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1961/10/20 第39回国会 参議院 参議院会議録情報 第039回国会 決算委員会決算の提出手続及び審査方針に関する小委員会 第2号
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1961/10/20 第39回国会 参議院

参議院会議録情報 第039回国会 決算委員会決算の提出手続及び審査方針に関する小委員会 第2号

#1
第039回国会 決算委員会決算の提出手続及び審査方針に関する小委員会 第2号
昭和三十六年十月二十日(金曜日)
   午前十一時四分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     野本 品吉君
   委員
           鳥畠徳次郎君
           相澤 重明君
           山田 節男君
  担当委員外委員
           北條 雋八君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       池田 修蔵君
  衆議院事務局側
   常任委員会専門
   員       黒田 久太君
  説明員
   会計検査院事務
   総長      大沢  実君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○決算の提出手続及び審査方針に関す
 る件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(野本品吉君) これより決算委員会決算の提出手続及び審査方針に関する小委員を開会いたします。
 本日は前回の申し合わせによりまして、大沢会計検査院事務総長並びに黒田衆議院決算委員会専門員に御出席を願っております。
 それでは、まず大沢事務総長より御説明を願いたいと存じます。
 この際事務総長に申し上げます。御承知のごとく参議院決算委員会においては新憲法下における決算審査のあり方を根本的に検討するため、当小委員会を設け、調査を進めておるのでありますが、本日は会計検査院における検査の問題、内閣の提出に関する問題、あるいは国会における決算の取り扱いの問題等について、会計検査院当局としての立場から説明ないしは見解をお述べいただきたい思います。
#3
○説明員(大沢実君) 本日この小委員会で検査院の意見を述べろということでございまして、ただ、私がこれから申し上げますことは、あるいは当小委員会で、検査院に聞きたいと思っておられることと、ピントが狂っていやせぬかということを懸念するのでありますが、一応いろいろと申し上げまして、なお足りないところは御質問に応じてお答えいたしたいと思っております。なお、申し上げることは、そんなことは当然わかっているというようなことも申し上げるかもしれませんですが、その点も御了承願いたいと思っております。
 これから申し上げようと思いますのは、憲法九十条の「国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない。」というこの憲法の条文、これに盛られた内容について、会計検査院としての意見というものがまとまっておる点を申し上げてみたいと思っております。第一に、この「国の収入支出の決算」というものは、これはもう申し上げるまでもないのでありますが、どういうものかということに対しましては、これは財政法におきまして「歳入歳出決算」という言葉で表現されておりますのと内容は同じでありまして、一年間の国の収入または支出の実績を計数的に集計し、科目別に整理したところの計数の表現である。こう解しております。したがいまして、この収入支出の決算の確定ということに対しましては、これは大蔵省でこの決算を作成しまして、内閣が検査に付するために会計検査院へ送付する前、内閣で検査院へ送付することが決定するときには、すでに決算としては確定していると、こういう解釈をとっております。
 戦前の――戦前といいますか、旧憲法におきまして、この決算を会計検査院が「検査確定」するという文句がありました。新憲法にはこの「確定」という言葉がなくなっているのでありますが、そうした点から、旧憲法下におきまして、決算は検査院が確定するのではないかという意見が一部にあったわけでありますが、旧憲法下におきましても、会計検査院の見解といたしましては、この「検査確定」という言葉は、のちに申します現在の会計検査院法にあります「確認」という言葉と同じ趣旨であって、決算はやはり検査院へ送付する前に確定しているのだ、これは「検査確定」という言葉は、決してそれによって、決算というものは、検査院が確定するのじゃないという見解をとっておりました。
 こうした決算というものは、確定された決算が会計検査院に送付されます。そうしてすべて会計検査院がこれを検査するということになっている。これは検査ということの内容は、これもまた申すまでもないことでありますが、この決算に盛られた計数が、証拠書類に対比して正当な計算、あるいは数字の表示が正当であるかという点、それからその計数に盛られた内容――収入、支出の予算執行の結果の内容が、予算に違反していないか、あるいは法令に違反していないか、あるいは経済上妥当であるかどうか。こういう点を個々に調査して、それに対する当否を考えるということが、これは会計検査院の検査ということの内容に考えております。
 そこで、この検査の結果を取りまとめまして検査報告というものを作るわけでありますが、この検査報告というものは、いわゆる検査の結果を取りまとめたところの一つの文書であって、報告という言葉は使っておりますが、特定人あるいは特定機関に対する報告という意味ではなくて、検査報告という一つの文書である、こういうように解釈しております。この場合に、この検査報告あるいは検査院法にもあるのでありますが、「決算を確認」という言葉を使っております。これは確認という言葉を使っておりますのは、ただいま申しました計数上の当否、それから予算執行の当否、そうしたものに対します個々の判定を終えるということを確認という言葉で表現いたしておるという解釈になっております。したがいまして、その年度の検査を終えまして、検査報告を作りますまでに、その当否のまだ判定が熟さない事態、それがあります場合には検査報告にいわゆる未確認、これだけのものはまだ確認ができないという未確認として一応報告いたしまして、年度の検査報告におきまして、その確認状況を報告する、掲げる、こういう様式をとっております。
 そこで、この検査報告を作成いたしまして、これは先ほど申しましたように特定機関に対する報告ではありませんが、決算と同時に国家に提出することになっておりますので、これを内閣へ送付いたしまして、内閣が決算にこの検査報告を添えて国会に提出する。実質的にはそうでありましても、検査報告という一つの公表文書は、納税者たる国民に対する公表文書である。したがいまして、実質的には国会に対する報告、納税者たる国民の代表である国会に対する報告である、ということになろうかと思いますが、法文上は国会に対する報告というのではない、特定機関に対する報告ではないというように解釈をとっております。
 それから、そうして決算と検査報告が国会に同時に提出されまして、国会が御審議になるのでありますが、国会の御審議に対しましては、会計検査院といたしましては、これがどうあるべきだということに対しての公式な意見、これは申し上ぐべき筋会いでもないと、こう考えまして公的な意見は差し控えたいと思っておりますですが、ただ非公式に会計検査院内部でいろいろと話の出ておりますところを総合いたしますると、国会に提出する意義といいますか、なぜ決算を国会に提出するのかという点につきましては、もうすでに御承知のいわゆる議案説、報告説、いろいろとありますですが、会計検査院といたしましては、憲法の文理解釈上、すなわち予備費の使用に関しましては第八十七条に「事後に国会の承諾を得なければならない。」、こう書いてあります。そして、先ほど読みました憲法九十条におきましては、決算は国会に提出しなければならないと書いてある。こうした文理解釈から見て、やはり今の憲法で承諾を求めるために提出するんだということを文理、法理的にそういう判定を下すことは、多少困難ではなかろうかということが非公式な見解であります。これは先ほど申しましたように、検査院としましては、この点は内閣または国会が有権的な解釈をお下しになるべき性質のものであろうと考えまして、公式の意見は差し控えさせていただきたい、かように考えている次第でございます。
 それで、しかしながらその議案説をとりましょうとも、報告説をとりましょうとも、決算が国会に提出される、検査報告がこれに添附されて国会に提出される。そして、決算の審査ということが重大であることは、これはもう当然でもありますし、また会計検査院といたしましても、決算の審査を決算委員会において十分にやっていただくことが、会計検査院というものの組織の存在価値をより高める意味においてきわめて重大なことである、これはさように考えておる次第でありまして、できるだけこの検査報告に盛られた内容を縦横に検討していただきまして、またさらにあるいは検査報告に盛られていないことでも重大な事項もあろうかと思いますので、そうした点について決算を縦横に御審議願いまして、その結果は次の予算または行政の運営に大きな一つの改善資料になる、ということに進んでいくことを念願しておる次第であります。
 はなはだ簡単で恐縮でございますが、一応冒頭に私の方から申します点、ピントの狂った点もあろうかと思いますが、以上をもちまして要約したところの検査院の見解というものを申し上げた次第であります。
#4
○委員長(野本品吉君) 次に黒田衆議院決算委員会専門員にお願いいたしますが、衆議院におきましても本件につきましてはたびたび問題となりまして、第七回国会あるいは第三十四回国会においては、学者、実業家、実務家等に参考人として出席を求めまして、その意見を聴取したやに聞いております。この際、衆議院における現在までの経過並びに本問題につきましての御意見がございますれば、御説明願いたいと存じます。
#5
○衆議院専門員(黒田久太君) ただいま委員長のお話のように、衆議院におきましては新国家になりましてから第七国会におきまして、参考人七名を招きまして意見を聴取いたしました。その際どういうことが問題になったのかと申しますと、いろいろ問題がありましたが、そのうち最も心になったのは、やはり現在参議院で御研究になっておることと同じように、現在の決算の国会に対する提出の仕方は報告であって、それは各院に別々に提出されておる。そうして各院別々に議決を行なっておる。そのやり方が新憲法下のあり方として、はたして適当であるかどうか。もっと別な方法があるのではないか。つまり政府は国会に対して国会に議案として提出し、両院が先議、後議の関係に立ちまして一つの議決を行なって、決算の締めくくりをするというのが新憲法下のあり方として、新憲法の精神からみて適当ではないのか、というふうなことが中心であったと思います。
 第二は、いま一つは、決算の審査の内容に関連する問題として、従来これは旧憲法下からもずっとそのとおりであったと思いますが、検査院の検査報告を中心として決算を審査するというやり方をやっておったが、それがはたして適当であるのか。もっと国会というところは大所高所に立って、いわゆる検査院の不当だとか不正だとかいう指摘事項を中心とするのではなくて、もっと予算と関連して、予算が適正に使われたかどうかというふうな問題、あるいは予算が経済効果を生んだかとか、行政効果を生んだかとかいう問題を中心として審査すべきでないかという、この二つの問題であったと思うのであります。
 それで、それでは第七国会における参考人の意見を聴取した結末はどうなったかと申しますと、その結果はさらに考究解決をはかるべきであるということで、これを二十二年度の決算報告でございましたか、本会議に報告するときに委員長があわせて報告をいたしまして、さて具体的な問題については、そのまままた十年を経過いたしました。昨年昭和三十五年第三十四国会において再びこれが問題になりまして、今回はさらに十名の参考人を招きましていろいろ参考意見を聴取いたしました。そして、その結果は、やはり依然として結論が出ないと、そういう状態であります。もちろん両方の意見の所有者をお招きしたんですから、当然委員会における参考人の意見は、両方の意見が伯仲することになってくるのは、これは当然のことだと思うんですが、その参考人の意見は、両方まあ伯仲しておった。
 それで、決算委員会はどういうふうに、結末といいますか、つけましたかと申しますと、やはり前と同じように、この問題についてはもう少し研究する、憲法改正に至るべきかいなかという問題も研究を要するが、現憲法のもとにおいてどういう法律を作り、どういうふうに法律を改めていったら所期のことが実現できるか、それをさらに研究したらどうだろうかというふうな機運というふうなものは、相当有力に存在しておったのでありますが、その後さらにそれが進行しておるということは言えないと思います。ただ、前第七国会におけるときと同じように、委員長は、三十二年度の決算でございましたかの報告の際に、こういう問題がある、これをどうすべきかということを、衆議院全員においても、何といいますか考慮を願いたい、というような注意を喚起する、という報告をいたしたにとどまっております。
 ただし、先ほどどういうことが問題になったかという際に申し上げました、第二点の審査内容といいますか、審査方針という問題につきましては、第三十四国会でございましたか、三十五年の四月二十日に「決算審査に関する審査方針」というものをきめまして、それによって三十三年度の決算以降の審査を続けておるというのが現状でございます。
 それでは決算審査に関する審査方針というものはどういうものかと申しますと、これにはこういうふうなことを書いております。「決算審査に当っては、従来の会計検査院の検査報告中心の審査方法を改め、国会が議決した予算がいかに執行されたかを中心として、決算全般について、予算と対比して審査する。」、そうしてその一が「『歳入歳出は予算の通り執行されたか』」、第二が「『予算は効率的に執行されたか」「その実績はどうか』」、これが経済的な効果があったか、行政的な効果があったかというふうな問題を審査する。そうして従来の会計検査院の指摘事項の審査につきましては、第三として「『予算は適正に執行されたか』」という問題は、まあ続けてやっていく。ただし、重点を従来のその問題から改めるという方針を決定いたしまして、先ほど申し上げましたように、昭和三十三年度の決算審査以来その形をとっておるのでございます。したがって、三十三年度の決算の議決におきましても、若干その決議の様式を従来と改めて、従来は検査院の指摘を、これは参議院と異なるのでございますが、一件々々列記しまして、それについて同感であるとか、あるいはその他の件については異存がないとかいうことが、決議の何といいますか一番主要部分をなしておったのでありますが、今回はそうでなくして、衆議院決算委員会が決算審査の結果、いろいろ気がついた政府に対する警告とか、あるいはこれはこうすべきだというふうな、つまり考え方、意思を中心に議決し、従来の一件々々あげて、それに衆議院の決算委員会の考えが同感であるかいなかということを書くことは、これを取りやめるという方向に改めていったというのが現在のなにでございます。
 衆議院の決算委員会の今まで研究した問題に対する御回答は、要約以上のとおりでございます。
 次に、その問題に関連しまして、どういう考えを持っておるか、という御質問がございましたが、この点につきましては、当然の結果でございますが、これは私個人の考え方以外にはあり得ないのでございます。その考え方は、私は、決算委員会のなにと前の有力者なるムードといいますか、そういうものに対して若干違った考え方を持っておるのでございますが、それに関しては相当長い時間をかけてなにしないと工合が悪いと思いまするので、ひとまず以上の経過の説明でもって終わらせていただきたいと思います。
#6
○委員長(野本品吉君) ちょっと速記をとめて下さい。
  〔速記中止〕
#7
○委員長(野本品吉君) 速記をつけて。
 本日はこれで散会することにいたしますが、散会に先だちまして、お二人の方に御礼を申し上げておきたいと思います。
 会計検査院の事務総長、衆議院の黒田専門員には、御多用中われわれの要請にこたえまして御出席下さいまして、いろいろと御意見、御説明いただきましてまことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時三十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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