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1960/02/14 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 法務委員会 第3号
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1960/02/14 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 法務委員会 第3号

#1
第038回国会 法務委員会 第3号
昭和三十六年二月十四日(火曜日)
   午前十時三十五分開会
  ――――――――――
   委員の異動
二月七日委員赤松常子君辞任につき、
その補欠として相馬助治君を議長にお
いて指名した。
二月八日委員青田源太郎君、佐野廣君、
大谷贇雄君及び亀田得治君辞任につ
き、その補欠として泉山三六君、後藤
義隆君、大野木秀次郎君及び江田三郎
君を議長において指名した。
二月九日委員相馬助治君辞任につき、
その補欠として赤松常子君を議長にお
いて指名した。
本日委員江田三郎君辞任につき、その
補欠として藤原道子君を議長において
指名した。
  ――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     松村 秀逸君
   理事
           井川 伊平君
           大川 光三君
           高田なほ子君
           大谷 瑩潤君
   委員
           後藤 義隆君
           野上  進君
           野田 俊作君
           林田 正治君
           大森 創造君
           栗山 良夫君
           藤原 道子君
           市川 房枝君
  国務大臣
   法 務 大 臣 植木庚子郎君
  政府委員
   法務政務次官  古川 丈吉君
   法務大臣官房経
   理部長     近藤 忠雄君
   法務大臣官房司
   法法制調査部長 津田  實君
   法務省刑事局長 竹内 壽平君
   法務省矯正局長 大澤 一郎君
   厚生省社会局長 太宰 博邦君
  最高裁判所長官代理者
   事務総局事務次
   長       内藤 頼博君
   総務局第一課長 長井  澄君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       西村 高兄君
  ――――――――――
  本日の会議に付した案件
○下級裁判所の設立及び管轄区域に関
 する法律の一部を改正する法律案
 (内閣提出)
○検察及び裁判の運営等に関する調査
 (売春対策に関する件)
  ――――――――――
#2
○委員長(松村秀逸君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 二月七日付、後藤義隆君辞任、佐野廣君選任。
 二月八日付、亀田得治君、青田源太郎君、大谷贇雄君、佐野廣君辞任。江田三郎君、泉山三六君、大野木秀次郎君、後藤義隆君選任。
 本日付、江田三郎君辞任、藤原道子君選任。
 以上であります。
   ――――――――――
#3
○委員長(松村秀逸君) 下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 当局より法律案の御説明を願います。
#4
○国務大臣(植木庚子郎君) 下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案について、その趣旨を説明いたします。
 この法律案は、最近における市町村の廃置分合等に伴い、簡易裁判所の名称及び管轄区域を変更する等、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律に所要の改正を行なおうとするものであります。以下簡単に今回の改正の要点を申し上げます。
 第一は簡易裁判所の名称の変更であります。すなわち、簡易裁判所の名称でその所在地の市町村の名称を冠しているものは、市町村の廃置分合またはその名称変更に伴い、これを改めるのを原則としているのでありますが、このたび、青森県大湊田名部市の名称を、むつ市とする名称変更に伴い、田名部簡易裁判所の名称を、むつ簡易裁判所に変更しようとするものでありまして、地元の住民の希望を考慮したものであります。
 第二は簡易裁判所の管轄区域の変更であります。すなわち、土地の状況、交通の利便等にかんがみ、会津若松簡易裁判所の管轄に属する福島県耶麻郡高郷村の区域を喜多方簡易裁判所の管轄区域とし、また、熊木県阿蘇郡西原村の設置に伴い、御船簡易裁判所の管轄に属する同県上益城郡旧河原村の区域を熊木簡易裁判所の管轄区域としようとするものでありまして、これらの管轄区域の変更は、いずれも、地元の住民、関係諸機関等の意見を十分参酌したものであります。
 第三は下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の別表の整理であります。すなわち、市町村の廃置分合、名称変更等に伴い、同法の別表第四表及び第五表について当然必要とされる整理を行なおうとするものであります。
 以上が下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨であります。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さいますよう、お願いいたします。
#5
○委員長(松村秀逸君) 以上をもって法律案に対する提案理由の説明を終わりました。
 本法律案の質疑は次回に行ないたいと存じます。
   ――――――――――
#6
○委員長(松村秀逸君) 次に、検察及び裁判の運営等に関する調査の一環として、売春対策に関する件について調査を行ないたいと存じます。
 当局としては法務省から古川政務次官、竹内刑事局長、大澤矯正局長、近藤経理部長、警察庁から綱井防犯課長、厚生省から翁生活課長の諸君が出席されております。
 まず本件についてその概況を御説明願います。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#7
○委員長(松村秀逸君) 速記を起こして。
#8
○政府委員(竹内壽平君) 最近の売春事犯の動向につきまして御報告を申し上げたいと思います。
 まず全国の検察庁の売春事犯についての受理状況をまず申し上げます。昭和三十四年四月から三十五年三月までの一年間におきまする違反事件新規受理人員は二万五千四百四十三人でございます。その内訳を見ますと、売春婦による勧誘、五条違反でございますが、その事犯は一万八千四百二十五人で圧倒的に多く、全受理人員の七二・三%を占めております。またポン引きなどによる周旋、第六条の違反でございますが、この事犯は三千七百九十六人で、全受理人員の一四・九%、それから売春の場所の提供、第十一条違反でございますが、これは二千百六十三人で八・五%、売春をさせる業第十二条違反でございますが、この事犯は七百四十五人で約二・九%となっております。で、売春防止法が全面的に施行されました昭和三十三年四月から、三十四年の三月までの一年間の処理人員と、今申しました三十四年四月から三十五年三月までの一年間の受理人員とを比較してみますと、勧誘等の五条違反が二千八百三十四名、それから前貸し等の第九条違反が一名、それぞれ増加しておるのでございますが、その他の事犯は減少いたしております。昭和三十五年一月から九月までの受理人員を見ますると、前年の同じ時期に比較いたしまして、全体として二千十三人の減少になっております。このような統計から見まして、売春防止法の全面実施後もなお売春婦の五条違反、勧誘の事犯は減少していないことがわかるのでございますが、他面、売春関係業者の違反の減少が目立っておるのでございまして、この状況をどう見るかということにつきましては、いろいろ議論も存するかと思います。私ども検察庁の関係の者といたしましては、この関係につきましては、質的にはますます悪質巧妙化しておるのであって、全般的に潜在化あるいは組織化の傾向にあるという判断をいたしております、特に注目すべき動向といたしましては 擬装転業者を含む風俗営業者などによる管理売春の擬装化、及び売春婦と暴力団員との結びつきによる売春の暴力化ということを指摘いたしておる状況でございます。かような見方をいたしておるのでございますけれども、もしこの統計の示すがごとく、真実違反が少なくなったのだということでございますならば、はなはだ喜びとしなければならないと思うのでございます。
 次に、この検察庁における処理状況と、裁判所の裁判の結果につきまして一言触れてみたいと思います。ただいま申しました三十四年四月以降一年間の違反事件の起訴人員は、全部で九千九百六人でございまして、総受理人員中、起訴人員の占める比率は三七・五%でございます。そのうち公判請求をいたしましたものは二千八百七十五人でございます。起訴人員中公判請求人員の占める比率は二九%、略式命令請求人員は七千三十一人で、起訴人員に対する比率は七一%でございます。また、不起訴になりました人員は七千六百九十人で、不起訴率は二九・一%となっております。特に五条違反の勧誘等の事犯の公判請求率は一九・八%、数字で申しますと千二百四人が公判請求をされておりまして、略式命令が四千八百七十四人、こういう数字になっております。これに対しまして管理売春の事犯の公判請求率は九二・六%の高率を示しておるのでございます。
 第一審の裁判の結果について見てみますると、右の公判請求人員三千五百三人、これは旧受も含むのでございますが、これに対しまする第一審の有罪人員は二千七百七十五人でありまして、そのうちの懲役刑は三千三百五十九人、罰金が四百十六人でございます。すなわち公判請求人員中六七・五%が懲役刑に処せられ、一一・九%が罰金になっておるのでございます。特に御注目をわずらわしたいと思いますのは、勧誘等のいわゆる五条違反の懲役になっております総数が八百八十六人でございますが、そのうちの三百八十人は補導処分に付せられておりまして、その比率は逐年上昇して参っておる。この数字から申しますと、懲役総数の四二・八%に当たっておるのでございます。
 これが数字的に見ました受理並びに処理の状況と、先ほど申しました検察官として見ました売春事犯に対する判断の一部を御報告申し上げた次第でございます。
#9
○委員長(松村秀逸君) 以上をもって概況説明は終わりました。御質疑のある方は順次御発言を願います。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#10
○委員長(松村秀逸君) 速記をつけて。
#11
○高田なほ子君 この間私も視察に参りまして、おもに北九州方面の売春実態というものについて、実はいろいろ現地から伺ったわけです。しかし当局の方では、なかなか実態をつかむのに困難だということを言っておりました。これはこの間の御報告にも載ってございますけれども。そこで数字をおあげになりまして御報告をいただきまして、なるほど数字的に見ていろいろ考えさせられる点があったわけですが、実は昨年の九月六日の法務委員会の席上で、東北地方を視察に行かれました大川委員からの御報告では、売春法関係についてやはり御調査になったわけですが、秋田、青森では五条の勧誘事件は皆無だ、つまり五条についての勧誘事件というのは、秋田、青森については皆無だ、こういう御報告がきておったわけです。そのとき私も大へん不思議な御報告を伺ったような気はしたのでですが、しかしそれは東北の実態で、その通りなのかしらと思っておりましたが、きょう伺ってみると、五条違反というのは圧倒的な数を示しておるようです。地方によっていろいろ皆無の所もあるでしょうが、しかし国がとられた総体的な統計によると、勧誘事犯は昨年度で一万八千四百二十五人、前年度に比べて二千八百三十四人の増加を示しておる、こういうような今御報告をいただいた。こうなってくると、実態の調査というものが相当問題になる点ではないか、九州でも実態調査ということについて困難な点をあげておられましたが、これに対する対策、これはどういうふうに立てられてきたものか、これから立てようとするのか、この点が一つです。
#12
○政府委員(竹内壽平君) 事務当局といたしまして答弁さしていただきます。
 御指摘の実態調査ということはなかなかむずかしいのでございまして、正直に申しまして、私どもの出先検察庁におきましては、やはり事件を通じて実情を調査するということでございますために、その範囲は制限されておりますし、週刊誌等でいろいろ報道されていますようなものが、はたして実情を示したものであるかどうかということにつきましては、いささか疑問を持ちつつも、なお調査がすこぶる困難であるということで、歯がゆい思いをいたしておるのでございます。申すまでもなく、実態をよく調査いたしまして、どこに根源があるかということを確かめませんと、これに対する対策も立ちにくいのでございますし、検察として処理の方針にも大きな影響があるわけでございますから、何と申しましても、実態を確かめるということが非常に必要だと考えておるのでございます。
 そこで、さしあたりの対策といたしましては、特に来年度、三十六年度の予算におきまして、大蔵省にも十分その必要性を説明いたしました結果、いわゆる実態調査旅費というものを若干ながら承認を得ておるのでございます。そのほか、その調査しました資料を研究し、またそれを組織化するためのいろいろないわゆる調査、資料の収集ということが必要でございますので、その方法としまして、あるいは会同を催す、あるいは中央会同だけでなくブロック会同をいたしまして、その地域地域における状況をさらに精密に検討するというようなことを、予算的には考えておるのでございます。
 かようにいたしまして、さらにまた検察費の中にいわゆる鑑定謝金という費目がございますが、これは私どもではできない仕事を特定のエキスパートに頼みまして、調査をしていただいて報告を求めるというような金でございます。そういう金も若干いただいておるのでございまして、来年度におきましては、実態調査に相当重点を置いて究明いたしたいという考えでございます。
#13
○委員長(松村秀逸君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#14
○委員長(松村秀逸君) 速記を起こして。
#15
○市川房枝君 大臣に売春の関係の問題でお伺いしたいと思います。
 昨年の十二月中ごろのことだったと思いますけれども、私のところへ二、三の人から電話がかかって参りまして、そうして売春防止法は廃止になるのですか、こういう質問がきたのです。それから私は、そんなことはないのだ、どうしてそんなふうに思うのかと言ったら、雑誌に出ています。それからその雑誌というのは、週刊公論の一月二日の新年号です。それと週刊文春の一月二日の新年号、その両方に出ているわけです。週刊公論の方はショッキング十大ニュースという、つまり三十六年におけるニュースの予想として十項目出ておるのですが、その第七番目に売春防止法廃案というのが出ておるわけです。それから週刊文春の方は、十大ニュース予想として大体同じ考え方、同じ企画がたまたま二つ出会ったわけなんですけれども、週刊文春の方は五番目に出ているのです。これも売春防止法廃止と、こう出ているので、たまたま両方が一致したわけなんですけれども、これはまあ新聞に大きく広告が出て、そして雑誌として出たわけなんです。これはまあ予想なんだと、それから私その人たちに、予想なんで、廃止になるわけじゃないのだと言ったのですけれども、しかし、まあこの二つの週刊誌は、いずれも非常に多数の読者を持っておる週刊誌ですから、同じ週刊誌の中にも、たとえば明星とかいろいろなものがありますけれども、そういうのが書くのなら大して問題じゃないですけれども、しかし、この二つの代表的な週刊誌が取り上げているということは、非常に重大な問題なんです。で、この記事が出ましてから、いろいろな関係者の人たちに聞きますというと、やっぱり廃止になるそうだということがずいぶん一般に行き渡っていて、そうして関係業者といいますかの方面では、なに、もうすぐこれは廃止になるのだといって待ちかまえているというか、相当のまあ影響を及ぼしておる、こういうふうにいわれるのですが、大臣その記事をごらんになりましたかどうですか。
#16
○国務大臣(植木庚子郎君) ただいまの御指摘の過刊文春、週刊公論、いずれも実は拝見しておりませんです。
#17
○市川房枝君 そうですか。それでは法務省は売春防止法を制定した所管省なんですから、大臣はお忙しくてごらんになれないとしても、ほかの事務当局の方から、私は大臣にもそういうことはお目にかけておいていただきたいと思うのですけれども、ごらんになっていないとしても、私が今申し上げましたことは、内容はいろいろ書いてありますけれども、それは省きますが、あとでいいですが、一ぺんごらんいただきたいと思います。しかし、まあ私の今申し上げたことで、一体そういうことが書かれているということが、この法律が励行されていないのだというか、あるいはこの政府の方にも励行の意思がないのだということの私一つの反映だと思うのですけれども、大臣はそれをどういうふうにお考えですか。
#18
○国務大臣(植木庚子郎君) お答え申し上げます。ただいまお答えいたしましたように、その週刊公論なり、週刊文春そのものははっきり読んでおりませんが、しかし、そうしたニュースが予想十大ニュースの一つに取り上げられたということは、関係の者から聞きました。それは大へんな勘違いと申しますか、予想違いそのものでございまして、編集者なりあるいは出版社なりが、どういう考えでそういうものを発表したのか、あるいは印刷にしたものか、私にはその意図するところがむしろわかりません。われわれ当局といたしましては、もう全然考えておらない問題なんでありまして、従って、今後の態度、方針といたしましても、売春防止法を廃止しようとか、あるいはこれを緩和しようなどというような考えが全然ないことをはっきり申し上げておきたいと思います。ただいまお話のように、あるいは現在の法律の運用といいますか、施行そのものについて、政府の努力が足りないからそういううわさを起こすのではないかという御指摘でございますが、もしそういうような点がありましたとすると、はなはだわれわれとして申しわけないことと考えております。従いまして、なお一そうわれわれ当局としましては、法の適正なる運用をはかって参りたいとかように考えておりますので、今後ともこうした事案につきましては、関係の当局をよく督励いたしまして、現行法がりっぱに運用されて、そしてこうした気の毒な婦女子の保護更生という問題についても、一そう努力をいたして参りたいと思いますし、また社会風教の面から見ましても、その根絶を何とかして期したいものだと、かように念じておる次第でございます。問題が問題でございますから、なかなかこれは根絶といっても、言葉だけではむずかしい問題だとは思います。思いますが、これは、われわれ当局として、ほんとうに最後まであらゆる努力をしていくことが当然の責任であり、義務であろうと私は考えておりますので、この点、はっきりお答え申し上げておく次第でございます。
#19
○市川房枝君 大臣から復活するようなことはあり得ないというお言葉を伺って、当然でありますけれども、それに少しくどいようでございますけれども、まあこの売春防止法は、言うまでもなく、日本の政府は、これは売春防止法の関連の国際連合の条約を批准しておるわけでありまして、従って、日本が売春防止法を廃止するとか、あるいは内容を緩和するとかいうようなことは、これは国際的な信義の問題からいってもできないはずだと思っております。ちょうど日本が売春防止法を制定しましたすぐあとに売春防止法を作りましたのがイタリア、それからインドなんかもございますが、そこは私一昨年の暮れに行っていろいろ調べて参ったんですが、その二つの国が売春防止法を制定した理由の一つは、やはり国際連合のその条約を批准をしなければ、いわゆる文化国家ということができない。いわんやそういう国連の会合で非難されたと、日本がすでにそういう法律を制定して、残っているのはあとイタリアだけなんだといって非難されたから、いやおうなしに作らざるを得なかった、こういうことを言っておりましたけれども、しかし、制定後、イタリアもインドもなかなか法律通りには励行されてないことは私も承知しております。お話のように、なかなかこれはむずかしい問題でございますから、売春防止法一つできたからといって、それでこの問題が解決するなどとは私ども毛頭思っておりませんけれども、しかしこの問題は、日本としてもどうしてもこれは復活したり、あるいはこれを黙認して今までのような状態をこのままに放置するということは、これはできない。どうしても一歩ずつでも前進していかなくちゃならぬ私は問題だと思うのですが、その国際条約との関連の問題を、大臣どう考えていますか。
#20
○国務大臣(植木庚子郎君) 国際条約との関連のという御質問でございますが、私は国際条約をこの問題に関する限りわれわれも批准しておるから、それでこれを励行しなければならぬとかどうとかということよりは、もう一つ先行しまして、われわれの態度として、こうした売春等の行為が公認されるというようなこと、あるいは見のがされるというようなことがあってはならぬという、その基本的な考えから、私はあくまでも励行していくべきものだと思います。ことに、いわんやそうした条約に批准もしておりますので、その条約に批准をしておることから生ずる義務的立場としても、これはもちろんそうした方針で進むことが当然われわれの政府当局の義務だろうと、かように考える次第でございます。
#21
○市川房枝君 その問題に多少関連するかと思いますけれども、最近ジュネーブの――その名前をちょっと私資料を持ってきておりませんでしたが、ジュネーブの国際売春廃止何とか委員会ですか、の中から、日本の売春防止法の励行といいますか、促進のために組織されておる民間の団体に対して、国際連合に売春の問題を取り上げておる専門の技術者といいますか、というものがあって、そうして、もし政府が賛成をすれば国連からその人を派遣する、それで旅費は国連が持つけれども滞在費は日本で負担をすべきだがどうかという照会が来たようであります。それで、この問題のもう一つの関連の問題は、三十六年度、来年度は売春の予算は少しふえておりますけれども、もっともそのふえたのは人件費がふえたのであって、実際は売春防止に対する事業費としては減っておりますが、一昨年、昨年度三十五年度は減っておるのですね。それで昨年でしたか、四月一十日に婦人団体が会合を開きまして、そのときの一つの議題として売春予算はなぜ減らされるのかということを議題にして実は討議をしたことがございます。ところがその記事が国際的な婦人団体の機関紙に載りましたのです。それで竹本では売春の問題に対する政府の態度があまり熱心でないというか、あまり励行されていないというか、こういう印象を、これはもちろん一部の人でしょうけれども、受けたらしくて、それの関連であまりしょうか、今のような手紙が参っておるようであります。これはもうすでに法務省の方にも連絡があったかもしれませんけれども、そういう場合に、政府の方としては、法務省としては、どういうようにお考えになるか、御賛成下さるかどうか。
#22
○国務大臣(植木庚子郎君) ただいまの予算の増減の問題が第一点の御質問としてございましたが、予算の増減の問題というものは、私今具体的にどれくらい前年度より三十五年度が減っておりましたか知りませんので、その理由を申し上げかねますけれども、おそらく一般的な事務費の節約とか何とかという場合に、若干、率の適用でも受けて、やむを得ず大蔵省の希望に応じたのではないかと、こう想像いたすのでありますが、かりに私の想像通りであるといたしましても、問題としては決してわれわれ政府当局がこの問題について熱意がないからとかどうとか、金額の若干の増減によって御批判願うことは少しどうかしらんというような感じがいたします。
 それから次に国連からただいまお話のような方が日本へいらっしゃるということについて、婦人団体等でいろいろお世話をなさる、そうした場合にわれわれ政府当局としても、できる限り物心画面から、なかなか苦しいやりくりではございますけれども、あらゆる努力をいたしまして御協力申し上げたい、そうして一緒になってこのよい方針をさらに基礎づけていきたいと、こう考えております。
#23
○市川房枝君 予算の今のお話がありましたが、これは今の事務的な点だけじゃないのでありまして、そのことは私今省きますが、大臣にもう一つ伺いたいことは、今の売春防止法に欠陥がある、そのために今のような現状といいますか、あるいはさっき私が申し上げたようなジャーナリズムでそういうようなことが発表されておる結果になっておる。それで、そういう点を改正する必要がある。改正の必要な点としての第一の問題は、ヒモを処罰することがはっきり今の法律では出ていない、そこでそのヒモを処罰する必要がある、そういうふうな改正案を政府としてこの通常国会に出したいということを去年の三月ごろの法務委員会で竹内刑事局長からお話があったのです。そのときは事務当局としては出したいつもりで用意している、調査していると、こうおっしゃったのであります。それから昨年の暮れの法務委員会で、やはり法律の改正の問題がここで取り上げられましたときに竹内局長は、そのヒモのほかに新しい管理売春の形態が生まれてきている、すなわちそれはコールガール・システムとか、あるいはトルコぶろのような問題が起こってきて、そういう問題はヒモの問題もあわせて調査しているのだけれども、なかなか結論が出ないみたいで、通常国会に提案することはどうもむずかしそうだというふうなことをおっしゃった。で、その際、私まあこの前おっしゃったのと話が違うじゃないかと実は申し上げたのでありますが、どうも最近伺いますと、事務当局の方は改正をしたい意思がおありになるらしいのだけれども、それは竹内さん事務当局としてはとおっしゃって、政治的といいますか、上の方のことを保留しておいでになったので、これは当然だと思いますけれども、その上の方といえば、まあ次官、大臣といいますか、の方でどうも改正に御賛成がない。いやこのままでいいじゃないか、これ以上手をつける必要はないのだというような、非常に消極的な御意見があって、それでどうも政府案としては出そうもない。準備ができているとかできていないとかという問題は、それは一つの口実といいますか、そういう理由で出さないというふうなこともあり得るのでありますけれども、大臣は、その法の欠陥を是正するために、もうすでに実施されてからことしは満三年になりまするから、ちょっと様子を見てなんという時代は過ぎている。大体どの点が欠陥があるかということは一応は出ているのだから、その改正案を政府がお考え下さっていいのではないか。あるいはさっきこういうふうなうわさの出ることに対して、当局としては売春防止法を継続するために努力するとおっしゃいましたけれども、ただ努力でははっきりしないのでありますが、もし政府当局が今の法律の是正すべき点の――その範囲といいますか、内容はいろいろあると思いますけれども――改正案をお出しになるということでありますと、一ぺんにこういうふうな廃止なんというような声は私は何ら努力しなくても消えると思うのです。その改正案をお出しになるお気持といいますか、御予定といいますかは、いかがですか。
#24
○国務大臣(植木庚子郎君) ただいまの御指摘の点につきましては、一応政府委員にその経過等、実は私聞いておりませんから、答弁をいたさせまして、そのあとで私の考えを申し上げます。
#25
○政府委員(竹内壽平君) ただいま市川委員から御指摘のように、私御質問に答えまして、この委員会でただいま御指摘のような答弁をいたしたことは事実でございますが、昨年末に至りまして、やや私の考え方が違ってきておるという点についての御指摘もございました。これは事務当局としてはやりたいのだけれども、上司がそれを押えておるのだとか、そういう意味でこの前は申し上げたのではなくて、事務当局といたしましても若干の疑問を感じてきておるということをまあ申し上げて、その調査をしておると、その調査につきましては、これまた御要望によりましていつかはその調査の内容もこの席で明らかにせよということもありまして、そういうつもりでただいまおりますから……。その疑問になりました点、改正点のおもな点は三つあると思います。確かに法の中に若干の不備がありますことは、私どもも決して否定をいたさないのでございます。その三つの問題点と申しますのは、単純売春を罰するようにしてほしいという御要望、それからもう一つは、今御指摘のヒモでございます、ヒモの処罰並びに教化の問題、第三はせっかくできました補導処分というものの実効をさらにあげますために、補導処分の期間を、収容期間をもう少し長くする方法はないかというこの三点に要約されると思います。私はこの単純売春につきましては、諸外国の考え方などもこの席で御披露申し上げた記憶がございます。問題は、このヒモでございますが、ヒモにつきまして、実は昨年の八月から昨年の暮れにかけまして、約五カ月間に、五条違反で公判請求を受けて、懲役刑を課せられました二百五十名の者につきまして、これも一つの実態調査でございますが、ヒモとの関係を解明いたしたいと思いまして調査をいたしまして、その資料も後日お手元に差し上げましてごらんをいただきたいと思っておりますが、その結果によりますと、諸外国で申しますヒモ、抽象的に申しますと、ヒモはけしからぬという一言に尽きるわけでございまするけれども、日本の場合におきましては、どうも諸外国と実情が違うんじゃないかということが、この調査の結果においても出てきておるのでございます。そういう調査の資料が頭に入っておりましたので、当時といたしましては、事務当局といたしましても、これは一つやはり相ともに御検討を願わなければならぬ事柄だというような感じを持ちまして、実は若干消極の気持に――もう少し研究を待ってというような気持に変わってきた次第でございます。いずれ時間を与えられました機会に、その資料の御説明をいたしたいと思います。
#26
○国務大臣(植木庚子郎君) 経過は、ただいまの刑事局長の御答弁で御了承願えると思いますが、私の立場といたしましては、売春防止法といったような、こういうような法律によって取り締まりをしていく問題は、一番大事なことは、基本的に法律を制定いたしましても、それが守られない、あるいは容易にその法の命ずる通りの取り締まりができないというような法律を、次から次にこしらえるということはどんなものかしらんという私は基本的な疑問を持っている。従いまして、こうした問題はむずかしい問題でございますが、なるほど、ただいまも答弁中にありましたヒモの問題等は、これは確かに私もその実態をよくは存じませんが、うすうす常識で知っておるところでは、非常に悪質なものである。いいことでない。だから取り締まりの面におきましても、そういうものは法の改正を要するならば改正をして、そうしてその根絶を期持する、あるいは励行するということは必要だと思います。従って、こうした問題につきまして、現行法の不備、欠陥につきましては、常に、どんな法律につきましても、研究を深くやっておってもらいたい、そうして何どき必要に応じて改正をしなければならぬという場合が起こったときには、その際に、即座にいろいろな材料が集まるようにしてもらいたいということを頼んでおる次第でございます。この問題につきましても、ただいまの事務当局の答弁の趣旨等にかんがみまして、さらに最近までの実情を私も勉強させていただいて、ともにともに、こうした問題の是正、改善に当たりたい、かように考えております。
#27
○市川房枝君 この通常国会には改正案をお出しにならないのですか。その点をはっきりしていただきたい。
#28
○国務大臣(植木庚子郎君) その点につきましては、なお一つ事務当局に今までの研究の結果をよく聞きただしまして、その上で私の態度をきめたいと、こう思います。
#29
○市川房枝君 それじゃ、その点は、一つ早急に御相談下すって、お知らせをいただきたいと思います。
 もう一つ。フランスは戦後いち早く売春禁止をしたのでありますが、なかなか励行がうまくいっていないということは承知しているのですが、昨年の暮れに、そういう状況に対して緊急命令ですか、出して、厳しく取り締まるようにしたようでありますが、それの資料をお持ちになっているようにちょっと伺ったのですが、内容を、わかっておりましたら、大体のことでも伺っておきたいのです。これは刑事局長からでもけっこうです。
#30
○政府委員(竹内壽平君) フランスにおきましては、売春媒介業対策に関する一九六〇年十一月二十五日の緊急命令第一二四五号というので、ただいまお話の緊急命令が出ておるわけでございます。これは、私どもの方にフランスに留学しております検事から資料を送らせまして、ただいま翻訳して、私手元に持っております。必要の御要望でございましたらば配付するようにさせます。この内容は、御指摘のように、非常に厳しいものでございまして、これはフランスの憲法が日本の憲法とは違いまして、非常に帝国憲法のような内容になっておりますので、かなり厳しい自由の制限も、売春の面からしておるようでございます。
 ごくあらましを御説明いたしますと、緊急命令の第三条におきまして、刑法の規定を改めまして、ヒモの点につきましては、「売春をする者と常習的な関係をもちながら、その生活程度に応じた収入源を証明できない者」というような規定を入れております。その辺の実態が、フランスのヒモと日本のヒモとが非常に違うのではないかという私は疑念を持っておるのでございまして、これも市川委員にも十分御検討を賜わりたい、お教えを願いたい点でございます。
 それから第四条におきまして、やはり刑法の規定を改めて重い刑に処する。「二年以上五年以下の拘禁及び二万新フラン以上二十五万新フラン以下の罰金」、非常に重い罰金でございますが、その中の第七号に、「軽罪の被害者」――これは売春婦という言葉を使わないことになっておりますので、被害者といっております――が「本国外で売春をさせられ、または売春をするようにそそのかされたとき。」これもやはり被害者に対する影響力を持ったものを処罰する規定でございます。こういう規定が新たに入っております。
 それから第五条、これまた刑法の規定を改正しておるのでございますが、第二号のところに、「ホテル、家具付家屋、下宿、酒場、レストラン、クラブ、集会所、ダンスホール、興行場またはこれらの附属建物その他公衆に開放されまたは公衆の利用に供される場所を占有し、管理し、運営し、これに資金を供与しまたは供与に協力する者であって、右の施設の内部またはその附属建物において、一人または多数の者が売春をし、または売春の目的で客引きすることを常習的に承認し、または黙認したもの」というので、これもやはりヒモに関係がある規定だと思うのであります。こういう規定が設けられております。
 それから第六条に、これは刑法に一条を加えるということになっておりますが、こういう今のような施設内で行なわれて、その施設の占有者、管理人または支配人が有罪の言い渡しを受けた場合におきまして、判決でもって有罪の言い渡しを受けた者がもし持っている免許があれば取り消してしまう。そのほか三カ月以上五年以下の期間、売春のために利用された施設の一部または全部を閉鎖するということ。それからさらに選挙権を停止するという規定がございます。それから、かつすべての後見及び財産管理を、そういう人には禁止するというような規定がございます。そのほか犯人を滞在禁止に付することができるということで、一種の追放でございます。また旅券の取り消し及び三年以下の期間、自動車の運転免許を持っていれば、その停止を言い渡すことができるといったような、非常に重い刑が出ております。それから滞在禁止とは別に、現在すること、現にいること、現在することを禁止するという規定も第八条にございまして、現在することを禁止するということは、入ってくることができぬということになるのだと思いますが、そういう規定がございます。
 それからまた第九条には、予審判事の権限を規定しておりまして、今の施設の占有者、管理人、支配人が被告人または被疑者である者につき、つまり有罪が確定していない場合におきましても、三カ月以内の期間、仮の閉鎖を命ずることができる仮処分のような規定がございます。それからレストランや酒場のようなものもやはり仮の閉鎖を命ずるようなことができるという規定がございます。
 それからさらに十条でございますが、刑法に次の一条を加えるといたしまして、「顛末書、証明書、虚偽文書その他の手段または術策により、売春媒介者に対して、事実その者が有していない収入源の証明に便宜を与え、または与えようとした男子または女子に対しても言い渡す。」ということで、重い刑を言い渡すという規定がございます。
 それから場所を貸した者については、賃貸借の解除を命ずるとか、非常に行政処分を付加した規定がございます。立ちのきを言い渡すという規定が十一条にございます。
 それから十二条におきましては、こういう場所、今申しましたような酒場、クラブ、集会所でございますが、そういう場所で今の罪を犯した疑いのある場合に、その検証するために昼夜を問わず、いつでも臨検捜索及び押収することができる、これは国際会議でもこういうことをサゼストしておりますが、これはなかなか日本の現法律体系のもとにおいては、日本ではちょっとすぐにはできないという問題だと思いますが、昼夜を問わずいつでもという意味で、これは令状がなくてもできそうに読めそうでございますが、そういう規定が、全部で十五条になっておりますが、そういうようなヒモに対する厳罰方針が、この緊急命令に並んでおります。
#31
○市川房枝君 ありがとうございました。それを一つ全部委員に配付していただくようにしたいと思います。
 今まで伺っただけでは非常にやかましいのですが、御承知の通りにイギリスも非常に一昨年やかましい法律を作ったわけでございます。日本の今の現状は、実施三年で一番悪いそうでございます。これは具体的にはいろいろな数字がありましょうけれども、この際、もう少し何とかしなければならぬ。だんだんもっと悪くなって、ほとんどもう黙認という形に私はなってしまうのじゃないかと思うのですが、政府の方で一つ勇気を持ってといいましょうか、もう少し取り締まり、あるいはもう少しきびしく法の改正を決意されるよう、大臣また事務当局にもお願い申し上げまして、一応私の今の質問を終わります。
#32
○藤原道子君 私は大臣に伺いたいのですが、大臣はまだ十分研究はしてないということでお逃げになるようでございますが、非常に困ると思うのです。今の売春の実態を大臣はどうお考えになっているか。ことに与党の方、重要な方たちまでが、最近は売春防止法はなくなるのだ、業者は元通り営業がまたできるようになるのだというような意味のことを、公然と演説したりしている。業者はもう売春防止法はなくなるのだというようなことで、どんどん女を集めているという実態も起きている。それから皆さんも温泉場その他にはおいでになると思うが、その周辺における売春の実態が、よもや目につかないことはないと思う。私はこういうことに対して、さいぜんからの御答弁を伺っておりまして、法律は廃止しないかもしれない。しかしながら黙認で旧にかえるようなことを、もう感じていらっしゃるのじゃないか。それをまたむしろ放置するようなお考えがあるのじゃないかとさえ勘ぐりたくなるわけです。今いろいろヒモの問題なんかも非常にむずかしいことをおっしゃるけれども、フランスだってこれだけの緊急命令を出すのはよくよくのことだと思う。イギリスだってあれだけやかましいことを出して実効を上げているのですよ。こういうことに対していつまでもあちらに抵触する、こちらに気がねすると言っていらしったのでは、ほんとうに前にかえってしまうと私たちは憂えておりますが、これはどういうふうにお考えになっておりますか。
#33
○国務大臣(植木庚子郎君) 実は私売春そのものの最近の実情というものを知らないのです。温泉に行くこともあるじゃないかということでございますが、私はほとんど行っておりません。従って、年のせいもあるかもしれませんが、どうもそういう実情に遠いのでございまして、ことに今お話のような、わが党の云々というお言葉でございますが、私は全然そういうものを実は寡聞にして耳にしたことがございません。少なくとも責任を持っております私としては、そういうことは絶対にあってはならぬと固く信じております。
#34
○藤原道子君 いや今後取り締まりを厳にしておいでになる意思があるかないか、それを聞きたい。ほんとうのことを言って下さい。
#35
○国務大臣(植木庚子郎君) それはわれわれの関係事務当局、そうした取り締まり機構を通じまして、極力厳正にやるようにいたします。近く刑事部長検事も会同いたしますが、その際にもこの売春防止法の運用の問題につきまして会議をいたしまして、一つの議題にいたしておりまして、その励行をはかりたい、こういう考えでおる次第でございます。
#36
○藤原道子君 聞くところによると、防衛庁あたりで自衛隊員が、どうもそうしたものがいないために荒々しくなって困る。だからぜひこれを公認してもらいたい。黙認ですか、公認ですか、そういうことを要求するとか、要求したとかいうようなことを、ちょっと何かで読んだことがございますが、もしそういうことが出た場合に、大臣どうします。
#37
○国務大臣(植木庚子郎君) それも寡聞にして何も聞いておりませんが、かりに仮定の御質問として、その場合どうするかと言われますれば、これに対しては、私の立場上、当然売春防止法の精神を体して十二分に話し合いを進めて、そういうようなことが起こらぬようにして参りたい。このように考えております。
#38
○藤原道子君 この自衛隊のある周辺に主として売春が多いのです。目にあまるものがあります。もしほんとうに竹内さんもおやりになるつもりなら、そういうところを一つ実態調査をしてもらいたい。非常に風紀が悪いのです。もう公然とやっております。そうしてまた防衛庁関係だものだから、結局取り締まり当局も遠慮するというような傾向がある。そういうことでは私は困ると思う。
 さらに続けてお伺いしたいのですが、最近あらゆる方面に青少年の性犯罪がふえておる。これは売春防止法ができたから、売春そのものがなくなったために、青少年の性犯罪がふえたのだというようなことをしきりに宣伝している。これに対してどうお考えですか。売春防止法ができたから青少年の性犯罪がふえた、こういうふうにお考えになっているかどうか、その点、大臣の御所信を伺いたい。
#39
○国務大臣(植木庚子郎君) 売春防止法ができたから性犯罪がふえたというような関係は、私はちょっとどうかと思います。やはり問題としましては、それぞれ青少年に対する、何と申しますか、教育の面におきまして十分なる措置もとらなければならないと思いますし、また青少年そのものも、そうした実情にあるとしますと、私の想像では、むしろ最近の映画の面でありますとか、そうした出版物等の中にも、むしろ悪影響を与えるものが、われわれの少年時代から比べますと、非常に露骨にあるような気がいたします。私はむしろそういう面が非常に青少年に対して悪い影響を与えているのではないかというようなことを想像しております。
#40
○藤原道子君 竹内さんは。
#41
○政府委員(竹内壽平君) 大臣が今お述べになりましたように、結論としましては、私全く同感でございます。なるほど統計の面から見ますと、売春防止法が施行されたとうらはらになりまして、同じ時期に青少年の性犯罪がふえておるような数字が出ておりますことは事実でございますが、これがすぐ売春防止法のためであるというような考え方は、私どもいたしておりません。そういうふうに言う少年があることは間違いございません。自分がそういうことをやったのは売春防止法ができたからだというようなことを、少年が供述しておるという事件は、私も二、三承知しておりますが、やはり動機が、その少年についてそうであったかどうかは別としまして、このような事件がふえてきておる原因というものは、大臣が今述べられましたように、私はもっとほかの、たとえば露骨ないろいろな雑誌あるいは映画などにつきまして、おとなが感ずるよりも少年の方がより強く刺激的に感ずるということはあると思いますし、そういうものが――どれというふうにはあげにくいのでございますが、そういうものが全体としてそういう少年たちにムードというものを作り出して、それも犯罪を助長しているのではないかというふうに思いますので、青少年対策の面から考えますと、むしろ健全な娯楽を与える、そしてエネルギーのはけ口を健全な方向に向けてやるということが、対策としまして、今慎重に検討されておるような状況でございまして、今御指摘のような犯罪と売春防止法との関係につきましては、私は直ちにそういうような結論を引き出すことは、すこぶる道義的に申しましても危険であると存じます。
#42
○藤原道子君 私はむしろこっけいだと思うのです。売春防止法ができたから青少年の性犯罪がふえたなんということは、ためにするための宣伝であって、御案内のように売春婦を買っていた相手方は、妻帯者が多かったわけです。このごろ性犯罪の年令が非常に低下している。まさか十三や十四の子供が売春婦の味は知らなかったと思うのです。むしろ今のような風紀が乱れた実態、あらゆる面で売春婦がいろいろに出没している、こういうことの方がむしろ子供に対しては悪影響を与えている、こう思うのです。私は、取り締まりができない、できないとおっしゃるのですけれども、厚生省もいるでしょうが、大臣に聞いてほしいのは、温泉地に行っても、あるいは自衛隊の方面に行っても、いわゆる擬装した売春婦ですね、特に温泉地なんかは、このごろは実に蔓延いたしまして、いわゆるパンマという者が平気で旅館その他に出入りしているのです。あんまの免状を持っておらないと思いますが、白衣の下にドレスを着ている。来ると、いきなり上衣を取って酌に回る、「姉さん、私が受け持つわ」というような調子で。それを歓迎する男性の心理がこれを助長していると思う。これは目にあまるものがある。こういう免許を持たざるあんま等に対しては、当然厚生省がもっとやかましく取り締まっていかねばならぬ。外国に行ってごらんなさい、日本の法律はりっぱだとほめられますよ。特に抜け道が全部用意されている。法律を作るときには御熱心だけれども、できてからの運営の面において非常に不熱心です。申しわけ的な法律が多いからこういうことになる。ほんとうに売春問題を解決しようと思えば、私はほんとうにやれると思う。やる意思はございませんよ、ほんとうに。こういうことを言うとしかられるかもしれませんが、苦労している人は一部にはある。下部末端にいけばお話にならぬ。そういう点については、大臣としてももう少しきちっと一つ今度はやるのだ。売春は悪なんだ、場合によれば単純売春あるいはヒモの問題、これも法改正をしてもやるのだという一つ高い姿勢をこの際持ってもらいたい。下の方じゃなめきっております、業者は。このままで、竹内さん、法改正しないで、あなたはこの売春問題をやれるとお考えになりますか。私はこういう点については、当局の一段の御配慮を願わなければ、大へんなことになると思います。
#43
○政府委員(竹内壽平君) 管理売春の最近の傾向というものは、われわれの――われわれというよりも、法律の意表をついたような悪質、巧妙化の形をとってきていると思います。そういうものにつきましては、今の法律で――今の法律は主としてそういう赤線をつぶすということがねらいでありましたために、やや法律の適用に困難を感ずる面があった、これは私、否定し得ないと思っております。それからヒモの問題につきましては、全然日本の法律に規定がないわけじゃなくて、現に売春防止法の第八条などは、明らかにヒモを目的としていると思いますが、今、巷間でいわれておりますような相当悪どい擬装的なものも、管理売春といえるかどうかわかりませんが、今の五条違反に相対するものとして、かなり妙なすれすれのいわゆるサービスというようなものも、それで取り締まって現におりますし、有罪の判決も出ております。現在の運用の実態から見ますと、管理売春のもとになるものもつかんでおりませんけれども、そういうものに何か法律の適用に困難を感じておる。
 それからヒモの問題につきましては、悪質なヒモ、これはやらなければならないのでございますが、実態は、また後日御検討いただきたいと思いますけれども、日本の場合には、ちょっと外国の場合と少し違うような要素が見えるように思います。ごく簡単に申しますと、売春婦によって売春から得た収入で暮らしております者は、ほんとうに外国で見られるような搾取しておるのではなくて、そのヒモで家族の者あるいは年寄り、子供、兄弟が、わずかに露命をつないでおるというような数字が相当多数出ております。そこら辺の実態が、外国の売春とは少し違っておるのじゃないか、これはわずかな例について研究しておるだけでございますので、そうだというふうに私も断言する勇気はございませんが、そういうものが私どもの研究では出ておりますのでございますが、その点を申し上げたわけでございます。もちろん今の売春防止法は、御指摘のように私は世界に出して決して恥しくないりっぱな売春防止法だと思っております。しかしながら、なお運用の実績に照らしますと、あらこちに適用上困難という面も出てきておりますので、この研究は、今後といえどもおさおさ怠りなく続けて参る所存でございますが、一方、取り締まりを強化していくという点につきましては、私どもは昨年から青少年課を刑事局に新設いたしまして、ここでは青少年犯罪と売春、風紀犯罪を主管する課でございまして、さらに各地に売春の風紀係の専門の検事を、少数でございますけれども置き、その人たちに実態調査もできるだけさせまして、一方において取り締まりを推進するとともに、他面において法改正の資料になるような実態調査をやっておるのでございまして、私どもの熱意におきましては、決して人後に落ちるものではないと考えております。
#44
○藤原道子君 私は尊敬している竹内さんの言葉としては受け取れないのです。生活に困って生活のかてとして売春をしているというようなのがあるから外国のヒモとは違う、確かに外国のヒモとは違いますね、実態は。しかし売春は悪であるという規定があるのです。もし生活ができないなら、やはり日本にはりっぱな生活保護法というものがあります。学校へやるためには、やはり学費においても生活保護で見ることができる。病人があるなら生活保護の医療扶助で見ることができる。この適用を推進していって、これを拡大強化していけば、自分の生きた体を売って肉親をささえなきゃならぬなんということは、私は許されないと思う。そんな方法はないと思う、もしそういうことをしたら誤っているんだ、そういうことは誤っているんだから、こちらの方法で生計を立てなさいというふうに指導していかなければいけないと思う。私は、だからそのヒモを見過ごしていくということでは、いつまでたっても売春は絶えません。よけいかわいそうだと思う。そういうことがまあかりにヒモとして現われるならば、これは厚生省あたりの怠慢ですよ。そういうのは法律はあるのですから、いかなる理由があろうとも売春は許してはならない。またそうした弱い立場にある女性は、さらに保護していかなければならぬ、私はそう考える、どうお考えですか。
#45
○政府委員(竹内壽平君) 藤原委員のお考えとある面で一致し、ある面で私は違った考え方を持っております。一致しております点は、そのような社会悪が現存しておるということを何とかして除去しなければならぬという点につきましては、全く同意見でございますが、除去する方法として刑罰でそれをやる、私は幼ない子供を起訴したり、年とった父親をそれで起訴するということは、刑罰で強行することはこの段階では適当でない、むしろその前に、そういうものを行政の面において、政治の面において除去していただく、そういうことの実態をなくしていただくというまず施策が先行すべきものだと考えております。そういう意味で、まずここでヒモを罰する規定を設ける、そうして警察官、検事をしてそのような検察をされるということにつきましては、先生もそういう意味ではないかとも思いますが、そういう意味に、もしとりますならば、その点は、私と少し意見が違うのでございます。
#46
○藤原道子君 私、その弱い病人を罰しろと言うのではないのです。それは生活指導という面がある。これはこっちの管轄になるわけですね、厚生省の。しかし、そういうヒモだからといって売春を見のがすというわけにはいかないと、私そういうふうに受け取ってもらいたい。
 それからさらに一つ伺いたいのですが、最近の管理売春というのですか、トルコぶろあたりの実態をお調べになったことありますか。そういう場合には、その経営している人はどういうようなことになるのですか。あそこで売春というか、そういうことが行なわれているというような場合、トルコぶろが全国的な、何といいますか、風紀ですね、その中でどういうことが行なわれているかというようなことに対しては、御検討になったことありますか。
#47
○政府委員(竹内壽平君) トルコぶろの実情につきまして、週刊誌等で非常に売春、管理売春といいますか、そういう場所提供をやっているのではないかというような感じを、あの記事からは受けとるのでございますけれども、現実に検察官が事件に関連しまして調べたところ、そういう事件もありますが、調べたところによりますと、どうも週刊誌に書いてあることは誇張されているのではないか。そういう点を検察官としてはとうとうつかみ得なかったという報告がございます。かなりあの雑誌に書いてありますことと実情との間には、ある意味では違うところもあるのではないかというふうに思うわけでございます。
#48
○藤原道子君 ある意味では違うところもあるし、ある意味では一致したところもあると思う。違うことだけを大きく取り上げて、実態を見のがさないようにしていただきたいと思う。
 それからもう一つ伺いたいのは、麻薬と売春ですね。今麻薬が非常に広がってきている。麻薬がなければ生きていかれないようにして売春をさしている。こういう事例が非常に多いと思うのですが、そういうことは調査においてはどうなっておりますか。
#49
○政府委員(竹内壽平君) これも先ほどの調査の中の一環としましてやりましたが、私もその麻薬が、売春婦という言葉を使わぬことにはなっておりますが、被害者という言葉を使わしていただきますと、被害者に施用されることによってくぎづけにしてしまうというような形の売春、これは非常に悪質な搾取なんでありまして、日本の一つの新しい傾向として、実は外国へも報告をいたしたわけでございましたが、あの実態調査をしてみますと、二百五十名の婦人についてはその例は非常に少なくて、これはまあたまたまそういうものに当たらなかったかもしれませんが、調査の結果は、麻薬と売春との関係を非常に大きく取り上げるだけの資料を狩ることができませんでした。しかし、そういうことは私はあり得ることでもあるし、現にあるのではなかろうかと、実態をつかんでおりませんけれども、そういうふうに考えて、この点の調査を放棄する意思はありません。
#50
○藤原道子君 私は麻薬に対しての資料を、きょう出先から来たので持っておりませんので、麻薬に対しての質問は次回にまた譲りたいと思います。
 大臣にお願いします。非常に憂慮すべき事態でございますので、一つ、いろいろな制約があると思うのですよ、失礼だけれども、けれども、これをはねのけて、この売春問題の及ぼす影響がいかに大きいかということをお考え願って、一つ今後も力強く推進していただきたいし、それから法改正の点については、竹内さんも御案内のように、売春対策審議会でもしばしば問題になり、ほとんど全員一致の要望だと思う、こういうこともお考えいただいて、一つさらに法改正についての御検討を進めていただきたいと思う。私どももこの点については今後検討いたしまして、政府がお出しにならなければまたほかの方法でもというふうにまで突き詰めた考えを持っております。どうか至急に御検討を進めていただきたいと思います。
#51
○国務大臣(植木庚子郎君) ただいまの御発言の趣旨を体しまして、極力本問題の対策について適切なる研究を続けましてお応えいたしたいと思いまし。
#52
○高田なほ子君 大体質問のいろいろな点で網羅されておるようですが、大臣にちょっと二、三点だけお尋ねします。
 今いろいろお話がありましたが、この間、北九州の視察の報告をいたしましたが、北九州管内の統一した意見は、やはり両議員が話されたのと、うらはらをなすものであって、現状維持なのか、それとも徹底的に取り締まりを強化して、売春自体をなくしてしまうという、その積極的な手段に乗り切るべきかという、現在はそういう岐路に立たされておる。言葉をひっくり返して言うならば、現状維持から、もう少し法改正というところまで踏み切らなければならないのじゃないかという、これは現場の人たちの痛切な意見でした。そういう意見というものは、今述べられましたから、くどくは申しません。しかし売春対策についての総合的な施策というものは、単に取り締まりだけであってはならないので、もっと広範な総合施策がなければならないはずですが、その一番重要なささえになっているのは、私は売春対策審議会の問題ではないかと思う。政府自体は、去年の三月で何か任期切れになっちゃって、審議会の委員も何だかわけのわからないようになったようですが、ようやく最近決定されたようですが、一体、法務大臣は、それほどの御決意があるならば、最近の潜在売春、形態の変わった売春対策に対して、審議会に何か諮問をされておるかどうか、これが一つです。これから一つ答えていただきたい。
#53
○国務大臣(植木庚子郎君) まだ何も諮問しておらないそうでございます。
#54
○高田なほ子君 現状に対して当然諮問なさる時期ではないでしょうか。これからその審議会に対して諮問なさろうとするお考えはございませんか。
#55
○国務大臣(植木庚子郎君) 十分検討いたしたいと思います。
#56
○高田なほ子君 検討の内容はどういうことになりますか。検討ということはどういうことですか。
#57
○国務大臣(植木庚子郎君) ただいま御質問がありましたような発赤防止の審議会の問題につきまして、先ほど申し上げましたように、至急検討しまして、実情の報告を受けまして、事務当局と互いに議論を戦わせて、そしてこういう問題について、それじゃ一つ御意見を聞こうじゃないかというような結論が出れば、まっ先に審議会に諮問を発するというようにしたい、こういう意味でございます。
#58
○高田なほ子君 法的ないろいろな問題もあるかもしれませんが、審議会の委員の皆さん方は、非常にこの研究をせられ、また建設的な御意見も持たれ、宝の持ちぐされのような気がいたします。法務大臣は御多忙かもしれませんが、できれば非公式の機会でもいいから、審議会の皆さん方とひざを突き合わせて話し合うというような機会を、諮問なさることもいいですけれども、そういう機会もお持ちになっていいんじゃないですか、この段階では。こういう私の意見に対しては、何かお考えいただけますか。
#59
○国務大臣(植木庚子郎君) 重要な参考にさせていただきます。
#60
○高田なほ子君 それから法務大臣もそうですけれども、年中大臣がくるくる、くるくるおかわりになってしまって、私どもここで言っていることがさっぱり実行せられない。売春防止法もやはりそういううき目にあっている。これは単に婦人だけの問題ではなくて、法務委員会としても重要視している問題です。また法務大臣もおかわりになるかもわかりませんが、そういうこと言いたくはありませんが、今までの慣行上どうも不安なんです。ですから、せっかく決意を述べられておるわけですから、どうですか、現大臣御在任中に法改正にまで踏み切るだけの準備をお整えいただくというような御決意はございませんでしょうか。いかがでしょうか。
#61
○国務大臣(植木庚子郎君) 御趣旨を体しまして、十分慎重に考慮いたします。
#62
○高田なほ子君 はなはだくどいようですけれども、私は最近絶望を感じているのです。大へんこれは言いにくい言葉ですが、率直な気持です。一体だれを信任して、だれにこれをお願いしていったらいいのか、私はいつも悲しんでおります。この問題が出たのは、これは全婦人議員の声で出ているのです。ここにいる者だけではない、みな非常な関心を持っている、現植木法務大臣は、全部の婦人議員に信頼されている、植木法務大臣でなければこれは解決できない、こういうところに皆さん期待をかけているわけですから、どうか一つあまり長い期間を置かないで、この問題を積極的にやっていくという御決意を実際にお話していただきたい。私はそう思うのです。しかし、それには実態調査をしてからということでありましたけれども、実態調査をする旅費というのは、ことし初めて組んだのじゃないですか。
#63
○政府委員(竹内壽平君) 多年の私どもの要望でございましたが、本年やっと承認を得ておるような次第で、私ども事務当局の力の足りなかったことはまさにその通りでございますが、大蔵当局もその面に目を開いていただいたということは、やはり一つの進歩でございます。予算がもし承認されました暁におきましては、この予算を有効に使用いたしまして、十分実績を上げたいと思っております。
#64
○高田なほ子君 幾らですか。
#65
○政府委員(竹内壽平君) 七十三万円でございます。
#66
○高田なほ子君 年間七十三万円、これで全国の実態調査をなさる、地域会議をお持ちになる――七十三万円お取りになっただけでも大へんなお手柄だと思います。今大臣お聞きのように、七十三万円でこれから実態調査に発足なさる、それを私は大臣の任期中に何とか解決策を出せと私は迫っています。大へんむずかしい無理難題を、私はこの七十三万円というものを聞いて大臣に吹っかけているようにお思いになるかもしれませんが、しかし世論はあなたにそれを求めているということなんです。どうかことしから初めて発足するのですから、大臣もそうにわかにはいかぬともお考えになるかもしれませんが、しかし心あれば必ず通ずということもあります。どうか全国民の世論にこたえられて七十三万円のこの実態調査費をフルに一つ運営されて、あなたの任期中にどうか一つ御解決いただくように要望申し上げます。
#67
○藤原道子君 これは大臣としてでなく与党のあれとしてお願いしたいのですが、売春対策審議会の委員が選挙でやり直さなければならないのですよ、任命を、衆議院の方は。ところがほかの党はみな人選が出ている、ところがお宅の方はまだきまらないように聞いているんです。間違ったらごめんなさい。まだ衆議院で任命、許可というのですか、それができないから売春審議会が開かれないのです。この間懇談会形式でやった、こういう非常な不便を感じておりますので、早くあなたの主管する問題でもありますので、なるべく早く任命していただくように御推進願いたい。売春対策審議会の費用もたった四十万円、調査費も七十三万円、二兆予算にしちゃあまりに情けないと思いますね。
#68
○高田なほ子君 まだ残された問題も実は多々ございますげれども、時間も十二時半、基本的人権に関するもので、あまり長く延ばさないで、ここらで打ち切られて、また次回おりを見て一つ質問の機会を与えていただけるようにお願いしておきます。
#69
○藤原道子君 大臣に予算の関係だと思って私はさっきから遠慮しておったのですが、厚生省はずるいと思います。何にも答弁ない、売春と麻薬の問題、あるいはまたさっきのヒモの問題でも、生活困窮なるがゆえに売春でささえておる。こういうことは、これは刑事罰じゃないのです。これは厚生省の担当なんです。ことに社会局の担当であると思いますので、この点はどうぞ刑事局へあまり御苦労をかけないように厚生省で一つしっかりやっていただきたいと思います。この次に麻薬関係の問題少し勉強したいと思っておりますから、資料等について、またいずれ理事を通じましてお願いいたします。
#70
○政府委員(太宰博邦君) 先ほど来御審議の模様十分傾聴いたしております。私どもの範囲でできますことにつきましては、従来とも努力しては参ったつもりでありますが、なお一そう努力いたします。それから麻薬の問題、あるいは何ですか、にせあんま、もぐりあんまですか、こういうのは主管局が違いますので、帰りましてその方に伝えまして、次回もしお呼び出しがありますれば、十分調べて参るつもりでございます。
#71
○委員長(松村秀逸君) ほかに御発言ございませんか。――ほかに御発言もなければ、本件に関する本日の認否はこの程度にとどめたいと思います。
 以上をもって本日の議事は終了いたしました。
 次回の委員会は二月二十一日午前十時より開会する予定であります。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後零時三十二分散会
   ――――・――――
ソース: 国立国会図書館
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