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1960/03/01 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 本会議 第10号
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1960/03/01 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 本会議 第10号

#1
第038回国会 本会議 第10号
昭和三十六年三月一日(水曜日)
   午前十時五十分開議
   ――――――――――
 議事日程 第九号
  昭和三十六年三月一日
   午前十時開議
 第一 人事官の任命に関する件
 第二 農業基本法案(閣法第四四
  号)及び農業基本法案(衆第二
  号)(趣旨説明)
 第三 国有財産特別措置法の一部
  を改正する法律案(内閣提出)
○本日の会議に付した案件
 一、裁判官訴追委員辞任の件
 一、裁判官訴追委員の選挙
 一、日程第一 人事官の任命に関す
  る件
 一、日程第二 農業基本法案(閣法
  第四四号)及び農業基本法案(衆第
  二号)(趣旨説明)
 一、日程第三 国有財産特別措置法
  の一部を改正する法律案
   ――――――――――
○議長(松野鶴平君)諸般の報告は、朗読を省略いたします。
   ――――・――――
#2
○議長(松野鶴平君) これより本日の会議を開きます。
 この際、お諮りいたします。
 平林剛君から裁判官訴追委員を辞任いたしたいとの申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。よって許可することに決しました。
   ――――・――――
#4
○議長(松野鶴平君) つきましては、この際、日程に追加して、
 裁判官訴追委員の選挙を行ないたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。
#6
○光村甚助君 ただいまの選挙は、その手続を省略し、議長において指名することの動議を提出いたします。
#7
○前田佳都男君 私はただいまの光村君の動議に賛成いたします。
#8
○議長(松野鶴平君) 光村君の動議に御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。
 よって議長は、裁判官訴追委員に椿繁夫君を指名いたします。
   ――――・――――
#10
○議長(松野鶴平君) 日程第一、人事官の任命に関する件を議題といたします。
 内閣から、国家公務員法第五条第一項の規定により、神田五雄君、中御門経民君を人事官に任命することについて、本院の同意を求めて参りました。
 本件に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#11
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本件は全会一致をもって同意することに決しました。
   ――――・――――
#12
○議長(松野鶴平君) 日程第二、農業基本法案(閣法第四四号)及び農業基本法案(衆第二号)(趣旨説明)、
 両案について、国会法第五十六条の二の規定により、提出者から順次趣旨説明を求めます。周東農林大臣。
  〔国務大臣周東英雄君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(周東英雄君) 農業基本法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 申し上げるまでもなく、わが国の農業は、過去幾世代にわたって、国民食糧その他の農産物の供給、資源の有効利用、国土の保全、国内市場の拡大等、国民経済の発展と国民生活の安定に寄与して参りました。また、農業従事者は、この農業のにない手として多くの困苦に耐えながらその務めを果たし、国家社会の重要な形成者として、他の産業従事者とともに、国民の勤勉な能力と創造的精神の源泉たる使命を全うしてきたのであります。
 しかるに、わが国経済の発展の過程において、農業は、自然的・経済的・社会的制約のため、他産業と比較いたしますると、生産性において著しい格差を生じておりまする上に、また、近時、産業経済の著しい発展に伴って、農業従事者と他産業従事者との間において生活水準の格差が拡大してきて滞ります。他方、国民生活の向上とともに、農産物に対する需要にも変化が生じ、澱粉質食糧の消費よりも、蛋白脂肪質食糧等の消費が増大する傾向が現われてきたことや、農業から他産業への労働力移動の現象が見られ、農業就業人口が減少し始めてきたことなど、農業と農業を取り巻く条件の変化はまことに著しいものがあります。このように、いわば農業が曲がりかどに来ているという事情を背景にして、産業経済の重要な一部門として、農業も国民経済の成長発展に即応して他産業におくれをとらないように生産性を向上し得るようにするとともに、農業従事者も他産業従事者と均衡する生活を営み得るようにすることが強く要請されております。
 それゆえ、農業及び農業を取り巻く条件の変化と農業ないし農業従事者のあり方を考え、その調和をはかって、この際、農業の向かうべき新たな道を明らかにし、農業に関する政策の目標を示し、これに基づいて諸般の施策を進めて参りますことは、農業及び農業従事者の重要な使命にこたえると同時に、公共の福祉を念願する国民の期待にこたえるゆえんであると考えるものであります。これが本法案を提出いたしました趣旨でございます。
 次に、法案の主要点につきまして御説明をいたします。
 まず前文におきましては、以上申し述べましたような趣旨を明らかにしておるのでございます。
 第一章総則におきましては、
 第一に、国の農業に関する政策の目標は、農業の自然的・経済的・社会的制約による不利を補正し、他産業との生産性の格差が是正されるように農業の生産性が向上すること、及び農業従事者が所得を増大して他産業従事者と均衡する生活を営み得るようにすることを目途として、農業の発展と農業従事者の地位の向上をはかることにあるものといたしております。
 第二に、この目標を達成するため、国は、農業政策のみならず、政策全般にわたって必要な施策を総合的に講じなければならないことといたしておりまするが、その際、重点的に配慮すべき方向といたしまして、(1)農業生産の選択的拡大、(2)農業生産性の向上と農業総生産の増大、(3)農業構造の改善、(4)農産物の流通の合理化、加工の増進及び需要の増進、(5)農産物の価格の安定及び農業所得の確保、(6)農業資材の生産及び流通の合理化並びに価格の安定、(7)近代的な農業経営の担当者たるにふさわしい者の養成及び確保と、農業従事者及びその家族がその希望と能力に従って適当な職業に就き得るようにすること、(8)農村の環境整備等による農業従事者の福祉の向上の八項目を明らかにしております。これとともに、これらについての施策が画一的でなく、地域的に自然約・経済的・社会的諸条件を十分考慮して行なわれるべきものとしております。
 第三に、政府は、諸施策を実施するため必要な法制上、財政上の措置を講じ、また、農業従事者が必要とする資金の適正円滑な融通をはからなければならないことといたしております。なお、施策を講ずるにあたっては、農業従事者等の自主的な努力を助長することを旨とするものであることを明らかにしております。
 第四に、政府は、毎年、国会に農業の生産性及び農業従事者の生活水準の動向とこれらについての政府の所見を含む農業の動向に関する年次報告を提出し、また、この報告にかかる動向を考慮して講じようとする施策を明らかにした文書を提出しなければならないことといたしております。
 以上が総則のおもなる内容でございますが、第二章ないし第四章におきましては、農業生産、農業物の価格及び流通、農業構造の改善等に関し必要な施策の方針をそれぞれ明らかにすることにいたしております。
 すなわち、農業生産に関する第二章におきましては、農産物の需要及び生産の長期見通しを立てて公表すること、農業生産の選択的拡大、農業生産性の向上及び農業総生産の増大をはかるため、右の長期見通しを参酌して生産に関する施策を講ずること、農業災害に関する必要な施策を講ずることについて、それぞれその方針を明らかにしております。
 農産物等の価格及び流通に関する第三章におきましては、まず、重要な農産物について、農業の生産条件、交易条件等に関する不利を補正する施策の重要な一環として、その価格の安定をはかるため必要な施策を講ずることとし、さらに価格安定の施策の実施の結果を総合的に検討して、施策の万全を期していくこととしたほか、農産物の流通の合理化等についての施策、輸入農産物との関係の調整、農産物の輸出の振興について必要な施策を講ずることとしておるのであります。
 農業構造の改善等に関する第四章におきましては、家族農業経営の健全な発展、協業の助長、兼業農家の安定などに重点を置いております。まず、わが国農業のにない手としての家族農業経営の近代化をはかって、その健全な発展をはかるとともに、できるだけ多くの家族農業経営が自立経営になり得るように育成するため必要な施策を講じ、また、協業を助長して、家族農業経営の発展、農業の生産性の向上、農業所得の確保等に資するため、農業協同組合組織のほか、新たに農業生産法人の道を開くなどの施策を講ずることによって、家族農業経営とその協業組織が相並び相補いながら農業経営の近代化に資するようにしたいと存じております。そのため、農地についての権利の設定または移転の円滑化のため、農業協同組合が農地の信託を引き受けることができるようにし、また、近代的な農業経営の担当者たるにふさわしい者の養成確保等のため、教育、研究、普及の事業の充実をはかることとしております。さらに、わが国農業経営の過半は、いわゆる兼業によって家計を維持安定させている実態にかんがみまして、その家計の一そうの安定に資するとともに、農業従事者及びその家族がその希望と能力に従って適当な職業につき得るよう、就業機会の増大その他の施策を講ずることといたしております。なお、農業構造の改善は、土地条件等の整備を基盤として、農地保有の合理化、農業経営の近代化等を総合的に行なって初めて実効を期し得ることも多いと思われますので、そのため必要な施策を講ずることといたしております。
 次に、第五章におきましては、農業行政に関する組織の整備及び運営の改善と農業団体の整備についての方針を述べております。
 最後に、第六章におきましては、この法律の規定によりその権限に属させられた事項を処理するほか、内閣総理大臣または関係各大臣の諮問に応じこの法律の施行に関する重要事項を調査審議するための機関として、総理府に農政審議会を設置することとし、その組織等について必要な規定を定めております。
 農業基本法案の内容はおおむね以上の通りでございまして、この法律は、今後の農業の向かうべき道、農業従事者の進むべき目標を示すにありますので、これに基づく具体的な施策は、基本法の趣旨により、今後にわたって、法制上、予算上等の措置をとる覚悟でございます。とりあえず三十六年度につきましては、予算案にすでにその趣旨を取り入れておりまするが、また、関係法律案につきましては、当面措置すべきものについてすみやかに提案いたしたい所存であります。
 以上をもちまして農業基本法案の趣旨説明といたす次第でございます。(拍手)
#14
○議長(松野鶴平君) 衆議院議員北山愛郎君。
   〔衆議院議員北山愛郎君登壇、
   拍手〕
#15
○衆議院議員(北山愛郎君) 私は提案者を代表して、社会党の農業基本法案について、その提案の趣旨と内容の概要を説明いたしたいと存じます。
 わが党が農業基本法の検討を始めたのは昭和三十三年の初めでありまして、自来数回にわたって草案の要綱を公表し、各方面の意見を聞き、検討を重ねて、いよいよこの国会に提案の運びに至ったのであります。今日農業の行き詰まりと農政転換を求める声が農村に巻き起こっているときに、勤労大衆の利益を代表する政党として、農民の正しい政治的目標を明らかにし、農業基本法の内容を天下に示すことが、社会党としての大きな責任と考えるものであります。(拍手)
 わが党の農業基本法案に次いで政府の基本法案が提案せられました。政府案は農民の求める基本法ではなく、農業を資本主義経済の競争の中に組み入れ、独占資本中心の経済成長計画に農業及び農民を従属せしめようとするものであります。われわれの基本法は、農民の立場に立って、その生活を守り、強力な農業発展政策を行なわんとするものでありまして、両者の相違はきわめて明らかであります。この二つの農業基本法のいずれが真に農民のためのものであるか、いずれの農業政策が民主的な明るい社会を築くことができるかについて、十分の御審議を期待するとともに、国民各位の御検討を切望するものであります。
 われわれが農業の基本問題を考えるときに忘れてならないことは、神武以来の長い農民抑圧の歴史であります。奴隷時代、荘園時代、封建の時代を通じ、時代の支配者によって農民は常にその生産の大部分をしぼられて参りました。徳川家康が「百姓とゴマ油は、しぼればしぼるほどしぼれるものなり」と言った言葉の通りに搾取され続けたのであります。明治維新は百姓を封建制の束縛から一応解放しましたが、再び地主制度の高い小作料に苦しめられ、明治政府は、広い山林原野を、御料林、国有林として農民を締め出し、高い地租を取り立て、これを殖産興業の名のもとに近代資本主義育成の資金に利用したことは、御承知の通りであります。社会党の基本法の前文に指摘する通り、今日の農業投資の不足、生産条件の立ちおくれ、農地の狭さ、農村生活の前近代的状態などの原因は、農民の責任ではなくして、この長い農民抑圧の歴史であると言わなければなりません。(拍手)国は農民に対して大きな歴史的負債を負っているといっても過言ではないと信ずるものであります。わが党の基本法案の前文の中に、「以上に述べた歴史的事実にかんがみ、農業発展の支障となる自然的・社会的・経済的諸原因を除去し、農民の所得と生活を豊かにし、都市と農村の文化的格差を解消することは、国の政治の最も重大な責務である」と述べているのは、この趣旨によるのであります。政府の基本法の前文には、農民がこの長い歴史の試練の中で困苦にたえ、国民の勤勉な能力と創造的精神の源泉としての務めを果たしてきたことをほめたたえ、この使命が「今後においても変わることなく持ち続けると確信する。」としるされてありますが、これは、農民が再び資本主義経済の中で、安い労働力、安い農産物の供給者としての使命を変わることなく持ち続けることを期待するにひとしい考え方でありまして、われわれの容認することのできない言葉であります。
 次に、われわれの農業基本法の目標の一つは、農業を、資本主義経済特に独占資本の圧迫から守ることであります。歴史的な事情により、また自然的な制約を受けて、不利な条件のもとに置かれているわが国農業及び農民が、弱肉強食の資本主義自由経済の中で競争に打ち勝つことができないのはむしろ当然であります。戦前の独占資本の地位が戦後復活強化されるに従って、農業は次第に、生産、価格、流通の面で経済上の圧迫が加わってきたのでありまして、売るものは安く、買うものは高いという、流通のはさみ打ちにあって、他産業との格差、他産業従事者との所得と生活の不均衡が広がってきているのであります。その上、保守政権の大資本、大企業擁護の政策は、この傾向をますますはなはだしくしているのであります。民間企業の設備投資が三兆円にも及ぶといわれるときに、農業投資はわずかに二千億円にすぎません。農民の郵便貯金、簡易保険の掛金、農林中金の預金など数千億円の資金が、安い金利で大企業に利用されているのに、農民自身は一割二分以上の高利の農協資金すらも十分に借りることができないのが実情であります。政府の財政投融資の原資の大部分は大衆の貯金であるのに、開発銀行には四百七十億、・輸出入銀行には五百七十億、電源開発会社には四百十億円というのに対し、農林漁業にはわずかに四百五億しか配分されるにすぎないのであります。このような勤労者にきわめて不利な政治経済の仕組みの中で、独占資本の黒い手が農民の首を絞めつけているのであります。従って、今日、農業と他産業との格差を是正する正しい政策は、独占資本の圧迫から農民を守り、国の大きな保護と管理の中で、農業の経営、構造、流通組織を改革して、これを近代化することでなければならないと思うのであります。政府の農業基本法は、逆に、農民の自由な意思と自主的な努力を尊重すると称して、保護政策を後退させ、農業を自由競争にさらし、農村の階層分化、小農の脱落を推進する、池田総理の農家人口削減の具体化として現われているのであります。われわれは、この反農民的政府案に対し全く異なる立場に立ち、国の責任において、農業の発展と農民所得の向上を積極的かつ計画的に行なわんとするものであります。
 以下、わが党の農業基本法の内容について主要な点を御説明いたします。
 われわれの基本法の目的は、農業の生産力を飛躍的に拡充し、農畜産物の自給度を高め、農民の所得及び生活水準を他産業のそれと同一水準になるように向上させようとするものでありますが、それには、まず第一に必要なことは農用地の拡張であります。農用地をふやさずに、零細経営の改善もあるいは畜産、果樹の振興も不可能であるということは申すまでもありません。政府の農業基本法案では、ほとんど農地の拡大には触れず、所得倍増計画においても、十年後、昭和四十五年の農用地も相かわらず六百万ヘクタールにすぎないのであります。わが国の農地の全国土面積との比率はしわずかに一九%で、イギリスの八一%、フランスの六二・七、イタリアの六九・四、インドは五一・五及び山国であるスイスですらも五二%であるのに引き比べて、農用地の利用率はきわめて低いのであります。わが党は、当面、畑と草地を三百万ヘクタール拡大しようとするものであり、これによって農用地の率は三〇%に達するのであります。本法案第四章に土地利用の高度化の章を設け、「国土は国民に与えられた天然の資源として、何人もこれを公共の利益に合致するよう最高度に利用しなければならない」との原則のもとに、国土調査を推進し、土地利用計画と利用区分を定め、農用地に転換すべき土地については、国有地はこれを払い下げまたは貸付により、民有地は買収または利用権設定によって、農民またはその共同体に活用させようとするものであります。わが国の国土調査がおくれており、特に山林原野の実測が行なわれていないことは、農林大臣御承知の通りでありますが、国土が狭いといいながら、測量もせず、利用計画も立たないままに、耕地がつぶれ、演習地やゴルフ場が広がっていくのは、断じて黙視し得ないところであります。(拍手)土地利用計画については、あわせて水の利用をも考慮し、国土の調査利用には林業との調整に留意し、別に森林政策を樹立する考えであります。この大規模な農地開発には、特に自衛隊を改編して、平和国土建設隊を中核として、急速に国土改造を行なわんとするものであり、演習場やゴルフ場に貴重な土地をつぶし、有為な青年に危険な人殺しの練習をさせることをやめて、国土の平和建設事業を推し進めようとする社会党の政策を、あらためて御認識願いたいと思うのであります。
 さらに土地所有形態については、これを耕作する者が所有するという原則を貫き、土地所有と農業労働の分離を排除することといたしております。耕作者の所有も、個人が持つ場合と共同で持つ場合とありますが、農民自身の自主的な意思によって、農地に関する権利を共同で保有するよう、漸進的にこれを指導する方針をとるものであります。社会党は、農地の地主的所有や資本家的所有は排除しますが、意味のない土地国有を考えていないということは、現在の国有地についても、農地に転換すべきものについては、これを農民に売り渡しまたは貸し付けの方針をとっていることにも明らかであると存じます。
 次に経営形態について、経営規模の拡大、零細経営の解決は、基本的には共同化、共同経営によるものとし、農民の農業生産組合を育成しようとするものであります。いうまでもなく、われわれは、急激に、また強制的に共同化を進めようとするのではありません。経営の全部または一部の共同化を認め、共同施設や共同作業など、共同組織の奨励と並行しながら、次第に共同化の方向に進めようとするものであります。政府案のように、それが一町五反や二町程度の家族経営では、近代化、機械化を合理的に行ない、生産力を高めることは望みがたいのは明らかであります。また、一方には家族単位の自立経営を育成しつつ、他方、協業化を進めることは矛盾であり、比較的大きな農家への農地の移動によって、共同化よりも零細農の脱落が先行し、結局小農首切り政策となる危険があるのであります。われわれは、共同化が真に農民に利益をもたらすことを保証するため、別に、農業生産組合法案、農業経営近代化法案を作成し、共同化のための経営、技術指導、各種の助成措置、低利資金の融資、機械の貸与、税法上の特典などの措置をとるとともに、共同化に伴う農用地の造成、土地改良、農地の集団化事業については、全額国庫負担とするなどの措置をとろうとするものであります。また経営の近代化、共同化を進めるため、各都道府県内の地区に農業サービス・センターを置き、また都道府県の中央部に国営の農業機械ステーションを置いて、ヘリコプターなどを装備し、大型農業機械の補給、修理、教育講習の基地たらしめようとするものであります。問題のロッキード戦闘機二十台を削れば、各府県ごとに十台ずつのヘリコプターを装備し、災害救援、病虫害防除、さらには肥料や種を空から降らすことも決して夢ではないと思うのであります。(拍手)
 次に、価格、流通、加工については、第六章、第七章に定める原則に基づき、第一に現在の食糧管理制度を維持改善し、主要農畜産物については、生産費及び所得補償方式のもとに、価格支持政策をとることを明記いたしております。特に、農産物の需要拡大のため、その最大の消費者である勤労者の賃金所得を向上し、食糧の消費構造を高め、国内の需要増大をはかることを強調いたしておるのであります。資本家がどんなに金がもうかっても、一人で牛乳を一石も二石も飲み、くだものを百個も二百個も食べるものではありません。勤労者の購買力の上昇によってこそ、牛乳、肉、野菜、くだものの消費がふえるのであります。この点、農民は労働者の賃上げ闘争の被害者ではなくして、受益者であると言わざるを得ないのであります。また、農産物の生産出荷の計画化を指導し、農協などの共販事業を強化し、公営卸売市場の整備など、流通面の合理化をはかろうとしておるのであります。同時に、農産物の輸入を抑制し、自給度を高める措置をとり、また、農産物の輸出、海外市場の開拓などにも努力することといたしております。畜産農業、果樹農業、園芸農業の振興に伴い、加工事業の重要性は増大して参りますが、これをなるべく農民の手で行なわせるため、別に農産物加工振興法により、農協またはその出資による農産公社を設置し、特に、農畜産物の簡易加工と農村消費への還元などを勧め、あわせて農村食生活改善に資し、また、農民が単なる原料生産者として他の資本からの圧迫を受けないような措置を検討いたしておるのであります。そして、農協の共販体制の強化や、農民と他の資本による加工企業との団体交渉など、農民の地位と権利を高めることを考慮いたしておるのであります。
 次に、農業用諸資材については、肥料、農薬、農機具、家畜の飼料、電力、石油などの安価な供給を確保することは、農産物価の安定とともに重要な問題でありますので、この生産流通の規制などによって、安価な供給を確保し、必要によって、これらの生産、輸入、販売などを国営または国家管理に置くことを第七章に定めております。
 次に、畑地草地農業の振興と、畜産、果樹、園芸農業の発展をはかることは当然のことでありますが、その中心は酪農であり、われわれは、米と並んで牛乳が農産物の新しい柱となるように、酪農経営の安定をはかるために、昨年の総選挙前、故浅沼委員長が発表した牛乳法案を準備し、牛乳の生産と消費の拡大をはかり、国民一人牛乳三合を実現せんとするものであります。牛乳法案の中で、われわれは、乳牛の導入増殖、草地の拡大、消費の増大などを規定し、特に牛乳の生産者価格については、酪農家の生産費と所得を補償するため、必要により国の補給金を支給するなど、思い切った措置によって、米を作っても、また牛乳をしぼっても、農業経営が安定することを目途としておるのであります。今日、農民の間に、米麦の将来に不安が強まり、食管の運営にも困難が予想される今日、酪農を新しい柱とする強力な施策こそ急がなくてはならないと信ずるものであります。
 その他、第八章には、災害防除、災害復旧についての国の責任を明らかにし、災害による損失補償については、これが完全に補償されるよう十分な措置をすることを定めておるのであります。
 また、第九章においては、農民の権利と地位の向上には、農民組合、その他農民の自主的組織を育成することとし、同時に、農産物の価格決定に参加する権利を認めております。
 特に社会党の基本法第十章において強調しているのは、農村の生活文化の向上であり、都市と農村の文化的格差の解消であります。農村の衣食住等の生活改善、おくれている農村住宅の改造と部落生活集団化を推進し、交通、通信、電気、水道、文教、保健、社会保障の諸施設を整備するため、別に農村生活近代化法という立法措置を準備中であります。農村の前近代的住宅様式、草ぶき屋根などの解消、不良老朽住宅の改造などは、政治の盲点ともいうべき問題であり、都市の住宅政策はあっても農村住宅政策はなかった。この欠陥はすみやかに改めなければなりません。また、農業従事者の六割は婦人であり、婦人はさらに、重い家事、育児の仕事を担当し、農村の婦人労働は、はなはだしく過重でありますので、その軽減と婦人の地位の向上については特に強調しているのであります。
 以上申し述べた、農業の生産・需給、流通、価格、経営の改革は、いずれも国の責任と長期の農業計画に基づき実行する必要がありますので、第二章、第三章において、政府は、長期の農業計画並びにその年次計画を国会に提出し、その承認を受けるものとし、また、計画に必要な予算、金融措置を義務づけて、その計画の実行を確保することといたしておるのであります。また、農業計画の作成、必要な諮問、建議を行なう機関として農政審議会を置き、特に農民の代表をこれに参加せしめるよう措置いたしております。
 以上が社会党の農業基本法案の概要でありますが、これに盛られたものは、言うまでもなく、政策の基本原則であり、目標であります。われわれは、この抽象的表現の中にも、できるだけあいまいな言葉を避けて、そのものずばりの表現をとっておりますが、その個々の原則をさらに具体化するため、主要な関連法案をすみやかに国会に提案したいと考えておりますので、その点もあわせて御審議を願うものであります。
 最後に申し上げたいことは、いずれの国、いずれの時代を問わず、人類社会をささえ、生存を保障し、社会の進歩を推進するものは、物を作り、物を運び、人と物とを育てる生産労働であるということであります。この生産労働のにない手である農民と労働者の働きなくして、この世の中は一口として存在できないことは明々白々たる事実であります。(拍手)われわれの毎日の食事、からだにつけている衣服、住んでいる建物、人と物とを運ぶ車、みな労働の成果であることを忘れてはなりません。われわれの農業基本法は、との農民の役割を正しく評価し、これを尊重し、その社会的地位を高め、特に都市と農村の差別を解消させようとする理念に導かれているのであります。今や、アメリカ経済の不況、ドル防衛措置などの影響によって、日本の輸出は停滞し、国際収支の悪化のきざしが現われ、池田内閣の所得倍増計画の前途、楽観を許さざるものがあります。政府の農業基本法案は、第二次、第三次産業の発展を中心とする経済高度成長計画を前提とし、これに依存し、農業を他産業に従属せしめようとしているものでありますが、これらの内外の経済動向が微妙な変化を見せようとするとき、政府の農業基本法は、農民にとってまことに危険きわまるものと言わなければなりません。われわれは、日本農業自体の発展の可能性を確信し、農民の生活と地位を高める政治が、国の歴史的な責任であると同時に、平和な民主主義社会を建設するゆえんであるということを深く考え、全農民とともに、社会党の農業基本法の成立を強く期待し、私の趣旨説明を終わるものであります。(拍手)
#16
○議長(松野鶴平君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。田中啓一君。
  〔田中啓一君登壇、拍手〕
#17
○田中啓一君 私は自由民主党を代表しまして、ただいまの農業基本法案に関し若干の質問をいたしたいと存じます。
 本日は、政府提案の農業基本法、また社会党提案の農業基本法と二つの法律案が同時に議題となっておるわけでございますが、今両方の提案者からそれぞれ立法の趣旨をつぶさに拝聴いたしまして感を深くいたしますことは、まことに事ここに至るまで両方とも長い間の準備をなされ、御苦心のほどもなみなみでなかったであろうということ、並びにまた、これを御提出になるには非常に論議の多いことでございますから、相当の勇気をも要したことであろう、かように考えまして、両者に対しまして、質問に先だち深き敬意を表したいと思います。
 本法、政府提出案の基本法を拝見いたしますると、各条文にわたりまして、国は何々のことをせねばならぬ、政府は何々、あるいは農林大臣は何々というように書いてございまして、国会も本法実施の責任を負うのみならず、「政府は」と書いてあるところを見ますると、各省大臣がそれぞれ責任を負うものであることがわかりますし、また、これらの各省のなすところが総合的に行なわれ、よき成績をあげるように配慮せねばならぬ面が随所に規定されておるのでありまして、各省行政統一の責任を持っておられまする総理大臣の活動力に期待すること、本法のごときはまことにまれであると思うのでございます。そこで私は、何をおいてもまず第一に総理大臣にお伺いをいたしたいと存じます。
 本法は、第一条に、農業に関する政策の目標とするところを掲げ、第二条には、その目標を達成するに必要な施策の大綱を八項目に分けて書いてあるのでございますが、そのどこにも、食糧及び工業原料農産物の自給度の向上という言葉は使ってありません。しかも、このことは、これまで国民、ことにまた農業団体側あたりからは強く要望せられたことでもございますし、また社会党提案の基本法第一条には、「農業生産力を飛躍的に拡充して農畜産物の自給度を高め、国民経済の発展に寄与せしめる」という字句が入っているのでございます。まことに、わが国のごとく製造工業の原料資源が乏しくて、しかも高度の科学技術と勤勉な多数の国民を擁しておる国におきましては、国際経済の中で国民経済を成長せしめ、民族が生き抜いていくためには、工業原料を輸入すれば、その加工業者としてなるべく多くの者が、まあ俗に言えば飯が食えるような種類のものがよろしくて、食糧のごとくすぐ消費してしまう種類のものは輸入しないで済めば、それにこしたことはないと思われるのでございます。今でも、小麦とか大豆、砂糖等、数百万トン、数億ドルの輸入がありますが、もしこれが国内で自給できるものならば、どのように急速に工業が成長いたしまして原料輸入が増加いたしましても、大へん国際収支は楽になるわけでございます。農産物の自給度の向上ということが国民経済発展に寄与するという意味はこのようなことであろうかと私は思うのでありまして、とのような使命を農業が持っておる、こういうことは、私は、政府基本法前文の冒頭に農業の使命というべきものを掲げられたところに十分含まれているものであると思うのでございますが、これについての総理の御所見はいかがでございましょうか。お伺いいたしたいと存じます。
 それにつけても、食糧や原料農産物の自給がよろしいとは言っても、国際経済の中にある国民経済でありますから、外国に比べてあまり商い食糧や原料をいつまでも使わせておくわけには参りませんから、この法律では、農業生産性の向上が中心的課題として取り上げられ、さらに究極するところ、農業構造の改善と取り組むことになっているのでございます。そうして、これはだれが考えても非常な難問題でありまして、政府と社会党の出しました二つの基本法は、私はただいまの御提案のお言葉を伺っておりますると大へん違っているように聞こえたかもしれませんけれども、私は、この構造政策のところを除きましては、ほぼ大同小異でないかと思うのでございます。ただ、この難問題の構造政策のところに参りまして、全く両者の意見は対立をしているものと思うのでございます。もっとも、現在の零細経営ではとうてい画期的に生産性を高めることは望めませんから、経営を大きくしよう、こういうことは同じでございます。政府の方は、家族経営で大きくなりたい者はもちろんそれを助長しようし、家族経営の形態をやめて数戸共同して土地も労力も同時に全く一つの経営形態でやっていこうというものも、あわせて助長しよう、いずれを選ぶかは全く本人たちの自由意思によるというのでございます。ところが社会党の方は、数戸共同経営形態の一本やりでいこう、このように思われるのでございまして、そのため農地に関する権利は耕作者の所有とするのを原則とするが、自主的に共同保有に移行させるように指導するというのでございます。一体、このように長い歴史的な家族経営であり、またこれを外国の例に見ましても、経営が大きいといっても家族経営形態が支配的でございます。つまり私は、古今東西そういうものである、これが農業経営として生産性も十分高まるものであるからこうなっておると思うのでございまして、今、自主的に共同保有にするように指導するとおっしゃっても、私は、農民はほとんど同意しないであろうと思うのであります。この点は、わが党も絶対同調をしがたいところでございます。そもそも、この基本法の制定に対し、農民の中で一まつの不安を持っておるとすれば、何かこのような圧力が加わってきはしないだろうか、これが私はほんとうの心配であろうと思うのでございます。しかし、そうは申しましても、政府も社会党も、構造改善をやろうということには違いはございません。で、今日、農村のちまたでは、基本法ができたならば自分らはどうなるだろう、自分はどうすればいいのかというような言葉がささやかれておるのでございますが、総理におかれましては、国民をしてその所を得ざる者一人もなきよう、あたたかい心持ちと万全の配慮をもって臨まれるとともに、何分にも難事業でございますから、どうか不退転の決意をもって臨まれたいと思うのでございますが、総理のこれに関する御所信をお伺いいたしたいと思うのでございます。
 次に、私は企画庁長官にお伺いをいたしたいと思います。
 基本法第八条及び第九条を見ますると、政府は農産物の需要と生産につき長期見通しを立てるべき旨、及びこれに基づいて農業生産基盤の整備及び開発、並びに家畜及び機械の導入等による資本装備の高度化など、一連の施策を講ずべき旨が規定をせられております。このところが社会党の法案では、農業計画を立てるということになっておるところかと思うのでございます。そこで、この基本法を出すにつきましては、もとより、今後長期にわたってどのような農業の姿を描いていくか、こういうことについて、ある程度の見通しなりあるいは計画なりというものなしにだれでも出すはずはないのでございしまして、この点は、昨年暮れ決定いたされました政府の所得倍増計画の中の農業基本計画として、ある程度の姿は描かれておるのでございます。従って、社会党の諸君は、八年農業計画というようなことをおっしゃいますが、大体それに相当するものは所得倍増計画中の農業計画であろう。しかも、この方はまた少なくとも表題は計画という字を使っておるのでございまして、私は、長期見通しと計画と、どのように違うかということは、言葉の違いだけくらいなものだろう、やることは同じことだろうと思うのでございます。そこで、私が今日企画庁長官に明らかにしていただきたいことは、ただいま申したように一応でき上がっておりますが、それは、この基本法を作り、今後の農業成長というものを非常に大きく育てていこう、こういう政府の方針、また国民の大なる期待、そういうものから見まして、必ずしもそう十分なものとは実は思われません。従って、倍増計画の閣議決定にも、今後の計画運営には、相当に弾力的に、十分に実情に応じたように配慮をしていくのだということを明らかにしておられるわけでございます。そうして、この法律によれば、明年は、十分の長期見通し、それに伴うところの農業生産基盤の整備開発というようなことを含めました政策をお出しにならなければならないわけでございますが、この長期の見通しというものは、なかなかそう簡単に私はできるものではないと思う。その証拠に、私は先ほど農業基本法には長い準備があったと申しましたのは、昭和三十二年にこの前の新長期経済計画をおきめになりました際に、すでに、これは五カ年であるけれども、農業等については相当長期の見通しを立てなければ、ほんとうの政策にはならないので、もっと十年、二十年というような長期の計画を立てることにする、こういうことがあわせて閣議決定になっておる、それに基づいて経済企画庁は、実に三十二年以来非常に努力されました。農業の長期計画を立てるには、やはり農業を囲むところの一般経済のある程度の長期の見通しがなければできない、こういう見地に基づいて、一体、十年、二十年というような経済計画ができるものだろうかというようなところから研究を始められまして、以来ようやく昨年暮れになって所得倍増計画ができ、これは一般経済も十年、農業の面も十年、こうなっており、かつまた農業については、その間、政府は農林漁業基本問題調査会というものを作って、非常に天下の衆知を集めて、このようなものが一つの成果としてでき上がり、また、他の一つの成果としてこの基本法がだんだんでき上がってきた、そのように思うのでございます。従って、私の申し上げたいのは、現在のものをお組みになるにも、相当期間かかって、きわめて精密工作的な計画にしておられるのでございますが、従って、これを直すにもまた相当の準備が要る。でありますから、言うまでもなく、すでにそれらの御準備もあろうかと思いますけれども、どうしてもこの第八条、第九条というものは、おそらくこれは農林省と経済企画庁との合作になるような点であろうと思いますので、経済企画庁長官は、今私の申したところについてどのような御所見を持っていらっしゃるか、お伺いをいたしたいと思うのでございます。
 次に、私は農林大臣にお伺いをいたしたいのでございます。ただいま北山さんからは、農業基盤整備開発、ことに開発に関することは、ほとんどこの法律にもないし、政府の意欲も表われておらぬと、こういうお話でございましたが、何もこれは、この法律を待って始まることではなくて、これまでも実は政府は鋭意やっておられたことでございます。しかし、農産物の選択的拡大、こういうような問題が出まして、これはほぼ今日需給の均衡状態になったのではなかろうか。従って、これ以上水田の改良や造成に公共投資の金を投ずべきでないというような意見も出始めまして、せっかくの農業基盤整備並びに開発に関して、どうも、政府部内、中には農林省内部まで思想の統一を少し欠いているのじゃないか、三十六年度の予算編成にあたりましても、だいぶいろいろそれを論じて、ひまがかかった。こういうような次第でございますが、これは、もう農業生産というものの今後の増大、この法律にも、明らかに「農業総生産の増大」こういう字句を使って強調をしておられるのでありまして、そのためには、農地の開発ということは非常に大事でありますが、これは異論がなかろうと思う。ところが、それに関するどうも思想不統一では、これはなかなかその調査をするにも計画をするにも工合が悪いと思うのでございます。私ども、ひとり田に水稲を作る場合だけ排水が必要であり灌漑が必要であるとは思いません。農作物は、いずれでも、排水も灌漑も良好なところで初めて生産がよく上がるのでございまして、これはどうしても、ただ天候のままに、あるいは水につかったり、あるいは、ひでりになったり、こういうことでは農業生産は上がりません。今日農産物というものが毎年相当の成長を見つつあるというのも、長い間のこれらの事業の成果であろうと思うのでございます。しこうして、今日、農産物が選択的に生産拡大をやっていくのでありまするから、その見地からすれば、田も畑も牧草地も、もはや私は区別はないのじゃろう。いずれも排水は良好でなければならぬし、灌漑があった方がよろしい。
#18
○議長(松野鶴平君) 結論を急いで下さい。
#19
○田中啓一君(続) こういう見地に立ちますると、一そうこれに努めるべきものと考えますので、どうかこれに関する農林大臣の所見を明らかにしていただきたいと思う次第でございます。
 以上で時間が尽きましたので、お伺いいたしたいことは多々ございますが、いずれ常任委員会におきまして、詳細に両方の提案者に対しまして御質問いたしたいと思う次第でございます。(拍手)
  〔国務大臣池田勇人登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。
 農業の重要性は、それが産業として、また食糧の自給度向上の上からも、ひいて国際収支の上からも、最も重要な産業でございます。私は、そういう面のみならず、わが民族の発展の上からも、りっぱな企業として農業を育成していかなければならぬと思います。しかるところ、ただいまの状態はまことに寒心にたえぬ、これを何とかしなければならぬというのが私の悲願でございます。私は、農民一人々々その堵に安んじていただけるよう、農政はもちろんのこと、財政、金融あるいは産業教育あるいは労働面から、あらゆる努力をささげたいと考えております。(拍手)
  〔国務大臣迫水久常君登壇、拍手〕
#21
○国務大臣(迫水久常君) 農業基本法第八条の農業生産の需給の長期見通しの作成は、これはきわめて重大な問題だと思いますので、私どもの役所でも、十分に農林省と協力をいたしまして、形のいいものを作り上げたい、こう考えております。御承知のように、国民所得倍増計画におきましては、目標年度における農業生産の姿を想定いたしておりますし、また、この間の農業に関する行政投資についても予定額を掲げておりますが、国民所得倍増計画と同時に閣議決定をされました国民所得倍増計画の構想におきましては、農業につきましては、この農業基本法の制定及びその実施ということを中軸として、弾力的に運営することになっておりますことは御承知の通りでございますので、今後これを実行していきたいと考えております。(拍手)
  〔国務大臣周東英雄君登壇、拍手〕
#22
○国務大臣(周東英雄君) お答えいたしますが、土地及び水の問題について、どうも計画が少ないんじゃないか、やるのかというような問題ですが、これは、農業基本法第二条第一項第二号にも書いてありますように、はっきりとそれはうたっております。土地及び水の農業上の有効利用及び開発によって農業の生産性及び農業の総生産を増大しなければならぬと書いてありまして、これに対して、当然、政府はそれに対して、財政上、法制上の義務を負うておるわけでございます。ただ、お尋ねの点は、本年度の予算あるいは所得倍増計画に表われた数字等を御心配でありますが、これは、企画庁長官もたびたびの席で申しておりますように、この計画の一つの参考としてあげておりますので、今後の状態において、将来日本の農作物の需給見通しの上に立って、ことにまた畜産、果樹等の選択的拡大をするものについて考えてみましても、この第二条第一項第二号の規定によりまして、今後、さらに、土地、水についての拡大開発というものをはかっていきたいと思っております。(拍手)
   ――――――――――
#23
○議長(松野鶴平君) 戸叶武君。
  〔戸叶武君登壇、拍手〕
#24
○戸叶武君 私は、日本社会党を代表し、内閣提出の農業基本法に対する質問を行ないます。
 まず池田総理大臣に、農業基本法を作るに至った動機並びに転換期における日本農業の現状に対する認識、ことに、その基本的対策に関して、次の三点についてお尋ねいたします。
 第一点は、貿易自由化からの影響であります。政府は、日本農業の変化を、農業人口の減少と食糧消費構成の変化との二つの面からのみとらえようとしておりますが、直面しております貿易自由化のあらしを、もっと警戒する必要があるのではないでしょうか。ケネディ政権の経済政策の指導者たちは、一九二九年の経済恐慌に次ぐ不況との認識のもとに、アメリカの農業政策の立て直しを試みております。
 第二点は、農業人口をどのくらいにするか、その位置づけであります。現在、農家人口は三千五百万人、農業就業者数は千五百万人、農家戸数は六百万戸であります。池田総理の農業人口六割削減の内容は、はたしていかなるものでありましょうか。農業人口は、近年は毎年三十万減っております。石田労働大臣は、農業構造の改革からの農家人口の移動を十年間に二百四十五万人と推定し、また、大来経済企画庁総合計画局長は、農業就業人口は今後十年間に現在の千五百万人がその四分の三の千百万人に減少するであろうと答えております。この際、各人まちまちの推定でなく、総理大臣、農林大臣、経済企画庁長官、労働大臣御相談の上、政府の統一的見解を承りたいのであります。
 第三点は、池田総理の提唱したいわゆる所得倍増計画は、農民に関しては、農民の大量の首切りなしには実現困難ではないかという問題であります。所得倍増計画の基盤をなす経済成長率九%に対し、農業部門は二・八%であるが、池田総理は、農業の所得の伸びを掛値なしにどのように考えておられますか。十年後の勤労者世帯の家計費が六十万ないし七十万円とすると、農家は同程度の収入を得るためには百万円からの農業粗収益をあげねばなりません。それには経営耕地面積二・五ヘクタール必要なのであります。政府は、現在では、自立家族経営農家は一・五ヘクタール以上で、これが全農家の一割の五十九万戸にすぎないことを知っているはずです。それなのに政府は、十年後には、耕地面積を二・五ヘクタール以上に拡張した自立家族経営農家を百万戸育成すると言っております。この百万戸の育成された農家の人たちはよいが、残された五百万農家は不安におののかざるを得ないのであります。この機会に、池田総理大臣から、所得倍増計画と農民六割削減論とは不可分のものかどうかについて、明快なお答えをいただきたいのであります。
 次に、農業基本法の内容は、政府案と社会党案とがまっこうから対立をしておりますので、問題点の数点についてお尋ねいたします。
 第一点は、農業生産性の発展と農用地拡大の問題であります。社会党案は、その前文において、「国の責任において、積極的かつ計画的に、農用地の大規模な拡張、土地条件の整備及び共同化による経営の拡大と近代化を促進する」と、新たな農業政策の目標を明らかにしております。これに反して政府案は、他産業の生産性の向上との均衡、生活水準の均衡をうたっているだけで、今後、農業をどう発展させるかの方向を明らかにしておりません。そこには、農業を他産業の発展にゆだね、農業人口を他産業に吸収してもらおうとする、独占資本に隷属する消極的な態度しか見出せないのであります。日本は人口が多く、国土が狭いのは事実であります。しかしながら、国土開発がおくれているのは、政府の怠慢によるものであります。日本よりも山国であるスイスにおいては、日本の三倍もの農用地があります。社会党は、三十六年度予算の組みかえ案において、国土調査費十億円、農業基盤整備費二百五十億円を計上しております。農業生産組合の助成のための農地造成、土地改良、農地集団化の全額国庫負担は、当然の主張であります。政府案もこれに見習っておく必要があるのではないでしょうか。
 第二点は、農林予算と農業公共投資の問題であります。農林予算が国の予算規模の一割足らずの九・六%で、所得倍増計画に基づく十年間の公共投資が農業には十六分の一しか振り向けられないのでは、どんなお題目を政府が並べてみても手の打ちようがないではありませんか。社会党案は、「国は農業計画の実施に必要な予算を確保し、その使用の効果を高めるよう努めなければならない」と規定づけておりますが、政府案も、このことに関しては、国の責任をぼかすことなく、もっと明確に規定づけるべきであります。
 第三点は、政府は日本農業の重点をいずこに置くかの問題であります。先ほども農林大臣は、従来のような米麦依存の強過ぎる農業、及び、零細で、しかも分散している耕地における非能率な農業を克服して、生産性の高い農業、今後需要の伸びが大きく見込まれる畜産、果樹作等の成長財生産に重点を置いた、すなわち公益性の高い農業を目ざした諸政策を展開すると断言しておりますが、三十六年度予算のどこにその意気込みが具体化されているでありましょうか。草地改良達成等の事業に六億三千八百万円、肉畜の導入と飼料共同化施設の助成に二十二億七千百万円、そして農業所得の五・八%を占める果樹農業の振興費はわずかに四千百万円にすぎません。これでは枯草の間からやっとフキの芽が出た程度ではありませんか。
 第四点は、貿易自由化から直接打撃を受ける畑作地帯農民の麦作転換の問題であります。丘作地帯の多い関東地方の農民にとっては、まさに死活の問題で、茨城に次いで、栃木、群馬、埼玉等の農民が相次いで動揺しつつあります。政府は、大麦、裸麦は、食糧としての需要が年々大幅に減退しているから、これを小麦、菜種、テンサイ、飼料作物、果樹への転換を積極的に推進する方針だと言っております。そして政府は、三十六年度の予算案に、大麦裸麦転換対策として四十億円を計上しておりまするが、一体この対策は応急措置なのか、それとも恒久対策なのか、冷静に承りたいのであります。政府は、今後貿易自由化のあらしの中から、小麦、菜種、テンサイ等を守り抜き、国際競争において、品質、価格ともに打ち勝ち得るとの確信と見通しがついているのでありましょうか。麦と砂糖との差別でもわかるように、政府の保護政策は不明朗な点が多々あります。この機会に真相を明らかにしてもらいたいのであります。
 第五点は、自立経営農家の育成か、農業経営共同化の促進かの問題であります。これが農業基本法をめぐる政府案と社会党案との性格論争の焦点であります。政府案では、自立経営農家の育成が農業基本法の根幹となっております。保守党の農政は、今までも三割農政と呼ばれておりました。それは、三分の一の、一握りの富農層しかその恩恵にあずかれなかったからであります。政府は、与党である自民党に圧力をかけられ、この三割農政の伝統と既得権を農業基本法の中にまで持ち込もうとしているのであります。農林省も経済企画庁も、農業の生産性、所得が、非農業に比べて低いのは、農業の経営が家族労作的零細農耕であるからと正直に指摘しているのであります。それにもかかわらず、政府は、自民党の圧力に屈し、農業の二重構造を解消し、その停滞性を救おうとする見識と勇気を欠いているのであります。政府は、旧態依然とした家族農業経営尊重の名のもとに、自立経営農家中心主義を堅持し、農業経営を、家族を主体とする家族経営と、複数の家族経営からなる協業にとどめようとしております。政府の持つ青写真の中には、農業経営の規模の拡大と共同化が描き出されておりますが、現実には、この青写真とは逆のブレーキがかかっているのでは、大型機械の導入も、共同施設の拡充も、農業の近代化も、なかなか困難なのであります。社会党案は、農業経営の近代化、共同化に積極的であります。国をして農業技術の改良を促進させるため、試験研究施設を充実させ、その成果の十分な活用をはかり、これと結びついた指導普及事業の機構を、各地に、農業サービス・センター、国営農業機械ステーションとして設置し、これを推進することにしているのであります。
 第六点は、農産物価格支持の問題であります。主要食糧の価格安定とその管理方式について、政府の農業基本法は、第十一条において、「国は、重要な農産物について、農業の生産条件、交易条件等に関する不利を補正する施策の重要な一環として、生産事情、需給事情、物価その他の経済事情を考慮して、その価格の安定を図るため必要な施策を講ずるものとする。」と、一番重要な点を「必要な施策を講ずる」との抽象的な文字でごまかしております。政府は、二月四日発表の政府原案においては、「特に必要があると認めるときは、当該農産物の政府の買い入れおよび売り渡しによる価格安定のための施策に代わるべき施策」の文字があったのでありますが、いかなる理由でこれを削除したのでありますか。政府が、米麦の統制を徐々に解き、主食の食糧管理制度を解体しようとする意図を持っているとすれば、きわめて重大な問題でありまして、この点に関しては、特に農林大臣の責任ある答弁を求むる次第であります。
 第七は、農村の青少年の就業と、農業生産に従事する人たちの最低賃金制の確立とも言うべき、生産費所得方式の農民の最低労賃確立の問題であります。池田総理及び農林大臣にお尋ねいたしますが、今春は、農村の中学校、高等学校を卒業した青少年の就職は、はたして順調に進んでいるのでありましょうか。よし進んでいるとしても、最近の雇用の状態というものはどうなっておりますか。農村から供給される労働力は産業予備軍的な役割を果たし、いつまでも臨時工、見習工的取り扱いを受けていては、農村の青年にとってはたまらないのであります。農村に暗さをなくさせるために文化を普及させ、封建性の強い家族制度の中から農村婦人の地位を向上させていかなければならないという問題もありまするが、家族経営の名のもとにおいて奴隷化されているところの婦人労働に対して今後いかなる手を差し伸べるか、このことも承りたいのであります。
 最終的な結論として、私は、一九五六年に西ドイツで、当時の食糧農林大臣、今の大統領のリュペック博士と、農業基本法を中心に、長い間会談する機会がありましたが、あれ以来すでに五年の歳月が流れております。日本で農業基本法が国会に提出されるに至ったことは、まことに喜ばしいことでありまするが、しかし、問題はその内容であります。政府の農業基本法は、率直に申し上げまして、いまだ、つづり方教室の作品の領域から出ておらないのであります。むしろこの際は、四年にわたって検討を重ね来たった社会党案の方が、はるかにこれにまさるものがありますので、従って、超党派的な立場から全面的にこれを取り上げ、政府案をすみやかに撤回する方が賢明であろうと信ずるのであります。(拍手)特に、われわれが農業基本法をめぐって考えるのは、この席に、かつてドイツ復興の指導者エアハルト博士が参りましたときに、日本の経済政策に率直に批判を浴びせた言葉であります。第一に、日本の労働賃金の安いこと、さらに労働賃金よりも農民の所得が貧しいこと、この点を指摘しまして、完全雇用の体制を作り上げ、社会保障制度を確立し、働く農民、労働者の生活の安定の上に立った生産の意欲、この大衆購買力が生産を刺激し、経済を拡大し、発展させていくのだと警告された言葉であります。ドイツにおいて農業基本法が作り上げられたときの動機は、地方におきまして、工場に働く労働者と農業に従事するところの労働者の所得に三〇%の開きがあったことが問題になって、その出発点となったのでありますが、日本の今日における都市と農村との所得の違いは三対一であります。農民は、都会の人々から見るならば半分も所得が得られていないのであります。ドイツにおいては、一方は一万円とる場合に、片方が七千円しかその職場によってとれないというのが問題になって、その均衡がうたわれたのであります。日本においては、一万円と三千三百円の違いであります。四割近くの農民は一八%の国民所得しか得られていない。この現実を直視して、日本におけるところの立ちおくれている農業をどうやって高めていくかということは、きわめて重大な問題でありまして、所得倍増のイリュージョンによって、貧しき者も富める者になったかのような錯覚を与える前に、現実的に、日本における完全雇用の体制を作り上げ、最低賃金制を確立し、立ちおくれている農民に対しても、資本がなくとも生産に従事できるような体制を作り上げることが、先の問題ではないかと思うのであります。そうした意味において、われわれは、この世界的なあらしの中にあって、昭和四年以来、あの経済不況の中で山本宣治氏が殺され、テロリズム、ファシズムの波濤が戦争への道を開いたのでありますが、われわれは、この経済的な波乱の中にあって、委員長浅沼氏を失いましたけれども、このあらしの中において、政府と結託するやのような暗さを持つテロリズムとファシズムの波とたたかっていることは、ほんとうに立ちおくれている農民の生活を防衛し、希望を与える以外にはないのでありますが、われわれの農業基本法は、あくまでも建設的であって、内容を盛って政府に対決を迫らんとするものでありまするから、政府においても、まじめに答弁されんことを期待する次第であります。
 以上をもって私の質問を終わります。(拍手)
  〔国務大臣池田勇人君登壇、拍手〕
#25
○国務大臣(池田勇人君) 御質問の第一点は、農産物の自由化の問題でございます。ただいま政府は、貿易・為替の自由化につきまして、一定の方針をきめて進んでおりまするが、農産物につきましては、その産業の性質から申しまして、私は全部を直ちにという気持は持っておりません。農業が十分立ち行くようになってから考えるべきことだと思っておるのであります。外国におきましても、農産物につきましては、完全自由化をしておる国でも、相当の制限をいたしておるのでございます。ことに、わが国のような国柄では、農産物を直ちに全部自由化するということは毛頭考えていないのであります。
 その次に、農業就労人口のことでございますが、これは農業が近代化いたしますと、当然、農業就労人口は減ってくるのであります。十年後にどうなるかという問題につきましては、これは、経済の成長がどういうテンポでいくか、あるいは農業の近代化がどういうふうに進んでいくか、また、農業から非農業への労働移動の条件がどういうふうに打ち立てられるか、あるいは工業の地方分散がどの程度進むか、また、兼業がどういうふうな格好になるか、これによりましていろいろ見方があると思うのでございますが、いずれにいたしましても、農業がりっぱな企業として成り立ち、他の産業と歩調のとれたものになる上におきましては、相当就労人口が減ることは事実でございます。どの程度減るかということは、先ほど申し上げました五つの条件の達成次第によるのでございまして、私は、数字そのものにとらわれるよりも、ほんとうにりっぱな農業として成り立つように、前に申し上げました条件を作り出すことが一番だと考えているのであります。農業の生産性は、御承知の通り、他の産業に比べて比較になりません。お話の、あるいは二・八%、あるいは三%、あるいは三・二%と、こう言っておられました。こういたしますと、十年たっても五割はどうかという問題でございます。従いまして、農業の全体の生産というものは、そうふえません。他の産業のように、倍とか倍半にはなりませんが、農業就労者の所得を上げるのには、五割しかふえない、五割程度だということになれば、しょせん近代化して就労人口が減ってくることが一人当たりの農民の所得をふやすゆえんでございます。これはだれが考えても同じことでございまして、私は、原始産業の生産性の状況から申しまして、当然就労人口が減ってくる、その減り方は、これからの近代化、あるいは労働条件、あるいは工業の地方分散等々によって考えらるべきであると思うのであります。
 また、農村青年の就職の状況でございまするが、最近の経済成長によりまして、農村の青年の就労状況は非常によろしゅうございます。また、われわれといたしましては、農村に、職業訓練所、紹介所を昭和三十五年にも十数カ所、三十六年にも十八カ所ふやしまして、農村の青年の就職、職業訓練には万全を尽くしている次第でございます。(拍手)
  〔国務大臣周東英雄君登壇、拍手〕
#26
○国務大臣(周東英雄君) お答えをいたします。
 第一点は、どうも政府の出した農業基本法で、家族経営を中心とする企業形態を原則として推進することだけでは近代化ができないじゃないか、社会党のごとく、協業化でもって全農民を法人的に進める方がいいのじゃないかというお尋ねでありますが、私どもは先日、衆議院でもそういうお尋ねがあり、ことに、これはすぐとはおっしゃいませんけれども、むしろ大きく近代化するならば、現在の六百万町歩を大体十五町歩平均で持たせれば四十万単位の法人化ができる、二十町歩平均にするならば三十万単位の法人化ができて徹底するのじゃないかというお尋ねでありますが、私どもは、これは、経済の実態に即して、やはり農民というものが、みずから土地を持ってみずから耕やしたいという意欲を持つのは、やはり農地改革によって小作農が自作農に変わったというときにおける農家の方の喜びということを私は知らなければならぬと思うのであります。しかも、各国の例にみましても、やはり家族経営を中心として進めているのが事実でございます。従って私どもは、家族経営を中心としつつ、その家族経営についての規模の増大等、その他これに資本装備を持たせる方向に向かって十分考えつつ、必要な場合に、業態により、地方により、これが協業化を希望する農家に対しては協業化を助長していくという考えは、実際に合った行き方で、決して強制的にと申しますか、一律に法人化に持っていくというととは考えておりません。
 第二点でございますが、今後の農村におけるあり方として、高度化する農業経営の大きな着眼点は畜産と果樹にあるのではないか。その畜産に対してあまり今度は、そうは言っても予算も考えてないのじゃないかというお尋ねでありますが、今後における問題としては、当然私は、農業基本法制定の暁に、各品目についての長期見通しを立て、需給の見通しを立てて、それぞれの生産計画に沿って指導していくことが必要でありまして、従って、三十六年におきましても、畜産につきましては特に意を用いて、多頭飼育というものと、場所によりましては協業を奨励して、それを主軸として、それに資本、装備、高度化によって畜産経営の合理化を進めていこうと思います。畜産生産に最も大事な生産地を形成するために、私有牧野改良等について、御承知のように各種の助成金を大きく出して助成をいたそうといたしております。また、果樹の問題につきましては、この国会に果樹農業振興特別措置法案を提出いたしました。これによりまして、合理的果樹園経営の基礎の確立、果樹の流通及び加工の合理化等、それらに対するそれぞれの措置をつけようと思いまするし、農林漁業金融公庫資金を活用して、果樹植栽に要する資金、これはまあ樹園地の創成とか害虫の共同防除施設というようなものについての問題を考えておりますが、さらに新しく御審議を願いまする農業近代化資金融通法案等によりまして、果樹、畜産等に対して資金の融通を考えております。
 その次は、価格の問題でお尋ねであります。ことに主要農産物である米等に対する食糧管理方式を改めて、やめるんじゃないかというようなお尋ねでございます。このたびは大、裸麦等に関しましては、その現実の需要の減退をいたしまする状況等を考えまして、これに対しては転換を考えております。それも将来の問題を考えて、大体三カ年計画で転換をお願いするような法制になりますが、従ってそれらの目標を達しますれば、一応別にこれを恒久的に続けていくという考えはございません。それまでには、その残った部分については、大、裸麦の新規需要、これは戸叶さんもいっか御指摘なさいましたが、これらが新しい方向として、畜産に関する飼料の需給計画の中に一つの新しい方法として考えられないかというようなことも考えております。そういう形が、大、裸麦に関する生産合理化の進歩によりまして生産コスト引き下げというような形ができますれば、おのずからその政策は変わって参ると思います。それから、米に関しましては、重要な農産物であります。所得の大きな源泉であります。ただいまの制度を今日改廃する意思はございません。
 それから次に、農村における青年等の、ことに学卒者が離村するのが多い、これを何とかしてとどめる方法はないのかというようなお尋ねであったと承知します。ごもっともな仰せであります。今日まで、学卒者が年々九十万程度あるようでありますが、最近はとどまる人が二十万前後にまでなって、他は出ていくという格好であります。しかし、私どもは今日、農村の新しい方向として、農業というものを近代化し、その所得が上がるようにし、農業者の生活水準を高めて他と均衡を得せしめる方向を、新しい法制のもとに進めようと思っておるのであります。その形を推進するということによって、農業に対する意欲というものが私は出てくると思う。ことに、私は、そういうことをすることが、今後における農業基本政策、基本法の使命であって、そこに大きく政府は責任を持とうと思う。しかも、一面におきましては、離村して出ていく人に対しても、親切に、希望によって、御承知の通り、農業基本法案の中には職業の訓練とか技術訓練とかいうようなこと、あるいは農業委員会等の活動によって、今日考えられております就職あっぜんの問題等、また雇用事業団等の設立によりまして、労働省当局とも密接な連絡をとりつつ、そのあっせんをする、そういう形をとりつつ、動きつつある農村労働力の移動というものは、これは客観的の事象でありますが、とれについては、私どもは積極的に、親切に世話をしてやることが、これは農村対策でもあり、新しい雇用の機会を得んとする農業者二三男に対する処置であろうとも考えております。
 最後にお尋ねの、社会党の政策が、むしろ雇用の機会を増大して、完全雇用をやって、すべてを救うことが必要だとおっしゃいましたが、私はその通りだと思います。しかし、そのことは農業、農村だけで解決する問題ではございません。池田内閣が大きく所得の倍増計画を立てて、第二次、第三次産業、鉱工業の成長の非常に大きな問題をとらえて、これを高度成長さして助成していこうという大きな一つのねらいは、そういう完全雇用の問題をねらっておるわけでございます。そういう大きく拡大成長する鉱工業方面に農村の流れ出る人口の収容ということも当然考えられるのであります。そのことを、農村の切り捨てとか農家の切り捨てと考えるのは私はいかがなものであろうかと考えます。(拍手)
  〔国務大臣迫水久常君登壇、拍手〕
#27
○国務大臣(迫水久常君) 御質問中、私の所管事項に関しまする事項は、自由化と農業の関係及び所得倍増計画の進行過程における農業就業人口がどう変わるかというような点があったと思いますが、この点につきましては、先ほど総理大臣からきわめて詳細にお答えがございましたので、私、さらにそれ以上つけ加えて申し上げることはございませんので、御了承をお願いいたします。(拍手)
  〔国務大臣水田三喜男君登壇、拍手〕
#28
○国務大臣(水田三喜男君) 農業予算についての御質問がございましたが、本年度の農業関係予算は御承知のように千八百七十二億円でありまして、前年度に比較して四二%、五百五十三億円の増加となっております。従って、その内容も、農政の示す新しい方向に即しまして、農業生産の選択的拡大等の施策には特に十分の配慮を加えたつもりでございまして、農業近代化の促進は、何といっても、予算措置よりも金融措置を特に有効として必要とする問題でございますので、本年新たに農業近代化資金というものを創設しまして、農業の系統資金を三百億円活用する、それに加えて農業関係の金融機関の融資額を大幅に拡大するというような措置をとりましたが、本日の基本法、この趣旨によりまして、ここに示されているいろいろな諸施策についての金融的予算的な措置は、今後政府として十分に配慮することにいたしたいと考えております。(拍手)
   ――――――――――
#29
○議長(松野鶴平君) 東隆君。
  〔東隆君登壇、拍手〕
#30
○東隆君 私は、民主社会党を代表して、ただいま上程されている農業基本法案について、主として政府に対し若干の質問をいたします。
 第一点は、農地法の改正の重点はどこにあるか、農協法の改正の重点はどこにあるかということであります。私は、日本農業が曲りかどに来ており、これに対して農業基本法を制定して日本農業の方向をきめるに際し、農地法の改正と農協法の改正が基本になると考えるからであります。しかし、この両法案の提出はなぜかおくれましたが、これは農業基本法案と一括上程さるべきものと思ったからであります。現行の農地法は、自作農主義という小農維持政策を一歩も出ておりません。経営規模の拡大ということは、農地法と農協法の大改正によって初めて実現するものであると考えます。政府の言うがごとく、家族農業に基盤を置いて、在来の通り小農の育成維持に努めるならば、経営規模の拡大の諸施策は、事ごとに壁にぶつかってしまうはずであります。
  〔議長退席、副議長着席〕
これは、現在の農業、すなわち自作農主義の小作農維持政策の「から」を破るものではありません。また、自立農業になるためには、経営面積も拡張する必要があると同時に、協同の組織を活用して、農地の集団化、資本の受け入れ態勢の確立、労働力の提供等、経営規模の拡大が必要であります。これらは家族農業経営の基盤をゆるがすものであります。まさに、経営規模の拡大ということは、家族農業経営以上のものを目ざしているはずであります。また、これなくしては、農業と他産業との格差をなくすることはできないはずであります。政府は自作農主義という小農維持政策の農地法をいかに改正して善処されようとしておるか。また、協同化を進めることにも消極的に見えるが、本法所期の目的を達するためにいかように農協法を改正するつもりであるか。この二点につき、まず明らかにされたいのであります。
 第二点は、経営規模の拡大のために、農地の開発を積極的に進めるべきではないかということであります。この点については、政府は、貿易の自由化、数年来の米の豊作、食管会計の赤字等に懸念されて、農耕地の造成にきわめて消極的であります。このよって来たるところをたずねるのに、総合企画官庁である経済企画庁に出発しているようであります。すなわち、農業基本法を樹立するにあたり、政府、与党の主張は、所得倍増計画に関連して、米の消費増の見通しを停滞的に観測をされていることであります。しかし、現在の国民の低所得水準からは、米の消費の増大面も考えられるのであって、人口増と相待って、米の消費の絶対量は減少するとは考えられません。従って、経済企画庁長官は、この際、需要の停滞的観測をした計算の根拠を明らかにされたいのであります。すでに、主食である米の主産地は、新潟を含む東北、北海道に移行しつつあるのであります。日本の西南地方の米作は減少の一途をたどっているのであります。この一事から考えても、一毛作地帯の経営規模の拡大は、まず面積の拡大に重点を置き、積極的開発を要するのであります。この間の事情を農林大臣は十分御承知であろうと思いますので、この際、企画庁の笛吹きにおどって、大蔵省が得たりかしこしと、農地の造成についての予算要求に斧鉞を加えているのではないかと考えられますので、この間の事情を、企画庁長官、大蔵大臣、農林大臣から明らかにされたいのであります。
 第三点の質問は、政府は協同化についてきわめて消極的に見えますが、日本農業の進展をするためには、これ以上の妙手はないと思うのであります。自主的な協同組合の組織は、コルホーズとは完全に違うのであって、これをはばむ思想の方が危険思想であります。政府は、この際、農業協同組合の自主的統制を強化するために、農業協同組合法第十九条の二項のただし書きを削除する意思はありませんか。これは占領下における農協法制定の際の遺物であって、戦後十五年、日本は農業基本法を制定して、農業の飛躍的発展を期待しているのであるから、農業協同組合の武器である自主的統制を強化するため、専属利用をして最も効果あらしむるように、この際、法改正をすべきであると考えますので、協同化に対する政府の所信にあわせて、このことについてお伺いをいたします。
 質問の第四点は、農業経営のにない手である青年の離村の傾向をいかにして食いとめるかということであります。日本農業は、婦人と老人によって営まれているといわれております。経営規模を拡大して青年に希望を持たせるにしても、基本になるのは青年の教育だと私は考えます。従来のようなやり方では、農村に残る者は、伝統の農業を続けるほかに手はないと思います。農村のインテリが、お医者さんと、坊さんと、神主さんと、巡査と、学校の先生では、農業の発展はないと思うのであります。この際、農村にとどまる者は、長男とは限りませんが、長男教育について、農林省も文部省も真剣に考うべきときに到達していると思うのであります。在来の方法では問題にならぬと思うので、いかなる方法、いかなる手段によって、長男教育をし、農業経営の優秀なにない手にするか、農林、文部の両相から抱負並びに所見を伺いたいのであります。
 第五点は、他産業に転ずる者に対して、国はいかなる方途を講ずるかということで、これは特に総理からお考えを願いたいのであります。首相は、別の機会に、都市工場等において、あるいは第三次産業において、十分に受け入れ得る余地があると楽観されているようなお話をされているのであります。しかし、不況になっても農村に再び帰ってこぬように、転業する者に対する徹底した産業教育を、この際、国においてなし、安定した生活をせしむる必要があると思います。手放しで首相の楽観論によって、農村の者は、自分たちの近親の者を、都市工場鉱山等に送り出すことはできないと思います。転業者の受け入れ側における態勢を早急に確立するには、各省の協力が必要だろうと思います。従って、これらについて総理の所信をお伺いをいたします。
 第六点は、農林大臣に伺うのでありますが、政府の言う農業生産の選択的拡大ということは、国の責任を農業者に転嫁することであって、冷酷なやり方だといわなければなりません。過剰生産による価格安その他も農家は泣き寝入りをするよりほかに道はございません。
  〔副議長退席、議長着席〕
われわれは、農業団体をして自主的な調整を、生産より流通に至るまでさせるにあらざれば、農業従事者の所得は常に危険にさらされていると考えます。この際、農業協同組合等の団体をして、生産から出荷まで自主統制をし、計画的拡大生産を進める考えに切りかえるべきであろうと考えますが、選択的拡大がいわゆる倍増にいかように善転するのか、農林大臣から明らかにされたいのであります。
 第七点は、農産物の価格支持政策をわれわれは前面に出すべきであるという主張を持っております。政府の価格決定の底流をなすものは需給均衡であります。また、貿易の自由化を前提として作物の選択的拡大生産を主張されているのでありますが、これは価格変動について政府が責任を持たぬということになりそうであります。この際、生産費補償方式による価格決定をするとともに、主、要な農産物については、政府の買い入れ売り渡しをなすべきであると考えますが、政府はなぜ需給均衡というようなからくりによって農家の所得を不安定なものにするのか。農林大臣、大蔵大臣、両相から真意をお聞きしたいのであります。
 第八は、農産物の市場をいかに整備されるかということで、農相から所信を承りたいのであります。農産物の生産農家の手取りは末端の消費者価格に比して驚くべき開きがあります。この姿を続ける限り、農業者の所得の格差はいよいよ大きくなると見なければなりません。われわれは、産地の生産市場は協同組合の組織にやらせるべきであるし、中小都市の市場については、農業従事者の団体が市場経営に参加すべきであると主張いたします。また、中央卸売市場はもっと公営化を強化する必要があるし、小売市場は農業従事者の団体と消費者団体の連携を促進し、モデル市場を作ることを主張いたしております。農産物の市場をいかに整備されるか、この際、政府の所見をお尋ねいたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
  〔国務大臣池田勇人君登壇、拍手〕
#31
○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。
 農業基本法の制定に伴いまして、農地法あるいは農業協同組合法、こういう法律の改正をもくろんでおるのであります。近日提案を申し上げたいと思います。
 なお、農耕地の造成を何もおろそかにしておるわけではありません。われわれは、農産物の増産の上からこの点は従来通り考えておるのであります。
 御質問の、他産業に転ずる者に対して適当な措置を講ぜよ。――これは農業近代化の一つの条件でございます。農業から非農業に労働移動する場合に、これが円滑に行なわれるかどうか、いい条件を作り出すかということが農業の近代化に必要なことでございますので、われわれといたしましては、工場の地方分散とか、あるいは交通道路の整備とか、あるいは職業紹介、職業教育、こういう各方面の点から他産業へ円滑に移るように措置いたしたいと考えております。(拍手)
  〔国務大臣周東英雄君登壇、拍手〕
#32
○国務大臣(周東英雄君) お答えをいたします。
 第一点は、政府の考えておりまする農業基本法では小農経営を維持していくのじゃないか、すなわち家族経営というものを中心として考えることは小農経営以外の何ものでもないというようなお話でございますが、家族経営、しかも自立し得る農家を形成し育成していきたいというようなことは、従来のような小農経営をそのまま認めるというような趣旨ではございません。これらに対しまして、私が先ほど申しました日本の農村の実情、また、農家の意欲というものから考えまして、やはり家族経営を中心とした形を原則として、その家族経営に対して、機械化あるいは技術の改善指導、また、その持つ農業生産基盤の拡大をはかっていくということでありまして、これは別に従来のような形の小農をそのまま残す意思ではございませんから、御了承を願っておきたいと思います。
 次に、農業協同組合をしっかりと活用することはどうか。ことに協業の問題について消極的であるが、積極的に協業を進める手段として農協をしっかりと使ったらどうかというお尋ねでございます。それに関連して、協同組合法第十九条第二項の削除ですか、ただし書きをつけるというようなことはどうかというようなお尋ねでございます。私どもは、ただいま申しましたように、この協業とかいうことは、近代化あるいは技術の改善高度化ということに関連して必要になってくる部面が相当あると思うのです。それらに対しましては、先ほども申しましたように、やはり農家の自主的な意思に沿って、希望のあるところ、ないし希望のある業態、また、全部協業必ずしも適当でない場合には、一部協業という場合が起こるでしょうから、そういうことは助長していくつもりでございます。その際において農業協同組合法を改正して、その中に農業生産組合といいますか、農業生産法人のできることを規定するつもりでおります。
 さらに十九条二項の問題でございますが、これはおそらく、専属利用契約を結ぶことをもし組合員が拒んだ場合は、組合員に対しては、組合員の利益の享受をとめるというようなことを除いて、例外的にこれを救っていく規定だと思うのです。これはむしろ私は、こういうことをやめさしてもらって、一本に農業協同組合を使うようにせいと、こういうことらしい、お尋ねはそうだと思うのですが、これはやはり、あまりに人権といいますか、そういうものを阻害することになるのじゃないか。東さんのお尋ねとしますと、ちょっと奇異に感じたのですが、むしろ農業協同組合は、組合員の自由意思によって設立され、これを利用するということ、全面利用というようなことは、組合精神の指導涵養に基づいて全面利用するということに持っていくべきであって、法制上これを全面利用をしなければいかぬのだ、それを拒んだ場合においては組合員としての待遇をやめるというようなことは、私はかえっておかしいのじゃないか、こう思っております。
 それから、ただいまのお話では、選択的拡大は、国の責任を農業者に押しつけるのではないかというお話ですが、それは非常に違うのでありまして、私ども選択的拡大というのは、将来の需要の見通しの上に立って、需要のあるものを、売れるものを選択して作らしていこうという指導をしていくわけであります。これはあくまでも農業者の自主的立場に立って考えていきたいと思うのでありますが、その見通しについての指導、目標を与えることを政府は考えていってよろしい、こういうふうに考えております。従って、また、それに関連いたしまして、選択的拡大なんかやるよりは、農協が初め生産計画を立てて生産をし、また、出荷調整をしていく方がいいんじゃないか。――これは大賛成です。一体、農業協同組合が今日までぐずぐずそういうことに手を出さなかったのが私はおくれていると思う。農業協同組合は、弱い農業者の団結によって生産調整をし、出荷調整をし、有利に生産物を販売するということでなければならぬ。それが本来の使命だと思う。ただ、生産調整というものは強権を用いるわけにいきません。しかし、およそ青果物については、東京市場、大阪市場で、どこの府県から何を出しているかというととは、一年の統計を見ればわかる。私は、そういうものの統計を利用し、年々増加する伸び率というものを考えつつ、出荷関係県というものが縦に連絡して、農業協同組合を主体として、およそ豊産の調整、自己調整して、そうして出荷調整していくということは当然の使命であり、その点に関しては、私どもは積極的に助成してやるつもりでありますから、お話の点は、むしろ農業協同組合がやるべきことをやっていない、こういうふうに思うのであります。私は、むしろこれを積極的に今度はやっていただきたいし、各方面について必要な助成の措置を講ずるつもりでございます。
 それから、農村青年の離村対策を考えねばいけないじゃないかというお話、この点は先ほどもお答えいたしましたように、今日までのような状態でございますると、農村から出ていくという、放棄するという人も出てきましょう。ただ、そちらへ出て行く方が、常に農村をきらって出ていくということでなくて、先ほど申しましたように、鉱工業その他の大きな成長を控えて、各方面に向かって職を求めて出るということは、必ずしも私は悪い面ばかりではないと思う。ただその結果、農村にしっかりした青年がとどまらないということに対して御心配の点は、同感でございます。しかし、先ほど申しましたように、学卒者におきましても今日まで二十万程度にとどまっておるし、さらに農業研究青年の研究団とか、あるいは4Hクラブというようないろいろな青年団がすでに全国に百万もありまして、それらはしっかりした今後の農村をねらっていこうという気魄を見せております。そういうような形のもとに、政府は新しい農業基本法を作って、今後の農村農業というものをよりよいものに育てていく、そこに農村の青年の魅力を持ってもらって、そうして今後進めていきたい、こういうように考えております。
 最後の質問は、農業者が市場に参加したらどうかというようなことであります。農業者は、お話の通り、売り手として必ずしも有利な立場にないということはお話の通りであります。従って、私どもは、今日は取引の円滑をはかるために、卸売市場とか枝肉市場等の市場施設に対する整備という点についてやることはもちろんやって参りまするし、また農産物市場に対し、また水産物市場に対し、市場の通報機関というものを置かせて、市場における情報をしっかり把握して、これを関係農村に知らせて出荷調整をさせることが必要であろうと思います。同時に、そのことは、あなたの先ほどお話になった農業協同組合にしっかりした力を養成して、市場の調査、あるいはそれに対し出荷調整をするというような力を養っていくことが必要であろう、かように考えております。(拍手)
  〔国務大臣迫水久常君登壇、拍手〕
#33
○国務大臣(迫水久常君) 国民所得倍増計画におきましては、米と麦の需要を目標年次において推計をいたしておりますが、その方法は、国民一人当たりの所得の成長率と所得の弾性値を使いまして計算をいたしております。それによりますと、米の消費量は大して変わりませんが、小麦は約一割減ります。大麦及び裸麦は約八割の需要の減少がある。これは食糧としてであります。ただ、大麦、裸麦につきましては、畜産の飼料としての需要は急激に増加するものと見込まれますので、結局、人口の増加を計算に入れますと、総需要におきましては、米では約一割の増、麦は三麦合計でおおむね一割程度の減を見込んでおる次第でございます。しかし、これは所得倍増計画ではこういうように見込んでおりますが、この点につきましては、ただいま御審議中の農業基本法の第八条によりまして、需給の長期の見通しを立てることになっておりますので、その作成に際しましては、さらに十分検討をいたしてみたいと存じております。(拍手)
  〔国務大臣水田三喜男君登壇、拍
  手〕
#34
○国務大臣(水田三喜男君) お答えいたします。
 第一の御質問でございますが、農業基盤の整備費は、本年度は昨年度の予算より約二割を増加いたしまして、四百六十三億円を計上した次第でございまして、農地開発に特に消極的であるというととはございません。
 それから、価格支持制度の問題でございますが、現在各種農産物約七〇%にわたってこの価格支持制度がとられておりますが、いずれも生産費のほかに、需給事情その他経済事情を参酌してきめることになっておりますが、結局、市場を流通する品物の値段について合理的な水準をきめようという問題でございますから、ただ生産費だけではなくて、国内の需要供給の関係そのほかの事情を参酌してきめるということは、きわめて妥当なきめ方であろうと考えております。(拍手)
  〔国務大臣荒木萬壽夫君登壇、拍
  手〕
#35
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。
 私に対する御質問は、農村の青年が都会地へ逃げていく傾向にあるが、その点が懸念される、どうするんだというお尋ねかと思います。この点につきましては、すでに農林大臣から答えましたように、何と申しましても青年が農村に居つきたいという魅力がなければ、何としてもとどめ得ないと思うのであります。それは結局も農業に従事しておって、他の産業におると同様の幸福な生活が送れるという経済的な条件の改善、さらにはまた、農村の環境が文化的に一応青年の魅力をつなぎとめ得る状態がなければいけないと思いますが、そうするための農業基本法でもあろうかと思います。特に、これを教育の面についてどういう対策を考えるかということになると思いますが、基本的には、農業基本法にかかわらず、一般的に世界の風潮でもありますし、また日本の置かれた立場におきましても必要であるところの、科学技術教育の振興は、小中学校におきましても力を入れていくべきもの、それを通じて、子供心にも近代農業がいかにあるべきかという、漠然たる常識でもけっこうですから与えねばなるまいと思うのであります。さらに高等学校におきましては、特に農業高校において、今までの教育内容では、今後の農村に負荷ざれる近代化ないしは合理化というものに必ずしも応じ擬ないだろうと思われましたので、すでにこの農村基本法以前の問題として、新しい教育課程ないしは教科内容が検討されまして、従来よりも、もっと近代的な教育を施そう、たとえば農芸化学の問題にいたしましても、あるいは農産物の加工工業に関する問題にいたしましても、農業土木等についても、十分に今後の農村に期待し得るような教科を進めていこうということに相なっておるわけでありまして、なお、これは全日制の高校のみならず、定時制ないしは通信教育、特にテレビを通ずる通信教育につきましても、そのことを盛り込んでいこうといたしておる次第でございます。なお、社会教育の面につきましても、従来、青年学級あるいは公民館活動を通じての、青年に対するいわば教養の面で自信を持ってもらうための努力をすべきものと心得ております。(拍手)
   ――――――――――
#36
○議長(松野鶴平君) 千田正君。
  〔千田正君登壇、拍手〕
#37
○千田正君 私はただいま趣旨説明の行なわれました政府提出並びに社会党提出の農業基本法案に対し、主として政府提出案に対し、若干の質問を行ないたいと思う次第であります。
 明治以降の日本農業の歴史において、終戦後の農地改革を一つの曲がりかどとするならば、今盛んに言われつつある日本農業の曲がりかどなるものは、一つには、農地改革を起点とする農業政策の延長線上にあり、二つには、農業生産性の頭打ち、農業所得の減退という事態の解決を内容とするものと考えられるのであります。その限りにおきましては、まことに画期的意義を持つ法案ではありますが、その内容がはたしてそれにふさわしい価値があるかいなかは、これまた多くの議論の分かるるところであります。今かりに、政府側の説明及び多くの論者の指摘するところを聞けば、かつての日本農業の生産力を衰退せしめた最も大きな阻害要因であった寄生地主制は、農地改革によって田畑に関する限り打破され、さらに第二次農地改革によって自作農主義が確立せられて、わが国の農業は、昭和二十五年より二十七年度における指数を一〇〇としてみた場合に、三十三年度現在で年率三・五%の成長を示しておるのであります。すなわち、それは解放された勤労農民の生産意欲を向上せしめ、その限りにおいての生産性向上となり、零細農耕制はゆるがなかったとはいえ、米麦を中心とする政府の食糧増産対策費や現在の農業基盤整備費といったような諸制度に支えられつつ、価格支持政策のもとに発展し、ついには、所得倍増計画のもとに、米について見ても、昭和四十四年度における需要量千三百万トンという政府の見込みに対し、昭和三十五年度生産で千二百八十六万トンという目標年次の量に接近するほどになり、かくて相対的過剰生産の危険が云々され始めることとなったのであります。しかも零細農耕制は依然として改善されることなく、ついに土地生産性の減少を招き、消費水準も、昭和三十年を基準として、都市では一七%の上昇であるのに比べ、農村ではわずか八%の上昇にとどまっているごとき所得の格差を増大せしめたのであります。しかして、この現状を打破する活路としては、生産品目の転換と、その商業的農業の競争にたえられる農家経営の育成という構造改善によって、農業所得の増大をはかろうとするもののごとくであります。しかしながら、現在いわれている農業所得の増大といい、農家経営の改善というも、結局は、日本における農業体系にメスを入れ、独自の観点から日本農業の再編成を行なおうとする経済成長政策の側からする投影であるとしか考えられず、いささか疑問なきを得ないのであります。しかし、成長政策及びそれと農業との関連については、この際それに触れることを避け、むしろ日本経済との関連に留意しつつ農業に内在する問題点をえぐり出し、そこから農業のあるべき方向を見出し、現実的な改革を行なっていくという方法論こそ、現在最も必要なものであると考えるものでありまして、第一に、この観点よりしまして法案の内容性格を見るに、農業近代化を急ぐあまり、米麦生産中心、農民の土地緊縛性、未開墾農地、社会保障の不完全等々の特殊性ある問題を素通りしていると思われるのでありますが、まずこの点について池田総理大臣の御所見を承りたいのであります。
 第二にお尋ねいたしたい点は、将来の農業基本計画をいずれに置くのか、法案には少しも明示されていないという点についてであります。この法案の第一条及び第二条において、政策の目標と施策の項目が規定されておりますが、自作農主義の堅持、自立的家族経営の育成といっても、今日のように経済の規模が国際的に拡大し、経済事情が激しく変動しているときに、すべての農家が抱く苦悩は、いかなる生産と経営を行なえば自立の目的を達することができるかという問題であります。政府は、育成の規模として、粗収入では百万円、耕地面積では府県平均二・五ヘクタール、北海道では十ヘクタール、家族就労者三人程度を想定しているようでありまするが、この程度で、はたして所期の目的を達成し得るかいなか疑わしい点であります。この疑問にこたえるものは、政府において長期にわたる明確な基本的農業計画を作成し、農業の進むべき道を示すとともに、政府の政策と責任を明らかにしていくこと、これが基本法の骨子であると考えられるのでありますが、聞くところによりますると、法案作成の過程において農林大臣は、地域別に経営類型を定めなければならないことになっておったようでありますのが、法案においてはそれさえも削除して、ただお題目を並べ立てているにすぎないことは、まことに了解に苦しむ点であります。これでは、農業近代化、農業所得増大といってみましても、結局は、異常なほど高い経済成長のもとにおいて、農業就業人口が他の産業に流出減少することによってもたらされるであろう結果を、みずから勝手に想定したものにすぎないものであります。政府は何ゆえに、法律の規定で長期の基本的農業計画を明らかにすることをあえて避けようとされるのか、この点につきまして、その理由をはっきりと池田総理大臣からお伺いいたしたいのであります。
 第三にお尋ねいたしたい点は、農業就業人口の動態についてであります。政府はその所得倍増計画の中で、農業就業人口について、昭和三十一年から三十三年の三年間平均に比較して約四、五百万人、約四〇%の減少を予想しております。しかし、一方で農家戸数については、専業は半減して約百万戸程度となり、兼業が増加することによって、農家総戸数は約一〇%が減少するように見込まれているのであります。とにかく現実の問題では、多くの農村ではすでに現在農業の働き手を失い、さらに将来の農業のにない手を失いつつあるのでありまして、この結果、農村によっては非常な手不足を来たし、農業労賃の高騰に悩み、また就業者の老齢化及び質の低下が指摘されているのであります。たとえば農林省経済局統計調査部が、昭和三十四年度農林漁家就業動向調査結果中間集計概要として過般発表したところによりますると、世帯員数の流出超過分は六十二万人で、前年度に比べて六万人を上回り、社会的移動のうち、世帯の転出増加に伴う純減少は前年度に比べて約三万人多く、年令別に見ると、新規学卒者が大部分と見られる十九才未満の若年層の流出が大半を占め、前年度に比べて、流出増加率は、十九才以下の四・九%に対し、二十才以上の青年層が一五・二%の大きい伸び率を示し、世帯の地位別に見ましても三、三男その他の流出であることは、ほとんど変わりはないのでありますが、前年度に対する増加率は、二、三男その他の七%に対し、経営主、跡取りといった基幹労働力がそれを上回る一〇%を示しているものであります。さらに農家の兼業化傾向を示すものとして、在宅者の移動のうち、新しく勤務についた者の数は二十三万人となり、前年度の十五万人と比べ著しく増加し、性別、律令別に見ると、男子の増加率が高く、とりわけ二十才以上の青年層が約一〇三%の高い増加率を見せ、しかも、この場合、経営主、跡取りの賃金労働者化も相当見られ、前年度に対する増加率は、二、三男その他の四八%に比べて約九〇%という高い比率を示しだとしております。政府は、農業近代化の基調を経済成長下における農業就業人口の転職に求め、これを促し、手放しで楽観しているようであり、一方、成長産業は、みずからの労働力不足を、低賃金でかかる農業就業者の転職に求め、ここに農業就業人口の動態に見るがごとき重大な問題を、ことさらに等閑視しているのではないかと危惧するものであります。
 法案は、その第二条第一項第七号において、「近代的な農業経営を担当するのにふさわしい者の養成及び確保を図り、あわせて農業従事者及びその家族がその希望及び能力に従って適当な職業に就くことができるようにすること」を規定しているのでありますが、しかるに、現実は、前に述べましたように、むしろその反対に進行しているのであって、農業経営を担当するにふさわしい者がどんどん農業から離れ、かわって、しからざる者が農業を担当しつつあるのが現実であります。農業発展のためゆるがせにできないかかる事情についての御所見及び今後の具体的方策等について、特に農林大臣の明白なお答えをいただきたいと思うのであります。
 次に、第四といたしましては、作付転換の問題についてお尋ねいたします。この問題は、法案が、ややもすれば抽象的な言葉の羅列に終わっている中で、ただ一つ、今後の農業生産の指導のあり方と、生産品目の内容に触れている、最も大切な問題であります。すなわち、法案第二条第一項第一号において、「需要が減少する農産物の生産の転換」について規定されております。最近、大麦、裸麦の需要減退と政府手持ち量の増大に対処して、政府は、来年度から三カ年間に、大麦、裸麦の作付面積二十五、六万ヘクタールの転換をはかることとし、さしあたり、来年度は十二万ヘクタールを、小麦四万ヘクタール、菜種三万ヘクタール、テンサイ五千ヘクタール、飼料作物二方ヘクタール、果樹その他に二万五千ヘクタールに転換することを計画しているもののごとくであります。しかし、内地小麦はその需要面から、菜種は大豆輸入自由化とのかね合いから、テンサイは技術面から、飼料作物は家畜導入等の面から、その実施について幾多の困難性が懸念され、転換が現在のところ、政府の一方的計画としてとどまっていることと相待ちまして、はたして、農村がスムーズにこれを受け入れるかいなか、非常に疑問視するものであります。加えて、より大きな問題は米の作付転換についてであります。この問題は、主として米麦中心主義のもとにおける過剰生産傾向という点からのみ取り上げられ、土地生産性と米麦の関係、米食の習慣等々の要因はすべて除去されまして、その上、具体的には、新聞の報道によりますというと、農林当局が米の作付転換に乗り出し、その対策の検討を始めることになったと伝えているのであります。わが国においては、米作面積は三百三十万町余、総耕地面積の六割に近く、生産額は年間八千億円、全農業生産額の半ば以上を占め、米作農家は五百三十三万世帯、関係する農家人口約三千二百万人と推定され、米作の行き詰まり、作付転換による影響は実に深刻なものがあるのであります。今日、基本法案の審議がすでに開始されているという現段階にありまして、全農業生産のうちで最も大きな比重を占める米作問題の推移が何ら明らかにされないままに、商品経済としての農業への脱皮と成長が説かれるということは、先ほど申し上げましたように、本法案にとって最重要な長期的基本的農業計画の設定が欠如している事実と相関連して考えた場合、具体的に池田内閣の農政の根本は一体何であるのか、すこぶる了解に苦しむところであります。米麦の過剰生産が現実の問題として登場し、農家経済の破綻を招来する前に、少なくとも、今日の大麦、裸麦の場合のように、事態が切迫してから買い入れを制限して、いやおうなしに転換に追い込むような方法を用いるべきでないことはもちろん、生産費及び所得補償方式による米価の支持及び米作の今後の見通しについて、具体的措置など、農林大臣の確信あるお答えを伺いたいのであります。
 最後に、今次二法案の重大性にかんがみ、政府は、いたずらに自説を固執することなく、審議の過程において野党及び各方面の主張を聞き、もって百年の大計を立てられんことを要望いたしまして、私の質問を終わらしていただく次第であります。(拍手)
  〔国務大臣池田勇人君登壇、拍手〕
#38
○国務大臣(池田勇人君) お答えいたします。
 農業基本法は、高度経済成長下におきまする農業近代化を方向づける基本法制でございまして、具体的問題につきましては、別個の法案あるいは予算措置によりまして対処する考えでございます。
 なお、農産物の需要と生産の長期見通し等につきましては、ごらんの通り、第八条に、政府がこれを定めることにいたしております。また、事情の変更があった場合にはこれを改定する等、いろいろな点を規定いたしておるのであります。(拍手)
  〔国務大臣周東英雄君登壇、拍手〕
#39
○国務大臣(周東英雄君) お答えをいたします。
 農村のしっかりした中堅のところがだんだん離村していくということについて、大へんな御心配であります。まあ、私どももその点は非常に心配しておるところでありますが、ただ心配だけしておるというのではなくて、現実は、必ずしも私は悲観していない。なるほど、今日までの状況におきましては、離村の状況も、ただいま御指摘のように学卒者が大体九十万人おる。その大体半分くらい外に出て、半分くらい農村に残るのが常態でありましたが、最近は、九十万人のうち七十万人くらい出て、二十万人くらいが残るという状態でございますので、ひとしお御心配の点ごもっともだと思いますが、私どもは、それであればこそ、今後における農業というものが、もうかる農業という形に持っていかなければならぬのだ。それには、との需給の状況を考えて、将来需要の伸びるもの、これは内需あるいは輸出ともに考えて、そういう作付に転換させることが必要であるし、また、輸入しておる農産物を国産化するということによって、国内における生産を高めていくというような方向に持っていきつつ、しかも、農業構造におきましては、かなり従来の農業構造というものが、過剰の人口が擁されておった。これは、私は過去においてはやむを得ざる事情であって、悪くはなかったのだと思うのですけれども、、本来、各人の所得を上げるについては、農業の生産性、農業就業人口の一人当たりの生産性を高めるということが問題であると思うのです。しかし、それは従来とも、過剰労働によって、人間の労働価値を考えずに、多数の人間によって生産することがいいとは思っておらなかった。しかし、それらの人間をどこへ雇用の機会を与えるかということができない間に近代化、機械化ということも問題であったと思う。そういうことが現実にあって今日の事態になったと思いますが、日本もまた、諸外国と同様に、ここ数年来の状況は、大きく他産業、第二次、第三次が伸びてきた。その方においては当然労働力が必要である。そこへ私は、農村から労働力が出ていくということは、必ずしも悪い意味においての出るというのではなくて、これは、先ほども申し上げましたように、農業というものの発展、その所得を増大するのは、全体の産業というものの中の一つとして大きく考えていくべきであろう。その機会は今きておるのではないか、これを見のがしてはならぬと、こういうふうに思うわけであります。そういう意味合いにおきまして、高度成長する他産業の伸びに応じつつ農村の近代化を行なって、農業所得というものがもっと大きく伸びるというような形をとりつつ、農村青年が農業に魅力を持つという方向に持っていくことが必要であろうと、私は考えておるのであります。
 第二のお尋ねでありますが、重要生産物の米について、何か生産を減らすようなことが新聞に出ているが――というお話ですが、この御心配ごもっともです。そういうことは考えていません。十年後における米の需要量というものも今日よりさらに伸びていくわけであります。問題は、常に需要の伸びているものを、土地を効率的に使って、その必要とする増産量をあげていくという格好に持っていくことが、今後の農業の合理化、近代化であろう。それで、土地は最も有効に利用しつつそれが伸びていく、生産量を増加していくようにし、その余った土地はさらに収入のあがる農産物を作るという形態に指導していくということでなければならぬ。私は、ただ単に土地を減らすとか土地をふやすということだけで米の生産がどうなるということを心配するには及ばぬと思う。私は、今後十年後におきましても、米の生産は上げても需要は伸びていく、これに必要な生産は続けていかなければならぬと思いますし、そういった観点に立っての問題にからみまして、ただいまのところ米の価格というものに対しては支持価格制度を続けていくつもりでおります。(拍手)
#40
○議長(松野鶴平君) 森八三一君。
  〔森八三一君登壇、拍手〕
#41
○森八三一君 私は、両提案者がその趣旨の説明に際しましてお述べになっています、日本の農業、農民が、経済の成長発展なり国民生活の向上安定なりに非常に大きな役割を果たし、貢献をしてきた、その農民が、他の産業に従事をしております諸君と比べて所得が非常に低い、しかもその低い所得格差というものが年とともに拡大をしてきておる、このことは放置のできない、すみやかに解決をされなければならぬ、是正をされなければならぬ当面の政治最大の課題であるというように指摘されておりまする点については、全く同感であります。であればこそ、私どもは今日まで長い間、この問題をとらえまして、一刻も早く具体的な抜本的な対策がとられなければならぬということを主張し、政府の善処も求めて参ったわけであります。ときには、その具体的な提案といたしまして、農業上の憲法ともいうべき基本法の制定をやるべきである、ただ法律を作るだけではいけませんので、その法律の運営にあたりましては、政府が十分責任を持つようなことを明確にいたさなければならぬということを主張し続けて参ったのであります。ここに多年の要望でありました農業基本法が草案せられまして、この国会に審議を求められるということになりましたことにつきましては、時間的に多少おくれたという感じがないわけではありませんけれども、その労を多とするのにやぶさかではございません。問題はきわめて重要なことでありますので、この法律の審議につきましては、慎重の上にも慎重を期しまして、あとで悔いの残りませんようなしっかりしたものを作るということにいたさなければならぬわけでございまするので、法案の各条章について詳しくお尋ねをいたしたいのでありまするが、きょうは時間の制約もございまするので、そうは参りません。私は、以下政府の提案されておりまする原案のうち、重要であると思いまする数点についてお尋ねをいたしたいと思います。
 まず最初に、この法案の基本的な意義を明らかにいたしておりまする第一条であります。この第一条で政策目標が示されております。結果的には同じようになるかとも思いまするが、この規定から受けまする感じがきわめて消極的であるように思われますることが、非常に残念であり、遺憾であります。こういうような表現では多数の農民諸君の期待に沿わないのではないかというような感じを持つのであります。すなわち、「国民経済の成長発展及び社会生活の進歩向上に即応し、」即応して、「農業の発展と農業従事者の地位の向上を図る、」こういうように規定されておる。字句の問題でありまして、小さな問題であるというように思われるかもしれませんが、このことが本法の運用をめぐりまして、積極的に農民の意欲をかき立てていかなければならぬことでございますので、私はきわめて重要なものであろうと考えるのであります。今申し上げまするように、「即応し」というこの言葉から受けまする感じは、常に農民は一般経済や国民生活の発展向上に追随をする、それを追っかけていくと、こういうような感じを受けるのであります。これでは農民の積極的な意欲をかき立てるということにはほど遠いのではないか。そこで私は、「国民経済の成長発展及び社会生活の進歩向上に寄与する」というような規定を設けるべきではないか。字句の問題だといえばそれっきりでございますが、ここが一番重要な目的、意義を宣明しておるところでございますので、その点につきまして総理大臣はいかようにお考えになりまするかを、まずもってお伺いをいたします。
 その次に、本法の制定にあたりまして、農業者の最も大きな期待をかけて注目をいたしておりまする点は、長期にわたって安心して近代化、合理化等に取り組んでいくことのできる政府の財政的な措置であろうと思うのであります。ともいたしますると、今日までの経過の中におきましては、その年の国家財政の都合で約束されておる財政措置が変更されまして、いろいろの迷惑をこうむった苦い経験を持っているのであります。そこで第四条には、「必要な法制上及び財政上の措置を講じなければならない。」、こういう規定がございまするから、一応抽象的ではありまするが、政府の責任を明確にされておると思います。が、しかし、先刻申し上げまするように、今日までの経過の過程におきまして、いろいろの苦難をなめました農民は、抽象的な規定だけでは、なかなか満足、納得をいたしませんので、さらに一歩を進めて、「必要な金額を予算に計上しなければならない」というように、はっきり規定をいたしますれば、そういうような心配も誤解も解けると思いまするし、十二月の初旬に農林事務当局の案として発表されましたものにはそういうように規定をされておったように思うのであります。これがいよいよ提案される段階になりますると、今申し上げましたように、きわめて抽象的な文句に変わってきておる。これでは遺憾だと思いまするが、総理はいかようにお考えでございましょうか。私の申し上げましたような趣旨通りにこの抽象的な字句は解すべきであるということでございましたならば、それでもけっこうとも思いまするが、いかがでございましょうか。お伺いをいたします。
 次に、農林大臣に以下四点についてお尋ねをいたします。
 第一に、本法の目標を達成するための政策については、第二条に項を分けて、相当具体的に規定をされておるのであります。それらの個々の点につきましては理解し得るのでありますが、これらの政策の基本となるべきものが欠けているのではないかと思うのであります。近ごろややともすると、外国農産物に依存するがごとき風潮を見るのであります。農民を常に不安におののかせておると存じます。そこで、政策の総合的な大前提として、農産物の国内自給度の向上確保をやるということを明確に打ち出すべきではないかと思います。第二条には、農産物の生産の増大をはかるというような表現はございまするが、必ずしも私の申し上げまするような趣旨に受け取れません。農産物の国内自給度の向上確保をはかるということを基本的な態度として打ち出しまして、そこから、ここに示されておりますようなさまざまな具体的な政策が導き出されてくるというような表現をいたしますることが、本法の趣旨を達成するためにきわめて重要な要諦であろうと思いまするが、いかがお考えでございましょうか。
 次に、農民の最も心配しておりますことは、今日までの貴重な体験から、豊作貧乏の再現であります。最も皮肉なことは、政府や県の奨励の逆をやれということであります。そこで、本法は、国が長期経済観測に基づいて計画的な指導奨励を行なうことになっておるわけでありまするから、かような不測の不利益を招来することを避け得ることになるとは思いまするが、農民の脳裏に深く浸透しておりますものは、一朝一夕に払拭することは困難であろうと存じます。もちろん、先刻農林大臣から御答弁のありましたように、農民の自主的な協同組織によって、これらの不利に対処しなければならぬことは申すまでもありませんが、政府もまた万全の対策を講ずべきであると思います。そこで本法第十一条には、価格安定について必要な施策を講ずることになっているのでありまするが、その場合の具体的な条件として、生産事情、需給事情、一般経済事情を参酌して安定価格を定めることになっているのでありますが、これでは、第一条に明示した農民所得を他産業と均衡せしむるという目的を達成することにはならぬのではないかと存じます。どこまでも重要農産物の価格安定の具体的な措置はいわゆる生産費所得補償方式を採用すべきであると思いまするが、御所見はいかがでございましょうか。農家の自家労働賃金の正常な保証、すなわち都市均衡労賃をもって、安定せしめんとする農産物の支持価格を算出するということでございませんければ、他産業との所得の均衡を得るという結論には達しないと思うのでありまするが、どうお考えでございましょうか。
 第三に、本法の実施運営はどこまでも農民の理解と協力によって自主的に推進されなければならぬと存じます。いやしくも官僚的な命令独断を避けなければなりません。そこで、農民が自主的に民主的に組織している各種農林団体の協力と活動を促進しなければならぬと思います。政府もここに意を用いられまして、法案第二十四条に団体の整備を取り上げているのであります。ここで意図されておりますものは、農業協同組合等の経営規模の適性化であろうと思います。そのことも、現状にかんがみましてすみやかに解決ざれなければならぬ重要なことであるごとについては申すまでもございませんが、農山漁村の実態は、零細規模経営者が、山村地帯では農業と林業、沿岸地帯では農業と漁業を兼ねている、すなわちいずれも農林なり農漁なりに従事をしておるのが現状であります。これらの農林漁業者が数個の組合に加入しなければならないことや、そのために経済力を分散させることや、団体間に、ともいたしますると摩擦が生じている場合のあることなどを考えますると、関係者の自主的な判断によって、農林協同組合とか農漁協同組合とか、総合的な組合あるいは地域的な組合を組織させることが、実態に適合するのではないかと思うのでございまするが、御所見はいかがでございましょう。農業協同組合法等の改正が行なわれるといたしますれば、さようなことを取り上げるべきではないかと存じまするが、御所見はいかがでございますか。
 最後に、本法が家族農業経営の発展と自立経営の育成を目指しておりまする点については了解するところであります。これがために、営農の現状に照らし、協業化や共同化が推進されますこともまた当然であります。その結果として、いわゆる農業法人の問題が登場して参る次第であります。ここで考えなければなりませんことは、新たに組織せられまする農業法人が、よくぞの目的を達成いたしまするために肝心かなめの要諦は、農業近代化、合理化のために必要な資金の供給のことであります。今般新たに近代化資金確保に対する三十億の予算が計上せられましたことは、まことに意を強くするものでありまして、これが運用の適正と拡大につきましてさらに前進をせしめなければならぬと存じまするが、特に留意しなければならぬことは、新たに組織されまする農業法人が金融上の信用を得るということであろうと思います。伝えられますところによりますと、新組織は、有限、保証、無限のいずれでも、組織員の自由選択に一任するということでありまするが、いたずらに農業法人の数の多きが能ではありません。真によくその機能を発揮し得るものでなければならぬと存じます。これがためには、現段階における金融界の実情にかんがみ、その組織を無限責任か少なくとも保証責任組織にいたしますることが、金融上信用を得て目的を達成するゆえんになろうと思うのでありまするが、農業法人の開設にあたりまして、その組織をさようにお考えになりまするかどうか、その辺につきましての御所信をお伺いをいたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
  〔国務大臣池田勇人君登壇、拍手〕
#42
○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。
 第一条につきまして、農業政策の目標をもっとはっきり出したらどうかという御質問でございますが、前文にその点は、はっきり出しておるのであります。しこうして第一条の目的は、農業の他産業に対しての不利を是正して、そして農業従事者の地位を向上する、これが第一条の規定する点でございます。お話の「社会生活の進歩向上に即応し」ということを「寄与し」と改めるべきだ、こういうお話でございますが、この「寄与し」ということは、上にありまする「経済及び社会において果たすべき重要な使命にかんがみ」、農業の重要使命にかんがみというまくら言葉にあります。そして農業自体も、この国民経済の成長に、あるいは社会生活の進歩に非常に寄与しておるので、私は特に要らないかと思います。
 それから第四条におきまして、「法制上及び財政上の措置を講じなければならない。」これを「必要な金額を」と改めるべきだというお話でございますが、私は、法制上、財政上の方が広くていいんじゃないか。財政上には予算も含みます、従って金額もあります。いろいろな補助関係の財政措置を、金額だけでやるよりも、広く財政上とした方が農業のためにいいのではないかと私は考えておるのであります。いずれにいたしましても、委員会におきまして詳しくお答えすることにいたします。(拍手)
  〔国務大臣周東英雄君登壇、拍手〕
#43
○国務大臣(周東英雄君) お答えをいたします。なお、総理の御答弁に補足いたしますが、先ほどのお尋ねの中に、「国民経済の成長発展及び社会生活の進歩向上に寄与する」というようなことにしたらどうかということであります。これは前文にはっきりそれが出ております。過去においてかくのごとき形で「国民経済の発展と国民生活の安定に寄与してきた。」と、その次の項で、これらの使命は、今後とも同様にこれが続けられていくであろう、ここに期待するということを書いておりますから、御趣旨の点は前文に入っておると思います。
 それから、第二点のお尋ねでありますが、せっかく法律を作るならば、自給度の向上確保をはかるということを目標に入れてはどうか、ごもっともな点でありますが、これは、私ども当然のことだと思っておるのです。国内において、今後における国内の農産物、食糧を初めとして国内における必要の数量というものが見込みを立てられますれば、それらをできるだけ国産においてまかなうということの目標を立て、それを考えております。当然なことと私ども考えております。特に規定を置くほどのことではなかろうと思っております。
 第三の点、豊作貧乏ということがあるので、一つそういう場合の価格支持政策もあわせ考えていくことが必要ではないかという関連のお尋ねであります。これは、何と申しましても、従来の生産というものは、言葉が少し行き過ぎかも知れませんが、各地方、各農家におきまして、やや無計画に連絡なく生産が立てられたということもあると思うのであります。これらはなかなか、やむを得ないことでありまして、全体の、たとえば米がどういうふうな将来の需要の見通しになるか、それならば、全国各府県各農家においてどれだけずつ作れという計画的生産というものは困難であります。ですから、そういうふうなものについてはやむを得ませんけれども、なおそれ以外の青果物その他畜産物等につきましてもなかなか困難でありますが、今後の問題につきましては、やはり政府におきまして、将来の全体的需要の見通しを立てまして、これを指導によって農家に作っていただこう、その間にありましては、お話もありましたように、これから農業協同組合というものの役割というものは大きな形になって私は出てくると思う。それこそ農家の団体であります。それらをお互いに、先ほど申し上げたような形で、生産に対しても、ある程度計画的な見通しのもとに指導していく。こういうことでいくことが必要だと思うのであります。これらにつきましては、政府といたしましても、農業基本法の実行にあたりまして指導はいたしたいと思います。その際に、だから、むしろ作るものについては、生産費所得補償方式を採用して支持するようにしたらどうかということでありますが、これは今日、各種のあらゆる農産物が、生産事情なり需給事情が違うのであります。これらをすべて生産所得方式という形でいくということは、実際におきまして無理でありますのみならず、やり方を間違えますと、こういうことで価格支持をすることは、かえって需給に合わない生産が出てくるということが起こって参ります。その結果は、農家に対しても相当な不利を招くことになるのではないか。お話によれば、そういう際は、政府が全部めんどうを見たらということであろうと思いますが、それはよほど困難なことだと思います。生産事情、需給事情を異にするすべての農産物について生産所得方式をとるということは、実際に合わないし、困難な事情であろうと思います。今日は、かなり生産所得方式ということが言われていますけれども、まだこれは、一般的に農産物にならされてきた言葉ではございません。重要な米等につきましては、これは使われてきておりますけれども、ほかのもの一般に使われてないということは、ただいま申し上げたような事情にあります。そこで私どもは、できるだけ生産というものの指導は、将来の需要に見合った形において生産を指導し、そうして生産されたものは生産者から消費者に至るまでの流通形態におきまして不利のないような措置を講じ、最後に至りまして、重要な農産物につきましては、たとえば農安法によって支持いたし、また畜産物においてとろうとしているもの、また蚕糸価格安定法においてとろうとしているもの等の重要農産物につきましては、従来のような価格支持政策をとるつもりであります。(拍手)
#44
○議長(松野鶴平君) これにて質疑通告者の発言は全部終了いたしました。質疑は終了したものと認めます。
   ――――・――――
#45
○議長(松野鶴平君) 日程第三、国有財産特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。まず、委員長の報告を求めます。大蔵委員長大竹平八郎君。
   ――――――――――
  〔大竹平八郎君登壇、拍手〕
#46
○大竹平八郎君 ただいま議題となりました国有財産特別措置法の一部を改正する法律案について、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 国有財産特別措置法によれば、地方公共団体が水道施設として公共の用に供するため必要とするときは、普通財産を無償で貸し付けることができることとなっており、現在この規定に基づいて水道施設の無償貸付がなされておりますが、その大部分が旧軍用財産であるため、すでに根本的な改良を加えなければならない必要に迫られております。かかる現状にかんがみ、これら水道施設の改良を促進し、その事業経営の合理化を助成するためには、その施設を地方公共団体に譲与することが適当でありますので、本案は、これらの地方公共団体に対し、水道事業の経営が営利を目的としまたは利益をあげるものでない限り、用途指定をして、普通財産である土地以外の施設を譲与することができることにしようとするものであります。
 委員会の審議にあたりましては、譲与対象施設の内容、譲与対象財産から土地を除外する理由等について質疑がなされましたが、その詳細は会議録によって御承知を願います。
 質疑を終わり、討論採決の結果、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 右御報告いたします。(拍手)
#47
○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。
 本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#48
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案は全会一致をもって可決せられました。
 次会の議事日程は、決定次第、公報をもって御通知いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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