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1961/12/05 第39回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第039回国会 運輸委員会 第12号
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1961/12/05 第39回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第039回国会 運輸委員会 第12号

#1
第039回国会 運輸委員会 第12号
昭和三十六年十一月一日(水曜日)委員
長の指名で、次の通り小委員及び小委
員長を選任した。
 都市交通に関する小委員
      簡牛 凡夫君    佐々木義武君
      壽原 正一君    關谷 勝利君
      高橋清一郎君    細田 吉藏君
      井岡 大治君    久保 三郎君
      島上善五郎君    肥田 次郎君
 都市交通に関する小委員長
      關谷 勝利君
 観光に関する小委員
      生田 宏一君    川野 芳滿君
      塚原 俊郎君    福家 俊一君
      三池  信君    山田 彌一君
      加藤 勘十君    勝澤 芳雄君
      山口丈太郎君    内海  清君
 観光に関する小委員長
      塚原 俊郎君
 踏切道整備に関する小委員
      開谷 勝利君    高橋清一郎君
      塚原 俊郎君    西村 英一君
      細田 吉藏君    山田 彌一君
      久保 三郎君    肥田 次郎君
      山口丈太郎君    内海  清君
 踏切道整備に関する小委員長
      高橋清一郎君
    ―――――――――――――
昭和三十六年十二月五日(火曜日)
   午前十時二十八分開議
 出席委員
  委員長 簡牛 凡夫君
   理事 關谷 勝利君 理事 塚原 俊郎君
   理事 福家 俊一君 理事 井岡 大治君
   理事 久保 三郎君 理事 山口丈太郎君
      生田 宏一君    宇田 國榮君
      佐々木義武君    砂原  格君
      高橋 英吉君    細田 吉藏君
      三池  信君    加藤 勘十君
      勝澤 芳雄君    島上善五郎君
      西宮  弘君    肥田 次郎君
      穗積 七郎君    矢尾喜三郎君
      安平 鹿一君    山口丈太郎君
      内海  清君
 委員外の出席者
        運輸事務官
        (大臣官房長) 広瀬 真一君
        日本国有鉄道
        常務理事    中村  卓君
        日本国有鉄道
        常務理事    関  四郎君
        専  門  員 志鎌 一之君
    ―――――――――――――
十一月三十日
 委員矢尾喜三郎君辞任につき、その
 補欠として原茂君が議長の指名で委
 員に選任された。
同日
 委員原茂君辞任につき、その補欠と
 して矢尾喜三郎君が議長の指名で委
 員に選任された。
十二月五日
 委員矢尾喜三郎君辞任につき、その
 補欠として穗積七郎君が議長の指名
 で委員に選任された。
同日
 委員穗積七郎君辞任につき、その補
 欠として矢尾喜三郎君が議長の指名
 で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 日本国有鉄道の経営に関する件
     ――――◇―――――
#2
○簡牛委員長 これより会議を開きます。
 国鉄の経営に関する件について調査を行ないます。
 質疑の通告がありますので、これを許します。穗積七郎君。
#3
○穗積委員 私は運輸行政あるいは国鉄の経営について門外漢で、深く専門的に研究はいたしておりませんが、今度国鉄当局が合理化の名によって示されました案の中に、当面まず第一次に四工場を廃止するという案が発表されておるわけでございます。これはそれぞれの工場の今まであります地元経済あるいは生活に深い関係がありますとともに、さらにその工場でその土地に居をかまえて生活をし働いておられる従業員の諸君の生活にも大きな影響がございますので、その観点も見ながら国鉄の合理化案と関連をして考えますと今まで御発表になってわれわれが仄聞をいたしております内容によっては、まだ十分なる納得をするわけにいかぬ点があるわけでございます。従って私は、当局の合理化案の一環として出て参りました今の整理案と、それから今申しました地元経済あるいは労働者の立場からいたします主張とのかみ合わせて、少しく今後の方針について伺っておきたいと思うのです。
 そこで、まず第一にお尋ねいたしたいと思いますのは、今後発表になっておりますものは、これは必ずしも国鉄当局の長期的な合理化政策の中で最終的なものではない、あえて言えば第一次案であって、やがて第二次、第三次と、こういう整理統合に関する案が次々に出てくるであろうということが予測されるわけですけれども、お考えになっておられるのかどうか、その点からまず第一にお尋ねしておきたいと思います。
#4
○関説明員 お答え申し上げます。
 ただいまの、今回の案が最終案であるか、第一次案であるかということにつきましては、これは私ども最近の鉄道の車両の進歩、それから鉄道自体の将来に対する使命ということを考え合わせまして、どうしても鉄道の中が大幅に近代化して、新しい旅客または貨物輸送に対して、十分に国家の要請または荷主、旅客の御希望に対して沿っていくようにしなければならないということで、これを検討いたしております。特に、これの将来の国鉄のあり方をきめます一番の根幹になりますのは、動力の近代化ということでございまして、これは蒸気運転を電気運転またはディーゼル運転に変えるということでございます。御承知のように、この蒸気運転は非常に長い歴史を持ちまして、鉄道輸送に非常につとめてきたわけでございますが、最近のように電気機械またはディーゼル機関というものの発達に立ちますと、これを輸送機関に使った場合に、単に動力費が節約されるとかなんとかいうことばかりではなくて牽引力も増しますし、スピードも増すということから、将来これはどうしても蒸気をディーゼルとか電気に変えなければならないということで、昭和三十二年に動力近代化委員会というものを作りまして、これで検討いたしました結果、これは部外の学識経験者にお願いしまして、いろいろ御意見を伺いました結果、おおむね昭和五十年までに蒸気機関車は全部廃止いまして、現在の国鉄の二万キロの営業キロのうち、大よそ七千キロは電化、それから残りの一万三千キロはディーゼル運転にして、おおむね十五年間に蒸気機関車を全廃すべきである、こういうような御答申をいただいたわけでございます。この答申によりまして、その時期における輸送量を想定して、これに対してどれくらいの車両が要るかということを種々検討いたしたわけでございます。
 御承知のように、蒸気機関車は、電気機関車とかディーゼル機関車とは全く構造的に異なっておりまして、あれには石炭をたくボイラーがついておるということから、これに対する修繕方式というものが全く異なっている。そのために、蒸気機関車がなくなった場合には、現在修理いたしております工場または機関区というようなものの修繕設備とか、またはあり方というものが全く変わってしまうという状態になりますために、この御答申に基づいて将来の車両の検査とか修繕をどうするかということを、昨年の五月に国鉄部内に車両検修委員会というものを作りまして、種々検討いたしました結果、将来、機関区または客貨車区というものがございますが、これを全部集めましておおむね半分以下に集約して集中的に検査をやる。工場も、今はどこの工場でも全部蒸気機関車をやるようになっておりますが、これを順次、電気機関車の修繕工場とか、ディーゼル機関車の修繕工場または電車の修繕工場、ディーゼル動車の修繕工場と専門化して、ここで集中修繕をやるというようなことが、国鉄の将来の運営のために一番経済的であり、合理的であるという結論に達しまして、その線に沿って今後の修繕体制を整えていこう、このためには、たとえば大井工場のような、将来東京付近の通勤電車を専門に修繕いたしますような工場は、これを流れ作業でやっていくようにしようというようなことで、設備を現在近代化して、相当な投資をして電車の修繕能力を増すような工事をしております。また一方には、将来このために要らなくなるという工場もございまして、こういう点は五年先までの話でございますが、順次そのつど、機会あるごとにそういうところは縮小して将来閉鎖に持っていく、こういうようなふうに考えて進めているわけでございまして、今度の豊川工場は、その一環ととして、将来電車修繕をやるには豊川だけであっては規模が小さ過ぎる、またほかの投資も相当よけい要る、それよりも、ほかの工場に集約してやった方がより経済的であるということから豊川工場はその第一歩として閉鎖に踏み切ったわけでございます。それから京都の工場は、これは多少違いまして、自動車の修繕をやっているところでございますが、自動車の修繕は、むしろ外部の専門の自動車の修繕工場に出した方が安い。また自動車修繕能力というものは――鉄道車両ではもう国鉄以外に修繕能力がないわけでございますが、自動車工場の方は、むしろ外の方の、マーケットが大きいところに依存した方がいいのじゃないかということで、一方京都の自動車工場の内容は、ディーゼル・カーのディーゼル・エンジンを修繕する方が最近では割合が多くなっているために、これをディーゼル・エンジンを修繕する鷹取工場に一緒にした方がむしろ合理的であるということで、京都の工場の閉鎖をきめたわけでございます。なおもう二つありますが、大宮と大崎の被服工場につきましては、これはまた全然特殊のものでございまして、これはこういうような国鉄職員の制服を作る能力が外部に少なかったときにできたものでございまして、最近のように能力ができた場合には、これもなるたけ外部の力を借りた方が有利であるということからでございますが、そういうような被服工場はこれでなくなりますし、自動車工場はまだもう一つ橋本にございますが、京都がなくなりますと、これで自動車工場の方は一応一段落ということになります。そうなると、この豊川工場が、工場の将来のあり方として、整理していきます第一段階である、こういうことでございます。
#5
○穗積委員 今のお話で、大体今度の当面の整理案というものは、それは、一次案で、最終案ではないということが明確にされたわけであります。そういたしますと、第二次、第三次――同次になるかわかりませんが、遠い将来は別として、十五カ年計画をとってみたときに、それを最終――一応の目標として、そして二次、三次になるか四次になるかわかりませんが、それのプログラムはできておりましょうか。最終的には幾つにして、途中はどこどこをいつどういうような形で整理、廃止または統合するという、そういうプログラムは、もうでき上がっておりましょうか。
#6
○関説明員 その。プログラムは、全体的にはまだできておりません。というのは、今後の輸送増加または車両整備の全体的な見通しがはっきりいたしませんので一ただ最終的には、御参考までに申し上げますと、現在蒸気機関車が約四千両ございますが、これは昭和五十年度にゼロになる。それから電気機関車が約八百現在ありますが、これは昭和五十年度には二千三百五十五両になる。それからデイゼル機関車が現在二百両余りございますが、これが二千三百六十八両になる。それで現在総計約五千両――これは、約と申し上げますのは、現在でも蒸気機関車は次々に廃車になっておりますので、こういうことを申し上げるわけでございますが、約五千両の機関車が四千七百両に減る、こういうことでございます。そして一方電車が現在約四千五百両ございますが、これが一万二千六百六十六両になる、約三倍になる。それからディーゼル自動車が、現在約二千五百両くらいになっておりますが、これが五千七百四十二両になる、これは約倍以上になる。それから客車が現在一万一千両ばかりございますが、これが約四千九百二十二両になる、こういうような計画を立てておりまして、これで、ただいま数字を申し上げましたように、機関車が減ってディーゼル動車と電車がふえるということは、今後の旅客輸送というものは、機関車によってひっぱられるいわゆる機関車列車が減りまして、ほとんどが電車またはディーゼル動車になっていく、こういうような傾向になります。また、これを作りました昭和三十二年度のころの動力近代化計画では一応こういう計画でございますが、今後、その後の進展の度合い、たとえば長距離電車とか長距離ディーゼル動車というものが非常に進みまして、この関係からこの割合はもっと進んで、機関車の数がもっと少なくなってディーゼル動車または電車の数がもっと多くなるんじゃないか、こういうことを考慮いたしますと、このスケジュールについては、まだ今現実に、何年にどこを廃止するというようなことははっきり明確な計画を立てにくい、こういうことを申し上げざるを得ないと思います。
#7
○穗積委員 そういたしますと、現在の、われわれ伺っておるところでは、工場数が二十七工場でございますか、それがおよそどのくらいの工場に圧縮するという大体のめどはお立てになてておられるだろうと思いますが――と申しますことは、第一次の整理案というものは、全体の計画の中における一環でございますから、工場の規模あるいは立地条件あるいは所在地等々が、全体の構造の中で大体のアウトラインはできておって、そこでその一部のプログラムとしておやりになるわけですから、大体の適正規模なり所在地なり、こういうものに対する根本方針が前提になっておるということを考えなければならぬわけですね。そういたしますと、現在国鉄の支社九社あるとすれば九社に一工場というような規模をお考えになっておられるのか、あるいは九社について大体平均して二工場ぐらいの規模をお考えになっておられるのか、その今のふえるであろうところの電車あるいはディーゼル動車の増加数を勘案いたしますと、適正規模もおのずからそこに――それは情勢の変化によっておそらくそれ以上になる可能性が多いだろうと思いますけれども、一応そういう数字をお出しになった以上は、工場の廃止または整理統合にあっては、適正規模なり所在地というものが頭の中に前提としてあるわけですから、市従って将来への展望、われわれの受け取り方としては、今の二十七工場というものをどういうふうに――最終的にはどこをどうするかは別とてて、大体の圧縮する構想というものがおわりになるだろうと思うのですね。どういうふうに理解したらいいか、それも将来のために、今度の第一次案の受け取り方についてのわれわれの考え方を固めるために必要だと思いますので、この際伺っておきたいと思います。
#8
○関説明員 二十七の工場についての最終案は、先般車両検修委員会という部内に置きました委員会で決定いたしまして、この案についてはすでに組合にも検討してもらうように提示いたしているわけでございます。二十七工場のうち、工場として残りますものが十六、それから整備所という形で――これは専門的になりますが、現在国鉄の中の支社に直属しております工場を鉄道管理局につけまして、車両運用と密接に関連をつけていく整備所という名前で、多少規模を縮小していくものが八カ所で、これで二十四カ所、それで三カ所の工場を廃止する、こういうことになっております。その一つに豊川工場が入っているわけでございます。
#9
○穗積委員 そこでちょっとお尋ねいたしますが、この合理化に立って整理統合または廃止をするという構想の中で、適正規模は一体――合理化の基準というものは大体経営を主体としておられるわけですね。つまり採算上生産能率といいますか、逆に言えば経営上でございましょうか、経営上これだけが経済的な最も適正な規模であるというお考えでございますか。
#10
○関説明員 これをきめます条件といたしましては、現在ある設備、またその設備の経過年数、結局耐用年数がどれくらいになっているか、それからまたその位置と、将来車両がどこに一番集中するかというようなこと、それからもう一つは、これの工場の持っている面積というようなことを勘案いたしまして、一番投資が少なくて、将来の合理的な車両修繕または検査ができるような位置、こういうような観点からきめたわけでございます。
#11
○穗積委員 そういたしますと、今のお話でこういうふうに要約して間違いございませんでしょうか。すなわち工場の立地を考える場合には、まず第一に、全国の運輸計画の中でどこに車両が最も集中をするかという点が一点と、それからもう一つは、経営上最も経済的な、すなわちより多くの黒字を出す経営ですね、その経済的規模というものがあろうと思うのです。技術的に、あるいは間接費と直接費とのバランスの点から見たり、あるいは機械化される工場の設備の発展から見ましても、適正規模というものが考えられると思いますが、そういう意味で集約いたしますと、経営的に最も合理的な経済的な規模、この二点が大きな基準といいますか、整理統合案の基準として考えていいということでございましょうね。
#12
○関説明員 大体はそういうことで考えておるわけでございますが、しかしこれには車両の修繕のための車を走らせる距離、いわゆる回送距離といっておりますが、そういうようなことからやはり車両の量が少なくても、北海道とかなんかというようなところでは多少規模が小さくても、これは残さざるを得ないというところも出てくるわけでございますが、おおむねは今おっしゃいましたような車両の密度というか、集中度合い、それと現在設備がどのくらいあるか、これを経済的にはどれくらいまでやれるかというようなことを勘案しまして、たとえば非常に集中しておるところは全然新たに近代化した工場に作り直して、大きな投資をしても十分引き合う。しかし地方の方では現在設備をできるだけ利用して曲がりなりにもやった方が得だという場所も出て参りますので、場所々々によってきまってくるわけでございます。
#13
○穗積委員 そこで、大体一般論はわかりましたので、少し具体的にお尋ねしたいと思うのですが、そうなりますと、日本は、特にアメリカあるいはヨーロッパの大陸と違いまして、非常に南北に長くて、帯のような状態になっておる、しかも中央には各地とも山脈があって、太平洋岸と日本海沿岸の輸送動脈というものが並行しておるわけですね。そういうわけですから、従って製造工場あるいは整備工場等の所在地は、これに回送距離といいますか、電車修繕のため、あるいは修繕したものを配置せしめるための回送のキロ並びに時間を考えますと、やはり工場配置というものは、今お話が出ましたように、そういう特別な立地条件というものを考えていきますと、われわれしろうとからながめて次の結論が出るのではないかと思うのです。それは経済的観点からのみ見て、たとえば先ほど申されました車両を作るのに、あるいは修理するのになるべく全国一工場にまとめてしまうことも可能でしょう。そして最近のように機械化され、近代化された工場ということを考えますれば、それは経済的に見れば、一工場で可能であるし、むしろやった方がコストは安くなるということも考えられましょうけれども、今のような輸送動脈の配置状況から見れば、これは必ずしも一社あるいは少数主義でなくて、適地に製造または修理工場を配置しておくということの方がより合目的ではないか、しかもそれが各社とも分散したためにコストが高くなって赤字が出る採算はとれないということになってはいけませんから、その点もあわせ考えますならば、日本のような南北に長くて、しかも太平洋岸と日本海岸とが並行した輸送動脈を持っておる国におきましては、その配置状況はなるべく少数に圧縮しない方が合理的であり、合目的である。しかし反面それが赤字になる小工場にのみ分散しては経営上困るから、赤字にならぬ程度で、そして生産能率も上がる、そういう点から考えるならば、われわれしろうとでございますが、伺っておるところは大体七百車両から一千車両ないしは一千三百前後、そういうのが経営的に見ても能率的に見ても、最も合理的な規模だというふうに伺っておるわけです。そうなりますと、現在あります工場を一カ所または少数個所に圧縮することが必ずしも合理的な案ではないという結論になりはしないかというふうに私ども思うのですが、それに対しての当局の御意見があるならば、お示しをいただきたいと思うのです。
#14
○関説明員 今の先生の御説は全くその通りでございまして、私どもそういう面を十分に考慮して論議いたしたわけでございます。ただ工場の適正規模ということに関しましては、これはやはり大きくいたしまして、一カ所に同じ車両をたくさんまとめて、これを全部流れ作業でやるのが一番経済的であるわけでございますが、一つには、車両を工場に置いた場合に、できるだけ時間を短くする、早く修繕するということが、車両を使う方から見ますと経済的である。そのためには長距離を回送いたしますために、そのための時間のロスでまた使用効率が悪くなるということもございまして、これが工場の規模をきめる場合に非常に大きな要素になって参ります。
 先生が今お話し下さいました千両という単位はどこから出たのか私よく存じませんが、たとえば現在作っております大井工場は、これは東京附近の通勤電車だけを主にしているわけでございますが、四千両の電車を一カ所でこなすという設備をいたしておるわけでございます。ところが地方の方の、たとえば苗穂工場なんかは、電気機関車もディーゼル機関車もディーゼル動車も電車も全部やろうというふうに、北海道ではせざるを得ないのですが、東京附近のように同じ車両がたくさんかたまっておりますところは、通勤電車だけで四千両もやるという設備にいたしておるわけでございます。これは地域的に適正規模というものに非常に違いがあるということの例でございますが、それに一に回送距離、それから車両の密度、それから現在持っております工場設備というようなことを勘案してきめたために、こういうような、ある一定の適正規模はこれだということをきめにくいむずかしい要素がある、私はこう考えております。
#15
○穗積委員 それからもう一つ、この合理化案をわれわれが受け取って検討するために伺っておきたいのですが、いわゆる国鉄内における工場の考え方としては、従来いろいろな調査会等での結論を見ましても、単能工場の方が合理的である、種々雑多な種類のものを総合的に――総合的という言葉が適当であるかどうか、専門語としては私存じませんが、それよりはむしろ単能工場の方が能率的であり合目的的であるという結論のようでございますが、そのことに対する当局のお考えは変わっておらないかどうか、単能工場の合目的性についてのお考えを伺っておきたいと思います。
#16
○関説明員 単能工場が能率的であり経済的であるということについては変わりはございませんが、しかしそれでは単能工場主義でもって徹底できるかと申しますと、ただいま申しましたように、単能にいたしました場合には、ある程度同一車種がかたまらなければだめだということになりますので、同じ種類の車がそろうような車輌の需要が非常にたくさんあるところはいいのですが、そうでない場合は、先ほど申しましたように、回送距離その他によって単能化を徹底できない。やはり回送距離と車輌の数量、こういうものを総合的に考えました一番経済的な点でこの工場の内容というものをきめていく。概念的に申しますと、同じ種類の車輌がたくさんありました場合に、単能工場でいく方が有利であるということ、これは今でも変わっておらないわけでございます。
#17
○穗積委員 一般的な基本の考え方は大体わかりましたが、そういたしますと、私は実は今度の第一次案で発表になりました四工場については一々調査も視察もいたしておりません。これは、個々の工場について廃止または整理統合が妥当であるかいなかを検討するためには、私はやはり現地のこまかい調査やデータをとってからでなければ抽象的には言えないことだと思うのです。従って私は、他は言いませんが、ごく最近豊川工場は、地元の要請によって私現地をこまかく拝見をし、今までの経過あるいは立地条件あるいは労働者の生活状態等々についてもこまかく伺って参りました。ですから、他の工場においてもそういうことが一般的にいわれるだろうと思うのです。当局で抽象的にあるいは純経済的にお考えになったことが必ずしも各工場の現実にスムーズに受け入れがたい、あるいはそれがかえって非合理的な案になるというようなことがあろうと思うのです。従って、そういう関連において、私は豊川工場のことについて、これはおそらくは他の工場についても共通性があるであろうということを予想しながら、具体的な例としてお尋ねするわけですから、その点あらかじめ私の質問の態度について了解をしていただいた上で少しくお尋ねしたいと思うのです。
 それは、たとえば豊川工場の場合を見ますと、当局のお考えについて、情勢の変化がありますから、前におきめになったことをあとで修正されたり変化があることについては、一々私は責め立てようとは思っていない。思ってはおりませんけれども、ごく最近においていろいろな当局の構想の変化があったということは、今度発表になっておられます五カ年計画についても、やはり次の時期には、短い時期にまた変化があるということを私どもに連想せしめたり不安を抱かしめるのは当然だと思うのです。そういう意味で伺うのです。意地悪く伺うのではありませんからすなおにお聞き取りをいただきたいと思うのです。
 豊川工場は古い経過は別といたしまして、昭和二十四年に伊那の松島工場を合併いたしまして、そのときの当局の方針というのは、これはもう永久にここへ安定するのだ、むしろ東海道中央地区における電車の車輌が先ほどのお話のように増加する一方であるということが予測されるので、これは最終のものであるということで激励をし、その方針を幾たびかお繰り返しになっておられる。それは十二年前のことですから過去のことで、情勢が変化したということが言えるでしょう。しかしながら、そういう方針でこられ、しかも最近になりましては、二十七年の十月に総裁の通達をもって、実は豊川工場は拡張こそすれ縮小廃止はしないという方針を明示しておられる。それから三十二年に至りますと、前年からあなた方当局が組織されました工場調査委員会の結論も同様な結論でございます。工事量というものは将来ふえる一方である、しかもこの工場は電車の単能工場として立地条件その他も非常にいいし、技術もだんだん向上してきたしするから、工場を拡張するについても、この立地条件というものは、単に交通の点から見ていいだけではなくて、その他の地価であるとか、あるいはまた周囲の環境等から見て、非常に適地であるということを宣言された。続いてそれに従って同年の三十二年には、三十五年まで三カ年間の計画で工場の拡大のために一あれは御承知の通り元海軍の軍需工場であったわけです。その跡へこられたわけですから、この工場の一部または敷地の一部がまだ国有で大蔵省所管になっておる。これを払い下げるということで予算化しまして、国会の審議でも予算が通って、買収計画ができ、それが一部実行に移されたわけですね。それが今度急遽反転をいたしまして廃止という案になってきているわけです。その変わり身が、なぜそういうふうに急転換しなければならなくなったかということの説明について、われわれの側から見ると、いささかまだ十分なる合理性を欠いておる。そしてまた説明も抽象的であって不十分であるというところにいろいろな複雑な不安なり思惑が出てくるわけです。それは一体どういう事情でそういうことに変わって参ったのか。遠い昔のことを私は言うわけではありません。今一般的に、その後発表になった今度の五カ年計画の整理のお考えから見ても、それだけの説明から見ても、むしろこういう工場は廃止する理由がないというふうに私どもには受け取れるわけです。いかがなものでございましょうか。
#18
○関説明員 二十四年に伊那松島の工場を合併いたしました。また二十七年にそういうようなことだった、そのときからもう十年経過しておりまして、この十年間の変化は非常に大きいわけでございますが、その間私ども将来に対する見通しがきわめて悪かったということについては、はなはだ遺憾に存じておるわけでございます。ただその後、工場調査委員会の答申が出ましてから動力近代化委員会ができまして、その答申が出まして、いよいよ車両が根本的に変わるという方針が出されましてから、そうなった場合にどのような状態になるかということを鋭意検討を続けて参りました。その後東海道線に「こだま」型の電車特急が走るようになりました。それで、従来長距離運転に電車はだめであるということはみんながかたく思い込んだことでございますが、これがこの電車特急による「こだま」の出現によって、電車であっても長距離に旅行ができるのだということがわかってきたわけでございます。さらに昨年は、例の「はつかり」型のディーゼル・エンジンを積んだ特急ができまして、これがまた長距離運転として非常に快適であるということから、こういう電車編成またはディーゼル編成の長距離列車が十分に実用になる。しかも、一般の旅客の希望からいいましても、こういうものは将来どんどん伸びていくべきものであるという技術的な確信を得たのがここ一両年のことになるわけでございます。それで、従来東海道に電車が走りまして、その電車は、大体現在東京付近に走っておりますような、いわゆるゲタ電車と申しておりますが、通勤用の電車か、せいぜい横須賀線に走っておりますスカ型と申しておりますが、こういうようなせいぜい百キロの範囲内くらいを走る電車が将来の姿であるというところからスタートしておりましたが、現在ではむしろ全旅客列車に取ってかわるのが電車列車またはディーゼル列車である。たとえば山陽線が電化完成いたしますと、東京から博多あるいは久留米までも直通電車が行くということになるのはもう近い将来でございます。そういたしますと、従来豊橋付近が一応ローカル電車の中心になるようなことでございましたが、これが東京または名古屋、大阪というようなところを電車輸送の中心にせざるを得ないというような非常に大きな変化が生じたわけでございます。こういうことから見まして、私ども技術的な見通しが非常に悪かったという点について深く反省しておるわけでございますが、一方技術の進歩が十年前または五年前のわれわれの予想をはるかに越えるようなものである。そこで先ほどお話がございましたように、それでは三十五年度の予算に盛っておるものをどうしてやめたかということでございますが、これはそういうことも気がつきまして、従来からいろいろ国鉄としては現地の方に言っておる手前もありますので、何とか既定方針でいきたいという考え方と、それからこういうふうな長距離電車ができたからには、どうしてもこれは新しい合理的な姿にしなければならないという、国会部内に両方の説がございまして、国鉄部内で徹底した近代化をして、将来の国鉄職員のベースアップをどんどん吸収できるような合理的な鉄道経営というものをやっていくにはどうしたらいいかということの議論の最中であったために、これが三十五年度の予算に――三十五年度の予算といいますと三十四年度でございますから、予算には盛られたのですが、しかし予算がきまってからあとも順次この「こだま」または「はつかり」型の長距離動力車列車というもののよさということが確認されまして、これではもう過去のいきさつもあるかもしれないけれども、新しい方向に踏み切ろうということでやったわけでございます。この点豊川工場の現場の方々がそういう点で非常に不安を覚えたということになるとすれば、はなはだ遺憾であったと存じますが、これからの方向といたしましては、これをとる以外にない。国鉄の職員全体がよくなるとか、また一般国民、荷主、旅客に対していいサービスをするという点についてはこれを進めるほかない、こういうふうにわれわれ考えておる次第でございます。
#19
○穗積委員 今の御説明でまだ私どもは納得する何といいますか、三十五年度までの予算をきめておきながらそれを急転換する一することも私は必ずしも悪いとは言いませんけれども、今の御説明では、そこへ飛躍する理由が、あなたの方で腹の中では思っておるかもしれないけれども、私が伺った範囲ではまだ十分だとは言えない、すなわち納得できないということであります。
 それから過去のことなんでございますが、この工場が電車の単能工場として初めから発足したのは、東海道を中心にして電車の工事量というものがふえるという予測の上であり、しかもあの地区は、従来は関東地区に比べましたり、関西地区に比べますと、電気の供給量が非常に少ないということであったわけですが、これは佐久間ダムによって、この中部地区の電気の供給力というものは十分補強して、あり余って関東地区にも送っておるわけです。そういうようなことは一年や二年で出てきたことではない。佐久間ダムの計画というものはもう長い前から出ておったことであり、しかもそれは数年前に完了して発動しておるわけです。そういう点から見まして、この一、二年で急速に情勢の変化があるということは私は言えないと思うのです。関さん自身がその当時の計画の責任者であったとは私は言いませんから、あなた自身を責めるわけではありませんけれども、どこに一体見通しの誤りがあったか、その反省をして、理由はかくかくだ、そこで新たなる事情はこういうデータがあるのだから、こういう点でやることが合理的だ、政策の転換をやるのだということが、私はまだこれでは十分説明を伺うわけにはいかない。しかしきょうこの委員会でそういう問題について一々私とあなたの間で質疑応答を重ねますことは、委員長初め他の委員の方にも御迷惑であろうし、またここですべてをやる必要はないと私は思うのです。まだあと質問者もおありのようですから、私は一括して工場の点から見て、今度の整理案の中の人員整理の構想を伺いたいと思うのです。
 今あなたのお言葉の中に、労働者のベースアップが今度の合理化の目的の中に入っておるのだ、それが理由になって工場を廃止または整理するのだ、こういうことでございますから、今度の合理化案の中で、工場を整理統合するだけではなくて、従業員の人員の整理そのものについてもまたあとで伺いたいと思っておるのですが、最初にまず話のついでですから、工場の整理統合案が、名前は合理化でありますが、実際は非現実的な不合理化案ではないかという疑点がまだ残る、その理由をあとの検討のためにここで申し上げておきたい。あと具体的にお尋ねしたり、御意見を伺ったり、われわれの意見を言ったりすることは、必ずしもきょうの、しかも一回の委員会でやる必要のないことですから、次々の委員会でお尋ねさせていただいたり、あるいはまた直接組合との交渉の中でお尋ねして意見を伺ってもできることですから、御参考のためにちょっと申し上げて、私の質問をスピードアップしたいと思っておりますから、その点ちょっと取り上げて検討していただきたいと思うのです。
 今おっしゃいましたことで、今まで見通しが誤っておりたということに対しての御説明は、十年前のことでございますならばなんでありますが、今申しましたようにごく一、二年のことなんです。そのときに具体的な電力量なり工事量の需要がふえるということは、この地区においては買収計画を予算化したときからすでにあった具体的事実なんですね。それを見落としておられた。見通しの誤りではなくて、あるものを見落としておられたのです。そういうことでありますならば、今度の五カ年計画そのものも、また何かの見落としによってその政策を転換せしめなければならないというあやまちをもう一っぺん繰り返される危険がなしとしない。ないということを証明するためには、過去の見通しの誤った理由、政策を転換する具体的なデータというものが、もっとわれわれにも納得できるような御説明を必要とするわけであります。そこでそのことを一つ御注意申し上げて、今のお話でありますが、東京または関西に電車の配車または需要が集中するとおっしゃいますけれども、東海地区だけをとってみましても、御承知の通りこの地区は豊橋、豊川、蒲郡、新城、四つの市を中心にして、建設省あるいは自治省、通産省でここは臨海百万都市にするという計画で、重化学工業進出の候補地になっているわけです。従って通勤電車その他の増設は当然考えられなければならないし、そこに増設するならば、赤字線ではなくて黒字線になる可能性が十分あるのです。そういう経済的バック・グランドというものは、既成の事実として出てきておるわけです。のみならず今やっておるものを見ましても、飯田線、それから身延線の修理を今やっておるわけです。それ、だけではなくて、飯田線の一部が複線化することも、もうすでに地元の交通需要から見て当然の結論になりつつある。それから岡崎から多治見に至りますものも着工が決定されているわけです。それから今のあなたのお話でも明瞭でありますが、中央本線の電化計画というものは、もうすでに明瞭になってきておるわけです。こうなりますと、東海道新幹線の広軌の電車は別といたしまして、このローカル線を中心とし、また旧東海道を中心とした狭軌の電車需要というものは、この地区で相当ふえる見込みです。もう将来のイメージではなくて、現実化しているわけですよ。あなたのおっしゃるように、関東または関西に需要量または配車の必要が集中するという今の抽象的な御説明では、われわれは納得するわけにはいかない。
 それから次に問題になりますのは浜松との問題でありますけれども、浜松は従来蒸気機関車を中心にした工場であったわけですね。この蒸気機関車は今おっしゃるようにゼロになるわけですね。従ってこの設備をどう転換するかということは、国鉄当局として当然お考えになるべきでしょう。その場合に二つありますが、一つは整理して民間に払い下げるか、あるいはそうではなくて、単に国鉄内部でより合理的に転用するかということ、その場合に、今度の御方針によりますと、浜松工場は新幹線の工場としてこれを活用するという方針がきまっているわけです。そうなりますと、これは広軌です。しかも、従来は蒸気機関車でありましたが、電気あるいはディーゼル動車ということになりますれば、浜松は基礎ができ上がっているわけですから、当然単能工場として存置をし拡張する、一方豊川工場のごときは、今申しましたような狭軌の電車を中心といたしました単能工場としてやれば、浜松工場も豊川工場も二重投資にはならぬと思うのです。しかも先ほど私が申しましたように、総裁通達で御発表になり、工場調査委員会の結論も同様でございますように、豊川地区は地価の点から見ても、敷地の余裕の点から見ても、また交通の点から見ても、それから労働者の住宅、その他厚生施設の建設の点から見ても、あるいは生活そのものの実情から見ても、密集した東京または関西に新しく工場施設を拡張したり、あるいは新しい投資をするよりは投資額そのものが少なくて済む。われわれの入手いたしております調査資料によりますと、買収計画が発表になりまして、予算化して三十五年までに買収するときの計画は、千三百両の電車を修理をする。それが適正規模である。そのためには工場を拡張しなければならない。工場拡張は易々としてできるわけです。これはこの委員会の方も一ぺん見ていただけば一目瞭然で、市街地の工場拡張計画よりは実に安易にできるわけです。国有地であり、その他の民有地についてもまだ非常な余裕があるわけであります。気候はいいし、それから立地条件、地盤の点もいいし、水利もよろしゅうございますし、生活物資も安いということで、これは十分可能性があるわけです。それで見ますと、浜松の今まで投資いたしました既設の設備を活用する、それに新たにこれを吸収いたしますと新しい設備投資をしなければならない。その設備投資をする場合と、豊川工場で千三百両なり千五百両なりを目標とした、まあいずれにしても千両前後の、黒字の経営の十分できる適正規模にするための投資額というものと比較いたしてみますと、比較にならぬという計算はわれわれには出ておるわけです。はるかに豊川で拡張計画をやった方が安くいく、少額の設備投資でいくという計算が出ておる。それについての説明もまたやがて伺いたいと思っております。これは私の方の計算が一方的に正しいといって当局の計算をなじるわけではありません。しかしながらわれわれはそういうふうに考えるが、どういうものでございましょうかということですから、これも取り上げて検討をしていただきたいと思うのです。そのほか、労働者の生活状況あるいは地元経済との関連等は申せばきりがありませんから、先ほど申しました通りにこれ以上のことは他の機会に留保して譲っておきたいと思っております。いずれにしても工場の今度の合理化案の車輌の配置と、それから経済的規模という二点から見て、しかも単能工場が合理的であるという当局の結論から見るならば、その当局の基本方針から見て豊川工場を廃止する客観的理由というものは非常に非合理的な、非現実的なものではないかという疑いがいまだに私は残っておるわけですから、その点は十分検討していただきたいというふうに思います。
 それから第二の問題で私は一点だけ伺っておきたいと思いますが、今度の合理化案でわれわれが特に関心を示しますものは、これに伴って十五カ年間の長期を考えたときに、国鉄の従業員がただいまどれだけおりますか、四十五万見当でございましょう、それを一体どの程度に人員整理をなさるつもりであるのか。この点も工場の整理案とともに伺いたい。これはこの工場だけでなく、運輸の部分もこの合理化に伴う人員整理を考えておられると思うのですが、もしありとするならば、一体それはどういうことを基準にしてどういうふうにお考えになっておられるのか。これは直接労働者の生活問題ですから、この際基本的な方針だけ伺っておきたいと思うのです。
#20
○関説明員 前段の方についてお答え申し上げたいと思います。実は単能工場でやるということについて先ほど申し上げました通りの方針でありますが、これは豊川工場を先ほど申し上げましたようなあそこのいろいろな工場立地計画とか何かの関係で非常に拡大される。現在豊川工場で持っております電車は約三百両でございますが、これが近いうちに通勤輸送だけでも倍以上の電車が要るようになるということはわれわれ承知いたしております。それで、その電車を修繕するためには、工場には用地もありますが、これはやはり整備拡充していかなければならない。このために将来これを千三百両まで修繕能力をつけるために拡張していくということになりますと、これに約四億の金が要る。それで浜松工場に併合した場合には、これはちょうど豊川工場でも、すでに腐ってこわれかかっている宿舎を新しく建てるという金も含めまして、差引約二億七千万の金がかかる。この設備投資だけでも浜松案の方が安くなっている。それからもう一つは、二、三年先に新幹線の修繕をやることになり、これを浜松でやるとしますと、今からその修繕要員というものを養成して修繕体制を整えなければならない。ところがそのときいきなりではいけないので、今電車をやっている豊川工場の手をそちらの方に振り向けるということが非常にいいことであるし、また技術者として新幹線の新しい車両の修繕を担当できるということは、これは非常に張り合いのあることだというふうにわれわれ考えまして、豊川でやっている連中、ことに熱心に修繕をやっている連中は、将来新幹線の修繕をできるようになるということは非常に技術者としての誇りを感じ、また張り合いを感じているのじゃないか、こういうふうに思っているわけでございます。
 それからもう一つは、単能化に矛盾するじゃないかということでございますが、この浜松工場に、新幹線ができますと、あそこに電車が入って参りまして、この浜松工場はだいぶ前に例の弾丸列車というものが計画されましたときの修繕工場に予定されておりますために、工場の中の線路の敷き方その他は全部今のスタンダード・ゲージ、今度やります新幹線と同じスタンダード・ゲージで修繕ができるように工場の設備ができております。それで、今さしあたりは豊川で担当しております電車を修繕しながら、順次新幹線の電車がふえるとともに、これを東京または大阪の、大井工場または吹田工場の単能化された電車専門工場に移していく、こういう予定にいたしておりますので、この点は単能化と申し上げたことに矛盾をいたしませんし、また経済比較の点においてもこれを検討いたしました結果、浜松工場を利用して新幹線の体制を整えていくことが経済的でもあるし合理的でもある、こういうふうに考えております。ただ先ほどお話のありました電気料金の問題につきましては、私ども東海道の電気運転の電力から比べましたら問題にならぬほど小さいので、この点はあまり考えはいたしておりません。
 それからちょっと気になりますことは、これをベース・アップと関連させるということは、ベース・アップというのは長い将来においてどっちみちベース・アップをしていかなければならないものですから、そのためには鉄道の経営がより近代化され合理化されて、一人々々の働き高がふえなければ、輸送量がふえた分だけ人間を増していくというような機械的なことをしていたのでは職員の給料を増すことができない。そういう意味で近代化を進めるという意味でベース・アップというのを申し上げましたので、この点ちょっと蛇足をつけ加えさしていただきます。
 それからあとの人員の問題については、担当の中村理事からお答え申し上げることにいたします。
#21
○中村説明員 お答え申し上げます。
 私の方といたしましては、十五カ年先の要員問題についてまだはっきりした数字は持っておりません。ただ新五カ年計画の完成いたします四十年度の姿につきましては一応の数字を持っております。それを申し上げますと、大体、全体といたしましては、要員の合理化で三万二千ぐらい捻出いたしまして、これを輸送力の増強と東海道新幹線の関係と、一部は時間短縮の問題の実現に充てたいというふうに考えております。その三万二千人ばかりの要員合理化の中で、工場関係といたしましては大体八千五百人ぐらいを考えております。
#22
○穗積委員 長くなりますので、先ほど申しましたようにいずれ次の機会に譲りたいと思いますが、今、関理事の御説明の設備投資の計算については、これはここで一々あなたの方の計算のデーターを伺おうとは思っておりませんし、私どもの手にしております数字を一々今ここで申し上げて突き合わせて議論をしようとは思っておりません。しかしあなたの今の計算とは違った計算が成り立ち得るという点を、私どもは今の御説明だけではまだ十分納得がいきませんので、これは次の話し合いに譲っていただきたいと思っております。
 それから技術訓練の問題は、これは合併の理由にならぬと思うのです。技術訓練は他の工場へ派遣をしてもできることであって、あるいはまた他の工場に働いている技術者を浜松工場へ招聘をしてやることもできるわけでございましょう。
 それから人員整理の問題については、これは非常に大きな問題でございますし、同時に、これは最近のベース・アップとも関連をするわけですけれども、国鉄の人員の構成、年令の構成、勤続年の構成が非常に不健全なストレスというかひずみを生じておる点は、これは私ども第三者から見まして、ぜひ指摘をして反省を促さなければいかぬのじゃないか。技術の蓄積の点からいきましてもそうです。さらに、ベース・アップをすることのためには、この整理案に賛成をしろ、整理案の効用はベース・アップにもつながるのだ、こういうふうにおっしゃっておられますが、今の整理の問題においても、これは労働者に犠牲を要求する内容を含んでおるわけです。それのみならず、ベース・アップをするためにということであるならば、今度の工場整理は黒字であるから整理する、それだけでベース・アップができるのだということでなくて、もっと、たとえば、われわれしろうとから考えましてもすぐ問題になるのは、既設の、あるいは将来の赤字線に対する当局の考え方がはなはだずさんであるということを私ども常々感ずるわけです。のみならず、第一線の輸送または工場に働いておられる労働者の人員をカットすること、あるいは労働者に犠牲を要求しつつやる合理化、そうでなくて、事務の経営面、間接費の合理化というものがもっとできるはずだ。そういう点の赤字あるいはむだといいますか非合理性、非近代的な経営、逆に言えばルーズな経営、そういう点をもっと合理化していくことによって、労働者に犠牲を要求しないで労働者のベース・アップができる余地が具体的に残されていると私は思うのです。今申しました赤字線に対する対策の問題とか、あるいはまた間接費部面における合理化、そういう点は国鉄全体の経営の中で私は随所に残されていると思うのです。そういう点にメスを入れないで、そしてほんの一部分的な合理化案だという名前によって、しかもこの案の内容は労働者にいろいろな犠牲を要求する、そういう政策については、これは反省をして、検討し直していただくべき必要があるのではないかということを痛感するわけでございます。きょうは突然のことでございまして、時間もだいぶ予想以上にとりまして、委員会にも迷惑でありますから、それらの点については次の機会にいたしまして、きょうは私は問題を提起しておきます。その点をぜひ検討して、次の機会にはわれわれの納得のいくような御説明をしていただきたい。人員の点からと工場整理の点、両方からお願いをいたしておきます。
 そこで最後に締めくくりとしてお尋ねしたいのは、今度の整理案を実行される場合に、当局が一方的にこれを職権を背景にして強行されるというお考えは毛頭ないと思いますけれども、ぜひ関係者との間に十分なる話し合いによって納得を得た上で実行していただきたい。そういう進め方については非常に大事な点ございますから、その点について当局のお考えを伺っておきたいと思うのです。いかがでございましょうか。
#23
○中村説明員 こういう問題につきましては、もちろん職員の方としましても非常に影響の大きい問題でございますので、私どもの立場といたしましても、できるだけ対応組合に十分説明をいたしまして、納得を得た上で実行していきたい、こういうように考えます。
#24
○穗積委員 一方的な職権による強行はしない、話し合いで納得の上でやっていただくということについては了承いたしましたから、ぜひそういうふうにお願いしたい。
 それに関連いたしまして申し上げたいことは、この合理化案が話し合いによってどういう結論になるか、結論が出れば、それにみんなが協力すべきことでございますから、それは当然でしょう。しかしながら、今の納得の上でやるという御方針でありますならば、そういうことが結末がつかぬ前に既成の事実を作っていく、廃止、統合の準備をどんどん予算の上でも工事の実行の上でも強行をして、既成事実を作っておいて、その事実によって強制するというようなことがないように、これも当然のことでございますけれども要望いたしておきますから、御了承を願っておきたいと思うのです。
 最後に委員長にお願いをしたいと思いますが、今お聞きの通り、今度の整理案は関係者に非常に大きな経済的または生活上の影響を与えるわけでございますから、従って合理化の名によって出ておる案がはたして現実に即応した合理的なものであるかどうか、そういうことを委員会としては十分検討していただく権利と責任があると思うのです。そういう意味で、当面爼上に乗っております四工場でございますが、これらは東京から京都までの地区に集中しておるわけでございますので、この自然休会中にでも時期を選んでいただければ、賢明なる委員諸兄に現地視察をして実情を検討し、あるいは要望を十分聞いてさらにこの委員会で検討していただくことができようと思いますので、この点を一つ理事会でぜひお取り上げいただいて、賢明公平なる委員長の御協力を賜わりたいということを要望いたしておきたいと思いますが、一言申し上げまして、委員長の御所感がありましたら伺っておきたいと思うのです。
#25
○簡牛委員長 ただいまの穗積委員のお話は、理事会にかけまして善処いたしたいと思います。次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時四十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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