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1961/10/13 第39回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第039回国会 法務委員会 第2号
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1961/10/13 第39回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第039回国会 法務委員会 第2号

#1
第039回国会 法務委員会 第2号
昭和三十六年十月十三日(金曜日)
   午前十時十六分開議
 出席委員
   委員長 河本 敏夫君
   理事 稻葉  修君 理事 小島 徹三君
   理事 田中伊三次君 理事 林   博君
   理事 牧野 寛索君 理事 赤松  勇君
   理事 坂本 泰良君 理事 坪野 米男君
      井原 岸高君    井村 重雄君
      池田 清志君    上村千一郎君
      唐澤 俊樹君    小金 義照君
      井伊 誠一君    中村 高一君
      田中幾三郎君
 出席政府委員
        法務政務次官  尾関 義一君
        検     事
        (大臣官房司法
        法制調査部長) 津田  實君
 委員外の出席者
        最高裁判所事務
        総局事務次長  内藤 頼博君
        判     事
        (最高裁判所事
        務総局総務局第
        一課長)    長井  澄君
        判     事
        (最高裁判所事
        務総局人事局
        長)      守田  直君
        専  門  員 小木 貞一君
    ―――――――――――――
十月十日
 委員有田喜一君辞任につき、その補欠として高
 橋英吉君が議長の指名で委員に選任された。
同月十三日
 委員片山哲君辞任につき、その補欠として田中
 幾三郎君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員田中幾三郎君辞任につき、その補欠として
 片山哲君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
十月六日
 裁判所法等の一部を改正する法律等の一部を改
 正する法律案(畑和君外八名提出、衆法第三
 号)
同日
 政治的暴力行為防止法案反対に関する請願外一
 件(吉村吉雄君紹介)(第六三号)
 同(島上善五郎君紹介)(第一八一号)
 政治的暴力行為防止法案反対等に関する請願外
 十一件(山内広君紹介)(第六四号)
 岡山市南方緑地帯に岡山検察庁々舎建設反対に
 関する請願(逢澤寛君紹介)(第九四号)
 新潟地方検察庁相川支部等の新庁舎建設地に関
 する請願(池田清志君紹介)(第九五号)
 皇室の尊厳をおかす者を処罰する法律の制定に
 関する請願外二十九件(田中伊三次紹介)(第
 九六号)
 同外六件(中馬辰猪君紹介)(第九七号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
十月六日
 皇室の尊厳をおかす者を処罰する法律の制定に
 関する陳情書外一件(宮崎県東臼杵郡北川村寺
 原さとし外四十九名)(第四号)
 同外二十九件(横浜市南区二葉町四丁目三十番
 地窪田武二郎外三十二名)(第五号)
 同外二件(名古屋市中村区則武町五百七十九番
 地佐野末行外四十名)(第六号)
 同(青森市浜町成田良策外九十九名)(第七
 号)
 同(青森県中津軽郡西目屋村郷友会長三上友三
 郎外九名)(第八号)
 同外一件(八戸市岩泉町六番地楢山治左ヱ門外
 二百二十六名)(第九号)
 同(八戸市十六日町十一番地野里政勝外百四
 名)(第一〇号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する
 法律案(内閣提出第四三号)
 検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する
 法律案(内閣提出第四四号)
     ――――◇―――――
#2
○河本委員長 これより会議を開きます。
 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括議題とし、まず提案理由の説明を聴取することにいたします。尾関法務政務次官。
#3
○尾関政府委員 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の二案につきまして、提案の理由を説明いたします。
 政府は、人事院勧告の趣旨にかんがみ、一般の政府職員の給与を改善する必要を認めまして、今国会に一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案及び特例職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を提出いたしましたことは、御承知の通りであります。そこで、裁判官及び検察官につきましても、一般の政府、職員の例に準じて、その給与を改善する措置を講ずるため、この両法律案を提出した次第であります。
 この両法律案は、右の趣旨に従い、裁判官の報酬等に関する法律の別表及び第十五条に定める裁判官の報酬並びに検察官の俸給等に関する法律の別表及び第九条に定める検察官の俸給の各月額を増加しようとするものでありまして、改正後の裁判官の報酬及び検察官の俸給の各月額を現行のそれに比較いたしますと、その増加比率は、一般の政府職員についてのこれらに対応する各俸給月額の増加比率と同様となっております。
 なお、両法律案の附則におきましては、一般の政府職員の場合と同様、この報酬及び俸給の月額の改定を本年十月一日から適用すること等、必要な措置を定めております。
 以上が、この二法律案の趣旨であります。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さいますよう、お願いいたします。
#4
○河本委員長 以上で両案に対する提案理由の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#5
○河本委員長 引き続き両案の質疑に入ります。
 質疑の通告がありますので、順次これを許します。上村千一郎君。
#6
○上村委員 私は、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、二、三の要点にしぼりましてお尋ねいたしたい、こう思います。
 まず第一に、この要点の御質問に入る前に少しくお尋ねをいたしたいと思います。それは、報酬、俸給、給与というような言葉が、実は今度の一連の政府職員の一般職あるいは特別職に関するところの給与の点についての法律改正並びに裁判官あるいは検察官の給与に関する法律の改正という法案の中にありまして、裁判官については報酬とあり、検察官については俸給という言葉が使われ、また政府の職員については給与という言葉が使われておるわけです。この点につきましては、それ相応の根拠があって使用されておると思うのでありますが、簡単でけっこうでありますから、その点につきまして、その差異を法務省関係の方にあらかじめお尋ねをいたしておきたいと思います。
#7
○津田政府委員 ただいまお尋ねの点でございますが、御承知の通り、憲法におきましては、裁判官につきましては報酬という言葉を用いております。それからその次に俸給につきましては、これは検察官の俸給等に関する法律と申しまして、俸給という文字を用いておりますが、なお一般職の職員の給与に関する法律におきましても、各職員の俸給表というものを定めておりまして、俸給という言葉を使っております。そこで俸給と給与でありますが、一般職の職員の給与に関する法律の場合におきましては、この俸給表というものを定めまして、それで具体的に各号あるいは各等によりまして、それぞれの俸給を定め、それにプラスいろいろな手当その他のものを加えております。そういうもの全体を含めて給与というように考えておるようでありまして、その法律の第一条におきましては「一般職に属する職員の給与及び勤務時間に関する事項を定めることを目的とする。」こういうようなことが書いてありますので、給与という言葉のうちに俸給というものが入る、俸給は給与の一部であるというような考え方に立っておると思います。検察官の俸給につきましては、検察官の俸給等に関する法律という言葉を用いておりまするが、その第一条におきまして、検察官の給与に関しては、「一般官吏の例による。」というような言葉が出ております。検察官の給与につきましては俸給というものがあり、その俸給月額は表で定まっておるわけでありますが、そのほかに各種の手当を一般官吏の例によって支給することができるという趣旨でございますので、給与という意味は、検察官の場合におきましても広い概念になっておるということがいえると思うのであります。その次に裁判官の報酬でありますが、裁判官の報酬につきましては、ただいま申し上げましたように、給与という言葉とどういう関係があるかということでございますが、裁判官の報酬につきましては、憲法でその報酬のことを規定しておりますし、さらに裁判官の報酬等に関する法律の第一条におきましては、「裁判官の受ける報酬その他の給与については、この法律の定めるところによる。」ということになっております。従いまして、この報酬は、すなわちその他の給与の一つであるという意味でありまして、裁判官に対しましてもそのほかに手当等の給与が行なわれることを当然考えておる。そこで裁判官の報酬等に関する法律の別表には、裁判官の報酬月額が定められておるということになっております。従いまして、ここに使う意味は検察官の場合の俸給と全く同じ意味に使っておるというふうに考えられるわけであります。そこで憲法に用いました裁判官の報酬という言葉をそのまま用いて、法律に報酬という言葉を使っておる、検察官におきましては本来一般職に近い俸給という言葉を用いておるという程度のことでありまして、本質的には報酬は俸給であるというふうに考えてよろしいと思うのであります。
#8
○上村委員 そうでなくて、要するに裁判官の給与という大きな概念の中には、それは報酬というものは入るかもわかりませんが、少なくとも裁判官の給与については報酬という名称がつけられ、しかもこれは憲法上はっきりした用語である。なお検察官について、俸給というものが給与の概念の中に包含される、そうかもわからぬが、少なくとも検察官については俸給という言葉がある。また一般政府職員あるいは政府の特別職員というような点については、給与という名前がはっきり法律の見出しとして出ておるということは、そこにおのずから裁判官の地位、検察官の地位あるいは政府職員の地位というものを何らかそこで表現をし、または表象しておるようなものではなかろうかというふうに思われるのであります。さもなければ、何もそこに特別にそういう名称を区別する必要はなくて、すべて給与という名称のもとに統一してしかるべきものというふうに考えられるが、その点について所見を
 お尋ねしたい。
#9
○津田政府委員 御趣旨の通り、裁判官につきましては、憲法に報酬という言葉を使っております。裁判官につきましては、その報酬につきましていろいろな特別の規定を憲法に設けておるわけであります。そういう意味におきましては、一般の政府職員に給与されるところの俸給と違うということは確かに言い得ると思います。しかしながら、すべてを通じての実質におきましては、俸給という言葉はしからば何を意味するかということでありますけれども、一般的な概念として俸給と言われている事柄を一般職の給与法で使っておると思うのでありまして、その意味におきまして、俸給として定期に受けるものというような考え方は、報酬の場合、それから検察官の俸給の場合あるいは一般職の給与の場合を通じて同じような概念があると思うのであります。ただし、御指摘のように、報酬という言葉を特に使った、さらにそれによって特別の規定を設けておるということは御趣旨の通りであります。
#10
○上村委員 その点いろいろ意見その他あると思いますが、重点は次の点にございますので、次に重点を移して参ります。
 第四国会、今井政府委員、大蔵事務官ですかの答弁、法務関係の給与に関連した質問応答の速記録を見ますと、こういう点があるわけです。「特に検事につきましては、国家公務員法におきましても、検察官は全然行政官と同じような法律上の適用を受ける建前になっている関係もございます。」こういう言葉がある。そして、「検察官については国家公務員法において純然たる一般職に置かれてありますので、一般行政官と同じような仕組みになっている。」要するにこういうような答弁があるわけです。もちろんこれはよその関係といえばそれまででございますが、こういう点につきましては、どういうお考えをお持ちでございますか。お尋ねをしたい。
#11
○津田政府委員 検察官につきましては、ただいま御指摘のような答弁があったことは、必ずしも私つまびらかにいたしておりませんが、検察官につきましては、もちろん一般の国家公務員であることは間違いないのであります。いわゆる特別職でないという意味の国家公務員であることは間違いありませんが、検察庁法には非常に特別の規定が設けられておりまして、その意味におきましては、検察官は一般の国家公務員と非常に違った地位を持っております。さらに、検察庁法におきましては、検察官の給与については別に法律で定めることになっております。その意味におきましても、検察官の職務の特殊性に見合って、給与についても別法律によるということになっておりますので、広い意味から申しまして特殊職でない、すなわち一般職であるということはその通りでありますけれども、そういうような一般職の中において非常に特殊の地位を持っておる、こういうことになると思うのでございます。
#12
○上村委員 そういうような意味において要するに一般職に対しては給与、それから検察官については報酬というような言葉を使っておるという関係ではないでしょうか。その点をもう一度あらためてお尋ねをしておきたい。
#13
○津田政府委員 それぞれ給与に関する法律が違いまして、裁判官については報酬という言葉を使い、検察官においては俸給という言葉を用い、一般職については給与という言葉を用いておるという特殊性は、御指摘のような基礎があるためにそういうふうになったということは、これは言えると思うのです。
#14
○上村委員 報酬、俸給、給与の法律用語につきましては、この程度で質問を終えておきます。
 実は、去る三十一国会の昭和三十四年三月五日の衆議院の法務委員会におきまして、当時の裁判官の報酬に関する法律の一部を改正する法律案、検察官の俸給等に関する法律等の一部を改正する法律案を可決いたしておる際の附帯決議を拝見いたしますと、「裁判官の職責は重大にして特別の権威を保持せねばならぬことは今更いうまでもない。然るに、最近裁判官の定員充足すら困難になりつつある現状は憂慮にたえない。本法の運用は、最高裁判所の責任に於てなさるべきであるが、政府においても財政の許す範囲に於て、これを規制することなく万全を期するよう要望する。」それから「裁判官の報酬及び任用制度についてはそのことの重要性に鑑み政府は根本的な検討を行うことを要望する。」というような点、それから検察官につきましては「検察官は司法権の発動を促す重大なる職責を有することに鑑みこれが処遇について充分考慮するべきものありと考えられる。」こういう趣旨の附帯決議、これは昭和三十四年の三月五日にこの衆議院の法務委員会におきまして可決されておりまするところの附帯決議でありますが、その後この附帯決議は尊重されておられるのかどうか。しかも尊重されておるとするならば、今度御提出されてあるところの法律案について、具体的にどう盛られておるのかどうかという点を一つ御説明を願いたい。
#15
○津田政府委員 御指摘のような附帯決議が第三十一国会におきまして当委員会でなされましたことは、十分承知いたしております。この問題につきましては、この附帯決議の御趣旨によりまして、十分政府部内におきましても検討いたしておるところでございまして、まず任用制度の問題でありますが、この任用制度の問題につきましては、いろいろ根本的に考え直す必要がある。要するに、法曹一元を実現する必要があるという点につきましては、まさに意見は一致いたしておるわけでございますが、しからば法曹一元を具体的にいかような形で実現するかという問題を解決するにつきましては、いろいろな方法が考えられるわけでございます。その点につきましては、あるいは御承知かと思いまするが、法曹三者すなわち裁判官、検察官、弁護士、こういう三者の話し合いの場を作って検討する必要があるということを痛感いたしまして、いろいろそれにつきまして関係方面と連絡をいたしたわけでありますが、幸いにこの三者の話し合いの場として日本法律家協会というものがございまして、そこで法曹一元を実現する具体的要綱を検討するということになりまして、昨年以来その作業をいたしておりましたが、本年の六月に一応の要綱案というものができ上がったわけであります。
 この要綱案につきまして簡単に申しますと、裁判官は弁護士、検察官のきわめて豊かな経験のある者の中から、最も優秀な人を選任する制度とする。こういうことを中心にしていろいろな内容の項目を定めたわけであります。かような要綱につきましては、今後それぞれの側すなわち裁判官側あるいは検察官側あるいは弁護士会側において、その趣旨の実現に努めるようにいろいろな工夫をしていくということを目標にいたしまして、現在それぞれの間において進められておるわけであります。しかしながら、これがいっその機が熟しまして、これに従った立法の段階に至るかということは、今直ちに申し上げかねるわけでありますけれども、それに至りまするのは、かかって各三者の内部の意見調整がいかにできるかということにあると思うのであります。従いまして、現段階におきましては、各三者の間におきましてこの具体案についての意見調整をやっておるという段階になると思います。法務省といたしましても、この成り行きは十分重視すべきものと考えておりますし、また検察部内に対しましてはこの内容の趣旨をよく説明いたしまして、目下各部局あるいは各地方庁において検討せしめておるというような状況になっております。裁判官側あるいは弁護士会側でいかようなふうに進行しておるかは、ただいまつまびらかにいたしておりませんが、とにかくかような一案についてなるべくその実現をはかるように、各部内の意見を調整していくということが、現在の段階においては一番大切であるというふうに考えておりまして、法務省といたしましても、そういう方面に推進いたしていきたいというふうに考えております。それがすなわち任用制度に関する問題であります。
 次に裁判官の報酬の問題でありますが、この問題につきましては、その根本的な点につきましての検討を始めております。本年ただいまのところまで、数回にわたりまして政府及び裁判所部内の間に連絡会議を催しまして、この裁判官の給与制度につきまして根本的な再検討を加えるということにいたしておりまして、現在数回にわたってその意見交換をやっておる状況であります。総理府、それから法務省、大蔵省、人事院、最高裁判所等の係官が集まりまして、ただいままで数回その連絡会議を開きましたが、その内容につきましては、主として裁判官の給与体系の問題、裁判官の給与水準の問題、裁判官に与うべき諸手当の問題、あるいは裁判官について特別退職手当を支給する問題そういうような問題を中心にいたしまして、ただいま意見交換をいたしておる段階でございます。この問題につきましては、いろいろ根本的な点について意見の相違がないでもないのでありまして、その調整がまず第一だというふうに考えられますので、政府部内では、連絡会議によってまず問題点を整理して、意見の調整をするということに着手いたしておるわけであります。
 以上のような次第でございまして、附帯決議の御趣旨につきましては、そういうふうにして実現に推進いたしておるわけでございますが、今回の法律案につきましては、この人事院勧告に従ってこれに準じて行なうという意味におきまして、従来の給与体系を動かすことなく、その改善をはかったということになりますので、これはまさに根本問題には触れていない改正であるというわけであります。従って、ただいまその根本問題に触れておるかというお尋ねでございますが、その点につきましては、ただいま申し上げました連絡会議におきまして十分検討いたしておる段階でありまして、それによりまして、成案を得れば、次の機会にこの給与体系を根本的に改正するということになろうと考えております。
#16
○上村委員 私がどうしてそういう質問をいたすかと申しますと、実は三十七国会におきましてちょうどこの裁判官の報酬、検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案が出ました。そのとき私、代表といたしまして、判検事の給与のあり方については、本両法案は十分その意を体したものとは思われないが、しかしとにかく御賛成を申し上げるという賛成討論をいたしたわけでございます。そのときにも、実は決して当時も十分なわけじゃない、しかもすでに三十一国会においてこういうはっきりした附帯決議がされておる、またかかる問題はすでにそれ以前から国会においても論議されておる、こういう意味におきまして、お尋ねをいたしておるわけなんです。で、各内部間あるいは関係の官庁間の御調整はごもっともと思いまするが、一体今のお話はいつごろから開始をされておるか、その点を一つお尋ねをいたしたいと思います。
#17
○津田政府委員 この給与制度の問題は、前国会終了後直ちに始めまして、すでに数回会議をいたしております。そこでいろいろ問題点を出しまして、およそ問題点は出尽くしたと思うのでありますけれども、さらに問題点につきまして、この意見の調整をはかるという段階に今来ております。
#18
○上村委員 ただいまの質問に関連いたしまして、裁判所側の御見解を一つ承りたいと思います。
#19
○内藤最高裁判所長官代理者 ただいまのお話のございました附帯決議のことを、私どもも十分承知をいたしているわけでございます。この問題につきましては、ただいま概略その後の経過を政府委員の方からお答えになったのでありまして、私どももその経過あるいは日本法律家協会における法曹一元の問題であるとか、あるいは政府とのいろいろな調整連絡会議というようなことにつきましても承知をいたしているわけでございます。ただこの決議にございます裁判官の職責の重大であること、それから特別な権威を保持しなければならないこと、こういうことは今日の段階においても言うまでもないことと存じます。また、定員を充足することも困難になりつつある現状ということも、今日なお解消していないのでございまして、私どもといたしましては、こういった裁判官の報酬制度に関する抜本的な改正が必要である、少しも早くそれが実現されることを望んでいるわけでございます。
#20
○上村委員 では、内部で鋭意立案その他に御努力の御様子でございますので、一刻も早くこれが対策ができることを希望いたしまして、その点の質問は終わりたいと思います。
 ただ、任用制度を根本的に検討して、そのもとに給与体系を確立するということは、これは理想的でございます。またそうあるべきものだと思いますけれども、この法曹一元化の問題は、きわめていい案であると各方面から言われておりながら実行がきわめてむずかしいことは、言われてからなかなか実現の緒につかないということから見ても、明らかだと思うのであります。そういたしますれば、少なくとも、任用制度がはっきり確立しなくても、俸給関係についての、裁判官、検察官の、一般政府職員に対しましていわゆる司法官という概念のもとに優位を認め、また、裁判官、検察官等の間におきましては、いろいろの論議はございますけれども、世論の動向から判断をいたしまして、裁判官優位の原則というものは一応国会その他で認められておるのではなかろうかと思うのです。そうしますれば、その後におきましても、再三、報酬、俸給などについての改正案が提出されておるのですから、それについてぜひ努力をして、理想案につかなくても、一歩々々とそれの理念に近いものを作り上げていくという努力があってしかるべきかと思うのであります。その点についてはどういうことがなされておるか、一言お尋ねをいたしておきたいと思います。
#21
○津田政府委員 ただいまの御質疑の点は、まことにごもっともな点でございます。現在におきまして、司法研修生終了者につきまして、裁判官を志望し、検察官を志望する者が、弁護士を志望する者に比して非常に少ないという事実があるわけです。この点は、必ずしも俸給、給与の問題というふうにのみは考えられないと思いますけれども、給与の問題もかなり大きな原因をなしているということは事実であろうと思う。そこで、任用制度の問題は、御指摘のように困難な問題を含んでおりますから、任用制度の問題を一応除外しても、給与の問題につきましては、できるだけ優遇をはかるということを考えなければならないということは当然でございまして、その点も、われわれとしましては、できる限りの努力を払っておる次第でございます。先国会の給与改定におきましても、いろいろそれらの点の問題があったわけです。先国会におきましては、御承知のように高級公務員につきましてかなりの増額があったわけでありますが、それに対比して、裁判官、検察官の俸給をいかにすべきかという問題につきまして相当の議論がなされましたが、結局、できる限りの優遇をするという結果が得られたわけです。しかしながら、将来の問題として考えまするときに、この問題はどういうことになるか。要するに、裁判官、検察官の給与をいかにすべきかということについて大方の納得を得るような時代が来なければ、なかなか画期的な優遇の実現は困難であるということを私どもは痛感いたしておるわけであります。従いまして、任用制度の改正があれば、やはりそこに、非常に飛躍的な任用制度をとるように、飛躍的な待遇ということも考え得るわけでありますが、現在の段階におきましては、なかなか困難な問題であるということをお認め願いたいというふうに考えるわけです。しかしながら、私どもとしては、できる限りの努力を払って、優遇に努めるということにいたしておることを申し上げたいと存じます。
#22
○上村委員 この裁判官の報酬に関する法律の制定以来の裁判官、検察官及び行政官の上位者の報酬、俸給等の比較検討をいたしてみますと、第四通常国会までは、判事、検事については、判事としては一号俸から四号俸、検事としては特号俸から三号俸までで、それに該当する一般行政官の上位者の対応俸給月額というものはなかった。しかるに第四通常国会からは、対応の俸給の型が出てきた、ということは、これはいろいろこまかい論議は、国会のかかる法案に関連した質疑応答の速記を拝見しますといつも出ておりますから、この点はあまりくどく言う必要はございませんから省略していきますが、少なくともこういう経過を見ておりますと、ただいまの御答弁はありますものの、裁判官、検察官の報酬、俸給は他の行政官と比較する場合に漸次下がっていくというような感を与えるわけです。この点はどういうふうにお考えになっておられるか、一つお尋ねをいたしたい。
#23
○津田政府委員 ただいまの御指摘の点でございますが、昭和二十三年十二月になりまして、当時判事の最高号俸、検事の最高号俸が、いずれも二万四千円であるのに対しまして、一般職の最高が二万三千六百二十円、ほぼ同額になっております。その次の昭和二十六年一月からは、三万七千円という同額になりましたことは御指摘の通りでございます。この点につきましては、当時の事情は必ずしもつまびらかではございません。この意味におきまして、一般職と対比して裁判官の待遇あるいは検察官の待遇が下がったということも確かに言い得ると思うのであります。しかしながら、一たんそのようになりましたものにつきまして、今後いかようにするかという問題はあるわけであります。そこで、その後の数回の改正を経まして、第三十一国会の改正におきまして、判事については特号八万円という、一般行政職にない号俸を認められたということになっておりまして、今日それがずっとその改定の額で現状に至っておる、こういうことであります。御承知のように、判事あるいは検事につきましては、在職年数が非常に長いわけでありまして、一般の行政官がほぼ二十五年ないし二十七、八年で退官するというところから見ますと、十年以上も在職年数が長いというような事実もございますので、この上級者の号俸は十分考えなければならぬ問題として、私どもは、これについてはかなりの問題点を指摘して、財政当局その他とも折衝をいたしておるわけでございます。そういうような点もありますけれども、また一面から申しますと、かなり優遇されている部面もありますので、全体的に比較して行政官よりはかなりいいということも言えるわけであります。しかしながら、この程度でよろしいかどうかという問題に帰着するのでありまして、先ほども申し上げましたように、裁判官、検察官になり手が少ないということは、やはりこれに原因しているということでありますれば、国の司法機構を充実する意味において優遇を与えなければならぬということは、そういう他の行政官との比較ということを論外にして考えなければならぬ問題もあるというふうに考えられますので、その点につきましてのいろいろ説明等をいたして、財政当局といろいろな折衝をいたしておるのが現状でございます。
#24
○上村委員 実は、裁判官の報酬等に関する法律の第九条一項ただし書きを見ますと、「但し、一般職の職員の給与に関する法律(昭和二十五年法律第九十五号)による超過勤務手当、休日給、夜勤手当及び宿日直手当はこれを支給しない。」とあります。これは検察官の俸給の場合にも同じような規定がございますが、要するに特殊な規定でございます。これは要するに、実際上は超過勤務が現実に裁判官においても、検察官においても非常に多い。検察官においては、深夜の取り調べは人権問題だからということで、ある程度は規制はしているものの、普通の勤務時間として拘束されていてはなかなか仕事ができるものではないという実情であります。こういうような点が二つ裁判官の場合でも検察官の場合でも規定されている。この点が実は基本給なりその他に相当盛り込まれていなければ、現実において待遇が悪いということになってしまうだろうと思いますが、どういうように盛り込まれているのか、お尋ねしたいと思います。
#25
○津田政府委員 第二回国会におきまして、裁判官の報酬等に関する法律、あるいは検察官の俸給等に関する法律を論議されたときの問題としまして、この超過勤務手当の問題は、その約一五%と見て本俸に繰り入れられている、かように当時はなっております。しかしながら、今日におきましても、はたしてその一五%の超過勤務手当が本俸に繰り入れられていると解釈すべきかどうかという点については、非常に問題があるわけであります。裁判官、検察官につきましては、その職務の性質上超過勤務手当という形で給与を与えることがはたしてよろしいかどうかということには、やはり非常に問題があるわけであります。こういう形ではなしに、むしろやはり本俸の問題としてこの問題を解決していく、すなわち本俸についての優遇を考えることが本筋であろうというふうに考えております。発足当時はそういう考え方で出発しております。ですから、その当時、先ほど御指摘のように一般行政職の最高が一万円であったのに対しまして、判事、検事の最高が一万四千円になっておりましたのは、すなわちその中に超過勤務手当も入っているという考え方で出発したというようであります。
#26
○上村委員 それはそうだと思うのです。またそういう意味において裁判官、検察官の特殊性があるだろうと思うのです。また当時においては、そういう意味で基本給その他が他の一般行政職よりも高かったが、それが漸次ならされていく、要するに実質的に待遇が悪くなる、これが結局ある意味においては、最近の裁判官あるいは検察官を任用される場合において支障になっておるのではなかろうかというふうに考えます。そこで、判検事その他が途中で退職されて弁護士になる者が相当おありだというふうに聞き及んでいるが、その実情につきまして、一つ御説明いただきたいと思います。
#27
○津田政府委員 まず欠員の問題でございますが、この点につきましてはいろいろな要素があり、さらに増員もありまして、必ずしも欠員がふえたとか減ったとかいうことは一がいに申し得ないのでありますが、本年の七月一日現在におきましては、判事につきましては二十一人、判事補につきましては七人、検事につきましては本年九月三十日現在で四十六人の欠員となっております。この退職者の問題でございますが、退職者につきましては、裁判官につきましては裁判所の方から御答弁を願うことといたしまして、検事につきましては昭和三十六年、これは三月三十一日まででありますが、これが昭和三十六年度におきましては十四人、三十五年が四十一人、三十四年が四十四人、三十三年が五十一人ということになっております。それでたとえば三十三年の退職者の退職事由は、定年が三人、死亡が一人、転換が十三人、その他三十四人ということになっております。昨年の昭和三十五年の退職者の四十一人につきましては、定年が二人、死亡が一人、転換が五人、その他が三十三人ということになっております。その他のうちで三十五年につきましては、公証人になった者が八人、弁護士になった者が二十五人、こういうようなことになっております。でありまするから、検事につきましては、平均いたしまして大体四十人程度の退職者が年間あり、それに対してやはり四十数人を補充しておるということで、絶対数はなかなかふえないというのが現在の実情でございます。
#28
○上村委員 この弁護士関係の実収入関係というようなものについて、法務省の方は御調査されたというようなことはあるでございましょうか。その点をお尋ねいたしたいと思います。
#29
○津田政府委員 その点はございません。これは日本弁護士連合会等につきましていろいろ調査をいたしたのでありますが、日本弁護士連合会におきましても、さような調査はいたしていないということでありますので、ちょっとこれは方法がないということになっておるわけです。
#30
○上村委員 その点はその程度で終えまして、判、検事の特別調整額というのがございますね。政府職員のいわゆる管理職手当でございますが、その支給状況について、その支給額とか支給範囲など具体的に御説明を承りたい、こう思います。
#31
○津田政府委員 判事の報酬の特別調整額につきましては、最高裁判所規則で定められております。最高裁判所の方の具体的内容につきましては、最高裁判所からお答えを願う方がよろしいと思いますが、三十六年度におきましては、判事につきまして五百十人支給されておるというふうに承知いたしております。検事の方につきましては、法務大臣が大蔵大臣と協議した準則にきめられておるわけでありますが、昭和三十六年度におきましては二百五十人であります。そのうち一八%の調整を受ける者が七十三人、一二%の調整を受ける者が百七十七人となっております。
#32
○上村委員 この判検事の特別調整額は、いわゆる管理職手当に該当するものだと承知してよろしいかどうか、その点をお確かめいたしておきたいと思います。
#33
○津田政府委員 特別調整額の内容でありますが、実質的には管理職手当に見合うものというふうに考えられるわけであります。従いまして、この準則によりますると、高等検察庁の次席検事、高等検察庁の部長、それから地方検察庁の検事正、地方検察庁の次席検事、地方検察庁の部長、それから最高検察庁の検事で法務大臣の指定する者、高等検察庁の支部長及び地方検察庁の支部長で法務大臣が指定する者、こういうような者につけられておるわけでございまして、これは大蔵大臣と協議してきめられておるのでございますが、その職務の性質から見て、やはり管理職手当に準ずるものというふうに考えてよろしいと思います。
#34
○上村委員 時間の関係もございましょうから、比較的端折ってお尋ねをしていきたいと思います。
 この判検事の昇給基準というものを一つお尋ねをしておきたいと思います。と申しますのは、一つのこの給与の体系におきましても、この昇給の基準については、昇給するということは大きな待遇の問題になるわけでございましょうから、判検事の昇給基準というものは一体どんなふうになっておるのか、お差しつかえなければ一つお尋ねをいたしておきたいと思います。
#35
○津田政府委員 検事の昇給基準につきましては、法務大臣が準則を定めております。その内容でございますが、この各昇給期間をきめておるわけであります。具体的に申し上げますと、検事十九号から八号までは各一年、それから七号が二年、六号が三年、正号が四年、四号が五年、三号が三年、二号が三年、こういうことになっております。
#36
○上村委員 裁判官の方はいかがでございましょうか。
#37
○守田最高裁判所長官代理者 判事補は昇給期間は大体一年以上になっております。ただし、判事補のうちで在職五年以上の者は判事の職権特例を指定されることができるようになっておりますが、その結果、その判事補は判事と同じ職権を行使し得るということになるわけでございますので、その判事補でしかも判事の職権を行使し得る者に指名された場合におきましては、その指名を受けた日から直近上位の報酬を支給するというふうにいたしております。
 それから判事は、特号及び三号を除きまして、二年ないし三年で昇号させておりますが、三号は大体第一審裁判所の裁判長またはこれと同格の高等裁判所の判事、これは主として右陪席判事でありまして、裁判長差しつかえの場合は代理裁判長をやる、そういうクラスの判事でございます。そういう人たちに適用いたしております。ですから、そういう形で適用しておりますので、昇給期間というものを特別に設けてはおりませんが、結果から見ますと、四号在号八年くらいになっております。
 それから判事の特号は、これは昭和二十三年七月一日に、裁判官の報酬等に関する法律が施行されましたが、その当時から判事の一号に格づけされた者が原則として適用されておるわけでございます。
 そのほか、比較的大きい地方裁判所長、家庭裁判長というものにも適用されるということになっております。
 それから簡易裁判所判事につきましては、三号から十四号までは判事補の例に準じて昇給をさしております。それから二号以上は判事の資格を有する簡易裁判所判事でございますので、これは判事の例に準じて昇号させておるというのが実情でございます。
#38
○上村委員 諸外国における裁判官、検察官の給与体系と行政官との対比というようなものにつきまして簡単にお尋ねをいたしたいと思いますが、この点はただいまお調べになったものをいただきましたから、簡単でけっこうですが、ちょっと……。
#39
○守田最高裁判所長官代理者 旧憲法下における裁判官の職務権限は、これは、いわゆる民事、刑事の裁判でございました。そういう裁判権でございましたが、今でも西独とフランスにおきましては同じような職務権限でございます。そういった関係からでもあると思いますが、現在におきましても、西独やフランスにおける判事の報酬は行政官の俸給とほぼ同一なものになっております。ところが、新憲法下におきまして、日本の判事の職務権限は非常に拡大されました。たとえば、行政裁判所の裁判権が司法裁判所に属する、あるいは違憲審査の権限が付与されるといったように非常に権限が拡大されまして、日本の現在の裁判官の職務権限と同様の職務権限を有する米国とか英国なんかの判事の報酬は、これは一般の政府職員と比べまして非常に高くなっておるということがいわれると思います。
#40
○上村委員 最後に一点お尋ねをいたしておきたいと思いますのは、施行期日の問題であります。三十六年十月一日以降これを施行するということになっておりますが、この前の本会議の席上で趣旨の御説明があったときにお触れになっておりますが、どうして十月一日から施行するということになっておるか、簡単でよろしゅうございますから、お尋ねをいたしておきたいと思います。
#41
○津田政府委員 施行期日の点につきましては、人事院勧告によりますると五月一日ということになっておりますが、政府におきまして、財政その他諸般の状況にかんがみまして、十月一日ということをきめまして、これは一般職、特別職、裁判官、検察官を通じての施行期日というようにきめて、こういう提案になった次第でございます。
#42
○上村委員 私はこれで質問を終わりたいと思いまするが、実は冒頭に申し上げましたごとく、三十一国会におきまして、同種法案につきまして附帯決議がなされておるわけです。その附帯決議の趣旨を一刻も早く具現されまして、そして最も信頼のおける、また安心していける、また尊敬に値するような司法制度を確立していただきますことを希望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
#43
○河本委員長 畑和君。
#44
○畑委員 裁判官の報酬その他検察官の俸給に関する改正法律案につきまして、それに関連した質問が多くなると思いますけれども、質問をいたします。裁判官の報酬それから検察官の俸給そのもの自体につきましては、上村委員から相当詳細に質問をされ、大体私の質問とその点ではダブっております。従いまして、その点は簡単に申し上げ、そのほかそれに関連する問題について申し上げたいのであります。
 先ほど来、上村委員の質問に対する答弁を伺っておるのでありますが、最初の間には、裁判官の報酬ということで、特にほかの職種と違って特別職であるということから、非常に優遇された給与体系であった。ところが途中からそれが変わって、ほかの一般職と比べてぐっと不利なような状況になって参った。そのことについては、第四国会ですかに政府委員の今井という方、これはおそらく大蔵省でしょうが、答弁など見るとそんなふうにも見えるのですが、比較的簡単に扱われておりまして、それに関する委員の質問等もあまりないままに過ごされた。それが今日の裁判官に対する給与の非常な低下のガンになっておると私は考えます。そして、裁判官は報酬という言葉を使い、検察官は俸給、ほかの一般の政府職員は給与という言葉を使っておる。これは先ほど上村君が言われた通りであります。特に裁判官の報酬については、先ほど言われた通り、憲法に明文がある。ほかの職種関係には何ら憲法にはそういう規定がないのに、裁判官だけが相当額の報酬を払わなければならないというふうに書いてある。そこで報酬という意味がどうだというようなことで先ほどから質問が続けられておりましたが、大体その概念把握が非常に当局の方では足りないのではないかと私は思う。そういうところから根本的にだんだん裁判官の方あるいはそれに関連して検察官の方も、特に司法関係は特殊な業務であるということがだんだんなおざりにされて、そしてほかの一般職と同じようにされてしまった、こういうようなことになっておるのではないかと思うのであります。その点について、裁判官の報酬それから検察官の俸給に対するもっとはっきりした概念把握が必要だと思うのでありますが、その点について再度伺いたい。
#45
○津田政府委員 裁判官の報酬につきましては、御指摘の通り、憲法にそれぞれ特別の規定を設けられております意味におきまして、特殊の報酬体系を持っておるということは当然でございます。検察官につきましても、司法権を行使する者に準ずる待遇を与えるということにつきましては、これは検察官の俸給等に関して法律が設けられまして以来その通りで、裁判官に準ずる待遇を受けておるわけであります。そういう意味におきまして、裁判官、検察官の報酬、俸給について、一般行政職と異なった特殊性があるということはもちろんでありまして、その点につきましては十分理解をしておるつもりでございますが、ただ具体的に報酬をいかに定めるかという問題につきまして、裁判官あるいは検察官の特殊性を一般にいかように認識されるかという問題につきましては、なかなか困難な問題がそこにあることはお認め願わなければならないというふうに考えるわけでございます。私どもがいろいろ腐心いたしておりますのはその点でありまして、私どもは、裁判官、検察官の職務の特殊性なりその待遇についての優位を与える必要性ということは十分認識しているわけでありますけれども、大方に納得をせしめるということがなかなか困難であるというのが今の実情でございます。
#46
○内藤最高裁判所長官代理者 裁判官の報酬について見解を申し上げますが、憲法において、裁判官の報酬について特に定めをしておりますことは、これは司法権の独立の保障の重要な要素として考えておるものと思います。報酬という言葉を使っておりますのは、やはりその地位の性格から来るところの用語であると存じます。憲法におきましては、裁判官の報酬と国会議員の歳費について御承知のように定めているわけでございます。歳費といい報酬といい、それぞれその地位の特殊な性格を認めての言葉であるかと存じます。従いまして、地位の相違から来るところの、一般公務員の場合に使われております俸給という言葉と裁判官の報酬という言葉は、そこにそれだけの差異があるものと考えております。
#47
○畑委員 今御当局の御意見を伺いまして、裁判官の報酬あるいは検察官の俸給、そういうものに対する概念については一応把握しておられることはわかりました。しかし、把握が、結局、給与体系をいろいろ改定する際に、やはりそうした根本的な腹がきまってなければ、大蔵省当局その他と折衝する場合にも、それが非常に影響してくると私は思うのであります。問題は、その考え方をはっきり堅持して、そうして司法部は別なんだといったはっきりした考え方で押し通す必要があると私は思う。先ほどの答弁で、そういう問題に対して現在いろいろ各省のトップ・クラスの方で折衝いたしておる、連絡会議をいたしておるという話を承りました。きわめてこれは機宜を得たことであるというふうに考えておりますが、その際にもそうしたことを極力強調して、ほかの役所の人たちにそれを理解してもらうということに心がけなければならぬというふうに考えております。今後ともその点で一つ御努力を願いたいと思います。とかく裁判官は、あるいは検察官は、大体限られた人たち、それだけの能力を持った人でなければできないのだからということで、みずから希少価値を誇るというような傾向がなきにしもあらずだと思います。ところが、現在においては非常に事件もふえておる。それで裁判官の定員はあまりふえない。しかも定員に対してまだ足りないというような実情だというふうに聞いておるわけでございます。そこで、関連して質問いたしたいのですが、今日の事件数、それの増加はどういうふうになっておりますか、その取り扱い数量、検察官の方と、それから裁判所の方、それが大体わかったら知らしていただきたい。私の方の資料によりますると、これはちょっと古い資料でございますけれども、その後の数字がわからぬのですが、裁判所の方の関係で申しますが、これでよろしゅうございますか。昭和二十四年には、新しく受けた事件の件数が百三十八万三千九百六十三件、既済が百三十八万七百八、未済が二十一万七千九百五十九となっています。それが二十四年で、そのあとずっとありますけれども、これは省略して、三十五年がわかっておりますが、三十五年が、新規に受けたのが五百四十五万一千四百十七件、既済が五百三十九万八千八百六十七件、未済が六十一万一千八百八十一件、こういう数字、これは民・刑少年事件等全部入れての資料のようでございますが、三十六年がわかっておりません。もしわかったら一つお知らせ願いたいのです。おそらくこれがまた三十六年になってぐっとふえておると思うのです。それから、それに見合うところの職員の数、これについてもまた聞きたいのですが、こちらのそろっておる資料によると、二十四年度が、一般職というか裁判官以外の職員の定員が二万九百四十五人、それから裁判官が二千百三十九人、そうしてそのあとを省略して、三十五年がわかっておりませんが、三十四年が、一般職員の定員が一万九千八百七十八人となっております。それで裁判官が二千三百六十七人ということになっております。これを見ますと、事件数はもう三倍、四倍、五倍にもなっておるのに、一般職員の方の関係では、まあ行政整理もあったせいか減っております。裁判官が二百何人ふえておるが、これだけにすぎない。そういうふうに事件数が非常に激増しておるのに、裁判所関係の定員はふえておらない。ふえてもほとんど微々たるものだという数字が出ておりますけれども、その点三十六年がわかったら知らしていただきたい。しかもまた、この事件の激増が交通事件等が非常に多いことは承知はいたしております。けれども、こうした非常な事件の激増に比べて、裁判官あるいはその事務に携わる者の数が非常に少ないということに、私は非常に注目いたしておるわけです。その点についての数字、わかれば最近の数字と、それから、それに対する所見、どうするかということについてお聞かせいただきたい。
#48
○内藤最高裁判所長官代理者 裁判所の事件の増加につきましては、ただいま御指摘のような状況でございます。年々相当事件がふえているわけでございます。一方また、裁判所の職員の定員につきましては、その事件の増加に見合うだけの増員がない現状である、そのこともただいま御指摘の通りでございます。この事件の増加に伴いまして、裁判所の事務の負担が非常に過重になってきておるということは、私どもも憂慮しております現状でございます。年々裁判官の増員その他の職員の増員の要求をしておるわけでございますが、しかし、基本的にここで問題がございますのは、現実の問題として裁判官の増員がきわめて困難であるということから出発しておるわけでございまして、御承知のように先ほど来の答弁にもございましたように、裁判官の欠員というものがございます現状におきましては、なかなか増員を得るということは困難でございます。そういった現時の状況から裁判官の増員がきわめて困難でございます。そうすると、それに伴いまして、裁判官の増員に見合うだけの書記官その他の職員の増員の要求もやはりこれは認められないということになるわけでございます。
 ただいま、定数につきましては、昭和三十六年度分の定数については、私の手元に資料がございませんので、これはできましたら後に提出いたしたいと思います。
#49
○津田政府委員 検察庁の受理事件につきましても、最近非常に増加をいたしておることは事実でございますが、ただいま手元に数字を持ち合わしておりませんので、数字に基づいて申し上げることはできませんわけでございます。いずれ用意いたしまして、申し上げたいと申います。
 人員の方につきましては、先ほど申し上げましたように、四十六人の欠員を現在ではかかえておるわけでございます。若干数毎年検察官の増員は認められないわけではございませんけれども、やはり欠員数があるために、画期的な増員をしてもなかなか補充困難という問題がつきまとって、増員困難であるというのが実情でありまして、その点は全く裁判所と同じでございます。
#50
○畑委員 最高裁判所に伺いたいのですが、現在の事件を処理するに、とても今のところ足りないくらいだからいたし方ないけれども、大体裁判官の定員はどのくらいあったらどうやら今の事件をスムーズにはけるか、その点を一つ見当を聞かしてもらいたい。
#51
○内藤最高裁判所長官代理者 その点につきましては、私どもも具体的な資料を得たいということで、実はその調査に着手しているわけでございます。全部の庁についての実施はなかなかできませんので、幾つかの代表的な庁を選びまして、裁判官、書記官その他の職員についての実態調査をいたしまして、その資料を整えて計数を出す、そうして予算の要求の資料にしたいと考えておるわけでございますが、ただいまその実態調査を――一部は実施いたしましたけれども、実施中でございます。
#52
○畑委員 それに関連してお伺いいたしますが、聞くところによりますと、おそらくその調査の一翼だと思うのでありますが、最高裁はこういった事件数の増加に伴って、裁判官以下の一般の職員の労働量の調査、これをやって、政府に対して今のお話の定員増加の要求をするためであろうと思いますが、浦和の裁判所あるいは浦和の家庭裁判所で――私、浦和でございますが、業務量の測定をしておるということを聞いておるのですが、これもそのための一翼だと解してよろしゅうございますか。
#53
○内藤最高裁判所長官代理者 浦和におきます調査は、一つのテストとしていたしておるわけでございまして、その実績によってほかの庁もやりたいと考えております。
#54
○畑委員 そういたしますと、これから逐次ほかのところにも及ぼして、大体全部調査をしていく、一つのテスト・ケースとして浦和でやる、こういうふうに承知いたしました。ついては、まだ結論的なものは必ずしも出ないかもしれないけれども、しかし、浦和の場合、一応の結果は出たと思うのです。その点について浦和の場合についてどうかということ、裁判官一人当りどのくらいの事件数が適当であるかということが出たかどうか。出たら承りたい。
#55
○内藤最高裁判所長官代理者 浦和の試験的なテストによりまして、浦和における裁判官の負担、その他の職員の負担ということはわかりましたけれども、大体どのくらいが適当かという結論は出ていないわけでございます。浦和では、実施の方法をどのようにすべきかということを検討する意味でいたしましたので、ただいま御質問のございましたような事項につきましては、まだ結論を出しておりません。
#56
○畑委員 それに関連してさらにお尋ねいたしますが、大体裁判官あるいは検察官、そういった人たちについての勤務時間、こういうものはきまっておるのかどうか。特別職であるし、報酬ということに含まれているので、そういうことはない。そこで特に一部の人だけ、管理職に当たるような人たちに特別調整をしておるというふうに聞いておるのでありますが、しかし、そこにおのずから行動時間というか、そういったものが判事――判事については、あるいはないかもしれません。しかし、書記官あるいは書記官補、そういう人たちはどういうふうになっておるか、承りたい。
#57
○内藤最高裁判所長官代理者 裁判官について申し上げますが、裁判官について勤務時間あるいは執務時間というようなものは、別にきまっておりません。これは仕事の性質上、そういう時間をきめることが困難でございます。御承知のように、裁判官は、時には夜を徹して記録を読み、判決を書くことはままあることでございまして、通常朝起きてから夜寝るまでと申しますが、事件と取っ組んでおるのが実情でございます。特に先ほど申し上げましたように、裁判官が多く欠員がございまして、一人の負担件数が多い現状におきましては、その執務の負担過重であることは非常に明らかなことでございまして、しばしば私どもそういう裁判官の努力ということを耳にしておるのが現状でございます。
 裁判官以外の職員の勤務時間につきましては、人事局長からお答えいたします。
#58
○守田最高裁判所長官代理者 裁判官以外の裁判所職員の勤務時間は、原則として一般の政府職員と同じように週四十四時間でございます。ただ裁判所書記官、調査官につきましては、裁判官の職務をいろいろ補助する関係上、週五十二時間になっておりますが、ただ役所における拘束というものは四十八時間程度にしておるという状況でございます。
#59
○畑委員 それゆえにこそ裁判官の報酬は、そうした家に持って帰って判決を書かねばならぬ、そういった特別な仕事です。従って、普通の公務員とえらく違うわけであります。そういう点で一つ今後とも心を新たにして当局の方では、その点を大蔵省その他の方面に対してがんばってやってもらいたい。自信を持ってやるべきだと思う。ところが、かえってこそくな手段で、今のその場を切り抜けようといったようなあれがあるのじゃないか。管理職手当に見合うような特別調整ですか、そういったあれを裁判官も検察官も支給しておる、こういうことでありますが、しかし、そういうことは、かえって安易な道で、根本問題を解決する道じゃない、大体裁判官が管理職なんというのはおかしな話なんです。まあこれは裁判所長あるいは支部長あるいはその他管理をするような仕事をしている人なら管理職もいいかもしらぬが、大体裁判官は性質が違う。一般職の方が管理職手当をやっておるから、とにかく給与の関係ということから、アンバランスを防ぐために、穴を埋めるために管理職手当に見合う特別調整というものでいわばごまかしている。そういうことじゃなくて、はっきり、夜帰っても判決を書かなければならぬのだから、とにかく報酬が違うのだから、また検事の方も同様でありますが、そういう観点からはっきりそういうことでこれからも裁判官並びに検察官の給与の改善ということに努力してもらいたい、かように思います。
 ついでにお尋ねいたしますが、裁判所の方では大体どういうところに管理職手当というか、特別調整をやっておるか承りたい。裁判所の規則でこれをきめてあるのかどうか。
#60
○守田最高裁判所長官代理者 裁判官のうち管理職手当が支給されているのは判事でございます。判事で一八%と一二%と違った調整額がございますが、一八%の管理職手当が支給されているのは地家裁の所長、それから高等裁判所長官の代行をする者、それから高等裁判所のいわゆる裁判長でございますが、総括裁判官、これはそのうち十六名でございます。これはいずれも地家裁の所長を経歴した人で、現に高等裁判所の総括者になっている人でございます。だから一八%支給されている者が合計八十七名になります。
 それから一二%支給されている者が総計四百二十二名でございますが、その支給されている者は、ただいま申し上げました高等裁判所の総括裁判官の残りの判事でございます。いわゆる裁判長クラスでございます。それから高等裁判所支部の支部長、地家裁の所長の代行をやっている判事、地家裁の総括者すなわち裁判長、甲号支部の支部長、合計四百二十二名でございます。
 なお本年度における地家裁の裁判長と高裁の右陪席判事が相当入れかわりまして、実行上は右の定数のうちから大蔵省の了解を得まして予算内において高等裁判所のいわゆる代理裁判長クラス約五十名について管理職手当支給の分を組みかえております。以上でございます。
#61
○畑委員 先ほどの労働量と人員との質問に関連をいたしますが、そうした事務量が非常に多い、しかも人が足りないということについては、おそらく最高裁の方にもまた法務省当局の方にも、いろいろな訴えがあろうと思います。そのうちで、私ちょっと一、二聞いておる点について若干伺いたい。たとえば、大阪地域において裁判官自身が、刑事事件が非常に増加をして六名の裁判官に十八名の書記官の増員はどうしても必要だということで、所長あるいは最高裁にそうした増員を要求しておるというような話を聞いておりますが、そういったことがあるかどうか、それの対策はどうしたかということを承りたい。
#62
○内藤最高裁判所長官代理者 事件の負担の過重であることは全国各裁判所、ことに大都会の裁判所において見られる現象であります。ただいま御指摘のありました大阪地方裁判所におきましては、刑事事件の処理につきまして一つの方針を打ち立てまして、御承知のように、今度第一審の刑事訴訟の規則について若干の改正がございまして、来年一月一日から施行されることになっております。その改正規則の施行に備えまして、本年中に相当かかえております未済事件をなるべく消化したいという方針を大阪地方裁判所が立てたわけであります。その処理のために大体六人の裁判官の応援をもらいたいということでございます。さらにそれに見合う書記官の応援をほしいということでございまして、最高裁判所では他の裁判所に応援の裁判官、書記官等を出してもらうことを頼みまして、若干の裁判所からその応援の職員を繰り出しまして、ただいま六人の裁判官とそれに見合うところの書記官が、大阪地方裁判所には職務代行という制度がございますで、その職務代行ということによりまして、大阪地方裁判所で刑事事件の処理に当たっておるわけでございます。
#63
○畑委員 もう二つ聞きたいのですが、これは神戸における事案でございますが、神戸地裁及び管内の事件数が、昭和二十六年には合計して九万六千八百余件あった。そうして定員は裁判官以下五百七十四名であったのが、昭和三十五年にはずっとふえて合計して二十六万二千三百余件、しかし定員は五百二十二名というようにかえって前よりも減っておる。件数が三倍になっておるのに職員の方は一割減である。こういうような数字があるように聞いております。この点についてはどういうような処置をしておられますか。
#64
○内藤最高裁判所長官代理者 ただいま手元にその数字を持っておりませんので、神戸の地方裁判所についての具体的の事件数及び職員数についてはお答え申し上げかねますが、裁判所のそういった定員の配置について御説明申し上げます。
 裁判官その他裁判所の職員の定員配置につきましては、最高裁判所できめておるわけでございます。これは定員配置規則というものがございまして、配置しておるわけであります。これは各裁判所の事件数に応じまして人数をきめるわけでありますが、事件数に応じてと申しましても、毎年々々定員を変えてみましても、御承知のように裁判官の人事というものは、やはり相当の安定性と申しますか、ただ事件が多いからといってあっちに行け、こっちに行けというようなことで仕事のできる性質のものではございません。従って、定員の改正も毎年行なっておりません。ただいまのところは一年置きに、過去何年間かの事件数に応じまして定員を算出して、新しい定員を配置するわけでございます。従いまして、裁判所によりますと、その間に予想以上の事件の増加があったり、そういうことが起きまして、ときどきただいま御指摘のような、あるいは不都合も生じておるかとも存じますが、これは来年の定員改正によりまして、検討することになっております。
#65
○畑委員 もう一点聞きたいのですが、これは岡山の広島高裁の岡山支部です。これの事件の件数とそれから人員配置がどうも不適当ではないかということが山陽新聞に出ておるようです。この広島高裁の岡山支部では、民事、刑事を担当する裁判官が両方で四名、従って兼任をしておる、そして、民刑両方三名の割合でやっておるから、非常にダブるというような関係で、事件数が非常に多いのに人員が足りなくて困る、それからそれに見合う書記官は二名だというような記事もこれは新聞に出ている。そういった点で、本年の八月末、民事だけの未済件数が三百十六件あるというようなことだそうでありますが、大体こういう点を最高裁の方では御承知かどうか、それに対してどう処置されるか、この点もお聞きしたいと思います。
#66
○内藤最高裁判所長官代理者 ただいまの岡山における高裁支部の状況につきましては、私ども若干耳にいたしております。それにつきましてもただいま調査をいたしておりますが、その結果に基づきまして善処したいと思っております。基本的には先ほど申し上げましたような処置を、高裁判所はとることになっています。
#67
○畑委員 これを要するに、最近非常に事件が多くなって、しかも庁によって非常にでこぼこだ。中央の方の一部のところが非常にふえたかと思うと、また次の方が減るというようなことで、なかなかうまい工合にいかないことは承知しております。しかし、こういった工合にでこぼこ、アンバランスがふえるということは、やはり適当でないと思います。従って、やはりそういう点で定員配置基準というものがあるのだそうですが、それをもう少し適正にやってもらって、こういった不公平が起こらないように一つ配慮してもらいたいということを希望いたしておきます。
 それから次に質問いたしたいのは、これは下級職員のことですが、下級職員と言ってはなんだけれども、一般の書記官以外の関係の方と関連をいたしましてお聞きします。一般職については俸給表の一と二というのがあります。書記官やあるいは書記官補は一ですか、二の方はまあ小使とかタイピストなんかもそれに入ると思います。そういうような一、二がある。それで、各省によっていろいろ定員がきまっていると存じます。それで非常に多いところと少ないところがもちろんあるのですが、厚生とか、文部とか、防衛とか、あるいは大蔵とか、こういうところは非常に多い。これはもう性質上そうだと思うのです。ところが、大体同じようなところを拾ってみると、裁判所の方は少し二の方が多過ぎるのじゃないかというような感じがする。裁判所は行政俸給表の二に当たるもの三千名、法務省が千九百五十三名、農林省が二千九百二十一名、労働省が五百五十名、通産省が九百二十二名、調査をした結果、こういうようになっております。そこで、ほかの省に比べて非常に多いところはまた比較にならぬので別でありますが、今申し上げましたような各省との割合で裁判所は非常に多いのじゃないか、これはどういうわけか。当然そうなんだから仕方がない、こう言われればそれまでですけれども、あるいはほかの省の方では実際には第二表の方の仕事をしておっても一表の方の給与定員で処理している、こういうのだけれども、裁判所あるいは法務省関係では、少しばかまじめすぎて、そういった点ではっきり出してないといったような点でこうした違いがあるのではないかというような感じがいたすのでございますけれども、この辺はどうか、一つお答え願いたい。
#68
○守田最高裁判所長官代理者 御承知のように、裁判所におきましては、判決の言い渡しが民事では原本によります。あるいは刑事においても判決原本を必ず作成しなければならぬ、そういったような関係で、判決の原本の要旨は主としてタイピストにやってもらっておるわけであります。そういう関係で、タイピストの数が非常に多い。それから、このほかに裁判所は全国に簡裁まで合わせますと千庁程度の庁舎があるのであります。その庁舎に庁使、庁婦等二表適用職員が一人以上は必ず置いてあります。そういう関係から二表適用職員が非常に多いということが特色になるわけでございます。それで、ただいま御指摘になりました約三千名の二表適用職員がおるということでございますが、昭和三十二年に二表適用職員から約三千名ほどを一表適用職員に切りかえておりますので、現在におきましては、千八百五十九人というふうになっております。
#69
○畑委員 その点はそれだけにいたしまして、次に代行書記官、代行調査官、代行速記官のことについて伺ってみたいと思います。この点については、われわれの党の方で別にこういった代行官制度廃止の法案を本国会に提出いたしておりまして、いずれあとで御審議をしていただくことになろうと考えておりますけれども、それに関連して実はお尋ねいたしたいのでございます。
 現在の代行書記官の在官の年数別人員構成、これは先ほど当局の方から出していただきましたこれによりますと、代行書記官で在職三年未満が八名、三年以上五年未満が百五名、それから五年以上十年未満が七百五十八名、それから十年以上が八百八名、合計で千六百七十九名ということになっておりまして、驚くなかれ十年以上がその種の代行書記官の半数以上を占めておる、こういう数字が出ております。これがわれわれがこうした法案をやはり出さなければならぬ根拠でございます。そもそもこの代行誤記官あるいは代行調査官の制度は、特に書記官についてでありますが、書記官については、御承知のように、裁判所法が変わって、今までの書記をやめて、そして裁判所の書記官、それから書記官補というふうに変えたのであります。そのときに今までの書記をAクラス、Bクラス、Cクラスというふうに分けて、Aクラスは書記官として任用していいということでAクラスを書記官にして、Bクラス、Cクラスを書記官補にした。しかし、それだけの書記官の数ではとても裁判所の補助事務、裁判官の補助としての書記官としての仕事はやりきれないということで、過渡的にそうした状況を克服するために代行書記官という制度を設けた、それから調査官もその後に設けたわけでありますが、そういう方についても同様、また最近の速記官についても同様であります。特に問題は、代行書記官の問題が重要でありますがそういったことで当分の間ということでとうとう今までになってしまった。ときどき法務委員会で問題になりながら、法務当局でも最高裁でもやってはおると思うけれども、なかなかはかばかしくいかないということで、現在でも今言ったような数字になっておるわけです。話を聞きますと、先年度は千五百名要求するのはしたのだ、しかしながら大蔵当局の方と話し合いがついたのはわずか二百十名にすぎないというようなことです。私としては努力のあとがあまり見られないのではないかと思うのです。この間当局の話がありましたときに、二百十名だけれども、毎年書記官補で書紀官の方に食い込んでおるが、書記官の定員は実員よりも多い。書記官の方が五百何名不足だというようなことで、それを繰り上げて書記官にしたから、実質的には八百くらい代行から上がったのだ、それで二百十名加えたというような話でございますけれども、しかしそういうことではとうていこの穴がふさがらない、かように私は思うのです。今度の三十七年度の予算要求の方ではどういうふうな程度の要求をいたしておるか、またその見込みも一つ承りたい。この前は千五百で二百十名、そうだとすれば、早急にふやすわけにはいかぬだろう、ここまで追い込まれたからしようがないということで、大蔵省の方も予解してくれればよろしいが、そうでなければ、法を改正しない限りはなかなかそうはいかないというようなことだと私は思うのです。その辺のところについて一つ承りたい。
#70
○守田最高裁判所長官代理者 代行書記官の件でございますが、現在代行書記官の方に関する人員は、ただいま御指摘の通りでございます。最高裁判所の方針といたしましては、書記官はやはり新憲法下における裁判所のあり方に照らして、相当大事な仕事をしておるのでありますから、新しい裁判所にふさわしい書記官を作り上げていくということはどうしても必要だというふうに考えるわけでございます。そういったことから、最高裁判所に書記官研修所というものを設けまして、そこに書記官補を入所させまして、研修して書記官にしている。あるいは家族持ちその他の関係で入所ができない人もありますので、書記官昇任試験というのを実施いたしまして、この試験に合格した者を書記官に任用していく。それからさらに代行期間の長くなっておる人人につきましては、実務の能力は相当程度ある、しかし法理的な基礎知識において欠けるところがある。どうしても書記官として与えられたる仕事をこなすためには、いろいろな判例を調べ、あるいは法律の書物を読んでやっていかなければならない。そのためにはまだいわゆる調書をつづるという実務だけではなしに、十分法理的な知識を活用して仕事をしていかなければならぬ職責を持つ関係上、これらの長期の代行書記官に法理的な知識を短期間に与えまして、そうして書記官に昇任させていくということで特別研修制度というものを高等裁判所単位で行なっておりますが、これらの研修の一年間におけるところの最高裁判所における能力は、大体八百名程度でございます。従いまして、代行書記官を書記官に昇任させるためには、やはり年間八百名程度に限られるわけでございます。来年度におきましても、ぜひこれは実現したい。そのために予算の組みかえをしなければならぬわけでございます。本年度まではいわゆる書記官の中に欠員がございましたので、二百十名の増員ではありましたけれども、組みかえずに済みましたが、曲がりなりにもその研修を実施して、それぞれ昇任させることができました。しかし、来年度になりますと、その欠員がございませんので、どうしてもやらなければならぬ。私どもとしては、背水の陣をしいてそれに臨む覚悟でおるわけでございます。
 なお、現在事務官であって書記官の資格を持ち、しかも書記官の仕事をしておる者が相当数あるわけでございます。これらの人は、結局裁判部門における仕事としてはどうしても必要不可欠な人員でございますので、これらをやはり書記官に切りかえる必要がある、そういった意味から、その中から七百名程度を事務官から書記官に組みかえるということをやはり推進することにいたしておるわけでございます。以上合計千五百名、来年度予算におきまして事務官及び書記官補から書記官に組みかえるということを考えておるわけでございます。
#71
○畑委員 千五百名要求しておることはわかっておる。去年も千五百名だったと思う。それだのに二百十名しか認められない。背水の陣と言っても、それはわかるんだけれども、一体どれくらい見込んでおるのか、それを承りたいことが一つ。それともう一つ、先ほど、ことしは六百名くらいの書記官の不足があった。たまたまあったからそれを埋めてちょうどよかったと言うんだけれども、大体あんなに書記官補がたくさんおって、定員をオーバーするだけおって、それで書記官が定員に満たない、そんなだらしのないことがありますか。そんなことだからいつになっても大蔵省は言うことを聞いてくれない。その年度内になぜ書記官の不足を、片方はオーバーしておるんだから、それでどんどんやらないのか。そうなると結局研修制度があるからとこうおっしゃる。結局イタチごっこなんです。結局研修制度、研修制度といってあまりそれを厳重にやるから、なかなか狭き門でパスする人が少ない。少ないというよりやはり予算定員の方が狭く限られておるから、結局それに見合うような研修をやるということになるのではないかと私は思うのです。先ほども六百名くらい書記官が定員に足りなかった、ちょうど幸いだったと言うけれども、これは職務怠慢を現わしておるのではないかと私は思うのです。それで今度はそれがなくなっちゃってサバが読めなくなったから、どうしても背水の陣だと言う。どうしても背水の陣をしがなければならぬと思うのです。われわれの方はわれわれの方で例の案を出しますが、そちらの方とは関係ございません。一応当局の方では、われわれの方の考えが司法職員の組合あたりと力を合わせてやっておる、従ってそうするとアベック闘争になるというふうに大蔵当局に誤解されやせぬかということをだいぶ心配しておられるようですが、しかしそういった心配はないと私は思うのです。それはそれとして一つ組みかえの方は強力にやってもらいたいのです。それと、あとで出してもらった数字によりますと、三十六年度の書記官補の定員が千九百十八名になっております。それで代行書記官の方は千六百七十九名、結局書記官補千九百十八名のうち千六百七十九名が代行書記官なんだ。書記官補が全然書記官と同じ仕事をしている。純粋の書記官補はほとんどおりやしない。それほど仕事がふえてきて、それでみんな立ち会いをやらしている。どこに違いがあるかというと、法律上は例の六十条の三項によって少し違いはあっても、実際には何ら違いはないような仕事をさせているじゃないですか。そういうことでは人心をしてうましめてしまう。五箇条の御誓文には「人心ヲシテ倦マサラシメンコトヲ要ス」と書いてある。とにかくうましめるようなことではいかぬ。どんどん先回りしてやらせなければならぬ。われわれはそれのしりをたたくというような格好になってしまう。結局そういう点でだいぶその辺に矛盾がございますから、研修制度、研修制度と言って、さっきのあれじゃないけれども、希少価値をねらったような、選ばれた者だ、試験を通らなければだめだというのが司法部のくせだと思うのです。司法部があまりそれを強調し過ぎるから、かえって自分の首を締めるようなことになるのじゃないかという感じが私は強くいたしておる。もっと自信を持ってやってもらいたい。そういった下級書記官のことにつきましてもっと馬力をかけて、一つあたたかい気持でやってもらいたいと思う。そうすることによってこそ初めて司法行政が推進するんだ、かようにわれわれは考える。最後に聞き落としましたけれども、見込みを一つ承りたい。
#72
○守田最高裁判所長官代理者 今のところは千五百名という見込みでございます。
 それからちょっとただいま誤って申し上げましたが、二表適用職員の数でございますが、三十二年にいわゆる労務職員というのが四千三百三十八名いましたのが、残り千八百五十九名になるように組みかえたということをただいま申し上げました。この中にタイピスト千四百七名が含まれておりません。だからやはり御指摘のように三千名程度の二表適用職員がおるわけでございます。訂正申し上げます。
#73
○畑委員 次に速記官のことについて、ちょっとお尋ねいたしたいと思います。
 速記官制度は最近できた制度でありまして、この制度はわれわれ実際に裁判に関係いたしておりまして、非常にいい制度であると思う。私はこれはどんどん推進していっていただきたい、かように考える。大体速記官の方ではなってすぐ本官になってしまうらしいので、速記官補はほとんどおらぬのじゃないかと思う。それはともかくとして、非常に訴訟の審理の促進に役立っておるということはけっこうだと思う。だがその審理を急ぐのあまり、速記官の方は相当労働過剰になっているという話も聞いておる。あれは非常に頭を使う。緊張する。この衆議院の速記者なんかはやり方が裁判所と違うけれども、非常に交代が早い。早く次次と交代する。従って疲れない。裁判所の方は証人調べが始まるとずっと最後までやる。午前中一度交代するぐらいが関の山だと思う。そういうふうで非常に疲れるらしい。従って、特に私も最近初めて聞いたのですが、速記官の中に書癖病という手がふるえて書けなくなる病気、それから腱鞘炎といって、たたく関係でここの腱がどうかするというような特殊な職業病が、非常に数は少ないという話でありますけれども出ていると聞いておる。そういう点について、数が少ないからというてこういったことを閑却することはいけないと思うのです。こういった特殊の職業病について防止策を考えておるかどうか、ちょっと承りたい。
#74
○守田最高裁判所長官代理者 書痙病として現在最高裁判所に下級裁判所から上申された者が四人ほどございます。同じ書痙病といいましても、医師の診断によりますと神経性のものとかいろいろ原因があるようでございまして、それによって回復する見込みのある人はまた十分治療さした上で速記を続けてやってもらいますし、それから回復の見込みのない人は今度は事務官の方に転換さして、そっちの方の仕事をして進ましていくというような方針をとらざるを得ないだろうというふうに考えております。ただ、御承知のように、速記官の給与というものに一般の職員より非常にいいものですから、給与の正式の換算をやりますと、今まで速記官でもらっていた給与ががた落ちになるというような問題がそこにあるわけであります。その辺のところをどうするかということで、その速記官の級別資格基準表などとの関連で、財務当局などと十分協議を遂げて善処したいと考えておりますが、まだ検討の段階でございまして、そこまでいっておりません。
#75
○畑委員 その点で、仕事ができなくなるということで転換をさせる、そして事務官にするということになると、ずっと給与関係が落ちる、そこに悩みがあるというような裁判所のお話ですが、そういう点で、数が非常に少ないのだからできるだけ有利な優遇の方法を講じないと、そういったことを予想するとこわくなって、そっちの方にあまり人が来ないというような傾向にもなると思うのですが、そういう点の優遇策を一つ極力講じていただきたいということを期待して、意見として申し上げます。
 さらに速記官に関係するのですが、速記官が非常に手不足だということで、たとえば東京の地裁などでは何か外から速記を頼んで、年間六百万円かの予算を用意して使ったことがあるようでありますが、それは途中でやめになったとかいう話を聞いておりますけれども、この点はそういう事実があるのかどうか、どうしてやめたのか、そういう点をお聞きしたい。
#76
○内藤最高裁判所長官代理者 東京地裁の速記の使用の状況につきましては、私どもただいま資料がございませんのでつまびらかにいたしませんが、速記官の数が少ない、ことに東京のような裁判所になりますと非常に大きな事件が係属するわけでございます。そういった場合に外部の速記者を入れまして速記をとるということは従来もやっておりましたが、今日もなおやっておると思います。
#77
○畑委員 その点はそれだけにいたします。
 それからあと二点ばかりあるのですが、これは実は直接給与とは関係がないのですけれども、ついでに承っておきたい。それは例の飯守発言であります。東京地裁の飯守判事が例の右翼の方の行動を肯定するような発言をこの前なさった。それに対して世上いろいろな説をなす者がある。それでその当時全司法労働組合の方から、その飯守発言に対して同裁判官の自重を求めるというような、私が読んでも比較的良心的な声明なんですが、それを機関紙に掲載した。これはこういった民主団体として当然あり得ることだと思う。こうした飯守さんの発言に対する批判がほかにもたくさんある。それを機関紙に掲載したことから、東京地裁の所長としては、下級裁判所事務処理規則というのがあるのですが、それに従って、懲戒処分ではないけれども、注意処分というのを労働組合の支部長にしたということであるけれども、そういう事実があるか、どういうわけでそういった注意処分をしたのか、その辺を承りたい。
#78
○守田最高裁判所長官代理者 そういううわさは聞きましたけれども、最高裁判所に正式に報告がございませんので、ここで詳しく御説明申し上げるほどの正確な資料を持ち合わせておりません。
#79
○畑委員 これは報告はないというわけだから、なければ仕方がない。しかし、そういううわさは聞いているとおっしゃいましたね。その点はあなたの方でも調査する必要があると思う。なぜそうなったのか。ことに、こういった良心的発言に対して処分をする地裁所長の行為、これは、そういうことになりますれば、何ら裁判所の中でものが言えなくなる。やっぱりこういうことではならぬと思う。裁判官の裁判のことに関してなら、裁判所職員が批判してはいけない。そうじゃなくて、飯守さんのあの行動に対して、ちっとも批判が許されない。世論でもああ言った。それに対して裁判所の職員の組合が態度の表明をするということは、私は何ら注意処分に値しないと思う。ことに最高裁判所は、うわさで聞いておる、しかし正式の話はないから何とも言えないということだが、しかし、そういうことは事実である。それについて最高裁はどうお考えになるか、承りたい。
#80
○守田最高裁判所長官代理者 注意というのは、たとえば遅刻をしたとか、いろんなそういったことで、所長が単に注意するという事実行為にすぎない。処分とかなんとかとは違います。そういうわけでございますし、それから、どういう事情がそこに介在して注意をしたのやら、その内容がはっきりわかりません。ただそういうことをうわさに聞いたという程度でございまして、別段、特に意にかけたことはなかったわけでございます。
#81
○畑委員 別に規則にきまってない、注意処分というのは処分でも何でもないということであります。しかもはっきりわからぬから何とも言えないというような答弁のようでありますが、しかし、それに関連して、同じ注意処分というのがあった例があるのですが、どうも不公平だと思われる事件があるのです。それは最高裁でもわかっていると思う。岡山に横林という書記官がいる。これが全司法や総評の情報を、公安調査庁の調査官に買収され――一部では脅迫されたようなうらみもある。本人は非常に消極的だったが、とにかく何だかんだで無理やりやられて、結局金をもらってそういう情報をいろいろ提供している。そうして現金で約十万円――これはいずれ別の席で公安調査庁の方に聞いてみたいが、しかし裁判所の方にも関係があるから聞きますが、先ほどの飯守発言と関連して、それが注意処分だ、しかもそれははっきりわからない、注意処分は処分ではないのだ、こういったようなことを言われる。その横林書記官に対して、いわゆる横林スパイ事件に対して、岡山の裁判所では注意処分をしたというような話だ。どういう理由で注意処分をしたのか、そういう報告を聞いているのかどうか、注意処分をした事実があるかどうか、一体注意処分という決定でいいのかどうか、こういう点をお聞きしたい。
#82
○守田最高裁判所長官代理者 ただいま資料を持ち合わせませんので正確なことを申し上げられませんが、岡山家裁で横林書記官に対して注意をしたということは聞いております。それは報告がございます。それを見れば詳しくわかると思いますが、今の程度の記憶では、どちらに属しているのか、実はわからない。公安調査庁の依頼によって動いた形跡も十分あるし、また某政党の中に入って、そちらの言うこともしていたような形跡もある。詳しいことはよくわからないけれども、ただ公安調査庁の依頼によって組合の情報を探ったというようなこと、それに関連して金品をもらったというような事情があること、これは裁判所の職務とは全然関係のない事柄でございますが、しかし裁判所の職員としてやはり品位をはずかしめる行為だ、そういったような意味で、書面によって注意をしたということでございます。
#83
○畑委員 そういった横林の行為は裁判所に直接関係がないのだけれども、そういうことはほめたことではないからということで書面で注意処分をしたということも聞いているということであります。これは岡山の家庭裁判所での処分ですから、ここでいろいろそう追及しても仕方がないけれども、裁判所の仕事に直接関係なくても、そういった非常に卑劣なスパイ的な行為ということで簡単に注意処分を受ける、そうして先ほどの飯守発言は、当然なことを申しただけにすぎないのに、それに対して注意処分をするということで非常に権衡を失している。この点はどうですか、一つ聞きたい。
#84
○守田最高裁判所長官代理者 東京地裁所長の注意を与えられた、その与えられた対象となる職員の行為というものが明確ではございませんので、何とも今の段階では申し上げられません。
#85
○畑委員 非常に不満足ですが、これ以上追及してもなかなか満足な答弁は得られないと思いますから、以上で私の質問を終わります。
#86
○河本委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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