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1960/04/27 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 文教委員会 第23号
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1960/04/27 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 文教委員会 第23号

#1
第038回国会 文教委員会 第23号
昭和三十六年四月二十七日(木曜日)
   午前十一時四十四分開会
    ―――――――――――――
  委員の異動
本日委員平島敏夫君及び野上進君辞任
につき、その補欠として二見甚郷君及び
安部清美君を議長において指名した。
 出席者は左の通り。
    ―――――――――――――
   委員長     平林  剛君
   理 事
           北畠 教真君
           近藤 鶴代君
           野本 品吉君
           豊瀬 禎一君
   委 員
           安部 清美君
           井川 伊平君
           杉浦 武雄君
           高橋進太郎君
           千葉千代世君
           矢嶋 三義君
  国務大臣
   文 部 大 臣 荒木萬壽夫君
  政府委員
   経済企画庁総合
   計画局長    大來佐武郎君
   文部省初等中等
   教育局長    内藤誉三郎君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       工楽 英司君
  説明員
   文部省大学学術
   局大学課長   村山 松雄君
   労働省職業安定
   局職業訓練部長 有馬 元治君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○市町村立学校職員給与負担法の一部
 を改正する法律案(内閣提出、衆議
 院送付)
○国立工業教員養成所の設置等に関す
 る臨時措置法案(内閣提出、衆議院
 送付)
○参考人の出席要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(平林剛君) ただいまより文教委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動につき御報告いたします。
 本二十七日、平島敏夫君及び野上進君が委員を辞任され、その補欠として、二見甚郷君及び安部清美君がそれぞれ委員に選任されました。
 以上であります。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(平林剛君) 次に、委員長及び理事打合会の経過につき御報告いたします。
 開会前、理事会を開き協議いたしました結果、本日はまず、市町村立学校職員給与負担法の一部を改正する法律案を議題として調査を進め、次いで、国立工業教員養成所の設置等に関する臨時措置法案の審議を行ない、なお、その後、女子教育職員の産前産後の休暇中における学校教育の正常な実施の確保に関する法律の一部を改正する法律案及び学校図書館法の一部を改正する法律案の審議を行なうことに決定いたしました。また、国立工業教員養成所の設置等に関する臨時措置法案につき、参考人を招致する件及び愛媛県の教員の人事異動に関する件につき、証人または参考人を招致――意見を聴取する件につきましては、本日、適当な時期に理事会を開いて協議いたすことになりました。
 以上、理事会の決定通り本日の委員会を運営して参りたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(平林剛君) 御異議ないと認めます。さよう運営して参ります。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(平林剛君) 市町村立学校職員給与負担法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の通告がありますので、この際発言を許します。千葉千代世君。
#6
○千葉千代世君 実はこの前に人事院規則の資料を要請いたしましたんですが、今手に入りましたので、ちょっと調べておりますので、次の質疑者にかわっていただくようお願いしたいと思います。
#7
○矢嶋三義君 ただいま議題となっておりますこの市町村立学校職員給与負担法の一部を改正する法律案、これが市町村立の高等学校の定時制課程の授業を担任する教員に支給される初任給調整手当、これを各都道府県の負担とするという趣旨で、まことに適切なる法案だと思います。ただ問題は、初任給調整手当そのものと、この初任給調整手当をいかなる人に支給するかというのが、本法律案の審議すべき眼目と相なると思います。従って、その点にピントを合わせて、前回の委員会に引き続いて若干伺いたいと思うのです。
 それに入る前に、市町村立学校職員給与負担という立場から、前々回の委員会で文部省側が答弁された事柄と相反する事態が市町村に起こっているという点についてただしたいと思います。
 それは、四月一日から地方財政法が改正されて、父兄の負担の軽減をはかる、それで市町村立――公立学校に勤めている職員の人件費をPTA負担にしてはならない、公費負担に切りかえる、校舎の修繕費、これも公費負担でやらなければいけない、PTA負担に依存してはならないといった法の改正に基づいて、政府としては措置をした。具体的には修繕費関係で、施設費関係で三十一億円、人件費関係で八億円、合計三十九億円の処置をしたことによって、施設関係はともかくとして、現在公費負担でないPTA等の負担で雇われている職員、約一万三千人の公費負担への切りかえは可能だと、責任をもってそういう地方財政計画の策定をいたしたので、責任をもって助言と指導をして実施させ得る自信がある、これが従来の答弁であったのです。ところが私、若干の市町村にてこを入れて見たところが、まことに遺憾なことが起こっている。それは、たとえばPTA負担で雇われておったところの学校図書司、あるいは給食調理員に対してPTA負担ができなくなったからといって、首切りをやっている。それで学校図書司がいなくなったから、子供も不便だと、それで一般教科の先生が手助けしなければならぬという事態が起こっている。完全給食を実施するにあたっても、小学校九百、中学校七百五十まで三・五人ということが出たけれども、PTA負担の調理婦があったのが首切られたから不足になって、お母さんが手伝いにくるという事態が起こっている。これは私は地方財政法の改正の趣旨と全く逆ないことが起こっていると思う。こういう点について文部大臣はどういう見解を持って、どういう責任を持たれるのか、あなた方が虎の門の文部省でペーパー・プランをこしらえて、そして国会で責任ある答弁をしているのと、全く違った事態が市町村段階に起こっているという点については、文部大臣として私は何らかの責任があると思うのですね。それからまた何らかの是正措置というものを早急に打たれなきゃならぬと思う。首切りですね、それから昇給ストップ、その理由としては、法が改正されてPTAが負担することができなくなったんだからという、この理由でそういうことが行なわれているのですね。いかがでしょうか。
#8
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 制度としては改善されたことを疑いませんが、現場の実施面において、その制度の趣旨のはき違え、もしくは不徹底のために御指摘のようなことが起こっておるかと想像するのでございます。でございますから、自治省とも連携をとりまして、その趣旨の徹底をはかり、今御指摘のようなことが起こらないように極力措置をしたいと思います。
#9
○矢嶋三義君 私は具体的なものを伺いたいんですがね。市町村自治体は財政力に、都道府県の場合もそうですが、格差がありますよ、確かにね。だからこれを財政の調整をやるということは大事なことで、私は自治省の事務当局の見解は正しいと思うのです。しかし、曲がれる政治力が入って、この格差の調整、是正をやらない、実際に行なわれないという点は私非常に遺憾に思いますが、そういう事態が解決されないにしても、この格差があるにしても、こういう法の改正が行なわれ、ともかく文部省はデータをもって三十九億という交付税の積算をして、そうして法律はできて、そして地方財政の財源にしても、ことしの地方財政計画からいえば相当――相当というよりも大幅にふくれていますよ。それぞれ自治体に差があるにいたしましても、地方税の増収というものもあるわけですね。だから私は、それで地方自治体が苦労なく完全にやれるというような、そういう大蔵官僚みたいなことは言わないです。文部省と自治省のこれに対する対処が不十分だということを私は指摘しながらも、少し自治体の受け取り方も私は若干反省する必要があるんじゃないかと思うのですね。それは根本は、やはり文部省と自治省の統計上の数字に的確なる把握と、それから適正なる単価、補助単価等の設定、そういう点に誤りなきようにして、大蔵省との間に調整をして、適切なる数字を計上するということは大事だと思うのです。それを不十分だということは第一条件にあります。しかし、四月一日から法を改正せられたとたんに、当該者にしてみれば、自分たちは今まで身分も不安定であった、それから公費負担ではなく肩身も狭いし、低賃金であった。しかし、かりにこれがわずか六千円というような、こういう低賃金にしても、身分が安定して、公費負担に切りかえられる法の改正によって喜んだと思うのです。ところが、現実にこれを逆手を使って、PTA負担ができないことになったから、あなた方が働いている仕事は大切だけれども、おやめ下さい、そういうようなことは私は言語道断だと思うのです。一体、文部大臣は、中央の内閣段階においてどういうふうに善処されるのか。また文部大臣として持っている権限を行使して、具体的にどういう是正に対する行政措置を指導なされようとするのか、内容と期日とをあわせて具体的にお答え願いたいと思う。
#10
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 今お答え申し上げた通りのことをやりたいと思います。何と申しましても現実問題でございますし、ことにそれは地方自治体の権限下にありますことでございますから、自治省との連絡の上においてその具体的問題を把握しつつ、一たんそういうことになって参りましても、正しい道筋に返すということを目標に具体的な努力をしなければいけないかと思うわけでございまして、先刻申しましたような措置を講じたいと思います。
#11
○矢嶋三義君 具体的に伺いますが、財政法の改正があったからという理由で、昭和三十六年三月三十一日現在教育の場において働いておった職員を首切りするというようなことはあってはならない。そういう助言と指導の通達を一つとっていただきたい、当然だと思うのです。これいかがですか。
#12
○国務大臣(荒木萬壽夫君) PTA負担であったものが、負担の関係で、PTAの関係で首切られるのはこれは当然のことでありますが、それを実質上公共団体の貴任において首をつなぐという具体的措置が講ぜられない、努力がされていない、あるいは趣旨の不徹底ということに当面の原因はあろうかと思います。従って、繰り返し申し上げますように、現実問題としての理解を深め、具体的措置をさせるように指導する、こういうことであろうと思います。
#13
○矢嶋三義君 そこで私は具体的に伺っているわけです。あなたの方では気にされるかと思うのですが、文部省の出方次第では、市町村当局としては二百億何がしの税外負担をわれわれに負わせておいて、そうして五カ年計画で解消するのだ、そんななまぬるいことを文部省はいっておって、何をわれわれにいうかと反論するかもしれない。私はこの反論は憲法上からいって、文部省は甘んじて受けなければならないと思う。文部大臣の答弁においても二百二、三十億のPTAにおいて税外負担が行なわれているというのですからね。だからその反論はここから出てくるでしょう。しかし、この立法の趣旨からいって、四月から逆に首切が始まってきたということは、法改正の趣旨と、それから地方財政計画を立てるときの政府の基本方針からして、自治体はそういうことをならないようにしてほしいという意味の注意、勧告と助言、指導は具体的に私はなされるべきだと思うのです。場合によったら私は政治的にこの法案に反対いたしますよ。今のわが国の市町村と国との関係から高等学校の人件費負担というものは、筋からいったら例外的なものですよ。定時制教育の重要性と市町村の財政等の点を国会においても国においても特に顧慮して、そうしてこれを県費負担にしているわけです。特例的な扱い方をしているわけです。それで今度の初任給調整手当がつくようになったからといって、その面についても、県費負担という特例的な手当に準じてやろうというのでこの法案が出ているわけです。不十分ながらも、ともかくその筋だけはかように通してやってきているわけです。しかるに、一方では政府の不十分はともかく、さっきから言うように、第一段階にあるにしても、このための法の改正が行なわれた。本年度の地方の財政の運用が始まったとたんに、PTAで出せなくなったからといって、裏の話を使って、教育の場に必要な職員の首切りをやってくるというのでは私はどうしても納得できない。だれが、こんな法案はめんどうみるのはやめますよ。私はそういう点をやめさせる責任が文部大臣にあると思う。そこで数字をはじいて、どうしてもやっぱり二百億以上の税外負担が市町村にあることは、不可能だ、無理だ、これは出てくるでしょう、数字は。これは国の責任ですよ。憲法の義務教育の無償という点からの責任ですよ。それから池田内閣の公約不履行ということになるわけですよ。だからそれはそれなりに、また三十七年度の予算編成作業を始めるのだから、その段階で誠心誠意努力する。その点は私は市町村に対しても文部大臣は誓ってよろしい、誓うべきだと思う。しかし、当面火のついた問題としては、現に首切り等が始まって、言い渡された人がある。そういう点については、法の改正等からいって遺憾である、だからそういう点はやめてほしい、という意味の通達による行政指導を文部大臣にしていただきたい。私はする義務があると思う。その具体的な点についてお答えいただきたいと思います。初中局長、いかがですか。
#14
○政府委員(内藤誉三郎君) この法律が本年の四月一日から改正になったわけでございますので、先ほど大臣がお述べになりましたように、趣旨の徹底を欠いておった点もあろうかと思うのでございます。文部省としては、昨年来あらゆる機会に公聴会あるいは市町村の教育長、道府県の教育長また委員長会等におきましても、この点はずいぶん口のすっぱくなるほど説いて回ったのですが、現実にまだ徹底しないうらみがあったのではなかろうか。それから今御指摘になりましたように、この法律改正の趣旨を逆用したうらみもなきにしもあらずだと思います。まず第一に、自治体を調査してみたいと思う。その調査の結果によって、御指摘のような事態がありますれば、これは極力是正に努めたいと思います。
#15
○矢嶋三義君 重ねて私ははっきり御確認願っておきたいのですが、昭和三十六年三月三十一日現在、教育の場において、公費負担でなくて働いておられた方々、文部省の数字では約一万三千人というのですが、こういう方々の公費負担への切りかえは必ず行なえるように、行政指導するという点、文部大臣、御確認願います。
#16
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 今御指摘のような趣旨の通達はすでに出しております。今後もそういう趣旨で注目して参りたいと思います。
#17
○矢嶋三義君 内藤局長にこの点について最後に伺っておきますが、もし、具体的にある市町村にそういう具体的なことがあるということがはっきりいたしましたならば、そういう具体的な市町村を相手に文部省でもそれを特定して、都道府県教育委員会を通じて適切な助言と指導をしていただけますね。
#18
○政府委員(内藤誉三郎君) そうしたいと思います。
#19
○矢嶋三義君 では、この点はこの程度にして、次に、初任給調整手当が今度出るということになりましたので、少し私の疑問点を伺いたいと思います。
 夜間の定時制高等学校の校長ですね。この人は手当としてどういう手当をいただくことになりますか。手当全部ですよ。
#20
○政府委員(内藤誉三郎君) 手当は、校長管理職手当が現在までのところ七%であります。まあ本年一%の増額をいたしましたので、この人事院規則が出れば八%になるわけでありますが、現在のところは七%。定通手当が本来ならば七%でございますが、全日制の校長をいたしておりまして、定時制の方をかねている校長、こういう場合は一二%にいたしたわけでございます。
#21
○矢嶋三義君 事務当局の方、その数字間違っていませんか、一二%でいいですか。
#22
○政府委員(内藤誉三郎君) 一二%で間違いないと思います。本来ならば七%いって一四%になるところでございますが、一四%では他の者との均衡を考えまして、一二%に押えたわけでございます。
#23
○矢嶋三義君 今のあなたの答弁は管理職手当が七%として計算したわけですね。
#24
○政府委員(内藤誉三郎君) さようでございます。
#25
○矢嶋三義君 だから今度八%になれば、マキシマム一三%、かようになるわけでございますね。
#26
○政府委員(内藤誉三郎君) さようでございます。
#27
○矢嶋三義君 じゃあ、次に、たとえば昼間のみ、あるいは夜間のみの定時制、独立校ですね、こういう学校の学校長は手当はどうなりますか。
#28
○政府委員(内藤誉三郎君) 昼間のみの場合は、それは七%でございます。これは全日制の場合でございます。定時制の場合には、定時制の手当が七%、それから管理職手当が七%でございますから、都合一四%になるはずでございますが、これは本来校長の職務が管理職としての職務が中心でございますので、この場合には校長の管理職手当七%と、今の定時制手当の七%のうち、三%だけを対象にいたしましてたしか一〇%に制限したように記憶しております。
#29
○矢嶋三義君 そうすると、前の定通手当五を後者の場合は三と二下げてあるわけですね。それはどういう理由ですか。
#30
○政府委員(内藤誉三郎君) 全日制の高等学校で、それが定時制を兼務しているという場合には、全日制の本務のほかに、定時制を兼務しているわけです。その場合と、今度は本来定時制の夜間の学校の校長であって、定時制教育をする、これは当然のことなんです。そこで、その均衡を考えますと、片一方は全日制をして、夜間の定時制の校長をかねているという場合と、それから、本来定時制の学校で、校長をしているという場合には差等があってしかるべきである。その差等が二%が妥当かどうか、問題はあると思いますけれども、片一方は一二%、他方は一〇%、こうしたわけでございます。
#31
○矢嶋三義君 今まで伺った点について、ことしから校長が八%で、教頭が七%ということですから、今二つの場合をあげましたね。その二つの場合について、今校長のことを伺ったのですが、教頭の場合になったならば一%差があるというだけですか。
#32
○政府委員(内藤誉三郎君) さようでございます。
#33
○矢嶋三義君 そうなると、昭和三十六会計年度からは、学校長の場合は最高一三%から最低八%、教頭の場合は最高一二%から最低七%、こういうことになるわけですね。
#34
○政府委員(内藤誉三郎君) 校長の場合はお説の通りでございますけれども、教頭の場合は、実は定時制には定時制主事というものがございまして、その定時制主事が教頭の役割をいたしておりますので、この定時制主事には七%の定時制手当を出しておるわけでございますから、ちょっとそこのところは違うわけでございます。つまり校長並みのみ一〇%ににるわけでございます。
#35
○矢嶋三義君 昼夜間の定時制高等学校の教頭は一二%もらうことになりませんか。
#36
○政府委員(内藤誉三郎君) 昼夜間の学校で、お説のように教頭が両方を兼ねておれば理論的にはそうなるはずでございますけれども、現実の問題としては、教頭は全日制の方をやっておりまして、定時制には定時制主事という別の教頭に相当するものがあるのでございまして、これに管理職手当を支給いたしておりますから、昼間の教頭が夜間の定時制の教頭を兼ねておる人はそうないのでございます。
#37
○矢嶋三義君 いわば一二%はあり得ないわけだね。
#38
○政府委員(内藤誉三郎君) さようでございます。
#39
○矢嶋三義君 そうすると、産業教育振興手当は校長に支給される場合がありますか、ありませんか。
#40
○政府委員(内藤誉三郎君) これはないのです。
#41
○矢嶋三義君 そうすると、教頭に対してはありますか、ありませんか。
#42
○政府委員(内藤誉三郎君) 教頭も管理職でございますので、ないのが原則でございます。と申しますのは、産振手当は二十二時間の授業――実習を含んだ授業と付随業務が入るわけでございまして、そのうち十二時間――半数以上のものは実験実習と、こういうことになりますので、教頭職というのは管理職として非常に重要な職でございますので、産振手当の対象になる授業の分量を行なうことが困難ではなかろうかと思いますので、原則的にはない。しかし、例外的にあり得るとは思います。
#43
○矢嶋三義君 例外的にあった場合は、最高幾らになりますか。
#44
○政府委員(内藤誉三郎君) 例外的にそういうことが万一あるとすれば一四%になるわけでございます。
#45
○矢嶋三義君 次に、産業教育を行なっている学校、しかもその学校に定通教育が行なわれるという場合に、先生方はどういう手当をいただきますか。
#46
○政府委員(内藤誉三郎君) 定時制の産業教育の学校、こういうお尋ねのように思いますので、この場合に定時制通信教育手当で全部に七%の手当が出るわけでございます。それから、その中で産業教育の農、水、工の実験実習を伴う授業をしている先生、しかもその時間数が二十二時間以上をやっておる先生につきましては七%の産振手当が支給されるわけでございます。
#47
○矢嶋三義君 そうすると、最高七%より上ありませんか。
#48
○政府委員(内藤誉三郎君) その手当が平均になりますから最高一四%になるわけです。
#49
○矢嶋三義君 その学校の、たとえば物理とか英語とか数学の先生は手当何%ですか。
#50
○政府委員(内藤誉三郎君) 夜間や定時制の場合は全部最低七%になっているわけでございます。
#51
○矢嶋三義君 それじゃ、今度は昼間の普通科課程の産業教育を行なっている学校を聞きますが――いや、全日制の産業教育を行なっている学校ですね、そういう学校の産業教育関係に携わっている方だけが七%いただいて、他の教科、たとえば物理、化学、数学、それから英語、国語等、体育、保健はもちろんのこと、こういう先生方は一切手当がないと、こういうことですね。
#52
○政府委員(内藤誉三郎君) さようでございます。
#53
○矢嶋三義君 そうすると、初任給調整手当が出て参るというと、たとえばここで機械科の先生が初任する場合ですね、この人は手当をどういう種類のを合わせて幾らいただきますか。
#54
○政府委員(内藤誉三郎君) これは工業だけでございますが、工業の先生は産振手当は七%つくわけでございます。そのほかに初任給調整手当が三年を限って二千円、千四百円、七百円と漸減していくわけですが、三年間だけはそれだけこぶがつくような格好になるわけでございます。これはあくまでも工業教員に人材を確保するという趣旨のものでございます。
#55
○矢嶋三義君 それで具体的に伺いますが、卒業当時就職した場合の初年度の、まあ具体的には四月といいますかね、この四月にたとえば機械、電気と、そういう方面を専攻して工業高等学校の先生になった方の国立学校における初任給幾らになりますか、合わせて。
#56
○政府委員(内藤誉三郎君) まあこれ税金の関係等もありますから、ちょっと私も計算しにくいのですが、問題は一万二千八百円かける七%が手当になるわけでございます。そのほかに地域給がございまして二〇%から〇%までの地域給があるのです。それに初任給調整手当が卒業して第一年目なら二千円つくわけでございます。
#57
○矢嶋三義君 だから四月から二千円だな。
#58
○政府委員(内藤誉三郎君) さようでございます。初任給と申しますのは一万二千八百円ですから、あとは手当でございますからこの点は分けていただきたいと思います。
#59
○矢嶋三義君 暫定手当というのは教科に、担当の科目に限らず同じように出ますからね。これはまあ抜きにして、初任給の本俸と初任給調整手当と、暫定手当で約一万五千七百円ぐらいになるわけですね、計算してみると。一万五千七百円ばかり、そうなりますと、初任の物理の先生はそれより約三千円安くなりますね。どうですか。
#60
○政府委員(内藤誉三郎君) 一万二千八百円が本俸でございます。あとは暫定手当がプラスされるわけであります。
#61
○矢嶋三義君 では文部大臣に伺います。本年度ですね、工業高等学校に限定せず、普通科の高等学校もそうですが、全日制、定時制を問わず、高等学校の理数科の教員の充足状況はいかようでございましたか。どういう報告を受けておりますか。
#62
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 数字的にどうも弱くて具体的なことを記憶いたしませんが、大体所要の数は充足し得ていると記憶いたしております。
#63
○矢嶋三義君 内藤局長、どういう認識を持っておられますか。
#64
○政府委員(内藤誉三郎君) 多少他の教科に比べましては採用が困難でございますけれども、著しく困難という状況ではございません。
#65
○矢嶋三義君 ちょっとそれは認識を誤っているんじゃないですか。多少というんですかね。最近ある新聞に「足りない理数科教員、スカウトや追試験採用も」という記事が出ていましたので、私切り抜いて保存しておいたのですがね。これを見ますと、県名まであげて、ここに特殊的に書かれてありますが、東京都はさすが東京の名前のなせるわざかということで、わりにいい数字を出してあるのですが、他の県はひどいですね。この記事を見ると、栃木県なんか特にピックアップして書いてありますね。神奈川県も取材してあるのですが、第一次試験の受験者が少なくて、採用基準を低くしても必要数に足らなかった。異例の再試験をすでに行なっている。年令制限も撤廃していると、それでもなおかつだめだと、数県県名を特定して、書き出しとしては「足りない理数科教員、スカウトや追試験採用も」というので書いてあるのですがね。これはこの新聞社のアンテナを通じて編集したものだと思うから、そうそう間違ったものじゃないと思うのですが、あまり苦労しないで理数科の教員の充足ができたというこの文部省の判断は間違っているんじゃないですか。
#66
○政府委員(内藤誉三郎君) 過去三カ年間の平均で、人事院は調査したわけでございます。過去三カ年間の平均を見ますと、遺憾ながら数学が四・四倍、理科が八・六倍の供給になっておるのでございます。ですから一がいに今非常に不足しているとはいえませんが、特に本年は矢嶋委員御指摘のように、だいぶ困っているような状況は聞いておるわけでございます。ですから来年以降になりますと供給困難という事情が起きてくるかもしれませんし、またこの初任給調整手当の問題も考慮される課題かとも思うのでございますが、本年はこの対象には入らなかった、こういうことでございます。
#67
○矢嶋三義君 だから私はこの間から調査の仕方が間違っているんじゃないか、ないかといったのですがね。統計というものは調査の仕方次第によってどんなものでも出てくるのですよ。大体過去三カ年の統計をやったとは何事ですか。どういうわけでそんなのを文部省黙っているのですか。日本の経済の伸張状況と、それに伴う人材の需要供給というものは、これは相関関係によって急激に動いているのですよ。昭和三十六年度の時点で給与政策上問題があるかもしらぬ初任給調整手当というものが必要だという結論に達したのに、これはすべて過去三年の統計をとるというセンスは全くなってないですね。普通統計とる場合は、それは一年じゃだめで、三年とか五年とりますけれども、しかし、その動きを見てとらなければ、あなた、日本の経済の成長率を見てごらんなさい、あるいは日本の鉱工業生産のこの数の動きを見てごらんなさい。三年前と過去一年とはどういう変化を来たしているか、これは密接な関係がありますよ、あなた、過去一年から一年半ですよ、飛躍的に日本の鉱工業本生産の指数が上がってきたり、人材不足が非常に告げられてきたのは。大体の見通しが立ちながらも具体的な数字が出てきたのはそうですよ。それで昨年の人事院勧告にこれが出てきた、調整手当というものが。そうなると、現在どういう職種、あるいは教職員の場合にはどういう学科目の需要供給関係がいかようになっているかというのは、一番信頼すべき数字は過去一年ですよ、一番信頼すべき数字は。これは恒久的な制度じゃないのですから、初任給調整手当というのはやめようと思えば、いつでもやめられる、調整がつくわけなんです。その一つのバネとして用いられている。だから使うならば過去一年のものを使わなければだめです。何のために現在と非常に情勢の違う過去三年間まで統計をとるのか、これ、文部省黙っているのはおかしいんだな、私は。きのう滝本さんとやるとき、過去三年というのは、私は聞き落としたのか気づかなかったかもしれないけれども、どうもおかしいなと思っておったのですが、今初めて過去三年というのを聞いた。この点に対する荒木文部大臣の見解を聞いておきたい。
 それから先ほど出ていますように、物理、数学の先生が一緒に大学を卒業して、この法案でいえば、市立高等工業学校、そこに就職した場合に、初任給でその初月の所得、給与で約三千円の差があるのですよ、これは大きいですよ。成人の給与の三千円といえば、そう大したウェートでないですけれどもね、日本の公務員の方々の初任給というのは非常に安い、その安い中の三千円ですからね、約あなた一万五千円の給与所得の三千円といったら二割ですからね、これは大きいですよ。しかもそれが機械とか、土木とかを研修したというのと、物理、化学を研修した、数学を研修したというだけで違うのですよ、これは問題がないですかね、文部大臣これは法律事項でないですからね、是正しょうと思えばすぐ是正できますよ。法律事項でないから、国会の審議を待つことなく是正できますよ。これは是正されるべきだと思います。じゃなぜそんなものが出てきたかということは、過去三カ年間の統計をとったということに誤りがありますよ。そんな統計を、数字をとって、それを金科玉条として仰いでいるからそんな誤りを犯してくるわけです。実際の需要供給関係は、先ほど言いましたように、私切り抜いて取っといたものがあるが、この新聞記事は精巧なものですよ。これは精巧なもんです。通信も動員してやったものに違いないんですからね。これはぜひ一つ検討して是正を早急にしていただきたい。立法事項でないからやろうと思えばすぐできますから。文部大臣のお答えをいただきます。
#68
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 大体、初任給調整手当なるものが、給与制度として見ればおかしなものだと私も思います。ただ、これは何と申しますか、科学技術の世界的な急速なテンポによる発展に即応し切れない悩みがこういうこととなって現われているやむを得ざる臨時便法として初めて理解できるかと思うのであります。この調整手当の考え方が出ましたのは、御案内の通り人材を入手できないということに主眼を置いて幾らかでも入手できやすい方法としてとられておりますために、御指摘のようなことが具体的に起こってくるものと思うのであります。この制度を考えますときには、どういう統計に基づいて理数科の先生は当面はその必要がないと判断したのか、私もつまびらかに存じませんけれども、御指摘の通り、現実に入手困難なことが理数科の先生についても現に起こっておる。現に起こっておるとすれば、今後の生徒急増を控えまして、ますます他の要件が変わらない限りは窮迫していくと想像されるわけでありまして、御指摘のごとく、今後に対して遺憾なきを期する意味で検討いたしたいと思います。
#69
○矢嶋三義君 その制度がもしスタートすれば、これは公平の原則でいかなければならぬと思います。科学技術の振興という大臣も言葉を使われておりますが、科学技術の振興という場合に、物理とか、数学とか、あるいは化学とか――これはケミストリーですが、それから中学校段階における理科、こういうものを抜いての科学技術とか科学技術の振興ということはあり得ないと思いますね。これを一線を引くということに非常に私は無理といいますか、納得しかねるものがあると思いますがね。初中局長、御見解はいかがでしょうか。
#70
○政府委員(内藤誉三郎君) 初任給調整手当は二つの要件があるわけであります。一つは、科学技術についての深い専門知識を要する、こういう観点からいきますと、お話のように理数科教員対象になり得るわけでございます。第二の要件として採用困難、著しく採用困難という尺度もあるわけであります。この尺度から申しますと、当面非常に採用困難なものは工業の先生でございまして、理数科関係の教員は過去三カ年間と申しまして、これは人事院の滝本給与局長もこの席で申し上げたはずでございますが、三十五年度の高等学校理数科教員の採用状況を調べてみましても、まだ採用困難という数字が出ていないのでございます。そこで今後採用困難という数字が、明確に出ますれば、これは当然対象直なるものと心得ておるわけでございます。
#71
○矢嶋三義君 困難でないかどうか。たとえば栃木県とか、神奈川県、あるいは福島、和歌山、秋田、香川、富山、こういう県、いつか機会があったら聞いてごらんなさい。とにかく適格者を確保できぬでお困りになっておられるようです。当然だと思うのですよ。私らの直感から言っても困難だと思うのですね。それでこの点は大臣の善処を特に要望しておきます。
 それからもう一つは、工業高等学校だけに限定したというのはどういうわけですかね。普通科高等学校の職業課程というものは重要なんじゃないの。私はアメリカに行ったときに、アメリカの普通科の高等学校の授業を見ましたが、いつかも申しましたけれども、普通科の高等学校で工場みたいなものを持っているところがありますね。これは私は一つの世界の趨勢だと思うのですよ。だから最近教科課程の改訂にもそういう趣旨が出ておりますね。中学校の教科課程の中にも出てきているでしょう。高等学校の終了年限三年が短いとか長いとか論がありますが、その三年で工業高等学校の成果を上げるためには、中学校におけるところの技術教育ですね、職業教育、これの充実ということが前提として要求されているわけです。今度の教科課程の改訂なんかで相当これは盛り込まれているわけですね。しかもその基礎が非常に大事だといわれているわけですね。そういうときに、工業高等学校に限定して初任給調整手当を考えて、普通科の高等学校、それから中学校、そういう方面には考えないというのは、私はあまりにも片手落ちじゃないかと思うのですがね。この点について文部大臣はどういう御見解を持っておられるか。
#72
○国務大臣(荒木萬壽夫君) まあ実質的な見地に立てばお説はごもっともだと思います。ただ当面、調整手当の問題を考えますときには、先ほど政府委員から申し上げましたような、当面の現実の必要性に主眼を置いて考えておるものですから、勢い工業高等学校を対象に考えたわけでございます。今後の検討に待ちたいと思います。
#73
○矢嶋三義君 私はあともう一点ありますが、ちょっと角度が違うからあとにします。
#74
○千葉千代世君 去る三月三十一日に人事院から出されました初任給調整手当に対する規制でございますが、これを先ほどいただいて調べてみましたところが、やはり先般の審議のときに申し上げましたように、科学技術の部門十三ございますが、その中にやはり問題になるのが随時あるのでございます。これを見て参りますというと、表の一番終わりの方に医学と歯学がございます。ところが、薬学がついてないのです。やはり技術部門の中で薬学科卒業生の果たす役割というものは非常に多いわけなんです。現にそういう方々が実際の場合にまあ教育に携わっている。同じような条件のもとにいるわけなんですが、なぜこの薬学科の卒業生を抜いたわけでしょうか。
#75
○政府委員(内藤誉三郎君) これは私の方から答えるのはどうかと思いますが、むしろ人事院にお尋ねになった方が適当かと思いますけれども、先ほど来申し上げましたように、公務員として採用困難の度合いを見たわけでございます。過去三年間に供給が少なくて、需要が多い。その率を九〇%というところにおいたということを、先日、給与局長が申しましたので、その線にはまってこない、こういうわけで、薬学関係が落ちておるものと心得ております。
 それから、大へん恐縮でありますがちょっとここで、先ほど矢嶋委員の産振手当と定通手当併給の場合に、私考え違いしておりましたので、ちょっと訂正さしていただきたいと思うのですが、産振手当七%、定通手当七%でございますが、これが併給になる場合には産振手当三%、定通手当七%、合わせて一〇%に制限をしてありますので、この点を御訂正をいただきたいと思います。
#76
○千葉千代世君 そうしますというと、九〇%に満たない、さっき述べられた一般科学の問題、数学の問題等と同じ意味で省いたと、こういうわけですか。ただ単に九〇%に満たないという理由だけで省いたと、こういうわけですか。
#77
○政府委員(内藤誉三郎君) 採用困難という度合が違う、こういう趣旨だろうと思います。
#78
○千葉千代世君 そうしますと、薬学科についての採用困難性は大体何パーセントぐらいなんでしょうか。相当九〇%に近いのではないかと、これは私の想像でございますけれども、いかがでございましょうか。
#79
○政府委員(内藤誉三郎君) これは人事院が規定いたしましたので、その公務員に希望する者がどの程度充足されておるかという点につきましては、ここに資料を持ち合わしておりませんので、後刻、人事院に伺ってから御回答いたしたいと思います。
#80
○千葉千代世君 先般、人事院では、この内容については、文部省と連絡し合ってきめたということをおっしゃいましたね。お話し合いできめたと、こうおっしゃったのです。そうすれば、全然関知しないというわけではございませんですね。
#81
○政府委員(内藤誉三郎君) これは採用者側の意向でございますが、文部省と相談いたしましたのは、高等学校――大学もございますが、文部省側の求人要求は主として高等学校の工業教員が中心でございます。もちろん、そのほかに大学に残る教授、助手等もございますが、こういう関係で意見を聞かれたわけでございます。ですから公務員全体として充足状況がどうかという問題になるわけでございます。当面、工業学校については非常に充足が悪いということで、工業高等学校については規定をしていただいたわけですが、大学の助手その他他の公務員の需要もございますので、関係各省の意見は人事院も十分聞かれ、また人事院もそれに基づいて調査されたものと心得るわけでございます。
#82
○千葉千代世君 これは人事院に伺うべきだろうと思いますが、文部省と連絡し合ったという言葉がございましたので、お尋ねいたしますが、備考の方に、「この表の下欄に掲げる学科には、これと名称を異にするもので人事院がこれに準ずると認めるものを含む。」ということがございます。そうすると、この十三部門の下に学科がずっとこう載っておりますが、名称を異にするもので、これに準ずるものというのは大体どんなものがございますか、私、不勉強で承知しておりませんので伺いますが。
#83
○政府委員(内藤誉三郎君) これは私もよく存じませんけれども、大学の学科、学部を作る場合に、機械科あるいは電気というような一般的なものは大体共通しておりますが、最近いろいろ科学技術が進歩いたしますし、また、従来の名称では包含できないようなものが相当多いわけでございます、計測とか、電子関係でも。そこで、この名称にぴたりはまらないものでも、これに類似するものがたくさんある。そこで、この名称以外に類似したものを含むという規定がございまして、この中に掲げられたものに相当する内容の学科については、当然適用になる、こういう趣旨でございまして、このほかにこれに類似した名称がどのくらいあるかにつきましては、もう一ぺんよく、ここに資料がございませんので、資料を御必要なら調査いたしまして御報告いたしたいと思います。
#84
○千葉千代世君 大臣にお尋ねいたしますけれども、先ほどから、需要を満たす率が少ないものについて早急にこれをしたとおっしゃっていますが、やはり基本的に考えていきますと、基礎学科がしっかりした上に立てられた技術教育でないというと、これは非常にもろいものではないかと、こういうふうに考えまして、この範囲を拡げていく、たとえば一般科学についても、基礎学科の数学についても、順次広げていくいとう方向に行くお考えはございませんでしょうか、当面これをしたというわけですからね。
#85
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 科学技術教育が、基礎学科のいわば基礎工事がしっかりしていないといかぬというお考えは私も同感でございます。もちろんその必要性の生じます限り、その調整手当の考え方は徐々に広げていくのが当然だと思います。ただ問題は、先ほど来申し上げておりますように、現実に、その必要性が出てきたものについて考えるというようなことに重点が置かれておりますために、抽象的には御指摘の通りと思いますけれども、その必要性が相当顕著になってきませんと実現困難であろうかとは思います。ものの考え方としては私も同感でございます。
#86
○千葉千代世君 それから先般お尋ねした中で、あとで考えてもどうしてもふに落ちないことがございます。それは工業の臨時教員養成所、それは三年で終わる。そうすると、終わって大学に行きたければ行かれる道がある、こういう説明があったわけです、よく考えてみますと、大学四年卒、それから三年で出たもの、三年で教員になりますが、これはこれだけの特別のものじゃないですか。これがすぐ大学に行きたければ行けるというような性質のものではなくて、教員として、特別なものとして仕上がるのじゃないでしょうか、どうでしょうか、その点は。
#87
○政府委員(内藤誉三郎君) これは三年間で工業教員に必要な教育内容を履修するわけであります。ただ四年制の大学と比べますれば、若干そこに差等がつくと思います。その不足は四年制大学で取ることと可能である、こういう趣旨であって、三年の臨時教員養成所は、それ自体としては一つの完成教育になっているわけであります。
#88
○千葉千代世君 そうしますというと、あと一年大学へ行かれることになりますと、この単位と取り方、その他についても、大学との連絡科目なんかはどういうふうになっているのでございましょうか。
#89
○政府委員(内藤誉三郎君) 三年間に増縮して、でき得るだけ四年と同程度の実力をつけるのが臨時教員養成所の目的でございます。従って、多少周辺のところで関連の薄いところは省いていると思います。ですから省いているものは、この四年制の大学へ行って残りのものを履修するということが可能になるわけであります。
#90
○矢嶋三義君 ちょっと関連して。ただいま重要な質疑が行なわれていると思うのですね。これはいずれあとで臨時教員養成所法案の本格的な質疑になって論じますけれども、何か内藤局長は、臨時教員養成所の三年を卒業した人は、圧縮してやったが、ちょっと足らないのを補うために、大学の四年に続いて行けるような前提のもとに答弁をしておりますが、そういうようにきまっておるのですか。大臣、そんなことができますか。臨時教員養成所、これは学校教育法に基づく第一条の学校でもないですよ。それから各種学校でもないですよ。あとでただしてみたいと思うのですが、そういうところで三年間やったからといって、三年だからあと一年やればいいというので、学校教育法に基づく大学令によって設置された四年へ続くなんという、そんなことは可能ですか。一体そういうことを考えているのですか、考えているのだとすれば、あとで本論になってやりますが、今の質疑に対して内藤局長は、そういうことが可能のような前提に立って答弁をしているので、はっきり文部大臣しておいてもらいたい。――できませんよ、そんなこと。
#91
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 臨時教員養成所は、それ自体、工業教員の養成ということで一応完結する制度でございます。ただし、高等学校からこの養成所に入りまして三年間の教育を受けますことは、実質上は大学教育に準ずるものを教えるわけでございますから、もしそれぞれの学生生徒が、養成所に入ったけれども、自分の一身上の都合によって途中で工業教員になりたくないということも、これを押えるわけにはむろんいきませんし、さらに四年制の大学に入りたいという者があった場合には、そういう道を開いておくことも、まあ付随的なことではありますが、必要であろう、そういう考え方に立っております。
#92
○矢嶋三義君 その大臣の答弁は重大で、これはもう私は意見言いませんが、これは重大ですからね。大学教育の秩序を破壊するものですよ。これは大学側の意見を十分私は聞いてみなきゃならぬと思いますね。これは非常に重要な発言だと思います。
#93
○政府委員(内藤誉三郎君) 現在でも実は、たとえば外国の大学に学んでおる者をどういうふうに認定するかという問題があるわけなんです。で、この臨時教員養成所を出た者をどの程度に認定するかという認定の問題があるわけでございまして、その大学が認定いたしまして必要な教科を履修させるということは、これは可能である、こう申し上げたわけでございます。
#94
○千葉千代世君 今、矢嶋委員が指摘したように、私もまあ内容的にもその問題があるし、それからもう一つは待遇の面についても、やはり就職者が足りないと、こういうだけにとらわれて、当面を糊塗するための待遇方法ですね。この前申し上げましたように、大学を卒業してすぐ勤めて高等工業学校の先生になったと、そうするとさっき言われたように、一万二千八百円の初任給、それにまあ手当がついていく、片方では、三年を卒業していって、同じように二千円のあれがついていく、育英資金も大学と同じような待遇でもって免除していく、また大学への道がずっと開かれる、まあこれは試験するのか無試験なのかそのこともよく存じませんけれども、どちらにしてもこれは非常に他の学科と不均衡になるのじゃないかと、これが非常に心配になるわけなんです。それから重ねてお尋ねしますけれども、学校運営の立場、教員個々の間の問題等々で、これは相当問題を起こすと思いますけれども、大臣はこの点について心配ないというお考えなんでしょうか。
#95
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 教職員個人相互間の感情と申しますか、そういう気持の上でのある程度のちぐはぐはないとは申し得ないと思います。ですけれども、当面こういう、いわば次善の策でしかないことは当然のことでございますが、次善の策すらも立ててやるんでなければ、高等学校における教育にブランクが生ずる。教職員の入手が現実に不可能なためにブランクが生ずることは、教育を受ける側の児童生徒にとってこれより不幸はないわけでございますから、何とかして一年でも早く、しかし実質は極力落とさないようにという考慮のもとに、臨時、便法的にこの養成所を考えておる次第でございますので、ある程度のちぐはぐはがまんしていただきたい、理解していただきたい、そういう気持で貫いておるわけでございます。
#96
○委員長(平林剛君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#97
○委員長(平林剛君) 速記をつけて。
#98
○千葉千代世君 大臣にお尋ねいたしますが、この前の法律案の提案の理由説明の中を見ましたんですが、そこにないことがあるわけです。たとえば第一条中の死亡一時金を削るとなっておりますけれども、この中には何ら削る理由というのが明らかにされていないこととそれから、配付されました参照条文を見て参りますというと、国家公務員等の退職手当法の附則がついているわけですが、それには死亡賜金となっています。そうすると、この地方における実態ということが明らかでないんです。そういう点の御説明と、死亡一時金を削ったということの理由、具体的に説明いただきたいと思います。
#99
○国務大臣(荒木萬壽夫君) これは純然たる事務的なことでございまして、この法案の実体には関係のないことだと了解しております。本来ならば、一時金の制度が改まりましたときに削除すべかりしものが整理漏れで今日まできているということのようでありまして、ことさらに提案理由の説明に意識的に落としているわけではございません。今申し上げるようなきわめて事務的な事柄でございましたから、特にうたわなかったと御理解いただきたいと思います。なお、申し上げました事務的なことにつきまして、さらに政府委員からお答え申し上げます。
#100
○千葉千代世君 今、大臣は、この法律には具体的に関係がないと言われるが、この法律の中に、第一条に死亡一時金を削るということがあるわけです。関係がないならここに載る必要がないでしょう。法案の中に削るということがあるから聞いているわけです。よその法律じゃない。
#101
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 関係がないと申し上げたのは少し言葉が足りませんが、実質的に関係がないということを申し上げたのであります。法律のもとにはその言葉があるわけでございますから、それを削らなければ、体制が整わないという意味において、むろん関係はございますけれども、実質的に関係がないということを申し上げたわけであります。なお政府委員から補足して申し上げます。
#102
○千葉千代世君 大臣は非常に軽い気持で、事務的なもので、関係がないと言われるが、削るからにはそれ相当の理由があって、この法律から削るということなんでしょう。であるからには、これはやはりこの法律の実質的なものでしょう。法律というものは一字一句実質的に大事なものと解釈しているわけです。ですから、ここにうたわなかったということは、それは理由があるでしょうけれども、実質的に云々でなく、やはりこの法律の改正をしていくには、死亡一時金を削った。これにはうたわなかったけれども、実は事務的にこれこれでこうなるからというなら話はわかりますわけですが、そうおろそかにされてはちょっと困るのです。これは私の考え方でありますから、強制する意思はございません。
#103
○政府委員(内藤誉三郎君) 実は昭和二十八年八月に国家公務員等の退職手当臨時措置法が制定されまして、その際に死亡賜金が退職手当の中に含まれて計算されましたので、その二十八年当時に、これはその法律の附則か何かで改正しておけばよかったのに、整理漏れになっておりましたので、実は今回、ついでがございましたので、この機会にこれを削って明確にした。この規定を削ることによって実質的には影響がないということは、今、大臣が申し上げた通りでございます。
#104
○千葉千代世君 それでわかりました。私は理由がわからなかったわけです。ですからやはり親切に答えていただきたいということと、それから国家公務員の退職規定ですね。これは地方公務員に準ずるということでございますが、実質的には各県によって違うわけです。東京とか、大阪とか、方々によって、死亡賜金をその中に繰り入れられたということになると、そのことはわかりますけれども、県々によって違うのです。ですから明らかにされていないということを私は指摘したのは、たとえば東京で私どもがやめます場合にいただく退職金というものと、地方の県でいただくものと、これは大体三分の二とそれから三分の一ぐらいの開きがあるわけなんです。東京なら東京独自の、都労連なら都労連で約束された、その中でやめる場合には何割増し云々というのは地方財政によってきまります。ですから、こういうことが明らかになっていないものですから、その点を地方公務員がそのまま準用していくという、こういう建前でこの法律も変わったと、こういうわけですね。それならわかりました。
#105
○政府委員(内藤誉三郎君) さようでございます。
#106
○千葉千代世君 最後に要望でございますが、やはりこれは教員個々の問題、学校運営の問題、もっと根本的には初任給をそのままにしておいて、それで当面を糊塗するための初任給調整は、これはやはり早急に排除して抜本的に初任給を引き上げていく、特に工業先進国、それから各国の工業五カ年計画とか、そういうのを見ていきますというと、やはりこの初任給の開きというものは少なくして、そして勤めた方が安心して結婚して家庭を持って、そして仕事に携わっていくという、こういう裏づけがされているわけなんで、これは一万二千八百円、これで暮していけないですね。率直にいって。ですから、そういうような意味で初任給の引き上げということを早急にまあ対処していただきたい、こういう要望を付しまして質問を終わります。
#107
○委員長(平林剛君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#108
○委員長(平林剛君) 速記をつけて。
#109
○矢嶋三義君 先ほどの質疑に続いて、ちょっと角度を違えてもう一項目聞きたいことがあるのですが、初任給調整手当ですね。これは実習助手につきますか、つきませんか。
#110
○政府委員(内藤誉三郎君) 実習助手にはつきません。これは大学を卒業して工業実習員等になる教員を対象にしたわけでございます。深く専門の科学技術に対する知識を要するという点が重点でございますので、実習助手は対象にいたしておりません。
#111
○矢嶋三義君 しっかり十分一つ注意してお答えを願いたいのですがね。ここで問題の焦点にいきますがね、実習助手に対する産振手当支給の制限を撤廃すべきである、助手全部に産振手当を出すべきです。それを撤廃しないとえらいことが起こってくる。私それをあとで聞きますがね。大臣に伺いますが、工業高等学校の助手ですね、この一部に対して産振手当が出ているんですよ。全部には出されていないのです。そのためにいろいろ問題が起こっておりますが、この職業教育をなしている学校では、助手というのは必須条件なんですね。工業高等学校の先生になる人が少ない、というのは、研究の施設が不十分ということもありますが、手足がないというのを一番いやがるんですよ。民間研究所に行きますと施設も十分ですが、研究の手助けをして手足になる人がいるわけなんです。ところが工業高等学校に行きますと、もう準備から仕事の跡片づけまで自分でやらんならぬ、子供の指導もせにゃならぬというので、最もいやがられるわけなんですね。だから助手の確保というのは欠くべからざるものなんですが、その助手に産振手当が一部しか支給されていないで、全部に支給されていない。今度、初任給調整手当もつかないとなれば、最小限産振手当を全助手に渡すように改めなきゃ、後ほど私指摘しますが、問題が起こって参ります。この点については大臣いかがでしょうか。
#112
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ちょっと的確にお答えいたしかねますので、政府委員からお答えをすることをお許しいただきます。
#113
○政府委員(内藤誉三郎君) お尋ねの趣旨はよくわかるのでございますが、現在産振手当の適用を受けている者は、実験実習を伴う教科でございまして、それに必要な実習助手も一応対象になっているわけでございます。実習助手は普通高等学校を卒業した人が大部分でございます。中には中学校卒業の者もございます。中学校卒業後直ちに実習助手になるという者は、少なくとも高等学校の年限までは三年かかるわけでございます。そこで、この政令できめておりますが、大体短大を出た程度の実習助手なら、これはすぐさまつくわけでございます。高等学校しか出ていない実習助手については、三年間だけ実習助手をやっていただいて、それからつける、実習助手の適格性をみた上で。三年経験を積みますれば、大体短大卒と同じ程度になるだろう、こういうところから、ですからこれは以前は六年ぐらいたったと思いますが、最近三十五年度の改正で、実はこれをちょっと緩和したわけでございます。
#114
○矢嶋三義君 この助手の問題はあとで臨時教員養成所のときにもまた伺いますけれども、ここでその一部をどうしても伺っておかなくちゃいけないようなわけなんですが、今の内藤局長の答弁は適当でないですね、たとえ中学校を卒業しただけでも、その後勉強してりっぱにやっている助手がいるわけなんですよ。それで今度の免許法で、助手が教員になるべき道を開こうとする改正案が提出されているようですが、非常に適切な案だと思っているのです、運用が問題になりますけれども。問題になるのは、今でもこの助手の諸君は給与は低い、身分は将来に対して望みがない。しかし腕に自信を持っているのですよ、彼らは。大学を四年ぐらいやってきた若い先生なんか、失礼ながら眼中に入れていないという助手諸君がおります。こういう諸君はどんどん民間にスカウトされるわけなんですね。今度は助手の、たとえば高等学校を卒業して二年なり三年なりたっている、そういう人は産振手当も初任給手当もないわけですよ、大学の新卒の人が来て産振手当ないし初任給手当をもらってきた場合、これは使い切れぬですよ、そういう事態は必ず起こりますよ、そんなものじゃないですよ、現場に行ったら。それは学生の実地指導するのだから、助手諸君というものは相当勉強されて、実力を持っておりますから、大学で理論をやったって一つの旋盤だって動かせない、機械の操作なんかできない、修理なんかもできない。すべては、彼らは腕を持っているわけですから。年令は大体似通ったもので、一方は初任給調整手当はもらうは、産振手当も支給を受ける。ところが自分らは産振手当もくれないとなると、これは問題が起こるでしょう。たとえば私は二、三かって視察して来たことがあるのですがね、農業高等学校あたりだって、学校を卒業して一、二番という生徒というような人を助手に残すわけです。大体七千円ぐらいで残っております。そうして農業学校は動物や植物があるわけですね。だから宿直して、今一泊三十円です。あの助手諸君が泊って生物や動物を飼う。愛知なんか調べてごらんなさい、愛知県なんかはっきり三十円、助手の手当が。こういう状況で、助手の処遇というものは産業教育、さらに日本の科学教育の大きな支障になっていると思うのですね。だから今の答弁では初任給調整手当は二等級以上であって、三等級適用者の助手には支給しないんだということですが、これは大学になれば、またあとで聞きますけれども、これは別になってくると思うのです。しかし、せめてここで初任給調整手当と産振手当の関係で、助手への産振手当のワクはさらに拡大すべきだ、今中学校を卒業してすぐ就職したからといって、それまではいかなくても、少なくとも官等学校を卒業して――高等学校は工業でも農業でも優秀なのでなければ助手に残さないですよ、ほしいのは優秀なのをほしいんですから、そういう人が助手になったなら産振手当の七%は出すべきですよ。予算額からいってもわずかなものですよ。優秀なのでなければ助手には残さないわけですから、だから初任給調整手当が出せないならば、そういう制度が始まった以上は、産振手当を出す、これはぜひともそういうふうにやっていただきたい。これは私は筋の通った話だと思うのですが、文部大臣お答え願います。
#115
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 確かに筋が通ったお話と承ります。研究さしていただきます。
#116
○矢嶋三義君 ただいま速記録に残りましたが、あなたが七月改造でやめると困るが、内藤局長異議ないですね、お答え願います。
#117
○政府委員(内藤誉三郎君) 実は三十五年度に、矢嶋委員の趣旨を体して改正したばかりでございますので、ただいま大臣のお答えもございますから、さらに十分検討さしていただきたいと思います。
#118
○矢嶋三義君 もう十分間ほど伺いますが、この助手の今の給与の問題で、助手の数が足りないということが問題になっているが、大臣、例の定数法案はどうなったのですか。あれは助手の増員ということが一つの大きな目標であったわけですが、これどうなっておりますか、お答え願います。
#119
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ぜひ今国会に提案して御審議をお願いしたいと思って、目下盛んに検討いたしておるところであります。
#120
○矢嶋三義君 内藤局長に伺いますが、今、助手のことを聞いておるわけですが、助手がスカウトされている。それでこの定員確保状況はいかようだとあなた認識を持たれているんですか。そういう認識が正しかったならば、私は初任給調整手当を出すはずだと思うのですがね。初任給調整手当でも除外してあるわけなんですね、助手の適格者を確保するくらい困難している問題はないわけです。どんどん民間にスカウトされているから、だから初任給調整手当を採用困難という条項に従って支給するならば第一番ですよ。それに相当の技術の腕がなければいけないわけですからね。だから当然私は初任給調整手当を支給すべきだと思う。私はつけていないのを見ると、この定員の確保状況とか、民間からスカウトされている実情について的確なる把握をされていないのじゃないかと思いますが、どういう把握をされておりますか。
#121
○政府委員(内藤誉三郎君) 実習助手が必要なことは御指摘の通りでございます。ただ、今私どもが伺っておりますのは、実習助手をもう少しふやしてほしい定員の問題が一つ。それから先ほど来御指摘になったように、実習助手の中で非常にすぐれた先生がおって、初めて教壇に立つ先生よりも実力があるというお話を承りましたが、まさしくそういう適格者が相当数おるように思うのでございます。この点につきましては、先般来御審議を願っております免許法の改正によって、その人たちに教員になる道を与えていく、そうして待遇を二等級になるように配慮したい。ただ、現実に初任給調整手当を出すかというお話になりますと、初任給調整手当というものは、深く科学技術に関する専門的知識を要するということから大学卒を対象にしておりますので、大学卒という実習助手は現在のところほとんどまれであるというのが実情でございます。ただ、今実習助手が非常にスカウトされているというようなお話がございましたが、この点はまだ私ども十分に承知しておりませんので、さらに調査をさしていただきたいと思うのでございます。
#122
○矢嶋三義君 さらに調査するということですから、私は法案審議に支障を来たすと気の毒ですから、それをまあ一応譲って、分離して、今国会中に、おそらく六月上旬くらいまでになると思うのですが、今国会中に各都道府県における助手の定員確保状況ですね、それから採用の困難度と言いますかいスカウトされている実情と申しますか、そういうものが大体わかるような調査を、都道府県教育委員会を通じてなして、資料として本国会が閉会する以前に、本委員会に提示していただきたい、よろしゅうございましょうか。
#123
○政府委員(内藤誉三郎君) 御趣旨に沿いたいと思います。
#124
○矢嶋三義君 もう一問。いずれ免許法を審議する場合にやりますが、結論的に一つだけ聞いておきますが、高等学校を卒業した生徒は臨免を与えられる資格があるわけですがね、高等学校を卒業して助手になった諸君には全員、助手になったときに臨免をまず与えるべきだ。これは助手を確保する一つの方法です。大体資格があるわけなんだから、出しおしみしないで、高等学校を卒業して助手になった者には全部臨免を与える、こうすべきだと思うのですが、いかがでしょうか。
#125
○政府委員(内藤誉三郎君) それは私、臨免の乱用じゃないかと思うのです。臨免というものは、教員が足りなくて、やむを得ず教員に使うという場合の制度でございまして、今おっしゃったように、高等学校を出た実習助手には全部が教員として適格者でもないと思うのでございます。ですから臨免をやる以上は、あくまでも先ほど申しましたように、教員が採用できないという実態があって、やむを得ず発行する制度でございますから、それを原則論とすることは、これは例外を原則に置きかえるようなものなので、この点はどうも御趣旨に沿いかねるように思うのでございます。
#126
○矢嶋三義君 それは私とあなたの研究課題としておきましょう。
 最後に大臣に伺っておきますが、先ほどから初任給手当の問題が出て参りましたので、これに関連ある産業教育手当、あるいは定通手当、管理職手当、これらを全日制あるいは定時制の高等学校、あるいは普通科の学校、あるいは職業課程の学校、昼と夜とを分離し、あるいはこれを組み合わせ、支給状況を承ると、最も詳しい俊敏な内藤局長にしろ、やはり速記録を訂正せねばならぬほど複雑多岐なんです。とても文部大臣これをよく答弁するところではないんですよ、こういう内容なんですからね。それで、しかも初任給調整手当を、いかなる俸給表の、いかなる等級の、いかなる学科を持っている者に支給するかという点になりますと、非常に問題点があることは指摘した通りです。あなた方も苦しい答弁をしているのです。これは全く給与政策として弥縫策ですよ。火事どろ的なものですよ。これは根本的に検討せざるを得ない実情になっていると思うのですね。初任給は低い、それをごまかすというのが一つ。だから初任給を適正化するという大きな一つの問題があると同時に、教育職の俸給体系そのものを適正に、公正に、不公平のないように再検討せにゃならぬということは、私は文部大臣はおわかりになったと思うのですがね。私はこの初任給調整手当を本法律案の立法趣旨に基づいて、都道府県負担のそのこと自体は、冒頭に申し上げたように非常にけっこうなことです。しかし初任給調整手当そのものに問題があるという角度から、先・ほど来若干伺ったことがあったわけですが、その最終的な私の所見に対して、文部大臣はどういう御所見を持たれ、今後いかように善処されることをお約束いただけるか、お答えいただきたいと思います。
#127
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 研究さしていただきます。
#128
○矢嶋三義君 どういうふうに研究するのですか、方途を示して下さい。
#129
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 給与体系それ自体が別個に、一つの問題、重要な課題だとは思います。調整手当その他の臨時的な、応急的な給与、それをさらに合理化し、簡素化することができるかいなかという意味において研究さしていただきます。
#130
○委員長(平林剛君) 他に御質問のおありの方はございませんか。――他に御発言もなければ、これにて質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#131
○委員長(平林剛君) 御異議ないものと認めます。よって、質疑は終局いたしました。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#132
○委員長(平林剛君) 速記をつけて。
 これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
#133
○千葉千代世君 私は、日本社会党を代表して、市町村立学校職員給与負担法の一部を改正する法律案に賛成の意を表します。
 この審議の過程の中で、最も問題になったことは、当面を糊塗することにあまりに急であって、初任給引き上げをなおざりにしていることでございます。また、適用範囲についても十分なる考慮を要すべきこと、さらに、手当の不均衡から学校運営にも禍根を残すのではないかという不安が大いにあります。政府においては、近い将来においてこれらの点を改めるよう、強く要望して賛成いたします。
 なお、本法案に対して、次の付帯決議をつけたいと思います。案文を朗読いたします。
  市町村立学校職員給与負担法の一部を改正する法律案附帯決議(案)
 市町村立高等学校の定時制課程における教員に対する初任給調整手当については、その他の諸手当等と関連し、給与体系本来のあり方等から諸種の問題もあるので、早急に検討さるべきである。
 以上であります。
#134
○委員長(平林剛君) 他に御意見もなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#135
○委員長(平林剛君) 御異議ないものと認めます。よって討論は終局いたしました。
 これより採決に入ります。市町村立学校職員給与負担法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#136
○委員長(平林剛君) 全会一致であります。よって本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 次に、討論中に述べられました千葉千代世君提出の付帯決議案を議題といたします。千葉君提出の付帯決議案を本委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#137
○委員長(平林剛君) 全会一致と認めます。よって千葉君提出の付帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 本決議に対しまして、政府側の所見を聴取いたします。
#138
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ただいまの御決議の趣旨ごもっともに存じます。御趣旨に従って検討さしていただきます。
#139
○委員長(平林剛君) なお、本院規則による諸般の手続につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#140
○委員長(平林剛君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
 午後は三時より委員会を再開いたすこととし、暫時休憩いたします。
   午後一時二十六分休憩
     ―――――・―――――
   午後三時四十二分開会
#141
○委員長(平林剛君) ただいまより文教委員会を再開いたします。
 この際、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国立工業教員養成所の設置等に関する臨時措置法案の審査並びに愛媛県の教育行政に関する調査のため、参考人から意見を聴取してはいかがかと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#142
○委員長(平林剛君) 御異議ないと認めます。
 参考人の人選及びその他の手続につきましては、委員長及び理事に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#143
○委員長(平林剛君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
    ―――――――――――――
#144
○委員長(平林剛君) それでは、国立工業教員養成所の設置等に関する臨時措置法案を議題といたします。
 質疑の通告がありますので発言を許します。矢嶋三義君。
#145
○矢嶋三義君 文部省並びに経済企画庁あるいは科学技術庁の担当者でおわかりならお答え願いたいのですが、それは昭和三十年から三十五年にわたる間に、各年次別ですが、技術導入で海外へロイヤリティーとして支払われた外貨はどのくらいか、おわかりだったら大略でもお答え願いたいと思います。それでは、これは資料として要求いたします。委員長から、しかるべき省庁にプリントして本委員会に提出するように要請いたします。昭和三十年から三十五年まで、年度別で外国の技術導入で海外へロイヤリティーとして支払われた外貨の総額を三十年から三十五年にわたって年次別に出していただきたい。
 で、経済企画庁の質問を次にいたします。
 先般、本委員会で質疑した際に、高級技術者並びに中級技術者の充足計画に対する文部省の提出資料についての御所見を承ったわけですが、検討の結果、経済企画庁としてはどういう結論になったか、お答えいただきたいと思います。
#146
○政府委員(大來佐武郎君) 先般、矢嶋先生から御質問の件につきまして文部省とも相談いたしましたが、この工業高校の卒業者定員の増加につきましては、やはり文部省で従来行ないました職場における学歴調査、これをもとにいたしまして、それと現状をもとにいたしまして将来の経済規模の拡大と見合って新規の需要を出す。なお、職場における工業高校出の人たちの需要がだんだん高まっておりますので、それは文部省の二回の調査をもとにいたしまして、その傾向線からこういう工業高校出の比率の増加を想定いたしまして、そういうものをもとにして、将来の需要を算定いたしたわけでございます。もちろん大学の場合と同様に減耗分の補充ということも含めておるわけでございますが、ただこの前御質問のございました大学程度の方が不足すれば、そちらから押し出されるといいますか、引き抜かれるといいますか、という形になりはしないかという点でございますが、この点は確かにそういう面も一部はあると考えられるわけでございますが、主としてやはり理科、工科以外の分野から、法文系統、医学系統、その他農学系統等からの転用と申しますか、そういう方の人が穴を埋めるような部分が相当大きいだろうという考え方。それから十年後にはこの新規の需要と大学程度の理科、工科卒業の供給がマッチする計画になっておるわけでございますので、今の不足が過渡的にまあ起こってくる。まあその間、従来もいろいろそういう他の専門からの転用等によって埋められていっておりますが、この現在立てられております計画で大体充足されると、必ずしも完全な状態とは申せないかと思いますが、そういうふうに判断いたしておるわけでございます。
#147
○矢嶋三義君 あなたの答弁はね、一向要領を得ないですね。もう少し経済企画庁だったら目のつんだ答弁をしていただきたいと思うのですがね。たとえばこの工業高等学校で昭和三十九年で一万五人余りですよ。この計画でいけば昭和四十二年で二万四千六十六人というものが余る計画なんですよ。そうなりますと、文科系統で充足しておるといっても、ある程度充足しておっても、今度は工業高等学校が卒業してくればそれは押し出されてくるわけですよ、ね。これは大学の場合でも同じです。大学卒業程度の技術者がこの昭和三十七年の時点に一万五千四百三十六人足りない。三十八年の時点をとると一万三千二百八十八人足りない。これをかりに文科系統で充足しておるというようなことにしても、あるいは中級技術者で充足しておるとしても、大学卒業程度の技術者が必要となれば、それで充足すればそのときははみ出される。充足するときはどうしても中級技術者から吸い上げざるを得ないわけですよ。だから十七万人の不足と四十四万人の不足を別個にはじけば、高級技術者七万人が充足して十万人不足となれば、その十万の大部分は中級技術者から吸い上げざるを得ないのですよ、大学卒業程度の理工系技術者が必要だったたら。ところが、四十四万人はそれと個別に出ておりますから、だから四十四万人の中に十万人が含まれると答弁したその答弁はきめが荒いですよ。そんな答弁はあり得ないと思う。ところが、内藤さんはずるいから、大來さんが都合のいい答弁をしたので便乗してすぐ含まれると答弁されました。ところが、その前の委員会では、文部大臣は十万人を中級技術者から充足すれば四十四万人の不足数字は変わると答弁している。時と人によってまちまちなことを答弁しておるんですね。どんな協議をしてきめこまかな計画を立てたのかわからない。だから大臣と大來さんにはっきりと伺いますが、七万人充足して、約十万人が不足するので、これをかりに中級技術者なり、あるいは初めから文科系統出身者から吸い上げるとしても、その養成計画はないのであります。かりに文科系統出から十万人を充足しても、少なくとも半数以上の数字は四十四万の不足数字に影響を及ぼすということは予想されているわけでしょう。大臣と大來局長の答弁を伺います。大臣、お答えを願いたい。
#148
○国務大臣(荒木萬壽夫君) この間も話が出ましたように、三十六年を第一年としまして、大学卒業程度の科学技術者を養成するといたしまして、当面四年間は何としても現在いる人の再教育によって、職場内の訓練等によって不満足ながら充足せざるを得ないわけでございます。そのことを主張しておるわけでございますが、そうして養成計画がだんだんと具体的に効果を発揮することになりまして、最終的に約十万――九万七千か八千くらい不足する、マイナスを累積すればそういうことになりますが、現実問題としてはその大半は再訓練によってどうやら充足しておる。従ってそれを一応認めるとすれば、純粋には四、五万の不足を補なえばよろしいわけでございまして、従って正確に四十四万対十万の関係を数字的に申し上げかねますけれども、現実問題としてはそういう関係に立とうかと思います。従って四十四万人の中級技能者を養成することは、それ自体として割り切って考えていいのじゃなかろうか、こういう考え方に立っておるわけでございます。
#149
○政府委員(大來佐武郎君) ただいま文部大臣から御答弁のありましたような点で、実はこの工業高等学校の方からどのくらい行くかということの正確な見積もりが非常に困難でございます。使用可能な統計を基礎にして将来をはじくといたしますと、数字的にやや不正確な形になるわけでございますが、一応工業高校と大学出を切り離して需要を計算する、こういうやり方で、それほど大きな技術上の支障にはならないのじゃないかというふうに考えたわけでございます。
#150
○矢嶋三義君 御本人はわかってお答えになっているのだと思うのだけれども、十七万人の高級技術者が不足だ、それを充足するという計画を立てるときに、その十万人の半分より少ない七万人だけの計画を立てて、その過半数以上の十万人が不足するという計画を立てて、その十万人は企業内の教育とか、大学は出ていないが中級の技術者を再訓練して充足しよう、そういう計画というものが一体あるものでしょうかね。充足するのが一部に便宜な措置をするというのなら計画はあると思いますが、しかし、計画の過半数がそういう便宜的な措置になっている計画というものはないと思うのです。そこで経済企画庁の山下さんがこの間ここに出席されて、十万人は全部理工系で、しかもこれは高度の教育を必要とするので、大学卒程度のものを目途としているのだと、あなた方の山下参事官はここで答弁しているのですよ。その点が一つと、しからば、その十万を便宜的に文化系統とか何とか再教育して充足するというのだが、それはだれが、どの省が責任者となって、どこがどういう予算の裏づけを持って、どういう計画でやられるのですか。お答えをいただきたい。
#151
○国務大臣(荒木萬壽夫君) まず第一に、計画が十七万人不足であるのに対して、七万二千見当しか養成できない計画は計画自体がおかしいじゃないかという御指摘はその通りだと思います。もちろん数字を合わせるだけで計画しますれば、十年間に大学卒程度の高級技術者が過不足なしということを数字を整えることは容易でございましょうが、また予算を惜しみなくそれにつぎ込むということも一応考え方としては言い得ると思うのでございますが、肝心の大学卒業程度の高級技術者を養成するための教授陣が充足せられるという具体的の裏づけがございませんので、その可能な範囲において良心的にやるとすれば、残念ながらこんな計画でしかあり得ない。その前提に立っておる計画でございまして、計画の形からいけば御指摘の通りなってないと思うのですけれども、それ以上の計画はやろうにもできないということに原因があるわけでございます。このことは毎度申し上げますように、科学技術の進歩発展のテンポが早過ぎるために、その面からくる人材養成の要求度が強く、かつ、すみやかであり過ぎますために、その要求に応じ得ない。こういうこともあろうかという考え方に立って数年来大学教授の卵を養成することもできておれば可能でございますが、そのことが遺憾ながらできていない現実に立って考えますると、計画としては格好のつかないことにならざるを得なかった。こういうことでございます。
 さらにまた、十七万人の過半数が不足である。それを現実には職場教育で充足するということを申し上げるわけですが、それは政府としてどの省が担当してどうするということは申し上げかねると思います。はなはだ不見識のことのようですけれども、すでに終戦以来今日まで、特に今問題になっているような高級技術者、中級技術者の計画的養成をしなかった。しなかったにもかかわらず、実際はずいぶんたくさんのものが必要であったろうと思いますが、そのことが現実には曲がりなりにもまかなわれてきた。しかもその成果は戦前に比べて生産力は二倍、三倍にも達したと指摘されるという成果を上げ得ておる。その実力と申しましょうか、現実の必要に応じて曲がりなりに人材教育を各産業体の内部でやってきた、その実力と努力に期待する。期待することそのことはむずかしい問題じゃなかろうと、まあ推察するわけで、そういう意味合いで現におる人々の再教育によって、当面、少なくとも四年間は曲がりなりにも充足するほかに具体的な方法がないという建前に立って、御説明を申し上げておるわけであります。
#152
○矢嶋三義君 大臣、あなたに私敬服する点もあるんですけれども、これらの答弁というのは全く私は科学性を欠除していると思うのです。失礼ながら一支離滅裂だと私は思う。日本の経済がいかに伸びてきたから、その実力から、できることを期待している。お言葉はけっこうですけれども、もう少し内容を盛って下さいよ。たとえば衆議院の速記録等を見ますと、盛んにあなた、繰り返し繰り返し質問者にこういう答弁をしていますね、臨時教員養成は三年だが、その実力において四年の大学にまさるとも劣らない実力ある人間を養成し得ることを確信している、こういう言葉を何回も繰り返しているんですね。こういうことは言葉としては認められていることでしょうが、文部大臣としてそういうことを発言してよろしいのでしょうか。三年だけれども四年制の大学より実力においてまさるとも劣らざる実力をつける、実力のついた科学者を、技術者を養成し得る、それを期待している、この言葉は一度じゃなくて何べんとなく出てる。私はそういう言葉というのは合理的なものじゃなくて、科学精神によって裏づけされたものじゃないと思うのですね。これは一市井の人の言葉ならけっこうですけれども、日本の教育文化学術の最高責任者として、私はそういうお考えでは国家的要請に沿うことはできない、目的を達することはできないと、私はかように思うわけですがね。その言葉から出てくるものとして、この法案の中に、またお答えの中に、科学的に納得させ得るものがないわけですよ。どうお考えになられますか。
#153
○国務大臣(荒木萬壽夫君) そういう御批判はあり得ると思います。ですけれども、物の生産と違いまして、人間の育成でございますから、本人が、その気持で、たとえば国立工業教員養成所に入って将来卒業したらば工業高校の先生たらんと欲して、そういう看板を掲げた養成施設の中に入ってくるという人と、そうでなくて、学問のうんのうをきわめて卒業して、就職の問題とは具体的なつながりなしに大学に入って四年間を終えた人と、その意気込みにおいて、私は人間それ自体の問題でございますから、一種の使命感の厚薄によってずいぶん結果は違ってくるであろう。また教える先生も、現実問題としてどうしても工業高校の先生が足りないんだから、それを充足しないことには高校教育に欠陥を生じる、だから何としてもいい先生を養成しょうという意気込みを持って教授して下さるといなとでは、現実には私は違いがあると思います。そういうことに期待することの非科学性を指摘されますが、御批評としてはあり得ると思います。私もそういうことを思わないではむろんございませんが、ほかに実際問題として有効過切な、それにかわる方法が考えられない。一年でも早く、一人でも多くを提供することが、これこそ国家的にも、あるいは学生生徒の求めに応ずるためにも必要だということであります限り、そのことに期待するということは私は無責任な放言とは思いません。それと同じ趣旨におきまして、当面少なくとも今後四年間は年々一万数千名が足りないであろうという大学卒業程度の科学技術者の養成が、欠陥があることは、現実でございますから、それをいかにけしからぬといっても、穴埋めする方法は物理的に不可能だということに直面して考えます場合、やはりそれが必要である限りは、それぞれそれを必要とする各職場において次善の策、三善の策でもいたしかたないから、現職教育的なことをやって穴埋めをしていく。それを通じて所得倍増の方向に、経済の発展のための国民的要請にこたえるという努力をする。その努力に期待するということは、実際問題としても相当の成果を上げ得る、また上げさせねばならない課題だ、こういう気持で申し上げているのでありまして、そのことが数学的にあるいは科学的に実証される体の厳密なことでないことは万々承知いたしますけれども、他に方法がないならば幾らか不合理かもしれませんけれども、そういう方向をたどりつつ最善の努力を傾けるということは、責任ある当局の一人としましてもやらざるを得ないことである、かように考えるわけであります。
#154
○矢嶋三義君 ますます若干討論になるけれども、私は反論せざるを得ないですね。やはりさっき使命感という言葉を使われましたが、衆議院の速記録にも、何回もこの使命感という言葉が出ているわけです。それは限度がありますよ。それは後ほど施設設備あるいは教官組織の面から具体的に私はお伺いしたいと思うのですけれども、使命感の自覚によって目的が達せられるなんていっても、それは限度がありますよ。それから科学の進歩のテンポに追いついていけない云々といいますけれども、テンポに追いついていこうとしないわけですよ。それから物理的に不可能といいますけれども、不可能じゃないです。可能な一つの方法は、当初は三十六年度において二千七百九十人の増を見込んだ。その後若干私学の方で修正されて、三千二百三十人になっています。これをさらに私学で可能な範囲にふやす。それから三十七年度の増員は三千三百五十人にしています。これなんか過少です。一万六千人を目標としているのですから、第二年度に三千三百五十人というのは過少です。日本の今の経済力の伸びからいって、たとえば税の自然増収等から考えても、世界の進運状況はこうなっている。この国家的要請となれば、このテンポに追いつかせようとすれば、三十七年度の三千三百五十人、三十八年度の三千百五十人というのは、動かすことは決して不可能ではない。また科学技術振興関係の予算についても、三十三年度を一〇〇として各指数を現わしてみますと、一般会計の歳出総額は約一七三ぐらいになっているのに、この科学時代だというのに、科学技術振興関係は一五五という指数にとどまっている。一般会計歳出の伸びよりも下の伸びにとどまっているわけです。こういう予算の性格を変えるということによって、十分今の科学技術の進歩のテンポに追いついていけますよ。追いついていこうとしないところに問題がある。その一つが手っとり早いところ、池田、荒木意見の相違となって現われているわけで、そういう点を数字的に処理すれば、物理的に処理すれば、百パーセント可能でなくても、もう少し近づけることができるわけです。ところが、その点の努力が足りないで、盛んに使命感という点にたよったり、三年制においても実質においては四年制にまさるとも劣らないものをやり得る、やるのだ、それは教官諸君の使命感と学生諸君の自覚に待つのだ。これじゃ、私は科学行政といえないと思うのです。大臣、この点、若干反省されて、予算面において対処される必要があると思うのですがね。この点、いかがですか。
#155
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ただいまの御指摘の点は、まさしくそうだと思います。元来十七万人足りない。それをどういうふうに充足するかは、先刻も申し上げました通り、予算の規模におきましても、三十六年度を一応念頭に置きまして、それに類似のと申しますか、それを基本に年々似たような予算獲得のテンポで一応いく。ただし、可能と思われる限り、当初年度に多くを養成するという考え方で一応の案画を持っておるわけでございます。さっきも申し上げました通り、それは一面におきましては、養成するための教授陣の整備ということに現実問題としての制約がある。国公私立を通じまして、教授、助教授、講師、助手の末に至るまで、スカウトされるという現実、スカウトされたあとがなかなか穴埋めが困難だという実情も念頭に置きながら、可能な限りの教授グループの整備を考慮におきまして、予算規模等も考えあわせまして、年次割を一応推定しておるわけでございます。その結果が十万近い赤が出るということになるわけでございます。そもそもこういう案画をしました当初から、御指摘の通り、一応の計画は、推定はそうだけれども、年々歳々現実問題として、国の予算に関係する限りは、あらゆる努力をしてこの赤字を、大学を卒業したという資格を持った人で埋める努力をやるべきだ。努力は、現実問題と一応の推定とは必ずしも一致いたしませんので、むしろ案画よりは上回る努力を積み重ねることによりて、実際問題としては十万近い赤字を埋めていく。そしてさっき申し上げました現場における再教育によって埋める数を比較的少なくして、大学を卒業した者によって十分置きかえ得るような成果を上げなければならぬ。そういうことは案画当初から考えられておったことでございまして、そういう点については、その後も関係省庁の間では打ち合わせをいたしながら、今申した線で極力充足したいと考え続けておる問題であります。従いまして、こういう計画そのものが年々の予算的な努力をしないから赤字が出ているのだという御指摘は、形の上ではその通りでございますが、実際はこの赤をうんと少なくするという努力目標が裏に隠されておるんだというふうに御理解いただきたいと思うわけであります。
#156
○矢嶋三義君 大來政府委員がお急ぎのようですから先にお伺いしますが、この高級技術者の養成計画と中級技術者の養成計画、これは同じ省庁で作った計画とは思えないわけです。組み方が違いますからね。どちらがベターだと御判断されましたか。この前から宿題にしておったわけですが。
#157
○政府委員(大來佐武郎君) これは、私どもも年度割の計算につきましては、主として文部省の方にお願いいたしまして、十年後の需要推計を、主として経済規模に応じてはじいたわけでございますので、この年度の割り方についてそれほど詳しく論議したわけではございません。文部省の教育担当の立場から、需要のほかに供給の方の事情を考えなければいけないという、先ほど文部大臣のお話のありますような、教員なり、その他の充足という点を考えていかなければならないという事情も無理はない点だろうと考えるわけでございます。どちらの方がいいということは、特に今考えておらないのです。
#158
○矢嶋三義君 まことに失礼だけれども、あなたは、経済企画庁の総合計画局長ともあろう人が、ほんとうにたよりないですね、と大きい声を出したくなるのだね。例の勧告における高級技術者と中級技術者の供給獲得数というものは、同じスタンダードで出しているのですよ。それを充足するのに対して具体的な計画を立てたのですよ。これは同じ省庁で作った計画とは考えられないのですよ。おわかりにならなければ申し上げましょう。たとえば高級技術者ならば、四十三年においてなお二千二百十一人足りないのですよ。四十四年において八百三十四人、四十五年において四百十九人不足する、高級技術者が。ところが、中級技術者の場合は、四十三年において三万七千二百六人余るのですよ。四十四年において四千七百五十九人余るのですよ。四十五年において四万三千七百七十三人余るという計画を立ててある。全く違うじゃないですか、立て方が、充足計画は。この計画を立てる必要の生じたもとになるのは同じなんですよ、両方。だからこれはあなた、同じ省庁で立てた計画とは思えない。そうなると、所得倍増計画をお宅で立てたのだから、その所得倍増計画をやるのはその人なんですよ。その人を供給しようというわけですよ。そうすると、所得倍増を達成するにあたっては、どちらの方でいった方がベターだという考えを持たないで、どっちでもない、同じだなんというのは八方美人にはなるだろうが、これは答弁にならないですよ。大來さん。
#159
○政府委員(大來佐武郎君) ただいまの点は、実は文部省から御答弁願った方がよろしいと思いますが、実はこの倍増計画全体ごらんの通り、中間年次については、実際の数字が示されておりませんで、十年後の倍増の規模を描いてそれまでに必要な政策を検討しているという形でございまして、各年次の問題につきましては、それぞれの担当の各省、あるいは毎年の経済動向等によってきめていく、これは私ども、従来から自由企業といいますか、自由経済における計画というものは、計画経済でございませんので、相当弾力的に考えざるを得ない。それと企画庁の役割から申しまして、各省のそれぞれの設置法に基づいてやっております仕事に対して、あまり詳細なところまで入り込むということは私どもとしても能力も足りませんし、人員としてそこまでやりますことはいかがかというようにも考えておりますので、大きな筋において協議する……。
#160
○矢嶋三義君 いいです。私は二つあって、この前お示しして、それで即答できなければ検討してきて、御所見を聞きたいということだったわけです。これは同じだということですから、何をかいわんやで、あなたにお伺いしません、この点については。
 それであなたにもう一点お伺いしておきますが、この前、大臣がここで答弁なさいました、人的能力部会というのはどういう機構で、どういうことをやられようとなされておられるのか。それからこの前、経済企画庁長官が、この席で、われわれにも勧告権というのはあるのだといういかにも含みのある発言をされておりました。こういう人的能力部会というのを、今度経済審議会の中に、閣議了解で設けるようですが、そうなりますと、たとえば、科学技術者の養成に大幅な投資をする必要があるとかいうような、場合によったらそういう勧告をする場合もあるというような予見のもとにこれをやられようとしているのか、アウト・ラインを一つお答えおきをいただきたいと思います。
#161
○政府委員(大來佐武郎君) 実は、この点につきましては、この閣議決定の倍増計画の三十一ページになりますが、その中で、「なお、人間能力の開発活用については、将来ますますその重要性は増大し、しかも問題が単に教育、訓練だけではなく、経済、技術、社会生活の多方面に及ぶので、この際、審議会等の機関によって、経済成長との関連で人間能力の開発活用に関する各種の問題を検討し、その対策の方向を明らかにする。」こういうことが計画の中にございまして、これを受けまして、まあそういった面を少しじっくり検討する。まあこれは「審議会等」というようなことをいっておりますが、経済審議会の中に部会を設けまして、ただいま読み上げましたような趣旨の問題を主として検討して参る、それから将来の長期の政策に役立たせる、あるいは民間のこういう問題に対する考え方に何かいろいろな意味で参考に供するというようなねらいでございます。従いまして、この工業の発展、特に技術革新との関連、それらは経済成長の基礎にもなっておるわけでございますが、そういう面から人の教育訓練、これはまあ文部省関係の学校関係のみならず、労働省の職業訓練の問題でございますし、それから企業内部における人の訓練、これもまあいろいろと外国の専門家などの意見もございますが、最近のように非常に技術革新のテンポが早くなりますと、過去におきましては、人間一代若いときに覚えた仕事をやっていくということで、もう間に会っていく、子供の代から次の新しい仕事に変わるというようなことで大体やれたわけでございますけれども、革新のテンポが早くなりますと、途中で若いときに覚えた技術が要らなくなるというか、使いものにならなくなるというような場合もございますので、職場内における訓練、だんだんとこの職業と教育訓練というものがすでに結びついていないと、新しい技術革新に対応できないというような根本的問題でございます。それからさらには、この技術革新と高度の成長、あるいは貿易面からくる自由化の影響等から考えますと、いろいろ産業の部門によって消長が予想される。ある産業部門面は非常に急速に伸びますが、他の部面はそれほど伸びないというようなことが予想されます。そういう産業間、あるいは場合によりますと企業間の労働力の移動、これをできるだけ円滑にいくようにいたしませんと、局部的に非常に摩擦が起こるというようなことも予想されます。現に農業の労働力が相当大幅に減るというような予想もございます。そういうことに関連いたしまして、労働力の再訓練なり、移動を円滑にするような長期の政策、そういう点などをいろいろ検討いたしていきたい、そういう趣旨の部会が設けられることになったわけでございます。
#162
○矢嶋三義君 大來さんにはいろいろ伺いたいことがありますし、それからあなたの先ほど以来の答弁には非常に不満足なものがあるわけですが、お約束の時間がきましたから、委員長のお許しがあれば退席してけっこうです。
 次に、文部大臣に伺います。文部大臣、先ほどこの高級技術者を養成したいんだが大学の教授が不足すると、確保できない、これは一つの大きな険路だということを言われています。かつては小林局長もそういうことを答弁されましたが、これは政策が貧困だから確保できないんじゃないですか。私は日本に七十二の国立大学があるとはいえ、この政策よろしきを得れば大学教授を確保するのは易々たるものだと思うのですよ。その一つ理一由を言いますが、たとえば、この前もちょっと私は触れたのですが、大学教官の俸給給与というものは、実質的に戦前の約六割ですよ。給与約六割。研究費は若干このたび予算編成で大臣努力して上げられました。しかし、なおかつ戦前の六割ですよ。国立大学さえ民間企業におんぶしていますね。約六割ですよ。それから司法官に比べますと、その給与は司法官の四割から五割ぐらいの格差があります。だから大学の教官の約七割が内職をしているという、この科学者の生活白書にそういうことが書いてある。約七割が内職している。先般大学の入学試験において、入学試験問題と受験雑誌にほとんど類似したものが出たという、あるいは九大、あるいは茨城大学の問題というものは、この問題と無関係ではないでしょう。先般ボストークを打ち上げたソビエトは大学の教官、技術者を優遇している。最近中共がそういう政策をとっている。そういう政策をとれば――明治以来日本の国民は教育、文化、学術にはずいぶん力こぶを入れてきたものですよ、国としても、個人としても。――かりに七十二の国立大学があるといえ、大学の教官を確保するには不自由しないはずですよ。それだけの知能は日本人の中にありますよ。こういうことをやられないで、教官が確保できないから、だからこの充足ができないのだという堂々めぐりをやっているのですね。いささか隔靴掻痒の感があるのですがね。こういう点について大臣はどういう所見をもって今後いかに対処されようとされるのか、伺いたいと思います。
#163
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 私も矢嶋さんと同じように隔靴掻痒の感を抱くものでございます。まあ、政策が貧困だという御指摘もある程度当たると思います。その前に、先刻も申し上げたように、遺憾なことに、最近やれ原子力だ、あるいはエレクトロニクスだという新しい分野が急速に平和的な場面に足を伸ばしてきたという意味においての科学技術の進歩の急速なテンポに応ずべく、日本のみならず世界的な悩みと思いますけれども、特に日本においてはしかりと思いますが、その予見ができなかったために、かくもあろうかということを数年来考えて科学技術者の養成の下準備、基礎工作をすることが欠けておった意味において政策が貧困だと言えないことはないと思います。ないと思いますが、しかし、それはある程度物理的に不可能なことでもあったわけでございまして、残念ながらその事実を認めた上に立って考えざるを得ない。しかも御指摘の通り日本人の賢明さのゆえに、おくれて近代的な新しい技術革新の中に突入して、実力を発揮しつつ、現にエレクトロニクスに依存するところの各種の工業も起こり、製品も輸出されるところまできているというその現実の求めに応じ得ない、どうするかということに直面しておるわけでございまして、そういうことも含めて、今後日本の経済的な実力は所得倍増を目ざしていっても可能であるという見当を立て、それに応ずる施策をしようとして、昭和三十六年度を一年度としてスタートしておるわけであります。従って、今申し上げましたような大前提の欠陥というものは批評はいかようにもなし得ますけれども、批評しておっても始まらない。その現実に立ってどうするかを考えざるを得ないというところにいろいろ悩みが起こり、御指摘のような矛盾撞着等もやむを得ず起こっておるのだと、かように考えるのであります。そこで、中級技能者の養成につきましては、御審議願っております法案等の決定を見ますれば、曲がりなりにも教官の充足が一応期待できる。大学につきましては、教授グループの確保、これまた御指摘の通り今までの政策貧困でもありましょうし、三十六年度の施策もまだ十分でないことは重々わかりますが、せめて教官研究費なり研究所費なりの増額、あるいは人事院の勧告に基づきます給与の幾らかの引き上げ、これで終わるものではむろんあるべきではないし、いつも申し上げますように、文部省が従来主張しております教官の給与のせめて戦前までの待遇ということにとどまらず、もっと優遇措置を目標に努力を積み重ねていくべきものと思うわけでございますが、遺憾ながら全体主義国と同様に一挙動で為政者の思うことを直ちに実現できないこともまたデモクラシーの特色でもあり悩みでもあろうと思いますが、これも一歩々々今申し上げたような方向に積み重ねることによって、少しでも早くギャップを埋めるということ以外に方法はなかろうかと思います。その意味において、先刻も申し上げましたように、数字で言えば約十万の大学卒業程度の高級技術者の不足を実際面においてより少なくする努力の積み重ねこそ今後なすべきこと、それ以外に方法は具体的に今考えられない、かように考えて先刻来の御説明も申し上げ、今のお尋ねにもお答えしたいと思うわけであります。
#164
○矢嶋三義君 私は大臣、過去のことは申しません、過去のことは。将来のことを言いたいのですが、現時点に立って、日本の今の経済力の伸びと税の自然増収等から見て、昭和三十五年度でも大蔵大臣が予想したよりはるかに自然増収はあったのですよ。こういう恵まれた予算編成条件がそろっておって、どうしてなんですか。たとえば学生に月に八千円程度の手当が出せないのですか。また教官にしても、大学の教授、助教授、講師の四・四・四の比率は、どうしてそのくらいのことをきめられないのですか。年限が短い上に完成年度において一学科二・二・二で計画しているわけでしょう。これからの問題としてそんな学生の授業料を免除するとか、月に八千円くらいの手当を出すとか、期間が短いから十分の教育をするために先生が工夫して授業ができるようにというので、かりに、私は反対だが、三年にした場合でも、せめて教官の組織だけでも四・四・四で編成するという程度のことはどうしてできないのですか。すいぶんこの昭和三十六年度の会計年度のスタートにあたっては恵まれた条件にあると思うのですよ。いまだかってないほど恵まれた予算編成の条件にある。そういうことはどうしてできないのか。やろうとされない。私は過去のことは言わないですよ。過去の反省を求める上に立って、これからのことを私はあなたに伺いたいのです。それは政策の貧困じゃないですか。やれるはずですよ。直接結びつかないけれども、大臣の私は見解を伺いますが、たとえば衆議院で大論議をして、きょう本会議で上がったようですが、あの自衛官ですね、十二月現在、二万二百七十四人欠員があるのですよ。にもかかわらず、今度は一万三千五百三十四人約一万三千六百人という増員の予算を組んだじゃないですか。そうして本日衆議院でずいぶんもめたようですが、きょう本会議で上がっちゃったですね。こういう政策を考える場合、三年の臨時教員養成所を設けて教官――教授、助教授、助手を新制大学並みに四・四・四とかりに千歩、万歩を譲っても、それは三・三・三くらいの予算は出そうじゃないですか。それを半分の二・二・二で組んで、何ができるのですか。大学設置基準を読んでごらんなさい、失礼ながら。専任教官に過半数なければならないということをちゃんと大学設置基準には書いてある。三年制だけれども、実力において四年制にまさるとも劣らない実力を与えたいとあなたはおっしゃるでしょう。大臣、何回でも答弁されている。信念だろうと思う。だからその教育の零囲気というものは、その変則な三年制であるけれども雰囲気だけは大学の零囲気にしたいというあなたはお気持があると思う。そうだったら、せめて、何でしょう、教官の組織、施設設備というものを持っていくということは千八百億になんなんとする文部本省予算に比べると微々たるものですよ。私は政策の問題だと思う。財政的にあるいは物理的に不能とかいう種類のものじゃないと思うのです。その点は伺っているのです。いかがでしょう。
#165
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 今おっしゃる意味においては政策は貧困でなかったのですけれども、努力が貧困であったろうと自省いたしております。二・一丁二の教官組織でよろしいとはむろん思いません。思いませんが、ただ全然独立してこういうものを作りますときよりも、現在ある大学に付置されることによって二・二・二の不足を相当補えるであろうということもむろん期待しております。期待のみならず、事実そのことは可能であろうと思いますが、現在の教官組織そのままで、臨時施設ではありましても、この養成所がこのままの姿で続いて十分だとはむろん考えておりません。努力不足は今後において補っていきたいと思うわけであります。
#166
○矢嶋三義君 予算編成のときに文部大臣の努力が十分だったとか足りなかったとか、そういう問題ではないと思うのです。私は。内閣の政策ですよ政策のポイントをどこに置くかという問題ですよ。
 そこで、まあそういう論はやめて、この付属大学で補えると言いますけれども、これはあとで触れて参りますが、そんな補える状況に今の大学はないです。これはあとで数字をあげて伺って参りたいと思いますが、非常に大学の教官の労働過重になるだけならまだいいですが、その親大学の教育研究体制を乱し、その使命が十分果たされないという方面へ悪影響が及ぶというのが数的に出て参ります。大樹のもとでやっておればその養成所は親大学の援助で十分いくだろうと考えたらこれは大きな間違いだろうと思います。これは当然問題になりますから指摘しておきましょう。
 そこで大学課長さんに伺いますが、この養成所は専任教官は、過半数の専任教官でやれますか、二・二・二で。
#167
○説明員(村山松雄君) 定員を計上いたしました分につきましては、大体養成所を付置する大学におきまして充足の計画が立っているようでございます。
#168
○矢嶋三義君 その教員養成所の教官の過半数は専任教官で埋まりますか。私は講師、臨時講師の方が多いと思う。
#169
○説明員(村山松雄君) 定員を計上いたしました分はもちろん専任として埋めるわけでございます。残りの不足の分につきましては非常勤講師によって教官組織を構成することにいたします。
#170
○矢嶋三義君 いや、私の尋ねている点にピントを合わして答えて下さい。大学設置基準では、過半数は専任教官でなければならないとなっておりますね。だから臨時教員養成所の場合でもそういう構成ができるかどうかということを伺っている。そういうふうにするのですね、過半数は専任教官でやるのですね。
#171
○説明員(村山松雄君) 教員養成所の教育課程のうちの約半分を専任教官で担当し、残りを非常勤講師で担当することに予定しております。
#172
○矢嶋三義君 それだけ確認しておきますが、では、大学設置基準の過半数は専任教官でなければならぬという条章は臨時教員養成所に適用する、こういうことですね。
#173
○説明員(村山松雄君) 大学設置基準は教員養成所には適用がございませんが。
#174
○矢嶋三義君 私の言っているのは……、これは大臣、あの課長だめだな。
#175
○政府委員(内藤誉三郎君) 適用ないのです。
#176
○矢嶋三義君 いや、適用ないのだが、教官は過半数は専任教官にするという、あの条章の精神、これは適用するんですねと、こう聞いているわけですね。
#177
○説明員(村山松雄君) 基準の精神は極力養成所に適用して参りたいと思います。
#178
○矢嶋三義君 適用するんですね。大臣、確認しておきます。よろしゅうございますね。これに対して御答弁願いたい、速記録に残るように。
#179
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 大学設置基準の精神は適用して参りたいと思います。
#180
○矢嶋三義君 そこでこの表に返ります。文部大臣はさっき経済企画庁の大来政府委員の答弁を聞いていたのですが、文部省に聞けと言うわけですね。これを先ほどから内藤局長の御説明を承っておったようですが、この十七万充足、四十万充足、この計画は計画の立て方そのものが違いますね。これからやっていくので、来年度から逐次予算化していくのですが、いずれの方式を、あるいはそれに近い方式をとっていかれようとしているのか、現時点におけるあなたのお考えを承りましょう。これは立て方が違いますよ。
#181
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 大学卒業程度の技術者養成の計画は、それはそれなりに、おおよそその線に沿って、先刻申し上げたような努力を加えながら実施したいと思います。中級技能者の養成もまた差し上げております資料の線に沿ってやりたいと思います。その両方が立て方が違うという御指摘は、まさしくそういう格好になって現われておることを承知いたしております。しかし、その違いは、結局、中級技能者の養成に対する教官の構成が可能で一方はあるという見通しが一応ございます。大学の方は、特に教官の組織において相当具体性ある計画が立てかねる。だから、これは立案しました当時に一応想定できる教官組織を前提において考えた場合には、こんなふうな形にならざるを得ない。そういうことのために御指摘のように相違が出てきておると私は考えておりますが、やむを得ざることだと考えております。
#182
○矢嶋三義君 これは討論になりますから指摘だけしておきますが、私は大臣の見解に従うことができません。というのは、高級技術者の場合は最終年度四十五年にいってなおかつ四百十九人不足なんですね。これは減耗というのは全然考えていない計画なんですから。大体減耗は一割から一割五分ですよ。場合によれば二割ぐらい減耗することがありますが、入学と卒業ではまあ減耗をゼロにして、これですよ。中級技術者の場合はもう四十一年にして一万五人余るのですから、四十五年の最終年度においては四万三千七百七十三人過剰供給されることになっているのだから、それは今、大臣の答弁で納得させ得る計画表じゃないと思う。これは私指摘しておきたいと思う。
 そこで、内藤局長に今度は伺いますが、このあなたの計画を見ますと、四十五年において工業高等学校の人が逐次出てくるでしょう。だから工業高等学校の卒業生によって充足されますから、その他の方で充足されていた人ですね、これが十五万五千八百九人、職場から追われることになるね、なりますよ。四十一年に一万五人、四十二年に三万四千六十六人と逐次供給剰余になってきますから。その間、いつもあなた方の持論のように何かで埋めているわけでしょう。埋めない場合はブランクになっていますけれども、実際生産をやっていくためには埋めるわけでしょう。そうなりますと、四十五年度までに十五万五千八百九人という人が工業高等学校出た人で充足されると浮いちゃうわけですね。そうして四十六年になると、このカーブからいくと約四万六千また剰余になってきますからね。その点はどういうふうに考えているのですか。
#183
○政府委員(内藤誉三郎君) この科学技術庁のこの案によっています年次別の推計でございますが、これは文部省調査によるわけです。文部省の調査局で職場における学歴構成の調査をして参ったときに、この数で総数をとりますと、四十四万、この四十四万の数は経済企画庁が所得倍増計画で中級技術者がどのくらい要るかという数字、これがやはり四十万で総数がぴたっと合っておるわけです。そこで、この文部省の調査は、一応年度別に分けてみますと、大体四万四千程度に埋めていけばいいんだというような年次別の割当をしておるわけです。私どもとしてはこの年次別の割当は、多少所得倍増の計画からくれば無理ではなかろうかという実は気がしておるわけです。この年次別割当に非常な科学的根拠があるとも実は思われませんので、四十四万をどういう形で埋めたらいいかというので、いろいろ検討いたしましたところ、先ほど矢嶋委員御指摘のように、最終年度で八万五千、ちょうど高等学校の急増がございますので、三十七年、八年の辺に特に重点を置いて年度割を考えたわけでございます。この年度割のきめ方は、主として高校急増というものも考慮しながら、一万五千あるいは二万というふうにふやして分けた結果が四十二万になっているんです。そこで今現に何らかの形で埋め合わせる、しかし、その埋め合わしたのは、大学の場合でも高校の場合でも、本来の工業高校を出た方にかえた方がいいにきまっている。そこで必要がなくなって、理工科系のほんとうの技術者でこれが充足可能になりますれば、逐次それは職場の中で配置転換が行なわれることになろうかと思うのです。私どもの見通しでは、八万五千という最終年度の人員が過剰になるという考えは持っていない。むしろ四十四万全体が、十年間に四十四万不足するという総数を押えていきますと、高等学校の場合にはこの方の式の方がむしろ妥当ではなかろうか、しかし、これも昭和四十二、三年ごろになって、さらにもう一度検討してみたいと思う。なるほど矢嶋委員お話のように余るというような事態になっては、これは大へんなことでございますので、今の私どもの考えでは八万五千を目標にして、余らないという見当をつけておりますが、余るような事態になりますれば、四十二、三年以後において検討してみたいと思うのであります。
#184
○矢嶋三義君 その点はあなたの答弁の一部は了承しますが、一部僕はこの計画、懸念ないわけではないんです。しかし目標数字を現年度に近づけている計画の仕方は、高級技術者の計画の仕方よりも中級技術者の計画の仕方の方が現実に即応するベターなものだと僕は判断しているんです。ただ最終的に十ケ年計画として、この数字で猪突猛進していいかどうかという点については、僕は疑問が残っているということを申し上げておきます。十分検討していただきたい。
 そこで、これに伴って一万人の増員に対して工業教員の新規需要は、千三十人として書かれていますね。これは何ですか、乙号基準でいっているのか、甲号基準でいっているのか、どういう基準で入学者一万人増に対して千三十人の教員が必要とはじいているのですか。
#185
○政府委員(内藤誉三郎君) これは近く出したいと思って、今文部省がせっかく努力しておりますところの高校の定数基準の案によって算出したものでございます。
#186
○矢嶋三義君 これは閣議決定してないから、答えなければ、それで差しつかえないんですが、可能な範囲で答えていただきたいのですが、今度提出を予想される、すなわち一万人の増員に対して、千三十人の工業教員が必要だという、この算定基礎となるいわゆる提出法、案なるものは、甲号基準と乙号基準からいえば、どういう程度の位置づけになるものとお考えになっておられるのですか。
#187
○政府委員(内藤誉三郎君) 大ざっぱに申しますれば、甲号基準と乙号基準の中間になろうかと思っております。特に工業学校につきましては、農水も同じでございますが、一学級を四十人として計算をしておりますので、この面につきましては甲号基準の線に近い、その他できるだけ産業教育につきましては甲号基準に近づけるように努力しておるわけでございます。
#188
○矢嶋三義君 文部大臣に伺いますが、今の内藤局長のお答えの線のものならば、これは現在の全高等学校教育、特に本日議題になっている産業教育関係の合計はきわめて大きいと思うのです。早急に文部大臣の政治力と責任において、いかなる内容のものか、その法案がわれわれの審議の対象になるように国会に提出さるべきものだと思いますが、いかがでしょうか。
#189
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 毎度お答え申し上げておりますように、極力この国会に御提案申し上げて御審議をお願いしたいと思います。
#190
○矢嶋三義君 次に、この供給見込みの表ですが、四十三年で四百の剰余となって、そうして最終的にこの計画でも四千三百五人の不足となっていますね。これで内藤局長、この工業教員の供給計画として十分なんでしょうかね。
#191
○政府委員(内藤誉三郎君) このたびの臨時工業教員の養成所によって、八百八十人ずつふやして参りますが、御指摘のように、総数において十年間に四千三百人が不足するということに相なるわけでございます。で、この間におきまして免許法の改正も考慮いたしておりますし、また現在、中学校、高等学校で工業教員の免許状を持っておる先生で、工業以外の教科を担当している者で三千名程度は可能であろうと思っておりますので、そういういわば遊休施設を活用することによりまして、これは充足できるものと考えておるのでございます。
#192
○矢嶋三義君 工業高等学校の免許状を持って、現在工業教員として働いていない人が三千人程度ある。これは本人の希望ならば、免許状を持っていればそのまま転出できるというわけですか。
#193
○政府委員(内藤誉三郎君) 現在おりますのは一万人でございます。で、まあ三千人くらいは、この中で転用可能ではなかろうかと考えておるわけでございます。
#194
○矢嶋三義君 そうなると、一万人いて三千人程度転用可能、この一万と三千という数字があれば、工業高校のこの増加予定数を、きっき私が指摘しましたように、四十一年から一万人増員になっていくこの計画とこれとおわせ考えるときに、一年に八百八十人の臨時教員という変則的応急的措置をとらなくても大丈夫じゃないですかな。私はそういう数字が出てくると思うのですがね。
#195
○政府委員(内藤誉三郎君) 現実問題としてそう強制してやるというわけにも参らぬし、本人の希望等もございますので、せいぜい三千名程度なら可能ではなかろうか、こうこちらでは期待しておるわけでございます。ですから、それだけでもちろん十分でございませんので、免許法の改正を行なって、民間におきまして、実はたまたま民間に入りましたけれども、どうも民間になじまない、教育界に戻りたいという人も相当数ございますので、こういう点をあわせまして、何とかこの不足数は充足したいと考えておるわけでございます。
#196
○矢嶋三義君 文部大臣に伺いますが、一万人いて三千人程度、高等学校だけで転用できると見ておられるというわけですね。それから午前中の質疑にありましたように、理科とか数学等、そういう先生方は初任級調整手当をやる必要はない、それほど採用困難ではないというわけですね。そういうこととあわせ考えるときに、少し給与の面で考慮すれば、免許状を持っている人を早急に転用して、あるいは夏休みとか、あるいは普通の休日でもよろしいでしょう、ものの二、三週間研修の期間を与えて――免許状を持っているのですから、ちょっと研修の期間を与えればりっぱですよ。その人で充足して、それでそれらのあとがまは、新たに大学を卒業した人でも充足をする方法は立つわけだから、こういう変則的な応急的な方策で充足せなくても、そちらの方法でとりあえず対策を講じて、そうしてこの臨時教員養成所なるものは、今の学制とか、免許法に合致するような形で、一年程度のことをあせらずに教員養成計画を立てるのが可能であるし、妥当だ、かように思うのですが、文部大臣はどういうようにお考えですか。
#197
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 先ほど政府委員からも御説明申し上げましたように、現実問題としては、なかなかお説のようなことは困難であろうという見込みのもとに、計画的に教官を養成し補充していくということが、まじめな態度であろう、こんな考えで御提案申し上げておる次第であります。
#198
○矢嶋三義君 その安直な方法を選んでいる点、私は不満ですよ。免許状を持っておって、まだ工業教員になっていないという人でも、内地留学の予算でもちょっと組んで何すれば、工業教員になる人が出てきますよ。そうしてものの二、三週間程度再教育の期間を与えれば、本人もみがきがかかるし、希望してきますよ。そういう方法こそ私はとらるべきだと思うのですがね。その一万と三千という数字を具体的に持っておられるのだもの。そういう点を顧慮せずに、この三年という教員養成制度あるいは免許法の原則を破ってまで、一年を争ってこういう制度をこしらえるというのは納得できないですね。盛んに、衆議院の速記録を見ると、ベビー・ブームに間に合わぬ、間に合わぬ、こう言われておるでしょう。ベビー・ブームのトップは今の中学校の三年生ですね、二年生。これをしても間に合わぬ。それこそ今免許状持って中学校、高等学校におられる――これはもうおだやかな言葉じゃないと思うんですけれども、内藤局長は遊休施設だと言っていましたがね。そういう方々の転出方策を講ずるのがむしろ僕は緊急なことだと思う。それで充足をしておいて、そして何も三年争うことはない。ことしから始めるならば、四年で始めていたらいいじゃないですか。こういう考え方が私は当然出るべきだと思うのですがね。三年というのはベビー・ブームに合わぬということを、盛んに文部大臣、言われているのですね。どうもそこのところ、説得力がない答弁だと思うのですが、文部大臣、いかがですか。
#199
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 先刻も政府委員からお答えした通りでございますが、かりに三千人の中学校教員で免状を持っている人の再教育をして転出をもくろむといたしましても、一挙にこれができるとも、現実問題としては期待できない。十年間を通じて三割程度ならば、あるいは転用できるであろうという推計に基づくわけでございまして、当面のベビー・ブームに対処する意味におきましても、中級技術者の養成が緊要な課題となっておることからいたしましても、やはり具体性を持った、できるだけ裏づけのある養成確保の方法を講じた方がよろしい、かように思うわけでございます。
#200
○政府委員(内藤誉三郎君) この需給数をごらんいただきましても、三十七年度が千九十八名の不足になっておりますし、三十八年は千七百六十八名、それから、三十六年は五百八十三、三千名以上がすでに不足しております。で、この工業教員養成所を出た者が初めて学校に参りますのは三十九年でございますが、この三十六、七、八の三カ年間は何らかほかの方法で補わなければならない。これを今申しました三千名が、これは転用のマキシマムでございまして、府県の教育委員会に当たって、ほかの者はいろいろな条件で転用ができないということで、ここに充てたいというのが私どもの考え方でございます。そのすきにいきますと、もう給源がないわけです。三十九年から臨時教員養成所の卒業生に期待せざるを得ない、こういう状況でございますので、この法案が私どもは必要であると考えておるわけでございます。
#201
○矢嶋三義君 次の質問に入る前に、先日の続きを伺いますが、私立大学の十一校のうち、六校、火曜日までに調査済みと言いましたが、その後何校調査されましたか、伺います。
#202
○説明員(村山松雄君) 昨日、二大学から説明を聴取いたしましたが。
#203
○矢嶋三義君 二大学。これは早急に押し進めることを要望いたしておきます。そういうことと相待って、僕は解決する方法があると思っているんですが、そこでこの内容的なものを伺います。文部大臣、この養成所は学校教育法にはもちろん基づかないんですね。
#204
○国務大臣(荒木萬壽夫君) さようでございます。
#205
○矢嶋三義君 学校教育法に基づかないところで学校の教師を養成していいんでしょうかね。学校教育法なるものは憲法に基づく教育基本法、それを学校教育面に具体化した法律が学校教育法ですよ。それに基づかないところで学校の教師を養成するというのは筋が通るでしょうか、いかがでしょうか。
#206
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 学校教育法は、御指摘のように、本則はお話のごとくでございますが、特殊の場合に学校教育法それ自体も、法律に基づく教育機関があることは予想しておると私承知しておりまして、まともに学校教育法に違反するというふうなことではなかろうと思います。
#207
○矢嶋三義君 じゃ、この臨時教員養成所というのは、並列すべきものはどういうものがわが国にありますか。
#208
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ちょっと即答できませんので、政府委員からお答えいたします。
#209
○政府委員(内藤誉三郎君) 防衛大学もございますし、警察大学もございます。
#210
○矢嶋三義君 消防大学とか、警察大学とか、防衛大学とか、そのクラスですかね。これは各種学校でもなければ、学校教育法の一条にも基づくものでない。教育者をそんなところで養成していいでしょうかね。かつてあった臨時教育成所というのは、あれは専門学校令に基づいたものですからね。そして、あの当時は、三年制の専門学校の卒業生で単位を取った者には、中等教員の免許状を与えておったのですね。だから三年制の臨時教育養成所は、学制にも抵触しない、免許法にも抵触しない存在があり得たわけです。私も九州帝大付属の臨時教員養成所の卒業ですがね。ところが、現在は教員は四年制の大学で養成するという大原則があるわけでしょう。小学校、中学校の先生まで、全部四年制なんですね。大学卒業生に、それによって免許されている。教師の場合には免許というものが非常に大事なわけなんですね。昔の臨時教員養成所の当時は、高等師範は四年でしたがね、臨時教員養成所は三年で、専門学校を三年卒業すれば免許状が与えられておったのですね。それから、小学校の義務制の学校は、高等小学から五年、中学を出て二部にいった場合、一年ないし二年と、こうなっておったわけですからね。だから、その当時とはもうこれは比較にならぬわけですね、法制上。だから、昔、臨時教員養成所があったから、それに応じてこれをやるというのは、これは非常な間違いだと思うのですね。そして僕は、その臨時教員養成所に入ったのは昭和五年ですよ。昭和六年に満州事変が起こったわけです。あのころわが国の経済は非常に不況だ。だから、僕が九大に入ったときに、定員は二十五、卒業するときには二十二でしたからね、僕は別として。そういう不況条況だ。それから月に二十五円という貸与額があった、二十五円。授業料は取らない。下宿は十五円なんですね。だから入ってきている連中というのは、皆、中学時代の成績というのはトップ・クラスですよ。そして卒業した諸君は大学に入って、今五人は大学の教授をやっている。ところが今度の養成所は、これは何じゃないですか、今の経済界の状況から言って、貸与金もない、授業料の減免もない、そして経済界がよくて、その就職状況がいいとなれば、確保できますか、これで。質的にも私はいい人が集まらないし、それから確保できないと思うのですね。これは授業料を免除するとか、月に八千円なり、一万円の貸与金を出すとか、こういうものがついておれば、これはある程度考えられてくるでしょう。で、さらにこれは、ともかく小中学校の先生がレベルが低くていいというのじゃないのだけれども、小中学校は、今とにかく四年制の大学で教育するということにきまっているのですから、だから、最初の間四年制にして若干義務、つけにしてもよいでしょう。そういう対象を考えるならば、この教員養成課程というものが考えられると思うのですけれども、これは全く今の教員養成制度を混乱に陥れるものである。どの角度から見てもこれほどの悪法はないと思います。一体立案者はどういう見解をもっておられるのか、伺います。
#211
○政府委員(内藤誉三郎君) 現在四年制が原則でございますけれども、現在の小学校の教員については、二年の課程でも免許状を出しておるわけでございます。戦前におきましては、師範学校令とというものがございまして、これは専門学校令によらないで、その後、師範学校、専門学校と同じようになりましたが、師範教育令で措置しておったわけでございます。ですから、戦前におきましてもそういう例があったし、また、臨時教員養成所は、これは専門学校令でなくて、たしか臨時教員養成所令によったものと私は心得ておりますが、そういう別個な体系で来ておりますので、四年制でなければならないという理由もないのではなかろうか。今日御指摘のように、四年制の工業教員の養成課程がございますけれども、百三十人の中でわずかに一人というような実情でございますので、どうしても短期に養成してほしいという強い要望がございますので、この三年間に四年制に劣らないような実力をつけたいい教員を出したいというのが、この法案の提案理由でございます。
#212
○矢嶋三義君 あなた方はそう言われても、大学当局は、たとえば、東京工業大学の学長から、修学年限は免許法の体系をこわさないために、戦後の教員養成制度を維持するために四年にしてほしいとか、それから学生に対しては貸与金八千円程度は出してほしいとか、教官の組織は、二・二・二では現在でさえ大学は十分子供の研究と教育のお相手ができない状況だから、新制大学の四・四・四にしてほしいとかというような要望が現に出ているわけですね。こういう声にどうして耳を傾けないのか。こういう日本の教育制度、教員養成制度、それに抵触するような法律案を出すにあたって、どういうわけで中央教育審議会に正式に諮問しないのですか。何のために中央教育審議会というものがあるのか。その上、当該大学の教授会あたりの意向をどういうわけで十分聞かないのですか。工業大学の学長から正式にそういう意見表示があったたのに対して、どういうわけで耳を傾けないで、こういう法案を出して参るのか。国会でまだ公聴会もしない。参考人の意見の聴取もしていない。これからまたやられるのだろうと思いますけれども、国民に対して行政府も立法府もそういうことでよろしいのですか。立法府において公聴会をするとか、参考人の意見を聴取するとかいえば、これはわれわれお互いの問題だからあとに残すとして、行政府として一体そういうことでよろしいのか。文部大臣一体どう考えておられるのか、私は責任を追及します。
#213
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 御指摘の通り、本来の教員養成の組織制度に基づいて養成することが望ましいことは、これはもう当然のことであります。ただ、現実問題といたしまして、毎度申し上げますように、矢嶋さんもよく御承知のように、教官そのものの確保がまことに困難であります。困難であるから、じんぜん実情の成り行きにまかせることは、私は行政府として許されないと思うのであります。その意味において、応急的な次善の策であることはこれはやむを得ないことでありまして、強式論的にいえば、欠陥ありという御指摘もあり得ようかと思いますが、しかし、それは極力実際問題として欠陥を補なう努力をする。先刻も申し上げましたように、入学者それ自体の努力にも期待し、養成する側の教授陣の努力にも期待し、さらにはまたその足らざるところありせば、現職教育によっても補なう手段があろう、当面、教官がないがゆえのギャップを極力埋めることこそが、今考えねばならないことと存じまして、御審議をわずらわしておるような次第でございます。
#214
○矢嶋三義君 その埋めなければならぬということはわかりますよ。私も同感です。いかにして埋めるかということが方法なんで、それが問題なんです。その方法が問題なんです。あると思うのです、他の方法が。それじゃこれでやるにしても、どういうわけでこういう重要な問題を中央教育審議会に諮問しないのでしょうか。中央教育審議会というものは、重要な教育文化政策について文部大臣の諮問に答えることになっているのですよ。この養成所は学校教育法に基づかないものなんですよ。そこで教員を養成しようというのですよ。免許法に抵触してくるのですよ。教員は四年制の大学で養成するというわが国の教員養成の今までの原則に背反することになるのですよ。いわば学制の改革にも匹敵すべきものですよ。これほどの法案を、行政府は提出にあたってどういうわけで文部大臣は中央教育審議会に諮問しないのですか。あるいはそれにかわるべき関係大学長を全部招致して十分意見を聞かれたのですか。現に、東京工業大学の学長が、さっき申し上げたような意思表示を書面によってされたということを直接私は聞いているのです。いかようにそれは処理されたのですか、お答えいただきます。
#215
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 中教審からは、以前に教員養成の問題については答申が出ておるようであります。その答申の趣旨も、特別に教員養成の体系を考えねばならないということであったと思いますが、その趣旨には大よそ浴っておると思います。もちろん年限が短かかったり、現在の制度に比べて形が違っておったりすることは、これは当面やむを得ざること、当面の必要に応じるための臨時措置として、納得のできる範囲内の事柄だと存ずるのでございます。なお、中教審には正式に諮問という形で御相談はしておりませんけれども、実際問題としましては、中教審に御連絡を申して了承を得ておるわけであります。東京工大からの申し入れ等のお話は私も直接存じませんが、要すれば、事務当局からお答え申し上げます。
#216
○説明員(村山松雄君) 養成所設置につきましては、これを設置を要請いたしました九大学の関係の方々にお集まり願いまして、予算の要求の内容その他を御相談申し上げまして、それに対しましていろいろ御要望がございました。おもな御意見は、やはり教官の定員ができれば、学科目制の学科と同じ程度に計上してほしいとか、それから施設建物の関係も、全然余裕がないのだから、必要なものは全部計上してほしいとか、それから設備費につきましても、現在すでに十分でないから、養成所の必要なものは極力必要な額を全額計上してほしい。それから、学生が優秀な者が集まるように、でき得れば給費を相当額支給してほしい、いろいろ御要望がございました。それらの御要望を体しまして予算の折衝もいたしたわけでございまするが、結果におきましては、必ずしも大学の御要望通りになっていない点もございます。しかし、予算決定後、そのような事情で現在ある形で計画せざるを得ない情勢になったということを、さらに関係大学に御説明申し上げまして、大学側の御了承を得て進めておるわけでございます。
#217
○矢嶋三義君 大学の御了承を得たというのは、だれの了承を得たのですか。各大学は迷惑がっていますよ。ことに教官定員の二・二・二、初年度はこれは一・一・一でいくはずですね。そういうことでは労働過重になる。それのみならず、その大学の教育と研究に支障を来たすというので非常に批判的ですよ。近ごろ文部省のにらみがきくものだから、大学の学長は個人的に、いやいやながらあなた方の御威光にひれ伏している学長が、一部にあるのです。しかも十分教授会の意向というものを聞いてない。いやしくも大学にこういうものを付設する以上は、その大学の教授の皆さんの研究、教育の影響を及ぼすのだから、当然その教授会に十分諮ってやられるべきを、非常に隠密にやられている。こういう手続上も私は遺憾な点があると思う。いかがですか。
#218
○説明員(村山松雄君) 教員養成所の設置は、これは予算を内容とするものでございますので、予算が決定いたしますまでは、不確定の要素が多い関係もありまして、大学におかれましても、それをはっきり教授会等に付議してきめるということには参らなかったかと思います。予算が決定いたしましてから、あらためてこういうことでお願いしたいということを、関係大学と御相談いたしまして、現在各大学から設置の計画書を出していただいております。これによりまして大学側の御了承を得まして、計画を進めていると了承いたしております。
#219
○矢嶋三義君 大学の了承を得ているのか得ていないのか、これは私、聞いてみる必要があると思うのですよ。どうも文部省の所管課長が言われるのを、そのまま信じられない若干の根拠を持っております。
 それから先ほど大臣は、中央教育審議会の方針しに沿っているという意味のことを答弁されましたが、今までの中央教育審議会の答申、見解からいって、こういう横紙破りのような教員養成制度をよろしいと考えているとは私には思われないのですがね。もしそうだとするならど、中教審の従来の見解とかなり違うものが出てくるわけで、中教審の責任を追及したい気持も起こってくるわけです。で、先ほどから、親大学はりっぱだから、その援助があるから十分やり得る、それがあなたの、三年制だが実際は四年制にまさるとも劣らない技術者を養成し得るという答弁となって現われているわけですが、はたしてその援助を受け得るのか受け得ないのかという点は、幾ら単位を習得させるか、それから教授科目をいかように設定するかということで、明白になってくると思います。それから、はたして、その教授科目の単位数で、教員として適格かどうかという問題が判断されてくると思う。昭和初年に臨時教員養成制度があった時代とは、すべての条件が違ってきておりますからね。最近は急速な科学の進歩がもたらされつつあることや、一般教養というものが非常に大事になっているというような条件があります。実は私は九州帝大付設の三年制の臨時教員養成所出身で、理学博士桑木或雄先生が主事でありましたが、先生の方針で、数学だけは高師よりよけいに教授されました。そうしてあの方の方針で、英語とフランス語とドイツ語をやらされました。教育学というものは、ごく少時間やっただけで、あとの一般教養というものはほとんどやらなかった。非常にへんぱというか、極端な教育をやったわけですよ。つまり数学と英語とフランス語とドイツ語と教育学をやっただけのようなものです。そのほか体操を何時間かやったですかね、三年間に。それでもあの時代なら、高等工業の電気機械科等を卒業しても、数学の免許状をもらえたのですからね。彼らは教育学なんか全然やらなかったわけです。その数学教育の内容は、それははるかに問題にならない。そういう人たちにに、中等教員の免許状を授与しておったのですからね。だからあの時代に、ああいう臨時教員養成制度というものはあり得たと思います。しかし科学が進歩した現代、そうして社会の要求というものが、高度に複雑になってきた現代に即応する人材養成の教育をやるにあたって、技術のみならず、一般教養というものが重視されるという時期になって一まあこの次お伺いしますがね、どういう教科目を選んでいるのか、単位数をどうしているのかという点で、問題も出てくると思います。
 それで、私は何も物好きでこういうことを伺っているわけではなくて、わが党の決定方針に基づいて、私も腹が減ってるんだけれども、お伺いしているわけです。しかし、委員長に申し上げますが、いつここの法案を上げるかという話が若干進んだせいかもしれませんが、逐次委員が退席されています。若干私に断わって退席された人もありますけれどもね、こういうような委員会の状況で、この重要法律案を審議することについては、私は深甚な遺憾の意を表します。今まで一体この法案の内容にわたって、何時間委員会審議をしたかということですね。大体科学技術者の養成計画について、池田内閣の文部大臣と科学技術庁長官の意見が食い違って、本日までまだその回答が出ていない。幾ら高級技術者を養成すればよいのかということもわからない。立法府に対して十分の説明ができない従って中級技術者の養成計画も明確とならない。工業高等学校の生徒を何名募集していったらよろしいのかということもわからない。従って、一体こういう変則的な養成所で、教員を何名養成すればよろしいのか、その数字一がはじけない。そのためにこれらに関する質問を若干したけれども、いまだに答えが出ていないのであります。この法案の本格的な審議というものは、きょう二時間足らずやっただけであります。党の方針に基づいての質疑はしなければなりませんが、もうこういう雰囲気では、私は審議すべきではないと思います。立法府の権威からいっても。従って、私は質疑はきょうのところこれでやめますが、まだ質疑の問題点が相当に残っているということだけは、はっきりと意思表示しておきます。それとも、ここで、委員を充足してやるならば、私は九時でも、十時まででもやらせていただきます。で、資料要求いたしますが……。
#220
○委員長(平林剛君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#221
○委員長(平林剛君) 速記を始めて。
#222
○矢嶋三義君 速記をとめる前に要請いたしました資料の要求をいたします。先ほどロイアリティの資料要求を
 一ついたしておきましたが、次の要求資料は、この臨時教員養成所の習得単位は何単位か、一般教育科目、専門科目に分けて、しかもそれは教科に関するもの、教職に関するもの、そしてそれが大学との比較においてどうか。それが明確にわかるようにしていただきたい。もし大学との修得単位が違うならば、どの学科目によって単位が幾ら違うというのがはっきりわかるように、たとえば大学の英語は何単位であるが臨時教員養成所のは何単位と、そういう点が明確にわかるように、この教科関係の資料、それから次の資料は、この臨時教員養成所の設置に基づいて必要な人件費、それから校費ですね、物件費、その総額はどういうものか。それから、内訳はいかなるものであるかという概要がわかるものを資料としてプリントして次の委員会までに出していただきたい。よろしゅうございますか。
#223
○政府委員(内藤誉三郎君) 承知いたしました。
#224
○矢嶋三義君 時間が延びましたが、お約束ですから、労働省の方に、四、五分間伺っておきたいと思います。
 文部省で高級、中級技術者の養成計画を立てているのですが、それで充足できないという面が出ているのですがね。で、お宅のこの職業訓練所等において技能技術者の養成というものを所得倍増計画との関係でお考えに、あるいは計画されている面があるのかないのか、その点を伺っておきたい。
#225
○説明員(有馬元治君) 倍増計画を策定するに当たりましては、御承知のように、経済審議会が中心になりまして、その中に教育と訓練の小委員会がございまして、私ども労働省も企画庁も、それから文部省も、関係官庁が集まりまして、この長期計画の策定――数字的な裏づけを持った長期計画を策定いたしたわけでございます。それに基づきまして、私どもは生産現場の技能者の養成をするというのが職業訓練の使命でございますので、私どもとしましては、その使命の達成上必要な十カ年にわたる長期計画を作って、それによって職業訓練行政を推進していきつつあるわけでございます。
#226
○矢嶋三義君 お宅のその計画は中級技術者――工業高等学校卒業程度の技術者養成と関連づけて考えておられますか、おられませんか。
#227
○説明員(有馬元治君) これは文部省とも御相談いたしまして、われわれの1方は現場の労務者の中における技能者を養成をする。学校教育の方におきましては技術者系統の人材を養成する、こういう大きな何といいますか、土俵を分けまして、私の方としましては現在の規模で十年間を推移するならば約八十五万人程度しか産業界に人材を補給でき、ないのでございますが、これを十カ年の経済成長に見合って必要最小限度の技能労働を産業界に送り込むという観点から、約七十万、正確には六十九万九千人の規模の増大をいたしまして、十カ年間に百五十五万人の技能労働者を産業界に送り込む、こういう計画を作っております。これが学校教育と対比いたしますならば、工業高等学校における四十四万人の規模増というのに見合う数字でございます。
#228
○矢嶋三義君 結局、何んですね、お宅の数字と文部省の養成計画の数字とは、所得倍増という政策推進においては関係があるけれども、人材の供給という意味においては関係のない数字だと、こういうことですね。
#229
○説明員(有馬元治君) これは文部省の養成計画と私の方の養成計画とは全く有機的といいますか、関連を持って考えられた数字でございます。
#230
○矢嶋三義君 その政策遂行上、的に関連を持った数字であるけれども、中級技術者の文部省の四十四万というこういう数字とは関係のない数字になるわけですね。
#231
○説明員(有馬元治君) その数字とは別個に約六十九万九千人という規模の増大を考えて十カ年に百五十五万人を産業界に供給すると、こういう数字でございます。
#232
○矢嶋三義君 それでこの次まで資料を一つ出して下さい。それは三十六年から四十五年に至る十カ年間のあなたのところの技能労務者の養成充足計画の青写真ですね、それは大ざっぱなものでいいですから、そう綿密なめんどうなものでなくてもよろしいから、それを資料として出して下さい。
#233
○説明員(有馬元治君) お出しいたします。
#234
○委員長(平林剛君) 本案に関する質疑は本日のところの程度とし、これにて散会いたします。
   午後五時三十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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