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1961/12/05 第39回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第039回国会 災害対策特別委員会 第18号
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1961/12/05 第39回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第039回国会 災害対策特別委員会 第18号

#1
第039回国会 災害対策特別委員会 第18号
昭和三十六年十二月五日(火曜日)
    午前十一時九分開議
 出席委員
   委員長 濱地 文平君
   理事 秋山 利恭君 理事 生田 宏一君
   理事 永田 亮一君 理事 古川 丈吉君
   理事 坊  秀男君 理事 岡本 隆一君
   理事 角屋堅次郎君 理事 下平 正一君
      大倉 三郎君    岡本  茂君
      正示啓次郎君    松本 一郎君
      宮澤 胤勇君    保岡 武久君
      五島 虎雄君    島本 虎三君
      楢崎弥之助君    肥田 次郎君
      渡辺 惣蔵君    玉置 一徳君
 委員外の出席者
        農林政務次官  中野 文門君
        農林事務官
        (農林経済局長)坂村 吉正君
        農 林 技 官
        (農地局参事官)堀  直治君
        食糧庁長官   安田喜一郎君
        農 林 技 官
        (食糧庁業務第
        一部長)    田中  勉君
        林野庁長官   吉村 清英君
        水産庁長官   伊東 正義君
        農林事務官
        (水産庁漁政
        部長)     林田悠紀夫君
        運 輸 技 官
        (気象庁予報
        部長)     肥沼 寛一君
        建 設 技 官
        (河川局長)  山内 一郎君
        建設事務官
        (住宅局住宅計
        画課長)    沖  達男君
    ―――――――――――――
十一月八日
 委員渡海元三郎君辞任につき、その補欠として
 松本一郎君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
十二月五日
 委員松本一郎君及び石田宥全君辞任につき、そ
 の補欠として渡海元三郎君及び渡辺惣蔵君が議
 長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
十月三十一日
 一、災害対策に関する件の閉会中審査を本委員
 会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 災害対策に関する件
 十月下旬の集中豪雨等による災害状況調査派遣
 委員より報告聴取
     ――――◇―――――
#2
○濱地委員長 これより会議を開きます。
 災害対策に関する件につきまして、調査を進めます。
 十月下旬の集中豪雨等による災害状況調査のため、被害各地にそれぞれ派遣されました委員より、報告を聴取することといたします。
 まず、京都府及び三重県の調査報告を求めます。古川丈吉君。
#3
○古川委員 第一班は、去る十一月十一日より三日間にわたって、京都府及び三重県下の災害状況を調査して参りましたのでありますが、以下、その概要を御報告申し上げます。
 十月二十六日より三日間にわたる豪雨により、京都府及び三重県下においても、河川のはんらん、堤防の決壊等の結果、土木関係、農林水産関係等に大被害を及ぼしたのであります。
 以下、各府県別に申し上げます。
 京都府については、亀岡市、福知山市、大江町、舞鶴市、宇治市、八幡町笠置町のコースで現地調査を行なったのでありますが、二十八日三時から四時には府下全域にわたって連続雨量が百三十ミリから五百三十ミリに達し由良川、桂川、宇治川、木津川水系など、府下の各河川は二十八日未明から次々と警戒水位を突破し、特に由良川、保津川、山科川、西高瀬川などは各流域ではんらん、亀岡市、福知山市、大江町、舞鶴市、宇治市の四市一町に災害救助法が適用されたのであります。
 京都府は、六月に梅雨前線豪雨による水害、九月には第二室戸台風による風水害を受け、三たび今回の集中豪雨に見舞われたのでありますが、今次十月水害の特徴といたしましては、桂川、宇治川、木津川及び由良川等の大河川のはんらんによって死者、行方不明者を出したほか、宇治、八幡、亀岡、福知山、大江、舞鶴等の広範囲にわたって濁水に洗われるところとなり、おりから刈り取りを終わって稲架にかけて乾燥中の稲束が、稲架もろとも流失し畑作物もほとんど流失、冠水するところとなり、その経済的被害とともに、累次の災害のため住民に与えた心理的打撃も甚大であります。そしてまた、雨量が多く、各地において土砂くずれや浸水があって、道路の不通個所が一時は六十九個所に及び、公共土木施設の被害が大きかったことであります。すなわち、人的被害としては死者三、行方不明者一、負傷者三、罹災者総数は約四万人、被害総額は三十九億三千一百余万円に及んでおります。
 内訳といたしまして、おもなるものを申し上げますと、土木関係被害が約二千個所、十一億二百余万円で、被害総額の約三〇%となっております。そのうち、河川一千個所、約八億円、道路同じく一千個所、約二億円、その他となっております。
 次に、農林関係被害で約十億二千万円、被害総額の約三〇%となっておりますが、農林関係では農産物、特に稲の被害がその大部分を占めており、水稲流失、冠水合わせて約六千ヘクタール、四億余円となっております。
 次に、家屋、学校関係等被害として約六億余円、そのうち、家屋の被害が大部分を占めております。すなわち、全壊三戸、流失二戸、半壊十二戸、床上浸水二千七百二十六戸、床下浸水五千八十九戸、損壊二戸、非住家六百四十二戸、合計約八千戸となっております。
 次に、商工関係被害一千七百六十七件、二億四千四百余円、その他となっております。
 以上、被害額について概数を述べましたが、次に、被災地の特殊事情について、若干触れておきます。
 由良川のはんらんによって、伊勢湾台風に次ぐ多数の被災者を出した福知山市、大江町、舞鶴市について申し上げますと、過去十年間において風水害により災害をこうむった回数が実に十四回に及び、そのうち、四回災害救助法が発動されるという、水害史上類例を見ざる被害状況で、連年の被害のため、復旧も完全に終わるいとまもなく、そのつど致命的な大被害を重ね、逐年貧困にあえいでいる現状であります。この原始河川といわれる由良川の全面的改修はもちろん、現に着工中の個所についても、現在までの予算額から見て、完成までには相当の年月を要する状況でありまして、これでは産業の振興はもとより、民生の安定を期することはとうてい望み得ないのであります。由良川につきましては、さしあたって特に緊急を要するものとして、荒川樋門の早期着工、狭隘部の断面拡張と寄州の除去、河口付近の改修、本流及び支流に第二、第三の防災ダム建設、その間、大野ダムの一時防災専用化、その他要所の堤防かさ上げ補強、築堤等について特段の配慮をなすべきものと痛感いたした次第であります。
 また、亀岡市に災害をもたらした上桂川についても同様、天若ダムの防災ダム化、上桂川保津峡の逆流の緩和等が緊要と認められます。
 宇治市の場合を申し上げますと、六地蔵、木幡地区は昭和二十八年以降実に五回にわたる浸水で、今後さらに、山科川、宇治川の改修が完成されるまで、出水のたびに被害を覚悟しなければならない実情であります。特に宇治市より八幡町、笠置町方面、京都府南部においては、第二室戸台風の暴威の跡もなまなましく、いまだに復旧に至らない個所が随所に見受けられるのでありますが、加うるに今回の出水のため、木津川、山科川、宇治川の洩水、湧水がはなはだしく、危険個所は枚挙にいとまがなく、これを放任することの将来に及ぼす影響を考えるとき、淀川水系の早期治水計画樹立は焦眉の急といわざるを得ません。
 次に、三重県について申し上げます。
 三重県については、上野市小田地区岩倉峡付近を振り出しに、久居町地内雲出川決壊個所、一志町、嬉野町を経て、松阪市松ケ崎海岸、明和町大淀海岸、伊勢市村松海岸地帯について現地調査を行ないました。
 三重県は、十月二十六日より三日間にわたり県下全般に強風、波浪とともに集中豪雨に見舞われ、瞬間最大風速三十メートル以上の強風と連続降雨量平均三百ミリ、最高一千ミリに達する雨量は再三満潮と重なり、県下各地において山地の崩壊、河川の溢水はんらん、高波の襲来による堤防、道路の決壊、民家、耕地の冠水、収穫直前の農作物及び種付張り込み直後のノリ養殖施設の流失等、甚大な被害を与えたほか、住民の日常生活にも大きな不安をもたらしたのであります。
 特に、本県は一昨年の伊勢湾台風の被害よりようやく立ち直りを見た本年において、六月の集中豪雨及び第二室戸台風、さらに今回の集中豪雨と再三にわたる災害をこうむり、被害者の再起能力もその極限に達しております。すなわち、人的被害は死者三、負傷三、罹災者総数二千、被害総額は二十一億七千六百六十余万円に及んでおります。
 おもなものとしては、農林関係被害約九億円、被害総額の約四〇%に当たり、そのうち、農業関係五億四千万円、耕地関係二億四千四百万円、その他となっております。なお、農業関係では、稲の被害がことに著しく、一万六千ヘクタール、五億円に及び、蔬菜が一千百ヘクタール、二千七百余万円となっております。
 土木関係被害は五億四千六百余万円で、被害総額の約二五%に当たり、河川関係三億五百余万円、道路関係一億三千五百余万円、橋梁約五千万円、砂防約四千万円となっております。
 次に、水産関係の約二億六千三百万円でありますが、そのうちの九五%以上がノリ養殖関係の被害であります。
 次に家屋関係二億一千二百余万円、すなわち、全壊一月、半壊五戸床上浸水四百戸、床下浸水三千戸となっております。
 以上がおもなるものの被害額概数であります。
 本県について特に申し上げたいことは、まず第一に、今次災害において、本県被害総額の六〇%近くに相当する十二億六千五百余万円の被害を出しました伊賀盆地の抜本的治水対策及び応急対策についてであります。服部川、長田川、拓植川、三川の合流する伊賀盆地は、岩倉峡の狭窄のため、洪水ごとに天然のダムとなり、各河川の上流に適当なダム・サイトがなく、岩倉峡の開さくもできない現在において、この悲劇的宿命に抗するすべもない現状でありますので、三川の治山治水を総合した抜本的治水対策を立てるため、改修事業費の増大とともに直轄による調査の方途を講ずることと、あわせて現在実施中の長田川上流、上野市小田地区の園堤の早期完成のため、来年度予算の大幅増額の措置を講ずる必要があると考えるものであります。たび重なる災害のため、当地区の農民たちは、永年住みなれた土地への執着もこの際断ち切って、政府の適正価格による土地の買い上げをさえ希望するような状態であります。
 また、雲出川の直轄改修工事の促進についても、本年度より総額四十三億円で直轄改修を行なうこととなったのでありますが、本年度工事費は三千万円の微々たるもので、六月の集中豪雨では中村川、また今次災害では本川の本堤が決壊するという大災害が年二回も繰り返されている実情にかんがみ、来年度予算については特段の配慮が必要と考えられます。また三メートルをこえる波浪と湾内に流出する濁流によって、今年生産に最も重大なノリ種網をほとんど流失、大破された水産関係被害でありますが、今年は特に人工採苗によって順調に芽が出た種網であり今後の大増産に期待をかけていた矢先のことでありますので、漁民に対する経済的、精神的な打撃は想像に絶するものがあるのであります。なお、これについては、ほとんどが極端な零細業者であり、被害についても一万円ないし二万円のものが多いので、これが救済について特段の配慮が望まれます。
 以上、京都府及び三重県の被害状況について、その一部を申し上げたのでありますが、次に、両府県に共通する総体的な要望事項について申し述べておきます。
 一、総合的な治山治水計画の推進、特に淀川水系については、三重、京都、大阪の関係府県を通じた早期治水計画を樹立せられたいこと。
 一、今次の罹災地は梅雨前線豪雨及び第二室戸台風の重複被害を受けた地域が多いので、罹災農林漁業者の復旧経費負担の過重を考慮し、農林水産業施設の災害復旧について、六月の集中豪雨及び第二室戸台風災害復旧と同様の措置を講ぜられたいこと。
 一、今次の災害により被害を受けた農林漁業者の大部分が本年度災害の重複被災者であるため、すみやかに天災融資法を発動し、地域指定を行なうとともに、既往の貸付分について条件緩和の措置を講ぜられたいこと。
 一、被災農家が必要とする自作農維持創設資金の貸付ワクを拡大し、すみやかに貸付措置を講ずるとともに、既往貸付金について条件緩和措置を講ぜられたいこと。
 一、稲束の流失及び家屋浸水により生産農家の飯用保有米が著しく不足するものがあるので、これらに対する低価格による特別売却及び一カ年以内の無利子、無担保による代金延納の措置を講ぜられたいこと。
 一、今次災害の大部分が、刈り取り後、架乾中の稲束の流失による被害であり、六月集中豪雨及び第二室戸台風とたび重なる損害と認められるから、すみやかに農業共済再保険金の概算払いの措置を講ぜられたいこと。
 一、被災市町村の大部分が重複被災市町村であるので、災害応急対策に要する諸経費並びに地方税の減免及び徴収猶予による収入減、並びに農地、農林水産施設及び公共土木施設の小災害については早急なる復旧措置を講ずるため、特例法により財源措置を講ぜられたいこと。
 一、災害救助の経費、災害対策費及び応急復旧費について多額の支出を要し、資金繰りに困っているので、被害市町村に対し緊急融資を配分せられたいこと。
 一、三十六年度予約米の収訂を承認し、等外米及び規格外米を買い上げの対象とするとともに、売り渡し不能農家の予約米前渡金は、三十七年産米収獲まで返済を無利子で延期されたいこと。
 一、被害農民の救済について救農土木事業の設定及び世帯更生資金の借り入れワクについて特別の措置を講ぜられたいこと。
 以上は、私どもが視察して参りました罹災地の要望のごく一部を述べたにすぎないのでありますが、今次災害については、総じて被害者の大部分が零細企業であり、災害をこうむってあすの生活に不安を抱いているという、まことに悲惨な状況にあります。政府においては、一刻も早く有効適切な助成措置を講じて民心の安定をはかり、罹災者諸君の再起に貢献するよう希望いたしまして、第一班の報告を終わります。
 以上であります。(拍手)
#4
○濱地委員長 次に、高知県及び香川県の調査報告につきましては、便宜私が行ないます。
 第二班の現地視察につきまして御報告をいたします。
 第二班は、香川県及び高知県の十月下旬の集中豪雨等による被害状況を視察して参りました。
 私たちは、十一月二十日高松市に集合、翌二十一日県庁において、知事及び関係各部長より、県全般の被害状況並びに今後の要望等の説明を聴取し、直ちに被害地の実地調査に向かい、まず引田町、白鳥町を視察、おりあしく強風のため、一たん高松市に戻り、香川県水産課のことぶき丸にて小豆島に渡り、土庄町、池田町、内海町を視察、二十二日高知市に到着、直ちに県庁において関係各部長より被災状況及び要望事項等を聴取、二十三日、安田町、田野町、奈半、利町、室戸市を視察、時間の関係で現地調査のできなかった東洋町からは、現地の方々の説明を聴取して参りました。
 それでは香川県の被害について申し上げます。
 九月上旬の集中豪雨により五百八十五戸、二千七百十一人の罹災者と土木住宅、農林関係等で統計一億五千万円、第二室戸台風により一万八百五十四戸、罹災人員五万六千九百七十二名、農林、土木、住宅、水産関係等で計五十三億に上る被害を受けたのでありますが、さらに、十月二十六日正午ごろから降り出した雨は次第に激しさを加え、香川県東部及び小豆島では集中豪雨となり、ことに池田町では日雨量が二百七十ミリに達したため、各所で山津波が発生したのでありますが、池田町北地部落の山腹は幅百五十メートル、長さ七百メートルにわたって崩壊し、死者二名を出したのでありますす。香川県、特に小豆島は、例年降水量が少なく災害のほとんどなかったところでありますので、九月の豪雨、第二室戸台風による被害の復旧半ばにして襲われたため、一そう大きな被害になったものであります。その罹災戸数は六千百三十三戸、うち、全壊家屋四十二戸、流失家屋三戸、半壊家屋百四戸、床上浸水一千三百五十二戸、床下浸水九千六百三十三戸、非住家屋の被害二百三十戸、罹災人員二万九千四百六人に及び、被害額は住宅関係二億七千万余、商工関係八千六百万、農林関係七億四千万余、土木関係三億八千万余、衛生関係一千万余、計十五億余りの被害となったのであります。
 県当局の要望事項としては、お手元に陳情書が参っておりますが、一、災害対策基本法の早期施行など防災機構を確立するとともに、再度災害防止のため抜本的災害対策を講ずること、二、十月下旬の集中豪雨の復旧についても、特別立法と同様の趣旨で災害復旧費に対する高率補助の適用などの措置を講ぜられたいこと、三、災害救助費の標準税収入に対する比率を千分の一に引き下げるとともに給付基準を引き上げること、四、農林水産関係としては、天災融資法の適用基準を拡大し、農業収入の百分の二十に引き下げられたいこと、及び農林漁業金融公庫災害資金の主務大臣指定施設に鉄骨ビニール、ハウスの簡易温室を含められたいこと等、五、土木関係については、地盤沈下地帯について治水事業の一環として予算措置を講ずるとともに、小規模河川の改修と小規模多目的ダムの開発について予算措置を講ぜられたいこと、六、中小企業関係としては、資金ワクの増額、償還期限の延長、事業協同組合等の施設の災害復旧について二分の一以上の国庫補助を交付する特別措置を講ぜられたいこと、七、財政関係として、災害復旧費の単価の引き上げ、公共土木施設並びに公立学校施設の小災害に対する地方債の元利補給等の特別措置、及び起債特例法の小災害の補助採択基準を引き上げること等であります。
 私どもが現地を視察して特に感じたことは、山津波の被害であります。不幸中の幸いとして、被害の起こったのが朝方であったため、十数戸が一瞬にして押し流されたのでありますが、死者は二名にとどまりました。しかし、もしこれが夜中に起こったらどんな被害になったかと、戦慄が走ったのであります。山津波の起こった原因としては、花崗岩のもろい土質であったこと、河川が小さく、また、山からすぐ海という急峻な地形であったこと、戦中戦後の乱伐で水を保ちにくかったこと、何百年に一度という集中豪雨に見舞われたこと等があげられますが、同じ小豆島でも、砂防をしていた北側の谷では、人家の被害がきわめて少なかったということであります。また、河川についても、改良工事を行なったところは被害がほとんどなかったということであります。これから見ましても、早急な根本的災害対策の必要を感じたことであります。また、香川県の特殊事情として、小災害が多く、各市町村単位では特例法の対象にならなくても、県全体から見ると被害額が大きくなるため、政令の指定基準を固定せず、弾力的に運用してほしいとのことでありました。
 次に、高知県について申し上げます。
 五月三日、四日の集中豪雨、六月二十四日、五の両日の集中豪雨、六月二十四、五の両日の集中豪雨、八月一日、二日の集中豪雨、第二室戸台風、さらに今回の十月二十五、六日の集中豪雨と、本年は多くの災害に見舞われました。被害総計は、死者三名、行方不明二名、家屋の全壊九十七戸、半壊百七十六戸、流失家屋五十二戸、床上浸水三百八十七戸、床下浸水二千六百七十二戸、罹災人員三千二百九十名、被害額は、土木関係二十六億、関連工事として六億、山林関係九億五千万余、耕地関係二億一千万余、水産関係六億七千万、農作物関係十三億に及んでおります。このうち、十月下旬の集中豪雨につきましては、二十五日夜半から強い風と雨に見舞われ、東部、西部の山間部で特に雨量多く、轟で五百六十五ミリ、船戸四百四十八ミリ、鳥形山三百八十一ミリという豪雨となり、土木関係で一億六千万余、山林関係九千万余、耕地関係九千万余、農作物関係四億一千万円に及びました。
 県当局の要望事項としては、一、今回の集中豪雨の災害についても本年度特別法を適用してほしいこと、二、農林施設災害の復旧については、来年の水稲作付までに生産の回復を完了するため、施越し分については初年度に五割の割当が得られるようにしてほしい、三、天災融資法については、トマト、キュウリ等の抑制栽培の被害を法の対象としてほしいことと、抑制栽培用ビニール・ハウスの購入資金を法第二条第四項の「その他農林漁業経営に必要な資金」に使途できるようにしてもらいたいこと、四、林業関係については、災害復旧事業は四年間となっているが、緊急なものについては、農林水産業施設と同様二年以内に復旧できるよう予算措置を講ぜられたいということと、地元負担金を軽減するため、国の補助率を公共土木負担法並みにしてほしいこと等であります。
 高知県の特色と申しますと、台風が本土に向かう場合最初にぶつかるところでありまして、風、波ともに最も強くなるところであります。実際建物は風雨に対してがんじょうにできておりますが、第二室戸台風のときには波高が十一メートルに及び、堤防が切れなかったところでも、その背後にある家屋、農作物に被害が及んでおりますため、復旧にあたっては、関連工事として堤防をすべて十一メートルまで上げることを認めてもらいたいことと、防潮堤、港湾、農林関係の工事の基準が一定していないため、一番弱いところが決壊しているのでありまして、土木工事の一貫性が強く望まれました。また、被災者の緊急避難所ともなりますので、公共施設の非木造化も望まれました。
 最後に、本調査にあたって種々御協力をいただきました関係者各位に心からお礼を申し上げるとともに、政府におかれましても、被災地の要望事項について十分配慮されんことを強く要望して、御報告を終わります。(拍手)
#5
○濱地委員長 次に、宮崎県及び大分県の調査報告を求めます。秋山利恭君。
#6
○秋山委員 第三班について御報告いたします。
 第三班は、宮崎県及び大分県における集中豪雨の被害状況をつぶさに視察して参りました。
 今回の集中豪雨の特徴は、きわめてその雨勢が強く、さらに、その強雨の継続時間が長かったことであり、これに加えて気象予報が不確実なため、刈り取り直後の圃場における乾燥中の稲を多量に流失し、これにより一そう被害を大ならしめたことであります。
 まず、宮崎県では、一時間の降雨量が二十五日夜半には宮崎市三十ミリ、宮崎市北方の細島では四十二・五ミリ、細島西方の坪谷観測所では六十八ミリ、二十六日には低気圧の中心が九州南端より宮崎県に近づくにつれ、前夜半ごろの豪雨にもまさる強い雨が降り、低気圧が県中部を北進するにつれて、この豪雨も県の北部に向かい、坪谷で十一時より十三時の間に百二十九ミリ延岡市周辺、北川村周辺も記録的な雨量をはかるに至ったのであります。
 この豪雨による被害は、死者七名、負傷者二十二名、羅災者人員は一万五千四百九十八人でありまして、被害総額は十五億八千万円余、その内訳は、施設物被害額が五億七千万円余、このうち、土木被害三億七千九百万円余、農地、農業用施設被害九千八百万円余林地、林業用施設被害が三千二百万円余、住宅被害が四千万円余、生産物被害が九億七千二百万円余、このうち、農作物被害が九億五千四百万円と大部分を占め、民生物資被害額が四千万円余となっております。
 県側よりは、第三十九国会において成立した災害関係特別措置法の今回の災害への適用化、公共土木施設の災害復旧事業の早期完成、被害農業者に対する天災資金の融通及び資金ワクの確保、自作農維持創設資金の特別融資、水稲の被害に対する災害補償、農地、農業用施設の災害改良復旧の早期完成被害農家に対する所得税の減免措置、被害農業者の米穀売り渡し概算金返納に対する利子支払いの免除及び代金延納食糧配給制度の特別措置等について特に配慮せられたいとの要望があり、次いで、宮崎市、西都市、高鍋市等より、気象観測の完備、等外米の政府買い上げ、農業共済の保険金の早期支払い、台風常襲地帯としては、今回は中小河川のはんらんによる深刻なる被害にかかわらず、被害総額の少ない特殊事情を参酌されたい等の切実な陳情がありました。
 次いで、被害の甚大でありました日向市周辺、延岡市周辺及び災害救助法の発動のあった北川村周辺等を視察して参りましたが、現地では特に気象観測の不備、災害補償制度の改善、耕地災害の復旧工事の短縮、特別交付税の増額及び繰り上げ交付、市町村民税の減免措置、公共土木施設、農業施設の早期復旧等について要望がありました。特に北川村においては、半分が以前の災害の原形復旧による永久橋で、半分が従来からの木橋である継ぎ足しの橋が、今回の河川はんらんによってその木橋の部分が破壊された奇妙な現象がありまして、この際橋梁を全部永久橋化したいとの強い要望がありました。
 次に、大分県について報告いたします。
 大分県においては、二十五日夜半から小雨が降り出し、二十六日五時ごろから強さを次第に増し、特に大野川流域から南海部郡にかけては九時から十五時が、また、大野川流域から大分市方面の県下の大部分では十二時から十八時までが最大で、特に三重では毎時三十ミリを越す雨量の激しさでありました。また、国東半島南東部における雨量は、国東農林事務所の調査によれば、二十六日九時から十時までが相当激しく、十七時より二十時まで最高で、安岐町では五百ミリ以上、国東町では百八ミリから二百八十ミリ、国見町で二百十ミリという、考えられないような多量の降雨でありました。
 この豪雨による被害は死者六十一名、行方不明八名、重傷者二十五名、罹災者人員は八万七千三百二十七人でありまして、被害総額は七十八億九千万円余、その内訳は、住宅関係被害が七億六千六百万円余、公共施設被害九百万円余、商工関係被害十億一千万円余、農地関係被害十一億一千万円余、農業関係被害二十九億九千九百万円余このうち、水陸稲被害が二十四億三千万円余、イモ類が一億六千万円余、林業関係被害一億二千万円余、水産関係被害一億一千九百万円余、土木関係被害十八億八千万円余、文教、衛生関係被害六千二百万円余となっております。
 県当局より、今回の災害について天災法の適用、自作農維持創設資金の追加割当、農業共済の保険金の概算払いの早期実現、収穫減収による米穀売り渡し量の減額及び延納、等外米の政府買い入れについての特別措置、被害地域における救農土木事業の実施、肥料の緊急輸送の運搬代金の助成、災害関係特別措置法の適用、農林漁業資金の融資ワクの増額、災害復旧については改良復旧の考慮、小災害の国庫補助増額の措置、現行土工賃金の改訂及び資材価格の高騰による設計単価の改訂等について十分考慮してほしいとの強い要望がありました。
 また、視察した臼杵市周辺、三重町、大分市、杵築市、安岐町、武蔵町、国東町等においては、種々要望がありましたが、共通した要望は、気象観測の完備と資金面の融通でありました。
 また、三重町及び国東半島の安岐、武蔵及び国東の各町においては、交通が一時途絶し、連絡が十分にとれなかった事実に基づき、今後の課題として、ヘリコプターによる通信連絡及び救援物資の輸送確保、道路の完備による救援物資の確保等について強く要望があり、さらに、今回の災害に際し、自衛隊の働きに対する感謝とともに、その際の諸経費の負担等についての要望がありました。
 以上述べましたところを総括的に申し上げますと、今般の災害の特色は、中小河川のはんらんによる農地、農業用施設及び農作物等の農業関係被害がその大半以上を占めていることであります。また、今後の集中豪雨の被害を最小限度にとどめるために特に必要なことは、気象状況の早期的確なる観測を行ない、これを周知徹底させることが最も肝要であります。このためには関係当局はその施設等を完備増設することが急務であると考えられるのであります。
 今回の視察に際しまして、県当局並びに関係市町村の御協力を得ましたことは感謝にたえません。政府におきましても、ただいま述べました被害地の切実なる要望について、十分な立法及び必要な行政措置を早急にとられんことを要望して、報告を終わります。
 なお、私たちが視察いたしました以後の十一月二十日、二十一日両日、宮崎県の日南市周辺で集中豪雨がありまして、この二日で雨量二百七ミリ、多いところでは二百三十三ミリも降りまして、その被害が公共土木で三億余、農地及び林業関係で一億二千万円、農作物で八千万円の被害があったのでありますが、この点もつけ加えておきたいと思います。(拍手)
#7
○濱地委員長 これにて十月下旬の集中豪雨等による災害状況の実態調査の報告は終わりました。
 派遣委員の各位におかれましては、遠路被災各地を御熱心に調査に当たられまして、詳細にその状況を御報告いただき、厚く御礼申し上げます。
     ――――◇―――――
#8
○濱地委員長 災害対策に関する件について、質疑の申し出がありますのでこれを許します。角屋堅次郎君。
#9
○角屋委員 本日は、近く開催される通常国会において、先ほど来御報告になりました十月下旬の集中豪雨等による災害の法的な取り扱いをどうするかということについて、特に官房長官の御出席を求めましてその御見解を承るつもりでおりましたが、閣議その他の関係で後ほど来られるようでありますので、この点は官房長官出席の際に譲りたいと思います。
 ただいまそれぞれ三班に分かれた調査団の派遣報告がありましたが、私も京都、三重方面の災害の実態調査に参加をいたしまして、それぞれ十月下旬の集中豪雨等による災害の実態をつぶさに見て参ったわけであります。その視察の状況等に基礎を置きまして、それぞれ関係各省の取り扱いの御見解等について、これから卒直に御意見を求めたいと思います。
 まず最初に、水産関係の被害の問題でありますが、これは先ほどの三重県あるいは岩手、宮城、福島等、特に十月下旬の集中豪雨等によって、ノリあるいはカキ等に被害を受けた関係県から陳情がございまして、特に今回災害視察をしました三重県のノリ被害の状況に基づいて、先ほど三重県の関係者から陳情があったわけでありますが、この問題につきましては、御承知の通り、災害調査が終わりましてから、特に委員長が四国方面の災害視察中でありましたけれども、緊急を要する問題であるということから、先月のたしか二十日であったと思いますが、理事会を開催いたしまして、稲の流失した問題あるいは米の安売りの問題、共済掛金の仮払いの問題、さらにノリの被害に対する緊急措置の問題、こういうことで理事会を開催いたしましてその、際、私どもから水産庁に対して、ノリの被害対策について現地側の強い要請をお伝えをし、検討を要請したわけであります。本日は幸い特別委員会が開催された機会でありますので、われわれの要請に基づいて水産庁でどういうふうな検討が今日進められておるか、こういう点についてお伺いをいたしたいと思うわけであります。
 御承知の通り、過般の臨時国会において、第二室戸台風までの災害については、それぞれ所要の特例法が設けられまして、災害に対する措置が講ぜられたわけでありますが、その後における二十四号、二十六号、十月下旬の集中豪雨等については、あげて通常国会での法的措置ということにゆだねられておるわけであります。そこで、三重県のノリ等の被害の実態から申しますと、現地側では、この際、第二室戸台風等で講じてきた措置と別の角度から、十月下旬のノリ被害に対する特別助成を講じてもらいたい。つまり、農林水産業の災害復旧等に関する特別措置法の第二条第三項の考え方からいきますと、これは個人被害に対する直接助成というふうな建前をとっておるわけでありますが、現実のノリの場合は、御承知の通り、漁業権は漁業協同組合が持っておって、その漁業権に基づいて各自が漁業権を行使するという形態をとっております。特に災害の場合においては、漁業協同組合が中心になりまして、資材の問題あるいは種つけの問題等について、もよりの各県の余分の資材等について緊急手配をして、災害復旧をするというのが実態であります。従いまして、三重県側の要請として出て参っておりますのは、ノリの災害復旧については事業主体というものを漁業協同組合に置く、そうしてそれに対する災害復旧の助成、こういう新たな考え方に基づいて、助成の道を来たるべき通常国会の法的措置の際には講じてもらいたい、こういう強い要請があるわけでありますし、過般の理事会の際にも、そういう要請を卒直に伝えて、水産庁の善処を要望したわけであります。この点について水産庁でのその後の検討の経過等について、まず、水産庁長官にお伺いを申し上げたいと思います。
#10
○伊東説明員 今先生の御質問の点でございますが、われわれ検討をしておりますのは、災害復旧の際に事業主体として協同組合等がやっておるということは、これは現実にございます。ほかの場合でも、たとえば農地、農業用施設の小災害の場合等は、事業主体が個人のものでありましても、市町村が起債をしまして事業主体となって復旧事業をやるというようなことが一般に行なわれておりまして、漁業の場合にも、個々の個人が受けました被害をまとめて復旧してやるという事業主体としてやること自身につきましては、これは問題ないと思います。ただ、それを被害の算定等にあたりまして、個々のものを全部まとめてやるということになりますと、これは、現行法の建前上からいきましてなかなかむずかしいのではないか。ただ、将来の問題として、これは事業の特殊性といいますか先生今おっしゃいましたように、これは組合の自営等が漁業法でできるのでございます。これはほかの関係と違って、水産は特殊な関係にありますので、将来の問題としましては、そういう自営ということになりますと、先生のおっしゃったようなことがいろいろ考えられるのではないかというふうに思いますが、現在の形態のままを前提にして考えますと、漁協を事業主体にして被害を全部まとめて算定するというやり方は、現行法のものとでは困難ではないかということで、将来の問題として、これをどうするかということは検討したいと思っております。
#11
○角屋委員 本年度におけるノリ等の被害の状況を承って参りますと、第二室戸台風までの被害額というのと、第二室戸台風以降における被害額というのでは、第二室戸台風以降における被害額の方が数倍しているというふうに承知をいたしております。この際、数字的なことでありますけれども、ノリあるいは一部カキも入っておると思いますが、そういう方面の第二室戸台風まで――といっても、これは主として第二室戸台風になりますが、それの被害額、あるいはこれから法的措置を講じようとするそれ以降における被害額、主要な被害県、こういうものについて、数字的にわたりますけれども、若干御説明を願いたいと思います。
#12
○伊東説明員 被害額でございますが、第二室戸台風一つ、この大きな台風と、その後今法律でまだ措置しておりませんものの合計を申し上げてみます。
 ノリにつきましては、今度の室戸台風以後の被害が非常に大きゆうございます。室戸台風自身では、私どもでは、ノリ、真珠、カサ、ハマチというようなものを政令にあげまして、補助の対象にしたわけでございますが、全部で六億くらいございます。今度の被害はノリとカキでございますが、それが十四億でございますから、前よりふえております。その中で、第二室戸ではノリは四千万ちょっとこえたのでございますが、今度は十二億くらいでございます。十四億の中で大部分がノリだということになります。室戸ではカキが一億三千万くらいでございましたが、今度はこれは一億八千万くらいになりますか、大体カキにつきましては室戸と一緒でございますが、ノリが非常に被害が大きいという数字になっております。
 それから県でございますが、災害でまだ措置をしておりません一番大きい県は、宮城県でございまして、十四億のうち約六億ございます。これもほとんどノリでございます。それから次に大きいのは、熊本が三億四千、それから三重県が約二億一千万、岩手が一億五百万、大体一億以上になっておりますのはそういう県でございます。
#13
○角屋委員 ただいま水産庁の長官からのお話のように、すでに法的措置を講じた第二室戸台風以前のノリ、カキあるいは真珠等も含めた被害が約六億、これから法的措置を講じようとする第二室戸台風以降の災害の、水産関係の養殖関係の被害が約十四億、特にその大半はノリ被害で十二億を占めておるというふうにお話がございまして、いかにこれから法的措置を講じようとするノリ被害が甚大であるかということが明らかでございます。特に三重県の場合は、御承知のように昭和三十四年の伊勢湾台風の災害があり、それ以前には二十八年の災害等もあり、さらに、伊勢湾台風以降チリ津波、本年度の累次にわたる災害等、何度となく火害を農林漁業者が受けているわけであります。従って、今回のノリの種付も終わり、すべてのおぜん立ても終わった段階において、非常に深刻な被害を受けた十月下旬のノリ被害というものは、沿岸漁業者としては耐えられない状態であります。従って、そういう累次にわたる災害の実態の上に立って、今回の災害助成という問題については、やはり新たな角度から助成をしてもらいたいという強い要請の出るのは当然であろうかと思うわけであります。ただいま水産庁の長官から、漁業協同組合が事業主体になり、漁業協同組合の範囲内における災害被害総額に対する助成問題ということについては、特例法の今までとってきた建前から見て非常に困難である。漁業協同組合等が今後自営等をやる場合において被害を受けた場合においては、これはまた別の角度から取り上げることができるというお話でございましたが、将来の問題は将来の問題として、もちろん国会としても当然検討しなければならぬかと思いますが、当面の十月下旬の災害そのものについて、やはり私どもとしては、そういう角度から考える必要があるんじゃないか。この点については、もちろん、今申しました要請の点で大蔵省等とも折衝が続けられたと思いますが、現時点では大へん困難な状況にあるというお話でございますけれども、残念にして、政府みずからこれから出して参ります通常国会の特例法等が、われわれが要望している線に必ずしもいかないというふうなことであるならば、過般災害調査に参りました際にも、これは与野党一致をして災害調査に参りました調査の人々が、やはりこの際漁業協同組合を事業主体にして災害復旧をやるのが至当であるというふうな見解の表明等も、羅災者に対してなされた経緯等もあるわけでありますから、そういう方向で、われわれも、今後の法案の内容いかんによっては法修正ということも考えていかなければならぬかと思いますが、こいねがわくば、やはり政府みずから出される法案の場合において、特に十月下旬等の被害の実態から見まして、ノリの直接助成等につきましては特別の配慮をお願いしたいと思います。さらに、たとえば従来とって参りました特例法の解釈から参りましても、一施設ごと三万円ということが基準になっているわけでありますが、同じ水産養殖の場合でも、真珠の場合の一施設三万円、ノリの場合の一施設三万円というのでは相当違ってぐるのではないか、いわゆる真珠の場合の企業能力あるいは経営体の実力、ノリの場合の零細経営の中における被害の程度というものは相当に差があるわけであって、真珠で一施設三万円と考えるならば、現特例法の建前からいっても、ノリ等については二万円あるいは二万円以下、こういう解釈をするのが、養殖施設全般から見て妥当ではないかという感じがするのであります。現行特例法の建前の中で考える場合でも、実はその感を深くするわけですが、そういう方面について水産庁として、従来水産養殖等の災害の復旧をやる場合に、どういう検討を今日までなしているか、そういう点について御見解を承りたいと思います。
#14
○伊東説明員 今御質問の問題は、法律に書いてあります三万円という小災害に例外を開きました問題であろうと思います。これは、従来はいつも零細補助はなるべくしない、ある点から以下の被害につきましては金融措置でやるべきだということで、三万円ということにしたわけでございます。先生のおっしゃいますように、真珠とノリでは経営者の力が違うのではないか、でありますから、経営者の力によっていろいろ差等があってもいいのではないかという御意見でございますが、先生のおっしゃったような御意見になりますと、たとえば農地の問題の災害等になりますれば、三万としておりますが、二町歩経営しょうと、五反歩経営しょうとも三万となっておりますが、これも変えるべきだという御意見になるのではないかと思います。この点を三万円としましたのは、経営者の力ということよりも、零細補助金としては、あまり小さいものまではとらぬという見地の上から三万というものを持ってきておりますので、これを経営者の力によって二万にするとか五万にするとかいうことまで――実は経営のこまかいところは内部でも検討して大蔵省へ要求するというようなことまではいたしておらない次第でございます。
#15
○角屋委員 今、同僚議員から連絡がございまして、通常国会に備えて、第二室戸台風以降の災害についてのいろいろな各般の問題について、閉会中の最終段階における委員会の要望なり決議なりをまとめるために、速急に理事会を開くという話が進んでおるようでありますので、質疑の点は、ちょうど時間でもありまするから、後ほどまた時間があればさらに建設省関係等も呼んでありますし、また、水産庁、林野庁その他にも質問がわたるわけでありますが、それは後ほどの時間に回しまして、私は、ノリ関係の問題だけに焦点を合わして、一まず質問を終わりたいと思います。
 そこで、ノリ関係の問題では、私どもは、この通常国会でやるべき特例法のいわゆる満点の答案というのは、現地側で要請をしておる、漁業協同組合を事業主体にして、漁業協同組合内の災害被害額に対して災害復旧の助成をやる、こういう特例の措置が講ぜられるならば、これは満点の答案ということになろうと思いますが、合格点すれすれというところは、結局、今特例法の第二条の一施設ごと三万円という問題について、これを実際に真珠その他との比較検討の中から、あるいはノリの経営の実態からして、さらにこれの限度額を下げ、そしてノリの零細経営の実態に即した災害復旧助成をやる、つまり、三万円の限度というものは、二万円あるいはそれ以下に下げていく、こういうふうに特例法の中での運営の問題としてそういう一部改正等がなされれば、これはすれすれの合格点になろうかと思いますが、最悪の場合においても、今日この被害額を算定いたします場合に、御承知の通り、ノリヒビの竹とか、そういう施設に対して被害が出てきたものを寄せ集めて三上万円になるかどうかということでやっておるわけでありますが、現実に十月上旬の段階では、種付等も、そういう状態の中で災害を受けたという第二室戸までの段階と、被害の内容が相当に異なっておる。従って、この際、最悪の場合でも、災害復旧被害額の中に、網とかあるいは竹以外に種付料をこの中に含めるというふうなことがとり得るかどうかという問題が、最悪の場合におけるぎりぎりの問題かというふうに考えている。要は、水産庁としては、今申しました三つの方法についてはそれぞれグレードがあるわけですけれども、最後に申しました災害復旧額の内容の取り扱いの問題についてどういうふうなお考えを持っておられるか、お伺いをしたいと思います。
#16
○伊東説明員 最後の点でございますが、今の法律の体系でいきますと、これはまず施設の復旧ということでやっておりますので、先生のおっしゃいました種付料の問題とかそういう経費の問題は、これは天災融資法でございますとか、そういうものの経営資金といいますか、運転資金というものの金融で実際はまかなっていくというやり方になるだろう、それを施設までも含めましてそういうものを考えるということは、今の法体系のもとでは困難ではないかというふうに考えております。
#17
○角屋委員 ただいま、過般の理事会で要望いたしました漁業協同組合が事業主体になって災害復旧をやる、その建前に立っての助成という要望の点のその後の検討については、遺憾ながら非常に困難な事態だという御意見が開陳されました。これらの問題は、いずれ通常国会の際に、法案の審議に並行して処理すべき問題でありますけれどもも、私は、この際、水産庁の方に、ノリの十月下旬の被害の実態から見まして、現地側から強い要請の出ている問題を主体にしながらさらに十分に検討され、法案提出の場合においては、われわれの期待の方向で提出されるよう最善の努力を要望したいと思います。理事会開催等の要望が出ておるようでありますので、ひとまずノリの問題だけに限定して質問をし、あとの問題は保留をいたします。
#18
○濱地委員長 暫時休憩をいたします。
   午後零時十六分休憩
     ――――◇―――――
   午後零時五十一分開議
#19
○濱地委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、第二室戸台風後における災害対策に関し、各派共同をもって本委員会において決議をいたしたいとの動議が出されております。
 この際、その趣旨弁明を求めます。角屋堅次郎君。
#20
○角屋委員 私は、この際、自由民主党、日本社会党並びに民主社会党の三派共同提案にかかる第二室戸台風後における本年度災害対策に関する決議案を提案いたしたいと思います。
 まず、案文を朗読いたします。
   第二室戸台風後における本年度災害対策に関する件
  本件については、すでに本災害対策特別委員会において、次期通常国会で速かに所要の法的措置を講ずるよう決議したが、閉会中における現地視察により、災害復旧の一日も速かに実施すべき緊急性を痛感するとともに、今次災害の特性にかんがみ、稲の流失、のり被害の激甚なる実態等を充分配慮して、通常国会の開会に当り、年内に所要の法制的、財政的措置を講ずべきである。
  右決議する。
 以上であります。
 御承知の通り、本決議案にありますように、第二室戸台風後における本年度災害については、通常国会で所要の法的措置を講ずるよう、十月三十日の閉会まぎわに決議をしたわけでありますが、現地視察に行って参りますと、第二室戸台風以前の災害に劣らない激甚なる被害の実態にありまして、通常国会の開会の模様いかんによっては、法的措置がおくれるということになつては災害地の要請にこたえることはできない。そういうような観点から、所要の法的、財政的措置については年内に済ましたいというのが、われわれ本特別委員会の気持でありますし、また同時に、第二室戸台風後における災害の実態というものを十分精査いたしまして、その実態に即応する法的、財政的措置というものについても十分なる配慮をすべきであるということを災害、現地視察の結果、十分認識して参りましたので、その意も含めて、本決議案を提案するわけであります。
 何とぞ満場の御賛同を賜わらんことをお願いいたします。(拍手)
#21
○濱地委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 別に御発言がなければ、直ちに採決いたします。
 本件を委員会の決議とするに賛成の諸君の御起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#22
○濱地委員長 起立総員。よって、動議は可決されました。
 なお、字句の整理等の必要を生じました場合における措置につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますがきょう御了承願います。
 なお、ただいまの決議を関係政府当局に送付いたします手続等については委員長に御一任願いたいと思いますがさよう御了承を願います。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後零時五十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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