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1961/09/26 第39回国会 参議院 参議院会議録情報 第039回国会 建設委員会 第2号
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1961/09/26 第39回国会 参議院

参議院会議録情報 第039回国会 建設委員会 第2号

#1
第039回国会 建設委員会 第2号
昭和三十六年九月二十六日(火曜日)
   午前十一時四分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     稲浦 鹿藏君
   理事
           松野 孝一君
           武藤 常介君
           内村 清次君
   委員
           岩沢 忠恭君
           村松 久義君
           米田 正文君
           木下 友敬君
           武内 五郎君
           藤田  進君
           田上 松衞君
           小平 芳平君
  政府委員
   建設大臣官房長 鬼丸 勝之君
   建設省計画局長 關盛 吉雄君
   建設省河川局長 山内 一郎君
   建設省道路局長 高野  務君
   建設省住宅局長 齋藤 常勝君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       武井  篤君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○建設事業並びに建設諸計画に関する
 調査
 (第二室戸台風による被害状況並び
 に対策に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(稲浦鹿藏君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 初めに先刻の委員長及び理事打合会の結果について御報告申し上げます。当面の委員会運営についてでありますが、今週は付託案件がございませんので、本日は台風被害状況並びに対策について調査を行なうことにいたしたいと存じます。次回の定例日の二十八日は都合により委員会は開会いたしません。なお本国会における提出予定法律案、関係法律案につきましては、お手元に配付の資料によって御承知おき願いたいと存じます。
 それでは第二室戸台風による被害状況並びに対策について調査を行ないます。まず当局から順次説明を願います。
#3
○政府委員(山内一郎君) お手元にお配りしてございます資料に基づきまして御説明をいたします。
 一ページは気象の概況でございますので説明を省略いたしまして、二ページに参ります。二ページの上段の方に現在までに各地方建設局あるいは都道府県から参りました被害報告額の集計が書いてございますが、直轄災害十九億一千三百万円、その内訳といたしまして、河川十八億五千万円、ダム一千万円、砂防一千二百万円、海岸一千七百万円、道路二千四百万円、そういうふうになっております。都道府県から参りました補助災害の被害の報告額の総計は、二百十七億一千七百万円、以上合計をいたしまして、二百三十六億三千万円、こういうふうになっております。今後大してこの報告額は増加をしないという見通しでございます。
 以上の内訳でございますが、河川関係では五ページをお開きを願います。
 なお御参考までに四ページにある直轄河川の警戒水位以上出水をいたしました河川の出水の状況と、それに見合う雨量、従って左の河川と右の雨量はその流域内の雨量でございますが、御参考までにここに書いてございますので、後ほどごらんをいただきたいと思います。
 五ページが直轄河川の被害の状況でございますが、全部で一番下に書いてございますように二十二河川に及んでおります。このうち被害のはなはだしいと思われる河川を拾ってみますと、九州地方建設局の大淀川が九千六百八十万円、四国地建に参りまして徳島県管内の那賀川、吉野川、これがそれぞれ一億二千百八十万円、一億八千三百万円というふうになっております。それから中国地方建設局の千代川、鳥取県管内ですが、一億七千五百万円。近畿地建に参りまして紀ノ川一億二千七百五十万円、淀川六億、中部地建の木曽川上流一億一千四百六十万円、このうち、淀川が一番被害が激甚でございますが、これは高潮と強い風とそれから波浪、これによりまして堤防の表のりと裏のりののりくずれがその被害のおもなものになっているわけでございます。その他は洪水による護岸とか堤防の災害、こういうふうになっております。
 それから六ページは道路局所管でございますので、これを省略をたしまして、七ページ以降が補助災害の現在まで各都道府県から参りました被害の概況でございます。四十一都道府県に及んでおります。そのうちのひどかったところを申し上げますと、七ページの終わりから四つ目の石川県が九百二十三カ所、十九億三千五百万円、これは石川県の主として金沢から南の方の手取川の上流の方が被害の激甚なところになっております。次の岐阜のこれは総計で十一億四千九百万円でございますが、長良川上流の白鳥町、高鷲村、この地帯が非常な災害でございます。
 八ページに参ります。一番上の福井県でございますが、これが全国の都道府県のうち現在被害が最高でございますが、一千九百六十一カ所、四十五億一千九百万円でございます。これは九頭竜川水系でございますが、特に九頭竜川上流の大野市からさらに奥の地帯の被害が激甚になっております。次にまん中辺に参りまして、兵庫県の三十一億三千五百万円、これは淡路島を中心といたしまして海岸地帯が非常な被害を受けたという内容になっております。それから次は、一つ飛びまして、和歌山県、これは全部で十九億二千百万円、これも台風のちょうど進路に当たっておりましたので、和歌山県の一帯の海岸、それからさらに有田川とか日高川の奥の地帯が非常にやられております。次は鳥取県でございますが、十一億一千八百万円、これは千代川の水系でございまして、千代川の上流の若桜町、智頭町付近が非常な災害を受けております。
 九ページに参ります。上から二番目の徳島県でございますが、十六億六千万円でございまして、やはり海岸地帯、それから吉野川、園瀬川、こういう河川のはんらんによる被害でございます。
 以上ずっと参りまして、十ページに参りまして、これらの総計が一万六千六百二十三カ所、二百十七億一千七百万円、こういうような数字になっております。
 次は十一ページ、十二ページを省略いたしまして十三ページに参りますが、今回の災害の一つの特色といたしまして、大阪市内が非常な高潮による浸水を受けたわけでございますが、一応高潮対策事業として護岸パラペットは完成しておりましたが、これが地盤沈下のために下がりまして、そこから高潮が溢水して浸水をしたわけでございます。ほとんど破堤はなかったのでございますが、一カ所だけ西淀川区西島川の破堤がございまして、これも現在応急復旧でとめまして、排水作業も完了いたしております。
 それから十四ページは大阪港における潮位の変化の過去との比較をいたしましたグラフでございますが、過去の室戸台風とジェーン台風の二つを比較をいたしております。一番高いのが潮位でいいますと室戸台風の四メートル五十、その次が今回の第二室戸台風の四メートル十五、ジェーン台風はその下の三メートル八十五、こういうふうになっております。
 十五ページは大阪市内の浸水の区域の図面でございます。
 被害の概況は以上の通りでございまして、十六ページにただいままでやっております措置を申し上げますと、直轄河川で緊急に手当をしなければいけない分につきまして、予備支出をすでに行なっております。この「方針である」と書いてありますが、先般の閣議で淀川、木曽川、江戸川の、とりあえず緊急復旧をやらなければいけない分につきまして予備費を支出をいたしまして、現在応急工事をやっております。補助災害の方は、ここに書いてございますような被害の激甚な県に査定官を派遣をいたしまして、調査及び応急復旧等の指導に当たらしております。
 それから(2)の高潮対策関係でございますが、今回の大阪市内の浸水の被害の状況にかんがみまして、今後大いに高潮対策事業を促進すべく現在大蔵省と接衝いたしております。
 以上が簡単ではございますが、河川局関係の被害の概況と応急措置でございます。
#4
○委員長(稲浦鹿藏君) 次に道路局長。
#5
○政府委員(高野務君) 資料の六ページにお戻り願います。六ページは一級国道の指定区間の被害でございます。直轄災害といたしましては、一級国道指定区間の災害復旧を担当するわけでございまして、今回の被害といたしましては、中部地建の二十一号国道岐阜県坂祝村勝山で道路決壊がございました。しかし交通は可能でございます。次に四国の十一号国道の愛媛県の新居浜市船木から土居町関川の間におきまして、四カ所ございますか、土砂がくずれた被害がございます。これも交通は可能でございます。次に九州地建の十号国道の大分県大分町鴛野におきまして、道路決壊がございました。大南町中判田におきましても、道路決壊が起きました。いずれも交通が可能でございます。今回の直轄災害といたしましては、道路関係は四カ所で二千三百六十万円でございます。いずれの個所につきましても、修繕費をもちまして、本復旧を待たず応急復旧をいたしております。
 簡単でございますが、以上でございます。
#6
○委員長(稲浦鹿藏君) 次に計画局長。
#7
○政府委員(關盛吉雄君) 都市関係の災害の状況について申し上げますが、印刷物の十一ページをお開き願いたいと思います。ここに掲げてございますのが九月二十五日までの報告のありました都市施設、特に都市排水路、公共下水道、公園及び街路の被害でございまして、関係の府県は十六府県にまたがっておりまして、被害総額は二億四百十四万四千円というふうになっております。関係の府県の名前と被害額はそれぞれこの表で御承知願いたいと思いますが、最も大きい被害を受けましたのは大阪府の管内でございまして、一億二千二百余万円ということになっておりまして、関係の市町村の区域が大阪市を初め岸和田、堺、泉佐野、和泉こういったようなところが、その区域の中における被害の関係の市でございます。さらに和歌山でありますとか、あるいは島根等が都市施設としての被害の多かったところでございます。目下この災害に対する被害につきましては査定を今後進めまして、被害の応急処置に引き続いて復旧の事業と対策を進めていきたいというふうに考えております。
#8
○委員長(稲浦鹿藏君) 次に住宅局長。
#9
○政府委員(齋藤常勝君) 住宅局関係の被害状況並びに対策を御説明申し上げます。
 お手元の資料の十二ページをお開きいただきたいと思います。住宅関係というところでございますが、二十五日の午後五時までに各県から出されましたものをとりまとめたものがこの表でございます。住宅の被害はほとんど全都道府県に及んでおりまして、全壊が一万八千五百、流失が五百四十、半壊が五万一千戸に達すると出てございます。特に被害の大きかったのは全壊、流失等についてだけ申し上げますと、新潟県が二千四百九、それから岐阜が二百九十五、滋賀県が六百十三、京都が九百七十、大阪が四千五百二十四、兵庫が四百九十七、奈良が四百八十六、和歌山が二千九百四十六、徳島が六百十三、鹿児島が三千五百十九、こういうようなととろが大きかったわけでございます。
 これに対しまする対策といたしましては、一番最後のページをお開き願いますと、住宅関係というところでございますが、災害が起こりますと同時に近畿地区に係官を派遣し、あるいは今回は金融公庫の関係から非常に大きいので、各支所におきまして、それぞれ係官が現地においてあるいは相談所を開くなり、あるいは事務を開始するなりして現実に活動しているわけでございます。
 対策といたしまして、一つは住宅金融公庫による災害復興住宅の融資でございます。現行規定では建設の場合が三十二万円、補修の場合が十六万円でありますが、これを急速に貸しつける。それから公営住宅の対策といたしまして第二種公営住宅を建てる。それに対して国庫補助を行なう。その関係につきましては特例を設けたいというふうに考えております。それから既存の公営住宅につきましても、滅失または破損したものがございますので、それに対しましても国庫補助を行ないたい。こういうふうに考えておる次第でございます。さらに住宅の復興資材につきましては、関係各省においていろいろ御考慮願っておりますので、さらにその点について十全を期したいと考えておる次第でございます。
 それからもう一つは、今回の大阪における高潮の状況からみまして、その対策の一環といたしまして、ビル用水の規制のための法律措置というものを、次の通常国会を目途にして準備しようというふうに考えておる次第でございます。
 以上が住宅関係の被害状況並びに対策でございます。
#10
○委員長(稲浦鹿藏君) これで被害の概況及び対策についての説明が一応終わりました。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。――御質疑ありませんか。
 僕が一つお尋ねしますが、ビル用水を規制するというのは、地下水をくみ上げることを規制する、そうしますと、そのかわりをどうするか。全然地下水をとめてしまう。とめて上げささない、地盤沈下するから。そのかわりの水を補給してやらなければいかぬでしょうな。それはどういう対策を考えておりますか。
#11
○政府委員(齋藤常勝君) ビル用水の規制の問題につきましては、どういうふうな法的措置をとるかということについていろいろ案がございますけれども、権利関係の制限ということに相なりますので、それにまた財政上どのような措置をとるかというようなことも関係してきますので、既存のものと、将来新設するという場合と二つに分けて考えなければならぬと思います。将来のものについては、揚水をさせないというふうに持っていくのがいいのではないかというふうに考えておりますけれども、いろいろむずかしい問題がありますので現在いろいろ検討している次第でございます。
#12
○委員長(稲浦鹿藏君) 既存のものを許しておいて将来のやつをとめるというわけにもいかない。しかしとめる以上は・何かかわりをやらなければ因ると思うのです。つまり工業用に地下水を上げるので困るからというので、工業用水計画を立てて、河川から水を送ってやるというような計画を考えているわけですね。ビルの冷房用水に対しては地下水にかわるような何か考えをとっているかどうか、この問題はどうですか。
#13
○政府委員(齋藤常勝君) とめた場合にどうなるかというお話でございますが、ここで考えております既存のものをどうするかという問題につきましては、クーリング・タワーをつけて、地下水をくみ上げないで、一たん水道からとったものを、何回にも同紙して使えるというようなクーリング・タワー方式、そういうものに転換させていく。したがいまして、将来のビル用水につきましても、そのような装置によって水を使っていくということになりますから、現在のところでは、さらに必要な水が要るということにはならないように考えている次第でございます。
#14
○委員長(稲浦鹿藏君) この程度にして、また本案審議までに具体的に検討しておいて下さい。
 ほかにございませんですか。
#15
○米田正文君 今度の水害で特に大阪で被害のひどかったのは、西淀川地域の防潮対策事業の行なわれておらないところが決壊したために、浸水を起こしてきたというのです。その高潮対策事業全般としての今後の計画を完備する必要があると思うのです。そこで、これは今の話の地盤沈下の問題とまた関連を持ってくるが、ぐるぐる回りになる点はあるけれども、どこかやはりそこの抑えるところは押えてその対策はされて、同時に高潮対策事業というものは、普通の河川事業等と違って、やはり時間的に整備を急いでいかないと、一部できておらぬために、そこからの被害というものが、今までの事例があまりにも多いものだから、その辺に対する一つ河川局なり建設省なりの考え方――最近強化していると思うのですが、その点のお考えをお聞きしておきたい。
#16
○政府委員(山内一郎君) 高潮対策事業は、地盤沈下をしている堤防を上げるというふうな普通の河川事業と、ちょっと違った点があることは先生の御指摘の通りでございまして、何らかの形でやはり今以上の速度で仕事をしなければ意味がないということはもう確かでございます。現在治水事業の中に入っておりまして、治水事業全般、まあ今後の高潮対策事業の促進をどうするかという問題でございますが、現在は治水事業の中に入っておりますので治水事業全体を促進する必要がある。そういたしますと治水十カ年計画との関係で問題が出て参りますが、それ以外に高潮対策事業というものを治水事業のワクからはずしまして、普通の河川事業と違うものではないかというので、そういう意味において高潮対策事業というものを治水卒業のワクからはずしてしまう、というのも一つの考え方ではないかとこういうように考えております。まあいずれにいたしましても今後促進をして参りますし、さらにこの全地域はやはりあるブロックごとになっておりますので、重点的にブロックを仕上げてさらに次へ移るというように効果的に今後の事業を促進して参りたいと、こういうふうに考えております。
#17
○委員長(稲浦鹿藏君) ほかに御発言がございませんか。
#18
○田上松衞君 住宅局長にお伺いしておきたいのですが、対策の中の「住宅復興資材の確保」これに関連する問題ですが、木材については林野庁との間で協議してやっていきたいということなんですがね。それで、現実の問題として特にその木材の値上がりがひどい状況があるのではないかと考えられるわけですが、これに対しては何とか措置を講じておいでですか、どうなんですか。その点を伺いたい。
#19
○政府委員(齋藤常勝君) 木材の値上がりに対する措置といたしましては、建設省が直接やることではございませんが、われわれ林野庁その他関係のところから聞いておりますところでは、特に今回の災害につきましては国有林の払い下げをやる、しかもそれは相当数のものをすでに青森地方だったと思いますが、そこで確保しておるというようなことでございます。
 それから、全体の値下がり対策というものにつきましては、これはある木材につきましては、たとえばパルプ等のものにつきましては輸入をする。それから一般の国内の木材の生産については税制措置をとるというようなことで、所有者が切り出して市場に出すというような誘導措置をとるというように承知しております。そのことによって今売り惜しみをしておるものに対する抑制をして、今後のさらに値が上がるということに対する一般的な措置をとるように聞いております。
#20
○田上松衞君 まあこのことを非常に心配するゆえんは、池田総理も、あるいはこれに関連いたしまする立場から河野農林大臣も、方々で意見の発表をしたり演説等をなさるところを聞いておりますると、大きな立場から物価対策についてはまあできるだけ押えていくということを言っている。ただ、仕方なく上がっていくものは木材くらいなものだということを言っているわけです。この言葉が非常に国民には影響いたしまして、木材の上がることは政府自身も認めておるのだというような感覚をもって、今、住宅建設の上に一つの大きな問題を投げつけておる。これは事実なんですよ。そこで直接この方面に関係される住宅局長の立場では、特にこのことについては関心を持たなければならぬはずだと考えるので、そこでそれに対して何か御決意といいますか、そういうようなものをお伺いしておきたい。この意味でお尋ねしておるわけなんです。
#21
○政府委員(齋藤常勝君) 木材の現実に上がっておりますことにつきましては、われわれが住宅を建てる場合にこれを否定するわけに参りませんので、できるだけこれが横ばいないしさらに下がっていくということを念願しておるわけでございますが、建設省として今どういうことができるかというような点に問題をしぼって考えてみますると、私どもとしましては公営住宅等を建てる場合におきましても、できるだけ木材の消費量を少なくする。いわゆる需要を少なくするということによって逆に市場価格が上がらないようにしたいと、こういうように考えておるわけでありまして、一般的な方策としては公営住宅の不燃化を促進するということもやっておりますし、それから今回の災害等におきましても、われわれは災害復興住宅についてはできるだけ不燃化のものを作る、という方向で進んでいきたいと思っておる次第であります。
 答弁があまり十分でないことは申し訳ないと思っておりますが、建設省といたしましては、そのようなところにも需要者の立場としましても、これらの点に観点をおいて、そうして一般的な規制措置に並行して木材値しがりの抑制ということを進めていきたい、というふうに考えておる次第であります。
#22
○田上松衞君 大体そういう感覚をお聞きしたいというのが趣旨だったのでやや満足いたしたのですが、今この問題にからんで各方面において、いわゆる不燃化材等の問題が強く研究をされ、学者、技術者等がこの方面に非常に専念しておる姿をわれわれ知っておるわけであります。一住宅局長の立場といたしましては、そんな大きな物価問題に対してどうこうということは非常に無理なことはわかっておりますけれども、せめてそういうようなことに着目されていくことも一つのあれかと考えまして、大体今のお考えでやや満足するわけです。
#23
○武内五郎君 今の物価関係とも関連いたしますが、この前の委員会で田中一君が、東京部で七千戸の公営住宅建設を、一千戸を切り捨てるまでに単価が上がって、建設が困難になってきた。それに対して建設大臣は、学校等の場合と同じように公営住宅の建設についても、臨時国会で予算を補正するように努力するというお答えがあったのですが、大体そういうふうになりますか。
#24
○政府委員(齋藤常勝君) ただいまの御質問は、現在の建築費の価上がりに対して補正措置をするかというお話のようでございましたが、公営住宅に関しましては前に大臣からも御答弁がありましたように、量小限度の補正措置をするという方針が固まりまして、その結果、いずれ国会に出ると思いますけれども、公営住宅並びに改良住宅に関しましては、値上がり分を考えた額を補正として追加するということによりまして、標準建設費をそれだけ上げる、そして計画どおりの建設をしたいということに相なっている次第であります。
#25
○武内五郎君 たとえば建築資材の値上がり等については、これは今のお話のとおりになっておりますが、特に最近の建築資材の値上がりの割合を考えてみますと、前年の同月に比してほとんど三割前後の値上がりの状態になっている。しかも去年の平均等から考えますと、三割というのを突破して四割に近いものになっているのです。そうなってくると、相当大きな補正をやらなければならぬと思うのですが、今のお答えを承ると、何か小きざみの補正でいくようなお話なんですが、一体それでいいのかどうか。
 私は最近これは新潟県で見られた入札不調の件数で調べたのでありますが、何といっても建築関係において非常に多い、その次は道路、建築において最近二十六件も入札不調になっている。またせっかく入札しても、これを流しております、工事をやらぬ。道路で二十六件、河川で十件、港湾二件、砂防四件というおそるべき実は実態を把握して参りました。これは私は今日の物価の急激な上がり方と、それからそれに伴う労働賃金の上昇によって、しかもそれが地方で労働者の把握ができない、こういうふうな関係が出ていることは否定できないのであります。そういうようなことが、たとえば河川においてせっかく前年度の災害復旧工事をやる場合に、せっかく入札しておりながら流さなければならない、あるいは砂防においても、また建築等においてもそういうことが見られるとするならば、いつの日にか災害の防止ができるのか、と私は考えざるを得ない。一体こういうことについて、どなたでもいいですが、総合的に河川、建築、道路等にわたってお答えされてもいいのですが、どういうふうな措置を考えておるかお聞きしたい。
#26
○政府委員(鬼丸勝之君) ただいま竹内先生からいろいろ具体的に単価の問題、あるいは労務者の不足の問題について御指摘がございましたが、予算措置の上では、先ほど公営住宅と改良住宅につまきして最小限度の補正をするということで、住宅局長が申し上げたとおりでございまするが、他の一般公共土木施設につきましては、工事を実際に実施する計画を立てます際に、設計をさらに工夫するとか、特に機械化施工を十分考慮するというようなことをやりましたり、さらに賃金等につきましては実際のそのときの賃金の指数を十分とり入れまして、要するに発注します場合の予定価格としましては、業者が無理なくやれる価格をはじき出して発注しようと、まあ要約すれば、要するに執行段階におきまして調整措置をするということで指導いたしておりますので、ただいま御指摘の道路、河川等におきまする入札不調の件数は私も今初めて伺いましたが、全国的には土木施設については入札不調ということは非常に少ないというふうに承知いたしております。特にこの災害復旧事業につきましは、先生の御指摘のように労務者が確保されないというようなことで心配される向きもございますが、これは今回の第二室戸台風の被害にもかんがみまして、業界に特に災害地に対する協力、応援をするように、全国建設業協会を初め全国的な職種別の組合、連合会等に建設省から指示をいたしまして、これらの全国的な団体がそれぞれの傘下の地方の協会、組合等にさらに具体的な指導をいたしまして、災害復旧工事に労務者が間に合わないということにならぬように万全を期する、こういう業界の協力態勢も着々進められておりますので、私どもといたしましても、まあ何とかこの当面の災害復旧工事はやっていける、というふうに考えております。
#27
○武内五郎君 業者を指導するという話なんですが、これは実はこの前の建設業法の審議の場合に非常にその点を心配したのですが、これはできません、私はできないと思います。何といったって業者ですから、採算のとれない仕事はやる考えは毛頭ないことはこれはもう明らかです。したがって採算のとれない、採算を割るような工事を入札に付したって、それはとうてい工事遂行までにいくには相当困難だと思います。そういう実態でありますので、これを、たとえば地方の協会等が指導する、ことに、協会自身が業者によって作られておる、それは指導は、私は不可能だと思います。そこで要は工事を施行するが、やはり損がいかないような予算でいかなければ、これは不可能だと思います。その上に初めて、協会の指導というものと相マッチするならば私はいいと思いますけれども、予算の方がつり合わない状態で出されて参りますところへ、協会のような何らの行政力水権力もない団体が指導するというととは、私は不可能だと思います。
 そこで特に今回の災害の復旧について、そういうような状態を十分考慮されて、あるいは補正あるいは復旧費の組み立て等を考えなければならぬと思います。その点を十分御考慮をされてもらいたいと思います。私はいずれ災害については、次の機会に十分お伺いしておきたい点がございますので、きょうはなるべくそういう方面には触れないようにしますが、十分その点を御考慮願いたいと思います。
 それから今回の災害は、これはまあ水害にさらに続いて台風という、こんなに連続的な打撃を受けた年をほとんど私は知らないのでありますが、そういうふうな非常に大きな災害が続いて参りましたのでたいへんだろうと思いますが、三十五年度の災害で、まだ査定を完了しない、しかも今年それが再災害を受けたというような地方はあるのですか、そういう点は、河川局の方で調査されておりますかどうか。
#28
○政府委員(山内一郎君) 三十五年の災害につきましては、査定は全部完了いたしております。ただ未着工の個所は、まだ相当ございますが、その個所がどの程度今度の台風とか、それから梅雨前線によりまして被害を受けているかどうか、これは本年の災害査定のときに、あわせて調査をすることにいたしております。その査定の状況本、十月から十二月にかけまして全部完了するように現存準備中でございます。
#29
○武内五郎君 たぶんそうだろうと思うのです。そうでなければ、とんでもないことになると思うのですが、実は新潟県の岩船郡山北村、これが三十五年度の災害査定をまだ完了しておりませんので、仮工事であぶない橋を使用しておりますという報告を私は受けている。したがって、さらにその地域がまたやられた。七月の災害でやられております。こういうような事態が、特にそういう僻陬の地域で、たまたまあるのではないかという邪推をするのですけれども、目につくような所は、そう放ってもおかれないと思いますし、早急にそれらもまた予算づけもされると思うのでありますけれども、僻陬の地域で、しかも災害の受けやすい、そうしてそれが下流地域に対する災害の大きな原因になると思われるような地域で、たまたま見落としている所、そういう所があろうと思うのですが、どうですか。
#30
○政府委員(山内一郎君) 三十五年のお話のようでございますが、三十五年の災害の査定というのは、昨年の十二月までに全部完了いたしております。ただその査定の言葉で、本年度の予算をつけるかっけないかということも、一部否定というような言葉を使われる場合もありますので、仮橋はできたけれども、本復旧が、本年度の予算がまだついていないという意味の否定がまだ完了していないというふうにも私考えられますので、なお具体的にさらに調査をしたいと思っております。
#31
○武内五郎君 次に、これも災害に関係ありますけれども、なおこれだけはひとつ伺っておきたいと思います。今回の災害にあたって、新潟県の白根で中之口川の堤防の決壊を防止するために、農業倉庫から政府米四百二十九俵身持ち…して土砂がわりに使った、御承知の通り。これはあの地方では、もうすでに溢水して、川よりも町や農地が低い。水面よりもふだんも低いくらいなんですが、それがすでに溢水して土砂をとる場所がない。ないので、やむを得ず堤防の付近にある倉庫から米を引き出して堤防に積み上げたわけです。これはその米そのものについては、建設省の所管ではない、農林省の所管でありますけれども、この方面については何ですが、そこに災害をかなり防止することができた、その資材に対する補償がどういうふうになるか、河川法の補償の規定からいっても、私は当然取れるものだと、出さなきゃならぬじゃないかとも考えるのですが、その点をお伺いしたいし、すでにあるいは新潟県知事名で建設大臣に対して補償の申請が出ておるんじゃないかとも考えられます。その補償の点はどうなのか。
 それからもう一つ、今回の災害にあたって、信濃川に注ぐ刈谷田川という川が、南蒲原郡を横断して流れているわけですが、これが溢水して、南蒲原郡の中之居村、栄村、三条市、これらを水びたしにしたわけなんです。中之島村なんというのは、一村で米の政府に売り渡す量が山梨県の一県に相当するほどの米産地です。栄村もそれに続いて多量の米を産する所でありますが、それらは一週間から十日水びたしになって、私が行った当時さえも、まだ水田の上が三メートルも水があった。水の中が外気の温度よりも一度も高い、こういうような非常な高熱の水につかって、したがって、稲作は全部腐植してしまう。そこで、それを防止するために、刈谷田川の堤防を爆破しております。二ヵ所爆破した。爆破して、それらの水を流している。それ以外に方法がなかった。こういう問題があるわけです。
 そこで、河川法の二十何条ですか、緊急やむを得ない場合は公共物の破壊等も許されるということになっているはずです。そういう場合における、そういう規定に基づいて、そういう事態に対する考え方でやるのか、それから、そういうことによって破壊されました堤防に対する復旧等の措置はどういうふうにされたのか、それをお伺いしたい。
#32
○政府委員(山内一郎君) 前半の、水防用に米俵を使いました件につきましては、水防法の中に緊急使用という、第二十一条でございますが、条文がございまして、その米俵の場合には、管理者の許しを得まして使うということは合法的にきめられております。ただその場合に、使用いたしました米俵の価格、まあ値段は、今後いろいろきめられると思いますが、その金については補償しなければいけないと、これもやはり同じ条文できめられております。したがって、合法的に使用したものを金を払うべきかどうかという点については、やはり法できめられておりますので、水防管理団体は、当然それを払わなければいけない、こういうふうに考えられます。
 なお、後半の、堤防を破壊することによりまして、非常に災害を救ったという点につきましては、過去でも例はございましたけれども、まず、河川管理者の許可を得ているかどうかという問題があると思います。この点、具体的に私は存じませんので、今後調査したいと思っておりますが、河川管理者の許可を得て爆破をいたしまして、それによって相当の災害が救えたと、こういう場合には、その復旧の問題についても、かなり内容を検討いたさなければいけませんが、過去の例として災害復旧でみた例もございます。したがってその内容いかんによっていろいろ違うと思いますので、具体的に今後調査、検討したいと思っております。
#33
○委員長(稲浦鹿藏君) ほかにございませんですか。
#34
○田上松衞君 きょうこんなことをお聞きするのは少しどうかと思うのですけれども、不謹慎な言葉ですが、ちょっとこの場合一、二分間の暇つぶしに伺っておきたい。官房長でもよろしいし、計画局長でもいいです、いずれにも関連する問題ですから。大体、こういうことを考えるのですね。いろいろ科学の著しい進歩、発展というものが急激に進んで参りまして、地球の外の月を初め、いろいろな星にまで行こうとする時代に進んで来て参った。こういうことを一方に考えながら、日本の状態を考えてみるのですよ。台風であるとか豪雨であるとか津波であるとか高潮であるとか地盤沈下であるとか、もろもろの悪い条件が押しかぶさっているのですね。こういう中でいろいろ直接受けた被害に対しまして、いろいろな対策をやっておられるわけですが、どうも何とかここでひとつ、大きな夢を持たなければ、これじゃ役所でやっておられる人々も、実際われわれ外で見て、気の毒だと考える面すらあるわけです。ちょうどいろいろな対策をやってみるけれども、言うなれば、クマのサケとりですか、幾らとれどもあとはからっぽになって、下から抜けてしまってゼロだ。ゼロだけじゃなくて、かえってまた災害が起きて参る。まるっきり昔の言葉でいうかさ屋の小僧みたいに骨を折ってしかられているという状態を繰り返しているのじゃないか。こういうことを考えてみると、もう少し何か大きな夢を持って、何かを考えてみることが必要ではないのか。たとえば建築構造についても、ひとつ新しいことを考えてみたらどうか。その中の一つとしては、さっき住宅局長にお聞きしたような新しい建築資材等についても考えることがあるのではないか。ないしは住宅地帯であるとか工場地帯であるとかというもののあり方等についても、新しい構想、工夫というようなものが一体なされないか。こういうことについて、まあこういうこともできることならばやってみたいとか、あるいは政府でも、こういうようなことについて考えておるとかというような向きが全然ないのかどうか。まあ、あれですが官房長の夢物語でも何でも、空想でも何でもいいですが、そんなことをひとつお聞かせ願えませんか。非常に大まかなんですけれども……。
#35
○政府委員(鬼丸勝之君) どうも非常にむずかしい、また広範にわたるお尋ねでございます。私はあまり夢を見ないことにいたしておりますので、どうも夢をお答えするわけに参りませんが、まあ日本が非常な災害国であり、特に近年災害が頻発し、これに対しましては、もう田上先生もよく御承知のように、政府としてもできるだけの手を打ってきてはおります。根本的には災害を未然に防ぐための対策を、予算の面でも、あるいは立法措置の上でも徹底していかなければならぬわけでございますが、最近は、今度また提出されることになりますが、災害対策基本法というふうな法案も準備して提出されます。これなども、むしろ災害の防止の事前の対策に重点を置くということで、地方のそういう防止対策の計画なり、あるいは連絡協力の体制というものをひとつ完備していこうというねらいであります。あるいは建築の方面にいたしましても、あるいは町作り、都市の問題といたしましても、やはり防災ということが配慮された、あるいは防災を中心にしました対策というものがいろいろ行なわれておりますが、一例を申し上げますと、前国会で御審議いただきました防災建築街区造成法というふうなものも御承知のとおりでございます。これらの法律の運用と、それから予算の充実によりまして、災害を未然に防ぐ対策を徹底して参らなければならぬというふうに考えております。またいろいろいい知恵がございましたら、一つ御指導、御教授をいただきまして、政府としても、今後できるだけ、これらの施策を充実して参りたい・かように考えておる次第でございます。
#36
○田上松衞君 まだ武内さん何かあるらしいですけれども、けじめをつけておきますが、これ非常に大きな夢のことをお話ししておるのでありまして、これ以上お聞きすることは適当でないと百も承知の上でやっておることなんです。
 ただ私申し上げておるのは、今度出される、今お話に出ましたところの災害防止対策の基本法、これを見ますと、これはただ一部分に対する一つの手当なんですね、どこまで考えてみても。医者が盲腸にならぬようにどうすればいいかというような程度の話、心臓病や、腎臓病を抑えるのにどうすればいいかという程度のものであって、もっとどうしたら健康体になるかという大きな問題がなければならぬのじゃないか。私の言う夢はそこなんです。
 まあ、非常に無理な話なんですけれども、いろいろなことについて、官房長は夢は見たくないというのだけれども、夢を持たなければだめですよ。一つ夢を持って、何かいろいろなことを研究して下さい。お願いしておきます。
#37
○武内五郎君 今河川局長から、白根の米俵の問題で補償を考えなければならぬ、こう言っておりまするが、一体その補償の点ですが、どういう内容になってくるのか、たとえば、かりに食糧庁が地元に対して賠償を要求した場合、一俵四千幾らの米が四百三十九俵ですから百九十万円、約二百万円近いものになってくると思います。そういう中身にまでの補償をすべきだと思うのですけれども、単に水防資材だといって米俵だけ、俵装だけ補償するのだというような、きわめて冷酷な態度であります。これは何の補償にもならないし、水防に対するその土地の人々の努力というものにも報いるものではないと思いますが、一体どういうふうに考えますか。
#38
○政府委員(山内一郎君) その水防管理団体が補償しなければいけない価格の問題は、水防法では時価によりと、こういうふうになっておりますが、ただいま食糧庁のほうで、いろいろできるだけ水防管理団体に負担が軽くなるように、こういうことを考慮されておるようでございます。建設省としても相談を受けておりますが、建設省としても、できるだけその点軽くなるようにということを申し上げておりますが、現在食糧庁で検討中でございます。
#39
○武内五郎君 刈谷田川の堤防について、もう一ぺん明確に一つお願いしたいのですが。
#40
○政府委員(山内一郎君) 刈谷田川の堤防につきましては、私具体的に、その内容を存じませんので、はっきりしたことは申し上げられませんが、それが河川管理者の許しを得てこわしたものであり、相当な災害を防いだという点がございましたら、その災害復旧費についても、われわれとしては、過去の例も、災害復旧費で爆破した所を復旧する費用をみた例もございますので、さらに具体的にその内容を検討して、その復旧費用の点も考慮したい。こういうふうに考えております。
#41
○委員長(稲浦鹿藏君) 本日は、この程度といたしまして、これにて散会いたします。
   午後零時十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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