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1960/06/06 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 文教委員会 第33号
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1960/06/06 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 文教委員会 第33号

#1
第038回国会 文教委員会 第33号
昭和三十六年六月六日(火曜日)
   午後零時十六分開会
   ――――――――――
  委員の異動
六月三日委員鍋島直紹君辞任につき、
その補欠として宮澤喜一君を議長にお
いて指名した。
六月五日委員宮澤喜一君及び加賀山之
雄君辞任につき、その補欠として小柳
牧衞君及び常岡一郎君を議長において
指名した。
   ――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     平林  剛君
   理 事
           北畠 教真君
           近藤 鶴代君
           野本 品吉君
           豊瀬 禎一君
   委 員
           安部 清美君
           小柳 牧衞君
           下條 康麿君
           杉浦 武雄君
           野上  進君
           山本  杉君
           千葉千代世君
           矢嶋 三義君
           米田  勲君
           常岡 一郎君
  衆議院議員
           山中 吾郎君
           八木 徹雄君
  国務大臣
   文 部 大 臣 荒木萬壽夫君
  政府委員
   総理府総務長官 藤枝 泉介君
   文部政務次官  纐纈 彌三君
   文部大臣官房長 天城  勲君
   文部省大学学術
   局長      小林 行雄君
   文部省体育局長 杉江  清君
   文部省管理局長 福田  繁君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       工楽 英司君
   ――――――――――
  本日の会議に付した案件
○女子教育職員の産前産後の休暇中に
 おける学校教育の正常な実施の確保
 に関する法律の一部を改正する法律
 案(豊瀬禎一君外四名発議)
○継続調査要求に関する件
○委員派遣に関する件
○女子教育職員の産前産後の休暇中に
 おける学校教育の正常な実施の確保
 に関する法律の一部を改正する法律
 案(野本品吉君外十五名発議)
○学校教育法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○学校教育法の一部を改正する法律の
 施行に伴う関係法律の整理に関する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○教育、文化及び学術に関する調査
 (愛媛県教育行政に関する件)
 (幼稚園教育振興に関する件)
 (勤労青少年教育の振興に関する
 件)
 (学校給食の振興に関する件)
 (教育における父兄負担の軽減と公
 費による教育諸施設の整備充実に関
 する件)
 (特殊教育の振興に関する件)
○スポーツ振興法案(衆議院提出)
○オリンピック東京大会の準備等のた
 めに必要な特別措置に関する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○私立学校教職員共済組合法等の一部
 を改正する法律案(内閣提出、衆議
 院送付)
   ――――――――――
#2
○委員長(平林剛君) ただいまより文教委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動につき、御報告いたします。
 去る六月三日、鍋島直紹君が辞任され、その補欠として宮澤喜一君が委員に選任されました。また昨五日、加賀山之雄君及び宮澤宣一君が委員を辞任され、その補欠として常岡一郎君及び小柳牧衛君が委員に選任されました。
 以上であります。
   ――――――――――
#3
○委員長(平林剛君) この際、お諮りいたします。
 現在、当委員会に本付託となっております女子教育職員の産前産後の休暇中における学校教育の正常な実施の確保に関する法律の一部を改正する法律案は、ただいま発議者全員より撤回したい旨の申し出がありました。この際、これを許可することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(平林剛君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
   ――――――――――
#5
○委員長(平林剛君) 次に、継続調査についてお諮りいたします。
 本委員会においては、今期国会開会以来、教育、文化及び学術に関し調査を行なって参りましたが、問題が広範多岐にわたるため、いまだ調査を完了するに至っておりません。従いまして、今期国会が閉会いたしまして後毛、継続して調査を行ないたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(平林剛君) 御異議ないと認めます。
 つきましては、本院規則第五十三条により、議長に提出いたします継続調査要求書につきましては、その作成、提出等の手続は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(平林剛君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
 なお、本調査事件に関連して委員派遣を行なら場合の要求書の提出、その他の手続等につきましては、あらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(平林剛君) 御異議ないと認めます。
 なお、調査事項、日時、人選等につきましては、委員各位の御意向を十分尊重の上、理事と協議をいたして参りたいと存じます。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#9
○委員長(平林剛君) 速記をつけて。
   ――――――――――
#10
○委員長(平林剛君) それでは、ただいま付託となりましたので、自社共同提出によります女子教育職員の産前産後の休暇中における学校教育の正常な実施の確保に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、まず、発議者より趣旨説明を聴取いたします。
#11
○近藤鶴代君 ただいま議題となりました女子教育職員の産前産後における学校教育の正常な実施の確保に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案者を代表して、提案の理由並びに内容の概略を御説明申し上げます。
 去る昭和三十年の第二十二回国会において、参議院の各党各派の共同提案にかかるこの法律が成立し、その施行によって、補助教員の配置状況は漸次充実して参りました。しかしながら、この法律の趣旨、すなわち労働基準法に規定するところの十二週間を最低として休業させ、その期間を補助教員配置の期間とするという精神は、いまだに徹底を欠き、補助教員を完全に配置しておりまするところは十二県にとどまり、その他の府県におきましては財政上の理由等によりいずれも八週間ないし六週間に短縮されている現状でありまして、女子教育職員が、その担当する児童生徒に対する教育的良心から、産前の休暇はほとんどとられていないという実態は、法の施行前と大差なく、過労による異常産はきわめて高い比率を示しており、これらのことが教育上多大の支障をもたらし、学校教育の正常な実施を阻害する原因となっておりますことは申すまでもありません。
 このような現状にかんがみ、本改正案は、まず第四条を全面的に改めて、女子教育職員が出産する場合、任命権者は、産前の六週間及び産後の六週間、または産前産後を通じての十二週間のいずれかの期間を任用の期間として補助教員を臨時に任用するものと規定いたしました。従いまして、国及び地方公共団体の任務として、必要な財政的措置を講ずべき旨を規定しておりまする第三条は、不要となりますので、これを削除することといたしました。また、この第四条改正の趣旨にのっとりまして、法律の題名を「女子教育職員の出産に際しての補助教員の確保に関する法律」に改めることといたしております。
 改正の第二は、この法律の第二条第一項に定められておりまする学校に、新たに幼稚園を加え、同条第二項の教育職員に、幼稚園に勤務する園長以下の教育職員を加えて、これらの教育職員についても、この法律を適用することといたしたことでございます。
 改正の第三点は、私立の学校においても、学校の設置者は、この法律に規定されている国公立諸学校と同様の指貫を講ずるように努めなければならない旨を、新たに規定したことでございます。
 なお、この法律は公布の日から施行することといたしてあります。
 以上が改正の趣旨及び内容の主要点でございますが、特に本改正案は、自由民主党及び日本社会党の共同提案にかかるものでありますことを申し添えます。
 何とぞ十分御審議の上、すみやかに御賛同下さるようお願いいたします。
#12
○委員長(平林剛君) 引き続き本案の質疑に入ります。
 質疑のおありの方は、順次御発言を願います。――別に御発言もなければ、これにて質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○委員長(平林剛君) 御異議ないと認めます。よって、質疑は終局いたしました。
 これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
#14
○千葉千代世君 私はただいま議題となりました自由民主党、日本社会党共同提案の女子教育職員の産前産後の休暇中における学校教育の正常な実施の確保に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の意を表します。
 昭和二十一年に全国二十四万の女教師を含む五十万の教職員の組合が当時の文部省と団体協約によって産前、産後の休暇のきめをいたしました当時は、労働基準法がまだございません時代でしたけれども、日本の女子労働者並びに教育の正常な実施を行なうために女子教職員の産前、産後の休暇、このことに当時の文部省が鋭意力を注いで、その団体協約の中には産前、産後十六週が規定されました。これは産前、産後を通じての十六週でございました。これによりまして全国の女子教職員並びに一般の教職員、教育行政者はよい教育が行なわれるために母体の保護と、それから教育を正常に行なっていくための産休補助教員の設置について努力をいたしました。けれども、団体協約によるものは産前、産後の休暇と、この取りきめだけでございまして、補助教員はその当該府県によりまして設置いたしておりましたためにまちまちでございまして、戦前は大体四十二日ぐらい、こういう状態でございまして、多かれ少なかれ各県によって非常な差がございました。これはやはりよい教育を行なうためには全国が同じように産休補助教員を設置していかなければならない、こういう要望となって当局の話し合いが進められておりましたけれども、何分にも地方財政の逼迫とかいろいろな事情によりましてなかなか産休補助教員を設置することができませんでした。できておりましても十二分の効果を上げることはできませんでした。そこで全国の女の先生方は男の先生と一緒になって、女子教職員の分べんに関する実態調査を行ないまして、その中から異常分べんの問題あるいは産前休暇のとれなかった場合にはこういう弊害が起こる、産後はとりいいけれども産前はとりにくい、こういうもろもろの実態が出されまして、これはどうしても法律化していかなければならない。当時自由民主党提案でございました。昭和三十年の七月に立法化されました。けれども、これは義務設置ではございませんでしたために、せっかくできたよい法律でございましたが、各県でも努力はいたしておりますけれども、この法律の効果を十二分に発揮することはできませんでした。そこでその不備を補うために今回の提案になったわけでございますが、との法案の過程に際しまして、特に残念でございますことは、事務職員の方々が同じように産休の要員をほしい、これは非常な熱烈な要望でございました。また、実習助手の方々からも非常に強い要望がございました。これを何とかしてこの法案の改正の中に入れていただきたい、こういう熾烈な念願がございましたけれども、願いをかなえることはできませんでしたが、これはなるべく近い将来に当局に十分な御配慮をいただきたい、こういう念願をいたしております。先ほど近藤委員から述べられましたように、幼稚園の問題、私立学校の問題が入ったことはまことに喜ばしいと存じますが、くれぐれも申し上げたいことは、この法の運用に際して、再びかつての法の運用のように不満足であったことのないようにお互いに努力をしたいと存じております。
 以上をもって賛成の討論といたします。
#15
○委員長(平林剛君) 他に御意見もなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○委員長(平林剛君) 御異議ないものと認めます。よって、討論は終局いたしました。
 これより採決に入ります。女子教育職員の産前産後の休暇中における学校教育の正常な実施の確保に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#17
○委員長(平林剛君) 全会一致でございます。よって、本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本院規則による諸般の手続等につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○委員長(平林剛君) 御異議ないものと認めてさよう決定いたしました。
   ――――――――――
#19
○委員長(平林剛君) 次に、学校教育法の一部を改正する法律案及び学校教育法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理に関する法律案を一括して議題といたします。
 質疑の通告がありますので、この際発言を許します。豊瀬禎一君。
#20
○豊瀬禎一君 前回の委員会におきまして、私は文部大臣に対しまして、本法案の内容というよりも、新たに学校制度を複線型となす内容を持っておるいわゆる高専法案を提出されたそのほんとうのねらいというか、科学技術者養成教育等の全体的な計画と体系の中から高専法に対していかなる期待と位置づけを持っておられるか、具体策を提示していただくように要望をして、質問を途中で打ち切っておったのですが、その点に対しましてあらためて大臣の御答弁をお願いしたいと思います。
#21
○国務大臣(荒木萬壽夫君) この前もお答え申し上げましたように、いわゆる複線型になるわけでございますが、要は青少年に対しまして、もろもろの条件に応ずるような教育の場を提供することも教育目的上の一つの課題だと心得る点が第一点でございます。さらに、それは当面は、いわゆる所得倍増に応ずべき中堅技術者の育成ということにもあるわけでございますが、もっと根本的には世界的な、日本もその例外でないところの技術革新に応じていかねばならないという社会的国家的課題、これは単に池田内閣の当面の政治目標たる所得倍増よりももっと根本的な、しかも、長期にわたっての見通しにおいて必要とする課題であろうかと思いますが、それに応じます意味におきましてもこの制度が必要だ、かように考えておる次第でございます。
 なお、この前御質問の、当面する所得倍増問題に関連して量的にあるいは時期的にどういう一応の構想を推定しておるかという点について具体的に申し上げないでおりましたが、要すればその点も政府委員から補足して御答弁申し上げたいと思います。
#22
○政府委員(小林行雄君) 先般科学技術者養成計画に関連いたしまして、高等専門学校の卒業者をどういうふうに考えるかという趣旨のお尋ねがございました。これにつきまして資料を御配付申し上げておりますので、それによってごらんをいただきたいと思いますが、御承知のように、この制度の発足後の設置規模の状況につきましては、特に公立、私立につきましては、現在ではまだはっきりといたしておりませんので、私どもといたしましては、一応の試案をお示し申し上げたのでございます。従って、そこにあります入学定員並びに学校数につきましても、国公私を分けることは、現状におきましては困難でございますが、大体私どもといたしまして、とりあえず一期計画、二期計画、三期計画というようにいたしまして、各府県に少なくとも一つずつくらいの高等専門学校を設置するように努力いたしたいというふうに考えておるわけでございます。その設置された学校におきましては、一校の規模が、入学定員二百人で五年制でございますので、収容定員一千人ということを仮定して計算いたしております。
 なお、所得倍増計画における技術者養成の関係から申しますと、昭和四十年度までの入学者が所得倍増計画の技術者養成に加わってくるわけでございまして、これは大体一万二千人程度を充足することになろう、かように考えておる次第でございます。
#23
○豊瀬禎一君 答弁のさなかに資料をもらいましたので、十分検討する余裕もなし、さらに大臣答弁並びに局長答弁もきわめて抽象的で、わざわざ三日間の日にちをおいて検討してもらった答弁にしてははなはだずさんというよりも、ほとんど前進していないような内容なのですが、単に高等専門学校に三期計画を立てて九千二百人を養成する、こういう年次計画は一応資料としては承服できますけれども、私が最も明確にしてもらいたいとしておる点は、何回も前回繰り返して申し上げましたように、大学院卒業程度の者、大学卒業程度の者、短大卒業程度の者あるいは高等工業等いわゆる高等学校卒業程度の者、全体の数の中で高専をどういうふうな具体的な中堅技術者の養成という位置づけをするか。そのためには、全体の人数をそれぞれこれだけふやしていくその中で、ただいまの資料の九千二百という数を確保したいのだ、こういう資料をそのことだけに私は大体一時間程度使って質問をしたはずですが、そこまで検討が進んでおるならばもう一度御答弁を願いたいと思います。
#24
○政府委員(小林行雄君) この高等専門学校は御承知のように、中堅技術者を養成するということを建前といたしておるわけでございます。従って、大学院なりあるいは大学といったそういう四年課程以上のものを出て参りました高級技術者のカテゴリーと違うわけでございます。また、高等工業学校卒のいわゆる初級技術者の範疇とも違うわけでございまして、大体短期大学なりあるいはこれに準ずるようなものに相当いたします中堅技術者の確保のための欠くべからざる数というふうに考えておるわけでございます。一万二千人の養成計画におきましても、この短期大学卒に期待するものがあるわけでございますが、これも十分でございませんので、さらにこれを補う意味でこうした五年制高等専門学校の設立はきわめて重要であるというふうに考えております。
#25
○豊瀬禎一君 時間がないので、この問題についてはこれから先続いて質問いたしませんが、今の大学局長の答弁も、端的に言って答弁になっていません。短大と高専は違いますので、こういうものについては中堅技術者の養成云々と、これは提案理由に明確に書いてある。私はこの提案理由の抽象的な目的でなくして、さっき言ったように、十七万足らないなら十七万、四十二万足らないなら四十二万の中で、大学院等では日本の将来の科学の発展という観点から、現在あなたの出されておる資料の中から見ると、これだけある、その中で大学院卒業等は十年間のうちに五万ふやすんだ、現行四年制の大学を卒業した者は、前回の資料で約十万、これを今後十年間のうちに十五万にする、そのためには年次計画としてこう進めていきたい、こういう計画があるかないかということを質問したのですけれども、ただいまの答弁から見ると、全く金曜日からの質問に対する検討は前進しないと判断せざるを得ないと思います。私はここに前の委員会等におきまして池田科学技術庁長官と文部省が委員会の席上で争うという事態を生じた問題が相互の意思疎通とか、あるいは見解の相違といったものをこえて、文部省そのものに科学技術者の養成という長期計画の具体的なプランの欠除を意味しておると思う。私はこういう重要な法案を提出しておれば、もっと綿密な資料の裏づけをもって計画を立てた後に法案を作成すべきで、大学局長の前回の答弁のごとく、法案が通るかどうかわかりませんので計画は立てておりません、という、こういうずさんな文教行政を展開しておっては、日本の教育は非常に前途暗たんたるものがあると思います。十分の検討をお願いしておきたいと思います。
 次に質問を進めますが、私の第一の質問の基本的な観点に立って第二の質問は進んでくるんですけれども、専科大学法案等のいきさつから考えて、将来、現行の一般の短大等はもちろんのことですが、特に工業関係等の短大と、この関係についての問題があると思います。とのことに対して現行の短大は育成をしていく、高専法も実施していく、これを両立さして、両方とも強化発展さしていくという基本的な観念か、それとも将来は両者を十分検討して廃合統合等も考えておるのか、簡単に答弁願いたい。
#26
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ただいまの御質問に対しまして、結論から先に申しますれば、制度としては全然別個のものと心得ております。ただ実際の問題としましては、特に私学においてしかりと思いますが、私学の自主的な立場において検討した結果、特に工業短期大学をむしろこの高等専門学校に切りかえることをよしとする学校がないとは言えないと思います。それはことさら、そういうようなことを強要しようとか、強制しようとか、強制はもちろんできませんけれども、強要しようとかという考えは持っておりません。それは現実の問題として今後どう現われてくるかの問題にかかると思います。制度としては別個に育成していかれるべきものと心得ております。
#27
○豊瀬禎一君 少なくとも国立関係の短期大学は制度も違うし、今後短期大学の持っておる特徴を考えて強化発展さしていく、こういうふうに理解してよろしいですか。
#28
○国務大臣(荒木萬壽夫君) その通りでございます。
#29
○豊瀬禎一君 次に、工業教員養成等の、前にも問題になったのですが、今回の法案の中でも、中学卒業者を入学させることになっております。この教官が、現在出されておる法案を見てみますると、資格というか、免許法等の関係から見てもきわめてあいまいです。高等学校の生徒に対しましては、きちんと免許法の定めがある。ところが、中学校卒業生徒を収容していく本法案に対して、教員の資格等も明らかでないし、また、出されておる資料を見ましても、いわゆる、私どもがたびたび諸法案と関連して力説しておる一般教養と申しますか、これについてもきわめて軽視の方向をたどっておる。そういう学校教育を施していくことについては、非常に問題があると思うけれども、大臣は、この今申し上げた教官資格問題と、それからそれに伴ってくる生徒の一般教養を深めていくという問題に対して、基本的にどういう考えをお持ちですか。
#30
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 教官の免許状ないしはその資格という点におきましては、五年の一貫した教育を施すという建前でございますから、いわば短大の教官の資格を念頭に置きながら構想しておるわけでございまして、従って高等学校の教員の免許状の有無というものを第一義的には考えてはない、かような考え方であります。一般教養はもとより大事ではございますが、同時にまた一面、限られた期間内に専門的な教育をなるべくみっちりと教育するということも一つの大事なことだろうと思います。時間数等において一般教養の科目が、他に比べて比較的少ないことをうらみとはいたしますが、しかし、それは教官の専門教育を通じての教育上の心がまえ等によって相当補い得ることも期待できると思うわけでございまして、他面、専門教育の深い教養を積むこともまた当然補いはつきませんまでも、高等専門学校の期待する人材の養成ができるのじゃないかと考えておる次第であります。
#31
○豊瀬禎一君 了解しがたい点が多いのですが、矢嶋委員の質問を控えていますので、以上で終わります。
#32
○矢嶋三義君 この高等専門学校については、たくさん質問したい点があり、また、質問しなければどういう学校かわからない点がたくさんあるわけですが、委員長・理事打ち合わせの決定に基づいて質問をいたします。それで承っておきたいのは、何分くらい委員長、お許しがいただけますか。その範囲内でやります。
#33
○委員長(平林剛君) 私から時間の制限はいたしませんが、前々からお話し合いがありますような範囲内で一つお願いいたします。
#34
○矢嶋三義君 豊瀬委員の質疑に関連してでありますが、ここに出ております高等専門学校は各都道府県に一校は建てたい、その一校とは国公私立を通じて一校なんですが、文部大臣に伺いますが、国立高等専門学校は何校程度建てる予定であるか、お答えいただきたいと思います。
#35
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 国立は具体的に何校ということは予定いたしておりません。
#36
○矢嶋三義君 大まかな数字を持っておられないのですか。ただ国公私立を通じて四十六校、四十四年度に建てる、こういうことですか。
#37
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 政府委員からお答えいたします。
#38
○政府委員(小林行雄君) 先ほど申し上げたのでございますが、公立、私立の設置希望状況がまだわかりませんので、大体、私どもとしてはきわめて予測的でございますが、一応こういった計画試案を出したわけでございまして、少なくともここに出ております学校数の半分以上は私ども国立で設置をしなければならぬだろうというふうには考えておる次第でございます。
#39
○矢嶋三義君 一校入学定員二百名としておりますが、学科はどういう学科を予想しておりますか。
#40
○政府委員(小林行雄君) これは大体五学科を一応規模に考えておるわけでございまして、これはやはり科学技術者養成上最も需要の高い学科、たとえば機械、あるいは電気、あるいは工業化学、土木、建築、こういったものを主に設置を計画いたして参りたいと思っておるわけでございます。
#41
○矢嶋三義君 確認しておきたいのですが、理工系技術者の今後十年間の養成計画の十七万人のうちの七万人は大学で養成しても約十万不足すると、その十万のうちこの高専によって約一万二千充足すると、こういう計画だと了承てよろしゅうございますか。
#42
○政府委員(小林行雄君) さようでございます。
#43
○矢嶋三義君 高等専門学校設置基準が示されてないので、いかなる学校かということはにわかに判断しがたいのですが、設置基準はいつきめるのか、現在構想を持ってるならばその最も主要なる要点三点ほど述べていただきたい。
#44
○政府委員(小林行雄君) この点につきましては、私ども一度専門家に集まってもらいましていろいろ研究はいたしておりますが、まだほんとうの試案の状況でございまして、確定したものではございません。しかし、一応こういうような方向でいったらいかがであろうかというふうに考えておるものがございます。その中身を一応、これは先ほど申しましたように、将来まだ検討の結果変更することがあるということでございますが、一応それを申し上げますと、目的、性格は、これは大体御承知のことと思います。それから修業年限、入学資格等は大体これも法律案通りでございますが、まず教員の組織につきましては、大体三学科並修、たとえば入学定員百二十人ぐらいのところで参りますと、五十人前後の、校長以下、教授、助教授、講師、助手等で五十人前後の教員組織を持つことになろうと思います。なお、教育課程につきましては、大体これは一週間に一時間の授業をするということで、年間を通じまして三十五週、二百十日の授業を行なうというものを一つの単位にいたしまして、大体総計で百九十一単位というような計算をとっております。ただし、この単位と申しますのは、大学における単位とは違っておりまして、先ほど申しましたように、時間数で計算するものでございます。この百九十一のうち専門科目が大体百八の単位でございます。それから人文、社会が十二、自然が二十七、国語が九、保健体育十一、それから外国語が二十二、ホーム・ルーム二というような一応計算をいたしております。これを五年制の高等専門学校と工業高等学校を標準例で比較いたしますと、工業高等学校の方は、大体百十一単位程度、それから短期大学は短期大学の設置基準によりますと三十四単位程度で、工業高等学校と短期大学を合わせたものが百四十五単位程度になっておるわけでございます。それから高等専門学校の先生の資格でございますが、先ほどお尋ねにもございましたが、確かに高等学校の先生は免許状を必要といたしますが、この高等専門学校におきましては、低学年におきましても免許状を必要とする制度にはしないつもりでございます。もちろん実際上はそういった免許状所有者が低学年の先生として採用されることは非常に自然でありますし、また多いと思うわけでございますが、制度といたしまして、たとえば専門科目も低学年からある程度始められるというようなことが相当考えられますので、そういった差異が生ずるのはやむを得ないことだと思っております。で、教員の資格といたしましては、大体教授につきましては短期大学の基準によるもの、それから生産現場等で相当年数の経験のある方、助教授につきましても大体短期大学の基準による資格のある方、そういうことに一応予定はいたしております。
#45
○矢嶋三義君 ただいま述べられた数字の中の短期大学設置基準三十四という数字は、これは六十二の間違いじゃございませんか。
#46
○政府委員(小林行雄君) 先ほど申しましたように、高等専門学校は単位制をとっておりませんで、時間数で計算いたしております。なるほどただいま仰せの通り短期大学といたしましては単位数として六十二単位でございますが、時間数を計算いたしますと三十四、これは毎週一時間当たりの授業を三十五週やるということで計算いたしますと三十四程度の単位になる、こういうことでございます。
#47
○矢嶋三義君 この表はもう時間がないから追及いたしません。これは間違っていると思う。これだったら今の短期大学はとんでもない大学だということになります。非常に過小評価した表になっておりますが、この前資料として出していただきました教科課程のこの表にはずいぶん問題があります。しかし、時間がありませんからさらに追及いたしません。しかし、この表にかような数字を並べたことに僕は非常に疑問を持っているということを指摘しておきます。
 次に伺いますが、高等専門学校卒業生は、大学の二年または三年に編入させるという説明をなされておりますが、編入試験の受験資格は二年なのか三年なのか、いずれであるのか。各大学においてテストして合格すれば各大学の判断によって自主的に編入学の合否を決定できると思うのですが、いずれであるか、明確にしておいていただきたい。
#48
○政府委員(小林行雄君) 高等専門学校卒業者が大学の入試を受けて大学に編入される場合には、これは大学の規則できめる建前をとりますので、はっきりここで何年ということは申し上げられないと思います。大学によっては三年に編入するところも出てこようかと思います。
#49
○矢嶋三義君 ということは、たとえば東京大学のごときは、編入試験資格を認めないということも大学によってはあり得る、こういうことですね。
#50
○政府委員(小林行雄君) これは編入を希望する生徒と申しますか、学生の実力によるものでございまして、当然編入試験が行なわれるわけでございますので、その試験を通じての力によって編入すべき学年をきめることになろうと思います。従ってある大学で、場合によっては編入をお断わりするということもあり得るかと思います。
#51
○矢嶋三義君 文部大臣に伺っておきますが、国立の工業短期大学、そこに付属高等学校が付設されておる。この国立の付属高等学校を有する工業短期大学は、異質であるがゆえに工業の高等専門学校に移行措置がとられることはない。よろしゅうございますね。
#52
○国務大臣(荒木萬壽夫君) そういうことはきめておりません。
#53
○矢嶋三義君 局長に伺いますが、この高等専門学校は公立、私立になった場合に、都道府県段階においては教育委員会の所管に入るのか、それとも知事部局の所管に入るのか、お答え願います。
#54
○政府委員(小林行雄君) 公立の高等専門学校は、これは御承知のように大学は知事部局の所管ということになっておりますが、高等専門学校は教育委員会の所管ということにいたします。
#55
○矢嶋三義君 文部省では高等専門学校が初中局の所管でなくて、大学学術局の所管になりましたね。その点は地方と中央とにおいて所管が違うわけですね。それでよろしいですか。
#56
○政府委員(小林行雄君) 大学局の事務の関係で教育委員会にいろいろ関連を持ってお願いしておる事項も他にもいろいろとございます。従って、初中局の関係にしなければならないというふうには考えておりません。これはやはり一種の高等教育機関というふうに考えておりますので、私ども大学局の方で所管をいたすことになっております。
#57
○矢嶋三義君 非常に疑問があります。しかし、時間がありませんから質問を続けます。高等専門学校の教科書は検定制をとるのですか、とらないのですか。
#58
○政府委員(小林行雄君) これはただいまのところ、特に検定制をとるということは考えておりません。
#59
○矢嶋三義君 高等専門学校は一年、二年、三年の学年制をとっているわけですが、一年、二年、三年制についても検定制をとらないのですか。
#60
○政府委員(小林行雄君) 実際問題といたしましては、検定を通過した教科書が教育上採用されることが多かろうと思いますが、そういうことを要件とは考えておりません。
#61
○矢嶋三義君 そこにもまた問題があります。
 次に文部大臣に伺いますが、高等専門学校には生物、地学、音楽、美術、こういうものが一切教科課程の中にないのですが、これに対する所見はいかがでございますか。
#62
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 政府委員からお答えさしていただきます。
#63
○政府委員(小林行雄君) お話のように、たとえば芸術関係の時間というものは設けておりません。なお、自然の時間はかなりでございますが、確かにそういう点で一面まあ普通の高等学校と比較いたしまして差異の出てくるところがございますけれども、主として専門の科目に重点を置くということで、たとえばただいま御指摘のありました芸術関係の美術、音楽等は一応省いておるわけでございます。
#64
○矢嶋三義君 義務教育の中学校を卒業した生徒諸君を収容する学校として、あるいは美術がゼロ、音楽がゼロ、地学、生物、こういうものがゼロというような教科課程の編成については、人格形成上非常に問題のある教科課程の編成方針だということを声を大きくして指摘をいたしておきます。
 次に伺いたい点は、現在の学校教育法に基づく工業高等学校の専攻科というのはどの程度に充実、利用、活用されておられますか。と同時に、現在の工業高等学校の施設、設備の整備状況は標準からいって、全国平均何%程度に現在達しておられるか、お答え願いたいと思います。
#65
○政府委員(小林行雄君) 工業高等学校の専攻科についてのお尋ねでございますが、私数字を持っておりませんけれども、実際問題としては大都市等では一部希望があるという、かなり利用されておるということでございますが、地方へ参りますと、こういうことの要望が比較的少ないため、設置されておらない実情のように聞いております。
 なお、後段についてのお尋ねはちょっと伺い漏らしましたので、もう一度繰り返していただけませんか。
#66
○矢嶋三義君 現在工業高等学校の施設、設備の整備は、文部省が一応基準、標準を設けている。それに対して何%程度の充足率であると判断されておられるかと聞いている。
#67
○政府委員(小林行雄君) 設備の充足等につきましては、御承知のように、産振法等の補助金等で従来年次計画を立てて充実をいたしておるわけでございますが、私ども聞いておりますところによりますと、大体基準の七割程度には工業関係のものはいっておる。それ以外の、たとえば職業関係で申しましても商業その他はおくれているようでございますが、工業高校については六割ないし七割の点までいっているというふうに承っております。(「議事進行」と呼ぶ者あり)
#68
○矢嶋三義君 これで終わりですからね。委員長、議事進行の声もかかっていますからね。ここで文相に希望を申し述べて一つお答えいただいて、私質問を打ち切ります。それは、文部大臣に意見を申し述べ、答弁していただきたい点は、まず第一番にこの高等専門学校というものは、どういうものかよくわからないということです。設置基準もないし、教科課程の内容についても、一、二触れましても、どういう内容の学校ができるのか明確でない。これは提案者として用意が不十分であったということを私は指摘いたします。で、質疑の間にいろいろと意見もあったことですから、今後早急にわれわれの質疑の意向もくみ入れて検討していただきたい。できたならば、当委員会に出していただきたいことを要望申し上げます。それから、一つの基本方針として現在の工業高等学校というものは施設、設備がその基準の八割から七割だというのですが、これを国並びに地方公共団体が精力的に予算を投じて、これを充実することによって、現在の工業高等学校の水準を上げることができると思うのです。さらに学校教育法にうたわれているところの専攻科、これを活用することによって、この法律案の提案理由の一つの大きな柱となっている中堅技術者の充足も、現在以上飛躍的に私はできると思うのです。そういう点に対する予算的努力を逃避して、こういう高専法案にイージー・ゴーイングにいくところに、国の文教政策として私は非難、反省を促さなければならぬ点があると思います。これに対する文部大臣の見解を承って、議事進行も出そうでありますから、私の質問は終わります。
#69
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 第一点は、御指摘の通り、おしかりを受ける意味があると思います。ですけれども、まあ申し上げれば、学校制度をこういうふうな構想で作りたいという法律案を御審議を願いますそのときすらも、むろんもっと具体的に検討したものを御披露すべきであることは御指摘の通りでございますが、いずれは具体的に国立でございますれば作りますときに、一々どこに置くのだということを、さらに国会であらためて御決定いただかねば置けないわけでございますから、そのときまでに十分検討して、御説明も申し上げたいと思っておったことの結果が、いささか準備不足ということになって現われていることを、弁解じみておそれ入りますが、御了承いただきたいと思います。十分検討させていただきます。
 第二点は、初級技術者と申しますか、中堅技術者と申しますか、高等学校の卒業生に対することも非常に大きいわけでございますから、すでに御案内の通り産振法に基づく実験、実習施設につきましては、補助率を少し引き上げて予算も御決定いただいております。また普通校舎につきましても従来は都道府県まかせであったものを、わずかではございますが、補助金を政府からも出すということで、いささか前向きの努力をしているつもりでございます。三十六年度についてはその総額においても微々たるものではございますが、今後さらにこれが充実のためには努力して参りまして御期待にこたえたいと思っております。
#70
○委員長(平林剛君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#71
○委員長(平林剛君) 速記をつけて。
 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#72
○委員長(平林剛君) 御異議ないと認めます。よって、質疑は終局いたしました。
 それでは、これより両案の討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
#73
○豊瀬禎一君 私は日本社会党を代表いたしまして、本法案に反対の意見を申し上げたいと思います。
 本法案の審議に入りまして、大臣その他政府委員等にたびたびただして参りました最も大きな問題点の一つは、政府が強く主張し、国民もまた要望しております科学技術者の養成という問題に対して、文部当局が――ただいまの大臣の答弁によりますと、いささか準備不足といったような程度に考えておられるところに重大な問題があります。私はこの法案を見ましても、また大臣の答弁を聞きましても、準備不足というよりも、科学技術者の養成に対する長期計画に対して全く無為無策であると断じて差しつかえないと思います。このことは金曜日の委員会でも検討するよう要望しておったにもかかわらず、数日を経た今日といえどもなお具体的な計画がないということは大臣の答弁で、あまりにも明瞭なことであります。私は与野党を問わず、日本の科学振興のために、文部当局が早急に科学技術者等の養成に対しまして長期の計画を立案し、もっと大胆率直にその施策を実現していく決意と計画を持つべきであり、この計画なくしてこの法案を出したということはどんなに弁解しようとも、文部当局に対する無能を指摘されても答弁の余地はないと思うのであります。
 第二に私が指摘したいのは、これは工業教員養成等の問題とも関連して一貫した文部省の行政施策の中に現われておる顕著な問題でありますが、学校教育が全人教育として進められなければならないことは大臣といえども十分御承知のはずであります。ところが、まだ審議を終わっていないところの学校教育法等の法案を見ましても、工業教員の養成に関する法律を見ましても、常に現われておる特徴は、人間として最も大切な基礎学力といいますか、基礎教養といいますか、一般教養を非常に軽減して安易な、かたわな技術者を養成しようとするところであります。私どもはたびたび委員会において指摘しましたように、技術者といえども将来その人が有能な技術者となるためには、基礎学力はもとよりのこと、深い一般教養を十分青少年時代に陶冶しておくことが将来有能な基礎技術者になるということだと、たびたび指摘しました。ところが、これらの数法案はすべて何と申しますか、安易に当面の事態を糊塗しようという計画のもとに、全体の法案の関連性とか、学校教育諸制度との関係とか、将来どの程度養成すればいわゆる科学技術者が不足しておるという事態に立って対応し得るかどうかという計画もなく、重要な教育の基礎諸問題を抜きにして養成しようとしておることは、これは文部行政という観点からだけでなくして、教育全般の立場に立ってきわめて重大な問題であり、絶対に許容できないところであります。たとえば矢嶋委員がただいま質問しましたように、所管事項は教育委員会、本省においては大学局、しかも、中学卒業程度の生徒を収容するにかかわらず、その資格等についても不明確であるし、人間としてきわめて重要な芸能方面、人文科学等についてもこれを欠除している。戦前、学校教育において軍事教練が盛んになり、竹やりや銃剣術の練習が多くの課題を占めて、音楽、図画とか工作等の人間形成のための深い教養をおろそかにした結果がどうなったかは、大臣その他の関係者は十分御承知であると思います。私は現実の事態に立って中堅技術者を養成しようとするこの法案は、数年を出ずして法案自体から内部矛盾を露呈し、文部省が善意に考えても、予期し、期待しておるところの充足はできないことはもちろん、全面的に改正せざるを得ない窮地に陥ってくることは当然予測できる問題だと思います。さらに学校制度の立場から考えましても、これまた大臣の答弁では不明確でありますが、私どもは戦後の単線型の教育制度は諸外国のこれと比較していろいろの問題を含んでおっても現在の日本の教育体系としては一応望ましい形であると思います。もちろん私どもは時代の進展に伴ってこれに固執するものではありませんけれども、これを破壊するというか、この体系をくずして新たな制度を設ける以上は、この高専というものが学校教育制度の中でいかなる位置づけを持つかということについては十分の検討と用意がなさるべきであります。きょうの質問でも明らかになった点ですが、どこに作るかもまだ明確でない。私どもは少なくとも行政府が学校を作る、学校制度を創設するという以上は、どの程度の生徒を収容し、どの地域に日本の科学の進展のために設定していくか、これらの一つのプランを持ちながらこの法案を立案し、それに基づいてその計画のもとに法律を提出すべきであると思います。これらの観点から考えましても、研究不足というか、きわめてずさんな法律であります。
 また次に指摘したいのは、中教審等においても賛成を得たと言われますけれども、中教審へ大学制度に対して諮問をしたのは実に数年前のことであります。そうしてこの中には明らかに短大の強化を明記しておりますし、十分検討することを要望しているにもかかわらず、単にこの法案は賛成することを求めただけで――高専を設置するとすれば、ほかの諸学校との関係をどう持っていくか、また高専のあり方としては将来どうあるべきかという問題等についても中教審等に対して十分の諮問も行なわず、短兵急に出してきた問題であります。
 さらに指摘したいのは、たびたび国会で反対にあい、つぶれました専科大学法案の焼き直しであります。もちろん私は焼き直しであるという原則線に対してとかく言うものではありませんけれども、この問題に対しましては、今日まで幾多の問題を含んでいるにもかかわらず、この法案に対しましては、専科大学制度で問題になりました諸点に対しても文部当局は十分の解明も答弁も行なえないというのが現状であります。私どもは文部省がこの法案を撤回し、十分金曜日にも指摘しましたように、日本の教育制度、教育のあり方に対する基本的な問題に対して諸学者の意見を十分聴取した後に、さらに文部省が科学技術者の養成という大局に立って長期計画を策定し、しかる後に本法案に対しての審議を求むべきが当然であると思います。今国会の最も大きな特徴は、きわめて当面を糊塗する法案を続出され、しかも、会期の末になって提案されてくるという、このことだけを指摘いたしましても、文部当局が教育行政に対して系統的な策を持たないというよりは、きわめて無責任な、教育基本法十条に違反する疑いのあるような教育行政を展開している点を私は強く指摘いたしまして、本法案に対して反対の意思を表明するもの
 であります。
#74
○安部清美君 私は自由民主党を代表いたしまして、ただいまの、いわゆる高専法案に賛成の意見を述べようとするのであります。
 第一点は、世界の文化文明の進運に対しまする科学技術の位置づけというのは、非常な大きな分野を占めて参りました。わが国の産業界の要求、あるいは一般の日本の状態から考えましても、科学技術者を養成することは、目下喫緊のことであるとわれわれは感ずるのであります。今回の高専、いわゆる高等専門学校が、その世論の要求に応じて作られたものであるということは、私どもまことに喜ぶべきことだと考えておる次第でございます。
 第二点に、いろいろこの高専法案について論議がかわされたのでございますが、その中心論点は、いわゆる学制の問題である。いわゆる学校形態の問題であると思うのであります。単線型、複線型の問題が中心論議であると私は考えるのでありますが、私どもは、六・三・三・四制というものは、敗戦後わが国に取り入れられましたりっぱな一つの学制であるという認識については、決して人後に落ちないと思うのでありますが、しかし、学校制度というのは、その国の要求、国の動き方に応じて考えらるべきものでありまして、わが国の六・三・三・四制は世界にまれに見る、いわゆる占領下において生み出されたものでありまして、アメリカの示唆によってそういうふうな学制というものが生まれてきておると思うのであります。私はこの際、六・三・三・四の学制のほかに、六・三・五のこの高専制度を考えるということは、現在の世論から申しまして当然のことであろうかと思っておる一人でございます。なお、先ほど豊瀬委員からもお話しになりましたが、諸外国の状態を見ましても、先般来資料を私は要求して検討してみたのでございますが、欧米各国、それぞれ独自な国情に応じて複線型を取り入れておるということは、私どもがこの法案に対してそうした世界の一つの動きにも大きく目を開くべきであるということを感ずるゆえんのものであると思うのであります。
 三番目は、簡単に申し上げますが、私は高専の内容、教育内容を考えまして、いわゆる五年間一つにまとまった同一系統のもとで教育するということは、われわれが多年教育界におきまし、六・三・三・四制で一番不満足に思いましたのは、三年の短期の教育が三・三と続いておるというところにいろいろな批判があったと思うのであります。ことに職業教育、わけて工業教育については、その点は常に批判されておった点だろうと思うのであります。これが、この高専制度において、新たなる角度でその問題について検討され、こうした一つの教育系統を作られたということは、私は非常に大きな進歩であると考えるのでございます。この制度が生まれまして、新しい日本に有為な人材が生み出されることを期待いたしまして、簡単でございますが、賛成の討論を終わりたいと思うのであります。
#75
○常岡一郎君 私は参議院同志会を代表いたしまして、高専法案に対しまして賛成の討論をするものであります。
 第一の理由は、学校形態の問題でありますが、私は、かつてソ連に参りまして、ソ連の学校形態を研究いたしましたときに、その根幹をなし、またこの高専制によく似た中等専門学校の制度がありますのを非常に深く感じて帰ったものであります。敗戦当時のあの全く島に閉じ込められた哀れな当時の日本の教育制度が、それが、今日急変して、膨張する、しかも、狭い日本において、土地も少なく資源も少ない、日本が立つ道は、全く敗戦当時と環境を異にしておりますので、こうした複線系統の組織ができることを痛切に待っておったわけであります。そういう意味におきましても、これは非常に適切なことであるとして賛成するものであります。
 第二の問題は、基礎的教養についてずいぶん議論されておりますが、基礎的教養の問題では、私は多くの人に接してしみじみ思うことは、教育というものよりも、実際に働くことによって非常に鍛えられた方が、頭の下がるような人格を持ち、実にりっぱな人であることが多々あるのであります。ことに私は、宮本武蔵の、あの剣に徹しながら、しかも彫刻にしても絵画にしましても、驚くべき姿を表現しておりますのを見まして、一つのものに徹すれば、その心身を出しきることによって吸集力をつかむ。それによって世の中の人間としての教養の基礎を吸集することができるというふうにかねて考えておりまして、こうした点から申しましても、この法律案が成立しますことを非常に期待しまして私の賛成討論といたします。
#76
○委員長(平林剛君) 他に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#77
○委員長(平林剛君) 御異議ないと認めます。よって、討論は終局いたしました。
 これより両案につき採決に入ります。学校教育法の一部を改正する法律案及び学校教育法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理に関する法律案の両案を問題に供します。両案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#78
○委員長(平林剛君) 多数でございます。よって両案は多数をもって原案通り可決すべきものと決しました。
 なお、本院規則により、議長に提出すべき報告書の作成等につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#79
○委員長(平林剛君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#80
○委員長(平林剛君) 速記をつけて。
   ――――――――――
#81
○委員長(平林剛君) 次に、愛媛県の教育行政に関する件を議題といたします。
 本委員会におきましては、地方教育行政の重要性にかんがみまして、かねてよりその一環として愛媛県の教育行政全般につき慎重に調査を進め、委員の指摘事項等につきましては、文部省及び法務省をして再三調査いたさせる等、あるいはまた問題の焦点に立つ方々を参考人として招致し、率直な意見を聴取いたすなど、綿密詳細にわたり調査を進めて参ったのでありますが、なお、本問題はその重要さ、複雑さから、いまだその不安を根本的に除去するに至っていない点は、まことに遺憾でございますが、一応ここに各派共同提案になります要望決議が提出されておりますので、便宜、私から御紹介をいたします。
 参議院文教委員会決議
 本委員会は国政調査の一環として、愛媛県教育行政、教育研究機関に関する加入の自由、教職員組合に対する脱退介入の有無、人事異動の適否等の実態について文部省、人権擁護局及び現地教育行政者教育実務者から、その実情と所見を聴取した結果、今後特に文部当局の注意を喚起すると共に行政上その施策と指導において万遺憾なきを期するよう強く要望する。
 ただいま私が提案申し上げました決議案を本委員会の決議といたすことに賛成の方の挙手をお願いいたします。
  〔賛成者挙手〕
#82
○委員長(平林剛君) 全会一致であります。よって本決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 本決議に関し、政府当局の発言を求めます。
#83
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 愛媛県の教育行政に関する本委員会の御決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして、行政上の施策と指導において万全を期する考えでございます。
   ――――――――――
#84
○委員長(平林剛君) 次に、幼稚園教育振興に関する件を議題といたします。
 本件に関し、北畠教真君より発言を求められております。
#85
○北畠教真君 本委員会におきましては、幼稚園教育の振興をはかるために、各党各派を代表する委員によって、昨年来、数回にわたって懇談会を開き、国公私立の幼稚園関係者を招いて実情を聴取するなど、熱心にこの問題を調査検討いたしました結果、当面の問題として、五つの重要な事項を解決することが幼稚園における教育の振興に欠くべからざることと考えられますので、ここに本委員会としての決議を行ないたいと存じ、決議案を提出いたします。
   幼稚園教育振興に関する決議(案)
  わが国幼稚園教育は八十余年の長い歴史にも拘らず、学校教育法にいわゆる学校として定められてから日なお浅いため、その充実向上は今後に期すべき点が多々あることを免れない。
  政府は、幼児の教育が人間形成の最も重要な基底となることにかんがみ、次の事項について深く検討を加えてその改善を図り、幼稚園教育振興のために速かに適切を措置を講ずべきである。
 一、幼児教育に関し、保育所との関連において根本施設を樹立すること。
 二、幼稚園設置基準を再検討し幼稚園の設置促進とその育成を期すること。
 三、公立幼稚園に勤務する教職員の待遇の実態を十分に調査して、速かにこれが改善の方途を講ずること。
 四、宗教法人立幼稚園の学校法人立への切り替えを容易にするための特別な法的措置を行なうこと。
 五、私立幼稚園の育成のため財政的措置を考慮すること。
 右決議する。
 何とぞ御賛成のほどをお願い申し上げます。
#86
○委員長(平林剛君) 北畠委員提案の決議案を本委員会の決議といたすことに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#87
○委員長(平林剛君) 全会一致でございます。よって本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 なお、本決議に関し、政府当局の発言を求めます。
#88
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 幼稚園教育につきましては、まだ整備すべき点がたくさんあることを承知いたします。決議の御趣旨については、特に財政上の措置もございますので、十分に調査研究して、御趣旨の実現に努力したいと思います。
   ――――――――――
#89
○委員長(平林剛君) 次に、勤労青少年教育の振興に関する件を議題といたします。
 本件に関し、矢嶋三義君より発言を求められております。
#90
○矢嶋三義君 本委員会では、勤労青少年教育の振興に関して熱心なる調査が続けられて参りました。わが日本社会党におきましては、勤労青少年教育の振興をはかる目的のために、高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の一部を改正する法律案を本院先議の形で提出をいたしました。その後、熱心なる審議が行なわれたわけでありますが、ここに自社共同提案の形で、勤労青少年教育の振興に関する決議案を提出することになりました。私、かわりまして決議案を朗読いたしますので、各位の御賛同をお願い申し上げる次第であります。
   勤労青少年教育の振興に関する決議(案)
  働きながら学ぶ青少年の教育をさらに振興するため、
 一、生徒の職場からの通学に対して、一層の便宜を与え、夜間の学校の卒業生の採用に当つては、昼間の卒業生と差別的扱いをしないよう、雇傭者に対する理解の徹底を図ること。
 二、定時制教育及び通信教育を行なう学校の事務職員等の待遇については、当該学校の教育の待遇に比し、適正を失しないよう考慮すること。
  以上の二点につき、政府は所要の措置を講ずべきである。
  右決議する。
#91
○委員長(平林剛君) 矢嶋委員提案の決議案を本委員会の決議といたすことに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#92
○委員長(平林剛君) 全会一致でございます。よって本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 なお、本決議に関し、政府当局の発言を求めます。
#93
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 勤労青少年の教育の振興をはかることが、文教行政上の、特に今後にわたっての重大課題の一つであることを承知いたします。決議の御趣旨を十分尊重いたしたいと思います。
   ―――――――
#94
○委員長(平林剛君) 次に、学校給食の振興に関する件を議題といたします。
 本件に関し、矢嶋三義君より発言を求められております。
#95
○矢嶋三義君 本院文教委員会は、過去長きにわたって、学校給食の充実進展について、調査あるいは審議して参ったものでありますが、最近、学校給食費の値上がり等で、若干父兄の間に困惑の色も見えます。また、昭和三十六年度の予算編成にあたりまして、各位御承知の通りに、学校給食関係の予算の最終決定までには幾多の紆余曲折があった次第でございます。終戦後開始されました学校給食を通じて、日本の生徒児童の体位の向上はきわめて見るべきものがあるわけでありますが、あな角度から見まするならば、日本の学校給食は今や曲がりかどにきたという見方もなされるかと思います。従って、わが日本社会党においては、本国会において、学校給食法の一部を改正する法律案並びに夜間課程を置く高等学校における学校給食に関する法律の一部を改正する法律案、さらに、盲学校、聾学校及び養護学校の幼稚部及び高等部における学校給食に関する法案の一部を改正する法律案、以上三法案を議員立法の形で、他会派の同調を得て本院先議の形で提出いたしました。
 その概要は、要するところ、父兄負担を軽減し、学校給食の充実と進展をはかることにあったわけでありまするが、会期の関係等で十分の審議を尽くすことができず、委員長・理事打合会等において実質的に検討された結果、自社共同提案の形で、学校給食の振興に関する決議案を提出することになりました。私、かわりまして決議案を朗読いたしまするので、各位の御賛同をお願い申し上げる次第であります。
 右決議する。
#96
○委員長(平林剛君) 矢嶋委員提案の決議案を本委員会の決議といたすことに賛成の方の挙手をお願いいたします。
  〔賛成者挙手〕
#97
○委員長(平林剛君) 全会一致でございます。よって本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 本決議に関し、政府当局の発言を求めます。
#98
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 本件についての御決議の趣旨は、政府としても賛成でございます。特に財政上の措置に問題もございますので、十分検討を加えて御趣旨に沿うように努力したいと思います。
   ―――――――
#99
○委員長(平林剛君) 次に、教育における父兄負担の軽減と公費による教育諸施設の整備充実に関する件を議題といたします。
 本件に関し、矢嶋三義君より発言を求められております。
#100
○矢嶋三義君 わが日本社会党は、学校図書館の充実をはかることが学校教育振興上きわめて重要であるという観点から検討した結果、ともかく学校図書館に勤めていらっしゃる方々の身分の安定と給与の改善をはかることが、学校図書館の充実発展のための一つの大きな要素であるという観点から、学校図書館法の一部を改正する法律案を議員立法の形で本院に提出をいたしました。熱心なる審議が行なわれ、その間に同僚委員諸君から、学校図書館の振興のためには、職員の人件費のみならず、ひいては父兄負担の軽減をはかるということが必要であるという立場から、自社両党で協議の結果、表題のごとき決議案を提出するに至った次第でございます。
 私、かわりまして決議案を朗読いたしまするので、各位の御賛同をお願い申し上げる次第であります。
 右決議する。
#101
○委員長(平林剛君) 矢嶋委員提案の決議案を本委員会の決議といたすことに賛成の方の挙手をお願いいたします。
  〔賛成者挙手〕
#102
○委員長(平林剛君) 全会一致であります。よって本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 なお、本決議に関し、政府当局の発言を求めます。
#103
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 決議の御趣旨に沿って、今後も努力していきたいと思います。
   ――――――――――
#104
○委員長(平林剛君) 次に、特殊教育の振興に関する件を議題といたします。
 本件に関し、千葉千代世君より発言を求められております。
#105
○千葉千代世君 私は、自由民主党、日本社会党の共同提案であります特殊教育の振興に関する決議を、代表して提案させていただきます。
 右決議する。
 この決議の内容は、さきに本委員会に提案されました三つの法案、すなわち学校教育法の一部を改正する法律案、公立の小学校及び中学校の特殊学級における教育の振興に関する法律案、公立の盲学校、聾学校及び養護学校の幼稚部及び高等部の整備に関する特別措置法案、この内容でございます。会期の都合上、十分な審議ができませんことがまことに遺憾でございますが、政府当局におかれては、この決議に盛りました内容を十分に検討して、よりよい配慮をなされますことを特に要望いたしまして、提案いたします。
#106
○委員長(平林剛君) 千葉委員提案の決議案を本委員会の決議といたすことに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#107
○委員長(平林剛君) 全会一致でございます。よって本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 なお、本決議に関し、政府当局の発言を求めます。
#108
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 特殊教育の振興につきましては、従来から政府としても十分関心も持ち、力を尽くしてきたつもりでございますが、まだ残された問題がたくさんございますので、決議の趣旨に沿いまして、今後一そうの努力をしたいと思います。
#109
○委員長(平林剛君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#110
○委員長(平林剛君) 速記をつけて。
   ――――――――――
#111
○委員長(平林剛君) 次に、スポーツ振興法案を議題といたします。
 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#112
○矢嶋三義君 本法律案は、衆議院の各党会派の超党派的議員立法でありますが、発議者に敬意を表します。
 一、二点伺いたいのですが、この法律案は相当の予算を必要とするようでありますが、予算の先議権を持っている第一院の各党会派の諸君が全会一致で発議された法律案でありますから、現政府当局ともその予算については十分の打ち合わせがなされ、発議者としては予算の確保について自信と責任を感じておられると思いますが、念のために承っておきます。
#113
○衆議院議員(八木徹雄君) お答え申し上げます。
 御存じのように、今年度のスポーツ予算というのは二億八千万でございます。われわれとしては、この法律の施行とともに十億程度確保したいということで、先般の衆議院の文教委員会におきましても、特にその点、大臣の見解もただしましたところ、大臣もその線に従って努力をするというような誓約をいただいておりますので、十億を目標に今後とも努力をしたい、このように考えております。
#114
○矢嶋三義君 念のために文部大臣にお伺いしますが、内閣の国務大臣、さらにスポーツ所管の大臣として、ただいまの発議者の答弁趣旨に全国的に行政部内において支持、協力されることと思いますが、念のために承っておきます。
#115
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 御指摘の通り努力したいと思います。
#116
○矢嶋三義君 次の質問は文部大臣でありますが、かつて本委員会で取り上げました朝霞キャンプの返還については、その見通しはいかがでございますか。当然、全面返還を強硬に折衝し、一九六四年のオリンピックが無事行なわれるように取り運ぶべきだと思いますが、文部大臣あるいは藤枝総務長官からお答えをいただきます。
#117
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 藤枝総務長官からお答えいたさせます。
#118
○政府委員(藤枝泉介君) 先般の矢嶋委員の御質問にもお答え申し上げましたように、五月五日に参りました米側の回答におきましては、朝霞に十分な選手村を作ることは困難でございます。従いまして、あの朝霞にりっぱな選手村を作り、しかも選手村の使用部分がオリンピック終了後も国民のために利用されるような、そうしたことができますることを中心にいたしまして、目下、政府は全力をあげて折衝中でございます。そうして、これはまだ交渉中でございますので、内容的には申し上げられませんけれども、そうした目的は達成せられるものと私は確信をいたしておる次第でございます。
#119
○矢嶋三義君 ただいまの総理府総務長官の答弁は非常にりっぱです。その線で外交折衝によって目的を達せられるよう特に強く要望いたしておきます。
 最後の質問を体育局長にいたしますが、それは定時制高等学校のスポーツの問題ですが、全日制と定時制とはそれぞれ条件が違いますので、野球大会あるいは陸上競技大会にいたしましても、別途に大会を開きたいという熱願を持っておるようです。全国定時制高等学校の野球大会もすでに八回行なわれておるわけですが、文部省に後援をお願いすると、文部省は断わるそうですが、その理由はどこにあるのか、高野連は大阪の佐伯さんが関与されておりますが、佐伯さんの関与があれば後援するが、関与がなければ文部省は後援しない、かように文部省は言われるそうですが、とんでもない。全日制高校、定時制高校、それぞれ体育の何か会を作りたいというならば作って、そうして文部省が後援したらよろしいと思う。特に定時制、通信教育を受けている生徒諸君には、全日制以上にこのスポーツを楽しむことは私は大切だと思いますので、くどくど申し上げませんが、明確に一つ御答弁をいただき、定時制高等学校の野球大会、あるいはバレー大会等がある場合には文部省は後援をするという確約を、体育局長並びに文部大臣からいただきますならば、私は本法律案に対する質問はこれで打ち切ります。
#120
○政府委員(杉江清君) 定時制の体育については、定時制課程の特殊性に基づいてその振興を大いにはかる必要があると私ども考えております。ただいまの野球についての定時制のみの全国大会の開催の件でございますが、これにつきましては、いわゆる対外試合の基準の中で、高等学校の体育につきましては、種目別にその大会を年一同程度にとどめるという、まあ規定、基準がございます。その基準の建前からいいまして、各課程別にそれぞれ全国大会を持つかどうかについてはやや疑問がある一わけでございます。現に定時制は、種目別の大会等に全日制と同様に参加しているわけでありまして、そのほかに定時制のみの大会を持つということについては新しい例となるわけでございまして、この点はなお研究を要する点があると考えております。なお、全国大会を持ちます場合には、地方ブロックのそれぞれの組織が十分確立していることが必要でございますが、定時制の課程につきましては、その地方組織がまだ必ずしも十分でないというところも問題になっているわけであります。このようないろいろな問題点がありますので、なお関係者とも打ち合わせ、これを実施するとすれば、十分にそれがうまくいくような実態を見きわめまして、その上で文部省として後援するというふうに考えたいと考えて、ただいまそれらと打ち合わせ、研究中でございます。
#121
○千葉千代世君 ただいま矢嶋委員から質問がございました件に関係いたしますが、東京都議会と埼玉の県議会が朝霞キャンプについて決議を行なって、そして米軍にも申し入れる、それからオリンピック関係の方にも、もっと強腰でやるようにと申し入れると、こういうことがなされたと聞いておりますが、その交渉の過程を御存じでしょうか。
#122
○政府委員(藤枝泉介君) 東京都議会あるいは埼玉県議会が朝霞に選手村ができることを希望してそうした決議をされましたことは存じております。また、それらの御要望も私いただいております。従いまして、先ほど矢嶋委員にお答え申し上げましたような根本方針を持ち、また、地元の御要望をいれまして目下折衝を続けておる最中でございます。
#123
○千葉千代世君 先ほどは五月五日現在の様子をお知らせいただいたのですが、県議会で決議したのはそれからずっとあとでございますね。その後の発展はございませんでしょうか。
#124
○政府委員(藤枝泉介君) 五月五日に米側から、朝霞並びにワシントン・ハイツについての回答が参りました。しかし、その回答では、政府並びにオリンピック組織委員会が予定しているような十分な選手村をあそこに作ることは困難だという判断のもとに、先ほど申し上げましたように、朝霞にりっぱな選手村を作り、しかも選手村の大部分というものは、オリンピック終了後も国民一般に利用できるような、そうした施設を作るということを根本にいたしまして目下折衝をいたしておるという過程でございます。
#125
○千葉千代世君 もう一つは、これはまあスポーツ法案に直接関係あるとは申し上げられませんけれども、今、高等学校で非常にスポーツが盛んになってきたとき、スポーツ本来の使命を忘れた、逸脱した行為がある。これは剣道でございますけれども、私、今、船橋に住んでおりますが、千葉県の安房高校で、剣道の練習を休んだ一年生をすわらせて集団リンチを加えた、そしてまあ警察事件になりそうになっている、一方、今度はおとなたちはそれをもみ消しておる、その高校出身の県会議員なんかは、こんなことは大目に見たっていいのじゃないか、騒ぎ過ぎるのじゃないかと、こういう放言をしておるわけです。賛否まちまちなわけです。しかし、要は現代の学校教育の中にこんな野蠻リンチ事件ができては非常に困ると思うのです。この風潮は最近非常に多くなっておると思うのです。これについて当局では、やはりスポーツ指導の際には、スポーツ本来の使命を逸脱した行為がないように、集団とか合宿などについては十分配慮をしていただきたいと思いますが、文部大臣の御所見を伺います。
#126
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 御指摘のようなことはもちろん好ましからざることでございますから、剣道に限らず、何にいたしましても脱線行為は断じてないように指導して参りたいと思います。
#127
○千葉千代世君 時間の関係で、これでやめます。
#128
○委員長(平林剛君) 他に御質疑の方はありませんか。
#129
○矢嶋三義君 最後にもう一問。さっきに関連しますが、発議者並びに文部大臣に伺いますが、先ほど伺った勤労青年のスポーツ振興、これは当然推進に努力する必要があるというお考えだと思いますが、伺いたいと思います。先ほど私特定して伺いましたが、たとえば定時制高等学校の全国的規模における野球大会が開かれるというならば、これは私は文部省において後援して、その育成をすることが適切だと思うのでありますが、発議者並びに文部大臣のお答えをいただきたいと思います。
#130
○衆議院議員(八木徹雄君) 法案の中に書いておりますように、第八条で青少年スポーツの振興、それから第九条で職場スポーツの奨励、これをもう法案通り十分に実行するということで、矢嶋さんの御意見に沿うことはできるのじゃないか、われわれもこれは重大なる一つ要素としてこれからも推進して参りたい、このように考えております。
#131
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 先ほど政府委員から申し上げましたように、実行上いろいろ事前に解決すべき、あるいは準備すべき事柄もあるようでございますが、御指摘の点は、私は趣旨において大賛成でございます。事務当局を督励して善処いたします。
#132
○委員長(平林剛君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#133
○委員長(平林剛君) 御異議ないものと認めます。よって質疑は終局いたしました。
 これより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
#134
○矢嶋三義君 私は、本法律案に社会党を代表して賛成をいたします。
 まず、スポーツ振興基本法ともいうべき画期的な法律案でありますが、これを発議されました衆議院の同僚諸君に敬意を表します。この立法趣旨が十分達成されるように、本法律成立の後には特に善処されるように行政府に要望いたします。
 さらに、この際一言申し上げておきたいことは、スポーツの営利化、アマとプロのけじめをつけること、それからスポーツ事故の防止、これらの点については、行政府において特に配慮をお願いをいたしたい。
 それから、さっき質疑の段階にありましたように、昭和三十七年度の予算編成にあたりましては、本法律案の立法趣旨を体し、十全の措置をとられるように御要望申し上げても賛成の討論といたす次第であります。
#135
○委員長(平林剛君) 他に御意見もなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#136
○委員長(平林剛君) 御異議ないものと認めます。よって討論は終局いたしました。
 これより採決に入ります。スポーツ振興法案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#137
○委員長(平林剛君) 全会一致であります。よって本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本院規則による諸般の手続等につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#138
○委員長(平林剛君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#139
○委員長(平林剛君) 速記をつけて。
   ――――――――――
#140
○委員長(平林剛君) 次に、オリンピック東京大会の準備等のために必要な特別措置に関する法律案を議題といたします。
 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#141
○矢嶋三義君 一つ伺います。この第四条の寄付金付郵便はがき、第五条の日本専売公社等の援助等々、郵政省関係、日本専売公社、日本国有鉄道、日本電信電話公社関係のことを条文にうたっておりますが、これによって幾ばくの資金を得ようとされておられるのか、概要を文部大臣からお答えいただきたいと思います。
#142
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 政府委員からお答え申し上げます。
#143
○政府委員(杉江清君) 国鉄の広告等によって得られる収益といたしましては、目標額を一億と考えております。電電公社の計画によるものとして三億、専売の方は、抽せん券付広告を配布するという事業によって得られまする寄付金が五億、郵政関係の、これは記念切手を主といたしますものでございますが、それから得られる寄付金が五億、このような目標を考えております。
#144
○委員長(平林剛君) 他に御質疑のおありの方はございませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
#145
○委員長(平林剛君) 他に御発言もなければ、これにて質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#146
○委員長(平林剛君) 御異議ないものと認めます。よって質疑は終局いたしました。
 これより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
#147
○委員長(平林剛君) 他に御意見もなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#148
○委員長(平林剛君) 御異議ないものと認めます。よって討論は終局いたしました。
 これより採決に入ります。オリンピック東京大会の準備等のために必要な特別措置に関する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#149
○委員長(平林剛君) 全会一致であります。よって本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本院規則による諸般の手続等につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#150
○委員長(平林剛君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたしました。
   ――――――――――
#151
○委員長(平林剛君) 次に、私立学校教職員共済組合法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#152
○矢嶋三義君 本法律案は、私立学校教職員の待遇改善措置としてきわめて適切なものと思いますが、一、二点伺います。
 現在、私立学校教職員共済組合に加盟している諸君の掛金は幾らになっておりますか。
#153
○政府委員(福田繁君) 現在、私立学校教職員共済組合の掛金率で申し上げますと、長期給付につきましては千分の六十二、短期給付で千分の六十六となっております。合計千分の百二十八ということになっております。
#154
○矢嶋三義君 先年、国家公務員共済組合法が成立をいたし、国立学校の教職員はこれに加盟しているわけでありますが、その諸君と私立学校教職員共済組合に加盟している諸君との掛金には相当の差が、支給額においても差があるが、これをさらに一段と縮めるお考えは文部省にないかどうか、お答えいただきたい。
#155
○政府委員(福田繁君) ただいま仰せのように、国家公務員の場合と従来いろいろ差がございました。従いまして、今回の私立学校教職員共済組合法の改正によりまして、給付の内容は国家公務員に準じた給付内容にいたしたいということでございます。従って、掛金率等につきましても、この改正後におきましては若干変わって参るわけでございまして、一応この財源率の比較をいたしてみますと、この法改正後におきましては、私学共済の場合は短期給付が千分の六十二というように考えております。長期給付につきましては大体千分の八十六、これを他の共済に比較いたしますと、短期給付におきまして、政府管掌の健康保険等は千分の六十三になっております。公立共済は千分の四十八というような比率になっております。長期給付の方で申し上げますと、今申しました科学共済の千分の八十六に対しまして、公立学校の教職員共済組合は千分の八十九でございます。それから国家公務員であります文部共済は千分の九十九というような財源率計算になっておるわけでございます。
#156
○矢嶋三義君 国家公務員共済組合法の掛金は千分の四十四でしたね。だから、だいぶん僕は違うと思うのですがね。その千分の四十四という数字、違いますか。僕はそういうふうに記憶しているんですがね。
#157
○政府委員(福田繁君) さようでございます。ただいま申し上げましたのは財源率を申し上げたのでございます。所要財源率でございます。
#158
○矢嶋三義君 財源率。従って差があるということは認めますね。
#159
○政府委員(福田繁君) 差はございます。
#160
○矢嶋三義君 文部大臣に伺います。終戦後、日本の私学は私学三法を柱に発展して参ったわけですが、私学に適正なる教職員が確保できないという点は、一番大きな原因はやっぱり待遇の問題です。その一つとして、この共済組合というものの充実ということは非常に大事だと思うのです。私はある程度国家が助成をしても私学共済の充実をはかるべきだと思うのですが、文部大臣の御所見いかがでございましょうか、伺っておきたい。
#161
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 法律の趣旨が、今も申し上げましたように、公務員に準じてという建前でもございます。私学と国公立とは本質を異にしますから、ぴったり同じとはむろん言えないわけですけれども、なるべくこれに準じ得るように諸般の施策を講ずべきものと思います。
#162
○矢嶋三義君 国家公務員共済組合法が公布施行されている。従って、行政府は当然、本国会あるいは前通常国会に地方公務員共済組合法案なるものを国会に提出する私は義務があったと思うのです。ところが本第三十八回国会にも提出されて参りません。これは責任を追及してもあなた方としてはそれを回避することができないと思う。かくなった以上は、本年この十二月召集されるであろう通常国会に必ず地方公務員共済組合法案なるものを内閣提出の形で上程すべきものだと思いますが、まず、所管局長はどういう見解を持ちますか。
#163
○政府委員(福田繁君) 仰せのように、公立学校の教職員共済組合につきましては、新しく年金制度に切りかえる問題につきましていろいろと研究すべき問題がございまして、私どもいろいろ努力いたしたのでございますけれども、遺憾ながら今日までそれが実現いたさなかった次第でございます。従いまして、本年一年はさらに研究を続けるということになっております。従って、他の地方公務員等の関連とも十分考慮いたしまして、できる限り次の通常国会にはそれを実現できるように努力したいと、こういうようなもくろみのもとに現在研究いたしておるわけでございます。
#164
○矢嶋三義君 あなたのときには、それを提出すべき行政的責任を感ずるでしょう。いかがですか。
#165
○政府委員(福田繁君) できるだけすみやかにこれを提案して実現するようにする責任を持っておると考えておりますが、しかしながら、閣議でそういう一年延期ということになりましたので、その間に十分研究をいたしたい、かように考えております。
#166
○矢嶋三義君 文部大臣に伺いますが、今までの経緯からいって、また、国家公務員と地方公務員との関係等から考えて、内閣は来たる通常国会に地方公務員共済組合法案を検討されて国会に提出する政治的責任があると思うのですが、いかがですか。
#167
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 当然のことと思います。
#168
○矢嶋三義君 所管局長に伺いますが、それでは来たる通常国会に地方公務員共済組合法案が国会に提出され、それが成立した暁においては、この私立学校教職員共済組合法との、現行法との関係はいかように調整されるお考えであられるのか、お答え願います。その地方公務員共済組合法案を国会に提出する場合に、あわせて私立学校教職員共済組合法と、それとバランスがとれる形において提出される用意があられるのではないかと、かように私は推察するわけでありますが、あなたの所見を伺っておきます。
#169
○政府委員(福田繁君) 国庫負担その他につきましては、十分他の共済とのバランスをとらなければならぬと考えておりますが、この私学共済は、御承知のように、従来から厚生年金等と同様に、この国庫の負担率も一五%というようなことになっております。従って、そういった点からいたしますと、公立学校共済組合につきましても、やはりバランスのとれたものを考える必要があると考えておりますが、その点は非常に困難な問題もありますので、他の国家公務員の場合と比較いたしながら十分研究をして参りたいと考えております。
#170
○矢嶋三義君 本院内閣委員会で現在審議中の通算年金関係法案、国家公務員共済組合法一部改正法律案は、本法律案とその準用するという点において関連する点があると思いますが、いかがですか。
#171
○政府委員(福田繁君) これは、本法案におきましても附則等にその規定をきめておりますので関連を持っております。
#172
○矢嶋三義君 かつての国会でもあったことなんですが、付託委員会が違いますので、本文教委員会でこの法律案が成立し、他の関連法案のかかっている内閣委員会の審議状況でこれが不成立になった場合には、いかように取り扱われるのか、承っておきたいと思います。
#173
○政府委員(福田繁君) その問題につきましては、通産年金制度の創設に関する通則法並びにそれに関連する整理法は、大体国会に提案されましたのが四月一日を施行の日として予定して出されたわけでございます。この法案は、これは来年の一月一日から施行を目途にいたしております。従って、その間に実際上の支障はないと考えておりますが、万一この通算年金通則法等の関連法案が不成立というようなことがございましても、この法案自体には影響はないと考えております。と申しますのは、この法案は、これは国家公務員共済組合の三十三年のいわゆる新法を準用いたしておりますので、新法が基礎になっている関係におきましては、その通算関係の整理法等は一応実質的な影響はないというふうに考えるのであります。
#174
○矢嶋三義君 百パーセントただいまの答弁は満足できないのですが、時間の関係もありますから繰り返しません。
 最後に、私は文部大臣に要望申し上げて御所見を承っておきたい点は、地方公務員共済組合法案を来たる通常国会に提出するというのですが、これがひいては私立学校教職員組合法にも影響をもたらしてくるわけです。あの中で、ともかく千分の四十四という掛金は、国家公務員共済組合法の場合にも適用されているわけですが、私は高過ぎると思うのです。この千分の四十四の数の改訂については、大蔵省の提出する資料は納得いたしかねるものがあります。従って、本国会終了後は事務当局では具体的作業に入ると思いますが、あの千分の四十四の数字はもう少し少なくなるように、行政府部内で大蔵省に十分資料を提出さして、あなたのところにもエキスパートがおられるわけですから、検討して、適正なる数字とされるように強く要望いたしておきます。また、昭和三十六年度の予算編成段階において、大蔵省が地方公務員に対して一〇%の国庫負担を拒否した。そのことによって自治省側は地方公務員共済組合法案の立法作業を放棄した。このことは行政府は非常に私は無責任だと思う。従って、池田内閣の一国務大臣としては、国家公務員共済組合法に準じて、地方公務員共済組合に対しても一〇%以上の国庫補助が必ず出されるように、担当国務大臣として努力されるように、さらには地方自治大臣と十分の連携をとって、先ほど御答弁なさいましたように、来たる十二月に召集される通常国会においては、内容の充実した地方公務員の福利厚生に役立つような法案が提出されるように、鋭意検討されるように御要望をこめて御所見を承っておきます。
#175
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 昨年も自治省とは十分連絡をとって意見はむろん一致しておったのですが、最終的な結論に到達し得なかったことは遺憾に思っております。努力します。
#176
○豊瀬禎一君 先ほど福田局長が答弁した、実質的に関係がないというような答弁は非常に問題がありますよ。まだ衆議院の社労で審議されておるような法案を準用するようになっておる。そしてそれが通らない際には、法体系上は明らかに問題を生ずる、こういう問題については十分慎重に扱ってもらわなければならないと思う。これは理事会等の了解も得て、大臣に特に注意と今後の善処をお願いしておきたいのですが、このただいまかかりました法案も同様ですし、先ほど可決した法案もそうですし、また、私が学校教育法の一部を改正する法律案の反対討論の際にも申し上げましたように、いろいろな事情があろうとも、今国会の延長後になって当該委員会に法案を送ってくるというような、あるいは提案の手続を取るというような、どういう弁解をしようとも、文部当局としては、これは怠慢のそしりをまぬがれないことです。もちろん、私学共済その他の法案について、関係各省との折衝に非常に苦慮された点について、その結果、今国会で日の目をみるということについて文部省の努力については感謝を申し上げます。しかし、このことはにわかに立法化された問題でなくして、かなり長い間いろいろ検討されてきた法案もあるわけです。従って、十分の審議をすると同時に、よりよい法案に修正していくというような時間的な余裕もないような法案の出し方を、しかも延長国会になって出してくるというのは、たびたび指摘しましたように文部省として怠慢のそしりをまぬがれないと思います。特にただいま問題になっております法案は、先ほど指摘された通算年金法がまだ衆議院の社労で審議中である、こういう関係からもしまして、きょうこれを可決するということについては幾つも問題がありますけれども、私どもとしては、この法案がかなり多くの人の待望しているところであるし、具体的に利益をもたらすものであるという角度に立って、準用する親法案の未通過のまま通過させているという点も十分配慮いただきまして、今後この法案がかりに衆院不通過のような場合、あるいは今後の法案提出の際にも十全の配慮をお願いしておきたい。特に大臣に対しましては、この点につきましては強く要望しておきます。
#177
○委員長(平林剛君) 速記をとめて。
   午後二時二十六分速記中止
   ――――・――――
   午後二時五十一分速記開始
#178
○委員長(平林剛君) 速記をつけて。
#179
○豊瀬禎一君 先ほど私が質問しました通算年金法との関係の問題ですが、先ほど局長答弁では、実質影響ないということですけれども、ある時期にきますと、そのままになりますと影響を及ぼす問題ですので、この点は法案の実体と答弁が食い違っておりますので、この点について文部大臣の明確な答弁をお聞きしたいと思います。
#180
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 先ほどの政府委員のお答え申し上げましたことは、気持はわかりますが、表現がまずかったと思います。まさしく実質的にも影響があり、形式的にも影響があることは、これは言わずして明らかでございます。ただ万一、通算年金法が不成立になったといたしまして、その場合どうなるかということでございますが、もし今後、通算年金法が二年も二年も不成立に終わるということを前提にして考えますれば、まさしく御指摘の通り実質的に大へんな影響があると思います。思いますが、さしより、かりに成立しなかったとして、次の通常国会には必ず成立するということを前提に置きますれば、その間のつなぎの措置と申しますか、それを補充すべき制度は別途ございますので、実質的な損失は関係者に与えないで済む、こういうことを申し上げようとして、言葉が足りなかったために御理解いただけなかったと思いますが、そういう趣旨でございますので、御了承をいただきたいと思います。
#181
○委員長(平林剛君) 他に御発言もなければ、これにて質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#182
○委員長(平林剛君) 御異議ないものと認めます。よって質疑は終局いたしました。
 これより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#183
○委員長(平林剛君) 御異議ないものと認めます。よって討論は終局いたしました。
 これより採決に入ります。私立学校教職員共済組合法等の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#184
○委員長(平林剛君) 全会一致であります。よって本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本院規則による諸般の手続等につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#185
○委員長(平林剛君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五十五分散会
   ――――・――――
ソース: 国立国会図書館
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