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1960/03/14 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 内閣委員会 第9号
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1960/03/14 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 内閣委員会 第9号

#1
第038回国会 内閣委員会 第9号
昭和三十六年三月十四日(火曜日)
  午前十時四十三分開会
   ――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     吉江 勝保君
   理 事
           石原幹市郎君
           村山 道雄君
           山本伊三郎君
   委 員
           大泉 寛三君
           木村篤太郎君
           大谷藤之助君
           一松 定吉君
           千葉  信君
           鶴園 哲夫君
           松本治一郎君
           横川 正市君
           田畑 金光君
           辻  政信君
  国務大臣
   大 蔵 大 臣 水田三喜男君
   国 務 大 臣 迫水 久常君
  政府委員
   人事院総裁   入江誠一郎君
   人事院事務総局
   給与局長    瀧本 忠男君
   大蔵省主計局給
   与課長     船後 正道君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       杉田正三郎君
   ――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国家公務員に対する寒冷地手当、石
 炭手当及び薪炭手当の支給に関する
 法律の一部を改正する法律案(内閣
 送付、予備審査)
○昭和二十三年六月三十日以前に給付
 事由の生じた国家公務員共済組合法
 等の規定による年金の額の改定に関
 する法律等の一部を改正する法律案
 (内閣送付、予備審査)
○国家行政組織及び国家公務員制度等
 に関する調査
 (公務員の暫定手当、薪炭手当及び寒
 冷地手当の勧告に関する件)
   ――――――――――
#2
○委員長(吉江勝保君) これより内閣委員会を開会いたします。
 三月一日予備審査のため本委員会に付託されました国家公務員に対する寒冷地手当、石炭手当及び薪炭手当の支給に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から提案理由の説明を聴取いたします。
#3
○国務大臣(迫水久常君) ただいま議題となりました国家公務員に対する寒冷地手当、石炭手当及び薪炭手当の支給に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由並びに内容の概略を御説明申し上げます。
 昨年十二月二十七日、人事院は国会及び内閣に対し、薪炭手当の支給額の限度を引き上げるべきことを勧告いたしたのでありますが、政府といたしまして慎重に検討を重ねました結果、この際これを実施するとともに、あわせて石炭手当についても一部その支給額の限度を引き上げることが妥当であるとの結論に達しましたので、関係法律について所要の改正を行なおうとするものであります。
 すなわち、第一に、薪炭手当の支給額の最高限を、世帯主たる職員に対しては現行の五千円から七千五百円に、その他の職員に対しては現行の千七百円から二千五百円にそれぞれ引き上げることといたしました。
 なお、世帯主たる職員のうち、たとえば独身者などに対する支給額は、採暖の実情を考慮して五千円を限度とすることとし、それに該当する職員の範囲は、人事院の勧告に基づいて内閣総理大臣が定めることといたしました。
 第二に、北海道の丙地に在勤する職員に対する石炭手当につきまして、その支給額算定の基礎となる石炭の数量の最高限を、世帯主たる職員に対して現行のミトンから三・一トンに引き上げることといたしました。
 この法律案は、以上の趣旨に基づきまして、国家公務員に対する寒冷地手当、石炭手当及び薪炭手当の支給に関する法律の改正を行ない、公布の日からこれを施行しようとするものであります。
 何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。
#4
○委員長(吉江勝保君) 以上で提案理由の説明は終了いたしました。自後の審査は、これを後日に譲ります。
   ――――――――――
#5
○委員長(吉江勝保君) 次に、三月三日予備審査のため本委員会に付託されました昭和二十三年六月三十日以前に給付事由の生じた国家公務員共済組合法等の規定による年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から提案理由の説明を聴取いたします。
#6
○国務大臣(水田三喜男君) ただいま議題となりました昭和二十三年六月三十日以前に給付事由の生じた国家公務員共済組合法等の規定による年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由と、その概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、国家公務員共済組合法等の規定により現に支給されております年金を、このたび別途、本国会に提案いたしました恩給法等の一部を改正する法律案による恩給の額の改定措置に準じて改定いたそうとするものであります。
 すなわち、恩給法の改正におきましては、一、旧軍人軍属の戦務加算等の算入、二、旧日本医療団職員期間及び外国政府職員期間の算入、三、旧準軍人遺族についての特例扶助料の給与条件の緩和、四、公務傷病恩給の額の改正、五、昭和二十三年六月三十日以前に給付事由の生じた恩給の額の改定等の措置がとられることとなったのでありますが、これらの措置のうち、第四及び第五の措置は、旧共済組合法及び旧勅令に基づく共済組合の既裁定年金に関係いたしますので、この法律案において所要の措置をとることといたしたのであります。なお、第三の措置は、共済組合の長期給付制度とは関係がありませんが、第一及び第二の措置は、旧恩給公務員で現在共済組合員になっている者の年金計算に関係いたしますので、国家公務員共済組合法の長期給付に関する施行法の一部改正として措置することといたしたい所存であります。
 次に、この法律案の内容について御説明申し上げます。
 まず第一に、昭和二十三年六月三十日以前に給付事由の生じた年金につきましては、その額を、同年六月三十日以前に給与事由の生じた恩給等の年額の改定措置に準じて改定いたすこととしております。
 第二に、昭和二十三年七月一日以後、新給与制度による俸給の再計算が実施されました同年十二月一日までの間に退職した者については、同年六月三十日に退職したと仮定した場合に受け得る年金の額に改定し得る道を講ずることとしております。
 第三に、公務に基づく傷病を給付事由とする年金につきましては、恩給法における増加恩給の引き上げ措置に準じて、従前の最低保障額を引き上げることとしております。
 第四に、以上の年金額改定のほか、若年者に対する増額分の支給停止その他につきまして所要の措置を講ずることとしております。
 以上が、この法律案の提案の理由とその概要であります。
 何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。
#7
○委員長(吉江勝保君) 以上で提案理由の説明は終了いたしました。自後の審査は、これを後日に譲ります。
   ――――――――――
#8
○委員長(吉江勝保君) 次に、入江人事院総裁から発言を求められておりますので、これを許します。
#9
○政府委員(入江誠一郎君) 一言ごあいさつをさせていただきます。
 今回、浅井総裁のあとを受けまして、はからずも人事院の総裁を拝命いたすことになりました。自分の不敏を顧みまして、はなはだ職責の重大でございますことを痛感いたす次第でございますが、当委員会の御一同様の御叱声と御指導とによりまして職責を果たしたいと存じます。何分よろしくお願いいたします。
   ――――――――――
#10
○委員長(吉江勝保君) 次に、国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査を議題とし、公務員の暫定手当、薪炭手当及び寒冷地手当の勧告に関する件の調査を進めます。関係当局から出席の方は、瀧本人事院給与局長、船後大蔵省主計局給与課長の方々でございます。
 御質問のおありの方は、順次御発言願います。
#11
○山本伊三郎君 新任早々の入江人事院総裁に質問したいと思います。
 この勧告の時期の問題ですが、十二月の二十七日、ちょうど役所が御用じまいの前日でございますが、実は、われわれといたしましても、これに対してきわめて関心を持っておったのですが、当初は年を越すというような意向であったのですが、われわれとしては、あの勧告を全般的に受け取れない、この点につきましては、まあ入江さんその当時人事官であったのですが、お話をしたこともありますが、もちろん予算編成に関係があるといっておられましたが、御存じの通り、予算編成は相当閣内でも、与党との間の折衝で長びくような見通しがあったのです。従って、われわれとしては、もうすでに国会も終わって休会になっておるときでございましたので、どうも出される時期が、すきをねらって出されたようなきらいがあるのです。非常に時期がおくれておるのでございますが、その間の事情を、もう年末ぎりぎりに出さなくちゃならなかった理由について、ちょっと先にお聞かせ願いたいと思います。
#12
○政府委員(入江誠一郎君) この問題につきましては、御存じの通り、当委員会におかれましても、いつも御質問がございまして、人事院といたしましては、国会の附帯決議もございますことでございますから、一面検討を進めますとともに、予算編成の関係上、なるべく早く勧告いたしたいということで、精一ぱいの努力をいたしましてあの時期になりましたのでございまして、何ら他意はございません。どうぞその点御了承願います。
#13
○山本伊三郎君 他意のないということは、それは受け取り方によりますけれども、この前の国会において、この石炭手当の増額を決定しましたあの国会におきましての附帯条件がついている。その際に、寒冷地手当の増額については、今度勧告されたような級地の是正というような考え方でわれわれは絶対におらなかった。やはり底上げと申しますか、全部の増額を期待してあの附帯決議がついていると思う。その解釈を人事院はどうされたか。そういうものを知りながら、やはりああいう程度の級地是正で終わられたのかどうか、この点一つはっきりとお答え願いたい。
#14
○政府委員(入江誠一郎君) 寒冷地手当あるいは暫定手当につきまして、不均衡、不合理を是正するようにというふうな国会の御要望がございまして、われわれその附帯決議の御要望に沿いますためにいろいろ検討いたしましたわけでございます。そこで、結局ああいうふうな内容の勧告をさしていただいたわけでございますが、寒冷地手当の率の増加ということにつきましては、もちろん十分検討いたしたわけでございますけれども、暖房の消費状況でございますとか、あるいはいわゆる寒冷に伴う生計費の調査などをいたしまして、寒冷地手当のいわゆる率の引き上げということにつきましては、これを引き上げるべき特別なその根拠も見出しがたいというために現在のまま据え置きまして、とりあえず他の問題を勧告さしていただいたということでございます。
#15
○山本伊三郎君 これは前の浅井人事院総裁の当時でありましたから、もちろんあなたも人事官でございましたから、共同の責任があると思うのでございますが、あの附帯決議の文言を十分観察すると、今言われたようなものでこれを見捨てるというようなことのできないような状態があったのです。当時石炭手当だけが一応増額ということで、相当もめてしまったのですが、まあしかし、一応予算措置の関係もあるので、本年は石炭手当だけの増額ということで、まあこれで三十六年度に何とかこれを考えようじゃないかということであったのです。級地の是正というのは、これは早くから言われておる、御存じのように。何も附帯決議をつけなくても、当然級地の是正をやらなくちゃならぬ時期にきておったと私は思う。この法律第二百号の制定された経過から見ましても、相当問題があったのでありますから、そういう点を人事院は故意に見過ごして、そうして級地の是正で糊塗した、これしかわれわれ考えられない。従って、われわれとしては、出された時期も、もうすでに話をする余裕もない年末ぎりぎりであった。そういうことで非常にわれわれとしては不満を持っているのですが、今度新たに人事院総裁として入江さんがなられたのですが、私は、こういうことで人事院が今後運営されることになれば、相当われわれも考えなくちゃならぬと思う。おそらく衆議院でもこれが問題になっておると思うのですが、われわれとしては、あの附帯決議の精神からいって、また、文言をしさいに検討いたしましても、前後の経過を総合いたしましても、やはり率の引き上げということがこの際必要であろうと思うのですが、人事院としては、それほど言われるならば、的確なそういう資料というものがあって積極的にやられたのかどうか、この点ちょっとお聞きしておきたい。
#16
○政府委員(入江誠一郎君) ただいま御指摘の通り、私も浅井前総裁代に協議に参加いたしましてこの結論を出しましたわけでございまして、もちろん国会の御要望の点は十分考慮いたしながら検討いたしたわけでございます。そのときの資料は、また給与局長から御説明さしていただきたいと思いますけれども、われわれの調べといたしましては、現在の段階におきまして、先ほど申し上げます通り、率の引き上げというところまでは勧告いたす合理的な根拠が見出しがたいというようなことでございましたわけでございます。
#17
○山本伊三郎君 実は、との寒冷地手当の率の引き上げについて、第二十八国会で、すなわち、三十三年の四月十一日に提出されまして、参議院では四月二十二日に率の引き上げのいわゆる案が通過した。たまたま衆議院の方で解散になってこれが廃案になったんですが、参議院の意思決定というものは、すでに第二十八回国会に出ておる。そういうものをどう考えられておるか。先ほどの答弁では、全然そういうものは現在必要ない、生計費その他を考えても必要ないという問題、一院であったけれども、参議院の意思が決定しておる事実についてどう考えられておるか、これを一つお聞きしたい。
#18
○政府委員(入江誠一郎君) ただいま御指摘の通り、参議院の決議がございましたことは十分存じて、これを御要望に沿うという線においていろいろ検討いたしたわけであります。しかしながら、やはり人事院の考え方といたしましては、ある程度の合理性を必要とするという点から、寒冷に伴う生計費その他の関係上、率までも引き上げることは、現在の段階においていかがだろうかという結論からただいま申し上げたような結論になりましたわけで、もちろん御要望の線は十分尊重いたして検討いたしたわけであります。
#19
○山本伊三郎君 検討されたといわれますけれども、私の見る目では、最初から率を引き上げるというような考え方で検討されたと思っておらない。やはり被地の是正ということに終わろうという前提であったことは、私は、もういかに皆さんが強弁されてもそうだと見るのです。でなければ、すでに本院において決議をされて通っておることでありますから、この前これが問題になったときに、もっとそれについて積極的な意見の開陳があってしかるべきなんです。これは浅井総裁のときであったから、あなたここで出席されておらないから、知らないと言えばそれまででありますけれども、われわれとしては、それがきわめて不満なんです。われわれは、当然その当時のように八
〇%が一〇〇%になるか、これは一応別として、当然そういうものも考えてやられるものだ、少なくとも参議院に籍を置く者としてはそういう考え方でおったんです。それが全然そういうことをやっておられないということは、これは憶測であるかもしれませんけれども、寒冷地手当の底上げ、率の引き上げになると相当予算がかさばる。従って、そういう点を考慮して――考慮というのでなしに、ある程度国の財政当局からの意見も入って押えられたのじゃないかと私は見ておる。そういう点について、そういう事実はないと言われますけれども、結果から見るとそうしか思われないんですが、この点についてもう一回一つ総裁からはっきりと答弁願いたい。
#20
○政府委員(入江誠一郎君) ただいまのお話では、財政当局からとかくのお話がございましたとか、そういうことは絶対ございません。寒冷地手当の率の引き上げということにつきましては、もちろん経費も相当かかりますが、御存じの通り、経費そのものによってこの判断をどうこうするということでもないと私たちは考えます。やはり現業関係におきましても、御存じの通り、大体各現業とも現在八〇%程度、国鉄は少し計算の基礎が違いますけれども、われわれ、たとえば石炭手当でございますとか、寒冷地関係諸手当につきましては、一面一つの生計費その他を見ますと同時に、現業関係のバランスも考えておりますし、薪炭手当につきましては、現業との関係上ああいうふうに増額をいたしたので、寒冷地関係につきましては、現業関係におきましても、大体現在の人事院で勧告さしていただいて実現しているものとバランスがとれておりますし、そういうこれはきわめて事務的と申しまするか、計算の基礎から出しましたので、決して財政的にどうこうということを考慮いたしてしたわけではございません。
#21
○山本伊三郎君 いろいろまだ尋ねたいことがたくさんありますが、時間の関係で、この点についてはこれで終わりますが、とにかくこの前の第三十四国会における附帯決議については、人事院は尊重されてない、こういう考え方でおるのです。しかし、国会の附帯決議なんか、人事院としてはそういうことはもう関知しないんだということであれば、これはもう別です。本日給与担当大臣からこの法律案の提案の説明がありましたから、この法律案の審議の過程で政府を追及したいと思うのですが、これにはまた一つの問題があります。しかし、これは人事院に責任がないからいたしませんけれども、いずれにいたしましても、人事院の勧告に対して、私は、きわめて不満を持っている。なぜかと申しますと、先ほど言いましたように、もし人事院がそういう考え方で率の引き上げということは全然考慮されておらないならば、私は、石炭手当の審議の過程においても、そういうことがもっと早くに人事院として若干意見として出なくちゃならぬと思っているのですが、その当時は何らその点に触れられておらない。こういう点で、私は、人事院のとられた措置については、何かそこに割り切れないものがある。これにつきましては、私は本日はこの程度にいたします。
 それから次に、もう一つだけちょっとお尋ねしておきますが、今度の法律案の審議にちょっと関係いたしますので、人事院の意向だけちょっと尋ねておきたいのですが、今度のこの勧告の出された内容と異なった若干の点の法律案が出てきている。私が言うまでもなく、御存じだと思います。今あなたより先に、実は大臣からの提案説明があったのですが、そういう点について人事院としては、それはまた妥当である、自分らがそれをしなかったことについては忘れておった、こういうことになるのか、それとも、人事院としてはそういうことも十分考慮した上で、そういうものは一応のがして勧告されたのか、この点だけちょっとお尋ねしておきたい。
#22
○政府委員(入江誠一郎君) ただいま御指摘の問題は、おそらく石炭手当の道南地方の三・一トンの問題じゃないかと思いますが、この道南地方の三トンというのをいかがいたすべきかということにつきましても、いろいろそのころ検討いたしましたが、御存じの通り、道南あるいはその以外の、段階的に石炭手当をおきめになったこと、あるいはそのそれぞれのトン数につきまして、昨年の夏ごろでございましたか、国会で、大体国会が中心になっておきめになりましたものでございまするし、昨年勧告のときに、それを変更すべき特別な理由も発見いたしがたい。それと同時に、やはり先ほど申し上げました現業との関係におきまして、大体まあ現業関係も、専売でございましたか、特別高いものもございますけれども、国鉄、郵政その他ミトンというものが大体ございましたから、あのまま据え置きましたわけでございます。ところが、その後一つの新しい事実といたしまして、御存じのごとく、国鉄関係の裁定が大体ありましたようでございまして、三・一トンということに結論が出ましたようでございますが、政府がどういうふうな見地から三・一トンにされましたか、この点は私たちもつまびらかにいたしませんけれども、人事院といたしまして、勧告当時に三トンを増額すべき特別な理由もないということを考えましたことは事実でございまして、現在の段階におきまして現業関係にも変化がございましたし、政府がこれをかりに増額されるといたしますれば、われわれこれに対して反対いたすこともないと思っております。
#23
○山本伊三郎君 これはあまり本日は追及しません。人事院よりも政府を追及することですから。
 もう一点聞いておきますが、今度の勧告による寒冷地手当という毛の、級地の是正、これについては相当資料が整わなくちゃならぬと思うのですが、その資料、級地是正の勧告をされた資料というものについて、この内閣委員会にその資料の提出を求めたいと思うのですが、それはできますかどうか。
#24
○政府委員(入江誠一郎君) もとよりいろいろ調べました資料はできるだけ提出いたします。
#25
○山本伊三郎君 それじゃ相当膨大なものと見ておりますが、基本的になる四つの条件があると思うのですが、そういう基本的になるものだけでも、この法律案を審議する前に、一つ当委員会に提出していただきたい、かように思います。
#26
○千葉信君 人事院にお尋ねしますが、人事院では、通例その勧告を用意されると、その勧告の実現ということも考慮に入れる必要があるという見地から、その勧告についての予算上の見通しなり、ないしはその折衝等を従来ずっとやられたようですが、今回のこの寒冷地手当、石炭手当等に対する勧告にあたっても、人事院としてはそういう折衝を政府の方とやられましたか。
#27
○政府委員(入江誠一郎君) この勧告の際におきまする政府との関係、これは千葉さん長く御経験で、十分御存じだと思うのですが、暫定手当でありますとか、あるいは地域的給与並びに手当につきましては、たとえばこれが財政的に実現するかせんかということよりも、むしろああいう地域的な給与は、なかなかまとまり方と申しますか、そういう点で、いろいろ途中において変動が政府部内においてございませんことが望ましいという観点から、従来から地域給与あるいは寒冷地の地域区分ということにつきましては、大蔵省といいますか、政府と協議いたして参ったことはございます。そして、その給与の勧告と申しますか、一般の俸給表その他の問題につきましては大蔵省に協議をいたしませんで、人事院独自の判断でやっております。今回の問題につきましては、やはり従来と取り扱いは同じでありまして、寒冷地のいわゆる地域的区分といいますか、そういう問題につきましては、一応今回はその問題は協議いたしませんでやりましたようでございます。
#28
○千葉信君 そうすると、従来は一般的な給与改定の勧告なんかの場合は別として、地域的な関係を持つ給与の引き上げの勧告等については、従来事前に予算上の問題について折衝を行なってきた、今回だけは行なわなかったと、こう答弁されるのですね。
#29
○政府委員(入江誠一郎君) この地域給と申しますか、ああいう広範な場合と、今回の寒冷地手当のように、比較的全体の規模が大きくない場合と取り扱いが異なることだと存じますが、今回は地域的な区分につきましては何ら協議をいたしませんで、予算がどのくらいかかるかということにつきまして一応連絡いたしましたそうでございます。
#30
○千葉信君 そうすると、予算上の問題について政府側と折衝されるのですね。
#31
○政府委員(入江誠一郎君) これは折衝したといいますか、あるいは財政当局の了解を得たというようなものじゃございませんで、一応連絡いたしたのでございます。
#32
○千葉信君 どういう形で答弁をされようと、今の答弁はさっきの答弁と少し変わってきて、事前に予算上の見通し、ないしは、また財源のあるやなしや等について、さっきはされないと言われたけれども、今の答弁では、一般的な態度としては政府の方と事前に折衝なり、ないしは、また話し合いをしたと、こういうふうになって、答弁がさっきと変わっていますね。どっちですか。
#33
○政府委員(入江誠一郎君) そのときの折衝に給与局長が当たりましたので、給与局長に答弁いたさせます。
#34
○千葉信君 折衝に当たった方は給与局長かもしれませんけれども、そういう問題の見通しについて、大きな影響を持つ事柄について人事官が知らなかったとは思われない。人事官会議でもその点では話し合いの俎上に上ったことと思うのです。そういう大事な問題について、今度あなたは総裁になられたのですから、今までの人事官と違うのですから、そういう点についてやはり責任ある答弁をこの席上ですべきですよ、代理にやらせないで。
#35
○政府委員(入江誠一郎君) 私の存じております限りにおきましては、予算額につきましては大蔵省へただいま申し上げましたように連絡をいたしました。しかし、別段折衝はいたしておりません。
#36
○千葉信君 それじゃもっと具体的に話し合いをされたという給与局長の方からお答えを願いたい。
#37
○政府委員(瀧本忠男君) 寒冷地、それから薪炭手当の勧告を昨年の年末にいたしたわけでございます。それはその当時国会において、いつするか、いつするかというお話がずいぶん出たわけでございます。われわれの方といたしましては、事務的に案をまとめる作業に手間取ったわけでございまして年末になったのでございますけれども、しかし、これは三十六年度からぜひ実施してもらいたいということで、ただいま総裁からお話がございましたように、われわれが案を作成いたしました際に、どの程度の予算額がほぼかかるものである。もっとも、予算に計上してもらいます際に、われわれの方としてわかりますことは国家公務員だけのことでございますが、しかし、実際上予算に組みます場合には、地方公務員もこれも組まざるを得ないという状況もございます。従いまして、われわれの方の概算を大蔵省に申し上げて、それで至急にその勧告いたしましたあとで、各省庁からわれわれの方に資料をいただきまして、もう予算ぎりぎりであったのでありますが、まあ予算上に組んでいただくようにいたした次第でございます。
#38
○千葉信君 私は、どういう場合であっても、ほんとうは人事院としての態度としては、勧告を出すにあたって、その予算上の見通し、財政上の交渉等について人事院がこれを行なうという態度に私は反対なのです。どうしてかということは、言わなくてもわかっていると思うのです。そういう政府の方の都合や、あるいは財政上の理由等に影響されて勧告がひん曲げられてはならない。ですから、私はそういう意味から、事前に人事院が政府の方と連絡したり交渉したりということについては、原則的には反対なんです。ただしかし、通例人事院として、従来なんぼそういう点についてわれわれが言っても、人事院は、政府の方と大ていの場合事前の交渉を行ない、特にその地域的な問題等になると、これはもうはっきりと今総裁の口から言われたように、方針として人事院はそういう交渉をすることに態度をきめている。今回もこの交渉を人事院の方は政府の方とやられた。そこで私は、今回問題になることは、人事院の方からそういう態度で政府の方と折衝したときに、今回政府の方から法律案として提案されるにあたって、人事院から勧告されたもの以外のものが付加されてきておる。この人事院の勧告以外に付加されてきているというのは、かつて私が二度も国会に法律案を出したその内容に含まれていたものです。それに対して私は歓迎するとかしないとかという問題は別です。私のこれに対する歓迎するとかしないとかということを別にして、問題になるのは、人事院の勧告した以外のものが今回の法律案に付加されてきている。私は、政府の態度としては、こういう場合の取り扱いとしては、原則的には人事院の勧告を尊重するという立場をとる以上、それ以下であってはならないと同時に、それ以上であることも私は政府としては不謹慎だと思う、政府の態度としては。そこで人事院の方に関係の生じてくることは、人事院はその勧告するにあたって、たとえば衆参両院におけるこの問題についての附帯決議、附帯決議にはもちろんその問題も考慮に入れて抽象的な言葉を使ったにしても、そのことについては、従来の国会の審議なり、附帯決議もついた当時の審議の内容等からいっても、人事院としては知らないはずがないと思う。しかも人事院は、どういう関係か知らないけれども、その問題については全然触れないで勧告を出した。今回それが政府の方の法律案提出にあたって付加されてきている。そうすると、一体人事院が、事前に予算上の見通し等について政府と折衝を行なっていたその過程でその事実を知らなかったのか、そういうことについては人事院としては予想しなかったのか、まず私はその点から御答弁をお願いします。
#39
○政府委員(入江誠一郎君) 石炭手当のことでありますが、政府がこれを修正と申しまするか、増額をいたすようなことは全然予想いたしておりませんでした。
#40
○千葉信君 一般的な問題として、人事院は従来、たとえば他の給与の関係、あるいは消費者価格の関係等を考慮して賃金を改定すべきかどうかということを、常にそれらを一つの対象として考慮してこられた。同時に、その場合に人事院としては、全体としての国民生活の水準というものが上昇した場合には、それに対応する賃金の改定とか、ないしは公務員の場合の生活水準も、他の国民と比較して、そう劣らないように引き上げていくという態度を私は人事院としてとるべきだと思うのですが、その点については人事院は今どうお考えですか。
#41
○政府委員(入江誠一郎君) この問題につきましては、従来の方針と同じく、公務員法の趣旨に従いまして、民間賃金あるいは生計費その他を考えまして、もちろん一般の民間の趨勢その他に応じて公務員の給与が改善されるようにいたしたいと思っております。
#42
○千葉信君 今、山本委員の質問の中にありました寒冷地給に対する給与割合の引き上げの問題です。まあ人事院としては、それについての理論的な根拠だとか科学的な根拠に乏しいから、その問題については触れなかったという御答弁です。今の入江さんの答弁によると、他の一般の国民生活の水準というものも考慮に入れるという方針を、従来と変わらないで今日も人事院でとっているという以上は、たとえば寒冷地給の対象となる生計費、これは雑多なものが入っております。一例をあげますと、現在の寒冷地給、石炭手当等の関係についても、根拠としては、たとえば北海道等における冬場の生活関係を見ますと、まだ占領軍のおった当時には、たとえば北海道の総体の暖房用石炭の総量というものは百八十万トンというふうに、最高限を押えられていた。最も極端なときには百四十万トンというときもあった。それが百八十万トンになり、現在ではなおそれを上回るという暖房用石炭の総額ということに変わってきている。そういうふうに北海道における暖房用石炭の消費量が増嵩してきているということは、これは他の国民生活の場合における暖房用石炭の消費が増嵩し、それだけ生活水準が上がったという現象がはっきり起こった。そういう事実があるとすれば、そういう事実をはっきり人事院がつかんでいるとすれば、私は今の入江さんの答弁了承します。何も根拠がなかった、何も理論的にそういうものを考慮する必要のある事態がなかったという判断で今回はこれをオミットされたというのですか。私はこれはちょっと問題だと思う。
#43
○政府委員(入江誠一郎君) この寒冷地手当につきましては、御存じの通り、石炭手当のように定額制でございませんで、いわゆる定率制と申しますか、俸給に対する率できまっておりますので、一つはこの俸給が、民間給与あるいは一般の生計費の動向によりまして、増加するに従って寒冷地手当のいわゆる額といいますか、これも相対的に増加されるわけでございます。そこで給与局の方で、いわゆる寒冷地関係の生計費等を見ます場合にも、俸給表関係におけるいわゆる無給地の暖房費負担部分というようなものも考慮しながら、いわゆる先ほど申し上げました通りの暖房増嵩費というものを計算いたすわけでございますが、今回これは一つの自然増でございますから、いろいろそこには御議論もあると思いますけれども、いわゆる支給割合は変わりませんけれども、全体の一二。四%の増加に従いまして寒冷地の手当も増加いたしているわけでございます。その意味において、いわゆる一般の生計費の推移というものは、広い意味において自然的に寒冷地手当にも反映いたしているという関係において、ただいま御指摘の、いわゆる定額制の手当と違いまする関係上、全然これを考慮いたさぬというわけではございません。ただ、これが支給割合の変化というものと、ただいま申し上げました自然増的な内容の増加というものとは違いますから、この点は全般的に給与改善に伴います額が増加いたしましたから、決して支給割合を改善することをやめたというわけではございませんけれども、しかし、ただいま御指摘の生計費の推移というものを全然反映いたさないわけではございませんので、その点御了承願います。
#44
○千葉信君 私も、人事院の方で大体そういうのがれ口上を用意しているだろうということは察しておりました。しかし、私はその答弁だけでは不十分だと思う。もちろん人事院の言われるように、支給割合で決定されている給与ですから、公務員の賃金改定が行なわれれば、それだけ若干の影響は起こるわけですから。しかし、一方から言うと、たとえば寒冷地給という制度等も、それ相当の存在理由があり、必要があって生じた問題ですから、従って、その問題については独自の立場で、そのときの国民全体の生活の水準の上昇なり、消費水準の向上というものに見合ってそういう問題を検討することも私は一理があると思うのです。しかもその問題については、今日突発的に意見が出されているのではなくて、従来何度もその問題が国会で論議をされて、しかも衆参両院のあの附帯決議の中には、はっきりとそのことを表現していないけれども、文字の中にはっきりそのことを表現する点については若干恨めしい表現になっておりますけれども、しかし、その内容としてそういう問題が論議をされ、考慮されておることは、私は人事院として知らないはずがないと思うのです。ですから、むしろ私は、人事院としての立場からこの問題を考えたときには、その支給割合の引き上げということによって生ずる予算額の問題が、私は一番の頭痛の種ではなかったかと思うのです。そういう考えで人事院は寒冷地給の支給割合の引き上げというものを見送ったのではないかと見ているのですが、その点はどうですか。
#45
○政府委員(入江誠一郎君) その問題は、決して予算関係を考慮したわけではございません。やはり先ほどたびたび申し上げましたいろいろな統計的な資料を根拠にいたしております。
#46
○千葉信君 それは幾ら実際はそうであっても、そうだったとは言わぬだろうから、その点については水かけ論に終わるおそれがあるから、私はこれ以上は質問しませんが、ただ、そこでもう一つの問題になってくることは、現在寒冷地給の問題は、これは支給割合というのは一級から五級までというふうに区分されております。その中で、級地の指定分について、必ずしも合理的でないと判断される分については、今回引き上げもしくは改定が人事院から勧告されました。そこで問題として一つ残るところは、ずいぶん最近、制度の制定当時から見ると、最高五級地の地域がふえています。五級地という地域が非常にふえています。このふえてきているという事実は、逆に見ると、制度制定当時に五級地だった地域と、その後に引き上げられた数多くの他の地域の場合には、必ずしも正確な区分になっていないということが私は出てきていると思うのです。これはどういう統計をお出しになろうと、どういう御答弁をなさろうと、このことは歴然たる事実だと思うのです。この制度の最初制定された当時に五級地だったものが、ところが今回も級地の指定改定によって出てきていますが、ずいぶん五級地がふえてきております。そうすると、その五級地間における格差というものが、最初とはずいぶん変わったものになっています。そういう点について人事院が、もし人事院お得意とされる科学的な根拠に立つということになれば、その五級地間の格差について、もっと正確な区分をする必要が理論上私は出てきていると思うのです。その点については人事院はどう考えましたか。
#47
○政府委員(入江誠一郎君) この寒冷地手当につきましては、御存じの通り、非常に沿革がございまして、二十二年に始まりましたころには……。
#48
○千葉信君 二十四年です。
#49
○政府委員(入江誠一郎君) 初め暖冬で、給与実施本部で始めましたときは、東北大県、北陸三県というふうに、いわゆる地域的に――北海道もそうでございますが、きまっておりましたわけでございます。それで、その後御存じのごとく、各地域ごとといいますか、地域ごとに人事院に参りまして、これをいろいろな資料によりまして区分をし始めたわけでわけでございますが、しかし、たとえば東北六県というふうに、全体として指定がありました場合に、実際その中には、人事院の基準から見ますと、甘いと申しますか、率直に申して甘いという点もございますけれども、しかし、一たん指定したものを低くするわけにはいきませんので、それはたとえば給与改定の場合とか、若干改定した地域のあることは御存じの通り。その後気象庁の資料でございますとか、だんだん人事院といたしましては新しい資料を獲得をいたしまして、それによって是正して参って、それが三十二年のときに、大体一応是正し得るだけを是正し、そのこぼれたものを今度やりましたもので、ただいまの御指摘は、五級地の間のいろいろな区分の合理的な基礎を検討しないかという御指摘だろうと思いますが、なおその点は十分検討いたしまするけれども、そういう沿革上から参っておりますので、基準から出るものと、従来のそういう大きな地域的な決定からいたします沿革は、若干そこに食い違っておる点がございますと思います。
#50
○千葉信君 重ねてその点をはっきりする必要があると思うのですが、現在の寒冷地給を支給しておる地域は全国に五区分に分かれておりますね、一級地から五級地まで。一級地から五級地まで分れて、おのおの持つ条件は固定した条件だと思うのです。固定した条件に基づいてそれぞれの級地区分が行なわれておる。その級地区分の行なわれたその当初のときと、今となっては、一級地から五級地まで正確な区分でもしも行なっていれば、条件変動ということはないわけですから、従って正確に区分されていたものが、いろいろな理由――人事院はそれをその後の調査ということを言われますけれども、その調査の対象となり、あるいは変更の要件となったものは、ずいぶん雑多な条件があります。極端な例は政治的な条件さえもあります。そういう条件のもとに最初の支給区分が変更され、特にその点について大きな変動というのは、当初一つの地方にしがなかった五級地の区分が、その後ずいぶん広範な地域に拡大をされた。拡大された結果として生じたことは、一級地から五級地の分についてはそれほど変動はないにしても、少なくともその五級地の資格要件というものが、調査々々というけれども、実際にはその要件がかなり変わってきたものになってきておる。そうなると、それを適正に是正するためには、今度は六級地なり七級地という性格のものを作る以外には道がない、こうなると思うのです。私がその支給区分の割合を引き上げることについて法律を提案しました当時、その法律では最高制限を取っ払うだけの内容でしたから、従って、その考え方としては、この法律案が通れば、各支給地の支給区分が全部一率に格上げされるのだという判断に立って、つまり最高八割が十割になれば、どの地域もそれにつれて二割ずつ上がるのだという計算を大蔵省はことさらにして、そうして全部の地域に二割ずつふっかけたから、予算額は二十八億なんという格好の予算額になり、それがその法律案の通過に大きな障害をなした。私は、自分の考えとしては、そういうふうに全体が引き上げられることについては、私は大歓迎です。ただ、その法律が実際に成立した場合の取り扱いとしては、そうなるかならないかは、あの法律案では未定の問題だった、それが行き過ぎた態度というか、判断というか、誤解に基づいて、残念ながらその法律案は日の目を見なかった。ですから私は、そういうやり方をするかしないかはこれからの問題ですが、ただ一つ具体的に理屈の上からも問題になることは、現在の最高の五級地の場合、最初の級地区分とは非常に違った資格条件を持った五級地がたくさん出てきた。私は出てきていることは悪いとは言わない。それはむしろ当然のそういう理由があったから五級地になったのでしょうが、ただそのために、結果としてその五級地内における資格条件に非常に大きな幅ができた。そうだとすれば、人事院として、私は最高限八割を十割にすることぐらいについての、もしほんとうに研究し、もしほんとうに作業したならば、その必要ぐらいは当然もう出てきていたはずなんです。そういう点について人事院はこの際一つ検討される用意がありますか。
#51
○政府委員(入江誠一郎君) ただいまいろいろ御指摘のあった問題につきましては、今後も十分検討いたします。ただ御存じのごとく、寒冷諸手当と申しますか、これは現在寒冷地手当等、北海道につきましては石炭手当、あるいは東北その他につきましては薪炭手当というものを総合して、いわゆる寒冷に伴う生計費の関係の補完作用をなす手当であるわけであります。そこで、ただいまそれが十分検討した上でございませんから、はたして当たっておりますかどうか、さらにまた検討をいたさせていただきますが、たとえばただいまの最も寒い所と申しますか、五級地を、さらにその部分だけ他の方が改善されるまで引き上げるべき部分は、ちょうど東北六県その他本土におきましては薪炭手当でこれを補完し、あるいは北海道におきましては、たとえば道北地方におきましては、石炭手当の先般の増額で補完する、そういう一つの作用もいたしておるのではないかと思いますけれども、さらに十分検討いたします。
#52
○千葉信君 最後に一つだけ申し上げておきますが、私は、どうもこの問題は、かなり人事院としては、従来たとえば給与準則の勧告におきましても、これは議員提出法律案による制度であるからというような考え方でこの問題を敬遠してこられた。しかし、法律としてやはりその必要が十分客観的にも認められている制度である以上、私は、人事院としては、もう少しまじめにこの問題に対して検討すべきだと思う。この委員会の席上でも、人事院当局の答弁というのは、人事院独自の見解、人事院独自の研究に基づいて答弁される場合よりも、他の現業官庁がどうなったとかこうなったとかいうことを理由にして答弁されている場合が非常に多い。私は、そういう態度は、少なくとも人事院みずから卑下したというか、無責任というか、極端に言えば、私は、人事院としてはすこぶるだらしがない態度だと思う。むしろ人事院の勧告なり人事院の態度が、他の現業官庁等の場合の給与制度に対する先べんをつけるとか、指導性を持つべき筋合の立場に私はいなければならぬと思うのです。ところが、今回のこの寒冷地給問題について、他の公社も仲裁裁定の場合に、今回はっきり金額等についても、支給地域の対象についても、明確な線が出ているのです。これは人事院も御承知だと思います、国鉄で出ておりますから。また人事院は、この問題について他の方に先べんをつけられて後塵を拝して、他の方が上がったからという、そういう態度に私は終始することになってしまったと思う。私は、こういう人事院のだらしのない態度が続く以上、人事院無用論が出てくるのは避けられないと思う。そういう意味からも、私は、人事院としては、人事院の持っている一つの大きな権限というか、人事院全体の権限の中で非常に大きな比重を持っているこの給与問題について、もう少し人事院がしゃんとしなければ、私はますます人事院がその斜陽傾向を露呈してくる原因になると思うのです。ですから今回の場合でも、他の公社の方でも寒冷地給についての引き上げの裁定が行なわれている段階ですから、人事院としては、至急この国会にできれば間に合うように、この問題についての結論を人事院だけでもまず急いで出してもらいたいと思う。いかがですか。
#53
○政府委員(入江誠一郎君) 十分検討さしていただくことにいたします。
#54
○横川正市君 ちょっと関連して。今の千葉さんの意見に関連して、今度のこの暫定手当の支給区分のいわば全く暫定的な修正でありまして、たとえば群馬県の高崎のような所は、先の勧告では当然級地がついておったものがはずれておったとか、そういうような問題のある地域について当然検討して、おざなりな部分修正ではなしに改定すべき問題だというふうに考えますし、さらに官署指定なんかの場合は、地方公務員、それから公社職員、国家公務員、それぞればらばらでありまして、地方公務員がついていた所で国家公務員のない所と、国家公務員がついておった所で公社職員のない所、公社職員がついている所で国家公務員がない所、非常にばらばらでありまして、これらも当然その地域における職員の考えとしては、同等であってしかるべしという考え方を持っているわけでありますから、私はそういう点も配慮して、こういった点は別にあまり資料その他で準備期間が必要でないと思いますから、検討した上で出されるように要望いたしておきたいと思います。
#55
○鶴園哲夫君 私、先に理事にお話をしたのですが、ちょっと時間が足りなくなりましたので、次に一時間はといただきましてやりたい、こう思っておりますが、一言だけ、今、千葉委員の質問と関連するのですが、特殊勤務手当の三十六年度の折衝が各省と人事院との間に行なわれた。その際に、例年と違いまして、今回の特殊勤務手当というのは、ほとんど各省側ともゼロになっているわけですが、各省の折衝した人たちの一般的の意見としましては、これは寒冷地給、薪炭手当、こういうものとの関連において、財源が足りなくなって拒否された、こういうことが一般に流布されているわけなんです。そういたしますと、やはりどこかから、先ほど千葉委員のお話のように、関連というものがなければこういうことは流布されないのではないか、こう思っておりますが、その点について一つ伺っておきたいと思います。
#56
○政府委員(入江誠一郎君) 特殊勤務手当としての結果が、寒冷地その他の諸手当の財源と申しますか、財源との関係で特にからくなっているとか、そういうことは全然ないと承知いたしております。
#57
○鶴園哲夫君 それはそういうふうな御答弁になるだろうと思いますけれども、しかし、実際各省の担当官が人事院と折衝をして総退却をしたその原因は、今申し上げたようなことだというふうに各省とも言っているわけなんですよ。ですから、それは表のお話ではなかなかそうだと言うわけにはいくまいと思うのですね。
#58
○政府委員(瀧本忠男君) ただいま特殊勤務手当のお話が出たのでございますが一特殊勤務手当につきましては、これは従来はむしろ給与法が非常に珍しい規定でございますが、凍結された政令という形で特殊勤務手当の規定があったわけでございます。ところが、これはわれわれすでに昭和二十八年の給与準則の勧告のときにも、その当時以前に考えられておりました特殊勤務手当の考え方というのはおかしいじゃないか。その当時までは、特殊勤務手当というものはやめてしまって、これはもう漸次調整額にし、本俸に繰り入れる、そういうようなことで整理するということが一つの方針になっておったのでありまするが、これはおかしい。で、従って、やはり特殊勤務手当というものは、作業によっては必要である、給与制度として必要であるということを、すでに昭和二十八年の勧告で申しておったのでありまするが、現実に運用してみましても、やはり特殊勤務手当の必要性はある。しかし、政令の形になっておりまして、なかなか実際の制定――従来ありまする手当を他の省庁に適用する場合でありますとか、あるいは同種のものがある場合というようなことで、非常に無理な解釈をして運用しておったのでありまするが、もうやはりこれは変えていただくのが至当じゃないかというので、前の国会で給与法修正のときに、従来政令できめておったものを、これを人事院規則ということになったことは御承知の通りでございます。そこで、実際問題としまして、それでは特殊勤務手当を設定いたす場合にはどういうようなことをやるか、われわれは各省庁における全体的な均衡という問題を十分考えてやるわけでありまするが、これは勧告の面にも出て参りません。で、人事院が、各省庁あるいはいろいろな方面からいろいろお話がございまして、あるいは人事院独自に検討する場合もあります。こういう特殊勤務手当が必要であるという場合には、これは事実問題として政府部内の方へお話をして、予算をつけてもらうという経過をたどっておるのであります。これはいつの場合におきましても、予算を獲得するということは非常に困難な状況でございます。今回の予算編成にあたりまして、たまたま寒冷地の薪炭手当の問題が出て参りましたので、あるいはそういう誤解があったかと思いますけれども、今回とても、予算上相当とは申しませんが、ある程度のものは認められておりまして、これはわれわれもちろん予算成立次第、これが実施に移されるようにいたそう、このように考えておる次第であります。
#59
○鶴園哲夫君 そういうようなことが各省の責任者の間で流布される、あるいは信ぜられるということは、これは人事院のあり方としまして、先ほど千葉委員のお話のようなことにも関連をしてきて、非常に不明朗なことになってくるわけですよ。私はもっとはっきりこの点はしたいと思います。こういうことのないようにしていただきたい。役所でそういうことが流布されておるのではお話にならない。人事院の一つ注意を喚起しておきたいと思うのです。
#60
○委員長(吉江勝保君) 他に御発言がなければ、本日はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
  午前十一時五十二分散会
   ――――・――――
ソース: 国立国会図書館
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