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1960/02/02 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 内閣委員会 第2号
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1960/02/02 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 内閣委員会 第2号

#1
第038回国会 内閣委員会 第2号
昭和三十六年二月二日(木曜日)午前十
時二十九分開会
   ――――――――――
  委員の異動
十二月二十六日委員矢嶋三義君辞任に
つき、その補欠として千葉信君を議長
において指名した。
本日委員片岡文重君辞任につき、その
補欠として田畑金光君を議長において
指名した。
   ――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     吉江 勝保君
   理 事
           村山 道雄君
           伊藤 顕道君
           山本伊三郎君
   委 員
           大泉 寛三君
           下村  定君
           中野 文門君
           一松 定吉君
           千葉  信君
           松本治一郎君
           横川 正市君
           田畑 金光君
           辻  政信君
  政府委員
   内閣官房長官  大平 正芳君
   内閣官房副長官 細谷 喜一君
   人事院総裁   淺井  清君
   人事院事務総局
   給与局長    瀧本 忠男君
   総理府総務副長
   官       佐藤 朝生君
   行政管理庁行政
   管理局長    山口  酉君
   北海道開発庁
   総務監理官   木村 三男君
   防衛庁長官官房
   長       加藤 陽三君
   調達庁総務部長 大石 孝章君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       杉田正三郎君
   ――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠互選の件
○国家行政組織及び国家公務員制度等
 に関する調査
 (今期国会提出予定法律案に関する
 件)
 (公務員の暫定手当、薪炭手当及び
 寒冷地手当の勧告に関する件)
   ――――――――――
#2
○委員長(吉江勝保君) これより内閣委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。去る十二月二十六日、矢嶋三義君が辞任され、千葉信君が選任されました。
   ――――――――――
#3
○委員長(吉江勝保君) 次に、理事辞任の件についてお諮りいたします。横川正市君から、都合により、理事を辞したい旨の申し出がありましたが、これを許可することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(吉江勝保君) 御異議ないと認め、さように決定いたしました。
 つきましては、直ちにその補欠互選を行ないたいと存じます。この互選の方法は、成規の手続を省略いたしまして、便宜その指名を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(吉江勝保君) 御異議ないと認めます。それでは私より山本伊三郎君を指名いたします。
   ――――――――――
#6
○委員長(吉江勝保君) 次に、本委員会に付託を予想される今期国会提出予定法律案に関する件を議題とし、大平内閣官房長官から提出予定法律案について説明を聴取いたします。
#7
○政府委員(大平正芳君) 今国会に政府提出予定法律案中、内閣委員会に付託されると思われまする法律案の件名はお手元に差し上げてございますが、この差し上げた以外に、北海道開発法の一部改正法案も本委員会にお願いすることに予定しておりますので、総件数は三十六件になります。それから、うち予算関係法案が二十六件ということになります。もっとも法制局の審査の過程におきまして、若干の移動があり得るかとも思いますけれども、ただいまの段階におきましてはそのように予定いたしております。で、この提出法律案の内容の概要につきましては、担当の政府委員から、御質疑によりまして御説明申し上げることにいたしたいと思います。
#8
○委員長(吉江勝保君) それじゃ御質疑のおありの方は御発言いただきます。
#9
○千葉信君 補足説明を、内容等について政府委員から……。
#10
○委員長(吉江勝保君) もう少し補足説明の方をしていただきます。
#11
○政府委員(佐藤朝生君) 私から、予算関係の法律案につきまして、若干御説明申し上げます。最初に、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律一部改正法案、これと、その次の寒冷地手当、石炭手当及び薪炭手当の支給に関する法律一部改正法案、この二件は、いずれも昨年度末人事院から勧告されました。前者の方は暫定手当に関する改正でございます。後者の方は薪炭手当に関する勧告に基づきまして、その線に沿って改正しようとするものでございます。
 次の国家公務員法一部改正法案、この件はILO条約の八十七号の批准に関連しまして、国家公務員の団結権に関する規定を改正し、また、あわせて総理府に人事局を設置しようとするものでございます。
 次の恩給法等一部改正案、これは大体大きく分けまして三点でございますが、第一点は、未債権者、旧軍人、軍属につきまして、加算制度の実施による恩給扶助料の給付が第一点でございます。第二点は、公務傷病恩給の間差、傷間の監査の是正、いわゆる中だるみ是正をやろうとするものでございます。第三点は、文官恩給の点でございまして、不均衡是正によりまして、昭和二十三年六月三十日以前に給与事由の生じた恩給等の改正でございます。
 次の栄典法案は、現行の栄典制度を整備して、栄典制度の基本的事項を確立しようとするものでございます。
 次の行政運営調査会法案、これは行政運営の実施措置の合理化、運営方法の能率化、あるいは行政サービスの向上をする目的をもって、これを調査するために、総理府に行政運営調査会を設置しようとするものであります。
 次の皇室経済法施行法の改正は、皇室経済法第四条第一項の、すなわち、内廷費の定額を増額し、また同法第六条第一項、すなわち、皇族費の定額を変更しようとするものであります。
 以上が総理府関係でございます。
#12
○政府委員(山口酉君) 国家行政組織法の一部改正及び行政機関職員定員法の廃止に関する法律案、これは正式の名称をまだ検討中でございますが、前年から問題になっております行政機関の職員の定員規制の制度を整備いたします関係上、政府部内で目下検討しておりますが、最近結論を得て、関係の法律を改正いたすことの御審議をいただきたい、かように考えております。
 それから一番しまいの方にございますが、行政不服審査法案並びに行政不服審査法の施行に伴う関係法律の整理に関する法案、これは前年度と本年度にわたりまして、訴願制度調査会が審議いたし、その結果答申いたしました訴願制度の改正意見に基づきまして、現在の行政事件に関する不服申し立ての規定を整備いたし、従来の訴願法を廃止いたしたいという趣旨のものでございまして、各単行法にそれぞれたくさんの従来の規定をもとにいたしました同様趣旨の法律がございます。これに伴って関係法案を整理いたしたいという趣旨のものでございます。
#13
○政府委員(大石孝章君) 防衛庁関係中調達庁関係の提出予定の法律案につきまして御説明申し上げます。
 まず、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約に基づき日本国にあるアメリカ合衆国軍隊による船舶の航行等から生ずる損害の賠償の請求に関する特別措置法案、この件につきましては、私どもは特殊海事損害と呼称しておりますが、特殊海事損害をこうむりました被害者について国があっぜん、補償援助等の、必要な援助を行なおうとするものであります。ここにいう特殊海事損害とは、アメリカ合衆国軍隊の船舶の航行等から生じます物品損害に関する損害をいうわけでございますが、この賠償の請求に関しましては、旧行政協定下におきましては、当協定第十八条第三項の規定におきまして、日本の政府機関により処理され、または日本の裁判所の裁判により解決されて参ったのでありますが、新協定によりましては、同協定第十八条第五項(g)の規定によりまして、このような処理手続はとらないことになりました。従いまして、米国の政府機関または裁判所により処理されるということになるのでございます。そのように改訂されましたのは、この種の海上におきますところの船舶に関しまする損害賠償の請求のような特殊の事案につきましては、NATO諸国のごとく取り扱われるのが通常国際通念ということになっておるのでございまして、米国の関係法令に十分通暁しない、または言語慣習等に相違があります日本国民に対しましては、国が援助を行ない、円満な解決をはかる必要があると存ずるからでございます。そのような事案につきまして、先ほど申し上げましたように、国があっせんあるいは訴訟援助等の必要な援助を行なう必要があるという事案でございます。
 次に、連合国占領軍等の行為による被害者等に対する給付金の支給に関する法案(仮称)でございますが、これは占領期間中、連合国軍等の行為によりまして、生命または身体に損害を受けました被害者に対しましては、行政措置によりまして見舞金を支給して参ったのでございますが、講和発効後におきますところの同種被害者に対する行政協定第十八条に基づきます取り扱いと比較いたしますと、その間に相当不均衡な面があり、かつ、これら被害者につきまして実態調査の結果、救済を要する点がありますので、立法措置によって国が給付金を支給し、救済を行なおうとする措置でございます。
 以上二点でございます。
#14
○委員長(吉江勝保君) 木村北海道開発庁総務監理官に説明願います。
#15
○政府委員(木村三男君) 北海道開発法の一部を改正する法律案、ただいま追加していただきましたが、内容は機構に関する問題であります。北海道開発法の中には、設置法に属する部分が入っておりまして、今度予定しておりますのは、開発庁の内部機構を整備いたしまして、従来は大臣の下にすぐに課がくっついていたわけでございますが、官房及び一局を作りたい。振りかえになりまして、人は一人もふえません。そういう格好のものでございますが、これはほかの省の機構とも関連しますので、ただいま政府部内で検討いたしております。私どもとしましては、予算もこのようになっておりますので、この法律案がこの委員会で御審議願うことと存じまして、ただいまのような内容を御説明申し上げました。
#16
○委員長(吉江勝保君) 佐藤副長官に御説明願います。
#17
○政府委員(佐藤朝生君) 先ほど御説明いたしましたほかに、総理府関係のものがございますので、追加させていただきます。
 総理府設置法の一部改正法案、これは科学技術庁関係でございますが、海洋科学技術審議会を設置しようとするものでございます。その他二、三の委員会で、本府に設置しようかどうかということを検討中でございます。この点まだ決定いたしておりませんで、現在きまっておりますのは、海洋科学技術審議会の設置につきまして、総理府設置法の一部を改正するということでございます。
 次に、科学技術庁の方がみえておりませんので、科学技術庁関係を簡単に御説明申し上げます。科学技術会議設置法の一部を改正する法律案、これは科学技術会議議員のうち、科学技術に関してすぐれた識見を有する者のうちから、総理大臣が任命する議員を二人増加いたしまして、五人とする案でございます。
 次に、原子力委員会設置法の一部を改正する法律案、これは原子炉の安全性に関しまして審査を行なうために、原子力委員会に原子炉安全審査会を付置しようとするものでございます。以上追加でございます。
#18
○委員長(吉江勝保君) ちょっと速記
 とめて。
   〔速記中止〕
#19
○委員長(吉江勝保君) 速記つけて。
#20
○政府委員(佐藤朝生君) 防衛庁設置法一部改正法案につきまして、簡単に御説明申し上げます。
 自衛官の定員を二十三万九百三十五人から、二十四万二千人に増員し、その他の職員を合わせました総定員を、二十五万四千七百九十九人から二十六万八千三百三十三人に改める。その他統合幕僚会議の権限を強化するため改正を行なう等の改正でございます。
 次に、自衛隊法の一部を改正する法律案でございますが、陸上自衛隊の六管区隊及び四混成団を十三師団に改編することといたしまして、明年度を第一年度として八個師団に改編する、明後年度中に改編を完成するため必要な規定を設ける等、その他の改正でございます。
 経済企画庁設置法の一部改正法律案、これは経済企画庁の付属機関といたしまして、国民生活向上対策審議会を設置するものでございます。
 次に、各省関係を申し上げますと、法務省設置法の一部を改正する法律案、これは法務総合研究所の権限を整備強化するものでございます。
 外務省関係は、ちょっと内容がはっきりいたしません。
 次に、大蔵省設置法の一部を改正する法律案、これは主税局税関部を関税局に昇格させ、付属機関として会計職員研修所及び財務研修所を設置するものでございます。その他金融機関資金審議会を法制化するものでございます。
 次に、厚生省説置法の一部を改正する法律案、これは病院管理研修所の名称を、病院管理研究所に改める。社会保険研修所を設置する。引揚援護局の名称を援護局に改める等の改正でござ
 います。
 農林省設置法の一部を改正する法律案、これは農業に関する試験研究態勢を整備強化する。その他神戸植物防疫所の名古屋支所を本所に昇格する等でございます。
 通商産業省設置法の一部改正法案、これは産業構造調査会を設置し、顧問会議を廃止する。石炭鉱業対策審議会を設置する等の改正でございます。
 運輸省設置法の一部を改正する法律案は、本省の支分部局として伊勢湾港湾建設部を設置する。自動車審議会の設置期限を一年延長する等の改正でございます。
 海上保安庁法の一部を改正する法律案は、南九州を管轄区域といたします第十海上保安管区を設置するものでございます。
 次に、自治省設置法の一部を改正する法律案は、地方財務会計制度調査会の設置期限を一年延長するものでございます。
 以上、判明しておるものは大体そのようなものでございます。
 次に、外務省設置法の一部を改正する法律案は、外務省の欧亜局に中近東アフリカ部を設置するものでございます。
 労働省設置法の一部を改正する法律案は、所掌事務及び組織について若干の改正を行なうものであります。
 建設省設置法の一部を改正する法律案は、建設行政の運営の合理化をはかるために、本省及び地方建設局の機構の整備をはかるとともに、付属機関でございます公共用地取得制度調査会の設置期間を一年延長しようとするものでございます。
 漏れました国家公務員共済組合法の一部を改正する法律案は、厚生年金保険法の改正に伴いまして、各種年金の最低保障額を引き上げるものでございます。また、公務員のベース・アップに伴いまして、最高支給制限を設けるものであります。
 次の国家公務員等退職手当法の一部改正法案、これは現行法の特例によりまして、在職期間が認められておる場合の退職手当の除算方法等につきまして是正するなどの所要の改正を行なうものであります。
 公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案、これは恩給法等の改正に伴いまして、軍人恩給、公務員期間を組合員期間に算入する。また、遺族年金の支給条件及び遺族の範囲等につきまして、国家公務員と同様にするという改正案でございます。
 それから、選挙調査会法案、これは選挙制度の改正、その他選挙の公明化を推進するための具体的方策を調査審議しようとするものであります。
#21
○委員長(吉江勝保君) 公共企業体職員の「(郵政省所管)」というのは、先ほどの説明と同じなんですか。
#22
○政府委員(佐藤朝生君) 「(郵政省所管)」と書いてございますのは、これはおそらく運輸省所管と同じ法律案になると思いますが、長期給付の内容を合理化するという点がありますが、これはおそらく法律案として出ますときは一緒の法案になると思います。
#23
○委員長(吉江勝保君) 大体以上で、あとないようですね。
#24
○千葉信君 官房長官に申し上げておきますがね。今、今国会に提案される法律案の概要等について承りましたが、最初あなたの方から説明をいただいたときに、それぞれの概要あるいは内容等については、政府委員の方から申し上げることにいたしますという御説明でございました。ですから、私は、あなたの説明を聞いたあとに政府委員の説明を求めたわけです。どうもその説明の状態を見ておりますと、これはだれでも感じたことだと思うのですが、実に不体裁だと思います。そこへ来てから原稿を狩り集めてみたり、手招きして助言を受けたりして説明をしておる。説明する席もばらばらである。傍聴席の方かどこかから説明をしておる者さえある。まあ席のことはいいとしても、こういう不体裁にわたらないように、もう少し審議を慎重に、ある程度の権威を持たせるために、もっと事前に打ち合わせなり、あるいはまた統合するなりして、あなたのところでまとめてもらうようにしたいと思うのです。これを官房長官に劈頭に御注意申し上げておきます。
#25
○委員長(吉江勝保君) それじゃ何か御質疑ございましたら続いて発言願います。
 それじゃ御発言もないようでありまするので、本件の説明はこの程度に聴取いたしておくことにいたします。
   ――――――――――
#26
○委員長(吉江勝保君) 次に、国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査を議題とし、昨年十二月二十七日、人事院から国会及び内閣に対して勧告されました暫定手当の支給地域の区分等に関する勧告、薪炭手当の支給額等に関する勧告並びに内閣に対して勧告されました寒冷地手当の支給地域及びその区分についての一部修正の勧告について、人事院当局から説明を聴取いたします。
#27
○政府委員(瀧本忠男君) それでは、昨年十二月二十七日に人事院が行ないました薪炭手当に関しまする勧告と、暫定手当に関しまする勧告、これは国会と内閣に対して行なったものでございますから、この説明を申し上げます。あわせて寒冷地の支給区分の是正につきまして内閣総理大臣に勧告をいたしたのでございまするが、これも御説明申し上げます。
 まず、薪炭手当の問題でございます。薪炭手当につきましては、従来その最高額が五千円でございました。これを七千五百円にするという勧告をいたしたのでございます。それで、人事院が考えておりますることは、支給地におきまして現在最高額が五千円でございますものを七千五百円に、で、従来準世帯、これが薪炭手当がなかったのでございますが、この際新しく設けまして、これを五千円とする。それから、いわゆる単身者その他の者につきましては、従来千七百円でありましたものを二千五百円にする。こういう勧告でございます。なお、四級地につきましては、現在世帯主が二千五百円でございますが、これが三千七百五十円、それから準世帯につきましては二千五百円とすることを考えておるのでございまして、その他の単身者につきまして、現在八百五十円のものを千二百五十円にする、このようなことを考えております。
#28
○伊藤顕道君 現在発言中だが、ちょっと……。
 昨日の理事会で、淺井さんも五日におやめになるので、きょうこの機会に、淺井さんから大綱について御説明をいただきたい、そういうことできようお願いしたわけです。もちろん細部については給与局長でけっこうだと思うけれども、大綱については、もう説明を伺えないわけだから、やはり勧告された総裁みずからの説明を承るのが筋であろうと思うのです。そういう理事の打ち合せであった。途中で変ですが。
#29
○委員長(吉江勝保君) では、趣旨の大綱を総裁の方から。
#30
○政府委員(淺井清君) 説明に先立ちまして、一言ごあいさつをさせていただきたいと思いますが、私、任期満了になりまして、このたび退職さしていただくことになりました。どうも長い間にわたりまして当委員会の御指導を得ましたことに対して、深く感謝をとの席上で述べさしていただきたいと思うのでございます。どうも御指導に沿い得なかったことが多々あると存じまして、深くおわびをする次第でございます。なお、後任の総裁並びに人事院に対しましては、どうぞ一そうの御指導を賜わりますよう、この席上からお願いいたす次第でございます。(拍手)
 ただいま議題となっておりまする国家公務員に対しまする寒冷地手当、石炭手当及び薪炭手当に関します勧告について申し上げたいと存じます。
 今回の勧告は、第一には、世帯主たる職員及びその他の職員に対する薪炭手当の支給最高限度額を、それぞれ七千五百円及び二千五百円とすることでございます。
 第二は、世帯主たる職員のうち国家公務員に対する寒冷地手当、石炭手当及び薪炭手当支給規程に、第一条の二第二号、つまり準世帯でございまするが、それに対する薪炭手当の支給の最高限度額を五千円とすることでございます。
 それから暫定手当につきましては、国会の附帯決議の御趣旨に沿いまして勧告をいたしたのでございますが、御承知のごとく、この暫定手当は一度にはどうしても解決し得ないものと思いまして、今回やりましたところは次のごとくでございます。それは第一には、一つの市町村内におきまして暫定手当が支給されていない地域のある場合は、支給されていない地域を最低の支給地域区分に改め、また、一つの市町村について、その全地域について暫定手当が支給されておりますけれども、その支給地域区分を異にする地域がある場合におきましては、現に支給されている最低の支給地域区分を一段階上位の支給地域区分に改めることでございます。
 第二には、職員がその受けている暫定手当の支給地域区分より低い区分の地域、または暫定手当の支給されていない地域に異動しました場合は、その異動の日から六カ月に限り、異動前の地域区分に応ずる暫定手当を支給するという措置を講ずることとした点でございます。
 なお、このほかに寒冷地手当の支給地域区分に対して若干の是正をいたしました。これは給与局長より申し上げさせるととにいたします。
#31
○政府委員(瀧本忠男君) これは私から若干御説明申し上げます。
 ただいま総裁からお話がございましたように、寒冷地手当の支給区分につきまして、若干の是正をいたしました。これは内閣総理大臣に対する勧告でございます。人事院は、前二回にわたりまして寒冷地の地域区分の是正をいたしたのでございまするが、これは人事院が中央気象台の資料に基づきまして、寒冷地の各地区分の格づけをいたすということをいたしております。その資料に基づきまして、人事院はこれ以上はできないであろうという限度までやったのでありまするが、やはり多少その後に調査資料を得ましたもり等がございまして、過去二回その是正をいたしておるのであります。もう人事院は、この程度以上には寒冷地の地域区分を是正することはむずかしい。なぜむずかしいかと申しますと、気象庁の資料なるものが全国至るところにあるわけでございませんので、これは数が限られております。その数が限られておりますために、その所在地における条件は十分わかりますけれども、その管区気象台あるいは県内観測所のないところにおきましては、気象庁で作っておりまする、いわゆる等温線というようなもの、あるいは雪の降ります度合い、等積雪度線というようなものによりましてこれを推定して参る。これは中央気象台から出ておるのでございます。そういうものでやるより仕方がない。で、過去二回にわたりましてどういうところを拾ったかと申しますと、等温線並びに等積雪度線で見て参るわけでございまするが、たとえば風の度合いでありますとか、寒冷が非常に強い場合、風の度合いが強い場合はこれは考慮を要します。あるいは日照時間の問題でありますとか、あるいは降雪の深度が深くても、その積雪期間が割合に短いという場合と、深度は多少深くはないけれども、積雪期間が非常に長いというような場合があるわけでございます。そういうことをいろいろ見まして補正をいたすということにいたしたのであります。今回のわれわれの考えといたしましては、もう人事院が現在の資料に基づきまして考え得る最後の修正をいたした、このように考えております。今回寒冷地手当の支給地域につきまして、地域の格上げをいたしたわけでございまするが、その地域数は全部で百六十三、との百六十三と申しますものは、昭和二十七年の四月一日の行政区画によっております。なぜ新しい最近の行政区画によらないかということが問題になるのでございますが、最近の非常に広地域にわたります行政区域を各単位として取り扱うことは、寒冷地手当の場合にはどうも適切を欠くのじゃないか、やはり中を細分いたしまして、それぞれに適したような措置を考える方が実情に適しておる、このように考えまして、われわれとしては二十七年四月一日の行政区画でやっております。それによると百六十三の地域をそれぞれ格上げをいたす、こういうことになるのでございます。また、それには二十七年四月一日現在の行政区域内の中で、さらに字単位にものを考えた方がより適切ではないかという問題がございまするが、これは事実上その字指定をいたしていくということは、もうわれわれの能力の限界をこえるという問題でございまするので、われわれ二十七年四月一日現在の行政区画によってやったその結果は、お手元に差し出しておりまするような別紙についております地域を、それぞれ級地の改訂をいたした、こういうことでございます。
 なお、念のためにつけ加えて申しますると、昨年の人事院の給与勧告によりまして、おおむね一二・四%の給与改善が行なわれたわけでございます。寒冷地手当というものは、本俸に対する率で規定してございまするので、従いまして、これは自動的になるわけでありまするが、寒冷地手当の金額そのものは、本俸が上がっておりまするので、何ら寒冷地手当の率の引き上げということを行いませんでも、これは一二・四、平均的な話でございまするけれども、上がっておる、こういうことに相なるのでございます。そういうふうに上がっておるのでありまするが、さらに現在の地域区分におきまして、いろいろな条件を考慮いたしまして、上げた方が適切である。百六十三の地域を、今回それぞれ別紙のような格上げをいたす、こういう次第でございます。以上が大体寒冷地手当の支給区分の格上げの御説明でございます。
 暫定手当につきましては、ただいま総裁からお話がございましたように、かねて国会の附帯決議もついておりまするし、昨年の給与法の改正の際に、新たに人事院に義務の権限が付与されたわけでございまして、その後鋭意われわれ研究をいたしたのでありまするけれども、現在抜本的にこの制度を変えるというところまではなかなか研究が進まなかったわけでございまして、さしあたり一番困っておる問題は何かというと、これはやはり附帯決議もついておりまするように、非常に広い行政区域内におきまして、この暫定手当の支給割合が違っておるということのために、人事交流等に非常に困難がある。それを何とかしよう、これが一番の問題点でございます。同一行政区域で級地がいろいろ違っておるものがどれぐらいあるかと旧しますると、現在全体の市町村数が三千五百ある中で、百七十九あるわけであります。そのほかのものは四級地なら四級地ということで、同一行政区域内は統一されておる。従って、同一行政区域内における異動というものは、その限りにおいて困難でないということがあるわけでございまして、とにかく一つの区域内に支給率の異なっておるような市町村が幾つあるかというと、百七十九ある、こういうことになるわけであります。今回は、ただいま総裁が御説明になりましたように、同一行政区域内におきまして支給率の異なっておるものがありまする場合には、最低の部分を一段階ずつ上げる、こういう措置を講ずる勧告をいたしたのでございまして、その結果、百七十九のうち、百二十五はみな同一支給率に相なり、残るのは五十四ということでございまするが、五十四も従来よりも段階が一段階圧縮された形で残る、こういうことに相なるのであります。五十四を全部片づけてしまったらどうだという御指摘もあろうかと思いまするが、同一行政区域で、たまたま隣りとほとんど条件が変わっていないのに、片方は三級地を含む市町村、市に合併されたために、一挙に三級地になってしまい、片方はそのままであると、別の意味のアンバランスを起こすということがございますので、人事院といたしましては、いろいろこの点を検討し、熟慮いたしたのでございますが、そういう別の意味の不均衡を起こす場合もあわせ考えまして、現在におきます同一行政区域内における級地の是正をいたします際に、一段階だけ上げる。そのことによりまして百七十九のうち、百二十五が解消する、こういうことになるのでありまして、まず、さしあたりはこの程度で一応問題の解決をはかることを考えなければならないのではなかろうか、このように考えている次第であります。なお、そのほかの同一行政区域内で支給率の異なるものを含まない場合におきましても、その全体的な人事交流にはやはり困難があるという事情に変わりはないわけであります。それをどういうふうにやるかということをいろいろ考えたのでありまするが、現在ある人が異動するという場合に、その困難が直接現われてくる。そうして級地の高いところがら級地の低いところに異動いたしますると、これは給与の額が減るわけでございます。異動に伴いまして給与が減る。しかし、生活習慣というものは、新しい任地の生活習慣に必ずしも最初からなじまないということもありまして、まあその点は非常に困難があろうと思うのであります。これは六カ月ぐらいもすれば、その新しい任地の生活慣習にもなれるであろうということを一応期待いたしまして、今後異動の際におきましては、六カ月間は従来の異動前の高い級地の暫定手当額を保障するという措置をあわせて講ずることにしたらいかがなものであろうか、こういう勧告をいたした次第でございます。なお、薪炭手当につきまして、最高額七千五百円という金額を勧告いたしたのであります。この薪炭手当の金額を幾らにするかという問題につきましては、いろいろ各方面におきまして御研究があったようでありまするが、人事院といたしましては、やはりこの寒冷地手当、薪炭手当合わせまして、北海道におきましては石炭手当、寒冷地手当と合わせて、これはいわゆる寒冷のための増高費に対しまして出される手当でございますが、そういう関係から、寒冷増高費というものが全体として幾ら要るものであろうかということをいろいろ研究をいたしました。しかし、これはなかなか資料不十分でございまして、その計算にはいろいろまた御批判もあろうかと思いますが、とにかく人事院はそういう研究をやってみたわけであります。そうしますと、大体七千円から七千五百円、内地における五級地におきましては、大体その程度薪炭手当を増額するということがどうも適切であるというような一応の目安を立てたのであります。たまたま公社現業におきまして現在支給されておりまする金額をながめて見ますると、七千円ないし八千円というところの金額に相なっているのであります。この両者をにらみ合わせまして、七千五百円という数字が適当であろうというふうに考えた次第であります。今回準世帯を設けまするが、その準世帯につきましては五千円ということになって、現行の五千円と同額でありますので、準世帯を新たに設けたということによって、そういう人々が実額が減るということにはならないような工夫もいたした次第でございます。
 以上、簡単でございましたが、寒冷地手当、薪炭手当、暫定手当について勧告の御説明を申し上げた次第であります。
#32
○辻政信君 御説明は承わりましたが、個々の部落をどの級に上げるかという問題は、天然現象のほかに、政治力が影響している、陳情、請願。そこで政治力のなかった、陳情することも知らんような山の中の公務員たちが非常に不幸を見ている、こういうこともございますから、その資料はこの次の本格的な審議のときに御準備願いたい。
   ――――――――――
#33
○委員長(吉江勝保君) 議事の途中でございますが、委員の異動について御報告いたします。
 本日、片岡文重君が辞任され、田畑金光君が選任されました。
   ――――――――――
#34
○委員長(吉江勝保君) なお御質疑のおありの方は御発言願います。
#35
○千葉信君 ただいま御説明をいただきました問題の質問については、大体理事会でも次回ということになっているようですから、私はその問題に触れませんが、一点だけこの際人事院にお尋ねしておきたい。
 それは、昨年人事院から行なわれました勧告によって、一般職の職員の給与の改定が行なわれました。同時に、この勧告に準じて改定を行なった特別職の公務員がたくさんあります。その特別職のある職場で、しかも身近の職場で、人事院の勧告とは違った扱いをしている事実があるようです。それはどういう点が違っているかというと、たとえば二級六号という俸給を受けていた職員に対して、人事院の勧告に基づく給与の改定によってやると金額があまりにかさばり過ぎるから、多くなり過ぎるから、これを二級四号で給与を改定したという事実があります。これは単に一つの例だけですが、それ以外たくさんそういう扱いを受けているところがあるようであります。これは調査をしましたところが、今申し上げたような、あまり給料が上がり過ぎるから考慮を加えた。それからもう一つは、昇給期がごく間近にきているから、その昇給期の計算についても考慮を加えて、まあそのうちに昇給するのだからいいじゃないかという考え方でこういう扱いをしたということです。こういう人事院の勧告に対して、こういう旧号俸を改定することについて、人事院の勧告と食い違わないか、食い違うかということで人事院に照会した事実があるかどうか。また人事院で、そういう点について解釈を左右できるような回答を行なった事実があるかどうか、これを確かめておきたいと思います。
#36
○政府委員(瀧本忠男君) ただいまのお話でございまするが、一般職の問題でございましょうか。
#37
○千葉信君 問題の起こりましたのは特別職でございます。しかし、その特別職の給与の改定の場合に、人事院の勧告に準じて給与を改定するという大前提に立って回答している。しかも、今申し上げたような事実が起こっている。
#38
○政府委員(瀧本忠男君) 一般職の場合を前提としてお話し申し上げまして、多少人事院の考え方を申し上げたいと思いまするが、人事院が昨年勧告いたしましたものは、多少の、ごく些細な、法律案となりますとき並びに国会におきまして御審議の結果、変更があったわけでありますが、大筋は変わらない。従いまして、その御審議願って決定いたしました法律に基づきまして、われわれは切りかえ措置とか、あるいはすべて万般のことをきめているわけでございます。従いまして、新しい俸給額に切りかえられます際には、すべてそれによらなければならない。これは厳格によっているものであると私も思っておりますし、また、現に切りかえ後はとういうふうな、誤まりがなかったかどうか、こういうことは、われわれ給与監査を通じて、現在、なお今後行なうということにいたしております。特別職の場合、もし一般職に準じてやるということになっているのでありますれば、われわれの権限ではないのでありますけれども、やはりそれに準じてやることが適切である、このように考えます。
#39
○千葉信君 そうすると、確かめておきたいのは、そういうやり方をすることについて、勧告の解釈について人事院に照会があった事実などはないわけですね。
#40
○政府委員(瀧本忠男君) 今直ちに私申し上げられないんですが、私が関知する限りでは、おそらくまだなかったのじゃなかろうかと思っておりますが、よく調べてみます。
#41
○委員長(吉江勝保君) ほかに御発言ございませんか。ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#42
○委員長(吉江勝保君) 速記を始めて。人事院総裁は、この委員会にお出になりますのも、きょうが最後のようでございますので、委員会を代表するというと何でございますが、一言委員長の方からごあいさつしてよろしいでしょうか。
  〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#43
○委員長(吉江勝保君) それでは……。
 淺井人事院総裁には、昭和二十三年と申しますと、国家公務員法が作られましたその翌年から人事官に御就任になりまして、三期十二年の間ずっとお勤めをいただきました。その間、当委員会に常に御出席いただきまして、私ども委員会の討議に御参加、非常に熱心に質問にも質疑にも御答弁をいただきました。私ども参議院の内閣常任委員会としましては、淺井人事院総裁のその御努力を深く多といたしているものでございます。御退任になりましても、どうか御加餐をいただきまして、御健勝であられますようにお祈りを申し上げまして、まことに簡単でございまするが、本委員会のあいさつにさしていただきます。(拍手)
 それじゃ他に御発言もなければ、本日はこの程度にとどめて散会をいたします。
   午前十一時二十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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