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1961/10/26 第39回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第039回国会 本会議 第15号
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1961/10/26 第39回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第039回国会 本会議 第15号

#1
第039回国会 本会議 第15号
昭和三十六年十月二十六日(木曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第十三号
  昭和三十六年十月二十六日
   午後二時開議
 第一 租税特別措置法の一部を改正する法律案
  (内閣提出)
 第二 日本国とフィリピン共和国との間の友好
  通商航海条約の締結について承認を求めるの
  件
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 日程第一 租税特別措置法の一部を改正する法
  律案(内閣提出)
 日程第二 日本国とフィリピン共和国との間の
  友好通商航海条約の締結について承認を求め
  るの件
 石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法
  律案(内閣提出)
 産炭地域振興臨時措置法案(内閣提出)
 低開発地域工業開発促進法案(内閣提出)
   午後二時九分開議
#2
○副議長(原健三郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 日程第一 租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
#3
○副議長(原健三郎君) 日程第一、租税特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
#4
○副議長(原健三郎君) 委員長の報告を求めます。大蔵委員長小川平二君。
    ―――――――――――――
  〔報告書は会議録追録に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔小川平二君登壇〕
#5
○小川平二君 租税特別措置法の一部を改正する法律案について、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本法律案のおもな内容は次の三点であります。
 まず第一点は、用材用の立木の伐採を奨励するため、昭和三十六年または昭和三十七年に伐採または譲渡した山林のうち、原則として過去三年間における山林の平均伐採実績を越えて伐採した増伐分についての山林所得課税を二分の一に軽減するとともに、昭和二十八年一月一日以前から所有している山林を昭和三十六年または三十七年に伐採または譲渡した場合には、再評価税の課税を行なわずに、昭和二十八年一月一日における価額を取得価額とみなして、山林所得に対する課税の軽減を行なおうとするものであります。
 次に第二点は、輸出振興に資するため、青色申告者である個人または法人が、昭和三十六年十月一日から昭和三十八年三月三十一日までの期間内に行なった輸出取引による収入金額が前一年の実績を越える場合は、その輸出所得控除額の計算については、取引基準によらず所得基準、すなわち、輸出所得の八〇%に相当する金額の損金算入を認めるとともに、それらの償却資産についても、普通償却の別ワクとして、その実績を越える割合によって特別償却を認めようとするものであります。
 第三点は、産炭地域の振興をはかるため、青色申告者が産炭地域内の指定された地域に工場等を新増設して事業を開始する場合には、その機械設備等については初年度三分の一、建物については初年度五分の一の特別償却を普通償却の別ワクとして認めるとともに、産炭地域に工場等を建設するため、工場用土地を買いかえた場合にも、圧縮記帳等の方法により譲渡所得の課税を行なわないことといたしております。
 本案につきましては、審議の結果、昨二十五日、質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して、広瀬委員より反対の旨の意見が述べられました。次いで、採決いたしましたところ、起立多数をもって原案の通り可決いたしました。
 なお、本案に対しましては、起立多数をもって附帯決議を付すべきものと決しました。附帯決議の内容は次の通りであります。すなわち、
  政府は森林造成の長期性にかんがみ、国民生活に重大な関係を有する森林の木材供給力を増大し、国土の保全と治山治水の機能を一層強化し、増伐に伴う跡地造林の万全を期するため造林補助金の増額、低利且つ長期造林融資わくの大幅拡大を図るとともに、森林開発のための林道助成の引上げ並びに林業の恒久対策としての税制の根本的改正並びに林業金融制度の拡充につき速やかに検討し、その実現を図るべきである。というのであります。
 以上、御報告いたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#6
○副議長(原健三郎君) 討論の通告があります。これを許します。広瀬秀吉君。
  〔広瀬秀吉君登壇〕
#7
○広瀬秀吉君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました租税特別措置法の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行ないたいと存じます。(拍手)
 そもそも、税制の正しい基本原則は、担税力に応ずる、そして生活費を侵さない安い税金、公平な税金、国民の納得のいく税制でなければなりません。しかるに、今日租税特別措置法によって、隠れたる、しかも巨額に上る減税が行なわれているということが、この税制の基本原則を大きくゆがめることとなり、税法を複雑難解なものにし、そして国民の納得のいかない不公平きわまる徴税が行なわれることになっておるのであります。(拍手)
 ちなみに、今日までに逐年行なわれましたいわゆる一般減税は七千二百億に達しております。それとほぼ同額の減税が、この特別措置法を通じて、ほんの一部の富裕の人たち、不労所得の階層と全法人のわずかに二%程度にすぎない大企業独占資本によってひとり占めにされておるのであります。税制調査会長中山伊知郎先生は、大蔵委員会におきまして、租税特別措置法によるところの減税額の八割程度というものが、大企業に片寄っているということを証言されているのであります。具体的には、この特別措置によって、日本の独占的大企業を中心に約六千億に近い税金が軽減され、実質的には、それだけの補助金が与えられたことになっているのでありまして、企業の資本蓄積となって内部に留保されてきたのであります。
 今日、高度経済成長政策が完全に行き詰まり、国際収支は大幅に赤字基調を続け、物価は高騰し、金詰まりは深刻化し、中小企業は今や重大な危機に直面しているのであります。このことは、民間設備投資の過熱が最大の原因でありますが、この設備投資を税制の面からあおりをかけたものは、まさしく租税特別措置法であったのであります。従って、中小企業と大企業の格差を解消するはずであった高度経済成長政策は、格差解消どころか、格差をいよいよ拡大する結果にもなっているのであります。このような事態を生み出す大きな原因の一つである租税特別措置法は、今こそ断固として思い切った大改廃を行なうべきであります。このことこそ、高度経済成長という奇形的な経済発展を、健康な経済構造に作り直すのに最も必要なことと信ずるのであります。
 しかるにもかかわうず、今日さらに一部改正案によって、かかる不当、不公平、矛盾に満ちた租税特別措置法を強化しようとすることは、税制の基本原則から見て不当であるばかりでなく、大きな利益を得ている者にいよいよ安い税金、所得の多い者により一そう税負担を軽くしていくということになるのでありまして、国民の断じて納得し得ないところであります。(拍手)
 試みに、ここ数年だけの例を見ましても、租税特別措置法による減税額は、昭和三十三年で八百七十億、昭和三十四年度で九百九十億、昭和三十五年度で一千四百七億、昭和三十六年度では一千四百九十五億円であります。
 今年度の内訳はおよそ次のようであります。すなわち、貯蓄奨励の名目で五百六十五億円、企業内部留保充実の名のもとに五百四億円、技術振興、設備近代化の名目で百三十三億円、産業助成と称して二百四十三億円、その他三十億円という巨額な減税が行なわれているのであります。一般減税六百二十一億と対比いたしまして驚くべき状況にあります。さらに地方税へのはね返りを考えまするならば、との減税額は約八百億程度上回るものと推計されるのであります。
 他方、勤労大衆の給与所得税は、戦前六十九万人の納税者が今日では一千七十八万四千人に及んでいます。憲法に保障する最低生活に食い込む重税を、勤労者たちは徴税率一〇〇%で納税いたしておるのであります。さらに、大衆課税といわれる間接税は約八千億に近く、国税収入の四七%を占め、逆進性の強い税金だけに、勤労大衆の生活を大きく圧迫する姿なき重税となっているのであります。
 かくのごとく、国民大衆全般の租税負担はなお重いのでありますから、さらに一そうの大衆課税軽減のためにも、税の自然増収分の相当部分はもちろん、租税特別措置法の一大改廃による減税財源を求めて大幅減税を行ない、正しい税制の仕組みを打ち立てるべきことを強く要求いたすものであります。(拍手)
 今回、政府が行なわんとする租税特別措置法の一部改正は、このような正しい方向と全く逆行するものであります。
 すなわち、第一に、大材の値上がり抑制のための増伐を促進するという政策目的を揚げまして、一見もっともらしい粉飾をこらして、大山林所得者に今までの優遇策を上回る減税恩典を与えようとするものであります。すなわち、昭和三十六、三十七両年度おのおの七億円ずつの減税を行なおうというのであります。今日、政府の経済政策の失敗によって、設備投資の異常な行き過ぎ、価格政策における無為無策、この結果、木材価格の高騰を来たしまして、これが物価引き上げの重要な要素となったことは御承知の通りであります。しかしながら、今日、木材の高騰による最大の受益者、もうけ頭は大山林所得者であります。今回の山林所得者の増伐分に対して二分の一の軽減を行なおうとすることは、最も利益のあった所得者に対して、いよいよ税金を安くしてやろうというのであって、税制の基本に照らし、これこそ本末転倒もはなはだしい世にも不思議な減税といわなければならぬのであります。(拍手)しかも、一方において、この減税の政策目的であるところの、増伐によって木材の供給量をふやし、木材価格を引き下げるという効果については、大蔵委員会における審議を通じてきわめて不明確であり、大蔵省、林野庁の答弁もきわめてあいまいであって、無責任であります。かくして、本改正案による政策効果は上がらず、ただ税の不公平が拡大されたという結果に終わるであろうことは必至であります。
 もちろん、われわれは、木材価格の高騰や木材供給量の不足に対する対策を立てないでもいいというのではないのであって、これが対策は、このような不公平な減税措置によるのではなくて、総合的な物価対策を通じ、さらに、劣悪な労働条件による山林労働者の他産業への逃避を防止して、山林労働者を確保すること、チップ材産業の育成強化をはかること、木材市場に対する適切な監督と規制措置を強化すること、このように別に対処する道は幾らでもあるのであります。われわれは、この際、山林所得課税全般について根本的再検討を加えまして、適材林の立木課税こそ、この政策目的に合致する時宜を得た税制であろうと信ずるのであります。
 なお、この機会に一言述べておきたいことは、この取り扱いをめぐる国会軽視の動きであります。本改正案が正式に国会に提出されましたのは十月の十日でありますが、これに先だつ九月三十日に、すでに林野庁から都道府県農林水産部長に対して、「木材価格安定の一環としての租税特別措置について」という公文書による内示を行なって行政指導を開始いたしておるのであります。これは、まさに国会の審議権を無視した行政府の越権行為であります。河野農林大臣の責任を追及しなければならないところであります。
 第二の問題は、輸出所得に対する特例の改正であります。従来からも輸出関係業者に対しては、輸出所得特別控除制度、輸出取引がある場合の特別償却制度等、特段の優遇措置がとられて参りました。にもかかわらず、今回、さらに輸出振興の名のもとにこれを強化し、基準輸出金額を越え、かつ、適用期間の輸出取引額の割合が前年のそれを上回る場合には、普通償却範囲額に最高五〇%に及ぶ別ワクの償却を認めて、これに課税をしないようにしようというのであります。この減税額は平年度四十二億ということであります。
 今日の輸出の伸び悩み、国際収支の大幅な逆調というものは、輸出業者の税金が高いからということが原因であるなどとは、全くのナンセンスであります。現行でも取引基準の一%から五%か、所得基準の八O%のうち、いずれか低い方の通常控除が行なわれ、技術輸出については、収入金額の五〇%の控除が行なわれ、輸出関係業者の経理は、かかる減税によって、きわめて余裕ある状況なのであります。すなわち、今日までの措置によって輸出業者に与えられた減税の累積額は、その資本金の二倍以上に達しているのであります。しかるに、このように担税能力の十分あるものに対し、今回さらに特別償却制度を創設したことは、これもまた、先に述べたと同じ理由から、許し得ない不公平、不当の減税というべきであります。
 あるいは言うかもしれません、輸出振興のためにどうしても必要なんだと。しかし、今日の日本の輸出の伸びないのは、税制の優遇が足りないからではない、貿易構造それ自体によるものであります。対米偏重の貿易政策の破綻が、今年上期だけでも五億以上の入超となっている現実、高度成長に基づく設備投資の過熱、国内物価の高騰、ガット三十五条援用国が相当多いこと、輸出マインドの不足、中小輸出産業等に対する政策がきわめて貧困である等々にあるのであります。にもかかわらず、それらの本質的輸出不振の原因に対する適切な対策の不足、政策の貧困に根ざすことを認識しないで、政策の失敗、外交方針の誤りまでを、無理やりに税制によってしりぬぐいをさせようというものであります。このような貿易政策の失敗まで税制にしわ寄せするがために、税の正しいあり方は、さらにはなはだしくゆがめられ、負担公平の税原則は、まさに死滅せんとしておるのであります。しかも、今回の措置によって現実に利益を受けるものは、ほとんど大輸出関係業者に限られ、中小業者に及ばない点も見のがすわけには参りません。また、かかる当面を糊塗する無責任かつ不公平な減税によって、一応は了解を取りつけたとはいうものの、ガット十六条違反として諸外国の疑惑を招き、三十五条援用国などに口実を与えかねないのであって、輸出振興策がかえって逆効果になる危険性すらあるのであります。同時に、このような方策にたより過ぎて、輸出振興に対する本質的努力、本格的取り組みがなおざりにされることを、より一そうおそれるものであります。
 以上の見地から、私は、今回提出された改正案に強く反対するものであります。
 最後に、今こそ政府が税制の基本原則に立ち返って、このような不公平にして、国民の税に対する最大の疑惑の的であり、大企業、大法人に対しては至れり尽くせり、中小企業や勤労大衆に均霑することがきわめて薄い租税特別措置法の大改廃を断行すべきことを求め、真に必要欠くべからざる特例減税は、明確に時限を切り、政策目的と効果のはっきりしたものにのみ限るべきであるということを提言し、もって、国民が喜んで納税できる正しい税制の確立に英断をふるうべきことを最後に訴えまして、私の反対討論を終わる次第であります。(拍手)
#8
○副議長(原健三郎君) これにて討論は終局いたしました。
 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#9
○副議長(原健三郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第二 日本国とフィリピン共
  和国との間の友好通商航海条約
  の締結について承認を求めるの
  件
#10
○副議長(原健三郎君) 日程第二、日本国とフィリピン共和国との間の友好通商航海条約の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
    ―――――――――――――
#11
○副議長(原健三郎君) 委員長の報告を求めます。外務委員長森下國雄君。
    ―――――――――――――
  〔報告書は会議録追録に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔森下國雄君登壇〕
#12
○森下國雄君 ただいま議題となりました日本国とフィリピン共和国との間の友好通商航海条約の締結について承認を求めるの件につきまして、外務委員会における審議の経過並びに結果を報告申し上げます。
 フィリピン共和国とわが国との国交関係は、昭和三十一年に両国間にサンフランシスコ平和条約が発効して正常化を見るに至りました。自来、政府は、機会あるごとに通商航海条約締結交渉をフィリピン側に申し入れて参りましたが、同国の事情により交渉開始までに至らなかったのであります。しかるに、その後同国の対日感情も年とともに好転して参りましたので、一昨年六月、日本側から交渉の開始を申し入れました結果、昨年二月から交渉が開始され、約十カ月の折衝の後、同年十二月九日、東京でこの条約及び議定書の署名調印が行なわれました。
 この条約の内容は、入国、滞在、出訴権、財産権、内国課税、事業及び職業活動、為替管理、輸出入制限、海運等の事項について最恵国待遇を相互に許与することをその骨子としております。
 戦後のわが国は、東南アジア諸国のうち、インド及びマラヤ連邦と通商協定を締結しておりますが、友好通商航海条約としては、この条約が最初のものであり、また、フィリピン共和国にとりましては、独立後外国と締結する最初の友好通商航海条約でありまして、その歴史的な意義は深いものがあると思われます。この条約によりまして、入国、滞在、事業活動の面において両国間の関係が正常化するとともに、わが国の東南アジア貿易中、重要な地位を占めている対フィリピン通商関係が円滑な発展を遂げるものと期待されます。
 本件は、九月二十六日本委員会に付託されましたので、会議を開き、政府の提案理由の説明を聞き、質疑を行ないましたが、詳細は会議録により御了承願います。
 かくて、質疑終了の後、十月二十五日、討論を省略いたし、採決の結果、本件は多数をもって承認すべきものと議決いたしました。
 以上、報告を申し上げる次第であります。(拍手)
    ―――――――――――――
#13
○副議長(原健三郎君) 採決いたします。
 本件は委員長報告の通り承認するに御異議はございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○副議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長報告の通り承認するに決しました。
     ――――◇―――――
 石炭鉱業合理化臨時措置法の一部
  を改正する法律案(内閣提出)
 産炭地域振興臨時措置法案(内閣
  提出)
#15
○田邉國男君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 すなわち、この際、内閣提出、石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案、産炭地域振興臨時措置法案、右両案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#16
○副議長(原健三郎君) 田遍國男君の動議に御異議はございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#17
○副議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
 石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案、産炭地域振興臨時措置法案、右両案を一括して議題といたします。
    ―――――――――――――
#18
○副議長(原健三郎君) 委員長の報告を求めます。石炭対策特別委員長有田喜一君。
    ―――――――――――――
  〔報告書は会議録追録に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔有田喜一君登壇〕
#19
○有田喜一君 ただいま議題となりました石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案外一件につきまして、石炭対策特別委員会における審議の経過並びに結果の概要を御報告申し上げます。
 まず、石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 現行法は、石炭鉱業の合理化を円滑に推進するため昭和三十年に制定されたものでありますが、最近に至り、非能率炭鉱の閉鎖に伴う離職者の退職金及び鉱害処理費等の資金の調達が困難となってきたのであります。
 本案は、この実情にかんがみ、石炭鉱業の合理化を円滑に行なうため、政府は石炭鉱業合理化事業団に出資することとし、これを基金として合理化に必要な資金の借り入れについての債務保証を行なうことにしたのであります。なお、この保証業務は、昭和三十九年三月三十一日までに廃止することになっております。
 本案は、九月三十日当委員会に付託され、十月七日佐藤通商産業大臣より提案理由の説明を聴取し、自来慎重に審議を重ね、本日質疑を終了し、日本社会党の中村重光君及び民主社会党の伊藤卯四郎君より反対の討論、自由民主党の始関伊平君より賛成の討論が行なわれ、採決に付しましたところ、起立多数をもって可決すべきものと決した次第であります。
 次に、産炭地域振興臨時措置法案について申し上げます。
 石炭鉱業の構造的不況は、炭鉱離職者の集中的かつ大量の発生、鉱害量の増大、地方財政の窮迫等を招来し、産炭地域は深刻な疲弊にあえいでいる実情であります。
 本案は、かかる現状にかんがみ、産炭地域における鉱工業等の急速かつ計画的な発展、石炭需要の安定、雇用の拡大等をはかるため提案されたもので、その内容のおもなるものは、一、石炭不況により疲弊の著しい地域を政令で指定し、通商産業大臣は、基本計画、実施計画を定めるとともに指定地域の調査を行なう、一、産炭地域における工場並びに設備の新増設等については、財政上、税制上の優遇措置を講じ、産業誘致の円滑化をはかったこと、一、本法の有効期間を五年としたことなどであります。
 本案は、去る九月.三十日当委員会に付託され、十月七日佐藤通商産業大臣より提案理由の説明を聴取し、自来慎重に審議を重ね、本日質疑を終了し、日本社会党の多賀谷真稔君より賛成の討論が行なわれ、引き続き採決に付しましたところ、全会一致をもって可決すべきものと決した次第であります。
 なお、本案に対して早急に産炭地振興事業団を設立すること、当該地方公共団体に財政上特別措置を講ずること、産炭地に火力発電所を設置するよう努めること、及び産炭地域の振興に要する調査費を増額すること等を強く要望する附帯決議が付せられました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#20
○副議長(原健三郎君) これより採決に入ります。
 まず、石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#21
○副議長(原健三郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
 次に、産炭地域振興臨時措置法案につき採決いたします。
 本案は委員長報告の通り決するに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○副議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
 低開発地域工業開発促進法案(内閣提出)
#23
○田邉國男君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 すなわち、この際、内閣提出、低開発地域工業開発促進法案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#24
○副議長(原健三郎君) 田邉國男君の動議に御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#25
○副議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
    ―――――――――――――
 低開発地域工業開発促進法案を議題といたします。
    ―――――――――――――
#26
○副議長(原健三郎君) 委員長の報告を求めます。商工委員長早稻田柳右エ門君。
    ―――――――――――――
  〔報告書は会議録追録に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔早稻田柳右エ門君登壇〕
#27
○早稻田柳右エ門君 ただいま議題となりました低開発地域工業開発促進法案の商工委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本案は、低開発地域における工業の開発を促進して、各地域間における経済的格差を是正し、国民経済の均衡ある発展に資せんとするもので、低開発地域工業開発地区を指定し、その地区内において設備、機械及び装置を新増設した者に対し、減価償却の特例を設け、その者について地方税の課税免除等をした地方公共団体に対する地方交付税の特例、その他その地区内の工業の開発のために必要な施設の整備等に関する規定を設けておるのであります。
 本案は、九月二十六日付託ざれ、本月二十四日、提案理由の説明を聴取し、質疑に入りましたが、本日に至り質疑を終局いたしましたので、直ちに採決に付しましたところ、全会一致をもって原案の通り可決すべきものと決した次第であります。
 なお、本案に対しましては、全会一致をもって附帯決議を付しました。
 その要旨は、第一に、全国土の総合開発計画をすみやかに樹立し、工業の適正配置について適切な方策を講ずること、第二に、工場誘致に伴い、地方公共団体の行なう公共施設の整備に対し積極的援助を行なうこと、第三に、本法運用にあたっては、地方交付税制度の本来のあり方を尊重し、なお工場誘致にあたって地方税の減免にかわる優遇措置をとった場合にもこれを補てんすること、第四に、工場誘致のため、用地の造成及び取得を行なった地方公共団体に対し、起債について特別の配慮を行なうこと、以上であります。
 これをもって御報告を終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
#28
○副議長(原健三郎君) 採決いたします。
 本案は委員長報告の通り決するに御異議はございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#29
○副議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
#30
○副議長(原健三郎君) 本日は、これにて散会いたします。
   午後二時四十七分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 水田三喜男君
        通商産業大臣  佐藤 榮作君
 出席政府委員
        経済企画政務次
        官       菅  太郎君
        外務政務次官  川村善八郎君
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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