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1961/10/30 第39回国会 参議院 参議院会議録情報 第039回国会 運輸委員会 第9号
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1961/10/30 第39回国会 参議院

参議院会議録情報 第039回国会 運輸委員会 第9号

#1
第039回国会 運輸委員会 第9号
昭和三十六年十月三十日(月曜日)
   午後五時三十一分開会
   ―――――――――――
  委員の異動
十月二十八日委員野上進君辞任につ
き、その補欠として泉山三六君を議長
において指名した。
十月三十日委員大谷瑩潤君辞任につ
き、その補欠として加賀山之雄君を議
長において指名した。
   ―――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     前田佳都男君
   理事
           天埜 良吉君
           金丸 冨夫君
           大倉 精一君
   委員
           江藤  智君
          大野木秀次郎君
           重宗 雄三君
           平島 敏夫君
           三木與吉郎君
           小酒井義男君
           重盛 壽治君
           中村 順造君
           大和 与一君
           松浦 清一君
           加賀山之雄君
  国務大臣
   運 輸 大 臣 斎藤  昇君
  政府委員
   運輸大臣官房長 広瀬 真一君
   運輸省鉄道監督
   局長      岡本  悟君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       古谷 善亮君
   ―――――――――――
  本日の会議に付した案件
○踏切道改良促進法案(内閣提出、衆
 議院送付)
   ―――――――――――
#2
○委員長(前田佳都男君) ただいまより委員会を開会いたします。
 まず、委員の変更について御報告いたします。
 去る二十八日、野上進君が、本日大谷瑩潤君が辞任され、泉山三六君、加賀山之雄君が、それぞれ選任されました。
   ―――――――――――
#3
○委員長(前田佳都男君) 次に、踏切道改良促進法案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 前回に引き続き質疑を行ないます。質疑のあるお方は、順次御発言を願います。
#4
○小酒井義男君 前回の委員会でも、いろいろ皆さんから質問があったことでありますし、本法案の成立によって踏切道が改善をせられ、交通事故の防止に役立つということであれば、法律そのものには私は別に反対の意見をもつものではないのでありますが、実際にこれを改良していく過程において、特に地方の中小私鉄の負担になる点について、若干私は心配をしておるんです。
 極端な例を一つお尋ねしたいんですが、地方鉄道軌道整備法によって補助を受けておるような会社の踏切が、この法案によって設備を改修しなければならぬような場合に、この前の説明によりますと、三分の一は政府、三分の一は地方の自治体の補助、三分の一は自己の負担になるというように聞いたんですが、そういう場合でも、やはり三分の一の負担がかかることになるのかどうか、その点をまず第一点、お尋ねしたいんです。
#5
○政府委員(岡本悟君) さようでございます。やはり三分の一は、鉄道事業者が負担するという建前でございます。
#6
○小酒井義男君 そうなると、私は、普通であってもその補助を受けなければならないような業態のところに、たとえ三分の一、金額的には少ないといっても、それの負担がかかってくることは、他の保守に手を抜くようなことになる危険性が出てくるのではないか、つまりそれによって枕木の交換が予定どおり行なわれないということや、いろいろな面にしわ寄せされてきますと、それがやはり輸送全体の安全、鉄道における輸送の安全に影響をもってくるという、こういう心配が出てくるのではないかと思うんです。
 こういうことに対して、少なくとも会社の負担能力が、そこまで悪く弱体だというようなところは、その会社に負担をかけないような方法を、私はどうしてお考えになれなかったのかお尋ねしたい。
#7
○政府委員(岡本悟君) 非常に負担能力の少ない地方鉄道に対しまして、こういった施設の整備を強要するということになりますと、他の必要な保安施設の整備に影響があるというふうな御心配でございますけれども、やはりこの踏切保安施設の整備ということも、線路等の施設の整備と同等のウェートをもつというように判断いたしております。
 そこで車両の整備、あるいは線路の保守等と同じようなウエートをもった重要な施設でございますので、やはり鉄道事業者といたしましては、これを整備する義務があるわけでございますが、その場合に、政府といたしましても、あるいは地方公共団体といたしましても、できるだけの援助をするということで、こういう提案になったわけでございます。もちろん極端な赤字欠損の場合には、御指摘のように地方鉄道軌道整備法によりまして、若干の補助がございまして、こういった施設の整備についても、その方面からの援助の手も差し伸べられる、こういうことに相なりますが、赤字欠損の会社全部が、地方鉄道軌道整備法の補助を受けるわけじゃございませんので、なるほど御指摘のような非常に困難な場合も出てくるかと存じますけれども、鉄道事業者としては、線路等の保守と同じようなウエートをもった重要な施設の整備でございますので、万難を排していただかなければならぬ、かように考えております。
 なぜやらなかったかという、全部めんどう見るような建前にしなかったかという仰せでございますが、そうなりますと、今申し上げましたように、ほかの施設の整備にいたしましても、赤字欠損会社につきましては、全部やれるように、正当な整備、適切な整備が全部やれるように補助金を与えまして、その能力をつけてやらなければならぬという問題にもなりますが、そういう点も、実は今まで解決いたしておりません。したがいまして、この踏切の施設について、特段の考慮が払われたということは、ほかの施設の整備より、より国家がウエートを置いているということにもなるように考えております。
#8
○小酒井義男君 それからもう一点、これも、少し極端な例を引くようなことになるかもわかりませんが、最近地方鉄道の中には、旅客の輸送が自動車に移行をするというような傾向があるわけです。その自動車に旅客が移行するというような地方の鉄道は、これは経営がよくありません。そうして乗客のふえる量もありませんから、列車の運転回数なども自然増加するというようなことにはならぬ。ところが、一方自動車のほうには運行回数がふえてくるというようなことが重なり合って、踏切の改良をする必要ができてくるというような場合に、その鉄道側に負担をかけていくということは、これは一方では、原因者負担ということが言われながら、非常に私は矛盾があるのじゃないかと思うのです。こういう点を、この法案の対象になる改良をしなければならぬ踏切の費用の負担方法について、そういう点の実情に合うようなことを考えるべきではないかと思うのです。
 そういう点の考慮を、どういうふうにされているか、この点についてお伺いしたいのです。
#9
○政府委員(岡本悟君) 仰せのような、いわゆる原因者負担主義ということが、踏切道というふうな、いわば道路と、列車の通行いたします線路との両方の効用を兼ねております兼用工作物につきましては、あるいは立体交差の経費というふうな点につきましては、すべて原因者負担という法則が原則として貫かれておりますので、今御指摘のような場合には、この道路交通側の交通量の激増ということを、その改善の契機となるところの一つの原因と考えられないかという仰せでございますが、もともと鉄道事業者は、現行の法令におきましても、たとえば地方鉄道におきましては、地方鉄道建設規程におきまして「交通頻繁ナル踏切道ニハ通行人ノ注意ヲ惹クヘキ警標ヲ設クルコトヲ要ス」というふうな規定であるとか、あるいは「交通頻繁ニシテ展望不良ナル踏切道二八門扉其ノ他相当ノ保安設備ヲ為スヘシ」と、こうございまして、法令的にも、鉄道事業者は、そういう義務を負っておるわけでございまして、こういった、いわば企業の社会的責任というものは、危険を防止するための施設をしなければならぬという社会的責任といたしましては、客観情勢の変化に対応いたしまして、おのずからその果たすべき責任の内容も変わってくるというふうに考えられるのでございまして、交通量がふえれば、たとえ自分みずからの列車運行回数がふえなくても、そのよって起こるところの危険を防止する社会的責任は、当然あるというふうに考えるわけでございます。
#10
○小酒井義男君 これは前の質問と、今の答弁を受けました質問とは、これは裏腹の問題になるわけなんですが、そういう点で、この国際鉄道同盟というのがありますね、あれの、少し古いのですが、分科会などの記事を見ますと、諸外国では、大体国家負担で、こういうことをやっておるように見ておるのですが、政府はいろいろ法律を出されるときに、諸外国においてはということが、ときどき説明の中に入ってくるのですが、今度の場合、諸外国の例などは、相当検討をされて、その中で、わが国の現状において、こういう方法よりないというような結論が出たのか、外国でも、今提出案になっておるような性格の方法がとられておるのか、そういう点はどうなんでしょうか。
#11
○政府委員(岡本悟君) 外国の法制は、もちろんこの法案を提案するにあたりましては、十分検討いたしております。外国の制度を見ますと、いろいろまちまちでございまして、鉄道事業者が全部整備しておる場合もございますし、あるいは道路管理者側が、若干の援助をしておる場合もございます。まあ、そういう外国の法制を研究いたしまして、運輸省といたしましては、毎々御説明申し上げておりますように、いわゆる原因者負担主義というものを、もっと現代的に敷縛して解釈いたしまして、道路交通の激増、しかも非常に速度の高い、速い自動車交通壁の激増という点にかんがみまして、そういったことが、踏み切り施設の整備を促すところの一つの原因である、要因であるというふうに観念いたしまして、建設省あたりとずいぶん話し合って参りましたが、結局、大蔵省あたりの、企業の社会的責任として、あくまで原則としては把握するという見解が、政府の終局的な統一見解として、そのことに、運輸省としても一致せざるを得なかったのでございますが、やはり、特に最近、西独の連邦鉄道の改善方策を研究する委員会として、しばしば例に引き出されますブラント委員会あたりでも、踏切保安施設の整備は、道路管理者側もこれを負担すべきだ、そういう段階になっておるということを指摘いたしておりますが、そういうことでございますので、企業の社会的責任というものにも相対的な限度があるというふうにも考えられます。
 まあそこで、この提案といたしまして、政府の統一的見解は、企業の社会的責任として、あくまで鉄道事業者が踏切保安施設の整備は負担するのが原則ということにいたしておりますけれども、今後、十分その点は研究してみたいと存じます。
#12
○小酒井義男君 もう一点。前回の質疑の中で、三十七年度の補助金として六千三百万円の要求をしておる――たしか六千三百万円と記憶しておりますが一という答弁があったのですが、五カ年間に改良を必要とする個所はきまっておる。その中で、政府案によるところの三分の一の国庫補助が必要な個所というものも、大体これはさまっておるはずなんです。そうしますと、その計画に基づいて六千三百万という補助金が必要だという要求をしておるわけでありまして、六千三百万円という予算が認められて、初めて計画どおり改良が進められることができることになると思うのです。そういう場合に、その予算が、もし政府の予算折衝の過程で削られるというようなことになりますと、削られた上で計画どおりやろうとしますと、これは非常に先ほどから言っておりますところの中小私鉄の経営困難な所に、無理なしわ寄せがされるのじゃないかということを私は心配をするのです。そういうことには絶対にならない、必要な予算は獲得をしていくのだ、こういう自信を示していただけるかどうか。
 これは、大臣からお答え願ったほうがいいのじゃないかと思うのですが、その点を一点、お尋ねしたいのです。
#13
○国務大臣(斎藤昇君) まことに大事な予算でございますから、ひとつ全力を注いで獲得をいたしたいと考えております。
#14
○小酒井義男君 これで、やはり計画の実行と予算の獲得というものには、これは切り離して考えることのできないものだ、こういうふうに了承をしてよろしいでしょうか。
#15
○国務大臣(斎藤昇君) そういうように努力をいたしたいと思っております。
#16
○大和与一君 ちょっと二、三お尋ねしたいと思うのですが、一つは、列車の接近表示器を第一種機器に指定して、それで保安整備の完全を期してもらいたい。ということは、信号と同じ取り扱いができないか、こういう質問です。鉄監局長に。
#17
○政府委員(岡本悟君) 列車の接近表示器を……。ちょっと質問の御趣旨がよく……。
#18
○大和与一君 列車の接近表示器を、第一種機器と言いますか、そういう専門語があると思うのですが、そういうふうに指定して、その保安設備の完全を期してもらいたいということは、信号機と同じような取り扱いをしてもらうことによって万全の措置ができる、こういうふうに考えるのですが、そういう考えがあるかないか、こういうお尋ねをしておるのです。
#19
○政府委員(岡本悟君) 列車の接近表示器と申しますのは、踏切における一種の保安施設であって、進行してくる列車に対して踏切がうまく閉鎖されておって、列車の通行が安全であるかどうかということを表示する機器であると思いますが、現在国鉄あるいは私鉄におきましても、大きなところではたいてい、そういう表示器を設けております。しかし、これは自衛的な措置でございまして、必ずしも、私よく研究いたしておりませんが、法令的な根拠はないと存じます。
 これを信号機と同じ扱いに、つまり、第一種機器と仰せられましたが、そういったものに格上げして、安全度の向上をはかるつもりはないかどうかということでございますが、いろいろ研究してみたこともございますが、実はこの表示器と列車の進行との間における連動装置というものにつきまして、機械的に技術的に全然狂いがないということであれば、そういう表示器を信号機として踏切における安全度を確かめて列車側も通行し得るという体制にすればいいんじゃないかというふうに、私個人、考えますが、まだ、そこまで技術的な確信が得られないというのが現状ではないかと存じております。
#20
○大和与一君 踏切保安係の労働条件と言いますか、そういうことで、まずお尋ねいたしますが、詰所とか休養設備があるのだけれども、あの踏切の番小屋ですね、あそこで一緒に、寝ておったり休んでおったりするのですから、ほとんど休養にならないのです。私もよく知っておるのですけれども、こういうのは、少しずつでも改善されつつあるのですか。そうでなくして、今度は、休む場所は、駅の構内とか、そういう所で休むとか、そういう設備ができているのか、そういう指示を運輸省の方でしておられますか。現状はどうなんですか。
#21
○政府委員(岡本悟君) 地方鉄道につきましては、御承知のように終夜運転をいたしておるところはございませんから、もちろん十分休養の得られるところで休養をとると、こういうことになっておるのが現状だと存じますが、国有鉄道におきましても、従来踏切の重要性ということは強調いたしまして、踏切警手の指導なりあるいは教育なりあるいは待遇なりについては、十分改善するように指導いたしておりますので、従来より、はるかに改善された状態になるというふうに考えております。
 なお、運輸省といたしましても、前、御承知のように優良踏切警手の表彰制度を作りまして、大臣みずから、この表彰を毎年行なっておりますことは御承知のとおりでございまして、十分力を入れているということは申されるかと思います。
#22
○大和与一君 この前もお尋ねしましたように、今度基準をきめて、そうして指示をする場合、順位をきめて、期限づきででも必ずやらせる、こういう強い御意見があったと思うのです。それをするために、たとえば踏切の場所によっては、人間をふやさなくちゃいかぬと、こういうことでもあったときにおいてどうするのか、こういうお尋ねをしたのですが、それとあわせて、現在の踏切保安係というのは、大体二十代と五十代ぐらいがうんと多くて、まん中がいないわけですよ。そういう養成計画といいますか、あるいはまた、今度は病気で休んだときに、その駅の線路工手と駅手が、これにかわることができる。こうなっているのだけれども、みんないやがって、これでは、資格の検査があるのですね、その検査に出たら、みんな白紙で出しているのです。答案書いたら、もう上がったら困るというので、踏切番の交替要員にはなりたくないというので、みんな白紙で出しておる。こういう状態だから、その中でまれに普通のことを誓いて上がった人が、病気なんかの場合に交替すると、やはりそれだけ未熟な不なれな人がやるわけだ。そうすると事故が、そういったところに多い。こういうことは言うことができると思うのです。
 それで、まあ政府としては、これらのやはり要員計画というか、あるいはそうでなければ、この駅手や線路工手だけがするのじゃなくて、もう少しプールした形にしないと、とにかく踏切はみんないくのいやがって、全部梓表を出して転勤を希望しているという、こういう形があるのですが、そういう要員養成については、今度の基準をきめるにあたって、どのような御指導をされたいと思っているのですか。
#23
○政府委員(岡本悟君) もう御指摘のとおりでございまして、全く同感でございます。踏切保安設備の整備は、もちろんやらなくちゃなりませんが、踏切警手の特に質的な面の強化ということは、われわれはかねて痛感しておったところでございまして、今申し上げましたように、関係事業者には、質の改善なり、つまり教育とか指導ということについて、強く要望をいたしておりますが、なお、この法律ができました際には、こういう物的施設の整備とあわせまして、そういう要員計画の樹立とか、そういうことについても、あわせて関係鉄道事業者を指導したい、かように考えております。
#24
○大和与一君 さらに給与の問題を、もうちょっとお尋ねしたいのですがね、これは今、たとえば国鉄なんかの場合は採用給四号で八千円で最低ですね。二千九百円ベースのときに、それまでは国鉄の職種の中でも、やはりこれは非常に危険度が強いし、たいへんだ、相当これは上級の職種だったのだが、二千九百円ペースになってからは、平等に下げられてしまった。それを決してとやかく言うのじゃなくて、やはり、もうちょっと踏切保安係に対しても、十分思いやりがなくちゃいかぬのじゃないか。それはやはり、ある場合においては命を的にするというか、あるいは責任を全部踏切保安係がかぶる、こういうことが過去の例でもたくさんあるわけですから、そういう点については、給与の公正化ということですね。決してえこひいきをするというのじゃなくて、公正化ということについて、どのようにお考えになりますか。
#25
○政府委員(岡本悟君) その点につきましても、私も前から考えておりまして、たとえば国有鉄道におきましても、最近この職務給の設定ということについて委員会というようなものを設けて研究いたしておりますが、そういう機会には、ぜひその職務の重要性に適応した給与を設定してもらいたいという希望を個人的にはいたしておりますが、そういう点は国有鉄道においても十分研究してくれておるものと信じております。仰せのとおりで、職務の重要性に対応した職務給的なものが、もっと考えられなければならないものであろうかと存じております。
#26
○大和与一君 それから、衆議院でこの法案を、もっとりっぱにするために小委員会を置くと、こういうふうにきまったと聞いておりますが、そうなると、その小委員会では、一体どういうことをするのか、たとえば鉄監局長は、この前からの私たちのお尋ねに対して、社会党からも、ずいぶんこれはてこ入れがあって、早くやれというからやったと、こういうふうなお話も聞いたと記憶しているのですが、私たちが、やったことではなくて――それじゃ一体、もっと慎重に、もっとゆっくりやったら、大蔵省との話し合いが十分できて、そうして始めれば、もっともっと大きな規模の政府からの補助をもらいながら、この事故をなくすると、こういう大きな気持があったことは承知しているわけです。だから、その辺が小委員会をもって、これから大蔵省なり、まあ政府間で折衝する場合に、一体この見通しはどうなのかというふうなことを、もしも、これは大臣でも、どちらでもよろしゅうございますが、お答えいただければ幸いだと思います。
#27
○国務大臣(斎藤昇君) 小委員会で、いろいろ御検討を願い、本委員会の全面的の御支援をいただくということになって参りますれば、大蔵省の折衝につきましても、非常に有力であろうと私は思いますが、しかし、それにいたしましても、この法案をなるべく早く通していただきまして、そうして、まず実施に移していく。で足らないところを、どんどん鞭撻をしていただくということでありませんと、白紙から、大蔵省に最初から強く、またたくさん要望するということは、実際問題として非常にむずかしいのじゃなかろうか、こういう気がいたしております。
#28
○大和与一君 それじゃ、もうやめますけれども、先日来鉄監局長からお答えをいただいたことは、みんな議事録にあるわけですから、私たちもやっぱり、少しでも事故をなくするために、その関連するあらゆる環境なり、労働条件なり、人間のことなりを、いろいろ無理な注文をしたと思うのですが、しかし、一々相当明快なお答えありましたから、ぜひとも、それは実行していただいて、そうして、またそれに必要な資料が、もし私たちに宿題としてあるならば、それを適当の時期に、お作りになって、それで逐次配っていただく、このようにお願いをして質問を終ります。
#29
○大倉精一君 この法案の中で、一点だけ私は運輸大臣に御意見を聞き、かつお願いをするのですけれども、第三条に「立体交差化又は構造の改良により改良することが必要と認められる踏切道」、この基準というものが運輸省令、建設省令で定める、こういうふうになっておりますね。
 これが私非常に大事だと思うのです。これは衆議院の審議の過程におきましても、必ずしも運輸省側の答弁と建設省側の答弁とは、一致していないという工合に私は承知しておるのです。本来ならば、この基準がきまっていなければ、指定する踏切道も数もきまらないということで、したがって、予算ということについても、非常にあいまいのものがある、こういうことにしろうと考えではなるわけですね。そこで非常に心配することは、この法案が通って、直ちに実施ができるかどうか。運輸省と建設省のほうで、この基準についての話し合いがスムーズにいくかどうか、非常に気にかかるわけなんですね。
 この法案ができなければ、そういう態勢はできないとおっしゃるかもしれませんが、むろん、早く態勢を作ってもらうと同時に、大臣として、早急にこの基準をきめるようにひとつ、御努力を願わなければならぬのですが、この点の見通し並びに御意見はいかがですか。
#30
○国務大臣(斎藤昇君) 御指摘のように、この省令で指定をいたしますにつきましては、事務的に、相当私は折衝をしなければならぬところがたくさん出てくるだろうと、かように考えます。しかしながら、一日も早く、これを完了することが必要でありまするから、事務的には折衝が長引くようでありますれば、建設大臣と直接の話し合いに移すというようなことにいたしまして、なるべく早く御期待に沿うようにいたしたい、こう思います。
#31
○金丸冨夫君 指定と予算の関係で、ちょっとお伺いしておきたいのですけれども、運輸省令と建設省令で定めた基準に従って改良並びに整備の指定をするというのですが、その指定をしました場合、これは道路は、国道の場合には建設省、府県道、それから市町村道ということになるというと、管理者はそっちですね。そうすると、こういう方面の予算というのは、どういうことになるんですか。本年度はどこどこを指定する、五カ年計画で、大まかなあれがありましょう、それからまた、これが必要性、おのおのの立体交差、あるいはまた改良工事、あるいはまた保安設備というものの必要性からみて、どこどこはやらなければならぬということは、私は割にわかると思いますが、今年度、何月何日までにこれをやるということをきめますのは、国としては、まず予算をとるということですが、その予算は、国がきめますれば、大体その範囲においてやれるということになりますが、府県道及び町村道ということになると、そちらのほうの予算が通らなければ、実際指定ができないのか、あるいは指定をしておいても、その順序に従って、予算の範囲内でやるという意味か、もし、それだとすれば、相当にあとに尾を引く、実際の実現と計画との間に、相当の狂いができはしないか、要は結局予算は、それだけのものをちゃんと取って、計画に乗せて、初めて実現できるんですから、ことに本法案は五カ年というようなことに切っておるわけですから、その点はどうかということを、まずお伺いいたしたい。
#32
○政府委員(岡本悟君) 確かに仰せのとおりでございまして、予算に現実に乗りませんと、実現性が薄いということになりますが、建設省におきましても、この法案の大体実施を前提といたしまして、本年度予算におきましても、たとえば立体交差化につきましては、相当の予算を見込んでおりまして、かりに、この法案がこの臨時国会で成立さしていただきまして、実施準備のために必要な指定基準の省令ができまして、あるいは来年一月から実施態勢に移れる、こういったような場合に、しからば、これに対応する予算があるかどうかということでございますが、それらの予算は成立した予算の範囲内において、今お尋ねのように、できる弾力性を持っているというふうなことでございまして、御心配はいらないかと存じます。ただ、この地方道以下でございますが、これにつきましても年度一ぱいは、たとえば今申し上げましたように、来年度一月から実施ということになりますと、あと三カ月でございますので、必ずしも大きな額にはのぼらないというようなことも想定されますので、そう実施上、たいした問題は出てこないというふうに考えております。そのほかに施設につきましては、大体この補助を受けなければならないものは別といたしまして、そのほかのものは、十分弾力性を持った予算制度でございますので、指定いたしましても、直ちに実施に取りかかれる、かように考えております。
 それから、もしそういった事情をいろいろ勘案いたしまして、無理であるというふうな場合には、期日の指定あるいは個所の指定におきまして、若干弾力性を持たせ得ることも考えられますので、要は、一日も早くこの法案を実施に移しまして、この法案の実施の準備を急ぐことと、それから予算関係のあるものにつきましては、しかるべく早手回しに措置するとか、あるいは来年度の予算でなければ、どうにもならないもの、たとえば施設に対する補助の金額というようなものは、概算要求で、はっきり要求すべきものは要求する、こういうことが実施については特に必要であろうかと、目下のところ考えております。
#33
○金丸冨夫君 そうすると、どこかその指定をするという場合には、予算の大体めどがついてからやるのか、あるいはまた大まかな必要性等を考えて、これを指定して、これに伴う予算として予算を要求するのか、そこの前後の問題を実はお伺いしたがったのであります。国の場合は、いずれにいたしましても連絡がつくと思いますけれども、たとえば府県道、市町村道等について、立体交差あるいは改良なんか決してないわけではない。ことに都の道路というようなものは、今、国道に指定してない。非常にひんぱんな交通量があるわけであります。こういうものは、やはりどういう工合で、その予算措置というものがなされるか。それがお伺いしたがったのであります。
 指定が先ですか、それとも、指定はしておいて、府県に対して命令、まあ命令といっても予算の範囲内においてというお言葉がありますから、その点は、どうでしょう。
#34
○政府委員(岡本悟君) 確かに仰せのとおり、指定が先行いたしまして、それを裏づける予算がいろいろ考えられてくるのが筋でございますが、先ほど申し上げましたように、たとえば立体交差にいたしましても、年々かなりの予算は計上いたしております。特に本年度につきましては、建設省といたしましては相当の予算を計上いたしております。あるいはこれを受ける鉄道事業者である国有鉄道にいたしましても、地方鉄道業者にいたしましても、そういう予算はある程度見積っておりますから、かりに、来年一月から実施できる態勢になりますれば、本年度ぐらいにおきましても、直ちに工事の実施に移るということは当然予想されますので、個々の指定にあたりまして、そういう予算の裏づけがあるかどうかということも、十分勘案して指定いたしたいと存じますし、また指定いたしましても、予算の関係から、完成期日の指定をある程度弾力的に考えるということも可能かと思います。また、予算に関係なくと申しましては語弊がありますが、割合金額の少ない踏切保安施設の整備につきましては、一個所百万円前後でございますので、年々、それ相応の予算が、それぞれ鉄道会社としては計上しておりますので、その範囲内でウエートの高いものから指定すれば、直ちに着工できるという態勢に相なるかと考えております。
#35
○金丸冨夫君 それからもう一つ、今の都道府県市町村の問題として、六条第二項の保安設備計画の方ですが、これに対する補助ということがやはりありましても、二項の、都道府県市町村というようなことになると、なかなか財政上苦しいとかなんとかいう理由で、実際上なかなかやれないというようなことになるのだと思うのですが、この点の予算上の金――予算でございますね、それは国として、どういうことになるのでしょうか。たとえば交付金等で、こういうものは何ぼか含めてやるとか、増額するとかなんとかいうことの措置がとられるのか、それは一切向こうにまかしておいて、予算をこういう整備について要求したものについては、いわゆる指定したものについては必ず計上しろ、そうしてそれの補助をしろというようなことを指令するわけですか。それを伺います。
#36
○政府委員(岡本悟君) たしか、この前の委員会でお答えいたしましたかと存じますが、自治省の方では、特別交付税によって、その点は関係都道府県市町村のめんどうをみたい、こういうふうに申しております。特別交付税は、いわゆる基準財政需要以外、臨時に特別にみる交付金でございまして、これは私から申し上げるまでもないと存じますが、毎年度二月ごろ、つまり年度末になって、そういう基準財政需要以外の必要によって生じた需要であるかどうかを判断して、補給をいたしておるようでございますので、そういう制度によって、解決したいということを自治省の財政課長が衆議院の運輸委員会で言明いたしております。その点は心配ないかと存じております。
 ただ問題は、立体交差に要する経費の分担でございまして、仰せのように、地方公共団体によりまして、財政能力のきわめて貧弱な場合によりましては、鉄道事業者側は、分担率に応じて負担し得る能力があるが、地方公共団体側がないという場合がございまして、そのために立体交差化がおくれる場合も事実あるんでございますがその点は建設省におきまして、立体交差化に要する工事費の補助について、特別の配慮をしていただくように、現に希望いたしておるのでございまして、なんらか適切な方法が講ぜられるものと期待いたしております。
#37
○金丸冨夫君 もう一点、最後の八条でありますが、運輸大臣が、資金確保に関する措置を講ずるよう努めると、具体的には、どういうことを予定しておりますか。それをお伺いします。
#38
○政府委員(岡本悟君) たとえば立体交差化に要する経費について考えてみますと、なにしろ一カ所が二億とか三億とか、あるいは場合によっては十億くらいかかる場所もあるかと存じますが、そういった経費を分担する場合においては、相当巨額の資金を必要とするわけでございますので、その資金を運輸大臣としてはあっせんするということを、この八条でお約束しておりますが、すでに開発銀行と、来年度融資につきましては、ある程度話し合いが済みまして、とにかく立体交差に要する経費というものを、その所要資金というものを開発銀行の融資の対象にするということに話がついております。その話し合いがつきましたので、来年度は立体交差個所二十四個所と推定いたしまして、開発銀行から約八億七千万円の融資のあっせんをしてもらいたいという申し入れをいたしております。
 御承知のように私鉄につきましては、現在開発銀行の融資の対象になっておりますのは、大都市の郊外電鉄が、地下鉄に乗り入れするという、その経費に限って、それを限定して融資の対象にしておりますが、これが、あるためて新しい融資対象として加わったわけでございます。あとは、どれだけの額が融資できるかということにかかっておるわけでございます。
#39
○金丸冨夫君 利子は、どうなりますか。
#40
○政府委員(岡本悟君) 利子は、遺憾ながら大体九分程度ではないかと考えております。
#41
○加賀山之雄君 この機会に、運輸大臣にちょっと伺いたいんですが、数口前の新聞に、いろいろ閣議だったと思うのですが、交通の問題について、そうして交通行政を一元化しなければならん。これを大甲官房長官のところでまとめる。まことにおかしい話――官房長官のところでまとめるというのはおかしい話だなと思って、官房長官に聞いてみると、いや、あれは新聞の間違いで、当面、自動車が非常に輻湊しておる。混雑しておる。何かいい案がないか。これを官房長官のところで、いい考えを出せということを新聞が間違えて報道した。こういうように、官房長官は言っておりましたが、私は、かねがね運輸大臣の所管において、あまりにもほかの省との関係が多過ぎまして、たとえば観光にしても交通にしても、運輸大臣だけでは、どうにもならない。そういう問題が多い。この踏切立体化の問題なんかも、建設省と運輸省ということで、これは何も対立するはずはないんですが、運輸大臣のお考えどおりなかなかいかない点があろう。そこで私どもは、根本的な交通行政の一元化ということは、ぜひ必要だというように考えて、それができないと、なかなか交通政策を策定するとしても、あるいは交通の基本について年次計画を立てるとしても、なかなか困難があろうと思っていたわけです。
 で、その交通行政の一元化ということが、官房長官からお聞きしたとおりなのかどうか、どういう問題であったか、それをちょっと伺いたい。
#42
○国務大臣(斎藤昇君) 先般の閣議で雑談的に出ましたのは、交通行政をやる一元的な官庁を考えてみたらどうだということではなくって、まあさしあたり非常に困っている、いわゆる道路上における幾多の交通の支障等について、運輸省あるいは建設省、あるいは警察庁、それぞれ関係を持っておりますが、何らかもっと抜本的な方策を至急に考えてみたらどうだという話であったわけです。
 で、これについては交通対策委員会というものが、現在内閣に設けられておりますが、しかし交通対策委員会の委員長は、内閣の総務長官になっております。そして関係省の次官クラスがメンバーになっております。それだけでは少し弱くはないか、もう少しトップ・レベルで抜本的なことを集まって考えてみたらどうだというようなことで、そんなような方向で、ひとつ考えてみようかというようなことを大平長官が言われたという程度でございます。
#43
○加賀山之雄君 閣議の話題になったということを伺いましたが、それは、それだけでけっこうなんですが、ただ話題で、そういう程度で済んでは、はなはだこれは足らないので、今の都下の交通――バス、トラック、それから乗用車を通して、非常に大都市が問題になっている、のみならず、これから道路がよくなれば、踏切の問題だけでなくて、いろいろ問題が起きる、その場合に、私はやはり、これは運輸大臣がどうしてもイニシアチーブをとるべきで、トップかしらんが、総務長官にこれを扱えといっても無理なんです。たまたまあなたは警察行政の大家でもあるし、警察と交通は、これは都下の交通として非常に重要な二つなんですが、ひとつ運輸大臣がイニシアチーブをとって、そうして真剣にこの問題と取っ組んでいただかないと、たとえばトラックの場合で言うと、これは非常にまた、生産コストに影響してくると思うのです。まあぜひひとつ、そういう話題に済ませないで、運輸大臣がひとつイニシアチーブをとって、官房長官なんかにまかしておく問題じゃないと思うので、お願いしたいと思いますが、どうですか。
#44
○国務大臣(斎藤昇君) 関係大臣、それぞれイニシアチーブをとるくらいのつもりで取り組んでいかなければならぬ問題だと思っております。
#45
○加賀山之雄君 特に、関係大臣はすべてだけれども、運輸大臣は一番関係が深いし、一番権限もあるし、義務でもあると思うので、 それで私は、イニシアチーブをとってもらう、だれかがやるだろうということでは、これはだめなんで、もう一度御決心を承りたい。
#46
○国務大臣(斎藤昇君) 大いに、御鞭撻の御趣旨に沿うようにいたします。
#47
○委員長(前田佳都男君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#48
○委員長(前田佳都男君) 速記を起こして。
 暫時、休憩いたします。
   午後六時二十五分休憩
  〔休憩後開会に至らなかった〕
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ソース: 国立国会図書館
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