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1960/05/23 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 文教委員会 第29号
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1960/05/23 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 文教委員会 第29号

#1
第038回国会 文教委員会 第29号
昭和三十六年五月二十三日(火曜日)
   午前十一時五十七分開会
    ―――――――――――――
  委員の異動
五月十九日委員二見甚郷君、井川伊平
君及び田中茂穂君辞任につきその補
欠として野上進君、山本杉君及び後藤
義隆君を議長において指名した。
五月二十日委員後藤義隆君及び山本杉
君辞任につき、その補欠として田中茂
穂君及び井川伊平君を議長において指
名した。
五月二十二日委員田中茂穂君辞任につ
き、その補欠として山本杉君を議長に
おいて指名した。
本日委員井川伊平君及び宮澤喜一君辞
任につき、その補欠として鍋島直紹君
及び後藤義隆君を議長において指名し
た。
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     平林  剛君
   理 事
           北畠 教真君
           近藤 鶴代君
           野本 品吉君
           豊瀬 禎一君
   委 員
           安部 清美君
           鍋島 直紹君
           下條 康麿君
           杉浦 武雄君
           高橋進太郎君
           野上  進君
           後藤 義隆君
           山本  杉君
           千葉千代世君
           矢嶋 三義君
           米田  勲君
           常岡 一郎君
  国務大臣
   文 部 大 臣 荒木萬壽夫君
  政府委員
   文部政務次官  纐纈 彌三君
   文部省初等中等
   教育局長    内藤誉三郎君
   文部省大学学術
   局長      小林 行雄君
  事務局側
    常任委員会専門
   員       工楽 英司君
  説明員
   文部大臣官房総
   務課長     木田  宏君
    文部省初等中等
    教育局中等教育
    課長     安達 健二君
    文部省大学学術
    局大学課長  村山 松雄君
    文部省大学学術
    局教職員養成課
    長      安養寺重夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○公立の盲学校、聾学校及び養護学校
 の幼稚部及び高等部の整備に関する
 特別措置法案(米田勲君発議)
○学校給食法の一部を改正する法律案
 (矢嶋三義君外六名発議)
○夜間課程を置く高等学校における学
 校給食に関する法律の一部を改正す
 る法律案(矢嶋三義君外六名発議)
○盲学校、聾学校及び養護学校の幼稚
 部及び高等部における学校給食に関
 する法律の一部を改正する法律案
 (矢嶋三義君外六名発議)
○学校教育法の一部を改正する法律案
 (千葉千代世君外五名発議)
○公立の小学校及び中学校の特殊学級
 における教育の振興に関する法律案
 (千葉千代世君外五名発議)
○教育、文化及び学術に関する調査
 (愛媛県の教育行政に関する件)
○教育職員免許法等の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(平林剛君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。去る五月二十日、山本杉君及び後藤義隆君が委員を辞任され、その補欠として井川伊平君及び田中茂穂君が委員に選任されました。また、昨二十二日、田中茂穂君が委員を辞任され、その補欠として山本杉君が委員に選任されました。
 以上であります。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(平林剛君) 次に、委員長及び理事打合会の経過につき御報告いたします。
 開会前、理事会を開き協議いたしました結果、本日はまず、公立の盲学校、聾学校及び養護学校の幼稚部及び高等部の整備に関する特別措置法案、学校給食法の一部を改正する法律案、夜間課程を置く高等学校における学校給食に関する法律の一部を改正する法律案、盲学校、聾学校及び養護学校の幼稚部及び高等部における学校給食に関する法律の一部を改正する法律案、学校教育法の一部を改正する法律案及び公立の小学校及び中学校の特殊学級における教育の振興に関する法律案を順次議題とし、発議者より趣旨説明を聴取いたしました後、愛媛県の教育行政に関する件につき調査を進め、次いで、教育職員免許法等の一部を改正する法律案を議題とし、審査をいたすことになりました。
 なお、今後の委員会の運営につきましては、委員会終了後、委員長及び理事におきまして協議をいたすことに決定を見ました。
 以上、理事会決定通り運営いたして参りたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(平林剛君) 御異議ないと認め、さよう運営して参ります。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(平林剛君) それでは、公立の盲学校、聾学校及び養護学校の幼稚部及び高等部の整備に関する特別措置法案を議題とし、発議者より説明を聴取いたします。米田勲君。
#6
○米田勲君 ただいま議題となりました公立の盲学校、聾学校及び養護学校の幼稚部及び高等部の整備に関する特別措置法案につきまして、提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 御承知の通り、盲、聾、肢体不自由、身体虚弱等の児童、生徒の教育は、盲学校、聾学校及び養護学校のそれぞれの幼稚部、小学部、中学部及び高等部において行なわれております。そのうち、盲学校、聾学校の小学部と中学部はすでに義務制であり、養護学校の小学部と中学部も義務制に準ずることとなっておりますから、これらについては、義務教育費国庫負担法、義務教育諸学校施設費国庫負担法及びさきに本院文教委員会提案により成立した公立養護学校整備特別措置法に基づき、教職員の給与、教材、施設等に要する経費の一部を国が負担し、その教育の充実整備にかなりの努力が払われております。
 しかるに、これらの学校の小、中学部と密着して教育上きわめて重要な位置を占めるところの幼稚部と高等部については、義務教育課程でないという理由により国庫負担の対象から除外され、その経費はあげて地方自治体の負担に待たなければならない現状でありますから、その拡充強化の必要性が痛感されながらも、地方自治体の財政事情等に左右されて、いまだきわめて遺憾な状態にあります。
 そもそも、盲児は視力障害に伴う生活経験の乏しさから、聾児は聴力欠損による言語活動の貧しさから、いずれも基礎的な知能学力が劣っており、また肢体不自由児、身体虚弱児はその肉体的欠陥のために、一般正常児に比べて知能の発達が阻害されますことはやむを得ない事実であります。特に盲児、聾児の場合は、学齢前二年ないし三年間における言語修得の訓練と基礎的学習とが、教育上きわめて効果的であり、かつ、重要な意義を持つことが明らかにされておりますにもかかわらず、幼稚部設置の実態をながめまするに、公立の盲学校においては分校を含めて七十三校中わずかに一、聾学校においては百一校中二十九、養護学校においては三十九校中皆無という状況にあります。早期教育の開始によってこそ、初めてその教育効果の高揚を期し得られるこれらの盲聾児、肢体不自由児、身体虚弱児のために、幼稚部の設置拡充は特殊教育における刻下の急務であると申さねばなりません。
 次に、これらの公立の学校の高等部の設置状況は、盲学校七十三校中五十七、聾学校百一校中七十二、養護学校三十五校中五でありまして、ある程度の充実を見ておりますけれども、その施設、教材、教職員給与等に要する経費は、従来すべて地方自治体の負担するところであり、きわめて貧弱な予算による運営を余儀なくされている現状でありますがゆえに、施設、設備、教材等も小、中学部から一部を借用して間に合わせ、あるいは高等部の担当教職員の配置定員も不足がちであるために、小、中学部から応援を求めるなど、幾多困難な問題が横たわっており、その教育効果を十分に発揮できない実情にあります。
 盲者聾者その他身体的劣悪条件にある者が、将来社会人として独立生活を営んでいくためには、最終段階にある高等部における教育こそ、まさに画龍点購とも申すべき、最も重要な課程でありますことは多言を要しないところでありますと同時に、高等部の強化拡充による十分な職業指導が強く要請されるゆえんであります。
 さらにまた、今国会において審議中の政府提案にかかる、学校教育法等の一部を改正する法律案においても、高等部及び幼稚部の単独設置を可能とする改正事項が盛られておりますことは、とりもなおさず、幼稚部及び高等部における教育の重要性に対する正しい認識に基づく措置にほかならないと信ずるものであります。
 以上申し述べました理由により、幼稚部及び高等部における給与費、教材費及び施設費等に対し、国がその費用の一部を負担または補助することにより、その教育の抜本的充実強化をはからんとする目的をもって、ここに特別措置法案を提出した次第でございます。
 法案は、まず、公立の盲学校、聾学校及び養護学校の幼稚部及び高等部の職員の給与費とその恩給に要する経費の二分の一を国が負担することを規定いたしました。次に、政令の定めるところにより、予算の範囲内において、幼稚部及び高等部における教材費の二分の一を限度として、国が補助することを規定いたしました。第三に、国は、政令の定めるところにより、予算の範囲内において、幼稚部及び高等部にかかる建物の新築または増築及びこれに伴って必要な校地買収に要する経費の二分の一を補助することを規定いたしました。
 右のほか法案は、経費の種目、工事費の算定方法その他所要の規定を設けてあります。なお、この法律の施行は昭和三十七年四月一日からといたしました。
 以上がこの法律案の提案の趣旨並びに内容の骨子でございます。何とぞ十分御審議の上すみやかに御賛同下さいますようお願いいたします。
    ―――――――――――――
委員長(平林剛君) 次に、学校給食法の一部を改正する法律案、夜間課程を置く高等学校における学校給食に関する法律の一部を改正する法律案及び盲学校、聾学校及び養護学校の幼稚部及び高等部における学校給食に関する法律の一部を改正する法律案、以上三案を議題とし、発議者より趣旨説明を聴取いたします。
#7
○矢嶋三義君 学校給食法の一部を改正する法律案の提案理由を発議者を代表して御説明申し上げます。
 御承知の通り、終戦直後の昭和二十二年、食糧事情が著しく窮迫していた大都市において開始されました学校給食は、次第にその意義と効果を認められ、着実な発展を遂げて参りました。特に、昭和二十九年には、広範な国民の希望と支持により、学校給食法が制定され、その後は一そう堅実な普及を示し、児童、生徒の心身の発達と国民の食生活改善に多大の貢献を果たしました。しかしながら、他面、現行法の建前は、学校給食の重要性を認めながらも、国や地方公共団体に対しては、その普及発達に努力せよといういわば訓示的任務を課しているにすぎません。つまり、給食の実施は、あくまでも設置者の任意になっているのであります。従いまして、全国的に見ますと、給食未実施校はいまだ数多く、小学校児童のうち、約三二%、四百万人、中学校生徒のうち、約八七%、五百万人が、給食を受けていない状況であります。
 ところで、小学校における未実施校は、主として農山漁村に集中しております。これは結局のところ、町村財政が豊かでなく、給食の施設設備費、人件費等の捻出が困難であり、現金収入の乏しい農山村家庭にとって、給食費が重荷であることに基因していると考えられます。また、中学校においては、以上の理由のほか、進学や就職の問題に教職員が忙殺されて、現状の人員構成ではその余裕がないことによるものと思われます。学校給食の目標からいえば、児童、生徒の体位が劣り、食生活の改善も必要な農山村においてこそ、その実施は必要であり、また、心身ともに育ち盛りにある中学校生徒に対する給食の効果は、非常に大きいといわなければなりません。
 次に、最近、増加傾向にある父兄負担教育費の軽減については、昨年、地方財政法が改められ、給食関係の施設設備費や人件費を父兄負担に転嫁することは禁止されました。しかし、この程度の禁止規定と、これに対応する地方財政措置だけでは、給食未実施の地域に、今後給食を普及することは、期待できません。そこで、この際、現行法を抜本的に改めて、義務教育諸学校における学校給食の実施を年次計画をもって義務制化し、それに必要な国庫負担もしくは補助の措置を強化することが、日本の将来をになう次代の国民の育成に不可欠の教育的配慮であると考え、本改正案を提出した次第であります。
 改正のおもな点は、第一には、国・公立の義務教育諸学校における学校給食の実施を、昭和四十一年四月一日から義務制とすること。第二には、国・公立の義務教育諸学校には、昭和四十一年四月一日から栄養士及び給食従事員を必置することとし、公立義務教育諸学校の栄養士の給与費の十分の八を国庫の負担とすること。ただし、昭和三十九年までは、法律で定める別の負担率によること。第三には、公立の義務教育諸学校における学校給食の施設設備費の十分の八を国庫の負担とすること。第四には、国・公立の義務教育諸学校における学校給食費は、昭和四十一年四月一日から全額国庫の負担とし、それまでの間は、法律に定める割合で、保護者に対し給食費の国庫補助を行なうこと。第五には、学校給食を実施する私立の義務教育諸学校の設置者に対し、その施設設備費の二分の一を国庫から補助するものとするとともに、学校給食費の十分の八を保護者に対し、国庫補助するものとすること。ただし、給食費については昭和三十七年度及び三十八年度に限り、法律で定める別の補助率によること。第六には、この法律は、昭和三十七年四月一日から施行すること、などであります。
 以上がこの法律案の提案の理由及び内容の概略であります。何とぞ十分御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
 次に、ただいま議題となりました夜間課程を置く高等学校における学校給食に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、御説明申し上げます。
 高等学校の定時制夜間課程に学ぶ勤労青少年のために、特に学校給食の実施を普及することを目的として、昭和三十二年現行法は制定されましたが、その普及率を見るに給食を受けている者は、夜間課程生徒約四十万人のわずかに二〇%にすぎません。従いまして、別に学校給食法を根本的に改める提案を行ないましたが、この際、本制度における給食についても、その普及を一そう促進するために、現行法の一部に必要な改正を加えることを適当と考え、本法律案を提案した次第であります。
 改正のおもな点は、夜間学校給食の施設設備費の二分の一、学校給食費の十分の八を国庫から補助することとすること。ただし、給食費の補助については、昭和三十七年度及び昭和三十八年度に限り、法律で定める別の補助率とすること、などであります。なお、この法律の施行日は昭和三十七年四月一日といたしております。
 以上がこの法律案の提案の理由及び内容の概略であります。何とぞ十分御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。
 次に、ただいま議題となりました盲学校、聾学校及び養護学校の幼稚部及び高等部における学校給食に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、御説明申し上げます。
 昭和三十二年に制定されました現行法の趣旨は、特殊教育諸学校の幼稚部及び高等部における教育が義務制並みに扱われることが適当であり、学校給食についても同様の措置をすべきものとされたところにあるものと考えられます。翻って、本法に基づく給食の実施状況を見ますと、約九千名の幼児及び生徒のうち、約四〇%のものが給食を受けているにすぎません。従いまして、別に学校給食法を根本的に改める提案を行ないましたが、この際、本制度における給食についても、その普及を一そう促進するために、現行法の一部に必要な改正を加えることを適当と考え、本法律を提案した次第であります。
 改正のおもな点は、特殊教育諸学校における学校給食の施設設備費の二分の一、学校給食費の十分の八を国庫から補助することとすること。ただし、給食費の補助については、昭和三十七年度及び昭和三十八年度に限り、法律で定める別の補助率とすること、などであります。なお、この法律の施行日は昭和三十七年四月一日といたしております。
 以上がこの法律案の提案の理由及び内容の概略であります。何とぞ十分御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。
 以上、三法律案について提案理由を申し述べました。よろしくお願いいたします。
#8
○委員長(平林剛君) 次に、学校教育法の一部を改正する法律案及び公立の小学校及び中学校の特殊学級における教育の振興に関する法律案の両案を議題とし、発議者より趣旨説明を聴取いたします。
#9
○千葉千代世君 ただいま議題となりました学校教育法の一部を改正する法律案につきまして、提案者を代表してその提案理由及び内容の概略を御説明申し上げます。
 去る第二十四回国会におきまして、参議院文教委員会の提案にかかる公立養護学校整備特別措置法が成立いたしまして以来、地方公共団体による養護学校の設置が漸次進展し、同法制定の当時、わずかに六校であった養護学校が本年四月現在四十七校を数えるに至りました。しかしながら、その収容人員はいまだ四千九百人の少数にとどまり、これを学齢にある特殊児童生徒のうち養護学校に就学すべき該当者の推計二十六万余人に比しますれば、まことに微々たる現状と申さねばなりません。昨年度文部省予算では肢体不自由者養護学校六校分が計上されましたが、そのうち設立されたのはわずかに三校であったことを見ましても、一方では小児麻痺対策が大きく世論化されつつあるおりから、教育施設の整備について、地方公共団体の一そうの努力を要請しなければならない段階であります。さらにまた昨年五月一日現在の学齢児童生徒のうち、精神薄弱者、肢体不自由者、病弱者、身体虚弱者の推計は実に百十六万人に達しており、これらのうちすでに養護学校に就学中の者及び就学猶予者、就学免除者等を除きましても、一般の義務教育諸学校に就学している学齢特殊児童生徒の数は優に百万人をこえるものと推定されるのであります。劣弱な心身を持つ特殊児童生徒が、その体力知能に適応しない教育を施されることによってこうむる甚大な不幸は、彼らの生涯を通じて、ぬぐい去ることのできない結果を招きますのはむろんのこと、他面、一般正常児に対する教育効率の上に及ぼす影響もまた僅少にとどまらないことが容易に察知されます。
 近時、特殊学級設置について社会の関心が次第に高まり、保護者においてもその必要性に対する理解が深まりつつありますことは、まことに喜ぶべき傾向でございまして、中学校の特殊学級におきましては、個々の生徒の能力に適応した職業指導を行なうことによって、社会人としての彼らの将来に光明を点じ、着々その成果を上げておりますことも、特に注目すべき事実でございます。しかるに、学校教育法第七十五条には特殊学級を置くことができるとなっておりますために、公立の小学校及び中学校における特殊学級の設置はなお遅々として進まず、昭和三十五年度におけるその学級数は小学校においては二千二十九学級、二万四千四百一人、中学校においては九百九学級、一万四百四十一人、でありまして、それぞれ総絞数に対する比率は小学校八・九%、中学校七・四%の低きにすぎません。教育基本法にうたわれております教育の機会均等の趣旨を尊重し、真の人間愛に立脚して教育の本質に思いをいたしますならば、これらの学齢特殊児童生徒のため、すみやかに養護学校及び特殊学級を設置して、その心身に適合した教育を施しますことが、国家社会に課せられました大きな責務であることを痛感いたします。
 以上申し述べました理由により、この法律案は、学校教育法に所要の改正を行なおうとするものでありまして、改正の第一は、養護学校における就学義務及び都道府県の養護学校の設置義務に関する規定を昭和四十一年四月一日から施行するものとし、それまでの経過措置として、都道府県は政令の定めるところにより、最低一つの養護学校を設置しなければならないことといたしたことであります。改正の第二は、特殊学級の定義を明らかにするとともに、小学校及び中学校の特殊学級については、昭和四十六年四月一日から設置することを、市町村に対して義務づけるとともに、経過措置として、市にあっては昭和三十七年四月一日から、町村にあっては昭和四十一年四月一日から、政令の定めるところにより、その区域内の小学校及び中学校のそれぞれ一つ以上に、特殊学級を置かなければならないことを規定したことであります。なお、それぞれの学校に該当者少数等のため設置不可能、または不適当と認められるときは、市町村における統合設置を認めるとともに、学校教育法第三十一条によって、他の市町村、市町村学校組合に対し教育事務を委託することができることを前提として立案しております。
 以上がこの改正案の主要点でありますが、なお、この法律は公布の日から施行することといたしております。
 次に、公立の小学校及び中学校の特殊学級における教育の振興に関する法律案につきまして御説明いたします。
 さきに、学校教育法の一部を改正する法律案の提案理由としてるる申し述べました通り、精神薄弱、肢体不自由、身体虚弱その他心身に故障のある児童生徒に対する教育の特殊性にかんがみ、国及び地方公共団体が小学校及び中学校の特殊学級における教育を振興し、これらの児童または生徒に対する教育の水準の向上をはかることが重要な課題であることを痛感いたしますゆえに、ここにあわせて本法律案を提出いたす次第でございます。
 法案は、第一に、国はその任務として、公立の小学校及び中学校における特殊学級教育の振興をはかるように努めるとともに、地方公共団体に対し、特殊学級教育の振興に関する総合計画の樹立、教育内容及び方法の改善、施設設備の整備充実、特殊学級教育に従事する教員の現職教育または養成の計画の樹立とその実施等の諸施策を奨励しなければならないことを規定いたしております。第二に、地方公共団体は、特殊学級教育の特殊性に基づき、公立の小学校及び中学校において特殊学級教育に従事する教員の定員及び待遇について、特別の措置を講ずべきことを規定いたしました。第三に、国は、特殊学級を置く小学校または中学校の設置者である地方公共団体に対し、特殊学級教育に必要な施設及び設備で政令で定めるものに要する経費の五分の四を最高として補助することとし、その補助率を、昭和四十年三月三十一日までに漸次増加させるように定めました。なお、この法律は昭和三十七年四月一日から施行することといたしてあります。
 以上がこの法律案の内容の概略でございますが、申すまでもなく、この法律案は、さきに御説明いたしました学校教育法の一部を改正する法律案と表裏一体、密接不離の関係に立つものでございます。何とぞ以上の二法案をあわせて、十分御審議の上、すみやかに御賛同下さいますようお願いいたします。
#10
○委員長(平林剛君) ただいま趣旨説明を聴取いたしました各法律案の質疑は後日に譲ります。
#11
○委員長(平林剛君) 次に、愛媛県の教育行政に関する件を議題として調査を進めます。
 質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
#12
○矢嶋三義君 先般、参考人四人の方においでいただいて口述をしていただき、調査いたしたわけでありますが、その速記録に基づいて、若干文部大臣並びに文部省当局にお伺いいたしたいと思います。
 文部大臣にまずお伺いいたしたいことは、本委員会における数度にわたる私の質疑並びに先般の参考人の口述並びにそれに基づく質疑応答を通じて、愛媛県の教育界に正常でない、好ましくない雰囲気がともかくただよっておるということだけは御認識いただいたことかと思いますが、いかがでございましょうか、お伺いします。
#13
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 参考人のお話は私も一通り承りまして、いろいろ教えられたるところがあったように思います。
#14
○矢嶋三義君 教えられたことというのはどういうことでありますか。ともかく県教育長さん、地方教育委員会の委員さん、それから教員二名、四人の方においでいただいたわけですが、あの口述とその質疑応答を通じて、教育の振興上望ましくない、好ましくない雰囲気が愛媛県の教育界にある、ただよっている、これは何とかせにゃならぬというような御認識を大臣は持たれたことかと思えるのでございますが、その点を伺っておきます。
#15
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 何とかせねばならないと思う部分と、そうでない部分とあったように思いますが、さらに、今後の実情調査に待たねばならない部分もあったかに承知いたしました。いずれにしましても、教育が正常に行なわれることが念願でございますから、さらに、速記録等も私自身毛検討いたしまして善処したいと思っております。
#16
○矢嶋三義君 この問題は長きにわたる問題でございまするので、文部省からも調査していただいて、二回にわたって本委員会に資料として調査結果の報告を求めております。従って、先般の参考人の意見聴取に基づいてあなたの方では御検討いただいたことと思うのです。従って、ただいま文部大臣が、こういう面もああいう面もあったということでありますが、たとえば具体的にどういう点を大臣としてどういう認識を持たれたか、御説明いただきたいと思います。
#17
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 一々記憶しておりませんので、もっと調査しまして答えさしていただきます。
#18
○矢嶋三義君 この段階になって調査して云々とは何事ですか、大臣。あれでともかく雰囲気として好ましくないということが大臣としてはお気づきになりませんでしたか。四十六都道府県の教育界が、愛媛のああいう雰囲気になってもやむを得ないというようなお感じを受けたですか。それとも、事の経過その他はともかくとして、結果として非常に愛媛県の教育振興上好ましくない雰囲気が現在愛媛県の県教育界をおおっているという御認識に立たれているかということを私は具体的に一般論を聞いているのです。それに対して、大臣としては判断をいずれかになさると思うのです。それをぼかされるから、そこで具体的にはどうですかと言うと、具体的にはお答えなさらない。それでは無責任ではありませんか。再度伺います。
#19
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 参考人の陳述は相当長い時間にわたってなされたのでありまして、今私は正確に一々覚えておりませんので、その意味で申し上げたのであります。もとより組合運動は各人の自由であります。また教育の研修等をなすこともまた自由であります。その自由の立場に立って教職員組合にしろ、もう一つの団体は何と言いましたか、正確な名前は忘れましたが、研修が行なわれましょうと、それも自由でありますが、その間に何らかの、ことさらなる人為的な自由を阻害するようなことがありとするならば、そういうことは好ましくない、こう感じました。
#20
○矢嶋三義君 この段階になっては一般論、抽象論では意味をなさないのです。私はきのううちの理事さんの特に要請に基づいて短時間に質問を終わりたいと思って今のような質問からスタートしたのですが、そういうことでありますと、これ繰り返して参らなきゃなりません。若干時間が延びることを委員長御了承いただきたいと思います。(「反対」と呼ぶ者あり)反対と言ってもわからないじゃないですか、内容がわからないじゃないですか。
#21
○委員長(平林剛君) 委員長・理事間の申し合わせもありますから、質問をお続け下さい。
#22
○矢嶋三義君 相手の答弁次第ですよ、この問題を解明するのが問題ですから。私はさっき申し上げましたように、うちの理事さんの意向を体して、それに沿ってはやりますけれども、大臣の方の御答弁を注意していただきたいと思います。
 まず、愛媛県の教育研究協議会には二十五万円補助金を出している、。その研究協議会には教職員組合員であることの身分では、教職員組合員としては教育研究協議会に入れない、そういうことでいいんでしょうかね。私はあの日も指摘いたしましたが、昨年の十二月、本院の決算委員会で内藤初中局長に伺いました。教育研究協議会には国から補助金を出しておるが、これはどういうものか、これは純然たる教育研究団体、従ってその研究団体には教職員組合員であろうがなかろうが、自由に加盟できるものでなければならない、それが好ましいのだ、こういう答弁をされました。私はもっともだと言って、それで了承したわけです。大臣の見解いかがです。
#23
○国務大臣(荒木萬壽夫君) その点は、私は研究団体を作ることは自由であり、またその研究団体がいかなる規約を設けるかも、これまた自由であると理解いたします。
#24
○矢嶋三義君 それならば、私の熊本県に教育研究団体ができる、私の県はほとんど全員近い人が教員組合に籍を置いていますよ。その先生方を対象にして研究団体を作った場合に、文部省が補助金を出す場合に、教員組合にあるものは、その補助金を受ける研究団体に入れないのだ、そういう条件があって、国の補助金を出されますか、それでは補助金の出し方は間違っていると思うのですよ、どうですか、大臣。補助金を受けてなければ勝手ですよ。
#25
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 文部省がそういうものを作るということは事実問題としてあり得ないと思いますが、かりにそういうことを考えるとしても、そういう場合、文部省自身が組合員であってはいけないなどという規則を作ることはないと思います。
#26
○矢嶋三義君 愛媛県当局の申請に基づいて補助金を出しているのでしょう。その補助金を受けた団体は、内藤局長が答弁したように、組合員であろうがなかろうが、文部省の補助金を受けて研究する機会に関与できるようになっていなければ、教職員組合員はこれを排除するというような条件があるのでは、国の補助金を出すのは私は妥当でないと思う。だから国の補助金を切るか・出すならば、これは純然たる教育を研究するという気持の人ならば、それば教員組合に入っていようと入っていなかろうと受け入れて、ともに研究することが望ましいというぐらいな見解は文部省あたりは当然持つべきだと思いますが、いかがですか。
#27
○国務大臣(荒木萬壽夫君) それは理論的には、私は愛媛県の研究団体のような規約を作ろうとそうでなかろうと、団体を作るものの自由だろうと思います。目的が教育について研究をする団体である限りにおいては、補助金を出すことは私は当然の処置であろうと思います。
#28
○矢嶋三義君 それならば補助金を出すべきじゃないでしょう、国は。二十五万円という補助金がいっておるが、実際面においては組合員は差別待遇を受けているんじゃないですか。地公法五十六条違反じゃないですか。どういうわけで、そういう運営をするのに国は補助金を出すんですか。憲法並びに地公法違反ですよ。だから、補助金を受けていなければ、愛媛の教育研究協議会が自主的にどんなことをやろうと自由ですよ、それは。国は補助金を出しておるのです。そうすると憲法上、法律上、当然組合結成の自由のある先生方が組合員であるために、その団体に入れないとするならば、これは重大な問題じゃないですか。これは法律を勉強された大臣、御理解にならないというのは不思議ですね。明快でしょう。だから、あなたの見解ならばですね、愛媛県教育研究協議会がやっておるのは、勝手にやっておるのだから自由だというならば、国の補助金を出すべきじゃないですよ。はっきりお答え願いたい。
#29
○国務大臣(荒木萬壽夫君) その点は、私は組合運動に対しては補助金を出すわけじゃございませんから、教育に関する研究団体でございまするならば、それに対する補助金を出すことは、私は妥当だと思います。その団体の規約それ自体がどうきめられるかは、それは団体の自由であろうと思います。私は憲法に基づいての法律論という立場からいきましても、理論として私はそういうものじゃなかろうかと思います。
#30
○委員長(平林剛君) なるべく一つ、発言を指名された方が御発言を願います。
#31
○矢嶋三義君 いや、そんなことでは私はちょっとひど過ぎると思うのですね。では、あなた方の補助金はだね、愛媛県の先生方に教育を研究するために出すんでしょう。いかがですか。
#32
○国務大臣(荒木萬壽夫君) もちろん、そうでございます。
#33
○矢嶋三義君 それであなたはだね、組合員に入っておろうが入っていまいが、その補助金の恩恵を受けて、研究の機会に恵まれるようにあってほしいと、それが望ましいという見解はとれるでしょう。とるべきでしょう。どうですか。
#34
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 先生はだれでも研究をしてもらいたいと思います。
#35
○矢嶋三義君 いや、私の質問していることにピントを合わせて下さい。あなたは補助金を出すにあたっては、愛媛県の先生方は皆さん、この補助金を活用してそうして研究の機会に恵まれてほしい、研究してほしいという期待と念願のもとに補助金を出されるんでしょう。いかがですか。
#36
○国務大臣(荒木萬壽夫君) もちろん、そうでございます。
#37
○矢嶋三義君 だとすればですね、教職員組合なるがゆえにその二十五万円と無関係、ノータッチにさせられるということはですね、文部省から見ても望ましいことでないでしょう。好ましいことでないでしょう。また、そのことがですね、地方公務員法の五十六条に基づいて、組合員なるがゆえに国の税金が二十五万円きておるが、それに無関係にさせられるということは、不利益な取り扱いをさせられておることになり、五十六条違反になるんじゃございませんか。いかがですか。
#38
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 元来、教職員組合に入ろうと入るまいと、自由であるという建前です。だから、組合員であるとないとによって、それを差別して補助金を出す建前はとっておりませんので、たまたまその研究団体の規約が組合員でない人のみが集まっておるというにすぎない。私は理論上はそうだと思います。何ら組合員であることによって研究することを助成する機会を与えないということを文部省が意思決定して、補助金を出しておるわけではないですから、理論的には私は別問題だと思います。
#39
○矢嶋三義君 これは失礼ながら文部大臣の精神鑑定をする、法律的な立場で。あなたは日本の最高学府を卒業されたお方でございませんか。私は法律を勉強した者でないです、大学で。しかし、常識上からいって、明快なことじゃないですか。どうしてそんな筋の通らない答弁を国会でするのです。私は、ほかではあまりしからないけれども、これは許せない、大臣がこういう答弁をするというのは。(「追及しろ」と呼ぶ者あり)追及します。ひど過ぎるですよ。
#40
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 文部省は、憲法に違反してまで補助金を出す考えは毛頭ございませんので、今まで出しておりますことは、憲法違反にあらず、憲法違反でないという見解を、今申し上げているつもりであります。
#41
○矢嶋三義君 憲法違反であり、地公法五十六条違反ですよ。組合の不利益取り扱いをすることになりますよ。
 内藤局長にお伺いしてみましょう。内藤局長に伺いますが、二十五万円補助金を出す。その純然たる教育研究団体、それは条件がある、補助金出すには。組合であってはならないのです。だから、その純然たる教育研究団体には、愛媛県の教員組合員であろうが教員組合員でなかろうが、そういう純然たる教育の研究団体に入れるようにあることは望ましいのでしょう。どうですか、このことは言えますか、言えませんか。望ましい、好ましい。
#42
○政府委員(内藤誉三郎君) 先ほど大臣がお答えになりました……。
#43
○矢嶋三義君 いや、大臣のじゃない。私のにピント合わして答えて下さい。望ましいか、望ましくないか、答えて下さい。
#44
○政府委員(内藤誉三郎君) それは研究団体の構成の問題でございますから、組合員である場合もあるし、ない場合もある。これは組合員の自主的な規約によってきめられるべきものだと思うのです。文部省が補助金を出すのは、あくまでも教育研究団体であり、しかも、教育研究活動に対する助成でございますので、組合員であるかないかということを問うているわけでございません。
#45
○矢嶋三義君 三人の方に別々に伺いましょう。変な答弁したら、私だって国民の代表ですから、質疑権があるから、徹底的に質問しますよ。国民の税金で、愛媛県の教育研究協議会において、教育研究をしてほしいというので、申請に基づいて二十五万円の補助金を国から出す。行政権に基づいて補助金を出す。そのときのあなた方の気持は、教職員組合員であろうがなかろうが、どなたもその研究協議会に参加して、愛媛県の教育の振興のために研究してほしいと、それが望ましいという形で、補助金を出されるのか、あなた方のことを聞いているのですよ。それともここに、二十五万円の補助金を出すが、教職員組合員は排除したような形で教育研究を続けられることが望ましいと、そういうような考えで、国民の税金の二十五万円を愛媛県に流されるのか、いずれかということをお答えいただきましょう。中学生に質問するような問題です、文部大臣。
#46
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 望ましい、望ましくないということは、私は政策的な立場だと思います。その意味では、私は望ましいと思います。思いますが、法律論としての先ほどの御質問ですから、愛媛県の研究団体のごときものを作ることも自由である。
#47
○矢嶋三義君 いや、それを言うているのじゃない。そういうことを私言ってない。それは触れないで下さい、時間がかかりますから。
#48
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 補足的に申し上げませんと、明快になりませんから。先ほど申し上げましたように自由である。その自由であるべき研究団体を作ること、そのことに、ああでなければならぬ、こうでなければならぬという立場は、われわれはとるべきではない。とってはいけない。そういう前提に立ちまして、今内藤局長、申し上げましたように、研究活動それ自体に対して補助金を出すわけですから、その団体自身の規約がどうなっているかということそれ自体は、これは自由であるということを申し上げたわけであります。あくまでも研究活動に対して補助金を出すのだ、組合員であろうとなかろうと、むろん差別すべきではない、それは当然のことであります。しかし、組合規約それ自体を、ああでなければならぬ、こうでなければならぬという資格は、われわれにはないと、こう心得ていると申し上げた次第であります。
#49
○矢嶋三義君 政務次官、御答弁願います。ピントを合わして御答弁下さい。憲法二十一条か二十八条に基づく研究団体を作る権限があるとかないとかいうことは、百も承知なんですから。そういうことは伺っておりませんから、私の伺っていることにピントを合わしてお答え願います。
#50
○政府委員(纐纈彌三君) 私も大臣と同意見でございます。
#51
○矢嶋三義君 大臣と同意見でなくて、詳しく一つあなたの見解を述べて下さい。私は今だいぶ詳しく申し上げたつもりであります。それについて御答弁願います。
#52
○政府委員(纐纈彌三君) ただいまの御質問の趣旨を伺っておりますと、やはり純然たる教育団体として、教育研究に補助を出すということでございまするから、その意味におきまして、私は大臣と同じ意見であります。
#53
○矢嶋三義君 え、何、はっきりしない。
#54
○政府委員(纐纈彌三君) 純然たる教育研究会に、その活動に対して補助を出すのでございますから、その意味におきまして、私は大臣と同意見でございます。
#55
○委員長(平林剛君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
#56
○委員長(平林剛君) 速記をつけて。
#57
○矢嶋三義君 ただいま速記を中止している間に懇談をいたしたのでありますが、このささやかな問題に非常に時間を費やしたのでありますが、あらためて文部大臣に伺いますが、国が愛媛県教育振興のために、純粋なる研究をしてほしいという立場から補助金を出す、愛媛県教育研究協議会には教職員組合であろうとなかろうと、愛媛県の先生方が希望すれば、自由に参加できて、研究が行なわれるようにあることが望ましい、そうあるべきだ、こういう文部大臣の御見解だと思いますが、念のため伺います。
#58
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 望ましいと思います。
#59
○矢嶋三義君 次に伺いますが、特別昇給をするために、それを申請するために、教育研究協議会員であるということが、条件とされるということは、いかがでしょうか。どういうふうに考えております。
#60
○国務大臣(荒木萬壽夫君) そういうことはあってはいけないと思います。
#61
○矢嶋三義君 この点は明快です。ところが、先般参考人の供述によりますと、久良中学校で同僚教員とのバランスの関係から昇給をいたしたい、ところが、校長並びに関係者で協議した結果、教育研究協議会に入らないと、特別昇給はできないからというので、あまり好ましいこととは思わないが、教育研究協議会に加盟することによって、特別昇給の目的を果たした事例がある、こういう口述がなされております。これは是正されなければならないことだと指摘をいたしておきます。
 それから次に、教職員組合であるがゆえに差別的な待遇を受けるということは、地公法五十六条から当然あってはならないことだと思いますが、参考人の口述の中に、一本松中学校、ここで組合を脱退して教育研究協議会にお入りになっておった四人の人だけが特別昇給を受けた、こういう取り扱い方は地公法五十六条違反の疑いがきわめて濃厚だと思いますが、大臣の御意見いかがでしょうか。
#62
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 御指摘のような意図をもって計画的にやられたとすれば、よろしくないと思います。
#63
○矢嶋三義君 あとで委員長・理事打合会で協議するときの資料として提示いたしておきますが、これは速記録八ページに出ております。この一本松中学校は教職員が十三人、そのうちで教育研究協議会に入っている人は四人、それから組合に残っている人と、組合を脱退して教育研究協議会に入っていない人と三種類ございます。そのうちで脱退して教育研究協議会に入った四人の方だけが特別昇給の恩恵に浴したので、職場では割り切れないもやもやした雰囲気が起こっているという口述がなされました。そのことを指摘いたしておきます。
 次に文部大臣に伺いますが、先般の数多くの口述の中から、教育委員会の出先機関である地方事務所の主事さん、あるいは校長さんが、組合員であるから、夫婦共かせぎの場合でも、あるいは妊娠しているような場合でも、飛ばされた場合があるぞと、だからあなた、組合を脱退しておった方が安全ではないですか、こういうふうに主事並びに校長さんが先生方に働きかけたケースが数多く提示されました。本田参考人もその一人ですが、本田参考人は、自分は小心であるから非常に威圧感を受けた、不安感に襲われたと、さように口述されました。そうして普通の人ならばおそらく脱退をしなければならぬと思うでしょう、ことに御婦人の先生は不安感に襲われるでしょう、恐怖感に襲われるでしょう、こういう供述をしました。またある学校では、これだけ勧められるのであるから、脱退しないとうちの校長先生が左遷されるようになるかもしれないから、校長先生が気の毒だから脱退しよう、こういう話し合いもなされたということが口述をされました。このことから類推して、教職員なるがゆえに不安感に襲われている、差別的な人事行政が行なわれる可能性が、事実行なわれたという事例も供述されました。こういうことは望ましいことでなくて、是正されなければならない、地公法五十六条違反の該当事項だと、かように認定する数々の口述がなされたわけですが、大臣の御所見を承ります。
#64
○国務大臣(荒木萬壽夫君) それが真実だとすれば、まさに地公法の趣旨に反すると思います。
#65
○矢嶋三義君 それから文部省にお願いをいたしまして、ここに調査に基づく資料が二度出ているわけですがね。この中で、妊娠中の女の先生に校長さんが、あなた方組合員だからあぶないから脱退してはどうですかという働きがあって、その後その女の先生方は脱退したということが口述されましたが、あなた方の調査に基づくとそういう事実はないとありますが、これは愛媛県教育委員会の調査が疎漏で、文部省を誤らしめたと思いますが、その点いかがでございますか。
#66
○政府委員(内藤誉三郎君) 文部省の調査が正確であると私どもは信じております。
#67
○矢嶋三義君 文部省の調査が正確であると信じている、この前ここにおいでになった参考人が明言されましたね、そういう事実がある、速記録の五ページに出ております。参考人は、直接聞いたと、ここで責任を持って供述されたわけです。あなたは調査が正しいというのは、何の根拠をもって正しいとおっしゃるのですか。
#68
○政府委員(内藤誉三郎君) 愛媛県の教育委員会に照会をいたし、その結果、妊娠中の女子教員四人に対し、校長が転任を示唆して、組合脱退を迫ったことについて調べたところ、指摘されたような事実は認められない、先般大西教育長もこの点はそういう証言をされておりますので、まあ大西教育長の言を信じておるわけでございます。
#69
○米田勲君 関連質問。内藤局長に尋ねるが、僕が大西参考人に質問をした際に、大西さんはこう言っております。時日があまりなかったので、十分な調べができなかったところもあるということを言っている。そうすると、すでに報告をした自身が、ある部分については確信がなくなっている、あの口述は。そうすると、あなた方の手前は、全く愛媛県の県教委を信頼して報告を受けたものが正確であると考えて、われわれにその報告書を提出しただろうが、少なくもあの口述が行なわれたあとでは、今のように断言はできないはずではありませんか、報告した人自身が、報告の内容には自信がなくなっている。そういう口述としているのだから、それを目の前に聞いておったら、あなた今のような正確だと信じておりますということを断言するのは少し言い過ぎではありませんか、どうですか。
#70
○政府委員(内藤誉三郎君) 大西教育長が先般の参考人として呼ばれた際に、非常に緊急の際であり、調査が不十分な面もあると、しかし、大筋においてその私どもの報告については責任を持つ、こう申しておった。特に御指摘になった点で問題になったように、私ども記憶しておりますのは、西教諭の御母堂が大へん病気で重熊であった、その際に西教諭及び母堂について、組合を脱退するように会って話したという事実は、これは愛媛県の調査でも、また人権擁護局の調査でも、この点については食い違いはないわけです。
#71
○米田勲君 食い違って売る、明らかに。
#72
○矢嶋三義君 けしからぬ。これはあなたの文書では、西さんの問題重要なんで、そのとき同席した家人にも西教諭の組合脱退について説得した事実はなく、と、きているのではないですか、同席した家人にも一切会話をしておらず、またその他同席した家人にも西教諭の組合脱退について説得した事実はなく、と、こうある。ところが人権擁護局のは、ともかく話し合いをしたということが出てるじゃないですか。非常な相違ですよ。さらに私この前朗読した、西さんのお妹さんの河野さんからの手紙、これはあなた信用しませんか。――総合判断して、明らかにそういう事実はあったということなんですよ。それで大西教育長は、十分調査してないということを言ったんでしょうが。
#73
○政府委員(内藤誉三郎君) この前問題になりましたのは、今矢嶋委員が御指摘になった点だと思います。で、西教諭及び母堂に対しては、これは双方の調査があって、説得した事実はないということは一致しているわけなんです。ただ、同席した者について意見が違ったわけです。教育委員会の方は、そういう事実はないと、それから人権擁護局の方は、そういう事実があるやに書かれておるわけです。その点が食い違いましたので、この点は再度、大西教育長が調査をいたして、文部省を通じて御報告いたしますと、これははっきりここで明言したわけでございます。ですから私は、今矢嶋委員が指摘された部分について反駁してるわけではないのでございます。
#74
○米田勲君 関連。局長に尋ねるがね、私は、この間の参考人を呼ぶ以前の委員会であなたが今のように断言され、文部省が出した報告書には間違いがない、確信を持ってます、という答弁をしたのなら黙ってますよ。しかし、この間の参考人を呼んで口述をし、質疑応答が行なわれたあのタイムを過ぎてからは、少なくも第三者的な立地で文部省が冷静に考えたならば、これは、県教委から来た報告書は正確だと信頼をしておったけれども、どうも参考人等の話を聞いてみると、不正確な部分があり得るな、ということは当然考えてしかるべきなんだ。だから、あの参考人を呼んだ以前の日にあなたが断言をすることについては私も黙っていますけれども、今日の委員会になってもまだ、文部省の出した報告は正確だと、そういう言い切り方は納得ができない。少なくも、調査をしてみなければ何とも言えないということぐらいは出てきてるでしょう。そうしたら、あなたが先ほど断言したのは言い過ぎでないですか。そういうものの言い方をするから、こうこんがらがってくる。すなおに、あの参考人の話を聞いて、少なくもこれは、信頼すべきものと思っていたが、再度調査をしないというと誤っている点があるかもしれないという個所もあった、というぐらいの答弁があれば、私もすなおに聞いてますよ。しかし、あなたのさっきの言い方は何ですか、あれは。ぽんと突っ放すように、おれらの出したものは正確だと。そういうけんかを売るような態度で出てくるから、だからそうじゃないんじゃないかということが始まる。どうですか、あなた、もう一ぺんその点について答弁して下さい。
#75
○政府委員(内藤誉三郎君) この前、私も大西参考人及び教職員の方々からの陳述は聞いておったわけでございます。そこで、数カ所につきまして、矢嶋委員の御指摘に対して大西教育長が再度調査をすることを約し、文部省を通じて報告いたしますと、こう申しましたその部分については私も完璧なものとは思っておりません。ですから、再度調査報告が出た後に真相が明確になるものと、こう思っているわけでございます。
#76
○矢嶋三義君 この手紙に信憑性ないですか、あなたが判事となって判断した場合に。――この西さんの妹さんの河野さんの手紙は作られたものでも何でもない。作ろうと思っても作れないですよ。事情がわからないので。何のために法務局におねえさんが呼ばれたんですか、何が重大なんですか、それがわからぬから詳しく知らしてほしいという条件で、当時の実情を書いてあるわけですね。これと人権擁護局のこの調査から、ともかくまくらべで、小山さんという親戚の女の先生と、それから西さんのお妹さんの河野さんを相手に、ともかくおねえさんが組合を脱退してほしい、勧めてほしいということを話したということは、これは普通の良識のある人ならば、総合判断からしてそういう事実があったと判断せざるを得ないと思います。その点は、あなたはどう判断しますか。
#77
○政府委員(内藤誉三郎君) これも大西教育長が今再度正確に調査を進めておりますので、その調査の結果を待って判断いたしたいと思います。
#78
○矢嶋三義君 あなたは大西教育長、大西教育長と言いますが、大西教育長は、こちらから調査がいったたびに末端機構によって先生方を押えつけて、曲がった報告を集めようとしている。この前、委員会に参考人としてお見えになったときには、参考人ですから、私は討論をしなかったのですが、私は委員長を通じてはっきり批判、指摘してもらいたい。大西教育長がとぼけて要点を得なかったのは、教育長にあるまじき私は参考人の態度であったと思うのです。ことに二月十五日に全県下にわたって教職員組合と教育研究協議会の員数を校長に報告させたのです。現に校長は報告させられたと言っている。ところが、この点は関知しないと、この前述べている。事務局の仕事で関知しない。そういうことは、小さな県の教育行政であり得ませんよ。そういうことを全県下に二月十五日を限って報告させた。それを前にして、学校長並びに主事を通じて組合脱退の勧告が猛烈に行なわれた。その事前において、さらにその結果を教育長に報告しないということはあり得ません。もし、そういう教育行政が愛媛にあったとするならば、支離滅裂たる愛媛県教育行政だと、その角度からも批判しなくちゃならぬ。これを大西教育長はぼかしている。また、井村夫妻の人事異動の件、これは三月三十日、私は本委員会で指摘した。その晩あなたは電話を入れてくれるはずでした。その電話を入れたことによって、愛媛県教育委員会は御夫妻とも転任するけれども、別居しなくていいという電話があったということを本委員会であなたは答弁している。しかも、速記録に載って、愛媛の新聞にもこの問題は出ている。そしてあの案件について教育長は参考人として国会に呼ばれたわけです。当然、自分で関心を持ち、部下から聞いてくるべきじゃないですか。ところが、この前参考人として来て、井村夫妻のことについては私は関知しない。そういう一体教育長がありますか。私は、参考人だから、あのとき討論になると失礼だから申し上げなかったのですが、批判いたします。さらに、教育研究協議会に二十五万円の補助金がいっている。あの人が判をついて内申して補助金がいっている。教育研究協議会にあなたが任命した全県下の先生方が、組合員であろうとなかろうと、これに入るのが望ましいとお考えになるのか、それとも組合員は排除する形が望ましいと、どちらにあなたはお考えをお持ちになっておられるのかというのに対して、意見を述べない。意見はないと言う。意見がないなら、なぜ二十五万円の補助金の申請をするのですか。補助金を出してほしいと国に申請をして、補助金を受けて支給する以上は、その団体に対して何らかの助言なり、その会の成り行きというものを見守る、これは責任があると思うのです。その立場にある教育長が、組合員が排除されるのと排除されない場合と、どちらが望ましいかどうかという点については、私は意見を述べません。そんな無責任な教育長がありますか。批判します。私はなぜそういうような補助金を出すのか、私は国民の一人として、国税を納税している者としても、審議権と調査権を持っている一議員としても容赦できない。さらに、もう一つ指摘しておきましょう。大西参考人は、二月十五日を前に、校長さんが盛んに脱退勧告をした。愛媛県の教育界あげてこれは県民の間において風評になったのです。そしていろいろなトラブルが起こったのです。ところが、校長がそういう話しかけをした云々ということは、私はそういうことはあったと思わないし、知らぬと答弁している。言語道断と思うのです。私はこういう大西教育長の態度と、あの参考人のこの口述態度というのは問題がある。その大西さん、大西さんとあなた言っているんですからね。私はこの西先生の事件については、人権擁護局の調査と西先生のこのお妹さんの信書、これによって、増田教頭さんはまくらべで脱退勧告を、そういう話をしたことはれつきとした事実です。間違いない。それを増田教頭は否定する説明をしている。そして愛媛県教育委員会を通じてあなた方に報告がきて、国会にその調書が出ている。あなた方、愛媛県教育委員会に遺憾の意を表すべきです、これについて。あなた方の答弁次第で、私はあらためて本委員会に増田教頭と西先生の妹さんの河野さんを、参考人としてでなくて、証人として喚問することを提起いたします。問題を明白にする必要があると思うのです。いやしくも一校の教頭が虚偽の供述をして、そうしてその県の教育委員会並びに文部省を誤らしめ、誤った資料を国会に提出して、そうしてその調査を混乱さしていることは教育者にあるまじき行為だと思う。だから、増田教頭が虚偽を言っているのか、それとも西さんの妹さん、さらにこの席には小山さんという西さんの親戚の先生も同席をしているのですから、単数でなくて複数なんです。だから、参考人としてでなくて、証人として喚問をして公述してもらうと明白になると思う。私はそういうことを要さずに、増田さんがそういう勧告をしたと良識をもって判断いたします。あなた方どうしてもそういう判断できないとあれば、私は証人として喚問して黒白をはっきりすることを委員長に要求いたします。文部大臣いかがですか。
#79
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 政府委員からお答え申し上げます。
#80
○政府委員(内藤誉三郎君) ただいまの西教諭の件につきましては、大西教育長が再度調査を承諾しておりますので、その調査の結果を見たいと思うのでございます。
#81
○米田勲君 全く判断できない、今の段階では。
#82
○政府委員(内藤誉三郎君) また、今の段階では、判断するには資料が不十分だと思いますから、せっかく大西教育長がこの委員会で、再度調査して報告すると言っていましたから、その報告の結果を待って判断をいたしたい、こう申しているわけでございます。
 それから、大西教育長が二月十五日に一斉調査をしたのが知らなかったという事実でございますが、これは私もよく調査してみなければわかりませんが、職員団体その他研究団体の構成員その他について文部省が定期報告をさしておりますので、多分二月十五日にやったのではなかろうか。そこで大西教育長がこのことを意図的にやったという意味じゃなくて、下から上がってきたからそれを判を押した、こういう趣旨ではなかろうか。この点は再度調べてみたいと思っております。
#83
○矢嶋三義君 まあ、あなた、調べてというなら、それはそれなりに、あなたのなんだから認めますが、しかし、人権擁護局のこの調査とこの信書を総合的に判断することができないということについては私は遺憾に存じます。それを指摘しておきましょう。
 それじゃ、文部大臣に伺いましょう。浜見教育委員、あの方が、組合を脱退すれば、真珠養殖に必要な研修旅費をとってやるよ、組合を脱退しなさい、こういうことを話されたのが事実だと、あなたは判断されましたか、それとも、別の判断をされましたか。あなたの判断をお伺いいたしたいと思います。
#84
○国務大臣(荒木萬壽夫君) いずれとも断定的に私としては結論を出し得ません。
#85
○矢嶋三義君 私は、この浜見委員の、あの参考人の口述態度には問題があると思うのです。参考人ですから、敬意を表してあの際は触れませんでしたけれども、私はここで指摘をいたしておきたい。そのいかんによっては、委員長・理事打合会の結果にも影響すると思いますから申しますが、ともかく酒席であったにしろ、そういうことを話されたということは私は事実だと判断いたします。それはおいでになった梶原、本田参考人がここで明確にお答えになっている。そうして校長さんも一緒で確認している。そのときに、浜見さんもそういうことを認めておられる。そうして私が三月二十日に調査に行って、三月三十日から国会で問題になってから、浜見さんは何とか水に流してもらえぬだろうかということを話しかけている。浜見さんみずから認められた。四月八日の入学式のときに、校長さん、本田さんと話しているわけです。そのときに本田さんは、その事実はあったけれども、この問題は水に流そうといっても、もう社会党あるいは日教組の問題として吸い上げられていっているから水に流せないのだ、こういう意味のことを本田さんが言われているわけです。それを浜見さんは記憶ない――最近酔っぱらい法律ができましたが、教育委員として私は不適格だと思うのです。記憶がない、記憶がないと逃げている。そうして最後に、米田委員から猛烈に指摘されたけれども、これは日教組、意地のために水に流せぬのだと言った。とんでもないことを言っていると思うのです。校長さんを中にし、数人の人が確認をしている。一対一じゃないのですよ。何人かがおってそれを確認し、あとでまた確認した。そうしてこれは社会党、日教組の問題にまでなっているから、今は水に流そう、白紙にしようといってもできないのだと、こういう話まであった。そのことを参考人としてこの席に来て、そうして知らぬ、存ぜぬ、記憶がない、こういうことを述べておるわけです。私はあったと判断いたします。もしもその記憶がないということが愛媛県の新聞に出て、それを先生が見たら、あの教育委員はひどい男だ、そういうことを言うのかといって、一ぺんに私はその教育委員は、先生方から不信を買うと思うのですね。非常に私は問題がある口述だと思う。内藤局長は、酒の座にしろ、そういう発言があったであろうと判断しますか、それとも、なかったと判断されますか、あなたの判断力から伺いたいと思います。
#86
○政府委員(内藤誉三郎君) まあ、酒席でございましたから、おそらく浜見さんもめいていしていらっしゃったんだろうと思うし、まあ、どういうことをおっしゃったか記憶がないと、こういうふうにおっしゃった。まあ、他方の方の証言を聞いてみますと、どうもおっしゃったんじゃないかというふうな気もするわけなのでございます。まあ、いずれにいたしましても、酒の席のことでございますから、私はそう追及されるのはいかがかと、少なくとも公式の席でそういうことがあれば、これは私問題があろうかと思うのですけれども、お互いに酒席で雑談をしたということは、まあ、片方は記憶がないと言っている、片方は言ったと言っておりますので、どうも先生方の意見を聞いていると、言ったのじゃないかというふうな私は率直に感じを受けたのです。
#87
○委員長(平林剛君) 矢嶋委員に申し上げますが、大体お約束の時間が参りました。
#88
○矢嶋三義君 もう二、三点。文部大臣に伺いますが、前提があります、酒席でそういうことをおっしゃったという前提があります。この愛媛県の教育委員会で、組合を脱退する、しないといろいろな問題があり、そういう状況、環境下に教育委員というお方が、先生方を相手に組合を脱退しなさい、脱退したら真珠養殖の旅費等とってやるよ、こういうふうに酒席であろうがおっしゃるような教育委員さんの言動というものは、好ましいでしょうか、好ましくない、改めていただかなければならぬ事柄でございましょうか、いかがでございますか、あなたの御判断は。
#89
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 好ましくないと思います。
#90
○矢嶋三義君 そこで、四月六日の速記録の八ページ、ここであなたは同様の答弁をいたし、それから四月六日の速記録の七ページでそういう発言があったり、あるいは組合におると危険だから組合を脱退しなさいと、そういうような、組合員なるがゆえに不利益な取り扱いを受けるような事柄があるとすれば、これは地方教育行政の組織及び運営に関する法律の五十二条に基づいて措置要求をするに値することだ、で、調査した結果によってしかるべく処置いたしたい、こういう答弁を四月の六日に私になしておるのです。速記録の七ページにその記録が残っております。従って、参考人の口述と、本日の質疑応答でも明確になって参ったわけですが、愛媛県教育委員会に何らかの措置要求をしなければならない、かように私は考えるわけですが、文部大臣はいつどういう内容の措置要求をすることが適当だと今お考えになっておられるか、お答えいただきたいと思います。
#91
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 指摘されましたことが真実であるならば、適当な措置をしなきゃならぬと思いますが、いつどういうことをするかということは、前提そのものをもっと断定できるようなところまで捜査しなければ行動できないかと思います。
#92
○矢嶋三義君 だから、私は冒頭に伺いましたね、総括的に。少なくとも愛媛県の先生方が教職員組合に残っているがゆえに不安焦燥にかられている、そしてお互いに不信感で結ばれている。望ましくない雰囲気に愛媛県教育界はおおわれている。このことは私はどなたでも感じられたと思うのですね。だから、そういう角度から、その原因はどこにあるかということが、この速記録、それから先般以来私が質疑いたしました速記録を、良識を持って見れば何らかの判断が出てくると思う。文部省は何らかの愛媛県教育委員会に意思表示をし、助言と指導をすべきだと思う。この五十二条には、「違反の是正又は改善のため必要な措置を講ずべきことを求めることができる。」と書いてある。「違反の是正又は改善のため必要な措置を講ず」ること、違反事項は、さっきも大臣一、二認められました。あります。それから、あったかなかったか。たとえば西さんのお母さんのまくらべに増田さんがおいでになって、あることを話したか話さなかったかということは、資料によって総合判断することができる。あなた方はそういう意味で、どういう判断をなすったかということを伺ったわけです。早急に愛媛県教育委員会に、行政府として是正と改善のために役立つような適切なる助言と指導、措置要求をなさっていただくことを強く私は要請をいたします。いかがですか。
#93
○国務大臣(荒木萬壽夫君) いろいろと措置をするにつきましては、具体的な確たる事実をつかんでしかできないかと思いますので、そういう意味においてはもっと検討をする余地がありそうにも思います。その意味において検討した上で善処したいと思います。
#94
○矢嶋三義君 委員長の要請がありますから、簡単にあと二点伺って一応終わります。
 その一つは、文部大臣、先般、同僚委員から質疑がございましたように、研修会のあの教材、それから「若人の泉」という発刊物の内容、これらから、愛媛県の教育行政に百歩私は譲って申し上げますが、やや中正を欠く右翼偏向的なものがあると認定されると思うのですが、大臣の御所見いかがでしょう。
#95
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 私自身明確にすぐお答えできません。と申しますのは、「若人の泉」を御指摘になりましたが、そのものを私自分で見ておりませんので、御質問に対して今すぐ明確にはお答えできかねます。
#96
○矢嶋三義君 それでは、少しやわらげて伺いましょう。あなたもおっしゃいましたように、これは憲法知らない、ばかじゃなかろかと衆議院で答弁されたのですね。そういう内容も含んでいるのですね。君臣の義とか一連のものが出てきているわけです。憲法否定的な言葉もちらちらと出てきているわけです。あの教材を見ますと、文部省の職員が資料をこしらえるのに苦労したように、ともかく印刷物ごらんなさいませ、瞥見しただけでもやや片寄り過ぎている。あなたの立場に立って、かなりやわらげて伺いますよ。片寄り過ぎている。偏向性のおそれがある。今あなたが持っている素材で、それだけの判断はつかれていると思いますが、いかがでしょう。
#97
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ちょっと具体的な内容を今はっきり記憶いたしておりませんものですから、誠意のある結論的なことはちょっと申し上げかねますけれども、いずれにしろ、右翼であれ、左翼であれ、偏向したようなことを宣伝がましく研修の場でしゃべったりすることは適切でないとむろん思います。
#98
○矢嶋三義君 あなたはよっぽど極右だね、よっぽどスタンダードが右に傾いているのだね、その答弁ができぬとは。そういうことは、これは水かけ論になるから、これでとめます。
 もう一点は、特に本委員会でも要望したのですが、文部省としても愛媛県教育委員会に調査を依頼し、その資料提出を求めているわけですから、行政府も非常にこれは関係があるわけですから、見守っていただきたい。それから助言と指導を与えていただきたい。そのことは、ここに参考人として出席された梶原、本田両先生並びにこの審議中に具体的に名前が出て参りました西先生、それからその御親戚の小山先生、これは人権擁護局の調査にも出ている小山先生、それから井村御夫妻、こういう方々に、大小にかかわらず、国会でこの案件を調査したことにからんで特殊な見方をし、特別扱いをし、何らかの圧迫が加わっているというようなことは許すべからざることだと思うのです。だから、そういうことのないように、このことは本田さん御自身非常に危惧して御遠慮なさって口述されておりましたが、ないように文部省としても今後の成り行きを見守っていただきたいし、適切なる助言と指導を行政府としても私はしていただきたいことを強く要請すると同時に、その必要があると考えるのですが、文部大臣の御所見を承ります。
#99
○国務大臣(荒木萬壽夫君) たびたび申し上げますように、法規の命ずる事実ありせば、むろん適当な措置を講じなければならぬと思います。
#100
○矢嶋三義君 で、最後にあらためて資料の提出と私の要請を申し上げておきます。
 速記録の十四ページに出ておりますが、増田教頭の件につきましては、大西参考人は調査して報告書を提出すると相なっておりますので、この報告書が出たならば、直ちに委員長を通じて本委員会に出していただきたい。
 それから同じ速記録の十四ページに残っておりますが、二月十五日に愛媛県教員組合と愛媛県教育研究協議会の人員について調査したことについて、大西教育長は関知しないということでありましたが、全県的にそれを調査し、その二月十五日を前に、各校長さんは全く競争意識を持って部下教職員に脱退の勧告をしております。従って、この十五日現在の数字というものは愛媛県教育委員会に集約されているはずです。で、これを愛媛県教育委員会から資料としてとって、それを本委員会に提示していただきたい。
 それから、井村夫妻の問題については、大西教育長は関知しないということを述べられましたが、本委員会の調査と非常に関係がありますので、井村夫妻が城辺町周辺から非常に不便なところに転任させられております。これはおそらく大西参考人は帰任して調査なさっておることと思いますが、その調査に基づくものを本委員会に資料として出していただきたい。それから、大西参考人は緑小学校の女先生さんに校長さんが脱退を勧告した、現実にその後そういう先生方は脱退しておりますが、参考人は責任を持ってそういう事実があることを聞いたと口述いたしました。これも調べてみるということでありましたから、報告書が参るでしょう。参ったならば、本委員会に提出していただきたい。それから、愛媛県教委と連絡をとる場合、大西教育長に対して、ゆがめられない、正しい真実を十分調査して出していただくように特に要望しておいていただきたいと思うのです。先般の本委員会における参考人としての供述態度等について私は先刻批判いたしましたが、非常に問題があると思う。
 最後に、先ほど申し上げましたが、今後の調査に対する報告次第では、私は増田教頭、それから西先生のお妹さんである、この信書の主人公である河野さん、それから同席した西先生の御親戚の小山先生、この三人を証人として本委員会に喚問して事の明白を期していただくように委員長に御要望申し上げるとともに、私はそういう証人喚問に至らずに、ともかく事態が明白になることを心から期待をいたしまして、以上をもって本日の質疑を一応終わりまして、あとは委員長・理事打合会でいろいろ御協議下さるそうでありますから、その委員長・理事打合会の協議の結果を待って、あらためて質疑者の態度を決定いたしたいと思います。
#101
○委員長(平林剛君) 午後は二時四十五分から委員会を再開することとし、休憩をいたします。
   午後一時四十五分休憩
     ―――――・―――――
   午後三時六分開会
#102
○委員長(平林剛君) ただいまから文教委員会を再開いたします。
 教育職員免許法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の通告がありますので、この際発言を許します。
#103
○豊瀬禎一君 議事進行に関して。先ほどもちょっと私語いたしましたように、本法案は中学校等にも、高等学校等にも関係がありますが、内藤局長不在のようですが、どういうことですか。
#104
○説明員(木田宏君) 実は大へん恐縮なことでございますけれども、昨日と今日と引き続きまして、都道府県の教育委員長並びに教育長の春の総会が開かれております。初中局関係の説明事項もかなりたくさんあるのでございまするから、ぜひ出席をということで、朝来要求されておりました。国会の御審議の事情等も勘案いたしまして、何とか午後にでもできるだけ都合するようにしたいということで申しておりましたが、午後やむを得ずそちらの方に出席いたしておる次第でございます。
#105
○豊瀬禎一君 かなり重要な用件のようですので、欠席しておられることについではとやかく申しませんが、適当な時刻には本法案審議に支障のないように帰ってみえますか。
#106
○説明員(木田宏君) 国会の御審議のことでございますから、向こうの事情もつき次第、できるだけ都合させていただくように取り計らいたいと思います。
#107
○矢嶋三義君 それに関連して。総務課長、えらいまずい答弁したね。そういう答弁されたのでは因るのだな。ちょっと速記とめて下さい。
#108
○委員長(平林剛君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#109
○委員長(平林剛君) 速記をつけて。
#110
○千葉千代世君 私は前回に引き続いて免許法の中で技術の強化について伺いたいと思いますけれども、その前に、二十一日の新聞に、池田長官が文部省に対して出した勧告の結末がついたというようなことが新聞にございました。朝日にございましたのです。その内容を見ていきますというと、私学の増員をたくさんしたから、生徒増をことしはうんとしたから、所期の目的は達したから、これで結末をつけるというように声明にあったわけなんです。私は非常に心外に思ったんですね。そうすると、あの勧告というのは、私学の増員をしたいためのゼスチュアかと受け取られてもやむを得ないのじゃないかと、こんなふうに考えたわけなんです。この委員会で答弁されました池田長官の、ほんとうは技術者が足りないから云々という本旨というものが、私学増員をするためのあれであったかということを考えるときに、非常に心外ですが、池田さんのこの声明に対して、文部大臣は御一緒に了解して、ああいうように出したのでございましょうか。
#111
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 声明を出すにつきまして、打ち合わせしたことはむろんございません。ございませんが、ついでですからちょっと申し上げさしていただきますが、毎度申し上げましたように、科学技術庁長官の勧告が、主たる目標は、今後に向かって予算の措置を伴うならば、三十七年度以降、また立法措置を要するものは三十七年度以降を目ざして、長きにわたって技術革新に応ずるような備えをするために万全を期せよというのが主眼であったと了解いたしております。そういうふうに何度も申し上げたと記憶いたしますが、従って、あの声明に御指摘のようなことがあったように思いますけれども、これはむしろ何と申しますか、付随的な表面の問題でございまして、実情をありのままに指摘したというところだろうと、私は受け取っておるのでございます。何も私学の入学者をふやす目的で勧告されたとは、私どもは受け取ってもおりませんし、またあの勧告の趣旨そのものは、ごらんいただきますとわかりますように、今私が申し上げたのが主眼であって、そのことは毎度けんけん服膺するという気持を披瀝いたしておりますことによって、大部分の目的が達しておる、こういうふうに私は理解いたしております。また、池田長官もそういう考えだと思います。
#112
○千葉千代世君 私は、官学とか私学を問わず、日本の教育の中で、工業教育についてこれこれだという結論を出された。それに対して、文部省と科学技術庁との間の話の中で、いろいろやりとりございましたけれども、これはやはりともに日本の教育を個々に憂うる立場で、意見の違いは違いとして、それは話し合っていく中でよいものを生み出していく。こういう意味で、私は謙虚に御両者の意見を拝聴しておったわけです。しかし、あの声明を見て、私は非常にがっかりしたのです。官学対私学というようなにおいがずいぶんあることと、それから池田長官が一人相撲をとって、おれの方は目的を達して勝ったから、一応これで引き揚げて結末をつけようかというような、これは大へん推量がはなはだしいのですけれども、そういうように受け取られる文章であるわけです。私は、これは今後の日本の教育行政に非常に問題を残すと思います。そこで大臣に伺いたいことは、官学対私学という、こんなけちな考えではなくて、総合的に官学、私学を含めて、日本の教育行政をこれからもやっていくという強い所信をいただきたいと思います。
#113
○国務大臣(荒木萬壽夫君) もちろんお話のように、官公私立の扱いが差別があってならないと思います。この三つの種類の学校を通じまして、ほんとうに日本の将来のためになる教育がいかにあるべきかという角度から、懸命に努力すべきものと心得ます。今申し上げましたように、むろんその意味において、科学技術庁長官としての立場、見識から総合的に前に向かっての勧告であろう、あくまでもそういう趣旨であることには間違いございませんし、そう受け取りまして、努力を続けていきたいと存じます。
    ―――――――――――――
#114
○委員長(平林剛君) ただいま委員の異動がありましたので、御報告いたします。
 井川伊平君が委員を辞任され、その補欠として鍋島直紹君が委員に選任されました。
    ―――――――――――――
#115
○矢嶋三義君 関連して。ただいま千葉委員から問題を提起されたわけですが、いずれ私は科学技術庁長官を本委員会に御出席をいただいて、十分に納得のいくまで承っておきたいと思うのですが、せっかく千葉委員から今提起されましたので、一、二点伺っておきたいのですがね。あの政令が出るについては、あなたのところには連絡なく出されたということですが、この前の審議の経過からいって、文部省は十一大学等を中心に十分調査して、そうして何らかの回答を池田長官に文部大臣からすることになっておったわけですが、その回答はしたのかしないのか、したとすれば、どういう回答をしたのか、していなかったならば、いつごろ回答しようとなされておられるのか、お答えいただきたい。
#116
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 十一大学につきまして調査しまして、一応それは調査は終わりました。その調査された結果に対して、文部省として具体的にどう措置するかということにつきましては、実は従来基準として守り続けてきておりました大学設置基準というもの、そのものの、少なくとも運用の十年この方の慣行を変更するという必要にも迫られましたので、そのこと自身が相当検討を要しますために、具体的な結論がまだ出し得ないでいる状態でございます。従って、まだ科学技術庁長官には具体的には連絡はいたしておりませんが、ただ勧告そのものからは当然回答を要求されてもおりませんのみならず、勧告そのものが文部省の責任において処理すべき事柄を含んではおりますが、そのこと自身回答をするという当然の性質は持っていないようにも理解いたしております。ただし、委員会等における審議の過程において御指摘がありました意味において、連絡はいたすべきものとは思いますが、最初に申し上げました通り、もっと基本的に検討を要する問題と関連いたしますものですから、最終的なことはまだ連絡できない状態にございます。
    ―――――――――――――
#117
○委員長(平林剛君) 審議中ちょっと恐縮でありますが、ただいま委員の異動がありましたので御報告いたします。
 宮澤喜一君が委員を辞任されて、その補欠として後藤義隆君が委員に選任されました。
 以上です。
    ―――――――――――――
#118
○矢嶋三義君 一、二問続けさしていただきますが、私の伺っている点にお答え願いたいと思うのですが、勧告そのものについては回答を要求していない、それはその通りです。しかし、何らかの話し合い、回答をするというのは、これは文章以前の常識だと思うのですね。ことに委員会の調査の経過からいって、池田長官は文部大臣の回答を期待して、また文部大臣はどういう調査をして、池田長官にどういう回答をしたという内容について、本委員会に後刻説明をしなければならない立場に、調査の結果から相なっていると思うのです。従って、いつそれをなされようとするのか、お答えいただきたい。
#119
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 今申し上げましたように、なるべく早く結論に到達いたしまして、その結果を連絡をしたいと思います。
#120
○矢嶋三義君 両大臣の論争の焦点はなるべく早くというのが、いつになるのかというのが問題であったわけです。だからあなたの面前で、あなたの部下に対して、池田長官は何ぼやぼやしているのだ、でたらめ言うな、こういう言葉を浴びせられた過去の経過もあるわけですね。だから、そういう経過を顧みるときに、行政府のあなた方は、われわれ立法府に対して一日も早くその回答をする責任を負わされていると思うのです。一週間以内でありますか、お伺いいたします。
#121
○国務大臣(荒木萬壽夫君) はっきりと日限を限っては答えが困難でございます。一日でも早くと思っております。
#122
○矢嶋三義君 いずれ池田長官においで願って、調査を継続して、終結を本国会中にいたしたいと思っておりますから、その場合に必要な資料を要求いたすと同時に、お伺いいたしますが、一体何ですか、文部大臣は国立にしても、公立にしても、私立にしても、工業系統の学生が何名入学して、何名在籍しているかということを把握していないで、一国の文教政策は責任持って遂行できるのでしょうか、どうでしょうか。お二人がそろわれて、池田長官はあたかもあなたをからかうがごとく、すでに二倍も三倍も定員外に入っているよ、私の勧告は目的を達しましたよ、おそろいで並んで、あなたをあたかもやゆするがごとき態度で、そういう答弁を速記録に残されているのですがね。一国の文教の責任者として、本年度大学に何名入学したのか、所得倍増計画との関係から理工系の学生の何人の入学があって、現在何人入学したということを把握していないでよろしいでしょうか。把握しているのか、していないのか。池田長官から、大臣あなたそんなこと言うが、把握していないじゃないかと、あたかもからかうがごとき言葉を浴びせられているわけです。そういうことで、一体内閣は責任を持てるのかどうか。その点に対する答弁と、それから、次の機会にこの調査を終結するにあたって、文部省がつかんでいる国立、公立、私立学校の本年度の入学定員について、文科系と理工系と医科系と農科系という格好で、資料として本委員会に提示願いたいと思うのです。質問と資料要求とお答え願います。
#123
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 遺憾ながら正確には把握いたしておりません。正確に把握できない状態で、むろん十分でないことを万々承知いたしますが、現実問題として何十何人の末に至るまでの正確な把握は、従来の実績からいたしまして不可能でございます。それではむろんいけないと思いますが、これにはどうしても私学の協力を得て正確な報告、連絡をもらわないことには困難なわけであります。ただし、入学定員設置基準に基づきましての今日までの定員というものは、把握できるのが当然でありますが、しかし、従来何も、弁解がましくておそれ入りますが、あえて弁解のために申し上げるのではなく、ありのままを申しますれば、入学定員は今申し上げますようにはっきりいたしますが、毎年指定統計が発表されるわけですが、法律に基づいての報告の結果と、文部省が正式に把握しております入学定員と相当の開きがあるようでございます。しかも、実際はその指定統計の数字以外に何がしかの、いわゆる俗称やみ定員と称しておりますものがあるやに承知いたしております。その部分が掌握できないわけでございまして、まことに残念には思います。今度何とか完全に掌握できて、その基礎の上に立っての具体的施策が行なわれるのでなければ適切でないと心得ているわけであります。
#124
○矢嶋三義君 もう一つ、一けた、二けたの誤差は当然でやむを得ないです。しかし、理工科系だけに限定しても三けたも四けたも数字のつかみ方が狂っているというようなことでは、私は計画的な人材養成というものはできないと思う。これは文部大臣の責任であると思うんですね。そうして同じ内閣の閣僚からからかわれるようなことでは困ると思う。どっちが悪いか知らぬけれども、われわれ国民の側からすれば、重大な問題ですよ。これはいずれ池田長官に聞きたいと思いますが、きょうはそれだけ指摘しておきたい。
 もう一点伺っておきたい点は、先ほど盛んに大学の設置基準、慣行等を申されたわけなんですが、現状に即するように基準を再検討し、そうしてそれの完全実施をしなさいよ。この前荒木、池田対決が紙上に載ってから、私のところに五、六通投書がきているんですがね、いずれ私はそれを審議の対象にしたいと思うんですが、一言だけ承っておきますが、この大学の設置基準、学部等の新設について、設置基準にからんで贈与、供応が行なわれている。だからある大学のごときは、教授等は架空の人物がいる。その裏に贈与やら供応が行なわれているという投書が五、六通きているんです。そういう事実があるのかどうかですね。あるいはあるかもしれぬというような認識に立っているのか、絶対そういうことはないと自信を持って言い切れる状況にあるのか、きょうのところは、それだけの答弁を大学局長に承っておきたい。
#125
○政府委員(小林行雄君) 学部の新設あるいは学科の増設等に関連して審査に当たります設置審議会の委員、私大審議会の委員等が贈与あるいは供応を受けているのじゃないかということでございますが、私どもといたしまして、現在のところ、そういうことはないと思っております。かつてそういううわさが十年くらい前に出たこともありますが、最近においては私どもはそういうことを存知いたしておりません。
#126
○千葉千代世君 技術の教科について伺いたいと思いますが、今度の改正案の中に、図画工作またはその職業の教科についての中学校教諭免許状を有する者で、文部省令で定める技術の教科に関する講習を終了した者に、技術の教科についての中学校教諭二級普通免許状を授与するとございますが、なぜこの技術の教科を設けたか、その理由を説明していただきたいと思います。
#127
○説明員(安養寺重夫君) すでに御承知かと思いますが、昭和三十七年度実施の予定で中学校の学習指導要領の全面的改訂がございまして、その際、従前職業家庭科という必修教科がございましたが、それを内容を多少改めますと同時に、教科の名称も技術家庭科ということに改めたわけでございます。従って、現在免許教科でございます職業を技術というふうに置きかえていきたいという点からでございます。
#128
○千葉千代世君 この内容は、具体的に、たとえば農業の方を減らすとか、商業をゼロにするとかいうことを聞いておりますけれども、実態はどうなんでございましょう、技術の教科の内容でございます。
#129
○説明員(安養寺重夫君) 今度設けられました技術家庭科の内容でございますが、これは……。
#130
○千葉千代世君 技術科という科を設けたわけでしょう。
#131
○説明員(安養寺重夫君) 技術家庭科という教科を設けたわけでございます。この内容は、男子向きの内容と女子向きの内容という工具に二つに分かれております。男子向きの内容は、三年間のうちに設計、製図、木材加工、金属加工、栽培、機械、電気、こういうような学習を中心にしております。女子向きの内容といたしましては、設計、製図、あるいは従前ございましたが調理、被服製作、こういうものと家庭用の機械、電気に関する学習をさせるというような形になっておるわけでございます。
#132
○千葉千代世君 ごれは三十二年にすでに教科がかえられておりますね。
#133
○説明員(安養寺重夫君) 中学校学習指導要領改訂自身は昭和三十三年に行なったわけでございます。
#134
○千葉千代世君 そうすると、今まで免許状をかえていなかったわけですね。今度改正案が出たわけですね。そうすると、指導要領その他かえられておって、免許状と教科課程の間はかなりあいておりますけれども、これは免許法違反じゃございませんか。
#135
○説明員(安養寺重夫君) 先ほど申しましたように、中学校学習指導要領の改訂自身は昭和三十三年に行なったわけでございますが、新しく改訂されました学習指導要領が実際に各学校で行なわれるのは昭和三十七年度に入ってからでございます。それまでの間、たとえば現在ただいまは従前通りの職業家庭科という学習をしておるわけでございます。
#136
○千葉千代世君 おっしゃる通り、今中学校は三十七年四月一日から実施となっておりますね。そうすると、学校について明記していないようなんですけれども、これはどうなっておるのでしょうか。
#137
○説明員(安養寺重夫君) 高等学校の学習指導要領の改訂は昨年行ないました。その実施というものは昭和三十八年度から学年進行をもって実施をする、かように定めておるわけでございます。
#138
○千葉千代世君 この改正の中に、技術の教科に関する講習を修了した者には技術の教科についての二級免許状をやると、こうございますね。講習は大体どんな規模でなさる予定なんでしょうか。たとえば何週間くらいとか、あるいは何年計画でとかいう、そういう構想がございますでしょう。それを知らしていただきたいのですけれども。
#139
○説明員(安養寺重夫君) 今まで、本年度にまたがる過去三年間の計画で、小学校・中学校学習指導要領の改訂に伴う講習会を開催して参ったわけでございます。特にここで問題になっております技術家庭科の実際やりました講習会について簡単に申し上げたいと思います。各都道府県で主催をいたしまして、男子向きの内容を教える予定になっております、将来教えるべき人、こういう先生方のお集まりをいただいてやりました講習会は、日数にいたしますと、一回が十二日間の講習会でございます。また、女子向きの内容を将来担当すべき先生方にお集まりいただいた講習会は、四日間の期間をもって講習会を実施したわけでございます。
#140
○千葉千代世君 四日ですか。
#141
○説明員(安養寺重夫君) 四日でございます。なお、その内容は、従前、職業家庭科の内容と、今後行なわれるであろう技術家庭科の内容との特に変わりましたような点を重点的にそれぞれ十二日間、あるいは四日間において実施いたした、こういう経過でございます。
#142
○千葉千代世君 そうしますと、今までの講習で四日なり十二日なりした者については、これは免許状を与える資格としているわけですね。講習を受けた者には授与すると、この資格に合致しているわけなんですか。
#143
○説明員(安養寺重夫君) 教材としましては職業家庭科が技術家庭科になりました。従前も職業と家庭という免許状が別々でございましたが、家庭についても講習会自身はいたしましたけれども、免許教科に関する限りは家庭科と同一性を持つと、この点については措置をする必要がなかろう。ただ変わりました職業と技術の関係については、一応免許状教科が変えられてしかるべきである。従って、そのような講習会を三年間のうちに実施いたしました結果を参酌いたしまして、新しく職業の人を技術という、新しく二級免として交付をいたす、かような予定にしておるわけであります。
#144
○千葉千代世君 この技術の教科についてだけ講習をして免状をやると、こういうようにございますね、改正案の中にはね。そうすると、今おっしゃいました、今までした十二日間の講習はこれに当てはまると、こういうわけですか。
#145
○説明員(安養寺重夫君) 大体、そのように予定をいたしております。
#146
○千葉千代世君 そうすると、この講習に全部が出ていないわけですね。技術の教科について希望している教員も全部は出てないわけですね。
#147
○説明員(安養寺重夫君) 今まで三年計画で実施しました講習会の実施計画それ自身としましては、将来その教科を担当すべき先生方のすべてに参加してもらうと、かような形でやって参ったわけでございます。ちょうど本年度が最終年次になるわけでございますが、全員これに御参加をいただいておる、かようにわれわれは考えております。
#148
○千葉千代世君 そうすれば、これからはそれでは講習会をやらなくても、今までのものでもって全部免許状を出しているわけなんですね。これからやる計画はなくてもいいわけなんですか。
#149
○説明員(安養寺重夫君) これは教育課程改訂に伴いまして、三年間全員の御参加をいただくという計画のもとに実施したわけでございます。全員にこういう措置をとれば、一応この際は新しい免許教科を設定いたしましてもこれでいいんではなかろうかというような考え方で、一応全員が措置をされるという考え方に立っておるわけであります。なお、今後いろいろな関係でこういう免許状を取得したいというような人々にとりましては、免許制度の本則に返って大学単位の修得をしていただくと、かような形になるわけでございます。
#150
○千葉千代世君 そうすると、今まで普通法律が改正になりますと、改正されたものが公布した以後、それについての免許法の講習なり何なりしているわけなんですね。ところが、今おっしゃったように、今までにしたものを、これをもってかえるという場合には、省令か何かできめてあるのですか。
#151
○説明員(安養寺重夫君) 免許状取得に必要な単位数、これは法律で規定してございます。その個々の科目及びそれに要する単位というものは、お説のように省令で規定しておるわけでございます。
#152
○千葉千代世君 それは私も承知しておりますけれどもね、改正したのがこれから公布になるわけでしょう、免許状のね。これから公布になって効力を生ずるわけでしょう。そうすると、それ以前にした講習というもの、これをもって充てるという省令はないでしょう。単位は、それはもちろん家庭科その他について単位は何々をもらわなければならないということは、これは免許法に書いてありますがね。新しい教科ができたと、それをわざわざ講習をしなければ免状をやらないようになっておるわけで、その講習は法律の施行以前にしたものもこれは認めるのかどうかと言ったら、認めるとおっしゃったでしょう。そうすると、その省令はどこにあるのかと、こういうことなんです。
#153
○説明員(安養寺重夫君) 職業の免許状のほかに新しい免許教科の技術というものができることに伴いまして、この新しい技術の二級の免許状を出そうとする計画は、本年度を含めた三ヵ年計画の現職教員修了者に対して行なう、かような考え方でこの法案の付則の六項にそういうことを書いておるわけでございます。従って、本年度さらにこういう計画はございますので、これに漏れなく受講していただくということになれば、一応全員に新しい教科の免許状の交付ができる。お話のございましたように、その他のこととして省令等で規定したような過去の例はございません。
#154
○千葉千代世君 私、ちょっとわかりにくいのですがね、昭和三十三年にも学習指導要領の中に、技術の教科の問題について書いてあると、こう言いましたね。免許状ができるのはこれからできるわけですね、技術の。その間は免許状がなくてもいいと言ったのですね。実際効力を生ずるまではこれこれだからこうやってと、そうでしょう。そうすると、法律のできる前にした講習が生きるというのはどういう意味ですかと、こういうわけです。
#155
○説明員(安養寺重夫君) 今度の改正法案の付則の六項に規定しておるわけでございますが、こういった中学校の新しい免許教科の設定というものは三十七年度から実施をするという予定でいたしておるわけでございます。それまでは従前通りでもちろんいいわけでございます。従って、本年度の現職教育の実施を含めて三十七年度の新教科が学校で実際に運用されるまでに間に合えばいいというような考え方に立っておるわけでございます。
#156
○千葉千代世君 この中学校の技術科の必置に伴って予算が相当大幅に増額されなければならないと、こう思っておるわけなんですが、三十六年度の補助の単価が大体三十万で四千四十四校分と、こう計上されておったと思うのですが、これはやっぱり二分の一県の負担じゃないかと思うのですけれども、そうした場合に、これを必置制でやっていきますというと、一学校当たり一般的なものとして文部省あたりではどの程度の設備基準をねらっておるのでしょうか。それを説明していただきたいと思います。
#157
○説明員(安養寺重夫君) ただいまの三十万円一校当たりというお話は、三十六年度予算に計上いたしました産業教育振興法に基づく補助金の中学校産業教育設備費補助金のことかと思います。従前、昭和二十七年度以降、中学校の産業教育の設備充実のために、一校補助金が十五万円、二分の一、従って事業総量にいたしまして三十万円になるわけでございますが、この補助金を二十七年度からずっと続けて参ったわけでございますが、教育課程の改訂に伴いまして、一応そういった補助金を公私立の全部の中学校に文部省としては交付をいたしたいと、こういうような計画を持ちまして、一応三十六年度には、いまだその補助金をもらっていない学校の半分に対しまして、すなわち四千四十四校分の補助金の積算をいたした、かようなことになっておるわけでございます。
 なお、どの程度中学校の技術家庭科を運営するために設備が必要であろうかという点につきましては、一応の文部省の案というものは持っておるわけでございまして、これはそれぞれ学校は規模も大小差がございますし、授業の形態等も男子、女子と分かれるというような多少技術的なこともございますので一がいには申せませんけれども、大体中ぐらいのところで約百万ぐらいの設備は最低必要ではなかろうかというような考え方をして、各府県にも御努力願っているような次第でございます。
#158
○千葉千代世君 そうしますと、設備基準というものは大体文部省のねらっている程度までに上がっていっているのでしょうか、二十七年度から続けておって。
#159
○説明員(安養寺重夫君) 先ほども過去のことをちょっと触れましたのですが、昭和二十七年度からずっとこういうような教科の充実に努めて参っておるわけであります。特に公立の中学校につきましては、義務教育国庫負担金の教材費の国の負担額分もございまするし、なお、大いに充実を要するというような観点から、特別に、それとは別にいわばひもつきの設備充実費というものを出してきたわけであります。私、現在どのようになっているかという詳細はよく知りませんですが、まあ相当これによって充実ができるであろう。なお、この上に教材費等を有効適切に各市町村においてこの教科の発展のために特に重点的に使っていただきたいというようなことも、文部省として申しているような現状でございます。
#160
○千葉千代世君 先ほどおっしゃった産業教育の補助金ですね。これはやっぱり産業教育の補助金という名目ではあるけれども、実際的には中学校の技術科の設定に伴う経費の中に大部分使われているのでしょう。これは一体のものなんでしょう。いかがでしょうか。
#161
○説明員(安養寺重夫君) 昭和三十三年度の改訂というものが学習指導要領自身としてはあったわけでありまして、実施は三十七年からということになっておりますけれども、指導要領の改訂自身は三十三年度からはっきりしたわけであります。従って、それ以後の補助金の使い方、あるいは教材費の使い方、こういうものについては先ほど申し上げましたように、この教科を重点的に取り上げるという形で有効に経費を投入してもらうというようなことでやっているわけであります。
#162
○千葉千代世君 次に、技術科の教員の養成でございますけれども、今、まあ単に講習して、そして技術科の免状を特別やったと、こうございますね。これから技術科の教員の養成をどのようにしてやっていらっしゃる構想なのでしょうか。たとえば大学内でどういうふうに養成していこうとか、どういうお考えでしょうか。
#163
○説明員(村山松雄君) 技術科が発足いたしましても、当面は先ほど御説明申し上げましたように、従来職業科を担当されておった方で講習を受けて新しい技術科の免許状をもらった方で担当していただけば間に合うわけでございます。従って、今後減耗の補充として新規養成の問題は重点的に起こってこようかと思います。それに対しましては、昭和三十三年度の教育課程改訂以降、少なくとも教員養成を主たる目的としております国立の学芸大学教育学部、学芸学部におきましては、従来の職業科の教員養成コースを新しい技術科の教員養成コースにだんだん切りかえることを計画し、実施して参っておるわけであります。それに対しまして、文部省といたしましては新分野の教育は相当設備費なども要ることでありますし、それから教官組織につきましては、従来の職業科は農業中心に参ったのを工業中心に切りかえる必要もございますので、教員組織については改編をしなければならぬといったような事態になっておりますので、まあ大学の計画と対応いたしまして文部省におきましても教員組織の充実に努め、それから必要な設備費の重点的な配分を行ないまして、将来の技術科の教員の新規需要には対応できるようにやって参っております。
#164
○千葉千代世君 そうしますと、かつての青年学校教員養成所というのをお出になった方々は農業を中心にしておもにやった、それで工業方面が不足しているから、これは講習で補ってやる、今後は適当な大学でもって技術を中心とした教育をやっていく、こういうことですか、減耗を補うために。
#165
○説明員(村山松雄君) 今後の問題といたしましては、新しい技術科の免許状の取得要件もきまるわけでございますので、その取得要件を満たすに適切な教育課程を設け、施設、設備を整えて教員養成をやっていきたい、かように考えておるわけでございます。
#166
○千葉千代世君 今度の改正の中で、教科が変わったから免許状を変えた、こういうことは別としましても、やはりこの免許状の体系がくずされていく、こういう非常に心配する面が多いと思うのです。こういう点では私どもは反対でございますが、きょうは質問ですから、免許法に対する質問はこれで終わります。
#167
○豊瀬禎一君 ただいまの千葉委員の質問と関連して、技術関係のことで、技術科のことについてお伺いしたいのですが、なるほど、先ほど答弁がありましたように、三十四年度ですか、指導要領ができて、技術課程が三十七年度に発足する、これはわかるのですが、免許法の中に、今度の改正で見ますと、第四条の第五項の、「中学校の教員にあっては、国語、社会、数学、理科、音楽、図画工作、保健体育、」、この中の保健の間には、保健、技術、体育、こういう名称で免許法の中には入るんでしょう。そう考えていいですか。
#168
○説明員(村山松雄君) 保健の次に、技術、家庭と入るわけです。
#169
○豊瀬禎一君 改正法律案の第一ページの「第四条第五項第一号中「図画工作」を「美術」に改め、「保健」の下に「、技術」を加え、」、これから見ると、今、私が指摘した第四条の第五項の第一号の「保健体育」の中に「技術」という用語だけ入るんじゃないですか。「技術」、「家庭」という用語が入るんですか。
#170
○説明員(村山松雄君) 「保健、」の下に「技術」が入りまして、「、家庭、職業」と続くわけでございます。
#171
○豊瀬禎一君 下のとも読んだのですな。挿入句としては「技術」だけですね、ここは。
#172
○説明員(村山松雄君) そうでございます。
#173
○豊瀬禎一君 そこで、免許法の改正法律案の、ただいま私が指摘したところによりまして、この法律案が通ると、初めて免許法の中に美術、保健、技術、体育、こういったものが入ってくるわけです。そうすると、この免許法の新たな定めによる教科の免許を取得しようとする、何といいますか、作用というか、行動というものは、本法律案が通って後に、新たに免許法に定めるところの必要な科目として行なわれる、こういうふうに解釈すべきではないでしょうか。
#174
○説明員(村山松雄君) 厳密に改正法を適用いたす場合には、新免許状に対する取得要件獲得の一切の行動が、法律改正後に発動するという方法もあるわけでございますが、実際問題といたしましては、今回の改正によって教科名が変更になる免許教科につきましても、従来の免許状の取得要件のもとに免許状を取得すべく勉学中ないしは現職教育中の者もあるわけでございます。そういう従来の努力を一切ゼロにして、改正法施行後新しくスタートということは、実情に即しない点もございますので、この改正以後、新免許教科の取得要件を満たす際には、従来の免許状の取得要件充足の段階をも含めまして運用するように付則を用意してございます。
#175
○豊瀬禎一君 省令の定めるところは、ただいま御回答になった通りでしょう。また、そういった便法も考えられないではないでしょう。しかし、免許法に定めないところの教科に対して、免許状取得の講習会が行なわれるということは本体ではない。免許法に定める教科がきまって、言いかえますると、免許法改正が行なわれて、技術科というものが、技術、家庭というものが挿入され、その免許法に定める教科の免許状をとりたい、またとらせたい、そういう資格を与えたいということで初めて行なうのが至当ではないですか、こう言っておるわけです。
#176
○説明員(村山松雄君) 前段の技術科の問題につきましては、現在行なっております講習は、技術科の免許状取得を目的としてやっているものではなくて、先ほど御説明申し上げましたように、教科改訂に伴う新教科の趣旨徹底のための講習でございます。しかしながら、この趣旨徹底の講習を受けることによって、新しい技術科の指導力をつけ得るという観点からいたしまして、この講習を受けた者につきましては、従来の職業ないし図画工作の免許状を持った者で、この講習を受けた者につきましては、まあ免許状切りかえの手続を非常に簡略化いたしまして、この講習を受講したという事実に即しまして、新しい技術の免許状を授与できることにしようという措置を、この改正法律案でとっておるわけでございます。それから、後段の点につきましては、先ほど御説明申し上げましたように、法律改正以後、一切の新しい措置を講ずべきか、従来の措置も経過的に通算できるようにするかということは、これはまあ当否の問題はあろうかと思いますが、現場の実情に即して、なるべく従来の努力がゼロにならないような措置を講じようと、現段階では考えておるわけでございます。
#177
○豊瀬禎一君 非常によくわかる御答弁をいただいたのですが、指導要領は何という法律の何によって定められておりますか。三十四年改正の指導要領のことです。
#178
○説明員(安達健二君) 学校教育法の小学校のところから準用されておりますから申し上げますが、学校教育法の二十条の、「小学校の教科に関する事項は、第十七条及び第十八条の規定に従い、監督庁が、これを定める。」という規定がございます。で、この規定。それから中学校につきましては第三十八条にございますこの規定に基づいております。
#179
○豊瀬禎一君 従って、ただいまの御答弁のように、定める権限の位置については、小学校については二十条に定めてあります。定めたものは、これは文部省が定めたものです。従って、指導要領が改訂された、それに従って必要な教科について必要な能力を与えていくという配慮については根本的には否定するものではありません。しかし、私は免許状を与えるという角度からだけ申し上げていくと、先ほどの前段の答弁は、措置としてわからないことはないけれども、建前としては、免許法の中に新たに必要な教科が、改正手続がとられる、その科目について必要な講習あるいは履修の措置が行なわれる、これが建前ではないかと、こう言っているのです。それがそうじゃないとおっしゃるのですか、それが建前だとおっしゃるのですか、御答弁願います。
#180
○説明員(村山松雄君) 学習指導要領に定めております教科と、それから教育職員免許法に定めております免許教科とは、これは法体系として別体系できめておるわけでございますので、厳密に申せば全く教育分野を包括しているものでは現在でもないわけでございます。指導要領の教科としては一つであるものにつきまして、免許状の場合には、その包括範囲の観点からいたしまして、二つに分割しておるものもございます。そこで、今指導要領が変わったから免許教科の方も直したということではなくて、免許教科としては一人の先生が学習の指導ができる範囲を適切にきめるという観点できめるべきものでございますが、実際問題といたしますと、なるべく指導要領に定める学校の教科と免許教科とが合致することが望ましいということは言えると思います。そこで、今回免許法を改正する機会に、でき得る限り免許教科の方を学習指導要領に定める教科に合わせた次第でございます。
#181
○豊瀬禎一君 私もあなたの御答弁のように非常にわかりやすく言っているつもりですが、私の聞いているのは、免許状を与えるについては免許法の定めによるべきである。新たに教科が設定されても、免許状を与えるという措置は、免許法の改正が行なわれて、その中にたとえば今回のごとき技術、家庭というものが入れられ、免許法が制定されたから、従って本免許状を取得するためには、これこれの講習会、あるいは養成課程についてこれこれの履修を行なわせる、これが正当の措置でないですかと、こういうのです。だから正当であるかないかとお答えいただければいい。
#182
○説明員(村山松雄君) 建前としましては、免許法改正によりまして取得要件が変わりますれば、その取得要件充足の方法も免許法自体にきめるのが一番筋の通ったやり方であるということは言えると思います。
#183
○豊瀬禎一君 それだけお答えいただければけっこうです。
 そこで、千葉委員の質問に関連して一、二ただして私の予定の質問に入りたいと思うのですが、これは何人といえども免許状取得の方法というのは免許法改正が行なわれてやるのが建前です。ただ、文部省としては昭和三十七年に技術、家庭科が入ってくる。そのために事前に三ヵ年間の日月をかけて養成をしてきた、こういう御報告でしたね。だから私は三十七年に技術、家庭科の教科が実施される際に、それに即応する体制を事前から措置するということについて、いなやを申すのではありません。しかしながら、三十四年に指導要領が改訂されたとするならば、当然そのときに技術、家庭科という免許法の改正が行なわれて、その免許法の改正に基づいて必要な教員の講習あるいはその他の措置がとらるべきが本体ではないか、こう思うのですが、いかがでしょうか。
#184
○説明員(村山松雄君) 御指摘のような措置の仕方もあろうかと思います。参考までに蛇足ながら申し上げますと、教育課程の改訂は、中学校については、昭和三十三年にできたわけでありまして、以後、三十七年までは移行措置ということでだんだんに切りかえて行っておるわけでございます。免許状の方も教育課程の改訂が全面的に発動しておらず、従って、新しい教科は存在しないわけでございますので、存在しなくても、もう確定的であるから、それを見越して免許法の方も直すという方法もあり得るわけでございますが、応急の措置といたしましては、昭和三十四年に施行規則の取得要件の細目を改めまして、具体的に申しますと、従来の職業科の取得要件を二つの方法に分類いたしまして、一つは、従来の農工商を包括した職業科の取得要件、もう一つの方は、新しい技術科を予定した設計、製図、木工、金工、機械、電気といったような課目を中心とした取得要件に改めまして、今日まで職業科につきましては、二つの取得方法で免許状を授与しておるわけでございます。これがいわば免許法の移行措置と申しますか、そういうことでやって参っておりまして、今回、学習指導要領が全面発足する時期と大体あわせまして、免許法の改正も行なってはっきりさせるよう、かように考えておるわけでございます
#185
○豊瀬禎一君 先ほど初等中等課長ですか、あの人に途中で尋ねましたのは、なるほど、定むべき権限の移譲は学校教育法で所轄庁とうたわれております。しかし、それは指導要領は法律ではございません。従って、ただいまのような説明がわからないではないのですけれども、当然私は三十四年度に必要な免許法改正の手続がとられ、それに基づいて三十七年度実施の際に間に合うような態勢がしかれてくべきであった、こう思うのですが、やはりそういう方法は間違いだ、私が指摘しておるのが正当な方法でないとおっしゃるわけですか、私が指摘しておる方法がオーソドックスな方法とまだお認めになりませんか、御答弁願います。
#186
○説明員(村山松雄君) 免許状の科目の改正並びにその切りかえ措置につきましては、時期的あるいは方法的にいろいろな方法があろうかと思います。いずれがより筋が通ったものであり、あるいは実際に即したものであるかにつきましては、いろいろな議論があるわけでございますが、文部省といたしましては、免許法の改正は教科課程の全面実施に合わせるということでやって参ったわけでありまして、あながちそれが非常に不適切な方法であるということは言わなくてもよろしいのじゃないかと考えております。
#187
○豊瀬禎一君 なるほど名答弁ですが、もうとれ以上尋ねるのはやめます。私はやっぱり皆さんもなるほどとうなずいてあるのじゃないかと思うのですが、成規の手続からいくと、前にもこれは論議されたことですが、諸学者の間で、学校制度のあり方、あるいは教育行政権の内容等につきましても、権限範囲につきましても、諸学者が非常に論争した点ですが、やはり指導要領の改訂で、それから出発していくということでなくて、それを改正するとすれば、文部省としては所要の免許法の改正の手続を行なう。それと同時に所要の免許法の改正に必要な免許状が取得できるような措置、方法を講じていく、これが当然の措置であって、便法上あなたが言われたような措置を、特別ここで不適切であるとか、間違いであるとか言いませんけれども、自後いろいろな問題がある際にも、私はそれが正しい立場と思いますので、御配慮をお願いいたしたいと思います。そこで、一応私の所論が誤りでないとするならば、免許法が今国会で改正されて、技術、家庭というものが新たに挿入されてくる。それから技術、家庭科の免許状を取得したいと意図する者と、指導要領の改訂だけで、何らかの文部省あるいは教育委員会主催等の講習会に出席した者との間に免許状を与えられる資格についてアンバランスを生じるということは、必ずしも好ましいことではない、こういうふうに考えるのですが、免許法改正後、この教科の免許をとりたいと考える者についてのそのギャップはどういう方法で埋められる予定ですか。
#188
○説明員(村山松雄君) 免許法改正以後に、新しく技術科の免許状をとるのにつきましては、技術以外の他教科の免許状取得の方法と全く同一でございまして、この間のアンバランスはないと考えております。それで、問題は新しく技術の免許状を取得する者と、それから従来、職業ないし図画工作の免許状を有しておった者で、講習を受けることによって技術科の免許状を受ける者とのバランスとの問題でございますが、これは職業ないし図画工作の免許状を取得したときに、他教科の教員免許状を取得する者と同じ条件で取得するわけでございまして、その上に講習会というものが付加されるわけでございます。従って、負担度からいけば、新しく技術の免許状をとる者よりは負担が重いということが、むしろ言えるのじゃないかと思います。ただし、負担が重くても、これらの方々はそういう措置をしなければ、実際問題として新しい技術科を指導するのには、実力の面で欠ける点もあるわけでございますので、講習を受ける程度の負担をプラスすることはやむを得ないのじゃないかと考えております。逆に講習を受ける程度で、この旧職業、図工と、それから新しい技術とのギャップが埋められないではないかという逆の御意見も出ようかと思います。しかしながら、実際問題として、職業科を担当しておられる先生方は非常に多数おられるわけでありますので、講習を受ける程度で、技術科の新規免許状を受領できるようにするのが一番バランスのとれた方法である、かように考えております。
#189
○豊瀬禎一君 私が指摘しておるアンバランスという問題は、本年度、本国会をこの法律が通過するとすれば、免許法の中に正式に、私生児としてでなく、正式にこの教科が入るわけですね。それから免許状をとろうとする人は、それまでの講習等を受けて免許状を取得するまでの間が、同教科に関しては中学校教諭二級免許状が授与されないわけですね。ところが千葉委員の指摘の際にお答えのように、あなたの方の提出の法律案要綱の第六の2によりますと、「文部省令で定める技術の教科に関する講習を修了したもの」、十二日間やられたらしいのですが、この人たちは十二日間の講習を経ておれば二級免を授与されることになります。本法が成立すると、そうすると、嫡出子になって、後に技術課程の免許状を得ようとする者と、私生児時代の講習を履修した者との間にギャップが生じる、これをどうして埋めますかと聞いておるのです。
#190
○説明員(村山松雄君) 御質問の趣旨がややつかみがねるので的はずれかもしれませんが、従来、職業科の免許状を持っておった者で、新しい技術科の担当を希望し、かつ講習を受ける者は、これは全員講習に参加していただくことになっておりますので、全員、技術の教科の免許状が授与できることになります。それから新しい技術の免許状をこれから、従来ほかの免許状などを持たないで、大学等で履修することによって新しい技術の免許状をとる者につきましては、この切りかえの問題ではございませんので、むしろほかの教科の免許状取得の方法のバランスを考えるのが筋でありまして、切りかえの者とのバランスということは考えなくてもよろしいのじゃないか、かように考えております。従いまして、この新しく免許状をとる者と、それから切りかえにかかる者とアンバランスというような問題自体が起こり得ないものと了解しております。
#191
○豊瀬禎一君 あなたの御答弁は前提を必要とします、前提を必要する。どういう前提かというと、従来、職業課程をとっておった者で技術課程を希望する者は、全員、該講習を受講すべきであるという前提を必要とする。ところがたとえば、私も当時教員をいたしておったのですが、免許法が改正されないのに講習会があったって、それは行方定かでないものだ、教科はできても免許法にないのだから、それをとっておっても意味ない。こういう気持を持って、あなたの指摘された講習会を受けていない者とのバランスをどうしますかと、こう聞いている。アンバランスというのはそこです。だから先ほど御指摘しましたように、免許法ができてからが嫡出子、それまでは指導要領子息ですね。免許法じゃない。だから免許法ができたらその中の講習を受けます。指導要領の間では、それは免許状をもらえるかどうかはわかりませんから受けません。こういった者とのアンバランスを今後どう埋めるか、こういうことです。
#192
○説明員(村山松雄君) 講習会は、本年度も実施することになっておりまして、免許法改正が成立いたしますれば、従来、免許法がないから講習会には参加してもしようがないというようなお考えであった方も参加されるのじゃないかと思います。今年度の講習会の予定といたしましては、全員を参加せしめるだけのものを用意しているはずでございますので、アンバランスの問題は、今年度中には、かりにありましても、解消するのじゃないかと、かように考えております。
#193
○千葉千代世君 ちょっと、さっきの問題に関連しまして、端的に伺いますけれども、この前に指導要領が改訂になって、講習するときに、この講習を受けなければ、この技術科の免状はあげませんよといって参加させたのですか、そんなことはないでしょう、免許状はできてないから、それはできないわけですね。そうすれば、今おっしゃられる、前にやった講習をそこにくっつけていくということを免許状を満たす条件とすること、そのこと自体がおかしいのではないかと、さっき質問して、豊瀬委員の質問の中で、やはり問題が深まっているんですけれども。
#194
○説明員(村山松雄君) かりに免許法の改正をせず、従って免許教科の改訂をせず、職業という免許状のままでいったといたしますと、従来の法解釈からいきますと、教科の名前と免許教科の名前が一致しない場合には、できるだけ近い免許教科のものをもって相当免許状とするという解釈運営でやって参ったわけでございますので、職業科の免許状が技術科の相当免許状ということになろうかと考えます。そういう場合を想定いたしますと、職業科の免許状を持った方が、技術科を担当しなければならぬことに相なるわけでございますので、職業科担当の先生方は、教育課程が改訂になって職業科の改変せらるべき分野についての講習会があるということになりますれば、免許状の問題を離れて毛、進んで参加すべきじゃないか、このように考えるわけであります。免許法の方がはっきりしないからということが、講習会の参加不参加をきめる根本的な理由にはならないんじゃないか、かように考えておりますので、アンバランスは生じないということを再々申し上げておるわけであります。
#195
○豊瀬禎一君 そこで、問題を進めていきたいと思うのですが、その前に、先ほど中等教育課長ですか、説明の、学校教育法三十八条の定めによるところの中学校の教科に関する事項は云々、監督庁がこれを定める、この監督庁の定めというものと、学校教育法施行細則の……ちょっと条文が探しにくいので今の質問を返します。学校教育法二十条の「監督庁が、これを定めよ。」という定めと、学校教育法施行規則第二十四条の小学校の教育課程はこれこれである、との定めとは、いずれが法制的な立場からウエートが強いと見られますか。
#196
○説明員(安達健二君) 学校教育法第二十一条の規定に基づきまして、学校教育法施行規則の二十四条から二十八条までが、主としてこの二十条の規定を受け継いだものと考えておるわけでございます。
#197
○豊瀬禎一君 そうすると、中学校の項はどこにありますか、質問としては不適当ですが、指摘して下さい。
#198
○説明員(安達健二君) 中学校は第五十三条、それから五十四条と五十五条の中に、小学校の部分を準用したのがございます。
#199
○豊瀬禎一君 指導要領制定のとき、ないしは技術課程についての講習会開催の時期と施行規則の中に技術課程の項を挿入されたのは、いずれが先ですか。
#200
○説明員(安達健二君) 施行規則の方が先でございます。
#201
○豊瀬禎一君 そこで了解をいたしましたが、養成課長さんにお尋ねしますが、過去三ヵ年間におきまして技術課程の講習会を受講した者の年次別の数と、その総数並びに全国の技術課程の教師の必要総数を知らして下さい。
#202
○説明員(安養寺重夫君) ただいま関係の資料を持ち合わせておりませんので、さっそく調べまして、いずれ後ほどお答えいたしたいと思います。
#203
○豊瀬禎一君 年次別が無理だとすれば、三ヵ年間で受講した総数と必要総数だけでもけっこうです。
#204
○委員長(平林剛君) それは今答えられますか。
#205
○説明員(安養寺重夫君) はあ。
#206
○豊瀬禎一君 それではいいです。なぜ私がそれを聞いているかと申しますと、先ほど質問しましたように、免許法改正が行なわれずして当該教科の講習会が行なわれている。従って、私のように当時教師をしておった者は、免許法改正が行なわれない限り、それは単位取得としては不適当である、免許取得の段階としては不適当である、こういう見解をもって講習会に参加しなかった者があるはずです。そうすれば、課長答弁のように、全員が参加している予定でございますので、本法案改正が実施され、ないしは三十七年度になってもその間のアンバランスはございません、こういうことは成り立たないと思うのです。そこで、その数が出てその問題に触れていきますが、次に進みますが、先ほど指摘したように、事前の指導要領に基づく講習会と正規の免許法改正後の講習会の受講者の間に、少なくとも講習を受講し終わるまでの間に免許状取得についてのギャップがあることはいなめないと思います。そこで、もしかりに本改正案が通過した後に、三十七年度実施までにどういう計画の講習会を行なわれる予定であるか。
#207
○説明員(安養寺重夫君) この法律の附則の六項で、現に職業あるいは図画工作の教科についての免許状の授与を受けている者、こういうものが文部省令に定める技術の教科に関する講習を終了したときには、技術の教科の二級普通免許状を授与するということになっているのでございますが、この規定の実施は昭和三十七年四月一日ということになりましょうが、昭和三十七年度以降においてこの規定が動くわけでございます。従って、三十四、三十五、三十六年度と、本年度のこの関係の講習会もこの中に含まる予定になるわけでございますので、受講漏れの方のないように、現在、都道府県に本年度の実施計画を立案して実施するように、かように申し上げているわけであります。従って、一応そういう措置を周到にすることによって、現にこういう教科を担当して、その教科が技術の方に動いていった場合に、それらの人々は全員その附則の六項に該当するというようなことを考えているわけでございます。
#208
○豊瀬禎一君 だから、まあまあがまんして質問を続けているのです。本年度から技術課程が正規に実施されるとすれば、免許法改正後と改正前の過去の講習会のあれが単位になるかならないかということは、これは重要な問題です。あと一年残っているから、まああまり摘出子ではないけれども、がまんして了解しております。そこで、そのためには少なくとも来年度の正規の実施の際には、この免許を取得したいと考える人たちが、過去三年間の経過と、免許法改正の意図が明らかになった今後との間に、講習受講についての不平等の取り扱い、あるいは講習会不足のために、来年度実施の際に二級免許状がもらわれないといったような事態が発生することをおそれておる、だから、何人残っておって今年度どういう講習会を実施しますかと、こう聞いておる。非常に親切な質問でしょう。
#209
○説明員(安養寺重夫君) どうも同じことを繰り返して恐縮でございますが、この附則の六項というのは、われわれ俗に言います切りかえ措置でございまして、現に教員の職にありまして、これらの関係の教科を担当し、昭和三十七年度に技術の教科というものが具体的に発足をする、将来にまたその教科も担当しなければならない人というような者に対する切りかえを考えておるわけでございます。従って、一応、現在教育課程の改訂によりまして、将来その教科を担当しなければならないというはっきりしためどのある人は、全員これに御参加をいただいて、従って全員に技術の免許状を新たに交付されることになるであろう、こういうことを前提にしておるわけでございます。従って、三十七年度以降、技術、家庭という教科が中学校に実施されて、あとで自分は新しく教師になってその免許状をとりたいという人は、オーソドックスな方法、また、現在すでに教員になっておられまして他の教科を担当されておる、しかし、ぜひ技術の教科も担当していきたいというような人が、かりに免許状を授与されて担当したいという場合には、また新しいオーソドックスな方法で免許状の授与資格を取得していただく、かように考えておるわけであります。
#210
○豊瀬禎一君 あなたの御答弁はこういうふうに理解してよろしいんでしょう。昭和三十七年から実施されるから、今日以前に講習を受けておった者も、今日以後講習を受講する者も、三十七年のときは全員ですから足並みがそろいますと、こうおっしゃっている。だからアンバランスはございません。ところが過去三ヵ年に十二日程度の講習会をなさっているんでしょう、先ほどの答弁によると。その条件が、あなたの資料が出ないからわかりませんけれども、かりにあなたの資料が出て、過去三ヵ年間のうちに三十七年度までにそれを希望する人々が全員漏れなく受講しておるとすれば、私の心配は解消します。ところが今日現在、当該者で講習会に参加しなかった者がおるとすれば、来年の実施までには、講習会等の措置によってこの適用を受けるように措置してやらなくてはならないでしょう。それが全然過去三ヵ年間の講習会で解消していますかと、こう聞いているんです。今後他の教科から、あるいは新たに教員を希望した者については御指摘の通りのことですから、これは心配はしておりません。
#211
○説明員(安養寺重夫君) 今御質問なすっております過去三年という、最後の三年目というのは、昭和三十六年度、従って、これから先都道府県で行なわれる講習会も一応含まっておるわけでございますから、現在こういうような法制を明らかにし、こういう方針が出れば漏れなく参加はできる、また、そのようにしたいと、かようにお答え申しておるつもりでございます。
#212
○豊瀬禎一君 私、過去三ヵ年間というのは三十五年度までと解釈しておりましたので、その点は間違いました。あやまっておきます。過去二ヵ年間に訂正いたしますが、しかし、それでもなお過去二ヵ年間の講習に、昭和三十六年度に行なわれる講習を積み重ねないと、三十七年度実施の際に二級普通免許状をもらうには充足できませんか、それとも過去二ヵ年の間に全然受講していなくても、三十七年度から受けようと思った場合でも、これは完全に充足できますか。
#213
○説明員(安養寺重夫君) 今までやっておりました講習会というものは、いずれかの年度で一人の先生が十二日間の講習をやっていただくということになっているわけでございます。従って、三年続けて三十六日ということではございませんので、過去二年、いまだに受講していないという人も、本年度間に合って出ていただければ、十分ここで救済ができる、かような考え方でございます。
#214
○豊瀬禎一君 そうすると、過去二ヵ年間の間に十二日間の講習を受けておれば、二ヵ年間続いて受講をしなくても、本法の適用は受けられる、同時に、全然過去に受けていない者でも、三十六年度は本法実施に必要な講習会措置は完全に行なわれる、そういうふうに理解してよろしいですか。
#215
○説明員(安養寺重夫君) さようでございます。現にそういった関係の予算も組みまして、一応府県に予定を組ましておるわけでございます。
#216
○豊瀬禎一君 私は疑問点は氷解いたしましたが、後ほど、先ほど申し上げました数がわかりましたならばお知らせ願いたいと思います。
 次の質問に進んでいきます。
#217
○説明員(安養寺重夫君) 先ほど保留いたしましたお答えでございますが、受講の結果の数を申し上げたいと思います。三十四年度は八千六十三人、三十五年度が七千百五十四名、これは実施の結果の数でございます。一応、各都道府県から文部省の方に報告を受けました予定数というものは、九千百九十二名というのが三十六年度これに参加をしたいという希望でございました。なお、現実にわれわれが必要であろうかと思われる予定数と申しますか、見込数と申しますのは、大ざっぱに申しますと一万八千ぐらいになるのじゃなかろうか、かように考えているわけでございます。
#218
○豊瀬禎一君 ただいまの一万五千二百程度の二ヵ年間にわたる受講者の中には、現場の教師となる人々だけでなくして、教育委員会の当該関係のある職員であるとか、あるいは単に技術だけでなくして、技術、体育という講習会が開かれたために、体育関係の教師等も含まれているのではないかと思いますが、その点は技術科に対してのみ、あるいは技術、家庭科のみのただいま読み上げられた数字と理解してよろしいですか。
#219
○説明員(安養寺重夫君) 一応過去の実施に照らして申し上げますと、この向きの技術、家庭科の短期講習会の男子向きの数を申し上げたのでありまして、この講習会の参加資格といたしましては、原則論としては、現在、中学校の職業の免許状あるいは図画工作の免許状を持っておられる方で、将来、三十七年度以降技術の教科を担当する予定の者というのが参加者の資格になっております。従って、今御指摘のような教育委員会の事務局の職員も来ているのじゃないかというような点は、あるいはその人が現場の先生から、現在、委員会の指導主事になっておられ、やがてはまた現場にお帰りになるというような人でありますならば、あるいは多少入っておるかとも思います。なお、他の教科の人間が来ておるのじゃなかろうかというお話でございますが、一部そういった例もあるように聞いております。
#220
○豊瀬禎一君 私が心配するのは、その数字だけあげても大体二、三千人程度まだ残っておりますし、そして私自身も、参議院議員になりまして、文部省の技術課程の講習会等は時おりある場所でのぞいたことがあるのですが、来ておるメンバーを見ますと、届け出た人数に合わせるため、全く担当外の人間が講習会に出席して、私どもの顔を見ると頭をかきながら、委員会からかり出されて行かざるを得ないものだから来ておるのだから、あしからず了解してくれと、こういう状態が率直に申し上げてあるのです。だから、この点はもう過去のことですから、そういう講習会に対してとやかく申しませんけれども、その点の実態を十分ふんまえていただいて、昭和三十六年度に行なわれる講習会につきましては、技術課程の実施に支障ないように十分の講習会等の措置をとられ、また、昨年まで不参加した者が、三十七年の実施の際に、免許状取得等の講習会の収容人員あるいは講習会の時間等によって免許状取得に支障を来たすような措置がないように善処していただきたいと思うのですが、よろしゅうございますか。
#221
○説明員(安養寺重夫君) 御趣旨を体して、その通りにうまくやりたいと思っております。
#222
○豊瀬禎一君 本問題に対する質疑はこれで終わります。
 次に、私は、特に本法案の改正の骨子であるところの工業並びに理科、数学に対する教職課程の修得の免除特例について質問を行ないたいと思います。まず、文部大臣にお尋ねしたいのですが、学校教育法あるいは憲法等の定めから見ても、さらには免許法等はその趣旨を受けたものですが、総括して申し上げますると、青少年を教育するという事業に携わる者が、教職課程を履修せずしてその任務につくということは非常に好ましくない現象であると私は考えるのですが、大臣の基本的な御見解はいかがでしょうか。
#223
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 御指摘の通り、まあ変則であり、できるならば避けたい事柄だと思います。
#224
○豊瀬禎一君 すでに大臣も御承知の通り、将来、教育に従事する者に教職課程を必修としたのは決して簡単な問題ではないと思います。これは教育基本法が定めるように、新しい教育の方針というものは、最高裁の判例にもありましたように、人の命は地球よりも重い、そうしてこの人間の生命というものを特定の目的のために伸ばしていくということでなくて、本人の持って生まれた個性を百パーセント尊重しながらこれを伸展さしていく、こういう作用が基本的に重大であると思うのです。こういう作用を受け持つ教師に教職課程を免除あるいは半減していく、こういうことは、大臣は工業教員養成所の際にも、好ましくないけれども次善の策である、こういう説明をされたと思うのです。私は、専門教科の履修について一、二単位程度免除して、たとえば一年間のうちにこういう講習会を行なってこれを取り戻していく、こういうことならばよろしいと思うのですが、教育原理であるとか、教育心理であるというような教職課程に属する諸教科は、従来、本人がよほどの努力意思がない限りは、これはなかなか理解しがたいと申しますか、力のつきにくい学問です、これは私がちょうちょうするまでもないと思うのですが、こういう教師の一番基礎になるものを、踏み台をはずしておいて、その上に立っておる者を教師であるという、教師になり得るという考え方が、これは非常に誤りであって、少なくとも教職課程は必ず履修すべきものでなければならないと思うのです。しかも教員不足の理由というのは、大臣も御答弁のように、教職課程を修得しなければならないがゆえに教員が不足しているのではない。こういう点も考えていきますと、将来ともに大きな問題をはらんでいると思うのですが、かりに一歩譲りまして、工業においては漸減、もちろん従来は半分でしたから、半分しか減っていないというへ理屈は成り立つでしょうが、工業、理数科についてこれが免除規定を定められる、こういう点に対して、将来これらの教師に対してどういう方途をもって教師たるの基礎的な教養を修得させよう、ないしは与えようというお考えをお持ちでしょうか。
#225
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 先日、千葉さんの御質問に対してお答えしたと記憶しますが、まさしく御指摘の通りの欠陥があると率直に認めざるを得ないと思います。それでもなおかつ当面の教員組織に間隙なからしめるという重要性も考え合わせねばなりませんので、やむを得ず次善の策、便宜の臨時措置ということで御理解をいただきたいと申し上げたわけでありますが、ただそれだけで終わるべきじゃむろんございませんので、現職教育を極力実施することによってその欠陥をできるだけ補うということをあわせ行なわねばならないと思います。それにつきましては、三十六年度予算にそのための特別の予算を計上しておりませんので、はなはだ手落ちでございますが、三十七年度以降におきまして、必ずこれを予算措置も講じまして、今申し上げましたことを実行して、その欠陥を補いたいと思っております。
#226
○豊瀬禎一君 政府委員ないしは説明員の方にお尋ねしますが、改正要綱の第四項、私がただいま質問をしております条項ですね、免許法改正法案では第十三条、この適用を受ける者が、昭和三十七年、八年等の時期において、この適用を受けた者がどの程度、どのくらい工業ないしは理数科等の教師になると見てあるか、逆に言いますと、この改正案の十三項によってどの程度教員の確保ができるかということです。
#227
○説明員(村山松雄君) この特例措置によりまして実際に免許状を取る者の数、それからさらに進んでは、免許状を取った上で教員になる者の数につきましては、これは本人の意思や、それからその当時における教員の待遇、条件その他に左右されるところが非常に大きいと思いますので、確たる数字的見通しを申し上げることは困難かと存じます。ただ、最大限といたしまして大学の工学部を出る者は毎年約二万人程度でございます。それから大学で数学を専攻する者は千五百人程度でございます。それから理科を専攻する者は四千人程度おるわけでございますので、これらの者のうち相当数が、客観情勢いかんによっては免許状を取り、かつ教員を志望するということは言えると思いますし、客観情勢の改善ということもあわせて行ないまして、極力多数の者が教員となることによって、特に高校生徒急増期間における工業ないし理数科教員の不足を補いたいと考えておるわけでございます。
#228
○豊瀬禎一君 なるほどこれを免除したからといって何人出てくるかということはむずかしい質問だろうと思いますので、把握しにくいということはよくわかります。そうすると、現実的と申しますか、あるいは結果的に申しますと、この措置を講じても、あなたが、ただいま御答弁になった他の諸条件の向上が考えられない場合には本法のねらいが満たされない、教員の確保ができない場合もあり得る、こういうことだと思うのです。同時に、今度は反対からいうと、わざわざ一番重要な基礎教養としての教職課程を軽減するような方法をとっておるけれども、教員減に対して確保の見通しがなくして法だけは改正した、こういうふうに理解して差しつかえないんじゃないかと思いますが、いずれともさようですね、私の見解通りですね。
#229
○説明員(村山松雄君) 他の条件が改善できなければ、この措置によって教員になるものが全然ふえないであろうとは考えておらないわけでございます。他の条件の改善をあわせ行なうことによりまして、この措置がますます効果を発揮するのじゃないかという意味で申し上げたわけでございまして、工業ないし理数科教員の不足ということは、生徒急増などとにらみ合わせまして、従来の実績からは予想もつかないような窮迫した事態が想定されておりますので、あらゆる方法を講じて教員の確保をはかりたいと考えておるわけでございます。もし、かような軽減措置を講じませんと、御承知のように教員が不足であれば、いきなり臨時免許状の助教諭を雇わなければならぬ、はなはだしきは、そういう者も得られない教員の欠陥状態を生ずるおそれがあるわけでございます。そこで、少なくとも大学を出た人であれば、こういう緊急状態には、特に工業のような教科については、教職課程を履修していなくても正規の教員の資格を与えて、そのような窮迫状態を埋めることが次善の策として必要ではないかという工合に考えておるわけでございます。
#230
○豊瀬禎一君 そこで、私は理工系の国公私立の諸大学の数と、またぞろここで今後の数の見通しについて質問しようとは思いませんけれども、本改正案の期待するところの教員を確保したいというねらいも、他の条件の改善が見通しのない際には、かりに現在よりも理工系の大学等の卒業者がふえても、民間企業の条件がよかった際には、単に教職課程を持たぬでも教員になれるから、いきましょうという現象にはきわめてなりにくい見通しである、こういうふうに思うのですが。
#231
○国務大臣(荒木萬壽夫君) まあ大勢の観察論としてはお説のようなことが成り立ち得ると思います。従って、その反面におきましては、いつも申し上げておるように、教員の待遇改善の課題が当然浮かんでくるものと思います。その対策とあわせて総合的にやるんでなければ確実な見通しは困難かと思います。
#232
○豊瀬禎一君 ここで私が指摘したいのは、文部省から五月十九日に提出された資料を見ましても、たとえば工業を例にとって見ますと、昭和三十五年度では、工業教員の受験をした者が五百十三人、合格をした者が約半数の二百十五人、採用された者は百六十五人、希望者は約四倍程度になっておるという事実です。合格者は二倍足らず、少なくとも昭和三十五年においては工業教員希望者あるいは工業教員として合格した者は必要数よりも上回っている、七年、八年、九年となって参りますと、なるほどもっとたくさんの教員が必要になってくることは論を待ちません。しかし、私はこの数字は何を端的に物語っておるかというと、教員不足という実態は、教員になるためには教職課程を履修しなければならないということが教員不足の原因ではないということです。このことはほんのわずかなパーセンテージを占めておるにすぎない。私の福岡県で希望した人たちに聞いておっても、これはいい考えか悪い考えか知らぬけれども、会社の採用がされない場合は、せめて教員にでもなってみましょうかということで受験をしておる、十月ごろまでに採用が決定すると、実際は教職員として採用が決定しても、事前に会社等に約束しておるためにそちらに行く、これが教員不足の実態です。こういう時期に、こういう実態の中に、また将来、工業教員の必要数がふえてきても、教職課程を免除することによって教員を確保するという考え方は九牛の一毛にもすぎないし、また、二階の目薬の役にも立たない、こういう見通しですが、教職課程を免除してまで教員を確保しようという法改正を出されて、この措置によって実際に教員確保ができなかった場合には、法改正を提案した文部大臣の責任はきわめて大きなものがあると思うのですが、三年制の教員養成機関の問題にしても、本改正にしても、私は与野党の話し合いで質問の時間がありませんでしたので、ついにあの問題に触れなかったんですが、これは見通しが誤ちました。社会情勢の変化ですと、こういうことで私は過ごされない問題と思います。少なくとも免許法を改正する以上は、確保についての確固たる自信がなければ法改正はできない、こう思うのですが、その見通しに対する、あるいは結果に対する大臣の責任観についてお聞きしたい。
#233
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ただいまとしましては、将来のことを的確に予言的には申し上げかねるわけでございます。しかしながら、先ほど来説明員からもお話し申し上げましたように、具体数は申し上げられないまでも、教員を獲得する一つの手段である、もちろん万全の措置でないことは御指摘の通りではありますが、そういう制度までも考えてこの急場に応ずるのでなければ、当面の責任が果たせない。さらには、新しく大学を卒業する者について、豊瀬さんが特に指摘されるわけですけれども、私どもは、また一面、一たん会社、企業体等に入りまして、本人の性格のゆえに、あるいは何らかの本人をめぐる条件のゆえに、むしろ会社に入りましても、会社をやめて教員になりたいという気持になる人は実際上かなりおるようでございます。むしろそういう人を対象としまして、この制度も意義があろうかと思うのでございます。いずれにいたしましても、的確な見通しを申し上げることは適切ではないと存じております。しかし、あくまでもこれは便法であり、特に工業高等学校等について教員の充足のできるめどが立ちますれば、一年でも早く、これは本来の姿に返すべき性質の応急の便法でございますので、おっしゃるような事態が起きましても、それはかえって好ましい事態が生じたことでありまして、その見きわめに基づいて、この制度が廃止さるべき段階になることだと理解いたします。
#234
○豊瀬禎一君 この法改正をしても、教員確保は、結局工業、理数科等の教員確保はできない、こういう結論が出ることは現在の資料からしてわかる。その際にどうするということですが、言葉じりをとって質問したくありませんので、先に進みますが、大臣もよく考えておいていただきたいのは、これは私自身がそうだったので、ある程度片寄った思想を持っておるかもしれませんけれども、教育者という労働は、決して一般的な職業に比べて、人から嫌悪される職業ではなくして、むしろある意味においては好ましき職業として、まだ現在でも見られておると思う。それが不足するというのは、教員になる手続の不備の問題ではない。結局、教員という仕事よりも現実的に魅力のある仕事があるということです。この点を大臣は、行政府の長として十分お考えを願いたいと思う。そこで、問題を次に移しますが、いただきました資料に、昭和三十三年七月、中央教育審議会の「教員養成制度の改善方策について」というのがあります。今日かなりの歳月を経ておりますので、あるいは時代おくれになっておる点があると思いますが、この中教審の教員養成制度の改善の方策に対して、答申後今日まで、文部省としては中教審に対して、別個に、教員養成制度あるいは教員養成の方法として何らかの諮問をされたことがありますか。
#235
○政府委員(小林行雄君) この中央教育審議会の教員養成制度の改善方策についての諮問以外には、特別に、この教員養成制度に対しての諮問はいたしておりません。
#236
○豊瀬禎一君 そうするならば、三十三年の本答申案は、現在に至るも、なお、文部省としては傾聴するに足る答申であり、この中で自後の諸情勢の変化に伴って改善すべき、新たに諮問すべき条項が今日までは一応なかった、こういうふうに判しておられるものと解してよろしいのですね。
#237
○国務大臣(荒木萬壽夫君) その通りでございます。
#238
○豊瀬禎一君 それならば、本答申案が、なお教員養成制度のあり方にして尊重すべきものという御答弁でございますので、本案について、教職課程を減免するという問題と関連して、一、二質問を行ないたいと思います。
 本資料の三ページに、「教員養成の基本方針」というのが出されております。この中で、「一般の大学卒業者で教職教育を欠いている者については、国家検定試験の道を講ずる。」、その項と、その前後を通ずる教員養成の基本方針なるものは、教職教育は不可欠であるという答申であると考えますが、いかがでしょうか。
#239
○政府委員(小林行雄君) 教員養成の建前からいたしますと、やはり原則として教職教育というものは非常に重要であるということを認めて、かような答申になっているものと思っております。
#240
○豊瀬禎一君 この答申を尊重しておられながら、工業教員養成の法案にいたしましても、免許減免の法案にいたしましても、中央教育審議会に、あらためて具体的な教員養成ないしは確保の当面の問題として諮問をされなかった理由はいかがなものですか。
#241
○政府委員(小林行雄君) 御承知のように、この答申は三十三年に出たものでございますが、もちろんこれについて、当時いろいろと検討をいたしましたわけでございますが、御承知のように、この免許制度の改善の答申は、単に免許制度、これは免許制度全般に関する改善の答申でございますけれども、それ以外に、当然、現行のいろいろな大学の諸制度全般について基本問題として関連してくるところもございますので、また、四年制の大学ばかりでなしに、短期大学の制度等にもいろいろと影響してくるところがあるわけでございますので、そういった面から大学制度全般についての改善方策に関して、中央教育審議会に諮問いたしまして、現在、審議されているところでございますが、この大学制度全般の改善の一環といたしまして、やはりこの教員養成の問題も当然関連されて議論されるというふうに考えているわけでございます。従って、教員養成のこの答申以外に、特に教員養成だけに限定して、中央教育審議会に諮問をするということはいたさなかったわけでございます。
#242
○豊瀬禎一君 御病気ですので、なるだけ回りくどいような質問はしないで、端的にお聞きしたいのですが、中央教育審議会に対して、新たに大学制度のあり方に対して諮問された主たる項目を簡単に御説明願いたい。資料がありましたら配付していただければそれでけっこうです。
#243
○説明員(村山松雄君) 大学制度は非常に広範にわたって問題が多いわけでございますが、項目として取り上げましたのは、第一が、大学の目的、性格をどう考えるか、それから次に、大学の組織編成をどのように考えるか、それから第三に、大学の管理運営、どのような管理運営が適切であるか、それから第四に、大学の財政問題、それから第五に、大学の入学者選抜の方法の適正化をはかるにはどうしたらいいかというようなこと、それから第六は、厚生補導の点でございます。大体この六項目に分けてあります。
#244
○豊瀬禎一君 ありがとうございました。そうすると、これは直接関連しないので、できるだけこのことに触れたくないのですが、今の諮問された中から、私は直接免許法の改正と関連して聞きたいと思っております大学の教員の供給機関としてのあり方、端的に申し上げまして、教員養成の方向については諮問しておられないように見受けられるのですが、そう解釈してよろしゅうございますか。
#245
○政府委員(小林行雄君) 教員養成自体について中教審にこの答申以外に諮問をしているということはございません。
#246
○豊瀬禎一君 そうすると、局長が先ほど御答弁なさった、新たに中教審に要請しておりますが云々というのは、私の先ほどの免許法に関する質問とは全く関係のないこと、言いかえますと、教員の養成ないしは確保の問題とは関係ない問題で、やはり現段階においても、大臣御答弁のように、この中教審の答申を尊重していっておられるものと解釈します。そこで、局長は何かいろいろ御答弁になったようですが、私はこの教員養成の基本方針全文を通じて、やはり教員の養成は大学でしなさい、そうして一般の大学、養成機関でない大学においては教職課程を欠く場合もあるので、国家検定試験をしなさい、これは用語のてにをはは別として、教職課程は不可欠である、国家検定試験等のパスをしないものは教員としては不適格ですよ、こういっておるものと端的に考えて差しつかえないものと思うのですが、局長はそう考えないのですか。
#247
○政府委員(小林行雄君) 答申といたしましては、やはりこの教員養成の基本方針にありますように、教職教育というものが教員養成上大事であると認めてこのようになっておるものと思います。今の免許法の一部改正で、工業及び理数の先生について教職科目の緩和ということを盛り込んでおりますが、これはもちろん教職教育は大事であるけれども、現在の需給のバランスからいって、こういった措置まで講じなくては教員の確保が困難であるという趣旨からこの措置を考えておるのでございまして、教職教育が必要でないものであるというふうに私どもは考えておるわけではございません。
#248
○豊瀬禎一君 どうも局長の答弁は各委員会を通じて私とうまが合いませんが、教職課程は不可欠である、ぜひとも必要であるという意味でしょうと、こう言っているのですが、そうじゃないのですか、すなおに質問を受けとって、すなおに答えて下さい。
#249
○政府委員(小林行雄君) 教員養成所をきわめて重要なものであるということをいっていると思います。
#250
○豊瀬禎一君 よくわかりました。そうすると、新たに中教審に諮問された大学諸制度のあり方についても、先ほどの御答弁のように教員の養成は大学で行なう、この建前だとすれば、教員の養成方法について中教審の答申と異なった形でやりたいというお考えであれば、その中でやるべきものである。その中に母体的にないということは、この答申を現在も尊重しておられる。そうすると、少なくとも具体的な工業教員養成の問題と、免許法から教職課程を除く問題については、中教審設置の意義、目的からしても当然諮問をされ、答申を待って法案の改正手続をされるべきが政府としては至当の措置と思いますが、大臣、どうお考えでしょうか。
#251
○国務大臣(荒木萬壽夫君) そういう御指摘もあり得ると思いますが、しかし、また一面、中教審は、それぞれの権威者が慎重に検討されて、今後の教育の基本的なあり方、あるいは理想的な姿を考えていただくのが主眼だろうと思うのであります。従って、昨年の七月に答申されました教員養成の課題に対する中教審の考え方は、本質的に変化がないと思うわけであります。その答申通りになすべきものと思うのでございますけれども、そのやり方では現実に教員が得られないという事態に遺憾ながら当面いたしております。ことに生徒急増等のことを考えますれば、何とも、理想はわかりますけれども、実行不可能に近い、将来にわたって答申通りの線を充実していくべきことは当然ではありますけれども、それまでのつなぎとして当面の必要に応ずる、こういう課題でございますから、いわば理想的な検討という角度よりも、行政的に、現実の当面の必要に応ずるという課題として考えまして、特にあらためて中教審に正式に諮問をするということをいたさなかったわけでございます。
#252
○豊瀬禎一君 その御答弁はいただけません。私がここでちょうちょうするまでもなく、中教審を設けられた意義、目的、中教審がやってきた今日までの仕事、特に本答申を出すに際して文部省が諮問した条項を大臣はお読みになりましたか。この文部省が検討すべき問題点として中教審に求めた内容は、ただいまのような学者らしき高遠な理想設計の回答を求めたのでなくて、きわめて具体的な、入学者選抜方法とか、あるいは奨学制度とか、あるいは免許状の関係とか、こういう具体問題を諮問しておるのです。だからあなたのおっしゃるように、中教審に対しては、高遠な、教育基本法をどうしますかとか、あるいは大学制度は何年制度がよろしいかといったような、全体系的な、あるいは全分野にわたった総合基本概念の諮問だけでなくて、非常に具体的なものを灘尾文部大臣は求めておられる。従って、この中教審の答申を尊重すると大臣が冒頭におっしゃったならば、答申と異なった方法で教員を養成しよう、ないしは教育を確保したいとお考えの際には、緊急問題として、中教審を尊重されるならば、当然、諮問事項を出して、大体いつごろまでに結論を出してもらいたい、これは行政府として要望できる。それにこたえて中教審が論議をした結果、政府の求めるころまでには答申できません、こういう回答もあり得る、また、あり得てよろしいと思う。そういう点を考えてくると、当然、工業教員養成の問題と免許法から教職課程を全免するという問題は、さきの答申の中に、免許状の取得要件の適正化等の問題まで諮問しておられるのですから、当然、免許法の改正あるいは工業教員の養成については、尊重されるならば、諮問されるのが当然ですよ。もう大体、大臣としては、灘尾さん時代と異なって、中教審はポイしよう、あってじゃまになる存在とお考えですか。今の御答弁ではそういうふうに受け取れるのです。
#253
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 法律に基づいて置かれておる日本の教育に関するいわば最上級の諮問機関でございますから、これを軽視するなどという意思は毛頭ございません。先刻も申し上げますように、あくまでも臨時便法、やむを得ざる方法、手段はいろいろ考えましても、ほかに見当たりませんので、あえてこれを立法することによって当面の教員不足を補ないたいという例外的な措置でございますから、あらためて中央教育審議会に臨時便法について諮問するということを、あえてしなかったというだけでございまして、尊重しないなどということでは毛頭ございません。
#254
○豊瀬禎一君 この問題、間もなく終わりますから、くどいようですが、もう一度お尋ねしておきたい。前回諮問なさった際には、教員免許状の取得要件の適正をはかる必要はないかとか、現場の要請との調整をどうするか、先生が足らない場合にはどうするか。非常に具体的な問題を諮問してそれに答申が行なわれておる。尊重されるならば、答申の方針を便法上変えられるのですから、このことをこう改正したいと思うが意見があれば出してもらいたい。これは答申を変更されるのですから、かなり角度を、便法とは言え、変えられるのですから、答申した法律に基づく中教審当事者に対して、どうしても必要があれば期限を切ってでも、このごろまでに答申してもらいたい。これが私は一つの組織機構を尊重する方針で、尊重はするけれども、便法だから聞かなかった。これは私が四十三年学んできたロジックには一度もぶつからない問題ですよ。やはり結果的には中教審というものを無視した、というと、大臣がまた気になさるでしょうが、軽視したと言いますか、これはそのそしりは免れないのじゃないですか。手落ちがあったとお考えになりませんか。
#255
○国務大臣(荒木萬壽夫君) さっきも申し上げましたように、軽視も無視もする気持は毛頭ございません。免許法の本則にのっとって、しかもまた中教審の答申の線に従って整備充実していく責任は当然感ずるわけでございます。その意味において答申を尊重し、中教審を尊重する態度にいささかも変わりはないと思っております。ただ、さっきも申し上げますように、それはそうしたいのですけれども、それをやることそれ自体が不可能と申しますか、現実に即しないということが予測されることがきわめて顕著でございますから、答申そのものは尊重することを念頭に置きながらも、しばらくの間、例外的な措置を講じていくほかに手がないという当面の措置でございますから、あらためてその便法についての諮問を申し上げないでも、中教審の答申の線それ自体は現存しておるわけでございますから、中教審としても御理解いただけるものと、まあ勝手に判断したようなことでございますが、あえて軽視する等の私は考えもなかったわけでございます。
#256
○豊瀬禎一君 私は政府機関というものは、かりに法律に基づかなくて、大臣が便法をもって諮問的な民間等の諸機関を設けられた場合といえども、置いて依頼をして任務を規制した以上は、当該機関に所属すると申すと、これは法律上問題がありますけれども、一つの任務を心得ている問題については、当然諮問があるのが行政の民主的な運営だと思うのです。私がくどいようですけれども、指摘するのは、前にその条項について諮問をしており、答申があると、それを尊重すると言いながら、実はあなたの答申の第一項についてはこういうふうに変えたい。第二項については工業教員の緊急性からこういうふうに変えたい。これは当然うそにでも尊重するという建前を取ろうとするならば諮問があってしかるべきです。それでありながら、結果的にも中教審に対していささかの手落ちがあったということを大臣が認められないというのは、これは大臣としてあまりに狭量、がんこですね。再度答弁は求めません。私は中教審の人々にあったわけではありませんけれども、少なくとも答申した事項を――文部省が諮問をし、それに答えた事項を尊重するという建前を取るとするならば、今後、中教審については十分の配慮をしていただくと同時に、ただいまの大臣の答弁では多分おこらぬだろうということですが、答申の第一項については、今回こういう事情のもとにこういうふうに便法を取って趣旨に沿いませんでしたという、おわびの手続だけは取っておいて下さい。言葉で人を殺すような残虐むざんなことは大臣というものはやってはいけませんよ。いかにあなたが尊重しようとしておると言っても、方法論としては全く無視です。
 そこで次に移ります。大学課長にお尋ねいたしますが、前回お尋ねしておりました五月十六、七日の両日行なわれました日本学術会議の学術体制委員会の大学制度の結論が出たように新聞が発表しておりますが、これについて、できればその結論を求めていただくようにお願いいたしておきましたが、どなたに御依頼になって、どういう御回答だったのでしょうか。
#257
○説明員(村山松雄君) お尋ねの件は、大学制度委員会ではなくて学術体制委員会で検討中の問題であろうかと考えます。それにつきましては、学術会議の事務局の方にその資料を得られないかということを申し上げましたところ、この問題はまだ学術体制委員会という小委員会において中間報告的に検討しておる問題であるので、少なくも、学術会議には総会のほかに運営審議会というのがあるそうでありますが、運営審議会までかげないと外部に対して公表できる段階ではありませんということでありますが、運営審議会は五月二十五日に開催される予定になっておるそうでございまして、それが済んだら資料として求めることができようかと思いますが、それまでは公表できないということでございますので御了承願いたいと存じます。
#258
○豊瀬禎一君 服部静夫さんを委員長とする学術体制委員会は、二十五日、御指摘のように同会議運営審議会で正式に決定し、その結論を政府へ提出する、こういうふうに新聞では報道しておりますが、政府に提出する意向ということもその際に察知されましたか。
#259
○説明員(村山松雄君) 学術会議は総理府の機関でございますので、総理大臣初め関係各省、文部省には連絡するということを事務局でもって申されておりました。
#260
○豊瀬禎一君 外部に発表できない資料であるので、これを取れなかったということについては御努力を感謝しますが、新聞にはどの新聞にも報道しておりますが、私としては、事務局でなくて当該体制委員会の服部さんに直接お尋ねして、概略でもお聞きしたがったのですが、結論的に申しますと、学術会議の学術体制委員会においても、新聞の報ずるところでは、教員養成問題に触れております。そうして私が先ほどからたびたび指摘しておるような教員養成は総合大学で行なうべきもので、三年制の工業高校には反対だ。これは制度に反対すると同時に、論議の過程を仄聞しますと、やはり三年間の課程では、教職単位とか、その他の単位が切り詰められてくる。これでは現在の状況の中で十分な教師が養成されない、こういう趣旨です。中教審も学術会議の当該小委員会も、大体日本の一応傾聴すべき権威ある機関の意向がそのようになっておる。それであるのになお免許法を改正して、安易な教員を確保しよう、これは私はたびたび指摘いたしましたように、わらをもつかむという心情はわからぬではありません。しかし、大臣の答弁に、教職課程を免除するとか、あるいは履修年限を短縮するといったことで教員確保ができるのじゃなくて、一番大きな原因は、やっぱり諸条件の不完備ということ、民間の方が好条件であるということ、その点を再度御考慮いただいて、大臣の答弁では、十年間もこの程度でやっていきたいというお考えですが、十年たつと、これは日本の国会制度そのものもずいぶん変わってきましょうし、そんな気長いことをおっしゃらずして、やっぱり大学の中で教職課程を完全に履修さして、そうして教員を確保する、この体制の中に一日も早く戻してもらうようにお願いしておきたいと思います。
 最後に一つだけ。現職教育につきまして、前回の委員会で、大臣は、現職教育を行ないます。こうおっしゃっていますが、きょうの御答弁では、三十六年度の予算が組んでないので申しわけないがという、少し声が小さくなっておったようですね。三十六年度については予算を組んでおられませんから、とやかく言いませんが、村山課長にお尋ねしたいのですが、教職課程の履修に対する現職教育について、一応免許法を改正して、工業全免、理数科半減という、この具体的な措置の中から、どういう現職教育を行ないたいというプランでしょうか。
#261
○説明員(村山松雄君) 実はこの特例によって、免許を取得した者に対する現職教育としては特に現在計画したものはございませんで、将来必要に応じまして、ぜひ計画したいと考えておるわけでございますが、現在そのほかに一般的に現職教育というものはいろいろの方法でやっていることは御承知の通りであります。例をあげますと、大学でやっております通信教育、それから単位修得試験、それから都道府県ないしは大学がやっております認定講習といったような方法があるわけでございます。特に通信教育と、それから認定講習とは、おのずからの性質上、教職課程の教育に重点が置かれております。従いまして、現在の現職教育の仕組みの中でも、教職課程の単位をとることは可能であるわけでございます。そういう方法も極力活用いたしますし、それで足らなければ、特別の現職教育もぜひ考えたい、かように考えているわけであります。
#262
○豊瀬禎一君 文部大臣は、三十六年度はお粗末でしたけれども、七年度から現職教育をやりたいと、こうおっしゃったようですが、私はその意図を善意に解しまして、やはり教職課程を行なっていないで教員になったものについては、少なくとも一年間程度の間に免許法施行規則の第六条の定め等の充実が行なわれる、その構想をお持ちだと、こういうふうに考えておったのですが、そうじゃないのですね。大臣、もう一度御答弁願います。
#263
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 先刻もお答えしましたように、本来ならば本年度予算措置も講じて、具体的にいつからどういう内容のことを実施するということが当然考えられ、準備されておくべきものであったのでございますが、この点はいささか手落ちでございました。従って、本年度既定予算を差し繰って、はたしてどの程度のことができるかということも、まだ今後の検討に待たざるを得ませんけれども、三十七年度には必ず予算措置を講じまして、おっつけそのことは具体的に検討を必要とすると思いますが、そういう誠意ある努力をいたしまして、欠陥を補いたいということを先刻も申し上げたつもりでございます。
#264
○委員長(平林剛君) ちょっと速記をとめて。  午後五時三十六分速記中止
     ―――――・―――――
   午後六時四十三分速記開始
#265
○委員長(平林剛君) 速記を起こして下さい。本日はこれにて散会いたします。
   午後六時四十四分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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