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1960/04/11 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 文教委員会 第18号
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1960/04/11 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 文教委員会 第18号

#1
第038回国会 文教委員会 第18号
昭和三十六年四月十一日(火曜日)
   午前十一時二十一分開会
   ――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     平林  剛君
   理事
           野本 品吉君
           豊瀬 禎一君
   委員
           安部 清美君
           井川 伊平君
           高橋進太郎君
           千葉千代世君
           矢嶋 三義君
           米田  勲君
           岩間 正男君
  国務大臣
   文 部 大 臣 荒木萬壽夫君
  政府委員
   文部政務次官  纐纈 彌三君
   文部省初等中等
   教育局長    内藤誉三郎君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       工楽 英司君
   ――――――――――
  本日の会議に付した案件
○学校教育法の一部を改正する法律案
 (内閣送付、予備審査)
○学校教育法の一部を改正する法律の
 施行に伴う関係法律の整理に関する
 法律案(内閣送付、予備審査)
○女子教育職員の産前産後の休暇中に
 おける学校教育の正常な実施の確保
 に関する法律の一部を改正する法律
案(豊瀬禎一君外四名発議)
○教育、文化及び学術に関する調査
 (当面の文教政策に関する件)
   ――――――――――
#2
○委員長(平林剛君) ただいまより文教委員会を開会いたします。
 まず、委員長及び理事打合会の経過につき御報告いたします。
 開会前の理事会におきまして協議いたしました結果、本日はまず、学校教育法の一部を改正する法律案、学校教育法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理に関する法律案及び女子教育職員の産前産後の休暇中における学校教育の正常な実施の確保に関する法律の一部を改正する法律案、以上三法案を議題とし、提出者及び発議者からそれぞれ趣旨説明を聴取し、次いで当面の文教政策について調査を進め、さらに日本育英会法の一部を改正する法律案を議題とし審議を続けることに決定を見ました。
 以上、理事会決定通り審議を進めて参りたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(平林剛君) 御異議ないものと認め、さよう進めて参ります。
 それでは、学校教育法の一部を改正する法律案及び学校教育法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理に関する法律案、以上内閣提出の二法案を一括して議題とし、文部大臣より趣旨説明を聴取いたします。
#4
○国務大臣(荒木萬壽夫君) このたび政府から提出いたしました学校教育法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、工業に関する中堅技術者を養成し、もって産業の発展に寄与するために、学校教育法の一部を改正して新たに高等専門学校の制度を創設することとしたものであります。
 現在、わが国における産業経済の著しい発展に伴いまして、科学技術者の需要は著しく増大し、特に工業に関する中堅技術者の不足が痛感される情勢になったのであります。
 このような情勢に即応し、政府においても各方面の意見を勘案して検討を重ねました結果、とのたび新たに高等専門学校の制度を設け、社会が強く求めている有為な中堅工業技術者の養成をはかる必要があると考えた次第であります。
 次に、この法律案の概要について申し上げます。
 まず第一に、新たに高等専門学校の制度を設けることとし、これを学校教育法における学校の種類の一つとして明記したのであります。高等専門学校は、深く専門の学芸を教授し、職業に必要な能力を育成することを目的とし、高等の職業教育を行なう専門教育機関の性格を有するものであります。
 第二に、高等専門学校には工業に関する学科を置くことといたしました。さきに述べましたように、高等専門学校の制度創設の理由は、中堅工業技術者に対する社会の要求にこたえることにあるのでありますから、高等専門学校の学科は、工業に関するものとすることを規定したのであります。
 第三に、高等専門学校の入学資格は、中学校卒業程度とし、その修業年限は五年といたしました。このような五年制の一貫した学校制度により、専門教育の強化と基礎教育及び一般教育の効率的な実施をはかったのであります。
 第四に、高等専門学校及びその学科の設置については、文部大臣の認可を必要とすることといたしましたが、この場合においては、認可の適正を期するために、高等専門学校審議会に諮問することといたしました。
 第五に、高等専門学校の教職員についてでありますが、高等専門学校には、校長、教授、助教授、助手及び事務職員を置き、必要に応じて講師、技術職員その他必要な職員を置くことができるものといたしました。
 第六に、高等専門学校を卒業した者は、文部大臣の定めるところにより、大学に編入学することができるようにし、また、公・私立高等専門学校の所轄、名誉教授、公開議座等に関しては、大学に関する規定を準用することといたしました。
 なお、高等専門学校の発足につきましては、設置基準の作成、高等専門学校審議会の審査事務及び申請者の便宜等を考えて、昭和三十七年四月一日から設置することができるものといたしました。
 何とぞ十分御審議の上、すみやかに御賛成下さるようお願い申し上げます。
 次に、このたび政府から提出いたしました学校教育法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理に関する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、学校教育法の一部改正による高等専門学校の制度の新設に伴い、各関係法律に所要の改正を加えたものであります。
 内容のおもなものを御説明申し上げますと、
 第一に、建築士法等の一部を改正しまして、大学または短期大学卒業程度を資格要件の全部または一部とする工業関係の技術者の資格規定に、高等専門学校市業者を加えることといたしました。
 第二に、文部省設置法の一部を改正しまして、高等専門学校審議会を文部省に設けることとし、また、高等専門学校に関する事務を大学学術局でつかさどることにするなど、文部省の所掌事務について所要の改正を加えることといたしました。
 第三に、私立学校法の一部を改正しまして、私立高等専門学校及びこれを設置する学校法人に対する私立学校法の適用については、私立大学及びこれを設置する学校法人に準じた取り扱いといたしました。
 第四に、畑地農業改良促進法等の一部を改正しまして、審議会の構成員等に大学教授とあるものについては、高等専門学校の教授を加えたことであります。
 その他、学校教育法の一部改正による規定の整備に伴い、関係法律に所要の規定の整備を行ないました。
 以上がこの法律案の提案理由及び内容の概要であります。何とぞ十分御審議の上、すみやかに御賛成下さるようお願い申し上げます。
   ――――――――――
#5
○委員長(平林剛君) 次に、女子教育職員の産前産後の休暇中における学校教育の正常な実施の確保に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、発議者より趣旨説明を聴取いたします。
#6
○豊瀬禎一君 私は日本社会党から提案いたします女子教育職員の産前産後の休暇中における学校教育の正常な実施の確保に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由の説明をいたします。
 ただいま議題となりました女子教育職員の産前産後の休暇中における学校教育の正常な実施の確保に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案者を代表して、提案の理由並びに内容の概略を御説明申し上げます。
 去る昭和三十年の第二十二回国会におきまする女子教育職員の産前産後の休暇中における学校教育の正常な実施の確保に関する法律の成立以来、その施行によって、補助教員の配置件数は漸次増加し、昭和三十四年度におきましては、休業教員数の平均八二%に対する補助教員の配置を見るに至りました。
 しかしながら、補助教員の配置件数の増加にもかかわらず、この法律の趣旨、すなわち労働基準法に規定するところの十二週間を最低として休養させ、その期間を補助教員配置の期間とするという精神は、いまだに徹底を欠き、補助教員を完全に配置しておりまするところは十二県にすぎず、その他の府県におきましてはいずれも八週間ないし六週間にとどまっている現状であります。
 従いまして、女子教育職員が、その担当する児童生徒に対する教育的良心から、産前の休暇はほとんどとられていないという実態は、法の施行前と大差なく、過労による異常産はきわめて高い比率を示しております。
 このように、補助教員が無配置であったり、配置期間が打ち切られておりますために、学校長や教頭あるいは手あきの教員が学級の処理に当たるとか、学級を合併することによって、辛うじて教育を維持いたしておりますが、このことが教育上多大の支障をもたらし、学校教育の正常な実施を阻害する原因となっておりますことは申すまでもありません。
 右のような現状にかんがみまして、本改正案は、まず、第四条を全面的に改めて、従来、学校教育の正常な実施の困難性の認定が任命権者の裁定にゆだねられておりましたために、地方財政上の理由等により、補助教員の配置期間が短縮されるおそれがありましたのを、労働基準法に定められた産前産後それぞれ六週という期間を、すなわち補助教員を配置すべき期間と規定し、女子教育職員が出産のために休業する全期間を通じて、当該学校の教育職員の職務を補助させるため、校長以外の教育職員を臨時的に任用しなければならないことを明確に義務づけることといたしました。
 従いまして、国及び地方公共団体の任務として、必要な財政的措置を講ずべき旨を規定しておりまする第三条は、不要となりますので、これを削除することといたしました。
 また、この第四条改正の趣旨にのっとりまして、法律の題名を「女子教育職員の出産に際しての補助教員の確保に関する法律」に改めることといたしております。
 改正の第二は、この法律の第二条第一項に定められておりまする学校に、新たに幼稚園を加え、同条第二項の教育職員に、幼稚園に勤務する園長以下の教育職員及び高等学校の実習助手を加えて、これらの教育職員についても、この法律を適用することといたしたことでございます。
 改正の第三点は、私立の学校においても、学校の設置者は、この法律に規定されている国・公立諸学校と同様の措置を講ずるように努めなければならない旨を、新たに規定したことでございます。
 なお、この法律は公布の日から施行することといたしてあります。
 以上が本改正案の提案の趣旨並びに改正の主要点でございます。何とぞ十分御審議の土、すみやかに御賛同下さるようお願いいたします。
#7
○委員長(平林剛君) ただいま趣旨説明を聴取いたしました三法律案に対する質疑は後日に譲ります。
   ――――――――――
#8
○委員長(平林剛君) 次に、当面の文教政策について調査を進めます。
 質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
#9
○豊瀬禎一君 前々回から本委員会におきまして審議が続行されております愛媛県における教育委員会主催の講習会、その内容の当否等についてまず質問を続けたいと思います。本問題につきましては、たびたび矢嶋委員等から指摘されましたように、まず第一番には、教育委員会主催の講習会に正式に招聘された講師の所属しておる諸団体並びに本人の思想傾向の問題です。次には、これらの講師によって教育職員に講習された内容の適否の問題です。
 まず第一番の問題についてお尋ねいたしたいのですが、本件に関して大臣の答弁は、憲法違反のおそれがある内容については、衆議院の文教委員会においてはそういう講習内容をほんとうにしゃべったとすればばかたれであろう、こういう御発言があったことを議事録によって私は拝見いたしております。また、憲法を知らない者の言い方であろう、こういう発言があったはずであります。そこで、私はまず質問に入ります前に、本委員会で本問題を取り上げ、矢嶋委員の質問された後に講習会の内容、運営、講師の発言、講師の思想の背景をなすところの師友会等の所属団体等について、あらためて文部当局として調査があっておるかどうか、もし行なわれたとすれば、その概要について説明を聞きたいと思います。
#10
○政府委員(内藤誉三郎君) この愛媛県の中堅女子教員の資質向上のために研修会が管内数カ所において開催されたわけでございまするが、そのうち宇和島の教育事務所管内のものが先般お話があったわけでございます。そのほかに西条市におきましても同様な研修会が行なわれております。また、そのほかにもあると聞いております。今詳細はあらためて調査を依頼しておるわけでございますが、宇和島管内の女子教員の研修会におきまして、愛媛県の教育長である大西忠が講師になっております。それから出石寺の信徒総代の菊池正行、大耕舎主の大山澄太、これが講師になっておりまして、助言者として市町村教育委員会の関係者及び愛媛県の指導主事、管理主事が当たっておると聞いておるわけでございます。師友会のお話が出ましたが、師友会につきましては、愛媛県の竹葉教育委員長が師友会の愛媛県の支部長を兼ねていらっしゃる、こういうことでございまして、これは事実でございますが、本講習会には竹葉委員長は講師として出席しておりません。
 大体、以上のようなことでございます。
#11
○豊瀬禎一君 ただいまの調査報告は、矢嶋委員質問後に行なわれたものですか、それとも過日の衆院文教委員会当日内藤局長が答弁した当時の資料ですか。
#12
○政府委員(内藤誉三郎君) これは私どもが先般来調査した結果でございまして、矢嶋委員からお尋ねになりました数点につきましては、目下調査を進めております。
#13
○豊瀬禎一君 ただいまの答弁は、講習会に関する私の、冒頭の概要については、衆院文教委員会に答弁された当時の資料であると確認して間違いありませんね。
#14
○政府委員(内藤誉三郎君) 衆議院の文教委員会でもこの問題は数回ございまして、最初のときの資料は古い資料でございまして、十分調査しておりませんでした。それから先週の金曜日だと記憶しておりますが、金曜日の文教委員会には、文部省から詳細な資料を要求しておりましたので、その資料に基づきまして講師の発言内容その他全般にわたりましてお答えいたしております。これは最初の委員会後の調査に基づいたものでございます。
#15
○岩間正男君 関連して、資料について……。私もこの前資料を請求しまして、これはいつごろ出してくれる。同じような資料、同じ問題について。あなたたちも答弁する内容を持っているわけだから、どうなんだ。全部講師から何からみんな出せと要求して、答弁していて、ここに出さないのはけしからん。
#16
○政府委員(内藤誉三郎君) 岩間委員のこの前お尋ねになりました点につきましては、矢嶋委員の分とあわせて今照会いたしております。
#17
○岩間正男君 今調査中ですか。
#18
○政府委員(内藤誉三郎君) 調査中でございます。
#19
○岩間正男君 そうすると、まだ不明な点、どの点です。たとえば、今あなた答弁されておりますけれども、不明な点はどの点だか明確にしていただきたい。
#20
○政府委員(内藤誉三郎君) 宇和島につきましては、出席者の氏名及び職名、使用したテキストは全部用意しております。
#21
○岩間正男君 いつごろ出してもらえる見込みですか。
#22
○政府委員(内藤誉三郎君) 宇和島の分につきましては、いつでも出せる準備はいたしております。
#23
○岩間正男君 もうできているのですか。きょう出せばいいのです、質問しているから。
#24
○政府委員(内藤誉三郎君) 資料は一括して出したいと思っておりましたので、実は矢嶋委員の御要求になりました資料をあわせて提出したいと考えておったわけでございます。
#25
○岩間正男君 早く出して下さい。できた分だけでもいいから出して下さい。
#26
○政府委員(内藤誉三郎君) できた分についてはなるべくすみやかに提出いたします。
#27
○豊瀬禎一君 講習会等に対する資料ができておるようですので、私の質問と関連してきますので、一括して提出の必要がありましょうけれども、私の質問継続中に至急取り寄せて、すでに講習会関係について調査の終わっている資料を本委員会に出していただきたいと思います。
 続いて質問に移ります。大臣にお尋ねいたしますが、私の記憶では、さきの委員会におきまして、これは内藤局長も同様の答弁したように思うのですが、教育委員会は合議制であるから教育委員の個人的な思想内容がどうあろうともかまわないと、極端に類推するならば、その影響は個人に及ぶ、教員に及ぶものではなく、教育行政にも影響を与えるものでないと把握できるかのごとき答弁があったと思うのですが、教育委員の個々の思想内容がそのように把握できるというか、理解してよろしいものかどうか、現在における大臣の御見解をお聞きしたいと思うのです。
#28
○国務大臣(荒木萬壽夫君) いかなる職場でございましょうとも、その個人の思想傾向が何であるかということそれ自体は、これはそれぞれの個人の自由の範囲でございますから、取り立てて問題にすべき事柄ではなかろうと思います。
#29
○豊瀬禎一君 教育委員というのは、少なくとも、たとえば工場でハンマーをふるっている人々と違って、教育委員会の委員というものは、教育委員会法の直接的な履行の責任があるポストである、これらのポストについておる委員が、大臣のただいまの答弁では、憲法違反の性格を持っていようが、どのような思想傾向の人であろうが、それは自由であってかまわないと、こういうことなんですか。
#30
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 少なくとも制度論としましては、個人の頭の中で何を考えておるかによってかれこれ差別さるべきものではないはずでございますから今のように申し上げたのであります。憲法違反の言動が具体的にあるならば、そのことについてこれまた定められた法律なり制度なりに照らして、さかのぼれば憲法にも照らして批判さるべきことはこれは当然でございましょうが、あらかじめだれがどんな思想を持っておるのだという考え方から問題が処理さるべきものとは思いません。
#31
○豊瀬禎一君 そうすると、事前に明らかに憲法に違反する疑いのある思想傾向ないしは右翼団体等に所属しておることが明確であって、当該団体等においてそれらの思想傾向を披瀝しておる事実があっても、それはただいまの大臣の答弁通り、諸制度としてはけっこうなことである、こういうことですか。
#32
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 実際問題としてのこの批評は別にあり得ましょうが、少なくとも理論的には個人がいかなる思想を持ち、過去において何をなしたかということは、当然、たとえば教育委員会における前提条件として法定事項以外のととがございましょうとも、問題にすべき理論上の根拠はあり得ないだろう、こう思うのです。
#33
○豊瀬禎一君 そうすると、大臣は当初に私が聞いた他の集会場所等においていかなる思想言論を展開していようとも、教育委員として職務を遂行する際に、そうした発言がなければ、たとえば教職員に対してそういう話をする、一父兄として何らかの席上で生徒等に話をする、こういった団体活動として教育に直接的関係のある場所、機会と、あるいはそれらの人々に対してそれらの思想言論を展開しようとも少しも差しつかえない、大臣の先回の言葉をかりれば、それはけっこうなことである、こう考えておられると理解して差しつかえないですか。
#34
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 先ほど来申し上げますように、教育に関するもろもろの法律制度に照らして批判さるべき場において適切でないことを言いましたら、あるいは行動しましたら、それ自体として現行法律制度に従って批判さるべきことだとは思いますけれども、ある個人がかねてどういう考えを持っており、またある考えを持っておると思われそうな言動をしたからといって、それ自体が教育の法律制度そのものに照らして問題にされないときは問題にする必要なしと、そういう筋道のものだと思います。
#35
○豊瀬禎一君 こういう原則論についてはそう長く質問したくないのですから、大臣は私の問いにそのままずばり答えていただきたい。それは、そういう思想傾向を持っておっても、全然影響がないと考えるか、また教育関係の諸団体、諸場所、諸機関等を通じて個人的にそういう言動を展開することも差しつかえないかという二点についてイエスかノーか簡単に答えて下さい。
#36
○国務大臣(荒木萬壽夫君) それはその人の具体的な言動が、今まで申し上げるような筋道に照らして批判さるべきかいなやにかかると思います。
#37
○豊瀬禎一君 個人のそうした日ごろ展開しておる言動は全然影響ないという判断ですか。
#38
○国務大臣(荒木萬壽夫君) それはあるかもしれませんし、またないとも言えると思います。
#39
○豊瀬禎一君 ない場合もある、ある場合もある、それは何によってきまりますか。
#40
○国務大臣(荒木萬壽夫君) それはその人の言動が客観的に批判されてきまると思います。
#41
○豊瀬禎一君 それは主体的条件でなくして、客観的な条件によって決定されるということであるならば、大臣が過日披瀝した共産党員は一名も教員にならないことが望ましいという立場はおかしいと思うのです。なぜなれば、私が八月三十一日、九月一日の両日の委員会でただした際に、大臣は教員自身の思想が共産党であろうとも、ニヒリストであろうとも、何であっても、そのことは今大臣が言った通りである、こう言っているわけですね。ところが、その後に、共産党の教員が一名もおらない方がよろしい……。本人の主体的条件でなくして、客観的要件がそれを決定していくとすれば、憲法の建前なんか大げさに取り出さなくても、教育委員会に、共産党員がおろうが、テロを主たる目的とする右翼団体の幹部が入っておっても、大臣は決してかまわないと、こう言う。そうすると、教育行政機関にその人がおってもかまわないのだったら、教員になることもまたかまわないはずである。これは大臣は認めると思います。そうすると、共産党員が一名もいない方がよろしいという大臣の見解は自己分裂ではないかと思いますが、それはどう関連するのですか。
#42
○国務大臣(荒木萬壽夫君) さっきも申し上げたように、制度上、理論上の問題と、具体的な各人の批評とは別だと思います。私は、教職員に共産党員が一人でもいない方がよろしいと国民の大多数は思っておるであろうと推察すると申し上げました。私はそう推察しております。
#43
○豊瀬禎一君 そのことに対する大臣自身の見解は――国民の推察を披瀝していただく必要は私はありません。私が聞きたいのは、大臣自身の見解をお聞きしたい。御答弁願います。
#44
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 私自身の気持はここで特に申し上げる筋合いじゃなかろうと思います。この間答弁しましたのは、国民一般がそう思っておるであろうと推察するということを申し上げたのであります。
#45
○豊瀬禎一君 国民の推察と僣称する言論を委員会には披瀝しておきながら、行政府の責任者である荒木萬壽夫という大臣の見解を披瀝する筋合いでないというのはどういう筋合いですか。
#46
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 行政府の長としては、自分の感情とか私見とかは申し述ぶべき筋合いではない、そういうことを申し上げておるのであります。
#47
○豊瀬禎一君 私見ということではなくて、教育行政官としては義務教育諸学校の政治的中立に関する法律を守っていく義務があるし、憲法九十九条でした、かによって、尊重擁護の責任があります。従ってあなたは、公安調査庁次長の言葉をかりると、いろいろの問題ある団体の中で、共産党員が教員にならない方がよろしいという国民の思想を披瀝した。そのことに関しては、大臣としては、たとえばそのことによって教育の中立が侵される危険性があるか、教育基本法違反の疑いがあるか、こういった観点から判断をする責任がある。その責任を感ぜられるとすれば、当然文部大臣としての、公職にある人間として判断を下すべきである。どこにあるかわからないような国民世論なるものをここで披瀝する必要はさらさらないと思うのです。どう思いますか。
#48
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 先ほど来申し上げておるのは、先般の予算委員会における私の答弁を引用してのお話ですから、そのときの考え方を申し上げておるのであります。私は以前からも申し上げておりますように、日教組の倫理綱領を見るときに、まさしく階級闘争の考え方で、革命を意図しておる、そういう角度から青少年を育成せねばならないと規定しておると私は判断しますが、その見地から言いまして、共産党が破防法の適用調査団体となっておるということはこれはここで明らかにされたことでありまして、そういう疑いのある系統のものの考え方を教職員の心がまえとして要請される日教組の立場、そういうことを教育基本法上、教育の場が中立を侵されるおそれありと判断しておるのでありまして、そういうことから私は国民の心あるものの大多数が、先刻来申し上げるように思っておるであろうと推察をしておるわけであります。
#49
○豊瀬禎一君 ただいまの大臣の答弁は、調査団体と指定されておる共産党の考え方、あるいは党員は、教育の中立を侵す危険性があるからそのような答弁をした、こうおっしゃったのですね。従ってそういう国民世論であろうという考え方を披瀝した。前段は大臣の判断ですよ、今披瀝されたのは。前段は大臣の判断。その、好ましい判断か、好ましくないと判断されたかの適否についてはあとでお聞きしますが、ただいまの御答弁は、大臣がそういう判断をしておるということをおっしゃったのです。先ほどは、私は判断しません、ただそうだろうと思って国民世論なるものを披瀝した。しばしばあなたは前の答弁と食い違ったことを言っておるような気がするのですが、自分でおかしいと思いませんか。
#50
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 少しもおかしいと思いません。それは教師の倫理綱領というものをどう受け取るかという常識の問題であります。さらに教育委員にある種の思想を持っておる者がなることがいいか悪いかというお尋ねに対しましては、理論上どんな思想を持っておりましょうとも、その思想の甲乙をもって判断して教育委員にしてはならないということはどこにも許されたところがない。そうしてはいけないという憲法の趣旨からいいまして、当然のことだと思って申し上げておるのであります。ある教育委員が、豊瀬さんの質問にもございましたように、ある具体的な場所で具体的なことを言ったり、したりすることを、それ自体をどう判断するかは、これは教育基本法以下の法律制度に基づいて批判さるべき場合には批判されることが当然だということを申し上げておるのであります。
#51
○岩間正男君 議事進行。豊瀬君はこういうことを聞いておると思うのです。国民の名をかりて、そうして国民の世論に便乗してあなた自身の主観を述べることを、そういうことをやっておりながら、当然あなたの職責である法の遂行上に関することについては答弁をしないのはおかしいじゃないか。ところが、あなたは問題を横っちょの方にそらして、そうして元にずっと戻って、この委員会の今究明しようという主題をそらしておる。これは当委員会の議事進行にとって非常に困る。それはやるべきでない。私はそういう点から、あなたは横道にそらない答弁をしてもらいたいということを要望したい。
 もう一つこれに関連するのでありますが、議事進行上伺いますが、あなたは共産党は破防法適用団体と言ったが、いつどこできまったのですか。容疑団体というのは聞いたことはありますけれども、適用団体というようなことを言っておりますが、あなたはいっそんなことを勝手にきめたのですか。
#52
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 私は調査団体と申し上げました。容疑があるから調査する必要を認めて、公安調査庁がここで答弁をしましたことを引用して申し上げたにすぎません。
#53
○豊瀬禎一君 そうすると、この今論議しておる問題については、これで質問を終わりたいと思うのですが、大臣は、こうなんですね、テロを主とする団体の幹部あるいは日ごろの言動でそういうことをやっておる人間でも、まず教育委員に任命されることは法が禁止していない以上、大臣としては適否の判断をしない、あるいは教育行政の責任者として、文部省の責任者としてすべきでない、こういう判断ですね。
#54
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 好ましくないとは感想は言えましょうけれども、なしちゃならないという根拠はないと思います。
#55
○豊瀬禎一君 好ましいかどうかと聞いたけれども、大臣はそういったことは自分は言うべきでなくて、国民世論なるものを披瀝したと言う。今は好ましいか、好ましくないかについては、荒木萬壽夫としてではありませんよ、文部大臣としてそういう判断をなすべきであり、必要に応じてはそういう見解を披瀝すべきだというふうに答弁しているのですが、どちらがほんとうですか。
#56
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 私個人の感想は申し上げるべきでないとさっき申し上げました。文部大臣という立場においては、常に世論は何だ、客観的なものさしは何だということを、自分で良心的に反省しながらものを言うべきだ、心がまえとしては私はそう思っております。そういう気持、そういう立場において今申し上げておるのであります。
#57
○豊瀬禎一君 大臣としては適否、好ましいか、好ましくないかという判断をすべきである、また必要ならばその見解を言うべきである、そういうことですね、簡単に答えて下さい。
#58
○国務大臣(荒木萬壽夫君) その通りであります。
#59
○豊瀬禎一君 そうすると、先ほど言った愛媛県教育委員会の中に、右翼同体と一応非公式に公安調査庁の責任者が披瀝しておる、また右翼的なあるいは憲法違反の疑いのある言動を日ごろやっておる人が教育委員としてその職にあるということは、大臣は好ましいと思いますか。
#60
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 好ましい、好ましくないというのは、責任をもって言える根拠がなければ、かりそめにも言っちゃいけないと思います。
#61
○豊瀬禎一君 非常に大臣としてはりっぱな御答弁で、倫理綱領等についてもそれだけの慎重さを大臣が今後持たれることを強く要望しておきます。
 そこで、大臣、事実に基づかなければいけないということですが、内藤局長が当委員会あるいは衆院文教委員会で教師の思想言動に関して報告した範囲では、大臣としては適否の判断をする資料不足という見解ですか。
#62
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 今まで私が聞いております範囲では、格別とかくのことを言う必要はないと考えております。
#63
○豊瀬禎一君 今までの資料では不適当と判断をされることがないということであれば、このような事実があると指摘した当該本委員の事実指摘は、大臣としては誤報であるか、あやまちであるか、いずれかであると考えているのですか。
#64
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 各委員がここで言われる、発言されること、それ自体は、御当人として自信のあることをおっしゃっていると思います。ただ私ども判断するについては、私どもみずからの責任において事実を調査して、それに基づいて発言をすることが当然のことだと思いますから、その意味で私が知り得ておる状況を基礎に判断します場合には、先ほど申し上げた通り、格別取り立てて批判を加える必要はなさそうに思っております。
#65
○矢嶋三義君 ただいまの豊瀬委員が、教育委員の言動について質疑をしているわけですが、それに関連して二回お伺いいたします。
 その第一回は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第四条で、委員は「人格が高潔で、教育、学術及び文化に関し識見を有するもののうちから、」、「識見を有するもののうちから、」とある。この「識見」とは、その委員の言動は、大方の国民から見た場合に、その良識に合致するものであり、健全なものでなければならない、そういうことを「識見を有するもののうちから、」という「識見」は私は意味していると思うのですが、大臣の見解を承ります。
#66
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お説の通りの趣旨と思います。
#67
○矢嶋三義君 そこでもう一問伺います。それは私は明確に愛媛県議会の速記録でお伺いしますが、民主社会党の木原という県会議員が質疑した点について、竹葉教育委員長が愛媛県議会で答弁しております。その二つを提示して大臣の御判断を賜わりたいと思います。これと合わせ考えていただきたい点は、この前指摘したのですが、研究会をやるときに、竹葉さんは委員長として責任のある立場において菊池という方を講師に雇った。その菊池さんが、日本の国民が国の主権者になったというような考えを持つことは笑うべき、こっけいというか、むしろあわれむべき悲劇である、そのように述べたことについて、あなたは憲法を知らない者の言葉だと、そういうふうに答弁されたわけです。菊池さんを講師として選んだのも竹葉さん、そのことと合わせて愛媛県議会で述べた竹葉委員長の言葉を聞いていただきたい。その一カ所は、「従って日本においては天皇が人民の象徴でありますからそこにやはり神の性が尊く輝いておると見るのでありまして、君、民、神のこの「ミ」、これは霊ということなんですが、この三位が一体であるというのは文字の上からも」云々と、こういう言葉ですね。それからもう一カ所は、「それで君民一体ということも前の主権在民の場合にでも君民一体でありましたしやはり生きておったのです。現在でも、主権在民となってもやはり同じように君主一体と言えるのが日本の国の天皇はやはり象徴として天皇を保存したその思想的な根源であるのでありまして、姿は変っても本質的な日本の生命というものに変りはない、」こう述べられています。私は日本国天皇は憲法に規定してある象徴として個人として敬慕しておりますよ。憲法を認めていますよ。しかし、この竹葉さんの言葉は主権在民というけれども、実質的には主権在民でない、主権は在君であるという思想が明確にこの速記録に出ている、県議会の。かかるがゆえにこの入が任命した菊池講師のごときは、あなたもみずから認めたように、こういう憲法否定の講演をし、また文書を講師は送っているわけです。こういう言動というものは教育委員会法の第四条にいう「識見」に該当するでしょうか。私は不穏当というのを越えて違法だと思う、この発言は。こういう事実がある。これは愛媛県議会の速記録です。こういう思想的な立場から愛媛県の教育行政は具体的にいろいろな問題が出てきておる。それが当委員会で問題になってきておるわけです。私はここに事実を提示しましたが、大臣いかようにお考えになりますか。教育委員長としての県議会での答弁ですよ。
#68
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 教育委員長としての県議会の答弁は、県議会が選んで知事が任命したという関係において、県自体として、あるいは県議会自体として、それ自身決定的な批判があることと思います。また今お述べになりました憲法解釈――私は憲法学者ではございませんから、そういう解釈が正しいのかどうかということはわかりません。しかし、主権在民憲法であることは、これは明らかですから、そういうとかく誤解を生みそうな発言は適切ではなかったとは思います。ただしかし、それだけですべてを律するわけにはいかないかとも思うわけであります。同時に、菊池先生の講師としてのお話の内容を伝え聞いておりますが、私の承知します限りでは、講師としてのお話の内容は新憲法に矛盾するようなことはお話しになっておらぬようであります。
#69
○矢嶋三義君 あいさつ状は。
#70
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ことに菊池先生が愛媛県の教育界の元老として、ほとんど無条件に県民、あるいは教職員等に敬慕されておる人格者であるということもあわせ考えまして、講師としての話の内容には格別とかくのことを言う必要はない内容であったと承知します。あとで私信をも出されたと承知しますが、その私信の中に今御指摘のような言葉があることは、これはどうも用語としては穏当じゃないじゃないか、憲法を知らない人ででもあろうかと思わせることは菊池先生の手紙としてはちょっと考えられないというような気持で聞いたのであります。
#71
○矢嶋三義君 ここに速記録があるから、逃げないで答弁して下さい。
#72
○豊瀬禎一君 大体原則的に憲法あるいは教育基本法を守るべき、あるいはそれにのっとって教育行政をやるべき人間が、特定の、憲法上好ましくない団体に所属しあるいはその言動をするということは文部大臣として好ましくないという見解の表明がありました。そこで私は具体的に講習会問題について質疑を続けたいと思います。
 大臣は、現在までの文部省の調査によれば適否の判断の段階でないというか、まあこの程度であれば別に問題はないのではないか、こういう趣旨の答弁があった。そこでまず大臣にお尋ねしたいのは、講習会の会場において使われた松下村塾記、これは大臣が学生のときの話でなくて、この事件が起こった後に手に取って読まれましたか。
#73
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 読んだことはありません。
#74
○豊瀬禎一君 それでは、かつてこの本について読まれたことはありますか。
#75
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 斜め読みに読んだ記憶はあります。
#76
○豊瀬禎一君 現在この村塾記の思想の中核というか、文章を通じて中心となっておるものが何であるかは斜め読み時代から御記憶でございますか。
#77
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 明確な記憶はありません。
#78
○豊瀬禎一君 このことが憲法に適しておるかどうかという論議になったことを、本委員会並びに衆議院文教委員会で論議になったことは御記憶でございますか。
#79
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 記憶はありません。
#80
○豊瀬禎一君 記憶はありません。――記憶がないというのは忘れられたということでなくして、論議があってないというふうにお考えなんですね。
#81
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 当委員会で論議されたことは記憶がございませんので、それを根拠にしてかれこれ申し上げる材料がございません。ただ松下村塾記になるものが、旧憲法時代ないしは旧憲法と体系を同じくする時代を根拠として話され書かれたものであるという前提において、新憲法下においてはそのまま通用するものではないというふうには理解しますが、今お尋ねのような意味で具体的な論議を根拠にして申し上げる材料がございません。
#82
○豊瀬禎一君 松下村塾記の内容、講義された事柄、あるいはそれの取り扱いについて内藤局長等その他の人々から大臣に報告されたことがあったならば答弁願います。
#83
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 事務当局で調査しまして、その結果に基づいて衆議院でも御答弁申し上げておるわけでありまして、私も結論的には聞かされたことはありますが、具体的な内容、経過等については私もよく存じませんので、必要であれば政府委員からお答え申し上げたいと思います。
#84
○豊瀬禎一君 内藤局長にお尋ねしますが、先ほど講習会の講師等に対する資料の提出を要求しましたが、まだ参りませんか。
#85
○政府委員(内藤誉三郎君) 講習の要旨は参っております。発言の要旨、そのテキストの全部ではございませんが、おそらくここに配ったものは出ております。
#86
○豊瀬禎一君 次の質問に進む前に配付して下さい。
#87
○政府委員(内藤誉三郎君) ここに私が手元に用意しておりますだけで、これは漢文でございますので、これを漢文を全部謄写しなければなりませんので、次の質問までとおっしゃってもちょっと今間に合いかねるわけでございます。
#88
○豊瀬禎一君 その資料が愛媛県教育委員会等から文部省に報告されてきたのはいつですか。
#89
○政府委員(内藤誉三郎君) これは先般、たしか四月三日と記憶しております。
#90
○豊瀬禎一君 四月三日から十一日の本日まで、まあ漢文も入っておりますけれども、現在の文部省の印刷機能では一週間程度の日にちではそれが刷れないのですか。
#91
○政府委員(内藤誉三郎君) それはあとで西条のものもございましたので、西条の資料、それから先般矢嶋委員からいろいろ調査要求がございましたので、それを一括して差し上げたいと思っておったわけでございます。
#92
○豊瀬禎一君 本委員会における矢嶋委員であったと記憶しますが、質問に対して、吉田松陰先生はりっぱな先生であるという答弁があったと思います。私も学生のころは「講孟箚記」等非常に愛読した一人で、戦前における吉田松陰先生に対する尊敬の念というものについての論議は個々いろいろあろうと思います。しかし、大臣が先ほどおっしゃったように、吉田松陰の伝記、おい立ちあるいは著書等について今日つぶさにこれを調べていくと、現行憲法に合致するところもあるかもしれません。しかし、講習会に取り上げられたのは松下村塾記であります。この内容は、私の調べておる範囲内では、また講師の力説した範囲内では、君臣の義華夷の弁が――人道の、人の重んずるところは君臣の義であり、国の主とするところは華夷の弁である、ここが松下村塾の中心です。今日の憲法において、人の重んずるところが君臣の義であるという主張は現行憲法あるいは教育基本法から大臣は適否いかが判断しますか。
#93
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 現行憲法下君臣の義という事柄は存在しないと思います。
#94
○豊瀬禎一君 適否の判断は。
#95
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 現憲法下存在しないことでありますから、憲法に関連してもし話があったと仮定するならば、無用のことだと思います。
#96
○豊瀬禎一君 無用のことということは大してじゃまにはならないと、すなわち端的に言って、憲法に、そのことを力説、紹介しても違反しないという判断ですか。
#97
○国務大臣(荒木萬壽夫君) そういうことは考えません。今の講師の口述の内容についてもし言っておられるとするならば、松下村塾記というかつての古典に属するものをテキストとして、そのときはそうであったという意味での話があったんじゃないかとまあ想像するわけでございますが、さっきも申し上げましたように、主権在君時代の考え方が今でも当然通用するというような意味で話があったとするならば、これは明らかに間違いであると思います。古典の時代にそのときはそうであったという事柄それ自体は、これはその内容によりけりでしょうけれども、私はまあ無用のことではないかという気持はいたします。
#98
○豊瀬禎一君 大臣、あんまり自分の一度言った言葉に固執せぬ方がいいですよ。大臣が今答弁した、おそらくその当時はそうであっただろうと想像しますという、想像、判断の根拠は事務当局の報告ですか、それとも恣意ですか。
#99
○国務大臣(荒木萬壽夫君) さっきも申し上げましたように、口述の全貌を私は存じません。ただ結論的には、格別取り立てて問題にするようなことはなかったようだということを聞いておりますから、その結論に立って想像をしつつ申し上げたのでございます。
#100
○豊瀬禎一君 当該委員会は、君臣の義が、あるいは華夷の弁が中核をなしている松下村塾記が非常に重苦しい空気の中で講師から読み上げられたのを、いささかも不審の念を抱かなかったとは言えないけれども、何らの中止、抗議、その他の忠告、助言等を行なってこのことに対する反対掛買をとっていないという事実から見て、当該教育委員会に報告を求められれば、別に差しつかえありませんというはずです。で、大臣の判断の根拠は別にして、講習会において教育職員に対して、人の尊ぶところは君臣の義である、こういうこと、それと華夷の弁ということが中心をたすものが正式に講習会の課程に入って読み上げられていく。このことはかりにその当時の伝記的たものの紹介という形であったとしても、それは好ましくないと大臣は思いませんか。
#101
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 私は古典であれ何であれ、ある文献を講義すること、そのことそれ自体としてはかれこれ言う必要はないと思います。共産党のものの考え方を紹介することも一つの材料になる、自民党の政策を話すこともまた一つの材料になる。問題は教育墓本法その他の教育制度に従って正しい判断を下すことが問題である。口述一資料として古典が取り上げられること、それ自体は悪いととだとは毛頭思いません。
#102
○豊瀬禎一君 その基本的た態度に関する限りは私もいなやは申しません。ただ、ただいまの大臣の答弁は憲法違反の古典あるいは他人の言動、先哲偉人の格言的なもの、それらのものを紹介をしていくというととは、その取り扱いのいかんにかかわらず教育基本法に違反しないという判断ですか。
#103
○国務大臣(荒木萬壽夫君) それはむろん扱い方いかんによって違反すると考えなければならぬこともございましょうし、そうでないこともあろうと思います。
#104
○委員長(平林剛君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#105
○委員長(平林剛君) 速記をつけて。
 本件に関する調査は、午後二時より本委員会を再開し続行することとし、暫時休憩いたします。
   午後零時三十二分休憩
   ――――・――――
   午後二時三十九分開会
#106
○委員長(平林剛君) ただいまより文教委員会を再開いたします。
 午前に引き続き、当面の文教政策につき調査を進めます。
 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#107
○豊瀬禎一君 午前中の質問におきまして明らかになりましたのは、まず、大臣が憲法違反の疑いのある、たとえばテロあるいは極右的な、その他右翼団体あるいは極左の場合でも、憲法違反の疑いのあるような団体に所属して、日ごろそういろ言動があったり、あるいはそういう団体に所属しなくても憲法違反の疑いのある思想傾向、言動のある人間が、教育委員会等いわゆる行政権者としてその他位につくのは望ましくない、こういう答弁から発展いたしまして、具体的に私は愛媛で行なわれました講習会について、松下村塾記の内容に立も至ったわけです。大臣は事務官等から村塾記の扱い方についても、つぶさには報告を受けておられないし、以前に斜め読みという不勉強の述懐はあったけれども、今日もなおその内容については記憶してない、こういう披瀝がありまして、私の方から、松下村塾記の骨子とするところは君臣の義であり、華夷の弁である、こういう指摘をいたしたわけです。そこで幾分午前中の質問と重複すると思いますけれども、大臣にここで明らかにしていただきたいのは、仮に史実であろうとも、講習会の全体の過程を通じて、三つの講義内容が行なわれたとすれば、その三つともが同一思想あるいは同一の傾向を持った問題である。このことに対して感想文が書かせられたり、あるいは講習会の始まる際には常にこれを講読する、こういった形がとられたとすれば、これは単に古典、史実の紹介という域を脱して、講習会の性格であるところの教職員の研修を指導するという目的を持っておったということは明らかに断定できると思うのですが、とのことを大臣認められすすか。
#108
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 午前中お答え申し上げましたように、その研修会は県で実施しましたことであり、その初めから終わりまでの講習会の内容等も直接知りませんので、いかようとも断定するということは私自身としては不可能なことであります。ただ、現地に照会をして調査しました私どもの承知する限りにおいては、今御指摘のあるような懸念はないように思っております。
#109
○豊瀬禎一君 私の指摘したような懸念がないということは、松下村塾記がどういう扱いをされたというふうに報告を受けておられますか。
#110
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 一つの古典の講義というふうな形で取り扱われて、その口述内容については、現行憲法以下の制度に矛盾するという口述の内容ではないと承知いたしております。
#111
○豊瀬禎一君 たとえば戦時中における皇道哲学にはこういう体系があった、こういう諸学派があった、その学説の一つとして、吉田松陰なるものがこういう著述を行ない、こういう見解を披瀝した。さらにある時代においては本居宣長はこういう著述を行ない、こうした少なくともこれら一連の皇国観あるいは皇道哲学体系、こういったものはとうである、こういう一つの学説の紹介として松下村塾記が講習会の中に扱われたという事務官の責任ある報告を、大臣は、責任ある報告をというよりも、そういうように間違いなく報告を受けられ、そのことが事実だと答弁できる自信がありますか。
#112
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 調査結果は、今御指摘のように、具体的な詳しいことは、むろん報告は受けておりません。結論だけを聞かされております。ただし、国会における同じ問題についての答弁は、具体的な詳しいことになりますから政府委員に答弁をしてもらって今日まで参りましたが、その答弁の趣旨から申し上げましても、結論としては、私どもが聞きましたこととその内容等々考え合わせましても、結論には間違いないように理解いたしております。
#113
○豊瀬禎一君 およそ一つの講習会、あるいは研究事業、あるいは研修には課程が細まれます。その中において、ある一定の日程の中できめられた時間に、あるいは課程の一単元の中にそのととが常に講読され、後に出てきますお経のようなものと一緒に、講師もみずから見解を披瀝したりしておるように、これは常住座臥読み上げていくと皆さんの修養になるのだ、従って、これは戦時中軍隊生活の中で朝夕軍人勅諭を読み上げておったと同じような、講習会の単元の中で松下村塾記の講読が行なわれておるということ、従って、この内容について一つの学説紹介という域を逸脱して松下村塾記に盛られておる思想の講習であり、そのことが後日のいろいろな指導と相まって、教師に対して、矢嶋委員が午前中に指摘したように、主権在民というのはこっけい千万なことで、君臣の義のすたれたことを講師みずから嘆き、この道こそが皆さんの今後日本の――彼らにいわせると、講師にいわせると、秩序を回復する一つの指針ともなるべきものである。こういう講習が行なおれているのですよ。これでも大臣は、なお一般的な、大学の教室におけるがごとき学説の紹介に過ぎないと強弁されますか。
#114
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 先ほど来お答え申している以上のことを具体的には申し上げかねますから、調査しました結果に基づいて政府委員からお答え申し上げます。
#115
○政府委員(内藤誉三郎君) 菊池講師の講義の内容が出ましたが、この中堅女子教員の資質の向上のために設けられた講習会でございまして、主として教師の心がまえ、こういう点でお話がされたわけでございまして、その講師の大西と谷川講師、菊池講師、大山講師が出ておるわけでございます。菊池講師のお話の全体を見ますと、天皇は象徴である。しかるに、この天皇に対して現在がいかに民主主義であっても、天皇をはずかしめるようなこと、さらには制裁を加えるような言動は慎しまなければならない。日本の歴史や伝統を忘れて諸外国の風にあこがれて未消化のまま受け入れようとするところに大きな無理が生ずると思う、日本の民主主義は日本の歴史の上に立ったもので、お互いが育て上げるように注意していかなければならない。特に現在では親子の情愛が非常に薄れているというように思う。ですから親子の情を基調として道徳を確立しなければ、道術教育の進展は望まれない、こういうことがこの菊池講師の要旨でございまして、松下村塾記を出されまして、これは漢文で出されましたので、実は受講生も面くらったようでございます。二回これをお読みになったそうでございまして、別にこれを松下村塾記をたびたび読まれたというふうなことは出ていないのでございまして、松下村塾記にあるところの吉田松陰のお話をされたわけです。当時の時代的背景の中において、松陰先牛がどういう考えのもとにおやりになったかということは、これは参考になるべきものだろうと思うのです。講師自身もたしか七十五、六才でございまして、県下の教育界の元老ではありますけれども、冒頭に、自分は年をとっているので感覚も古く、時代に合わない点があろうかと思いますが、この点は少し受講者の方々で十分に選択して御参考にしていただきたいと、非常に謙虚な態度で臨んでいらっしゃるので、講師自身が何か皇国史観を植えつけるというようなお考えじゃなんて、あのあいさつ文をあとで出しましたが、あいさつ文の中にも、二千年来日本の国が天皇を中心として団結し発展したということは、これはまぎれもない事実である。こう述べておるので、天皇軽視の風潮とか、あるいは天皇を否定し、あるいはないがしろにしているというような風潮に対して嘆かれたのでございまして、憲法論的に見ますと、用語に適切を欠いた点が一、二あるように私ども見受けるのでございます。しかしながら、講義の全体を見まして、また受講生の感想も全部出ておりますけれども、大へん有益になった、私どもは従来マンネリズムの中に入っておったので、大へん参考になった。それから教育委員会のこの講習会が何か意図的なものがあるんではなかろうかというふうに疑ぐってきましたけれども、結論的にはそういうとともなかったというので、一人の受講生が批判的な意見を述べておりますけれども、その他は全部この講習会に対して大へん感銘が深かったということを言っておりますので、そう御指摘になったように憲法違反の講習会であったというような事実はないと私どもは認めたわけでございます。
#116
○豊瀬禎一君 大臣にお尋ねしますが、今、局長が答弁しましたように、学説の紹介としてでなくして、一つの何といいますか、教職員の修養あるいは研修のかてとなる資料として読み上げております。なるほど巧妙に、私はおじいさんで、感覚が古いから皆さんの自由です、選択の自由は、そういう前置きをしようがが、しまいが、各人にあるわけですから、どんな前置きをしょうが、それは弁明になることではありません。そのことが問題であるんでなくして、あなたも今指摘したように、主要な部分において、やはり君臣の義を強調したという事実は否定できないことです。これは幾つかの事態が示しております。また局長が言った、感銘を受けたから憲法違反でない、こんな詭弁はよもや内藤局長も考えてないと思うのです。かりに全員が涙を流して聞こうが聞くまいが、聞いたとしても、それが憲法違反であれば教育行政権の逸脱です。そういう形の中において全講習者が涙を流して喜ぼうとも、憲法違反の疑いのある講習会、講義内容をするということはこれは間違いです。このことは明敏な局長も当然認めると思うのです、形の上においては。これは私、時間になりますから、あまり長く質問したくないと思うのですが、形の上においてはたくみにこう仕組まれてきて、ある一つの何というか唱和する、こういう形の中で朗読され、あるいは講義の際にも、いかにも吉田松陰の当時における思想背景、伝記紹介のようなスタイルをとりながら、本講習会だけでなくして、幾多の県教委が展開してきた教育行政のあり方を見てくると、明らかに県教委に行動主義、右翼主義の人がいるという事実も否定できないと思うのです。そこで、講習会問題につきましても岩間君が午前中に要求したような資料を、できるだけ正確に用意していただきたいと思います。これを待って私は質問をしたいと思います。なお、ここで大臣にはっきり指摘しておきたいのは、矢嶋委員も指摘したと思いますが、講習会場の座席が、組合員と非組合員がこうすわらせられた、その中に管理主事がついている、講習会に、教員の研修に、人事権を持つ管理主事がタッチする、そのこともいささか疑問があるのですが、これは後にまた教育行政のあり方として他日ただすとして、そういう形の中で感想文を書かせてみたり、いろいろやっているわけです。そこでもう一度、内藤さんとしては、松下村塾記の取り扱い並びにこれがどういう形で委員会としてそれを聞きながら措置したか、このことも調査していただきたいと思います。
 それから次にもう一つだけ質問しておきたいのですが、大臣にこれはお尋ねいたします。前回の矢嶋委員の質問に対して内藤局長の報告の中にも、採用する際に、研究協議会加入について判こを押させた事実は認められましたね、大臣これはどうですか。
#117
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 具体的事柄でもございますから政府委員からお答え申し上げます。
#118
○豊瀬禎一君 ちょっと委員長。この事柄についても、矢嶋委員は大臣が出席している際にかなり詳しく、しかも私の記憶では二回程度、前々回と前回質問しているわけです。私は事態について聞いているのでない、大臣がそのことを本委員会の審議を通じて記憶しているかどうかを聞いているので、ほかの委員に答弁してもらう必要はありません。大臣の認識を聞いている、お答え願います。
#119
○国務大臣(荒木萬壽夫君) そういう御質問があったことは記憶しております。そのときにどう御答弁申し上げたかははっきりしませんけれども、事実を調査した上でないと、責任ある答弁はいたしかねるという気持ちで終始いたしておりまして、調査結果に基づいてしか今の豊瀬さんのお尋ねにはお答えできない事柄だと、こう思いまして、政府委員から、具体的な事柄に関連しておりますからお答え申し上げたいと、こう申したわけであります。
#120
○豊瀬禎一君 前回の当委員会に文部省の責任ある報告書として資料が出され、その報告について大臣は信用するかどうかを問いただして、大臣はその資料については信用する、こういう御答弁があったのを記憶しておられますか。
#121
○国務大臣(荒木萬壽夫君) そういうお答えをしたような気がいたします。
#122
○豊瀬禎一君 資料について委員会において確認を求められて、大臣は責任もって資料として信用する旨答えておって、その資料の中に書いてある。私がただいまただしたことは、すでに忘却してあるのですか、今もらって見られてもかまいませんよ。
#123
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 現地の調査報告書を見てみましても、非組合員たる某氏に対して、そういうことを勧めた事実はあるが、強要したなんということはないという趣旨のことがあるようであります。これは責任ある地方教育行政担当機関からの正式の報告でございますから、むろん信用いたしております。
#124
○豊瀬禎一君 ただいまの報告書の中に、辞令交付の際だったと思いますが、研究協議会入会に関して、同時に判を押させた事実は報告書に載っておりませんか。むずかしい言い方をしないで。大臣、僕は資料については局長の所管であるということについては十分認めるんです。ただ僕がわざわざ大臣に聞いておるのは、この問題が何度か論議されてきておるのだから、大臣がどの程度問題の重要性を認識しておるかどうかをテストしておりますから。
#125
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 元教育長が、面談の機会が少ない教員に対して、いい機会だと思って入会を勧めた事実はあるようであります。本人は十分納得の上で捺印いたしましたので、決して無理に捺印させた覚えはない。本人に不平不満はないはずと思うというのが、元教育長の、今御指摘の場合の判こまで押した書類を添えての現地の調査報告書であります。その通りと信用いたしております。
#126
○豊瀬禎一君 ここでその事実が明らかになりましたので、私が大臣にただしておきたいのは、前々回も指摘しましたように、たとえ運営内規であろうとも、研究協議会には日本教職員組合員の加入を否定いたしております。従って、研究協議会に加入するということは、要請されようが、強要されようが、任意であろうとも、日本教職員組合の脱退ないしは非組合員を前提とします。新たに雇用される人々に対して研究協議会に加入をさせるという行為、させるという言葉が言い過ぎであれば、加入を勧めていくという行為は、自動的に日本教職員組合加入を否定する、私はここに協議会の加入が強制的に行なわれたかどうかというととは次の問題として、日本教職員組合に加入することを否定することを前提としている会に加入させたということを問題にしている。それで大臣にお尋ねしますが、研究協議会に入りなさいということは、入ってはいかがですかということは、本人の自由意思であろうが、何であろうが、日本教職員組合の加入を阻却するということは認められますか。
#127
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 規約にそうあるかどうかは知りませんが、規約か何かにそうあるとすれば、そうしてそれを承知してその条件を満たして入れば、結果がそうなることは、これは物理的な必然であろうと思います。
#128
○豊瀬禎一君 そこでお尋ねしますが、研究協議会の加入の意思は、フランクな事態においては本人の自由意思です。しかしその会に入ってはいかがかと、雇用権を持っているものが辞令を交付する際に話すという行為も、全く完全な本人の自由意思の裁量が許されている、このように大臣は判断するのですか。たとえば、ある教育委員が日本社会党に所属しておって、やあ、君を今度採用することになった、御苦労だがしっかりやってくれ、ついては全く君の自由意思だけれども、この会に加入してはどうか、これはりっぱな会だがね、こういう形の、雇用権を持っている者が、相手の、率直にフランクに考えて意向打診――意向打診と私はあえて用語を使って見ますが、その場合でもなお本人の完全な自由意思が尊重されていると、大臣はこういう言い方をするのですか。
#129
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 加入するしないの判断が強制されない限り、別にその自由意思がゆがめられたとは考えられないように思いますが。
#130
○豊瀬禎一君 この問題でこれ以上議論を戦わせることをきょうは避けますが、前回からも言っておりますように、皮肉でも何でもなく、大臣は労働者と使用者、あるいは雇用する者と雇用される者との関係が、そういう形の中では完全に自由な意思が披瀝できないというのが、日本国憲法だけでなくて、団結権、団体行動権、争議権を生存権として認めた大きな根拠ですよ。そうすると大臣、雇用権を持っている者が雇用の際にそういうことを勧めても、なお完全に個人の自由意思が尊重され得るという見解を大臣が述べられることは、私から言わせると、現在の労働三権に対して認識は全くゼロのような気がするのですが、それに対して今度は二十八条と憲法九十八条ですか、この関係でお尋ねするのですが、前回からお尋ねしているように、日本教職員組合はもちろん、一般的に労働者の団結権は二十八条によって保障され、荒木文部大臣も、また私ども国会議員も、九十九条の明文によって勤労者の団結の権利は尊重、擁護する義務を持っています。そうすると、日本教職員組合だけでなくして、その他の職員団体、労働組合に加入しよう、あるいは加入している人々の団結権に対しては、大臣は尊重し、擁護する義務があると思うのです。このことはまだ否定されますか。
#131
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 憲法を尊重し、順守する責任は特に公務員に九十九が要望しておると思いますが、同時に二十八条に関連していえば、労働者みずからもこれを擁護する権利を持っておるという相互関係にあるのであって、御質問の点は、文部大臣がこれを擁護するということを特に具体的におっしゃいます意味がよくわかりませんけれども、憲法はこれはもう日本国民全体、ことに公務員は尊重、順守する責任があることは申し上げるまでもないことと思います。
#132
○豊瀬禎一君 前回、九十九条だったと思いますが、一応私は後段の方を読み上げたつもりですが、九十九条に特定して国務大臣、国会議員等をあげてある。それは憲法尊重、擁護の義務です。それは御存じでしょう。
#133
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 承知しております。
#134
○豊瀬禎一君 取り立てて言ったのはおかしい、一般国民の当然の義務だと答弁をしておりながら、国務大臣を特定しておる文章を知っておるということは前の答弁とおかしくないですか。あなた自身、多少のおかしさは感じませんか。
#135
○国務大臣(荒木萬壽夫君) あまり当然なことを特に御質問になったものですから長々と申し上げたのですけれども、端的に申し上げれば、言わずもがななことであると思っております。
#136
○豊瀬禎一君 言わずもがなとおっしゃるほどあなたは尊重、擁護しておるということと解して質問を続けます。そうすると、労働者がどうしなければならないかどうかについて私は大臣に聞いておりません。これは労働者側の、あるいは勤労者側の問題です。従って憲法前文はもとより、全体について一々質問していったんでは日なお暮れても尽きないでしょうから、二十八条ですか、勤労者の団結権だけを特定して質問しますが、二十八条といえども、九十九条の定めによって、大臣は団結の権利、団体交渉の権利、団体行動の権利、この諸権利について、言わずもがな尊重、擁護するととは当然であるし、大臣としては今後もそうしていきたい、こういう御見解でしょう。
#137
○国務大臣(荒木萬壽夫君) その通りであります。
#138
○豊瀬禎一君 そうすると、教育行政者の手によって、すでに登録しておる任意団体の日本教職員組合に加入を否定する団体に加入の要請があったということは、職員団体である日本教職員組合の団結の権利の擁護、尊重になりますか、それとも全く無関係ですか。
#139
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 研究団体に加入を勧めることそのことが別に悪いことでないと思います。また、その研究団体がどういう規約を作ろうと、これまた自由であろうと思います。そういう意味においては自由意思を現実に制約をして、加入を勧誘する等のことがあれば問題になり得るかと思いますが、今の現地報告によりますと、そうでなかったということでありますから、そこに特に憲法を持ち出して大へんなことだと考えねばならないほどの問題ではないかと心得ますが。
#140
○豊瀬禎一君 研究団体の自由の加入の問題、あるいは日教組脱退自由問題、これは大臣と私は少しも見解を異にしないと思うのです。これは大臣がわざわざ御答弁の必要のない問題です。私が言っておるのは、その研究団体が自主的に決定しておる内容に、先ほど憲法二十八条によってオーソライズされておるところの団結権を侵害される要素、すなわち脱退しなければ加入を認めないというこの事実が、教育行政権を持っておる人にわかっておりながら、雇用決定の辞令交付という段階において、これは大臣がおっしゃるように、強制されておればこれはここで取り上げるまでもない、もっと別の問題です、されておる事実があるのですけれども。入ってはどうですかというような全く軽い気持で言ったとしても、脱退を前提とするものに入ってはどうですか、本人が入りたいがいかがですかと聞いた場合ならば別、入ってはどうですかと、そういう席上でやるということも、大臣はこれは全く二十八条に擁護されておるところの団結の権利に対しては無関係である、関係あるか無関係であるか、それともまた教育行政権によってそのことが、二十八条が擁護、尊重されたと考えるか、されないと考えるか、この二つを簡単に答えてほしい。
#141
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 問題は、勧誘した人がその研究団体の規約なり、あるいは実際問題として御指摘のような脱退を絶対的な条件とすることを確実に知っておったかどうか、また、そのことを勧誘された人が知っておったかどうかということも一応問題ではございましょうが、先刻も申し上げましたように、加入しようと脱退しようと自由であり、それにまた教育に関する研究団体に入ることを勧誘することそれ自体は私は格別憲法との矛盾はないと思います。従いまして、具体的な事実、その場面、そのことごとくの真相をつかまえないことには、決定的な批判的な意見というものは出てこないのではないか、今承知しています資料に基づいて考えれば、そう不当なととが行なわれたとは私は考えません。
#142
○豊瀬禎一君 角度をかえて、日本教職員組合の組合員に対して、たとえば一般一中民、あるいはPTA、こういった全く教育行政権と関係のない人が、脱退した方がいいぞ、日教組は今、荒木大臣から革命団体じゃないか、政治団体じゃないかと言われておる、こんなのに入っておると出世せぬから脱退した方がいいぞ、こうした忠告、慫慂を受けた場合は、一般市民に限定しますが、憲法二十八条の団結の権利はその作用によって影響を受けた――影響というのは尊重、擁護という意味における憲法九十九条の定めに関する、限定してよろしいのですが、影響を受けたと考えられますか、受けないと考えられますか。
#143
○国務大臣(荒木萬壽夫君) それは事実の問題としてはいろいろ言えると思うのですが、憲法という立場に限って考えますならば、影響を受けようと受けまいと、その関係者の自由であるわけですから、憲法論議的には批評の外じゃなかろうかと思います。
#144
○豊瀬禎一君 影響を受けたと考えますか、受けないと考えますか。
#145
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 憲法上の論議としては受けたとも受けないとも、何とも言えないと思います。
#146
○豊瀬禎一君 荒木大臣は影響を受けたと考えますか、受けないと考えますか。
#147
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 今申し上げた通りに考えます。
#148
○豊瀬禎一君 大臣の見解はないということですか。
#149
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 私の見解は今申し上げた通りでございます。
#150
○豊瀬禎一君 団結の権利の侵害というのは多様の要素があると思いますが、一番大きな様式としては脱退の強要、要請、勧奨等であるということは認められますか。団結の権利の侵害の様式はいろいろあると思いますが、最も強い形は脱退せよ、脱退しなさいとか、脱退すべきであるということの強要とか、勧奨とか、これが最も大きいものであるというふうに考えられますかと、こう言うのです。
#151
○国務大臣(荒木萬壽夫君) そうだろうと思います。
#152
○豊瀬禎一君 次に質問を続行したいのですけれども、自然が私を呼んでおりますので、これで本日の質問は終わります。
#153
○矢嶋三義君 僕は二、三点伺っておきます。第二回目のさらに調査結果の報告を待ってあらためてやるわけですが、その前提としてきょう少し伺っておきたいことがあるのです。
 それは、宇和島の研修会の菊池講師が昭和三十六年一月十五日に研修会参加者へのあいさつ状を出された、これは確認できておりますか、どうですか。
#154
○政府委員(内藤誉三郎君) 確認しております。
#155
○矢嶋三義君 そうなりますと、文部大臣に伺いますが、先般私指摘いたしました「しかしもしも人々が思いあがって、みずから国の主権者の地位を獲得したかのように妄想し、天皇との関係が昨日までとは逆転したかのように考えるならばそれは笑うべきこっけいと」云々というのと、それから「最終的に皇国護持の御為御勇奮ひたすらお願い申し上げます。」と、こういうあいさつ状ですが、これは憲法と照らす場合、講習会の講師のあいさつ状としては不適格であり、講習会の主催者が県教委であるだけに、県教委としては、このあいさつ状を受け取った受講者に対して何らかの書面を出さるべきだと、この前私は伺ったわけです。そのときに、事実とするならば善処しなくちゃなるまいというのが文部大臣の答弁でした。確認されたようでありますから、講習会の主催者である愛媛県教委としては、このあいさつ状を受けた受講者に対して何らかのあいさつがあってしかるべきだと思うのですが、いかがですか。
#156
○国務大臣(荒木萬壽夫君) この講師は、先ほども申し上げましたように県下の県民から非常に敬愛されておる、また、教職員一般からも敬愛されておる教育界の元老でございます。りっぱな人であります。その講師が研修会で講義をされました内容からは、今の私信、内容を指摘されましたようなことが導き出されそうにないまともな講義であったと承知いたしております。
#157
○矢嶋三義君 私はこのあいさつ状を問題にしているのですから、時間がかかるからピントを合わせてお答え願います。
#158
○国務大臣(荒木萬壽夫君) そこでその講師が私信でそういうことを書かれたわけですから、教育委員会自体があいさつを出すということよりも、この講師自身の私信とみずから考えあわせていただいて、講師自身が講習のときに言われた趣旨と矛盾しない訂正なり何なりなさるということの方がより適切じゃなかろうかと今感じておるわけであります。
#159
○矢嶋三義君 百歩譲っても、その県教委が、このあいさつ状を受け取った受講者一人々々に何らかの書面を送るのがどうだというのならば、百歩譲っても、講師に採用した県教育委員会としては、との講師である菊池講師に対して、ああいうあいさつ状は不適正であるから、不適当であるから、穏当でないから、あなたがあいさつ状を送った諸君に対して訂正のあいさつを出してほしいという意思表示をする義務がありますよ、県教委は。最小限県教委はそういう義務がありますよ、講師に雇って、そうして講習していただいたのだから。そうして、その人が受講者にそういう書面を出したのだから、講師に対して県教委はそれだけの適切なる措置をとる私は義務があると思う。この点はいかがですか。
#160
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 今おっしゃったことを私は申したつもりでおります。
#161
○矢嶋三義君 次に、先般来、井村夫妻転任問題を私は伺ったわけですが、今調査中かと思いますけれども、お教え願いたいのは、ILOの本部から井村提訴に関して文部省に照会が参った内容を一つお教えいただきたい。どういう内容のものでございましたか。
#162
○政府委員(内藤誉三郎君) ILOの関係のものはまだ本部で係争中の事案でもございますので、この内容について申し上げることは差し控えたいと思います。
#163
○矢嶋三義君 その事柄が井村夫妻の転任の不当人事の大きな要因になっていると私は九〇%判断いたします。それで第一回の調査以来お調べいただいたわけですが、愛媛県教育委員会からは、この夫妻の転任について何らかあなた方に説明がきておるはずです。どういう説明がきておりますか、お答え願います。
#164
○政府委員(内藤誉三郎君) この前、矢嶋委員から、井村教諭に対し、校長が、組合を脱退して手柄を立ててほしいという勧誘があったと、この件について照会したわけでございます。これについては……。
#165
○矢嶋三義君 人事異動の点を言って下さい。
#166
○政府委員(内藤誉三郎君) そういう指摘されるような事実はないということでございまして、転任についてはお尋ねがなかったので、どういうふうになっているかという事情は聞きました。聞きましたけれども、転任の理由は別に報告に入っておりませんが、県下の人事異動の一端としてされたものと思うのでございます。
#167
○矢嶋三義君 いやおかしいよ。この前この問題が起こった場合に、その答弁でこういうことを言われたのでしょう。夫妻とも転任はしたけれども、通える範囲内で転任をさせる云々ということであったということを、どなたか事務官がそこで私語されていたのを私は聞いたわけです。そういう連絡はあったわけでしょう。どの事務官でもよろしいからお答えいただきます。
#168
○政府委員(内藤誉三郎君) この前、矢嶋委員から夫婦別居させるような人事は適当かどうかというような一般的なお話がありましたのに対して、大臣は、そういうやぼなことはするもんでないというお話が出たわけです。そこで、井村教諭がどういうふうになったのか、私どもも矢嶋委員が重大な関心があるというお尋ねでございましたので、この井村夫妻について転任があったのかどうかということを調べたわけでございます。その返事といたしまして、二人とも同居できる、同居可能な範囲である、こういうふうな報告を受けたのでありまして、県下おそらく千何百人かの、数千人の異動があったと思いますので、勤務年限の長い者とか、あるいはいろいろな県下の教育行政上必要な限度において異動が行なわれたと思うのであります。その異動の一環として井村教諭夫妻が取り上げられた、こういうふうに承知しておるのでございます。詳細に、何で転任さしたのだというような理由は私どもも聞いておりませんでした。
#169
○矢嶋三義君 時間がありませんから、きょうあとニ問だけ伺っておいて、後日またあらためて伺います。この井村夫妻の人事異動については、私は事前から関心を持っておりましたが、その結果は非常に重大なものを含んでおると思います。だから後日またこれをやります。御夫妻そろって城辺町に住んでおったのを、一人は深浦、一人は船越と非常にへんぴなところに二人とも動かされておる。これはILO提訴問題とは無関係だとは断じて考えられません。それだけに重大な内容を含んでおると思いますから、この点保留しておきます。
 質問したい二点のうちの一つは、この研究協議会が、実質的にその活動内容から第二組合的なものであるといろ点についての認識がつかれましたかどうですか、実質的にですよ。
#170
○政府委員(内藤誉三郎君) 私どもは実質的にこの研究協議会は研究団体である、第二組合ではないと、こういうふうに確認をしております。
#171
○矢嶋三義君 それじゃ念を押しておきますよ。この研究協議会が、その運用、活動内容から実質的に第二組合的なものだ、またそういうふうに組合員が、先生方が認識しておるというような事態が明白になれば、国から補助金を出しておるその補助金は当然回収されねばならぬと思うのですが、念のために承っておきます。
#172
○政府委員(内藤誉三郎君) 国からの補助金なり委託費は、あくまでもその教育研究の活動に対して助成をいたしておりますので、第二組合であろうと、第一組合であろうと、それが文部省の方針に合致した研究協議会をいたしておりますならば、これは取り消す理由は毛頭ないと思います。
#173
○矢嶋三義君 おかしいじゃないか。それは文部省の方針に合致した講習会なら補助金を出すが、それを批判するような研究会なり、研修会には補助金は出さぬ。そういうのは終戦以来文部省の方針じゃないですよ。日本の憲法、法律のワク内ならば自由なる雰囲気の中に講習会というものは行なわるべきものですよ。だから今のあなたの発言は、従来の文部省の方針と非常に食い違っておりますよ。これは昨年の参議院におけるあなたの答弁とも食い違っておりますよ。第二組合的な活動内容、性格である、また愛媛県の先生方がそういう皆さん認識を持っておるということが明白になれば、当然これは職員団体的な性格を持ってくるのであるから、研究団体を主に出しておる補助金というものを交付さるべきものではないですよ。文部大臣いかがですか、お答え願います。
#174
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 私どもがそれが組合であるかないかということを知り得るのは、登録しているかどうかということによってのみ判断できると思います。従って、今、政府委員からお答え申し上げましたように、内容のこと等にある程度くちばしを入れたと仮定いたしましても、研究団体としての補助目的に合致しておる限りにおいては、補助金を支給するのは当然だ、私はそう思います。
#175
○矢嶋三義君 この点は一番、本委員会の調査すべき重要なポイントであるということを委員長に申し上げ、今後十分解明下さるよう委員長に御要望申し上げておきます。
 最後にお伺いいたしたい点は、先ほど関連質問でありましたので途中で切れたわけですが、文部大臣、いかがでしょうね、竹葉委員長さんの愛媛県議会における答弁、さっき読み上げましたね。そして速記録もお見せしたわけですが、あの発言は教育委員長として適当でしょうかね。神道――神の道というものをたたえ、述べられているわけです、三位一体論からね。そして、形の上は主権在民となっているけれども、実質というものはそんなものではないのだ、主権在君なんだぞと、こういう思想をありありとあの答弁の中に出されているわけですね。教育委員長として県議会で答弁して、ああいう言葉を述べられたことは適切でしょうかね、どうでしょうかね。これは速記録をあなたにお見せしたわけですから、根拠は明白ですから、御判断つかれると思うのですが、お答え願います。
#176
○国務大臣(荒木萬壽夫君) およそ今日、公職にある者が憲法に真っ正面からぶつかっていくようなことを考え、かつ行なうはずがないと、一般的に私はそう思います。その上にこそ教育委員長にも県民が選び、任命されておると思うのですが、今拝見しました記録、なるほど用語はあまり感心した用語ではないと思います。ないと思いますが、だからといって、その個人が憲法の趣旨を逸脱し、もしくは反するような言動を常にやりつつある、そういうようなことではなかろう、私は少なくとも用語はあまり感心しない用語であるように思います。
#177
○矢嶋三義君 これで終わりますが、文部大臣、あまりこだわらなくともいいと思うのですよ、県議会の速記録なんですからね。そして用語が明確に出ているのだから、その用語がいかなる内容を意味するかということは、はっきり日本人ならお互いわかるわけですからね。うわさでも何でもないわけなんだから。いかなるそれは思想を持っておっても、あるいは自由でしょう、午前中からあったようにね。しかし、教育委員長という人が県議会で議員の質問に答える場合に、ああいう表現でああいう思想内容のことを答弁されるということは私は憲法上問題がある。かかるがゆえに、そういう人の手によって行なわれる愛媛県の教育行政にいろいろ偏向的なものが出てくると思うのです。憲法上からも、教育基本法上からも、教育の中立性という立場からも問題が起こってくると思う。それが一つの現象として具体的に現われたのが宇和島の研修会であり、西条におけるところの研修会であった。かかるがゆえに問題がここに提起されていると思いますね。少なくとも、あなただったら議会ではあんな答弁はなさらぬでしょう、いかがですか、お答え願います。
#178
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ああいろ用語を使った答弁はしないつもりでおります。
#179
○豊瀬禎一君 議事進行。速記をとめて下さい。
#180
○委員長(平林剛君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#181
○委員長(平林剛君) 速記をつけて。
 本件に関する調査は都合により本日はこの程度にとどめ、散会いたします。
   午後三時四十一分散会
   ――――・――――
ソース: 国立国会図書館
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