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1960/05/09 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 文教委員会 第24号
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1960/05/09 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 文教委員会 第24号

#1
第038回国会 文教委員会 第24号
昭和三十六年五月九日(火曜日)
   午前十時二十九分開会
    ―――――――――――――
  委員の異動
四月二十八日委員高橋進太郎君辞任に
つき、その補欠として岡村文四郎君を
議長において指名した。
五月九日委員岡村文四郎君、二見甚郷
君及び田中茂穂君辞任につき、その補
欠として高橋進太郎君、小沢久太郎君
及び鳥畠徳次郎君を議長において指名
した。
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     平林  剛君
   理 事
           北畠 教真君
           近藤 鶴代君
           野本 品吉君
           豊瀬 禎一君
   委 員
           安部 清美君
           井川 伊平君
           小沢久太郎君
           下條 康麿君
           杉浦 武雄君
           高橋進太郎君
           鳥畠徳次郎君
           千葉千代世君
           矢嶋 三義君
           米田  勲君
           岩間 正男君
  国務大臣
   文 部 大 臣 荒木萬壽夫君
   国 務 大 臣 池田正之輔君
  政府委員
   大蔵政務次官  田中 茂穂君
   文部政務次官  纐纈 彌三君
   文部大臣官房長 天城  勲君
   文部省大学学術
   局長      小林 行雄君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       工楽 英司君
  説明員
   大蔵省主計局主
   計官      佐々木達夫君
   文部省大学学術
   局大学課長   村山 松雄君
  参考人
   全国工業高等学
   校長協会理事長 小野 軍操君
   東京大学教授  勝田 守一君
   北海道大学学長 杉野目晴貞君
   東京工業大学教
   授       進藤 益男君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国立工業教員養成所の設置等に関す
 る臨時措置法案(内閣提出、衆議院
 送付)
○高等学校の定時制教育及び通信教育
 振興法の一部を改正する法律案(矢
 嶋三義君外六名発議)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(平林剛君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 国立工業教員養成所の設置等に関する臨時措置法案を議題といたします。
 まず、本案につき、参考人として全国工業高等学校長協会理事長小野軍操君、東京大学教授勝田守一君、北海道大学学長杉野目晴貞君、東京工業大学教授進藤益男君、以上四君より御意見を拝聴いたすことにいたします。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつ申し上げます。
 本日は、御多忙中のところ、本委員会に参考人として御出席いただき厚くお礼申し上げます。つきましては、ただいま本委員会において審査中の国立工業教員養成所の設置等に関する臨時措置法案につき、この際、各位から忌憚のない御意見を拝聴いたし、本委員会の審査の参考にいたしたいと存じます。
 なお、はなはだ恐縮でありますが、本委員会審査の都合上、あらかじめ御通知いたしました通り、一人十五分程度で順次御意見をお述べ願います。なお、参考人各位に対しまする委員の質疑は、参考人の方が全部御意見をお述べになったあとで願います。御発言の順序は、小野参考人、勝田参考人、杉野目参考人、進藤参考人の順でお願いいたします。
 それではまず、小野参考人にお願いいたします。
#3
○参考人(小野軍操君) 私は、国公私立工業高等学校三百八十五校の校長によって組織されております社団法人全国工業高等学校長協会の理事長を勤めております小野でございます。
 最初に、ここ数年間におきます工業教員の需給状態をお説明いたしたいと思います。ここ数年来、現場を担当いたしておりますわれわれの間におきまして工業教員不足がやかましく叫ばれておりますので、当協会は三十二年度から三十四年度にわたります三カ年間の工業教員採用状況を、去る三十五年二月一日全国的に調査いたしまして、その結果、回答を得た学校が二百七十校であります。加盟校の七〇%に相当します。この集計によりますと、採用いたしました工業教員は三十二年度二百八人、三十三年度二百四十六人、三十四年度三百十二人、この三カ年の平均をいたしますと、一年当たり二百五十六人というような数字になっております。この二百五十六人についての供給先を調査いたしましたところ、新卒の大学生が四十三人、これが一七%に相当しております。それから旧卒業生で官庁と民間会社その他から転職した者が八十八人で三五%に相当します。それから同じく旧卒業生で転任、これは中学校、高等学校とか、一種教科を担任していたものですが、これが百十四人、五四%に相当いたします。なお、新規としまして、旧卒業生になっているんですが、十一人、これが四%になっております。
 以上の採用数字から見て、供給先を考察してみますと、国立大学の新卒業生はわずかに十五人で六%弱、公私立大学合わせましても四十三人の一三%にすぎないことははなはだ遺憾と思っているところであります。特に七つの国立大学工業教員養成課程卒業生の工業教員に就職した者は、わずかに三人弱で、数としてあげることもできない状態であります。この国立七大学の工業教員養成課程を終えた数は、三十二年度において百十四人、三十三年度は百十三人、三十四年度九十八人、この平均が一年当たり百八人となっておりまして、三人弱が就職していたという状態であります。われわれとしましては、採用数の半数を確保したい供給先でありますが、産業界のものすごい需要と待遇のいいためか、今後の期待はできないと推察されます。次に、転職者の三五%に当たる八十八人ですが、このうち八割は民間会社その他からの者で、待遇関係などで今後あまり期待できないものと推測されます。次に、供給の半数以上を占めている百十四人、すなわち五四%を占めている中学校とか高等学校において、理科、数学、職業などを担任している旧工業専門学校あるいは新大学卒業生で、工業教員の資格を有する者の配置転換によるものであります。このうち六割は旧制の工業専門学校卒でありますために、この供給源も今後あまり期待することは不可能と推察されます。
 以上のような供給状態をわれわれの協会は傍観していることはできませんので、次のような要望書を当局に提出しまして、確保に努力しております。
 その要望書を申し上げますと、一つとしまして、技術系統職に対する調整号俸実施についての要望、これは昨年の十月にいたしてありますが、これは民間産業に比べて著しく給与が低いために、人材の誘致困難なため、あるいは現職者の確保のためのもので、こういった要望をいたしました。
 次の要望は、免許法改正のことであります。これも同じく昨年の十月にいたしております。現在、工業教員の免許状を取得するには、少なくとも七単位の教職単位を必要とする。これを臨時に取らなくても免許状を取れるようにしてもらいたい、こういう点の要望であります。これは新卒あるいは民間、官庁などよりの希望者を迎えるためのもので、時代は違いますけれども、戦前に実施されていたものであります。もう一つは、旧大学工学部とか旧工業専門学校を出て、工業教員の資格は、免許状ないため、ありませんけれども、理科とか数学の免許状を有していて、こういう者に工業教員免許状を下付してもらうように取り計らっていただく要望であります。これは、御承知のように二教科までしか取れませんので、こういった要望をいたしたわけであります。この点は、高等学校とか中学校の他教科よりの配置転換強化策のためのものとして要望したわけであります。
 その次に、工業関係教職員の確保についての要望、これは一定の年令に達した者に対して一律に退職を勧告するような措置をとらぬようにしていただく要望であります。
 次に、各都道府県の工業校長会、各所属の都道府県教育委員会と折衝して何らかの手段方法を講じまして工業教員の確保に努力傾注している現われが見られます協会に入りました情報の例を示しますと、本年度から中学校、高等学校の理数科教員を六カ月から十二カ月大学工学部において研修させて工業教員に充てようと予算を計上した県が幾つかあるようであります。で、かように不足している工業科教員をいかにしたら充足できるかについて、われわれ現場を担当する責任者として苦慮していますと同時にすべてを尽くして努力しており、どうやら今日のところしのいでおる現状であります。
 次に、御承知のように三十八年において高校生急増対策に合わせて、国策で、国民所得倍増計画から鉱工業の生産を増すために、四十五年までに高校の工業課程の卒業生の需要増は四十四万人と推定されて、四十三年までに工業高校の入学定員を八万五千人に増加して、十年後には四十二万人の卒業生増を計画されていることが示されております。この計画によりますと、文部省の数字で必要な工業教員数は十年間に八千七百人で、三十七年度において一千九十八人、三十八年度において千七百六十八人と計算されております。先ほどお話申し上げましたように、現況の供給源から推察して、関係方面がいかに努力されても確保困難であることは明らかであります。従いまして一年でも早くその多量の供給源を持ちたい、すなわち、工業教員養成所の卒業生を欲してやまない次第であります。
 今回の工業教員養成所設置の臨時措置法案の内容につきましては、わが協会は完璧で最善のものとは決して考えておりません。しかし、現況の工業教員の供給源から推して時宜に適した次善の方策であることを再三にわたって開かれたわが協会の理事会におきまして確認されております。去る四月十二日には当協会として、本法案が可決成立され、すみやかに実施されますよう切望いたします。そういった陳情書を当局に提出しておる次第であります。
 私のお話は以上で終わります。
#4
○委員長(平林剛君) どうもありがとうございました。
 次に、勝田参考人にお願いをいたし
 ます。
#5
○参考人(勝田守一君) 東京大学教養学部の教授でございます勝田守一であります。
 わが国の技術及び産業の発展のためにこの技術者の養成を急速に充足し、そのために養成機関の専門教授の量と質とを急速に改善することも非常に大事なことだと思います。そこで、その目的のために必要な措置をとる場合に考慮しなければならないことを、まあ私教育学が専門でございますので、教育的な見地から申し上げますと、第一には、今後の長い将来にわたって科学技術の進歩、産業の発展に見合ってその量と質とをできるだけ可能な限り確実な見通しとそれから算定基礎の上に立って計画を立てること、これが第一かと思います。
 それから第二には、特に教育に当たる人の質につきましては、その中で一つとしまして、専門技術に関して発展的、創造的な学力を身につけていく、それからその次には、青年期の生徒たちの先生としまして人格的にも教養が豊かである。これが第二の点になるかと思います。
 第三の点は、それと関連しまして、わが国の教員養成の制度の基本的な原則ないしは精神に違背しないような考慮が払われなければならないことだと思います。
 第四番目には、それに関連します既成の教育研究機関に負担を過重にしたり、あるいは制度上の混乱を引き起こさないように配慮すること。この四つの点が私は大事ではなかろうかと考えるのでございます。
 そこで、このたびのこの国立工業教員養成所の設置等に関する臨時措置法案を拝見いたしまして、以上の諸点に関連いたしまして参考に意見を申し上げたいと思います。
 私は主として、第一は専門外でございますので省きまして、二と三及び四番目の各点の一部について申し上げたいと思います。
 二の点、すなわち養成さるべき教員の専門技術に関しまする学力を、その教員としての人格的な適性について二つの点を考えているわけです。ところでこの法案では、高等学校卒業の資格から三年の期間で教員を養成することになっております。そこで専門的な技術についての学力の養成に関しましては、その教育内容の計画案によりますと、基礎学科、たとえば数学、図学、物理学、化学等がきわめて時間的にも少なく、専門家の意見によりますと、この程度の時間の数学では建築の構造計算とか、電気回路の計算に必要な学力もおぼつかないのではないかと伺っております。中級技術者を養成する学校の教員といたしましても、現在のように急速に発展する科学技術の現状を見ますと、絶えず新しい勉強をしていかなければ、たちまちその手持ちの知識だけでは教員としての実質的な資格を失うおそれがあるのではないかと存じます。絶えず進歩する新しい知識や技術を自分の力で摂取していくためには、どうしても基礎学科を十分にやっておかなければ、その能力の基礎を作ることはできないのではないかと考えられます。外国語に関しましても、現在の大学では、普通基準といたしまして、二外国語それぞれ八単位と四単位以上を要求しておりますが、この点に関しましても、ずっと少なくなっておるように伺いますので、現在でさえも大学生の語学力が足りないという批判が出ております現状では、海外資料なども専門家といたしまして参考にすることができない語学力しか得られないのではないかということを心配いたします。
 以上、総合いたしまして、現在の工業高校よりももっと資質が劣る教育しか担当できない教員ができるのではないかということをおそれるわけでございます。
 次に、青年の教員としての適性を分けて考えてみますと、二つの側面があろうかと存じます。まず、一般の教養でございますが、高等学校の生徒はちょうどむずかしい青年期に当たっておりまして、人生の問題についてもさまざまな悩みを持っている年令の人たちでございます。このような生徒を指導いたします方々は、社会、文化、その他政治、経済に関しましても基礎的、一般的な教養を豊かに持っておりませんと、専門の学科について指導なさるといたしましても、それだけでは教師としての十分に指導性を発揮できないのではないかということが心配されます。生徒たちからも信頼されないということは、例外はもちろんございますけれども、従来も戦前の臨時的な養成機関を出た技術職業の先生方が、ややもすれば十分に教師としての活動ができないというようなことを伺っておりますので、この点を顧みても問題があろうかと存じます。教養豊かな教員を育てるという観点から申しまして、この点に十分の御配慮をいただきたいということを私考えます。特に現在の教員養成制度では、日本国憲法を一般教育科目に必修とするという規定がございますが、その点についても、もしそれが考慮されておりませんとすれば、民主的社会に希望を持って幸福な生活を築き上げていくというような生徒を指導することができるような、そういう基礎教養に欠けるおそれがあるのではないかと存じます。次に、教員といたしまして教育技術上の問題がございますが、教職に関する専門的訓練につきましてもどうであろうかという心配がございます。現在では、世界の各国でも教員養成には教育実習を重んずるという傾向が強く見えているようでございます。ことに機械や技術の進歩に伴いまして技術教育では、実地に技術や知識を教える教育実習が重視されなければならない、こういうふうに考えますが、この点もいろいろ疑問があるのではないかというふうに考えます。先ほど青年期の生徒の先生として一般的な基礎教育の重要性を申し述べましたが、ここで関連して申し上げますと、青年期の心理学などはぜひとも学習しなければならない科目ではないかというふうに考えます。以上、二の問題について申し述べましたが、右のような難点が生じましたのも三年という速成の年限ということに基因するのは言うまでもございません。
 そこで三年ということに関しまして三の教員制度の問題との関連を申し上げてみたいと存じます。申し上げるまでもなく、現行の制度では教員の免許状取得資格は四年制大学では所要の単位を履修することを条件といたしております。二年制の短期大学でもその資格が得られるようになっておりますが、高等学校教員の資格は得られないわけでございます。中学校、小学校の場合でも二級免許状でございます。これとて暫定的な措置であったように伺っております。今度の法案を拝見いたしますと、教員の免許法の一部改正が予定されており、三年の養成所で高等学校の二級免許状を取得する資格が与えられることになります。このことは法律上の手続から申しますと一部改正にすぎませんけれども、それによりまして現行の教員養成制度の原則に大きな影響が及ぼされるのではないかと考えられます。時代の変化とともに制度が変わることはもちろん必要でございますが、このように一部の改訂によりまして基本的な原則にこの影響が及ぶということはやはり慎重に検討しなければならない事柄ではないかというふうに考えます。このように教科によりまして、法律の一部改正で、資格取得の条件が変えられるといたしますと、今後教育原則の上から大へん憂うべきことも起こらないという保証はないということになるように思われます。しかも臨時法的なもので原則がくずされるということは本来の立法の精神、たとえば教育職員免許法の第一条、その目的にございますように、その「基準を定め、教育職員の資質の保持と向上を図ることを目的とする。」という、そういう立法の精神から申しましても重大ではなかろうかと思うのでございます。なお、今度はそこを出た人の側から申しますと、一般教育も語学も基礎学科も単位数がきわめて不十分でございますので、さらに勉強を続けるために四年制大学に入ろうといたしましても、その編入資格がございません。従ってあらためて初めから入学し直さなければならない、そういう不合理が欠陥であります。短期大学終了者でも大学によっては三年に編入されますので、この養成所の終了者は三年の課程を経てもなおかつ大学には編入されないという不合理が生ずることをおそれます。ここで養成された先生たちは袋小路に入ったようになり、前途に希望を持ちがたく、それがまた教育活動にも影響するという心配を感じます。それから四年制大学の卒業者をもって教員とするという原則には、その先生たちが意欲と能力があれば大学院や研究科へ進んで、勉強をさらに高めていく機会を保障していることも含まれていると考えられますが、それが養成所終了者の場合には不可能であるという点でも教員養成の原則との間の問題が見出されるように感ぜられます。
 最後に四につきましては、もう一ぺん御説明を申し上げますと、つまり現行制度との関連でございますが、第七条の二項の所長権限、「所務をつかさどり、所属職員を監督する。」とございますのは、四年制の大学の中に、同じく高等教育機関としまして三年制のそれがあり、しかもそれは大学ではございませんので、もちろん学部とは申されず、この学科の計画も文部省令で定められ、また人事につきましても教授会の権限が保障されないなど、同一大学の学部と大へん違いますので、これが同一大学の中にあるということでいろいろな問題が将来起こるのではないかというようなことも懸念されます。これは学部付属の諸学校とは性質を異にしておりますので同列には考えられませんし、またもちろんこれに大学付置研究所のような権限も保障されないというふうな、これは全く新たな、戦後の現行制度では新たな機関となります。これは大学の内部に大学院のような、学部より程度の高い研究教育機関があるのとは違いまして、将来大学自治の問題などともからんで厄介な問題が起こるのではないかということを懸念されます。短期大学があくまで大学であるという建前をとっているのに比べましても、この点は不合理ではないかというふうに考えられます。また、さらにつけ加えまして、学生補導の問題にいたしましても、四年制学生との間に同一大学の中でどのようにこの調整をはかっていったらよいかというような問題が起こるのではないか、まあこれは将来でございますけれども、そういったようなことも考えられるのではないかということを感じました次第でございます。
 以上、問題と見らるべき点だけを申し述べまして御参考に供したいと存じます。
#6
○委員長(平林剛君) どうもありがとうございました。
 次に、杉野目参考人にお願いいたします。
#7
○参考人(杉野目晴貞君) 最近、大学の理工系学部卒業生に対する産業界の求人激増のため、大学関係者はそのあっせんにいとまがないほどであります。また一方、高等学校の教員特に工業関係教員の不足は実に著しいものがありますばかりでなく、高校生徒の急激な増加が予想されるのは周知の通りであります。この実情から見まして、可及的すみやかにこれが解決の方途を講ずることは教育上きわめて重要な問題と思われます。つきましては、ただいまより国立工業教員養成所の設置等に関する臨時措置法案に対する参考意見を述べますが、これにつきまして私個人の意見が加わることもあると思われますので、この点あらかじめ御了承を願います。
 まず、国立工業教員養成所の設置に関しましては、さきに当局より相談がありましたので、種々関係学部の意見を聴取いたしまして検討を行なった結果、この案は、もとより現行制度から見て若干考慮すべき点はありますが、当該法律制定の趣旨並びに中級技術者養成の急務にかんがみまして、次善の策として、しかも臨時的な措置として認めるのが適当であると考えられますので、本案に賛成いたすものであります。
 北海道大学の工学系専門教育に対する意見といたしましては、本案の専門教育の範囲で現行の工学部のそれとほとんど近い教育ができると思われるという見解であります。すなわち、養成所の授業科目を高校工業課程に対応して集約的に編成し、工業教員としての専門の学力を与え得るものと思われるのであります。一般教養については、本案は必ずしも十分でないと思われますが、従来も、学部の場合は専門課程においてこれを補って運営しておる現状でありますが、養成所の場合においては一そうこの補充を工夫いたしまして行ないたいと考えているのであります。教職課程についても同様でありまして、工業教員に必要な授業内容に集約し、さらに必要があればこれを補い、その充実をはかることができると思うのであります。
 しかしながら、本案について次のことを要望したいのであります。その一つは、養成所の設置趣旨から見まして、奨学金を今後全生徒にあまねく行き渡りますよう増額することが望ましいのであります。次には、この際考えるべきことは、大学の教員を含め、理工系教員を志望する者が少なく、また、理工系教員から産業界に転出する者が多い現状は、教員の待遇が民間企業従事者の待遇に比較しまして著しく低いことに基因するためと思われるのでありまして教員のすみやかにしてしかも大幅な待遇改善についても別途措置することが望ましいのであります。なお、このことは、ひとり理工系のみならず、一般教員につきましても言えることを、この際特に付言しておきたいと思います。
 以上、本案は、現下の社会的要請である工業教育の拡充に伴う工業教員のすみやかなる充足に対処するための臨時的な措置といたしまして、これを認めるものであります。従いまして、今後これを実施の上、必要があれば直ちに改善することを要望いたしまして、簡単ではありますが、私の参考意見の開陳を終わります。
#8
○委員長(平林剛君) どうもありがとうございました。
 次に、進藤参考人にお願いをいたします。
#9
○参考人(進藤益男君) 進藤でございます。私は、東京工業大学理工学部に所属いたします原子力研究施設の教授でございます。原子力工学並びに化学反応工学を専攻しておるものでございます。御承知のように、東京工業大学は、明治の、その前身の学校時代より、理工系の教員の養成に貢献して参りまして、戦後は他大学に率先いたしまして新しい技術教育の思潮を導入いたしました、一つの大きな伝統を持っております。教職員は、大学人としての立場と、自分の専門家としての経験から、この方面に大きな責任と熱意を持っているわけでございます。私、進藤も、まあ一介の学者ではございますが、そういう環境に勤務しているものでございます。
 教員を含む技術者が不足しているということは、これはみな御承認のことでありまして、問題はその対策の内容でございます。昨年の科学技術会議の政府に対する答申にありますように、必要量の確保と資質の向上を目標にすべきである、そのためには、処遇の改善、大学の教員組織、定員の増加、設備、施設の整備充実、そういったことをはかるべきであると、こう考えられるわけでございます。本案は遺憾ながらこの方向と全く逆になっております。本案によりますれば、卒業生の資質は著しく低下することになり、とうてい新時代の工業高校教員としては不適格でございます。かりに卒業したといたしましても、ほとんどおそらく業界に流れることになりまして、確保できないと思われます、教員として。で、以下、東京工業大学学長が文部省内簡に対しまして答えました私信、並びに東京工業大学教授会有志六十四名による反対声明、並びに全国九大学職員組合の共同の声明、そういったものの趣旨を取り入れまして、私見を申し述べたいと思います。ここに実はその声明文がございますが、これをしかるべく一つ配っていただきたいと思います。
 最近技術躍進の新時代を迎えまして、工業高等学校の卒業生であるところの技能者に対しましても、従来に比しまして一そう高い水準の知識と急進する科学技術をそしゃくするための融通性を持った能力、そういった要望が一段と高まって参りました。こういう要望は今後ますます高まるであろうと考えられます。また民主社会の形成者としての人間形成ということが、社会がこのように高度化すればするほど重大なものになって参ったわけでございまして、単なる技術修得に加うるに、人々にそういうことが伴わなくては、かりに資本主義社会であれ、社会主義社会であれ、経済伸張ということがほんとうに国民全体の福祉に結びつくことができず、やがて外側との競争に打ち破られたり、あるいは一時的なかりに繁栄がきたとしましても、内側から崩壊する、こういうようなことが起こるのではないかと考えられます。このような新時代の要請にこたえるための技能者を養成する教員といたしましては、当然より専門的な、またより入間的な資質が要請されることになることは必然でございます。このような時代にあたりまして、たとえば戦前の臨時教員養成所のようなもので教員を作ろうというような傾向がもし出てきたといたしますと、これはあまりにも時代錯誤的と言わなければならぬと思います。かりに資本主義的な考え方をとったといたしましても、結局安物買いの銭失いで、一流先進国に追いつくことはおろか、着実に前進する後進国に簡単に追い越されてしまうということは、これはわれわれの経験から明らかなところであります。こういう方向に向かうということは、結局国の方向を誤るということに終局的になるのではないかと、われわれは考えているわけでございます。現在工業高等学校の教員は四年制の大学で養成されているということになっているのですが、以前より大学の工学部や工業大学の学部は四年では短か過ぎる、どうしても五年にしたい、こういう議論が起きております。たとえば京都大学工学部のように実質的にこれを実行している大学もございます。技術革新の新時代を迎えまして、こういう考え方は当然強まって参りました。教員になるにはさらに教職に関する課程や実習が必要でありますので、工業高等学校の教員は、四年制の学士では不十分でありまして、修士の学位を持たすべきであるという議論が出てきているわけであります。このような工業技術教育に対する最近の動きに反しまして、本案のごとく逆に三年制をとるということにいたしますと、かりに三年間の教育が十分な条件で行なわれるといたしましても、新時代の工業高等学校の教員としての資格を与えることは不可能であると考えます。
 多少細部にわたって以下申し述べたいと思います。四年制を三年制にすることにいたしまして、必要な最低の修得単位数が百二十四単位から九十四単位になっております。人文社会関係の二十四単位が全部省かれております。しかし、この人文社会関係の修得ということは、先ほど勝田教授が言われましたように、人格的に生徒に接触して、将来の民主社会の形成者を養成するという教員といたしましては、基本的な条件でございまして、そのほかにこういう学科は専門の工学にも結びつき、また専門以外の面の補導にもきわめて大切なことでございます。これが全く省かれてしまうことになるわけであります。
 次に外国語や、数学、物理、化学は、現在われわれの大学で行なっておりますもののおそらく半分以下になってしまうのではないかと考えます。専門をどの程度深く学び得るかということは、とのような基礎自然科学の学力がどの程度マスターされているかということに大きく依存しておりますので、専門学科の学習に大きな支障を来たし、必然的に専門学力が低下するということも考えられます。また臨教専門学科の編成は、先ほど杉野目学長が言われましたけれども、われわれといたしましては、工業高校の授業科目と対応させるということになっておるような非常に安易な計画でありまして、学力低下の傾向を強めておるという批判がわれわれの間に高まっております。最も問題になりますのは、四年制の最終学年に行なわれる約八単位の卒業研究が省かれておるということでございます。
 そもそも最近の工業技術教育の思潮は、技術革新の速さに対応して、教育におきまして、すぐに後退してしまう現状技術の記述的な詰め込みよりは、基礎科学や工学基礎を十分に理解させまして、研究力と独創力をもって未知の領域を開拓できる者を養成しよう、こういう方向に向かっておるわけでございます。卒業研究は、このような目的を達成させる重要な手段でございまして、自分の知識と能力をあげて、一つの問題の展開をはかるところの訓練でございまして、知識がほんとうに自分の身につくようなものとなり、自主的な態度が確立される大切な課程でございます。工業高校教員は、卒業後完成された者として、直ちに生徒に接触いたしまして、これに融通性のある能力を与えなければならないのでございまして、この課程は特に重要視しなければならないとわれわれは考えておるわけでございますが、これが全くなくなったわけでございます。結局魂のない、試験のときだけ、すぐに時代おくれになるような知識を持った経歴で教員になる、こういうようなことでございます。
 さらに不幸なことには、本案臨教の専任教官は、新制大学基準の半分で、教授、助教授一人当たり学生は三十人に及んでおるわけであります。これは高等学校並みでございます。これではとうてい満足な補導はできるものではございません。さらに外来講師を頼むことによりまして、学力はますます低下することになります。設備費も非常に悪うございまして、東京工大の場合には、初年度の三講座に対しまして、わずかに六百万円という少額でございます。このような劣悪な条件で、新時代の技能者の教育を受け持つところの教員を養成するということは全く不可能ではないかと私は考えておるわけであります。
 さて、文部大臣は、本案臨教の教員組織や、設備の弱体に対しまして、繰り返し次のように言明しておられます。すなわち臨教は優秀な大学工学部、工業大学に付設されるので、その方面から密接な協力、応援が得られること、入ってきた学生の一種の使命感、付置される大学の教官、専属教官が一体になって、国家目的に協力する意思があれば、必ず四年制にまさるとも劣らない者を出し得る、こういう御趣旨でございます。しかしながら、かりに臨教学生が付置大学から、大学の学生と全く同じように便宜を受ける、こういうことができたといたしましても、大臣の御主張はおそらく不可能でございます。現在、大学工学部や工業大学の学習時間はぎっしり詰まっておりまして、四年を五年にしたいくらいでございます。この内容を三年間で全部修得するということは物理的に不可能でございます。われわれはもちろん与えられた条件のもとで最善の努力をいたしたいと存じますが、こういうことは、元来、教官や学生の熱意だけによって解決できることではございません。たとえば卒業研究をする時間のない学生に対しまして、幾らわれわれが努力いたしましても、卒業研究を行なった学生と同程度の資質を獲得させるということは全く不可能なことでございます。実際はこの臨教卒業生は大学三年以下の学力におそらくなるのではないかとわれわれは憂えておるわけでございます。しかもこれにしましても、大臣の期待されるように付置大学からの十分な援助が得られるとしての話でございます。かりにもしそういうような援助を行なわなければならないというようなことが確定いたしますというと、現在現存しておりますところの大学の教育と研究の諸条件は大きく乱されることになりまして、事は臨教だけの問題でなくなって参ります。おそらくどこの大学でも、臨教は大学に付置されるが、これはわれわれにはほとんど関係がないのだ。こういうふうにおそらく了解しているのではないでしょうか。大臣の言われるように、十分な援助を大学が行なわなければならないということが一般的に広まってくるといたしますと、おそらく教養学部の先生をはじめ、助教授、助手級の方面において驚愕する方が多数出てくるだろうと私は思うわけでございます。東京工大は実際そうなっております、率直に申しまして。東京工大の一例をとってみますというと、本学は昭和十年ごろに比しますというと、学生は約四倍、教官は約二倍、結果といたしまして、教官一人当たりの学生数は約二倍になっております。建物は、一部戦災を受けておりますので、戦後相当新築されましたが、大体戦前程度でございます。従って学生一人当たりの坪数は非常に小さくなっております。学生はこの数年間に、大学院学生も迎えまして約二倍になっておりますが、設備、建物はこれに伴いませんので、かりに補充いたしましても、常に時間的におくれております。毎年の増員学生は、前年の不足な設備、教官組織の中に割り込むという形になっております。その影響は、直ちに教養関係の教官に表われ、学年の進行に伴いまして専門の教官に波及して参ります。
 文部省の御計画によりますと、今後約十年の間に、学生は約二倍に増員させるということでございますが、そうすれば、この混乱した状況は、今後長く、毎年続くわけでございます。
 ことしのわれわれの大学では、学部学生、一年生を五百六十名ばかり入れましたが、教養の教育はどうやっておるかと申しますと、四組に分けておりまして、基礎自然科学においても、一組百四十名で行なっておるという驚くべき現状でございます。臨教には教養の専属教官がおらないですから、これを本学から、特に実験を担当する助教授、助手、技術員を応援させるということは非常に困難ないろいろな問題をはらんでおります。元来、現在の大学は、助手や技術員を得るということが非常にむずかしくなっておりまして、それらの実験指導員は、過重の負担に悩んでいるのが現状でございます。専門の方からの援助も同様な問題が起きて参ります。工業大学の場合は、さらに次のようなことがございます。臨教を設置する場所は、大学と遠く離れました田町でございまして、これは場所がございませんので、ますます援助がむずかしくなって参ります。結局、この臨教学生も、ともに技術革新をになわなければならない学生でございますから、われわれとしてはできるだけの援助を与えるということになるわけでございますが、大学からの援助を与えようといたしましても、与える条件が枯渇している。こういうことが偽わらざる現状でございます。
 このような状態でございますから、ますますもって卒業生の資質は低下せざるを得ないことになります。実際に教育を担当する側の者といたしまして、また専門の者といたしまして、無責任な面従腹背的な態度をとるならば、これはどうでも言えることでございますが、責任を持ってこれを解決していこう、こう考えていきますならば、とのような劣悪な条件下ではとうてい新時代の工高教員としての資格を与え得るということはとうてい考えることができないととろでございます。
 次に、本案が実施され、卒業生が出たといたしましても、工業高校教員の待遇が改善されない限りは、卒業生はほとんど業界に流れてしまうだろうと考えられます。このことは、この法案に多少なりとも同情する方でも、例外なく全部の人がほとんど危惧していることでございます。文部大臣は、これに対しまして、教員養成所には初めから教員としての使命感を持った者が入るから、卒業後教員になるだろう、こう申されておりますが、技術者や教員に対する需要と、学校卒業生との間の関係が、戦前のごとくあまり隔たりがないというような状況でありますと、大臣の期待もある程度満たされるかと思いますが、現在の状況は全く異なっております。文部省自身の御計画が示されているのでございますが、今後十年間で、大学卒業技術者は約十七万人の不足を生ずるが、そのうち七万人は学生増員で養成するという御計画でございますが、この計画の中にありますように、大学卒業生は、依然として十万人不足であって、他の階層の技術者の不足と相待ちまして、業界は臨教卒業生にも当然手を伸ばして参りますでしょうし、卒業生はほとんど大部分業界に吸収されてしまうであろうと考えられます。これは結局待遇の問題でございまして、四年制を三年制にしたからといって、根本的に解決するものとはとうてい考えられません。もともと、もしも教員志望の者ありといたしますと、現在でも高等学校の生徒は、工業教員は大学において養成されるのであるということを十分周知しているわけでございますから、大学に入ってきて巣立つわけでございます。
 それでは、初めから教員になろうとするような志の学生はどのくらいかと申しますと、先ほど小野さんのお話にもありましたように、たとえば昭和三十四年の例でありますと、国立大学の卒業生の中で、工業に関する教職単位を取った者は約百三十名でございまして、その年度では結局大体百三十名程度が純粋に教員を志望する者、こう考えてよろしいんじゃないかと思います。しかもそのとき実際に教員になりましたのはたった一名でございまして、結局これは待遇という実際的な理由によるものと、こう考えられるわけでございます。結局本案が実施されましても、教員の待遇改善が行なわれない限り、教員を必要とする程度において確保するということはむずかしく、本案は結局何のための教員養成所であるか、こういう疑問が起こって参るわけでございます。
 時間がきて非常に申しわけありませんが、さて、どのようにしてそれでは工業教員を養成すべきであるか。これは種々の方面でもうすでに言われていることでありまして、工業高等学校教員の待遇の改善ということが先決でありましょう。また多少なりとも研究可能な職場環境の整備ということが必要であります。それらが改善されますれば、現在の優秀な開放制度の教員養成制度である大学からでも相当教員になると思います。四年制は、最近の技術の伸張、技術革新の時代にあたりまして、これを延ばすことこそすれ、短くすべきではないと考えられます。教員養成の大学の充実はもちろん望ましいことでございます。これらの措置は必然的にこの方面に従来以上多くの国費を回さなければならない、こういうことになるわけでございますが、これは日本が工業立国で繁栄するよりほかに生きる道がないのである、こういうことでございますから、むしろこれは当然なことでありまして、これはまた国民全体の福祉の向上にも合致するものでございます。一流国に比しまして、国民所得に対するこの方面に使用するパーセントをとって参りますと、はるかに低く三分の一程度となっているわけでございます。ここで決して無理なことではないわけでございます。こういう点から見ますと、敗戦後、国の将来は結局教育の力に待つよりほかはない、こういう厳粛な決意のもとに教育の普及、教員の質の向上がはかられたわけでございます。当時、経済的な再建の見通しがほとんどなかったときにおきまして、なおかつそのような再出発を行なったようなわけでございます。今こそ、当時の、将来を教育に託した精神を生かし、立ち直った経済力を用い、抜本的に教育の諸条件を整備すべきときではないかとわれわれは考えております。工業技術教育はその重要な中核をなすものでございます。
 最後に、池田総理大臣を初め、現政府の方々、荒木文部大臣、本文教委員会委員長及び委員各位に衷心より訴えたいと思うのでありますが、どうぞ教育を担当する側の責任を持つところのわれわれの意見を取り上げていただきたい。閣議における再考慮とか、あるいは急速な改良案とか作られまして再審議していただきたい、こうわれわれは考えます。このようにすることは、政府、国会、委員会にとって決して不名誉なことではないと思います。かえって政府または委員会が、科学的に確実な基礎の上に立った技術教育というものを本気で考えているんだということを示すものだと思います。もしそうでなければ、われわれは政府や国会に対して逆な判断を抱くというようなこともあり得ることでございます。まあ、失礼なことでございますけれども、われわれから見ますれば、当然根拠にならないようなことを根拠にして事を実行せられるということは国家の損失でございます。何としてもこれは再考をお願いしたい、こう思うわけでございます。時間を限られておりますので十分なことを申し上げられなかったことは大へん残念でございます。大臣を初め、皆様方に多少言葉の表現の上で失礼なことを申し上げましたかと思いますが、何とぞ御寛容のほどお願いいたしたいと思います。
#10
○委員長(平林剛君) どうもありがとうございました。
 以上をもちまして参考人の方々の御意見の開陳は一応全部終了いたしました。ただいまの参考人の各位の御意見に対し、御質疑のおありの方は順次御発言をお願いいたします。
#11
○矢嶋三義君 数点お教えいただきたいと思います。
 まず、勝田先生にお伺いいたしたいと思うのですが、先生、基本的な原則を四点あけられて御教授いただきました。そこで現在のあらゆる条件を、現実条件をお考えになって、工業教員を養成するのにはどういう方法をとったらいいと具体的にお考えになっておられるか、先生のお考えがございましたら一つお教えいただきたい。
 それからもう一点は、はっきりと私再び意見を伺っておきたいのですが、それは三年の工業教員養成所の教科の編成から、三年を終えたからといって、学校教育法に基づく大学の四年への編入等はできないと思うのです。三年も私はできないと思うのです。この点については確定的な意見は出ておりませんが、本委員会でかなり論ぜられたところでございまして、大学に現在教授として教鞭をとられておられるわけですから、しかも教育学が専攻でございますから、この点お詳しいと思いますので、さらに大学との結びつきの関係において先生の御所見をはっきり伺っておきたいと思います。参考に、私の意見としては、これは現行大学との結びつきようはないと、こういう私見を持っているわけなんですが、それに対しての先生の御批判なり何なりを承りたいと思います。
#12
○参考人(勝田守一君) お答えいたします。最初の御質問でございますが、これは先ほど進藤教授からもるる御意見がございましたように、基本的にはやはり少なくとも教員の初任給のべース・アップと申しますか、このことが非常に重大ではなかろうかと存じます。これは、過去の経験から申しましても、私ども戦前に教師になった者でございますが、その場合、官庁あるいは他産業の方面に行かれる卒業生と私ども教師になる者とは、初任給におきましてはかなり私どもの方が高かったわけでございます。もちろん年月の流れの中で官庁や、まあ官庁よりも企業、産業の方の方の方がどんどん上がりますけれども、そういったことを考えますと、少なくとも初任給を上げるということがまず第一の条件になるのではないかと考えます。これはしかし条件でございまして、その養成の方法、方策ではございません、方策に関しましては、先ほど原則的に申し上げましたように、やはり現行の教員養成の精神というものを十分おくみ取りいただきまして、たとえばでございますが、四年以上の、現在各大学の工学部あるいは工業大学に設置されてございます工業教員養成課程というものを実質的に充実するということが何よりも大切なのではなかろうかというふうに考えます。さらに、何も一つの方法だけで考える必要はございませんので、工業教育学部とか、あるいは現在の学芸学部あるいは教育学部の中に工業教育学科というようなものをどんどん設置していただくというようなことも将来の日本の科学技術産業の発展という観点から、少なくとも長期の計画を立てて、今日から出発いたしませぬと、これはとんだことになるのではないか、こういうふうに考えております。なお、大学付置の工業教育あるいは技術教育研究所というようなものも将来発展していく技術、工業技術のために再教育を施していく機関として、ぜひとも考えていくべきではないか、こんなふうに思います。
 第二の御質問に関して申し上げますと、これは三年制の教員養成所のカリキュラム、教育内容から見ますと、現在の大学の履修に必要な単位数というものがございます。こまかい数字を今覚えておりませんけれども、一般教育に関しましては、それぞれ社会科学、人文科学、自然科学の各系列に十二単位以上、それから語学が先ほど申し上げましたように、一つの語学は八単位以上、それからもう一つは四単位以上、やむを得ない場合だけ一外国語で済ますというような条件がございますが、そういう条件、そういう条件から考えまして、これに非常に差がございますので、大学では受け取りましても、そのあとで教育課程を組む上で非常に困難を感じますので、おそらく新たに大学入学をする、ほかの大学編入ということは非常に困難ではなかろうか、もし、大学編入を可能にするためには、今後大学の基準の方を変えていかなければならない、こういったような問題があるのではないかというふうに私は考えます。
 つけ加えさせていただきますと、先ほども申し上げましたように、短期大学の終了者でも大学三年に編入する道が開かれておりますので、それに比べましても、そこに三年であって、しかも大学へのコースの中に入れないという不合理を感ずる次第でございます。
 以上でお答えを終わります。
#13
○矢嶋三義君 次に、杉野目先生にお伺いしたいのですが、先ほど進藤先生から、文部大臣の国会における発言を一、二取り上げられて話されておりますが、ちょうど先般の委員会でも私と文部大臣がやり取りしたのですが、文部大臣は四年制大学にまさるとも劣らない教育ができるということを盛んにおっしゃっておるのです、まさるとも劣らないという表現を。この表現と、先生のさっきのとはちょっと似ていると思うのですが、工学部とほとんど近い教育ができる、こういうふうに承ったのです。それから一般教養は十分でないが、補充を工夫したい、学長として、こういうお言葉を聞かせていただいたわけですが、工業大学と北海道大学とは大学の構成でかなり違いますけれども、時間があればあとで進藤先生にも伺いたいと思うのですが、進藤先生の方はなかなか教官が協力援助することは、最近のように学生定員がふえてくると容易でない、こういう御説明があったわけです。北海道大学の方では教官の協力というのは十分見通しがあられるのか。四年制の工学部とほとんど近い教育が行なわれるというのは何か特別な御構想でも持っておられるのか。さらに、あなたのところに付設されることになるのですが、専任教官、これは大体職員の半数以上は専任教官で確保できる見通しが立たれておられるか。大学設置基準では、専任教官は半数以上でなければならないという条章があるわけで、この趣旨を生かしたいということを先般の委員会で文部省側は答弁をしているわけです。あちこちの大学から非常勤講師をかり集めてきたのでは、人の師となる教育はできないと思うのです。だから、北海道大学の実情から、そういう点はいかように御判断されておられるか。
 もう一点は、先ほど勝田参考人の御発言から私は思いついたのですが、日本の総合大学の総長としての先生にぜひ承りたい点は、先般、学術会議が、自然科学に偏向することなく、自然科学と人文科学と社会科学と総合的に有機的に結合された形においての日本の科学の振興の具体的な科学基本法というようなものを制定してしかるべきだ、こういう意思決定を学術会議が先般なされたようですね。ところが一方、昨年の十月四日に、十年後を目標として、科学技術振興の総合的基本方策に対する政府への答申の中で、やはり日本の科学技術振興の基本法を制定してほしいという、すべきであるという答申がなされておるのです。その答申は、自然科学オンリー、一辺倒的な立場からそういう答申がなされているわけですね。だから同じ日本の科学の振興に必要な科学基本法といっても、その考え方は違うと思う。そのことと、今教員養成について、四年制にまさるとも劣らないだけの教育ができると、あなたは今非常に不足している、だから養成していく、だから一般教養とか教職科目、そういうものを若干大幅に削減しても、ただ専門教科だけをやっていればよいという立場で養成しようという見解と、いや、それじゃいけないのだ、先ほど勝田参考人、それから進藤参考人から、やはり人間教育も大事だという立場からの所論を聞かされて、私は先ほど申し上げたことを想起したわけですが、日本の総合大学の総長としての先生はどういう御見解を持たれておられるか、このことについて一つお聞かせいただきたいと思います。
#14
○参考人(杉野目晴貞君) お答えいたします。先ほどの参考意見の中に、私は本案によりまして、今の四年制の工業教育にほとんど近いものができると思われるということを確かに開陳いたしました。これはわれわれの大学の関係者の見解でありまして、たとえば北海道大学においては、産業教育講座というのもございますし、それからまた産業教育施設という特別の施設も持っておりますので、この教員養成所を通じて、新しい構想で教育してみたいという意欲的な考えの方もあるのでございます。それらの点を勘案いたしまして申したのでございます。
 次に、専任教官のことにつきましては、私は見通しは明るいと申し上げます。すでに選考も内々進めておるのでございます。
 第三に、いわゆる科学技術の振興ということでございますが、矢嶋委員の、自然科学と人文社会の科学、それが総合大学においていかなる発展を遂げてきたかということに関心を持たれておられることに対して敬意を表するものでありますが、そのことにつきましては、私の所見を学術月報の昭和三十五年一月号に詳細述べてあるのでございます。それは、昭和三十四年の秋でありましたが、科学技術庁の委嘱によりまして、ヨーロッパの、イギリス、フランス、イタリア、スイス、西独、この五カ国のいわゆる科学技術振興方策の調査に行って参ったのであります。で、ヨーロッパの各国におきましては、これは人文社会も含めた総合的な科学技術の振興を希求しておるということでありまして、このことについては、個人的には、現大臣の荒木大臣にも私率直な意見を申し述べておるのでございます。特に、私ども、総合大学について考えさせられますことは、地方の学術センターという、そういう責任まで痛感しておるのでございまして、ヨーロッパにおきましては総合大学という範疇に入りますのは、人文、社会と理学と医学というのが大多数でございます。で、工業技術とか農業技術者の養成機関は別途設けられておることは御承知のことと思います。それらのことも参考いたしますというと、いわゆる日本における総合大学のあり方というのは、私は率直に申し上げまして、ヨーロッパの――なおアメリカにおきましても、一八六三年にいわゆる土地付与法――ランド・ラント・カレッジというあの制度が始まる前の有名校におきましてはヨーロッパと同じ理念のもとに総合大学が運営されておるのでございまして、人文、社会と自然科学との均衡のとれた大学が望ましい、かように考えておるのでございます。
 これに関連しまして、教員の人間形成の問題について申し上げますというと、これは、教育、特に教員養成の場合においては、教官も生徒もその目的に徹しまして、全科目を通じて人間形成に当たるように養成所の運営に留意すべきものと、かように考えておるのでございます。
 以上、簡単でありますが、お答え申し上げます。
#15
○矢嶋三義君 もう一回伺わせていただきますが、それでは、先生の科学に対する御所論を承っておりますと、やっぱり今度の教員養成制度というのは、一般教官が不足で、補いようがないという大きな欠陥があるということになるのじゃございませんでしょうか。先生も、やっぱり、そういうことをお認めになられておるのではないかという、言葉を承って、感じがするのですが、それをいかように補充をされようとされるのか、その点と、それから、先ほどから、専任教官については、明るいというお言葉でございましたが、半数以上専任教官が確保できる見通しが立っておるやに承ったのですが、かように承っておいてよろしいのか。先ほどここに配付されました工業教員養成所設置法案反対声明に、お宅の北海道大学教職員組合も名前を連ねられておるのですが、こういう点も一つあわせてお聞かせいただきたいのと、これと同じ内容でありますから、進藤先生にもお伺いしたいのですが、この委員会で文部省側に質疑いたしますと、どの大学も異議なく引き受けて下さった、大学の先生方も意欲的に協力体制があるやにわれわれ答弁を承っておるわけですが、先ほどの参考人としての公述並びに配付されましたこの声明によりますというと、東京工業大学の多数有志教授等の声明にも見られるごとく、必ずしも政府側が本委員会で答弁されておるように了解をし、協力体制にあるようには承れなかったわけですがね。そういう点はどういう状況にあるのか。工業大学においても職員の半数は専任教官で確保できるような内々の交渉でもあっておるのかどうか。伝え聞くところによりますると、昨年末か本年の初頭あたりに教授会が開かれて、教授の方々の意向を取り入れて学長さんが私信の形で文部当局に何らかの要望――意思表示をされたやに承っておるのですが、その学長さんの私信の形で提示されたものと、本法律案の内容とはどういう関係になっておるか、あるいはそれが受け入れられなかったので、有志教授はこういう反対声明を出すに至られたのか、それらの経緯と内容を杉野目先生からお教えいただいた後に一つお教えいただきたいと思います。
#16
○参考人(杉野目晴貞君) 結論は前回申し上げた通りでございまして、協力体制がどうかということでございましたね、それは私どもは先ほども申しましたように、当局から相談がありましたとき、関係学部の意見を徴したと申し上げましたが、工学部並びに教育学部の当局に意見を徴したのでございまして、これに協力するということを申されておるのでございます。
 それから教官のことは人事のことでありますから、最後まで確実なことは申し上げかねますが、私は明るい見通しであるということを繰り返しておきたいと思います。
#17
○参考人(進藤益男君) 東京工業大学の職員でございますので、私が存じておりますことを申し上げます。昨年の七月、文部省から内簡という形、つまり秘密扱いの文書で、本案の設置を計画しておるから意見はどうか、こういうような趣旨の文書が学長あて参ったそうでございます。工業大学におきましては、教授会というのが最高の決定機関でございますが、学長の諮問機関として運営委員会というものがございます。教授会に出される議題や何かを整理する、あるいはどういう形にして出すというようなことは、その運営委員会で行なうというような習慣がございます。学長は運営委員会にそれをかけまして、さらにその関係学科、つまり工業学科、電子工学、建築学科系の主任という方に相談いたしまして、またこの運営委員会の委員とも相談いたしまして、それに対する答申のようなものを九月末に出しておるわけでございます。その運営委員会や何かの議論は、詳細なことは、私は運営委員でありませんので、詳細なことは存じませんが、結局この案は非常に理念としてはとうてい賛成するわけにいかぬ、しかし、われわれとしてあまりはっきりしないような、たとえば対文部省との間の予算折衝、そういうようなことがおそらくあるのだろうと思いますけれども、そういうことを考慮いたしまして、一応意見として学長私信というような形で出す、こういうようなことになったそうでございまして、学長が九月末その私信を出しておられます。その私信の内容は――十月の半ばころたしか事務局長を文部省に招集されまして、打ち合わせがあったというふうに後に聞いております。さてそういうふうに時間が過ぎていったわけでありますが、学長はこの案の重大性というものをお考えになったと思うのですが、また運営委員会がそれを進言したと思うのですが、十二月の末の二十七日の教授会に至りましてこの問題がこういうふうに文部省から来ているということを公表いたしました。で、教授全体にこの了承を求めたわけでございます。それによりましてその全貌というものがわれわれに大体周知されたということでございます。もっともその教授会に乗らない前もいろいろこの部分的には相談があったと思いますが、教授会に一応公表されたのは十二月二十七日でございます。このとき学長が私信の内容を発表いたしたのでありますが、その内容はどういう内容であるかといいますと、その修業年限は四学年として一般教養科としてもらいたい、教育内容は大学と同様なレベルにしてもらいたい、学生は少なくとも八千円の給費を行なってもらいたい、本案では最初文部省は七千五百円の給費にしておりますが、大蔵省でそれが削られたということになっております。八千円の給費が必要である、それから教官は最低教授三、助教授三、助手三としてもらいたい、本案では二、二、二と、こうなっておるわけであります。施設といたしましては田町に千七百坪、これは工大の場所とは離れておりますが、五千坪の運動場がほしい、それから予算といたしましては三学科にいたして一億五千万円がほしいと、こういうような意味の私信を文部省に出しておるわけでございます。そういうことが十二月二十七日の教授会で報告されたわけでございますが、提案された法案の中には全然こういうことが考慮されていないように思われます。あの内簡はおそらく現在提案されておる法案と大体同じであったと思うのですが、七千五百円の給費を除きますと同じであったと思うのでありますが、これに対する学長の私信というものはほとんど取り上げられていない、こういうことになるのじゃないかと思います。さて、そういうふうに教授会で発表になりましたので、にわかにわれわれの大学でこの問題に注視することになりまして、一月の教授会を経まして二月上旬の教授会に至りましてこの問題を正式に教授会として取り上げたわけでございます。二月上旬正式に取り上げましたのはどうしてかと申しますと、二月上旬文部省から大学に正式な文書が参りまして、これこれの大学に設置する予定だからこれこれの計画書を出せ、こういうような趣旨の文書が参りましたので、初めて正式に教授会の議題となったわけでございます。そのときにまあわれわれ教授会にずっと出席している者として感じましたのですが、まれに見る非常に熱心な審議が行なわれたわけでございますが、結局そのときには二月上旬――八日でありました。二月八日の教授会では決定するに至りませんでした。継続審議になったわけでございます。二月中旬文部省に諸大学の学長、事務局長あるいは主任というような方々がお集まりになりまして文部省と打ち合わせをなすったということを聞いております。そのときに、学長が学長私信の内容と大体同じことを文部省に要望したと、こういうふうに二月二十二日の教授会で報告してございます。二月二十二日の教授会は、二月中旬の文部省における打ち合わせなどの報告の後、再び本案について論議したわけでございます。もともと本案は正式文書におきましては、お前のところで置くかどうかということの可否を求める形になっておらなかったと思います、お前の大学に置くから、これこれの文書を出せ、こういうふうになっております。従って実質的には学長ないしそのまわりの運営委員会の方々は相当前から知っていたわけでございます。実質的にわれわれの耳に入りましたときには大体決定したという形になっていたわけでございます。こういう点におきまして非常に教授会でも相当問題があったわけでございます。それから、学長私信に対しましてほとんどその私信の内容が文部省原案では取り上げられていない、こういうことが非常に大きな、われわれとしましては、疑問ないしは不満として受け取られたわけでございます。大体そういうようなことでございまして、この二回の教授会におきまして、結論的なものを申し上げますと、この案は理念としてはとうてい引き受けるわけにはいかない、ただわれわれとしては国立の工業大学でございますので、これを文部省の正式文書に対しまして、今暁に国会で審議中のものを教授会という名において正式に拒否するということは、これは不適当な措置であろう、従って理念としては受け入れるわけにはいかないけれども、一応これに対する教授会としての決定的な態度は保留しておく、ただ法案が通った場合はすぐに、たとえば建物の設計とか、そういうことは早急にできませんので、そういうような法案が通った場合のことを予想いたしまして、建物とか、そういうものの計画は立てる、この点は学長に一任する、こういうような格好に二回の教授会できまったわけでございます。で、まあこういうような微妙な表現をとっておりますのは、結局われわれは国立大学の教官でございますので、そういう点を考えてそういう表現をとっておるわけでございます。で、大体われわれ大学の全体の傾向というものはそういうことでないかと思います。で、二月の下旬以来国会で毛相当審議されまして、この審議過程というものがある程度知られわたってもいるわけでございますが、それに対してますますこの法案というものが非常に大学の現体制に影響を及ぼすものである、たとえば先ほど文部大臣とか文部省当局のお話にありますように、実はその大学当局の非常に大きな協力ということの上に初めてこういうような案が成り立っているというようなことがだんだん知れわたってきたわけでございまして、この点先ほど申し上げましたように、特に実験指導や何かに当たらなければならない若手の教官の間に非常に大きな動揺が起きているわけでございます。それから教官の確保ということでございますが、もちろん、たとえばドクター・コースを出たような学生は工大にもございます、それから非常に昇進がおくれて、工大では特にそういうものがたくさんおるわけでございますが、昇進がおくれておる方が非常に多くございまして、あるいは退職教授というような方がございます、そういうような方を専任教官に充てるというような計画は、学長が数人の諮問委員を組織されまして、事務局長を督励いたしまして、作っているというふうに承っております。ただその場合は、たとえばこの教官の名簿が出た場合には、必ずしもその趣旨に賛成して出しているというふうに大臣や文部当局でお考えになると少し実際と違うのではないかと思われます。これは、たとえば教養の教官を専属教官の中でこういう教官が予定だというふうに出されたといたしましても、それはこういう実は意思を表明しているわけでございます、ぜひとも教養の専任教官を定員化してもらいたい、そのためにはこういうような人を準備しているんだ、こういうようなことでございます、決してこのままの原案に賛成して予定されることを承諾しているということではおそらくないんじゃないか、まあその中には承諾している方もあるでありましょうが、全部がそうなっているわけじゃないんじゃないか、こういうふうに私は承っているわけでございます。ただこういうことは元来あまり公表されないことでございまして、私一教授でございますので、詳細なことは存じないわけですが、先ほど教官を補充できるかどうかという問題が出ているわけなんですが、そういう意味の問題と、もう一つ外来講師を大学から派遣するという問題でございます。これが実に困難な問題なんでございます。専任教官の場合は、先ほどのような方々をある程度出すといたしましても、外来講師を現大学から補給するということは先ほど申しましたように、教養の、物理、化学の実験を担当の外来講師を、本学から出すというようなことは、おそらくこれはできないんじゃないかと思います。もしこれをかりに強行いたしますと、たとえば今五人の実験担当の教官があるといたしますと、これはもう非常なオーバー・ワークになっておりまして、そのうち一人が向こうに行ったといたしますと、今まで五人で受け持っていたやつを、オーバー・ワークの部分を四人で受け持たなければならない。それから一人行った教官は、向こうに行くことによりまして手当を受ける。そうしてこっちのオーバー・ワークの部分は残った者に引き当てる。そういうような一例をこれは申しましたけれども、これはそういうようなことが非常に起こって参るわけでございまして、大学の現在における教育体制というものは非常に影響されてくることになるわけでございます。従って教員の補充という場合には、専任教官の補充ということと、それから大学から派遣することがどのくらいできるか、こういう点に注目して私は先ほど申し述べたわけでございます。大体こんなようなことでございます。
#18
○野本品吉君 一つお伺いいたします。進藤先生と勝田先生に――立たずに失礼いたしますが、どうぞすわっていてお答え願いたいと思います。
 それは私は長いこと教員生活をした人間なんですが、大体今までの歴史から見て好況時代、世間一般が景気のいい時代には、いつも教員の質的な低下と、それから量的な供給困難という事態が起こってくるのは、もういつもそうだったと思うのですね。そこで今度の場合も、やはりかつてあったような事態が今まで以上に深刻に広範に現われておる。これが今の教育界の実情ではないかと私は判断しておるわけなんであります。そこでそういうときに、どうしてその事態に対処してくるかということについていろいろ考えられて、何十年前だか知りませんが、教員養成のためにかつて東京高等師範と、それから広島の高等師範に、臨時教員養成所というものを設けた、それが今なくなっておりますけれども、少なくともそういう教育界のピンチに、臨時教員養成所というものができて、その臨時教員養成所を出た方々がとにかくピンチを乗り切る上において相当な貢献をしておる、私はそういうふうに考えておるわけなんです、それらの点についての御所見はどうですか。
#19
○参考人(勝田守一君) お答えをいたします。すわったまま失礼いたします。
 お説のように、おっしゃいました通りのことが過去にございましたので、そのときにもたしか教育史を見ますと、本格的な師範を増設するかどうかということは、だいぶやはり議論になっていたと記憶いたしております。にもかかわらず、それが正規の師範の増設になりませんで、今おっしゃいましたような臨時的な教員養成所の設置ということになったわけでございますが、ずっと古くは大学にも、帝国大学にもございました。これはもうわずかな期間に消滅したというふうな運命を持っておるようでございます。そういうことを考えまして、景気の変動によって教員の需給に変化が起こるというのは、これはもう今までの歴史が示す通りでございますが、しかし、科学技術の今後の発展というような観点から申しまして、やはりそんなに変動があるというような計画では、これはやはり国民生活の上からいっても大きな問題があるのではないかという前提を私どもは考えておるわけでございます。従いまして、今後十年あるいは二十年という長期にわたって、日本の産業、特に工業を中心とした、基礎とした産業というものがどうしても発展していかなければならない、これは国民的な念願でございますし、またそういう計画であってほしいというのが、過去はともあれ今後は望みたいという観点から、やはりそうであれば、先ほどから私も懸念いたしておりますし、進藤教授も申されておりますような、やはり優秀な、そうしてほんとうに今後の科学技術の発展をになう青年たちを育ててくれる、そういう教員の養成というふうに考えていきたい、こういう観点から申し上げたわけでございます。
#20
○米田勲君 ちょっと答弁の前に質問があるのだが、文部大臣が何のために今退席したのか、委員長わかっていますか。こういう大事な参考人に来ていただいて、貴重なる意見を聞くめったにない機会に、理由もなしに退席をしているのであれば、直ちに呼んで来てもらいたい。態度が悪い。不見識ですよ。
#21
○委員長(平林剛君) お答えをいたしますが、文部大臣は十二時にお約束があるので、委員長に退席の許可を求められたので、これを許可いたしました。
#22
○参考人(進藤益男君) ただいまの問題に対しましては、まず戦前の技術の水準と、現在の技術の水準と違います。それから現在の技術の国民生活に及ぼす重要性と、過去の技術の国民生活に及ぼす重要性とは、格段に違っております。発展のスピードというものが、全くオーダーが違ってきます。従って同じ教員になるといいましても、現在では過去の臨時的な措置によって育てられたような工合では、現在の急速な技術革新の新時代に対しては全く適応しないのであります。それが一つであります。
 次に、われわれは御承知の通り、戦後、戦前の教育のいろいろな欠陥に対する真摯な反省に基づきまして、教育基本法、学校教育法を設定したわけでございまして、それによって教育の普及と質的向上をはかったわけでございます。たとえば教育職員免許法が制定されまして、閉鎖的な教員養成制度が開放制度になりまして、教員の質の向上がはかられたわけでございます。こういうことが、先ほど申しましたように経済的な再建の見通しのない時期において、なおかつこういう段階にわれわれは踏み切ったわけでございます。そういう歴史の方向に踏み切ったということは、これは現在非常に正しいのではないかと思うのです。この十数年の間における科学技術の発展、それによって国際関係が指導されているというような現状において、まあ古い時代の感覚で現在の事態を論ずるということはできないのじゃないかと、そういう事態においてわれわれが導入いたしました民主的な国家を形成する――これは資本主義であろうが、社会主義であろうが、ともにその根本理念において僕はそんなに変わっていないと思うのですが、とにかくそういう国民全体の福祉になる社会を建設するというためにわれわれは踏み切った、こういう措置に対応する教育制度として、われわれは戦前のような、ああいう教員の養成ということは不可であると思います。そういうことは国家のこれからの長い見通しにおいて結局マイナスである。われわれが国際場裏に落後をする、こういう運命をわれわれの国民に課するのではないか、こういうふうに私は考えているのでございます。
#23
○野本品吉君 私は勝田先生にしろ、進藤先生にせよ、学者として学的な良心に基づいて、日本の教育の将来のあり方について、きわめて真摯な御研究を続けられ、そうして御意見を御発表下さることは、私どもにとりましても非常に有益であり、参考になるわけですが、私どもも考えているのでありますが、先ほど来いろいろと御意見を承っておりますと、結局いろいろな制度的にも問題があるが、この法律を実施する上において、その効果を期待するためには、教職員の待遇の問題とか、それから設備、施設の改善充実とか、あるいは教授力の充実その他、まあまとめていえば、予算的措置がこの仕事をするのには非常に条件的に足らないということで、そういう条件的な点が充足されるならば、皆さんの反対の考え方というものも相当程度緩和できるというふうに受け取ってよろしいですか。
#24
○参考人(勝田守一君) お答えいたします。先ほど来申し上げておりますように、工業教員あるいは技術教員の不足、今後さらにますます要求が大きくなるであろうという観点に立ちまして、それにこたえていく計画、それから実行というものは、私どももその点においては賛成でございます。しかし、繰り返し申し上げて参りましたように、それを満たすためのやはり最低の条件というものが具備しておりませぬと、さまざまな点で拙速という結果を招きまして、そのために教育上あるいは教員養成上ゆゆしい問題が新たに尾を引くというようなことになることを非常におそれますので、最初に申し上げましたように、急速な、そしてまた適正な教員養成という点については、私どもも心から願っているわけでございます。以上でございます。
#25
○参考人(進藤益男君) 大体、勝田教授の意見と大差ないわけでありまして、おっしゃいますように、ある目的を立てた場合は、それに対して必要な条件を確保する、そういうことがなければ、抽象的な言葉だけで現実は進まないわけでございまして、特にわれわれのような科学技術をやっている者は、それを毎日現実に体験しているわけです。おっしゃいますように、条件を整備して、ぜひともやり直していただきたい、こういうふうに衷心からお願いするわけでございます。
#26
○野本品吉君 それで、先ほどからいろいろ御意見を承っておりますのですが、われわれは与党という立場にあるからという意味で申すのじゃないのですが、私ども自身は、実は教育の問題につきまして、文教政策そのものについて、従来の政治というものが一般にこれを軽く扱ってきておったということについては、われわれ自民党の文教委員全部が非常に強く批判しておるわけです。そこで、少なくとも文教優先の原則を打ち出すべきである、その実をおさめるようにすべきであるということでやっているわけなんです。従って、古いことに執着し、古いことに郷愁を持って考えておるというようなことではありませんので、文教全般を通じまして、われわれは相当前向きに考えておるということは、一つ誤解のないようにお願いいたしたい。それで、本日皆様に参考人として御足労をわずらわして、いろいろと御意見に耳を傾けようとしております私どもとしては、できるだけ学者の学問的な研究に耳を傾け、同時に、これは私が申し上げるまでもなしに、この委員会は政治の場でありますから、学者の先生方の御意見をお伺いしつつ、今度は現実にどういうふうに対処していくかという判断をしなくちゃならぬ。従って、進藤先生からいろいろと御警告は受けましたが、学問的な判断と、われわれの国会の委員会における政治的な判断というものは必ずしも一致しないこともあり得るというような寛容な態度でわれわれを見ていただきたい、そういう希望を申し上げておきます。
#27
○矢嶋三義君 もう一つ聞かしていただきたいのですが、小野先生に伺いたいのですが、先生は全国工業高等学校長協会理事長としてお見えになっておりますから、そのことでお伺いしたいのですが、先生の御意見の中に、工業学校の先生が確保できないということをるる御説明いただいたわけです。よくわかりましたが、この際それに対する対策という立場からの御意見を小野先生から承ることができなかったので、それで承りたいのですが、給与もありましょうし、また教育の職場における条件、施設、設備、さらに先生の手助けをする職員構成、そういう点も確保できない大きな理由になっているのではないか。それで伺いたい点は、たとえばお宅の工業学校では、一学科について二人以上の助手を置かなければならないと高等学校設置基準ではなっておりますね。これは今、工業高等学校に限定しますが、一学科について適格なる助手が二人以上基準通りに置かれているのかどうか。これは適格者が置かれている場合と、置かれていない場合では、先生にとってはずいぶん魅力が違ってくると思うのですね。この点と、それから御公述の中になかったわけですが、今の工業高等学校は、テンポの早い科学技術の進歩に即応できるような中堅技術者、技能者を養成できるような施設、設備の状況にあるのかどうか。私も若干視察した経験があるのですが、ある特定校においては相当な施設、設備を持っておりますが、大多数の学校においては全く前時代的な施設、設備の状況であるというように私は判断しておるのですが、こういうことも工業高等学校に工業科教師を確保できない一つの大きな隘路になっているのではないか。それが事実ならば、やはり国策に沿うという意味で、政治の力で打破しなくちゃならぬのではないか。そういう点もきょう御公述いただけなかったのですが、その点と、もう一点は、先ほど他の参考人の方々から給与のことをお聞かせいただいたわけですが、最も関係の深い小野理事長さんからは調整号俸だけの御説明をいただいたのですが、これは討論の場ではないから申し上げませんが、私は非常に心外な感がしたのですがね。とにかく、あなた方の部下として働いている先生方の初任給初め、給与を全般に上げるということが必須欠くべからざる要件ではないか。調整号俸ということを言われましたが、それで伺いたいのですが、この前もここでちょっと文部省と質疑応答をやったのですが、たとえば産業教育振興手当というものがございますね。あなたの学校で、あなたの部下で、産業教育振興手当七%をいただく人と、いただかない人があるのですね。これは学校長として学校を運営していくにあたって、どういうお感じを持っておられるのか。それからまた、今度あなた方の部下に初任給調整手当がつくようになりましたね。これが、工業科の先生だったら初任給調整手当が二千円つく。英語、あるいは国語、社会の先生だったらもちろんのこと、物理、化学、数学、理科の先生でも、初任給調整手当は、二千円はおろか、一円もつかないと、こういうような調整号俸的な、手当的な給与で糊塗しておるような格好なんですが、こういう点でよろしいのかどうかという点、私ども立法府に席を持っておる者として、疑問を持っておるわけなんですけれども、実際、教育の場で、責任者として、何名かの部下教職員を引き具して、学校を運営し、教育を推し進めていく学校長さんあたりとしては、こういう点については、教職員確保という立場から、工業教育振興という立場から、学校の円満にして能率的な運営という立場から、どういう御見解を持っているのか、ぜひ一つお聞かせおきいただきたいと思います。
#28
○参考人(小野軍操君) 手近な、今の調整号俸の点ですけれども、われわれとしまして、技術系の教員ばかりでなく、一般教員にもしてもらいたいという要望はいたしております。しかし、いろいろな、私らから見ただけではあれでして、文部当局あたり一般から見ますと、なかなかできかねるというか、実現はいたしておりません。当初においては、かなり、産業教育振興手当が出たときには相当やかましかったのですが、現在では、やや小康を保っているという程度なんです。できれば、われわれ仲間でも話はしておりますけれども、真の工業教育を高等学校において振興するには、普通科の方の教員にもいただければけっこうだとは話はいたしております。
 それから実習助手の件ですが、やや不足はいたしておりますけれども、大体、一学科に二名というように聞いております。多少不足のところ、人が得られないとか何かで困っておるようなところもあるようですが、私、東京に勤めておりますのですけれども、東京あたりは条件がいいわけですから、例にはちょっとあれかと思いますが、大体、今のところそろっております。
 それから学校の施設、設備につきましては、産業教育振興法が制定されましてから、徐々に整備されてきまして、各都道府県の県教育委員会におきましても、非常に力を入れていただきまして、完璧とは絶対に言えませんですけれども、徐々に備わってきております。これにつきましては、毎年、国家予算のときには、われわれの協会としまして、関係方面に、万全の努力をいたしております。一般に見て、それは完全というのはちょっとむずかしいですけれども、かなり進んでおると私は思います。
#29
○豊瀬禎一君 大体四人の参考人の方々の御意見は、ベストではないけれどもベターというお考えの方と、基本的に好ましくないというお考えの方があったようですが、まず、小野さんにお尋ねしたいのですが、私が教育委員会を通じて調べまして、わずかな県ですが、埼玉、東京、千葉、福岡の数県ですけれども、工業教員の、本年度東京都が希望者に対して採用者三〇%、埼玉が約五〇%、千葉が二五%、福岡は二〇%ちょっと切れる、ほかの、数学、物理、化学、生物、地学、この科目をとってみますと、希望者と採用されたパーセンテージはもっと落ちております。本年度は、工業教員になりたいという希望者の五〇%以下しか採用されていないというのが数県の実情です。その他の資料によりましてもそうなんですが、だから今すぐ工業教員希望者が不足しているとはいえないと思うのです。ただ、質の問題はあると思うのです。これは教育ですから、質の問題は非常に大切だと思うのですが、修業年限も三年間に切り下げ、教科課程も非常にカットして、端的に申し上げますならば、質の落ちた人間を急に養成して当面の問題を処理するということよりも、従前の四年制の課程の中に、三年目に卒業するのを、四年目に卒業するまで待って、十分の教員としての資質も量も確保した後に工業教員を充実していくということの方が、私自身も教育界に二十数年おったものですから、どう考えても、わずか一年の差で質の悪い人たちを長期にわたって養成していくというこの法案よりも、これは政治的に考えても、教育的に考えても、学問的に考えても異論なさそうな気がするのですが、小野さんは現場の学校長として、率直に申し上げまして、そういう質の多少劣った教員を養成することもまたよろしいのだ、賛成だとおっしゃる根拠を明確におっしゃっていただけませんか。
#30
○参考人(小野軍操君) 今千葉、埼玉あたりの数字をお聞かせいただいたわけですけれども、協会としてはその数字はちょっと持っておりませんですけれども、とにかく少ないことは確実なんです。常に寄るとさわるとその話ばかりなんです。私は代表で申し上げているわけですけれども、少ないということは確実なんです。それは私も三年より四年やって、あるいは四年より五年がいいというのは、それはけっこうなわけです。しかし、現実に足りなくて、三十八年度におきまして千幾らと申しますか、文部省の方で出された数字ですけれども、私はそれに対処できるのかどうかということを非常に心配しているのです。とにかく足らないということは事実なんです。私理念とか何かでなくて、そういう点で、先ほど申しましたように、この法案につきましては、完璧とは決して思っておりません。しかし、どうしても切り抜けなくちゃいけないというわれわれの切なる希望でして、その点で役員会なんかにおきましても賛成いたすわけであります。
#31
○豊瀬禎一君 あなた現職の校長先生ですから、もうちょっとお聞きしたいのですが、足らない足るの論議をしようとは思いません。教育委員会の報告書では、二百二人のうち六十三人しか東京の場合でも採用してない。このことはおきますが、かりに、不足を前提としても、一方は三年後に出てくるが、一方は四年、一年の違いでしょう。量の問題は、養成設備を拡充して、養成機関に多数入れさえすれば解決する問題です。質の問題は、荒木文部大臣の言っておるように、竹やり精神の犠牲的精神でこれは解決できるものじゃないです。たとえばどなたか、教養課程は専門課程で補うとおっしゃったけれども、そんな器用なことができるならば、わざわざ基準の中に教養課程を幾らやらねばならぬとか、たとえば宇宙の天体を教えながら、カントが星はりっぱなものだといったような、そんな器用なことを、大学では少なくともやってない。そうすると、わずか一年間の差で、一方では充実した資質、量の方は、先ほど言ったように確保できると思うのです、多く養成しさえすれば。ただ、一年間の差だけという、この三年制を工業高等学校の校長さんとして賛成されるというのは、足りません、足りませんということじゃなくて、もう少しそちらの方が学校教育の立場からよろしいというお考えがありましたら、お述べいただきたいと思うのです。
#32
○参考人(小野軍操君) 先ほども申しましたように、十分なる教育を受けてきた職員をあくまでも要望しておるわけです。再度申し上げますけれども、実際において、今現在においてわれわれ仲間で少ないわけなんです。もちろん東京におきましては多少余るくらいのところが出てきておりますが、かなり私らも東京都あたり、教育委員会に当たりまして要望いたしまして、少し下げてもらっているような状態でございます。そのためにどうやら過ごしている。それでまあ中へ入りまして、その不足分は夏における産業教育振興中央会などにおきまして研修なんかも行なっておりますし、そのほかいろいろな点で職員の研修を行ないましてそうして補っておる状態であります・それと一つの、ほかの学校で見られない――見られないというとちょっとおかしいですけれども、実験場におけるものは大体工業生産と似通っておりますので、協力体制がなければできないものですから、そういう点、教員が多少のそこに修業年限に格差が出てきましても、お互いにそこのところ助け合いまして向上していくというふうに努力していくのが工業高校の実情であります。ちょっとこの点はほかの一般の工業高校ではあまり味わわれない点かと、私確信しております。
#33
○豊瀬禎一君 私自身も中学校に在学しておるときに、端的に申し上げまして、あの先生は大学出だとか、あの先生は何々出だとか、同じ科目でも、これはいいことじゃありませんけれども、あなたがおっしゃるように。私のところに福岡工業高等学校がありますけれども、全国の高等学校があなたの学校のように、たとえば程度の低い学校を出てきた人、程度の高い学校を出てきた人が補ってうまくやるというような、そんな余裕はないはずなんです。だからどうしても職員間でもいわゆる四年制の大学を出た人と、三年制の学校じゃない養成所を出てきた人ですね、どうしても差が出る。生徒も、今のような規律で、卒業生が式のとき、ときどき先生にお礼参りをしているといったような学校が、全国でひんぱんに起こっているような時期にわずか――私の言っておるのは数の問題じゃない。数は養成機関の中で多数収容すればできる。結局、一年間、四年制と三年制は一年間のしんぼうで、ほんとうに質のある教師を、良質の教師を持ってくるということが現場の教育上から好まれないで、むしろ三年制に賛成するのはどういう、それの方が学校教育上よろしいという根拠をどうも説明いただかぬから納得しかねるのですけれどもね。
#34
○参考人(小野軍操君) その一年間が私問題じゃないかと思うのですけれどもね。要するに生徒数がふえて教員がいなかったら全然不可能ですから、一年間がかなり問題じゃないかと思っているのです。私もっと、先ほど申しましたように一年でも早くというようなつもりでおるのです。三十八年と三十九年とそこのところがかなり問題だと私思うのです。まあ実際に現われていませんから、私そういうことは数字の上で言ってるわけですが、これは工業関係ばかりじゃなく、教育対策問題というのは、全国のオール高等学校長において相当にやかましく言われている問題です。特に所得倍増関係からああいった大きな数字を出されていますけれども、その一年間がほんとうの問題です。ですから私らとしては、どうしても工業教員がほしいわけですから、その意味において三年制を賛成するわけなんです。
#35
○豊瀬禎一君 もう一点だけです。学校長として新しい時代の人々に対して、あなたは養成所に入ったのだから教員になるつもりでしょう、だから必ず就職しなさいという要求をすること、ないしは質の低い教育を受けてきておっても四年制課程の研修をしてきたと同じ程度の努力をしなさいとか、教育効果を上げなさいと強要していくことが妥当だとお考えでしょうか。
#36
○参考人(小野軍操君) いや、決して妥当だとは思っていません。
#37
○千葉千代世君 小野参考人に伺いますけれども、先ほどのお話の中に、初任給調整手当もできればいただきたいという大へん御謙遜な言葉がございましたのですけれども、これは、できればでよろしいのですか。先般、実はこの委員会で市町村立の負担法の中の初任給調整手当の定時制高校の先生についても討議されたのですが、その初任給調整手当は、この法案が通ればこれにも適用されるということになるのですが、できればいただきたいということで、それでよろしいのですか。
#38
○参考人(小野軍操君) ぜひしてもらいたいということであります。
#39
○千葉千代世君 それから初任給調整手当だけではこれは解決つかないので、私はやっぱり一般の初任給を引き上げていく、こういうふうに考えているわけです。しかしながら、当面の問題の中で、先ほど矢嶋委員からも指摘されたのですけれども、同じ工業の先生であって、たとえば数学の先生には調整手当がつかない、こういうふうになります。そうすると、あなたの学校に新しい先生が五人なら五人いらっしゃったとします。そのいらっしゃった先生の中で数学の先生、それから英語の先生、それには二千円つかない。片方には二千円つく。そうすると、そういう中で学校運営をなさる場合に、別に運営上に支障はないとお考えなんでしょうか、それが一番心配なんです。
#40
○参考人(小野軍操君) それは実際になってみなければわからない点もあるのですけれども、現実にああいった技術系統の人が産業界に出るにしても、ずいぶん差があるのじゃないかと、数字は持っていませんですが、まあそういう点で学校などでも多少差がついてもそう考えられるのじゃないかというふうに想像するに至ったわけです。
#41
○千葉千代世君 私は、論討の場ではございませんので討論を省略いたしますけれども、私、非常に問題になると思うのは、三年制の養成所をお出になってきた方、文部省の方の答えの中には、三年を出て大学へ行きたければあと一年大学へやる、こういうコースが開かれるということをおっしゃって御答弁になっております。先ほどやるようにということを言っていたのですよ。大体開かれるというようになるということを伺っていたのですが、勝田参考人の話の中には、これは初めからやり直さなければならないのじゃないかと、こういうお話もあったわけです。で、必ずしもやるとは言いませんでしたけれども、この前の質問のときに文部省では、大学に行く道を聞いていくということを言っていた。そうすると、単位の問題で非常に差があるのじゃないか、矛盾があるのじゃないか、こういうふうに言ったわけです。そうすると、その問題についてはできるだけそういうふうに計ろうということを言っていたのですが、単位のやり繰りということをおっしゃっていました。それから三年制の養成所の方は育英資金も大学並みにやると、こういうことを言ったわけです。それから今度は初任給調整手当もつくと、とれもやはり大学卒業並みにずっとやっていくと、こういうふうになるわけです。全部が四年制大学と同じような待遇を受けていくわけなんです。そうすると、四年制大学をお出になってきた方と、この工業教員養成所をお出になってきた方、それからこの受け持つ科目によって、たとえば数学なんぞを受け持った方については調整がつかないと、こういうふうに三つの非常に矛盾した点が出てきますが、その場合に、学校運営については、まあやむを得ないからお互いに助け合ってやると、こういうお考えだけで運営なすっていらっしゃるつもりでしょうか。それが一等気になります。
#42
○参考人(小野軍操君) まだ実際にその三年出たのを私ら使っておるわけでありませんものですから、こういった非常時という言葉を使うとどうかわかりませんが、そういう点につきましては、われわれとしてできるだけの努力はしていきたいという覚悟は持っております。実際に使った場合に、それはいろいろごたごたが起こってくることは明らかだろうと思います。
#43
○千葉千代世君 失礼でございますが、どこの学校でいらっしゃいますか。
#44
○参考人(小野軍操君) 都立の鳥山工業高等学校でございます。ことし三年生ができて、三十四年にできた学校でございます。
#45
○千葉千代世君 この臨時教員養成所ですけれども、ずっと前に師範学校の卒業生が足りませんときに、上野に臨時教員養成所というのがございまして、中学校を出て一年やって先生になったわけですね。これは中学等校じゃございませんが、小学校の……。それが同じように小学校の本科正教員の免許状ですから、これは全国どこへ行っても同じだし、東京都に勤めていれば待遇も同じでずっと行かなければならないものなのですが、ところが、ずっと長い月日がたって参りますと、校長さんになるとき、校長の選考をします場合には、戦前でございますと、同じ免状でもって同じ待遇を持っている方でも、やはり青山師範でなければいけない、豊島師範でなければいけないと、校長の選考をやるにしても、今度は青山師範だ、今度は豊島師範だと、こういうふうになって、地方出身の方と、それから東京の臨時教員養成所を出た方はあと回しになる。絶えず私どもはこういう不遇な方たちの間にはさまって暮らしておった。戦争後、やっぱり新しい教育制度の中で、お互いに、免許状は全国同じだし、教育経験についてもこれこれだと、こういう意味ですべてを一緒にした中の、とにかく学校運営をするのに最も適した方、そういう意味で選ばれたり、それから教頭制についてもいろいろな問題があったりしましたけれども、とにもかくにもそういう中で、非常に長い将来にわたって不遇な目にあって、研究欲をそいでいくという面があったわけです。もちろん教育を一生懸命にやるについては大きな自負心を持っておりますが、大きな自信を持っておるけれども、大体同年度に学校を出て、一生懸命やった方について、みすみす出身の違うゆえに差別されているというような悲痛な方々があったのですが、ところが、結局これを見ますと、長い将来にわたってそういうことが出てくるのじゃないか、そうすれば、陰に陽に教育界にマイナスにこそなれプラスにはならないのじゃないかと、こういう点を考えていますが、そういうふうな御懸念はございませんでしょうか。
#46
○参考人(小野軍操君) まあ私小学校、そういったこと全然知りませんですけれども、先ほどどなたか聞いた方のお話にあったようですけれども、前の臨時教員養成所――昭和の初めごろですか、出られた方で、今われわれの仲間で校長をやっておるのです。それから私が若い時分にもそういう方、二方ぐらい一緒にやりましたですが、その当時何ら変わりなかったですね。現在、まあ校長をやるという方、その幾人になっているかということは知りませんですが、東京におきましては、はっきり申しますけれども、小石川工業高等学校の校長ですけれども、なかなかりっぱにやっております。
#47
○千葉千代世君 やっぱり御本人の身になっても、御本人が感じないとおっしゃるからけっこうですが、私の感じるものがあったから申し上げているのです。
 もう一つは、これは直接これに関係ございませんが、少しとっぴな質問になるかもしれませんですけれどもね。まあこの科学技術の振興という点ですね。最近、よその本を読みましたのですけれども、婦人の就学について格別の配慮が国家として払われているという、そういう例をたくさん聞いたわけです。たとえばモスクワ大学ですというと、教授が二千名いる。そのうちの四六%が婦人の教授である。学生ですと、一万七千名の昼間の学生がおって、男の学生が四九、女の学生が五一%、こういうふうに非常に長足の進歩をしている。そういう中で、初めは弁護士とかそれからお者さんとかであったけれども、それも初めは特別に見られておったが、だんだん科学技術の面に進出していっている。国家としてもやはりそういう点については特別の考慮を払っている。これは東ヨーロッパだけではなくて、西ヨーロッパ陣営の中でも、イギリスにしろドイツにしろ、特にドイツは一生懸命ですけれども、フランスにしろ、そういう点に払われていっている。そういう中で、日本がやはり男女共学の問題とか、いろいろな学制上の都合でもって婦人の科学に対する関心とか、あるいはその就学については相当少ない。これは本人、女子学生自身の問題もありましょうし、それから学制の問題もありましょう。それから婦人の性格もありましょうけれども、やはり婦人が行かれるという道については、協会の会長さんあたりのお話し合いの中でそういう点がお出になったことございませんでしょうか。それから特に現在教員の中で婦人の教師がございましょうかしら、工業学校の先生の中に化学とかそういうふうな……。
#48
○参考人(小野軍操君) 決して女生徒を拒むということは絶対に行なっておりません。ですから工業高校におきましては、男女合わせて何名と募集しておりまして、現実に化学の方ですが、工業化学関係ですね、その方には相当の数入っております。今、業界などの電子関係といいますか、そういった方面で女子を相当要望している点も聞いておりますので、まあそういった点でわれわれと話し合っていまして、業界の方面のことを中学校の方に知らせて慫慂しようかというような話も出ております。
 それから、教授の方につきましては聞いておりませんです。技術関係の方では……。
#49
○千葉千代世君 最後ですけれども、去年の夏、コロナの観測所を見に行ったときに、女の助手さんが一人、大ぜいの研究生の中に一人まじって非常に緻密に研究していらしたのです。そういう方から、もう少し仲間がふえていくように私どももやりますけれども、やっぱり各大学、それから国の政策の中で一つあたたかい手をちょっと伸べていただければ、こういう希望があったものですから伺ったのです。以上。
#50
○岩間正男君 一つだけ。私おくれて参ってはなはだ恐縮なのですけれども、小野参考人に一つだけお聞きします。今のお話の中に、所得倍増計画の要求に即応する、そのためにどうしても急速に教員配置を充足しなければならぬというようなお話があったのですけれども、この問題と、今まできっといろいろな参考人の方から話が出たと思いますけれども、非常に期間が短くなるために基礎科学が不十分だ。社会科、人文科、そういうような一般の教養、その上に築かれた科学技術、そういう先生が実際充足されない。そういう点から考えますと、教育の基本的な体系がくずれてくるわけですね、日本が教育基本法に従って今までやってまた教育がね。そういう点をどういうふうにお考えになっているのですか。所得倍増計画というものはこれは池田内閣の出している経済政策の当面の目標になっているわけですが、その要求だけに従ってそれを充足するということが最大の問題になるのですか。それとも今までとってきた教育の基本的な体系がありますね、その体系をくずしてもやむを得ない、やはりそれに奉仕せざるを得ないのだ、そういうところにやはりあなたたちの立場を下されているのか、こういうふうに私はお伺いしていいのかどうか。
 それから、教育を守る立場から、さらにほんとうの意味の科学技術を前進させなければならぬという今の現実の要請、世界的な要請があるわけです。そういう中で、日本はどういうふうに教育に従事する立場から今後これを切り開いていくのか、この点をどうお考えになっていらっしゃるのか。私は先ほどの言葉の端じゃ悪いのですが、非常に何か大きな性格があるような気がするのです。この点についての先生の決意ですか、お考えですか――まあこの二つの矛盾がたしかはっきり出てきておる。こういうことになっている、これについてのお考えをお聞きしたい。
#51
○参考人(小野軍操君) われわれはあくまでわが国の工業発展に寄与するところの初級技術者といいますか、そういった養成に専念する、常にそうやって努力しているわけでして、現在そうやってすでに出てきている、足元に火がついてきているわけですから、そうせざるを得ないというわれわれの話なんです。先ほど、一番最初に申しましたように、決して完璧だと思っておりません。確かにその足元に火がついたのに、私らも不賛成なんて唱えてられないわけです。それで賛成しているわけなんです。
#52
○岩間正男君 どうも私非常にこれは失礼ですけれども、危険を感ずるのは、同じようなことがあった、国家の要請があって、それで政府の要請があって、いわば権力の要請があって足元に火がついて、それに対してもう判断しているひまがない、それに対していいなりに聞かなければならぬ、こういう時代があったわけです、確かに。これは私も教職に相当いたものだからそういうことは知っているわけです。そういうことじゃなかったと思うのですね、終戦後の教育基本法の立場というものは。中立の立場というものは、そういうものじゃなかった。現実の要請は、科学技術を大いに前進させなければならないという、そういう要請があります。これは民族的な要請と考えていいわけです。しかし、これはどうなんですか、そういう先にいって私は非常に欠点が起こるだろう、そうして学問的に見てもそういうことが予想されるのですね、その点はどうなんですか。だから、これに対して、やはり万全を期すということが、教育の当事者の中から私はそういう声が出てくる、そういうことが望ましいというふうに考えるわけですがね。一つの行く方向ですね、そういう点はどうでしょうか。
#53
○参考人(小野軍操君) 私冒頭に話しましたように、全国工業高等学校長の代表者で参っております。私ここで個人の考えは申し述べる必要ないと思いまして、あくまで工業校長協会の役員会に出た問題についてお話申し上げたのですから、その点一つお含みを願います。
#54
○委員長(平林剛君) 他に御質疑の方はございませんか。――他に御質疑もなければ、本案に対する参考人からの意見聴取はこれをもって終わります。
 参考人各位におかれましては、長時間大へん貴重なる御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#55
○委員長(平林剛君) 速記をつけて。
 暫時休憩いたします。
   午後零時五十八分休憩
     ―――――・―――――
   午後三時五十一分開会
#56
○委員長(平林剛君) ただいまから文教委員会を再開いたします。
 まず、高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の一部を改正する法律案を議題とし、発議者より趣旨説明を聴取いたします。
#57
○矢嶋三義君 ただいま議題となりました高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の一部を改正する法律案につきまして、提案者を代表して、提案理由及び内容の概略を御説明申し上げます。
 御承知の通り、働きながら学ぶ青少年に対し、教育の機会均等を保障する目的をもって戦後制定されたこの法律は、発足以来すでに十年になんなんといたしておりますけれども、これらの教育のための施設設備の拡充強化、教職員の待遇の改善等は、いまだ必ずしも遺憾ない状態にあるとは申されません。
 昨年第三十四回国会において、政府の提案にかかる本法律の改正を見ました結果、定時制教育及び通信教育に従事する校長及び職員に対しては、昭和三十五年四月一日から、七%の手当が支給されておりますが、この定通手当を支給する根拠は、定時制教育及び通信教育の複雑困難性にありとし、これらの教育に携わる校長及び職員に対し、その労に報いて、専心その職務に精励できるようにするとともに、優秀な人材をこの方面に誘致確保して、もって定時制教育及び通信教育の振興をはからんとすることが、政府の意図でありました。
 この改正案の審議に際し、衆参両院の文教委員会において、定時制教育及び通信教育における複雑性と困難性とは、教員についてのみ当てはまることではなく、これらの学校に勤務する事務職員についても同様の事情にあるから、定通手当の対象はすべからく事務職員にまで拡大すべきである、という趣旨の主張が繰り返されたのでありますが、このことは、夜間において授業を行なう定時制の課程の事務職員については、特に強調されなければなりません。
 すなわち、勤労青少年の特殊性による事務の繁雑困難は、一般全日制高校とは比すべくもなく、しかも夜間勤務は全く特殊勤務であって、その勤務時間も大体午後二時から十時半にまで及ぶのでありますから、一週間にわたり、連日家族と夕食をともにできない実情にあり、かつ、各校とも非常に定員不足でありますために、その事務量も絶えず過重になっておりますばかりでなく、軽微な疾患などは押して出勤しなければならない事情にありますことから、往々健康をそこねる結果を招いている現状であります。
 以上述べました理由により、この際、夜間の定時制課程の事務職員に対しましても、教員と同様に七%の定通手当を支給いたしますことが、その労に報いるとともに事務能率を高め、ひいては、定時制教育の振興に資するゆえんであると考えられますので一ここに改正案を提出いたした次第であります。
 改正の主要点は、第五条及び第六条の定時制通信教育手当の対象に、本務として夜間において授業を行なう定時制の課程の事務その他の職務に従事する事務職員その他の職員に限って、これを加えることとしたことでありまして、その他若干の字句の改正をいたしております。
 なお、この法律は昭和三十七年四月一日から施行することといたしております。何とぞ十分御審議の上、すみやかに御賛同下さいますようお願いいたします。
#58
○委員長(平林剛君) 本案に対する質疑は後日に譲ります。
#59
○豊瀬禎一君 議事進行に関して。問題をぶち返すようですけれども、今後の運営に関連がありますので、委員長にお尋ねしますが、なるほどただいまの提案につきましては、自民党の理事の方から、委員長に御一任の発言がありましたけれども、私は、理事会決定通りでよろしいという意見を申し上げたはずです。従って、理事会の方法としては、委員長に一任の方針でなっていなかったのに、理事会決定に違反して、委員長が本案を先に審議されたのはどういういきさつですか。
#60
○委員長(平林剛君) ごもっともな御意見でありますけれども、私は、議員立法の精神から言って、これが優先すべきであるという主張は、あなたもお認めになっておることだと思います。そして、一たんそういう決定はありましたけれども、後に、この問題の取り扱いは委員長におまかせ下さいと申しましたところ、特別に異議の御発言がありませんので、御了承いただいたものと考えて、ただいまのような取り扱いをいたしたのであります。その点で御了承願いたいと思います。
#61
○豊瀬禎一君 その話し合いというのは、理事会終了後の休憩中のことであります。私もなあたに聞こえたと思ったんですが、うなずかれたのは、十一日でよろしいという意見があったし、午前中の速記録をとめた会議の際にも、北畠委員から言われたように、米田君が党の決定を言った際にも、放言であるという、こういうお話があったのですが、理事会決定後の自民党の理事さんの、委員長に一任するというあれは、当然私の見解としては私言であり私語であったと思うのです、休憩中のことですから。従って私としては、冒頭に申し述べました通り、提案で、審議じゃないので、自民党が強く要望してあるところの、工業教員養成所の設置の法案の審議には影響ない問題だから、二分か三分のことですからぜひともお願いしますと、こう言ったけれども、強い要望があって、私としては、取り扱いについては不満でございましたけれども一応了承し、しかも時間の都合によっては本日提案しないこともありますという意見を付して理事会の決定を見たと思うのです。で、一応私も、理事会において本案の取り扱いについては正式に意向を申し上げて、理事会の決定を見たのに、そういう取り扱いをされたことについて、私はどうしても了承できないのですが。
#62
○委員長(平林剛君) 厳格に言えば、あなたのお話の通り進めるべきところだと思いますが、考え方によれば、委員長・理事打合会はもうこれですべて終わりと私も宣言いたしてありませんので、委員会が開かれるまで引き続きあったものとみなしまして、あなたに、委員長に御一任願えませんかということを申し上げたところ、これに対し、特にいけないという御発言もなかったので、私としては御了承いただいたものとして運営をいたしたものであります。自後、こういう行き違いのないようにいたしたいと思いますので、本日のところは御了承いただきたいと思います。
#63
○委員長(平林剛君) 次に、国立工業教員養成所の設置等に関する臨時措置法案を議題といたします。
 質疑の通告がありますので、発言を許します。
#64
○米田勲君 文部大臣に少しく見解をお聞きしておきたいと思いますが、第一は、今かかっているこの法律案は、中央教育審議会の正式な答申を待たないまま提案をされているわけですが、私は、戦後日本の教育制度として立てられた六・三・三・四のこの教育制度の体系を、今回初めてこの養成所設置に関する法律案によって一部くずされようとしているのではないかということを感ずる。一体、日本の現在の六・三・三・四の全般的な教育制度の体制を、今後この法案を通すことをきっかけにして漸次くずして変更をしていくような意図は全然ないのかどうか、その点を一つまず第一に明確にお聞きしておきたいと思います。
#65
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 御指摘の六・三・三・四の教育制度を、これをきっかけにくずしていくなどという意図は全然ございません。
#66
○米田勲君 そうすると、今の文部大臣の答弁から考えれば、今後またこの六・三・三・四の教育制度の体系に対して、変更あるいは修正を加えるような種類の、今回かかっているような法律案に類するようなものは出さないというふうに判断をしていいですか。
#67
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 六・三・三・四というつながりの体系そのものをくずすなどという考えは持っていないという趣旨をお答え申し上げたのであります。高等専門学校の法案が今国会で審議をお願いしておるわけでございますが、そのことの関連におきましては、六・三・三・四という一つの立て方そのものをくずすということでなくて、教育の機会をより多からしめるという意味合いにおいて別個の体系を考えておるという意味合いと理解しておるのであります。繰り返し申し上げますが、六・三・三・四そのものをくずそうなどということは毛頭えておりません。
#68
○米田勲君 高等専門学校の法案のことはかかったときにわれわれはいろいろ主張したり聞いたりしたいと思いますから、そのことには触れませんが、少なくも今の文部大臣の答弁のように、この法律案を国会を押し通していくということを機会に、次々に教育制度の今まで守り育ててきた体系をくずすような種類の法律案を持ち出してくることについては、絶対にないように慎重にやってもらいたいという一応希望だけを述べて次の質問に移ります。
 教員の養成は、今日の日本の法律の体系の中では大学で行なうというふうになっているはずであります。この基本を、今回のこの法律案が通ることによって、この基本に影響を与えるというよりは、むしろその体制が一部くずれていく、教員は大学においてこれを大学教育によって養成するという体制を一部くずしていくということになることを、大臣はあらかじめ承知をして提案をしておるかどうか。
#69
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 教員養成が四年制の大学を建前とするということはむろん承知しおりますが、そのことを本質的に変更しようという意図は毛頭ありません。毎度申し上げますように、当面の必要からいたしまして、臨時措置として、さらにまた万全の策ではないことはこれは明らかでありまして、次善の策としてのやむを得ざる措置、そういう考え方のもとに御提案申し上げておる次第でございます。
#70
○米田勲君 これは、先ほど午前中に四人の参考人から供述されたことを総合的に判断をしても、少なくも今まで教員は大学教育によって養成をするという基本的なあり方に対して、著しくマイナスの影響を与える法律案であるということは、これは何人も反対できない、否定できないのじゃないか、次善の策だと文部大臣が言っているのも、ずいぶんおまけをしたものの言い方ですが、私はこれは重大な影響を与えているのだということを、文部大臣はよく理解しなくちゃだめだというふうに考えます。ところで、参考人の中の発言の中にもありましたが、この法律案が通ると、養成所で教育活動が行なわれますが、その教育課程の中から免許状取得に絶対必要であると従来定められてあった一般教育科目や、特に日本国憲法などの修得を除外されておる。しかもまた、教職科目も、教育実習も、きわめて不十分のまま教員が養成されたとして卒業するということになるわけであり、またその修得される基礎科目、専門科目についても、きわめて不十分であるということは、これは参考人の意見を今さら聞くまでもなく、文部大臣自身が知っていると思う。少なくも従来大学四年の課程を経て教員が養成されるのと比べて、今申したような諸点の教育課程から除外されている問題などを考えたり、あるいは基礎科目、専門科目等の修得が十分でないということから考えて、レベルの低い教員が作られるのであるということを文部大臣は認めるかどうか、かりにいろいろな手だてをし、大学側からも十分に支援をし、応援をしてもらうので、そんなことはないという答弁は納得できません。この法案を出す限り、従来四年制の大学において養成された教職員よりも質的に低下をした条件の教員が養成されるのであるということを十分承知をして提案をしているであろうと思うのですが、その点はどうですか。
#71
○国務大臣(荒木萬壽夫君) なるほど御指摘のように、一般教養科目ないしは教職員プロパーの科目につきましては、単位数が少ない、もしくはないというような形式上の欠陥はございます。ございますが、午前中の参考人の一部からも言われましたように、あくまでもこれは国として当面必要とする、先刻も申し上げましたように、やむを得ない臨時便法として次善の策としてやりまする以上は、付置された大学におきましても、あるいは養成所長以下の教授グループにおきましても、やむを得ざる要請にこたえるべく特別の関心と努力を払っていただくことにも期待しつつ、さらには卒業しまして教員になりました人々に対しましても、現職教育を極力施すことによって欠陥がありとするならば補っていきたい、まあそういうふうに考えておるわけであります。従いまして形式上の欠陥は否定できませんけれども、実質的には私は毎度申し上げるように、四年制の大学と、少なくともその専門の科目におきましてはまさるとも劣らない実力をつけてもらいたい、またつけ得るであろうということを期待し、繰り返し申し上げますが、現職教育によってさらに足りないところありせば補っていく努力をあわせてやることによってやむを得ない当面の必要に応じていきたいと、かように思っているわけであります。
#72
○米田勲君 文部大臣は、この法律案を提案した立場で政治的にはそういう答弁は成り立つかもしれない、政治的には。しかし、少なくも事教育のことに関して、こういう法律案を提案しておいて形式上の欠陥はあるが云々というようなことは納得できませんよ。あるいはまた欠陥ありとすればなんというようなものの言い方をしている、こういう臨時教員養成の制度を設けるということは非常にマイナスなんだということの認識が足らないから、そういう答弁が出てくるんじゃありませんか。明らかにこれはいろいろな点を勘案してみて、現行までやってきておる四年制の大学において教員を養成するよりも質的に劣った教員が養成されるということを認識すべきだと思う。その認識が文部大臣は足らないのじゃないですか。ほとんど同じようなものが養成できるのだ、そういうことを期待したいというのは全く政治的な答弁じゃありませんか。提案者側の――あなたはそういう問題の本質を重大視しないような態度でこの委員会でこの法案をかけて、いいかげんに問題を処理していくということは納得できない。あなた自身この提案をする限り欠陥はある、質的に確かに劣る教員が養成される、こういうことを認めた上で、それを補うべき他の手段を別途に講ずるということを考えるべきだ。欠陥がありとすれば、というような認識だから、その欠陥をほんとうに補うような次の対策が生まれてこない。私はやはり欠陥はある。質的に劣る教員が養成されるということをまず肯定すべきだ。そんな政治的な答弁をすべきじゃない。そこで、その欠陥を補うためにはできるだけこういうことをやっていきたい。完全なものにはならないとしても、こうしていきたいということを率直に考えることがこの場合大事なんで、いいかげんな答弁で大体いけるのだというようなことで、この法案の審議を終わっていくということは妥当でない。私はもっと率直にそういうふうな考え方を明らかにすべきだ。それでこそあとその結果に対する対策も積極的に生まれてくるはずだ、こういうふうに考えますが、どうですか。
#73
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 今も申し上げましたように、単位数等におきまして、まさに形式的には欠陥ありと指摘され得ると思います、思いますが、ただいま御答弁申し上げましたように、付置された大学自体におきましても国家的なこの必要性を十分認識していただいて、臨時措置であるがゆえに、やむを得ざる措置であるがゆえに過大の関心を持ち、努力を傾注していただくということによって相当その欠陥は補い得る。さらに欠陥が残るとすれば、現職教育において十分にこれを補う努力も別途講ずべきである、かように思っておるわけでありまして、それが政治的な答弁だとおっしゃればまさにそうでございましょう。当面の政治的課題の重大なものの一つと私どもは考えておりますから、提案申し上げておる次第であります。高校教員が現実に入手できない、獲得できないことによっての教育の面における欠陥が生ずることこそが、より重大な関心を政治的にも感ずべき課題だと存じます。それを補う方法が他にあるとするならば、もちろんそれでいくべきでございますけれども、本来の四年制の教員養成の課程におきましても、それはそれなりに別途の考えがなされてしかるべきだと思いますが、当面緊急の必要性から申しまして、毎度申し上げるように次善の策としてこういうことさえ考えざるを得ない。そして欠陥をなくするようにしなければならない。教員の入手困難の欠陥を埋めなければならぬということに重要な政治的なポイントがあると考えて御審議を願っておるような次第でございます。同じことを申し上げますけれども、その形式的な欠陥は極力今申し上げるようなやり方で補うことによって実質的に劣らない教員の養成を目ざしたい、かように考えております。
#74
○米田勲君 文部大臣もやはり現行の大学四年制度を通じて養成される教員よりは質的に劣るものができるのだ、そういうことは認めるだろうと思うんです。今の答弁でははっきりそういうことを言わないけれども、それを認めた上でその欠陥を補充するためにこれは予算上いろいろ考える必要がある。問題がある。現職教育というようなことを抽象的に言っても、それを本気でやるとすれば、これは相当計画が必要だし、その計画も場当たり的なものでなく考える必要がある。また、予算もそれぞれ配慮されなければならぬ。それからまたこの養成所の一応教授や助教授その他助手の配置も計画されているし、それから設備、施設等のことについてもすでにもう案ができているわけです。しかし、それらはわれわれの検討するところによれば、この臨時教員養成所の施設でもって養成される教員はどうしても現行四年の大学において養成される教員よりも質が劣るのだから、今までの計画よりももっと一歩前進した施設、設備、あるいは教職員の配置、あるいはまた待遇、そういった面を具体的に改善をして必要予算を精力的に盛り込んでいくということをはっきり約束できるかどうか、お伺いしておきます。
#75
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お尋ねの点はもちろん今後にわたって努力していくべき課題だと心得ております。教員組織にいたしましても二、二、二で万全を期し得るとは必ずしも思っておりません。これももっと整備していく努力は重ねていくべきものだと思います。現職教育のことを申し上げましたが、三十六年度予算に現職教育のための経費は盛られておりません。おりませんけれども、三十七年度以降において当然これも予算化しまして現職教育ができるような措置を合わせて行なうべきものと存じております。またこの養成所の教員の待遇改善のみならず、一般に大学から小学校に至りまするまでの教員の給与の改善ということは一般論としましてもっともっと優遇さるべきものと、かように私は理解しておりまして、努力の足りないところは遺憾ではありますが、今後に向かって人事院にも十分の連絡をとりつつ待遇の改善には努力していきたいと思っております。
#76
○委員長(平林剛君) ただいま委員の異動がありましたので御報告いたします。
 二見甚郷君及び田中茂穂君が委員を辞任され、その補欠として小沢久太郎君及び鳥畠徳次郎君がそれぞれ委員に選任されました。
 以上であります。
#77
○米田勲君 文部大臣、これは日本の現在の政府を通じて行なわれている経済政策、そういう政策から優秀な技術者を早急に多く必要としているということは現実の問題としてはわかる。だからそれを何とかして埋め合わせなければならぬということもわかります。しかし、私は国の教育を考える場合には、そういうように政策が変わって、今もう急に人が、人材が必要なんだといって、場当たり的にこういう臨時教員養成所といったようなことで当面を糊塗していくやり方は、私は日本の教育行政を考え、日本の教育を考える立場から言うと、邪道だと思う。少なくとも日本の国の教育を考える場合には、何十年という将来を見通し、民族の将来や国の将来を見通してその見通しの上に立ったゆるぎない教育体制を長期にわたって打ち立てていくということが、文部大臣の任務だと思う。現実足らなくなったのだからしようがないじゃあないか、だからこういう場当たり的な次善の策を講ぜざるを得ないのだという、その現状における考え方は、一応はわかるけれども、それは邪道だということです。文部大臣はそういうひんばんと邪道にわたるようなことをしてはいけないということを私はこの際特に強調したい。長年月にわたる日本の民族、国の将来を見通してゆるぎない教育体制をしいて、いかなる国の発展する段階に即応しても、十分に国家的な人材を次々と教育が生み出していくという体制を作るべきであって、産業界の要請があるから場当たり的でもこれでやむを得ない、あるいは政府の政策が変わったのだから次善の策でまずいことだけれども、これでやっていくしかしようがないというような、後手に教育制度なり教育体制を打っていくというようなことでは、私は優秀な教育行政ではないと思っています。この点に思いをいたすときに、この法案は私はまことに問題のある法案であり、私としては賛成できないという立場も、そういう場当たり的なことを考えていくところに重大な欠陥が生ずるからだとも言えるわけです。産業界の要請がある、経済界の要請がある、だから次善の策でこれをやるというのはむしろ逆ではないか。日本の教育をつかさどっている、責任を負っている文部大臣の立場としては、立場が逆になりつつあるのじゃないか、正道に戻すべきである、日本の教育の体制を。こう思いますので、あなたはその点どういうふうに考えますか。
#78
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 一般論として、お説はごもっともだと思います。先ほども申し上げますように、この臨時教員養成所はあぐまでも臨時的であり、次善の策であることは疑う余地のないやり方でありまして、これは邪道だとおっしゃいますけれども、やむを得ざる正道の一つだと思います。同時に長い目で見て、いかにあるべきかのことも当然並行的に考えられるべきこともお説の通りだと思います。その意味においては、もう二年越し中教審で大学制度一般のあり方について検討をしてもらっているのであります。かつて教員養成についても、一応の答申が出たようでございますが、さらにそれもあわせて目下恒久対策としていかにあるべきかの審議過程でございまして、その答申を待って御指摘の長期的な策は考えらるべきものと心得ているのであります。産業界の要請に場当たりに応ずるという御指摘でございますが、そういう言い方もあり得るとは思いますが、その根本は結局日本が今後さらに、さらに伸びていきますためには、民族的な繁栄を期待いたしますためには、工業方面に特に力を入れていかなければならないのは、これは必然的な運命だと思うのでありまして、その要請に応ずべく、また毎度話が出ますように、世界的な科学技術の急テンポの進展、日本でもそれが例外ではあり得ませんので、それに応ずる態勢が今までにできていなかった、遺憾なことでありますが、これは物理的にも不可能であったわけでありまして、そのことが急激に要請が高まって参りましたことのために、当面の急に応ずるいろいろな措置を講ぜざるを得ない、講じなければならないことになりました、その一つとして次善の策が教員養成についても現われてきた、そういう意味でやむを得ざる応急便法であり、邪道でない、正道の緊急措置である、こういうふうに考えている次第であります。
#79
○米田勲君 文部大臣は強引だから、邪道でないかといっても、邪道だなんてすなおに認める人じゃないと思うけれども、邪道ですよ。正道だというのなら、今の大学の教育学部なり教員養成の学部を拡充強化していくことですよ、これが正道でしょう。そういう邪道をやらなければならないような現状に陥っているその実態は認めるけれども、少なくも日本の教育行政の責任者としては、そういう邪道に入らざるを得なくなったような現在の立場を認識すべきだ、それを邪道でない正道なんだという認識では、これはとんでもない話でないか。だから、科学技術庁長官とものすごい考え方に隔たりが起こってくる。こんな法案を出して邪道でないというてこの委員会で公言できるような頭だから、この意見に相違が起こってくるのです。もっとやはり正規のルートで大学の教育を、金をぶち込んで拡充強化し、研究機関も大いに予算を打ち込んで強化をしていくというような正式なルートにどんどん力を入れていくということに本腰を入れるべきだ。私はこういう法律案を通して臨時に教員を養成して場当たり的な、産業界や経済界の要求に応じていくやり方は何としても邪道だと思う。従って正規のルートの教育機関を拡充強化することに大いに力を入れて、こういう十年などといっていないで、一年か二年か、あなた方はこの法律案を押し通すつもりらしいですが、そういうものはできるだけ早くなくしてしまうということがより弊害を少なくすることですよ。こんな法律案を出して邪道でないというようなことでは、私はやはり正式のルートの大学教育における拡充強化に本腰が入らぬのではないかということを心配するわけです。その点はいかがですか。
#80
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 本来の姿の教員養成施設のあり方は先刻申し上げました通り、それはそれなりに並行的に検討し、予算も獲得して、一日も早く正規のルートで教員養成ができるようにやるべきことはお説の通りだと思います。その努力はいたします。いたしますが、その努力はやるとしましても、現実問題として年々歳々の努力の成果はおのずから限度がある、しかも一応の推定によれば十七万人の不足だ、あるいは四十四万の不足だというのが一応の推定上の事実としますると、それを完全に充足することを考えましても、少なくとも十年近くかかる、このことは否定できないわけでございまして、この養成所もこれまたお説の通り、できればなくて済めば一番いいと思います。やむを得ずやらざるを得ない、やむを得ずやるとするならば、一年でも早くこれが要らなくなるように努力することもこれは当然のことと思います。思いますけれども、現実に十年近くかからなければ科学技術者の養成というものが困難であるという前提に立ちますと、一、二年でこれは使命が終わるであろうということは口では言い得ても現実はそうならないであろうということもきわめて明白でございますから、十年近くこれが存続するであろうという推定を従来申し上げておるような次第であります。あくまでも御指摘のような本筋の養成施設、設備の整備ということがなおざりにさるべきものではない。それはそれとして、全努力を傾けつつ、あわせて臨時応急の措置も講ぜざるを得ないという要請にこたえたいというわけであります。産業界の要請ということは、さらに言いかえれば国民的な立場において学生生徒に教育の場を与えるということでもあるわけであります。そういうふうに理解いたしましてやむを得ざる措置として御審議を願っておるつもりでございます。
#81
○米田勲君 私一人で長い時間やってもしようがないから、もうあと一つだけ、一つ文部大臣に約束してもらいたいことがある。この法案を文部大臣は与党を動員して本日押し通そうとはかっておるようである。ところで、きょう一つ約束をあなたにしてもらいたいのだが、この養成所で教員が養成されて出た、それが工業高校の教員にならなかった、ほとんど、まあ二、三割程度教員になったが、あとは皆産業界へ逃げて行ったということには絶対いたしませんと、こういう約束をしてもらいたい。そうでなかったら、こんな法律案通すの意味ない。教員にもならぬ者を一生懸命養成所で養成しているというようなばかな計画はないのだから、そのためにその約束ができるかどうか、約束が破れた場合には内閣として責任とれるかどうか、われわれにその約束をした限りにおきましては逃げていかない、産業界や実業界に逃げていかない、そのためにこういう手がきちっと自後に打たれますと、ここへ入ってきた学生の良心に期待しますとか、熱意に期待しますなんという、そういう念仏みたいな話じゃなくて、一つきょうははっきり決意と、そういう条件になり得る対策、その約束が破れた場合の文部大臣の責任のとり方、それを一つ最後にお聞きをしておきたいと思います。
#82
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 絶対に逃げていかないのだという約束をしろという仰せですけれども、それはとりもなおさず学生の基本的人権をじゅうりんすることになりますから、その意味でのお約束は不可能なことだと思います。しかしながら、臨時教員養成所という看板を掲げ、入学しますときの誓約書もきちんと入れて入ってくるであろう学生諸君の良識に期待する、使命観に期待する、また養成所長以下教員組織をあげての情熱を込めた教育の成果に期待する、そういうことで、絶対に逃げないという保証はしようがございませんけれども、やりようがございませんが、大部分は本来の教職員たらんとする意思に従って職場に入ってくれるものと期待をいたしておるわけであります。
#83
○矢嶋三義君 まことに心細い大臣の答弁だな。そんな夢みたいなことを聞かされて安心してこの法案の審議を最終的に打ち切ることはできませんよ。もう少しはっきりした自信を持って言えないのですか、あなたは。何を学生を拘束することになる、何のためにこの法律案を通そうとしているのですか、今。教員を養成したいということでこの法案を通してほしいというのではないですか。どこへいくかわけのわからぬものを養成しようとするのです。これじゃこの法案を審議する必要はないのではないですか。教員になる者を養成するこの養成所なんだ、そういう法律案なんだから通してくれと、こう言っておるのではないのですか。ここを出たらどこへ行くかわからぬのだ、あとは夢のような、期待しているのだ、こういうのですか、あなたの考えは私は解せないのです、そういう答弁は。
#84
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 現在の四年制大学で単位を取った人といえどもきわめてりょうりょうたるものしか教職につかないというのが遺憾ながら現実であります。そういう実情に立って、その生徒のみに期待するよりもこの教員養成所を通していただいて、今申し上げたような人々が、学生諸君が入ってくれて、卒業しまするならば、現状よりははるかに多くの先生を工業高等学校に獲得できるということは私は断言できると思います。使命観に期待すると申し上げますと、夢のようなことを言って当てになるかというおしかりですけれども、私はこのことに期待することは夢ではないと思います。学生諸君の良識と情熱に期待する、そのことこそが私は民主的な養成施設の一つの趣旨でもあろうかと思うわけであります。
#85
○米田勲君 一つでやめようと思ったが、どうもわからぬことを言われるので重ねて同じことを聞きます。それではあなた、自信を持ってこの法律案を提案して、われわれに通してくれという立場がなくなるのじゃないですか。学生の使命観だけでそんな問題解決つくのですか、一体。私は方法はあると思うのです。あなたが先ほどばく然と言っておった教職員の待遇を改善するといったような問題も徹底的に努力する、民間給与よりさらに優秀な給与に改善できたら何もそっちの方にばかり逃げていくはずはない、あるいは奨学資金だとか、育英資金だとかいう面で考えるとか、方法は私は幾らでもあると思う。魅力のあるようにすればいい。そういうことを具体的に考えないで、学生の何だかに期待をするという精神主義では、この法案をまじめに審議する気はない。もっと具体的に考えたらどうですか。この法律案を通してほしいのだと、こういう方法で、万全ではないけれども、養成所を卒業した学生の大部分を工業高校の教員として吸収できる具体的なこういうものがあるんだと、このことをわかってもらえればそういう危惧は一応解消できるのではないかと、なぜ積極的にわれわれに説くだけの勇気と対策がないのですか。私はこの法案を提案する限り、それくらいの自信がなければだめだ、そのような具体的な対策がなければだめだと言うのです。あなたの話はどうも雲をつかむようなことで理解ができないのです。もっと具体策はないのですか。卒業をした学生の大半を、この法律案のねらっている方向に吸収できる、そのできる方法としては、具体的にこういうことを必ずやっていくんだ、このことで見通しはあるでないか、そういう自信のほど、対策の全貌をわれわれに示して、われわれの危惧を一掃することが提案者の義務である。あなたのようなそんな話では、賛成をしようと思っても、おそらく与党の皆さんもこれは困ったものだと思っているかもしれません。もっと具体的に説明してくれませんか。
#86
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 今御指摘の点は、先ほどもお答えをしましたし、前の委員会でもお答えをいたしておりましたから、ことさらそれに触れておりませんけれども、むろん不十分ではありますが、授業料の免除のことやら、あるいは育英、奨学のことも運用上十分この法を活用していきたい。さらには給与のことにつきましても、これは一般論にならざるを得ませんけれども、十分に改善する努力を積み重ねたい、さらに奨学金の制度も当初考えましたが、大蔵省に撃退されましたけれども、これは今後の努力によってぜひ実現したいと思っておることであります。これは将来のことでございますから、それを申し上げることはいかがかと思って御遠慮申しておったわけですが、そういう一連の努力は当然この養成所の成果を上げますためになすべきことだと存じまして、つい省略しましたけれども、そういう努力をすることを前提といたしまして、さらに加うるに、さっき申しました抽象論ではありますが、教員組織と学生自体の使命観の発揮に待ちたいということを申し上げたつもりでございます。
#87
○矢嶋三義君 質疑は最終段階に迫りつつありますので、いよいよ内容にわたって、きょう質疑が終わるかどうか、これから質問を試みたいと思うのですが、科学技術庁関係の大臣並びに政府委員が御出席になられぬのはどういう理由でございましょうか。ともかくこの法律案審議に影響ある重大なる発言を、院内外を通じて自由濶達にやられたわけなんですね、そうして非常に大事な時期に、大臣も政務次官も局長もおいでにならないということは、今までの科学技術庁側の発言があるだけに、私は黙って下がるわけにいかないと思う。どういうわけで大臣並びに次官、局長、どなたも本委員会の要請に基づいて御出席できないのか、委員長から一つ明確にしておいてもらいたい。
#88
○委員長(平林剛君) 矢嶋委員から御要望のありました池田科学技術庁長官は、健康の都合で自宅に療養しておられる。それから政務次官は現在帰郷中でありまして、本日間に合わなかった。また、計画局長は目下入院中というような事情でありまして、御要望に沿えなかったような事情であります。なお、官房長と計画課長につきましては、至急出席するよう手配中でありますので、いずれ御質問に答えることができるかと存じます。
#89
○矢嶋三義君 大臣は御病気だということですが、診断書見ないけれども私信用いたします。休会明けで、今どき政務次官が選挙区をうろついてることはけしからんことだと思う。それから、担当局長御病気、やむを得ない。で、官房長に所管課長は早急に御出席願って下さい。最も科学技術庁の攻撃の的になった小林局長、健康回復しておいでになっていますので、事の明白をはっきりきょうはつけたいと思っております。
 それから、先般御要望申し上げておきました資料が出ておりますから、これからこの資料に基づいて承って参りますが、委員部の方に御要望申し上げておきますが、どの省庁から出したのか、何月何日提出したのか、そういう記載のない資料は国会として今後受け付けないように。必ず、その委員会の要求によって行政府から出してくる資料を立法府の事務局が受け付ける場合には、何という省庁から出たか、その責任の所在を明確に書くこと、それから何日付の資料かということを必ず記載したものでなければ、今後受け付けないようにしていただきたいと思うのです。でないと、今後われわれいただいておって取り扱いに非常に不便でありますので、お願いしておきます。
 それから、文部大臣に伺いますが、先ほどから米田委員からも追及されておりましたが、能率的に伺い、お答えいただくために、答弁態度についてぜひとも一つこちらの期待に沿うようにしていただきたいと思うのです。あなたの答弁を承っていますと、人間宇宙衛星船ウォストークが飛んだり、それから宇宙ロケット、レッド・ストーンが飛ぶという時代に、使命観と、さらにこの前も申し上げましたように、三年だけれども四年にまさるとも劣らない教育をするというような、精神論と申しますか、非科学性なお答えが多いような感じがするんですね。そういうお答えを繰り返されますと、おのずと再々質問が繰り返されて時間が延びますので、そういう点、できるだけ御注意してお答えいただきたいと思うのです。
 第一問としてお願いいたしたい点は、四月中に理工系大学の入学増員数について結論を出すということでした。どういう結論が出て、科学技術庁長官にどういう返答したのか。先般の委員会における審議段階では、池田長官は、予算に影響することなく、約一万人の増募ができると・それに対してあなたの方では、四月中に調査終了の目的で十一大学について調査しつつあるが、入学定員の増員ができるかできないか、一応調査の対象となるのは約三千人だと、こういうお二方から答弁がなされているわけで、非常に懸隔があったわけですね。しかし、新学期も始まったことだから、四月中に結論を出すということで委員会を一応通ってきているわけなんですが、いかような調査結果が出たか、科学技術庁長官に対してどういう回答をしたか、お答えいただきたい。
#90
○国務大臣(荒木萬壽夫君) まだ結論は出ておりません。また、科学技術庁長官には回答を要求されてもおりません意味もございますが、結論が出ておりませんので、正式に連絡はいたしておりません。中間的には政務次官から一応連絡してもらったはずでございますが、最終的結論まで到達していないことをお答え申し上げます。なお、今まで一応の十一大学について調査したことは事実でありまして、最終結論ではないにしましても、その実情等、要すれば政府委員からお答えさしていただきます。
#91
○矢嶋三義君 結論はいつ出ますか。
#92
○国務大臣(荒木萬壽夫君) いつまでとはっきり申し上げかねる意味がございます。と申しますのは、十一大学はたまたま知り得ました大学についての調査でございまして、その他全国的にすべての私立大学について調査しませんと、公平な観点から申しますると、なかなか手落ちがあるのではないかと思うわけでありまして、そういう意味ではもっと慎重な調査を必要とするかと思います。さらにこの問題は大学設置基準等にも関連をいたして参ります。ずいぶん前から年々その基準に従って処理して参っております過去の実績と、今後に向かっての運用の是正をするとしますれば、その相互の関係において、どういうふうな結論を導き出すべきかということは、なかなか一日、二日では結論が出ない本質を持っておりまして、最終的な結論はその意味において幾らか時間がかかろうかと思います。何月何日までということは、ちょっと明確には申し上げかねるんじゃないかと、さように考えております。
#93
○矢嶋三義君 内閣を代表して荒木文部大臣はここで、まことに私情ではお気の毒な感じがしますけれども、立法府に対して陳謝してもらいたいと思う。科学技術庁の官房長お見えになっておりますか。――大臣の発言というのはその省庁の事務当局も連帯責任を負わなければならない。院内において同じ内閣の大臣が非常にかけ離れた放言みたいなことを立法府で言って、院外においても同じことを発言されて、そしてきょうの段階にまでその結論が出ない。先般、本委員会に対しては池田科学技術庁長官は、自分はそんな微力の者ではない、こういう言葉を使っておりますよ。はっきりと自分の責任で荒木文部大臣との話し合いで解決するから、社会党心配することなかれ、これまで言っている。この法案に関係のあることで、これほどでたらめと言っては失礼ですが、でたらめなことを、同じ内閣の大臣がまるで放言みたいなことを言って、そしていまだに内閣としての統一解釈が出ないということは、立法府に対して行政府は、もう釈明じゃないですよ、陳謝すべきだと思うのです。それでほんとうを言ったならば、池田内閣の総理大臣を呼んで陳謝を求めなければならないと、私は思う。しかし、一応その手続を省いて、あなたも当事者の一人でありますから、科学技術庁長官と荒木文部大臣の両方を兼ねて、立法府をお騒がせし、法案審議に支障を来たさせ、いまだに行政府としての結論の出ないことは申しわけない意味の私は陳謝をすべきだと思う。科学技術庁の官房長が代表して来るそうですから、この方はこの方で追及して参ります。まず、このことを私は要求いたします。
#94
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 一日も早く結論まで到達したいという努力はまじめに積み重ねてきたつもりでございますが、本日、間に合わなかったことはまことに遺憾に存じております。ただ、科学技術庁長官の勧告も委員会等で言明されておりますように・引用された数字等の片々たる事柄よりも科学技術者の人材の養成という、当面、さらに今後に向かって研究の重大課題であるのに、日本の人材養成計画がなかなかその要請に応じ切れない姿であることを遺憾とする意味において、今後に向かってしっかり努力しろという激励をしてもらったのが主眼であるというのは長官みずからの言明によっても明らかでございまして、その勧告の趣旨は私どももけんけん服膺してあらゆる努力を傾注したいと存じておる次第でございますので、おくれましたことははなはだ恐縮には存じますが、御了承をいただきたいと存じます。
#95
○矢嶋三義君 大臣、私らもばかじゃないんですから、ある程度の能力は持っているんですよ。あなたが口先でそんなことを言ったって、立法府に席を持っている野党の一員として私そんなことでごまかされませんよ。不謹慎ですよ。行政府は立法府に責任があります。池田科学技術庁長官は、この五月一日付週刊教育学術新聞に出ておりますが、四月二十四日付で私立大学に協力要請をやっているじゃないですか。自分の勧告の線で閣内で荒木文部大臣と対決するが、協力してくれという要請をしているじゃないですか。四段、五段抜きで記事が出ている。それに対して私大は強力にバック・アップするところの確認をしているのです。そうして速記をつけて、立法府においてどういう発言をし、あなたお二人はどういう答弁を私らにして参ったのですか、振り返ってみてほしい。同じ池田内閣の国務大臣でしょう。お二人は立法府に対立する立場から言うならば、共同責任者ですよ。政府の施政をただす意味から、科学技術庁長官も本日は出ておいでになられて、結論をわれわれにお答えになるなり、ひれ伏して陳謝すべきですよ。私は国民にかわって池田内閣を代表しての陳謝を要求いたします。これは決して無理なことじゃないですよ。少しひど過ぎますよ。重ねて答弁を求めます。
#96
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ただいまもお答え申し上げましたように、勧告の主眼点は、予算でいえば三十七年度以降の将来に向かっての所得倍増計画にこれをくっつけて申し上げれば、三十七年度以降九年間に極力努力していこうではないか、努力しようということが主眼点だと了解をいたします。その間私学方面からの材料によって、一万人ないしは三千人等の数字はむろん委員会で述べられたことは私も承知しておりますが、それがあくまでも確定的な数字という意味でなくて、私学の一部にはそういう考え方もあるようだという例として話されたと私も理解しておりますが、その三千人の要請、増員の意図ありとする十一大学につきまして、大学の当局者に来ていただいて直接話を承って相談をしつつあるところでありまして、この国会で最終的に申し上げ得る結論に到達していないことはまことに先刻申し上げた通り恐縮千万に存じておりますが、なるべくすみやかに先刻申し上げた趣旨も含めましての検討を加えて結論を出したいと思っておることで御了承をいただきたいと思います。
#97
○豊瀬禎一君 今の矢嶋さんの質問に関連して、大臣に一、二お尋ねしておきたいのですが、本委員会で本法案の審議に関していろいろ紛糾したことがあるのですが、当時出席した大平官房長官は、理事会の本法案取り扱いの際にも、四月末には荒木君と池田君の話をつけてちゃんと意見の統一をしますと、御協力願いますと、こう言っている。また、あなたの答弁を聞いておっても、何月何日にできるということは申されませんというような言い方をしておりますけれども、十一大学の意向を察知したのは、おそらくこれは小林大学局長が今日まであなたに隠しておって伏せておったわけじゃないし、この意向についてはすでにかなりの日数がたっております。それから、あなたの答弁の中には、それだけを取り扱っては不公平だから全国の私立大学の意向も聞かなければならぬ。全国の私立大学の意向も聞かなければならぬというあなたの発想はきょう初めて出たのですか。少なくとも当委員会であなたがそういう発想を出したことはない。もしかりにですよ、そういう考え方が大臣としておありでしたら、池田科学技術庁長官の勧告をあなたは好意あるものとしてけんけん服膺してやっておる、こういう意向であれば、この法案を出す時期あるいは審議にかけるしかるべき時期に、全国の私立大学に対して、こういう方針であるがこういう協力ができるかどうかという措置を今日までされたのですか。前回の委員会でも明らかになったのは、これは纐纈次官が答弁し、池田さんは三校しか折衝していないということでしたけれども、たしか五校か六校か答弁があって学校の名前があげられました。あのときから今日まで何日の日数がたっております。慎重審議をして、いつあげて下さいという態度でなければ、私はこういうことは言いたくない。しかし、常に理事会ごとに与党側としては、あなた方もその通りだ、四月一日に発足したい、だから早くあげてくれあげてくれと、こういうことだけは強く要請している。しかし、全国の大学に対して意向を聞かなければならぬという措置はいつされましたか、それは。大臣が今ごろになってそういう答弁をなさるのだったら、あらためてここで本法案の審議を打ち切りますから、全国の大学に対してその措置をとられて、それから資料を出して審議にかけるべきじゃないですか。あなたの答弁はあまりに無責任ですよ。具体的にあなたに答えていただきたいのは、十一大学に対していつごろから接触を始められ、いつごろ受け入れ態勢ができるかどうかの目安をいつに立てているのか。それから、全国の私立大学に対してそういう措置をしなければならぬということは、私はときたま委員会にある特定の時間欠席したことはございますが、今日まで聞いた記憶はないようですが、その措置をいつごろから開始されて、全国の私立大学の受け入れ態勢に対してはいつごろ結論を出されるのか。あなたは池田長官の勧告を、三十七年度の予算からだから急がぬでもいいと受け取れるような答弁をなさった。しかし、私どもこの法案を審議するに際しては、単に国立の工業教員養成所だけでなくて、私立大学に対してもどういう受け入れ態勢があるかという全般の教員確保の態勢の中から判断したいというのは決して困難なことではないと思うのです。大臣の答弁はあまりにこう、その場その場的に無責任な答弁が多いような気がするのですが、当面、今の二つに対してはっきり答えて下さい。十一大学に対していつごろその意向を聞き、いつごろから具体的に接触を始めて、前回の纐纈次官の答弁以来大体二週間以上経過しておりますが、今日までどうなっているのか。私立大学に対してはどういう目安を立てて、どういう計画で協力要請をしようとされているのか、御答弁を願います。
#98
○国務大臣(荒木萬壽夫君) その場その場で無責任な御答弁を申し上げているつもりはむろんございません。元来、国立工業教員養成所の関係の法案を考えましたのは、三十六年度の予算編成と同時でございます。そして三十六年度学年初頭から私学関係で理工系の学生の養成をされる、その私学方面の考えは、例年予算編成前に、各私立大学の団体が三つあるようでありますが、これらの団体を通じまして一応意向を聞いて、そしてその線に沿って助成ないしは私学振興会に対する政府の出資等の予算措置を講じ、また工業教員養成の関係におきましても、そういう関連においてその資料をもとに案画をするわけでございますが、そういう意味からいたしまして、科学技術庁長官の勧告は、三十六年度予算そのものに関係なくして、事実問題として予算に関係なく三十六年度からも私学で増員養成ができるものならば、したらどうだという角度からの御勧告の一部であったと承知いたします。従いまして、この法案そのものの基礎数字といたしましては、今申し上げた、一応、私大の各団体から申し出がありましたそのこと以外には正式に文部省として知り得る資料はないわけであります。従って、計画の基礎資料としてましては、一応十分の検討を加えたつもりで御審議を願っておるわけであります。その後、勧告に関連いたしまして、一万人という一応の線も出されたことを私も聞いて知っております。さらに三千人ちょっとの考えが私学側にあるということも承知いたしております。その最後的な私学側の三千人ばかりの増員養成計画ありとする情報を得まして、正式にそれを知る必要があるということで、十一大学に来てもらって意向を聞き、調査を進めて参ったわけでありまして、その十一大学のことを承知いたしましたのが四月の上旬であったと記憶いたします。それ以来、四月一ぱいで十一大学の事情聴取を終わり、結論も出したいということで調査を進めて参ったその結論が先刻申し上げたお答えとなって現われておるわけでございますが、そういうふうでございまして、ことさら調査を遷延しているというわけでもございませず、十分誠意を尽くして各大学と接触しつつ結論を出したいという努力をし続けておるような次第でございます。
#99
○豊瀬禎一君 第二の質問に対する答弁をして下さい。
#100
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 全国の私大云々と申し上げましたことは、三十六年度に追加増募をするということを、たまたま知り得た十一大学について調べておるのでありまして、そういう意向が他の私学関係団体に所属する私立学校にもありやなしやということは、知らねばならぬとすれば、あらためて聞かないとわからない道理でございまして、同じように三十六年度からさらに追加増募をするということを結論づける意味において公平さを期するとするならば、そういう意向のありやなしやを聞いた上でないと適切ではあるまいという推測を申し上げたのでありまして、それをやらなければ絶対に十一大学について結論を出すべからずという意味で申し上げたのじゃございません。でき得るならばそういう公平な取り扱いをすることが妥当ではなかろうかと、一応考えておることを申し添えたにとどまるわけでございます。
#101
○豊瀬禎一君 だんだんと質問しておると言いたいことが多くなりますので、あとで質問いたしますのでこれで打ち切りたいと思いますが、十一大学に対して四月上旬に意向を把握して後に、本委員会においても池田長官より、また矢嶋委員からたびたび指摘されておりながら、今月もまだ前々回の纐纈次官の答弁から何らの進捗もしていないというのは、これは大臣がどんなに慎重審議あるいは誠意をもってという形容詞を使われようと、本委員会が本案審議に際してどうしても必要な措置であるといい、また池田長官もそのことを力説し、あなた自身も、そういうことがあるならば十分早く結論を出したいという意向も述べられておる。こういう中で十一大学等の問題が進展していないというところに、矢嶋委員が先ほど指摘した問題の重点があると思う。それから池田長官との関係も、あなたはけんけん服膺して、ありがたやありがたやと言っておると、こうおっしゃるけれども、池田長官は、文部官僚はでたらめですよと、こう言っておるのですよ。はっきり本委員会の議事録にもそう残っておりますよ。何も好意ある発言もしておりません。荒木さんは幾らかわかると思うけれども、という言い万をしておる。同じ内閣の閣僚が、この委員会の席上でこういう言い方をするというのは、やはり基本的に技術者養成という立場に立っての方針に食い違いがあるからですよ。このことについて私はとかく言いませんけれども、少なくとも本委員会の論議は、ただいま申し上げた点についてほとんど今日まで、重点を注いでその見解一致のもとに法案審議をしようという態度をとってきたことは、十分御承知の通りであります。それを今日に至るもなお――二十七日にあげてくれということでしたから、一応理事会では了承して進んでいきましたけれども、まだ政府側の態度がばらばらだったからできない。それから約十日、少なくともきょう法案をあげてくれとおっしゃるならば、池田長官との見解はこういうふうにぴたり一致しました、技術者教員養成の問題もこうできます、これは委員会の審議に対して忠実であろうし、法案を通したいという御意向があれば、求めて答えるのでなくして、積極的に答弁されるべきですよ。今日に至るまでも、科学技術庁長官のあれは来年度の予算でございます、こういう答弁があって、食い違いのままで、今日までの委員会のいきさつからして法案審議ができるとお考えですか。それとも矢嶋委員が指摘したように、委員会は与党が多数だから押し切れるという角度でなめておられるのですか。あまりに、こうあなたの御答弁を聞いておると無責任な気がするのです。しかし、このことは、私自身の質問になった際に再度取り上げて聞きますので、あなたの見解の答弁は求めません。以上だけ一応指摘いたしておきます。
#102
○矢嶋三義君 要するに、大臣、池田内閣の国務大臣として立法府に臨む態度としてふまじめな点がありますよ。あなたはふまじめと言いませんよ。池田内閣の国務大臣としてふまじめな面があるということは、百パーセント私は自信をもって申し上げます。政治の正姿勢ではございません、正しい姿勢ではありません。これは与党の諸君といえども異論のないところだと思うんですよ。ふまじめさというものがありますよ。その点で池田内閣の連帯責任ですよ。だから私は池田内閣を代表して、あなた深甚なる陳謝の意を表したならば、私は次の質問を続けよう、こういうふうに意思表示をしておる。これは私は百歩譲った態度なんです。池田さん、きょう病気だからお見えになれなければ、これは病気となればやむを得ないですけれども、しかし、科学技術政務次官も、池田国務大臣の発言を補佐した局長もお見えになっていない、官房長もさっきまで来ていない、昨日から私は要求しておるわけですよ。これもふまじめですよ。だから本日は、科学技術庁関係の政府委員並びに説明員は、この委員会が続く限り最後までつき合っていただきます。しかし、そのために大蔵省側の政府委員と説明員が飛ばっちりを食っては気の毒でありますので、そちらの方に関係あるところから質問をして参りたいと思います。さっきの点は一応保留したままで参ります。あらためて陳謝の意を表するお気持ございますか、いかがですか、荒木文部大臣。
#103
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 早く結論を出すべきものがおくれておる意味におきましては申しわけないと思います。遺憾の意を申し上げましたが、陳謝する気持も含めて申し上げておる次第でございます。
 ついでながらもう少し申し添えさしていただきます。結局三十六年度に増大するという問題は、池田長官もこの前の当委員会で申しましたように、現実問題として学生定員設置基準に基づく学生定員ということは、制度上は届け出でございますが、事実上協議ということにしてはおりますものの、実際は定員以上に現に入学をしておるということで、大半の勧告の目的は達しておるんだという長官の言明によって、実質上は一応御了解を得ておろうかと思うわけであります。そこで問題は、よく問題に出ますように、現在の制度上、学科の新設、学生定員の増員というのは届け出になっている。それを実質上、認可みたように取り扱うことが、適切じゃないんじゃないかという点において、私学側で多年不満があったやに推測いたします。そのことが勧告の趣旨にも相当力強く出ておることと推察して今日に参っておりますが、これはいつかもお答え申し上げたような記憶がございますが、学生定員、学科の新設等は、学部の認可に関連して、認可条件として必要上多年慣行として参りましたことであって、法律的にはむしろ違法でないという見解を私は持ちますが、それはそれとして、設置基準が非常にシビアなものが十年近く慣行されてきたゆえんのものは、終戦直後新教育制度が発足し、私学も新制度のもとに発足するにあたって、直接法で申し上げればいかがわしい大学もあった、そういうことでは私学全体の信用に関することであって、私学方面からむしろ自主的に設置基準というものを定めて自粛すべきであるということで、数年そいつが実行され、そのことが文部省令に取り入れられて、大学設置基準として採用されて今日まできておるわけでありますが、沿革的にはだんだんと私学が健全性を取り戻し、自主的に国民の信頼にこたえる努力が積み重なりました今日においては、当初のような厳粛な意味での、特に形式的にそれを養成するという必要性が現実面で薄れてきた。言いかえればそうやかましく言わぬでも、自主的にやっていけるのだという自信が、私学方面に沸いてきたということとの矛盾撞着を感じられた結果が、この問題の起こりました一つの端緒になっていると承知いたすのであります。従って私学に関する増員の問題は、この設置基準の運用を、少なくとも基準そのものをなくすることは、一つのものさしとしてまあなくすることはできないものとはむろん思いますが、少なくともその運用面において、現実に即して今後に対処するという角度からの再検討が必要である、さように感じとっているわけでございます。そうして、そういう意味で再検討するにいたしましても、文部省当局だけでは適切ではない。多年これを運用してこられた設置審議会の意向も十分聞きながら、運用面の現実的改善を結論づけねばならぬという課題に当面するわけでございます。従ってそれは一日や、二日ではなかなか結論が出にくい本質を持っておりますから、十分に意見も聞いた上できめたいと思えば思うほど、そういうことの本質を持っておりますから、さっき豊瀬さんの御質問に対しましても、日限を切っていつまでに結論を出すということが困難だというふうに申し上げた次第でございまして、問題の今後に残された焦点が、本質的に以上申し上げたような内容を持っているということを御理解いただいて、御了承賜わりたいと思う次第でございます。
#104
○矢嶋三義君 あなたの、ただいま数分間非常に謙虚でまじめであったが、経過の御説明は私は誠意を認め拝聴いたしました。経緯はわかります。しかし、その学生定員が届出制の、承認制の何のかんのということは、われわれ立法府としては、内閣に対しては一本ですよ。平ったい言葉で言えば、あなた方のは夫婦げんかですよ。その夫婦げんかで国民の代表であるべき立法府の私に対してくるということは大きな間違いですよ。内閣として何らか一本の形であの対処をして参らるべきですよ。憲法六十六条でうたわれているように、「内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ。」わけです。私はこの前まではがまんしておったんですよ。先般あなた方は何でしょう、私学への助成についての予算を、われわれの協賛を求めたのですよ。そうして文部大臣は学生の定員を十分把握できておらぬというわけでしょう。その仕方がどうだ、こうだということは、われわれ立法府として関知しない。しかし、助成金については協賛を求めてきたのですよ。それで科学技術庁長官がまだ増員できるというんですよ。あなたの方は検討して見なければまだむずかしいと。お二人並んでおって、そうして池田さんは嘲笑的にあなたに対して、もうすでに二倍、三倍入っていると、こう言ったのですよ。重大な発言ですよ。ただ立法府は――私はそのときは言うまいとしてかんべんしておった。それをあなたは反撃しなかったのじゃないですか。なぜ反撃しなかったのですか。内閣の一員としてそういうことで、連帯して、国民を代表をしている私どもに対して、責任を果たしているということになりますか。なぜ反撃しないのですか。しかも池田長官はそのとき潮笑的な態度だったんですよ。同じ内閣の国務大臣ですよ、ふまじめじゃないですか、立法府に対して。そうしてしかも社会党心配する中で、それほどわれわれは微力でない。総理のこれに対する配慮をわずらわすまでもなく、みずからの手で、荒木国務大臣と二人の手で解決するから心配するなかれ、その期限は四月中であると、こう言ったでしょう。無責任もはなはだしいですよ。そしてその言動の中には、ふまじめさがありますよ。私はひやかし半分でこれを聞いているのじゃないですよ。重要な問題として聞いているわけです。そしてきょうの段階になって、関係者どなたも御出席にならないで、それじゃ問題が解決したのかと思って、念のために伺ってみると、解決してない。そういうことで、一体、行政府は立法府に対して、すなわち国民に対して責任を果たしたと言えるのですかね。だから、私は私情を越えて追及しているわけです。陳謝を要求したわけです。しかし、これは保留して、さっき申し上げましたように、別の角度から大蔵省関係の質疑をしていきます。
 大蔵関係の質疑をし、答弁を求める前に、文部大臣に伺いますが、きょうも午前中の参考人の公述の場合に、進藤それから勝田参考人等から、工業教員が確保できないのは、結局は給与の問題である。初任給を中心としての給与改善をやることが必要であるという公述がなされました。先般の委員会で、私からもこの給与の問題をお尋ねしたわけです。それからまた非常に複雑な今の教員の諸手当を含む給与体系、これらを改善しなければ、教職員の教育効果も、能率も上がらないと、確保もできないということをお尋ねしましたが、あなたの方から、矢嶋の意見ごもっともだと、そこで人事院と相呼応して、文部省から積極的に働きかけて、そしてこれの解決に努力いたしたいということを答弁されたのが、参議院の文教委員会の速記録の二十二号にとどまっております。その後どういうふうなされ方をされたか、部下に対してどういう指示をされたか、あなたの部下からどういう意見具申がなされたか、それを承りますし、それからまだそれがなされていなかったならば、いつまで具体的にいかようにあの答弁を実行されるおつもりか、お答えいただきたいと思います。
#105
○国務大臣(荒木萬壽夫君) まだ具体的に指示をいたしておりません。従って報告も受けておりません。しかし、誠意をもって、一般に給与改善のために、この前、御答弁しましたような趣旨で努力いたします。
#106
○矢嶋三義君 人事院は四月初旬のデータで、今盛んに作業をしているわけですよ。そして五月の中旬までには一応のデータがそろってしまいます。一番大事なときですよ。あなたがたの方からこうすると言っておったのですが、即刻やらなければ間に合いはしません。これは猶予を許さないですからね。人事院に行ってごらんなさいまし、給与局を中心に、盛んに今作業をしておりますよ。だから、早急に処置していただかなければならぬです。ただ、御答弁いただくだけではわれわれも満足できませんので、質疑応答した結果というものが、何らか行政に影響として現われてこなければ意味をなさないわけですから、だから早急にこれをやっていただきたいことを強く要請をしておきます。
 それから大蔵省に伺いますが、との点についての基本方針としては大蔵省としては御異議ございませんですね。
#107
○政府委員(田中茂穂君) 先ほど来文部大臣が給与改善の問題についてお答えされておりまするので、いずれ人事院等とも御相談になり、その結果が出た場合におきましては大蔵の方に当然御相談になろうかと思いますが、そのおりにはあらためて大蔵省といたしましては検討をいたしたいと考えています。
#108
○矢嶋三義君 大学局長に伺いますが、今の大学の先生方、特に本議案に関連を持たせるために理工科にしぼりますが、こういう方々の給与の実質は戦前の約六割程度である。それから教官研究費、さらに工業高等学校限りについて言うならば、その実習費等は、その実質において戦前の六割から六割三分程度しか現在予算が確保されていない。この私が持っている数字についてあなたは格別違った意見がありますかどうか伺っておきます。
#109
○政府委員(小林行雄君) 大学教官の待遇改善につきしまては、文部省といたしましても従来からできるだけの努力をしておるつもりでございまして、もちろん思うように待遇改善の実績を所期のように上げてはおりませんけれども、しかし年々何らかの形で改善の実績は上がっておるわけでございます。ことに本年度におきましては、御承知のように人事院の待遇改善の勧告がございまして、その線に沿って行なわれたわけでございます。ただ従来の実績を見ますと、現在におきましては、ただいまお尋ねのございましたように、大学の教官につきましては戦前比・給与について大体六〇%程度、それから教官の研究費でございますが、講座研究費については大体七割程度の実績というふうに記憶いたしております。
#110
○矢嶋三義君 重ねて関連事項として大学局長に伺っておきますが、大学の教官は現在七割程度の方が内職をされているとあなたは判断されておりますか。
#111
○政府委員(小林行雄君) お尋ねの点につきましては、現在的確な数字を記憶いたしておりません。内職と一がいにおっしゃいますが、いろいろ、たとえば兼任――国立大学の先生が兼職をするような場合には文部省の方に同意を得てやってもらうというようにいたしております。その数字が何割程度ということについては、先ほど申しましたようにはっきりと把握はいたしておりません。
#112
○矢嶋三義君 私から参考に、百パーセント正確とは私は申しませんが、おおまかな数字を大臣とあなたに披露しておきますから。大体教育と研究に専念すべき大学の教官はその生活をささえるために、また一部研究費をかせぐために六割から六割七分程度の方が教育、研究に専念することなく何らかの副職、副業をやられております。こういう資料が出ているんです。憂うべき現象だと思うのです。大蔵政務次官、いかがですか。この問題にいたしましても、さっきの実質給与という面からいきましても、あるいは教官研究という意味からいきましても憂うべきことだと思うんですね。これは政治家の責任ですよ。そこでこの前私が伺ったこの資料が出て参りましたから申し上げて伺いますが、日本がこの科学技術振興の時代に技術導入によるロイアルティとして海外へ支払われた外貨を調べて資料として出してほしい、その出していただいたところがここに出ていますように、昭和三十年に約六十億円ですね。逐次ぐっと上がって参って、年々歳々、三十三年の約百十四億、三十四年に二百億、三十五年に二百八十八億、これだけのロイアルティとして外貨を支払って、六年間に驚くなかれ九百四十億円という外貨を支払っておりますね。こういうことを無視して対策を講ぜずに、ただ工業高等学校増設、工業教員を三年間に養成するということに没頭しておって、一体、国の政治という立場からいいのかどうかですね。先ほど教官研究費なり、給与なり、あるいは内職の点を申しましたが、もし大学の教授がその教育と研究に没頭して、研究費があって、そして日本で発明、発見というようなものが、新しい科学の分野の開拓ができたら、こういう外貨というものは払うよりは入ってくる可能性が強いわけだね、これは。日本人というのは勤勉でもあるし、民族として決して脳細胞の悪い方ではないのですから。そういう点は政治家の果たすべき義務だと思うのですね。だから私は先ほどこれを伺ったわけですが、こういう点については、予算の査定権を持ち、内閣の予算編成作業の中軸として働かれる大蔵省の政務次官並びに主計官佐々木説明員はどういうお考えを持っておられるのか。出してもらったこの資料の数字が雄弁に日本の政治の貧困さというものを物語っていますね。いかがでしょう。
#113
○政府委員(田中茂穂君) 御指摘になっておりまする大学教授が七割近くも何らかの形で内職をしておられるということは、きわめて望ましいことではないと思っております。なお、大学教官の給与改訂につきましては、昨三十五年の十月一日、人事院勧告を尊重してその通りにいたしております。なお、ただいまあとで御指摘になりました新技術の開発についての外貨が、六年間で約九百億近く出ておると思うのでありますが、わが国におきましても、昭和三士二年度から理化学研究所において開発に関する仕事をしていただいておったわけでございます。三十六年度からこれを独立いたしまして、新技術開発機関、仮称でございまするけれども、そういう機関を設けて、独立した立場で新しい技術の研究をしていただくということにいたしまして、昨年度一億三千万の予算でございましたが、新年度はそれに一億七千万ふやしまして三億の予算にいたしたわけでございます。これも必ずしも将来の日本の立場を考えて十分な満足な額とは申し上げることはできないと思いますが、逐次そういった技術開発につきましては、大蔵省といたしましては文部省等の、あるいは科学技術庁等の御要請によりまして十分対処いたしたいと、かように考えております。
#114
○矢嶋三義君 佐々木説明員。
#115
○説明員(佐々木達夫君) ただいま政務次官が答弁されましたこと、全く同感でございます。矢嶋委員のおっしゃったように、ロイアルティの支払い、外貨の支払いが二百億をこえ、逆に輸出と申しますか、技術の輸出がその百分の一程度というのは、まことに嘆かわしい状況だと思います。先般も大蔵大臣から答弁されたところと存じますけれども、従来、比較的科学技術の振興というものに対しまして財政措置その他がとられておりませんでしたが、三十一年度、科学技術庁が設置されて以来、逐次、科学技術振興費が増額されております。これは従来の予算その他を御検討下されば明瞭になると思いますが、財政当局といたしましても、できる限りこういう面につきまして努力を払い、それから先ほど政務次官から御説明がありましたように、従来、技術開発という面につきましてとかくなおざりの点がございましたので、今回、三十六年度からこういうものを独立の機関といたしまして、従来各国でやっている実例、特にイギリスの例にならいまして、その予算テンポというものを若干、イギリスよりも二〇%速めるということにして、早急に諸外国に追いつかなければならないというふうに考えております。しかしながら、なかなか一挙にいきませんので、徐々にテンポを上げて、技術開発の面においても諸外国におくれをとらないように努力いたしたいというふうに私どもは考えております。
#116
○矢嶋三義君 なぜ私が大学教授のことを言うかと申しますと、科学教員が必要だが、養成しようといってもいい大学教授が確保できない、教員養成をしようとしても適格教授が不足しているというのがいつも大きな理由になっているのですよ。確保できないことはないわけですよ。今私が申し上げましたような欠陥が政策にあるから確保できないわけです。要は政策の問題ですよ。政務次官、先ほどのあなたの答弁も、私その大部分は了承しますけれども、しかし、それならば、今ウォストークが飛んだのですが、ウォストークが飛んだというのは、平和利用は別として、軍事的に考えた場合、どういう意味があるかということを考えてもらいたいと思うのです。そういうときに、日本の科学技術関係をこのままにしておいて、何であなた、自衛官は約二万三百人も欠員があるのに、陸上自衛官を中心に一万三千五百三十四人も増員をやるのですか。安保条約が何のかのといったって、こういう何は理解できないですよ。陸上自衛官を中心に二万人も欠員があるのに一万三千五百人も増員をする。大へんな予算ですよ。これを論じていくと、あまり横に広がっていくと、時間がかかって気の毒だから、これ以上広げませんけれども、先ほどから出た、教授が確保できない。だから技術者の教員養成もなかなかできぬのだ。ところが、この教授はどういうように位置づけされ、どういう状況にあるか。その教育研究環境というのはどうかというと、さっきから申し上げた通り、大学局長がお答えになった通りなんです。技術導入について幾らの貴重な外貨を払っているのか。さっき申し上げた数字の通りです。そうして世界の情勢は、さっき申し上げた通りなんです。ウォストークが飛んでいる。レッドストーンが飛んでいる。平和利用は別として、これを軍事的に見た場合、どういう意味を持っているかということは、しろうとでも考えられることです。そういうときにオイチニの自衛隊を一万三千五百人を、二万人も欠員があるのに、なぜふやさなければならぬのか、ということは、小学校の生徒に説明しても、そうだそうだということだろうと思う。内閣の閣僚の一人として、荒木文部大臣どういう御見解なんでしょうか。私は承っておきたいと思う。
#117
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 教員の給与改善については、再三申し上げました通り、むろん大蔵省からも話がありました通り一挙動ではいきにくいと思いますが、極力、少なくとも戦前水準、さらにその塁を摩する努力をせねばならぬと思っております。
#118
○矢嶋三義君 次に、非常に答弁としては私不満足ですが、それも押し問答しては時間がかかりますから、一応先に進んで参ります。法案の第八条のところの、授業料その他の費用の免除及び猶予のところに関連して大蔵省に承りたいのですが、今学生で勉強している人で、国費で貸費給与が行なわれている学校はどういうものがございますか。
#119
○政府委員(田中茂穂君) 貸費給与という御質問でございますが、これは育英会の制度によってその対象になっておるものと、それから自衛隊あるいは保健所の医師、自衛隊の技術者、そういったのが貸費給与の対象と申していいのじゃないかと思います。
#120
○矢嶋三義君 典型的なものとしては、防衛庁関係、それから厚生省関係がありますね。今度の工業教員養成所の貸費制度について、どういうわけで大蔵省は文部省の要求をカットしたのですか。私は納得できないのですが、今度の教員養成所と、戦前にあった臨時教員養成所はかなり条件が違いますがね。昭和四、五年ごろ、あの時代に月二十五円の給費があったわけですね。高等師範でも、全員までいかなかったのですけれども、約二割か三割の学生に月二十五円の貸費があった。その当時、大体下宿料というものは十五円程度であったわけですね。だから、失礼だけれども、比較的学費に恵まれない子弟は、二十五円というのは、月謝が十五円だから魅力がありますよ。相当に優秀な学生が、あるいは高等師範に、そういう養成所関係に修学したものですね。それをまあ見習ったわけでもあるまいが、この法案を立案するにあたって、文部当局としては七千五百円程度の貸費、工業大学の学長の指針では八千円程度貸与することによって素質の優秀な学生を吸収しろ、素質のいい学生が集まるということは一番大事だと思う。特に人の師となるものですからね。で、厚生省関係、あるいは防衛庁関係の貸費とあわせ考えるときに、これこそまさるとも劣らない一つの池田内閣の大きな政策だと思うのですがね、所得倍増、技術者養成というのは。どういうわけでカットしたのか、その点御所見承りたいと思います。
#121
○政府委員(田中茂穂君) この養成所は、工業教員の資格を付与するということをただ唯一の最終的な目的とする機関であるわけでございます。で、なお例をとって申されましたが、御承知のように、国立大学の教養学部、これにはただいま貸費制度と申しますか、そういったものは全面的に全部貸費の制度をとっておりません。でありまするから、やはり教養学部との均衡上この措置を取らないことにいたしたのでございます。しかしながら、授業料におきましては御指摘にあったかと思いますが、三分の一徴収することにいたしまして、この養成所を出られて、そうして目的である高等学校の工業教員に一定の間勤められた場合には免除する措置を考えておりまするし、なおまた、例の育英会の貸興制度もこの対象になるように考えております。なおまた、他の一般の大学で特に優秀な学生であるとか、特別な理由でどうしても授業料が納められないという者に対しましては、特に免除することができることにいたしております。以上のような内容で考えておるわけでございまして、どうして全部ただにしないかというお尋ねに対しましては、同じような目的を持つ教養学部との均衡上さようにいたしたということでございまするので、この点御了承賜わりたいと思います。
#122
○矢嶋三義君 教養学部との均衡上なんかでは説明できないでしょうね。普通なら了承したいところだが、了承できないですね、そんな説明では。文部大臣了承できますか、いかがですか。
#123
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 私どもの考えは、できるならば七千五百円見当を支給したいという考えでありましたが、努力が足りませんために撃退されたわけであります。この希望は今後も実現をはかりたいと思っております。一般教養学部とはいささか趣旨を異にすると理解いたしまして、今後の努力に待ちたいと思っております。
#124
○政府委員(田中茂穂君) 先ほど国立大学の教養学部と申しましたのは教員養成学部ですから訂正いたします。
#125
○矢嶋三義君 それでもこれを削除したということは私は了承できません。一体、青年の立場を考えた場合、文部大臣と政務次官にお答え願いますよ。日本の憲法上から、違憲行政であると青年は断定すると思います。それを説明いたしますが、防衛大学校は学校教育法に基づかない学校ですね。この養成所もしかりですよ。学校教育法に基づく学校でない。そういう立場においては特殊な教育機関としては位置づけは同じです。ところが防衛大学の学生は四千五百円いただいて、食べさせてくれ、衣服も支給していただいて、入学したときから年金がつくのですよ。同じ制度の学生が日本の経済力の増強、産業の進展のために、そういう人材養成のために教師になる人の確保ができないから、特別なこういう、先ほどから批判があるような立法までしてやるというときに、授業料も全免しない、貸費もしない、もちろん食べさしてくれはしないですよ。衣服等の支給もない。こういうことは今の日本国の憲法上、同じ日本の青年を相手にそういう政策行政というものは許されておるのかどうか。私が青年学生であったならば、これは違憲行政であるといって政府に反抗いたしますよ。しかも防衛大学校の学生には学校法に基づかない特殊機関であるにかかわらず、大学院の大学資格まで付与している。これは青年の立場から見るならば、明らかに憲法を無視した、軽視した行政ですよ。従って、かりに政府はこの法案を認めるという場合においても授業料は全免してしかるべきだ、それから月に何がしかの貸費、これは七千五百円とか八千円というのは、今の物価からいってやや低きに失すると思いますが、わが日本社会党は一万円程度が適当だとそろばんをはじいておりますが、そういう貸費をしてしかるべきだ、こういう見解を持っているわけですが、この第八条は何ですか、表現はこういう表現でありますが、全員に授業料の免除がある、実質的に法の運用上かようにする考えである、かように了承して文部大臣よろしゅうございますね。
#126
○政府委員(小林行雄君) 授業料につきましては、入っております学生が卒業後、その八条にございますように、卒業後六カ月以内に工業教員になる・そして三年間、政令で定める期間というのは三年ぐらいにしたいと思いますが、工業教員として在職するという場合には猶予されたものが免除になるということでございます。
#127
○矢嶋三義君 全部猶予するわけなの。
#128
○政府委員(小林行雄君) そうでございます。
#129
○矢嶋三義君 それでは、はっきり確認しておきますが、あなた方の腹案としては、この養成所の学生は卒業して六カ月以内に工業教員となり、三年間以上工業教員として勤めれば三年間養成所において勉学した期間の授業料は要らないんだと、かように了承していいわけですね。
#130
○政府委員(小林行雄君) この八条で規定してあります通り、大体この工業教員養成所の授業料は年間七千二百円ということにいたしておりますが、そのうちの三分の一、すなわち二千四百円程度はこれを徴収する、残りの四千八百円程度について、これは年間の四千八百円程度について徴収猶予をするという行き方でございます。
#131
○岩間正男君 関連して。矢嶋委員から自衛隊の学校の問題が出たのですが、五月八日の東京新聞によると、こういうことが発表されております。防衛庁は、自衛隊の補給など後方支援体制強化のため、中学卒業生から技術生徒を採用して、技術研究本部と三自衛隊補給所の技手を養成する制度を設ける方針である。この技術者養成制度は、理数科の才能にひいでながら家庭の事情で工業高校に進学できない中学生を全国から選抜して、工業高校から工業短大程度の教育を授け、技研及び補給所の技手に養成しようとするもので、生徒の教材費、生活費その他全額は国庫から負担するほか、月一人三千円の手当が支給されることになっている、こういうんですが、これは荒木文部大臣先刻すでに御承知の問題だと思うのです。軍優先かもしらぬけれども、あなたは池田内閣の閣僚として、池田内閣の基本政策は所得倍増だ、所得倍増に見合うために四十四万の技術者を養成しなければならぬというので、御承知のように、現在このような法案を、まことにこれは問題にならぬと思うのでありますが、このような法案を出してきている。そういうときに今の矢嶋委員の質問とも関連しまして、全然あなた方の要求した七千円さえ切ってしまった、ひもがない、そうして先ほどの、どのようにして、逃げ出すこの卒業者を保有するかという米田委員の質問に対しまして、まことに珍妙無類な、まるで戦争前の閣僚が話すような答弁をしたはずです、先々週にね。その問題と関連して、私は文部大臣にお聞きしたいのです。自衛隊が現にこのような技術者の養成をやるために、全額無料で、そうして三千円のしかも生活費をくれておる。そういうときに、わずかにあなたたちの要求の七千円さえ切られておる。実にこれは先に行ってたよりないことです。そうして、十一カ年計画というものは、根本的にこれはくずれるかもしれない。こういうような形にこれは追い込まれているのです。この間の調整を一体どう考えるのですか。所得倍増は重大だなどと言っても、これは全然問題にならぬ。この点について文部大臣の所見をただし、同時に、大蔵次官が見えておるようでありますが、大蔵次官として、一体こういうような調整の矛盾をどう考えるのか、技術優先などというのは、全くこれはかけ声にすぎないのじゃないか、 何も実体がないのではないか、これが現在技術者養成に対する政府の態度じゃないか、全くこのことを物語っていると思うのでありますが、両者の意見をお聞きしたい。
#132
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 防衛関係は、それ自体別個の目的のもとに、御指摘のようなことが考えられているかと想像いたします。この養成所の関係において、先ほども申し上げました通り、まだ努力が足りていないことを率直に認めます。今後の努力に待ちます。
#133
○政府委員(田中茂穂君) 岩間委員のお尋ねの前に、先ほど矢嶋委員から、防衛大学の学生は、これはむしろ月給をもらっておるじゃないかというようなお話がございましたが、防衛大学の学生は職員でございまして、公務員になっております。そういう関係で、防衛大学はそういうことになっておりますので、それとは私はちょっと趣旨が違うのじゃないかと思います。なお、今の岩間委員の、自衛隊の場合には授業料は全部なくて、むしろ金を支給しているじゃないかというようなお話でございますが、これは今の文部大臣のお答えのように、自衛隊としての技術者を確保するための一つの措置を講じておるわけでございまして、今日御審議になっておりまする工業教員養成所の学生につきましては、先ほど来申し上げておりまするように、国立大学の教員養成学部でございますから、いわゆる義務教育の教員になるということを唯一の目標にいたしております教員養成学部との均衡上、こういう措置を講じたわけでございまして、この育英会制度の中の特別奨学貸与制度と申しますか、そういう面でできるだけの恩典を一つ考えてみたい、こういうわけでございます。
#134
○岩間正男君 今の答弁は珍無類な答弁ではないですかな。ああいうような答弁でわれわれをごまかそうとしても、少なくとも、われわれはごまかされても、国民はごまかせないと思う。苦しい答弁だ。大学の教員養成学部との均衡上これを切ったと、私はそんなことを聞いているのではない。自衛隊の技術者養成は全額国庫負担、さらにそれでも足りないからというので三千円をつけている。あなたはさっきは自衛隊の隊員は職員だ云々ということを言うたけれども、これは職員じゃないと思う。そうすると、あなたの言葉に従うというと、自衛隊の技術者を養成するためにはこれは国家が相当な支出をしてもよろしい、しかし、所得倍増に必要な要員、技術者を養成するためには一文もこれは見なくてよろしい、こういうことになるのでしょうね。これはここに池田総理が来ていないからだけれども、池田総理は常々口ぐせのように、所得倍増の計画は本命でしょう。もっともどんどんくずれつつある、大へんだこれは。国際収支の面から言えばこれは大へんだ。こういう計画は、だから私は砂上の楼閣だということを、これはあとで質問しようと思っているのですけれども、それにしてもどうです。あなたたちは国策だといって、大蔵省は一枚看板で掲げておるでしょう。そうして経済に最も詳しい池田内閣の表看板じゃないか。その実態はこういう格好ですよ。これはこういうことじゃないですか。全くそういうことをうたっておりながら、しかも独占資本の要求によって、そうして低廉でほんとうに飼いならしたところの技術者を安上がりに仕入れる、便宜的にそれを作る、こういうことになるのじゃないですか。こう言われても仕方ないと思うのですね。しかし、自衛隊の方はこれは違う、これは国防上必要なんだから、こういうことではっきりここを分けている。この考え方というものは、これは国民が納得すると思いますか。池田内閣の統一した政策というものにこれは考えられますか。自衛隊は別な目的があるのじゃないですか。どうしてもそうなってくれば、これはアメリカとの関係を言わざるを得なくなってくる。安保条約との関係を言わざるを得なくなってくる。特殊なものです。ここに一体、文部大臣は、あなたが今度の予算をきめるときに、この問題であなた切り込んでいる。この問題について一体どういう発言をされたか。今後努力するなどということでは、全然これは問題にならないですよ。これは米田委員のさっきの質問に対して絶対答えたことにならぬ。はっきり養成したところの教員を、――これは八千何百人ですか、八千七百人です。これを十一年間ではっきり養成して、それを確保するというそれだけの物的財的な措置をしなければならぬ。待遇改善の問題ですよ。これはそれを明確にすれば、あなたたちの政策としてはつじつまは一応合うのです。ところが全然この保証がないから、どんどんこれは産業に吸収される。もう教員なんてばからしくてやっておれぬというような、何のためにこういう法案をこんな夜おそくまでかかって、もっとかかるんでしょうが、こういう審議を、ばかげたことをやらなければならないのか。文部大臣、実際どうなんです、これは。こういう点で全く統一されていないと思う。政策として統一されていませんよ。こういう点について、今後努力をしますなんということは何べんも聞きあきていますから、もっとこれは明確に、どういう工合に閣内で統一するのか。これは西村防衛庁長官とけんかしても始まらないだろう。そしてまた今後変なトラブルを起こしてもしようがないだろうが、少なくとも首相に対して、これは今後どういうふうなこの法案を通すに当たって決意をし、さらにこれを確約をするのか、これを聞いて一おきたい。大蔵省もさっきの答弁はまずいからもう一ぺんやり直して下さい。
#135
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 防衛関係の問題は、さっきも申し上げましたように、それ自身別個のことであって、同じやり方でなければならぬとは思いません。給与の改善については、先刻来再三お答え申し上げた通りの努力をしたいと思います。
#136
○政府委員(田中茂穂君) 先ほどお答えいたした通りでございまして、工業教員の養成所に入る学生に対しましては、他の国立大学の教員養成学部との均衡上かようにいたしておるわけでございまして、いろいろ御議論もございましょうが、そういうことできめたわけでございます。
#137
○矢嶋三義君 あのね、文部大臣、やっぱり憲法上問題があるのですよ。あなたが防衛大学校は、さらに自衛隊は別個なものだというのですけれどもね。もしそうだとすれば、警察大学校を同じ扱い方をしなければならぬ。警察大学校をね。憲法の解釈を誤った行政が行なわれておるわけでね。これは青年層にとって考えれば、これはよう理解しないと思うのですよ。大蔵政務次官は防大生は職員だから違うと申されますが、自衛隊は学校教育法による教育を受けていないのですよ。なぜ大学院への入学資格なんかを付与するのですか。そういう点に矛盾がある。同じ技術を習得するのに、一方には非常にめんどうを見て、そして一方には、ささやかな概算要求も受け入れられないで、大蔵省は撃退したそうだが、荒木文部大臣は撃退されたというのだが、あなたはむしろ自衛隊のそちらの方を撃退しなければならぬのに、方向を間違って日教組の方ばかり撃退しているので、方向が違っていると思うのですね。冗談じゃなしに、ほんとうに今の現状からいえば、防衛大学の学生も警察大学の学生も同じ扱いをしなければならぬ。むしろ、常時治安と国民の生命、財産を守るという、緊張しているという面では警察官の方が上だと思う。だから、私は給与の面では警察官の方が自衛官よりもよい待遇をしなければならぬという持論なんですよ。自衛官は何かあったときに、そのときに特別手当を出せばいい。においては警察官はしょっちゅう警察手帳を持っておって、いつ、どこで、どういう目にあうのかわからないわけですよ。ときには勤労者を弾圧して悪いこともするけれども、しかし、常時自分の職務に心身が拘束されているという点については、むしろ自衛官あたりよりも待遇はよくなければならぬわけです。いずれも学校教育法に基づかないものですから、同じような扱いがなされなければならぬわけですよ。ところが格段の差があるわけですね。そういう点は若い十代の青年層から見たら、確かに違憲行政だ、憲法違反だと、かような気持になりますよ。だから、この法案はいろいろ問題があるが、もし何されるとするならば、提案される内閣としては、三分の一納めてもらうとか、ずいぶんこまかいことをやったものだが、これは佐々木さんがやったのかもしれませんが、授業料は全免、そして若干の貸与金を出す、そうしてでも、こうやらねばならぬのだとくれば、法案が悪いなら悪いなりに一応の筋は通るわけです。しかし、そういう点が落ちている点、文部大臣は撃退されたそうですが、撃退された方が悪い。撃退した大蔵省にも私は納得できないものがある。この法案は成立するかどうかわからぬですが、もし成立したような場合、今後これは検討さるべき問題だと思うのですが、将来に向かって、この点大蔵政務次官の御見解を承っておきたい。
#138
○政府委員(田中茂穂君) 将来検討すべき必要があるのではないかということでございますが、一応との法律が通りまして、発足いたしました暁におきまして、さらに文部省の方からいろいろ御相談がありました場合におきましては、十分御相談する用意を持っております。
#139
○矢嶋三義君 大蔵省関係のお顔を前に、また文部大臣に伺いますが、先ほど北海道の大学の学長さんが、大学設置基準にのっとって専任教官を半数以上確保する明るい見通しがあるという公述がなされました。私はすごい腕を持っておられるなと感心し、またその点では喜んだものなんですが、確かに専任教官でなければだめですよ。三分の一から四分の一ぐらいは専任教官で、あとはみなあちこちからかき集めてきた臨時講師なんていうような形では、それはあなた方がよくいわれる技術の切り売りですよ。教育は人であるというが、人の教師を養うような教育というのは行なわれっこないです。ところが北海道大学の学長は、どういう計算をしたのか。半数は専任教官でやれると、こういうのですが、教官の配置定員は二・二・二でやられているでしょう。東京工業大学の学長さんは最低三・三・三でやってほしいと文部省に意思表示されたというのですが、私はずいぶんと工業大学の学長さんも百歩も譲った提案をされたものだと思っているのですがね。ところが、それすらあなた方は組み入れられなかった、そうして二・二・二になった。ところが初年度は一・一・一でしょう。一体何ですかね、教官過半数を専任教官で確保できますかどうか、技術面から。局長に伺うとともに、この点は、もしこの法律案が通過して養成所が設けられた場合には教官はたっぷり確保すべきだと思う。私はある、充足できます。それはきょうも参考人が言っていましたように、大学には、大学を卒業して助手の経験年数を相当経て下積みになっている優秀な、学位も持った助手も相当いるわけですよ。だからそういう人を専任教官として供する方法があると思う。で、その助手の新鋭をもって充足していく、もちろん待遇をよくしなければいけないのですが、そういう形で充足しようと思えば、専任教官を充足する人材に私は不足しないと思う。だから大学設置基準にありますように専任教官は半数以上確保される。そうして付置される大学の教育と研究態勢に御迷惑をかけないようにする、これは最低限のことだと思うのですよ。きょうも進藤参考人が工業大学の場合を話されていましたがね、大学は教育と研究をやるべきところであり、そういう義務があるのだ、職務があるのだ、それに支障を来たすおそれがあるという重要なる口述をされています。だから、そういうことがないようにするために専任教官はぜひとも確保するように、今の予算で足らなかったら、より多く支出してやるべきだと思う、こういう法案を出してある以上。だから、こういう点についての文部大臣と大蔵政務次官の答弁、それから大学学術局長に対しては、この養成所は大学でないから大学設置基準は適用されないけれども、実質的にはそれを適用する方針でやっていこうというのは、この前の委員会で大臣答弁されている基本方針なんです。従って、専任教官を半数以上にして親大学に御迷惑かけないようにするという点の見通しと、あなたの御見解を承っておきます。
#140
○政府委員(小林行雄君) この工業教員養成所に対する教職員の配置の問題でございますが、これにつきましては、従来の短期大学の設置等に比べて、比較的教員の定数については上回った定数が配置されることになっております。個々の大学によりましては、これは置かれる学科の数によって生徒数が違い、また、従って教授、助教授、助手の数が違って参りますが、たとえば三学科の工業教員養成所におきましても、初年度に三・三・二というような数が置かれる予定でございますし、二学科の工業教員養成所におきましては二・二・二の数が置かれる予定でございます。なお、ただいまお尋ねにもございましたように、これが発足いたしまして、実際これではしっかりした教育がどうしてもできないというような実情でありますれば、その際にさらに定数の増加ということについて文部省として努力をいたしたいと思っております。
#141
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 今、政府委員からお答えしたことに尽きると思いますが、教員定数はむろん今予算でお認め願ったことで十分だとは思っておりません。一生懸命努力したいと思います。
#142
○政府委員(田中茂穂君) 文部省の方からそういう御相談がまたあらためてございましたならば、十分に検討いたしたいと思います。
#143
○矢嶋三義君 なぜ局長すく御相談できないか。あんなに謙虚に、文部省から御相談があったらと言っておる。あなたが御相談しないからいけないのだ。もう速記にはっきり残っているのだから、さっきから、御相談があったら、あったらとおっしゃっている。もう少し熱心に相談なさいよ、文部省。それではあなた、さっきから、四年制にもまさるとも劣らない教育をやりたい、できると思うと、こう言われていますが、そのためには、施設、設備をよくするとか、教官をよりよく充足するとか、そういう条件がそろわないと私はそれに近づくことができないと思うのですね。期間があなた四年が三年になってるわけですからね。ところが、予算の配分から、この職員構成等を見ますと、講座制の大学より下回っていますね。そして科目制の大学に準じてやってるんでしょう。それでは三年という厳たる年数があれば四年にまさるとも劣らぬということはあり得ないと思うのです。そういうことはどうですか、この点、局長、専門科として。三年に、国家の要請で短かくしなければならぬ、それで最大限の能率をあげようとなれば、施設とか、設備とか、教官の面で、科目制の大学を上回り、講座制を上回ればなおけっこうですけれども、せめて講座制の大学に準じて、施設、設備から教官定員等確保しなければ、四年を三年に縮めたその欠点を少しでもカバーすることはできないのじゃないか。私はそういう手はずを整えてあれば、文部大臣の精神論の一部は私は認めますけれども、そういう予算的、人的裏づけを何にもしないで、使命観等云々では、これは前時代的な発言で、音速時代に聞きのがすことができない言葉だと思うのですね。いかがですか、局長。
#144
○政府委員(小林行雄君) 修業年限から申しましても、これは御承知のように三カ年でございますので、四年制の大学に比べて年限が少ないわけでございます。従って、私ども修得すべき単位数の計算からいたしましても、四年制の大学に比べれば単位数は減っておるわけでございます。そういう形式的な面から申せば、先ほど来、大臣がお答え申し上げておりますように、力がまあ及ばない、理想的な形ではないということはおっしゃる通りだと思いますが、専門的な学力の面につきましては、四年制のものにできるだけ劣らないような力をつけるように努力をして参りたいと思っているわけでございまして、予算の点におきましても、たとえば文教施設の校舎の関係におきましても、約五千五百坪分の予算四億三千万を計上いたしております。これは学科制のいわゆる新制大学の場合に比べまして決して私は劣っておるというようなことにはならぬと思います。また、設備費におきましても六千二百八十万円、これは大体全体計画の三分の一の数字を入れておるわけでございますが、これも新制大学の学科新設の場合の基準に比べれば、これは劣っておるということにはならぬと思います。先ほど申しましたように、教官の定数、それから施設設備の面で、現在の予算の基準から申しまして、かなり私どもとしては優遇されておるように思いますが、もちろんこれで完全ということではございませんので、将来さらにこれの整備のために努力をいたしたいと思っております。
#145
○岩間正男君 第一に、午前中の公述人の公述を聞いたんですが、これは大学と兼任させるんですか、させないんですか、この点を一つ明白にしてもらいたいと思います。それから兼任させないとすれば、どこから一体その優秀な科学教育者をこれは連れてくるのか、まさか宇宙からじゃないでしょうな。今晩に第一線で働いているこの科学教育者よりも、もっと優秀なそういう科学者をプールしているのですか、文部省、どこかに隠匿しているのですか。この点が先ほどの進藤参考人の口述と関連して、非常にあいまいじゃいかぬと思うのですね。先ほどそういう口述がありました。大学に結局は迷惑をかけるのじゃないか。五人いる教授のうち、結局一入が兼任をする、そうして仕事は同じことになるというと、あとの四人に負担をかけるだけじゃない、質的な低下が起こる、これは重大問題だということが言われたわけです。これをしないとすれば、兼任はないわけです。兼任をしないとすれば、どこから一体そのような教官の補給をするのか、その補給源はどこにあるか、明白にここのところでする必要があると思うが、この点、文部大臣はどうお考えになっているか、また小林局長どうお考えになっているか承りたい。
#146
○政府委員(小林行雄君) 先ほど申しましたように、それぞれの定員が各工業教員養成所に配置されるわけでございまして、その定数は専任の教官でありまして、これはそれぞれ母体の大学の教官が何人というものではないのでありまして、この専任の教官につきましては、私どもとしては、現在それぞれ付設する大学にそのごあっせんを願うことにいたしておりますが、大体、大学当局の御意向としては、一部はその大学のたとえば助教授をしておられる方が工業教員養成所の教員になるとか、助手をなさっている方が助教授になるとか、一部では大学外の方で資格のある方が、この工業教員養成所の教官になられるわけであります。これのごあっせんにつきましては、先ほど申しましたように、それぞれの付設する大学でのごあっせんを期待いたしておるわけであります。
#147
○矢嶋三義君 少し質問を続けて参ります。
 そこで、文部省は怠慢で、大蔵省は若干私は予算編成でずるい点があると思うのですがね。あれは松永文部大臣時代からですわ、理工系、理科系学生の増員をやってきたわけですね。増員はするのですけれども、大学の施設設備はそれに即応して増強する予算は組まないで、学生だけをふやしていったわけですね。だから施設設備の面で非常に窮屈な状況に各大学が追い込まれてきているわけです。はたせるかな、きょう進藤参考人は、教官一人当ての学生は約二倍にまでふくれているというわけですね、二倍までふくれている。だから学生定員を五人でも十人でもふやせば、学生経費というのは積算されて参るでしょう。それだけ忠実にやっている。しかし、それに即応して施設設備が要るわけなんだから、この予算を組まなければいかぬと思うのですよ。こういう点では文部省は怠慢であり、査定する大蔵省としてはずるいと僕は思うのですが、これは是正しなければならぬ。それで、先ほどから国立工業教員養成所の設置に要する経費について、大学局長が説明されていますが、これは私の要求に基づいて出された資料と思うのですが、これは注意しておきますがね、何省が出したか書かなければいかぬのですよ、ちゃんと何月何日付と。そうでないと、これは資料として価値がありませんよ。これは注意しておきますがね。この中で人件費、物件費は新制大学の工学部の単価と同じである。これは科目制の大学と同じである。だから三年制でやるとするならば、講座制の大学と同じ程度でなければ親大学に迷惑がかかりますよ。東京工業大学は大学院があります。講座制をとっていますよ。教員養成所を付設すれば、どうしても親大学におんぶする形になり、やはり迷惑がかかる、予算面においても、教官面においても。だから僕は、工業大学の教授の方が反対声明なんかしているのだと思うのですよ。この点についてどう考えられているのか。施設については何とも書かれていきませんが、これは先ほど五千五百坪ということですが、何ですか、九大学に付設するのですが、一大学一養成所大体何坪程度になっておるのか。それで、その坪単価は幾らなのか。それと、人件費のところで非常勤職員手当というのがありますが、この非常勤職員手当というものは、専任教員が充足されない場合は、相当この予算が使われると思うのですが、非常勤職員手当というものはどの程度見ておられるのか、この点お答えいただきたい。
#148
○政府委員(小林行雄君) この予算単価の点でございますが、この資料の注にございますように、予算単価は新制大学の工学部の単価と同じということで積算されております。なるほど講座制の大学に付設される工業教員養成所があるわけでございますが、しかし、この工業教員養成所といたしましては、矢嶋委員御承知のように、特に学校の機能として教官が研究をするという建前にはなっておりませんで、教育が主眼でございますので、その点から言って、予算面上特に講座制でなければならぬというふうには私ども言えないのではなかろうかと思っております。それから、施設費の点につきましては、一学科当たり大体平均して五百坪という見込みでございます。それから、非常勤職員の手当は……。
#149
○矢嶋三義君 坪単価は。
#150
○政府委員(小林行雄君) 坪単価は、鉄筋で八万円ということで計算をしております。
#151
○矢嶋三義君 全部鉄筋ですか。
#152
○政府委員(小林行雄君) はあ。それから、非常勤職員の手当は、これは時間数の計算をいたしておりますが、全体で八百二十八万九千……。
#153
○矢嶋三義君 単価幾らですか。
#154
○政府委員(小林行雄君) 単価五百円という計算でいたしております。
#155
○矢嶋三義君 私は、たとえば名古屋の工業大学に付設されていますがね。大学院のある大学とない大学とありますが、いずれも三年でやっていく以上は、講座制に準じた予算を組まなければ成果をあげないし、大学に迷惑をかけると思うんですがね。ことに、たとえは東京工大みたいに講座制をとっているところ、こういうところに養成所だけ科目制程度の予算が行く。そこに格差があるわけですね。そうして、あなたの方では研究する所でないと言うけれども、しかし、ある程度の研究というものは、工業高校の教員に三年間でなるとなれば、大いにやらんならんのじゃないですか、金を使って。今やっぱり工業大学でも、もとのように、科目制の大学は当然ですが、十五へんでやる実験を十二へんくらいで済ましていますよ、金が足りないから。十五へんでやる実験を十二へん、多くて十三べんくらいで済ましていますよ。そういう実情ですよ。だから、そういう点あたりで予算の積算の場合に配慮しなくちゃならないのじゃないですか。これは納得できませんがね。
 それからまた、非常勤職員手当五百円というと、従来より若干ふえているようですけれども、専任教官をたっぷり貫いて親大学に迷惑をかけぬ、ということになればそれでいいでしょう。しかし、ある程度御無理を何してお願いするとなると、五百円という非常勤手当では人を確保できないのじゃないかと思うんですがね。私はきょう工業大学にちょっとサウンドしてみたのですが、ともかく文部省で言うからメンバーをそろえなければならないのですが、あと、あなたやってもらうかもらわないか、とにかくそのときになってみなければわからないが、名前を貸してくれといって貸してもらっているらしいですね。直接私サウンドしたんですが、教授に。だから、あなた方、教授はそろった、協力体制は整っているというけれども、とんでもないことだと思うのですね。やっぱりあなたのところから圧力がいくから、学長はとにかく名前貸してくれといって教授の方々に名前を借りて書いているらしい。そういうことでは発足はできない、発足できても教育成果は上げ得ないと思うのですがね。だから煮詰めたところ、教官編成は三・三・三でいきなさいよ、この法律を通したならば三・三・三で。そうしたならば親大学にも迷惑かけないで済むでしょう。そうして三年で足らざるところを幾らかカバーできるでしょう。そうして校費を科目制でなくして講座制に准じて組む、こういう配慮をすればその点若干カバーできると思う。そういう点は配慮は全くないわけですね。これに対して文部大臣の確たる一つお約束をいただきたいと思うのです。それから大蔵政務次官も御相談があったときはということでなくして、文部省を激励してやるくらいなことを一つ答弁してもらいたいと思うのですがね。こういう性格からいって予備費を使っても少しもおかしくないですよ。法条が成立して、実際運用し出してうまくいかぬとなれば、予備費を使って少しもおかしくない、いかがですか。
#156
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 御指摘の事柄は、私どもも同感でございます。先刻来再度申し上げているように、少なくとも予算に関しましては、当初私どもの考えておったことと幾らか違いがございまして、とりもなおさず、これは努力不足、大蔵省に査定されたままになったことが遺憾であるということに帰するのでありまして、せっかくのこの法案を通していただきまして発足する以上は、できるだけ所期の目的が達成されるようなあらゆる努力をせねばならぬと思っております。
#157
○政府委員(田中茂穂君) 先ほどから申し上げておりますように、この法案が成立し、制定されたあと、発足されまして、いろいろ運用の面で、文部省御当局とされましても御検討なさった結果を御相談なさった場合におきましては、十分好意をもって御相談に応じたいと、かように考えております。
#158
○矢嶋三義君 佐々木さん、いかがですか。
#159
○説明員(佐々木達夫君) 工業教員養成所の経費の点は、これは非常にむずかしい問題だと思います。私どもは大木学科制と申しますか、科目制の大学部に準じてやる考えでございますが、私ども一応三年間でやるということにつきまして、いろいろ文部省当局とも議論したわけでございますが、そのときにも、これは先生になることを唯一最高の目的とするのだ、ほかの大学工学部とは性格が違う。従いまして、三年間でその唯一最高の目的に沿うような先生を養うことが目的である。従って、これをやれば、先ほどから問題になっている民間に逃げるとか何とかいう問題はなくなるし、従って、先生が誘致されるというようなことがございました。そういうような点から検討いたしますと、これは先生になる――私は専門家でないから詳しくはわかりませんけれども、先生になるための三年間ということであれば、一応、学科制の大学の単価なみでこれはいいということで発足したのであります。これははたして講座制になるかどうかということは検討しなければならぬと思います。今直ちに講座制になった方がいいという結論になるかどうかということはいささか疑問に思っておりますが、これは今後検討いたしたいと思います。
#160
○矢嶋三義君 先生々々という言葉が出るが、これはあなた、町でいわれる先生じゃなくて、ほんとの先生なんだからね。年々歳々何十人何百人という人を教育していくのですから、これは大事ですよ。その人の教育いかんによって、人材養成、国力の盛衰にもきわめて大きな影響があるわけですから、だから今の佐々木主計官の、ちょっとおかしいと思うのだ。あなたの先生は酒場あたりで使う先生じゃないかな。これはほんとうの先生なんだから、三年でやるという場合に、だから科目制でいいわということでは僕は通らないと思う。この点についてはぜひ一つ十分検討していただきたいと思います。時間がありませんから次の質問を続けて参りますが、科学技術庁お見えになっておられるでしょうか。
#161
○委員長(平林剛君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#162
○委員長(平林剛君) 速記をつけて。
#163
○矢嶋三義君 科学技術庁まだお見えになっていないようですが、さっき預けた問題だけでなくて、さっきから給与の問題は質疑されたわけですが、給与、待遇の問題ですね。これについても科学技術庁長官は勧告権を発動するということを御郷里に帰って記者会見で発表されておるわけですね。これは事務当局はどういう補佐をされておるのか、この点も私は伺いたいと思うのですよ。だから大臣がおられなかったならば、科学技術庁を代表するどなたかが必ずくるように、委員長一つお取り計らい願いたいと思います。大蔵政務次官と佐々木説明員は私はもう質問ございません。委員長のお許しがありましたならば御退席していただいてけっこうでございます。
 文部大臣に、先ほどの給与の問題ですが、科学技術庁長官お見えになっていませんが、文部大臣限りで御答弁できることを伺います。
 それは、この学歴それから先生方の研修の結果というものは、給与の上で考慮していただかなければならぬと思うのですね。具体的に申し上げますが、たとえは三十二年の三月三十一日に高学歴の是正をしました。三十二年三月三十一日に高学歴者について給与の是正をした。三十二年の三月三十一日以後あるいは大学の第二学部、夜学部に通うとか、あるいは通信教育等で勉強して、それで学士の学位を獲得して、そうして上級の免許状を確保した先生方、そういう教師に対しては当然学歴是正をすべきだと思うのですね。昨年、国会で論じられて付帯決議までしたのですが、いまだにそれがされない。私は心外です。これは明々白々たることで、直ちにやれることではないですか。この法案でも、人事院の総裁が答弁したように、三年間養成所で勉強されて二級の免状をとった方よりも、四年間大学で勉強されて一級免許状をとった人がより以上処遇されるということは当然だと思うのですよ。そういう点がくずれたら私はこれはもう大へんなことだと思うのですよ。当然だと思うのですよ。ある時点で、三十二年三月三十一日に高学歴を是正したその当時一生懸命勉強しておった、四月五日でもよろしい、大学卒業程度の免許状をいただいた、そうしたら当然それに伴って高学歴としての処遇がされなくちゃならぬと思うのですよ。そういうことをしなければ教師には希望が持てないですよ。そういうことで発奮してきますよ。直ちに私はこれはやるべきだと思うのだが、いまだにやられていない。これを先ほど出ました待遇の問題と関連して伺いますけれども、該当者は非常に不満を持っている。勉強したのを日本の政府は認めてくれないんかと、こういう不満を持っています。ごもっともだと思う。私はこれを聞かれて何とも答えようがないんですがね。大臣の御所見と、今後いかように具体的に対処していただけるか、お答えいただきます。
#164
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お話はごもっともに思います。結局、人事院との相談ごとだと思いますが、一般の給与の問題とあわせましてよく打ち合わせをしたいと思います。
#165
○矢嶋三義君 そういう答弁では逃がしませんよ。これは昨年の本院の他の委員会で、私は人事院総裁と席を並べてお伺いしたのです。そして先生を優遇しにゃ云々ということを原則論であなたが答弁した。そしてこの点については人事院総裁も認められた。あなの部下の初中局長も認められた。それをあらためて付帯決議までして、行政府におあずけをしてあるその付帯決議に対してあなたは善処いたしますということを言っている。きょうの委員会でも科学者あるいは先生方を優遇しにゃならぬとか、教員養成のために善処しますとか、ずいぶんとそういう答弁をされておりますけれどもね、それは実行されなけりゃ私は立法府に対して責任を果たしたことにならないと思う。その私は具体的例としてこれをあげたのです。きょうの段階で人事院と御相談して云々ということでは私は下がりませんよ。人事院とそろった上で、人事院もそれは容認している。あなたの部下もそれを答弁し、あなたもそれを認め善処すると、今ごもっともなような気がすると言われたが、その通りごもっともだというようなことを言われた。それで本日もなかなかこういうことが解決されないで、それで今後先生方の優遇については、極力努力しますということでは、その答弁が生きてこないと思うのです。だからこの段階では、何日以内にあなたの部下に指示して、いつごろまでにその点はやりますという御答弁をいただかなければ、私はきょうの段階で下がることできません。重ねてお伺いいたします。
#166
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 文部省限りでできませんから、人事院と相談してと申し上げたわけですが、事務当局には具体的に指示をいたすまでもなく、国会でこう答弁申し上げている以上は、事務当局はよくわかっているはずでございます。あらためてまた事務当局にも、他の問題とも一緒にいたしまして指示をいたして善処いたしたいと思います。
#167
○矢嶋三義君 まことに失礼でございますけれども、私はどうも百パーセント信頼がおけないのですよ、この委員会でお約束していただきますけれどもね、誠意は認めるけれども、はたしてその行政府の車が、立法府でお答えいただいた約束した線に沿って車が回っているかどうかという点について、はなはだ失礼ですけれども、百パーセント信頼がおけません。だから、はなはだ失礼な御要求になりますけれども、今言った点、それから先ほど伺いました初任給引き上げとか、あるいは諸手当の再検討、これらの点についてはごもっともだから、文部省の方から積極的に人事院とこうして、この是正改善に努力しますということを、先日も本日も答弁されました。限定いたしますがね、この二項目について、文部省の担当官において、いつどういう努力をして、どういう段階まで来ているという程度のことが、質疑した私にわかりますように、この国会閉会するまでに善処されて、文書で一つ委員長を通じて出していただきたい。これは少しお手数かけるようですけれども、今までの審議の過程からいって、御多忙なのはわかりますけれども、問題が前進しないわけですよ。従って、この法案を審議しておっても、一応これは発足して、あと足らざるところは善処します云々と言っても、その点非常に懸念されるわけです。だから、ただいまのこの待遇問題について、かように文書として、おそれ入りますけれども御報告をいただきたいと思います。よろしゅうございますか。
#168
○国務大臣(荒木萬壽夫君) どうも御信頼がないようで申しわけないのですが、昨年来ずいぶんいろいろと御忠言をいただいてお約束を申し上げたことは及ばずながら努力し、成果を上げたこともあると信じております。ただいま申し上げたことも、この場限りでない意味でお聞き取りをいただきたいと思います。今国会開会中にできるだけ御要望に沿うようにいたしたいと思います。
#169
○矢嶋三義君 私ちょっと質問ありますけれども、続けてやっていくと……ちょっと休憩しますから、豊瀬委員にかわります。
#170
○豊瀬禎一君 まず速記をとめてもらってもいいのですが、昨日から委員部を通じて要求してある技術庁関係が今に至るまでこないという理由を明らかにしていただきたいと思います。これは私が大臣にも先ほど関連質問でお尋ねしましたように、お互いに理事会で話し合って、きょうあげるようにするという協定のもとに審議を進めておる。このことはすでに連休前からおわかりのはずです。科学技術庁関係者の出席につきましても、直接文部省に責任はないけれども、纐纈次官に対して、法案審議、成立させる必要上からも、最小限度の要求として御善処方をお願いしておったはずです。私はこのいきさつから、質問責任者の矢嶋委員の意向のいかんにかかわらず、このことが実現されない以上、本日の法案成立に対しては協力できないことを冒頭に申し上げて、なぜ科学技術庁が出席しないか、まず委員部の連絡事項の表明をお願いします。
#171
○委員長(平林剛君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#172
○委員長(平林剛君) 速記をつけて。
#173
○豊瀬禎一君 まず最初に、私は矢嶋委員の質問に関連して大臣にただした問題から質問を続けたいと思います。
 私どもは工業教員の養成ないしは確保という問題は、必ずしも国立の養成機関だけに依存すべきではない、この基本態度と申しますか、大臣は、戦後はいかがわしき私立大学があったので、届け出であるけれども、認可的な措置をしておったとか、いろいろありましたけれども、戦前はもちろんのこと、特に戦後は、新憲法のもとで、私立大学が日本の教育のために、あるいは文化水準の向上のために果たしてきた役割は非常に大きいものがあると思いますが、こういう角度からしまして、技術者養成というために積極的に私立大学等に、本構想が成立当初から協力を要請さるべきであったと思うのですが、大臣は、この私の基本的な考え方に対してどういうお考えでしょうか。
#174
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 科学技術者養成につきましては、私学三団体に対しまして協力を要請いたしております。要請いたしました結果として、私学からもその計画申請が出されまして、それに基づいて、それを積算の基礎に置いて三十六年度私学関係の予算も組まれておることは、先ほどもお答え申し上げた通りでございまして、私学が教育の面で国公立とあわせて非常に協力をし、貢献をしておることはむろん御説の通りわれわれも同感であります。同じように認めておる立場において対処いたしておるつもりでございます。
#175
○豊瀬禎一君 午前中の参考人喚問の際にも、ある人から言われたように、三十五年の七月には、たしか小林大学局長の内翰といいますかがあったことを、東京工業大学の学長は教授会で表明し、その内容についても説明をいたしております。今、大臣が答弁された私立関係の協力を求めたというのは、この国立大学に内翰を発したころでしょうか。それともその後ですか。
#176
○政府委員(小林行雄君) 先ほど大臣がお答え申し上げましたのは、科学技術者養成一般に関することであろうと思います。工業教員養成所の設置につきましては、これは御承知のように、現在の工業教員の需給の状況、また、将来の急増ということに関連いたしまして、御承知のような例外的な臨時的な措置としてこの工業教員養成所を設けたいということで考えておるわけでございます。従って、そういうこれは特殊なものでございますので、養成所がその使命を果たした場合には、これは廃止するということを考えておるわけでございます。従って、私どもといたしましては、この工業教員養成所は必要最小限度の範山内で行なうのがいいだろう、そういう筋合いのものであるということを考えまして、広く公立並びに私立に及ぼすということは必ずしも妥当な措置ではないのじゃないかということを考えて、国立で工業教員養成所を設置するということを考えたわけでございます。まだ、いろいろな、経費の面から申しましても、これは大体工学部を設置するのと同様な、非常に大きな金が要るものでございますから、私立でそういうようなものを設置することは妥当でないのではないかということを考えて、この工業教員養成所に関する限りは、私立に協力を求めたということはございません。
#177
○豊瀬禎一君 できるだけ早く終わりたいという私どもも意向を持っておりますので、該当事項に対して答弁を簡潔にお願いします。
 大学局長は、この問題について一応に責任ある答弁ができるはずですが、僕が質問したのは、なるほど技術者養成という問題で大臣は答弁しましたが、四十四万不足するために、これを教育できるところの工業教員をふやそう。従って、工業教員の確保という立場で教員養成の問題を眺めていくと、単に養成所を設置するということが万能ではなく、先ほど私が言ったような角度からの検討、対策が必要であったのではないか。それをいつやりましたかと、こう言っているのです。
#178
○政府委員(小林行雄君) 科学技術者養成に関連いたしましてのことでありますれば、この養成計画に十七万人不足、一万六千人養成ということに関連いたしまして、私立の高等教育の関係の三つの団体に御連絡をして協力を求めたわけでございます。
#179
○豊瀬禎一君 いつやったかと聞いているのですよ。僕の問題の骨子は、三十五年の九月に内翰を発して、教員養成所の問題に協力を求めて工業教員の確保をはかろうとしたが、私立大学に対して工業教員の確保に関して要請すべきであったと思うが、やったならばいつかと聞いているのですよ。
#180
○政府委員(小林行雄君) その点については、私学に対してはやっておりません。
#181
○豊瀬禎一君 やっていないのですね。私は冒頭に、大臣に対して言葉じりをとったところもあったのですが、全国の私立大学にも相談すべきであろうという答弁があったのですが、そのことの可否の問題は別として、工業教員を確保するという一つの国の要請の立場を肯定すると、それは現在審議しておる法案のごとき体制のみに依存する必要はないと思う。いな、むしろ私は、現行の国公私立等の機関の中で――大学の現行課程の中で教員確保の方策がはからるべきだと、このように考えるのですが、私立大学の協力を求めても工業教員の確保はできないという判断で協力要請をされなかったのですか。
#182
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答えする前に、先刻私お答えしましたことは、御質問の趣旨を私が取り違えた傾向があったと思います。今、政府委員から申し上げましたように、私は一般の科学技術者の養成という御質問かと思ってお答えしたのであることを御理解いただきたいと思います。教員養成の応急措置という角度から申しますと、今、政府委員が申し上げました通り、あくまでもこれは臨時便法であり、次善の策たらざるを得ない本質を持っている。従って、一定の時期には、当然廃止さるべきもの、そうしてひとえに教員養成の本来の姿に返るべきもの、さらにそれに関連しましては、大学制度それ自体の一般的な検討とあわせまして、中教審の答申を待って、将来に向かっては検討さるべき課題であることは、先刻御答弁申し上げたところで御理解いただいておると思いますが、今申し上げるように、臨時便法でありますがゆえに、当然、早晩廃止さるべきものでございますから、それはやはり国立大学に付置するというやり方で、廃止しました後は、施設、設備等が適切に活用されることも考えあわせまして、国立が適切であろう。私学の国立と違います本来の自主的な使命に顧みましても、私学に臨時養成の協力を求めることは穏当でなかろう、こういう判断から、国立だけにいたしたのでありまして、私立には臨時教員養成という課題としては協力を求めなかったわけでございます。求めることを忘れたのじゃなしに、求めない方が適切だと考えて協力を求めなかったわけでございます。
#183
○豊瀬禎一君 だから質問をしているのです。私先ほど申し上げましたように、工業教員が不足しておるという前提に立つとしてとあえて言っております。不足しておるという前提に立つとしてですね、これを確保する道はいろいろある。臨時の養成機関を持つということも一つだし、それから参考人からも言われたように、しかるべき養成機関の中に、臨時的にそういうものを設置するということも、工業教員科とか、しかるべきものを置くということもいいでしょう。それと同時に、私立学校の工業等の課程を現在持っておるところに、設備が許すならば、あるいは設備の充実をはかって生徒の増員をはかる、これに何らかの措置を加えて、教員になるものを養成していくということもあり得ると思うのです。これをあえて三年制に切り下げられ、工業教員の養成所という形でされたのが理由がわからないと、こう言っておるのです。
#184
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 工業教員の逼迫状況がきわめて緊切なものがございますから、一年でも早く充足することを考えなければならないということが、やむを得ず、次善の策たる、今御審議願っておる案として出てこざるを得なかった理由でございます。もちろん豊瀬さん御指摘のように、国公私立を通じまして教育者の養成の目的を一応持った施設設備がございますけれども、それはそれとして、恒久対策として並行的に別途に考えられていくべきものと理解いたしております。今も申し上げましたように、長い目で見る立場からいたしますると、中教審の答申を待って本格的な検討が始まらざるを得ないのでございますが、それ以前におきましても、御指摘のような方面を通じまして教員が出てくることをむろん期待し、努力していかねばならぬとは思っておりますが、現実問題としては、ほとんど単位をとった人といえども現実に教員になる人は、もうりょうりょうたるものというまあ遺憾な実情にかんがみまして、その緊急施設を考慮せざるを得なかったという相互関係に立つわけであります。繰り返し申し上げます。応急措置でございますから、私学に迷惑をかくべきじゃなかろう、また恒久的な本来の制度の充実、それを通じての教員の育成ということもむろん並行的に考えていくべきものと、こう理解しておるわけでございます。
#185
○豊瀬禎一君 応急措置ということですと、教員の質が低下しても、当面を弥縫するためにはやむを得ないという判断ですね。
#186
○国務大臣(荒木萬壽夫君) これは矢嶋さんにも米田さんにもお答え申し上げました通り、今も申し上げました通り、次善の策であることは、これはやむを得ないことと存じております。当面応急的に一年でも早くということを考えます限り、ほかに方法が見つかりませんから、やむを得ずこのやり方でもって一刻も早く教員を充足したい。欠陥がありますことは一般の大学と違った努力をする、あるいは現職教育等もいたしまして、極力その欠陥は補いたい。こういう考えまでもやりまして、応急次善の策をやるのでなければ、当面の必要に応じられないであろう、そういうことから考えた案でございます。
#187
○豊瀬禎一君 三年制の課程で、四年制の課程よりも教員の質が落ちるということは認められますか。
#188
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 一般教養ないしは教員の専門的な本来の科目が、単位が足りない、少ないという点では欠陥ありと言わざるを得ないと思いますが、きょうの参考人の意見にもありましたような大学当局自体の積極的な協力に依存しますと同時に、学生それ自身の、毎度申し上げて恐縮ですが、使命観に期待することによって、さらには現職教育もあわせ行なうことによってその不足は補えるもの、また、補わねばならぬ、かように存じておるのであります。
#189
○豊瀬禎一君 午前中から聞いておって、私どうしても了解できないのは、学校教育の効果を上げるファクターとしては、大臣は何と何を一応考えておられますか。
#190
○国務大臣(荒木萬壽夫君) もちろん一般教養科目あるいは教員に固有の科目、それに工業教員であれば専門科目、少なくともその三者が必要であろうと思いますが、一年でも早く卒業生を出すという必要性から言いますと、一般教養科目をある程度削り、あるいは教員プロパーの科目もある程度削って、そうして、三年間に四年程度の専門科目をみっちり教え込むということたらざるを得ませんので、その意味において次善の策たらざるを得なかったと申し上げるわけであります。
#191
○豊瀬禎一君 教官の質、教官の数、当該授業を受ける現場における生徒数が少ないということ、施設のいいということ、それから同じ科目に対する時間数の多いということ、これは現行教育学者、いろいろ説を異にするものがありますけれども、教育効果を上げる要素として、これは大臣認められるでしょう。
#192
○国務大臣(荒木萬壽夫君) そうだと思います。
#193
○豊瀬禎一君 そうすると、時間数を少なくし、小林大学局長は短期大学よりもいいはずですと、こう言うけれども、これは短期大学じゃないですか。少なくとも工業高等学校教員の現行制度の中で四年制の大学を必要とするものから見ると、教官の配当率も悪い、こういう中で、一定の科目に対するいわゆる教育効果が結果として現われてくることは期待できません。ただ、大臣がここで期待しているのは、当該学校教官の犠牲的精神と学生の使命観ですね、こういうものは行政家が求むべきものでなくして、当該者自身が自主的に判断し措置すべきもので、何度も私は当委員会で教育行政の責任を言っておりますように、教育行政家――大臣というものは、それに必要な諸条件の整備をすることが主たる任務です。従って、三年間の暫定教育ではどうしても工業教員としての質が落ちてきます。この質の低下による四十四万人の教育担当者のもたらすところの教育成果というものと、かりに一年間はおくれても、現行四年制度の中で充実した養成制度を確立することによって、さらに量をふやすことによって確保していくという問題を考えてみると、これは当然十年後、あるいは、この先生を途中で首切るわけには参らぬでしょうから、二十年、三十年の本人の教育成果から見ていきますと大きなマイナスになると思うのですよ。そうすると、一年間早目にこれを送り出すということよりも、どう考えて計算をしてみても、現行四年制度を堅持していくことの方が中堅技術者の養成という点から見ても当然であるし、国家の経費の効果的な使途という点から見てもうなずけると思うのですが、そういうお考えに大臣はなられませんか。
#194
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 言われる気持はわからぬじゃありませんけれども、現実問題として、一応の推定ではありますけれども、十七万人不足に対して学生定員一万六千の養成計画、教員組織の面からの制約で、そういうことたらざるを得ないというのが一応の私どもの見当でございます。そういう情勢下におきましては、今日すでに工業教員が不足しつつある。今後の推移を見ますれば、このままでいけば工業教員に穴があいて授業ができなくなるということもおそれられます。その欠陥を補うということが何としても焦眉の急務だろうと思われるのであります。さりとて、御指摘の四年制大学制度を通じての教員養成制度の活用、これはもちろん並行的に考えてあらゆる努力はすべきでありますが、そういたしましても、なおかつ大学程度の科学技術者の養成にはこたえ得ないというぐらいの条件下におきましては、工業教員の充足は容易でない。穴があくことは必至だ。それを穴をあけっ放しにはさし置きがたいことでございますから、むろん次善の策であることは再々申し上げますけれども、この養成所を通じまして工業教員を充足することこそが必要だ。不満足な点があるならば、それはあらゆる努力をして満足なものにする施策を講じていかねばならぬという意味で、先ほど来お答えを申し上げておる次第でございます。
#195
○豊瀬禎一君 そうすると、大臣は工業教員不足の理由をどういうふうに把握しておられますか。
#196
○国務大臣(荒木萬壽夫君) これは一般的にいえば、教員の給与条件の民間に比べての劣悪さ、そのことが入手難の当面の問題だと思うのであります。これは再々申し上げますように、給与改善の課題として着々改善の方向をたどらせる努力をせねばならぬ。それはそれとしていくにいたしましても、現実の教員の充足という緊要性というものは必然的に当面した課題でございますから、そのために極力一日も早く、一年でも早く埋めることこそが急務だというところに重点を置いた計画でございます。
#197
○豊瀬禎一君 ただいまの大臣の答弁は矛盾しておりはしませんか。教員、ことに工業教員の不足の理由は民間と比べて給与の劣悪さにある。このことを主たる理由にするならば、たとえば民間の大学出の工業関係の人が二万五千円で雇われておるとすると、三万円にすると確保できる、そういう、別に養成所――学校教育法の適用を受けない養成所を作ったり、免許法を改悪したり、無理をすることよりも、その面で教員不足の根源を解消すれば、少なくとも本年度でも希望する人がありましょうし、昭和三十七年度は、民間が採用を決定する七、八月ごろからこのことを政府の方針として明らかにされ、雇用関係も試験の時期を早めて、君は教員として必ず採用するのだという措置をやれば確保できるのじゃないですか。そちらの方が三年間後に、中途半端な、質の劣った教員を確保することよりもより望ましいことではないでしょうか。
#198
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 私どもは矛盾しているとは思いません。先刻申し上げますように、一応の推定による十七万人不足という工業教員を含めまして大学卒業程度の科学技術者たる人材に絶対量が不足しておる。絶対量が不足しておるゆえんのものは、その大半が民間給与にひかれて、それのみではないとは思いますけれども、一般的に言えば、民間給与にひかれてその方に流れていくという一般情勢であります。そこで、特に工業教員の養成を使命とする、唯一の目的とする看板を掲げた臨時教員養成所というところに入ってくる学生生徒の使命観に期待するわけですけれども、そういう覚悟のもとに入ってきた人々が、他の一般大学とは違って、卒業しましても、教員として、いついてくれるであろうということを期待し、また、なるべくいついてくれるような施策を及ばずながらやっていくということによって当面の目的にこたえ得るであろう。そういうことでございまして、かれこれ矛盾があるとは考えていない次第であります。
#199
○豊瀬禎一君 それじゃ、あなたの矛盾を逐次指摘していきましょう。昭和三十五年度、三十六年度で全国の工業教員は何人不足しましたか。
#200
○委員長(平林剛君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#201
○委員長(平林剛君) 速記をつけて。
 それでは、小林大学局長の答弁は暫時保留をしておきまして、質問を続けて下さい。
#202
○豊瀬禎一君 大臣の答弁のように、教員不足の主たる原因が給与の劣悪にあるということがわかったのですが、先ほどから矢嶋委員、岩間委員等が指摘しておりますことに関連して、私いささか解しかねると思うのですが、防衛大学は別個の目的を持っておるということですが、まず大臣から、防衛大学の憲法上の目的と養成所との関係について明らかにして下さい。
#203
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 防衛大学は、先刻も御答弁がありましたように、防衛庁の職員として、幹部として養成していく、すでに入学当初から職員としての身分を持って、防衛目的に従事させようとするものであって、目的そのものが一般不特定多数人を教育するという目的とは全然違うと心得ております。
#204
○豊瀬禎一君 先ほどの大蔵省との質問の関係がありますから、今の問題については、大臣にあとで質問します。
 田中大蔵政務次官にお尋ねしますが、防衛庁も憲法上に定められた、あるいは憲法で規制される国家目的によって設置され、任務を与えられておると思うのです。今回審議しております教員養成所も同様に一つの工業技術者を養成するための教員の確保という、これまた重要な国家目的の一つの手段として、今回新たに提議されておる。そうすると、憲法の建前から申しまして、学校教育法に規制されておれば別ですけれども、どちらも学校教育法の規制を受けない一つの何と言いますか、機関というものであり、いずれがより重要な憲法上の位置ないしは国家目的を持っておるという断定はできないと思うのです。もし断定ができるとするならば、その理由をお答え願いたいと思うのですが、私が申し上げておるように、いずれがより重要で、いずれがより大切な国家目的、あるいは憲法上の位置を持っておるということが言えないとすれば、当然、防衛大学等と同じように予算措置がされるべきだと思うのです。先ほどの田中政務次官の御答弁を聞いておりますと、他の大学における教員養成機関ですね、これとの振り合いを考えたとおっしゃるけれども、これは学校教育法に基づいてきちんと規制されている制度です。こちらは、今回の養成所は全然別個のものですし、そうして大臣が再々答弁するように、臨時の措置であります。こういう角度から見てみますと、かりにこの制度が必要であるという認定に立つならば、他の大学と同等の予算措置がされるべきだ、こう思うのですが、どういう御見解でしょうか。
#205
○政府委員(田中茂穂君) その前に、どちらが重要であるかという御質問でございますが、私はどちらも国家の将来のために、繁栄のために重要な目的を持っておる、かように考えております。なお、防衛大学の学生は、授業料は免除で、しかも給費的な支給がある。これは先ほど文部大臣もお答えになりましたように、私も前にお答えいたしておりますように、防衛大学の学生は、これは普通の学生じゃなくて、もうすでに職員の身分であり、公務員の身分であるのだ、こういうことで私どもは解釈をいたしておるわけでございます。最後のお尋ねの、そういう意味で予算措置はどうかということでございますが、予算措置は、先ほど来お答えいたしておりますような経過をたどりまして予算措置を講じたような次第でございます。
#206
○豊瀬禎一君 再度お尋ねしますが、私は憲法上から、もちろん日本国憲法の精神からして、日本国民の繁栄という立場からすると、防衛大学と工業技術者の養成というのは、比較にならぬほど、工業技術者の養成ということが将来の発展から考えて、憲法上からもより重要な意義を持っておると思うのです。このことがなくして、かりに兵隊を幾らふやし、鉄砲を持たしたところで、でくの坊しかできないと思うのですよ。そうすると、当然四十四万の技術者の不足あるいは工業教員の応急的な増員という観点からすると、かりにこの制度を認めるとすれば、もっと予算的に優遇すべきである。そうして特に教員不足の主たる原因が給与の劣悪にある、この基本原因と国家目的からする必要性の重要さから考えてみると、こちらの方が比較にならないほど予算的には重視さるべきだと思うのですが、政務次官はそのようにお考えになりませんか。
#207
○政府委員(田中茂穂君) 先ほどからお答えいたしておりまするように、どちらも国家の繁栄のために、民族の発展のために重要だと考えております。なお、予算措置の問題でございますが、これは先ほどからお答えいたしておりまするように、一応この制度が発足いたしまして、そして文部当局で運用の面でいろいろ御検討なさったその結果、大蔵省の方に御相談がありますれば、それに対応して誠意のある御相談に応じたいということでございます。
#208
○豊瀬禎一君 そのことはたびたび答弁ありましたので、総括して締めくくりとして次官に質問しておきたいのは、教員全体の給与の問題も、また、かりに本法案が成立した後の養成所の生徒に対する予算措置の問題も、文部省から要請があったらばということよりも、基本的に工業教員確保の必要、あるいは工業技術者の必要性から考えて、少なくとも人事院勧告に間に合い、三十六年度の追加予算で措置されるか、最大譲歩して、三十七年度の予算の中には、大臣の努力誓約と次官のそれにこたえての今後の方向というものは必ず実を結ぶものと断定して差しつかえありませんか。
#209
○政府委員(田中茂穂君) 所管がこれは文部省でございまするので、文部省の方で十分御検討なされ、また教員の給与等につきましても、先ほど来お話がありまするように、人事院といろいろ御検討の結果、結論を持って御相談にこられました場合には、十分大蔵省といたしましても誠意を持って御相談に応ずるということでございます。
#210
○豊瀬禎一君 ただいまの答弁で、少なくとも本制度が正式に発足する前にしかるべき折衝が行なわれて、最大、三十七年度の予算の中には各委員から要望されたことが実現できるという、また文部省はその決意を持って大蔵省、人事院と折衝する、このように把握して文部大臣差しつかえありませんか。
#211
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 御指摘の通りであります。
#212
○豊瀬禎一君 近い時期に補正予算が出されると聞いておりますが、この中で措置する考えはありませんか。
#213
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 気持はそんなふうな気持もするのでありますが、補正予算の建前からいきまして現実にはそういうことは困難かと思います。
#214
○豊瀬禎一君 少なくとも三十六年度の予算の補正で、養成所に関する限りだけは措置をするということは確約できますか。
#215
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 今申し上げましたように、補正予算で措置することは困難だと思います。三十七年度の課題として検討し努力したいと思います。
#216
○豊瀬禎一君 矢嶋委員が指摘しましたように、すでに人事院で作業を進めておりますが、この作業に十分に間に合うように文部省の結論を出し、先ほど御答弁のように努力していただく、このように解釈してよろしゅうございますか。
#217
○国務大臣(荒木萬壽夫君) その通りでございます。
#218
○豊瀬禎一君 最後に田中政務次官にお聞きします。たびたび言っておりますように、工業教員養成所を設置するというためには、かなりの国費が使われるわけですね、ところが、出てきた先生は必ずしも工業教育に十全の力量と申しますか、資質を持っておる者ではない、特に教員としては教職課程等の免除によって、かなりといいますか、教員としては欠陥をも具備したところの人間が出てくるわけです。これは国家の予算の効率からいっても非常にマイナスだと思うのですが、こういうきわもの的な臨時養成制度でなくして、現行大学機関の中で教員確保の方途を講ずる予算を組み、もし法律を作る必要があるとするならば、別途に教員となるべきといいますか、教員確保の必要な措置は別にやるべきが国家予算の有効的な使途ではないかと思うのですが、次官の見解をお聞きしたいと思います。
#219
○政府委員(田中茂穂君) 先ほど来文部大臣とされましては、この法律が制定されたならば、できるだけ今御懸念になったことのないように最善の努力をするというふうに言っておられまするので、私どもといたしましては文部大臣のその御意思を十分体しまして、いささかも非効率な運営にはならないと、従って国家予算のむだな投資にはならない、かように考えております。
#220
○豊瀬禎一君 いろいろ問題があるのですが、もう一つだけ。午前中の参考人の意見でもわかりましたように毛当該大学の方に、大臣は戦前のような特攻竹やり精神の要求をしております。従って、私は工業大学についてのみ調査をしたのですが、東京工業大学一つをとっても、現在の大学教官の、何といいますか、仕事量よりもはるかにオーバーしてくることは、これは大臣の答弁でもにおいがしておりますし、事実でいろいろの点に現われてきます。こういう点は国家目的だからやむを得ないという次官の判断でしょうか。それとも現行の工業大学よりもオーバーになってくる際には養成所の方に教官を増員するか、あるいは大学当局の方に、現行の工業大学の方にオーバー・ワークにならないような人的配置をするか、いずれかの措置によって、これを設置することによって、現在の教官の仕事量よりもオーバー・ワークにならないという予算措置については確約できますか。
#221
○政府委員(田中茂穂君) なかなかむずかしい御質問のようでございますが、大蔵省といたしましては、文部省を御信頼いたしまして、いろいろ御相談の結果、予算の査定をいたしておるわけでございますので、あくまでも文部省を信頼し、十分検討をいたしました結果の予算措置を今後とも講ずるつもりでございます。
#222
○豊瀬禎一君 文部省を信頼しというのは、このことによって設置される当該大学の教官にオーバー・ワークにならないようにするという信頼の仕方と、このように解釈してよろしいですね。
#223
○政府委員(田中茂穂君) そういう特定のあれではなくして、文部行政に対しては、大蔵省といたしましては全面的に御信頼申し上げておる、こういうことでございます。
#224
○豊瀬禎一君 文部省が要求してくれば、その信頼に基づいて予算措置について努力する、こういうふうに解釈してよろしいですか。
#225
○政府委員(田中茂穂君) 文部省の御要求に対しまして大蔵省の立場で十分検討し、御相談の結果、最終的に予算が編成されると、こういうことになろうかと思います。
#226
○委員長(平林剛君) 岩間君、食事の関係もあるから一つ簡単に願います。
#227
○岩間正男君 それでは簡単にやります。
 二点について聞きたいのですが、第一に、この計画は十一カ年に三百七十五校の工業高校の教師を八千七百五十五人作る、こういう原案ですね。この計画を立てたのはこれはいつなんです。そうして今の経済情勢とだいぶ変わってきていると思うのですが、これは大蔵次官知らぬですか。所管外で知らぬということではいかぬと思うのですね、これと関連してくるのだから。
#228
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 昨年の夏でございます。
#229
○岩間正男君 大蔵次官にお聞きしますが、これはどうですか。今年の情勢と昨年の経済の見通しではだいぶ違ってきておりますね。設備投資、今年の大体見通しでは二兆四、五十億というふうに立てたと思うのです。これは昨年より一〇%近く増加を見ておる。ところがそうなっていないでしょう。もう三兆になんなんとしているのが現在でしょう。そのために国際収支も非常に変わってきておりますね、最近は。赤字も出しておる。そうすると、こういうような過熱状態が出てきたのですけれども、こういう中で設備だけはふやす。しかしどうです。この計画を持っていったら、最初の経済の見通しに比べて、すでにもう二〇%も膨張しているわけです。こういう態勢の中で、人員の配置計画というのはこれは即応できますか。こういう経済の、計画経済じゃないのだから、非常に冷却したり、膨張したりする激しいものがある。現にその徴候が現われておる。所得倍増計画について先行き不安の徴候というのが明確に出てきておる。こういう態勢の中で所得倍増に即応するというような形で今の計画を一応立てたのですから、これは基礎がくずれておるのじゃないですか。この点どうです。文部大臣と、それから次官にお聞きしたい。
#230
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 経済の見通しは私にはちょっと困難でございます。岩間さんも御指摘の通り、共産党の国じゃございませんから、計画的に是が非でもどうするということは困難でございます。しかし、一応の見通しというものは立て得るわけでございまして、およそ十年間にかくしたい、かくありたいという推定であり、希望であるということは免かれませんが、一時的な、たとえば今御指摘の貿易関係におきましても、浮き沈みが当然予想されるところであります。これを長い目で十年間を通して通覧します場合、おのずから自由経済の社会におきましても、海の水平線のごときものは想定できる。そういうところを押えて計画をしておるのでございまして、雪面の貿易の帳じり等のことも詳しくは存じませんけれども、大勢に私は影響ないと観測いたしております。
#231
○政府委員(田中茂穂君) ただいま文部大臣がお答えの通りでございます。
#232
○岩間正男君 十年間に所得倍増計画で数字も発表しているでしょう。その数字と合いませんよ、今のような答弁をやっていたのじゃ。一応、経済企画庁が立てたのでしょう、総合計画を。その上の数字からずいぶんこれは大きくはずれています。すでにもうことし、わずかに半年の間にこういう態勢の中で、私はまた再び、あるいは景気が冷却した場合には縮小する。そうしてそのしわが大きくくる。あるいは予想以上に過熱状態が出てくるというと、これはやっても焼け石に水という事態が起こる。こういう点で非常にこれは不安定なものだ。こういうことを明白に物語っていると思います。あまり答弁を、数字を合わせて浮き沈みといういいかげんな言葉を使っている。そんなばかげた計画じゃないですよ。そんなことじゃ承服できない。もう一つの問題は、たとえば先ほどの七千切った問題、あるいは本校にかけたひさしのような格好ですね、臨時教員養成所は。そういう学校で非常にみな経費の節約もやる。それから教官の待遇について非常にこれは問題になってくる。こういう格好でこれは作られるわけですけれども、どうですか、これは私は労働力の生産という面から考えるならば、非常にやはり低廉なコストをあくまで維持するという、こういう意図が明白にあると思う。そういう点についてはどうなんです。先ほどから自衛隊との関連について、しばしばほかの委員からも質問されたのですけれども、こういう点では非常に私は待遇の意図というものは明白だと思う。こういう問題について文部大臣はどういうふうにこれを打開するか、ついでに、科学技術庁長官も来ておりますが、どうですか、これについてあなたは。先ほどから待遇の問題が出ている。この関連で科学技術庁長官に……。
#233
○委員長(平林剛君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#234
○委員長(平林剛君) 速記をつけて。
 午後八時十五分から委員会を再開することにいたしまして、暫時休憩いたします。
   午後七時四十七分休憩
     ―――――・―――――
   午後八時二十六分開会
#235
○委員長(平林剛君) ただいまから委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、国立工業教員養成所の設置等に関する臨時措置法案を議題といたします。
 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#236
○矢嶋三義君 科学技術庁長官にお伺いしますが、本法律案審議当初から、科学技術者養成計画が本委員会の調査対象となっているわけでありますけれども、先刻も大臣御病気でおいでになっておらないときに、文部大臣と若干の応答をしたわけでありますけれども、その中で、特に立法府に席を置く一員として、内閣の構成メンバーである両国務大臣に御要望申し上げたことは、われわれ立法府に対しては、内閣としては一体であり、責任をとっていただかなければならぬわけでありまして、その角度から、いまだに解決点が示されないということは、立法府に席を置く一員として非常に遺憾であるということを申し上げたわけです。先般の委員会で、文部大臣としては四月中に十一大学の検討を終了して、そして科学技術庁長官にお返事をする、科学技術庁長官も総理をわずらわすまでもなく、大臣の政治力と責任において、荒木文部大臣と協力の上ではっきりした答えを出すからして、そう心配してくれるな、こういう発言もあっておったわけです。本日、荒木文部大臣に伺いましたところが、まだ結論が出ない、それじゃいつまでに出るのですかと伺いましたら、その見通しは立たない、政府としては解決点を見出すということに努力しますと、こういうことなんですね。こういうことでは、今までの経緯からいって、あなた方は国会に対して――国会も国民の代表ですが、責任を果たしているということにならないと思うのです。それで、私、先ほど荒い言葉で、内閣を代表して荒木文部大臣は陳謝してほしいということまで要求したわけですが、科学技術庁長官としては、本日まで文部大臣から確たるお答えが、これは勧告に対する調査の結果に基づく回答があっていないのだと思うのですけれども、国会は心配するなと申されただけで、どういう見通しを持っておられ、また今どういう御所見でおられるのか、お伺いしたいと思うのです。
#237
○国務大臣(池田正之輔君) お答えいたします。ただいまの御質問に対してどういうふうにお答えしていいのか、私の考えも非常に複雑であります。まず第一に、文部省というところは、一体まじめに政府の政策に協力しようとしているのか、していないのか、私ども、はなはだ疑問な点がある。文部大臣は、御承知の通り人がいい人だから、顔を見ると憎む気にならぬけれども、私も生まれて初めて大臣になって、なるほど官僚組織というものは、これは日本だけじゃありません。共産主義国家においてもしばしばそういう嘆きの声が聞こえておりますけれども、とにかくこの官僚組織というものは並み大ていではぶち破れない。荒木君が手をやいておるのも無理なかろう。荒木大臣や政務次官の知らないうちに妙な通報が出たり、これはおそらく典型的な属僚政治になっている。これを打破しない限りは、日本の文教政策というものは刷新できない。私は最初からそういう感じを持ってきたのですが、現実にぶつかってみて、大臣も次官も局長もみな浮いております。私はここでほんとうのことを言います。かようなことで一体国の政治がやっていけるかどうか。国家のため私は嘆かわしい、そういう気持で精一ぱいです。だから、私の責任とかいう前に、基本的な問題は――ここは文教委員会でありますから、どうぞ一つ皆さんからも十分にこの点について、われわれ政府としましても、いろいろな欠点はあります。この点を是正するために、皆さんの御協力を特にお願いいたします。
#238
○矢嶋三義君 科学技術庁長官の申される気持はわかるのですが、しかし、私の質疑に対する答弁にはならないのです。それと科学技術庁と文部省を背景に、大臣並びに政府委員がそこに御出席になられておるわけですが、私から見れば皆さん方は同一主体ですよ。立法府に対する責任をとるという立場においては共同責任にあるわけなんですね。それがいろいろと食い違って、そういう御答弁をいただいているのでは、かえってこちらから行政府の責任を、国民にかわって追及せざるを得ないのですね。このまま下がるわけにいかないのです。で、要求は、その両者一致したととろの答えを立法府に示していただきたい。それができなければ、両国務大臣、責任をとらなければいけないと思うのですよ。僕は池田内閣総理大臣は責任とらなければいけないと思うのですよ。まあそれは世俗的に見れば、常識的に見た場合、荒木さんが官僚出身で、官学出であり、池田さんが政党野人派であり、私学出である、そういうところのやっぱり僕はニュアンスの差ができていると思うのですよ。だから、その点については一長一短があると思う。それはお二人の間にどういう関係があろうが、立法府、行政府という関係においてはそのままでは許されないと思うのですよ。確かに文部省に限らず、日本には行政あって政治がない、官僚政治だという批判はあります。その点は長所もありましょうが、また大きな是正しなければならぬ面もあるでしょう。しかし、私はここらで議論してきますと、最終段階ですが、大学学術局長の小林さんという人は、僕はそんなにひどい人じゃないと思っています、この人はね。こういうところで議論せられておって、大学学術局の局の最高責任者である小林という政府委員が不都合で云々だ、そこにしわ寄せされた形で、また、文部大臣がそういう眼で小林政府委員を見ていくということになれば、僕はあやまちを起こす場合もあり得るのじゃないかと思うのですね。私は単なる私見、私はそういう私見を持っております。それはともかくとして、両大臣ははっきり答えを出して下さいよ。でなければ、私はこの採決に応じませんよ。長い問題ですよ。そして、文部大臣は、十一大学の調査対象は、この前言ったように、三千とか言ったんです。その三千が全部動員できるかできないかわからぬ、十一大学調査すればその答えが出る、四月末日までには答えを出して科学技術庁長官に返答すると、こういうことを明確に約束しているわけですよ。科学技術庁長官は、本年度の予算に関係なく一万人の動員ができる、それが池田内閣の所得倍増政策への協力であると、国策としてやらにゃならぬと、こういうように先般答弁されているんです。その調整をしてほしいと言っておったわけです。ところが先ほど、科学技術庁長官がおられないときに、荒木文部大臣は、全部の私立大学を調査してみなければ答弁できないと答弁したわけです。そこで、豊瀬委員からきつい質問を浴びたわけですが、この点については、それは池田さんがおられなかったわけですが、荒木さんの答弁も、これは適切な答弁じゃないと思うんですよ。どういう結末をつけるんですか、何名増員する予定なんですか、認める予定なんですか、いつまでに国会に対して内閣としての統一見解を示されるんですか。少なくとも、立法府で国民にかわって質疑する議員を相手に、文部大臣は、本年度入学定員数を把握できない。それを私百パーセント責めない。しかし、同じ内閣の一大臣は、もう定員のすでに二倍、三倍入って実績が上がっているんだというようなことで、おもしろくありますけれども、それを笑って過ごすわけにはいかないと思うんです、私は。その回答を両大臣の間でそこで出してくれなければ、私はきょうの採決に応じません。応じるわけにいかないんです。責任を追及しますよ。文部大臣も少し怠慢じゃないですか。池田さんにもそれは幾らか何があるかもしれませんけれども、しかし、ともかくも法的根拠に基づいて勧告というものが出て、それが三月十一日なんだから。そうして衆参両院でも論じられたんだから。報道機関もかなりの関心を持ったんですからね。すでにきょうは五月九日ですよ。それでこの法律案にも関係があるんです。統一した見解を示す義務がありますよ。両大臣、率直な見解をお示しいただきたい。
#239
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 文部省が怠慢だというお叱りでございますが、まあ結果的にはそう見えないとは申し上げませんけれども、勧告が出まして以来、誠意をもって検討し、善処したいという努力は続けて今日に参っておるわけでございます。この前、池田長官からもお話がございましたように、御批判は別としまして、現実問題としては、いわゆる学生定員をオーバーして入学が許可されておる。これは今年度に限らず、従来もある程度そうであったようであります。今年度は幾らか以前に比べますと定員をオーバーした度合いが顕著ではございますけれども、勧告の趣旨は、大半は、現実問題としては私学に関する限りは一応解決しておるという観測を長官から述べられたことで御案内の通りでございまするが、そこで、先刻も申し上げましたけれども、まあ全私学を調査しなければ最終的な結論は出しにくいと申し上げたわけですけれども、それは勧告の背後にも含んでおると私どもは推察しますけれども、さきほども申し上げました通り、新教育制度が発足以来、大学の設置基準なるものが沿革的に誕生し、今日までそれを基本に、国公私立を通じて、設置審議会でそれをものさしにして実施して今日まで参った。その事実は私学全般の立場から無視できないと思います。そこで、今後に向かってももちろんですが、当面三十六年度において追加募集するかいなかという課題にしましても、一応は過去の関係とのにらみ合わせというものは、公平な立場をとって考えます場合に無視できない事柄だ、そういう意味で、理想的に申し上げますれば、全私学の実情を聞いて、その上でないと、と申し上げたつもりでございます。しかしながら、当面残っております課題は、科学技術庁長官から一応示されました十一大学について調べることが当面の課題でございまして、一応の各大学当局に来てもらっての調査はいたしておりますが、結論的にどうするかということになりますと、これまた先刻も申し上げた通り、現に定員をオーバーして入っておるそれを差っ引いて、さらに追加募集でもするという具体的な余地ありゃいなやということは、そう簡単に結論に出し得ませんと同時に、今後、今申し上げた設置基準を運用面においてどう実情に即するように……過去においてはそれなりの使命を果たしたとは思いますが、現状に照らし、将来にかんがみまして、運用上妥当な結論はいかなるものであるべきかということになりますと、なかなか一日、二日では結論が出にくい本質を持っておりますので、そういう点はある程度慎重にやることの方が勧告の趣旨にもこたえるゆえんであり、また今後の私学に期待する、現在教育の面からいきましても、まじめに取っ組んで結論を出すべき課題であろう、こういう意味から、何月何日までに結論が出るという御質問に対しまして、私はちょうと月日まで申し上げかねるという意味のことを御答弁申し上げたような次第でございます。
#240
○矢嶋三義君 そういうことは十分聞いてわかっているわけですから、結論的にお答えをいただきたいと思うのですが、池田科学技術庁長官にお伺いいたしますがね。先般、あなたは、自分は微力でないという言葉もはかれているのですね。解決する、池田総理をわずらわすまでもない、こういうふうに答弁されているのですがね。あなたは文部省の属僚々々と責任を追求しますけれども、施政としては荒木文部大臣の責任を追求すべきじゃないですか。その荒木さんの部下がいかにあろうとも、実質上、形式上あなたとの関係では、荒木文部大臣が責任者じゃないですか。どういう気持であなたは答弁されるかしれませんけれども、やはりあなたは荒木文部大臣との関係においてこれを解決すべきじゃないですかね。これは池田総理大臣をわずらわさなければ解決できないのじゃないですか。このまま放置しておいたのでは、立法府に対して行政府の立場も立たないでしょうが、国民に対しても相当な影響を与えますよ。池田国務大臣の御見解と今後の方途についてお答えいただきたいと思います。
#241
○国務大臣(池田正之輔君) もう問題は複雑なんで、簡単に答弁しろと言っても、これはなかなかできないので、どうも私と文部大臣のものの考え方が基本的に違います、これは。はっきり言いますと、やはり文部大臣は人がいい人ですから、属僚の言う言葉にだまされて……あなたの言う通り最終的には、それは大臣の責任ですよ、それはその通り。しかし、僕はこの席上でそういうことは言いたくない。荒木君だって少しわかってくれるだろうと思って、今日まで二カ月ほどがまんしている。これは与党の諸君に聞いてもらいたいんですけれども、何ら私は誠意ある、ここで委員会ではごまかしているけれども、誠意ある答弁はない、抽象的なことばかり言って、一体これで日本の政治がいいのか。僕は日本の政治家の一人として嘆かざるを得ない。今あなたのさっきからの質問を聞いておりますと、いろいろな問題が、意味が含まれておる。たとえば荒木君は官学で官僚出身である、私は私学で政党出身である、さようなけちな考えは持っておりません。私学出身であろうと、官学出を何も――私は軽べつしていますよ、ある部面において。私は口が悪いから、御承知のように。何も君、そんな――暗記学である、試験に合格しているやつは暗記学だ、人間の能力というものは暗記だけじゃない。私学を軽べつされる理由は毛頭ありません。しかし、世間は軽べつしようと、私自身はちっともコンプレックスは感じておらないわけです。さような小さな政治家じゃない。国全体として、国の文教政策、いわゆる理工系の学生をこれから養成しなければならない、これは基本で、きょうも閣議の席上で私はその話を実は座談的にやったんですが、ということは、私は最近関西その他の財界なんかの人たちと会ってみて感じていることは、十七万じゃ足りない。第三次産業に非常な数が吸収される。デパート銀行、証券会社、貿易会社あるいは新聞社、各方面に第三次産業に理工科系卒業生が吸収される、その数は非常なものです、ますます足りなくなる。文部省の諸君ももう少し勉強してもらわなければ困る、文部大臣を含めて。日本は、ほんとうに日本の産業を早く何しなければいかぬ。政府の施策をまじめにやっていくというためには、もう少しまじめに勉強してもらいたい、こういうことです。私はもちろんあなたが今言われたように、立法府に対して行政府の責任は当然です。私はないとは申しておりません。しかしながら、行政府においても、あるいは同じ政党の中においても、それぞれ意見は違ったり、より以上の意見が出たり、これは当然じゃありませんか。ただ、単に妥協や、きれいごとで国の政治が成長するということは私は考えておりません。そういう高い見地に立って申し上げたので、荒木君にはまことに気の毒な答弁でございますけれども、率直に申し上げました。
#242
○矢嶋三義君 で、これらの問題に関連あります当委員会で審議している国立工業教員養成所法案については、科学技術庁長官はどういう御見解を持っておりますか。
#243
○国務大臣(池田正之輔君) これはまことに言いにくいのですけれども、私の考えからすれば最も下策です。最も下策です。しかし、ないよりはいいでしょう。そういう意味において私は賛成いたします。どうぞこの法案は、何とか一つ皆さんから通過さしていただきたいと思います。この段階で時間的に間にあいません、国原要請に。これは時間があればもう少し言いたいこともある。これはおよそ行政、政治というものはタイミングと内容と、両方から見なければいかぬ。そういう意味からいって、これは私はもっとベターな方法があるはずだ。しかし、今日の段階になってくれば時間的に間にあいませんから、私は不満でありますけれども、何とか一つ皆さんには特に御協力を願って通過させるように、私からもあらためてお願いします。
#244
○矢嶋三義君 科学技術庁長官としてのあなたの所管業務に関連がある内容の法案ですが、最も下策なものだという点について、どういう点が下策だと認定される点になっているか、一、二お気付きの点があったらお教えいただきたいと思います。
#245
○国務大臣(池田正之輔君) これは私の立場であまり今はっきりしたことは申し上げられませんけれども、その中の一つは、文部省はいわゆる国の国費をこれだけ使うなら、私学や公立に出したら十倍二十倍養成できる。これだけ申し上げておきます。
#246
○矢嶋三義君 あなた御病気のところおいでになられたのですから、あなたにあと二点ほど伺って質問を先へ進ましたいと思うのですが、この科学技術者の確保、それからこの法案に直接関係ある工業教員の確保に当たっては、給与改善ということが非常に論ぜられたわけです。それで科学技術会議の第一号答申にも、科学技術者、技能技術者の待遇改善ということが答申されておりますしね、学術会議等のたび重なる決議、政府への申し入れ等もなされているわけですが、私は先日新聞で拝見したのですが、科学技術庁長官の勧告権をもって、科学者の給与並びに待遇の改善についての勧告をいたしたいという記者団会見記事を拝見いたして、きわめて適切なことだと私は拝見したわけですが、科学技術庁長官のお考えになっておられる給与並びに待遇の改善方策、それから勧告の時期並びに勧告をする対象はどういうものをお考えになっておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
#247
○国務大臣(池田正之輔君) これは今はっきりしたことを申し上げるわけに参りませんけれども、私はかねがね考え、また研究もいたしておったのです。御承知のように、科学技術の推進には科学技術者を大量に――日本は他の国々に比較して非常に少ないのですから、養成しなければならぬということが一つ、そしてそういう人たちがほんとうに真剣に研究し、勉強していけるような環境を作っていくということ、これが二つの、二本の大きな柱だと思います。従って、今まで私は文部省に向かって数の面を申し上げておるわけです。従って環境を作り出すということについては、これはなかなかいろいろな意味でむずかしい問題がございますので、矢嶋さんも大体御想像つくだろうと思うのですが、技術的にも相当むずかしい問題でございますから、実は内々研究はいたしておりますが、いつどういう形でやるかというようなことも出したいという希望は持っております。また出さなければならぬだろうと、私の現在の立場及び私の科学技術庁長官としての、日本の科学技術を推進するという責任からいって、出さなければいかぬだろうというふうには考えておりますけれども、まだ詳細な点について検討をいたしております。
#248
○矢嶋三義君 科学技術庁長官に私はお願い、御要望申し上げておきたいのですが、政治家には演出ということも大事ですし、アドバルーン、観測気球を上げるということは大事なことです。しかし、政権の座に直接最高責任としてついている場合と、しからざる場合とにおいては、政治家のとるべき態度はおのずから違うところがあると思うのです。一国の国務大臣という栄職にあられる以上は、科学技術者の養成勧告にいたしましても、あるいは技術者の給与並びに待遇改善方策について勧告をするというような、記者会見の談話を発表された以上は、やはり政治に対する国民の信頼というものを考える場合に、やはりその発言行動には責任を持たれてやり遂げられるということが、内閣に閣僚としてポストを持たれている大臣としては、特にその点は責任を持ってやっていただかなければならぬ、私はそれが正しい政治家の姿勢だと、こう考えておるわけです。この点については強く私はお願いを申し上げておきたいと思います。
 もう一点伺っておきたい点は、科学技術振興の基本法の問題ですが、科学技術会議からの答申第一号の中にも、科学技術振興のために基本法を制定してしかるべきだという答申がなされておることは御存じの通りです。あなたもそういう構想を持たれているわけです。しかし、あの大筋は自然科学オンリーといいますか、一辺倒的なものなんですね。ところが、ごく最近上野で開かれた日本学術会議の総会では、あの答申について活発なる議論が展開されたとまあ承っているわけです。そうして、やはり自然科学のみならず、人文社会の科学等総合的に考えなくちゃならない、そういう角度からの基本法というものを制定する必要があるという意見具申をするようにきまったようです。この点について、最も所管業務に関連ある科学技術庁長官としては、これからの作業をいずれの方向つけをして進められようとしているか、このことは非常に私は重要だと思うのですよ。いつどなたが科学技術庁長官に更迭されようがされまいが、わが国の国策の方向つけとしてきわめて重要だと思うのですが、どういう御見解を持ち、あなたの部下職員に対してどういう指示をなされようとされるのか、その点承りたいと思います。あと一問ありますが。
#249
○国務大臣(池田正之輔君) 前の矢嶋委員の御希望、御意見、私はそれほど栄誉だと思っておりません。責任は強く感じております。従って、私は野にあろうと朝にあろうと、あらゆる場合に私は自分の言動に対して責任を持っておるつもりでおります。それによって区別つけるほど、そんな器用なまねを私はいたしません。それからあとの方の基本法につきましては、これは最も大事なことでございますので、ただいま実は基本法の専門部会を作るつもりで人選を進めております。御期待に沿うようにいたしたいと思っております。
#250
○矢嶋三義君 まあ大臣そうおっしゃるけれども、私はどなたでも区別があられるのが自然じゃないかと思うのですよ。それは私はあなたをある面では尊敬しているが、ともかく日本の政界では池正という名前で通って、そのふろしきは広くて強いということでは有名で、(笑声)それは野にある場合と池田内閣の一国務大臣という場合とでは、おのずと僕は若干違わなくちゃならぬのじゃないか、少なくとも違うような気持で言動していただかなければならぬのじゃないかというように思って伺ったわけですが、あなたはいささかも区別していないということはけっこうです。それで先般の勧告の問題にいたしましても、給与の点についても、あなたが新聞記者にああいうふうに発表しますと、これは科学技術者は、池田長官は話せる、よくわかっているというので非常に期待していますよ。それがもしゼロになるようなことになりますと、これはあなたのみならず、日本の政治家が不信を買うわけで、矢嶋まで被害を受けるわけですからね。(笑声)それで申し上げたわけでありまして、これを御要望申し上げておきます。
 豊瀬委員から質疑があるそうですから、もう一問だけして豊瀬委員とかわりますが、科学技術庁長官がおられるところではっきり答えていただきたい。それは、村山大学課長、あなたは十一大学全部調査したわけですね。調査した結果、一体何ですか、増員、収容する見込みがあると判断しましたか、判断しませんでしたか、事務当局の一員として。先般、六大学を調査した、その後若干の大学を調査したが、全部終われば結論が出るということでしたね。私からあなたに詰問したでしょう。ある特定大学が収容能力があるかないかを調査するのだから、十一が全部調査を終わらなくても、調査の終わった分だけで答えが出るはずじゃないかと畳みかけたところが、あなたは、十一大学の調査が全部終わらなければ出ませんということですが、十一大学全部終わったということなんですから、また四月になって全部終わるという約束だったのですから終わっているはずです。その時点に立って、あなたは収容能力を動員できる、科学技術庁長官の趣旨に沿うことがある程度できるというような事務当局の判断を、一事務官としてしているかしていないか。その点お答え願います。時と場合で答弁が変わるようだったら私は大きい声出しますよ。
#251
○説明員(村山松雄君) 十一大学につきまして、大学学術局におきまして、関係課長、係官で事情を聴取したわけでございます。私全部につきまして逐一立ち会ったわけでございませんが、関係者の間で話し合いまして大体事情聴取の結果まとめてございます。その結果につきましては、実は十一大学の中でおいでにならなかったところもございますし、また、おいでになったところでも、お願いいたしました資料を十分お持ちにならなかったところもございます。申すまでもなく、大学で学生をこれ以上収容することができるかどうかということは、大学の教員組織、それから施設設備の状況、それから現在までに各年次にわたってどのように学生をそこに収容しておるかというような関連において判断いたさなければならぬ筋合いのものでございますが、それらの点につきまして、必ずしも十分な資料をお持ちいただきまして的確に判断できたというようなことには実は遺憾ながらならなかったわけでございまして、まあそれにいたしましても、聴取しました限りにおきまして、どのような事態であったか、どのような可能性があるかということにつきましては、まとめて上司に報告してございます。その取り扱いにつきましては、私どもの方では、まだどのようにするかにつきましては指示も受けておりません事態もございますので、事情聴取の結果の報告といたしましては、この程度で御了承いただきたいと思います。
#252
○矢嶋三義君 それで池田長官、今の答弁に対してどういう長官として感じを持たれるか、お答えいただきたいと思うのです。だから私はさっき言ったように、あなたがほんとうにこちらに、文部大臣に報告しているなら、やっぱり文部大臣が池田長官の対象ですよ。文部大臣の責任ですよ。池田長官の御所見を承りましょう。そういうことでよろしいですか。
#253
○国務大臣(池田正之輔君) 一体、私立大学を呼んだけれどもおいでにならないとかいって、この間の答弁はおいでにならないので書面で答弁を受けた、そういう君らごまかしの答弁いけませんよ。文部省はそんなことで日本の文部行政が、文教政策ができるか。そんなばかな話あるかい、君。おいでになるかならないか、これはならないけれども文書できたからやったとか、でたらめじゃないか、君は。私は行政府の一責任者というよりは、僕は日本の政治家としてこれを嘆き、あえてかような乱暴な言を、皆さんから見たら乱暴と思われるかもしれませんが、これは与党の方々も全部おそろいですから私はあえて申し上げます。こんなことで日本の文教政策は私はよくなると思わない。しかも、この激変する科学技術、世界情勢、この間に処して日本が他の国にこのおくれを取り戻していくとか、りっぱな言葉で言っているけれども、何にもしていない、文部省というのは。もうすでに先月の二十八日じゃありませんか、終わると言ったのは。それでまだできていない。それからまだ一体実態調査ができていない。先ほどから私黙って聞いておりますけれども、できないはずはないじゃありませんか。一方においては審議会をひらめかし、定員はどうとか、こうとか言いながら、現実に二倍三倍通っているという現実を見ながら、その調査もできない。一体文部省は何をやっている役所なんです。何をやっている役所か私にはわからない。この重要なこと、これだけ論議されている問題に、数をまだ調べていない、二カ月たって。ふざけたやつです。これはあなたに言わせれば、栄誉ある国務大臣として言うべき言葉じゃないことも私は承知いたしておりますけれども、きょうは実は少しかぜを引きまして寝ておったのですが、あまり何だから、実は与党の方々にごめいわくをかけてもいかぬし、政府にごめいわくをかけてもいかぬと思ったから、私は無理に酒を一ぱい引っかけてきましたので、若干脱線したかもしれない。言葉は荒かったかもしれないが、私の真意は、このままでは日本の科学技術の振興は不完全であり、従って、責任ある私の立場として  栄誉とは思いませんけれども、責任ある私の立場として、このくらいのことを言わないと文部官僚はわからぬから言っておる。こういうことです。
#254
○矢嶋三義君 もう一問、荒木文部大臣、どうなんですか。池田国務大臣のように、御病気のところを、この法案審議をスムーズにするために御出席をいただいたという点については僕は恐縮しているわけなんですけれども、しかし、やっぱり答えが出なければならぬのでおいでを願ったわけなんですがね。池田長官の御所見なり承ったわけですが、文部大臣として何らかの御発言があってしかるべきじゃないですか。あなたの答弁いかんによって私の態度をきめますが、いかがですか。
#255
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 池田長官の勧告以来ただいまの御発言に至りますまで、勧告の趣旨は十分にわかっておりますから、誠意をもってこれに対処してきておるつもりでございます。元来、勧告に対しまする結論は、そう右から左に瞬間的に出るものではない、また出すべきではない。出すべきではないと申しますことは、勧告を誠意をもって受け取れば受け取るほど、誠意ある結論をもっておこたえすべきである、こういう考え方で今日まで来ておりまして、いわば行政府内部の相互関係で、池田長官も言いましたように、池田長官と私との間でさらに検討を進めていって、勧告の趣旨に沿った結論を長官に連絡するという時期は、初め思ったよりもズレてはおりますが、当然両者の間で結論づけらるべきもの、またそれが可能であるもの、そういう考え方で誠実に対処しておるということを御了解いただきたいと思うのであります。先ほど事務当局から一応申し上げましたが、一応の調査の結果的な数字はありますけれども、それをどう取り扱うか、現実の問題としてはほとんど、これこそ長官の言を先ほども引用しましたが、現実には解決しておる。しかしながら、学科の新設、定員の増加については、法制上は届け出になっておるが、従来の十年このかたの取り扱いは、学部の認可条件として事実上は協議をしていただきたいという取り扱い方でずっときておるわけであります。しかし実際は、今申し上げるように、協議以前に入学者は相当数が入って現に教育を受けつつある。それならば法律制度があってなきがごとし、あるいは認可条件等も文部省だけが考えておるので、認可条件を実行していないじゃないかという抜けたところは事実ございます。ございますからこそ、これでいいのか。この現実が私学の特性からしてやむを得ざるものならば、今までの取り扱い方、運用上の何か間違いがあるかないか、そういうことを今まで十年の実績と見比べながら、不公平にならぬように、そうしてまた今後につきまして改めるにしても、間違いのないように、どういう結論を出すべきであろうか、そういうことをあわせ検討しておるわけでございまして、いきなり数字的な結果だけを技術庁長官に連絡をすることで能事終われりとすべきではあるまい、こう考えて幾らか慎重、従ってまた時間も予定よりはかかっておるという実情でございますことを御理解を賜わりたいと思います。
#256
○豊瀬禎一君 長官が体の調子が悪いようですから、関連して一、二質問しておきたいと思います。
 長官がまだお見えにならぬときに、私、科学技術者の養成はもちろんのこと、工業教員養成確保の問題についても、現在、文部省が考えておるような工業教員養成所の設置はまことに国費の乱用であり、下策である、むしろ官公立、私立、特に私立大学の協力を得て、この中で工業教員の確保も同時に進めていくべきである、こういう質問をいたしましたところ、大臣は、臨時の措置でございますので、私立大学に将来迷惑をかけては相すまないと思います、こういう答弁があったのであります。しかしながら、すでに長官もご存じのように、私立大学で申請している十一大学はかなりの生徒を増員しております。特に私が指摘したいのは、入学試験を大学当局がやりそこなっていて、二百名以上の水増し入学を認めております。これについては、文部大臣は、予算措置をしますと、こう言っている。私立大学がそれぞれの自主的な経営の判断に基づいて、すでに生徒を増員して、入学をしておる。これを現在文部省が考えておる工業教員確保の基本方針に照らして協力を求め、補助すべき予算は措置して、国立養成所を設置するだけではなくして、私立大学の協力を求めて、この問題を総合的に解決すべき責任が文部大臣にあると思うのですが、これをすると私立大学に迷惑をかける、こういう答弁を荒木大臣はしておるのですが、長官の御見解をお聞きしたいと思います。
#257
○国務大臣(池田正之輔君) 迷惑というのは一体どういうことか、私にはわからないですね。どうも私と荒木君との考えは違うですね。それから、あなた今十一大学とおっしゃいましたけれども、そのほかのあらゆる大学がとっているのです。一体、むしろ私は文部大臣に聞きたいのです。この人はめったに親しくお話できませんから、ここで言うのですけれども、一体それを認めるのか認めないのか、このままにしておくのかどうなのか、僕は文部省にそれを聞きたい。それから、その場合に、今御摘指のあったように、官学は認めると、こうおっしゃるでしょう。当然私学は認めるべきです。また認めないなんという、そんな権限は文部省にないはずなんです。そこのところを、もう少しここで明確にしていただきたい。どうも荒木さんという人は親しく話ができない、残念ながら。あえてとれだけ申し上げておきます。
#258
○豊瀬禎一君 また、これもあなたが見えない前の私の質問に対する大臣の答弁なんですが、あなたの勧告につきましては、非常に好意ある進言であって、大臣としてはけんけん服膺してこれが実現化に努力しておる、こういう御答弁であったのです。私は一応、大臣の答弁ですから、うそでなかろうと思うのですが、参議院の予算委員室においでいただいて、両者の見解統一について矢嶋委員から要望がありました。その後、それぞれ私立大学等と折衝されて、あなたの勧告に対応する荒木大臣の方からの回答ないしは話し合いがあったかどうか。あったとすれば、今日までどの程度進んでいるかどうか。前回この部屋であったと思いますけれども、大平官房長官は、あなたやその他のかわりとしてみえて、四月一ぱいには両者の見解を統一させると、こういうことを理事会の席上ではっきり言って帰っておるわけです。また、前回のいきさつからみても、当然その措置はされておると思いますが、今日までの間に、大臣と勧告問題をめぐって、解決のために、また、あなたの勧告にこたえるために、荒木大臣がどういう措置をしたか、こまかな内容まで立ち入っていただく必要はありませんので、概括、基本路線だけ御説明願いたいと思います。
#259
○国務大臣(池田正之輔君) 私は先月の二十九日の晩から旅行いたしまして、けさ帰ってきました。従って、私は出発前に、たしか文部政務次官だと思いましたけれども、記憶は違っておるかもしれません。だれだったかはっきりしませんが、とにかく二十八日までに、各学校は、もっと早くやれるはずだ、途中で二日も休んだりして、そういう調べ方をして、誠心誠意やっているのだと、そんなふざけた答弁はありませんよ。やっていませんよ、実際。だけれども、二十九日から旅行に出るから、それまでにと言っておったが、けさ帰ってきて、まだろくな回答も、文部省のはっきりしたものは私承っておりません。
#260
○豊瀬禎一君 たしか四月の十三日であったと思います。予算委員室で質疑をやった際にも矢嶋委員から要望があったし、今日まで、その具体的な話し合いがないということですが、長官のただいまの答弁と関連いたしまして、まず小林大学局長にお尋ねをしたいのですが、私立大学において増員入学させた総数、今日まで、先ほど私が聞きましたら、十一大学を呼んで調べておるということですが、呼んだ学校数と、村山課長の答弁では、上司に報告しておるということですが、おそらく上司というのはあなたか、大臣だろうと思うのですが、その検討した結果の内容を明らかにしていただきたい。
#261
○政府委員(小林行雄君) 大へん申しわけないのでございますが、私ずっと病気で休んでおりまして、昨日から出て参ったわけでございまして、実際この調査に立ち会っておりませんが、私立大学十一大学を呼んだところが、中には全然そういった増員計画を三十六年度でやるつもりはないということで出てこなかったところもある。それから出てきたけれども、出てきていろいろ説明していただいたけれども、三十六年度でやるということは考えていないということを申し立てられたところがあるようでございまして、実際に具体的な計画をお持ちのところは四つの大学であったように承っております。
#262
○豊瀬禎一君 水増し増員数の把握は。――ないならないと答えていただいてかまわない。
#263
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 十一大学については、一応御質問の趣旨に沿うようなふうには、一応のことはわかっておると思いますが、これは私学の経営それ自体の実態に関係しますことでございますので、もう少し検討さしていただいて、正式には御報告する機会を持ちたいと思うわけでございます。十一大学だけについて申し上げても、全体としては把握できないわけでございますから、その意味では全私学について、ほんとうは調べて報告するとすれば、すべきものと思うわけでございます。実際のところ、今までの認可定員というものはむろんわかっております。それから毎年法律に基づく指定統計の報告を求めるわけでありますが、その指定統計上の数はわかります。しかし、御指摘のような現実の入学者数がどれだけだということは、正確には把握できない実情でございます。
#264
○豊瀬禎一君 あなたは先ほどの答弁で、制度的には届出になっているけれども、あなたの言葉をいうと、何か、とてもつまらない私立大学等が戦後は続出したから、実際は認可制度的な協議をやっている、こういうことでしょう。そうすると、小林大学局長、生徒を増員したり、あるいは学部を新設したりするというその届出、これは大体慣例からすると、年度のいつごろ出てくるのですか、普通は。
#265
○政府委員(小林行雄君) 制度といたしましては、これは届出でできるということになっておりますが、従来、大学の設置認可の際、これらについてはあらかじめ御協議を願うという条件がついておりまして、これはやはり前年の九月末までに承認申請書を出していただくというのが従来の慣例でございます。
#266
○豊瀬禎一君 前年の九月ごろまでに申請をするのだったら、今年度の増員について把握できているのでしょう。答えて下さい。
#267
○政府委員(小林行雄君) 三十六年度の大学設置認可に関しては、これはすでにそれぞれ申請がございまして、これについては全部認可が出たわけでございます。
#268
○豊瀬禎一君 答えなさい。
#269
○政府委員(小林行雄君) 三十六年度につきましては、三十六年度の年度末までに認可すべきものについては、すべてこれは定員の増員も承認したわけでございます。ですから、これについては特に水増しというものがあるわけではございません。
#270
○豊瀬禎一君 現在水増し入学をしている点については、水増し入学ではなくして、文部省にすでに届け出られ、それを認知した数ということですか。
#271
○政府委員(小林行雄君) 現在承認されている定員以上に、定員を上回って実際入学している数というふうに私解釈いたしております。
#272
○豊瀬禎一君 その数を把握していないということですね。
#273
○政府委員(小林行雄君) 私どもこの十一の大学につきましては、これは先般いろいろ調査をいたしました結果、数字は一応把握いたしております。
#274
○豊瀬禎一君 十一大学のそれぞれについて把握しておるのですね。
#275
○政府委員(小林行雄君) そのうち御承知のように、先ほどお答え申しましたように、七つの大学につきましては、三十六年度のこれから増加する追加増員というものは考えていないということでございますので、それについては調べておりませんが、それ以外の四つの大学については、一応私どもとしては把握をいたしております。
#276
○豊瀬禎一君 四つの大学の水増し学生数は。
#277
○政府委員(小林行雄君) 現在の入学定員は四つの大学につきましては二千八百五十で、実際入っておりますのは三千九百三十という数字であります。
#278
○国務大臣(池田正之輔君) これはきわめて重大なことであります。四つの大学だけが水増ししたような印象を社会に与えることはこれは重大です。私学のほとんどすべての大学がこれは水増ししているのです。これをはっきりさせてもらわぬと、そうすると、ほかの大学はよくて、その四つだけが悪いという印象を与える。君はそういう答弁はいかぬよ。
#279
○豊瀬禎一君 小林局長、七大学については水増しのあれは措置はしていないし、それはない、こういう答弁があったということですが、十一大学のうちの七大学の方も水増ししているのじゃないですか。
#280
○政府委員(小林行雄君) それ以外、ですから先ほど申し上げました四つの大学については把握をいたしておりますが、それ以外のところにつきましては、七つの大学については三十六年度の追加増員計画というものがないということでございますので、調査を特にいたしておりませんので、あるいはこれらについても定員以上に入学させているものがあるのではなかろうかと思っております。
#281
○豊瀬禎一君 小林さん、あなたは休んでいたから知らないかもしれませんが、纐纈次官が前回答弁した際に、五校か六校かの調査をして把握をしていると、こういったのですよ。あなたの場合は四校しかわからないのですか。
#282
○政府委員(纐纈彌三君) 私が答弁いたしました際には、四校だけがそういう計画がないということで書面で断わって参りました。その後残ったものの七校でございますが、それについてあげました際にも、三校はまだ計画がないということで、結局だんだん調査を進めて参ります際に、四校だけがそういう計画があるということで、ただいま局長が申し上げましたように、その四校についてだけの水増しの数等は把握しているわけであります。
#283
○岩間正男君 議事進行。
#284
○豊瀬禎一君 ちょっと待って下さいよ。どうせあなたと同じような意見で、さきは議事進行になるんでしょうから。小林局長、単に十一大学だけでなくして、ほかの私立大学等も工業技術者の確保という立場から、すでに増員入学をさしているという点は認めますか、数の把握はなくても、そういう現状であろうということは認めますか。
#285
○政府委員(小林行雄君) 従来、私学につきましては、いろいろな理由から公認されました定員以上に学生を入学させているのが普通の状態であろうと思っております。
#286
○豊瀬禎一君 僕が聞いているのは、普通の状態のことではなくして、今年度、従前よりかなり大幅に増員入学さしておるであろうということを認めますかということを聞いておる。
#287
○政府委員(小林行雄君) その点につきましては、まだ私どもとしては本年度の入学者の状況について調査をいたしておりませんので、前年あるいは前前年に比べて特に多いかどうかという点については把握をいたしておりません。
#288
○豊瀬禎一君 その調査がないということは、先ほどから私が問題の骨子として聞いている技術者養成、あるいは工業教員の確保について、私立大学の協力を求めたいという意向は文部省に現段階ではないということですね。
#289
○政府委員(小林行雄君) 工業教員の、いわゆる高等工業学校の教員養成につきましては、先ほどから大臣もお答え申しましたように、これは現在の需給の状況、それから将来の急増ということに対してとりました臨時的な措置でございますので、これを一般に開放して、広く学校教育の体系として私学にもやってもらうということになりますと、いろいろの問題が生じます。たとえば、需給のバランスがとれた場合には、これを廃止するということが私どもの考えでございますが、それを一般に、広く私学でもそういった養成所を作るということになりました場合に、廃止することができるかどうかという問題もありますので、これにつきましては、私ども国立だけでやるということで、今のところ特に私学の協力を求めるということは考えておりません。
#290
○豊瀬禎一君 僕は一番当初にもあなたに対して注意をしたように、僕が聞いておるあれは、三カ年間という変則の工業教員養成所を私学に対して協力を求めるか、そんなへまな質問はしていませんよ。僕が質問しているのは、現行大学制度の中で、私学がこれに応じられるならば、国庫補助をする等の措置をしながら三年制という変則の教員養成を行なわずして、私学の協力を求めながら養成していくのが文部省の方針であるべきじゃないか。これを求めていく意思はないのかということなんです。ないのでしょう。
#291
○政府委員(小林行雄君) 一般に科学技術者の養成につきましては……。
#292
○豊瀬禎一君 工業教員だけでよろしい。
#293
○政府委員(小林行雄君) 工業教員だけでございますか。工業教員の養成ということだけに特に限定した場合には今のところそういうことは考えておりません。
#294
○豊瀬禎一君 そうすると、池田科学技術庁長官は、官公私立という用語を使って、科学技術者の養成についても、私の把握では、工業教員養成の問題等についても同様に協力を求むべきだ、こういう見解であったと思いますが、長官、間違いありませんか。
#295
○国務大臣(池田正之輔君) これは御承知のように、需給の関係が非常に重大なウエートを持ちます。従って、養成所を作っても、先般来この委員会で私も聞いておりましたが、皆さんも御心配なすって、せっかく養成してもほかの方に吸い上げられはせぬかという御意見がしばしば出ております。そうなってきますと、絶対数というものがこれがものを言うのでございます。そういう意味から言いますと、公立私学も含めて全体として考えるべきじゃなかろうか。なぜそこまで一体文部省は考えてくれないのか、私はほんとうに残念だと思います。今、局長の答弁を聞いておりますと、これは全体を含めたような答弁でしたが、速記録を見ないとわかりませんが、僕も忘れましたが、私学に対しては協力を求める気持はありませんとはっきり言っておる。これは私は政府の一人として聞き捨てならない答弁です。
#296
○豊瀬禎一君 これは荒木大臣が私の質問に対して答えられました、文部省の方針に対して好意ある御忠告としてけんけん服膺してこれが実現に努力しておる、こういう答弁と、今、池田長官の答弁は矢嶋委員の質問の際にも出たように基本的に異なっているでしょう、確保の問題についても。これでしたら、私が矢嶋委員の質問と関連して言ったように、食い違いについていろいろ質問を今日まで続けてきたけれども、私どもとしては四月十三日でしたか、両者の見解を一致してもらいたい、こういう角度に立って問題を討議をしてき、結論は出なかったけれども、四月一日に実施したいという文部省、与党の意向もあったので、今日まで法案の審議に協力してきたわけですよ。そうして大卒官房長官はわざわざ政府の代表者として、四月末までには調整をするから協力してくれ。ところが、私どもが言っている科学技術者だけでなくして、工業教員養成の問題についても基本的に確保の問題について食い違っている。ここで小林さんに再度言っておきたいのは、私は教育委員会について、数県しか調べておりませんけれども、東京都の場合でも希望者数二百人のうちの六十三人しか採用をしていない。工業の場合には、埼玉県でも四十九人応募者があって、そのうちから二十二名しか採用していない。福岡県もしかり、千葉県もしかり、数学、物理、生物、化学、地学合わせてみますと、東京都のごときは、七百九十一名の応募者の中に百五十五名やっている。だから、教員を希望しておる者が少ないということは断言できないわけです。もちろん試験に応募しておっても、採用の時期がおくれるために、他の会社に有利な条件で入っておる者もあります。しかしこのことは、方法さえ考えれば、午前中から私が言っているように、方法さえ考えれば、たとえば採用の事前通知の時期を早めるとか、そういうことによって確保できる。だから三カ年間に急増したいというのは、工業教員確保に支障を来たしておるという理由は何一つ成り立たない。そうして当然四年制の大学を出た者で、文部省が予算措置をしたり、あるいは考えられておるような授業料の免除規定とか、あるいはその他の資金の援助をすれば、現在の私立大学の制度の中で、工業教員を確保することは決して困難な問題ではない。しかも三カ年間修業した者が、これが教員になるとは、文部大臣が幾ら使命観を強調しようとも決して保証はできませんよ。私自身、今から四年前に教えた中学の生徒に会って聞いてみると、工業教員養成所の三カ年間、そういう恩典があればそこに行っておいて、工場等から高い給料でもらい受けられたときには、年少者の少年工員の指導者として、いい条件ができればそこにも行ける、ただし三カ年間の免除は適用されなくなるけれども、そのくらいのことは会社が措置をしてやれば、これまた逃げて行く危険性は多分にあります。従って、工業教員がかりに不足しておる、いわゆる採用される者が少ないということをかりに認めても、工業教員の確保を、現在の教育制度の中でこれをこわさないで、しかも三カ年間の質の悪い教員の養成でなくして、もっといい制度の中で確保できることは、文部省が本気になりさえずればできることであるし、すでに私立大学等ではその受け入れ態勢が整っている。これらに対して具体的な措置を今日まで……、今、大学局長の答弁のような中で、この法案の審議を認めて下さいというような工業教員養成の基本態度に対して、文部省としてはきわめて怠慢ですよ。大臣の答弁ものらりくらりとして問題の核心を少しも指摘していない。そうして長官との話し合いは、忠実な助言としてけんけん服膺していくという答弁をしておりながら、長官のただいまの答弁を聞いてごらんなさい、荒木君は何も言っておらぬと言っているじゃないですか。何であなたは委員会にうそを言いますか。委員会の要請の建前からしても、今日まででも、連休を割いてでも、あなたの方から池田長官の方に見解の統一を求めて、きょうあげたいという、あげようという当委員会の方針に従って意思統一をさるべきじゃないですか。私は、それがなければこの法案の審議は留保しなさい、こう言って、あなたに理事会の席上でも注意しました。そのときにあなたは、早急にやりますから審議を進めてくれと、こうおっしゃっておる。あなた方自体に、当面でき得る、そして必要な措置をやらぬでおいて、しかも重要な技術庁長官の勧告を今日まで放置しておりながら、法案の審議を進めるということは、これは文部省として怠慢もはなはだしいですよ。どうですか、大臣、早急に、長官もあなたとならば話し合いできるという、この善意を私は認めます。長官と文部省の見解を統一して、工業教員確保の問題についてもっと、養成所設置法案を通すということでなくして、全般の私立大学等の協力の態勢の中で、あなた方が予定されておる必要数の確保について、きちんとした見解統一をもって本委員会に臨んで審議を求めて下さい。その点についての見解を求めます。
#297
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 勧告を忠実に守りたいという意味のことを申し上げました。その通りにやっております。繰り返し申し上げますが、勧告の趣旨は、今後少なくとも十年にわたっての科学技術者の不足に対処して万全を期せよというのが主眼点でございます。それに付加して、三十六年度においても予算の関係なしにやれるものがあったらやってしかるべきだということが付加されておるわけであります。今後十年にわたっての問題は、今までの文部当局としての考え不足、努力不足もむろんございます。それを大いに検討して前向きに整備していきたいという考え方で、当面三十七年度予算を考えるにいたしましても、勧告の趣旨を体して十分に検討していきたいと、こういう考えであることで当面としては十分である。そいつを具体的な成果を得るように今後努力をいたします。三十六年度の予算に関係のない増員というものが可能であるかということについて、これこそけんけん服膺して、今まで十一大学について調査いたしたわけでございます。この十一大学も、長官の勧告の線に関連して、出されました線に沿って調査をいたしたわけでございまして、その結果は一応数字的には把握しておりますけれども、それを具体的にどう処置するかということについては、文部当局としては、責任ある結論を得て長官には連絡すべきものとして、その意味の検討をいたしておることを先刻私御答弁申し上げたわけでございまして、その間、いささかもそごはございません。ただ、先刻も申し上げた通り、十一大学を調査して、最終的な結論をきょうでも申し上げ得ればと思ってはおりましたものの、責任を持った結論を申し上げるのにはちょっと時期尚早だと思いますから、その意味においての検討をお許しを願っておるような次第でございます。池田長官との間において、勧告に対する処置、ことに当面三十六年度予算に関係のない処置については、行政府内部の問題として、国会で特に二人並んで討論的に申し上ぐべき筋合いのものでなくして、ほんとうに腹を割って話し合って具体的処置の結論を出すことが当然のことと心得ておるわけであります。そういうことで、趣旨においていささかの食い違いはございません。
#298
○野本品吉君 議事進行。いろいろと御論議を承っておるんですが、私は少しこの論議の筋が混乱してきているように思う。それはどういうことかと申しますというと、池田長官の勧告は、いわゆる科学技術者の養成の問題であります。今論議されております法案は、科学技術者を養成するために必要な教員養成の問題であります。しかも、法案の題名が示しておる通りに、国立臨時教員養成所なんです。従って、法案は、国立で教員をどういうふうに養成するかということの臨時措置をしていこうというのがこの法案なんです。従って、この場において、一般的な科学技術者の養成計画の問題と、その前提としての教員の養成の問題というものは、別個の問題として扱うべきである。しかも、その教員養成は国立の教員養成所でありますから、従って、公私立の学校云々の問題をこの問題にからめることは適当でない。委員長は、法案の題名が示すような委員会の審議運営に御努力下さいますように希望申します。
#299
○矢嶋三義君 議事進行。野本委員から議事進行の形でそういう御発言がありましたが、私お言葉を返すわけでないですけれども、少なくとも私の見解では、この所得倍増計画に伴う科学技術者の養成とこの教員養成の問題は不可分の関係だと思うのです。これは別問題でないと思うのです。ですから国立工業教員養成所に関する法律だといっても、教員養成をいかにするかという立場で、内閣提出にかかる法律案が、行政府で国立を考えたから国立教員養成所となっているわけで、根本的な、本質的な問題は教員を養成しなければならぬ。それをいかにして国として養成をするかということであって、それは豊瀬委員から質疑されたように、国立だけでなくして、私学を通じて教員養成をする方法もあるのではないかということは当然議論の対象になることであって、別途でないと思うのです。これらの問題について、これは内閣提出にかかる法律案ですよ。両大臣の見解が違うということは、これはかなり重大ですね。私は前からの引っかかりできょうも伺って、皆さん方と話し合いで、委員長・理事打合会の話し合いの方針にのっとって今まで審議して参ったわけです。しかし、自民党の幹事長さんも国会対策委員長さんもおいでになっておられるわけですが、ちょっとひど過ぎるのではないですか。この問題については以前から、私は内閣の統一見解と責任をただす意味で池田総理を呼ぶべきであるけれども、お気の毒だからというので、二度ほど大平官房長官を内閣の代表としておいで願って質疑したわけです。その経過については、先ほど豊瀬委員から指摘された通りですね。そうして、きょうの段階において池田、荒木両国務大臣の答弁を承りますというと、私は引き延ばしや何かする気はないのですが、いかに考えても、内閣提出にかかる法律案を立法府が審議する立場から考えた場合に、これは重大だと思うのです。委員長はどういうお考えか知りませんけれども、私の現在の心境は、これは非常に気の毒だけれども、この問題については両大臣は解決できない。内閣の最高責任者である池田さんの取りまとめと申しますか、責任ある見解を僕は承らなければならぬ。何も引き延ばすとか作戦とかではなく、純粋な気持で、立法府に議席を持つ一員として、今まで審議してきたものとして、先ほどの質疑応答を承っておりまして、そういう気持なんですがね。これはおそらく私は小沢対策委員長にしても、高橋与党の幹事長にしても、先ほど来の質疑応答をお聞きになっても、そういう気になっていると思うのですね。従って、私はその点について委員長、理事で打ち合わせ、話し合いをしていただきたいと思うのですがね。
#300
○委員長(平林剛君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#301
○委員長(平林剛君) 速記をつけて。
 暫時休憩いたします。
   午後九時四十九分休憩
     ―――――・―――――
   午後十一時三十三分開会
#302
○委員長(平林剛君) ただいまから委員会を再開いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後十一時三十四分散会
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ソース: 国立国会図書館
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