くにさくロゴ
1960/02/28 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 内閣委員会 第6号
姉妹サイト
 
1960/02/28 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 内閣委員会 第6号

#1
第038回国会 内閣委員会 第6号
昭和三十六年二月二十八日(火曜日)
   午前十時四十八分開会
   ――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     吉江 勝保君
   理 事
           石原幹市郎君
           村山 道雄君
           伊藤 顕道君
           山本伊三郎君
   委 員
           大泉 寛三君
           木村篤太郎君
           下村  定君
           中野 文門君
           一松 定吉君
           千葉  信君
           横川 正市君
           田畑 金光君
           辻  政信君
  国務大臣
   大 蔵 大 臣 水田三喜男君
   運 輸 大 臣 木暮武太夫君
   郵 政 大 臣 小金 義照君
   労 働 大 臣 石田 博英君
   建 設 大 臣 中村 梅吉君
   国 務 大 臣 迫水 久常君
  政府委員
   日本専売公社監
   理官      谷川  宏君
   運輸大臣官房長 辻  章男君
   郵政政務次官  森山 欽司君
   郵政大臣官房長 荒巻伊勢雄君
   郵政省電気通信
   監理官     松田 英一君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       杉田正三郎君
  説明員
   宮内庁長官   宇佐美 毅君
   運輸省鉄道監督
   局参事官    山口 真弘君
   日本国有鉄道厚
   生局長     八木 利真君
   ――――――――――
  本日の会議に付した案件
○海上保安庁法の一部を改正する法律
 案(内閣送付、予備審査)
○労働省設置法の一部を改正する法律
 案(内閣送付、予備審査)
○建設省設置法の一部を改正する法律
 案(内閣送付、予備審査)
○大蔵省設置法の一部を改正する法律
 案(内閣送付、予備審査)
○皇室経済法施行法の一部を改正する
 法律案(内閣送付、予備審査)
○公共企業体職員等共済組合法の一部
 を改正する法律案(内閣提出)
○経済企画庁設置法の一部を改正する
 法律案(内閣送付、予備審査)
○一般職の職員の給与に関する法律の
 一部を改正する法律の一部を改正す
 る法律案(内閣送付、予備審査)
   ――――――――――
#2
○委員長(吉江勝保君) これより内閣委員会を開会いたします。
 まず、二月二十五日予備審査のため本委員会に付託されました海上保安庁法の一部を改正する法律案を議題といたします。政府から提案理由の説明を聴取いたします。
#3
○国務大臣(木暮武太夫君) ただいま提案されました海上保安庁法の一部を改正する法律案の提案の理由を御説明申し上げます。
 この法律案の要点は、まず第一に、九州方面をその区域とする第七海上保安管区を二分いたしまして、南九州方面をその区域とする第十海上保安管区を新設することであります。
 第七海上保安管区における海上保安業務は、近年著しく増加いたしまして、他の管区における業務量との間に不均衡を生じており、その上朝鮮周辺海域における漁船の保護等の、特殊かつ重要な業務を担当している関係上、業務の運営に非常な重圧を感じている現状であります。
 一方南九州方面につきましては、台風が常襲する南西海域における海難救助、水路観測等の重要な業務があり、一つの管区としての業務量を十分備えております。従いまして、この九州方面を二つの管区に分けて、第七海上保安管区を北九州方面のみとし、同管区の業務量の適正化はかるとともに、熊本、宮崎及び鹿児島の三県並びにその沿岸水域を区域とする第十海上保安管区を新設し、南九州方面における海上保安業務の円滑な遂行をはかりたいと存じます。
 第二に、一つの管区海上保安本部の所掌事務の一部を、その境界付近の区域に関するものに限って、他の管区海上保安本部に分掌させることができるようにすることであります。
 海上保安管区の境界は、原則といたしましては、都道府県の境界によっております。しかし、海上保安業務の中には、必ずしも都道府県の境界で分割し得ない性格を有するものもありますから、この都道府県の境界による海上保安管区の区分は、時には、境界付近における航路標識の管理、警備救難業務の遂行等に支障を来たすことがございます。今回の第十海上保安管区の新設によりましても、同管区と第七海上保安管区との境界付近にあります若干の航路標識等につきましてこのような事態が生ずるのであります。従いまして、こうした不合理を是正いたしまして海上保安業務を円滑に遂行するため、所掌事務の一部を他の管区海上保安本部に分掌させることができるようにいたしたいと存じます。
 第三に、第六海上保安管区及び第七海上保安管区の区域の変更であります。
 従来、山口市は第七海上保安管区の区域でありますため、第六海上保安管区の区域である町村が第七海上保安管区の区域の中に飛び地として存在しております。このことは、その沿岸水域における業務の運営に支障となっている現状であります。従いまして、第七海上保安管区の区域内にあります山口市を第六海上保安管区の区域に移し、両管区の境界の合理化をはかることにいたしたいと存じます。
 以上がこの法律案を提出した理由であります。
 なにとぞ慎重に御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願いいたします。
#4
○委員長(吉江勝保君) 以上で提案理由の説明は終了いたしましたが、自後の審査は、これを後日に譲ります。
#5
○委員長(吉江勝保君) 次に、二月二十四日予備審査のため本委員会に付託されました労働省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から提案理由の説明を聴取いたします。
#6
○国務大臣(石田博英君) ただいま議題となりました労働省設置法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
 最近の雇用情勢は、わが国経済の成長を反映して、全般的には改善されておりますが、その半面、労働力需給の内部に種々の不均衡が見られ、技能労働者の不足など、経済の成長を制約するおそれのある事態さえ現われ始めております。
 この技能労働者の不足は、今後における経済の成長に伴い、さらに激化するものと考えられます。また、一方には石炭鉱業、駐留軍関係における離職者の集中的発生、中高年令層の就職難の問題が存するのであります。
 私は、かねてから経済の高度成長をささえ、これを促進する積極的な雇用政策の推進を労働行政における重要な一つの柱と考えているのでありますが、産業構造の高度化と技術革新の進展は、生産現場における技能労働者の質の向上と量の確保を不可欠の要件としており、技能労働者を質量両面で確保するための施策を強化することは現下の急務であります。また、このことは労働者の職業の安定と地位の向上に資するものであると確信いたすのであります。
 政府といたしましては、このような観点に立って、国民所得倍増計画の構想に基づき、職業訓練の拡充強化、技能検定制度の整備をはかり、技能労働者の養成訓練の拡充及び現に雇用されている労働者に対する再訓練を推進するとともに、当面の雇用情勢にかんがみ、転職者、離職者に対する転職訓練を促進することとし、また、技能検定もこれを拡大実施することといたした次第であります。
 従来、職業訓練に関する事務は、労働省職業安定局職業訓練部において所掌して参ったのでありますが、本事務の重要性にかんがみ、政府の職業訓練に関する諸施策を総合的、かつ、積極的に推進するための局を設けることがぜひとも必要と考えるのであります。
 この法律案の内容は、以上述べました考え方に基づき、労働省の内部部局として新たに職業訓練局を置き、職業訓練に関する事務の実施に遺憾なきを期するとともに、所要の規定の整備をはかるため、労働省設置法の一部を改正しようとするものであります。
 以上がこの法律案を提出いたしました理由とその概要でございますが、何とぞ御審議の上、すみやかに可決せられますようお願い申し上げます。
#7
○委員長(吉江勝保君) 以上で提案理由の説明は終了いたしました。自後の審査は、これを後日に譲ります。
#8
○委員長(吉江勝保君) 次に、二月二十五日予備審査のため本委員会に付託されました建設省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から提案理由の説明を聴取いたします。
#9
○国務大臣(中村梅吉君) ただいま議題となりました建設省設置法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。
 この法律案は、建設事業に関する総合計画及び長期計画の策定、公共用地取得対策の樹立、建設業の振興等に関する行政を推進するため、本省にこれらの事務を所掌する建政局を設置するとともに、直轄事業の事業量の増大に対処するため、地万建設局の用地事務機構を整備する等、建設省の所掌事務及び機構についてその整備をはかろうとするものであります。
 以下その要旨を申し上げます。
 まず第一に、本省に建政局を設置して、所管行政にかかる建設事業に関する総合計画及び長期計画に関する調査及び立案に関する事務、国土計画及び地方計画に関する調査及び立案に関する事務、土地の使用及び収用に関する事務、建設業の発達及び改善の助長並びに建設業者の監督に関する事務等を所掌するものとしたことであります。
 第二に、建政局の設置により現在計画局の所掌事務である国土計画及び地方計画に関する事務、土地の使用及び収用に関する事務等が建政局へ移しかえられることに伴い、計画局の名称を都市局に改めたことであります。
 第三に、地震工学に関し、外国人研修生を含む研修生の研修を行なう事務を建設省の所掌事務に加えるとともに、これを建設省の付属機関である建築研究所につかさどらせることとしたことであります。
 第四に、直轄事業の事業量の増大及び大都市近傍における用地取得の困難に対処して、関東地方建設局及び近畿地方建設局に用地部を設置することとしたことであります。
 以上のほか、土木研究所において、委託に基づき、建築資材以外の建設資材についても特別な調査、試験及び研究を行ない、及び建設研修所において、測量に関する技術者についても養成及び訓練を行なうことができることとする等、本省及び附属機関の組織に関し規定を整備することといたした次第であります。
 以上が建設省設置法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さいまするようお願い申し上げる次第であります。
#10
○委員長(吉江勝保君) 以上で提案理由の説明は終了いたしました。自後の審査は、これを後日に譲ります。
#11
○委員長(吉江勝保君) 次に、二月二十五日予備審査のため本委員会に付託されました大蔵省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から提案理由の説明を聴取いたします。
#12
○国務大臣(水田三喜男君) ただいま議題となりました大蔵省設置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由と内容の概略を御説明いたします。
 この法律案は、大蔵省の機構の一部を改正いたしまして、行政事務の一層の適切かつ能率的な運営をはかろうとするものでありまして、おもな改正点は、主税局税関部を関税局とし、附属機関として財務研修所及び会計事務職員研修所を設けるとともに、金融機関資金審議会の設置期限を二年延長することであります。
 以下、これらの改正点の概略について御説明申し上げます。
 第一は、主税局税関部を関税局とすることであります。最近におけるわが国貿易の急激な進展に伴いまして、税関の事務量は飛躍的に増加してきており、また、為替、貿易自由化の動きに伴いまして、関税政策の重要性が高まって参りましたため、主税局税関部の事務量は量的にも質的にも著しく増大してきております。このような実情にかんがみ、この際、主税局税関部を独立の局に昇格して、政策面及び実施面の事務処理の効率的な運営をはかろうとするものであります。
 第二は、財務研修所及び会計事務職員研修所を設置することであります。前者につきましては、財務局職員の資質能力の向上、能率増進をはかるため、従来大臣官房地方課においてその研修を行なって参りましたが、今般独立の付属機関として、研修内容の充実をはかろうとするものであります。また、後者につきましては、各省庁における会計事務の改善に資するため、かねてから主計局において行なって参りました会計事務職員研修を、独立の付属機関として研修内容を一そう充実しようとするものであります。
 第三は、印刷局及び税関における官房の制度を改め、内部統制の充実強化をはかるために、これを総務部とするものであります。
 最後に、最近の経済金融情勢の推移にかんがみまして、大蔵大臣の諮問機関である金融機関資金審議会の設置期間をなお二年間延長し、昭和三十八年三月三十一日まで存置いたしまして、その間、民間資金の活用の基本方針等について審議させることとしようとするものであります。
 以上がこの法律案を提出いたしました理由及びその概要であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成下さるようお願い申し上げます。
#13
○委員長(吉江勝保君) 以上で提案理由の説明は終了いたしました。自後の審査は、これを後日に譲ります。
#14
○委員長(吉江勝保君) 次に、皇室経済法施行法の一部を改正する法律案を議題とし、皇室財産の概況につい七宮内庁当局から説明を聴取いたします。
#15
○説明員(宇佐美毅君) 皇室用財産につきまして、概況を御説明申し上げたいと存じます。
 御承知の通りに、新憲法によりまして、皇室の財産はすべて国有の財産と相なったわけでございますが、そのうち皇室の用に供するために皇室用財産という種目がございます。ただいまお手元に御配付申し上げました一覧表をごらんいただきたいのでございますが、土地、建物につきましてそこに表示してございます通りに、皇居が、その表にございます通りに、大体平方メートルと坪で表示してございます。
 その次が赤坂御用地でございますが、これは現在その一部に皇太子殿下の御所がございます。並びに秩父宮邸もございます。その他含めまして赤坂御用地と申しておりますが、それが土地、建物がここに掲示されたような状況でございます。
 次は常盤松御用邸でございますが、これは東宮御所が新築になりますまで皇太子殿下が御使用になっておりました所で、現在はあいております。この用途については、さしあたってのことはございませんが、将来、義宮様その他の場合の一つのお住居というようなことも考え得ると存じますが、まだ決定に至っておりません。
 それから高輪南町御用邸、これは品川のところでございまして、今は宿舎等があるだけでございます。
 それから下総の御料牧場でございますが、これは御承知の通りに、動物の飼育等に用いておる所でございまして、戦前に比べますと、三分の一程度開放その他に行なわれておるのでございます。
 それから葉山の御用邸、これは葉山の一色にございまして、皇族がときどき御使用になっておる所でございます。
 次の新浜猟場、埼玉猟場、これは御承知のカモ猟をいたす場所でございます。
 沼津の御用邸、那須の御用邸、これは葉山の御用邸と同様に、両陛下初め、宮様のときどきの御使用に供しているわけでございます。
 それから、あとは京都御所、修学院離宮、桂離宮、これが京都にございます。昔の御所地でございます。それから正倉院、これも皇室用財産となっております。
 そのほか全国に、東京都以下二府三十県にまたがります約八百以上の陵墓が、土地が皇室用財産となっている次第でございます。総計がそこにございますような数字に相なるわけでございます。
 はなはだ簡単でございますが、一応御説明を終わることといたします。
#16
○委員長(吉江勝保君) ただいまの説明に対して御質疑のおありの方は、順次御発言願います。
#17
○山本伊三郎君 皇室用財産の大体の概略の説明を承ったのですが、実は港地の台町二丁目に、旧東久邇邸の屋敷の跡に宮内庁用地として一万三千坪ほど残っておる。それ以外の前の東久邇邸の半分ほどはプリンスホテルになっておる。残り一万三千坪は余っておる。これは宮内庁用地と聞いておるのですが、それはどうなんですか。
#18
○説明員(宇佐美毅君) ただいま御指摘になりました土地は、品川の駅の前の土地でございまして、昔御殿のあった所でございますが、現在は非常に古びた建物が残っております。敷地の全体といたしましては、約一万二千坪くらいでございましょう。現在その建物は、終戦後間もなく東久邇家にお貸しをいたして今日に至っておるわけでございます。そのほかに、その中の建物に宮内庁の職員の宿舎等も若干ございます。この問題は、かねていろいろ払い下げ等の希望がございまして、大蔵省ともいろいろ御相談をしておるところでございます。まだ結論に達しておりません。
#19
○山本伊三郎君 実はこの問題で、おそらく長官も聞いておられると思うのですが、あれを野球場にするからというので、東急系の方から払い下げの話を聞いておるのです。港区会でも相当問題になったようです。一方、これに対して反対派の、名前を言うてはどうかと思いますが、自民党の大野伴睦さんが主宰して、それはいかない、そういうことで相当もめておるらしいのです。少なくとも宮内庁用地、皇室財産の一部だと思いますけれども、そういうものが民間の一企業者の抗争の的になることは、われわれとして、国民の一員として非常に嘆かわしいと思うのです。この点について現在どういう経緯になっておるかということを、一つこの機会に明らかにしてほしいと思います。
#20
○説明員(宇佐美毅君) ただいま御指摘になりましたような、いろいろな民間におけるあそこの使用の希望というものが出たのは、大体において承知いたしております。宮内庁といたしましては、これをすぐ処分する権限がございませんので、皇室が使用しないということになりますれば、大蔵省に返還をいたすわけでございます。大蔵省が処分をいたすということになるわけでございます。私どもといたしましては、とにかく皇室用財産ということになっております。これが一個人、一会社の利益のためになるようなことになっては相ならぬ。今までいろいろな計画等も耳にいたしたことはございますが、現在までに解決に至っておりません。非常にこの問題については、私ども慎重に明朗な取り扱いをいたしたい、かように考えております。
#21
○山本伊三郎君 今の一万二千坪余り、問題は言われたようなことで、もっと実情はみにくいものがあると思うのです。これは宮内庁の立場はよく了解いたしますが、いわゆるこの払い下げをめぐって争っておる両者の間にいろいろ問題がありますが、これはいずれまたの機会に追及いたしたいと思いますが、それ以前に、旧東久邇邸の残ったのは一万二千坪でございますが、その前に相当広域な屋敷があったと思います。それは現在プリンスホテルになって、多分堤康次郎さんが経営しておられるように聞いておるのです。この処分についてもいろいろ聞いておるのですが、その際、宮内庁としてこの払い下げについて何らか関知されておるかどうか、全然それの払い下げについてノー・タッチであったかどうか、この点だけ一つお聞きしたい。
#22
○説明員(宇佐美毅君) ただいま問題の皇室用財産一万二千坪の周辺に、北白川及び竹田の元宮邸がございました。これはそれぞれ北白川、竹田宮家の御所有のものでございまして、この処分につきましては、宮内庁としては一切関係ございません。
#23
○山本伊三郎君 そうすると、その際、まああれは終戦後のいろいろ問題のあったときにそういう処分をされたということも聞いておるのですが、実は宮内庁は、一切長官からの話では関知しておられない、関係しておられないということでございますが、非常にその付近の住民なり、それを知る範囲においては、非常に疑惑を持っておる。これは港区の一部ではないのですが、都道府県会館の前の旧宮邸の跡のプリンスホテルにいたしましても、相当売買といいますか、譲渡する場合にいろいろ問題があるのですが、これは一切旧宮家と申しますか、そういう方の処分に全部一任されておるんですか、その点もう一ぺん。
#24
○説明員(宇佐美毅君) 御承知の通り、昭和二十二年でございますか三年に、旧皇族家が一斉に皇籍を離脱されまして、その以後において財産の処分の問題が起こって、そのときに各宮家の御所有の財産につきましては、全然国と関係ございません。皇室とも関係ございませんので、各それぞれのお家で処置をされたのでございまして、宮内庁は一切関係いたしておりません。
#25
○山本伊三郎君 その問題については、宮内庁長官にこれ以上言うことは無理だと思いますが、問題点が相当あることもおそらく長官自身もご存じだと思いますが、この点については、自後いずれの機会かにまたこれは明らかにしたいと思います。
 そこで、今残っておる港区、先ほど申しました台町の二丁目の、私は一万三千坪と聞いておるんですが、これについてなかなか根強い抗争があるらしいのです。従って、要するに皇室財産として廃止する意思表示をすれば、あと大蔵省がこれを処分するんだ、こういう御意向でございまするが、しかし、私の聞くところによると、大蔵省といえども、宮内庁の意向を無視して処分はでき得ない、やはり宮内庁の現在用地であるから、相当宮内庁の発言権が強いということを聞いておる。この点について、全然宮内庁にそういう権限がないというなら別でございますが、もしもそうならば、御承知の、東京都では、すでに四年後にはオリンピックの大会を迎える、こういう時期で、いわゆる周辺の土地をあさって設備をしようというような状態なんです。しかるに、私の調べによりましても、都内に相当こういう宮内庁用地で便利のいい、環境のいい所がたくさんあると思うのですが、そういう点も、少なくとも宮内庁として考えるべきでなかろうかと思うのですが、その点について長官の御意見をちょっと聞いておきたい。
#26
○説明員(宇佐美毅君) 現在皇室用財産になっております土地を、正確に申し上げますと一万一千九百七十六坪でございます。建物が約五百坪でございます。で、今御指摘の通りに、いろいろな方面からその払い下げの陳情がございます。ございますが、私どもといたしましては、とにかく皇室用財産のことであり、また、現在お住いになっておる方が皇室の御縁籍の方でもございますので、いずれの方面から見ても公正な結論を得ない限り、簡単二進むわけにいかないと考えておりまして、いずれ手続といたしましては、大蔵省に返還いたしまして、おそらく雑種財産に組み入れられ、その上で大蔵省で手続を経て措置せられる。もし開放とかいたすということになりますればそういう次第になると思います。その間において、最もよき案というものが出て、公正な行き方でない限りは、われわれとしては軽々に動くことはできない。宮内庁がその関係において何かおもしろくない風評でも立つようなことは絶対に避けなければならないというふうに考えておるわけでございます。
#27
○山本伊三郎君 その通りだと思います。そこで、相当これには有力者が介在しておりますから、宮内庁長官が相当がんばられても、問題の推移はその方向に流れざるを得ない、その場合を私は憂えるのです。従って、そういうことのないように、特に長官にここでお願いをしておくと同時に、そういう処分の際に、宮内庁としては、現在のところ政治的に力がないと私は思う。従って、それを処分する場合には、単に大蔵省と相談するだけでなくして、都の行政区域の中にあるのですから、都なり、そういうところに相談をするという考えはないですか、その点もう一点お聞きしたい。
#28
○説明員(宇佐美毅君) まだ具体的な問題が現に進んでいるわけでもございませず、どの方面と相談をするということをここではっきり申し上げかねると思います。しかし、御意見の点はよく考えて、重ねて申し上げます通りに、公正な方向で進みたい、かように考えております。
#29
○委員長(吉江勝保君) 他に御略言もなければ、本件はこの程度にとどめます。
   ――――――――――
#30
○委員長(吉江勝保君) 次に、公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案を議題といたします。前回に引き続いて質疑を行ないます。関係当局からの出席の方々は、森山郵政政務次官、松田郵政省電気通信監理官、谷川大蔵省日本専売公社監理官、山口運輸省鉄道監督局参事官、須賀国有鉄道部財政課長、八木日本国有鉄道厚生局長の方々でございます。
 御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
#31
○横川正市君 先に私の方から前回の委員会で要求をいたしておきました経営のあれ、ことに遺族付加給の改正に伴って所要経費の増加が起こってくると思うのですが、その点について、将来の経営について組合員の負担に負うところが幾らぐらいあるのか、この点についての計算の資料をお願いしておいたのでありますけれども、今出された資料がその一部であるならば、一つ説明をまず最初いただきたいと思います。
#32
○政府委員(松田英一君) お答え申し上げます。お手元にお配りいたしました資料の中に、「公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案に伴う該当人数及び所要経費」というのがございますけれども、このうちで、第一に書いてございます「軍人期間を有する更新組合員の概数及び所要経費」、これは全部追加経費でございますので、組合員の負担には関係はないと考えております。それから二番目に、「十年以上二十年未満で在職中死亡した者の人数及び十年遺族年金制度新設に伴う財源率膨脹割合」、これは若干組合員の各人にも影響してくるものでございます。ただし、そこに書いてございますように、その影響いたします程度というものは非常に低いものでございますから、この点ではさしむきのところといたしましては、直ちに掛金を上げなければならないとかという問題にはなってこないというふうに考えておりますが、いずれこの問題は、五年ごとに財源率の調整の計算をいたしますので、そのときにはもちろん一つの要素として入ってくるものではございますが、これもこの程度の数字でございますので、大して響きはしないというふうに考えている次第でございます。
 それからその次の三番目の「遺族の範囲の改正に伴い新たに遺族となる者およびその給付に要する経費」、これもごくわずかなものでございますので、性格といたしましては影響する性格のものではございますが、大したことはないというふうに考えておる次第でございます。
 なお、こういう数字の出て参ります根拠と申しますが、計算につきましては、三公社それぞれで計算しておりますので、御要望がございますれば三公社の方からその内容を御説明申し上げさしていただきたいというふうに考える次第でございます。
#33
○横川正市君 そうすると、大体この制度によると、一万分の三ないし五程度の膨脹しか見込まれないという結果から、将来五年後ないしは相当程度時間的経過がたちましても、この点では組合員の負担については、現在ではその必要を認めてないというふうにばっき言うことができますか。
#34
○政府委員(松田英一君) 共済組合の財源率の計算というのは、大体五年ごとにやることになっておりまして、この法律ができましてから、ちょうどこの三十六年の七月で五年たちますので、そのときに財源率の計算の仕直しというものをやることにして、目下各共済組合におきましては準備しておるわけでございます。従いまして、財源率の計算のときには、もしこの法律を通していただけますれば、この法律の上に乗っかっていろいろと計算をいたしますので、従って、たといわずかではございますが、その計算のときに、要素として考えられることにはなるわけでございます。しかしそのときに、今までの掛金というものがふえるかどうかということは、これだけの要素ではございませんけれども、ほかのいろいろの五年間やって参りました模様に応じ、あるいは将来の予測というものに応じて計算を仕直すわけのものでございますから、全体の計算として、掛金率あるいは負担金率というものがどれくらいになるかということが決定されて、そうしてその点につきましては、私まだここでどうしても上がらないかどうかということは断定もできないわけでございますが、事これに関する限りは、影響の仕方がこれに乗って出る程度のものでございますので、この計算上には大して大きく響く要素はないというふうには考えられているのでございますので、計算の見込みその他につきましては、各公社から御答弁さしていただきたいと思います。
#35
○横川正市君 今の点について専売公社の方や国鉄の方から一つ御意見を伺っておきたいと思います。
#36
○政府委員(谷川宏君) お答え申し上げます。ただいま郵政省の監理官から御答弁がありましたところと大体同じ意見でございまして、お手元の資料にございますように、十年以上二十年未満在職中死亡した者に対する年金制度の新設に伴う専売公社関係の財源率に対する影響は千分の一%強でございまして、また、遺族の範囲の改正に伴い新たに遺族となる者の給付に要する経費につきましても、一万分の三パーセント程度の膨脹になるという数字は出ておりますが、さしあたっては、現在の組合負担金を変更することなしに経理できる予定でございます。ただ次回の財源率計算のときにおきまして、そのほかの要素の増減もございますので、それを全体として調整する必要があると思いますが、今回の法律改正に伴いまして、直ちにこの分だけ負担率を引き上げるということは必要ないものと考えます。
#37
○説明員(八木利真君) ただいま専売、電電の方からお話がありましたのと私どもの意見も同じでありまして、まあ理屈を言いますと、この差だけは直ちに上げるべきではないかということもあるかと思いますが、私どもの方の死亡者の数を見ましても、幾分減って参っておりますし、また率といたしましても、そう大きな率でありませんので、全体の財源率を計算いたします際に考えればいい問題だと、こう考えておりまして、今直ちにこのために引き上げなければいけないとは考えておりません。
#38
○横川正市君 大体同じような意見なんでありますが、私は幾らか変わった処置がそれぞれ三つの公社の中から意見として出るべきだと思うのであります。それは専売公社の場合には、短期雇用するわけじゃありませんけれども、雇用の経過期間から言いますと、女子職員が非常に多量でありますから、そういう点からくる経営に影響する点、それから国鉄の場合には、その逆に、男子で長期勤務者が相当多くて、しかも業務それ自体に災害その他が、専売等とは全く異にしたおそらく障害率というものがあるのだろうと思いますが、そういうような起こり得るそれぞれの固有の組合の経営に影響する内容というものから私は答弁があってしかるべきだったと思うのであります。しかし、一様に答弁がありましたから、それ以上私の方では追及いたしませんが、この考え方というのは、将来のいろいろな問題にすべて関係して参りますから、一つ答える場合には、その固有の内容等を付加してお答えいただきたいと思う。
 そこで第二の問題は、この改正案は、国家公務員共済組合法の改正ないしは恩給法の改正によって出されたわけでありますけれども、たとえば国鉄の場合、あなたの方では、おそらくこの旧職員側の中で、戦前陸海軍の軍属職員として職を奉じておって、その後引き続き国鉄に奉職された旧陸海軍軍工廠職員がおられるわけですね。これは今度の改正に伴って改正されるという消極的な態度でありますから、この分については、おそらく改正をのがしたのだと思いますけれども、考え方からすれば、もっと積極性を持ってこれは改正する必要があるのではないか、こういうふうに考えるわけでありますが、この点について国鉄当局はどうお考えになっておるのか、一つこの際御意見を伺いたいと思います。
#39
○説明員(八木利真君) ただいまお話のありましたのは、陸海軍の工廠を国鉄が引き継ぎまして、現在工場として利用しておる所がございますが、そのような所におられる陸海軍からおいでになりました職員の方は、法律の規定によりまして、一定の時期までお入りになった方については、引き続いて計算をすることにしておりますが、その日以後お入りになった方については、これを継続して計算しないことになっておるわけでございます。その方たちが、早く入ったかおそく入ったかで有利になるか不利になるか、まあ簡単に言いますと、そういうような意味におきましていろいろ問題になっておりますが、私どもといたしましては、どの程度までそういうことを延長していったらいいかということは非常にむずかしい問題でありますので、一応この法律がきまりました当時のものを限界点といたしましてただいまはやっておるわけでございます。その後いろいろ陳情を受けたこともありますが、何分にいたしましても、掛金のない期間を通算することになるのでありまして、その負担は全部追加費用という問題になってくるわけでありまして、これはやはり将来の共済組合の経営上に大きな負担になっていく要素となって参りますから、慎重にそういう問題を考えて扱っておるわけでありまして、今回の改正にも、特にこの方途を取り入れていただこうとしなかったわけでございます。
#40
○横川正市君 もう一点は、電電公社の方にも関係ありますし、三公社全体に関係があると思うわけですが、同一官庁に勤続をしておって、途中で退職をし、さらに再採用された場合の期間の通算問題でございますが、これは国家公務員共済組合法の場合には期間を通算いたしておりますけれども、公共企業体共済組合法の場合は、断続一時金でその期間を区切って支給されておる。そういう関係で、先に十五年、あとから十五年ありましても、通算すると三十年で、二十年年金に対して、一年一・五%でありますから一五%の付加率で、かけなかった期間については、これを計算で引き去ることになっておりますが、三公社の場合には、それぞれ再採用の期間から数えて、結果的に二十年たたない場合には年金を付与されておらない、こういう問題が出ております。私は、これはあとでおそらく通算法が国会に上程されることになると思うのでありますが、そういう場合であっても、固有の組合の内部を変えておきませんと問題になると思うのでありますが、今回どうしてそれらが改正されなかったか、それぞれ一つお聞きしたいと思うわけです。同時に、理由を私は聞いて、あとは責任者――国鉄ならば総裁、専売も総裁、それから電電の場合には郵政大臣から、それぞれ責任ある答弁をもらうようにして参りたいと思いますので、今回はその理由だけを一つここで述べておいていただきたいと思います。
#41
○政府委員(松田英一君) 私から一応総括的にお答えさしていただきたいと思いますが、実はこの三公社の共済組合法を制定いたしましたときの趣旨といたしまして、公共企業体の企業性と申しますか、そういう点を非常に重く考えまして、従って、公社の職員というのは、長く勤めてもらうことを希望するという見地からだったと思いますが、長くずっと勤めている人を優遇するということで、しばらく勤めてまたすぐやめたり、あるいは勤められたりというようなことにつきてましては、あまりこの法律といたしましては、それをつないで特に優遇していくという見地をとっていないわけでございます。そういう点がございまして、現在までも、前後の断続している期間を通算して年金の資格期間にするとか、年金のベースになります期間に考えるという措置をしておらぬわけでございますが、国家公務員の場合には、前からの実績もありましてそういうことを考えておるしいたしますので、この点は確かに三公社の公共企業体共済組合の問題といたしましては、重要な問題だと考えるわけでございます。ただこの点は三公社の共済組合法の、いわば基本的にとっている考えでございますために、これをいじりますことは、いろいろこの精神から、公共企業体全般に影響する問題でもございますし、しかも三公社がいろいろと考えておりました基本問題とも関連いたしますために、相当根本的に考え直しもしなければならないし、また、それを改正するとすれば、相当複雑な規定の修正の仕方も考えなければならないというようなことで、この問題につきましては、私ども十分慎重に検討して参ったわけでございますが、まだこれという最後的な結論が出ないままに、今回の法律改正は、特にほかの、外部の事情から急がなければならないという事情のものだけをとりあえず法律にして、ここで御承認を願うように入れましたわけでございますので、お説のように、私ども決してこの問題はなおざりにしているわけじゃございませんけれども、この際は法律案に組み入れができなかったという状況でございます。あるいは各公社のそれぞれの考え方というものは、また別に公社からお答えさしていただきたいと考える次第でございます。
#42
○横川正市君 これは私は、松田監理官の答弁で不満だということよりか、もっと積極的な内容を各省持っているんじゃないかと思います。専売の場合とか国鉄の場合、ことに経過規定からいえば、三公社の場合には、いちはやく共済組合法案を恩給年金の一本化ということで切りかえた積極的な推進官庁であるわけです。ですからそういう意味合いからいえば、その後五現業、一般公務員の恩給年金の一本化がはかられてきたという道を開いたことになるわけですよ。それから、おそらくその次には地方公務員の問題も出されなければならない状況下にある。しかし、それは内容としてはいろいろな複雑な問題を持っているから、この国会に間に合うかどうかわからないというような状況も見受けられるわけでありますけれども、私はそういう建前からして、通算法、ことに公的年金の通算法が出されるというその状況の中で、さらに加えて国民年金が四月一日から実現を見るという、こういう状況の中に立って、もっと積極的な意思表示というものがあって、いいんじゃないか、こういうふうに思うわけなんですが、その点で、一つは専売公社の場合は、女子従業員の経過期間は二十年の何分の一かの経過期間しか持っておらないが、国民年金に当然切りかわっていく場合には、私はこの年金的な思想という点からいえば、積極的に道を開いておく必要があると思うのです。それは専売という、長期継続期間というものを期待のできない官庁というのは、それぐらいな意思を持っていいのではないだろうか、こういうふうに思うわけです。それから国鉄の場合には、いろいろ業務その他の面から、長期勤続をして功労を持って退職をされる人がたくさんあるわけですから、ただ、その中でいろいろな事故によって中断をするという場合も私はあると思う。そういった場合に、単に継続期間が断続したというだけの理由で、いわゆる褒賞に値する長期動続というものについての親心といいますか、それを捨ててしまう、そういうことも私はおかしいと思うのですよ。ですから、いずれにしてもこの問題は大切な問題ですから、もっと積極的な意思表示がはかられるのが当然ではないかと私は思うのでありますけれども、その点について、一つそれぞれの公社からお聞きしたいと思うのです。
#43
○政府委員(谷川宏君) お答え申し上げます。
 ただいまの御意見、私といたしましても全くきわめてごもっともなことでございまして、できるだけ早くそういう措置を法律的にとって参りたいと考えておるわけでございますが、専売公社は、なるほど女子職員が多いわけでございますが、最近は、女子職員でございましてもなかなかやめない。で、十年から二十年の間にやめる女子職員の数は、全体としては数はかなりございます。だんだん勤務が長期化の傾向にございますので、今回の改正を行なうとともに、さらに国民年金に関する通算制度が近く具体的になって参る段階にございますので、できるだけ早く法律的な準備を整えまして、本委員会にそれらに関する公企体法の改正措置の御審議をお願いしたいと考えております。専売公社といたしましては、積極的に断続的期間に対して反対しておるということではございません。国民年金の制度その他のもの、あるいは国家公務員の期間、あるいは地方公務員期間との通算、それから全体との振り合いを考えまして、十分検討して意見をとりまとめて、法案の形で御審議をお願いしたい、かように考えます。
#44
○説明員(山口真弘君) お答えいたします。公共企業体共済組合法は、御存じの通り、永年勤続者の退職後の生活というものを十分に保障しまして、勤務能率を増進するというような観点で制定をされておりました。特にその方面に向かってすべての制度が整えられているような格好になったのでございます。従いまして、先生のおっしゃる点、いろいろごもっともの点もございますのでございますが、やはりその制度といたしまして、そういう建前の上に立った制度をこの際一挙に変えるということも、なかなかむずかしい問題が多々あるのでございまして、直ちには結論は出ないのじゃないか。その点につきましては、十分な検討をさせていただくことが必要ではないか、こういうふうに考えておるのでございます。
#45
○横川正市君 それぞれ答弁を聞いて、消極的じゃないかと言えば、あなたの方じゃ、実は積極的でもむずかしい問題があるのだと、水かけ論になりそうです。ただ私は、先に国家公務員共済組合法の改正に伴って公共企業体関係の法律を改正するという考え方というのは、いわばこれは古い法律が、新しい思想に照らしてみると不備な点が多々出てきた。そこで、その不備な点を改正したいという考え方が一つと、もう一つは、同じ処置をとっておかないと、職員に与える影響力というものも考慮しなきゃならないから、そういう経済的な面も考えて改正しよう、こういうことだろうと思うのですよ。で、それは国家公務員共済組合法案の全額国庫負担による、あるいは公社負担による退職一時金の問題は、そのパーセンテージを即刻次の国会で上げて参ります。これは公社の負担云々にかかわらず、職員に対する経済的な影響力その他を考えて出されたものだと思うのです。そういう点の積極さというものが、私は今回の改正にはいささか消極的過ぎるのじゃないか。もうすでに法施行されましてからおっつけ五年も経るわけですから、その間に不備だと思われる点については、できるだけ早い機会に改正したいという意思表示をしてもいいのではないか。それを私としては、積極的な意思として期待をするわけなんですよ。その期待に対して、今まあいろいろ問題がある、いろいろ問題があるというのですが、そのいろいろ大きな問題というのは一体何か。私は、少なくとも組合負担の率の問題とか、それから公社側の負担の能力の問題とか、いろいろ出てくると思う。同時に共済組合それ自体の経営の問題も、私どもはそれに直接関係しておりませんけれども、それも問題が出てくると思うのです。そういうような三者相待って問題がある点を、今もって放任できるほどのことなのかどうか。これは考えれば、経営については、経営の内容をここで出しなさいと言えば、あなた方の方ではおそらくいろいろな資料を出すと思うのですよ。それならば検討済みだということになるわけです。それから、公社の負担能力ということになれば、さきに一時金の公社全額負担の問題は、即刻あれは一二%か何か上がってきたわけですから、そういう点では積極性を示しているというのに、この機会に一体負担能力がありませんということになるのかどうか。またもう一面では、この点当然組合側とこの問題については討議をすべき運用委員会の議を経ることになるだろうから、その点については積極的に運用委員会を持っているはずなんです。その三つの点から見て、どうもいろいろ問題があるというその問題が私には理解ができないわけでありますけれども、この点について、一つどなたか、代表の松田監理官からでも説明いただければ。
#46
○政府委員(松田英一君) 御指摘の点、まことにごもっともでございまして、決してこの問題は、単にそれから起こってくる財政的な影響、それが公社に及ぼすものとか、あるいは組合員の方に及ぼすこととか、単にそういうことからの問題だけではございませんで、むしろやはり基本的にこういうこの公共企業体の共済組合法が今まで考えて参った考え、あるいは当初の立法のときの考えというものが、はたしてそういうものでいいかどうかという基本問題としての重要性があるわけでございますので、勢い慎重に検討せざるを得ないという立場になっていると考えます。ただ私どもといたしましては、やはり国家公務員の共済組合法の関係においては、そういう共済の問題を取り上げておりますし、また、全般といたしましても、公的年金の通算の問題も解決を一応みたわけでございますし、従いまして、全体の社会保障制度の進み方という点から考えますれば、ただいまの問題は、どうしても三公社としてもその線に乗っていく必要があるというふうに私といたしましては考えておる次第でございます。ただ、先ほども申し上げましたように、今回はとりあえず急ぐ問題だけの改正を取り上げまして、この法律案を作りますために間に合いませんでしたけれども、いずれこの問題は、早急に三省あるいは三共済組合なりで相談いたしまして、結論を出してまとめたいとい
#47
○横川正市君 私は、この国会に、おっつけ大蔵省から、関係法案として大体三つぐらいなものが出るように聞いているわけなんですよ。それは経過措置からいえば、国家公務員共済組合法ができた後の不備について検討されたものもありましょうし、それから、さらに内容について検討した上で、新しい考え方で出されるものもあると思うのです。同時に、緊急の問題としては、公的年金の通算法というのが、おそらくこの国会には出されると思うのですよ。そういう場合に、今説明のように、もっと積極的に三公社の職員の立場というものを考えて、そうして、その大蔵省の出される法律案とあわせてこの国会で法律案を審議するという、そういう態度があってしかるべきではなかったかと思うのですがね。これはもう今度大蔵省から出される法律案、大体予定しているものをあなたの方では御案内になっているわけですね。恩給法の問題とか、公的年金とか、共済法の改正とか、これは出されることになっているわけですよ。もちろんその内容は、私どもの期待するような十分なものになるかどうかは今わかりませんけれども、そういう点で、今言っている私どもの二つの問題は、すでに公務員共済組合法では解決済みのものだ。それから、さらに今度解決するとすれば、先ほどの軍工廠の職員のような場合には、軍属であるからという場合と、それから軍人恩給の問題とかいうふうに、分けて差別をしておかなければならぬ問題になるのかどうか、その点をちょっと今の説明だけでは私は納得しかねるわけです。ですか思われるものさえ解決されておらないという点で、私は非常に不満だと思うのです。さらに私は各項目について、ことに国家公務員共済組合法案と、それから今回改正しようという消極的な二つの問題とは別個に改正しなければならない数点についてあるわけですけれども、きょうはもう少し私の方で検討する要もありますから、質問は一応保留して、次回までに皆さんに御要求しておきたいと思いますのは、現行の国家公務員共済組合法との比較対照の結果でも、なおかつ直さなければならないものがあるというふうに考えておりますが、その点について、一つ十分御検討いただきたい。それから、さらに国で用意しようとする三つの法律案、その関係で、私の方で当然直しておかなければならぬと思われる点について、次回に質問いたしたいと思いますから、恩給法の改正問題、公的年金の通算問題、共済組合法の改正問題等、関連して一つ御検討いただいておきたいと思います。きょうは一応そういうことで保留いたしておきます。
#48
○委員長(吉江勝保君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#49
○委員長(吉江勝保君) 速記をつけて。
 他に御発言もなければ、本案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。
   ――――――――――
#50
○委員長(吉江勝保君) 次に、二月二十四日予備審査のために本委員会に付託されました経済企画庁設置法の一部を改正する法律案を議題といたしま
 政府から提案理由の説明を聴取いたします。
#51
○国務大臣(迫水久常君) 経済企画庁設置法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
 現在、経済企画庁は、経済に関する総合企画調整官庁として、経済企画庁設置法に基づき、総合的な立場から経済政策の運営に当たってきているのでありますが、今後経済の健全なる発展を一層促進するための施策の充実ということを考えますときは、経済企画庁設置法に所要の改正を加え、その任務の遂行に遺憾なきを期する必要があるのであります。これが今回この法律案を提案するに至った根本的な理由でありますが、改正の第一点は、経済企画庁に、附属機関として、地域経済問題調査会を設置いたしたいということであります。
 わが国の経済が最近目ざましい発展を遂げつつあることは、御承知の通りでありますが、これを今後も維持し、さらに一層の発展をはかるためには、解決すべき幾多の問題のあることも事実であります。そのうちの重要な問題の一つは、経済の地域的な発展に関連する問題であります。
 御承知のように、近年におけるわが国の経済の高度成長は、主として、京浜、名古屋、大阪、北九州の四大工業地帯を中心とする第二次産業の著しい発展によってもたらされたものでありますが、これらの地帯におきましては、これがため産業及び人口の過度の集中、過大都市の問題が生じてきているのであります。すなわち、昭和三十四年の工業生産額の半ば以上が四大工され、また、最近数年における全人口の増加数の大部分に相当する数の人口がこの地帯の都市に新たに集中するという状況であります。このような状態の当然の帰結として、工場新設に要する用地、用水の取得難が近時特に深刻な問題となっているほか、たとえば東京の通勤輸送に見られるごとく、輸送上も種々問題が生じてきており、さらに、上水の不足、住宅難等、生活環境の面においても看過し得ない状態が現われつつあるのであります。
 しかるに、一方、工業等に比べて生産性の低い第一次産業が主産業となっているいわゆる後進地域におきましては、その住民の所得の伸びが、他の地域における住民の所得の伸びに比べて相対的におくれており、その結果、いわゆる地域間の所得格差の問題が提起されてきているのであります。このような状態のまま推移いたしますと、これまで順調に発展を続けて参りましたわが国の経済は、各部門における隘路の発生によって、その高度成長を維持することが困難となるおそれがあるばかりでなく、地域的に不均衡な経済の発展は、長期的に見れば、結局、資源の有効な利用とならないのみならず、社会的緊張を強める結果にもなると思うのであります。このため、経済企画庁としては、国土総合開発法に基づく全国総合開発計画を策定すべく、目下検討を進めているのでありますが、この計画を右のような問題の解決に資し得るりっぱなものとするためには、経済の高度成長の維持と、地域的に均衡のとれた経済の発展をはかるという観点から、産業及び人口の適正配置に関する考えを明らかにした政策の基本的方向を確立するとともに、さらに、計画の実施を実効あらしめるための方策についても調査研究する必要があるのであります。このような趣旨から、経済企画庁に新たに調査会を設け、内閣総理大臣の諮問に応じて、地域経済問題に関する総合的かつ重要な問題を根本的に調査研究することにいたしたいのであります。
 改正の第二点は、経済企画庁に、附属機関として、国民生活向上対策審議会を設置することにいたしたいことであります。最近の目ざましい経済の発展に伴い、国民生活の向上には相当見るべきものがあります。しかし、先進諸国に比べますと、国民所得の水準から見て、衣生活や耐久消費財の保有の面では比較的進んでいるにもかかわらず、食生活の面では質的に劣っており、また、一般に個人生活の内容の充実の程度に比べて、住宅、上下水道その他の生活環境施設の整備の面が立ちおくれている等、国民生活の各部面において不均衡が見られるのが現状であると思うのであります。政府といたしましては、従来より国民生活の安定向上に意を用いてきたことは言うまでもありませんが、従来、どちらかといえば、経済政策としては、財貨の生産面に重点の指向された期間が戦後相当長く続いたということは、いなみ得ない事実であります。しかし、生産の増強といっても、その究極の目的は国民生活の向上にあるのでありまして、右のような現状を考えますときは、国民生活の向上のためには、一そう総合的な対策の推進が痛感せられますとともに、将来の経済の高度成長をささえる需要要因としては、消費需要、特に個人消費支出の増加に期待するところが大きい事情を考えますと、その感をさらに深くするのであります。従って、この点についても経済企画庁に国民生活向上対策審議会を設け、国民生活に関する総合的な向上対策を調査審議し、国民生活の向上に資したいと思うのであります。
 改正の第三点は、経済企画庁に置かれる参与の定数の増加であります。経済企画庁には、重要な庁務について長官に意見を申し述べる非常勤の参与が三人置かれているのでありますが、さきに申し述べましたように、経済の地域的発展に関する問題並びに国民生活の総合的向上対策に関する問題等の重要性にかんがみ、これらの事項について識見の深い者を参与に加えることが必要であると考えまして、現在三人以内となっております参与の定数を増加して、これを五人以内に改めたいのであります。
 以上が、この法律案の提案理由及び内容の概略であります。何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
#52
○委員長(吉江勝保君) 以上で提案理由の説明は終了いたしました。自後の審査は、これを後日に譲ります。
#53
○辻政信君 今までの政府の提案理由その他を聞きますと、どこの役所も役人をふやすとともに、調査会、審議会をふやすところばかりで、減すところは一つもない。この前のたしか中野委員長のとき、当委員会におきまして、政府に今まである一切の委員会の数と内容、活動状況、そういうものの調査を依頼して、時の国務大臣の益谷さんが、責任を持って要らなくなった調査会、審議会を整理するということがあったにもかかわらず、その整理がなされておらない。そして依然として各官庁が行政責任を審議会、調査会に転嫁するのではないかと思われるほど、雨後のタケノコのごとくこの委員会に出している。これじゃわれわれは審議できないから、委員長から政府の当局に要求を出されて、当委員会に、現在ある各種の審議会、調査会を全部一覧表にして、何をやるのか、整理する余地がないのかという資料を提出していただきたい。審議の初めに委員長にお願いしておきます。
#54
○千葉信君 今の辻君の発言に付け加えますが、現在政府の中にある各種の審議会、調査会等を見ますと、中には違法行為、脱法行為で設置しているものがあります。従って、今回の国会中、この委員会で各省設置法に盛られたこれらの調査会、審議会設置法等を審議するにあたっては、一番最初に、従来、前の岸内閣総理大臣が内閣委員会で私に公約されたことが実施されていないという実情がありますから、池田総理大臣の所信を求めて、そのあとで各省設置法の審議に入りたいと思いますから、そういう取り運びにしていただきたい。
#55
○伊藤顕道君 辻委員の資料提出に関連して、さらに各調査会、審議会の委員の氏名並びに兼職、一人で幾つもやっている者があろうと思いますので、そういう実態のわかるような資料をあわせて御提出していただきたい。
#56
○委員長(吉江勝保君) ただいまの要求、承知いたしました。
   ――――――――――
#57
○委員長(吉江勝保君) 次に、二月二十五日、予備審査のため本委員会に付託されました一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。政府から提案理由の説明を聴取いたします。
#58
○国務大臣(迫水久常君) ただいま議題となりました一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由並びに内容の概略を御説明申し上げます。
 昨年十二月二十七日、人事院は、国会及び内閣に対し、一般職の国家公務員に支給される暫定手当の支給地域区分等について改善すべきことを勧告いたしたのでありますが、政府といたしまして慎重に検討を加えました結果、このたび、これを人事院勧告通り実施することが妥当であるとの結論に達しましたので、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律(昭和三十二年法律第百五十四号)について所要の改正を行なおうとするものであります。
 改正の第一点は、同一市町村内における暫定手当の不均衡の調整措置であります。すなわち、本年四月一日における市町村の区域内に、暫定手当が支給されていない地域を含まず、かつ、支給地域の区分を異にする地域を含んでいる場合には、そのうちの最低の支給地域区分の地域に在勤する職員に対して一段階上位の支給地域区分の暫定手当を支給することとし、また、同日における市町村の区域内に暫定手当が支給されていない地域と支給地域とを含んでいる場合には、支給されていない地域に在勤する職員に対して二級地の暫定手当を支給することといたしました。
 なお、市町村の区域内に、昭和二十七年十月二日以後本年四月一日の間になされた境界変更により編入された地域を含む場合には、それらの地域を除いた区域について、以上述べました措置をとることとし、これらの編人地域に官署があります場合には、いわゆる官署指定の特例を認めまして、その官署に勤務する職員に支給される暫定手当の支給地域区分は、本年四月一日現在における当該編入地域の属する市町村における近接地域の支給区分等を勘案して、人事院規則で定めることといたしました。
 改正の第二点は、在勤する地域を異にして異動した場合の特例措置であります。すなわち、本年四月一日以降、職員がその受けていた暫定手当の支給区分より低い区分の地域または暫定手当の支給されていない地域に異動した場合には、その異動の日から六カ月間、異動前の支給地域区分に応ずる暫定手当を支給することといたしました。
 この法律案は、以上申し述べました内容を昭和三十六年四月一日から施行しようとするものであります。なにとぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。
#59
○委員長(吉江勝保君) 以上で提案理由の説明は終了いたしました。自後の審査は、これを後日に譲ります。
 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#60
○委員長(吉江勝保君) それでは速記をつけて。本日はこれにて散会いたします。
 午後零時二十三分散会
   ――――・――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト