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1960/04/01 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 予算委員会 第23号
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1960/04/01 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 予算委員会 第23号

#1
第038回国会 予算委員会 第23号
昭和三十六年四月一日(土曜日)
   午前一時九分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
 本日委員木村禧八郎君辞任につき、
その補欠として鈴木強君を議長におい
て指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     館  哲二君
   理事
           梶原 茂嘉君
           中野 文門君
           平島 敏夫君
           米田 正文君
           阿具根 登君
           占部 秀男君
           松浦 清一君
   委員
           小沢久太郎君
           大泉 寛三君
           太田 正孝君
           大谷 贇雄君
           金丸 冨夫君
           上林 忠次君
           小柳 牧衞君
           後藤 義隆君
           塩見 俊二君
           白井  勇君
           手島  栄君
           一松 定吉君
           武藤 常介君
           村松 久義君
           村山 道雄君
           山本  杉君
           山本 利壽君
           湯澤三千男君
           横山 フク君
           大矢  正君
           小酒井義男君
           小柳  勇君
           鈴木  強君
           田中  一君
           高田なほ子君
           羽生 三七君
           藤田藤太郎君
           森 元治郎君
           森中 守義君
           曾祢  益君
           田畑 金光君
           小平 芳平君
           竹中 恒夫君
           森 八三一君
           岩間 正男君
  国務大臣
   内閣総理大臣  池田 勇人君
   法 務 大 臣 植木庚子郎君
   外 務 大 臣 小坂善太郎君
   大 蔵 大 臣 水田三喜男君
   文 部 大 臣 荒木萬壽夫君
   厚 生 大 臣 古井 喜實君
   農 林 大 臣 周東 英雄君
   通商産業大臣  椎名悦三郎君
   運 輸 大 臣 木暮武太夫君
   郵 政 大 臣 小金 義照君
   労 働 大 臣 石田 博英君
   建 設 大 臣 中村 梅吉君
   自 治 大 臣 安井  謙君
   国 務 大 臣 池田正之輔君
   国 務 大 臣 小澤佐重喜君
   国 務 大 臣 迫水 久常君
   国 務 大 臣 西村 直己君
  政府委員
   法制局長官   林  修三君
   外務省アメリカ
   局長      安藤 吉光君
   外務省条約局長 中川  融君
   外務省国際連合
   局長      鶴岡 千仭君
   大蔵省主計局長 石原 周夫君
   大蔵省主税局長 村山 達雄君
   大蔵省理財局長 西原 直廉君
   農林大臣官房長 昌谷  孝君
   自治大臣官房長 柴田  護君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       正木 千冬君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和三十六年度一般会計予算(内閣
 提出、衆議院送付)
○昭和三十六年度特別会計予算(内閣
 提出、衆議院送付)
○昭和三十六年度政府関係機関予算
  (内閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(館哲二君) これより予算委員会を開会いたします。
 昭和三十六年度一般会計予算、昭和三十六年度特別会計予算、昭和三十六年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
 質疑を続けます。森八三一君。
#3
○森八三一君 私は、時間がきわめて短い関係もありますので、農業基本法の問題一点をとらえて総理のお気持を伺いたいと思います。一時でありまするから先月ということになりますか、三月の十九日、日曜日に総理は水戸にお出かけをいただきました。農業基本法の問題につきまして、総理というお立場、あるいは総裁というお立場で直接に大衆に所信を訴えられまして、私は総理が施政方針演説でも強く主張をしておられまする民主政治の確立のために全力をあげるというそのお気持を具体的に実践に移されたという姿を思いまして、そのことにつきましては非常に高く評価をし、敬意を表しておるのであります。おそらく国会の開催中に総理がみずから第一線に立たれまして、その国会における重要な政府の政策について、直接大衆とお話し合いになったという事例は、過去に寡聞にして承知をいたしません。私はこの態度に対しまして非常に高く評価をするものであります。しかし、せっかくそういうように御努力をいただきましても、そのことがただ単にその場の拍手だけに終わりましたり、形式に終わるということでは大へんな結果が止まれるわけでありまして、お話を聞きまして感激をした大多数の農民諸君の期待が裏切られるというようなことになりますれば、及んで政治に対する不信をかもし出す、そういうようなことがいつかまた爆発をするというようなことを非常におそれるのであります。そこで、具体的に一つお伺いをいたしたいのですが、二十八日の日に農林省から発表せられました昭和三十六年度の農民所得の見通しでありまするが、その前提となる農業生産の伸び率が、三十六年度におきましては、一・二%だった、生産物の価格は多少の強含みでありまするが、おおむね横ばいに終始するであろうといたしますると、農民所得の伸び率は、大体二%前後にとどまるであろうというのであります。そういたしますると、前年度の所得の伸び率実績の五・六%というものと比べますれば、非常に低位に相なるわけであり、所得増倍論等から策定をいたしておられまする昭和三十六年度の農民所得の伸び二・九%というものに対しましても、非常に低いという結果になるわけであります。農業基本法の前文には、先般も本会議でお伺いをいたしたのでありまするが、農民の所得を他の国民各層と均衡せしめて、そうして農民が健康で文化的な生活が営めるようにするのだという、きわめて私どもの満足する、そうしてまた、そうなければならぬということを明確に打ち出していらっしゃいゃいまするが、今申し上げまするように、昭和三十六年度の農民所得の伸び率が、現時点で考えますると、二%程度以上にはいけないということになりますると、せっかく基本法の前文にきれいにお示しになっておる目標というものを達成するというわけには相ならぬのではないか、これでは大へんな結果になると思うのです。そこで、こういうような見通しが立つといたしますれば、この見通しのもとにおきまして、計画上の農民所得を増進して参りまするための具体的な当面の緊急対策が講ぜられてしかるべきと思うわけでありますが、そういうことにつきまして、一体どうして所期する、少なくとも二・九%の農民所得確保について取り組んでいこうとされまするのか、具体的にまず一つお気持を伺いたい。
#4
○国務大臣(池田勇人君) 私もある新聞に、ここで名前は申しませんが、農業所得の伸び率が非常に低く出ているのを見ました。そして内容を読みまするというと、見出しと内容とは違う。私はこれは非常にいかがかと思う。昭和三十四年度に比べまして昭和三十五年度の農民所得は、お話のように五・六%でございます。しかるに、三十五年度に比べて三十六年度が二%前後ということは、この原因は、農産物の大宗をなす米の収獲を平年度と計算しております。従って、そういうふうな数字が出てくるんじゃないかと思うのであります。私は、よく新聞で内容と見出しとが違っていることが往々にしてある。この文は最たるものだと私は実は憤慨したわけであります。それを国民が見出しだけを見ると大へんであります。この点は、発表されました農林大臣からさらに詳しく申し上げることにいたしたいと思いまするが、いずれにいたしましても、農業所得というものは、第二次、第三次産業のように伸びるものではないということは、これは自然的、経済的、社会的条件によって制約があるのであります。その制約で、他の二次、三次産業と同じように伸びるわけにいかぬ。できるだけ伸ばしますけれども、そういうわけにはいかない。従って、極力伸ばすけれども、一人当たりの所得ということになりますると、これは何とか、やはり農業規模の拡大とか、合理化とか、いろいろなことでやっていって、一人当たりの所得を平均さそうというのが私の悲願であるのであります。私は施政演説で申しましたように、この第一次産業のものを、第二次、第三次産業と均衡のとれるようにすることは、何人かが、いつかはしなければならぬ問題だ。それを農業切り捨て論とかなんとかということは、私は、農業の実態を知らぬものだ。貧農として押しつけていつまでも置いておくという考えなら別でございますが、私は、とにかく農業というものをりっぱな企業にいたしたい、こういう熱意で実はやっておる次第でございます。
 農林省発表の点につきましては、農林大臣からお答えいたすことにいたします。
#5
○国務大臣(周東英雄君) 御指摘の点でありますが、ただいま総理からお答え申し上げたように、ちょっと見出しと内容が変わっております。内容をごらんいただいたと思いますけれども、各新聞とも、内容はよく書いていただいております。それによりますと、三十四年に比して三十五年は五、六、三十五年に比して三十六年の見通しは二%になっておる。それは主として三十五年は非常な豊作で、三十六年の見通しは、これを平年作で見ております。こういうところからの違いでございまが、新聞紙も書いておりますように、もし三十五年に比較して三十六年が二%といたしましても、三十四年に比較しますれば、これは七%ということになる。従ってこれを、三十五年、三十六年を平均いたしますと三・八%の伸びになると、こう書いてございます。この点は私ども基準年度に比して、四十五年まで連年二・八%という伸び率を考えておりますのに対しまして、この二カ年の平均は少し上回る格好になっておる。しかし、農産物でございますから、いつも三・八%平均ということも無理でございましょう。しかし、そういうふうな内容を発表いたしておる次第でありますので、見出しとはだいぶ違っておりますことを申し上げます。
#6
○森八三一君 お話のように、新聞の報道にも平年作を少し上回る程度のものと考えればこうなるんだ、もし昭和三十五年のように非常に豊作ということでございますれば、二%程度というのが五%程度に上がるであろうというような数字も出ております。が、しかし、ここで私ども考えなければならぬことは、豊作であることを念願し期待するということは当然でございまするが、農民所得というものが非常に低い。それを他産業あるいは他の国民各階層と同一に引き上げていこうという場合に、あまり大きな期待というものを根拠に考えていってはいかぬと思う。少なくとも平年作あるいはその平年作を少し上回る程度というあたりのところをめどとして農民所得が増高いたしまするように、親切に取り組んでいくということが当然であろうと思うのです。そこで、昭和三十五年度よりももっと大豊作ということになりますれば、お話のようになるだろうと思いまするけれども、一応確実な計画を立てて農民諸君に安心を与えるようにいたしまするためには、平年作を少し上回る程度ということで取り組んでいくということがかたいと思うのです。で、そういうかたい立場に立って、なおかつ、三%近い農民所得を上げさせてやろうということにいたしまするためには、そこにまた施策があってしかるべきだと思うのです。
 私は時間がございませんから端的に申し上げまするが、もし、そういう立場に立って機構所得を三%程度に確保しようといたしまする一番端的なやりやすい方法は、生産物の価格を引き上げてやるということが一番端的であろうと思うのです。しかし、このことは、今一番心配されております物価の値上がりということに拍車をかけるということになりますから、方法としては一番簡単でありますが、私はそういうことはとるべきでないと思うのです。そこで、そういうように農産物の価格をいたずらに引き上げてつじつまを合わせるというようなことはやるべきでありませんから、消極的にでも農民の負担を軽減して所得を確保してやるというような親切があってしかるべきと思うのです。
 そこで、第一に一つお伺いいたしますが、農民所得を確保するために、積極的に農産物の価格を引き上げるというような措置は、この時点においてはとるべき対策ではないと思いまするので、消極的に農民の負担を軽減しつつ、実質的に農民所得を確保してやるということを考える場合の第一の対策として、これも前の総括質問のときにも申し上げましたが、今日の税法の点からまず一つ考えてみたい。今年度はもうすでにきょう予算が確定しようとするのですから、ことしこれをどうしようということは不可能かもしれません。しれませんが、そういう感覚に立って考えますると、少なくとも、今回政府の行なわれようとしている農業専従者に対する所得税の控除というものを地方税にも反映させるというくらいの親切はあって私は当然だと思うのです。これはもうしばしば論議いたしておりまするが、シャウプ勧告にもそういうことは示されておったわけなんですから、ここで一つ、そういうことを親切に考えてやろうというお気持にはなれませんかどうか。これは、先日、大減大臣は税制調査会の今、審議を求めておるので、その結論を待ってとおっしゃいましたが、今申し上げますように、農民所得というものを考えますると、平年作を上回る程度では、とうてい所得を確保することはできないと、こう言うのですから、そのくらいのことは一つ考えてやるということを考慮願うというお気持がわきませんかどうかということを一つお伺いいたしたいのです。
#7
○国務大臣(周東英雄君) 地方税に関連問題、これは農業者の消極的な対策として支出を減ずるという面からいって重大な問題だと思います。先日、大蔵大臣が答弁をいたしましたように、次の段階において地方税全般にわたりまして検討をいたしまする場合に、農業者の税に関しましても十分私、努力をいたしたいと考えます。
#8
○森八三一君 その次に、もう一つ消極的な対策として、この農産物の運賃の問題ですが、一般の鉱工業生産のように運賃の増高する部分を生産の面で吸収するということが非常に困難だということで、私ども本院の農林委員会では、数年前から継続して実施されておりまする公共政策割引というものは、運賃の改訂が行なわれるといたしましても、この制度は将来持続すべきであり、恒久化すべきであるということを主張して参りました。昨年の年末であったと思います、臨時国会の際に、もし今後これが廃止されるようなことになれば、非常に大へんだ、どうするのだということを企画庁もお出ましを願い、論議をいたしました結果、三月三十一日までの期限でありまするこの制度については、六月三十日までとにかく延期いたしますということがはっきりと確約をせられ、そこでもし六月三十日の以前にこの制度の改変を行なおうとするような場合には、委員会等に御連絡を願って、よくお話の上で善処されまするかどうかということをだめ押し的な質問をいたしますると、政府当局は、さような取り扱いをすると、こういうことを約束せられたのであります。ところが、非常に残念なことに、本日、日本国有鉄道公示第百十一号というものが出たそうでありますが、それによりますと、六月三十日まで公共改築割引はこのまま続けるということの公示が出ておりまするにかかわらず、三十一日付で、この六月三十日というのは当分の間と改める、当分の間とは、三十八国会に提出された国有鉄道運賃法の一部を改正する法律が成立し、同法が施行せられる日の前日までとする、こう通達が出ておるのですね。これは全く不信行為と言わなければならぬ。六月まで延ばしますということがきっちり約束されておって、そうして今度は、その期間は運賃改訂が通る前日までとすると突如として改正された、こういう取り扱いについて、企画庁が中心になっておやりになったと思いますが、農林省では十分御承知の七で了承されているかどうか、この点を明確にしていただきたいのです。
#9
○国務大臣(周東英雄君) この公共割引を継続していくという考え方は、大体この前、御希望のありました御趣旨に沿うてやっていくつもりであります。
#10
○森八三一君 その次にお伺いいたしたいのは、農業の成長部門として畜産、果実が指向されている。このことは私どもよく了承いたします。そこで、その成長部門でありまする産業に非常な価格的な変動があってはならぬということで、この国会には事業団を創設をいたしまして、乳と肉の問題については、十億の資金である程度の安定を講じようということになっておりますので私どもそのことには非常に敬意を表しておりまするが、今一番畜産の関係で価格が非常な変動するであろう、あるいは生産過剰が非常に大きく浮かんでくるであろうというように心配されておりまする鶏卵について、何らの措置がとられておらぬ、これは非常に遺憾だと思いまするが、こういうようなことにつきまして、今後どういう対策をお考えになりまするか。私は急速にこの問題を考えませんと、ことしの夏、秋にかけまして非常な大きな問題が巻き起こるということをおそれる。そのことは結局本会議でも申し上げましたように、政府の奨励の裏をやればいいのだといったようなことになって参りますので、今度こそは政府の奨励をまじめにやってさえおれば大丈夫だということにならぬと、――そこで、一番心配される鶏卵の問題について、どういうふうに今後配慮されまするかを伺っておきたい。
#11
○国務大臣(周東英雄君) 御指摘のように、畜産事業団に関しましては、ただいまのところ、鶏卵というものの事業団というものを考えておりません。これは一面におきましては、鶏卵というものは、御承知のように貯蔵、保管いたしまするのは大体冷蔵という格好になりまするが、この冷蔵した鶏卵というものを再び表に出すという場合においての耐久性というものがない。主としてまとまって菓子用とか加工用に持っていかなければならぬ立場でございます。比較的貯蔵関係が無理なのであります。そういう点があり、また産卵の孵化というような点に関しましては、かなりその場面において調整ができるものでありまするし、そういう点を考えまして一応鶏卵の点は畜産事業団には入れないことになっておりまするが、今後奨励いたしまする場合におきましては、そういう点も考慮しつつ養鶏羽数の調整、また、そういう点を大体農業協同組合等を通じて徹底させるようにいたす、そうして一面におきましては鶏卵の需要の増加というものにおきまして消費増加を奨励するような方法をとりつつ様子を見まして、なおそれでも問題になるときに慎重に考慮をいたしたい、かように考えております。
#12
○森八三一君 次に、農民の文化生活を推し進めていくという対策としては、いろいろあろうと思います。そういうように名称の対策があるわけでありまするが、特にこの新農村建設運動等が推進されるに関連いたしまして、農村の通信機関といたしまして、御案内の有線放送電話施設というものが相当に普及をして参りました。このために、これを利用いたしまして農産物の市況か二せいに伝達するとか、あるいは恵まれない人々に対する通話の便益を与えるということが進んできております。このことは今後とも十分推進をしていかなきゃならぬと思うのでありまするが、ところが、現在の取り締まり上の規定でありますか、法律ではございませんが、一般の電話が千分の十七以上普及している地域はそういう施設を認めないというような取り扱いが行なわれておるのであります。これでは農村の文化を進めていくと申しましても、進んでいかない。それじゃその一般の農民諸君が普通の電話を引いたらいいといいましても、これでは有線放送の持っているような特殊な通報はいたされません。また経費の点から申しましても、これはとうてい取り付けられるはずはないのでありまするから、農林省その他でも御奨励になっておる有線放送電話というものは、農民に関する限りは、そういうような制限を撤廃して広く恩恵に浴せしめるという措置をすみやかに講ずべきであると思いまするが、そういうようなことをお考えいただけませんかどうか、お伺いいたしたいと思います。
#13
○国務大臣(周東英雄君) 有線放送電話の問題につきましては、非常に効果を上げていることは御指摘の通りであります。私どもの方は、むしろそれは今後も奨励していきたいと思っておりまするが、さらに進んでは、むしろ現内閣におきましては、それは一面においてはみずからの方から何ら今度は発送できないような格好になりますね、有線放送は。むしろ、これを電話というもの一本にして、もっとそれを発送受信ともにできるような格好にまでこう統一して計画を立てて進めていったらどうだろうか。むしろ積極的に農村における通信関係をただいま考えておる最中でありまして、これを減すという考えを持っておりません。
#14
○森八三一君 農林大臣、それは違うんで、私の申し上げておるのは、その両方できるいわゆる有線放送電話施設なんです。それが一般電話が十分の十七以上普及しておる地域は、それを敷設することを認めない、こういう取り扱いがなされておる。それでは農民の文化というものを推し進めていくというわけには参りませんし、そういうものを使って一般的に、一気に同時に市況等の通報もできるのですから、そういうものについては、農民の要求に従ってこれを認めてやるということに拡大しなければこれはおかしいと思うのです。これは急速に一つそういうように踏み切っていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
#15
○国務大臣(周東英雄君) 私どもの方では、ただいま申しましたように、それを減したりするというような考えはないので、むしろ、さらに進んで農村に受信のできる電話の普及をやっていこうということで、郵政省と連絡して考えておるということを申し上げたのでございます。
#16
○森八三一君 最後に、経済の高度成長に伴いまして、工場を漸次地方に分散をしていくというようなことが取り進められていくと思います。そのことを拒否するわけではございませんか、そういう結果として地方に工場がたくさんできるという結果、その工場から出て参りますいろいろな汚水が、これが農業上あるいは水産上に非常に悪影響を及ぼしておるという事例は枚挙にいとまがない。これに対する対策をお立て願いませんと、鉱工業生産の方は伸びたということでございましても、農民なり漁民というものは生活を奪われるという結果になるわけでありますが、こういう問題についてどういうような対策をお立てになるのか、ただいま企画庁等を中心にいたしまして、そういうことを研究しておる、研究しておるとおっしゃいますが、研究しておるうちに、農民、漁民は生活を奪われていくという結果が現実にあっちこっちに出ておる。これは一日も猶予を許さぬ問題だと思いますが、これをどういうふうにこの問題を処理されるのかお伺いいたしたいと思います。
#17
○国務大臣(周東英雄君) この問題については、まことに御心配の通りでありまして、私どもも特に今後この問題については力を入れて研究し対策を立てたいと思っております。今日も水質汚濁防止法等もできまして、汚水の程度とか、これがいかなる形に水産業、農業等に影響を及ぼすかということの調査、あるいはその水質汚濁の基準というものを設定することにしたり、また現実において被害の起きたときには、その被害を起こした原因の探求と、その原因を与えた企業者との間において、第三者をして補償等に関する計画を立てさせたりしておりますが、まだ御指摘のようにこれだけでは十分でないと思いますので、さらにこれに対する研究を重ねたいと私は考えております。
#18
○森八三一君 時間が参りましたので、これで質疑を終わりますが、今の問題は補償等につきましても、被害がずっと進行してしまって、年数がたってからどうだこうだという議論をするときには、すでに農民、漁民というものは参っているのですから、そういうようなことにつきまして、十分一つ注意を払いまして、零細な農漁民諸君が生活を奪われませんように、最善の努力をいただきたいということを申し添えておきます。
  ―――――――――――――
#19
○委員長(館哲二君) 岩間正男君。
#20
○岩間正男君 私は、池田総理並びに自民党総裁にまずお伺いしたいことは、あなたが常々育っておる政治のもとを正す、姿勢を正す、こういうことについてであります。まず第一にお聞きしたいのは、この深夜の国会の姿を見て下さい。今、三十六年度の予算がまさに終わりに近づいている。ところがどうです。この議場には、全く皆眠け半分で居眠りをしている。(「ノーノー」)と呼ぶ者あり首相の顔を見てごらんなさい。閣僚諸君の顔を見てごらんなさい。私も眠いのだ。こういう格好で予算を審議しなければならないという一体この姿、これは一体はたして望ましいものと考えられるかどうか。これは池田総理に、私、あなたの意見を
 まずお聞きしたい。
#21
○国務大臣(池田勇人君) 国会の審議は国会においておきめになることでございます。
#22
○岩間正男君 この一体原因というものは何から起こっていると思いますか。特に私は総理並びに自民党総裁としてあなたにお聞きしておるのはこの点なんです。あなたはよく寛容と忍耐ということを言っている。話し合いの政治ということを言っている。ところがどうです、話し合いの政治の実態というものは、あなたたちがちゃんと方針をきめている、既定方針をきめている、その方針に多数の力を頼んで少数を従わせよう、これが話し合い。現にきょう、昨日と行なわれてきたところの予算のいろいろな打ち合わせの中で、われわれはそれを経験してきた。少数の意見というものは通らない。われわれは、大体このようなやり方というのは不正規だ。日本の国会の権威を決して高めるものではない。こういう点について、すでに大体昨日の夕方で話し合いはこれはついたのだ。そうしていわば予算の方向というものを決定したのです。そういう態勢に立ってはっきり私はかまえればいいと思う。しかも、三十六年度予算は御承知のように三月三十一日を過ぎてしまった。四月一日です、きょうは。エープリル・フールです。このエープリル・フールに予算の成立を期し暁の国会をやってるわけです。だから、これを十二時に打ち切るなり、十時に打ち切るなりもっと早くてもいいと思う。そしてそれを一日の十時からやって、そのために五時間おくれるかも知れない。五時間おくれて一体どれだけの損害があるのです。実害があるのです。私も六年間予算委員をやってますけれども、三日に予算が通ったことがあります。三日に通ったって、あなたたちはそのとき何と言ったか。なあにかまいません、少しも実害がありません。そうして日本には、御承知の通り吉田内閣時代に予算のない三日、憲法下において予算のない三日の日があったわけです。そういうことが実際あるのに、あなたたちは三十一日にどうしても通さなければならない、こういうのが既定方針だ。そうしてそのうしろには、これは特戦隊が出ていたんじゃないか、そういう形で強引にあなたたちのきめた方針にあくまでもこれは少数を従わせてやっていかなければならない、これが寛容と忍耐の正体じゃないですか。こういうことで一体ほんとうの政治はできますか。あなたの話し合いの政治ができますか。私はこの点について、この今組まれている予算審議の中において、国民のためだとかなんだとか言っているけれども、何がこれが国民のためになるか。日本の国会の権威を高めることになるか。私ははっきり池田総理の見解を承りたい。
#23
○国務大臣(池田勇人君) 参議院において各派の話し合いによって行なわれておるのであります。内閣総理大臣としてはそれに従っていっております。
#24
○岩間正男君 あなたはまさかこういう状態を望ましいと言うことはできないだろうと思うのです。もっと少数の意見というものを尊重して、そうして正しいルールを確立していくというところに、私は民主主義の原則を打ち立てなければならないと思うのです。民主主義は全く口先の問題になっていると思う。明白だと思う。万国議員連盟会議が昨年の夏開かれた。ここでどういうことが一体きめられましたか。重大な問題がある。少数意見をあくまで尊重するということを民主主義の建前としてはっきり確認しておる。しかし、そういうことは行なわれておりません。これが現在の日本の国会の姿じゃないですか。だから、あなたたちは口でうまいことを言ってたって、私たちは現実を見ているのであります。こういう点について少数意見の尊重という問題をあなたはどのようにお考えになるか、お聞きしたいと思います。
#25
○国務大臣(池田勇人君) 少新意見でも尊重すべきものは尊重いたします。尊重すべからざるものは尊重いたしません。また少数にいたしましても、あなたぐらい議論される人はないと思うう。これは非常に国会が民主化され、そして発言も相当自由にしていると思っております。
#26
○岩間正男君 そういうことは許されない。われわれは、会派の協定に従い、定められたところでこれは言っているので、そういう問題をあなたはおしゃべりとか何とかと、あなただっておしゃべりです。あなたはおしゃべりで、失言の名人じゃないですか。そういうばかなことは言うものじゃございません。一国の総理として不謹慎ですよ。
 次に私はお聞きしたいのは、池田内閣の綱紀粛正の問題。どうです、失言が相次ぐこと、あなたはこのごろ失言なさらないようだけれども、失言はどんどんでしょう。松平失言、飯守失言、そうして今度は福島失言だ。失言三大集かどうかわからんが、失言だ。ところが、私はこの失言に対して一体どうもとを正すのか。政治を正すと言いながら、政府の方針に反したことをべらべらしゃべって、しかも、私は問題にしたいのは、そのあとの処理の問題です。なぜかというと、もとを正さなければ、その影響するところは非常に大きい。これに対して一体どうです。松平大使、これに対しましてはまあ訓令をやった。この福島問題に、今度問題になってきましたけれども、そういうようなことは言ったことはないとか何とか言うことで、この問題はお茶を潤そうとしておる。こういうことでは、私は政治のもとを、正すことは絶対にできないと思う。しかも、どうです。あなたたちの責任にもなりそうなこういう重大な発言に対しては、これが明晰な形で私は処断されたことはないと思う。ところが、どうです。今度の春闘で、たとえばやむにやまれぬ労働者の生活権を守る、こういう戦いに対しては、遠慮会釈もなく馘首、訓告、戒告あらゆる手段を用いて、動力車労組の諸君、国鉄の労働組合の諸君、全逓の諸君、全軍通の諸君、その他の諸君の一体数万の処分をやっているじゃありませんか。これは何ですか。これでもとが正せると思いますか。私は、はっきりこの点、池田総理の御答弁を願いたい。
#27
○国務大臣(池田勇人君) 違法なる行為に対しまして適当な行政処分をすることは、われわれの勤めでございます。国民に対する義務であります。
#28
○岩間正男君 あれは違法じゃないのですな。松平発言、それから福島発言、飯守、こういうものは違法じゃないと、こうおっしゃるわけですか。
#29
○国務大臣(池田勇人君) 自分の所見が、官吏としてよくないときには、適当な措置をとっております。飯守君の問題は、これは司法官の問題で、われわれの関するところではありません。そうして福島君の問題は、事実無根と聞いております。
#30
○岩間正男君 飯守君は、あなたは任命する立場にありましょう。形の上ではそうでないというようなことになっておりますけれども、私は、形の上の処分、こういう問題だけ言っているのじゃありません。その精神について言っているのです。根本を正さない。それでは国民は納得しませんよ。私は、以上のことを、これは深甚に、きょうのこのような運営とあわせて、はっきり池田総理は反省される必要があると、こういうことをまず申し上げておきたい。
 そこで、私は次に申し上げたいと思うのでありますが、時間もあまりありませんから、お答えを願いたい。まず第一にお聞きしたいのは、わが党の野坂議長が池田総理に対しまして、二月の初めに、代表質問の中で、世界とアジアの情勢の進展を指摘しました。あれから二カ月たっているのでありますが、その後世界とアジアの情勢はどう変わったとお思いになりますか。御答弁を願いたいと思います。
#31
○国務大臣(小坂善太郎君) その後世界の情勢は刻々進展いたしております。この点については、あなたに何回も、この委員会でも、分科会でもお答えした通りであります。
#32
○岩間正男君 具体的に答えなさい。どう変わったかと聞いているのです。アジアと世界の、そんなことは何回答えても答えていませんよ。速記録を見てごらんなさい。私は見たのです。さっぱり答えられない。答えられないところに特徴があるのだ、小坂外交の姿の。まあ時間の関係から、あなたが答えられなければ、私がこれを話してみましょう。中国、朝鮮、ラオス、ベトナム等、アジアの変化発展というものを見て下さい。これは、政府の予想をはるかにこえて進んでいると思うのです。その外交政策というのは、至るところで破綻を示し始めています。南朝鮮では、人民の反米愛国、南北統一の、戦いが非常に進展して、張勉政権の崩壊がもはや時間の問題になっていることはよく池田総理は御存じだと思う。ラオスでは、日本政府がアメリカの言いなりになって認めてきたブンウム政権を、アメリカ自身さえもはやあきらめねばならない状態になっている。そうしておそらくプーマ政権を認めざるを得ないところにこれは来ておると思います。さらに、日本を初めアメリカに従属した軍事基地諸国は破綻し始めています。このように、予測をこえて進んでいるアジアのこの事実を総理は一体何と見られるか。そうしてこのような原動力は何であるとお考えになっていますか、お伺いしたいと思います。
#33
○委員長(館哲二君) 岩間君に御注意を申し上げます。持ち時間が終了いたしましたから……。
#34
○国務大臣(小坂善太郎君) 変わっておるとか、原動力はとおっしゃいまするが、何に対して何がどう変わっておるか。原動力とおっしゃるが、どういう点についてのどういう、原動力であるかということは、ここで簡単にお答えできないのであります。その点については、何回もあなたに申し上げておるのであります。
#35
○委員長(館哲二君) 岩間君、持ち時間がありません。終わっております。
#36
○岩間正男君 外務大臣、あなた眠いんじゃないですか。私も眠いですが、あなたは、私の質問の趣旨がおわかりになってないような答弁ですね。それではいけませんですよ。いろんなアジアの変化、ラオスの変化、南朝鮮の変化について私は述べた。このような変化を起こしている原動力は何かと聞いているのです。これに対してあなたのお答えがない。どういうことなんです。
#37
○国務大臣(小坂善太郎君) あなたの変化しておるとおっしゃられる認識と私の認識と違いまするから、こういう問題については、あなたの質問が、自分はこの点についてこう思うが、これに対してはどうかということであれば、答えになりますけれども、どうも今のような御直間では、私が先ほどお答えしたようなことしかお答えできないと思います。
#38
○委員長(館哲二君) 岩間君に御注意します。時間が過ぎておりますので、だいぶおそくまできております。やめていただきたいと思います。
#39
○岩間正男君 民社党には認めているのですが、私にはだめなんですか。少数意見の尊重について私は申し上げたい。曾祢君のみには認めるのですか。
#40
○委員長(館哲二君) 一問だけに限ります。
#41
○岩間正男君 私は、今のような御答弁では、これは問題をそらしていると思うのです。このような原動力というのは、諸国児の、人民の独立、中立、平和、統一、平和共存を求めて立ち上がった力ですよ。こういう事態の発展の中で、平和と安全を確保するかなめである中国問題の正しい解決の条件が急送に成熟してきていることはあなたも御存じだと思うのです。現に池田総理まで、台湾は中国の領土であるということを認めておられます。今こそ政府は、この態度をさらに進めて、中国問題の正しい解決のため努力すべきであると思います。ところで、政府の態度には、まだまだあやふやなところがあります。福島発言に対する外務省関係の態度にも見られるように、三つの中国とか台湾の帰属について、まだまだあいまいなところが見えるのです。まだ台湾の偏屈を、サンフランシスコ講和条約と関連させて、これをごまかそうとしています。一体台湾の帰属とサンフランシスコ条約と何の関係があるのか。何の関係もない。これは、全く筋違いの言いがかりというものであると思います。すでに本委員会で私が指摘した通り、そうしてあなた方が自分で読み、認めざるを得なかったようにアメリカ自身が、一九五〇年のトルーマン大統領声明並びに前国務省回答は……。
#42
○委員長(館哲二君) 岩間君に申し上げます。できる、だけ簡潔に願います。
#43
○岩間正男君 この事実を確認しています。同文書は、まず、台湾は中国の領土である。二、台湾の帰属は中国の国内問題であり、アメリカは内政干渉しないことを世界にはっきり声明しています。法的にも歴史的にも、また事実上からも、この問題はすでに解決済みの問題であまりす。今さら政府は、国際紛争だとか何とか、中国問題をあいまいにする発言をしていますが、すでに確認し、世界に公表した明々白々たるこの事実を、朝鮮戦争のどさくさにまぎれて、アメリカが台湾を勝手に占領したことが、中国の国内問題を国際紛争化させた一切の原因であります。日本政府は、こうした筋の全く通らないアメリカの態度に追従して、お先棒をかつぐ必要はないと思う。私は、ですから、最後にはっきり申し上げたいのですが、中国問題の正しい解決は、その一つしかないと思うのであります。それは、まず国際正義と正しい決定を守って、あくまでも根本原則に立つこと……。
#44
○委員長(館哲二君) 時間が過ぎましたから、簡潔に願います。
#45
○岩間正男君 さらに日本は、アジア並びに世界の諸国民の独立と平和、民衆が立ち上っている要求の実現を目ざすこと、これだと思います。この方向に進む外交のみが輝かしい成果をあげ、これに反する一切の陰謀やごまかしの糊塗策は必ず失敗すると思うのでありますが、これについて、今後の日本の外交を決定する立場から、はっきりこの現実の上に立って、池田総理に最後に御答弁をお願いします。
#46
○国務大臣(池田勇人君) あなたの御意見に賛成できません。
  ―――――――――――――
#47
○委員長(館哲二君) 占部秀男君。
#48
○占部秀男君 私は、最後の総括質問でありまするので、だいぶもう夜中に入って、身体が疲れておりますから、少し間違った質問をするかもしれませんが、一つ大臣方も、間違ったところは画して御答弁を願いたいと思います。
 そこで私は、地方財政の問題と国の予算に関連をした問題点にしぼって御質問をいたしたいと思います。まず第一に御質問を申し上げたいことは、今度の地方減税の問題、地方税法の改正の問題についてお伺いを申し上げます。今度の地方税法の改正を見ますと、総理は、選挙の公約の中にも、また総理の演説の中にも、国と地方を通ずる減税については、低額所得者層に特に意を置いて措置をする、かように申されておったと思いますが、今度の地方税の減税では、私の考えるところでは逆であって、住民税を初め各税日ごとに、ほとんど低額所得者に薄く、法人税を中心とした大法人に厚い、金持階級にいわば厚い、かようにどうも考えられるわけでありますが、総理の総括的な御意見を伺いたいと思います。
#49
○国務大臣(池田勇人君) 国税におきましては、従来にも増して低額所得者の方への減税に力を入れております。地方税におきましては、性質上国税ほどに低額所得者に行きかねる点もあります、地方財政のあり方等で。しかし、考え方といたしましては、中小企業等におきましては、償却の問題等々で相当行っておると考えておるのであります。
#50
○占部秀男君 私は、どうも総理の今の御答弁では納得できませんので、具体的にお伺いを申し上げたいと思います。
 まず、住民税についてでありますが、これは、安井大臣にお伺いをいたしますけれども、納税義務者が個人分の給与所得割の減税総額はどのくらいになっておりますか。また、一人当たりの減税額はどのくらいでございますか。さらに、事業所得割の青色申告についての分の減税額と白色申告についての減税額、それぞれの総額と一人当たりの減税された額、これを一つ本年度分と平年度分に分けてお答えを願いたいと思います。
#51
○国務大臣(安井謙君) 数字のこまかい一個々々のやつにつきましては、これは、事務的にお答えする以外に仕方がないと思います。
 住民税につきましては、一般的には増減なしという建前で今度の税制は立っております。ただ、一般の勤労者層に対しましては、一万円の基礎控除というものを設けております。なお、事業税につきましては、白色の専従者申告、これにタイアップいたしまして、青色申告の心従者にも五万円の基礎控除をやる、こういうふうにいたしております。
#52
○占部秀男君 委員長、これは質問じゃありせん。教字をどなたか、財政局長来ているでしょう。明らかにして下さい。
#53
○国務大臣(安井謙君) 都道府県の住民税につきましては、十八億、平年度において減税になります。事業税につきましては、二十一億の減税になります。娯楽施設利用税につきましては、平年度三億の……
#54
○占部秀男君 いや、そうじゃなくて、これは時間じゃありませんよ。ちょっと大臣、間違いです。僕は住民税だけを言っておるんですよ。事業税じゃなくて、住民税の中の個人分と法人分とありますね。その個人分の中に、所得割と事業税割とありますな。それで、所得割の分については、どのくらいの減税に平年度なり、本年度はなっておるかと。さらに、事業割については、白色申告と青色申告がありますね。このそれぞれの平年度及び本年度分は、どのくらいの減税の総額になっておるか。それが一人当たりどのくらいの平均になっておるかと、こういうことを住民税で個人分についてはお聞きし、さらに、住民税の法人分については、法人分のうちの青色申告あるいは法人分の……法人税割でいいですわ。法人税割についてはどのくらいの総額の減税になっておるかと、そうして……
#55
○国務大臣(安井謙君) 住民税だけですね。
#56
○占部秀男君 住民税だけです。一法人当たりは、どのくらいの平均になっておるか。この計数だけをお聞きしたい。事務当局でけっこうです。
#57
○国務大臣(安井謙君) 住民税につきましては、今の個人割というやつは、法人も個人も増減なしでございます、それから、今の都道府県の住民税も、個人につきましては十八億。それから、市町村の個人につきましては三十四億。それから、法人の都道府県民税につきましては五十四億、平年度でございます。それから、市町村民税の法人につきましては三十八億、平年度の
 これは計算でございます。
#58
○占部秀男君 あのね、僕は……これは質問時間じゃありませんよ。大臣、それは違うのですよ。それは住民税の事業割ではない、それは法人税なんです。住民税の法人割がそれで本年度減税になりますか。
#59
○国務大臣(安井謙君) 今申し上げておるのは平年度であります。それでは、本年度のやつを申し上げればよろしゅうございますか。
#60
○占部秀男君 本年度と平年度を。
#61
○国務大臣(安井謙君) もう一回申し上げますと、都道府県の個人の住民税につきましては、これはすべて初年度は、住民税については、三十七年回りになるわけでございます。従いまして、三十六年度直接減るものはないわけでございます。
#62
○占部秀男君 一応事務的には、法人税割についての一法人当たりの額は出ませんか。それから県民税について、個人住民税は増減なし、市町村民税についても、個人の住民税については増減なし、平年度、そういうわけですね。
#63
○国務大臣(安井謙君) 均等割をおっしゃっているのですか。
#64
○占部秀男君 均等割でなくて、平年度は……本年度は増減がないわけです、県の方も市の方も。そこで、来年度以降は、今言った額があります。それを、個人については一人当たりの平均の減税額と、それから、法人については一法人当たりの減税額とは、どのくらいになるかということを聞いておるのです。
#65
○国務大臣(安井謙君) それは、一人当たり、あるいは一個の法人当たりと
 いうやつは、そのときの所得と、それから収入をそれぞれ三十六年度計算してから出るものでありますから、これはちょっと、今一つ単価でどうしろと言われましても、御返答のしょうがありません。
#66
○占部秀男君 いや、そうなると、ちょっとおかしいのですが、今ないからというなら、私はそれでいいのですが、税収の見込みを立てる場合に、基礎があるわけでしょう。それは、必ず決算面の伸びから積み重ねているわけですよ。だから、それはあるのですよ。今手元にないというなら、私はそれでけっこうだというので、次の問題に移ります。そうじゃありませんか。
#67
○国務大臣(安井謙君) それは、三十六年度の実績を想定して、その総額においては、これは想定できるわけです、今おっしゃる通り。しかし、個々に分けてというのは、これは総体の推定しかできないわけでありまして、個々には、これはちょっと無理だろうと思います。
#68
○占部秀男君 数字の問題は私も弱いし、大臣も弱いから、このぐらいにしておいて、そこで、今度のこの住民税の問題で、一番私は心配になる点は、個人分の事業割の白色申告のものは、国税の改正では、御存じのように、専従控除が認められておりますけれども、住民税は認められておらんのですね、改正では。そこで、東京や大阪のような、これらを初めとした、現在第一課税方式をとっておる市町村の白色の申告者は、今度の地方税の改正がなければ、当然国の改正によって減税されるはずであった専従控除の分が、減税されないままに置かれておる。こういうような状態が私は起こってくると思うのですけれども、その点いかがですか。
#69
○国務大臣(安井謙君) それは、おっしゃる通りなんでございますが、実は、住民税をこの所得税に並行して増減をやるということになりますと、今の市町村の財政というものは、大へんな変動を来たすものでございますから、そこで、今度は新しく、住民税につきましては、特にこの所得税の増減の影響を遮断するという方式に変えまして、そうして従来の実績よりは絶対ふやさない、こういう建前で住民税を組んでおります。しかし、住民税の性格というものが、一つは所得税あるいは事業税と違って、そういう性格も持っておるものであろう、そういう意味から、今度根本的に住民税の立て方を変えたわけであります。
#70
○占部秀男君 地方財政の影響があるというおもな理由から立て方を変えたと言われるのですけれども、しかし、地方財政に影響があるならば、もっと大きな法人税制の問題や、法人事業税の問題があって、それは結局今度の改正でも立て方は変えていないわけです。あなたのおっしゃることは、筋が通らないんじゃないですか。
#71
○国務大臣(安井謙君) 事業税につきましては、これは、法人税の今度国の方のとった税制を適用しているわけでございます。これは、切り離してやろうといいましても、ちょっと技術的にも非常に困難なものでありますから、そこで、今の耐久何とか年限といったようなものは、国のきめた税率をとっているわけでございます。
#72
○占部秀男君 かりに大臣の言うことをそのままそうと考えましても、もう一つ地方税の中に問題がある。青色申告の人はそのまま認められているじゃありませんか。青色申告の人はそのまま認められている。国の影響がそのまま認められている。白色申告の人だけ、どうしてこれを認めないのですか。
#73
○国務大臣(安井謙君) ですから、青色申告の専従者控除を認めたのは、事業税の面においてでございます。住民税について、それは認めなかったわけでございます。
#74
○占部秀男君 遺憾ながら大臣、答弁になっておらんですよ。白色申告も青色申告も、ともに事業割の問題を私は言っている。給与所得の問題を言っているのじゃないのです。御承知のように、山色申告と青色申告は、青色申告の力が、会社的な形をした大きな、帳簿も整ったところだし、白色申告の力は、ほんとうの零細企業あるいは零細商業、農家、こういうものが多くなっている。貧乏人が多い。同じ事業でも通う。ところが、青色申告の力は、国からのいわゆる専従者控除が認められておりながら、白色申告の方は認められておらぬ。これは筋が立たんと言うのです。
#75
○国務大臣(安井謙君) 事業税においては、青色も白色も今度両建で認めるようにいたしたわけであります。ただ住民税においてその影響を及ぼさない、こういうふうになっているわけであります。
#76
○占部秀男君 重ねて問いますが、それが筋が立たんというのです。事業税は事業税でいいのです。僕の言うのは住民税です。住民税の中に、同じ事業をするもので、大きいものと小さいものとあるのです。その中の片方の大きなものについては国の減税措置を認めておいて、小さいものには認めないという、そういうやり方がおかしいじゃないかと私は言うのです。
#77
○国務大臣(安井謙君) 事業税におきましては、個人の場合でも今度両建を認めておるわけであります。でありまするから、その占部委員の御質問は、要するに、事業税では、国の標準に合わせて、ある程度平仄を合わしたじゃないか。住民税においては、大小を問わず、全部認めない、事業税に認めておるというのです。
#78
○占部秀男君 住民税でも、青色の方は認めております。
#79
○国務大臣(安井謙君) それは、従来地方税として認めておるのです。今度の新しい所租税の制度が変わったことによって認めておるのではないのですよ。これは、従来認めてあるのです。従来と変えないと、その点はそれだけのことです。それと、もう一つは、今の住民税というものの性格から、単に地方財政、これは御承知の通り、主として市町村の財源でございますけれども、その財政の面からいっても、これを所得税に並行させるのじゃ非常に大きな影響があるということと、住民税自体の税の性格から、なるべく広く浅く取っていく、そうしてまあ地方自治体と結びつける、こういう趣旨から、今度住民税をそういう性格にはっきりしただけでございます。
#80
○占部秀男君 しつこいようですが、それじゃ答弁にならぬのですよ。従来認めておるからそのままでいいというなら、改正なんか要らないのです。今度の改正を機会に、従来認めておるものは認めておる、それを認めておるのだから、白色申告の、しかも低所得者層なんですよ、これは、御存じのように。これにも認めてやるのが筋ではないかということを私はあなたに問うているのです。
#81
○国務大臣(安井謙君) ですから、おっしゃる通り、もし税面のその減税だけという立場から申しまするならば、その住民税で白色も認めるべきものであるかもしれません、これは。それは言えるのです。言えますけれども、今申し上げましたように、この地方税の市町村への影響というものと、それから住民税というものの性格というものから、それなら青色もやめればいいじゃないかという御議論かと思いますが、やめたんでは非常に負担がふえるのですから、せっかく今までやっているものについてはそのままにしておく、それ以上のことについては、住民税では御勘弁を願うというのが建前です。
#82
○占部秀男君 総理にちょっとこの点をお伺いしますが、結局、せっかく国の方では白色申告のものについて専従控除を認められたと、このことによって国税においては減額された。ところが、地方税についてはそれを認めないから、減額しないから、東京初め大阪のような第一課税方式をとった、いわゆる所得に対して課税をするところでは、それだけつまり減税を認められないという結果になる。今度の地方税の改正がなければ、零細企業あるいは中小商店あるいは農家の方々は、専従控除の分だけ当然住民税においても減税になるわけです。それが地方税の改正でならなくなる。これは僕は、総理が低額所得者層を中心に特に留意をして、今度の国と地方を通ずる減税をすると言った言葉と全く反対の傾向じゃないかと、かように思うのですが、総理の御見解いかがですか。
#83
○国務大臣(池田勇人君) 私は国税全般についてやっているので、あまり詳しいことは存じませんが、大体今の税制調査会の思想なんかは、国税と地方税とを分離して、国税の減税が直ちに地方税の減税に及ばぬようにしようという、これが原則のようでございます。私は、少し長くなるかもわかりませんが、そういう答申が前田多聞さんと松隈秀雄さんから来られましたから、そういう原則でいいかもわかりませんが、なかなかそれは通りませんよ。たとえば、国税で減価償却をした。これは当然地方税の方に減価償却の分が入ってきます。国税の減価償却の減税というものは、地方税でやらぬということになると、税制上大へんなことになるのじゃないかと、松隈先輩に言ったのです。そういうところはやらないのだ、できるだけ区分するんだと、こういうことなんです。先ほど問題になりました、住民税を、財源の多い大都市におきましては、所得税割でいっておりました。そうすると、所得税割でいきますと、所得減税になったときは、住民税が非常に減税になる。しかも、これが大都市の裕福な地方にだけいく。この分はやめました。そこで、国税の方では、青色申告の場合に相田専従者控除をやる、しかし、それだけじゃいかぬから、青色申告でない分は、白色の分もやってくれこういう強い要望がありましたので、国税の方は認めました。そうすると、今度地方税の方でやるときに、今の原則がある。国税で減税しても、地方税の方は断ち切るんだという根本の原則があるものですから、そしてまた、今安井さんの言われるように、地方の財源ということから考えますと、立法論としては、あなたのようなことが言えましょう。財源論としては、切り離すということになっておるから、この象、白色の分は、一つ新たに所得税と同じように減税するということは待ってもらおうというのが、住民税の負担分離の精神からきたのじゃないかと私は想像するのでありますが、誤まっておったら取り消しますが、私はしろうとでございますから、そういうことになっておるのじゃないかと思います。それから、立法論といたしましては、占部さんのような立法論もあると思う。しかし、やはり税制というものは、財源ということを考えるものですから、この際は断ち切るという原則を生かして、泣いて馬謖を切ると申しますか、白色はやらぬということにしたのじゃないかと思います。私は一つの議論だと思います。理論的には、あなたの考え方もあり得ると思います。
#84
○占部秀男君 これはまあ立場が相違しますから、これ以上は深く入っていきません。ただ社会党としても、この問題は、同じ住民税の中の問題であり、同じ個人の事業所得の問題ですから、その中でへんぱな形が、差別のある形が現われるということは、これはやはりおもしろくない。かようにわれわれは考えておるわけですが、財政上の見地だということで、これ以上は御質問は申し上げません。
 それから、もう一つお伺いしたいのですが、それは、今度の改正案によると、同じ住民税の問題ですが、改正案によると、課税方式を一つに統一をしたわけですね。総合所得方式に統一をしたわけです。ここまではいいのですが、ただし書きで、これは、大臣御存じのように、市町村が、財政上緊急の要のある場合には、控除は基礎控除だけで、あとはかけていい、こういうことに今度の法律案はなっているわけです。そうすると、たとえば、東京のような所はそういうことはありませんけれども、従来第一課税方式をとっていて、いわゆる給与所得あるいは所付税についてかかるやつですね。第一方式をとっていて、それが今度は、この改正を機会に、財政上の理由から第二方式を、今度の改正のただし書きをとったのです。そうなると、現行の第一課税方式のもとに置かれておったところの納税義務者は、逆に増税という形が現われてくるということになるわけですけれども、そういう点は、大臣はいかにお考えでありますか。
#85
○国務大臣(安井謙君) おっしゃる通り、今度第二課税方式とただし書きの二つに、従来五つあったものを統一したわけでございますが、大体なぜ第二課税方式にしたかと申しますと、今、たとえば東京都のような所は、従来御承知のように第一課税方式でございますが、市町村団体の大多数を見ますと、八二%までは第二課税方式をとっている。そこで、第二課税方式あるいはただし書きをとる限りは、今の所得税の影響を遮断する、こういう建前でこうやったわけでありますが、そこで、増税になる面はなかろうかという御懸念ですが、これにつきましては、今の標準税率あるいは準拠税率を設けまして、その逆算をして、決して従来より負担がふえないという方法をはっきりとるように、すべて指示するようになっておりますので、その御懸念はないと思います。
#86
○占部秀男君 大臣は御懸念はないと言っても、われわれは御懸念があるのです。というのは、地方財政が一時好転しつつあるとはいえ、これはまたあとで触れますけれども、決して楽ではないのです。市町村の場合ですね。そこで、これを機会に、やはりただし書きの方へ行こうという市町村長がふえてくるとわれわれは見ているのです。そうなると、今度の地方税の改正は、減税どころではない、増税になった。こういう結果が全国的にはどれほど出るかわかりませんが、出てくると私たちが考えて、それを心配しておるわけです。
 そこで、この点について大臣にお伺いいたしますけれども、まあ、そういうことのないようにするために、何とかただし書きの分については従来との平衡を保つというか何というか、あまり極端な引き上げにならぬように、たとえば三%でも、あるいは五%でもいいから、給与の収入額の中から、まあ限度としては三万円か五万円か程度じゃないかと思うのですが、その程度の控除をやはりする必要があるのじゃないかと。というのは、これは大臣も言われたように、二千何百という、これは農村地帯が多い。そうすると、給与所得者というものは御存じのように、どこだかの郵便局の局長さんは大地主よりもよけい住民税を払ったと、こういうようないろんな例があるわけです。こういう点をやはり救助するというか、救うのが、これがやはり税改正のときに私は必要じゃないかと、かように思うのですけれども、この点に
 ついて大臣どうお考えになりますか。
#87
○国務大臣(安井謙君) 今の点はよく検討いたしまして、もしそういった実態――これもあるとしても非常にごく小部分になろうと思いまするが、あるというようなことになれば、その点は十分検討して、そういうことのないようにいたします。
 それから、今の給料者の方は、まあ若干ではありますが、住民税は減ると、こういう建前になっているのは御承知の通りであります。
   〔委員長退席、理事梶原茂嘉君着席〕
#88
○占部秀男君 それからさっき大臣は、今度の住民税の改正について準拠税率があるので、その心配はないと言われたようですけれども、現在の課税方式の中で、標準税率よりも制限税率一ぱい、もしくはその間にいわゆる超過税率でかけているところはおよそ全国ではどのくらいございますか、府県あるいは市町村において。これは大臣でなくてもけっこうです。
#89
○政府委員(柴田護君) 昭和三十四年七月一日現在で申し上げますと、標準税率以上でかけております団体数が千二百六十八団体、全体の三四・五%でございます。
#90
○占部秀男君 今数字で明らかのように全地方団体のうち三四%というものは標準税率以上の税率でもって現在住民税をとっているわけです。そこでこの準拠税率をきめたといっても、今度はきめっぱなしなのですね。今度のやつはきめっぱなしなのでしょう。そうすると、はたしてその準拠税率を守る市町村が幾つあるかということを私は言いたい。おそらく準拠税率以上の税率であちらもこちらもとるようになると思うのですが、その京の見通しはいかがでございましょうか。
#91
○国務大臣(安井謙君) 私も実はその点はごもっともだと思いまして、これは行政指導の際にそういったことがなくて済ませるように十分配慮したいと思っております。御指摘の点は私自身も心配したところでございます。
#92
○占部秀男君 一つ安井大臣に、ぜひともそういう点は行政指導の実をあげていただきたいと思うのです。大衆が泣きますから、お願いをいたします。
 そこで超過税率の場合に、あまり大きなことを言ってもなかなかうんと言ってくれないと思うので、僕はこまかい点を一つ言いたいと思うのですけれどもね、今、均等割の超過税率を現在適用しておる団体はどのぐらいございますか。
#93
○国務大臣(安井謙君) この均等割ということになりますと、金額は御承知の通り大したものじゃございません。ございませんが、今申し上げましたような団体については、やや百円とか二百円オーバーをしておるというものが相当あるんであろうということは言えますが、今正確な数字はちょっとわかりかねます。
#94
○占部秀男君 たしか私のちょっと調べたところでは、やはりこれも三割近くはあるんじゃないかと思うのですが、そこで今、大臣は、均等割は言うまでもなく二百円から六百円まで各段階がありますけれども、これは大した金ではないんですがね、しかし金ではないけれども、これを払う者は生活扶助をもらっておる者以外のボーダー・ラインの者までずっと払うのです。大臣はたくさんもらっているから大したことないと言うけれどもですね、このボーダー・ラインの人はたとえ六百円でも四百円でも大へんです。そこでそれ以上の超過税率をかけているわけですからね、四百円なら四百円さらにかけているんですから、そういうような超過税率だけは、この際何とかこれを防ぐような考え方はございませんか。均等割の超過税率、このぐらいは一つ池田総理のもとにおける安井さんだから、善政をしてもらいたいと思うのですが、どうですか。
#95
○国務大臣(安井謙君) お話の点はまことにごもっともなところがあると思うのです。今の三〇%になりますかどうですか、若干そういう超過百円なり幾らとっているやつがあろうと思います。だんだんと地方財政自体も非常によくなっておりますし、交付税でもって不足分もだんだんん埋めていっているわけでありますから、御趣旨のようなものは逐年、少なくともことしより来年上がっていくということは絶対やらせない、だんだん下げていくという方向をぜひとっていきたいと思っております。
#96
○占部秀男君 なぜこういうことを言うかというと、大臣が今、地方財政は逐年よくなってきている、そのよくなってきている程度の見方が、私と大臣とでは相当違う、開きがあるのです。そこで、必ずしもこの均等割の超過税率は、大臣が考えられるほどすみやかにはなくならない、こういうわれわれは見通しに立って言っておるわけなんです。どうしても今撤廃できないと言えばそれも仕方がないのですから、その次に移ります。
 次に、法人の住民税の問題でありますけれども、これは御存じのように、相当配当課税や耐用年数の問題であるとか、その他の問題で、国の法人税の改正がそのまま適用されて、相当な額の減税に私はなると思うのですけれども、減税総額はどのくらいに今度なりますか、本年度と平年後で。
#97
○国務大臣(安井謙君) 法人ですか。
#98
○占部秀男君 ええ、法人の住民税です。
#99
○国務大臣(安井謙君) これは都道府県におきまして、初年度二十四億、それから平年度におきまして三十八億、それから市町村におきまして初年度が二十三億、平年度が三十八億でございます。
#100
○占部秀男君 初年度だけでも、ただいまの数字を伺いますと、これは二十四億、二十三億ということになると四十七億、こんなにたくさん――間違いありませんね。
#101
○国務大臣(安井謙君) それは間違いありません。
#102
○占部秀男君 これは相当な額に上がっておるわけです。
 そこでこれは先ほど申しましたように、法人の住民税については、国税においても相当な有利な改正がなされておるのでありますから、この際均等割をこれから上げるとか、あるいはまた法人税割の標準税率を上げるとか、そういうようなことでもう少し上げていくというような考え方はございませんか。どうも白色申告のような、一般の低額所得者層のあれが抜けていて、法人税割のようなところが厚いような感じがするわけでございますが、いかがでしょうか。
#103
○国務大臣(安井謙君) 今の法人割はすぐ上げるという考え方はございませんが、結局事業税その他において相当増収が見込まれておるわけであります。これは法人については、今急に住民税の方で上げようという考え方はやっておりません。住民税は大体において現状維持、給料所得者以外は現状維持、こういう建前でやっております。
#104
○占部秀男君 次に、固定資産税の問題をちょっと伺ってみたいと思うのですが、今度の改正は別にして、固定資産の非課税ですね。非課税は大よその大きな項目が五つか六つ種類刑にあると思うのですが、どのくらいの額に三十四年度の決算で残っていたか、ちょっとお伺いしたいと思います。
#105
○政府委員(柴田護君) 調べましてすぐ御報告申し上げます。
#106
○国務大臣(安井謙君) 今調べて正確なことは申し上げますが、固定資産税で、今特例を設けて減税になる部分はございますが、非課税をそのままするものはございません。
#107
○占部秀男君 非課税ではございません。特例分を入れて非課税的なものを言っているんです。
#108
○国務大臣(安井謙君) それなら初年度におきまして、市町村民税に当たる分が、初年度が六億円、それから平年度が八億円でございます。さらに道府県税におきまして、平年度が九億円、こういうことになっております。初年度はございません。
#109
○占部秀男君 そのほかに地方税法の中で非課税措置をとっておるものは、固定資産税の中にあると思うのですが、その点どのくらい。三十四年度の決算でけっこうですが、どのくらい。三十四年度でどのくらいであるかということをお聞きしたいのです。
#110
○国務大臣(安井謙君) どうも非常に形式的なもので、御返事がおくれて申しわけありませんが、原則として非課税をやっておるものはもうきわめてわずかなものであります。たとえば、国鉄等におきましても、今の営業部内からとっております。三公社等につきましても……。従って、いわゆる非課税というものにつきましてはごく特殊のものしかありませんが、個々の例について今数字はちょっとわかりかねます。
#111
○占部秀男君 もう夜もだいぶふけておるから、あまり突っ込みません。
 そこで、それはその分として、今度の地方税の改正で固定資産の問題で一番問題となるのは、内航船舶の課税標準が例の三分の二からたしか二分の一だと思ったのですが、引き上げられておったと思うのですが、そうなっておりますか。そうであるならば、これは内航船舶の問題ですから、特に今いろいろな漁業の不振な状態が続いておる。漁船の何というか、課税標準を引き下げるというような考え方はございませんか。
#112
○国務大臣(安井謙君) その点はお説の通り漁船にも適用するように考えております。
#113
○占部秀男君 なお、ゴルフ場であるとか、あるいは個人持ちの大きな庭園というようなもの、休閑地が相当特に東京のような場合にあるわけですけれども、そういうような資産について高率な――同率といってもそう高率というわけじゃないですが、やや高率な課税をして、地方財政のこの帯しさというものを幾分でも助けようと、こういうようなことを今度の改正にあたっては私は考えられるのが至当じゃないかというふうに思っておるのですが、その点いかがでございますか。
#114
○国務大臣(安井謙君) その点もごもっともなお話だと思って一応検討もいたしましたが、非常に実質的にめんどうな点と、それから均衡を失する点というようなものがございますのと、税制調査会でもこの点は今やるべきじゃないというような答申があったものでございまするから、それを尊重しております。
   〔理事梶原茂嘉君退席、委員長着席〕
#115
○小酒井義男君 関連をして一点お尋ねをしたいのですが、御承知のように、日本国有鉄道の路線の中には相当赤字路線が多いわけです。そういう赤字路線に対しても固定資産税をとっておるということは少し無理じゃないか。その地方の住民が、交通上ぜひそれは残しておかなければならぬという必要性があって国鉄が経営をしておるわけです、赤字を一そういうところが、その地方が固定資産税をとっておるということについては少し無理な点があるのじゃないか。そういう点は、これは免税なり、あるいは特別の減税措置をとるような方法がとられるべきじゃないかと思うのですが、自治大臣の所見をお伺いしたい。
#116
○国務大臣(安井謙君) これもたしか議論になる問題だと思いまするが、国鉄全体といたしまして、営業部門から、その全体の施設がそれぞれの地方に及ぼしておる影響というようなことから、あるいは受けておる利便というようなことから、固定資産税じゃなくて、これは御承知の通り納付金の制度でとっておるわけでございます。しかもその納付金の率そのものは、一般の固定資産税よりは相当な割引をいたしておるわけでございます。従いまして、今、赤字路線であるからということだけでそして免税にするということは、今のところはまだ考えておらぬわけでございます。
#117
○小酒井義男君 極端な例を言いますと、収入全体がそういう関係でいろいろな形で地方なりにとられてしまっておるというような例もあるようです、その一区間を切って、全体じゃないですよ、一区間を切った場合は。そういう点は私はやはりそういう無理が国鉄に重なっていって、いろいろな負担がかかっていき、これが最後に運賃値上げというような形で解決されていくということに対しては少し矛盾があるし、そういうところを解決していけば、まだ国鉄通貨値上げなどについてもこれを低い額で押えるというような方法も、まだほかにもいろいろ問題がありますが、この税金問題を取り上げてもそういう面があるのではないかと思うのです。そういう点は実は過日、新聞で私見たのでありますが、当院の予算委員会の分科会の中で質問が出て、そうして運輸大臣もその点については何らか考えたいというような答弁をされておったと思うのです。運輸大臣、その分科会で御答弁になった点を、私その分科会に出ておりませんので一つお答え願いたいと思うのです。
#118
○国務大臣(木暮武太夫君) お答えを申し上げますが、分科会におきまして、国鉄に対して固定資産税をとっておることについてどう思うかというようなお話がありましたわけでございますが、御承知の通り直営事業のときの、特別会計のときはもちろん固定資産税をとらなかったわけでございますが、その後税制調査会でほかのものとの公平の分担をするという意味で漸次固定資産税及び普通の固定資産税の半額に当たりますものをとるように相なってきておるのでございまして、国鉄の今日の独立採算制の上から見て、経営が非常に困難なときに、こういう固定資産税は、国家の財政が許せば、だんだんとこれを減らす方にやってもらいたいという運輸省としての立場は申し上げまして、こういうことについて今後大蔵省、自治省その他とよく折衝いたしまして、何とか固定資産税を減税してもらうような方向に努力して参りたいと申し上げたわけでございます。
#119
○鈴木強君 関連。自治大臣、今の運輸大臣の答弁に関連しまして、三公社の場合は四年くらい前に納付金制度でとられておりますね。私は、これは今の論議のあったように問題があると思いますが、特に今度地方税の改正にあたって三公社の場合、自動車税これを今まで免税になっておりますのを新しくこれをとろうとしている。そうしますと、今運輸大臣がおっしゃったように、できるだけ今の納付金も少なくしてもらいたいというような意見もあると思うのですがね。逆に地方税で取り上げるというようなことは、これは少し過酷じゃないかと思うのです。そういうのはどういうわけでとるようにしたのですか。
#120
○国務大臣(安井謙君) 営業部門の力につきましてはかけますが、その他の面について非合理な分については、またいろいろと打ち合わせもいたし、合理化をしていくというふうで、そう大きな負担を一方的に押しつけるという形にはなっておらぬ。なお、今の固定資産税自体の性格から申しまして、赤字路線だから引くというようなこと、これは経営者の側からは、それは引いてもらいたいという希望は強いと思いますけれども、この固定資産税の性格から申しまして、これはちょっと現在やめるというような、免税にするというようなことは、困難というより不可能であろうと思うわけであります。
#121
○占部秀男君 次に、電気ガス税について二、三伺いますが、今度の減税は総額で、平年度及び本年度どのくらいになりますか。また減税される恩典に浴する世帯数は全体の使用者の何%くらいになるか、そういう点一つ。
#122
○国務大臣(安井謙君) 電気ガス税につきましては、平年度二十三億程度でございます。で、御承知の通り、三百円限度を免税、こういうことにしておりまして、いわゆる定額灯を利用されておる方からいえば八〇%以上のものがこれに浴する。それからなお定額以外の人も、七灯以下の標準までの使用者でありますと、これが約六八%でございます、七〇%近くはその恩典に浴する、こういうふうになっております。
#123
○占部秀男君 この電気ガス税、私詳しく知らないのですけれども、課税の対象になる使用料というものですね、電気、ガスの使用料、あれは基本料金とか何とかいうのを含んでいるものですか。そうじゃないですか。純粋の使用料だけですか。
#124
○国務大臣(安井謙君) 含んでの話でございます。
#125
○占部秀男君 そうなるとちょっと私はげせないのです。というのは、今、大臣は、七灯以下の――これはメーター制の問題ですが、七灯以下の六八%から七〇%近く、今度、あれされる、と。ところが、東京あたりでは、基準料金が、たしか今普通の家庭では二百九十八円はとられていたと私は思うのです。あと二円だけだということになると、どうも六八%というのは合わないのですが、七灯以下の電灯を使っておるということになると、――少なくとも五、六灯使って、基本料金を払えばどうしても……幾ら電気をぱちぱち消しても五、六百円はかかるのじゃないかと私は思うのです。基本料金も含めてですよ。その点いかがですか。
#126
○国務大臣(安井謙君) これは非常に実質的な問題になりますが、私の方で、事務当局で計算しましたのが一応そうなっておりますので、もしそういった点の御疑問でもありますれば、また別の機会に詳しく御答弁を申し上げたいと思います。
#127
○占部秀男君 なぜ私がこういうことを言うかというと、自治省の方が発表されたほど、今度の電気ガス税の免税の問題は、需用者にそうたくさん均霑しないと私は見ておるのです。しかし、これは計数が、大臣の方でそういうふうに言われれば、私も今持っていないから水かけ論になりますから、これでやめますか、そこで今度の問題、むしろ私は三百円の免税点というよりは、三百円の基礎控除という形にすることによって、非常に多くの人たちに均霑をさせるべきじゃなかったかと、かように考えるのですが、そういう点いかがですか。
#128
○国務大臣(安井謙君) たしか基礎控除とするという考え方もあろうかと思いますが、今のところ消費税という性格と、それから徴税の技術の両面からいろいろ検討いたしまして、とりあえずこの免税点でいこうというふうにきめたわけでございます。
#129
○占部秀男君 その、とりあえず免税点でいこうということ自体が、私から言うと、羊頭を掲げて狗肉を売る結果に実際はなるのじゃないかと思うのです。私も計算をはっきりしてきたわけですが、三百円の免税点では、かかる人は、ほとんど一灯か二灯をつけておる人ならかかるけれども、それ以上の人は、私は東京都内でも、皆さんも御経験あると思うのですが、ほとんどかからないと思うのですよ。これをやはり基礎控除という形でとられるのじゃなくちゃ実際の電気ガス税の減税の値打はないんじゃないかというふうに私は考えておるわけですが、数字がないからこれ以上追及はしません。ただしかし、この際念を押してお聞きしたいことは、電気ガス税の中で非課税措置になっておるものですね、総額はどれくらいございますか。電気ガス税の非課税措置になっておる金額。
#130
○国務大臣(安井謙君) いわゆる電気ガス税の、電灯料ガス税を入れますと二十三億でございますが、その他の電気を使うといういろんなこの工場過程の分につきまして今ちょっと数字がはっきりしておりません。
#131
○占部秀男君 もう夜明けが近くなっておりますから数字をこれ以上追求しませんが、おそらく二、三年前だったか自治庁の資料でたしか百四、五十億はあったと思うのです、二、三年前に。電気ガス税でおそらく今日は二百四、五十億になっておるんじゃないかと思うのですけれども、こういうような面を少し整理をして、整理をすれば今度のこの免税点を基礎控除にできるんじゃないか、私も試算してみたんですが、基礎控除にしても七十億ぐらいしかかからいんやじないかと思うのです。そういうような点、一つ大臣の方としても考えてやってみる気はございませんか。
#132
○国務大臣(安井謙君) この生産工程と申しますか、生産工場に対する面につきましては、これは逐次そのときの状況で変わっていくということでございますし、それから一般の電気ガス税の基礎控除という問題は、今後はおっしゃる通り検討の材料にはしたいと思っておりますが、今はこれを変えるつもりはございません。
#133
○占部秀男君 では一つだけ最後に伺いますが、この市町村長の指定している街灯がありますね、これは小さな問題のようですが、しかし大きな問題です。今だいぶ青少年の犯罪が多い。こういうような、この公共的な街灯にはせめて免税をしてやって町を明るくする、こういうようなことを考えてもいいんじゃないかと思うんですけれども、大臣、どうですか、電気料金についてですよ。
#134
○国務大臣(安井謙君) これは免税にしておるか、非常に格安の料金にしておるか、どちらかそういったことにやっておりますし、それから今後ふえる分につきましては都道府県の行政指導によりまして、これからもそういった点は大いに強化するということで進めております。
#135
○占部秀男君 ちょっと今の点、大事な点ですから、はっきりしておきますが、料金を下げてやっておるということは私も聞いているんですが、免税にはなっていないと思うんですよ。
#136
○国務大臣(安井謙君) 今の私少し言葉が足りなかったと思いますが、今の料金を、免税点制度をとれば、当然免税になります。従来は料金をうんと下げておる、こういうような格好でございます。
#137
○占部秀男君 次に、遊興飲食税の問題についてちょっとお伺いいたしたいと思うんですが、これは簡単ですけれども、地方税の提案がおくれた原因の一つに、政府と自民党さんの間の調整が遊興飲食税の問題でつかなかった、こういうことが、新聞等で伝えられておるんですが、どういう点がなかなか調整がつかなかったのかお伺いしておきます。
#138
○国務大臣(安井謙君) 別に特につかなかったという問題じゃございませんが、御承知のように、地方税というのは非常に雑多な税種でございますし、これをきめるのに非常に複雑な手数がかかったということが、全体がおくれました点は申しわけないのでございますが、大きな原因の一つでございます。なお最近、特にこの二、三週間おくれました理由は、これは外人の宿泊しておる登録ホテルにつきまして、われわれは均等に事務的にはこれを課税するという建前で進めておったんでございまするが、実態を検討しました結果、これは外国人等が相当前から予約なんかがあるというような実態がわかりまして、これの調整に手間取っておくれた次第でございます。
#139
○占部秀男君 その外人の観光客といいますか、外人客の非課税の問題はここまでくれば、私は即時取りやめるべき問題じゃないか、特に外人であるからといって、われわれが外国旅行したといって、これとられるんですから、日本だけがとらないでいたってしょうがないので、これはむしろ積極的にとるべきじゃないとか思うのですけれども、御意見はいかがですか。
#140
○国務大臣(安井謙君) 外国のホテルヘわれわれが泊まりました場合にとられる税種と、それから日本で今とっておりますいわゆる遊興飲食税とは、税率におきましても税の性格におきましても、だいぶ違うようではございますが、われわれも外国人であるからといって、現在の制度のもとに、これを同じように免税にする方がいいとは考えておりません。しかし、これはホテルに予約しておる人とか、半年も一年も前から予約をしておるというような、実態としてございますので、その点につきましてと、それからまた将来の観光というような問題から考えましてここ当分、一年は実施を延期する、来年の四月一日からこれを実施する、こういう建前としたわけでございます。
#141
○占部秀男君 地方税の問題点については、一番初めお聞きした計数の問題が私ははっきりしないし、少し私としても信頼できないような、と言っては悪いですけれどもあるので、全体としては言えないんですが、今までの具体的に大臣にお聞きしたところを見ても、法人分についてのいろいろな減税についてはかなり厚くなっておると、私どもは計数ここに持っておりませんから言いませんが、かなり厚くなっておる。その半面、特に先ほども白色申告の問題を出したように、低額所得者の問題については市町村でもって、扱い方によってはかえって増税になる、こういうような危険もあり、また当然もう減税になるべきものが、今度の地方税の改正で減税にならぬ、こういうような点もこれは大臣幾ら言われても私たちは納得できないのですが、あるわけなんです。そういう点についてはあらためてまた地方行政委員会などで詳しくお伺いいたしすまが、もう少しそういう点についての配慮を一つしていただきたいと思います。
 それから次に、今度の予算案に関連をして、明年度の地方財政についての政府の基本的な方針をちょっとお伺いしたいと思うのでありますが、今度のこの予算の説明書を見ますと、地方交付税は三百三十七億前年よりはふえている。説明書にはそう書いてある。臨時は別ですよ、臨時と交付は別ですよ、地方交付税だけですよ。三百三十七億ふえているということになっているのですが、去年の二回……。もう去年ですな、三十五年度だから去年の二回分の補正でたしか二百七億金があったと思う。そうすると、明年度は地方交付税を出す場合に、あれと一緒にしてこうやるようになりますか、どうですか。
#142
○国務大臣(安井謙君) 繰り延べました部分は、むろん一緒にして今度配付する基準を立てたわけでございます。そうしてふえました額は、三十五年度の当初に比べますれば九百億でございます。そのうち三十五年度は御承知の二百四十億を補正で配付しましたから、ネットの比較で申しますれば、六百六十億、こういう増加でございます、三十五年と三十六年は……。
#143
○占部秀男君 まあ御存じのように、地方は今、赤字整理を相当やっている段階ですが、特に事務事業の遂行量を見ると、相当停滞的でまだあるように考えられてならないのであります。ところで今度の国の予算、まあ政府の施策では、地方交付税の税率の引き上げがまあ行なわれてないわけでありますけれども、私はやはり税率の引き上げを行なって、地方の一般財源をふやし、ふやすことによって行政水準の改善をはかるべきまだ段階ではなかろうかと思うのですが、この点について大蔵大臣にも一つ御意見を承りたい。
#144
○国務大臣(水田三喜男君) 今年度の地方税の増収は約千四百億円と見込まれておりますし、交付税の増加分も去年に比べて九百億円、合計二千三百億円ぐらいの増収が地方財政としては見込まれるのに、また後進県の開発促進のための国の補助費の増額とか、その他五千億円以上に上る国費の支出も、地方財政に寄与するところは大きい問題でございますし、こういうものを勘案してみまして、地方財政というものは今までに比べて年々よくなってくるという傾向にあるときでございますので、この際別に地方交付税の税率を増す必要も私はないのではないかと思います。
#145
○占部秀男君 これは自治相に伺いますが、たしか平衝交付金から地方交付税になったのは二十九年だったと思いますけれども、それ以降三十五年まで――もう朝だから昨年度ですけれども、この間の毎年の税率の変遷がわかっておると思うのですけれども、ちょっと簡単に税率だけ伺いたい。
#146
○政府委員(柴田護君) 最初は、たしか二〇%だったと思います。それから二二%になりまして、二五%になって、二七・五になって、二八・五だったと思います。
#147
○占部秀男君 そうしますと、六回にわたって改正がされておるのでありまして、すなわち、二十九年以降毎年税率が引き上がっておったと、こういうことになると思うのですが、去年も〇・三の特交に臨特をつけましたから、毎年引き上がったということになると思いますが、いかがですか。
#148
○政府委員(柴田護君) 結果といたしましては、おっしゃる通りになります。
#149
○占部秀男君 そこで、大蔵大臣にお伺いしたいのですが、まあ地方財政にとっては、特に三十四年、三十五年はやや好転をして、単年度黒字となったという年でありますけれども、それでもやはり、交付税率を引き上げなければ、わずかな県単事業、市単事業もできないと、こういうような実態を、この交付税率の暦年の変遷が私は証明しておると思うのであります。地方財政の赤字が減りかかっておるということと、それから地方がやや安定した財政力をもって事務事業ができるということとは、これは別じゃないかというふうに私は考えるのですが、その点どうお考えになっておりますか。
#150
○国務大臣(水田三喜男君) 地方財政需要を充たす収入があるかないか、地方財政計画によってこれを見て、なお足らないという場合に、地方交付税の引き上げというようなことをやってこれを調整するというのが建前でございますので、問題は、地方財政計画とこの計画内容の需要を充たす税収がどういうふうになっておるかということできまると思いますが、従来はこの計画はなかなか立ちませんでした。そうして、地方財政は大きい赤字を出しておりましたので、年々交付税を上げるという形で解決してきましたが、ようやく最近になって地方財政が黒字を見るというようなことになりましたので、今一応地方財政としては今までにない落ちついたところへきておるというふうに私どもは見ておりますので、従って、本年度、今の程度のところでしたら、交付税の引き上げというものはする必要はないものと認めた次第でございます。
#151
○占部秀男君 安井大臣にお伺いしますが、三十五年度の地方財政の決算分、これはもうでき上がっておりますか、まだでき上がっておりませんか。
#152
○国務大臣(安井謙君) まだでき上がっておりません。
#153
○占部秀男君 それでは、一番新しいのが三十四年の決算調べということになるわけでありますね。そこで、ただいま大蔵大臣が言われた中で、三十六年度は二千三百億からの一般財源その他のふえがあるから大丈夫だと、こういうふうに言われておったと思うのですが、決してそう楽観はできないと私は考える。そこで一番新しい決算調べでいろいろお伺いいたしたいのですが、この一週間ばかり前に、自治省の方から、三十四年度の地方財政の決算調べが国会に資料として提出されておる。あれを見ますと、三十四年度の純計決算額と、それから地方財政計画との間には二千七、八百億のたしか開きがあったと、かように考えるのですが、この開きの意味するところは一体どういうものですか。たとえば一般財源がぐっと伸びたために、その開きがあったのか、あるいはまた、国庫支出金が伸びたためにあったのか、あるいは借金がうんとできたと、こういうことであったのか、その点一つお伺いしたい。
#154
○政府委員(柴田護君) 地方財政計画は、御承知のように、単年度ごとに標準的な経費と標準的な収入は対比いたしております。決算額につきましては、標準をこえる歳出と標準をこえる歳入というものが現われてくるのでございまして、その間にはいろいろズレがございます。たとえば補助事業であるとか、標準税率を超過した課税をいたしまして、財政計画で予想している以上の仕事をやったとか、こういったものがそこに現われてくるわけでございまして、当然に違ってくるべきものでございます。
#155
○占部秀男君 当然に違うべきものであるということは、私も当然知っているのです。ただ、計画額より非常に伸びている。その理由がどういうところに地方財政の三十四年度の情勢から見てあったのかということを具体的に私は聞いているのですが、それはそのままでけっこうです。つまり、それだけ地方の何というか、税収が一応地方財政計画という計画を立てた、何というか、一つの大ワク的な計画を立てた、その当時より財政的な伸びが相当あった。従って、それだけ仕事もできたのだということをこれは表わしていると私は思うのですけれども、その点はどうですか。
#156
○政府委員(柴田護君) 一番大きく違いますのは、財政計画は補正をいたしておりません。ところが、実際問題といたしましては、国が補正予算に伴いましていろいろ収入がふえております。こういうものが歳出に充てられるということでございます。ただ、財政計画の中には、地方の実態に沿わないものもございまして、たとえば雑収入等の算定が十分ではない、かような点もございましたので、逐次これを合理化していくような方向をとってきました。本年度の地方財政計画におきましては、たしか四百四十八億だと思いますが、歳入歳出の規模の是正を行なって、逐次合理化をした次第でございます。
#157
○占部秀男君 よけいなことはいいのですが、僕の言うのは、開きがあったということは、地方財政計画を考えた当時よりは、考えた当時というよりも、地方財政計画よりは実際の決算で地方の方が収入がふえた、収入がそれだけよけいあがった。そこでよけい仕事ができたのだと、こういうことになるのじゃないかということを伺っているのです。
#158
○国務大臣(安井謙君) そのふえた数字だけ全部がそれに引き充てられたとは言えませんが、傾向としては、それは確かにその通りでございます。
#159
○占部秀男君 そこでこの三十四年度決算で、国の公共事業ですね。あるいは国の補助事務あるいはまた一般の事務、委任事務、こういうようなものは地財計画よりふえた。全体の中でどのくらいの額を占めておるか、決算ですね、ちょっと教えて下さい。公共事業、失対費ですね、あるいは国の補助金を伴う一般行政事務。
#160
○政府委員(柴田護君) 昭和三十四年度の純計決算を比較いたしますと、総計におきましては、純計額が五千二百四億八千四百万円、それに対しまして計額画が三千七百四十四億六千八百万円、差引一千四百六十億一千六百万円の増、そのうちで国庫補助負担金を伴うものにおきましては純計額が三千六百八十九億八千四百万円、計画額が二千六百六十七億六千百万円、差引千二十二億二千三百万円の増でございます。
 なお、失業対策事業費につきましては純計額が四百億八千六百万円、計画額が三百五十六億一千四百万円、差引純増が四十四億七千二百万円でございます。
#161
○占部秀男君 補助事務は……。
#162
○政府委員(柴田護君) 補助事業につきましては普通補助事業いわゆる一般の補助事業と思いますが、これは決算上は、国庫補助を伴わない中業分も一緒になっております。
 ちょっと触れませんでしたが、公共事業費は純計額が三千二百八十八億九千八百万円に対しまして、計画額が二千六百六十七億六千百万円で、九百七十七億五千百万円の増でございます。
#163
○占部秀男君 両方合わせてですね。
#164
○政府委員(柴田護君) 公共事業費だけです。
#165
○占部秀男君 公共事業費ではなくて――さっき言ったのは公共事業でしょう。
#166
○政府委員(柴田護君) さっき申し上げましたのは、公共事業費と失対事業費が含まれております。
#167
○占部秀男君 今度は、一般の国の補助事務で……。
#168
○政府委員(柴田護君) 一般補助事業におきましては、申し上げましたように国庫補助を伴うものと伴わないものと一緒に計算しております。
#169
○占部秀男君 どのくらい。
#170
○政府委員(柴田護君) 一諸に計算しますと、行政事務では、これは一般行政経費といたしまして二千八百四億六千五百万円の財政計画上の計数に対しまして、純計決算では三千六百八十八億九千六百万円、八百四億八千六百万の増でございます。これは補助金を伴うものと伴わないものと一緒になっております。
#171
○占部秀男君 およそ半分くらいという意味ですね。大ていほぼ半分くらいでしょう。
#172
○政府委員(柴田護君) 四分六くらいではないかと思います。
#173
○占部秀男君 どっちが六ですか。
#174
○政府委員(柴田護君) 補助を伴わないものが六で、補助を伴うものが四くらいではないかと思います。
#175
○占部秀男君 ただいま自治省から数字を明らかにしてもらったわけですが、岡の補助事業事務を合わせて地財計画より実際の決算額が伸びておるのは千四百億近くになっておるわけです。そうすると、つまり総体の比較の中の半分以上ですな。五〇%以上が、この地方の事務事業が伸びていたけれども、実際は国の補助事業事務、あるいはまた国からの委託事業事務や補助事務が伸びていた、こういうことになると思うのですが、いかがでございますか。
#176
○政府委員(柴田護君) これは中身をさらに分析する必要がございますが、この公共事業費につきまして非常に計画額と純計額が違っておりますのは、一つは三十四年度におきましては、御承知のように非常に災害がございました。この災害に関するものは計画額の中にあがっておりません。それが大きな差でございます。それでも一つは繰り越し、繰り越し関係の事業が決算には入っておる、計画には入ってない、そこにも差があろうかと思います。実際にお話のようなことを、まあお話しのような考え方を一がいにとることはできない。この二つの理由をあげればほとんどのその差額の説明がつくんじゃないか。災害関係のものと、それから繰り越し上の関係、この三つの関係が大きな差になっておるのじゃないか、かように考える次第でございます。
#177
○占部秀男君 簡明に一つ教えていただきたいんですが、そういう点を勘案して、一体その地財計画よりは、実際に決算額がふえておる。そのふえておるいわゆる事務事業の中で、何%ぐらいが国の補助事業事務であったか、こういう点は簡潔に出ませんか。
#178
○政府委員(柴田護君) 御質問にぴったり当てはまる答えが実は統計技術上の理由でできないのでございますけれども、たださようなことを考えて、地財計画におきましては四百四十八億の訂正をいたしました。四百四十八億の投資的経費を是正いたしましたのは、そういうような理由を頭に置いてやったと、こういうことでございます。
#179
○占部秀男君 それは三十六年度でしょう。僕が言うのは、三十四年度のことを言っている。
#180
○政府委員(柴田護君) その是正の根拠は、三十四年度の計画の差というものを頭に置いてやったことを正確におっしゃるように三十四年度の中身を分析して御質問にぴたりと合うような計算が、実は集計の技術的な欠陥からできない、こういうことです。
#181
○占部秀男君 それは少しおかしいじゃないか。集計の技術的なことからできないといっても、この大勢はわかるのじゃないですか。僕は何も一銭一厘まで言っているのじゃなくて、大勢は私はわかっていくと思うのだ。公共事業なら公共事業の中の国庫支出金の方とのかね合いを調べたって、およそわかることじゃないかと思うのですが、どうですか、大てい私はわかると思うのだが。
#182
○政府委員(柴田護君) 先ほど申し上げましたのは、災害関係の予算の補正が片一方に入っていないということと、繰り越し上の関係があると、こういうことでございます。それが大きな差の原因だということでございます。一千億にわたる投資的経費の差というものは、申し上げましたように三十四年度の計画額には災害関係の補正額…
#183
○占部秀男君 僕の言うのは、三十四年度の地財計画と、それから三十四年度の決算額と、そこに伸びが、開きが二千九百億からあるわけですね。それは少なくともそれだけの収入が、まあ地財計画よりはよけいあったのだと、そこでそれに見合うところの事務卒業というものは行なわれたのだと見ていいのじゃないかといったときに、そうだと、まあおよそそうだということになりましたな。そうすれば、その事務事業の中で公共事業、国の公共補助事業、失対出業、あるいはまた国の一般補助行政事務とこれの伸びがどのくらいあったかということを私は聞いたのです。そうすると、あなたは一千四百億近くのことを言われたのです。そうならば、私の言った地財計画よりかより以上二千九百億近い仕事をしておる。その半分近いものは国の補助事業事務じゃなかったか、こういうことを私はあなたに聞いたのです。
#184
○政府委員(柴田護君) 申し上げませんでしたけれども、お尋ねの点は、繰り返して申し上げますが、国庫補助金を伴わないものがどのくらいあるかということになりますと、国庫補助金を伴わないものの総額が四百三十九億であります。従って、そのあとの部分が、先ほど申し上げました投資的経費の中では国庫補助負担金を伴うものの差額であります。
#185
○占部秀男君 委員長、答弁が違うのです。時間はあれですよ。僕は投資的経費のこれを言っているのじゃない。地財計画とそれから三十四年度の純計決算額との間に開きがあるでしょう。今あなたの言った二千九百億近い開きがあるでしょう。そこの開きが、結局地財計画でわれわれが考えたよりもより以上地方の方は決算額から見て収入があったんだ。そこでそれだけの事務事業をやはり三十四年度はあっただけしておるのだ、こういうことを表わしているのじゃないかということを僕は言った。あなた方はそうだという。それに違いない。そこで、その中で、それじゃ国の公共補助事業と、失対事業と、それから国の補助事務、委任事務等のこの増、地財計画よりも実際三十四年度にやった増、決算額の差ですよ。地財計画とあれとの差、それはどのくらいかというと千四百億近いのであって、千四百億近くなれば、そうすれば、地財計画と、それから決算額との差の約半分は、つまり事務事業もよけいやった半分は、結局国の補助事業、あるいは失対、あるいは国の委任事務等の伸びじゃなかったかと、こういうことを私は聞いておる。
#186
○政府委員(柴田護君) 多少私が考え過ぎたかと思いますが、総体の違いが二千七百九十億でございますから、大体おっしゃるようなことが言えるかと思います。
#187
○占部秀男君 そこで、さらに給与関係費と公債費は、同じような形でどのくらいの開きがございますか、金額で。
#188
○政府委員(柴田護君) 給与関係費では恩給退隠料を含めまして六百十九億、それから公債費は百七十四億五千八百万でございます。
#189
○占部秀男君 さらに、地方の単独事業分の同じような伸びと、維持補修費の同じような伸びはどのくらいでございますか。
#190
○政府委員(柴田護君) 統計上は維持補修費は百三億の減でございます。
#191
○占部秀男君 減……。
#192
○政府委員(柴田護君) それから単独事業費は、先ほど申し上げましたように、災害復旧事業分も入れまして四百三十五億、ただ、この単独事業の中には維持補修費の方に振り向けるべきものが含まれていると考えます。
#193
○占部秀男君 今の数字でこれはもう明らかなように、給与関係と、公債費、いわゆる事務的経費である。給与関係費と公債費で約支出二八、二割四、五分は伸びの中を食っておる。そこで単独事業を四百三十五億やっているけれどもこれは約二〇%、二割に当たるわけですが、伸びの二割に当たるわけですけれども、この県や市や町村の四百三十五億の単独事業が出ないので、道路や建造物なんかの維持補修する金を維持補修せずに、今のお話では百三億ですか、これをその方に回して仕事をしておるという事情になっておるわけですね。そういうことは明瞭ですね、この中で。どうですか。
#194
○政府委員(柴田護君) 形式的にはおっしゃるようなことが言えるかと思います。ただ決算上の、統計上の問題がございまして、単独事業の中には、本来ならば維持補修費の中に含めるべきものが混入しておるということは考えなければならぬと思います。
#195
○占部秀男君 これは大蔵大臣にお伺いをしたいのですが、形式上はそうなるといっても、決算額ですから、そう形式というわけにはいかぬわけですね。決算額で、地財計画との比較からだんだん割り出していったわけですけれども、これは明らかに地方の方は税収の伸びが、さっきも言ったように、三十四年度の収入は非常に伸びておる。あるいはまた、国から払う交付税というものも伸びておる。しかし、その伸びたうちの半分は国の補助事業、国の一般行政の面へ食われてしまう。あとの二割四、五分は給与費の増加と、それから当然借金を払わなければならぬ赤字の穴埋めに当てられてしまう。そして、県や市や町村がいわゆる単独事業をしようというのは、それはわずか二割しかできないけれども、その二割さえも、維持補修費を使わずにそれを流用する形で、まあその中にいろいろな税目もあるでしょうけれども、新規事業に見合うものもあるでしょうけれども、それを使っておる、こういうような実態ですね。これが一体大臣の言われるような安定した地方の状態といわれますか。このままじゃ地方の行政水準の改善なんというのはとうてい私はできないと思う。
#196
○国務大臣(水田三喜男君) 全体的に見ますと、国税と地方税合わせて、大体国と地方の収入のうち、国税が七割、地方税が約三割ということになっておりますが、この経費の支出を見ますと、反対に地方に使われる金が大体六割から七割、国が使うのが四割というふうに、支出が逆になっていることを考えますと、もし地方に独立財源を与えるのだというようなことになりましたら、今の税の負担の仕方が、税源を地方にもっともっと多く与えなければならないというようなことになります。この調整がどうできるかというと、なかなかむずかしい問題で、今の交付税というようなことで調整をとっているのですが、もともと国税の相当部分というものも地方のために使われている。そういう意味から見ましたら、私は地方財政に今の国の交付税以外の国税の支出、国庫の支出の寄与というものは大へんになりますので、そこらを勘案しましたら、この交付税が少いか多いかということは簡単に言えません。地方計画の全体から見て、交付税を増す必要があるかないかということになりますが、今の計画と実情から見ましたら、私は地方のために国の税の出し方が足らぬ、支出の仕方が足らぬという事態には私はなっていないと思います。
#197
○高田なほ子君 関連。今交付税率の問題が出ておりますが、これの高の問題ですが、税外負担のために二八・五%の交付税率プラス〇・三、こういうことで、税外負担を軽減するために、この税外〇・三というものが組まれている。それは交付税率が足りない。すなわち国の責任においてやらねばならぬ分も足らないから〇・三というものが組まれるのですから、当然この交付税率というものは上げてしかるべきものではないか。そうして地方の行政水準を向上させる。こういうことが政府の方針であるならば、当然この交付税率というものを上げ、すなわち〇・三というものは交付税率の中に加えて上げていくべき性格のものではないか。私は基本的にそういう考え方を持っていることが一つです。
 それからもう一つは、自治法の改正で各種の寄付行為が禁じられていることになっています。しかし、保護更生の中で、つまり刑余者です、監獄に入った者で、その者を保護更生させるために社会事業が行なわれることになっております。それはだれが責任を持ってやるかということになると、法律ではその責任の範囲は国においてなさなければならないと、こういうことになっておりますが、この法律で非常に奇妙なことは、寄付行為が当然なことのように法文の中に生きている。自治法ではいろいろの寄付行為が禁じられるしかけになっている。そのことのために税外負担の〇・三というものが組まれておるわけですから、特定の事業に法律で寄付行為をまだ許しておるということは、これはやはり寄付行為そのものに対する政府の統一した見解というものが明らかになっておらないように私は考えられます。従って、これは法務大臣にも関係のあることでありますが、将来、自治省とも、御相談になって、寄付行為が当然法の中で認められるような法文は消していくべきものではないか、このように考えられます。従って、私の質問の要点は、寄付行為に特例を認めるということについては若干の疑問がありますが、自治省として国の責任においてなすべき仕事、これを寄付行為にゆだねるという一部の特例を認めるということははなはだおかしいのではないか、将来検討されるべきではないか、こういうわけです。
#198
○国務大臣(安井謙君) おっしゃる通りでございまして、この寄付行為というものは非常に弊害があることはお話の通りでございます。これは漸次そういうことのないように予算上の手当もやっておりまして、三十五年度には御承知の通り、九十億そういったもののために充当しております。
 それからなお、三十億、三十五年度の予算に組まれました〇・三というものにつきましては、これは当時の国税の減収ではね返ってきて住民税が減ってくる。これの理論的な建前から一部補充をやったのでありまして、必ずしも寄付の問題とは関係ございません。しかし、寄付の弊害というものにつきましては、たびたび御指摘もありました通り、順次これをなくしていっている。ことに三十五年度から六年度にかけましては、今まで財政が非常に悪いために単価の不足とかそういうものを補うためにそういう弊があったものを順次なくしておりまして、三十六年度から非常にこれは改善されておると思います。
#199
○占部秀男君 大蔵大臣からそういう御答弁ですが、私は国の補助事業事務、そういうものが必ずしも地方の事務じゃないということを、言っておるじゃないのです。というのは、国の補助事業事務、そういうものに食われて地方の単独事業ができない。こういうことがいかに地方住民にとって迷惑の話であるかということを大蔵大臣に訴えるために言っておる。これは、もう時間の関係もありますから率直に言いますけれども、たとえば道路の問題でも、確かに国の直轄の事業とそれからいわゆる補助事業とで、国道はよくなる。ところが、同じ道路でも、府県道になるとさらに悪くなる。市町村道になると、もうとても鋪装にしろ改良工事にしろ、伸びていないということは、これはもう明らかなんです。こういうように、これはまあ一つの道路の例ですけれども、いろいろな国民の福祉的な環境のいろいろな問題がさような状態になっているから、私はこういう点についてくどく申し上げるのです。しかもこの三十四年度の決算調べを見ると、これはもう非常に憂慮すべき――大臣か楽観しておるけれども、憂慮すべき問題があるのです。それは二千九百億近いところの、比較の中でこの事務事業をまかなうために地方はどういう苦心惨たんをしておるかというと、雑収入がほぼ半分以上、雑収入の伸びでこれをつまり補っておる、かような結果に私はなっておると思うのですが、その点はいかがでございますか。
#200
○政府委員(柴田護君) お話のように、雑収入の差が九百人十億ある、相当これはございますが、この中には委託工事のようなものが相当含まれております。従って、収入見合いの事務があるわけでございますので、これをもって直ちにおっしゃるような趣旨のすべてがそうだとも言えない。しかし、雑収入には相半上がっておるということは昭和三十四年度の段階では言えるかと思います。
#201
○占部秀男君 そういう言い方をしちゃいけませんよ。委託工事のいろいろな問題を私は知っておりますけれども、千億近い雑収入のうちでそれはどのくらいあるかということを、あなた計数を上げていただければわかるけれども、それは半分以下です。その問題はそうでしょう。その問題を除いたあとの、たとえば手数料であるとか、あるいは使用料、そういうような大まかな線もちょっと言ってもらいたいのです。総額でどのくらい伸びたか、大まかな点を言ってもらいたい。
#202
○政府委員(柴田護君) 雑収入だけでよろしゆうございますか。
#203
○占部秀男君 いわゆる雑収入総ワクの貸付金や何かの回収したようなものじゃない、手数料であるとか、野付金であるとか、あるいは財産収入であるとか、そういう点です。
#204
○政府委員(柴田護君) 使用料、料の差が百九十億、雑入――新入と申しますのが今おっしゃいました財産収入とかいったようなものをひっくるめまして九百八十四億、合わせまして雑収入としましての差が千百七十正徳となっております。
#205
○占部秀男君 その雑の中に一つ寄付金の問題と、それからまた財産収入の問題とちょっと分けて言ってもらいたいと思う。
#206
○政府委員(柴田護君) 雑人は全部こみでなっておりまして、中身につきましては、決算と純計の対比は今ちょっと手元に資料がございませんので、わかりません。
#207
○国務大臣(安井謙君) 今の占部さんの御主張と申しますか、御質問は縦かにわかるのでございます。要するに、当初計画より相当な増収というか、予算がふえながらも、これが地方団体の単独の事業に回っていないじゃないかという結論であろうと思う。三十四年度は確かにそういう傾向は強いのでございます。三十三年度が非常に赤字がありましたり、過年度のものを補てんをしたり、それから従来の実績によれば御承知のように、単価が不足するためにいろいろなやりくりをやっておるという状況がございます。しかし、これは三十五年度には相当直っておりますし、三十六年度には先ほど申し上げましたように、そういった補正、単独費をやるやつを、三十五年度に比べても八百四十八億程度ふやしておりますので、そういう御指摘の点は確かに三十四年度にはありますが、順次これは改良しておる、こういう状況でございますので、一つ御了承願いたいと思います。
#208
○占部秀男君 ところが、なかなか了承できないのですよ。というのは、三十五年度の決算見込みができていないからこれ以上は言えないわけですけれども、今大臣が言われた中でも問題があるのです。というのは、まず雑収入の問題にしても、この財産収入の中で私調べたら三百七十億近い財産収入があって、それも売っ払った、いわゆる財産を売り払った金がその中で三百億近くたしか私はあると思う。寄付金でもやはり二百億近くはあると思う。そういうようなものをみんな持ってきてそれでようやく県、市町村は単独事業をするとかしないとかという気息えんえんたるありさまなんです、三十四年度は。なぜなら、国の補助事業事務の千四百億近いこの伸びに対して国からの支出金はどのくらい来ておりますか。六百億か七百億でしょう、きっと。あとはやはり地方が負担しなければならぬということです。その負担分をどこから出すかというと、こういうような苦しい形で出しておるのです。その点を私は大蔵大臣も安井大臣もよく知ってもらいたいと思う。そんな楽観は決してできないということが第一、それはそれでいいです。答弁は要りません。もう明るくなってくるから要りません。要りませんが、もう一つあなたは今八百億今度のあれでは伸びておると言いますね。八百億伸びておりますか。三十六年度伸ばすようになっていますか。私の考えではそれは半分じゃないかと思うのだが。
#209
○国務大臣(安井謙君) 今の地方で独自に操作し得る公共の関係の費用は八百四十八億伸びておりますが、そのうちの、先ほど官房長が申し上げましたうちの四百八十八億というのは、そういった単価の不足を埋めるとか何とかといったような補肥には出る。自由に単独でふえているのは四百億、こういう格好でございます。
#210
○占部秀男君 それでわかりました。そこで安井さんにさらにお伺いしますが、今高田さんからもお話の出た三十五年度の決算調べが来たらゆっくりと一つ御質問したいと思うのですが、三十四年度でも寄付金は決して減っていないのですね。三十四年度よりも三十五年度は確かに財政措置はされたけれども、全国的にどの程度私は実効が上がったかということはちょっと疑問だろうと思う。というのは、地方の市町村は金がないから財政措置がされたのだといっても、PTAの会費だとか得付金だとかその他に回す金がないのですよ。だから、おそらく食っていると思うのですが、こういう点の見通しはいかがでございますか。
#211
○国務大臣(安井謙君) 今言われますように、この措置を単価の基準計算に入れましても、配った金はひも付きじゃありませんから、どういうふうに使われているかということにつきましてはもう少し精細に調べてみなきゃなりませんが、全体の傾向としては、私はそういうものをだんだんと防いでいっているということは言えると思います。
#212
○占部秀男君 この問題では最後の質問になるわけですが、私はなんでかような点を特に大蔵大臣にお願いをするかというと、地方財政は御存じのように、二十九年以前に、いわゆる再建、二十九年から三十年の再建の以前に非常に赤字が出た。その赤字の原因がどこにあったかということは、いろいろ問題点はありますけれども、そういう点が再び地方財政の方にめぐってくるのじゃないかという感じがするわけです。というのはですね、――ちょっと防衛の西村さんちょっと、大臣じゃなくてけっこうなんですが、ちょっとお伺いしたいのですけれども、昭和二十五年でしたか、警察予備隊が何かできて、それからまあ防衛庁になった、私あの資料今持っていないから詳しくわからぬのですが、たしかそのころからいわゆるわれわれが、言う防衛費というものがこうだんだん大きくなってきたと思うのですが、防衛庁の費用と自衛隊の費用、それの三十年くらいまでの四、五年の数字があったらちょっと知らしてもらいたいと思うのです。
#213
○政府委員(石原周夫君) お答えを申し上げます。防衛庁の経費について申し上げますると、昭和三十年度から申し上げますが、昭和三十年度は成立予算額八百六十八億、三十一年度が一千二億、三十二年度が一千十億、三十三年度が一千二百億、それから三十四年度が一千三百五十六億、三十五年度が一千四百八十五億、こういうふうになっております。
#214
○占部秀男君 それじゃ私の記憶違いでありましたが、その以前に二十五年から、警察予備隊ができてから二十九年ぐらいまでの自衛隊ですか、予備隊、二十五年から二十九年くらいまでの今言った警察予備隊その他の費用はどのくらいになりますか。
#215
○政府委員(石原周夫君) 昭和二十五年度警察予備隊ができまして移しかえをいたしました額二百億、それから二十六年度同じく警察予備隊の経費が三百十億、二十七年度に保安庁ということになりまして保安庁経費五百五十二億、二十八年度同じく保安庁六百十一億、三十九年度同じく保安庁七百四十二億、こういう数字であります。
#216
○占部秀男君 自治省にお伺いをしたいのですが、ちょうど二十五、六年ごろに市町村で赤字が出始めたころだと思うのですが、二十五、六年ごろから三十年ごろまでの赤字の額と、それから赤字団体の数がわかったらちょっとお教えいただきたい。
#217
○政府委員(柴田護君) ちょっと二十五年から二十九年までの間の赤字団体の資料を持っておりませんが、二十九年度というのが一番ひどいときでありますが、二十九年度の赤字額が六百四十八億で、赤字団体数が二千三百八十一団体でございます。たしか二十五年ごろはごく少なくて赤字額は百億前後だったと思います。
#218
○占部秀男君 その中岡の大よそのあれはありませんか。覚えはありませんか。なければないでいいですが、大よその覚えはありませんか。
#219
○政府委員(柴田護君) 正確な記憶はもっておりません。ただ前年度は四百億前後、その前は二百五十億前後じゃなかったかと思います。
#220
○占部秀男君 実は私は無理にくっつけるわけじゃないですけれども、このいわゆる国防費というものが、このほかにあるのですが、ほかにも聞きたいあれがあるのですけれども、一応警察予備隊その他の純粋のそれだけの費用にしても、国防費が大きくなればなるほど、昭和二十五、六年ごろから地方財政の赤字が大きくなっているのです。今言ったように、最初二十五年ころには、保安隊から自衛隊になって二百億が三百十億、五百五十二億、六百十一億、七百四十二億と、こういった数字に合わせて、二十五年当時には赤字がなかった地方団体が、二十六年に百億になり、それが三百億になり、四百億になり、二十九年には七百億近くなってる。こういうふうに国防力が大きくなればなるほど符牒を合わせたように市町村の赤字の状態もふえてきておる。そうして三十年から三十一年にかけて再建計画の問題である赤字債権が行なわれた。こういうような歴史的な一つの過程があるわけです。もちろん私は最近防衛費の費用が即そのまま地方財政をこういうふうに赤字を出させるように直接的にやったとは言わないけれども、少なくとも二十九年の警察の関係のときの二百三十億の国庫、国の負担分を、われわれから言えばほおかぶりした問題であるとか、いろいろなファクトはあります。あって少なくとも、この国防を固める、大きくされるたびに、地方財政はだんだんといろいろな形でしわ寄せを受けていることは事実だ。こういうような数字も、これはそのまま即とは言わないけれども、一つのこれは示唆です。ところで、第二次長期防衛計画がやるとかやらないとかいうことになってきている。地方財政は今完全に立ち直ってない。第二次防衛計画が実施されるようになると、これと同じような姿がだんだんと出てくるのじゃないか。今年の国の予算の中にも地方交付税の引き上げをしないということも、一つはいざというときの準備のためにあまり地方には金をやらないという、財源の中央集中政策の一つであると、かんぐるわけじゃないけれども、われわれは考えるわけです。そこで、こうした問題についても、特にこれは一つ池田総理並びに大蔵大臣にも安井自治大臣にも考えていただきたいと思うのですが、これらの第二次防衛計画その他の国防費が拡大する、この拡大するにつれて地方をこれ以上悪くしないような政策を私はとってもらいたい、こういうふうに考えて今までの問題をやったわけですが、そういう点について総理大臣の御意見を伺いたい。
#221
○国務大臣(池田勇人君) 国防費も日本の国力の増進に従って漸増すると私は思っております。また、地方財政も国力の増進によってだんだんよくなってくると考えます。過去の事例を引かれましたが、ああいう事例は今後は起こってこないと考えます。
#222
○委員長(館哲二君) 占部君、時間が来ました。
#223
○占部秀男君 私は紳士的に時間がありませんからこれで打ち切ります。池田総理はああいう事例は起こらないというから、それを楽しみに一つ今度の総括質問を終わりたいと思います。(拍手)
#224
○委員長(館哲二君) 以上をもちまして、質疑通告者の発言は全部終了いたしました。質疑は終局したものと認めます。
#225
○委員長(館哲二君) これより討論に入ります。阿具根登君。(拍手)
#226
○阿具根登君 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となっております昭和三十六年度一般会計予算等三案に対しまして、反対の討論をいたしたいと思うのであります。
 昭和三十六年度予算は、池田内閣として組んだ最初の本予算で、政府は所得倍増計画の第一年度予算であると、公約満腹予算とか、超デラックス予算とか、そのほかいろいろの言葉で自画自讃されておるのでありますが、私は以下次の諸点より本予算の不当であることを指摘して参りたいと思います。
 その第一は、本予算の持つ過度の刺激性と日本経済の置かれておる内外の情勢についての政府の誤まれる見解について、第三は高度成長政策と物価の矛盾について、第三は予算の配分の不当、特に社会保障費の後退について、第四は公共投資と所得格差解消について、第五は歳入見積もりの不当と減税について、第六は防御費を初め治安関係諸費の不当なる膨張について、最後に予算編成過程における与党及び圧力団体の不当なる干渉についてであります。
 まず第一の点でありますが、昭和三十六年度の一般会計予算規模は、政府は一兆九千五百二十七億円であると申しておりますが、われわれは前二回の補正審議の際に明らかにしたように、このうちには明白に三十六年度の歳出となるものを含めており、これを合計した予算規模は一兆九千八百八十四億円であり、前年度出初予算対比四千百八十八億円の増となるのであります。この伸び率は二六・七%となり、政府の予想する国民総生産の伸び率を三倍も上回るのであります。また、財政投融資計画も大幅な増加で、七千二百九十二億円を示し、さらに国家財政の膨脹に伴う地方財政計画も一兆九千百二十六億円という膨大なものとなり、財政の規模といった場合は一般会計、財政投融資計画、地方財政計画を通じ重複分を除いた純計額で論ずべきであり、これを計算してみますと、実に三兆六千四百二十七億円となります。しかし、前年度も同様な計算をしてみますと、二兆九千四百七億円で、七千二十億円という空前の膨脹を見たわけであります。この予算が発表されましたとき良識ある世論は、池田首相の積極財政の前途に危惧の念を表明いたしました。すでに爛熟期にある日本の景気の上にさらに刺激的な膨大な予算を実施することによって起こる結果は産業界の投資意欲を一そうかき立て、無暴なる生産拡張に走らせ、機械設備の輸入や、原材料の輸入がふえ、物価が騰貴し、輸出意欲を減退することを憂慮したのであります。これら憂慮された現象は、まだ予算を実施する以前の今日すでに現実となっているのであります。民間設備投資の額は三十五年度で政府が予想した二兆八千五百億円を上回って、おそらく三兆二千億円に迫ろうとしており、三十六年度は三兆五千億、あるいは三兆七千億円という勢いを示しております。これを反映して国際収支の経常勘定が一月九千九百万ドル、二月九千三百万ドルと連続大幅の赤字を現出しております。政府はこの逆調を単なる季節的なものであると過小視せんとしておりますが、当委員会に出席された山際日銀総裁の言によりましても、経常収支の赤字化の原因は、輸出の停滞と過度の投資を原因とする輸入の高水準にあるとし、事態をはなはだ重視しておるのであります。輸出の停滞についても政府の見通しのあまさを指摘しなければなりません。
 池田首相は高度成長政策を公約された後、重大化した米国の経済恐慌、ドル危機とその防衛政策の影響についてきわめて楽観的であり、日本経済に対する影響は少ないという見解を発表してきたのであります。しかし、事実はきわめて重大であります。かりにこの春をもって米国景気の悪化が食いとめられ、立ち直りに向かうとしても、対米貿易の急速な好転化は望み得ず、他方、米国のドル支出削減政策の影響による世界各市場の景気下降に加え、米国自体が今後三十億ドル目標に輸出増進策を打ち出しており、これは日本の輸出に大きな圧力となることは明らかであります。しかも池田首相の考え方は下村構想といいますか、輸入依存度を小さく見て、従って、輸出の重要性が過小に評価されており、池田内閣には積極的な輸出振興策がないと評されてきたのであります。
 中共貿易の打開について、口では前向きの姿勢とか申されますが、実質は岸内閣の中共警戒の静観主義と何ら変わるものがないのであります。
 以上申し述べましたように、池田内閣のこの積極財政にからむ輸出金融対策は、いたずらに高度成長政策にこだわり、日本経済の前途を重大な混乱に巻き込むものであると断ぜざるを得ません。
 第二点目は、物価の問題であります。われわれは、政府の所得倍増計画が発表されましたとき、それがいかなる物価水準を前提として立案されてあるかに深甚の興味を持って検討したのであります。が、そのどこにも物価がどうなるかを示しておりません。物的生産がかりに政府の言う通り増加するといたしましても、その間に物価が上がれば実質所得は上がらないことは言うまでもありません。政府は、昨年秋の総選挙に臨むにあたり、公共料金は上げない、消費物価の安定に努力すると、公約し、あたかも所得倍増計画が物価騰貴を伴わずして実現し得るような幻想を国民の間にまき散らしました。しかるに総選挙が終わり予算編成期に入ると、突如として国鉄運賃の引き上げや、郵便料金の引き上げ、社会保険医療費の引き上げ、そしてガソリン軽油税率の利き上げ等々を続々と発表し、この政府の態度をながめて、電気、私鉄、水道料金、ガス料金その他消費物資、サービス料金が一斉に値上げの大勢になりました。これこそ資本主義下の所得倍増計画の本質的矛盾を示すものにほかならないものであり、政府は世論の反撃に驚きろうばいして、いわゆる物価対策なるものを打ち出したのであります。しかし、政府みずから物価引き上げの範を示しながら、民間の価格料金の引き上げ要求を長く押え切れるものでは断じてありません。政府が真に物価安定を実施しようとする決意があるならば、政府事業の料金値上げは、一般会計の負担においてでもこれを抑制すべきであります。政府事業の料金引き上げは民間に率先すべきではなく、民間のあとから最小限の引き上げにとどめる努力こそ必要とされるのであります。政府の言い分では、農産物やサービス料金の値上がりは所得均衡上やむを得ないのだと聞こえますが、それならば、他に積極的な物価を引き下げる政策がなければ、物価の安定はあり得ないことになります。物価を引き下げ得るものは、政府の専売品、高率の消費税や物品税を課しておるもの、カルテルを結んで独占価格の低下を阻んでいるもの等でありますが、それらについて池田内閣は何らの考慮を払おうとしておりません。この態度こそ、池田内閣が国民大衆の側に立っているか、一握りの独占資本の利益擁護の立場に立っているかを明白に物語るものと信じます。そうしてこのままでは、所得倍増計画とは物価倍増計画の異名にほかなりません。
 第三点といたしまして、本予算の内容に入りまして、政府が三本の柱と称します減税、社会保障、公共投資への資金配分の問題であります。金額で申せば、減税が六百四十七億円、社会保障費の増が六百三十六億円、公共投資の増七百七十八億円となっており、公共投資の伸びに対し、減税と社会保障の著しい後退がその特徴とされておるのであります。池田内閣は、当初社会保障費の増額を再優先とし、一千億円をこれに当てるというふれ込みでありましたが、その後だんだんと後退を続けて、わずか六割程度となっています。もちろんこれだけの増額でありますから、部分的には社会保障前進の跡を認めないではありません。しかし、今回増額された多くの部分というものは、独占資本のための強制貯蓄にすぎない拠出制国民年金制度発足に伴う経費とか、医療給付と関係のない保険医療単価引き上げによる増加経費が主であって、社会保障サービスの実質的改善に寄与する部分はきわめて僅少なのであります。憲法違反であると判決されました生活保護基準の引き上げにいたしましても、厚生省の主張した二六%引き上げは認められず、一八%にとどめられました。しかもその理由は二六%引き上げを認めることの財政負担ということより、その引き上げによる失対賃金の引き上げ、公共事業の賃金、民間企業の労働賃金への影響をおそれて上げられないのだと説明しているのであります。言いかえれば、政府や独占資本の低賃金政策維持のために生活困窮者の人権を無視してもかまわないという政策なのであります。所得倍増計画では、所得格差解消のために低額者の所得は三倍にも四倍にもするという池田首相の公約は一体どこにいったのでありましょう。また、現在の物価騰貴の状況も、独占資本拡大のための積立金制度という重大欠点を持つ拠出網年金の実施については、われわれはこの根本的改善が施されぬ以上、強制実施に強く反対するものであります。
 第四点といたしまして、本予算において最も重点的に拡大された公共投資の問題であります。道路、港湾、住宅、国土、保全、そのほか社会資本の充実の必要についてわれわれもよく認めるところでありますが、一般会計の計上分、地方負担分、これに財政投融資の一部を加えれば一兆円を上回る巨額となり、その施行は一歩を誤れば、賃金、物価、土地価格の騰貴をあおる結果となり、予算の消化不能のおそれがあるのであります。われわれは、この莫大な公共投資の目的について生産資本の効率を発揮させることが肝要と考えますが、同時に、かかる公共投資の実行により、低開発地域の生産基盤を強化しようとして所得水準の地方格差の解消に努めるべきであると考える。予算審議にあたっても、本年度実施事業の具体的細目、地方的配分計画を示すことを要望しましたが、政府は何ら誠意ある答弁を行なわず、政府の予算要求が具体性を欠き、単なる派閥間の予算つかみ取りによって決定されたのではないかと疑わしめる点が多いのであります。地域格差の問題については、倍増計画では太平洋ベルト地帯計画を優先せしめるように書かれてあり、後進地域開発は計画の後期あるいは次の十カ年計画で考慮することになっていて、地域格差解消の誠意は何ら認めることはできないのであります。さらに農業投資について見れば、前年度より七十三億円ばかりの増額となっておりますが、政府の農業基盤弧化に対する考え方は、わが国の食糧需給があたかも生産過剰に瀕しているような幻想にとらわれ、全く熱が入っていないと言えるのであります。過日当委員会で、並木公述人指摘されたごとく、国民の所得水準の向上に伴い、食糧の画期的増産が必要であり、それには農地の造成と生産性の高い農家を育成することが急あと指摘されました。池田首相は農業生産の五割増、農家人口の半減で、農村の所得は二倍になると簡単に言いますが、国家の農業投資を強化せずして、どこに経営規模の拡大や、生産性の向上を期持し得るでありましょうか。池川首相の農業理論は、第二次産業拡大のため、農村から労働者を引き抜くだけで、あとには老人と婦人が残され、日本農村の荒廃を招くものにほかならないのであります。
 第五点として、歳入見積もりの誤りと、減税の過少であることを指摘したい。昭和三十五年度の歳入の見積もりに際し、政府が重大な誤りを犯したことについて、われわれは再三指摘したところであり、首相もついに歳入を過大見積もりすることも過小見積もりすることもともにいけない。これからはあとう限り正直に歳入見積もりをやるようにすると言明いたしました。しかるにかかわらず、三十五年度第二次補正以後なお八百四、五十億円の自然増収の出ることは、もはや明白であり、この三十五年度租税収入実績を基礎とするならば、三十六年度は現税制のもとに最小限一兆八千五百億円の収入を上げることは可能であります。従って、前年度の当初と比較した自然増収額は三千九百億円ではなく、実に五千百億円前後となるわけであります。これに対して、今回提案されている減税は、わずかに六百四十七億円で、自然増収額の一二%にしかすぎないのであります。毎年の自然増収額と減税とかつり合いは、従来の平均値によりますと、大体その三分の一ぐらいが妥当なところと見られております。政府が税制調査会に減税案の立案を諮問したところの明年度自然増収額というものは、せいぜい二千五百億円前後と見たのです。これに対して八百数十億円の減税案を答申した審議会を責めることはできませんが、今や五千百は円の自然増収となることの朗らかな今日、わずか六百億円の減税でお茶をにごそうとする政府の態度は、全く不可能であります。われわれは、歳入の実情にかんがみ、もっと大幅の減税を要求する権利があると考えるのであります。今、かりに計上予算額以上に増収の確実な千二百億円が自由に使えるとして、五百億円を減税に充当し、四百億円を政府事業の値上げ回避の経費に充当し、残る三百億を社会保障費に使用するとしてみましょう。減税の拡大により、基礎控除の引き上げと、相当額の間接税の引き下げが可能であろうし、鉄道運賃の引き上げはやらずに済み、医療費の引き上げによる患者負担の増加は避けられるのであります。われわれがさきに指摘した三十六年度予算の過度の刺激性や物価騰貴の危険は、このような措置をとることにより抑制され、拡大される生産に最終消資の購買力がついていき、物価騰貴に対する対抗措置が講ぜられるのであります。
 第六点として、三十六年度防衛庁費が二百億円も膨張する合理性を疑うものであります。自衛隊の第一次整備計画は三十五年度に完了しているはずであり、しかも、これに続く第二次整備計画はまだできていないのでありますから、無計画な、でたらめ拡充予算の要求と言うよりほかありません。人員をとってみても、陸上自衛隊は現在十七万人の定員に対し二万人をこえる大負があるというのに、なお千五百人の増員を要求したり、航空機は整備されてもパイロットが間に合わず、目標に当たらない小銃、動かない戦車、弾薬や油の備蓄もない軍隊というものが、はたして何の役に立つというのでしょうか。これは保守党の諸君にも十分御考慮を願い、大削減を加えて他の有用な費途に使用すべきであると思います。
 最後に、今回の予算編成過程について、一言政府並びに与党に厳重なる警告を発したいと存じます。それは、与党たる自民党の予算編成に対する介入が度を過ぎており、その間に与党内の諸派閥の争いとか、それに乗じた外部の有力な圧力団体が暗躍し、予算編成権ははたしてどこにあるかが疑われる状態にあります。その結果が財政法違反の措置と見られる補正予算の提出を余儀なくせしめたり、つかみ予算やひもつき予算となるのであります。しかも、このようなぶん取り競争で一たん予算額が決定いたしますと、国会における予算審議の段階でいかに適切な批判が行なわれ、改善の提案がなされようとも、絶対これに耳を傾けようとはされないのであります。一体、数十名の与党派閥や外部の圧力団体には、実質的に予算修正権があって、国会の三分の一を擁する野党の合理的な修正提案にあえて耳を傾けないという態度は、はたして民主的と言えるでありましょう。
 私は、以上の諸点をあげて、政府並びに自民党の諸君の反省を促し、全日本の勤労大衆の名において昭和三十六年度予算三案に断固反対の意思を表明するものであります。(拍手)
#227
○委員長(館哲二君) 平居敏夫君。
#228
○平島敏夫君 私は自由民主党を代表いたしまして昭和三十六年一般会計予算外二件に対して賛成の意を表明せんとするものであります。
 昨年秋わが自由民主党と池田内閣が策定しました国民所得倍増計画は、経済の高度成長を続けることによって、今後十年間に国民所得を現在の二倍以上に引き上げようとするきわめて意欲的な計画でありますが、昭和三十六年度は、この計画実施の第一年度に当たりますので、昭和三十六年度予算は、計画窮一年度にふさわしい内容を盛ったものでなければなりません。当委員会において慎重に審議を重ねた結果から見まするならば、新年度予算は、まさにこの要請に応ずるものであることが明らかであります。新年度一般会計予算の規模は一兆九千五百二十七億円という膨大なものになっており、前年度当初予算に比べますると、三四・四%の大幅な増額であります。ここに池田内閣のきわめて積極的な高姿勢を見まして、欣快に思う次第であります。一兆九千五百億という規模は、大へんな膨脹のようでありますが、三十六年度の国民総生産見込み額に対しまして一二・五%でありまして、三十五年度当初予算の一二・四%と大体同じ程度、三十四年度の一三・二%に比べますれば、むしろ低いのであります。つまり国民経済の繁栄がここに反映しているわけでありまして、経済の実勢から見まするならば、この大型予算も妥当な規模のものと蓄えるのであります。しかも収支は完全に均衡を保っており、積極的で、しかも健全な予算であります。一部には、新年度予算が景気に対して刺激的であって、景気の過熱、輸入の激増、国際収支の悪化から、ひいて政策の転換が必要になるのじゃないかという心配もされておりますが、かってわれわれがそのような経験を持った当時の底の浅い日本の経済と、その後数年間高度の成長を続けて参りました今日の日本経済の実力とは格段の開きがあるのであります。いたずらに日本経済の成長力を過小評価し、消極的な態度をとるならば、伸びるはずのものも伸び得ないという結果に隔るのであります。なるほど最近の国際収支は赤字となっております。しかし一月から三月にかけて赤字が出ることは、季節的に輸出の伸びが鈍化し、輸入シーズン、この輸入がふえる際にあたりまして、前から予想されていたところであります。かりに経常収支の赤字がしばらく続いたとしましても、総合収支に赤字を出すほどのことはないでありましょうし、ドル防衛の奏功により米国景気の早期回復の望みも高まっておりますから、やがて黒字に転じ、年度を通じて見れば、政府の予想通りの結果が得られることを疑いません。一時的な現象に気をとられて、高度成長政策の基本的なかまえをくずすべきではないと考えるものであります。政府が従来日本経済の底の浅さということに留意するのあまり、その財政力を十分に活用できなかった点を反省し、三十六年度予算においては、経済の実勢に即応した積極的態度を打ち出したことは、私はこれに対してまず賛意を表するものであります。
 次に、私は予算の内容に触れたいと思いますが、新年度予算の重点の第一は、平年度一千億以上の減税であります。すなわち所得税において平年度六百三十一億円、法人税において平年度四百九十七億円、通行税等の間接税において約十億円、合計平年度一千百三十八億円の減税を行なおうとしております。この所得税減税の顕著な特色は、中小所得者の租税負担の軽減に重点を置いておる点であります。すなわちいわゆる妻の座を高めるための配遇者控除の新設、扶養控除の引き上げ、給与所得控除の増加、農民や中小企業者の利益を考慮した専従者控際の拡大など、各種控除を増大するとともに、中小所得者の所得税負担が比較的重くなっているのを是正するために、課税所得年七十万円以下の税率を引き下げているところにそれがうかがわれるのであります。高度成長政策の一環である所得格差の解消ということが、税制の面にも現われておるものとして歓迎をいたす次第であります。
 重点の第三は、社会保障の充実であります。社会保障関係費には、前年度当初予算より三四・七%増の二千四百六十六億円が計上されており、まさに飛躍的な増額というべきであります。生活保護の面では、保護基準がこれまで三%か四%の引き上げにとどまっていたのに反して、今回は一挙に一八%の大幅に引き上げられたこと、生活保護を受ける者が働いて収入を得た場合に、扶助費から差し引かれる金額を少なくいたしました。また医療保障の面で、結核と精神病に対する給付を改善し、命令入院者には医療費の全額を公費で負担することにしたこと、生別母子世帯に児童扶養手当を給する制度を創設したことなど、低所得者の福祉増進に資するところ少なからぬものがあると存じます。失業対策におきましても、日雇労務者の給与単価の引き上げを行なわれ、また、産業構造の変化により離職する者等のために、労働者の地域間、産業間の移動を容易にする目的で、広域職業紹介を行なう雇用促進事業団が新設されるなど、一般と充実がはかられております。社会保障は経済成長政策の一環として、救貧の対策から防貧の対策に質的に転換を遂げることが要請されており、今後なお幾多の改善を必要といたしますが、昭和三十六年度の社会保障の充実は、その方向に一歩を進めたものと言わなければなりません。
 重点の第三は、公共投資の拡充であります。公共投資には、通常の企業的採算に乗らない事業を公の費用をもってまかない、産業発展の基盤を整備するという使命と、また大規模な工事を行なうことによって有効需要を次々と生み出して産業活動を刺激する効果と、二つ面を持っております。従って、経済の高度成長政策を行なうにあたって、公共投資を拡充することは、二重の意味において意味があるのであります。次年度予算の公共投資関係費は三千五百七十八億円で、前年度当初予算よりも六百八十九億円の大幅な増額であります。しかも災害復旧費が減額されておりまするので、実質的には増額の幅はさらに大きなものになるわけであります。財政投融資におきましても、その三割強を公共事業に充てておりますので、昭和三十六年度の公共事業の規模は六千億に近い空前の大きなものになっております。公共投資のうち最も重点とされておりまするのは道路でありまして、自動車輸送の激増と、経済成長政策の要請にかんがみて、新たに二兆一千億の規模を持つ五カ年計画が樹立され、その初年度として、三十六年度予算には道路費の大幅な増額が取り入れられております。この計画が完成することによって、西欧諸国に比べてはなはだしくおくれていたわが国の道路も、面目を一新することになるでありましょう。最も時宜に適した施策として歓迎するものであります。道路とともに港湾についても五カ年計画が作られまして、所要の予算が計上されまして。また住宅建設も公営住宅、公団住宅、公庫住宅、いずれも建設戸数が増加せられ、一世帯一住居の住宅の理想実現のための努力が払われております。公共投資に関連して、地域間の格差是正の見地から、後進地域の開発に関する公共事業について、国の負担率または補助率を引き上げることをしておる点も特筆に価するものと思うのであります。
 以上、私は昭和三十六年予算の三つの重点について申し述べましたが、そのほかにも農林関係、これには前年度に比し五百五十二億円の増額をし、千八百七十二億円といたしております。なお、中小企業に関係する予算の増額、財政投融資の資金のこの方面への増額など、階層的地域間の所得格差の解消に関する配慮がこまかく行き届いておる点も新年度予算の一つの特徴であります。このことは前に述べましたように、所得税についても言えることでありますし、社会保障すべての格差解消に寄与するものであることは言うまでもありません。昭和三十六年度予算は、所得倍増計画実施初年度の予算としてきわめて適切妥当な内容を持つものとして、全面的に賛意を表するものであります。
 以上をもって私の討論を終わります。(拍手)
#229
○委員長(館哲二君) 松浦清一君。(拍手)
#230
○松浦清一君 私は民主社会党を代表して、昭和三十六年度予算案に対し反対の討論を行ないます。
 一兆九千五百億円という膨大な政府案の内容は、前年度に比べて一般会計予算において約二四・六%の膨張であり、財政投融資においては二二・七%の膨張であります。これを一言でいえば、池田内閣の所得倍増計画の方針に沿い、大企業の保護と経済拡大のために精魂を尽くされた大予算であります。それにもかかわらず、私どもはこれは賛成ができないのであります。私の申したいことは、国の予算規模がいかに拡大されようと、それが国民負担の限度をこえず、その指向する考え方が大産業の育成に偏重せず、低所得層の生活水準を引き上げ、国民所得の格差をなくし、社会福祉の増進を中心としてなされる場合には、このような積極的な予算膨張も、私どもは進んで賛成するのであります。しかしながら、この予算案の性格は、わが国経済の弱点たる二重構造の矛盾を解決せず、社会保障費は不完全であって、減税もまた公約に届かず、貿易の自由化も準備が不足であります。以下、具体的に反対の理由を申し述べたいと存じます。
 反対の第一は、減税と物価の関係についてであります。池田内閣が公約した一千億という減税は、所得税を中心として、平年度正味わずかに七百四十億円にとどまったことは、予算編成期における自然増収の見込み二千五百億円が三千九百億円にふくれ上がった今日においては、公約無視もさることながら、全く問題にならないのであります。その上、政府は揮発油税の二五%の引き上げ、地方道路税の一四・三%の引き上げ、軽油引取税三〇%の引き上げ、さらにまた国鉄運賃を初めとする一連の公共料金の値上げ促進は、物価値上がりの要因を政府みずからが作るものと言わなければなりません。このことが、減税や所得倍増計画の実現に先行して、国民生活を圧迫しているのであります。
 反対の第二は、国際収支の関係であります。貿易の自由化や米国のドル防衛政策が、わが国の経済に悪影響を与えないとしばしば言明されながら、一方、実はアメリカの景気後退、西欧諸国の経済の動向等の影響を受け、他方、国際的な輸出競争の激化は、わが国の輸出をはばみ、本年一月、二月と引き続いて国際収支は悪化の一途をたどっておるのであります。このような輸出の後退に反して、所得倍増の手形は、いたずらに内需を刺激し、必要以上に消費無気をあおり立て、国民の所得と消費の均衡は破れ、やがて生産過剰、供給過剰を招くのではないかと、経済の先行き不安をすら心配されている状態であります。私どもは、このような政府の国際収支や経済の見通しに対して信を置けないのであります。政府はみずからの失敗を認めて、三十六年度予算や所得倍増計画の改訂を行なうべきであります。
 反対の第三は、社会保障についてであります。三十六年度の社会保障関係予算は、総額二千四百六十六億円で、その内容は、社会保険費生活保護費、社会福祉費、失業対策費、国民年金費など、三十五年度当初より六百三十六億円、三四・七%増額されております。社会保障費の増額はまことにけっこうであります。しかし、問題はこれだけふえることによって社会の下積みになっている低所得層の生活がどれだけよくなるかということであります。この増額で潤ったのは、低所得層よりむしろ圧力団体であると疑われております。たとえば保険医療費の一〇%引き上げは、患者の一部負担をますます過重にする結果となり、現在の一部食掛でさえも是正されるべきであるにもかかわらず、それがさらに高くなったのでは、被保険者たる国民全体は、ますます困るのであります。費の引き上げが、よし合理的であったとしても、それと同時に、被保険者が繰り返し要望しておりました患者の一部負担をこの際やめるべきであります。扶助費についても、物価の値上がりに対応して適正額に是正すべきであるにもかかわらず、当初厚生省の要求した生活扶助基準二六%の引き上げは、大蔵省の非情な切り捨てにあって、わずかに一八%のアップにとどまり、これでは被保護者六十万世帯、百六十万人の人たちは物価の値上がりや一般的な生活水準の高まりの最低線に追いついていけないのであります。さらにまた、長い間のこの人たちの悲願であった生別の母子世帯や孤児たちに対し、新たに手当が支給されることになり、この人たちに一点の光明を与えたことはまことにけっこうであります。しかるに、これがわずかに予算額二億四千万円、しかも三十七年からの実施とあっては、福祉社会の建設を公言する政府の施策としてはいただきかねるのであります。
 以上のごとく、一、二の点を取ってみても、予算規模の大きさに比べて社会保障はあまりにも小さく、悪評高い拠出制国民年金にしても、じっくり考えて出直すべき、だと思うのであります。
 第四の反対理由は、公共投資並びに公共事業予算の編成についてであります。政府会計予算の二割に近い三千五百七十九億円、これに財政投融資からの二千百三十三億円を加えると、五千億円をはるかにこえる金額をこれに充当いたしております。公共事業の中心は道路建設であるが、政府案の特徴は、建設省の道路整備五カ年計画の一兆円を全面的に改訂して、三十六年度を初年度とする新五カ年計画で二兆一千億円といたしております。国費負担の一兆四百六十一億円のうち、揮発油税九千六百一億円、一般財源八百六十億円でまかなうことになっております。公共投資を揮発油税のような大衆税的性格の税金にその原資を求めることは、賛成ができないのであります。また、さきに補助金制度研究懇談会が指摘したように、一般国道の整備を固執するあまり、最も緊急度の高い工事が不当におくれているなど、予算規模のみ大きくしても、その予算執行の効果についてきびしい反省のない点につき、私どもはまず疑問を感ずるのであります。また、これが原資として揮発油税の税収を大幅に見込んでおるために、一たび景気の変動が起こると、財源に不足を生じ、公債を発行する等の危険性をはらんでいることを心配するのであります。さらに、現在の値上がりムードが経済情勢の変化を生み出し、計画の規模を再び練り直さなければならぬ不安定性も生ずるのではないかと危惧の念を感ずるのであります。
 第五は、防衛費関係についてであります。この予算の総額は、総予算の一割に近い千七百七十七億にふくらんでおりますが、本年度の予算も昨年と同じように膨大な国庫債務負担行為や継続費が計上され、その額は合計三百億円にも達しているのであります。このことは、三十七年度の防衛費が自然に三百億円以上増額することを意味し、防衛力増強は来年度もまた必須の情勢にあります。立国の基本を軍隊を増強して適時臨戦体制を整備することに置くか、または社会保障制度の充実を一点の目標として平和福祉国家の建設に置くかは、もはや議論の余地はないのであります。力の均衡の上に平和を求めようとする論者は、原爆の洗礼という世界に比類のない日本の惨禍を忘れ、またしても軍備の拡充に狂奔しているのであります。私どもは、過去の歴史を振り返ってよく考えなければならないことは、明治の初年に日本に近代的な陸海軍を創設したとき、だれ一人として、後世、軍人がこの国の政権を掌握し、中国大陸に軍を進め、太平洋に国運をかけるというようなことをお考えたものはなかったのであります。自衛に名をかりて、自衛隊を年ごとに大きくして、再び悔いを後世に残してはならぬのであります。
 第六に、農政国会といわれるこの国会における農林関係予算についてであります。政府は農林行政に力点を置いた予算だと称し、前年度に比べて四一%もふやしたと説明されておりまするが、政府の総予算の伸びが、前年比二四%増で、農業政策はいかにも充実したように見えるかもしれません。しかしよくこの予算を分析してみると、その伸びた大部分は、食糧管理特別会計への繰り入れ三百九十億円であります。言うまでもなく食糧管理特別会計の赤字は、政府の食糧行政の不手ぎわの結果であって、純粋な意味での農林関係予算とは言えないのであります。これを除くと、農林予算の伸びは、政府総予算の伸びに比べて二%も低く、農林予算はむしろ後退したと言うべきであります。またその内容は、農業経営近代化資金はともかくとして、麦作対策四十億円、畜産物価格安定事業団に要する費用五億円、大豆のAA制に伴う国雄大豆保護対策に三十億円という内容でありますが、農業経営近代化資金はともかくとして、麦対策、事業団、大豆のAA制等のこれら目新しい、また額も大きい予算は、すべて政府の農業基本法案が指向するところの、わが国の農業を貿易自由化の荒波にさらし、農民六割を切り捨てようとする方針のもとに編成されているのであります。私どもは、農業基本法案が持つべき内容は、農民と他の諸階層との生活水準の格差是正、農業と他産業との生産水準の格差是正に最重点を置くべきであると考えるのであります。明年度の農業予算こそは、まさにその第一年度予算であるべきにもかかわらず、政府案は選択的拡大の名のもとに自由化促進予算を編成しているのが最大の特徴なのであります。すなわち麦予算は国内麦価格引き下げと買い入れ制限を実現するための費用、大豆のAA制予算は、国内大豆を値上げし、外国大豆を自由化しようとするための予算なのであります。また、日本農業の唯一の成長部門として最も資金を要する畜産物の価格安定対策がたった五億円とは、ジェット機の二機分にも当たらないのであります。日本国民の約四割を占める農民に対する予算額があまりに少な過ぎる点こそは、政府が農民のための農業政策を真剣に考慮していない証拠であります。
 私ども民主社会党が、明年度予算をいかに編成すべきかについては、すでに衆議院に提出したわが党の組みかえ動議に説き尽くされておりますので、ここではこれを繰り返しません。
 私の最後に申し上げたいことは、政府案は、せっかく豊富な財源に恵まれながら、国民の血税を大企業保護につぎ込み、税負担以外においても国民の負担を重加し、しかも国際収支を悪化する方向に向けられております。政府は、今や率直に所得倍増計画と明年度予算の編成について、みずから再検討すべき時期に直面しているのであります。
 私は政府案に対し以上の意見を述べて反対討論を終わります。(拍手)
#231
○委員長(館哲二君) 森八三一君。
#232
○森八三一君 私は参議院同志会を代表いたしまして、ただいま議題となっております昭和三十六年度一般会計並びに特別会計予算ほか一件に対し、以下述べます諸条件について、政府に強い要望を付して、原案に賛成するものであります。
 まず、その第一点は、予算規模の大きさの問題でありますが、三十六年度一般会計予算の規模は、一兆九千五百二十七億円であります。さらに昭和三十五年度予算補正第一号の公立中学校の校舎整備費四十億円、並びに同予算補正第二号の、一般会計より産業投資特別会計へ繰り入れた三百五十億円は、実質上三十六年度予算のうちに含まるべきものであります。なお政府は、最近公労協に対する仲裁裁定並びに炭鉱災害などに関しまして補正予算を組むということでありますが、かくては、三十六年度一般会計の歳入歳出の規模は、優に二兆円をこえる超大型予算とならざるを得ないのであります。しかも、本年度予算には多くの景気刺激的要因を包含しております。よって政府は、三十六年度予算の執行にあたっては、特に本年下半期における財政の運営にあたり、景気の過熱を避けるため、極力弾力的な運用を行なう心がまえが厳に必要であると思います。
 第二点は、最近における諸物価騰貴の趨勢に関してであります。この二十九日に日本銀行が発表したところによりますると、三月中旬の卸売物価指数は、今年当初に比べて二%と大幅に上昇いたしており、三十三年十月の底値に比べますれば、実に七・九%の値上がりとなっております。また同時に発表されました小売物価指数は一〇八・五でありまして、前月のそれに比べて実に一・二%上昇しております。これに対し、政府が繰り返し表明された見解は、これらの値上がりは、主として季節的原因に基づくものであるから心配はないということであります。また先般は、これが対策として、自今公共料金の値上げを停止する措置がとられております。しかしながら、消費者物価の値上がりは、こういう手段だけでは容易に抑制し得るものではありません。これらは一種の心理的なブームを形成して、次第に物価全般に漸騰の勢いを醸成するものであります。しかも、公労協の仲裁裁定が実施されますれば、これに続いて一般公務員のベースアップが必至となり、民間給与の賃上げがこれを追い、勢いのおもむくところ、コスト・インフレを招来する危険はまことに明らかであります。政府は、三十六年度予算の執行にあたり、物価の値上がり抑制について万全の対策を用意されんことをこの際強く要望しておきたいと存じます。
 第三点は、国民負担の軽減についてであります。政府は、三十五年度の自然増収を、当初二千八百億円と見込んで、一千億円の減税を実施すると称しておりましたが、結局、所得税において、六百三十億円、法人税において二百八十五億円、これに通行税等の十億円を加えて、合計九百二十五億円の減税ということになりました。しかし、一方において揮発油税、関税等の引き上げによる増税二百七十七億円を差し引きますると、実質的な減税は、わずかに六百四十八億円にとどまっております。しかも、その後自然増収は四千億に達しております。あれこれを勘案いたしますると、三十六年度における減税はまことに低きに失すると言わなければなりません。すでに税制調査会は、国民負担は国民所得の二〇%以内にとどむべきであると答申をいたしております。これに対し三十六年度の国民の税負担は二〇・七%でございまして、政府としては、さらに出そう国民負担の軽減について格段の努力を払うべきであります。
 第四点は、米国のドル防衛強化のわが国経済に及ぼす影響であります。最近これを軽視する傾向がかなり顕著に現われております。しかしながら、これを軽視して安易な財政運営をとることは、まことに危険であると言わなければなりません。政府は三十六年度予算執行にあたっては、海外経済の動向と国民経済の情勢とを慎重に比較検討し、弾力性ある運用に遺憾なきを期さなければならないと存じます。
 第五点として、三十七年度以降の予算編成についてでありまするが、本年度予算が予想外に膨張いたしました結果、三十七年度以降の予算編成はきわめて困難であります。同時にまた、これを縮小いたしますることは、もはやほとんど不可能であると言わなければなりません。最近政府与党の一部に、公債発行論が行なわれておりまするが、これはまことに安易な考え方でありまして、政府は将来の財政運営に関し、さらに慎重に考慮して、真剣な努力を払わなければならないと存じます。
 最後に第六点として、私が再三この議場において政府に注意を申し上げましたごとく、予算編成の過程に見られる乱脈さは、まことに目に余るものがあります。ここにわざわざ憲法第七十三条を引用するまでもなく、予算編成権の内閣に属しますることは明らかであります。しかるに、最近の事例はしばしばこれがあたかも実質的には与党が編成しているがごとき観を呈し、しかも、その間に選挙との関連もあってか、多くの圧力団体の暗躍、跳梁が行なわれますることはまことに遺憾の限りでございます。政党政治下とは言へ、政府は今後、内閣の予算編成権の確保並びに予算編成の公正に関し、格段の努力を払わなければならぬものと考えます。同時にまた、予算の執行にあたり、従来しばしば不正、不当の乱用が摘発されましたが会計検査院の検査報告によれば、被摘発件数が次第に逓減して参り摂したことは幸いでございます。しかしながら、なお、いまだこれが跡を断たぬことは、まことに遺憾と申さなければなりません。三十六年度予算の執行にあたり、政府はさらに一そう峻厳なる戒心が必要であると存じます。
 以上の六点に関し、政府の誠意ある善処を強く要望して、本予算案に賛成いたすものであります。(拍手)
#233
○委員長(館哲二君) 岩間正男君。
#234
○岩間正男君 私は、日本共産党を代表して、政府提出の昭和三十六年度予算案三件に対しまして絶対に反対するものであります。今や、われわれは一兆九千五百三十七億円の本予算案の区々たる細目と金額が問題であるのではありません。私のまっ先に指摘したいことは、本予算案は、すでにその編成の過程において、そして参議院において成立せしめられようとするそのときに、予算案のよってもって立つ基盤そのものが、大きく動揺し始めているという事実であります。
 池田内閣のいわゆる新政策の最大眼目は、アメリカ帝国主義との結託を深め、新案保条約を実現せんとするものであることは、天下周知の事実であります。しかしながら、その新安保条約が対象としている地域全体にわたって深刻な変化が生じており、事態はまさに、アメリカ帝国主義と池田内閣の思惑とは全く反対の方向に発展しているのであります。南朝鮮では今やアメリカ帝国主義のくびきを脱して南北の平和的統一をみずからの手で戦いとろうとする朝鮮人民の偉大な闘争は、燎原の火のごとく燃えさがっているのであります。かいらい張勉内閣はまさに危殆に瀕し、これに、てこ入れしようとする池田内閣と日本独占資本は見事なる平手打ちを食らったのであります。ラオスにおける事態の発展は、世界の平和愛好諸国民に支持され、ジュネーブ協定の原則を実現しようとするラオス人民の闘争によって、アメリカ帝国主義の干渉は次々に失敗し、今やケネディ大統領の声明とSETAO理事会の決議も、いたずらに空虚なる響きを伝えておるのみであります。この事態を見抜けず、ラオスに武器、弾薬を送り込み、日本をアメリカの軍基地として許した池田内閣は、日本国民を危険にさらしているだけではなく、アジア諸国民からの新たなる不信と憎悪を買ったのであります。南ベトナムにおいてもまたしかりであります。
 世界と極東におけるこのような事態の急速な発展の中で、中国問題もまた、アメリカ帝国主義と池田内閣の二つの中国への陰謀をこえて、正しい解決に向かって日増しに進んでいるのであります。かくして極東におけるアメリカの従属基地諸国の人民は、今やアメリカ帝国主義と池田内閣に対する共同の戦いに立ち上っており、この力は池田内閣の本予算作成の基礎である施政の根本方針の実現をはばみ、これに大きな打撃を与えたのであります。
 ひるがえって、国内を見れば、池田内閣が所得倍増計画などと称し、社会保障、減税、公共投資を予算の三大支柱として、日本の経済の発展と国民生活の向上をはかるなどと国民をだましにかかってはみたものの、その思惑はみごとにはずれたのであります。減税、社会保障といっても、それは全くの見せかけのもので、実際は物価の値上げとか、合理化による首切りとか、労働の強化、六割農政等で国民の負担はかえって増大し、結局は独占資本のための資本蓄積、軍事産業の拡大、アメリカのドル危機の肩がわりということで海外への経済進出の爪をみがくためのものであることを、すでに国民は見破っておるのであります。安保を戦って自覚と確信を深めたわが国民が、このような池田内閣の意図にやすやすと乗ぜられるわけはないのであります。それだからこそ、最近行なわれた朝日新聞の世論調査でさえ、池田株の急速な下落の一端を如実に示したのであります。
 池田内閣は、本予算案において、警察、公安調査庁、内閣調査室等、断圧機関の予算を軒なみに増加させ、右翼テロの取り締りに名をかりて、破防法の改悪をも計画しているのであります。加えて、自衛隊のおそるべき治安行動計画をひそかに実施しているだけではなく、さらにまた、ILO条約批准に籍口して、国内法の改悪と行政措置を強化することをもたくらんでいるのでありますか、これは今回の春闘における大量処分によってその正体を暴露しているところであります。池田内閣がいわゆる低姿勢の衣の陰から、このようなこわ面の弾圧政策の強化に乗り出そうとしているのも、日とともに不利になる内外の情勢の発展に対する動揺とあせりの現われにほかならないのであります。
 このような弾圧政策をいかに強化しようとも、今や国民の闘争とその力をいささかも弱め得るものではありません。日本の人民は、アジア諸国の人民と固く手を結んで、アメリカ帝国主義と日本独占資本、池田内閣の政策と、その支配の基礎そのものをも粉砕するでありましょう。わが党は本予算案に反対するとともに、この人民の戦いの先頭に立つことを、あらためてここに強調するものであります。
#235
○委員長(館哲二君) 以上をもちまして、討論通告者の発言は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。
 これより採決を行ないます。昭和三十六年度一般会計予算、昭和三十六年度特別会計予算、昭和三十六年度政府関係機関予算、以上三案を一括して問題に供します。三案を可決することに賛成の方は御起立を願います。
   〔賛成者起立〕
#236
○委員長(館哲二君) 起立多数と認めます。よって三案は多数をもって可決すべきものと決定いたしました。(拍手)
 なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議はございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#237
○委員長(館哲二君) 御異議ないものと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前五時六分散会
ソース: 国立国会図書館
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