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1961/10/24 第39回国会 参議院 参議院会議録情報 第039回国会 建設委員会 第7号
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1961/10/24 第39回国会 参議院

参議院会議録情報 第039回国会 建設委員会 第7号

#1
第039回国会 建設委員会 第7号
昭和三十六年十月二十四日(火曜日)
   午前十時十四分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
十月二十日委員太田正孝君辞任につ
き、その補欠として西川甚五郎君を議
長において指名した。
本日委員村松久義君辞任につき、その
補欠として紅露みつ君を議長において
指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り
   委員長     後藤 義隆君
   理事
           田中 清一君
           武藤 常介君
           村上 春藏君
           内村 清次君
   委員
           稲浦 鹿藏君
           岩沢 忠恭君
           小沢久太郎君
           紅露 みつ君
           西川甚五郎君
           木下 友敬君
           田中  一君
           武内 五郎君
           藤田  進君
           田上 松衞君
           小平 芳平君
           村上 義一君
  国務大臣
   建 設 大 臣 中村 梅吉君
  政府委員
   建設省住宅局長 斎藤 常勝君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       武井  篤君
  参考人
   神戸市建設局長 山崎  博君
   神奈川県建築部
   長       小宮 賢一君
   全国治水砂防協
   会常務理事   赤木 正雄君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○宅地造成等規制法案(内閣送付、予
 備審査)
○連合審査会開会に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(後藤義隆君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 委員の異動について、御報告いたします。十月二十四日付、村松久義君辞任、紅露みつ君選任。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(後藤義隆君) 宅地造成等規制法案を議題といたします。
 本案につきまして、本日はまず参考人の方々から御意見を聴取することにいたします。御出席いただきました参考人は神戸市建設局長山崎博君、神奈川県建築部長小宮賢一君、全国治水砂防協会常務理事赤木正雄君、以上の方々であります。参考人の方々におかれましては御多忙中のところ御出席いただきましてまことにありがとうございます。どうぞ忌揮のない御意見を聞かして下さいますようお願いいたします。
 それではこれから御意見をお伺いいたしたいと存じます。時間の関係上お一人十分程度に、お願いいたしたいと思います。委員会の運びはまず参考人の方の御意見の御開陳が全部終りましてから委員各位からの質疑にお答えをしていただきたいと存じます。それでは初めに山崎参考人にお願いいたします。
#4
○参考人(山崎博君) 神戸市建設局長の山崎でございます。
 結論から申し上げますと、神戸市といたしましてはこの法案に心から賛成して、一日も早く施行されることを希望するものでございます。この理由といたしますところは、従来市の条例をもって宅地造成の規制を実施して参ったのでございますが、市条例でありますがために届出制の範囲を脱することができません。その効果が徹底を欠きまして、指導に当たる職員の非常なる努力にもかかわらず、下流市民に対する被害を予防することが困難であったのでございます。今回の宅地造成等規制法案におきましては許可制をとっておりまして、工事着手前に都道府県知事等の許可を要することになっております。この点が市の条例と異なる最大の点でございまして、事前に審査して許可または不許可の処分をすることができることが指導力を強め、また宅地成主あるいは施工業者の反省と自覚を促す効果があると思うのでございます。従来宅地造成主あるいは施工業者のほうでは、経済的に安く土地を造成するという気持ちが非常に強かったものでございますから、防災工事というものに対する見積もりは非常に軽く考えており、はなはだしいものは防災に対する観念の全くない者もある実情でございます。これを公共的な立場から市の条例によって指導するということは非常に手数がかかりかつ困難な仕事でありまして、指導を無視してどんどん工事を進められました場合、われわれの持つ最大のきめ手としましては、工事の中止を命ずることでございますが、すでに山を削ってゆるんだ土砂でもって谷を埋めた状態において工事を中止させるということは、かえって下流への被害を大きくするというジレンマに陥ったのでございます。昔は小さい施工業者は人力でこつこつとやっておりまして、工事速度がおそかったのでございますが、現在では大きい施工能力を持っているところのブルドーザー等の建設機械を、チャーターによりまして容易に入手することができますので、技術能率の非常に貧弱な小さい業者でも施工速度は非常に大きくて、あっという間に山を切ってゆるめてしまうのでございます。前時代的な観念を持った小業者が近代的な能率のいい建設機械を使うというアンバランスに間違いの根本の原因がございます。したがって、常に後手後手と回りまして下流市民への迷惑が避けられない実情等、歯がゆいこと限りなしでございます。この状態を改善いたしますためには、しっかりした測量、設計をする能力のある技術者が責任をもって測量、設計をするようにさせること、もちろん規模の小さいものは、簡単な測量、設計でいいのでありますけれども、正確でないと困ります。現在地盤の高さなり勾配をごまかしてある図面も出てくる現状では全く安心がなりません。
 第二番目に、防災工事をまず施工してある程度の目鼻がついてから初めてブルドーザーを動かして山をゆるめるように、工事の手順を初めにきめて実行させることでございます。従来はいきなりブルドーザーで山をゆるめまして、大体整地ができてから石積みなどの土どめ工事をする。防災工事はなくて済めば、これにこしたことはないというのが通例でございました。このために工事中に降雨によりまして土砂が流出し、下流の排水路を埋め、したがって家屋のあるところにはんらんするというケースが多かったので、まず規模に応じた砂防堰堤であるとか土砂だまりを作りまして、下流の土砂流出を予防しておいて、土どめの擁壁も整地工事と並行して施工させるという施工の順序を確立する必要がございます。
 こういったことが今回の法律案では盛られておりまして、今後市が実際民間を指導いたします場合に非常にやりよくなって、指導の実績が上がるのではないかということを大いに期待しておる次第でございます。
 簡単でございますが、以上で終わります。
#5
○委員長(後藤義隆君) ありがとうございました。
 次に小宮参考人に、お願いいたします。
#6
○参考人(小宮賢一君) 私神奈川県の建築部長でございます。
 神奈川県下におきます状況も、ただいま神戸市の方からお話がございましたと全く同様でございまして、結論から申し上げますと、今回のこの立法措置は、私どももろ手を上げて歓迎するものでございます。県下におきましては特に横浜、横須賀、鎌倉方面にかけまして相当の丘陵地がございまして、これが特に最近におきますいわゆる首都圏の都市発展に伴いまして、宅地化が非常な勢いで進んでおりますが、その結果、がけ地が相当危険なものも生じまして、先般六月の集中豪雨におきましても相当の被害を見たわけでございます。もちろんそれ以前からも非常に問題がございましたので、特に従来県並びに建築基準法を施行しております横浜、横須賀等の各市におきましておもに建築基準法の運用によりまして、がけ地の擁壁等の構造の指導その他行政指導を行なって参っておりまして、なお横浜市におきましては神戸市同様、今年の三月に条例を作りまして、条例によってさらに規制をやっておるわけでございますが、先般の六月の集中豪雨の結果を見ましても、行政指導によりまして指導をいたしまして、その指導のとおりに施工をいたしました個所におきましては比較的被害が少なかったのでございまして、そうでないもの、特に小規模の宅地でそういう目の届かなかったようなところに思いのほか大きな被害があったのでございます。それらの点にかんがみまして行政指導、あるいは条例等によるものでは十分でございません。この点につきましては神奈川県議会におきましても、昨年あるいは今年におきまして再三強力なる立法措置をとるべきではないかというような意見も出ておったような次第でございまして、この今回の宅地造成規制法が成立いたしましたならば、私ども行政指導の任に当たっております者といたしましては、非常に強力な武器が与えられたことになるわけでございまして、今後これによってこれらの災害の発生は相当防止することができるのではなかろうかと考えておる次第でございます。
 たいへん簡単でございますが、以上であります。
#7
○委員長(後藤義隆君) ありがとうございました。
 次に赤木参考人にお願いいたします。
#8
○参考人(赤木正雄君) 私はこの法律を見まして第一条に、「宅地造成に伴いがけくずれ又は土砂の流出を生ずるおそれが著しい市街地又は」云々とあります。大体において土砂がくずれますから、傾斜の急なところと、こういうふうなところはやります。これはもう少し大きな意味で、かりに治水にも影響すると、これは申すまでもなくがけくずれがあれば多くはすぐに影響しますが、それがはっきりするならばあえてこの法律を作らなくても、砂防法でも同じような取り締まりができるという感じがします。
 われわれは砂防法の第二条に「砂防設備を要スル土地又ハ此ノ法律二依リ治水上砂防ノ為一定ノ行為ヲ禁止若ハ制限スヘキ土地ハ主務大臣之ヲ指定ス」。
 第四条では「第二条ニ依リ主務大臣ノ指定シタル土地ニ於テハ地方行政庁ハ治水上砂防ノ為一定ノ行為ヲ禁止若ハ制限スルコトヲ得」、これははっきり砂防法に書いてあります。
 したがってかりに宅地を作る場合、それが非常に害をなすというふうな場合には、やはりこの砂防法に基づきまして地方行政庁はそれぞれの取締まりをし得る。たとえばどの県でも一々県によって取り締まりますが、かりに私は山梨県の例を持ってきましたが、やはり砂防指定地の取締規則というのがあって、開墾、流木の伐採、焚火、あるいはその他詳しいことがずっと書いてあります。こういうふうに各地方庁でこれに該当し得るような取り締まりは砂防法でできます。
 しかし先ほど神奈川あるいは神戸の方でも言われておりますが、砂防法というものは治水に関係がございますが、この宅地を作る場所は全部治水に関係するとは言えない。その観点から砂防法もどの場合に適用するということは言えません。その意味ならばこの法律の方が宅地造成についてはすっきりするような気がいたします。
 しかしもう一ぺん大きな意味から言いますと、これは宅地造成とは直接関係ないかもしれませんが、あるいはその土の方に林道を作るとか道路を作るとかあるいは皆伐であるとか、そういうことによりまして宅地造成とは関係ありませんが、やはり非常な害を及ぼす。こういう事実はありますから、そういう意味からいうならば砂防法も同時に宅地造成と関連して考えるべきではないか。一つの例を言いますならば、神戸市におきましても本年はたいへんな雨が降りました。そのときにやはり宅地造成のために被害がありました。その場合も砂防法を適用して取り締まっているところは何ら被害はない適用していないところは非常な被害を受けておる。こういう事実はありますからあらかじめ砂防法を……将来こういうところに宅地造成をする場合に被害が起こる、これが宅地を造成をする場合にやはりこの法の第三条、宅地造成工事規制区域、こういうことが出ていますが、同じような意味であらかじめ災害を防ぎ得るというふうに思います。
 しかし非常に結論をはっきり言いますならば、砂防法には治水ということがありますが、治水では全部適用していないというふうな場所が宅地造成法にある。そういう意味でこの法律は非常にけっこうなものと思います。しかしくれぐれも申しますが、宅地造成は宅地だけに関係しますが、それ以外の大きな被害を及ぼすというものについては、やはり今日の砂防法をいま一そう各関係者が適用することが、この宅地造成と関連して必要のように考えます。以上であります。
#9
○委員長(後藤義隆君) ありがとうございました。
 以上をもちまして参考人の方の御意見陳述は一応終わりました。
 これより質疑に入ります。御質疑の方は順次御発言を願います。
#10
○田中一君 これは神戸の方に伺いますが、この法律ではだれが監督というか、それを中心に指導するかということが書いてないですね。建築基準法では御承知のように建築主事というものが、実際に確認する。そうすると、この宅地造成に対してはだれがするのかという点が明らかでないわけです。これは非常にむずかしい問題があると思うのですが、あらゆる面の地質というか、技術面においても。技術のほうで建築土木ともに一緒だと思うのです。その点はこの法律だけでもって十分だという考え方に立っていますか、神戸の方に伺います。
#11
○参考人(山崎博君) 神戸市におきましては、建設局土木部緑地砂防課の中に土地保全係がございます。この陣容は係長以下十三名でございまして、そのうち技術屋が十名、事務が二名、運転手一名でございます。そのほかに兼務の者もございますので、これを入れますと十四名でございます。それで従来、昨年の五月から発足いたしましたときは、何分にも新しい問題でございますので、私のほうでもよく状況がわからぬものですから、二名でやってきておりました。非常に人数も少なくて徹底を欠きましたので十四名に増員したわけでございます。それで従来非常に指導に困りましたことは、明確な技術基準と申しますか、そういうものがなかったために、いろいろな参考資料はございましたが、そのものずばりの基準がなかったわけでございます。したがって指導にも、考えておる時間が長くて時間がかかりますし、また遠慮しがちであるといったような点がございました。ところが今回の法律案では相当明確な技術基準が設けられることになっておりますので、従来よりは非常に能率的にやりやすく、また業者に対してもはっきりした指示が与えられる、かように考えております。
#12
○田中一君 そこで今度は技術基準というものは明らかになったから監督しやすくなったでしょうけれども、だれがするのかということなんです。建築基準法では建築主事というものは、一定の資格をとって建築主事に就任するわけです。少なくとも建築と同じように――あなたのほうの神戸六甲周辺のことを考えると、善意の人が死ぬのですよ。ああいう危険なところで宅地造成をすることによって不備なものを作る場合には、責任の所在を明らかにしなければならぬ大きな責任はありましょう。それはしかし信頼し得る技術家というものをわれわれ知っておきたいわけです。いくら十名の技術家がおっても、その十名が土質その他経験の豊かな人はわかるでしょうけれども、土質によってむろん違います。それからまあまあ雨量の問題は最大公約数の安全を保つでしょうけれども、そういう点で画一的なものができないわけですよ。当面の責任はだれがやっているのか、また当面の責任はこれこれの資格がある人にさせるのだということがないといかぬと思うのです。神戸市並びに神奈川県の場合はどういう人を充てようとするか、それは単に学校を出て一年や二年でわかりっこないですよ。それはどういう人を充てようとするのか、また神戸ではやっておりますからね。どういう人を、係りか、課かしらぬが、この法律が通った場合にその部署に充てようとするのか伺っておきます。
#13
○参考人(山崎博君) 神戸市では、市長の諮問機関といたしまして、土地保全審議会を設けております。これには大学のその方面の専門の教授、またその他の学識経験者をお願いいたしまして、それとこの土地保全審議会の中に委員会と幹事会がございます。幹事会の方は、大体市の課長クラスをもって編成しております。それで土地保全係が原案を作りまして、これをまず幹事会にかけます。幹事会で意見の一致をみたものを委員会に出します。この委員会でもって現地視察をやり、審査してよかろうという答申があったものに対しまして、市の内部規程によりましてそれぞれ決済を回しまして、市長名で勧告なりあるいは改善命令なりを出す、こういった手順でやっておりますので、一担当者が単独に指導するということと比べて相当オーソライズされた、まず間違いがないものが指導できるのじゃないかと、かように考えております。
#14
○田中一君 条例ができた時分に申請はどのぐらいありましたか。現在どのぐらいありますか。
#15
○参考人(山崎博君) 昨年の五月一日に市条例を作りましたときに、当初三十五件ございました。その後本年の八月までにだんだんふえまして、八月の初めに六十一件でございました。八月四日に条例を改正をいたしまして、適用範囲を従来の千五百平方メートル以上を二百平方メートル以上に範囲を拡大いたしまして、そのためにふえました件数が二十三件でございます。したがいまして、現在持っております件数は八十四件でございます。
#16
○田中一君 しかしそういう審議会でもって技術的に検討して云々なんという程度ですかね。これは政令では、一応建築基準法の許可日数と同じように二十一日以内に許可をする方針ということを政令案として出して示しておりますけれども、一体そんなにできますか、そんなにまどろっこしい審議を経てしなければならぬ。まああまり今まで触れておらぬからこう勘でもってぱっとにらんでできないかどうかしらぬけれども、少なくとも、一々、一件ごとに審議会を開いてやるなんということでいいのですか、それで二十一日間で全部許可の決定ができますか。
#17
○参考人(山崎博君) 従来の条例では、届出があった日から三十日以内に何らかの意思表示をするということになっております。それで昨年の五月以降現在までに委員会を開催いたしましたのは十二回でございます。ですから、おおむね平均しますと、月に一回ということでございますが、そして一件ごとではなくて数件とりまとめまして、あるいは緊急を要する場合は緊急に委員会を開くということでやって参りましたので、審査期間の問題は私どもの努力によりまして解決可能と、考えております。
#18
○田中一君 ちょっと住宅局長に伺います。従来各地で条例あるいは条例なしで黙って傍観して、そして助言程度で、あぶないぞという程度のことでやっている宅地造成というものが方々にあると思うのです。その場合にこの法律が通れば今まで勝手に、あるいは条例によって施行しておった工事に対する効果はどうなりますか。それはどこか法律に出ていますか。それは除外するのだとか、そういうものもこの範疇に入ってもう一ぺん検査するのだ、また書類を再提出させて、これが出た以上現在施工中のものも書類を出さなければならなくするのだ、あるいは完成したものでも一応それは完成したのだからしようがないでは、今までの、その付近にいるところの住民は安心していられないわけですから、しかし申請すると三万円以下の手数料を取られるから、これはなるべくほうかぶりしていきたい、しかし危険は増大するというような場合には、どういう措置を取ろうとするおつもりなのか。これは神戸にもまたほかにもたくさんあるだろうと思いますから伺うのです。
#19
○政府委員(斎藤常勝君) 従来条例でやっておりまして、今回この法律が出ることによって、地域の指定を受ける、そのために地域内の宅地となるというものにつきましては、現に工事中のものにつきましては、この法律によって届出をさせる、その届出をさせた場合におきまして、これを十分に調査して基準に合っていない、適当でない場合におきましては勧告するというようなことに相なっております。それから、それ以外のものにつきましても、現状を十分に見て必要がある場合におきましては勧告をいたし、あるいはまた改善命令を出すということになるわけでございます。
#20
○田中一君 条例があるというけれども、条例のない地区はどうします、条例のない地区が指定された場合には、条例のない五大市都道府県でですよ、勝手にやって、この法律で指定した場合どうなりますか。今条例がある場合には、と言っているから、条例がない場合にはどうなります。
#21
○政府委員(斎藤常勝君) 条例がありましても、あるいは条例がなくても、われわれは、法律といたしましては同じということに取り扱うことになっております。
#22
○田中一君 完成したものは……。
#23
○政府委員(斎藤常勝君) 完成したものにつきましては指定地域内の既存宅地ということに相なりますから、それにつきましては先ほど申し上げましたような勧告または改善命令ということの適用がある場合があるのであります。
#24
○田中一君 そうすると県なり市なりが指定した地域の宅地造成の工事というものは、全部調査をする義務があるということになるわけですか。勧告をするのは詳細に技術的な検討をしなければできないわけですよ。私の伺っているのはこういうことなんですよ。非常に悪い影響を受ける地域に住んでいる善良な市民は、その宅地造成事業によって、自分の生命財産を守れないというような危険を感ずる場合は、やはり行政的に行政官庁が当然自分の意思を発動して検査をすべきものである、またしなければならないというようなところに君を追いつめたいから質問しているわけです。どうですか。
#25
○政府委員(斎藤常勝君) 調査についての義務と申しますよりも、第十八条によりまして、宅地の所有者、管理者または占有者に対して報告を求めることができることになっております。この報告を聴取いたしまして、その後におきましては、その報告を見た上でさらに必要があれば、立ち入り検査をして、その実情を把握いたしまして、先ほど申し上げましたような勧告または改善命令を出すということに相なります。
#26
○田中一君 ちょっと僕の質問していることにうまく、するすると逃げようとするからいかぬ。何年前にやった宅地造成事業に対して報告を求めるのです。今まで何年前のものでも、三年前、五年前、十年前、二十年前のもの全部ですか、いつからのものについて報告を求めるのですか。十八条を見てないのですが。
#27
○政府委員(斎藤常勝君) 何年前というような規定は別にあるわけではございませんけれども、十八条……。
#28
○田中一君 十八条は工事中のものでしょう。その工事の状況について報告することになっているのでしょう。工事の完了したものはどうするという質問をしているのですよ。
#29
○政府委員(斎藤常勝君) 先ほど私が申し上げました十八条の条文をごらんいただきますと、「当該宅地又は当該宅地において行なわれている工事の状況」と二つの場合があるのでありまして、当該宅地の状況についても報告を求めることができるわけでございますから工事をやっている場合だけではございません。そういうことに御了解願います。
#30
○田中一君 それはその接続している住民等の申告によってそれを求めるのか、ある一定の期間をきめて全面的に行政権を自分から発動して宅地に対する調査をしようとするのか。この条文には、なるほど当該宅地またはその当該宅地の工事ということになっておりますが、だれの意思によってそれを発動するのかということです。報告を求める意思の発動ですよ。全部に対してそれを求めるのか、何年前のものについても求めるのか、そういう点はどうなのですか。
#31
○政府委員(斎藤常勝君) この法律によりまして地域を指定する場合におきましては、この法律にもございますように十分に調査をいたしました上で、知事が申し出るわけでありますから、その段階におきまして、その地域内の状況というものを知事において把握することができるということが、まず第一の前提になるわけであります。それからその後におきましては、条例で従来規制しておったようなところと、新たに指定するところによりまして、実情の把握に差がある場合があると思います。したがいまして後者のような新たに指定される場合におきましは、先ほど申し上げましたような指定の際の調査というものに基づきまして、ある程度の実情がわかっているわけでございますから、個々の場合にそれぞれやり方は違ってくるというふうにわれわれは考えております。
#32
○田中一君 山崎君、小宮君に伺います。この法律が出るとどうしても相当負担が多くなるでしょう。この十九条の「三万円をこえない金額」というものも初め二万円となっておった。そんなものではとてもやり切れぬぞと、どこもここもというわけではないけれども、特定なる背後に山を持っているところが多いのだから、ことに神戸なんかは全面的なものですよ。その負担が重くなるから二万円ではだめだぞ、もっと増さなければだめ、だぞということでとうとう三万円にしたらしいのですよ。神戸なんか全面的に指定しなければならぬ、六甲、麻耶の両山脈はね。それを一体やれるだけの財政的な能力があるかどうかという問題です。横浜なんかもそうです。ずいぶん空地が多いです。今伺うと指定してもらわなければ困るところばかりですよ。今のように全部申請に基づく調査なり技術指導をしながら、申請のないところまでも全部やれる、そのくらいの金がありますか。それができますか。現時点においては、この申請手数料から、人件費その他を生み出すというのでしょう。あるいは自分でできなければ、人に頼まなければならぬやつもあるわけですよ。外注して調査してもらうこともあり得るでしょうが、できますか。両局部長からひとつ答弁をしてもらいたいと思います。
#33
○参考人(小宮賢一君) この法律ができた場合に、新しいものの許可事務と、それから既存のものの調査及びそれの危険な場合の改善の指導と、こういったようなことが、公共団体の財政的に見て可能かどうかという御質問でございますが、実は私どもは、従来から建築基準法の施行にからめまして、ある程度の指導をやっておりますが、この法律ができて施行する場合に、どういう体制をとるかということにつきましては、県といたしましては、まだ十分検討をいたしておりませんのでございますけれども、大体県の立場で申しますと、今までの建築基準法によりますだけの取り締まり並びに道路等宅地造成の一部につきましては、従来もやっておったわけでございますので、そういう事務とからみ合わせまして、この新しいものの指導につきましては、多少の人員増加によりまして、おおむね可能であろうかと考えております。
 それから、既存のものの問題でございますが、これは、ただいま御指摘にございましたとおり、この地区指定そのものは相当広範囲な地区指定が望まましいのではないかと私ども考えておりますが、これにつきまして、しらみつぶし全部調査するということは相当人手もかかることでございまするので、困難でございますが、従来から災害のつど、相当危険であるという場所につきましては、建築、あるいは消防、警察等の手によりまして、ある程度の調査を行なっておりまして、特に非常に危険な場所が多い横浜市におきましては、数年前から相当組織的に調査を進めております。もちろん、これも次から次へと造成が進んでおりますので、追っかけて調べていきませんと漏れたのも多少できておるかとも思いますけれども、そういうものがございますので、どこが危険であるということの把握は現在もすでにある程度できているわけであります。問題はそれをどういうふうに指導するかという問題でございます。これにつきましては調査そのものもたいへんでございますけれども、少し本論からそれるかとも思いますけれども、是正をさせる場合の財政的な問題が、現実問題としては相当多いわけでございます。既存の危ないがけを直すには相当な金がかかりますが、その負担に必ずしもたえる人ばかりいないわけでございます。そういう問題につきましては、今後の問題といたしまして、そういう改善をする場合の融資の問題といったことは、国においてお考えになっていただきたいものと、私ども考えております。それらのようなこととからみ合わせまして、既存のものの改善は、この法律ができたからといって、一気にやれるというふうには私ども考えておりません。これは理想でございますけれども、実際問題として相当の、少なくとも数年計画によりまして、逐次危険なものから改善をはかっていくというようなことを考えておりまして、そういう限りにおきましては、財政的にも、公共企業体としては、何とかやっていけるというふうに考えております。
#34
○参考人(山崎博君) 今神奈川県のおっしゃったのと大体同様でございますが、神戸市におきましては、そのほかに、この危険地域の科学的な調査を神戸建築工学研究所へ七十万円で委託をいたしまして現在調査中でございます。先般中間報告がございましたが間もなく報告が出ると思います。そういった報告を参考といたしまして、これは私権のある程度の制限にもなることでもございますので、学識経験者その他各般の委員を網羅した専門の委員会を作りまして十分御相談いたして、指定区域を定めたいと、かように考えております。
#35
○田中一君 宅地造成業者が宅地の造成を行なって、条例のできた去年の五月前に分譲した、そういう地域までどっかの調査団に調査をさしたのですか。これから指定しようというものに対する調査をしたというお話ですが、もう既存の条例ができる前の――おそらく条例を作ったということは、その危険を予知したからこそ条例を作ったのだと思うのですよ。したがって、問題はそれ以前のものにあるのじゃなかろうかと思うのです。その後の五月あるいは八月から後のものはいいのじゃないか。五月から後に許可したものでも、住吉ですか、あそこみたいに崩壊したところもある。あれはおそらく条例ができてから後の問題ですよ。私は、昨年五月に条例を作ったということですが、条例を作る前の既存の新しく造成された宅地に対する調査をどうするかということなんですよ。あなたの答弁は指定しようとする地区と言っていますけれども、既存のものはやはり危険なんですよ。ことに、先般現地に行って伺ってみると、せんだって崩壊したところなどは全くナンセンスですよ。ああいうものを、県が売り渡したかどうか知らぬけれども、それ以前のものをどうするかというのです。もうりっぱに宅地を分譲しちゃって人が住んでいるようながけ地等も調べるのですか、調べないのですか。おそらくあなたのほうとしたらそういう土地はみな指定しなければならぬ地区に入ると思うのです。
#36
○参考人(山崎博君) 私がただいま申し上げました調査は、今度できるだろうと思われるこの法律案の指定区域をどう定めるか、その区域、これを地質なり、地形なり、市街地との隣接関係なり、そういったような観点から、その区域をどう定めるかということの調査でございます。
#37
○田中一君 それはわかりましたというのです。しかし、今年の八月に条例を改正し、また昨年の五月に条例を作ったという意図は、やはり野放しになっている宅地の造成が行なわれ、これに対して危険であるという気持から条例を作ったものだと思うのですよ。したがって、昨年の五月以前に造成されたものに対してそれに近い期間に危険を感じたからこそ条例を作ったのでしようから、その前の宅地に対しては調べるかどうかということを伺っておるのです。これはおそらく指定地域に入ると思うのです。それはどうするか、それに対しては当然報告を受けなければならぬということになっていましよう。今住宅局長に聞くと報告を受けるには、全部に対して報告をさせるつもりなのか、報告で危険ならばそれについてはやるのか、その点はどうなんですか。それまでは考えておりませんというならおりませんでいいですよ。
#38
○参考人(山崎博君) 現在の土地保全係は現に宅地造成中のものに主力をおいてやって参りました。今回この法律案がもしできました場合は既存の宅地にもその効力が及ぶことになります。
 この場合は全体を調査するということはとても困難でございますので、従来からもございましたのですが、隣地から危険であるから何とかしてくれ、あるいはその人に市から勧告してくれという申し出がぼつぼつございます。そういったような危険を感ずる人からの申し出によって、それについて調査いたす、現状ではこの範囲を出ないのじゃないかと、かように、考えております
#39
○田中一君 住宅局長に。これは地方交付金ですね、これに該当する点数になるかな。こういう市民が危険を予知して、感知して、それで行政の機関に調査してくれといった場合には、おそらく金が十分ございます、何でもいたしますという答弁は出ないと思うのですよ、新しくこういう負担というものがかかる以上は。そうすると、ある面では地方交付金の中にこのファクターを入れて、それで向こうからもらうというような考え方も必要だと思うのですが、その点はどう考えています、住宅局長。自治省とそういう話をしたことがありますか。
#40
○政府委員(斎藤常勝君) 地方交付金でございますね、地方交付金につきましてはこの法律にはございません。他方におきまして地方交付税の基礎になるように基準財政需要の算出の根拠と申しますか、あるいは特別交付税のほうの交付金の基準の算出の根拠と申しますか、そういうほうに入れてもらうように目下折衝中でございます。
#41
○田中一君 わかりました。それで神戸も神奈川県も――神奈川県はどれくらい今申請があるかどうか聞きませんけれど、大体同じようなものだと思うのです。しかし危険を感ずるのは条例を作る以前の物件に危険を感じているのです条例ができてからはそう危険はないと思う。まれに六甲みたいにああいうことがありましたけれどもね。ですけれども、その前の箇所に対してはどうするかということが一番重要なんです。それでそれを伺ったわけです。
 それから赤木さんに。赤木さんの先ほどの陳述の中の、私はこれも一つ入っていると思うのですが、市街地だけでいいのかというようなことも入っていたように聞き取りましたのですけれども、これはまあ市街地たらんとする地区というのがありますね、市街地たらんとする地区。
#42
○参考人(赤木正雄君) 市街地でなくても市街地になろうという場所で非常に危険を伴うというふうな場所がある、今すぐはわかりませんがたくさんある。
 なおもう一つ言うならば、これは今のは神奈川県の質問になるかもしれませんけれども、宅地を作りまして、作ったときには何ら異常はない。その後あるいは地質の変化、ことに地下水などの変化で異動を生ずる、これは各地にある。そういうふうな宅地に対しては、できたものについてどうなさるか、これには載っていない、はっきりその点は、これはもう少しこの委員会でお調べ願いたい。
 なおもう一つの点、これも余分かもしれませんが、第三章十四条、許可の申請に対して遅滞なく許可するようにありますが、これは家を作る方の問題からいいますと、一日も早く許可してほしい、これは非常に大きな問題です。単に遅滞なくでは、おそらく二十一日以内と思いますが、これは非常に一般国民としては重要な問題だと私は思うのであります。やはり単に遅滞なくでははっきりしない。少なくとも何日以内というようなことをこの委員会でおきめになったら一般国民が喜ぶのではないか、こういうような感じがする。
 もう一つは先ほどのこれはまた御質疑を蒸し返すことになると思いますが、この十九条の手数料でございます。これは「三万円をこえない金額」とありますが、金持ちなら三万円でも何とも思わない、ところが宅地造成の小さいのにはなお危険な住宅がたくさんある。そういう人はどうかするとなるべく申し出したくない。それでもなお手数料を払って申し出なければならぬということになると、これはすぐ申し出しませんから、やはりその間に非常に危険が伴う。従って手数料もできるだけこれは安い方がいいというふうな感じがいたします。
 それから先ほど田中さんの御質問の宅地以外の土地に対しても非常に影響ありますが、そういう場所については治水上の関係があるなら砂防法も適用した方がいいという感じを持っています。
#43
○田中一君 これは山崎さん、あなた神戸なんかの例をよく考えると……、市街地という定義がどこにあったかな法律の上において。市街地とは家屋が密集するとか……、住宅局長、市街地の定義どうだろう。
#44
○政府委員(斎藤常勝君) 市街地というものにつきまして他の法律にも別に定義のあるものはございませんけれども、一般通念からいいまして、市街地は建物施設等が連檐しているものを総称して、その区域を市街地というふうに言っておるわけなんでござます。
#45
○田中一君 一軒家ができると、それは「市街地となろうとする土地」ということができるな。一軒建つと道路もできて、水道も来るし、ガスも来るし、電灯も来るのだからその隣に家が建つということが往々あるのです。これも一軒建っても「市街地となろうとする土地の区域内」ということが言えるね。
#46
○政府委員(斎藤常勝君) 市街地となろうとする区域ということにつきましては、この前の委員会でも図面をお示しいたしまして、大体こういうところがなるのだということでお話申し上げたのでございますが、将来において経済上、あるいは周囲の状況上、その他いろいろな条件から市街地として発展していくであろう、宅地造成が行なわれるまであろうというような地域を市街地たろうとする地域と呼んでおるわけでございます。
#47
○田中一君 あいまいですがね、あいまいでしょうがない、あいまいでいいでしょう。それはだれかが認定するでしょうけれども。そこで今赤木参考人が言っているように、まあ神戸の例をとれば相当数の砂防法指定区域がございます。それから奥のほうには森林法によるところの保安林の指定区域もあるわけなんですよ。まあ風だけじゃがけはくずれぬと思うのです、どんな強風があっても。雨が降るからくずれるので、集中豪雨などというものは予知できないから、最近の傾向としてはあるものだという気持を持っているものだと思うのですよ。そうすると、実際に宅地造成等を規制しようとするならば、やはり十分に地形によっては砂防法によるところの砂防法指定区域を拡大してそれを守るとか、あるいはがけっぶちにはうちを作るなと、いうことを、あるいは木を伐採しちゃいかぬというようなことは、砂防法でもし行なえるなら行なえるようにするとか、それから奥の木をやたらに切っちゃいますね、どんどん宅地にするためには。それを森林法によるところの保安林地区として残して置くとか、やはりそれらの現在あるところの法律と相まってこの法律の目的が達せられると思うのですよ。横浜にもあると思うのです。それから神戸は、ことに顕著ですよ。そういう点は、条件としては、何ですか、河川局なりあるいは農林省の方面にも十分話し合いましたか。
#48
○政府委員(斎藤常勝君) 砂防法と本法との関係ということに相なると思いますが、この法律と砂防法とは、別に相反するものではございませんので、地域の指定に際しましても、重畳的と申しますか、重なり合って指定するということであっても、一向差しつかえない。それがむしろ目的を達するためには必要であるという場合があるわけでございます。しかも今おっしゃいましたように、全体の地形その他を考えて、保全ということを考えまするならば、砂防法によって、砂防指定地域をあるいは拡張し、それによって両々相まってその地域の保全をはかることが必要であると私ども考えております。
#49
○田中一君 話し合いましたかと伺っているのですよ。あなたの御意見と学識を開陳しないでいいのですから、話し合いましたかというのです。
#50
○政府委員(斎藤常勝君) そのとおりでございます。話し合いました。
#51
○田中一君 農林省の方はどうです。農林省のほうで背後に保安林を控えている前面に……、よほど注意せぬと保安林の状況によっては指定を解いたりする場合もあるのですよ、状況によっては。
#52
○政府委員(斎藤常勝君) 農地等につきましても、農林省とこの法案を作成いたしますときに話し合いまして、農地のほうは、自分のほうが引き受けたからよいということで、これから除外したわけでございます。
#53
○村上春藏君 ちょっと山崎さんに伺いますが、この間の六月の集中豪雨のあとに、私ども視察班に加わって参りましたが、神戸の山手の、相当宅地造成すべき地形が形成されておって、そして何ら石垣も何もしていない。そういう場所に対して、かりにこの法律が施行されたとして、それに対する保全をこの法律でやれますか。あなたの方から案内されたのですがね。しかも私ども見たら、はなはだしいやつは大体八万平米の敷地を造成しておるのですね。八万平米と聞きましたが、そうしますと、私はざっと見ましても大体一平米当たり三立米ぐらいの土砂を動かしていると思いますので、約二十四、五万立米の砂のような土砂がずっとあるわけですね。そしてこの間の集中豪雨で下水が詰まるし、下流は家がつぶれる。そういうものが、その付近にも、相当山を削って宅地の形成をなしておところが石垣を一つもやっていない。これはますます今度雨が降れば、非常な被害を受けるわけです、下流が。そういうものに対して、この法律が施行された場合に、完全にやらせ得るという自信がありますか、その点どうですか。
#54
○参考人(山崎博君) 従来も市の条例でそういうものに対して勧告もし、命令もしてきたのでございますが、何分にも法律の裏づけもないし、単独の条例でございますので、受けとり側がなかなか言うことを聞かない、ばかにしておりましてなかなかやってくれないという状態でありましたが、今回法律ができましたならば、市のほうも相当強くタイムリーに指導ができますし、また業者側のほうも考え直すので、従来よりははるかに指導の実績が上がるものと考えております。
#55
○村上春藏君 しかしですね、私その内面を聞いてみますと、結局資本がない、金がないという問題ですね。金があって、やらないのじゃなく、金がないからやれないんですよ。その場合にどういう処置をとりますか、この法律ができた場合方法がありますか。向こうは金がないのですがやる意思はあるんですね、むろんやらなければ宅地として売れないから。ところが金がなくてやれない、こういう者に対して、この罰則によって、処罰するかというのですか。その面で一番困っているのじゃありませんか、金がなくてやれないということが。それを放置して置くかというのです。あなたのほうは、この法律によって保全のいわゆる勧告をしますね。これは向こうは金がないからやれない、これに対してどういう手を打ちますか、私はその点が心配になる。
#56
○参考人(山崎博君) 市といたしましては、下流の市民の、安全をはかるための最小限度の安全な応急措置というものは、市費をもって実行いたしております。現に六月に被害のありました六申ハイツ跡は約七百万円を投じまして代執行をいたしまして、応急措置を完了いたしました。そのために第二室戸台風のときには、ごくわずかの土砂の上流れはございましたが、被害はなかったわけでございます。ところが従来は市の条例でございますので、そういった代執行をやることに学説上いろいろ疑義がございまして、代執行をやることに対してちゅうちょして、タイミングがおくれたというケースがございます。今回法律ができますと、その代執行の根拠が明確になりますので、下流市民の安全をはかるためにほタイムリーに代執行までやるということができますので、非常にけっこうではないかと思っております。
#57
○田上松衞君 山崎参考人と小宮参考人お二人に通ずる問題で、それぞれからお考えを承りたいと思うのです。お二人ともすでに神戸市条例、あるいは横浜市条例等をもってやられた経験をもっておるのであるから、しかもこれが非常に不徹底だった。で今度非常にこの法案に期待をされまして、さっき短かい時間だったからやむを得なかったと思うのですけれども私どもの受け取った感じは非常に手放しでこれを歓迎しておられるというふうにとられたわけですね。そこで一つ若干私ども心配している点が実はあるわけなんですが、それは第三条で規定する区域指定の問題、このことは非常に重大だと考えるわけです。第三条では特定都市については特定都市から申し出をした場合には、建設大臣が都道府県の知事の意思いかんにかかわらずと、そうは条文には書いてないけれども、結局そう解釈して、これを指定することができるということになるわけなんです。ところで心配になりますのは、都道府県知事と特定都市の市長との政治的信条というものは必ずしも完全に一致するものではないだろう、ということをまず前提として考えるわけです。このことは不思議なことにお二人とも関係のあることなんです。かつて兵庫県知事は革新知事であった、神戸市長は保守市長であった。逆に神奈川県の場合においては知事が保守系であって、市長が革新系であった事実がある。こういうようなことから考えてみますると、一つ一つについて政治的な信条というものが必ずしも一致しているのではない、こういうことを考えてみますると、今これに直接関係いたしまする市街地になろうとする地域を指定することについて、あるいは認定することについて、そこにきっと意見の不一致というものが生ずるだろうと、これが心配なんです。さらに指定されても、これに対する工事の制限等について、一方は抜本的な災害防止措置を希望する場合もあるだろうし、また一方はそうでなしに臨機応変的な措置で足りるんじゃないか、というような意見の相違が必然的に出てくるだろうということが心配されるわけです。そこでこういうような意見の対立があった場合に、この間の調整をだれがするかということになってきますると、その調整の機関ないし、その方法は何もこの法文の中にはないわけなんですよ。その場合にお二人からお聞きしたいことは、山崎さんはこの場合においてどちらの意見が優先するとお考えなのか、及び小宮さんの場合にも同様に、どういう工合にこれを理解されておるかということをお聞きしておきたいと思います。
#58
○参考人(小宮賢一君) ただいまのこのいわゆる三条のカッコの中の規定によりまして、指定都市と県とが並列的に施行を担当することになります関係上、神奈川県で申しますと、横浜市の地区におきます区域の指定は、横浜市長が申し出をして建設大臣が決定をする。その他の残りの部分は知事が同じように行なうということになるわけでございまして、その間の意見の不一致がもしあったときはどうするかという御質問でございますが、私ども現在でも建築基準法の施行は横浜市ほか二市と県とがそれぞれの区域におきまして並列的に実施しておりますが、ただいまのところ、そういった大きな点で意見の不一致を来たすというようなことはないようでございまして、いたって両者の間は円満にいっております。したがいまして、この問題につきましてもそういうことはまず懸念に終わるのではなかろうかと考えております。万一そういうことが起こった場合でございますが、これは指定は建設大臣が行なうわけでございますので、おそらく建設大臣におかれてある程度の調整はとっていただけるというふうに考えておるわけです。
#59
○参考人(山崎博君) 兵庫県の場合は神戸市以外で姫路市、西宮市等のたくさんの同様な市がございます。それで先般県の主催で神戸市とそれらの都市と全部一堂に会しまして、この問題について協議をいたしましてお互いに意見を出して、神戸市の場合と姫路市の場合に非常に違ったようなことをきめるということでは困るので、歩調を合わそうということで話し合ったのでございます。これも意見の一致を見たわけでございます。
 また平素の土地保全審議会にも県の土木部長が委員になっておりますし、幹事会には県の砂防課長が委員になっておりますし、平素常に意見の交換をし、協議をしながら円満にやっておりますので、現状においては神戸市と兵庫県の閥では非常にスムーズに行っていると、まあかように考えております。
#60
○田上松衞君 兵庫県も神奈川県も、今の場合は兵庫県知事及び神戸市長、神奈川県知事及び横浜市場、この間においてはそれぞれ政治的な信条を違えているとは現在は考えられない。従って実情としては非常にスムーズにいっているということは、これはもう当然なことであってよくわかるのです。しかし法律は、知事がかわるとか市長がかわるとかいうたんびにこれを改定するというようなだらしないものではないわけなんですね。どういうような変化が市長について、ございましょうとも、これは一貫しなければならない。そのことを私心配するわけなんですよ。神戸市及び横浜市以外の、それぞれ兵庫県におきましても神奈川県におきましてもたくさんの別個の都市がありますから、それらの問題について知事が一本で申請して申し出をする権限のあるところは、これは問題ないわけなんですけれども、こうした特定、いわゆる指定都市、今日では五十万以上の都市をいうわけなんですが、たまたまこの二つの市についての場合ですね、いつまでも知事と市長が保守系であったり、あるいは革新系であったりするわけにいかぬので、いろいろな政治的な変化というものはこれはあることをやっぱり考えておかなければならない。だから今まであるいは現在においてあまりそうした疑念がなかったからといって、これでいいんだろうというふうには甘く考えられないことじゃないか。さっき申し上げたように、将来どういう工合に自分の市の区域内における市街地を造成するかということについては、同じ系統の市長においてすらもいろいろ考えが変わる場合があるわけなんです。その場合においてさっきくどいようですが申し上げましたように、抜本的なこれは措置をしなければならぬと希望する者と、これはいろいろな財政上の問題等もあるしするのだから、臨機応変的なものでがまんして行くべきだと考える場合といろいろあるだろう。そういう違いの場合に、まあ国がうまく調整してくれるだろうと期待されるけれども、法文の中にはその調整の規定がないわけなんですね、これは。先だって私はこの点について実はこの委員会でお聞きしてみたのですけれども、どうもあからさまに言ってしまいますならば、住宅局長の説明も、初めは都道府県知事が優先するようなことであったが、あとで訂正されて、いや、それは市長の意見が優先するという工合に訂正されたわけなんです。ことほど、まだこれについてはどういうことが杞憂されるかという点についての検討が少し不十分ではないか、というところに若干の危惧を私は持っているわけなんです。そこであなた方がさっきから手放しでこれを歓迎されておりますから、これについて十分な御確信があるのだろうかと思ったからお伺いしたわけです。
 さらに、さっき小宮さんの御意見を聞きますならば、運用面についてもまだ具体的には持ち帰ってそれぞれ県の中では協議されていないようですから、十分これを御討議願いたい。これは希望を申し上げます。
 それから次のあれに移りますが、測量と調査等のための立ち入りのことにつきまして、この場合には所有者と占有者の区別がどうなるかといいますると、まるで土地所有者のいわゆる地主の立場というものはほとんど無視されまして、もっぱら占有者すなわち借地人、これの意見によっているわけなんですよ。私は、市街地もしくは市街地たろうとする場所というものは、ほとんど全部といってもいい、それは借地だと見てよろしいと思う。地主みずからが自分の家を、そんな何万坪もあるような屋敷をもってするようなことはあり得ようはずはないのでございますから、当然これは大部分というものは借地の形になっている。そうしますると、ほとんど借地人の意向だけによって測量ができ、あるいは調査等のために立ち入りができる。そうして最後に持ってきては、特別な理由がない限りにおいては、地主はこれを拒むことはできないぞとぴちっとここで締めてある。このことから地主の立場というものはほとんど無視されておる。そこで実際面を扱われていきまする地方公共団体の場合、一体これに対していろいろな問題が起こるでしょうが、そこに確信をお持ちなのか。いろいろな問題というものを一つだけ具体的に申し上げてみますると、いずれこれは先祖伝来の古い土地等がたくさんあるわけですよ。このごろにわかに何か株でぱっともうけて土地を持ったという者もないではないだろうけれども、大部分が先祖伝来。そうしますと、土地台帳にある面積と現在の実測との間においては大きな相違があることが考えられるわけなんですね。調査をする、立ち入をするということになりますと、ぴんと地主さんたちの頭にくることは、一体なわ延びの点がどうなるのか、造成されることによって取り上げられるのじゃないかという疑問と不安がある。すぐ考えられるところの問題は従来やったところの土地区画整理事業等に頭が及びますからね。あの場合はあくまで土地台帳によったものであってなわ延び等の問題はことごとくこれを取り上げられたことは一般的に言って事実なんですから、そういう問題が頭にぴんとくるだろう。したがってこういうことについて一番ここでぶつぶつ言っているのは地主でないのかということが考えられるわけなんです。そこでこういうような複雑な感情を持っている場合に非常にあなた方御迷惑されるのではないかということはないかということなんですね。その点については何かお考えがあるかどうか。どういう工合に御理解され、どういう工合に対処されようとするお考えを持っておられるかを参考までにちょっとお聞きしておきたいと思います。
#61
○参考人(山崎博君) 私どもこの法案を拝見いたしまして、この占有者に通知をするということが明記されておりますので、占有者に通知をする。しかし占有者は地主に言ってくれよということで運用していきたい、こういうふうに理解いたしております。
#62
○参考人(小宮賢一君) 実はまだ私どもこの法律の施行の細部にわたって十分検討しておりませんので、地区指定の調査のための測量というようなことにつきましても、あまり具体的な問題を考えておりませんので、先生の御質問に対してお答えする準備もできておらないのでございますが、私ども理解いたしますのに、大体この地区指定はそうこまかい測量等は必ずしも必要ないのではなかろうか。たまたまそういう必要が生じたときだけやるというようなことで済むのではなかろうかと考えております。したがいましてこの測量自体もいわゆる強制的に、いやというのに無理やり入って行って測量をするといったようなことまでして測量をしなければならない事態というものはあまり起こらないのではなかろうかと考えておりますが、いずれにしましてもまあそういう必要がありましたときには、ただいま山崎さんからも言われましたとおり、地主を全然無視することでなしに、円満に話し合いをして立ち入らしてもらうというふうにいたしていきたいと考えております。
#63
○田上松衞君 まあ十分法案の内容を御検討されていないという前提に立っての御議論であるから、やむを得ないことだと思うのですけれども、ただ必要があった場合に立ち入ればいいのだという、それではないのですよ。これは、第八条第一項の許可の申請をしようとする者について、造成主は三万円をこえない金額の範囲内において、さっき議論がありましたけれども手数料を払っていかなければならないのです。しかもその手数料は一件ごとについてやる。そうして面積というものを基準にして割り出していくということになるわけなんで、これは実際上の問題としていやでもおうでもこれらのことはやらなければならぬ、必要があるなしにかかわらず。これは、申し出て許可のあれをもらうというのは、もらってからでないと実際には家が建てられないのですから、これはもう必要があるなしにかかわらず、やられた限りにおいてはことごとくこれが使われることになるわけなんで、その点一つお伺いをしたわけです。
 それからもう一点、最後の一点だけですが、改善命令の条項ですね。もちろんこの中では特に二項の中で、ほかの者が迷惑を及ぼすようなことをやった場合、その者の費用において法律はやらせるという規定がございます。しかしながら法案全体を通じて、やっていきまするのに私ども強い不安に思っておる点は、この規制に基づいて造成されたところの、しかも検査済み後の土地がさらにがけくずれがあったり土砂の流出があったりするようなことによって、この区域外、他の者に損害を与えた場合、これらについて国も地方公共団体も補償ないし補てん等に対する何らの規定がないわけなんです。ところが実際問題としてはこれは起こる。こういう争いがいろいろ起こってくるわけなんです。これは他の法にこれを依存していくというようなふうに住宅局長は説明しておられるわけだけれども、私はやはりこの法文の中にこれらのものについて、これは私の意見ですけれども、織り込んでおかないと、非常に何といいますか、災害防止については、言うまでもなくお互いが希望するところではあるけれども、しかし実際に迷感を受けるであろうことについて、何かのこれらの十分な補償等が約束されていなければ、のがれようのがれようとかかる癖が出てきはしないか。裏の言葉で言えば協力態勢が非常に不安になってくるのじゃないか。もしそういうことになってきてどこか一カ所で何かこじれてしまって問題が厄介になりますると、法案全体の運用というものが非常にあぶなくなってくる。作ってもほとんど使いものにならぬ法案になりゃしないかということを内心心配しておるのですが、これらについては、これはあなた方にお聞まするのは無理ですけれども、どういう工合に期待されるのか。何とか別個に方法があるだろうという工合にこれは手放しで安心しておられるのかどうか。この点の御感想をちょっとお聞きしておきたいと思います。
#64
○参考人(小宮賢一君) この法律によりまして許可がされ、あるいは改善命令が出されまして、そのとおりにやった場合に、なおかつ被害が起こったという場合の賠償責任と申しますか、そういう問題は確かにないとは言えない問題でございます。私ども施行の任に当たります者といたしましては、そういうものがあってはならないのでありまして、ないように努力するわけでございますけれども、もちろんそういうことが起こらないという保証はないわけでございます。起こりました場合の処置は確かに問題でございますが、これは単に宅地造成の規制のみならず、日常私どもが扱っております行政事務全般についても同じような問題があるのでありまして、私ども所管しております建築基準法におきましても同じような問題があるわけでございます。この問題は結局それが公務員の過失等によって生じたということになれば、それぞれ国家賠償法等の適用によりまして所定の処置がなされるものと理解しておるわけでございまして、そういう一般的な行政事務上のいろいろの過失その他の問題と同じように扱うことによって、一応対処できるのではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
#65
○田上松衞君 ちょっとここで同じ神奈川県同士でこうした公開の場所で恥さらしをするのはまことに申しわけないのですが、小官さん、実は横浜駅の西の方に浅間台小学校というのがありますが、続いて宮田中学、あの脇に高台があって、あそこで、会社の名前は遠慮いたしますが、某造成会社がやって、横浜市がこれに対してずいぶん指導をやりまして、一応の改善をさした。にもかかわらず、せんだっての集中豪雨でがけがくずれてしまいまして、工事自体は別としてその土地の下にある家が数軒つぶされて、その問題がいまだに解決していない。私はこういう実例からみて、今度どういうことがありましてもやはりいろいろな規制を設けて、ああだこうだ、あるいは施行者に対してはするけれども、それは造成された上に建てる家でなく、既存の下にある家をぶっ壊しても、これに対してはどうにも手がつけられないで未解決のままに、相当日が、たちますけれども、私ども地元のことで、すっかり実は頭を痛めているわけです。こういうことから、これをやってみても私はやはりあり得ると考えて、これを通じて、こんな場合の、他の者が受ける被害、これに対する補償、そうして造成会社が補償するとするならば、何かこれをやらした市なりあるいは今度の新しい法案によっては国なりというものが損失を補てんするというようなことにでもしておかないと、実際問題としては問題が起こるのではないか。こういう意味で申しておるので、このことは、そういうことがあるのでいろいろこれらについても御検討願っておきたいということを一応申し上げておきます。
#66
○委員長(後藤義隆君) 他に御質疑ございませんか。……他に御発言もないようでございますから、参考人の御意見に対する質疑は終了することといたしたいと存じます。
 参考人の方におかれましては、 時間にわたりまして、貴重な御意見をお述べ下さいましてまことにありがとうございました。厚くお礼を申し上げます。
 それでは午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時四十六分休憩
  ―――――・―――――
   午後一時二十七分開会
#67
○委員長(後藤義隆君) 休憩前に引き続き委員会を再開いたします。
 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#68
○委員長(後藤義隆君) 速記を始めて。
 宅地造成等規制法案について質疑を行ないます。御質疑の方は順次御発言を願います。
#69
○武内五郎君 法案の条文について数点お伺いしておきたいと思います。
 第三条で、この造成地域の指定をするにあたって、その都市の指定がございまするが、この都市の指定区域というものは、たとえばその指定都市の隣接町村と交錯することがあろうと考えられますが、その場合に、ここでは「町村の長の意見を聞かなければならない」ということになっておるけれども、その指定は他町村にも及ぶことがあるかどうか。
#70
○政府委員(斎藤常勝君) 今の御質問の地域を指定する場合におきまして、関係市町村の長の意見を聞かなければならないと申しますのは、地域指定の予定地の区域が数町村にわたっております場合には、それぞれの市町村長から意見を聞いて、知事が指定する必要があるかどうかを判断いたしまして、そうして指定するということでございいます。
#71
○武内五郎君 そうしますと、必ずしも他町村にもちろんこれは五十万以上の市を指定することになると考えられるのですが、その場合にそれに含まれなくても隣接町村の意見を聞く、こういうことになるのですね、指定が含まれるはずがないの、だから。
#72
○政府委員(斎藤常勝君) 指定都市の場合でございますか。
#73
○武内五郎君 ええ。
#74
○政府委員(斎藤常勝君) 指定都市が都道府県にかわりまして申し出をする場合におきましては、当然その隣の町まで必要があるというような場合におきましては、それと連絡をとって、その部分については都道府県知事が申し出をするということに相なりますし、その指定都市の中に特別区がございますときには、この第三条第一項の後段における関係市町村ということに相なりますので、その特別区の意見を聞いて申し出をするということでございます。
#75
○武内五郎君 次に第五条の二項ですす。「障害物を伐除しようとする者又は土地に試掘等を行なおうとする者はは、伐除しようとする日又は試掘等を行なおうとする日の三日前までに、当該障害物又は当該土地若しくは障害物の所有者及び占有者に通知しなければならない。」、このあらかじめ通知をする期間ですが、たとえば、その土地に存在している障害物を取りのけようとするのに、三日前に受けとって、そう簡単にいかぬような場合があろう。この三日では短いんじゃないかと思うが、どういうふうに考えておりますか。
#76
○政府委員(斎藤常勝君) 現実に試掘または伐除を行なおうとする日の三日前まででございますから、許可その他等と関係はございませんので、三日前までにそのことを通知すれば、まずまず大丈夫であろうということでこうきめたわけでございます。
#77
○武内五郎君 それがはなはだ机上の考え方であって、実際においては、たとえば簡単であるけれども、建物を取りのけるとか大きな樹木があった場合に、それを伐除するというような場合には、一日や二日では容易じゃないと思うのです、その準備に。三日では私はその準備期間がきわめて短いのではないかと考えます。どうふうに考えますか。やはりそういうふうに考えますか。
#78
○政府委員(斎藤常勝君) 三日前までに通知をするわけでございまするから、所有者、占有者は現実に伐除、試掘等が行なわれますまでに三日間の余裕があるわけでございます。その間に所有者、占有者というものは十分それを承知する機会もありますし、判断をする機会もあるということで、差しつかえないと考えこういうふうにしたのでございます。
#79
○武内五郎君 その伐除または取りのけ等の作業はだれがやるのですか。所有者がやるのですか。現にそれを占有している者がやるのですか。それとも宅地造成をする者がやるのですか。
#80
○政府委員(斎藤常勝君) 現実に伐除いたします者は、建設大臣もしくは都道府県知事またはその命じた者、もしくは委任した者でございまして、県の職員でありますとか、あるいは特に県から委任された関係市町村の職員であるとか、そういう者が行って調査、測量をするわけでございます。
 それから、前にお話のありました三日前の点につきましても、言葉が少なかったのでありますが、第五条の第一項の後段におきまして、所有者及び占有者にあらかじめ意見を述べる機会も与えるということになっておりますので、あれやこれや考えますると支障なく運用ができる、かように考えておる次第であります。
#81
○武内五郎君 私はなかなかそれがむずかしいと思うのです。強制執行みたいに警察官でも立ち会ってがたがたとやるようなことがあるとすれば、一日でもできますが、合意、納得の上でやろうとするからには、そう簡単にはいかぬと思うのですがどうですか。現に樹木等の伐採、伐除等をやろうとする場合に、小さいものであれば一日でできるかもしれないが、大きなケヤキの木でもあると、切るだけでも一日も二日もかかる。枝を払うのに一週間ぐらいかかるものもあるかもしれない。そう簡単にいかぬと思うのですが、どうですか。
#82
○政府委員(斎藤常勝君) ここでいう障害物の伐除といっておりますことは植物であるとか、あるいはかきであるとか、さくであるとかいうものでありまして、比較的軽微な障害物であります。今お話のような点は起こってこないのではないかと思う次第でございます。
#83
○武内五郎君 現にあったらどうなんです。
#84
○政府委員(斎藤常勝君) もしもそういうような大きな障害物がありまして、支障があるという場合におきましては、通知は三日前までにいたしますけれども、現実に工事をする、といいますか、通知いたした以後に工事をするものでありますから、その間の期間というものにつきましては、十分運用上相当期問を設けて実施するというようにして、遺憾のないように進めていきたいと考えておる次第であります。
#85
○武内五郎君 それでは第八条に移ります。第八条の第三項「都道府県知事は、第一項の許可に、工事の施行に伴う災害を防止するため必要な条件を附することができる。」こういうことになっておりますが、この「災害を防止するため必要な条件」というものはたとえばどういうことが含まれるのですか。地形によって、あるいは工事事物に伴う条件、またその造成工事の完成期日等の条件とかいうような条件を指すものかどうか。どういう条件を含んでいるのか。
#86
○政府委員(斎藤常勝君) ここでいう条件と申しますのは、「工事の施行に伴う災害を防止するため必要な条件」ということでございまして、事情によりましていろいろな場合があると考えられますけれども、たとえて申しますならば、造成工事がつゆどきを控えてやらなければならないという場合におきましては工期を加減してもらう。そういうことによって災害が起こらないようにする。あるいはまた工事中に安全な措置をしろというような条件を附しますとか、緊急の場合におきましては中止の命令を出すことも可能というような、工事施行上に伴います災害を防止するために必要な条件というものを附するわけでございます。
#87
○武内五郎君 次に第十条で、知事は、第八条第一項の許可の申請があった場合においては、遅滞なく、許可又は不許可の処分をすることになっておるわけなんですが、午前中の赤木参考人の意見もあったようで、遅滞なく、ということはおおむね二十一日、三週間というふうに考えられている。たとえば個人住宅等の建設を希望している者は、なるべく期間を早めてすればいいというお話で、この遅滞なくということについてのはっきりした解釈をしてもらいたいと思う。
#88
○政府委員(斎藤常勝君) ここで、遅滞なく、と申しましたのはいろいろの場合がありますので、何日というようには規定しなかったのでありますけれども、遅滞なくとは文字通り遅滞なくということでございまして、実際上の運用におきましてはやはり建築基準法等におきまして二十一日ということになっておりますので、そういうものに準じて許可をしていきたということにしておるわけであります。こういうものは、たとえば防災街区の造成法等にも例があると思います。
#89
○武内五郎君 大臣の時間もお忙しいようでありますので、きわめて短かく質問しますから簡潔明瞭に大臣にお願いしたいと思います。
 今日非常に国が住宅の問題で苦難しておりますことは御承知のとおりであります。そこでこの住宅難解決のためには今日までいろいろな対策等も立てられて参りました。宅地造成について積極的な方途を示されたのは今度が初めての顕著な事実だと思うのです。その点に非常に敬意を表するのでありますが、御承知のとおり今日の経済情勢が非常な急速な発展過程をたどっておるわけなのでありまして、これは全く池田内閣の経済成長政策等と相待って生産面、消費面ともに非常に大きな飛躍的な計数が示されるようになって参りました。ところがその肝心の人間の生活が安定する基礎で、ありまする住宅、特にその住宅建設の基盤であります宅地の獲得ということが非常に困難であります。そこで私は一応数件にわたって、これも時間の関係もありまするので、全般をいろいろ実はお聞きしたいのでありますが、その中から数点を選んで所管大臣としての責任ある立場から大臣の構想、御見解をお伺いいたしたいと思います。
 それで今日私いろいろ調査いたしましたが、国民の所得が非常にふえておりますことは御承知のとおり。しかしこれに伴って、先ほど申しましたように宅地の確保といいますか、非常に困難であるとともに宅地地価が非常な暴騰を示している。一般物価に比例してはいってない、それを乗り越えていっておる。こういうような状態でありまするので、一般国民の宅地取得ということが私は非常に困難な状態になっておりまするので、特にその宅地造成も勤労者が勤務しまする地点からだんだん遠心的に遠く離れる。しかも非常な条件の悪い所を取らなければならぬ。こういうような悪条件を今日国民が背負っておるのでございます。まあそこへ曲がりなりにも今回造成に対する特別な法律案を提案されて、造成とそれに伴う安全性を保つことになりました。実は前回の委員会において私その点局長に対してちょっと触れて質問しておったのでありますが、あらためて大臣から特にはっきりお伺いしておきたいと思うのであります。局長は、前回、やはりそういう状態でありまするから需要供給の緩和をはかることがまず第一である、こういう考え方、そのために宅地開発法の研究調査を進めておる、準備を進めておるということであったのであります。前国会ですでに宅地造成、宅地開発に関する法律が提出されて、審議に入るだろうと思っておったのでありますが、それはついに審議に入らずに終わったのですが、それを国会に提出する準備が進められておりまするかどうか。その宅地を開発する法律をいつごろになれば出されるか、はっきりお伺いしたい。
#90
○国務大臣(中村梅吉君) 実は宅地の入手難というごとにつきましては、私どもも苦慮いたしているわけで、就任以来実は住宅局を中心に宅地造成法とも仮称すべきそういった立法措置を講じられないものかと思いまして、いろいろ検討を実は続けてきておるわけでございますが、ところが実際問題として今の憲法下におきまして、私権を剥奪するということも、あるいは強制力をもって取り上げるということもなかなか制度化するということはむずかしい問題がたくさん伏在しておりますので、希望するような成案を得ることが困難で難航いたしておるようなわけでございます。そこで私ども今目下のところ考えておりますことは、すでに制度としてございます住宅公団の宅地造成及び住宅金融公庫から低利、長期の資金を貸し付けまして、地方公共団体に宅地造成をしてもらう方法、この二つの現在あります制度によってさしあたりひとつ活発に進めて、これを拡大していくということが一番手っとり早いんではないかというような角度に立ちまして、来年度予算要求につきましても、これらの宅地造成資金の確保ということに重点を置いておりますようなわけで、これも財政当局との関係もございますから、われわれの希望するようには、なかなか困難だと思いますが、極力努力をいたしまして、その道を講じていきたい、と思うのであります。この二つの方法でやりますと、比較的に地価の安い、まあ民間では開発が困難なような安い地域でありましても合理的に区画整理をやり、道路、下水、排水等の設備を行ないまして造成をいたしますのと、資金が長期なものでありあるいは低利なものであって、あわせて、住宅公団がやる場合におきましても、地方公共団体が宅地造成をいたしまする場合においても、利潤というものを一銭も見ないで分譲することができますから、一般市価よりもよほど安い宅地造成ができるわけであります。しかもでき上がった宅地は排水その他環境の整備されたものができ上がるということになりますので、これを極力幅を広げて参りますことが、現在の需要供給の関係からいって値上がりを来たしております値上がりを抑制する、非常に効果的な方法であろうと考えまして、さしあたりはその二つの方法を強力に進めて参ろう、こう考えておるわけでございます。今結論として御指摘のありました宅地造成に関する法律をいつ出すかと、こういう御質問でございましたが、この点は冒頭に申し上げましたように、いろいろ私権との関係もございますのでむずかしい問題がたくさんありまして、なかなかさばき切れない状態で目下のところ成案を得ることが行き悩んでおるというのが現状でございます。
#91
○武内五郎君 なるほど宅地の基盤であります土地は、土地自体おのずから持っております制約がございます。その地域といい、それに伴う所有権等の関係あるいはその他の使用上の使用権等の関係、いろいろな制約があっていろいろ困難が起きておることは事実でございます。たとえば日本で戦後、日本の食糧難緩和対策として、国策の基本的な一環として農地改革をやって、農地の転用、所有権の移転、耕作権の移転等に対する大きな制約を加えて、農民に土地を安定させて、その結果私は日本で今日年々農民が豊作状態に満悦するような、そうして国民が食糧に困窮する状態がほとんどなくなったという大きな貢献が、この農地改革にあったと思う。それと同じように、私は今日の日本の住宅問題解決のためには、ここで大きな政策の打ち出しが必要ではないかと考えられる。農地法の施行と同じように、たとえば今日私どもが審査しておりまする宅地造成の規制の法律によって指定された区域、これが宅地の指定地であるという指定がありましたならば、その地域の土地はこれは宅地以外に使用してはならない、転用禁止の政策が打ち出されなければならぬときがきていると思います。
 それから地価暴騰等について、これを抑制するためには、なるほど自由経済の原則からいうと、需要供給の法則に従って、需要を満たす供給があれば、したがって物価が安定するがごとくに地価も安定するであろうと考えられるのでありますけれども、土地に関する限りそう簡単にいかぬと思います。そこで地価の高騰を抑制する対策の一環として、たとえば宅地の価格は、これ以上上げてはならない、この地域はこれ以上上げてはならない。しかも、これを裏づけるためには宅地の造成に関する工事費あるいは買収費、あるいはその売り渡し等の諸経費を加算した明確なるものを、これは国民の前に明示する、あるいは地価に対しある程度の線を引いた財政的な裏づけ、特にある線以上の宅地を買わねばならぬというような国民に対しては、そのオーバーする線以上の払い出し代価に対して、十分住宅金融公庫等からその点だけについても貸し出せる、というワクの拡大というようなことがいろいろ考えられるのですが、その点はどうお考えになりますか。
#92
○国務大臣(中村梅吉君) まだ私どもも新しい立法を検討しして、研究をして参りまする上において、全然絶望的な観測もいたしておらないのでありますが、ただ、いずれにいたしましても、公共のために強制的に民有地を取り上げるといいますか、使用いたしまするような場合には、やはり土地収用法という基本法がございますから、この土地収用法にのっとって収用委員会が査定をいたしまする適正な賠償は払わなければならない、こういう筋合いにならざるを得ないと思うのであります。現在も御承知のとおり、住宅公団あるいは地方公共団体が五十戸以上の一団地の住宅団地を作ろうという場合には、土地収用権を与えられておりまするわけで、まあ住宅公団等が買いまする場合に比較的買いやすいということは、この土地収用法の適用がありますので、団地を作りますときに売った人は土地収用法の適用対象の場合には、土地収用法で収用したのでございませんでも、税法上の恩典があるわけでございます。したがって、民間取引をいたしましたよりは税法上の恩典がありますだけに、所有者は安くあきらめて譲渡をいたしましても、まあ採算が合うというようなことで、比較的民間の売買よりは安い値段で取得ができる。こういう特徴はございますが、宅地の造成が社会的に必要であるからというて、無償あるいは時価以下の値段で取得をするということは、これは現在の憲法上あるいは土地収用法その他諸制度の上から見まして、不可能ではないかと思うのであります。
 で、まあ農地改革の当時の事例も御指摘になりましたが、あの農地改革にいたしましても、終戦の直後間もないころにやりましたのでできたと思いますが、おそらく今日あれと同じような制度が社会的に相当必要性が強いにいたしましてもなかなか私は現在の世相からいえばむずかしい。むしろ不可能に近い、不可能なることじゃないかと、こう考えられるのでございます。そこで、まだわれわれはあきらめずに研究をいたしておりますのは、市街地の中にも投機的な目的で所有しておる土地などが荒地になっておる、あるいは空地のまま放置されておる、こういうものが投機的な目的で持たれておるために、よけい地価というものがつり上げられる、こういう投機的な目的で持っておるような空地に対して、何らかの措置はできないだろうか、あるいは都市計画の決定としての何らかの措置はできないだろうかあるいはまた税の面から土地の増価税とか差益税とかいうようなことを強化することによって、地価の暴騰を食いとめる道がないだろうかというような、いろいろな角度について検討はいたしておるのでございますが、なかなか、先ほど申し上げたように、土地収用法がありまして適正な補償が義務づけられておる今日の制度下におきましても、安く宅地を造成するということは非常に困難なわけで、いっそ、そういう苦労をしておるならば、ほかの問題の諸制度の研究は研究として、さしあたり早いところ土地収用権を与えられておる住宅公団の団地造成とか、あるいは地方公共団体の団地造成というようなことに資金をできるだけ豊富にして、低利の長期的な資金を財政当局と相談をいたしまして多く盛り込んで、そのほうの幅を広げることによって、民間の暴騰なりあるいは民間の投機的な行為なり、そういうものを牽制していくということがさしあたり一番可能であり、また着実に目的を果たし得る方法ではないだろうかというような角度で実はさしあたりできますることを明年度から一そう力を入れまして進めて参りたい、こういうふうに目下のところ考えておるわけでございます
 ちょっと、本会議で法案が議決になるものですから、済みましたら参ってよろしゅうございますが、おそれ入りますがその間、住宅局長や何かおりますからよろしくお願いいたします。
#93
○武内五郎君 この十条の「遅滞なく」というのをもう一ぺんはっきり…
#94
○政府委員(斎藤常勝君) 遅滞なくと申しますのは、文字とおり遅滞なくでございますが、実際の運用上といたしましては、基準法で二十一日ということになっておりますので、大体そのあたりを目途として運用していきたいと、こういうふうに考えております。
#95
○武内五郎君 次の十一条ですが、「国文は都道府県と都道府県知事との協議が成立することをもって第八条第一項の許可があった」、その場合にすでにその区域内における既存住宅もそういうふうに含むというのですか、これは。新たに造成すべき区域の設定だけでなく、その区域内におけるすでに造成されたる宅地の許可等も含むのですか。
#96
○政府委員(斎藤常勝君) 宅地造成工事規制区域内において行なう宅地造成に関する工事について、十一条の規定があるわけでございますので、新たに行ないます宅地造成あるいは切り土、盛り上等を伴います工専、そういうものを総称して含みます。
#97
○武内五郎君 第十三条の第六項「都道府県知事は、第二項又は第三項の規定により必要な措置をとることを命じようとする場合において、過失がなくてその措置をとることを命ずべき者を確知することができず」、その「過失がなくて」ということはたとえば平穏、正常な状態で相手万を確知することができないという意味なんですか、これはどういう……。
#98
○政府委員(斎藤常勝君) この場合に確知することができないというのは、過失がないでということでありますから、通常の注意を払って、しかも確知できないという場合におきましては、過失がなくしてということに解するわけでございます。
#99
○武内五郎君 第十九条の手数料申請に関する手数料の問題、これは政令で定める額の手数料、三万円をこえない範囲、こういうことなんですか、この算定の基準といいますか、よりどころは何によったのですか。またその造成される平米等によって計算すべきものかどうか。
#100
○政府委員(斎藤常勝君) 手数料の上限を三万円といたしましたのは、一応われわれとしては想定さるべき積算というものを持っておるわけでございます。その第一点は、造成さるべき面積が一番大きなものでもまず十万平米くらいであろうというふうに想定いたしまして、これに必要な経費というものを積算してみたわけでございます。と申しますのは、許可をいたします場合、あるいは検査をいたします場合に、どのような経費が要るだろうかということから一応想定をいたしてみますると、これに要する人件費でありますとか、あるいは旅費でありますとか、試験費でありますとか、ときにはボーリング費用というようなものが出てくるわけでありまして、そういうものをこまかく積み上げてみますると大体三万円程度に相なりますので、それで上限を三万円というようにきわめたわけでございます。
#101
○武内五郎君 これは大きな団地なら三万円というのも、団地造成のための中でのきわめて少額な経費になると思うのです。個人のたとえば五十坪とかあるいはせいぜい百坪内外の程度だったらこれはどうなるのです。それはやはりその段階が出て最高三万円で、一万平米が二万円、それ以下は一万円、あるいは五十坪から百坪程度のものは百五十円か二百円で済む、こりいうふうになるのですか、大体段階があるのですか。
#102
○政府委員(斎藤常勝君) 具体的に手数料をきめて参ります場合に、原則といたしまして政令で面積に応じてきめていきたいと、こりいうふりに、考えて、そのこまかい点につきましては目下検討中でございますけれども、今お話しのございましたように、ただ機械的に面積に合わして参りますると、一軒の面積が小さくてもやはり手数がかかるということがございますので、最低のところはもり限度できめまして、あとはやはり今おっしゃったような、単に面積に機械的にということでなしに、その辺のところはいろいろな点を勘案しまして手数料の額というものをきめていきたいと、こういうように考えております。
#103
○武内五郎君 二十一条の「処分又は命令のあったことを知った日から」、これは知った相手方がそういう処分、命令を知るためにはどういう手続をとるのですか、公示によるのですか、それともたとえば内容証明等によって通達するのですか。これは異議の申し立て等のきわめて重大な期限がはさまっていると思う。
#104
○政府委員(斎藤常勝君) 許可または不許可につきましては、十条の第二項で処分をいたします場合は、文書をもって当該申請者に通知することに相なっております。不許可の場合におきましては、理由もあわせて通知するということになっております。
#105
○武内五郎君 第五章の罰則の関係ですが、これは何か規制違反に対しまして刑罰を課する、何かの例によってこういうよりな罰則を作ったのですか、これはこの程度ならいいだろうということでこういうことをやったのですか。何かその前例がほかにあるのですか、規制違反の場合。
#106
○政府委員(斎藤常勝君) 罰則につきましては、他の法令とのつり合い等もいろいろ考えてきめたわけでございまして、たとえば地すべり等防止法でありますとか、あるいは住宅地区改良法というようなものとのかね合いを考えながらこのような規定を作ったわけでございます。
#107
○武内五郎君 十四条に戻りますが、「建設省令で定めるところにより」という省令の用意があるのですか、省令の政令の用意があったら見せてもらいたいと思うのですがね。
#108
○政府委員(斎藤常勝君) 提出いたします。ここでいう建設省令と申しますのは、届出の事項でありますとか、あるいはまた様式をきめるということを予定しておる省令でございます。先ほど提出すると申しましたけれども、政令のことではありませんので、政令につきましては、すでに前に提出してあるわけでございます。
#109
○小平芳平君 この宅地造成規制法によりまして、許可を受けて造成した宅地は相当安全なものであるはずですが、建設省のほうとしても、技術屋さんたちがいろいろ研究して、そうして許可の基準がきめられて、その許可を受けて造成した宅地だから、よほどの雨が降っても、あるいはその他の災害に際しても、相当な安全度があるというふうに考えていいと思うのです。それにもかかわらず、この法律によって許可を受けて造成したその宅地にも、第十六条の改善命令が出されるということがあり得ますか。
#110
○政府委員(斎藤常勝君) すでに宅地造成が行なわれまして、完了の検査も行なわれて、それによって現に使用しておるという場合におきましては、原則としては改善命令というようなことが行なわれることはないと思うのであります。しかしながら、その後の事情におきまして、たとえば上のほうで別な工事をやったために、さらに追加して擁壁等を強化しなければならぬというような事情が出て参ります場合におきましては、その最小限度におきましての改善命令というものは出ると思いますけれども、そのときにおきましても、やはりこの第十六条の第一項に書いてありますように、「著しいおそれを除去するため必要であり、かつ、土地の利用状況等からみて相当である」場合というように限定して命令するということになるわけであります。
#111
○小平芳平君 その許可、不許可が決定される場合ですけれども、同じ条件の土地にありましても、建築する建築物によっても相当危険の度合いというものは違うのではないかと思うのですが、そういう点は許可、不許可の条件に考慮されるかどうか。
#112
○政府委員(斎藤常勝君) ここで考えております宅地というのは、建築基準法における場合のように、大きな建築物が乗るということで考えているわけではないのでありまして、通常の建築が予想されるということを一応の前提にしての基準ということでありまして、その場合に、その宅地に対する荷重が非常に大きな建築を作るために、安全性を失うというような場合におきましては、建築基準法で確認を与える際に、それを規制していくという問題が出てくると思います。
#113
○小平芳平君 そうしますと、通常の住宅ということに対する考え方ですけれども、普通木造の平家とか、二階とか、そういうものに対する安全度が一応の基本になるのでしょうか。
#114
○政府委員(斎藤常勝君) きわめて通常な場合のことを予想しておりまして、宅地となりましても必ずしも建物の建たないような場合もございますので、そういうことを考えますと、一番最低といたしましては、その土地をそのまま使う場合にわいての、その土地の比重といいますか、土圧といいますか、そういうようなものの関係を考えて、崩壊しないようにするということが最低の基準になります。しかし、そこが当然普通の建物が建っていくであろうというような土地には、そういうような条件も完備していくということになると思います。
#115
○小平芳平君 そういうふうな建物が建つか建たないかわからない――建たない場合はこのくらいで許可する、建つ場合はもう少し強固にしなければならない、そういうことはないのじゃないですか。
#116
○政府委員(斎藤常勝君) 通常の場合におきましては、建物が建つか建たないかわからない場合もございますので、そういうことは一応除外した上で考えるということに相なるわけでありますが、当然にそこに建っていくであろうということが明らかな場合におきましては、その点も考えていくということであります。
#117
○小平芳平君 何かそこのところ、ちょっとよく飲み込めないのですが、要するに、宅地造成等規制法ですから――まあ宅地造成等とは言いながら、大体そこへ住宅が建てられて、そう庭がくずれたり建物の縁の下からがけがくずれるというようなことはないという、そういう基準で許可されるわけでしょう。
#118
○政府委員(斎藤常勝君) そういうことであります。
#119
○小平芳平君 それで、どうも指定する場合に、そう局部的に、たとえばちょっと目に入る範囲で見ましても、ここの坂だけを指定するとか、あるいはここのがけの下だけを指定するとか、そういうような局部的な指定でなくて、もう少し大まかな指定にするわけですね、町単位みたいな。
#120
○政府委員(斎藤常勝君) きわめて局部的な指定にはならぬと思います。大まかという言葉がいいか悪いかは別でございますけれども、災害防止ということを考えまして、ただしその境界は明確でなければなりませんけれども、決して局部的なほんの一小部分を指定するということにはならないと思います。
#121
○小平芳平君 それで、この前見せていただいた地図を見ましても相当広範囲が指定されますから、その場合役所のほうではここは危険、だからこういう工事をしなければいけないと言うし、それからそこへ許可申請する人の立場で考えれば、いや、これで十分だと言う、そういう食い違いが起きた場合はどうなるのですか。
#122
○政府委員(斎藤常勝君) どの程度の工事をすれば十分であるかという問題につきましては、技術的基準というものを定めたその技術的基準がその基本になりまして、それから構造計算なり何なりが出て参りまして、この場所ではこれだけの擁壁を作らなければならぬということが算定されてくるわけであります。その政令で定めます技術的基準、あるいはこれに付加さるべき都道府県で作る規則というものによってきめられておる技術的基準というものによって、当然出て参ります構造なりその他そういうものが基準になってくるわけでございます。
#123
○小平芳平君 どうもしろうとですから技術的基準はちょっとわからないのですけれども、要するに土地を造成しようとする者、あるいは現にそこに住宅をかまえて住んでいる者に対してここの土地は何十年来くずれたためしはないというにもかかわらず、役所側としてはこれだけの擁壁を作らないと危険であるというようなことを十分納得させるだけのそういう基準ができるわけですか。
#124
○政府委員(斎藤常勝君) そういう基準ができるわけでございます。
#125
○小平芳平君 そこで、その安全度の認識が食い違って、どうしても片方ではいやそういう必要はないと言う、どうしても必要がないと言ってがんばってしまうと、改善命令を出されてそれに反すると今度は罰則があるわけですが、そういう罰則で処罰してまでもそれだけの工事をやらなければならぬ、こういうことになるわけですね。
#126
○政府委員(斎藤常勝君) そういうことになりまして、非常にきついようにお考えになるかも、しれませんけれども、技術的基準できめますものは、最低これだけの確保をしなければ災害が防止できないという考え方から出てきます基準でございますので、それに従わないという場合において罰則が適用になるということもやむを得ないことであるというふうに思います。
#127
○小平芳平君 それでそういうように罰則を適用して安全を確保しようという場合ですけれども、通常問題になっているようなまあ悪徳な土地造成業者といいましょうか、そういう悪徳商人は罰則をもって相当厳しく規制しなければならない場合があると思うのですが、ところが何年来そこに住んでいて一つも災害を受ける危険がなかったという、そういう善良な市民までもゆり起こしてそれだけのものを強制しなければならないかどうか。で、それだけのものを強制するにはよほどの資金の裏づけ、まあ公庫の融資というふうにこの前お話あったですが、公庫の融資もそれが抽せんにはずれたらどうなるか。その悪い業者の場合と、それから善良な市民の場合と分けて考えた場合ですね、もう少し資金的な面を国としても責任もって見てやるような方法はないでしょうか。
#128
○政府委員(斎藤常勝君) ただいまのお話のまあ既存の宅地に何年も住んでおる者に対しての宅地についての改善命令ということでございますが、その点について少しく詳しく申し上げますとやはり宅地を持っておる者は常時安全な状態に維持しなければならないという義務規定、十五条で規定をしておりますが、それを受けまして直ちに改善命令を出すのじゃなしに、勧告をするということでありまして、勧告でも従わない場合におきましては改善命令を出すという順序立った手続を踏んでいきたいと、こう考えておるわけでございます。しかも改善命令の場合におきましても、悪徳業者に対するような強いといいますか、きつい考え方ではありませんので、やはり改善命令のときには先ほど申し上げましたように条件がありまして、放置されておるとか、あるいはきわめて不完全であるために、災害が起こるおそれが著しいという場合において、それを除去するため、しかもまた土地の利用状況からみても相当と認められる限度において、いろいろな措置を命ずるということになっておるのでありまして、したがいまして、実際の場合におきましてはこれはまあ条件なり限度がございますので、従来からずっと住んでおるというようなところに対しましては、きわめて温和な態度で接することになりましょうし、かつまたその基準につきましても、許可をする場合の基準よりは、あるいは事情によって落干低いものの基準になるということが考えられるわけであります。しかもまたそれに対する資金につきましては、今お話のございましたように、まあ来年度からは防災改修融資というようなものを考えていきたい、こういうふうに考えておりますので、悪徳業者に対する場合とは全然違った規制ということになってくると思います。
#129
○小平芳平君 この勧告するということは、改善を勧告してそれを聞かない場合に命令するというようなことは条文の中にございますか。
#130
○政府委員(斎藤常勝君) 十五条で「勧告することができる。」ということになりまして、十六条で「改善命令」ということになっておりまして、勧告することを聞かない場合にどうのこうのということにはなっておりませんけれども、先に十五条で「勧告する」という条文がありますので、順序立ってやっていきたいというように考えておる次第でございます。
#131
○小平芳平君 それから先ほどの悪徳業者の場合と、それからまあそこに何年も住んでいる市民の場合のお話で大体わかったんですが、まあ極端な場合ですけれども、どうしてもそこに擁壁を作らなければならないということを勧告されて、そうしてその住んでおる人もなるほどこれは擁壁を作ったほうが安全だということはわかる。けれどもどうしても資金の都合上それができない。まあ相当の期間となっておりますけれども、相当な期間を過ぎてもどうしてもそれができない。で、公庫のほうは抽せんに漏れて当たりそうもない。そういうような場合はその罰則を適用されないということがありますか
#132
○政府委員(斎藤常勝君) 罰則の適用につきましては、もとより情状酌量ということはあると思いますけれども、まあ今お話のような場合はやはりその公庫のほうで融資をするという場合におきましても、その必要性については、現在のところでは知事なり指定市の長というものが、これが必要だというふうに確認をしたものについて、公庫が貸してやるというやり方をやっていきたいと考えておりますので、必要性あるものについては積極的に融資をするということに相なると思っております。
#133
○小平芳平君 この改善命令を出した必要性のあるこういう場合には、大体漏れなく融資できるという見通しなんですか。
#134
○政府委員(斎藤常勝君) 改修融資が成立いたしますれば、そういうことに相なろうかと思います。防災改修の融資が来年度認められる場合においての運用におきましては、今おっしゃったようなことになると思います。
#135
○小平芳平君 見通しとしてはどうでしょうか。三十六年度に対する土地の融資と三十七年度に要求する融資との比率はどのくらいふえるのですか。
#136
○政府委員(斎藤常勝君) 造成の方でございますか。造成でなくって今度の融資ですか。
#137
○小平芳平君 全体として。
#138
○政府委員(斎藤常勝君) 宅地造成に対しまする先ほど大臣がおっしゃったような意味での公庫の造成融資というものにつきましては、要求としましては、来年度はその倍から三倍ぐらい要求するということにしております。防災改修の融資の方につきましては、これは宅地の部分は新しい制度でございますので、比較するものがないわけでございます。
#139
○小平芳平君 それから、これは住宅政策全般のことですけれども、土地の入手難ということは公団は公団で、公団住宅の用地は公団住宅の用地として、公営住宅の方はまた地方公共団体がわれ先にと買いあさって、そこに、どうも何らの統制がない。あるいはその民間の宅地造成会社が買いあさる場合もあるでしょうし、また大口の私鉄が沿線を買い占めたりする。どうしてもそういう点をもっと計画的に総合的にやっていかなければ、わざわざ危険なところへ住みたくて住んでいるわけじゃないわけですから、もう少し根本的に土地の入手難を緩和するような方向へ持っていかなければならないと思うわけです。この点については、先ほど大臣からもお答えがあったわけですが、それでせめて国、要するに公団や公営住宅で用地を買うような場合は、どういうような連絡をし合ってやっているか、それから今後またどういうように計画的な運営がされていかれるが、そういう点について。
#140
○政府委員(斎藤常勝君) 住宅の用地を取得していく場合におきまして、おっしゃるように公営があり、公団があり、あるいは公庫の融資による取得というようにいろいろあるわけでございますが、これにつきましては、結論的には住宅局におきまして、そういうようなものの間にそでがないように取りまとめてやっておる次第でございます。特に地方などにおきまして一つの団地を形成いたします場合に、ここからここまでは公団の団地、ここからここまでは公営の団地というように、一つの団地の中で区画整理をしてやっていく場合もありますし、特に公営住宅の場合におきましては、特定計画というものを立てまして、そういうようなものとの関連を調整しておりますし、それから公庫で融資する場合は、これは地方公共団体に融資する場合でございますが、これにつきましても、融資先の公営その他の関係も十分考えまして、そして住宅局においてある程度の調整をとっておるわけでございます。で、お話のように、一番いいことは都市計画上、開発区域というようなものをきめまして、その方向に積極的に開発を進めていくということが、一番いいわけでございますが、現状におきましても、地方によりましては、この方面を住宅の開発区域にしようということで事実上その方面に公庫も公団も、あるいは一般の私鉄あたりの分譲も帯のようにして、一連のものとして大きな団地を形成していくというようなやり方もやっているわけでございます。
#141
○委員長(後藤義隆君) 速記をとめて下さい。午後二時四十八分速記中止
  ―――――・―――――
   午後三時六分速記開始
#142
○委員長(後藤義隆君) 速記をつけて。
#143
○武内五郎君 先ほど地価と宅地造成に関してたまたま憲法問題に触れてお話があったのですが、御承知のとおり私は宅地造成等に関する、先ほど私が申し上げたような政策をかりに行なったとしても憲法には私は違反するとは考えないのであります。憲法二十九条の所有権、財産権の侵害にはならぬと思う。農地法問題で今日その当時の地主が政府に対して補償要求をしているのですけれども、これは私は農地法それ自体は憲法違反ではなかったと思います。ことに農地法に関する最高裁の判決が昭和二十八年に出されておりますが、公益のための農地接収は憲法違反ではない、という趣旨の判決が出ておるのですが、それと同じように、私は宅地造成、住宅の建設、こういうようなきわめて社会的な性格を持ち、社会問題として十分重要な要素があるこういう問題は、公衆の利益に十分沿うものであると考えますので、憲法違反ではないと考えます。まあこれは法律家であります大臣の前でこんなことを申し上げて、釈迦説法の笑いを受けるかもしれませんが、私はそう考える。したがいまして、少なくとも地価高騰の抑制の政策、それから国民に住宅を提供するという社会政策的な意義から考えて宅地造成の積極的な施策をお願いしたいと考える。
 そこで今日宅地について、大臣も、地価の騰貴は投機的な現象等が特に強く作用するようなお話があったのですが確かにそのとおりです。投機的な行為等が大きなやはり地価騰貴の要素となると考えますが、そこで特に私はそういう関係から国民に住宅を提供する地域の設定、こういうような考えはないか。その設定されたる地域内における宅地の価格の、安定をはかるための、ある線以上に対する代価の貸し出し、金融等の面、それから宅地造成また宅地取得のための公庫等からの貸し出しは今日のワクでは私は困難だと思いますのでこのワクの拡大、こういう点をさらに考慮される必要があるのじゃないか。
 それから、先ほど大臣が休閑地の問題を取り上げて、これに対する処理に苦慮されているようにお話があったのですが、私は特に指定地域内における休閑地は絶対にこれを許してはならぬと思うのです。もしそういうような休閑地を保有して地価の騰貴を待っているというような考え方の所有者に対しては、休閑地課税というような措置をとってこれを抑制する必要があるのじゃないか。しかもそれに対する課税は宅地造成のためにこれを使用するという使用目的を持った税金を課する必要があるのじゃないか、こういうふうに考えるのですが、大臣はどう考えますか。
#144
○国務大臣(中村梅吉君) 休閑地課税のようなことは、確かに税制上の問題はございますが、私ども検討を必要とする問題であると考えております。
 なお前後に、武内さんのお話にございました点につきましては、私ども今後とも一つ真剣に研究をして参りたいと思っております。ただ法律を制定いたしまする場合には、法案作成段階におきまして法務省あるいは法制局等に協議をいたさなければなりませんので、建設省だけが憲法上の解釈あるいは法律上の建前はこれでよかろうと思いましても、なかなかそういう関係方面の法理論等も議論をしていかなければなりませんので、容易な問題ではないというのが現状でございますが、怠らず研究をいたしまして何らかの成案が得られるものなら得たいという希望は、今日も放棄しておらないようなわけでございます。たださしあたりとしまして、そういう研究でひまどる結果だんだん世の中は地価の高騰をきたし、宅地の取得が困難であるという現状に照らして、先ほど申し上げましたような、住宅公団あるいは住宅金融公庫等の現存の制度を活用して参ることにも努めて参りたい、こういうような考え方で目下臨んでおるわけでございます。
#145
○武内五郎君 大体私は大臣にお伺いしたい住宅政策の一端を申し述べたのでありますけれども、この法案に帰りましてやはりこれも地価ときわめて重大な関係を持つものでありますが、それは指定地域内であっても造成いたします場合には、たいていその地域内で造成される場合は、ほとんど、丘陵地帯、また、今まで宅地としてほとんど価値がなかったような地域も相当多いと思います。そうなって参りまするとこれを宅地として造成する場合に相当工事費がかかる、あるいは丘陵地でありますると上の方をブルトーザーで削る、さらに擁壁を造築する、あるいは地下水の排除のための暗渠を作らなければならぬ、排水工事を作らなければならぬ、さらに高いところに宅地ができますると、整備された道路のほかに階段を作って参らなければならぬというような、非常に大きな工事費がかかってくるわけであります。そこで、これらの工事費が全部地価の中に含まれてこなければならぬと思います。すでに一般に地価が騰貴する傾向が今日強く表われておるときに、そういうような造成によってさらに地価の騰貴を助長するおそれがあると考えられます。特に隣接地等は、隣がやってこのくらいになったから、うちもこのくらいにしてやろうというような欲望が出る、これは否定できません。そういう事態に対する抑制、またはこれをもう社会的に上げることのできないような状態に持っていくには、どういうふうな政策をお考えになっておるか、お伺いいたします。
#146
○国務大臣(中村梅吉君) 大体、この法律の適用を受けますような場所は傾斜地が主でございまして、まあそのままでは宅地としての価値のないところを開発するわけでございますから、なるほどこの法律で命ずるような施設をいたしますことは工事費を要することでございますが、現在の宅地需要の状態、宅地の価格の問題、現状等から照らしまして、また半面、鉄筋コンクリ―ト工事等が、鉄筋、セメント等の値上がりのない現状からみて、割合に工事能力も進んでおります今日からみれば、直ちに利用できる場所を宅地とするよりは格安にできるのが通常の常識であろうと思います。かような角度からいいまして、普通の当然宅地になるような場所の宅地造成よりは、大体格安に宅地の造成がされる、こうわれわれは期待をいたしておるのでございます。さりとて、先般来の災害に伴って起きましたように、傾斜地を利用して作りました宅地が地くずれを起こしまして、人命等に多大の損害をもたらしておる現状から見ますと、これをさような危険のない状態に格付けをしていくということも、これは公共の福祉の上からどうしても必要でございますので、まあ先般来の災害の実情にかんがみまして、今回この法律案を制定いたしたいということで提案をいたしましたような次第でございます。
#147
○武内五郎君 最後にお伺いしておきたいんですが、宅地造成をする場合、特に、それも地主との話し合いが相当困難な場合が想定されますので、その際に大臣は公共用地の取得――土地収用法ですか、の発動をお考えにならなければならない場合もあり得るということを申されておりますが、私は土地収用法だけではなく、特にそういうふうに地域を指定する法律を作るのでありまするので、一歩進んで公共用地取得の特別措置法等の発動、適用を考えられるかどうか、お伺いしたい。
#148
○国務大臣(中村梅吉君) 公共用地取得に関する特別措置法は、公共事業を行ないまする場合でございまするので、この法律による宅地造成におきましては、主として民間の宅地造成の場合を考えておるのでございますから、特別措置法を適用する場合は、あるいは想定をしていったらどういうことになりますかわかりませんが、大体該当事項がないではないかとかように考えます。公共事業で行ないまする場合には、この法律の適用を待つまでもなしに、当然他の公共事業の施行としてやりまする場合には、安全な状態に設計をし、工事の施行をいたしますしいたしますから、まあ該当事項はないのではないかと思います。
 ただ一つ問題は、住宅団地を作るような場合には、土地用法の適用があることになっておりますが、これも実は住宅団地の取得には従来土地収用法を適用した事例がございません。収用法を適用しなくても、先ほど申し上げましたように税法上の恩典を受けますから、それで所有者は割合に円満に土地の取得に協力をされておりますので、そういう事例のないのに、特別措置法という特に特例を設ける法律の適用をいきなりかぶせるということはどうかと思いまして、あの法律を制定されますときにも御議論にはなりましたが、住宅団地の造成の場合は適用事業から落としておりますような次第で、したがって特別措置法を適用する場合というのは、そういう場合においても起こる余地がないのじゃないか、こういうように考えております。
#149
○武内五郎君 私、話の順序を間違ったのですが、特別措置法は実際そのとおりでございます。宅地等に対する適用事項がございません。したがってこれを適用しようとする場合には法の改正を必要としなければならぬ。そこでその法の改正をやって、宅地取得を容易ならしめる考えがあるかどうかの点であります。
#150
○国務大臣(中村梅吉君) これは私ども、特別措置法がごく最近に成立を見ました法律でございますので、今後実施をいたしまして、特別措置法が一般土地収用法と違ってどれだけ公共事業のために効用をなすかという実績を見ました上で、将来住宅公団その他住宅団地の造成に適用したほうがいいという段階が参りましたら、そのときに考慮をいたしたいと現在は考えております。したがいまして、直ちに住宅団地の造成のために特別措置法を今拡張をしようという意図は、現在のところは持っていないわけでございます。
#151
○武内五郎君 よろしゆございます。
#152
○委員長(後藤義隆君) ちょっと速記をとめて下さい。
  〔速記中止〕
  ―――――・―――――
#153
○委員長(後藤義隆君) 速記を起こして。
 次に連合審査会開会についてお諮りをいたします。
 水資源開発促進法案、水資源開発公団法案の両案につきまして、地方行政、社会労働、商工の各委員会から連合審査会開会の申し入れがございます。また農林水産委員会も本日中に同様の申し入れを決議するとのことでございますので、両案につきまして、これら四委員会と来たる十月二十七日午後一時から連合審査会を開催することにいたしたいと存じますが、さよう決することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#154
○委員長(後藤義隆君) 御異議ないと認めます。
 本日の審査はこの程度にとどめたいと存じます。次回は明二十五日午前十時より水資源関係二法案の審査を行ないます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二十八分散会
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ソース: 国立国会図書館
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