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1961/10/25 第39回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第039回国会 内閣委員会 第10号
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1961/10/25 第39回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第039回国会 内閣委員会 第10号

#1
第039回国会 内閣委員会 第10号
昭和三十六年十月二十五日(水曜日)
   午前十時五十九分開議
 出席委員
   委員長  中島 茂喜君
   理事 伊能繁次郎君 理事 草野一郎平君
   理事 堀内 一雄君 理事 宮澤 胤勇君
   理事 飛鳥田一雄君 理事 石橋 政嗣君
   理事 石山 權作君
      宇野 宗佑君    内海 安吉君
      小澤佐重喜君    大森 玉木君
      海部 俊樹君    亀岡 高夫君
      白浜 仁吉君    辻  寛一君
      八田 貞義君    藤田 義光君
      藤原 節夫君    保科善四郎君
      緒方 孝男君    杉山元治郎君
      田口 誠治君    山内  広君
      山花 秀雄君    受田 新吉君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 福永 健司君
        国 務 大 臣 川島正次郎君
        国 務 大 臣 藤枝 泉介君
 出席政府委員
        人事院総裁   入江誠一郎君
        人事院事務官
        (給与局長)  瀧本 忠男君
        総理府事務官
        (内閣総理大臣
        官房公務員制度
        調査室長)   増子 正宏君
        行政管理政務
        次官      岡崎 英城君
        総理府事務官
        (行政管理庁行
        政管理局長)  山口  酉君
        総理府事務官
        (行政管理庁行
        政監察局長)  原田  正君
        調達庁長官   林  一夫君
        総理府事務官
        (調達庁総務部
        長)      大石 孝章君
        大蔵政務次官  天野 公義君
 委員外の出席者
        総理府事務官
        (行政管理庁長
        官官房秘書課
        長)      河野 勝彦君
        総理府事務官
        (行政管理庁行
        政監察局監察審
        議官)     井原 敏之君
        防衛庁参事官  麻生  茂君
        専  門  員 安倍 三郎君
    ―――――――――――――
十月二十五日
 委員小笠公韶君、加藤常太郎君、金子一平君、
 島村一郎君及び前田正男君辞任につき、その補
 欠として宇野宗佑君、藤田義光君、白浜仁吉君、
 亀岡高夫君及び海部俊樹君が議長の指名で委員
 に選任された。
同日
 委員宇野宗佑君、藤田義光君、白浜仁吉君、亀
 岡高夫君及び海部俊樹君辞任につき、その補欠
 として小笠公韶君、加藤常太郎君、金子一平君、
 島村一郎君及び前田正男君が議長の指名で委員
 に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 一般職の職員の給与に関する法律の
 一部を改正する法律案(内閣提出第四一号)
 特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する
 法律案(内閣提出第四二号)
 防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案(内
 閣権出第五〇号)
 臨時行政調査会設置法案(内閣提出第四号)
     ――――◇―――――
#2
○中島委員長 これより会議を開きます。
  一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案及び防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案の三案を一括議題とします。
 各案に関する質疑は昨日終了いたしておりますので、これより討論の申し出がありますので、順次これを許します。田口誠治君。
#3
○田口(誠)委員 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました一般職職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案外二件の政府案に対し、反対の討論を行なわんとするものであります。
 反対理由の第一点は、去る八月八日人事院より勧告のありました内容は金額についても上下の格差是正についても、切なる公務員諸君の要求ときわめて大きな相違があるからであります。言葉をかえて申しますなれば、人事院の勧告の内容は、資本家の低賃金政策と意を通じ賃金統制の思想の上に立って勧告された内容であり、きわめて政治的で。作為的で、かつ欺瞞的なものであることが、委員会の審議を通じて実証することができたのであります。人事院は勧告内容を理論づけようとするために民間賃金との格差是正をはかったと公表いたしておりますが、その事実は作為的としか思えない指数の出し方をしておるのであります。具体的に申し上げますなれば生計費の調査については、民間の勧労者世帯を対象として指数を出すのが当然であるにもかかわらず、全世帯を対象としておるのであります。申し上げるまでもなく全世帯とは国民全階層のことであり、この中には公務員労働者の世帯や、民間労働者の世帯、または失業者の世帯、それに生活保護を受けている世帯が包含されているのであります。これによるところの数字によって官民の賃金の比較を出すなれば、必然的に低賃金が仕組まれることとなるのであります。これのみならず、学歴、年齢、性別、経験年数等の異なるグループ間で賃金格差を算出する方式についても、労働者の立場から言いますなれば最大の方式であるパーシエ方式を希望するのでありますが、百歩譲って、常識的に算出するなれば、ラスパイレス方式とパーシエ方式の中間ともいうべき幾何比率のフイツシヤー方式をとるべきが、だれしも理解のできるところでありますが、これについても、一番不利になるところの最小のラスパイレス方式を採用しているのであります。さらに公務員の賃金を決定する一つの要素である十八才の成年独身者男子の賃金は、一定の消費水準を示す生計費として算出しておりますが、東京都における標準生計費を見まするに、昭和三十六年度は五人世帯四万三千四百円となっております。言うまでもなく生計費は、一人の場合の生計費は五人世帯の生計費の五分の一では生活はできないのでありまして、約四割増の生活費がかかるのが普通常識であります。それにもかかわらず高等学校卒業者の独身者の初任給を九千五百円に押えていることは、食えない賃金と知りつつ決定しているというこの矛盾を指摘せずにはおられないのであります。以上指摘いたしましたごとく、人事院の勧告は、正しい理論の裏づけとして公務員諸君を納得させる何ものもなく、国家権力者の賃金統制と資本家の低賃金政策への協力に終始し、はなはだしく自主性を失っていることを露呈いたしていることを私は知ったのでございます。
 第二の反対の理由は、この矛盾きわまる理論づけによる人事院の一人当たり一千七百九十七円、五月実施の勧告すらも尊重せず、十月実施に変更したことであります。政府は人事院勧告の五月実施を十月実施に、延ばした理由に、現下の経済諸情勢に、かんがみてと、一片の抽象的な表現で提案理由を説明申しておりましたが、これでは国民が納得のいくものではなく、十九日の内閣委員会での質問に対して、政府は、財源がないから十月に延ばしたのではなく五月実施とするなれば給料を遡及精算をしなければならない、遡及精算をすればインフレになるおそれがあるというような答弁をしており、また昨日二十四日の委員会では大蔵大臣は、自然増収の見込みがどの程度になるかという自信が持てず、今ではぎりぎり一ぱいだという表現で、昨年度と同様に金がないから出せないのだというような表現をいたし、言葉を悪く申しますなれば、のらりくらりのつかみどころのないところの答弁で終始いたしておったのでございます。それのみならず、四月や五月実施という人事院の勧告があっても、これは予算編成上の技術的な面からできないことであるというような、暴言に等しい答弁をしている。このことは将来の勧告に一まつの不安を与えたものであることを、私は遺憾に思っておる次第でございます。さらに、給与大臣の福永さんは、おれは人事院の勧告通り実施したいと考え、最後まで努力をしたけれども、総体的な面から、多くの意見で十月実施と閣議で決定されたのであるから、よろしく了解して下さいと、きわめて低姿勢の答弁で、だれ一人として五月実施を十月実施に延ばした正当な理由、無理にでも納得のできるような答弁はなかったのであります。
 私はこのことをきわめて重大なことであると思うのであります。このことによって、公務員諸君の賃上げ闘争にますます拍車をかける結果となることを憂うるのでございます。公務員の労働組合からスト権を取り上げ、その代償として設置され、公務員の給与、勤務条件の改善に責務を持つ人事院という法的な制度が、曲がりなりにも結論を出し、政府に対し勧告をした勧告内容が守られない場合は、国民の前にその理由を明確にしなければならないと思うのであります。そして曲がりなりにも公務員諸君に理解と納得をさせる必要があるのであります。このことをしなければ、国家公務員法の一条一項に示されているごとく職員がその職務にあたり最大の能率を発揮し、または国民に対して公務の民主的かつ能率的な運営をはかるということの保障が困難になるからであります。
 今日ここであらためて申し上げるまでもなく、御承知の、通り公務員諸君は、人事院の勧告を不満として、公務員共闘会議の名のもとに、果敢な戦いをいたしております。そして政府が人事院勧告すらも実施しないこの不道義な態度に憤激をして、ますます大がかりな戦術と行動を行ない、また行なわんとしておるのでございます。私は思いまするに、この闘争は、年末、春闘にかけて相当憂うべき戦術が行使されることが予期されるのであります。政府はこの事態を重要視して、これを何とか収拾するために、公務員諸君と十分に話し合いをされ、事態を円満に解決するよう努力されることを強く希望するものであります。この闘争がますます深刻化し、憂うべき事態になるような場合には、その責任はあげて政府並びにこの案に賛成される政党にあることを明確に申し上げて、私の反対の意見にかえる次第でございます。
 (拍手)
#4
○中島委員長 受田新吉君。
#5
○受田委員 私は民社党を代表して、ただいま採決されんとする給与関係の三法案に遺憾ながら反対せざるを得ない理由を申し上げたいと思います。
 この一般職の職員に関する給与関係の法律案を長らくながめて参りますと、もともと一般職の給与が人事院によって立案をされ、政府によって法律化されておるという手続がされておるのです。特に公務員の場合は、一般の民間労務者のような罷業権等の強権もなく、その身がわりとしての機関である人事院によって、勤務条件、身分の確保、不幸な措置をされた場合の救済措置、こういうものが守られておるのですけれども、人事院のこの重大な権能がとかく政治的にゆがめられてきておる具体的な例を、幾つも私たちは指摘せざるを得ません。人事院という機関が公正な立場でその大役を果たしていただくならば、人事院を尊重し、人事院の権能を擁護する立場でやってきたわれわれといたしましては、どのような御協力も申し上げたい。しかしそうした人事院の権能が政治的にゆがめられるというような具体的な事象を拝見するときに、少なくとも私どもは人事院という機関に対する信頼をある程度失わざるを得ないのであります。特に今回の法案の内容を拝見しますと、初任給の場合におきましても調整手当、あるいは科学技術者に対しても同様な立場がとられておりまして、法律の体系としてはこそく的であってはっきりした原則的なものを打ち立てるような筋を通してお出しいただくべきであったということ、また民間給与との比較などにおきましても、人事院がちょっと御都合主義に陥ったような比較の面もありますし、一部の試験採用の人々に昇進のテンポを速めるような意図も見受けられるような内容もあります。一般公務員に希望を与えて、一般公務員でも最高級の次官、局長にでもなれるのだという、そうした道を開くような内容をお示し願いたかった。
 またこの法案に対しまして特に政府としてお考え願いたいことは人事院の機関を尊重される立場からは、人事院のせっかくお出しになった――たとい欠陥があろうとも公務員の立場を守る唯一の機関としてのその機関がお出しになったものは、うのみにされるべきである。政府はしばしば人事院の勧告を尊重すると言っておられる御趣旨の上からも、特に人事院のお出しになった原案をそのまま国会に提出していただく、そういう法律案の作成方式をおとり願いたかった。そういう意味で問題は政府の実施期にかかっておることを、特に私は指摘いたしたいのであります。今までの勧告案と法律案とをながめてみますと、やや前進した過程を見受けることができます。以前は勧告がすみやかにという言葉であったのが、はっきりと五月からと指摘されておること、また政府としましても、すみやかにという言葉に対応して翌年の一月あるいは翌年の四月から実施したものを、十月から実施するというような一歩前進した跡は見受けられます。しかしながらこの五月を十月におくらした理由は、この委員会の答弁を通じても明瞭にすることができません。少なくとも勧告されたものがそのまま法案となって出る、こういう原則だけは打ち立てておかないと、国会の権威も、政府の権威も、人事院の権威もみな傷つけられるおそれがありますので、この法案を提案された機会に、実施期については勧告通りというりっぱな原則を打ち立てていただきたかった、それがこわされておるのであります。
 以上、人事院の権威を尊重するように人事院は大いに御努力を願いたいと考えたことに対する一まつの不満があること、また人事院の機関を尊重し、人事院を廃止しようという空気に対しても、これを擁護した立場にあるわれわれといたしましては、せっかく人事院が出した案をそのままうのみにされるという政府の方式がとられてないということこの二つの柱がわれわれに非常に大きな不満を与えていることをここで申し上げておきたいのであります。
 なお特別職の問題、あるいは防衛庁の職員の問題につきましては、一般職と比較してどこかに特別のニュアンスを織り込もうとした独特の法案をお出しになっておられます。これは人事院の機関を離れた全くその職場における御立案である関係上、独走しておる傾向があります。特別職のあの法律案に盛られた俸給表の基礎なども、明確な見解をつかむことができません。また防衛庁の職員の俸給表を拝見いたしましても、一般職と比較してはなはだしい相違点を発見するのであります。こういう点におきましても、同じく国家公務員であるという立場からは、一般職や特別職も少なくとも公平な基準で法案が出さるべきであったと思います。こういう点におきましても、しばしば申し上げておることがこのたびも実行されないで、一般職と特別職の間にばらばらな法案が出されておるといううらみをここに露呈しておるのであります。この点におきましても、私たちは政府間における連絡調整に事を欠いて、セクト主義が露骨に現われておることを指摘せざるを得ません。
 以上、三案の採決にあたりまして、民社党としては人事院の機関を尊重し、人事院に大いにがんばってもらいたいと思っておるわれわれの期待を裏切った提案がされておること、またそれに対する処置において政府が国民に納得させられないような時期的なズレをもって、実施期をおくらせて御提案になっておるということ、こういう点においてまことに遺憾でございますが、今後のこういう法案の提出の一つの御反省の資料ともなるべき数々の点を指摘いたしまして、この三案に対して反対の意思を表明する次第であります。
#6
○中島委員長 これに討論は終局いたしました。
 これより採決に入ります。一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案及び防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案の各案を一括して採決いたします。
 各案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#7
○中島委員長 起立多数。よって、各案はいずれも可決いたしました。
 なお、ただいま議決いたしました各案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○中島委員長 御異議なしと認めます。よってそのように決しました。
     ――――◇―――――
#9
○中島委員長 引き続き臨時行政調査会設置法案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石橋政嗣君、
#10
○石橋(政)委員 調達庁の機構問題について若干防衛庁長官にお尋ねをしたいと思います。この問題につきましてはかねがね国会が開かれますたびにお尋ねをして参ったわけございますが、最近どうにか防衛庁と調達庁の間で話し合いが煮詰まってきて、仮の名を防衛庁施設庁と名づけておられるそうでございますが、そういうものを新しく作ろうという構想がまとまってきているというようなことを私ども聞いておるのでございますけれども、そういうことが事実なのかどうか、その辺からまずお尋ねをしてみたいと思うわけです。大体どの程度の話し合いがついておるのか。特に次の通常国会にまとまったものを法案として提出する意思を現在お持ちになっておられるかどうか、そういうことも含めてお答えを願いたいと思います。
#11
○藤枝国務大臣 お話のように調達庁と防衛庁の合体と申しますか、そういうことにつきましては、かねがね国会でもいろいろ御論議があり、また現在の基地等の施設の重要性にかんがみまして、米軍の施設といわず、自衛隊の施設といわず、これらを一元的に能率的に取り扱うのが妥当であるという観点からいたしまして、この問題を具体的に研究をいたさせておるわけでございまして、名称等はまだ別でございますが、いずれにいたしましても、早急にこの問題をまとめ上げたい。もちろん行政管理庁の御意見等も伺わなければなりませんが、防衛庁といたしましては、通常国会にその取りまとめました案を御審議いただきたいという気持を持ちまして、鋭意研究を進めさせておるわけでございます。まだ具体的に事務的に煮詰めるべき点も数点ございますので、それらを取りまとめた上で、成案を得たいと考えておる次第でございます。
  〔委員長退席、草野委員長代理着席〕
#12
○石橋(政)委員 大体作業が相当進んでおられるようでございますが、それに関連いたしまして、肝心の調達庁の職員の諸君は、不安を持ち始めておるようです。本来調達庁職員の不安を解消するために、この機構の問題が取り上げられておると私どもも理解しておるのですが、出発点としてはそういう気持で取り組んでおられると思うのですけれども、結果的には逆に不安をかき立てておる、そういうのが現状ではないかと思うのです。
 そこで大体まとまりましたことについては、なるべく御説明を願いまして、そういう不安を解消するように、一つ大臣としても努力していただきたいと思うわけでございますが、そういう意味で私の方でお尋ねをしてみたいと思うわけです。
 まず最初にどういう名称か定まっておらないとおっしゃっておられるのでございますけれども、この統合の方法が調達庁を防衛庁に完全に統合してしまおうという、そういう基本的な考えの上に立って進められておるのか、それともそうではなしに、防衛庁内の一部の機関、われわれが聞いておりますところでは建本のような機関を逆に防衛庁の方から持ってきて、調達庁と一本にしていこうという基本的な考えの上に立っておられるのか、それとも全然別個なんだ、調達庁あるいは建本というものを離れて、新しいものを一つ作ろうというふうな構想の上に立っておるのか、この辺がまず明らかになっておらないので、この基本的な構想がわかりますと、大よその見当もついてくるわけでございますので、その辺をまずお尋ねしてみたいと思います。
#13
○藤枝国務大臣 なお研究の余地はあるところでございますが、大体の傾向としては防衛庁の方に調達庁の今の職務を合体するという方向でございますが、それが完全に、たとえば防衛庁の建本というような機構に一体にするということではなくて、そこに新しい機構を考えていくということが最も妥当ではなかろうかと考えておりまして、大体その方向で研究を進めておるような次第であります。
#14
○石橋(政)委員 その場合に、結局不安が出てきておると、私申し上げたのは、一つは現在あります二つの機構が合体する場合に、どうしても管理部門その他重複する面が出てきて、人員整理というようなものが大量に現われるのではないか。これが懸念の一番大きな根拠になっておると私思うわけなのです。その点大体現在の作業を進めていくと一時的にどの程度の、人員整理が予定されておるのかその辺を一つ……。
#15
○藤枝国務大臣 まだ先ほどから申しましたように研究段階で、そこまで進んでおりませんが、私の気持としましては、最初に御指摘になりましたように、この統合の問題はいろいろ事務的な能率の問題もございますが、一つは調達庁の職員諸君の身分の安定と申しますか、地位の安定ということもねらいの大きな一つでございます。従いましてこの統合によりまして、調達庁職員の整理をしなければならないというようなことにならないように努力をいたしておる次第でございます。
#16
○石橋(政)委員 実質出血は伴わないようにしたいということだと思うのですが、配置転換その他は当然出てくるというふうに予想されるわけですが、その点はいかがですか。
#17
○藤枝国務大臣 あるいは場合によりまして、配置転換というようなことは考えなければならない面も出てくるかとは存じますが、先ほど申しましたように、できるだけ現在の身分を安定しつつ統合を果たしたいというのが私の気持でございます。
#18
○石橋(政)委員 それからもう一つ心配しております点は、公務員としての身分上の問題だと思うわけです。これは調達庁を防衛庁の外局に移管するという問題が出て参りました場合にも、私どもも懸念いたしまして、当時岸総理でしたかにわざわざ念を押しておった点でございますが、当時の政府の答弁といたしましては、身分上の変更を加える意思は全然ない。あくまでも調達庁職員は従来の一般職としての身分を確保して、そして防衛庁の外局になるだけなのだということでございましたが、今度の場合も当然この問題がまた出てきておるわけです。この機構の統合が推し進められていくと、勢いまた従来確保されてきた一般職という身分が防衛庁の職員並みの特別職になって、交渉団体も作れないのではないかということも、大きな不安の原因になっておるようでございますが、この辺のところはどういうふうにお考えになっておりますか。
#19
○藤枝国務大臣 当時の岸総理あるいは津島防衛庁長官がお答えになりましたのは、調達庁が現在やっておりますように米軍の施設の管理、調達あるいは労務の関係もございますが、そういう形で防衛庁の外局になる。従ってそういう職務の内容もあるいは身分関係も動かないということをお答えされたのだと私は承知しておるのでございます。今回統合をいたしまして、労務は別といたしまして米軍の施設も、また自衛隊の施設も、同時に一括して取り扱うということになりますと、その点は、調達庁がそのまま防衛庁の外局に入ったということは性格が変わって参るかと存じております。しかし、その辺はさらにもう少し研究を進めて参らないと、ここで特別職にするのだ、あるいは一般職でそのままでおるのだということを確定的にお答えする段階ではないわけでございます。
#20
○石橋(政)委員 そこのところが少しはっきりしないのでございますけれども、現在防衛庁において補償業務の処理に当たっておるのは、主として制服の諸君だというふうに聞いておりますが。これは間違いございませんか。
#21
○藤枝国務大臣 自衛隊の施設についての補償業務は、主として制服がこれを取り扱っております。
#22
○石橋(政)委員 そうしますと、自衛隊において直接国民に対して加害者の立場に立つのがこの制服の諸君だと思うのですが、これの補償業務もまた制服の諸君がやっている、こういう形になっていると思うのですが、この辺は加害者の立場に立つ制服が、みずからこの被害者の補償の業務に携わるというのはあまり理想的な形ではないのじゃないか、やはり補償業務は、制服を着ていない人の方にやらせた方がいいのじゃないか、そういうふうに考えていますと、自衛隊の補償業務というものを切り離して調達庁に持っていく、こういう構想も当然成り立つわけでございますが、一つ身分の保障の問題と関連して十分にこの点は御検討を願っておきたいと思うわけです。
 そこでちょっと参考までに、事務当局でけっこうですけれども、防衛庁が取り扱ってきた最近までの特損関係の補償業務の処理件数、金額、おわかりですか。わからなければあとで資料で出していただいていいです。
#23
○草野委員長代理 資料の持ち合わせがないそうですから、あとで……。
#24
○石橋(政)委員 それではあとで一つ資料を御提出願いたいと思います。私どもも前々から、先ほど申し上げたように、調達庁の将来の問題というものには多大の関心を持って参ったわけです。これについて政府側も、最近とみに建設的に御心配下さっておることはまことにけっこうだと思うのでございますけれども、逆に不安をかき立てておるような現状はまことに残念だと思うのです。そういうところから、前々から主張しておりました諸官庁の一括調達というような問題を、もう一回振り返って御検討願った方がいいのじゃないかというようなことを、この間川島長官にも申し上げましたところ、それは確かに検討の価値もあるように思うからという御答弁をいただいておるわけです。特に前行管長官の小澤さんは、この問題を積極的に考えておられたようで、私どもの質問に対してではなしに、みずから答弁の際に、そういう構想をお述べになっておられました。私どももこの構想は大賛成でございます。どれだけ冗費が省けるか、そういう意味において、各省庁が独自の立場でやっております調達なり、あるいはばらばらの形で行なっておる補償業務なり、そういうものを一つの役所が統括してやる。しかもその柱として成り立ち得る調達庁、そうしてその職員は熟練の職員を持っておることでもあるし、これを生かす点から計っても非常にいいのじゃないかということを前々から言っておったわけでありますので、その辺をもう一度、やはりそういう構想を含めて御検討を願いたいということを申し上げておきたいと思います。
 なお従来調達庁の職員が、調達庁が防衛庁の外局になってから三年になるわけでありますが、その三年間にすでに六百五名整理されておると聞いておりますが、防衛庁に行けば首切りはないだろうというような期待を持っておそらく行ったのだろうと思いますが、現実は六百人も首を切られておる。しかしその切られた中でも大半の者は配置転換で救ったではないかという言い分がおありだと思いますが、調達庁から防衛庁に移った人がずいぶんおるわけです。ところがこの職員の人たちの中にもまたいろいろな不満があるようです。私率直にそれを取り次いでみたいと思いますが、防衛庁においては、各出先機関あたりに多いと思いますが、主要のポストをいわゆる制服組が占めておって、いわゆる文官はその下に配置されて、六等級の職員でもコッピー取りをやらされたり、雑用をやらされたりしている。全く責任のある仕事なんかしていないというような人が多い。こういうようなことは非常にむだでもあるし、いかにも、もうお前用がないからやめたらどうかと言わんばかりの態度をとられるわけです。そうすると調達庁では首を切られるから防衛庁に配置転換をして、ここなら大丈夫と恩着せがましくやってこられても、行った先においてそういうような扱いを受けたら、これはまことにおもしろくないということは十分御理解できると思いますが、そういう例はないという自信がございますか。私の方には訴えがきておるわけでありまして、そういうようなことをやっていいものかどうか、非常に疑問を持っておるわけでありますが、一つ大臣の御感想なり御決意なりをお聞きしたいと思います。
#25
○藤枝国務大臣 具体的な例につきましては、私もはなはだ不敏でありますが、まだ存じておりません。ただいずれにしましても職務が、転換されまして、あるいは本人の専門的な能力等が十分に発揮できないでおるというようなことが絶無だとも私は考えないのでございます。そういう点を、考えますと、今後の心がまえといたしましては、できるだけ現在の地位を安定させて、そうして本人の本来の専門的な知識が十分に生かされるようなことにいたさなければならぬと思います。御指摘の点等はまた十分調査をいたしまして善処をいたして参りたいと考えております。
#26
○石橋(政)委員 こういうことはむだですし、またおもしろく働かせるということも考えなければならぬという立場から言っても、ぜひ十分に御注意願いたいと思います。そのほかにも訴えられてくる不満がいろいろあります。
 防衛庁では、文官の場合も五十五才で実質的に定年制をしいておるのかどうか。現実にはそれをやっておるということですか。それから女子職員の場合は、もう勤続年数が五年になるとやめろと言わんばかりの勧告がしきりに行なわれるということも聞いておるわけですが、そういうこともあるのか、その辺も一つお聞きしておきたいと思います。
#27
○藤枝国務大臣 せびろと、いいますか、文官の方につきまして、今御指摘のようなことは万々ないと私は考えております。なお十分注意はいたしますけれども、現在までさようなことをやったことはないと心得ております。
#28
○石橋(政)委員 私どもが聞いた範囲では、主として出先がおもだ、しかもその主要なポストは制服が占めておると聞いているわけですけれども、制服といえば自分では軍人のつもりでおるが、そのやり方はまことにいやらしいやり方じゃないかと思われるようなことがたくさんあるわけです。大臣もよく実態を把握されて、そういう下部の末端の人事などにも気を配られて、少なくとも職員の諸君が気持よく国のために働くという意欲を燃やし得るように、そういう環境を作ってやるように十分御注意を願いたいと思うのです。一方的に定年制をしいて、いわゆる普通にいわれる肩たたきというか、もっと露骨な形かは別としてやめさせていく。女子職員などは五年も経過したらやめろといわんばかりの扱いをする。そういうものの参考に供するために勤務評定をやる、あるいはやめさせようと思う者に対して全くむちゃな強制配置転換をやる、そういうようなことがずいぶんあるようでございますので、大きな問題ももちろん大臣の任務としてやらなければならぬわけでございますが、こういうところまで気を配っていただきたいということを、申し上げて、一応私の質問を終わりたいと思います。
#29
○藤枝国務大臣 人事管理については、十分細心の注意を持ってやらなければならないことは申すまでもございません。さらに各方面を注意をいたしまして、人事管理の全きを期したいと存じておる次第でございます。
#30
○草野委員長代理 次に山内広君。
#31
○山内委員 実は私もあまり勉強がまだ進んでおりませんので、思い違いの質問もあろうかと思いますから、御指摘いただきたいと思います。
 まず最初にお尋ねしたいことは、行政審議会が、第五次の答申をされまして、その答申に基づいて今度臨時行政調査会を政府は組織しようと決意されたわけであります。そこでこの行政審議会のお出しになりました答申案を目を通して見たわけであります。この審議会はわざわざ御苦労されまして作られたものでありますから、私はあえてこれにとやこう申し上げる失礼はしょうとは思いません。しかしながらこれは生みの親になっておりますから、これがもし不良な子になったり鬼子になっては困るので、この基礎について若干お尋ねしておかなければならぬ、こう思うわけであります。実は「行政運営の簡素化能率化について」という復申を添えました第五次の答申案はごく短いものであります。大きな活字にして百行足らずのものであります。これを読んでみまして、その次に政府の調査会を設置するに至りました提案理由を実は読んでみました。ところが非常にこれは相違のあるのに実は驚いております。全然ニュアンスも違う、内容も違う、非常にたくさんの疑義を実は持ったわけです。そういう意味でこれから逐次その点についてお尋ねしていきたいと思います。
 まず最初の一点でありますが、今度川島さんが長官になられて説明がありましたが、前回の国会では小澤大臣が説明をされた。大臣がおかわりになっておりますので、あるいは御存じない点かとも思いますが、これは事務的というよりも、事務次官もおいでのようですから御答弁があっていいと思います。
 実はこのお二人の提案理由で一つ非常に大切な点が相違しております。それはどういう点かと申しますと、前の国会のときは補足説明ということで、実はこの調査会は首切りを考えていないということを日を改めてはっきりと明言されております。しかもこの中では「政府は」という言葉を使いまして「政府は人員整理を行なうことは全く考えていないということでございます。」ということを補足説明でされております。ところが今度川島長官の御説明ではこの「政府」という言葉を、「公務員の人員整理のごときことを意図するものではありません。」こう書きかえられておる。あとの全文はどの字句もよく読み合わせてみましたが、同じものであります。これは必ずやお考えがあって、変えられたと思うのですが、どういう御見解か、これをまずお聞きしたいと思います。
#32
○川島国務大臣 実は私は小澤長官時代の提案理由を読んでいない。私が先般ここで申し上げました提案理由しか了承していないのでありますが、公務員の整理をすることは臨時行政調査会の目的でもなし、またそういう意図のないということをはっきり申し上げたわけであります。「政府」ということとどういうふうに意味が違いますか、法律上の用語は存じませんから、一つ事務当局からその点は説明いたさせます。
#33
○山口(酉)政府委員 用語の点につきましては、政府の提案理由を申し上げたわけでありますが、内容は同一と考えていただいてけっこうだと思います。
#34
○山内委員 私は別に人を疑うわけではありませんけれども、これからだんだんと議論を進めていくうちにこれは非常に明らかになって参ります。しかも公務員の人員整理は考えていないということは、確かに政府はそう悪意だとは思っておりません。その通りのお考えでやられていると思う。ところが答申されるのは、行政調査会という別個の機関がどういう結論を出してくるかわからない。公務員は数が多過ぎるからここは何名に減らせ、こういう答申が出された場合、総理大臣はその意見を尊重しなければならないという義務までを付加しておるわけです。そうなれば前の長官のときの場合はまだこれで、政府は人員整理をやらないということを言ったじゃないか、しかるにかりにそういう拘束を持つ調査会が結論を出した場合、不都合だという攻め手は若干あるわけです。ところが今度の場合は「公務員の人員整理のごときことを意図するものではありません。」と言っておる。考えていないだけでは、調査会がもし公務員の人員整理をやってきた場合、政府は公務員の人員整理というものはやらぬけれども、これは実はやらざるを得ないでやりましたという口実は、今度は私どもの立場からは政府に攻め手がなくなるわけです。この全文を全部前と同じように書かれながら、ここだけを意識的に変えられたということは、三年の時限立法ですから三年後に出された場合、こういう語句の問題の争いに――私おるかどうかわかりませんけれども、なった場合に、公務員の人員整理はやらないのだ。ところであとで私は詳しく申し上げますけれども、そういう意味でもきめ手がなくなってくる、こういう意味で意識的に変えられたのではないか、将来もちろん人員整理を含む調査会の結論を期待しておるのではないか、そういう点でもう一点長官に念を押しておきたいと思います。
#35
○川島国務大臣 政府と読みかえられて御了解願って差しつかえないのであります。今度の行政調査会のねらいというのが、人員整理では全くないのでありまして、国民のサービスを向上するために行政を簡素化、能率化しょうというのでありますからして、絶対に人員整理ということを意図しておりません。これははっきり申し上げたいと思います。
#36
○山内委員 はっきりした長官の御答弁があったわけですが、それではこの行政審議会の出されましたこの答申案の内容についてちょっとお尋ねしておきたいと思うわけでございます。短い文章でありますけれども、これを長官はお読みになってどういうふうにお受け取りになったかわかりませんけれども、私はこの答申案は非常に公務員の数が多いということを指摘したと見ておる。その理由はこれからだんだん申し上げていきたいと思います。それでせっかくりっぱな万々がお出しになった答申案に、決してけちをつけるわけではない。さっきも申し上げた通りですね。ただこれをずっと読みますと、結論的に言うと、私は大きなねらいが二つあると思う。これをぐっと詰めてしまいますと、一つは今公務員がやっておる政府の仕事で、できるものは民間に全部移譲してしまえという強い要請がある。これが第一点。しかもこの中にはずいぶん大胆卒直な表明をされております。たとえば第一点の方でごらんになっていただきたいと思いますが、こういうことを指摘されております。「国の事業または事務で、」あとは省略してもよろしいのですが、地方公共団体に移譲または民間方式を取り入れること、その次「なお、公共事業等は、民間請負を原則とすること」とうたっております。少なくとも今後増加するものについては、すべて請負とすることを建前とする、公共事業を全部民間にやってしまえということであります。長官はそのことをどうお考えになるのか。行政に何らの支障もないのか、政府の方針と矛盾するところはないのか、請負にやることが能率が上がるのか、それが国の繁栄に役立つのか、一つこの点、長官の御意見を聞きたいと思います。
#37
○川島国務大臣 前小澤長官時代に本案を提案いたしました。むろんその動機の一つといたしまして、行政審議会の答申によること言うまでもありませんが、しかしそればかりでないのでありまして、現在の行政機構というものがきわめて複雑多岐でありまして、何らか抜本的の改組をする必要に迫られておるときでありますからして、答申もあったことでもあり、おそらく小澤長官としては提案をしたのだろうと思います。答申は答申といたしまして、政府が臨時調査会を提案する以上は、あとは政府の責任においてこれをやるのでありまして、この答申案に盛られておる事項は一応調査の対象にはなります。なりますけれども、これを遂行するために調査会を作るのではないのでありますからして、十分検討いたしまして、臨時行政調査会を作った目的に沿うような運営の仕方を、新しい調査会にしていただきたい、こう考えておるわけでございます。
#38
○山内委員 今長官は非常に大事なことを御発言があったので、それはまた次にお聞きしますが、前にお尋ねした公共事業全部民間にやれということを野放しで、行政審議会は政府に非常に強要といいますか、要請しておる。このことがはたして政府の仕事とどういう関係を持つのか。公共事業という相当の国の仕事を全部民間に原則としてやれ、今後ふえるものはすべてが請負なんだ、業者にやらせるのだ、直営はまかりならぬという答申なんであります。こういう行政審議会の答申をうのみにしていいものかどうか、その点私非常な不安があるわけです。実例もありますので、申し上げてもよろしいのですが、もう一ぺんお聞きしておきたい。
#39
○川島国務大臣 私は不敏にしてまだそういう点に対する研究が足りないのでありますが、公共事業全部を民間に移すか移さぬかということは、これは非常に重大なる政治問題でありますから、そういうものを取り上げて今度の調査会で検討して参ろうと思っております。私ども役所といたしましても、またこれは役所でない政党自体も、自由民主党でも社会党でも政党自体も、すべてに、御研究願う問題でありまして、ここで結論的にどうと申し上げることは困難でないかと思うのであります。
#40
○山内委員 いや、実はこの説明は行政審議会もりっぱな方々が委員になって出された結論でありますから、私も尊重したいのでありますけれども、公共事業を全部請負でやれというこは少し冒険ではないか。しかも国の行政としては逆な面も私はあると思う。ということは、たとえば公共事業というのは説明するのもおこがましい話ですけれども、いろいろな国の政策というものはこの中に入っていかなければならぬ。たとえば失業者のために失業対策をやる。そうすると公共事業を起こして、そうして何%の失業者はこの中へ入れろという法律もあるわけです。ところが民間に請負でやらせると、こういうことができない。なかなかやらない。能率が上がらぬとかなんとかいうことで、せっかく失業対策として考えたものが消えてなくなってしまう。それではうまくないから、逆に直営でもって多少能率が上がらぬでも、一つの社会政策として失業対策でやる事業だから、それを一つ直営にしてやろうという考え方も、私りっぱな考え方として成り立つと思う。ですから、これを見ますると、野放しで何か請負をやることだけがいいように書いてあるけれども、これは決してあなた方の政府がおやりになっても野放しではできないことではないか。こういうことをちょっと御注意を申し上げたわけです。
 そこで今大臣から大事な御答弁があったわけですが、この行政審議会の答申案そのものを実行するのではないのだ。新たにできる行政調査会そのものが、いろいろなスタッフを集めて、これから研究し、そうしてどうすることとがいいのか、一つ立案研究してこれからやっていこう。私は実はその点をほんとうは聞きたかったのであります。御答弁のある前に……。そうしますとせっかく答申案が、こうして何日も御努力になってりっぱな方々が協議された、このことは無視されていい、このことは何も拘束を受けないのだ、全然白紙になって新たに調査会はこの行政運営の簡素化、能率化のために立案するのだ、そう理解してよろしいのですか。これは何か大へんなことのように思うのです。
#41
○川島国務大臣 行政審議会の答申案の内容は、調査の対象にはなります。なりますけれども、これに拘束されて、この範囲内で調査するのではないのでありまして、もっと高い見地に立ちまして、日本の行政全体を再検討しょう、こういうことでありますからして、それに拘束されるという意味は全然ございません。ただこれは調査の対象になるということだけははっきりしております。
#42
○山内委員 どうもその言い方もちょっと私おかしいと思うのですけれども、たとえば結論だけ、これはこの行政審議会の立てた結論に従って今度調査会というものを政府はお考えになったのでしょう。そういうふうに書いてあるのだから……。そうしますと、この結論に行政の体質改善のための強力な臨時診断機関の設置を要望された答申案の結論だけはとって――そうするとここに至るまで行政審議会がいろいろ考えてこられて四つの柱を打ち立てておりますけれども、そういうことが無視されて結論だけを持ってきてやるということは、これはまたむだなことでもあり、何か行政の簡素化を建前とする行管の仕事からいえば、りっぱな行政審議会というものが苦労して案を立て、そして答申されたものを、過程は全部無視してしまって、結論だけで強力なものを作るというのも、何かちょっと矛盾があるように思いますが、その点はいかがですか。
#43
○川島国務大臣 臨時行政調査会を設置しようと考えました一つの動機は、行政審議会の答申に、ありますけれども、しかし法案を出すについては政府の責任で出すのでありまして、政府といたしましてはたとい答申がなくとも、現在の行政機構というものが非常に複雑でありまして、国民に非常に不便をかけていますからして、この際抜本的に改善しようという考えがありました。それと二つの理由で出したわけでありまして、ただ答申があったからそれだけにこだわって出した、こういう意味ではないのであります。
#44
○山内委員 それをあまり議論しますと行政審議会にも失礼になるようでありますから、その点はまず一応伏せることにいたします。
 ただこの行政審議会の答申を見ますと、第四番目には、国会関係の業務が行政事務を妨げている、抽象的ではありますが、そういう指摘もあるわけです。これは非常に一般的で抽象論でありますから、このことはまた機会があったらお聞きすることにしまして、こういうことの念を一つ押したいと思います。
 行管も誕生してからかれこれ十年くらいになると思います。そしていろいろな仕事をおやりになり、そしてその結果は答申の文書でもってわれわれの前に明らかになっておるわけであります。これを「行政監察からみた行政の問題点」という非常に分厚いもの、これも実はゆうべ私の手元に届いたばかりで、内容はもちろん読むいとまはないのですが、この目次だけをずっと拾ってみましても、相当行政の核心に触れた非常な努力の跡と、ここから結論が出ると私は思う。これ以上どういう方法でお調べになるかわかりませんけれども、調査会というものを新たに設けて、そしてそのスタッフでもってかりにいろいろなものを研究されても、これ以上のものはないのじゃないか。しかもこれは時限で三カ年、昭和三十九年までに結論を出すことになっておる。そうするとおのずと資料というものは、今まで行管の職員の諸君が集められたそのものを、ただどういうふうに使うかという使い方の問題だけじゃないかと思います。こういうことでこれ以上どういうふうにお調べになるのか、この調査会の運営について少し構想がありましたら、これは事務的なことですから長官でなくてけっこうですから、一つ答えていただきたい。
#45
○山口(酉)政府委員 ただいま御指摘のように監察でいろいろの問題点は出ております。その問題点を今後改善していくというために、どういうふうに直していくべきかという問題につきましては、これはやはり相当外部の人の専門家的な意見を取り入れる必要があるというのが、今度の構想の一つの重要なポイントであります。そこで、もちろんこの監察の結果は利用されるわけでございますが、さらにその上に独特の外部の人たちの構想に基づく調査を加えて、前向きに積極的に改善方法も出していきたい、かような考え方でございますので、今度の調査会におきましては、専門調査会の方をお願いをいたしまして、大体この前長官からも御答弁申し上げたのでございますが、調査会が発足しましてからあるいは調査会の御意見によって多少変えられることはあると思いますけれども、ただいまの構想では、ほぼ四つないし五つくらいの専門の調査部会を作りまして、それに専門の相当学識の高い方々を配属いたしまして、その下に手足として調査員を、これは主として行政管理庁が協力するようになると思いますが、政府機関の方から加えて、それによって調査を進めていく、かような考え方でおります。
#46
○山内委員 考え方としてはそういう御答弁だと思うのですが、私はなかなか人を得られまいと思うのです。委員が七名、専門委員は何名か、これには書いてございませんが、それに調査員と、大体ここは、この予算の概要をもらっておりますので、各庁から供出される方々の人数も大体わかります。ただこういうふうにして各庁からエキスパートの方々がお集まりになるのでしょうけれども、寄り合い世帯にしてしまって、ここで行政の簡素化をみんなして相談しょうといっても、ここがなわ張りの温床になるのじゃないか。そうでなくとも、この広い中で、この前何かのときに私も指摘しましたけれども、確かに各官庁のなわ張りというものは行政の能率を妨げていると思います。けれども、集約されてここに集まった人たちが、お互いに自分の出てきた先のあれをやったら、これは同じことになるのじゃないですか。この心配が一つ。
 もう一つは、民間人も大いに意見を入れる。ところがこの民間人の御意見というのも、私非常に片寄り過ぎる心配があると思う。特に、先ほど長官にちょっと申し上げましたが、民間の方というと、財界の方だろうと思うのです。そうすると自分のというか、財界が繁栄するように、政府のやっている仕事は全部民間に払い下げて、あるいは請負でやる、こういう意見が強くなると思う。私はこの第五次の答申案をお書きになった委員の方の名簿をずっと見ましたが、この中に大学の教授、先生が三人か、あとはほとんど財界のりっぱな一流の会社の社長さんです。ですから、おのずと答申案というものの四つの柱は、財界を中心としたものの考え方に集約されていった。そういう点を私強く指摘したい。けれどもこれは今度の調査会の調査事項にはなるけれども拘束を受けないという長官の御答弁ですから、これはまたこれからの委員の選考を新たにされて、構成がかわればまた公正な改革があると思います。しかしなかなかこれだけの国家の行政全般に精通して、そして正しい意見を出してくる七人の委員というのは、どういうふうに御選考になるつもりか知りませんけれども、これは大へんな事業だと思います。あるいは考えようによっては、各省から一名ずつなわ張り争いで一生懸命議論せいとやらしておいて、その中で川島長官のような卓抜した意見を持っておる者は、その議論の中から集約して結論を出すという考え方も出るかもしれませんけれども、私はかえってこの調査会がそういうことで各省のなわ張り争いの一つの発火点になりはせぬかと思う。その点についてはどういうお考えですか。
#47
○川島国務大臣 この調査会が成果をおさめるか、おさめないかということは、全く委員の人選によるのであります。まだ委員は人選しておりませんけれども、幸いに御承認を得れば直ちに人選に入りたいと思っております。この人選につきましては各界から広く人を求めたい。財界に片寄りませんで、学界その他各界から求めるとともに、むろん七人委員には、役人は入れません。ただ専門委員、調査員には必要上若干役人を入れますけれども、これまた民間の方々に御協力を願いまして、役所のにおいの全くない、違った角度から、今の行政機構を検討して立案する、こういうふうに持っていきたいと思っております。
#48
○山内委員 これも長官がそういうお考えであれば、しばらくおまかせするよりほかないと思うのですが、そこでこの調査会の内容について、この法律案から二、三お尋ねしておきたいと思います。
 委員については今言われた通り高い見地から公平に選考がされる。それから専門委員あるいは調査員、これは若干役所から入ってくるということも、技術を必要とするからやむを得ぬと思います。ただこの人たちを全部非常勤にしておるのはどういうことなのか、これだけの仕事を三年という期限つきで、そして結論を出さなければならぬのに、私はそういう財界人とか学者を常勤にせいということは無理だと思いますけれども、少なくとも専門委員、調査員ならば、これは仕事に傾倒させなければならないのではないか。これを非常勤とした理由がどこにあるのか、その点もお聞きしたい。
#49
○山口(酉)政府委員 専門委員につきましては、実際は私どもの考えでも常勤的な人を得たいと考えておったわけです。しかしいろいろ具体的に検討してみますと、そういう人は得られない。
  〔草野委員長代理退席、委員長着席〕
これは時限立法でございますから、相当待遇をよくいたしましても、今やっております職を離れて専門に来るというような方々を求めることは、実際困難であると考えられましたので、非常勤という形にしておきますけれども、実際は勤務の日数を相当多くしていただくように考えておるのでございます。そこで、それには調査員を割合多く見ておりますが、その専門委員の指揮に従って事務を遂行するわけでございまして、調査員の指揮をするだけの時間ですと常についていなくてもできる、こういう構想で今度の調査会の調査の機構は考えております。
#50
○山内委員 それからこの調査会が仕事を始めると、行政審議会の業務はストツプということになっておりますね。そうしますと行政審議会の職員とか、そういう機構をあげて調査会に吸収するという考え方ですか。そうでなくて開店休業ということなんですか。
#51
○山口(酉)政府委員 この法案に書いてございますのは、行政審議会の方には、この調査会が調査審議することを適当とすることについては、諮問をしないということになっておりますが、実は行政審議会の方はほかに任務を持っております。そこでほかの任務につきましては行政審議会が行なわれることになるはずであります。
#52
○山内委員 この調査会の調査の範囲なのですが、これは地方公共団体及び公共企業体、そういうものも一応調査の対象になるとうたってあるわけです。そうしますと、これは大へんな範囲になるわけですが、地方公共団体は当然これだけの熱意をもってやるのですから、拾てておく、わけにはいかない。公共企業体も同じだ。しかしこのやり方ですが、これはどういうふうにお考えになっておるのか。たとえば地方公共団体に権限を委譲して、そして今いろいろ委託事務ということで実は地方公共団体にやらしている仕事がたくさんあります。あるけれども、その経費というものはほんの名義だけをやって、そして地方公共団体では非常に迷惑しておる事実がある。ですから地方にまかせるものは全部地方に権限を委譲するという考えに立つのか、それとも中央集権的に、地方にやらせるより国がやった方がいいといって吸い上げていくのか、この点のお考えはどういうことになるのでございますか。
#53
○山口(酉)政府委員 その点は非常にむずかしい問題でございますが、実は当然に地方公共団体や公共企業体についても触れられるわけであります。主体は国の行政運営に置いておりますけれども、それが関係する部分について、必要に応じては公共団体の事務も調査をし、あるいは公共企業体の事務も調査するということになると思いますが、あくまで主体的に考えておりますのは国の行政であります。時限立法でありますし、いろいろ手広くやりましても効果も期待できません。いずれは発足いたしましてからいろいろ検討して具体的には取り上げられると思いますけれども、そう広くはおそらくは無理であろうかと思います。
#54
○山内委員 事情はそうだと私も想像はいくわけですけれども、しかしこれは手をおかけにならぬというと、せっかくの考え方がもう宙ぶらりんになります。地方自治体というのは、説明するまでもなく今は民主主義の時代で、憲法でも保障されていますから、相当に仕事をやっておる。ところが地方自治体の仕事と国の仕事と分かれているのを、今度あなた方は委託事務ということでいろいろな調査を通知を出してやらせておるでしょう。その経費なんかまかなっておらない。実際これは私体験しておる。これはやらせるからにはやはりやらせるだけの予算措置を講じてやらなければいかぬと思う。今度のこの調査会も、二千七百五十万ですか、予算を組んでいますけれども、内容を見ると全部これは人件費と旅費だけです。そうしますとそういう地方の実態を調査する、あるいはまた必要経費を地方にやる、まあ、この予算の中に盛るのはどうかと思いますけれども、そういうことについて地方と国との関係を明確にし、そして財政的な負担を地方に負わせないという一つの決意も必要じゃないか、これはあとの調査会で詮議される事項かもしれませんが、ちょっと申し上げておきます。
 それからもう一つ、これはどういうお考えになっておるのか、本庁の上の方の機関はすべて計画を立てられるわけです。ところが第一線、現地、こういうものは一等先に経費の節減とか人員整理というものが来ると適用される。ところが実際の問題としては、企画庁の方は減らしてもいい場合がある。現地はぎりぎりなんです。ところが実際仕事をやる場合には偉い人が企画庁におりますから、なかなか自分たちの定員を減らすということはしない。それは全部下にしわ寄せしている。この行政のあり方についてはぜひ長官、お調べになって――私は下の方ばかり擁護しておるのじゃない。これは大へんなことなんです。現に国鉄なんか今やっておるのを見ますと、下にしわ寄せをしておる。この企画立案に当たる者と第一線との調整の考え方、これも長官にあわせて意見と決意をお聞きしたい。
#55
○川島国務大臣 私も行政内部の運営のことはよく知らないのでございますが、今お話しのようなこともあろうかと思いますから、今後調査会の運営上特にその点には留意いたしながらやっていきたいと思っております。
#56
○山内委員 質問はちょっとさきにさかのぼりますが、今度の調査会は決して人員整理を目的として仕事をするのではない。しかし長官の頭の中には、配置転換くらいは避けられまい、またそうでなければ行政の簡素化、合理化、能率化ということは考えられない。これはどう体裁よく言われても、長官はそうお考えになっていることと思う。そのことは、実はいつの新聞でしたか、長官の談話の切り抜きも持っていますが、この点はそうだと思いますが、いかがですか。
#57
○川島国務大臣 過去数年間の行政監査の結果によりますと、各官庁間また官庁内部に非常にアンバランスがありまして、ひまなところに人がよけいおって、忙しいところに人が足りないということがありまして、最近監察しました郵便事業だけ見てもそういう点がある。当然配置転換の必要が生じるのではないかと思いますが、しかしこれは今の予断でありまして、調査の結果どういう結論が出るかわかりませんけども、そういうことはあり得るということは申し上げられる。ただ繰り返して申し上げるように、冗員があるからしてこれを首切るということはやらぬつもりでおります。またそうすべきでないのでございます。またそれが今度の調査の目的ではないのでありますから、そういうことはいたしませんけれども、能率を増進するために配置転換するということは起こるのではないか、こう考えております。
#58
○山内委員 仕事をやる上ですから、そういうことも起こり得ると私も思います。ところがこの配置転換というのは、なかなか長官のお考えになるように簡単にいかないものです。ここの役所から次と、これは地域が同じであればよろしいのですが、先ほど石橋委員と防衛庁長官の応答の中にも配置転換の話も出ておりますけれども、まず身分の問題も変わってくる。地域が変わればなおさら本人としてはやめざるを得ない。おのずと退職を強要される形の配置転換というものがあり得るわけです。しかしこれはそういうことを一々おそれても調査できないでしょうから、結論はどうなるかは別としても、ただその現われた結果、無理をしないということだけは、さきの石橋委員の考え方と私は同じだと思う。無理をしないで十分本人の納得のいくような線で話し合いで解決していく。まあそれは幸いな場合だと思いますけれども、ただ私が不思議に思うことは、一体公務員が多い多いというけれども、多いか少ないかという基礎的なものに私疑問を持っておる。長官は多いような印象でものを言われておるけれども、私は少ないと思っておる。これは去年自動車審議会か何かのときに話が出たのでありますけれども、極端な例で昭和二十七年から五、六年間に御存じの通り自動車の業務量というものは七倍以上になっている。ところが陸運事務所という機構は定員がふえるどころか、逆に減っておる、こういう事実を私指摘した。それには別に誤っているという指摘がありませんから、あの数字も正確かどうかわかりませんが、まあ間違いなかったと思います。これについてはどういう措置を今お考えになっているかわかりませんけれども、行政によっては非常に足りないところがありはしないか。ですからそれを多いところから長官の言われるように下げてコントロールして一つの地ならしをする、こういうお考えのようであります。そこでこれは事務的にもお聞きしておきたいのですが、一体公務員の数というものが妥当な線はどこにあるのか。これは非常にむずかしいと思うのですが、外国の例を引かれるのも一つでしよう。国民総所得に対して公務員の人件費はどれくらいという考え方もあるかもしれない。あるいは税金に対しての考え方もあるかもしれない。一体どこで公務員の妥当な線を引くのか、一つ行管の考え方をお聞かせ願いたい。
#59
○山口(酉)政府委員 公務員の数が多いか少ないかということは、これは国情によって非常に違いますので、比較は非常に困難だと思います。ごくラフな比べ方で一応見てみますと、先進国と申しますか、英、米、ドイツ、フランスというようなところを対比してみますと、人口比では日本は多くございません。その中では一番人口比では少ないようになっております。ただこれは公務員の数を公務員だけで比べていいのかといいますと、実は会社でございますとか、そういうところでも人の使い方といいますか、それが非常に違うのであります。日本の一般的な社会の環境において、公務員がどうだということも見なければならないと思います。ラフに見ましてアメリカでは――これは三五年、ちょっと古い資料でございますが、公務員一人当たりが二十三人になっております。地方機関も含めてあります。それから、英国は十五人、フランスが十九人、西独が二十人、日本は三十一人というような状況でございます。これは必ずしもこの通りにはかるわけには参らぬと、思います、社会事情が違いますから。まあ非常にラフに見るとそういう状況で、対比的にそれでは多いのだということは言えないのではないかと思っております。
#60
○山内委員 資料が古いかどうか知りませんが、非常に貴重な、これでも一つのものの考え方の足がかりになる資料だと思います。イギリスは公務員一人で平均して十五人のサービスをしておるのだ、日本は三十一人というと倍以上でありまして、日本はむしろ公務員が少ない、こういう結論が一応これで出たと思います。今前提のあります通り、それははかり方もあるでしょうし、公務員の性格、発令の形式の問題もあろうと思いますので、これはわかりませんけれども、しかし私の勘の通り決して公務員は多くない、むしろ足りないのではないか。そういうことで、行政審議会の答申のありました通り、機械化せよということをうたっております。電子計算機ですか、ああいうようなものも使え、そうして能率を上げよということは、これは妥当な考え方だと思います。そうして能率が上がり人が余っても首は切らないのだ、こういうことであれば、別に反対する何ものもないと思います。そうしてもう少しサービスをよくしてもらって、公務員と一般の民間人との接触ももう少しなごやかな接触が保てませんと、忙しいとどうしてもそこがとげとげしくなって、私どもこういうバッジをつけて行けば待遇ががらりと変わりますけれども、これでもはずして知らない官庁に行ってごらんなさい。とてもじゃないがとげとげしい。私考えてみれば非常にお気の毒だと思うのです。忙しいところに行って用を足しますから、そういうことになると思います。ぜひその点は広い見地に立って一つ長官もお考えをいただきたい。そこでもしかりに計算はどう出るか、今度新しい資料でおやりになると思いますけれども、やった結果人が余る。配置転換ででこぼこを調整しても、大体この線ならいい。しかし電気計算機など使って今度は公務員の数が非常に余ってきた。配置転換ではおっつかなくなってきた。こういう場合は長官はどうですか、一つこの場合は公務員の勤務時間の短縮ぐらい思い切っておやりになるお考えはありませんか。どういうことで私申し上げておるか、これは決して公務員を遊ばせるとかなんとかいうことではない。一つの例ですけれども、たとえば東京都の朝のラツシユ・アワーのあの混雑なんかどうですか。時差出勤をやってみても同じことなんです。それよりもかえって公務員は能率をうんと上げたかわりに、勤務時間八時間勤務をかりに七時間で一時間の差を作っておくと、この東京都に集まる公務員が一時間ラツシユ・アワーからはずれたら、それこそほんとうの一つの交通緩和になるじゃありませんか。私はそれで業務能率が下がるとは思わない。そういう意味で思い切って長官が、そういう場合には勤務時間の短縮をやってやろう、そこまで御発言があれば、これは人員整理をねらった調査会ではないのだ。これは大いに研究して、一つ能率の高い合理的な行政運営を考えようじゃないか。これは協力者の考え方はずっと変わってくると思う。この点について長官……。
#61
○川島国務大臣 先ほど来御質問なり御議論になっておる人員のアンバランスを除外するということは、これは結果がそうなるかもしらぬというのでありまして、重点がそこにないことは言うまでもないのでありまして、私は今日公務員が多いか少ないかということをここで申し上げるだけの資料を持っておりません。かって多いと言ったこともなし、少ないと言ったこともないのでありますけれども、何せ能率を上げるにはどうすればいいかという点から、いろいろものを考えておるわけであります。今お話しのようなのも一つのお考えだと思うのです。もう少し一つ公務員に修養と休養の時間を与えて能率的に働かせる、こういうお考えなんでありますが、そういう考えもあろうかと思いますが、これは公務員だけでなしに、一般国民の勤労時間ともこれはにらみ合わせる仕事でありますからして、ここで軽々にものを申し上げるわけにはいかぬのでありますけれども、一つのお考えとしてこれははっきり承っておきます。
#62
○山内委員 与えられました時間ももう過ぎておりますので、これで終わりますけれども、ただそこで今長官のお話しのあった通り、そういうことで御研究いただくことは大事ですが、ただそうなりますと、この第五次答申案の内容は、先ほどでは白紙とは申されないけれども、拘束を受けないという返事ですから、私それで満足いたしますけれども、確かにこの答申案に流れる一つのムードといいますか、ムードは民間に事業をやれそれから、この最後の結論の言葉などは、こういう権威のある体質改善のために調査会は今御提案になって審議されている。これを作って強力に施策をやるならば、「将来国家財政にも寄与するところが大であると考える。」とあります。節約せよということであります。それからその前には、政府の行政部機構委員会、カッコしてフーバー委員会というものを頭に置いて、この答申がなされている。御承知の通りフーバー委員会は非常な節約をもたらした。しかしあの置かれている条件と時代が違いますから、私はフーバー委員会と同じような考えを持ってはいかぬと思います。全然時とところと国家の機構も違いますから……。しかしながらこの答申案を流れるものはそういう点にあるということを一つ頭に置いて、ほんとうにおやりになるならば、新しい日本独自のフレッシュな、そうして今長官からいろいろお出しのありましたその信念を貫くような気持を、決して首切りではない、能率を高くやるのだ、いろいろな角度から一つ御研究をいただきたい。この答申案にとらわれたら、私は非常に困ると思います。そういうことで私は終わります。
#63
○川島国務大臣 繰り返し申し上げるようでありますが、今回提案しました一つの動機は、行政審議会の答申でありますけれども、それだけではありませんで、政府といたしましても現在の行政機構の複雑多岐なことを改善したいという考えがありましたところへ、この答申がありましたものでもって、政府の責任において提案したわけであります。ことに私といたしましては、これは事務引き継ぎで小澤前大臣からお話を承りまして、これは私はせんだって石橋さんにも言ったのですが、三十年の政治生活、代議士を三十年近くをっておりまして、いろいろ行政機構にぶつかりまして、これではいかぬぞ、何としてもこの際一つ抜本的解決をしたいということをかねて思っておりましたので、もしかりにこうした小澤前大臣からの引き継ぎがなくても、私自身としてもこういう発案をしたかもしれないのでありまして、私はこれに非常に熱意を持っております。首切りなんという、そういうことではなしに、もっと高度の見地から日本の多々ある行政というものをどうしたらいいかということで考えております。先ほど石橋さんから話のありました共同してものを調弁するということ、これもまことにけっこうなことであります。現に官庁の建設、建築事務というものは、今日では建設省が統一してやっているわけであります。ああいう横割りのものもあるのでありますからして、縦割りの割拠主義を何とかして一つ排除いたしまして、今みたいな無責任なお互いに職場を堅持するということをよして、ほんとうに能率の上がるような行政機構を作りたいということが私の念願でございますから、その点は一つ御了解願っておきたいと思います。
#64
○中島委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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