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1960/04/07 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 本会議 第20号
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1960/04/07 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 本会議 第20号

#1
第038回国会 本会議 第20号
昭和三十六年四月七日(金曜日)
   午前十時五十分開議
  ━━━━━━━━━━━━━
 議事日程 第十九号
  昭和三十六年四月七日
   午前十時開議
 第一 地方税法の一部を改正する
  法律案(趣旨説明)
 第二 皇室経済法施行法の一部を
  改正する法律案(内閣提出、衆
  議院送付)
  ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一 地方税法の一部を改
  正する法律案(趣旨説明)
 一、日程第二 皇室経済法施行法の
  一部を改正する法律案
  ━━━━━━━━━━━━━
#2
○副議長(平井太郎君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。
   ――――・――――
#3
○副議長(平井太郎君) これより本日の会議を開きます。
 日程第一、地方税法の一部を改正する法律案(趣旨説明)、
 本案について、国会法第五十六条の二の規定により、提出者からその趣旨説明を求めます。安井自治大臣。
  〔国務大臣安井謙君登壇、拍手〕
#4
○国務大臣(安井謙君) 地方税法の一部を改正する法律案について、その提案理由と要旨を御説明申し上げます。
 地方税制につきましては、数次の改正により、住民の税負担の軽減合理化を行なって参ったのでありますが、最近における住民負担の現状にかんがみ、さらにその軽減合理化を行なう必要があると存ずるのであります。ただ、地方財政は、経済の好況と財政健全化措置と相待って、逐次好転して参っておりますものの、地方行政水準はなお低く、これを引き上げていく必要もありますので、地方税制については、このような地方財政の実態を考慮しつつ、住民負担の軽減合理化を実現するために所要の改正を行なうこととしたのであります。これがこの法律案を提案する理由でございます。
 以下、法律案の概略について御説明を申し上げます。
 その第一は、地方税制の自主性をさらに強化するために、国税の改正に基づく自動的な影響をできるだけ遮断し、地方税として自主的な運営が行なわれるようにすることであります。そのために、個人の市町村民税において、現在の五つの課税方式を整理して、いわゆる第二課税方式の本文とただし書きの二方式とし、これに所要の改正を加えることとしたのであります。この課税方式の改正によって住民の負担には変動を来たさないように措置をされております。
 また、個人の道府県民税につきましても、市町村民税の課税の方式に対応して、その本文方式と同様の課税方式によることといたしております。
 なお、勤労者については、住民税負担の現況にかんがみ、給与所得控除の引き下げを行なう等の減税を行なうことといたしております。
 個人事業税においては、新たに白色申告者についても専従者控除を行ない、負担の軽減と均衡化をはかっております。
 法人住民税・法人事業税については、国税たる法人税における耐用年数の改訂その他による減税は、原則として同じく減税を行なうとともに、国税における租税特別措置の整理合理化に関する改正は地方税にも適用することとし、そのほか、法人税における特別措置の範囲をこえて非課税等としているものを整理して、法人税と同様の取り扱いにする等の整理をはかることにいたしております。
 第二は、零細負担の排除を重点として地方税の減税を行なうことでありまして、遊興飲食税においては、大衆負担の軽減をはかる見地から、飲食及び宿泊について、免税点をそれぞれ三百円から五百円に、八百円から千円に引き上げることとし、また、本税につきましては、その名称を料理飲食等消費税と改めることにしております。電気ガス税についても、新たに三百円の免税点制度を設けることとし、零細家庭の負担軽減をはかっております。
 第三は、新道路整備計画の実施のための財源の充実をはかることでありまして、軽油引取税の税率を一万四百円から一万二千五百円に引き上げ、地方道路目的財源を充実することにいたしております。
 第四は、税負担の均衡化の推進等、税制の合理化をはかることでありまして、住民税、事業税、娯楽施設利用税、遊興飲食税、自動車税、固定資産税、軽自動車税等につきまして、非課税規定等の整理合理化、税率の不均衡是正等を行なうことにいたしております。
 以上の改正による普通税の減税額は、平年度におきまして三百一億円、初年度において百五十億円でございますが、改正による増収額を差し引きますと、平年度において二百二十六億円、初年度において九十八億円の減税に相なる見込みであります。
 なお、別に目的税である軽油引取税の改正により、平年度四十四億円、初年度三十九億円の増収を予定しております。
 以上が地方税法の一部を改正する法律案の提案理由及び要旨でございます。(拍手)
#5
○副議長(平井太郎君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。松永忠二君。
  〔松永忠二君登壇、拍手〕
#6
○松永忠二君 私は、日本社会党を代表し、ただいま提案になりました地方税法改正案について質問をいたします。
 まず、この法案の提出がはなはだしくおくれたことであります。地方財政計画は、衆議院予算案審議の最終段階に出されました。ところが、それからまた一カ月おくれて、三月下旬、本法案が国会に提出されました。地方税法の改正が国会に提案される際に、三月に入って提案されたことは、三十一国会以来一度もありません。このため、衆参の予算、地方行政の委員会審議に、はなはだしい支障を与えたのであります。これは、遊興飲食税に対する政府与党の意見が対立したためで、二度にわたって閣議決定をするなど、右往左往醜態の限りでございました。池田総理のかなえの軽重を問わるべき性質のものであります。首相や自治大臣は、率直に遺憾の意を表明すべきであり、今後かかる事態の起こらぬよう誓うべきであると思うのでありますが、この点について、まず、総理、自治大臣にお考えをお聞きしたいのであります。
 第二にお尋ねしたいのは、地方税減税と地方税改正の基本的な態度であります。今度の地方税の減税は、国税の減税に比べて、はなはだ少ないのであります。減税が少ないだけでなしに、法人中心の減税でもあります。法人については国税減税をはね返らせて、個人には、ほとんど一部を除いては減税を遮断しているのであります。従って、法人関係の減税は、初年度四十四億、平年度九十九億に対して、個人関係は、初年度一億余、平年度三十三億にすぎません。政府は、電気ガス税の免税点の創設と遊興飲食税の免税点の引き上げで、零細負担を排除したと言っておりますけれども、零細な定額電灯の税額十億の中の六億の減税であるのであります。ガスは、使用世帯の一割にすぎないのであります。遊興飲食税は免税点の引き上げで、低所得者の減税ではありません。地方税は、課税の対象者も非常に多く、低所得者にも重い課税がかかるのであります。なお、超過課税、法定外普通税、税外負担もあるのですから、地方税で千三百八十億も増収の予想されている年にしては、あまりに減税が少ないのであります。池田総理は、地方税の減税が国民の期待に沿ったものであると考えておられるのか、今後地方税の減税が必要だと考えておられるのか、この点についてお考えを聞きたいのであります。
 次に、税制改正の基本的な方針であります。地方税が重いのに、減税のできにくい理由の第一は、地方の行政水準が低いことであります。第二は、実質的な財源が与えられていないことであります。その三は、地方財政にしわ寄せをされている国庫補助事業の多いことであります。これらを解決するのには、どうしても税財政制度の改革が必要であります。特に、税制の改正にあたっては、国税を減じて地方税を増加する、交付税とか補助金のような依存財源は減少するというような根本の方針を樹立する必要があるのであります。しかるに、予算の編成期には、法人事業税の税率あるいは法人割を引き下げ、それに対応して、国の法人税率を引き上げ、その増額分を貧弱団体に交付税として交付するとか、たばこ消費税を国へ移管して譲与税とする等が企てられているのであります。これでは、国が腹を痛めないで地方団体内部でやりくりをさせる財源の調整であるのであります。地方税の独立税を国の支配下に置く税制の中央集権化であるのであります。この際、地方税改正の基本的な方針について、大蔵大臣並びに自治大臣にお伺いをしたいのであります。また、税制調査会の答申を待って抜本的な改正を行なうべきであり、それまでは財源調整的な地方税の手直しというようなことは行なうべきではないと思うのでありますが、両大臣から、この点についてのお考えも聞きたいのであります。
 また、税財政制度の改正にあたっては、中央と地方がどう行政を分け合うか、それに応じてどう財源を分け合うかが根本の問題であります。国、地方の行政再配分を行なうことは、市町村合併のほぼ完成した現在、政府の責任であります。池田総理はこれに対して、根本的な対策を立ててどうして実現しようと考えておられるのか、この点についての御意見を聞きたいのであります。
 第三にお尋ねしたいのは、住民税の改正についてであります。
 住民税の課税方式は、従来第二方式本文及びただし書きに統一されました。ただし書き方式をとれば、同一程度の所得者が、他と比較して二倍、三倍の住民税を払わなければならないのであります。また、所得税の免税されている人たちも納税義務者に加えられるのであります。都市でとられておりますところの第一課税方式から改正の本文方式に移れば、金額には大した変更はありません。しかし、所得税の減税で所得割を納めなくて済む人が納税をしなければならなくなるのであります。それに本文を採用していた市でも、六七%が準拠税率以上の税をかけているのであります。結局、財政力の均衡とか必要財源の確保などが解決されないで行なわれる第二課税への統一というものは、結果的に増税になりはしないかと思うが、自治大臣はこれをどう考えているか、お尋ねをしたいのであります。また、第一課税方式をとっていた都市については本文をとらせるし、準拠税率を守らせて増税にはさせないという保障が得られるか、その点についてどういうお考えを持たれるか、お答えをいただきたいのであります。
 国の減税がされて、所得税より住民税の方が二倍、三倍にもなったり、住民税だけが課税される人の数も多くなります。所得があるというだけで均等割だけを納めている人たちが日本には千二百万もあるのであります。住民税は現在でも六割が国税失格者ですから、その低所得層への依存性は一そう強くなるのであります。今後、税の過重感は住民税にしわ寄せをされ、地方団体はこの減税闘争に直面されるでありましょう。これでは、国だけが減税でよい顔をし、国の減税だけが宣伝をされ、その裏側で地方税の増収が行なわれるというのが実態であるのであります。(拍手)大蔵大臣、自治大臣は、住民税の減税についてどのように考えておられるか、今後一定の所得を区切って均等割を免除するとか、あるいは所得税で認められた白色専従者控除を住民税にも適用すべきだと思うけれども、自治大臣の見解をお伺いしたいのであります。第四に、不明朗な遊興飲食税の改正についてお尋ねをしたいのであります。
 政府与党は、大衆性の強い飲食店、旅館の宿泊飲食の免税点を引き上げることを決定して、減税を予定していたのであります。ところが、昨年総選挙に三千万円のカンパや公認料を送ったといわれる業者の組合から、食い逃げだと騒がれて、料理屋政治で関係の深い議員の運動もあって、税率の一律一割、八百円基礎控除が主張されました。これを実施すれば約百六十億の減税で、三分の二以上の税収を失うことになります。高級料理飲食の課税を大衆飲食の軽減に便乗して実施しようとしたのは、昭和三十二年に芸者の花代を三〇%から一五%に引き下げた故知にならうもので、言語道断といわなくてはならないのであります。(拍手)ようやく案が決定したところ、またまた登録ホテル旅館における外人客の非課税について、このような旅館を持っている木暮運輸大臣から「待った」がかかり、またまた紛糾して、結局、一年認めることになったのであります。これで減税が四億減るので、遊興飲食税の減税を一月おくらせて金額のつじつまを合わせたのであります。全く国の予算や法律を私するものだといわなくてはなりません。(拍手)そこで、私は自治大臣にお尋ねをしたいのでありますが、基礎控除、税率一本化ということは、昭和三十七年に取り入れられるという含みがあると言われるが、それは事実であるのかどうか。外人客の非課税をなぜ昭和三十七年三月三十一日まで延ばしたのか。なお、自治大臣が原案推進にはなはだ消極的で、これが遅延の一因だといわれるが、所管大臣としての責任を感じておらないのかどうか、お聞きをしたいのであります。
 最後に、税外負担の問題についてお尋ねをしたいのであります。
 自治省の昭和三十二年の調査で、税外負担は三百十六億であります。しかし、これは年々増加しているのであります。税外負担のおもなものは教育費、土木費、消防費等でありますが、教育費では、中学校、高校の増築増設が目前にあるのであります。高校では、増築にあたって地元市町村とPTA負担は三分の一か二分の一であります。その上に立てかえ払いということも行なわれているのであります。ある県の本年の施設費八億円の中で、一億二千万円が三年据え置き三年償還の立てかえ払いで、父兄の負担であります。本年、工業高校に対する施設の国庫補助は三分の一で、一校八百万円ぐらいですが、工業高校は一校施設設備で四億もかかるのですから、これではどうにもなりません。中学校の家庭技術科の設備は、国が十五万、市町村の負担を合わせて三十万円ですが、最低百八十万は必要なのであります。これまた市町村、父兄の負担です。これでは国税地方税は減税されても、実質的には国民の負担は増加することになります。自治大臣、文部大臣にお尋ねをしたいのでありますが、昨年地方財政法の一部が改正され、市町村の職員の給与、小中学校の建物の維持修繕の経費について、本年から住民負担を禁止したのでありますが、中には、市町村にPTAが金を寄付してこれを形式化そうとしたり、法律できめていても実行はむずかしいという市町村当局もあると聞いていますが、これについて、実行するに必要な財源を用意して、完全に実施をさせる決意と用意があるのか、また、具体的に父兄負担を一体どう軽減するのか、お尋ねをしたいのであります。
 なお、文部大臣に、高校急増の対策について、地方団体、父兄負担を軽減するため、国がいかなる方法で予算措置や立法をして財政的責任を果たしていくつもりか、具体的に答弁をしていただきたいと思うのであります。また、制度や教育課程の変更には予算的な裏づけが必要であること、文部省の補助政策を根本的に検討する必要があることについて大臣のお考えを聞きたいのであります。
 以上の質問について、関係大臣から、率直かつ誠意ある答弁を要求して、質問を終わります。(拍手)
  〔国務大臣池田勇人君登壇、拍手〕
#7
○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。
 租税制度の改正は、国民の利害休戚に影響がございます。ことに地方税におきましては、多数の納税者のことを考え、また、各方面からの検討を加える必要上、今回の提案がおくれたことは私も遺憾に存じます。今後十分こういう点は早急に取り扱うようにしたいと思います。しかし、おくれましても、地方事務の進捗には大した支障はないと考えております。
 御質問の第二の、地方税の軽減でございまするが、お話の通り、国税にならって相当軽減いたしたいのでございまするが、地方の財政状況は必ずしも確立いたしておりません。ことに、行政水準の向上は、お話のごとく、われわれは十分はかっていかなければならない。従いまして、私は、将来において、経済の発展に伴って、地方税におきましても大幅な減税をいたしたいのでございまするが、地方の財政状況を勘案して、適当な措置を講じておる次第でございます。
 第三の、租税の国と地方、あるいは山方間における配分の問題につきましては、行政の実態を勘案し、また、地方制度調査会、あるいは租税制度調査会等の答申を受けまして善処いたしたいと考えております。(拍手)
  〔国務大臣安井謙君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(安井謙君) お答え申し上げますが、地方税法改正案の提出がおくれました理由につきましては、ただいま総理のお話のありました通り、非常に地方税の税種目は、複雑かつ住民の直接の利益と非常に関係が深いというような点から、検討に時間を要しました。予算の御審議等に非常に御迷惑をかけました点は、今後大いに気をつけたいと存じております。しかし、幸いにいたしまして、財政計画も予算の御審議にはどうにか間に合うように提出はいたしたわけでございます。
 なお、減税は、この地方の税配分、財源配分、あるいは行政事務の配分につきましても、今後十分検討を要することは御説の通りでございまして、御承知の通りに、ただいまでも、地方の固有の財源の率は、いわゆる基準財政需要額に対して四〇%程度しか持っておりません。従いまして、国に対してはむしろ低いのでありますが、これは地方の自治体の実態から申しまして、これを急激に高めるということも、これは実情困難な面も多分にあると存じますが、さらに配分を適正化することは必要でございまして、税制調査会あるいは地方行政制度調査会、こういったものの答申が本年中には出る予定になっております。この答申を十分に尊重いたしまして善処をいたす予定でございます。
 なお、この減税の内容につきましては、先ほど申し上げましたように、減税額は三百一億に減税分だけから申しますと相なります。主としてこの伸び率の高い面について減税をはかっておりまして、大体住民税で百億、事業税関係で百十六億、それが三分の二以上を占めております。あと電気ガス税・遊興飲食税等の大衆減税に向けておる次第であります。
 次に、課税方式を変えて住民税の負担が多くならないかという御質問でございますが、これも従来五種類ありました課税方式を単純化して簡素化するという目的と、国税のいわゆる改正の影響力を遮断をいたしまして、住民税の性格が、なるべく広く浅く多くの住民からいただくということが住民税の性格からも必要であろうと思いまして、いわゆる所得税の軽減の影響も直接受けないという方式に変えたわけでございますが、これによって個々の住民税の徴収額が従来より増額することは絶対ないように、逆算をいたしましてそれぞれ準拠税率を定め、今後十分な行政指導をやるつもりでおります。
 なお、この給与所縁の控除、あるいは大衆所得、障害者、寡婦等の税額の控除等につきましては、所得税の減税に準拠して、そういった特に困っている方面については配慮をいたしております。
 遊興飲食税についていろいろお話がございましたが、名称を変更いたしましたのは、飲食とか宿泊とかといったものの課税に、すべて「遊興」がつくのは、名称として妥当でないということから名称を変更いたしたわけであります。なお、遊興飲食税そのものは、外国の事例その他から見ましても、相当異例の税制であることは間違いないのでありまして、これは今後とも十分検討はすべきものであるとわれわれは心得ております。外人の登録旅館の課税につきましては、これは非課税措置をやめるという方針で一応臨みましたが、実際は、半年、一年と予約等の契約があることもございまして、実務上、直ちに執行することは困難であるという結論から、これを一年延期ということにしたわけであります。
 なお、税外負担につきましては・三十五年度におきまして、九十億のこれの排除のための財政措置をいたしたわけであります。根本的には、何と申しましても、市町村の財政を強化するということが一番必要でございます。ことしは幸いにいたしまして、自然増収あるいは交付税の相当な増額もございますが、この投資的な経費あるいは行政的な経費につきまして、基準財政需要額の増額をはかり、中小学校あるいは消防、そういった地方団体に非常に密接な関係のある財政需要額をふやして参っておりますので、この税外負担は、行政措置と相待ちまして、漸次縮減していくという方針であります。
 以上お答え申し上げます。(拍手)
  〔国務大臣水田三喜男君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(水田三喜男君) 現行の地方税制度は、御承知のように、昭和二十五年シャウプ勧告に基づいて作られた税制を基礎としておるものでございます。その後・国税の改正があるたびごとに、それに伴って少しずつ手直し的な改正を行なうという程度で今日に及んでおるのでございますので、ただいまの地方財政の実態とか、あるいは国民負担の状況というようなものから見まして、いろいろ御指摘の住民税そのほかの御意見がございましたが、それよりも、やはりここで、国と地方を通ずる税源の配分、こういうような問題について、根本的な検討を加える時期に私は達していると思います。従って、ただいま調査会にも諮問いたしておりますし、今審議のちょうど途中でございますので、この答申を待ってから、体系的な改正をしたいというねらいで私どもやっておりますので、その改正の際に、御質問のようなこまかいいろいろな問題は、合理的に解決したいと思っておる次第であります。(拍手)
  〔国務大臣荒木萬壽夫君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。
 地方税法の一部改正に関連して、父兄負担の軽減の立場から、三点についてお尋ねがあったと存じます。
 第一は、昨年、地方財政法の一部改正に伴って、教職員の給与費その他を住民負担にしてはいけないとしたのだが、それは十分実施する措置を講じておるかという点だったと存じます。政府は、父兄負担の軽減をはかるために、御指摘の通り、昨年、地方財政法の一部改正法に基づいて、公立小中学校の給食調理員、学校図書館事務補佐員等の人件費及び学校の建物の維持修繕費を、父兄に転嫁することを禁止する措置をとりますと同時に、昭和三十五年度におきましては、地方財政計画において約六十四億円、地方交付税において約三十四億円の軽減措置を行なったのでございます。また、さらに本年度は、地方交付税において約三十九億円の軽減措置を行なっておるのでございます。また、都道府県教育委員会を通じまして、各市町村に対して、これらの措置を周知徹底させるというふうなことを通じまして、御質問の趣旨にこたえたいと存じておる次第でございます。
 第二は、高校急増対策について万全を期しておるかどうかという意味のお尋ねであったと存じます。高校生の急増の対策につきましては、高等学校の新設、工業課程の増設、ある程度やむを得ず一時的なすし詰め等の方法によりまして、三十六年度から前向きに、三十七年度とあわせまして、十分に初期の目的を達したいと心がけておる次第でございます。なお本年度は、さしあたり工業高校の入学定員を約一万名増加することにいたしまして、特別教室及び一般教室の新増設に対する財政措置を講じております。また、工業教員確保のために、臨時工業教員養成所を設置することといたしておりまして、初任給調整手当の支給等も、その待遇改善をはかるために実施したいと思うのであります。三十七年度以降の計画につきましては、各都道府県の実情を十分考慮しまして、工業高校を中心に、普通科高校等につきましても、必要な財政措置を講ずるように努力したいと存じます。
 第三番目に、文教関係の補助金が十分でないから、抜本的な考慮をしたらどうだというお尋ねだったと思いますが、文教関係の補助は、御承知の通り、義務教育関係では原則として二分の一、その他が三分の一という見当の補助をいたして参っておりますが、これは、あながち、ほかの行政関係の補助率等に比べまして不当だとも考えられないのでございます。また、それにいたしましても、父兄負担が現にございますので、年間推定二百数十億に上ると考えられますが、これは年々歳々あらゆる努力を積み重ねまして、要すれば、今後四年以内にはゼロにしたいという考え方のもとに、従来もやって参りましたが、さらに努力を続けたいと存じている次第でございます。(拍手)
#11
○副議長(平井太郎君) これにて質疑の通告者の発言は終了いたしました。質疑は終了したものと認めます。
   ――――・――――
#12
○副議長(平井太郎君) 日程第二、皇室経済法施行法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず委員長の報告を求めます。内閣委員会理事小幡治和君。
  ―――――――――――――
  〔小幡治神君登壇、拍手〕
#13
○小幡治和君 ただいま議題となりました皇室経済法施行法の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、この法律案の改正の要点を申し上げますと、内廷費及び皇族費の定額は、皇室経済法施行法第七条及び第八条の規定によりまして、現在、内廷費は五千万円、皇族費は三百万円となっておりますが、今回これを改正いたしまして、この内廷費の定額を五千八百万円、皇族費の定額を四百二十万円に増額しようとするものであります。
 内閣委員会は、前後四回委員会を開き、藤枝総理府総務長官、宇佐美宮内庁長官、瓜生次長等の出席を求めまして、本法律案の審議に当たりましたが、なおこの間、皇居、赤坂御用地、常盤松御用邸、高輪南町御用邸及び下総御料牧場の五カ所の皇室用財産の現状を調査いたしました。委員会の審議において問題となったおもな点を申し上げますと、内廷費及び皇族費の改正の理由、皇室用財産の現状とその使用管理の状況、内廷費、宮廷費、宮内庁費の使用区分、皇居造営の現状、内廷費の経理及び運用の状況、下総御料牧場の経営管理の現状と、この御料牧場を皇室用財産として維持経営する必要な理由、高輪南町御用邸の使用の現状、皇居東地区の開放と開放後の措置、皇室用財産のうち、今日皇室であまり利用されていないものは、これを解除し、国民のために開放すべきではないかとの点に関する宮内庁当局の所見等の諸点でありまして、その質疑応答の詳細は委員会会議録に譲りたいと存じます。
 昨日の委員会において質疑を終わり、討論に入りましたところ、自由民主党を代表して村上委員より、本法律案の附則中「昭和三十六年四月一日から施行する。」とあるのを「公布の日から施行し、昭和三十六年四月一日から適用する。」に改める旨の修正案が提出せられ、修正部分を除く原案に賛成する旨の発言がありました。
 討論を終わり、まず、村山委員提出の修正案について採決いたしましたところ、全会一致をもって可決せられ、次いで、修正部分を除く原案について採決いたしましたところ、これまた全会一致をもって可決せられました。よって本法律案は修正議決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#14
○副議長(平井太郎君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。本案の委員長報告は修正議決報告でございます。
 本案全部を問題に供します。委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#15
○副議長(平井太郎君) 過半数と認めます。よって本案は委員会修正通り議決せられました。
 次会の議事日程は、決定次第、公報をもって御通知いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時三十分散会
   ――――・――――
ソース: 国立国会図書館
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