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1960/04/28 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 本会議 第24号
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1960/04/28 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 本会議 第24号

#1
第038回国会 本会議 第24号
昭和三十六年四月二十八日(金曜日)
   午前十一時四十四分開議
  ━━━━━━━━━━━━━
 議事日程 第二十三号
  昭和三十六年四月二十八日
   午前十時開議
 第一 日本育英会法の一部を改正
  する法律案(内閣提出)
 第二 市町村立学校職員給与負担
  法の一部を改正する法律案(内
  閣提出、衆議院送付)
 第三 社会福祉施設職員退職手当
  共済法案(内閣提出)
 第四 新技術開発事業団法案(内
  閣提出、衆議院送付)
 第五 鉱工業技術研究組合法案
  (内閣提出、衆議院送付)
 第六 酒に酔って公衆に迷惑をか
  ける行為の防止等に関する法律
  案(紅露みつ君外二十四名発議)
 第七 地方税法の一部を改正する
  法律案(内閣提出、衆議院送付)
  ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一 日本育英会法の一部
  を改正する法律案
 一、日程第二 市町村立学校職員給
  与負担法の一部を改正する法律案
 一、日程第三 社会福祉施設職員退
  職手当共済法案
 一、日程第四 新技術開発事業団法
  案
 一、日程第五 鉱工業技術研究組合
  法案
 一、日程第六 酒に酔って公衆に迷
  惑をかける行為の防止等に関する
  法律案
 一、日程第七 地方税法の一部を改
  正する法律案
 一、引揚者給付金等支給法の一部を
  改正する法律案
  ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議長(松野鶴平君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。
   ――――・――――
#3
○議長(松野鶴平君) これより本日の会議を開きます。
 日程第一、日本育英会法の一部を改正する法律案(内閣提出)、
 日程第二、市町村立学校職員給与負担法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)、
 以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。文教委員長平林剛君。
  ―――――――――――――
  〔平林剛君登壇、拍手〕
#5
○平林剛君 ただいま議題となりました二法案につきまして、文教委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、日本育英会法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 昭和十九年日本育英会法施行以来、日本育英会は、国家的な育英事業として、多くの成果をおさめて参りました。さて、現行制度では、日本育英会から学資の貸与を受けた者は、その貸与金を返還する義務を課せられておりますが、特例として、それらの者が義務教育に従事する教員または高度の学術研究者となった場合には、その貸付金の返還を免除されることになっております。ところが、最近における高等学校進学者の急増、あるいは科学技術者の養成の強化等に対処するためには、高等学校または大学に優秀な教員を確保することがますます重要になって参りましたので、本改正案においては、これに応ずる返還免除拡大の措置を講ずるとともに、他面、貸与金の回収を一そう的確に行なうため、現行法の一部に必要な改正をいたそうとするものであります。
 すなわち、改正の第一は、大学における貸与金の返還を免除される職のうちに、高等学校、大学その他の施設の教育の職を加えることであります。第二は、大学院における貸与金の返還を免除される職のうちに、高等学校の教育の職を加えることであります。第三は、日本育英会の業務の方法のうち、特に貸与金の回収に関するものは、主務大臣の定めるところによるものとすることであります。第四は、当分の間、沖繩における教育または研究の職についた場合も、日本本土の場合と同様に、貸与金の返還を免除できる規定を設けることであります。第五は、当分の間、国立工業教員養成所を大学と同じ取り扱いとすることであります。
 委員会の審議におきましては、文部大臣、政府当局のほか、参考人として日本育英会長をも招致し、各委員から育英制度全般につきましてきわめて熱心な質疑が行なわれましたが、そのおもなものをあげますと、育英制度の拡大、貸与制度と給費制度の問題、特別奨学制度と一般奨学制度、貸与金の返還免除対象となる教育職の範囲の拡大等でありますが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 質疑を終わり、千葉千代世委員より、自民、社会両党を代表して修正案が提出されました。修正案は、大学院における貸与金の返還を免除される職のうちに、さらに中学校の教育の職を追加することを内容とするものであります。
 次いで、討論に入りましたところ、自民党を代表して野本委員より、修正案及び修正部分を除く原案に対し賛成の意見が述べられ、なお、「大学において学資の貸与をうけた後、学校教育法第一条に掲げる学校の教育・保育の職についたすべての者に対し、貸与金の返還を免除できるよう、すみやかに適切な措置を講ずべきである。」旨の附帯決議案が提案されました。次いで、共産党岩間委員より、修正案及び原案に対し反対の意見が述べられました。
 かくして討論を終わり、採決の結果、まず修正案は多数をもって可決、続いて修正部分を除く原案も多数をもって可決いたしました。よって本法律案は、多数をもって修正議決すべきものと決定いたしました。
 なお、附帯決議案も多数をもって委員会の決議とすることに決定し、続いて、文部大臣より、決議の趣旨を尊重したい旨の発言がありました。
  ―――――――――――――
 次に、市町村立学校職員給与負担法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本法律案は、最近、科学技術の専門的知識を必要とする職に国家公務員を新たに採用することが困難となったため、さきに、一般職の職員の給与に関する法律が改正され、初任給調整手当が支給されることとなりましたので、地方公務員についても同様の措置がとられたことに関連して、その費用の負担区分を明らかにしたものであります。
 すなわち、現行法第二条で、都道府県の負担とされている市町村立の高等学校の定時制課程の教職員の給与の諸費目に、初任給調整手当を新たに加え、科学技術に関する専門的知識を有する新採用の教員にこの手当が支給されるべきことを定めております。その他、事実上不要となった死亡一時金の規定を削除しております。
 委員会におきましては、国家公務員に対する初任給調整手当の支給範囲等を定めている人事院規則の内容、工業教科を担当する教員の不足状況、理数教科を担当する教員に初任給調整手当が支給されない理由、現在支給されている管理職手当、定時制通信教育手当、産業教育手当等の併給関係などについて、熱心な質疑応答が行なわれましたが、その詳細については会議録をごらん願いたいと存じます。
 次いで討論に入りましたところ、千葉千代世委員より、本案に賛成であるが、初任給調整手当の支給のみでは、現状を一時的に糊塗するにすぎないので、初任給そのものを引き上げるべきであり、また、いよいよ拡大する諸手当の不均衡を早急に是正すべきであるとの要望がなされ、なお、次のような附帯決議案を提案されました。
  「市町村立高等学校の定時制課程における教員に対する初任給調整手当については、その他の諸手当等と関連し、給与体系本来のあり方等から種々の問題もあるので、早急に検討さるべきである。」
 次いで採決に入り、本案は全会一致をもって政府原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 次に、千葉委員提出の附帯決議案を採決いたしましたところ、全会一致をもってこれを委員会の決議とすることに決定いたしました。なお、右の附帯決議につき、文部大臣から、その趣旨を尊重して十分検討する旨の発言がありました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#6
○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 まず、日本育英会法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。委員長の報告は修正議決報告でございます。委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#7
○議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本案は委員会修正通り議決せられました。
   ――――・――――
#8
○議長(松野鶴平君) 次に、市町村立学校職員給与負担法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#9
○議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。
   ――――・――――
#10
○議長(松野鶴平君) 日程第三、社会福祉施設職員退職手当共済法案(内閣提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。社会労働委員長吉武恵市君。
  ―――――――――――――
  〔吉武恵市君登壇、拍手〕
#11
○吉武恵市君 ただいま議題となりました社会福祉施設職員退職手当共済法案について、社会労働委員会における審議の経過並びに結果を報告いたします。
 本法律案は、民間の社会福祉施設に勤務する職員に対し、国及び都道府県の補助により、退職手当を支給する共済制度を設けて、これら職員の待遇の改善と身分の安定をはかり、もって社会福祉事業の振興に寄与せんとするものであります。
 本法律案の要旨は、第一に、この制度は任意加入とし、これに加入し得る民間の社会福祉施設は、生活保護施設、児童福祉施設、身体障害者更生援護施設、精神薄弱者援護施設その他これに準ずる施設で、都道府県知事または市町村長から援護、育成または更生の措置の委託を受けるものとすること。第二に、この制度は、特殊法人である社会福祉事業振興会が実施に当たり、加入については、施設を経営する社会福祉法人等が振興会と共済契約を締結すること。第三に、この制度に加入した経営者は、掛金を振興会に納付するものとし、加入した社会福祉施設の職員が在職一年以上で退職したときは、振興会から退職職員に対し、その勤務年数と退職理由に応じた退職手当金を直接支給すること。第四に、振興会がこの制度を実施する費用について、国は退職手当金支給費の三分の一以内と事務費を補助し、都道府県も退職手当支給費についてその一部の補助を行なうこと等であります。
 委員会において行なわれた質疑のおもなものを申し上げますと、「退職手当金の支給に要する費用について、国は三分の一以内を補助するとあるが、実際どの程度の補助をするつもりか。また都道府県はその費用の一部を補助するとあるが、どの程度の補助をするつもりか」との質問に対し、古井厚生大臣から、「法文は先例によったのであるが、実際は三分の一を補助する」旨の答弁があり、また安井自治大臣から、「都道府県からも三分の一を補助するように措置する」旨の答弁がありました。また、「社会福祉施設の職員には、保育所の保母など未婚の女性が多く、在職十年未満で結婚のため退職する場合が多いのに、退職手当金の支給基準が低いのは遺憾であるから、もっと増額すべきでないか。また、本法施行以前から長く在職している者について特別の考慮をしないか」との質問があり、これに対しましては、古井厚生大臣から、「保育所の保母などの給与については、今回改善をはかったが、なお不十分な点があるので、今後改善に努力するとともに、本法施行前から長く在職している者については、施設の経営者で考慮するよう行政指導に努める」旨の答弁がありました。その他、社会福祉事業振興会の機構及び運営等について質疑が行なわれましたが、詳細は会議録によって御承知を願います。
 かくて質疑を終わり、討論に入りましたが、別に発言もなく、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案の通り可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告をいたします。(拍手)
#12
○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#13
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案は全会一致をもって可決せられました。
   ――――・――――
#14
○議長(松野鶴平君) 日程第四、新技術開発事業団法案、
 日程第五、鉱工業技術研究組合法案(いずれも内閣提出、衆議院送付)、
 以上両案を一括して議題とするととに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#15
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。商工委員長剱木亨弘君。
  〔剱木亨弘君登壇、拍手〕
#16
○剱木亨弘君 ただいま議題となりました二法案につきまして、商工委員会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。
 まず、新技術開発事業団法案について申し上げます。
 この法案は、従来より理化学研究所にありました開発部を分離独立させ、全額政府出資の特殊法人、新技術開発事業団を作ろうとするものであります。従いまして、この事業団の業務は開発部の業務をそのまま引き継いでいるのでありますが、それは、新技術で、企業化することが著しく困難でありながら、国民経済からみて重要なものを、会社等に委託して、企業として実施できるまでに開発することや、さらにその成果を普及すること、さらに新技術の開発についてあっせんすること等であります。
 事業団の資本金は、さしあたり三十六年度一般会計予算に計上されております三億円と、開発部の資産約三億四千万円との合計で、約六億四千万円であります。
 また従来、理化学研究所にありました開発委員会を開発審議会に改め、新技術開発の基本方針の決定とか、開発実施の結果の認定などの重要事項について、事業団の理事長の諮問に応ずることになっております。
 その他、事業団の監督規定、登録税その他の減免措置、理化学研究所から事業団への承認等について規定されております。
 次に鉱工業技術研究組合法案について申し上げます。
 この法案は、鉱工業の生産技術の向上には、事業者が協同して試験研究することが有効適切な方策であり、実際に行なわれてもおりますが、この協同研究に適した組織として、ここに研究組合という制度を作ろうとするものであります。この研究組合は法人といたしますが、非出資組合で、運営の費用は原則として組合員に対する賦課金によることとし、事業年度ごとの剰余金の分配を禁じて、組合の非営利性を明確にしております。
 また、一つの企業体の利益だけをはかるような擬装的組合あるいは休眠組合を排除するような規定も整備されております。その他の点につきましては、この組合と類似の性格を持っておりますところの中小企業協同組合に関する規定を適用することになっております。
 なお、組合の結成及びその行なう試験研究の促進をはかるため、特別償却その他税制上の優遇措置を講ずることとし、すでに成立した租税特別措置法の改正法にこれが規定されているのであります。
   ────────────
 当委員会におきましては、両案いずれも技術に関するものでありますために、便宜一括して審査したのでありますが、事業団と研究組合と所管問題から、科学技術行政全般についての所管について熱心な論議がかわされたのであります。
 法案につきましては、事業団を理化学研究所から分離独立させる理由、事業団の業務とその運営方針、事業団と開発審議会の人事と構成等について、また研究組合については、これを法制化することによる効果、研究組合と補助金との関係等について質疑が行なわれるとともに、基礎研究とか公共の福祉に関する試験研究の育成助長策、外国技術と国産技術に対する考え方等について、政府の見解をただしたのであります。
 特に事業団の役員については、理事が非常勤であり、専務理事が代表権を持っている点について活発な論議が展開され、科学技術庁長官から、「理事長は、官界、財界、学界を問わず、広い視野に立って、科学技術に関し高い識見を持っている人を選任し、専務理事は、理事長の意向によるけれども、新技術開発を推進できる人材を選ぶようにしたい」との意見が述べられました。
 かくて質疑を終了し、両法案について討論に入りましたところ、別に御発言もなく、直ちに採決いたしましたところ、両法案いずれも全会一致をもって衆議院送付の原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#17
○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 まず、新技術開発事業団法案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#18
○議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。
   ――――・――――
#19
○議長(松野鶴平君) 次に、鉱工業技術研究組合法案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#20
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案は全会一致をもって可決せられました。
   ――――・――――
#21
○議長(松野鶴平君) 日程第六、酒に酔って公衆に迷惑をかける行為の防止等に関する法律案(紅露みつ君外二十四名発議)、
 日程第七、地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)、
 以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。地方行政委員長増原恵吉君。
  ―――――――――――――
  〔増原恵吉君登壇、拍手〕
#23
○増原恵吉君 ただいま議題となりました二法案について、委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、酒に酔って公衆に迷惑をかける行為の防止等に関する法律案について申し上げます。
 本法案は参議院議員紅露みつ君外二十四名の発議にかかるものであります。その内容は、おおむね一、酩酊者の行為を規制し、または救護を要する酩酊者を保護する等の措置を講ずることによって、過度の飲酒による害悪を防止し、もって公共の福祉に寄与することを本法の目的として掲げ、二、すべて国民は飲酒についての節度を保つように努めるべきであり、また、本法の適用にあたっては、国民の権利を不当に侵害しないように留意しなければならない旨の訓示的規定を設け、三、酩酊者の保護に万全を期するため、警察官は、酩酊者が公共の場所において粗野または乱暴な言動をしている場合に、本人のため明らかに応急の救護を要すると認められるときは、職務としてこれを保護しなければならないこととし、保護した場合に必要な事後手続等を定め、四、悪質な酩酊者に対する罰則を定め、五、酩酊者が、アルコールの慢性中毒者またはその疑いのある者と認められる場合における警察官の保護の保健所長に対する通報、あるいは通報を受けた保健所長の当該中毒者等に対する診察の勧奨等について規定するなどを、その要点とするものであります。
 地方行政委員会におきましては、四月十八日紅露議員から提案理由の説明を聞いた後、四月二十七日、質疑に入り、提案者及び関係当局との間に、警察官職務執行法、軽犯罪法等の現行規定と本法案の規定との関連性、酩酊者が粗野または乱暴な言動をしておる場合における保護または処罰の条件の異同、また、保護または処罰の対象となる酩酊者の言動と、心神耗弱者、心神喪失者の場合との法の適用関係、保護または処罰する場合における要件が警察官の主観的判断にゆだねられ過ぎてはいないか等、幾多の問題点について質疑応答を重ね、慎重審査を行ないましたが、その詳細については会議録によってごらんを願いたいと存じます。
 質疑を終了して、討論に入りましたところ、占部委員より、本法の運用にあたって、人権の尊重に遺憾なきを期し、酩酊者に対する警察官の保護の規定、あるいは悪質な酩酊者に対する罰則等について一そうの慎重を期するため、お手元に配布の別紙内容の修正案を提出され、修正部分を除く原案に賛成の旨を述べられました。
 小柳委員は、修正案及び修正部分を除く原案に賛成の旨を述べられ、附帯決議案を提出されました。小柳委員提出の附帯決議案は次の通りであります。
    附帯決議案
  政府は本法の施行に当たり、左の諸点に留意してその実効に遺憾なきを期すべきである。
 一、酩酊者に対する救護のための応急措置としては、通常必要と認められる限度で客観的な諸要件をも考慮して、慎重なる配慮のもとに行わるべきで、いやしくも人権の侵害または法意を逸脱して濫用にわたることのないよう特に留意すること。
 一、酩酊者の保護施設及びアルコール慢性中毒者の治療、収容施設に対する諸措置は不十分と認められるので、政府はできうる限り速やかにこれが予算措置を講じ、本法の実効を期すること。
 一、未成年者の飲酒は、心身の健全なる発達を阻害し、非行の原因となる等その弊害は誠に憂うべきものがあるので、これが取締りについては厳正を期すること。
 右決議する。
 以上であります。
 赤松委員は、修正案、修正部分を除く原案、さらに小柳委員提出の附帯決議案全部に対して賛成の旨を述べられました。
 かくて採決の結果、本法案は、修正案及び修正部分を除く原案いずれも全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。よって本法案は修正議正すべきものと決定した次第であります。
 さらに、小柳委員提出の附帯決議案は、全会一致をもってこれを委員会の決議とすることに決定いたしました。また、この決議に対し、安井国務大臣は、政府としては、決議の趣旨に沿って、本法の運用に当たり、法の実効をあげることを期する旨を述べられました。
  ―――――――――――――
 次に、地方税法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本法案は、現下の諸情勢にかんがみ、地方税法の一部を改正して、地方税制の自主性の強化、零細負担の排除、新道路整備計画の実施のための財源の充実、税負担の均衡化の促進等をはかろうというのでありまして、この改正の結果、地方税収入は、平年度において百八十二億円の減、初年度は五十九億円の減となる見込みであります.
 次に、改正内容について要点を拾って申し上げますと、
 第一に、住民税について、(一)、現行の市町村民税所得割の課税方式を整理して、第二課税方式の本文と、ただし書きの二方式とし、これに税額の算定方法については、総所得金額、退職所得の金額または山林所得の金額ごとに、それぞれ分離して計算するものとし、所得割については原則として申告制をとり、給与所得者については給与所得控除を引き上げ、障害者、未成年者等に対する非課税の限度額を十三万円から十五万円に引き上げる等の改正を加え、(二)、道府県民税所得割についても、市町村民税所得割の課税方式の改正に対応して、その本文方式と同様の課税方式によることとし、(三)、法人の住民税について、法人税における減税に対応して法人税割の減税を行なうとともに、その非課税の範囲を、原則として国税法人税のそれにとどめるように整理することとし、
 第二に、事業税について、(一)、個人事業税に関し、新たに白色申告者についても五万円を限度として専従者控除を行ない、基礎控除の名称を事業主控除に改め、雑損控除の制度を新設し、(二)、法人事業税について、各種協同組合に対する課税の特例範囲を整理して、法人税と同様の取り扱いに改めるとともに、法人税における配当課税の改正については、事業税に影響を及ぼさないように措置し、
 第三に、遊興飲食税について、(一)、大衆負担軽減の見地から、旅館における宿泊及びこれに伴う飲食については、現行八百円を一千円に、飲食店における飲食については、現行三百円を五百円に、チケット制の飲食店における飲食については、現行百五十円を二百五十円に、それぞれ免税点を引き上げ、(二)、登録ホテルまたは旅館における外客の飲食及び宿泊に対する非課税規定を廃止することとし、その実施の時期を昭和三十七年四月一日とし、(三)、名称を料理飲食等消費税に改め、
 第四に、自動車税及び軽自動車税については、その標準税率の不均衡是正をはかるとともに、三公社が所有する事業用の自動車及び軽自動車に対する非課税規定を廃止し、
 第五に、固定資産税について、(一)、都市ガス事業の拡充に伴う新設の償却資産に対し、発電施設等と同様に軽減措置を購じ、昭和三十三年一月二日以後新設されたものから適用するものとし、(二)、内航船舶に対しては、現在特例措置により価格の三分の二の額を課税標準としているが、今回これを二分の一に改め、(三)、新設の大規模償却資産の対象に新たに変電所を加え、
 第六に、電気ガス税について新たに免税点制度を設けて、一カ月の使用料金が三百円以下の電気またはガスの使用に対しては電気ガス税を課さないこととするとともに、現行の電気ガス税の非課税品目の追加及び整理を行ない、
 第七に、新道路整備五カ年計画の策定に伴い、その実施に必要な財源充実のために、別途行なわれる国税の揮発油税及び地方道路税の税率引き上げに照応して、軽油引取税においては、その税率を一キロリットルにつき現行の一万四百円から一万二千五百円に引き上げる等であります。
 地方行政委員会におきましては、四月十一日、安井自治大臣より提案理由の説明を聴取した後、政府側との間に質疑応答を重ねて、慎重審査を行ないました。質疑応答のおもなるもの二、三を申し上げますと、
 (一) 地方税制については、負担分任の精神を強調するあまり負担の過重を招いている傾向はないかとの質問に対しては、税制調査会の審議の方向とも見合って、国税と地方税の税源配分の過程においてこれが是正をはかりたい旨の答弁があり、
 (二) 住民税について、今回の改正は、国税減税の影響遮断をはかったというが、それによって地方税たる住民税の減税が行なわれにくくなるのではないかとの質問に対して、住民税のあり方は、その税の性格や地方財政の状況等と見合って将来なお検討をしたいが、少なくとも減税の問題について、住民税には手をつけないというふうな、かたくなな考えはない旨の答弁があり、また住民税の所得割の専従者控除が青色申告の場合に限られ、白色申告の場合に及ばない理由いかんとの質問に対しては、白色申告の場合には、専従者控除の給与性あるいは経費性の不明確、負担分任、市町村財政の現状等を考え合わせたものである旨の答弁がありました。
 (三)、電気ガス税の特別徴収義務者に対し何ら報償措置をとらずに、いわばただ働きをしいている形になっているのはどうかとの質問に対しては、特別徴収義務者の制度は納税徴税双方の便宜であり、また他の税に対する影響等も考えると、現在のところ特別徴収義務者に対する徴収取扱費交付の意図はない旨の答弁がありました。その他、遊興飲食税、自動車税関係、税外負担等、多くの問題について熱心な論議がかわされましたが、その詳細については会議録によってごらんを願いたいと存じます。
 四月二十七日質疑を終わり、討論に入りましたところ、鍋島委員は自由民主党を代表して、(一) 道府県民税及び市町村民税の本文方式にあっては、白色申告者について新たに専従者控除を設け、一人につき五万円の控除を行なうものとし、(二) 市町村民税のただし書き方式にあっては、青色事業専従者または白色申告者の事業専従者の数に応じて条例で定める金額を税額控除として控除するものとする。この場合においては、税額控除の金額は扶養親族の数に応ずる税額控除の額をこえるように定めなければならないものとする内容の修正案を提出され、現下の地方財政その他の諸情勢上、本法案は完全なものとは言えないにしても、修正案及び修正部分を除く原案に賛成の旨を述べられました。
 加瀬委員は日本社会党を代表して、本法案は、部分的には見るべきものがあっても、全体的に、国、地方を通じる税源配分の適正化、各税を通じて負担の不均衡の是正等の基本問題に触れていない点において反対せざるを得ないと述べられました。
 かくて、鍋島君提出の修正案及び修正部分を除く原案につき、それぞれ採決の結果、いずれも多数をもって可決すべきものと決定いたしました。よって本法案は修正議決すべきものと決定した次第であります。
 以上御報告を申し上げます。(拍手)
#24
○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 まず、酒に酔って公衆に迷惑をかける行為の防止等に関する法律案全部を問題に供します。委員長の報告は修正議決報告でございます。委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#25
○議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本案は委員会修正通り議決せられました。
   ――――・――――
#26
○議長(松野鶴平君) 次に、地方税法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。委員長の報告は修正議決報告でございます。委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#27
○議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本案は委員会修正通り議決せられました。
   ――――・――――
#28
○議長(松野鶴平君) 参事に報告させます。
  〔参事朗読〕
本日議員から左の議案が提出された。よって議長は直ちにこれを社会労働委員会に付託した。
 引揚者給付金等支給法の一部を改正
 する法律案(加藤武徳君外五名発
 議)本日委員長から左の報告書が提出された。
 引揚者給付金等支給法の一部を改正する法律案可決報告書
   ――――・――――
#29
○議長(松野鶴平君) この際、日程に追加して、
 引揚者給付金等支給法の一部を改正する法律案(加藤武徳君外五名発議)を議題とすることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#30
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。社会労働委員長吉武恵市君。
  〔吉武恵市君登壇、拍手〕
#31
○吉武恵市君 ただいま議題となりました引揚者給付金等支給法の一部を改正する法律案について、社会労働委員会における審議の経過並びに結果を報告いたします。
 本法律案の要旨は、第一に、南洋群島その他政令で定める外地に一定の期間生活の本拠を持っていた者で、今次大戦の緊迫事態に基づき、日本国政府の要請または連合国官憲の命令によって所定の期間に引き揚げた者またはその遺族に対して、引揚者給付金または遺族給付金を支給すること。第二に、これらの地域にいた者で、同様の事情により引き揚げを余儀なくされた後、引き続き外地にあって死亡した者の遺族に対して、遺族給付金を支給すること。第三に、引揚者給付金及び遺族給付金を受ける権利が四年の時効期間で消滅するのを、さらに一年延長して五年とすること等であります。
 委員会において審議、採決の結果、本法律案は原案通り可決すべきものと全会一致をもって決定いたしました。
 以上報告いたします。(拍手)
#32
○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#33
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案は全会一致をもって可決せられました。
 次会の議事日程は、決定次第、公報をもって御通知いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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