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1961/10/24 第39回国会 参議院 参議院会議録情報 第039回国会 外務委員会 第6号
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1961/10/24 第39回国会 参議院

参議院会議録情報 第039回国会 外務委員会 第6号

#1
第039回国会 外務委員会 第6号
昭和三十六年十月二十四日(火曜日)
  午前十時二十四分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
十月二十三日委員竹中恒夫君及び戸叶
武君辞任につき、その補欠として二見
甚郷君及び森元治郎君を議長において
指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     近藤 鶴代君
   理事
           井上 清一君
           鹿島守之助君
           木内 四郎君
           森 元治郎君
   委員
           草葉 隆圓君
           杉原 荒太君
           苫米地英俊君
           永野  護君
           野村吉三郎君
           堀木 鎌三君
           加藤シヅエ君
           佐多 忠隆君
           羽生 三七君
           曾祢  益君
           佐藤 尚武君
  国務大臣
   外 務 大 臣 小坂善太郎君
   国 務 大 臣 三木 武夫君
  政府委員
   外務省条約局長 中川  融君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       結城司郎次君
  説明員
   外務省経済局国
   際機関課長   鈴木 文彦君
   通商産業省鉱山
   局鉱業課長   大木  恒君
  ―――――――――――――
 本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選の件
○通商に関する日本国とペルー共和国
 との間の協定の締結について承認を
 求めるの件(内閣提出)
○日本国とインドネシア共和国との間
 の友好通商条約の締結について承認
 を求めるの件(内閣提出)
○第二次国際すず協定の締結について
 承認を求めるの件(内閣提出、衆議
 院送付)
○国際情勢等に関する調査(国際情勢
 に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(近藤鶴代君) ただいまから外務委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨二十三日、竹中恒夫委員及び戸叶武委員が辞任され、その補欠として二見甚郷委員及び森元治郎委員が選任されました。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(近藤鶴代君) 次に、理事補欠互選についてお諮りいたします。先般委員を辞任されました理事森元治郎委員が再び委員になられましたので、理事の補欠に指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(近藤鶴代君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
  ―――――――――――――
#5
○委員長(近藤鶴代君) 次に通商に関する日本国とペルー共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、日本国とインドネシア共和国との間の友好通商条約の締結について承認を求めるの件、以上本院先議の両件を便宜一括して議題にいたしたいと存じます。
 両件につきましては、前回において質疑が終了いたしておりますので、これより直ちに両件の討論に入りたいと存じます。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願いたいと存じます。
#6
○羽生三七君 この両件については、質疑の際にも明らかにしたように、通商関係だけでありますので、すみやかに通商航海条約として発足するよう、政府の一段の努力を要望して、両件に賛成いたします。
#7
○委員長(近藤鶴代君) ほかに御発言もないようでございますから、両件に対する討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(近藤鶴代君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより両件の採決をいたします。
 通商に関する日本国とペルー共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、日本国とインドネシア共和国との間の友好通商条約の締結について承認を求めるの件、以上両件全部を問題に供します。両件を承認することに賛成の方の挙手をお順いいたします。
  〔賛成者挙手〕
#9
○委員長(近藤鶴代君) 全会一致でございます。よって両件は、全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 なお、両件の議長に提出する審査報告書の作成につきましては、慣例により、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○委員長(近藤鶴代君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#11
○委員長(近藤鶴代君) 速記を始めて。
  ―――――――――――――
#12
○委員長(近藤鶴代君) 次に、第二次国際すず協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)を議題といたします。
 本件につきましては、前回において外務省当局から補足説明を承っておりますので、これより質疑に入りたいと存じます。御質疑のおありの方は、順次御発言をお願いいたします。
#13
○羽生三七君 この前、補足説明の際に御説明があったかどうか、あればそれでよろしいんですが、このすず協定については、国際価格の変動の激しい商品として指定されているわけですが、なぜ、そんなにすずが激しい価格変動するのか、その辺の事情を御説明いただきたいと思います。
#14
○説明員(大木恒君) すずの価格がなぜ相当フラクチュエートするかという御質問でございますが、御説明いたしますと、すずは、非鉄金属として非常に歴史も古く、また基礎資材といたしまして、銅、鉛、亜鉛に次ぐ重要なものでございますが、ただ、この資源が海外におきましては相当偏在して存在しているということでございます。非常に生産の多い所は、マラヤ、インドネシア、中国本土、ボリビアあるいはコンゴーというふうに、偏在した資源のあり方でございまして、これが世界の需給状況とからみまして、価格が相当フラクチュエートするというふうにわれわれも聞いておりますが、主として用途は、ブリキ、ハンダあるいは減摩合金等の一般基礎資材としまして、どうしても非常に重要資材でございますが、資源的に偏在しているということが、価格を相当上下し、国際価格が動くという過去のまあ実績であると、こう考えております。
#15
○羽生三七君 これも、この前説明があれば、重ねてお尋ねするのもどうかと思うのですが、この協定を結ぶ結果、わが国としては、どういう利益があるのか、年間の輸入量等について御説明いただきたい。
#16
○説明員(鈴木文彦君) ただいま御質問のありました点は、すず協定がまだ暫定的に効力を発生しております現在、はたしてこの協定が確定的に効力を生じた後に、日本がいかなる利益、端的に申しますと、輸入量確保の点でどういう利益がありますかという点は、ちょっと今のところ、はっきりしたことは申し上げられませんが、ただ協定の仕組みといたしまして、前回の補足説明にちょっと触れてございますように、この協定に入ることによりまして、すず価格が上限八百八十ポンド、下限七百三十ポンドのワク内におさまりますように、緩衝在庫の制度あるいは輸出統制の制度を用いまして、その中におさまるように、つまりその価格がそのワク内で安定し、消費者も生産国もともに利益を得るような仕組みに一応なっておるわけでございます。日本がこの協定に入りまして受けます利益という点から申し上げますと、第一に、そういった安定した価格ですずの供給を確保することができるということ、それから第二は、特にこのすず生産国の中の半分、つまり三カ国は東南アジアの国でござまして、インドネシア、タイ、マラヤ連邦でございますが、これらの国は、従前から日本がこの協定に加入することを要望しておりました。その趣旨はこれらの国の主要な輸出品でございまして、ぜひ日本が相当量の買付をしてほしいということは、かねがねこれらの国が要望しているところでありまして、特に昨年成立しましたマラヤとの通商協定におきまして、マラヤ側が、条件とまでは申しませんでしたが、この協定締結について非常に強い意向を表明した経緯もございます。したがいまして、日本がこの協定に入りますことにより、相当程度の票数も獲得いたしますので、理事会の運営において、これら東南アジア三国に対する協力態勢をその面からなし得る余地が生ずること、それも一つの利益だと思います。それから、さらに申しますと、このすずに関する生産、消費あるいは在庫に関する統計資料は、すず理事会に加盟している国のみに与えられる利益でございます。協定のアウトサイダーになりますと、これら世界のすず行政についての資料が入手できない点もございます。それから、この協定全般としまして、日本あるいは消費国が協定でどういうような義務を受けるかという点も、利益との観点で一応見る必要があるかと思いますが、すず協定は、ほかの国際商品協定と異なりまして、消費国の受ける義務は単に分担金の支払いのみで、たとえば、ほかの商品協定に見られますような、非加盟国よりの買付を禁止するとか、あるいは一定の価格で一定の数量を買わなければならないとか、そういう義務は全然ございません。
 今、やや羅列的な説明でありますけれども、一応すず協定に入りますことの利益という観点から幾つかの点を申し上げてみました。
#17
○羽生三七君 先ほどの質問の際に、年間の輸入量の実績をお尋ねしましたが、それがわかっておったらそれと、それから、協定加入国以外との取引というものはどの程度のものか。それから、一緒にお尋ねしますが、もう一つは、厳格な意味での利害得失ははっきりしなくても、ある程度は、各国の輸入実績から見て、本協定が成立した場合の得失、まあ失はないはずですが、得の方、利益という点などはどの程度のものか、ある程度は想定できるんじゃないかと思いますが、その辺はどうでしょう。
#18
○説明員(大木恒君) すずの輸入実績を申し上げます。
 昭和三十三年七千四百八十八トン、昭和三十四年九千八百六十二トン、昭和三十五年一万一千九百十トン、これが地金の輸入実績になっております。
#19
○羽生三七君 もう一つは、協定加盟国以外からの取引があるのかどうか。
 それからもう一つは、この協定が成立した場合、正式にはわからなくても、ある程度の利益というものはどの程度に想定できるか、厳格な意味でわからぬのは無理がないですから、ある程度でよろしい。
#20
○説明員(鈴木文彦君) 協定の非加盟国との関係につきましては、このすず協定は、非加盟国と加盟国との関係について何らの規定を設けておりません。と申しますのは、ほかの協定との比較において見ますと、この協定は、非加盟国との取引を禁止していないというふうに解釈いたしております。現実にすずの生産国、世界における主要な生産国六カ国が全部この協定に加盟しておりますので、少なくとも消費国としての立場から申し上げますと、非加盟国との取引は実際問題として起こらないものと考えております。
 それから第二の、この協定に日本が加盟することにより、すずの取引貿易においてどの程度の利益があるであろうかという御質問でございますが、この協定自身がまだ暫定的な効力の段階でございまして、たまたま、これはこの前ちょっと御説明いたしましたが、すずの価格が非常に今高騰しておりまして、協定の上限価格を上回っておるわけでございます。すず理事会としまして、何とかこれを平静な事態に戻すための努力をせっかくやっているわけでございますが、九月の末に終わりました理事会におきまして、供給不足がすず価格高騰の原因であるから、何とかして供給量を確保する必要がある。そのために、現在国際市場に出回っておりますすずがございませんので、一番多くの軍用備蓄を持っておりますアメリカに対しまして、すずの放出を理事会名をもって要請したわけでございます。アメリカは、これに対しまして五万トンの放出を一応考える、そのうち特に一万トンについては、これはアメリカの国内法で六カ月の予告期間が必要なんでございますが、それを短縮する法案をアメリカの国会に出しましたところ、九月の末に審議未了のまま国会が終了しましたので、正式の手続完了は来年の国会再開まで待たなきゃならない。そこで、アメリカとしまして、軍用在庫以外の政府備蓄として約四万トンございますが、これを放出することに決定いたしまして、そのうちの約一万三千五百トンがすでに放出を見ているわけでございます。このように、異常な価格を平静に戻すための努力をすず理事会として非常に懸命にやっておるわけでございますが、これで、何とかあとの四万トンの軍用備蓄の放出が実現されて、市場価格が平静に戻るという場合に、初めてこのすず協定が正常な発足を見るわけでございます。それまでの過程におきまして、日本がこの協定に入ることによって直ちにどういう利益が生ずるかということは、今非常な変則的な事態のために、ちょっとはっきりしたことを申し上げられない事情にあるわけでございます。
#21
○永野護君 ちょっと関連質問。日本の国産はどのくらいありますか。
#22
○説明員(大木恒君) わが国のすずの生産は、現在稼働しておりますのが数鉱山ございますが、大体銅、鉛、亜鉛という、ほかの金属と随伴して生産しております。その一番大きいのは、兵庫県にございます三菱金属鉱山がやっております生野、明延鉱山、すずだけでやっておりますのは、大分県にございます見立鉱山、この三つが一番大きな鉱山でございまして、年間千百トンほどの地金としての生産をあげております。
#23
○永野護君 この協定に入ることによって、日本のすず鉱業の受ける影響というものはありませんか。たとえば、これに入ると、関税の特殊の保護はできないというような束縛を受けることが……。
#24
○説明員(大木恒君) すずにつきましては、鉱石も、また地金も、現在AA制でございます。日本のすず鉱業の基本になりまする価格につきましては、こういうすず協定もございまして、加入はしておりませんが、その国際価格は日本の建値というふうに考えられる。日本のすず鉱業は、その建値において相場が成り立っているというふうに考えられるわけであります。それで、この協定の加盟いかんにかかわりませず、現在まあすでにAAになっておりまするので、この点の影響はないものと、われわれのほうは考えておるわけであります。
#25
○井上清一君 第一次国際すず協定に日本は入っておったのですね。今度新たに入るわけは、そうすると、第一次と第二次とは違うのですか。
#26
○説明員(鈴木文彦君) 日本は、第一次協定には加入しておりませんでした。第一次協定は、一九五六年から六一年までの五カ年間、六月三十一日まで、第二次協定は、ことしの七月一日から六六年の六月三十日まで、五年間の有効期間を持って新たに作られたわけであります。協定の仕組みとしましては、根本的に何ら変わっておりません。日本が第一次協定に入らないにもかかわらず、第二次協定になぜ入ったかというあるいは御質問の趣旨かとも思いますが、第一次協定当時におきましては、この協定に日本が入ることによってどの程度の利益があるか、あるいは不利益があるかという点が、必ずしもはっきりしなかったわけでございますが、第二次協定発足前後、特にこの協定会議の行なわれた、昨年の五月ニューヨークで行なわれたのですが、その前後から、国連を中心としまして、低開発国問題に非常に重点が置かれ、これらの国を助けるために、その産出する第一次産品問題をいかに買付増加するかというようなことを中心に、国連で第一次産品問題に非常に議論が重ねられたわけでございます。そこで、日本としましても、こういった大きな動きに対して協力態勢を確保するということとともに、先ほど触れましたように、この協定の生産国のうちの半分の三カ国が東南アジアの国であって、日本と大きな取引先であるといった政策的考慮もございまして、これに入るべきであるという一応の踏み切りをしたわけでございます。
#27
○井上清一君 第一次協定の効力が発効しておりましたことしの六月末までに、すずの価格というものは相当やはり変動があったのですか。現在、先ほどお話を承っておりますと、ことしの二月以来非常にすずの価格が高騰して、上限価格を相当上回っておるというのが実情でございますが、どうして一体上回ったか。先ほど若干御説明があったようでありますが、第一次協定の期間中にすずの価格が非常に変動したかどうか、それが上限価格、下限価格を大きく離れたかどうか。そういう点で、第一次国際すず協定の効果と申しますか、国際的にすず価格が安定したかどうかということを、若干数字について御説明を願いたい。
#28
○説明員(鈴木文彦君) ただいまの御質問でございますが、五六年からことしの六月末までの期間を見ますと、すず価格は若干の変動を見ております。特に五七年の前半に非常にすず価格が下落しております。これは、ソ連が相当量のすずを国際市場に売りに出しましたために、すず価格が非常に下がり始めまして、一九五八年の九月には、六百四十ポンドまで下落したことがございます。しかし、この異常な値下がりの事例を別にいたしますと、あとの変動は、一応すず価格の上限、下限の価格のワク内におさまっております。これは、先ほど申しました価格安定のための協定の仕組みが一応有効に動いたものというふうに考えております。これは、特にソ連の場合は非常に異常な事態というふうに考えて差しつかえないかと思いますが、ただ、今度の協定発足当時において、反対に、価格が非常に高騰したという事態、そのために、これまたソ連の事例と似た事態を引き起こしたわけでありますが、今次の価格の高騰は少し性質が違いまして、世界的にすずの消費量がふえたということ、それと同時に、アメリカにおける景気の回復が予想外に早いという見通しのための買付が非常にふえたということ、さらに申し上げますと、ラオスあるいはコンゴーにおける政情不安のために投機買いがふえておる、特にコンゴーにおいては、これは生産国の一つなんでございますが、政情不安のために、ほとんど全く生産量がない。少なくとも市場に出回る量としては全然ゼロであるという事態、それから、もう一つのファクターとしまして、すず理事会が供給不足に対する見積もりをいたしましたのですが、一九六一年に、大体一万トン程度のすずが不足であるという見通しを立てたことが投機買いをあおっておるという、こういう事態のために、つまり需要と供給との非常なアンバランスが生じましたために値段が上がったというふうに了解いたしております。
#29
○委員長(近藤鶴代君) 本件に関する質疑は、本日のところこれで終了いたしておきたいと存じます。
  ―――――――――――――
#30
○委員長(近藤鶴代君) 一般国際情勢に関しての御質疑を願いたいと思います。
#31
○森元治郎君 今大きな問題は、何といっても、ソビエトの二十三日のノバヤゼムリャにおける五十メガトンの実験を強行した問題であろうと思います。われわれは、世界の平和愛好国とともに、こういう実験の強行はやめてもらいたいということはかねがね強く主張し、抗議をしてきたんでありますが、こういうふうなソビエトのわれわれの声を無視してやったことに対する政府の態度というもの、どうやったらこういうものを押えられるか。どういう方法で臨むのか。それと、ついでに、一般的な核実験をやめさせる考えというものを承りたいと思います。
#32
○国務大臣(小坂善太郎君) 核実験停止という問題については、われわれ世界における唯一の原爆の被害国として、これについては、従来から非常に強くその主張を行なって参りました。国連総会におきましても、二つの角度から、この問題についての禁止を要求する決議を実行に移して採択すべく努力をしておったわけでございます。一つは、この放射能障害によるところの人体に関する国際的な認定と申しますか、科学委員会におきまして、この害悪を至急調査して国連に報告させ、そうしてかかる事態についてはおそるべきものであるという認識を、世界的なレベルにおいて規定するということ、一つは、従来からやっておる核実験停止ということに対する国連の間の世論を取りまとめて決議案とするという考え方でございます。
 第一の問題については、特別政治委員会において、七十五の賛成を得て、反対ゼロということで、過日決議が行なわれました。本会議においても、もちろん御採択になることは当然と考えております。
 それから第二の問題につきましては、これは今、一般政治委員会におきまして、第一委員会におきまして、岡崎代表も討論に参加したりして、これの取りまとめに努力しておるわけであります。一方この五十メガトンの核爆発をするという問題については、われわれ、大へんなことでありまするから、ぜひともこれをやめさせるようにしたいということで、これに関する決議案も、先週これを提出すべく、被害国と考えられる六カ国、それにパキスタンも入りまして、七カ国の共同提案ということで議題を準備いたして、先週末においては、どうもソ連という名前が名ざされることはどうかというようなことを言ったりする国も賛成国の中にあったりいたしましたので、今週に持ち越すということになっておりましたが、そのやさき核爆発実験が行なわれたということでございますので、まことにもう遺憾千万と言うほかはございません。政府としては、直接に、ソ連政府に対しても、この点について強い抗議をいたしております。私考えますに、やはり世界平和というものを達成するためには、何といってもこの小国の考え方もございますが、いわゆる安保理事会において拒否権を持っておるような大国の責任、これは非常に大きなものだと思うのでございます。やはり持っていないものは、これはやめてくれということももちろん言わなければなりません。われわれとしては言うわけでありますが、持っておる国にこれを実行するという気持にならせるということが何といっても必要なんでございまして、その意味から、私どもできるだけのことをしておるつもりでございますけれども、いかんせん、ソ連のごとき大国において、こういう国連内の世論がそういうほうに向かいつつあるやさきに、これのきまる前に、抜けがけ的にこういう実験に出たという態度は、返す返すも遺憾千万と言うほかはございませんが、政府は、あらためて強くこのことをソ連政府に抗議をするつもりでございます。
#33
○森元治郎君 何としてもこれは、私を含めて、社会党その他われわれのほうでは、ソ連との国交回復も進んで早くやろうとしているやさきにソ連が強行したということは、十分責めらるべき問題だと私は思っております。ただ、政府が今までやっておられることを見ると、抗議の連続ではありますが、どうも力が弱い。その力が弱い原因はどこというと、どうしてもソ連との反対陣営のほう、つまりアメリカを頭に入れる。自由陣営の仲間であるアメリカのことを頭に入れるせいでしょう。それで、すなおな率直な原水爆禁止の気持がソ連側にも伝わらないのではないか、こういうふうに思います。その一つの例として、私も小坂大臣の御演説をこの間国連で拝聴いたしました。そのときに私は、代表部の方から向こうで、こういう代表部で刷った演説の原稿をもらったのでありますが、ここで不思議なことは、なぜソビエトとアメリカという名前をあげなかったかということが第一点であります。今までやらなかったのに、急にソ連が再開した。これは当然責めるべき問題であったと思う。またこれに続いて、地下爆発をやったアメリカもいいことではないんだ。こういうことをどうして名前をあげて言わなかったか。それが第一点。
 第二点は、英文で発表されましたる国連の代表部のものと日本語で書いたものに、一つ違いがあることは大臣も御存じだと思う。こういうふうにまっ黒に塗ってある。ここが私は問題だと思う。すなわち大臣の演説には、交渉当事国の一つが、交渉半ばに突然核実験の再開を一方的に宣言し、矢つぎばやに核実験を行ない、核実験競争の端緒を開いたのであります。そこはおそらくソ連を言ったんでしょう。その次に、その結果ほかの当事国も、これはアメリカでしょう、制限された形のもととはいえ、この例にならいつつあることはまことに遺憾であります。こう言っておる、このあと日本文では。これを私はもらったんですが、おそらく日本の新聞にも載っているんでしょう。どうしてこういうことを削るか。この二点を……。やはりああいう国連という場は、国と国とのインタレストが猛烈にぶつかり合うところですから、少しぐらい強い言葉を言っても、何といいますか、皮膚は固くなっておりますから、たいていなことは大丈夫なんです、あそこは。しかるに、これほど強く核実験をやめろという日本の立場からして、名前をあげなかったということはまずかったんじゃないか。やはりあげたほうが訴える力が強かったんじゃないか。第二点は、その他の当事国も制限された形でやったというこのアメリカの地下爆発を国連の総会の席上では、抜いてしまったということは、どうも残念だと思うんです。この二点を一つ……。
#34
○国務大臣(小坂善太郎君) まず第一点からお答え申し上げますが、私ども国連の演説をする場合に、特定の国の名前をあげないでやるほうがいい、こういう判断に立ちまして、終始一貫国の名前をあげていないんです。しかし、それだけ言えば、もちろんこれはしろうとじゃございませんし、まあしろうとでもみんな知っておることですから、それでいいじゃないか、かえって国の名前をあげ出すと、あらゆる場合に、なぜあのときはあげておいて、今度はあげないのかという問題が起きます場合があるかもしれない。その国の名前をあげることによって不測のトラブルを起こすことも将来考えられる。悪い例になるといけないというようなことで、国の名前はあげなかったんでございます。
 それから第二点については、これは、ソ連がやったということはまずいですね。それから、片一方が制限された形ではあるけれどもというような回りくどいことを言わないで、これによって核実験再開競争の端緒を開いたのでありますと言うほうが、演説としては迫力があるんではないかという意見が出て、それはそうだということになって、前の晩にそれは削ったんです。その当時はそういうことで、これは見方の問題なんですが、別に片一方に遠慮したとか、片一方にどうとかいうようなことは全然なくて、何か制限された形においてでもというような、そんなまだるっこしいことを言わないで、両方やることはけしからぬ、しかし、この核実験競争の端緒を開くというようなことはまことにけしからぬのだ、こう言うほうが演説の表現方法としていいんじゃないかというような意見がございまして、そういうふうにしたということだけでございます。
#35
○森元治郎君 国連の場で名前をあげないということでありまするが、小坂大臣のあと、ケネディ大統領、それからイギリスのヒューム外相の演説も聞きましたが、ヒューム外相の場合は、名前があげてあったように記憶するんです。これは間違いであるかもしれませんが、私がちょっと聞いたところでは、名前はあげてあったと思うのですが、やはり名前はあげたほうが強く訴えられるというふうに感ずるわけです。
 それから、この第二点の「制限された形」ということでありまするが、国連の廊下トンビの間では、アメリカ側の要請によってこれを抜いたんではないかというような疑いも持たれておったのであります。これはもちろん、大臣のお耳に入っていると思うのでありますが、私も、いろんな人に、要路の人に会ったときにも、ソ連の核実験再開についてどう思うか。アメリカは、ソ連がやったからやったんだ、しかもフォールアウトの心配をなくするために、遠慮して地下でやっているのだ、それをどうしてソ連のほうに日本の社会党その他は当たりが弱くて、遠慮してやって、われわれに対して強いのかというような意味の質問をしばしば受けたのであります。そこで、国連の、廊下スズメのうわさもそうではなかろうかというふうな感じを持ったわけでありまするが、私は、やはり悪いことは悪いんだという根本原則は国際政治社会でも強く言わないと、ソビエト側からすれば、お前はいつでもアメリカ側のためにだけ核実験停止の運動をしているじゃないかと言われるおそれがあるので、この点は、私はいずれにもやってはいけないということを強く主張すべきだろうと思います。そこで、もう一度大臣に、この点、簡単でよろしゅうございますから、お考えを伺っておきたい。
#36
○国務大臣(小坂善太郎君) まあいろいろ御意見はあろうかと思いますが、今お話の中にありました、アメリカからの要請があって云々という話は、全然根拠がございません。もちろん、私ども演説する場合に、事前に原稿を他の国に見せるというようなことは全く不要なことでございますので、そういうようなことはしておりません。したがって、それについての意見が他の国からあるというようなことも、これはないわけでございます。この点は御了承願っておきたいと思います。
#37
○森元治郎君 単に厳重抗議をするということだけでも、なかなか問題は解決しないのでありまするが、しかし、今度の五十メガトンというのがたいへん大きなもので、今までやったのは、一九五四年のビキニの爆発が二十メガトン、ソビエトが今までやった一番大きいのは十五メガトンだと私は記憶しておりまするが、その影響というものは直接われわれの頭の上に、何の関係もない、平和な憲法を持っているわれわれの頭の上に死の灰が降りかぶってくるとなりますと、単なる抗議だけでは済まされない。一体どうしてくれるという抗議にならなくちやならぬと、どうしてくれると、こういう点も当然私は抗議の中に入るべきだろうと思う。そこで、この影響というものをどの程度に感じられるのか。その点をひとつ三木長官に、政府の調査の結果をお伺いいたしたい。
 その前に、小坂大臣に、ケネディの国連における演説を聞きますと、放射能による健康障害については、アメリカの科学者、医者などは、それによって困っている国に援助を与える用意があるというようなことを言っているのですが、その点、まず大臣から……。
#38
○国務大臣(小坂善太郎君) 放射能障害についての国際的な判断の基準というものは、現在まで確定したものはないわけでございます。そこで福島代表が、特に特別政治委員会において、これをきめようじゃないかということを言っていることは、非常に意義があると思うのです。そこで、そういう国際的な基準が出たならば、それに対しての補償と申しますか、今おっしゃるように、どうしてくれるということは、当然それが出たあとには問題になることだと思うのであります。したがって、それについてどういう障害があっても、それが国際的に、われわれ民族に及ぼす影響というものについては、当然原爆実験国において考慮すべき事柄であるということは、当然私は言うべきことだと、そのように考えております。
#39
○羽生三七君 ちょっと科学技術庁の長官の御答弁のある前に……。
 今の森委員の御質問は全く同感で、そのとおりでありますが、それとともに、この五十メガトン級というのは実際に実験されたのか、今度の場合がそれに該当するのか、なお未確認なのか。その辺もあわせて一緒に御答弁を願いたい。
#40
○国務大臣(三木武夫君) 五十メガトンらしいということで、まだ確認というところまではいきませんが、大体各国とも、今までにない地震計に対しての震動を感じておって、五十メガトンらしいというので、もう少し時間も必要とすると思います。
 また、このような大規模な核実験というものは、今まではなかったわけであります。ビキニなども二十メガトン程度のものであります。したがって、どういう放射能の被害を日本に及ぼすかということについては、これは、今ここでこうだということはなかなか予言しにくい。そうで、私どものほうとしては、今も会議をやっているのですが、原子力局が世話役になって、関係各省の連絡会をただいま科学技術庁で開催中でありますが、そこで、とりあえず調査の態勢をととのえて、そうしてその調査というものに従って、どういう処置を国民の一般の人々がとることが適当であるかという指示も与えられるような態勢を整備しておく、大体三日ないし四日後に、日本に対して放射能の被害を受けることになるのではないかという予定でありますから、これは天候の関係ともいろいろ関係がありますけれども、大体そういうふうに考えられますので、調査の態勢を整えて、その場合には、少し厳重な警戒をする態勢をとりたいと私は考えております。
#41
○森元治郎君 ソ連がこういう実験をやる理由として、ソビエトのフルシチョフ首相の話なんかを総合すると、フランスというNATOの加盟国、すなわちアメリカ側のプラスになるNATOの加盟国がやっているじゃないか。それからもう一つの理由は、われわれは、実験回数はアメリカに比べれば少ないのだ、まだ当然やる権利があるのだということ。もう一点は、核実験停止と軍縮というものは同時にやるべきであるのに、アメリカはやらない。こういうような三つの点などを今まではあげておったようであります。
 この三点についての大臣のお考えをお伺いしたい。
#42
○国務大臣(小坂善太郎君) フランスについても、核実験をやるということは非常によくないことなんだ、こういうことはやめなければいかぬということをしばしば抗議しております。なお、先方の反省を待つ以外に、抗議する以外に現状においては方法がございませんので、残念ながらそういうことにしておりますが、なお、これが拡散する、他の国に及んでいくということを防止するためには、昨年度もさような決議案を出して、国連で確認しておるわけでございまするが、まあそういうことでございます。
 それから、ほかの国がやるから自分のほうはやるのだ、あるいは、それまでの回数に達しないから、達するまでいいのだというような言い方は、まことに遺憾なことだと思うのであります。これはいけないものであるという認識に立てば、他が何回やろうと、それまではいいというような主張ができないのは当然だと思います。したがって私どもは、この問題について従来からしばしば抗議をいたしておるのであります。しかし、何といっても実効が伴わない。どうも非常な強国においてこういうことをやるということは、結局、その強国の反省を待つ以外にないのでありますが、それには、結局国連の場というものが唯一最高の実効の伴うそうした問題を防止する場であろう
 軍縮と核実験の問題は、これは、軍縮の問題に入って参りますと、なかなか多種多様の問題が出て参りまして、たとえば、緊急にやろうと思えばやれる核実験の停止という問題すら、ほかの問題のバーゲンに使われてしまうということになれば、焦点がぼけてしまいますから、まず核実験の停止、軍縮は軍縮と考えており、それが実効性のある方法だと思っているのであります。ところが、ソ連の方ではいろいろそういうことを言っておりますけれども、こういう点については、だんだんその核実験の停止はやられるものだし、やらなければいかぬということが認識されつつあるように私どもは考えておるのであります。
#43
○森元治郎君 そこで問題は、さっそく連鎖反応で、これに対してアメリカはどう答えるかということがすぐ出てくると思うのです。日本政府の国連代表部では、盛んにはね回って、予想される五十メガトンの実験を押えるような、やらせないような決議案を通そうと努力して、やっておる。一体決議案の動きを政府はどうするつもりか。ただソ連だけの実験停止を目標に、一応これで終わったということをかりにソ連の方で言われてしまいますと、目標がなくなってしまう。一般的に実験禁止ということをやれば、今度はアメリカの方の実験も押えるような結果になると思うのですが、断じてそれは実験はしない、いかなるものでも、いけないというふうに、国連においても、あるいは国内においてもおやりになるつもりかどうか。ソ連の五十メガトンはでかいから、しかも済んだんだから、アメリカのほうも少しやらなくちゃいかぬということでは、これでは、核実験停止という日本の願いは通らない。この点の確たる御信念のほをど伺いたい。
#44
○羽生三七君 ついでに答えを一しょにしていただきます。
 それで、先ほど私お尋ねしたように、五十メガトンのものであったかどうか。それであってもなくても抗議する必要がありますから、それは、国連に現に政府がおやりになっておる、決議という形でおやりになっているけれども、それはまだ時間がかかると思うのですが、その場合に、五十メガトンクラスであるかないか、まだわかりませんが、もしまだそういうものでないとするならば、早急に国連の決議に必ずしもとらわれるのではなく、直接日本がソ連等にもっと抗議するような処置はおとりにならないのかどうか。これもあわせてひとつお願いします。
#45
○国務大臣(小坂善太郎君) 核実験停止をやらなければいかぬという政府の主張は不動のものでございまして、相手国のいかんを問わぬことでございます。そういういわゆる力による対決、どの国が今までやったから、自分の方はそこまでまだ行っていないからやるのだ、あるいはやったから私のほうもやらなくちゃならないとか、そういうことになって参りますれば、非常な悪循環、危険な戦争への道がだんだんそこから険しくなってくる。のみならず、それによって第三者、平和を愛する諸国民が非常な害悪をこうむっておることでございますから、これは、強く主張は堅持するつもりでございます。また、そのように行動するつもりでおります。
 それから、羽生さんの御質問で、それが五十メガトンであったかどうかということの確認でございますが、これは十分確認すべく、あらゆる方法を通じてやることは当然だと思います。例の五十メガトン禁止の決議を出します際にも、それでは四十九トンまでだったらどうだということが言われておるようでございます。そういうことは、いわゆるソ連が五十メガトンをやるというから、これはたいへんだと、こう言っているのでございまして、ちょっと理屈にならぬ。いずれにしても、さような大規模なものは、今までソ連の二十一、二回やったのが大体六十メガトンくらいになるのじゃないかという推定が行なわれているようでございますが、一気にまたそれだけのものをやるということは、そのフォールアウトの害が非常に大きいという意味で、これは非常に強く、今後も、そういうことがないように、またやったものについては、今度やったことに対する責任というものは当然伴わなければならぬのでありまして、その点も、強く国連等において反省を求めるように、全世界の平和を愛する人類の声として、こういう問題に反省を求めるようにしなければならぬというふうに思っております。
#46
○羽生三七君 私の言うのは、国連だけでなしに、直接的にソ連に対してもそういう処置をとるものか、こういうお尋ねです。
#47
○国務大臣(小坂善太郎君) 直接的にもちろん抗議はいたします。
#48
○森元治郎君 大臣の今御答弁の中で、私の言ったのは、ソ連はもうこれでやらないのじゃないかというのが、かねがねそういううわさもあり、けさの情報もそうなっていたわけです。やるだけやってしまった。しかし、今度は地下のほうで遠慮してやったのかどうか知りませんが、こそこそやったのじゃおもしろくないから、丘の上へ引っぱり出してやるということになってはまずい。そこで、そういうことに対して、日本政府は一体どういう態度に出るか。やはりそれもいけないのだという態度を国連ではっきりするかどうか。五十メガトンだけじゃなく、今後とも核実験はいけないのだということを主張されるかどうか。
#49
○国務大臣(小坂善太郎君) お答えしたつもりでおりましたが、主張いたします。そういうことで行きたいと思います。
#50
○加藤シヅエ君 関連。今、森委員から、五十メガトンの核実験があったらしきニュースにつきまして、いろいろ政府御当局の御意見を承っております。そうして小坂外務大臣を初め、国連においてたいへんな努力をして今まで戦っていらっしたこともよくわかります。しかし日本は、何と申しましても、広島と長崎で実際に被爆した国であるという、そういう世界にただ一つしかない特殊な立場を持っている国としてのその立場をもっと強くこの際利用して、国連で核実験禁止のために戦っていただかなくちゃならないし、また戦っていただける立場に日本があると思うのでございます。にもかかわらず、批判するのはやさしいかもしれませんけれども、どう見ましても、まだその訴え方が、何かこうすっきりしたものが欠けているように思いますし、力も非常に弱いように思います。ことに、けさこの実験があったというニュースを聞いた者は、もうほんとうにふるえ上がるほどおそろしく思いました。そうして同時に、日本が七カ国決議案を提唱しているにもかかわらず、それが、まだ何かいろいろもたもたしているうちに、決議がきまらないうちに、もう先を越してやられてしまったということは、返す返すも残念であったと思います。それで私として、小坂外務大臣に御意向を伺い、さらに強い確信を持っていただきたいのは、今の森委員に対する御答弁の中でも、こういう問題は、ソ連のような実際に力を持って実験をしようとしつつある国の反省を求めなければならないとおっしゃっていらっしゃる。それは、確かにそのとおりに反省を求めなければならないのですけれども、その反省を求めるような戦いが、何か日本はアメリカに追従しているというような印象がいつでもつきまとって、そうして先ほどの、特に特定の国の名をあけないほうがいいという結論に到達なすって、それをお削りになったのかもしれませんけれども、こういうような問題は、もっとそのものずばりで日本はやってもよろしいのじゃないかと思っております。そういうようなときに、どうも何か、いつもこう遠慮したり、それから、そこらをじっと見回しながら、少し静観主義をとって、それからまた、こうそろそろと動くというような、そういうような態度をしていたのでは、とてもこの人類全体の大きは問題に対して、ソ連あるいはアメリカを反省させるというような力はそこから生み出てこないのではないか。私は、非常にそのことを歯がゆく思うのでございます。日本がこんないい立場をなぜもっと有効に使っていただけないものか。その点につきましては、私ども社会党としても反省しなければならぬ点があると思います。私どもは、あくまでも世界平和のためには、中立外交というものをこのアジアの一角から、しかも経済的にも相当力を持っているし、持っていると認められている日本が、積極的な中立的な立場をとりながら、両方の力の外交をやろうとする国に対して、正しい言葉を率直に進呈する、国連の九十八カ国に対してもアッピールするというような態度に出ていかなくちゃならない。その積極的な中立外交という面では、社会党も、ややもすれば反米親ソ的な中立外交であるという御批判を世間から受けておりました。このことは、私も非常に遺憾と思っております。今度のような問題に対しましては、社会党としては、私は社会党の同志たちにも訴えて、率先してソ連大使館に押しかけて、こういうような無暴なことをするということに対して厳重な抗議をしなきゃならないし、また、社会党を支持している労働組合その他の方々も、それには非常に賛成して、そういう大衆運動も起こさなければならないと考えるだろうと思いますし、また、そういうふうに私は党内にあって働きかけ、純粋な意味の積極中立外交というものを社会党としてもやって参りたい。これに対しましては、アメリカのある外交評論家として非常に価値を認められている方々が、アジアの国で一番信頼のできる国はインドだ。インドのネールさんにやはり何かといえば相談して、そうして仲介の、調停の役目をとってもらうのだというようなことがある評論に出ていたのを見ましたときに、ネールさんにやってもらうことが、日本がやらないということを、非常に私は残念に思っております。今は、経済的な力、あるいは地理的な条件その他からいっても、日本がもっともっと働かなくちゃならない。それで私は、社会党がややもすれば反米親ソのような印象を世間の方々に与えていたことに対しては、この際ほんとうに反省して、あくまでも人類全体の平和ということを考える中立外交であるということを私どもも反省したいと思いますけれども、政府におきましても、ややもすればアメリカにくっついて歩いているのだというような印象から、せっかくの被爆国であるただ一つのよい立場を十分に利用なさっていらっしゃらないことを私は非常に残念に思いますので、小坂外務大臣は、もう少しそのものずばりと今後国連で発言なさることをおできにならないでしょうか。また、そういう覚悟をお持ちになっていらっしゃるかどうか。この際伺いたいと思います。
#51
○国務大臣(小坂善太郎君) まあ私どものやっていることについて、いろいろ御忠告いただくことはけっこうと思いますが、私も実は、思うことをそのまま非常に率直に、どの国に対しても、日本の立場というものからして、われわれの考えを率直に言っておるつもりなんでございますが、いろいろ御批判はあろうと思いますし、やることもなかなかうまくいっていないということも、これは大いに私として自省いたさなければならぬと思っております。しかし、どうも相手のあることでございまして、たとえば、今度のソ連の大会におけるフルシチョフ・ソ連首相の態度等を見ましても、自分の意見に反対する者については、徹底的に敵だとしてこれをたたく、こういう態度でございますから、どうも日本の抗議というものがいれられないということは、何も日本がアメリカにばかに遠慮しているからいれられないということばかりじゃなくて、むしろソ連のことに対する忠告は一切聞かぬ、おれはおれで力も十分あるのだから、わが道を行けばいいんだ、こういう態度から発しているように私には思えるのです。もちろん、私どもの行き方については、いろいろの御忠告は喜んで承ります。また、加藤さん御自身のお話にもありましたように、社会党としての行き方についても、いろいろ御含蓄のあるお話でございまして、これは、敬意をもって拝聴いたします。
#52
○加藤シヅエ君 三木科学技術庁長官にも、この際伺いたいのでございますが、いわゆる死の灰の放射能の人体に及ぼす影響というものが、その民族の身体の素質、日ごろの食生活、習慣などが違うというような点から、日本人は特に放射能から受ける被害というものが強いのだというようなことをちょっと聞いておりますけれども、そういうようなことがあるのか。また、そういうことに対して、ほかの国と比べてどのくらいというような御研究が進んでいるかどうか。そこを伺いたいと存じます。
#53
○国務大臣(三木武夫君) 放射能の被害については、なかなか研究し尽くされていないものがあります。たとえば、今御指摘になった、ああいうフォール・アウトといわれておる一落ちてくる放射能のちりのようなもの、それがやはり、非常にストロンチウムなどは、人体の中の骨にまで浸透する力を持っておる、それが遺伝の上においてどういう影響を持つかということは、まだ医学的にも解明されてない点があるわけです。だから、許容量というような言葉を使うことがありますが、しかし、許容量は私はないと思うのです。それは、これくらいまでだったらいいというものじゃないです。少量であっても、何らかの影響力を持っているに違いない。そういう点で、この核実験というようなことは、人類の将来に対して非常な悪影響を及ぼすものであると思いますが、今、まだそういう点で究明されておらない点があります。ただ、現実に、その遺伝の点までも考えて、どうだという結論には達していない。ただしかし、遺伝まではいかないにしても、その前に、放射能の量、質というものがこの程度までになれば、こういう被害が直接にあるということは、現在でも大体の基準があるわけです。その基準によって、われわれは、国民の各位に対しても注意を喚起しておるわけです。やはり調べてみれば、将来のわれわれの子孫に対して非常な影響を持つ面があるのではないかという点を非常に憂慮しておるわけです。
#54
○羽生三七君 今の点に関連して。くどいことは申しませんが、この前も予算委員会で申し上げましたように、中国の原爆保有も、時間の問題だといわれておる。したがって、そうなってくると、アメリカの核兵器の日本への持ち込みも、当面の問題にならぬとは保証しがたい。だから、こうして予盾が拡大再生産されていく現在の状況のもとで、さらに、大規模な核実験がソ連によって行なわれておる。こういうことでありますから、当面する問題についての抗議は十分やっていただくとともに、先ほど来森委員も言っておりますように、お隣の中国だけやめてもらうというわけにはいかないので、やはりこれは本腰を入れて、日本が、核兵器あるいは一般通常兵器を含む全面的な完全軍縮という線で、積極的な役割を国連の座で果たしてもらいたいと思うのです。これは、率直に申し上げて、ほんとうにどこまで本腰なのかと、政府の本腰を疑うのはよくないが、しかし、たまたまそういう疑問を私たちは持たざるを得ないので、ほんとうに本腰を入れてひとつやっていただきたいと思うのです。それで、特に当面する決議案の成立はもとより、今申し上げました完全な軍縮についても、日本は、今当面する問題については相当な努力を払っていることは、これは、私率直に認めますが、包括的な全般的な軍縮についてもこれをやらないと、なかなか私は、当面の問題だけで解決できない部面もあると思うので、段階もあるでしょうし、順序もあると思いますが、当面の問題で積極的な御努力をいただくとともに、基本的な問題についても、政府が本腰を入れてぜひやっていただく。これは、やはり私考えてみて、率直に言って、安保条約が終わったらとか、社会党政権ができたらという、のんきなことを言っておられぬ時間的な制約のある問題だと思うので、今の政府において積極的な役割を果たしていただくことを希望しておるわけです。そういう意味で、政府の一そうの努力を衷心から期待し、希望する次第です。
#55
○森元治郎君 関連して。やはり今の羽生さんのお話を伺っていても、すぐお互いに思い出すことは、やはり国連というものが、トータル・メンバーシップといいますか、中共を含めて百十八カ国ぐらい国があると思いますが、やはりそういう国全部が国連の加盟国になるということにもやはり根本的な問題があると思う。かりに、これはできないと思うが、アメリカとソ連との間に国際的な核実験禁止の約定ができても、中共あるいは最近ではインドでも、作ろうと思えばいつでも、二年以内に作れるのだということを言っておりますから、都合によっては、おもしろくなければ、そのどっちかの国がほかの国がやるかもしれないから、この条約は守っておれないといって逃げるかもしれない。どうしても、そういう面から見て、中共を含む全独立国の国連加盟は大事だと思う。核実験禁止から見て、中共の国連加盟についても、深くは突つきませんから、一点だけお伺いしたい。
#56
○委員長(近藤鶴代君) 念のために申し上げておきます。三木科学技術庁長官は、十二時十分前に退席の予定でございます。
#57
○国務大臣(小坂善太郎君) 羽生さんのお話、非常に私も同感でございまして、やはり私どもは、日本国の政府として、党派ということよりも、日本の立場において、十分軍縮の問題核実験の禁止の問題に努力しなければならぬと思います。ただ、お互いに、今のお言葉は非常に感激をもって伺いますが、たとえば、ソ連ならソ連が、何でもかまわず、ああいう横暴なやり方で強行してしまう。あれは日本の政府がまずいのだ、だから、これをかえなければというようなことになりますることは、むしろああいう強行する腹の裏には多少考えることもあるのじゃなかろうかというふうにも思いまするので、やはり悪いことは悪いということにおいて、全国民が一致して努力するように、私どもも、できるだけそういう方向に努力したいというふうに思っております。
 それから、森さんの中共の国連加盟の問題でございまするが、これは、御承知のように、この委員会でもお答えしておりまするが、両方の政権が、二つの中国というものは、反対だと言っております。そこで、日本はどうするかということは、日本だけできめられない問題で、この問題は、妙な結論にいたりまする際には、場合によっては極東の平和、世界の平和に直接影響する問題じゃなかろうか。現状では、とにかく軍縮の問題も、核実験の停止の問題すらもできないのが国連の現状でございまするから、もしそんなことになったらたいへんなことでございまするから、やはり国連において十分この問題を討議して、そして国連加盟国のあらゆる立場からあらゆる議論が出て、それに両政権当事者が賢明なる配慮をして、そこに妥当な結論が出ていくということが私は最も望ましいのじゃないか。これは、もう、政府の外交は少し自主性がないとか、煮え切らぬというような御批判はあろうかと思いますけれども、煮え切ったために、かえって非常なことになることもあるわけでありますから、十分そういう点を考慮して、国連中心でこの問題の結論を出していくようにしたいというのが私どもの考えでございます。
#58
○羽生三七君 最後に、三木長官に伺いますが、二十七日ごろに放射能のちりが日本に降ると言われているのですが、このクラスの実験によって受ける被害というものは、実際にちりが降ってこなければ想定ができないのかどうか。それが大体の想定ができた場合の、そういう場合の何か対策といいますか、そういうものはあるのかどうか。その一点だけ承りたい。
#59
○国務大臣(三木武夫君) まあ大体五十メガトン程度の核実験をやっただろうと言われているわけですから、それに対して、どの程度の被害を日本が受けるであろうということを、いろいろ気流とか、いろいろ条件もありますけれども、きょうの会議なども、そういうことも検討して、その場合に処して、国民の方々に被害を直接受けることをできるだけ最小限度に食いとめるというわけですから、今までそういうことは経験ないのですけれども、大体この程度の被害じゃないかということは想像ができるわけですから、そういう場合も仮定して、今対策を考えているわけでございます。
#60
○杉原荒太君 私は、この核実験の問題について、われわれの批判とか要請とかというものとは別の角度から、一つだけお尋ねしたいと思うのです。
 それは、核実験をやっている米ソ双方としては、それぞれ世界の非難を浴びながらでもやらざるを得ないという必要を認めておるからに違いない。そこで、その理由の中で、他の理由は別にして、私はしぼってお尋ねしますが、軍事上の理由の中でもさらにもう一つしぼって、米ソ双方の相対的な核兵器体系の中で、米ソが、相手の弱点、こっちの弱点、それぞれを見ながら、どういう点に主として自分のところでどうしても補わなければならない欠陥を認めているだろうか。長い問ジュネーブでやった核実験停止交渉も、一つには、あの交渉を通じて、そこに現われてくる相手方の主張の中から、どこに相手は欠陥があるかということを探知するということが一つの目的であるとさえ言われている。それは目的と言わぬでも、副産物のほうが大事であるということも想像できる。そこで、今それぞれの核兵器体系の中で、米ソ双方は、主としてどういう部面に重点を置いてこれからやっていかなきゃならぬ必要を認めるか。これはもちろん、非常に機密にわたることに違いありません。そこで、われわれとして、その全貌を正確に知るということはむずかしいでしょう。しかしながら、これは、私が申すまでもなく、外国などでは、相当専門家がこういう問題を研究しているに違いないと思うのですよ。私らの目に触れるのだって相当ある。そこで、あるいは政府筋から直接そんな全貌を聞くということは、これはむずかしいにしても、その辺のところについて、われわれとしても、ある程度の大体の観測というものを持っていると思う。これは、核実験問題を客観的に見ていく上に絶対に必要だと思う。たとえば、国連において核実験停止の決議をするという場合も、その辺のところから見て、単に核実験の停止というわけにはいかない。これは、ある程度一般の軍縮にも関連を持つように持っていかなければいかぬのか。あるいは、そこを切り離してでもいいのか。その辺の判断をつけるのが基礎になると思う。そこで、外務省あたりでは、そういう点特に研究しておられるのか。あるいは、これは防衛庁あたりに聞くのがさらにいいのかもしれぬけれども、しかし、外務省というのは、外交政策を立てる上からしても、一つの基礎資料として必要なことだから、私は研究しておられると思うのですが、その辺のところを、もしこれはそんな権威のあるものでなくても、大体どういうふうに一体観測されておられるか、その辺のところを一つお伺いしたい。
#61
○国務大臣(小坂善太郎君) 米ソ両国においての核の装備がどういうふうになっているかということについては、非常に機密にわたる問題でございますから、私どもの知っていることがすべて正しいとも言えない面もあろうかと思うのでありますが、それをこの席で申し上げることは、非常によけいなりアクシュンを持つ場合もありまするから、これはひとつ、この席では御遠慮させていただきたいと思いますが、ただ、こういうことだけは言えると思うのです。それは、軍縮問題との決議でございますから、関連がないとは言い切れないわけでございます。しかし、この問題を一緒に討議した場合には、これは結局、現状では軍縮ということはできないということになってしまう。そこで、まず現在の核兵器というものをこれ以上進めないということが大切なわけでございます。そのためには核実験をやめるということが必要なんであって、そうしてこの核実験をやめるということは有効な査察を伴う、そういう協定ができるということが今何よりも必要だ。とにかくこれはやらなければならないことだから、全般の軍縮問題とは切り離してやるというふうでなければなるまいというのが私どもの認識でございます。それから、全面軍縮についての原則的な合意ということは一応できているわけです。九月の十何日かに、米ソ両国から国連に、全面軍縮の原則の問題は合意されたということで報告されておりますけれども、問題は、それをどういうふうに具体的にやっていくかということになって参りますと、現在の状況ではなかなか、今申し上げるように、全面軍縮の問題を取り上げると各種の意見が出てくる。せめて核実験停止問題からでもこれを決定しなければならぬ。これを取り上げて、それから次の問題に移るということより実際問題として仕方があるまいというふうに私ども考えております。
#62
○曾祢益君 私は、やはり核実験問題について、政府のこれからの核実験禁止等についての持って行き方と、それをバック、アップする国内態勢といいますか、この点について、ごく二、三だけをお伺いしたいのです。
 第一の問題は、特に杉原委員からも指摘されたように、今これから政府がやるのに、国連なんかでやる決議の内容を核実験の停止というのにまず持っていって、一応そこで区切りをつけるのか。核実験停止をするためにも、やはり核実験禁止に関する、停止でもいいですけれども、国際協定、その中にはもちろん有効な査察制度を伴ったものでなければいかぬのですが、そこまでをまあ区切りとして言うのか。それとも、そういう発展から来る問題は、やはり軍縮にも当然つながるわけなんですが、そこで、さらに軍縮への展望を持ったような決議で持っていくのか。これらの点についての政府のお考えをもう少し、これは非常に重要なことですから、明らかにしていただきたい。というのは、今、杉原委員に対する外務大臣の御答弁を聞いていると、これがまあ、何といいますか、楽観といいますか、同意し得るような方向だと思うのです。今までのどうも政府の核実験禁止に関する訴えというものは、実験そのものをストップするということにあまりにウエートを置き過ぎて、ほかのほうはむずかしいから、まずこれだけだ、こういう点があまりにも強いような感じがする。ところが、それでいくと、先ほども社会党の委員諸君も指摘されたように、ソ連はいいかげんやっちゃって、おれは当分やらぬよと、アメリカの方では、そこで非常に差がついちゃいかぬというので、また実験をやり出すというようなことになるので、それはけしからぬといっても、バランスからいくというとそういうことになる。だから問題は、ただ実験禁止を一方的の都合でやった、やめたというだけで、いつまでもほうっておくわけにいかないと思う。とりあえず実験を中止しろということで、すぐに両方が信頼できる実験禁止協定を作れ、これは切っても切れない関係がある。そういう意味で、単なる実験禁止だけをやるというのではなくて、協定を作るということを、まあどこまで義務づけられるかは別として、少なくとも総会の三分の二の決議でそこまで追い込むということ、これは私は、当面の最も重点でなければならないと思う。ただ中止して下さいという訴えだけでは、これは国際的の世論の力としても弱いのじゃないか、こう思いますので、それらの段階をどうお考えか。まず伺いたい。
#63
○国務大臣(小坂善太郎君) お説のとおりでございまして、やはり昨年の核実験停止に関する決議というようなものは、一つのアピールには違いありませんけれども、拘束力がきわめて乏しいのであります。やはり協定に持っていく、核保有国が実験を停止するという協定を作るということでなければならぬのじゃないかと思っておりますけれども、今それに反発する別個の決議も、反発するとまでもいいにくいのですが、それよりももっと、まず停止だ、協定は二段目だという思想も若干あるわけでございますね。そこで、私どものほうとしては、これは平行して審議していって、そしてそのうちに協定を作らなければ有効な停止ができないのだというところへ持っていくのがいいんではないかというふうに考えて、さような指導をしておるわけでございます。代表部もそのつもりで動いておるとお考えいただいてけっこうだと思います。ただ、核兵器というのは、やはり軍縮の非常に大きな部分であるわけでございますから、最終的にはそちらに持っていく一つの手だてとしての核実験の停止であるということは、これは、問題なくそのとおりなんでございます。ただ、それと直接的に今の段階で結び合わせますと、ほかにもこういう問題ほかにもこういう問題ということになって、混淆してしまって、肝心の核実験停止の協定をしろというような決議ができないということになることをおそれまするので、現段階においてはそういうことでございます。
#64
○曾祢益君 繰り返して恐縮ですけれども、これはみんな関連性があることは、今外務大臣がお認めのとおりなんで、今われわれの当面しておる問題は、ソ連の全く何人もはばからないような強引な五十メガトンまでの、これはおそらく軍事的にも必ず必要か、有効かどうか疑うような、こういう超核爆発をやったわけですが、これは私は、ソ連の言ういわゆる平和共存というものが、実際でない、やはり力を見せびらかす威力外交だということをみずから証明したものだと思うのです。まずわれわれが、ソ連の世論を無視する爆発実験に抗議しなければならぬことが第一だ。第二には、かといって、米ソがイタチごっこで核実験競争をやる。これをわれわれはどうしても終止符を打たせなければならぬ、悪循環を断つ。とにかく両方に対して実験をやるなということが第二。第三は、しかしやるなと言っても、やはり協定を作って、協定で縛らないとこれはだめなんだ。協定にはどうしても、非常にむずかしいことであるけれども、有効な査察制度が伴わなければ協定が有効に働かない。そこで、有効な査察協定を伴った協定を作れ、これは、米ソのみならず、すでに核保有国であるもちろんイギリスにもフランスにも縛るような協定を作れ、これを国連の力でやらせるということがその次だと思います。第四には、それを今度は契機として、もうこれ以上核実験が協定できない。第五、第六の核保有国ができるということ自体は、緊急な事態としてどうしても取り上げなければならない。すなわち、核兵器の拡散を防止するためにも、絶対実験禁止協定が必要だ。関係国で作ったら、それをすべてのこれから用いる国に対して拘束力を持たして、国際協定に持っていかなければならない。そういうことになると、もう一つは、有効な査察制度がもしできれば、これが軍縮の協定に対する大きな前進になるわけです。したがって、そこまでくるならば、核兵器及び普通兵器に関する軍縮について、初めて一つのわれわれの展望を持つわけなんです。だから、軍縮についても、われわれの理想を強く打ち出す。そういったような、みんな関連があるのですがね。しかし、考えてみると、やはり今停止できない一番の理由は、むしろいわゆる査察制度を伴った協定ができないから何もできないんだという理屈すら立つのですが、あまりただ実験停止だけを訴えないで、実験停止と、それから今言ったような実験禁止協定を作れ。それから、それを契機として軍縮をやれというような、そういうふうな訴えをやっていくのが、私としては正しいのだと思うのです。もう一ぺん外務大臣の御意見をお伺いしたいと思います。
#65
○国務大臣(小坂善太郎君) 私もそのとおりだと思っております。ただ、そこで一番の障害は、やはりソ連の側において、完全なる軍縮ができざる限り、あらゆる査察というものはエスピオナージだと、スパイ行為だと、こう言っていることに問題があると思うのです。あらゆる場合に、査察制度というものに対してソ連が現在反対しておる。ですから、査察を伴う協定でなければ、実際何の拘束力もないわけでございますから、これはどうしても私どもは必要だと思うのです。しかし、やはりそれをソ連に納得させるのは、国際世論の力以外にないのではないか。その意味で、私は国連において、先ほど申し上げたような線で努力を要請しておるわけでございます。
#66
○曾祢益君 最後に、そういう線でわれわれは軍縮までの展望を一連に持った決議案のほうが内容はいいと思うのですが、そういうような意味で御努力を願いたいと思います。もう一つは、特にこの五十メガトンの問題について、あるいは核兵器の禁止、核実験禁止については、これはもう国会においても、与野党の意見は、基本的には一致していると思うのです。ところが政府は、そういったような国会の決議のバックによって、より強く国際社会に訴えて、外交のバック・アップをしてもらうという気持が私は必ずしも十分でないような気がする。むろんこの問題については、特に衆議院の国会対策委員長会談にまかせておる。これは、政党としては、そういうやり方もいいと思うのです。何とはなしに、政府自身に必ずしも熱意がない。むしろ政府の方から、与党を通じてバック・アップの超党派決議ができるように催促するくらいの心がまえがあっていいのではないか。この前も、事参議院に関しては、羽生委員の総括質問の際にも、総理は賛成だというようなことを言っているわけで、完全軍縮という字句が絶対なければいかぬとか、字句の問題よりも、私は趣旨の問題だと思うのです。趣旨の問題が三党の間で話し合いができれば、本院においては、もちろん同志会も加わっていただくわけですが、私は、こういうようなソ連の行動と対する抗議、両方に対する実験禁止、それから実験禁止協定、なお、なし得るならば、これを契機とする軍縮への展望、そういうような、趣旨の決議をわれわれはわれわれとしてやるべきことで、これは、外務大臣に申し上げるのは筋違いですけれども、そのいうつもりですけれども、そういうものを要請するような政府の態度というものがない。むろん国会としては、直接やるということではありませんけれども、政府のほうにそういう熱意がないのではないかという感じがするのですが、一体どうお考えでしょうか。お示し願いたい。
#67
○国務大臣(小坂善太郎君) 実は、先週末に、その五十メガトン問題について決議をしていただいたらどうかと思いまして、そういうことを申し出ておいたのでございます。いろいろ国会のほうで、他の御用件などでおくれてしまったようなことで、非常にこの点残念には思っております。しかし、私ども政府を鞭撻する意味において、政府が、超党派の基礎の上に立って、強くこの問題の解決に、国連における世論の醸成ということに努力ができれば、非常にしあわせだと思います。
#68
○委員長(近藤鶴代君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#69
○委員長(近藤鶴代君) 速記を起こして。
 一般国際情勢に関する質疑は、本日はこの程度にて終了いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#70
○委員長(近藤鶴代君) 本日は、これにて散会いたします。
   午前十一時五十七分散会
  ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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