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1960/03/22 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 農林水産委員会 第18号
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1960/03/22 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 農林水産委員会 第18号

#1
第038回国会 農林水産委員会 第18号
昭和三十六年三月二十二日(水曜日)
   午後二時三十二分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
三月十七日委員阿部竹松君辞任につ
き、その補欠として久保等君を議長に
おいて指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     藤野 繁雄君
   理事
           秋山俊一郎君
           櫻井 志郎君
           亀田 得治君
           東   隆君
           森 八三一君
   委員
           石谷 憲男君
           植垣弥一郎君
           岡村文四郎君
           河野 謙三君
           重政 庸徳君
           仲原 善一君
           堀本 宜実君
           北村  暢君
           小林 孝平君
           戸叶  武君
           安田 敏雄君
           棚橋 小虎君
           千田  正君
  政府委員
   農林政務次官  井原 岸高君
   農林省農林経済
   局長      坂村 吉正君
   農林省振興局長 斎藤  誠君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       安楽城敏男君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○果樹農業振興特別措置法案(内閣提
 出、衆議院送付)
○農業協同組合合併助成法案(内閣送
 付、予備審査)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(藤野繁雄君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について報告いたします。去る三月十七日阿部竹松君が辞任、その補欠として久保等君が選任されました。
#3
○委員長(藤野繁雄君) 果樹農業振興特別措置法案(閣法第九九号)を議題といたします。この法律案は、去る三月十七日衆議院から送付され、本委員会に付託されました。この際特に安田君から質疑の要求がありますのでこれを許します。
#4
○安田敏雄君 実は先日質問大体しきった予定でございますが、なお二点ばかり産地の要望もありますので質問したいと思いますが、その一点は、中央卸売市場における卸業者の果実に対する市場手数料でございますが、これは中央卸売市場で八分の手数料を取っている。先日の振興局長の答弁では、出荷奨励交付金を出しているということでございますが、これは現在一分生産者へ返っているわけでございますが、この一分のうち、大ていは県段階における果実販売連合会とかあるいは単協へ返っておって、ほとんど生産者のもとに一分返っておらないというのが、大体の実情のようでございます。さらにこのほかに市場でせり買いをするところの仲買に対しまして、代金完納奨励金として一分二厘から一分三厘くらいを出している。それからもうほかに、東京都の使用料として三厘くらいを出している、こういうことで市場へ入る手数料というのは、実質的には五分五厘になりまして、昭和二十四、五年のころの手数料になるわけでございますが、この仲買に出す代金完納奨励金というのを、今後これを減らしたらどうか、こういうことでございます。仲買人が品物を買ってくる、そしてそれによって代金を完納したという名目によって、奨励金を生産者より以上に出しているというこの現実は、少し矛盾があるではないか、こういうことでございますけれども、この点についての一つお考えをお聞きしたいと思います。
#5
○政府委員(斎藤誠君) 先般中央卸売市場の手数料八分につきまして、これをもっと適正化する必要があるじゃないか、こういう御質問がございまして、現在農林省におきまして、この適正化につきましての検討をいたしているわけでございます。本件につきましては、中央卸売市場の直接の主管課が農林経済局になっておりますので、たまたま本日経済局長が見えておられますから経済局長から詳しく……。
#6
○政府委員(坂村吉正君) 中央卸売市場の手数料の問題につきましては、仰せの通り、現在果樹は八分、蔬菜は大体一割と思いますが、魚については六分というようなことで、東京を例にとりますとそういうようなことになっているのでございますけれども、も、これは実態を申し上げますと、先ほどお話のように、生産者に対する奨励金だとか、歩戻しだとかあるいは仲買に対する奨励金だとかいろいろな面に使われているわけでございまして、全体の方向といたしましては、市場の手数料といいまするものもできるだけ下げていくという方向で検討すべきものということで、私どももいろいろ検討をしておりますわけでございます。実は、昨年一年間中央卸売市場につきましての調査会がございまして、慎重にいろいろ検討いたしました結果におきましても、卸売市場の手数料についての合理化をはかるべきだという内容の答申も出ておるのでございまするが、実際問題といたしますると、非常に生産者に対する影響、それから市場の内部におきますところのいろいろの影響がありますので、そういう点を十分やはり経済的に検討しなければ、これを下げるとか上げるというような結論もなかなか出ないというような状況でございますので、今慎重に検討いたしております状況でございます。
#7
○安田敏雄君 問題は、この生産者に出荷奨励交付金一分出しておる仲買人の方には代金完納奨励命として一分二厘から三厘出しておるというところに一つ生産者としては不満があるわけなんであります。むしろ仲買人に出す、代金を完納したという名目によって出す奨励金は、少しく出す理由がないじゃないかというのが大体出荷する人たちの意見なんでございます。こういう点をやっぱり改めていかないと、結局市場の手数料がどうしても高くつかざるを得ないという結果になってしまうわけなんであります。昭和二十四年から二十五年までの間は、これは手数料は大体五分五厘だったわけなんです。だからこういう不当と思われるような手数料をいつまでも放置していくということは、結局生産者を圧迫するということにも通ずるわけなんでございますから、こういう点を今後一つ、まあ長くなりますからこの辺にしますけれども、十分市場手数料を検討していく上においては十分考えていただきたい、こういうように思うわけでございますが、この点についてお考えを聞きたいと思います。
#8
○政府委員(坂村吉正君) おっしゃる通り、いろいろこれは生産者に対する影響等も十分考えて手数料の問題は考えなければいかんと思うのございますが、現在の状況では、手数料の中から、あるいは生産者に対する奨励金だとか、仲買人に対する奨励金だとか、その他そういう経費を出しておるのでございまして、実は実態的に申し上げますると、そういうことを手数料の中からすること自体が、非常に考え方としては検討すべき問題じゃないか。ですから卸売業者としては、きちんとした卸売をやっていくぞという範囲で、方向としては、手数料を取ればいいのであって、今の段階で生産者に対する奨励金であるとか、仲買人に対する奨励金というようなものを出しておく必要があるかどうかという問題をさらに突っ込んで検討しなければいかんじゃないかというふうに考えておるわけでございます。と申しまするのは、生産者の方でもいろいろ出荷態勢等の整備がされて参りまして、どうしてもそれは消費地に持ってくるというような態勢がだんだんと整ってくるわけでございまするので、何とかして荷物を集めなければいけないという時代とは、だいぶ情勢としては違うのじゃないかというふうな感じがするのでございまして、そういう点も含めまして一つ根本的に検討する心要があろうというふうに考えておるわけでございます。
#9
○安田敏雄君 それから、出荷奨励交付金を出す場合ですが、この場合については、単協で小口に出してくる、あるいはその上の段階における統一された、まあ連合会で多量に大口に出すという場合において、出荷奨励金を出す場合においては段階別にやはり差別を設けるべきが至当ではないかと、こういう意見もあるわけなんですよ。というのは、市場でもって売りさばくときに、小口のものをたくさん一々売ってるというと非常に手数がかかるわけなんです。大口のものを一極して売りさばくときにおいては手数がかからない、きわめて短時間でものが処理つくわけなんです。そういうことを考えますときには、地方で多量にまとめて送ったものについては、同じ交付金を出す場合においては、やはりよけいに出していく、少ない場合についてはやはり少額に出していく、こういうような方向でいかないと、荷が多量に出荷できないということにもなるわけでございますから、こういう点についても特に今後考えたらどうかと、こういうように思うわけなんですが、この点は要望として申し上げておきます。
 それから、振興法が出てみんなが一番心配しておる一つの理由としては、かつて養蚕増産五カ年計画当時においては繭価が非常によかった、安定しておった。その当時においては桑を植えろということで非常に奨励したわけなんです。あるいはまた酪農振興法が出るというと、国や県で助成をして牛を導入して盛んに振興したわけなんです。そういうさ中において、繭糸価が下がり、あるいはまた乳価が下がってしまって、ほんとうに農村では困った現状が出たわけなんです。そういうことを考え合わせましたときに、本法案が施行される中で、今後、麦作から転換するとか、大麦、裸麦から転換するとかいうような政策をとられて、そこへ果樹をどんどん植えていきますというと、都市の近郊に数年ならずして大きな果樹園が出てくるというようなことになりますというと、既存の生産者を非常に圧迫するではないか、同時に、過剰生産のために前のことを再び繰り返してしまうではないかということを農民は心配しておるわけなんです。こういう点については、本法の運用上特に私は注意する必要があるのじゃないかと思いますが、この点もまあ要望として申し上げておきますが、そういうことのためには、今後、今叫ばれているのは、果樹を増産するといっても、技術者の養成が必要ではないかというように考えられてくるわけです。現在の単協ではそう経費がありませんから、優秀な技術者をたくさん増員して置くということは不可能なわけです。そういう点において、やはりこういう成長部門の農業をやるという場合には、国から、あるいは県から優秀な技術者を増員して、そして地域の特色に応ずるような工合に配置していくことが必要ではないか、こういうふうに考えているわけでございますが、こういう点について一つお考を聞きたいのであります。
#10
○政府委員(斎藤誠君) お話しの通り今後の果樹の農業が伸びるに応じまして、それに必要な技術指導の徹底をするということについては、われわれとしても十分留意すべき点があろうと思います。農林省のこれに対する指導の組織といたしましては、御承知のように農業改良普及員制度があるわけでございます。この改良普及員につきましても、最近のような酪農であるとか、あるいは果樹のような、特に専門的知識が要るような部面に対しましては、どうしても一般の改良普及員をだんだんに特技化して、指導体制を強化する必要があろう、かように考えているわけでございまして、現在も一般改良普及員の中で果樹の特技普及員として二百六十名を特技化いたしておりますが、今後残る一般改良普及貝につきましては約八千八百名程度でございますが、これを五カ間に全部特技化する、こういう考え方を持っておりまして、三十六年度におきましても、その第一年目の計画といたしまして、約千三百五十名を特技化するというふうにいたしております。従いまして今後も残る一般改良普及員につきましては特技化をはかって参りたい、かように考えているわけでございます。なお、一般の改良普及員のみによっては、果樹のようなものにつきましては、需要に応じ得られないという場合もありますので、別途各県に果樹についての研修施設を設けまして、果樹農業をやっていこうという農家を直接の対象にいたしまして研修の強化をはかって参りたい。現在十五県につきまして研修施設を設けて、今申しましたような直接農家を対象とした果樹農業の研修をやって参りたい、こういう計画で予算等の措置も講じている次第でございます。なおお話の中にございました各団体がそれぞれ技術指導員等を持っているので、これを活用すべきではなかろうかという御意見かと思いますが、先ほど申し上げました特技普及員等と一体になりまして、果樹農業の技術指導に当たるように今後とも留意して参りたい、かように考えております。
#11
○安田敏雄君 次に、最近果樹振興法が、この前の国会から上程されてくるというと、最近成長部門だというようなことで、苗木が三割から五割くらい上がっているそうです。これはすべて桃からブドウから、その他桜桃から、ナシから、そういうものを含めて、今申し上げました数字のように、高いのは五割くらい上がっているわけです。ところが、そういうことでこの苗木の生産者が導入するという点については非常にむずかしいわけなのです。苗木の、販売業者がこれを農村に持ち込んで売っていく場合におきましても、同一品種だと思いましても、これは植えて数年間たって実際品物が取れてみなければ、なかなか選別がつかないそうなんです。そういうことを考えましたときに、やはり優良な品種を、規格を定めて、多量に作るということが必要ではないかと、こういうように考えられるわけでございますが、苗木に対するところの、苗木生産者に対するところの今後の指導についてはどういうような考えを持っておりますか、お聞きしたいと思います。
#12
○政府委員(斎藤誠君) 現在苗木の優良な種苗を確保するという意味におきまして、農産種苗法では、甘橘、リンゴ、ナシ、柿、ブドウ、栗、桃につきまして、いわゆる保証種苗と称しておりますが、保証票を添付して、そうして、種類であるとか、あるいは接木した前木である場合は、そのだい木はどういう種類のものであるとか、その生産者はどういう人であるかとかいったようなことを知る保証票をつけさせるということにいたしておるわけでございます。しかし、現実におきましては、苗木のなった段階におきましてこれを検証するということがなかなか困難だという失態にあるわけでございまして、その意味におきましては必ずしも所期の効果を上げていないという部分もあろうかと存ずるのでございます。今後、果樹農業が振興するに応じまして、おそらく苗木の需要というものは一そう高まってくると思われるのでございます。従って今御指摘になりましたように、優良な種苗の確保がなかなか困難であるというような地方もあるいはあろうかと存ずるのでございます。現在、大体、苗木の生産量といたしましては、千百万本くらいの生産があるわけでございますけれども、現実には必ずしも適当な品種が需要に応じて確保されるというふうなことにはなっていない向きもあろうかと思うのでございますが、今後の対策といたしましては、まず優良な種苗の供給を確保する。しかも、それは優良な種苗であることが必要である。こういう見地に立ちまして、三十六年度におきまして初めて種苗対策の予算を計上すをことにいたしたのでございます。そこで来年度といたしましては、大体最近におきまする新植、改植の面積が約一万四千五百町歩程度であろうかと想定いたしまして、それに必要な苗木の供給量の約半分を確保する、こういう計画を立てまして、これに必要な優良なまず穂木をおさえる必要があるわけでございます。そこで三十数県にわたりまして民間の優良な母樹を指定いたしまして、ここから生産される穂木につきましては、各生産されました都道府県知事の保証票を添付して、接木のときまでの流通を監督さして、そしてこれを苗木業者から果樹農業の生産者団体に流していく、こういう措置をとることにいたした次第でございます。これによって、十分とは申し上げられませんけれども、従来よりは数段の苗木供給についての対策が強化されることに相なろう、かように考えておるわけでございます。
#13
○安田敏雄君 特に苗木については、最近の値上がりから見て、この値上がりについての、ある程度のやはり監督官庁が県段階を通じて十分対策をしてほしい、こういう声が多いわけなんです。結局、農民は少しでも高いものを買えば優良苗木だというような考え方があるわけなんですから、だからこの点は十分今後の運用上の問題としても考慮していただきたいというようにお願い申し上げまして、以上で終わります。
#14
○委員長(藤野繁雄君) 以上をもって質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#15
○委員長(藤野繁雄君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
#16
○櫻井志郎君 私は自由民主党を代表いたしまして、本案に賛成の意見を表明いたします。
 長期展望の立場に立って、日本農業の将来を分析していきますならば、国民経済の高度成長という立場で、今後の果実に対する需要動向というものは、当然伸びていく、そういう背景を持って果樹農業は十分成長していく可能性はあるという点については、私はだれも否定する方はないかと思います。そうした果樹農業をめぐる内外の情勢とでも申しましょうか、というものの上に果樹農業振興特別措置法案が、前の三十四国会に提案され、いろいろ本委員会においても討議をされたのでありますが、その当時の廃案に対して、今度政府は新しく、過般の私どもの討論の結果もある程度加味されて、旧法案を修正して提案されたわけでありますが、極端な言い方をしますならば、果樹農業に関する融資特別指貫法案とでもいっていい程度の法案であったものに対して、今国会における提出法案は、新しく果実の需要及び生産の長期見通しを立てて公表するという条項、第二には、優良苗木等の円滑な供給をはかるためのもろもろの措置に関する条項、第三には、流通、加工の合理化等のための国及び県の援助措置、こうした新しい三点に関する条文を追加して今国会に提案され、本委員会において熱心な討議が重ねられたのであります。旧法案に比べて進歩した点は、私どもとしても十分了解できる。ただ卒直に言いますならば、別に審議されておる農業基本法案に比べて、いかにも格調の低い感じがするという点は私はこれは否定することができないと思うのであります。そのいろいろの点に対して問題があるのでありますが、たとえて言いますと、長期需要の見通しに立って、将来需要が伸びるであろう優良でかつ品種系統の明らかなような苗木の供給確保という問題についても、先ほど言ったように条文には確かに触れてはおりますけれども、現実のこの法案と見合っての三十六年度政府提出の予算案というものを見ますと、苗木に関連した予算としてはわずかに八百四十万、農林総予算の中で二万分の一にも満たない、こういう程度の予算で、私はこの法案で期待しておる将来の日本の果樹農業の発達ということと見合っていけるかどうか、これは一つの例でございます。もちろん、果樹農業の振興のためには、苗木に関する予算だけでないことは申すまでもございません。農林予算で一番大きく組まれている農業基盤整備費四、百六十三億というものは、当然果樹農業の発展のためにも、その基盤整備のために活用される予算ではございますけれども、たとえば今も安田委員から御指摘がありましたように、苗木の問題についてはなかなか現実の姿、あるいは近い将来の姿というものが、この法律が施行された暁に、われわれが期待するようなそういう姿と合っているかどうかという点を考えますと、政府の低調さとでも申しましょうか、その点に私どもはもっと力強い全国民的な、全農民的な意慾の展開というものをやはり期待したいと思うのであります。
 いま一つ果樹農業の需要の拡大ということと密接不可分の問題としては、加工流通の合理化でございます。もちろんこれにつきましても新しく、旧法案に比べると条文ができたわけではありますけれども、現在の行政の実態を見ますと、非常になまぬるい、手ぬるい非常に極端な言い方をすれば放任された形がないでもない。私は先般そのごく一端に触れ果汁、ジュースの現状について深くは追及しませんで、その一端に触れたわけではございますが、将来の日本の果樹農業の振興という立場から見ますならば、優良なジュースが国民に消費され、あるいは外国に輸出されるということも大いに期待していかなければならないはずであるのにかかわらず、現状の果汁はむしろ何といいましょうか、着色、味つけ飲料といった程度のものが市場にはんらんして、優良なジュースに対して、その発展を阻害しているようなことも見受けられますし、また、そうした果樹農業の立場だけではなしに、国民保健の立場から見て、憂うべき現象が出てくるのではないかということも考えられます。
 また、果実及びその製品に関する過去及び現在の輸出入関係を見ましても、生田木の輸出がある程度伸びてはきておりますものの、やはり将来の輸出という点から言いますならば、優良な加工カン詰、あるいはびん詰、こうしたものがますます外国市場に伸びていくような、そういう場も作り出さなければならない。あるいはまた、私はよく知りませんが、ホテル用という名前で若干の外国原料ですか、外国製品ですか、外国原料だと思いますが、によるジュースがホテル用という名前で外貨割当を受けている。しかもそうしたものがホテルだけではなしに、市場にはんらんしてくるということによって、国内の加工業及び果樹の需要に対して障害も見受けられるやうに考えられるのであります。
 そうしたもろもろの現実の実態というものを直視し、把握して、この法案の趣旨というものを十分徹底していかれることを期待するのでありますが、同時に極突な言い方をしますならば、この法案は先ほども申し上げたように、いかにも低調な感じを否定することができないのであります。政府におかれては、この特別措置法案が成立の暁には、この法律を突破口として、やがて成立するであろう農業基本法と見合った格調の高い、日本の農業の中で成長する畜産と果樹こういう一つのものを背負って立つりっぱな法制上の措置というものを、できるだけすみやかに整備される、こういうことを要望いたしまして、賛成の意見を申し上げておきます。
#17
○亀田得治君 社会党を代表いたしまして、簡単に意見を申し上げます。本案に賛成をいたします。
 ただ、関連して意見を二、三申し上げるわけですが、この振興特例措置法の中には、当然取り上げるべくして取り上げられておらないものが非常に多い。もちろん、そのことを政府も全部無視しているという意味ではなかろうと考えるわけですが、この法律成立後、さらにやはり検討を続けてもらいたいと、こういうふうに考えるのです。
 第一点は、果樹園の拡張に関連して、どうその土地を準備するのかという点です。私はこれはただ乱雑に、成長産業だからどこでもただどんどんやったらいい、そういうことでは日本全体の狭い土地の利用としては、はなはだ芸がないと思うのです。やはりもっと計画的な一つプランというものが要るんじゃないかというふうに考えます。これが一つ。
 それからもう一つは、やはり価格の問題です。基本法などでは当然これは全体の農産物について問題になっておることですが、果樹を振興する以上は、質疑の中でもたびたび出ましたように、大いにたくさん作ってもまた暴落するんじゃないかと、こういう心配が絶えないわけですね。そういう点についてのこまかい施策までここに書くことはできないわけでしょうが、そういう点の保証を必ずするという考え方というものがこの特別措置法案にはないわけですね。だから、ぜひこういう一点は引き続き検討をすべきだと考える・のです。
 それから、まあ大きな点はその二つでありますが、あと、たとえば果実の流通の問題、あるいは加工の合理化の問題、こういうことは目的の中には書かれておりますが、しかしそれに見合った具体的な措置というものは、ほとんどないわけなんです。これも質疑の中で問題点は十分各委員から出されておりますので、真剣にこういう点を一つ具体的に検討してもらうことを希望いたしまして、本案に賛成をいたします。
#18
○東隆君 私も民社党を代表して意見を述べて賛成の意を表したいと思います。
 第一番目は、私は果樹のようなこういうものは、今まで主食の生産というような方面、あるいは輸出農産物というような方面に国が力を注いでおるにかかわらず、こっちの万両には力を注がなくても相当な発展をしてきておるわけであります。従って、多少国が力を入れるということになりますると、私は相当無政府的な生産が行なわれるのではないか。従って、これに対しては長期見通しというような、そういうような程度のものでなくて、もっと某、木的な計画を立てて、そうしてやるべきではないかと、こう考えるわけであります。たとえ選択的な拡大生産だと、こういうふうに言われましても、今のような形でありますると、過剰生産という、そういうようなことが起きますと、しわ寄せは私は果樹栽培の農家に及んでくると、こういうふうに心配をいたしておるわけであります。
 それから、この果樹は御承知のように農業法人の問題が起きた中心のものでありまして、私はここからかえって協同組合のような形の生産協同組合ではなくて、資本家的な会社のような形のものが多数将来できていく可能性がある。そういうような面については私は構成しておるところの個々の農業者の利益、こういうようなことを考えますと、多少警戒をしなければならぬのではないかと、こういう点を考えるわけであります。それから加工の面でありますが、私は流通、加工の面はこれはかえってこちらの方面にこそ国が力を注ぐべきであって、かえって栽培だの何だの、そういうような方面は自然にまかせるというよりも、普部に扱っておった方がいいんじゃないか、こういう考え方を持つわけであります。ことに加工の面は、ことにジュースその他を考えてみますと、牛カン馬肉なんといって、肉類の方はだいぶ痛い目にあわされましたけれども、私はあれはまだ肉を使ってあるのでまだ、正直だと思うのです。ところが、ジュースの方になってきたら、これはもうとんでもないものをジュースだといって売り出しているのですから、これはもう、一つ徹底的に排除をすると、こういうようなことをやるべきではないかと思うのです。アメリカで経験した話を聞いたのでありますけれども、ジュースだと思ってジュースを頼んだところが、これはドリンクだといって、ジュースを要求したのに対してよこさなかったという例もあるのであります。だから、私はこの点ははっきりと区別をつけて、そうして将来りっぱな果実を中心にしたジュースができていくように、そういうような意味からも、牛カン・カン詰をいじめた以上に一つ厳重な監督をすべきではないか。これは厚生省の方に要求することかもしれませんけれども、お伝えを願いたいと思うわけです。
 それから市場の面その他の面においても、私は農業協同組合を一つ全面的に活用して、そうして価格の農業者の手取りをできるだけ大きくする。そうして適正な価格でもって消費者の手に渡る、こういう体制を一つ確立をしていただきたい、こう考えるわけであります。
 以上、私は述べましたが、私はこの法律によって、ある程度政府が予算を出すことによって、相当監督もしなければならぬし、そういうような問題も起きて参りますから、従ってある程度のコントロールもできるのではないか、こう考えるわけであります。そういうような意味において、私はこの法律案に対して賛成の意を表するわけであります。
#19
○千田正君 私はさっきから各先輩、同僚諸君の賛成演説を拝聴しておるというと、どうも一この法案が、あまり賛成したくない法案のように考えるのです。衆議院が通過したからといって、何も参議院でこれを無修正で通さなければならないという理由はないのであって、むしろ十分に検討して、修正すべきものは参議院の農林委員会の権威をもって修正してしかるべきものと私は思う。委員長に特に頼んでおきたいのは、こういう、何だか聞いていると、あってもなくてもいいような法案じゃないかというふうにも考えられる。こういう問題は、やはりわれわれの権威のためにも、修正すべきものはどんどん修正していいのではないか、こういうふうに考える。
 内容を見ますというと、実際今まで各党の方々のお話しの通りであって、どうもあまり感心しない。農業基本法が、今農業の曲がりかどに来ているから、新しく打ち出そうというときに、何かこの程度で糊塗しょうというような空気しかこの法案の中に流れておらない。私は最近において、国営開墾にしましても、あらゆる意味にしましても、水田から畑地僕業へ、畑地農業のうち何をやるか、果樹、酪農へと移行していくところの農林行政の根本的な改革の中には、わずかに果樹農業というものが、この程度でごまかそうとしたってあまり感心しない。私はことに流通経済、加工、しかも水産と同じように新鮮度を必要とするこの果樹農業の流通経済の面において非常に足らない点がある、こういう点を十分考えられて、次の改革のときに、もっとしっかりしたものを出してもらいたい。やむを得ない。皆さんが賛成するから、私も驥尾に付して賛成の意を表しますが、十分心得ていただきたいということを申し上げて、私のささやかなる賛成演説を終わります。
#20
○委員長(藤野繁雄君) 他に御発言もなければ、討論は終局したものと認めて御異議はございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#21
○委員長(藤野繁雄君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 果樹農業振興特別措置法案を問題に供します。
 本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#22
○委員長(藤野繁雄君) 全会一致でございます。よって本案は全会一致をもって、原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成その他自後の手続につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#23
○委員長(藤野繁雄君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 この際、井原農林政務次官から発言を求められております。これを許します。
#24
○政府委員(井原岸高君) 慎重な御審議をいただきまして、ただいま各党各派の討論の中でもいろいろな有益なる御希望・御意見があったわけでございますが、政府におきましても、十二分に研究いたしまして御期待に沿うべく今後大いに努力善処いたしたいと存じます。
  ―――――――――――――
#25
○委員長(藤野繁雄君) 次に、農業協同組合合併助成法案(閣法第一一二号)予備審査を議題といたします。
 本案は、去る三月九日提案理由の説明を聴取いたしました。まず本案の補足説明を求めます。
#26
○政府委員(坂村吉正君) それでは農業協同組合合併助成法につきましての補足説明を申し上げたいと思います。
 本法案の提案理由につきましては、先般三月九日に御説明を申し上げてあるところでございまするので、こまかいことは申し上げないことにいたしたいと思いまするが、御承知のように、最近におきまする農業協同組合を取り巻きますところの経済的あるいは社会的な事情の変化、発展等を思い合わせまして、また今後の農業の近代化を強力に推進していきまするためには、農業協同組合に期待するところが非常に大きいという実情でありまするので、こういう点を考えまして、農業協同組合の合併によって、経営規模あるいは事業基盤の確立をはかる必要があるというふうに考えておるのでございまするので、こういう趣旨からいたしまして、農業協同組合の合併を促進する必要があるというふうに考えておるわけでございます。
 そこで、農業協同組合の現状を申し上げますると、お手元にお配りしてありまするところの資料によりまして、「農業協同組合の現状に関する資料」というのをお配り申し上げてあるのでございまするが、これでごらんをいただきたいと思うのでございます。
 第一ページに組織といたしまして、業種別の組合がどういう工合にあるか、こういう説明資料がございます。全体で信用事業を行なう総合農協、総合単協でございまするが、これは出資組合で一万二千二百二十一という組合がございまして、信用事業を行なわない一般の農協というのが百六こういう状況でございます。そのほかに専門農協といたしましては、ここにございまするように養蚕、畜産、開拓、園芸、農工その他というふうにございまして、全体といたしましては一万七千六百四十三、こういう状況でございます。
 そこで、これが今回農業協同組合の合併助成法で対象にいたしておりまするのは、この総合農協でございます。一万二千の組合の総合農協を大体対象にしようというふうに考えておるわけでございます。
 地区別の分布の状況を見ますると、大体単協をとってみますと、郡市区域以上のものが、ここにございまするような比率でございまするが、郡市区域以上のものが総合農協では三、それから郡市未満が三一%、町村区域のものが一三%、町村未満の区域のものが五三%というような状況でございまして、一方におきまして市町村の合併がどんどん進んで参りまして、そういう関係から現存の新しい市町村の区域未満のものが大体半分以上を占めておる、こういうような状況でございます。
 それからその次の二ページでございまするが、一組合当たりの組合員数はどういう状況かというふうの資料でございまして、信用事業を行なう総合単協についてこれを見まするというと、正組合員が四百七十二戸、上の欄が出資組合でございまするので、これをごらんいただけばよろしいと思うのでございまするが、四百七十二戸、それから役員が大体一二・八人、それから職員が一二・三人、それからこのうちでいわゆる技術員と称されるものが〇・八人、大体平均一人か一人に足らないというような状況でございまして、全体の組織の規模が非常に小さいということが言えるのでございます。従いまして、そういう関係から職員あるいは技術員といいまするようなものを整備をいたすにいたしましても、なかなか十分な整備ができないというような状況に相なっておるのでございます。
 それから全体の規模をごらんいただきまするためには、四ページでございまするが、単協で、これを指標で見ますると、総合農協が正組員の数が一組合当たり大体先ほど申し上げましたように四百七十三戸でございまして、払い込み済みの出資金が四百四十五万二千円、職員が一二八人、それから事業量はここにございまするように貯金が五千五百万円、販売事業が四千八百万円、購買事業が二千百万円というような内容に相なっておるのでございます。
 さらに組合員の戸数別の分布を見ますると、五ページの上の表でございまするが、これは調査の組合が一万一千五百の組合を調査いたしたのでございまするが、これは三十五年三月現在でございます。これを一〇〇といたしますると、三百戸未満のものが二九、それから三百一戸から五百戸までのものが三五%、それから五百一戸から七百戸までのものが二二%、それから七百二月から一千戸までのものが一〇%、一千戸以上のものが五%、こういうような状況でございまして、大体一番大きなウエィトを占めておりまするのば、三百戸ないし五百戸というようなところのものが大体中心になつでおる、こういうような状況でございます。そういう関係からいたしまして、それでこのあとの資料でございまするけれども、「単協の財務」の状況といいまするものも必ずしも十分な状況にはなっていない、こういうようなことに相なっておるわけでございます。そういうようなことで、事業の方もなかなか思うように農民の期待に沿うような姿では動きにくい面も相当あるのでございまして、先ほど申し上げましたように有能な職員を置いておくというようなこともなかなかむずかしいというような状況にあるのでございまするので、こういう点を一つ農協合併によって改善をしていこう、こういうことを考えましたのがこの法案の目標でございます。
 そういたしまして内容といたしましては、先ほど申し上げましたように、農協合併の助成法の目的は第一条でございまするが、その次に第二条といたしましては合併経営計画を樹立をするということでございまするが、これは農業協同組合が合併によりまして、合併後の組合を適正かつ能率的な事業運営を行なうということができる組合といたしまするために、共同して合併及び合併後の組合の事業経営に関する計画を立てる、こういうようなことを考えておるのでございまして、これを都道府県知事に提出をいたしまして、そこでその計画が適当であるかどうかということを認定を受ける、こういうことを考えておるのでございます。そういたしまして、都道府県知事が認定をいたしまする場合には、都道府県の農業協同組合中央会、その他農業協同組合に対しまして学識経験を有する者の意見を聞くということにいたしておるのでありまするが、これは実際問題といたしましては、農業協同組合合併のための協議会といいまするか、あるいは委員会といいまするか、そういうようなものが県の段階で作られて、そこでいろいろの県が認定いたしまする場合の相談のあずかる、こういうふうな格好になろうかと考えておるのでございます。その合併経営計画の内容につきましては、どういう内容のものを合併経営計画において織り込むかといいますることが第三条に書いてあるのでございます。そういたしまして、その内容について第四条が、先ほど言いましたように、それについての都道府県知事が適否の認定をすると、こういう条文に相なっておるのでございます。それからこれに対しましては、今までいろいろ各県でも農協の合併といいますることは非常に力を注いできたのでございまするが、国としてこれについての援助の施策といいますものが行なわれていなかったのでござまいして、この点を今度の合併助成法によって国として積極的に援助していこう、こういうことを考えておるのでございます。これが第五条の助成措置でございます。合併の促進に対しまして国が積極的な助成をしていく、こういう考え方でございます。この内容でございまするが、三十六年度の予算にも六千三百八十四万八千円という合併の促進のための補助金を計上いたしておるのでございます。そのおもなる内容は、合併につきましての県の指導費が、一件当たりわずかに十万円でございまするけれども、県の指導費を一つとして組んでおります。それからその次に合併後の農業協同組合が経営をうまくやっていきまするように、農業協同組合中央会から駐在指導員を派遣をいたしまして、そうしまして農業協同組合の合併後の経営の指導に当たっていく、こういう内容の補助金を計上いたしておるのでございまして、これが総額で四百万円余りでございまするが、これは九十二組合に対しまして、一組合当たり四万四千円という内容のものでございます。九十二組合といいまするのは、当初年度の計画としては一県当たり四件、四件ですから四つの合併が行なわれるというふうに一応の見込みを立てておるのでございまして、それが百八十四ということになるのでございまするので、その半分については駐在指導員を置いて指導する必要があろうというふうな見当で予算を計上いたしておりますわけでございます。それから第三番目に補助の内容といたしましては、合併をいたしました場合におけるところの施設の整備費の補助金でございます。これは総額におきまして五千五百万円という金でございまするが、これは一件の合併に対しまして国費は三十万円でございまするが、これは三分の一補助というふうに考えているのでございまして、県費で同額の補助をする、それから自己負担がやはり同額あるというようなことで、全体といたしましては平均して九十万円というものが施設の整備費に使われる、こういう内容になっているのでございます。九十万円といいますのは、合併の一つの補助金といたしましてはきわめて小さいものであろうと思うのでございまするが、今後合併をいたしました協同組合がほんとうに近代的な能率的な運営をしていくということのために、特に必要な施設につきましてこれは使ってもらうというふうにまあ考えているのでございまして、これこれということで施設を限定しているような性格のものではございませんので、その協同組合実情に一応じて一番必要なものに使っていってもらうというようなつもりでおりますわけでございます。それが大体第五条の合併につきましての国の助成措置の内容でございます。
 それから今まで合併につきまして非常に障害となっておりましたのは税法上の問題でございまして、赤字のあります組合が合併するというような場合におきましては、非常に税法上の問題が問題になっておりましたわけでございます。そこで今度の合併助成法を契機といたしまして、この助成法にはございませんが、別に国会に提案をいたしておりまする租税特別措置法の一部を改正する法律案におきまして、農業協同組合の合併についての税法上の特例を設けようということに相なっているわけでございます。
 その第一は、租税特別措置法の第六十六条の二という改正法案でありまするが、これは合併によって消滅しました組合の清算所得につきましての特例でありまして、すなわち、清算所得のうち評価益からなる部分がありますときには、その評価益に相当する金額をその資産の帳簿価額として記帳しませんで、特別勘定として経理をいたしましたときには、その部分は清算所得の計算には含ましめないことにいたしまして、従ってこれに対しましては税金をかけない、こういうことに相なりますわけでございます。
 それから清算所得のうちに任意積立金からなりますものがある場合には、その金額については清算所得に対する法人税は課さないということにいたしましたわけでございます。それは租税特別措置法の改正案の六十六条の三という新しい条文でございます。これは「積立金額から成るものがある場合には、当該金額については、同法の規定にかかわらず、清算所得に対する法人税は、課さない。」 という改正条文でございます。
 それからその次は、農業協同組合が青色申告制度によりまして欠損金の繰り越しを認められているのでありまするけれども、合併によって解散をいたしますと、その解散組合の欠損金は合併組合において欠損金として繰り越すことが認められない、こういうことになるわけでございまするので、これを今回の合併の場合には認めていく、いわゆる欠損金の繰り越しを認める、こういう内容のものでございます。これは租税特別措置法の改正法案の第六十六条の五という新しい条文の内容になっておるのでございます。
 それから第三番目に、合併によりまして不動産の権利の移転がございます。この場合に、不動産の権利の取得の登記をいたしまするときに、登録税の免税をする、登録税については非課税にする、こういう内容のものでございまして、これが租税特別措置法の改正案の第八十一条の二という条文に相なっておるのであります。
 以上の補助金及び税法上の特例を講じまして、農協の合併を進めていきたいというふうに考えておるわけでございます。
 なお、この農協の合併につきましての国の特別な援助、特に税法上の特例といいまするものは、昭和三十六年の四月一日から昭和四十一年の三月三十一日まで、すなわち五年間、この特例によりまして五年間に合併をいたしまする農協につきましては、国が積極的援助をしていくという考え方で合併を促進していくという考え方に立っておるものでございます。
 以上、非常に簡単でございますが、農業協同組合合併助成法案の内容につきまして補足的な説明を申し上げました。
#27
○委員長(藤野繁雄君) ちょっと速記とめて。
  〔速記中止〕
#28
○委員長(藤野繁雄君) 速記つけて。
 以上で補足説明を終わりました。
 次いで本案に対する質疑を行ないます。質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#29
○亀田得治君 本格的にはあさってお願いしますが、いろいろ資料をいただいたわけですが、組合の職員の給料ですね。こういう点についての何か資料がありましたら追って出してほしいのです。平均数字だけじゃなしに、多少段階があるだろうと思います。
#30
○政府委員(坂村吉正君) その資料をこの次の御審議のときまでに提出いたします。
#31
○亀田得治君 それから、今までも農協の合併ということが方針としてはお考えになっておったわけでしょう。それは何か考えるだけじゃなしに、予算措置等はもちろんないわけですが、具体的な措置なんかはあったのですか。
#32
○政府委員(坂村吉正君) 従来は積極的に農協の合併という考え方でこれを進めてきたということではないのでございまして、御承知の通りに、農協の整備特別措置法というのがございまして、これは数年前からやっておりまして、三十四年で農協の指定が終わりましたわけでございますが、この補助の内容が合併奨励金というのがございまして、一つの合併に対して十万円の合併奨励金というものを交付をして参っておるのであります。それはどちらかと申しますと、不振農協、いわゆる赤字でどうにもならぬような農協に対してこを何とか一人前に立ち直らせよう、こういうような趣旨のものでございまして、そういう趣旨からいたしまして、いろいろ農協の整備につきましての施策の中で、合併というものも一緒に織り込んで施策を講じて参ったわけでございます。しかし、今度の農協合併助成法の意図しておりまするところは、不振農協対策でばございませんで、いわゆる現在の農協そのものをもう少し広域化し、また強化していく、こういう内容になっておるのでございまして、それとは趣きを異にしておるというふうにいっていいのじゃないかというふうに考えております。
#33
○亀田得治君 まあしかし、全体としていえば、不振だからこういう法律案が出てくるわけなんでしょうが、その不振農協の合併の状況ですね、それは、どういうふうになっていますか。
#34
○政府委員(坂村吉正君) これは農業協同組合整備特別措置法というのがございまして、三十一年から実施をして参っておるのでございまするが、三十一年に五百十三組合、それから三十二年に三百八十四組合、それから三十三年に二百九十九組合、合計一千百九十六組合というものを指定をいたしまして、これにつきましての赤字といいまするか、これについていろいろの措置を講じて参ったわけでございます。その中で合併をいたしましたものは、合併奨励金を交付をいたしましたものは、先ほど申し上げましたように、一つの合併に対しまして十万円の交付をいたしておるのでありまするが、これは三十五年までの見込みも含みまして、三十一――三十五年度までの合併によりまして交付を受けると思われる組合を調べてみますと、三百十七件ということに相なっております。関係組合は大体八百組合余りでございまするが、内容としては三百十七件のものが合併奨励金を受けるであろうというふうに考えております。
#35
○亀田得治君 八百といいますと、そうすると八百の残りは合併しなくてもやっていける、こういう認定になるわけですか。
#36
○政府委員(坂村吉正君) 指定をいたしましたが、実際問題としては、そういうその、実際の仕事は進みませんで、何といいまするか、目標を達成しないというようなものが相当あるのでございまして、そういうようなものを考えまして、三十五年までの見込みが大体三百十七というふうに申し上げたのであります。
#37
○亀田得治君 そうすると、この八百の残りのものはもう見込みがないというふうなことなのか、あるいはまだこの法律と並行してやるということになるのか、この法律の関係はどういうことになりますか。
#38
○政府委員(坂村吉正君) 合併の勧告をいたしましたのは、先ほど申し上げましたように、三十一――三十三年度までで千百九十六という勧告をいたしておるのでございまするが、それが先ほど言いましたように、実際問題としては計画通りに動いていないという状況でございます。ですから、従いまして、今までにそうして合併奨励金をもらって、そうして合併を完了し、その農業協同組合の整備を完了したというもの以外のものにつきましては、当然この後もこの農協の合併助成法の対象といたしまして、そうしてもう少し強力な、大規模な合併の計画に乗っけていったらどうかというふうに考えております。
#39
○亀田得治君 そうすると、前の法律はこの法律ができると一応廃止するような――廃止といいますか、法律かどうなっておるかわかりませんが、法律は残るのですか、二つとも。
#40
○政府委員(坂村吉正君) 三十四年の三月末で前の法律によるいわゆるその組合の指定と申しまするか勧告は終わりましたわけでございまして、利子補給などその事業が完了しておりませんものはまだ続いておりまするけれども、いわゆる法律上勧告をし、それからこれに対して合併奨励金を交付するというようなことはそれで大体終わるわけでございます。
 なお、利子補給の問題はあと三十八年度の末まで続くわけでございます。
#41
○亀田得治君 それでそのつながりはわかりましたが、この千百九十六のうち八百だけが処理できた、あとはむずかしいということになったわけですが、その原因というのはどういうところにあるのでしょう。幾つも原因があると思いますが。
#42
○政府委員(坂村吉正君) これは非常に県と農林省でいろいろ連絡をいたしまして調査の結果に基づきまして利子補給をすべき組合、それから合併を勧告すべき組合というようなものをきめまして、これについて調査を調査といいまするが指定をして参ったわけでございまするが、そうしていろいろ調査をいたしまして、その資料によって、これは合併をさしたらいいじゃないかというようなことで考えたわけでございまするが、実際問題といたしまして先ほど申し上げましたように、末端の実情はそうなかなか思うようには進みませんで、それと同時に、この対象としておりますものはほとんどが不振農協でございます。従いまして、赤字をかかえておるとかそういうようなものが非常に多いのでございまして、そういう関係からなかなかこの合併というものが進んでいないということが実際の姿ではないかと思うのでございます。ですから、そういう経験にもかんがみまして今度は助成といいまするか補助といいまするか、そういう問題もさることでございまするけれども、その赤字の組合が合併いたしまする場合に一番やはり障害となっております。ところの税法上の問題に重点を置いて、税法上の問題を片づけてやる、こういうようなことを一つの大きな柱にして考えておるわけでございまするので、今までの整特法の場合とその点はずい、ぶん違うのじゃないかというふうに考えております。
#43
○亀田得治君 一応この程度で。
#44
○森八三一君 いずれまたあとで十分質問いたしますが、きょう御説明があったことだけで事務的に二、三お願いしますが、県に十万円補助をする。十万円という金は今の貨幣価値では大した金ではないと思うのですが、何をやらせるのですか、十万円で。
#45
○政府委員(坂村吉正君) 十万円といいまするのは、実はこれは二分の一補助でございまするので県の県費といたしましては都道府県の合併協議会とか、それから合併指導費とかいわゆる指導のための旅費だとか協議会だとか、こういうふうな内容でございますので、経費としてこれを計上いたしまする場合にはなかなかこの金額の張った予算が組めない実情でございまして、大体県費といたしましても、国費の十万円と、それから県費の十万円をこれに足しまして二十万円の合併の協議会費というふうに考えますると、これは県の経費といたしましては相当仕事のできる経費になるわけでございまするので、そういうふうなことで考えているわけでございます。
#46
○森八三一君 そうしますと、これは要合併組合というかそういうものを一応策定して、合併したらどうかということについて関係組合を集めて協議会をやると、そういうときの会合費とかそういうものに、国がまた具体的に協議会の主催者として費用を負担しておると、こういう費用だと考えていいのですね。
#47
○政府委員(坂村吉正君) 大体その通りでございまして、県の段階でいろいろ合併計画等を相談をいたしまする場合の協議会等の経費でございます。
#48
○森八三一君 合併はどこまでも民主的、自主的にやらしていかなければならぬと思います。そこに強制があってはいかぬと思いますが、そこでそういうことの最後の認定をする場合に委員会なんかを作るというようなお話があったのですが、その委員会というものはどこに置くのですか。これは県庁に行政機構の上でそういうものを設けさせるということなのか、あるいは組合の自主的な組織としてある中火会の中にそういうものを作らしていく、県も助言をしながらやっていくという形にするのか、その辺はあまり強制的な官僚的なにおいが出てはいかぬと思うのです。といって、むずかしいことですから投げやりでもいかぬと思うのですが、合併に関する委員会、審議会というような、名称はどうなるか知りませんが、そういうものはどこへ設置をさせるという方針があるのかどうか。それは都道府県の自由な意思によってしかるべく決定をさせるということなのか、どうなんですか。
#49
○政府委員(坂村吉正君) 合併助成法案の第四条に「都道府県農業協同組合中央会の意見及び組合に関し学識経験を有する者の意見を聞かなければならない。」 こういう条文を書いておるのでございまするが、これは法律の条文といたしましては、それですから、中央会の意見あるいは学識経験者の意見を聞くというような書き方をいたしておりまして、委員会を作るという書き方をいたしておりません。しかし、中央会の意見を聞き、それから学識経験者の意見を聞くといいますることは、一種のこれは委員会というような形で運用をした方がいい場合も非常に多いのじゃないかというように考えておるのでございまして、そういう意味からいたしまして先ほどの説明の中におきましても、実際問題としては委員会を作っていくというようなことになるのではあるまいかというふうに申し上げたわけでございますが、こういう条文の関係からいたしまして主体はやはり県に置きまして、委員会を作るということもございましょうし、あるいは中央会等で委員会を作るというようなこともございましょうが、それらの運用の問題につきましては、今後地方の実情を十分聞きまして、その実態に応じまして農協の合併が自主性を損じないような気持で、どこに置いたらいいかという問題は考えていきたいというふうに考えております。
#50
○森八三一君 そうしますと、指導方針としては別にそういう種類のものを県に置くべきであるというような一律な考えではなくて、その地方の実態に即するしかるべきものを考えたらよろしかろう、こういうことに理解していいのですか。
#51
○政府委員(坂村吉正君) 法律の条文といたしましては、都道府県知事がこういうものの意見を聞く、こういうことになっておりますもんですから、この建前から申しますと、県に委員会を作るというようなことがやはり本筋ではないかというふうに考えております。しかしながら、実際問題といたしまして、どこに置くかという問題は、地方の実情によってまたいろいろ考え方もあろうと思うのでございますので、そういう点はもう少し自主性を損じないようにやっていくためにはどういう置き方をしたらいいかということを検討してみなければいかぬと思うのでございまして、地方の実情をもう少し聞いてみてから考えたらどうかというふうに考えておるわけでございます。
#52
○森八三一君 僕の申し上げていますのは、法律によって学識経験者なり何なりの意見を聞いて認否の結論を出すということですから、個別に意見をお聞きになってもいいはずですが、しかし、個別よりはむしろそういうような点について総合的な意見を聞いた方がいいということで、まあ委員会あるいは審議会といったものを作ったらどうかという御発言があったと思うのです。法律上、委員会を置くとは書いてないのですから、そこで、そういうような学識経験者なり関係者の意見を徴する具体的な手段として委員会等でも作ることがふさわしいではないかと、こういう御発言と了承するのです。それでいいと思うのですよ。その場合に、その委員会というものを行政官庁が主催するという場合と、そうでない場合とでは、受ける感じが多少違ってくる場合があると思うのです。ですから、そういう点について画一的な御指導をなさるのかどうか。
#53
○政府委員(坂村吉正君) 現在のところは、法律の条文から申し上げますると、先ほど申し上げましたように意見を聞くと、こういうことになっていますので、実際の運用として委員会というものが生まれるのじゃあるまいかというふうに申し上げておるのでございますので、その委員会がどういう形で生まれて参りますか、それらは十分今後、地方の実情等も伺いまして、実際に合うように指導していったらどうかというふうに考えておるのでございまして、これは画一的に、県に置かなきゃならぬとか、あるいは中央会に置かなきゃならぬとかいうようなことは、現在の段階では考えておりません。
#54
○森八三一君 先刻、亀田委員からも質問ありましたが、例の不振組合の合併の場合には、合併に要する事務費的な補助があったんですね、十万円か。今度はそれが全然廃止になったんですが、そのかわり、施設の補助として九十万円――国か三十、県が三十、自己負担が三十と。この施設の補助金というものは何に使ってもよろしいということですが、施設と言う限りは、物がなければならぬと思いますね。今までの合併奨励金にかわるべきような姿で使うことは建前上は認められぬと思いますが、その辺はどうなんですか。
#55
○政府委員(坂村吉正君) 合併に対しまして財政上の援助をどういう形でやったらいいかということは非常に問題でございまして、いろいろ従来の経験等も検討いたしまして考えたわけでございまするが、いわゆる、今までの整特法の十万円といいまするものは、ただこれはほんとうにつかみで十万円ということで出ておるわけでございまして、そういう行き方もあろうかと思うのでございますが、今度の場合におきましては相当これはしっかりした農協におきましてもいわゆる合併の対象にいたしまして、そして強化をしていく、広域農協にしていく、こういうようなねらいがあるのでございますので、わずかな金をいろいろ会議費等について助成をいたしまするよりも、新しい合併いたしました農協が今後の発展のために、何らか施設として使えるような、そういうものに対して補助をやる方が有効じゃあるまいかというふうに考えまして、施設補助金ということで考えましたわけでございます。ですから、従いまして従来のようないわゆるつかみの十万円というような合併奨励金とは性格を異にしているわけでございまして、それまでの段階で、合併が進みまするまでの間にいろいろ会議をし、あるいは調査をし、そういうようなものかあろうと思うのでございまするが、これは主としてやはり、県の方の指導費の方に国といたしましては重点を置いて助成を考えていくということで考えましたわけでございます。従いまして、一面、今回の合併につきましては、先ほど申し上げましたように、相当しっかりした組合も対象にしていくということでございまするので、むしろ、そういう補助金と申しまするよりも、一番、農協の要望の強いのは、税法上の特例を設けてくれという要望が非常に強いのでございまして、こういう点を相当力を入れてやってやったらどうかというふうに考えておるわけでございます。
#56
○森八三一君 その気持はよくわかります。税法上の問題が過去の経験に徴しても一番目ざわりでしたから、これを取りはずしてやるということは非常にけっこうと思うのです。しかし、施設補助金として、補助金を六十、万円ですね、自分の金が当然三十万円出るんですから。六十万で、合併をして農業基本法から出発するしっかりした仕事をやっていくための施設というものが一体できるんでしょうかね。むしろ今までの経験によりますると、いい組合といえども合併をするまでに数回それぞれの組合が総会をやらなければならぬとか、いろいろの問題があるわけです。そういう事務質的なものに助成してやるということの方が、合併の効果を期待するにはいいじゃないか、あとに残る施設としては、九十万円や百万でできるような施設というようなものは問題にならぬので、またそういうものは当然あとに残るものですから、組合が負担いたしましても、資産として計上できるものですから、すぐ損失計算にならぬのですところが、合併にまで持っていくいろいろの事務費というものは全部損失勘定です。これが九百万円という、ちょっとけたが違うと、これは相当施設として重きをなすと思うが、九十万円ではこれは一体何をやるのか、ちょっと私にはわからなくなってしまうです。作業場を作る、事務所を作る、集荷場を作る、何をやるといっても九十万円ではできないじゃないか。ただお前たちの金を出す呼び水にやるような、そんな政治はもう必要ない。この際むしろ合併を早くやらせる、そのために支障となる税法上の特典を与えてやる。それからその間に要する損失計算になる事務費的なものを、そういうものをある程度めんどうを見てやる。あとに残る施設費なんというものは、これはもう当然資産として残るわけですから、そんなものに三十万円、九十万円という補助金は、これはおかしなことだと思うのですが、これは考え画しはできませんか。予算はできているが……。
#57
○政府委員(坂村吉正君) お説の通り、どうも全体で九十万円という施設の補助金でどういうことに使うだろうかということを考えますと、なかなかこれはどうも何といいますか、なるほどというようなものは出てこないのではないかと思うのでございまするけれども、実はいろいろ合併を奨励して参ります場合、従来整特法で十万円という補助金を組んでいるのでございますが、国費を合併のために補助をするということを考えました場合に、ただ何のことはない、いわゆる会議費のようなものに使われるというような性格の補助金を組むことはなかなか事務的にも非常にむずかしい点もございまして、そういう点が非常に予算編成の上からいっても苦労いたしましたわけでございます。そこで施設につきましても大きなものについては、もちろんそれは融資で優先的にめんどうを見てやる、こういうようなことで、大きな施設については当然そういう措置を考えてやらなければならぬと思うのございますが、しかし、農協の合併についても、施設について特に重点的なものについて、どうしてもこういうものをやりたいというようなもので、手ごろなものがございましたら、国でもとにかくめんどうを見ているのだというようなことで、農協の合併についてのある程度の意欲を上げていってやる、こういうふうな意味でも全然効果がないというようなものでもあるまいと思っているのでございまして、そういうような意味でやはり国がこれだけ力を入れているということにおいては、相当何といいますか、ある程度の効果を期待していいのじゃないかというふうに考えているのでございまして、はなはだ不十分でございまして、非常に恥ずかしい予算の内容ではございまするけれども、まあ農協の合併についての国の熱意を示そう、こういうものでございますので、御了承いただきたいと思うのでございます。
#58
○河野謙三君 ちょっと簡単に一、二伺いたいのですが、今度農協を合併して適正かつ能率的な一つの単位を作るということですが、適正かつ能率的な単位というのは何かモデルがありますか。たとえば一単位が経済的な単位として預貯金の場合ですと何千万円とか、一区域の農地面積が幾らとか、あるいは一単位の農産物の販売高が幾らとかいろいろファクターがあると思う。そういうものをあわせて農林省の立場から見て、適正かつ能率的な農協というのは、また地域によって多少違いますけれども、大体どういうものであるか。もちろん、これは自主的にきめることでありますから、こういうものを作れというものではございませんけれども、しかし、農林省の方としても再びまたこういうことをやらないように、今度合併が促進してできた暁は、これは一経済単位としてりっぱに運営できるようなものを作らなければならないと思うのですが、何かありますか。
#59
○政府委員(坂村吉正君) 農協の適正規模といいますのはずいぶん前からも検討しておるのでございますが、具体的にそれじゃこういうものが適正規模だといいますのは現在までございません。率直に申し上げまして、これは非常にむずかしい問題でございまして、一面におきましては、市町村の合併がどんどん進んで参りまして、行政区域と一緒にやったらいいじゃないかという議論もございます。そういうことではございませんで、経済団体でありますから、経済的な立地を考えて、そうして自主的に考えるべきだという考え方もありますし、またこれは地帯によって、平地あるいは山地、それから漁村地帯というものでもずいぶん違うと思うのでございます。従いまして、今度の合併の場合におきましても画一的にどういう規模が大体適正かということは、これは農林省としても示すつもりはございませんので、地方の実情で経済的に強化されて、そうして今後の経営も能率的にいくというようなものを実態的に一つ作り上げて、そうしてその線で進めていったらどうだというふうに考えておるのであります。
#60
○河野謙三君 戦後、自主的にできた農協の経営というのは全国的に大小数多くありますが、これらをながめられて、過去において経済的な農協の一単位はどういうものであるということは農林省にはないのですかね。そうすると、これはあくまでも地方、府県並びに学識経験者の意見に徴してそれできめる、こういうことになっておりますが、その場合に農林省としても、農林省も一つの学識経験者ですよ、特にあなた、経済局長は最高の学識経験者です。その学識経験者に一応意見を徴する場合に何もありませんということはないでしょう。
#61
○政府委員(坂村吉正君) 具体的にこういうものが適正だというものはございませんが、先ほど申し上げましたように、今までの農協の実態は非常に終戦後加入脱退も任意な、地域も自由なナンセンス農協だといわれ、実際生まれましたのは気分としてまことに勝手なものができておるというものもあると思うのでございます。しかし、だんだん落ちついて参りまして、それがどちらかといいますと旧市町村の場合には旧市町村で大体一組合というのが大筋でいっておるというふうに見ていいのじゃないかと思うのでございまするが、それがだんだんと新市町村になり、現在残っておるのは一万二千余りのものが総合農協としてありますけども、これは簡単に申しますと、旧市町村の数が市町村の合併に伴って市町村という行政区と一緒になって農協が合併していないという実態が現われておるのではないかというふうに今考えておるわけでございます。従いまして現在必ずしも新市町村に合併しろということは農林省でも考えておりませんけれども、大ざっぱな見通しとしいたましては、一万二千のうち、あるいは山村であるとか、漁村であるとか、そういう地域的な条件、それからすでに大きな広域農協になっておりまして、これは合併という問題が起こらないというものもございます。そういうものを除いてみますと、大体七千くらいの農合になるわけでございまするが、この七千くらいの総合農協が五年後に大体三千見当の農協というような形になっていくのではあるまいかというような、大きなといいますか、ぼんやりした一つの見通しを立てて、そうしてそういう気持で、あまり実情を無視することのないようにして推進していきたいというふうに考えておるわけでございます。
#62
○河野謙三君 市町村単位ということは、これは私はむちゃだと思う。これだけの大きな経済行為をする組合ですから、だから預貯金の額でいけば今の貨幣価値かないって一億とか、それから農産物の生産高からいけば幾らだとか、組合員の数からいけば幾らだとか、それぞれそういうファクターでいけば、町村合併の場合とは違いますね。そこらのところを、そうかといって何か町村合併後の町村単位ということを漫然と考えておられるような数字が出てくるような感じもしますが、それは私は危険だと思う。あくまで経済行為をする団体ですから、そこで何かあなたの方で一つの適正かつ能率的な組合とはどういうものをさすかという二つ三つの何かモデルというもののお考えがあるのではないか。これを私は学識経験者に伺っているのですが、どうなんですか。
 それからついでに伺いますが、合併後において、三つの組合が一つになったという場合には、経費は幾らか節減されると思っておられますか。
#63
○政府委員(坂村吉正君) 先ほどからの適正規模のお話でございますが、これは大体今までの実績、実情等を見まして、こういうようなところのものが大体においてうまくいっているのじゃないかというようなものを例として一つ考えることはできると思うのでございますが、それが一つの適正規模だと言ってしまうことは、いろいろな地帯によっても違う場合もございますので無理じゃないかというふうに実は考えておるのでございます。
 それから、合併後は当然、たとえば三つの組合が一本になったという場合には、当然これは経費についても相当やはり合理化をしていくというようなことで考へなくちゃいけませんし、また実際問題として合理化が相当できるというふうに私どもは考えております。
#64
○河野謙三君 私は適正規模の問題をなぜ伺うかというと、こういうことを終戦後、極端に言えば、毎国会、農業団体は赤字補てんだとか、やれ何だとかやっておる。受ける方の農民もいい気持じゃありませんよ。また金を出す方の国会としても、いろいろ問題があるので、もう今度を最後にして、こういうことは再び繰り返さないようにしなければいかぬということは、農林省も考えておられるだろうし、国会の方でも当然皆考えておると思う。だから、今までの過去十五カ年間の経験に徹して、今度こそこの合併を促進してでき上ったものについては自立していける組合というものを作り上げなければ――またそれが法の精神に沿うものだと思うのですよ。
 それで伺うのですか、自主的、もちろんそうしなければいけませんよ。いけませんけれども、単に自主的万々々々ということできて、また三年か五年たつとまたそれがうまくいかないということになるといけないので、これは単に農林省の、実績から見て、向こう岸の火事でながめているという気持はないでしょうけれども、その場合やはり農林省の意見もあっていいと思う。それで私は伺うのですが、くどいようですが、大体預貯金にしても二千万円や三千万円の、一単位で預貯金をしたところで、経営が成り立つわけがないし、それから一行政単位といいましても、群馬県嬬恋村のように、村はよその県一県くらいに大きな面積を持っていながら、生産高は微々たるものというものもありますし、画一的にはいかないでしょうけれども、何か私はこの際、農林省としてもあるけれども、ちょっとそれを言うといろいろ弊害があるというようならあえて伺いませんが、何もなくて学識経験者がこれに臨まれるのはおかしいと思う。
 それから経費の点ですが、町村合併の場合には三カ村なり五カ村が合併して、市役所なら市役所にして、村役場は出張所にするとか、あるいは出張所も廃してしまうということはできますね。しかし、農協の場合は、農民の生活に直結しておる。農協事業というものは、合併したからといって、事務所を整理するということはないでしょう。また、不可能でしょう。だから、これを合併したからといって、経費の節減ということは、あまり私は期待できないのじゃないかと思うのですがね。これも、もちろん、事務所の整理とか何とかということは、農協自体がやることですけれども、これは農民の日常の生活から見ても、できるだけ近いところに農協の事務所というものはないと困りますよ。それを町村合併と同じようにお考えになっていると思うけれども、事務所の数が減ることで経費が減るというふうにお考えになっていると、これは大へんな間違いだと思うけれども、そうではないでしょうね。
#65
○政府委員(坂村吉正君) 適正規模の問題は、再三の御質問でございまするけれども、そういう河野委員の御趣旨も、これは十分にわかるのでございまして、とにかくこの合併助成法によって、今後農業協同組合がきちんと一つ活動ができるようなものにしていこうと、こういうようなことでございます。従いまして、地域的にもいろいろこれは差があろうと思うのでございまして、場合によっては、例を見ますると、従来の一郡単位で一つの農協がいいというようなものもございます。そういうようなことで、いろいろバラエティがあると思うのでございますので、県でいろいろ指導いたしまする場合に、その実態に即して今後やっていけるというようなものを一つの指導方針としては考えていくという方が適当ではないかと考えているわけでございまして、農林省が大体この程度の規模のものが適正でございますということをはたして言っていいかどうか、そういう点については、相当私たちも慎重に考えなければいかぬというふうに考えておるのでございますので、御了承いただきたいと思うのでございます。
 それから、合併によって経費が節約できると申し上げたのでございますが、これは機械的に、たとえば事務所が減るからそれで経費が減るのだというような簡単な考え方ではございませんで、合併によって大規模農協になって参りまする場合には、取引等の量も相当大きくなって参りまするし、そういうような意味から申し上げますると、全体的にいわゆる単位当たりのコストというものは下がってくるという方向に当然向かっていくというふうに考えられるのでありまして、あるいは事務所等につきましても、今まで五つあったものを、ある程度整理はできるかもしれませんが、そういう問題をあわせて考えますると、将来の方向としては、相当やはり能率化し、合理化されてくると、またそういう工合に持っていかなければならぬというふうに考えておるわけでございます。また、農協がいわゆる広域農協になりまして、従来の事務所というようなものがそのまま置かれたのでは、その広域農協になった場合にも、場合によっては意味がないというようなこともございますので、それらの点は、今後の農協の下部機構をどうするかというような点も当然考えていかなければいかぬと思いますので、そういう点とあわせまして、十分今後検討していかなければならぬというふうに考えております。
#66
○河野謙三君 今、森委員から、金の出し方が少ないという話がありましたけれども、私も少ないと思うのだが、金の出し方が少ないとか、また自主的という精神を尊重するという意味から、少し何か遠慮がちにものを言っておられると思いますが、しかし、親切に、農協の健全な発達のために税制上の特例措置その他いろいろなことをやろうという以上は、現在はこれが最終で、これなら大丈夫だという一つの確信を持って私は臨まなければいかぬと思うのです。その確信とは何かというと、私が今申し上げるように、適正規模というようなものについて、何かあなたの方で一つ腹案を持たないで、ただできてくるものをそのまま認めていくということだけじゃ、どうも今までの合併促進というものとあまり変わらないのじゃないかと思うので、私は申し上げたのですが、きょうは少し時間がおそくなりましたから、いずれ法・案を詳しく読んでから、この次の機会にまたお尋ねすることにいたしたいと思います。
#67
○亀田得治君 次回までに多少準備してほしいと思うのですが、第四条の第二項で、知事が合併経営計画を認定するための要件というものを書いてございますね。この中には、はっきりと合併後の組合の地区、それから組合員の数、その他、自然的、経済的、社会的条件云々というような言葉が出て、そうして、それらを勘案して、適正かつ能率的な事業経営を行なうのに十分なものと、きわめて規定の仕方は厳格なんですね。第二項でも、その計画を確実に達成することができるというふうに、この経営計画はいいかげんなものじゃないぞというかまえが出ておるわけです。だから、従って、形式的に、地域的にはどういう大きさ、戸数は何戸とか、事業分量は幾らとか――そう形式的には私は出しにくいとは思いますが、少なくとも、こういうふうに法律の中に各種の要件を書いた以上は、組合の地区についてはどういうことを検討すべきなのか。検討すべき事項ですね。それから、組合員数についてどういう点が過去の経験からいっても検討の余地がある。それから、経済的な条件なども、これは当然そういう何か、結論ではなしに、検討すべきポイントですな、少なくともそれくらいは示してもらわぬと、まるで何かムードで法律を出しているような感じです。だから、それは確かに私は農林省にあると思いますので、そこいら辺の問題点を各項目について指摘したものを、ちょっと参考に整理してみてほしいのです。これは、問題点ですから、できると思います。
 それから第四条の第一項で、先ほど森委員が御指摘になっていた点ですが、手続については政令で定めるとうことになるわけですね。そうすると、さっきの御答弁では、政令案の内容もほとんどまだ考えておらないふうに聞こえるようなお話でしたけれども、普通はやはり、法律を出す場合には、政令の要綱程度のものは大体あって、そうしてわれわれもそれをまあ拝見できるわけですね。それが全然なしに、「政令で定めるところにより、」 というような、こういうことなんですね。といいますと、これは白紙一任する格好になってしまいますので、もし何もないなら、この「政令で定めるところにより、」なんということは、全然消しておいていただいて、そうして知事がどういうふうにそこを運用しようと、知事の意向にまかせればよいので、「政令で定めるところにより、」と書いておって、中身は何も考えておらぬと、これでは、やはり、聞いている方としては、はあそうですかというわけにはちょっといかない。これももうちょっと明確にしてほしいと思うのですね。
 それから、一緒に全部聞いておきますが、私が職員の給与の資料を出してほしいと申し上げた気持は、給与が非常に低いのですよ。それはやはり、農協をよくしようというなら、そこで働く人の待遇は、少なくとも一人前の水準でなければ、工合悪いと思うのです。だから、ここでは給与というようなことが一つも問題にされておらぬわけですが、りっぱな合併計画をやろうというなら、実際問題としては、この給与なんかは絶えず問題になっているので、こういう点についての、適正な給与と言っては何だが、何かお考えでもあるのかどうか、そこら辺を大まかに一つ通りちょっとお答えになって下さい。
#68
○政府委員(坂村吉正君) 第四条のここには、いろいろこういう条件が書いてございまして、都道府県知事が認定する場合にはこういうようなことで認定する、こういう内容になっておるのでございますが、これは先ほど来申し上げまするように、いろいろその地方の事情によって規模も違うと思うのでありますが、ただ全然何も方針がなしにこれを認定をするというわけには参らぬと思います。しかし、今年でございまするか、三十五年度におきましては、農業協同組合の組織整備というための経費をとっておりまして、ここでいろいろ今後合併をいたしまする場合には、どういう点に注意をし、どういう規模で考えていったらいいかというようなものを各県で調査をいたさしておりますわけでございます。ですから、従いましてその調査等が相当今後の合併を進めていきます場合には、県の指導の中心の資料になろうと思いますので、そういう点を十分に参考にしてやっていこうということになるのではないかと思いまするが、もちろん地域についてはどういう問題、それから経営の規模についてはどういう問題というような、問題としてこういう点を考慮しなければならぬという問題がございまするので、そういう点は十分今後の御審議の機会までには問題としては提出をしたいというふうに考えております。
 それから、この四条の一項の「政令で定めるところにより、」 という言葉でございますが、これは手続を政令できめようというふうに考えておるのでございまして、いずれ政令の内容につきましては現在検討中でございまするので、次の御審議の機会には、大体の要綱につきましては提出することができると考えておるわけでございます。もちろん全然白紙委任でお願いをするというつもりではございませんので、内容については十分御説明を申し上げる考えでおります。
 それから職員の給与の問題は、お説の通り非常に農協の職員の給与は低いのでございまして、そこで農協がほんとうに経済団体として活動していきます場合には、農協の職員の給与等もやはり相当世間ともバランスをとったものにならなければ、これは働けないのでございまするので、そういう点をどの線まで上げたらいいかというような具体的なレベル等は、現在のところまだ具体的には考えておりませんけれども、方向といたしましては、今のような給与ベースではなかなか十分な活動はできまい。そこで合併を推進し、規模も大きくして、そうして農協の職員等も相当給与ベースも上げられるというようなところまで持っていきたいということが、この合併助成法の一つのねらいでもございまするので、給与等の資料につきましては、いずれ提出をいたしたいと思いますので、よろしく御了承願いたいと思います。
#69
○委員長(藤野繁雄君) 他に御質疑もなければ、本案については、本日はこの程度にいたします。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後四時三十四分散会
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ソース: 国立国会図書館
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