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1961/10/19 第39回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第039回国会 農林水産委員会 第10号
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1961/10/19 第39回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第039回国会 農林水産委員会 第10号

#1
第039回国会 農林水産委員会 第10号
昭和三十六年十月十九日(木曜日)
   午前十時五十八分開議
 出席委員
   委員長 野原 正勝君
   理事 秋山 利恭君 理事 大野 市郎君
   理事 小山 長規君 理事 田口長治郎君
   理事 丹羽 兵助君 理事 石田 宥全君
   理事 芳賀  貢君
      安倍晋太郎君    飯塚 定輔君
      金子 岩三君    仮谷 忠男君
      倉成  正君    小枝 一雄君
      坂田 英一君    田邉 國男君
      谷垣 專一君    綱島 正興君
      寺島隆太郎君    内藤  隆君
      中山 榮一君    藤田 義光君
      本名  武君    松浦 東介君
      八木 徹雄君    足鹿  覺君
      東海林 稔君    楢崎弥之助君
      西村 関一君    山田 長司君
      湯山  勇君    稲富 稜人君
 出席政府委員
        農林政府次官  中馬 辰猪君
        農林事務官
        (農林経済局
        長)      坂村 吉正君
        農林事務官
        (畜産局長)  森  茂雄君
 委員外の出席者
        農林事務官
        (畜産局経済課
        長)      森  整治君
        専  門  員 岩隈  博君
    ―――――――――――――
十月十八日
 家畜取引法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第三七号、参議院修正送付)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 中央卸売市場法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第二三号)
 家畜取引法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第三七号)(参議院送付)
     ――――◇―――――
#2
○野原委員長 これより会議を開きます。
 中央卸売市場法の一部を改正する法律案を議題として、まず政府に補足説明を求めます。坂村農林経済局長。
#3
○坂村政府委員 中央卸売市場法の一部を改正する法律案につきまして、若干補足説明申し上げます。
 まず、今回の改正の要点は、第一に、中央卸売市場の開設及び整備を計画的に推進するための措置について定めること、第二に、中央卸売市場における卸売業務の適正健全な運営を確保するための措置を整備強化すること、第三に、中央卸売市場の周辺地域における卸売市場に関する改善措置について定めること、第四に、中央卸売市場審議会を設けることでありまして、以上のほか、この際若干の規定につき所要の整備を行なうことといたしております。
 次に、これらの内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 第一は、中央卸売市場の開設及び整備を計画的に推進するための措置でありまして、これに関する改正部分は、第七条ノ二及び第七条ノ三の新設並びに第八条の改正であります。
 中央卸売市場は、大正十二年に中央卸売市場法が制定されまして以来現在までに六大都市を初め十九都市に開設されておりますが、生鮮食料品の全国流通上必ずとも十分とは言えない状況であり、また、既設の市場につきましても、人口の増加、設備の老朽化等により整備を要するものが多々認められる実情にあります。
 そこで、今後中央卸売市場の開設及び整備を計画的に進めるため、第七条ノ二を新設いたしまして、農林大臣は、生鮮食料品の適正円滑な流通をはかるため必要があると認めるときは、中央卸売市場の開設及び整備に関する計画を定めることができることとしたのであります。この計画におきましては、計画の期間、中央卸売市場の開設及び整備を必要とする都市及び中央卸売市場の名称、取扱い品目の設定または変更、設備の新増設等に関する事項につき定めることとするとともに、計画の樹立を適正に行なうため、農林大臣は、計画を定めようとするときは、中央卸売市場審議会及び関係地方公共団体の意見を聞かなければならないこととしております。
 次に、右の計画の適正円滑な実施をはかるための一つの手段といたしまして、新たに第七条ノ三を設けまして、農林大臣は、その計画に定められた都市の区域を管轄する地方公共団体または中央卸売市場の開設者に対と中央卸売市場の開設または整備に関と必要な勧告をすることができることとしております。なお、この場合におきましても、勧告の的確を期するため、中央卸売市場審議会の意見を聞いて行なうこととしております。
 さらに、中央卸売市場に対する助成措置として、現行法におきましても、第八条に、農林大臣は、開設者に対し所定の設備につき補助金を交付することができる旨の規定がありますが、これを右の計画に定めれた都市の区域を管轄する地方公共団体または中央卸売市場の開設者がその計画に基づいて所定の設備の新増設等を行なう場合に講ずることに改め、計画の実施に資することとしております。
 第二は、中央卸売市場における卸売業務の適正健全な運営を確保するための措置の整備強化でありますが、これに関する改正部分は、第十条ノ五ノ二及び第十四条ノ二の新設並びに第十条ノ三、第十条ノ六、第十四条、第十五条ノ二、第十七条及び第十八条の改正であります。
 その一は、第十四条ノ二といたしまして、卸売業者の兼業の届出についての規定を新設したことであります。最近一般に企業経営は多角化に向かい、卸売業者につきましても兼業業務を始めるものが多くなる傾向にありますが、中央卸売市場の卸売業者は零細多数の生産者、出荷者から生鮮食料品の委託を受けて販売を行なう者であるという性格にかんがみまして、兼業業務を営む場合には、そのことにより本来の業務に支障を生ずることのないよう特に留意することが必要であると考えられます。このような観点から、第十四条ノ二におきましては、卸売業者は、兼業業務を営もうとするときは、その兼業業務に関する事業計画を添えてその旨を農林大臣に届け出ること、兼業業務を追加しようとする場合届出事項を変更しようとする場合も同様の届出を要することといたしまして、兼業業務に関する状況を十分掌握して、兼業業務を営む卸売業者に対する監督に万全を期そうとするものであります。
 その二は、第十五条ノ二の卸売業者の合併等に関する私的独占禁止法の適用除外措置の改正であります。これは、従来中央卸売市場の卸売業者の間における合併、営業の譲受及び取引条件に関する協定につきましては、過多競争の防止及び適正健全経営の確保という観点から私的独占禁止法の適用が除外されておりますが、この措置を同様の趣旨から中央卸売市場の卸売業者と中央卸売市場指定区域内において中央卸売市場類似の業務を行なう市場の卸売業者との間における合併及び営業の譲受につきましても拡充するため、同条の規定を改正しようとするものであります。
 その三は、右のほか、卸売業者に関する監督規定等の整備といたしまして、第十条ノ五ノ二を新設いたしまして、卸売業務の許可に際しましては、必要に応じ条件をつけることができるものとすること、第十七条を改正して、卸売業者の業務または会計に関し必要に応じ改善措置を命ずることができる旨の規定を設けること、第十八条の卸売業者に対する行政処分の一つとして、法律違反行為等を犯した役員の解任命令を加えること、第十条の三の卸売業者の欠格条件に右の解任命令にかかる役員で一定期間を経過をしないもの等を加えることといたしております。
 その四は、中央卸売市場における売買方法に関する規定の整備であります。現行法では、第十四条におきまして、中央卸売市場における売買は、せり売りを原則とし、その例外として業務規程で定める特別の事情がある場合を定めておりますが、生鮮食料品の実情に即して公正な取引が行なわれることとなるようこの規定を改正しまして、公開による競争的な価格形成方法として、せり売りの方法と同列に扱うことが適当と考えられる入札の方法も原則に加えるとともに、例外となる場合を法律に明記し、さらにその場合における売買方法の基準を命令で定めることといたしております。
 第三は、中央卸売市場の周辺地域における卸売市場に関する改善措置でありまして、これにつきましては第二十三条ノ二を新設しております。
 最近、生鮮食料品の流通範囲は、輸送事情の改善等により、拡大の傾向にあり、中央卸売市場の周辺地域の卸売市場につきましても中央卸売市場と業務上密接な関連を持つものが見られ、中央卸売市場の機能を完全に発揮させるためには、このような卸売市場につきましても農林大臣が必要に応じ改善措置を講ぜしめる道を開くことが適当と認められるのであります。
 このような趣旨から、第二十三条ノ二におきましては、農林大臣は、中央卸売市場指定区域の周辺の地域で農林大臣が指定するものにおいて開設される卸売市場であってその施設が一定基準をこえるものの業務が流通上中央卸売市場の業務と密接に関連する場合におきまして、当該中央卸売市場の業務の適正健全な運営を確保するため特に必要があると認めるときは、当該周辺地域の卸売市場の開設者または卸売業者に対しその施設または業務方法に関し必要な改善措置をとるべき旨の勧告をすることができることとしたのであります。
 第四に、第二十三条ノ二として新設する中央卸売市場審議会について申し上げます。
 先に述べましたように、中央卸売市場の開設及び整備に関する計画の樹立並びにそれに基づく勧告につきましては、中央卸売市場審議会の意見を聞いて行なうことといたしておりますが、これらのほかの中央卸売市場法の施行に関する重要事項につきましても、必要に応じ中央卸売市場審議会の調査審議を願うこととし、学識経験者の意見を十分取り入れて、中央卸売市場法の運用に的確を期するため、農林省に中央卸売市場審議会を設けることとしたのであります。また、審議会は、これらの事項に関しまして自主的に農林大臣に意見を述べることができることとしております。審議会の組織につきましては、その性格にかんがみ、委員五人以内で組織することとし、これらの委員は、学識経験者のうちから農林大臣が任命することとしております。なお、このほか審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定めることとしております。
 最後に、以上のほか、この際若干の規定につき所要の整備を行なうことといたしておりまので、この点について御説明いたします。
 その一は、中央卸売市場の分場設置の取り扱いの改正でありますが、現行法では、第二条後段の規定によりまして、中央卸売市場の開設後位置を異にする市場を設ける場合には、分場設置の認可を受けなければならないこととされておりますが、取扱い品目を異にする市場相互間等におきまして一方を必ず分場として取り扱わなければならないのは、市場の名称として適当でなく、また、開設者の管理組織にそぐわない場合がありますので、第二条の後段を削除することとし、これらの取り扱いは、開設者に業務規程で定めさせることによって、第四条ノ規程による業務規程の変更の認可にかからしめることといたしたのであります。
 その二は、第三条第一項の業務規程で定めるべき事項として、右の分場設置の取り扱いの改正に伴い新たに中央卸売市場の位置及び面積を加えるとともに、前述いたしました売買方法に関する規定の改正とあわせて中央卸売市場における売買方法を加えることとしております。
 このほか、今回の改正に伴い、第二十五条及び第二十六条に規定する罰則に必要な改正を行なうとともに、経過措置として、附則におきまして、改正法の施行の際現に開設されている中央卸売市場における売買方法その他業務規程で定めるべき事項につきましては、改正法の施行の日から一年間は従前の例によること、改正法の施行の際現に兼業業務を営んでいる卸売業者で当該兼業業務を引き続いて営もうとする者は、改正法の施行の日から三十日以内に当該兼業業務に関する届出をしなければならないことを規定しております。
 以上が中央卸売市場法の一部を改正する法律案の概要でございますが、この法律の施行は、政令の制定等施行に必要な準備期間を若干必要とすることを考慮いたしまして、附則におきまして、公布の日から六十日を経過した日から施行することといたしております。
     ――――◇―――――
#4
○野原委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 ただいま審査中の中央卸売市場法の一部を改正する法律案について、参考人の出頭を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○野原委員長 御異議なしと認め、さように決しました。
 なお、参考人の出頭日時、人選等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○野原委員長 御異議なしと認め、さように決しました。
 なお、先刻の理事会で御協議願ったのでありますが、本案の審査の参考に資するため、明二十日中央卸売市場の視察をいたしたいと存じますので、多数委員諸君の御参加をお願いいたします。
 午後一時から再開いたします。
 この際暫時休憩いたします。
   午前十一時十二分休憩
     ――――◇―――――
   午後一時四十三分開議
#7
○野原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 昨十八日参議院から送付せられました、内閣提出、家畜取引法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案についてはすでに予備審査の際その提案理由の説明を聞いておりますので、この際政府委員に補足説明を求めます。森畜産局長。
#8
○森(茂)政府委員 家畜取引法の一部を改正する法律案につきまして、若干補足説明を申し上げます。
 まず、改正の主要点は三点でありまして、(一)家畜市場の再編整備に関する規定を拡充し、制度の円滑な実施をはかること、(二)家畜市場における家畜の売買方法に関する規定を整備し、家畜取引の実情に即しつつ改善をはかること、(三)家畜市場の一定の周辺地域における家畜の取引の制限に関する規定を設け、市場取引の適正化に資することでありまして、その他の改正点はこれらの改正に伴う条文の整理及び字句の整理等であります。
 まず第一点は、家畜市場の再編整備に関する制度についてであります。
 すなわち、第一に、第十九条の改正において、再編整備の対象を産地家畜市場から地域家畜市場に拡張したことであります。この両市場の内容の相違は、第二条の定義の改正によって行なわれており、前者が主として家畜を生産する農業者が利用する市場であるのに対し、後者は、農業者たると家畜商たるとを問わず、一定の地域内で生産された家畜の取引に利用される市場である点にあります。従って、この地域家畜市場の中には、従来の産地家畜市場に加えて、集散地の家畜市場が含まれることになります。
 再編整備に関する制度についての改正点の第二は、第二十条の二の再編整備にかかる都道府県知事の勧告についての規定の新設であります。再編整備を行なう必要のある地域で、地域指定の要件を満たしているものについては、再編整備を行なうことが特に必要であると認められる場合は、開設者からの申請を待たず、知事がその地域内の開設者に対して地域指定の申請をすべき旨の勧告をすることができるようにいたしたことであります。
 再編整備に関する制度についての改正点の第三は、第二十六条の三の国及び都道府県の援助についての規定の新設であります。
 すなわち、国及び都道府県が、再編整備計画の円滑な実施を確保するため、開設者に対し、助言、指導その他必要な援助を行なうよう努めることといたしました。なお、これに関連する予算といたしまして、年次計画によることとして、本年度予算においてこれに対する国の補助金が計上されております。
 次は、第二点の家畜市場における家畜の売買方法に関する規定の整備についてであります。法施行後、一部の家畜市場について、入場頭数が多いため、せり売りまたは入札による取引が円滑に行なわれがたい実情にあり、このためには、ある程度の期間をかけてせり売りまたは入札の方法による取引が行なえるような条件を整備しつつ、その条件が整備されるまでの間は、せり売りまたは入札以外の方法による取引のうち取引の公正を確保するための最小限度必要な要件を備えていると思われるものを経過的に認める等いたしまして、法の円滑かつ適正な実施を期する等、関係規定を整備することといたした次第であります。
 すなわち、まず第一は、家畜市場の一の開場日において家畜取引の目的物とすべき家畜の頭数が、その家畜市場の売り場施設の状況から見て著しく過多と認められる場合に限って、第十五条のせり売または入札以外の売買方法を経過的に認めることとし、開設者が都道府県知事の許可を受けて業務規程で定め得るせり売りまたは入札以外の売買方法について農林省令でその具体的方法を定めることができるようにしたことであります。売買方法に関する改正の第二は、第一の例外措置を認める場合についての改正に対応して、都道府県知事がせり売りまたは入札以外の売買方法に関する許可をする場合には条件を附することができるようにし、例外措置の許可をする場合には、せり売りまたは入札の実施のため必要な諸条件の計画的整備を条件とし得るようにしたことであります。以上の改正は、政府原案におきましては、第十五条の改正によって行なうこととしていたのでありますが、参議院におけるこの法律案の審議の際に、これらの措置があくまで経過的なものであることを明確にするという趣旨において附則において規定することとするよう修正されております。売買方法に関する改正の第三は、第十八条の二の規定を新設し、都道府県知事が売買方法に関する規定に違反行為をした家畜商に対して、その違反行為をした家畜市場における家畜取引の業務の停止命令を出せることにし、売買方法に関する規制の実効を確保することとしたことであります。
 改正の主要点の第三点は、市場周辺地域の取引制限についてであります。現在、家畜市場について、その取引の適正化のため種々の法的措置を講じているにもかかわらず、一歩家畜市場の外に出ると取引が野放しで行なえる建前になっているので、市場における規制をくぐり、また、市場における手数料を支払わないようにするため、家畜市場の周囲の道路等で取引が行なわれ、これが市場の取引の適正化、円滑化を著しく阻害しているので、この点につき必要な規制措置を講ずることといたしたわけであります。
 すなわち、第二十七条の二の規定を新設し、家畜市場の開場日等において、その家畜市場からおおむね千メートル以内の一定の区域内では、都道府県知事の許可を受けた場合を除き家畜取引を業とする者の取引を禁止することにしたことであります。
 以上、主要改正点につき御説明をいたしましたが、このほかの若干の改正点は、以上の改正に伴う字句整理、条文整理、罰則の整備等でございます。
#9
○野原委員長 暫時休憩いたします。
   午後一時五十一分休憩
     ――――◇―――――
 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕
ソース: 国立国会図書館
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