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1961/10/06 第39回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第039回国会 本会議 第6号
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1961/10/06 第39回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第039回国会 本会議 第6号

#1
第039回国会 本会議 第6号
昭和三十六年十月六日(金曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第五号
  昭和三十六年十月六日
   午後二時開議
 一 災害対策基本法案(内閣提出)の趣旨説明
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 災害対策基本法案(内閣提出)の趣旨説明及び
  質疑
   午後二時十一分開議
    ―――――――――――――
#2
○議長(清瀬一郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 災害対策基本法案(内閣提出)の趣旨説明
#3
○議長(清瀬一郎君) 議院運営委員会の決定によりまして、内閣提出、災害対策基本法案の趣旨の説明を求めます。自治大臣安井謙君。
  〔国務大臣安井謙君登壇〕
#4
○国務大臣(安井謙君) 災害対策基本法案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 わが国は世界に例を見ない災害国でありまして、連年各種の災害が頻発し、甚大な被害を繰り返してきているのであります。これを克服することは、国をあげての最も重要な問題の一つであるといわなければなりません。従いまして、この頻発する災害に対し、これを未然に予防し、災害に臨んでは警戒、防御、応急救助等の策を講じて被害を防止し、またはこれを最小限度にとどめ、また不幸にして被害が発生したときは、そのすみやかな復興をはかり、民生を安定するために必要なあらゆる施策を適切に講ずることはきわめて緊要なことであります。
 現在、災害対策については、行政上または財政上の個々の制度はかなり整備されておりますが、その相互の間に総合性と計画性が必ずしも十分でなく、またその実施は、政府各行政機関、都道府県、市町村、各種公共機関等、あげて有機的な連絡協調を保って行なわれなければならないのでありますが、この点においても欠けるところなしとしなかったのでありまして、かねて総合的な災害対策の基本体制を確立する必要性が痛感されていたところであります。
 昭和三十四年九月に発生した伊勢湾台風は、死者四千七百人、負傷者約四万人に上り、その物的損害額は数千億円に達する甚大な被害を惹起したのでありまして、行政審議会の答申においても、総合的な防災体制を確立することの急務なる旨が強調されているのであります。
 これにかんがみ、災害対策に関する基本的立法について検討を進め、成案を得て前国会に提案したのでありますが、成立を見るに至らなかったものであります。その後も災害が繰り返されておるのでありまして、そのすみやかな成立を念願して再度提案し、御審議を願うことにいたしたのであります。
 この法律案におきまして、特に留意いたしました点は、次の通りであります。
 第一は、災害対策の総合化であります。
 現行の災害対策関係法規を総合的、体系的に位置づけ、それらに基づく活動を組織化し、計画化することは最も緊要なことと存じます。特に災害対策に関して、政府、地方公共団体、公共機関及び住民それぞれの責任分野を明確にするとともに、その総合的な協力と迅速適切な計画的活動を確保するために、中央及び地方に防災会議を設け、なお、災害に際しては災害対策本部を設けることとしたのであります。
 第二は、災害対策の計画化であります。
 災害の発生を予防し、または不幸にして災害の発生を見た場合には、その被害をできるだけ軽減するためには、平常から周到な計画を立て、関係機関の緊密な連絡調整をはかり、必要な諸般の準備を整えるとともに、訓練を実施し、適時適切な応急対策を講ずることができる体制を備えておくことが必要と考えられます。そこで、中央及び地方の関係機関に防災計画の作成を義務づけ、これに基づいて計画的に災害対策を実施することにいたしたのであります。
 第三は、災害対策の緊急性にかんがみ、特に災害が国の経済及び社会の秩序の維持に重大な影響を及ぼすべき異常かつ激甚なものである場合に対処する体制を確立することであります。
 この法律案は、これらの諸点を考慮しつつ、中央における総合的な基本計画を基礎にして、それぞれの地域の実情に即して、都道府県及び市町村を中心として関係機関が相互に協力し、国の総力をあげて災害に対処する体制を整備することに特に意を用いたのであります。
 以下、法律案の主要な事項について概略を御説明申し上げます。
  第一に、総則におきましては、国、都道府県、市町村、指定公共機関、住民等の防災に関する責務を掲げるとともに、国及び地方公共団体が特に配慮すべき重点事項を掲げ、この法律と災害対策に関する他の法律との関係等を明らかにしたのであります。
 第二は、防災に関する組織として、総理府に中央防災会議、都道府県に都道府県防災会議、市町村に市町村防災会議を設けることとするとともに、災害が発生した場合には、都道府県、市町村に災害対策本部、総理府に非常災害対策本部を設けることができるものとし、なお、災害時における職員の派遣制度等について規定したのであります。
 第三は、防災計画でありまして、中央防災会議は防災基本計画、各省庁等は防災業務計画、都道府県防災会議、市町村防災会議等は地域防災計画を作成しなければならないものとし、防災計画には、現行の消防、水防、災害救助のほか、災害対策として必要な事項を総合的に規定し、災害対策の総合調整とその計画化をはかることといたしているのであります。
 第四は、災害予防でありまして、防災の準備態勢に意を用い、防災に関する組織の整備、訓練、物資の備蓄、施設設備の整備点検等の義務を規定しているのであります。
 第五は、災害応急対策であります。現在災害救助法による災害救助の制度は整備されておりますが、災害時の応急対策としては、救助だけでは十分でありませんので、情報、警報、避難、交通の規制、漂流物の処理、応急の教育その他必要と認められる措置について必要な規定を整備し、現行の各種の災害応急対策に関する制度を総合補充することとした次第であります。
 第六は、災害復旧でありますが、災害復旧事業の実施責任を定めるとともに、将来再び災害の発生することを防止するため、災害復旧事業費の決定にあたっては、これにあわせて施行すべき災害関連事業あるいは改良復旧事業が円滑に実施されるように、十分の配慮をしなければならないこととしたのであります。
 第七は、災害に対処する財政金融措置であります。
 災害予防、災害応急対策及び災害復旧事業に要する費用の負担区分を明確にするとともに、災害に対処するため必要な財政上の措置等について規定することとしたのであります。なお、著しく激甚な災害が発生したときは、当該地方公共団体の経費の負担の適正をはかり、被災者の災害復興の意欲を振作するため必要な施策を講ずるものとし、これがため別に法律を制定することとするが、これは、できる限り災害の発生のつど制定することを避け、統一的な法律を制定しておくものとし、その立法上の基準を定めることにしたのであります。
 第八は、災害緊急事態に対処するための特別措置であります。
 国の経済及び社会秩序の維持に重大な影響を及ぼすべき異常かつ激甚な非常災害が発生した場合においては、内閣総理大臣は、災害緊急事態の布告を発し、緊急災害対策本部を設置することができるものとし、なお、緊急の必要がある場合において、国会が閉会中で臨時会を召集するいとまがない等のときは、特に政令で一定の緊急措置を講ずることができることとしたのであります。すなわち、一、物資の配給、譲渡、引き渡しの制限または禁止、二、賃金及び価格等の最高額の決定、三、金銭債務の支払い延期及び権利の保存期間の延長について、政令で緊急措置を講ずることができるものとし、現行憲法の範囲内において必要最小限度の措置を講じ、もって公共の福利の確保に遺憾なからしめることとしたのであります。
 以上が、この法律案を提案いたします理由及び法律案の内容の概要でございます。
 との法律案につきましては、その運用の実際に徴して今後さらに整備充実をはかっていくべき点は少なくないと存じておりますが、この法律案により災害対策に関する基本的体制は整備され、わが国の災害対策が強力に推進されることになるものと確信いたしておるものでございます。(拍手)
 災害対策基本法案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
#5
○議長(清瀬一郎君) ただいまの趣旨の説明に対しまして、質疑の通告がございます。順次これを許します。前田義雄君。
  〔前田義雄君登壇〕
#6
○前田義雄君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま趣旨説明のありました災害対策基本法案につきまして、政府のこれに対する見解をただし、あわせてその決意をお伺いいたしたいと存ずるものであります。
 まずもって、過去幾多の災害によってとうとい生命をなくされました犠牲者及び罹災者に対し、深甚なるお見舞を申し上げるとともに、この災害対策基本法によって今後予見される大小幾多の災害が根絶し、災禍を未然に防止することにより、国力の消耗と個人の生命財産が保護されるよう衷心より念願してやまない次第でございます。(拍手)
 さて、戦前戦後を比較して、災害の発生状況、被害状況を見まするに、戦前においては、関東大震災の死者十万人、三陸地震津波の二万七千人等を除けば、死者千人をこえる災害は、明治以来五件を数えるにすぎなかったのでありますが、戦後においては、僅々十有余年のうちに、伊勢湾台風の五千余人を初めといたしまして、死者千人をこえる災害は、実に六件の多きを数える現況であります。さらに、災害の物的被害も、戦前は国民所得に対する比率において〇・五%にすぎなかったものが、戦後においては三%以上に増加している事実は、一体何を物語るものでありましょうか。われわれは、厳粛にこれを反省しなければならないと考えます。
 加うるに、ききの昭和二十八年の大水害、昭和三十四年の伊勢湾台風、昨年のチリ地震津波、あるいは本年の災害等においては、そのつど特別法を制定し、自後の災害対策に対処を余儀なくさせられているのであります。この事実等々は、わが国の災害対策に少なからざる欠陥があることを示すものと指摘せざるを得ないのでございます。すなわち、このことは、一方においては、災害のよってもって発生する原因をとらえて、これに対処するの万全にして抜本的対策を欠き、他面においては、災害発生時における恒久的な立法措置に意を用いず、また、行政的措置にもいささか欠くるところがあった結果ではなかったかと、強くこれを訴えざるを得ないのであります。
 災害は天災であり、不可抗力であるとは世の常の言葉でありますが、台風の発生を阻止し、あるいはその進路を変える等の防災措置は、今日の科学力をもってしては不可能であり、この意味においては、まさしく天災であり、不可抗力と言い得ましょう。しかしながら、災害発生のもろもろの現象に対しては、平常における適切なる予防措置によって、被害を全く防止し皆無にすることは不可能であるにいたしましても、今日の人知と国力をもってすれば、被害を極端に少なくすることは可能であり、また、究極においては、これを根絶するの大計を立てることもあながち至難なことではなかろうと信じます。このように考えてくるならば、災害はあながち天災のみとは言い得ず、人災であるという意見も否定し得ない真実を含んだものであります。人知の進歩と充実した国力による防災体制の確立は、災害をして、天災にあらずして、その発生原因は、ひとえに防災体制の不完備による人災なりと定義づけられる日近きにありと断ぜられましょう。
 この考え方に基づいて、今回・政府においては災害対策基本法を制定し、総合的かつ計画的な災害対策行政を実施し、わが国から災害を一掃し、災害国の汚名を返上し、しこうして、国土を守り、民心の安定をはからんとしたことは、われわれの多年の懸案を達成するものであり、国民のこぞって待望するところであり、最も時宜に適した立法であるといわざるを得ません。(拍手)
 そこで、政府にお尋ねいたしたい。
 大へん古い話ではありますが、明治二十四年、第二回帝国議会において、濃尾大震災の惨状について、以下のことが述べられています。すなわち、「此の惨状よりして之を言へは地震は大戦争より最も大患大災の国難と謂ふも誣言に非るなり而して此の風災国難は之を既往に徴するに将来免かれさるの厄災なれは之れか予防の策を講して国民の生命財産を保護するは国家最大の義務なり。震災既発の後ち或は罹災者を賑救し或は破損せる物を復興するは固より国家の当に務むへきの責なれとも之を未発に保護する能はすして徒に既発の後に拮据するのみにては救助の道を全ふし国家の義務を尽せりと謂ふへからす」と説かれているのでありますが、七十年後の今日においても、まきにこの説は至言であると信じます。
 政府は、本基本法において、この中に説かれている国家の義務を尽くすの意欲をはたして示しているでありましょうか。国土を守り、国民の生命財産を保護するは、国策の最たるものであります。政府は、責任を持って災害対策基本法を提案する以上、災害を未然に終わらしむるの義務と責任を、あらゆる手段とあらゆる方法をもって果たすべきであると信じます。(拍手)ことに、総理大臣は、本法案において、中央防災会議の会長として防災基本計画を作成し、その実施を推進する等、その権限と責任は実に重大であると考えます。よって、この基本法に対する総理の心がまえを、率直、明快に承りたいのであります。
 次に、災害対策行政は、関係する省及び庁がきわめて多いのでありますが、その間の連絡調整をはかって、全体として統一のある施策として実施することが、きわめて肝要であります。しかも、この実行は非常に困難を伴うものであると考えられます。しかるところ、政府は、関係各省各庁の立場を総合調整して画期的な災害対策基本法をまとめられ、ここに提案せられたことに対しては衷心より敬意を表するものでありますが、政府としては、災害対策関係の事務を所掌する各省各庁を一本にまとめ、防災省あるいは防災庁のような組織を設けることにより、災害対策行政の確立をはかることを検討せられたかどうか、お伺いいたしたいのでございます。もっとも、実際の問題といたしましては、機構改革のために多くの時日を費やすよりも、現行制度のもとにおいて災害対策の総合化と計画化をはかり、関係行政機関の有機的、一体的活動ができるようにすることが賢明な方法であると思うが、あえて根本的な問題として、総理の所見をお伺いする次第であります。
 次に、災害対策の計画化でありますが、現在、災害に関する計画としては、水防法による水防計画、消防組織法による消防計画、災害救助法による災害救助隊活用計画等があり、それぞれ計画の作成を見ているわけでありますが、それにもかかわらず、なお災害を防止することを得ず、激甚をきわめている実情は、これらの計画が机上の計画であって、実地における運用とはほど遠く、従って実際に適合しないという批判の根拠ともなっています。本法案における防災計画は、これらの点について、具体的、実際的にどのような配慮がなされているか、お伺いいたしたい。
 次に、災害が国の経済及び社会の秩序の維持に重大な影響を及ぼす、異常にしてかつ激甚なるものである場合、これに対処する体制を確立するということは、今日、わが国における最も重要な施策であると考えられます。なかんずく、旧憲法のような戒厳、緊急勅令、財政上の緊急処分等の制度のない現行憲法のもとにおいては、災害対策上何らかの緊急措置の道を開き、これが対策に遺憾なきを期すべきであることは、言を待たないところであります。しかしながら、供給不足物資の配給または譲渡もしくは引き渡しの制限または禁止、賃金及び価格等の最高額の決定、金銭債務の支払いの延期及び権利の保存期間の延長というような、国民の権利義務または日常生活にきわめて重大な影響を及ぼすべき事項について、政令をもってこれを規制することとするは、憲法の理念からも非常に重大な問題であり、政府としてはこのことについて慎重に検討せられたことと思うが、違憲の疑いは絶対にないと言い切れるかどうか、また、災害緊急事態に際し、わが国の経済及び社会秩序の維持のため緊急やむを得ざるものについては、法益の権衡上許されるものとは解するが、この運用についてどのような用意があるのか、総理の明快な御見解を承りたいのであります。
 さらに一点、総理は個人災害の救済対策にいかなる見解を有せらるるや、これまたお伺いいたしたいのでございます。
 次に、建設大臣、農林大臣にお伺いいたしたい。
 昨年十二月二十七日閣議決定により、今年度から実施を見ることになった治山治水緊急措置による十カ年計画によれば、治水においては九千二百億、治山においては千六百六十七億、合計一兆八百六十七億をもって災害国である日本全域の治山治水事業を行なわんとするものであるが、この数字をもってして、災害対策基本法の求むる災害防止の根本にこたえていくことができるかどうか、御所見を承りたいのであります。
 次に、本法案の内容の細部についての質問は委員会において承ることとしますが、特に次の諸点について、自治大臣の御意見をお伺いいたしたい。
 その第一点は一中央防災会議の性格についてお尋ねするのであります。中央防災会議は、法第十一条によって総理府に置かれることとされているが、災害対策の重要性にかんがみ、その事務局は相当な事務能力が必要と考えられる。この点について、どのような配慮がなされているか。
 第二点は、地方防災会議の会長として、地方公共団体の長をこれに充てることにしているが、この場合において、指定行政機関の長等の委員との関係あるいは指定行政機関との関係はどのようになっているか、伺いたい。
 第三点は、災害対策基本法の制定により、現行の災害対策関係の法律並びに災害救助対策協議会、水防団、消防機関等の各種の機関は廃止されるのであるかどうか。
 第四点は、都道府県知事に、都道府県警察、教育委員会、市町村長等に対する指示権を与えているが、地方自治の見地から問題はないか。
 第五に、災害復旧事業は、現在原形復旧を原則としているが、本法案の第八十八条の2において「災害復旧事業とあわせて施行することを必要とする施設の新設又は改良に関する事業が円滑に実施されるように十分の配慮をしなければならない。」という抽象的な規定の仕方をしている。これに対する具体的な配慮があるならば承りたい。
 最後に、災害応急措置及び災害復旧事業に対する国庫負担制度については、災害の発生のつど制定することを避けることとし、すべて別に法律で定めることとしております。この方針には賛成であるが、一体特別法はいつ提案する見通しを立てているのか。二十八年の大水害、また、伊勢湾台風を初めとして今年度に至る数次の激甚災害において、地方公共団体または被災者の生命財産にはかり知れざる甚大なる損害を与えたにもかかわらず、このような特別法の制定を怠っていたために、地方財政の上に、また、国民の幸福の上にいかに大きな打撃を与えていたかは、政府要路の特に痛感しているところでございましょう。この際、私は、政府に対し、災害応急措置及び災害復旧事業に対する国庫負担制度に関する特別法をすみやかに制定し、次期通常国会に必ず提案するよう強く要求し、これに対する自治、大蔵両大臣の確たる御所見を承りたいのでございます。
 以上、災害対策基本法のうち主要な事項について、政府の見解をお伺いいたしました。このたび、伊勢湾台風を契機としてほうはいとして起こった災害対策基本立法の要請にこたえて、政府として真剣にその災害対策の欠陥を検討し、恒久的な防災体制を希求して、ここにこの法律案を得られたことに対し再度敬意を表し、私の質問を終わります。(拍手)
  〔国務大臣池田勇人君登壇〕
#7
○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。
 災害に対しまして、わが国民の生命財産を擁護することは、政治の根本であります。私は、国の総力をあげまして、この防止に万全を尽くしたいと考えます。その意味におきまして、今回災害対策基本法を制定するに至ったのであります。その内容におきましては万全ではございませんが、今後皆様方とともに、ほんとにりっぱな対策を打ち立てるよう努力いたしたいと思います。(拍手)
 次に、防災を一元化するために、防災省であるとか、防災庁を設けてはどうかというお考えでございますが、何分にも防災は非常に多岐にわたっております。一省の仕事にして統一的にやっていくというごとはなかなか困難でございます。私は、今後におきましては、との点は研究いたしますが、とりあえず災害対策基本法によりまして、災害対策本部を設け、また中央には中央防害会議、地方には地方防害会議等を設けまして、これに対処していきたいと考えておるのであります。
 なお災害予防に対しましては、すでに御承知のごとく、治山治水の十カ年計画を着々進めて参っております。しかし、このごろの状況を見まして、私は十カ年計画で十分とは考えておりません。国情に即しましてこの計画を拡大し、ほんとうに災害防止に万全を尽くしたいと思います。
 御質問の第四点の災害緊急事態に対する布告でございます。災害緊急事態に対しまして、国の経済、社会秩序を保持し、公共の福祉を維持するために、私はこの程度の委任立法は憲法に違反するものではないと考えております。憲法第二十九条には、公共の福祉のために財産権に対します制限は認めておるのであります。ただ問題は、委任し得るからといってあまりに広範囲にわたることは厳に慎まなければなりません。私は、公共の福祉を維持し、経済社会の秩序を維持するために、最小限度の委任立法をすることは適当であると考えておるのであります。
 なお、災害によります救助につきましては、災害救助法その他の関係法令を一段と強化して参る所存であります。(拍手)
  〔国務大臣安井謙君登壇〕
#8
○国務大臣(安井謙君) お話のございました通り、災害に対処する機関といたしましては、各省、各方面に分かれております。そのそれぞれの機能を尊重し、責任を明らかにしながら、これの総合体制を作ろうというものでありますから、従いまして水防法、消防法その他のそれぞれの機関、機構はそのまま厳存いたすという考え方でございます。
 なお、災害時に際しまして、知事に警察あるいは教育委員会等に対する指示権を与えるのはいかがかというお問いでございますが、これも災害非常時の一定時限だけを限りまして、しかも災害対策という事項だけを限定いたしまして指示をするのでございますから、これは必要で、また当然のことであろうかと思っております。(拍手)
  〔国務大臣中村梅吉君登壇〕
#9
○国務大臣(中村梅吉君) 治水十カ年計画につきましては、ただいま総理大臣から申し上げましたことと私全く同じ考えでございます。ただ、最近における梅雨前線豪雨あるいは第二室戸台風等の、この激甚災害の現状にかんがみまして、特におくれております中小河川の整備あるいは砂防事業、低地地域に対する排水施設の整備あるいは高潮対策事業等につきましては、特段の意を用いて努力をして参りたいと思います。かような観点に立ちまして、十カ年計画の中におきまして、つとめて経費の繰り上げ使用を行ない、あるいは先行投資を行なうように、私どもの立場において国家財政と勘案しながら全力を尽くして参りたいと思っております。(拍手)
  〔国務大臣河野一郎君登壇〕
#10
○国務大臣(河野一郎君) お答えをいたします。
 治山事業は、今後災害対策基本法の趣旨にのっとり、災害の総合的対策の一環として、治山十カ年計画により運営していく所存でございます。
 また、相次ぐ異常な災害の発生、諸経費の増加等により、計画樹立に際し予定しておりました事業費が増加しておりますけれども、これにつきましてはさしあたり治山十カ年計画の中で調整して事業を進めて参るつもりでございます。(拍手)
  〔国務大臣水田三喜男君登壇〕
#11
○国務大臣(水田三喜男君) 現行法規以外の特別法をいつ国会に提出するかという御質問でございましたが、次期国会に提出することを目途にただいま努力中でございます。
    ―――――――――――――
#12
○議長(清瀬一郎君) 川村継義君。
  〔川村継義君登壇〕
#13
○川村継義君 私は、ただいま提案の理由の趣旨説明がありました災害対策基本法案につきまして、日本社会党を代表いたしまして若干の質疑をいたしたいと思います。
 国土の保全をはかり、国民の生命、身体及び財産を災害から保護することは、言うまでもなく、国政の使命であり、責任であろうと思います。しかし、これまでの災害対策のあり方を見るとき、歴代の内閣は真に政治の責任と使命を遂行してきておるとは思えないのであります。現に数多くの災害関連法が実施されていますが、何ら抜本的な対策はついに見られないで今日にきているのであります。防災に対する政府の財政施策の欠陥、熱意の欠除が、現在、災害による被害の減少どころか、年々新しい態様の人為的災害として、その被害度と被害額を増大させているのであります。近年の災害の特色をなしているといわれておりますダム災害、地盤沈下による高潮災害、地すべり災害は、すべてこのことを如実に物語っております。わが党が、ダム洪水の被害を防止するために強力な管理規制の必要と、もし不幸にして発生したその被害に対しては賠償の責任を明らかにするように要求しても、あるいはビル用水、工業用水の規制措置を含む地盤沈下防止法案を提出しても、何ら一顧だに与えなかった自民党政府の災害対策に対する怠慢がこの結果をもたらしているのであります。(拍手)これは政府の責任であります。総理はこの事実をどうお考えになっているのか、まず、その所見を聞きたいと思うのであります。
 私が、第二に重点としてお伺いしたいことは、防災の責任はだれであるか、施策の責任はだれがとるべきかということであります。災害を未然に防止し、不幸、災害の発生を見たときは、被害の拡大を防ぎ、災害の復旧をはかることはもちろん、国家機関、地域団体及び住民それぞれの分担において、有機的に一体となってその責務を遂行せねばならないことは当然であろうかと思うのでありますが、暴風、豪雨等の異常なる自然災害は、個人のあやまちや一つの地域団体の過失によるものではありません。従って、一切の防災施策、それに必要な財政措置は、国がその全責任を負うて、国土の保全、民生の安定をはかるべきであろうかと思うのであります。それこそ近代政治の使命なりと考えるのでありますが、総理の見解いかがでありましょうか。「国民の富や生活が台風によって、毎年きまって破壊されておるとすれば、台風こそ日本国民の今日の外敵だと見ることができるだろう。国民の税金も、国民の知識も技術も、その労働も、台風や地震その他あらゆる自然の脅威との戦いにつぎ込んでいくのが立国の建前だといっても少しも差しつかえはあるまい。」これは三十四年の八月十六日、「台風という外敵への備え」という朝日の社説の要点であります。また、同年の九月三十日に産経は、「台風禍は政治の貧困――選挙と切り離して真剣に取り組め」と、次のようにその社説において警告いたしております。「金がないで済ませることだろうか。またほんとうに金がないのか。問題は金に帰着するが、それだけにかえって活路は見出しやすいのではないか。災害にあたって初めてわかる治山治水のありがたみは選挙民の心をとらえにくいというような理由で抜本的対策を怠っているとすれば、罪はあげて政治家にある。」このように、われわれは、大災害のたびに、災害に対する政治のあり方、その対策について真剣な世論を聞いてきておりますが、政治ははたしてこれにこたえているでありましょうか。
 この基本法によりますと、国政の負うべき責任がまことに希薄であります。特に、財政負担においてそのことが指摘されねばなりません。第三条(国の責務)、第一項に、「災害に係る経費負担の適正化を図る責務を有する。」と述べているだけで、現行制度の負担区分を一段と前進させ、国の責任を十分にしようとする考えは全く見受けられないのであります。基本法たるの建前からするならば、最も重要な位置づけをせねばならないと思われる災害復旧を初め、各般の防災政策について、財政上の国庫負担をぼかしていることであります。たとえば、災害復旧事業費の決定にあたっては、再度災害の防止のため、復旧事業とあわせて施行することが必要な新設または改良事業費の決定は、当然、国は必要にして十分な事業費を基礎としてきめねばならないのであります。きめるべきであります。これは連年の災害が教えているところであります、それなのに、「配慮をしなければならない。」と、まことに態度あいまい、無責任な制定をしようといたしているのであります。また、災害応急対策として実施される市町村の応急措置が、府県知事の指示によって実施に移された場合、そのときに要した経費であって、市町村に負担させることが不適当なものについては、「都道府県がその全部又は一部を負担する。」と、これは明確にいたしているのでありますが、非常災害対策本部長の指示、または緊急災害対策本部長の指示によって実施された災害応急対策あるいは応急措置のために要した経費については、たとえ地方公共団体に負担きせることが不適当であっても、「国が負担する」と明確にすることを避けて、「補助することができる。」と、その財政負担の責任を回避しているのであります。これは一体どういうことか、その見解を明らかにしてもらいたいと思います。
 その他、国の財政的無責任さは、法文の各所に露呈いたしております。すなわち、当然「国が負担する」「補助する」と明記すべきことを、「負担することができる」とか、「補助することができる」とか、「努力せねばならない」「努めねばならない」「十分な配慮をするものとする」といった態度であります。これは、従来と何ら変わらない責任回避に終始する思想であって、言うならば、この法案は、その制定の根本においてすでに基本法たるの価値を喪失しているといわねばなりません。(拍手)総理が、もしこの基本法案にして、現行制度と比べ抜本的にすぐれている、改善され、進歩している、これこれの責任はとるのだと指摘できるものがありましたら、現行法と比較例をあげて、明確にお示し願いたいのであります。(拍手)
 さらに、地方公共団体に対しては、災害対策に要する臨時的経費に充てるため、「災害対策基金を積み立てなければならない。」と義務づけようといたしているのでありますが、国は、災害の発生に対処するため、一体いかなる財政措置をとろうとするのか、従来通り予算補正の方法を踏襲するのか、あるいは基本法制定を機として、財政法上何らか別途の措置を考えているのかどうか、明確にお答えいただきたい。
 次に伺いたいのは、過去幾多の激甚災害によって、その地域住民個々に受けた直接間接の被害ははかり知れないものがあります。被災者個々に対する国の救済、援護の措置は、現行制度上はまことに手薄であります。たび重なる天災を経験する国民が、個人被害に対する国の援護施策を強く要望していることは、とくと御承知の通りであります。わが党は、弔慰金、見舞金の制度、医療費の国庫負担、災害立ち上がり資金援助等を内容とする罹災者援護法案を用意して、その実現をはかっているのでありますが、これについて政府はいかなる見解を持っておられるのか、国の財政負担はまかりならぬというのであるか、その見解をお聞きしたい。提案されているこの法案には、ほんの一言、特別の助成措置を講ずるものとするとうたっているが、真にその施策の用意があるのかどうか、あるとするならば、いかなる内容のものなのか、お答え願いたい。
 以上、第二の問題の諸点については、大蔵大臣の答弁もあわせてお願いいたしたいと思います。
 お伺いいたしたい第三の問題は、法案の性格についてであります。
 法案は、総理府に中央防災会議、地方には地方防災会議を設置し、災害発生時には、災害対策本部、中央に非常災害対策本部を設ける等の組織といたしております。その組織、運営は有機的に組み立てられているかに見えます。また、所管事務も一応整理されているようでありますが、これをもって災害対策基本法だと称するには、おこがましい限りではないかと思うのであります。これをもって災害対策成れりと考えるならば、国民の待望する抜本的災害対策を全くごまかしているといわねばなりません。この程度のことなら、政府の熱意によって現行法の運用徹底そのよろしきを得れば、この基本法の制定必ずしも必要としないでありましょう。この基本法案は、あえて言うならば、各関係所管各省の顔色をうかがいながら、現行法を体裁よく寄せ集めてみたにすぎないと言えるからであります。防災活動の組織、運営の規定整備だけで災害対策の推進が期せられるものとはならないでありましょう。率直に言うならば、第三十五条にいう防災業務計画、地域防災計画の重点事項として列記しているもの、その事項について計画の内容となるべき基準を示して、初めて基本法たるに値するのではないでしょうか。
 以上に対する御見解をお聞きしたいのであります。(拍手)
 災害復旧対策について見ても、昭和二十八年災、狩野川台風、伊勢湾台風等相次ぐ激甚災害については、そのつど臨時法を制定し、災害復旧に対処したのでありますが、そのような措置は、復旧の時期をおくらせ、被害地被災者を救済援護する目的を失う結果に陥りかねないものであります。従って、それら災害の復旧に対しては、臨時立法にかえて恒久法とすべきであるとは、すでに世論となっております。それらの措置について、必要最高の基準、財政支出等を規定することこそが、また基本法の重要な内容をなすものでなければならないと思うのでありますが、忘却されております。第九十八条の規定はその価値を認めることができません。一体政府は何と考えているのか、激甚災害に対処するに恒久法を制定する決意があるのかどうか、はっきりしてもらいたいのであります。
 この基本法案は、災害対策の組織、運営の調整を唯一のものとして立案したにすぎません。しかも、その運営計画は、著しく中央の監督、指示のもとにやらせようといたしております。裏返しに考えるならば、防災の責任は地方住民で持て、地方公共団体で持て、しかし、計画は中央の指示に従うべし、防災活動は中央の命に従うべしとする官僚支配の理念によって、最もあくどい官僚性の上に立案されているのであります。その根本理念には責任を回避しているのであります。いかに美辞をもってつづられた災害対策でも、全く住民の意思を無視し、官僚機構の中で運営するものは、防災の実効を上げることはできません。この法案は、そのほとんどの条章が、組織、運営の規定によって埋められております。基本法たるの内容、性格は、すでに指摘いたしましたように、それでいいのか疑わざるを得ません。私は、この法案は、防災対策の組織及び運営に関する法律案とでも名称を変更することが、最も妥当な内容、性格であると考えるのであります。基本性格を取り違えてしまった災害基本法であると思うのであります。(拍手)
 以上の諸点について、総理並びに自治大臣の見解を承っておきたいと思うのであります。
 池田総理は、さきに米大統領ケネディ氏と会談をされた際に、今秋予想される国際危機説を十分拝聴されたそうであります。その会談の成果に基づいて国内政治体制の強化方針となり、世にいう自民党内実力者内閣が組閣されたと評価されているのでありますが、池田内閣の経済政策も黒星が大きいし、表面はともかく、総理も自信のほどが動揺しているかに見受けられます。生活物資の値上がりによる生活の不安をはだに感じている国民大衆は、国際情勢緊迫の中に、池田内閣の外交、内政に大きな不満と危惧を抱いております。この際、せめて災害対策なりと抜本的に善政を施してもらいたいと希望する者は、私だけではないだろうと思います。
 そこで確かめておきたいことは、第二条に定義する災害の爆発とは、具体的に何をさすかということであります。火山、火薬工場等の爆発事故のほか、大気圏から投下され得る物質による爆発も想定しているのか。国際緊張緩和の見通しが立たない世界情勢の中に、わが国は新安保条約の締約国であります。もし不幸にして平和の願いをじゅうりんする非常識な力の激突が起こった場合、わが国の置かれる立場は戦慄を覚ゆるものがあります。しかし、池田内閣は、あえてそのときに対処するための臨戦体制の整備を用意しようとしているのではないかという杞憂をあちこちに生んでいるからであります。なぜならば、本基本法案には、戦時中の国家総動員体制の姿が浮かび上がってくるからであります。すなわち、総則にいう防災責務の規定、上級防災会議から下級防災会議への指示権、非常災害対策本部長の指示権、災害対策本部長たる知事が公安委員会を差しおいての直接府県警察に対する指示権など、警察法も教育委員会法も無視して、一糸乱れざるがごとく、中央から地方へ、上から下へ統制力を強化した規定を持っているからであります。特に、第八章災害緊急事態の措置、その他防災訓練の義務規定、住民に対する罰則の制定等、数多く例示することができます。国民が一体となって災害に対処する体制、そのことは否定いたしませんが、治安立法的行き過ぎは厳に戒めねばなりません。治安維持的政策が強化され、それが先行すれば、国民の不安をかき立てるだけで、災害立法としては百害あって一利なしといわねばなりません。(拍手)真意はそこまであるのかどうか、爆発による災害とは何か、明確な答えを賜わりたいのであります。
 最後に要望したいことは、この基本法案を撤回し、さらにその内容、性格に良識を集めて再検討し、次の国会に提出するお考えはないかということであります。すでに指摘いたしましたように、防災対策の組織、運営を整備強化するだけでは、災害対策基本法に値しないと思います。国土の保全をはかり、国民の生命と身体、財産を守るために、積極的に財政的政治責任を明確にし、基本法規としての内容、性格でなければならないと考えるものであります。
 私は、以上二、三点をお尋ねいたしましたが、誠意を持って政府の再考を要求して、私の質問を終わります。(拍手)
  〔国務大臣池田勇人君登壇〕
#14
○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。
 災害に対しましては、国はもちろん、地方公共団体あるいは住民等、おのおのその分に応じて極力防止しなければなりません。しかし、これが対策に対しての根本の責任は、国にあることはもちろんでございます。われわれは、その意味におきまして、災害防止のために今まで相当の力を入れて参りましたが、今後はこれを一そう強めていく考えでおるのであります。
 なお、財政負担の問題につきまして、基本法は何も規定していないということでございますが、今までばらばらになっておったのを、一章を設けまして、財政金融に関する措置を規定いたしております。ただ、地方と中央の負担区分につきましては、いろいろ問題がありますので、別の統一法に譲って、ただいま検討を加えておるのであります。
 その次に、災害に対しましての救助の問題でございますが、ただいまのところは、応急措置といたしましては、災害救助法を設け、また、更生に対しましては、世帯更生資金とか、母子福祉資金の貸付等でやっておりますが、十分とは言えません。今後われわれは、これにつきまして、この拡大を検討していきたいと考えておるのであります。
 いずれにいたしましても、この災害対策基本法は、先ほど申し上げましたごとく、万全のものではないのであります。われわれは、今後、これをもっともっと皆さんとともによくしていこうとするのであります。しかし、少なくとも今までのようなことでなしに、総合的に、計画的に、また、組織的になってくることは、これは法文の示す通りでございます。従いまして、私は、本法案を撤回する考えはございません。(拍手)
  〔国務大臣水田三喜男君登壇〕
#15
○国務大臣(水田三喜男君) この基本法の中で、財政負担の規定がぼけているというお話でございましたが、わざわざ第七章財政金融措置という章を置いて規定しておるわけでございまして、災害救助法とか、あるいは公共土木施設国庫負担法というような関係諸法律の規定するところによって、政府は負担をするということを明示してございます。
 また、特に被害激甚の災害というようなものに対しては、従来そのつど特例法を作って対処しておりましたが、今回これに関する特別法を設けるということになっておりますので、過去何回もの特例法の内容を比較検討いたしますし、また、そのときの特例法がどれだけ効果を上げているか、実績はどうかというような調査をもとにいたしまして、ただいまこれを、先ほど御答弁しましたように、来国会に提出できるということを目途に成案を急いでおるところでございます。
 それから、なぜ「補助することができる」と書いて、「補助する」と言わぬかという御質問でございましたが、これは立法用語の問題でございまして、要するに、法令によって一つの具体的な基準をこれから作るということになっています。その基準によって地方公共団体に負担させることが不適当だと思う場合には、国が負担し、これを補助する。補助する、負担することには間違いございませんが、法令による具体的な基準を作るということになっておりますので、立法用語として、補助できるということになっているのであります。補助することには変わりございません。(拍手)
  〔国務大臣安井謙君登壇〕
#16
○国務大臣(安井謙君) ただいま総理大臣、大蔵大臣がお話しした以外のことで、知事の指示権限がございましたが、御承知のように、現在、災害の現場の第一線は消防、警察あるいは教育関係、民生でございます。これはそれぞれ別々の命令系統に相なっております。これを総合的に現場で指揮をするという仕組みがないのでございまして、これを今度は一本の災害対策本部あるいは災害会議というものにまとめて、推進をしようというような点が真意でございます。
 また、防災会議そのほかのものにつきましては、先ほど総理、大蔵大臣のお話の通りのものが新しく盛られておるわけでございます。(拍手)
#17
○議長(清瀬一郎君) 以上にて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#18
○議長(清瀬一郎君) 本日は、これをもって散会いたします。
   午後三時九分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  池田 勇人君
        大 蔵 大 臣 水田三喜男君
        農 林 大 臣 河野 一郎君
        建 設 大 臣 中村 梅吉君
        自 治 大 臣 安井  謙君
 出席政府委員
        法制局長官   林  修三君
        消防庁次長   川合  武君
ソース: 国立国会図書館
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