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1960/05/18 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 法務委員会 第15号
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1960/05/18 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 法務委員会 第15号

#1
第038回国会 法務委員会 第15号
昭和三十六年五月十八日(木曜日)
   午前十一時二十一分開会
    ―――――――――――――
  委員の異動
本日委員戸叶武君辞任につき、その補
欠として江田三郎君を議長において指
名した。
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     松村 秀逸君
   理事
           井川 伊平君
           大川 光三君
           高田なほ子君
   委員
           木島 義夫君
           後藤 義隆君
           林田 正治君
           大森 創造君
           松澤 兼人君
           赤松 常子君
           市川 房枝君
  国務大臣
   法 務 大 臣 植木庚子郎君
  政府委員
   法務大臣官房司
   法法制調査部長 津田  実君
  最高裁判所長官代理者
   事務総局事務次
   長       内藤 頼博君
   事務総局総務局
   第一課長    長井  澄君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       西村 高兄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○訴訟費用等臨時措置法の一部を改正
 する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(松村秀逸君) ただいまより法務委員会を開会いたします。
 この際、委員の異動について御報告いたします。
 五月十八日付、戸叶武君辞任、江田三郎君選任。
 以上であります。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(松村秀逸君) 訴訟費用等臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回に引き続き質疑を行ないます。ただいま御出席の政府側は、法務省、植木法務大臣、津田司法法制調査部長、最高裁、内藤事務次長、長井第一課長であります。
 御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#4
○高田なほ子君 前質問者で、大体質問の要点はお済みになっておったように思いますが、私これから二、三の問題をお尋ねいたしますが、すでに御答弁済みの分は、この点については一応説明をしたからというふうにして断わっていただきたい。そうして私の質問と重複しないように。あとで速記録を見ればわかりますから……。
 まずお尋ねをしたいことは、今回のこの訴訟費用等臨時措置法、この改正についてですが、本法の第一条では、「民事訴訟費用、刑事訴訟費用、執行吏手数料等二関スル特例ハ当分ノ内本法ノ定ムル所ニ依ル」と、こういうように第一条に規定してあります。この「当分ノ内本法ノ定ムル所ニ依ル」と、こういうことで、あくまでもこれは臨時的な法律として出されたというふうに解釈するわけですが、この「当分ノ内」ということで臨時措置法をここにお出しになったのは、今後いろいろの物価の値が上がったり、経済の状態が変動したり、そういうことに呼応して、そのつどにこの法の内容を改定すると、こういうような建前に基づいている法律というふうに解釈いたしますが、その通りでしょうか。
#5
○政府委員(津田実君) ただいまのお尋ねの点は御趣旨の通りでございます。
#6
○高田なほ子君 改正は、最近は、昭和二十五年、それから二十七年、昭和三十年、同じく三十三年と、こういうふうに順を追ってこの臨時措置法が改正されて、そのつど内容の一部分ずつが改正されてきたように承知しておりますが、この二十五年以降の法改正の内容はどういうふうな内容であったのか、政府がこの法改正について提案をされているのはどれとどれなのか、こういう点について。
#7
○政府委員(津田実君) 昭和二十二年の法律第百八十四号、昭和二十三年の法律第二百二十五号、昭和二十七年の法律第二百十一号、昭和三十年の法律第百七十号、昭和三十一年の法律第八十九号、昭和三十三年の法律第六十二号というふうに改正をされております。そのうち昭和二十七年の法律、それから昭和三十年の法律は議員提出になっておりますが、それ以外は政府提出のように考えております。
#8
○高田なほ子君 昭和二十七年、昭和三十年の議員立法は、大体承知するところによると、これらの手数料、日当等の値上げが議員立法でされたようですが、なぜ議員立法をされるまで政府はそのときの事情に即した法の改正を行なわなかったのか。そうだとすると、この特別措置法について、政府が特別措置法を作った精神というものが将来もまた生かされないようなおそれを感ぜざるを得ない。経済の変動や、それから給与是正等に伴ってスライドとまではいかなくとも、相当スライドの意味を含めた改定というものは、今後政府は訴訟費用においてもされなければならないと思いますが……。
#9
○政府委員(津田実君) 少し前のことでございますので、必ずしもつまびらかではありませんけれども、昭和二十七年の際、議員提出になりました理由は、議員提出法案になるべくよるという一般の方針に従いまして、その当時議員の方にも御連絡をいたしまして提出されたように考えております。
 それから昭和三十年の方は、執行吏の手数料の改正でございまして、これは主として政府の側はそれほどの状況では必ずしもないと考えておったのですが、議員の方から、手数料を増額するのが相当であるというふうな考えであったもののごとくでありまして、それによりまして議員提出になったように承知しております。
#10
○高田なほ子君 法務大臣にお尋ねをいたしますが、この訴訟費用等臨時措置法は「当分ノ内本法ノ定ムル所ニ依ル」ということに相なって、法文に示す通りに、実情に即したこれらの費用を合法的に払わなければならないという精神がこの中に読み取れるわけです。今当局からの説明では、議員の方から議員立法としてこの法改正の内容が出されたというふうに聞きますけれども、やはり予算を伴う内容を持ったものであるから、政府としては議員立法の前に、絶えず給与の是正あるいは経済の動向等から、特段の必要があると、こういう考えがあった場合には、進んでこの法改正ということに絶えず御注意をいただくことを私は非常に強く期待をするわけです。この点について法務大臣の御見解をお尋ねしておきます。
#11
○国務大臣(植木庚子郎君) ただいまの御質問の趣旨は、御意見の存するところごもっともでございます。われわれ政府といたしましても、常にこうした物価情勢、経済情勢の推移とにらみ合わせながら、手数料あるいは日当等について、その現状に即するような改正を、できるだけ心がけていくのが至当であると思います。しかし、いろいろ予算等の都合によりまして、あるいはその趣旨を実行することが困難な場合がありまして、議員の皆様の方から、ぜひこうやるべきだというような議員立法をお出し下さる場合も、これはあり得てもやむを得ないんじゃないかというふうに考えるのでございます。
#12
○高田なほ子君 次にお尋ねをしますが、第三条中の「第二条ノ日当ハ二百三十円以内、」とある。これを改正して三百円に改めることになっておりますが、この「二百三十円以内」というこの「以内」というのを、今度の改正では削ってあるように思うわけでありますが、この「以内」というのは削られておるのですか。それとも「三百円」というふうにだけ改められたのでしょうか。
#13
○政府委員(津田実君) 二百三十円を三百円と改めておるわけでございますから、「以内」というのはいずれにしてもついておるわけでございます。「三百円以内」ということになるわけでございます。
#14
○高田なほ子君 「二百三十円以内」を「三百円以内」と、こういうふうに改めるわけですね。
#15
○政府委員(津田実君) その通りであります。
#16
○高田なほ子君 そうすると法文によりますと、三百円やらなくてもよいことになるわけですね、「以内」ということになりますと。
#17
○政府委員(津田実君) これは、たとえば民事訴訟費用法によりますれば、第九条におきまして日当は「二円以内」ということになっています。その「二円以内」という本来の趣旨をそのまま踏襲しておるわけでございます。
#18
○高田なほ子君 そのまま踏襲しているということはどういうことなんですか。
#19
○政府委員(津田実君) これは従来民事訴訟費用法あるいは刑事訴訟費用法におきまして、日当は「二円以内」というふうにかつて定められておりました理由は、二円以内の範囲内におきまして、裁判所がみずからの意見によって定めるということでございます。従いましてその趣旨は、要するに、裁判所によりまして二円以内の範囲内においてその証人に対してふさわしい日当を支払う、こういう趣旨に本来の法を解すべきでありますので、その点は現在でも踏襲されておるわけでございます。
#20
○高田なほ子君 第三条でいう日当は、今度二百三十円以内から三百円以内になるわけですが、裁判所は、そのときの状況等によって必ずしも三百円やらなくとも、近まの者は二百三十円あるいは二百四十円、こういうふうに裁判所が適宜に三百円以内で切っていくと、こういう趣旨ですか。
#21
○政府委員(津田実君) 法の趣旨はその通りだと考えます。
#22
○高田なほ子君 法の趣旨ということは、実際にもそうおやりになるということですか。
#23
○最高裁判所長官代理者(内藤頼博君) 証人の日当の実際の支給につきましては、裁判所法にもございませんが、今日二百三十円以下となっておりますが、金額が二百三十円というような金額でございますので、実際の運用におきましては、ほとんどこれは二百三十円を支給しているような実情でございます。
#24
○高田なほ子君 たとえば先般の御質問の中でも尽くされたような問題ですが、裁判の遅延の原因の一つとして、なかなか証人が円滑に出てこられない。その証人の円滑に出てこられない理由の中に、これらの旅費、日当、こういったようなものの金額が少ないことにその一つの原因があるというようなことが明らかにせられたそうでありますが、全くその通りだと思います。ニコヨンのような人たちは仕事を休んで――東京の人はよろしゅうございますが、そうでなくて、よその県から証人として出て来るような場合、やはりこの「三百円以内」ということで、実情に即さないような金額が出されるということになると、生計のために大へん出にくいという実情も私は伺っているわけです。もちろんこれは旅費も含まれるのではないかと思いますけれども、この点は、実際はどういうふうになるわけですか。
#25
○最高裁判所長官代理者(内藤頼博君) 実際に日当が低いために証人が出頭を渋るというような気持になるということは、当然これは起きるわけでございます。裁判所におきましても証人の出頭率については、おりおり調査はいたしております。出頭率一般に申しますと、民事事件につきまして大体従来六〇%ぐらいの出頭率、つまり呼び出しが行って出頭する証人が約六〇%でございました。それが最近は上昇いたしまして、約七〇%近い出頭率を示しております。刑事の方は、これはもっとはるかに出頭率が高いと存じますが、まあそういったような状況でございまして、確かに日当が低いということは出頭する方の気分を、何と申しますか、鈍らせるという要素にはなると存じますけれども、証人の出頭率が示すところによりますれば、必ずしも日当の額だけで出頭率がきまるわけでもないと存じます。ただ、先ほど御意見にございましたように、日当が低いということは、どうしてもやはり出頭の意欲をそこなうような面もございますので、日当の増額については、私どもも一そう今後努力したいと考えているわけでございます。
#26
○高田なほ子君 鉄道の運賃の値が上がりましたけれども、鉄道運賃の値上げに伴って、旅費などについても改定の考えはお持ちになっているわけですか。
#27
○政府委員(津田実君) 鉄道運賃につきましては、それの実額を支払うわけです。それからいわゆる陸路と申しますか、鉄道、汽船の通じない場所につきましては一キロ八円ということでございます。一キロ八円というのは、一般の公務員の旅費と比較しましても決して低い額ではございません。
#28
○高田なほ子君 いずれにしても七十円上げたのですから、大幅に上がったようには思いますけれども、一般に相当の物価の値上がりも来たしているわけでありますから、必ずしもこの三百円というのが合法的であるとか、合理的であるとか、詳細ここで質問する時間もございませんから省略いたしますけれども、常識的に考えると、この七十円の値上がりというものが、当初二百三十円というのがばかに低かったわけですから、必ずしもこれが妥当であるというふうなことには考えられませんので、今後とも、こういう点については十分に一つ御心配をお願いしたいと思っております。次にお尋ねをしたいことは、この第四条中の改正の点でありますが、執行吏の問題については、先般井川委員からいろいろ御質問があったように承っております。ただ、ここでお伺いしておきたいことは、執行吏の基本給という言葉はちょっとおかしいですけれども、政令の改正でも、十四万二千円に満たないものについては、政府が十四万二千円に満つるまでの差額を補償する。つまり十四万二千円が執行吏のこれは手当と申しましょうか、それを基本的な数字に出されておったように思いますが、十四万二千円という基本的な手当の数字というのは、どういうふうにしてはじかれて政令に定められたものでしょうか。
#29
○政府委員(津田実君) これは国家公務員の行政職一の八等級六号に該当する職員の平均扶養手当それから暫定手当を加えましたものに、ごくわずかの計数を整理いたしましたものでございます。
#30
○高田なほ子君 八等級六号ということになりますと、ほぼこれは一般公務員の場合は高等学校卒業の十八才、二十才というくらいの人たちがもらう給与であって、必ずしも政令で定められたこの額というものは妥当だというふうには考えられませんけれども、将来この政令について再検討をされるというお気持をお持ちになっておるかどうか、この点を。
#31
○政府委員(津田実君) 御指摘のように八等級六号というのは高等学校卒業者で数年たった者の受ける俸給額に該当すると思われるのです。執行吏につきましては、その年令等の点につきまして相当高くなっておりまするわけでありまするが、一面申し上げますると、執行吏は、あるいは裁判所書記官の恩給を受けている人たちがいるとか、いろいろなほかの事情もあるわけでありまして、恩給を受けて、かつ手数料を受けておるというような、きわめて異例な制度になっております。従いまして、それらの点を考慮いたしましても、あるいはこの額は必ずしも妥当でないと考えられるわけでございますが、先般も申し上げましたように、執行吏制度につきましては、本質的な改善の検討を現在鋭意やっております。ほとんど毎週会議を開いてやっておるような状況でございますので、執行吏制度全面改正までの暫定的な意味で考えるということになりますると、はたしてこの額をこのまま存続していくことがいいかどうかという点につきましても、いろいろの問題点が出てくるわけであります。そういうような点もあわせまして、この額については考慮いたしたいと思うのでありますが、なおこれにつきましては、予算事項でありますので、最高裁判所において考えられる事柄でありますので、最高裁判所の予算関係の見積もりの決定と申しますか、決定とにらみ合わせまして、法務省といたしましては、この政令の増額を考えたいというふうに考えております。
#32
○高田なほ子君 この政令はいつ改正されましたのですか。
#33
○政府委員(津田実君) この政令は一般公務員について給与改定が行なわれるつど行なっておりますが、最近のものは本年の二月二十日に公布いたしました政令で十四万二千円ということになっております。これは昨年の十月一日にさかのぼって適用せられております。
#34
○高田なほ子君 大体わかりましたが、この政令は一般の公務員の給与改定に伴って改定されるような話しが今ございましたが、三十四年度の一般公務員の給与平均の月額は二万飛び二百八円ですね。それから三十五年の平均給与は二万二千七百十四円、こういうふうに一般公務員の給与が改定になっておりますが、おそらく今後も一般公務員の給与改定と同じように、この政令が逐次改定されるものと考えられますが、問題は、八等級の六号のこの号俸がはたして妥当かどうか。つまり平均年令、学歴、こういうものを無視した給与の体系というものは、あらゆる場所でそれを検討していかなければならない問題です。よそから手当が入るとか、それからこれは特殊の仕事だからという理由で給与表の乱用というものは、厳に慎まなければならないものだと、こういうふうに私は解釈します。しかし、執行吏制度が請負制度のような形になっておりますので、一がいにはどこに線を引くかということは言い得ないにしても、今日の老人五十才以上の人に対する国自体の取り扱い方というものも、必ずしも妥当でないのであれば、当然やはりこの基本になる給与についても再検討をせられる必要があるというふうに私は考えております。この点については、八等級六号、つまり高等学校卒業の十八や十九の者と同じような基本給で据え置くことが、はたして妥当かどうかという点について、再検討の必要があるように私には考えられますが、大臣から特にこの点についてはお伺いをしておきたいと思います。
#35
○国務大臣(植木庚子郎君) 御質問の点につきましては、裁判所当局の意向等も、十分に研究していただいて承り、われわれとしても仰せのような感が若干はしないでもございませんから、今後研究をいたしたいと、かように考えます。
#36
○高田なほ子君 執行吏手数料規則の第二条中に書類送達手数料というのがあって、三十五円という数字が出ておるようです。昭和二十七年の法律では二十五円、現行法は三十五円、こういうふうになっておるようですが、これもまた書留配達等でやると、今は九十六円実費がかかる。必ずしも書留配達ばかりでないかもしれませんけれども、これもまた郵便料金等の値上げ等については相当これも考慮していく必要があるのではないか、これが一つもう一つは、最近自動車の差し押え等については夜間執行が許されておるように聞いております。執行吏が夜間執行をした場合には、不動産引き渡し等の手数料ということで、夜間の場合も昼の場合も大体同じようですが、一般の公務員の場合は昼と夜の勤務では夜の方が〇・五%増すことになっております。執行吏もその通りにせよというのではないけれども、こういう面についての問題をお考えになる必要があるのではないか。それから最近はだいぶ第三国人等によって執行手続にいざこざがあるように聞いておりますが、実情は一体どういうふうになっておるか、こういうような問題を質問の形でいたしますからお答えいただきたいと思います。
#37
○最高裁判所長官代理者(内藤頼博君) ただいま御発言のございました中で、執行吏の送達手数料等に関する御意見がございますけれども、この点につきましては、私ども、今日の金額が必ずしも妥当とは考えておりません。ただ、執行吏の実際の執務の実情につきまして、今日調査をしておりまして、その結果を得まして改正の結論を出したいと思っているわけであります。
#38
○高田なほ子君 夜間執行のことはどうなんですか、実情はどうなっているのですか。
#39
○最高裁判所長官代理者(内藤頼博君) 夜間執行につきましても、御指摘のような問題があると存じます。これにつきましても、現在執行吏の執務の実態を調査しておる次第であります。
#40
○高田なほ子君 いろいろ調査中のようなことでありますが、第三国人によっていろいろいざこざがあるように聞いておりますが、実態はどういうふうになっておりますか、不動産引き渡し等について。実情がおわかりになりませんでしたらよろしゅうございます。
#41
○最高裁判所長官代理者(内藤頼博君) その点につきましては、私どもへまだそういう報告も来ておりませんので、実情をちょっと申し上げかねるわけでございます。
#42
○高田なほ子君 最後にお尋ねをしたいことは、執行吏手数料規則の十四条に「書記料」というのがあって、従来までは八円であったのが、現行法では十円というふうに改まっておるようです。しかし司法書士報酬規定表とか公証人手数料規則表、こういったようなものを拝見いたしますと、必ずしもこの額は、他の同じような仕事に比べて公正ではないように考えられます。しかしいろいろ仕事の内容等また地域によって仕事の煩瑣等、複雑な内容を持つものでございますから、一律には言えないかもしれませんが、他の報酬規定それから手数料規定それらのものと比べて、これまた検討しなければならない各種の内容が含まれておるように私は拝見いたします。ここで一々数字をあげて御質問を申し上げませんけれども、これらのすべての何十項目にわたる料金の内容というものが、公証人それから司法書士等の報酬規定等に比ベますと、はなはだしく妥当を欠くのではないかと考えられる面が多い、こういう点について再検討の必要が十二分にあると私は思います。この点について一つ御検討の要があるかないか、こういう点についてお尋ねいたします。
#43
○最高裁判所長官代理者(内藤頼博君) 執行吏の手数料につきましては、公証人あるいは司法書士の関係においても検討をいたさなければなりませんけれども、ただ、そこに若干の相違がございますので、執行吏の手数料の方は、執行費用として常に債務者の負担になる関係もございますので、そういった要素も取り入れまして今後十分に検討いたして結論を得たいと思っております。
#44
○高田なほ子君 債務者の負担になることを実は私も好まないわけです。他のものと平均しようとすれば、債務者の負担になる。最近は死んでも葬式料さえ高くなって、焼いてもらうのにも焼き賃も高くなっている、そこへもってきてこれから家財道具を持っていかれるというのに、その持っていかれる料金まで高くなられたんでは、これは国民の側として大へん迷惑なことなんです。従って、私が前段御質問申し上げたように、基本給――どうも適当な私は言い方を知りませんけれども、十四万二千という基本的な収入というものは、これはあまりに額が低過ぎるので、他の職種と比べて公平を欠くから、それらのものを上げてもらいたいという、そういう要望も出てくるのではないかと思うのです。従って、これは十四万二千といういわゆる国家公務員並みの最低のところを押えないで、もうちょっとこれを上に上げていくというような、幅のある取り扱いをすることによって、債務者の方に負担をかけないで済むだろうと思う点もあります。どうかこういう点もあわせて、十二分に検討されることを要望いたします。
#45
○委員長(松村秀逸君) 他に御質疑はございませんか。――なければ本案に対する質疑は終了することとして御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#46
○委員長(松村秀逸君) 御異議ないと認めます。
 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#47
○委員長(松村秀逸君) 速記を始めて。
 これから討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
#48
○井川伊平君 私は自由民主党を代表して、政府原案に対し、附帯決議を付して賛成いたしたいと存じます。
 本法案の要旨は、訴訟事件における証人の日当の最高額を、二百三十円から三百円に増額し、これに伴い執行事件の証人、鑑定人の日当を増額しようとするものであります。政府が証人の責務の重要性と社会の実情に即すべく、その日当額の改正を意図されたことに対しては、これを了とするのでありますが、経済の現状にかんがみるときは、なお低きに失すると言わなければならないのであります。しかしながら、本年度予算もすでに確定いたしておる今日の段階で、これを修正することもいかがかと考えられますので、来年度における当局の善処を期待するとともに、種々問題のある執行吏制度について、その改善を再検討するよう政府に要望することとし、次の附帯決議を付して原案に賛成いたしたいと存じます。
    附帯決議
 一、証人等の日当は、なお低きに失
  するものと思考せられるので、政
  府は、来年度予算においてこれが
  増額について善処すべきである。
 二、執行吏制度についても、政府
  は、これを改善するよう再検討す
  ることを要望する。
  右決議する。
 以上でございます。
#49
○委員長(松村秀逸君) ほかに御発言はございませんか。――別に御発言もなければ、これより採決に入ります。
 訴訟費用等臨時措置法の一部を改正する法律案を問題に供します。
 本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#50
○委員長(松村秀逸君) 全会一致でございます。よって本法律案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 次に、ただいま討論中に述べられました井川君提出の附帯決議案を議題といたします。井川君提出の附帯決議案を、本委員会の決議とすることに賛成の方は挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#51
○委員長(松村秀逸君) 附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とし、直ちに今議決されました訴訟費用等臨時措置法の一部を改正する法律案にこれを付することに決定いたしました。この際、植木法務大臣から特に発言を求められておりますので、これを許可いたします。
#52
○国務大臣(植木庚子郎君) ただいま満場一致をもって御決議になりました附帯決議の御趣旨につきましては、政府当局といたしましても、なお今回の政府原案に、至らぬ点があったのではないかということについて十二分に反省もいたします、また、御決議の趣旨を来年度において実現すべく十二分に善処いたしたいと考えております。
#53
○委員長(松村秀逸君) なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#54
○委員長(松村秀逸君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
 次回は五月二十三日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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