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1961/10/05 第39回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第039回国会 地方行政委員会 第3号
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1961/10/05 第39回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第039回国会 地方行政委員会 第3号

#1
第039回国会 地方行政委員会 第3号
昭和三十六年十月五日(木曜日)
   午前十時三十分開議
 出席委員
   委員長 園田  直君
   理事 金子 岩三君 理事 纐纈 彌三君
   理事 高田 富與君 理事 渡海元三郎君
   理事 太田 一夫君 理事 川村 継義君
   理事 阪上安太郎君
      伊藤  幟君    小澤 太郎君
      亀岡 高夫君    久保田円次君
      田川 誠一君    津島 文治君
      富田 健治君    前田 義雄君
      佐野 憲治君    山口 鶴男君
      門司  亮君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 安井  謙君
 出席政府委員
        自治政務次官  大上  司君
        自治事務官
        (財政局長)  奥野 誠亮君
 委員外の出席者
        自治事務官
        (行政局公務員
        課長)     松浦  功君
        自治事務官
        (財政局財政課
        長)      松島 五郎君
        自治事務官
        (財政局交付税
        課長)     山本  悟君
        専  門  員 圓地與四松君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和三十六年度分の地方交付税の単位費用の特
 例に関する法律案(内閣提出第六〇号)
     ――――◇―――――
#2
○園田委員長 これより会議を開きます。
 昭和三十六年度分の地方交付税の単位費用の特例に関する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。質疑は通告に従い順次これを許します。山口鶴男君。
#3
○山口(鶴)委員 それでは、昭和三十六年度分の地方交付税の単位費用の特例に関する法律案につきまして、幾つかお尋ねをいたしたいと存じます。
 大臣の提案理由の説明を拝見いたしますと、今回の法律案を提案いたしました理由といたしまして、いわゆる人事院勧告を十月一日から実施をするに必要な財源を保証することが第一、また第二としましては、生活保護基準について十月一日から引き上げを行なうことになりましたので、これに必要ないわゆる財源措置、この二つの理由からこの法律案を提案せられた、かように述べておられるようでございます。
 そこでお尋ねをいたしたいと思うのでありますが、大臣がおられませんので政務次官にお尋ねをいたしたいと思いますが、現在の日本の経済事情、特に予算委員会でもいろいろ問題になっているのでありまするが、四兆円に上る設備投資が行なわれまして、池田首相の言をかりれば、きわめて超高度の経済成長を遂げておるのだそうでありまするが、こういう点で、物価につきましても非常に大きな変動が見られているわけでございます。そういたしますると、現在の地方財政におきまして、ここに述べておる二つの要因の財政需要を交付税をもって補てんをすればそれで足れりとお考えになっておられまするのかどうか、現在の地方財政の実態からいって、この二つの財政需要を見てやれば、それでもって地方財政の健全かつ行政水準をある程度高めつつりっぱな運営ができる、かようにお考えでありますのか、この点をまずお伺いをいたしたいと存じます。
#4
○大上政府委員 お答えします。ただいまの御質問の要旨は、ただいま御審議願っておりまするこの特例法に関連して、ここにうたっておる二つの問題で大体地方財政あるいは地方の全体的な運営が可能なりやいなやという御質問のように承っております。つきましては、われわれとして、特にこの問題については深い根がある、たとえば物価の値上がりの面、あるいは他面人事院勧告に基づく点等々をかみ合わせて提案したのでございますが、これをもって全般的に事足れりとは考えておりません。目下研究中の課題もあれば、あるいはこれを処理すべき段階にまだ立ち至ってないというものもあるかのように思います。ただ総合的に考えますのに、本件については、お説の通り具体的な事案が出て初めてお答えできる問題も潜在的にあろうかと思いますので、全面的にこれで完結したということは言い切れないと思います。
#5
○山口(鶴)委員 ただいまの次官のお答えでありますると、さらに必要な要因もあるし、現在検討中のものもあるし、将来において処理しなければならぬものもあり得る、こういうようなお話でございました。それで今度の予算案全体を拝見をいたしますと、建築単価の改定に対しまして、一般会計におきまして二十三億八千七百余万円の追加を行なっているのでありますが、これは最近の物価の上昇、特に建築資材の急騰の上からいって、やむを得ず緊急なものとして措置せられた、かように了解をいたしているのでありますが、現在どこの地方自治体へ参りましても、国がいわゆる計算をいたしました公共事業の単価というものがきわめて実情に即さない、こういう点に対しまして、非常な不満がありますことは、次官も十分御存じの通りだろうと思うのであります。当然一方においてこの公共事業費の単価の是正をせられる、またこの一割程度の是正がはたして現状の上において適切であるかどうかの議論はまたあとでいたしたいと思いますけれども、一応それは別といたしましても、一方において公共事業の単価の是正をせられるということになりますならば、当然一方において地方公共団体において継ぎ足しをしなければならぬ費用が、三分の一なりあるいは四分の一なりあることは当然であろうと思います。しかも、この補助金の改正をいたしておりまする公立学校あるいは住宅等の是正におきましても一割程度であります。こういうものが適切であるかどうかということは、これはもう次官も十分御存じの通りであろうと思います。こまかい点はまたあとで論議したいと思いますが、それが十分でないということになれば、当然自治体において公立学校の施設におきましても、住宅におきましても、あるいは今回予算化せられなかったところの治山工事、治水工事等につきましても、それぞれ都道府県なり市町村が独自で一般財源の継ぎ足しをしてやらなければいかぬ、こういう実情であろうと思うのであります。そういうことを考えてみました場合に、それらの問題に対しては、先ほど次官がお答えになりました検討中のものに入っておりますのか、あるいは今後措置しなければならぬものに入っておりますのか、あるいは今度の三十九臨時国会に提案せられました予算案の編成過程で、自治省当局としては、地方団体の財政事情を考えまして、いかなる努力なりいかなる態度でもって臨まれたのか、こういう点を一つお示しいただきたいと思うのであります。
#6
○大上政府委員 お説の通りでございます。従って、われわれの方といたしましては最小限度の補正を要求する、いわゆる補正予算をする。なおこのほかに、今のお話の通り、学校あるいは公営住宅等も考える、そしてこれがいわゆる地方債の増額の線へ持っていく、こういう考え方で進めており、このように取り計らっております。
#7
○山口(鶴)委員 いろいろ努力されて、こういうふうに取り計らわれたというお話でありますが、今回のこの建築単価の補正を考えてみますと、大体一割ぐらいでありますが、最近の経済事情は、当初の地方財政計画を組まれたときの事情と非常に違っているという点を具体的に申し上げてみたいと思うのであります。たしか本年度の地方財政計画を審議いたします際に、わが党の二宮委員が建設省の官房長等を呼びまして、いろいろと具体的な質問をせられております。また自治省の財政当局に対しても質問をいたしておるのでありますが、それを見ると、建築資材については当時すでに実情に合わぬではないかという二宮委員の質問に対七まして、あなた方の方は、鉄鋼、セメントは下がるのだ、セメントについては去年よりもことしは八・八%安くなる。それから鋼材についても四・二%くらい下がるだろう、木材については七・八%程度しか上がらないだろう。こういう根拠でもって今回の公共事業、それに伴うところの自治体の財政需要及び単独事業に必要な財政需要というものをお組みになったとお答えになっております。これが大へん実情に合わなくなったから、建築については文教施設、あるいは住宅について一割程度改めたようであります。しかし、それだけで現在の木材の価格、鉄鋼、セメントの状況、こういうものからして適切だとお思いになりますか。
 それから人夫賃については、自治省から配付をいたしました資料を見たのでありますが、いただきました交付税関係資料の二十ページでありますが、事業費統一単価表の賃金です。「甲人夫賃」とありまして「技能者又は重労働に技能を加味した場合の人夫賃」とありまして、一人一日四百二十円組まれてあります。それから「乙人夫賃」とありまして「甲人夫賃以外の人夫賃、単純なる重労働軽労働等」とありまして、一人一日三百円という単価でお組みになっておられます。これに対しまして、私の県の実情を具体的に申し上げてもいいと思うのでありますが、大体群馬県の状況では、労務賃金は一日千円出しても大工、左官等はなかなか雇うことはできない、こういう状況です。そうして、こういう状況のために治山工事あるいは学校校舎の建築、あるいは住宅の建築、こういうものについては入札に出してもすべて不調であって、ほとんど落札しない、こういう状況にある。従って、私の県でも現在開かれております議会において、一般財源をもって大幅に継ぎ足しをやってこの事業の執行に当たらなければならぬ、こういう実情にあります。これは単に私の住んでおります県のみではなくて、全国の都道府県で行なわれておる事例でありましょうし、また市町村においても同じような事例が続出しておることは、私は明らかであろうと思うのであります。そういうときに、確かに建築費については二十数億、一割程度の是正を行なった。しかしこれでは不足であることは申すまでもない。しかもこれに見合うところのいわゆる一般財源に対する財政需要の増というものは全く今回の交付税の特例においては見ておらぬ。それからまた単独事業を相当大幅にふやしたというふうに自治省は自画自賛をされましたけれども、これについても同じような実情があるのに、全くこの財政需要の改定というものをお考えになっておらないとすれば、自治省は、今までのワクの中でもって事業量を詰めてやれ、こういうおつもりで現在のところおるのですか。この点一つ政務次官でも財政局長でもけっこうでございますからお示しをいただきたいと思います。
#8
○大上政府委員 非常に具体的なよってきたところの結論を承りましたが、一応事務当局の局長より答弁いたさせます。
#9
○奥野政府委員 御指摘のように労務費その他かなり上がって参っておるようであります。従いまして、新年度の地方財政計画を作ります場合には当然それらを実態に合わせるように是正して参りたい、かように考えておるわけであります。今年度進行中にどうするかというような問題につきましては、公務員の給与費その他どうしても是正を必要とする面についての是正を行なうにとどめておるわけでございまして、団体によりましては、運営上かなり困難を来たしておるというところも出ておるようでございます。しかし自治団体でございますので、全体の財源を弾力的に運営してもらうというようなことに考えざるを得ないのじゃないだろうか、かように考えておるわけであります。予算を国から配付しておるわけでございませんので、やはり弾力のある運営によってやってもらわざるを得ない。従いまして、ところによりましては御指摘のように事業を縮小せざるを得ないというような団体も出てきておるのじゃないかというふうに心配するわけであります。しかしながら、今次官がお話しになりましたように、交付税制度の改正、さらにまた地方財政計画の修正、そういうようなことを行ないながら、さらに今後の地方財政の運営やあるいは特別交付税制度の運用に当たりましても、御指摘のような点についてできる限り無理を是正していきたい、こういうような考え方を持っておるわけでございます。
#10
○山口(鶴)委員 来年は当然是正をしなければならぬが、ことしについては地方自治団体はそれぞれ独自の財源があるから、その自治団体の中における弾力的な財政運営でもって措置をせられるように望むというようなお答えがあったのでありますが、確かに地方税の方で相当部分の増収が期待をせられることもこれまた私は事実であろうと思います。しかし問題は、自治団体によりまして増収が期待できるといいましても、四十六の都道府県がみな均一の形で増収が期待せられるわけでもございません。特にまた三千何百に上る市町村におきましては、確かに増収が大いに期待せられるところもありましょうが、ほとんど増収が期待されないところもありましょうし、さらにまた災害等によって、あるいは最近の石炭事情等によって大量の失業者を出す、あるいは企業が倒産をする、こういうような地域がたくさんあることも、これまたいなめない事実だろうと思うのです。ですから、ある程度平均的に地方自治団体の税収の伸びが期待し得られるという事能では、私は財政局長が言われるような答弁でも、不満ではありますけれども、了解できる面があるとも思いますが、今言いましたような特に後進地域において、財源の弾力性というものがきわめて乏しい地域において、しかも特殊な事態が発生しておる地域において、そういった一方的な考え方だけで押しつけることが、はたして実情に適合するのかどうか、この点をさらに掘り下げて一つお答えをいただきたいと思うのです。
#11
○奥野政府委員 お話まことにごもっともでございます。私もそろいう気持で御答弁申し上げたつもりでございます。先ほども申し上げましたように、あとは個々の団体を見まして、特に何らか国が措置をとらなければならない、そういう団体に限定して是正をしていくべきじゃなかろうか。こういう意味で特別交付税制度の運用とか、あるいは地方債制度の運用によって解決の努力をしたい。こう申し上げたわけであります。今お話しになりましたように、後進地方団体においては租税の自然増収がきわめて乏しいわけでございますけれども、そういう団体につきましては交付税制度で救っていくことが最も穏当である、こう考えておるわけであります。またそういうこともございまして、さらに格差是正といいましょうか、そういう考え方もございまして、材源がふえました場合には、後進地方団体に傾斜的に増額するという措置をとって参っておるわけであります。そういうような一応の方向をきめながら、それを先がけて特別交付税の運用の中に盛り込むということを、この二月の特別交付税の運用においても行なったわけでございますが、来年二月の特別交付税運用の際にも、そういう方法によって普通交付税に織り込むものを先がけて特別交付税に織り込んでいきたい、こういう気持を持っておるわけでございます。お話のような方向で努力をしていきたいと思っております。
#12
○山口(鶴)委員 そこで一つ具体的にお尋ねをいたしたいと思いますが、今のようなお話でありますが、三十六年度の地方財政計画を拝見いたしますと、投資的経費が六千二百四十七億円ということになっております。公共事業費が三千四百二十億円、それから国庫補助を伴わない、いわゆる単独事業が二千百三十七億円、どの二つを足しましても約五千億円をこす膨大な経費になると思いますが、大体自治省の方ではこれらの公共事業、それから単独事業、種類はいろいろございましょう。文教施設や住宅のように非常に単価の大きく変わっているものもあるでしょう。それから道路工事のごとく比較的単価の動きの少ないものもあろうかと思うのでありますが、これらについて最近の物価の動向等から考え、あるいは人件費の増加等の実情から考えまして、大体この五千億ないし六千億のいわゆる投資的経費が、当初通りの計画の事業を実施したといたしまするならば、どのくらい具体的に増加することになるのか、そういった計数的な試算というものを行なってみましたか。またそれを行なったといたしまするならば、それが幾らくらいになるのか。そしてまた税収の伸び等をお考えになるといたしますならば、それが一体十分カバーし得るだけの税収というものが期待し得ると財政当局の方ではお考えになっておるのかどうか、この辺も一つあわせてお聞かせをいただきたいと思います。
#13
○奥野政府委員 投資的経費が当初の計画通り行なわれるとすれば、どれだけ財源が不足になってきているかというようなことを詰めた計算は、正直のところいたしておりません。特に激しい変化を見せているのは建築費だ、こう考えておるわけでありまして、今自然増収との見合いにおいてどう考えるか、こういうお話がございましたが、これも正直に申し上げますと自然増収の方が多いと思います。自然増収の方が多いと思いますけれども、これは特定の団体に片寄っておりますので、必ずしもだからそれで当初の計画が遂行できるのだ、こういうことにはならないと思います。ただ地方団体では、地方財政計画を作ったから直ちにそれだけ投資的経費を増額したかといいますと、やはり手元に入ってくる増加財源と見合いながら事業分量を広げて参ってきておりますので、今ある程度経費が高騰してきているそのことが、地方団体の考えた計画を縮小せざるを得ない羽目に陥ったというような面は比較的少ないのではないか、こう思っておるわけであります。地方財政計画を作った当初の考え方、それは全地方団体については事業分量において保証ざれない結果にはなっているわけでございますが、今申し上げましたような事情もあろうかと、かように考えておるのであります。
#14
○山口(鶴)委員 それでは最後にいま一度お伺いいたしますが、どうも自治省の御認識は非常に甘いような気がいたすのであります。特にいろいろな試算はされていないといろお話でありますが、建築費等については相当上がっているというお話ですけれども、大体建築費についてだけお尋ねしてもいいのですが、何割ぐらい国の単価に比べて実施単価が上がっているとお考えですか。
#15
○奥野政府委員 私が幾ら上がっていると申すよりも、むしろ国の補正予算においてどういうような措置をとっているかということの方が無難ではないか、こう思うのでございます。先ほどちょっとお話しになりましたが、昨年の六月現在とことしの六月現在とを比べますと、どういうような物価の変化になっているか。これを基礎にして、木造家屋であればどう、鉄筋家屋であればどうというような数字を出しておるわけでございます。御承知かと思いますが、文教施設では木造の場合には一割九分五厘、鉄骨の場合には一割一分五厘、鉄筋の場合には九分二厘、こういう数字を基礎にして今度の補正が行なわれておるわけでございまして、またこれにならいまして地方債計画の修正を行なったわけでございます。
#16
○山口(鶴)委員 木造で一割九分五厘、鉄骨で一割一分五厘ということだそうですが、それも自治省が計算されたのではないでしょうから、財政局長さんには因縁をつけても意味がないですから、別にとやかく申し上げるつもりはございませんが、私の県では小中学校の木造、国の単価が二万大千百円、それに対して実施単価は実に五万円かかっております。鉄筋については五万二千円が国の単価、実施単価が七万三千円、高等学校、鉄筋の場合が五万四千円の国の単価、これに対しまして実施単価は八万一千円に達しております。県の財政課で調べました実情の調査でありますが、こういった地方の、実態から見て、国のいわゆる措置の仕方も不十分であるし、また特にただいまの財政局長の地方自治団体に対する影響の考え方に対しましてもきわめて不満である、こういう点だけの御指摘をいたしまして先へ進みたいと思います。
 次は、話が昨年のことにさかのぼりますけれども、昨年は、特別国会におきまして一千五百億円ほどの追加予算を組みまして、これに対するところの交付税が三百五十七億円でございました。これに対して当時同じように給与改定がございまして、給与改定に必要な財源が二百四十億円、その残額の百十七億円を昭和三十六年度に特例として繰り越すという措置をおとりになられた。その後第二次補正を政府がお組みになったときも、同じく九十億円の交付税が、二八・五%、それに〇・三%がございますが、それによって計算いたしまして九十億円出ました。これについても同じように三十六年度に繰り越すという御措置をおとりになったわけでございます。今回は交付税総額として国税三税の一定の割合で計算しました額と流す額とがちょうどとんとんになっておりまして、昨年のような御措置はとられぬようでございますが、聞くところによりますと、政府におきましても、あるいは今後におきまして追加予算をお組みになる場合もあるかもしれぬというようなお話がちらほらございます。仮定のお話になって恐縮でありますが、ただいまの財政局長の御答弁では、確かに税収の伸びがあるけれども、自治体によっては非常に財政運営の窮屈なところもあるということははっきり御認識をされているようであります。そして今後交付税をお組みになるというような場合があり得ると思うのでありまするが、そうした場合におきましては、昨年と同じように次年度に繰り越すという御措置を昨年に準じておとりになるのか。昨年はそういうことはやったけれども、ことしの財政状況からいえば、そういうことは実情に即さないので、年度末へいって今後地方自治団体で財政運営をする期間がかりに短くなっても、これに対しては地方自治団体に法律通り流していくんだというようなお考えをおとりになるのか、この辺を次官から一つお聞かせをいただきたいと思います。
#17
○大上政府委員 従来のいきさつもあるようでございますので、まことに申しわけありませんが、財政局長から一応事務的に答弁させまして、さらに私事後にさせていただきたいと思います。
#18
○奥野政府委員 仮定の問題でございますので、お答え申し上げにくいわけでございますが、率直に今考えておるところを申し上げさしていただきますと、年度末に交付税が増額になって参りました場合には、また法律を制定して再計算をするということは実際問題として困難だと思うのでございます。また特別交付税で配分をした方がよろしいような事態があれば格別ですけれども、これもでき得る限り避けた方がいいと思うのであります。そういう意味では、やはり年度末になってからの増加額の場合には、翌年度計画的に配分する措置をとった方が妥当だと思いますし、従来の経緯はそういうようにやってきていることでございます。今どうするという考え方は持っておりませんけれども、年度末の際の地方財政の状況とか、合理的な配分の方法とかいうものをかみ合わせてよく検討させていただきたい、かように考えておるわけでございます。
#19
○大上政府委員 ただいま財政局長から答弁いたしましたが、その前提といたしまして、いわゆる仮定の問題あるいはその推移の問題等々がありますので、この点につきましては一応大臣ともよく相談いたしまして、次の委員会に正確な答弁をさしていただきたいと思います。
#20
○山口(鶴)委員 それでは別の問題に移りましてお尋ねをいたしたいと思います。
 先ほど財政局長が御答弁になりました点とやや関連をいたしますが、災害が非常に起きました地域の場合もそうでございますし、先ほど申し上げましたように北海道あるいは九州等におきまして、石炭企業の不況から失業者なり生活保護者が非常に多数発生をいたしたというような地域もございます。具体的に申し上げますと、たとえば大牟田というような九州の地域におきましては、あの三池炭鉱の失業者が多数発生をいたしたという特殊な影響もあったわけでございましょう。昨年の給与改定につきましては、十月一日実施を繰り下げまして、一月一日から実施をいたしたという事例もあるそうであります。また同じく九州の田川の地域におきましても、実施時期は十月一日であったけれども、内容的に非常に悪くして給与の改定を実施をしたというところもあるそうであります。また北海道におきましては、たとえば美唄等の市におきましては、失業対策事業費が非常に多額に上り、また地域の要求もあって、就労日数等についても地域の実情でもって単独で継ぎ足さなければならぬというような場合もある。こういうようなことから、北海道は固定資産税の税率の非常に高い地域でありまして、二・一%といういわゆる最高限度を採用している地域が多いのでありますが、この二・一%という固定資産税の最高限度の税率を用いて、なおかつ財政の状況が非常に困難であるというような地域も具体的に聞いているのであります。こういった傾向は今後も強まるだろうと思うのでありますが、こうした災害ないしは特殊な事由のために地方の財政事情が非常に悪化をしたという地域に対して、特に後段述べたような具体的な事例の地域に対しては、今年度において特別にその財源の措置をするというお考えは全くございませんのですか、この点を一つお聞かせをいただきたいと思います。
#21
○奥野政府委員 北海道の問題と石炭地帯、災害地帯の問題と若干趣きが違うと思いますが、北海道の問題につきましては、さきの国会で御説明申し上げましたように、地方交付税制度のかなり思い切った改正を行なったつもりでございまして、その関係だけでたしか北海道地区の市町村に対しまして十億円内外の財源の増額を行なったように記憶いたしておるわけでございます。また石炭地帯の問題などにつきましては、それはそれとして特別に拾い上げてめんどうを見ていくより仕方がないのじゃないかと思うのでございます。たしか大牟田市に対しましては、二月の特別交付税の配分にあたりまして三千五百万円前後を交付したのじゃないかという記憶を持っておるのでございます。三千五百万円というのは、大牟田市のような規模の市に対しましてはかなり思い切った財源補てんの措置であったと考えるのでございます。今年度の特別交付税の配分に際しましても、石炭地帯等につきましては生活保護者もかたりふえて参ってきておるわけでございますから、市自身としても救済的な政策もやって参らなければなりませんので、かなり思い切った援助の措置は講じて参りたい、かように考えておるわけでございます。
#22
○山口(鶴)委員 特別交付税でもって大牟田のような地域に対しては昨年実施をした、今年も同じような措置をお考えになる、こういうことでありますが、特交だけで、こういった特殊な地域に対する措置の仕方というものが十分であるとお考えですか。たとえば都道府県に対しては、ことし画期的な一つの施策――もちろん十分とは思いませんけれども、国庫補助金の傾斜配分というものを行なって措置をしたという事例があります。市町村に対しても同じような形で、特交で措置するといっても、おのずから限度がある。とするならば、たとえばそういった失業の多発地帯に対する失対事業の補助金に対しては傾斜的な配分をする、ちょうど都道府県に対して今年度実施したと同じような形の傾斜配分を実施する、こういうお考え方は自治省にありませんか。今後そういう点で努力をするという……。
 それから北海道の場合でありますが、確かに十億円程度基準財政需要でいろいろ見られたというお話は伺っております。低種地の市町村の態容補正なり、あるいは寒冷の補正の改善なり、いろんな形で約十億円の需要を見られたということは存じておりますが、しかし北海道では、何か道知事が、これは一つの公約だとして、市町村に対して、これはもう下げろ下げろということを強制的に言っているそうであります。私は思うのでありますが、確かに財政需要が伸びた、そういう事実はありましょう。しかし、交付税の建前からいけば、税率については標準税率で一応見ているわけでありまして、税金分としていったという格好ではないと思うのです。あくまでも、今まで見ておった財政需要が不備であるから是正をしたという格好だろうと思うのでありまして、これに対して都道府県の知事が、こういう格好になったんだから、お前のところは固定資産税率は下げろという強制までし得るということについては非常に疑問を持っておるのでありますが、そういう点はどうですか。
#23
○奥野政府委員 石炭地帯の問題につきましては、別途産炭地域振興臨時措置法案でありましたか、というようなものが政府立法として国会に提案されて参っていると思います。また炭鉱離職者緊急就労対策事業というようなものが国の援助で行なわれておけますので、そういうものについての裏負担は、特に石炭地帯の事情を考えまして、地方債の対象にして、ある程度の地方債を認めるというような措置も自治省としてはとって参っているわけでございます。それにあわせまして、特別交付税制度の運用で十分でないところを是正するというやり方をいたしておるのでございます。
 なお、北海道におきまして、特に道知事が固定資産税の引き下げに相当な熱意を傾けているという点についての御批判がございました。私は、率直に申し上げますと、やはり市町村は常に財政需要の弾力性を確保しておくことが必要だと思うのであります。精一ぱいの張り詰めた財政運営をするのじゃなしに、せっかく地方税制度が標準税率制度をとっておるわけでございますので、機会があれば、一ぱいの課税をしておるところを引き下げておいて、災害その他非常に困ったときにまた税率を引き上げて財源を増額できるというような余力を持つことがきわめて必要な措置ではなかろうか、こう思っております。財源がふえました場合に、財政需要はある意味においてはふえて参ると思うのでありまして、これを財政需要の増加に充てるか、あるいは税制の弾力性を回復する財源に充てるか、どちらかといいますと、私は北海道におきましては財政需要の弾力性を回復するということに思い切って踏み切った方がいいのじゃないかという気持を持っておる一人でございます。道知事がどこまで助言をしていったか存じておりませんけれども、市町村に対しまして適切な助言を知事が行なっていくということは、これは必要なことでございますので、私は、今回政府のとりました北海道の市町村の基準財政需要額の増額とタイアップいたしまして、固定資産税の税率引き下げを道知事がやるということは適当なことではなかろうか、こう思っているわけでございます。もとより勧奨が激し過ぎるというようなことについては、これはなるべく避けた方がよろしいと思いますけれども、ある程度の助言は、これはすべきだろう、こう思うのでございます。
#24
○山口(鶴)委員 そこで最初から問題にいたしました点ともからんで総合的にお尋ねをしたいと思うのですが、一方では現在の池田内閣の、いわば設備投資を非常にあおったところの政策の一つの現われとして物価が非常にはね上がっている。そういう面から、この地方自治団体の財政運営というものに非常に大きな障害が出てきていることは事実だと思います。しかもそういうところで、弾力的な財政運営をまかなえという自治省の方針をかりに是認をしたといたしましても、財政的に非常に弾力性のない地域もあるということは事実です。しかも災害というような要因が一つある。さらに今申し上げたような九州の大牟田のような地区の事例、あるいは北海道におきましても、炭鉱離職者等のいろいろの問題があるからこそ、その最高の制限税率を一ぱいとっていることは決していいとは思わぬけれども、二・一%の固定資産税の最高税率をとらなければ十分な財政運営はできないというような要因もからんでいる。といたしますと、特にこの自治省が全国的にながめました場合においては、全体の総計としては、税収の伸びなり、あるいはその後池田内閣の政策によって生じたところのあまり好ましくない財政需要というようなものを比べた場合に、かりにとんとんでいくとしても、地域的にはいろいろな要因がからんで非常に苦しい市町村というものが生じている。こういう事態をやはり率直に認める必要があるのではないかと私は思う。そういたしました場合に、今回給与改定を実施するに必要な経費だけをお流しいたすようでありますけれども、そうした場合に、今言ったような地域で、この改正されました単位費用でもって交付税が若干伸びていくでありましょう。しかし今申し上げたように、この財政需要が非常に苦しい地域におきましては、これらの会計の措置が十分な形で行なわれるというようなことについては非常に問題があるのではなかろうかと思います。そういう点から考えまして、今回この二つの要因だけを考えて措置するということにとどめたようでありますけれども、まだ今年度考えても相当な期間があるわけでございまして、当然これ以外の措置を考えるのが至当ではないか、かように考えるわけであります。
 ちょうど幸い大臣も参りましたのでお尋ねをいたしたいと思うのでありますが、この二つだけ以外にもっと措置しなければならぬという事例も大臣よく御存じだと思います。これらについては次官にお伺いしたので恐縮なような気もいたしますが、さらに重ねて大臣としてもこれ以外に措置するおつもりがあるかどうか、お聞かせを願いたいと思います。
#25
○安井国務大臣 お話しの通りに、全体の物価が若干上がっているというような傾向もございまして、地方の個々の団体の運営にある程度の困難が来たされていることも事実であろうと存じます。さしあたりましては、一番大きな要素であるこの給与の問題、それからさらに住宅と学校の単価改正に伴う財源措置を自治省としてはいたしたわけでございます。そのほかにいろいろな要素がございますが、一面から見ますと、地方税全体に対する伸び、そういう問題も、これはただいま正確な一計算はいたしておりませんが、あるようでございますし、また特別の事由によって起こってくる財政処理につきましては、特別交付税でまたこれをかげんするというような状況もございますので、今のところ交付税率なり基準財政需要を根本的にここでこれ以外に変えようというつもりはないわけでございます。
#26
○山口(鶴)委員 ないというお話でありますが、しかし、それが今申しましたような地域が、特別交付税だけで十分にその地域の財政需要が補てんし得れば私は問題ないと思いますけれども、そうしたことが困難であるという地域、そういうものをやはり具体的に検討して、それに対する手だてというものを講ずることが、私は自治省の責任ではないだろうかというふうに考えまして、一応そういう意見を申し上げておきたいと思います。
 それでは具体的に給与の問題について若干お尋ねをいたしたいと思うのでありますが、これで拝見をいたしますと、もちろん私は今回の給与改定自体が適切であるかどうかという問題については、内閣委員会において十分御議論をされることだろうと思いますから、そういう点については触れません。そういうことを抜きにいたしまして、今回のこれを拝見いたしますと、交付団体において約二百十億円あれば、政府が国家公務員に対して措置しようとするところの給与改定の経費をまかなうに足りるというふうな御計算のように拝見をいたすのでありまするが、昭和三十六年度の地方財政計画を拝見いたしますと、給与費の合計は六千九百五十六億円でございます。もちろん義務教育諸学校に対する職員の二分の一は国庫負担金で参るわけでありますから、それを差し引くといたしましても、六千九百五十六億円に上る給与費、もちろんこの中には給与改定によって影響を受ける費目と受けない費目とがあろうと思いますが、そういうものを考えた場合に、二百十億円の経費でこれは足りるのですか。算定の根拠を一つお示しをいただきたいと思います。
#27
○奥野政府委員 今、地方財政計画の数字をお述べになりましたが、これに対応いたします今回の増加経費は三百六十二億円、こういうことになっておるわけでございます。地方財政計画を策定いたしましたと同じ基礎によってこの増加額を算定しておるわけでございますので、その間には違ったところは全然ございません。御参考に申し上げますと、不交付団体も合わせまして……。
#28
○山口(鶴)委員 この表にはないですね。
#29
○奥野政府委員 今お話しになりました表でございますと、一ページの再算定による増加見込額の一番下が二百九十六億二千三百万円になっておるわけでございます。これにさらに義務教育費国庫負担金が六十九億円あるわけでございますので、合わせますと、今申し上げましたような数字になって参るわけでございます。
#30
○山口(鶴)委員 それでは、あとでけっこうでありますから、これが出て参りました根拠、基本給が都道府県、市町村、交付団体、不交付団体に分けて、一体幾らくらいで、上昇率は国が七・一%のようだが、地方自治団体によって、あるいはその職種によりまして、上昇率が違うと思いますので、そういった比率は幾らで、どういう計算でこうなったという根拠を、あとで委員会の方に提出をいただきたいと思います。従ってそれはあとでお尋ねをすることにいたしたいと思うのでありますが、公務員課長さんがおられると思いますので、お尋ねをしたいと思います。
 大体地方公務員法の建前からいきまして、国家公務員の措置に準じていろいろ措置せられるという格好になっておることは承知をいたしておりますが、こういった給与改定というものが行なわれますと、要するに、国の制度をそのまま地方に持ち込んで、ある程度の矛盾があるという点についてはお考えになりませんか。たとえば具体的な事例で申し上げてみたいと思うのですが、通勤手当という手当があります。これで見ますと、通勤手当については若干今度変わりましたために、平均百六十円であったものが百八十円程度に上がるようにこの積算の基礎を見ますと出ております。そこでお尋ねをいたすのでありますが、東京都等に比較的多く住んでおられます国家公務員の通勤実態というものを考えてみますと、大体国電とか地下鉄あるいは都電、そういうものを利用されて官庁に御出勤になる。ところが地方公務員を考えてみますと、汽車とか電車とか、もちろん地下鉄なんて便利なものはございませんで、大体バスで通勤をするとか自転車あるいはバイクで通勤する、そういう方が非常に多いということは課長さんも御存じだろうと思います。そこでお尋ねいたすのでありますが、通勤手当が今度六百円から最高七百五十円に変わるようでありますが、汽車や電車の定期については割引率が非常によろしいわけです。ところがバス等を考えてみますと、割引率なんというものは非常に低いものです。一カ月バス代だけでもって四千円とか三千円とかかかるという人も相当あります。そういった狭い地域に人口が密集しているところで通っているという通勤実態と、地方公務員の場合は、いわば山間地の非常に交通の不便なところに住んでおって、しかも通勤しているという実態でありますから、そういうものを、国家公務員が最高限度六百円だから六百円、七百五十円だから七百五十円、こういう格好で措置するということがはたして――私は七・一%云々という議論はいたしませんけれども、そういうことを抜きにした国家公務員と地方公務員の通勤実態というものを考えた場合に、同じ制度を採用するということが適切であると公務員課長さんお考えですか。それからまた、通勤の機関がないところは、やむを得ずオートバイを買ったりなんかして通勤している人が相当あります。ところが、これらの人は自転車とみなして一カ月従来のところは百円、今度上がったところで二百円打ちどめという格好になるでしょう。そういうものがはたして地方公務員の通勤実態に即した手当というふうにお考えですか。こういう点、公務員課長さん、国家公務員の例をそのまま地方公務員に持っていけばいいという単純な考え方でおるのか、それについてはまずいから是正しようというお考えなのか、こういう点を一つお聞かせいただきたいと思います。
#31
○松浦説明員 国家公務員につきましても、御承知のように全国津々浦々にそれぞれ配置をされているわけでございます。地方公務員の方が、ただいま御指摘をいただきましたように、どちらかといえばへんぴなところにいる割合は多いかもしれませんが、国家公務員も必ずしもへんぴなところにおらないわけではございません。その国家公務員について、国が東京に在勤する者とへんぴなところに在勤する者について一律の制度を使っております現在の状況におきましては、やはり程度の差はございましても、今の制度のもとにおいては、国家公務員に準じた制度を地方公務員にも実施されることを期待していく以外に方法がないのではなかろうか、こういうふうに考えております。
#32
○山口(鶴)委員 確かに国家公務員もへんぴなところにおられます。灯台の職員の方とか、あるいは観測所とか、あるいはいろんな試験研究所でもって山間地域でなければならぬというところはあります。ところが、そういう方々の実情を考えますと、そういうへんぴなところに対しては、国家公務員の場合は、その地域に官舎がございまして、大体そこに居住して勤めておるというふうなものが大部分でしょう。ところが地方公務員はそうではありませんよ。全体がへんぴなところに相当住んでおりまして、なおかつ学校等を考えてみていただけばわかりますけれども、みんな大体通勤をしておるのです。そういう点の実情からいいますと、ただいまの公務員課長さんの認識はちょっと現実離れしておるのじゃないかと思うのですけれども、そういう点はどうですか。
#33
○松浦説明員 国家公務員でも、私ども一般に考えておりまして、灯台守とか、そういう極端な事例でなくても、それぞれ山奥にも砂防事務所もございます。県庁所在地以外の市町村におきましても、国の出張所があるわけであります。そういうものと比較いたしました場合には、それぞれ今の国家公務員の制度に準じた制度を準用していく以外道がない、このように考えております。もちろん、御指摘をいただきましたように、地方公務員について極端に山奥等にございますものについては、それぞれ特殊な手当を地方公共団体が条例で認めることもできるわけであります。これは通勤手当の問題とは別に切り離して考えていかなければならない。たとえば発電所を作っておりますため、都道府県の職員が非常に山奥に入っておるというような場合には、一〇%あるいは二〇%、多い場合には四〇%というような、いわゆる特殊在勤地手当というものを条例で作ってカバーいたしております。通勤手当の問題と、そういう極端な事例とは別に考えていくべきではなかろうか。
 教員の問題につきましては、それぞれ通っておられる事例を私もたくさん聞いております。しかし、この問題につきましては、本来、公舎、官舎と申しますか、そういう方で解決すべき問題であって、何でもかんでも、通勤手当というもので、そういった事態を一切解決していこうということが無理なのではなかろうか、私はそのように考えております。
#34
○山口(鶴)委員 そうすると、今のお話を総合いたしますと、こういう特殊な場合におきましては、条例等で当然見るべきものだ、そういう格好で自治省も指導しておられるというふうに考えていいわけですね。そういうことになれば、当然給与改定をいたします場合におきましても、国と同じ率でもって、そのままイコールというわけにはいかぬわけでございまして、そういう実態があるということになりますならば、当然実態に即した給与というものがあり、給与改定等を実施いたします場合にも、特別な財政需要というものが考えられる。こういうことについては、今回の算定において十分御配慮されて算定をしておられるのかどうか、こういう点を一つお聞かせいただきたいと思います。
#35
○松浦説明員 財政計画の問題になりますが、財政計画は、御承知のように実態というものを即つかまえてきて描いておるものではございません。当初に描かれました姿において給与改正後の姿を是正しておるものでございます。従って、各都道府県が、私どもの考え方に従いまして国家公務員に準じて条例改正を給与改定について行なっていった場合の実所要額と、財政計画で措置いたしたものは必ずしも一致しないだろう、このように考えております。
#36
○山口(鶴)委員 そういうお話はよくわかります。そういう実態だと思います。そういたしますと、あるべき姿の地方自治団体を描いて、そこに課長さんが何人いるとか、甲吏員が何人いる、乙吏員が何人いる、あるいは雇員の方が何人いるという格好で、あるべき姿を描きますね。そして給与費を算定しておられる。そういうことが、その後給与改定等を何回か実施していくことになると、あるべき姿と地方自治体における現実と非常に食い違ってくると思うのです。そういった食い違いについては、今回の場合は全然考慮されておらないようであります。しかし、それでいいとお考えですか。やはり近い将来において、こういうものについては改善しなければならぬというお考えがございますか。
#37
○松島説明員 財政計画と現実との食い違いをどうやって是正していくかという問題でございます。この問題は両面の点があろうかと思います。一つは、財政計画それ自体が現実と違う、財政計画が非常に不合理なものであるがゆえに違うという場合と、現実が少なくともそれぞれの団体が自由の意思によって運ばれるものでございますので、一定の基準から離れているという意味で違うという場合と、二通りあるのではないかと思います。私どもはその点を常に考えまして、たとえば今までも昭和三十年あるいは昭和三十三年というふうに、三年に一度公務員の給与実態調査等を行ないまして、現実に存在する地方公共団体の職員が、国家公務員と同一の学歴、同一の勤続年数あるいは同一の条件にあったならば、幾らの給与が支給さるべきであるかという検討を常に続けながら、財政計画についても必要な是正を行ないつつきているわけでございます。今後ともそういう方向において財政計画が現実を無視することのないようにはして参りたいと思いますが、個々の地方団体におかれましても、またそういう基準を持った財政計画であるということを考えて財政運営に当たっていただくことを期待いたしておるわけでございます。
#38
○山口(鶴)委員 近い将来実態をお調べになると言いますが、いつごろお調べになるつもりですか。それから、これで見ますと、都道府県は百五十万を基準にしておやりになる、市町村の場合は十万を基準にしておやりになっていることはよく承知いたしておりますが、特に私、この前の国会でも、市町村の標準規模の団体を十万ととることについては、一万あるいは八千くらいの町村がありますから、十万という規模が適切であるかどうかということについてもいろいろ議論があるのではないか、そういう事態を考えた場合に、ただ十万という形だけで、現在の方式だけで一貫せられるということについては、やや実情に即さない点もあるのではないかという議論を申し上げたことを実は覚えておるのでありますが、やはり実態を無視するものについてはある程度――論外といえば論外かもしれませんが、しかし、財政計画自体が実情に合わぬ点があるのではないかという点については改めていくという御意思があるとするならば、そういった規模についても、さらに小さい自治団体の規模であるべき姿を一応考えてみる、そういう中で実態と離れている点については直す、こういうつもりもありますか、重ねて二つお伺いいたします。
#39
○松島説明員 給与の実態調査の問題は公務員課が担当いたしておりますが、私どもの予定では、明年度もう一度――もう一度と申しますか、三年目になりますので実施いたしたいということで、ただいま予算要求等の手続をいたしておる最中でございます。
 それからなお、交付税計算上市町村の標準団体を十万にとっておることの可否の点についてのお尋ねでございますが、御承知の通り市町村は、大阪市のような何百万という都市から、小さい町村になると四、五千というところまであるわけでございまして、これを人口十万の標準団体を設定して上下に延ばしていって基準財政需要額を測定するという技術的方法が完全なものであるかどうかという点については、いろいろ問題もあるところでございます。しかしながら、これを幾つかの段階に区切ってやったと仮定いたしますと、私どもいろいろな点から検討いたしておるのでありますが、区切りのところにおける段差というものが生ずるということになりますと、これまた非常に不合理な面も出てくるわけでございます。そこで人口五千ならどれくらいの財政需要であるか、人口一万ならどれくらい、あるいは二万ならどれくらい、十万ならどれくらい、三十万ならどれくらいという、それぞれ人口段階なら人口段階別に、似たような町村を取りながら、そこにおける共通点を見出しつつ、それを人口十万を中心にして、どういう技術的方針に基づいて上下に伸ばしていったならば妥当な線が出るかという検討を常に行なっているわけでございます。私どもは、そういう方向で今後とも検討を続けていきたいと考えております。
#40
○山口(鶴)委員 今の課長さんのお話ですが、たとえば百万くらいをとる、十万くらいをとる、一万をとるという三つの段階にすれば、それを伸ばしていった場合に、五万くらいで食い違いが出てくる、それが心配だということでありましたが、かえってそれでいいのじゃないか、そういう合わぬ点が出てくれば、それでもってその年の財政計画の不備というものが明らかになるのですから、そうすれば、来年はその点を改めねばならぬということになりまして、かえって実態に合うような形になっていくことが促進されるのじゃないですか。そういうことをおそれているからこそ、ますます実態に合わぬような格好になってくるのであって、むしろ落差のできることは奨励すべきものじゃないか、それを通じてあるべき姿というものが実態にほんとうに適合してくる。こういう格好が促進されるのじゃないかと思うのです。そういう点、大臣どうですか。
#41
○安井国務大臣 今いろいろ御意見を拝聴しておりますと、技術的な問題も相当あると存じますので、今の御意見の点もよくいれて検討したいと思います。
#42
○山口(鶴)委員 技術的な問題だからということでなくて、やはり財政計画というのは、見る人は自治省のお役人だけが見るのじゃないのでありまして、われわれのようなしろうとが見る。それから市町村長さん、あるいは市町村の議員の方々が見るものです。そうして自分たちの自治体の運営の一つの指針にされるわけでありますから、やはり技術屋の方ばかりがわかって、しろうとがわからぬというのでは、これは私は地方財政計画としては非常に意味がないものになると思うのです。そういう意味で、一つ大臣の方から、やはりわれわれくらいにわかりやすいようなものを作るという意味で、今言ったことを十分一つ念頭に置かれて、参考にしてやっていただきたい。これをお願いいたしたいと思います。
#43
○安井国務大臣 承知しました。
#44
○山口(鶴)委員 それでお尋ねをいたしたいと思うのですが、給与改定の二百十億で計算上はいいというようなお話でございましたが、いろいろ聞いていきますと、国家公務員と地方公務員の具体的な勤務実態なり、あるいは職員の構成の実態なり、いろいろな点で地方公務員と国家公務員と違っているところもございます。しかし、そういう場合におきましては、この財政計画で見ているのは、あるべき姿の団体を標準にいたしまして、そうして計算をして、この出た答えだけは措置をしておるのが姿だろうと私は思います。ところが一方におきましては、冒頭に私申し上げましたように、いろいろな財政需要というものが、この財政計画をきめた以降において地方自治団体に現われているわけです。しかもそれが極端な地域においては、特にきびしい姿で出てきておるというととはお認めになりました。そういうことがありました場合に、これだけの財政措置をやって、そして地方公務員の七・一%で十分でないかどうかという議論がありますが、十分ということにはならぬというととは私も承知いたしておりますが、そういう議論を抜きにして、七・一%程度なら七・一%で国がやるということになった場合に、これだけの財政措置を地方に流しただけでは、結局ある程度弾力性のある団体はけっこうでありましょうけれども、いろんな悪い要因が特に鋭く現われている自治体においては、自治省が期待するような形の改定というものが行なわれない、こういう懸念が多分にあるということを私は指摘せざるを得ないと思うのです。そういう点につきまして、私といたしましては、今回のこれだけの財政措置というもので、今大臣の方であげました二つの要因に対して十分措置しているんだというふうにはどうしても受け取れない。こういう点を指摘をいたしまして質問を終わりたいと思うのでありますが、どうですか、最後にお聞きいたしますが、悪い要因がいろいろ出ておる地域で、これだけ流して、十分自治省が期待するような給与改定が行なわれるという自信がありますか。この点だけを聞いて終わりにいたします。
#45
○奥野政府委員 まず第一に、給与改定の主要財源の見込み方が十分であるか十分でないかの問題があろうかと思います。先ほど資料要求がございましたので、その際にと思っておったのでありますが、ちょっと簡単に申し上げますと、国家公務員の場合と地方公務員の場合とは職員構成が違いますので、人事院勧告に表われている数字の増加財源だけでいいかどうか、これは若干違ってくるわけであります。人事院勧告は基本給について増加額を示しているわけでございますけれども、本俸換算でいった方が正確になろうかと思います。国家公務員は本俸換算で八・〇六%の増加額になるようであります。地方公務員の場合には、平均いたしまして八・〇九%になるようでございます。その点で若干国家公務員の場合よりも比率としては多い金額を必要とするだろう、こういうような計算をいたしております。職種別には、これは資料で申し上げた方がよかろうと思います。
 その次に、先ほど来、特別交付税制度の運用にあたっては、後進地方団体、御指摘になっております弾力性の乏しい団体に傾斜的に増額交付したいというようなこと、あるいは地方債制度の運用にあたっても、団体の実情を十分考慮したいというようなことを申し上げたわけでございます。なお税の増加しています団体につきましては、必ずしも交付税で給与費増加額の全額を見る必要はないのじゃないかという気持も持っているわけでございまして、法人事業税や法人税割で、二以上の府県間にまたがって事業を行なっているもの、こういうものは自治省の方で法人事業税や法人税割額を実績に基づいて算定しているわけでございます。四月以後の決算の分も、今度再計算いたします場合には、実績を把握することができるわけでございますので、実績を把握して再計算したい、こう考えております。その結果、現在交付税の配分に当たりまして、財源不足額を一〇〇%組み入れられていないわけであります。いわゆる調整率をかけるということで、六十四億円の穴はあいたままになっているのであります。これも完全に埋められるのじゃないか。完全にと言いますと、若干差が出てくるかもしれませんが、大体埋められるのじゃないか。そうしますと、弾力性の乏しい団体は、二百十億の給与費の財源のほかに、六十四億円程度のものも交付税として受けられるということになるわけでございますので、ある程度税収入のみの団体につきましても財源が潤ってくるのじゃないか、こう思っているわけであります。自治省といたしましては、国家公務員の給与改定が本ぎまりになりました場合には、地方公務員につきましても、それに準じて改定してもらうように地方団体に要請して参りたい。財政的な裏づけは今申し上げましたようなことでございますので、大体国家公務員に準じた給与改定措置はとれるのじゃないか、こういうように期待をいたしているわけでございます。
#46
○園田委員長 阪上安太郎君。
#47
○阪上委員 この際、資料を一つ提出していただきたいと思います。一つは、釜崎事件の概要、原因、結果、現況等について、もう一つは公安条例の制定の現況、これについて二つ資料を要求いたします。委員長によろしくお願いいたします。
#48
○園田委員長 本日の議事はこの程度にとどめます。直ちに理事会を開会することとして、これにて散会いたします。
   午前十一時五十分散会
ソース: 国立国会図書館
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