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1961/10/26 第39回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第039回国会 大蔵委員会金融及び証券に関する小委員会 第2号
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1961/10/26 第39回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第039回国会 大蔵委員会金融及び証券に関する小委員会 第2号

#1
第039回国会 大蔵委員会金融及び証券に関する小委員会 第2号
昭和三十六年十月二十六日(木曜日)
   午前十時十九分開議
 出席小委員
  小委員長 伊藤 五郎君
      岡田 修一君    鴨田 宗一君
      田澤 吉郎君    藤井 勝志君
      辻原 弘市君    広瀬 秀吉君
      武藤 山治君    横山 利秋君
 小委員外の出席者
        大 蔵 委 員 有馬 輝武君
        大蔵事務官
        (大臣官房財務
        調査官)    有吉  正君
        大蔵事務官
        (理財局証券第
        一課長)    長谷井輝夫君
        大蔵事務官
        (理財局証券第
        二課長)    湊 良之助君
        専  門  員 抜井 光三君
    ―――――――――――――
十月二十六日
 小委員武藤山治君同月二十五日委員
 辞任につき、その補欠として武藤山
 治君が委員長の指名で小委員に選任
 された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 証券取引に関する件
     ――――◇―――――
#2
○伊藤小委員長 これより会議を開きます。
 証券取引に関する件について調査を進めます。
 本日は、まず当面の証券対策について、政府当局より説明を聴取いたします。有吉財務調査官。
#3
○有吉説明員 株価の暴落の原因とその対策につきまして御説明申し上げます。
 まず初めに、株価下落の実情につきまして、お配り申し上げました資料に基づきまして御説明いたします。
 株価の推移でございますが、まず初めにダウ平均の推移を申し上げますと、表にもございますように、本年の一月におきましては、月平均をとりますと、千四百三十六・七九でございます。一月四日が大発会でございましたが、この日が千三百六十六・七四ということで、一月の安値のところに掲げてある数字でございます。それ以来ダウの趨勢は逐次上昇いたしましたことは、この月平均の数字でおわかりのことと存じますが、七月におきまして月平均におきまして千七百八十六・四七、しかもこの七月の十八日、その次の欄に高値と書いてございますが、千八百二十九・七四、これが一番の高値を示したわけでございます。その後公定歩合引き上げの発表がございまして後漸落歩調をたどったわけでございます。すなわち八月に千七百一・四七、九月に千五百四十三・三五とありまして、十月に至りましてもさらに漸落の歩調をたどりまして、十月二十三日千二百九十九・七六というのを底にいたしたわけでございます。二十五日、昨日は千三百四十八・三八ということになったわけでございます。
 これを、どの程度の上昇をたどり、どの程度の下降をたどったかということをパーセンテージで申し上げますと、本年最初の一月四日の千三百六十六・七四と先ほど申し上げました七月十八日の千八百二十九・七四との率は三三%八八ということでございまして、これだけの上昇を示したのでございます。この七月十八日から先ほど申しました十月二十三日の千二百九十九・七六という下落率は二八%九六ということを示しておるのでございます。昨日の千三百四十八・三八と申しますのは、大体三十五年十二月末の水準と見られるのでございます。
 次に単純平均で申し上げますと、同じように一月四日の大発会の日におきましては、単純平均の安値のところをごらんになっていただけばけっこうでございますが、百八十九円三十六銭でございました。その後上昇いたしまして、七月十四日におきまして二百十九円十九銭という高値を示したのでございます。その後の漸落は、十月の二十三日に至りまして百四十二円二十一銭という安値を示し、昨日におきましては百四十七円五十二銭ということに相なったわけでございます。
 年初と高値との上昇率は一五%七五、高値から一番の安値の十月二十三日の下落率は三五%一二ということに相なっておるのでございまして、昨日の単純平均の株価は大体三十五年一月上旬の水準と御承知願えればけっこうかと思います。
 次に売買高につきまして申し上げますと、東証、つまり東京証券取引所の一日平均売買高を掲げてございます。これは一月におきまして一億二千九百六十一万株を数え、その後四月におきまして一億五千万株というので東証始まって以来の多くの売買高を呼んだのでございます。その後漸落いたしまして、九月に至りまして七千八百万株、十月の平均も大体七千六百万株に落ち込んでいるわけでございます。
 次に、平均利回りは、二百二十五種をとってみますと、年初三分の見当でございましたがその後株価の高騰に伴いまして二分台ということに相なったわけであります。最近に至りましては下落に伴い利回りは上昇いたし、二十三日の安値の際におきましては四分三厘の利回りと相なったわけでございます。
 さらに日証金、日本証券金融会社の差引融資残高をごらんいただきますと、年初におきまして三百四億を数えておったのであります。さらに上昇をたどり、八月に至りまして、八月の二十五日には三百五十四億という最高を示したのでございます。最近に至りましては百九十億ないし百八十億というような状況に相なっておるわけでございます。
 最後には、四社の自己融資でございますが、これまた減って参りました。百三十億、百五十億台のものが一時百八十億台になり、それが減りまして九月の末におきましては六十億台、かような減少の過程をたどって参った次第でございます。
 次に、この下落の原因につきまして申し上げたいと存じます。
 根本的な原因といたしましては、すでに御承知の通り、経済実勢に対する多数投資家の判断の結果に基づくということは否定できないのでございますが、現在のところ一般大衆投資家の不安、動揺によるところの投げ売りというものは見られません。むしろ従来は安定株主と見られておりました法人筋の換金売りがその直接の原因となっていることが、その大きな特徴となっておるのでございます。すなわち、まず第一に申し上げますと、金融引き締めの進行による法人の所用資金調達のための換金売りというものがございます。第二には、増資の急増によりますところの払い込み資金調達のための換金売りということがさらに重なったのでございます。その結果、最近に至りましては、業績のいかんにかかわらず株を処分するというまことに経済の実勢を離れたような状態が招来されておるのでございます。この対策につきましては、政府といたしまして資本市場が産業資金供給の機能を円滑に実現し、一般大衆投資家に不必要な不安、動揺を与えないという観点から、次に申し上げますような措置を今までにとって参りました。また今後の市況に応じましてはとろうと考えておる次第でございます。
 まず、最近の市況におきまして従来のような投機化あるいは人気化の様相が見られなくなったのでございます。そこで本年二月から実施して参りましたいわゆる銘柄別の規制、これは御説明いたしますと、証券金融会社が増担保を特定の銘柄につきましてとっておったのでございますが、この措置と、また取引所が売買規制を行なっておりました特定の銘柄についての規制の措置を、九月の十八日から解除いたしたわけであります。次に十月九日からは、証券金融会社の会員別の融資ワクを拡大いたしたのでございます。数字につきまして申し上げますと、日本証券金融会社につきましては六十億円、大阪証券金融会社につきましては四十億円、中部証券金融会社につきましては七億九千七百万円という額をそれぞれ増しワクいたした次第でございます。また従来日本証券金融会社の貸借担保金の代用有価証券適格銘柄というものが三百六十三銘柄に限られておりましたのが、さらに百銘柄を追加いたした次第であります。次いで十月十一日からは省令を改正いたしまして、信用取引委託保証金率の引き下げを行なったのであります。まず六〇%から五〇%に引き下げを行なったのでございます。さらに代用証券の担保掛目の引き上げもあわせて実施いたしました。これは六〇%から七〇%へ引き上げた次第でございます。さらに最近に至りましては、今申し上げました省令を再度改正いたしまして、委託保証金率をさらに一〇%引き下げて、四〇%にすることにいたしたのであります。この措置は今月二十五日から実施しておる次第でございます。他方、従来からの株式投信の資金純増ワクというものを設けておったのでございます。これを廃止するとともに、この資金のコール・ローンへの運用制限ワク、これを自由にするという措置をとったのでございます。これは、十月二十四日に発表いたした次第でございます。
 さらに、われわれといたしまして、今後考えらるべき措置といたしましては、本年度下半期においては四千六百億円という未曽有の増資が予定されておるのでございます。このような大量な増資が、株式市場に対しまして、一つの圧迫要因となっておるということは、先ほど御説明しました通りでございます。これを何らかの形で調整する必要があろう、かように感じておりますので、目下関係者間で話し合を進めておる次第でございます。なお、先ほど申し上げましたように、最近の市況の特徴といたしましては、商社なり企業なりにおきますところの換金売りというような問題が起こっておりますので、こういった市況の動向に関連しまして、いわゆる資本市場対策として、株式市場に何らかの形で資金を流入させるべきではないかという主張もあるのでございます。
 現在の株価が先ほど御説明いたしましたように、七月十八日をピークといたしまして惨落模様となっているのは、一に金融引き締めの進行による法人の所要資金調達のための換金売りなり、先ほど申しました増資の急増による払い込み資金調達のための換金売り等に基因していることが大きいのでございます。このような金融情勢を反映しまして、株価が実勢以上に変動することは、今後の資本市場が産業資金供給の機能を円滑に発揮するという面から考えて、決して好ましいとは思えないのでございます。従いまして、当局としましては、先ほど申しました大量増資の時期的な調整をはかるとともに、株式市況に不必要な摩擦を起こさせない一つの有力な手段であるということから、昨日証券界から強い要望がございましたので、いわゆる社債の流動化――株式投信に組み入れられておりますところの公社債の流動化ということにつきましても、さらに慎重に検討中でございます。
 以上が最近におきます株価の現状と暴落の原因並びにこれが対策についての御説明でございます。なお、資料をお配りしておりますので、さらに市場第二部の運営の点につきまして触れさしていただきたいと存じます。一応御説明いたしましてから、後に資料に基づいて御説明いたしますが、まず、去る六月七日に提出いたされました証券取引審議会の報告書にもございますが、従来の集団的な店頭取引を取引市場に吸収することが投資家保護の観点から必要であるという配慮から、十月の二日に東京、大阪及び名古屋の三証券取引所に市場第二部が設けられた次第でございます。この結果、東京証券取引所におきましては三百五十八社、大阪証券取引所におきましては二百十九社、名古屋証券取引所におきましては九十一社が、新たに上場されるということになりました。うち、市場第二部銘柄は、東京証券取引所におきましては三百二十五社、大阪証券取引所におきましては百七十一社、及び名古屋証券取引所におきましては五十八社が上場せられたのでございます。このように多くの会社が上場されることになりましたのは、なるべく多くの会社を上場することが、将来再び集団的店頭取引を発生させないことになるので、この上場基準を相当緩和したことによるものでございます。たとえば、資本金についてこれを見ますれば、東京証券取引所におきましては、従来三億円以上の会社の銘柄を上場いたしておったのでございます。これを一億円以上に引き下げ、しかも三十七年の九月三十日までは経過的に五千万円以上であってもよろしいということにしたのでございます。
 市場第二部における売買高を御説明いたしますと、先ほどお配りいたしました資料をごらんになっていただきたいと思いますが、東京証券取引所について御説明いたしますと、十月二日には五百二十万株、これが最近におきましては大体二百八十万株、この間を平均いたしますれば、大体三百十五、六万株の取引高が示されておるのでございます。この市場第二部におきましても、五十種の株価をとりまして、それをダウ、単純等によって毎日の計算をいたしておるのでありますが、十月二日に二五七・五〇というものが、第一部と同様に漸落の歩調をたどりまして、十月二十五日に至りまして二一〇・一五ということに相なったわけでございます。これの値下がり率は一八・三九%でございます。同じく単純につきましても二百五十七円五十銭、昨二十五日には二百七円五十一銭、かように相なっているわけでございます。
 なお備考欄をごらん願いますと、先ほど申しました取り扱い高平均三百十五、六万株というのは、集団的店頭取引の時代におきますところの一日平均の売買高、七月二百八十九万株、八月二百三十万株、九月二百十二万株と比べまして、相当のにぎわいを示しておる、かように思うのでございます。
 次に、この市場第二部におきますところの売買取引の状況は、これらの銘柄が店頭取引として行なっておりました当時と異なりまして、受け渡し期間が四日となるというような点、売買管理が厳正に行なわれているために、穏健に推移しておるものと認められるのでございます。
 なお、市場第二部銘柄の性質にかんがみまして、その売買管理は、市場第一部銘柄以上に厳重にする必要があろう、かように感ずるのでございます。
 先ほどの資料に返りましてまことに恐縮でございますが、市場第一部におきますところの平均資本金は、東京証券取引所におきまして平均三十七億程度の会社によって占められております。市場第二部におきましては、平均資本額が五億四千万円という程度の会社でございます。かように資本金の比較的小さなものでございます。また、その流動性も少ないという銘柄につきましては、特に多少の売買によりまして値上がり、値下がりということが行なわれるために、売買管理を強化する必要があろう、かように考えまして、まず買い占め等によりましてある銘柄の株価変動の著しいときには、その銘柄を規制銘柄として指定し、そうしてこれを規制する必要があるというときには、予告なくして即日その指定をなし得るという措置も考えられておりますし、さらに信用取引はこれを行なわないということに相なっておるのでございます。
 次に会員の問題でございます。証券取引審議会の報告にもあったのでございます。今回市場第二部が設けられることによりまして、地方取引所並びにその会員、あるいは各地の非会員に対しまして、相当な影響があると認められるときには、それらの会員の連合体でも作りまして、会員加入を認めるということを考えたらどうかという答申があったのでございます。これに基づきまして、東京証券取引所におきましては、かねてからこの問題も検討いたしました。結局地元非会員業者の連合体を一社作れば、これを会員として認めるということに相なったわけでございます。大阪証券取引所におきましても同じように一社を認める。また大阪証券取引所におきましては、地方取引所の問題といたしまして、広島取引所会員の連合体一社の設立並びに加入ということを認めることに相なったのでございます。それぞれその準備は進捗中でございます。近く加入の運びになるものと考えられるのでございます。現在、東京、大阪におきます先ほどの地元非会員業者の連合体の問題につきましては、大部分のものがこれに参加する予定になっておるので、ございます。すなわち、東京におきましては、三十六社の非会員業者がございます。そのうち三十二社が連合体の設置に賛意を表しておる。大阪は十三社中十社が賛意を表し、それぞれ着々準備中でございます。なお、広島以外の地方取引所につきましては、現在つなぎ機関がございますので、二、三の取引所におきまして、これが支店を認めるかどうかという問題が残っております。大体問題は解決している、かように考えるのでございます。地方取引所並びにその会員あるいは地元の非会員業者に対する影響ということは、これらの措置によって解決されるのじゃないか、かように考えております。なお、名古屋証券取引所におきましては、かような問題は、地元におきまして非会員もございませんし、起こらないのでございます。
 以上、市場第二部の運営の状況につきまして御説明した次第でございます。
#4
○伊藤小委員長 お諮りいたします。
 調査の便宜上、これより懇談に移りたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○伊藤小委員長 御異議なしと認めます。
 それでは、これより懇談に入ります。
     ――――◇―――――
  〔午前十時四十三分懇談会に入る〕
  〔午後零時十六分懇談会を終わっ
  て散会〕
ソース: 国立国会図書館
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