仕事を確保することも一つの方法でありましょう。それからまた一ぱい働けない人においても、そういう仕事の確保をしていくということも、母子家庭その他の方もそうでありましょう。そういう格好でやっぱり人生を楽しむということは、だんだんと人間にかわってくるのでありますから、労働時間を短かくしてみんなが働けるという態勢に持っていくことが、何といっても人生の喜びの一番最大なところに通じてくるのではないかと思う。どうしても労働能力のない、生活手段のない人に社会保障、要するに生活保護の問題をやって、それを優位に、十分に、それでもう労働能力がないから、その方々の生活を高めていくという方法が私は必要ではないか。そういうことになってくるので、単に生活保譲、所得保障の年金とかということでなしに、今の日本の経済の中で、産業経済拡大、完全雇用、それから適職に通じて社会に貢献してもらって、人生を喜びの中で全うしていく、そういう中で私はやっぱりゆりかごから墓場へというような社会保障が完成していく道ではなかろうか、私はそう思っておるのです。だから、あなたは生活保譲について今まで厚生行政ではそういうところにあまり手が延びていないような私は感じがするのですが、大臣はどういうお感じを持っておられますか。
#20
○国務大臣(灘尾弘吉君) ただいまお述べになりました藤田さんのお考え方については私は全く同感でございます。そういうふうな点について、まだ日本の国民生活の実情から申しまして、今後発展し、また改めていかなければならぬ余地はたくさん残っているように思います。生活保護にいたしましても、単なる所得の保障ということでなくして、やはりその間に幾らかでも働ける人には働いていただくというふうな考え方もちろん取り入れていかなければなりませんし、自立できればこれは一番けっこうということにもなるわけでございます。労働を通じて社会に貢献をし、また人生に生きがいを感ずる、この考え方については私も全く同感でございます。
#21
○藤田藤太郎君 だから、私はさっきの大原則の問題とあわせて、私は厚生行政をお進めになっていただくのですから、そういう労働行政、経済とそれから生産と労働それから完全雇用ですね、これは所得保障に通じますけれども、一定の年限以上の人はむろんこれは所得保障の年金で実行しなければなりませんが、そういう一連の問題については、労働省と厚生省ががっちり手を組んで、そうして日本の生産、産業行政にあたっているところに、これがまず日本の行政の底なんだ、基本的なものなんだという格好で、私はやっぱり政治を進めていただきたいということなんですよ。たとえば私は労働大臣にもよく言うんです。労働行政というのは、失業者がぱらぱら落ちてくるやつを何かで受けておって、落ちてきたものを受けて、これをどう保護するというようなことでは労働行政ではないんだ、日本の産業経済の発展の基礎は、労働行政や社会保障の行政にあるのだ、これを経済の発展をさすための基礎として、なぜ基本方針としてそれをやらないかということを私はよく言うわけですが、私はそうしなければ日本の経済はもたぬのじゃないかと思う。ただ日本の現状の中で私は議論をしておるのではない。世界各国がそういう格好で今政治経済を進めておるということは、これはもうどうしてもうそのつけない問題です。それがあって初めて進歩していく人類の幸福の道を私はつかめていくと思う。そういうことにぜひ大臣は力を入れていただきたいということを重ねてお願いしておきます。個々の問題については、たくさんあるわけですけれども、ちょっとこの問題について相馬委員から意見がありますから、あとでまた……。
#22
○相馬助治君 ただいま藤田委員から、社会保障のうちの一つの重要な柱である所得保障に関連して、きわめて適切な質問があったのであって、この問題については、ひとり厚生大臣のみをもって返答したり、確言を与えることは困難であろうと思うけれども、国民の所得の格差が池田内閣の所得倍増政策によって、残念なことながら、いよいよはなはだしくなる傾向にある今日、特に実力者内閣である現在の内閣、そしてまた、お世辞抜きに実力者である現厚生大臣が、この問題について強く閣議の中でも財政当局に対して発言をされて、初期の目的貫徹をわれわれは起党派的に期待いたします。
 私はこの際一点だけ伺っておきたいのは、もう一つの柱である医療保障の問題です。これは藤田委員が指摘した所得保障の問題と関連して、きわめて重要な問題なのであって、常に病気と貧困は兄弟です。病気のあるところに貧乏があり、貧乏のあるところに病気があるということは、これはもう御承知のとおりです。ところが日本の社会保険制度というのは、残念ながら、だんだん発展拡充してきたものですから、設計図の悪い一軒の住宅みたいであって、まことに困った状態であろうと思うのです。そこで、われわれが常に保険制度を一本にしろということを言いますけれども、現在のままで保険制度一本ということを手がけるというと、おそらく現在の制度の中では、自民党と非常に深い関連のある経済団体関係も、それから逆に社会党と深い関係のある総評関係も、いわば両面から、にわかな画一的な社会保険の統一には反対だという声が具体的に上がるというような微妙な段階です。そこで、私は灘尾大臣に期待したいことは、今日特に弱い面を先に救っていただきたい。具体的にいうならば、国民健康保険は今日財政の面から非常に困難な立場に追い込まれております。それから日雇い労働者の健康保険もまた同断です。したがって、これらを他の健康保険なみに引き上げた上でないと、私は社会保険の統一、抜本的改正ということが、両面から突き上げを食って、与党からも野党からも反対されて始末に負えない状態になると、こう思うのです。民社党はよい考えを持っておりますが、残念ながら少数派で実力を持っていない。そこで、私は今言うたような意味で、ぜひ弱い面を引き上げてもらいたい、あなたの方で。それは今、藤田委員が指摘したことに合致すると思うのです。
 それからもう一つは、今度は制度上いろいろな問題で解決のつかない問題が出てきていると思うのです。たとえば弱いものを引き上げるというものの中には、今日肢体不自由者に対する措置というようなものも完全でないことは御承知のとおりです。それからひどく人情のある措置が従前に行なわれていた、たとえば盲人の方の仕事なんかに対しては、あんま業の試験なんかについても、戦前はそういう方に対して特別な考慮が払われていた。ところが今日に至りますと、憲法の条項が云々というようなしゃくし定木の観点から、悪い意味の平等論に立って、そうしてそういう面の救済というようなものも、今日はっきり申して不備だらけなんです。したがって、私は具体的に一々の例をあげませんから、あなたの口から、今日特に社会保険の面、医療制度の面から、弱い面を財政的にあるいは法制的に、両面から一つぜひ救済をあなたの力でやってほしいと思うので、その一点だけ希望を添えて大臣の見解を承っておきたいと思うのです。
#23
○国務大臣(灘尾弘吉君) 社会保障、特にまた医療保障というような面につきましては、いろいろな制度が並立しているということは御指摘のとおりであります。しかも、その制度が内容的にもいろいろ違っている、財政的にも強弱の差がある、こういうようなのが現在の状態でありまして、できの悪い普請だと抑せられたような気持は私も持っております。これを何とかしていかなければならぬのが厚生省に課せられた大きな課題であろうと私は思うのであります。私どもの心持から申し上げますと、私の時代に解決できる問題か、できない問題か、これは別といたしまして、心持の問題といたしましては、今の社会保険の、ことに医療保障あたりの統合というようなことは、なかなかそう簡単にはいかない、これはもうお話になりましたような事情も確かにあると思います。なかなか簡単には参りませんけれども、いつかの日にはやはりその辺のところは整理していかなければならぬのじゃないか、それまでの問題といたしまして、弱い面を引き上げるということでございます。私もそのつもりで努力したいと考えております。
#24
○佐藤芳男君 関連して。私は先刻、藤田委員の御質疑に対しまして、心から傾聴をいたしておったのでございますが、灘尾大臣の答弁を伺って、実は一応安心をいたしたのであります。灘尾厚生大臣の答弁の中に、さしあたりの厚生行政についてはもちろんこれを何とか解決をいたしたい、それ以外に長期計画、それから総合調整というような問題もそれと同時に考えていきたい、実を結ぶように努力をしたいのだというようなお話がございましたことに敬意を表するものでございますが、私は社会保障制度審議会に関係をいたしておりますときに、大内兵衛博士ともいろいろと協議をいたしました。これはひとつ日本の社会保障の理想図とでも申しましょうか、青写真を作って、そうしてその理想図を掲げて、その時、その時代々々の国家財政、国民経済というものに即応するようにだんだんと施策を考えていくということであると、従来の調整を必要とする面もおのずから解決をして参りますし、今後決してばらばらの社会保障にならぬで済むのではないかというような話もいたしたことがあるのでございますが、そういうような格好に理想を持って、それに近づけるように努力をするということは、きわめて日本の社会保障としては絶対必要のことであり、藤田委員のお説を拝聴いたしておりましても、私はそこにやはりねらいがあるのじゃなかろうかと、かように拝聴をいたしたのでございますが、ただ単に総合調整、長期計画という問題だけでなしに、ひとつ青写真の作成も、厚生省は非常にお忙しい役所でございますから、社会保障制度審議会等にそうした御諮問もいずれ機会を見ておやり下さることを私は切望いたすものでございます。
 なお、私どもも研究をいたしたいのでございますが、ささやかな知識を傾けたいのでございますが、先刻、藤田委員のお話の中にも、フランスの例をお引きに相なりましたが、私は急でなくてともけっこうでございますが、これはひとつ委員長から要求をしていただきたいのでございますが、資料であります。すなわち各国の社会保障がその国民所得の何パーセントになっておるか、また、予算の何十何パーセントを占めておるか、しかして日本のそれはどうかという、その表をぜひひとつ御提示にあずかりたいと思うのであります。ただ、ここではっきりと申し上げておきたいことは、よく私どもは政府のお役人や、あるいは国会議員各位の方から御講演などを承るときに、そのパーセンテージを拝聴する機会に接するのではございまするが、私どもの調査によりまするというと、各国おのおのその基礎が違っておる。はなはだしきに至りましては、軍人恩給なんぞを社会保障の予算施策の中に数えておるところもございます。また、日本のごとく環境衛生と公衆衛生、ああいうものを省いた計算で計算をされておられるという、こういう基礎が違っておる。これは国際連合の統計年鑑をお調べ下さればわかることでございまするから、どうかひとつ、そういうところを抜き差しして、そうしてひとつ日本と各国との比較の表をお作り下さって、これを委員会に配付していただくことが、私どもが研究いたしまするに非常に稗益するところが多いと思いまするので、この資料だけは委員長から御要求に相なっていただきたい、かように関連して申し上げた次第でございます。
#25
○藤田藤太郎君 私も実は資料をお願いしようと思ったのですが、ちょうど佐藤さんがおっしゃっていただいたので、私は後進国というのはまだ経済が向上期でありますから、それはものさしになかなか入りにくいと思いますが、今、佐藤さんがいわれたように、各国の国民所得と、それから一人当たりの社会保障費、今言われたように内訳の問題もある。それから税金の問題も出してもらわなければ、やはり対比できないので、税金が国民所得の幾らであるか、それからどの程度までの税金が、所得に対する税制の問題が行なわれているか、こういう問題も合わせて、ぜひ至急に出してほしい、これはお願いしておきます。
 それからもう一つ、個々の問題に相馬委員からお話があった。まあ社会党は医療制度の統一に反対しているとおっしゃったのですが、私はそうは思っておらぬのです。そういうことでは社会党はないのです。いかにして医療制度、年金制度、国民生活に関係したものを統一しておのおの職業がどの職業であろうと、社会に貢献しているということは、私は同じに見なければならぬ。だから当然社会保障というものはどの国でも努力しているように、統一のレベルに、おれは官庁に勤めていたからいいのだ、おれは百姓していたから悪いのだ、というようなことから、所得補償や医療制度はいいのだというような考えには私たちの党は少なくとも立っておりません。そういうことは明らかにしておきたいと思う。しかし、その目的に到達するのにはどういう方法がいいのかということを、われわれはたとえば日雇者と一般というような段階を経てそこへ到達するにはどうしたらいいか、今財政経済がみんな違うのに、一ぺんに一緒にしてしまうというようなことは可能かどうかということを研究しておるのであって、決してああいうことでないということを大臣に認識しておいてもらわぬと困るので、それはここではっきりしておきたいと思う。それで、個々の問題が出ましたから、個々の問題にこれから入っていきたい。医療制度の問題です。これは国民健康保険、日雇保険からいろいろの保険があるわけですから、これをどういう工合にして高めていくかということです。しかし今一番お困りになっているのは、医療扶助を底にしまして、国民健康保険の方々が、農村の国民の三分の一を含めて、今一番お困りになっているのではないか、だから、これは市町村長、市町村議会一府県知事、議会というようなものが一致して、少なくとも世帯主、または家族、初歩の、一番最初の段階でも、七割給付という問題を実現してもらわなければどうにもならぬということが言われて参りました。私たちもほんとうそうだと思う。私たちの期待はもっと大きゅうございます。百パーセント外国がやっているようにしたいのですけれども、少なくとも段階的にそれをやるということで、第一年度はそれをやって、二、三年たって八割、九割上げていくという方針をとりたいわけでございます。昨年の予算編成のときに、国民健康保険を一割国家負担をふやして五分の一ずつ上げていくという方針を厚生省から第一段階で出されたということは、私は五年間にやるなんていうことはなまっちょろいと思っていますけれども、しかし、そういうかまえが厚生省にできたことは、私は敬意を表しているわけです。しかしそれは要求だけで全部消えてなくなった。私はこれでいいのかということを今非常に痛切に感じているわけです。今月衆議院の中で、国民健康保険の給付、それから国の負担との関係でいろいろ今議論があるのも、私はこの問題ではなかろうか。だから、この問題については厚生大臣は確固たる信念で、私は全国の市町村の一致した願いで持ってきているこの問題を、それはやはり実現の方向に、あなたは個々の問題で努力すると言われたから、この問題はやはり約束されなければならぬと私はそう思う。どうです。
#26
○国務大臣(灘尾弘吉君) 国民保険のことが実は私は医療保障の中でも当面一番心配になる点だと考えております。その財政基盤が弱い、被保険者の負担が重い。そういうふうな実情が確かにあるように考える。これをどういうふうに処置していくかというところが最も頭を悩まさなければならぬ問題ではないかと思っておる次第であります。なかなか一挙に解決するということも困難だと存じますけれども、私は国民保険の療養給付費に対する国の負担率をある程度引き上げたい。あるいはまた五割給付を、本年度一部七割給付になったところもございますが、これも漸次引き上げて参りたい。そういう考えのもとに鋭意今努力しているところで、せっかくやっておるところでございます。
#27
○藤田藤太郎君 だから私は約束であったとか、なかったとかいう議論はいたしません。うちの委員でやった問題でないからいたしませんけれども、しかし、今日国民の要望がそこまできているということだけは肝に銘じて、全般的な問題もそうだが、個々の問題で前進したいというのだから、私は大臣は肝に銘じておる問題はこの国会中に私は結論を出していただけなければならぬ。たくさん問題はございます。健康保険の問題にしても、たとえば組合管掌、政府管掌をどう統合していくか、ここに国の負担の問題、政府管掌の問題に入るとなると、いろいろわれわれは議論しなければならぬことがある。年々三十億を政府管掌の健康保険に出しますと政府は約束してあれしてから、ちょっとバランスがとれぬからオミットしてしまうということを平気でおやりになってるわけです。こういうことで議論しなければならぬことがたくさんあるのだが、これは今後具体論に入っていって議論することにしたいと思う。したがって、今さしあたって衆議院で非常に議論のある問題だけは私は特に要望しておきたい、この問題解決のために。
 もう一つ、きょうは大きいところだけ申し上げますけれども、年金の問題です。国民年金の問題はさっきの私の議論の中にも出て参りました。実際、所得保障というものは一つの大きな労働行政の関係にも入って参りますけれども、今の例から見て、これでいいとは大臣思っておらないと思うのです。四十五年後から三千五百円年金を差し上げますという格好で年金制度が出発したということは大いに議論したところでもありますから、くどくは申し上げませんけれども、一応、国会を通って出発していったわけでありますけれども、これを抜本的に厚生省は考えてもらわないと、さっきの遠大な理想を大臣はお持ちなんで、片りんを承ったのでありますけれども、この年金の問題についても大きなメスを私は入れていただかなければならぬのじゃないかということを、これをお願いしておきます。
 それからもう一つの問題は、医療協の問題なんです。医療協の問題は、昨年からの国会、今年の国会でああいう状態になりました。しかし、もうこの段階になって参りますれば、社会保障制度審議会が答申して三者構成という格好になって、そこまで厚生省は踏み切られたのでありますけれども、もっとざっくばらんに言えば、売り手と買い手といいましょうか、手術を行なう者と手術を受ける者の立場に立って、おのおのの自分の能力、技術を提供する、その提供を受けるという格好の中においては、おのおのの側が赤裸々に自分の意思を発表できるという格好の協議会でなければ私はいかぬと思う。だから、その点について医療協の改正については、単に今までの惰性の延長ということでなしに、抜本的な改革というものをやっぱりお考えいただかなければならぬのじゃないか、こういう工合に考えておりますから、この二つの問題についてひとつ所感を承っておきたいと思います。
#28
○国務大臣(灘尾弘吉君) 国民年金の問題については、実施早々のことでございまするので、私もこれからよくひとつ勉強さしていただきたいと思っておるような次第であります。いろいろ問題点はたくさんあるように伺っておるわけです。政府といたしましては逐次改善に努めて参りたいと存じます。根本的なメスを入れろというお話につきましては、今後十分勉強さしていただきたいと思います。
 それから医療協の改組の問題でございますが、これもなるべく早い機会に御審議をわずらわすようにいろいろ検討をいたしておるところでございます。その際また御意見を十分伺いたいと存じますが、さしあたって私どもの考えております点は、前回お流れになってしまった法案でもございますので、これを一応踏襲して国会に出したらどうかという考えをいたしておりますが、まだ結論的に到達いたしておりません。目下検討中ということで御了承願いたいと存じます。
#29
○藤田藤太郎君 もう二、三点具体的な問題点をお伺いしておきたいのです。
 その一つはポリオの問題です。これは今年度は千三百万人の生ワクチンの輸入によって大きな成果を上げたと思っております。そういう意味において非常に敬意を表しておるわけですが、単にあのポリオというものは小児だけを対象にする病気ではなしに、最近、小児麻痺と言わぬように厚生省でも行なわれておるようですが、私はやっぱり人間麻痺だと思うのです。だから、その生ワクチンが非常に効果を上げているという形のものですから、この生ワクチンの国内製造に踏み切るという問題、それからそれの間に合わない状態の中では、全国民を対象に生ワクを施行して、あの急性灰白髄炎――ポリオが起こらないように、日本の国民の中にあの患者は出ないような措置というものを大臣もお考えをいただいておると思いますが、その点についての所見をひとつ承っておきたいと思うております。
#30
○国務大臣(灘尾弘吉君) 生ワクの問題につきましては、本年、急遽これを投与することによりまして、かなり著しい成績を上げたと考えております。これは学術上のことでございますので、これはよくわかりませんけれども、もう一回投与する方が適当である、こういうような御結論になっておるようでございます。先般、予備費におきまして、本年度内にさらに一回――詳細は局長からお答えしたいと思いますが、生ワクを投与するための買い上げの予備費だけは実はいただいたのでありますが、時期に時期を失せず投与できる態勢をかまえていきたいと考えております。なお、これをどの範囲まで行なうかということにつきましては、この次の生ワクの投与につきましては、今年よりも範囲を若干広げておるわけでございます。全国民にやるというふうな必要があるのかないのか、これはやはり学者の考え方というものによってきめていったらよろしいのじゃないかと思います。今年はたしか――明年は義務教育の学生児童には全部及ぶようにいたしたいというつもりで計画をいたしておりますが、詳細のことは主管局長から申し上げます。
#31
○藤田藤太郎君 この件に関してもう一言二言お伺いしておきますが、今ソーク・ワクチンの製造をやっているわけですね、六つの事業所で。これをどうするかということです。
 それから、この次の委員会には、ぜひ委員長にお願いしておきますが、先日、厚生省の局長を含めて八人の人が外国においでになったのですが、その外国の実態と研究の結果のお話をひとつ承りたいということが一つです。それから、その六つの業者がソーク・ワクチンの製造をやっておるのですけれども、私は生ワクチンに――あの方々の新聞の発表を通じてお聞きしているのですけれども、もう生ワクチンに踏み切らなければならぬ状態にきているのじゃないか。そのためには単に輸入ということだけで事済ますのではなしに、国内の生産という格好に私は踏み切らなければならぬのじゃないか。そういう意味で私は全国民対象と言ったのであって、これは必要なことですから、どうしても行政上そこまで高めなければなりませんから、その点の問題は、今結論が出ていなければけっこうですけれども、その心がまえだけは十分に持っていてもらって、次の委員会で一つ何らかの形の御答弁、御所見を私は承りたいと思うわけです。この総合的な問題です。
 それからその次の問題は、私はこれは災害特別委員会が開かれますれば、そこでやりたいと思いますけれども、災害に関する問題なんですね。この災害に関する問題は、私は厚生省と各府県との間にパイプがつまっている、こういう気がいたします。だから、いろいろ具体的な問題をあげればたくさんありますけれども、パイプがつまっているような感じをしている。たとえば国会で議論をしますと、その通り、こうやりますと厚生省の諸君はみな言ってくれるのです。やっているといってくれるのだけれども、具体的に現地に行ったらそういうものがやってない。何がじゃましているかというと、厚生省の行政指導が機械的なんだと、私はそう言いたいと思う。たとえば、一々厚生省に各府県の知事がお伺いを立てて、厚生省の主観によって一々事ごとに、個々のケースごとに判断をして指導しているという格好が今日ようやく生まれて参りました。これならこれで私はいいのです。しかし、たとえば堆積土砂の排除は三%なんだというような政令を出しておる。そうすると熱意のない府県はそのままうのみにして、もう三%しかもらえないんだということでそれで終わってしまう。仮設住宅は、たとえば、十万円五坪なんだ、それは三〇%なんだといったらそのままで、どんなに被害が甚大であっても、そのままで終わってしまう。よその府県が、個々の討議によって少し上に上がれば、あわてて出てくる時分にはもう処理は済んでしまっている。だから私は、パイプのつまっているその欠陥というのは、厚生省がいたずらとは言いませんけれども、政令なんかで過去の実績において基準をぽっとお出しになる、それがじゃまをしているのであって、具体的な施策ができていないのではないか。たとえば家がこわれて修理というのは、ちゃんと災害救助法で二万円以下の修理代を出費するということがありながら、具体的には、どこもやられていないという問題もある。これもパイプがつまっている。私はそう思う。だから、そこらの問題はどうせ参議院で災害特別委員会が開かれますから、そういう過去の問題を振り返っていただいて、そうしてパイプのつまったところはどういうところにあるのだ、災害救助は基本法ができて対策本部ができて、今後処理されていくようになると思いますけれども、それにこたえるように、単に激甚地とか、激甚地でないとかいうものさしで、個個の個人にすれば非常に被害を受けながら、ほってきぼりにされるというような不公平なことがないように、私は厚生省は災害対策についても検討しておいてもらって、そして災害対策委員会に出ていただきたいということを、きょうは大臣おいでですから、冒頭にお願いをしておきたい。これは私は三つほどあげましたけれども、まだたくさんあります。たくさんありますから、パイプのつまっているところはどこに原因があるとかいうこと、つまらせないように今後どうするかということを明らかにして、災害対策委員会に出ていただくこと。それからまた、この国会でこの問題の処理をりっぱにしていただきたいということをお願いをしておきたい。
 それからもう一つの問題は、たとえば厚生行政、環境衛生の関係になるのですけれども、たとえば人間生活には水が一番大事だと私は思うのです。水の問題、上水ですね、下水も関連して出てくるわけですけれども、しかし、もうほんとの山間村にいきますと、水もきれいだし、いいけれども、 そういうところで財政力がなくて、たとえば上水道はできない、簡易水道もできないというところが非常に多いのです。多いですから、今の四分の一くらいの補助では簡易水道なんてなかなかできないのじゃないか、あとの運営費がたくさんかかって。だから、こういう問題も鋭意踏み切ってもらわなければならないのじゃないか。
 それからもう一つ私は申し上げたいのですが、災害救助の問題ですが、たとえば電気とか、電話とか、災害が起きたときに、災害救助法は府県が中心になりますけれども、まず民生を安定するということが一番先なんですね。だから民生安定には知事、市町村というものが権限を持って、たとえば水道の復旧を先にするとか、それから電話、通信の方を、その復興のために先に備えをするとかいうことが私は大事ではないか。しかしそれが十分にできていない。みんな営業ですからね。だから、そのために対策上の支障をきたしているところもあるわけですから、そこらの問題も一つ考えていただきたい。まだ塵埃やその終末処理からたくさんの問題があるのですけれども、しかし二、三の点だけを私は申し上げてお願いをしておきますが、そういう点は今後順次、具体的に一つ一つのケースで行政を高めてもらうために私は議論したいと思いますが、そういういろいろの問題について、ただ今日までこうであったからこうだという惰性で行政をやるのではなしに、これだけ日本の経済も発展してき、これだけ文化生活を追求しようという国民の意欲にこたえるように、厚生行政をずっと見ていただけたら、たくさんあると思いますから、これはぜひ踏み切って取り組んでやろうというかまえを大臣は持っていただきたいということをお願いしておきます。
#32
○国務大臣(灘尾弘吉君) きわめて適切な御注意をいただきましたので、十分一つ検討させていただきます。
#33
○委員長(谷口弥三郎君) 速記をやめて。
  〔速記中止〕
#34
○委員長(谷口弥三郎君) 速記を始めて。
 それでは一般質疑に対する質疑はこの辺で本日は終ります。
   ――――――――――
#35
○委員長(谷口弥三郎君) これからあん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 提案理由の説明をお願いいたします。
#36
○国務大臣(灘尾弘吉君) ただいま議題となりましたあん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法等の一部を改正する法律案について、その提案の理由を御説明申し上げます。
 現在、あん摩、はり、きゅう及び柔道整復以外の医業類似行為につきましては、あん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法により、何人もこれを業としてはならなことになっておりますが、昭和二十二年十二月二十日の同法公布の際、引き続き三カ月以上あん摩、はり、きゅう及び柔道整復以外の医業類似行為を業としていた者で同法施行の日から三カ月以内に一定の事項を届けたもの等については、なお昭和三十六年十二月三十一日までこれを業とすることができることとなっております。
 今回の改正は、これらの業者に対する経過措置が本年末をもって終了することになりますので、これら業者がその業務を行なうことができる期間及びこれらの者が特例のあん摩師試験を受ける期限を三年間延長して昭和三十九年十二月三十一日までとすることとしたことであります。
 以上がこの法律案の提案理由でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#37
○委員長(谷口弥三郎君) 次に、政府委員から細部についての説明を聴取いたします。説明を願います。
#38
○政府委員(川上六馬君) 現在、あん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法におきまして、あん摩、はり、きゅう及び柔道整復につきましは、免許制のもとにこれを業とすることが認められておりますが、これら以外の医業類似行為につきましては、何人もこれを業としてはならないこととなっております。
 ただ、これにつきましては、多少の経過的な例外措置があり、今回の改正も、この経過措置に関するものであります。すなわち、あん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法施行前におきましては、あん摩、はり、きゅう及び柔道整復以外の医業類似行為も、都道府県の取締規則の規制等のもとに、一部これを業とすることが認められていたこと等の関係もあり、同法立法当初におきまして、昭和二十二年十二月二十日の同法公布の際、引き続き三カ月以上これら業務を営んでいた者で同法施行の日である昭和二十三年中一月一日から三カ月以内に一定の事項を都道府県知事に届出たものに対してのみ、昭和三十年十二月三十一日まで当該医業類似行為を業とすることが認められたわけであります。その後、この措置の終了する昭和三十年に至り、法律の一部改正が行なわれ、従来、あん摩、はり、きゅう、柔道整復以外の医業類似行為の一種であった指圧があん摩の中に取り入れられるとともに、届出医業類似行為業者の業務期限が三年延長されて昭和三十三年十二月三十一日までとされ、これとの均衡上、従来指圧を業とした者は、あん摩師免許がなくとも昭和三十三年十二月三十一日まで指圧を業とすることができるものとされ、また、この期間におきましては、指圧業者を含むこれら届出医業類似行為業者は、通常要求される養成施設における二年の修業を要することなく、また、通常より簡易な試験をもってあん摩師となることができることとされたのであります。
 さらにその後、この措置の終了する昭和三十三年に至り、これら業者の業務期限と特例あん摩師試験は三年延長されて昭和三十六年十二月三十一日までとされて現在に及んでおりますが、この間、昭和二十三年当初、一万四千七百三十五人いた届出医業類似行為業者は昭和三十五年十二月末現在において、あんま師への転業者二千四百七十人を含めて六千百二十三人ほど減り、八千六百十二人となっております。
 今回の改正は、届出医業類似行為業者がなお八千六百余人もいる実情もあり、今直ちにこれら業者に対する経過措置を打ち切ることもいかがかと考えられますので、その業務期限と、あんま師への転業の特例措置の期限をなお三年延長し、その間にさらに検討を加え、問題の解決をはかろうとするものであります。
 以上が今回の法律改正案に対する経緯と趣旨であります。
#39
○委員長(谷口弥三郎君) 以上もって説明を終わりましたが、御質疑のある方は順次御発言を願います。
#40
○藤田藤太郎君 ちょっと一言。この前の資料によると、晴眼者の学校卒業予定者、それから盲人の学校卒業予定者の数字がちょっと違っておりますね。この前は、たしか晴眼者の方は三千幾らだったと記憶しているのですが、この一番最後のページで聞違いがないのですか。
#41
○政府委員(川上六馬君) きょうの最後のページについておりますのが一番新しい数字でございまして、これが間違いないと思います。
#42
○藤田藤太郎君 これは医務局長、少し前の数字と違っているようなんだが……。それなら全部でどれだけの晴眼者の学校があって、収容人員がどれだけあって、それで盲人の学校と、就学している人が何人あってということを出してくれませんか。どうも私の感じが間違っておれば別ですけれども、少し違っているような気がしますものですから、ぜひその学校と収容人員、卒業予定者全部のやつを出していただけませんか、お願いをしておきます。
#43
○政府委員(川上六馬君) きょうの資料の一番最後に、養成施設の数とかございますね、二十二ページですが。
#44
○藤田藤太郎君 いや、これは何でしょう。盲学校の数が六十二校、それからあんま師及びはり師三十八校と、こう書いておりますね。書いておりますけれども、実際は学校の収容人員が幾ら、卒業者が幾らというようなことは書いておりませんね。その最後のページに、こう書いてあるわけですけれども、今までの厚生省の出された資料から見ると、少し数字が違っていやせぬかという私の感じなんで、ぜひ学校ごとのやつを出してほしいと思います。お願いいたします。
#45
○政府委員(川上六馬君) 承知いたしました。
#46
○藤田藤太郎君 それからその二十二ページに就業者の数があります。晴眼者、盲人とあって、ずっとはり師、きゅう師、柔道整復師と、こうあるわけですけれども、これは実際この数字だと、私はまあ、あなた方出されたのだから信用しますけれども、問題はこれ以外の問題がありますね。免許なしでやっているというのがありますね。それはやっぱりつかめませんか、つかめたら一つ出して下さい。
#47
○政府委員(川上六馬君) この前もお話ございましたのですが、そういう問題や取り締まりの状況などの報告をするように地方から取ってみたわけでありますけれども、やはりお話の無免許のあんまをする者はなかなか把握できない。一部の府県でやっているという程度でありまして、ちょっとどのくらい無免許がおるかということを把握しておらないものでありますから。
#48
○藤田藤太郎君 需要供給でおやりになっているのだから、なかなかつかみにくいと思いますけれども、しかし、まあ何といったって盲人の優先職業として、やっぱりあんま、マッサージ、指圧ぐらいの三つの点は最低限盲人の方々でやることができるのですからね。それはやっぱり行政の面からほぼ職業を確保するという方針が筋でなければならぬと思うのですね、この法律の。だから、そういう意味で私はそういう資料をお願いしているわけですから、できるだけ努力をして下さい。それで、いずれその処置は私は何らかの方法で、単に清眼者もよかろう、盲人もよかろうということで盲人の職場が狭められていくというようなことなどをわれわれとしては見のがすことができない。そういう意味で厚生省も努力してもらうというとこが一つと、それに対する現状把握はもっと的確にしてもらいたいということなんですよ。きょうはこの辺でやめておきます。ぜひお願いしたいと思います。
#49
○委員長(谷口弥三郎君) 速記を止めて。
  〔速記中止〕
#50
○委員長(谷口弥三郎君) それでは速記を始めて。
 先刻、佐藤、藤田両委員から社会保障制度に関する各国における国民所得、予算、税収入などの項目を分けてこれを比較対照として資料の要求がございましたが、これはぜひひとつ至急提出を願いたいと思います。
#51
○国務大臣(灘尾弘吉君) できるだけやってみます。なかなかむずかしい調査だと思いますが。
#52
○委員長(谷口弥三郎君) それでは以上をもって本日の質疑を終わることにします。
 次回の委員会は十月十七日火曜日午前十時から開会いたします。
 ではこれをもって委員会を散会いたします。
   午後零時四十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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