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1961/10/17 第39回国会 参議院 参議院会議録情報 第039回国会 運輸委員会 第6号
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1961/10/17 第39回国会 参議院

参議院会議録情報 第039回国会 運輸委員会 第6号

#1
第039回国会 運輸委員会 第6号
昭和三十六年十月十七日(火曜日)
   午後一時四十九分開会
   ――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     前田佳都男君
   理事
           天埜 良吉君
           谷口 慶吉君
           大倉 精一君
   委員
           江藤  智君
           重宗 雄三君
           鳥畠徳次郎君
           平島 敏夫君
           白木義一郎君
           加賀山之雄君
   委員外議員
           相澤 重明君
  国務大臣
   運 輸 大 臣 齋藤  昇君
  政府委員
   運輸大臣官房長 広瀬 真一君
   運輸省海運局長 辻  章男君
   運輸省船舶局長 水品 政雄君
   運輸省港湾局長 坂本 信雄君
  説明員
   経済企画庁総合
   計画局計画官  加納 治郎君
   労働省職業安定
   局調整課長   北川 俊夫君
   日本国有鉄道営
   業局長     遠藤 鉄二君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       古谷 善亮君
   ――――――――――
  本日の会議に付した案件
○モーターボート競走法の一部を改正
 する法律の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○運輸事情等に関する調査(港湾及び
 海運に関する件)
   ――――――――――
#2
○委員長(前田佳都男君) ただいまより運輸委員会を開会いたします。
 モーターボート競走法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案に対する質疑を行ないます。御質疑のあるお方は順次御発言を願います。
#3
○天埜良吉君 モーターボート競走法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案ですが、この内容については大体わかっておりますが、一つ理由の中に、公営競技に関する最近の情勢にかんがみて、という点がございますが、これは提案理由の説明の中にも多少あったかと思いますけれども、この点に関してなお一応の御説明をいただきたいと思います。
#4
○政府委員(水品政雄君) 公営競技の当初の目的は、御承知のように、地方財政の健全化、また造船関係事業等の振興ということを目的といたしておりますとともに、一方におきましては、これが大衆娯楽としての役割も相当大きく果たしておるのでございます。しかし、これは始めてからすでに十年たっておりますので、射幸心の刺激等によります社会悪の温床というような点についてもいろいろ御指摘も受けている面もございますので、そういうような点を考慮して、この際改正を検討する必要があるんじゃないか、こういう意味でございます。
#5
○天埜良吉君 それでこの伸長期間は一年になるわけでございますが、そうしますと、その検討の結果によって次のことをやるというふうに考えられますか。
#6
○政府委員(水品政雄君) 公営競技につきましては、御承知のように、内閣に審議会を設けまして、公営競技全般について基本的な検討を加えて、これの存廃も含めて検討されたのでございますが、それの答申が七月二十五日付で内閣総理大臣に出されております。そこで私ども事務当局といたしましては、その答申を尊重しつつ、実は全面的な法律の改正について検討を進めておりますので、次の通常国会には全面的な改正というものを御審議願うと、こういうふうな準備を着々進めております。しかし、この臨時国会では、とうていその全面改正が間に合いませんので、とりあえず、その面は一年間延長をお願いしたようなわけでございます。
#7
○大倉精一君 このモーターボートについては、従来からいろいろな問題を含んでおるんですけれども、今、法の改正も検討中であると聞きましたが、具体的にどういう工合にこれをしようというふうに考えておられるか、この際ひとつ運輸省のお考えをお願いしたい。
#8
○国務大臣(齋藤昇君) モーターボート競走法の改正の具体的な内容につきましては、私まだはっきりした腹をきめておりません。ただ答申が出ておりまするから、したがって、この答申の線でどこまで健全化できるかということを十分検討いたしたいと、かように考えております。したがって、廃止をするか、あるいはしないかという点につきましても、私はまだ腹をきめておりません。今事務当局の考えておりまする点は、事務当局から説明をいたさせます。
#9
○政府委員(水品政雄君) 事務当局といたしましては、先般の答申に十三項目ばかり御指摘になって、いろいろ公営競技の弊害対策のような意味合いにおきまして答申されておりますので、こうした点を十分考慮し、また私どもが経験上改正をすべきと考えられるような点も追加して、実は法案の改正の検討をいたしておるような次第であります。
#10
○委員長(前田佳都男君) 速記やめて下さい。
  〔速記中止〕
#11
○委員長(前田佳都男君) 速記起こして下さい。
 ほかに御質疑もなければ、これをもって質疑を終局いたします。
   ――――――――――
#12
○委員長(前田佳都男君) 次に、運輸事情等に関する調査を議題といたします。
 質疑の通告がございますので、この際御発言願います。
#13
○大倉精一君 この今の件について、委員外発言の要求がありますので、相澤君の委員外発言の要求をひとつお諮りいただきたいと思います。
#14
○委員長(前田佳都男君) 相澤君より、委員外発言を求められております。これを許可することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#15
○委員長(前田佳都男君) 御異議ないと認め、発言を許します。
#16
○委員外議員(相澤重明君) 運輸大臣に特にきょうお伺いしたいのは、船混みの問題であります。過般の本会議で私からも船混みの問題についてはどうするかということで、運輸大臣にお答えをいただいたわけでありますが、それによりますと、荷役機械の整備あるいは港湾整備等に十億余の資金を投入をして、何とかまあこの現在の隘路を打開したいという御熱意の御答弁いただいているわけであります。しかし、現実にはまあ私は一つ横浜港の例を申し上げたいと思うのでありますが、横浜港ではもう荷役は全然できないような状態に陥っているわけであります。いかに国際収支の改善、あるいはまあ外資の獲得を叫びましても、港における荷役作業もできないというようなことでは、対外信用の問題もあるし、やはり現実に多くの負担を経営者にも、あるいは船主にも与えることになると思う。そういう意味で、今全国的な重要港湾における船混み問題というものは、やはり運輸省の一番大きな問題じゃないかと、私は思うわけであります。そこで、特に運輸大臣が御説明をいただいたのでありますが、私はその事業計画と同時に、何といっても労務者の確保なくしては荷役はできないと思うんですね。そこでその労務者の確保についてどういうお考えを持っているのか、これをまあ第一にお答えをいただきたいと思います。
 それから二つ目は、これは運輸大臣がやはり労働大臣と相談をされることがよろしいと思うのですが、きょう労働省の方が出席しておったらお答えをいただきたいのですが、職業訓練法がありましても、技能者養成がありましても、実際に港の荷役のものについてはこれが適用されないのですね。ですから、これらの技能教育という、職業訓練というものに非常に私は重大な問題だと思うんです。私のところの、まあ率直に申しますと、たとえば神奈川県議会でも技能者訓練養成についてはひとつ自治体も最大の関心を持ち、しかも、でき得るならば訓練に必要な費用も出していきたい。しかし労働省の訓練法に基づく手続がないので、結局自治体が、横浜市なり、あるいは神奈川県なり、独自で全部の負担をしなければならない、こういうことになると、これは幾らやりたくてもそうそうはできない、こういうところに技能者養成、いわゆる職業訓練の盲点というものが私はあると思う。ですからそういう点も私は早急に処置をする必要があるのではないか。現在横浜港では三百四十組くらいの組しか実際に労務者を確保することができない。業者は最低三百必要だ、三百――従来は三百四、五十の組があって、とにもかくにも特別の場合を除いては荷役がはけた。今日ではそれが普通の場合から見ると百組くらい少ない。こういうような状態でいきますと、これはいわゆる政府が所得倍増をいっても、貿易収支の改善を叫んでも、実際問題としてなかなかそれが改善をされない。こういうところにありますから、私はやはり技能者養成ということについても考える必要があるのではないか、これは運輸大臣と労働大臣の両方からお答えをいただきたいと思うのです。
 それから第三は、現在の倉庫あるいは荷役の機械等も、特定の業者の諸君は持っておりますが、まだまだ何といっても不足しているわけですね。それで全般にこの機械を使用させるということになれば、かなり能率は上がると思うのです。そういうものはない。そこで運輸大臣も本会議で御答弁になったと思うのですが、私はやはりこういうものは国策としてやる以上は、国の責任においてある程度考える必要があるのではないか。だからそういう点をあなたが具体的にどういうふうにお考えになっておるか、そういう点も一つお考えを聞かしてもらいたいと思う。そういうことによって現在の船混み状態というものを改善できるのではないかと私は思うのですが。
 それからいま一つは、最後に第四番目としては、やはり労務者を確保するということは、関連の厚生施設あるいは負傷等に対する手当のできる病院、診療所、こういうようなものや、あるいは賃金がよくなければ、これは何といっても来ないと思うのですね。あれだけのいわゆる荷役をするのには非常な労力を必要とするわけですから、普通の今六百円、七百円の賃金を出して人を雇おうといったって、それはもう来っこない。そこで、そういう問題をどう改善されるか、この間の港湾運送事業法の改正によって、あるいは料率改正によって、たぶんよくなったとは思うが、やはりこれは運輸大臣の指導性の問題だと思うのですよ。ですから海湾労務者に対する賃金を上げてやらなければ、私はやはり確保できないだろう。それからいま一つは、同じ今度は確保する場合に、平常の荷役の場合と非常に込んだ場合とありますね、その場合に不特定多数の労務者を業者もかかえなければならぬ。ふだんは必要がない。こういうのが私はやはり問題点だと思うのですね。だから港湾労務者をいかにして確保するかということについては、単に業者の資金量のみにたよるということでは、私は現在の国策は進まぬだろう。ある程度国なり、あるいは地方自治体なり業者なり、こういう三者が一体になって、労務者のやはり雇用条件を改善をして確保しておく。そうしなければ、いざというときに間に合わぬじゃないか。こういう点が考えられる。ですから雇用安定という問題について、いつでも荷物が多くきても、そういう人たちをつないでおいて、そうしてその人たちに働いてもらうことができるという態勢を私は作らなければ、単に横浜港の例を申し上げたのですが、横浜港ばかりでなくて、名古屋にしても大阪にしても、神戸にしても、私は行き詰まってしまうだろう。ですから、そういう労務者確保について政府の所信のほども私は承っておきたい。
 以上、四点が大体の私のきょうの質問の中心なんですが、運輸大臣にはいま一つ、通産大臣にこれは話をして、大蔵大臣、通産大臣にぜひあなたがとってもらいたいものがある。それは貿易外収入というものが実はきわめて大きいのです。この貿易外収入は一体どういうところへ政府は金を使っておるのか。この貿易外収入を扱った港の一つの還元と言っては問題があるかもしれぬけれども、とにかく運輸省の監督をしておるところであがった貿易外収入ですからね。その資金をある程度有効に使うということになれば、私は国の財政面、あるいはそういう雇用の安定の問題についてもかなり進んだ道がとれるんじゃないか。私もずいぶん専門的に計算をしてきました。そういう中から、やはりこの貿易外収入というものは、通産省なり大蔵省なりによほど運輸省のことを理解をしてもらうことでなければ、私は港湾関係の単に岸壁あるいはバースの整備ぐらいのことでは、日本の船混み問題を解決して、さらに国際的な信用を高めるということにならぬのじゃないか、こう心配しておるわけです。ですから、運輸大臣にその点について一つ所管大臣としてぜひこれは他の国務大臣に働きかけて、そういう前向きの姿勢をとっていただきたいと思うのですが、この点ももしお調べになったことや、あるいはお考えがありましたらお答えをいただきたい。以上であります。
#17
○国務大臣(齋藤昇君) ただいまの御意見は一々ごもっともに存じます。私も全くそのとおりに考えておるわけでありまして、港湾の施設は金をかければ整備ができますけれども、しかし結局この面を制約するものが私は労働じゃないかと、こう考えております。私のほうでは施設の整備等にも力を入れておりますが、そういう意味から、特に今日の段階において労務者をどうして確保していくか、どうしてつないでいくかという問題でございます。
 主要港について一、二私も聞いて歩いたのでありますが、まず何といっても労務者の住宅が足りないという声が圧倒的でありまして、今日労務者は得られないことはない。いなかのほうからも呼んでくれば来る、来るけれども、一カ月、二カ月たって、やっと覚えたころに他のほうへ行ってしまうというので、みな嘆いておるという状況でありましたので、労働大臣にお願いをしまして、労働省に御協力を願って、今度急に労務者住宅を約一千人分建ててもらうというように緊急の手配をしてもらったわけでございますが、これだけでは決して十分ではございませんので、その港の繁栄するかしないかは、当該府県、市町村に大きな関係を持ちまするから、市や、あるいは府県にもお願いをしまして、所によっては府県でそういう寮を建ててもらう、住宅を建ててもらうというところも今できておるわけであります。したがって、いわゆる港湾管理者の立場から、それから労働行政の立場から、両方から相寄って、労務者住宅の確保に今努力をいたしておるわけでございます。さらにいろいろな厚生施設というようなものもこれは特に必要だと考えております。そういった方面につきましては、これはあるいは本来ならば業者が相当関心を持ってやるべき問題だと私は思うわけでございます。したがって、はしけ業者、港運業者等にも強く呼びかけておる次第でございますが、何分にも個々の港運業者は力が強くございません、御承知のとおり。したがって、そのほうの団体等において何らか考えるべき道はないか。また、これらについて助成すべき道があればやっていきたい、そういう方向で考えておるのであります。
 労務者の待遇は、今の住宅とか厚生施設を除きまして、賃金問題にも大きく影響いたします。先般の港運料金の値上げの際におきましても、もっぱら、そのほうに使うようにという条件をつけて許可いたしたような次第であります。私は、今日の状況をもってこれで十分とは思っておりません。賃金の面におきましても、なお今後、もっと考えていかなければなるまい。結局、港湾労務者の問題がいろいろな面において関係を持っておりまするので、したがって、今港湾労務者問題の協議会というものを労働省で作っていただいておりますが、この協議会におかれても、もう少し強力な協議会をあるいは内閣のほうに置いて、そうして強力にやるべきだという御意見も出ておりますので、これを参酌をいたしまして、そうして港湾労務者の今後福利の増進なり待遇改善なり、またその他万般の問題にわたって解決をはかっていきたい、かように考えているわけでございます。
 それから貿易外収入を、これをその収入をあげたところで使うようにひとつ考えないか、こういう御意見でございまするが、これはなかなかむずかしくございますので、貿易外収入は即国庫収入にもなるわけでもございませんし、貿易外収入の中で、あるいは観光収入、あるいは船の関係の収入、こういうものもございまするが、これらはみな国民の所得の中に入っていくわけであります。したがいまして、公費として国が使う、あるいは公共団体が使うというものは、やはり税金を主にする以外にありません。しかしながら、港湾設備の増強、あるいは貿易外収入を上げるということは、日本の経済成長上、あるいはこれを維持していく上からも、どうしても必要なことでございまするから、そういう面におきましては、特に国費を十分にとれるように努力をいたしたいと、かように考えております。
 ことに、今日の日本の運輸の状況、陸上においてもしかりでありますが、海の面においてもなおさらでありまするが、来年度の予算におきましても、いろいろ投資の抑制を考えまして、日本の経済成長があまりに急激にならないように、少しゆるやかにするように施策を今とろうといたしておりまして、来年度の予算編成にもその方針が現われるわけでありまするけれども、しかしながら、こういった面につきましては、抑制するよりはむしろ以前よりも増した国費の支出が必要だ、こういうように考えて、大蔵当局とも話し合いをいたしておるわけであります。政府の考え方も大体これに同調を現段階ではしてもらっておりますので、御了承願いたいと思います。
#18
○委員外議員(相澤重明君) 今運輸大臣の御答弁をいただけば、非常に熱意を持ってやっていただけるということで、私ども専門家としても、これは非常に喜ばしいことなんです。しかし、運輸大臣、来月から日米経済合同委員会がありますね。あなたが何かその中に入るとか入らぬとか――入らないような報道も聞くのだけれども、私は運輸委員会でよくアメリカとの貿易問題、それから日本の積み取りの問題、こういうもので、同盟の関係の問題もずいぶんこの委員会で私しつっこく政府に常に申し上げておった。これは何といっても、貿易問題はやはり運輸省が重要な役割をしなければならぬ立場にあるんですよ。ところが、経済閣僚の中に、あなたがそういう重要な問題を持っているにもかかわらず入らぬというような池田内閣では、私は少し、あなたの答弁だけでやれるかどうかという心配をするわけです。実際。ですから、私は何もあなたがどうこうと言っているのじゃない。そういうふうにやってもらいたい。だから、ひとつ参議院の運輸委員会の意向というものをぜひ閣僚の中に反映でき、しかも日本経済の中の重要な運輸交通を担当している大臣の意見も聞いてもらえる、こういうふうにしてもらわぬと、私は、やはり話をしただけで終わりだ、これでは困ると思うんですよ。
 で、一つの例が、あとで労働省も答弁をしてもらいたいと思うのだけれども、さっきも職業訓練のことを申し上げましたが、新しい労務者を、たとえば九州なら九州へいって連れてくるわけですね。ところが、若い人は来ないですよ。若い人は来ない。今港で働いておるのは中高年令層の人ばかりですよ。みな年令者です。それはなぜかというと、港湾荷役について魅力がない。骨ばかり折れる。それで生活は楽ではない。それで今の船取り問題がやはり起きているんですよ。だからやはり国をあげてこういう問題については対策を樹立しなければならぬというのが私どもの持論なんです。運輸委員会においてはどなたもそういう頭を持っておると思う。ですから、これは運輸省の仕事であるとか、労働省の仕事であるというようなことだけでは確保できない。したがって、運輸大臣の意見が閣内で十分採用されて、そういう方向に対策ができるように私は御努力をいただきたいし、特に労務者の問題については、そういう技能養成あるいは確保の問題について、労働省からも一つ意見をこの際運輸委員会で発表してもらいたい。聞きたい。
 それから先ほど大臣から御答弁いただきました日港労連とか、あるいは全港湾とか、関係の組合の人もおりますから、業者も含んで、いかにして日本の近代的港湾関係を整備をするか、こういう点について、今までの何ですか、あれは、労働協議会ですか、何かありましたね。あれをもっと強力な、あなたのお活のように、審議会か、内閣直属ぐらいにして、そうしてやはり対外的にも、日本へ行った場合にはサービスもいいし荷役が早くできる、こういうようなことをやれるように、私はこの際一つ政府も力を入れてもらいたいことを希望するわけです。大臣に御答弁をいただくと同時に、労働省からもひとつ御答弁を願っておきたい。以上です。
#19
○国務大臣(齋藤昇君) 先ほど二つばかり答弁が落ちておりましたので、同時に補足をさせていただきます。
 職業訓練の問題でございますが、この点もまことに適切な御注意ではなかろうかと、かように考えます。労働省と十分協議をして万全を期して参りたいと、かように考えております。
 それから荷役機械の問題、これも非常に大事な問題だと思っております。ただ、これを国有にするという点につきましては、やはり日本の企業の今日のあり方から考えまして、やはり私は民有にしておきながら、しかしそれをするについて必要があれば資金のあっせん等をいたしまして、そしてそういう機械が民有のものとして使えるようにしていきたい、こう考えております。これらについても国が資金の融資のあっせんを今いたしておるわけでございます。
 今度の日米経済貿易の懇談会にあたりまして、私が出ると出ないにかかわらず、今おっしゃいますように、日本の貿易の面から海運の点が非常に大事であります。シップ・アメリカンの問題にしましても、今度の港湾の問題にしましても。したがいまして、日本の貿易を考えます際に、日本の船を考えないでは、あるいは海外貿易の競争ということを考えないでは日本の貿易ということは考え得られないわけでございまするから、私が出席するとしないにかかわらず、そういった問題を含めていろいろ話し合いが行なわれるべきだと、かように考えておるわけでございます。これらの内容につきましては、御質問があればお答えはいたしますか、しかしながら、今回の日米の経済貿易の懇談会は、個々の問題を解決をしていくというよりは、大きな見地から日米経済のあり方を話し合って、そして個々の問題を解決をする一つの糸口といいまするか、あるいは、ものによっては一歩前進という態勢を整えるという意味の問題でありまするから、したがって、貿易の問題あるいは海運の問題等につきましても、この十一月の会合で結論を得るという技術的な問題にまでは発展いたさないだろう、こういう考え方をいたしておるわけでございます。
#20
○委員外議員(相澤重明君) それでは運輸大臣に、今あなたのお話で私も了解はしますが、しかし、やはり心配なんです。そこで日米合同委員会でそういう運輸省の重要な問題をどなたが扱うか知らぬが、関係の閣僚が出ても、それぞれ自分の担当については意見はずいぶん述べられると思うが、なかなか他の所管ということになるとなおざりになりがちなんだね。そこでそういう点をひとつ、私のほうの社会党からは大倉理事が委員会に出ておりますから、ひとつその資料をあとで、できるだけ合同委員会で討議されるものを知らしてもらいたい。われわれもひとつ大いにやってもらいたい、こういう希望を持っておりますから。
 それといま一つは、さっき貿易外収入の問題をお話しをしましたが、今後これは確かにむずかしいのです。むずかしいけれども、現在は海湾については特別トン税というものがある。これについてはやはりわれわれ運輸関係の者としては長い間の懸案事項で、そして特別トン税等の問題も解決をした。しかしまだ不満がある。私がいつも言っておるのは、もっと地方の港湾に交付額を増額すべきだ、こういうことを主張しているわけだ。三年くらい前ですかな、大蔵委員会でもそのことは取り上げられて検討することになった。それ自体が、しかし今日ではなおやはり検討されっぱなしで答えが出ていない。港湾に対してはそれほど実はあまり力が入らない。ほかのほうにやはり重点がいってしまう。こういうものが今日の事態を招く一つの問題点ではあると思うのですよ。ですから貿易外収入を直ちにそのまま還元しろということは私も言いません。やはりそれぞれの特別措置を講じなければならぬと思うのですが、しかしこれは努力の仕方ですから、したがって、運輸大臣が閣僚として閣議でそういう点も十分一つ御相談をいただいて、何らかの形で貿易外収入というものは有効にそういう港湾問題に使えるように私は御努力いただきたい。このことはやる気になればむずかしいことじゃないと思う。私はいろいろ数字を持っておるのですが、委員外発言ですから、きょうはこのくらいにしますけれども、ぜひこれは運輸大臣に御努力を期待するのですが、ひとつ御答弁だけはいただいておきたい。
#21
○国務大臣(齋藤昇君) 私は日本の港湾が、戦後相当さびしかったというために、今日急に問題が大へんな問題になってきて、そして今先ほどからおっしゃいました荷役の問題にいたしましても、海湾労務者の問題にいたしましても、極端にいえば、港に閑古鳥が鳴いておったというので、したがって、港湾行政は設備の点はある程度やっておったにいたしましても、機能発揮という面からいうと、やはり非常になおざりになっておった、欠けておったという感じがいたします。したがって、港湾に働く労務者の方々も、あまり張り合いがないということになっておったろうと思います。日本の海運においてもまたしかりで、今日のような海運界には、進んで大学の卒業生は入るというのは少ない、あるいは船員になるという人も少ない。しかしながら、これは捨て置けない、日本の国としては大事な産業でありまするから、したがって、海運の面においても海運業の基盤の強化をはかり、港湾におきましても、今言ったような意味合いにおきまして、どうしても建て直しをしていかなければならないというときになっている。これは日本の経済の安定した成長ということから欠くことのできない問題でありますので、したがって、政府におきましても、そういった考えは十分バック・アップをしてもらえる問題だと、また現実にそうであります。したがいまして、今おっしゃいましたような御意見を中心にいたしまして、今後さらに努力をいたして参りたいと思いまするので、当委員会におかれましても、できるだけひとつ建設的に御鞭撻をいただきたいと存じております。
#22
○大倉精一君 大臣が今度運輸大臣に御就任になってから、海運、港湾の問題について特に関心を持って御発言になっておいでになり、それで私は心強く思っているのでありますが、これは歴代の大臣も港湾問題については関心がなかったことはない。やはりおありになったと思いますが、しかし、港湾問題が今日の事態になっていることは、あまりにこの問題は奥が深くて、あるいは間口が広い、だからどこから手をつけたらいいかわからない、こういう実態じゃないかと思うのであります。でありますから、港湾の問題は言うべくして、そう一朝一夕に解決がつかない、たくさんの問題があると思います。したがって、港湾の問題は、単なる運輸省なら運輸省、あるいは労働省、通産省だけでこれを解決できるものではないと思います。したがって、今の労働の問題を一つとってみても、あるいは施設の問題を一つとってみても、あるいは背後の関係を一つとってみても、各省に全部関係がある、これは各省が一致して協力してやらないと、どんな小さい問題でも行き詰まってしまう。こういうところに今日の港湾行政の行き詰まりができているのじゃないかと思う。きょうは通産省はおいでになっておりませんが、労働省並びに経済企画庁もおいでになっておりますから、そういう観点からひとつお尋ねしたいと思います。
 まず、第一番に、労働者の問題が日ごろからいろいろ話題になっておりますけれども、これも私は労働省だけではなかなか解決つかない問題があると思う。たとえば、横浜においては最近関西系の工場がどんどん進出している。こういう関係で、せっかく地方から人を集めてきても、この横浜の近くにあるところの近代的な工業、産業に全部吸収されてしまい、肝心の入口の、当面最も人を必要とするところの港湾部門における人というのは集まってこない。逆にひっこ抜かれてしまう、こういう状況であります。だからこういう人の問題を一つとってみても、これは運輸省と労働省だけでは解決がつかない問題があるので、いわゆる総合的な施策が必要だ。そういうような観点から、先ほどから住宅の問題あるいは賃金等の問題をお述べになっておりまするが、そのほかにこういうような、これは横浜の特別な現象かもしれませんが、大なり小なり、港の背後関係にはこういう問題があると思います。こういう問題を含んでの解決策というものは、何か当面の解決策、あるいはこれから先の解決策があれば伺いたい。それから労働省のお考えも伺いたい。
#23
○国務大臣(齋藤昇君) 労働の問題といたしまして当面の問題は、先ほど申し上げましたような事柄を強く推進していく以外にないかと思っているのでございます。しかしながら、そこで労働条件の問題や、いろいろな点もございますので、先ほどお話しになりました、できるならば内閣に強力な総合的な委員会でも設けて、そうして各方面の意見を聞いて参りたい。私は、港湾の労務者の組合の方々の意見も一度聞かせてほしいと言っているわけでありますが、最近非常に忙がしいものですから、まだその機会を得ませんが、できるだけ早い機会にそういった労働組合の方々の御意見も伺い、各方面の意見も聞いて参りたい。おっしゃいますとうり非常に問題が複雑で多岐でもると、かように考えております。
#24
○説明員(北川俊夫君) 労働力の確保につきましては、従来六大港を中心として置かれております港湾専門の職業安定所の機能の強化によりまして、いろいろ対策を講じておりますけれども、先生御指摘のとうり、最近の船混み状況から見ましてまだ不十分な点がございます。したがいまして先ほど運輸大臣がおっしゃいましたけれども、船混み対策の緊急対策といたしまして、従来のごとく地元で労働力を得るという方針を改めまして、九州とか東北とかそういうふうに労働力がやや余っているところから、広域職業紹介によりまして労働力を確保する、そういうことをやっております。このために予備費の支出をこの秋いたしまして、労働者が移って参りますときに何と申しましても先決問題が住宅の確保でございます、六大港に九百三十戸の労働者住宅を急造する、こういう対策をいたしております。なお今後とも広域職業紹介の拡充につきまして、港湾労働の充足という点から十分検討して参りたいと考えております。
 なお住宅につきましても御承知のとうり、雇用促進事業団によって、港湾関係に本年度におきましては約二百戸の鉄筋の恒久住宅を作っております。来年はそれを上回る要求を今のところしております。ただ御指摘のございましたように、港湾労働と申しましても非常に複雑でございまして、労働省だけではなかなか解決ができません問題がございます。したがいまして、私のほうにございます港湾労働協議会でも今の協議会を改組して、港湾労働問題を中心に港湾関係の問題を総合的に調査するために内閣に審議会を置くべきではないか、そういう御意見をいただいております。労働省としましては内閣にその旨を申し入れまして現在関係各省で検討中でございます。
#25
○大倉精一君 まあ今、一例として労働問題を取り上げたのですけれども、今の労働省の御答弁は、これは私はもう一つの形式的な答弁であって、そういうことでは私は港に関する限り労働問題は解決がつかないと思います。これはただ単に住宅を作ったりあるいは内閣に審議会を作ったり、そういうことだけじゃ私はいかぬと思うのですね。もう審議会を作るまでもなく、労働省としてはもう港の労働事情というものは十分知っておいでにならなければいかぬ。いまさら審議会を作って港の労働事情はどうしましょうかというようなことを質問しなくても、どんどんとやっていかなければならぬと思うのですね。特に港の労働関係というものはほかの産業に見られないような前時代的な形態が残っておりますね。しかもこの作業の状態からいって、労働時間等についてもこれはもう全く常識をはずれた労働条件のもとに働いております。たとえば通しとかあるいは三十六時間労働とか、あるいはかみかみと言って飯をかみながら労働するという、そういう特殊な労働事情にあるのですね。そういうところへ住宅を作ったりあれを作っただけで、港の労働者が確保できるかといえばできないのですね。しかも住宅に関する限りはあの付近に建つところの関西系の優秀な近代的な工場がりっぱな家を建てているのですね。これは住宅では対抗できませんよ、労働者を集めるのに。ですから私はそういう形式的なものではなくて、港の労働事情というものを一変させるだけのやはり努力が必要だと思うのですね。おそらく今、労働基準法なりそういう労働の保護立法があるのでありますけれども、その法律を実際港の労働者に適用したらあの港は全部ふん詰まりになりますよ。でありまするから、港の労働者だけは、そういう保護立法のワク内ということは、これはあり得ないのです。そういうことを今までほうっておいたということは私はけしからぬと思うのですよ。これはあなたに言ってもしようがありませんから、いずれこれは労働大臣にお伺いしようと思います。根本的なものはお伺いしようと思っているのです。こういう面につきましても確かに労働省だけではいけないものがあるのですね。あります。通産省も必要でしょう。こういう点からいって港の労働事情というものはなかなか容易でない。ですから、私は労働省だけを責めるのじゃなく、みんな寄ってたかって協力し合わなければいけないと思うのですね。たとえばその一つの要件としてやはり何と言ってもお金が要ります、経営者もお金が要ります。そこで運輸大臣も、先般これは調整運賃をおきめになったときに、公示料金ぐらいは収受しなさいという要望があったはずなんですね。こういう点についてもやはり言うだけではだめなのであって、そうさせなければ十分実効がないのですね。だからこういう点につきましても、これは運輸大臣ばかりじゃなくて、その他の各省との協力が必要だと思うのですよ。これは労働問題に関連しておらぬのですけれども、この完全収受という問題について運輸省としては具体的にどういう行政指導をやっておられるか、それをちょっと伺いたい。それから現在の実情はどうかということも伺いたい。
#26
○国務大臣(齋藤昇君) 現在の実情につきましては局長からお答えをいたさせますが、私は荷主関係の方々にも、港湾労務の問題はやはり荷主にも非常に重大な問題であるから、したがって荷役運賃料を値切ってみたりして、そのためにかえって船混みがひどくなってくるということになると、滞船料を取られたりあれしてかえって損にもなるのだし、今日の船混みの問題についてはむしろ荷主も積極的に参加して、そうしてどうして解消していくかを考えていかなければ困るということを、強く荷主の連中にも集まってもらって話をいたしております。したがってあの料金はことしは今後割引をさせられることなしにやっていけるものと、こう思っておりますが、もしそういうことでなしに従前のような状態が続くようであれば、さらに手を打たねばならないと、こう考えております。
#27
○政府委員(坂本信雄君) 港湾労働の問題を扱う場合には、もう少しこれを近代化しなければならぬというのは先生のおっしゃる通りでございまして、それをやるために、港湾業者の自主性、健全化をわれわれとしては何とか確立していきたいという方向で今いろいろ考えておるところでございます。
 先般の料金の改定におきましても、これが完全に十分であるかどうかということはまだ疑問があると思いますが、大体業者のほうの希望の線に沿って大臣から認可されたわけでございます。その際にただ料金をきめただけでそれが収受されなければ何にもなりませんので、大臣のほうからもそういう要望をつけていただいたわけでございます。それで料金がどのくらい払われておるかどうかということは、実はこれはほんとうに調べられないことなんでございます。われわれに対しては完全に収めているというような言い方をどうしてもいたしますので、その実態を把握するということは非常にむずかしいことでございますが、実際にわれわれが公式の席でなしに聞くところでは、業種によって相当差別がございますが、やはり完全収受は行なわれておらない面が相当あると私は思われます。船内荷役のほうは割合に収受されておると思いますが、沿岸はしけ等において裏であるいは返したりなんかしているようなことを聞いておるわけでございます。これをぜひ何とか完全に収受するように、業界のほうにも申し入れておりまして、業界でも今の機会をのがしてはなかなかこれを実行に移すことはむずかしいということで、しょっちゅう集まって相談をいたしておるようでございます。現在もやっておることと思いますが、大きい業者におきましては割合にやりやすい面もあるかと思いますが、非常に業者の数が多いのでございまして、下のほうに、下と申しますか規模の小さいほうに参りますと、なかなか統制がとれにくい、どうしてもこの小さい業者をもう少し大きな規模にして統制のとれるような、そういう業態にしないと、一方でそういうことをやりましても違反が続出して非常にむずかしいということを強くわれわれ聞いているわけでございます。そういう面からわれわれとしましては、何とかこの小さい業者を組合を作るなりあるいは合併するなりして、もう少し大きな規模に持っていきたいというふうに現在考えております。
#28
○大倉精一君 まあ今経営の規模のお話が出たんですけれども、確かにそういう点はあると思いますね。大体聞いておるところによると全国では七七%までが五百万円以下の零細企業である。そういうことも聞いております。こういうところから、これに加えて歴史的な隷属性あるいは下請性というのがあって、なかなかこうやるといってもできない面があるのですね。この前横浜に行ってこの点について聞いたところが、やっぱり荷主を前にし、当局を前にして業者は完全にいただいておりますということしか言えないのですね。それほどかようにわれわれは弱いと思うのですよ。こういう点をやはり抜本的に直すような行政指導をするなり措置をしないと、ただ単に大臣が要望すると言ってみてもこれは百年河清を待つがごとしだと思うのですが、そういう点について零細企業を何とか規模の大きいものにするというお話があったのですが、これは具体的にどういう工合に進んでおりますか。零細企業を直ちにつぶしてしまうというわけにもいくまいし、どういう方法がありますか。
#29
○政府委員(坂本信雄君) 今の港湾運送事業法ではまだ登録でございまして、これが先般の法律改正で来年の九月だったと思いますが、認可制になるわけでございます。その認可をする場合に認可の基準というものがあるわけでございますが、これを少し高めまして、それによってその基準に合わないものは振り落とすというだけでなしに、一緒になってそういう基準に合うような形態にしてもらいたいということを今申しております。で、その一部は神戸ですでに行なわれまして相当数が減っておるということでございます。それだけでは十分じゃないと思いますが、今はそういうことです。
#30
○大倉精一君 今ここでどれくらいの規模が適当かということをお伺いすることはたいへんむずかしいと思うのですが、それを推進される場合に非常に慎重に推進をされないと、零細といいながら、今まで営々として憎んできた自分の家業というものをなくしてしまうことになるわけですから、その点はひとつ十分気をつけながら、考慮を払いながら、そういう点についての措置をされると同時に、それだけでなくてやはり企業の隷属性なり下請性というものは、この際そういう性格というものはやはり近代的なものにしていくという、こういう指導もあわせてする必要があると思うのですが、その点についてのお考えはありますか。
#31
○政府委員(坂本信雄君) 今まではちょっとお出入り商人的なところが港湾荷役業にはあったと思いますが、先般の法律改正のときに公聴会というところまでいきまして、初めて公開の席で港湾荷役業者が荷主あるいは船主に対して堂々と所見を述べたということがありまして、あの当時からだいぶ港湾業界の空気が変わってきたように思います。で、昨日でしたか、数日前でしたか、荷役業者が今集まって完全収受の対策をやっておるわけでございますが、そのときに全国的に一つの、ばらばらではなしに統一ある行動として鉄鋼会社にひとつ当たってみようということを今検討しておるようでございます。そういうような行き方で順次自主性を取り戻していってもらいたいというように考えております。
#32
○大倉精一君 これはぜひ具体的な方法を考えて御指導を願わないと、なかなか頭の中で考えておるだけじゃだめだと思うのですね。私横浜でも申し上げたのですけれども、昭和二十八年当時のことを思い出すのでありますが、輸入食糧に関してあの当時ばらばらであったのですね、公示等がきまっておるにかかわらず、輸入食糧に関する収受料金というものが下回っておった、それがために港湾の労働者がストライキをやったと、こういう時代もあったのです。そのときにこの委員会で取り上げて、これはもう外国の船員の前で、外国人の前で日本の労働者がストライキをやる、そのストライキの目標が法律を守れということで、これは国辱だというようなことでもって委員会でいろいろ論議をしたことがあるのですけれども、その結果収受料金の窓口を一本にする、六者会談をやって窓口を一本にする、こういう措置を講ぜられて以来、輸入食糧に関する限りはもう一本の運賃になったという、こういうこともその当時あったように私は記憶しておるのです。でありますから、収受料金の窓口を一本にするなり何なり、料金の収受方法についても具体的に考えないと、観念的ではなかなかできないと思います。これもひとつあわせて御検討願いたいと思う。と同時にまあ運輸大臣が割引をやっちゃいけない、あるいは払い戻しをやっちゃいけないと、こういうふうにおっしゃっておるのでありますが、そうなるというと現実に割り戻しをしない、払い戻しをしないと、鉄鋼、石炭に関する限りは二、三割の運賃値上げということに現実になる、これは容易ならぬことですよ。でありますから鉄鋼業者はうんとは言いますまいし、ましてや合理化途上にある石炭産業については、これは二割の運賃値上げ、三割の運賃値上げでたいへんなことになる。これはこの前にも大臣にお尋ねしたとおり、あるいは石炭関係については国鉄運賃同様に、その部分だけ国家で負担をするという方法もあるでしょう。あるでしょうが、そういう点も具体的に考えあわせないと、なかなかこれは容易じゃないと思う。しかも今まで長期、大量貨物の割引といった事態がこの公示料金の値くずしをやってきた原動力になったという、こういう点もあると思うのですね。でありまするから、そういう貨物に対して割引や割り戻しをやっちゃいけないというので、長年の歴史、商習慣というものを打破するものであって、これはもう相当の決意と施策を施さないと実現ができないと思う。と同時に早くやってもらわなければこの秩序の維持ができない、こう考えるのですが、運輸大臣この点いかがでしょう。そういう現実が私はあると思います。
#33
○国務大臣(齋藤昇君) まことにごもっともな御意見だと思います。幸いと申しますか、とにかく昨今の様子は港湾の運送業者の方々が比較的強い立場に立てるようになってきたわけです。港がさびしいときには弱い立場になりますが、今は逆に強い立場になりつつあります。それで今後の見通しを見ましても、今日より以上に港湾の運送がしげくなってくる、大事になってくるということは、これはみな大体感じて参ったわけでございまするので、したがって今おっしゃるような方策を強力に進めていくのには非常にいい機会になっておる。かように考えまするから、この機会をつかまえましてひとつおっしゃるような方向に推し進めて参りたい、かように思います。
#34
○大倉精君 まあ運賃収受の問題については、特に具体的に御検討願って指導をしてもらいたいと思います。そういうことが結局ひいては労働条件の問題にも関連をしてくると思います。統計等を見ましても倍増計画によって三十五年九千百万人の人口に対して、四十五年に一億二、三百万の人口になる。で、そのうち生産人口の中で就業人口というものが四千百万人から四千八百万人とたいしてふえない、こういうことでますます労働力の問題は非常に大きな問題になってくる。しかもその中で港湾労働という条件の悪いところに労働者を確保するということは、これはなかなか容易なものじゃないと思う。でありまするから先ほど労働省が言ったように、そういう形式的な問題ばかりじゃなくて、先ほど来私が言っておるこれは一例なんですけれども、そういうものを含めて、各省と協力して港湾関係の労務者確保については格段なひとつ御努力を願わないといけないと思う。特に、一言にして言うならば、港湾労働者の近代化ですよ、これなくして港湾労働者の確保はあり得ないと思います。そういう点、この機会に、この港湾のふん詰まりという非常に世間の関心の深いこの機会に、抜本的な、ひとつ施策を講ずるように、これは切に要望しておきたいと思う。
 それから次にお伺いしておきたいことは、そういう事情のもとに、この際、港湾で非常に大きな問題は、月末の集中配船という問題がある。この問題についても、これば運輸省だけでは私は解決つかないと思う。まあこれは簡単に一口で言うならば、商取引の習慣をこの際、直すような、抜本的な考え方をしないというと、月末の集中配船という問題は解決しないと思う。信用状の切り方等につきましても、そういう問題があると思う。できればこれは月の半ばと月末と、つまり、そういう配船の山を二つに持ってくるような、そういう方途を講じないと、これは百年河清を待つごとしでもって、結局、港湾のふん詰まりの事情というものは解消しないと思う。しかも、これから先、池田内閣の政策が続くとするならば、どんどんと輸入もふえてくるだろうし、抑えるといっても、なかなか簡単には参りませんが、そういうような関越も含めて、やはり商取引の習慣を変えるという、こういう容易なことでないけれども、努力をすべきだと思う。運輸大臣、これに対して御所見を伺いたい。
#35
○国務大臣(齋藤昇君) 月末の、いわゆる船が混んでくるという問題でございますが、これもおっしゃるとおり、日本の港においては一つの悩みの種であります。おっしゃるように、これは手形の関係、商習慣の関係、ことに金融がこういうように詰まって参りますると、できるだけ、そのぎりぎり一ぱいまで置いておいて、そうして荷物を出す。早く手形の割引をして、そうして約束は何月までとなっているから、その月の末ということになって参って、これには非常に弱っているわけです。通産省その他この問題について話をいたしておるんでありますが、具体的にはまだ展開をいたして参りません。通産、大蔵、その他とも十分協議をいたしまして、何らかの方途を講じて参りたいと思うのでございますが、これは非常にむずかしい問題だと思っております。
#36
○大倉精一君 おっしゃるように、非常にむずかしいと思う。むずかしいと思いますけれども、これは何としてでも解決をするなり、あるいはその方向に近づけるなり、こういう努力をしないと、私は港のふん詰まりというものは解消しないと思う。特にランナーあたりは大体港にたむろしておりますのが三分の一、それから航海するのが三分の一という、そういう事実だそうです。これは現在では、船がどんどんスピード化されてくると同時に港が混んでくる。したがって、今、港に入っている割合が半分になっている。一年のうち半分は港に入っている。ランナーというものは、船が動いていなければ商売にならない。仕事にならぬわけです。これが一年のうち半分は港に入っている。こういう状態が続いたら、一体これは、どういうことになるか、こういうことになるのですけれども、原因は、月末あるいは月初めに対する集中配船、こういうものがガンになっている。この前ちょっと統計を見ましたところが、この月初め、月終わりの配船状態が大体、六〇%、あとおのおの二〇%、二〇%、こういうような統計が出ている。ですから、一月で六〇%が月末と月初めに集中してくる、こういう状態が続く限りは、これはなかなか解消できない。しかも、労務若に関する限り、月末に向かって外部から集めてくる。で、月末が終われば、外部に放出する、こういう不安定な状態では、これは労働力の確保もあり得ない。でありまするから、こういう点につきましても、通産省あるいはその他と、これは連絡をとらなければならぬが、そういう面からいっても、私は、この際、港の問題は、経済企画庁あたりが総合担当官庁として総合的な計画を立て、これにおのおの責任担当官庁が協力するなり、あるいは責任を追及するなり、こういう工合に総合的な計画を立てる、それには経済企画庁あたりが乗り気になって、やる気になって乗り出してくるべきだと思いますが、企画庁おりますか。企画庁の人。
#37
○委員長(前田佳都男君) 経済企画庁計画官加納治郎君。
#38
○説明員(加納治郎君) 大へんむずかしい問題でございまして……。
#39
○大倉精一君 そういう計画があるかないか。
#40
○説明員(加納治郎君) 昨年の倍増計画のとき以来、港湾の問題につきましては、非常に重要な問題として扱ってはおりますが、船繰りの問題は、その後の問題でありまして、これに関連して、にわかに取り上げようというような具体的な動きは今のところないようであります。
#41
○大倉精一君 これは、経済企画庁はこういう問題を軽視しておるということは、これは私は非常な手抜かりだと思う。たとえば滞船状態を見ても、五月ごろまでは大体横浜で、せいぜい沖待ちで半日ぐらい待っていれば、大体バースに入ってきたという状態だった。そうして滞船というのは十五隻が山であった。これは五月ごろの統計です。それからぐっとこちらに急にふえてきた。こういう見通しは経済企画庁になかったということはないと思う。つまり、言うならば、池田内閣の倍増計画によって、こういう輸入の増加というものは、これは設備投資の急増からいって、原材料の輸入の増加ということは、これは当然見通しがつくはずです。それが、経済企画庁でもって港に関する限りは総合計画を持っていなかった。これは私は非常に手抜かりだと思う。この点についていかがですか。
#42
○説明員(加納治郎君) 問題の重要性を全然認識していなかったということは、ちょっと違うのでございますが、たとえば倍増計画のときにも、貨物取り扱い量が巨大な重要港湾を重点的に整備することが必要であるというようなこと、あるいは、これはちょっと別の場所でございますけれども、準ずることとして――海運の関係は、経済活動の消長によって、貨物に著しい増減が生ずるというようなことを理解しております。
 そのようないろいろな観点から、港湾についての方針も重点的に見て、そうして特に十カ年計画期間中の前期に重点を置いてやるというようなことで、当寺から重点的な重要な問題であるということは十分考えておりますが、そういう長期的な方向を一応長期計画で出しまして、個々の具体的な問題、あるいは、そのときどきの情勢によって起こった問題は、なるべく各省で御処理を願いたいというような考え方になっておりますものですから、具体的にこの問題をまだ御相談を受けておりませんし、まだ取り上げるという段階になっていないということでありまして、取り上げることがあり得ないというふうにも考えられないことかと思います。
#43
○大倉精一君 これはまあ藤山さんに、とくと一ぺん見解をお伺いいたしたいと思いますけれども、先ほどから言っておるように、港湾の問題は、それほど単純なものじゃない。これは各省庁が全部集まって協力しないと解決しません。ふん詰まりになってくると、港湾何とか協議会を作るとか、何とか対策委員会を作る、審議会を作るといって、まあ方々、いろいろな、名前の通っておる人を集めてきて審議会をおやりになる、協議会をおやりになる、そんなことだけじゃ、これは解決しませんよ。たとえば現在いろいろの刷り物を見ましても、このバース待ちの大部分が外国船であるということから、大体滞船料を支払っているのは毎月百万ドルか百五十万ドル支払っておる。そこへもってきて、スクラップ船の運賃が、どんどん上がっている。この値上がりだけでも毎月百万ドル以上の損失になっておる。こういう実態があるんですね。合計二百万か二百五十万か三百万ドルというものは、どんどん消えてなくなっていってしまう。そういう事情を、あなたのほうでは別に軽視するわけじゃないとおっしゃいますけれども、私は、どうも港湾の関係については経済企画庁は、少し関心が足りなかったんじゃないか。あるいはまた、同じ国内の経済成長に伴うところの輸送事情というものについては、特にこれは何はおいても、優先して企画庁あたり総合的に考慮してもらわなければならぬと思う。たとえば国鉄の貨物輸送との関連につきましても、たとえば釧路等については、まあ荷物がふん詰まりになって、困れば、今度は海へ回すんだと。海へ回すんだといったって、なるほど船腹はあるかもしれないけれども、こんなような状態でもって、鉄道の貨物が今度は海へ来ればどうなるか。こんなようなことで、全然そこに計画性がない。
 でありますから、この際経済企画庁としては、経済の成長度の見通し、これに伴うところの輸送の見通し等をちゃんとつけて、ふん詰まりになってから計画するんじゃなくて、こうなるであろうという見通しのもとに事前に対策を立てないと、これはもうしょっちゅうふん詰まりになってしまう。
 ですから、きょう企画庁に来ていただいたのは、一体、こういう各省庁間に大きな影響を持つ港湾の事情について、どれほど関心を持っておるかということを伺いたかったわけです。今の御答弁ですというと、どうも港湾の問題は、各省庁間にまかせて――各省庁間にまかせておいてやれることじゃない。港湾事情というものは、そんなものじゃないんです。どうですか。認識を新たにしてもらえませんか。
#44
○説明員(加納治郎君) 先ほどのお答えは、現在まだそういう段階になっていないということでございまして、経済企画庁の建前といいますか、過去の例から見ましても、交通関係閣僚懇談会を初めて設置いたしました昭和三十三年でございますか、当時一番最初に港湾の問題を取り上げて、輸出港湾の政府の方向につきまして検討したような例もございますし、今後事情によっては、そういうことも十分考えられるんではないかと思いますけれども、今の段階は、かような実情であります。
#45
○大倉精一君 これは経済企画庁の役割が、どの程度か私はよく詳しくは中へ入ってみませんけれども、これはひとつ運輸大臣のほうから、総合的に経済企画庁あたりが中心になって動いてもらうように、そういう原動力になってもらうことが少なくとも私は必要だと思う。何々審議会とか何々委員会とか設ける前に、経済企画庁あたりが総合的な見地から、高いところの見地から、こういう問題に対して動き出してもらうという、こういうことが私必要だと思うんです。これはひとつ、藤山さんにも一ぺん来ていただいてやってもらわぬというと、いかに、数字の上でうまくいっても、港がふん詰まり、駅の構内がふん詰まり、道路がふん詰まり、これじゃあなた、動きがとれぬじゃありませんか。ですから、そういう問題については、ひとつあとから藤山さんにも来ていただいて、ここで伺いたいと思いますが、運輸大臣、この際、そういう問題について総合的な動きについて、担当大臣としての御所見をひとつ承っておきたいと思う。
#46
○国務大臣(齋藤昇君) ただいまの御所見に対しましては、全く同感でございます。したがいまして、経済閣僚懇談会の際にも、関係各省に協力をお願いを申し上げ、個々の今お取り上げになりましたような項目等も明示をいたしまして、各省に協力を求めておるわけでありまして、ただその項目の推進の仕方という点につきましては、実を申しますると、非常に忙しい問題がたくさんあるものですから、私一々チェックをしておるひまもないわけでありますが、しかし今の月末あるいは月初における集中配船の問題、これを中心にいたしまして、あるいは荷主の早期引取の問題、あるいは急がない荷物は、あまり早く持ってこないような指導の仕方、その他につきまして、さらに強力に進めていきたいと思っております。
#47
○大倉精一君 これは単なる港湾関係じゃなくて、非常にテンポの早い経済成長に伴うところの輸送交通部門は、何にも増して優先的に、優先というよりはむしろ先行して考えてもらわなければならぬと思う。場合によっては池田さんに来てもらって、こういう点については、ひとつ総理の所信を一ぺん聞きたいと思います。ともすれば物は作ればいいのだ、あるいはどうすればいいのだということでもって、これを運ぶことに一向関心がない、こういうことでは、大へんなことになると思います。場合によってはこれは総理大臣の所見を聞かなければならぬと思います。まあそういう点については担当大臣としてひとつ特に関心を持って御努力を願いたいと思います。
 次にお伺いしたいのは、そういうような港の状態の中で、定期航路船の定期維持という問題が非常にこれは重大な問題になってきているのではないかと思いますけれども、この点についても、現在の事情をひとつ御説明を願いたいと思うのであります。つまり言うならば、定期船の出港予定日の変更なり、そういう事情はどんどん出てきている。一港によるところのそういう変更は、次の港に対するバースの手当なり何なり狂ってくるわけですね。これが重なってくれば、国際信用にもかかってくるような状態になる。現在定期船を優先的にバースに着けるという関係から、不定期船が、特にスクラップ船を筆頭にして非常に大きな犠牲を払っている、こういう点から、ますますアンバランスが出てくる、こういう点、定期船の定期維持については、どういう対策であるか。あるいはこれによるところの不定期船の今の犠牲ですね、これは、いつまでも待っておらなければならぬというような、そういう点に対する対策は、当面どういう対策を持っておられるか。御説明願いたいと思います。
#48
○政府委員(辻章男君) ただいま御質疑になりました港湾荷役の能力の不足によります定期船の問題でございますが、これは各車、要港におきまして、般の船混みのために不定期につきましても、ある程度荷役がおくれるということは事実でございます。しかし定期船につきましては、各港ともやはり優先的に荷役をして参るということで、それがために定期の何と申しますか、スケジュールが著しく狂って混乱しているという情勢には幸いなっておりません。
 しかし御指摘ございましたように、そういうふうに定期の荷役につきまして優先しているということは、定期船以外の人たちを犠牲にしていることでございまして、そういう点が、定期船以外のほうにしわ併せになって一そう船待ちを多くしているということは事実でございます。
#49
○大倉精一君 そういうことがだんだん重なってくると、定期船にも、やはり狂いが生じてくる。同時に定期船に狂いが生じてくるということは、定期船以外の船の犠牲がますます多くなってくる。そうしてやはり船待ち料といいますか、何か罰金があるのですか、そういうものの支払いの犠牲も経済的に大へんに犠牲が多くなってくる。そういうものに対する対策というものは、別に今のところは具体的にないわけですか。
#50
○政府委員(辻章男君) これは所管は港湾局でございますが、やはり一般的な荷役の増強以外にはないと考えております。
#51
○大倉精一君 これまたきめ手がないようでありますけれども、これは総合的なものの中で、この船泥みの中の一つの、そういう現象として、特に私は関心を持たなければならぬ問題と思うんですから、この点につきましても、ひとつ関心を持って具体的に措置をするように御検討願いたいと思います。
 そこで最後に一つ。港湾とその背後関係ですね、背後との関係について、お伺いしておきたいのですけれども、今でも、この海湾と背後地の輸送関係は非常に逼迫している。配車関係も十分でない、こういうような事情も現地で聞いているんですけれども、これから秋冬繁忙期になって、ますますこの状態がひどくなると思うんですけれども、これに対する格別の手当に対して、何かお考えがあるようだったらお聞かせを願いたいと思います。国鉄さんのほうですか、これは。
#52
○説明員(遠藤鉄二君) ただいま港湾に対する貨車の配給が足りないというお話でございましたが、この前の委員会で御説明申し上げましたと思いますが、港湾につきましては、国鉄といたしましては最重点に配車をいたしておるのでございまして、最近の事情を申し上げますと、年度の初めから八月ごろまでは、あまり御不満を私ども聞いていないわけでございます。大体、各港とも順調にといいますか、推移をしておったように思いますけれども、ごく最近は、ちょっと陸上輸送力が弱くなっております。その事情は九月に入ってからでありますけれども、第二室戸台風とか日通のストとかいうような関係も大きな原因になっておるのでありますけれども、全国的に輸送が混乱いたしまして、九月は輸送力といたしましては、計画面ではふえておるのでありますけれども、実際は四月に対しまして一%減送――減っておるような状態でございます。
 これは、たとえば横浜の例で申し上げますと、横浜に対しまする空車の注入は、大きなところでは汐留でおろした貨車を空車列車としてすぐ横浜へ回すというような手配になっておるのでありますけれども、汐留の荷役が止まりましたりしました関係上、空車が不十分であるというようなことで、これはストとか天候とか、いろいろな関係がございましたので、十分に、ごく最近ではいきかねているというふうな実情でございます。それから十月に入りましてからは、上旬ほとんど雨天でございましたし、また台風二十四号もありました。そういうような関係で、輸送力はふやしておるのでありますけれども、実績は十月に入りましてから、ここしばらくまだ上がっていないような状態であります。
 したがいまして、荷役に対しましても、多少御迷惑はかかっておると思いますけれども、けさ、現在の状態で申しますと、天候も回復いたしましたし、現在事故の影響も大してございません。北海道で北海道炭の輸送が、室蘭本線が単線運転をいたしておりますので支障を来たしておりますけれども、あと全国では、そう支障なく運行をいたしておりますので、今後は、秋冬繁忙期輸送対策といたしましては、私ども国鉄が立てました、これは毎日の、全国でいいますと六十万トン・ベースの輸送でございまするが、この線に近づいていくことと思いますので、港湾につきましては、また最初に申し上げましたように、特に重点的な配置をいたしたいと思いますので、そう御迷惑かからず輸送できるものだと考えております。
#53
○大倉精一君 大臣お急ぎのようですから、一言だけお伺いしておきたいのですけれども、この背後関係の輸送等については、要するにふえた貨物の輸送、入れ場所というような問題になるわけですね。特に入れ場所について、倉庫の不足が非常に目立っておって、これをどうするかということでございますけれども、先般横浜に行きまして、業者の間では床面積をふやしておりますけれども、床面積をふやすといっても、将来の景気の見通しがつかないで不安で、これはそう簡単にはやらない。こういうまあ無理からぬ意見があったのですね。
 でありますから、将来の見通しいかんによっては、あるいは事情いかんによっては、国かあるいは地方自治団体等がみずから入れものの心配をしなければならぬ、世話をしなければならぬ、あるいはみずからそれを確保しなければならぬという問題も起こってくると思いますのですが、こういう点について大臣いかがですか。率直に。
#54
○国務大臣(齋藤昇君) 倉庫の点は、ただいまおっしゃいますような事情が相当あるわけでございます――あったわけでございまするが、だんだんと倉庫不足が、これは今後恒常的に続くというような考え方に、倉庫業者の方々もだいぶ変わって参りまして、ことしの八月ごろには倉庫を自分で作ろうか、あるいは増設をしようかという考え方の力が少なかったのでありますが、最近非常に多く出て参りまして、私のほうの、開銀その他の融資のあっせんを願い出てこられる方が非常に多くなっております。本年度の当初計画では、開銀の融資十億程度で足らうかと思っておったのでありますが、その後のわれわれのほうから要請をいたした点もございまするが、約二十億ぐらいというものが、さらに追加をして申請をして参っております。今開銀等と話し合い中でございますが、そういうわけでございまするので、まあ、倉庫業というのは、あまり金のもうからぬ仕事であるというので手控えておられたのが、大分今の状態では足るまいという状況になってきておりまするので、まあ、そういう面では喜んでおる次第でございます。
#55
○大倉精一君 まあ、この問題は、今具体的にどうのこうのといってもなかなかむずかしいことだと思うのですけれども、これはやはり事情によっては、民間業者だけに依存するのじゃなくして、やはり国なりあるいは地方団体なりその他の機関といいますか、そういうところでもって、やはり倉庫――入れものについては確保するという、そういう意欲が必要じゃないかと思うのですが、この点については、大臣としてお考え置きを願いたいと思います。
 そこで鉄道に再びお伺いするのですけれども、重点的に港湾関係には配車をするという、そういう御答弁があって、私もけっこうだと思います。思いますけれども、これはやはり陸上輸送の関係もなみたいていのものじゃないと思う。でありますから、そう簡単には、私はいかぬと思うのですね。
  〔委員長退席、理事点埜良吉君着席〕
 名古屋の例を取ってみますというと、三十五年におきましては、対前年比でもって一般貨物一三七%に対しまして、輸送実績はわずかに一〇三%という数字が出ている。これは名港の名古屋、東名古屋港、西名古屋港三港合わして、こういう数字が出ております。本年の一月から三月まで、これは平均貨車の請求が四百三十八車に対して実績が二百六十八車、運送量が、予定運送量が六千七百六十六トンに対しまして実績が四千三百五十二トン、こういうような実績が出ているのですけれども、しかも今業界等におきましては、鉄道管内に一日現在千四百車というものを千六百車に引き上げてもらいたいという要請もしていることを聞いております。そういうような要請に対しまして、その可能性については、どういうお見通しなんでしょう。相当大幅な配車要求をしているのです。
#56
○説明員(遠藤鉄二君) 今年度の秋冬期におきましては、全国的には対前年で八%ぐらいの輸送力が増強されますので、大体要請にこたえ得るのではないか。もちろん御要求がありまして直ぐというわけには参らぬわけでございますけれども、長期間で見ますれば、大体要請にこたえられるとわれわれ考えております。
#57
○大倉精一君 まあ、この問題は、今の港湾関係には重点配車をする、こういう御答弁がありましたので、そうなるものと私どもは期待しております。
 ただし、ここで陸上輸送とも関係があるのですけれども、今汐留のお話がありましたけれども、確かにレールの上の輸送力増強という計画は一応成っているでしょう。ところが、ロードの関係はどうなっているか。これが問題じゃないですか。汐留の関係で見ますというと、国鉄の対策を承っているところによりますと、秋冬臨時を大幅に増車をして、貨車のスピードアップに重点を置かれておる。さらにまた、そういう点からして汐留の一日の発着が、現在九千トンから二万トンになる、こういう予想をお立てになっておるようです。さらにまた、そういう内容につきましては、コンテーナ列車が二本、混載列車が三本さらにこの間事情によっては臨時費車を増車をする、こういうことでもって、一日発着が一万二千トンくらいになる、こういう予想がおありになるようですね。
 そこで私は心配をするのは、私入れ物入れ物というのですけれども、一体これだけたくさん荷物がふえて、そこで汐留のどこへ荷物を置くか。どこで荷さばきをするかという問題が出てくる。さらに加えて、東京都内の集配の事情ですね。都内の交通混雑からくる交配の事情はどうなるか。そういうものは、レールの上の輸送力増強に対して、どういう工合にマッチした計画をお持ちになっておるか、そういうことをひとつ、あわせて伺わないと、なかなかこれは混乱が多くなるばかりで、容易ならぬ事情になるのではないかと心配するのですが、その間の事情について御説明願いたい。
#58
○説明員(遠藤鉄二君) ただいまのお話のように、この冬は、汐留に相当大きな負担をかけております。現状といたしましては陸運業界の方等の御協力を得まして、この冬は作業が順調にいけば、あれだけの数量は何とかまかない得るだろうという見通しを立てております。
 しかし、これがそれではそのままいけるかというと、今後は非常にむずかしい問題になるわけでございまして、駅の設備の方も、拡張を計画してすでに、工事にかかるわけであります。新しい分でございますが、しかしそれよりも大きな問題は、道路交通、つまり車の回転、自動車の回転が悪くなるということでございますが、これにつきましては、必ずこうなるという対策、名案が目下のところないような状態で、非常に苦慮いたしておるような実情であります。
#59
○大倉精一君 これも私は、港湾と同じ事情だと思うのです。やはり汐留なら汐留に設備をたくさんしても、そこへ集まってくる人間の問題がまずあると思うのです。東京鉄道管理局長さんの角さんですね。あの方も指摘しておられたけれども、構内の作業の通運の従事者ですね、これが大体固定したものじゃなくて、臨時従業員がたくさんおる。これは非常に労働力が不安定だという指摘がありましたが、こういう事情も、私は非常に輸送力の増強について大きな問題じゃなかろうかと思うのですね。しかも港湾と同じように、外部の状態あるいは条件というものが非常にいいものですから、どんどんそっちの方に行ってしまう。由来、労働者の労働強化の見本というものは、石炭に港湾に仲仕ですよ。そういうところに、なかなか来ないのですね。こういう点についても、当局としてはやはり民間のことといいながら関心を持たなければならぬと思うのですね。
 それから駅構内にしても、やはり施設だけをふやしたらいいかというと、そこにトラックをふやしたら、何台放り込めるか。たとえば五百台が限度であれば、それ以上トラックをそこへ持ってきても、かえって仕事は低下をするのですよ。だから車さえたくさん持ってくればいい、人間さえたくさん持ってくればいいということではない。そういう点につきましては、私は輸送力増強につきましては特に御協力を願わないと、やはりふん詰まりの状態になってくると思うのですね。汐留ばかりではなくて、道路もそうですけれども、ホームの上屋の状態なりあるいは野天の状態、そういう作業上の設備というものが伴わない。そういうところが一番困難を持っておる。こういう事情であり、かたがた今の集配関係もある。そういうものも総合的にあなたの方でもって頭の中に入れてお考えにならないというと、輸送力を増強する増強するといっても、いたずらに混乱を招くばかりじゃないかと思うのですね。
 そういう点について局長どうですか、両方のほうの事情を、もう少しやはり頭にお入れになる必要があるんじゃないかと思うのですね。
#60
○説明員(遠藤鉄二君) 自動車交通がだんだんと混雑の度を重ねて参ります中で、大都会については、貨物輸送の方式をどう変えるか、これはいろいろ検討中でありまして、ただいままだ将来の決定的のプランまではいっておりませんけれども、一例を申し上げますと、たとえば駅の周辺、これはたとえば地方では、小さい駅の集約をやっております。しかし大都市、東京、大阪等におきましては、集約ということでなくて、考えを変えまして、ある駅を方面別とかあるいは品物別とか、道路、交通の方も考えあわせて、総合的にどう活用するのか一等効果的であるか、そういう方向を研究しておる次第でございまして、御指摘のような、単にわれわれの鉄道だけの輸送力だけでなく、通運、路面交通等ともあわせて、東京、あるいは大阪の将来の輸送を確保するように努力をいたしたい、こう思っております。
#61
○大倉精一君 この問題は、国鉄さんだけに注文をつけても、これは無理だと思うのですね。思うけれども、やはりレールの上の輸送力増強ということになれば、これに並行して関連してくるところへは、国鉄として関係方面にやはり要請をしていただく、それに並行したものをやはり作っていただかないと、あわせて努力もしてもらわなければ、国鉄は、わが道を行くのだということになれば、これは大へんな混乱になると思う。こういうところからも港湾関係ばかりでなくて輸送方面全体について、総合性がないというところに私は問題があると思う。
 これは、きょうは大へん時間も長くなるので、この辺でやめますけれども、これは委員長、さらに検討いたしまして、港湾関係の問題については、さらにひとつ、後日あらためてお聞きすることにして保留をいたします。
#62
○理事(天埜良吉君) それでは本日は、これにて散会いたします。
   午後三時二十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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