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1960/05/26 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 本会議 第30号
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1960/05/26 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 本会議 第30号

#1
第038回国会 本会議 第30号
昭和三十六年五月二十六日(金曜日)
   午後零時四分開議
   ━━━━━━━━━━━
議事日程 第二十九号
 昭和三十六年五月二十六日
  午前十時開議
第一 水資源開発促進法案及び水
 資源開発公団法案(趣旨説明)
第二 測量法の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
第三 後進地域の開発に関する公
 共事業に係る国の負担割合の特
 例に関する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
第四 地方財政法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
第五 国民健康保険法の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議
 院送付)
   ━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一 水資源開発促進法案
  及び水資源開発公団法案(趣旨説
  明)
 一、日程第二 測量法の一部を改正
  する法律案
 一、日程第三 後進地域の開発に関
  する公共事業に係る国の負担割合
  の特例に関する法律案
 一、日程第四 地方財政法の一部を
  改正する法律案
 一、日程第五 国民健康保険法の一
  部を改正する法律案
   ━━━━━━━━━━━
#2
○議長(松野鶴平君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。
   ――――・――――
#3
○議長(松野鶴平君) これより本日の会議を開きます。
 日程第一、水資源開発促進法案及び水資源開発公団法案(趣旨説明)、
 両案について、国会法第五十六条の二の規定により、提出者からその趣旨説明を求めます。迫水国務大臣。
  〔国務大臣迫水久常君登壇、拍手〕
#4
○国務大臣(迫水久常君) まず、水資源開発促進法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 最近における産業の著しい発展、人口の増大と都市への集中及び生活水準の向上等により、わが国の重要産業地帯では、各種の用水に対する需要が激増してきておりまして、この傾向は今後ますます強まるものと考えられるのであります。一方、わが国の主要な河川は、国土の気象上及び地形上の特色からして、年間流出量が莫大な量に達するにもかかわらず、豊水と渇水の差が激しいため、河川の水利用率はきわめて低く、利根川を例にとりましても、全流出量のわずか一二%程度が利用されているにすぎない状態であります。従って、緊迫した水不足の事態に対処いたしますためには、積極的に水資源を開発し、かつ水の合理的な使用をはからなければならないのであります。このため、水系を一貫して総合的に水資源の開発利用をはかるための計画を樹立いたすことが何よりも必要であると思うのであります。これがこの法律案を提出した理由であります。
 次に、この法律案の要旨を申し上げます。
 第一点は、内閣総理大臣は、産業の発展及び都市人口の増加に伴い、水の需要の著しい増大が見られる地域に水の供給を確保するため必要があるときは、水資源の総合的な開発及び利用の合理化を促進すべき河川の水系を、水資源開発水系として指定することであります。この指定については、内閣総理大臣は関係行政機関の長に協議し、かつ都道府県知事及び水資源開発審議会の意見を聞き、なお、閣議の決定を経ることといたしております。
 第二点は、内閣総理大臣は、指定された水資源開発水系について水資源開発基本計画を作成するものとしたことであります。この基本計画についても、関係行政機園の長に協議し、関係都道府県知事及び水資源開発審議会の意見を聞き、かつ、閣議の決定を経ることといたしております。
 第三点は、内閣総理大臣の諮問に応じ、水資源開発水系の指定及び水資源開発基本計画に関する重要事項を調査審議するため、総理府に学識経験者をもって組織する水資源開発審議会を置くことであります。
 第四点は、水資源開発基本計画と国土総合開発基本計画または電源開発基本計画との調整の必要が考えられまするので、この調整については、内閣総理大臣が国土総合開発審議会または電源開発調整審議会の意見を聞いて行なうものといたしております。
 第五点は、基本計画に基づく事業は、国、地方公共団体、水資源開発公団その他の者が実施することといたしております。
 第六点は、政府は、基本計画を実施するために要する経費については、必要な資金の確保その他の措置を講ずることに努めるものといたしたことであります。
 第七点は、基本計画を実施する者は、この事業により損失を受ける者に対する措置が公平かつ適正であるように努めるものとしたことであります。
 以上がこの法律案の趣旨でございます。
   ―――――――――――
 次に、水資源開発公団法案につきましてその趣旨を御説明申し上げます。
 最近の用水需要の増加は著しいものがあり、特に大工業地帯におきましては、産業の発展と都市人口の増加に伴い、水に対する需要の著しい増大が見られるのでありまして、これらの地域に対する用水の供給を確保するためには、総合的な計画のもとに、水資源の開発または利用のための事業を総合的に施行するとともに、開発施設の建設の早期完成をはかることが肝要であると思うのであります。この法案は、水資源開発促進法案による水資源開発基本計画に基づいて、これらの事業を総合的かつ効率的に施行する事業主体として、独立の法人格を有する特別法人水資源開発公団を設立せんとするものであります。
 以下、本法律案の要旨を御説明いたします。
 第一に・公団の目的でありますが、公団は、水資源開発促進法の規定による水資源開発基本計画に基づく水資源の開発または利用のための事業を実施すること等により、経済の成長及び国民生活の向上に寄与することをその目的といたしております。
 第二は、公団の役員として、総裁、副総裁、理事及び監事を置くこととし、その任期はそれぞれ四年といたしております。
 第三に、公団の業務でありますが、水資源開発基本計画に基づきまして、ダム、水路その他の水資源の開発利用のための施設の建設管理を行なうことが公団の中心的業務であります。公団が水資源開発施設の建設を行なうにあたりましては、事業実施計画を定め、関係都道府県知事に協議するとともに、主務大臣の認可を受けなければならないこととしておりますが、この事業実施計画の基本となるべき事項につきましては、各主務大臣が関係行政機関の長に協議するとともに、関係都道府県知事の意見を聞いた上、これを事業実施方針として定め、公団に指示することにいたしております。
 第四に、公団が行なう建設工事のうち洪水防御等のいわゆる治水目的をも有する特定施設の工事についてでありますが、これにつきましては、公団は、河川法にいう河川に関する工事を行なうことができることとして、河川法第七条の原則に対する特例を設けておりますほか、特定施設の建設が完了したときは、建設費用の負担者等の同意を得て、建設大臣がこれを河川の付属物に認定することができるようにするとともに、この場合、公団は、政令で定めるところにより、河川法の規定に基づく地方行政庁の権限の一部を行なうことができることとしているのであります。
 第五に、公団の施設の建設に必要な経費についてでありますが、治水関係分につきましては、国と都道府県が負担し、これを公団に交付することになっております。それ以外につきましては、水資源開発施設を利用して、流水を水道もしくは工業用水道の用に供する者、またはこの流水を海潮の用に供する農業者の組織する土地改良区が特定された場合には、これらの者が負担することにしております。なお、このいわゆる利水関係分の建設に必要な費用につきましては、公団は、政府または都道府県からの補助金の交付または負担金の納付を受け、また必要な資金の借り入れ等を行なうことができることとなっております。
 第六に、公団の財務及び会計でありますが、公団の予算、資金計画、財務諸表、借入金、水資源開発債券等につきましては、内閣総理大臣の認可または承認を受けることを要するものといたしております。
 第七に、公団の監督は、主務大臣がこれを行なうこととし、公団の業務に関し、監督上必要な命令を発し、公団の事務所に対し立ち入り検査を行ない得るようにするほか、内閣総理大臣は、主務大臣の監督につき所要の調整を行なうことといたしております。
 最後に、附則におきまして、本法案の施行期日は、公布の日から起算して六カ月をこえない範囲内において、政令で定めることとしております。
 以上がこの法律案の趣旨であります。(拍手)
#5
○議長(松野鶴平君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。田中一君。
  〔田中一君登壇、拍手〕
#6
○田中一君 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま御説明を受けました水資源開発促進法案並びに水資源開発公団法案について、若干の質問をいたすものであります。
 ここに提案されましたところの水資源開発促進法案は、一見、政策の宣言のごとく、きわめて抽象的な形のものでありますが、同時に提案されました水資源開発公団法案とともに、わが国の治水及び利水行政に画期的な変革を与えるものと考えるのでございます。かく考えまする理由の一、二点を述べまするならば、元来、河川に関する事務は重要な国家事務とされておりまして、現在の河川法も、その直轄主義等を通じて、この意識は明確に貫かれているのでございます。この法案におきましては、この事務の一部を公団に譲っております。特に河川法における私権制限の排除の規定の適用除外を行なう場合のあるごときは、その著しい例でございます。また河川法におきましては、河川の意義は一種の区域主義でありますが、このたびの法案は水系主義を採用しているのでありまして、この点、技術的に見ましても、行政制度的に見ましても、河川の考え方の一歩前進ではありますが、地方行政との関連においても重要な意味を持つことになるのであります。このように、この法案は、わが国の水行政にとって重大な意義を有するものでありますが、この重要法案を延長国会に何がゆえに提案されたのであるか、これが私のただしたい第一点であります。現行河川法は、会期末日まで余すところ五日の、明治二十九年三月十日に提案されまして、審議時間わずか数時間で衆議院を通過し、貴族院もまた同様短時間で通過いたしております。藩閥政治のもとにおいてすら、このやり方は暴挙であるといわれたのであります。今日の民主政治のもとにおいて、国会の最終日に当たる一昨日、法律案を提案し、その通過をはかろうとする政府の態度に対しては、はなはだ理解に苦しむところであります。この理由を内閣総理大臣から明瞭に御答弁を願いたいと思います。
 質問の第二点は、戦後河川に関する法律が次々と断片的に提案され、制定され、またここに二法案が提案されているのでありますが、政府に、これらの法律を集大成し、さらに水利権関係を明定するがごとく、現行の河川法の根本的改正をはかろうとする意図を持っておられるかいなかという点でございます。過去を振り返ってみますと、現行河川法の制定の背景には、淀川の改修問題があったのでございます。淀川の土地買収費の増額のための予算追加案を通過させる一つの手段が、実にこの河川法の制定の一つの背景をなしていたのでありまして、淀川沿岸の代議士、府会議員、水利委員等が、当時の伊藤内閣と提携する自由党への大挙入党というがごとき、政治的取り引きさえ行なわれたのであります。ゆえに、河川法案の討論に際して、当時の議員工藤行幹氏は、淀川の改修を抵当にとってめくら判を押せというがごときは、はなはだけしからぬと言い、また全条六十七カ条の中に命令にゆだねる点が三十八カ条ある。これは法律でなくして命令を保護する法律であるとさえ言っているのでございます。このようにして成立した河川法は、実に七十年近い命脈を保ち、公物法の中で戦後も根本的に改正をされずに存在するものは、この河川法だけでございます。法文が変化せずに、この法律ほど内容の変化している法律は他に見当たらぬといわれておるのであります。大正年代以来、たびたび改正の議を起こして参りました。ことに、最近においては、昭和二十七年一月の建設省試案、六月の衆議院内海安吉議員を委員長とする改正案、さらに、同年八月の国土総合開発審議会に水制度部会を設置、これによる水制度の検討等があったのでありますが、一つも実を結ばず、今日に至っておるのであります。一面、戦後において、二十四年の水防法から始まり、特定多目的ダム法、治山治水緊急措置法、治水特別会計法等、幾多の法律が制定されたのでありますが、依然として基本法たる河川法には手を触れようとはしないのであります。これはいかなる理由によるのか、改正の意思がありやいなや、伺いたいのでございます。この点で内閣総理大臣初め関係大臣の明確な所見を承りたいのでございます。
 第三点は、河川法の改正が実現しないのは、実に官庁セクトに起因するためであると私は断じます。水行政に関する官庁セクトを根絶する方策を現政府はお持ちであるかどうか、この点をただしたいのであります。かく申し上げますならば、それなるがゆえに、水資源開発促進法あるいはその実現機関であるところの公団設立の法案を出したと言うでございましょう。しかし、この法案制定の経緯を新聞等によって見るに、本年一月以来、自民党案から始まり、二転三転、ついに首相裁断を見るがごとき事態になったのであります。各新聞の論説も、各省の権限争いに対しまして全面的に不満を表明しておることは周知のことでございます。水行政機関の不統一は諸外国にもその例を見るのでございますが、各官庁が、与党たる政党を動かして自己の主張を貫こうとするがごとき事例を聞いたことがございません。アメリカにおけるフーバー委員会のロバーツ調査班の手になるところの、一九四八年の「水力、灌漑及び治水計画の展望」と題せられるところの上下両院議長に対する膨大な報告のごときは、各省の運営について、米州全域にわたって各種の面から調査したものでございます。セクトの打破のためにはこのような努力が必要なのでありまして、行政庁が政党に働きかけ、自己の意思を貫こうとするがごときは、民主政治を破壊する原因をなすものと言えるでありましょう。この点についで、内閣総理大臣以下、関係大臣の御所見を伺いたいのでございます。
 第四にお伺いしたいのは、政府の水行政の諸施策の重点は、治水と利水のいずれを指向しているかという点でございます。水資源開発法案は、河川を水系として考えております。これは必然的にダム群の構想を持っていることを示すものでございます。ところで、ダム群の洪水調節の技術はまだ完成していないと聞いておるのでございますが、洪水調節と称しながら、実は利水のための調節作業を行なって、下流部を危殆に陥れた事例は、水力発電において幾多の例があるのでございます。水資源開発の根幹は、何としても洪水防御にある。洪水防御が先行しなければ、利水施設がいかに完備しても、洪水の前に屈服してしまうでございましょう。かように考えるのでありますが、政府はいかに考えられるか。特に、中村国務大臣及び科学技術庁長官たる池田国務大臣に御答弁を願いたいと存じます。
 第五点は、水資源開発基本計画の構想について、その大略を伺っておきたいのでございます。特にただしておきたいのは、法案の中に、水源涵養林と砂防及び地下水利用についての配慮がなされていない点であります。と申しますと、条文中には、「治山治水及び電源開発について十分考慮が払われていなければならない。」とあり、公団の業務に、「水資源の開発または利用のための施設」とあるから、これをもって足りるという御答弁がございましょう。けれども、ダム群による洪水調節ということになりますれば、ダムの埋没こそ命取りなのであります。長野県の美和ダムのごとき、砂防施設の欠如のため、一洪水によって実に三〇%余り土砂で埋没をしてしまったのであります。かくのごとく、砂防あるいは水資源涵養林または地下水利用に対する配慮のない基本計画というものは、どういうものでございましょうか。この基本計画の決定は、内閣総理大臣の責任でありますから、総理から伺いたいのでございます。
 第六点は、ただいま申し上げました地下水の利用に関連し、特にその規制方法についてお伺いいたします。近年、地盤の沈下による災害が各地に発生し、まことに憂慮すべき事態にあることは御承知の通りであります。大阪及び尼崎市においては、昭和二十五年のジェーン台風後、地盤の沈下に対処して建設された防潮堤が、その後の地盤沈下により著しく機能を低下し、再び高潮の恐怖にさらされておりますし、東京の江東地区についても同様の実情にあります。また、新潟市においては、可燃性天然ガス事業の発展に併い、最近数年間に一メートル数十センチの沈下が記録され、港湾施設等の一部がすでに水中に没しているのでありまして、これらの地域の住民は日夜不安におののいているのであります。これらの地盤沈下の原因は、ことごとく地下水の無制限なくみ上げに起因していることは明瞭でありまして、政府の無為無策を糾弾せざるを得ないのであります。地下水をほしいままにくみ上げるのは、地下水が公有物であるという観念がないからでありまして、西独、オランダ、アメリカ等においては、すでに地下水のくみ上げに関しては許可制をしいております。わが国においては、わずかに温泉法、工業用水法等に、一部地下水の許可または規制の規定がありますが、実際にはその効果を見るに至っておりません。地下水のくみ上げに対する有効適切な規制措置をとる意思があるか。この点に関しわが社会党は、地盤沈下対策特例措置法を一昨日提案しております。総理並びに関係大臣の御見解を承りたいと存じます。
 第七点は、本案による水資源開発基本計画と国土総合開発計画等の諸計画との関連についてであります。昭和二十五年制定の国土総合開発法は、経済、社会、文化の総合的見地から、国土の保全と水、土地等の天然資源の開発を主眼として立法されたものでございます。従って、この水資源開発基本計画もまた国土総合開発計画の一環として計画され、実施されるものと解釈いたしております。ところが、国土総合開発法に規定する四つの計画のうち、作成されているのは、わずかに特定地域総合開発計画だけでありまして、他の全国計画、都府県計画、地方計画は、すべて放置されているのであります。法律制定後すでに十一年を経過して、いまだに計画ができないのでありまして、行政機関の怠慢も、ここに至っては、あぜんとするばかりでございます。また、昭和三十一年に制定されました首都圏整備法に基づく首都圏整備計画は、すでに今日の実情に適合せず、政府自身、二、三年前から改訂の必要に迫られているのでありますが、いまだに改訂もしないで放置されております。このように、計画のないものとの調整、古びた計画との調整を、どうやって関連させていくのか、その方法を教えていただきたいのでございます。特に申し上げたいのは、本案によって最初に取り上げられる利根川水系は、そのまま、すっぽり首都圏に入ってしまうからであります。また、この際、淀川水系に関連する琵琶湖総合開発計画と、この基本計画及び公団業務の関係はどうなるか、あわせて伺います。国土総合開発の諸計画はどうするのか、首都圏整備計画の改訂はどうするのか、経済企画庁長官、首都圏整備委員長にお伺いいたします。
 第八点は、公団設置の予算措置並びに愛知用水公団との関係をお伺いいたします。この法案が成立いたしますと、本年度中に公団が設置されることになるのでありますが、年度途中において公団発足の場合、その予算はどのように措置されるのでございましょうか。補正予算を組むことになるのかどうか、この点、明確にしておいていただきたいのであります。なお、愛知用水公団は、豊川用水の事業を実施することになっておりますが、この公団と合併あるいは吸収されるのか。吸収するとすれば、時期はいつごろか。また、その場合、愛知用水、豊川用水の施設はどこの管理になるのか、この点、明瞭にしておいていただきたいのであります。
 最後に、第九点は、国民所得倍増計画との関係であります。仄聞するところによりますと、水資源開発水系は、さしあたり利根川、淀川、遠賀川、木曾川、吉野川であると言われておるのであります。吉野川を除きましての四河川は、実にわが国の四大工業地帯と大都市を指向しております。この地帯に対して、公団の事業が、政府投資に加えるに公団債券の発行及びその政府保証の手厚い保護のもとに行なわれることになるのでありますが、その際、地域的所得格差を生じ、生活の態様の大きな格差を招来すると思われるのであります。この指定されない地域に対してはいかなる方策をもって臨むか、総理及び各関係閣僚の御所見を伺いたい。
 以上九点について簡明な御答弁をいただきたいと存じます。(拍手)
  〔国務大臣池田勇人君登壇、拍手〕
#7
○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。
 産業の発達並びに人口の都市集中等々から、水の問題に対しましては非常な関心が払われてきたのであります。しかるところ、従来水の行政につきましては、治水が建設省、あるいは上水道が厚生省、灌漑は農林省、あるいは工業用水は通産省と、各者にまたがりまして、これが調整につきましては非常に時日を要し、苦慮いたしたのでございますが、水の開発利用というものの緊急性にかんがみまして、ここにようやく調整を経まして御審議願うことに相なったのでございます。おくれましたことはまことに申しわけございませんが、この重要性、緊急性にかんがみまして、十分御審議願いたいと思います。
 なお、河川法につきましては、お話の通り明治二十九年に制定され、自後これによりまして河川行政が行なわれておったのでございますが、最近のいろいろな要請に即応いたしまして、この河川法の改正につきましては、われわれは今後十分検討していきたいと考えております。
 なお、水に関する行政機関の統一でございますが、これも必要性は認めますが、先ほど申し上げましたごとく、なかなか従来のやりきたりその他がございまして、これを企画庁なら企画庁に一本にまとめることは相当困難だと思いますが、しかし問題の重要性にかんがみて、今後検討して参りたいと思います。
 なお、デルタ地帯あるいは特定の大河川の所につきましては計画ができているが、低開発地域の方はどうかという御質問でございます。われわれはただいま御審議願っております低開発地域工業開発促進法、これによりますと同時に、金融その他いろいろな点で低開発地域の河川につきましても十分検討を続けていきたいと思います。
 その他は関係閣僚からお答えいたします。(拍手)
  〔国務大臣迫水久常君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(迫水久常君) 全国総合開発計画が法律制定後十年春たってもまだできないというお話でございましたが、まことにその通りであることは申しわけございませんが、目下経済企画庁で鋭意検討中でございまして、六月末を一つのめどとして策定をいたしたいと努力しております。今回のこの水の基本計画との関連は、当然この計画との、関係が出てくるのでございまして、それは法律の条文にもございまする通り、内閣総理大臣が両方の審議会の意見を聞いて調整するということに相なっておりまするので、そごのないようにいたしたいと考えております。
 なお、地盤沈下の問題につきましては、地盤沈下対策審議会がございまして、それぞれあるいはガスを掘ることを規制したり、あるいは地方的に地下水をくみ上げることを規制いたしたりいたしておりますが、今度の水の基本計画を立てまする用水を確保する場所というのは、たとえば淀川水系のごとく地下水のくみ上げ等によって地盤が非常に沈下しておる所なんかを重点に置くのでありまして、一つの地盤沈下の対策としても大きな効力があるのではないかと考えております。(拍手)
  〔国務大臣中村梅吉君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(中村梅吉君) お答えいたします。
 河川法に関しましては総理大臣からお答えがございましたので、省略をさしていただきたいと思います。
 洪水調節との関係についてのお話でございまして、との点はまことに水資源との関連におきましては重要でございます。わが国の河川は、大体地形上からも、また気象的な関係から言いましても、洪水と渇水との差が非常に激しいのでございまして、かような点にかんがみまして、水資源の開発にあたりましても、極力積極的にこの流量の調節に配慮をいたすべきであると思います。過去におきまして、発電関係のダム等におきましては、若干この流量調節に欠ける点がありましたことは、私どももよく承知いたしておりますが・今後かような欠陥のございませんように鋭意配慮して参りたいと思います。
 次に、地盤沈下の問題でございますが、これもただいま企画庁長官からお答えがございましたけれども、われわれといたしましても、この地盤沈下と水資源の関係につきましては深い関心を持っておる次第でございます。水資源を努めて開発いたしまして用水の確保をするということが、地下水利用の制限を断行いたしまする一つの重要な関連でございますので、水資源の開発の重要性もここに一部あるわけでございます。かような観点に立ちまして、水資源の開発と相並行いたしまして、地下水の利用制限ということにつきましてもできるだけ早く措置を講じまして、地盤沈下を適切に防止する道をはかっていきたいと思うのであります。
 次に、首都圏整備との関係についてのお尋ねでございました。われわれは、この首都への過度の人口集中というものが今日非常に問題となっており、またこれについて深い配慮をしていかなければならない段階にありますので、御承知の通り、近傍に衛星都市を建設いたしまして、この衛星都市に定着人口を作って、首都への過度の流入を防ぎ、あるいは首都にありますいろいろな施設等をこの衛星都市に吸収いたしまして、首都の整備を期しておるような次第でございます。これにつきましても、実を申しますと、衛星都市の建設を着々やっておる次第でございますが、当面してすぐ起こって参りまするのは、工業用水、水道用水等、水資源との関係が起きて参りますので、従いまして、私どもこの観点からも、水資源の開発をすみやかに総合的な開発を行ないまして、衛星都市の建設に寄与できるようにいたさなければならない、かように考えておる次第でございます。
 以上をもちまして私に対する御質問のお答えといたします。(拍手)
  〔国務大臣池田正之輔君登壇、拍
  手〕
#10
○国務大臣(池田正之輔君) お答えいたします。治水と利水を、どっちを先にやるかというようなお話がございましたが、これは当然治水を基礎にして考えにやならぬことは申すまでもございません。昔から治水だけは非常に政治の上に反映し、また努力されてきております。しかし、利水の面になりますと、残念ながら、これは近代になって初めて出てきた問題、ことに日本の場合は、御承知のように水資源があまりにも豊富であったために、水を利用する利水の面については非常に欠くるところがあったのであります。しかし、何もしなかったかというと、そうではございません。水資源の開発を、利水をやらなければならぬという議論が識者の間に出ましたのは、今から数十年前からそういう意見が出ております。特に昭和二十二年、経済安定本部に資源調査会ができまして、そこでこの問題を大きく取り上げまして、調査をいたしてきています。それが科学技術庁における資源調査会に継承されて、そこで現実になおこれと取っ組んで、いろいろの角度からこの問題を検討いたしておるのであります。しかし、何と申しましても、田中さんが御指摘になりましたように、これは非常に複雑でございまして、地方官庁やあるいはそれぞれの官庁の間に、今までの伝統なり、しきたりがございまして、総理からも申されましたように、これを調整することは非常にむずかしい。これはただ単に行政機構としてのなわ張りという問題でなしに、実際にこれを利用する場合に、利害関係がお互いに錯綜して参ります。従って、これをどういうふうに調整していくかということは、単なる政策的なあるいは行政的の問題としてでなしに、実体的にこれをつかんでいかなければならないというので、そこで科学技術庁といたしましては、資源調査会が中心となりましてこの問題に現在も取っ組んでおるような状態であります。従って、これからの産業の発達、産業構造の変化等によりまして、これに対する政策というものは固定したものであってはならない。そのとき、その場所等に応じて、流動的にこれはいかなければならない。従って、今日ここで絶対に間違いないというような政策というのは私はあり得ない。そのときの情勢に応じて、しかし、先を見通しながらこれに対応して政策を立てていくということが肝要だと考えております。
 それから地下水の問題につきましては、これは二種類あると思います。たとえば都市周辺における地下水と農村地帯における地下水。都市の場合は、御指摘のようにこれは地盤沈下、私も就任以来地盤沈下の状態を拝見いたしております。これには、私が調査いたしたところによりますと、残念ながら御用学者などがおりまして、会社の代弁をやっておるようなために、非常に政策の上に誤解を受けるような事態もあったことをはなはだ残念と思っています。従ってわが庁といたしましては、あくまでも科学の上に立脚いたしまして、最も着実に、実際的に調査する。さらにまた、もう一つは、農村や地方における地下水の利用、この問題につきましては、なお現在の段階では調査が不十分でございます。アイソトープの発達した今日でございますから、これを利用いたしまして調査すれば、今のただ単なるボーリングやその他の原始的の方法と違いまして、十分な調査もこれからは可能の時代になって参りましたので、十分調査してやっていきたい、かように考えております。(拍手)
  〔国務大臣椎名悦三郎君登壇、拍
  手〕
#11
○国務大臣(椎名悦三郎君) 各省のセクショナリズムやあるいはまた工業地帯の地盤沈下の問題等につきましては、すでに御答弁があったようでありますから、私から申し上げることはございません。(拍手)
  〔国務大臣周東英雄君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(周東英雄君) 私に対するお尋ねの第一は、水源涵養の問題と砂防関係についてであります。御指摘のように、このたびの法律の目的は緊急の用水対策に限られておりますので、その中には、なるほど計画にも、公団の事業内容としても、治山問題が入っておりません。しかしながら、御承知のように治山砂防事業というものは、単に災害防除のためにあるだけでなくて、長期の水源涵養並びにダムの埋没防止等の目的をもって今日までやられて参っております。従って、私どもが立てております治山十カ年計画におきましても、その目標のもとに動いておりますが、今後、本法の制定の暁は、水資源公団における計画に相並行いたしまして、さらに水資源林涵養並びに砂防事業について力を入れて参りたいと思っております。
 お尋ねの第二点は、愛知用水公団に関する問題であります。御承知のように愛知用水公団は近くその事業を完了いたしますが、ただいま国会に提案されております愛知用水公団法の一部改正法案が通りますれば、直ちに豊川用水事業と取り組むことになります。本法の制定によりまして水資源公団の発足がございましても、この方には、やはり根本において水資源開発基本計画の樹立の必要がございますし、予算等の必要もございましょう。また一面、愛知用水公団の方面におきましても、世界銀行との間における借款というものを、了解を得て、この肩がわりの問題がございます。こういう問題をすべて準備いたしまして、適当な時期にこれに吸収合併をする考えでおります。(拍手)
  〔国務大臣安井謙君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(安井謙君) 水資源の総合的な開発、また、水利の合理化の促進等につきまして、この法案を実施する過程におきまして、従来の自治体の固有の権限が侵されることのない占うに、十分この法案の作成にあたりましては配慮はされていると存じておりますから、その御心配は要るまいと存じます。(拍手)
#14
○田中一君 建設大臣から砂防施設に対する答弁がない。どう処置するのか。この法案の中に砂防の問題は入っておりませんから……。それから予算措置の問題について総理大臣から答弁願いたい。
  〔国務大臣迫水久常君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(迫水久常君) 御答弁を落としまして申しわけございません。この公団には出資の規定もございませんし、また現在補正予算の措置も講じておりませんが、これは水資源開発促進法によりまして審議会ができまして、その審議会で基本計画ができましてから、その基本計画を見て、もし予算上必要な措置が要る場合には補正予算の措置を講じていただくし、出資を必要とするような状態でありますならば、この法律を改正して出資をしていただく、こういう考え方にいたしております。(拍手)
  〔国務大臣中村梅吉君登壇、拍手〕
#16
○国務大臣(中村梅吉君) 補足いたします。砂防の重要性につきましては私ども十分認識をいたしているのでございますが、特に水資源を開発いたしまして、そのためのダムの建設等の維持管理等をいたして参りまする上におきましては、砂防は一そう重要でございまして、ものこれをおろそかにいたしますならば、せっかくのダムの効用も大きく削減されることになりますので、ダムとの関係その他万般的に、この砂防については今後一そう注意をして努力をして参りたいと思います。
 なお、促進法第四条にもこの点に触れまして、水源林の涵養あるいは治水治山との関係等は十分に配慮しなければならない旨を明記いたしておりまして、本法が制定されました暁に、この運用に関しましては、御指摘の点に十分配慮をいたしまして、遺憾のないように期して参りたいと思っております。(拍手)
   ―――――――――――
#17
○議長(松野鶴平君) 田上松衞君。
  〔田上松衞君登壇、拍手〕
#18
○田上松衞君 民主社会党を代表して質問を行ないまするが、まずお断わりを申し上げたい点は、私が質問いたそうとしておったおもな点が、ほとんど先刻の田中議員と類似してしまっております。このために、すでに御答弁済みのことも多いことであるし、あるいは皆さん方にも非常に聞きづらい点があるだろうことを心配しつつ、なるべくそうした重複する点を省こうと努力しながら、整理しつつ質問をしなければならぬ羽目に陥りましたので、そこで、若干の時間をはみ出すかもしれませんけれども、どうかあらかじめその点をお見のがしを願いたいとお願いをしておきたいのであります。
 最初に、総理に対してお伺いいたしまするが、第一点が、あなたが提唱されているところの所得倍増計画においては、この法案がいかなる位置づけをされるのかという問題であります。あなたの提唱された所得倍増計画は、即国民総生産の総合倍増計画でありまして、国民経済の発展についての具体的な指導方針でなければならないはずであります。本年度予算について、あなたは、減税と社会保障と公共事業の三つを公約されたのでございまするが、そのうちで最も強力な予算措置の裏づけのあるのは、言うまでもなく公共事業投資でありました。国民経済の発展に伴って、国の財政余力がだんだん豊富になり、財政機能による社会資本を充実せしめる能力がますます向上しつつある傾向は、何人も否定できない事実でございまして、われわれは、財政の実力をもって、国民生活の平等な向上のためのより強力な原動力としなければならないと考えておるのであります。こうした見地に立って痛感することは、所得倍増計画並びに本年度予算で実施しようとしておる公共事業等の社会資本投融資は、実は、自由放任にゆだねられておりますところの民間大企業の投資競争の跡始末、しりぬぐい、もしくは露払いを演じておるようなものでありまして、どうながめてみても、国民経済全体の見地に立っているものとは受け取れないと考えているのであります。ここに出されたところの両法案こそは、まさにそのモデル・ケースであると断ぜざるを得ません。すなわち、開発促進法の提案理由として、「最近における産業の発展及び都市人口の増加に伴い水の需要の著しい増大がみられる地域に対する用水の供給を確保するため、水資源開発水系について水資源開発基本計画を決定し、」云々と、こうありまするが、最近の目をおおうばかりの大企業の設備投資競争、大工場の敷地の奪い合い競争、並びに無統制無計画に膨張しまするところの大都市の人口の動向等、このような現下の経済、社会の現象に対するところの完全な屈服、完全な追従、これが両法案の内容に見られる第一の特徴であるとさえ考えるのであります。長期にかつ有効な国民総生産の倍増は、まず、水資源開発の位置づけに根幹を置いての計画でない限りにおいては、何べん繰り返してみたところで、前に述べた悩みを解消することができないことは今日の常識でございます。この同案の内容からは、こうした重大な点に対する考慮の跡が発見できません。このことに関する総理の誠実な御所見を承っておきたいと考えます。
 第二の点は、この二法案と国土総合開発法との関係についてであります。さっき申し上げましたように、田中議員からすでに触れられた言葉でありまするけれども、若干方向を変えて言いますならば、別の言葉を使って申し上げますると、水資源に関する憲法を重ねて必要とした理由はどこにあるのか、こう聞きたいのであります。国土総合開発法の第二条第一項には、「国又は地方公共団体の施策の総合的且つ基本的な計画」として、「土地、水その他の天然資源の利用に関する事項」の基本計画を立案し、実施の基本方針を取りきめることを定めて、そうしてこの基本計画は、全国と都道府県と、それから二つ以上にわたる地域及び特定地域、この四段階についてなすことを規定しているわけであります。私どもがこの際はなはだしく奇怪に感ずることは、国土総合開発法が制定以来十一カ年になるわけでございまするが、これらの規定が今日までどのように活用されてきたか。国土総合開発法それ自体が単なる絵に書いたぼた餅にすぎなかったのか。しからずとするならば、水資源の開発並びに利用は、はたして何に準拠して今まで行なってきたものであるのか。全くの場当たりのでたらめ式だったと批評されることは当たらないのであるのか。現行の国土総合開発法並びに電源開発促進法の側からながめてみまするならば、本促進法案に規定するところの水系の指定であるとか、あるいは開発基本方針が、明らかに法体系の撹乱であるとさえ考えるのでありまするが、あえてこれを必要となさるところの理由は一体どこにあるのかということであります。
 第三点は、との両法案の提出をめぐって、各省間の深刻ななわ張り争いが続けられたことは、もはや天下周知の事実であります。これを調整するために、促進法案において、経済企画庁長官を基礎調査の調整責任者と定めまして、公団法では、総理の権限の一部を経済企画庁長官に委任することができる旨を規定しております。私どもは、この両法案を各省なわ張り争いのえじきに堕する危険を救うためにも、各省庁案の調整を完全ならしむるための再検討が必要ではないかと考えるのであります。たとえば、具体的に言うならば、経済企画庁長官に調整を行なわしむるよりも、逆に経済企画庁長官に基本計画を立案せしめて、これを関係行政機関の長に協議し、かつ関係知事及び審議会の意見を聞いて、最後に総理が決定するというような工合に改めるか、あるいはまた、むしろ一歩を進めまして、水資源開発庁とでもいうようなものを新たに設けまして完璧を期するようにする等のことが必要でないかと考えるのでありまするが、総理の率直な御所見を承りたいと存じます。
 経済企画庁長官に田中議員の質問と重複する点をどんどん整理調整しながらお伺いいたしまするが、促進法案でいう損失補償についての公平かつ適正を期するためには、具体的にどのような方策を持っておられるか、この点だけは聞いておきたいと思います。
 いま一つ、公団法に規定しているところの主務大臣に対して訴願ができる期間を、訴願法では六十日だと、こうきめておるのにかかわらず、この場合、その半分に縮めてしまったこと、ことさらにまた訴訟の権利をはずしてしまったという根拠並びにその理由、これらについて的確な御答弁をいただきたいと思います。
 農林大臣と自治大臣にお伺いいたしまするが、公団法案の第二十三条は、河川法の特例を設けまして、河川法が規定するところの河川管理者並びに河川関係工事施行義務者に優先することをねらっておるようであります。最近の非常に目立つ現象の一つといたしまして、このことは、池田内閣のいわゆる農民六割切り捨て政策におびえる感情等も手伝ったのかもしれませんけれども、いずれにいたしましても、地方自治体の長が、地方財政並びに地方経済の発展のためにと称しまして、盛んに大工場の誘致に努めておる姿を私は知っております。地方住民もまた、時限的なこうした現象にとらわれまして、極端に言ってしまいますならば、地方発展のためには、農業水利よりも、工場水利の確保の方が先決問題であると考えるうな、おそるべき傾向が急激に広まりつつあります。従って、河川法に規定する水利権が、さきのごとく、もし公団に優先されてしまうということになりまするならば、こうしたおそるべき弊害をますます助長させるおそれが強いと考えるのであります。農村、中都市地帯にこそ、むしろ、より多くの水資源の確保が必要であると思っております。この観点から地方自治体に対する的確な指導をすることはもちろんでございまするけれども、特に両案の実施にあたっては、各地方代表者の発言権を強化いたしまして、かつまた、農業及び淡水漁業水利を侵害しないうに本法案に強く規定する必要がある、こう思うのでありまするが、これに対しては、特に農林大臣と自治大臣のそれぞれから御見解を承っておきたいと考えます。
 厚生大臣にただしたいことは、今日のように大都市における人口集中のテンポが早められておりまする現状に着目いたしまするならば、水資源の確保、問題は、都市住民の生存のために、何よりも生活用水の確保を最優先的に考えていかなければならないと思うのであります。東京都についてみましても、現在すでに日量百トン以上の不足を告げておるようであります。ところが、東京都が計画しておるところの利根川水系からの用水確保については、京浜並びに京葉及び常磐地方の各工業地帯において飛躍的に急増するところの工業用水確保の問題と完全にこれは競合する、せり合ってしまうのであります。あなたは、生活用水の確保、上水道の建設について、今回の公団構想だけに、もし、たより切る、依存しっぱなしであるというようなことであるならば、現在の時点ではあまりにも現実を解しない、あまりにも都民に対しても不忠実だ、無策だというそしりを免れないでありましょうが、今日ただいまの都市生活用水の確保に対する抱負をこの際お聞かせいただきたいと考えます。
 時間が迫るようでありまするが……
#19
○議長(松野鶴平君) 田上君、結論を……。
#20
○田上松衞君(続) 通産大臣に一点お伺いいたします。鉄鋼業、化学工業等のような工業用水を大量に必要とする産業の立地条件が、水資源の豊富な地域とすることが適当であるにもかかわらず、皮肉にも最近は、この種の産業構造上、敷地がどれも水資源からはるかに遠隔の地点に立地されているのが実相であります。このために公団が、土建屋と全く同じく遠距離からの水路建設に腐心没頭せざるを得ないような弊害を政府みずからが作るような結果になることをおそれるのであります。私どもは……
○議長(松野鶴平君)田上君。時間を……。
#21
○田上松衞君(続) 急ぎます。工業用水の開発とは、単に水資源・水源地からの水路を建設することだけではなくして、排水の還元、回収であるとか、その反覆利用であるとか、あるいは下水処理場の活用、さらには海水の利用等に真剣に着目して努力をする必要があると考えております。時間が過ぎたのでありますけれども、さきにお話ししたように、こういうことに関しますることから厚生大臣の水の高度利用に閲するところの真剣なお考えをお聞かせ願いたい。
#22
○議長(松野鶴平君) 時間が過ぎました。
#23
○田上松衞君(続) はい、わかっております。わかっておりまするが、相当これでも整理しつつやっておるのでありますからお許しいただきたい。
 最後に、建設大臣に一点だけお伺いいたしておきます。建設省が主管するところの治山治水計画及び電源開発事業計画と両案の求めているところの基本計画及びその事業の実施とは、完全に一元的に統制されておらなければならないはずであります。各計画間の調整をはかるということは、建設省既往の治山治水計画並びに電源開発事業計画について、変更ないしは改訂するような場合もあり得るということを一体意味しておるのかどうか。どうお考えになっておるか。私どもは、両案の出現が、少なくとも建設省関係の事業計画に多大の変更をもたらすおそれが強いと予想しておるのであるが、建設大臣の偽らない御所見と、この際、特にその信念の一端をお伺いしておきたい。
 あともう一点だけ言わして下さい。建設大臣に対して、水利権をそのままにしておいて水資源開発促進法の目的を円滑に一体達成し得ることが可能であるという自信をほんとうにお持ちであるのかどうか。さらに関係知事を無視しておいて、公団をして一方的に水資源施設を管理せしむるよ方なことが一体妥当であるとお考えになっておるのか。そうだというならば、その理由と根拠を承っておきたい。
 非常に御迷惑をかけてしまって申しわけありませんが、私どもは、こうした多くの疑問と、あまりにもたくさんの矛盾を内包しておりますところのこの法案に対しては、ただ、うのみにはこれに賛同することはできない。それは水資源の重要性にかんがみまして、この問題に十分慎重に取り組んで、納得のいかぬ限りにおいては、場合によるならば継続審議も、あるいは廃案を求めることすらあり得ることを予告いたしまして、私の質問を終わらしていただきます。(拍手)
  〔国務大臣池田勇人君登壇、拍手〕
#24
○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。
 今回の二法案につきましては、大産業へ寄与するためと、こういうお考えのようでございまするが、そればかりではない。これは産業、国民生活全般に関係があるのでございます。
 第二の御質問の国土総合開発計画との関係でございます。国土総合開発計画には、土地、水、その他の天然資源の利用ということにつきまして、包括的に、複合的に規定はしてありますが、具体的の問題はない。この今回の水資源開発促進法並びに公団法は、それを具体的に処置せんとする法案であるのであります。だから、国土総合開発計画の一環としてお考え願いたいと思います。
 第三の、水の利用に関しましてのいろんな施策、御意見があったようでございまするが、私は、ただいまのところ、本二法案でやっていくことが一番適当と考えております。(拍手)
  〔国務大臣迫水久常君登壇、拍手〕
#25
○国務大臣(迫水久常君) 私に対しまする御質問は二点でございまして、促進法案にいう損失補償について、公平かつ適正を期するということを書いてあるが、具体的にはどういうふうにするのかという御質問が第一点でございますが、あの条文というのは、事業の担当者が当然そういうことをしなきゃならぬのを、さらに一応注意的に書いたものでありまして、これは言うまでもないことでございますが、結局具体的には、今まで損失補償を金銭で主としてやっておりましたが、今後は現物の給付、つまり、かわりのものをやるとか、あるいは生活再建のための措置とか、すなわち、学校を新しく建てるとか、そういうようなことをあわせて、公平かつ適正な措置をとられるようにしたいということでございまして、政府としましては、公団に対する事業の監督等の線を通じて、できるだけの必要な指導は惜しまないつもりであります。
 第二点は、公団法においても主務大臣に対する訴願の期間を三十日に限定したのはどういうわけか、訴訟はできないのじゃないかという点でございまして、三十日にいたしましたのは、特定多目的ダム法では三十日ということになっておりますので、その例に従ったものでございます。なお、訴訟は、行政事件訴訟特例法の規定によりまして、当然これは起こし得るものでございまして、訴訟の道をはずしてしまったものではございません。(拍手)
  〔国務大臣周東英雄君登壇、拍手〕
#26
○国務大臣(周東英雄君) お答えをいたします。
 公団の設立によって農業水利が侵されないかというお尋ねであります。本法律によって公団ができて、公団の事業としてできた施設を利用して、工業用水、あるいは灌漑用水、あるいは上水等を新たに利用しようとする者は、従来通り、やはり都道府県知事の許可を要することになっておる。しかし、その際におきまして、都道府県知事は、従来からある水利権、ことに慣行水利権というようなものを無視してはできないのでありますことは従来通りでありまして、これは都道府県知事が十分それを尊重し、これを調整して許可をいたすことでありまするので、この法律ができましても、それによって、農業灌漑用水等が、あるいは農業水利権が侵害されるというおそれはない、かように考えております。(拍手)
  〔国務大臣安井謙君登壇、拍手〕
#27
○国務大臣(安井謙君) 公団が特定の施設をいたします場合に、従来、河川法で定められております都道府県の知事の権限を、ある程度かわってやるという場合があることは、この施設の性質上やむを得ない場合があろうと思います。また、その一部を管理するという場合も同様でございます。しかし、これが不当に行き過ぎにならないよう、政令等で十分にこれは必要の最小限度にきめることにいたしております。また、この開発の基本計画を定める際に、総理大臣は府県の知事の意見を聞きます。また、主務大臣が実施方針を立てます際にも、十分府県知事の意見を聞く。さらに公団が実施計画をやります際には府県の知事と協議をいたす。こういう建前になっておりますので、不当に従来の権限が侵されるというような憂いはなかろうと思っております。(拍手)
  〔国務大臣古井喜實君登壇、拍手〕
#28
○国務大臣(古井喜實君) 都市の発展と飲料水の確保の点についてお答えを申し上げます。
 都市が目ざましく発展をしておる事実、飲料水の確保がお互いの生活のための絶対問題でありますことは申すまでもございません。私どもといたしましては、長期の十年計画のもとにこの上水道の拡張整備の問題を進めておるところでありますが、また、具体の各都市につきましても、実情に応じてやらなければならんことでありますので、それぞれの事情に応じて計画を進めておるところであります。たとえば、先ほどお話の東京の問題になりますれば、小河内ダムの完成で、もう多摩川水系の利用は満度にきました。あとは利根川水系にたよるほかはありませんので、今度の公団法などにも関係はございますけれども、利根川水系の矢木沢、下久保両ダムの完成によって、一日百二十万トンの水を確保する計画でございます。そういたしますれば、東京とすれば昭和五十年までの需要には応じきれると、こういう考えを持っております。実情に応じて整備計画を進めておるところであります。(拍手)
  〔国務大臣椎名悦三郎君登壇、拍手〕
#29
○国務大臣(椎名悦三郎君) 工場立地と用水との地理的関係についてまずお答え申し上げます。
 最近の工場の用水の不足の関係にかんがみまして、ただいま工場立地適地調査を行なっておるのでございますが、これに基づきまして、どういう地点が最も今後の工場適地であるかというような点を明らかにいたしますが、特に水の状況を重要な一つの要件として検討いたしまして、これによって、行政指導によって工場に対する適地誘導を行なって参りたいと存じております。
 その次に、工業用水の開発の問題として、一たん使用した用水を再び回収する、あるいは下水処理による利用、またはその他、海水の淡水化とかいったような高度利用の問題についての御質問でございましたが、これらにつきましても、御指摘の通り、工業用水の開発利用につきましては、ぜひこの問題と取り組まねばならぬ、こういう観点からいたしまして、ただいま研究を極力進めておる状況でございます。(拍手)
  〔国務大臣中村梅吉君登壇、拍手〕
#30
○国務大臣(中村梅吉君) お答えいたします。
 水資源の開発と治山治水の重要な関連におきましては御指摘の通りでございます。もちろん政府といたしましては、水の資源開発と同時に、治山治水につきましては十分配慮をして参る必要がありますので、今後とも一そう努力をいたしたいと思います。同時に、この促進法におきましても、基本計画の策定にあたりましては、これらの関係を十分考慮しなければならない旨を明らかにいたしておりますので、本法の運用にあたりましては、さようにして参りたいと思います。
 次に、この立法を行なって、河川の責任官庁として建設大臣はどう思うかという御趣旨の御質問のように拝聴いたしましたが、河川は、治水、ことに洪水防御、災害との関係等、われわれ建設省としましては責任を負っておりまする次第で、この点につきましては、本法を実施いたしましても遺憾のないように実は立案段階で努力をして参ったのでございます。御承知の通り、公団法の五十五条に、洪水防御の機能または流水の正常な機能の維持増進に関連する問題につきましては、建設大臣が主務大臣といたしまして公団を指揮監督をするような建前にいたしておりますので、われわれは直接みずからが河川の管理をいたしますると同様な建前に立ちまして、公団を通して、公団の事業を実施する場合におきましても、洪水防御、その他河川管理上、治水上に遺憾のないようにして参りたいと思っておる次第でございます。(拍手)
#31
○議長(松野鶴平君) これにて質疑の通告者の発言は全部終了いたしました。質疑は終了したものと認めます。
   ――――・――――
#32
○議長(松野鶴平君) 日程第二、法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。建設委員長稲浦鹿藏君。
  〔稲浦鹿藏君登壇、拍手〕
#33
○稲浦鹿藏君 ただいま議題となりました測量法の一部を改正する法律案について、建設委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。
 測量法は昭和二十四年に制定されたのでありますが、最近、公共事業の進展に伴いまして、測量業務は著しく増大し、測量業者の役割も重要なものとなって参りました。この情勢に対応して、測量業者に対し適切なる措置を講じ、正確なる測量の実施とその確保をはかろうとするのが、本改正案の目的であります。
 改正のおもなる点は、測量業者で一定の測量を請け負う者は、建設大臣の登録を受けなければならぬことといたしております。一定の測量と申しますと、すべての測量の基礎となる測量、すなわち基本測量及び国その他公共団体が費用を負担する測量、いわゆる公共測量並びにこれらの測量の成果を使用して行なう測量をいうのでありまして、小道路または建物等のための局地的測量に対しては適用いたしておりません。また、登録を受けた測量業者は、その営業所ごとに測量士一人以上を置くことといたしております。その他、登録簿の公開、業者の一括下請負の禁止、登録の取り消しに関する事項、建設大臣の助言の事項等を定めております。
 委員会における質疑につきましては、会議録に譲ることにいたします。
 質疑を終了、次いで討論に入り、民主社会党を代表して田上委員から賛成の発言があり、採決の結果、本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#34
○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#35
○議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。
   ――――・――――
#36
○議長(松野鶴平君) 日程第三、後進地域の開発に関する公共事業に係る国の負担割合の特例に関する法律案、
 日程第四、地方財政法の一部を改正する法律案(いずれも内閣提出、衆議院送付)、
 以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#37
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。地方行政委員長増原恵吉君。
  〔増原恵吉君登壇、拍手〕
#38
○増原恵吉君 ただいま議題となりました二法案について、委員会における審査の経過並びに結果を御報告いたします。
 まず、後進地域の開発に関する公共事業に係る国の負担割合の特例に関する法律案について申し上げます。
 本法案は、いわゆる後進地域の開発に関する公共事業の実施を促進するため、当該事業についての国の負担割合を当分の間引き上げることを定めるものでありまして、内容の要点は、(一)、本法による国庫負担率の特例を適用すべき団体は、一定の基準に従って選択された都道府県とし、その選択の基準としては、財政力指数、すなわち地方交付税制度上の基準財政収入額と基準財政需要額との比率を用いることとし、都道府県における過去三カ年間の比率の平均はおおむね〇・四六でありますから、これを財政力指数の平均値とし、それぞれの地方団体の財政力指数が〇・四六に満たない場合、その団体に本法を適用すること。(二)、適用の対象となる事業は、河川、海岸、砂防設備、林地荒廃防止施設、地すべり防止施設、林道、道路、港湾、漁港及び農業用施設にかかる事業について一定範囲のものを選択するものとし、具体的には政令で定めるものとすること。(三)、国庫負担割合の引き上げ率は、財政力指数が最小の適用団体の場合に二五%増となるように一定の算式によって定めるものとする。ただし、以上の方法で国の負担割合を算定した場合において、適用団体の負担割合が一割未満となるときは、最低限度一割までは団体の負担となるように国の負担割合を定めること。(四)、本法の実施に伴い、現行の地方財政再建促進特別措置法等による特別制度は廃止する建前とし、三十八年度までに漸進的に本法に吸収することとして所要の経過規定を設けること、などであります。
 地方行政委員会においては、三月九日、政府側から提案理由の説明を聞いた後、当局との間に、いわゆる後進地域開発のための財源付与の方法、適用団体の選定基準、開発指定事業の範囲の定め方、本法によるかさ上げの額、現行の特例措置と本法の経過措置によるかさ上げの比較関係などをめぐる問題点について質疑応答を重ね、慎重審査を行ないましたが、その詳細は会議録によってごらんを願いたいと存じます。
 五月二十三日、質疑を終了し、討論に入りましたところ、鍋島委員より本法案に賛成の旨を述べられ、なお各派共同提案にかかる附帯決議案を提出されました。
    附帯決議案
  後進地域における産業立地条件の整備とその体質の改善は、現下の急務である経済発展の地域的均衡、いわゆる地域格差の是正の前提をなすものであり、その実現については公共事業の補助負担率の特例は最も重要と思われるから、本法の実施に当っては、政令による事業指定の範囲等、次の諸点に留意し、遺憾なきを期すべきである。
 一、公共事業の配分の適正を期するとともに、それぞれの適用団体における開発は最も総合的効果をあげることとなるよう関係諸措置と併せ特段の配慮をするこ。
 一、政令により適用事業の範囲を指定するについては左の事項の実現を図ること。
  (イ) 災害関連事業、海岸保全施設整備補助事業および湖岸堤防施設事業について事業費で最低限度額を定める場合においては、でき得るかぎり低い額とすること。
  (ロ) 砂防補助事業、林地荒廃防止補助事業、地すべり補助事業については、適用河川水系、準用河川水系にかかるものはすべてこれをふくませること。
  (ハ) 河川事業については小規模河川改修事業をも対象事業の範囲に入れること。
 右決議する。
 以上であります。
 かくて採決の結果、本法案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定をいたしました。
 次いで、鍋島君提出の附帯決議案について採決の結果、とれまた全会一致をもってこれを委員会の決議とすることに決定いたしました。
 なお、この附帯決議に対し、安井自治大臣は、十分決議の精神を尊重し、対象事業の範囲についても決議の線に沿って実現を期したい旨を述べられました。
   ―――――――――――
 次に、地方財政法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本法案は、地方債の消化を促進するため、二以上の地方公共団体は、議会の議決を経て共同して証券を発行することができるものとし、その場合、これらの地方公共団体は、連帯して当該地方債の償還及び利息の支払いの責に任ずるものとする内容のものであります。
 地方行政委員会は、三月二十三日、安井自治大臣から提案理由の説明を聞き、本法の立法を必要とする具体的理由等の問題点について質疑を行ないましたが、詳細は会議録によってごらんを願いたいと存じます。
 五月二十三日、質疑終結、討論に入りましたところ、別に発言もなく、採決の結果、本法案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#39
○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 まず、後進地域の開発に関する公共事業に係る国の負担割合の特例に関する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#40
○議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。
   ――――・――――
#41
○議長(松野鶴平君) 次に、地方財政法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#42
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案は全会一致をもって可決せられました。
   ――――・――――
#43
○議長(松野鶴平君) 日程第五、国民健康保険法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。社会労働委員長吉武恵市君。
  〔吉武恵市君登壇、拍手〕
#44
○吉武恵市君 ただいま議題となりました国民健康保険法の一部を改正する法律案について、社会労働委員会における審議の経過並びに結果を報告いたします。
 本法律案は、国民健康保険において、世帯主である被保険者が結核または精神障害にかかった場合の医療費負担を軽減し、生計の中心となる者の長期疾病による世帯の貧窮化を防止せんとするものでありまして、その要旨は、世帯主である被保険者が結核または精神障害について療養の給付を受ける場合には、その一部負担金の割合を十分の五から十分の三に引き下げ、保険者がこの引き下げに伴って必要とする費用の全額を国が負担または補助することであります。
 委員会におきましては、各委員より熱心な質疑が行なわれましたが、そのおもなる点は、第一に、国民所得の増大に伴う格差を縮めるためにも、農村や中小企業の関係者を主たる対象とする国民健康保険において、国庫負担をもっと増額すべきではないか。第二に、国民健康保険の赤字財政のために、市町村の一般会計よりの繰り入れが多くなっておるが、これは国の責任において補うべきではないか。第三に、国民皆保険になった今日、なお無医地区が千百八十四カ所もあるが、すみやかにこれが解消の措置をとるか、または、それまで、これらの地区に対し保険料の軽減を行なう考えはないか。その他、制限診療の撤廃についての質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録によって御承知を願います。
 かくて質疑を終了し、討論、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案の通り可決すべきものと決定いたしました。
 以上報告をいたします。(拍手)
#45
○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#46
○議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。
 次会の議事日程は、決定次第、公報をもって御通知いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時三十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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