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1960/02/09 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 農林水産委員会 第3号
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1960/02/09 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 農林水産委員会 第3号

#1
第038回国会 農林水産委員会 第3号
昭和三十六年二月九日(木曜日)
   午前十時十六分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     藤野 繁雄君
   理事
           秋山俊一郎君
           櫻井 志郎君
           亀田 得治君
           東   隆君
   委員
           青田源太郎君
           石谷 憲男君
           植垣弥一郎君
           岡村文四郎君
           重政 庸徳君
           河野 謙三君
           田中 啓一君
           仲原 善一君
           堀本 宜実君
           大河原一次君
           北村  暢君
           小林 孝平君
           戸叶  武君
           安田 敏雄君
           棚橋 小虎君
           千田  正君
           北條 雋八君
  政府委員
   農林政務次官  井原 岸高君
   農林大臣官房予
   算課長     桧垣徳太郎君
   農林省畜産局長 安田善一郎君
   農林省蚕糸局長 立川 宗保君
   農林水産技術会
   議事務局長   増田  盛君
   食糧庁長官   須賀 賢二君
   林野庁長官   山崎  斉君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       安楽城敏男君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○農林水産政策に関する調査
 (昭和三十六年度農林省関係予算に
 関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(藤野繁雄君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 昭和三十六年度農林省関係予算に関する件を議題といたします。
 前回に引き続き各局、各庁ごとにそれぞれの当局から説明を聞くことにいたします。
 まず、畜産局関係について説明を求めます。
#3
○政府委員(安田善一郎君) 委員長の御指示に従いまして、昭和三十六年度畜産関係予算案及び財政投融資等の資金の御説明を簡単に申し上げます。
 御指示に従いまして簡単に申し上げるために提出資料をお手元にお届けをいたしました。大種類ありまして、その第一枚目に資料の一覧表が書いてあります。第一は、昭和三十六年度予算要求概算説明書であります。畜産局分であります。第二は昭和三十六年度畜産関係予算案の概要を事項別に一覧表にいたしたものでございます。いわば総括表みたいたものでございます。第三は、昭和三十六年度導入家畜頭数と予算の一覧表でございまして、第四は同三十六年度畜産関係融資計画表、第五は、三十六年度畜産計画表、第六は麦対策畜産関係予算及び資金概要でございまして、第三以降六までは比較的重点を置いて予算案を編成しましたものの一覧表を作成してお手元にお届けしたつもりでございます。
 横の方に長い紙でございますが、少し分厚なやつでございますが、昭和三十六年度畜産関係予算の概要は、区分、三十五年度予算、三十六年度要求額、備考という形式によりまして、備考欄でまるをつけましたものが新規事業を表わしておりますが、その分は御配付を申し上げておらないようでございまするから、以下御配付資料について御説明を申し上げます。
 農林省所管の予算全体のらち、畜産関係予算として計上されておりますものは、本省の分、都道府県の補助金の分、並びに種畜牧場と関係場所分等を含めまして、総額四十五億八千五百万円でございます。これを三十五年度予算に比較いたしますと、五億四千二百万円でございまして、一三・四%の増加となっております。しかし学校給食関係の経費がございまするが、牛乳及び乳製品の需給生産上可能適正と思いましたが、学校給食関係費にかなりの額の削減がございまして、かりに学校給食の事項の予算だけを除いたものにつき、前年度予算と比較しますと、増加額は全体で十二億四千二百万円でございまして、五〇・八%の増加となっておるのであります。
 次に、昭和三十六年度におきましては、農業におきまする選択的拡大部門であります畜産の飛躍的発展をはかることを目途といたしまして、生産、流通、消費の諸段階にわたって総合的に諸般の施策を講じまして、もって増大する畜産物の需要に応ずるとともに、畜産農家経済の安定に資したいと考えておりまして、その趣旨で三十六年度の予算編成の重点を作成いたしたつもりでございます。その重点事項の第一を申し上げますと、畜産物の増産対策に関する経費がまず第一でございます。そのうちの第一といたしまして、家畜の改良増殖、これに関連する種畜牧場関係の経費といたしましては、総額八億七千五百万円でございまして、前年度八億千六百万円でございました。これは本印刷の政府から国会に提出されました昭和三十六年度一般会計予算という厚い本でございますが、そこで計上されておるのを、以下ずっと参考に申し上げて御説明を申し上げたいと思います。今の家畜改良、増殖、これに関連する種畜牧場関係の経費は四百九十一ページ及び五百二十二ページにあるのであります。そこで家畜の改良増殖につきましては、三十五年度に引き続きまして種雄畜でございますが、種雄畜の検査五百万、前年度も五百万。雌の家畜の調査、県が設置をいたしまする各種家畜についての種畜の購入費を補助いたすのでありますが、来年度三千万、本年度も三千万でございますが、それを計上いたしますほかに、新たに飼料の利用度が高く、肉質、肉量の優秀な経済性の高い系統豚を選抜普及するための検定組織の確立をはかることといたしました。このため三十六年度におきましては、主要種豚生産県五県の種畜場におきまする産肉能力の検定施設の設置について国がその一部を補助することに要する経費五百万円を計上いたしたのであります。また種畜対策、特に肉用優良種畜の確保をはかりますために、肉牛アバディン・アンガス雄一頭、雌十四頭、肉豚アメリカン・ランドレース雄五頭、雌二十五頭、肉用鶏ホワイト・ロック千五百個、ホワイト・コーニッシュ千五百個、計種卵三千個の輸入を行なうことといたしております。
 種畜牧場の整備促進をはかるにつきましては、すでに昭和三十三年度その整備を計画し、着々その実行をはかって参ったところでありますが、来年度におきましても、前年度からの継続事業である熊本種畜牧場阿蘇支場の整備を完了いたしまするほか、新たに関東の大宮種畜牧場に種豚造成施設を設けまして、また兵庫の種畜牧場には肉鶏の、肉鶏と申しますのは、採卵養鶏でない肉用の鶏でございますが、肉鶏の造成施設をそれぞれ設置することにいたしました。それに要しまする経費としましては、総額六千一百万円、前年度は場所設備の関係もありまして八千六百万円を計上いたしております。このほかに、種畜牧場におきまする原々種圃及び原種圃の経営等に必要な経費千五百万円、前年度も同額で千五百万円、また同じく牧野改良センターの運営に必要な経費一千六百万円、前年度一千八百万円を計上いたしますほか、種畜牧場の運営に必要な経費といたしまして七億三千八百万円、前年度六億五千九百万円を計上してあります。
 第二といたしまして、家畜導入に要する経費を御説明を申し上げます。これは四億三千九百万円、前年度は四億三千万円でございますが、これを一応計上いたしております。本印刷の三十六年度一般会計予算の印刷物の四百九十二ページでございます。この経費によりまする家畜導入といたしましては、まず寒冷地などの特殊地帯の低位生産農家に対しまする国有家畜の貸付による乳牛三千頭、一億七千九百万円、前年度一億七千九百万円、和牛二千頭、八千万円、前年度四千六百万円、計二億五千九百万円。前年度は二億二千五百万円でございますが、それを計上いたしております。その家畜導入の第二といたしまして、中小農営農振興のための農業協同組合等によりまする肉用素畜預託事業、農協の事業といたしまして中小農に預託をいたしまする事業補助に要する和牛が四千二百七十五頭、補助額二千八百万円、前年度は二千万円。また、豚三万六千百二十五頭、補助額二千八百万円、前年度は二千万円及びめん綿羊八千頭、補助額五百万円、前年度五百万円計といたしまして六千二百万円、前年度は四千五百万円を計上いたしております。
 家畜導入の三番目といたしまして、一般農家に対しまする肉用素畜の導入補助事業といたしましては、和牛一万八千七百五十頭、補助額一千二百万円、前年度九百万円、及び豚二万五千頭、補助額二百万円、前年度百万円、計一千四百万円、前年度一千万円を予定いたしております。さらに、従来の有畜農家創設資金にかわるものといたしまして、農業近代化資金の中におきまして家畜導入の特別ワクを設けまして、融資額の四十億円前年度の有畜農家創設資金の融資額は二十一億円でございましたが、今回は四十億円を計上いたしました。この内容は、乳牛三万四千頭、融資額二十五億五千万円、和牛三万三百頭、融資額十億三千万円、豚三万六千七百五十頭、融資額二億八千万円、馬一千頭、融資額四千六百万円及び綿羊一万五千頭、融資額八千四百万円の導入をはかりますとともに、後ほども申し上げまするが、新たに麦作転換対策といたしまして、一般の肉用素畜導入事業分から充当をいたしまする和牛三千七百五十頭、予算額二百四十七万円のほかに、和牛二万二千八百五十頭分の補助一千五百万円と、乳牛二万頭分の農業近代化資金の融資、融資額十五億四百万円によりまする導入を予定しております。また農業近代化資金の中では、右のほか畜産振興施設のワクを作りまして、相当額を畜産局の希望といたしましては見込みまして、その中に家畜家禽も融資対象とするような考えでございます。
 以上、家畜導入の総計は、乳牛五万七千頭でございまして、和牛は七万八千百七十五頭、綿羊二万三千頭、馬二千頭、豚九万七千八百七十五頭でございまして、前年度に比しますれば、乳牛におきまして二万二千七百頭、和牛におきまして二万六千九百頭、豚におきまして四万一千七百五十頭の増加となっております。これに要します補助経費及び融資額は次の通りであります。すなわち、農業経営近代化資金のうち、一部の未確定分を除きまして、これは総額の中で分けることが未確定という意味でありますが、第一に、国庫支出金としましては、畜産局計上分で四億三千九百万円、前年度は四億二千九百万円でございます。また、麦対策の肉用素畜導入は、大臣官房計上といたしまして一千五百万円、前年度はゼロでございます。その両者の小計は四億五千五百万円でございまして、これに対応します前年度は四億三千万円でございます。さらに、農業近代化資金中の家畜導入を御説明申し上げますが、この資金の利子補給だけに要しまする国費でございまするが、これは四千七百万円でございまして、前年度はゼロでございます。以上、国庫支出金、つまり本省分及び補助金という意味でございますが、合計いたしますると、五億二百万円で、前年度は四億二千九百万円でございます。さらに、先ほど御説明を申し上げました農業近代化資金による家畜導入に対する融資額は総計で五十五億四百万円でございまして、前年度はこれが二十一億円であります。家畜導入の概要は、まとめまして以上のようでございます。
 第三番目といたしまして、畜産経営技術指導対策に要する経費を御説明申し上げたいと思います。これは一億二千二百万円を計上いたしました。前年度は七千九百万円でございます。本予算書の四百九十二ページでございます。その内訳は、いろいろのものを含んでおりまするが、三十五年度に引き続いて畜産会によりまする畜産技術経営診断事業に要する経費五千万円、前年度は四千七百万円。産乳能力検定事業に要する経費一千六百万円、前年度一千六百万円、同額であります。生乳品質改善事業に要します経費一千万円、前年度一千一百万円。養鶏講習会補助金一百万円、前年度一百万円などのほか、新たに中央及び地方におきまする畜産技術研修施設及び講習施設、研修所、講習所を作るわけでございますが、それに必要な経費四千五百万円、前年度は二百万円を計上いたしております。畜産技術研修及び講習事業につきましては、畜産の急速な発展に伴いまして、畜産技術の指導普及がますますその重要性を高めて参ることにかんがみまして、昭和三十六年度においてその大幅な拡充、整備をはかることといたしたのであります。まず、福島種畜牧場に国立の中央畜産研修施設を設置し、都道府県職員及び種畜牧場職員を対象に中央研修を実施することにいたしました。所要経費一千四百万円であります。また、これと対応しまして、都道府県におきまする研修機能を強化するために、都道府県が実施をいたしまする研修施設整備事業に対しまして国庫補助を行なうことといたしました。三十六年度は十四の都道府県におきまする施設設置に対して国が二分の一の補助をいたしまして、三千百万円になりますが、これを行のうことにいたしたのであります。
 次に、畜産主産地の形成に要する経費という新規事業の計上をいたしておりますが、畜産主産地の形成に要しまする費用といたしまして新たに、前年度はなしに、新たに一億四千八百万円を計上しております。本印刷のページでは四百九十三ページでございます。この事業の骨子を申し上げますと、いわゆる適地に適畜を配置飼育することの観点からいたしまして、(「委員長、説明してくれるのがどこかわからんものだから、さっぱりうまくないんだ」と呼ぶ者あり)家畜の種類は、乳牛、和牛、豚、綿羊、鶏でございますが、その家畜につきまして一定の基準に適合をいたしまする地域を畜産主席地としまして計画的に育成をいたしまして、地域内の多数飼育及び協業を促進いたしまして畜産物の増産をはかりますとともに、生産性の向上をはかることとしまして、このために必要な各種の共同利用施設、飼養管理共同施設、また、えさの自給促進の施設でありますとか、畜産物処理施設など、総合的な助成をいたしまして、これに家畜導入、草地改良などの事業をあわせまして効率的に目的を達しようとするものであります。昭和三十六年度におきましては、 さしあたり五百の市町村を対象にいたしまして基礎調査と基本計画の樹立を行なわせることにいたします。(「委員長、どの資料でやっているのですか」と呼ぶ者あり)
#4
○委員長(藤野繁雄君) ちょっと速記をやめて。
  〔速記中止〕
#5
○委員長(藤野繁雄君) 速記を始めて。
#6
○政府委員(安田善一郎君) この厚い「昭和三十六年度予算要求概算説明書、畜産局」というやつの三十三ページでございますが、区分のところで畜産主産地形成事業費補助金とありますが、そこを御説明を申し上げておるわけであります。これは三十六年度におきましてはさしあたり五百市町村を対象といたしまして、この五百の市町村がまず基礎調査及び基本計画の樹立をいたすようにいたしまして、これに要する経費の二分の一を補助いたす。経費は三千二百万円でありますが、また、三十六年度中に事業実施の態勢の整ったものといたしまして、前者は計画でございますが、後者は事業実施というわけでありますが、七十五の市町村につきまして直ちに三十六年度に事業に着手することにいたしております。この場合において一市町村当たりの事業規模は一千万円平均とすることにいたしまして、進度率五〇%でこれを実施しよう、そうして国はその三割を補助することといたしております。一億一千六百万円の経費の計上をいたしておるわけであります。
 次に、草地造成改良事業等の畜産基盤整備費についての御説明を申し上げます。今の印刷物では八十一ページでございます。その総額は六億三千八百万円でございまして、前年度は二億六千七百万円でございます。これを三十五年度予算に比較しますと、三億七千百万円という大幅な増額をいたしております。別の本印刷でごらん下さいますれば、四百九十二ページでございます。まずこれは大規模草地改良事業をいたそうということになりましてしておるものでございまして、その基本調査を行ないたいと思いますが、その対象地区としましては、本年度新たに浅間山麓(群馬県)及び布引山系(三重県)の二地区を追加いたしまして、また調査継続地区三地区及び拡大して調査をいたしまする拡大継続地区とでもいいますか、それを一地区合わせまして、合計六地区の調査を実施することにいたしまして、このために要する経費として一千万円、前年度は五百万円でございますが、調査費を計上いたしております。またすでに基本調査を完了いたしました、そして事業実施計画を樹立しましたところ、すなわち早池峯(若手県)、美作(岡山県)、阿蘇(熊本県)の三地区につきましては、本年度においてその事業化をはかることといたしまして、道路整備、電気導入、飲雑用水施設、草地造成、改良、その他施設設置等の事業に対しましては、国が四割ないし六割の補助を行なうようにいたしました。これに要します経費二千二百万円、前年度はゼロでございます、を計上いたしております。
 次にその他の草地造成改良事業でございますが、これはまず集約牧野というのが従来からございますが、その補助対象面積を一万一千町歩に拡大することにいたしまして、国の補助率は三十五年度三〇%から四〇%に引き上げることといたしまして、補助対象に牧道、索道を加えることとし、このために必要な経費として四億二千二百万円、前年度は一億七千二百万円でございますが、計上しました。また改良牧野というのが従来ございまするが、野草を改良して優良な自給飼料牧野を作るわけでございますが、これは補助対象面積三千五百町歩とし、補助率は三分の一から四割に引き上げることにいたしまして、五千三百万円、前年度は四千二百万円を計上いたしております。また湿地牧野というのが従来からございますが、これは北海道を中心にして考えておりますが、灌漑排水施設を伴うような優良牧野を作る事業でございます。その補助対象面積を一千五百町歩に拡大いたしますと同時に、補助事を四割五分から五割に引き上げをいたしまして、そのため六千七百万円、前年度は一千九百万円を計上する等の措置を講ずることにいたしております。そのほか三十六年度におきましては、新規事業といたしまして、草地改良用機械の導入に要する経費の補助金一千六百万円、草地開発資源調査及び草地利用方式調査に要します経費の補助金八百万円、これを計上いたしまするとともに、三十五年度からの継続事業として草地放牧利用模範施設、草地管理用機械の導入、牧野土壌調査に対する補助三千六百万円、前年度は二千四百万円、などを実施することにいたしております。また、自給飼料の供給の確保をねらいまして、既耕地におきまする飼料作物の導入を促進いたしまする等の自給飼料対策も講じたいという考えをもちまして、その経費一千五百万円、前年度は百万円、を計上いたしております。これは本印刷の予算書の四百九十二ページ及び四百七十八ページにございます。謄写版刷りの七十七ページにございます自給飼料対策に要する経費でございます。これの内訳は水田酪農自給飼料生産モデル地区の設定費補助でございまして八百万円、また牧草及び飼料作物生産性向上施設費の補助五百万円。この二つの新規事業に要する経費でございますが、水田酪農自給飼料生産モデル地区設定事業は、水田地帯におきまする乳牛の飼料基盤造成のために田畑輪換によりまして、飼料作物の積極的な導入を集団的に推進することといたしまして、まず初年度でございまするから全国七カ所にモデル地区を設けたい、そういたしまして、ここにおきまして飼料作物の生産、調製、加工施設の設置等につきまして国が二分の一の補助を行なうものであります。また牧草及び飼料作物生産性向上事業は、飼料作物の導入によりまして、飼料自給度の向上をはかるため、全国各地に合計一千二百三十八カ所、約千三百カ所でございます、の飼料作物の特別指導地を設けまして、その指導地ごとにいわゆる適地適作の観点から、飼料作物の生産基準の設定等を行なうことにいたしました。この指導地圃場に必要な種子代、土壌改良資材、肥料代等に対しまして国が二分の一の補助を行なうものであります。
 さらに大裸麦の転換対策といたしまして、その一環といたしまして、畜産関係の資金を計上することにいたしました。昭和三十六年度におきましては、その飼料作物に転換して畜産を導入しようとする予定地を二万町歩分見込みまして、これに対しまする経費三億九千九百万円が計上されております。御配付資料の麦対策畜産関係予算及び資金概要というのがございますが、それを恐縮でございますが見ていただきますと簡潔に御説明できるかと思います。本印刷では四百九十一ページでございます。これは麦対策事業に要する経費十億円の一部でございまして、畜産関係としましては、三億九千九百万円、この三億九千九百万円を含んでおる十億と、さらに麦作転換奨励金、一反歩二千五百円の転換奨励金は三十億計上してありますから、麦作対策としましては四十億円の予算が出ておるわけであります。その畜産分の内訳を申し上げますと、大裸麦から飼料作物生産に転換いたしました農家が、飼料作物の生産、収穫、調製、加工、貯蔵などに必要とする飼料協同化施設を設置いたしまする場合、国が二分の一の補助を行なうことにいたしまして、その経費三億六千万円、また同じく転換農家が家畜導入の部分で申し上げましたように、肉用素畜を二万二千八百五十頭導入することにつきまして、これに要する経費一千五百万円、また、乳牛を二万頭導入することにいたしまして、これは農業近代化資金に計上いたしております。また・自給飼料の種子確保に必要な経費を八百万円計上いたしました。これら作付転換策を円滑にいたしまするために、さらに中央畜産会、都道府県畜産会等が行ないまする指導事業に対する補助経費一千五百万円を計上をいたしておるのであります。麦作転換対策畜産分のうちの家畜導入の乳牛について申し上げますと、これは近代化資金の中で、融資ワクは十五億四百万円でございます。二万頭分でございます。また、そのためには畜舎も助成をいたす必要があるかと思いますので、融資額十一億一千八百四十万円、一万一千三百二十戸分の資金を考えておるのでございます。補助事業の飼料協同化施設の補助残のことについてでございますが、これも農業近代化資金によることにいたしまして、以上合計額は約三十億、正確に申し上げますと、約二十九億一千四十万円の融資額を予定しておるのでございます。以上が大裸麦の畜産転換に要しまする予算、融資の御説明といたしたいと思います。
 次に、家畜衛生対策の経費について御説明を申し上げます。ガリ版刷りの八十七ページでございます。この家畜衛生対策は、年々続いて出ておるわけでございますが、家畜衛生試験場や動物医薬品検査所や動物検疫所、これは輸出入関係の検疫でございますが、動物検疫所に必要な経費を含めまして合計八億二千万円、前年度は七億五千九百万円を計上いたしております。この内訳は、家畜伝染病予防に必要な経費四億三千二百万円、前年度四億八百万円、家畜保健衛生所の設置等に要する経費一千三百万円、前年度一千万円。家畜衛生試験場に必要な経費二億五千九百万円、前年度は二億三千万円。動物医薬品検査所に必要な経費五千万円、前年度四千五百万円。動物検疫所に必要な経費六千二百万円、前年度五千五百万円。以上がおもなるものでございまして、特に家畜伝染病予防に必要な経費の中で雇い入れ獣医師手当のことでございますが、その単価を従来一日六百円でありましたものを八百円に引き上げる、所要経費二千四百万円でございます。前年度一千八、百万円でございます。また、家畜保健衛生所の設置のことにつきましては、四カ所を増設することにいたしまして、二分の一補助にいたしますとともに、三十五年度に引き続きまして家畜保健衛生所の業務の能率化をはかるため、家畜保健衛生車の設置を二分の一補助でいたしたいと思っております。
 次に、大きい第二となるわけでございますが、畜産物の消費流通改善及び価格安定に要する経費の御説明を申し上げたいと思います。ガリ版刷りの六十三ページ、本印刷の方は四百九十三ページです。その第一といたしまして、畜産物の需給調整と価格安定につきまして、従来とも外貨割当制度によりまする輸入の調整、牛乳乳製品の価格の指導措置、学校給食への牛乳乳製品の供給、肉畜の出荷調整、保管等の措置によりまして極力その安定をはかって参ったところでございますが、需給調整及び価格安定の見地からいたしましては、まだ十分施策があるとは言いかねるものがございました上に、畜産物需要の増大と、これに対応しまする国内生産態勢を確立いたしますためには、この面の施策を一段と強化する要があると認めましたので、三十六年度から新たに主要な畜産物の価格安定をはかるため、畜産物事業団を設立いたしまして、乳製品及び豚肉の買い入れ、保管、売り渡し、あるいは輸入を行なわせることにいたしておるのがおもな内容でございます。また、この畜産物事業団は、現在ありまするところの酪農振興基金と合体をすることを考えておりまして、その基金が現在行なっておりまする債務保証などの業務も、畜産物事業団が、仮称でございますが、同時に事業として行なうように考えております。以上の措置に伴いまする予算措置といたしましては、この事業団に対する政府の出資金としまして、従来酪農振興基金に政府出資が五億、民間出資が一億四千五百万円でありまするが、新たに政府の出資金といたしましてさらに五億円を計上いたしておるのであります。また、このためには、畜産物の価格安定等に関する法律とでもいうべき法律案を作成する要があると思われまするので、本国会において皆様の御審議、御可決をお願いしたいと思って、目下鋭意検討中でございます。
 次に、牛乳乳製品の流通、消費の拡大について申し上げますと、五十一ページ以降にありますが、本印刷は四百九十二、三ページでございますが、その経費は九億二千六百万円、前年度十六億一千七百万円で、学校給食の費用であります。その中には、生乳の取引改善、生乳の農協によります共販模範地区の設定などを続けていたしまするほか、三十七年度から新たに生乳取引の長期安定と公正をはかるために、十一の都道府県を初年度といたしまして、県によりまする生乳の取引検査を実施普及することといたしまして、その経費を三分の一の補助で計上いたしております。牛乳乳製品の一般的な消費拡大につきましては、前年度に引き続いた農村における消費増進、農山村における牛乳簡易処理施設の補助金、そういうようなものと、一般的な牛乳乳製品の消費普及事業の助成を考えております。特に予算額が大きいのは、牛乳の学校給食事業でございまして、三十六年度は九億円、前年度は十六億円でありますが、それらは牛乳乳製品の需給事情から出ておると考えております。
 そのほかに家畜及び畜産物の流通改善の方がございますが、三十七ページでございますが、その所要経費は四千四百万円、これは家畜取引の円滑化に伴いまする家畜市場の適正配置を促進しまするとともに、再編整備を積極的に行ないまして、所要の法律改正もいたしたいと思います。前年度の二倍以上の予算が従って計上してあります。また、食肉流通改善につきましては、前年度に引き続きまして産地におきまする農協等による枝肉の共同出荷施設六カ所、それに対しまする補助、また中小都市におきまする枝肉冷蔵施設の補助を実施いたしまするほか、新たに食肉等の取引規格を設定普及する要がございまするので、これがための協議会費を五十万円計上いたしておりますし、経済局所管といたしまして中央卸売市場対策費を食肉を含めて別途計上いたしております。この関係では法案を用意したいと思いますが、家畜商法の改正、家畜取引法の改正あるいは家畜改良増殖法関係の改正等を検討中でございます。
 次に、家畜畜産物の流通調査に必要な経費といたしまして一千四百万円を計上いたしておりますが、これは牛乳乳製品関係の生産費調査だとか、また家畜市場におきまする取引資金の円滑化をはかりますために債務保証機関を新たに民間が作りました場合に、この家畜取引に要する資金の実態調査をすることについての費用を助成することを考えております。
 次に、畜産生産資材の価格安定に関する経費でありますが、まず流通飼料の需給及び価格安定について申し上げますと、この分は七十一ページ、七十五ページにありますが、食管会計の予算の一部になるわけであります。これは流通飼料、すなわちふすま、小麦、大豆、大豆かす、魚かすの政府によりまする買い入れ、売り渡の価格の調整を考えまして、新年度は前年度より取り扱いトン数も売買の金額もふえますが、価格調整に要します売買差損補てんを八億一千万、前年度は六億三千万計上してあります。それを出してあるのであります。まあそのほかに飼料需給安定審議会の運営、流通飼料の価格の調査、また新規事業としまして家畜別に適地的な飼料給与の目標を設定しまして、飼料給与の改善をはかる経費、あるいは飼料の公定規格の検査基準を設ける等の予算を計上いたしております。
 次に、流通飼料の取り締まりの方でございますが、その品質改善に関する法律というのがございますが、その実施に要する経費としまして新たに約一千万円を計上いたしております。三十五年度におきましてこれは飼料検査所が独立をお願いできました。その整備をはかったところでありますが、三十六年度は一段とこれを整備するために都道府県の段階で三十六年度は十県におきまする県の検査をいたします施設を設けることにしまして、二分の一の補助事業としたいと思っております。なお、飼料検査所の運営に必要な経費は一千九百万円でございます。
 その他は、あとごく簡単でございますが、競馬監督に関する費用とか、畜産局の一般行政とか、その一般行政事務の中には中央生乳取引審議会、養鶏振興審議会、家畜改良協議会、酪農審議会、畜産物の価格審議会などに必要な経費が合算して計上されております。
 経費としての予算は以上でございますが、三点ばかりにわたりまする財政投融資のことを申し上げて御説明の終わりにしたいと思います。三十六年度におきまする畜産関係の財政投融資、またはその他の制度融資でございますが、農林漁業金融公庫によりますものが第一でありますが、草地改良事業に対しましては、公庫から総額七億六千三百万円、これは御配付いたしました参考資料の四でございます。前年度は二億五千七百万円でございましたが、その内訳は、補助残融資五億六千万円、前年度は一億五千七百万円、非補助融資が二億三百万円、前年度は一億円、またこの中には三分五厘資金が二億円あるのであります。以上のようであります。
 次に先ほど御説明を申し上げましたところでも出て参りました農業近代化資金という新しい制度金融を考えておりましたが、その中で家畜導入に要しまする従来の有畜農家創設資金に匹敵するものでありますが、前年度二十一億円を来年度四十億円、麦作転換の特別対策費についてもここに計上を予定いたしてあるものがございます。その額は約二十九億であります。
 なお、本年度は他の局に畜産関係の予算が便宜計上されているものがありますが、そのおもなるもの申し上げますと、大臣官房で共進会費、国際獣医事務局分担金、農林経済局で家畜共済費九億八千九百万円、牛乳生産費調査と、また先ほど申しました中央卸売市場対策費として、所管の分を中に入れて要求してあります。振興局では畜産関係の特技普及員といっておりますが、それらを中心にした農業改良普及事業がございまするし、また最近の畜産振興の情勢に応じまして、農林水産技術会議の計上予算の中に、農林水産技術研究費五億五千万円のうちに、畜産関係の経費がかなり含まれているのでございます。
 以上で、御説明にかえたいと思います。
#7
○委員長(藤野繁雄君) ただいまの畜産局長の説明は印刷で資料として一つ御配付をお願いします。
 ただいまの説明に対して御質疑のおありの方は、順次御発言をお願いいたします。
 御発言もなければ、畜産局関係については、この程度にいたします。
 次に、蚕糸局関係について説明を求めます。
 なお時間の都合上、説明は三十分以内に願います。
#8
○政府委員(立川宗保君) 資料は、繁雑になりますので、予算課長、官房長が説明いたしましたものに基づいて、もう一ぺん御説明いたします。まず二十四ページの右の方の欄の蚕糸局というところでございますが、第一に生糸の需要増進でございます。これは昨年度一億五百万円の経費でございましたが、三十六年度は一億二千百万と千六百万円の増額になっております。これは生糸の需要増進のために海外において調査事務所を絹業協会が設置をいたしまして、生糸絹織物の需要の状態を調査をするということ、それからいろいろファッション・ショウでありますとか、見本の配布でありますとか、展示でありますとか、そういう宣伝の施設をやるということがその主要な内容をなしておるのでございますが、この増額の大部分は、昨年末にヨーロッパ市場の重要性にかんがみまして、リオンにヨーロッパの駐在の事務所を設けました。ただいまではニューヨークとフランスのリオンと二カ所になってるわけでございますが、そのリオンの事務所の経費を充実いたす必要がございますので、ここに振り向けたわけであります。それから若干中国の蚕繭業及び絹織物業の調査のために経費をつけ加えるというのがその主要な内容であります。
 次に二番目の生糸製造業の合理化調査と申します経費は新規経費でありますが、最近非常に製糸業においてもいろいろな問題が発生をいたしまして、労賃が非常に高くなっておる。片や自動操糸機などの新しい合理化設備が導入されてきておるというようなことで、大きな製糸と弱小製糸との間に非常に競争力の優劣が生じようとしつつあるわけであります。設備全体といたしましては新しい優秀な機械が入りましたために、総体としてはややバランスを失するような傾きもありまして、いろいろ将来の合理化のために現状を調査をし、設備とその稼動の見通しを立てまして、県別に将来のための合理化の計画を関係者が相寄って相談をしていく必要がある。こういう状態でありますので、この経費は県に委託をいたしまして、県に調査の委員会を設けまして、合理化のための準備をするという経費であります。関係業界はむろん、金融、それから県庁等が集まりまして調査をやろう、こういう経費であります。
 次に三番の養蚕の合理化でありますが、これは十ページのところに項目があがっておりますからそこをお開きをいただきたいと思います。十ページに、六番、養蚕の生産性の向上というのがございます昨年まで千三百万円の経費に対しまして今年度は四千万円であります。その内容は、そこの終わりの方に書いてございますが、まず集団桑園の設置であります。これは近年各方面で非常な勢いで盛り上って参りましたが、もともと岐阜県などで、養蚕についても生産性を向上して労働出産性を上げて、もっと能率のいい収益力の高い養蚕をやらなければならんということで桑園を集団化をいたしまして、それに伴って蚕の飼育も共同化していくという勢いが農民の中から各地に起こっております。それに対応して、昨年、わずかにこのパイロット的に若干の地区について援助をいたしたのでありますが、非常にその勢いが最近熱を加えて参りましたので、本年度は昨年の四倍の地区について施策をやっていこう。こういうものであります。
 次に、軟化病の検出調査と申しますのは、これは蚕の病害で約七〇%を占めますものが軟化病という病気であります。これによってせっかくの繭が上簇としてでき上がるという以前に病気になってだめを生じてしまうということで、はなはだ農民にとって気の毒な状態であったわけでありますが、多年にわたって試験研究機関を動員をいたしまして、これの研究調査を続けておりました。最近ようやくその病菌、一種のビールスでありますが、その病菌が発見されまして、中腸型多角体病という非常に厄介な病気でありますが、それを検出する方法が発見された、技術的にも見通しがつきましたので、本年度これを事業に移しまして、全国のこの最も多発地帯、著しい地帯の十七県を選定をいたしまして、そこに集中的に経費を投じまして、病気の事前検出をやる。で、病気の発生するということがわかりましたら、それに応じて立ちどころに消毒をすれば病気が出なくなるわけでありますから、おそらくこれは非常に効果がある経費であろう、こう考えております。
 次に、年間条桑育でありますが、これは条桑育がこれも先の労力を節約をして養蚕の生産性を向上するということに、農民の中から非常にそういう気分が起こっております。最近の労働力がやや逼迫しておる傾向に対応しまして、それに応じますところの、間違いのない方向を示すというために全国で二百の団地を選びまして、そこで調査をし、そのデータを集めて指導の指針を高めるという経費でございます。
 それからもとの二十四ページに戻っていただきまして、四番の蚕糸の技術改良であります。これは昨年の三億千八百万円から今年の三億八千七百万円でありますが、これの内容は二つに分かれまして、一つは県の職員でございますが、養蚕の普及、これは蚕業指導所というものを県庁で持っております。そこの職員に対しまするところの改良普及の仕事でありますが、それに対するベース・アップ、それからいろいろなオートバイでありますとか、そういう機動力施設、それから忙しい時期に労力が非常に繁忙になりますが、外用に従事しております間に事務所の事務を処理をするための事務補助員の経費、こういうものを今回計上をしておるわけであります。それからもう一つは、養蚕普及員と申しまして、これは県の嘱託普及員でございますが、身分は養蚕の組合の、県の養連の職員でございますが、そういう者に対する補助の経費が計上されております。これも先ほどの蚕業指導所の職員とタイアップして技術の普及をやる人でありますが、これが年々大へん待遇の改善と補助率の向上について問題がございました。本年度はこれを農林省の要求通り完全に要求が実現したわけでありますが、補助率を引き上げて、国が従来四分の一の補助でごさいましたのが全体の三分の一の補助になっております。それからベース・アップについても、これも公務員と同じ率に引き上げるということが実現をしたわけであります。
 それからもう一つ、特別会計がございますが、これは三十五ページをごらん願いたいと思います。三十五ページの左の方の(8)糸価安定特別会計です。これは御承知の通り糸価、糸が下がりますときに糸を買い入れて価格安定をすると同時に、関連をして繭も買い入れることができるわけでありますが、その安定の特別会計でありまして、昭和三十三年の際に大いに発動をした会計であります。これは総額におきまして、そこの計というところにごさいますが、昨年は百十五億、三十六年は百五十八億、総額を増しております。これはさしあたり繭や糸を買い入れねばならないというような事態は当面出てこないと思われるような最近の糸値の高さ、あるいは繭の値段の高さで、最近非常に好調であるわけでありますけれども、こういうものはやはり不時のささえとして何どきでも問題が生ずれば発動できるような十分な経費を用意しておく必要がございますので、そのためにこのような計上をしておるわけであります。
 いろいろとそのほかこまかいことがあるのでございますけれども、予算課から別途御配付をいたしますところの詳細な資料にこまかいことがございますので、大筋のところを申し上げれば以上の通りでございます。
#9
○委員長(藤野繁雄君) ただいまの説明に対し御質疑のおありの方は、順次御発言をお願いいたします。
 御発言もなければ、蚕糸局関係についてはこの程度にいたします。
 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#10
○委員長(藤野繁雄君) 速記をつけて。
 次に、農林水産技術会議関係について説明を求めます。
 午前の時間の都合上説明は重点的に大体三十分以内にお願いいたします。
#11
○政府委員(増田盛君) どうも遅刻いたしまして申しわけございません。
 それでは私の方の関係の農林水産技術会議の予算につきましては、お手元にこういう予算課の資料がございますから、これが便宜かと思いますので、これによりまして御説明申し上げます。
 二カ所に分かれておりますから、まず十六ページをお開き願います。十六ページの右の方に、2試験研究の強化と普及教育事業の整備充実、この中の(1)試験研究の強化でございますが、ここに取りまとめております予算額、すなわち三十六年度五十三億一千五百万円、前年度四十四億三千七百万円、これは農林関係の試験研究機関の全体の経費でございまして、これには国立の試験研究機関のほかに都道府県に対する補助金も含めてございます。現在技術会議におきましては、これまでは、すなわち三十五年度までは、実は各種の試験研究機関がそれぞれ各局に分属されまして、所管されておったのでありますが、その上で総合調整をやるということで特殊な調整的な経費を技術会議で所管いたして、それからさらに全体として調整をするという役割を果たしておったのでありますが、三十六年度からは各種の試験研究機関に関する管理事務を一元的に技術会議で所管する。ただし水産業並びに林業の関係に関しましては、従来通り調整はいたしますけれども、それぞれ予算の執行にあたりましては、所管は水産庁並びに林野庁ということになっておるわけであります。あとでまたその関係を再度申し上げたいと思いますが、こういうことで、ここに書いてあります説明をごらんいただけるとありがたいと思います。ここで書いてありますのは、とにかく所管は別といたしまして、試験研究機関に関する全体の経費でございます。大体方針といたしましては、農林水産業振興の科学技術的基盤を強化いたすために農林漁業基本対策に即応いたしまして、必要とされる試験研究の拡充に重点を置いたわけであります。すなわち国の試験研究といたしましては、畑作それから畜産、果樹、この三本柱の振興対策が重点でございます。そのほかに稲作の生産性の向上をはかるために、若干でございますけれども、稲作機械化の研究を新しく始めることにしたわけであります。
 次に、水産関係に関しましては、沿岸漁業振興のための水産増殖研究の強化をはかることにした次第であります。さらに特殊な対策といたしましては、御存じの通り麦対策並びに大豆対策というものに大きな力を注ぐことにいたしました。これは国並びに都道府県農業試験場を通じて実行いたしたいと考えております。さらに従来都道府県農業試験場の補助金に関しましては十幾つの柱に分かれておりまして、非常にこまかく分かれておったのでありますが、これをできるだけ統合いたしまして、その統合の中心といたしまして、総合助成方式をとることとした次第でございます。いずれ細部に関しましては、また後ほど御説明申し上げます。そこに書いてありますように、農林水産技術会議の運営費三千万、それから農林水産技術研究強化費、これは従来振興費と呼んでおりましたが、技術会議で全体的な調整をしながら重点課題に対して試験研究を強力に推進するためにこの強化費があるわけでありまして、これが五億五千万円であります。それから農林水産試験研究機関の施設整備に六億一千万、これは土地購入でありますとか、建物の新改築等の経費でございます。それから農林水産試験研究助成費、これは農林水産関係の県の試験場に対する助成でございます。農業は一本で技術会議関係で四億一千三百万円、林野庁関係が一千万円、水産庁関係が一千二百万円あるわけでございます。次に試験研究機関の運営費、これは人件費を含めまして経常的な経費に充填するわけでございまして、これが三十五億八千百万円。合計いたしますと五十二億七百万円になるわけであります。このほかに、実は科学技術庁の所管でございますが、原子力関係の予算があるわけでありまして、執行にあたりましては、農林省に移しかえを受けまして執行するわけであります。これが一億八百万。総計いたしまして五十三億一千五百万になるわけであります。この細部に関しまして、特に重点項目に関しましてさらに二十四ページをお開き願います。二十四ページの右の欄の下の方に農林水産技術会議とカッコ書きしてあります。それ以下に関しまして御説明申し上げます。
 まず1は農林水産業技術研究の強化費五億五千万円。前年度が三億二千七百万円でありますから、相当大幅な増額をみております。これが先ほど申し上げましたように、技術会議として、全農林水産関係の各種試験研究機関の総合調整をやる土台になる経費でございます。「農林水産業振興の科学技術的基盤を強化するため、農林省所管の試験研究機関の試験研究を促進強化するとともに、農林水産技術会議の調整機能を活用し、予算の弾力的運用を図る。なお、この予算によって行われる試験研究のうち重要事項として予定しているものは次のとおりである。」、非常にたくさんの項目が実はあるわけでありまして、それがこまかく分かれているわけでありますが、実は予算としましては一括して五億五千万が計上されているわけでありまして、この細部に関しましては、現在内部で検討協議中でございます。大ざっぱに大目見当の数字だけ申し上げたいと思うわけであります。
 まず(1)は水稲作新農機具の試作研究の実施でございます。水稲作生産性向上のために水稲作一貫機械化体系確立の上で隘路となっておりますのは、御存じの通り田植機、それから水稲直播機並びに収穫機でございます。従ってこれに関する試作あるいは実用化等の試験研究をやって参りたいと思うわけであります。そこで田植機に関しましては、世界的にいろいろな試みがされているわけでありますが、実は日本の栽培体系なりあるいは環境条件と合ったような田植機は、外国からの導入ではむずかしいわけでありまして、やはり日本独自の稲作作業体系に合った田植機の必要が痛感されているわけでありますが、なかなかそれがむずかしいわけであります。これをぜひ二、三年で一つ実用的なものをあみ出したい。それから水稲直播の問題でございます。水田の生産性向上ないし合理化の問題に取り組むためには、片方では移植の問題と田植の問題が解決されなければなりませんし、それからこの移植と田植を回避しながら生産性の向上に役立てるためには、水稲直播の技術の体系化が必要でございます。二本建で考えているわけでありまして、従って水稲の直播機、これを能率的な直播機をあみ出したい。これは現在はごく一部で戦中戦後行なわれましたけれども、実用化を見ずに放置されているわけでありまして、今後やはり直播の問題を考えなければいかぬ。この直播も従来は大体湛水直播をやっておったのが主体でございます。水を一ぱいためてここに種をまくという方式でありますが、機械の導入という点でからみ合せますと、やはり裸地栽培をする必要があるのじゃないか。はだか地に種をまく。つまりこれに対して除草とか、あるいは発芽とかいう点でいろいろな工夫が要求されるわけであります。それから次には収穫機、これは現在は単に収穫、刈り倒し、結束だけじゃなしに、より進んで脱穀まで兼ねて行なわせる。なま脱穀であります。収穫して同時にそこで脱穀する、すなわちコンバインの思想であります。小型コンバインを作ったらどうか。現在若干のアイデアがあり、それに基づく試作があるわけでありますが、これをさらに進めまして実用化いたしたい。大体これで六、七百万円の経費を予定いたしているわけであります。
 それから(2)畑作及び果樹試験研究の強化推進、分けましてアが畑作総合研究の推進強化でございます。御存じの通り、畑作問題に関しましては、実は行政上の施策に呼応いたしまして、二年ほど前から全国の農業試験場に畑作部を新設もしくは拡充強化いたしておるわけでありますが、来年度、大体三十六年度におきまして全国的に整備強化が終わるわけでありまして、若干残された部分もございますけれども、これで終わると見ていいのじゃないかと思います。北海道、関東東山、九州各農業試験場の畑作部、北海道は根室に新設いたしました。それから関東東山は北本宿、鴻巣の近くであります北本宿に、これも新しく畑作部を作っております。それから九州は宮崎県の都城に新設いたしております。この畑作部の整備を進める。その他拡充する部面がその他の試験場にあるわけでありまして、これに対して大体二億五千万程度の経費を充当いたしたいというふうに考えておるわけであります。
 それからイは麦対策の試験研究の実施でございます。麦の生産合理化対策の推進のために麦作生産性向上のための機械化省力栽培法、赤かび病の防除、用途別適性に応じた新品種の育成等に関する研究を強化促進するとともに、もう一つ、麦作転換のための菜種のすなわち栽培改修、それから飼料作物に関する改善がございます。それからさらに大裸麦に関しましては、飼料化を目標にいたしまして試験研究を進める、こういうことで、大体これに対しましては、施設費とも合わせまして約七千万円程度の金を予定いたしておるわけであります。実はこのほかに麦対策に関しましては、県の試験場に対する補助金といたしまして、前年度よりも二千三百万円程度の増額を計上いたしておる次第であります。
 それからウは大豆の試験研究の実施であります。国産大豆の出産性と品質の向上をはかるため、まず海外優良遺伝子の導入をやるということで、技術者の派遣を考えておるわけであります。次に大豆の育種研究の拡充強化、それから大豆の施肥合理化、病害虫の防除、機械化栽培等の研究を実施いたしたいと思います。これは麦と同様に大豆におきましても、県の試験場に対する補助金がきわめて重要なのであります。これは指定試験でございますが、大体北海道庁の十勝の試験場、それから内地におきましては、長野県の桔梗ケ原にあります指定試験地、これを強化いたしております。大豆対策に関しましては大体四千五百万円程度の国の試験場に対する経費を考えておるわけでございますが、このほかに、県の試験場に対して千六百万円程度の経費を増額計上いたしておるわけであります。
 さらにエはカンショの育種組織の整備であります。高澱粉カンショ品種を早急に育成するため、カンショの育種組織を整備する。これに対して大体千万円程度の経費を考えておるわけであります。中心になる場所は、関東におきましては、関東東山農業試験場の千葉の試験地の拡充、それから九州におきましては九州農業試験場の熊本の栽培部の拡充、こういうことを考えておるわけであります。
 それから次に、オの果樹関係の試験研究の整備。果樹に関する試験研究を拡充強化するため、虫害発生予察に関する研究を新たに整備する。これに対しては約六百万円余りの経費を予定いたしておるわけでありまして、これは平塚にあります現在の農業技術研究所の園芸部を拡充するわけであります。一研究室を増設いたしまして、人員を増加し、この研究を強化するということにいたしたいと思います。
 なお、果樹研究に関しましては、このほかに東北農業試験場の陶芸部の移転に対して、大幅な経費を要求しておりますし、さらに東海近畿農業試験場の興津の園芸部の共同実験室の新築に対しても、必要な予算を計上いたしております。
 (3)が、畜産試験研究の拡充強化であります。果樹と並びまして、今後はいわゆる成長財として、農業の進展に対して高く評価されております畜産の試験研究に関しましては、相当力を入れて参りたいと思うわけであります。畜産に関する試験研究の方向といたしましては、家畜の育種、それから家畜の栄養、すなわち飼養標準の問題であります。それからもう一つは、家畜の繁殖、さらに基本的には草地土壌、草地改良の問題、こういう問題があるわけであります。こういう問題をあわせまして、大体一億四千万円程度の金額を充当いたしております。なお、ただいままでいろいろ申し上げました数字に関しましては、お断り申し上げておきますけれども、実は施設強化費のほかに、施設費を含めた金額を申し上げておる次第であります。
 (4)に、水産生物の種苗生産技術研究の強化。沿岸漁業振興に必要な水産生物の種苗生産技術を確立するとともに、増養殖技術の高度化をはかるため、これらに関する研究を拡充強化する。これは東海水系、それから東北水系、瀬戸内海水系、北海道水系、あるいは西海域水系等に関しまする増殖技術を強化するのがねらいでございます。御存じの通り、従来増殖技術と申しますと、淡水産のものではやや発達しておりますけれども、この海岸魚類、あるいは水産物の場合におきましては、ノリ、カキ等、ごく一部に限られておったわけでありますが、最近の技術の発達によりましては、高級魚のタイ、スズキ、あるいはヒラメ、あるいはハマチ、こういうものの増殖技術が非常に進歩いたしまして、大体実用化の手前にまできておるわけでございます。従いまして、こういう高級魚に関しましても、産卵をして孵化をする、孵化をして稚魚から大きな魚になるまで養殖をして、そして市中に販売する、こういう態勢をとる必要があるわけでありまして、これに対する共同研究を強化いたしたいと思っておるのであります。
 それから次に、(5)の重要共同研究の推進。わが国農林水産業の発展に必要な重要研究である土壌生産力の問題、草地造成の問題、水質汚濁の問題、永年作物、これはクワあるいは果樹、それからさらに一部の林業樹木まで入るわけでありますが、この永年作物に対する基礎的な問題、それから食糧の処理加工の問題、それから植物ヴィールスの問題、こういう問題を選びまして、各種試験研究機関の横断的な共同研究を発展させようと考えておるわけであります。
 (6)が試験研究の調整でございます。「農林漁業基本対策および研究目標に即して、各試験研究機関につき、重要個別研究の実施、研究課題の再編成等試験研究の調整を」はかって参りたいと思うのでありまして、これに関しても数十の項目があるわけであります。大体こういう項目に一億三、四千万円の金額を予定いたしておるわけであります。
 それから第二に、農林水産試験研究機関の施設整備であります。ここに一括して施設が載っておるわけであります。ただいままでの御説明の中にも、分けまして、含めまして申し上げておったのでありますが、いろいろこまかな土地購入あるいは建物の新築あるいは施設の増強があるわけであります。その金額が六億一千万円。「研究の高度化等に伴い必要な研究施設および老朽化の著しい試験研究機関の施設の整備を促進する。主要施設としては、畑作試験研究関係施設、畜産試験研究施設、食糧研究所庁舎」食糧研究所は現在深川にございますが、これを特に新しく新築をいたしたいと思っております。それから、東北農業試験場園芸部の移転、これは現在青森県の藤崎にあるわけでありますが、これを厨川の本場へ持って参りますので、去年から準備をいたしております。それから、東海近畿農業試験場の園芸部の共同実験室、これも前年度より着手いたしております。それから西海区の水産研究所の庁舎、これは長崎県の長崎市にあります。それから林業試験場の四国支場整備施設では、現在四国支場は高知の営林局の庁舎内にあったのでありますが、今後同じ高知市内に土地を求めまして、ここに林業試験場の支場としての名実ともに体裁を整えるということに相なるわけでございます。こういうものがおもなるものであります。
 三に、農林水産試験研究の助成費四億一千二百万円。都道府県試験場試験研究費に対する助成、農業に関しましては三億一千万円、蚕糸に関しましては一千二百万円につきましては、「試験研究の自主的かつ弾力的な運営を図るため、新たに総合助成方式を積極的に採用する」これが一つの考え方であります。従来は非常にこまかく内容が分かれておりまして、ひもつきで国から助成金がいっておったわけでありますが、やはりこの際に試験研究全体の新しい方向を検討いたします場合に、県の試験場の性格といたしましては、やはりその府県にとって必要な試験研究、さらに言いかえますと、普及事業に直結した試験研究、こういうものの性格を強調する必要があるわけでありまして、従って、従来はとかく国の試験研究とのつながりにおきまして補助金が流れていったわけでありますが、今後は県自体の必要性に応じまして普及事業から上がってくるような問題を解決する場合に必要な試験研究にも補助をしようじゃないか。従って、県の自主性というものを尊重しまして、この上で予算を補助するということで、総合助成方式をとったわけであります。これが一つ。次に、畑作対策、麦作対策のために、先ほど申し上げましたように、二千三百万円を計上いたしております。同様に大豆に関しましても千五、六百万円補助金を計上いたしておるわけであります。さらに助成の体系として変わっておりますのは、一般の農林水産関係の企業に対する合理化の補助金であります。これが企業合理化法に基づいて出している補助金でございますが、これも若干増額を見たわけでございます。
 4に、その他といたしまして、農林水産技術会議の運営費、それから放射線育種場の運営費、これは放射線育種場は御存じの通り、実は以前から準備されまして前年度から育種場の建設に着手しておりました。いずれ年度内には完成を見ることになっておりますが、場所は茨城県にあるわけでございますが、これの運営費、それから科学技術庁関係の原子力関係予算、放射線育種場にいくものもございますが、そのほかに各農業試験場を中心にして、放射能の調査あるいはその放射原子力に対する安全性の措置に関する経費、こういうものを一括いたしまして科学技術庁に組んでおるわけであります。
 以上、合計いたしまして農林水産技術会議の骨格になる予算が十七億あるわけであります。前年度が十三億であります。実は、当初冒頭に申し上げました試験研究機関全体といたしましては、五十三億あるわけでありますが、そのうちで人件費あるいは恒常的な経費、それから一部林業、水産等の助成金等を除きますと、農林水産技術会議で運営上骨格になる予算といたしましては十七億ということでございます。
 以上で予算の御説明を終わりたいと思うわけでありますが、一言つけ加えさしていただきます問題は、実は技術会議のあり方の問題と関連いたしまして、全体の農林水産の試験研究の体制が問題になっておるわけであります。農業、林業、水産業、それぞれに以前からもう少し客観情勢の変化に敏速に能率的に即応し得るような体をとる必要があるんじゃないかということで検討いたしておるわけであります。たまたま、農、林、水にわたりまして基本問題並びに基本対策が討議せられて、すでに答申があったわけであります。従って、それぞれの今後の方向というものがいろいろな形で示されておるわけでありまして、試験研究機関といたしましても、こういう新しい情勢に即応する必要があるわけであります。特に現在大体大筋の構想がまとまっておりますのは農業でございます。農業に関しましては、すでに御説明もありあるいはお聞き及びのことと思いますけれども、この際各種ばらばらになっております行政機構を整備するという問題と、それから試験研究体制を新しい体制に切りかえるという問題があるわけであります。行政機構の方に関しましては、現在たとえば農業に関する試験研究の場合は、農事に関しては振興局の研究部がやっておる、それから家畜衛生に関しては畜産局がやっておる、それから蚕糸に関しましては蚕糸局がやっておる、それからこれと深い関係にある食糧研究に関しましては食糧庁がやっておるという工合に、いろいろ分かれておるわけでございます。そのほかに、経済全体に関しましては農林経済局が、農業総合研究所を実は所管いたしているわけであります。こういうふうに分かれておりまして、それぞれの担当官がそれぞれの局におるわけであります。今回技術会議を一本化して技術会議であわせまして運営をしてやって参りたいと思います。
 さらに試験研究体制の方に関しましては、機関の方に関しましては、農業の関係は、農業技術研究所が畜産、園芸その他のいろいろな機能を包括しているわけでありますが、やはり最近におきます科学技術の分化の方向と、それから試験場の研究管理の能率化という問題から分化させた方がいいんじゃないかということで、全体の調整は技術会議で総合調整をやります。総合調整は技術会議でやることにしまして、それぞれの研究機能を分化させる、すなわち従来の西ケ原の農業技術研究所は主として農業全体に対する基礎研究ということによりまして、千葉の畜産関係を独立いたしまして畜産試験場を作る、それから平塚に根拠地があります園芸部を独立させまして、園芸試験場を作る。さらに同じく平塚にあります農業土木に関する部がございますが、これを独立させまして農業土木試験場、それから茶業試験所、これは静岡県の金谷に根拠地があるわけでありますが、これを茶業試験所として独立させる。これが一つでございまして、さらに各地域に、ブロックごとにあります地域農業試験場は総合性を保持していく。これはばらばらに縦割りにしないで、総合性をできるだけ保持する体制でいく。その体制で県の試験場に直結していく。従いまして県の試験場に関しましては、実用化を考慮しまして、これはできるだけ分割しない方針で進む。こういう、大ざっぱに申し上げますと方針をきめたわけでございまして、これに対しましては特別に大きな予算の裏づけは必要としないわけでありますが、この、いわゆる農業の新体制に関する構想というものは、予算の折衝過程を通じまして、大体予算的には認められておるわけでありまして、いずれこれは機構の改正でございますから、農林省設置法の改正といたしまして法案を準備いたしておるわけであります。そういうふうに三十六年度からは従来の技術会議の性格なり、あるいは予算等の所管範囲が、若干変更があるということを、ここでつけ加えさせていただきたいと思います。
 以上であります。
#12
○委員長(藤野繁雄君) ただいまの御説明に対し、御質疑のおありの方は順次御発言をお願いいたします。
#13
○亀田得治君 試験研究の関係を非常に系統だてるという点はいいと思うのですが、そうしてその研究の中には、いろいろな共同の問題として基礎的な問題等に取っ組んでおられるようですが、大学関係等の機関ですね、そういうところとの関係と、それから私たちよく地方へ行くのですが、どうも農林省というものは、農民自体がいろいろな体験から一つの考え方を持っても、なかなかそれが尊重せられない。科学的に検討して、それがそんなに価値のないものも私はたくさんあろうと思うのですが、そこら辺のところまで、もっと総合されて、大きなかまえを作る必要があるのじゃないか。内部のことはこういうふうに非常に今度整備されるようですが、そのまん中の方ですね、大学なりあるいは農民自体の体験なり、ここら辺のところまではまだどういうふうな考えですか。
#14
○政府委員(増田盛君) ただいま御指摘のありました点でございますが、農林省が試験研究を進めていく場合に、きわめて重要な問題であると思います。一つは大学等の農学部、それから若干でございますが、民間にも農業に関します、あるいは農林水産に関します試験研究機関があるわけであります。これに対する連絡は、従来どういたしておったかと申し上げますと、一つのやり方は、学会を通ずる結合があったわけであります。それからもう一つは、農林省の試験場が中心になりまして、連絡協議会をやっておったわけでありますが、しかしこの場合も実際は東京を中心にした試験研究機関と大学との連繋は、形としては割合スムーズにいっておったわけであります。それから人的関係におきましても、スムーズにいっておったわけであります。たとえば東大の教授が、農林省の試験研究機関のポストを兼ねるという例、それから農林省の技術官が、大学の先生になって出るという関係も、実は東京中心は、非常に緊密にいっておったのでありますが、やはり全国的に見ますと、その辺が欠けているのじゃないかと思います。従いまして、三十六年度で考えておりますのは、そういう点を是正したいということであります。
 それからもう一つは、結びつき、その点は実は六、七千万円程度の応用研究費というものがあるわけであります。これがその大半は、実は大学の農学部を中心にした試験研究者のところに、全額補助金として補助を出しまして、そうしてその研究を通じて、農林省の試験研究機関と結びつく、こういうことをやっているわけであります。これは従来通りやろうと思うのでありますが、その前者の点の、地方の大学等でどうもおくれております結びつきに関しましては、来年度は一つこの点は若干の予算も実は計上いたしまして、農林省の地域の農業試験場別に研究協議会を作りまして、中央でも開く。その分科会がそれぞれの八つの地域農業試験場単位にできまして、それにまず大学の先生を入れる。それから民間の研究者の方も入れるということで、連絡をとって参りたいというふうに考えているわけであります。なかなかしかしそういう点で、実は御指摘がありましたけれども、大学の方は研究といいましても、金が非常に不足であります。もう一つは、どうしても研究がアカデミックになりまして、農業の実際に即応しないという点があります。この点も何とか是正いたしたいと思うわけでありますが、ただいま御指摘のように、農民のいろいろな創意工夫と結びつかない面が多々あるわけであります。私、先ほどその一端に触れておいたわけでありますが、どうも従来の県の農業試験場というものは、どうしても上から下りてきた、すなわち農林省の試験研究機関と結びついた課題を取り上げたがる。その方が実は学術雑誌などに発表する場合、しやすいわけであります。それからもう一つは、補助金がもらえるわけであります。それから農林省の試験研究機関の研究者の立場からすれば、自分がやっている基礎研究なり応用研究を、県の試験場で補完してもらえるという点があります。従って、その点で両方で実は利益があって、どうしてもそういう因縁が断ち切れなかったのであります。しかし今回はどうしてもこれは断ち切らなければならね。そういう考え方を是正しまして、県の試験場というものは、農民と結びつくところにあるのだ。すなわち言いかえますと、普及事業と結びつくということであります。従ってそういう立場から、新しくテーマを取り上げて持ってきた場合に、それに対して、県の自主性を尊重して、総合助成を施すというのが、制度といたしまして私どもが打ち出した点でございますが、実際の運用面に関しましては、よほどの努力が要るのではないかというふうに考えております。
#15
○河野謙三君 関連して。ちょっと増田さんね、県の試験場への補助助成の仕方を、今度総合助成方式に変えた。これね、私はこの総合助成方式というのを、こういうふうに受け取ったのだが、要するに、極端に言えば、ある県に一千万円なら一千万円補助金をやる。だからこれでお前の方は、下からつき上げられてくるところのいろいろな普及事業と結びついた必要のものに、何でもいいから金を使え。極端に言えばこういうふうに変えるわけですか。それは私は非常にいいと思うのですよ。今までたしか各府県への補助金というものは、件数にして五、六百、もっとあったのです。いわゆる委託検査とか依頼検査とかいう名目で、これを悪く申し上げると、地方の技術者と中央の技術者との間で、お互いの間のやり取りで、ただ金はもらえないから、稲だとか麦だとか、同じようなものを全国の各府県の試験場に依頼検査をする、その内容というものはあまり変わってない。その検査は従来五、六百あったでしょう、それを今度はそういうものを一切やめてしまって、これをお前の方に金をやるから、前の必要なものを農民がその県の特殊性に応じて使え、こういうことに変えると、こういうことですか。
#16
○政府委員(増田盛君) 大体の御趣旨はそういうことでいいと思います。ただ実際のやり方といたしましては、一つの方法は例の新農村でとりました総合助成方式がございます。実はその全部おまかせしてもいいはずなんでありますが、実は御存じの通り、農業の試験研究機関の場合には、隣県とのいろいろな総合調整もいるわけでありますから、大体大筋の試験研究項目というものは、ほとんど全部網羅されるような表を準備いたしまして、その中から県の方でどれでも選んできなさい、ただし若干の隣県との調整なりあるいはその地域の人の調整は技術会議の方でして参ります。あるいはその中間に地域の人の共同研究も出てきますから、地域のそれもやりますということで、全然制約がないわけではございませんけれども、必要な若干の調整は試みますけれども、ただいまのお話のように簡単にいいますと、もらえる金額がある程度きまっておりまして、それによって県の方で、課題を選定して協議をする、それによって最終確定をするということになろうかと思います。
#17
○河野謙三君 そうすると具体的に今まで私は五、六百あったと思うのだが、内容は同じようなものが。それが今度は依然として金を出す以上は、依頼検査とか、委託検査という名前で出すのだろうが、その件数が百とか百五十に減ると、こういうことですか。
#18
○政府委員(増田盛君) 件数のところで、今お話しの、たくさんあったというお話しの中には、おそらく農林省を通じないで、いろいろなものもあったろうと思います。土壌検定の依頼調査とか、それからそのほかいろいろなものがあるわけでありますから、そういうものに関しては、農林省の方は特に関係するわけではないのでありますが、大体私の方で予算的な項目として、今までこれは大きな項目で出しておりました補助金が約二十近くあるわけであります。それを大体総合助成、その八割程度のものは総合助成にいたしたい。ただ現在まだ大蔵省と折衝いたしておりますが、そのほかに指定試験というのがございます。品種改良等が主でございます。この指定試験等は、やはり一つの県だけじゃなしに、全国的な規模でやっている事業が多いわけでありまして、ある県が指定試験を全然やめてしまうという場合に非常に困る問題が起こってきますから、指定試験のようなものは総合助成の中に入れないで、特定しなければならぬじゃないかというふうに考えておりますが、大体しかしそういうものを除きましても、三十近くある項目の中で八割程度のものは一本の総合助成になる。その中にはこれは、たとえでございますけれども、たとえば料理のメニューみたいに、各種各様のいろいろなものが専門的に分類されておりまして、その県に合ったものをその中から選んで申請をすれば、それによって調整をして補助金を出す、こういう仕組みであります。
#19
○河野謙三君 非常に私は、結論としてはいい方向を打ち立てられたと思うのですよ。ただ誤解のないように、私は今五、六百カ所といったのは、少し古い話で、二、三年前で、農林省自体に私は依頼して調べてもらったその件数が五、六百あったと思うのです。それがいまだに何となしに続いていると思う。それを今後予算で総合助成に変えた、こういうことだと思うのですが、思い切ってそれを総合助成方針に切りかえた以上は、徹底的にやってもらいたい、こういうふうに思って伺ったのです。
#20
○委員長(藤野繁雄君) 他に御発言もなければ、農林水産技術会議関係については、この程度にいたします。
 ここでしばらく休憩し、午後は一時に再開いたします。
   午後零時十六分休憩
   ――――・――――
   午後一時二十一分開会
#21
○委員長(藤野繁雄君) 委員会を再開いたします。
 昭和三十六年度農林省関係予算に関する件を議題といたします。午前に引き続き、午後は食糧庁及び林野庁の説明を聴取いたします。なお、説明は時間の都合上それぞれ大体三十分以内ということでお願いいたします。
 それではまず食糧庁関係について説明を求めます。
#22
○政府委員(須賀賢二君) 食糧庁関係の三十六年度予算につきまして概略御説明申し上げます。お手元に「昭和三十六年度食糧管理特別会計予算の概要」という刷り物がお配りいたしてありますので、この資料に基づきまして、要点をかいつまんで申し上げたいと思います。
 第一が食糧管理特別会計予算編成について、所要の予算の編成をいたしました大筋の考え方がここに書いてあるわけでございます。
 一が食糧管理関係で、「(一)国内米の管理米の管理については、現行管理方式を継続することとし、次の方針による。(1)三六年産米の集荷は、事前売渡申込制度を継続するものとし、その目標は、五七〇万屯(三、八〇〇万石)とし、配給数量は月一〇瓩とする。」米につきましては、全体を通じまして今回の予算の編成にあたりましては、特に制度の内容等につきまして従来の考え方を改めた部分はございません。すべて現行制度に即しまして予算の編成をいたしたわけでございます。それで米の集荷数量でございますが、これは予算の見積りといたしましては三千八百万石ということにいたしたわけでございまして、大体平年作を三十六年産米については、農林省としては八千三百万石に平年作の見積りを現在統一をいたしておるわけでございます。それで八千三百万石の生産見積りによりますと、政府買い入れ数量は、従来の実績その他を基準といたしますと、三千八百万石となりますので、買い入れ目標は三千八百万石ということにいたしております。それから配給の方は、この一月から十キロ配給にいたしておるのでございますが、三十六年度予算は会計年度中を通じまして月十キロ配給ということにいたしております。
 それから次は三十六年産米の政府買い入れ価格、いわゆる予算米価でございますが、予算米価は百五十キロ当たり一万四百五円、これは前年度決定米価と同額でございます。「消費者価格は、現行どおりとする。なお、卸、小売業者の販売手数料の改訂を行うこととする。」予算米価は一万四百五円、これは三十五年産米の米審決定価格でございますが、これをそのまま採用をいたしておりまして、特にその内容の内訳等はつけておりません。かねて問題のありまする早期格差でありますとか、そういう問題は、すべて本年産の米価を決定いたします段階におきまして慎重に検討をすることにいたしております。予算米価は一万四百五円ということで、実際の決定米価は米審段階でいろいろな条件を十分吟味をいたしまして決定をするという方針をとっております。
 それから消費者価格につきましては、これは現行通りでございます。変えておりません。なお、卸、小売業者の販売手数料は、これは公務員給与の引き上げがありました関係で、若干手直しをいたさなければならなくなりましたので、年間二十三億円の金額に相当いたしますものを、米の卸、小売販売業者の販売手数料として、従来よりも多く見積ったわけでございます。
 次が、国内麦の管理でございますが「麦の管理については、新しい麦対策に基き、次の方針による。(1)小麦については、従来どおり無制限買入れを行い、大麦、はだか麦については、農林大臣の定める数量の範囲内において買入れることとする。」麦につきましては、これはいずれ法案の形におきまして十分御審議をいただく予定にいたしておりますが、昨年来、麦対策につきまして検討を重ねて参りました結果、要点は、小麦については従来通り無制限買い入れを継続いたします。ただ、大、裸麦につきましては、ここ数年来非常に需要の動向が変わっておりまするので、従来と同じ態勢におきまして生産を継続して参るということには、非常に問題があるわけでございます。それで大、裸麦につきましては、別に官房の方の予算で説明があったことと存じますが、転換奨励金を出しまして、大、裸麦の積極的な転換を推進することにいたしておるわけでございます。それに応じまして、大、裸麦につきましては、制限買い入れという考え方に変えて参るつもりでございますが、ただ三十六年産の麦につきましては、これはすでにまきつけもいたして成長いたしておりまするものでございますから、これにつきましては制限買い入れの建前はとるわけでございますが、実際の買い入れにつきましては、過去の検査実績等を基準にいたしまして、今年産の麦につきましては、農家にそう大きな影響を与えないように十分配慮をいたして参りたい、そういうつもりで予算の方も編成をいたしてございます。
 それから二ページに参りまして、麦の政府買い入れ価格は「三五年産麦の決定買入価格と同額とする。」一応、予算単価は三十五年産麦の決定価格と同額といたしております。これも、従来、麦の価格の決定は、食管法によりますと、パリティ価格が上がりますと、それに並行いたしまして引き上げて参るような規定になっておるのでございますが、この点も十分検討いたしまして、いずれ法案の形において御審議をいただくつもりでございます。一応、予算上は三十五年産の決定価格と同じにいたしております。
 それから三番目に、輸入食糧の管理でございますが「輸入食糧は、国内産米麦および輸入米麦の需給事情を勘案し、必要な限度の数量を輸入することとする。」、「輸入食料の買入価格は 最近の実績及び今後の見透しを勘案し、算定するものとする。」輸入食糧につきましては、現在は外米と小麦でございまして、大麦の輸入は、これは昨年以来一切輸入をいたしておらぬわけでありまして、小麦につきましては、大体小麦の全体の需要の傾向からいたしますと、小麦粉の消費というものは、最近の趨勢はおおむね頭打ちないしごく微増程度でございまして、そうきわだった消費の増加は見られないわけであります。それで三十六年度におきましては、小麦の外麦輸入は百九十九万八千トン、二百万トンをちょっと割る程度の数字になっております。
 それから外米はこれは非常に問題が大きくなっておるわけでございますが、三十六年度におきまする外米の輸入につきましては、目下外務省を通じましてそれぞれの相手国と交渉に入っておる段階でございますが、私どもといたしましては、小麦の需供がこういうふうに非常にゆとりが出て参ってきておりまして、もう現段階におきましては、外米の需要というものは非常にわずかなものになっておるわけでございます。それで、現在かなりの手持ちもありまするので、三十六年度では一応予算上では、砕米、砕け米でございますが、砕け米の輸入を砕け米としての需要があります程度に輸入をいたしまして、普通の外米の輸入はほとんどもう数量的にも五千トン程度しか計上しないという程度に予算上は減らしておるわけであります。外米は砕け米と普通米とを合わせまして五万トンだけ予算に計上いたしております。去年は二十二万トンぐらい輸入があったのでありまして、三十六年度は外米の輸入はわずかに五万トン程度しか計上されておらないという程度であります。
 それから次は、農産物等価格安定でございますが、これは農産物では澱粉となま切りぼしでございますが、「農産物については、従来の方針を継続するものとするが、大豆及びなたねは、外国産大豆の輸入自由化に伴い別途所要の措置を講ずるものとする」。これはあとでも申し上げますが、大豆、菜種につきましては、外国産大豆の輸入自由化が三十六年度中に予定されておりますので、これに伴いまして別途措置をすることにいたしまして、農産物等価格安定法からは、当分の間大豆、菜種はこれははずしていくような考え方に立っております。それで今回の予算積算では、農産物等安定勘定の中には大豆、菜種の価格安定に必要な経費は積算いたしてございません。澱粉、なき切りぼし、それからテンサイ等も三十六年度はごくわずかでございまして、ほとんど三十六年度には売買がないわけであります。
 それから農産物等安定勘定の中で飼料需供安定法に基づく金の出し入れをいたしておるわけであります。これはあとで申し上げますように、農産物等安定勘定の中で約八億程度飼料に必要な経費を見積っております。
 それから一般会計からの受け入れば、調整資金に充てるため・三百七十億円を受け入れる。これはあとで調整資金の勘定を申し上げますところでさらに申し上げますが、調整資金に充てますものといいますものが、これがいわゆる国内米、国内麦、輸入食糧を通じまする食糧勘定の赤字の補てんに見合うものでございます。これが三百七十億円。それから農産物等安定勘定の見込み損失を補てんするために別に二十億円、これがいわゆる澱粉、切りぼし、それからえさ、これの売買に見合うものであります。それで三百七十億と二十億、そのほかに文部省所管の学校給食のための輸入食糧の安売りによる見込み損失を補てんするための経費として・約十七億円が別途食管に、これは文部省の方から繰り入れられることになっております。
 それから国内産大豆及び菜種の対策、「大豆の輸入自由化に伴い国内産大豆及びなたねについて農家所得の維持安定をはかるため、当分の間、農林大臣の指定する集荷団体に一定の基準による交付金を交付するものとし、三六年度の所要額として三十億円を一般会計に計上する」。これが先ほど申し上げました従来農産物等安定勘定の中にありました大豆及び菜種の対策費を、今回は大豆の輸入自由化に伴いまして、別に措置をすることにいたしまして、これにつきましては法律を用意をいたしておりまして、法案の形でいずれ十分御審議をいただくつもりでございます。考えておりますのは、大豆の輸入が自由になりますと、国内産の大豆はかなり値下がりをすることが考えられるわけでございまして、現在の市価三千二百円あるいは従来の農安法の基準価格になっております三千二十円というようないわゆる農家の手取り価格になっておりますものと、かなり実際の市場価格が食い違ってくることが考えられるわけでございます。それで今回の考え方は、三十五年産につきましては、三千二百円、三十六年産については、従来の農安法の基準価格でありまする三千二十円を一応基準といたしまして、この基準価格と、実際の農家が手放します価格との差額に相当するものを集荷団体を通じまして、交付金の形において交付をする。なお、それには集荷団体が取り扱います場合には、手数料でありますとか、金利でありますとか、保管料というようなものもかかります。そういうものも合わせまして、集荷団体に交付をするような内容によって三十億円を計上いたしておるわけでございます。それで予算上は三十五年産の大豆がまだ集荷団体の手元に残っておるものがございます。それで三十五年産の大豆を、一応五万トン、それから三十六年産につきましては、従来の集荷実績等を勘案いたしまして、総量二十万トン、それから菜種につきましては、従来の出回り実績等を勘案いたしまして、十九万五千トンというものを価格支持の対象にいたしておるわけでございます。それが三十六年度と三十七年度の両年にまたがるわけでございまして、ただいま申し上げました大豆の三十五年産、三十六年産合わせまして二十五万トン、それから菜種の十九万九千トン、三十六年度に処理されまする数量に対応いたしますものとして三十億円を計上しておるわけでございます。これの出し方等につきましては、交付金法という一応考え方で目下法律を検討いたしておりますので、いずれ詳細御審議をいただきたいと考えております。
 それで食管特別会計の損益見込みでございますが、「三十六年度予算における各勘定の損益見込及び調整資金の増減経過は次のとおりである。」食糧管理勘定におきましては、三十五年度は、この三ページの終わりのところにありますように、国内米が三百億の赤字でございます。それから国内麦が百六十七億円の赤字、それに対しまして輸入食糧から出ております益が百八十四億円出ておりまして、合計二百八十三億、これが三十五年度の見込み赤字でございます。それに対しまして三十六年度は国内米が三百三十九億、それから国内麦が百七十七億の赤字でございます。これに対しまして輸入食糧の益が百四十四億でございまして、通算をいたしますと三十六年度の赤字は三百七十二億ということになるわけでございます。それから農産物安定勘定の方は、三十五年度は当年度損失と前年度から繰り入れましたものが合わせまして三十一億赤字がございまして、一般会計から三十一億を受け入れましてこれを消したわけでございます。それから三十六年度は二十億の赤字が予定をされまするので、これに対しまして一般会計から二十億の繰り入れを仰いでおるわけでございます。それで食管会計としては、次の調整資金増減計画というところにありますように、三十五年度は期初に五億の調整資金を持っております。それから一般会計から二百九十億、これは当初百億、補正で百九十億、二回にわたって一般会計から入れたわけでございますが、二百九十億三十五年度中に一般会計から調整資金の受け入れを見た。二百九十五億、三十五年度ではございまして、それに三十五年度の損失が二百八十三億でございますので、三十五年度期末の調整資金の残高は十二億、これを下の段の三十六年度の頭へ受けてきまして、これが、前年度の繰り越しが三十六年度期初の調整資金でございます。それに対しまして一般会計から受け入れますものが三百七十億、合計いたしまして三百八十二億の調整資金があるわけでございまして、これに対しまして当年度損失がさきに申し上げましたように三百七十二億ございますので、これを差し引きますと調整資金としては約十億円の余裕を持っておるわけでございます。これは三十二年度に調整資金の制度を設けましたときから食管見込み赤字に対して若干の余裕を持たした調整資金を運転資金として繰り入れるという建前をとっております。それで今年は、現時点におきまする損益の見通しによりますと、三百七十億の調整資金の受け入れによりまして約十億の余裕をここに残しておるわけでございます。
 ごらんのように、非常に三十五年度から食管会計としては一般会計からの受け入れが増加をして参ったわけでございます。三十四年度の決算では食管の赤字は大体百億でございますが、三十五年度から非常に大幅に増加をして参ったわけでございます。これは私から今あらためて申し上げるまでもございませんが、食糧の需給事情も質的に非常に変わって参りました。現在の食管会計が営んでおりまする仕事の実態は、いわゆる価格安定的な機能が非常に強く出て参っておるわけであります。それに伴いましてやはり財政負担も非常に大きくなっておるという現状にあるわけでございます。それで、食糧管理特別会計の歳出の規模は、三十五年では九千六百三十億であったのですが、三十六年度予算では一兆五百五十六億、歳出の規模は本年になりまして初めて一兆をこえる大きな規模になったわけでございます。
 それで第四以下は、これは各勘定別の収支をずっと書いておるわけでございまして、特に一々御説明をすることもないのでございますが、特に要点だけ申し上げておきますと、六ページのところで、三十六年産米の買い入れ、これはさきに申し上げましたように五百七十万トン、三千八百万石ということになっておるわけでございます。それから九ページのところで、備考のところに、三十六年産麦の買入れ数量、大麦が三十九万四千トン、裸麦が四十万七千トン、これは大、裸合わせまして八十万一千トンになるわけでございますが、これは過去三年の大、裸の検査数量の平均をとっております。大体この程度買いますれば、本年産麦につきましても、農家として大体普通に、通常商品化いたしますものは、全部これを買い入れるという程度にカバーするものと考えております。
 それから十二ページへ参りまして、輸入食糧の買い入れでございますが、十二ページの備考の欄にあります三十六年度輸入数量、米が五万八千トン、私先ほど五万トンと申し上げましたが、五万八千トンでございます。それから小麦が百九十九万八千トン、こういうことになっております。
 それから十五ページのところで、農産物安定勘定の売買内容でございますが、十五ページの下に、農産物、カンショ澱粉が四万八千八百八十五トン、バレイショ澱粉が二万七千百五十二トン、カンショのなま切りぼしが一万九千二百トン、それからえさの方で、ふすまが十六万一千トン、それから小麦が七十五万六千トン、その他が十五万九千二百トン、飼料用小麦の輸入が昨年あたりから非常にふえておるわけでございまして、本年も一応の見積りでは、七十五万トンという非常に大きなものになっているわけでございます。
 食管会計の内容として一応御説明を申し上げますのは、以上の通りでございます。
 もう一つお手元に三十八国会説明資料、これは作成庁の名前がついておりませんが、食糧管理特別会計の調整資金に充てるため必要な経費という書き出しで、二、三枚とじた資料がございます。これを一緒にごらんいただきますと、これが食糧庁所管の一般会計に計上してありまする予算の全貌でございます。
 一が食管特別会計への繰り入れ、これは三百七十億、これは先ほど申し上げました調整資金への繰り入れでございます。それから農産物安定勘定への繰り入れが二十億、これは安定勘定の損失補てんに必要な経費として二十億、それから大豆輸入自由化に伴う国産大豆及び菜種の保護対策に必要な経費、これはさきに申し上げました大豆菜種対策といたしまして三十億円、事務費が三十四万四千円、合わせまして三十億三十四万四千円でございます。それから四番目に、中小製油企業共同精製工場設備費補助金、これは大豆の輸入自由化に伴いまして、中小の製油工場が企業的に不利な立場に立つことが考えられますので、中小製油工場の共同精製施設、これを助成することにいたしまして、これに要する経費として一千万円を計上いたしておるわけです。その他は、もうこまかいものでございます。特に御説明を申し上げるものもございませんが、食糧庁一般行政に必要な経費五千七百万円、それから油糧産業の企業合理化、食糧管理等に関する諸調査に必要な経費、米穀類購入通帳等作成に必要な経費、北海道冷害による昭和三十一年産米概算金返納措置に必要な経費、これは概算金の返納を延納しておりまする利子補給、それから六番は、十五号台風による昭和三十四年度産米概算金返納措置に必要な経費、これは伊勢湾台風によりまして概算金の返納を延納いたしております利子補給でございます。それから、食糧研究所の運営に必要な人件事務費、総計いたしまして、食糧庁の一般会計から受けます経費の総額は四百二十一億九千十七万五千円、どういうことになっておるわけでございます。
 繰り返し申し上げましたように、食糧庁といたしましては、本年度予算では特に麦対策、それから大豆・菜種対策等につきまして、従来と変わった内容を持っておりまするので、いずれこれらの問題につきましては法案御審議の過程におきまして十分御検討をいただきたいと考えております。
 以上でございます。
#23
○委員長(藤野繁雄君) ただいまの御説明に対し、御質疑のおありの方は、順次御発言をお願いいたします。
#24
○秋山俊一郎君 ただいまの御説明のうちに、この十六ページの調整勘定への繰り入れというところの「その他」に、飼料の輸入が十五万九千二百トンというのがございますが、これは内訳はどういうものでございますか。
#25
○政府委員(須賀賢二君) これはいろいろこまかいものがあるわけでございますが、一応申し上げますと、コウリャン、トーモロコシが三万五千トン、それから大豆が二万トンでございます。それから大豆かすが七万トン、それから脱脂粉乳が二千二百トン、それから魚かすまたは魚粉が三万二千トン、一応それで合うはずでございますが……。一応そういう内訳になっております。
#26
○秋山俊一郎君 この今最後にお話しになりました魚粉及び魚かすの三万二千トンというものの輸入であります。これはどういうふうな扱いをするのでありますか。実は、私の水産関係におきまして、日本における魚かす、魚粉が大体十二、三万トンは生産されておると思うのですが、これが外国から安い魚粉なりが入って、いわゆるフィッシュ・ミールが入ってきますというと、この漁業者の生産に非常に影響するというととで、この点非常に心配しておるのでありますが、特に食糧庁が買い入れの対象に魚かすを入れたということはどういう精神からでしょうか。
#27
○政府委員(須賀賢二君) この飼料勘定の内訳につきましては、これは飼料需給安定法で売買をいたしますものの勘定の整理をこの農産物安定勘定の中の飼料勘定で私どもの方ではいたしておるわけであります。それで、この飼料勘定で売買をいたしますものの内訳、内容につきましては、これは畜産局の方で具体的に検討をしていただきまして、その考え方に即しまして私の方で会計上の計算の中に計上いたしておるわけであります。
 それで、ただいま、魚粉、魚かすについての御指摘でございますが、これは私どもも予算を編成いたした後におきまして、この魚粉、魚かすを飼料勘定の中で売買をすることについていろいろ関係局の間に問題のあることを承知をいたしたわけでございます。実はこれを整理いたしますときに、十分そこのところが、それぞれの関係局との間において私の方でも十分詰める時間的余裕がなかったわけでございます。事後において問題があることがわかったわけでございます。それで、この問題につきましては、魚かす、魚粉の輸入の問題は、これは実際の処理は畜産局、水産庁で十分御検討をいただきまして、国内漁業関係方面に対する影響等も十分お考えの上でやっていただく、現実に売買いたしますときに、私の方の管轄で整理をするということにいたしたい。私の方で、食糧庁自身の判断で、買うとか買わないとか、そういうふうな実際のとり進めにはならないわけであります。関係局の方で一つ十分お考えの上で実際の処理はやっていただく、さように考えております。
#28
○秋山俊一郎君 今のお話によりまして、食糧庁自体が発動してこれを輸入するということにはなっていないというお話でありますが、従来も、しばしばこれは問題になりまして、現在水産物の価格安定ということについて予算も計上し、主として魚かすの問題によって鮮魚の価格を維持しようといったような政策がとられておるわけであります。そこへ持ってきて、政府がぽかぽか、安いものをどんどん入れてきたならば、これはさっぱり意味のないものになってしまう。この点は非常に慎重を要すると思うのであります。で、今後家畜、家禽の政策が充実してきますというと、飼料の需要が増してくることも想像されますが、やはり魚かすについては、何も魚かすがその飼料の大部分じゃなくて、ごく一部分だろうと思うのです。それに国内において十二、三万トンあるいは今後それ以上になるかもしれませんが、そういうものが生産され、初めは相当輸出を見込んだ生産も、今日ではあまり輸出も出ないということになりますと、国内に消費してもいいことになるのですが、輸入魚粉の価格と比べますと、国内品はどうしても高い。コストが高いのです。従ってそこの調整ということがあってこういうものを組んだかと思いますが、実はこれは私どもあとから聞いたのですが、水産庁も全然知らなかった、今お話しのように、途中からぽかぽかっと入ってきたので、非常にわれわれとしても不明朗な気がするのです。同じ農林省内におきまして、こういうものが調整もとれないでいったということは、まことに私どもとしては不可解なんです。そこで、どちらもやはり農林省の重要な政策のうちに入っておる仕事でありますので、これが輸入につきましては、特に食糧庁としてもその関係部局の意見が調整された上で一つやっていただきたい。
 それから、これが食糧庁で輸入されますと、その差益金というものは国庫に入ってしまうのじゃないか。実は、従来の関係からいきますと、その差金は畜産あるいは水産の振興のために幾らかそれを使おうといったような意思があったはずなんです。それがぽいとほかの方へ行ってしまうということ、それもなくなってしまって、国内の製品の値段は下げなければならぬ、それは下がってくれば畜産はいいかもしれませんけれども、そう安いものを入れるそれだけには下がらない。そこで、その差益金は、食糧庁が取り上げて食管会計の赤字に埋めるなどということをせずに、これは一つ還元するような道を講ずる考えはないかと思うのですが、その点はいかがですか。
#29
○政府委員(須賀賢二君) 先ほど申し上げましたように、これは輸入することにつきましては、私の方でも十分その辺を詰めておりません点がありましたので、実行上の問題といたしましては、ただいま御注意の点も一つ十分気をつけてやって参りたいと思っております。なおこれは飼料勘定へこれが入りますと、これで実際に政府で売買をいたしました場合に差益が出ました場合は、これは飼料勘定の中で調整をされていくわけでございまして、この飼料勘定の中の各取り扱い品目の中には、中には差益の出ますものもありますし、差損の出るものもある、それらを通算をいたしまして飼料勘定の約八億という赤字が出ておるわけでございまして、これは飼料勘定で扱いますと、実際に売買に差益が出ました場合、これは食管特別会計の飼料勘定の中で操作をされるということになるわけでございます。
#30
○秋山俊一郎君 もう一点。このフィッシュ・ミール等を輸入する目的が、いわゆる調整にあるといたしますならば、価格あるいは数量の調整にあるといたしますならば、これが比較的スムーズに輸入ができる、あるいは国内供給ができるということであれば、あえてこれを発動せんでも、輸入せぬでもいいんじゃないかと思いますが、食糧庁はそういう場合には何もこの金を使わないのだというお考えがございますか。
#31
○政府委員(須賀賢二君) これは非常に形式的なことを申し上げるようでございますが、飼料勘定によりまする売買は、これは飼料需給安定法によりまして、それぞれ所管部局の発意によってやっておるわけでございます。私どもの方で、食糧庁自身が買うとか買わないとか、そういうような判断をいたしておりません。畜産局の方でこういうふうなものを買ってもらいたい、その売買及びその勘定の整理を私どもの方でやっておるわけでございます。従いまして私の方で魚粉、魚かすを買うとか買わないとかいうことは、私の方から申し出るというか、私の方でまず第一次的に判断するというようなことにはなっておらないわけでございます。ただ、経過的に経過を見ますると非常に問題があるわけでございますから、現実にこれを飼料勘定で買うというような問題が実際に起きました場合、またそういうふうな事態に現実になりました場合、私の方でも関係局の間で十分意見が調整をされておるかどうか実際にそれを輸入をして問題が残っていないかどうかということは十分吟味いたしまして、その上で私どもはあくまでも処理をするということにいたしたいと思います。
#32
○秋山俊一郎君 もう一点。今の制度におきましては、飼料需給安定法といいますか調整法というのですか、そのうちに魚粉、入っていないはずですね。そうするとこれは告示か何かしなければならぬと思いますが、それは早急に告示をするお考えですか、いよいよその必要が生じた場合に告示をして買い入れるお考えですか、その点はいかがですか。
#33
○政府委員(須賀賢二君) これは手続は畜産局の方の関係になるわけでございますが、私の承知いたしております範囲ではまだ告示はされていないわけでございます。いずれ実際にそういう必要が起きました場合に、よく農林省の中の意見の調整をはかりました上で、必要とあれば告示をするという手順になると思っております。
#34
○千田正君 今、秋山委員の質問に対して長官もお答えになっておりますが、私も秋山委員と同様にここへこういう勘定を持ってきたということに対しては、はなはだ納得がいかないのであります。大体食糧会計のこの勘定の中に、これを調整すると称しても、水産の方においては一方魚価安定策というものをきめようという農林省の一つの施策として考えておる最中に、片方の畜産関係からは安い飼料を入れてそうして食糧関係の食管会計の赤字をある程度調整していこう、これは全然異なった勘定の行き方をやっておる、こういうことはおそらく水産庁と畜産局との意見が相対立してどうにも調整がつかぬから食管会計にこれを取り扱ったかの感があるのです。幸い長官は長官として今のお話を承わりましたが、ほんとうは大臣がおれば大臣に施策を聞きたいのですが、政務次官お見えになっておりますから。一方においては水産としては零細漁民をある程度救わなければならない、そうして基本方針としては魚価安定政策というものを立てようとしている。それにもかかわらず片一方では、そういうことをやられていたのでは、いつまでたっても零細漁民は救えない。農林政策の一環としてこういうようなわけのわからない勘定を持ってくるのは不本意です。あなたどういうふうにお考えになりますか。
#35
○政府委員(井原岸高君) ごもっともでございますので、よく省内で意見の整調をはかりまして、ただいまのような御心配の起こるような場合は予算に組んでおいても使わなくてもけっこうだと思います。一応部内でよく調整をいたして、その結論によってまた方法を考えたいと思います。
#36
○千田正君 もう一つ長官に聞きたいのですが、昨年ペルーから入れた魚かすなどは、これは全然使用にならない、しかも乾燥が不十分なために途中で火災を起こしてそうして物にならなかった。こういうようないろいろな方面において問題が起こるようなものは、あなた方責任をもって輸入していますか。
#37
○政府委員(須賀賢二君) 実際にこの魚粉、魚かすを食糧庁の勘定で買います場合は、やはり一定の検査でありますとか、そういう手順を踏まなければ処理できないわけでございまして、そういう面につきましても実務的にどういうふうに処理をできるか、それらの問題もあわせて、一つ十分検討いたしました上で、もし私の方で処理を現実にするという場合には、その方法を一つ考えてみたいと思っております。
#38
○千田正君 もう一つは、差益は国庫にこれは納入する、食管会計の赤字補てんのためにこの差益は使いますか使いませんか、どうなんです。
#39
○政府委員(須賀賢二君) これは食糧勘定の中での操作でございまして、いわゆるその米や麦等について出ております食管会計の赤字の穴埋めとはこれは全然関係ございません。飼料勘定の中での、飼料の中には大豆、大豆かすいろいろな種類のものがございますが、それを売買いたしまする場合の総合的な穴埋め補てんになるわけでございまして、直接米麦等のいわゆる本来の食管の赤字の補てんとは全然これは関係ございません。
#40
○千田正君 漁民から言いますと、自分らが苦労して作った魚かすが、魚価安定の政策に乗るか乗らぬかというせとぎわに、片一方においては飼料として大豆かすあるいはその他の農産物を入れる、農産物の赤字の補てんのために魚かすを使われるということは不本意だと言うのです。漁民としては魚価安定政策の、水産行政の一環としてそういうものが使われるならば漁民としては了承できるけれども、自分らを犠牲にして入れたものを、それを大豆やその他大豆かすの方面に使われるということはわれわれは不本意だ、こういう声が漁業生産者の方からの大きな問題として今出ている。だからその調整をあなたの方では責任をもってやれるかということです。長官としてはどういう御意見なんです。
#41
○政府委員(須賀賢二君) 私の方は先ほど申し上げましたように、これは畜産局原案に基づきまして飼料勘定の中の取り扱い品目という形において積算をされて参りましたものを、そのまま計上いたしたような結果になっておるわけであります。しかしあとから見ますと、非常に問題の多いものがここに乗っかってきたような結果になっておりまして、私自身も取り扱いでは非常に遺憾に考えております。従いまして、実際の業務の処理といたしましては、先ほど来申し上げておりますように、この問題につきましては十分意見の調整をされました上で処理をいたしたいと考えておるわけであります。
#42
○亀田得治君 二点だけちょっと簡単に確かめておきたいと思いますが、一つは、この三十六年度の政府米の買い入れ価格の問題ですね、これは先ほど御説明ありましたように、予算単価であって、従ってその内訳等の問題は米価決定の時期にまかしておる。こういうことなんですが、その点は了承できますが、その内訳よりも全体のワクですね、一万四百五円、これは昨年度はそうであったから一応予算としては同じように組んでいるのだという気持だろうと思いますが、この一万四百五円というワクで処理できると考えているのかどうか、ここら辺のところです。といいますのは、この労務費の値上がりだって今後もあるわけですし、現に販売手数料などで年間二十三億増になるわけです。あるいはいろんな公共料金の値上げなどもいろいろあるわけです。農家の所得の安定ということも政府のこれは一つの大きな問題なんでしょう。だからいろんな要素等を考えて、これはまあ一万四百五円というものを買い取るだけで、実際のその見通しですね、そこら辺のととろをちょっとお聞きしておきたいと思うのです。
 それからもう一つは、外国米の輸入を非常に少なくする、こういう考え方であるようですが、これは通産省なり外務省とも先ほど申されたこの数字というものは完全に意見が一致して、そうしてそういう方針で押していくということになっておるのか、あるいは農林省だけの一応のめどでもって、通産省等のいろんな貿易上等の観点から意見が出てくると、相当そこにまた幅も出てくるのだといったようなことになっておるのか、そこら辺のところを二つ、一つお聞きしておきたい。
#43
○政府委員(須賀賢二君) 予算米価一万四百五円、これは前年度の決定米価を一応予算積算上の単価として使ったわけでございます。実際の決定米価は本年産米の価格をきめますときに、いろいろ米価をきめまする各般の条件なり要素を積み上げまして慎重に検討いたした上で、米価審議会で御審議を願いまして決定をいただく段階になるわけでございます。従いまして、私どもといたしましては、実行上の問題といたしまして必ずしも予算米価に拘束をされるものではないという考え方をとっております。
 それから外米の輸入量でございますが、これは昨年の暮れ以来、ことしの外米の輸入の問題は非常に問題が大きいということで、関係省の間で数次にわたりまして意見の調整をはかって参っておる次第でございまして、予算に積算をいたしました五万八千トンという数学は、農林省で立てておる需給計画上から見た必要数量としては五方八千トンであるということは、これは関係省においても十分了解をいたしておる数字でございます。
#44
○亀田得治君 大体お答えがあったのですが、この実行米価というものは予算米価に拘束されるものじゃないという意味のことなんですが、そこであなたの方の見込み、これはあなたの方がちゃんと食管の責任者なんだから、そんな拘束されるものじゃないといったようなことじゃ済まないので、やはり一家の主人公だから見込みというものがあるだろう。そこら辺のところをいろんな、私が指摘したような観点から見て、どういうふうに腹の中じゃ考えておるのか、全然考えていないということはあるまい。そりゃ大事なことですから、そこら辺のところもうちょっと一つ一つ承わっておきたい。
#45
○政府委員(須賀賢二君) 実はまだ率直に申し上げまして、ことしの米価が先ほど御指摘のあるいはその労賃の上昇率、昨年の反収の実績、いろいろ生産性の仲びと、そういったようなものを総合いたしまして、どの辺のところへ出てくるかという試算は、まだ私どもの方の手元で現在の段階ではやっておりません。いずれこれは近いうちにそろそろ本年産米価の見当をつけまする作業を始めなければいかんわけでありますが、まだ全然やっておりませんので、今重ねてお尋ねでございますけれども、申し上げるだけのまだ用意ができておりません。いずれまた……。
#46
○亀田得治君 それじゃいずれにしましょう。
#47
○委員長(藤野繁雄君) 他に御発言もなければ食糧庁関係につきましてはこの程度にいたします。
 次は、林野庁関係について説明を求めます。
#48
○政府委員(山崎斉君) お手元の昭和三十六年度予算の概要、林野庁という印刷物、これをもとにいたしまして主要な点の御説明を申し上げたいと存じます。
 本国会に提出いたしまして国会の御審議をお願いいたしております林業関係予算は、四ページをごらん願いたいと思います。一般会計におきまして前年度の当初予算成立予算額に比べまして十六億円余増の百六十四億一千三百万円と相なっております。それから、終わりで恐縮でございますが、七十八ページの国有林野事業特別会計をごらん願いますと、これの国有林野事業勘定が六百三十八億八千三百万円、同じく九十三ページの治山勘定が六十九億五千五百万円、それから七十二ページをごらんいただきたいと思いますが、森林保険特別会計におきまして七億五千三百万円となっておるのでございます。
 それで、この林業関係予算の内容につきまして主要な点を御説明申し上げたいと思うております。
 まず第一に十五ページをごらん願いたいのでありますが、一般会計の非公共事業の主な点について御説明申し上げますと、十五ページにありますように山村農家の所得安定をはかるために前年度に引き続きまして木炭対策を推進いたすことといたしまして、木炭の生産合理化及び木炭出荷調整事業を実施することといたしておりますが、特に木炭生産合理化対策といたしまして製炭の合理化を促進するため三十五年度から実施の奥地製炭地帯に対する簡易搬送施設の設置助成を継続しますと同時に、新たに木炭の取扱量の多い農業協同組合森林組合等の団体三百組合を対象にいたしまして切炭機の設置助成を行なうことといたしております。
 次に、もとに戻ってまことに恐縮でありますが、十一ページをごらん願いますと、山村経済振興をはかるため森林組合の育成強化が急務でございますので、引き続き森林法に掲げております常例検査の指導及び不振組合に対する長期及び短期の指導並びに経営基盤の強化のための合併奨励を行なうことといたしております。三十六年度に新たに前年度合併をいたしました組合に対し、合併後の組合運営を円滑に推進するため合併組合指導を都道府県に行なわせるための補助費を計上いたしておるのであります。
 それから三十三ページをごらん願いたいのでありますが、林業経営の合理化の促進でありまして、国及び都道府県の研究機関と連絡を保ちながら林業普及指導事業の推進がきわめて重要でありますので、この事業の中核となります林業普及指導調査員の資質の向上、活動費の充実をはかりますとともに、最近経営合理化のため強く要望されております林業機械化促進を重点的にとらえまして、都道府県の行なう林業機械化研修の研修教材としてのチエンソーあるいは軽架線等の整備と整備を行なう経費を助成するために二百五十万円を計上いたしておるのであります。
 また、林業技術向上の手段といたしまして、山村の青少年を通じて行なうのが非常に効果的でありますので、三十六年度から林業研究会等の中心となって活動しておる山村の中堅青年の研修及び先進林業地帯にこれら青年を派遣して行なう技術交流を実施せしめることといたしまして四百万七千円を計上しておるのであります。
 次に三十一ページをごらん願いたいのでありますが、優良種苗の確保の問題でございます。この施策といたしまして、引き続き林木品種改良事業を国有林、民有林を通じて一貫した方針に基づき計画的に推進いたしますとともに、従来の指定母樹等からの公営種子採取を継続いたしますとともに、三十六年度新規事業としまして種苗生産指導費補助三百十八万七千円を計上いたしまして、これにより種苗の品種系統区分の明確化と生産量の把握を目標に都道府県の指導をさらに効果的に行わしめて種苗対策の円滑な遂行を期していきたいと考えております。
 次に、山林公共事業でありますが、これは四ページをごらん願いますと三行目に計が載っておるのでございます。前年度の当初の成立予算百三十一億一千五百万円に対しまして十四億円増の百四十五億一千五百万円を計上いたしておるのでございます。
 で、この主要な点について申し上げます。まず第一に治山事業でありますが、これは四十一ページをごらん願いたいのであります。この治山事業につきましては、六十七億千三百万円を国有林野事業特別会計へ繰り入れを行ないまして、三十五年度創設いたしました同特別会計治山勘定におきまして、治山治水緊急措置法に基づき昨年末閣議決定をみました治山事業十カ年計画の第二年度分を実施いたすことといたしております。で、内容といたしましては、直轄民有林治山事業の地方公共団体負担金、その他と合わせまして、総事業費九十九億六千四百万円の民有林関係治山事業を実施することといたしております。で、三十六年度は前年度に比べまして、事業は約一五%の増加となっているのであります。
 次に五十五ページをごらん願いたいのでありますが、造林事業であります。三十六年は、前年度に比べまして三億三千五百万円の増の三十四億七千五百万円を計上いたしまして、引き続き拡大造林を重点に二十六万七千ヘクタールの人工造林の助成をいたすこととしております。
 なお、五十五ページにも引き続いてありますように、三十六年度は造林融資の拡大をはかりまして、国有林野事業特別会計から一般会計を通じ公庫に出資する金額を前年度に比べて二億円増加いたしました九億円としまして、公有林融資を重点として造林関係融資を充実するように考えております。
 次に五十九ページの林道事業でありますが、林道事業につきましては、前年度に比べて五億四千九百万円の増の二十九億五千八百万円を要求いたしまして、奥地林開発を重点に千二百十六キロの林道開発を助成し、また三十五年度より始めました林道改良事業、すなわち既成木橋の永久橋へかけかえの事業は四百十八基の木橋を対象に改良いたしますとともに、新たに山村振興林道開設補助二百五キロ国費二億円を計画いたしました。地理的悪条件のために著しく他の地域に比べまして開発がおくれ、かつ、貧困の山村におきまして、既往の採択条件では取り上げることのできなかった道路につきまして、林道以外の目的をも加味して多目的林道を開発しましていきたいと考えております。以上が公共事業の概要であります。
 次に、林野庁で分掌しております特別会計について御説明申し上げたいと思います。その第一は、森林保険特別会計でありますが、七十二ページをごらん願いたいのであります。この会計の三十六年度の歳入歳出予定額は、前年度に比べまして一億八千万円増加の七億五千三百万円となっておりまして、従来火災だけを対象にいたしまして、国営火災保険という形で運営いたして参りましたものを、三十六年度から気象災害、すなわち、風害、水害、干害、霜害、雪害及び潮害の六種の気象災による損害填補制度を加えることといたしておるのであります。で、これは本予算とともに所要の法令の改正の御審議をお願いする予定であります。
 それから次は、国有林野事業特別会計についてでありますが、七十八ページからをごらん願いたいのであります。まず、この特別会計の国有林野事業勘定について御説明申し上げたいと存じます。この勘定の三十六年度歳入歳出額は六百三十八億八千三百万円でありまして、前年度に対しまして歳入が七十七億三千八百万円で、歳出におきまして六十六億三千八百万円の増加となっておりますが、前年度には持ち越し現金から十一億円を充当したというふうな関係もありますので、歳出がこの額だけ歳入額を超過しておるという関係から、実質的には歳入及び歳出の増加はともに六十六億三千八百万円となっております。
 で、本勘定の三十六年度の特色は、財務制度の改善に伴う林政協力の拡充であります。すなわち三十五年十一月から設けました臨時国有林野事業経営調査会の中間答申も参考といたしまして、従前この勘定の行なっておりました林政協力事業の経理を、本来の事業の経理から区分するためには相当の準備期間が必要とされますので、これは三十七年度以降にこの実施を譲りたいと考えておりますが、とりあえず三十六年度はこの勘定の現在持っております損失補てん積立金百七十億円を留保いたしまして、このうち五十億円を特別積立金に積み立て、林政協力のために必要な資金はこの積立金を取りくずして一般会計へ繰り入れを行なうことといたしまして、さらに今後生ずる年々の利益はその半分をこの特別積立金に積み立てることにいたしたのであります。
 で、このように財務制度を改めましたので、この結果三十六年度は二十三億円を一般会計へ繰り入れ、この資金を引き当てといたしまして、一つは前に申し上げました造林融資の拡大をはかるため農林漁業金融公庫への政府出資金を前年度に比べ二億円増の九億円を計画いたしておりますほか、四億円を山林公共事業の拡大等に充当することといたしております。残りの十億円につきましては、水源林造成事業の実施方式変更に伴う森林開発公団に対する政府出資金に充当いたしておるのであります。
 で、水源林造成事業につきましては、従前公有林野寺官行造林法に基づき大正九年にこの制度を創設以来約四十年間にわたりまして市町村の基本財産造成等のため、きわめて順調に発展の経過を経て参ったのでありますが、昭和三十六年度から契約対象林分が主伐期に入り、年々相当の収入を上げることと相なった次第であります。また、今後国土保全及び水資源増強等の見地から水源林の造成を強力に推進する必要がありますが、これに伴う契約対象林地の狭小化、分散化の傾向等からいたしまして、従前のように営林局署の機構のもとで行なうことは、管理運営上困難でありますので、三十六年度以降は森林開発公団において実施せしめることといたしまして、所要経費を、前に申し上げました特別積立金を引き当てとして、同公団に出資するということにしたのであります。で、この点につきましては、関係法令を御審議願うという予定でおるのであります。
 なお、このほかこの勘定におきましては、さらに歳出予算の弾力条項の改訂等、財務制度の改善をはかり、また経営合理化に対する検討、職員福利厚生対策の強化、生産力強増計画の遂行に伴い、特に事業量の増大する北海道に三営林署の増設をはかりますとともに、従前行なって参りました関連林道事業等の林政協力事業も継続を計画いたしております。
 なお、労務管理の合理化をはかるため、常勤職員一万七百三十四人を定員内に組み入れるべく要求を行なっております。その残部につきましても、可及的すみやかに定員化を推進いたすことといたしております。
 最後に、林業関係融資について御説明を申し上げます。九十七ページをごらん願いたいと思うのであります。農林漁業金融公庫の三十六年度の林業関係融資の貸付予定額は、前年度に比べまして十一億三千万円増の五十五億二千六百万円となっております。このうち前に申し上げました国有林野事業特別会計の特別積立金を引き当てといたしまして、造林融資の拡大をはかっております。三十六年度は二十二億一千万円を予定いたしまして、前年度に比べて七億七千万円の増加を見ております。その内容につきましては、特に公有林の融資を重点的に考慮いたしまして、前年度の当初予定三億五千万円に対して八億円を予定いたしておるのであります。
 また、新たに林業経営安定化資金十億円を予定いたしまして、従前森林所有者がきわめて不利な条件で、造林地を、幼令林のうちに手離さざるを得なかったような事例を解消させ、また健全な山村中堅農家をして林地取得等を容易ならしめるよう、林地の維持、取得のための資金を設け、林業経営の高揚をはかり、山村農家の所得増大をもたらしますよう計画した次第であります。
 以上で林業関係予算の主要な点についての御説明を終わります。
#49
○委員長(藤野繁雄君) ただいまの御説明に対し、御質疑のおありの方は順次御発言をお願いいたします。
 御発言もなければ、林野庁関係につきましてはこの程度にいたします。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後二時三十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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