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1961/10/03 第39回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第039回国会 内閣委員会 第2号
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1961/10/03 第39回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第039回国会 内閣委員会 第2号

#1
第039回国会 内閣委員会 第2号
昭和三十六年十月三日(火曜日)
   午前十時三十七分開議
 出席委員
   委員長 中島 茂喜君
   理事 伊能繁次郎君 理事 内田 常雄君
   理事 草野一郎平君 理事 堀内 一雄君
   理事 宮澤 胤勇君 理事 石橋 政嗣君
   理事 石山 權作君
      伊藤 郷一君    内海 安吉君
      小笠 公韶君    大森 玉木君
      辻  寛一君    藤原 節夫君
      杉山元治郎君    田口 誠治君
      山内  広君    山花 秀雄君
      受田 新吉君
 出席国務大臣
        建 設 大 臣 中村 梅吉君
        国 務 大 臣 川島正次郎君
        国 務 大 臣 藤枝 泉介君
 出席政府委員
        総理府総務長官 小平 久雄君
        総務府総務副長
        官       佐藤 朝生君
        総理府事務官
        (行政管理庁行
        政管理局長)  山口  酉君
        防衛政務次官  笹本 一雄君
        調達庁長官   林  一夫君
        大蔵政務次官  天野 公義君
        水産庁長官   伊東 正義君
 委員外の出席者
        議     員 石橋 政嗣君
        総理府事務官
        (総理府特別地
        域連絡局長)  大竹 民陟君
        専  門  員 安倍 三郎君
    ―――――――――――――
九月三十日
 防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第五〇号)
十月三日
 連合国占領軍等の行為等による被害者等に対す
 る給付金の支給に関する法律案(石橋政嗣君外
 十名提出、衆法第一号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した条件
 臨時行政調査会設置法案(内閣提出第四号)
 特殊海事損害の賠償の請求に関する特別措置法
 案(内閣提出第五号)
 大蔵省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第九号)
 北方地域旧漁業権者等に対する特別措置に関す
 る法律案(内閣提出第二二号)
 建設省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第三九号)(予)
 連合国占領軍等の行為等による被害者等に対す
 る給付金の支給に関する法律案(内閣提出第四
 五号)
 連合国占領軍等の行為等による被害者等に対す
 る給付金の支給に関する法律案(石橋政嗣君外
 十名提出、衆法第一号)
     ――――◇―――――
#2
○中島委員長 これより会議を開きます。
 石橋政嗣君外十名提出の連合国占領軍等の行為等による被害者等に対する給付金の支給に関する法律案を議題とし、提出者より提案理由の説明を求めます。石橋政嗣君。
#3
○石橋(政)議員 ただいま議題となりました連合国占領軍等の行為等による被害者等に対する給付金の支給に関する法律案に対する提案の理由を説明申し上げたいと思います。
 今日、経済成長が一七%とかいわれておりますが、無謀な太平洋戦争の痛手はいまだ国民生活の上に痛々しくそのつめあとを残しているのであります。この法律案で取り上げました占領軍被害者の問題もその特徴的なものの一つであります。
 敗戦後より今日まで、占領軍軍人及びその構成員等の不法行為によって、善良な一般市民が実に十四万八千人以上もそのとうとい生命または身体に重大な損害を受けているのであります。たとい占領軍であっても、善良な一般市民に対しては、その財産、生命に対して脅威または損害を与えてならないことは、国際法上明白な事柄であります。しかし日本の場合は、これら占領軍から損害を受けた被害者は、何ら顧みられることなく放置され、日本の行政機関にその事実を訴え出た者のみが、わずかの見舞金を日本政府または地方自治体から支給されているにすぎないのであります。しかもこれら不運な人々は、サンフランシスコ平和条約第十九条によって、一切の権利を放棄せしめられているのであります。
 ただ平和条約発効以後発生した事故については、行政協定第十八条に基づいて損害の補償を行なうこととなっており、十分とは言いがたい措置ではあるが、昭和二十七年以降三十四年度末までに六万九百四人の被害者に対して、死亡の場合、最低二十万円から最高百五十万円までの補償を行なっているのであります。
 ところが平和条約発効以前の死亡約三千七百人以上を含む約九千人に及ぶ被害者に対しては、その後若干の補正的な見舞金の追給措置が行なわれたが前に述べましたように涙金程度の見舞金を支給したにすぎません。さらにそれすらも受けていない泣き寝入りの人が数多く取り残されているのであって、調達庁調査によっても二千人以上の未受給者がいるのであります。これらの人々には何ものをもってもかえることができない生命、身体の損害を十年以上も放置されていたわけであります。
 私どもは、国の措置としてこれらの人々を一刻も早く救うことが、真に血の通った政治ではないかと思うのであります。この際せめて昭和二十七年以降の現行補償制度と比較して、著しく均衡を失しているものに対し、緊急に救済措置を講ずる必要があると痛感する次第であります。
 以上がこの法律案を提出するに至った基本的な態度であります。
 .次いで、法案の内容についてその概要を説明申し上げます。
 まずこの法律案による給付の範囲でありますが、第一条に規定しましたように、連合国占領軍の行為によって死亡または傷害を受けた者及びその遺族に限定し、一部の特例を除き財産上の損害はこの際除外した次第であります。最高裁判所のある判決文の中に「人間の生命は、全地球よりも重し」という名言を残しているのでありますが、何ものにも優先して尊重さるべき生命及び身体の損害は、いかなる事情があるにせよ早急に救済さるべきであるとの見地に立っているのであります。
 その適用範囲については、前にも述べたように昭和二十年九月二日より昭和二十七年四月二十八日まで発生した事故で、被害者が日本国籍を有する者とした次第であります。従って第三国人等の被害者はこの法律の権利者たり得ないわけでありますが、外交上の問題として政府において円満な解決をはかられんことを強く希望しているのであります。なお、ポツダム宣言受諾以後昭和二十年九月二日以前においても若干の被害者があるので、これらの者も救済し得るよう附則に規定してその措置をとることにしたのであります。
 また給付金の基準についてでありますが、事件発生後約十年以上も経過した事実に対して、個々にその程度を認定して給付金の金額を算定することはきわめて困難な事情にあるので、労働省で作成した昭和三十五年一月の毎月動労統計により、全産業の労働者一人当たりの平均給与額をとることとし、その三十分の一をもって一律に基準日額としたわけであります。
 給付金の種類は、療養給付金、休業給付金、障害給付金、遺族給付金、葬祭給付金、打切給付金の六種類でありますが、それぞれの給付金の種類に応じて基準日額を乗じて給付金額を算定することとしたのであります。たとえば遺族給付については基準日額の千日分に相当する金額とし、葬祭給付は基準日額の六十日分、傷害者に対する打切給付金は基準日額の千二百日分に相当する金額としたことなどであります。
 なお、現実の支給にあたっては、当然のことながら、すでに何らかの給付を受けている者については、この法律による給付金額からすでに支給した相当給付金額を控除した金額を支給することとした次第であります。療養給付金については、実際療養に要した費用を支給することにしたのでありますが、この法律施行以前の療養費については実情の把握が困難なので、調達庁長官が一定の基準を政令によって定め、それによって支給することとしたのであります。また連合国占領軍等の行為という特殊な関係から、婦女子等の場合で、その行為により直接負傷し、または疾病にかからなくとも、その行為が原因となり、重大な精神的衝撃等によって死に至らしめた場合は、やはりその遺族に対し遺族給付金を支給する規定を設けた次第であります。
 さらにこの法律が現実に施行されましても、事件後十数年を経過したものが多いことから見て、個々の状況を判断する資料に乏しく、調達庁長官だけでの認定が困難なケースが相当数あると予想されるのであります。これらのものについては、各地方調達局に学識経験者等調達局長が任命する七人の委員で構成する被害者給付金審査会を付置して、調達局長の諮問に応じ、調査審議し、その万全を期することにしたのであります。
 またこの法律による権利者で調達庁長官の処分に不服がある者は、一年以内に書面で調達庁長官に不服の申し立てを行なうことができることとし、再審査の方途も講じてあるのであります。
 次いでこの法律の実施にあたっては、迅速かつ正確な運用をはかるため、関係都道府県、警察署等、行政機関の協力義務を規定した次第であります。さらに給付金を受ける権利の時効を三年とし、この法律による給付金はすべて非課税として、給付金の権利については、譲渡または担保、差し押え等の行為を禁止することとしてあります。また遺族の順位その他手続に関する規定等必要な措置を規定し、さらに細部の必要手続については総理府令にゆだねることとしたのであります。
 以上法律案の主要点について御税明申し上げましたが、何とぞ立法の趣意を十分御了察の上、慎重審議すみやかに可決されんことを心から願う次第であります。
     ――――◇―――――
#4
○中島委員長 次に、建設省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、政府より提案理由の説明を求めます。中村建設大臣。
#5
○中村国務大臣 ただいま議題となりました建設省設置法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。
 この法律案は、建設事業に関する総合計画及び長期計画の策定、公共用地取得対策の樹立、建設業の振興等に関する行政を推進するため、本省にこれらの事務を所掌する局として、新たに計画局を設置するとともに、直轄事業の事業量の増大に対処するため、地方建設局の用地事務機構を整備する等、建設省の所掌事務及び機構についてその整備をはかろうとするものであります。
 以下その要旨を申し上げます。
 まず第一に、本省に新たに計画局を設置して、所管行政にかかる建設事業に関する総合計画及び長期計画に関する調査及び立案に関する事務、国土計画及び地方計画に関する調査及び立案に関する事務、土地の使用及び収用に関する事務、建設業の発達及び改善の助長、並びに建設業者の監督に関する事務等を所掌するものとしたことであります。
 第二に、計画局の新設により現在従来の計画局の所掌事務である国土計画及び地方計画に関する事務、土地の使用及び収用に関する事務等が新設される計画局へ移し変えられることに伴い、従来の計画局の名称を都市局に改めたことであります。
 第三に、地震工学に関し、外国人研修生を含む研修生の研修を行なう事務を建設省の所掌事務に加えるとともに、これを建設省の付属機関である建築研究所につかさどらせることといたしたことであります。
 第四に、直轄事業の事業量の増大及び大都市近傍における用地取得の困難に対処して、関東地方建設局及び近畿地方建設局に用地部を設置することといたしたことであります。
 以上のほか、土木研究所において委託に基づき建設資材について特別な調査、試験及び研究を行ない、及び建設研修所において測量に関する技術者についても養成及び訓練を行なうことができることとする等、本省及び付属機関の組織に関し規定を整備することといたしました。
 以上が建設省設置法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げる次第であります。
     ――――◇―――――
#6
○中島委員長 次に、特殊海事損害の賠償の請求に関する特別措置法案及び連合国占領軍等の行為等による被害者等に対する給付金の支給に関する法律案の両案を一括議題とし、政府より提案理由の説明を求めます。藤枝国務大臣。
#7
○藤枝国務大臣 提案理由を説明申し上げます前に、一言ごあいさつ申し上げます。先般防衛庁長官を拝命いたしまして、まことに浅学非才でございます。内閣委員の皆様方の特別の御支援のほどをお願い申し上げる次第であります。(拍手)
 ただいま議題になりました特殊海事損害の賠償の請求に関する特別措置法案外一件の提案理由並びに内容の概要について御説明申し上げます。
 この法案は、新安全保障条約に基づく地位協定第十八条第五項(g)の規定により同項の他の規定の適用を受けないこととなる特殊の海事損害の賠償請求の円滑な解決をはかるものであります。
 旧行政協定にかわる地位協定におきましては、民事請求権に関する第十八条の規定は全面的に米国がNATO諸国と結んでおります同種協定と国様なものになったことは御承知の通りであります。従いまして同条第五項(g)におきまして、日本国にあるアメリカ合衆国軍の船舶の航行等から生じます事故によりまして第三者がこうむりました被害のうち、物的損害に関する賠償の請求につきましては、同条同項の他の規定の適用を受けないことになりまして、米国政府が直接に取り扱うことになります。すなわち旧行政協定で同じく民事請求権について規定している第十八条におきましては、その第三項によりまして、海上におけるこの種の賠償請求も陸上における場合と同様、日本の政府機関の行政措置により処理され、または日本の裁判所の裁判により解決されるのでありますが、新協定におきましては米国の政府機関または裁判所により処理されることになります。
 右のごとく改定になりましたのは、この種の海上における船舶に関する賠償請求のような特別の事案については、NATO協定のごとく取り扱われるのが国際通念であることに基づくものでありますが、米国の関係法令に十分通暁せず、また言語、慣習の相違のある日本国民に対しましては、新協定実施後も、この種請求の取り扱いについて政府が必要な援助を行なって円滑な解決をはかる必要があると存じます。
 これが本法案を提出する理由であります。
 法案の内容といたしましては、この種海事事故の被害者たる日本国民が米国政府に対して損害賠償を請求する場合には、調達庁長官がそのあっせんをすることとし、あっせんにより適正迅速なる解決をはかることとしたのが第一点であります。
 次に右のあっせんによっても被害者の満足すべき解決に至らずして、被害者が米国の裁判所に訴訟を提起するときには、訴訟費用の立てかえその他訴訟についての必要な援助を行なうことができることとしたのが第二点であります。右立てかえ金は無利息といたし、また訴訟終了時には償還を要するわけでありますが、その償還は場合により支払いの猶予、全部または一部の免除ができるように定めております。
 以上、この法律案の提案の理由と内容の概要を申し上げた次第であります。
 次に連合国占領軍等の行為等による被害者等に対する給付金の支給に関する法律案の提案理由及び概要について御説明申し上げます。占領期間中における連合国占領軍等の行為により死亡し、負傷し、または疾病にかかった被害者に対しましては、昭和二十一年五月閣議決定により見舞金支給措置を講じ、さらに昭和二十七年五月閣議了解により追給措置を講じてきたのでありますが、これについてその金額が少な過ぎるという理由をもって、被害者より政府並びに国会に対し、しばしば救済の陳情並びに請願が行なわれてきたところであります。
 政府は、昭和三十四年度に調達庁をして全国的に実態を調査せしめました結果、被害者数は占領時代前期において最も多く、なかんずく死亡者数も同様であることが判明し、かつ見舞金額も小額で、お気の毒な状況にあると考えますので、これらの者に対する救済を立法措置により講ずることが必要、かつ適切であると確信するのであります。
 以上がこの法律案を提出するにいたった理由であります。
 次にこの法律案の具体的内容についてその概要を御説明申し上げます。
 まずこの法律案による給付金は、本邦内における昭和二十年九月二日から昭和二十七年四月二十八日までの占領期間中に発生した連合国占領軍等の行為等によって負傷し、または疾病にかかった者及び連合国占領軍等の行為等によって死亡した者の遺族であって、日本国籍を有する者に対し支給することとした次第であります。
 給付金の種類といたしましては、療養給付金、休業給付金、障害給付金、遺族給付金、葬祭給付金及び打切り給付金の六種類となっており、またその支給額は、療養給付金につきましては一定の基準を政令によって定めることといたしましたほか、休業給付金につきましてはこの法律施行前の休業期間六十日未満にあっては二千円、六十日以上にあっては五千五百円、この法律施行後の休業期間にあっては一日につき百二十円を乗じた額とし、また障害給付金につきましては労働基準法に定める障害の等級に応じて定めた一万八千円から十七万八千円までの額、遺族給付金につきましては定額十五万円、葬祭給付金につきましては同様定額五千円とし、打切給付金につきましても定額十八万円といたしております。
 なお、これらの給付金を現実に支給する際には、すでに他の法令あるいは行政措置により何らかの給付を受けた者あるいは受けることができる者に対しましては、この法律による給付金の額からこれらの相当給付金額を控除した金額を支給することとした次第であります。
 さらに、この法律に基づく給付金の支給を受ける権利の認定は調達庁長官が行なうこととしたのでありますが、調達庁長官の処分に対し不服のある者は六十日以内に不服の申し立てを行なうことができることとし、再審査の方途を講じております。この再審査にあたっては被害者給付金審査会を調達庁に設置いたしまして、調査審議せしめることとし、これによって万全を期することといたしております。
 またこの法律による給付金を受ける権利の時効は三年といたしましたほか、この給付金はすべて非課税とするとともに、給付金の権利については、譲渡、担保または差し押え等の行為を禁止し、権利の保護についても十分な配慮を講じております。
 なお、遺族の順位その他手続に関する規定等必要な措置を規定し、さらに細部の必要手続については、総理府令にゆだねることといたしております。
 以上、二法律案の提案の理由及びその内容の概要を申し上げた次第であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛成下さるようお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
#8
○中島委員長 この際、防衛政務次官笹本一雄君より発言を求められておりますので、これを許します。笹本一雄君。
#9
○笹本政府委員 過般の内閣改造に伴いまして、防衛政務次官を拝命いたしました笹本でございます。まことに浅学非才でありますが、誠心誠意精進するつもりであります。委員各位においては御支援、御鞭撻のほどを心からお願い申し上げまして、ごあいさつといたします。(拍手)
#10
○中島委員長 この際、林調達庁長官より発言を求められておりますので、これを許します。林一夫君。
#11
○林(一)政府委員 今回の異動によりまして、調達庁長官を拝命いたしました林一夫でございます。浅学非才であります。よろしく御指導、御鞭撻のほどをお願い申し上げます。(拍手)
     ――――◇―――――
#12
○中島委員長 次に、臨時行政調査会設置法案を議題とし、政府より提案理由の説明を求めます。川島国務大臣。
    ―――――――――――――
#13
○川島国務大臣 先般私は行政管理庁長官になりました。六年ほど前に、鳩山内閣当時同じく行政管理庁長官をやっておりました。その時代と今日と比較しますと、行政機構は非常に膨張いたしております。従いまして行政機構の内容その他につきまして検討を要すべき点も多いのでございます。どうか内閣委員各位の御鞭撻と御支援のほどをお願い申し上げます。
 今回提案いたしました臨時行政調査会設置法案の提案理由を御説明申し上げます。
 近時、経済の発展に伴い企業経営の改善はきわめて著しいものがありますが、これに比べまして行政の運営は、必ずしも時代の進展に即応していない面があることは一般に指摘されているところであります。このような事情にかんがみまして、政府といたしましては、昨年十月十四日行政運営の簡素能率化のため、行政諸法規並びに事務内容を徹底的に再検討し、不要不急事務の整理、簡素化をはかり、新規増員を極力抑制する方針を決定し、その具体的方策を行政審議会に諮問いたしましたところ、同審議会は、昨年十二月七日答申中において根本的な対策として、行政の体質改善のための強力な臨時診断機関の設置を提唱して参ったのであります。政府はこの答申の趣旨を尊重し、各界各層の知能を結集して権威の高い行政診断機関として、総理府に付属機関として臨時行政調査会を設置することとし、本法案を提出した次第であります。
 臨時行政調査会は、行政を改善し、行政の国民に対する奉仕の向上をはかる目的のために、行政の実態に全般的な検討を加え、行政制度及び行政運営の改善に関する基本的事項を調査審議し、その結論に基づいて内閣総理大臣に意見を述べ、または内閣総理大臣から諮問があった場合には答申する任務を有するものであります。従って臨時行政調査会設置の目的は、あくまで行政の根本的な体質改善をはからんとするものでありまして、公務員の人員整理のごときことを意図するものではありません。
 臨時行政調査会は臨時の機関でありまして、その存続期間は昭和三十九年三月三十一日までとしております。調査会の意見または答申の取り扱いについては、内閣総理大臣はこれを十分尊重しなければならないこととするとともに、国会に対して総理大臣から報告する道を開く規定を設けました。これは行政の改善問題については、政府がその責に任ずることはもちろんでありますが、あらかじめその問題点を国会及び国民に提示し、十分な協力を仰ぎたいとの趣旨にほかなりません。
 さらにこの調査会には、調査について他の諮問機関と異なる権能を持たせてあります。すなわち調査会は、行政機関、地方公共団体及び公共企業体等に対して資料の提出、意見の開陳、説明その他必要な協力を求めることができることは、他の諮問機関と同様でありますが、必要があるときは各行政機関についてはその運営状況を調査できる規定を設けました。
 また調査会の組織については、内閣総理大臣が両議院の同意を得て任命する委員七人をもって組織することといたしました。その他調査会に専門の事項を調査審議するため専門委員、調査に従事する調査員を置くことになっております。
 以上が本法律案を提出する理由であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに可決されますようお瀬い申し上げます。
     ――――◇―――――
#14
○中島委員長 次に、北方地域旧漁業権者等に対する特別措置に関する法律案を議題とし、政府より提案理由の説明を求めます。小平総務長官。
#15
○小平政府委員 去る七月、総理府総務長官を拝命いたしました。今後委員の各位に何かとお世話になることと思いますが、何とぞよろしくお願い申し上げげます。
 ただいま議題となりました北方地域旧漁業権者等に対する特別措置に関する法律案の提案理由について御説明申し上げます。
 歯舞群島、色丹島、国後島及び択捉島につきましては、わが国固有の領土であるにもかかわらず、昭和二十年八月以来わが国の施政権が及んでいないという特殊な状態に置かれております。このため、これら北方地域の地先の漁場において漁業を営んでいた旧漁業権者等その他北方地域の元居住者は、北方地域に復帰することはもとより、その周辺の漁場において漁業を営むこともできないという困難な状況にあります。一方北方地域において旧漁業法に基づく漁業権または入漁権を有していた者等については、前述のような事情に基因するものではありますが、本土において戦後とられた漁業制度改革に伴う漁業権補償の措置をとることができないため、本土側の旧漁業権者等に比し不利な地位にも置かれております。
 北方地域に関するこのような特殊事情及びこれに基因して旧漁業権者等の置かれている特殊な地位等にかんがみ、これらの者に対し特別の措置を行なうことにより、北方地域に関する施策を講ずる必要がありますので、北方地域旧漁業権者等の営む漁業その他の事業及びその生活に必要な資金を低利で融通する業務等を行なう機関として北方協会を設立し、これに対し国が所要の資金の交付を行ない、もってこれらの者の営む漁業その他の事業の経営とその生活の安定をはかり、あわせて北方地域に関する諸問題の解決を促進いたしたいと存ずるのであります。
 このような趣旨から、政府は、前国会に北方地域旧漁業権者等に対する特別措置に関する法律案を提出したのでありますが、審議未了となりましたので、今回これと同一内容のこの法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の内容について概略御説明申し上げます。
 第一に、この法律による特別措置の対象となる北方地域旧漁業権者等の範囲でありまして、その一は、北方地域の地先水面につき、旧漁業権またはこれを目的とする入漁権に基づき漁業を営む権利を有していた個人であり、その二は、北方地域において定置漁業権または特別漁業権の免許または貸付を受けていた個人または法人の構成員もしくは出資者たる個人であります。その三は、これらの者が死亡した場合における後継者であります。その四は、以上の者のほか、昭和二〇年八月十五日まで引き続き六カ月以上北方地域に生活の本拠を有していた一般元居住者であります。
 第二に、特別措置の実施の機関として北方協会を設立し、これに対しその業務の財源に充てるための基金として、十億円を国債をもつて交付することとしております。この国債の償還期限は十年、利率は年六分としております。
 第三に、協会の業務についてでありますが、その一は、北方地域旧漁業権者等に対する低利資金の貸付であり、これは個人に対する貸付のほか、北方地域旧漁業権者等と関係のある漁業協同組合その他の法人に対する貸付、その他北方地域旧漁業権者等の福祉の増進を主たる目的とする事業を行なう市町村への貸付をも予定しております。また貸付の対象となる資金の種類には、漁業その他の事業に必要な資金のほか、生活資金も含めております。その二として、北方地域に関する諸問題の解決の促進をはかるため必要な調査研究及び啓蒙宣伝を行なうこととしております。
 最後に、協会の解散及び解散した場合における残余財産の処分につきましては、別に法律で定めることとしております。
 以上がこの法律案の提案の理由及びその内容の概略であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
     ――――◇―――――
#16
○中島委員長 次に、大蔵省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、政府より提案理由の説明を求めます。天野政務次官。
#17
○天野政府委員 ただいま議題となりました大蔵省設置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由と内容の概略を御説明いたします。
 この法律案は、大蔵省の機構の一部を改正いたしまして、行政事務の一そうの適切かつ能率的な運営をはかろうとするものでありまして、内容はさきに第三十八回国会に提出いたしました法律案と同様であります。
 以下、その内容の概略について御説明申し上げます。
 第一は、主税局税関部を関税局とすることであります。最近におけるわが国貿易の急激な進展に伴いまして、税関の事務量は飛躍的に増加してきており、また為替貿易自由化の動きに伴いまして関税政策の重要性が高まって参りましたため、主税局税関部の事務量は量的にも質的にも著しく増大してきております。このような実情にかんがみ、この際、主税局税関部を独立の局に昇格して、政策面及び実施面の事務処理の効率的な運営をはかろうとするものであります。
 第二は、財務研修所及び会計事務職員研修所を設置することであります。前者につきましては財務局職員の資質能力の向上、能率増進をはかるため、従来主として大臣官房地方課においてその研修を行なって参りましたが、今般独立の付属機関として、研修内容の充実をはかろうとするものであります。また後者につきましては、各省庁における会計事務の改善に資するため、かねてから主計局において行なって参りました会計事務職員研修を、独立の付属機関として研修内容を一そう充実しようとするものであります。
 第三は、印刷局及び税関における官房の制度を改め、総務部とするものであります。
 最後に、最近の経済金融情勢の推移にかんがみまして、大蔵大臣の諮問機関である金融機関資金審議会の設置期間を昭和三十八年三月三十一日までといたしまして、その間、民間資金の活用の基本方針等について審議させることとしようとするものであります。
 以上がこの法律案を提出いたしました理由及びその概要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成下さるようお願い申し上げます。
#18
○中島委員長 以上で各法律案の提案理由の説明は終わりました。各案についての質疑は後日に譲ります。
 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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