くにさくロゴ
1960/03/28 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 農林水産委員会 第21号
姉妹サイト
 
1960/03/28 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 農林水産委員会 第21号

#1
第038回国会 農林水産委員会 第21号
昭和三十六年三月二十八日(火曜日)
  午前十一時十九分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     藤野 繁雄君
   理事
           秋山俊一郎君
           櫻井 志郎君
           亀田 得治君
           森 八三一君
   委員
           青田源太郎君
           石谷 憲男君
           植垣弥一郎君
           岡村文四郎君
           河野 謙三君
           重政 庸徳君
           田中 啓一君
           堀本 宜実君
           北村  暢君
           小林 孝平君
           安田 敏雄君
   事務局側
     常任委員会
     専 門 員 安楽城敏雄君
  説明員
   農林省農林経済
   局参事官    松岡  亮君
  参考人
   農林漁業金融公
   庫副総裁    北島 武雄君
   農林漁業金融公
   庫経理部長   葛西 憲夫君
   農林漁業金融公
   庫業務計画課長 川島 敬忠君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○連合審査会開会に関する件
○農林漁業金融公庫法の一部を改正す
 る法律案(内閣送付、予備審査)
  ―――――――――――――
#2
○理事(櫻井志郎君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。この際お諮りいたします。国有鉄有運賃法の一部を改正する法律案について、運輸委員会に連合審査会の開催を申し入れることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○理事(櫻井志郎君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。
 なお、開会日時等については、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○理事(櫻井志郎君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。
  ―――――――――――――
#5
○理事(櫻井志郎君) 農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案(予備審査)を議題といたします。
 前回に引き建き質疑を行ないます。
#6
○亀田得治君 昭和三十六年度における公庫の貸付予定計画額が六百億となっておりますが、それのできるだけ詳しい内訳ですね、できておると思いますが、資料としてお願いしておきます。
#7
○説明員(松岡亮君) さっそく用意して提出いたします。
#8
○理事(櫻井志郎君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#9
○理事(櫻井志郎君) 速記を始めて。
#10
○北村暢君 公庫の法案について今度は出資の増額と、新たな林業関係の新しい制度金融が出てきたのでございますけれども、従来この農林金融についての交通整理の問題が出ておりまして、今度も農業近代化資金という新しいものが出て参りましたが、制度金融としてのこの交通整理問題に関する従来の検討をされて参りました内容等について状況を一つ御説明を願いたいと思う。どういうことなのか。
#11
○説明員(松岡亮君) 農業金融関係の交通整理についての御質問でございますが、従来からただいま御指摘がありましたように、いろいろな制度金融が、言い方は適当でないかもしれませんが乱立しておったような感じはしておったのでございます。まず、政府資金を使います融資といたしましては農林公庫の融資がございます。これに準ずるものとしては農業改良資金、それから開拓者資金等がございます。それから系統金融の資金を使いますものとしては災害金融関係、それから改良資金の一部、有畜農家創設資金、その他若干ございまするが、そういうようにそれぞれの目的をもってそれぞれの条件で実施されておったのでございましてそれぞれの理由があったことは事実でございますが、しかし、だんだん系統資金の内容も充実されておりまするし、従来公庫でやっておりました、たとえば共同利用施設のごときは、その条件から見ましても、最近蓄積されて参りました系統の資金で、特に農業協同組合の共済事業の責任準備金などの蓄積によりまして、漸次その方でまかなえるような態勢ができつつございます。
 また、各種の制度金融につきましては、たとえば有畜農家創設資金、あるいは農業改良資金等につきましては、農林公庫の個人施設、あるいは共同利用施設と同じような性格の資金がございます。それらはできれば末端においては別々の制度としてではなくて、単一の制度として、借りる方の農民の方々から見ればできるだけ簡単に、しかもまとまって借りられるようにした方が非常に便利であるというような面が考えられておったのでございます。そういうことを考えまして、一昨年関係方面の権威者の方々の御意見なども伺いまして、だんだん農業金融関係の制度金融の整理統合の方向を検討しつつ参ったのでございます。今回予算の方でも御審議願っておりますが、新しく農業近代化資金の制度を作りまして、非常に豊富になりました系統資金を活用いたしまして、従来政府資金でまかなっておりました農林漁業金融公庫の共同利用施設及び個人施設の一部、それから農業改良資金、有畜農家創設資金を一括これに統合いたしまして、しかも、資金量を非常に大きくいたしまして、条件は従来よりもむしろどちらかといえばいい条件、たとえば農業改良資金と今度の近代化資金を比較いたしますると、近代化資金におきましては七分五厘、それから十年償還、三年据置でございますが、改良資金におきましては大体金利が八分一厘ないし一割という条件でございまして、そういう点で従来よりは場合によってはよい条件で貸し得るという態勢にしまして、しかも資金量を三百億円としまして、これに統合されました従来の各種の制度の資金量の総額よりもはるかに多い量を供給し、しかも借りる側にとっては、一括して借りられる。たとえば家畜を導入する資金を借りる場合に、畜舎についても一緒に金が借りられるというような態勢にしまして、この制度に統合したいということで今般新しく法律を御審議願うことにいたします。ただし、この近代化資金の条件によりましては、融資しがたいものがございます。これはたとえば開拓者資金の関係、あるいは公庫の中で土地改良等の特別な条件を要するようなもの、政策性が強いと申しますか、そういったものにつきましては、従来通りそれぞれの制度を活用いたしまして、その機能を発揮できるようにした方が、むしろその目的に合致するという趣旨で、それらは従来通りにするということにしておるのでございます。大体経過を申し上げますと、以上の通りでございます。
#12
○北村暢君 今のお伺いした点で状況は概略わかったわけですが、この制度金融の中における公庫資金の問題で、公庫のこの融資の拡充ということでもって融資対象の融資額の拡大であるとか、あるいはこの公庫に対する政府の出資の増額、そのほか外部資金の導入、こういう外部資金に対して利子補給をして外部資金を導入するというような考え方で公庫融資を拡充する、こういう考え方があったように思うのです。それで今申したこの近代化資金と公庫の実際の運用面との関係がどのようになるのか。ちょっとその公庫の運用といいますか、そういう面についての将来の見通し、基本的な方針、こういうようなものについてもう少しわかるように御説明願いたいと思います。
#13
○説明員(松岡亮君) 公庫資金、つまり政府資金の融資につきましては、従来ともその拡充に非常に努めて参ったのでございますが、その点につきましては、今後も同様でございまして、明年度におきまする公庫の融資計画は今年度の五百十七億円に対しまして六百億円に大幅に増額されておるのでございます。しかも、これは先ほども申し上げました通り、一部共同利用施設及び指定の個人施設が近代化資金に移管されましても、これだけ資金量としては増加したのでございます。従いまして、実質的には五百十七億から六百億に増額された以上にさらに増額されておると申し上げてよいかと思ううであります。それらの内容につきましては、農業関係の共同利用施設それから個人施設につきましては、原則として近代化資金に移管されたのでございますが、なお土地改良それから林業、漁業関係は、特に林業、漁業関係はこれは全般として公庫に残っておりまして、今後ともこの方面の拡充に大いに努力を要するのでございます。それに対する資金の手当につきましても、出資につきましては昨年より若干の増額でございまするが、資金運用部あるいは簡易保険等の資金につきましては、かなり大幅に増加しておりまして、まあ明年度の融資につきましては、大体必要量を満たし得ると、かように考えておるのでございます。
#14
○北村暢君 公庫金融というのは概念からいって組合系統資金の補完をすると、こういうのが目的であるわけですね。ところが、組合系統資金というのは、現在単協で五千億、信連として三千億、中金で二千億まあ一兆円の非常に農富な資金のワクというものを持つに至った。そうして、そういう状態の中でその組合系統資金というものが、農民の金融として預貯金は非常にふえておるけれども、実際に組合系統資金というものが農家の経営資金なり、事業拡大のための資金なり、近代化のための資金なりというものに利用されておらない。そういうもののために今度近代化資金三百億円というもので政府が二分の利子補給をして借りやすいようにしようと、こういうことですが、私どもはこの二分の利子補給をして、七分五厘でもなおかつ農民は高くて、これは三百億こなし得るかどうかね、まだ条件としては金利を下げないというと農業経営のベースには乗ってこないのじゃないかという感じを持っているのです。そういう中で、実際問題としてそういう近代化資金というような措置をとりましたけれども、なおかつ制度金融というものは、公庫資金というものは、私どもはやはり非常に将来農業の近代化なり何なりという面において大きな役割を果たすのじゃないかと、こういうような感じを持っているのですよ。従って、お伺いしたいのは、今組合系統資金のそういうような非常な農富な資金のある状態の中で、この農民のための金融というものが伸びないでいる、こういう原因、そして公庫というものが補完をするというのですから、組合系統資金の不十分な点を補完をする、そういう点があるから、まあ組合系統資金が非常に充実してくれば、公庫資金というものは将来は必要なくなってくるのではないか、そういう考え方のもとに政府の出資なり何なりというものも減ってくるのじゃないか、これは将来のことですがね、私はそういうような考え方を持っておられるのかどうなのかですね。公庫の必要性というようなものについて、どのように考えておられるのか、この点も一つ、先ほどもお伺いしたのですが、根本の問題として今後公庫というものをどういうふうに見ていこうとするのか、これを一つお伺いしたい。
#15
○説明員(松岡亮君) ただいま御指摘のありました農林公庫の資金は、組合系統金融の補完としての役割を果たすであろうというような点につきましては、確かに一面におきまして補完する機能を持っておると存じます。それは特に終戦後今日に至るまでの経過におきましては、いわゆる資金不足の時代でございましたので、量としてその組合系統資金の足りない部分を補っていくという役割がかなり多く出て参っておったと、さように考えられるのでございます。しかしながら、その量的な面だけでなくて、従来から質的にどうしても系統資金といいますか、民間資金ではやれないという分野があったように考えておるのでございます。たとえば土地改良とか造林とか、あるいは林道、そういった、それでなくても公共事業的な性格を持つもの、あるいは開拓者に対する融資というように、特に政策的に政府資金をもってリスクをかつ推進しなければならぬ特別な条件でもってやらなければならぬという面は、これは従来からもちろん質的にもあったのでございます。今後におきましては、量的に組合系統資金を補完するという役割も、まだ当分必要かとも思いまするが、むしろ質的に、どうしても政策的に政府資金でもってやっていかなければならぬ。特に最近のように、新しく農業の構造的な、何と申しますか、改善を推進していくというような要請が強まって参りますると、農林公庫によりまして、政府資金でもって、特別に長期に、かつ低利に、とうてい民間資金ではまかなえないような資金の供給を行なっていくという必要はますます増大して参る。かように考えております。
#16
○北村暢君 公庫資金というものを強化していくという方針のようでございますから、一応その点は了承しておきたいと思います。
 それで、次にお伺いいたしたいのは、公庫資金の内容が複雑で、実際に農民が利用する場合に、不便を感じている貸付条件ももちろんその目的によって違うわけでございますが、そういうものをやはり整理統合して、借りやすい、わかりやすい一つというふうにしていこう、こういう考え方があったようでございますが、近代化資金ということで、有畜農業だとか、あるいは農業改良資金というものが統合されたものですが、この共同利用施設あるいは主務大臣指定の施設、こういうようなものを統合をしていこう、こういうような案が考えられておったようですが、今度の法案では、そういうものは出てきておらないわけですが、そういう考え方に対する法案が、そういうことの形で出てこなかった理由、この経過についてお伺いいたしたいと思います。
#17
○説明員(松岡亮君) ただいまの御質問の御趣旨は、共同利用施設ならば共同利用施設として、農林漁業一本に統合する、あるいは共同利用施設と土地改良というようなものと統合する、いろいろ考えられるのでありますが、おそらく前の場合ではないかと思うのでございますが、共同利用施設なら共同利用施設として一本にするという点におきましては、従来の運用におきましては、ワクとして農業、林業、漁業、そうしてその中に共同利用施設というふうに、分かれておったのでございます。その間においては、若干に年度末等になって、どれかのワクに多少余裕が出るというような場合に、ほかに回すというようなこともあったのでございますが、原則としてワクはそれぞれ独立しておったというのでございます。ただ今度は、農業関係では、近代化資金に共同利用施設の大部分が移ります。残ったものとしては、たとえば農協の病院というようなものでございます。それから主務大臣指定の方におきましては、開拓者というようなものが残って、あとはやはり近代化資金に移るというようなことになりまして、近代化資金の方では、いろいろなものが一本になりまして、果樹も家畜も共同利用施設も、一本になって運用される、それぞれの中に一応の目標は立ちまするけれども、非常に弾力的に運用されるということになって参りまして、逆に公庫の方に残ったものは、病院とかそういう非常に特殊な性格のものでございます。これらについての特別の条件を、その施設ごとに考慮する必要があるのでございます。また、土地改良と林業関係、造林とか林道というようなものにつきましても、いずれもこれは非常にいい条件にしなければならぬのでございますが、やはりそれぞれ性格によって多少の条件の差がございます。そういうのはむしろその目的を達成するために、融資の対象になる施設の性格から、どうしても区分した方がむしろ目的を達成する上において必要があると、かように考えられるのでございます。そういうことも考えまして、御指摘の点まことにごもっともでございます、農林公庫資金につきましては、今後むしろ一そう政策的に特定の目的を推進するというようなことを追及しなければならぬということにもなりまして、これを統合して非常に融通無碍にするということは、必ずしも容易にはできないのではないか、かように考えるのでございます。
#18
○北村暢君 次にお伺いしたいのは、公庫の融資の拡充の問題ですが、この導入する外部の資金ですが、これについて、農協の共済責任準備金の問題が、だいぶ問題になっておったわけでございますが、この考え方が国の財政資金にだけ依存するということが、まあ資金量の問題からいって限界というものがあるので、これを農協の共済責任準備金というものに資金を求める、こういう動きもあり、また考えられてきたようでございますが、これについての経過はどのようになっているのか。この点を一つお伺いいたしたいと思います。
#19
○説明員(松岡亮君) 農協共済の責任準備金が非常にふえて参りまして、運用できる資金が五百億あるいは本年度あたりは一千億に達するのではないかというようにいわれているのでございます。しかもこれはかなり長期に運用できる性格の資金でございますので、その活用につきましては、もちろん系統の内部におきましても、また政府側としましても、いろいろ検討して参ったのでございます。しばしば指摘されますように、組合の系統内部の貸し出しが不活発である、まあいろいろな事情もございますが、それで十分にその組合系統金融の機能を発揮してないという批判もあったのございます。この責任準備金などにつきましても、むしろそういううらみを除きまして、大いにこれを系統の貸し出しに使うのが望ましかったのでございますが、どうもその点多少不十分であったということもありまして、昨年あたり今お話のございましたように、これを公庫に引き上げてきて、公庫の資金として活用するというようなことも、話には確かに出たのでございます。しかし、それはまあ金融の組織としましては、下からどんどん積み上げていって、さらに三段の上にさらに公庫へ持ってきて四段がまえになるというような多少むだもあるということも考えられますし、公庫としては非常に新しい方式ともなりまするので、むしろ系統内部においてこれを活用するというこの本来のやり方に力点を置いた方がよろしいということから、今度の近代化資金も農協の責任準備金等を目安に置きまして始めることにいたしたのでございます。
#20
○北村暢君 ただいまの、状況だけお伺いしたわけでございますが、そこでこの前資料要求をいたしておきました、公庫の年度別原価歩合表という表をいただいておるわけでございますが、この資金運用の利回りその他出ておるわけでございますが、この表の説明をまずお伺いしたいと思います。これをわかりやすく、ちょっと私どもしろうとですから、特に数字の問題でございますので、わかりやすく御説明願いたいと思います。
#21
○説明員(松岡亮君) お配りしてあります表は、農林公庫の資金の運用と、その調達の両面からコストと利回りの比較をしまして、大体の採算を概括的に表にしたものでございます。
 まず、一番上の資金運用利回りと申しますのは、農林公庫の資金全体を運用して、結局加重された平均で、どのくらいに貸し付けられておるかという歩合でございます。で三十五年度、本年度は五分五厘三毛、これは予算上でございますが、に運用されております。明年度は五分五厘八毛という見込みで作られております。これは三十三年度が五分五厘四毛、これは決算面でございまして、その数字を参考にしまして三十五年度は五分五厘三毛と一部控え目に押えてあります。それから三十四年が決算上五分五厘九毛でございますが、三十六年度はこの三十四年度の決算の数字を使いまして、明年度五分五厘八毛、こういうふうにしたのでございます。
 その二番目の欄以下は、これはコストの方でございますが、その(B)というのは一番下の償却引き当てを除きました原価の合計でございます。これは三十五年度五分三厘七毛に対して、三十六年度は五分四厘一毛、こういうことでございます。ちょっと上がっておりますが、その理由は、その下の資金のコスト、つまり出資と借入金を総合しましたコストでございますが、そのコストが三十五年度が三分七厘七毛でありまするが、三十六年度は三分八厘七毛、つまり出資に対して借入資金の量がふえているということから、この資金のコストが上がっているのでございます。
 それからその次は、受託金融機関に対する手数料でございまして、これは三十五年度の一分三厘四毛から一分二厘七毛に下がる見込みでございます。これの下がりますのは、直接貸しがふえておりますのと、それから受託金融機関の一金融機関当たりの受託の金額がふえるにつきまして、手数料は逓減するようになっておりますので、そういった関係からこれは下がってきているのでございます。
 それから事務費は、これは大体前年度と同様でございます。そういたしまして、結局資金運用利回りから(B)の償却引当金繰り入れ前のコストを差し引きますというと、貸し出しの償却のために当てられる金額が、一番最後の下に出て参ります。これは三十五年度の予算では一厘六毛、〇・二八%でございますが、明年度におきましては、わずかによくなって〇・一七%、こういう数字になるのでございます。ところが、これは前の三十三年、三十四年の決算の数字に比較しますと、だいぶ落ちているわけでございますが、しかし、三十三年度、三十四年度の予算では、たとえば三十三年度の予定では〇・〇一%、三十四年度では〇・一三%であったのでございます。数字を説明いたしますと以上の通りでございます。
#22
○北村暢君 この表でわかるように、資金の運用利回りというのは、年々悪くなってきているように私どもは感ずるわけです。この数字が微妙に、大して大きな開きがないものですから、ちょっとわからないのですが、資金の運用利回りというものは、まあ公庫にとっては悪くなってきておる。こういうふうに感ずるのでございますが、それに引きかえて公庫資金は、今後長期低利条件を、さらに借りる側からすれば、いい条件のものを借りたい、そういう資金をふやしたい、これはもう当然の要求でございますから、今後公庫を利用するということになれば、当然近代化資金なんかというも、の関係からいっても、それで七分七厘の利子ではいかぬということになれば、貸付条件を要求したい、こういう要求がやはり出てくるんじゃないかと思うんです。そこで、この貸付の平均の利子というのが一体どういう傾向をたどっているのか、この点についてお伺いしたいと思うんですが、まあ資金運用の利回りが悪くなってくれば、当然貸し出しの場合の利子もそう引き下げるわけにいかなくなってくる。まあこういうことが当然起こってくるんじゃないかと思うんです。そういうような点の事情がどのようになっておるのか。それから委託費の問題が、まあ直接貸しがふえてきた。そのために委託費が低下してきている。このことも利回りに対して影響を持ってくるんじゃないかと思うんですが、そういう点で公庫の運用面からいって、私どもちょっとこの数字を見ただけでは、はっきりつかめませんので、どういう状況にあるのか、説明をしていただきたいと思います。
#23
○説明員(松岡亮君) 一番上の資金運用利回りは、先ほど申しましたように、公庫から貸し付けられる資金の全部の平均の利回りといったらいいかと思いますが、でございますから、この利回りが従来に比べて少しずつ上がってきておるという傾向をまず御指摘になったのだと思います。これは大体公序の資金のうちで、五分とか、五分五厘とか、そういう低い利率で貸されるものがウエイトがやや下がったと、まあ端的に言えばそう申し上げていいんだろうと思います。これはなぜこういうふうになったかと申しますと、結局土地改良とか、そういう非常に低い利率のものが年々絶対昂においては相当ふえてきておるのでございますが、そのほかの共同利用施設とか、個人施設とかいうものがウエイトかやや高まってきておる、その方の需要が非常にふえてきておる、ウェイトがやや高まってきておる。あるいは伐採調整資金のようなものは比較的ふえ方が少ない。これと非常に低い利率で貸されているものがあまりふえていないというような影響がここに出て、運用利回りが少しずつ上がったという従来の傾向があったのであると、かように考えるのでございますが、それで三十六年度は、共同利用施設とか、個人施設とか、従来七分五厘で貸しておったものが近代化資金に移管されたわけでありますから、むしろこれはまた下り始めるわけではないかという御質問が出るかと思うのであります。しかしその点につきましては、初年度からはすぐその影響が出てこない、漸次その影響は年を追って現われて参ります。まあそういうことになるわけでございます。
 それから原価の方では、委託費につきましては、これは確かに減ってきて、むしろこれは公庫の運営上は事務費の方が、直接貸しがふえますと、そちらがふえて、委託費の割合が下がると、こういう結果になるのでございますが、全体としてはまあ直接貸しのいき方にもよりますけれども、直接貸しがふえることによって、委託費、事務費等の通常の管理費用はむしろ下がる傾向にある、資金量全体がふえるにつれまして下がる傾向にある、こう申し上げてよいかと思います。
#24
○亀田得治君 ちょっと関連して。昭和二十九年は、利回りが特に低くなっておるわけですが、これは何か特殊な事情があるのですか。説明して下さい。
#25
○説明員(松岡亮君) ちょっと詳しいことを私も今申し上げられませんが、二十九年度は決算上未収利息を計上しなかったようでございます。そのために償却引出金繰入前利益、一番下の欄の〇・一七%というのもほかの年度に比べまして非常に低くなっておるのでございます。
#26
○理事(櫻井志郎君) ちょっと速記とめて。
   〔速記中止〕
#27
○理事(櫻井志郎君) 速記つけて。
#28
○河野謙三君 いただきました関係資料の四ページの年度別資金向収実績、予算額と実績と非常に大きく開いておりますがね。これはどういう関係からこういうふうな大きな開きが出てくるのですか。
#29
○説明員(松岡亮君) これは大体貸付の回収見込みの毎年度償還予定になっているものを一応事たりまして、におきましては、その大体の見当でやっておったのでございますが、最初の二十八年度から三十二年度ごろまで大幅にその差が出ております。これはたとえば三十一年度において倍近く違っておったのでございますが、当時は、特別会計時代に貸し付けられた土地改良などの資金が実は補助金に対する、まあ補助金が入りますと同時に繰り上げ償還されたというような事実がございまして、当初の見込みに対して予想以上に早期に償還されたというようなことがございます。必ずしも好ましいことではなかったのでございますけれども、つなぎ融資に、結果から見れば補助金に対するつなぎ融資になったというのが一部ございます。そのものが非常に早く償還された、当初そういうことがあったのでございます。
#30
○河野謙三君 まあ普通の常識からいけば、こういう回収の予算というものに対して実績というのは大体むしろ低目にあるのが普通なんです。それは高くてもいいけれども……。今御指摘のように特殊の事情があったかもしれぬけれども、数年にわたって大幅にその実績が上っておるということは、公庫全体の予算の編成当時と決算におきましても非常に大きな狂いが来ておるのではないかと、こう思うのですよ。
 で、これはまだお伺いする時間もありますから別にいたしまして、一つ資料をできましたらお願いしたいのですが、この関係資料の二に、業種別貸付決定実績というのがありますがね。これは業種別じゃなくて、事業形態別と申しますか、経営形態別と申しますか、たとえば営利会社に貸しているものがありますね。それから農民が組織している協同組合、団体、いろいろありますね。こういうその経営形態別に貸付の明細を作ることができませんか。
#31
○説明員(松岡亮君) 大体御希望に沿うようにできるだけ作って提出いたしたいと思います。
#32
○河野謙三君 ですから、おわかりになったと思いますが、畜産とか、水産とか、林業とかという分け方ではなくて経営形態別に一つ貸付の明細をもらいたいと思う。同町に多少でも回収不能のものができているでしょう、不良債権とか。こういうものもその経営形態別に回収不能のものがどういうふうにあるかということもあわせて出していただければ大へんけっこうだと思います。それを一つお願いします。
#33
○説明員(松岡亮君) 経営形態別の資料につきましては、早急に直ちに準備して提出いたします。それから滞り貸しといいますか、回収不能に陥った分につきましては、業種別にはつかめるようでございますが、経営形態別に整理するのは、ちょっと今直ちにはできかねるということでございます。もしも差しつかえなければ業種別に回収不能に陥った分の調査資料をまとめさしていただきたいと思います。
#34
○河野謙三君 できなければ仕方がありませんけれども、私が経営形態別に明細をもらいたいという趣旨は、要するに農産物なり、農業資材関係の営利会社にも金を貸しているわけですね。それから純然たる農民の組織する団体、組合にも貸していますね。その場合に少なくとも営利会社には不良貸付なんかあるべきはずじゃないと私は思うのですよ。むしろ経営困難な組合、団体、農民側にあると思うのです。もし営利会社等に貸し付けたもので不良債権があったら実におかしなもんであって、貸付の当初から私は無理があったと思うのです。そういう点からそういう資料をほしいと思ったんですが、しかし業種別にできるなら、その同じ資料で、ただ縦割りか横割りかの問題で資料ができないというのはちょっと私は納得ができないのですがね。
#35
○説明員(松岡亮君) 確かに御指摘の通りでございますが、貸付先別のカードをあらためて整理し直す。非常に多数のカードでございますので、経営形態別の回収不能あるいは滞り貸しの状況になりますと非常に時間をかけなければならないと思います。業種別でありますと、あまり時間を要せずにできると思います。大体業種別に、営利会社が借りておるものは、業種別にこの分は多いとか悪いとかいうことは大よその見当はつくのでございますが、そういうものでよろしければ早急に、整理して差し上げたいと思います。
#36
○河野謙三君 できないものは仕方ありませんけれども、私は業種別に畜産なら畜産、水産なら水産というものに見ても、私としては大して意味はないと思う。たとえば水産なら水産の大企業の水産に融資しておるものと、それから小企業の漁民が組織しておるものに貸しておるものと、この両方の比較検討をしてみたいということであって、ただ個人の、何といいますか、秘密に属することは発表できないということであれば別ですけれども、私は個人別に何もほしいと言っておるのではなくて、ただ水産関係なら水産に分けて会社方面に貸し付けておるものと漁民の組織しておる団体、組合に貸しておるものと、縦割りといいますか、これを分けて、分けたついでに不良債権というのでありますが、できなければやむを得ません。ただどういう傾向になっておるか、営利会社の方と漁民なり農民の組織しておる団体、組合、回収成績がどうなっておるかというくらいのことは説明が求められると思うのですが、別の機会に、もし資料がいただけなければ、その説明をある程度していただきたいと思います。
#37
○説明員(松岡亮君) できるだけ御趣旨に沿いますようにやりますが、場合によっては説明でお許しを願いたいと思います。
#38
○理事(櫻井志郎君) 午前はこの程度にいたします。
   午後零時十五分休憩
   ――――・――――
   午後一時三十八分開会
#39
○委員長(藤野繁雄君) 委員会を再開いたします。
 午前に引き続き、農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案(閣法第九八号)(予備審査)を議題として、本案に対する質疑を行ないます。
 なお、参考人としてただいま副総裁北鳥武雄君が御出席であります。なお、経理部長葛西憲夫君も出席であります。従いまして、本案について参考人に御質疑のおありの方は、あわせて御質疑をお願いいたします。
 それでは御質疑のおありの方は、順次御発言をお願いいたします。
#40
○北村暢君 公庫の副総裁にまず第一点にお伺いいたしたいのは、最近におけるこの資金の利回りについて午前中も経済局の方にお尋ねしておったのでございますが、この資金運用における問題について、最近の状況について、公庫の把握している状況について御説明を願いたいと思うんですが。
#41
○参考人(北島武雄君) お答え申し上げます。御承知の通り私ども農林漁業金融公庫は長期にしてかつ低利の資金を融通することを目的といたしております。現在のところ利率の平均は六分弱かと存じますが、資金の運用利回りといたしましては、最近三十五年度の予算につきましては五分五厘三毛、来たる三十六年度におきましては予算上五分五厘八毛を見込んでおります。私ども公庫の利率といたしましては一番低利のは三分五厘という金利がございますので、非常に実は運用上毎年苦しんで予算の編成に際しまして、政府の出資に相当部分を仰ぎまして、やっと収支合わせておる状況でございますが、三十六年度におきましても、同様に政府出資八十九億円をもちまして、結局におきまして資金運用利回りとしては五分五厘八毛、ちょうど償却引当金繰入前の利益は前年、大体予算年度と同様に計上できるということになっております。何と申しましても平均利率六分弱、こういうものに対しまして資金運用部及び簡易保険、郵便年金から拝借して参るのは六分五厘でございます。その差は政府出資とそれから自己の回収金というものに頼らざるを得ないのでございますが、おかげをもちまして三十六年度におきましても予算上八十九億円の政府出資を受けましたので、おおむね大体前年度と同程度の収支内野に推移する、こういうふうに考えております。
#42
○北村暢君 今度の近代化資金の公庫に対する影響についてお伺いいたしたいと思います。
#43
○参考人(北島武雄君) 三十六年度に割設されまする近代化資金設定に伴いまして、従来当公庫におきまして融通いたしておりました共同利用施設等につきましては、これは近代化資金に譲ることになっております。従来、これらの資金の利率は七分五厘でございました。その七分五厘の利率が系統方面に参ることになりまして、まあ理論的には収支はその関係だけでいえば悪くなった、こういうことでございますが、ただ全体の上から見ますると、近代化資金の方へ移行を見込まれましたのは約三十億程度でございますので、全体といたしましては目下のところそう私どもとして心配するところはない、こういうふうに考えております。
#44
○北村暢君 農業の近代化資金の新たな設立に伴いまして、今の御説明ですというと共同利用の施設の分が七分五厘の従来の公庫でいえば一番利率の高いものが系統に移る、こういうことでそれが三十五億程度だから大して公庫には影響がないのだとこういうような説明のようでございますけれども、最初の説明からいっても、借入金が預金部資金並びに郵便貯金等の借入金、利子のつくものが資金源としては多くなっておる。そういう中でまあ利率の高いものがほかに移って貸付条件の、農民側からすれば有利な低利なものが残る、こういうことで公庫の資金の運用という面からいって大した影響はないということがまあそのそのように簡単に理解していいのかどうなのか。このことによって公庫自体の経営の収支というものは苦しくなるというふうにまあ私どもは感ぜられるのでありますけれども、実際に大した影響はない、こういうふうに見て差しつかえないのでしょうか。
#45
○参考人(北島武雄君) 私ども申し上げましたのは、理論的には確かに仰せの通りでございまして七分五一厘のものが近代化資金の方に移行する、七分五厘の中の相当部分が移行するということは、確かに公庫の収支にとりましては非常に痛手でございます。ただ、従来の七分五厘はそのまま残っておりました。それから新しく今度三十億程度。ウエイトといたしましては、差しあたりのところそう大きなものではない、そういうことを申し上げたのでございます。しかし、ずっと七分五厘というものが公庫にとりまして非常に収支のバランスをとるものでございますが、これがずっと減るようなことがございますと、これは収支に相当大きな影響があるわけでございます。私どもといたしまして、内部的に経費の節減等に努めることはもちろんでございますが、こういう貸付の有利な、公庫から申しますれば有利な利率のものが他の方に移るということによりまして減る、収支の内容が悪くなるということにつきましては、私ども企業努力を続けてもなおかつまかなえないものは、国の財政におすがりするよりほかない、このように考えておりますわけでございます。今後ともそのような方向でもって予算の編成に努力をいたすつもりでございます。
#46
○北村暢君 次にお伺いいたしますが、従来の出資金というものと政府の出資金と借入金の状況から表で見ますというと、出資金は大体本印度が七十七億ですか、明年度予算で八十九億、こういうことのようでございます。それに対して借入金の方が相当ふえてきております。これ年々ふえているようでございますから、この面から言っても私はやはり相当この資金のやりくりについては問題が出てくるのじゃないか。それで、本来の公庫に対する農民の要求といいますか、これはやはり長期低利の資金を望ましいわけでございますから、そういう資金内容ということになってくれば、どうしても長期低利の農民の要望というものにこたえがたいような影響がくるのじゃないか。従って、公庫の運用は何んとかかんとか赤字を出ないようにやっても、それが農民にしわ寄せになって農民に比較的高い利子のものが、不利な利子のものが貸されるようになる。こういうことでは私どもは幾ら公庫の運用がうまくいっても、これは結果的にはその目的を達しないのじゃないか。そういう農民の側からすれば不利になる条件というものができてきているのじゃないか。どこかにしわ寄せがくるのではないかというような感じがするのですよ。そういう面で公庫の資金の貸し出しの場合、実情は一体どういうふうになっているのか。その点について運用面における状況というものを御説明願えないでしょうか。
#47
○参考人(北島武雄君) 毎年予算編成の際におきまして、当該年度の用途別の資金計画を立てまして農林省、大蔵省のもとに要求いたしております。予算編成の際におきましては、利率ごとに収支の状況全体を勘案いたしまして、最終的にいうと農林漁業金融公庫といたしましてつじつまを合わせるためにというよりも、少しでも収支の改善をするために政府出資の多からんことを期待し、かつ要求しているのでございます。年々財政投融資も他の方面に相当大きく増大いたして参りますので、私どもの要求が実は残念ではございますが、そのまま実現いたされておりません。ただ結果的に申しますと、毎年落ちついたところは、どうやらまあ私ども公庫といたしましては収支のバランスがとれる。それによってまた借り受けられる方々の方にもしわ寄せしないこと、こういうつもりで予算編成に臨んでいるわけでございます。もちろん、借り受けられる方々の方にしわを害せるということは、私ども全く禁物であると考えておりますので、予算編成の際に、そういう点は十分両省にお願いいたしまして、私どもも成り立つように、また借り受け者の便になるようにというふうにお願いをし、かつ努力いたしているような次第でございます。
#48
○北村暢君 貸付の予定計画というものと実績との間に、この資金をこなせないというような状況はないのでしょうか。最近の例で御説明願いたいと思うのですが。
#49
○参考人(北島武雄君) 予算編成の際の貸付決定の計画はもちろん計画でございまして、その計画にのっとって実施いたして参るわけでございますが、実施の途上におきましてやはりいろいろ多少の食い違いがございます。そういう際におきましてお資金計画の変更をいたしまして、主務大臣の御認可をあおいで調整いたしているわけでございます。たとえば本年度、三十五年度におきまして、当初貸付計画は五百十七億をもってスタートしたわけでございますが、前年度の繰り越し等も、合わせて、さらに果樹振興法の整備等に伴う調整等も合わせまして結局のところただいま五百二十五億二千八百万円という計画で参っているような次第でございまして、大体これでもっていいのではないかと思います。なお、年度末に参りまして若干多少のズレが出るかと存じております。
   〔委員長退席、理事桜井志郎君着席〕
#50
○北村暢君 最近の公庫の資金の貸付に対する造林関係の要求が相当強くなってきておる。今回も三十六年度においても予定額がふえておるようでございますけれども、ふえている状況、昨年度並びに今年度それから三十六年度、どういう方向でこれはふえているのか、この点ちょっとお伺いいたしたいと思いますが。
#51
○参考人(北島武雄君) 林業関係の資金需要は非常に旺盛でございまして、すでに昭和三十五年度におきましても当初計画が四十四億四千万円でござまして、これに対する要求は実を申しますと、この計画額を上回っておったのでございますが、三十五年度にはおきましては残念ながらこれに対する調整は余裕がございませんでしたので、三十六年度におきまして計画上相当大幅に増加いたしてございます。三十五年度には林業関係が十四億四千万円の貸付計画に対して、三十六年度におきましては七億七千万円増加いたしまして、二十二億一千万円という計画でございます。それでその七億七千万円の増加の内訳といたしましては、大きなものは、公有林の分が四億五千万円、それから小造林の分が二億五千万円増、大造林が五千万円増、補助一般が一千二百万円、こういう内容でございます。
#52
○北村暢君 ここでお伺いをしたいのは、自作農維持創設資金の従来の実績からいって、創設の方、農地の取得の方の貸し出しと、それから維持の方の取得、これの比率は大体どのくらいになっておりますか。
#53
○参考人(北島武雄君) 私のただいま記憶しておるところでは、取得関係が約三割、維持資金が七割、こういうふうになっておると存じます。詳細につきましては、さらに数字を見ましてお答え申し上げます。
#54
○北村暢君 来年度予算の自作農維持創設資金ですが、これは大体三十億ばかりふえているようですが、このふえたものは今後の自立経営農家を育成していく、こういう施策と関連してふえているのではないかと、こういうふうに思うものでございますけれども、大体この面の計画予想というものはどのように立てられて予算、貸付予定額を来年度ふやすと、こういうことになっておるのか、その内容についてちょっと御説明いただきたいと思います。
#55
○参考人(北島武雄君) 自作農維持創設資金のワクは、昭和三十五年度におきましては百三十億円でございましたが、昭和三十六年度におきましては百六十億円と、三十億円増加いたしております。百六十億円の内訳といたしましては、維持資金が六十億円、取得資金が百億円という割合でございまして、従来の取得資金、維持資金の割合に比べまして大幅な転換がございます。これはもちろん、自立農育成家のための政府の御方針にのっとったものでございます。私どもといたしましては、この御方針に従いまして、この百億円の取得資金につきまして、初年度におきましてはなかなか進捗は、私は実はあまりよくないかと思っておりますけれども、御方針に従いまして、極力その取得資金について御方針に沿った貸付をいたしたい、こう考えております。
#56
○北村暢君 そこでお伺いしたいのは、今の説明ですというと、維持資金が六十億で、取得の方が百億、こういうことのようでございますが、前年度において、百二十億のうち、維持資金が七割、取得の方が三割、従来の実績から言えば、そういうような割合にほぼなっているだろうこういうことが、三十六年度では全くこれが逆転することになるわけです。従って、逆転どころでなしに、従来の維持資金の方が相当切り詰められる格好になってくるじゃないか。こういう心配が出てくるのではないかと思うのです。それで私どもも、この自作農維持創設資金というのは、この維持資金がやはり相当なウエイトを持っているんだ、こういうふうに私は理解しておったのです。実際三対七の割合で維持資金の方が多い、こういうことであった。それを、来年度から全く逆転し、維持資金というものを六十億でみるということになりますと、従来の実績というものから、さらに維持資金の方を圧縮するんじゃないか、こういうような感じがするわけですが、これで支障がないと考えられるのか、どうなのか。この点を一つお伺いしたいと思います。
 それからもう一つは、農地の取得のための資金というか、その場合に、私は、取得するための融資をするということも、もちろん、これは自立農家を作る政府の趣旨から言えば、そういうことかと思うのですが、逆に手放す方、これは、農地なり何なりを処分をして転業する、こういうようなことにもなるんじゃないかと思うのですが、その場合に、転業資金というようなものについて、資金の需要というものが考えられなかったのか、どうなのか。これは簡単に転業農家がやめていくといった場合にでも、転業資金的なものは必要になってくるんじゃないか、このように思うのですが、公庫資金としては、そういうものが考えられなかったのか。これは政府の方針で皆さんは予算を立てられるのですから、政策面においてそういうものが出てこなければ無理ないわけですが、実際に公庫をあずかるものとして、そういうことが全然考えられなかったのか、どうなのか。この点、お伺いしたい。
#57
○参考人(北島武雄君) 自作農資金の融資のワクにつきましては、計画上、維持資金が三十五年度は八十九億円でございましたが、三十六年度には一応六十億円と減少はいたしておりますが、実際の運用面におきましては、毎年相当額に上る災害がございまして、その状況に応じて調整しながら実行している実情でございまして、一般の維持資金については、実行上大体前年通りの額は確保したいと考えております。ちなみに、三十五年度の維持資金の推定の融資額が五十七億円程度かと存じますが、三十六年度の計画量との間に大きな差はないわけであります。
 それからなお、取得資金のときに転業方面の資金は考えなかったか、こういうお話でございます。自作農維持創設資金融通法の規定に基づきまして私ども実行いたしているわけでございまして、政府の御方針も、そのような面に対しましては三十六年はお考えになっておりませんので、公庫といたしましても、もちろんそれに従っているわけでございます。いろいろ考え方としては政策上あると思いますが、私ども公庫側として申すことではないかと思っております。
#58
○北村暢君 ただいまの答弁では、まあ政策面については触れないというのですから、これは公庫としては、事務当局としてはやむを得ないだろうと思うのですが、百億の農地取得の資金によりまして、一体どの程度の取得を考えておるか。これは計画的におわかりになっておるのでしょう。
#59
○参考人(北島武雄君) 手元にちょっと数字がございませんので、御列席の農林省の政府委員あるいは説明員の方々から御答弁いただいたらけっこうかと存じます。
#60
○理事(櫻井志郎君) 北村さん、御相談しますが、政府側から答え得るなら答えてよろしゅうございますか。
#61
○北村暢君 いいですよ。
#62
○説明員(松岡亮君) ただいまの御質問は、百億の取得資金でどのくらいの土地の拡大を予想しておるかという御質問でございますが、ちょっと手元に数字がございませんで数字的に申し上げられませんが、われわれの考え方としましては、従来三十億ぐらいの取得資金が出ておりますので、このたびもしも農協法の改正を御承認いただき、農地の信託等の事業も行ない、あるいはそのほか土地の経営面積の限度を広げるというような種々の措置をとりますると、農地に対する需要は相当ふえるのじゃないか、こういうような考え方から相当大幅に増額をしたわけでございます。
#63
○北村暢君 ちょっと私記憶違いがあるかもしれませんが、増反分の未墾地取得というものも含んでおるのか。それからいわゆる自立経営農家を創設する、育成するために、兼業農家なり零細農家で土地を手放す、こういうものも含んで農地取得の百億というものが考えられているのかどうなのか、この点を一つおわかりになったら、どちらでもけっこうですからお答え願いたい。
#64
○説明員(松岡亮君) 増反用の未墾地取得分の土地の買い入れ資金というものは、一応予算には入れておりません。
 それから第二点の零細農家が手放す土地というようなものにつきましては、直接零細農家が手離す土地とかそういう考え方ではございませんが、今度は自作農維持資金の融通の対予として中庸農家という考え方を、従来とっておりますその考え方をやめまして、融資の範囲を広げたい、かように考えておるのでございます。
#65
○北村暢君 もう少し詳しく説明願いたいのですが、一体この貸付限度額はどのくらいに考えておるのか、それから具体的な例をいえば、一町歩を取得したいという者に対して、この資金によってまるまる一町歩取得するものについて全部貸してくれるものなのか、どうなのか、こういう貸付の条件といいますか、何といいますか、そういう面についての詳しいこと、取得するもののうちの半分しか融資しないか何とか、そういうこまかい規定みたいなものがあるのかどうか、今後需要が非常に多くなるのですから、そういう面についての打ち合わせというものがなされているのかどうか、この点お伺いしたい。
#66
○説明員(松岡亮君) 大体の考え方といたしましては、従来の傾向を調べてみたわけでございます。その場合、農業センサスあるいは昭和三十四年に行ないました農地移動の調査によりますると、一町五反ないし二町の層の農家が一軒当たり農地を購入した面積が二反強、平均二反二畝ぐらいでございます。これを反当たり売買価格十七万円と考えまして、大体今後は融資の限度を従来の二十万円から三十万円に引き上げます、このぐらいの自立経営農家に近いような層の農家でも買い得る程度の融資をいたしたい、かように考えておるわけでございます。
#67
○北村暢君 そうしますというと、反当たり十七万円で従来の貸付限度が二十万、それを三十万円ぐらいにしたいというのですから、さらに二反歩ぐらいしかこの融資では取得できないということになるようですが、先ほどもお伺いいたしましたのですが、それは貸し付ける金というものは五反なら五反のうち取得するというものの半分くらいしか融資はしない、こういう考え方が入っておるのですか。三十万ということで限定するというと、二反歩かそこらしか実際問題として取得できないことになるのだが、そういう方針はどういうふうになっていますか。
#68
○説明員(松岡亮君) 確かに御指摘のように三十万円を限度といたしますると五反とか七反とか買いたいという農家にとっては、その半分くらいしか融資がいかないということになるのでございますが、従来の農地の移動の実例は、大体において大部分自分の現在の経営に対する買い増しでございます。で普通比較的狭い面積の買い増しが行なわれておるのでございます。しかも、その場合に自作農維持資金に依存する度合いというものは、大体平均しまして七割強、あとはやはり自己資金をもってまかなうというようになっております。それらの実例を調査しました結果、大体三十万円程度でよろしいのではないか、かように考えたのでございます。
#69
○北村暢君 そうしますと、この点は七割強で三十万、そうすれば、大体取得する面積というものが出てくるのですけども、それでは実情に沿わないのではないか、従来の平均が二反二畝くらいであったというのですけれども、今度は政策的にあれでしょう。自作農を創設するために農地の農協に対する何と申しますか、信託制度というようなものと関連して積極的に農地を取得するということと経営を拡大するという考え方が出てきているのですから、これは従来の実績でいったんでは、私は政策的な意味をなさないのじゃないかと思います。従って従来の貸付限度額が二十万なのを三十万にふやしたのだといえば、これは十万ふえたことにはなりますけれども、これでは今非常に意欲的にしかも基本法の根幹をなす自立経営農家というものを育成していこうという段階において、全くこれはどこに意欲があるのかわからないと思うのですが、今日の農家で一町や一町五反の農家で何十万も金をかけて簡単に農地を取得できるというふうなものは非常に少ないのじゃないかと私は思うのです。ですから、どうしても農地を取得する場合には、もっと貸付限度額というものを拡大する必要があるのではないか、これは自民党さんのこの政策の中からいってもそうであるべきじゃないかと思う。聞けば聞くほど奇々怪々になってくる、やってもやらなくてもいいような状態にしか考えておらないということではないかというふうに思うのです。どうですか、これはもっと貸付限度額等についてことし一年試験的にやってみて、来年度からこれで工合が悪ければ直すというのならばあれでしょうけれども、どうも頭のいい人の考えた案としては徹底しない案のように聞えるのですが、ここら辺の考え方というものをもう少し、私はちょっと納得しかねる説明だとこういうふうに考えるのですが、何か今後においてその実情に沿わなければ、もっと大きく改めるというような考え方でもあるのかないのか、この点をお伺いしておきたい。
#70
○説明員(松岡亮君) 確かに御指摘の点は非常にむずかしい問題であると存じますが、農林省といたしましては今後経営拡大のための資金供給ということにつきましては、ますます力を入れて参りたい、こういうように考えているのでございます。
 ただただいま御指摘のありました三十万円に限度を引き上げる、一件の貸付限度を引き上げることでは不十分ではないかという点につきましては、これは個々の事例になりますると、そういう場合も出てくる可能性はあると存じますけれども、一般的に申しまして一方において貸付限度を広げることも必要でございますが、償還の方の能力の方も考えておかなければならないということでございます。一応御参考のために数字を申し上げますると、農家経済調査によりまして、大体先ほども申し上げました、一町五反ないし二町層の農家の経済余剰を見ますと、四万五千円前後でございます。これを全部償還に回すということは、なかなか容易ではないのじゃないか。かりにそれを半分と押えてみますると、まあただいまの五分二十年という条件でいきますと、やはり三十万円くらいが妥当なところである、かような算定も一応してみたのでございます。それらをいろいろ勘案いたしまして、一方において限度を引き上げるけれども、その限度は一応三十万円くらいがよろしいところではないか、かように考えたのでございます。
#71
○北村暢君 そうすると、この自作農創設資金というのは、取ることを前提にして逆算しているようなふうにしか受け取れない。そういうもので大体農地を、経営を拡大しようなんて大それた考えを持ったって、基本問題と全然今の説明だというと合わないじゃないですか。私はまあそういうふうな感じがします。
 これはここで論議していてもあれですから、これは私は、今度の基本問題との関連における今の政府の基本的な政策ですから、ですから私はくどく聞いているわけなんですが、どうも聞けば聞くほど、たよりないことになっているような感じがしますね。これはまあきょうは趣旨が違いますから、これ以上質問いたしませんけれども。
#72
○秋山俊一郎君 ちょっと関連して。私は参事官にお伺いするのはどうかと思うのですが、農林当局に伺いたいのです。
 今、自創資金の問題が出ております。またこの法案の改正につきまして、林業経営の改善に要する資金の貸出ということがうたわれているのでありますが、漁業の面においてはさっぱりこれがないのですね。私は日ごろからそういうことを要望しているのでありますが、御承知のように、油津漁業は今非常に窮乏している。この沿岸漁業が、漁業者が事故のために船も売ってしまわなければならぬ。漁具も売ってしまわなければならない。これはごく小さい五トンか六トンくらいの船で操業しておるものが、場合によっては韓国に船を拿捕されてしまったとか、あるいはまた働いている大事な支柱が病気になって働けないといったような場合に、どうにもこうにもならないようなことから転落してしまうという、非常に気の毒なケースがあるのですが、これらを救済するための施設は何にもないのですね。少し大きな船になりますと公庫から借りられますけれども、小さい船はなかなかその貸出の対象になり得ない。やむを得ずこれが転落して、病気がなおっても、船もなければ漁具もないから、結局日雇人夫にでも出なければならないということが最近だんだんと出てきております。
 そこで政府においてはこの自作農創設資金とか、今度のこの林業経営の資金とかといったふうなものに見合うふうな、いわゆる沿岸漁業の維持資金といったものを創設する意思はないかどうか、これは政府の、農林省の考え方としてそういうことが考えられたことがあるかどうか、あるいは今後考えられるかどうか、この点を一点伺っておきたいのです。私は自作農というものは、土地というものを土台にして考えておりまして、相当古くから資金は創設されてやっておりますが、なるほど土地というような、いわゆる農地法のごときものは漁業にはないにいたしましても、漁業あるいは農業の性質がよく似通っているのですから、そこでこれらのものは何もよりどころがないから転落したって仕方がないのだということは、これは許されないと思うのですが、その点は金融をあずかっておる農林省の金融関係当局として、どういうふうなお考えを持っておられますか。これは大臣に伺いたいところでありますけれども、おわかりでしたら、一つ御答弁願いたい。
#73
○説明員(松岡亮君) 私どもからお答え申し上げるのは少し僭越かとも思いまするが、実を申しますと、御指摘のおりましたような漁業経営安定資金と申しますか、自作農資金、あるいは林業資金に類似した制度を作るということについて、ただいままで十分な検討をいたしたことがございません。確かにその点において比較いたしますると、多少欠けるととろがある感があるかと思うのでありますが、林業経営資金につきましては、つい最近の研究によりまして実現することに相なると思うのでございまするが、ただ漁業につきましては多少、まあ林業が今度入ることになったにつきまして、その前に漁業の共済あるいは今度やはり御審議をいただいておりまする魚価安定基金制度、そういう方の方面から漁業経営の、特に小規模の漁家の経営安定をはかっていくということが、どちらかと言えば基本的な問題じゃないか。さらにその上に漁業経営安定資金といったようなものを考えるかどうかにつきましては、今のところ研究不足でございまして、十分研究さしていただきたいと存じます。
#74
○秋山俊一郎君 ただいまのお話しのうちの魚価安定基金というものは、全然性格が違うのですよ。これは御承知じゃないかもしれませんけれども、これは全然性質の違ったものであって、そういう林業経営とか、あるいは自作農創設維持資金とかいったようなものに似通った性格のものじゃないのです。私の言うのはそういう特殊なものでなくて、ここにありますように、林業経営者が病気になって困るような場合にも出せるような資金です。そういったものが漁業にないということはおかしいですよ。これは、今日までそういうことを考えられなかったということは非常におかしいので、私どもは少なくとも来年度においてはこれを予算に計上すべくあらゆる努力をするつもりでおりますが、金融をあずかる当局としても一つこれからでもまあおそくないのじゃない、おそいのですけれども、しっかり一つ研究をしておいていただきたい。どうも林業には山がある、あるいは木がある、また自作農には土地がある、あるいは開拓方面においてもそういうものがあるということを覆われるかもしれませんけれども、漁業をやる者には漁具もあれば漁船もあります。生産手段というものがそれぞれあるのでありまして、漁場こそ個人のものではありませんけれども、場合によっては漁業をやる許可の権利も持っておる場合があります。そういうものがみな捨てられてしまって転落する場合があるので、これを救済していくということが今日沿岸漁業の振興ということが強く打ち出されておる際に、そういうものをなおざりにしておくことは、私は非常に片手落ちだと、元来私は農林委員として見ておると農民については手厚いいろいろな措置が講ぜられておる。これは政治力のいたすところかもしれませんが、農林当局自体が先に立って、私はこういう谷間にある国定に対して思いやりのある制度を一つ作ってもらうということがぜひ必要だと思いますので、今後十分一つこれを検討しておいていただきたいと、要望しておきます。
#75
○北村暢君 今の自作農維持資金について、なお、しつこいようですが、要望にもなるかとも思うのですが、一体この平均反別が今一町足らず。それに対して三十万の融資ワク限度だということになると、反当たり十七万はするという。そうすると、これは二反か三反しか拡大できないことになるのですよ。そうすると、基本問題調査会で言っておる一町五反から二町の農家を作ろうと、こう言っているでしょう。しかも、所得倍増計画では、二町五反の農家を作ると言っている。それじゃあ、まだ全然公庫の資金だけでは問題は解決しないと思う、こういうことになると思う。もう余裕のある一町歩くらいの農家がどんどん余裕があって公庫から金を借りなくてもほかに農地取得をできる道があれば、私は無理して公庫から借りる必要もないと思いますけれども、そんな余裕のある農家なんというのは、今あなたの言われるその償還能力からいって逆算してもないのですよ。大体そうすれば、どうしてもやはり長期低利の資金にたよらざるを得ないでしょう。そのためにこそ、公庫資金というのはあるのじゃないですか。それですから、どうもこのほかにもっと農地取得するためのいい方法があれば、これは所管が農地局の所管かしれませんけれども、まだ納得するのですけれども、私はやはりこの公庫の資金が一番有利だと思う、長期低利で借りるときに。ですから、これは根本的にやはり考えを改めてもらって、改めてもらう必要が私の方じゃなしに、自民党の方からこれは要望されてしかるべきだと思うのですが、そうでないというと、みんなの考えている、政府の考えていることの実現なんというのは、どうやってやるつもりか知りませんけれども、所得倍増計画の二町五反というものとの関連において、一体どのように考えておられるのか、この点、しつこいようだけれどももう一ぺん聞いておきたいと思います。
  〔理事櫻井志郎君退席、委員長着席〕
#76
○説明員(松岡亮君) 確かに御指摘の問題はあるかと存じますけれども、所得倍増計画あるいは農業基本法の考え方、法案の考え方に基づいて、まあ今後自立経営を作って参るということは、これはかなり長い過程を要することでありますし、まあ現在平均九反弱の経営を一挙に一町五反あるいは二町五反というような目標である経営規模に引き上げるということにつきましては、まあ相当な長い期間にわたる努力も必要であります。今後農林公庫からも、自作農維持資金の融資につきましても、経済の成長に伴う農業の就業構造の変化なども勘案いたしまして、漸次拡大する方向で考えていかなければならぬとわれわれも考えておる次第であります。
#77
○北村暢君 これは実際問題として運用上、今隣りの農家がまあ五反なり七反なり手離していくといった場合に、隣の農家で買った方が都合がいい、経営規模を拡大するのに。そういう問題必ず起きてくるのじゃないですか。平均で言えば、それはあなたのおっしゃるように、一反のものをあるいは何年かかかって二反、三反とふやしていく。こういうこともあり得るかもしれないけれども、実際問題として運用される場合に、一戸の農家が離農する場合に、その一町なんというものを細分割して、もう資力がないから一反ずつ分けろと、こういうことで分けて、そうして、とんでもない離れた人まで買わなければならない。こういうことからいけば、実際の運用面からいって、この三十万円の限度額というものは、そういう運用面において非常におかしな、ちぐはぐなものができるのじゃないかというような感じがするのですよ、私は。それは農林省の大きな計画としては、漸次やっていくというのはわかるかもしれないけれども、実際の公庫の貸すという場面へいけば、当然、そういう今言ったような、私の言ったような例が出てくるのじゃないか。将来また一町歩というものは二反ずつ十カ所に分けて持つなんて、あるいは交換分合できればいいけれども、そういうようなことができない場合には、運用面として必ずそういう面が出てくるのじゃないか。その場合に、三十万円という限度額で押えるということになると、これはしゃくし定木からいけば、借りられないことになってしまうのですよ、これは。だから、従って、そういう実際の運用面にいって、そういうところについては、三十万円という限度額というものを、必ずしも守らなくていいものかどうか。今の説明だと、どうも、こえるということは非常に至難なように考えられるのだけれども、この点は今、私、答弁は求めようとしませんけれども、やはり公庫の融資なんというものは実情に即応して、借りたものがありがたがるような形で貸されるのが、私は一番いい運用の仕方だ。貸してはくれたが、さっぱりありがたみがない、こういうのでは、貸した方からいっても、運用する面において、非常に実情に沿わないような形だ、要望にこたえられないような形でまずいのじゃないか。でありますから、この点は私は、今直ちに答弁をしろとか、回答しろとかいうことは言いませんけれども、実際の運用面からいって、私は矛盾したものが出てくるのじゃないかということを感じますので、十分検討を加えていただきたい。それからもう一つお伺いいたしたいのは、果樹園造成の十億ですか、この資金と、それから自作農維持創設の農地取得のものとの、同じように取得をするということになれば、ダブるような感じがするのです。また、ダブって借りていいのか、どうなのか。自作農の方で三十万円限度額しか借りられない。それで、果樹園を、そのところに果樹園をやるということになれば、果樹園とは、造成のための資金とダブるというとおかしいけれども、一町なら一町というものを取得する場合に、自作農維持創設の方でも借りるのがいいし、それから果樹園の造成の分でも借りられる、この果樹園の造成のための限度額というのは、一体どのくらいなのか、この点ちょっとお伺いいたします。
#78
○説明員(松岡亮君) 果樹園造成の方の、資金は、果樹だなの施設を作る、及び果樹の植栽費に対する融資でございますから、土地の取得資金を含んでおりません。従って、自作農維持資金とは別に借りることができるわけであります。それから、限度は別に設けておりません。さようお考え願ってけっこうでございます。
#79
○安田敏雄君 先ほどの北村さんの御質問の中から、公庫の方にちょっとお聞きしたいのですけれども、自創の資金を先ほど最高限度額三十万と言っておりましたが、大体各地区の地域の事情にもよりまして、土地の時価は違いますけれども、価格は違いますけれども、大体公庫の場合は畑の場合は一反歩についてどれくらいの融資をするのか、あるいは田についてはどれくらいの融資をするのかちょっとお聞きしたいと思います。
#80
○参考人(北島武雄君) 業務計画課長からお答え申し上げます。
#81
○委員長(藤野繁雄君) それでは農林漁業金融公庫業務計画課長川島敬忠君を参考人としてその答弁を求めます。
#82
○参考人(川島敬忠君) お答え申し上げます。今確実な資料がございませんでございますが、大体公庫で貸しております反当の平均でございますが、田が約十万でございます。畑が三万五千ないし四万でございます。これは実際に貸し付けておりまする中で公庫の貸付金額を平均いたしますと、大体そういうことになるのでございます。
#83
○安田敏雄君 そこで今まで、田では最高どのくらい貸したか、あるいは畑では最高何反歩ぐらいまで貸したか。
#84
○参考人(川島敬忠君) ちょっと今わかりかねます。ちょっと手元ではわかりかねます。
#85
○安田敏雄君 話を変えてもう一つ問いておきたいことがあるわけですが、この三十六年度の計画の中でこの法案を見ますというと、改正法案は林業関係の経営を維持するために、まあ一部法案の改正をしたわけなんです。ところが、林業について見まして造林についてと、それから林業経営安定のためにはふえておりますけれども、林業経営を安定するというからにおいては、当然私ども考えますには林道の拡充ということが必要になってくるだろうと思う。そういう意味においてまあ今年は昨年度より林道関係が二億六千万円ばかり減になっておるわけです。こういう点からいって、公庫では昨年度の実績と照らし合わせましてこの二億六千万円の減についてはどういうふうに考えておるのかお聞きしたいと思います。
#86
○参考人(川島敬忠君) 林道資金につきましては、三十四年度におきましては当初の計画が十億六千万でございます。それに対しまして結局公庫で貸しました実績は七億八千五百万円でございます。三十四年度が、計画に対してかなり下回っているわけでございます。それから三十五年度につきましては、まだもう四、五日あるわけでございますが、ただいまのところでは大体計画が七億八千でございまして、これはほぼこの通り出るのではないかと思っておりますが、林道は公庫といたしましては、比較的需要が貸付計画一ぱい一ぱいというのが現状でございます。
#87
○安田敏雄君 経済局ではどういうように考えておりますか。
#88
○説明員(松岡亮君) ただいま公庫の方から御説明がありました通りでありまして、この融資による林道事業の方は、需要が比較的ほかの方に比べまして活発でないようでございます。そこで大体前年度をわずかに上回る程度でございますが、八億円を明年度の予定額といたしたわけでございます。
#89
○安田敏雄君 これはまたあとで私申し上げたいと思いますが、公庫の方が来ておりますから。しかし今年は造林と林業経営安定のためには大幅に増加しているわけですよ。これと見合って、むろん林道においては昨年度よりも上回らなければならない、こういうように考えられるわけなんですね。それが逆に減っているということについては、ちょっと今までの説明だけでは了解しがたいのですけれども、これはまああとで質問しますから、よろしゅうございますけれども。
#90
○北村暢君 先ほどの安田君の質問に対して、公庫からの説明を聞くと田が当反たり十万ですか、それから畑が三万五千から四万円、こういうことのようですが、実際にこれを運用されてみて農民の要望なり何なりに農地取得の融資というものが実情に沿っていると考えているのか、農民の要望にこたえておらないと考えているのか、ここら辺のところはどうなんですか。農林省はこれは政策的にいろいろ償還という問題を、返済という問題を考えて限度額をきめているようですけれども、実際に運用されて末端の事情というものは、あなた方公庫の立場で運用されておってどのように把握されているか、農林省によってきめられた限度額以内で貸せというから貸しているというだけのことで考えておられるのか、その運用面についての実際のあれですよ、経験からくる農民の要望というものをどのように把握されているか、この点お伺いしたい。
#91
○参考人(北島武雄君) もちろん、御高承の通り現存農地の移動が大幅に制限されておりますので、現在の農地移動、現行法下におけるところの農地の移動の状況におきましては、現在の二十万円の貸付の限度におきましてその私は不便をこうむっているという声を、今までに耳にしたことがないわけでございます。ただ、今回のように農業基本法関係で大幅に今度農地制度が修正になりますと、これはまあ相当大幅に増加されることと存じますので、ただ、今年度の三十万円がいいかどうか。これについては、もちろん大所高所から御観察の上おきめになったことでございますが、現在までの進行の状況におきましては、今までの二十万円におきまして、取得資金においてそう大きな制約は受けていないように思います。
#92
○安田敏雄君 今の点について、地方に行きますと、大体田が今三十万円くらいしている、一反歩。それから畑が十五万円から二十万円くらい。そうしますと、今度は政府が自立経営農家の育成ということで、積極的に農地法の一部を改正して、その面を府県を通じて、あるいは公共団体を通じて推進していきますというと、これは必然的に多少持っているより以上に値上がりをしてくるということになるわけです。そういうときにおいて、結局、従前の農地のきわめて移動のなかったこのワクでは、おそらくこの資金の活用ができなくなっていくんではないか、このように考えられてくるわけなんです。従って、こういう点については十分検討して、さらに、反当たり十万円、三万五千円というようなワクを改訂していく必要があるんではないか。でなければ、この自作農維持創設資金の金額を、総額をふやした意味にも通じないと思うのですよ。こういう点については、十分一つ検討願いたいわけです。
#93
○北村暢君 それから最後にお伺いしたいのは、今度の法案で、理事一名をふやすことになっているわけです。それで、理事一名ふやすのは、あなたの所の総裁は非常に練達たんのうの士でありますから、公庫の業務よりも、何か災害補償の委員長だとか何とかといって、外の仕事の方を相当たくさんやっているんじゃないかと思うのですがね。もう少し総裁が公庫に専念すれば、理事一名の追加の必要はないんじゃないかと、私はこう思う。これはいやがらせでなくて、そういうふうに感ぜられる。でありますから、今度ふえた理事というのは、一体何を担当されるのですか。
#94
○参考人(北島武雄君) 公庫の業務を、昭和二十八年に、たしか当時の特別会計の貸付残高約三百二十億円を引き継いで発足いたしたわけであります。昭和二十八年度は、それも二百六、七十億のたしか貸付であったと思います。それが年々増加いたして参りまして、御承知の通り、三十六年度は六百億に達しております。すでに貸付の累計も二千六百億に達しております。現在高がちょうど二千億に達しております。それにもかかわりませず、理事は当初発足いたしまして当時の陣容で参ったわけです。このような膨大な事務を処理するにつきましては、ややもすると手不足の感を免れません。もちろん、総裁は練達たんのうの士でいらっしゃるので、公庫の業務をしっかり把握していらっしゃいますけれども、それにしましても、このような膨大な業務につきまして、当初創設当時の陣容では何ともまかない切れません。そこで彼此勘格いたしまして、各理事の分担を適当に持たせることによりまして、公庫の業務の運営の適正をはかる、こういう趣旨でございます。
 一人ふえたら何を担当させる、こういうことにつきましては、実は総裁の最高方針でございますけれども、原則として、おそらく私は職員の中から登用されるのではなかろうか、こういうふうに考えております。顔融れによりまして、総裁が適当に分担をお命じになる。それによって全体の一人の分量を適正にする、こういうふうに私は考えております。
#95
○北村暢君 その点で、理事一名ふやされるのですが、支所ですか、の増設、昨年支所か出張所か……。
#96
○参考人(北島武雄君) 支店でございます。
#97
○北村暢君 支店の増設等も行なわれて、人員もふえたのだろうと思うのですがね。まあ理事一名ふやすのと、それから業務上からいって、理事がふえても、下の方の職員がふえなければ業務過重になるのじゃないかという感じがする。今回は理事一名だけがふえることになっていて、ほかの職員というものはふえないのかどうなのか。それから公庫の内容からいって、事務費、人件費というのはやはり相当ふくらむかふくらまないか。最近のベース・アップの状況からいって、昨年の十月国家公務員が賃上げになっておるわけですけれども、その後それに匹敵するベース・アップというものが行なわれたのかどうなのか。また、今後の職員の給与というものについて、来年度どのような考えであるのか、これらの問題について、この農林省の承認を要する予算とも関連あると思うので、そこら辺の事情をちょっと御説明願いたい。
#98
○参考人(北島武雄君) 理事だけがふえているのでないか、こういうお話でございますが、当初公庫が創設されました当時、たしか百人程度の人員で発足いたしました。年々増員になりまして、昭和三十五年度におきましては、職員の定数は五百四十三人、それがさらに昭和三十六年度におきましては、四十二人増加いたしまして五百八十五人、年々事務分量の増大に対応いたしまして、私どもといたしましては、これを処理する職員の増員につきましては、年々お願いいたして参りまして、貸付に支障ないようにいたしておるわけでございます。今回の役員の増員は、今まで全然増員してなかった役員に対して、業務に遺憾のないようにとにかく増員いたしまして事務処理に万全を期そう、こういう趣旨でございます。
 なお、公庫の事務を処理するに必要な事務費、人件費はどうなっておるか、こういうお尋ねでございますが、もちろん、これは予算の制約はありますけれども、私どもといたしましては、公庫の業務を円滑に遂行するために必要な予算は必ず要求いたし、また、今まで必ずしも十分とはいっておりませんけれども、まあまあこれでがまんいたさなければならぬというところまでは確保いたしております。人件費につきましても、もちろん同様でございまして、昨年の十月を起点とする公務員のベース・アップに準じまして、公庫関係におきましても大蔵省に要求いたしまして、予算の流用によりまして、公務員と同じベース・アップ率を適用することにいたしまして、すでに多分本日十月にさかのぼって追加支給いたしておると思います。どうぞ御了承願いたいと思います。
#99
○河野謙三君 漁業関係のは融資の場合に、この表を見ますと、漁港関係の融資がむしろ少しふえているが、漁船関係が当初から見ると非常にふえていますね。これはおそらく漁港関係は自治体の起債等にゆだねるというかおっつけるというか、そういうふうな農林省が方針をとって、むしろ漁業としてのワクを漁港はなるべく起債等におっつけて、漁船の方にそのワク全体を回して漁船の方の需要にこたえるというふうに、これは公庫よりも政府の方針がそうなっておるんじゃないかと思うのですが、私の想像間違いでございませんか。
#100
○説明員(松岡亮君) 漁港の事業は、御承知のごとくほかの場合に比べまして町村営とか公共団体営が多いわけでございます。従いまして、その面からいいましても、公庫の融資によらない事業が非常に多うございます。で、団体営の場合におきましても、大体非常に補助率が高いものでございますから、融資の面ではあまり進まない。特に融資単独の事業というものはございませんで、大体最近においては横ばいの状況でございます。
#101
○河野謙三君 そうしますと漁港の方の融資というのは、需要がむしろあまりないので、需要のあるままに漁港の融資はしておる、私がさっき申し上げたように起債の方にだんだんおっつけていって、そしてその分を漁船の方により多く回すように方針をとっている、こういう私の申し上げたことは私の間違いであって、政府自体にはそういう方針はないのだ、こういうことですか。
#102
○説明員(松岡亮君) 特に漁港の金を押えて漁船の方に回すということではございませんで、漁港の事業が、市町村の事業として行なわれます結果、先生がおっしゃいましたように市町村の起債によるものが多いわけでございます。補助事業につきまして、補助の残った部分に対して漁港の融資が行なわれまするけれども、その町村営につきましては、市町村の一般の起債で行なわれるのでございます。そういった関係もありまして、あまりこの方は融資単独の事業がございませんせいもありまするが、進まない、こう言ってよろしいかと思います。
#103
○河野謙三君 これは漁港のみならず各業種別に見ますと、当初から今日まで、ものによって多少の違いがありますけれども、一つの傾向としては、件数が減って金額がふえておる、そういう傾向が見えますが、これは貨幣価値の変動によることなんですか、それともそうでないあれですか。ということは、一口当たりの融資額が大きくなったということになるわけですね、そうじゃございませんか。
#104
○説明員(松岡亮君) ただいま的確なお答えは申し上げられませんが、これは多少事業によって違うかと思います。たとえば土地改良におきましては、小規模のいわゆる非補助小団地事業というようなものが非常にふえておりますので、件数からいいますとそういう件数が非常にふえているということで、一般的にそういう傾向があるということは、実は的確にお答え申し上げられませんが、必ずしもそうではない、かように考えます。
#105
○河野謙三君 たとえば一般の部で、大臣の指定施設というところを見ましても、昭和三十年には件数が千四百八十三であったものが、今度は五百二十六になっておる。なるほど金額も減っておりますけれども、これは必ずしも件数と金額というものがバランスしていないのですね。
#106
○説明員(松岡亮君) 確かに御指摘の通り、画一的な傾向は必ずしもございません。今の主務大臣指定の一般は、農舎、畜舎とかそういうものでございますが、これはほかの面での系統融資などでもかなりこの辺はカバーできておりますので、件数としても減った傾向がございます。なお、これは今回は近代化資金融通法の方に移すことになっております。
#107
○河野謙三君 わかりました。
#108
○委員長(藤野繁雄君) 他に御発言もなければ、本案についての参考人に対する質疑は終わりました。
 なお、他に御発言もなければ、本案については本日はこの程度にいたします。
 参考人は長い間どうもありがとうございました。
 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#109
○委員長(藤野繁雄君) 速記を起こして。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後三時十六分散会
   ――――・――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト