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1960/02/23 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 文教委員会 第7号
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1960/02/23 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 文教委員会 第7号

#1
第038回国会 文教委員会 第7号
昭和三十六年二月二十三日(木曜日)
   午前十時三十六分開会
   ――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     平林  剛君
   理事
           北畠 教真君
           豊瀬 禎一君
   委員
           下條 康麿君
           杉浦 武雄君
           高橋進太郎君
           千葉千代世君
           矢嶋 三義君
           米田  勲君
           岩間 正男君
  国務大臣
   文 部 大 臣 荒木萬壽夫君
  政府委員
   文部政務次官  纐纈 彌三君
   文部大臣官房長 天城  勲君
   文部省初等中等
   教育局長    内藤誉三郎君
   文部省大学学術
   局長      小林 行雄君
   文部省管理局長 福田  繁君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       工楽 英司君
  説明員
   大蔵省主税局税
   制第一課長   塩崎  潤君
   ――――――――――
  本日の会議に付した案件
○教育、文化及び学術に関する調査
 (昭和三十六年度文教関係予算に関
 する件)
 (当面の文教政策に関する件)
   ――――――――――
#2
○委員長(平林剛君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 まず、委員長及び理事打合会の経過について御報告いたします。
 理事会におきます協議の結果、本日は、まず文部大臣の出席を求め、当面の文教政策につき調査を進め、引き続き昭和三十六年度文教関係予算の調査をいたすことに決定をいたしました。以上、理事会決定通り調査を進めたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(平林剛君) 御異議ないと認め、さよう進めて参ります。
   ――――――――――
#4
○委員長(平林剛君) それでは、当面の文教政策に関する件を議題とし調査を進めます。
 質疑の通告がありますので、この際発言を許します。
#5
○岩間正男君 私は当面する文教政策の中で、今まで問題になって参りました最近の荒木文政のあり方、その問題と関連しまして、ILOに対する日教組の提訴がありました。それに対して、文部省は反撥を出されたわけであります。その問題に関連をして、私は対日教組の政策、これはどういうふうに一体されているのか、こういう問題に関連してお伺いしたいと思うのであります。
 この前、質問をちょっとしたのでありますが、時間の関係でこれが十分できませんでした。大臣にお聞きしたいのは、一月二十三日に教団連の代表と文相は会っているわけでありますが、この会見の目的並びに内容ですね、これはこういうことにあったのか、その点を明らかにしてほしいと思います。
#6
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 教育問題について個人的に会って意見を述べ、陳情したいということがございまして、この前もお尋ねによってお答え申し上げました通り、衆議院の議員会館でお目にかかりました。
#7
○岩間正男君 どんなことを話されたわけですか。個人的な話というのですけれども、どういうことについて話しましたか。
#8
○国務大臣(荒木萬壽夫君) はっきり記憶はいたしませんが、文部大臣は日教組と交渉しないというふうなことをいわれておるが、そういうことについてどういう考え方であるかを聞きたいというふうなこともあったようであります。そのほか二、三陳情めいたことがございましたが、はっきり記憶いたしておりません。
#9
○岩間正男君 あなたは個人的な立場で会った、こういうお話ですが、そうすれば、個人的な立場で行ったら、日教組のたとえば小林委員長あるいは宮之原書記長、こういう人たちが面会を申し込んだ場合、あなたは会いますか。
#10
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 私は日教組の組合員たる教師の皆さんに、個人的にはどなたであれ、建設的な御意見を聞かしていただくというならば、いつどこででもお目にかかりたいと思っておるということを申しております。
#11
○岩間正男君 個人的な資格で会ったというのですけれども、大体一方では日教組の代表には会っていない、これを拒否し続けておられる、そういう中で、しかも教団連の代表に会う、こういうことは、これは非常に私は時期的にまずいのじゃないかと感じ、この前も官房長官が見えたとき、あわせて質問したのでありますけれども、そういう点についての文相の考え方はどうなんですか、そんな点について考慮がなかったのですか。
#12
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 教団連というのは私はどんな性質の団体かよくわかりません、教団連という名前があることは知っておりますけれども。従ってタイミングがいいとか悪いとか、そういうことは連想いたしませんでした。
#13
○岩間正男君 ちょっと軽率じゃないですか。教団連の資格について検討されないで、しかも教団連の会われたのは委員長、書記長ですね。つまりそういう組織の役員の代表者なんです。それと会うときに、この教団連というのはどういうものかわからないけれども会った、こういうことを言われたのですが、それはどうなんです。――内藤局長にお聞きしたいが、教団連というのはどういう性格の団体なんですか、そうしてこれは地公法による職員団体なんですか、それと、さらに資格についてちょっとあなたにお聞きしたい。
#14
○政府委員(内藤誉三郎君) 教団連は教職員のいわゆる職員団体でございます。で、その組合員の加盟数は明確には把握しておりませんが、大体二、三万ではなかろうかと考えております。
#15
○岩間正男君 それはいつ設立されて、いつ届け出がされておるのかという点をはっきり確かめておられるのですか。その上で今の――単に性格がわからないが会ったということがわからないのですね。
#16
○政府委員(内藤誉三郎君) 設立の日については今資料がございませんが、追って設立の日は資料として差し上げます。で、もちろん地公法に基づいてそれぞれ単位団体としては届け出がされておるものと心得ております。
#17
○岩間正男君 私は重大な問題だと思うのです。これは日教組は歴史も古い、それからその組織人員からいっても、もう九〇%近くの組織であって、そうしてこれは天下周知のこと、世界的にも知られた団体です。その代表には会わない、こういうことを言われておる文相が、教団連という資格はよくわからなかったけれども会った、個人的だから会ったのだ、こういうことを言われておりますけれども、会った当人は、これははっきりと委員長であり、書記長ですね。しかも、これは面会をちゃんと申し入れたということがあるので、その結果明らかに文相はこれに会っておられる、こういうことが教団連の情報には出ているのですね。こういう点から考えるというとどうですか、私はどうもそういうやり方の中に今の荒木文政の不統一を見るのですが、これは軽率とは思いませんか、どうなんです。
#18
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 教団連というものの実態は私は存じません。教師の一人である、名前も忘れたくらいですけれども、教育問題について陳情したい、会いたいということでありましたから、特に議員会館で、時間がありそうでしたから、その日ならばいいと言って返事をして代表と会ったのでありまして、その教団連か何か知りませんが、岩間さんのお持ちの何かに書いてあるとしましても、そういうことまで私は存じませんので、きわめて率直に聞かれたことについて答え、向こうから陳情されたことを聞いたという面会の仕方をしただけでありまして、そう事が重大であるとか、何とかということは一つも考えておりません。
#19
○岩間正男君 あなたは教員個人が面会を申し込めば会う、こういうことはこの前の委員会でも言っておられるのですから、それを実行されたのだということなんでしょうけれども、しかし、ちゃんと教団連としてこれは申し入れをし、教団連の委員長、書記長ということは、あなたはこれは知って会われたのは私は間違いないと思うのです。それはこの情報を見ればわかる。この情報を全然誤報だというなら、そういうことも成り立らますけれども、この問題は私はここで議論してもしようがありませんから、ただ文相に警告しておきたいのですが、日教組と会わないということで非常に大きな問題になって、国際的な問題さえ起こしている。そういうさなかに、内藤局長の言葉によると、二、三万のこれは教職員団体の代表に会っている。しかし、個人的だという名前で会ったからいいのだ、しかも会見の内容についてはほとんど今記憶がないというようなお話なんです。ところが、そういうふうにはなかなか私たちは受け取れないのじゃないかというのが、この教団連の情報です。ですから、この点については文文相はいかなる組織の代表にも会うということ、これは私は否定するものではない。会うべきだということを主張している立場でありますから、当然、教団連の代表に会った文相は、日教組の代表にも会うべきだ。そうして、これはだれでもそう考えるだろう、こういうことをまず私は申したい。さらに、現在のようなやり方で、一方の組織の代表者に会って、一方に会わないというようなやり方をやるということは、荒木文政の統一されたやり方という面から非常に誤解を招く。私はそういう点で、今後その点についてよく考えていく必要があるのではないか。こういう立場から、日教組の代表にも進んで会うべきではないかと考える。そこで、この会見の内容も問題だと思うのですが、こういうことを文相が言ったとこの情報は伝えております。あなたがこの会見の席上で、教職員団体の任務について質問があった。そうしたら、文相はこのとき、任務としては教育研究をやっていく、そのほかに、職員団体は教職員の給与の問題だとか、生活権の問題だとか、教職員並びに教育の安定をはかる面も必要である、この二つの面が任務であるというふうに認められておられる。そういうことがこの情報に書いてあるのでありますけれども、この点はいかがですか。
#20
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 今読み上げられた通りのことを言ったとも思いませんが、私が連想し得る用語も入っていないようでありますが、私の常識は、教職員団体というのは、あくまでも国家公務員法、地方公務員法に定めるところの法律の認める職員団体、その意味においては、法定事項に関して責任ある当局と交渉すること、そういう行動半径が一つある。そのほかに、教職員としての教養を高め、教育者として教育目的を果たすための自己研さんの場があってしかるべきだ、そういう二つの機能が常識的に考えられるのじゃな為ろうか、こう平素思っております。で、そのときもそういう問題が尋ねられたように思いますが、今私が申し上げたような気持で話したとすれば話しておるはずであります。
#21
○岩間正男君 そうすると、教員の給与とか生活権の問題ですね、これは当然教職員団体の任務だ、その面で当然それらの要求について話し合うということは、これは少しも差しつかえないわけですね、そういうふうにこれは受け取っていいわけですか。
#22
○国務大臣(荒木萬壽夫君) それは個人としてお目にかかって、個人としての教職員である何がしという方からそう質問を受けましたから、そうお答えをしたわけであって、文部大臣がそういう教職員団体の代表者と直接正規にお目にかかって、そういう問題を話し合うという立場にはないと思います。
#23
○岩間正男君 これはまあ私はくどくど言う必要はないし、それから当委員会でも今までしばしば論議されたわけでありますけれども、半額国庫負担を教員は受けておるわけですね。これと国との関係が生じているわけですね。文部省を抜きにしてこの問題を論ずることはできない。政府の代表としてこの問題について、教員の給与というものについて話し合うということを、文相は当然教職員団体の任務として認めていられる限りは、どこで一体この問題を話し合えばいいのですか。今の教職員の国庫負担に関する問題、それとそれに関連した恩給の問題とか、いろいろな問題がありますが、給与の問題、生活権の問題、これはどこで話せばいいんで申す。
#24
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 半額国庫負担は、これは私の承知します限りは、法律によって実費を清算しましたものを国が半分持ち、公共団体が半分持つという制度上の必然的なことでございまして、それを国が半分じゃいけない、もっとよけいでなければならぬとか、そういう問題は話し合ったからどうという問題じゃなくって、地方自治体と国とが、そのときの財政状態に応じて将来の見通しのもとにどうした方がいいという角度から、立法論として、政治課題として取り上げらるべき問題と思うのでございまして、話し合ってどうしようという意味では、話し合ってどうなるものでもない課題だ、こういうふうに心得ております。
#25
○岩間正男君 これは文部大臣、何かその点は私は勝手に解釈しておられるのじゃないかと思うのです。教職員はこれは明らかに自分の生活権を守る、そういう団体を結成しておるのです。その面でこれは地方だけでは解決がつかない、地方が全額負担しておるのなら問題ありません。しかし半額をとにかく国庫で負担しておる。そうして、しかも絶えず要求はこれはもう実情におきましてあるし、また要求を出さざるを得ない。こういう状態に追い込まれていると思うですね。そういう問題の中で、地方とどれだけ話し合っても解決のつかない問題で、当然これは年度の予算を組むに当たって、この要求をどうしても中央段階において交渉するということは、これは絶対必要だと思う。ところがあなたはそれを必要でない、清算した財政需要ですね、その基準額の半額を出すのだから、その範囲内で決算をやればいいのであって、それだけの負担をすればいいのであるから、その関係内で話し合ったって仕方がないのだ、こういうことを言っておられるのですけれども、それではどこで一体教員のそういう要求、昇給昇格、その他生活権の要求の問題をどこで実現すればいいのです。府県段階では解決つかぬ、そういうはっきりした法制上のこれは問題を持っているわけでしょう、この点をあなたどう見るのです。
#26
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お話の点は、これは学校の設置者であり、また人事権を持ち、給与決定権を持っておる都道府県段階において話をすればするのでありまして、話をしたから、そのまま決定できるものでなくて、その設置者の、全国的な都道府県によってそういう要望があり、また実情その必要ありとするならば、都道府県段階において問題が取り上げられ、その結果が法律改正等となって現われてくるものと心得ます。少なくとも今の状態において国が半分持つ、それは実際支出の半額だということで、国会を通過した法律によって定まっておりますから、その法律に従って国費負担分を大蔵省と折衝して予算に盛り込むという手続をするのが、私どもの文部省の責任範囲かと心得ます。ですから、会って話をしてどうという問題は、文部省が直接の当面の相手方であるよりも、都道府県段階においての陳情なり、意見の具申なりということが適切だと思います。
#27
○岩間正男君 私は今のような見解は、これはしばしば論議されたと思いますが、事実に反していると思うのですよ。今の地方財政と国家財政との関連から見て、非常に地方財政は締められています。そうしていろいろなひもつきになっています。地方財政の範囲内で解決つかないということは明白な事実だと思う。当然これは国家財政の関連でこの要求の話合いの場というものを設けなければ問題は解決しない。現にどうですか、教団連との会見であなたはこう言っているのではないのですか。この情報によりますと、こういうことを言っていますな。教団連の代表が、「地教委のみで解決つかない問題の方が多い。」、これはどうするのだという質問に対しまして、あなたは「その問題は中央で話合う必要があろう。」、こういったようにこの情報には出ているのですけれども、これはどうなんですか、あなたはそういう事実を否定されますか。
#28
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 教職員の給与改善等の問題は、地教委だけでむろん解決しない課題があるわけですけれども、先ほど来申し上げますように、それは地教委でもって、窓口として意見等を受けて、陳情等を受けて、それを政府に持ち上げて立法措置ないしは予算措置をすることになる順序になるかと思いますが、その場合に、設置者はあくまでも地方公共団体でございますから、直接的にはむしろ私は自治省の、財政面からいきますと自治省が窓口になって、大蔵省との話し合いによって問題が進められていくべき筋合いのものと思うのでございますが、今読み上げられましたことが、どういうことで、どういう質問が出て、どう答えたかを明確に記憶しませんけれども、むろん今申し上げた通り、地教委だけで解決しない問題があることは想像にかたくないのであります。特に教員の給与問題になりますと、文部省でどうということよりも、第一義的には今申し上げたような筋道ではなかろうかと思います。
#29
○岩間正男君 じゃ、あなたの今の発言で、地教委だけで解決つかないということは認められるわけですな。そこでどこへ持ち込まれる……。
#30
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 交渉の相手は地教委でございますから、まともな窓口を通じてそういう意見が具申され、そのことが総合されまして、政府あるいはそれぞれの担当省の課題として問題が提起されてくる、そういう順序だと思います。
#31
○岩間正男君 あなたは全国的な連合体を認めておられるのですか、おられないのですか、どうなんです。
#32
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 任意団体としては認める認めぬじゃなしに、当然、憲法と直結して存在しておると心得ております。
#33
○岩間正男君 任意団体だからあなたは会わないのだということで、これは法的にはないということを言われているわけです。しかし、それは従来の慣行を破って、それから現実におきましても、たとえば自治労なんかとやっているわけですね。中央団体、そういうものは、みなこれは、あなたの言い分によるというと、不当だと言うのですか。こういう慣行とか、そういうものはじゅうりんしてかまわないと言うわけですか。一つのこれは労働慣行なんですね、今までこれは、現に一方において行なわれておる。その後、池田内閣になって、はっきりとそういうような態度をとって、従来のやり方は間違いだというので、ここで改める、それが法案の訂正でもやるとか、そういうことではっきりやるか、あるいは行政措置でもってその点を明確にするというようなことでやっているのならいざ知らず、支離滅裂じゃないですか。あなたは池田内閣の閣僚なんです。池田内閣全体として統一されていないじゃないですか、その点どうなんです。
#34
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 事文教に関します限りは、私、就任以来同じ考え方できておるつもりでございます。それは慣行があったかしれませんが、それは事実問題としてあったにとどまるのであって、団体交渉ないしは中央交渉というがごとき形で交渉する相手としては、お互いそういう資格はないということで、中央交渉をお断わりしたのであります。
#35
○岩間正男君 今までそういう慣行があったかどうかなどということを言っているのですけれども、これは歴代の文部大臣がやってきている。しかもそれによって弊害があったかというと、弊害はあり得ないのです。当然ですよ。はけ口がなくて、そのはけ口がないままに放置するということは、これは正しい一つの労働行政というものにはいかぬ、それから文教行政ということにはいかないことは明白なんです。あなたの会わないというのは、どうもそういうところにはないのじゃないか。私はこの情報を見て実は驚いているのですが、あなたはこういうことを言っておられます。「私は教団連と日教組と同列視していない。」、こういうことを言ってますね、これは事実そういうことですか。
#36
○国務大臣(荒木萬壽夫君) そういう言葉で言ったかどうかをはっきり記憶しませんが、しかし日教組というのは、倫理綱領という歴然たる性格づけのものを持っていらっしゃる。教団連というのは、一体そんなものがあるかどうかも私は知らない、という意味で、違うといえば違うという気持は今でも持っておりますが、そういう意味であるならば違うと言ったと思います。
#37
○岩間正男君 あなたは大へんな錯誤をやっておられますね。一体、性格もわからないものと会おうというのはなお不謹慎じゃないですか。あるいはこれは右翼でないという保証もない、右翼かもしれない、そういうものについてあなたは検討もしないで会っていて、そうして日教組――今まで公然と認められてきて、しかもそういうような労働慣行の上に立ち、日本の労働組合の一つの構成分子としても非常に重要な役割をにない、世界的にもその存在を明らかにされておる日教組に対しては会わない、こういうことは軽率と思いませんか。そうしてしかも、今言ったように、日教組とは違うという言葉の中には、あなたはいろいろこれについて、今のような弁解をされるかもしれませんけれども、全くそれは、会ったことから見ても、これはお前たちの方は自分に近いのだ、こういう親近感で会っているのじゃないですか。そういうことにしか解釈できませんよ。「私は教団連と日教組と同列視していない。」というのは、なるほど一方は五十万以上の組合であり、一方は三万、こういう意味での同列視していないというととじゃなくて、あなたの言ういわゆる倫理綱領によるところの、彼らは非常に破壊団体に近い団体だ、しかし君たちはそうじゃないのだと、いわば頭をなでるような形で会った、そういうことじゃないですか。そう理解してようございますか。
#38
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 教団連というものが、もし日教組の倫理綱領に匹敵するような何かを持っているとすれば、それを見せてもらってから会った方が適切であったかもしれませんけれども、ほのかに聞いておるところでは、日教組のあの倫理綱領ばりの動きにはついていけないということで脱退したということは聞いておりますが、それは私の頭の中にあったことだけであって、それを面会しましたときにかれこれ言った覚えは毛頭ございません。片や世界的にも有名である日教組と、教団連というものがどんなものかは、私自身もろくに知らない団体であるとしましても、それとを同一視するなどということを考えたことがない、今でもそういうことは念頭にございません。個人的に陳情したい、意見も聞いてくれということでございますから、お目にかかって、談たまたまそういうことが尋ねられたように思いますが、同じであるというふうに言ったとも覚えませんので、それに似たようなことを言ったのだろうと思います。
#39
○岩間正男君 まあ私的会見だから、公的な性格を持たないといえばそれまでですけれども、しかし、あなたの行動というものは非常にこれは注目の的になっているわけです。しかも、これは職員団体の代表としての役員、委員長と書記長というような役員なんです。そういうときに言ったことについて、あなたはここで、まるでその覚えがないとか、そういう言葉で言っておられるけれども、そうすると、この情報というのはみんなこれはうそですか。これはでたらめな記事によってできている、こういうふうに理解していいですか。
#40
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 今読み上げられた範囲では、まんざらうそでもないように思いますが、一言半句私が責任を持つわけには参りません。
#41
○岩間正男君 むろんこれであなたは責任を持っておられる、しかし、まんざらうそでもないと言われておる。どうもこのところがはっきりしませんが、こうなっていますね。あなたの言葉はまるでこれは否定するような形ですよ。単に個人として会ったのだ、こう言っていますが、「私は教団連と日教組と同列視していない。だから君等と会っているのだ。今後も正しい教職員組織の人の建設的な意見や要望はどんどん聞くつもりだ。」、こういうことを伝えておる。これは、あなたの答えとしてはっきりこう言っておるのですよ。これは認められますか、どうですか。
#42
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 教職員組織などという熟字は私の頭の中にはございません。教職員の一人々々が、毎度申し上げますように、現場教師の体験に基づく建設的な御意見を聞かして下さるならば、こっちから求めてでもお目にかかりたいとかねて思ってもおりますし、ですからそういう意味のことはおそらく言ったと思います。教職員組織などという熟字は、私の常識からは当然出て参りませんので、その言葉は、私は――それは教団連か何か知りませんが、自分たちの都合のいい用語を使ったのじゃないかと思います。
#43
○岩間正男君 そうすると、組織という言葉は、それはいいとして、だから君らと会っているのだ、こういうことですね。これはまあ認められたわけですね、今のお話で。そうすると、はっきり私はお聞きしたいのは、こういうことで言葉尻の水かけ問答をやるという気はない。私のお聞きしたいのは、何かというと、つまり日教組と教団連というものに対して、あなたはとにかくこれは差別的な考えを持っていられる。行動においても、差別的な行動をとられておる。このことは、これは確認できますね。
#44
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 会ったということについて、ことさら差別的にどうしたという気持は毛頭ありません。個人としての意見ならば、進んで聞きたいくらいだという気持を実践したに過ぎません。
#45
○岩間正男君 差別的でないと言ったって、どうなんです。「だから君等と会っているのだ」というのは、日教組とは違うものだと考えておる。だから君らと会っているのだ――これは差別的じゃないですか。あなたはさっき認められたですね、このことは。
#46
○国務大臣(荒木萬壽夫君) だから会っていると言ったかどうか確かじゃありませんけれども、かりにそう言ったとしましても、そもそも個人的に陳情もしたい、意見も聞いてくれということですから、お目にかかっておる、こういうことであります。
#47
○岩間正男君 その二つの差の上に立っていられること、それから行動においても、全く違った態度をとっておるというととは、これは認められましょうね。もう一ぺん念を押したいと思います。
#48
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 私が日教組の申し出をお断わりしたことは二回ございますが、それは、日本教職員組合の代表者として政治的な場でしか解決のできない課題を中心に中央交渉をしたいがどうだろうというお申し入れがございましたから、中央交渉をする資格はございませんからと言ってお断わりをしました。
#49
○岩間正男君 当委員会でもこのことを問題にしたことがあります。それは法的に言って中央交渉というような、つまり法的にはどうかという問題を出されたのです。しかし、慣行の上に立って、あなた実質的に団体交渉をやってきたのが今までの立場なんです。その点を認めたらどうかということを、あなたにわれわれは過般の委員会でこれは進言したはずです。しかし、それをしもあなたは否定される。これは覚えございませんか。そうでしたな。
#50
○国務大臣(荒木萬壽夫君) たしかそうだったと思います。あらためて考え直しましても、中央交渉、団体交渉という意味合いでお目にかかることは私は適切ではない、むしろ有害だと今でも心得ております。
#51
○岩間正男君 法的な問題はそれは論議のあるところで、これはわれわれの見解から言えば、当然面会すべきだと思っております、法的にも。しかし、そのことは今までの労働憤行上から考えても、まあ問題を別にしておくにしても、実質的に団体交渉になるような交渉をすべきだと、こういうふうに言ったが、あなたはそれを否定された。そうすると、結局どうなんですか、教団連の場合は、あなたは言葉を設けてみても、個人的に会ったのだ会ったのだと言っておる。しかし、そうい、うふうには教団連はこれを認めておりません。これは相当な団交です。団交の場でなければ言えないような言葉がたくさんこれに出てきております。問題を、そういう問題について論議をされておる。これを一々詳細やる時間がありませんが、そういう問題についてやっておりますね。そうしたらどうなんです。日教組の場合は、法的な場合は疑義があると、こういうことであなたは会わなかったというのであります。実質的に会うということは、そういうのは差しつかえなかったのじゃありませんか。そうして会うべきじゃなかったのじゃありませんか。ところが、はっきりそこのところを区別して、日教組は倫理綱領云々ということで、いつでもそういう形で、教団連と日教組というものに対する態度というものは全く違った立場に立っている。これはいいですよ、こういう立場はこれはまたどうなんですか。
#52
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 教団連の代表者ということでお目にかかった覚えはございません。また、日教組にいたしましても、日教組の幹部がどういう名前の方であるか私は知りません。日教組という団体を代表して中央交渉などという意味合いで、法制上はその資格がお互いにないことは明瞭でありますが、実際問題といたしましても、岩間さん慣行とおっしゃいますが、慣行と言ってみても、それは事実問題にすぎない。実質的に団体交渉的なことをやるべきではない、こう思っております。今まで文部省その他で教職員であるという触れ込みで面会においでになった方は、私は数十名、もっとよけいにお目にかかっておると思いますが、一々面会内容あるいは面会者の身分等を厳密に調書をとるみたいに記録しておるわけじゃございませんけれども、ずいぶんお目にかかったことはございます。お目にかかれば、談たまたま今お読みになったような課題にも当然触れてくる方もあります。そういうときには、個人的な話として私の考えておることは率直素朴にずいぶんたくさんの機会にお話したような記憶がございますが、それと同じことでございまして、格別教団連だからどうだなどという意識は私にはございません。当時もなかったし、今でもそういう意識はありません。
#53
○岩間正男君 これは水かけ論で、あったなかったということよりも、事実交渉がどうだったかということが問題なのですよ。あなた自身が先ほどから申しましたように、名目はどうだろうが、実質的に組織を代表するところの代表者を、しかもここで論議されていることは相当なことですよ、こういうことをあなた自身言っているでしょう。教職員の交渉団体は否定さるべきではなく、むしろ教育の民主化のためには必要である、そういうことを言っているのじゃないですか。そうしてそういう例として、教育研究の問題、それからそれだけじゃない。教職員団体の任務というものはそれだけじゃない。給与の問題、生活権の問題、こういう問題もあるのだ、そしてそういう任務にもこれは尽くすべきだ。しかもそれに対してまあ当然の建前として地方の教育委員会と話すべきだ。しかし、そこで話し合いの場はどうするかと聞いたのに対しては、これは中央でも会うべきだ、こういうことを言っているのであって、重大な問題についてあなた言っているのですよ。これは個人の代表の会見内容などというものではありませんよ。これをすべて否定されて、こういう団体というものは、あなた研究もされないで、泡沫的な存在だと言うならばいざしらず、教団連というものはあるのだ、そしてとにかく内藤初等中等教育局長の今の説明によりますと、二、三万の組織を持っている教職員の団体か何か知りませんが、どうして作られたのか私も知らないけれども、しかしあるのだということで会っている。しかも重大な問題について言っている、一方的に。日教組に対してはこういう点言わないようなことを、これは教団連については気を許したのかどうかわからぬけれども、親近感から言っているのかしらないけれども言っている。それを差別しないのだ、こういう言い方で通ると思いますか。これは否定されますか。これは教団連の言い分というものは事実無根なのか、これを否定されるならそれでよろしい。私ははっきりしていただきたい。今のようなことを、ここに至ってから言葉上でそういう問題をごまかすということは許されないと思うのです。これは私の次の質問と非常に深い関係があるからお聞きしているのです。こういうあなたの行動自身はどんな面からも許されない。
#54
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ここでごまかしている意思は毛頭ございませんが、似たようなことはさっきも申し上げた通り、教職員である方とお目にかかって、話は当然そんなふうなことにいくものですから、そういう似たようなお話は何べんもしたことございます。それと同じことであります。それからなお地教委では解決しない、中央で話さねばならないということがあると申したのですが、先ほど申し上げましたけれども、その教職員団体としての当然の相手方というのは、私は制度上からも申し上げて、常識的に相手方たるべきものを選ぶとするならば、たとえば都道府県の教育委員長評議会、あるいは教育長評議会、それが全国的な教職員団体との間に全国的な立場でお目にかかって話をするという当面の相手方であるべきじゃないか、それが本筋だ。ただし、教育制度ないしは給与等の改善の意見を具申する、述べるというのは、やはり正式には地教委の窓口を通じて、それが全国的な意向として集約されて中央に反映する、行政面からいけば政府との関連はそんなことかと思いますけれども、職員団体としての立場で話をされる相手方は文部大臣とか、自治省大臣とかいうのじゃなくて、任命権者であり、給与決定権者の全国組織ともいうべき教育委員長、教育長評議会というふうなものが本式ではないか、こういうように思っております。
#55
○岩間正男君 重大ですよ、あなたの今の発言は。そうすると、今の言い方では、文部省要らないということになる。これはずいぶん論議された。終戦後に、中央教育委員会というのがあればいいじゃないか、こういう機構でいくべきだという何もあったのです。あなたはそういうものでやれということですか。つまり今言った教育委員会の中央連合会というものが集計されてくるとそういう段階になる。しかしそれがない。そしてその頂点に文部省を置いてきたというのが今までのあり方だったのです。だから今のような言い方というのは、これはあなたの何を追い詰めていくと連合団体を認めざるを得ない。その交渉相手がないということはおかしい、法的に。こんなことはやはり許さるべきじゃない。文部行政はそうなってくると何かを作らなければならないというので、最近考えつかれたのはあなたの思いつきなんです。内藤局長の言うのはうそかどうかわからないけれども、答弁用だ。そんなことは天下周知の事実です。そうすると、文部省は何をやるのですか。文部省否定論です。あなた自身はそうじゃないですか。はっきりしなさい。
#56
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 本来、法律上認められておる正式の教育職員団体というのは、言わぬでも御承知の通り、国家公務員法ないしは地方公務員法によって認められた地域団体、そう心得ます。ですから、その全国的連合体たる日教組、これも憲法と直結した姿で存在していることもだれしも認めておるところであります。そういう本来の教職員団体プロパーの問題について、中央交渉的に考えるとしまするならば、その面では私は、文部省は要らぬとおっしゃるのですが、文部省の出る幕じゃないと、こう心得ております。
#57
○岩間正男君 どうもあなた言葉のあやでやるのはやはりやめなくちゃならない。言葉のあやでやっていたら審議は遅々として進まない。日本の文教行政はそんなことを言っておる段階ではない。だから、そういうことじゃなくて、はっきり――あなた自身のそれはもう矛盾です、自家撞着ですよ、そういうのは。かりにあなたの議論を前提として考えても、これはどうしますか。大学の教師はみな入っております、日教組へ。これはどうしますか。大学の教職員はこれは国家公務員でしょう。この国家公務員はどこで一体との団体は交渉しますか。
#58
○政府委員(内藤誉三郎君) 最初に都道府県の話が出ましたが、日教組は各府県が窓口でございまして、その連合体でございまするので、それに対応する使用者側の代表を探しますならば、これは今、大臣が述べられましたように、都道府県の委員長会議なり、あるいは教育長会議というのが現実に事実上存在しておりまするので、そこが当面の交渉相手であるべきだ。それから今お尋ねの大学の交渉相手はどうかと、こういうお話でございますが、日教組の中に大学高専部というのがございますけれども、これは人事院に登録しておりません。ですから、登録した場合どうなるかという問題が一つあると思います。で、各大学がそれぞれ学長と交渉すべきものであろうと思う。と申しますのは、大学の管理機関はこれは教授会になっておりまして、教育公務員特例法から申しますと、教授、助教授、講師の任命権は大学管理機関が定めることになっております。従って、これは当然管理機関が責任を持つべきものだ。それから現実に係長以下は学長に任命権を委任しておりますので、文部大臣はとれに何ら関与いたしておりません。そこで文部省が直接発令いたしておりますのは、局長、部課長及び課長補佐、こういうものを文部省が発令しておるわけでございますので、もしかりにそういうものが何か管理職の組合のようなものができますれば、これは交渉の相手方になるものと考えております。
#59
○岩間正男君 それはあなたの一応の説明です。連合体ですね、全国の連合体というものは、それじゃ全く困難に追い込むことですよ、相手のないところへ。ここに問題がある。現在のやり方、対日教組関係についての文部省の考え方、これは組合としての機能を認めないやり方だ、結局根本的に。そういう考えがこういうような形になって現われてきておるのじゃないですか。これはこんな形で混迷されておるのは非常にまずい。私は問題をもとへ戻しますけれども、大体どうですか。この二つの組合に対する今度の態度を見ても、これはわかると思うのですけれども、言葉の上では個人で会ったのだから、それで決して差別をしたのでないと言ったけれども、実際差別しておる、あらゆる面で差別しておる。こういう形でやられておる。一体これはどうなんです。地方公務員法の第五十六条、これは文相は御存じだと思うのです。この精神はどういうことになるのですか、この精神と抵触しますか、どうですか。
#60
○委員長(平林剛君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#61
○委員長(平林剛君) 速記をつけて。
#62
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 今のお尋ねの点は、さっきお答えしたと思いますが、個人としてお目にかかった、その話の内容に御指摘のようなことが出てきた。それを取り上げていろいろおっしゃいましたけれども、私は教職員団体として差別する意思もなければ、差別したことを言ったこともない。ただ日教組と教団連、それ自体も、私は再三申し上げたように、どんな団体かよく知りませんけれども、実は日教組というのは五十万と称せられる大きな団体であり、教団連というのは何人おるかまだ知らなかったわけですが、そういう教団連という団体の存在を意識して私はお目にかかった覚えがない。個人として意見を聞いてくれと言うから、そんならば議員会館にたまたま行く、選挙区から陳情がありまして、約束しておりましたものですから、そのときにちっとは時間があるだろうということで会ったのでございまして、別に団体を差別してどうだこうだなどという意思は毛頭ないのです。
#63
○政府委員(内藤誉三郎君) 今の五十六条のお尋ねがございましたので、この五十六条の解明だけをしておきたいと思います。
 五十六条は、職員が職員団体の構成員であるとかないとかいう場合に不利益な取り扱いをしてはならない、たとえば身分上、あるいは給与上、特定の団体に入ったから不利益な取り扱いをしてはならないという規定でございます。
#64
○岩間正男君 内藤さんの解釈はあとでやりますけれども、その前に、文部大臣は先ほどこういうことを認めておられて、そうして今のような言葉を私は吐かれることは、非常に前後が支離滅裂になるじゃないですか。さっきあなたが答えた私は教団連と日教組と同一視していない、だから君らと会っているのだ、このことについては、あなたはさっき認められたはずですよ。そうでしょう。そのあとで私が組織云々ということまで言ったら、その組織ということについては、私は知らないと、こう言ったけれども、その他の言葉は認められたことになっておる。それなのに、今教団連と日教組の区別は全然知らないし、差別をして会った覚えはないなどという前言をまるで翻されることを言っておる。このこの文句は一体どうなのですか、全然まとまりがないじゃないですか。もっと整理して言って下さい。
#65
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 日教組と教団連の違いというものは、私も少しは知らぬじゃない。しかし正確には、さっきも申し上げたように、日教組という団体は倫理綱領というものを明確に打ち出して性格をはっきりさしておる。教団連というものは、そういうものを持っておるかどうか私は知らない。そういう意味において、それとこれとを比較してどうだという違いは、私自身の脳裏にないわけですから、そういう意味で違うといえば違うのですけれども、初めから差別して会うの会わないのということがあるはずがない。個人としてお会いした。そうして今、先ほど来読み上げられたようなことを何かしら書いてあるようですけれども、それらしいことの話のやり取りはあったということを申し上げたのであります。
#66
○岩間正男君 あなた同列祝していないというのは、どういうふうに同列視していないのです。だから会っているのだと、こう言っているのですね。そのことは肯定されておる。今ここでまるで前言を取り消すようなことを言われては話にならぬのですが、こういうふうに同列視していないのですか、その内容をはっきりして下さい。そういうことなくて言える言葉じゃないです。
#67
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 一方ははっきりした団体であり、一方は私の常識にすらもない、教団連という名前を使いますから団体だろうと思いますけれども、まあ、それだけの違いは私知っております。しかしこれは、個人として意見を言いたい、会ってくれるかというから、会いましょうといって、先ほど来申し上げるようなチャンスを作りまして会ったのであります。
#68
○岩間正男君 そうするとあなたは、日教組の代表が、これは五十万ですから。まあ三万で委員長と書記長が行ったんですから、それで個人だということで会った。そうすると、日教組の代表がその割でいくと五十人ぐらい行きますね、個人として会いたいとあなたに面会を申し込んだ場合に、あなたは会わざるを得ないでしょう。どうですか。
#69
○国務大臣(荒木萬壽夫君) およそ団体ならば、任意団体である限りは、会う会わないというのはお互いの自由だと思います。そのときのお互いの都合による。個人としてならば、教師の建設的意見を聞かしてやるがどうだということなら、いつでもお目にかかる、こう考えております。
#70
○岩間正男君 いいんですな。それじゃ日教組五十人ぐらい行って、個人としてわれわれは今一緒に来たんだ、建設的な意見を聞かしてやろうと。倫理綱領何だかんだと言っているのはこれは時代錯誤だというような意見だって、これは建設的な意見ですからな。とにかくそういうような意見で面会を申し込んだらあなたは……。会う会わないはあなたの個人的な任意な判断できめる。――あなたは大臣ですな。私は職制において聞いているのです。大臣というのはそういう何をやっていいのか。それからもう一つお聞きしたいのは、いわば思想信条の自由という問題があるのですが、そういうもので区別して、ある者には会う、ある者には会わない、こういうことができないと思う。文部大臣だったら、そういう要求を持った者と全部これは私は会わなくちゃいけないというように思うのですが、かまいませんか。日教組の連中がかりにそういう行動をとったとした場合に、あなたは当然会いますか。はっきりしておいて下さい。
#71
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 日教組の代表として団体交渉というふうな気持で会おうとおっしゃっても会うべきじゃないと思っています。個人が面会を求められた場合、会う会わないは、文部大臣としても個人としても自由だと思います。
#72
○岩間正男君 そういう言葉で何ぼでも操作ができます。だから教団連の代表には、会いたいと、だから私は会ったんだと。そこが客観的に見て差別待遇になっておる。こういうことは、私はいやしくも公職についている文部大臣としてはこれは条理が通らぬと思うのです。こういうやり方でこういうことをやっておいて、それで公平を期せとか、文教政策を公平に推進するとか言っても、私は問題にならぬと思うのです。で、五十六条の説明がありましたけれども、これは内藤さん、どうですか。この五十六条について特に解説をしているでしょう。五十六条について、これは労働法の適用ができないから、しかし、不当労働行為と同じ精神について規定しているのが五十六条だという、特別これは解説がついていると思うのですよ。どうなんですか。そういう点から言えば、これは全く荒木文部大臣のやっておったやり方というものは不当労働行動になると思うのです。どうです、こんた差別をやって。
#73
○政府委員(内藤誉三郎君) この五十六条は、職員が特定の団体に入り、または入ろうとした、そのことによって差別待遇をしちゃいかぬということであって、団体の問題ではないわけなんです。ですから、かりに教員が日教組に入ったために昇給がおくらされたとか、あるいは免職にされたとか、そういうような不当な扱いをしてはならないと、こういう意味でございます。
#74
○岩間正男君 その解釈の仕方、これは組合としての権利を、つまり労働法の適用を受けることができないから、この点についてこれ規定しているのですが、あなたはそれは個人の問題である、こういうふうな解釈でやっているのですけれども、ここのところの点、これはどうですか。こういうやり方が今度の教団連並びに日教組との面会の問題で現われていると思うのですが、あなたはこの五十六条に対して抵触していると思わないのですか、文部大臣どうですか。
#75
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 思いません。
#76
○岩間正男君 ある情報によると、あなたは組合は幾つあってもいいということを言っているようですが、これはどうですか。団結権を守る、そういうのが、これは日本の労働法の精神だと思います。この精神はやはり地方公務員法にも生かされていると思う。これは五十二条の中にそういう精神が生かされていると思う。どうですか。あなたの立場から、組合は幾つあってもいいというような発言をされるということは、これは組合の団結というものに対しまして、非常に私は反対の影響を持つ、こういうふうに考えるのですが、そういう言葉は不謹慎と思いませんか。
#77
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 私は地方公務員法は今御指摘のありましたような条文を中心に数カ条職員団体について規定していると思いますが、その趣旨から見ても、それから法律の趣旨は、組合は一つでなければならぬという建前でない、幾つあってもいいことになっていると承知いたします。ですから、もし一つでなければならぬかと、そのとき尋ねられたとすれば、一つであらねばならぬということでなかろうということは言ったろうと思います。そのことは私は何も組合を弾圧するとか、そういう大げさな表現を使われまするが、法治主義を奉げる日本の国民の一人として、常識上当然だれしも言い得ることで、私が言っても弊害があろうとは思いません。
#78
○岩間正男君 組合は一つでなければならない……。
#79
○委員長(平林剛君) 岩間君ちょっと。一時間ほど質疑が続きましたから、時間の都合もあるから、あと一、二分程度でとめるようにお願いいたします。
#80
○岩間正男君 委員長にその前にお願いしておきたいのですが、私は次回に持ち越すならそれでもいいのですが……。あなたの幾つあってもいいという言葉と、一つでなければならないということは、これは同じじゃないのです。幾つあってもいいと言うのは、非常にこれは重要な言葉です。組合を幾つも作りたいような、そういうものに通じます。私はそういう言葉を言うのは、もっとほんとうによく考えて、そして日本の現在の労働行政、それから文教行政の実態をはっきり見て、その上に立って文相は発言されないというと、問題を起こす言葉だと思う。これは聞いてごらんなさい、やはり望ましいのは労働者の団結の問題なのです。そういうような方針をちゃんとうたっております。ところが幾つあってもよろしい、これはむろん組合の加入の自由というものは認められておりますから、そのことについてとやかく言うのではないのですけれども、しかしこれは組合の、労働組合法で認められている精神からいえば、そしてその精神の適用を受けて地方公務員法ができている立場から言えば、こういうようなことは非常に不謹慎です。
 時間の関係もありますから、次に進んでお聞きしますが、ILO九十八号、これは文部大臣研究されたと思います。これはいつ調印されたのですか、この内容は何か、この点をお聞きしたい。
#81
○国務大臣(荒木萬壽夫君) これは厳密な条約のことでございますから、記憶がはっきりしてないところもありますから、政府委員からお答えを申し上げます。
#82
○政府委員(内藤誉三郎君) 調印された日はここに資料がございませんので、あとで調べて提出します。それから内容につきましては、団結権の擁護をうたったものでございます。
#83
○岩間正男君 ちょっと読んで下さい。
#84
○政府委員(内藤誉三郎君) これは相当長いのでございますが、第一条からずっとお読みするわけですか。――件名は、団結権及び団体交渉権についての原則の適用に関する条約、これを九十八号と言っておるのであります。
#85
○岩間正男君 第一条を読んで下さい。
#86
○政府委員(内藤誉三郎君) 第一条は、「1労働者は、雇用に関する反組合的な差別待遇に対して充分な保護を受ける。2前記の保護は、特に次のことを目的とする行為について適用する。(a)労働組合に加入せず、又は労働組合から脱退することを労働者の雇用条件とすること。(b)組合員であるという理由又は労働時間外に若しくは使用者の同意を得て労働時間内に組合活動に参加したという理由で労働者を解雇し、その他その者に対し不利益な取扱をすること。」、これが第一条であります。
#87
○岩間正男君 時間の関係から、この詳細はこの次に譲りたいと思うのですが、どうですか。九十八号については、文部大臣、今までこれを検討されておるか、そしてこれが公務員法に対してどういう関連を持つか、この点をどういうふうに検討されたか、この点を伺いたい。これは文部大臣からお答え願いたい。
#88
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ILO九十八号条約は、公務員とは関係ないと心得ております。
#89
○岩間正男君 どういうことです。
#90
○政府委員(内藤誉三郎君) これは第六条に、「この条約は、公務員の地位を取り扱うものではなく、また、その権利又は分限に影響を及ぼすものと解してはならない。」、この規定でございます。
#91
○岩間正男君 この問題は、ここで十分に論議する時間がないのでありますけれども、こういう解釈、そしてわざわざ九十八号で、日本の現実に非常に適合しないものがあって、それで特に労働者の基本権を守るためにこのような条約を日本政府がかつてこれを調印した、こういう問題が全然その後――日本の労働者に当然これは保護規定として適用される、法改正もされるべきだと思います。こういう精神というものを生かすためにこれは努力しなければならないと、こういうふうに思うのですけれど、この問題については、ほとんど今まで文部省では検討しないわけですね、この九十八号については。今までどうなんですか。これは全然公務員に関係ないのだ、こういうことで、公務員といっても、公務員の内容については非常に議論のあるところです。教員にこれは適用――諸外国の例を見ても、はたして教員まで公務員という概念に入れていいかどうか、こういう問題を考えてくる、というと、日本の現実と合わない点がたくさん出てくる、こういう点についてあなたたちは今まで一体検討されたか、全然検討することがなかったのじゃないか。それが実態じゃないですか。その証拠には、九十八号が調印されたのはいつかということについても、あまり御検討がないのです。どうなんですか。
#92
○政府委員(内藤誉三郎君) もちろん十分検討いたしております。ですから、ただ調印の日はいつかとおっしゃったから、正確に今記憶にございませんので、あとで調べて御返事申し上げます。内容につきましては一々検討しております。また、六条の公務員の地位云々についてもいろいろ御意見のあることも十分承知しております。
#93
○岩間正男君 今の問題は保留にしてこの次やるとしまして、時間の関係から最後に一つお聞きしたい。
 この九十八号、あるいは五十六条に全く違反するような事項が、現在の文部行政の中で非常に行なわれている。こういう事態ですね。これは枚挙にいとまがないと思うのです。文部大臣はどうですか、愛媛県の教員組合で行なわれている実態について研究をなされましたか、これについては今度の提訴の反駁をあなたがなされ、その中ではほとんど触れていない。こういう問題は全く看過されている、あるいはまた長崎県で行なわれた、北松浦郡ですか、ここにおける日教組からの集団脱退の問題、このような問題について、これはどういうふうにあなたは把握されておるのか、私たちはこれについていろいろな情報を得ているわけです。この一つ一つについてはこの次詳細に質問したいと思うのでありますけれども、まず最初に愛媛県、あるいは長崎県で行なわれたこの情報をあなたたちはどういうふうに今まで把握されておるか、この概観でもお聞きしたいと思います。
#94
○政府委員(内藤誉三郎君) 愛媛県における事例につきましては、先般、内閣委員会でもこの話が出まして、関係の説明はいたしております。そういう御指摘のような事実はないということを現地からも確かめておるわけでございます。なお長崎県の北松浦郡支部に対する問題でございますが、私どもの調べた範囲では、日教組が申し立てていない事項について……、1今これは日教組が申し立てないですから、これは反論はいたしておりません。
#95
○委員長(平林剛君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#96
○委員長(平林剛君) 速記を始めて。
#97
○委員長(平林剛君) 次に、昭和三十六年度文教関係予算を議題といたします。
 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#98
○矢嶋三義君 時間が延びていますから、当面緊急に伺いたい点にしぼってごく短時間伺います。なお、岩間委員の質疑に関連して最後に一、二点伺わせていただきたいと思います。
 まず、文部大臣に伺いますが、大臣とは初めてでありますけれども、地方財政法等の改正に基づいて、昭和三十六年四月一日以降、公費負担以外の職員は公費負担の職員に切りかえる、なお校舎の維持修繕費についても公費負担で行なうようにしなければならないし、またそういう行政指導と地方財政計画を編成する  御確認願いたいと思います。
#99
○国務大臣(荒木萬壽夫君) その通りでございます。
#100
○矢嶋三義君 義務制諸学校に、その学校の維持運営に必要なる職員が公費負担以外の、たとえばPTA負担でそういう職員が義務制諸学校の運営維持に携わっているということは、憲法第二十六条違反であるから早急に是正しなければならないということについて御所見を承ります。
#101
○国務大臣(荒木萬壽夫君) そういう問題に関連して、昨年の臨時国会でございましたか、御質問がございまして、お答えをしたことを記憶しておりますが、むろん御指摘のように、適切を欠く課題だと心得えます。そこで、推計約二百億くらいのものが年間PTA負担と申しますか、余儀なくそうなっておると承知いたしておりますが、なるべくすみやかにこれを解消しなければならぬ、これは当然しごくのことでございますけれども、おそらく実際問題として、一挙動では御指摘にこたえ得ないだろう、その点は遺憾でございますけれども、大体まあ五ヵ年くらいの猶予をいただいて、なしくずしに五年後にはこれをゼロにしたい、そういうふうなことをお答え申し上げたかと思いますが、その考え方で三十六年度予算についても、いささか努力したつもりでございますし、むろん一挙動でできておりませんけれども、今後にわたって努力し続けていくべきものと心得ております。
#102
○矢嶋三義君 自治省の関係入ったでしょうか。――入っていない……。
 それでは内藤局長に伺います。具体的に伺いますが、昭和三十五年度、たとえば給食婦、調理士は三名まで地方交付税の対象に入れましたね。三十六年度においては、公費負担以外の職員をかくかく交付税の中に盛り込むという方針で、今どういう方針でおられるのか。それから自治省との話し合いはどこまでいっておるか。それからまた所管局長としての見通しはどうかということを簡潔に要点お答え願います。
#103
○政府委員(内藤誉三郎君) PTAに負担を転嫁してはならないという法律は、御承知の通り、昨年の通常国会で通ったのでございます。昨年度財源措置をいたしましたのが、地方財政計画で六十二億、交付税で補償いたしましたのが、三十二億でございます。そこで本年はさらにそれを前進させたいということで、自治省と話し合いがついておるものは校舎の維持修繕費、これにつきましては三十数億、三十億から四十億の間でございますが、まだ正確な計算はいたしておりませんが、大体ラフな見通しで、三、四十億はこれでこの関係の経費の増額をする、それから残りが人件費関係でございます。
 人件費関係につきましては、大体自治省、大蔵省は去年で済んだという見解を実は持っておるわです。と申しますのは、給食婦につきましては、文部省が当初に要求しました三百人に一人という線は、自治省も了承いたしましたので、これで済んだという見解をとっております。ただ部分的に見ますと、三人半くらい置いておるわけです。そこで九百人の学校に三人半というのが出ておりますが、自治省はこの点について全国的に見ますと、市町村に財源をやりますと、文部省の要求人員よりもはるかに上回わるんだ、こういうことを言っておりますが、実際その給食をやっておる学校は限定をされておりますので、やっておる学校については不十分である、そこで少なくとも半人分は確保しなければならぬ、九百人の学校で三・五、それからもう一つは学校の司書でございます。これは矢嶋委員からもたびたびお話を伺いまして、この点についても今自治省と交渉しておりまして、これもある程度の解決を見ることでございまして、給食の分1この給食はどちらかと申しますと、小学校が多いのでございます。学校の司書の点は中学校が多いのでございますので、小中合わせて大体一人程度話をつけてあるのでございます。
 助手は現在のところ考えておりません。養護婦はこれは当然養護教諭の方で見るべき性格のものと考えております。
#104
○矢嶋三義君 養護教諭は必置――「当分の間、」「置かないことができる。」というので、必置になっていない。だから、養護婦はPTAで置いているわけですよ。大きい学校なら養護教諭一人で足りないから、PTAで養護婦という形で置いている。みんなこういう形です。それから、理科教育振興というけれども、あるいは産業教育の振興というけれども、中学校におけるこれらの助手というものはゼロなんですからね、今、あなた方の方での積算の場合ゼロです。だから、全部これはPTA負担になってきているわけです。だから、こういう問題は、少なくとも一挙に解決するというより、最小限各学校に少なくとも養護婦は一名、あるいは産業教育、理科教育の助手は、少なくとも、どんな小さい学校でも一名、学校図書館法によって「学校図書館を設けなければならない。」というようになっている、それである以上は、図書館の仕事をする人がどうしても必要だから、だから図書司書は各学校必ず少なくとも一名、このぎりぎりのところまでは公費負担を確保しなければやっていけないのですよ。今年、三十六年の四月一日から地方財政法等の改正で公費負担に切りかえるなんて、言葉で言っても実質上できない。だから、その点はっきりしてもらわなくちゃならない。それで私、自治大臣以下局長、あるいは課長でもいいからということで、もう過去三回も出席を要求し、おいでを願うけれども、どうしてもおいでにならない。課長さんでもいいというけれども、どうしてもおいでにならない。自治省と内藤さんと一緒に、並べてやられてはたまらぬという気持で、言質をとられてはたまらぬという気持で、自治省出てこない。ここは大臣の仕事ですよ。大臣、あなたの仕事です。安井自治大臣と十分交渉して、あなたには錦の御旗があるから、地方財政法等の改正の法律の四月一日から云々というのがあるのだし、あなたの名前で去年の十二月三日に都道府県に対して通達を出している、こういうふうにしろということを…−。だから責任もあるし、義務も、権能もある。それから錦の御旗があるわけだから、これだけはあなたは幾ら大口たたいても大丈夫です。私はこれはまじめに言っていますが、閣議で、安井さんと堂々とやって、なるべく財政局長とか、財政課長との交渉を、あなたの部下である内藤さんが苦労しないようにしなければならぬ、これが政治であり、行政であるわけです。お約束していただきたい。内藤さん、あなたじゃ財政局長に負けるんだ、だめなんです。
#105
○政府委員(内藤誉三郎君) 私から事実問題だけ解明さしていただきたい。今、お話の養護婦とか、あるいは助手というようなものは、これは学校教育法の関係にもないわけなんです。また、義務教育費国庫負担法の対象にもなってないので、これは事実上置かれた職員であろうと思います。これについては、もう少し文部省でも実態を調査しなければならぬ問題だと思います。今、御指摘のような学校養護婦とか、中学校の実習助手というような、法定外の職員でございますので、法定外の職員をどう扱うかという根本問題があるわけでございます。
#106
○矢嶋三義君 それは内藤さん、それは義務教育費国庫負担法にはかくかくとありますね、それだったら半額負担になる。しかし、今言った助手とか、養護婦とかは、法が改正されなくても地方財政計画の中に、公文書の中に織り込んで、半額負担にならないで、自治体の経費で、公費でまかなえることになるわけですね、これは一つの前進でしょう。次は当然法改正して、そうして義務教育費国庫負担法の対象として半額負担であり、しかもそれは県費負担、こういうふうに持っていかなければならぬ。だからずいぶん道は遠いわけだ。ところが、四月一日から地方財政法等の改正から、最小限公費負担にしなければならぬでしょう。そのためには用人何名とか、あるいは養護婦九百名に対して三名とか、との基準の中に入れて地方財政計画をきめれば、地方の自治体は半額は国から負担受けない、県費負担ではないけれども、市町村の公費負担として出さなければならぬ、そいつを当面やらなければならぬということです。
#107
○政府委員(内藤誉三郎君) この点は、今、お話の養護婦というようなものは、本来養護教諭になるのが当然のことであります。
#108
○矢嶋三義君 次を言う必要はない。
 それなら、なぜあなたは、養護教員必置という条項はいいけれども、それを削除する法律案をここに出さないのですか。法では必ず養護婦を置かなければならないとなっている。ところが、付則で当分置かないことができるということをくっつけておるのです。だから、地方は置かないのでしょう。だから、地方は養護教員を置かないで、普通科の教員なら普通科の教員で、一方法律では小学校は五十六人について一人、中学校は五十四人につて一人、こういう点で先生が足りない。だから、教科の教職員が必要だ。養護教員を置かないでいいというから、置かない。それでは子供の健康管理ができないというので、養護婦を雇っているんでしょう。だから、内藤さん、それを置きたくなければ当分置かないことができるということを修正案を出せば、それなら私は謹んであなたの答弁を承ります。しかし、それを出さぬでおいて、そうしてあなたはそういうことをおっしゃることは、いんぎん無礼ですよ。それはいけませんよ。
#109
○政府委員(内藤誉三郎君) 今、矢嶋委員のお尋ねでございますが、 (矢嶋三義君「私の言うことが、どこが間違っていますか」と述ぶ)今の建前は、お話のように、学校養護教員については必置制になっている。で、付則においては、当分の間、置かないことができるという条文もございます。これは現在の養護教員養成計画等から見まして、私どもは今必置に持っていくことが困難であると認定しておるわけであります。
 そこで、この公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律におきまして、小学校は千五百人に一人、中学校は二千人に一人の割で置いているわけであります。それで、数千人の増員計画をしておるのであります。さらに第一段の計画が済みましたら第二段の計画をいたしまして、逐次、学校教育法本則の方に戻るように計画を進めておるわけです。
 そこで、学校教育法にも規定されてない職員を置かれることに私は実は問題があろうかと思うのです。今のお話の助手にいたしましても、看護婦にいたしましても、学校教育法上法的性格が明確になっていない。ここにも一つ問題があることも御理解いただきたい。
#110
○矢嶋三義君 学校の維持、運営、管理がそういう職員がいなければやれないから置くのですよ、内藤さん。あなたはさか立ちしたことを言ってはいけませんよ。とこの学校にでも聞いて下さい。そういう職員がいなければ学校教育ができない。管理も、維持も、運営もできないのですよ。あなた方は立法作業をなまけているから、こういう事態が起こっている。だから、私はそれを言っているのだから一まあ、大臣、そういう問題はまたゆつくりやりますわ。
 当面の問題は、地方財政計画の問題が今山にきているわけで、はっきりしたことをきめて流さなければ、地方では困るわけですよ。今言った学校図書司とか、給食をやっているところでは、実際三人ではやっていけない、調理婦は。四人か五人にするとか、それから養護教員を置けないところでは養護婦を雇っている。その雇っている養護婦は公費負担にするとか、さらに義務教育振興のために必要な助手を一人あるいは二人置いておる。これをPTA負担でなくして、公費負担にする。そういう点、まあ内藤さんはさらにこれを義務教育費国庫負担の対象にして、将来は県費負担にしようという非常にりっぱな考え方を持たれている。それは次の段階として、当面PTA負担というものはやめてしまって公費負担にするように、あなたが十二月三日通達を出した通りのことを行なうように、地方で財政計画を立て、そういう立場に立って池田内閣は地方に対して通達を出し、来年度予算の編成に適正な指導をする、助言をする。そういうことを一つはっきりとお答え願いたいと思うのです。
#111
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 教育が現場でうまく効率的に行なわれるように努力することが当然私どもの務めだと思いますから、今おっしゃるととを具体的に一々私はよくわかりませんので、具体的には申し上げかねますけれども、しかし、おっしゃる方向へ持っていく努力はせねばならないということは考えております。及ばずながら努力をいたしたいと考えております。
#112
○矢嶋三義君 だから、私はさっき憲法二十六条の問題も出したので、私は何も悪気がない、まつ正直な意見を言ったのですよ。内藤さん、はっきりして下さい。学校図書司は少なくとも一名、これは校費負担でまかなえますね。これは多年にわたる要望であり主張であったわけです。お答えいただきたいと思います。
#113
○政府委員(内藤誉三郎君) 多少誤解があるようですが……。
#114
○矢嶋三義君 今の点、お答え願いたいと思います。
#115
○政府委員(内藤誉三郎君) 矢嶋委員が先ほどおっしゃいました学校の維持、運営じゃなくて、校舎の維持、管理、修繕でございますので、あくまでも校舎ということをお考えいただきたいと思います。
 それから図書司につきましては、ぜひ一名を確保したいということで今折衝いたしておりますが、私は見通しとしては中学校は全部司書教諭を置いているわけじゃございませんので、半分ぐらいは確保できるだろう、こう思っております。
#116
○矢嶋三義君 あなたは中学校と言うが、小学校にもいますよ。内藤さん、小学校にも学校図書館を置かなければならぬということになっている。学校図書館、各学校に必ずあるのです。なかったら校長は大へんです。そうしてそこには職員が最低一人います。だから、小学校、中学校とも最小限一人の司書は置かなければならぬわけですから、これは大臣お答え願いたい。これははっきりわかるでしょう、お答え願います。この一点にしぼって――はっきりするでしょう。学校図書館法で図書館を置かなければならぬとなっている、法律で。だから、小学校、中学校みな図書館があるのです。その仕事をする司書一人が要るのです。これを公費負担にするということなんです。
#117
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ちょっと具体的にお答えしかねますので、政府委員からお答え申し上げます。
#118
○矢嶋三義君 こんなはっきりしていることがわからぬのですか。
#119
○政府委員(内藤誉三郎君) 学校図書館法において各学校に図書館を置いてある、これはその通りです。ただ、この場合、専任の司書を置いているところと、教諭で司書教諭という形で置いているところがある。ですから、実際問題として、何らかの職務は行なっておるわけでございます。
#120
○矢嶋三義君 どうしてそんなふうに――大きな声を出しますよ。司書というのはどこの学校でも一人置いているのですよ。普通科の先生に司書教諭といって抜け道をやっているが、そんな先生は教科が忙しい。だから、実際は子供に本を貸してやったりする若い女の人が一人必ずいるのですよ、図書館のあるところは。それは山の中の僻地の小さい学校はおらないでしょう。しかし、東京都の学校を回ってごらんなさい、おらない学校があったら……。私はかけをしてもいいと思うのです。そういう職員を公費負担にしなければ、去年の十二月三日、何のために文部大臣の名前で通達を出したのですか。そしてどの方向にいくのか。そういう答弁では満足できない。当面の問題です。この問題をどうするかということの大臣の決意を表明して、努力してもらわなければ、お話にならないのじゃないですか。大臣、もう一ぺんお答え願います。この問題わからぬようじゃしょうがないね、実際。
#121
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 今、お話の点も含めまして、文部省と自治省が相談をしつつある段階でございます。その結果を、大よその結論をよく聞きまして、その上で極力努力したいと思います。
#122
○矢嶋三義君 時間が延びますから、次の問題に移る前にこれは結んでおきます。この問題について、今質疑応答した問題について、大臣が所管大臣として努力するということの確言と、それから政府部内でこの問題が決着がついたならば、書面をもって委員長を通じて本委員会に報告していただく、この二点についてお答えいただきます。
#123
○国務大臣(荒木萬壽夫君) そういたします。
#124
○矢嶋三義君 それじゃ忙しいから、次に、文部大臣、去年の暮れですね、私立学校の授業料値上げの問題についてあなたは文部大臣として、授業料の値上げは教育の機会均等から好ましくない、何とかこれを押えたい。そのためには私学関係の助成金をふやそう。また、一つの隘路である私学への寄付の際における免税の拡大、こういう方で努力しなければならぬことであったわけですね。そこで、私学への補助金の助成の方は予算書を出しておりますから、きょう時間がないので伺いません。
 そこで、当面の問題として私学への寄付の免税について伺いますが、基本的には私立学校の授業料がこんなに高くなるのは好ましくない、何とか押えるように努力したいという気持でおられることは間違いないでしょうね。念のために伺います。
#125
○国務大臣(荒木萬壽夫君) その通りでございます。
#126
○矢嶋三義君 文部大臣、それじゃ伺いますが、助成の方の補助金の方は抜いてですね。今度は免税の方で今、大蔵大臣とどういう折衝をされて、どういう段階になって、どういう見通しであるか、文部大臣の知っている範囲内のことをお答え願います。
#127
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 今、事務当局で折衝をいたしております。初め期待しておったほどの間口の広がりはちょっと期待できないかと心配をしておりますが、せっかく今、折衝中でございます。
#128
○矢嶋三義君 それじゃ若干ポイントをあげて伺いますがね。所管局長に伺いましょう。まず、指定寄付ですね。この指定寄付は今まで施設設備以外には適用されていなかったわけですが、これを施設設備以外にも指定寄付のワクを拡大されますか、されませんか。当然やるべきだと思う。
#129
○政府委員(福田繁君) 御承知のように、従来、私立学校の校舎あるいは設備の復旧整備というような場合につきまして、いわゆる大会社が寄付をいたしました際に、会社の損金算入に落とす建前上、いろいろ大蔵大臣の承認を受けたりいたしまして、指定寄付の問題は道が開かれておりますが、従来、大蔵省の運用としては指定寄付の制度の建前から申しましても、どうも私ども考えましても私立学校の現状に即していないのじゃないか、こういうような考え方でこの指定寄付の範囲を一つ拡大してもらいたい、こういうような要求は、かねてから大蔵省に対していたしておったわけでございます。これは大蔵省の運用上の問題でもございますけれども、実際に私立学校のいろいろ資金の需要面から考えますと、校地あるいは校舎設備といったようなもの以外に経常的な経費について毛相当資金が必要かと思っております、そういった面におきましてこれを一つ拡大してもらいたい。こういうように要求いたしたのでありますが、その点について大蔵省と昨年以来いろいろ事務的に検討して参ったわけでございます。現在のところ一応、大蔵省として考えておられます方向は、指定寄付の線はそれはそれとしておきまして、別に会社等が学校法人に寄付した場合におきましては、損金算入のワクを別に設けまして、別建の一つのワクを作りまして、そうして学術あるいは研究等の振興、あるいは従来認められなかった私立学校の施設設備以外の寄付に対するものに対しましても、いわゆる損金算入の制度を認めていこう、こういうような方向で大蔵省としては研究しておられるわけであります。従って、私どもはそういう制度ができれば、これは非常に私立学校にとっては有利で、また私立学校関係からも歓迎されるところでありますので、具体的な内容について、目下大蔵省と相談をしておる最中でございます。
#130
○矢嶋三義君 大蔵省の政府委員の方お見えになって−おりますね。お伺いいたしますが、昨年の国会で、文部大臣とあなたの上司である大蔵大臣がおそろいで、先ほど申し上げたようなことを確約されているのですよ。その趣旨にのっとって・あなたさま仕事をして下さっていると思うのですがね。そこで伺いたい点は、損金のワクの拡大、これは問題になっておるわけですが、損金算入のワクを広げるのをどのくらいにお考えになっておるか、立場は違いますが、私らの考え方では、私学関係の寄付に対する免税は、もう大幅にやって至当だと、それによって国家の歳入減なんか大したことはない、そういうふうに考えているのですが・あなたとしてはどの程度の歳入減になるとお考えになっておられるのか、大蔵省の見解をお聞きしたいと思います。
#131
○説明員(塩崎潤君) ただいま矢嶋委員のお話の通り、私どもも私学に対する寄付金のワクにつきまして広げるべく今検討中でございます。現在御承知のように、寄付金の制度につきましては二つございまして、一つは今、福田局長の申されましたところの指定寄付の制度・これは全額損金算入の制度でありまして、これは外国にもない制度でございます。いかなる国におきましても、所得限度というのがございまして、それでとどまっている。しかし、指定寄付金になりますと、これは全額損金算入だ、これは日本独自のきわめて寛大な制度であります。もう一つは、今申しておられますワクの問題でございますが、現在は資本金の千分の二・五と、利益の百分の二・五の合計額の半分というのが、無条件の損金算入の限度であります。これも会社について見て参りますと、この寄付金の限度までいっている会社はほとんどございません。しかし最近、今申し上げましたように、私学に対するそういう要望がございます。なお、試験研究機関につきましても、そういった要望がございますので、これと同額程度を上積みにのせよう、これはアメリカと似たような制度でございますが、従いまして、その外ワクといたしましては資本金の千分の二・五と利益の百分の二・五の合計額の半分、これを私学に対する寄付ならば別ワクとして外にとり出すことを認めよう、こういうふうに検討しているところでございます。
  〔委員長退席、理事豊瀬禎一君着席〕
#132
○理事(豊瀬禎一君) 委員長が所用のため退席いたしましたので、委員長の指名により私かわりまして、委員会を主宰いたします。
#133
○矢嶋三義君 それでね。大きい会社の寄付が届け出ていないということですが、そういう面も私はあるかと思うのですよ。一番大きな原因は手続がめんどうだということが原因していないですか。だから、めんどうくさいからということで寄付を思いとどまるという私は現象もあると思うのですね。だから、手続の簡素化ということも大事なんじゃないですか。
#134
○説明員(塩崎潤君) 今、申し上げましたワクの限度は、大蔵省にも届け出も何も要らない、税務署に証明ができるような受取書でもあれば済むような問題でございまして、手続のめんどうさはございません。私どもは、ただし、聞いておりますところでは、やはり優良な団体、できるだけ出したいということで、普通のワクの中での寄付は相当しぼっているというのが現状のようでございます。各会社におきましてそういう方向で、やはり寄付に対しましてはやかましい。御承知のように、経団連はこういった団体に寄付しようということで、割当のワクみたいなものを相談するいうことも行なわれておりまして、なかなか日本人の寄付に対する態度は割合きびしいようでございます。
#135
○矢嶋三義君 それは政治には寄付しても学校の寄付をやらぬということは日本の資本家の間違ったことだと思うのですがね。それははずして、文部省の管理局長に伺いますが、今、大蔵当局とあなたのところと話して、非常に意見が食い違って困っているという点はどういう点ですか。
#136
○政府委員(福田繁君) 大蔵省と相談いたしまして、根本的に意見の食い違っている点はないのであります。ただ、私の方といたしましては、今お話のように、別ワクで損金算入の制度を設けた場合、私立学校としては相当期待をするわけでありますけれども、実際上会社全部私立学校に寄付するわけではありませんので、実績から申しますと、どの程度になるかということを、多少懸念をいたしているわけでございます。
 それから、学校の範囲等につきましても、まあ今回の一応の考え方が学術研究法人、あるいは特に私立学校というようなことを抜き出しての制度を作ろうということでございますので、趣旨として非常にけっこうでございますけれども、できれば私立学校いろいろございますけれども、単に大学のみに限らず、下の方の学校についてもこれを一応取り入れて参りたい、こういうふうな考え方をいたしておるわけでございます。その点はまだ未解決でございます。
#137
○矢嶋三義君 お二人からお答え願いたいのですが、この問題、いつ、何月何日ころに結論を出す目途で話を進めておるか、お答えいただきます。
#138
○説明員(塩崎潤君) お答え申し上げます。この限度は法人税法の施行規則でございます。しかしながら、今度の税制改正の大きな柱になっております。従いまして、三月三十一日までに政令の改正をいたしまして、四月一日以後終了する事業年度から適用したい、かように考えております。
#139
○矢嶋三義君 念のために、管理局長。
#140
○政府委員(福田繁君) その通りでございます。
#141
○矢嶋三義君 文部大臣に伺いますが、今の大蔵省の所管課長さんが答弁されるように、その期間までによりよい形でこの問題を解決するように、今明日中にもトップ・レベルの両大臣話し合いで前進さしていただきたいと思いますが、お約束いただけるでしょうか、お答え願います。
#142
○国務大臣(荒木萬壽夫君) もうちょっと事務当局で煮詰めてからがいいのじゃないかとも思うのでございますが、閣議のときでもその前後の時間が少しはございますから話してもみたいと思いますが、私は時期がもうちょっとあとがいいんじゃないかとも思っております。
#143
○矢嶋三義君 あなたの方の見解もあるでしょうけれども、私が大臣だったら、大臣同士で大きな方針を、ワクなりしておいて、この方針で事務当局話しておいてほしい、こうした方が私はものが生きてくると思うのですよ。これは事務当局間でやれば、それで専門家だから非常にけっこうですけれども、必ずしも大臣の意向のように生きてこないかもしれないし、また時間のかかる場合もありますし、やはり両大臣おそろいでああいうふうに昨年の十二月お約束になっておるのですから、両大臣でお話し合いなさって、大きな方針のワクということを、あなたの部下からお聞きになって方針をきめて、そしてこれでやってほしいと指示されないと問題が進まないと思うのです。そういう立場で私はきょう、あす中、閣議とはいいませんけれども、水田さんにお会いになってそうして進めていただきたい、御要望申し上げます。お約束して下さい。
#144
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 御要望の趣旨はよくわかります。すでに御指摘の通り大蔵大臣も出まして大いに努力しましょうと二人で御答えも申し上げております。またそれと離れまして、私が以前科学技術庁長官兼務しておりました時分にも大蔵大臣とはとういうふうな問題で科学技術振興の問題及び学術振興の角度から話したこともございまして、そういうこと々通じての大蔵大臣の意向も相当理解のある態度かと心得ておりますから、あまりせっついてもしか変わってはいかぬと思いますので、きょう、あすということをお約束申し上げることはちょっと差し控えたいと思います。
#145
○矢嶋三義君 時間が迫りましたから、あと二、三問伺って終わりたいと思います。大蔵省の課長さん御苦労さんでした。
 内藤局長に伺います。今のこの小中学校の先生方の旅費は、実績どのくらい一人あて使われていると判断されていますか。
#146
○政府委員(内藤誉三郎君) 四千四百円くらいです。
#147
○矢嶋三義君 それでまあ昭和三十六年度の予算は、四千円の単価を四千四百円に上げたということですか。
#148
○政府委員(内藤誉三郎君) さようでございます。
#149
○矢嶋三義君 それでは都道府県の先生方は、その県の条例にきめてある通りの旅費を支給されていると判断されていますか、それとも違う判断をされていますか。
#150
○政府委員(内藤誉三郎君) 条例通り出しておるところもあるでしょうし、また条例の中で減額支給できるような規定があると思います。そこで、実費で支給しているとごろ毛あると思います。
#151
○矢嶋三義君 文部大臣に伺います。この旅費は義務教育費国庫負担法によって半額国庫補助の対象になっているのですね。これが地方の先生方が出張を命ぜられる、で、出張したが、その県の条例で規定されている通りに支給されてないで打ら切り旅費等でやられておるということになれば、それは好ましいことか好ましくないととか。文部大臣としてはその打ち切り旅費にならないで、その県の規定通りの正当なる旅費が支給されるように努力されるべきものだと思うのですが、御所見を伺いたい。
#152
○国務大臣(荒木萬壽夫君) その通りだと思います。
#153
○矢嶋三義君 それで、実際は県の一般の公務員は条例通りにもらっていますけれども、先生方は場合には赴任旅費ももらえない。それから大部分というものは、条例通り旅費をもらえないで打ち切り旅費になっておりますよ。その原因は、国が予算を組む場合に、昭和三十五年度において一人あて四千円にした。これを一割上げたけれども、昭和三十六年度四千四百円で組んでいる、ここに原因がある。これを五千円、六千円と組んであれば幾らか緩和されるわけですね。もしそういう私が言うような、旅費をもらわなかったり、打ち切り旅費というようなことで取り扱われている諸君がありましたならば、この是正に対して文部大臣は責任を持って努力されますね、当然。お答えいただきます。
#154
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 努力すべきもんだと思います。
#155
○矢嶋三義君 次に伺いますが、この公立学校の先生方の給与の種類並びにその額は、都道府県が自由にきめていいものですか、それともそうでないものですか・いかがでしょう。
#156
○政府委員(内藤誉三郎君) 教育公務員特例法によりまして、国立学校を基準として定める。ですから、一応のワクがはまっておりますが、その府県の公務員との均衡をはかってきめるわけでございます。
#157
○矢嶋三義君 大臣もそういうように了承していますか。都道府県教育委員会が、うちの先生方はよく働くから、あるいはうちの県はなかなか理科の先生がおいでいただけない、確保できないからというので、都道府県並びに教育委員会で自由に給与の種類並びにその金額をきめていいものか、それとも局長さんが言うように、国の基準としてワクがあるものとあなたは御認識になっておられるかどうか、大臣の御答弁をいただきます。
#158
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 今、初中局長からお答えしましたように、国家公務員に準じて定めるというふうになっておるかと存じます。
#159
○矢嶋三義君 大臣に伺いますが、国立大学の学長は部下の職員の給与の種類並びに基準を学長の自主的判断できめ得るものですか、それともどういう何できめられるもんですか。大学の学長は任命権者ですがね。
#160
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 今のお尋ねの件は、人事院が発議いたしまして、法律で定まってきまるものと思います。
#161
○矢嶋三義君 それに基づいて文部大臣は予算編成にあたって予算の概算要求をし、予算の閣議決定に賛同を表する、こういうことになるわけですか。お答えいただきます。
#162
○国務大臣(荒木萬壽夫君) その通りでございます。
#163
○矢嶋三義君 そうなると、文部大臣、問題じゃないですか。旅費を四千四百円というものをあなた方がきめられるわけですよ。そして都道府県に流して、そして都道府県はそれを基準に予算を組んで、半額国が負担するということになるわけですね。それから給与の種類並びに基準も都道府県は自主的にきめることができない。全部国で基準をきめて、その基準なるものは文部省が発言権を持ち、またその予算については文部大臣が大蔵省に概算要求をして、そして閣議決定で流していくと、それから教特法の二十五条では学長が部下の任命権者にはなっておるけれども、職員の給与の種類並びに基準を学長は勝手にきめることはできない。こういうことになれば、大学の職員にしろ、あるいは小中学校の職員にしろ、これは旅費が自分たちは打ち切り旅費で正当旅費を払われていないから、その旅費がほしい、そういうような勤労条件になりたい。それから給与の種類もかくかくであるが、自分の地域に対しては、たとえば寒冷地手当をいただかなくちゃならぬ、あるいはベースの基準が低いから高くしていただかなければならぬ、こういうことになれば、これ全部文部省に対して実情を訴え、希望を申し述べ、話し合いをしなけりゃ全然これは解決ができないじゃないですか。そういう意味において、文部大臣は現場における教育の場の勤労条件を整備して、そして教育能率の向上をはかるという立場から、そういう教育環境を整備する意味において、国の文部大臣はそういう人々の話を聞き、あなたの意向を伝え、善処をする義務があるんじゃないですか。またもそういう権能を持たなくちゃならぬじゃないですか。そういう権能を持たなければ、文部大臣は全国の教職員を把握する−把握という言葉は適当じゃないですが、その文教行政に協力を求めることはできないじゃないですか、文教行政を興すことはできないじゃないですか、権能を持たなければ。その権能を持たなければならない。またその義務もあるです、日本の法制上からいって。予算編成の手続過程からいって。義務も権能もあるです。あなたはこの前の本会議の私の質問に対して、文部大臣が日教組と交渉しなければならない義務も権能もない云々と言っている。法律上は百。パーセントはないかもしれないが、私は一歩譲って、法律三百。パーセントはないかもしれないが、日本の文教政策を進めていくにあたって、実質、実体上義務と権能があるじゃないか、なくてできますか。文部大臣が勤まりますか。かかるがゆえに、岩間委員から指摘されたように、あなたは教団連とかいう団体にお会いになったんでしょう。やっぱり荒木文政を進めるためにはそういうことが必要である、自分にやっぱり義務感がある、そういう権能もなければ荒木文政タ進めていけない、一個の文部大臣としてその責任が果たせないという、意識するとしないとにかかわらずそういう気持があるからこそ会ったんでしょう。そのことは日教組についても同感です。私はこの答弁活字を大事にとっているわけですが、これに反論を大臣できますか。旅費とか、給与の種類とか、その金額とか、地方公務員並びに国立学校の国・家教育公務員についてですね、それから先ほどのPTA負担の軽減をするという、公費負相以外の職員についても、すし詰め解消に伴って、小学校五十六人について職員一人、中学校五十四人について一人、あるいは高等学校教育の振興のために定数基準を云々という、これらの点についての文部省の考え方、方針、それから予算を編成する場合の方針並びにそのできた予算の内容というものは直ちにそれらの先生の勤労条件また生活条件に直接結び合っているじゃないですか。従って私は、大臣はそういう権能を持たなくちゃならぬ。会える権能を持たたければならぬ、また、会う義務が当然あると思うのですね。
 この点は、さっきの岩間委員の質疑に関連しての質疑でございますからね。お答えいただきたいと思う。
#164
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 日教組というのは職員団体の全国組織としての任意団体だと心得ます。日教組の代表者と会って、御指摘のような数々の課題について話し合って話がきまるものじゃないと、そういう角度から、すなわち広い意味での勤労者の団体、団体−交渉することによってきめる義務も権限もない。ということは、この前申し上げた通りであると心得ております。
 むろんこれでお話に出ましたような事柄について、予算の案を概算要求を作るということは、むろんありますけれども、それは文部省だけできめる問題でなしに、予算の査定権を持つ大蔵大臣との折衝において、一応案がきまり、そのまたもとは人事院の給与に関する政府に対する勧告が原則として尊重され基礎となって案ができるわけですが、その案も政府として国会に出して、国会が御決定願って初めて確定する。というふうなことは、申し上げるまでもない順序でございますから、いわゆる使用者と労働組合との間の交渉によって、最終的に問題が解決することと同じ意味において、会って交渉せねばならないという権限も義務もないと、こう心得ております。
#165
○矢嶋三義君 大臣、だいぶ次元が違うですね。次元が違う。またこの次やりますが、内藤局長に念のためにはっきり伺っておきますよ。国家公務員法九十八条に基づいて、大学の教職員と大臣は交渉しなければならない。話し合いを持たなければならない。この点を、私は団体協約を結べというようなことを言っておるんじゃないですよ。大臣、団体協約を締結するために会わなければならぬというようなことを言っておるんじゃないですよ。間違いないように。それから内藤局長に伺いますがね。日本教職員組合という団体は、教育公務員特例法の二十五条の六、並びに地方公務員法の五十二条の三項に該当する団体。こういうふうに私は解釈するのですが、あなたはどういうふうに解釈しているかですね。もう一ぺん言いますよ、日本教職員組合は地方公務員法の五十二条の三項、教育公務員特例法の二十五条の六に基づく団体という解釈、それから大学の教職員はですね、国家公務員法九十八条に基づく団体であり、大臣は当然交渉に応じなければならない。国家公務員、地方公務員の場合を通じてですね、私はその団体協約を締結するために会いなさいとか、会うべき義務と権能があるということを論じておるんじゃないですよ。そういうことを。職員団体の職員の勤労条件に関して会うという点にピントを合わせて伺っておるわけです。お答えいただきます。
#166
○政府委員(内藤誉三郎君) 日教組が地方公務員法第五十二条の三項に該当する団体かどうか。これは五十二条三項に該当する団体でございますb
 それから次にお尋ねの教育公務員特例法の二十五条の団体に該当する団体かどうか。これは私は違うと思うのです。
#167
○矢嶋三義君 二十五条の六だよ。
#168
○政府委員(内藤誉三郎君) 二十五条の六は都道府県内の日教組の単位団体が市町村ごとにできますので、都道府県の連合体を作るということでございます。ですから、これの連合体というわけではないと思います。
 その次に国家公務員法の方は、これは御承知のように大学当局に職員団体ができますればそれが人事院に登録をして責任ある当局と交渉することになるわけでございます。ただ、現在日教組にある大学高専部はそういう登録をしていないわけでございます。
#169
○矢嶋三義君 大臣に最後に伺っておきますがね。今の答弁でわかるように、そこら辺にあるあるいは右翼団体あるいは左翼団体、ミーちゃん、ハーちゃんの団体と違うということははっきりするでしょう。そうすれば、文教の最高責任者としたら当然私は会ってあなたの話も聞いてもらうことはいいでしょう。相手の意見なり要望を取り入れるか入れないかは別でしょう。私は相手の言うことを全部あなたが取り入れなさいということは言ってない。それは取捨選択はあなたの自由でしょう。しかし、そういう方々の意見を聞き、入れるべき要望は入れて、あなたの意見も聞いていただき、協力をできる点については協力していただくという、そういうことが当然必要であり、そういうことをする文部大臣には義務がある。また、そういうことをずる権能を文部大臣が与えられなければ私は文教の最高責任者として責任は持てないと思うのですね。従って当然あなたは教団連ですか、あれの団体とお会いになられたように日教組とは会わなくちゃならぬ。これを会わないという、拒否する根拠はどこにもないと思う。あなたの再考慮を願います。もし、あなたがこれをやられないと、あなたはジュネーブにおいて勝敗を決せられますよ。その深傷は文部大臣一人でなくて池田内閣、ひいては日本の保守陣営に一大痛撃を浴びせられることになりますよ。
 (笑声)私そういうことを予言を申し上げて大臣の再度にわたる御考慮を促すとともに、厳粛な一つ答弁を願いたいと思います。
#170
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 会う会わないということはこれは制度の問題ではなしに、事実問題だと思います。事実問題だという理解のもとに会う会わないはお互いの自由である、そういう形と心得ております。文部大臣として会わねばならない、交渉せねばならないということは憲法にいうところの労働者の基本権というものから制度づけられて初めて交渉に応ずる、応じない、応ずる義務がある、あるいは権能があるということになろうかと思います。その意味からはあくまでも地方分権の建前をとっておる日本の教育の基本的なあり方から、すでに御案内の通り、国家公務員法ないしは地方公務員法に基づいて権限ある交渉相手方、すなわち勤労者としての日教組の構成員のための使用者というものはこれこれだということにはっきり定まっているわけですから、その定まった交渉相手と交渉をする、それを差しおいてまた制度上の根拠もないのに団体交渉をするなどということはやるべきじゃない、こういうふうに考えているわけであります。
#171
○矢嶋三義君 もう時間がなくなりましたから、大学局長の質問はきょうはやめます。ただ、文部大臣にそれについて一言承っておきますが、この前時間がなかったので、ちょっと伺ったのですが、臨時教員の養成ですね、これは再検討を御要望申し上げておったのですが、ぜひこれは再検討をしていただきたい。あのときに池田科学技術庁長官も私の一言々々にうなずいておられましたですね、そうして両大臣に再検討をしていただきたいということを御要望申し上げておいたのですが、どういう再検討をされつつあられるか、これを承ってきょうは質疑を終わります。
#172
○国務大臣(荒木萬壽夫君) この前、矢嶋さんがおっしゃった教員養成というものはかくあるべきもの、ありたいものだという御趣旨は私も賛成でございますが、何分現実の、人材の要求が差し迫っておりますし、量的にも、質がよりいやが上にもいいことを欲しますけれども、現実面とのからみ合いにおきましては、次善の策を考えざるを得ないということで、臨時教員養成制度を考えたい、こういういわば制約されました当面の応急的と申しますか、そういう必要のための制度だものでございますから、池田国務大臣の、この前の意向もむろんその考え方、気持において異存はありませんけれども、差し迫った当面の次善の策という意味合いから予算案に提案されておりますその範囲内において努めて御要望の線に近づける努力をしなければならぬ、こういうことでこの前もお答え申し上げたのですけれども、そういう心がまえで閣内においても相談をしてみたいと思っております。
#173
○矢嶋三義君 きょうはこれで終わります。
#174
○理事(豊瀬禎一君) ほかにございませんか。――それでは本件に関する調査は本日のところこの程度とし、散会いたします。
   午後零時四十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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