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1947/08/01 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 司法委員会 第10号
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1947/08/01 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 司法委員会 第10号

#1
第001回国会 司法委員会 第10号
昭和二十二年八月一日(金曜日)
    午前十時三十三分開議
 出席委員
   委員長 松永 義雄君
   理事 石川金次郎君 理事 荊木 一久君
   理事 鍛冶 良作君
      井伊 誠一君    池谷 信一君
      石井 繁丸君    榊原 千代君
      安田 幹太君    山中日露史君
      中村 俊夫君    中村 又一君
      八並 達雄君    山下 春江君
      吉田  安君    北浦圭太郎君
      佐瀬 昌三君    明禮輝三郎君
      山口 好一君    大島 多藏君
      酒井 俊雄君
 出席政府委員
        司 法 次 官 佐藤 藤佐君
        司法事務官   國宗  榮君
 委員外の出席者
        外務委員長   安東 義良君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 刑法の一部を改正する法律案(内閣提出)(第
 六號)
    ―――――――――――――
#2
○荊木委員長代理 それではこれより會議を開きます。
 前囘に引續き刑法の一部を改正する法律案に對する質疑を續けます。酒井俊雄君。
#3
○酒井委員 私きわめて簡單に政府委員に質問申し上げたいと思います。實は地方制度の理事會が次に開かれますので、非常に焦つておりまして、たいへんここの始まりが遲くなりましたので、詳しくはまたの機會にお伺いすることにして、ほんの一、二點お伺いすることにいたします。
 まず第一番に新憲法の要請によりまして、現行刑法の一部の改正はここになされるわけでありますが、刑罰法規の基本法でありまする刑法の一部改正ができましても、他に從來多くの刑罰法規が存在しておつたわけでありまするから、それらの刑罰法規の中には、新憲法の趣旨と相容れないものもたくさんあると思います。すでに臨時的に改廢せられたものもあるかと思いますが、それらの處置はいかなる時期にいかような目的でもつてなされるものかその處置に對するお答えをお伺いしたいと思います。
#4
○佐藤(藤)政府委員 新憲法の施行に伴いまして、これと牴觸するような從來の刑罰法規はこの前の議會竝びに本議會に大體法案を提出いたしまして改廢をなすつもりでございます。なお命令の條項違反についての罰則の改廢につきましては、前議會において協贊を得まして、今年一ぱい効力を有するという留保はありますけれども、これもその期限の經過とともに、命令の條項違反に對する罰則が廢止されることになつております。前議會竝びに今議會において改廢する手當の及ばなかつたものにつきましては、今後十分研究いたしまして、なるべく早い機會において整備いたしたいと考えております。
#5
○酒井委員 刑法の一部が改正されましても、それらの特殊な刑罰法規が古い形のまま殘つておりまして、そこに刑罰の矛盾を來すおそれがある。もちろん明らかに憲法の精神に違反しておるような規定が殘つておりましても、これは憲法上無効であるという判斷が下されるでありましようが、ただ新憲法のもとにおいては、もう少し重く處罰しなければならぬ、あるいはもつと輕くしなければならぬ性質のもの、そういうものをそのまま殘しておきますと、これは憲法違反であるからというので無効という判斷は下されないと思う。從つてそれらの特別刑罰法規が殘つておるために憲法の精神とは矛盾した刑罰が科せられるおそれが多いと思います。殊に裁判所あたりの實際の取扱いを見ますと、ほとんど精神というものをくみとられなくて、法規の明文に忠實に拘泥いたしまして、そうしてこれでもつて犯罪を判斷し、刑罰を下しますのでこれが改廢ということは、一日も速やかになされなければならぬ問題だと思つております。特にこのような特別刑罰法規、ほとんど無數と言つてよいほど刑罰法規はあると思います。よほど綿密に御調査、御整理の上、一日も早く改廢の手續をなされんことを希望いたします。
 次にこれは昨日も重要な中心問題となつた點でありますが、天皇に對する特別の保護をこの刑法でどうするかという問題であります。前の憲法審議の際に私この點について將來刑法がどう規定されるかということに大きな關心をもちましたので、特に金森國務大臣、木村司法大臣に質問をしたのであります。兩大臣とも、天皇の不可侵權は多少意味と形は變るかもわからぬけれども、これを殘すのが當然である、存續させるのが當然であるという意味の答辯を得たのであります。私その答辯に滿足しておつたのでありますが、結局國家の基本法であります憲法に、天皇の特殊の地位を認めました以上、この地位にふさわしいところの、この地位を守るところの一切の法律は、やはり必要であると思うのであります。その地位だけを憲法が掲げましても、その地位を守るところの特殊の規定がなかつたならば、この憲法の精神を貫いたものだとは言えないと思います。殊に國民感情というか、國民信念というか、この日本民族の天皇に對する感情信念というものは、特に刑法の上においても、その尊嚴たる地位を保つところの規定があるべきが當然である。これをなくするということは、おそらく國民の氣持に相反するものだと私は思います。結局あらゆる法律規則は、國民信念の裏付けというか、國民感情の納得のいくところ、これが非常に大事なことだと私は思います。國民すべてが不合理であり不當であるというようなことを、刑法において規定し取扱うということになりましたならば、刑法が國民から離れて、國民感情から申せば宙に浮いてしまうことになると思います。法的根據からいつても、天皇を特殊なる地位においたこの憲法の精神から言えば、やはりその特殊なる地位を守るところの刑法の定めをしなけらばならぬと思います。その意味において天皇不可侵權の規定は、ある範圍と、ある程度において存續させなければならぬものだと私は考える。この質問はまことに重複の感がありますが、どうか御答辯願いたいと思います。
#6
○佐藤(藤)政府委員 刑法改正案におきまして、皇室に對する罪の一章を削除いたしました。その理由については、昨日本委員會で申し述べたところであります。新憲法において天皇に認められた特殊なる重要な地位については、憲法に明記されておるのでありまして、國民として何人も異存のないところと思うのであります。しかしてこの特殊なる天皇の地位を特に保護したい、尊重したいという國民感情も、深くまた強いものであることは、私どもも認めておるのであります。ただこの天皇の特殊の地位を保護するがために、刑法上特別なる刑罰規定を設くべきや否やという點について、意見を異にいたしておるのであります。なるほど前議會でありましたか、憲法審議の際に、政府においては天皇の特殊なる地位を保護するために設けられておる現行刑法については、改正の意思がないということを述べられたように私も記憶いたしておるのであります。その當時は、實は私どもも、憲法が變りましても、天皇が日本國の象徴であり、また日本國民統合の象徴であられるその特殊な地位については何ら變りはないのであります。また國民一般の感情としても、國民全體の敬愛の的として尊敬しておりますることは、何ら憲法の新旧によつて變りはないものと私は信じておるのであります。從つて現行刑法の、この天皇の特殊な地位を保護するがために設けられた皇室に對する罪の改廢については、憲法が變りましても何らそれに手を觸れる必要がなかろうというふうに私どもも考えておつたのであります。しかしながら、一旦新憲法の施行に伴いまして、刑罰に關する恒久法たるこの刑法の改正に從事いたしまて、愼重にその改正事業を進めてまいつたのでありますが、この間現在日本の國際間に立つておりまするいわゆる國際情勢をつらつら見ますると、わが國が民主國家として今後立ち行く上においては、世界各國が刑法典における皇室に對する罪を日本が今後いかように立法上にこれを取扱うかということに非常に關心をもつておられるように見受けれたのであります。かような國際情勢に對處いたしますためには、國民感情にはあるいは副わないかも存じませんが、皇室に對する罪の一章を削除する方が適當であろうという結論に到達いたしたのであります。しかしながこの皇室に對する罪を削除したために、すなわち皇室に對する刑罰上の特別の保護規定を削除したために、皇室に對して何らかの影響がありはしないかということを愼重に考えたのでありまするが、しかしながら終戰後今日に至りましても、また將來の見透しといたしましても、私は刑法上皇室に對する特別な保護規定を削除いたしましても、この皇室に對するわが國民の特別な尊崇の念というものは何ら變りはない。また刑罰法規がなくとも、皇室に對してある犯罪を行うというようなことは、特に重い犯罪であるるいうことの考えについては、刑罰法規の有無にかかわらず、何ら變更がないものではなかろうかというふうに考えられまするので、結局刑法上皇室の特別なる地位を保護するがための特別な規定を削除しても、何ら皇室に對しては影響がないものであろうという見透しのもとに、遂にこの結論に到達いたしたのであります。突如としてこの規定を削除したために、あるいは國民の一般感情に副わないのがあるかも存じませんが、その點は十分改正理由を國民に説明いたしまして、理解していただきますならば、誤解も起らないであろうというふうに考えておるのであります。
#7
○酒井委員 結局ただいまの御答辯は、政府委員の單なる主觀にすぎないと思うのであります。憲法で天皇の特別の地位を規定いたしまして、天皇の尊嚴を認めましても、刑法がただ普通の人に對するのと同じ規定で臨むということになつたのでは、理窟はいろいろつくでありましようが、結局この憲法の精神というものを守り抜いていき、國民にその憲法の眞精神を現實に永久に認識さしていくということは不可能であります。だんだんと憲法上の天皇の特別の地位というものは空文化されていく、薄らいでいくということに必ずなるものだと私は思います。この點こそ實にわれわれ國民にとつて重大な問題だと考えます。なおこれは後に出ます刑事訴訟法の部面にはいる問題かもわかりませんが、刑法がそういう取扱いをするということになると、おそらく天皇の刑法上における地位は一國民の地位と何ら異ならないのであります。ただ天皇の名譽を毀損し、あるいは天皇に危害を加えた者は情状の上で重く處罰するということは、これは刑法の取扱いの問題であらうと思います。たとえば尊屬親殺という特別な規定を設ける。親を殺した者は情状の上で重く處罰するというのにすぎない。特別親を殺した者は、當然旧刑法によると重く處罰されることにならない。それと同じ意味でありまして、情状の上で重く處罰するというのは、これは取扱の問題であると思います。その取扱いの問題、情状の問題は國民感情、國民の信念というものが變れば、その情状に對する點も變つてくるはずであつて、將來その天皇に對する特別の地位は、實質的には非常に影が薄くなる。從つて憲法の精神に反して、この點に關しては憲法の精神は漸次影が薄くなつてくるものと思いますので、十分御考慮願いたいと思います。それから天皇を特殊の地位として刑法が取扱わないとするならば、將來國民が天皇に對する告訴あるいは國家の天皇に對する犯罪の處斷こういうことにつきましても、一切他の國民と平等に取扱われるという原則になるのかどうか。この点御答辯を願いたいと思います。
#8
○佐藤(藤)政府委員 天皇の特別なる地位を保護するがために、刑法上特に規定は設けなかつたのでありますが、しかしながら親告罪について、天皇が犯人たる一部國民に對して告訴するということは、被害者たる天皇に對して期待することのできない事實であろうと存ずるのであります。もし天皇が國民に對して告訴をするということが期待できないとするならば、天皇に對する親告罪を犯した犯人を、不當に免れしめるという不合理な結果を生ずることになるのであります。さような不合理な結果を生ぜしめざらんがために、後に申し上げますように、名譽毀損罪については、もし天皇の名譽を毀損するような犯罪が行われた場合には、天皇に代つて内閣總理大臣が告訴をなすという特別な規定を設けた次第であります。
#9
○酒井委員 私の聽いたのは違うのでありまして、國民が天皇を告訴し得るや否や。告訴し得るといたしましても、その取扱いは一般國民に對するののと同じ取扱いをされる意思かどうか。こういうことなのであります。
#10
○佐藤(藤)政府委員 その點はただいま申し上げましたように、天皇が國民に對して告訴をするということは期待し得ない……。
#11
○酒井委員 國民が天皇を告訴し得るや否やという問題です。一般國民が……。
#12
○荊木委員長代理 他の犯罪、一般犯罪に基いてという意味でしよう。
#13
○酒井委員 天皇を刑法上特別に取扱わないとすれば、天皇が國民の名譽を毀損されるということも考え得ることなんです。名譽を毀損された國民は、天皇を告訴し得るや否や。あるいは親告罪になる場合には、告發權などを國民が天皇に對して發動し得るや否や。かりにそういうことが國民にできるとしたならば、その取扱いは特別裁判所――特別裁判所というのはなくなりますが、その裁判管轄なんかについて、天皇に對しては特別に取扱うかどうかというようなことをお尋ねしておるわけです。
#14
○佐藤(藤)政府委員 ただいま質問の要旨を誤解いたしまして、見當違いの答辯をいたして、まことに相濟みませんでした。天皇が何らかの犯罪を犯した場合に刑法の對象となるかどうかという點に歸著するだろうと思いますが、この點は天皇が新憲法においても、國家の象徴であり、國民統合の象徴であらせられる特別な地位を認められておるのでありますから、私は天皇はその象徴たる地位に鑑みまして、刑法の適用はないものと解釋いたしております。
#15
○酒井委員 その根據はやはり憲法の第一條にあるわけでございますか。
#16
○佐藤(藤)政府委員 さようでございます。
#17
○荊木委員長代理 解釋論だから、いいじやありませんか。
#18
○酒井委員 もちろん解釋問題でありますが、いまの、天皇の不可侵權を認めないとすれば、理論が一貫しないのです。そこに法理論の上から言つてう矛盾を來す。だから、どちらへでも私は一貫すべきだと思います。まあしかし、これ以上は解釋論だからやめますけれども、法理の上から申しますれば、どちらかへ一貫しなければ、一方で不可侵權を認め、一方で否認するというような形に、政府の考え方によればなつてくると私は思います。一考を煩わしたいと思います。
 次に外國使臣に對する刑法上の特別の保護を削除するということでありますが、この點は外國の取扱いと均衡を保つ必要があるのじやないかと思います。たとえば、外國において、日本の使臣に對して特殊な保護がなされるというのに、日本においてはそういう特殊な保護をしない。こういうことになると均衡が保てないと思います。外國のおもなる國の立法例はどんなふうになつておりますか。御答辯を願いたいと思います。
#19
○荊木委員長代理 ちよつと委員長から御注意申し上げますが、それは昨日資料の提供を求めておりまして、きようは間に合うと思います。重複いたしますが、外務委員會の委員長の安東君が見えまして、その點に對して意見を述べたいということでありますから、ただいまの政府委員の答辯は少しお待ち願えませんか。資料が出てからにいたしたいと思います。
 酒井さんの質問は、それを留保になつて、あとありますか。
#20
○酒井委員 第百七十五條の猥褻の文書圖畫の頒布販賣等に對する罪、この刑を引上げた。その引上げた理由は、いただいた法律案の提案理由の中に掲げてございますが、私はむしろこれは反對じやないかと思います。憲法で國民の自由、特に出版等の自由を認められたのでありますから、多少こういうものに對する刑罰をむしろ引下げられた方がいいのじやないかと思います。これは觀點の相違かもわかりませんけれども、こういうものを罪を重くするということは、憲法の精神とむしろ矛盾するのじやないかと思いますが、いかがでしようか。
#21
○佐藤(藤)政府委員 先ほどの天皇が刑法の對象にはならない、刑法の適用を受けないものであるという解釋を申し上げましたが、その點については、天皇の不可侵權を認めておきながら、皇室に對する罪を削除することは不可侵權を認めないことになる、矛盾がありはしないかという御質問でありましたが、私はその點は、何ら矛盾のないものというふうに考えておるのであります。天皇の不可侵權は、なるほど憲法第一條の天皇の特殊なる地位に鑑みまして、不可侵權あるものと考えておりまするが、天皇に特殊なる地位を新憲法に認めておることは御説明の通りでございます。ただ天皇のその特殊なる地位を刑法において特別なる刑罰法規をもつて保護する必要があるかどうかという點に相違があるのでありまして、依然として不可侵權は認めておるのであります。第一章の削除は天皇の不可侵權を否定することにはならないと考えておるのであります。
 次に御質問の刑法第百七十五條猥褻文書、圖畫を發賣、頒布し、または公然これを陳列した場合の刑罰を、現在は單に五百圓以下の罰金または科料という刑罰であるのを、二年以下または五千圓以下の罰金もしくは科料というふうに刑を高めることは、新憲法の精神にかえつて反するのではないかというご質問のように承つたのであります。なるほど新憲法においては言論の自由、思想發表の自由を認めております。基本的人權としてそれは尊重しなければならぬものでありますが、かような基本的人權といえども、公共の福祉に反せざる限りにおいてこれを擁護すべきもの、尊重すべきものと考えておるのであります。公共の福祉を増進するためには公の秩序を守り、また善良の風俗を保持することが、やはり基盤になるのではないかと考えておるのであります。そういう意味からして、善良なる風俗に著しく害のある猥褻の文書圖畫その他のものを發賣頒布し、あるいはこれを公然陳列する、あるいは販賣の目的をもつてこれを所持するといようなことは、善良なる風俗を著しく害する行為であるから、結局公共の福祉に害あるものというふうに考えられますので、現在のように混亂した時代においては、善良なる風俗を維持するにもつと強い態度をもつて臨まなければならぬという考えから、刑罰を高めるのが相當であろうと考えて改正に及んだ次第であります。
#22
○酒井委員 次に執行猶豫の點につきまして、從來懲役禁錮に執行猶豫がありまして、罰金に執行猶豫がなかつたことを、私ども實際法廷に立つ場合に、非常に矛盾を感じておつた。この點罰金に執行猶豫を認めるということは、はなはだ結構だと思います。ただ執行猶豫の條件といたしまして、懲役禁錮は三年……。
#23
○荊木委員長代理 酒井君に申し上げますが、あなたの今の御質問と全く同一の質問が昨日出たのであります。
#24
○酒井委員 それではこれはとりやめておきます。
#25
○鍛冶委員 關連質問について……。天皇の不可侵權についてはたびたび出ますが、今後議論をなからしめるために明らかにしておきたいと思いますが、昨日北浦氏の質問でわれわれ政府の意見は大體わかつたようでありますが、今までの政府の御答辯を聽きますと、どうも昨日と違つた態度のように考えられます。問題は天皇という特別の地位のために普通一般の者では問題にならない、不敬にわたらざるものでも不敬にわたるものがあり得るのですが、この點は政府はお認めにならぬでしようか。たとえば昨日の例に出た米よこせ、これは一個の鍛冶良作に米をよこせと言つたところで笑話に終るだけです。内閣總理大臣に對して米をよこせは政治的の問題に終るのですが、天皇に對して米をよこせとどなるということは、明らかに不敬罪になる。これは一般人と天皇と地位が違うからです。これは一つの例ですが、かようなことはたくさんあるべきはずですが、それを普通一般と變らぬというのはどういうことですか、まずその點を伺いたい。
    〔荊木委員長代理退席、委員長著席〕
#26
○佐藤(藤)政府委員 皇室に對する罪を刑法改正案から削除いたしました理由については、昨日から本日にわたつて御説明いたしたのでありますが、その間に何らくい違いはないつもりであります。不敬罪を削除することによつて單なる名譽毀損のほかに何らか保護すべき部分が保護されないことになつてしまうのではないかという御意見のほどはよく承知いたしました。從來の裁判例によつて見ましても、一般國民ならば名譽毀損以外の犯罪事實が時として不敬罪のもとに處罰せられたような判例も見受けるのであります。また法律論といたしましても、不敬ということは名譽毀損以外に何らか含まれておるものであるというふうに解釋せられておるのでありますが、その範圍がどうも不明確なのであります。名譽毀損以外にどこまでが不敬であるかという觀念が不明確でありますので、刑法改正に當りましてはぜひこの勸念を明確にしたいというふうに考えておつたのであります。今度名譽毀損罪についてそれを改正いたしまして、その勸念を明らかにし、また情状の重い者は刑罰を重くするという態度で改正いたしましたので、皇室に對する罪のうちの不敬罪についてもこれは天皇の名譽を毀損する場合だけでよろしいではないか、天皇の名譽毀損以外何らかそこに神秘的なものを認め、それを侵害した場合に犯罪として刑罰に處するというところまで天皇の特別な地位を擁護する規定を設けることはいかがなものであろうかというような考えから、結局從來の不敬罪も單に天皇の名譽毀損罪に止まる範圍において改正いたしたのであります。
#27
○鍛冶委員 御答辯は私の質問と多少食い違つております。憲法第一條に認められたる天皇という地位のために、普通一般人では不敬にならぬのでも、その地位にとつて不敬となるという特別のものがたくさんあると思うが、お認めにならぬかということだけを聽いたのであります。
#28
○佐藤(藤)政府委員 ただいま申し上げましたように、天皇の名譽毀損罪については、天皇の名譽ということが客體になるのでありまして、私個人の名譽ともちろん違うのであります。申し上げるまでもなく名譽というのは、その人の社會的な身分、地位に基く評價とでも申しましようか、それを保護しようとするのが名譽毀損罪の規定でありまするから、天皇の名譽というものは、天皇に對する名譽毀損罪によつて十分保護されることと存じます。
#29
○鍛冶委員 名譽は一個人についたものであるか、その地位をも含むかということになれば、これは相當議論があると思いますが、私は天皇という特別の地位には特別の場合があると考えます。それ以上は議論になりまするが、私はただここで申し上げておきたいことは、政府は新憲法に基く國民は平等であるという、この平等を原則にして――これはこの刑法だけではありません。昨年來しばしばわれわれも議論しておるところをみますると、この平等ということにこだわつて、民法の改正についても何にしても、いろいろ議論が出るのですが、平等ということは均一ということとは絶對に違うのであります。その地位はその地位において認める、甲は甲の地位において認める、乙は乙の地位において認めるという、これが平等であつて均一ということとは違うと私は去年から言つておるのであります。相續の點でも、私はだれにもよく言つておるが、君たちは法律を知つておるからそういうことを言うのだが、一般人に聽いてみろ、そんなことで通るか、一般常識と離れて法律をむりにつくらなければならぬということになれば法律の價値はないと思います。そこできのう北浦さんが言われたように、さように一般國民感情と異なる法律をつくらなければならぬ特殊の事情がありますかどうかと、こう聽かれた。そこで政府もお答えがなかつた以上は、私は特別の理由がなかつたものと認める。してみれば、きのうあなたの方から言われたように、委員の方でそういう御意見であるならば、政府においてもその線に沿つてやる覺悟であると、こう言われたから私は滿足しておつたのだが、今またこれに對して辯駁せられるところによると、きのうの言葉と違う御意見でお答えになつたのか、それともその通りであるか。その言葉さえあれば、この議論はもうなくなると私は思う。それを明らかにしてこの問題を進める上に基礎をおきたいと思うが、いかがでありますか。
#30
○佐藤(藤)政府委員 皇室に對する罪を刑法改正案において削除しなければならない結論に到達するまでには、相當愼重に研究もいたし、いろいろ苦慮いたしたのであります。最初は先ほど申し上げましたように、新憲法が實施になつても、國民感情の上から天皇の特別なる地位を保護するがために、刑法上皇室に對する罪として特別なる刑罰法規を設けておいても差支えなかろう、何ら改正する必要がないのではないかというような考えをもつておつたのであります。しかしながら、いよいよ刑法の改正事業に著手いたしまして、いろいろ四圍の事情を研究いたしますると、國際情勢の上から、わが國が今後民主的な平和國家として世界列國に伍して再出發するにあたつては、どうしてもこの國際情勢を相當重く見なければならないのでありまして、國際情勢に對處するためには、さらに刑法において天皇の特別なる地位を特に保護するがために刑法上特別なる規定を設くべきかどうかということを、また振り返つて考え直したのであります。で國際情勢に對處せんがためにもしこれを削除いたしたとしても、削除したことによつて天皇の特別なる地位に影響があるような結果が生ずるならば、これはやはり削除してはいけないのであります。もし國際情勢に對處するがために削除する方が適當であるという結論に到達して、しこうしてその結果削除しても、將來天皇の特別なる地位に何らの影響がないという見極めがつきましたので、私どもは削除するという改正案に到達したのであります。この點は先ほど酒井委員も仰しやいましたように、將來の見透しというものについて御意見の相違がある方もあると思いまするが、私どもといたしましては、削除いたしましても、新憲法において明記されておる天皇の特別なる地位というものは何ら變りはない、また特別なる地位を尊敬し、また天皇を國民統合の象徴として國民が敬愛の的としておるその精神において、刑法の削除によつて何ら影響がないものであらう、こういう見透しをつけましたので削除に決心いたした次第であります。
#31
○鍛冶委員 削除によつて影響があるかないかということは議論にしておきましてもよろしいが、私の今質問いたしました要點は、昨日あなたが北浦氏の質問に對して、委員會における御意思がそうであるならば、政府もその線に沿つてやりますというお答えであつたのだが、それを變更してなお原案を固守せられるのかどうか、そこを聽いておる。せつかくきのうあそこまで進んだのに、また戻られると、議論のやり直しをしなければならぬ、それを言つておるのであります。
#32
○佐藤(藤)政府委員 昨日北浦委員に對する答辯が、あるいは私の意を十分に盡せなかつたために何らか誤解を生じたのではないかと思いまして、はなはだ恐縮に存ずるのであります。今申し上げましたような理由から改正案を提出するに至つたのでありまするが、議會は立法の最高機關として自主的におきめになるのでありまするから、政府案に對していかように變更されましようとも、私どもの力の及ぶところではないのであります。もしこの皇室に對する罪について、政府原案に對して反對の空氣が非常に多いということになりますれば、またこれが對策として政府においても何らかの處置に出でなければならぬのではないかというふうに私は考えておるのであります。しかしながら、この點は政府がそれに對する對策を講ずるというよりも、議會の方でこの政府原案に對して反對の御意見でありまするならば、その反對の結論に到達する前に、あらかじめ渉外關係において御交渉なさる必要があるのではないかというふうにも考えております。政府としても十分その際には愼重に考究いたしたいと思つております。
#33
○松永委員長 外務委員長安東義良君
#34
○安東外務委員長 今度の刑法の改正に關しまする第九十條と九十一條の削除につきまして、將來の日本の國法に關係する問題でありまするので、外務委員會におきましても、この問題を中心といたしまして、政府委員の御説明を煩わし、また意見を交換した次第であります。本日私はこの問題を中心といたしまして、私の所見を皆樣の御參考のために申し述べたいと思いまするが、過日の委員會におきまして、政府當局より承りましたことは、縷々申し述べられたのでありまするけれども、どうも未だ遺憾ながら納得しかねるのであります。その理由を今明らかにいたしたいと思うのであります。
 この刑法の一部を改正する法律案におきまして、外國の元首、使節に對する暴行脅迫侮辱の特別罪の規定を削除したのは、天皇または皇族に對する危害及び不敬罪等の規定を除去して、個人平等の思想を徹底したのに伴うものであるというのが、説明でありました。ところが刑法が外國の元首及び使節に對する特別罪の規定を設けておる趣旨は、外國の元首なり使節なりが單に特別な個人であるという勸念に基いたものではないのでありまして、元首なり使節なりの代表する國家に對する侮辱を加うることを取締る趣旨であるのであります。從つて自國の元首に對する特別規定とは全然立法趣旨を異にするものであります。この點に關しまして、政府御當局の御説明はいやしくも個人である以上、外交官といえども、あるいはさらに元首といえども、これを保護するゆえんのものは、その個人的危害に對して保護することが趣旨であつて、これに國際法的觀念を加味して特別罪としたに過ぎないのであるという御説明でありましたが、これに對しても私はどうも納得しかねるのできります。この點につきまして、すでに今度の改正案には一つの矛盾がございます。それは何かともうしますると、この改正案中におきましては、九十二條の國旗の規定というのは削除してないのであります。すなわち現行法に自國の國旗に對する侮辱の罪は特別に規定してはないのでありまするが、外國の國旗その他國章に對する侮辱については特別の規定がある。これは外國使節に對する特別罪とともに國交に關する罪の一章に一括されておるのであります。ところがこれは今度は削除してありません、この點から考えましても、ここに思想的な矛盾があるということを考えざるを得ないのであります。この特別罪の規定は、元來が國際法に準據してできた規定であります。國際法は、一國は自國に滯在する外國の元首もしくは外國使節に對し特別の保護を加うる義務があるとしてある。從つてこれに危害を加うる者に對しては特に嚴重なる處罰をなす義務があるとしておるのであります。現行刑法の規定は、この國際法上の國家の義務に基いたものであります。この規定を廢止せんとする改正案は、新憲法第九十八條第二項の「確立された國際法規は、これを誠實に遵守することを必要とする。」というこの規定から見ましても、憲法違反、少くとも憲法の精神に反し、改正案の効力の有無の問題をさえ生ずるおそれがあると思うのであります。現に各國の刑法の立法例を見ますと、ほとんど全部の國が何らかの形で外國の元首及び使節に對する特別罪の規定を設けております。その國を今列擧いたしますると、アルゼンチン、オーストリヤ、ボリヴイア、ベルギー、ブラジル、英國、ブルガリア、チリー、キユーバ、デンマーク、フランス、フインランド、ドイツ、グアテマラ、イタリー、ハンガリア、ラトヴイア、メキシコ、オランダ、パナマ、パラグアイ、ノルウエー、ペルー、ポーランド、ポルトガル、サルヴァドル、シヤム、スペイン、スウエーデン、スイス、トルコ、米國、ウルグワイ、ヴエネズエラ等でありまして、文明の諸國にしてこの規定を缺いておるものはほとんど見當らないのであります。「ソ」聯邦はこの點について明白な規定を缺いておりまするけれども、外交使節は一國の刑事裁判權の管轄外にある原則をはつきり認めておるのであります。米國のごときは、自國大統領に對しては何ら特別罪を設けていないのでありまするが、外國使節に對する特別罪の規定は設けております。これに關連いたしまして、アメリカの根本的建前を察知する一つのよい資料があるのでありますが、これについて一言申し上げたいと思います。それはちようど一九一二年にキユーバのある新聞報道員が、ハヴアナで米國の特派大使のヒユージ・ギプソンという者を襲つた事件があります。犯人は捕らえられましたけれども、判事は彼を釋放して次のごとく述べたのであります。被害者がアメリカの公使であつても、キユーバの最低一階級に屬する市民であろうと、侵害者にとつては同じことであると、個人平等の思想をここに取上げて釋放したのであります。ところがアメリカ合衆國政府は、かかる國際法の解釋に強硬に抗議いたしまして、滿足なる解決を要求いたしました。その結果報道員はついに再び監禁せられまして、二年半の懲役に、處せられたのであります。それはアメリカの外交關係、一九一二年版に載つておる事實であります。日本の元首、在外使節は、外國においては以上のごとき立法例のもとに、特別の保護を受けることは明らかであります。しかるに、これにかかわらず、日本では外國の元首または使節に何ら特別の保護を與えないということは、まことに不條理でおもしろくないのであります。またこの各立法例の中には相互主義をとつておる國があります。その一例はイタリーであります。イタリーにおいては、もし日本において何ら特別の規定を設けないということになるならば、イタリー自體において、日本の元首もしくは外交使節に對しては特別の保護を加えないという結論になることは當然であります。これをもつても、すでにそこに不合理が存在するだろうと思うのであります。日本人の今後の世界における地位を考えますれば、日本として國交をますます重んじなければならないことは明らかであります。萬一外國の元首及び使節に對する暴行脅迫、侮辱等の事件が起きまして、外國から犯人の嚴罰を要求せられました場合に、刑法に特別の規定がない。そうして裁判官の自由裁量によつてこれをやる。わが罪刑法定主義の見地から、嚴重に處罰することができないということになると、必ず不合理な問題、解決を非常に困難とするような問題が起つてくるだろうと思います。刑法の一部を改正する法律案の起草者は一般人に對する暴行脅迫、名譽毀損等の罪を加重しておるからして、十分處罰をなし得る、これをもつて賄えるという見解をとつておられるのでありますが、國際法上は、被害者の本國は加害者の政府に對し特に重く罰することを要求する權利がありまして、その場合特に重く罰する義務がその國にあるのであります。なお從來第九十條第二項及び第九十一條第二項に、外國の元首、使節に對する侮辱の罰に對しては、外國政府または被害者の請求を待つてその罪を論ずるという規定があるのでありますが、これは外國といたしまして、外交機關を通じて處罰を要求するに足るという趣旨でございます。ところが今次改正案におきましては、これを外國の元首に代り外國使節が、また外國使節に對する侮辱の場合は使節自身が、裁判所所定の手續によつて告訴をしなければならないことになつておるのであります。この種の事件が發生しました、場合に、國際間の慣例といたしましては、外交手段で處罰を要求するのはほとんどあたりまえであります。外交使節に對し、日本法の手續によつて裁判所に告訴しなければ處罰できないというようなことは、すこぶる不適當に思えるのであります。これを要するに第九十條及び第九十一條を廢止せんとする案は、外國の元首及び使節に對する罪が、あたかも個人の特別の身分、地位に基くものであるかのような料簡に出發しておりまして、この種權利に基く國際法上の義務というものを閑却しておるものでありまして、日本の外交の見地から見ても、政治的に不適當であるばかりでなく、憲法第九十八條の違反として刑法改正案の効力の問題をも生ずるおそれがあるものと私は信ずるのであります。
 以上が私の見解であります。皆樣におきましても、とくに御考慮の上、愼重に御審議されたいと思います。
#35
○佐藤(藤)政府委員 刑法改正案におきまして、刑法の第九十條及び第九十一條を削除いたしましたことについて、ただいま反對の御意見を承つたのであります。外國の元首、大統領、使節が、外國において、治外法權のほかに不可侵權を有するという原則が、國際法上確立されておることは、私ども承知いたしておるのであります。その不可侵權の内容と申しまするか、その程度であります。あるいは不可侵權を否定すべき方式いかんということについて、意見の相違があるように思われるのであります。外交使節等が國際法上の治外法權と相竝んで不可侵權を有することは、これは國際法上の原則であると思います。またその線に沿うて各國の刑罰法規において、ただいまお示しのように、あるいは暴行脅迫について、一般國民と違つた特別な刑罰法規を設けておる立法例もあります。またある國においては、暴行脅迫については規定は設けておらないが、名譽毀損あるいは侮辱罪について特別な規定を設けておる國もあるのであります。立法例は非常に區々なのであります。從つてその刑罰の規定の内容も、各國の立法例において千差萬別と言つてもよろしいのであります。ただその精神が、外交使節に對しては駐在國においてこれを尊重し、ある程度の不可侵權を認めるという國際法上の要請を滿たしておるものであろうと存ずるのであります。しかしながら、外交使節の不可侵權を滿たすために、あるいはそれを保護するために、刑法上必ず一般國民と違つた特別な規定を設けなければならないものであるかどうか。國際法上そういう特別な刑罰法規を設けることが國際法上の義務と言えるまで確立されておるものとは、私どもは承知いたしておらないのであります。もし各國の刑罰法規において、國際法上要請されておる外交使節の不可侵權を守るのに、それに足るだけの刑罰法規があれば十分ではなかろうか。もし外交使節の不可侵權を守るのに十分でないならば、特別なる規定を設けなければならぬ。こういうふうに考えておるのであります。ところが現行刑法においては、刑法九十條及び九十一條において特別な刑罰法規を設けております。これはおそらく現行刑法をもつてしては、外交使節に對する暴行脅迫、名譽毀損を保護するに不十分であると考えて、九十條、九十一條の規定を設けたのではなかろうか、こううふうに考えるのであります。しかるに、今度の刑法改正案においては、一般國民に對する暴行脅迫、名譽毀損、いずれも刑罰を相當程度引上げまして、厚く保護することになりましたので、外交使節に對する暴行脅迫、名譽毀損に對する保護規定を特に設けなくとも、外交使節の不可侵權を保護するのに十分であろうと考えまして削除いたした次第であります。各國の刑罰法規において、外交使節に對する不可侵權を保護するために特別な規定を設けておりまする例として、ただいまお示しになられたのでありまするが、その例を見ましても、外交使節の不可侵權として最も保護しなければならないものは、生命、身體名譽が最もおもなるものであります。ところが生命を保護するための殺人罪の規定は、各國の刑法において外交使節に對して特別なる規定を設けた例は、私どもは存じておらないのであります。さらに身體を保護するための規定としての傷害罪についてもあまり例を聽かないのであります。單に身體に對する犯罪として割合に輕い暴行罪、また自由の侵害たる脅迫罪、侮辱、名誉毀損等について、それぞれ先ほど申し上げましたようにまちまちな規定が設けられておるのであります。かような實例を總合して考えますると、各國において國際法上、外交使節の不可侵權を護らなければならぬという義務を履行するがために、自分の國の刑罰法規をもつてしては暴行脅迫、名誉毀損等について、外交使節の特權を保護するのに不十分であると考えた點についてのみ、特別な規定を設けておるのではなかろうか、かように考えるのであります。かような點から考えても、外交使節に對する不可侵權を保護するために、刑法上必ず特別な規定を設けなければならぬということは、未だ國際法上の原則として確立されておらぬものではなかろうかというふうに考えまして削除いたしたのであります。しかしながら、ただ一點九十條、九十一條を削除したために、外交使節に對する不可侵權を保護するのに不十分であろう。これを削除し放しでは不十分であろうと思われる點が一つ生じたのであります。それは名譽毀損罪のところであとで御論議になるだろうと思いますが、一般國民に對する侮辱罪、名誉毀損は公然名譽を毀損した事實を摘示した場合に名誉毀損罪が成立するのでありますが、公然名譽を毀損した事實を摘示せず、また公然侮辱した事實を摘示しないで侮辱した場合には、刑法上從來一般國民に對してもこれを處罰しておつたのでありますが、改正案においては、一應侮辱罪の規定を削除いたしたのであります。そうすると、一般國民に對する侮辱の犯罪が成立しない。外交使節に對する單なる侮辱があつた場合にもこれを保護する規定がない。名誉毀損まで進めば重い刑罰をもつて保護することができるけれども、輕い侮辱にすぎない場合には、一般國民と同樣、これを保護する規定が缺ける結果となりますので、この點についてはさらに名譽毀損罪のところで、現行法にある侮辱罪の規定の存否について、あらためて御批判を仰ぎたいと存ずるのであります。
 なお九十條及び九十一條を削除したために將來わが國が國際間に伍していく上において國際信義を重んじないのではないか、また外交使節に對して尊敬を拂わないのではないかという誤解を生ずるおそれはあるだろうと思うのであります。この點は刑法改正案がさいわいに法律となりました曉においては、外國に對してもこれを削除した理由を十分に宣傳いたしまして、決して外國の國法を尊重しないとか、あるいは外交使節の不可侵權を尊重しないという趣旨ではない、改正刑法において十分これを保護するに足るものであるということを理解し得るように、海外に宣傳する必要があるのではないかというふうに考えております。
#36
○鍛冶委員 外交委員會でどういうふうにすることを希望されたか、それを聽きたいのです。九十條及び九十一條を現在のままにしておきたいという御意思なのか、それとも何かこれをかえて殘そうという御意思なのか、その點をひとつお聽きしたい。
#37
○安東外務委員長 ただいまの點についてお答えいたします。外交委員會におきましては、自由なる討論をやつた程度に止まつております。まだ決定はいたしておりません。しか私の私案といたしまして御參考に申し上げたいのでありますが、それは、「第九十條及び第九十一條を削除」とあるを左記の通り修正する。」すなわち、「第九十條第一項及び第二項中「帝國」を「日本國」に改める。第九十一條第一項中「帝國」を「日本國」に改める。」これは何ら實質的な問題じやない。ただ第二項中「帝國」を「日本國」に改めるだけです。侮辱に關する件では「二年以下」を「三年以下」に改めます。
 それからさらに整理する必要上から、第二百三十二條中「本章」を「第二百三十條」に改め、同條に次の一項を加える。「告訴ヲ為スコトヲ得可キ者カ天皇、皇后、太皇太后、皇太后又ハ皇嗣ナルトキハ内閣總理大臣、外國ノ君主又ハ大統領ナルトキハ其國ノ代表者代リテ之ヲ行フ」とあるを左記の通りに修正する。」すなわち、「第二百三十二條中「本章」を「第二百三十條」に改め、同條に次の一項を加える「告訴ヲ為スコトヲ得可キ者カ天皇、皇后、太皇太后、皇太后又ハ皇嗣ナルトキハ内閣總理大臣代リテ之ヲ行フ」これが具體的内容であります。
#38
○鍛冶委員 外交委員會でその點決定いたしますれば、至急印刷物にしてこの委員會に配付してくださるようひとつお願いいたします。
#39
○中村(俊)委員 ただいまの關連事項について政府にお尋ねいたしたいのですが、昨日私のこの件に關する質問に對する政府の御答辯として、特に皇室に對する特別の犯罪をなくした以上、なおいつそ外國の使臣に對する九十條ないし九十一條も當然削除せらるべきだという御意見のように承つたのであります。從いまして今お尋ねいたしたいのは、この九十條竝びに九十一條の削除は、皇室に對する特別犯罪と何らの關連なくして、獨自に、國際法上その他の點を勘案されて削除になつたのか、それとも皇室に對する特別の犯罪をなくする並行上九十條及び九十一條を削除になつたのか、その點をお尋ねいたしたいのであります。
#40
○佐藤(藤)政府委員 その點はただいま申し上げましたように、外交使節の不可侵權を保護するために特別な規定を設けなくとも、十分にこれを保護するに足りるというところから削除いたすのでありまするけれども、しかしながらこれを削除するその精神においては、皇室に對する特別なる保護規定を削除するのとまつたく同一であります。同じ思想に基くものであります。その意味において關連いたしております。
#41
○中村(俊)委員 さらにその點についてお尋ねいたします。さういたしますると、この衆議院において皇室に對する特別の犯罪というものが削除される原案でありますが、かりにこれが何かの形において殘される結果においても、なお九十條及び九十一條はそのまま削除の原案を維持される御意思なのですか、その點をお伺いしたいと思います。
#42
○佐藤(藤)政府委員 皇室に對する罪の削除に御反對になられまして、つまり皇室に對しては特別なる刑罰法規をもつて保護すべきものであるという結論に到達いたしまするならば、その思想はおそらく外交使節に對しても特別なる刑罰法規をもつて保護すべきであるというふうな御結論になるのではないかというふうに存ぜられまするので、その際にはあらためて愼重に考究して御返事いたしたいと存じております。
#43
○松永委員長 これにて一時半まで休憩いたします。
    午後零時五分休憩
     ――――◇―――――
    午後三時五分開議
#44
○松永委員長 休憩前に引續き會議を開きます。山中日露史君。
#45
○山中委員 これまで質問のありました點につきましてはなるべく重複を避けて、省略いたしたいと思います。ごく簡單に二、三の點について當局の御意見を伺いたいと思います。
 今囘の刑法の改正によりまして、執行猶豫の恩典の範圍が非常に擴張せられましたことは、まことに結構なことだと思います。從來執行猶豫の恩典を與える刑の量定の問題の場合に、その情状の點については、これは一に裁判官の自由裁量に一任いたしておつたのであります。このことはもとより裁判官の智能、常識にわれわれは全幅の信頼を寄せておつた結果でありまして、今後においても、私どもはその信頼を經續いたしたいと考えておりますけれども、實際問題におきましては、この情状酌量の場合に、とかく裁判官の主觀あるいは先入觀というようなことで、刑の量定の上に非常に妥當を缺く場合がなきにしもあらずであります。こういう場合においては、從來上訴その他の手續にありまして、これを是正する途もあつたのでありますけれども、しかし私はこの刑の量定の場合におきましては、何かここに情状酌量の上においては、當然これは斟酌しなければならぬという一定の基準というものを、刑法の上に明らかにしておく必要があるのではないか。たとえば犯人の犯罪の動機とか、あるいは犯罪の状況、あるいは犯罪後の状況そういつたすべてのことを斟酌するほかに、なお遺傳であるとか、あるいは習慣であるとか、あるいはその犯人のいろいろな社會的地位とか、そういうことについて一應基準になるようなものを刑法の上に明らかにしておく必要があるのではないか、こういうふうに考えられておるのでありますが、これらの點につきまして、御當局はどういうお考えをもつておられるかということをお尋ねしたいのであります。なおこれに關連しまして、今囘執行猶豫の恩典の範圍を擴張いたしました。この機會にいわゆる宣告猶豫制度というものを考えてみる必要があるのではないか。六箇月未滿の懲役であるとか、あるいは五百圓以下の罰金というような、つまり輕微の犯罪については施行猶豫のほかに宣告猶豫の制度を設けてはどうか。なるほど執行猶豫の恩典によりまして、一定の期間犯罪を犯さないことによつてその刑の効力は消滅いたしまするけれども、その場合でも、結局一應は體刑もしくは罰金を言渡されるのでありますから、その言渡されたことによつて、その犯人の受くる社會的のいろいろな影響、あるいは個人の影響というものが非常に大なる意義があるのであります。從つてごく輕微の犯罪につきましては、執行猶豫の制度のほかに百尺竿頭一歩を進めて、宣告猶豫の制度というものを考えてみる必要があるのではないかということを考えておるのでありますが、まずこの點についての當局の意見を伺いたいと思います。
#46
○佐藤(藤)政府委員 具體的な事件について裁判所が刑の量定をいたします場合は、その犯人の性格、年齢、境遇竝びに犯罪の状況とか、あるいは犯罪後の状況を考察して刑の適切妥當な裁定をいたすのでありますが、このことはなるほど現行刑法には何ら規定はございません。ただ刑事訴訟法において、檢事が事件を起訴にするか、不起訴にするか、その判斷をする際に、犯人の性格、年齢、境遇及び犯罪の状況、犯罪後の状況を斟酌しなければならぬという規定があるのでありますが、裁判官が裁判をなすにあたりまして、刑の量定にあたつては、必ずこの趣旨の精神を體して適切妥當な刑の裁定をいたしておるのであります。なおお尋ねのように、この裁量をするにあたつて、特に斟酌しなければならぬ事項を、もう少し具體的に定める必要があるのではないかという御意見につきましては、かねて刑法改正の委員會におきましても、仰せのような御意見がありまして、すなわち一應刑法改正の立案にはその點を規定しておるのでありまするから、將來現行刑法の全面的な改正の際には、仰せのような趣旨がおそらく總則に盛られるのではないかというふうに考えております。
 次は宣告猶豫の制度でありますが、御承知のように執行猶豫の制度は、短期自由刑の弊害を除去するために、自由刑について各國において認められておるのであります。また執行猶豫の制度のない國におきましては、宣告猶豫の制度も認められておるのであります。わが國の刑法改正の委員會におきましても、假案においては、執行猶豫のほかに、さらに宣告猶豫の制度までも取入れられておるのでありますから、この點も將來刑法の全面的改正の場合には、執行猶豫の制度のほかに宣告猶豫の制度を設くべきか否か、愼重に考慮せられることであらうと存じます。
#47
○山中委員 次は刑罰の種類の問題でありますが、現行の刑法におきましては、申すまでもなく、死刑、懲役、禁錮、罰金、勾留、科料、こういう六種の刑種に限局されておるのでありますが、だんだん社會現象が複雜になり、また個人の立場もいろいろ複雜になつてまいりますために、ただこの六種の刑だけで、はたしていかがなものだろうか。私はその犯人の地位とか、あるいは職業というようなことから考えて、この六種の刑罰のほかに、あるいは資格の停止であるとか、あるいはまた資格の喪失であるとか、あるいはまた場合によつては輕いものであれば譴責であるとか、こういうような、その犯人の立場々々に應じて、そうして一般警戒の上からも、また特別豫防の上からも、刑法の刑罰の中に幅をもたせる。そうして最も適切なる裁判を行い得るような、いわゆる刑種をもう少し殖やすことが考えられていいのではないか。新憲法下の刑法改正にあたりまして、何ら從來の刑罰の種類に進歩的なあとが見えないことは、はなはだ遺憾に思うのでありますが、これらの點についてどういうお考えをもつておりますか。お伺いしたいのであります。
#48
○佐藤(藤)政府委員 現行刑法において刑の種類としては、仰せのように六種に限られておるのでありますが、この點につきましても、改正刑法の假案には、死刑、懲役、禁錮、罰金、勾留、科料のほかに、さらに資格喪失、資格停止、居住制限、譴責等の刑罰が新にに加わつておるのであります。また旧刑法時代にも、御承知のように資格剥奪、資格停止といふような刑も認められておつたのでありまして、現行刑法の刑をもつては適切妥當な刑が裁量しきれないのではないかというふうに考えられるのでありまして、將來刑法の全面的な改正の場合には、おそらくその點も十分考慮せられることと存じております。
#49
○山中委員 最後に新憲法下における刑罰の目的主義ということについてお尋ねしたいと思いますが、近來刑罰の目的につきまして、一罰百戒主義ということが盛んに言われて、裁判におきましてもこの方針によつて行われておるようであります。刑罰の目的が應報主義から豫防主義に進化いたしてまいりましたことは言うまでもないのでありますが、最近の一罰百戒主義ということは私の考えでいえば高度の一般警戒主義だと考えておるのでありあります。この一罰百戒主義がときによりましてはまつたくその個人の人格とか、人權というようなものが無視せられて、そうしてその犯人の改過遷善であるとか、そういつた教育的な意義もまつたく没却せられてしまうというような傾向が非常に多いのであります。巧みに法網を逃がれておる多くの人々がある、犯人の檢擧が非常に不手際である、無能である、あるいはまた社會制度の缺陥そういつたいろいろなことで犯罪が行われておるのでありますが、あの場合に、たまたま法網にひつかかつて一個人、それは具體的にその事件そのものから見れば大した問題ではないのでありますけれどもそれがいわゆる一罰百戒主義のためにより必要以上の犠牲の上に刑罰を重く科せられているという傾向が非常に多いのであります。換言すれば結局檢擧の無能やあるいは制度の缺陥をこの一犯人に對する必要以上の犠牲においてこれをカモフラージユするというような結果に陥る弊が非常に多いのであります。この點は、新憲法下におきましては、非常に人權、人格というものが尊重せられておるのでありまして、もとより刑罰の一般警戒の目的は當然達せなければならぬのでありますけれども、あまりにも一罰百戒主義ということに陥り過ぎて、そういつた弊害が非常に多い、こういつたことは大いに考えなければならぬというように存ずるのでありまして、新憲法下におけるこの刑罰のいわゆる目的主義ということについての將來の當局のお考え、そういつたことについて御意見を伺いたいと思います。
#50
○佐藤(藤)政府委員 犯罪に對して刑罰を科するにあたりましては、犯人に重きをおいて刑罰を科すべきか、あるいは對社會すなわち世間に對すを効果に重きをおいて刑罰を科すべきか。これは御説のように從來刑法理論として大いに爭われておるところでありまして、理論の進化の傾向をみますと、應報主義からだんだん目的刑主義に進化しつつあることは、私も承知いたしておるのであります。殊に新憲法の實施に伴いまして、國民の基本的人權がいやが上にも尊重されなければならなくなつております。また國としてもその政治を行うにあたつてどこまでも民主的な平和國家そしていろいろな施策を講じなわればならない時代に立至つておりますので、目的刑主義にだんだん進化されるのであろうという見透しをもつておるのであります。しかしながら目的刑と申しましても、ただ刑を科するにあたつて、個人の教化改善ということだけを目的として刑を科するということは、これはやはり片手落ちになるのでありまして、刑の目的を達するためには、やはりその時代の社會一般に對する刑政的な効果もねらわなければなりませんので、そこは各具對摘な事件の情状により、またその犯罪の犯された時代の状況に應じまして、いわゆる客觀、主觀兩方面から考えて、適切妥當な刑罰が採用されなければならぬと考えておるのであります。
#51
○山中委員 今の私のお尋ねいたした趣旨はそういうのでなく、一罰百戒という主義と、それから從來われわれが唱え、あるいは考えておつて一般警戒主義というものとがそこに非常に程度の差、考え方の違いがあるのではないかというふうに考えられるのです。先ほど申し上げた通り、その具對的な事犯は大したことではなくても、一罰百戒主義ということで不必要に重い刑を科する。こういう傾向が非常に多いのであります。單に今までの豫防主義でありますと、ただいま政府委員のお話の通りに、犯人を對象としたばかりでなく、一般社會を警戒しなくてはならないということで、一般警戒主義ということを言われておるのでありますが、一罰百戒主義ということは今までの一般警戒主義とは異なつた考え方でやつておるように私ともは見受けるのであります。その點についてお考えをお聽かせ願いたいと存じます。
#52
○佐藤(藤)政府委員 お示しの一罰百戒主義というのは、おそらく一般豫防といいいますか、一般警戒主義の極度に適用された場合を指すのではないかと存ずるのであります。過去長年の間戰爭中は個人の自由權利というものが不當に、極度に抑壓され、制限されておつた次第でありまして、その時代においては行政の目的を達するためにいろいろな刑罰法規が設けられたのでありまして、その刑罰法規を適用するにあたりましては、その特殊な行政目的という點に重きをおいて、一罰百戒というふうに非難せられるような適用もまれにはあつたのではないかというふうに存ずるのであります。しかしながら、新憲法が實施去れました今日におきましては、憲法においても必要以上に殘虐な刑を科してはならないという方針が定められておりまするし、またいたるところに新憲法が人權を極度に尊重しなければならぬという精神が見えておるのでありまするから、將來の法律の適用、裁判における刑の量定にあたつては、おそらく一罰百戒というような主義に向うことは絶對なかろうと思つております。
#53
○山中委員 私の質問はこれで終ります。
#54
○松永委員長 關連して北浦圭太郎君。
#55
○北浦委員 ただいまの御質問中、刑罰種類ということに觸れられておられましたが、私多年こういうことを考えているのです。旧刑法時代にありました徒刑、これは大分大問題でございますから、次官におかれては司法大臣の鈴木君ともよく御相談願つてなるべく一つ實行に移していただきたい。と申しまするのは、どうも近來日本、特に私の郷里の近畿地方には犯罪が非常に多い。東京にも多い。これは人口問題とからみついて自然に犯罪が多くなるのでありまするが、これは實に容易ならぬことだ。考えるまでもなく、北支、滿州、朝鮮、臺灣などにおつた者が全部歸つてまいりまして、そうしてこの狹い日本で働くのでございまするから、働き得る人はよいのでありまするが、どうしても人口が多い。この人口の多過ぎるということを整理いたさなければ、食糧問題、犯罪問題は解決するものでない。かねがね私考えておることでありますが、そこで司法省におかれてはて一體監獄に丸三年以上置くということは百害があつて一利がない。單に刑に觸れて、長期刑に處することはいわゆる他戒目的も主觀目的も達せられるかどうかも疑問であるから、長期監獄に置いても何らの利益がない。そこで昔の徒刑ということを考えてもらつてこれを北海道に移す。そして開拓さす。北海道には未開墾地がまだ七十四萬町歩ある。石炭埋藏量が八十億トン、山林の在積が二十二億石、各種鑛物の埋藏、水産はもう日本一で無限、未發水力電氣が無限、これで北海道の權威者の調査によりますと實に一千五百萬人の人口を包容し得るという。この大目的は内閣なりわれわれが一生懸命にやらなければなりませんが、司法省におかれましては、まずこの内地で刑務所の中で働かしておるより、長期刑に處せられる者は、私の理想から申しますると、妻ある者は妻を携帶させ、子ある者は子を伴うて、この一千五百萬も収容できる北海道で働かす。こういうことをひとつ考えてもらいたい。これはどうしてもやらなければならぬ。まず司法省が率先してそういうことも考えていただく。それについては徒刑という刑種を使う。こういうことを私は關連して、これは政府當局に質問するのではありません。今日お願いするのでありますから、よく司法省の幹部諸公と御相談願つて實行に移していただきたい。かように思うのであります。これだけです。
#56
○佐藤(藤)政府委員 ただいま仰せの點につきましては、刑法の全面的改正の場合に、何らかの形で實現できるように、極力研究いたすことにいたしたいと思います。
#57
○北浦委員 ありがとうございました。
#58
○松永委員長 本日はこれにて散會いたします。次囘は明二日午前十時より開會いたします。どうもお暑いところをありがとうございました。
   午後三時二十九分散會
ソース: 国立国会図書館
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