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1960/03/23 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 内閣委員会 第11号
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1960/03/23 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 内閣委員会 第11号

#1
第038回国会 内閣委員会 第11号
昭和三十六年三月二十三日(木曜日)
  午前十時二十一分開会
   ――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     吉江 勝保君
   理 事
           石原幹市郎君
           村山 道雄君
           伊藤 顕道君
           山本伊三郎君
   委 員
           大泉 寛三君
           木村篤太郎君
           大谷藤之助君
           中野 文門君
           一松 定吉君
           千葉  信君
           鶴園 哲夫君
           松本治一郎君
           田畑 金光君
           辻  政信君
  国務大臣
   内閣総理大臣  池田 勇人君
   大 蔵 大 臣 水田三喜男君
   自 治 大 臣 安井  謙君
   国 務 大 臣 小澤佐重喜君
  政府委員
   法制局長官   林  修三君
   総理府総務長官 藤枝 泉介君
   行政管理庁行政
   管理局長    山口  酉君
   防衛庁人事局長 小野  裕君
   科学技術庁長官
   官房長     島村 武久君
   運輸政務次官  福家 俊一君
   運輸大臣官房長 辻  章男君
   運輸省船員局長 吉行市太郎君
   運輸省港湾局長 中道 峰夫君
   運輸省自動車局
   長       國友 弘康君
   運輸省観光局長 津上 毅一君
   自治政務次官  渡海元三郎君
   自治大臣官房長 柴田  護君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       杉田正三郎君
   ――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国家公務員等退職手当法の一部を改
 正する法律案(内閣送付、予備審査)
○国家公務員共済組合法等の一部を改
 正する法律案(内閣送付、予備審査)
○自治省設置法の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○総理府設置法の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○原子力委員会設置法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○運輸省設置法の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
   ――――――――――
#2
○委員長(吉江勝保君) これより内閣委員会を開会いたします。
 三月十八日予備審査のため本委員会に付託されました国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から提案理由の説明を聴取いたします。
#3
○国務大臣(水田三喜男君) ただいま議題となりました国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその概要を御説明申し上げます。
 まず第一に、現行の国家公務員等退職手当法におきましては、職員としての引き続いた在職期間を基礎として退職手当の額を計算することを建前としておりますが、現行法の前身である国家公務員等退職手当暫定措置法施行日、すなわち、昭和二十八年八月一日前における外地官署引揚職員及び追放該当職員並びに軍人軍属等であった職員の勤続期間については、当時の特殊事情等を考慮して、外地官署引き揚げ等によって退職した後、一定期間内に再び職員として就職した場合には、前後の在職期間を通算する等の特例を設けております。これに反し、昭和二十八年八月一日以後において、外地官署所属職員等であった者が本邦に帰還して再就職した場合には、この勤続期間の計算の特例が認められておりませんので、昭和二十八年八月一日前の外地官署引揚職員等に比し不利な扱いとなっております。従いまして、今回、昭和二十八年八月一日以降の外地官署引揚者等であった職員についても、勤続期間の計算について、同日前の外地官署引揚者等であった職員と同様の特例を設けることとしております。
 第二に、現行の国家公務員等退職手当法におきましては、職員が退職し、即日再採用される場合等においては、前後の在職期間を引き続いているものとみなし、退職手当を支給しないこととしておりますが、昭和二十八年七月三十一日以前においては、職員の在職期間が引き続いている場合においても、退職手当を支給したことがありますので、このような場合には、その職員の最終退職時の退職手当を計算する際、さきに支給を受けた退職手当の計算の基礎となった在職期間を除算することとしております。このため、外地官署引揚職員等について前後の在職期間を通算する旨の特例が設けられていても、引き揚げ等により退職いたしました際退職手当の支給を受けております場合は、さきの退職手当の計算の基礎となった在職期間が除算されることとなり、不利益を受ける結果となっております。昨年、国家公務員等退職手当法の一部を改正して、公庫等から復帰した職員に対する退職手当にかかる特例を設けることといたしましたが、今回、外地官署引揚職員及び追放該当職員並びに軍人軍属等であった職員の退職手当につきましても、その退職の事情及び長期勤続者優遇の趣旨等にかんがみ、公庫等から復帰した職員に対する退職手当にかかる特例に準じて、その者が退職した場合に支給する退職手当の額の計算につき特例を設けることとするものであります。すなわち、従来、外地官署引揚職員等の退職手当の額の計算につきましては、引き揚げ等による退職のときに支給された退職手当の計算の基礎とされた在職期間を除く在職期間を基礎として退職手当の額の計算を行なうことといたしておりますが、今回これを改め、当該退職者の再就職前後の在職期間を合算することとした場合受ける退職手当の支給割合から、再就職前の在職期間に対応する支給割合を控除した割合を退職時の俸給月額に乗じて得た額を退職手当として支給することとしようとするものであります。
 なお、これらの特例は、昭和三十六年三月一日以後の退職者について適用することとしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及びその概要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。
#4
○委員長(吉江勝保君) 以上で提案理由の説明は終了いたしました。
 自後の審査は、これを後日に譲ります。
   ――――――――――
#5
○委員長(吉江勝保君) 次に、三月二十日予備審査のため本委員会に付託されました国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から提案理由の説明を聴取いたします。
#6
○国務大臣(水田三喜男君) だたいま議題となりました国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由とその概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、健康保険法、厚生年金保険法、恩給法の一部改正等に伴い、国家公務員共済組合法及び国家公務員共済組合法の長期給付に関する施行法について所要の改正を行なうとともに、共済給付に関する規定を整備いたそうとするものであります。
 次に、この法律案の内容について御説明申し上げます。
 国家公務員共済組合法の一部改正につきましては、まず第一に、健康保険法の一部改正に伴い、育児手当金について二千四百円を一括支給することとするとともに、出産費及び配偶者出産費についてそれぞれ六千円及び三千円の最低保障額を新たに設けることとしております。
 第二に、厚生年金保険法の一部改正に伴い、退職年金、廃疾年金及び遺族年金の最低保障額を引き上げることとしております。
 第三に、傷病手当金の起算日については、従来一律に療養のため勤務に服することができなくなった日以後三日を経過した日から起算することとしておりましたが、その者に俸給の全部または一部が支給されることにより傷病手当金の全部が支給されないときは、その傷病手当金の支給が実際に始められた日から起算することとしております。
 第四に、公務による廃疾年金または公務による遺族年金に要する費用について国が全額を負担することとしております。
 第五に、国家公務員が任命権者の要請に基づき公庫等の職員となり、さらに引き続き国に復帰した場合において、その公庫等の職員期間を組合員期間に通算し得る措置を統一的に行なうこととしております。
 第六に、共済組合の組合職員が国の職員となったとき、または国の職員が組合職員となったときは、その者の選択により、相互の組合員期間を通算し得ることとしております。
 次に、国家公務員共済組合法の長期給付に関する施行法の一部改正につきましては、まず第一に、旧勅令による共済組合の組合員であった期間を旧長期組合員期間とし、これにより引き続いていない旧勅令による組合員期間も年金額計算の基礎となる期間として取り扱うこととしております。
 第二に、恩給法の一部改正に伴い、旧軍人軍属の戦務加算等を在職年に算入することとするとともに、旧日本医療団職員期間及び外国政府職員期間を組合員期間に算入することについて所要の改正を行なうこととしております。
 第三に、同じく恩給法の一部改正に伴い、公務による廃疾年金の最低保障額を引き上げることとしております。
 以上の改正のほか、その他共済給付に関する規定を整備する措置を講ずることとしております。
 以上が国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案の提案の理由とその概要であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成下さるようお願い申し上げます。
#7
○委員長(吉江勝保君) 以上で提案理由の説明は終了いたしました。自後の審査は、これを後日に譲ります。
   ――――――――――
#8
○委員長(吉江勝保君) 次に、自治省設置法の一部を改正する法律案、総理府設置法の一部を改正する法律案、原子力委員会設置法の一部を改正する法律案及び運輸省設農法の一部を改正する法律案、以上四案を一括して議題とし、質疑を行ないます。
 政府側より出席の方々は、池田内閣総理大臣、小澤行政管理庁長官、林法制局長官、山口行政管理庁行政管理局長、辻運輸大臣官房長、柴田自治大臣官房長の方々でございます。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
#9
○千葉信君 池田総理にお伺いいたしますが、池田総理は、十七日の閣議を通じて、国家公務員地方公務員あるいは公共企業体の職員の組合運動について、違法不当行為に対して、国家公務員法、公労法、庁舎管理権によって厳正敏速に措置し、綱紀を引き締め、職場規律を確保するようという指示をなさいました。私は、法治国家である限り、厳重に法律を守れということを首相がやられることは当然だと考えております。ただ、ここで問題になりますことは、今政府の方から各省設置法が続々提案されてきておりますが、この問題に関連して、私は、公務員等に対し、また国民に対しては法律を守れという厳命をされる政府なり首相なりが、法に違反するような事実があるということは、私は絶対看過できませんので、きょう首相の出席を求めて、その問題についてお尋ねをするわけですが、これも新聞の伝えるところによりますと、二十五日に初会合を開くというので、暴力防止懇談会委員を二十日の日に任命することになったと報じております。実は、行政機関の中にある各種行政審議会ないしは調査会等々の問題について、私は、岸前首相に、その審議会等のうち、違法なもの、法律に違反して設けられているものについては、政府としてはこれをすみやかに廃止すべきだということを追及し、その結果、途次政府の方でも整理をされたようであります。ところが、現在各種審議会等の状態を見ますと、法律に基づいて設置されたものが二百六十二あります。それから閣議決定に基づいて設置されたものが五つありましたのが、この暴力防止懇談会の設置によって六つになりました。このほかにもこれに類似の機関が二十七件あります。せっかく私はこの問題等について政府の法律違反の行為を許すことができないという立場から政府を追及し、逐次整理をされてきたのにかかわらず、池田内閣になりましてから外交問題懇談会が設置をされました。今回またこの暴力防止云々の懇談会が設置されようとしております。これは国家行政組織法によりまして、こういう閣議決定の機関を設置することは、行政組織法上許されておらない。第八条によって、それ以外の政令、訓令等で設けられている二十七のこの調査会、懇談会等も、違法な存在でございますので、私は、前回の委員会で小澤行政管理庁担当大臣に対して追及いたしました。まあ小澤さんは善処するという約束をされましたが、しかし、一方で行面管理庁の担当大臣がそういう答弁をされても、片方では、依然として政府部内で暴力防止懇談会などというものが閣議の決定に基づいて設置されるということは、これ国会軽視もはなはだしいし、しかも、政府みずから違法行為を行なうということになりますので、私は、この際、池田さんの所信をお尋ねしたいと思ってきょう質問した次第ですが、首相はこの点に対してどう対処されますか。
#10
○国務大臣(池田勇人君) 行政組織法第八条におきまして、行政機関としての審議会、調査会等を設けることはお話の通りでございます。で、私は、いろいろな百般の事柄につきまして、やはり民間の方々の意見を聞き――聞くというのは語弊がございますが、民間の方々の率直な意見を聞き、意見を互いに話し合って、そして、それについての意見を参考と申しますか、材料にしていくということはやむを得ない、また、必要な場合もあると思いますが、これがやはり民主的な、しかし、専門的なことだと思います。お話にありました外交問題懇談会にいたしましても、これが一つの行政機関として意思決定をするというふうなこと、これはいけません。これは絶対にいかない。しかし、大きい問題につきまして民間の専門家等がお互いに話し合うという一つの懇談会――意思決定をせずに――ということは、私は政治をする形として、ごく軽い意味でやった方がいいんじゃないか。ことに暴力防止懇談会にいたしましても、専門的な知識を持っておられる方、また、民間の有識者等が意見を述べ合うということを他山の石として聞くということは、行政機関としての審議会ではなしに、私は最小限度においてはやむを得ないのじゃないか。もちろん、千葉さんが過去数年にわたって、この問題につきまして非常に熱意をもって、誤まりのないように政府を督励しておられることはよく存じております。また、こういう問題が閣議に出ました場合には、常に問題になっておる。しかし、最小限において専門家の経験その他意見を述べてもらう機会を作り、そうしてそれを民主的に意見の交換ということであれば、意思決定というのではなしに、私は、ある程度は大目に見ていただく場合もあると考えまして、外交問題懇談会、それから暴力防止懇談会というものは、フリーな民間の方々の意見発表会というくらいに心得ておるのであります。しかし、行政組織法八条の関係もございますので、その意見が行政機関としての意見になるようなことは、厳に慎まなければならないと思っております。
#11
○千葉信君 どうも池田さんは、財政等に関しては胸をたたかれる資格があっても、事この問題に関する限りは、非常に頼りないお考えを私はお持ちであることに非常に遺憾の意を表します。池田さんの言われるように、政府としては、あるいは行政機関としては、民間の創意工夫を行政に反映するしないは別として、そういう意見を聞く機会を持つことは意義があるということを言われましたが、私はその通りだと思う。しかし、その懇談会という場合であろうと、民間の意見等を、付属機関であろうと、一つの機関を持って、それを常置して、そうしてその意見を行政に反映させるような措置を講ずる場合には、国家行政組織法によりますと、法律で規定をしろと明確に規定されております。しかも、その外交問題懇談会に例をとってみましても、外交問題懇談会の場合には、その存置あるいは廃止の理由という項目のところに、本懇談会は、わが国外交を広く国民的視野と理解のもとに行なうために協議懇談するためのものであり、存置の要がある、こうはっきり政府としては必要だということを主張して、しかも、この懇談会の意見なり結論というものを、政府は行政としての外交に反映するという措置をとっておられるのです。私は、軽い意味で話そうと重い意味で話そうと、そういう組織を作って、その組織を通じて意見を聞くというやり方は、正式に諮問するしないという問題に関係なしに、今申し上げたような場合でも、私は、国家行政組織法の規定では、はっきりとそういう組織を持つ場合には法律の定めるところによれと規定しております。その委員会もしくは審議会等には二つの種類がありまして、一つは行政権を持った委員会であります。これは国家行政組織法第三条で規定された各省庁と同様に、行政権を行使できる委員会であります。それ以外の、今首相が言われたような、軽い意味で民間の意見を聞くとか、あるいは軽い意味で諮問をするとか、あるいは懇談の中から政府の行政について意見を聞くとか、それに寄与するための話し合いをするというような場合でも、一切がっさい含めて、第八条の規定によりますと、法律によれと、こうきめられておる。その国家行政組織法というのは、内閣の統轄のもとにおける行政機関の組織の基準をこの法律が定め、同時に、内閣の統轄のもとに、明確な範囲の所掌事務と権限を有する行政機関の全体によって、系統的に行政機関は構成されなければならない。そうして、その行政機関が必要とする国家行政組織法第八条にいうところの各種審議会あるいは調査会等々の付属機関の場合には、今首相が言われるような、大目に見てもいいじゃないかというような、そういうものも一切がっさいその付属機関は、これも法律の定めるところによると、こう規定されておる。それを池田さんは、この程度のものは大目に見てもいいじゃないかということを言われますが、問題になりますことは、さらにもう一つあります。それはどうか、というと、暴力防止懇談会の方もおそらくそうだと思いますが、この外交問題懇談会等にありましても、出席した委員一人に対して日当を二千円ずつ支払っております。国家公務員法の第二条によりますと、国の職員でない、あるいは行政機関の職員でない、特別職や一般職以外の者を置いて、それに給与を払ってはならないと、こう規定しております。今の給与法によりますと、この外交問題懇談会の委員に払っている日当に対して、給与であるという見解をはっきりとっております。ですから、軽い意味で意見を聞くのだから法律によらなくてもいいという政府の考えは、明らかにこの国家行政組織法第十八条を無視した行為になっております。ですから私は、この際政府としては、はっきりと法律に規定されておる事項ですから、外交問題懇談会、あるいは今回設けようとする懇談会、その他労働問題懇談会等を含めて、六つのこの機関は即時廃止をするか、さもなければ、あらためて政府としては各省設置法を通じて、正式に法律化するという行動に出ることなしには、私は、各省設置法全体の問題でありますから、今政府提案の各省設置法について審議をすることができないという条件があると思う。私はそうしなければならないと考えております。この点もう一度明確にお答え願いたい。
#12
○国務大臣(池田勇人君) 今、千葉さんは、審議会あるいは調査会というものは行政組織法第八条にずっと基づくべきだ、どういうお考えのようでございますが、私は、行政機関としての意思決定をするものでなければ第八条には抵触しないという出発から言っておるのでございます。行政組織法によりますると、行政機関としての意思決定をする調査会、審議会、懇談会等、これはもう法律によらなければならない。ただ、時々の問題につきまして、お互いに民主的に意見を交換し合うというところのものだったら、行政機関と私は言えないんじゃないかと思う。それは乱に流れてはよくございませんけれども、民間の方々の腹蔵のない意見を開陳する機会を持つというくらいに考えてみるのならば、私は行政組織法に違反しないと考えております。
 なお、外交問題懇談会の方々に日当をやっておることにつきましては、法制局長官から給与法に基づく理由を御説明させます。
#13
○政府委員(林修三君) この給与の問題は、これはもう千葉先生御承知のことだと思いますが、一般職の給与法の二十二条、あるいはそれが特別職である場合には特別職の方の給与法を準用しておりますが、委員、顧問、その他これに準ずる非常勤職員に対する給与、こういうもので出しておると考えるわけでございます。この規定は、御承知のように、いわゆる正式のと申しますか、第八条に基づきますいろいろな審議会、調査会の委員に対してもこの規定によっておりますし、それでない、たとえば個々の委員、あるいは個個の参与等をいろいろの行政機関が置いておりまして、あるいはその他の非常勤職員も置いておりまして、これは結局国家行政組織法では、一般基準の以上のものは法律あるいは政令になっておりますが、それ以下のものは予算措置でできることになっております。そういうものは給与法の二十二条で支払っております。この点は、実は正式の、いわゆる八条機関でない今の懇談会のような委員についても、これは予算措置であれば、私は二十二条の支払いはできるもの、従来もそういうことでやっておると思っております。
 それから、ちょっと今の総理の御答弁を補足いたしますと、いわゆる行政機関と総理が言われましたのは、八条のものを含めて、いわゆる三条の行政機関でない八条の審議会、調査会も一種の行政機関でございまして、そういうものも、いわゆる機関意思を決定するようなものは、これはもちろん八条の機関でなければならぬ、こういう法律の根拠になります。しかし、私どもといたしましては、従来こういう懇談会というようなものを置くことの議が出る場合に、常に千葉先生のおっしゃることをよく注意して実はやっておるわけでございますが、個々の委員を集めて懇談の場を持つ、それで、その懇談会なり、懇談会としての機関の意思を決定するものでない、こういうものは、今実は個々の人を役所に呼んで話を聞くということが許されている以上は、これは八条に抵触するものでなかろう、かように考えて、そのけじめは実はつけておるつもりでございます。
#14
○千葉信君 どうも法制局長官ともあろうものが、さっぱり法律上私を納得させる答弁をしておらぬのです。給与法の二十二条の関係についてはあなたが言った通りです。しかし、給与法二十二条は、委員とか参与とか、一般職の非常勤職員に対して手当を払うことのできる条件をきめた二十二条であって、これはあくまでも政府の正式な機関に勤務する、もしくは正式な付属機関に勤務する非常勤職員に対して給料を支払う場合のことを規定したものであって、違法なもので、しかも、国家行政組織法上違法な組織の中で働く者に対して二十二条は賃金の支払いを認めていないんですよ。むしろ逆に、公務員法の二十二条なり、あるいは給与法の罰則の適用という関係については、はっきり正規の機関なり、正規の付属機関に勤務する職員もしくは正式に採用され、もしくは臨時職の職員等を除いて、正規の者以外の職員を置いて賃金を支払ってはならないという規定があります、第二条に。その規定に該当するのが、この閣議決定と称する、付属機関でもない、正式の機関でもないそういうものに非常勤職員を置いて、それに賃金を支払う場合には、公務員法の第二条によって、これははっきりと給与法上の違反行為になる。これには、しかも罰則があります。一年以下の懲役、三万円以下の罰金という罰則があります。政府のやっている行為はこれに該当する。首をかしげるけれども、私は、法制局長官がこんなことわからぬはずがないと思う。しかも、その次に池田さんにお尋ねをしますが、第八条の関係というのは、これは政府の付属機関ではあるけれども、行政委員会じゃないのです。従って、第八条に規定する委員会というのは、行政権も持たなければ、行政意思の決定をする機関でもないのです、これは。そういう行政委員会は第三条の方で規定しております。第八条で規定している第三条の行政機関としての委員会以外の調査会あるいは諮問機関の場合には、これは初めからその行政意思を決定する機関でないのです。政府から諮問されたから、その諮問に答えるとか、政府から調査を依頼された問題について調査をするとか、そうしてそれを政府の方へ出して、政府の方であらためてその問題をどういうふうに行政に反映さしていくかということは、それは政府の自由意思です。ですから、一切の行政権に関係のない機関が、この第八条の委員会もしくは調査会が、何か行政権とこれが関係あるような総理大臣の御答弁は、全然誤まっております。そうしてこの第八条の中でも、正式に法律できめたものと、今申し上げたように、閣議で決定したり訓令で決定したりしている第八条まがいの脱法行為の機関があるから、私はそれはいかぬと、こう言っている。もう一度お二人からそれぞれ御答弁を願います。
#15
○政府委員(林修三君) その前段の部門でございますが、今おっしゃいますことは、結局いわゆる懇談会の委員でございますか、これがいわゆる国家行政組織法第八条違反の存在であるという前提の御議論でございまして、そこの問題に結局帰すると思うのでございます。いわゆるこれはまあ千葉委員もよく御承知の通り、個々の非常勤職員、これを置く根拠は、別に今法律でも政令でもないわけで、予算で普通の非常勤職員については置けるわけであります。そういうものについては、二十二条で給与を支払い得るようになっております。従いまして、今の懇談会の委員等がそれ並みと言えるかどうかということに結局はなるわけでございます。これは結局そこで懇談会の性格に戻ってくるわけでございますが、先ほど、これはまあ総理の言われましたいわゆる行政機関という言葉、今、千葉委員は、これは第三条の行政機関に限っておとりになっているのでございますが、第八条の付属機関、いわゆる付属機関でございますね、これはいわゆる何と申しますか、国家の意思を決定し、それを行使する意味のいわゆる行政機関でないことは、これはもうおっしゃる通りでございます。しかし、この第八条の機関といえども、一種の行政機関に付属する機関でございまして、その機関としてのたとえば意見を答申する、あるいは建議するという権限を与えられております。そういう意味においては、一種の広い意味の行政機関、三条の行政機関ではございませんが、広い意味の行政機関、そういう意味で総理はこれを言われたのだと思います。いわゆる何とか審議会、何とか調査会というものとして、総理大臣なり各省大臣から意見を諮問する、それに対してその調査会なり審議会としての意見を答申する、こういうものであれば、もちろんこれは第八条の規定に従って、法律に基づいて設置する。それで、それをもちろん政府として、従来もう私ども、まあ法律審査の立場から、もちろんその方針で、これは厳重に各省にも言ってございます。一その立場で言っております。ただ、この外交問題懇談会、暴力防止懇談会というのは、まさにその実は個々の意見を一堂の場に集めて、そこでいわゆる意見を聞く、あるいは意見を述べさせる、そういうまあ一つの何と申しますか、懇談会としての機関意思を決定するものじゃなくて、個々の委員の意見の集成をする、まあそういうふうに実は考え得るものじゃないか。そういうものまでこの八条で必ず法律によれといっているものなのじゃないんじゃないか、そういうふうに考えているわけです。この暴力防止の懇談会が、これが実は一つの機関としての意思を政府に答申するということになれば、これはもちろん法律に基づいて設置すべきもので、これはそういう計画も今あるようですが、そういうところに私どもはけじめをつけて、もちろんこれが第八条の脱法行為的なものに使われてはならないわけでございまして、その点は私どもも、実は常に各省に対してはいろいろ厳重に注意はしております。行政管理庁も、もちろんその立場でやってもらっているものだと思っております。そういう意味で私は一応けじめはついておる、かように考えております。
#16
○国務大臣(池田勇人君) 法制局長官が答えた通りでございますが、私は、この懇談会なり調査会が何かの意思を決定するというのであれば、これはもう法律に基づかなければならぬと思う。従いまして、暴力防止の懇談会にいたしましても、その懇談会が懇談会として意思決定する、こうあるべきだ、これはよくないというふうな意思決定をする段階になりますれば、これはもちろん法律による懇談会にいたしたいと思います。そういうことで単に意見を述べ合う場ということになれば、私は八条の違反とは考えておりません。これが意思決定をする、答申するということになれば、もちろん法律によることは法制局長官から答えた通りでございます。
#17
○千葉信君 どうも政府の方では、国家行政組織法の根本の考えなり方針というものを全然理解していない。そこに私は問題の混乱があると思う。で、その国家行政組織法というのは、責任内閣、議院内閣制に基づいて、行政機関の勝手な行動を許さぬ、そしてその行政を執行するための行政機関のあり方については、明確に国家行政組織法で一定の基準を定め、しかも地方の支分部局なり地方の付属機関に至るまで、一切がっさい法律で明定するというのがこの国家行政組織法の精神なんです。ですから、今お話のあったように、非常に軽い意味に扱って、あるいはまた軽い意味の意見を聞いて、それをそのまま集約して行政の上に役立てる懇談会だから、これは大したことはないからとの第八条に該当しないんじゃないかということを言われますが、それでもだめなんです。なぜだめかというと、それは常置される機関であり、しかも、そこに民間人が集められて、その民間人に対して賃金を支払う、そういうやり方をすることを行政府で勝手にやってはいかぬというのできめられたのがこの国家行政組織法なんです。ですから、たとい懇談会であろうと、その意見を行政に役立てようと役立てまいと、政府がそういう行動で法律を無視することは許さぬというのがこの国家行政組織法です。しかも、この第八条というのは、委員会もしくは調査会あるいは懇談会等も含めて、第三条の行政委員会以外の行政機関に付属する機関の場合も、一切これを法律で規定しろとなっている。この条文を読んだら、私は政府のような見解のできっこはないと思う。読んでみましょうか、第八条というのは、「第三条の各行政機関には、前条の内部部局の外、法律の定める所掌事務の範囲内で、特に必要がある場合においては、法律の定めるところにより、審議会又は協議会(諮問的又は調査的なもの等第三条に規定する委員会以外のものを云う。)、明確じゃありませんか。たとい懇談会という名前をつけようと、調査会という名前であろうと何であろうと、一切の行政機関に付属する機関としてのそういう懇談会、調査会等は、この第八条の規定するところによれば、全部法律できめなければならぬ。政府の方でも、何のかんのという答弁は私たちにしますけれども、従来の政府のやったああいうやり方を見ても、行政管理庁から、絶えず各省に対して、そういうものを設けては困るということが言われておる。しかも、そういう機関が設けられて、堂々と白昼公然と違反行為をやっているのは、これは行政管理庁の見解そのものもあやふや、見解があやふやであるから、私は、妥協的というか、追随するというか、そういう態度で過ごしているから、いつまでたってもこの問題はきれいに片づかない。政府の言っているような、そういう懇談会だからなどということは、全然この法律の条文からいけば理屈にならないんです。あなた方のおっしゃるようなものであっても法律できめろと、はりきり規定しているじゃありませんか。池田さんどうですか、この問題。やっぱり理屈にならないそういう理屈をあなたがおっしゃいますが、この程度のものは大目に見てほしいなどというのは、私は筋の通らぬ言い方だと思う。
#18
○国務大臣(池田勇人君) この行政組織法は、一つの意思決定機関を前提として規定したものと私は考えております。で、意思決定でも何でもない、単なる意見の交換の場所ということにつきまして、これは法律によらなければならぬと私は要求しているんじゃないと思います。詳しくは法制局長官から……。
#19
○政府委員(林修三君) これは今、千葉委員がおっしゃる通りに、名称は何であれ、いわゆる第八条に該当するような機関は法律によるということはおっしゃる通りだと思います。これは、かりに懇談会という名前をつけようと、実態がここでいう八条の機関に当たるものであれば、これはもちろん法律によることは当然で、われわれも従来そう考えております。しかし、要するに問題はその実態なんでございます。で、私どもも行政管理庁も、各省に特に厳重にこの点の第八条違反のものを作ってはいかぬということを言っております。常にまたそういう注意はしておるわけでございます。しかしものごとの実態といたしまして、まず第一に、これは一つの極端な例を申しますると、たとえば行政管理庁がいろいろの参考とするために何人かの学識経験者を呼んで話を聞くということは、これは実は八条の問題じゃないわけです。これは千葉委員も当然御承認下さることと思います。そういう場合には、もちろんこれは第八条の問題じゃないわけでございます。何人かの人をある問題についてずっと呼んで委員各自の意見を聞く、もちろんその委員、人、個人々々の意見を聞くわけです。これは今の八条に抵触しない、八条の問題でないことは、これは明白な事実だと思います〇一方には、しかし、一つの組織体を作って、その組織体としての意見をそこで出させるということは、この八条の方でございます。従って、そういう二つの明確な線があるわけでございまして、いわゆる閣議決定で懇談会を置くような場合は、むしろその前者に引きつけてわれわれ考えておるわけで、各自のそれぞれの学識経験に着眼して、その委員を呼んで、そこで意見を述べてもらう、これが一回に限らず、何回か同じメンバーが集まるという点において、多少千葉委員のおっしゃるような誤解を生ずる点がないではございませんが、その点は私ども十分なけじめをつけて、いやしくも第八条に抵触するようなことがないように、常にそういうものを置く場合には、私たちは厳重に、行管もそうでございますが、注意しております。いわゆる個人片々の意見を聞くという建前が基本になっております。そういう立場をとっておりますから、今総理がおっしゃられたのもそういう意味でおっしゃった。いやしくもそれが機関――一つの調査会、審議会としての意思を決定し、それを答申するというような立場をとる限りは、これは必ず法律によれという、そういうつもりで実は運営しているわけでございます。
#20
○千葉信君 理屈にもならぬ理屈を並べてごまかそうとしておりますが、労働問題懇談会というのがありますが、労働問題懇談会、これは諮問に答申をしているのですね。そうすると、労働問題懇談会だけは、あなたの答弁によると第八条に規定する委員会ということになりますね。私の言っているのは、答申したからとか、諮問したからということによって変わってこないというととを言っている。全部同じだと言っている。常設の機関として付属機関を置き、そこで官吏だけ、行政官だけを集めてやる場合には私は問題ないんですよ。国家公務員を集めてやる場合には、あるいは議員を集めてやる場合には、どういう機関を常置しても、これは問題はないのです。民間人を集めて労働問題懇談会等では諮問をし、答申をしている。あなたたちが一生懸命そこで陳弁これ努めてごまかそうとしている。事実をこれくつがえしているじゃありませんか。そういうように答申をしたとか諮問したなぞということには全然関係なしに、結果的には直接行政行為はやらないけれども、行政機関の諮問に応じたり意見を述べたりする機関を持つことは、付属機関としてこの八条に規定されているのだから、はっきりこれは法律できめるべきだ。実は一つの例外があります。どういう点かというと、第三条にいうこの行政委員会、これは行政権を持っております。それから第八条にいう委員会、調査会等は、これは行政権は全然持っておりません。ですから、第八条の委員会、調査会等というのは、諮問に応じたり、調査した結論を行政機関に提供するだけの仕事です。ところが、中央青少年問題協議会という機関が総理府にあります。この中央青少年問題協議会というのは、まさにヌエ的な機関だ。なぜかというと、諮問をすることになって設置された協議会ですが、この青少年問題協議会の権限の中に妙な権限が入っている。それは青少年問題に関して各省間の連絡、調整をはかるという一項があります。連絡、調整というのは、これは行政行為です。各省間の連絡、調整をはかるということですから、これは行政行為。従って、この中央青少年問題協議会は、第三条でもなければ、この八条に規定する委員会でもないヌエ的な存在だというので、政府は、私の追及に対して答弁が詰まったことがこの委員会でありました。まだこれが改められておりません。これだけ間違った格好で設置されている第八条類似の委員会です。それ以外の機関は一切がっさいあなたが今言うように、行政行為はやらない、やることができない。調査をするとか、ないしは、また諮問に応ずるとか、そういう行為だけであります。ですからその第八条からいうと、どんな懇談会であろうと、常置の機関を持ち、委員を使って懇談をする場合には、第八条で規定するところによって法律でやるべきだというので、はっきりしておるじゃありませんか。第八条をすなおに読んでごらんなさい。あなたたちの言うのは、そういう何というか、間違った、法制局の長官らしくないごまかしの答弁をしてごまかそうとしている。ごまかす余地のない条文がはっきりここにあるのです。懇談会だからとか、話し合いするだけだとか、行政権を持たないとか、そんなことじゃ全然答弁になっておりません。第八条の解釈をすなおにやってごらんなさい。聞いている連中みんなわかると思うのだ。わからないのはあなたたちだけだ。そんなことをして法律をひん曲げるから、しまいにはとんでもない大事なことまで法律をひん曲げて間違いを起こす。だれでもわかる法律の条文じゃありませんか。性根を据えて総理大臣答弁しなさい。
#21
○国務大臣(池田勇人君) 私は、今の一般意見の交換の場としての分は八条違反でないというような考えでいるのであります。今聞くところによりますと、労働問題懇談会につきまして、何か諮問に答申する、意思決定をしたというけれども……。
#22
○千葉信君 意思決定じゃないと初めから言っているじゃないですか。答申するだけです。
#23
○国務大臣(池田勇人君) 答申ということは、やはり懇談会としての決定でございますから、そういうものにつきましては、事実を調べまして善処いたしたいと思います。
#24
○千葉信君 ILOの問題に関して労働問題懇談会からこういう答申があったといって、堂々と本会議で労働大臣が言っているじゃないですか。それから、ここにある外交問題懇談会の関係でも、さっき読んだように、はっきりと政府の方では、外交問題懇談会はこういう役割をするのだということが規定されている。わが国の外交を広く国民的視野と理解のもとに行なうために協議懇談をしてもらうのだ、政府の外交という行政行為にプラスするためにこの懇談会を設けたのじゃありませんか。答申するとかしないなどという、そんな行為とは全然関係なしに、行政に貢献するために、国の行政に寄与するためにこの懇談会を行なう、日当も払う、ごまかす余地がないじゃありませんか。答弁しなさい。
#25
○政府委員(林修三君) この労働問題懇談会に対しては、確かにおっしゃる通りに、多少まぎらわしい点がございました、過去においては。そういう点で、今後の運営については、もしこれを今後存続するとすれば、私たちははっきりと今言ったような方針でやってもらいたいと実は思っております。それから、今の外交問題懇談会のお話でございますが、これは結局ここにこういう人たちを置いて意見な聞くことは、わが国の外交という一つの行政の参考にするという意味でございます。その意味ももちろんあるわけでございます。しかし、それはいわゆる懇談会としての答申を求めているわけじゃないわけでございまして、懇談会という名称のもとに、多数の人がおります、そういう人たちの意見の集合体、あるいはそのうちの何人の意見はこうである、何人の意見はこうであるというようなことを聞こうということでございます。これは先ほど一方の極端な例と申しましたけれども、たとえば数人ないし十数人の人に来てもらって、そこで個々の人の意見を聞く。それをもちろん行政の参考にするということは、これは法律のどこにも抵触する問題じゃないと私は思うわけでございます。そういうととは八条の問題でないわけでございます。それに結局かりに顧問とか、あるいは参与、委員、あるいはその他の非常勤職員の名称を与えても、これは別に八条違反ということではないわけであります。国家行政組織法にも違反いたしません。従って、それに準ずるような、それと同じような委員、その委員の集合体を懇談会というような名前でやるわけでございます。それは私たちは八条には抵触しないものと考えております。もちろん、しかし、おっしゃるような脱法的なことをやるのはいけないわけでございまして、その点は私どもはもちろん厳重に今までもそういう八条の機関の脱法的な行為をやるようなことを各省に対しては厳重に戒めております。そういう方針でやっております。しかし、いかなる意味においても、いわゆる調査会、審議会というような性格を持たないもの、そのメンバー個々の懇談をしてもらう、そういう趣旨のものは、私は八条には抵触しない――これについてもでございますね、立法政策論としては、これはいろいろ御議論があると思います。政策論としては御議論があると思いますが、これは法律的にいえば抵触しない。また、抵触しない形にしてもらわなければ私たちは困ると言って、十分に各省に対してそう言っているわけであります。
#26
○委員長(吉江勝保君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#27
○委員長(吉江勝保君) 速記をつけて。
#28
○千葉信君 盛んに審議会、調査会と懇談会は違うというような、名前で違うというようなことを今度は言われておりますが、そうすると、ここにはまた別な問題が一つ出てきます。
 厚生省には衛生検査指針審議会というのがあります。いいですか。それから、汚水処理方法基準設定調査会というのがあります。これも法律によらないのですよ。どこに区別があるのですか。農林省にも厚生省にも、この二つの省だけで二十七の法律によらない懇談会、調査会、審議会、協議会があります。どこにこれは基準があるのですか、政府は。全然でたらめじゃありませんか。
#29
○政府委員(林修三君) これは行政管理庁でもすでに考えておられることと思いますが、実は省限りで置いておりますものについては、もちろん各省で法律違反をやっては困るわけでございますが、もちろんそうでない趣旨のもとにこれを省限りで置いたものだと思うのでございますが、これが法律違反的なものであれば、もちろん政府としてはそういう法律違反的な存在はやめさせるような方向でやるべきだと思います。実態については、実は省限りのものについては一々われわれも承知していないものもあるわけでございますが、もしも法律違反的のものであれば、それは改組すべきだ、かように考えます。
#30
○千葉信君 それでは私は、首相の時間の関係がありますから、きょうはこれで大体やめておきますが、私は、この問題が片づくまで、各省設置法に重大な関係のある基本的な条件ですから、各省設置法は審議に入るわけにはいきませんから、また機会を改めて、近い機会に首相の出席を求めて私はやります。これはだれが聞いたって私のが正論だという自信を私は特っています。政府の方で方針をはっきり示さない限り、今のようなごまかしの答弁では私は話が解決しませんから、そのつもりで。私はきょうは……。
#31
○石原幹市郎君 議事進行で。
 今、千葉委員の言われた各省設置法の審議に入ることができないという意味は、たとえば四月から施行するということでこれからやろうという自治省設置法等、そういうことも一切審議に入らないという意味であるとすれば、これは僕は重大な問題だと思うのですが、どういう意味ですか。
#32
○千葉信君 各省設置法の中に審議会、調査会等を含んでいる設置法については、設置法全体の問題として、基本的な問題をはっきりさせなければ、一方では法律で求めている、一方ではこういう脱法行為をやるというのでは、国会の審議が無意味になりますから、そういう意味で私は問題を正確にしなければいかぬと思う。
#33
○石原幹市郎君 千葉君の言われる審議会なりこういうものの根本論議もいいですけれども、今まで活動して続いてきておるものが、もう期限が切れて重大な支障を起こすというものについては、これはそれもくるめて審議に入れないなどというようなことでなしに、新たに設置するものとかいろいろなものについては、それは大いに論議してもらいたいと思うけれども、日切れの法案等については、やはりこの際協力をしていただいて、千葉理論というものは今後十分検討を加え、また、今まで運営を誤まっているようなものがあれば、これを是正してもらうということにして、審議には入ってもらわぬと私はこれは困ると思う。委員長から一つ念を押していただきたい。
#34
○千葉信君 日切れになる法律案については、これは政府がお困りになることは十分わかるけれども、こういう機会でなければ、政府の方はいつでも問題をごまかし、いつまでたっても解決しない。ですから、今回の機会は私は非常にいい機会だと思う。ですから、日切れになる法律案があってお困りになればお困りになるほど、政府としては、この問題に対してもっと納得できるような態度をはっきりきめてもらいたい。そうすれば私は十分で片づくと思う。
#35
○石原幹市郎君 それは今、法制局長官が、一々各省それぞれで設けておる相談的の委員会についてまではよく知らないけれども、いろいろ誤まっておる運営をしておるとか、そういうものについては今後十分気をつけてやっていくと言うておるのですから、今、千葉君の言われたそれらの問題については、一応日切れの法案等については進める、こういうことについては支障ないんじゃないですか。その点は一つ委員長からはっきりしておいてもらわぬと、今後のこの委員会の運営に非常に重大な支障を来たすから、ちょっと念を押しておいてもらいたい。
#36
○千葉信君 今、法制局長官から答弁があったのは、名前の関係で、法律で規定されてある審議会、委員会と類以の名前の厚生省関係のものだけをさして言われている。そうして一番大きな問題となる労働問題懇談会、外交問題懇談会ないしは暴力防止懇談会等の関係については、そういう答弁をしておらないのです。そこに問題があるのです。
#37
○石原幹市郎君 これは法制局長官も、今、労働問題懇談会等についても、行き過ぎなり間違った運営があれば、今後十分気をつけていきたいということをこれははっきり言われたのじゃないかと思うのですが、法制局長官、もう一度はっきりして下さい。
#38
○政府委員(林修三君) 労働問題懇談会については、これは過去において確かに多少まぎらわしい点があったと思います。今後こういう懇談会方式を労働問題懇談会がするとすれば、私たちは先ほど申し上げたようなけじめはぜひつけてもらわなければならぬと思っております。
#39
○千葉信君 どういう責任のとり方をするのだ。まぎらわしいとは何だ、はっきり答申なんかしているじゃないか。さっきからの答弁、くずれているじゃないか。どう処置するのか。それだからいかぬのだ、問題をごまかすから。
#40
○辻政信君 関連。
 この問題は、この前の内閣委員会におきましても、与野党一致で、あまりに審議会が多い。私が要求した資料はこんなにきております。これは益谷さんがおられたとき、このことを与野党一致で検討して、当時与党の方からも出まして、この乱立した委員会、審議会は整理をする、こういうお約束があって出たのがこれであります。これを一通り拝見いたしますというと、日当とか手当とか、目的において、もはや活動しておらぬもの、それから非常に日当でもひどい差があるというので、これはだれかが一貫をして整理をなさらなければいかぬ、こう思うのです。今、千葉さんの議論を聞いておりますと、外交問題懇談会とか・あるいは暴力防止懇談会というものを否定されておるのじゃない、必要を。ただ、法律的にいろいろ疑念があるから、お作りになるならば疑念を残さないように政府の方で見解を明らかにし、性格を明らかにせよ、こういう議論ですから、すなおに政府はそれをいれられまして、また、千葉さんの方も社会党さんも、これをやらなければほかの法案の審議に入らぬということだけは、これは保留していただいて、政府が誠意をもって整理をなさると同時に、他の法案の審議を促進するけれども、促進して、国会が済んだら知らぬ顔で、この膨大なものをそのまま残しておかれるのじゃ、これは私ども非常に困るのですから、政府は、総理大臣以下、誠意をもって整理をなさる。そうして社会党の皆さんも、その結果をこの国会中に出していただくことにして、そうしてやはり審議を引き続いて公正にやっていただきたい、私はこう思います。
#41
○委員長(吉江勝保君) ただいま各理事、委員から発言がありまして、辻委員の御発言のようにとり計らいたいと思いまするが、この際、池田総理大臣に、それにつきましての所信を一つ披瀝をしていただきたいと思います。
#42
○国務大臣(池田勇人君) 千葉さんの御意見、私にもよくわかる。従いまして、今問題になっておりまする暴力防止懇談会これは答申をするようになると思いますが、これは法律にいたしたいと思います。
 それから労働問題懇談会、これは意思決定して答申しておると聞きましたが、これは今後そういうことのないようにしなければいけません。また、そういう目的でこしらえたものならば、規定を変えなければいけません。
#43
○千葉信君 廃止しますか、廃止を。
#44
○国務大臣(池田勇人君) それでなければ、廃止するのにやぶさかではございません。労働問題懇談会につきましては、ただいま申し上げた通りでございますが、そういう疑いのあるような場合を起こさないように、また、起こすおそれのあるような内規でもありますれば、これは改めます。
 それから辻さんのおっしゃるように、われわれもよく知っておるのです。非常にたくさん安易にこれをこしらえている。これは前の内閣の岸さんもそうおっしゃったと思いますが、できるだけ整理いたしまして、そうしてこういう問題が起こって審議をおくらすことのないように善処いたしたいと思います。
#45
○委員長(吉江勝保君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#46
○委員長(吉江勝保君) 速記をつけて。他に御発言もなければ、(「いやいやまだありますよ」と呼ぶ者あり)四案についての池田内閣総理大臣に対する質疑はこの程度にいたします。
   ――――――――――
#47
○委員長(吉江勝保君) 引き続き、自治省設置法の一部を改正する法律案の質疑を行ないます。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#48
○委員長(吉江勝保君) 速記をつけて。
 暫時休憩いたします。午後は一時に再開いたします。
   午前十一時四十七分休憩
   ――――・――――
   午後一時四十五分開会心委員長(吉江勝保君) これより内閣参員会を開会いたします。
 午前中の本委員会の運営において遺憾の点のありましたので、よろしく御了承お願いいたします。
 午前に引き続いて、自治省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
 政府側からの出席の方々は、安井自治大臣、渡海自治政務次官、柴田自治大臣官房長の方々でございます。
 御質疑のおありの方は、順次御発言願います。
#49
○伊藤顕道君 本法律案に関連して長官に二、三お伺いしたいと思いますが、自治省としてはこの地方財務会計制度調査会設置延期の理由を先般御説明があったわけですが、内容は、何分にも現行地方財務会計制度は明治以来の制度であるため、根本的な検討を要する点が非常に多い。そして地方公共団体の多様な実態を十分に把握した上で結論を出したい、こういうような意味で一年延期したい、こういうふうに理由をあげておられるわけなのです。この理由自体は私どもにもよくわかるのですが、こういうようなことは三十四年三月、その当時の自治庁設置法が審議された際、こういう提案理由の説明があったわけです。だからその当時すでにこういう理由はわかっておったわけですね。ところが、今回一年延期の理由として、またこれを同じようなことをあげておられるのは当たらないと思うのです。今度一年延期したということの理由にはならないと思う。三十四年の三月に、その当時の自治庁設置法審議の際に、いわゆる設置法の理由として私どもは理解できるわけです。もうその当時すでにその理由はわかっておったわけです。そこで、今度はなぜ一年延期しなければならないか、この問題について明白に態度をお示しになればそれで足りるわけです。その当時法律が可決決定しておられるわけですから、こういう点がどうもこういう理由では納得しかねる、一つこの点をはっきりさしていただきたいと思います。
#50
○国務大臣(安井謙君) 大へんごもっともな仰せかと思うのでありますが、実はまあやります際には、そういう際にはそういうような予定でおおむねできようかと思ってかかったのでありますが、手にかけてみますと、存外に複雑多岐にわたっているということによりまして、趣旨はもう一年御延期を願いたい、こういう趣旨でございます。その理由が、当初出したときと重複しているということはごもっともかと存じますが、現在におきましてもそういったような状況にあるわけでありまして、この理由が消えたわけでもないので、再度そういう理由でお願いをいたしておりますことと、さらに、しかし今度は複雑多岐だということだけでは困りますので、おおよそのめどを大体この一年のいつごろまでにどういうふうにつける。さらに国会の提出はどういうふうにするといったことまでめどをつけましてこの延期をお願いをしておる次第でございますので、一つその間の事情を御了承願いたいと思います。
#51
○伊藤顕道君 三十四年に自治庁設置法が出されたときは、大体二年間の腰だめで一応三十六年という年度を区切ったわけだと思うのですが、実際に審議調査してみたら、どうもやり切れない、あと一年要するということになると、その当時の自治庁、現在の自治省としても、計画は非常にずさんであったというそしりは免れないと思うのですがね。しかも、その当時の設置法については、三十四年の三月に上がっておるわけです。ところが、実際にこの調査会が活動を始めたのは十月です。七カ月も一体その間何をしておったかということになると、七カ月の間空費したということは、怠慢のそしりまた免れぬと思う。いずれにしても、こういうことでは、その当時すぐ三月に法律はできたのだから、委員などの人選等も十分準備して、準備よくかかれば、三月に成立した法律の実施は四月すぐ入れるわけです。七カ月もその間空費しておる。これは明らかに、何とおっしゃろうと、怠慢のそしりは免れぬと思う。そういう怠慢から、まあほかにも理由はございますけれども、そういう理由もあって、また不見識にも一年延長せざるを得ない。そういうはめになったと思う。この点を長官としてはどういうふうにお考えですか。
#52
○国務大臣(安井謙君) 長官というのは今ないわけでございますが、私のお名ざしだろうと思って御答弁申し上げますが、今御指摘のように、三月の末に上がりまして十月まで設置がおくれたということは、この準備で人選等に非常に手間どったというような事情もございますが、お話しのように、確かに怠慢であったと申されてもやむを得なかったろうかと思います。
 それから、予定の計画も、実際よりずれていったことも事実でございまして、これはあるいは万全を期して、十二分に手落ちがなかったという点については言い切れなかった点があろうかと思いますが、そういった御注意は今後は十分に気をつけまして、予定通り進行をさせ、早く結論を出して実施に移したい、こう思っておりますので、一つ御承知いただきたいものだと思います。
#53
○伊藤顕道君 この調査会は、今申し上げたように、三十四年の十月から三十五年の十二月、この約一年の間に総会を十七回、それから実態調査を七十一回実施せられた、そういうふうに発表になっておりますが、これは予定よりもむしろ回数は多く持たれたと思うのですが、そうだとすると、この各委員とか、十七名であったと思いますが、この十七名の委員、それから九名の各省庁から出ておる幹事、こういう出席状況についても、皆相当な出席率を示し、しかも、回数もこういうふうに予定を上回る回数を重ねて、なおかつ延期せざるを得なかったということになろうと思うのですがね。従って、その出席率は一体どうであったか。特に各委員のこういう点をお聞きいたしませんと次のお尋ねができないわけですから、まずどのような出席率であったかということをあらかじめお聞きいたしたいと思います。
#54
○政府委員(柴田護君) 事務的なことでございますので、私からお答え申し上げます。この委員会は、いつも非常に熱心でございます。大体お尋ねの委員の出席率は、いつも八割はこえております。お休みになっても一人か二人の程度でございまして、しかも、問題は技術的なものでございますので、その審議は微に入り細にわたりまして、非常にこまかく熱心に議論されております。
#55
○伊藤顕道君 また提案の説明によりますと、民間企業の会計制度は非常に進んでいるということをまずあげられて、この近代的に発達した民間の会計制度をも取り入れたいというような意味の御説明が先般あったわけですね。そうだとすると、この地方財務会計制度が今日の実情に沿わないということはおかしいと思うのです。民間の会計制度ですら、非常に近代的に進んでいる。そういうことを認めておきながら、政府自体に関係のある調査会が、この制度は非常におくれている。これは一体いかなる理由に基づいて民間のよりもそんなにおくれているか、ここにも納得しがたい点はあるわけです。この点をお聞かせいただきたいのです。
#56
○国務大臣(安井謙君) 実は終戦後、地方自治体、まあ政府機関もそうでございますが、公営企業体といったような形の企業体の形式の会計――会計といいますか、組織が相当ふえてきているわけでございます。ところが、役所の会計制度というのは、大体が極端にいえば大福帳、いわゆる複式簿記の形式をとらないものが従来の長い慣習から多いのであります。その点からいたしまして、逐次改正を加えていくには、どうしても民間で採用しております一種の企業会計の会計方式をとり入れるということが必要である。その意味で民間の企業会計方式の、いわゆる複式簿記の形式が進んでいると言えば言えるのでありまして、そういう点が今までの官庁会計は相当修正を加える必要の生じた点であろうと思います。
#57
○伊藤顕道君 次に、財政計画についてお尋ねしたいと思うのですが、三十六年度の地方財政計画を見ますと、この計画の規模は、ほとんど国家予算をわずかに下回るという程度であって、もし間違いなければ一兆九千百二十億、これは間違いないかどうか。こういう国家財政にほぼ近い額に及んでいるわけですね。前年度に比較しても三千七百億以上の増という結果になっているわけです。にもかかわらず、減税の面については非常に下回っているわけですね。この減税に対する熱意は非常に欠けているとしか考えられないわけです。前年よりも三千七百億も上回っているという、そういう状態の中で減税がいかにも下回っている、こういう実態、これは一体納得しがたいと思うのです。その点いかがでしょう。
#58
○国務大臣(安井謙君) お話の通り、今度の税制改正につきましても、国に比例した地方税の減税というものは、比例通りにはやれなかったわけであります。と申しますのは、御承知の通り、地方財政は、まだ全体の財政からいうと、非常に国に比べて低い水準にございます。しかし数年前の、たとえば俸給やボーナスまで払えないから赤字公債を出すといったような状況から見ますと、また格段に進歩して参っているわけでありますから、ことしから来年にかけましての状況は、さらに好転はいたしておりますが、まだ全体の水準から申して、国に比べてかなり低い地位にあるものでありますから、ことに地方税の税収の占める重要さ、あるいは割合というようなものから、今度はまだ十分な減税をやることはできなかったのでありまして、今後しかし税制調査会等の答申を待って、国と地方との税源の問題、財源の問題の配分等を考えながら、さらに均衡のとれた減税をやるように進めて参りたいと思います。
#59
○伊藤顕道君 この税制改正に伴う地方税の減税が、間違ったら、御指摘いただきたいんですが、初年度わずかに九十八億、どういうふうに聞いておるのですが、間違いないかどうか。もしそうだとすると、地方税の収入が三十五年度には六千二百億、それから三十六年度は七千六百億にはね上がっておるわけです。こういうふうに飛躍しておるにもかかわらず、今繰り返し申し上げたように、減税が初年度わずか九十八億、こういう点は今の御説明では納得しがたいと思う。これはよほど減税にはもっと本腰を入れてもらいたいと思うのですが、減税は池田内閣の公約でもあるし、こういう点に三大公約の一つとも言うべき面がいささかも実際の面に現われていないわけです。こういう点を一つ納得のいくように御説明いただきたい。
#60
○国務大臣(安井謙君) お話しの通りでござます、筋から申しますと。そこで、ただ地方税の場合には、本年度直ちに三十六年度へ適用されないで、三十六年度に減税をした実績が三十七年度以降に現われるというものの方が多いのでありまして、九十八億に対応するものは大体二百億以上のものになるのではないかと思います、平年度は。そのほかに、今の道路譲与税あるいは軽油引取税の増徴はございますが、そういう意味でそういう事情があったにしましても、確かにお話しのように、地方税の減税額というものは、決してパラレルにいったものではないということは御指摘の通りであります。しかし、これが本年以降、例の地方財源の見通しあるいは財源の配分というようなものを考えながら、今後の税制調査会の答申を待って一つさらに進めていきたいというので、今年はこの程度にいたそうと思っておるのでございます。
#61
○伊藤顕道君 大臣は予算委員会の方に出なければならぬという事情と聞いておりますので、長く聞いて引きとめるのは本意ではないのでありますが、最後に一点だけ要望し、強くまた申し入れたいと思うのですが、ただいまの減税の面については、いま少し具体的に、いま少し確固たる決意のほどをお聞かせいただきたいと思うのですが、これはやはり今日地方財政といたしますと、減税の面は相当大きな問題である、しかも池田内閣の三大公約の雄なるものである。そういう意味から、これは総選挙のときのから、宣伝でなく、当然これは実行に移さなければならぬ責任があると思う。地方税については自治省としても相当責任がある立場にあるので、一つその最高責任者としての大臣としては、いま少し地方税の減税に確固たる決意を持って一つ臨んでいただきたい。そうして今後の見通しについても、いま少し具体的に決意をお示しいただきたい、これを最後に質問ないし要望としてお願いいたします。
#62
○国務大臣(安井謙君) 御趣旨のほどはよくかわりますが、今の減税の面から申しますと、増税の面がありますので、差し引きを除いて減税面から申しますと本年度百五十三億の減税と、平年度が二百九十五億の減税、しかし、そのほかふえる分がありますから、差し引きは別でございます。それにしましても、とにかく国税に比例した減税になっていないことは確かであります。ただ、今の税の占める地方財政における割合というものが、まだ全体の三〇ないし四〇%といったような程度にとどまっておりますので、金額的にもこれをどうも大幅に今直ちにやるわけにはいかない。そこで、地方税源の国と地方との配分というものともにらみ合わせながら、御指摘のような、今後は合理的な地方税の減税をまた本年一ぱいかかって検討いたし、できるだけ実現の運びにしたい、こう思っているわけでございます。
#63
○委員長(吉江勝保君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#64
○委員長(吉江勝保君) 速記を始めて。
#65
○山本伊三郎君 大臣は帰りましたから、一つ具体的な問題で二、三質問しておきたいと思うのです。
 地方自治体の会計制度の改革ということは必要であることは言うまでもないと思うのです。しかし、非常に結論が出るのがおそいようでございますが、本年十二月に結論を出してもらうということになっているのですが、早急に一つ出していただきたいと思うのです。それで、答申を待ってまた自治省でそれをいろいろ審議してやられると思うのですが、地方自治体の行政運営で、会計制度の欠陥のために非常に支障を来たしている面がある。
 そこで、いろいろありますが、時間がありませんから、二、三ちょっと聞いておきたいのですが、収人役の権限の問題でありますが、こういう問題で相当論議されていると思うのですが、現在収入役はいわゆる金庫番というような程度の職務なんです。金の出し入れを厳重に間違いなくやるということが主たる役目らしいのです。しかし、ある市町村、全体とは言いませんけれども、市長の考え方で収入を非常に水増しをして予算化して、現実には支出に満たないという場合もあるのです。これは予算編成上の技術から、つじつまを合わすためにやっているところがたくさんある。そういう場合には、収入役は全然それに対してもタッチできず、予算が超過してくると、それは出せないということに終わるのですが、もともとそれは初めからそういう収入の予測がない、しかし、理事者はそれはやらざるを得ない今の現状なんです。そういう点について、これは審議会でも相当問題になったと思いますが、こういう点で何か問題になったことがあるかどうか、それをお伺いしたい。
#66
○政府委員(柴田護君) 出納長ないしは収入役の問題につきましては、御指摘のような意見もあることは事実であります。金庫制度がだんだん発達して参りますと、とれと収入役ないしは出納長ということの権限の問題といいますか、関係をどういう工合に関係づけるかということも問題であります。この点につきましては、具体的に今お話になりましたような形で個々の問題を議論されたことはあまりありませんけれども、一般論として金庫制度の問題をどうするかという問題に関連して、出納長、収入役の地位をどうするかという問題は議論になっております。
#67
○山本伊三郎君 先ほど大臣が、一般民間の企業運営における会計制度といいますか、そういう問題と、いわゆる役所、これはもう政府の金庫も大体類似のような方法でやっておりますが、それがために非常に公企業体においては問題があるのですが、そういうものは自己の勘定組織、勘定費目を設けてやっているところもありますが、やはりそういうものに覊束されて、非常に企業運営がやりにくい。これは少し的がはずれるかもしれませんが、都市交通と私鉄の運営を見ましても、現に都市交通関係、いわゆる都市電においては後手々々で企業運営をしなければならんという実態が出ている。たとえば用地買収でも、私鉄の場合は、いわゆる私企業ですから、予定線があれば、もう市会とかそういう議決機関は要らぬから、適当ないわゆる措置で土地買収をやる、それから公企業の場合には、特に地方自治体のような場合には、一々市会の決議を得てからやらなければならない。そういうことで非常に不利な点があるのですが、こういう点が今度の会計制度の審議会において論点になっておるかどうか。そういうものは別であり、単に金の出し入れの問題だけであるかどうか、この点をちょっと。
#68
○政府委員(柴田護君) お話の点は、会計制度と申しますか、もう少し広い意味において、財政、会計を含めた意味での制度の展開と申しますか、運営と申しますか、そういう問題がからんできておる。従って、御指摘のような問題があったことは事実でございます。ただ、この委員会では、制度そのものをどうするかという問題でございますので、御指摘のような事実ももちろん頭におきながら、現在の制度をどうするかという点に主眼がおかれておる。従って、最も大きな問題は、古い制度をどう近代化するかということでございますが、それをささえる目標と申しますか、指導原理と申しますか、そういうものといたしましては、公正にして、かつ、能率的というのが大きな目標になっておる。その限りにおいて、現在のいわゆる企業会計原則というものを、どの程度こういうものに応用できるかというようなことで議論がなされておるようでございます。審議の過程におきましては、たとえば地方団体の中で一般会計を全部ばらしまして、これを複式簿記に切りかえておる団体があるのでございます。そういう団体を招致をして、詳しくその運営の実態を聞いたりいたしております。しかし、その点はやはり制度としてどうするかということが主でございまして、お話のありましたような点を具体的に論議しておるようなところはないようでございます。
#69
○山本伊三郎君 それから監査委員の制度ですが、今市町村ではあまり不正が大きく出てこないようですが、いろいろ個々を調べると、やはりなかなか会計上の不正な点があると思うのです。今の監査委員の制度、私もそれについて自分自身は経験したことはありませんが、いろいろ聞いたり見たりするのですが、非常に形式的に終わっておると思う。実際やっておるのは職員である。監査委員自身はあまりたんのうでない人が選ばれておるような実情が多いのです、ないとは言いません。そういう点もこういう会計制度審議会の中で検討の対象になっておるかどうか、これを聞いておきたいと思います。
#70
○政府委員(柴田護君) これは財務会計制度の整備に関する一環の問題として議論になっております。御指摘のような点がないとも言えない実情でございますので、議論がなされております。
#71
○山本伊三郎君 それじゃこれで終わりますが、最後に希望ですが、これは政務次官から大臣に伝え、政府に伝えてもらいたい。会計制度については大きな欠陥があることは事実です。それに対して審議会を作って過去二年間やられたというのはいいことだと思うのですが、ややもすると、審議会倒れになって、ただ回数を重ねて結論を出すのに非常に何といいますか、ちゅうちょされておる。出ても、自治省でそれを大胆にそのいいところだけをとってすぐ実施するという点に勇気が欠けている点もあると思うのですが、これは地方団体の行政運営、また企業運営には非常に基本的な問題もありますので、その点こういう委員会の意見を十分いれられて、早急に改革されるように特に要望しておきたいと思いますが、その点について。
#72
○政府委員(渡海元三郎君) 御要望ごもっともであろうと思います。私も小さい町でありますが、理事者を経験いたしまして、現在の会計制度の旧態依然たることを痛感している次第でございます。ただいま御要望のありましたことに答申を得ましたならば、慎重に審議はいたしますが、断固たる決意をもって実行に移すよう万全の措置をしたい、かように考えております。
#73
○委員長(吉江勝保君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#74
○委員長(吉江勝保君) 速記を始めて。
#75
○田畑金光君 簡単に二、三質問をしたいのですが、重複しているかもしれませんけれども。この法律を見ますと、一年延長ということなんですが、これは一年後には必ず役目を終わって廃止できるという見通しに立って出されておるのですか。
#76
○政府委員(渡海元三郎君) 初めの予定が変更いたしまして、御審議を煩わし恐縮しておるのでございますが、一年以内には十分調査審議ができるものと確信いたしております。
#77
○田畑金光君 地方財務会計制度の全般的な調査を進めておられるようですが、この調査の結果、これは法律制度の改正とか あるいは行政機構の改革とか、こういう問題等についても、これは当然影響するものだと考えておるのですが、そのようなものであるのかとうか、これを一つ承ります。
#78
○政府委員(渡海元三郎君) 法律制度の改正が伴うものと考えております。
#79
○田畑金光君 行政改革等の問題は出てこないのですか。
#80
○政府委員(渡海元三郎君) 各地方団体にとりまして、会計制度の出納長あるいは収入役等の関係で、自治体の行政制度の改革はあるかもわかりませんが、現在のところ、そういったものをまだ予定いたしておりません。
#81
○田畑金光君 予定されるのじゃなくして、何十年来の制度について大幅な改革をなされるわけですから、当然法律制度あるいは地方行政機構等についても、改革その他の措置がなされるものだと見るわけです。今の御答弁によると、法律については改正が生まれてくる、こういうお話ですが、どういう法律の改正というものが具体的に出てくるのか、これは今お話の、地方行政機構等についても、地方の問題ではあろうが、当然これは予測される機構の改革の問題等もあるはずですが、どういう影響があるのか、そこを具体的に一つ承りたい。
#82
○政府委員(渡海元三郎君) 中央における機構改革の問題は、今のところ予定いたしておりません。地方におきまする機構の改革は及び得るかもわかりませんが、現在のところ、まだそこまで確たる見通しはつけておりません。なお、いかなる法律を改正すべきかという点につきましては、事務当局から答弁いたします。
#83
○政府委員(柴田護君) 私から法律の点につきまして御説明申し上げます。現在財務会計制度といわれておるものは地方自治法の中に散在をしており、これが非常に不備なものですから、現在の進歩した会計制度に合わな、従って、これをどういう工合に近代化して、能率的かつ効率的なものにするかということが、この調査会を作りまして、そして御審議をわずらわしておるゆえんでございます。従いまして、調査会の答申が出て参りますと、どういう答申になるかわからないものですから、御質問にぴったり当てはまる答えが出ないのですけれども、当然自治法の会計制度の財務会計関係の規定の改正が予想される。ただ、それに関連して、会計制度に関連する行政機構をどうするかという問題になりますと、出納長や収人役の制度をどうするかという問題にまで及んできた場合においては、地方団体の機構の問題にも及んでくる。また、地方と中央を通ずる会計の機構をどうするかといったような大きな問題までかりに及ぶとするならば、その限りにおいて、行政機構の改革というものが検討の爼上に上ってくる、こういうことしか現在の段階においてはお答えしがたいのでございます。いろいろな広範囲においてこの調査会は検討しておりますけれども、答申の中身がまだわかりませんので、可能性としては御質問のようなことがあり得るけれども、今のところ、そういう方向でいくとけ申しかねるのでございます。ただ、地方自治法の財務会計規定の改正、これは当然あり得ることでございます。
#84
○田畑金光君 何か本年の十二月末ごろまでには答申が出るという見通しで、かりにこの一年延長ということが成立した場合、いつごろまでに答申を予定あるいは期待をなさっておられるわけですか。
#85
○政府委員(渡海元三郎君) 三十七年の十二月までにおそくとも答申々得たい、かように考えております。
#86
○田畑金光君 三十七年の十二月ではなくて、三十六年の十二月ですね。
#87
○政府委員(渡海元三郎君) 間違えました。
#88
○田畑金光君 それで、その問何か中間発表等なさって、さらに識者の意見を聞くとか、あるいは地方公共団体の批判を聞くとか、そういうようなことも考えておられるように聞いているのですが、その点はどうなんですか。
#89
○政府委員(渡海元三郎君) 委員会の運びでございますが、現在の委員会の運営では、今日までの検討事項にあわせて、各地方の意見を聞くという方向に進んでいるものと、かように解釈いたしております。
#90
○田畑金光君 中間発表なさって、あるいは中間報告をなされて意見を聞くということですが、それはどういうことを期待してなさるわけですか。
#91
○政府委員(柴田護君) 現在の調査会の審議の状況では、中間答申をやろうというような運びにはなっておらないようでございます。ただ、途中で公聴会をやるかどうか、一つの案をまとめた上で公聴会をやるかどうかといりたような問題があるようでございますけれども、まだ委員の間の意見がまとまっておりません。地方の実情を聞くこと等につきましては、審議の必要に応じてそのつど関係者に来てもらいまして意見を聞いているのでございます。
#92
○田畑金光君 これは明治以来ずっと手をつけないで今日までこうきていたというわけですが、民間の会計制度についても、特に技術革新その他に伴って、最近は企業の体質改善合理化等も進み、事務能率の促進について非常に著しいものがあることをわれわれも知っておりますが、どういうわけで今日まで明治以来の制度というものが手をつけられないでいたのか、その根本的な事情というものはどこにあるのですか。
#93
○政府委員(柴田護君) これは財務会計制度というのが、地方財政の分野の中で一つの盲点とされておったのでございまして、数年来、財務会計制度を何とかしなければいかぬというのは、終戦直後から議論に上っている問題でございますが、ただ、会計制度といいますのは、変ないじり方をちょっといたしますと大へんな問題を起こす。そこで、慎重に事をかまえてかからなければならぬという態度で、ずっと自治省では、旧内務省以来、財政関係者の問、行政関係者の間で検討しておりましたわけでございます。そのうちに、ただいまお話のありました公営企業の発達、あるいは企業会計の発達等によりまして、地方団体がやっておられます事業の中から、公営企業会計については別途の会計制度をとるべきではないかという議論か起こってきて、財務会計制度全般の問題より公営企業会計の方を先にやったらいいじゃないかということで、たしか昭和二十六年でございましたか、地方公営企業法という法律を作って、この法律の中で全部複式簿記を採用する、一応公営企業については近代会計制度に切りかえたのであります。ところが、その後国の会計制度におきましては、たとえば債権管理法とか、物権管理法でございましたか、いろいろ新しい会計の制度もできて参っておりますし、地方団体の中でも、特に府県におきましては、地方団体自体の会計事務のほかに、国の会計事務もあわせて行なうというような関係から、国の会計制度との間においても現実において矛盾が起こって参る。かたがた法律をずっと検討して参りますと、非常に古くて、やはりこれは現状になかなかマッチしておらぬということから、これは一つ全面的にこの問題を取り上げようじゃないかということで、早くから問題になっておったのでありますけれども、ちょうど当時は財政的には地方財政は火の車でございまして、当座の地方財政の危機を突破すると申しますか、切り抜けるのに精一ぱいであった。それが大体一段落してきたので、この機に財務会計制度を一つ根本的にやろう、そこで識者の御参集を願いまして委員会を作って、そこでちゃんとした答申をいただきたい、こういう運びになったわけでございます。
#94
○田畑金光君 委員並びに幹事の定数わかっておりますか。これは現在何名くらいいるのですか。
#95
○政府委員(柴田護君) 政令では一応二十五名以内でございますけれども、委員の数は現在たしか十七人、それから幹事は九名でございます。
#96
○田畑金光君 これは特に二十五人の定員に対して委員の数は十七人、定員に対してそれほど欠員はないわけですが、幹事の場合は二十五人に対して九人、相当欠員がありますね。これはそんなにたくさんいなくても十分やっていけるのだと、こういうことなんですか。それとも、なかなか優秀な人ばかしだから、二十五名が九名でも十分やっていけるのだというあれてこうなっておるのですか。
#97
○政府委員(柴田護君) これは事柄の性質上、ある程度会計事務全般に通じておることが必要でございますし、同時に、地方団体の事務というものを知っておられる必要がある。この両方を勘案しまして大体適任者をいろいろ検討いたしまして十七名――二十五名以内でございまして、満配にいたしておりませんけれども、十七名の方にお願いしておるわけでございます。これだけ学識経験者がお集まりになればまずまず十分だ、かように考えておる次第でございます。
#98
○委員長(吉江勝保君) 他に御発言もなければ、質疑は終結したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#99
○委員長(吉江勝保君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
 別に御意見もないようでございますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#100
○委員長(吉江勝保君) 御異議ないものと認めます。
 それではこれより採決に入ります。
 自治省設置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#101
○委員長(吉江勝保君) 全会一致でございます。よって本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#102
○委員長(吉江勝保君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
   ――――――――――
#103
○委員長(吉江勝保君) 運輸省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。本件につきましては、すでに提案理由の説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。政府側より出席の方々は、吉行運輸省船員局長、中道港湾局長、國友自動車局長、津上観光局長、黒住運輸大臣官房文書課長でございます。
 御質疑のおありの方は、順次御発言願います。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#104
○委員長(吉江勝保君) 速記つけて。
 どうぞ御発言願います。
#105
○山本伊三郎君 政務次官もだいぶ忙しいので、きょうは簡単にしておきましょう。非常に内閣委員の皆さん同情のある人ですから。ごく簡単に二、三点質問しておきたいと思います。
 自動車審議会の問題でちょっと伺っておきたいのです。昨年たぶん本委員会でこの問題が提起されて、いろいろ審議をしたのですが、その後一年間で十数回やっておられるのですが、自動車運輸については、相当都市、いなかを通じて問題が提起されておるのですが、現在どういうところが問題になって、どれほど進捗しておるか、審議状況を一つ御報告願いたいと思います。
#106
○政府委員(國友弘康君) お答え申し上げます。
 自動車審議会の審議の状況につきましては、ただいままで開催の回数で申し上げますと、総会を三回開きました。それから保安部会という、事故防止その他車両検査施設の面につきまして審議をいたします部会と、輸送部会という自動車運送事業の合理化、近代化というような面につきまして審議いたします部会とがございます。保安部会を七回開きました。輸送部会を二回開きました。それから保安部会と輸送部会の合同の部会を一回開きました。及び見学会を一回開きました。これが従来の審議の経過でございまするが、この自動車審議会に対しましては、現在問題の非常に多い運輸省の自動車行政の関係につきまして、基本方針を樹立したいという目的のもとに、第一回の総会におきまして諮問いたしましたその諮問事項は、自動車行政の改善方策、特に自動車輸送の近代化と保安の確保のための自動車行政のあり方についてという包括的な諮問が出されまして、主として保安部会におきまして、事故防止を中心といたしました観点から、車両の検査の問題等につきまして、重点的に審議を重ねられたわけでありまするが、輸送部会におきましては――先ほど輸送部会を二回と申し上げましたが、三回でございます。三回開きまして、最近の輸送部会におきまして、自動車運送事業の近代化、合理化の問題等につきまして現在審議をする状況になりておりまして、保安部会と輸送部会という二本建の部会によって現在審議を進めている状況でご
 ざいます。
#107
○山本伊三郎君 当審議会設置のときにいろいろ問題を提起しているのですが、自動車輸送についての問題は、これは緊急を要する問題であると思うので、要するに、できるだけ早く結論を出すべきだということも言っていると思う。もちろんそれは今おくれている交通行政を一気にこれを改革することは、単に運輸省だけの問題でいかない点がたくさんありますから、それは承知しているのです。しかし、自動車の輸送というものは、もう近代交通においての主役を演じているのですから、事故におきましても、相当自動車が主たる事故の役割というと変に聞こえますけれども、主たる対象となっているのですが、一年間延長されるようですが、はたしていつごろこの結論を出してこれを実施に移す見通しがあるか、それを一つ政務次官から、政治的な問題だから、確信のある一つ答弁をしていただきたいと思います。また、この期間が切れるとまた延期だと、そういうことでは困る。
#108
○政府委員(福家俊一君) お答えいたします。自動車行政の根本的方策の樹立のため必要な重要問題に限り、今後一年間で極力審議を終える予定でございます。
#109
○山本伊三郎君 私、自動車関係の、運輸関係の新聞をよく送ってきてくれるのですが、問題点はたくさんあるのですよ。おそらく私、今、政務次官が極力一年間でその結論を出すということを言われますが、私はそう簡単に結論が出るものではないと思う。これは単に交通行政ということでなくして、自動車企業と申しますか、そういうものとの関連性も私はあると思う。なければ一つ指摘していただきたいのですが、今日自動車生産が、各社で競うて国民車というものを作ってやっておる関係上、非常に複雑な問題が私はあると思うのですが、それを運輸省で、この審議会の答申を待ってやるということになると、なかなかここで約束されたのはけっこうです。私はそのまま受けて今後見ておりますけれども、なかなかそう簡単にいかないと思うのですが、そこを一つ私はいつも審議するときに言うのですが、通り一ぺんの答弁でなくして、非常に問題点があるところはこういう問題点があるのだという点を審議の中で言っておいていただければ、われわれは参考になると思う。簡単に一年でわれわれが今考えている自動車運輸の、その点についての見通しがあるならけっこうですが、非常にむずかしいと思うので、審議会の中に入っておられる方が政府委員の中におられると思うが、相当問題点があると思うのですが、非常に困った問題はどこにあるかという点を率直に言っておいていただきたいと思います。なければそれでけっこうです。
#110
○政府委員(國友弘康君) 自動車行政に関しましては、非常に問題点のありますことは御承知の通りでございますが、こここで私どもでこの自動車審議会に諮問をし、御審議願う事項につきまして考えてみまするに、運輸大臣の諮問機関でありまする自動車審議会でございまするが、自動車に関しまして、あらゆる面の審議をもちろんなし得るわけでございまして、たとえば自動車の生産等についても建議等はできるはずでございまするが、ただ、運輸大臣の諮問機関でありますために、やはり運輸省の所管でありますところの、運輸大臣の権限でありまするところのものについて主として御審議を願うととは妥当であろうと思うのでございます。で、そういう意味から申しまして、現在、たとえば都市交通の分野における自動車輸送の占める地位とか、そういうような、むしろ経済審議会で討議されておりますようなことにつきましても、やはり自動車審議会としてある程度の討議というものをなされなければならないと考えまして、それらの点についても御審議を願っておるわけでございまするが、運輸省の権限といたしまして、現在運輸省が非常に自動車行政として問題といたしておりますところのものは、自動車事故防止の対策でございます。これにつきましては、先ほど申し上げましたような自動車の検査の制度の問題、これがございまするし、労務管理のあり方につきましての問題というものがやはり取り上げられなければならないと思っております。
 それから自家用自動車の保安方策につきましても、やはりこれは道路交通の面から申しますると、公安委員会あるいは警察庁が担当することではございまするが、やはり運輸省といたしましても、自家用自動車の保安面からするところの討議が必要であろうと思うのでございます。
 それから輸送の近代化、合理化の方策等につきましては、これは今最も問題の点でございまするが、自動車運送事業というものをいかに把握し、いかに発展さしていくかという問題でありまして、これらの問題につきましては、バスの関係、それからトラックの関係、それからハイヤー、タクシーの関係、それから通運事業の関係というような、運送事業としていかに発展させるかという問題があるわけでございます。
 それから自動事行政の事務の能率化というような面につきましては、自動車行政が、ことに運輸省で担当しておりまする自動車行政がいかなる形態をとり、いかなる方法でもって能率化さるべきかという問題でございまして、この中には、たとえば自動車行政に関する機構の問題とか権限の問題とかいうようなことが入ってくると思うのでございます。
 それから、さらに高速自動車国道というようなものが建設される段階になって参っておりまして、吹田−小牧間等におきましては、もうすでに着工し、一部でき上がっておるところもあるわけでありまするが、そういう高速自動車国道等ができ、さらに道路が五カ年計画等によりまして整備されて参りますると、自動車の高速化の対策ということがぜひ考えられなければなりませんので、現在のように自動車が時速四十キロないし五十キロで走っていればいいという状況でありませんで、やはりわれわれとしては、自動車は時速百キロというような程度で走れる機構なり、あるいは自動車の走る運営のあり方なり、さらには自動車運送事業として、そういう高速化になった場合にどういう運営をさるべきかというような問題等につきましても考えていかなければならない、そういう問題がございまするし、自動車損害賠償責任保険の充実の方策といたしまして、これは現在自動車が原因となりまして発生しました人身事故に対しましては、ほとんど強制保険で保険をかけておりまして、これらの被害者の救済をいたしておりまするが、それらの保険の充実方策をいかにすべきかというような問題がございまして、これらの今申し上げましたような問題は、運輸省の自動車局が担当しておりまする自動車行政についての改善方策でございますので、まずそれらの点を第一着手としてと申しますか、深く掘り下げて御検討願って、その他関連する事項につきまして、他の官庁の権限に属することにつきましても御審議を願う、こういう状況でございますので、今申し上げましたような点に関しましては、相当突っ込んだ広範な議論をしていただかなければなりませんので、われわれといたしましては、予算の面におきましては、実は今度の要求につきましても、少ないのでございまするが、委員さん方におきましても非常に熱心に御討議を願っておりますので、月に二回ないし三回は開催いたしまして、積極的に進めていきたいと思っておるのでございます。
#111
○山本伊三郎君 今言われた諮問事項、取り上げている問題点は、これは非常に重要な緊急を要する問題であることは間違いないのですが、事故防止の対策の問題にいたしましても、なかなかそう審議会で結論を出すといっても、各般の問題にこれは関連性があると思うのです。自動車の車体検査を厳格にやったから事故がなくなるということではないと思う。やはり交通行政と申しますか、交通取り締まり、そういう点にも影響してくる問題であると思うのです。従って、私の聞きたい本旨は、そういう内容をここで私は、これは運輸委員会でないから、言いませんけれども、結論を個々にでもいいから、早く出して、それを実施でき得るようにしてもらわぬと、審議会を設置した価値というものはないんですよ。ただ諮問したものをいろいろ議論されておる、その議論を聞いて運輸行政の中に取り入れていくのだということは、あれは別です。総合的な答申を待ってやるということになれば、結局審議をしている前に、もう自動車が先に走っておるのですから、結論が出たときには、もう次の時代に入っておるというようなことになりはしないかという心配をしておるので、事務当局の方ですから、政治的な問題をこれ以上追及しても仕方がないですが、運用の衝に当たっておられますから、できるだけ今言った諮問事項を全部結論を出せと言ってもなかなかできませんから、重要なものだけでも一応出して実施に移すようにやってもらいたいというのが私の質問の要点です。きょうはこれで終わりますが、この点だけ一つ聞いておきたい。
#112
○政府委員(國友弘康君) 仰せの通りでございまして、私どもとしましては、できるだけ早く重要な事項から結論をいただいて実施に移していくという気持でおります。その点に関しましての運用といたしまして、たとえば諮問事項といたしましては、先ほど申し上げましたような包括的な諮問をいたしておりますが、その中で事項々々に関しまして、中間結論のような形ででもお考え方をまとめていただいて、そういう方向でわれわれとしての行政をやっていく、そういうようなことで仰せのごとくにできるだけ早く実施をはかる、こういう方針で参りたいと思っております。
#113
○委員長(吉江勝保君) 他に御発言もなければ、本案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五十七分散会
   ――――・――――
ソース: 国立国会図書館
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