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1960/04/11 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 内閣委員会 第17号
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1960/04/11 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 内閣委員会 第17号

#1
第038回国会 内閣委員会 第17号
昭和三十六年四月十一日(火曜日)
   午前十時二十六分開会
   ―――――――――――
  委員の異動
四月七日委員米田正文君辞任につき、
その補欠として二見甚郷君を議長にお
いて指名した。
本日委員吉田法晴君辞任につき、その
補欠として千葉信君を議長において指
名した。
   ―――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     吉江 勝保君
   理 事
           小幡 治和君
           村山 道雄君
           伊藤 顕道君
           山本伊三郎君
   委 員
           石原幹市郎君
           大泉 寛三君
           木村篤太郎君
           塩見 俊二君
           下村  定君
           一松 定吉君
           千葉  信君
           鶴園 哲夫君
           横川 正市君
           田畑 金光君
           高瀬荘太郎君
  国務大臣
   国 務 大 臣 池田正之輔君
  政府委員
   総理府総務長官 藤枝 泉介君
   総理府総務副長
   官       佐藤 朝生君
   科学技術庁長官
   官房長     島村 武久君
   科学技術庁計画
   局長      久田 太郎君
   自治省行政局長 藤井 貞夫君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       杉田正三郎君
  説明員
   科学技術庁資源
   局企画課長   来正 秀雄君
   ―――――――――――
  本日の会議に付した案件
○総理府設置法の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○科学技術会議設置法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
   ―――――――――――
#2
○委員長(吉江勝保君) これより内閣委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る七日、米田正文君が辞任され、二見甚郷君が選任され、本日、吉田法晴君が辞任され、千葉信君が選任されました。
   ―――――――――――
#3
○委員長(吉江勝保君) 次に、総理府設置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
 政府側出席は、藤枝総務長官、佐藤総務副長官、島村官房長、来正資源局企画課長、藤井行政局長、岸行政課長でございます。
 御質疑のおありの方は、順次御発言願います。
#4
○山本伊三郎君 まず最初に、この第二の町名地番制度審議会の制度について、これは自治省関係だと思うのですが、若干質問をしたいと思います。
 全国的に見て、町名番地の非常に複雑な点は早くから言われておったのですが、さきに地方行政委員会で附帯決議がついておるようでございますが、もちろんこの審議会の設置についての趣旨はわかるのですが、自治省としてどういうこれに対する構想で臨まれるか、この審議会の設置じゃなくして、町名番地の現在の実情から見て、どういう制度に変えたらいいか、こういう点について若干お聞かせ願いたいと思います。
#5
○政府委員(藤井貞夫君) 町名地番が非常に混乱をいたしておりますために、社会経済生活上、非常な不利不便が生じておるのでありまして、これを何とかしなければならないということは、すでに各方面からも主張されておりまするし、私たちといたしましても、すみやかにその整理をはかって参りたいというふうに考えてきておったのでございます。これの整理のやり方につきましてはいろいろあるわけでございます。現在の制度というものは、地番というものを基礎にして住居地の表示をやっておるわけでございます。これを、本筋といたしましては地番を整理することによりまして、それに対応して住居地の表示というものを整理していくということでございますけれども、しかし、一面、地番ということに手をつけて参りますると、なかなか技術的にもあるいは経費の面から申しましても、あるいは人手の点から申しましても、相当の問題があるということもあるわけでございます。そういう点で、別に地番とは切り離しまして、住居地の表示ということについて便法があり得るのではないか、すでに実際上の必要から、郵政省におきましては、郵便の戸番でありますとか、あるいは民間のガス会社等においては特別の制度を作っておられるようでありまして、そういうような便宜の方法もあり得るわけでございます。そのいずれをとるかということにつきましては、これは一利一害がございまして、にわかに断定ができがたい。そこで、そういった点について有識者にお集まりをいただきまして、ざっくばらんな御見解をお伺いし、そこに一つの方針というものを打ち出していくということがいいのではないかというのが今回お願いいたしておりまする審議会の設置の問題でございます。従いまして、われわれといたしましては、一応の腹案といったものは用意はいたしておりまするけれども、今ここで私たちといたしましては、この制度がいいのだというきまった考え方ではなくて、ざっくばらんにやはり審議会を通じていろいろな問題点を指摘していただき、整理の具体的ないい方法について指針を与えていただき、これを参考にして政府としての方針を打ち出していきたい、かように考えておる次第であります。
#6
○山本伊三郎君 地番のいわゆる整理改正ということになると、この理由書にありまするように、不動産の関係が相当問題になると思います。従って、この住居地の表示を別に考える、これは相当そういうことも言われておったのですが、住居地の表示をかりに先行してやるとして、相当これだけでもなかなかそう簡単にいかないと私は思うのですが、自治省でどれくらいの時間をかけてやればこれだけでもできるか。これは今説明がされましたように、また、理由書にありますように、郵便、電報その他のことで非常に困惑しておることは、これはもう事実であります。従って、同じ番地で百五六十軒もあるということを聞いておるのでありますけれども、それを一々同じ番地でより探すことは相当困難であります。従って、住居地の表示そのものを先行して、独自にそういう制度をやるということで、はたしてどれくらいの時間的用意が要るか、ちょっとそのことを聞かしていただきたいと思います。
#7
○政府委員(藤井貞夫君) 今お話もございましたように、同一番地で、実は百何番台ということでなくて、何千番というものも実はある所があるわけでございます。これでは何ともいたし方がないということを考えておる次第でございますが、単なる住居地表示制度ということに、かりに相なったといたしますると、これは地番と並行してやって参りますよりは、手続はかなり簡略に参ります。特に現代は航空写真というものも、割りと入手しやすい状況でございまして、そういう航空写真を基礎にいたしまして、これをある程度拡大をしますと、外郭というものがきわめて明確になって参ります。この道路にはさまれた外郭というものをつかまえまして、それに一定の町名なり、あるいは大きくいったいわゆる番地というものを付して、そうして道に面しました所を順番にそれの中の何番何番、あるいは何号々々というふうにつけて参りますると、割合と手続は簡単に済むのではないかと思っております。また、地番整理というものと並行してやって参りまするものにつきましても、三十五年度において実施をいたしました実験都市の経験に徴してみましても、いろいろな準備手続その他を含めまして、本格的にこれと取り組む態勢をとりますれば、まずおおむね六カ月くらいで完了ができるという見通しを大体確信として得たわけでございます。むろん地域の広狭にも影響がございますけれども、大体計画を進めて、本格的にやろうとい5気がまえを見せますれば、私たちの今までの経験からいたしましても、また、見通しからいたしましても、一年かからないでこの整理は完成できるのではないか、かように考えておる次第であります。
#8
○山本伊三郎君 実は、僕はそれほどまあうまく急速にやれるとは思わなかったのですが、今の藤井行政局長のお話では、地番の整理でも、まあ一カ年見ればできるという、こういうお話ですが、それであれば、ことさらに先行して住居地の表示制度というものをやって、それからまた地番の整理をやるという必要がないのじゃないか、こうまあ思うのです。私は、おそらく二、三年もかかるんじゃないかと、こう思っておったのですが、もちろん整理はできても、いわゆる各役所と申しますか、登記所あたりの書類の整理というものは、相当時間がかかるのじゃないか、その間における一般不動産所有者に与える不便なんか考えて住居地表示制度というものを考えられたのではないかと思うのですが、そんなに早くできるのですか、一カ年ぐらいで。
#9
○政府委員(藤井貞夫君) 先刻ちょっと触れましたように、地域の広狭によるわけでございます。本年度実施をいたしました三都市の関係に徴してみますと、大体標準としてその対象を選定いたしたわけでございまして、これはおおむね六カ月から九カ月ぐらいで終了いたしておりますが、その対象は約三十万坪から四十万坪ということでございます。それら選定をいたしました川越であるとか塩釜であるとか、あるいは都内の荒川区の一部分でありますとか、そういう所は、おおむねその時日をもって終了いたしておるのであります。ただ、それには一つの条件がございまして、法務省あるいは登記所の協力態勢というものが整備されていることが前提でございます。これらの都市につきましては、あらかじめ法務省ともよく相談いたしまして、実験都市でもございますので、そこに勢力をある程度集中をした、あるいは応援態勢をとったというようなこともございまして、これが割りとスムーズにいったということでございます。これを全国的に一斉に実施するということになりますと、これはなかなかそう簡単には参りません。私たちといたしましても、相当順調に進んだといたしましても、やはり最小限度三年はかかる、まずはやはり三年ぐらいはどうしても必要ではないかという見通しを立てておる次第であります。
#10
○山本伊三郎君 まあ大体そういうことだろうと思うのです。そこで、私、今いろいろ各地方行政委員からも聞いておるのですが、この住居地表示をかりに先にやるとしても、その次にやる地番の整理ということもあわせ考えておかなければならない。作ったために、それと合わすためにいろいろまた複雑な問題が起こるのではないかという心配をするのです。この問題は早急にやらなければならぬということは早くからいわれております。また、われわれ日常生活からもこれは必要なことと思っておるのですが、ただ、ここで町名地番制度審議会という、こういうものを設置した場合に、私は、この問題など自治省では、ある程度そう政治的な問題の多いものじゃないのです。ただ、事務的になかなか変えるのは、長い間の伝統がありますから、それでやりにくいというだけであって、これによって利害が相反するというような回答というものはないと思うのです。従って、あえて審議会というのを作って、また、有識者、学識経験者たちによってどういう審議をするのか知らぬが、ごてごて言って時間をとって、これが答申が出るまで待つということでは、それだけの時間がまたおくれるのではないかと思うのですが、まあ民主的な考え方でそういう人々の意見を聞いてやるということは、なるほどいいことはいいのですが、こういう問題に関してまで、大事をとって自治省が審議会を作って、その答申によってやるということの必要がないのじゃないかと思うのですが、その点どうなんですか。
#11
○政府委員(藤井貞夫君) そういう御見解もおありであろうとは思うのでありますが、しかし、この問題につきましては、実は私たちも相当早くから関心を持って、問題の処理方針というものを探し求めてきておったわけであります。ただ、町名については自治省の関係で、これは指導でもってやれます。地番関係が、従来の関係から法務省所管ということになっておりまして、むろん両者の話し合いで、政府部内のことでありますから、やれる部面はたくさんある、そうしなければならないと思います。法務省も、この問題については協力の態勢を示してもらっておるわけでありますが、やはり技術的にも、あるいは人手の関係、金の関係というようなことで、なお終局的な見通しを得るに至っておらないということでございます。それともう一つは、今お話にもございましたように、整理の必要性ということにつきましては、大方について私は特段の異論もないというふうに思っております。ただ、具体的なケースになりますると、従来の伝統なり、あるいは慣習なりというようなものがございまして、やはり昔から使いなれてきた町名あるいは地番というものについて愛着を感ずる、特に地域社会の問題でございますので、従来からやはり一つの町内会とか部落会というようなことで固まりができておるというようなこともございまして、そういう点についてやはり一般の協力と理解というものを得ることも必要でございます。なお、私たち研究はいたしておりますけれども、やはり一つの整理の基準と申しますか、どういう方法でやっていったらいいかということについては、資料も用意して、これを一般有識者の御判断に待って、その段階において出て参りました方針を、これを極力尊重して、政府の方針として実施に移していくということが、実際問題といたしまして、事柄を的確に処理するゆえんではないか、かように考えておる次第でございまするし、なお、もう一つの点は、私たちは、この問題は地方団体自体が実施すべき本来の義務という見方もございますけれども、一面においては、大きな見地から見れば、国の一つの行政区画であるというふうに見れないこともございません。国家的な立場からいっても、非常に重要な関連を持って参ります事柄でございますので、これについては、やはり促進をいたしまする立場から見れば、国においてやはり何らかの財政的な援助措置を講じてもらうということがいいのではないか、かように考えておるのでございまして、これらの点につきましても、はっきりした方針が打ち出されて、要すれば、やはり法律の根拠を持たしめたような方式で促進をはかっていくということにいたしますることが、本案件の円滑な処理をはかる上において必要なのではないかということでございます。そのために、やはりできるだけすみやかに結論は出していただきまするけれども、審議会というような立場で討議をしていただき、その結果に基づいてこれらの具体策を検討して参るということが適当ではないかという結論に至ったわけでございます。
#12
○山本伊三郎君 あとで順次経費の問題に触れようと思っておりましたが、今財政的な措置について、ちょうど答弁の中に出ましたので、この点ちょっと先にお尋ねしておきたいのですが、私が心配しているのは、審議会において名案が出る出ぬということよりも、これに対する経費の問題で、ある程度もたつくのではないかと思っております。簡単に、町名の変更ぐらいはと言うが、それをやるには私は相当経費が要ると思っております。それで相当これがおくれるのじゃないかという気持がして、質問をあとでやろうと思ったのですが、ついでですから、これに対して自治省としてどういう結論が出ようとも、もう全国的に変えることは事実なんですから、それは変えなくてもいい市町村もあるだろうと思いますが、それに対して、一体、経費は関係各省がどれぐらい要るだろうかという見通しを持っているか、それをちょっと。
#13
○政府委員(藤井貞夫君) 本年度実施をいたしました実験都市における実績その他から推算をいたしますると、大体坪当たり四円五、六十銭かかっているようでございます。今私たちが、関係の市町村の方から、整理を要する面積はどのくらいあるかということを調べてみているのでありますが、大体集まっておりまするところでは、その対象面積が約十億坪程度でございます。そういたしますると、ごく大ざっぱに見積もりました経費というのが、まず四十五億から五十億程度かかるのではないかという積算を立てておる次第でございます。
#14
○山本伊三郎君 まあ大体それぐらいかもわかりませんが、なかなかおそらく手をつけると派生的な問題が起こって、坪当たり単価四円五十銭ということではおさまらぬのじゃないかと思うのですが、かりにそれでおさまっても五十億程度の金が要るのですが、これについては、政府としてまだそこまでは計画はないのですが、大体これぐらいの費用、まあこれ以上かかっても敢行するという、そういう方針であるのかどうか、それをちょっと。
#15
○政府委員(藤井貞夫君) まだその点、最終的には詰めておりませんですが、私たちは、事柄の重要性と必要性にかんがみまして、その程度の金というものは出し惜みすべきものではない、やはり敢行すべきものではないかと、かような考え方に立っておる次第でございます。
#16
○山本伊三郎君 それでは総理大臣にかわって、総務長官に一つその点確認しておきたいのですが、政府もやはりそういう考え方でこういう審議会設置をして遂行しよう、こういう意思であるのかどうか。そのときになって、費用が要るから一年延ばす、二年延ばすということでは困るので、この審議会設置について政府の見解を。
#17
○政府委員(藤枝泉介君) ただいま自治省からお答えをいたしましたように、この審議会の答申が出まして、実施をするということになりますならば、それに必要な経費は十分政府としても考慮をしたいと考えている次第でございます。
#18
○山本伊三郎君 それは総理大臣の意見として聞いたのでありまして、またあとで問題にならぬように十分注意してもらいたい。これは自治省の方ではそう望んでいると思うのですが、それは政府はそのときになるといろいろ経費の問題で文句をいいますから、これは自治省の立場で言うておったのですから、一つ好意を持って質問を聞いてもらいたい。
 それから次に、先ほどちょっと言われましたが、町名の改正と申しますか、これについては、なるほど市町村の区域の変更とか、市町村の名称変更というのでなくして、同一市町村内における町名の変更ですから、行政的な問題というもの、政治的な問題というものはあまり起こらないとは思うのです。しかし、今言われたように、長い間の徳川幕府時代からの町名が残っているところがたくさんあるのですから、やはりその町名に執着するという感情はぬぐい去れないと思う。しかし、実際問題として今までわれわれが経験して聞いているのですが、かりに現実の町名、番地が変更になっても、旧来の町というものを一つの単位として申告団体がそういうものを作っていると思うのです。これはたくさんあると思うのですから、私はその点にあまり心配をする必要はないと思う。そういうことで相当自治省として、抵抗ということはどうかしりませんが、そういう異議のあるような意向を聞かれたことがあるかどうか、この点ちょっと。
#19
○政府委員(藤井貞夫君) 特段のことは聞いておりませんですが、やはり町名が変わり、あるいは町の区画というものが変更されるということになりますると、親睦団体等の関係で、新しい町の単位ということが、やはり本来的にはその基礎になってこなければならぬという感じもあるために、若干従来の町の区域というものが変更されることについて抵抗があったというような事例が、ごくわずかでございますけれども、あるようでございます。しかし、それらの点は過渡的、暫定的には、今御指摘にもありましたように、別に町内会等の組織、その区域等を、新しい町名ができたからといって、必ずしもそれに合わせなければならぬということは、これは何もないわけでございまして、それはやはり地域住民のそういう感じというもの、それを基礎にして考えていけばよいのでありまして、私たちといたしましても、それを新しい町名ができたから、全部それに基礎を置いて、親睦団体等までそれにならわなければならぬというような指導をいたすつもりは毛頭持っておらないのであります。
#20
○山本伊三郎君 局長は非常に注意深く答弁されておるのかしれませんが、私は、実は一つ心配している点がある。やはりこの町名変更について、単に町内会とかそういうものでなくして、やはり今政治活動として表面に出ないけれども、いろいろ防犯何とかいう会とか、あるいはPTAとか、そういう下部の、行政的な正式なそういう区域でないけれども、慣習的にできておる団体というものがあるわけですね。こういうものが相当私は、いよいよそういう改正をするとなってきたら、問題が出てくるのじゃないかと思う。やはりそれは一つの政治につながった団体になっておるのです、事実上。そういう点が私は相当問題が出てくるのではないかという実は心配をしている。自治省ではそういうことは今言われてないのですが、そういう心配があるということを知っていて、ことさらにそれを言っておらないのかもしれませんが、この問題は私は必ず出てくると思う。そういう点を自治省としてやるならば、勇敢にこれをやらなくちゃ問題が出てくると思う。従って、その点そういうことはもう全然考えておらないということであるかどうか、この点ちょっと聞いておきます。
#21
○政府委員(藤井貞夫君) 町の区画というものをどの程度にやることが適正であるか、また、町の形態というものをどのようにやることが理想的であるかというような点について、あるいは審議会でも審議の対象になってくる可能性はあると思います。しかし、それらの点につきましては、従来も、町の区画なり、あるいは町の配置、分合というようなことは、それぞれの市町村の自主的な判断にまかされておるわけでございまして、従来から、自治省といたしまして、これが理想的な形態である、そういったようなことを市町村に対して申したことは一切ございません。従いまして、これらの点につきましては、やはり当該市町村の実態に即して行なわれまするように、自主的な判断でこれが行なわれていくということが望ましい、かように考えておりまして、特段にわれわれといたしまして、具体的にこの町はこうすべきだというようなところまで積極的な指導を行なうつもりは持っておらないのであります。
#22
○山本伊三郎君 もちろんこの審議会の意向によって自治省が方針をきめられるということはわかるのですが、各市町村の自主性でやる、まあ今の法律の建前としてはそうなっておるのですが、しかし、全国的に一つの町名地番制度の改革となれば、各市町村まちまちであるということは、これは意味ないと思うのです。やはり基本的なものはこうあるべきだ、一町における戸数は大体この程度である、こういう一つの基本的なものが示されなければ、これは審議会で答申したやつは、おのおの各市町村において自主的にきめるのだということでは、私は意味にならぬと思う。そうなると、市町村だけで考えてやればいいということになって、国の方でこういう審議会を作って根本的な改正のその案を作ろうという必要もないのですが、あなたの答弁の私の聞き間違いかどうか。すべては市町村の自主性にまかすというその意味がちょっとわからないのですが。
#23
○政府委員(藤井貞夫君) 住居地表示制度の本来のねらいというものは、現在の混乱をいたしておりまする住居地表示の方法としての地番制度というもの、これを整備をしていかなければならぬということであろうと思います。これにつきまして、土地の番号と直接につながっておりまする住居地表示の制度をそのままとして整備をはかるのか、あるいは一応土地の番号というものとは切り離して、住居地自体を表示する方法として、適切な方法による戸番制度と申しますか、そういうものを採用していくのがいいのか、これを検討していただくことが主たるねらいでございます。これらの点につきましては、地番制度としてやっていくとすればどういう方法がいいのか、あるいは戸番制度に乗りかえるということであればどういう方法がいいのかということについて、基本的な方針は、これはぜひ打ち出してもらわなければならぬ。その方針に従いまして、政府といたしまして方針を決定いたしたいと思っております。これは本来のねらいでございますけれども、しかし、お話に出ましたような、町名自体のあり方というようなものについても、これは同時にあわせ御検討いただくということでございます。ただ、その場合に、こまかいところまで、あるいは町名のつけ方とか、そういったようなこと、あるいはその区画というものはこういう形でなければならぬというようなこまかい点まで審議の対象になってくるかどうかということにつきましては、私たちといたしまして、現在のところ、そこまで詰めて御答申をいただくということは期待する必要はないのではあるまいか。むろん御審議いただくことはけっこうでございます。その中から適切なる一つの基準というものが生まれてきますればこれを参考にいたしまして指導の中に織り込んでいくということも考えていっていいとは思いますけれども、従来までの経緯なり、現在の制度の建前が、山本委員もよく御承知のように、町名あるいは町の配置、分合、境界変更等につきましては、それぞれの市町村の自主的判断に従って、議会の議決を経てこれを決定していくということに相なりまするので、そのあり方というものについて根本的に変改を加える必要はないのではないか、こういう意味で申し上げた次第であります。
#24
○山本伊三郎君 そうすると、私ちょっと理解ができなかったのが、今の説明ではっきりしてきたのですが、この審議会で取り扱う問題としては、いわゆる地番の整理をどうするかということそのものでなくして、地番の整理でやるか、それとも今言われた戸番制度といいますか、住居地表示でやるかという、このどちらをやるかということをきめる、こういう意味ですか。
#25
○政府委員(藤井貞夫君) それが審議の主体になるという意味でございます。ただ、町名地番制度審議会という名にも現われておりますように、町名自体あるいは町の適正単位といいますか、そういう問題についても、むろんあわせて御審議をいただくことはけっこうであるという考え方に立っておる次第であります。
#26
○山本伊三郎君 そうすると、この題名は町名地番制度審議会という表題ですから、ずばり私は、町名地番そのものは、今のような複雑な制度ではいけない、従って、これを一つ全国的に統一というわけじゃないが、事務的にも非常に便利のように変えようじゃないか、こういう趣旨でやられておって、ただ、その便法として、これをやるには相当年月を要するので、従って、それまでの間、暫定的であるが、住居地表示というか、戸番制度といいますか、こういうものを別個に日常生活に便利なようにやろう、こういう解釈でおった。今の答弁では、町名地番制度そのものよりも、いわゆる住居地表示というもの、どちらをやるかという、こういうものだけの審議会ということになると、この審議会設置の必要があるかどうかということをちょっと考え直すのですが、その点どうなんですか。
#27
○政府委員(藤井貞夫君) 実は、町名地番の整理と一般に言われておりまするものを推進するにあたって問題になりますことは、今私も御説明申し上げ、御指摘にもありましたような点が、これが一番の実は根本的な問題でございます。現在の制度そのままをとって、地番をもって住居地表示の方法にするのか、あるいはそれとは一応切り離していくのかということが最も基本的な問題であるわけであります。その点についての結論がいずれかに出れば、その具体的な技術的な基準というものをどういう方向に求めるのがいいのかということをあわせ御審議をいただくとともに、町自体のあり方についても一般的な御検討をいただくということがねらいでございまして、このことが、やはり町名地番整理を進めて参りまするための一番重要な点であるというふうに考えておるのであります。
 なお、われわれといたしましては、今のところ、別に住居地表示制度について地番制度をとらないで、別の制度をとることに腹をきめておるというわけではございません。それらの点については、虚心たんかいな気持で審議会の答申の結果というものを聞いて参りたい、こういう態度でおるわけでございます。ただ、かりに住居地表示の制度、いわゆる戸番制度というものをとって、それでやっていったといたします。その場合に、いわゆる住居地表示のそれらの戸番制度と、あるいはその基礎になっておりまする地番というものとが別々になるという不便が出て参ります。その不便は、地番自体というものは、不動産の取引の対象として行なわれる場合に、経済取引の面と日常生活の面は一応切り離しても、それほど大したさしつかえがないのではないかという議論もございます。別に外国の例を引くわけでもございませんですが、諸外国には、それを別に分けまして、不動産取引の対象としては地番の制度をとっておる。また、住居地表示としては、戸番制度で別々にしておるという例もあるようでございます。しかし、何と申しますか、そういうものは二本立てにならないで、一本にしていくことが理想的な形態であることは間違いのないことであります。その場合に、二本に分かれました場合に、それをどういうふうに統一をしていくか、戸番制度というものがいいとすれば、戸番に合わしたように地番自体をさらに整理をしていくということも一つ考えられます。それらの点は、なお将来の調整を待たなければなりませんですが、現在の町名地番の混乱というものが一日も放置できない、何とかこれを整理していかなければならぬということのために、どういう方法でやったらいいかということについて、基本的な方針をお示しをいただきたいというのが私たちの気持であるわけでございます。
#28
○山本伊三郎君 そうすると、先にちょっと伺いますが、僕は取り違えておったのですが、すでにモデル的にやられた三都市ですか、これは今言われた住居地表示の制度、それだけをやられたのですか、番地の整理はやっておられないのですか、それをちょっと聞いておきたい。
#29
○政府委員(藤井貞夫君) 本年度やりましたものは、何と申しましても、現行制度のもとにおきましてこれを行なっていくという建前でございますので、いずれのケースにおきましても、単なる住居地表示制度として新しいものを作ったという例はございません。いずれも地番自体を整理したわけであります。ただ、その方式といたしまして、本来の形で町名についてはそれぞれの市がやる、それから番地については登記所がやる、そういうふうに、それぞれ分担をはっきり分けまして、権限に従って話し合いをしながら進めていくというケースをとりましたものと、もう一つは、実質上、登記所自体も基本方針には参画をいたしますけれども、番地自体についても、市町村長に実質的にその権限を移譲したという形ででき上がったものを、登記所の登記簿にこれを移しかえていく、こういう方式をとったもの、いろいろやってみたわけであります。しかし、いずれも現行制度のもとにおける制度の改変でございますので、地番を基礎としてその整理をやったものでございます。住居地表示として別個の制度を採用したものは、今のところございません。
#30
○山本伊三郎君 それじゃすでに経験が若干あるのですから、二本立てで、先ほどいわれたように、住居地表示制度をやるわけでなくして、ずばりと番地の整理をやっても、やり得る見通しはあるのですね、その点どうですか。
#31
○政府委員(藤井貞夫君) その点、時間的な余裕と、それから、それに当たる人手というものが整いますれば、私はこれは不可能ではないというふうに考えております。ただ、本年度行ないましたところは、いずれもそれらの条件が比較的整っておる所でございます。これを全国的にやることにつきましては、法務省自体におきましても、今のところ、本事業の必要性を認めながら、金の問題、あるいは人手の問題等につきまして、なお踏み切りがつかないというのが現状でございます。というのは、これも無理もないことでございまして、現在法務省自体におきましては、御承知のように、不動産登記簿の一本化ということで、書きかえの作業をずっとやっております。これが三十九年度まで実はかかるのであります。その仕事に非常に手がかかっておりますということもございまして、地番整理ということを全国的に一斉に行なっていくということについては、かなりの難色がある。これは私たちも了承をいたす次第でありまして、それらの点と、しからば、今の現状というものが、ここ何年間もそのまま待っておれるのかというかね合いの問題になるわけであります。それらの点の調整方策としてどういうことがいいのかということをお示しをいただきたいという趣旨でございます。
#32
○山本伊三郎君 ちょっと聞いておきますが、今外国では、もうすでに二本立てでやっておるということですが、大体おもだった国をおっしゃってくれませんか。
#33
○政府委員(藤井貞夫君) 私の方の行政課長が、先般他の会議がございまして、そのついでと申しますか、町名地番等につきましても見て参ったのでありますが、むしろ欧米諸国ではそれが通例のようでございます。アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、いずれもこれは二本立てでやっております。別に運用上、さしたる支障がないということを見聞をいたして来ておるようであります。
#34
○山本伊三郎君 大体わかりました。ただ、いろいろ政府の今までのやり方を見ておると、こういうじみな、しかも、最も国民の生活に直結する問題にはなかなか取っつきが悪いのです。私が心配しておるのは、これは私が口悪く言うわけじゃないのですが、こういう審議会制度に持ち込むと、非常に時間がかかるのですよ。それは自治省も自信を持って推進されると思いますが、この設置期間の間にどういう答申が出るか知らぬが、出てからも、自治省でいろいろとまた考えてやっておる間に一年ぐらいたってしまう、こういうことになるのじゃないかというのが私の質問の基礎なんです。今までいろいろ尋ねましたけれども、審議会を作るということについては大体わかりました。わかりましたが、これは緊急を要する問題だと思うのです。住居地表示制度が、欧米各国でやって、非常にスムーズにいっておるということを聞いたのですが、そういうととであれば、やはりそういう一つの例があれば、そういうところで一つ推進をしてもらいたい。これは郵便屋さんの肩を持つわけではございませんが、非常に困っておる。郵便の遅配で、今全逓の諸君に対して、非常に何か責任があるようにいわれておるけれども、実際に番地を探し当てるだけでも相当私は苦労があると思うのですよ。百通の郵便物があっても、整理をされていれば、そんなものはわずか数時間で整理ができるけれども、郵便一通でも五時間もかかるという、もっと二日もかかる場合もあるらしいのですね。そういうことから見ましても、これは早急に手をつけなくちゃならん、もうおそきに失するのです。それを審議会を作って、それで意見を聞いてやるという政府の意図に対して、若干私は不満がある。今局長がいわれたように、政府としても自治省としても、今の答弁からみると、一つの自信があるような私は答弁だと思う。今さらどういう審議委員が選ばれるか知りませんが、それ以上の意見というものは、私は出てきそうもないと思う。審議会を作って、答申の内容を興味を持って見たいと思いますけれども、審議会にざらざらと諮問をして待つということもいいんですが、早く意見を聞いて実施に移してもらいたい。できれば、もう来年度の予算に今言われた五十億ぐらいの金はとってもらいたい。着手しても、なかなかすぐこれはできない。相当二本立てにやっても私は日時はかかると思う。そうこうしておるうちに二、三年たってしまう。こういうことで、次にはもっと問題が起こってくることになりやせぬかと思うのですが、審議会を作られてやられることはいいといたしましても、それの促進方、単に向こうの答申を待つのじゃなくて、自治省から積極的にそれに対して指導ということは非常に失礼でございますけれども、やはり答申に急いで早く着手する方向にいってもらいたいと思うのですが、その点についてどうですか。
#35
○政府委員(藤井貞夫君) この調査会の設置基準は一年間ということになっておりますが、私は、少なくともこの調査会につきましては、この期間をさらにまた延長をお願いするということは絶対にしたくない、かように考えておりまして、一年ではございますけれども、できるだけ審議の促進をはかっていただきまして、あるいは十月ごろまで、おそくとも年末までにはその御答申をいただくという運びに持っていきたいという決心をいたしておるのであります。できまするならば、これも自治省自体の今の考え方でございますけれども、三十七年度からは全国的に実施の緒に一つづきたい、かように考えておるわけであります。それとテンポを合わすような意味で、審議会の審議というものも促進をはかって参りたい、かようにわれわれといたしましては現在のところ考えておる次第でございます。
#36
○山本伊三郎君 かりに住居地表示制度を別にとるとしても、相当複雑な事務手続、事務量もふえるのですが、これは主として市町村の仕事とする建前ですかどうですか、その点ちょっと。
#37
○政府委員(藤井貞夫君) 市町村の仕事としてやっていただく建前であります。
#38
○山本伊三郎君 そうすると、かりに今の言をそのまま信じて考えると、三十七年度には、これだけでも相当市町村の事務量がふえると思うのです。はたしてこれはもういわゆる何と申しますか、臨時的な、ある一時に限っての仕事ですから、これについては、そうかといって、純然たるしろうとはこれはできない、この点についての配慮は、もう案ができてからまたそれを考えるのではなくして、自治省ではすでにそういう点も考えられているかどうか、この点一つお聞きをしたい。
#39
○政府委員(藤井貞夫君) 私たちといたしましては、今の点も必要なことは承知をいたしておりまして、これには、やはり県を通ずる指導態勢、それから市町村における職員のそれらの事業に対する態勢というものをだんだんとやはり整備をしておかないと、三十七年度から実施するといいましても、急になかなか手がつかないように相なろうかと思うのであります。従いまして、審議の過程とも照応いたしまして、県自体にもそういう指導態勢を確立をさせ、一般の市町村に対しましても、それらの趣旨をよく周知徹底させてその準備に入らせる、あるいは職員の講習その他についても配慮していく、そういう点も合わせ考慮して参りたい、かように考えておりますし、この事業を積極的に三十七年度から推進をしていくということになりますれば、国のやはり助成措置ということと合わせまして、市町村の所要経費等につきましても、財政上特段のやはり配慮を合わせて講じていく、こういうことも考えてみたいというふうに思っている次第であります。
#40
○山本伊三郎君 もう一つ念のために聞いておきますが、かりに住居地表示制度をとられた場合に、不動産関係の登記関係だけは旧番地で処理して、行政的なその他のものは、それはすべて新しい住居地表示のいわゆる戸番制度と申しますか、これでもってすべてをやられるのだ、たとえば選挙名簿にいたしましても、その他そういうもの一切を新しい戸番制度でやられるという大体建前になっているのかどうか、この点を聞いておきたい。
#41
○政府委員(藤井貞夫君) これも審議会のお考えというものを尊重して参りたい所存でございます。現在の私たちの考えといたしましては、新しい住居地表示制度が採用されるということになりますれば、最小限度二本立てとなるのは、いわゆる不動産関係の取引の対象としての地番というものだけでありまして、その他はやはりこれを改正する趣旨から申しましても、あるいは経済生活、あるいは社会生活の面におきまして、新しい住居地表示制度を採用しなければならん、これは法律上も義務づけていく、こういうことにいたしたいと考えております。
#42
○山本伊三郎君 もう一つ念のために聞いておきますが、そうすると、これは主として市町村の事務になると思うのですが、相当これによって変更しなければならん帳簿が相当出てくると思う。税務関係にいたしましても、選挙関係にいたしましても、その他たくさんあるのですが、膨大な私は費用になるのではないかと思うのですが、この点も私は非常に何と申しますか、心配というよりも、親心で自治省に言っておきたいのですが、そうなった場合に、非常に経費が高まるということの誤算のないように注意してもらいたいと思うのですが、政府がいろいろ言われるように、最初の案の場合には簡単に説明されるのですが、いよいよそれが現実になってくると、費用の問題で行き詰まってしまって、ただ審議会を作って答申をしても、答申倒れになるという心配があるのです。その点は、重ねてそういうことがないという自信を持ってやっておられるかどうか、いつも審議会を作る場合に、審議会ができて、その答申をもってやるのだという、きわめて安易な考え方で出されてくるのです。しかし、この問題については、日常生活に非常に密接な関係のあるものですから、苦労して出された答申も、これは仕方ないじゃないかといって見のがせない問題でありますので、この点自治省の大臣はきょう見えておりませんが、これだけはどうあっても、この地番の変更そのものずばりやるにしても、あるいは住居地表示制度にいたしましても、必ずこれはやらなければならん。どうしてもこれは三十七年度から、大蔵省がどう言おうとも、これを実施する腹である、こういう決意があるかどうか、それを一つ聞いておきたい。
#43
○政府委員(藤井貞夫君) 三十七年度からはぜひともこれを実施に移して参りたいという決心を固めております。なお、その場合におきまして、名簿の書きかえ費その他につきましても、いろいろこまかい調査もいたしておりまして、現に実験都市等につきましては、それらの諸名簿の書きかえについても、どの程度の金が要るかということもしさいに検討をいたしまして、成算は持っておるつもりでございます。それらの財政措置その他につきましても、心して違算のないことを期して参りたい。かように考えております。
#44
○一松定吉君 この町名地番制度審議会を設けるということそれ自体には私は反対はしない。これはそうなければならぬと思うのでありますが、これを登記所の方と行政庁の方とで二本立てにして、一方は地番、一方は戸番というようなことにするというようにきまっておるのですか。もしくば、今後この審議会というものをこしらえて、それで二本立てにするか、一本立てにするかということをきめるというのですか。その辺はどうですか。
#45
○政府委員(藤井貞夫君) 二本立てにするか一本立てにするかは、まだ全然きまっておりません。審議会でもってその点について十分御審査の上でしかるべく答申がいただけたらというように考えておる次第でございます。
#46
○一松定吉君 そう願いたいと私も思ったのです。これが登記所の方と地方の方とに分かれると、勝手々々のことを言って、全く分かれてしまって、これは統合しなければならぬ、これではどうもわからぬなというようなときに非常に困るからして、やはり審議会において、二つの方法によるか一つにまとめてしまうかということについてきめて、その原案をこしらえて地方に調査を命ずるということがいいと思いまするから、それは一つぜひそういうように願いたい。
 それから次に、この制度をこしらえるということになると、今、山本君の申しましたように、非常に複雑多岐にわたっておるようなことを、ごく簡単明瞭にするということについては、いろいろ手数を要することだろうと思うのですが、そういうようなことについて、各市町村にまず下検査をさせる、市町村ができたらば、今度は府県の方にそれを持っていく、府県がそれを再調査して、そのでき上がったのを本庁の方に持ってくる。本庁はそれを審議会にかけてその当否を判断する、こういう意味かね。
#47
○政府委員(藤井貞夫君) 私たちといたしましては、今度の審議会自身は、町名地番制度の改善に関する基本的な方針について御答申をいただく、それだけの機関として考えておるのであります。なお、将来どうなるか、今私たちが具体案を申し上げる段階ではございませんのですが、町名地番制度の審議というものを三十七年度から促進をしていくということに相なりますれば、やはり法律が要るのではないか、かように考えております。法律が要るということに相なりました場合におきましては、やはりその法律施行の適正を期するための審議会というようなものを別個に設けまして、この審議会で町名地番の整理を要する地域の指定とか、あるいは具体的な計画の策定についての基準の決定とか、そういった事項を審議をしていただきまして、この円滑な施行をはかるということが適当なのではないかという構想は持っておる次第でございます。
#48
○一松定吉君 そうすると、まだ法律をこしらえることについては、国会がこれを認めた上でできるということで、ただ今度のこの審議会というものは、そういう一つの原案をこしらえて、法律に先んじてこういうものを調査させよう、こういう意味ですか。
#49
○政府委員(藤井貞夫君) さようでございます。
#50
○一松定吉君 よくわかりました。そうすれば、国会に対して法律案を御提出なさるときの原案というようなものは、政府当局と審議会とが寄って話をして原案をこしらえて、そうして法律案を国会に出して国会の承認を経て法律たらしめ、その法律の運用によってこの実効をあげる、こういう意味だね。
#51
○政府委員(藤井貞夫君) 御指摘の通りでございます。
#52
○一松定吉君 それならば、今、山本君の言うように、非常に機構が複雑多岐になり、また、費用がたくさん要る、局をふやさなければならぬ、人員をふやさなければならぬ、予算をふやさなければならぬというようなことは、それから後の問題だね。
#53
○政府委員(藤井貞夫君) さようでございます。
#54
○一松定吉君 いや、そういう意味ならば、私はこの原案で満足ですが、今、山本君の言うようなことは、これによってもうすぐに下でどんどんこしらえられるということになると、人員をふやすことや、地方の予算をふやすことや、それから審議会の原案を作るところの下っ端の委員というものがどうせなければならぬという疑問がたくさん起こるんです。その点を今質問したわけなんです。
 それから委員十五名というのは、これはどうですか。これくらいな人がいいのかね。もう少し十人くらいに減すというのはどうなんですか。ただ、あまり委員が多くて、予算をたくさん使ってしまうというようなことになると、つまり委員会が百も二百もできて、結局小さいところが寄って大きい数字になるというようなことになると、それだけ国民の負担の税金が増加するということになるのだが、こういうようなものは、委員を十五名というようなことで、今のように政府の諮問にこたえて、政府とともに協力して案を練るというようなことならば、十五人じゃ多過ぎはせぬかと思うんですが、その点はどうですか。
#55
○政府委員(藤井貞夫君) 私としましても、この種の審議会というもののメンバーは、できるだけ少数精鋭でいった方がいいのではないかという考え方を持っております。実は、予算といたしましては十名の委員の経費というものは計上されているのであります。それに対しまして、やはり関係各省も、非常にこれについては利害関係がございますので、関係各省の代表委員というものも加わっていただくということを考えておりまして、いわゆる学識経験者につきましては、今御指摘もございましたように、大体十名程度にとどめたい、かような考え方で進みたいと思っております。
#56
○山本伊三郎君 それじゃ町名地番の制度はこれで終わるんですが、今、一松委員が言われましたが、もちろんこの実体法についてはまた触れるでしょうが、しかし、今までの例からいって、もうこの審議会を作るということで出された前提は、そういうものをやるのだという意思がなければならないと私は思って質問しているんですが、政府の今後のことについてただしておる。念のために言っておきますが、これについては、相当市町村の負担分が多くなってくると思うんです。これは一つ自治省も、今地方の財政状態は御存じだと思いますが、なるほど市町村によってはいろいろ財政状態も違いますけれども、こういう新しい需要が出ることによって、市町村にそれ以上の負担のないように、先ほど財政の問題で質問いたしましたが、特に配慮してもらいたい。制度はいいけれども、この制度によって得るところは、もちろん公共事業については多いでしょう。郵政関係、それから電力、その他非常に便利を受けるところはたくさんありますから、もちろん市町村のやる仕事だと思うんです。思うんですけれども、やはり国家的な仕事だと思います。町村等自治体に負担のかかるというようなことのないように、絶対にこれを一つやってもらいたいと思うんです。自治省の考え方はどうですか。
#57
○政府委員(藤井貞夫君) これは今後各省、特に大蔵省とも話し合いを進めて参らなければならぬと思いますが、私どもといたしましては、今御指摘のような趣旨にもかんがみまして、財政上の措置については格別の配慮をしていくべきものである、かように考えております。
#58
○山本伊三郎君 それについて総理府はどういう考えですか。
#59
○政府委員(藤枝泉介君) 私からお答えいたしますのが適当かどうかわかりませんが、なるほど住居地表示の整理をするということ自体は市町村固有の事務かもわかりませんけれども、こういう全国的にやる仕事でございますので、十分そのために市町村の財政を圧迫することのないような配慮をいたしたいと考えております。
#60
○山本伊三郎君 それじゃ次に、海洋科学技術審議会についてちょっとお尋ねしておきますが、これについては、同僚議員からこの前に相当質問があったと思いますので、私からちょっとお尋ねしておきたいと思うのですが、従来までの海洋の科学技術については、この審議会を作るまでは、どこでこういう調査なりあるいは研究をされておったのか、その点ちょっとお伺いしたい。
#61
○政府委員(島村武久君) 海洋に関します調査自体、あるいは研究自体ということにつきましては、前の当委員会でもお尋ねがございまして、一応お答え申し上げましたが、さらに資料の御要求もございましたので、御提出申し上げておきましたのでございます。繰り返すことになりますのでございますけれども、現在までわが国におきます海洋に関します調査は、海上保安庁、水産庁、あるいは気象庁、それから通産省の地質調査所あるいは運輸省の運輸技術研究所、専売公社、あるいは都道府県にございます水産試験場、あるいは水産関係、あるいは海洋関係の学部学科を持ちます大学というようなところで行なわれてきております。なお、調査研究自体ではございませんけれども、海洋に関します科学技術の振興は非常に重要だというようなことにつきましては、科学技術会議が、一昨年でございますか、重要研究テーマの一つとして選んで、これを推進しなければならぬことを申しております。また、昨年は資源調査会が、この海洋に関します調査に関しまして、総理大臣に勧告をいたしております。
#62
○山本伊三郎君 これは設置期間はなくして、ずっともう常置されるという審議会ですか。ちょっとその点。
#63
○政府委員(島村武久君) もちろんここに掲げましたような審議目的に到達いたしますれば、その必要はなくなるというのは道理でございますけれども、ただいまの現状では、先ほど来御審議の審議会等と違いまして、一年、二年、あるいは三年、五年で確実に終了するといったようなめどが現在のところ立っておりませんので、一応期限を付さないことにお願いいたしておるわけでございます。
#64
○山本伊三郎君 この問題は、もう日本のいわゆる地理的条件からいって、海洋に関しては、私は今聞きましたが、いろいろその他にたくさんあったようでございますが、非常に日本の経済、あるいは国民生活に最も重要な問題の審議会でなかろうかと思うのです。従って、審議会というと、何か期間的にある程度の限度があって、一時的な問題のテーマをやるというような錯覚を受けるのですが、こういうようなのは、何か委員会というようなことで、専門的に常置的に深く研究を進めていくということが必要ではなかろうかと思うのですが、特に審議会というような名前で発足されることについて、そういうことの検討をされたかどうか。審議会という名前がついておるからといって、何も一時的なものだとは断定できないのですが、どうもそういう一つのわれわれ受け取り方をするのですが、今説明によると、この目的が達せられたというけれども、おそらく日本の国情からいって、掘り下げていけば幾らでもこれはあると思うのです。しかも、それは次の時期がくると、また変わった海洋の状態というものも出てくるということも考えられると思うのですが、その点についてどうでございましょうか。
#65
○政府委員(島村武久君) 御指摘のような点が私どももあると考えております。特に実施機構を全部統合するというようなことは全然考えていないわけでございますけれども、それぞれのたくさんございます実施機構の行ないました調査研究の成果等を整理するというような機構は、あるいは必要じゃなかろうかというふうにも考えるわけです。ただ、そういったような問題をどういうふうに考え、どのような研究調査の態勢をとっていくかということが、実はこの審議会に課せられております一つの使命になるのじゃなかろうか。私どもはこういう審議会を作りまして、今後海洋の調査研究というものをどういうような角度で、どういうような方針でやっていくかという基本的な問題を御審議願いましたその結果によりまして、あるいはこういう審議会はもう不必要で、おっしゃいましたような、何らかの委員会制度の方がいいか、あるいは特別の行政部局を新設して行なうがいいか、あるいはそういうような場合に、さらにまた各方面の権威者にお知恵を借りるような機関をそれに付置せしめるがいいかどうかというような問題が出てこようかと思います。現在の委員会は、おっしゃいましたようなところまでまだいかない、その手前でございますので、実は検討はいたしましたのでございますけれども、あまり一足飛びに参りませんで、とりあえず審議会という形で推進して参りたい、さように考えたわけでございます。
#66
○山本伊三郎君 そうすると、この提案理由の説明から見ると、広範な海洋に関する資源の問題とか、あるいは気象その他を対象にしてやるというように私は受け取ったのですが、今の説明では、今各省に分散されておるこういう各調査会あるいは委員会、そういうものを今後統一してやっていったらいいかどうかという基本的な方針を審議するという審議会ですか、そのものずばり、深く海洋の資源をこの審議会でいろいろ調査研究するということじゃないのですね、この点、
#67
○政府委員(島村武久君) 私申し上げましたのは、特に、なぜ審議会という形にしたか、委員会等にした方がよくはないかというお尋ねに対しまして、この海洋審議会に課せられました使命の一部を引用して申し上げましたわけでございまして、提案理由にございますように、海洋全般に関します科学技術を総合的に推進していくためにこの審議会を設けまして、そして重要事項を審議するということでございますが、言いかえますと、今後日本として海洋に関する調査研究をどのようにしてやっていくかという基本方針も、もちろん第一番目に大きな問題でございます。また、そのような調査研究を行ない、また、さらに具体的に開発するというような場合にあたりましての必要な重要問題にどう対処するかという問題もございます。さらに第三番目といたしまして、いわゆる機構なんかの問題も当然関連して出てくるのじゃなかろうか、こういう趣旨で申し上げたわけでございます。
#68
○山本伊三郎君 まだ同僚議員の質問がありますので、あと一問で終わりたいのですが、実は、どうも説明、答弁でまだ納得できないのですが、もし今言われた提案理由の説明にもありますように、各般にわたる海洋に関するものを専門的に調査研究するということになれば、この機構では私おそらくまあ不可能じゃなかろうかと思うのです。各般にわたった海洋に関する調査研究のように受け取れるのです。先ほどちょっと言われたように、そういう各省に散在しているものをどういうように統合して日本の国の経済なりあるいは国民生活に寄与するという、そういう機関をどうするかということそのものを審議するというならばわかるのですが、各専門的にこれをやっていくということになれば、なかなかこの機構では私は不十分というよりも、不可能だと思うのです。その点どうなんですか。はっきりとこの審議会の設置の目的の、目標といいますか、焦点を一つはっきり合わしてもらいたい。
#69
○政府委員(島村武久君) 今、今後どのようにして統合してやっていくかという、何と申しますか、体制の整備の問題を扱うというなら話がわかるというふうに仰せられましたけれども、その問題も、先ほど来申し上げておりますように、当然この審議会で審議せられべき重要な問題の一つになるというふうに考えております。ただ、そればかりでないということを申し上げておるのでございまして、はっきり申しますと、まずこの審議会の当面の審議事項、いわゆる重要事項といたしますものは、海洋におきますところのいろいろな事象、あるいは資源に関しまして、先ほど来申し上げておりますように、ばらばらに調査が行なわれておりますけれども、これらに関して総合的な基本方針というものを立て、十分に連絡して調査が行なわれるような基本的な国の態度がどうあるべきかということを御審議願うつもりにいたしております。
 また、第二番目といたしましては、そのような調査、あるいは海洋の利用の技術、あるいは開発にあたりましての技術的ないろいろな問題がございますので、それらをやはり共通的にどう対処したらいいかということを御審議願いたいと考えております。それらに関しまして、当然おっしゃいましたような機構問題に触れてこざるを得ない、これが第三番目の審議事項になるのじゃないか、かように考えておるわけでございます。
#70
○山本伊三郎君 どうも私はこれに関してまだ納得できないんですが、私は、この機構で(1)(2)に書いてあることでは、大体そういうことであろうと思ってその理由を見ておったのです。この資料の(1)(2)に書いてありますが、実際の委員二十名以内でどういう方が得られるかしれませんが、この広範な海洋に関する各種の研究というものは、なかなかそう専門的に私はやり得ないと見ておる。ここに書いてあるように、「海洋資源の総合調査に関する企画及び調査結果の整備を行い得る」と、まあこういうことであれば、各方面のやられておる研究のやつを総合的に調査あるいは整備をする、こういうことであればわかると思う。まあ私の好むところは、日本の置かれておる地理的関係から、周囲海に囲まれておる国ですから、海洋に関する問題というものは、もっと権威あるものにしなくちゃならぬという意見を従来から持っておる。たまたまこの審議会が出てきた。従って私は、これに対する期待を非常に持っておるのですが、今おっしゃるようなことで、また、この機構を見ましても、何だか帯に短かしたすきに長しといいますが、たすきにでも長くないようなものでなかろうかと思うのです。ただ、そういうものを思いつきとは言いません。思いつきとは言いませんけれども、何かこういうものを作って、そこから何か得たいというような暗中模索的な審議会でなかろうかと私は受け取るのです。従って、その点は、審議会というものがたくさんできてくるが、こういうものが必要であるかどうか、こういうものによって目的をかえって複雑にするんじゃないか、こういう気持で実は質問しておるんですが、その点はっきりわれわれとして納得のできるように一つ説明をしてもらいたい。専門的に海洋の資源なら資源もこの中でずっと深くやっていくのだ、あるいはそういうものでない、ただ調整をして、将来これが一本のもので何か委員会なり権威あるものにしたい、こういうことで暫定的にやっておるのかどうか、この点はっきり伺っておきたいと思います。
#71
○政府委員(島村武久君) 私申し上げましたのが御理解いただけないようでございますけれども、先ほど来、三つの大きな審議事項が予定されるということを申しました。二十人の委員の組み合わせによりまして、はっきり申しますと、この審議会がお認めいただけますならば、さしあたりは三つの部会でございますか、あるいは小委員会と申しますか、そういうものに分けて運営して参りたい。
 その一つは、いわゆる海洋調査の方法等に関するところの問題でございます。これは実は一つの例を引いて申しますと、海流の速さでありますとか温度でありますとかいうような問題は、従来ともそれぞれの所でそれぞれの行政目的に従いまして必要とするわけで、それぞれ調査しておられます。それが地域を異にし、あるいは同じ所をやりました場合にも、深さでありますとか、その他めいめい異なったやり方をしておるということでは非常に工合が悪い、総合的でないわけでございます。どういった方面のどこをどのようにしてお互いに分担して調査するかというようなことにつきましての基本的な方針、それを御審議願うということも非常に必要じゃないか、そういうことを考えておるわけでございます。
 第二番目に、そのような調査を行ないますにあたりまして、最近の科学技術の進歩は非常に速く進んでおりまして、測定の方法、調査の方法等につきましても、道具等につきまして日進月歩と申しますか、非常に進歩しつつあるわけであります。それらの技術につきましての研究というようなものも、実際のところは相互の関連があまりなくて、個別に進められておるというような現状でございますけれども、これらにつきましても、どうしたらそのような技術的な問題を深く前進させ、より効率的な調査が行なわれるかというようなことにつきましての対策を御審議願う小委員会あるいは部会も必要じゃなかろうか。
 第三番目には、山本委員のおっしゃいましたような、どのようにしたら恒久的な体制がとり得るかという問題でございまして、実は御指摘のように、この問題は非常に重要な問題でございますので、すぐにもそういう体制につきましての案をお出しいたしまして御審議願い、出発せしめたいという希望はございますけれども、まだまだ慎重に考えなければならぬ点がございますので、この審議会で海洋に関する科学技術に関していかなる体制で進んだらいいかというようなことも御審議願い、それを第三番目の委員会あるいは小委員会というような形で掘り下げていただきたいというふうに考えておるわけでございます。
 少し抽象的に申しまして御理解いただけなかったかと思うのでございますけれども、私申しましたのは、必ずしもそうなるという意味じゃございませんで、われわれがただいま考えておりますところでは、そういうようなことを考えております。非常に急な思いつきで、暗中模索的に出しましたわけではございませんで、先ほど来申しますように、科学技術会議でも取り上げ、資源調査会でも勧告がなされるというような経緯もございまして、慎重に考えました末にお出しいたしたものでございますことを御了承いただきたいと思います。
#72
○鶴園哲夫君 今の山本委員の質問に関連をいたしまして伺いたいのですが、この海洋技術審議会の設置は、昨年の六月に、資源調査会長より科学技術庁長官に対して勧告が出されておりますが、この勧告を尊重してそういう審議会ができる、こういうことになったわけですか。
#73
○政府委員(島村武久君) 御指摘のような資源調査会の勧告がございましたが、その精神を尊重して考えたものでございますことは間違いございません。ただ、資源調査会の勧告にいわれました通りの中身を盛った審議会ということではございません。科学技術会議等で取り上げられました海洋に関する問題の考え方等、いろいろ所要の点も考慮に入れまして御提出申し上げたわけでございます。
#74
○鶴園哲夫君 そうしますと、勧告がなされているんですが、この勧告については、これはどういうふうに処理されるんですか。何かそういう精神も尊重して、たしかそれだけじゃない、この審議会を作るんだ、こういうお話ですが、そうしますと、この勧告についての措置というのはどういうふうになさっておられるわけですか。これは審議会だけですか、そのほかにも何かやられるわけですか。
#75
○政府委員(島村武久君) 資源調査会の勧告にございますことは、「海洋資源の総合調査に関する企画及び調査結果の整備を行い得る体制を確立するため、」「審議会を総理府に設けること」と、かようになっております。今度の審議会でも資源の総合調査に関する企画等につきましては、この通りの審議会であるというふうに考えておるわけでございます。後段の「調査結果の整備を行い得る体制を確立するため」の審議会ということにつきましては、ちょっと疑問がございます。先ほど来申し上げておりますように、そのような体制をどうしたらいいかということをこの審議会で検討していただくということは申し上げた通りでございますが、もし資源調査会が言っておられるように、審議会自体が調査結果の整備を行なっていくような機関を要望せられておるということになりますと、ちょっと趣旨が違って参るわけでございます。いずれにいたしましても、すなおに読みます場合、企画をやる審議会を作れとおっしゃいました点については、今度の審議会は即応しております。また、整備等も行ない得るような体制問題を取り上げてこの審議会を置くということでございますれば、これもまた資源調査会の勧告にも即しておるというふうに考えておるわけでございます。
#76
○鶴園哲夫君 先ほどこの審議会ができましたときに、大体こういうようなものが審議の対象になるだろうというようなお話がありましたですね。そして三つの小委員会ができるというお話ですが、そういう考え方と、この勧告が行なっている趣旨とは非常に食い違っているのじゃないでしょうか。勧告にも明らかなように、海洋資源開発利用のために研究を強化拡充する、海洋資源に関する総合的な実態調査を大規模に実施する、そのためにこういう調査会を設けようという趣旨だと思うのです。そうしますと、先ほどおっしゃった三つの小委員会を作って論議されます内容とは、相当食い違っているのじゃないでしょうか。これはもうすぐでも始めてもらいたいという、非常に急いでおる趣旨だと思うのですよ。しかも、外国との関係でいうと、日本の海洋問題は相当におくれている。
#77
○政府委員(島村武久君) 審議会自体についてのお尋ねだと思いましたので私先ほど来申し上げましたが、海洋調査に関する全般的な問題として、資源調査会がもっと大規模にやれ、こういう勧告をなさったこの全体について申し述べますならば、この海洋審議会を作りますことは、そのほんの一部にすぎない、資源調査会が最後にいっておられることを実現したにとどまるわけでございまして、むしろ何と申しますか、実態は資源調査会のいわれておることも、内容的に調査研究をもっとしっかりやれ、こういうことであろうと思うのであります。その点につきましては、先ほど申し上げておりますように、私ども科学技術庁といたしましては、予算の見積もり調整というようなことを通じまして、三十六年度の予算にあたりましても、科学技術会議の重点課題とされました中に、海洋も含んでおりますので、これらについても、重点的に見積もりを行なうということもいたしました。また、科学技術庁自体で、御承知の通り、特別研究促進調整費というものを三十五年度からお認めいただいておるわけであります。この中からも海洋の調査部門に対しまして支出を行なっておるような状況でございます。もちろん資源調査会がお考えになりましたような規模でやるということを申し上げたわけじゃございませんけれども、それは今後の審議会の御審議の結果によりまして、いろいろと計画的に遂行して参りたいと思いますが、とりあえず、昨年資源調査会から勧告が出されまして以後の私どものとりました措置というものは、そのようなことであるということを申し上げたいと思います。
#78
○鶴園哲夫君 この海洋の研究なり調査なりというものは非常におくれておる、従来、日本において、そういう問題については、どうも日の目を見ない、各省庁ばらばらにそれぞれの目的に応じてやっておられたのですね、従って、こういうような勧告が出ている、そうしてその勧告の精神を尊重して審議会を作るということになるというのですが、その審議会の趣旨というものは、この勧告の趣旨とは相当違っているのだという点ですね、それから、先ほどお話がありました大体三つの考え方ですね、これなんかを見ますと、依然として今日の各省庁でやっているものを総合調整するとか、あるいは機構を考えてみるとかというようなのが、非常にこれまたおざなりな感じを受けるのですが、ですから、勧告にいっている相当勇気を持った考え方、こういうものが審議会の中に入ってこなければいけないと思うのですけれども、そうじゃないように思うのですけれどもね。
#79
○政府委員(島村武久君) 鶴園委員のお話に対しまして申し上げたいことは、勧告自体で審議会を置けということをいっておられるわけなんでございまして、その点につきましては、私どもといたしましては十分沿った態度をとっており、この審議会は決しておっしゃいますような大きなズレがあるというふうには考えていないわけなんであります。資源調査会も、今度御提出申し上げましたような審議会のできますことを勧告しておられるわけなんであります。その点につきましては、私どもはそれほど食い違いがない、さように考えております。ただ、もし鶴園委員が、資源調査会の勧告は審議会を置けということをいっておるけれども、その審議会を置けば、ほかのことはどうでもいいといっているのじゃなくて、調査研究をしっかりやれといっているのだぞ、審議会の方はこれでいいかもしれないけれども、もっと調査研究をしっかりやればいいじゃないかというお話に対しましては、せいぜい努力いたしておりますけれども、まだ資源調査会がおっしゃっているような段階までのものとは隔たったものがあるということを申し上げているわけでございます。
#80
○鶴園哲夫君 それじゃ少し内容に入って、この審議会というのは答申を出すわけですか、それとも、三年、四年、五年というふうに、長きにわたりまして各省庁でやっている調査研究というものの総合調整をしていく、そういうような任務を持っているのですか。
#81
○政府委員(島村武久君) もちろんおっしゃいますような答申を求めることにいたしたいというふうに考えております。
#82
○鶴園哲夫君 どうもその勧告の趣旨というのは、答申を求めているのですかね、私はそういうふうに思えないのですね。この資源調査会の科学技術庁長官に対する勧告というのは、審議会を作って答申するというふうに考えていないんじゃないかというふうに思うのですけれどもね。
#83
○政府委員(島村武久君) 実は、資源調査会の勧告自体は、審議会を置いて、そこで十分審議をしてもらいたい、こういう趣旨でございまして、答申を求める求めぬというようなところまでは全然触れておられないわけでございます。私どもといたしましては、やはり先ほど来申し上げておりますような、当面御審議願わなければならないことがあるのでございますから、審議会を作ればそれでいいという考え方でなくて、こちらからどしどし、何と申しますか、諮問という形において問題を提起いたしまして、それに対して答申をいただいて行政に反映さして参りたい、かように考えておるわけであります。その点につきましては、資源調査会の勧告せられたところと食い違いはないと考えておるわけでございます。
#84
○鶴園哲夫君 ない、あるという問題は別といたしまして、それじゃ今各省庁でやってるいろいろな海洋に関する試験研究というものを総合調整される機能を持つんですか。これはどうしたら総合調整できるかというような答申を出すんですか。
#85
○政府委員(島村武久君) もちろん審議会の一つの仕事といたしましてそういうことをやっていただきますけれども、この審議会みずからが調整するということはあり得ないわけでございます。あくまでこれは諮問機関でございまして、この審議会みずからが総合調整を行なうという立場にはございません。
#86
○鶴園哲夫君 次に伺いたいのは、田畑委員の要求で資料が出ておりますですね。これを見てみますと、ただいまもらったのをさっと見たのですが、これを見ますと、どうも不満なんですけれどもね。というのは、海流調査と海底調査、まあ海流調査といいますか、それが非常に重点になっていますね。日本の現在における海洋技術調査というものが、これはあまりこちらへ重点を置き過ぎてるんじゃないかという疑念を持つのですがね。その心配ありませんですか。
#87
○政府委員(島村武久君) ただいまお配りしたばかりだそうでございますので、十分ごらんいただいてないかと思うのでございますけれども、決して海流調査だけのことを申し述べておるわけではございませんで、各方面でやっております調査内容を全部書き出しておるつもりでございます。編集者の方に特段の意図は何もございません。ただ、詳細にごらんいただきました上で、どうも海流の方にばかりウエートが行き過ぎておって、さらにもっとほかの方の調査をやるべきじゃないかという将来の問題でございますれば、私どもといたしましても、そのような印象はないわけでもございませんし、それらは審議会を通じまして十分御審議をいただきたいと考えておるわけでございます。
#88
○鶴園哲夫君 これを私ざっと見たわけじゃなくて、詳細に読んだんですよ。読んでみまして、どうも潮流調査あるいは海洋調査というのですね、気象庁あるいは海上保安庁、こういうものが重点になってるようですね。それで、従って、今の各省庁でやっておられる海洋技術研究に関するものを予算的にピックアップしてみて、一体どういうところに現在重点が置かれているのか、そういう説明をいただきたい。なお、予算的にピックアップした内容の資料をいただきたいと思うのですがね、これじゃ不満ですから。
#89
○政府委員(島村武久君) 海流に関します調査が多いと申しますのは、その事柄自体としての当然性もあるわけでございます。と申しますのは、ここにございまする海上保安庁にいたしましても、また、気象庁にいたしましても、極端な場合を申しますと、通産省の行ないます海底の地質調査にいたしましても、やはりどのような海流がどのような速さで流れているかということがまず前提になるという事態が多いわけであります。どうしても、まず海流の調査からということになろうかと思うのでございます。しかしながら、海流の調査ばかりやっておったんではしようのないことは御指摘の通りでございまして、従来、必ずしも十分な連絡はないといたしましても、それぞれの行政目的に応じました調査の段階まで進まなければならないことはおっしゃる通りでございます。
 なお、それぞれの機関で行なっております調査の予算的な項目的な資料の御要求がございましたけれども、これは長い間かかって、そのような面につきましても、そういう資源調査会で調査をしたこともないわけではございませんけれども、予算の建て方が非常に違いますので、たとえばこの海洋調査のために幾らの予算を使っておるという資料はなかなか出ないわけなんです。現在私どもの方でも正確な数字を持ち合わせておりません。と申しますのは、このような機関が行ないます従来の海洋調査は、そのこと自体を目的としたものもございますけれども、まま、本来の目的が別にございまして、ついでにやるというようなことが多かったりいたします。船もたくさんございますけれども、それらの船も、調査ばかりのために動いておるのじゃないということがございまして、予算の建て方につきまして、調査のためにどれだけという資料はなかなか出ないわけです。従いまして、何らか御要求ございますれば、それに即応した概算の数字でもとりまして御提出申し上げたいと考えておりますけれども、どんぴしゃりで海洋調査研究のために幾らというふうな数字は、あるいは出にくいかと思いますので、お含みおき願いたいと思います。
#90
○鶴園哲夫君 ここに出ておりますのは、こういうことをやっているというものですね。それがどの程度の規模で、どの程度の予算でやっているのか、あるいは国全体として見た場合に、今の海洋調査というものは一体どこに重点が置かれているのか、どこが一番不足しているのか、こういう点の把握がしにくいわけです、これでは。それを見るには一番いいのは、現在行なっている各省庁の海洋調査、すなわち海流、あるいは地下資源、あるいは海中の動植物、あるいは海洋の気象、こういう問題について、予算的に見て今日の日本の海洋技術調査というものが一体どういうふうに動いているのか、それもわからないようでは、審議会に出てみてもどうにもならないのじゃないかと私は思うのですがね。
#91
○政府委員(島村武久君) 調査の規模その他につきましては、はっきりわかっておりますので、計画課長から御説明いたさせます。
#92
○説明員(来正秀雄君) ただいまちょっと御指摘のございました海洋の関係の、海流が特に重点的じゃないかというお話がございましたが、これは関係する範囲が非常に広うございまして、たとえば水産で申しますと、魚がどういうふうに動くか、どう生育し、どういうふうに回遊しているかという問題がございます。これは、たとえば日ソ漁業にもそういう問題がございます。それから気象庁関係でございますと、これは海洋気象が非常に大きな関係があります。これがどういうふうに動いていくかによって温度が変化して参ります。また、日本にどういう影響があるか、あるいは海流がどういうふうに動くかという問題がございます。それから、また航海の問題で水路がどういうふうに変化するかということで、海流というものは非常に大きな問題がございます。従来、そういう関係で海流の問題が、どっちかといいますと、非常に重点的にとられたことは事実でございます。ただ、そのほかに、たとえば海底資源の問題とか、そういうような問題がありますと、従来は探査技術とか、そういうものが発達しておりません関係で、なかなか調査ができなかったのですが、最近電波探知機あるいは音波、あるいはボーリング、いろいろな技術がだんだん発達して参りましたので、これからはそういう問題が取り上げられる問題になってくるのじゃないか。そういう点を今後大いに推進しなければならぬという点が、海洋審議会を作りまして、それではどういうふうに持っていけばいいかという点が海洋審議会の問題になってくるというふうに考えております。予算的に申しますとどういうふうになっておるかというと、予算が非常に不分明でございまして、研究と調査と両部が一体となっておりまして、非常に予算的に分類にむずかしい関係がございます。また、船と定点で大体の規模を見ているというふうな関係もございまして、御要求のような点が非常に分類がしにくい点がございまして……。
#93
○鶴園哲夫君 分類がしにくいというのじゃなくて、そういう面についての基礎的な調査というものが行なわれていないのじゃないかという私は懸念を持っておるわけなんですよ。それがはっきりしませんと、今日の日本におきます海洋技術調査というものが、自然の成り行きとして、一体どこに重点を置かれておるのかという点があいまいになるのじゃないかという気がするのですがね。おっしゃるように、海底資源に関する調査というものは、これはお話にならぬでもこれはよくわかる。常識的にわかりますわね。しかし、いずれにしましても、どういうような実情にあるのかという点がはっきりしないというと、何か今の各省庁で行なっておる海洋調査をばく然とピックアップをして、常識的に総合調整してしまうということになりますと、現在まで進んでおるものが、何かチェックされるという心配もあるし、未開発の点をピックアップして、それを積極的に開発するというような方向でも出てくるのかどうなのかという点を非常に心配するわけなんですよ。
#94
○説明員(来正秀雄君) おっしゃる通り、海洋の問題は、現在まで非常に検討がなされていないという点で、予算の調整という問題よりも、むしろ海洋の問題をどういうように発展させるかという、推進の問題の方にむしろ重点が当然かけられておる。そういうふうな推進をする場合にどういうふうな相互の間で関連をしながら推進していけばいいかというふうな検討が審議会の方でなさるべきであろうと考えております。
#95
○鶴園哲夫君 だから、どうもそういう予算的に見まして、それから実態上、もっと正確に今の日本の各省庁で行なっておる海洋技術がどこにあるのだという点がはっきりならないというと、個々には非常に進んでおる海洋調査というものがあるわけですね、そういうところが何かはかのところのしわ寄せを食ってしまうのじゃないかという懸念をするわけですね。事実海洋観測については、これは海上保安庁もやっておりますし、運輸省もやっている。さらに気象庁もやっている。一体気象庁と海上保安庁と運輸省との間には――あるいは水産庁、これもやっておるわけですね。その三者の一体その感じ方ですね、この問題についての。相当違いがあるのじゃないでしょうか。それは要するに、それぞれ先ほど官房長がおっしゃったように、それぞれの仕事に応じて非常に進んだ調査研究というのが、ある面においては発達してはきておるわけですね。そういうところに、何かこういうものによってしわ寄せされるのじゃないかという懸念があるわけですよ。ですから、おっしゃるように、おくれておる面を積極的に開発をし促進していくのだ、こういうようなはっきりしたものがないというと、何か総合調整するのだというような形で各省庁が心配する、こういうことになるのじゃないでしょうか。今私が申しました海流調査、観測の問題について、各省庁の意見というのは、こういう問題については非常に心配しているのじゃないですか。ありませんか。
#96
○政府委員(島村武久君) 私どもの御説明の仕方がまずいものでございますから、伺っておりますと、なるほどそのような御懸念も生ずるかと思いまして、今後大いに気をつけたいと思いますけれども、実は全くこの問題に対します各省庁の意見は逆でございまして、これに非常に期待をかけられておるわけでございます。私どもも、もちろんその間に十分な連絡協調というのは必要であるということを申し上げておるのでございまして、それぞれの部門で進んでおりますところの技術を、逆に足を引っぱって、何かもう不必要なことはせぬでもいいというような調整をやろうという意図は全然ございません。そのような何が、新しい審議会の運営によりまして出てくるかもしれぬというような懸念は全然いたしておりませんでしたが、そのような見方があるとすれば、今後大いに気をつけて参りたいと思います。ただ、実はそのように、それぞれの行政目的に応じて行なわれます調査をそのままに置いておいてどうかということになりますと、やはり話は別でございまして、観念的であるというおしかりはあるかもしれませんけれども、諸外国の例を見てみましても、まあ一番似ておると申しますか、私が思いついただけのことでございますけれども、カナダなどは、やはり合同の委員会を作りまして進めておるわけでございます。関係者の中でも、この問題に対する一般の認識が低いとか、あるいは自分たちの立場からいってもなかなかうまく進まないとかというようなことにむしろ悩んでおるような現状でございまして、まことに残念なことでございますけれども、この審議会に寄せる期待が相当大きいという実情でございますことを申し上げておきます。
#97
○鶴園哲夫君 この勧告の一番目にありますように、「海洋資源開発利用のため、基礎研究を強化拡充するとともに海洋資源に関する総合的な実態調査を大規模に実施する」というような、こういうような眼目は、審議会を作りますときに、何か切れているのですね、私冒頭に指摘をしたわけですよ。そういたしますと、先ほど申し上げたように、伝統的に非常に特殊に発達しているそういう調査研究を持っているところにおいては不安が生ずるのじゃないか。たとえばこの審議会の結論として機構の問題が出るかもしれないというお話ですね、かりに海洋に関する総合研究所みたいなものが創設されるというようなことに相なる、こう想定いたしますと、最もおくれておるところはどこかといいますと、これは海底資源ですよ、一番おくれておるところは。そうしますと、実質的には海底資源という調査研究になるのじゃないか。あなたのところは日の目を見ないから、実際それを作るためにそういう研究所ができるのじゃないか、こういう懸念をしているのじゃないですか。そうじゃありませんですか、各省庁。私そういう気がするのですがね。
#98
○政府委員(島村武久君) 私どもの思いもかけませんでしたようなお尋ねでございまして、ちょっと急にお答えも何でございますけれども、先ほど来申し上げておりますように、私どもといたしましては、何か総合調整というようなことによりまして、それぞれ進んだ技術なり研究なりをやっておられるところを抑制しようというような意図は毛頭ございません。特に資源調査会で勧告しておられます基礎的な研究というような面につきましては、これは各省庁とされても、研究も同時に並行してやっておりますものの、やはり現在のところでは、大学における基礎研究といったようなものが、かなり海洋問題につきましても大きなウエートを持っておるわけでございます。その大学における研究自体が、聞きますところによりますと、やはり相当、何と申しますか、研究施設その他の面で劣っておるそうでございます。実はこの審議会を総理府に置くことにしたいと申します願望の一つの理由といたしましては、大学の基礎的の研究というものとのタイアップをはかって参りたいということにあるわけでございます。もちろん審議会のことでございますから、大学の研究をどうこうということではございませんけれども、そちらとも十分な結びつきをはかって参りたいというところに一つのねらいがあるわけでございます。従いまして、資源調査会の御答申の中で、基礎的の研究方面を重視しろとおっしゃっておりますことも、この審議会が生まれますことによりまして、そちらの方向へ進んでおるということが申せるのじゃなかろうかと考えるわけでございます。
#99
○委員長(吉江勝保君) 速記とめて。
  〔速記中止〕
#100
○委員長(吉江勝保君) 速記つけて。
#101
○千葉信君 それじゃ総務長官にお尋ねいたします。いずれ行政管理庁の長官が今お見えになるそうですから全般的の問題については、行管長官の答弁を聞いてからお尋ねすることになりますけれども、一つだけ総務長官にお尋ねしておきたいのは、何か閣議の席上で、行政組織の一環としての審議会、協議会ないしは調査会等の存廃について一応の結論があったようですが、そのうちのあなたの所管にかかわるところの暴力犯罪防止対策懇談会の存廃等の問題についてはどういうふうになりましたか。それからまずお尋ねしたいと思います。
#102
○政府委員(藤枝泉介君) 後ほど行管長官がお答えいたすと思いますが、実は、審議会その他の審議会類似の問題につきまして、閣議できめたのではございませんので、行政管理庁としてそれの取扱い方を各省庁に通知をするという形をとったわけでございます。従いまして、具体的にどういう懇談会あるいは審議会、調査会等をどうするというようなことはないわけでございます。そういう行政管理庁の方針に従いまして、ただいま具体的におあげになりました暴力犯罪対策懇談会につきましては措置いたしたい。ということは、要するに、この懇談会というような名前でも、前々から千葉さんが御指摘のような形のものであるならば、それは廃止する、あるいはこうしたものが必要とあるならば法律によるということについて目下研究をいたしまして、至急に結論を得たいと考えている次第であります。
#103
○千葉信君 答弁はだいぶ私の了承できる線に近くなりましたが、はっきりしておきたいのは、そのお答えのありました暴力犯罪対策懇談会、その懇談会の開会の予定日は四月の二十五日になっている。過去も二回、はっきりこの問題については法律によることにするという総理大臣の答弁があったあとで、まだ脱法的に二回もその懇談会を開いています。四月二十五日に開かれるとすれば、今度がちょうど三回目になります。今の御答弁を忠実に実行するということになれば、廃止するなり、もしくは存置するとしても、成規の方法をとったあとでなければやらないのが当然だと思うんですが、その点についてはいかがですか。
#104
○政府委員(藤枝泉介君) ただいま申し上げましたようなことで研究をして、至急に結論を得たいと考えておりますので、従いまして、それに従いまして予定されていると今おっしゃいました開催等につきましても、はっきり結論をつけたいと考えております。
#105
○千葉信君 重ねてお尋ねしておきますが、はっきり結論をつけたいという意味は、今までのようなルーズな格好で、極端に言えば法律を無視した格好でやってきたことを、この際はっきりと、国会における審議の経過にかんがみて、はっきりするということは、もしやるとすれば、法律に基づいたものに切りかえてからやる、そうでなければやらないということでなければはっきりならないんですが、そう了解していいですか。
#106
○政府委員(藤枝泉介君) さような意味においてはっきりしたいと思います。もちろん、いろいろ総理と千葉先生とのやりとりその他についての内容については、もうすでに御承知のことでございますから申し上げませんけれども、そういう意味においてはっきりしたいというふうに考えております。
#107
○千葉信君 これ以上は追及しませんけれども、もしただいまの答弁がなかなか上手な答弁をされていて、場合によればやることがあるかもしらぬという不安を私に起こさせる答弁ですが、そういう事実がもし発生したら、そのときには私は絶対に容赦せずに追及するつもりですから、それを申し上げて私はこの質問は打ち切っておきます。
#108
○委員長(吉江勝保君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#109
○委員長(吉江勝保君) それじゃ速記をつけて。
 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#110
○委員長(吉江勝保君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。村山君から、委員長の手元に修正案が提出されております。本修正の御意見は討論中にお述べを願います。なお、御意見のおありの方は、原案並びに修正案に対する賛否を明らかにしてお述べを願います。
#111
○村山道雄君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題になっております総理府設置法の一部を改正する法律案に対する修正の動議を提出いたします。
 修正案を申し上げます。
   総理府設置法の一部を改正する
   法律案に対する修正案
  総理府設置法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。
  附則中「昭和三十六年四月一日」を「公布の日」に改める。その修正の理由は、この法律案の附則では、「この法律は、昭和三十六年四月一日から施行する。」とありますが、四月一日はすでに経過してしまいましたので、「この法律は、公布の日から施行する。」というように修正する必要がございます。
  よって、ここに修正案を提出する次第でございます。
 右の修正部分を除く原案に賛成いたしまして、私の討論を終わります。
#112
○千葉信君 私は、この法律案に、党を代表して賛成いたします。
 ただ、しかし、この法律案審議の過程において問題となりました国家行政組織法第八条に違反する類似の付属機関が総理府内にも設置され、名前は暴力犯罪防止対策懇談会でございますが、この委員会の審議の過程において、政府の答弁として、はっきりその立論の正しさを認めて、近く法律をもってこの懇談会を規制するという答弁をしながら、過去二回にわたってその懇談会をその答弁以後において開催したということについては、私は政府の態度として絶対に了承できないものでありますが、しかし、ただいまの総務長官の答弁から見ましても、また、伝えられる政府の方針から見ましても、政府としては、この問題については近く善処をするという態度を表明されましたので、私は一応その問題は解消に近づきつつあるという判断のもとに、本案に対しては、賛成の意を表する次第です。
#113
○委員長(吉江勝保君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#114
○委員長(吉江勝保君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより総理府設置法の一部を改正する法律案について採決に入ります。
 まず、討論中にありました、村山君提出の修正案を問題に供します。村山君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#115
○委員長(吉江勝保君) 全会一致でございます。よって、村山君提出の修正案は可決せられました。
 次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部を問題に供します。修正部会を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#116
○委員長(吉江勝保君) 全会一致でございます。よって、本案は、全会一致をもって、修正すべきものと議決せられました。
 なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#117
○委員長(吉江勝保君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 午後は二時再開することとし、これにて暫時休憩いたします。
   午後零時三十五分休憩
   ――――・――――
   午後二時二十四分開会
#118
○委員長(吉江勝保君) これより内閣委員会を再開いたします。
 科学技術会議設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましては、すでに提案理由の説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 政府側出席の方は、池田科学技術庁長官、島村官房長、久田計画局長でございます。
 御質疑のおありの方は、順次御発言願います。
#119
○伊藤顕道君 長官に、まず、この科学技術会議が三十四年に設置されたわけですが、一体どういう理由で設置されたか、本法案審議にあたって、一言確認して入りたいと思いますので、大臣からお聞かせいただきたいと思います。
#120
○国務大臣(池田正之輔君) 最初にできましたときには私はおりませんでしたが、要するに、わが国の科学技術行政の総合調整を主たる目的として科学技術庁ができ、それの支柱となって今後の科学技術というものの振興方法、あるいは総合計画といったようなものをここで審議いたしまして、その意見に基づいて今後の科学行政を行なっていく、こういう趣旨だと思います。
#121
○伊藤顕道君 科学技術の全分野にわたる施策の総合ということ、それと結局科学技術の政策の面で一貫性を持たせる、こういう目的で、あの当時科学技術審議会があったのを、それを廃止して、三十四年にこの科学技術会議を設置したと、われわれはそう記憶しておるわけですが、そこで、この科学技術会議によって科学技術の振興をひたすら科学技術庁としてはばかろうとしておるわけですが、いろいろ問題はあろうと思いますが、当面最も壁になっているものは一体何であるか、そういうものをまず明らかにしておきたいと思います。
#122
○国務大臣(池田正之輔君) これは非常に御認識のように幅が広いので、一つ一つ切り離してというわけにいかない、それぞれ皆関連性を持っております。しかし、とりわけてこれを推し進めていくためには、御承知のように、まず人材の養成ということから始めなければなりませんし、それを基幹にしまして、その上に立っていろいろな研究その他拡大強化していく、こういうような方向でいかなければならんと思います。
#123
○伊藤顕道君 ちょっと私のお尋ねの面と食い違っておるんですがね。私今お伺いしたのは、私学技術会議を設けて、科学技術の進展に科学技術庁として努力されておると思う。その科学技術の振興にあたって、一体どういうものが壁となっておるか、支障となっておるか、そういうものがあれば、このことをまず明らかにしていただきたい、そういうことなんです。
#124
○国務大臣(池田正之輔君) 壁になっておると申しますと、これはまず技術者を養成いたします。これも大きな一つの課題になっておるでしょう。それから研究設備その他に対して、いわゆる予算の面でも十分にはまだいってないということもあるでしょうし、そういったようないろいろな壁があると思います。
#125
○伊藤顕道君 この科学技術会議の構成については、議長に総理大臣が当たって、大蔵大臣、文部大臣、それと経済企画庁、科学技術庁の長官、日本学術会議の会長、それと科学技術に関して特別なすぐれた識見を有する者、これが三名、計八名で構成しておると思う。今回の改正案は、そのうち科学技術に関して特別なすぐれた才能を持った方二名を増員しよう、そういうことであろうと思うのですが、それで、ここでお伺いしたいのは、この二名は非常勤にしてあるんですね、二名、しかも、これは非常勤。その根拠は那辺にあるのか、その辺をお伺いしたいと思う。
#126
○政府委員(久田太郎君) 私から御答弁させていただきます。
 今回の増員にあたりまして、増員される二名の学識議員の方を非常勤といたしましたのは、現在第一線で御活躍の方に早急にお願いをしまして、増強をしたいという趣旨からでございます。
#127
○伊藤顕道君 今の点でも明らかなように、特別な識見を有する者二名、しかも、これは非常勤ということであるわけですが、専門委員には何ら手をつけていないようですが、専門委員は現在のままで別に強化しない、このままでいくつもりのようですが、それで差しつかえないのかどうか。
#128
○政府委員(久田太郎君) 専門委員につきましては、それぞれ部会に専属していただきまして、専門事項を調査していただくことになっておりますが、これはあくまで専門的な事項の御調査でありまして、議員となりますと、非常に高い識見を持たれて、もちろん一つの分野で深い御経験、知識をお持ちではございますけれども、全般的な、科学技術全体に対する高い識見をお持ちの方という趣旨でございますので、専門委員とはその点性格的に異なるのではないかと考えております。
 なお、専門委員につきましては、先般諮問第一号に対する答申を御審議願う段階で、総合部会の下に五つの分科会を設けまして、専門委員をそれぞれその下にお願いしたわけでございますが、一応答申の第一段階が終わりましたので、これらの分科会に専属されておられます専門委員については、一応そのお仕事を終わっていただいたということになっております。
#129
○伊藤顕道君 二名の議員増員ということの理由として、最近における科学技術の発達はまことに目ざましいものがある、幾多の新機軸を開いておる、そういうような意味の御説明があったわけです。ここのところでいうところの幾多の新領域というのは、一体どういう点をさしておられるか、もちろん詳しく言うと膨大なものになりますが、骨組みだけ、一体おもなものはどういうような面であるか、これをまず確かめておきたい。
#130
○政府委員(久田太郎君) この分野という点でも、いろいろなカテゴリーがございますが、まず科学技術そのものの分野ということに限定して一、二の例を申し上げますと、たとえば最近における宇宙科学の進展というものは、一月ごとに新しい展開が見られるということでございますし、しかも、これがエレクトロニクスを初め、いろいろな分野――生物学に及ぶまで、いろいろな分野にまで広く関連をしておるという点なども一つの著しい特徴であろうと思いますが、なお、一つ例を申し上げておきますと、最近における生物学とその他の物理科学、いわゆるイグザクト・サイエンスと申しますか、そういった面との中間領域などが非常に新しい展開を見せて参りまして、たとえば昨年は日本にも生物物理学会というものが発足いたしまして、この面での研究の今後の発展を非常にわれわれに期待させておるわけでございますが、一、二の例として申し上げますと、そういったものがあげられるかと思います。
#131
○伊藤顕道君 昭和三十三年の七月十四日に、その当時の三木科学技術庁長官が、そのときの兼重日本学術会議会長に照会を出しておるわけです。そこで、兼重会長が本会議を開いてその意見を報告しているわけです。この内容を見ますと、非常に重要な要素が含まれておるわけです。たとえば二、三拾ってみますと、一つには科学者の意見を尊重すること、それと学問、思想の自由を守ること、あるいは大学の自治を尊重すること、科学研究に対する基礎部門の役割を重視すること、まあこういう点について先般文部省に勧告を出されたと思うのですが、さらには科学技術の発達については、特に総合性を留意されること、まあこういう意味の報告がなされておると思う。これはいずれも非常に重大な要素を含んでおると思うのです。そこで、科学技術庁としては、こういう報告に対して、これをどのように受けとめ、どのようにその後措置しておられるか、大臣としての、長官としてのお考えをお聞きしておきたいと思うのです。
#132
○国務大臣(池田正之輔君) お答えいたします。
 これは当然科学者の意見、あるいは学界の意見というものは尊重しなければならない。従って、科学技術会議におきましても、あるいはその部会、あるいはその専門委員会等におきましても、学術会議等の主要なメンバーの方方に入っていただいて、緊密なる連絡をとりながらやっております。いずれもその当時の、ただいまの御意見の通りに、その方向に進めておるつもりであります。
#133
○伊藤顕道君 この日本学術会議との連携は非常に大事なことだと思うのです。まあ一つには、幸いなことに日本学術会議会長が議員になっておられる、こういうことで連携は保たれるわけですが、その他一体両者の連携についてどのように考えられて、どのように実施されておるか、具体的の面をお伺いしたいと思います。
#134
○国務大臣(池田正之輔君) 現在学術会議連絡部会の方に学術会議の方から十二名の方が参加していただいて、そこで熱心に審議を願っておるというのが実情でございます。
#135
○政府委員(久田太郎君) 補足的に御説明させていただきます。
 学術会議との連携につきましては、ただいま先生からもお話がありましたように、学術会議の会長が議員としてお入りをいただいておるほかに、専門委員としましては、先般の一号答申を御審議願う段階で、当時の学術会議の会員の方、会長も合わせまして十九名の方がこれに御参画をいただいております。ところが、昨年の暮れに学術会議会員の改選がございまして、その際に、会員に立候補することを御辞退になった方などがその中から出て参りまして、現在はたしか十二名になっておるかと存じますが、いずれにいたしましても、学術会議連絡部会を、今までに科学技術会議発足以来、十三回開催いたしておりまして、最近では、大体毎月一回ぐらい連絡のための会議を持っておりますが、しかし、たとえばこの前の一号答申を御審議願ったような、特別な重要案件をかかえておりましたような時期には、そのほかにいろいろな別途の説明会、懇談会等を開催いたしまして、できるだけ学術会議の御意見が科学技術会議の方に反映するように努力いたして参りました。
#136
○伊藤顕道君 政府の科学研究に対する投資はあまりふえていないけれども、民間企業の研究投資が相当大幅にふえておる、こういう意味の統計を科学技術庁として三月九日に発表されておるわけです。こういう事実に対して、長官としては一体どういうふうにお考えになっておるのか。このままで一体日本の科学技術の発展が期待できるのかどうか、こういうことについて長官としては一体どういうふうにお考えですか。
#137
○国務大臣(池田正之輔君) 御承知のように、日本の科学技術というものは、日本は伝統的に科学に弱い、私だけが弱いのでなくて、日本全体として弱いのであります。これは民族の歴史なり伝統というものがありまして、従って、たとえば戦争によって日本の財閥が解体され、三井、三菱が解体されても、何一つ残らなかった。今日アメリカを初め、世界の自由主義国家の財閥を解体したならば、おそらくりっぱな研究所が残るでありましょう。日本にはそれがなかった、これが現実の姿じゃなかったかと思います。従って、そういう伝統の上に立った日本の科学技術というものは非常に弱い。しかも、民間業者が自分で金を出して研究するといったような、そういうならわしといいますか、それがなかった。しかし、それでは今日では競争ができないというので、最近民間でも相当な研究費をつぎ込んで、りっぱな研究所を建ててどんどんやり出したということは、まことに喜ぶべき傾向だと思います。しかしながら、まだソ連やアメリカはもちろんのことでありますが、ヨーロッパの国々に対比いたしましても、はるかに遠いというのが現状でございます。従って、今後科学技術庁といたしましては、政府自身の研究機関の拡充も当然でございますが、民間のそうした傾向を大いに助長せしめていきたい、かように思うわけであります。
#138
○伊藤顕道君 総理府統計局の三十四年度の統計を見ますと、科学技術研究調査で、国公私立の研究機関あるいは大学、こういうものと民間会社の施設したものとの統計が出ております。これを拝見いたしますと、自然科学研究費として推定約千四百九十億、これは前年度の七百九十億に比べると、約二倍にはね上がっております。全体として見ると非常に倍率がいいわけで、たのもしいわけですが、さて国の面を見ますと、これはまことに貧弱で、二割しか伸びていない。ところが、民間の面については約二倍の伸長を示しておる。非常にむしろ逆な傾向がうかがわれるわけです。まず国が率先して金をかけなければならぬ。科学技術の振興については、全国民が期待していると思うのです。こういう面で、実際の数字は、かような貧弱な数字しか示しておらないわけです。これについて科学技術庁長官としても、相当責任があろうと思う。こういうことではなかなか期待できないと思う、科学技術の振興は。この点についてどういうふうにお考えになるか。
#139
○国務大臣(池田正之輔君) 御承知のように、私が就任いたしましたときには、もうすでに三十六年度の予算の折衝が始まっておりまして、残念ながら、自分の意思というものは十分これに織り込むことができなかったわけでありますが、しかし、予算内容から見まして、金額の上では、今、伊藤委員が指摘されたような程度のものでございますけれども、内容の点になりますと、たとえば新技術開発事業団でありますとか、あるいは理化学研究所の移転、拡充の計画とか、これも予算化いたしましたし、そういったようなこまかなようでありますけれども、これは非常に明年度から予算が膨大に広がっていくという性格のものも幾つか取り上げまして予算化いたしております。従って、今後われわれの努力次第で相当これは伸ばさなければいかぬと、かように考えておる次第でございます。
#140
○伊藤顕道君 さらに民間会社の研究費を調べてみますと、化学とか電気機械、輸送機械、鉄鋼、機械工業、こういう五大産業が約六七%を占めている。研究者については約四万、一人当たりの研究費は二百二十三万円、もし間違いがあったら御訂正いただきたいと思いますが、まあこういうような数字が見られるわけです。これに比べて、研究機関では一人平均して百七十九万円、大学ではさらに減って百十一万円、こういう状態になっておるわけです。この事態を一体どう見られているのか、このままでよいのか、とうていこういうことでは科学技術の振興は期待し得ないと思うのです。この点いかがですか。
#141
○国務大臣(池田正之輔君) これは当然ふやしていかなければなりませんのでありますが、数字的なことになりますので、これは局長から一つ説明させていただきます。
#142
○政府委員(久田太郎君) ただいま御指摘になりましたように、民間の研究分野における研究者一人当たりの研究費に比べて、一般の研究所、大学における一人当たりの研究費は低位にあるということは非常に遺憾なことでありまして、今後さらにこれの増強をはかる必要があると思いますが、三十四年度に比べまして、三十五年、三十六年と、逐次その点における増強もはかられてきている状況ではございますが、しかし、民間における伸びもその間に相当ございますので、その辺の統計はまだ出ておりませんので、はっきりしたことは申し上げられませんが、逐次大学、研究所における研究費の絶対額並びに研究者一人当たりの研究費も増加しつつあることは事実であると存じます。
#143
○伊藤顕道君 この研究費総額を、三十三年度の外国のそれと比較してみますと、今一部については長官からも御指摘がありましたが、まあアメリカと比較すると、アメリカは三兆六千万円、フランスが二千三百億、西ドイツでも二千億、こういう数字を示しておるわけです。また、人文科学の研究費についても二百二十二億で、一人当たりが六十万円にすぎない、こういうさびしい現状なのです。いかにも貧弱で、これではどうにもならない。まあこれはすべてに言えることですが、たとえば大学院の学生には、身近の問題でよく知っているわけですが、研究室どころか、研究施設は何もない。なおおどろいたことには、将来の大学の教授と目されているその大学院の学生に、机一つ当てがってない、これがまあ一例を申し上げると現状であろうと思うのですね。こういうことではなかなか科学技術の振興は、ただ笛吹けど踊らずで、なかなか期待できないと思う。こういう点については一体どういうふうにお考えですか。よほど抜本的な計画を講じない限り、科学技術の振興は期待できないと思うのですが、こういう実情では。
#144
○政府委員(久田太郎君) ただいま御指摘になりました通り、大学における研究の状況は、まだ研究費等の面で戦前の水準に達しないということが非常に問題でございまして、この点につきましては、科学技術庁の所管からは大学における研究という問題ははずされておりますけれども、科学技術会議というチャンネルにおきまして、これら大学の研究環境の整備強化ということを強力に今後とも進めて参りたいと考えております。
#145
○伊藤顕道君 大学の教育の面が科学技術庁の所管でなく、文部省の所管であるということは私も承知しておるのですが、ただ間接には、やはり科学技術の基礎教育の基盤の確立という点でやはり関係が深いと思うのです。そういう意味合いから、三月十一日に池田長官が文部省に対して勧告をなさっておる。この根拠は、おそらく科学技術庁設置法の第十一条三項によってであろうと思うのです。これを見ますと、十一条三項には、「長官は、科学技術の振興及び資源の総合的利用を図るため特に必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し科学技術の振興及び資源の総合的利用に関する重要事項について勧告することができる。」これは私の記憶によれば、科学技術庁として文部省にかような勧告をしたのは、おそらく初めてであろうと思う。こういう点については敬意を表するわけです。よくやっていただいたと思うのですが、そこで、これは以下文部省に関係が深いと思うので、文部省の所管の問題で、実はこの審議にあたって、長官並びに文部大臣の御出席を要請したわけです。そうでないと、なかなかこれが明らかになりがたいと思って御出席を願ったわけですが、文部大臣は見えない。それでは大学学術局長が担当であろうと思うので、学術局長の御出席を要請したわけです。学術局長は、きょう御病気で欠席だということで、そういうことになると、私これからの質疑については、質問を進めることができないわけです。そういうことでごく若干にとどめて、また次回に文部省から責任者の御出席をいただいて、長官と相並んでいただいて、その上でいろいろお伺いしたい、そういうふうに考えますので、本日はごく一部にとどめておきたいと思うのですが、そこで、この十一条のさらに四項に、「長官は、前項の規定により関係行政機関の長に対し勧告をしたときは、当該行政機関の長に対し、その勧告に基いてとった措置について報告を求めることができる。」せっかく勧告なさったのであるから、基礎教育の基盤を確立強化される、そういうねらいであったと思われる。それは非常に私ども同感なんですが、そこでお伺いしたいのは、せっかく勧告なさったのだから、その勧告に対してとった措置についても報告を求めることができることになっておりますから、報告を求めておられるかどうかということを長官にお伺いしたい。
#146
○国務大臣(池田正之輔君) 実は、まだ報告は求めておりません。しかし、実は文部大臣といろいろきょうも若干折衝いたしたのでありますが、文部省、文部官僚というのは、なかなかこれはわれわれの目から見ますと妙ちきりんな役所でございまして、文部大臣も手をやいているのじゃないかというような感じもいたします。そこで、若干の時間を今日まで実はかしてきたのでありますが、私の最初のねらいのような方向にいくかと思ったら、いきそうもないような点もあるし、そうなっていきますと、私としてもこれは重大な政治的な責任を感じますので、今後どういう措置をとるかということについて、若干時間をかしていただきたいと思います。
#147
○伊藤顕道君 そうしますと、この十一条三項によって勧告をなさったそのことについて、勧告したことについて、その後当該官庁、この場合は文部省ですが、文部省がその勧告を受けとめて、どういう措置をとられたか、それの報告を求めることはできるのであるけれども、今のところ、まだ報告を求めておられない、そういうふうに了解していいわけですか。
#148
○国務大臣(池田正之輔君) その通りでございます。
#149
○伊藤顕道君 私は今も申し上げたように、科学技術庁長官が、かつてないこの法を活用せられて、何とかして日本の科学技術を振興したいという、そういう熱意から勧告されたそのことに対しては敬意を表することは先ほど申し上げたのですが、そういう観点から同感であるわけですが、さらにこの十一条五項によりますと、内閣総理大臣に具申して、さらに勧告の趣旨を徹底させることができるわけですね。これを念のために読んでみますと、十一条の五項では、「長官は、第三項の規定により勧告した重要事項に関し特に必要があると認めるときは、内閣総理大臣に対し当該事項について内閣法第六条の規定による措置がとられるよう意見を具申することができる。」こういう規定があるわけですね。そこで、ほんとうに科学技術庁長官が日本の科学技術の振興に熱意を持たれて、しかし、その一つの大きな隘路として、文部省所管である科学技術の基礎教育が非常にまだ十分でない、そういうことに着目せられて、事実上三項によって勧告なさったいうことであるならば、今続けて申し上げた四項について、その受けとめた文部省に、さらに勧告に対する措置を報告させる、そういう責任があろうと思う。さらには、それを徹底するために内閣総理大臣にその趣旨を具申して、これの徹底を期さなければ、ただ言葉のやりとりで、ただ勧告したということだけでは目的が果たされぬと思うのですね。そういうことについてせっかく勧告なさったのだから、これはいまだかつてない、非常に思い切った善政であろうと思う。しかし、そういう意味合いから、これを徹底させなければ意味がないと思うのですね、そういう意味で十二分な御決意のもとに勧告されたのであろうから、これを徹底させるという御気慨も当然お持ちであろうと思いますけれども、一つその辺の決意のほどをここで伺っておきたいと思うのです。
#150
○国務大臣(池田正之輔君) これは勧告文にありますように、先ほど御指摘になりました科学技術会議の答申にもございますように、日本の科学技術者というものは、これからの十年の間に、約大学卒業者が十七万人必要とするということが要請されております。ところが、文部省の計画によりますと、これが入学者が、短大を入れまして、十万とちょっとであります。今数字ははっきりしませんが、十万三千でございましたか五千でございましたか、ところが、これは入学者でございまして、文部省が世間に発表しておるのは、この入学者の数をいっておるのです。七万三千とか、これは短大を除いた大学だけの入学者の数です。そこで、これをさらにあらってみますと、短大をも含めて、この十年間に卒業する人が五万六千九百三十二人という数字でございます、全部卒業するとしましてですよ。その中からロスを引いていきます。途中で脱落する者も出てきます。それから、せっかく卒業しても親の職業を継いだり、そういう工場や研究所や何かの職場につかないで、新聞記者になるのもあるでしょうし、いろいろありまして、そういうロスを見ますと、どうしても二割ないし三割ロスが出てくる。そうなってくると、卒業して工場なりそういう実際に必要な職場につく人員というものは四万人内外しかない。十七万人の要請に対して四万人しかないということは、これは政府が言っておる十カ年計画というものに重大な支障を来たすわけです。これは明瞭な事実なんですね。そういうものを前にして文部省はどういう措置をとったかといいますと、これは文部大臣おってくれれば一番いいのですが、きょうは残念ながらいませんが、大学というのは、御承知のように、国立の大学と、それから公立の大学があります。東京、大阪あるいは名古屋市とか大阪市といったような公立の大学があります。それから私立大学もあります。この三色あるのです。国立と公立と私立と三つあるのです。ところが、文部省のやっておる仕事を見ますと、国立だけ一生懸命やっておる。そして公立や私立に向かって一つも呼びかけもしなければ、協力も求めていない、この実態を私は怒るのです。なぜ一体文部省はこういうばかなことをしているのか、そこでこれをやれと、こう言っておるのです。ところが文部省は、予算がもうすでに通ったからやれないと、こう言うのです。予算が通ってもやれるじゃないか、予算がなくてもやれる面があるじゃないか、それは何だといいますと、公立だって、話の持って行き方では、これはやります。私は最近二、三地方を回りますと、各県の名前はいいませんけれども、工科大学を作りたいから一つ骨折りを願いたいといって、私のところに二、三の県からきております。そういうところには全然呼びかけていないのです、文部省は。それから私立大学は、これはまた呼びかけていない。むしろこれは規制法を設けて抑制している、これがけしからんといって私は怒っている。そこで、しからば予算なしでいける方法があるかというと、いける方法があるのです。それは何だというと、今やもう四月の半ばになりましたから、もうすでに時期はおそくなりました。公立はもう大体だめでしょう。しかし、私立はこれからでもやって、五月中には開議できます。新しい大学をぽつんと建てるのは、これはむずかしいでしょうけれども、現在ある、あるいは早稲田なり慶応なり、あるいは日大なり、それらの大学の科目をふやす、電子工学をふやす、あるいは物理学をふやす、科目をふやすということは、これは自由にできます。教授陣もおります。それをふやさせない。なぜそれに対して協力を求めてやらぬのか、それをやれば、たちどころにことしだけでも何千人というのがふえるはずなんです。それを文部省はやっていない。
 そこで、あなたが今御指摘になったように、第四項あるいは第五項を発動してやったらいいじゃないかというふうにお考えになるかもしれません。私は、そうじゃなしに、今実はこの残されたたった一つの私立の大学、予算なしでふやせる面、ことしは金がないから自力でやってくれないかといえば、これは各大学で、私の手元にきているのは七つ、八つあります。これだけでもすでに五千人を突破しております。これも文部省が許可すればいけるようになっております。それを文部省がそんなことをいっておる。文部官僚というのはけしからんやつです。これは文部省の属僚政治というものは、まことにわれわれは見るにたえない。何とかしてこの機会にこの文部省の属僚政治の壁を突き破らなければ、日本の科学技術ということはできないのです。そこで、私は、そういう報告を求めるとか何とかという形式的なものよりも、ここで勝負しようというのが私の決意であります。
#151
○伊藤顕道君 今、長官の言わんとする趣旨は私ども同感なんで、ただ十一条三項によって発動されたわけですね、勧告を。ただ四項、五項については、それの徹底を期すための規定がここになされておらぬ。しかし、規定の有無にかかわらず、文部行政については遺憾の点が多いから、ここで見せたあなたの心がまえでもって、ここで十二分に科学技術の基盤を育成していきたい、そういう決意を今語られたと思いますので、ぜひ一つ委員長にも要請申し上げますが、次回の当案審議に際しては、必ず文部大臣と長官とあわせて御出席いただいて、その場で十二分に、徹底して日本科学技術の振興のために万全を期したい、そういうふうに考えますので、本日のところは、そういう意味合いがございますので、残念ながら一応打ち切って、本日は質疑を終わります。従って、委員長は、次回は必ず文部大臣、長官が必ず御出席下さるよう、特別の配慮をいただきたい。
#152
○高瀬荘太郎君 関連して。科学技術の振興の障害の一つの重大な点が、おっしゃったように、予算の不足ということは確かにあると思うのですが、それを補充する意味で、民間方面から寄付金とか補助金というのが、今までも相当出されておったわけです。今後も大いに出そうというものが相当あると思うのですが、それについて所得税免除の件が非常に重要な関係を持ってきておると思うのです。そういう点も大いにゆるやかにしようという方針だと政府はいっておるようであります一が、そういう点についてどんなふうにお考えになりますか、伺いたいと思います。
#153
○国務大臣(池田正之輔君) 今回の予算編成にあたりましても、若干そういう面で免税措置をとったりした点もございますが、まだ残っておる点もございますので、具体的には、一つ局長から。
#154
○政府委員(久田太郎君) 今、手元に資料を持っておりませんが、たとえば大学あるいはその他の教育研究機関等に対する寄付金の損金算入範囲の拡大等の問題につきましても、従来のワクのほかに、資本金の千分の二・五と、それから法人所得の百分の二・五を加えましたものの二分の一を特別ワクとして新しく設けまして、その限度までは免税にする等の措置を三十六年度から講ずるようにいたしております。
#155
○高瀬荘太郎君 そんなふうに拡大されていくこともむろんけっこうでありますけれども、それは特に大蔵省に免税申請をしないでもできる範囲の拡大じゃないかと思うのです。しかし、それだけじゃはなはだ不十分じゃないか。もっと大蔵省に対して免税の申請をしないでもできる所得税免除が行なわれるというようなものを大いにやる必要があるだろうと私は思うわけであります。しかし、まあこれは科学技術庁で決定できないことで、結局大蔵省で決定するでありましょうが、科学技術庁としてその点大いにがんばって、大蔵省を動かしていただきたいと思うんです。
 それから科学技術庁として、大学なり、あるいはいろいろな研究機関に委嘱研究というものもやっておられるんですかどうか、伺います。
#156
○政府委員(島村武久君) 過去において全然やったことがないというわけではございませんで、研究の委託をいたしたこともございます。しかしながら、それは非常に活発に行なわれておるというほどではございません。実は国立大学につきまして、当初からそのような計画が予定されておりますような場合には、大学においてそのような研究をやられるということでありますと、実は大学から、文部省を通じまして、大蔵省に予算を要求いたしまして、そして大学の予算としてとられた上で研究されるというのが一応の筋になります。科学技術庁が予算をとりまして、それをいわば横あいから大学に流すということは、やや変則な形になるわけでございます。従いまして、国立大学に対しましては、原則として、その大学から要求していただくというような形で運用されております。ただ、それはあくまで原則でございまして、いろいろな特殊の事態に応じましては、やはり研究をお願いしなければならぬという場合もあり得るわけでございます。そのような意味におきまして、非常に活発にやっておるというわけではございませんが、行なわれてもおる、今までに行なわれたこともございますということを申し上げるわけでございます。なお、それは国立の大学について申しますことでございまして、私立の大学等につきましてはさような制限もございませんので、研究委託ということは、今申しましたような意味合いでの障害は何もございません。それも、ただ非常に活発に行なわれておるというほどではございませんが、まあ私立の大学に対しても研究を委託した例はございます。
#157
○高瀬荘太郎君 アメリカあたりの研究機関、あるいは大学の研究所あたりの予算を見ますと、まず七割ぐらいは委嘱研究費だろうと思います。決して大学の予算とか、あるいは研究機関の予算でやっているわけではない。半分以上は外部からの委嘱であります。そしてアメリカの状況ですと、まず軍からの委嘱が大部分でありまして、空軍あたりの委嘱が非常に大きなものだろうと思うのです。日本にはまあそういうものがないですから、むしろ科学技術庁が中心になって予算を大いにおとりになって、委嘱研究というものを大いにおやりになることが非常に必要じゃないか。で、研究所にいたしましても、今のような高度な科学技術の研究ということになりますと、施設が非常に金がかかると思います。何千万円という施設をしなければ、とても精密な研究ができないものがずいぶん多い。そんなことは、とても研究所の予算や大学の予算じゃできません。そこまで科学技術庁で世話をして、施設まで作って、そして研究費を大いに出してやる、そういうふうにしませんと、とてもアメリカあたりの研究に追いつくなんということはむずかしいんじゃないかと思うんです。それと、科学技術庁というものは研究機関を十分持っていらっしゃらないわけです。ですから、いろいろな研究の方針とか必要とかということを会議でおやりになるでしょうけれども、それをどこでどういうふうにやらせるのかというところまでお世話をなさらないと、プランだけできたところで、目的は達せられないんじゃないか、そういう意味で、私は、やはり科学技術庁が研究所を持つということは必ずしも賛成いたしません。大学なりいろいろな研究機関へ委嘱されて、そこにいる権威者に十分の研究費をやり、また、施設も作っておやりになる、それが最も必要じゃないか。まあ池田長官は科学技術振興について非常に御熱心で、大へんけっこうだと思いますが、しかし、今日の予算ではまだそこまでいきませんが、そういうことも一つ今後十分にお考えになっていただきたい。
#158
○国務大臣(池田正之輔君) ただいま高瀬さんから御指摘されたように、大体科学技術庁そのものが、私今度自分で就任いたしまして、これは月足らずなんですね。実はやっていることを見ますと、科学技術の総合といいますけれども、研究機関が各省にまたがっているし、そのあり方、これを御承知のように、イギリスやその他のように、公立の研究機関を全部一本にまとめて、デパートメントにしてやっていくということも一つの方向でありましょうし、そういったようないろいろなことから見まして、今科学技術庁の存在理由というものは、どうも月足らずみたような感じがして仕方がないのです。そういったようなこともあわせて、これからせっかくありまする科学技術会議でいろいろ検討を願っておるわけであります。ことに、ただいま御指摘ありましたアメリカの例のように、つまり大学や何かの研究機関に委嘱して研究するというようなこと、これはつまり俗にいう、いわゆる産学協同−産業と学問と、産学協同と私どもは申しておりますが、これをやはりアメリカのようにスムーズに実行に移していくためにも、実は日本の今の国立の大学の形ではこれはうまく運営できないのでございます。これは先生はよく御存じだと思いますけれども、今の財政法やその他の面で、あるいは研究の自由というようないろいろな問題ができまして、つまり産業界と大学と、現在でも若干はやっておりますけれども、アメリカのように、大きな形のスケールにおいてスムーズにいくかというと、これはなかなかいかぬ。そうなってくると、勢い公立でありますとか私立ということになりますと、これは非常に自由にやっていけるというような面から見ましても、今後日本の理科系統の学校というものは、公立なり私立というものを私は非常に伸ばしていく必要があるのじゃないかという一つの考え方、今の国立のあり方がこのままだとすれば、それしか方法はないというふうなことも一つの大きな課題となって、いわゆる産学協同というもののあり方について、これも今の科学技術会議の一つの大きな課題として取り上げて検討を加えておるところでございます。
#159
○高瀬荘太郎君 今のお話しのような方針で大いにお進めになって、具体的に実行していただけば大へんけっこうだと思うのです。先ほどお話が出ました私立学校で理工学系統の学部を大いに拡大したり新設してやればできる、こういうお考えでありますが、これもやはり予算の問題だろうと思います。まあ予算と人の問題、今の文部省の大学基準に合うような教授の陣容をそろえるということは非常にむずかしいだろうと思います。で、金の方は、さっき申しましたように、産業会社でもって寄付金を技術者に、困っているのですから相当出そうというものが相当あると思う。けれども、まあ出すについては、税金でも免除されるというような特典でもないと、大規模な寄付をなかなかしないのです。ですから、この点を一つ解決していただけば、ほかの点もかなり解決できると私は思うのですが、まあ大蔵省がなかなかむずかしいことだろうと思います。文部省はむろん賛成することなんです。一つ極力大蔵大臣と折衝なすって、その点、つまりそういう方面への寄付金はいろいろなワクを作らない、資本金の何割だとか、あるいは大蔵省へ申請して許可を得るとか、そういうものを一切除いて、当分の間でもいい、五年間でも十年間でもいいのですが、そういう寄付金については一切税金を免除する、こういうふうに何とかなるように十分御推進を願いたい。
 私の質問はこれで終わります。
#160
○委員長(吉江勝保君) 他に御発言もなければ、本案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二十一分散会
   ――――・――――
ソース: 国立国会図書館
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