くにさくロゴ
1961/10/17 第39回国会 参議院 参議院会議録情報 第039回国会 社会労働委員会 第5号
姉妹サイト
 
1961/10/17 第39回国会 参議院

参議院会議録情報 第039回国会 社会労働委員会 第5号

#1
第039回国会 社会労働委員会 第5号
昭和三十六年十月十七日(火曜日)
   午前十時三十五分開会
   ――――――――――
  委員の異動
十月十二日委員徳永正利君辞任につ
き、その補欠として小沢久太郎君を議
長において指名した。
十月十三日委員小沢久太郎君辞任につ
き、その補欠として徳永正利君を議長
において指名した。
   ――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     谷口弥三郎君
   理事
           鹿島 俊雄君
           村山 道雄君
           坂本  昭君
           藤田藤太郎君
   委員
           勝俣  稔君
           紅露 みつ君
           徳永 正利君
           吉武 恵市君
           横山 フク君
           相澤 重明君
           久保  等君
           小柳  勇君
           藤原 道子君
           相馬 助治君
           村尾 重雄君
           石田 次男君
  国務大臣
   厚 生 大 臣 灘尾 弘吉君
  政府委員
   警察庁刑事局長 新井  裕君
   厚生政務次官  森田重次郎君
   厚生省医務局長 川上 六馬君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       増本 甲吉君
  説明員
   警察庁保安局保
   安課長     小野沢知雄君
   厚生省医務局次
   長       黒木 利克君
   労働省職業安定
   局雇用安定課長 木村 四郎君
  参考人
   日本盲人会連合
   副会長     金成甚五郎君
   日本聾話学校長 大島  功君
   日本肢体障害者
   連合会長    蟹江 広吉君
   日本患者同盟事
   務局長     長   宏君
   国井社会保障研
   究所長     国井 国長君
   ――――――――――
  本日の会議に付した案件
○社会保障制度に関する調査
 (病院の管理及び看護に関する件)
 (身体障害者の福祉に関する件)
○国民年金法の一部を改正する法律案
 (内閣送付、予備審査)
○年金福祉事業団法案(内閣送付、予
 備審査)
○児童扶養手当法案(内閣送付、予備
 審査)
○通算年金通則法案(内閣送付、予備
 審査)
○通算年金制度を創設するための関係
 法律の一部を改正する法律案(内閣
 送付、予備審査)
○あん摩師、はり師、きゆう師及び柔
 道整復師法等の一部を改正する法律
 案(内閣提出)
   ――――――――――
#2
○委員長(谷口弥三郎君) それではただいまから本委員会を開きます。
 開会前に申し上げましたように、理事会におきましてまず第一番に、病院の管理及び看護に関する件について質疑がございます。それからそれに続きまして、ただいま出ております五法案の提案理由の説明を聴取いたします。これは提案理由の説明だけにとどめておきたいと思います。それから次いであん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法等の一部を改正する法律案の質疑を続行したいと思っております。それからその後、午後社会保障制度に関する調査、身体障害者の援護及び福祉に関する件、これを参考人から意見を聴取するという話の取りきめになっております。
   ――――――――――
#3
○委員長(谷口弥三郎君) それではただいまからまず第一番に、社会保障制度に関する調査の一環として、病院の管理及び看護に関する件を議題といたします。御質疑のおありの方は、順次御発言願います。
#4
○坂本昭君 いわゆる三楽病院の事件についてお伺いいたしたいと思います。御承知のとおり、看護婦勤務室に寝かされていた生後二日の赤ちゃんがさらわれた、略取された事件であります。被疑者小吉某女が赤ん坊の略取を計画して、幾つかの病院を実地見聞し、最後に三楽病院を選んだ、すなわち病院から赤ん坊を略取することについての、いわば難易、あるいは可能性、こういうことについて警察当局としては被疑者を十分お調べになったと思われますから、被疑者がこの計画をする上について私の聞き及んだところでも、幾つかの病院を見聞しているようでありますので、被疑者がどういうふうに、見聞した結果病院の管理について見ているか。その事実を簡明にひとつ御説明いただきたい。事件の全貌とか、いろんなことについては要らないのであって、被疑者の面から、赤ちゃんを略取するについて各病院を見聞した、その被疑者の病院管理についての見聞の所感と申しますか、それを通じて私は、今回の事件の病院側としての管理の問題をひとつ今日は審議をしてみたい、そう思うのであります。どうか警察当局は簡明に一つ御説明いただきたい。
#5
○政府委員(新井裕君) ただいまお尋ねのございました略取事件について、お尋ねのあった点について御説明を申し上げますが、この被疑者は結婚をいたしておりますけれども、自分は妊娠できないということを知っておりまして、まあ何とか子供がほしいというので、妊産婦の手帳をだまし取りまして、妊娠しているように装って、いよいよ生まれるということになって、母親と、必ずしも十分相談をした上ではないようでありますけれども、上京いたしたわけでありますが、そのときの状況については、被疑者は赤ん坊をもらおうか、あるいは流産したと言ってだまそうかというようなことを考えて上京した、こういうふうに供述をいたしております。十月の八日から三楽病院のすぐそばにあります山の上ホテルに泊りまして、十二日までの約束で泊ったのであります。ただいまお尋ねのありましたように、そんなに確固たる意思もなく、何とか赤ん坊がほしいという程度のことでございまして、順天堂病院とか、慶応病院等を回ったということを自供いたしておりますけれども、たまたま十月十日三楽病院に行ったところが、第二病棟の二階の保育室に赤ちゃんが四人おって、二人が保育器に入り、二人がベッドにおったということで、その一人をとっさの間に略取して逃げたということでございまして、ただいまの状況でお尋ねになりましたような、三楽病院だけが非常にねらいやすかったというふうには必ずしも看取できないのでございます。たいへん簡単でございますが、以上のとおりでございます。
#6
○坂本昭君 そうすると、たまたま被疑者が上京して山の上ホテルに泊った。その場所が三楽病院に近かったということが、三楽病院がねらわれたということであって、三楽病院自身の管理上の非常な欠陥というふうには警察としては考えていない。たまたま偶発的なことであるというふうに見ておるわけなんですね。ほかの病院をずっと回って、今の話だと、慶応だとかその他回っていますね。そのときにもやはり略取しようという意思を持って回ったんだが、略取の暇がなくて、余地がなくて略取しなかった。そういう供述はなかったですか。
#7
○政府委員(新井裕君) ただいままでの取り調べでは、そういうふうに感じております。おそらくもう少し落ちついて供述をしてくれば、もっとこまかいことはわかるとは思うのでありますけれども、たまたま三楽病院の保育室に人がいないというときに彼女が行き合わせて、そこでとっさの間に取って行ったというふうに見受けられるのでございます。
#8
○坂本昭君 それでは、次には厚生省と、それからこれは警察当局にもお尋ねしたいのですが、赤ん坊は、当然病院で保護されなければならない。その赤ん坊が略取されたということは、当然病院管理の責任だと思うのですが、一体今回の事件の責任はだれにあるか。この点について厚生省と、それから警察当局の見解をひとつ承りたい。
#9
○政府委員(川上六馬君) 御承知のように、病棟の管理の責任は、これは看護婦にあるわけですが、病院全体の管理は院長が管理者になっておるのでございます。さらに、その上の監督は、厚生省自身がいたしておるわけでありますが、私どもの責任としては、指導監督が不十分であったということで、この点は遺憾に思っております。
#10
○政府委員(新井裕君) この発生から届出までの状況を見ますと、比較的早く発見をして早く届けておりますから、病院としてたいへん抜かっておったというふうには、私どもは見受けられないのであります。そういう点におきましては、根本的な管理、その他について私どもの関知するところではございませんけれども、非常に犯行が行なわれてから発見までがおそかったということでありますと、われわれとしても、若干問題あると思いますけれども、そういう点ではむしろ早い届出だったというふうに聞いております。
#11
○坂本昭君 あといろいろとお尋ねしたいことがありますから、責任問題は一応この際は省略して、原因がどこにあると考えられるか。これは厚生省と、それからまた、警察当局としても非常に届出が早かったと言っても、しかし、これは犯罪が行なわれているのだから、あまりほめることではないので、やはり原因――今後もこういうことは起こり得ると思うので、厚生省は医療を管理する最高の監督機関として、行政機関としてお答えいただきたいし、また、今後この種の犯罪が起こる可能性のもとに立って、警察当局としては原因がどこにあるか、その所見を一応述べていただきたい。
#12
○政府委員(川上六馬君) 今般の事件は、看護婦詰所にさような新生児を置いておったということで、看護婦詰所に一般外来者が出入りができるというようなことで、犯人の方からいいますと、さらいやすかったということが言えると思います。もし、これがいわゆる新生児室というようなものが設けられて、そうしてそこへ一応一般の病棟から隔絶されているような状態で、特に厳重な監視が行なわれているというような、看護が行なわれているというような状況であれば、さようなことはなかったと思うのであります。それから面会人、あるいは面会時間というようなものについても、三楽病院としても一応の規定は持っておったわけでございますが、こういう点がいささかルーズに流れておったということも、その原因であったろうかと思うわけであります。看護要員についてもいろいろ調べてみましたけれども、看護要員の不足ということは特になかったわけでございます。たまたまこの場合におきましては、二人の助産婦さんがその詰所をあけたというようなこともその原因になったろうかと思うわけであります。
#13
○政府委員(新井裕君) 私の方からさし出がましく言うべき限りではないと思いますけれども、新生児は一般の病気に感染しやすい状態にあるという意味から言っても、ある程度は外界から隔離されている方が、管理上も理想的だと思われますので、もしいろいろの規則でそういうことが許されるならば、もう少し隔離された状態で、容易に近づくことができないというところに収容していただければ、今後こういう犯罪は封じていけるのではないかというように考えております。
#14
○坂本昭君 ではこれからあとは病院管理の問題になりますから、警察当局の方にはお尋ねいたしません。
 で、今医務局長の説明を聞きますと、どうもまだ合点が十分いきません。お尋ねしたいのですが、三楽病院の実際について十分な調査をしておられるか、特に産婦人科の病棟について調査せられて、そうして、どういうふうに考えておられるか、今の答弁だと、看護力も十分である。十分あって二人もおった、その二人がおったけれども盗まれた、これでは盗まれたという一つのいまわしい犯罪の事件は、これは十分な看護が行き届かなかったという証拠に違いないのですからね。今のような御答弁では私たちは納得できない、さらにその点について実際に調べられた調査の内容を簡単に説明していただきたい。
#15
○政府委員(川上六馬君) さっそく私の方からも人を派遣をいたしまして調査をいたしたわけでございますが、第二病棟の産婦人科の病棟におきましては、これは一応ベッド三十ほどありまして、そうして患者が二十二人、その中に十一人が産科の患者でございまして、それから新生児がそのほかに十名、未熟児が二名、合計三十四名というような患者の当時の状態でございました。それで看護婦は六名、一応日勤が五名、準夜勤が二名、深夜勤が二名、ほかに一名の代休要員がいるわけでございます。ただいま申しましたように、この二名の中の一人が分べん室にお産をした褥婦を迎えに行っておりました。もう一人は他の病棟に用足しに行っておりました。その間にさらわれたという事件が起こったわけでありまして……。
#16
○坂本昭君 不可抗力だというわけですか。
#17
○政府委員(川上六馬君) いえ、それはそうじゃありません。やはり管理不十分だったというように、かように感じております。
#18
○坂本昭君 三楽病院の管理が特に悪かったというふうには私も思いません。むしろ三楽病院の実際は、一般の病院に比べたらはるかにレベルの高い看護をやりているのです。やっているにもかかわらず、こういう事故が起こったということは、これは日本のほかの施設についても引き続いて起こる可能性が十分にあるということを示唆しているのであって、それに対する対策を私は考えていただきたいと思うのです。今、局長の説明された数は現実の数ですが、大体あすこの三楽病院は、産婦人科の病床は三十床で、産科と婦人科と半々なんですね。そしてたまたまあの事件の日は二十二名ですけれども、もっと多く入る場合もある。そしてもう一つ重大なことは、新生児が十名に未熟児が二名おった。つまり産科というところは、患者さんといいますか、看護の対象が倍加されているということ、特に未熟児とか新生児の看護ということは非常に手がかかる。そういう点ではこの産婦人科の、特に産科の病棟に対する看護婦の配置――あなたの方では一応基準は四対一という基準で示しておられるけれども、そうしてこの三楽病院では当時二・二人に一人、非常な基準よりも上回ったように見えているが、なおかつこういう事故が起こるというところに私は問題があると思う。で、この三楽病院全体のベッド数は二百二十七で、外来が六百ぐらいですから、これからいいましても、これに対する職員の定数が約二百七十名だというのですね。こういう病院はほかに全国であまりありませんよ。ベッドが二百二十七で職員定数が二百七十、看護婦さんの数が約百名なんですね。こういうふうな病院はおそらくはかに僕はないのじゃないかと思う。そういうところで、なおかつこういう事件が起こった。大事なことは、先ほど警察当局は、新生児のための保育室を別に作っておけばこういう事故は免れたであろう、まあなかなか的確な指示をしていましたが、ああいうりっぱな病院で、古い病院であるにかかわらずそういうものがなかったということも、これは病院管理を監督する厚生省としては非常な私は手抜かりだと思う。さらに基準を上回るところの看護要員を持ちながら、実際は看護婦側からは、あと四名の増員をかねがね希望しておった、要望しておった、そういう事実がある。その四名については、具体的には分べん当直の助産婦制度をやってもらいたい、そのためには四名をひとつふやしてもらいたいということが要望されておって、そうしてそれが果たされていない間にこういう事故が起こったわけで、あなた方のように、基準看護を上回る十分な看護だということでこれを見のがすわけにいかないのですね。施設が不十分だから、それだけにこの四名の増員を要求しておる。そういうことが果たされなかったというところにも私は非常に原因があると思うのです。そこで、きょうは特にその看護の問題に話を集中して、いろいろお尋ねをしたいのですが、三楽病院のように、看護婦が相当多いところでさえも、なおかつ看護婦は四名の増員を、この産婦人科においても要求しておる。一体この日本の一般的な看護婦の数、あるいは看護業務の実態というものは、外国に比べて十分だとあなたたちは考えておられるのか。外国の実態を調べて、厚生省はどういうふうに見ておられるか。このごろは日本も所得倍増とかなんとか言って、だんだんと先進欧米並みにくっついてきていると言っておられますが、これはいろいろな面において倍増していかなくちゃいけないので、医療の問題についても先進国並みにならなくちゃならぬ。そういう点で、まず外国と比べて、あなた方は一体日本の看護の実態をどう見ておられるか、これをひとつ伺いたい。同時に、これは結論としてはもうわれわれとしてはわかっていることで、今ある医療法に基づく看護の基準の点から言っても、現在看護婦は相当に欠員の状態であります。したがって、この今日の日本の看護婦の欠員の状況について、数をあげて一つ御説明をいただきたい。
#19
○政府委員(川上六馬君) 外国と日本の比較でございますけれども、これはいろいろ外国の状況も調べておるわけでございますけれども、まあ看護婦制度がいろいろまちまちでございまして、いわゆる正規看護婦あるいはその看護助手というような、あるいはその中間の看護婦というようなものもございまして、数なぞを比較してみますというと、もうずいぶん各国の数の整理の仕方が違うものでありますから、非常な大きな相違を示しておりまして、一がいにこれを比較することはできないわけでございますが、しかし、われわれといたしましては、決してまあ現在の日本の看護婦制度というものがこれでよいのだというような考え方はいたしておりませんのでありまして、医療法にいうところの四対一にいたしましても、これでは足りない――現に看護協会あたりは三対一にするような要望も出されておるわけでありますが、今後医療の内容、したがって、看護の内容などもどんどん進歩して参りますので、それに対応して、看護要員も増していかなければならない、あるいは質をよくしていかにゃならぬというような考え方を持っているわけであります。現在、ただいまお話がありましたその病院におけるところの看護職員の需給の状態を申し上げてみますと、看護婦さん――これは医療法に基づいて一応計算いたしますというと、その看護婦さんの必要数というものが――この資料、お手元に配ってございますか。……それによってちょっと御説明申し上げますというと、この順序によりますと、保健婦さんから申しますというと、保健婦さんの必要数、これは人口五千人に一人ぐらいの保健婦さんが要るだろうということで算出いたしたわけでございますけれども、現在ではおそらく七千五百人に一人ぐらいになっておるわけでございます。この基準で計算いたしますというと、保健婦さんは二万八千六百六十一人必要だ。それに現在就業いたしているものが一万三千十人でございまますから、差引五千六百五十一人不足いたしておる。その充足率は六九・七%に当たります。それから助産婦さんでありますが、この助産婦さんの必要数は、ここにも書い、ておりますように、現在この産婦人科を標榜する病院のうちに、分べん室を持っておるもの、これは二千五百三十三施設ございまして、それにおのおの三交代の関係で三人を置くという計算にいたしますというと、病院だけでは七千五百九十九人、それに保健所にも助産婦さんが一人ずつみな置くという計算をいたして、合計いたしたものが必要数として八千三百九十四人になっております。しかし、現に就業している方は、病院では四千二百七人、保健所を入れますと四千四百一人ということになりまして、差引三千九百九十三人、これは五二・四%の充足率にすぎないということになっております。さらに、看護婦につきましては、医療法の基準によったものでございまして、それはこのあとに算出の基準を一応あげておきましたが、この算出基準によりまして計算いたしますというと、看護婦、准看護婦を含めて病院に必要な定員というものは十四万七千百五十六人になるわけでございます。しかし、助産婦さんをさっき申し上げましたような計算で差し引きますというと、カッコ内のような一万三千九百……十三万九千五百五十七人ということになるわけでございます。就業者も、同様な計算によりまして十二万九千七百八人、それから助産婦さんを差し引きますというと十二万五千五百一人、差し引十七万四千四百八人……一万七千四百四十八人、助産婦さんを差し引きましても十四万……一万四千五十六人の不足ということに相なるわけでございます。これの充足率が、下が八八・一%、上が八九・九%ということになりまして、現実におきましてだいぶん不足をいたしておるような状況でございます。
#20
○坂本昭君 医務局長はときどき単位が万になったり十万になったり、もっと看護婦さんがどれくらい足りないかくらいはっきりつかんでおかなくちゃ困りますよ。
 今、保健婦、助産婦、看護婦、准看護婦合わせて厚生省の把握だけでさえも二万三千人くらい足りないんです。この二万三千人という数は、私はうそだと思うんです。もっと足りませんよ、実際は。たとえば、この中で出ている保健婦は五千人に一人というようなこの数自身でも非常に不足な数なんですね。しかし、一応これを認めるとしても、なおかつ現実には、私が自分自身で歩き回ってみた印象では、二万そこらの看護婦の不足数ではない。もう東京都内の開業しているお医者さんの友達あたりからは、いなかには女の子がおるだろうからひとつ連れてきてくれというようなことを再三再四頼まれている。したがって、看護婦不足というものは、局長の考えるようななまやさしいものではないという段階にきている。たとえば、病院の実情を見てみますと、これはもう名前をあげますけれども、慈恵医大とか日赤の武蔵野病院のようなりっぱな病院でさえも、重症患者の便器交換やその介助は一日に二回と大体きまっている。それ以外のときにおしっこがしたいといっても、だめです、時間外ですと、おしっこをさせてくれない。一体こんな看護というのは世界じゅうどこにあるか。それほど日本の代表的なりっぱな病院でさえもそこまで追い詰められている。また、癌研究所の附属病院あたりに勤めている看護婦の白血球の数は、彼女たちがコバルトやあるいはエキス線、そういうものに照射されて、白血球がひどい人は三千台に下がっている。普通もう五千ぐらいに下がっているのが大体の看護婦の実態だそうです。こういうふうに、看護婦は、結局足りたいために、非常な過労もあれば、またこういう限度以上に放射能にさらされて自分のからだ自身をいためている。こういうのが実態なんですよ。そういう非常に追い詰められた看護婦の実態を十分に認識せられない。かつまた、三楽病院のように、妊婦だけが対象じゃない、それにもう一人ずつ赤ちゃんという手のかかる人たちがおる。それに対する看護の基準も作られていない。こういう状態では、今後の日本国民の皆保険というものはできたけれども、これを果たしていくための医療サービスというものは十分できていかない。先ほど局長は、看護制度が外国と日本では違う、特に外国でもそれぞれ違っておって比較はできぬと言うけれども、私は制度のことを聞いているのじゃなくて、一人の患者さんがどういうふうに看護されているかというその実態を私は聞いているんです。ものによっては看護婦さん自身が全部当たらなくていい面がたくさんありますよ。しかし、看護力というものは、正規の看護婦さん以外にほかの補助的な手段によってもあるいは機械設備の手段によっても充足することができる。だから、そういう点を含めて私はお伺いしたんだけれども、あなたは制度が違うから比較はできぬというようなそういうことで逃げてしまっている。これは全く無責任きわまることだと私は思うんです。そこで、とりあえず、あなたの今お話を伺っても、二万三千人足りないんですよ。そうして、保険婦さんも助産婦さんも一みんな看護婦という一つのコースを経なければ資格を獲得できない。一体この不足をどういうふうにしてあなたは補おうとされているのか。それからまた、患者サービスをどういうふうによくして、赤ちゃんが盗まれたりすることはもちろん防ぐだけじゃありません、赤ちゃんをりっぱに育て、さらに患者さんをなおす、そういうために具体的な計画をどういうふうに持っておられるか。この計画の内容については当然数の問題、それから教育施設の問題、それからそれに伴う補助金の問題、こういう具体的な問題があると思います。特に去年は病院ストライキの中で日赤の問題はこの委員会でずいぶん議論したんですよ。そうして日赤が法律によって天変地異に対する救急の要員を育てなければない。その育てるために一億五千万円もかけている。その一億五千万円というのは全部医療費の収入でまかなっている。そういうばかなことはないというので、これは与党、野党みんな一致した見解を出した。そういう病院ストの去年のあの事実に基づいて、今後は一体この教育について、あるいはまた数について、補助金について、具体的な数をひとつお示し願って、厚生省の御方針を明らかにしていただきたい。
#21
○政府委員(川上六馬君) 看護婦の足らない対策といたしましては、これはやはり養成施設を足らないところに設けていくということが一つ大事なことだと思います。相当年々養成施設はふえておるわけでございますけれども、なお、地域的に見ましてやはり不足なところがございますので、そういうところはやはり必要な個所に施設をふやしていくということ。一つは、現在養成所が相当ございますけれども、定員どおり養成していないというような事実があるわけでございます。そういうような状態でございますので、定員を充足して運営できるような工合に助成措置をやはり講じる必要があるだろうというような考えを持っておるわけであります。特にまた、奨学資金なんか設けまして、そうして、貧しくとも看護婦を希望する人が入れるように、そういうような措置をひとつ講じたいということで、来年度の予算にもそういう要求を実はいたしておるようなわけでございます。
#22
○坂本昭君 その具体的な資料をなんならこの際皆さんに配って下さい。抽象的なことで今さら聞いたってしょうがないから、もっと具体的な数をひとつ皆さんに配付していただきたい。これは与党の方だって野党だって問わないんですからね。それでもうちょっと、そんないいかげんなことでなく、具体的な説明をして下さい。
#23
○相馬助治君 議事進行上も、そういう的確を欠く冗漫な答弁しておったらあとのほうの審議に差しさわりがあるので……。
#24
○政府委員(川上六馬君) 資料を全部持ち合わしておりませんから、具体的に御説明申し上げますというと、こういう状況でございます。保健婦の養成施設は三十五ありまして、定員は千人で、定員に対する入学率は六八%、助産婦の養成施設が二十三ございまして、定員が四百九十五名ございますけれども、これが五一%、それから看護婦の養成施設が七百三十八ございまして、その定員が四万四千三百六十ございますが、それに対する入学率というものは八七・五%というような状況でございまして……。
#25
○坂本昭君 だからどうするかということですよ。
#26
○政府委員(川上六馬君) したがいまして、その看護婦の定員を充足して運営できるような工合に、公的医療機関に対するところの助成を行ないたいということをひとつ考えているわけでございます。
 それから、先ほど申しましたように……。
#27
○坂本昭君 助成の内容、金額……。
#28
○政府委員(川上六馬君) 助成の内容は、来年度の運営に対する助成でございますが、これは公的医療機関が設置いたしておりますところの看護病院の養成所、これは二百五十二校ございまして、その定員が一万二千七十七人でございますが、それに対して国とそして府県でもって運営費の半額を補助していこう。つまり国が四分の一、府県が四分の一という計算でございまして、これが全体といたしまして二千九百五十八万九千円という補助金を要求いたしているわけでございます。
 それから、保健婦、助産婦、看護婦及び准看護婦養成所に対する改正の補助金を考えておるわけでございまして、これは原則といたしまして、看護病院が八〇%に満たない、そういう府県におきまして、一人三千円という貸与を考えまして、それに対して国が三分の二、府県が三分一を持っていこうということで、千八百四十八万の補助金を考えておるわけでございます。
#29
○坂本昭君 議事進行について。
 今の数はプリントにして資料として渡して下さい。
 ただ大事な点は、今御説明を伺うと、公的医療機関の作るところの養成所に対する補助金であって、実際上の、たとえば准護看婦の養成は年間二万八千人程度養成しておって、そのうち一万四千人、半分程度は医師会がやっているのですよ。その、いわゆる民間における医師会のこの准看の養成施設に対しては補助金は全然出ていない。一番数の多い所に対して全然出さないということで、こういうふうな看護婦、准看護婦の不足している場合に、なぜそういう方針をとっておられるか、その一点だけひとつこの際御説明いただきたい。
#30
○政府委員(川上六馬君) 現在公的医療機関の看護婦養成所の状況を見ますというと、大体自分のところで養成した看護婦の半分がその付属している病院に参りませんで他のほうに就職いたしているような状況でございます。それから私的の養成所は、これはもちろん自分のはうの病院なり診療所に看護婦を確保したいという意図から大体行なわれておるわけでございまして、これを他に供給するというような建前になっておりませんので、そういう点で私は私的医療機関に補助をするということはそういう点では少し無理があるのではないか。むしろ公的医療機関が単に自分のところの看護婦を確保するというにとどまらないで、やはり県内なら県内の看護婦の一応計画に基づきまして、そうしてそういう官公立あたりで養成して他のほうにも供給するというような工合にやってもらうということを考えておるわけでございます。それから一つは、私的のそうした教育機関に対して国なり県が補助するということにつきましては、憲法上にも問題があるというように聞いておりますので、少なくともさしあたりは、公的医療機関の看護婦養成所につきまして補助をいたしたいというように考えております。
#31
○坂本昭君 ただいまの御答弁では納得できがたい。第一、私的医療機関が医師会に委託をして看護婦の養成をやる。それはみんな自分のところの営利のためのことであるから、そういうものに対して国が補助金を出すというのはおかしい、まあ、そういうふうに私はうかがえたのですけれども、一体、患者に対する責任というものは、これは一個人の病院に委託するものであるとは言いながら、今日健康保険、国民健康保険という二つの大きな制度でこの医療というものが維持されている以上は、そこで治療を受ける、看護を受ける患者さんに対する責任は、何も個人の病院がもうけるためにやるというようなそんな考えであってはならないので、当然私は患者さんに対するサービスをよくするという意味においては、国が私的医療機関の、特に医師会が養成する准看護婦養成所に対して補助金を出すということは私は当然の義務だと思う。特に今あなたの言われたのは、憲法八十九条との関連だと思うのですけれども、しかし、現実には私立学校に対して国が補助金を出しているじゃありませんか。あるいは私立の保育園に対しても措置費という格好でもって現実に補助金は出ているじゃありませんか。いわんや人間の命に関係する一番大事な医療の問題、その完全医療というものの中心をなすのは看護婦なんです。その一番大事な看護婦が、今でさえあなたの発表でも二万三千人足りない。私はこの数倍足りないのではないかとさえ思う。しかも、外国に比べたらぐっとまたレベルが低い。だから、私は、もう看護婦の養成に対しては全面的に責任をもってやっていただきたいと思う。たとえばきょう一番初めに問題を出した三楽病院――三楽病院は准看護婦の養成をやっておった。やっておったのですけれども、この二年はやめてしまった。私はこうした公的医療機関ですらもなかなか運営が困難だから、これにたった四分の一くらい出すというような手ぬるいことでは、これはとうてい間に合わないのですよ。第一、この二千九百万円という運営補助費あるいはあと奨学金というようなここで一千八百万という金、これはまたさらに大蔵省になたをふるわれて削られるのではないかと思うのです。こんなことで、今日、皆保険になった日本の医療の一番大事な看護を解決できると思ったら、私はとんでもない大間違いだと思う。そういう点で、私は今の局長のそういう御答弁では納得できないし、ことに、一体、先ほども看護婦の入学率などの数をあげておられましたが、ずっと落ちてきているのです。これはことしの春、さらに来年になると、もっとひどいと思いますよ。来年になるともっと看護婦さんの希望者がなくなってくる。看護婦という業務に対する魅力というものは失われてきた。去年の病院ストはよかったと思う。私も応援しました。なぜよかったかというと、低賃金の看護婦さんは、大体都内では一万円内外上がっていったのですね。こういう点では私はよかったと思う。こういうように、労働条件を直していく、労働時間労働賃金、こういうことに――一体、厚生省として具体的に何を取っ組んで来ているか。医務局長は積極的に全然こういうことを考えようとしていない。医務局には国立病院と国立療養所という課がありますね。そうしてもう一つおまけに管理課なんという課がある。私は管理課などという課はつぶしてしまって、あそこの仕事は国立病院と国立療養所に課をくっつけてしまって、そのかわりに私は看護課というものを設置すべきだと思う。だから、ことに病院スト以来、看護婦の問題というものは非常に重要なことになってきている。だから私はそういう行政的なこと、さらに看護婦を希望する人をたくさんふやさして、魅力ある業種とさせるためには一体何を考えておられるか。今まで聞いたところではどうもそういう魅力というものは出てこない。もう少し責任ある答弁をいただきたい。
 ひとつ、次官。あなたは一体今日のこの看護婦の行き詰まり、非常に看護婦さんが足りない、これは一体、どういうふうに処理されようとしておるのか。それに希望者が減ってきておる。ひとつこれをどうしようとされるのか。ひとつ次官の決意を伺って、それから今の行政機構のこまかい問題などについてはひとつ局長から答弁をいただきたい。
#32
○政府委員(森田重次郎君) お答えいたします。
 ただいま局長から今までの看護婦等の不足であるという結果の報告もあり、厚生省では来年度はこういうような計画を立てているんだというような答弁がありました。まあそれに対して、ただいまの御意見なんでありますが、私もあちこちを回って参りまして、病院経営のうちに占めている看護婦の立場というものの非常に重要なものであるということがわかると同時に、その待遇の改善の問題と、また、数の不足であるということについては、各所でその現実的な事情等も聞いておるので、そこでただいまの局長の答弁に対しての御高見、すなわち、これに対して積極的に厚生省では具体的な対策を立てて、この不足されておる看護婦の数の充実をはかると同時に、看護婦になりたいのだという希望を持っている者に、何か魅力のある施設をすることが必要じゃないかという御高見に対しては、全く同感であります。
 実は、これはここで申し上げていいことかわからないのでありますけれども、この間ナイチンゲール記章というものを授与する式典に大臣代理として参列したのであります。その場の空気から察知いたしましても、何かそこに晴れ晴れしい、われわれも将来ああいうものをほしいのだというような空気が、当日参列しておる看護婦さんたちの顔の上に現われていないということを直観いたしまして、これはおかしいじゃないかというようなことを、私は政治家の一人として実は考えて参ったのであります。そこで、ただいまの御高見に対しては私非常に共鳴を覚えるのです。しかし、これは厚生省としては、なるほど今憲法上の問題等もちょっと調べてみるというと、これは厚生省の態度は必ずしも間違っていたとも言えないような節もあるようであります。しかし、今のような現実的な要求があるのでありますから、私はやはりこの現実の要請にこたえるのが政治でなければならないということを考えているものでありますから、これらの点は責任ある立場から十分検討いたしまして、そうして具体的な対策はぜひ立てて、御高見におこたえいたしたいと考えておる次第でございます。
#33
○藤原道子君 関連。局長にお伺いしますが、今、政務次官からいろいろ御答弁があって、そうやってほしい。しかし、今のような対策で、いつになったら看護婦の充足ができるのですか。充足できるというお見通しを持っておいでになるのか、これをちょっと聞かして下さい。こんなわずかな補助金なんか出したって――今のままでいつになったら看護婦の充足はできるのか。
#34
○政府委員(川上六馬君) 今の医療法によるところの基準を充足していくということにつきましては、年次計画でやるよりないのですが、一方におきましては、御承知のように、基準看護をやらない病院というものがまだ七割ぐらいあるのです、現に。そういうことで現在、先ほど申しましたような趣旨で病院に相当の不足をいたしておりますけれども、これは看護助手なんかで現状は補なっているような状況なのであります。したがって、われわれが一応医療法でいうところの基準を充足するということにつきましては、病院が同時にその考えのもとに定員を確保するという考え方になってもらなければならぬというようにも思うわけであります。
#35
○藤原道子君 そこで、どうしたら充足できるか伺いたい。
#36
○政府委員(川上六馬君) それは看護婦の養成所を増していくとか、あるいは看護婦を定員どおり養成していないのでありますから、定員どおり養成できるように助成していく。それから私的医療機関などの看護婦の待遇がよくないのでありますから、看護婦の給与というものもよくしていくというような――待遇をよくしていくというようなことも大事だと思います。さらに、病院の計画、将来の病院の整備計画あるいは看護婦制度そのものの改善というような問題になりますというと、これは医療制度の基本に関するような問題になりますので、これは臨時医療制度調査会にもはかって今後善処をしていくという考え方になっているわけであります。
 それから、このくらいの予算でということでございますけれども、これは一応来年はひとつ初めてそういう助成の予算を――助成をしたいという、こういう考えで出しているものでありますから、今後の看護婦の需給対策につきましては十分検討いたしまして、必要な予算をさらに要求したいと考えております。
#37
○藤原道子君 聞けば聞くほど不安になってならないのです。ちっとも自信のある答弁じゃない。一体日本の医療をどうしてくれるのです。大体においてどういうふうに労働条件の改善を考えておられるのか。大体今、中学卒業でも、一般のところに就職しても一万円なんですよ。ところが、看護婦さんは、中学を卒業して二年行って准看護婦、高等学校を卒業して、さらに三年行って、看護婦になる。それで今の待遇が妥当と考えて、そういうところに魅力を感じて来るでしょうか。この間私の知っている子が、看護婦になりたくて、病院へどんな状態か見に行った。看護婦さんがぞうきんバケツを持って飛んで歩いている。その辺をこんなものを持って掃除して歩いている。それを見て、看護婦になるのがいやになったと言って、やめてきました。今の看護業務のあり方自体にも問題がある。こういうことについて、看護業務の確立、これによって、看護婦がせっかく看護学院で養成されてきたんだから、看護業務は看護業務でぴたっとやらしていただく。それ以外の雑役さんで済むところ、補助婦で済むところは、これは分離して、看護婦には誇りを持って働けるような態勢を作るということでなければならない。待遇の点についてもまたしかりだと思う。これについて待遇改善が必要だとおっしゃるが、あなたの考えておいでになる待遇改善、この問題についてのお考えを一応聞かしてもらいたい。
#38
○政府委員(川上六馬君) 従来看護業務といわれたものの中には、今お話のように、必ずしも看護婦の資格を持った者だけがやらなくてもいいものもあるわけであります。そういう点では確かに、現在の看護業務というものを分析いたしまして、そうして看護婦の資格のある者がやらなければならぬ、そういうふうに、いわゆる看護業務を確立していくということにいたしたいと思っております。今のお話のように、看護業務というものを確立しなければならぬと考えております。
 それから看護婦の待遇でございますが、これは御承知のように、人事院の今般の給与の実態調査に見ましても、必ずしもよくない。ことに最近では、一般の景気がいいものでありますから、そのほうとの関係、それから看護婦は、御承知のように、相当骨の折れる仕事でありまして、そうして勤務時間なんかも、他の業務に比べますと、相当長いものでありますから、そういう点で確かに看護婦になる魅力というものがだいぶ薄らいできておると思うわけであります。そういうことで、私もやはり看護婦の待遇というものはよくしなければならぬと考えておるものでありますが、現在の人事院の調査、あるいは看護協会あたりで調査をやられたような結果を見ましても、いろいろ病院によって違っておりまして、ことに私的な病院は、待遇がだいぶ悪いというのが多いようであります。こういう点は、少なくとも国立の看護婦さん並みにひとつ引き上げていかなければならぬ。こういう点では、今度私のほうでも指導課を作ったわけでありますが、指導課が病院の実態の調査などをやることにいたしておりますので、指導課で指導して待遇改善もやっていきたい。それにはやはり医療費の問題に、せんじ詰めればまた戻るわけでございますが、先般も医療費を値上げをいたしておりますし、また今回も、近い将来に緊急是正も考えておりますので、そういう点でも自然にそういうことはなされるようにしていきたい、こういうふうに考えております。
#39
○横山フク君 局長の答弁時間が十二時までですから、もう少し簡単に要領よくやって下さい。
 それで待遇改善ですけれども、待遇改善をするように骨折っているということですが、一体人事院とどういうような過程で、どういうときに、何回、どういうふうに交渉したか、その人事院と話し合った過程を明細にここでもって報告していただきたいと思うのです。
#40
○説明員(黒木利克君) 人事院のほうは公務員の給与についての勧告でございます。先般の給与の勧告に基づきまして、看護婦につきましても七%余りのアップになることになっておりますが、実は昨年の人事院の勧告に基づきまして、公務員たる看護婦につきましても、人事院の勧告の線に近いもののアップをしたわけでございます。交渉は、医師及び医療関係者の給与の改善、公務員の給与の改善につきまして、たびたびやっておりますが、先ほど申しましたように、昨年勧告をいただきまして、本年におきましても、公務員の医療関係者につきましてもベース・アップの勧告をいただいたような次第でございます。
#41
○横山フク君 それは一般論だと思うのです。七%のベース・アップも一般論だと思うのです。看護婦の待遇改善あるいは助産婦の待遇改善、これは一般論にプラス・アルファするものでなければならぬと思うのです。看護婦の実情あるいは助産婦の実情、それを勘案して、その技術者としてのプラス・アルファについての交渉を、これは一般公務員でなしに医務局として、どういう形でそれを話し合ったか、それを伺いたいのです。
#42
○説明員(黒木利克君) 昨年の人事院の勧告におきましても、実は人事院が実態調査をしました結果を見ますと、民間に比べて看護関係の職員の給与は、公務員の方が上回っておるような次第でございます。(坂本昭君「それは国立病院と療養所だけだ」と述ぶ)したがいまして、人事院の勧告におきましては、民間との差を縮めるということが主体のようでございますから、その意味では、主として医師なり歯科医師なりそういう医療関係者が民間よりも悪いということで、医師、歯科医師の民間との格差を縮めるということに重点を置いておるわけでございます。ただ、助産婦等につきましていろいろ実態調査をいたしました結果、特に助産婦においては、一般の看護婦に比べてその職務の性質からやはり相当の待遇をしなくちゃならぬということを認めまして、いろいろこれは検討をいたしておりますが、実は職制の関係にも関連をいたしますので、その辺まだ結論は出ておりません。が、しかし、最近の病院勤務の助産婦の実態調査の結果、助産婦の身分上の問題あるいは待遇上の問題について、やはり思い切った改善をする必要があるという結論に達しつつありますので、そういう結論が出次第、人事院と折衝を始めたいと考えております。
#43
○横山フク君 一般の公務員のベースは、一般の中小企業あるいは五十人程度のところに合わせるのですね。ところが、一般の企業というのは、営利会社ですから、利潤があるから高くなるのです。それで公務員も上がるということがいえるのですから、一般の民間のに合わせる、引きずられるという形が公務員にあると思うのです。ところが病院関係においては、これは発達の過程からいってもおわかりでしょうけれども、むしろ国立病院の方がベース・アップして、それによって民間のベース・アップを促すという形にならなければいけないと私は思うのです。それを一般の民間の病院がベースが低いから、それとの格差を縮めるためにここでステップするのだなんというのじゃ、それは逆だと思うのです。それじゃいつになっても待遇はよくならぬですよ。民間との格差を開かせないためというなら、医務局は必要がないのですよ。医務局が必要があるのは、一般の民間のベース・アップを促さなければならぬし、促すためには、国立病院等のベース・アップが必要だということになるのです。で、特殊事情なんですよ。一般公務員と一般の企業体との工合を見て、民間の病院のほうが給与が低いから、国立の病院の看護婦のほうが給与がいいくらいだから、むしろ一般の給料を上げるほうが先だとおっしゃいますけれども、一般の病院の給料を上げるために医務局でどれだけの力がおありになるのですか、それを伺いましょう。
#44
○説明員(黒木利克君) 説明が不十分なために誤解をしておられるのじゃないかと思いますが、公務員の看護婦と民間の看護職員との給与の問題を今申し上げたのでございまして、公務員の看護婦と一般の民間の婦人職員の給与との差を申し上げたのではないのであります。看護婦のうちで公務員と民間に勤務しておる者との差が、たとえば人事院の調査によりますというと、公務員の看護職員の平均給与が一万八千円余り、民間の給与は一万五千円余りということで、二割程度公務員の看護婦のほうの処遇がいいわけであります。たとえば初任給といたしましても、そこで私が申し上げましたのは、民間の看護婦なり助産婦の関係の給与は、公務員の関係の給与にできるだけ近づくように、たとえば医療費の改正のたびごとに、私たちは保険局に要求なりしておるのでございますが、問題は公務員たる看護職員の給与というものが、民間の看護婦よりも二割程度いいという現実でございますから、公務員の看護婦の給与をさらに特別に上げてくれということはなかなか言いにくくて、一般の公務員のベース・アップに応じて上げてほしいというような要求の程度にいたしておる次第でございます。
#45
○相馬助治君 今、議論されておることはきわめて重大だと思います。何としても私はさっき政務次官が率直におっしゃったことに敬意を表します。そこへすわると、えてしておざなりのいいかげんなことを言う人が多いが、森田さんが言うように、看護婦さんが将来に向かって明かるい希望の目を持っていないと僕は直観した、実に重大な発言であり、傾聴に値する発言だと思います。そこで問題は、今、待遇改善のことが問題になっておりますが、その待遇改善について国会で議論しているのは、官公立の看護婦さんだけを議論しているのではなくて、民間の看護婦さんのことを議論するのだけれども、その手始めとして、そこから改善されなければ民間の問題が片づかないから、議論をそこに一応焦点を合わせておるんです。それを民間のほうに気がねがあるから官公立の看護婦さんの給与改善についても、他の官公吏にも気がねもあるから特殊の要求でしょう。横山委員の言うような要求ができがたいということは、厚生行政をあずかる者として根本的な認識の不足というよりも、量的な問題でなくて、質的な間違いであるということを私は第一に指摘しておきたい。
 第二は、この看護婦さんの場合には、私は待遇改善だけでは――もちろん待遇改善は大切だが、待遇改善だけでは解決し得ない問題を含んでいると思う。医療業務に従事している人は、お医者さんと言わず、あるいはまた、その他いろいろ民間で療術的な行為をしている人と言わず、かつ看護婦さんと言わず、一種の誇りを持っておる。人の命をあずかり、人の健康を守っておるという、その職種をあずかっている人は、収入は少なくても一種の誇りを持っておる。その看護婦さんとしての誇りを何かの形で保ってやるといったような対社会的な身分的なそういう考慮を厚生省が積極的に最近何も考えていない。たまたまナイチンゲール賞をもらうというような人は四十年間も一生を独身のまま犠牲にして看護婦さんになってがんばってきた人だというようなことであって、これはまあそのことの表彰はけっこうだけれども、一般の看護婦にとってはちょっと手の届かない話なんです。そういう意味で私は、この際、厚生当局から、特に政治的な問題だから厚生次官からぴたっと承りたいことは、待遇改善の問題について積極的に事を進めるということと、もう一つは身分上、制度上抜本的にこの際助産婦、看護婦さんというような人に対して方策を講じなかったらばこれはたいへんに重大な問題が出てくる。御案内のように、中学校の卒業の女子で、特にいなかの人たちが看護婦さんの出てくるこれは供給源だったと思う。ところが、工場が各地に分散されますものですから、中学を終わった女の子でもどんどん就職できる。片方では准看護婦生というようなことで、中学を終わって二年間も、まるで徒弟的に使われて、そしてどうなるのか、わけのわからぬようなことで収入もまた確保されない。そうして白衣の天使というような昔の言葉で薄きたない白衣を着せられてぞうきんがけをさせられる。これではたまったものではないので、私はそういう今の需給関係から言っても厚生省はおざなりの答弁をそこでしているのじゃなくて、抜本的に考えるべきだと思うのですが、厚生大臣がいないので、特に私は厚生次官の御見解を承り、その見解でその下僚の官吏を指導してやっていただきたい。
#46
○政府委員(森田重次郎君) お答えいたします。まあ要するに、この今までの制度で大体適応できるのだというような考え方がまずあると思うのです。ところが、ただいまの御説のとおり、時代は非常な急テンポで展開しつつある。しかも、国策の所得倍増論を中心として工業中心に切りかえられて、ひとり看護婦ばかりではない。農村に至るまで労力が非常に不足しているということなんでありまして、ここにあらゆる制度がこの急テンポに調子を合わせるにはどうすればいいかということは各角度から検討を要する時代がきたのだと思うのです。そのつまり問題の一環としてただいまの看護婦に対する問題がここで御議論になっておるのだと思うのでありまして、御指摘の点と今の社会の急角度の動きとの調節をこの看護婦という、今取り上げられている問題とどう調節するかというところに、この新しい研究の問題が私は出たのだと考えておるのでありまして、ただいまの御答弁等を聞いておりましても、同じ厚生省の内部でありますけれども、どうもこれはもう少し考えなければいかぬというような感を実はいたしたのであります。それでありますから、これは率直に申し上げまして、この問題は十分省内で問題として取り上げまして、そして時代の要求に沿うよう最善の努力を捧げたいと考えている次第でございます。
#47
○藤原道子君 私は、政務次官のその御決意には敬意を表する。だけれどなかなか容易じゃございません。それで先ほど局長がせめて国立病院並みにしたい。黒木さんも国立病院の待遇が二割もいい。こういうことばかり答弁していらっしゃる。不満でございます。そこで伺いたいのです。これは私は政務次官に伺いたい。今まで国立関係の看護婦さんは一週四十八時間働かされている。それがやっと四十四時間制を長い間の要求で実現することになった。ところが、これによりますと、大体約千八百名分の労働者が不足してくる。これに対して厚生省もたしか千何百人を要求したはずなんです。ところが、大蔵省で切られてたった三百六名だか七名になった。そのとき大臣は三百七名の増員でちゃんとやれる自信はないが、一応実施してみてから状況によってあとを考える。こういう答弁があったわけです。ところが、実施してみました結果は非常な過重労働、看護婦さんの。患者サービスなんという、そんなものじゃない。結局夜間の看護単位などは患者が百人から数百人までを看護婦が一人か二人でやっている。だからこの間のような急に悪くなった場合、看護婦さん一人でてんやわんやしても患者さんが死んでしまう。こういう事件も起きるのです。これに対して足らないということが明らかになったのだから、これに対してこの看護婦を充足をする御意思があるかどうか。それから時間がございませんので個条書きで御質問をしたい。その結果、四四制がやれるようになってから待遇が、権利が獲得されているか、守られておるかという調査になりますと、今までとれていた生理休暇がとれなくなった。これが九三%になっておる。年休がとれなくなった。昼休みをとっておるかどうかというアンケートに対しましては、とっておるという者は四一%、昼休みすらとれないというのが五九%、こういう数字になっておる。千八百名分も足りないのが、三百七名で無理押しにやってきたという結果は、職場の看護婦の上に過重になって現われておる。それから看護婦さんたちでも、むしろ四十四時間制になってからのほうがきつい、こういう訴えがあるのです。これに対して厚生省は、やってみてやれなかったら増員するという大臣の言明があるわけでございますから、やってみてやれない。実際には看護が低下している。患者さんたちに会うと、夜中なんか不安でたまらない、こういうことなのであります。これに対して厚生省のお考えを伺いたい。
 それから私も入院したときに、九十床に対して看護婦が一人でございます。国立病院です。昼間は家族が来てくれておりますからまだようございます。夜中は一人なんです。こういう状態で、医療行政――国立関係がまだ民間よりいいのだ。給料がわずかいいかもしらないけれども、それはいいのじゃなくて、まだ低いが、民間のほうがより低いということなんです。こういうことに対して大体どう考えておられるか。今政務次官は経済の急速な成長に伴って追っつかないのだ、他産業もそうだというけれども、私は医療というものは、他産業に比べて云々というようななまやさしいものではない。命を預る、ここに問題がある。したがって、私たちが口をきわめて看護婦が足りないで、これに対して厚生省はどうするのだということは、きょう本日取り上げておるわけじゃない。しばしば取り上げたけれども、そのつど答弁を何とかかんとかだらりだらりとごまかしてきておる。私たちここで言うのは与党も野党もない。日本の医療をどうするか、日本の社会保障をどうするかという点では、私は与党も、野党も同じ気持だろうと思う。これに対して厚生省がしっかりして下さらなければたいへんなことになる。医療に対してのしっかりした御答弁を大臣にかわって私は伺いたい。現実にここに数字的に表われている。これに対しての御所見を伺いたい。
#48
○政府委員(森田重次郎君) 具体的な資料をひっさげての御高見、傾聴に値すると考えまして敬意を表します。しかし、今ここですぐこの問題に対して具体的にこういう答弁をしろとおっしゃられても、今それはいたしかねますが、しかし、きょうの御高見に対し、十分事務のほうに検討させまして、適当な案をもってお答えいたしたいと思います。きょうのところはこの程度にひとつ。
#49
○藤原道子君 私は、事務の検討々々で今までずるずるきて、現実に看護婦が足りない。志願者がなくなったのです。それとあわせてこの点次官も考えていかなければならないのは、このごろ保母さんが足りなくなった。たいへんな問題です。そこで頭の切りかえを願いたいのは、国立は待遇がいいというけれども、高等学校出て三年行っているのです。それで今の給与が他産業の他の職種に比べていいかどうかも検討してもらいたい。私はたいへんだと思います。事務の問題じゃない。これは政治の問題、池田内閣として医療に対しての御熱意のほどをこの委員会を通じて示してもらいたい。先ほど政務次官が、ナイチンゲール賞受賞の式に行かれて、希望を持たない顔を見てびっくりした。私も昔は看護婦を八年ばかりやった。昔は誇りを持って働きました。今の看護婦さんたちはやむを得ず引きずられて、だらだらやっておるような、患者からは、このごろの看護婦は官僚的になったという攻撃を受ける。けれども、走り回っていてもなおかつ仕事ができないような状態に置いておるということ、これをひとつ十分御検討願いたい。まだ看護問題はいろいろあるのですけれども、きょうは時間がないそうでございますから、事務の問題でなく、内閣全体としての御検討を私は心から希望いたします。
#50
○政府委員(森田重次郎君) 先ほど、私根本態度について申し述べたとおりであります。あの態度を堅持して、そしてそれにおこたえするような答案を出したいという意味でありますから御了承願いたい。
#51
○藤原道子君 期待して待っています。
#52
○横山フク君 政務次官からたいへん熱意をお示しの答弁をいただきました。しかし、政務次官、今に始まったことではない。前の厚生大臣も、今政務次官のおっしゃったと同じか、あるいはそれ以上の熱意のあるお話をおっしゃいました。あるいはその前の大臣もおっしゃったし、政務次官もおっしゃった。しかし、相変らず同じことを繰り返しているのが委員会の姿だと思います。ですから私は政務次官がここでおっしゃったことがどのくらい事務当局のほうに浸透するか、その結果がどのくらい出るかということが私たち全委員が、これは与党、野党通じての非常に興味ある問題だと私は思う。これははっきり言い切れます。それでお願いいたしたいと思う。これは結論でございます。
 それから私はもう一つ触れたいと思うのは、新生児室が無理だということははっきりわかっている。看護婦の足りないということも、また、看護婦の待遇が悪いこともわかっている。いつも同じことを繰り返して質問している。ここは繰り返しの場所ではない。前進する場所です。それがいつも繰り返しているのは遺憾だと思います。それで先ほど待遇の問題も実際は聞き違っているとおっしゃったけれども、速記録をごらんになったら、私は聞き違っておりませんし、あなたの答弁も私と同じことになっているのです。よくお調べいただきたいと思います。これは私はあの問題も厚生当局は人事院に看護婦の状況ということを説明足りてないと思う。あるいは医療行政を担当する人たちに対しての十分な理解が人事院にないと思う。そして民間とのバランスをとるという形を言っていますが、形は違っていると思います。むしろ看護婦が、内容がどういう状態にあるかということに対してもっと詳しい説明があっていいと思う。ところが、そういう説明等は今までやっておられぬと思う。でありますから、これをやっていただきたいし、やった結果を詳細に報告願いたいと思います。私どもも人事院に行って調べてあります、どういう形でどういうことをおっしゃったか。で、私はここで申し上げるのです。
 それからもう一つの問題は、新生児室の問題です。私は皆さんがお調べになったと思う。新生児室を持っているところの、新生児としての特別の看護婦の割当をしているところが、日本全体の病院で幾つありますか。お調べになったことがありますか。私は日本の病院勤務助産婦の実態調査をもらったのでありますけれども、もらったところが……、新生児に対する助産婦の割当をしているところは全体の幾つおありになると思いますか、伺いたいと思うのです。
#53
○説明員(黒木利克君) 実は新生児につきましては、現行医療法上患者とこれを見ていないのでございます。したがって、医療法上は、これについて新生児室を設けなければならぬとか、その設備構造をどうしなければならぬとかいう基準すらないのでございます。したがいまして、横山先生御指摘のとおり、大きな問題点でございますので、実は患者と健康人の中間に位するような地位を医療法上新生児にやはり与えるべきじゃないかという議論がございまして、せっかく医療制度調査会で御審議を願っておる最中でございます。確かに御主張のような問題がございますが、現行法ではそういうことで実は調査も行き届いておりません。
#54
○横山フク君 時間がございませんので私は簡単に言います。新生児は病人と見てない。こういうお話、あるいは健康の人と病人の間の、中間にあるのじゃないかというお話、しかし、これはおかしい。新生児の問題は私はきょう初めて言うのじゃない。私は二、三年前から言っている。それに対しての看護婦の割当をつけるべきだ。たとえば脳溢血の半身不随の人、その人よりももっと始末が悪いのです。自分でもって飲み食いできない。だからあなた方は新生児室をごらんになったことがありますか。みんな乳首をくわえておる。それをふとんで動かないように押えている。それで物だから、人間じゃないから、勝手に飲ませるものは飲ませると、犬ネコよりもっとひどい状態においておる。だから三楽問題が起こるのはあたりまえです。日本全体の中で、新生児に対して看護婦の割当をしているのは、日赤の中央産院以外にないということがはっきりしている。そんなばかなことはないわけでありますから、私はそれを特に直していただきたいし、それは保険の単価の問題からいって、これは病人じゃない、健康人とのその中間だからというのは、あなたは健康保険の対象としておっしゃっている。医務局の対象としては、これは完全に一人立ちのできない、病人としての扱いを行なわれていいと思う。それを考え方が違っていると思う。私はそれを何回もついている。それに対する看護婦の割当がないから、助産婦の割当がないから全体のしわ寄せがいっているから、なお二重なんです。私はもう時間がないから申し上げませんが、三年前に看護婦の実態調査をやって、その結果が資料として出てこない。これを私はつきたい。全く不十分です。もっとデーターをほかの角度からとればあの資料も出ると思いますけれども、これを抜きにいたしましても、三年前に看護婦の実態調査をなさった、その結果をどこで、どういうふうにおまとめになったのか、その結果をどういうふうに見て取り上げたか、その点に対しては今御答弁は要りません。その結果も取り上げてないからおできになりませんし、私は御答弁要りません。しかし、私は、調査をするのが主ではございません。調査をした結果がどういうことになっているかを見きわめて、その結果においての対策を練るのが厚生省の仕事だと思う。調査をするカードを配って、それを集めるというのが厚生省の仕事ならば、民間や隣組にまかせればいい。その結果を取り上げてやっていない。ここに私は根本の問題があると思う。助産婦の教育制度も変えなければならぬ、あるいは看護婦の教育制度も変えなければならぬ、今そういう曲がりかどにきている。この時期をはずしたならば、三年後、五年後には助産婦も看護婦も、医者も行き詰まりの時期が来ると思う。それを解決する対策を練るためには、あの調査の結果をどういうふうに取り上げて、どういうふうな対策を練ったか、それは予算ばかりの問題ではないと思いますので、それをもうちょっと真剣にお考えになって、その結果をこの次の委員会に御報告願いたいと思う。
 もう一つの問題は、四つのベッドに対して一人、四十のベッドに対して十人の助産婦、看護婦、その看護婦は、四、四、二になっております。実際にその人たちがどれだけ実働しているか、私たち看護協会からの調べによりますと、あれは六人しか常時働いておりません。実際、六人が三交代している。それが新生児になったら今の倍になりますから、三人しかいない。それは昼間ですよ。夜はなおさら、先ほど藤原さんのお話のとおりです。こういう問題もありますから、それは実態調査の結果で出ているのですから、集めてあるはずです。それを私たち委員会でも、これは吉武先生が委員長のころに私が要求して、吉武先生のほうではあなた方の方に催促しているのです。それを私たちのほうに下さると同時に、その結果からどういう対策を立てたか、これでどうかということをこの委員会にお諮り下さいますことをお願いいたしまして、私は質問を終わらせていただきます。
#55
○相澤重明君 ちょっと関連して。これは政務次官に、やはりきょう御答弁いただかなくてけっこうですから、日本看護協会の人たちから出ている、看護人という名称がある。これは前の安藤君が政務次官のときに、秋ごろには検討してお答えができるだろうと言った。いろいろ看護婦さんとか、助産婦さんとか関係がありますから、十分研究を必要としますから、私はただそのままでいいということではなくて、しかし、たとえ何人であろうと名称変更を要求をしておる人たちがおるわけですから、金もかかるわけじゃない。やはり人道的な立場で名称変更については政府も考えるべきだと思う。したがって、関係者とよく相談をされて、政府としても今の時代にふさわしい名称を、もう人なんていうのは法律の上からいっても、ないのです。看護人だけです。こういう意味でひとつ研究して、次の機会には、政府から報告のできるようにしてもらいたい。これは私が春要求したことです。今はおそらく知らぬでしょう。わかれば答弁願ってけっこうだ。
#56
○政府委員(森田重次郎君) あとで調べて答弁いたします。
#57
○坂本昭君 関連質問が非常に多くて、しかし、非常に有益な各党各派にわたる質問でございまして、結論としては、看護問題というものはまだ未解決の問題が非常に多いだけでなくて、今日は厚生省当局、特に医務局の怠慢が各党各派全員から指摘されたということ、この点はきょうははっきりひとつ次官も認めておいていただきたい。特に次官は事務当局と事務的にいろいろと検討したいと言われていました。もう事務的な折衝の段階ではないのです。非常に深刻であって、これは政治的な解決の必要な時期にきています。ですからそういう点では、今までの大臣あるいは次官と同じような考えで進まれていると、これは大きな社会問題になるということは、ひとつ申し上げておきたい。
 今国立病院、療養所の看護婦さんの問題がたまたま出ましたが、私の見るところ、これは国立病院、療養所に勤務する職員による労働組合、全医労の今から十数年前の戦いを通じて、看護婦さんの給料がずっと上がってきた。私はそう見ています。ですからあなた方の方でいろいろな逃げ口上を使って、国立はもちろん民間の人も給与を上げないというならば、われわれはどうしてもこれは実力行使によってでも上げさせる。そうしなければ、実際言うと日本の国民の患者さんを守られないのです。そのことをよく御認識いただきたい。
 特にきょうは私は、看護課のことについても質問したいけれども、次官も、それから局長もまるで触れようとしない。これは看護協会の決議でも行なわれたことであるし、看護問題が去年以来これほど重大な問題になってきているときに、これについて一言も触れないということは、まことに看護婦諸君を侮辱するもはなはだしいと思う。私は今答弁要りませんが、あなた方のそういう態度は看護婦諸君に対して大きな刺激を与えると思う。さらにもっと根本的な問題は、国立病院、療養所のあり方について、賢明なる次官、ひとつ根本的に考えていただきたい。特に看護婦の給与を上げる。定員を増す。そうすると病院管理がむずかしくなる。経営が困難になる。そうすると、今のような独立採算制ではやっていけない。少なくとも国立病院は私は根本的に行き方を考えるべきとき、政治的な判断をなすべきときだと思う。きょう各位の御資問も次回にということでありますから、この看護婦の問題については今のような締めくくりを申し上げて、十分責任のある御研究をした上で、次回にひとつ御答弁いただきたいと思う。きょうでこの問題が終わったということではないということだけを申し上げて、きょうの私の質問を終わります。引き続いてまた、この問題はやるということだけは確認しておいていただきたい。委員長に特にお願いしておきます。
#58
○委員長(谷口弥三郎君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#59
○委員長(谷口弥三郎君) 速記をつけて下さい。
 本件に対する本日の質疑は、この程度にいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#60
○委員長(谷口弥三郎君) 御異議ないと認めます。それでは午後は一時から再開することにいたします。
 ただいま坂本委員の説明などに対して厚生省もどうぞ十分お考えになって、さっそく対策を考えていただくようにお願いします。
 それでは一応これで休憩いたします。
   午後零時十一分休憩
   ――――・――――
   午後一時二十二分開会
#61
○委員長(谷口弥三郎君) これより休憩前に引き続き委員会を再開いたします。
 社会保障制度に関する調査の一環として、身体障害者の福祉に関する件を議題といたします。
 本日は、本件に関する調査上の参考に資するため参考人の御出席を願っております。
 この際、委員長として参考人の方々に一言ごあいさつ申し上げます。
 参考人の皆様には御多忙のおりから御出席下さいまして、まことにありがとうございました。
 身体障害者の方が現在生活する上において多大の御不便と困難を感ぜられておることは申すまでもないことでございます。身体障害者福祉法において、また、雇用や年金などにおきましても種々対策が講ぜられてはおりますが、なお不十分な点も多々あることと思われますので、本日は各方面を代表する方々に御出席をいただき、身体障害者の方々の現状とその将来に対する対策などについて隔意のない御意見を拝聴いたしたいと存じます。何とぞ当委員会の意のあるところをおくみ取りいただきまして、おのおのの立場からその実情と御意見をお述べ下さいまするようお願いいたします。
 なお便宜上、最初参考人の皆様から御発言を願い、これは都合によりまして御一人大体十分程度にお願いいたしたいと思います。これが終わりましてから、次に委員からの質疑にお答えをいただきまするよう御了承を願います。
 本日参考人としてお見えになっておられます方々を御紹介申し上げます。
 左のほうから申し上げますと、左の方は日本盲人会連合副会長金成甚五郎さんであります。
 次は日本聾話学校長大島功さんであります。
 次は日本肢体障害者連合会長蟹江広吉さんであります。
 次は日本患者同盟事務局長長宏さんでございます。
 次は国井社会保障研究所長国井国長さんであります。
 それでは参考人、日本盲人会連合副会長金成甚五郎さんからお願いをいたします。
#62
○参考人(金成甚五郎君) ただいま御紹介にあずかりました日本盲人会連合副会長の金成でございます。
 身体障害者の一般的な福祉問題について意見を求められているわけでございますが、私は団体の代表といたしまして、主として盲人の問題について、盲人の立場から考えていることを申し上げたいと、こう思っております。
 身体障害者の福祉が旧憲法の時代に比べて比較にならぬほどの進歩を遂げておりますことはこれは申すまでもございません。私ども身体障害者、特に二十二万人の盲人は、この新しい時代、民主主義の時代に生まれ合わせたことをこよなく喜んでいる次第でございます。しかし、一般社会から見ても、また、皆様から見ても身体障害者福祉法が制定されて以来、国民年金法のうちには障害福祉年金の制度が設けられ、またさらに、昨年においては、雇用促進法が制定され、日本の身体障害者が非常にしあわせに、しかもそのしあわせは各障害者がそれぞれほどよくしあわせを受け取っておられるようにお考えになっておられると思うのでありますが、多分に一般的な福祉としては、確かに昔に比べて福祉が向上して参ったことはこれは疑う余地もございません。しかし、この身体障害者の種類と申しましょうか、大体目あるいは耳のない者、手足のない者、この種類の障害者がそれぞれほどよくしあわせを受けておるか、あるいはこれらの障害者の程度に応じて重い者は重いように、軽い者は軽いように、それぞれ適切な補助と援護が与えられているかどうか、という点については、これは一応検討を要する問題だとこう考えております。皆様のお考えからすれば、また私どもの期待から申し上げますと、身体障害者の福祉法を初めこれに関する政策というものは、障害の程度の重い者ほど国の援助保護が厚く施され、その程度が軽い者ほどその援助は薄い、いわゆる障害の程度に応じて援助保護の厚薄が決定されているようにお考えであろうと思うのであります。事実はこれと全く反対でありまして、この点を私は特に申し上げたいと考えております。身体障害者福祉法の上で身体障害者に与えられる援護、援助、保護と申しますと、まず第一、補装具の交付あるいは医療費の交付、こういう形で行なわれております。これの大体各障害別に割り当てられたものを考えますというと、ここに非常な違いがあることを私どもは感じなければなりません。昭和三十四年度の厚生省発表によりますと、目の悪い者に対して支出された国費、特に補装具あるいは医療費として支出された国費は一千八十六万円、万以下の数字は略します。それに対して耳の悪いいわゆる聴覚障害に対する国費は四千八百七十三万円になっておる。なお、手足の不自由ないわゆる肢体不自由者に対する国費は二億四千四百六十一万円、こういう形になっております。視力障害すなわち盲人に対しては一千八十六万円、ろうあ者に対しては四千八百七十三万円、手足の不自由な肢体不自由者に対しては二億四千四百六十一万円、こういう金額になっておるのであります。これをパーセントに直しますというと、盲人に割り当てられておる金は総額の三・六%、耳の悪いいわゆるろうあ者に割り当てられておる金額は一四・五%、手足の悪い人に割り当てられたものが大体八〇・五%、こういう割合を示しております。なお、これを金額にいたしますというと、盲人に対しては一人当たり四十九円四十銭になります。また、耳の悪いいわゆるろうあ者については二百九十九円という一人当たりの金額になる。肢体不自由すなわち手足の不自由な人に対する一人当たりの割り当ては四百三十二円、こういうふうな数字的な違いがあるのであります。この点は一般社会から見て盲人は身体障害者のうちでも特に不自由で国の援助や保護を特に手厚く施されておるだろうと考えられておるように思われますが、事実はこのようにわずかに、パーセントでいえば三・六%、こういうことであるのであります。しかし、こういうふうな差額が来ておることは、これは決して行政的な手落ちあるいは不手際からこうなったというのではもちろんございません。こうなるべき必然性が身体障害者福祉法そのものの中にあるということを私は申し上げたいのであります。いわゆる身体障害者福祉法の持つ性格といいますか、あるいは目的、そういうものの中に、当然こういうふうな結果をもたらすべき一つの不備な点を持っておる、こう考えられるのであります。こういう意味から申しまして、私ども盲人の立場から申し上げますと、盲人の福祉を高めるためには、今日のいわゆる現行法のそのままでは、これはとうてい期待することがむずかしい、これを適当に改正して、最も不自由で最も困難をきわめておる盲人に対する立法的なあるいは政策的な配慮が特に必要であることを私は申し上げておきたい、こう思うのであります。
 第二点の雇用問題でありますが、これにつきましては、現在私どもの団体で問題になっておりまする点が二点ございます。第一には職業雇用法の問題、第二にはあんま業優先の問題、この二つの点があるのであります。職業雇用法が制定されまして私どもの職業的分野が広く開けたように思われますけれども、事実は開けておらない。これは詳しく申し上げる時間がありませんから省略いたしますが、とにかく職業雇用法によって盲人の受くる利益はきわめて少ないということを申し上げておきたい。したがって、盲人――私どもが生きていくためにはどうしてもある一つの職業を確保しなければならない、そういう意味から歴史的あるいは伝統的に継続されているあん摩、マッサージ業というものを盲人の手にどうしてもこれを確保しておきたい、こういう考え方であん摩業盲人優先の問題をお願いしているわけであります。
 なお、詳細につきましては御質問に応じてまたお答えをいたしたい、一応これで終わりたいと思います。(拍手)
#63
○委員長(谷口弥三郎君) ありがとうございました。
   ――――――――――
#64
○委員長(谷口弥三郎君) 次に、参考人、日本聾話学校長大島功さんにお願いいたします。
#65
○参考人(大島功君) 諸先生方のこの問題に関する平生のなみなみならない御尽力、御努力に感謝と敬意を表させていただきます。
 盲人とろうあ者ということが対句のように言われておりますのですが、今金成先生のお話のうちに、盲人二十二万ということがございました。私はよく多くの方々に盲人といわゆるろうあ者とどちらが多いとお考えになりますかということを伺うわけであります。これはこういう所で伺うことははなはだ失礼かと思いますが、釈迦に説法のようなことでありまするが、私が申し上げるまでに御回答を胸の中に御用意願いたいと思います。この盲人の数もそうでございましょうが、ろうあ者の数という問題についてはずいぶんいろいろの意見がございます。また調べがございます。詳しいことを申し上げる時間がございませんが、私は十万から二十万の問題と考えていくべきものであると思うのであります。昭和二十二年に国勢調査が行なわれましたときには十三万三千何がし、昭和三十五年の厚生省のお調べによりますと十四万六千何がしですが、これはいずれも両方の資料を勘案いたしましてもそれでは足りない、こういうふうに思います。おそらく諸先生方も盲人の方が非常に多いというようにお考えになったのじゃないか、しかし、実際は同じであるか、あるいはその差はわずかである、どうして盲人のほうが多いという印象をお持ちになるかというと、申すまでもないのでありますが、目の不自由な方は電車の中に一人おりましてもわかりますが、耳の不自由なろうあ者が電車の中に何人おりましてもそれだけではわからない、したがって、特別に近くにおしがいたということを経験なすった方以外には普通ろうあ者に接触なさる機会が非常に少ない、それで私は今日ここで御研究をなさっていらっしゃる先生方にいろいろなことを申し上げますよりもろう者ということについてのことを少しく申し上げて、その他のことに戻りたいと思うのでございます。ろうあ者という言葉を申しますが、これは申すまでもない、文字のままで申し上げますと、つんぼとおしということでございます。つんぼとおしというのはどういうものなのであろうか、同じものであろうか、別のものであろうか、これは同じものであると申してよろしいと思います。つまりヘレン・ケラーが来られましたときに、三重苦の聖人と申しまして、耳が聞えず、目が見えず、口がきけずということを申しました。その場合に、目が見えないということは、目、視覚という感覚の障害でございます。耳が聞えないということは、聞くという感覚の障害でございます。しかし、口がきけないということは、口という、もししゃべる感覚と申してよろしいならば、しゃべる器官の故障ではない。すなわち舌が短いとか声が出ないということではございませんで、耳が聞えないために言葉のあるということを知らない。したがって、言葉を習得すべき幼少のときに、それを習得することができなかった。その結果としておしになったということでございます。これも諸先生の骨折りによりまして、盲人、ろう者の教育が義務教育になりましたのは昭和二十三年でございます。ちょうどそのころ、学校教育法が改正になりまして、施行されまして、それによりまして、学校教育法上の学校の名称が、従来は盲学校、ろうあ学校と申しておりましたものを、ろう学校ということになりました。その際にも、ろう学校といってしまっては困るのではないか。ろうあが、ろうもいるがあもいるのではないか。すなわち耳が聞えてもしゃべれない者がいるのではないかという御意見がいろいろございました。もちろんそれはそういう者もございます。現に厚生省のお調べの中には、言語障害、それから平衡感覚障害というふうな分野も含めてお調べになっているものが多いわけでございますが、言語障害と申しますものは、耳はそれほど不自由ではないが、にもかかわらず口がきけないという者でございます。そういう人たちが確かにおりますが、これはきわめてわずかでございますし、従来の通念によるおしというものとは別でございます。したがって、従来おしといわれていた者は、耳が聞えない結果といってよろしい。したがって、それに対する方法も、おしに対するすなわちろう者に対する対し方と、言語障害者に対する対し方と、いろいろな意味で、教育的にも社会的にもあるいはその他の雇用条件から申しましてもいろいろな差がございます。したがって、私が今申し上げておりますいわゆるろうあ者と申しますものは、耳という感覚の欠陥、それの結果として口もきけないということになっている人たちでございます。で、そういう不自由を持った人の数がおそらく十五万から二十万と考えるべきであろうと存じます。男女の比率から申しましても大体同じでございますが、男のほうが少し多い、五四%と四六%というような違いでございます。そういうふうにいたしまして、耳の不自由ということから口がきけなくなっているあ者でございますが、これは必ずしも耳が聞えなければ必然的に口がきけなくなるというものではございません。最近少し教育方法が変わって参りまして、耳が聞えなくても口がきけるようになって参っております。そこで私どもの問題は、ろうあ者という言葉の中へ含まれておりますものがますますいろいろのものが加わってきているということでございます。すなわち耳が聞えなくて、その教育あるいは成長の過程においても言葉を習得する機会がなかった人たちは、耳が聞えず言葉がしゃべれません。また理解できません。したがって、それのコミュニケーションは身ぶり手ぶりによって行なわれるものであります。あるいは筆談でございます。それから耳が聞えませんでも幼時に適当な教育を受けまして、言葉を述べる、言葉をしゃべることができるようになりました者は、その発言は必ずしも良好ではございませんけれども、言葉をもって交信することができるものでございます。そういう少なくとも二種類のものがろうあという人たちの中に含まれておりますことを御記憶を願いたいのでございます。さらにろうあの起こります年令によりましてもう一つの複雑さが加わって参ります。すなわち、言葉を覚える時期には耳が聞えていた、しかし、言葉を覚えて後に耳が聞えなくなった場合がございます。そういう場合には、耳が聞えませんから、ほかの人の言うことを耳をもって理解することは困難でございますけれども、自分自身は言葉を備えておりますからしゃべることができるわけでございます。したがって、相手様には筆談をしていただくが、自分はしゃべるということが起こるわけでございます。こういう場合を私たちは中途疾患者あるいは後年ろう者と申しております。すなわち、生まれつきあるいは幼少のときから耳が聞えなくて、その結果として口もきけなくなった者と、そういう者ではあるけれども、口がきけるように教育をされた者、それから口がきけるようになってから聞えなくなって、しゃべることはできるけれども聞くことができなくなった者、これがほんとうのろう者というべきでございましょうが、そういう種類がございます。
 さらに問題を複雑にいたしますことは、これはどの障害においても同じであると思いますが、聴力の障害の程度の差でございます。聴力の障害と申しますことを詳しく申し上げるいとまがございませんけれども、私どもは少なくとも耳は悪くはないとお互いに考えておりますが、私などもだいぶ悪くなっているのでございます。諸先生方の中にはあるいは私よりももっと悪い方もいらっしゃるかとも思います。二十才くらいの人たちの正常な耳の人たちがこれ以上小さくすると聞えないという音を一つの標準といたしまして、それをゼロと考えまして、その方面の、デシベルという度盛りを使いまして、正常な耳の人がこれ以上の大きな音を聞くと耳が痛くてたまらないというところが一三〇デシベルくらいになります。だんだん年をとるに従いましてその聴力が悪くなって参ることはこれは御承知のところでございますが、私は五十才をこえておりますが、この五十才ころになりますと、大体一五デシベルくらいになっております。さらにだんだん年をとって参りますに従って、音の高いほうが聞きにくくなるという現象が起こって参りまして、二〇、二五というようなことになって参ります。三〇くらいになりましても不自由は感じません。四〇くらいになりますと多少耳が遠いかなという気持がいたします。五〇となりますと、これは明らかに耳が遠いということになって参ります。補聴器を近来お使いになる方が多くなって参りましたが、四〇、五〇というような方は補聴器をお使いになりますと非常に楽におわかりになります。ろう学校におります者の中の最も聴力の多い者が六〇デシベルくらいのものでございます。そうして悪いほうは一三〇近い者があることと思います。でありますが、これはやはり少数でございまして、ろう者の大部分はその目盛りで申しまして九〇から一〇〇というような、八〇、九〇、一〇〇というようなあたりでございます。六〇くらいの聴力を持っておりますと、耳の訓練の結果によりましては電話を使うことができるようになります。電話を使って話ができる、すなわち、耳だけで話ができるようになる、それくらいの聴力が六〇ということでございます。したがって、この問題のろう者の中にはそういういろいろな聴力の者が入っているわけでございまして、福祉その他の関係に大いに関係があるわけでございます。
 それからなお原因から申しますならば、これは厚生省のお調べになりましたところによって申し上げますと、先天性といわれるものが三六%、それからいろいろの病気によって耳の障害を起こしたものが三九・五%、その他が二四・四%でございますが、その他と申しますものの中にはやはり不明という者がずいぶんございまして、これらは大体において先天性と考えられるものが多いようでございます。しかし、普通考えられますように、ろう者はすべて先天性だということではございません。今申したことでもおわかりのように、三九%、四〇%近くは病気によってなっております。生まれたときからなっております者と、病気によってなった者を大体半々と大ざっぱに考えてみまするならば、その生まれたときに、すでに耳が悪いという先天性の者のうち、遺伝の者は、多く考えてもその半分、すなわち、全体の四分の一ぐらいかと考えられます。その他の四分の一、すなわち、生まれつき悪い者のうちの半分ぐらいは、母体の妊娠中の何らかの障害による者が多いようでございます。この間問題になりましたRHマイナスというような問題によって起こる者もございます。あとの半分は遺伝と考えられるわけでございますが、したがって、もし、この母体の保護ということが十分に行なわれますならば、ろう者の数を四分の一は減らすことができるということを考えることができます。また、生まれてからあとの原因による者は、大体一才までの病気の者が大部分でございますので、一才まで子供が病気をしないことになりますと、ろう者の数をまた半分に減らすことができる。これは現にフランスなどの発生率から見ますと、五十年前はわが国の現状と同じくらい、あるいはもう少し低いくらいでございましたが、現在はわが国の半分くらいになっているわけでございまして、そういうことからも察せられるのでございます。
 たいへんいろいろ長く申しまして、その他の申し上げることが申し上げられないうちに時間になって参りました。今申し上げましたような事柄から、福祉その他の問題についても、いろいろ問題がございます。御質問によってお答え申し上げたいと存じます。(拍手)
#66
○委員長(谷口弥三郎君) ありがとうございました。
   ――――――――――
#67
○委員長(谷口弥三郎君) 次に、参考人日本肢体障害者連合会長蟹江広吉さんにお願いいたします。
#68
○参考人(蟹江広吉君) ただいま御紹介にあずかりました日本肢体障害者連合会の蟹江でございます。私はお見かけどおり、下半身完全に麻痺、二本の足がただ立っておるのは感覚なしに立っておる、こういう一種二級の障害でございます。その肢体障害者の理由を長々説明いたしますと、われわれが平素考えていることが一切この十分間に話すことができない、こういうような結果になりますので、まず身体障害者全部にわたった実態調査を敢行してほしいということを要望いたします。これは肢体障害者が五十六万六千だと、こういう三十六年の三月を期しての推計がこういう数字を出しておりますけれども、これは実際の数字ではございません。こういう問題を厚生省が身体障害者のみ実際に内容的に研究されて調査をしたことが現在までに何回あるか、ただの一回だけ、あとはございません。こういうことでは、まず身体障害者の施策がどうかと私は考えるのでございます。その中で肢体障害者は五十六万六千、推計でございますが、毎日こうして委員会を開いておっても、交通事故がひんぱんに起こる。各県々々問い合わせてみますと、たいへんな数字で、肢体障害者が増大しているということでございます。この増大している肢体障害者をどうすればいいか。何ぼ新道路交通法によって厳罰主義でいっても、障害者はなくならないのでございます。特に肢体障害者製造新道路交通法という、こういうような結果になっておるということを御了解を得たいと思うのでございます。そういうところがら、まず私たちは、肢体障害者、手足の不自由な者が、これは一級から六級までございます。全部ございます。盲人のほうでは四級まで、ろうあのほうでは三級まで、こういうような状態になっておりますけれども、肢体のほうでは六級までございます。この六級までの間尺それだけ軽度の者、重度の者――軽度の者が私は多いように現在までは考えていたんですが、軽度の者は、ある程度障害者福祉法によって、よるかよらないかという問題は、特に慎重に考えなくちゃわかりませんけれども、あまり法にたよらずに更生していくという部類が多いのでございます。これは更生法によって身体障害者福祉法の二十二条から二十四条、専売法の売店設置の条例ができて、法ができておりますけれども、たばこの小売人の申請をしたって、まず例をとってみるならば、京都ではただの一軒しか許可がおりていない、おりないのです。こういう売店設置といって更生せよという法律がありながら、使いものにならない売店設置法になっておるということをひとつ御了承願いたいと思います。
 そこで、もう一つは、われわれの肢体障害者というのは、重い者を一体どうするか。軽い者は、ある程度自活の道を開く数が非常に多い。しかし、重い、手足の不自由な重い者といいますと、全く畳の上にころがっただけで、起き上がることもできませんし、もうほんとうの要介護者、きたない話ですが、便所さへも行くことができない。便までとってやらなければならない。そういう人が一軒のうちにいるために、一家が生計困難になって生活保護にかかったり、また、その本人がみじめな死に方をしなければならないというような現状が非常に肢体に多いということであります。くその中でころがって寝ております。こういう惨状を私はありありと見ております。何とかこの重度の手足の不自由な障害者を助ける方法はないのか。福祉法には、そういう人たちには手帳もやらぬでもいいというようなきめ方になっております。そういう人たちをほっておいて社会がいいのであろうか、私は痛切に訴えたいのでございます。そういう重い人たちが完全に救えるための方向にこれを何とか処置をとってもらいたいと思うのであります。まず、そのような重い人であるならば、施設を作って、何とかその一家からその重度の障害者を救出するならば、一家も生活保護法にかからずして、平安な生活が送れる。重度の障害者がいるために、その一家が崩壊のどん底に一生日の目を見ずに終わってしまうというような現状が肢体障害者の世帯にはものすごく多い。こういう点を、そうすれば、施設の設置、身体障害者の設置費を一応現在の状態をお話するならば、身体障害者の施設を作るのに、これは地方公共団体が作る場合です、身体障害者には木造だけで、坪三万六千円だけ出そう、それでは児童施設は木造で四万円出そう、ブロックでは六万円出す、鉄筋で七万五千円、児童の施設についてはこれだけの坪単価の予算を組んでおる。身体障害者は木造しかまかりならぬ、坪三万六千円、こういうふうに実に厚生省は差別的な取り扱いをしておる。生活保護の施設の問題を考えてみますならば、木造は生活保護でさえも三万八千円、身体障害者より二千円上です。ブロック四万四千円も組んでおります。身体障害者は木造しかできない、三万六千円より以上は国からの負担はしない。地方公共団体が作る場合でも、このような身体障害者に差別的な取り扱いをしておる。何がゆえに、身体障害者の施設を作るために、どうしてこういう差別をつけるか、もっと、どの児童もかわいければ、身体障害者もかわいくないか、同じ国民でございます。こういうような行き方をしておるために、身体障害者の施設を作ろうと思っても、なかなか予算が捻出ができないために、身体障害者の施設の、全国どの施設よりか一番少ないということを断言しておきます。ある県においては一カ所もございません。一カ所もない県がたくさんあります。あってもほんの一部、申しわけ的な施設があるのみだと、こういうことをお聞きとめ下さいますようにお願いを申し上げます。
 それにもう一つは、民間施設、それでは地方自治団体が作る場合、それでは民間施設を作る場合どうか、これは補助は一銭もくれません。何にも認めておらない。それでは自分の浄財を全部民間が集めて何とか作って、さあ、それに対しての新築、増改築、こういう経費も、これは一つも見ぬ。勝手に作って勝手にやりなさいというようなすてばち的な民間障害者の施設の運営形態になっているということもよく考えていただきたいと思います。それに児童の問題、生保の問題、こういう施設の問題は民間施設を作るならば新築の場合にはないけれども、増改築の場合には政府が補助をして増改築をしなさいといって予算をくれております。身体障害者の場合は皆無でございますから、こういうところに大きな身体障害者の福祉事業の発展しない理由があるのではなかろうかと私は考えます。それにまあ、職業の問題に、時間がございませんので飛びますけれども、昨年の七月二十五日身体障害者雇用促進法、まことにけっこうで、われわれは喜んだ次第でございます。官公署においては下五%雇用せよ、百人中一人半使ってやれ、また、一般事業所においては一・三、百人中一・三また百人中一人、この率でもって使ってやれ、こういう法律を作っていただいたのはたいへんけっこうでございますが、官公署においての、現在調べてみますとすでに一・六%は使っておるという現状でございます。それでは一・五%のこういう法律を作ってももっとひとつ入れて何とかしてやろうというような気持が起こらないということであります。うちはもう一・六%できている、それ以上はできないのだ。それにもう一つは一般事業所といいますとたいへんまず言うならは小企業――中小企業ならいいが、小企業しか雇用をしないということ、大企業にまずこの身体障害者を使っていただけるところの何とかのいいシステムを作っていただかないと、身体障害者浮かぶ瀬がないということ。小企業の月給たるや月六千円、六千五百円です、平均。そのくらいのものをもらって、身体障害者がどうして生計を営むことができましょう、配偶者をめとることがどうしてできましょう、更生意欲をわかすことがどうしてできましょうと私は訴えたいのでございます。何とか大企業で健康保険あり、厚生設備あり、また、身体障害者が配偶者をめとってもやすやすと生活ができるところの腕があれば技術を覚えればそれ以上の技能を習得することができるのでございます。それをもっと生かしていただくように、この雇用法で何とかそれを善処していただけるよう要望したいものであります。その雇用法たるや三十五年京都府の状態から言うならば、雇用法に五千二百五十円は事業主に補助する。本人に交通費として千二百五十円出す、合計六千五百円出すという、適法訓練の間はそれを六カ月間出す。こういう問題になっておりますが、その問題でも三十五年に京都は一万八千人から二万一千人という身体障害者がいる。それだけいるにもかかわらず、身体障害者を三十五年に七人だけやれといってこの予算をくれているわけです。三十六年にも七人だけ更生しなさいとこういうことであるわけです。七人、七人で去年と法律ができた現在とで十四人。それだから京都府においてはそれだけの数のみをとらえて安閑として雇用法だというような顔をしているというふうな現状でございます。各県これは共通の問題だと思いますので、こういう全く形あるのみ、内容のないような雇用法ではわれわれが生きるすべがないのだ。もう少し十分に考えていただきたいということをお願い申し上げたいと存ずる次第であります。また、それに伴って指導員たるや、かけもち、二重人格、身体障害者の担当、それにはまた係長、こういうものが二重人格で、京都の例を言うならば、専任という指導官が一人もいないということ。京都府に私はそれを申しましたならば、政府が何も労働省が人も送ってくれぬとこれをやれと言われたってどうにもならぬ。人が足らぬからどうにもならぬとこう言ってはっきり言っているということであります。こんな水くさい雇用促進法であるならば私は先を憂えて歎き悲しむのであります。何とかこれを、促進法を作った以上、実のある方途に前進さすように努力していただくことを要望申し上げたいと思うのであります。まだまだこれ十項目から上がってわれわれ肢体障害者といたしましては、たくさんの腹案を持ってきょうは参りましたけれども、まずこの核心から一応申し上げた次第でございます。十二分にお取り上げ下さいまして、今後本問題を特に慎重に御検討あらむことを切にお願いを申し上げまして、私の説明にかえる次第でございます。
#69
○委員長(谷口弥三郎君) ありがとうございました。
   ――――――――――
#70
○委員長(谷口弥三郎君) 次に、参考人の日本患者同盟事務局長長宏さんに。
#71
○参考人(長宏君) 適用の問題だとか、その他身体障害者雇用法の中にいろいろな不備の点について、先ほどの参考人の中から出された意見のうちで私も同感の点が幾つかあるわけですが、その点を省いて特に二つの点から申し上げてみたいと思います。
 先ほど紹介がありましたように、私は日本患者同盟という組織に所属しておりまして、私の所属している組織は主としてその大部分が結核患者の、入院している結核患者の自治会の組織であります。したがって、そういう観点から同じ内部疾患の問題について主張するにしても、特に結核患者の面でいろいろ意見を申し上げてみたい、このように考えるわけです。
 特に第一点の問題としましては、この雇用法それ自身の精神においてはよろしいかと思いますけれども、特に先ほどの参考人も言われたように、名はあっても実はないと申しますか、そういう点でたとえば第三条にしても、求人の申し込みを受理しないことができるとか、あるいはまた、第四条にしても、指導を行なうことができるとか、こういう表現はきわめてあいまいではなかろうか、もっとほんとうに促進しようという法律にするならば、ここらあたりが規制的な拘束的な内容を持ってもいいのじゃないか、このように考えるわけです。そういった点で全般を通じてきわめて恣意的であって義務的ではない、このように考えるわけです。したがって、これからのこの促進法に対する理解といいますか、これをまたさらに審議を重ねていく中では、どうか実のあるものにしていただいて、雇用者に対する拘束規定、その規定を守らなければ罰則を設けるというようなくらいに内容を高めるべきではなかろうかというふうに考えます。
 それから第二番目の問題としましては、この七月、昨年度三十五年の七月二十五日にこの法が成立したときに付帯条件として特に結核回復者などの内部障害者、精神薄弱者それから原爆被災者、これらの内部疾患を適用するためにはすみやかに実情を調査して、そして就職促進のための施策を行なうというような付帯条件がついているわけですが、今日まで約一年何カ月かたっておりますけれども、それがどうなっているかということを私たちは耳にしてないわけです。実際に適用が進んでいるならば当然のこと、われわれの耳に入り喚起しているに違いないのですが、依然としてこの問題が具体化されていない。この点について特に審議会がもっと積極的にこの問題を取り上げて、そして実現されるように希望したいというふうに考えるわけです。聞くところによると、この六月あたりから専門部会を持って、内部疾患について何部かの専門部会を持って検討しているということを聞いております。したがって、若干の努力は認めますけれども、もっともっとすみやかにその基準だとか、その他の問題についての検討を進めてほしいということです。特に内部疾患の問題についてこの法の中では、昨年度の附帯決議で、非常にどちらかというとあいまいな形でしか取り上げていない問題について内部疾患がどうして必要であるかと、それを適用の中に含めることがどうして必要であるかという、そういった点から私どもは意見を申し上げてみたいと思うわけです。御存じのように、現在結核患者の要医療者というのが、これは二、三年前の厚生省の調査によるものですが、三百四万人というふうにいわれております。大体、識者の意見によれば、この一割、約三十万、まあ内部疾患として、低肺機能者として内部疾患の内容に含まれるべきではなかろうか、こういう意見でございますけれども、最近ある病院で、国立の二つの療養所とそれから私立の五つの療養所を調査いたしまして、就業不適格者調査という調査をやった結果、その中ではっきり出てきているのは二千二百八十一名のうちで約三百四十一名が就業不適格者である、こういう結論が出ているわけです。そのうちでも、特に約一二、三%が三十才から四十才、いわゆる現在の社会の中心的な働き手、こういう人たちがその対象になっているという憂うべき状態があるという点、この点から申し上げてみましても、先ほど三百四万人のうちの三十万人が内部疾患の対象になる、こういう見方が正しいのではないかというふうに考えるわけです。さらに申し上げますと、この二千二百八十一名中の三百四十一名というこの就業不適格者、この人たちのうちでも特に肺活量は千五百あるいは千以下、こういう人たちが非常に多いということです。そして、千五百の肺活量を持っている人というのは、まあ非常に、たとえば、かぜでもひき、肺炎でもなったら非常に危険な状態に置かれますし、さらに肺活量が千以下の人ということになるとこれはもう救いがたい、こういうようなことが言えるのではないかと思うのです。それはもちろん、その場にいろいろな特効薬があったり、お医者さんであるとかあるいは酸素吸入の設備があるという場合は別ですが、しかし、家にいたり、あるいは職場にもしいた場合にはこういう人たちの生命は非常に危険な状態にあるという点を特につけ加えておきたいというふうに考えます。特に強調しておかなければいけないことは、先ほど来の参考人の方々のいろいろな目とかあるいは耳とかそういった肢体の不自由な方々に対して、積極的なこれに対する援護を国がやらなくてはいけないと思います。その点に対して、われわれは全く同感なんでありますが、と同時に、結核患者の回復者、いわゆる低肺機能者は外見上往々にしてわからない点があるわけなんです。その点は非常に内部疾患が軽視されているという原因にもなっているのではないかというふうにわれわれは考えておりますので、特に外見はいかにも、たとえば足がないとかあるいは手がないとかと違って、弱い感じがしても大したことはないだろうというふうに見受けられがちなんですが、今申し上げましたように、肺活量が非常に低い、あるいはまた、肺活量が低いということは、ただ単に低いということだけでなくて、肺機能がさらにそれにプラス・アルファして悪い。こういう点もそれにつけ加えられているわけなんで、その点をどうか慎重に御検討をいただきたいというふうに思うわけです。まあただいま申し上げました肺活量の低いあるいは少ない、こういう人についても、これは大きな手術をやったり、それからまた、さらには長い間療養しているこういう人たちの現象的な問題と考えていいのではないかと思います。約一〇%に当たる膨大ないわゆる回復者が現在それではどういうふうな条件のもとに、どういう生活をしているかということになってくると思うわけです。この点が非常に大切なのではないかと思います。一つは、これは非常に恵まれている環境にある人としては、いろいろ家族の庇護のもとに何とか生活をしている、こういうことが言えるのじゃないかと思うわけです。これは非常に恵まれた状態の場合に兄弟だとか、あるいはまた、夫婦だとか、そういう庇護にあるわけですがい恵まれていない人たちは一体どういうような生活を送っているだろうか。少なくとも療養所から外へ出ていくと食っていかなくちゃならないわけです。まあ考えることは食糧の問題ですが、そういうようにして非常に低肺機能、あるいは働くための自信がないという状態の中では、生活保護法をまず受けていく。そうして現在の日本の生活保護法の基準額ではとうてい食べていけない。したがって、ビニール細工をやるとかあるいはまた、時計のバンドを作るとか、そういったような手内職をやりながら細々と生活をしていく。それからまた、大企業には入れないために、零細企業にもぐり込んで、病気を隠して入っていく。しかし、もぐり込んでという言葉がぴったりするように、病気を隠して入るために、特にそういうからだが弱いために一カ月働き、あるいは二カ月働いてしまうと、すぐ倒れて、もう二度と働けない、あるいはまた、しばらく休んで、それからまた働くというような形では、さすがの雇用者も雇用しない、こういうような中で特にこの中小企業における重労働、低賃金、その中からたどっていく道はむしろ再発の方向に進んでいく。したがって、療養所は出たものの再び前よりも悪化した形で療養所に入っていく。特にその際はもう助からない状態でもって療養所に帰ってくるという状態があるのではないかというふうに考えるわけです。その他セールスマンをやるとか、特にいろいろな、われわれの知っている範囲ではこの夏の暑い中で倒れていくとか、あるいは冬の寒い中で呼吸困難を起こしているとか、いろいろこういう低肺機能者の陥っていくそれらの運命といいますか、そういうものを聞くわけですが、こういうふうな形で、特に低肺機能者が非常に苦しい、自分の生命をみずからの手で縮めていくような、そういう生活をしていっている。しかも、それは外見上から見るとたいして重症者ではない、こういうふうに見られるけれども、実際には多くの人たちが低肺機能者としていわゆる内部疾患の対象になる。そういうような事情のもとに生活しているという点を特にしんしゃくされて、身体障害者の雇用法の中に内部疾患もすみやかに適用させる。それだけではなくて、私どもとしては単に身体障害者の雇用法の中に対象者として入れていくだけではなくて、国としては今日結核対策に対してはかなりの力を注いでおりますけれども、もっと総合政策に対して、結核立法くらいに、法律を作って、そうして予後からあとを保護に至るまでの一貫した国の擁護というものが必要ではなかろうかというふうに考えるわけです。
 最後に、先ほど申し上げました低肺機能者がたどりつく道の中で、特にここで御報告を申し上げて、皆さん方の注意を喚起し、そして将来これに対して何らかの対策を立ててほしいことは、それは現在ではその人員は三百名くらいでありますが、全国に約十二カ所から十五カ所くらいに、コロニーといういわゆる微量排菌者、それから非常に今申し上げました肺活量の少ない低肺機能者、こういう人たちが永住集落として生活しているわけです。この人たちは現在御存じのように、国家的にも、あるいは自治法自体にしても法律でもって、条例でもって、この人たちを保障していないために、自分たちが自分たちのささやかな力を持ち寄って、そうして作業をやったりあるいはまた、豚を飼ったり、あるいは鶏を飼ったりして、細々と生活をしているわけなんですが、この問題は即刻国の方としても責任をもってやはり見なくてはいけないのではないかと思うのです。特に東京の例をとってみると、東京には東京コロニーというのがあるのですが、ここでは印刷を主としてやっておるわけです。しかし、御存じのように、中小企業のこの企業競争というものが非常に激しい中では、その競争に勝っていかなければやはり生活はやっていけない。せっかく自分たちの手で作り上げたそのコロニーすらこれは崩壊せざるを得ない、こういう中では重労働をやってはいけないというふうに医者に言われていても、しかし、それをやらなければ食っていけない、生活を維持することはできない。こういう状態の中でほんとうに命を縮めながらそして自分たちの手で命を縮めながら生活をしている。こういうところが、今東京コロニーの例だけを取り上げましたけれども、全国に約十五、そしてさらには各県でこれを作ろうという声があるという点、こういった点からその立法化と同時に、やはり一つの身体障害者に対する擁護策として誠意を持って考えていただきたいというふうにわれわれは考えるわけです。
 大体内部疾患の問題について簡単に申し上げましたけれども、できるだけ御質問いただいてそしてその中でさらに肉づけして、世にこの内部疾患の問題を大きく訴えていきたいといふうに考えるわけです。(拍手)
#72
○委員長(谷口弥三郎君) ありがとうございました。
   ――――――――――
#73
○委員長(谷口弥三郎君) 次に、参考人国井社会保障研究所長国井国長さんにお願いします。
#74
○参考人(国井国長君) 私は国井社会保障研究所長の国井国長でございます。
 私は、身体障害者の総合的福祉保障の観点から、原理原則と職業更生、所得保障の個別的な措置対策につきましての大要を申し上げたいと存じます。
 身体障害者の福祉を策定いたしますることは、身体障害者の人格の成長を確保するという高い次元でこれを策定していただきまして、全国民の社会連帯の精神でこれを実施推進していただかなければならないのでございまして、昨年第三十四国会で衆議院で身体障害者雇用促進法の参考人としまして私が意見を述べたときにもこの点を強調いたしたのでございます。
 そういう点からいたしまして、私は結論といたしまして、すべての身体障害それから成人並びに児童の障害を通じまして身体障害者の総合対策というようなものを確立していただきまして、それを五年程度の長期年次計画でお進めいただきまして、五年たったならば身体障害者並びにその身体障害者の世帯の生活水準はここまで上がるのだ、このように生活構造を改善するのだというような施策を国会におきまして、また、各党におきましてお立てを願いたいと、このように存じ上げるのでございまして、その一つの前提として身体障害者保障基本法というような、これはおそらく時限立法になると思いますが、そういったふうなものをお作りいただきまして、現行のばらばらな所得保障、生活福祉あるいは職業更生並びに児童の身体障害者の育成の諸対策をおまとめを願いまして、行政体系におきまして率直に申し上げまして労働行政と厚生行政がいろいろと重なり合っている部面もありますし、逆にまたその間に断層もあり、空白もありますので、こういう点を調整しながら総合的に効果を上げるような施策を、これは政策の問題として打ち立てていただきたいということを冒頭これは結論として申し上げたいのでございます。
 次に、個々の問題に入りまして、こまかい問題は諸先生の御質問にお答えいたしまして申し上げまするが、荒筋を申し上げますると、昨年身体障害者雇用促進法が実施されましたことは、身体障害者の職業保障を国の責任でこれを行なうのであるというようなことに一歩前進したのでありまして、私どもはたいへんこれはうれしいことであり、これで日本もILOの勧告にこたえるようになったのであるということを喜んでおるのでございますし、事実このことによりまして身体障害者は自信を持つようになり、希望を持つようになり、さらに無理解でありました一部の事業主の認識も願えるようになり、また、国民もこれに啓発されるようになったことは確かでございます。
 特にこの雇用法の中で適応訓練、これは諸外国にもないすぐれた制度でございまして、これによりまして、従来中規模以上の事業所に新たに雇われるのが非常に困難でございました重度障害者あるいは中度障害者、それから三十才以上、四十才以上の中年の障害者が数はわずかでございまするが、雇用されつつありますことは、これはまことにありがたいけっこうな制度でございまするが、残念ながら初年度の昨年のこの適応訓練の人員が二百五十五人でございます。本年度が五百六十四名でございまして、身体障害者で雇用労働を希望しております者は九万二千人、このうちで三万人が今適当な訓練をし、この適当な作業設備や作業訓練をいたしますならば、直ちに雇用できるような意思と能力を持っている者であります。そういう点からいたしまして、これは焼け石に水でございますので、せっかくこの問題につきましては、世界にも比類のないすぐれた制度であり、特にわずかな予算で十分な効果もございますので、当委員会の諸先生におかれましては、この面をすみやかに強化充実を願いたいと存じ上げます。
 ところで雇用促進法は、ただいま申し上げました適応訓練はたいへんけっこうでごいざまするが、そのほかは率直に申し上げまして、ほとんどの部面を取り上げましても、裏づけ措置がないのでございます。雇用の機会を与えますことに対しまして、規制措置がないことはもちはん、規制措置にかわる担保力にかわりまして、雇用者に、身体障害者に適応しますような作業設備の改善でありますとか、作業補助具の支給でございまするとか、あるいは適職を選定してそれに優先雇用させまするとか、あるいは事業主に対しますところの国の財政補助でありますとか、こういったような裏づけ措置は率直に申し上げまして、ほとんどないのでございます。こういうことでは新しい行政としてILOの勧告にこたえまして、日本の労働行政の中に身体障害者の問題が大きく取り上げられまして、出先の職業安定所の方々が非常に努力いたしましも、これは私は率直に申し上げまして、雇用を増大することが困難であろうと思います。事実私が調査いたしたところによりますと、雇用促進法が施行されましてから、着実に身体障害者の雇用が伸びておりますのは、高等学校、中学の新卒でありますとか、あるいはきわめて軽度の障害者でありまして、せっかくこの雇用法を必要としておりまするところの重度、中度の障害者は雇用がほとんど伸びていない。特に官公庁にはこれが私は増加していないという事実を指摘いたしたいのでございます。
 このようにいたしまして、官公庁や大企業の雇用は停滞しております中で、ただ一つ日本で誇るべき身体障害者の雇用水準を達成しておりまするのは鉄道弘済会でありまして、ここでは両足のない方あるいは両腕のない方など重度十七人を含めまして身体障害者手帳所持者四百十三人が雇用されておりまして、雇用率は二・二%でございます。しかも、最近雇用法が施行されまして一年以内に約十三人の重度、中度の障害者を新たに雇い入れているのでございますが、これは当参議院御出身の議員であられる堀木鎌三先生が創立されまして、そういう身体障害者の愛護の精神を、現在の早川会長であるとか、あるいは滝理事長であとるか、長尾理事であるとかこういったような人たちが、この経営の方針として確立されたばかりでなく、同僚なり管理者が、身体障害者を雇用することを、そうしてそれを一人前に働かせることを誇りといたしまして、これを側面から盛り立てる、また、身体障害者も自分を自覚いたしまして、一〇〇%の仕事はできないにしても、九〇%の仕事ができるように努力しておりまするが、側面からは作業設備の改善でありまするとか、あるいは適職を選定するとかこういったふうな配慮はされておるのでございまして、こういうふうな配慮をしますならば、私は官公庁でも、大企業でも、二・二%くらいの雇用率は私は達成できると思う。現にイギリスにおきましは、官公庁は四・八%の雇用率であり、民間も三二%、西ドイツは官公庁が四・五%で、民間は二・六%の雇用率を達成しているのでございます。こういう点からいたまして、私は詳しくはあとで御質問にお答えいたしますが、とりあえずの措置といたしましては、せっかくのよい適応訓練の制度を充実いたまして、特にこれを結核回復者であるとかあるいは盲人の方々にも積極的に活用させまして、重度障害者に対しましては適応訓練の期間を一年にする、あるいは人員を少なくとも毎年三千人以上にふやす、さらに適応訓練期間中に御家族のある、扶養家族のある方々につきましては特別の手当を支給する、こういったようなことをするとか、あるいは作業設備の改善をいたしまして、これを国が補助をする、こういうふうな施策をとり、さらに現在では軽い者を入れましても重い者を使いましても、一人は一人として計算されますので、これは社会党の法案――坂本先生の御提出になりました法案にございますように、重度の者を雇ったときには一人を二人に換算する。これは諸外国でもやっておりますので、こんなふうにして重度の者が残されないような措置をとっていただきたいのでございます。
 もう一つは、国民年金の問題でございますが、これは幸いに政府の御努力で社会保障制度審議会の答申よりは部分的にはよくなった点がございまするが、まだ支給範囲が狭いこと、年金額が非常に小さいこと、その他改善を要すべき点が多々ございますので、こういう点は身体障害者は対象人員が多いといいながら、これを重度障害あるいは中度障害に重点を置きますなら、そう大きな私は予算措置を要しないで身体障害者の福祉が確立されると、このように存じておりますで、こういう点につきまして、当委員会で十分に御検討をいただきまして、改善をしていただきたいと思うのでございます。現在一般的な所得倍増と申しまするか、経済成長で一般的に好況になっておりますが、身体障害者の場合には逆に格差がだんだん広がっていくような状態でございますので、この高度経済成長にやはり社会保障計画というものが伴わなければ、身体障害者はいつまでたっても救われないと思います。そういう点で、いろいろなものを総合いたしまして、何と申しまするか、率直に申し上げまして、ばらばらの対策でなくて、目標をきめての御対策をお願いいたしたいと存じます。
 時間がございませんので、いろいろこまかい問題につきましては、諸先生の御質問にお答えいたしまして意見を補足させていただきます。(拍手)
#75
○委員長(谷口弥三郎君) ありがとうございました。
 参考人の発言は全部終わりました。
 これより質疑を行ないます。御質疑のある方は、順次御発言を願います。
#76
○坂本昭君 議事進行。
 たいへんそれぞれの代表された立場の方々から感銘深い御発言をしていただいて非常にありがたく思います。特に御遠方からおいでいただきました方にはまことに感謝にたえません。そこで、私きょうの非常に感銘の深い皆様方参考人に対して多数の質問があろうかと思いますので、時間の関係もありますので、ちょっとお諮りしたいのは、いろいろ御説明に詳しい方と簡単な方とありましたので、もう一ぺん皆さんに共通した三つの問題点を、それぞれ足りない方は少し詳しく、まあ、四、五分程度で話していだいて、そうしてそれからあといろいろとこまかい点について私も幾つかお尋ねしたいことがありますので……。
 三つの問題というのは、第一点は、身体障害者雇用促進法、これによる促進の実際、いろいろお聞きすると促進されてないという人もあれば、若干あるという人もありますから、その雇用促進法による促進の、この促進の実際、これをひとつお話しいただきたい。
 それからこの法律についての不備な点、説明もございましたが、また、御説明のなかった方もございますので、その不備な点の指摘、それから身体障害者福祉法の不備な点、それから年金法の、これは最後に国井さんからも話されましたが、年金法についての、障害年金、福祉年金、障害福祉年金の御意見、こういう点、三つの法律についての実際と意見をまず述べていただきたい。
 それから次の問題は、身体障害者の就業状態、職業の実際状態、これ詳しく述べられた方もあれば簡単な方もありましたので、もう一ぺんその点をお話をしていただきたい。
 それから三番目は、行政上の欠点、したがって、それに伴う要求ですね、大体その三つの点をもう一ぺん話をしていただいて、それからそれぞれまた個別的な質問に移ったらどうかと思うのですが、ちょっと皆さんのほうにお諮りの上、よろしければもう一ぺん順番に説明して下さい。
#77
○相馬助治君 私は坂木委員の提案に賛成です。ただそれと一緒にお願いしたいのは、身体障害者雇用促進法について、状況と不備の点と坂本先生がおっしゃいましたが、それに加えて、この法律ができたために視力障害者が、病院で雇用されていた方が逆にこの法律で基準があったために、今まで雇用されていた者が逆に悪くなった例すらありますから、そういうふうな早急にこの法律で直さなければならないというふうな積極的な点を不備という中に含めておっしゃっていただいて、それで坂本先生の提案に私は賛成です、その取り扱いに。
#78
○委員長(谷口弥三郎君) 坂本委員の今の御提案のように、ごく簡単に……。
#79
○藤田藤太郎君 そのときに、特に何をやってもらいたいということを、きちんと、端的にここで御要望いただく。
#80
○委員長(谷口弥三郎君) それではどなたからでもようございますが、ただいまの順序でやっていただいて、もしない方はそれでけっこうですから、おありの方は順次ずっと御発言を願います。
 それでは金成さんいかがですか。
#81
○参考人(金成甚五郎君) 第一点の雇用法の不備な点ということでありますが、私は、法律そのものの不備よりも法律が制定されることによってこうむっておる現在視力障害者の実態を申し上げたいと思います。従来、病院マッサージ師は盲人の雇用先として最も大切なこれは就職の門であったのであります。ところが、雇用法制定以来、〇・〇八を限度としましてそれ以上を軽度、それ以下を重度、こういうふうな重度と軽度の線を引かれました。重度以上――〇・〇八度以上の視力障害者は、これは七〇%以上を雇用しなければならぬというような法律的な体裁を整えられました。ところが、同時に昨年の十月、労働省の御指示によりまして〇・〇八以下の重度の盲人については採用しなくてもよいというような通達が出され、従来は狭い門でありながら多少の採用者を見ておるにもかかわらず、この障害者雇用促進法ができたためにかえって病院への就職は困難になったというような現状であります。これについて、昭和三十一年から三十五年までの盲学校卒業生の病院に対する就職状況を考えますと、二百七十九名の盲人が病院マッサージ師として就職しております。そのうちで〇・〇八以下ゼロまでの盲人が約八十人、三三%ほどの数であります。あとはたいがい〇・〇八以上の盲人でありまして、これは盲人というよりはむしろ目あきというほうが早い。こういうことで過去五カ年間における就職状況は目の見えない、視力の少ない者は、就職はほとんど困難であるという状態でありますのに、さらに加えて、昨年十月以来、〇・〇八以下の視力の持主は採用しなくてもよろしい、こういう労働省の通達があったということになりますというと、なおさら盲人の就職の門は狭められていかなければならない。こういう結果になりつつあるということを申し上げたいと思う。これを何とかして、盲人の一つの職場として政治的な解決によって盲人が病院に採用されることができますようにお骨折りを願いたいというのが私どもの願いの一つであります。
 第二点の身体障害者福祉法の上にどういう不備があるかというお問いであります。私は、先ほど来、現在の身体障害者の種類別、程度別からいって、どうしても補助、援護を厚くしなければならぬ者がかえって薄いということを申し上げて、その理由として、身体障害者福祉法の不備であるということを申し上げました。
 この不備な点を私は三つあげたいと思います。第一は、法律そのものの目的に不備がある。すなわち身体障害者福祉法第一条の目的というところを見ますというと、「この法律は、身体障害者の更生を援助し、」しかも「その更生のために必要な保護を行い、」ということを書かれております。要するに、これは更生を前提とした法律であります。と同時に、その更生は残存能力の利用を手がかりとした更生である、こういうことに考えられます。これが現在の福祉行政が私どもの期待どおりにいかない第一の理由だと思う。すなわち更生の見込みのある者、残存能力の多い者、言いかえれば障害程度の少ない者ほどこの法律の恩恵を受けることになる。更生見込みのない者あるいは更生のしにくい者については、これは恩恵を受けがたい状態になってこざるを得ない、こう考えます。
 第二の理由は、求めるものが与えられないで求めないものが与えられるような、結局、援助の方法とそれから対象である私ども盲人の要求とが一致していない。求めないものは与えられるようになっておるが、与えられるものはさほどわれわれの更生に役立っておらぬ、こういうことが言えると思います。たとえば盲人に与えられる補装具というのは、つえ、義眼、眼鏡、まあ点字板は昨年から加えられました。しかし、これは盲人にとってはそれほど、いわゆる更生上ぜひなければならぬものとは違うのであります。たとえば足のない人が義足をもらうことは、これをもらってつければすぐ歩ける。ところが、盲人のほうは、つえをもらっても、そのつえをついて今日の社会――この交通のひんぱんな社会に出て行って働くことができない。義眼をもらって目に入れても、その目が多少でも見えるようになるというわけではないのであります。ここに義足とか義手とかいうものと盲人のもらうつえあるいは義眼というものの本質的な違いがある。で、盲人の立場から言えばもっと高度なものを要求したいのであります。つえとか義眼とかいうものは、それほど私どもの更生に役立つものではない。むろんあるにこしたことはありませんけれども、更生上ぜひなければならぬという大切な道具ではない。しかも、身体障害者福祉法の上では、つえや義眼はもらえることになっていますが、その他の、それよりももっと大切なものはもらえるようになっておらぬ。いわゆる補装具の中に入っておらぬ。こういうことになります。
 第三の理由は、身体障害者の別表の上で示されておる等級表のきめ方そのものの上に私は問題があると思います。第一、あの表は身体障害者にはこういう種類のものがある、こういう形のものがあるということを表示したものであります。私はこういう並べ方は身体障害者の全般を陳列表的に見るならば別であります。これを、ほんとうに国家が政治的に保護を必要とする程度はどの種類の障害者であるか。また、ほんとうに政治的に援助をしなければならぬ程度はどの程度であるかということを中心としてきめられた等級表でなければならぬと思うのであります。あの表をごらんになってわかりますとおり、一級には両眼を失った者、両足を失った者、両手を失った者とありますが、六級には指三本しかないとか、足関節が動かないとか、あるいは視力で言えば〇・〇二ぐらいまではやはり身体障害者として扱われることになります。これをよく考えますと、全然視力のない者と〇・〇二の視力を持つ者と同時に扱うということに私は大きな疑問を持つ。同時に、両足がない者と指一本ない者と同じ列で扱うということに私は疑問を持っております。そういう点でこの等級表そのものを根本的に改め、ほんとうに国が政治的に援助しあるいは補助をしなければならぬ程度は、一体どの辺にあるかということを中心にして等級表をきめるべきである、私はこう考えております。
 以上三点について……。
#82
○委員長(谷口弥三郎君) それでは時間があまりにも延びますし、先刻のお話のように十五分以内ということでございますから、どうぞ簡潔に。
#83
○小柳勇君 議事進行について。非常に大切な意見でございますから全部お聞きしたいのですが、さっきの理事会の話もありましたし、私はこの大切な意見はこれは聞いてわれわれノートしておりますけれども、もっと時間があれば言いたい点がたくさんあると思うのであります。したがって、できれば早急に書類にしてそれぞれの団体から正確に出していただいて、それをまとめて取り扱うというのが一番、私、正確じゃないかと思うのであります。私、全部ノートしておりますが、さっきのお話とダブるのもあります。そういうことでありまして、きょうはせっかく遠方からおいでいただきましたので、質問等が――平素お聞きしたい点があるわけであります。そういうものを、時間の許す限り質問さしていただいたほうがもっと効果的ではないか。したがって、今、坂本委員から出されました課題については、非常に範囲が大きいから、この命題に従って一つ書類でお出し願えればしあわせだと思います。そういうふうに議事進行していただきたいと思います。
#84
○委員長(谷口弥三郎君) 速記をやめて。
  〔速記中止〕
#85
○委員長(谷口弥三郎君) 速記を始めて。
 まず第一番に、今、参考人の方からもいろいろと関係官庁のほうの意見も聞きたい。関係官庁の方もお見えになっておりますから、そういう方の御意見も聞き、それから同時に議員の方々から特に御質問のある点を御質問をしていただいて、そして参考人にお聞きするのはやめまして、(「質疑をやるのですよ」と呼ぶ者もあり)参考人の方々は、先刻坂本委員の申されたような点について書類をもってさっそくやっていただく……。
#86
○小柳勇君 ただいま私が言いました点で二つの点がある。一つは厚生省から答弁をしてもらいたいのだが、日患同盟の事務局長からおっしゃった付帯条件がどうなっておるのか。若干指導されてないのじゃないか。身障雇用促進法について、これについてどうやっていこうということを言ってもらい、そういう点を鮮明してもらう。
 それから〇・〇八の、病院ではもう雇わなくてよろしいという通達が出ておるようですが、そういうことがあるのかどうか、この二点だけ解明してもらって、そのあと質問をさしてもらいたい。
#87
○説明員(木村四郎君) それではただいま金成さんの御発言の中に、両眼の視力の和が〇・〇八以下の視覚障害のある者は雇わなくてもよろしいというふうな通達が出されたということは、これは誤解でございまして、これはおそらく政令におきまして、両眼の視力の和が〇・〇八以下の視覚障害者について特定職種としてあん摩師というものを指定いたしまして、そのあん摩師として採用する場合に、百分の七十まで採用しなければならないということをきめたわけでございまするが、そのあん摩師の下にカッコをいたしまして、主として、この〇・〇八以下の者では行なうことができないと認められる労働大臣が指定する業務に従事するものを除く。というふうになっておるわけでございます。それがすなわち病院または診療所におきまして医師の指示のもとに局部または全身の状態を識別し及びこれに対する施術の反応を観察判断しながら行なうことを必要とする業務ということになっておりまして、あんま師であっても、病院または診療所において外科手術後のもみ療治というものはやはり視力がないと危険である、その患者に対して危険であるというふうなあん摩師についてはこれはいわゆるあん摩師の特定職権としてのあん摩師の中からはずすのだと、こういうことでございまして、全部あん摩師をはずすというのではなくして、あん摩師のうち今言ったような患者に害を与えるというふうなおそれのあるもみ療治につきましては、これは除外する、こういうふうな意味でございます。
#88
○相馬助治君 今参考人の御意見が誤解だと言ったが、御意見が誤解じゃなくて、金成さんは事実を述べたと思う。私、栃木ですが、栃木に現実にそういう事例があるのです。だから、そのむずかしい法律をわざと読み違えたのじゃないかもしれないが、悪意ではないかもしれぬが、結局それを読み違えて、そういう視力障害者が法律のない時代は問題にならなかったのに、今度法律ができて助けられる時代になってかえって見捨てられたという例が現実にあるのです。したがって、行政指導をしなくちゃだめですよ。結局あなたの答弁は一部にしかなっていない……。
#89
○藤田藤太郎君 今、相馬委員の意見がありましたが、これは労働省や厚生省はみっちり勉強して、実情に即してうまくやるように委員会でひとつやりましょう。そんなことがあって実態と合わぬような行政が行なわれているようならとんでもないことだから、法の内容自身をよくしなければいかぬし、内容はだからそういうことで、各参考人の方々によい機会ですから、できるだけ時間をとって聞かしてもらうということでどうなんでしょうかね。
#90
○委員長(谷口弥三郎君) それでは委員の方から参考人の方に御質問がありましたら順次御質疑を願いたいと思います。
#91
○坂本昭君 大島さんに先ほど一般論を、実はこの中には医師もだいぶいまして、少し大事な点の御説明が足りなかったと思うので、今私が申し上げた点について簡単に一つ御説明いただきたい。
#92
○参考人(大島功君) どうも大へん先ほどは釈迦に説法いたしまして失礼いたしました。坂本先生からお話の雇用促進法によるものでございます。これは先ほど来他の参考人からもお話がございましたように、規制がなされておらないということ、雇わなくとも何ともないということ、これが一番の問題だと思うのであります。私よくは存じませんけれども、ドイツの場合には、雇わない場合には一人について月に五十マルクですか、何か罰金として払うと、それを払わなければ税金の滞納のように取り立てるということをやっているということを聞きました。それに類するような雇わない者に対する規制がほしいということを私も同様に考えるわけでございます。そう申しますのは、先ほどのもう一つの第二の就業状態に関することでございますが、ろう者の就業状態は五一%ということが厚生省で出されております。しかし、この五一%と申しますものの中には、月収から申しまして二万円未満のものが八〇%、これは身体障害者全般のようでございます。その就業者の中で家庭の生活の中心をなす者、すなわち自立することのできる者は二五・七%でございまして、補助的な収入を得ている者が二四%でございます。したがって、その他の五〇・三%というものは被扶養者の形になっているというような状態で、したがって、五一%の就業率と申しましても、これははなはだ低いわけでございます。そういうわけで、これは先ほど申しましたようないろいろの障害がございますので、そういうことでは実際上普通の状態では就業しにくいという状態があるわけでございます。このことはろう者の婚姻状態から見ましても未婚者が四三・四%というようなこと、これはやはり結婚をしますと家庭を維持していくことができないという状況からきているわけでございまして、そういう点から申しまして、この雇用促進法が一つは規制を持っていただきたい。それからもう一つは、これも先ほどから言われておりますように、もっと一・五%というようなことでなしに、大幅にそれを上げていただきたい。先ほどのお話では、西ドイツでは四%というふうに伺いましたが、私の直接に聞きましたところでは一〇%ということを聞いておるわけでございます。
 それから福祉法につきましては、福祉法の別表に段階がございまして、それによってろう者に補聴器を与える基準が定められているといいますか、実際上補聴器を与える場合にその基準が用いられておるのでありますが、先ほど申しましたようなことからもおわかりのように、ろう者すなわち六〇デシベルくらいから、あるいはそれ以上ずっと一〇〇、あるいは一一〇というようなところになりましても補聴器は有効でございます。これは私どもの実際上の長い経験からそういうことが言えるわけでございます。ところが八〇デシベルよりももっと悪い聴力の者には補聴器は無効である、効果がないから与えないという福祉事務所が多いのでございます。けれども、それは十分使えるわけでございますから与えてほしい。なお、六〇デシベルくらいなところになって参りますと、あるいは与えないところもある、そのくらい聞えるならいいだろうというようなところもある。ところが実際は、先はど申しましたような、それらのあたりはまた非常に有効なのでありまして、したがって、そういう点、これは法律の問題になりますか、行政の問題になりますかよく私はわかりませんが、いずれにいたしましても、そういうろう者には補聴器が十分にどのろう者にも行き渡るように、これは予算的な問題もあると思うのでありますけれども、そこに改正を願いたいと思う点がございます。
 それから年金法でございますが、これも雇用法と同じように年金を必要とする者が非常に多いわけでございますが、これも年金法の点から申しますと、一級というのが九〇%、二級というのが八〇%、二級までということになっております。しかし、六〇くらいのものでも、今申しましたようなことからいろいろの差しつかえがあるわけでございまして、これは年金受給の度合いをもっと広げていただきたいということでございます。もちろんこれらの中には単に聴力障害だけではかるべきでないとかいろいろあますことは先ほど申し上げたわけでございます。
 それから就業状態については申し上げましたので、行政上のことで申しますと、福祉法によりましてろうあ者更生指導所というものが設けられることになっております。が、これは御承知のように、現在国立の更生指導所が一カ所東京に設けられているだけでございます。実際にこの更生施設を必要とする者、これは厚生省の調べでございますが、全ろう者の一二・六%、その人数だけを申しましても一万八千五百人でございます。ところが、現に東京にございます国立のろうあ者更生指導所は、収容定員百名でございまして、はるかに及ばないわけでございます。したがって、そこに収容されます者が数において足りないばかりでなしに、いろいろの意味で限定されまして、先ほど申しましたような教育の機会がなかった者が、こういうところで職業の訓練を施されたりいろいろのことをしなければならないわけでありますが、むしろ、ろう学校を卒業した者が多く収容されるような結果になってしまっているわけでございます。そういたしますと、この更生指導所の持つ意義というものが反対になって参りますので、これはどうしても各地にこういうふうなものを、国立あるいは都道府県立などによりますものをできるだけ多く作って、そうしてたくさんそういう必要を感じてどうすることもできないでおります者たち、しかも、これに職業訓練をしますならばほかの障害者よりもたやすく更生することのできる人たちにその機会を与えるようにしていただきたい。
 それからもう一つは、福祉法によります福祉司のこと、これはやはり行政と申しますかあるいは法律と申しますか、福祉司の絶対数が非常に足りないと思うのでございます。こういう方面は申すまでもなく、専門の福祉司がほしいわけでございますが、現在は福祉司がすべてのことをやっておられるわけで、したがって、私どもがお願いをしたいようなものがなかなかお願いできないでおります。たとえば、私は学校の者でございますが、結婚の問題それから就職の問題というようなものも、みな学校の教師のところへかかって参ります。もちろんこれは私どもができる限りのことはいたしておりますけれども、それではとうていできない社会的な問題でございます。何とかしてこれを福祉事務所が十分に考えていただくようになりたいものだと思いますので、何とかして福祉司の数を大幅にふやしていただきたい、そういうふうなことをお願いしたいと思います。
#93
○坂本昭君 長さんに、これは簡単に内部疾患の人たちの就職の状態、特に低肺機能者の生活の実態、このことが雇用に関係してくるのですが、それについて簡明に説明をお願いしたい。
#94
○参考人(長宏君) 就職の問題については、先ほどの説明の中で非常に簡単に申し上げましたけれども、最近求人ブームとかあるいは就職ブームとかいっておりますけれども、実際に結核回復者にとっては、そういうブームは全然別のところで起きている問題であるというふうにわれわれは考えております。特に、先ほど申し上げましたような低肺機能者の問題について、そういう人たちがどういう職業についているかということが非常に大切なのではないかというふうに思うわけです。先般いろいろの人に聞いてみたのですが、婦人の就職率がいいというが、どういったところへ行っているかというと、非常に不健康であり、また、不健全であるキャバレーとかバー、こういったところが一つのはけ口になっている。それからまた、男子にしても、大企業に就職しているというのは非常に少ない。御存じのように、大企業というのはかなりきびしい身体検査があったり、あるいはまた、その他の調査もあるでしょうけれども、からだの問題からいいますと、私たちにとってはその身体検査が非常にきびしいという点で、特に機能が以前の状態に戻っていても、背中にきずがあるとかあるいはまた、結核をわずらったことがあるということで落とされてしまって、近い例としては、都庁の最近の何といいますか就職試験のときに落とされたとか、あるいはまた、伊勢丹の就職試験のときに落とされたとかいうようなことを聞いておりますけれども、まあほぼ健康な回復した人でそういう状態なんです。したがって、低肺機能の人たちだとかあるいはそれよりもちょっといいという人の行くところというのは、結局、身体検査もあいまいにやっているような中小企業、中小企業というのは御存じのように、非常に長時間労働、あるいはまた、低賃金、これは労働基準法に抵触するようなそういう企業が非常に多いわけで、そういったところに結局のところころがり込んでいく。そこでは、今申し上げたような長時間労働と低い賃金。そこで、病気を隠して入ったり、あるいはまた、最近のような状態ですから、とにかく来てくれというので行っても、長続きはしない。特に低肺機能の人たちが結局はそこでもってそういう酷使された状態の中で再び病気を再発さしていって、そうして今度はもう相当長い期間かからなければなおらないとか、あるいはまた、全然なおらないようないわゆる焦げつき患者というような形で病院に焦げついている、こういう状態ではなかろうかと思うんです。そして、さらに結核の状態からいくと、ここに医務局の次長さんもいらっしゃいますけれども、こういう焦げつき患者に対する厚生省の配慮もきわめてやはり冷たいのではないかと思うのです。そうして、安閑としてやはり療養ができないというような状態にあるのじゃないか。療養所内においてそういう冷たいような扱いをされ、そして出ていけばさらにまた冷たいこがらしの風が吹きすさんでいると、こういう状態に絶えず結核の回復者は不安な状態の中から不安の中へというふうに行っているんじゃないかと思うんです。ですから、先ほども申し上げましたように、単に身体障害者の雇用法というだけの対象だけでなくて、結核に対する総合政策というものを厚生省としては考えなくちゃいけないんじゃないか。そして、憲法の二十五条に基づく生存権をやはり確立していかなければいけないんじゃないかというふうに私どもは考えます。
 それからまた、雇用の問題につきましても、雇用法を名実ともにとにかく雇用法にしていくということと、労働の権利といいますか、働く者の権利、働く権利ですか、完全雇用のそういうような施策もぜひ並行して行なわれるべきであるというふうに私どもは考えます。
 それから第二点目の問題についてですが、コロニーの現況について、先ほどもちょっと簡単に申し上げましたけれども、大体十二カ所から十五カ所くらいあるのじゃないかと思います。そして、その中でも特に地方自治体から援助を受けているような熊本とか福岡とかあるいはまた、長野、それからまた、東京で援助しようというような動きがあるそうです、東京コロニーだとか、こういうところと、それから全く全然何の保証もなくして自分たちの労働力をお互いに合わせながらそして生活保護をとりながらやっていっていると、こういうような大体二通りに分かれていると思うんです。まあ多くは、たとえば共同募金とかその他NHKの歳末助け合いだとか、そういったところから援助を受けているという社会慈善団体からの援助というのもありますけれども、大別すると二通りになると思います。しかしながら、共通している点は、やはり非常に過酷な労働条件とそれから低いみじめな賃金という中でまあ健康者と変わらないようなそれ以上のいわゆる労働が強制されてしまって、お医者さんが五時間しか働いちゃいけないといっても、その労働時間を超過しなければとうてい生活ができないというようなことで、あえて自分のからだが酷使され、そしてだんだん悪くなっていくということを知っていても、それを続けていかなくちゃならぬというような状態があると思うんです。外国の例なんかとってみますと、これは厚生省の公衆衛生局の若松課長だとか、あるいは医務局の黒木次長さんがいらっしゃいますので、その方からの説明のほうがより造詣が深いものであると思いますが、われわれから見ましても、やはり日本の結核対策はきわめて劣っている。それは、日本が結核の死亡率にしてもあるいはまた、結核患者がいるという率についても世界的水準をいっているので、そのこと自身が結核対策の貧困を象徴しているものであると思いまするけれども、したがって、回復者の問題については全く対策が行なわれていないというふうに考えてもいいんじゃないかと思います。わずかにアフター・ケアの問題なんかについての対策はありますけれども、施策上からいっても、予防は予防課とか、治療は医務局、それからその他の社会保険にしては保険局というような形で分断政策が行なわれている。そういう点も政治の無系統立ったそういうやり方がそういうふうに回復者の問題に対してもかなり手を省いているのじゃないかと思いますが、そういう中で現代の回復者の処遇というものはきわめて悪い。中でもコロニーの問題についてはそういう状態にあって、外国なんかではまず適応検査といいますか、社会復帰がむずかしい人には国の全面的な保護によって医療もし、そうして次に切りかえた場合はそれも遠隔調査的なことをやってやる。あるいはまた、別の形としては適応検査ですね。あるいはまた、技術指導。そういった中でどういう仕事が向いているかと、こういうようなやり方をしたり、それからまた、さらに進んだ段階では、職業訓練を全額国が見てやっていくとか、あるいはまた、さらに進んだ段階では、国が赤字を背負ってそうして一つの工場を作りそうして最低賃金制をそこでもって実施していく。いわゆる能力の不十分な点は国が保障していくというようなこういう制度をやっているところがあるわけです。特に北欧の近辺だとかあるいは英国を含めてこういう点がかなり進んでいると思うんですが、わが国においてもそういった点はもっともっと強調されなくちゃいけないし、そういった点では先生方から身体障害者の雇用状態とあわせてわれわれは内部疾患をこれに適用してほしいというと同時に、結核対策の総合的な立法化、それからまた、コロニーの法的な援助、こういうものをしていただきたいと思います。特に現在のコロニーについて特に強調したいことは、まず国と地方自治体が積極的に援助してほしいということです。それから健康管理を十二分にしてお医者さんの指導のもとに労働のできるようにしてほしい。そうして足らない点は国がこれを補助していく。そういうようにぜひしていただきたいと思うんです。そうしないと、先ほど申し上げた繊維化の低肺機能者が入っていって肺炎をやればすぐに死んでいってしまわなければならぬというようなそういう運命を持っている人たちもいるんですから、十分にそういう問題をお考えいただいて、内部疾患の問題、雇用法を名実ともに雇用法にしてほしいということと、結核の総合対策、あるいはまた、労働政策、そういったものを並行してひとつお考えいただきたいと、このように考えるわけです。
#95
○坂本昭君 金成さんと国井さんにお伺いしたいんですけれども、先ほど来盲人の問題がずいぶん出ていますが、盲人の方のあん摩以外の就職状態がどうか。ということは、盲人の方のあん摩優先確保の問題がわれわれとしては非常に重大になっておる。したがって、一つは、金成さんからは、あん摩業以外の職業状態の説明をお聞きして、それからあん摩優先確保についてこれをどういうふうに立法的にあるいは行政的にしたらいいか、これは金成さん並びに国井さんから御意見をいただきたい。
#96
○参考人(金成甚五郎君) ただいまの質問の第一点、あん摩以外の盲人の職業はどういう状態になっておるかという点であります。これは、最近私どもの団体で調査をいたしましたところによりますと、現在日本の盲人の中であん摩以外の職業をなりわいとして生活しておる者が二百三十人しかございません。ちょうどパーセンテージでいいますと〇・〇一%強というところに当たります。この職種の内容を調べてみますと、第一が商業であります。製造工業を含んだ商業であります。これが大体パーセントで申しますと三五・六%、こういうことになっております。第二は宗教関係、僧侶とか牧師とかいうような関係、これは二一・七%これがおもなものでありまして、その他は四、五%程度のものであります。
 この二百三十人のあん摩以外の職業についての実態内容を調査したところを要点だけ申し上げますと、これらの人々は、多くは公的援助を背景に持っておる。厚生年金であるとか、あるいは恩給であるとかいうものを持っておる者が大体六七%、全然何も公的援助を持たないという人は三三%しかございません。それからもう一つ特徴的なことは、これらのあん摩以外の職業についておる人で、助手、あるいは協力者を持っておる者が大体六六%、助手以外のいわゆる協力者を持っておる者が五八%、こういうことが明かにされております。これを要するに、盲人の特殊職業、いわゆるあん摩以外の職業は、公的援助のような財政的背景がなければ不可能であるということと、第二には、助手または協力者というものの力を借りなければ経営がきわめて困難である、こういうことが実際の調査の上に現われておるのであります。そういう意味からいって、私どもはあん摩以外の職業について現在あまり大きな期待を持てないという現状であります。したがって、私どもは、しからば何によって今後の日本の盲人が生きていくかという問題でありますが、そこに出てくるのが、すなわちあん摩優先の問題、これはいろいろ立法的にはあるでありましょうが、結局明治憲法時代の内務省令では、甲種、乙種の二つにあん摩を分けまして、目あきの行なうあん摩は甲種として四年間の修業年限を要する。盲人の行なうあん摩は二カ年の修業年限で免許がおりることになっておるのでありまして、それぞれ資格取得の条件が違っておったのであります。新憲法下における法律改正では、ほとんど目あきと盲人との間の、同じ条件で資格が与えられる。同じ条件で営業を営まなければならぬという法律の内容に変更された。それがために一面では目あきの業者が非常に増加しております。昭和十二年では一万八千であったものが、十年後の昭和二十二年には三万六千ほどにふえておる。昭和三十二年にはそれが四万八千ほどに目あきの業者がふえておるのであります。それだけいわば盲人の職域が狭められた、こういう結果になっておると思います。そういう意味で、私どもことさら盲人があん摩に適しておると申し上げるのではございませんが、あん摩以外に選ぶべき仕事がない。これがわれわれの日本盲人を生かすただ一つの道だと、今日ではそう言えると思います。先ほど申し上げましたように、あん摩以外の職業について成功している者が、大体二十二万人の盲人のうちで二百三十人しかないという現状のもとで、私どもの生きる道はただあん摩であるということ、これは当然の問題だと、こう考えます。したがって、私どもは立法的にそういう処置を一つお願いしたいのは、これは日本盲人の血の出るような叫びであるということを御承認願いたい。同時に私どもは、これが無資格営業者として、あるいは療術業者としてこれらのあん摩類似の行為によって生活を営んでおる人の取り締まりを厳重にして、これを法的に認めるというような処置は絶対に反対いたしたい。現在の日本盲人の覚悟は、これは死を賭しても反対をいたしたいということになっております。これは衆議院のほうでは昭和二十二年に、この法律が出たことを知らなかったために漏れた者を講習あるいは適当な簡易な方法で働けるようにすべきだというような附帯決議がこの前の国会で出たのでありますが、幸い参議院においてはそういうような御意見はなかったのでありますが、どうぞひとつ、この委員会におきましても、私どもの趣旨を十分におくみ取りを願い、盲人のあん摩優先及び無資格者を公認するような法的処置は絶対におやめを願いたい。これは今日の私一人の意見ではございません。日本盲人連合全体の声として皆様にお願い申し上げたいと思います。
 以上でございます。
#97
○坂本昭君 国井さんに今の立法問題をお尋ねすると一緒に、先ほど身体障害者保障基本法のことをちょっと言われておられましたので、今のあん摩優先の法律のことと、基本法のことと一緒にひとつ触れていただきたいと思います。
#98
○参考人(国井国長君) 第一点は、盲人があん摩、はり、きゅう以外のどんな職業についているか、また、どんな職業がよいかという御質問でございます。私時間の関係で要点だけ申し上げますと、本年七月に厚生省が御発表になったところによりますと、視覚障害者で就業しております者は三二%でございます。しかしながら、一級、二級の重度障害者では、あん摩以外の仕事についている者はほとんど少ないのでございますので、一口に視覚障害者と申しましても、盲人と盲人以外の軽い視覚障害とを分けてお考えをいただきたいと思います。で、視覚障害者全般といたしましては、三二%の方が職業についておりますし、あん摩師が三八%でございます。一〇〇%のうちの六二%は他の職業でございまするが、その大部分は農林漁業でございまして、おそらくこれは、農林漁業と申しましても、家計の中心でなくて補助的な立場の者が多いのではなかろうかと、こう考えるのでございます。しからば一体どんな職業がよいか、この問題につきましては厚生省に先年設けられておりました委員会で、東京国立光明寮の寮長の高田秀道先生その他の方方が、盲人の公的の職業として幾つかのものをおあげになったものがございます。これも私はその中では相当盲人に適した職業があると思うのでございますが、具体的にはそれを盲人の職業として適応させまするためには、先ほどちょっと触れました作業設備の改善でありまするとか、作業助具の支給でありますとか、こういったような作業能力を補強するような設備をなすっていただきませんと、これは私は困難であろうと、こう考えるのでございます。現在官公庁の公務員の中で、視覚障害者が約二千七百三十二人働いております。この中で八百七十四人は三級以上の重度の視覚障害でございまするから、その中では視力がほとんどないような方も私は若干あるだろうと思います。おそらくこれは官公庁で起きまする業務災害、その他の継続雇用だと思いますが、とにもかくにも数が少ないけれども、官公庁にこういったふうな方々がお働きになっておりますという実態を御研究いただきまして、官公庁がこういったふうな盲人の方々も進んで受け入れるような、先ほど申しましたようないろいろな作業場の設備をお願いいたしたい。こう考えるのでございます。
 それから第二点は、盲人のあん摩の優先確保の問題でございます。この問題につきましては、盲人会の方々が昭和三十年以来いろいろと陳情運動でお願いしておりますようでございますが、最近まで遅々として進まなかったのでございまするが、当委員会の先生方並びに衆議院の社会労働委員会の先生方の御配慮によりまして、前国会におきましては、盲人の職業の優先確保のためにあん摩優先の特別措置をすみやかにするという御決議をいただきましたことは、盲人の方々にとりまして大きな光明を得たわけであります。で、憲法では職業の自由というものが保障されておりまするが、盲人の方々は実際上いろんな職業につくことを制限されております。制限されておるにもかかわらず盲人の好適な職業であり、現に三万一千人の盲人の方が働いておりまするこのあん摩業につきましては何らの保護がないという、こういったふうな矛盾不合理があるのでございます。そのために先ほども金成さんがお触れになりましたように、最近では晴眼のあんま者の、あえて過当進出と申しますが、そういったふうな過当進出のために昭和二十二年当時、あんま法施行されました当時、盲人が七二%で晴眼が二八%だったと思います。今その差がずっと縮まって参ったのでございまして、おそらく今後このまんまの、要するに晴眼のあん摩師と盲人のあん摩師の養成定員が、今後五カ年間このまんまで推移いたしますると、盲人のあん摩師と晴眼のあん摩師との比率はほぼ同じくらいになる、こういうふうな状態でございます。先ほど申し上げましたように、所得倍増、一般的な高度成長で、もう若い婦女子の方々はいろんな職場に職業が展開されておりまして、一部では超求人難というふうな状態でございますので、盲人のあん摩師と競合をしまするような部面の方々を他の職業に誘導していただきまして、あん摩の優先の問題を御解決をいただきたいのでございます。それはまさに現在の時期を逸しましては、私は将来なかなか困難だろうと、このように考えるのでございます。
 第三の御質問の身体障害者の保障基本法の問題でございます。先ほど来盲、ろう、それから肢体並びに結核関係の方々からいろいろと御意見が述べられたのでございまするが、おそらく私は精神薄弱を入れませんでも、外部障害あるいは結核その他の内部障害を合わせますると、成人並びに児童合わせて約二百万人くらいの身体障害者が日本にあるんだろうと、このように考えるのでございます。この方々を、国が近代国家といたしまして保障して、その方々の、憲法で保障いたしまするように、健康で文化的な生活を保障し、その世帯の生活をも保全いたしまするためには、私は身体障害者職業保障法というふうな立法が必要であろうと思います。これはこの身体障害者の保障を国の責任で行なうべきであるというふうなことを宣言いたしますと同時に、基本的な計画並びに年次計画の設定、それから年度に実施いたしましたことを国会に報告いたしまするとか、あるいは関係法律の取り扱い方をきめまするとか、あるいは国民の協力義務を規制いたしまするとか、あるいはこの福祉の措置を受けまするところの身体障害者の義務、これは西ドイツの身体重障害者法では、身体障害者の義務の規定もございますので、こういったふうなことなども織り込んでいただき、さらには身体障害者保障審議会というようなものを置きまして、これを民主的に構成し、民主的に運営していただくというふうなことが内容になっておるのでございまするが、こまかい点につきましては、時間の関係で御質問にお答えいたしまして補足をさしていただきます。
 なお、若干これに触れまするが、この際に、この基本法と関係いたしまして、現在身体障害者の社会保障、所得保障、それから職業更生あるいは税の減免でありまするとか、いろんな諸法律、諸制度に関連いたしまするこの保護の基準をきめました法律の障害等級表がばらばらでございます。そのために認定の基準がまちまちでございますので、これが逆に身体障害者が適正な保護が受けられないというようなうらみがあるのでございまして、私は社会保険審査会の参与という国民年金のいわば官選弁護士的なお仕事を仰せつかっておるのでございますが、きょうはその方の資格でお呼びいただいたのではございませんので、きょうはそれに触れませんが、そこで痛感しておりますことは、まじめな行政官もこの問題につきましては非常に心を痛めておりますので、これも基準を統一すると同時に、認定基準を確立していただきたいことをつけ加えます。
 それからさらに、お手元に、諸先生方に御参考にと存じまして意見の要旨と、それからただいま申し上げました総合対策の構想でありますとか、あるいはイギリス、アメリカ、西ドイツ、ソ連の身体障害者の所得保障、職業更生、福祉の問題、それからこれはぜひ当委員会で本日御検討いただきたいと思いまするが、身体障害者の雇用促進法につきまして現行の政府案と一政府で出します前に良心的な労働省がりっぱな案を作られましたのが、これは日の目を見ませんので、これと社会党案を比較いたしました一覧表あるいは国の身体障害者関係の予算の現状でありますとか、身体障害児の福祉並びにそれの特殊教育関係の予算の現状でありますとか、あるいは国や大企業の雇用の実情と今後の計画さらに身体障害の等級表と年金の最低支給額、さらには先ほどから触れております身体障害者を雇用いたしますための作業設備や作業補助具の一覧表、それから私が昨年、朝日新聞の土屋論説委員を顧問にいたしまして、初めて日本で調査いたしました身体障害者の社会意識の調査の結果がまとめてお配りいたしてございますので、十分にごらんをいただきまして御検討を賜わりたいと思います。
 以上でございます。
#99
○小柳勇君 関連いたしまして金成先生に質問いたすのですが、私はあん摩に対する盲人優先に対しましては今まで支持して参っておりまするが、一部の人の意見として、盲人はあん摩だという昔からのそういう考え方、たとえば盲学校教育におきまして、高等部に入りますと、もうほとんどあん摩、はり、きゅうに教育の全時間をとられる。したがって、この盲学校におきましては、あん摩教育である、そういうことであるので、盲人が将来に希望を持たないで、もう自分の将来はあん摩である、しかも、そのあん摩も、卒業してもなかなか仕事も職場もないというふうに、盲学校時代から希望がないのであるから、盲学校における教育は一般普通高等学校の教育を主体として、盲人にあん摩教育するには別途の学校を作るべきである、すなわち盲人はあん摩であるというような考え自体に、これを改むべきであるという意見を出しておるわけです。そういうものについて私は今まで、あん摩は盲人の優先的な職業として確保すべきであるという見解で参っておりますが、そういう意見を聞きますと、それもまた傾聴しなければならぬという気になりますが、そういう点について学校教育の問題と盲人の教育即あん摩教育であるという昔からの考え方については改めなければならぬのじゃないかという、そういう考え方について先生の御意見を聞かしていただきたいと思います。
#100
○参考人(金成甚五郎君) 現在の盲学校の教育は、全然あん摩一本やりの教育であるということは、これはございません。普通小学校、中学校における義務教育はむろん義務教育として遂行させる。その上にあん摩教育をさせておる。しかも、高等部における教育は、普通科教育と、あん摩の専門教育とを、ちょうど普通の高等学校における実業学校課程と大体同じようなやり方で、同じ分量で教科課程が盛られておる。そういう意味から見て決して現在の盲人教育が、あん摩教育に偏しておるということはないと思います。
 それから盲人あん摩優先について、一部には盲人即あん摩であるというような考え方は誤りであって、どのような職業にでも進出できるような方向に新しい職業を開拓していかなければならぬということは、これはだれしも理論として考えておる点であります。しかしながら、実際問題として、新しい職業についてはみたが、実際には生活をささえるだけの力がない。そういうためにやってはみたけれども不成功に終わって、再びあん摩にならなければならぬというような実例が多いのであります。そういう観点から見て、私どもも目が見えなくても各方面の職業に進出するということは大いに奨励いたしたいものだと考えておりますが、しかし、だからといって、それじゃあん摩というものは、全然盲人の手を離れてしまった場合にはどうなるかということを考えますときに、盲人の生活を保障するという意味で、私はこの職業だけは確保したいのだ、こういうふうに考えておりますので、決してあん摩優先を主張することによって盲人即あん摩であるというような考え方を深ませようというような意思は毛頭持っておりません。新しい職業に進出しつつ、さらにこのあん摩の確実な一線だけを盲人のためにとっておきたい、こういうような精神で優先論を唱えておるのであります。この点御了承を願いたい。
#101
○藤田藤太郎君 私は、きょう皆さん方の御意見をお聞きしたのでありますけれども、主として職について、生活の道を立てていくというところに議論の中心があったとこう思うわけであります。身体障害者の皆さん方が、身体障害者雇用法というものができまして、促進法ができましたけれども、なかなかそれで実を上げていない。そこにはまだ行き違いやその他があって迷惑しているというようなお話がありました。しかし、私はその問題は、何としても勤労の中で道を立てていくということが理想ですが、身体障害者の方々が、実際の今日の生活の上に立って、先ほど少しお話がありましたけれども、なかなか生活上苦労されている。で、こういうことについて、たとえば医療の問題の保護であるとか、特別の援護、一番お困りになっている方は生活保護を受けられているのだと思いますけれども、そういう点の要求というものがうんとあっていいんじゃないかという感じで聞いておったわけです。ですから生活保護というものによって生活するというのは、私は人生で一番不幸だと思います。だけれども、やむを得ずそういうところに陥っておられる、だから身体障害者という、ほんとうに社会的に、障害を受けて生存していくというには、たとえば年金の問題にいたしましても、もっと生活ができるような年金に上げてもらいたい。医療給付についても、一般の健康者と違って、医療給付の問題には特別な恩典をもってやってもらいたい。で、そういう私は要求があるのではないかという工合に感じておったのですがどうでございましょうか。一、二、お聞きしたいのですが……。
#102
○参考人(蟹江広吉君) この手足の不自由な肢体障害者の場合に、雇用促進法というものを取り入れて考えてみますと、非常に軽度な者が多く就職をされ、重度の者は放置される現況にある、こういうことが第一の問題だと思います。重度の者の就職をいかに法律的に処理し、実際的に運用するかという問題をもう少し検討していただだかないことには、現在のような状態であるならば、重度の者は放置状態に終わってしまう。こういう観点をひとつよく御研究されて、それに即応されるような立場をとっていただきたい。
 それともう一つは、福祉法の問題、不備な点でございますが、私が先ほど売店設置法について、これは専売の、たばこの問題は、全くあるような、ないような、専売公社に行ってみるとけんもほろろに、君のところはだめだ、もう戦時中にやめた業者がたくさんあるので、身体障害者に優先といっても、それらの人をほって置くわけにいかないから身体障害者にはできないのだというような形で、福祉法にありながらそれを利用する機会が非常に少ない、こういうような状態になっている、
 それからまた、補装具の状態から判断してみますと、現在の補装具の率というものが、重度の者に対しての加算というものがございますけれども、都市加算が非常に少ない。この少ないのをもっとふやしていただかないと、現在の生計指数から考えてみても、非常にわれわれが利用する価値が僅少だという問題、反面、戦傷病者戦没者遺族援護法の中の戦傷者に対しては完全国庫保障であり、現在の立場から考えてみますと、同じ身障者でありながら、それらの人々に対しては全部が無償でもって提供されているにかかわらず、戦後生まれた身障法、また、戦傷病者戦没者遺族援護法というものは同じ状態で扱われて、平等であるべきではなかろうか。私たちは恩給をくれとは申しません。われわれ日常生活に足るだけの補装具をわれわれに与えてもらいたい、こういうことを痛切に訴えるものであります。
 それともう一つは、この車いすというものがございます。下半身が私のように全然動かぬ者は車いすに乗って歩く。下半身が麻摩した者はその車いすで手を使って歩いて毎日通勤をし、手の仕事をするというときはどうであるか。通勤をするときに車いすを回して乗っていきますと一時間くらいは仕事ができないのであります。手がふるえて仕事ができない。そういう人に限って手先の仕事をやらなくては生計を維持することはできないのであります。車いすに乗って行って、一時間くらいこいで行った場合には、自分の身の重力によって手が動かぬようになる。そうして一、二時間くらいはどうしてもほって置かなければならぬ。そのためにどうすればいいかという問題は、五〇CCから二五〇CCまでの自動エンジンをつけた車に乗れればそういう憂えがなく、そういう身体的な消耗が非常に軽減される。そうすると仕事の能率も上がり、非常にその更生意欲も増進させる。こういう観点から肢体不自由者に対しては、あの五〇CCから二五〇CCまでの自動エンジンをつけたバイク・モーター、また、このごろはマツダにおいてはあの四輪の車までわれわれに当てはまるところの設備を整えた車が製造されております。そういう問題までやはりこの身体障害者福祉法の中の補装具として一応考慮に加えていただくことをお願いを申し上げたいと存ずる次第であります。
 それに、先ほどからの更生医療の問題も、私は肢体障害者には更生医療をこれは無料で与えてもらいたい。これは国井さんがここにいらっしゃるので、国井さんに統計を出していただけばわかるのですが、たいした経費はかからずして無料になる問題になっております。だからそういう点も一応考えていただいて、何とか福祉法が十分に肢体障害者に活用できるところの制度になるような方法に改正をしていただくことをお願いを申し上げておる次第でございます。
 それから年金法の、先ほど国井参考人からおっしゃったように、等級表というものが、年金法の等級表と身体障害者福祉法別表六の等級表が全然合わないのであります。食い違っております。食い違っておるために福祉法のどこからどこまでが、これはどうも勘であやつって当てはめていこうというような状態になっております。福祉法というものが先にちゃんとできているのだから、その等級表に準じて年金が考えられなかったかという問題を私は痛切に考えます。これはやはりそれと同時に、福祉年金、障害福祉年金の問題は三級以上というのはやはり福祉年金に入れてやってほしい。三級以上というものは大腿の切断であります。片っ方根元からない人であります。こういう行き方まで、これは義足をはめたら一人前じゃないか、しかし、あれはおそろしくて歩けたものじゃございません。ちょっとデッキの上でも、踏みはずせば、感覚というものがないために、ひどい大ケガをした実例もたくさんございます。かえって松葉づえをついているほうが安全だ、大体義足をはめた方があぶないのだということまで、これははっきりと実際が認めるのでございます。そういう点を考えていただきまして、大腿切断以上、これは福祉年金の範囲に適用していただきたいということをお願いを申し上げる次第でございます。
 それからこの職業の紹介あっせん状態でございますが、まずこれは例をあげて申し上げますと、京都の例でございますが、人がなくて仕事ができない、こういうふうにおっしゃるのでございます。これはそういうことを労働省のお方がお聞きになったら、京都は一体何をしておるのだ、ほかからはそういうことは聞かないがどうだとおっしゃるかもしれませんが、実をいうならば、法律を作って流してくれるならばやはり指導官もつけて流してほしい、そうしないために、身体障害者に指導する係員が補佐的なものになってしまって、実際中心的に動くものを作るわけにいかないのだ、だからあいのこ的な係員が指導しなくちゃならぬというような形に陥って、現在雇用法が運用されております。そういうふうな点も一応法を作ったならば、やはりその人をまで割り当てていただくようにお願いをしたい。そうするならば、もっと徹底をするのじゃなかろうか、それと同時に、身体障害者の更生相談員制度、先ほどのろうあ者のほうから、ろうあ者に身体障害者福祉司を配置し、手まねのできる福祉司を作ってほしいという、こういういろいろな問題が出ておりますが、との福祉司というものは限度がございます。ケース・ワーカーにしろ、生活保護法は八十世帯に対して一人のケース・ワーカーがついておる現況でございます。やはりそれを一カ月に何回となく回ろうとするならばなかなかむずかしい、そういう面につきましては、民間身体障害者の更生相談員制度を国が設けて、民生委員と同様な行き方をとってこの制度を作っていただくならば、経費が少なくて職業の面、身体障害者の福祉の面二方面にかけての相談、世話をする行き方がここに試みられるのじゃなかろうかと思います。こういう問題はすでに厚生省では研究をなさっておりますので、これを十二分に研究していただいて、実際労働省と提携をしていただいて、職業の問題、福祉の問題解決のための一つの手段として試みていただきたいということをお願いをしたいと思います。
 そのあとにおきましては、時間がもうたって参りましたので、更生資金の貸付制度、これも制度は作っていただいてたいへんけっこうでございますが、途中で空中分解をいたしまして世帯更生資金の中に含まれ、結果としてそのときに、私が社会福祉事業全国大会でどのような人にこれを上げないのか、こう私が質問したところが、三井、三菱のような金満家にはこの貸付はしないけれども、そのほかの者であるならば貸付をする、こういうふうに説明を私は聞いたのであります。そういう説明を聞きましたところが、これはなかなかいいものだなと思って帰ったところが、地方に参りますと、貧困家庭、低所得者層というような状態で、全くボーダー層、または生活保護法に準ずる家庭のみの貸付資金に変貌してしまって、身体障害者が期待した身体障害者更生資金をお借りすることができないような現況になってしまっておる。厚生省の内部におきましても、更生課の意見と庶務の意見と全然食い違った、省内部においても食い違った意見がそこに起こって、庶務の意見としてはただいま言ったようなこと、または更生課の意見としては、全部に貸すのだ、身体障害者手帳を持つ者には全員に貸すというようなことをおっしゃっておるのでございます。それが厚生省の内部ですでにそのような変貌をしていますので、地方に参りましたら全然これは低所得者層、身体障害者の考慮なんというようなものが全然入らぬような行き方に生まれ変わってしまったという結果に終わっております。こういう問題を十二分に検討していただくことをお願いを申し上げる次第でございます。
 身体障害者の国鉄運賃割引乗車距離制限のあの撤廃、百一キロ制限というのは、国鉄が黒字になったら百キロを制限撤廃してやろうというようなことを、再々国鉄のほうに行きますと聞くのでございますが、今年度は六十五億という黒字が出ておる。こういう黒事の状態になっても、これを、われわれに対して百一キロの制限撤廃を考えていただくように、黒字の国鉄にひとつこの皆様方から特にお願いを申し上げるように、お願いを申し上げる次第でございます。
 次から次と話をすればたいへん長くなりますので、先ほど藤田先生がおっしゃったように、十項目、もう十二項目くらい……、しかし、これを話しておれば何ぼ話しても数限りございませんので、文書をもってまた提出するようにいたしますから、どうぞよろしくお取り計らいのほどをお願い申し上げまして、私の説明にかえます。
#103
○委員長(谷口弥三郎君) それでは速記を中止して下さい。
  〔速記中止〕
#104
○委員長(谷口弥三郎君) それでは速記を始めて。
#105
○参考人(国井国長君) 私、第二回目の補足説明をいたしませんでしたので、五分だけやらしていただきます。国民年金の問題につきましては、要点だけ、要望事項だけ申し上げます。
 第一点、内部障害に障害年金の支給。
 第二点、国民年金の二級の障害に障害福祉年金を支給。
 第三点、重度障害に対しまして特別一級を設けて年金額を厚くしていただきたい。
 第四点、所得制限の緩和、特に障害者の場合に、妻の、配偶者の所得制限の緩和をお願いいたしたいのでございます。
 第五に、これは非常に重要な問題でございまして、身体障害者の世帯は所得税納付者が一八%程度でありまして、おおむね低所得層でございます。こういったふうな世帯が主でございますので、国民年金の免除期間中に国庫負担をぜひおつけ願いたいのでございまして、この点は諸先生方の御努力によりまして、次の通常国会で法律改正と予算措置をしていただきますことを特に特にお願い申し上げます。
 次に、年金額の保護基準の引き上げに伴いまして増額をお願いいたします。
 その次に、せっかくのいい国民年金も、事務機構が不十分なのと、民間の協力機構が整備されておりませんために、この受けられる年金も受けられないというふうな事例がしばしばあるのでございます。ので、これをぜひ予算措置もしていただきまして整備をお願いいたします。
 その次に、せっかく国民年金法第百一条で審査の制度がございます。非常に民主的の制度でございますが、これが周知徹底されておりませんので、これの周知徹底をはかりまして、受給権者、被保険者を保護していただきたい。
 その次に、国民年金並びに公的年金を調整いたしまして、目下、最近に当委員会で御審議されると思いますが、老齢年金の通算調整に続きまして、障害年金の、さらには遺族年金の調整もお願いをいたしたいのでございます。
 その次には、先ほど申し上げました障害等級の統一をお願いをいたしたい。
 それから年金の積立金を身体障害者の更生援護施設並びに障害予防の施設一身体障害の中でも特にお気の毒なのは盲人と小児麻痺、特に脳性小児麻痺の方々でございます。これは私が申し上げるまでもないのでございます。この脳性小児麻痺の問題につきましては、坂本先生なり、当委員会の委員長谷口先生その他の、一々のお名前を申し上げますと時間が長くなりますので、本日御出席の諸先生の非常な御努力によりまして、厚生省も英断されまして、生ワクチンが採用されましたので、今後この小児麻痺にまつわる私は悲劇は日本からなくなると思います。この点は、私身体障害者の一人といたしまして、厚く厚く諸先生方にもお礼を申し上げます。こういったような小児麻痺以外の障害予防のための年金の積立金を御活用願いたいのでございます。
 それからもう一つ。ちょっと職業の問題で二分ばかりつけ加えさしていただきますが、適応訓練の問題、内部障害と盲人の問題を申し上げましたので、第三点といたしまして、せっかくよい適応訓練ができましたので、これを官公庁におきましても訓練なり、講習なりを措置をしていただきまして、官公庁に重度、中度の障害者を受け入れる御措置を願いたい。
 それから第四点といたしましては、作業設備の改善の費用を国が補助していただきたいのでございます。
 それから第五点は、盲人や上肢障害者、そういったような方々の特定職種優先職業を選定していただきたいのでございます。
 その次には、先ほども申し上げましたが、職業安定所の方々が非常に良心的に努力をいたしておりますが、専門的な知識をお持ちの方が非常に少ないのと、人員が少ないのでございます。この身体障害者雇用促進法ができましたが、この法律施行のために安定所には特別の人員が配置されておりません。そこでイギリスの労働省で実施しておりますように、身体障害者職業指導官をおもな職業安定所に設置していただきたいのでございます。
 次には、政府関係及び国から特別な優遇措置を受けておりまするところの大企業でありまするとか、政府関係機関、これは国に準じて雇用を扱かうようにしていただきたいのでございます。
 ただいま申し上げました雇用促進法関係では、第四点及び第七点は前国会で、三十四国会でこの法律が決議されましたときに当委員会で附帯決議をされておるのでございます。第二点、四点、六点は、社会党の身体障害者雇用促進法案の中にこれが取り入れられておるのでございまするし、第七点と第四点は、労働省が一九五九年の十一月に出しました第一次試案に出ておるのでございまして、ただいま要望いたしましたものの大部分は、各党の先生方並びに政府といたしましても、御容認される点であろうと思いますので、この点をお願いいたしたいのでございます。それから雇用が進みましても、日本の場合にはやはり自営業という問題は、これは閑却できないのでございます。それからさらに脳性小児麻痺の方々など重度でかつ複雑な障害の方々で雇用にも向かない、それから自営業にも向かないという方々に対しましては、イギリスの例にならいまして保護雇用施設をお作りをいただきたいのでございます。さらに先ほども出ました盲人の問題で、国立の光明寮を視覚障害者の更生指導所にいたしまして、総合的なこれを更生指導の施設にしていただきたいのでございます。その次には、厚生省と労働省の職業更生の行政を調整をしていただきたいのでございます。
 第四点といたしましては、貸付資金の整備、それからその次には更生施設の増設、これは厚生省の調査でも三万人の収容を今直ちに必要といたしております。それからこういったふうな職業訓練、更生指導のことにつきまして、民主的な不服申し立て制度、これは西ドイツの法律でやっておりますので、こういうのを設けていただきたいのでございます。それからせっかく民間の善意の事業主が身体障害者を高率にまた多数にかかえておりましても、何らのこれに対する経済的な裏づけがございませんので、国が大きな購買者でございますので、官公庁で購入されまする物品の一部は身体障害者、特に重度の身体障害者を多数あるいは高率に雇用しておる中からこの製品をお買い願いたいとお願いいたしたいのでございます。アメリカではこの身体障害者の雇用の問題につきまして一九五九年には、約四千百億の多額の金を出しておるということがこの本に出ておりますし、アメリカではニクソン副大統領が一九五九年の五月七日に、軍備やそれから経済の成長よりも身体障害者の職業更生が大事であるということを言っておりますことを申し上げまして、私の意見の公述を終わらしていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)
#106
○委員長(谷口弥三郎君) 参考人に対する質疑は、この程度にしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#107
○委員長(谷口弥三郎君) 御異議ないと認めます。
 参考人の皆様には、長い時間御出席いただきましていろいろと御意見を賜わりまして、まことにありがとうございました。厚くお礼を申し上げます。それでは御退席を願います。
 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#108
○委員長(谷口弥三郎君) 速記を始めて下さい。
#109
○委員長(谷口弥三郎君) まず、国民年金法の一部を改正する法律案、年金福祉事業団法案、児童扶養手当法案、通算年金通則法案、通算年金制度を創設をするための関係法律の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。
 提案理由の説明を願います。
#110
○国務大臣(灘尾弘吉君) ただいま議題となりました法律案につきまして順次御説明を申し上げたいと思います。まず、国民年金法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。
 国民年金法は、昭和三十四年の第三十一国会において成立いたし、福祉年金の支給に関する部分は同年十一月から実施されたのでありますが、拠出年金に関する部分は、昭和三十五年十月からその適用事務が開始され、本年四月から保険料納付が開始されることになり、これによってこの制度が全面的に実施される運びになった次第であります。
 国民年金制度は、すでに御案内のごとぐ、社会保障制度審議会における全会一致の答申に基づいて策定されたものでありますが、これに対し、各方面から種々改善の要望が寄せられたのであります。政府といたしましては、すなおにそれらの要望に耳を傾け、関係審議会の意見等をも徴し、慎重に検討を重ねました結果、現段階における国の財政事情等を勘案し、この際実行し得る最大限度の改善を行なうこととし、改正法案を第三十八国会に提出いたしましたが、審議未了となりましたので、衆議院社会労働委員会において修正可決されました内容をそのまま取り入れた改正案を再度本国会に提出いたした次第であります。
 以下、改正法案のおもな内容について、御説明申し上げます。
 まず、拠出年金に関する事項であります。
 第一に、老齢年金は六十五才から支給が開始されるのでありますが、この開始年齢を早めることができないかという希望が強いのにかんがみまして、六十才に達すれば、老齢年金を繰り上げて支給する道を開きたいと考えたのであります。
 第二に、保険料の免除を受けるなど、保険料を納めた期間が足らないために、老齢福祉年金しかもらえない人々に対して、新たに、特例的な老齢年金を支給する道を開こうとするものであります。これにより、これらの人々は、六十五才から七十才までの間老齢年金を受けられるようになり、七十才から老齢福祉年金を受けることと相待ち、低所得の人々に対する所得保障が一段と手厚くなるわけであります。
 第三は、租父が死亡して租母と孫が残り、あるいは父が死亡して姉と弟妹が残るというような、母子世帯に準ずる世帯に対し、母子年金の例によって、準母子年金を支給しようとするものであります。
 第四は、障害年金、母子年金、準母子年金及び遺児年金について、従来これを受けるためには三年以上保険料を納めていることが必要であったのを改め、一年以上継続して保険料を納めておれば支給が受けられるようにその期間を短縮しようといたすのであります。
 第五は、遺児年金の額の引き上げであります。現行遺児年金の額は、老齢年金の額の四分の一相当額が支給されるのでありますが、これを老齢年金額の二分の一の相当額にまで引き上げ、あわせて最低保障額七千二百円を一万二千円まで引き上げようとするものであります。
 第六は、死亡一時金制度の創設であります。すなわち、年金が受けられる年令に達する前に死亡したという場合に、いわゆる掛け捨てにならぬよう、保険料を三年以上納めておれば、その遺族に対して、保険料を納めた期間に応じて、五千円から五万二千円までの死亡一時金を支給するという改正であります。
 次には、福祉年金に関する改正について申し上げます。
 第一は、拠出年金における準母子年金と同様のことを、福祉年金についても、準母子福祉年金として考えようという改正であります。
 第二は、義務教育終了前の子、孫、弟妹の生計を維持する場合には福祉年金の所得制限額十三万円に一万五千円ずづ加算されるわけでありますが、この加算額を三万円に引上げようとするものであります。
 第三は、母子福祉年金に対する支給制限を緩和する改正であまして、現行制度では同一世帯に二十五才以上の子がおれば、原則として福祉年金の支給が停止されるのでありますが、今後は、その子供に、一定額以上の所得があるときに限り、支給停止をしようというのであります。
 第四は、福祉年金の支給制限について、一昨年の伊勢湾台風に際して制定された特別措置法の内容を恒久化し、災害を受けた場合に特別の考慮を払うことにいたしたのであります。
 その他、拠出年金及び福祉年金に共通する改善事項といたしまして、第一に、従前から身体に障害がある者に、拠出制度加入後新たな身体障害が生じましたときには、前後の障害を併合して障害年金または障害福祉年金を支給できるようにし、
 第二に、年金を受ける権利が確定しながら、これを受け取る前に本人が死亡したという場合には、未支給の年金を、その遺族に支給するようにいたすのであります。
 以上の改善事項は、原則として、本年四月一日にさかのぼって適用することといたしております。
 次に、年金福祉事業団法案について、その提案の理由を御説明申し上げます。御承知のように、本年四月から拠出制の国民年金が発足することにより、国民皆年金がようやく実現の運びとなりましたが、その主柱をなす厚生年金や国民年金の積立金につきましては、厚生年金においては昭和三十六年度分のみでも一千四十億円の増加となり、また、国民年金においても初年度三百億円に達すると推定されております。この両年金の積立金の運用をどのように行なっていくかは年金制度の今後の発展にきわめて密接な関係を有する問題であり、また、国民がつとに重大な関心を寄せているところであると存ずるのであります。
 政府といたしましては、これらの積立金が、被保険者や事業主から集められた零細な保険料の集積である点にかんがみまして、かねてからその性格にふさわしい運用の方法を種々検討いたし、また、資金運用部資金運用審議会、社会保障制度審議会、国民年金審議会などの各種審議会の御意見もあり、昭和三十六年度におきましては、積立金を被保険者の福祉の増進のために運用する一つの方法として従前から行なわれている厚生年金の還元融資と、さらにこれとほぼ同様の性格において新規に開始いたします国民年金の特別融資とのワクを、積立金の増加額の二五%、すなわち厚生年金と国民年金を合わせて三百三十五億円に増額いたしたのであります。
 しかしながら、従来から行なわれております厚生年金の還元融資のうち、地方公共団体を通じて民間に転貸される部分は、この転貸という方式に伴い、融資先等におのずから制約がある等種々の不合理な点があるのであります。
 これを改善し、還元融資及び特別融資を円滑に実施するため年金福祉事業団を設置せんとするものであります。すなわち資金運用部から資金を借り入れて、これを直接厚生年金、国民年金及び船員保険の被保険者の福祉増進に必要な施設を設置または整備しようとする者に貸し付ける特別の法人を設置せんとするのでありまして、昭和三十六年度におきましては、厚生年金と国民年金の還元融資の総ワク三百三十五億円のうちから地方公共団体以外のものに直接貸し付ける分として五十億円がこれに充てられることとしております。なお、本事業団は、当面、右の融資を行なうことを主たる事業とすることといたしておりますが、厚生年金、国民年金、船員保険の各法に基づく福祉施設を設置または運営する道を開くことといたしているのであります。
 本法案は、このような事業団設立の趣旨に基づいて事業団の目的、融資の相手方や融資の対象となる事業等の業務の範囲を定めるとともに、役職員の任命など事業団組織に関すること、予算決算その他会計の方法、事業団の業務についての厚生大臣の監督等について規定しているものであります。
 以上が、この法律案を提出いたしました理由であります。
 次に、児童扶養手当法案について、その提案の理由並びにその要旨を御説明申し上げます。
 政府は、かねて児童の福祉施策の充実に努めて参ったのでありますが、父母の離婚後父と生計を異にしている児童、父と死別した児童、父が廃疾である児童等については、社会的経済的に多くの困難があり、これらの児童を育てる家庭の所得水準は、一般的にいって低い場合が多く、児童の扶養の資に欠ける事例が見られるのであります。
 政府といたしましては、このような事情に対しまして、社会保障制度の一環として母子家庭の児童及びこれに準ずる状態にある児童について、一定の手当を支給する制度を設け、これによって児童の福祉の増進をはかりたいと存じ、この法案を第三十八回通常国会に提出いたしましたが、審議未了となりましたので、衆議院社会労働委員会において修正可決されました内容をそのまま取り入れて再度本国会に提出いたした次第であります。
 次に、児童扶養手当法案の内容について、その概略を御説明申し上げます。
 第一に、支給の範囲でありますが、この手当は、父母の離婚、父の死亡等の理由で義務教育終了前の児童を母が監護している場合及び父母のない義務教育終了前の児童を父母以外の者が養育している場合に支給することといたしております。ただし、すでに公的年金制度による年金を受けている場合またはその所得が十三万円に児童一人につき三万円を加算した額以上である場合等には、支給しないことといたしております。
 第二に、児童扶養手当の額でありますが、月額で児童が一人の場合は八百円、二人の場合は千二百円、三人以上の場合は、千二百円に三人以上の一人につき二百円を加算した額を支給することといたしております。
 第三に、児童扶養手当に関する費用でありますが、給付費及び事務費とも全額国庫で負担することといたしております。
 第四に、施行期日でありますが、昭和三十七年一月一日から施行いたすことといたしております。
 以上が児童扶養手当法案の提案理由及びその要旨であります。
 次に通算年金通則法案及び通算年金制度を創設するための関係法律の一部を改正する法律案についてその提案の理由を御説明申し上げます。
 国民年金制度が創設され、本年四月から全国民がいずれかの公的年金制度の適用を受けることとなっなのでありますが、今まで厚生年金保険、船員保険、各種共済組合など多くの公的年金制度が大部分相互に関連もなぐ創設され、実施されて参りました関係上、一つの制度において年金を受けるに必要な資格期間を満たすことなく他の制度に変わった者につきましては、いずれの制度からも年金制度による所得保障が行なわれないという欠陥があったのであります。したがいまして、真に全国民に対する年金による所得保障の体制を確立するためには、一方において公的年金制度の適用を全国民に及ぼすとともに、他方において各制度の間の資格期間の通算措置を講ずることが必要とされていたのであります。今回の両法案は、各公的年金制度におきまして、その制度における本来の老齢年金または退職年金を受けるに必要な資格期間を満たしていない場合においても、各制度の加入期間を通算すれば一定の要件に該当する者に対して、通算老齢年金または通算退職年金を支給することとし、国民が老齢または退職に際しあまねく年金を受けられる道を開こうとするのであります。
 次に、両法案による通算年金制度の概要を御説明申し上げます。
 まず第一に、通算年金の支給要件でありますか、通算年金は、各公的年金制度の加入期間を合算して二十五年以上であるが、国民年金以外の被用者年金の加入期間を合算して二十年以上である者に対して、国民年金におきましては六十五才から、被用者年金におきましては六十才から支給するものであり、この二十五年という資格期間は、経過的措置として、制度が発足する本年四月一日現在において三十一才をこえる者につきましては、その者の年令に応じて十年から二十四年までに短縮することといたしております。
 次に、通算年金の額でありますが、通算年金の額は、国民年金におきましては通常支給される本来の老齢年金の額をもととして、年数に応じて定められた額、被用者年金におきましては厚生年金保険において通常支給される本来の老齢年金の額と同様の水準の年金額を保障することといたしました。
 第三に、被用者年金におきます従来の脱退手当金または退職一時金との調整であります。通算年金の支給に必要な費用は従来の脱退手当金または退職一時金の原資をもって充て、この際特に保険料を引き上げる等の措置は避けるものといたしました。しこうして各共済制度におきまして財源に余裕のある場合はその限度において従来の退職一時金を存置することとし、さらに通算年金を受けられなかった者に対しては、返還一時金または死亡一時金を支給することといたしております。
 なお、本制度開始後一定期間内に退職する者等に対しましては、経過的措置として、本人が特に希望する場合には、従来どおりの脱退手当金または退職一時金を支給することができるものといたしました。
 最後に本制度は、本年四月一日にさかのぼって実施することといたしました。
 本法案は前国会に提出し、審議未了となったのでありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#111
○委員長(谷口弥三郎君) 右法案に対する補足説明及び質疑は、次回以後にしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#112
○委員長(谷口弥三郎君) 御異議ないと認めます。
   ――――――――――
#113
○委員長(谷口弥三郎君) それでは続いて、あん摩師、はり師、きゅう師及び柔通整復師法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 御質疑のある方は、順次御発言を願います。
#114
○坂本昭君 最初に、この前いただいた資料の数について若干お伺いいたししたい。
 資料の二十一ページには、「届出医業類似行為業者状況調」に、昭和二十三年四月一日届出者数一万四千七百三十五、昭和三十五年十二月三十一日現在業者数八千六百十二名とあります。二十二ページのところには、「就業施術者数(昭和三十五年末現在)」として四万九千百九十四名合計としてあがっています。ところが、毎年文部省所管並びに厚生省所管であんま師、たとえばあんま師の教育の課程を経て出てくる人の数は、文部省所管で千二百九十三名、厚生省所管千四百五十名、したがって、昭和二十三年からすでに十年以上を経ておりますから、かりにこの数にそれぞれ十倍をして加えたとしても、現在のこの四万九千百九十四名という数には少しく足りないのではないか。もちろんその間死亡とか転職とかいうのもあるはずですので、この四万九千百九十四という数は少しく多きに過ぎるのではないかと思うのですが、その説明をしていただきたい。
#115
○政府委員(川上六馬君) 最初のお尋ねの二十一ページのこの業者数は、これは医業類似行為者だけの数でございまして、あん摩、はり、きゅうは別になっておりますから、そういう点で……。最初の二十一ページのこの届出医業類似行為業者の業者数というものは、これは、あん摩、はり、きゅう、柔道整復術などをやっている人の数は除いてありまして、それ以外の医業類似行為の数であります。
#116
○坂本昭君 前回説明を十分聞かなかったので、ちょっと誤解いたしました。
 それでは次に、この法律の十二条に「何人も、第一条に掲げるものを除く外、医業類似行為を業としてはならない。」という規定がありますが、この十二条は十分に守られているかどうか。お答えいただきたい。
#117
○政府委員(川上六馬君) 建前は、届け出た者と、医業類似行為という届け出られた、つまり昭和二十三年の一月から三月までに届け出られた医業類似行為でしょう。そういう者が公認せられておる以外のものはやってはならないということになっておりまして、その方針で従来やってきたわけでございます。
#118
○坂本昭君 それはもう法律できまったことだから、それは当然のことであって、それは建前くずしたりしたらえらいことになる。それでは、どういうふうにしてこの建前が守られてきたか、どういうふうに監督をしてこられたか。もちろんその間行政的な指導をすれば、いろいろな成績が出てくるし、その建前をくずすような事例もあったと思う。したがって、処罰したりいろいろな実例もあろうと思う。そういう実例を厚生省はどれほどつかんでおられるか。その具体的な行政的なあなた方の経験をひとつ説明いただきたい。
#119
○政府委員(川上六馬君) これは地方におきましては、保健所が、特に届け出たところの医業類似者、医業類似行為の人たちなどの協力も得まして、そうして無届けの医業類似行為というものに対して取り締まりをやってきたわけです。今ここでその取り締まりの実績は持ち合わしておりませんけれども、そういうことで、(坂木昭君「取り調べていないんだよ」と述ぶ)地方では相当やってきたように考えております。
#120
○坂本昭君 取り調べておったら、それくらいの実例は今までに出さなくちゃいけないのだけれども、今までやっておらぬから、そういう事例も一つも出てきていない。大体無免許のあん摩業といったものは、これはもちろん十二条の当然の違反だと思います。そうして第二十二回の特別国会で、附帯決議として両院で附帯決議された第三項には、無免許あん摩その他これに類するものに対する取り締まりを厳にし、その根絶を期することと、こういうことがはっきり第二十二特別国会で附帯決議にされている。そうして、われわれは前の通常国会のときからこの問題については厚生省を鞭達して、そうしてこういう十二条違反をさせないように、また、盲人のあん摩業を守るために、行政的な、十分納得をするようにということを言ってきました。で、それに対して十月一日付に、「最近の無免許あん摩業の状況と対策」という書類を実は手元に配付していただいていますが、これを見るというと、「実態把握困難」「実態把握困難」と、これは幾つも書いてあります。「実態把握困難」。それから上のところには、と保健所がこれは調べたようですが、とにかくこの附帯決議にはっきり示されているにかかわらず、ここに出た最近の事実では「実態把握困難」「実態把握困難」ばかり並んでいる。これは大体把握困難というよりも、把握しようという意思がないのではないかと思う。それからさらに、ここを見ますと、たとえば愛知県、無免許あん摩業が「相当数いると推定され、調査中」、この相当いるというのが、これは愛知県。岡山県は「相当潜在」と書いてあるのですね。潜在。それから和歌山県ですね。これは相当いるとなっている。どうもこれは大臣、厚生当局の行政指導というものははなはだたよりにならないので、この件については警察庁の調査の具体的な御説明を求めたいと思います。
#121
○説明員(小野沢知雄君) ただいまの御質問でございますけれども、私どもでも全国的にわたりましての、いわゆるもぐりあん摩がどのくらいいるかという数はちょっとつかめぬのでございますけれども、幸いにいたしまして、ただいま手元に東京、いわゆる関東でございます。一番まあひどいとされます、熱海地方を含めました関東管区警察局からの報告がございます。これにつきましてお答えしたいと思います。で、これによりますと、昭和三十六年の八月三十日現在におきまして、この関東地方におきましては、これはまあこの資料は、風評その他によりましておそらく無許可であん摩を業としていると推定しているわけでございます。これがはっきり確証がつかめればもちろんこれは業法の違反でございますので、それぞれ処分されるわけでございますけれども、そこまでに至らない、しかし、いろいろな風評その他の情報からどうももぐってあん摩をしているのじゃないかと推定される数でございますので、御了解を得たいと思いますけれども、これがこの免許を持っている者は一万二千百四十五名あるわけでございますけれども、いわゆるもぐりあん摩が千三百十一名ございます。
#122
○藤田藤太郎君 どこですか、地区は。
#123
○説明員(小野沢知雄君) 地区は関東地方、東京都を除きまする関東地方全部でございます。で、これを特に温泉観光地、それからその他の都市、それから農村地帯というふうに分けまして、その分布がどうなっておるかというふうに見て参りたいと思います。そうしますと、温泉観光地にはこれは特に伊豆地方の熱海、長岡、あるいは湯河原等のいわゆる静岡県が多いのでございますけれども、そこに千二十三名、これは七八%に当たる数でございます。それからその他の温泉観光地でない都市部が百四十一名、これが全体の一〇・八%、その他の地域、これはまあいなかでございますけれども、これが百四十七名でございます。パーセンテージは一一・二%でございます。しからばそれは免許を持った者との割合がどうなっておるかという分析をいたしますと、第一の温泉観光地におきましては免許者が二千八百十一名ございます。ところが、ここに無免許者が一千二十三名、この割合が免許者は七三%、無免許者は二七%、まあ合計いたしまして三千八百三十四名、それから第二のこの範疇に属しまする都市部でございますけれども、ここには免許者が二千三百九十四名、これは全体の九四・五%に当たります。それから無免許者が百四十一名、これが全体の五・五%、合計いたしまして二千五百三十五名になるわけでございます。その他のいわゆるこのいなかにおきましては免許者が一万三十名、これは九九%、無免許者が百四十七名、これが一%でございます。合計いたしまして一万百七十七名というふうになるわけでございまして、結論いたしますと、温泉観光地が二七%ももぐり、それからその他の都市が五・五%、それからいなかに行きましては一%ということになるわけでございます。これがおそらくこういうような推定は全国的にも当てはまるのではないかというふうに考えておるわけでございます。以上でございます。
#124
○坂本昭君 それでは警察としてはこういう無免許の取り締まりをあと具体的にどういうふうに取り締まっておられるか、その内容を御説明いただきたいと思います。
#125
○説明員(小野沢知雄君) 警察といたしましては、主務官庁でございます厚生省と緊密なる連絡のもとにこの情報をもらい、あるいはまた、免許を持った業者の通報あるいはその他の連絡によりまして確証をつかみますと、とにかくこれは現認しなくちゃならぬという、いわゆる証拠をとらなくちゃなりませんので、警察官が実際に無免許で業をしている状態を現認するか、あるいはまた、現認しないで、できない場合にはその証人を立てまして、そうしてこれを事件にするということをしておるわけでございます。ただ非常に困ることは、この無免許あん摩というものはまず業としてあん摩をしているというのがどういう基準を持ってぴったり当てはまるかという点に非常にむずかしい問題がある。特にトルコぶろにおきましてはいわゆるトルコ娘がなでたり、さすったりしているようでございますけれども、それがどの程度に至ったならばあん摩と言えるものかどうかという点につきましても非常に苦しい点でございます。あるいはまた、業でございますので、継続反復して行なうということの立証が必要であるわけでございますけれども、これも非常に温泉地のようなところはお客さんがたびたび入れかわるというようなことでどのあん摩に、何というあん摩にあんましてもらったという証人として立ってくれない、あるいは族館は知っているわけでございますけれども、旅館はやはり協力してくれないというようなこと、しからばどうしてやるかと申しますと、いわゆる警職法――警察官職務執行法第六条第二項の規定によりまして、「犯罪の予防又は人の生命、身体若しくは財産に対する危害予防のため、」踏み込めると、こういうことになっているわけでございますけれども、これも大体旅館のロビー、廊下という所は行けるのでございますけれども、いわゆる客室になりますと、これはプライバシーの問題になりますので、そこへたびたび踏み込むということには参りませんので、これはやはり令状をもらいまして入らなくちゃならない、そうなりますと勢い証人を必要とする、あるいはまた、警察官の現認調書を必要とするというようなことから問題がもとに戻りますので、なかかこれはむずかしい捜査の一つであるというふうに申し上げざるを得いのでございます。
#126
○坂本昭君 大体あれですね、温泉地あたりでは三分の一程度今のような無免許あん摩がおる事実を認定された上で、たとえばこれには、厚生省の出された対策としては、身分証明書の発行、そういったことをやっておられるようですが、そうしたことにもかかわらず、たとえば免許証携行奨励等、こういうことにもかかわらず、何度も何度もやっぱりひっかかる人があるので、とにかく三分の一程度の無免許あん摩という者を見つけておられるのは事実なんです。そのときにあとどういう処置をしておられるか、そのことをお尋ねしているのですが、全然処置しないのか、もうただ言葉でいかぬぞというだけで、そのままほったらかしておるのか、それとも厳重説諭を加えておるとか、あるいはもっとさらに処分をしておられるか、これはちょうど今私の手元に罰則の規定を持っていませんが、警察でどういうことをしておられるかということと、厚生省としては、警察と緊密なる連絡をとってという話ですが、今の罰則規定などはどういうふうに適用しておられるか、両方から伺いたい。
#127
○説明員(小野沢知雄君) 警察といたしましてははっきりともうそれがいわゆる業といたしてもぐりあん摩をしておるということになりますと、これはもう当然取り締まりしなくちゃならぬわけでございます。その数はこれは御承知かと思いますけれども、私どもが、今手元にあるのでございますけれども、ただ、これもまた罰則が御承知のとおり、最高五千円以下の罰金ということになっておりまして、検察庁に送った者の、たとえば三十四年について見ますと、検察庁に送致した者の二四%だけが起訴されておる、そしてそのほかの大半は不起訴になっておる、こういうわけでございます。結局これはかちんと事件として立てるためにははっきりと警察官が現認するかあるいは証人を立てるかということになるのでございますけれども、これがなかなか困難なために、検挙した者の数もその起訴される者は二四%しかないというような実情になっておるわけでございまして、こういう点、さらに捜査といたしましてはなお検討いたしまして、少なくとも警察で検挙した者につきましてはもっと起訴率がよくなるようにしなくちゃならぬと考えておるわけでございますけれども、警察といたしましては、できるだけ極力証拠を固めまして、事件といたしまして固く立てようと努力はしておるのでございますけれども、実情がそういう困難性があるということを御了解いただきたいと思います。
#128
○坂本昭君 今起訴が二四%ということですが、あとですね、どういう処分になったかもうひとつ説明いただきたい。罰金何千円が何名……。
#129
○説明員(小野沢知雄君) わかりました。そうしますと、昭和三十四年中に検察庁に送りましたいわゆるあん摩師等の違反の被疑者は二百四十三名でございます。これは当然前年度の分がやはり入ってきておりますから、昭和三十四年中にあげた件数あるいは人員とちょっと違うかと思います。そのうちで起訴された者が五十八名でございまして二四%、不起訴――起訴されなかった者が七十一名でございます。起訴中止が六名、検察庁が起訴、これは住所が違うというので送られまして、その他八十一名、処分の未済が二十七名こういうことになっておりまして、しからばその起訴された五十八名につきましてはどうなっておるかというふうなことでございますけれども、これは起訴されました五十八名はすべて一応略式命令の請求となったわけでございます。ところが、そのうちの五十六名が略式でけっこうでございますというので、正式に裁判を仰がないで、その略式命令に服したというわけでございまして、その五十六名の内訳は、罰金五千円以上が九名、これが一六%、罰金が三千円以上五千円未満、これが二十一名、三四・五%、それから二千円以上三千円未満、これが二十三名、四一%、それから千円以上が三名、五・五%となっておりまして、その他の二名は正式裁判を仰ぎました結果、罰金三千円が一名、罰金二千円が一名という結果になっております。
#130
○坂本昭君 それでこの三十四年度と三十五年度と、この起訴件数あるいはあとの罰金の件数、これは増加していますか、減っていますか。
#131
○説明員(小野沢知雄君) 実は三十五年の分は十一月になりませんと司法統計として現われて参らないのでございます。しからば三十三年の結果はどうかと申しますと、ちょっと今手元にないのでございますけれども……。
#132
○坂本昭君 私のお聞きしたいのは、こういう問題は警察当局が行政的にきびしくしようか、甘くしようかということでずいぶん結果が変わってくると思うのですね。そうして一番の所管の厚生省は一体これどういうふうに緊密に連絡をとって、どういうふうにこれを行政指導し、監督してこられたか、ひとつこの点は局長から明らかにしていただきたい。
#133
○政府委員(川上六馬君) この問題は、毎々国会でも問題になりますので、私のほうといたしましては、昭和三十二年の十一月に厚生事務次官から警察庁長官あてと、それから厚生省の医務局長から各都道府県知事あてに通牒を出しておりまして、これはその通牒の大体内容は、警察と協力して取り締まりをするように、それから無免許の若い女子を雇用して旅館、料亭に出張して施術をさせるというような業者がおりますので、そういう者は共犯で処罰しよう、そうして業務の停止または免許取り消しをやれ、それから業界とよく連絡をとりまして取り締まりを徹底さすように、それからなお、無免許あん摩がよく出入りいたしますところの旅館や料亭などの協力を求めまして、先ほどお話がありましたように、証明書の写しを持たせますとか、あるいは免許のあん摩の名簿をそういうところに置きまして、その名簿にある者をお客にあっせんするように、そういうことを通牒の内容に盛ってあるわけであります。その後たびたび取り締まりを厳重にするようにというような御注意もありましたので、今年に入りまして七月に、さらに厚生省医務局長から警察庁の保安局長及び各都道府県の知事あてに通牒を重ねて出して、前申しましたような内容、そういう簡単なあん摩講習なんぞやって、それでもってそれがあん摩をやっているというようなことも決して正当なものじゃないのだというようなこともつけ加えまして、さらに取り締まりを厳重にするようにいたしておるわけでございます。その結果、最近のまあ取り締まり状況を取ったところが、今御指摘のように、はなはだその内容といたしましては不徹底のものでありますけれども、まずやり方といたしましては、そういうように厚生省から都道府県知事に、あるいは警察庁に連絡をいたしまして、あるいは指示をいたしまして、そうして厚生省といたしましては、御承知のように、保健所を通しましてこの取り締まりをやっているわけでございますが、先ほど警察庁からお話がありましたように、まず行政指導をやる、始末書を取るとか、あるいは説諭をするとかいうようなことで大部分はそういう行政指導、それからあるいは一部ではあん摩業の業務の停止などのような行政処分をやっております。それから悪質なものは告発をしておりまして罰金なぞに処せられているような実情でございます。まあ全体といたしましてやはりその問題は温泉地、観光地あるいは都市などにございまして、こういう点におきますところの無免許のあん摩の取り締まりというものは、なお今後十分やっていくように考えております。
#134
○坂本昭君 今取り消しの処分なぞしたというけれども、一番、さっき私が伺ったらそういう具体的な例はようあげなかったじゃないですか、そうしておいて今度は警察の方からは略式の命令での罰金の数をあげられたのであって、あなたの方では取り消しをやったというような数は一つもあげていない、それはどういうわけです。
#135
○政府委員(川上六馬君) 先ほど坂本委員のお尋ねは、無免許のあん摩のようなことではなかったように私は承知いたしております。これは無届の医業類似行為者の処分の実例を聞かしてくれというものであったものですから、今手元に一部持っておりますけれども、詳しいものはありませんので申し上げなかったわけでございます。
#136
○坂本昭君 今私が伺っているのは、無免許のあん摩のことを伺っておるのであって、警察当局が送検して、そうして略式命令で罰金をやった数はある程度わかりました。が、厚生省のほうは、それに対して保健所にいろいろな行政指導をさせているということだが、その中で、たとえば無免許あん摩を雇い入れた免許のある業者も私はあり得ると思う。大体警察のさっきの報告によると、三分の一くらいですから、独立した業者でなくて、その中に三分の一程度無免許のものを入れているような人もあると思う。十分あり得ると思う。そういう場合には、そういう業者に対して取り消しをさせるというようなことは、保健所の権限で十分でき得るはずだと思う。そういう事例はないかと思って聞いているわけです。
#137
○政府委員(川上六馬君) 最近のものはお手元にございまする「最近の無免許あん摩業の状況と対策」というこの表にあります程度でございまして、ここに多少の数字なども入っておりますけれども、御指摘のように不十分だというふうに考えております。今後さらに厳重に取り締まりをいたしたいと思います。
#138
○藤田藤太郎君 関連して。この表によって質疑応答が行なわれているのだけれども、たとえば東京の、どこがどういう判定してどこが書いたのか知らないけれども、東京の欄を見て下さい。「数百数千実在の噂あり、把握困難、三五年十二月」こう書きっぷりというものが、厚生省の資料として平気で出していいのか。それだけ聞くのだ。「数百数千実在の噂あり」、そういう書き方というのは僕はないと思うな。ちょっと不見識じゃないかな。実情は困難なら困難でいいのだけれども、そこまで認める。数百数千うわさあり、そこまで認めておいて、調査困難とはちょっとひどいじゃないか。(「これが厚生省の資料ですか」と呼ぶ者あり)なかなか調査難というなら困難であると……。
#139
○政府委員(川上六馬君) どうも確かにそういう点は御指摘のとおりだと思いますが、なかなかやはり把握困難、一応地方から報告されたままあれにしたということでございまして、これで決してよいというふうには考えておりません。
#140
○藤田藤太郎君 それはそうでしょうけれども、ちょっと資料としては不見識だ。
#141
○坂本昭君 きょうは今この法案の審議に入る前に、実は公述人の方々に、身体障害者の問題をいろいろお聞きしておったのです。局長もおらないし大臣もおられなかったのですが、実はきょうの法案を審議するために、身体障害者の方を呼んだのではなかったのです。たまたま大臣が朝来られるという約束が夕方になったために公述人の話が先になったのですよ。そこではこういう話があったのです。盲人のあん摩の問題について、現在盲人が二十二万人いる。二十二万人のうちにあん摩以外の仕事をやっている人がたった二百三十人しかいない。今日の現実の世の中では、あん摩のみがわれわれの生きていく唯一のかてである。したがって、このかての、生きていく道を守ってくれなければ、われわれは死ぬのみだ。そういう非常に悲惨な声をわれわれは聞かされたのですよ。そういう中でこの問題は、もうきのうやきょうの話でない。ところが、これを行政指導しなければいけない厚生省は、今のような「数百数千実在の噂あり」といったような、これは要するに何もしておらぬということなんですよ。実に怠慢きわまりない。私はきょうこういうようなことをやっていって、この法案を何とかしてくれということならば、これは私たち厚生省の言うことを聞きませんよ。もう前から、もっと一生懸命やってくれと――この身体障害者の福祉と援護のために、厚生省が行政指導すれば、これだけでずいぶん救われる道がある、だからこれをこの春の国会から、ずっと申し上げてきた。しかもこのほかの統計を見ますというと、たとえば厚生省は、晴眼者のあん摩師となるための養成を年間千八百名やっております。盲人に対しては三百八十人やっておられる。文部省のほうは盲人に対して千三百、これを見ますというと、厚生省は、あん摩師とするための養成の数は、盲人三百八十人に対して、晴眼者千八百、非常に多数の晴眼者の教育に熱心だということですね。これはひとつこの理由をお聞きしたい。なぜこんなにも晴眼者のあん摩師としての養成に熱心であるか、その理由をひとつ聞かして下さい。
#142
○説明員(黒木利克君) 文部省のほうは、御承知のように盲学校で、あん摩、マッサージ師の養成をしているわけでございます。厚生省のほうは、中途失明者のあん摩、マッサージ師の養成をやっておりますので、盲人のあん摩師の養成は数が少ないわけでございますが、晴眼者のほうは、法令に基づきまして、あん摩、マッサージ養成施設の認可の制度がございますから、その認可に基づきまして、要件を具備するものは認可いたしているのであります。ところが、認可の申請は、主として晴眼者を対象にしているものでございますから、このような結果になっているのでございます。
#143
○坂本昭君 それはもうあなたたちの前々からの理論なんですよ。認可の基準がある。基準にあったら、これは認可せざるを得ない。しかし、それでは、身体障害者の福祉を守るという厚生省の行政の一番大事な目的は果たされないじゃないですか。たとえば施評についても、盲人の施設が九カ所で、そうして晴眼者に対する施設が十八カ所、私は今後もとにかく基準に合ってさえいれば、晴眼者の教育をどんどんやって、そうして盲人のこの業を圧迫してもこれはしようがないのだ、そういう態度でおやりになるつもりかどうか、これはひとつ厚生大臣に伺いたい。
#144
○国務大臣(灘尾弘吉君) この問題は、前々からの問題であったと思います。なかなか御質問になります坂本さんのお気持は、私もよくわかる気持がいたしております。この際実際問題として、処理が非常に問題だということではないかと思うのでございます。先ほど来お話のございました、いわゆる無免許のあん摩の取り締まり、これは禁止されていることでございます。もちろんこの法の趣旨を徹底してやっていくべきは、これは当然だと思います。先ほど来お話のありましたように、実際問題として、把握困難ということはあると思いますけれども、われわれの気持といたしましては、どこまでも取り締まりの趣旨は徹底したいということで、やって参りたいと存じております。
 それから盲人の方の福祉の増進をはからなければならぬということは、われわれの任務だと実は考えております。できるだけの福祉増進の指導をすることは、これまでも努力して参ったことと思いますけれども、今後も私どもとしましては、極力努力していかなければならぬということは、十分考えるところでございます。さような意味におきまして、行政運用上の問題としましては、まだまだ工夫する余地があるのではないかと、かようにも考える次第でございます。法律上の問題につきましては、若干制約があるということも、御承知のとおりでございます。できれば行政運用の面において、何かうまい方法がないかということについて、私もひとつ検討をさしていただき、また、盲人福祉増進のためには、できるだけの努力をしたいということを申し上げて、お答えといたします。
#145
○坂本昭君 今の問題は、最後にまたもう一ぺん大臣に確かめておきたいと思いますが、とりあえずは今も確かに施設については基準にさえ合えば許可せざるを得ないということは、それは法律の建前でしょう。しかし、もう一つは、たとえば無免許あん摩が十二条違反であってこれは禁ぜられるべきものだということを大臣率直に言っておられる。そうしたら禁ぜられるべきものを行政的に十分に監督し、そして禁じているかというと、そのほうはあまりやっていない。これは先ほど来この質疑を通して大臣もお感じになったと思う。実際のところ、私は為政者があまりやっていないと思うのですよ。また、非常にやりにくい問題だということを理解はしますけれども、しかし、これはやりにくいということで済ますべきことではないのです。したがって、現在の養成施設、一応基準に定められているから許可はする。許可したあとほったらかしておる。あと、たとえばそういうところではいわゆる学生アルバイト風に、修業中の者がアルバイトとしてあん摩に出かけて行くということも今まで非常に多かった。そしてこれはこの委員会で一昨年くらいからやかましく言って、あるものは学校の閉鎖を命ぜられたものもあります。しかし、私はそれは目にあまるものの場合であって、そういうものに対する指導監督というのはきわめて私は十分だと思っていない。そういう点で私はあとでもう一ぺん最後に大臣にその点を確かめますが、その前にもう少し伺いたい点があります。
 これは局長から御答弁いただきたいのですが、昭和二十二年の十二月の二十日に法律が公布になった当時ですね。その当時、この法律を知らないで届出をしなかった者がどれくらいあるというふうに考えておられるか。まあその当時一万四千数百名の方が届出をしたのですが、法律を知らずに届出をしなかった者がどれくらいあるというふうに厚生当局としては見ておられるか、その点を一つ御答弁いただきたい。
#146
○政府委員(川上六馬君) 無届の報告では千二百くらいあると、こういっておりますけれども、まあそれがはたして真実かどうかということについては確かめておりません。その当時の手続上のそごなんかで多少おくれたものはさかのぼってその当時措置をした県が多いようでございまして、今になって千二百人あるということを聞きましても、多少この点については疑問を持っておるわけでございます。
#147
○坂本昭君 そうしますと、昭和二十二年の十二月ごろに医業類似行為をしていたという証明は一体だれがするのですか。何かそれを証明する客観的なことがありますか。これはもう簡単な質問ですが。
#148
○政府委員(川上六馬君) 組合などがやっておったということであります。
#149
○坂本昭君 それでは、組合などがやっておったものはわかるでしょう。しかし、わからないものもたくさんあると思う。必要によればこの千二百名について、私は一々根拠をお尋ねするかもしれませんが、とにかくそういうふうな昭和二十二年のことに対してもう十四年もたっているのにこういう届出をしなかった人に対してさらに講習などをやっている。もう今までにも四十七回くらい講習をやっておられますが、こういう人にさらに講習などの指導をして救済するという考えを厚生当局はお持ちになっておられるかどうか、念のために聞きたい。はっきりと答えて下さい。
#150
○政府委員(川上六馬君) そういう人に講習会を厚生省としていたしておりません。この講習会は当時――資料に書いております講習会は、これは届け出た医業類似行為者、こういう人たちを、御承知のように、現在では一応三十六年の末をもって、その業を廃止するようにという制度になっておるわけでございますが、その間におきましてこれをあん摩に転業させたいということで、届出業者のあん摩への転業の講習会でございまして、今おっしゃったような無届業者に対する講習会ではございません。
#151
○坂本昭君 それはもちろんのことですね。ただしかし、昭和二十二年のころは実は知らなくて、届出をしなかった。だからひとつ好意的にやっておったということの証明をし、そうしてまた、講習もやり、資格も与えてくれないか、そういう申し入れに対して救済をする考えが私はあるかどうかを聞いているわけです。
#152
○政府委員(川上六馬君) 御承知のように、法は今一応そういうものは禁止をする建前でございますので、今さら十三年たった現在、そういうものを認めていくという考えはございません。
#153
○坂本昭君 局長としては珍しく明快な御答弁でありました。
 それで昭和二十三年の四月一日以後講習も受けない、また、受験もしなかった、こういう人、これは届出をしておった人ですよ、これが今残っておると思うのですね。これが、つまり既得権の保証されている人です。これはどれくらいおるというふうに見ておられますか。
#154
○政府委員(川上六馬君) 資料の二一ページにあげておりますように、三十五年十二月末現在で八千六百十二人ということになっております。
#155
○坂本昭君 この今の八千人ですか、こういう人の中には、法律によらないで自分勝手にといいますか、プライベイトに弟子を養成して、そうして無免許業者を社会に送り出していたものがいるというふうに聞いているのですが、あなたの方では調査されておりますか。
#156
○政府委員(川上六馬君) いえ、そういうものはまだ報告を受けておりません。
#157
○坂本昭君 調査をしておるかというのです。
#158
○政府委員(川上六馬君) まだいたしておりません。
#159
○坂本昭君 何にもしておらぬということじゃないですか。私たちが聞くところによると、こういう種類の無免許業者が数万いるというような話があるのですよ。私も合点がいかない。だからせめて数万もいるということなら、一人や二人と違うのですから、あなたの方で当然調査せられて、そうしてそういうものはいないとか、あるいはどうも若干いるらしいとか、何らか回答があってしかるべきだと思うのにかかわらず、調査もしておらぬということはこれは行政上の怠慢じゃありませんか。
#160
○政府委員(川上六馬君) そのようにたくさんの無届の無免許業者を養成しておるような講習会が行なわれるとすれば、これは法の趣旨に反することでありますので、ひとつ一応調査をしてみたいと思います。
#161
○坂本昭君 しかし、警察庁のさっきの報告でも、温泉地では三分の一くらい無免許のものがおるのですよ。したがって、こういう人たちがどこから出てくるかということは当然あなたの方では調査せらるべきではないかと思う。そういうことも一切しておられなくて、この無免許あん摩の問題についてはほおかぶりをしておるのじゃないか。それを思うのでこうやってお尋ねをしておるのですよ。そしてまた、盲人のあん摩師の人たちは、その点を一番懸念しておられるから繰り返して私お尋ねしておる。調査もしておらぬ、一応これから調査をすると、そんななまぬるいことでは困る。もっと明確な、先ほど非常な明確な御答弁をいただきましたから、ついでにもう一つ明確な答弁をして下さい。
#162
○政府委員(川上六馬君) その無免許あん摩あるいは無届の医業類似行為者というものを養成しておるような講習会がそれほどあるということを伺ったわけでありますが、そういうことは放置できない問題と思いますので、十分調査をして指導をいたしたいと思います。
#163
○坂本昭君 それでは最後に、大臣に先ほどの問題ですが、私はこの盲人のあん摩師の問題は、身体障害者の生活を守る上において非常に重要な問題だと思うんです。そして、今まで毎年三年延ばすというようなことで、これは実はあん摩師だけの問題ではなく、盲人だけの問題ではないので、法律的にはこう扱われてきたのです。で、たくさんの問題点があります。しかし、きょうは、特に盲人の切実な問題を中心として、厚生当局の行政指導もはなはだ不十分なので、特にこの点を、前回もすでに審議は尽くしたのですけれども、あらためてここで取り上げてきたのです。が、この盲人の福祉の問題、たとえば優先雇用の問題、こうした特別措置については、前回も当委員会では附帯決議までつけたんです。そのときに特に大臣にお願いしたのは、いつまでもぶらぶらといたずらにじんぜんとして年を送っていかれたのでは困るので、行政的にも、また、立法的にもひとつ責任を持つことを言っていただきたい。それは二年、三年後というようなことでなくて、なるべく近い機会に厚生省としてはこの盲人の優先的な福祉の扱いについて考えていきたい、そういうひとつ明確な意思を表示していただかないというと、事務当局はなかなかやらないんです。非常にむずかしい内容は確かにあるけれども、なかなかやらない。ですから、なかなかやらぬようなことならば、われわれとしてもこれは政府の御要望に沿いかねるので、この際、新任大臣としての、特に社会福祉については御経験が深いんですから、この際、身体障害者である盲人のあん摩師の問題について大臣の積極的な御見解を披瀝していただきたいと思います。
#164
○国務大臣(灘尾弘吉君) 無免許のあん摩さんと申しますか、無免許でやっている人、その他のいわゆる医業類似行為というものに対する措置は、なかなかむずかしい問題だと思っております。ただ禁止すればそれでいいというだけの問題でもないと思います。いろいろな角度からやはり検討していかなくちゃならぬと思いますが、むずかしいだけに年限を切っては延ばしながらじんぜん日を送ったような形になっていることは、いかにも残念に思う次第でございます。私といたしましては、この問題について、この法案について御賛成をいただきますならば、この三年の間に何とかひとつ厚生省としてももう少しはっきりした線を出したいという心持をいたしております。特にお尋ねになりました盲人の福祉の増進の問題については、私も重大なる関心を持っております。できるだけわれわれの手においてやり得ることはやって参りたい。これからひとつ実情もよく調べてみたい。また、取り締まりの不徹底の点がありますれば、ひとつ取り締まりを徹底するように厚生省も考え、同時にまた、警察当局の御協力もいただいて、進めて参りたい、こういう心持でおります。
#165
○藤田藤太郎君 私は、大臣の気持はわかりました。しかし、むずかしい問題でありますと言われるように、この問題はむずかしいでずるずる行ってしまうというのが私は結論だと思います。だから、私は、何とかしなけりゃならぬというなら、何とかせられるような具体的な方向を、具体的なというころまでいかなくても、基本的な方向だけは、ここで一応大臣は考え方を明らかにしておいてもらいたいと思うんです。私の言いたいのは、坂本委員がいろいろ言いましたから、もうくどく申し上げません。しかし、無免許あん摩というものがたくさん出て、そして盲人のあん摩さんの職場を狭めているという問題が一つございます。それから医業類似行為の方々をあん摩にしていくんだという努力をせなけりゃならぬ問題があって、このために三年間延長という法案が出てきているというのが私は筋道だと思うんです。その八千六百十二人の以外にあるかどうかというのは、私はやっぱり医業類似行為として行なわれている業者というものは早急に洗ってもらわなきゃならぬということがこれに関連して出てくると思う。これは行政指導でやれる問題です。しかし、私は、それだけでは盲人あん摩の問題は救われない。むずかしい問題だという状態で済んでいくのではないかと、こう思うんです。憲法における職業の自由はございます。しかし、この職業の自由というのは、無制限の自由であっていいのかどうか。社会共同生活でございますから、やっぱりその社会共同生活の中でみんながよくなるというなら、他から規制を加えない限り、自由に放任しておけばできない問題です。だから、盲人の方々に特にどうするんです。晴眼者のあん摩の学校と盲人の養成学校とをどういう工合にしていくかという基本的な方向というものが出てこなければ、今のままでどうにもならぬ。晴眼者の学校は一ぺん免許したから既得権があります。千六百人も千八百人もこしらえている。そうしてこちらのほうの盲人の方々は、この資料に出ていますように晴眼者が千八百人、盲人が厚生省の学校では三百八十人、それから文部省の学校でこれが千三百人、合わせてまだ晴眼者のほうが多いわけです。多い人が出てくる。こういう学校の現状を維持しておったら、いつまでたったって既得権があるんだということだけで、盲人の福祉を守ることは私はできないとこう思うんです。二つの取り締まりとあわせてやっぱし盲人がもっとたくさん社会に出てその業につけるような方策というものをやらなきゃならぬ。需要と供給で何万人おっても何十万人おってもいいという職業じゃないわけですから、おのずから需要と供給に限界があるわけですから、そこで、どこでコントロールするかというなら、盲人を優先して養成をする機関をふやして晴眼者の学校は縮小していくという基本的な態度が出てこなければこの問題は解決しないと私は思うんです。この基本的な考え方がここで明らかにならないと、よろしくやりますだけではよろしくならぬ。大臣がおやりになろうとしても、そういうことの基礎に立たれなければ、いかに大臣が努力されましても解決しない問題ではなかろうかとおもんぱかって私はそういう工合に申し上げる。だから、そういう方向をやっぱり出してもらわなければ私はこの問題は解決しないのじゃないかと思う。まあ今大臣はそういう問題について即答できなければ、短い時間の機会にわれわれの委員会にそういう方向を出してもらうということ、これは野党とか与党の問題では私はないと思うんです。だから、そういうことをひとつ大臣ここで確約して下さい。
#166
○国務大臣(灘尾弘吉君) この問題につきましては、いろいろ現在の法律、制度あるいは憲法というふうな問題までひっくるまっちゃってなかなかむずかしい問題があるように伺っておるのでございます。私の率直な気持を申し上げますれば、おっしゃったような心持で行政を運用して参りたいという気持を持っております。ただ、いろいろな行政は法律のもとなんですから、これと抵触したようなことを勝手なことを申し上げるわけにも参りませんので、その点はひとつ十分検討さしていただきたいと存じますが、行政運用でできることについては極力御趣旨に沿うようにやって参りたいと思っております。
#167
○藤田藤太郎君 それは灘尾大臣は文部大臣もおやりになってこの問題の御経験者でありますから、私はしいてあなたをどうこうということはいたしませんが、ちょうど三年前に非常に温情のあるといいますか、大臣も、それはそうだ、挙党一致でこういう問題を処理しなきゃならぬと時の大臣がそうお答えになった。みんな大臣もわれわれもそういう気持になるんです。なるんですけれども、そういう規律をつけなければこの問題は解決しないというところに追い込まれているということを私は申し上げているんです。だから、今大臣が憲法の関係からどの程度の問題があるかどうかということのお話がありましたから、これ以上あなたにきょう明らかにせよとは言いません。私はやっぱり憲法の職業の選択の自由といったっておのずから社会の規制を受けるべきものがある。それでなければ意味がない、生きた憲法の運用とは言えない。私はそういう立場に立っている。だから行政面でおやりになってもらうことはそうですけれども、実際に全部晴眼者のあん摩行為をシャットアウトすとは言っていない。しかし、おのずから社会の規制を受けなきゃならぬという、こういう立場が貫かれなければこの問題は解決しない。晴眼者の方がどんどん毎年たくさん出てくれば盲人の方々の職場が圧迫されることは当然でございます。これには社会の規制を加えるというところに生きた私は政治があるんだ、こういう工合に思うわけです。だからどの程度の、憲法上の解釈がどうなるか、どうこうということは、ひとつ至急に検討していただいて、この国会中に私は大筋の結論を、大筋だけは厚生大臣からわれわれは承りたいと思う。そうでなければ私は結局また大臣のお気持が、何とかしたいというお気持を、それに対して私たちが半年か何年かの先に大臣を攻撃せざるを得なくなるのではないか。だから委員会が全部が一致している気持の中で、私は厚生行政というのはそこで踏み切ってもらうところに私は厚生行政のやりどころがあるのじゃないか、こう思うのでありますから、ぜひそういう工合にしていただきたい。
#168
○国務大臣(灘尾弘吉君) お心持は了承いたしました。私なお勉強させていただきまして、他の機会に所見を申したいと思います。お気持のあるところは十分了解しております。
#169
○藤原道子君 私は、同僚からいろいろ御質問がございましたから、多くを言わなくてもいいと思うのですが、ただ一つ申し上げておきたいことは、厚生当局に熱意があるかどうかがどうしても納得いかない。私はいつかの委員会で、業者の名前もあげて、そうしてまだ無免許の者に業務をやらせて、そうしてほとんど若い娘ばかり、私もそれにもんでもらったことがある。こういうことで取り締まりを強く要望したことがあるんです。ところが、それがいまだにそのままやっている。これはおかしいと思うのです。実態調査ができないとおっしゃるけれども、私は業者の名前と実態を申し上げて、取り締まりを要求したことが委員会であったと思う。ところが、それが今なおそのまま放置されている。これで実態把握が困難でございます、こんなべらぼうな話は私はないと思う。この点、私は非常に不満でございます。
 それから大臣にひとつ申し上げておきたいのでございますが、実は占領軍が参りました当時、あん摩、はり、きゅう、接骨医等は全部禁止命令が出た。そのときに、谷口先生も御存じだと思いますが、七十日間私たちはGHQに通いました。そうして日本において盲人問題がどうやら解決しているのは、このあん摩、はり、きゅうというものがあるからだということで、ずいぶん折衝いたしまして、そうしてこれがこういうことになったのです。その当時に、他の医療類似行為は禁止するということになったことは御案内のとおりなんです。ところが、それが今日まで、先ほど来申し上げているように、何やら割り切れないような当局の方針がそのままだらだらと続いて参りました。そうしてまた本日、十何年かたった今日なおかつ三年間延長する。ほかの法律で禁止した業態を十何年も法の延長々々でやってきた例があるでしょうか。私はもう少し身障者に対し、ここに盲人に対してお考え願いますと同時に、法の規律は規律としてはっきり守るような政治をやっていただきたいということを大臣に強く要望いたしまして、いろいろ申し上げたい点はあるのですけれども、もう時間もたいへんおそくなっておりますので、基本を忘れないようにやっていただきたい。大臣に強く要望いたします。
#170
○小柳勇君 昭和三十五年の三月の二十九日のこの委員会で、最高裁の判決が出たあとの委員会で、最高裁で一月の二十七日の日に、無届あん摩が裁判になりまして、弱電の電気器具をもっていわゆる無届けであん摩しておった者が起訴されまして、最高裁でついに無罪の判決になった。こういうこの無罪の判決に対して当委員会でいろいろ論議がありました。結論として高野委員が、われわれはこうやって論議している法律が最高裁判所で無罪になりまして、無届あん摩の取り締まり方法がないではないか、したがって、法務委員会と社労の合同委員会などを開いて結論を出しておかなければ無届あん摩の取り締まりなどといっても、警察が行ってつかまえましても、起訴されましても、最高裁では無罪だと、こういうことになったら取り締まりも何もきない、したがって、ひとつ早急に法務委員会と社労委員会の合同委員会で結論を出そうではないか、そういう申し合わせになっておったわけです。それがまあ私どもも忙しいし、合同委員会を持つ機会もなかった、政府当局もそこまで熱意が足らなかったので忘れたと思うのだが、こういうものを最も早い機会に結論を出しておきませんと一大臣は今決意を披瀝されましたけれども、実際は厚生省で取り締まろうとしてもさっき医務局長が言われたとおり、保健所から行きましても実際これは取り締まりができぬ問題であります。速記録には載りましたけれども、実際具体的にはなかなか困難ではないか、検察庁からも取り締まって、具体的に言われましたけれども、それは九牛の一毛にすぎぬでしょう。したがって、その根源にあるそろいうものをいつかの早い機会にひとつ合同委員会などで結論を出して、そうして最高裁の判決は無罰、であった、しかし将来こうしなければならぬというようなことで結論を出すことを私はここでひとつ、お互いに忘れてしまっておるかもわかりませんけれど、思い出しながら緊急に対策を立てられることを要請しておきたいと思います。
#171
○委員長(谷口弥三郎君) 速記をとめて。
   午後五時三十八分速記中止
   ――――――――――
   午後五時五十六分速記開始
#172
○委員長(谷口弥三郎君) 速記を始めて。
 別に御発言もなければ、これにて質疑は尽きたものと認めることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#173
○委員長(谷口弥三郎君) 御異議ないものと認めます。
 これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。なお、修正意見のおありの方は、討論中にお述べを願います。――別に御意見もなければ、これにて討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#174
○委員長(谷口弥三郎君) 御異議ないものと認めます。
 これより採決に入ります。あん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法等の一部を改正する法律案を問題に供します。
 本案を原案のとおり可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#175
○委員長(谷口弥三郎君) 全会一致でございます。よってあん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法等の一部を改正する法律案は、全会一致をもって、原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
#176
○鹿島俊雄君 私は、この際、ただいま可決されました法律案につきまして、附帯決議の動議を提出いたします。
#177
○委員長(谷口弥三郎君) ただいま鹿島委員から提出の動議を議題とすることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#178
○委員長(谷口弥三郎君) 御異議ないと認めます。それでは鹿島委員。
#179
○鹿島俊雄君 それではただいま提出いたしました附帯決議案の案文を朗読いたします。
 あん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議案
  医業類以行為に関し、漫然と就業年限の延長を図るのみでは、その業に従う者の社会的経済的地位を不安定なものにし、かつ国民保健の上からも問題があると思われるので、政府は速かに左記について検討を加え必要な措置を講ずべきである。
    記
 一、医業類似行為業者の処遇に関する方針を確立すること。
 二、身体障害者であるあん摩師の職域優先確保の特別措置を速かにすること。
 三、無免許あん摩師その他これに類する者に対する取締りを強化すること。
 右決議する。
#180
○委員長(谷口弥三郎君) 提案理由の説明をお願いいたします。
#181
○鹿島俊雄君 ただいま案文を朗読いたしました附帯決議案は、当委員会の各党各会派一致いたしましての発議でございます。
 提案理由の趣旨は、ただいま朗読の案文で尽きておりますので省略したいと存じます。
 ただし、第二項の盲人あん摩師の職域優先確保の特別措置は、次期通常国会においてすみやかに措置されたい趣旨でございます。
 以上であります。
#182
○委員長(谷口弥三郎君) ただいまの決議案に対して御質疑のある方は、順次御発言を願います。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#183
○委員長(谷口弥三郎君) 別に御発言もなければ、これより本案を採決することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#184
○委員長(谷口弥三郎君) 御異議ないと認めます。
 鹿島君提出の附帯決議案を本委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#185
○委員長(谷口弥三郎君) 全会一致と認めます。よって鹿島君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 この際、灘尾厚生大臣より発言を求められております。これを許可することにいたします。
#186
○国務大臣(灘尾弘吉君) ただいまの附帯決議の御趣旨を尊重いたしまして、誠意をもって善処をしたいと考えております。
 なお、第二類の特別措置につきましては、できる限り努力、検討を尽くしまして、相なるべくは、できるものは次の通常国会に提案することができますように、最善の努力をいたしたいと考えます。
#187
○委員長(谷口弥三郎君) なお、議長に提出する報告書の作成などにつきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#188
○委員長(谷口弥三郎君) 御異議ないと認めます。よってこれを決定いたします。
 以上をもって本日の審議を終了いたしました。次回の委員会は十月十九日木曜の午前十時より開会いたします。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後六時三分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト