くにさくロゴ
1961/10/03 第39回国会 参議院 参議院会議録情報 第039回国会 運輸委員会 第3号
姉妹サイト
 
1961/10/03 第39回国会 参議院

参議院会議録情報 第039回国会 運輸委員会 第3号

#1
第039回国会 運輸委員会 第3号
昭和三十六年十月三日(火曜日)
   午後一時四十一分開会
    ―――――――――――――
  委員の異動
九月二十八日委員加藤武徳君辞任につ
き、その補欠として平島敏夫君を議長
において指名した。
本日委員松浦清一君辞任につき、その
補欠として田上松衛君を議長において
指名した。
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り
   委員長     三木與吉郎君
   理 事
           金丸 富夫君
           大倉 精一君
   委 員
           重宗 雄三君
           野上  進君
           村上 春藏君
           小酒井義男君
           中村 順造君
           大和 与一君
           田上 松衛君
           白木義一郎君
   国 務 大 臣
   運 輸 大 臣 斎藤  昇君
  政府委員
   運輸政務次官  有馬 英治君
   運 輸 大 臣
   官  房  長 広瀬 真一君
   運輸省船舶局長 水品 政雄君
   運輸省鉄道監督
   局       岡本  悟君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       古谷 善亮君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○運輸事情等に関する調査
 (運輸大臣の所信表明に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(三木與吉郎君) ただいまより委員会を開会いたします。まず委員変更について御報告いたします。
 去る九月二十八日加藤武徳君が辞任され、平島敏夫君か選任されました。
 また、本日、松浦清一君が辞任され、田上松衛君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(三木與吉郎君) 次に、運輸事情等に関する調査を議題とし、本日は特に運輸大臣より所信表明を願います。
#4
○国務大臣(斎藤昇君) ただいま委員長から私の所信表明についてというお話でありますが、所信表明という言葉は少しおこがましうございますが、昨今の運輸行政につきまして、特に私の関心を持っております点につきまして申し上げまして、今後のひとつ御協力をお願いを申し上げたいと存じます
 御承知のように日本の経済成長は予想外に急速に進みまして、そのために、いわゆる民間投資と公共投資の間にアンバランスを来たしておるのが現状でございます。その結果、ほとんど公共投資に依存をいたしておりまする運輸の面、これは道路交通の面におきましても、また鉄道軌道等の面におきましても、いわゆる一般の輸送面において相当の隘路を来たしておるわけでございます。ことに、海の面におきましては、港の最近御承知の船混みの問題あるいは日本の船に積み取り比率の低下の問題等、すべて今申しますような事情からきておると、かように考えておるわけでございます。
 鉄道軌道等によりまする運輸の面におきましては、先般国鉄につきましては運賃値上げをやっていただきましてそうして新幹線の増強、輸送力の増強等をいたすことに相なったわけでございまするが、これらの計画もなかなか既定計画通り遂行することが相当困難だと存じまするが、しかしながら、全力をあげて既定計画を完遂をするように努力をいたしたい、かように考えております。
 主要都市における交通混雑の問題は、交通審議会等におきましていろいろ基本的な方策を目下立てつつあるわけでありまするが、東京あるいは大阪等におきましては、今日の地方鉄道が都心にまで乗り入れて、そうしてお互いに連絡をし合うということが最も緊要であろう、かように考えまして、そういう方向で輸送力の増強をはかって参りたい。また車、両や、あるいは線路をところによっては複線化をするというようなことで、特にこのラッシュアワーの緩和をはかるように指導をいたして参りたい、かように存じております。
 港湾の整備の五カ年計画は、御承知のように五カ年、二千五百億円でございまするが、しかしながら、今年度の予算も、日本の経済成長の伸びを、昭和三十五年度に比して、当時の国の経済成長率九%にも見合わない程度の予算しかついておらなかったわけでございまするから、今日の経済成長に合わせるだけでも、主要港は相当設備の拡張がおくれておるという状況にあるわけでございますので、したがいまして主要港における整備は来年以降相当増強をして参らなければならぬと考えております。
 ついででございますが、今日の船混み対策といたしましては、さしあたって本年度内に設備の増強のできる部分につきましては、たとえばブイを増設をする、あるいは岸壁を早く作りましてバースの数をふやすというようなことを中心にいたしまして、公共事業費といたしましては約十億余りになる事業でありまするが、予備金で、国庫負担として六億程度予備金で取りまして今これを実施中でございます。
 同時に港湾の機能を十分に果たしますためには、やはり上屋、倉庫等の増設の必要もございますので、またことに労務が一番のネックでございまするので、労務対策にも重点を置きまして、これは労働省とも連絡をとりながら、主として労働省で住宅対策その他対策を講じてもらっておるわけでございまするが、またこの港湾運送の強化も期さなければなりませんので、はしけの増強等につきましても、できるだけ融資の面のあっせんをいたしまして開銀あるいは中小企業金融公庫等の融資のあっせんをはかりまして、そうしてはしけの増強等にも資して参りたいかように考えておるわけでありますがこれは当面の問題でありまするけれども、しかし今後やはりこの方向をさらに続けて参りませんと、日本の経済成長に見合う港の機能の達成ということは不可能でありますので、来年度の予算におきましてもこれらの点にも重点を置いて参りたい、かように存じております。また、そうかと申しまして、地方港湾におきましても、大都市と地方との格差を縮めるということ、地方産業を盛んにするという意味からも、地方港湾の整備もゆるがせにはできません。したがいましてこれらにつきましては、五ケ年計画の線に沿ってやはり着実に進めていくべきものだと、かように考えております。
 今日当面の問題になっておりまする産業投資を押えていく、経済成長の伸びをある程度緩慢にするという方策を今政府がとっておりまするが、しかしただいま申しまする運輸、海運等の面におきましては、これらの公共投資は前年よりもさらに増していかなければならぬという状態でありまするので、すでにとろうとしておりまする投資の抑制にも、運輸の面におきましては、これは抑制をすべまでないという立場で、ただいまいろいろと関係者との作業もいたしておるようなわけでございます。
 ことに、御承知の日本の海運の振興策につきましては、一昨年から、新造船の利子補給、あるいは第三国の航路に対しましての助成の道も開かれましたが、しかし、今日の状態をもちましては、日本の海運が国際的な競争に打ち勝っていくということは全く不可能な状態でございます。ことに、先ほど申しまする日本の経済の伸長に伴う船舶の増強という面から考えましても、今日の海運界の事情では、船舶も作ることが非常に困難だという状況を来たしつつありますので、この際に海運界の企業の基盤の強化につきましては抜本的な対策を講ずるべき時期に参っておると、かように考えております。この方策につきましては、ただいま海運造船合理化審議会に諮問をいたしまして、その答申を待ちまして、来国会にできまするならばこれが対策についての必要なる法案、また予算等を要求をいたしまして、皆様方の御支援をお願いいたしたい、かように考えておるわけでございます。
 なお、しばしばいわれております日本の気象観測、業務の強化の問題につきましても、台風国であるわが国といたしましては、一日も早くこの気象観測業務の充実をはかっていく必要がある、かように考えます。レーダー網を全国的にしくということを初めといたしまして、気象業務の完備に力をいたしたい、かように考えておるわけでございます。
 なお、できるだけ早い機会に御審議をいただきたいと存じております船舶職員法の改正の問題は、先ほど申しまする日本の海運の基盤強化と密接な関係を持つ法案でございまして、できるだけ能率的な海運企業のあり方という面に重点を置きまして、提案をいたしたわけでございますが、ひとつこれもできるだけすみやかに御審議をいただきまして、御賛同あらんことをお願いいたしたいと存ずる次第であります。
 一応私は、今運輸省の当面しておるおもな問題というものはそういう問題であろうかと、かように考えておるわけであります。申し落とした点がございましたら、またつけ加えることがあるかもしれませんが、一応申し上げまして、何分の御支援を賜わりたいと思います。
#5
○大倉精一君 これは質問ではないのですけれども、きょうは大臣のこれからの重点的な施策に対する所信をお伺いしたい、こういう工合にお願いをしておいたところが、今もいろいろ所信を聞きましたが、特に海運、港湾あるいは気象等については非常に大きな関心をお持ちになっておるのですけれども私のひとつ聞きたかったことは、路面輸送の問題です。これが抜けていると思う。これはやはり今の日本の交通運輸事情の中で、路面輸送というのは非常に大きなウエートを持っておる。単にものを運ぶというばかりでなくて、毎日の新聞等を見ましても、極端に言うならば、三面記事を見ると人殺しと交通事故だと、こういうことを言う人がいるんです。それほどさように日本の社会不安にまで発展しておる。しかも都市交通におけるところの麻痺状態というものは、これは言語に絶するものがある。こういう点から、やはり路面輸送についての大臣の関心はもっと深いものがあっていいんではないか、かように私は考えるわけです。
 特にこの前の委員会におきまして、派遣委員の報告に関連いたしまして、白ナンバータクシーあるいは白ナンバートラック等の営業類似行為等におけるところの問題は目に余るものがあるこういう面から、これに対するところの取り締まり、すなわち交通秩序の確立という、こういうこともこの際非常に大きい問題じゃないか。これに対して大臣は、当時、全く同感であって、さっそくひとつ措置をする、こういう御発言があったのですけれども、そういう点についてひとつ大臣も、この前の御発言の中身について、あるいはその後におけるところのとられた措置あるいは行政等について説明を願いたいと思います。
 その節に私は、具体的な例をあげて恐縮でありましたけれども、名古屋駅構内におけるところの白タクの状態を申し上げたのですけれども、その後この問題はどういう工合になっているかこれは幾ら言葉で言いましても、あの名古屋駅構内の白タクの措置一つできないようでは、なかなかこれは全般の交通秩序というものは言うべくして、百年河清を待つがごときでありまするから、こまかいことではあるようでありますけれども、この問題は現在どうなっているか、こういうことで路面運送の点の御所信をひとつつけ加えてお願いしたいと思います。
#6
○国務大臣(斎藤昇君) 路面運送についての、ことに交通秩序の確立という面につきましては、私も関心を深く持っておるわけでございまするが、この点は警察の取り締まりと両々絹待って参らなければなりませんので、根本的に申しまするならば、あるいは日本の道路の問題も大きく関係をいたしておるわけであります。しかしながら、道路の問題等を離れまして、今交通秩序の問題について申し上げますると、警察のほうでは、できるだけ一方交通の方針とか、いわゆる自動車をどこを通すとかいうようなことで、いろいろと心を配って、それぞれ実施に移ってもらってもおりまするが、今おっしゃられる白タクの問題あるいはダンプカーとか、あるいはそういった運転手の暴走といいますか、という問題につきましては、運送企業者に対しまして、特に運転手の教養、管理の問題、ことに待遇、処遇というものにも関連をいたしまして、注意を深く喚起いたしております。これらの問題につきましては、新聞を絶えずにぎわしておりまするが、今日の交通量のふえてくる割合に特に増加をしておるという状態ではありませんが、しかし、もっともっとこれを減らして参りたい、かように考えております。
 白タクの問題は、先般大倉委員から指摘をされましたので、指摘をされました個所につきましては、特に下部に徹底をいたしまして、少なくとも駅構内における取り締まりについては、国鉄の職員もおることでありまするし、同時に警察の協力も得なければなりませんが、これを得てすみやかにやるようにという指示をいたしておいたのであります。その後その結果がどうなっておるか、まだチェックをしておるひまがございませんので、まことに申しわけございませんが、さっそくその後の状況を確かめてみたい、かように考えております。
 全般的に申しまして、白タクの問題は、この前にも申し上げましたようにこれは法律を乱っておるわけでありまするから、今日タクシーの免許制度をとっておりまする理由から考えましてどうしてもこれは絶滅を期さなければならぬと考えておるのであります。したがいまして、これは私は、全国的に地方の陸運局等にも話をいたしまして警察と密接な関係を持ってこの取り締まりの徹底をするようにということを言っておるわけでありまして、今日それぞれ下部において警察と連絡をしながら取り締まりに当たっておるのでございまするが、しかしながら、もし法の不備等があって十分な取り締まりができないという事態があるならば、法の改正をするのもやぶさかでない。私は、白タク営業をやった運転手は、これは運転免許証を取り上げるというところまでいかなければ絶滅が困難ではないか、かように考えておるわけであります。警察庁にもその話をいたしておるのでございますが、法制的に、そういう理由で免許証が取り上げられるかどうかという、法制的の理由があるということを聞いておりますが、私は法制的な事柄は、実際の実情に合うよに、実際の必要に応じて法律は作られるものであるから、したがって、そういう場合にはやはり免許証を取り上げることができるように法の改正の必要があると、私は今でも信じておりますこれをやらないで絶滅ができるならば仕合わせだと思いますが、おそらくやる必要があるんじゃないだろうか。通常国会の際までに検討をいたしましてそうして結論を得たいと私は考えております。
#7
○大倉精一君 道路運送の問題は、一見大きくないように見えるかもしれませんが、私は非常に大きな問題だと思います。まあ今政府の言うところの成長政策の問題も、私はやはりこの面にもしわが寄っていると思う。自動車がどんどんふえる。営業車でなくて、自家用車がどんどんふえてくる。運転手が足りない。そこでもって運転の未熟なことからも事故がふえている。あるいはまた、日光街道においては、沿道の民家が全部飛び込まれている。二回三回と飛び込まれておる。しかも、飛び込まれていないところは一軒もないということが新聞にも出ております。国民は、自分の生命、財産を脅かされているところの現実を警察に訴えても陸運局に訴えても、県知事さんに訴えても、取り上げてくれない。そこで自衛手段としていろいろなことをやっておられるようでありますけれども、これは私はたいへんなことだと思う。これは運輸大臣だけでなくて、やはり関係所管大臣等と協力をして、総合的のものを作ってもらわなければならぬと思うのですけれども、やはり担当される大臣として、この面の交通不安というもの、絶えず生命を脅かされている不安というものを、この際、大きな関心を持って取り上げてもらいたいと思う。
 いかに表面はなやかな経済成長があり、あるいはまた、はなやかな町作りがありましても、その陰で国民が絶えず生命の危険におびえてなければならないということは、私は本末転倒しておると思う。でありますから、これはひとつ、きょうの所信表明にも二の次になって、こちらから追加をお願いして聞いたわけなんですけれども、そうじゃなくて、大臣、やはり交通運輸ということは、人間の安全、交通の安全ということをまず念頭に置いてもらいたいと思う。いかに経済が成長してもいかに所得が倍増しても、その中で国民が、あるいは住民が生命、財産の危険を感ずる、安心して町も歩けない、あるいは夜も安心して眠っておられない、いつ飛び込まれるかわからない、こういう状態は決して看過すべきでない。ですから、こういう点は、きょうはもうとめておきますけれども、いずれ、この次から所信を聞きたいと思いますけれども、こういう点については私は特にひとつ大臣に要望したいと思うのです。
 それから今、名古屋駅構内の現状についての御報告がありませんでしたから、これはあとからでもお聞かせを願いたいと思います。
 そこで、私はこの際、きょうは一つ皆さんにお諮りして承認を得たいと思いますけれども、今の大臣の御発言の中にも、特に港湾の関係、あるいは台風等の毎年繰り返す事情から、気象関係等についても非常な関心を持っておいでになる、われわれも関心を持っておるのですけれども、この際、港湾事情の逼迫ということは、非常に大きな問題になっておるのですけれども、時を見てこの委員会において、しかるべき場所へ視察に行きたいと思うのですけれども、日時、場所等については、委員長のほうにまかせることにしたいと思います。
 それから気象業務につきましても、これは今の台風時期において、しかるべき場所へ、実際、第一線で働いておられるところの人々のなまの声を聞いて、実態をこの目で見てくる。そういう意味からも、適当な日時に視察をするということ、こういうことについてお諮り願って、具体的な問題につきましては委員長から次回にお諮り願いたい、こういうことをひとつ提案申し上げますから、お諮り願いたいと思います。
#8
○委員長(三木與吉郎君) 名古屋駅の問題は次回の委員会で報告して…。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#9
○委員長(三木與吉郎君) 速記をつけて。
 ただいまの大倉君の御発言のとおり現地視察を行なうことに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○委員長(三木與吉郎君) 御異議ないと認めます。
 なお視察の日時及び場所等につきましては、委員長及び理事に御一任願います。
 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#11
○委員長(三木與吉郎君) 速記をつけて下さい。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時七分散会
    ―――――――――――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト